説明

ノルボルネン系ポリマー、その組成物、及び該組成物を使用するリソグラフィ法

【課題】液浸リソグラフィプロセスに適用する非自己現像型及び現像型のノルボルネン系ポリマー、ポリマーの製造方法、ポリマーを使用する組成物、及び組成物を使用する液浸リソグラフィプロセスを提供する。
【解決手段】液浸リソグラフィプロセスに有用な非自己現像型及び現像型のノルボルネン系ポリマー、このようなポリマーの製造方法、このようなポリマーを使用する組成物、及びこのような組成物を使用する液浸リソグラフィプロセスを提供する。より詳細には、液浸リソグラフィプロセスにおける現像層及びこのような現像層を被覆するためのトップコート層を形成するのに有用なノルボルネン系ポリマー及びそのプロセス。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
(優先権)
この出願は、それぞれ2005年2月23日及び2005年10月21日に出願した「ノルボルネン系ポリマーとノルボルネン系ポリマーを使用するリソグラフィ法」と題した米国仮出願第60/655351号及び同第60/729091号、並びにそれぞれ2005年2月25日、2005年7月7日及び2005年10月21日に出願した「保護フィルム形成物質とそれを使用するフォトレジストパターン形成方法」と題した米国仮出願第60/655901号、同第60/687871号及び同第60/728756号に基づく優先権を主張するもので、上に特定した仮特許出願の全てについて、その全体を出典明示によりここに援用する。
【0002】
(技術分野)
本発明に係る実施態様は、一般に、ノルボルネン系ポリマー、該ポリマーの製造方法、該ポリマーを使用する組成物、及び該組成物を使用するリソグラフィ法に関し;より詳細には、このような実施態様は、該ポリマーを含有する組成物の形成に有用なノルボルネン系ポリマーと、そのようにして形成された組成物に関し、そのような組成物は非現像型保護層、現像型層及びそれらの組み合わせのような液浸リソグラフィ法並びにそのような組成物を使用する液浸リソグラフィ法に有用な層を形成するためのものである。
【0003】
(背景)
従来、より小さな形状を達成するための方法は、より短い波長を有するリソグラフィ線源を選択し、リソグラフィシステムのレンズの開口数(NA)を増加させ、又はこれらを組み合わせることであった。これらの方法は成功はしているが、波長の低減及び/又はNAの増加の各々について、そのような変化の利用に伴う問題を克服することが益々困難になっている。
【0004】
近年、より短い波長、例えば157nmの新しいリソグラフィ線源を選択するよりも、むしろ、現在の193nmの標準的な線源の解像度を液浸リソグラフィ法の使用によって広げることができることが示唆されている。このような液浸リソグラフィプロセスは、リソグラフィツールの最終レンズと露光される基板との間の通常の「エアギャップ」を、例えば水のような流体で置き換えたものである。水は、空気よりもかなり大きい屈折率を有しているので、そうしないと生じうる焦点深度(DOF)の低下を生じさせないで、1を超えるNAを持つレンズを使用することを可能にする。よって、そのようなアプローチ法で45nm以下の最小形状を達成することができると考えられる。
【0005】
しかしながら、マイクロ電子デバイス製造のための液浸リソグラフィを成功裏に実施するには、解決する必要がある新たな問題がある。例えば、典型的には、マイクロリソグラフィプロセス中に露光される基板は、基板の全ての位置を完全に露光させるためにリソグラフィツールレンズに対して繰り返して再配置される。浸漬流体(ここでは「浸漬媒体」又は「IM」とも呼ぶ)が存在すると、この移動に起因して流体残留物が生じ、このような残留物により、かかるプロセスを許容できないものにしうる不具合が増加する結果となるという懸案が生じる。また、流体残留物又は残余物に関し、この問題に対して提案されるあらゆる解決法では、移動速度(スキャン能力)が低下すると、リソグラフィツールが十分に露光させることができる時間当りの基板の数が許容できない程に低減することとなるおそれがあるので、このような移動が現在達成されている速度を有意に低下させてはならないことが考慮されなければならない。
【0006】
IM残余物及びスキャン能力に関する問題に加えて、IMの使用により、層の分解能を低下させるおそれがあるフォトレジスト層に直接接触している流体から生じうる問題に関する懸念が生じる。例えば、このような問題には、特に:1)光酸発生剤(PAGs)及びPAG光分解生成物のような小分子のフォトレジストフィルムからIM中への滲出、及び2)浸漬媒体又はその成分のフォトレジストフィルム中への吸収が含まれうる。
【0007】
液浸リソグラフィに関するこれらの問題また他の問題を解消し又は低減するために研究されている一方法は、フォトレジストフィルムを被覆して配された介在層の使用である。「トップコート」又は「保護層」とも称されるこのような介在層は、よって浸漬物質を受け入れ、上述した技術的問題1及び2に関する何らかの影響を防止し又は大きく低減するように配される。スキャン能力に関して、トップコートの使用により、ツールの移動速度を殆ど又は全く低減させないでIM残余物の可能性を排除するか又は大きく低減させる特定の性質を持つ物質の設計が可能になる。
【0008】
近年、含フッ素ポリマーを包含する幾つかの物質がトップコート層としての使用に対して提案されている。このような物質は、上で検討された問題に関し、ポジティブな効果を奏することが示されているが、その除去のために溶媒を使用することが必要である。下層のフォトレジスト層に現像できるように、あらゆるトップコート層を除去しなければならないため、その除去に特別な溶媒を使用することが必要とされる物質では、このような除去は余分な工程であり、所望されない装置と材料コスト並びに余分の工程が必然的に引き起こす生産性の低下に伴うコストが付加される点で問題がある。
【0009】
よって、直ぐに実施することができる解決法、例えば液浸リソグラフィの場合に生じうる上述した技術的課題に対する解決法を提供することが望ましい。このような解決法は、小分子のフォトレジスト層から浸漬媒体中への滲出の低減又は防止をもたらし、またこのような浸漬媒体のこのような層中への吸収を低減し又は防止するものでなければならない。またこのような解決法は、液浸リソグラフィを、そのような解決法を使用することなく実施した場合に知見されるレベルから不具合を低減することに役立つものでなければならない。更に、このような解決法は、費用効率が高く、使用時におけるスキャン能力を大幅に低減することなく、上述の溶媒除去可能なトップコート物質の場合に観察されるような大幅な代替プロセスを必要とせず、あるいは用いた場合にスキャン能力を大幅に低下させることがないことが望まれる。
【0010】
(詳細な記述)
本発明に係る実施態様は、液浸リソグラフィの上述した技術的課題を解決することを目的とする。このような実施態様は、ポリマー物質、このような物質の製造方法、現像型及び非現像型双方のフィルムの形成に有用なこのような物質の組成物、及びこのようなフィルムを使用する液浸リソグラフィ法を包含する。このような実施態様は、現像層又はフィルムからの浸漬媒体中への小分子の滲出、そのような媒体又はそのような媒体の成分の現像層中への吸収を低減し又は除去し、スキャン能力に重大な影響を及ぼすことなく、基板の全体にわたってそのような現像層の露光中に形成されるあらゆる非保持浸漬流体に起因する不具合を低減し又は除去するものである。このような実施態様がトップコート又は非現像型層を包含する場合、塩基水溶液に可溶性である層を提供し、よって溶媒を使用する別のトップコート除去工程の必要性を排除する。
【0011】
本発明の実施態様のポリマー物質は多環式の反復単位を含む。このような多環式の反復単位は、「ノルボルネン型」と称される場合、以下に示すように、Xが-CH-、-CHCH-、O又はSであり、nが0〜5の整数である置換又は未置換のノルボルネン型モノマーから誘導される単位である:
【化1】

【0012】
「非自己現像型ポリマー(non-self imageable polymer)」なる用語は、基板上で本質的に均一な厚みを有するフィルム又は層に形成した場合、直接照射、例えば193ナノメートル(nm)又は157nmの線源による照射で現像可能ではないポリマー(又は樹脂とも称される)を意味する。
【0013】
「トップコート物質」又は「トップコート組成物」なる用語は、ここでは同義的に使用され、非自己現像型ポリマーを包含する物質又は組成物を意味する。このような組成物は、液浸リソグラフィプロセス中、フォトレジスト層を保護するために、フォトレジスト層上にわたって保護フィルムを形成するのに有用である。保護フィルム(又はトップコート層)は、非自己現像型フィルムである。
【0014】
「現像型ポリマー(imageable polymer)」なる用語は、基板上で本質的に均一な厚みを有するフィルム又は層に形成した場合、直接照射、例えば193nm又は157nmの線源からの照射により、またこれを介して現像され得るポリマー(又は樹脂とも称される)を意味する。
【0015】
「現像型物質」、「現像型組成物」又は「フォトレジスト物質」なる用語はここでは同義的に使用され、現像型ポリマーを含む物質又は組成物を意味する。このような組成物は、パターン形成可能な現像層(又はフォトレジスト層)の形成に有用である。本発明のフォトレジスト物質は、液浸及び非液浸リソグラフィプロセスに有用である。
【0016】
「浸漬物質」、「浸漬媒体」及び「浸漬流体」なる用語は、ここでは同義的に使用され、照射線の集束及び配向に使用されるレンズと基板との間の露光照射線経路の空気を置換するために使用される流体を意味する。図1に示すように、該流体は、空気より大きく、リソグラフィツールレンズと基板上面との間に配された任意の層より低い屈折率を有している。
【0017】
「非保持浸漬物質」、「非保持浸漬媒体」及び「非保持浸漬流体」なる用語は、ここでは同義的に使用され、図1に示すように、リソグラフィツールレンズと基板上面との間に配された浸漬媒体から離間した浸漬物質の部分を意味する。この定義に加えて、「スキャン能力」及び「スキャン速度耐久能」なる用語は、ここでは同義的に使用され、レンズに対して基板が移動する際の相対速度を意味する。浸漬媒体が存在する場合、スキャン能力の測定には、任意の非保持浸漬物質が形成されたかどうかが含まれる。例を挙げると、液浸リソグラフィプロセスにおいて、スキャン能力が高いとは、リソグラフィツールの許容可能な速度の動きで、非保持浸漬物質が殆ど又は全く観察されないことを意味する。
【0018】
「接触角」、「転落角」及び「後退角」は、図2において特定されたような角度を意味する。更に、「転がり角」なる用語は、ここでは「転落角」と同義的に使用される。
【0019】
(ポリマー)
本発明に係る幾つかの実施態様は、以下に示す式I、II、III及びIVの幾つか又は全てで表される反復単位を有する、非自己現像型ノルボルネン系ポリマーを包含する。幾つかの実施態様は、事前に形成されたフォトレジスト層上に、トップコート又は保護層を形成するために、このようなポリマーを使用する組成物を包含する。ポリマーは非現像型であり、それから形成されるトップコート層もまた非自己現像型である。
【0020】
トップコート層は浸漬流体(又は媒体)を受け入れるためのものであり、浸漬流体からフォトレジスト又は現像層を保護又は分離することで、浸漬フォトリソグラフィプロセスを可能とする。すなわち、フォトレジスト層は、それらの間にトップコート層が存在することにより、浸漬流体との直接接触から物理的に除去(分離)されることとなる。このようにして、上述した技術的課題の幾つか又は全てが解消又は回避可能であり、あるいは有利には少なくともその影響を低減することができる。このような問題に加えて、本発明のトップコート層の実施態様は、有利には水性流体と高い接触角を示すことを特徴とし、よって疎水性であることを特徴とする。このような疎水性は、物質と、それに接触する水性浸漬流体との間のあらゆる化学的又は他の相互作用を最小にするために望ましい性質であると考えられる。また更に、このようなトップコートの実施態様は、高い後退角と低い転落角(図2参照)を示し、これはまたそのような物質が高い疎水性を有することの指標となり、よって液浸リソグラフィプロセスに対してトップコート又は保護層としてその使用中に該実施態様が如何に動的に機能するかの指標となると考えられる。よって、他の物質と比較すると、高い接触角及び後退角並びに低い転落角を示すトップコート層を、液浸リソグラフィプロセス中に使用すると、非保持浸漬流体による不具合は、広い範囲のスキャン速度にわたって殆ど又は全く観察されないことが知見された。すなわち、このような実施態様は優れたスキャン能力を有する。
【0021】
本発明に係る幾つかの他の実施態様は、以下に示す式I、II、III、IV、V及びVIの幾つか又は全てによって表される反復単位を有する、現像型ノルボルネン系ポリマーを包含する。幾つかの実施態様は、このようなポリマーを使用する組成物を包含し、該組成物は基板上に配されて、そこに現像層又はフィルムを形成する。現像層を形成するためのこのような組成物は、フォトレジスト組成物又は物質及びフォトレジスト層又はフィルムを形成する層とも称される。
【0022】
本発明に係る幾つかの現像層の実施態様では、このような層は、浸漬フォトリソグラフィプロセスを可能とするように浸漬流体(又は媒体)を直接受け入れることが可能である。他の実施態様では、このようなフォトレジスト組成物が、その上にトップコート層を形成するためのトップコート組成物を受け入れる現像層を形成するために使用される。
【0023】
好適には、本発明に係る幾つかのフォトレジスト組成物の実施態様は、有利には水性流体との高い接触角を示し、よって疎水性であることを特徴とする現像層を提供する。このような疎水性は、物質と、それに接触する水性浸漬流体との間のあらゆる化学的又は他の相互作用を最小にするための望ましい性質であると考えられる。また更に、このような現像層の実施態様はまた高い後退角と低い転落角(図2参照)を示し、これは、そのような物質が高い疎水性を有していることの指標となり、よって液浸リソグラフィプロセスに使用される間、該実施態様が如何に動的に機能するかの指標となると考えられる。従って、他の物質と比較して、高い接触角及び後退角、並びに低い転落角を示す現像層が、液浸リソグラフィプロセス中に使用される場合、その上にトップコート層が形成されていてもいなくとも、非保持浸漬流体による不具合は、広い範囲のスキャン速度にわたって殆ど又は全く生じない。すなわち、そのような実施態様は優れた又は高いスキャン能力を有する。
【0024】
本発明に係る幾つかの実施態様では、式I:
【化2】

[上式中、Xは-CH-、-CH-CH-、O又はSであり;nは0〜5の整数であり;RからRはそれぞれ独立して、水素、直鎖状又は分枝状のアルキル基、又は直鎖状又は分枝状のハロアルキル基を表し、但し、RからRの少なくとも一はQNHSO基(ここで、Qは1〜5の炭素の直鎖状又は分枝状アルキルスペーサーであり、Rは1〜約10の炭素原子のペルハロ基である)である]
で表される少なくとも一の反復単位を含む非自己現像型ポリマーが提供される。
【0025】
本発明に係る幾つかの実施態様は、QNHSO基ではない他のRからRがそれぞれ独立して、水素;直鎖状又は分枝状アルキル又はハロアルキル基、例えば1〜約20の炭素原子のもの、ある実施態様では1〜約12の炭素原子、また他の実施態様では1〜約4の炭素原子のものである式Iで表されるポリマーを含む。
【0026】
幾つかの実施態様では、Qは1〜3の炭素の直鎖状アルキルスペーサーであり、Rは1〜4の炭素原子を含む。他の実施態様では、Q及びRはそれぞれ独立して、1又は2の炭素原子、また更なる他の実施態様では、それぞれ1の炭素原子のものである。典型的には、Rのハロゲンは、F、Br又はIから選択される。本発明の例示的な一実施態様では、Xは-CH-、RからRの一つはQNHSO基であり、他はそれぞれ水素、nは0、Qは-CH-、Rは-CF-である。式Iの反復単位は、一般にポリマーに水性アルカリ溶解性を付与する。
【0027】
本発明に係る幾つかの実施態様では、非自己現像型ポリマーは、式II:
【化3】

[上式中、X及びnは式Iに対して定義した通りであり、RからRはそれぞれ独立して、水素、直鎖状又は分枝状アルキル基、あるいは直鎖状又は分枝状ハロアルキル基を表し、但し、RからRの少なくとも一は、-Q(CO)O-(CH)-R10基(ここで、Qは、任意で、存在する場合は1〜5の炭素の直鎖状又は分枝状アルキルスペーサーであり、mは0又は1〜3の整数であり;R10は1〜10の炭素原子の直鎖状又は分枝状ペルハロアルキルである)である]
で表される第二のタイプの反復単位を含む。
【0028】
幾つかの実施態様では、Qは存在しないか、又は1〜3の炭素の直鎖状アルキルスペーサーであり、R10は1〜4の炭素原子を有する。他の実施態様では、Qは存在しないか、又は1の炭素原子であり、R10は1又は2の炭素原子を有し、更なる実施態様では、R10は1の炭素原子を有する。典型的には、R10のハロゲンは、F、Br又はIから選択される。式IIで表される反復単位を含む本発明の例示的な実施態様では、Xは-CH-であり、RからRの一つは、-Q(CO)O-(CH)-R10基であり、他はそれぞれ水素で、nは0、mは1であり、Qは存在せず、R10は-Cである。式IIに係る反復単位は、一般にポリマーに疎水性制御を提供するためのものであり、一般にここで定義された他の反復単位と共に使用されて、そのような疎水性制御をもたらす。すなわち、このような反復単位をポリマーに多く取り込む程、ポリマーの疎水性が一般に増加する。
【0029】
本発明に係る幾つかの実施態様では、非自己現像型ポリマーは、次の式III:
【化4】

[上式中、X及びnは式Iに対して定義した通りであり、R11からR14はそれぞれ独立して、水素、直鎖状又は分枝状アルキル基、あるいは直鎖状又は分枝状ハロアルキル基を表し、但し、R11からR14の少なくとも一は、次の式:
【化5】

(上式中、mは1〜3の整数であり、Qは式IIに対して定義されたものであり、Qは1〜5の炭素の直鎖状又は分枝状アルキルスペーサーである)
のA、B又はC基の一つである]
で表されるタイプの反復単位を含む。
【0030】
A又はC基を含む幾つかの実施態様では、Qは存在しないか、又は1〜3の炭素の直鎖状アルキルスペーサーであり、更にC基においては、Qは3又は4の直鎖状又は分枝状スペーサーである。他のこのような実施態様では、Qは存在しないか、又は1の炭素原子である。B基を含む他の実施態様では、mは1又は2である。式IIIで表される反復単位を含む本発明の例示的な実施態様では、Xは-CH-であり、R11からR14の一つはB基であり、他はそれぞれ水素であり、nは0、mは1である。式IIIの反復単位は、一般にポリマーに水性アルカリ溶解性を付与するためのものであり、一般にここで定義された他の反復単位と共に使用されて、そのような水性アルカリ溶解性をもたらす。
【0031】
本発明の更なる他の実施態様では、非自己現像型ポリマーは、式IV:
【化6】

[上式中、X及びnは式Iに記載されたものであり、R15からR18はそれぞれ独立して、水素、直鎖状又は分枝状のアルキル基、又は直鎖状又は分枝状のハロアルキル基を表し、但し、R15からR18の少なくとも一は、次の式:
【化7】

(上式中、Xはそれぞれ独立してF又はHであり、qはそれぞれ独立して1〜3の整数であり、pは1〜5の整数であり、Qは式IIIに対して定義した通りであり、Zは2〜10の炭素の直鎖状又は分枝状のハロ又はペルハロスペーサーである)
のD、E又はF基の一つである]
で表される更に他のタイプの反復単位を含む。
【0032】
D基を含む幾つかの実施態様では、Qは一つの炭素であり、XはFであり、qは2又は3であり、pは2である。E基を含む幾つかの実施態様では、Qは一つの炭素であり、Zは9までの炭素単位の分枝状のフッ化アルキル鎖である。F基を含む幾つかの実施態様では、Qは一つの炭素であり、qは1又は2である。式IVの反復単位は、一般に、式IIのタイプの反復単位に対して記載されたものと同じようにして、ポリマーに疎水性制御をもたらすためのものである。
【0033】
本発明のトップコートポリマーの実施態様は、式Iによって表される反復単位と、限定するものではないが、例えば式II、III及び/又はIVの一又は複数で表されるもの等の反復単位を含む、他のタイプの反復単位を有するポリマーを含むものと理解されるべきである。更に、本発明のある実施態様は、かかる式の範囲及び要旨に入らない反復単位を含む。 例えば、幾つかの実施態様は、直鎖状又は分枝状のアルキル置換された反復単位、例えばヘキシル-又はブチル-ノルボルネンから誘導されたものを含む。更なる他の実施態様は、直鎖状又は分枝状のアルキルエステルノルボルネン、例えばイソボルニルエステルノルボルネンから誘導される反復単位を含む。これらの交互の反復単位は、式II、III又はIVで表される上述された反復単位の何れかに代えるか又はそれに付加することができる。
【0034】
本発明に係る実施態様が、式I、II、III及び/又はIVの一又は複数で表される一を超える別個のタイプの反復単位を有する非自己現像型ポリマーを含む場合、このような反復単位のモル比は、反復単位(1)が式Iにより表され、(2)から(m)の他のものが独立して式II、III又はIVで表される場合、(1):(2):...:(m)は、約(30−99):(5−50):...:(5−50)とすることができ、ここでmは区別される最後のタイプの反復単位を表す整数であり、一般に4以下である。他のこのような実施態様では、そのようなモル比は、約(50−80):(5−30):...:(5−30)とすることができる。もちろん、このような比率に対して、合計が100を超えることはできないことが理解される。実施態様が式Iのタイプの反復単位と、式II、III又はIVの一つで表されるタイプの反復単位とを含む場合、式Iのタイプの反復単位のモルパーセント(モル%)は、一般的に40〜99モル%であり、一又は複数の他のタイプの反復単位の十分量が、100モル%のポリマーになるように提供される。式I及びIIのタイプの反復単位のみを有する本発明のトップコートポリマーの実施態様では、式Iのタイプは、一般に40〜99モル%の範囲とすることができ、幾つかの実施態様では、60〜90モル%とされる。他の例示的な実施態様、例えば式I及び/又はIIで表されるタイプに加えて、式III及びIVの一方又は双方で表されるタイプの反復単位を有するポリマーでは、式Iのタイプの反復単位のモル%は、典型的には約40〜約98モル%であり、式IIのタイプ(存在する場合)は約1〜約20モル%であり、式III及びIVのタイプの反復単位はそれぞれ独立して、存在する場合は約1〜約40モル%である。もちろん、何れかの特定のタイプの反復単位をより多く又はより少なく有する他のポリマー組成物もまた本発明の範囲及び要旨に入ると考えられると理解すべきである。以下で更に十分に検討するように、トップコートポリマーの最終調製物は、このようなポリマーから形成されるトップコート層が使用される方式により支配されるある種のデザイン選択の結果である。
【0035】
更に、ポリマー内に存在する任意の特定の反復単位の特定量は、「ポリマーデザイン」プロセスの結果であることに留意されなければならない。すなわち、反復単位の物理的及び化学的特性は、しばしば、そのホモポリマーを形成することにより決定され、そのような物理的及び化学的特性が、形成される層の所望の特性と比較される。この比較に基づき、一又は複数の他の反復単位が選択され、そのようなポリマーの試験組成物が作製され、層に形成され、物理的及び化学的性質が決定される。このようなポリマーデザインプロセスの非限定的な例として、数種のノルボルネン型モノマーのホモポリマーを形成し、ついでフィルムに成形し、接触角及び転落角測定を行う。上述のホモポリマーの測定に基づき、2又はそれ以上のタイプの反復単位を有するポリマーを、高い接触角及び低い転落角、及び/又は例えば0.26N TMAH等、塩基性水溶液中における所望の溶解速度を有するように形成することができる。
【0036】
本発明に係る幾つかの実施態様は、フォトレジスト組成物の形成に有用な現像型ノルボルネン系ポリマーである。すなわち、上で検討したトップコート層の形成に有用な実施態様とは異なり、フォトレジスト組成物に含有せしめられるポリマーが現像型である。本発明に係るこのような幾つかの実施態様は、3又は4の相異なるタイプの反復単位を含むが、他のものは、より多い又は少ない数のタイプの反復単位を含むことが理解されるであろう。有利には、現像型ポリマーに有用な幾つかのタイプの反復単位は、非自己現像型ポリマーに関して上述した式I−IVで表されるものである。このような現像型ポリマーの現像能を提供するための、他の有用なタイプの反復単位は、以下に記載する式V及びVI:
【化8】


[式Vにおいて:X、nは式Iに対して定義した通りであり、R19からR22はそれぞれ独立して、水素、直鎖状又は分枝状アルキル基、あるいは直鎖状又は分枝状ハロアルキル基を表すが、但し、R19からR22の少なくとも一は、次の式:
【化9】

で表される基であり、ここで、Qは任意で、存在する場合は1〜5の炭素の直鎖状又は分枝状アルキルスペーサーである]
で表される。幾つかの他の実施態様では、他のR19からR22はそれぞれ水素であり、Qは存在しないか、又は1〜3の炭素の直鎖状アルキルスペーサーである。他の実施態様では、他のR19からR22はそれぞれ水素であり、Qは存在しないか、又は1の炭素原子であり、更なる他の実施態様では、他のR19からR22はそれぞれ水素であり、Qは存在しない。式Vの反復単位は、一般にポリマーに親水性を付与するためのものである。トップコート又は保護層とは異なり、フォトレジスト層の親水性又は湿潤性が増加すると、該層の性能は一般に向上する。
【0037】
また式VIにおいて、X、nは式Iに対して定義した通りであり、R23からR26はそれぞれ独立して、水素、直鎖状又は分枝状アルキル基、あるいは直鎖状又は分枝状ハロアルキル基を表すが、但し、R23からR26の少なくとも一は、以下に示す式:
【化10】




[上式中、Qは上で定義した通りであり、R27は1〜約5の炭素原子の直鎖状又は分枝状アルキル基である]
のH、J又はKの一つで表される基である。上に表されたHJK(酸)基は、H、J又はK基の一つから誘導されることに留意されるべきである。すなわち、式VIで表され、よってそこに少なくとも一のH、J又はK基を有する反復単位の幾つかの部分は、一般に重合完了後、生じたポリマーの分離中に、HJK(酸)基に転換される。よって、式VIで表される反復単位を含む本発明に係る実施態様では、一般にそれらの単位のある少量部分はHJK(酸)基を有する一方、このような単位の大部分は、H、J又はK基の一つを有するであろう。このような部分は、式VIで表される反復単位と区別するために、式VI(酸)によって表されるものとする。式VIの反復単位は、フォトレジスト層の露光領域において、PAGとの相互作用時に酸性基を形成可能な酸不安定な官能基を有するポリマーを提供し、このような露光領域の水性アルカリ溶解度が増加する。ポリマー鎖に、このような酸不安定な基を有する反復単位が存在すると、例えば一般的に知られているような化学増幅がなされる。
【0038】
よって、上述した本発明に係る現像型ポリマーの実施態様は、フォトレジスト組成物の形成に有用であり、従ってフォトレジスト層の形成に有用なノルボルネン系ポリマーに関する。幾つかのこのような実施態様では、形成されるフォトレジスト層は、液浸リソグラフィプロセス中における浸漬媒体との直接接触に適している。すなわち、このような現像層は高い接触角と後退角、及び低い転落角を有する。他の実施態様では、現像層は、液浸リソグラフィプロセス中における保護層の下地とするのに最も適しており、このような保護層形成組成物と混合される領域を殆ど又は全く示さない。有利には、本発明の幾つかの実施態様は、本発明のトップコート組成物を使用して形成されるトップコート層を受け入れるのに適したフォトレジスト層を形成するのに有用な現像型ポリマーの実施態様を含む。
【0039】
本発明に係る実施態様が、式I、II、III、IV、V、VI及び/又はVI(酸)の一又は複数で表される一を超える相異なるタイプの反復単位を有する現像型ポリマーを含む場合、このような反復単位のモル比は、反復単位(1)が式Iにより表され、反復単位(2)が式Vにより表され、反復単位(3)が式VIにより表され、(4)から(m)の他のものが独立して式VI(酸)、II、III又はIVで表される場合、反復単位を含むポリマーのモル比(1):(2):(3):(4):...:(m)は、約(0−60):(5−60):(5−80):(0−15):(0−50):...:(0−50)とすることができ、ここでmは相異なる最後のタイプの反復単位を表す整数であり、一般には5以下である。他のこのような実施態様では、前記モル比は、約(5−40):(10−50):(20−70):(1−10):(0−40):...:(0−40)とすることができる。もちろん、このような比率は、全体で100を超えることはできないことが理解される。式I、V及びVIのタイプの反復単位を有する本発明の現像型ポリマーの実施態様では、式Iのタイプは一般的に1〜50モル%、幾つかの実施態様では10〜40モル%、式Vのタイプは1〜50モル%、幾つかの実施態様では10〜40モル%、式VIのタイプは20〜75モル%、幾つかの実施態様では30〜50モル%の範囲とすることができる。式VIのタイプの反復単位が存在する場合、一般に所定量の式VI(酸)タイプの反復単位も存在し、このような式VI(酸)タイプの量により、一般に式VIタイプの量が低減する。典型的には、式VI(酸)タイプの量は10モル%未満である。もちろん、何れか特定のタイプの反復単位をより多く又はより少なく有する他のポリマー組成物もまた本発明の範囲及び要旨に入ると考えられることが理解されなければならない。以下で更に十分に検討するように、トップコートポリマーの最終調製物は、このようなポリマーから形成されるトップコート層が使用される方式により支配されるある種のデザイン選択の結果である。
【0040】
(モノマー及び重合)
一又は複数の適切な式I、II、III、IV、V及び/又はVIで表される任意の一又は複数のタイプの反復単位によって表される上述の非自己現像型ポリマー、並びに現像型ポリマーは、典型的には適切な類似モノマーから誘導される。よって、非限定的例として、反復単位、例えば:
【化11】

が所望される場合、以下に示す類似モノマー:
【化12】

をポリマーの形成に使用することができる。
【0041】
よって、式Iで表される第一のタイプの反復単位と、式II、III、IV又はVで表される第二のタイプの反復単位を有するポリマーが所望される場合、このようなポリマーは、所望する反復単位の類似モノマーを、適切に付加重合(2、3連鎖)することにより調製することができ;このような付加重合は、単一又は多成分のVIII族遷移金属触媒の存在下で実施される。
【0042】
多成分触媒が所望される場合、それは、重合されるモノマー(群)の存在下、共触媒(又は活性剤)とプロ触媒を組み合わせることにより、インサイツで調製することができる。プロ触媒とは、共触媒又は活性剤化合物と反応することにより、活性触媒に転換されるVIII族遷移金属(一般にパラジウム)含有化合物を意味する。代表的なプロ触媒及び共触媒の記述及び合成法、並びにそれを使用して形成された陽イオンPd(II)触媒は既知である。例えば、関連部分が出典明示によりここに援用される米国特許第6455650号に記載されている。単一成分触媒が望まれる場合、かかる触媒(及び幾つかの更なる多成分触媒系)は、出典明示によりここに関連部分が援用される公開された米国特許第20050187398号に記載されている。このような参考文献の触媒系を以下に簡単に記載するが、ここで提供されるこのような記載は非限定的な例であり、よって全てを包含するものではないことは理解されるであろう。このような触媒系のより完全な記載は、上の援用した文献により提供される。
【0043】
本発明のモノマーの重合に適切なパラジウムプロ触媒は、以下の式A:
(アリル)Pd(P(R))(L') (A)
[上式中、Rは、イソプロピル又はシクロヘキシルであってよく;L'はトリフルオロアセテート又はトリフルオロメタンスルホナート(トリフレート)であってよい]
で表される。このような式を有する本発明の代表的なプロ触媒には、限定されるものではないが、(アリル)パラジウム-(トリシクロヘキシルホスフィン)トリフレート、(アリル)パラジウム(トリイソプロピルホスフィン)トリフレート、(アリル)パラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)トリフルオロアセテート、及び(アリル)パラジウム(トリイソプロピル-ホスフィン)トリフルオロアセテートが含まれる。
【0044】
他の適切なプロ触媒は、上述した‘650特許に記載されており、以下に示す式B:
[(E(R))Pd(Q)(LB)][WCA] (B)
[上式中、E(R)は15族の中性電子供与性配位子を表し、Eは元素周期表の15族元素から選択され、Rは独立して水素(又はその同位元素の一つ)、又は陰イオン性ヒドロカルビル(及びその重水素型)含有部分を表し;Qはカルボキシレート、チオカルボキシレート、及びジチオカルボキシレート基から選択される陰イオン性配位子であり;LBはルイス塩基であり;WCAは弱い配位陰イオンを表し;aは1又は2の整数を表し;bは1又は2の整数を表し、ここでa+bの合計は3である]
で表されるようなパラジウム金属カチオン及び弱い配位アニオンを含む。
【0045】
適切な単一成分触媒は、上述の公開された出願に記載されており、以下の式B'及びC:
[(E(R))Pd(Q)(LB)][WCA](B')
[(E(R))(E(R))Pd(LB)][WCA] (C)
で表される。
【0046】
式B'において、E、R、E(R);Q;LB及びWCAは、式Bに対して定義した通りであるが、aは1、2又は3の整数を表し;bは0、1又は2の整数を表し、a+bの合計は1、2又は3であり;p及びrは、パラジウムカチオンと弱い配位陰イオンの倍数を表し、式B'の構造上の電荷をバランスさせるように取られる整数である。例示的な実施態様では、p及びrは独立して1又は2の整数から選択される。
【0047】
式Cにおいて、E(R)は式B'に対して定義した通りであり;またE(R)は15族の中性電子供与性配位子を表し、ここでE、R、r及びpは上で定義されたものであり、Rは陰イオン性ヒドロカルビル含有部分であり、Pd中心に対してβ水素を有し、Pdに結合している。例示的な実施態様では、p及びrは独立して、1及び2の整数から選択される。このような単一成分触媒系は、有利には共触媒を添加することなく使用することができる(すなわち、エネルギーの付加、例えば加熱によってのみ活性化される潜在触媒として)が、典型的には、このような単一成分触媒が溶液重合に使用される場合、多くは所定量の共触媒の添加が望ましい。
【0048】
代表的な共触媒化合物には、特にテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸リチウム・ジエチルエーテル錯体(LiFABA)、及びN-ジメチルアニリン・テトラキス-(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩(DANFABA)が含まれる。他の適切な活性剤化合物も、上述した‘650特許に記載されている。
【0049】
本発明の幾つかの多成分触媒の実施態様では、モノマー対触媒対共触媒のモル比は、約500:1:5〜約20000:1:5又は500:1:1〜20000:1:1の範囲とすることができる。幾つかのこのような実施態様では、モル比は約5000:1:4〜約1000:1:2であり、更なる他の実施態様では、約3000:1:3〜約1000:1:2のモル比であることが有利である。適切なモル比は、特定の触媒系の活性、選択されるモノマーの反応性、及び所望の得られるポリマーの分子量に応じて変わりうるし、また変わるであろう。また、単一成分触媒が使用される本発明の実施態様では、共触媒の添加を排除することができる。しかしながら、一般的には約5000:1:4〜約5000:1:2、特に約2000:1:3〜約1000:1:3の比率が有用であることが見出されている。
【0050】
付加重合反応に適切な重合溶媒には、脂肪族及び芳香族溶媒が含まれる。これらには脂肪族(無極性)炭化水素、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン及びシクロヘキサン;ハロゲン化アルカン溶媒、例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エチル、1,1-ジクロロエタン、1,2-ジクロロエタン、1-クロロプロパン、2-クロロプロパン、1-クロロブタン、2-クロロブタン、1-クロロ-2-メチルプロパン、及び1-クロロペンタン;エステル類、例えば酢酸エチル、i-アミルアセテート;エーテル類、例えばジエチルエーテル;芳香族溶媒、例えばベンゼン、トルエン、o-、m-及びp-キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、フレオン(Freon)(登録商標)112ハロカーボン溶媒、フルオロベンゼン、o-ジフルオロベンゼン、p-ジフルオロベンゼン、ペンタフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、及びo-ジクロロベンゼンが含まれる。溶媒として水を使用してもよい。他の有機溶媒、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセテート類(例えば酢酸エチル)、エステル類、ラクトン類、ケトン類及びアミド類も有用であり得る。2又はそれ以上の溶媒の混合物も有用である。
【0051】
溶液プロセスにおいて、重合反応は、重合されるノルボルネン型モノマー又はモノマー混合物の溶液に、事前成形触媒又は個々の触媒成分の溶液を添加することにより、実施することができる。幾つかの実施態様では、溶媒に溶解されるモノマー量は、約5〜約50重量%(wt%)、他の実施態様では約10〜約30重量%、更なる他の実施態様では約10〜約20重量%の範囲である。事前成形触媒又は触媒成分をモノマー溶液に添加した後、触媒とモノマー成分の完全な混合を達成するために反応媒質をかき混ぜ(例えば攪拌し)、一般には重合に十分な時間、加熱する。
【0052】
重合反応の反応温度は、約0℃〜約150℃の範囲とすることができるが、一般には約10℃〜約100℃、又は更には約20℃〜約80℃の温度が有利であることが見出されている。
【0053】
本発明のトップコートポリマーの実施態様では、ポリマーの所望する平均分子量(Mw)は、約3000〜約200000である。他の実施態様では、Mwは約3500〜約5000、更なる他の実施態様では約4000〜10000である。本発明のフォトレジストポリマーの実施態様では、ポリマーの所望Mwは、約2000〜約50000である。他の実施態様では、Mwは約2500〜約35000、更なる他の実施態様では、約3000〜10000である。しかしながら、本発明の他の実施態様は、他の範囲の平均分子量を有するトップコート及びフォトレジストポリマーを含み、このようなポリマーは、上述の例示的Mw範囲よりも高い又は低いMwを有しうることが理解されなければならない。よって、他のMw範囲も、本発明の範囲及び要旨に入るものと理解される。上に与えたMw範囲に加え、ここで言及される任意のポリマーのMwは、別段の記載がない限り、適切な標準体を用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用して測定されることを記しておく。
【0054】
(ポリマー組成物)
本発明に係る幾つかの実施態様は、これまでに検討したトップコートポリマーの実施態様又はフォトレジストポリマーの実施態様の組成物を包含し、そのような組成物には、これまでに開示されたモル比及びMw範囲で、任意の適切な反復単位を有する適切なポリマーを導入することができる。そのような組成物は、以下に更に詳細に検討するように基板に重層されるフィルムを形成するのに有用である。このような組成物は、基板、例えば半導体基板上にフィルムが形成されるように、及び/又は液浸リソグラフィプロセスにおいてそのようなフィルムの所望の性能を達成するように選択される、適切なポリマー、溶媒、及び一又は複数の更なる成分(添加剤)を含む。
【0055】
トップコートポリマーを含む組成物である本発明の実施態様について最初に言及すると、このような組成物は、上述したような、適量の一又は複数の相異なるトップコートポリマー、有機溶媒、及び場合によっては一又は複数の酸性物質、架橋材料及び界面活性剤を含んでいることである。
【0056】
トップコート組成物に有用な有機溶媒は、ポリマーを溶解可能であるが、基板上に既に形成されたフォトレジストフィルムと混和性のない溶媒である。このような溶媒には、一般に1〜10の炭素原子を有するアルコール溶媒、1〜10の炭素原子を有する部分的又は完全にフッ化されたアルコール溶媒、4〜15の炭素原子を有する部分的又は完全にフッ化されたアルキルエーテル溶媒、及び4〜15の炭素原子を有する部分的又は完全にフッ化されたアルキルエステル溶媒が含まれる。上の基準に従う溶媒の例は、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n-ペンタノール、4-メチル-2-ペンタノール、2-オクタノール、2-ペルフルオロブチルエタノール(CCHCHOH)、ペルフルオロプロピルメタノール((C)(CHOH))、H(CF)CH-O-(CF)-H、H(CF)-(CO)O-CH、及びH(CF)-(CO)O-Cである。
【0057】
場合によっては、本発明のトップコート組成物の実施態様は、酸性化合物を含むことができる。有利には、このような酸化合物は、存在すると、「露光後線幅安定性(post-exposure delay)」保護剤として作用しうる。すなわち、下層のフォトレジストフィルムの像様露光と形成された像の現像との間のタイミングに遅れがあれば、そのような酸化合物は、存在し得るあらゆる大気中のアミン類又はアミン含有物質の影響に対して保護をもたらしうる。このような保護は、アミン類が露光したフォトレジストフィルムと相互作用して、遅延化した後続の現像プロセスの間に、フォトレジストフィルムのミスパターニングが生じる前に、そのようなあらゆる大気中のアミン類と反応してそれらを中和する酸性化合物によって、達成される。よって、トップコート組成物中に任意の酸性化合物を含有せしめることにより、大気中のアミン類又はアミン含有化合物の存在に起因するフォトレジストパターンの有意な寸法変動を低減又は排除することができる。
【0058】
有用な酸性化合物は、以下に示す式:
(C2p+1SO)NH X
[上式中、pは1〜5の整数である]
2q+1COOH XI
[上式中、qは10〜15の整数である]
【化13】

[上式中、rは2又は3の整数であり、R31は水素あるいはフッ素原子で部分的又は全体的に置換されたアルキル基を表し、該アルキル基は更にヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基及びアミノ基の何れかで置換されていてもよい]
【化14】

[上式中、sは2又は3の整数であり、R31は上で定義された通りである]
で表されるものである。
【0059】
酸性化合物の例は、(CSO)NH、(CSO)NH、C1021COOH、
【化15】

【化16】

である。
【0060】
本発明の幾つかのトップコート組成物の実施態様では、任意の架橋剤が添加される。このような任意の架橋剤は、一般的にはアミノ基及び/又はイミノ基を有し、少なくとも2の水素原子がヒドロキシアルキル基及び/又はアルコキシアルキル基で置換されている窒素含有化合物である。このような架橋剤には、限定されるものではないが、メラミン誘導体、尿素誘導体、グアナミン誘導体、アセトグアナミン誘導体、ベンゾグアナミン誘導体及びスクシニルアミド誘導体で、そのアミノ基の水素原子がメチロール基又はアルコキシメチル基もしくはその2つの双方で置換されているもの;並びにグリコールウリル誘導体及びエチレン-尿素誘導体で、そのイミノ基の水素原子が置換されているものが含まれる。架橋剤の一例はテトラブトキシメチル化グリコールウリルである。
【0061】
これらの窒素含有化合物は、例えばメラミン誘導体、尿素誘導体、グアナミン誘導体、アセトグアナミン誘導体、ベンゾ-グアナミン誘導体、スクシニルアミド誘導体、グリコールウリル誘導体又はエチレン-尿素誘導体をホルマリンと沸騰水中で反応させて、誘導体をメチル化し、あるいは更にそれを低級アルコール、具体的にはメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール又はイソブタノールと反応させて、アルコキシル化することによって得ることができる。有用であることが見出されている架橋剤の一例はテトラブトキシメチル化グリコールウリルである。
【0062】
他の架橋剤もまた有用であることが見出されている。例えば、ヒドロキシル基及び/又はアルコキシ基で置換された少なくとも一のタイプの炭化水素化合物と、モノヒドロキシ-モノカルボン酸化合物の縮合生成物も含まれる。例示的な縮合生成物には、ヒドロキシル基及びカルボキシル基が単一の炭素原子又は隣接する炭素原子に結合しているモノヒドロキシ-モノカルボン酸が含まれる。
【0063】
所望されるならば、本発明の実施態様に係る保護フィルム形成組成物は、そこに添加される任意の界面活性剤を更に含むことができる。界面活性剤の一例は、XR-104(Dainippon Ink and Chemicals、Inc.の商品名)であるが、本発明は、これに限定されるものではない。物質に界面活性剤を添加することにより、物質の被覆性と、トップコート又は保護フィルムのより均一の塗布性を提供する能力を改善することが可能になる。この均一性の増加は、フィルムの凹凸が抑えられる結果である。
【0064】
本発明のトップコート組成物の実施態様は、基板上に形成されるフォトレジストフィルムに重層するトップコート又は保護層フィルムを形成するのに使用される。このようなフィルムは、一般に、例えば液浸リソグラフィプロセスに使用されるような浸漬流体を受け入れるためのものである。一般に、このようなトップコートフィルムの厚みは、幾つかの実施態様では約70nm〜約200nmであるが、他の実施態様では約90nm〜約180nmであり、更なる他の実施態様では、約120nm〜約160nmである。しかしながら、上述した範囲を超えるか又はこれより薄い他のフィルム厚もまた有用であり、よって本発明の実施態様の範囲及び要旨に入ることが理解されるであろう。更に、本発明のトップコート組成物を適切に使用することで得られる任意の特定のフィルムの厚みは、使用されるコーティング方法並びにそのような組成物中に存在するトップコートポリマーの量、及び任意の添加剤の量に依存することが理解されるであろう。スピンコーティング法が使用される場合(以下に更に詳細に記載)、幾つかの実施態様では、トップコートポリマー量の所望の範囲は、約0.1重量%(wt%)〜約30重量%であり、他の実施態様では、このような量は約0.3重量%〜約15重量%であり、更なる他の実施態様では約0.5重量%〜約7.5重量%であることが望ましい。このような重量%の値は、前記トップコート組成物の全量(重量)に対してである。しかしながら、トップコートポリマーの量の範囲が上述した範囲を超えるか又はこれより少ないものも有用であり、よって本発明の実施態様の範囲及び要旨に入ることが理解される。
【0065】
任意の界面活性剤がこのようなトップコート組成物に添加される場合、幾つかの実施態様では約0.001重量%〜約10重量%、他の実施態様では約0.01重量%〜約1重量%、更なる他の実施態様では約0.05重量%〜約0.5重量%の範囲のこのような界面活性剤が使用され、このような量は、該組成物におけるトップコートポリマーの量に対するものである。任意の架橋剤がこのようなトップコート組成物に添加される場合、幾つかの実施態様では約0.5重量%〜約10重量%、他の実施態様では約1重量%約8重量%、更なる他の実施態様では約3重量%〜約7重量%の範囲のこのような界面活性剤が使用され、このような量は、該組成物におけるトップコートポリマーの量に対するものである。任意の酸性化合物がこのようなトップコート組成物に添加される場合、幾つかの実施態様では約0.1重量%〜約10重量%、他の実施態様では約0.2重量%〜約5重量%、更なる他の実施態様では約0.3重量%〜約1重量%の範囲のこのような酸性化合物が使用され、このような量は、該組成物におけるトップコートポリマーの量に対するものである。
【0066】
現像型又はフォトレジストポリマーを含む組成物である本発明の実施態様にここで言及すると、このような組成物は、適切な量の、上述にて論議した一又は複数のフォトレジスト又は現像型ポリマー、有機溶媒、光酸発生剤物質、場合によってはアミン物質、一又は複数の混和性のある添加剤の群(以下に詳細に記載)を含む。更に、幾つかの実施態様はポジティブに作用する(「ポジティブトーン」又は「ポジティブ型」)フォトレジスト組成物である。すなわち、基板に形成されたこのような組成物の層の像様露光後、形成されるパターンは、層の露光領域が除去された結果であるか、又は「現像(developed-out)」されて、基板上に層の非露光領域のみが残る結果となる。
【0067】
本発明のフォトレジスト組成物の実施態様に対する有利な溶媒は、基板上にこのような組成物のフィルムを塗布するのに適したポリマー並びに上述の任意の添加剤の溶液を提供する能力について選択される。単独であれその任意の組み合わせであれ、以下に列挙する例示的な溶媒の任意のもの、あるいは以下には列挙されていないが常套的な化学増幅レジストに使用されることが当業者に知られている一又は複数の溶媒は、本発明のフォトレジスト組成物の実施態様の範囲又は要旨に入る。
【0068】
溶媒の例は一般に有機溶媒であり、ケトン類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン及び2-ヘプタノン;多価アルコール類及びその誘導体、例えばエチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、又はジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテル;環状エーテル類、例えばジオキサン;及びエステル類、例えば乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、及びエトキシプロピオン酸エチルが含まれる。上述したように、例示的溶媒は単独で、又は2又はそれ以上の異なる個々の溶媒を混合した溶媒として使用することができる。混合溶媒が使用される場合、一般にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと乳酸エステルの混合溶媒が有利であることが見出されており、特にそれぞれ約8:2〜2:8(質量)混合比で使用される。
【0069】
幾つかのフォトレジスト組成物の実施態様では、有機溶媒としてγ-ブチロラクトン(GBL)と共に、少なくとも一のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)と乳酸エチル(EL)の少なくとも一を含む混合溶媒が有利であることが見出されている。このような場合、このような混合溶媒の前者及び後者の成分の重量比は、約70:30〜約95:5である。PGMEAとELの双方が使用される場合、50:50〜約90:10の重量比が有用である。
【0070】
このようなポジティブ型レジスト組成物のこの現像性を実現にするために、光酸発生剤(PAG)成分が提供される。このような成分は、193nm(ArFエキシマレーザ)又は157nm(Fエキシマレーザ)にピーク波長を有する紫外線等の適切なエネルギー源に露光された際に酸を生成する。ついで、生じた酸により、樹脂の反復単位の幾つかの保護されたペンダント基が脱保護される結果、未露光領域内における溶解速度に対する、該露光領域内における溶解速度が増加する。有用なPAG成分は、従来から化学増幅レジストにおける光酸発生剤として使用されている任意の公知物質から適切に選択することができる。PAGの例には、限定されるものではないが、オニウム塩、例えば(4-メトキシフェニル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、ビス(p-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、(4-メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、(p-tert-ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、ジフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホン酸塩、ビス(p-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロブタンスルホン酸塩、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホン酸塩、及びジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンリン酸塩が含まれる。
【0071】
本発明に係るフォトレジスト組成物の光酸発生剤成分は、単一のPAG、もしくは2又はそれ以上のPAGの組み合わせ物を利用することができることが理解される。更にある種のフォトレジスト組成物に導入されるこのようなPAG(類)の適切な量は、典型的には約0.5〜約30重量%であるが、他のこのような組成物では、約1〜約10重量%で使用される。一般に、PAG成分の量が約0.5重量%未満ならば、露光層における像形成に問題が生じ、一方その量が約30重量%を超えると、均質な溶液を達成することが困難になり、このような組成物の貯蔵安定性を悪化させる原因となりうる。
【0072】
本発明の幾つかのフォトレジストの実施態様では、任意のアミン添加剤を使用することができる。このようなアミン添加剤により、時折、レジストパターンの形状、及びフォトレジスト層内における長期間にわたる安定性(レジスト層の像様露光により形成される潜像の露光後安定性)が改善されることが見出されている。一般に、低級脂肪族の第二級又は第三級アミンが添加される。低級脂肪族アミンとは、5以下の炭素原子のアルキルアミン又はアルキルアルコールアミンを意味する。例示的なアミン類には、限定されるものではないが、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、トリ-n-プロピルアミン、トリペンチルアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンが含まれる。多くの場合、トリアルカノールアミン類が有利であることが見出されている。溶媒及びPAG類に関して分かるように、任意のアミン成分は、単一のアミン、又は2又はそれ以上のアミン類の任意の適切な組み合わせであってもよい。一般に、使用される場合、このような任意のアミン添加剤は、ある実施態様では約0.01〜5重量%の範囲で存在するが、他の実施態様では約0.01〜約2重量%の範囲であり、このような量はポリマーの量に対するものである。
【0073】
本発明の幾つかの実施態様では、他の任意の添加剤が使用される。このような任意の添加剤は全て混和性であり、必要に応じて選択されて組成物に含められる。すなわち、組成物又は得られる層のある種の特性が改善されるようになされる。例示的な任意の混和性添加剤には、限定されるものではないが、塗布の容易性を改善するための界面活性剤、溶解阻害剤、可塑剤、安定剤、着色剤及びハレーション防止剤が含まれる。
【0074】
(液浸リソグラフィプロセス)
本発明に係る幾つかの液浸リソグラフィプロセスの実施態様では、半導体基板等の基板上に重層される現像層を形成するために、上述した現像型ポリマー組成物の実施態様(フォトレジスト組成物)が使用される。このような実施態様では、先ず、スピナーを使用して、フォトレジスト組成物を例えばシリコンウエハーのような基板表面に塗布し、第一の所望の厚みを有するフォトレジスト層を形成する。ついで、層を予備焼成し、所望するマスクパターンを通して例えばArFエキシマレーザ(193nm)を使用し、像様露光させる。露光後、層を露光後焼成(PEB)し、ついで冷却後、アルカリ現像液を使用して現像する。一般に、予備焼成は約70℃〜約140℃で約40〜約120秒で、幾つかの実施態様では、約60〜約90秒(sec)である。PEBは一般に予備焼成プロセスと同じか類似した時間及び温度で実施される。アルカリ現像液は、一般に水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)の0.1〜10重量%水溶液、典型的には0.26NのTMAH溶液である。このようにして、マスクパターンに忠実なレジストパターンが得られる。
【0075】
更に、ArFエキシマレーザは、本発明の現像型ポリマー組成物から形成されるフォトレジスト層の現像に有利であることが見出されているが、他のタイプの照射線も、パターン形成されたフォトレジスト層の形成に有効であることを記しておくべきである。例えば、365nm等のより長い波長、及びFレーザ等で得られるより短い波長では、EUV(極紫外線)源、VUV(真空紫外線)源、電子ビーム、X線及び軟X線も、効果的に使用することができる。
【0076】
本発明の幾つかの現像プロセスの実施態様では、既に記載したトップコートポリマー組成物の実施態様を、フォトレジスト層が像様露光される前に、既に形成されたフォトレジスト層上に保護層を形成するために使用する。一般にこのような実施態様では、基板上にフォトレジスト層を形成し、そのような層を予備焼成した後、第二にスピナーを使用してトップコート組成物をフォトレジスト層上に塗布し、その上にトップコート層を形成させるもので、そのようなトップコート層は第二の所望の厚みを有する。トップコート層を塗布した後、フォトレジスト層に対して上述したものと同様にして予備焼成を行う。トップコート層を予備焼成させた後、既に記載したようにして、下層のフォトレジスト層を像様露光させた後、PEB及び現像を行う。有利には、本発明のトップコート層は、使用されるアルカリ現像水溶液に可溶性である。よって、このような溶液へさらすと、トップコート層が直ぐに除去されて、フォトレジスト層が現像液に完全に提示されることとなる。このようにして、別個のトップコート除去工程を必要とすることなく、マスクパターンに忠実なレジストパターンが得られる。本発明のトップコート層形成組成物は、任意の適切なフォトレジスト物質と共に使用するのに適していることを記しておくべきであり、ここで、適切なとは、保護層形成組成物と殆ど又は全く混合性を示さない物質を意味する。
【0077】
それぞれを形成する際に上述したトップコート組成物及び/又はフォトレジスト組成物と共に使用されうるリソグラフィシステムの以下の記述は、半導体基板(ウエハー)上/内に形成される複数の集積回路(IC)を製造するという例示的意味で提供される。ICの例には、何千又は何百万のトランジスタ、ダイナミック、スタティック又はフラッシュメモリアレイ、又は任意の他の専用回路から作製される汎用マイクロプロセッサーが含まれる。しかしながら、当業者であれば、ここで記載した方法及び装置が、リソグラフィを使用して製造される任意の製品、例えばマイクロマシン、ディスクドライブヘッド、DNAチップ、マイクロマシン技術(MEMS)等の製造に応用可能であることが分かるであろう。
【0078】
例示的なIC処理装置は、ウエハー又はウエハー領域にパターンを像形成させるのに使用される液浸リソグラフィ装置を含むことができる。フォトレジスト組成物又は現像層は、ウエハー上に重層される。例えば、リソグラフィ装置は、ステップアンドリピート露光装置又はステップアンドスキャン露光装置であってよいが、これらの例示的な装置に制限されるものではない。リソグラフィ装置は光源及びレンズアレイ又はマスクの方向に、ついで基板上の現像層に光エネルギーを方向付ける構造(しばしばレチクルと称される)を含み得る。光エネルギーは典型的には193nmの波長を有するが、他の波長、例えば157nm又は248nmもまた使用することができる。
【0079】
マスクにより定まる光エネルギーパターンがウエハーに移されるように、マスクが光エネルギーを選択的にブロックする。現像サブシステム、例えばステッパ装置又はスキャナー装置は、マスクによって伝えられるエネルギーパターンをウエハー上の一連の所望位置に連続的に方向付ける。現像サブシステムは、エネルギーパターンをスケーリングして現像(又は露光)光エネルギーパターンの形態でウエハーに方向付けるのに使用される一連のレンズ及び/又はリフレクタを含みうる。
【0080】
現像パターン(又は露光パターン)は、一般に比較的高い屈折率(例えば、1より大きいが、現像層の屈折率より小さい屈折率)を有する浸漬媒体を通して現像サブシステムにより伝えられる。浸漬媒体は一般には液体である。一例では、193nmの光源(例えばアルゴンフッ素(ArF)レーザ)と共に精製脱イオン水が使用される。
【0081】
本発明に係るトップコート組成物の実施態様は、フォトレジスト現像層を覆うトップコート層を形成するのに使用することができる。このようなトップコート層は浸漬物質を受け入れ、そのような浸漬媒体やその成分が、下層の現像層へ進入するのを防止又は阻害する。このようにして、現像における悪影響を防止し又は少なくとも阻害することができる。このような悪影響は、上述した課題に起因する影響のことである。
【0082】
本発明に係るフォトレジスト組成物の実施態様は、基板を覆うフォトレジスト層を形成するのに使用することができる。このようなフォトレジスト層は、その疎水性が、浸漬媒体又はその成分の進入を防止又は阻害するのに十分に高いと考えられるので、有利には浸漬媒体を直接受け入れることができる。このようにして、現像における悪影響を防止し又は少なくとも阻害することができる。このような悪影響は、上述した問題に起因する影響のことである。本発明に係る幾つかの方法の実施態様では、本発明のフォトレジスト組成物の実施態様が、基板を覆うフォトレジスト層を形成するのに使用され、トップコート組成物の実施態様が、既に形成されたフォトレジスト現像層を覆うトップコート層を形成するのに使用される。
【0083】
よって、本発明の幾つかの実施態様では、基板上に像を生じさせるためのプロセスは:(a)第一に、フォトレジスト組成物を基板上にコーティングしてその上に現像層を形成し;(b)第二に、本発明に係るトップコート組成物を基板上にコーティングして、現像層を覆うトップコート層を形成し;(c)適当な照射線でその基板及び被覆層を像様露光させ;(d)現像する、ことを含む。他の実施態様では、上述した第一のコーティングでは、本発明に係るフォトレジスト組成物を使用し、第二のコーティングを含まないが、更に他の実施態様では、第一のコーティング及び第二のコーティングの双方とも、本発明の適切な組成物を使用する。更に、上の工程(a)では、フォトレジスト組成物は、本質的に、層に形成されると、そのキャスタブル組成物を形成するのに使用される溶媒又はトップコートポリマーと本質的に相互作用しない任意の組成物とすることができることに留意されなければならない。
【0084】
上述したプロセスのそれぞれにおいて、第一のコーティングは、フォトレジスト組成物を含むフィルムで基板をコーティングすることを含む。適切な基板には、シリコン、セラミック、ポリマー等が含まれる。適切なフォトレジスト組成物は、本発明に係るもの、すなわち本発明のポリマー物質の実施態様を含む組成物、並びに他のフォトレジスト組成物とすることができる。第二のコーティングは、実施されるならば、本発明に係るトップコート組成物から形成されるフィルムを現像層にオーバーレイする。このようなトップコート層又はフィルムは、典型的には、フォトレジスト層の形成と同様な方法で形成される。像様露光には、適切な照射線に現像又はフォトレジスト層の選択した部分を暴露することを含む。最後に、現像は、形成されている場合がある任意のトップコート層を先ず除去し、像様露光によりつくられた像の現像を含む。本発明に係るトップコート組成物を使用して形成される任意のトップコート層は、典型的な現像層において像を現像するためにまた使用されるような塩基タイプの水性溶媒に可溶性であるため、本発明の実施態様では、トップコートの除去と現像の双方に同じ溶媒を利用することができる。幾つかの実施態様では、トップコートの除去及び現像の双方に、単一のプロセスを使用することができる。適切な溶媒には、塩基水溶液、例えば水酸化テトラメチルアンモニウム又はコリン等の、金属イオンを含まない水性塩基が含まれる。
【0085】
本発明はまた本発明の方法により製造された集積回路アセンブリ、例えば集積回路チップ、マルチチップモジュール、又は回路基板にも関する。集積回路アセンブリは、上述したコーティング、露光及び現像方法の何れかにより基板上に形成される回路を含む。
【0086】
基板を露光、現像及びエッチング処理した後、当該分野で公知の技術、例えば蒸着、スパッタリング、プレーティング、化学蒸着、又はレーザー誘起蒸着により、導電性金属等の導電性物質で基板をコーティングすることにより、露光領域に回路パターンを形成することができる。フィルムの表面を研磨して任意の過剰な導電性物質を除去することができる。また、回路の製造プロセスの間に、同様の技術により誘電物質を蒸着させてることもできる。p又はn型ドープ回路トランジスタの製造プロセスにおいて、無機イオン、例えばホウ素、リン又はヒ素を基板に注入することができる。回路を形成するための他の技術は当業者によく知られている。
【0087】
本発明に係る組成物を使用するフォトレジスト層及び/又はトップコート層は、公知のスピンコーティング技術又は任意の他の適切なコーティング法により形成することができる。トップコート組成物は任意のフォトレジスト現像層上に塗布して、このようなコーティング法によりその上を覆う層を形成することができる。本発明の実施態様である適切な組成物を使用して形成されるトップコート又は現像層の厚みは、一般に約10ナノメートル(nm)〜約300nmの範囲である。幾つかの実施態様では、約20nm〜約200nm、他の実施態様で約30nm〜160nmとすることができる。上述した範囲の何れかより大なる又は小なるトップコート及び現像の両層の他の厚みも有用であることが知見されており、よって本発明の範囲及び要旨に入ることを記しておくべきである。
【0088】
典型的には、一度形成されれば、トップコート層は次の所望の特性の一又は複数を示す:1)水性塩基現像液(例えば0.26Nの水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH))への迅速な溶解;2)像様露光に使用される波長、例えば193nmでの高い透明性、及び/又は3)適切な屈折率、例えば193nmで約1.5の屈折率。第一の特性は、トップコート層が典型的なパターン形成プロセスフローに直ぐに組み込まれるように所望される。第二の特性は、トップコート層が現像層のリソグラフィ動作に干渉しないように所望される。第三の特性は、必要な場合、水が浸漬層として使用されるときにトップコート層が反射防止層として作用可能である場合に所望されうる。
【0089】
現像層が本発明の組成物の実施態様から形成される場合、そのような層は、典型的には次の特性を示す:a)トップコート層が使用される場合、そのトップコート層よりも遅い速度での、水性塩基現像液(例えば0.26Nの水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH))中における層の非露光領域の限定された溶解;2)トップコート組成物を使用して被覆トップコート層を形成する場合、そのトップコート組成物の形成に使用される溶媒と殆ど又は全く相互作用がないこと;3)像様露光に使用される波長に対しての高い感度;3)ラインエッジラフネスが殆ど又は全くない約65nm以下の寸法の形状の解像能;及び4)反応性イオンエッチングプロセス等の後続プロセスに対する優れた耐性。
【0090】
次の実施例は、重合とそこで使用されるモノマーの詳細な説明を含む。このような説明は、本発明の実施態様において使用されるポリマーを製造するために使用することができる。これらの実施例とそこに記載される材料は本発明の実施態様の範囲及び要旨に入るが、それらは例示目的のためだけに提供されるもので、その範囲及び要旨を限定することを意図したものではない。ここに提供される他の実施例は、本発明の実施態様であるポリマー及びポリマー組成物の特性に関する。このような特性は、本発明のポリマー設計の実施態様を実施可能にし、また本発明のポリマー及びポリマー組成物がここに記載される液浸リソグラフィプロセスに有用なことを実証するために興味深い。
【0091】
重合の実施例及び明細書に使用される場合、触媒及び共触媒に対するモノマーの比はモル比である。更に実施例において「スパージする」又は「スパージされた」なる用語が繰り返し使用されるが、かかる用語は、溶存酸素を除去するために液体に窒素ガスを通すことを意味すると理解されるであろう。また更に、実施例では、多くの頭字語又は略語が使用される。これらの実施例の理解を助けるために、次にこのような頭字語又は略語のリストをその完全な意味と共に以下に提供する:
酸NB:ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-カルボン酸
THF:テトラヒドロフラン
MeOH:メタノール
PGMEA:酢酸プロピレングリコールメチルエーテル
Mw:重量平均分子量
Mn:数平均分子量
PDI:多分散度(PDI=Mw/Mn)
H-NMR:プロトン核磁気共鳴分光法
19F NMR:フッ素核磁気共鳴分光法
13C NMR:炭素核磁気共鳴分光法
Pd1206:ビス(トリイソプロピルホスフィン)酢酸パラジウム-アセトニトリル錯体・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩
Pd1394:(アセトニトリル)ビス(t-ブチルジシクロヘキシルホスフィン)酢酸パラジウム-アセトニトリル錯体・テトラキス(ペルフルオロフェニル)ホウ酸塩
LiFABA:テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸リチウム・ジエチルエーテル錯体
DANFABA:N-ジメチルアニリン・テトラキス-(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩
【0092】
また、適切な頭字語又は略語と共に構造グループAA、BB及びCCに示す次のモノマー及びモノマー前駆物質構造も、実施例の理解を更に助けるために提供される。更に、グループBBのなかでPPVENBと表示されたモノマーは、デラウエア州ウィルミントンのDuPont FluoroIntermediatesから得たものであり、C10FAcNB、C8AcNB、C8GAcNB、C9BrAcNB、C10BrAcNB及びFHCNBと表示されたモノマーは、テキサス州ラウンドロックのExfluor Research Corporationから得たものであることに留意すべきである。
【化17】

【化18】

【化19】

【0093】
CA、SA及び溶解速度の測定を、2方式の手順の一方によって行った。各方式の各測定においては、対象のフィルムを基板上に形成し、報告する測定はそのフィルムについてである。適用可能であれば、実施例P4-P29では、測定方式1を使用し、他の実施例では測定方式2を使用した。
【0094】
測定方式1:(a)接触角:純水の3μLの水滴を、ウエハー上の3箇所の異なる位置に配し、各位置における水滴の接触角を、市販の接触角ゴニオメータ(Rame-Hart model #100-00)を使用して測定した。報告した値は、3回の測定の平均である;(b)転落角:水平位置(傾斜角=0)から基板の傾斜角を増大させることが可能な所有機器に位置決めした塗布基板上に50μLを分配した。水滴が滑り始める傾斜角を転落角とした。報告した値は、2回の測定の平均である;(c)溶解速度:対象のフィルムを、イソブタノールに溶解させた対象のポリマーの20%溶液から形成した。形成プロセスを調節して、約300nm±75nmの形成フィルムを得た。当初のフィルムの厚みと、コーシーパラメータA及びBを偏光解析法により測定した。ついで、サンプルを0.26Nの水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)に3秒間浸漬し、引き出し、脱イオン水でリンスし、ドライ窒素流を使用して乾燥させた。乾燥後、フィルムの厚みを再測定し、浸漬時間で割った厚みの変化として溶解速度を報告した。再測定時、基板においてフィルムが完全に除去された場合、>100nm/秒の溶解速度が報告された。
【0095】
測定方式2:(a)接触角:約140nmの厚みを有するフィルムを形成した。温度約25℃、相対湿度50%の環境において、「Drop Master 700」(Kyowa Interface Science Co., Ltd.)を使用し、2μLの純水をフィルム上に滴下した;(b)転落角の測定。転がり角又は転落角を、次のようにして測定した:保護フィルム形成物質をシリコンウエハーに塗布し、そこに140nmの厚みを有する保護フィルムを形成した。温度約25℃、湿度約50%の環境において、「Drop Master 700」(Kyowa Interface Science Co., Ltd.)を使用し、1°/秒の傾斜速度で、50μlの純水を基板上に滴下した;(c)現像液中の溶解速度(溶解度)を、次のようにして測定した:保護フィルム形成物質をシリコンウエハーに塗布し、そこに350nmの厚みを有する保護フィルムを形成した。「RDA-800」(Litho Tech Japan Co., Ltd.)を使用し、基板を、2.38重量%のTMAH水溶液(23.5℃)に120秒、接触させた。耐水性を次のようにして測定した:保護フィルム形成物質をシリコンウエハー上に塗布し、そこに140nmの厚みを有する保護フィルムを形成した。「D-SPIN8」(Dainippon Screen MFG Co., Ltd.)を使用し、基板を、純水(23.5℃)に120秒、接触させた。
【0096】
光学密度(OD)の測定。典型的には酢酸プロピレングリコールメチルエーテル(PGMEA)中の、所望ポリマーの約15重量%溶液を用い、1インチの石英ウエハーをスピンコーティングすることによりサンプルを調製した。ホットプレートで130℃にて60秒、サンプルを焼成した後、放置して冷却し、それぞれの光学的吸収を、Cary 400 Scan UV-Vis分光光度計を使用して193nmで測定した。ブランクの石英ウエハーを参照ビームに使用した。各サンプルのフィルムの厚みを測定するために、フィルムの一部を石英ウエハーから取り除き、Tencor表面形状測定装置を使用して厚みを測定した。吸光度/厚み(ミクロン単位)として光学密度を算出した。全てのOD測定が、目に見える像劣化もなく、下層のフォトレジスト層の露光を可能にするのに十分に低い値を与えたことに留意されるべきである。
【0097】
モノマー合成の実施例
実施例MS1 secPrHFAEsNB
ジシクロペンタジエン(60g、0.45mol)を、短経路蒸留ヘッドを具備した200mLの丸底フラスコに入れた。フラスコを加熱し、30−32℃で、シクロペンタジエンの蒸留留分を集めた。窒素雰囲気に維持した別の500mLの三口丸底フラスコに、アクリル酸4,4,4-トリフルオロ-3-ヒドロキシ-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1-ブチルエステル(50g、0.18mol)及びトルエン(125mL)を入れた。別に、蒸留により得られたシクロペンタジエン(22−23mL、0.28mol)を、ゴム製隔膜を通してシリンジにより添加した。この添加後、フラスコとその内容物を約35℃まで加熱し、反応混合物のガスクロマトグラフィー(GC)分析により、出発物質が完全に転換されたことが示されるまで、約19時間、その温度に維持した。ロータリエバポレータを使用してトルエン中の生成物を濃縮し、短経路蒸留ヘッドを使用し、減圧下で蒸留したところ、約65−70℃の間/170mmHgで、secPrHFAEsNBモノマー生成物が得られた。GCで定量した99%純粋なモノマーの収率は約95%であった。構造をH-NMR分析を使用して確認した。
【0098】
実施例MS2 TFSCHNB
ノルボルネンエチルアミン(NBCHCHNH)を、メタノールに入れた水酸化ナトリウムの存在下、ニトロメタンと5-ノルボルネン-2-カルボキシアルデヒド(NBC(O)H)を先ず反応させ、続いて水素化アルミニウムリチウムを用い、ニトロエチルペンダント基を選択的に還元することにより、得た。この合成法は、Kas'yanら、 Russ. J. Org. Chem. 2002、38(1)、29-35により報告されている。ノルボルネンエチルアミンを、トリエチルアミンの存在下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物と反応させて、標的モノマーTFSCHNBを生成した。
【0099】
実施例MS3 NBXOCH及びMS4 NBCHOC
表Aに示す量の水素化ナトリウムの60%分散液を、無水THF(150mL)と混合し、氷浴で冷却した。窒素雰囲気下、表Aに示すXを攪拌した懸濁液にゆっくりと(30分)添加した。
【表1】

【0100】
この混合物をY時間、60−65℃で還流し、Zを添加し、表Aに示した時間、加熱を続けた。反応混合物を濾過した。表Aに示した溶媒を濾液に添加し、表Aに示したように、水、10%硫酸及び再度水で洗浄した。有機層を、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物の減圧蒸留により、表Aに示す%の標的化合物が得られた。
【0101】
実施例MS5 NBHFAEsNB
トリフルオロ酢酸(117g、1.02mol)を、トルエン(240mL)にHFANB(140g、0.511mol)が入った溶液に添加した。ついで窒素雰囲気下、室温で、混合物を20時間攪拌し、その後、過剰なトルエンで希釈し、トルエン溶液を水(250mL)及び塩水(300mL)で洗浄した。有機層を、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を減圧濾過して精製したところ、175gの中間HFANBOCOCFが得られた。
【0102】
上で得られたHFANBOCOCF(175g、0.450mol)を、水(750mL)、メタノール(300mL)及び水酸化ナトリウム(30g、0.75mol)と混合し、ついで、室温で1.5時間攪拌した。塩酸溶液(10%)を添加して、1〜2のpHの溶液にしたところ、二層への分離が観察された。第一の有機層(下層)を除去し、上の水層をトルエン(2x300mL)で洗浄し、得られたトルエン層を第一の有機層と混合し、これらの混合層を、ついで、水(300mL)及び10%塩化ナトリウム(300mL)で洗浄し、分離させ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。トルエンを除去したところ、140gの粗HFANBOHが得られた。
【0103】
上で得られたHFANBOH(50g、0.17mol)を、300mLの無水THFに溶解させ、氷浴で冷却した。窒素雰囲気下、シリンジを使用し、ゴム製隔膜を通して、n-ブチルリチウム(ヘキサンに160mLの2.5M溶液、0.4mol)を添加した。5時間攪拌しつつ、溶液の温度を放置して室温にした。ついで、溶液を、攪拌しながら0-5℃まで冷却し、50mLの無水THFに溶解させた塩化アクリリル(18.1g、0.2mol)を、攪拌し続けながら添加した。塩化アクリリルの添加が完了した後、溶液を放置して室温にし、一晩攪拌し続けた。次に、5%の塩酸溶液を使用し、反応混合物をpH約4に酸性化した。二層が形成され、有機層を分離し、ロータリーエバポレータを使用して濃縮し、ついでジエチルエーテル(300mL)に溶解させた。エーテル溶液を水(2x200mL)及び塩水(2x200mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。減圧下、生成物(HFANBOCOCHCH)を蒸留により精製した。
【0104】
上で得られたHFANBOCOCHCH(28.0g、0.081mol)を、100gのトルエンに溶解させた。シクロペンタジエン(16.0g、0.24mol)を溶液に添加し、窒素雰囲気下、室温で16時間攪拌した。50−60℃でロータリーエバポレータでトルエンを除去し、真空下、粗生成物を1.5−2時間40−60℃まで加熱した。最終生成物のNBHFAEsNBを、シリカゲルを使用するカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0105】
次の2つの実施例は、モノマー合成に対する、全体が又は一部が予想の実施例である。すなわち、以下に提供される特定の手順の幾つか又は全てがまだ実施されていないが、本発明者等は、提案したよく知られた化学プロセスにより、示された結果が達成されると信じている。
【0106】
モノマー合成の予想実施例
実施例MS1p TFSnPrNB
NBCHCHCHBrをディールスアルダー反応により得、公知の化学反応を使用してNBCHCHCHCNに転換させる。つぎに、得られたニトリルを水素化アルミニウムリチウムを用いて化学的に還元してアミドを生成させ、ついでトリフルオロメタンスルホン酸無水物で処理して標的化合物を得る。
【0107】
実施例MS2p TFSsecPrNB
この合成法の一部は、元の文献の報告:Kas'yanら、in Russian Journal of Organic Chemistry 2002、38(1)、29-35を修正したものである。水酸化ナトリウム(29.5g、0.738mol)を脱イオン水(75g)に溶解させ、氷浴で冷却した。ノルボルネンカルボキシアルデヒド(50.0g、0.410mol)、ニトロエタン(32.3g、0.431mol)及びメタノール(300mL)を1Lの三口丸底フラスコに配し、氷冷水/塩浴にて、約−5℃から−10℃に冷却した。温度を−5℃以下に保持しつつ、冷水酸化ナトリウム水溶液をこのフラスコに滴下した。2時間で溶液を室温にし、室温で15時間攪拌し続けた。生じた白色固形物を、部分的に氷冷水(500mL)に溶解させた。この懸濁液を20%の塩酸溶液(600mL)に添加し、塩化メチレン(2x300mL)で抽出した。塩化メチレン抽出物を塩水(2x250mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して濃縮した。粗生成物を減圧蒸留することで、標的化合物(NBCH=C(CH)NO)を47%の収率で得た。
【0108】
ニトロ化合物(NBCH=C(CH)NO)は、水素化アルミニウムリチウムにより選択的に還元されて、対応するアミンのNBCHCH(CH)NHが生じると考えられる。更に、トリエチルアミン塩基の存在下、トリフルオロメタンスルホン酸塩化物又はトリフルオロメタンスルホン酸無水物と反応させることにより、スルホンアミド生成物(TFSsecPrNB)に誘導されると考えられる。
【0109】
実施例P1;P2及びP3
TFSNB、及びHFANB、FPCNB又はC8AcNBのポリマー
これらの実施例の変数を表Bに示す。攪拌機を具備するガラス反応容器に、TFSNBトルエン;酢酸エチル;及びHFANB、FPCNB、又はC8AcNBの一つを添加した。混合物をスパージし、乾燥ボックスに配し、そこに固体状のDANFABA及びトリエチルシランが添加された。反応容器を乾燥ボックスから取り出し、スパージされた氷酢酸を添加した。ついで、混合物を100℃まで加熱した後、酢酸エチルに入れたPd-1206を添加した。示された時間攪拌しつつ、混合物を100℃に維持した後、放置して室温まで冷却した。全固形物量は、本質的にモノマーの100%の転換が生じたことを示していた。各反応混合物を精製し、残留モノマー及び触媒を除去した。得られた分析データを以下の表に示す。
【表2】

【0110】
実施例P4及びP5
secPrHFAEsNB及びTFSCHNBのホモポリマー
これらの実施例P4及びP5の変数を表Cに示す。実施例P4において、secPrHFAEsNBモノマーと無水トルエン(30mL)を100mLのクリンプキャップ式バイアル内で混合し、10分間、窒素をパージし、シールした。バイアルをドライボックスに移動させ、シールを解き、Pd-1394、LiFABA及びトリエチルシランを添加し、バイアルを再シールした。ついで氷酢酸をシリンジにより添加した。反応混合物を、油浴中、90℃で約23時間加熱したところ、透明な黄色の液体が得られた。残留モノマー及び触媒を除去する精製後、ヘキサン類を使用して反応混合物を沈殿させ、90℃で減圧乾燥させた。
【0111】
実施例P5では、TFSCHNB、トルエン、及び酢酸エチルを、攪拌機を具備するガラス反応容器に添加した。混合物をスパージし、ついでドライボックスに配し、固体状のDANFABA、Pd-1206及びトリエチルシランを添加した。反応容器をドライボックスから取り出し、スパージされた氷酢酸を添加した。混合物を17.5時間、100℃で加熱し、ついで、放置して室温まで冷却し、その後、残留モノマーと触媒を除去するために精製した。得られた分析データを以下の表に示す。
【表3】

【0112】
実施例P6;P7及びP8
実施例P6、P7及びP8の変数を表Dに示す。P6及びP7においては、攪拌機を具備するガラス反応容器に、TFSNB、HFANB、トルエン及び酢酸エチルを添加し、スパージし、ドライボックスに移動させた。実施例P8においては、TFSNB、HFANB、トルエン及び酢酸エチルをドライボックスで添加した。固体状のDANFABA、Pd-1206及びトリエチルシランを反応容器に添加し、反応容器をシールし、ドライボックスから取り出した。スパージされた氷酢酸を反応混合物に添加し、その後、表Dに示した時間、攪拌しつつ、100℃にした。反応混合物を放置して、室温まで冷却した。反応混合物の全固形物量の定量は、本質的にモノマーの100%転換が生じたことを示していた。反応混合物を精製して、残留モノマー及び触媒を除去した。P8においては、精製は、ヘキサンからのポリマーの沈殿を含み、沈殿物を濾過によって収集し、90℃で減圧乾燥させた。得られた分析データを表に示す。
【表4】

【0113】
実施例P9;P10及びP11
TFSNB及びBuNB、C8AcNB及びsecPrHFAEsNBのポリマー
実施例P9、P10及びP11の変数を表Eに示す。P10及びP11においては、攪拌機を具備するガラス反応容器に、TFSNB、トルエン、酢酸エチル、及びC8AcNB又はsecPrHFAEsNBの一つを添加し、混合物をスパージし、その後、反応容器をドライボックスに配した。P9においては、TFSNB、BuNB、トルエン及び酢酸エチルを添加する前に、反応容器をドライボックスに配した。攪拌しつつ、ドライボックスに、トリエチルシラン;Pd-1206;及びDANFABAを添加し、反応容器にキャップをし、ドライボックスから取り出した。スパージされた氷酢酸を添加し、表に示した長さの時間、混合物を100℃まで加熱し、ついで放置して、室温まで冷却した。反応混合物をヘキサン中に添加して沈殿させ、90℃で減圧乾燥させてポリマーを収集した。得られた分析データを表に示す。
【表5】

【0114】
実施例P12;P13及びP14
TFSNB及びsecPrHFAEsNB、C9BrAcNB又はC10BrAcNBのポリマー
実施例P12、P13及びP14の変数を表Fに示す。P13及びP14においては、攪拌機を具備するガラス反応容器をドライボックスに配し、TFSNB、トルエン、酢酸エチル、及びC9BrAcNB又はC10BrAcNBの一つを添加した。P12においては、TFSNB、secPrHFAEsNB、トルエン、及び酢酸エチルをガラス反応容器に添加し、混合物をスパージし、ついでドライボックスに配した。P12、P13及びP14のそれぞれにおいて、DANFABA、Pd-1206及びトリエチルシランを反応容器に添加し、反応容器をシールし、乾燥ボックスから取り出した。ついでスパージされた氷酢酸を添加し、表に示した長さの時間、攪拌しながら混合物を100℃まで加熱し、その後放置して、室温まで冷却した。反応混合物を精製して、残留モノマー及び触媒を除去した。反応混合物を、P13においてはヘプタン、P14においてはヘキサンに添加し、得られた沈殿物を収集し、乾燥させた。得られた分析データを表に示す。
【表6】

【0115】
実施例P15;P16及びP17
TFSNB及びC8GAcNB、C10GAcNB又はiボルニルEsNBのポリマー
実施例P15、P16及びP17の変数を表Gに示す。ドライボックスにおいて;TFSNB;トリエチルシラン;トルエン;酢酸エチル;Pd-1206;DANFABA、及びC8GAcNB、C10GAcNB又はiボルニルEsNBの一つを、攪拌機を具備するガラス反応容器に添加した。反応容器にキャップをかぶせ、ドライボックスから取り出した。窒素がスパージされた氷酢酸を添加し、表に示した長さの時間、混合物を100℃まで加熱し、その後放置して、室温まで冷却した。精製して残留モノマーと触媒を除去した後、反応混合物をヘプタンに添加し、沈殿させ、沈殿物を収集し、90℃で減圧乾燥させた。得られた分析データを表に示す。P15及びP16ポリマーの精製及び分離中、幾らかの量の5-ノルボルネン-2-メタノールが、対応する酢酸ノルボルネンから生成され、P17ポリマーにおいては、同様に、幾らかの量のカルボン酸ノルボルネンがノルボルネンエステルから生成される。これらの量は、以下の表に示すモル比において、最後の数として与える。
【表7】

【0116】
実施例P18;P19及びP20
TFSNB及びNBXOCH、NBCHOCHCHOCH、又はNBC(O)OCHCHOHのポリマー
実施例P18、P19及びP20の変数を以下の表Hに示す。攪拌機を具備するガラス反応容器に;TFSNB、トルエン、酢酸エチル、及びNBXOCH3、NBCHOCHCHOCH、又はNBCOOCHCHOHの一つを添加した。10分間、混合物に窒素をスパージし、ドライボックスに移動させ、固体状のDANFABA、Pd-1206及びトリエチルシランを反応容器に添加し、反応容器をシールし、ドライボックスから取り出した。ついで、窒素がスパージされた氷酢酸を添加し、表に示した長さの時間、混合物を100℃まで加熱し、その後放置して、室温まで冷却した。P18においては、THF(2g)及びトルエン(4.5g)を反応混合物に添加し、ついでこれをヘキサン類(200g)に注ぎ、沈殿させた。沈殿物を収集し、90℃の真空オーブンで乾燥させた。得られた分析データを表に示す。
【表8】

【0117】
実施例P21、P22及びP23
TFSNB及びNBCHOCHCHCH、NBC(O)OCHCHOC又はPPVENBのポリマー
実施例P21、P22及びP23の変数を以下の表Jに示す。P21及びP22においては、TFSNB、適切なモノマー、トルエン、及び酢酸エチルを、攪拌機を具備するガラス反応容器に添加し、混合物をスパージし、ドライボックスに配した。P22においては、TFSNB、PPVENB、トルエン及び酢酸エチルを、ドライボックスに配したガラス反応容器に添加した。ドライボックス中の反応容器に、固体状のDANFABA、Pd-1206及びトリエチルシランを添加し、反応容器をシールし、ドライボックスから取り出した。スパージされた氷酢酸を添加し、表に示した長さの時間、混合物を100℃まで加熱した。反応混合物を放置して、室温まで冷却した。P21及びP22においては、THF(2g)を反応混合物に添加し、ついで反応混合物をヘキサン類(200g)に注ぎ、沈殿させた。P23においては、希釈されていない反応混合物をヘキサンに添加し、沈殿させた。TFSNBとPPVENBの比は、84対16であることが見出され、ポリマーのODは0.14μ−1であった。沈殿物又は全ての反応物を収集し、90℃の真空オーブンで乾燥させた。得られたポリマーの分析データを以下の表に示す。
【表9】

【0118】
実施例P24a-e ECHNB/TFENB/TFSNB
実施例P24a-eは、異なるモノマー比を有するECHNB/TFENB/TFSNBポリマーの合成を開示する。得られた結果は、CA及びSAが、ポリマー中のECHNB濃度の関数であると思われることを示している。
【0119】
50mLのクリンプキャップ式バイアルに、各バイアルに対して異なる割合(割合は表Kに示す)のECHNB、TFENB及びTFSNBを含む0.050モルのモノマーを、トルエン(20g)に溶解させた。10分間、これらの溶液に窒素をスパージし、シールして、ドライボックスに移動させた。
【0120】
バイアルのシールを解き、Pd-1394(0.070g、0.00005mol)、LiFABA(0.131g、0.00015mol)及びトリエチルシラン(0.116g、0.001mol)をそれぞれ添加した。ついで、バイアルを再シールし、ドライボックスから取り出し、窒素がスパージされた氷酢酸(0.060g、0.001mol)を、テフロン隔膜を介して各溶液に添加し、油浴中で18時間、90℃まで溶液を加熱した。ついで、バイアルの内容物を放置して室温まで冷却し、それぞれに2gのTHFを添加した。ついで、ポリマー溶液を過剰なn-ヘプタンに添加し、沈殿させた。固体状ポリマーを収集し、真空オーブンで90℃にて一晩乾燥させた。各ポリマーの収率、分子量、多分散度、CA及びSAを表Kに示す。
【表10】

【0121】
実施例P25、P26及びP27
ECHNB/TFENB/TFSCHNBのポリマー
モノマーを50mLのクリンプキャップ式バイアルに添加し、トルエン(20g)に溶解させた。溶液をスパージし、シールし、ついでドライボックスに移動させた。
【0122】
各溶液に、Pd-1394(0.070g、0.00005mol)、LiFABA(0.131g、0.00015mol)、及びトリエチルシラン(0.116g、0.001mol)を添加し、バイアルを再シールし、ドライボックスから取り出した。スパージされた氷酢酸(0.060g、0.001mol)を、テフロン隔膜を介して添加し、油浴中で約18時間、90℃まで溶液を加熱した。各バイアルの内容物を放置して室温まで冷却し、2gのTHFを添加した。サンプルの内容物を取り出し、分子量を測定し、ついで、溶液を過剰なn-ヘプタンに添加し、沈殿させ、固形物を収集し、真空オーブンで90℃にて一晩乾燥させ、計量した。各ポリマーの収率、分子量、多分散度、CA及びSAを表Mに示す。
【表11】

【0123】
実施例P28a−g
表Nに示すモノマーを有するTFENBのポリマー
この実施例は、同じフィード比(30%のA、50%のB及び20%のTFENB)を有する3種のモノマーを含むポリマーの合成を開示する。
【0124】
50mLのクリンプキャップ式バイアルにおいて、0.015molのモノマーA、0.025molのモノマーB、及び0.010molのTFENBを、トルエン(20g)に溶解させた。これらの溶液をスパージし、ついでシールし、ドライボックスに移動させた。
【0125】
各溶液に、Pd-1394(0.070g、0.00005mol)、LiFABA(0.131g、0.00015mol)、及びトリエチルシラン(0.116g、0.001mol)を添加し、バイアルを再シールし、ドライボックスから取り出した。スパージされた氷酢酸(0.060g、0.001mol)を、テフロン隔膜を介して各溶液に添加し、油浴中で18時間、90℃まで溶液を加熱した。内容物を放置して室温まで冷却し、各バイアルに2gのTHFを添加した。各バイアルのサンプルを取り出し、表Nに示すように、分子量及び多分散度を測定した。その後、溶液を過剰なn-ヘプタンに添加し、沈殿させ、固形物を収集し、真空オーブンで90℃にて一晩乾燥させた。裸シリコンウエハー上の各ポリマーの薄層フィルムのCA及びSAを測定し、得られたデータを表Nに示した。
【表12】

【0126】
実施例P28a−gからの結果は、疎水性(高CA及び低SAにより示される)は、少なくとも部分的に、重合に使用されるモノマーの構造を変化させることによって制御可能であることを実証していると考えられる。すなわち、(1)現像液可溶性モノマー成分を、TFSNBからTFSCHNB及びTFSCHCHNBに変えることによって、疎水性が増加し(a、b及びcを参照);(2)現像液可溶性モノマー成分を、TFSNBからsecPrHFAEsNBに変えることによって、疎水性が増加し(d及びeを参照);及び(3)酸不安定なモノマー成分を、HFABOCME又はNBCOOBOCMEに変えることによって、疎水性が増加する(aをfと、dをgと比較)。
【0127】
実施例P29a−g
ECHNB/TFENB/TFSNBモノマーから誘導されたポリマー
ECHNB/TFENB/TFSNBモノマーを、表Pに示すフィード比を使用して重合させた。使用した重合法は、異なる分子量のポリマーを提供するため、添加するトリエチルシランの量を変えることを除けば、実施例24に記載された方法と類似している。
【0128】
固体状のポリマーを分離して乾燥させた後、それぞれをPGMEAに溶解させ、スピンコーティング法により裸のシリコンウエハー上に塗布した。各ウエハーを、90℃で90秒軟焼成し、その後、フィルムの厚みを偏光解析法により測定した。ついで、各ウエハーをスピンチャックに配し、2-ブタノールで覆い、3秒後、スピンさせて液体を除去した。ついで、フィルムを、90℃で90秒焼成し、厚みを再測定した。ポリマーフィルムの2-ブタノールに対する耐性を、フィルムの厚みの変動により測定した。フィード比、Mw及びイソ-ブタノールへの浸漬後の厚みの変動のデータを、表Pに示す。
【表13】

【0129】
実施例P29a−gからの結果は、(イソブタノール中での)フィルムの厚みの損失は、ポリマーの分子量及び組成の双方により、部分的に調節可能であることを実証していると考えられる。すなわち、一般に、TFENBの濃度が高くなればなる程(又は、TFSNBの濃度が低くなればなる程)、フィルムの厚みの損失は少なく(eとfを比較)、また分子量が高くなっても同様である(eとgを比較)。
【0130】
実施例P30a
TFSNB/TFENB/ECHNB/酸NBポリマー
3-バルブストッパーと攪拌機を具備する500mLの反応容器において、ECHNB(13.02g、0.053mol)、TFENB(12.20g、0.055mol)、及びTFSNB(19.13g、0.075mol)を、トルエン(77g)に溶解させた。50mLのクリンプキャップ式バイアルにおいて、ECHNB(14.73g、0.059mol)及びTFENB(5.56g、0.025mol)を、トルエン(11.1g)に溶解させた。双方の溶液をスパージし、ついでシールした。
【0131】
反応容器中の溶液に、Pd-1394(1.394g、0.001mol)、LiFABA(2.613g、0.003mol)、及びトリエチルシラン(1.16g、0.01mol)を添加し、溶液を混合した。氷酢酸(0.30g、0.005mol)を、反応容器中の溶液に添加し、溶液を一晩、90℃まで加熱した。
【0132】
反応容器の加熱中、クリンプキャップ式バイアル内の溶液を、所定の計測プロトコル:(0.065mL/minを54分、0.077mL/minを45分、0.041mL/minを84分、0.022mL/minを155分、0.012mL/minを286分、0.007mL/minを530分、及び0.004mL/minを572分)に従い、容器に移した。
【0133】
ポリマーから触媒残留物を取り除く処理後、得られた溶液をロータリーエバポレータを使用して濃縮し、ポリマー生成物を過剰なヘキサンを用いて沈殿させた。得られた無色固体状のポリマー(26g)を、真空オーブンで90℃にて一晩乾燥させ、1:1のTHF/MeOH混合物(60mL)に溶解させ、過剰な90:10のMeOH/水で沈殿させた。ポリマーを真空オーブンで90℃にて一晩乾燥させたところ、23.3gのポリマー(単離された収率、38%)が得られた。
【0134】
最終生成物のH-NMR分析では、残留モノマーの存在は示されず、13C NMR分析では、約35/31/30/4のECHNB/TFENB/TFSNB/酸NBの組成が明らかとなった。Mw、Mn、及びPDIを測定したところ、それぞれ4300、2600及び1.66であった。PGMEAに入った20%溶液からシリコンウエハー上にスピニングさせたこのポリマーの薄層フィルム(約1ミクロン)は、77°±2°のCAを有していた。
【0135】
実施例P30b
TFSNB/TFENB/ECHNB/酸NBのポリマー
反応容器において、0.73g、0.0063molのトリエチルシランを溶液に添加したことを除き、P30aと同様にしてこの重合を行い、次の計測プロトコル:(0.065mL/minを54分、0.077mL/minを45分、0.041mL/minを84分、0.022mL/minを155分、0.012mL/minを286分、0.007mL/minを530分、及び0.004mL/minを978分)に従い、不活性雰囲気下、クリンプキャップ式バイアル中の溶液を反応容器に移した。
【0136】
40gの無色固体状のポリマーが最初に得られ、再沈殿後、P30aで行ったようにして、37.5gのポリマー(単離された収率、54%)が得られた。
【0137】
最終生成物のH-NMR分析では、残留モノマーの存在は示されず、13C NMR分析では、約35/30/30/5のECHNB/TFENB/TFSNB/酸NBの組成が明らかとなった。Mw、Mn、及びPDIを測定したところ、それぞれ7723、4350及び1.78であった。PGMEAに入った20%溶液からシリコンウエハー上にスピニングさせたこのポリマーの薄層フィルム(約1ミクロン)は、76°±1°のCAを有していた。
【0138】
実施例P30b
TFSNB/TFENB/ECHNB/酸NBのポリマー
反応容器において、0.36g、0.003molのトリエチルシランを溶液に添加したことを除き、P30aと同様にしてこの重合を行い、所定の計測プロトコル:(0.065mL/minを54分、0.077mL/minを45分、0.041mL/minを84分、0.022mL/minを155分、0.012mL/minを286分、0.007mL/minを530分、及び0.004mL/minを632分)に従い、不活性雰囲気下、クリンプキャップ式バイアル中の溶液を反応容器に移した。
【0139】
38gの最初のポリマーが得られ、過剰な85:15のMeOH/水を使用して再沈殿させた後、35gのポリマー(分離収率、50%)が得られた。
【0140】
最終生成物のH-NMR分析では、残留モノマーの存在は示されず、13C NMR分析では、約35/32/29/4のECHNB/TFENB/TFSNBB/酸NBの組成が明らかとなった。Mw、Mn、及びPDIを測定したところ、それぞれ12453、6043及び2.06であった。PGMEAに入った20%溶液からシリコンウエハー上にスピニングさせたこのポリマーの薄層フィルム(約1ミクロン)は、75°±2°のCAを有していた。
【0141】
実施例P31
ECHNB/TFENB/HFANB/酸NBポリマー
ドライボックス内において、攪拌機を具備する500mLの反応容器で、ECHNB(74.51g、0.300mol)、TFENB(53.34g、0.240mol)、及びHFANB(16.45g、0.060mol)をトルエン(180g)に溶解させた。
【0142】
反応容器内の溶液に、Pd-1394(0.8364g、0.00060mol)、LiFABA(1.5684g、0.0018mol)、及びトリエチルシラン(2.91g、0.025mol)を添加し、溶液を攪拌した。氷酢酸(0.72g、0.012mol)を溶液に添加し、その後、40時間、90℃まで加熱した。
【0143】
ポリマーから触媒残留物を除去するための処理後、ロータリーエバポレータを使用して、得られた溶液を濃縮し、ポリマー生成物を過剰な85:15のMeOH/水で沈殿させた。得られた無色固体状のポリマー(67g)を、真空オーブンにて、90℃で乾燥させ、トルエンに溶解させ、過剰なヘキサンで沈殿させた。真空オーブンにて、ポリマーを90℃で一晩乾燥させたところ、62gのポリマー(分離収率、43%)が得られた。
【0144】
最終生成物のH-NMR分析では、残留モノマーの存在は示されず、13C NMR分析では、約46/40/9/5のECHNB/TFENB/HFANB/酸NBの組成が明らかとなった。Mw、Mn、及びPDIを測定したところ、それぞれ4116、2478及び1.66であった。
【0145】
実施例P32
TFSNB/NBHFAEsNB/酸NBポリマー
攪拌機を具備するガラス反応容器に、TFSNB(36.7g、0.144mol)、NBHFAEsNB(13.3g、0.036mol)、トルエン(56.0g)、及び酢酸エチル(19.0g)を添加した。混合物をスパージし、ついで反応容器をドライボックスに配し、その後、固体状のDANFABA(0.481g、0.0006mol)、Pd-1206(0.145g、0.00012mol)及びトリエチルシラン(1.465g、0.0126mol)を反応容器に添加した。ついで、反応容器をドライボックスから取り出し、スパージされた氷酢酸(0.216g、0.0036mol)を反応混合物に添加した。ついで、攪拌しつつ、混合物を18時間、100℃まで加熱した。混合物を放置して室温まで冷却した後、精製を施して、残留モノマーと触媒を除去した。Mw、Mn及びPDIを測定したところ、それぞれ5382、3544及び1.39であった。上述したように、酸NBが、ポリマーの精製中に酸解離性モノマーから誘導される場合、ポリマー組成は84/14/2(TFSNB/NBHFAEsNB/酸NB)であることが見出された。基板上に形成されたポリマーフィルムから、CA及びSAを測定したところ、それぞれ80°及び25°であった。0.26Nの水性TMAHにおける溶解速度は、1601nm/secであることが見出された。
【0146】
実施例P33
TFSNBホモポリマー
TFSNB(44.9g、0.176mol)、エタノール(0.811g、0.0176mol)、無水トルエン(72mL)、及びプロピレングリコールメチルエーテル(8mL)を、攪拌棒を含む250mLのクリンプキャップ式ボトル内で混合し、スパージし、ついでボトルをシールした。ボトルをドライボックスに入れ、シールを解き、Pd-1206(849g、0.0007mol)、DANFABA(1.69g、0.0021mol)、及びトリエチルシラン(1.23g、0.0106mol)を添加した。ボトルを再シールし、油浴中で21時間、攪拌しつつ、内容物を80℃まで加熱した。混合物を放置して室温まで冷却した後、THF(10g)を添加した。得られた溶液から触媒及び残留モノマーを除去するための処理後、ロータリーエバポレータを使用して濃縮し、ポリマー生成物を過剰なヘキサンで沈殿させ、収集し、真空オーブンにて90℃で乾燥させた後、26gのホモポリマー(58%)が得られた。Mw、Mn、及びPDIを測定したところ、それぞれ5580、3810及び1.47であった。
【0147】
予想実施例P1p TFSsecPrNB
ドライボックスにおいて、TFSsecPrNB(10.0g、0.0353mol)、トリエチルシラン(0.286g、0.00247mol)、トルエン(12g)、酢酸エチル(4g)、Pd-1206(0.043g、0.000035mol)、及びDANFABA(0.084g、0.000105mol)を、攪拌機を具備するガラス反応容器に添加する。反応混合物をスパージし、ついで反応容器にキャップをし、ドライボックスから取り出す。スパージされた氷酢酸(0.094g、0.00157mol)を添加し、反応混合物を15−20時間、100℃まで加熱し、放置して室温まで冷却する。残留モノマー及び触媒を除去するための精製後、反応混合物に過剰なヘキサンを添加することにより、ポリマーを沈殿させる。収集及び乾燥後、固形物は標的ポリマーである。
【0148】
トップコート層としてのTFSNBホモポリマーのリソグラフィ挙動
実施例TC-1
2-メチル-1-プロピルアルコールにTFSNBホモポリマーが入った2.5重量%溶液を調製した。ホモポリマーは、溶液1においては19400のMwを有し、溶液2においては8500のMwを有し、溶液3においては5300のMwを有する。このようなホモポリマーは、例えば実施例P33の方法で調製することができるが、トリエチルシランの量及び/又は反応時間は、異なった分子量を達成するために変えられる。各溶液を基板に塗布し、約300nmの厚みを有する保護フィルムを形成する。
【0149】
3種のコーティングされた基板のそれぞれを、TMAHの2.38重量%水溶液(0.26N)に60秒接触させ、アルカリ現像液中でのその溶解度を評価した。アルカリ現像液との接触の前後における保護フィルムの厚みの変動を測定することにより、評価を実施した。結果を以下の表R1に示す。
【表14】

【0150】
表Sの結果から、本発明の保護フィルム形成物質は、アルカリ現像液中で良好な溶解性を有し、アルカリ可溶性保護フィルムとして使用可能であることが理解される。
【0151】
実施例TC-2
コーティングされたフィルムの厚みが、表R2に示したものであることを除けば、実施例TC-1の方法で調製した3種の更なるコーティング基板について、液浸リソグラフィの液体として使用されうる水に対する耐性を試験した。水との接触の前後における、保護フィルムの厚みの変動を測定することにより、評価を実施した。結果を以下の表R2に示す。
【表15】

【0152】
表R2の結果から、本発明の保護フィルム形成物質は、水に対する良好な耐性を有し、液浸リソグラフィにおける保護フィルムとして使用可能であることが理解される。
【0153】
実施例TC-3
有機反射防止フィルム組成物ARC29(Brewer Science, Inc.)を、スピナーを用いてシリコンウエハーに塗布し、焼成し、205℃のホットプレートで60秒乾燥させ、77nmの厚みを有する反射防止フィルムを形成した。TArF-P6111(Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd.)にポジティブ型フォトレジスト組成物を、反射防止フィルムに塗布し、予備焼成し、130℃のホットプレートで90秒乾燥させ、反射防止フィルム上に150nmの厚みを有するフォトレジストフィルムを形成した。
【0154】
実施例TC-1において使用した保護フィルム形成物質をフォトレジストフィルムに塗布し、90℃で60秒加熱し、約70nmの厚みを有する保護フィルムを形成した。
【0155】
次に、液浸リソグラフィの実験室用キット(Nikon Corp.のLEIES 193-1)を使用し、サンプルの二光束干渉について試験した。ついで、これに115℃で90秒、PEB処理を施し、続いて、23℃で60秒、TMAHの2.38重量%水溶液で現像した。この現像工程において、保護フィルムは完全に除去され、フォトレジストフィルムの現像性は良好であった。
【0156】
このようにして得られた65nmピッチを有するライン-アンド-スペースパターンを、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察したところ、そのパターン形状は良好であった。
【0157】
実施例TC-4
有機反射防止フィルム組成物ARC29(Brewer Science, Inc.)を、スピナーを用いてシリコンウエハーに塗布し、焼成し、205℃のホットプレートで60秒乾燥させ、77nmの厚みを有する反射防止フィルムを形成した。ポジティブ型フォトレジスト組成物、TArF-P6111(Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd.)を、反射防止フィルムに塗布し、予備焼成し、130℃のホットプレートで90秒乾燥させ、反射防止フィルム上に170nmの厚みを有するフォトレジストフィルムを形成した。
【0158】
実施例TC-1を使用した保護フィルム形成物質をフォトレジストフィルムに塗布し、90℃で60秒加熱し、約70nmの厚みを有する保護フィルムを形成した。
【0159】
そこに形成された保護フィルムを有する基板上に純水を滴下し、ついで、露光装置(Nikon Corp.のNSR-S302)を使用し、これを193nmのArFエキシマレーザの光に露光させ、ついで、60秒、更に純水をそこに滴下した。次に、これに115℃で90秒、PEB処理を施し、続いて、23℃で60秒、TMAHの2.38重量%水溶液で現像した。
【0160】
このようにして得られた130nmのピッチを有するライン-アンド-スペースパターン(1:1)における欠陥の数を、KLA2351(KLA Tencor Co., Ltd.)を用いて計測したところ、そこに形成された保護フィルムを有していない比較サンプルにおける欠陥の数の0.5%まで低減していた。
【0161】
トップコート層としてのTFSNBコポリマーのリソグラフィ挙動
実施例TC-5a-f
表Sに示すTFSNBのコポリマーを、先に記載した測定方式2の方法を使用し、接触角(CA)、転落角(SA)、水性アルカリ現像液における溶解速度(DR)及び耐水性(WP)を測定した。提示したデータが示すところでは、このようなサンプルから形成されるフィルムは、かかる物質が液浸リソグラフィプロセスにおいて保護フィルム(トップコート)として使用するのに適したものであることを示す接触角及び転落角、耐水性、及び溶解速度を示した。更に、スキャン能力に関するこのようなフィルムの評価でもまた許容できる結果が得られた。
【表16】

【0162】
上記コポリマーの評価に加えて、第一方式のコーティングシリコンウエハーを、スピンコーティング法によって、次のフィルム形成物質をウエハーに塗布することにより調製した。各ウエハーにおいて、先ず、有機反射防止フィルム組成物「ARC29」(Brewer Science, Inc.)をウエハーに塗布し、焼成し、225℃のホットプレートで60秒乾燥させ、約77nmの厚みを有する反射防止フィルムを形成した。次に、「TARF-P6111ME」(Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd.)のポジティブ型フォトレジスト組成物を、反射防止フィルムに塗布し、予備焼成し、130℃のホットプレートで90秒乾燥させ、約225nmの厚みを有するフォトレジストフィルムを形成した。ついで、表Sからの各コポリマーの組成物を、フォトレジストフィルム上、コーティングウエハーの一つに塗布し、90℃で60秒加熱し、約140nmの厚みを有する保護フィルム又はトップコート層を形成した。
【0163】
次に、193nmのArFエキシマレーザ源を具備する「NSR S302A」(Nikon Corp.)リソグラフィ用ツールを使用し、それぞれのコーティングウエハーを、マスクパターンを介して、通常の乾燥露光にかけた。露光後、基板を、液浸リソグラフィ環境をシミュレートするためにスピナーチャックで回転させ続けながら、23℃の純水を1分間、保護フィルム上に滴下した。そこに純水を添加した後、基板に130℃で90秒、PEB処理を施し、ついで、パターン現像プロセスの間、23℃で60秒、アルカリ現像液(0.26NのTMAH水溶液)を施した。この現像プロセスの結果、トップコート層は完全に除去され、レジストフィルムに良好に現像されたパターンが形成された。このようなパターンでは、130nmのピッチを有するライン-アンド-スペース(1:1)レジストパターンが走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察され、そのパターン形状は良好な長方形であった。
【0164】
表Sのコポリマーの評価を続け、第二方式のコーティングシリコンウエハーを、第一方式に対して上述したようにして調製した。しかしながら、第二方式のウエハーは、液浸リソグラフィの実験室用キット(Nikon Corp.のLEIES 193-1)を使用して露光し、ここでLEIESを、193nmのArFエキシマレーザ源を使用し、各ウエハーの二光束干渉に対してセットした。
【0165】
露光後、各ウエハーに、第一方式に対して使用した現像プロセスを施した。この現像プロセスではトップコート層が完全に除去され、レジストフィルムには、良好に現像されたパターンが現れた。このようなパターンでは、130nmのピッチを有するライン-アンド-スペース(1:1)レジストパターンがSEMを用いて観察され、良好な長方形の良好なパターン形状を有することが見出された。
【0166】
P30a−c及びP31の組成物の液浸露光評価
実施例P30a−c及びP31のポリマーを使用し、以下の表Tに従い、現像型ポリマー組成物を調製した:
【表17】

【0167】
8インチのシリコンウエハーに、有機反射防止コーティング物質(Brewer Science、製品ARC-29A)を塗布し、205℃で60秒焼成し、77nmのフィルムを得た。ウエハー及びフィルムを基板として使用した。スピナーを使用して、この基板に、各ポリマー組成物を均一に塗布し、ホットプレートで110℃で90秒予備焼成し、乾燥させ、約130nmの厚みを有する現像型ポリマー層を形成した。
【0168】
次に、液浸露光のためにLEIES 193-1二光束干渉計(Nikon社製)を使用し、プリズム、水及び2つの193nm干渉計を使用し、浸漬二光束干渉計露光を実施した。この方法は、Journal of Vacuum Science & Technology B(US)(19:6 2001, p. 2353-2356)に報告されており、ライン-アンド-スペース(L&S)パターンを得るために、研究室において有用な方法として公に知られている。
【0169】
ついで、基板を、100℃で90秒の露光後焼成(PEB)にかけ、23℃で2.38重量%の水性水酸化トリメチルアンモニウム(TMAH)に、60秒、パドル現像を施した後、続いて30秒、純水でリンスし、その後、スピン乾燥させて、レジストパターンで1:1を得た(以下の「L/Sパターン」)。
【0170】
走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して、各サンプルのL/Sパターンを観察した場合、65nmのライン-アンド-スペースで1:1のレジストパターンが生じた。更に、レジストパターンの形態に関し、ラインには、何の波形も示されず、またラフネスも殆どなかった。
【0171】
比較例
上述の液浸露光評価の一部として、実施例P30a−cのポリマーから製造された組成物を使用して形成されたパターンを、実施例P31のポリマーを使用して形成された代替組成物のパターンと比較した。
【0172】
同じ露光法により代替組成物を使用して得られたL/Sパターンを、SEMを使用して観察した場合、65nmのライン-アンド-スペースが1:1のレジストパターンに形成された。しかしながら、レジストパターンの形態には、ラインに顕著なムラとかなりのラフネスがあった。
【0173】
アルコールに対するフィルム耐性
これまでに記載した方法により、実施例30b及び30cのポリマー組成物を用いて2つのウエハーをコーティングし、各フィルムの厚みを測定した。次に、基板の温度を室温まで低下させた後、イソブタノールをノズルから滴下し、レジストフィルムの厚みを再度測定し、その後ロータリー乾燥機に配した。実施例2のレジストの場合における損失は12.7nmであり、実施例3の場合は9.2nmであった。
【0174】
しかしながら、同じアルコール耐性テストを、代替組成物でコーティングされたウエハーで実施すると、20.2nmの損失が観察された。
【0175】
他のアルコール、例えば4-メチル-2-ペンタノールでも、同様の結果が生じることが予期される。
【0176】
上述の結果から明らかなように、実施例30a−cのポリマーを使用して製造したポリマー組成物により、液浸露光の結果として、高解像度のレジストパターンが付与されたフィルムが生じた。更に良好な結果が得られ、アルコール耐性試験において、フィルムの損失は殆どなかった。更に、アルコール溶媒を使用してポリマー組成物からトップコートフィルムが形成された場合、混合層が、レジスト層とトップコートフィルム層との間に形成されない点で良好な結果が得られた。
【0177】
これに対して、代替組成物の液浸露光によって得られたパターンは良好でなく、アルコール耐性試験ではフィルムのかなりの損失が生じた。
【0178】
更に、実施例P30a−cのポリマーを使用した組成物から形成されたフィルムには、それぞれ高い撥水性がある、すなわち高い疎水性を有することが見出され、保護フィルムを使用することなく、上述したような液浸リソグラフィ用のフォトレジストとして使用した場合に、レジストフィルムから浸漬液体(例えば水)が殆ど溶解しない点で良好な結果が得られた。
【0179】
実施例、データ及びその検討により、またそれらを通して、トップコートポリマー、このようなポリマーを使用して形成されるトップコート(保護フィルム形成)物質、それにより形成されるトップコート層、及びこのような層を使用するプロセスの実施態様が、以前より公知の物質で見出されている上述したような課題に対する解決法を提供するものであることが分かる。このようなトップコート物質及びそれにより形成される層により、アルカリ溶解性、浸漬液体に対する耐性、フォトレジスト層成分に対する又はそれとの低い溶解性、このようなフォトレジスト層からの及び/又はフォトレジスト層への滲出に対する良好な保護性、ガス障壁層としての良好な保護性、及び低い光学密度が提供される。更に、トップコート物質及びそれにより形成される層では、液浸リソグラフィプロセスの間に、このようなトップコート層が使用されていないプロセスと比較して、スキャン能力に優れ、欠陥が低減している。更に前記層は、このような性能に望ましいと考えられている高い接触角及び後退角及び低い転落角を示している。また、ここで提供される実施例は、限定するものではなく、むしろポリマー設計のプロセスを介して得られうるものの例示であることが分かる。例えば、TFSNB及びNBXOH(97:3)の非自己現像型ポリマーのフィルムは、CAが70°であり、SAが22°であり、溶解速度(DR)が1710nm/秒であり、耐水性が−2%であった。実施例TC5a−fに開示された非自己現像型と同様、このポリマーも、このような実施例に記載されている湿潤及び乾燥露光現像試験の双方の後に、有利な結果を示した。
【0180】
更に、このようなデータ及びその検討は、現像型ポリマー、このようなポリマーにより形成される現像物質(フォトレジスト)、それにより形成される現像層(フォトレジスト層又はフィルム)、及びこのような層を使用するプロセスの実施態様が、上述した問題に対する解決法を提供可能であり、又はこれらを上述したトップコート物質及び層と共に、このような解決法を提供するために利用することができることを実証している。このようなフォトレジスト物質及びそれから形成されるフィルムは、浸漬流体に対して良好な耐性を示し、液浸リソグラフィプロセス中、上述したトップコート実施態様と殆ど又は全く相互作用せず、またそれらは、代替フォトレジスト物質が使用されるプロセスと比較して、スキャン能力に優れ、欠陥が低減していることも示されている。更に前記層は、このような性能に所望されていると考えられている、高い接触角及び後退角、低い転落角を示している。
【0181】
本発明を様々な実施態様及び実施例の記述に関して説明したが、それを変更することは、この明細書を読んだ当業者にとっては明らかであることが分かるはずである。よって、あらゆるこのような変更が、本発明の実施態様の範囲及び要旨に入り、添付の特許請求の範囲に入ることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0182】
【図1】図1は、矢印の方向の動きを有するレンズエレメント、レジスト層、及びレジスト層とレンズエレメントの間の流体(浸漬媒体)、並びにレジスト層の一部を覆う非保持浸漬流体を表す液浸リソグラフィシステムを示す。
【図2】図2は、表面を覆う液滴に対する接触角、転落角及び後退角を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノルボルネン型反復単位からなる非自己現像型ポリマーであって、式I:
【化1】

[上式中、Xは-CH-、-CH-CH-、O又はSであり;nは0〜5の整数であり;RからRはそれぞれ独立して、水素、直鎖状又は分枝状アルキル基、あるいは直鎖状又は分枝状ハロアルキル基を表し、但し、RからRの少なくとも一が、-QNHSO基(ここで、Qは1〜5の炭素の直鎖状又は分枝状アルキルスペーサーであり、Rは1〜10の炭素原子のペルハロ基である)である]
で表される第一ノルボルネン型反復単位を含む非自己現像型ポリマー。
【請求項2】
式II:
【化2】

[上式中、X及びnは式Iに対して定義した通りであり、RからRはそれぞれ独立して、水素、直鎖状又は分枝状アルキル基、あるいは直鎖状又は分枝状ハロアルキル基を表し、但し、RからRの少なくとも一は、-Q(CO)O-(CH)-R10(ここで、Qは任意で、存在する場合は1〜5の炭素の直鎖状又は分枝状アルキルスペーサーであり、mは0か1〜3の整数であり、R10は1〜10の炭素原子の直鎖状又は分枝状ペルハロアルキルである)である]
で表される第二のタイプのノルボルネン型反復単位を更に含む、請求項1に記載の非自己現像型ポリマー。
【請求項3】
がCFであり、R10がCである、請求項2に記載の非自己現像型ポリマー。
【請求項4】
Qが独立してCH又はCHCHである、請求項3に記載の非自己現像型ポリマー。
【請求項5】
第一反復単位と第二反復単位のモル比が99:1〜60:40である、請求項2、3又は4に記載の非自己現像型ポリマー。
【請求項6】
第一反復単位と第二反復単位のモル比が95:5〜75:25である、請求項5に記載の非自己現像型ポリマー。
【請求項7】
2000〜10000の分子量(Mw)を有する、請求項2、3又は4に記載の非自己現像型ポリマー。
【請求項8】
4000〜7000の分子量(Mw)を有する、請求項7に記載の非自己現像型ポリマー。
【請求項9】
4000〜6000の分子量(Mw)、2未満の多分散度、85:15〜75:25の第一反復単位と第二反復単位のモル比を有し、RがCFであり、R10がCであり、QがCHであり、Qが存在しない、請求項2に記載の非自己現像型ポリマー。
【請求項10】
式III:
【化3】

[上式中、X及びnは式Iに対して定義した通りであり、R11からR14はそれぞれ独立して、水素、直鎖状又は分枝状アルキル基、あるいは直鎖状又は分枝状ハロアルキル基を表し、但し、R11からR14の少なくとも一は、次の式:
【化4】

(上式中、mは1〜3の整数であり、Qは請求項2において定義した通りであり、Qは1〜5の炭素の直鎖状又は分枝状アルキルスペーサーである)
のA、B又はC基の一つである]
で表される第三のタイプのノルボルネン型反復単位を更に含む、請求項1又は2に記載の非自己現像型ポリマー。
【請求項11】
式IV:
【化5】

[上式中、X及びnは式Iに対して定義した通りであり、R15からR18はそれぞれ独立して、水素、直鎖状又は分枝状アルキル基、あるいは直鎖状又は分枝状ハロアルキル基を表し、但し、R15からR18の少なくとも一は、次の式:
【化6】

(上式中、Xはそれぞれ独立してF又はHであり、qはそれぞれ独立して1〜3の整数であり、pは1〜5の整数であり、Qは1〜5の炭素の直鎖状又は分枝状アルキルスペーサーであり、Zは2〜10の炭素の直鎖状又は分枝状のハロ又はペルハロスペーサーである)
のD、E又はF基の一つである]
で表される第四のタイプのノルボルネン型反復単位を更に含む、請求項1又は2に記載の非自己現像型ポリマー。
【請求項12】
40〜98モル%(mol%)の第一のタイプの反復単位と、独立して、存在する場合は、約1〜30モル%の第二のタイプの反復単位と、約1〜40モル%の第三のタイプの反復単位と第四のタイプの反復単位を含み、但し、第二のタイプの反復単位が存在する場合、第三の反復単位又は第四の反復単位の一方がまた存在する、請求項10又は11に記載の非自己現像型ポリマー。
【請求項13】
50〜80モル%の第一のタイプの反復単位と、独立して、存在する場合は、約10〜25モル%の第二のタイプの反復単位と、約5〜30モル%の第三のタイプの反復単位と第四のタイプの反復単位を含み、但し、第二のタイプの反復単位が存在する場合、第三の反復単位又は第四の反復単位の一方がまた存在する、請求項10又は11に記載の非自己現像型ポリマー。
【請求項14】
5位置換直鎖状又は分枝状アルキルノルボルネン反復単位あるいは5位置換直鎖状又は分枝状アルキルエステルノルボルネンを更に含む、請求項1、2、10又は11の何れか一項に記載の非自己現像型ポリマー。
【請求項15】
5位置換直鎖状又は分枝状アルキルノルボルネン反復単位あるいは5位置換アルキルエステル反復単位が、ヘキシル又はブチル5位置換ノルボルネン反復単位あるいは5位置換イソボルニルエステルノルボルネンである、請求項14に記載の非自己現像型ポリマー。
【請求項16】
2000〜10000の分子量(Mw)を有する、請求項12又は13に記載の非自己現像型ポリマー。
【請求項17】
3500〜7000の分子量(Mw)を有する、請求項16に記載の非自己現像型ポリマー。
【請求項18】
60〜85モル%の第一反復単位と15〜40モル%の第二反復単位を含み、それぞれの反復単位において、nが0、RがCF、R10がC、QがCH、mが1、Qが存在していない、請求項2に記載の非自己現像型ポリマー。
【請求項19】
75〜85モル%の第一反復単位と15〜25モル%の第二反復単位を含み、2未満の多分散度で3000〜6000の分子量(Mw)を有する、請求項18に記載の非自己現像型ポリマー。
【請求項20】
式IA:
【化7】

[上式中、Xは-CH-、-CH-CH-、O又はSであり;nは0〜5の整数であり;RからRはそれぞれ独立して、水素、直鎖状又は分枝状アルキル基、あるいは直鎖状又は分枝状ハロアルキル基を表し、但し、RからRの少なくとも一は、-QNHSO基(ここで、Qは1〜5の炭素の直鎖状又は分枝状アルキルスペーサーであり、Rは1〜10の炭素原子のペルハロ基である)である]
で表される第一ノルボルネン型モノマーを反応容器に投入し;
第一モノマーとは構造的に異なる一又は複数種の他のノルボルネン型モノマーを任意に反応容器に投入し;
適切な溶媒、触媒及び任意の共触媒を反応容器に更に投入し;
反応容器の内容物に攪拌を施して、上記第一モノマー、任意の他のモノマー、触媒、任意の共触媒を溶媒に溶解させ;
内容物に、その中に存在する第一モノマーと任意の他のモノマーを重合させるのに十分な時間、熱と連続した撹拌を付与する;
ことを含んでなる、ノルボルネン型反復単位からなる非自己現像型ポリマーの製造方法。
【請求項21】
反応容器への任意の投入が、式IIA:
【化8】

[上式中、X及びnは式Iに対して定義した通りであり、RからRはそれぞれ独立して、水素、直鎖状又は分枝状アルキル基、あるいは直鎖状又は分枝状ハロアルキル基を表し、但し、RからRの少なくとも一は、-Q(CO)O-(CH)-R10(ここで、Qは任意で、存在する場合は1〜5の炭素の直鎖状又は分枝状アルキルスペーサーであり、mは0又は1〜3の整数であり;R10は1〜10の炭素原子の直鎖状又は分枝状ペルハロアルキルである)である]
で表されるノルボルネン型モノマーを反応容器に投入することを含んでなる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
反応容器への任意の投入が、式IIA:
【化9】

[上式中、X及びnは式IAに対して定義した通りであり、RからRはそれぞれ独立して、水素、直鎖状又は分枝状アルキル基、あるいは直鎖状又は分枝状ハロアルキル基を表し、但し、RからRの少なくとも一は、-Q(CO)O-(CH)-R10(ここでQは任意で、存在する場合は1〜5の炭素の直鎖状又は分枝状アルキルスペーサーであり、mは0又は1〜3の整数であり;R10は1〜10の炭素原子の直鎖状又は分枝状ペルハロアルキルである)である]
で表されるノルボルネン型モノマー、及び式IIIA:
【化10】

[上式中、X及びnは式IAに対して定義した通りであり、R11からR14はそれぞれ独立して、水素、直鎖状又は分枝状アルキル基、あるいは直鎖状又は分枝状ハロアルキル基を表し、但し、R11からR14の少なくとも一は、次の式:
【化11】

(上式中、mは1〜3の整数であり、Qは上に定義した通りであり、Qは1〜5の炭素の直鎖状又は分枝状アルキルスペーサーである)
のA、B又はC基の一つである];及び/又は式IVA:
【化12】

[上式中、X及びnは式Iに対して定義した通りであり、R15からR18はそれぞれ独立して、水素、直鎖状又は分枝状アルキル基、あるいは直鎖状又は分枝状ハロアルキル基を表し、但し、R15からR18の少なくとも一は、次の式:
【化13】

(上式中、Xはそれぞれ独立してF又はHであり、qはそれぞれ独立して1〜3の整数であり、pは1〜5の整数であり、Qは1〜5の炭素の直鎖状又は分枝状アルキルスペーサーであり、Zは2〜10の炭素の直鎖状又は分枝状ハロ又はペルハロスペーサーである)
のD、E又はF基の一つである]
で表される一又は複数のノルボルネン型モノマーを反応容器に投入することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
式IIIA及び/又はIVAで表される任意に投入される一又は複数のノルボルネン型モノマーが、5位置換直鎖状又は分枝状アルキルノルボルネン型モノマーと5位置換直鎖状又は分枝状アルキルエステルノルボルネン型モノマーを更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
更なる反応容器への投入が、
ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、塩化エチル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル及びそれらの混合物の群から選択される溶媒;
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸リチウム・ジエチルエーテル錯体(LiFABA)及びN-ジメチルアニリン・テトラキス-(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩(DANFABA)から選択される任意の共触媒;
ビス(トリイソプロピルホスフィン)酢酸パラジウム-アセトニトリル錯体・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩(Pd1206)及びビス(トリシクロヘキシル-t-ブチルホスフィン)酢酸パラジウム-アセトニトリル錯体・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩(Pd1394)から選択される触媒
の反応容器への投入を含む、請求項20、21、22又は23の何れか一項に記載の方法。
【請求項25】
一又は複数のノルボルネン型反復単位からなり、該反復単位の少なくとも一がポリマーにアルカリ溶解性を付与する非自己現像型ポリマーと、溶媒を含有するトップコート組成物。
【請求項26】
上記反復単位の少なくとも一が、式I:
【化14】

[上式中、Xは-CH-、-CH-CH-、O又はSであり;nは0〜5の整数であり;RからRはそれぞれ独立して、水素、直鎖状又は分枝状アルキル基、あるいは直鎖状又は分枝状ハロアルキル基を表し、但し、RからRの少なくとも一は、-QNHSO基(ここで、Qは1〜5の炭素の直鎖状又は分枝状アルキルスペーサーであり、Rは1〜10の炭素原子のペルハロ基である)である];及び/又は式III:
【化15】

[上式中、X及びnは式Iに対して定義した通りであり、R11からR14はそれぞれ独立して、水素、直鎖状又は分枝状アルキル基、又は直鎖状又は分枝状ハロアルキル基を表し、但し、R11からR14の少なくとも一は、次の式:
【化16】

(上式中、mは1〜3の整数であり、Qは請求項2において定義した通りであり、Qは1〜5の炭素の直鎖状又は分枝状アルキルスペーサーである)
のA、B又はC基の一つである]
で表される、請求項25に記載のトップコート組成物。
【請求項27】
非自己現像型ポリマーの一又は複数のノルボルネン型反復単位が、更に、ポリマーの疎水性度制御をもたらす一又は複数のタイプの反復単位からなる、請求項25又は26に記載のトップコート組成物。
【請求項28】
ポリマーに疎水性度制御をもたらす一又は複数のタイプの反復単位が、式II:
【化17】

[上式中、X及びnは式Iに対して定義した通りであり、RからRはそれぞれ独立して、水素、直鎖状又は分枝状のアルキル基、又は直鎖状又は分枝状のハロアルキル基を表し、但し、RからRの少なくとも一は、-Q(CO)O-(CH)-R10(ここで、Qは、任意で、存在する場合は1〜5の炭素の直鎖状又は分枝状アルキルスペーサーであり、mは0又は1〜3の整数であり;R10は1〜10の炭素原子の直鎖状又は分枝状ペルハロアルキルである)である];及び/又は式IV:
【化18】

[上式中、X及びnは式Iに対して定義した通りであり、R15からR18はそれぞれ独立して、水素、直鎖状又は分枝状アルキル基、あるいは直鎖状又は分枝状ハロアルキル基を表し、但し、R15からR18の少なくとも一は、次の式:
【化19】

(上式中、Xはそれぞれ独立してF又はHであり、qはそれぞれ独立して1〜3の整数であり、pは1〜5の整数であり、Qは1〜5の炭素の直鎖状又は分枝状アルキルスペーサーであり、Zは2〜10の炭素の直鎖状又は分枝状ハロ又はペルハロスペーサーである)
のD、E又はF基の一つである]
で表されるタイプの反復単位から選択される、請求項27に記載のトップコート組成物。
【請求項29】
一又は複数の架橋剤、酸性物質又は界面活性剤を、場合によっては含有する、請求項25から28の何れか一項に記載のトップコート組成物。
【請求項30】
請求項1から19の何れか一項に記載の非自己現像型ポリマーと溶媒を含有し、場合によっては一又は複数の架橋剤、酸性物質又は界面活性剤を含有するトップコート組成物。
【請求項31】
溶媒が、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n-ペンタノール、4-メチル-2-ペンタノール、2-オクタノール、2-ペルフルオロブチルエタノール(CCHCHOH)、ペルフルオロプロピルメタノール((C)(CHOH))、H(CF)CH-O-(CF)-H、H(CF)-(CO)O-CH、及びH(CF)-(CO)O-C、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項30に記載のトップコート組成物。
【請求項32】
ノルボルネン型反復単位からなる現像型ポリマーであって、式I:
【化20】

[上式中、Xは-CH-、-CH-CH-、O又はSであり;nは0〜5の整数であり;RからRはそれぞれ独立して、水素、直鎖状又は分枝状アルキル基、あるいは直鎖状又は分枝状ハロアルキル基を表し、但し、RからRの少なくとも一は、-QNHSO基(ここで、Qは1〜5の炭素の直鎖状又は分枝状アルキルスペーサーであり、Rは1〜10の炭素原子のペルハロ基である)である]
で表される第一ノルボルネン型反復単位;
式V:
【化21】

[上式中、Xは-CH-、-CH-CH-、O又はSであり;nは0〜5の整数であり;R19からR22はそれぞれ独立して、水素、直鎖状又は分枝状アルキル基、あるいは直鎖状又は分枝状ハロアルキル基を表し、但し、R19からR22の少なくとも一は、式G:
【化22】

で表される基(ここで、Qは任意で、存在する場合は1〜5の炭素の直鎖状又は分枝状アルキルスペーサーである)である]
で表される第二ノルボルネン型反復単位;
式VI:
【化23】

[上式中、X、nは式Vに対して定義した通りであり、R23からR26はそれぞれ独立して、水素、直鎖状又は分枝状アルキル基、あるいは直鎖状又は分枝状ハロアルキル基を表すが、但し、R23からR26の少なくとも一は、以下に示す式:
【化24】



(上式中、Qは上で定義した通りであり、R27は1〜約5の炭素原子の直鎖状又は分枝状アルキル基である)
の一つで表される基である]
で表される第三のノルボルネン型の反復単位;
を含むポリマー。
【請求項33】
次の式V(酸):
【化25】

[式VI酸中、X、n及びR23からR26は請求項30に記載の式VIに対して定義した通りであるが、但し、R23からR26の少なくとも一はQ-COOH基(ここで、Qは請求項32の式VIに対して定義した通り)である]
で表される、第四のタイプの反復単位を更に含む、請求項30に記載の現像型ポリマー。
【請求項34】
式Iで表される反復単位において、Qが1〜3の炭素の直鎖状アルキル基である、請求項32又は33に記載の現像型ポリマー。
【請求項35】
式Iで表される反復単位において、QがCHであり、RがCFである、請求項34に記載の現像型ポリマー。
【請求項36】
式Iで表される反復単位の幾つか又は全てが、次の式VII:
【化26】

[上式中、Qは請求項32において定義した通りである]
で表される反復単位と置き換えられている、請求項35に記載の現像型ポリマー。
【請求項37】
式VIで表される反復単位において、R23からR26の一つが、R27が1又は2の炭素で、Qが存在しないか又はCHであるH基である、請求項35に記載の現像型ポリマー。
【請求項38】
式VIで表される反復単位において、R23からR26の一つが、R27が1又は2の炭素で、Qが存在しないか又はCHであるJ基である、請求項35に記載の現像型ポリマー。
【請求項39】
式VIで表される反復単位において、R23からR26の一つが、R27が1又は2の炭素で、Qが存在しないか又はCHであるK基である、請求項35に記載の現像型ポリマー。
【請求項40】
第一のタイプの反復単位と第二のタイプの反復単位のそれぞれを1〜50モル%と、第三のタイプの反復単位を20〜80モル%、独立して含有してなる、請求項32に記載の現像型ポリマー。
【請求項41】
30〜70モル%の第三のタイプの反復単位と、10〜40モル%の第一のタイプの反復単位と、5〜30モル%の第二のタイプの反復単位を含有してなる、請求項40に記載の現像型ポリマー。
【請求項42】
第三のタイプの反復単位と第四のタイプの反復単位を20〜80モル%、第二のタイプの反復単位を1〜50モル%含む、請求項33に記載の現像型ポリマー。
【請求項43】
第四のタイプの反復単位が第三のタイプの反復単位から誘導され、第三のタイプの反復単位と第四のタイプの反復単位の合計の5〜30モル%である、請求項42に記載の現像型ポリマー。
【請求項44】
2000〜10000の分子量(Mw)を有する、請求項40から43の何れか一項に記載の現像型ポリマー。
【請求項45】
3500〜7000のMwを有する、請求項44に記載の現像型ポリマー。
【請求項46】
合計で45〜65モル%の第三の反復単位及び第四の反復単位と、5〜25モル%の第二の反復単位と、25〜35モル%の第一の反復単位を含み;第一の反復単位において、nが0、QがCH、RがCFであり;第二の反復単位において、nが0、Qが存在せず、第三の反復単位において、nが0、R23からR26の一つが、R27がCHCHの基(H)で、他のR23からR26が水素であり、第四のタイプの反復単位の量が、第三のタイプの反復単位と第四のタイプの反復単位の合計の10〜25%である、請求項33に記載の現像型ポリマー。
【請求項47】
3500〜6500の分子量(Mw)と2未満の多分散度を有する、請求項46に記載の現像型ポリマー。
【請求項48】
式IA:
【化27】

[上式中、Xは-CH-、-CH-CH-、O又はSであり;nは0〜5の整数であり;RからRはそれぞれ独立して、水素、直鎖状又は分枝状アルキル基、あるいは直鎖状又は分枝状ハロアルキル基を表し、但し、RからRの少なくとも一は、-QNHSO基(ここで、Qは1〜5の炭素の直鎖状又は分枝状アルキルスペーサーであり、Rは1〜10の炭素原子のペルハロ基である)である]
で表される第一のノルボルネン型モノマーと;
式VA:
【化28】

[上式中、Xは-CH-、-CH-CH-、O又はSであり;nは0〜5の整数であり;R19からR22はそれぞれ独立して、水素、直鎖状又は分枝状アルキル基、あるいは直鎖状又は分枝状ハロアルキル基を表し、但し、R19からR22の少なくとも一は、次の式:
【化29】

の基Gであり、ここでQは任意で、存在する場合は1〜5の炭素の直鎖状又は分枝状アルキルスペーサーである]
で表される第二のノルボルネン型の反復単位;
式VIA:
【化30】

[上式中、X、n、及びR23からR26は式Iに対して定義した通りであるが、R23からR26の少なくとも一は、次の式:
【化31】



(上式中、Qは上で定義した通りであり、R27は1〜約5の炭素原子の直鎖状又は分枝状アルキル基である)
で表される基である]
で表される第三のノルボルネン型の反復単位;
を反応容器に投入し;
適切な溶媒、触媒及び任意の共触媒を反応容器に更に投入し;
反応容器の内容物に攪拌を施して、第一のモノマー、任意の他のモノマー、触媒、任意の共触媒を溶媒に溶解させ;
内容物に、その中のモノマーを重合させるのに十分な時間、熱と連続した攪拌を付与する;
ことを含んでなる、ノルボルネン型反復単位からなる現像型ポリマーの製造方法。
【請求項49】
更なる反応容器への投入が、
ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、塩化エチル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル及びそれらの混合物の群から選択される溶媒;
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸リチウム・ジエチルエーテル錯体(LiFABA)及びN-ジメチルアニリン・テトラキス-(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩(DANFABA)から選択される任意の共触媒;
ビス(トリイソプロピルホスフィン)酢酸パラジウム-アセトニトリル錯体・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩(Pd1206)及びビス(トリシクロヘキシル-t-ブチルホスフィン)酢酸パラジウム-アセトニトリル錯体・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩(Pd1394)から選択される触媒
の反応容器への投入を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
熱の付与が、60℃〜100℃の範囲から選択される温度まで、反応容器の内容物を加熱し、24時間以内の間又は重合反応が完了するまで、内容物をその温度に維持することを含む、請求項48又は49に記載の方法。
【請求項51】
一又は複数のタイプのノルボルネン型反復単位からなり、該反復単位の少なくとも一のタイプが、式I:
【化32】

[上式中、Xは-CH-、-CH-CH-、O又はSであり;nは0〜5の整数であり;RからRはそれぞれ独立して、水素、直鎖状又は分枝状のアルキル基、あるいは直鎖状又は分枝状のハロアルキル基を表し、但し、RからRの少なくとも一は、-QNHSO基(ここで、Qは1〜5の炭素の直鎖状又は分枝状アルキルスペーサーであり、Rは1〜10の炭素原子のペルハロ基である)である]
により表され、該反復単位の少なくとももう一つのタイプが酸不安定なペンダント基を有するものである現像型ポリマーと、溶媒と、光酸発生剤を含有する現像型組成物。
【請求項52】
一又は複数のタイプのノルボルネン型反復単位が、式で表される反復単位のタイプとして、式V:
【化33】

[上式中、Xは-CH-、-CH-CH-、O又はSであり;nは0〜5の整数であり;R19からR22はそれぞれ独立して、水素、直鎖状又は分枝状アルキル基、又は直鎖状又は分枝状ハロアルキル基を表し、但し、R19からR22の少なくとも一は、次の式G:
【化34】

で表される基(ここで、Qは任意で、存在する場合は1〜5の炭素の直鎖状又は分枝状アルキルスペーサーである)である]
で表される第二のノルボルネン型反復単位を更に含む、請求項51に記載の現像型組成物。
【請求項53】
酸不安定なペンダント基を有するタイプの反復単位が、式VI:
【化35】

[式VI中;X、nは式Vに対して定義した通りであり、R23からR26はそれぞれ独立して、水素、直鎖状又は分枝状アルキル基、あるいは直鎖状又は分枝状ハロアルキル基を表すが、但し、R23からR26の少なくとも一は、以下に示す式:
【化36】



(上式中、Qは上で定義した通りであり、R27は1〜約5の炭素原子の直鎖状又は分枝状アルキル基である)
の一つで表される基である]
で表される、請求項51又は52に記載の現像型組成物。
【請求項54】
一又は複数のタイプのノルボルネン型反復単位が、現像型ポリマーの疎水性度を制御するための反復単位タイプを更に含む、請求項51から53の何れか一項に記載の現像型組成物。
【請求項55】
ポリマーの疎水性度を制御するための反復単位タイプが、次の式II:
【化37】

[上式中、X及びnは式Iに対して定義した通りであり、RからRはそれぞれ独立して、水素、直鎖状又は分枝状アルキル基、あるいは直鎖状又は分枝状ハロアルキル基を表し、但し、RからRの少なくとも一は、-Q(CO)O-(CH)-R10(ここで、Qは任意で、存在する場合は1〜5の炭素の任意の直鎖状又は分枝状アルキルスペーサーであり、mは0又は1〜3の整数であり;R10は1〜10の炭素原子の直鎖状又は分枝状ペルハロアルキルである)である];及び/又は次の式IV:
【化38】

[上式中、X及びnは式Iに対して定義した通りであり、R15からR18はそれぞれ独立して、水素、直鎖状又は分枝状アルキル基、あるいは直鎖状又は分枝状ハロアルキル基を表し、但し、R15からR18の少なくとも一は、次の式:
【化39】

(上式中、Xはそれぞれ独立してF又はHであり、qはそれぞれ独立して1〜3の整数であり、pは1〜5の整数であり、Qは1〜5の炭素の直鎖状又は分枝状アルキルスペーサーであり、Zは2〜10の炭素の直鎖状又は分枝状ハロ又はペルハロスペーサーである)
のD、E又はF基の一つである]
で表されるタイプの反復単位から選択される、請求項54に記載の現像型組成物。
【請求項56】
溶媒が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)と乳酸エチル(EL)の少なくとも一を、γ-ブチロラクトン(GBL)と共に含む、請求項51から55の何れか一項に記載の現像型組成物。
【請求項57】
光酸発生剤が、(4-メトキシフェニル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、ビス(p-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、(4-メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、(p-tert-ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、ジフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホン酸塩、ビス(p-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロブタンスルホン酸塩、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホン酸塩、及びジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンリン酸塩からなる群から選択される一又は複数の化合物を含む、請求項51から56の何れか一項に記載の現像型組成物。
【請求項58】
トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、トリ-n-プロピルアミン、トリペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びそれらの混合物からなる群から選択される任意のアミン部分を更に含む、請求項51から57の何れか一項に記載の現像型組成物。
【請求項59】
請求項30から45の何れか一項に記載の現像型ポリマーと、溶媒と、光酸発生剤(PAG)を含有する、現像型組成物。
【請求項60】
溶媒が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)と乳酸エチル(EL)の少なくとも一を、γ-ブチロラクトン(GBL)と共に含む、請求項59に記載の現像型組成物。
【請求項61】
PAGが、(4-メトキシフェニル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、ビス(p-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、(4-メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、(p-tert-ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、ジフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホン酸塩、ビス(p-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロブタンスルホン酸塩、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホン酸塩、及びジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンリン酸塩からなる群から選択される一又は複数の化合物を含む、請求項59又は60に記載の現像型組成物。
【請求項62】
トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、トリ-n-プロピルアミン、トリペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びそれらの混合物からなる群から選択される任意のアミン部分を更に含む、請求項59から61の何れか一項に記載の現像型組成物。
【請求項63】
第一に、フォトレジスト組成物を基板上に塗布してそのフォトレジスト層を形成し;
第二に、請求項25から31の何れか一項に記載のトップコート組成物を基板上に塗布して、フォトレジスト層を覆う保護層を形成し;
保護層の少なくとも一部に浸漬流体を提供する液浸リソグラフィ露光ツールを使用して、保護層を通してフォトレジスト層を像様露光させ;
アルカリ現像水溶液でフォトレジスト層にパターンを現像し、該溶液が現像中に保護層を除去する;
ことを含んでなる、液浸リソグラフィ法。
【請求項64】
フォトレジスト組成物が、請求項51から62の何れか一項に記載の現像型組成物である、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
第二の塗布前に、基板に第一の焼成を施す、請求項63又は64に記載の方法。
【請求項66】
像様露光前に、基板に第二の焼成を施す、請求項63から65の何れか一項に記載の方法。
【請求項67】
現像前に、基板に第三の焼成を施す、請求項63から66の何れか一項に記載の方法。
【請求項68】
何れの焼成も、約70℃〜約140℃の温度で約40〜約120秒なされる、請求項63から67の何れか一項に記載の方法。
【請求項69】
アルカリ現像水溶液が、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)の0.1〜10重量%水溶液である、請求項63から68の何れか一項に記載の方法。
【請求項70】
TMAH溶液が0.26Nである、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
熱の付与が、60℃〜100℃の範囲から選択される温度まで反応容器の内容物を加熱し、24時間以内又は重合反応が完了するまで内容物をその温度に維持することを含む、請求項20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−242797(P2009−242797A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−61467(P2009−61467)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【分割の表示】特願2007−557081(P2007−557081)の分割
【原出願日】平成18年2月21日(2006.2.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(507282691)プロメラス, エルエルシー (6)
【出願人】(000220239)東京応化工業株式会社 (1,407)
【Fターム(参考)】