説明

作業車

【課題】変速ペダルの操作で変速アクチュエータにより無段変速装置の変速比を変更する構成を有し、変速アクチュエータに動作異常が生じた場合であっても、走行安定性を確保することができる作業車を提供する。
【解決手段】無段変速装置21と、変速ペダル16の操作量に基づいて無段変速装置21の変速比を変更する変速アクチュエータ60と、ブレーキ機構23と、クラッチ機構22と、ブレーキペダル17の操作でブレーキ機構23の作動とクラッチ機構22の入切を同時に切り替える機械式連動機構と、ブレーキ機構23を作動状態にするブレーキ入り部材75と、クラッチ機構22を切状態にするクラッチ切り部材76と、変速ペダル16の非操作時にブレーキ入り部材75によりブレーキ機構23を作動状態にさせると同時に、クラッチ切り部材76によりクラッチ機構22を切状態にさせる制御装置80とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変速アクチュエータにより無段変速装置の変速制御を行う作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、変速アクチュエータにより無段変速装置の変速制御を行う作業車は公知である(例えば、特許文献1)。特許文献1における作業車(田植機)においては、変速ペダルの操作量をペダル位置センサ(検知手段)で検出し、その操作量に対応した位置に無段変速装置(無段変速機)のアームが位置するように変速アクチュエータを駆動制御することにより無段変速装置の変速制御を行う。
【0003】
また、クラッチとブレーキとを同一のペダル(ブレーキペダル)で操作する機構を搭載した作業車は公知である。このような操作機構を搭載した作業車においては、クラッチが切りの状態となった後、ブレーキが作動して作業車が制動される構成となっている。しかしながら、当該操作機構を搭載した作業車は、傾斜地等を走行する際にブレーキペダルを徐々に踏込操作すると、ブレーキが作動していない状態であっても、クラッチが切れた状態となる場合があり、作業車を制動したい操縦者の意図に反して作業車が動き出す恐れがあった。そのため、ブレーキペダルの踏込操作を行うことで、先にブレーキ装置が作動して作業車が制動され、次にクラッチが作動してクラッチが切りの状態となる作業車(田植機)が開発されている(例えば、特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4095356号公報
【特許文献2】特開2003−220933公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のような変速アクチュエータにより無段変速装置を変速制御して走行速度を変更する作業車においては、変速アクチュエータが動作異常等により駆動制御ができなくなると、クラッチの制御もできなくなる。そのため、ブレーキペダルの踏込操作を行ってもクラッチが切りの状態とはならないことから、ブレーキペダルを操作しても作業車が移動してしまうという問題点があった。
一方、特許文献2のような先にブレーキが作動して作業車が制動され、次にクラッチが作動してクラッチが切れた状態となる作業車においては、変速アクチュエータの動作異常等により無段変速装置の制御ができなくなった場合でもブレーキペダルを踏込操作すれば先にブレーキが作動するため作業車は制動される。しかしながら、当該制動は、作業車が低速で走行している場合には効果があるが、高速で走行している場合や、緊急時等に急停止する場合には、ブレーキのみの制動では充分に制動効果が得られないという問題点があった。
【0006】
本発明は、かかる問題を解決すべくなされたものであり、変速ペダルの操作量に基づいて変速アクチュエータにより無段変速装置の変速比を変更する構成を有し、この変速アクチュエータに動作異常が発生した場合であっても、走行安定性を確保することができる作業車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、第1の発明に係る作業車は、
エンジンの出力を変速して走行装置に伝達する無段変速装置と、
変速ペダルの操作量に基づいて前記無段変速装置の変速比を変更する変速アクチュエータとを備える作業車であって、
前記走行装置に制動力を付与するブレーキ機構と、
前記無段変速装置から前記走行装置への出力の伝達または遮断を行うクラッチ機構と、
ブレーキペダルの操作によって前記ブレーキ機構の作動状態および前記クラッチ機構の入切状態を同時に切り替える機械式連動機構と、
前記ブレーキ機構を作動状態に切り替えるブレーキ入り部材と、
前記クラッチ機構を切状態に切り替えるクラッチ切り部材と、
前記変速ペダルの非操作時に、前記ブレーキ入り部材を前記ブレーキ機構が作動状態になるように作動させると同時に、前記クラッチ切り部材を前記クラッチ機構が切状態になるように作動させる制御装置とを備えるものである。
【0009】
第2の発明に係る作業車は、
前記変速アクチュエータの動作異常を検知する動作異常検知手段と、前記変速アクチュエータの動作異常を報知する報知手段とを設け、前記動作異常検知手段が前記変速アクチュエータの動作異常を検知したとき、前記報知手段により操縦者に報知するものである。
【0010】
第3の発明に係る作業車は、
前記変速アクチュエータの動作異常を検知する動作異常検知手段と、前記エンジンのエンジン回転数を制御するエンジン回転数制御装置とを設け、前記動作異常検知手段が前記変速アクチュエータの動作異常を検知したとき、前記エンジン回転数制御装置によりエンジン回転数を所定値の範囲内に制限するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0012】
第1の発明においては、走行中に故障等の理由で変速アクチュエータの動作異常が発生した場合に、ブレーキペダルの操作によってブレーキ機構を作動させると同時にクラッチ機構を切状態として、走行速度を減速、さらには走行を停止させることが可能となる。しかも、ブレーキペダルの操作が遅れた場合でも、変速ペダルを非操作状態にするだけで、制御装置によりブレーキ入り部材およびクラッチ切り部材を作動させて、自動的にブレーキ機構を作動させると同時にクラッチ機構を切状態とし、走行速度を減速、さらには走行を停止させることが可能となる。したがって、変速アクチュエータの動作異常が発生した場合であっても、走行速度を減速して走行を速やかにかつ確実に停止することができ、走行安定性を確保することができる。
【0013】
第2の発明においては、走行中に故障等の理由で変速アクチュエータの動作異常が発生した場合に、操縦者がその動作異常を認識することが可能となる。したがって、変速アクチュエータの動作異常に即座に対応することができ、走行安定性を確保することができる。
【0014】
第3の発明においては、走行中に故障等の理由で変速アクチュエータ60の動作異常が発生した場合であっても、変速ペダルの操作を継続して、走行を停止させないときは、エンジン回転数の制限にともなって、走行速度も所定の範囲内に制限することが可能となる。したがって、走行速度の急激な増速を防止しながら走行を続けることができ、走行安定性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態に係る田植機の側面図。
【図2】第1実施形態に係る田植機の平面図。
【図3】走行変速ミッションの概略図。
【図4】運転操作部と走行変速ミッションとの関係を示す概略図。
【図5】図4のV−V視拡大断面図。
【図6】図4のVI−VI視拡大断面図。
【図7】制御装置の制御構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る作業車を田植機としてその一実施形態について説明する。なお、本発明に係る作業車は、田植機に限定されるものではなく、その他の農用作業車や建築用作業車等であっても構わない。
【0017】
まず、田植機1の全体的な構成について、図1における矢印A方向を前方向として説明する。
【0018】
図1、図2に示すように、田植機1は多条植式の苗植装置2と走行機体3とで構成される。苗植装置2は、走行機体3の後部に上下方向に回転可能に装着され、適宜の上下位置で苗載台2aの苗を複数の苗植付爪2bにより圃場に植え付けることができるように構成される。
【0019】
走行機体3では、車体フレーム4が左右一対の前車輪6と、左右一対の後車輪7とで支持される。車体フレーム4には、エンジン5が搭載されるとともに、走行変速ミッション20が搭載される。そして、エンジン5の出力が走行変速ミッション20により適宜変速されたあと、各車輪6・7に伝達されるように構成される。これにより、走行機体3が走行可能とされる。
【0020】
また、車体フレーム4には運転操作部10が設けられる。運転操作部10には座席12、操縦ハンドル13、変速レバー14、表示パネル15、変速ペダル16、ブレーキペダル17等が備えられる。変速ペダル16およびブレーキペダル17は、前方向への足踏み式のペダルであり、操縦ハンドル13の右側で運転操作部10の床面に左右に並べられて、車体フレーム4に枢着される。
【0021】
図2に示すように、表示パネル15は操縦ハンドル13の近傍に配置される。表示パネル15には、機体状況を表示する表示手段が備えられるとともに、後述する変速アクチュエータ60の動作異常、苗や肥料の切れおよび肥料の詰まり等の問題が発生した場合に、これを操縦者に報知する報知手段が備えられる。
【0022】
この報知手段は、たとえば、図示せぬ表示ランプを表示パネル本体に設け、前述のような不具合が発生した場合に点灯または点滅するようにして構成される。ただし、報知手段は、ブザー等を表示パネル本体に設け、前述のような問題が発生した場合に報知音がなるようにして構成することも可能である。また、報知手段は表示パネルに限らず、別の部材に備えてもよい。
【0023】
次に、変速を行う構成について説明する。
【0024】
図3に示すように、走行変速ミッション20には、油圧式の無段変速装置21が備えられる。無段変速装置21は、エンジン5の出力により駆動される可変式の油圧ポンプ24と、この油圧ポンプ24からの油圧にて駆動される油圧モータ25とを有し、油圧ポンプ24における斜板24aの傾斜角が変更されることによって、変速比を変更して、走行機体3の走行速度を変速させるように構成される。
【0025】
なお、本実施形態においては、油圧式無段変速装置21に遊星歯車機構からなる機械式変速装置30が組み合わされて、油圧・機械式無段変速装置が構成される。
【0026】
また、車体フレーム4の前部には、図4、図6に示すように、変速操作軸63が横方向に延設されて、軸受にて回転自在に軸支される。変速操作軸63には扇形歯車62が固定されて、この扇形歯車62と変速操作軸63とが一体的に回転可能とされる。変速操作軸63には、また、アーム65がその基端部で固定されて、このアーム65と変速操作軸63とが一体的に回転可能とされる。
【0027】
変速操作軸63上の扇形歯車62には、ピニオン61が噛合される。ピニオン61は、電動式モータからなる変速アクチュエータ60により回転可能とされ、その回転により変速操作軸63を扇形歯車62を介して図6における矢印C方向、または図6における矢印D方向へ回転させることができるように構成される。
【0028】
一方、変速操作軸63上のアーム65の先端部には、前後方向に延設された変速ロッド杆67の前端部が枢着される。変速ロッド杆67の後端部には長溝孔67aが前後方向に所定長さをもって形成される。この長溝孔67aに無段変速装置21の変速アーム47の先端部に設けられたピン47aが摺動自在に嵌入されて、変速ロッド杆67の後端部と変速アーム47の先端部とが係合される。変速アーム47はその基部で油圧ポンプ24の斜板24a(図3)にトラニオン軸を介して連動連結される。
【0029】
こうして、無段変速装置21は、変速操作軸63が回転されず、変速ロッド杆67が後方に移動されないとき、または、変速操作軸63が回転されて、変速ロッド杆67が後方に移動されても、その移動量が長溝孔67aの所定長さを超えないとき、変速アーム47およびトラニオン軸によって、油圧ポンプ24の斜板24aを傾転させずに中立位置とし、各車輪6・7へ向けて出力を伝達しない中立状態となるように構成される。
【0030】
無段変速装置21は、変速ロッド杆67が殆ど後方へ移動されていない状態で、変速操作軸63が図6における矢印C方向へ回転されて、変速ロッド杆67が後方へ移動され、その後方への移動量が長溝孔67aの所定長さを超えたとき、その時点から、変速アーム47およびトラニオン軸によって、油圧ポンプ24の斜板24aを変速ロッド杆67の後方への移動量に基づいて傾転させて、変速比を増速側に変更し、走行速度を無段に増速させるように構成される。
【0031】
無段変速装置21は、変速ロッド杆67が長溝孔67aの所定長さを超えて後方へ移動されている状態で、変速操作軸63が図6における矢印D方向へ回転されて、変速ロッド杆67が前方へ移動されたとき、変速ロッド杆67の後方への移動量が長溝孔67aの所定長さを超えている間は、変速アーム47およびトラニオン軸によって、油圧ポンプ24の斜板24aを変速ロッド杆67の前方への移動量に基づいて傾転させて、変速比を減速側に変更し、走行速度を無段に減速させるように構成される。
【0032】
変速操作軸63には、無段変速装置21における油圧ポンプ24の斜板24aの傾転角(変速アクチュエータ60の回転角)を検知するための第二検出手段66が設けられる。第二検出手段66は、ポテンショメータ等の角度センサからなり、変速操作軸63の回転角を検出することができるように構成される。
【0033】
また、車体フレーム4の前部には、変速ペダル軸51が横方向に延設されて、軸受にて回転自在に軸支される。変速ペダル軸51には変速ペダル16が連動機構50を介して連動連結される。
【0034】
変速ペダル16は、ばね手段にて付勢され、運転操作部10の床面で起立した状態となる初期位置に保持される。この変速ペダル16に対しては、操縦者が初期位置にある変速ペダル16を足にて前方向へ踏み込む踏込操作、操縦者が踏み込まれた状態の変速ペダル16から足を外す踏込解除操作が行われる。
【0035】
変速ペダル16は、踏込操作が行われると、初期位置からばね手段に抗して前方向へ回転されて、変速ペダル軸51を図5における矢印E方向へ回転させる一方、踏込解除操作が行われると、ばね手段にて元の初期位置に戻されて、変速ペダル軸51を図5における矢印F方向へ回転させるように構成される。
【0036】
変速ペダル軸51には、変速ペダル16の踏込操作量を検知するための第一検出手段55が設けられる。第一検出手段55は、ポテンショメータ等の角度センサからなり、変速ペダル軸51の回転角を検出することができるように構成される。
【0037】
また、走行変速ミッション20には、油圧式無段変速装置21から各車輪6・7への出力を伝達または遮断可能とするためのクラッチ機構22(図3)が備えられるとともに、各車輪6・7に制動力を付与するブレーキ機構23(図3)が備えられる。
【0038】
走行変速ミッション20には、ブレーキ機構23に対する回転式の操作軸45が設けられる。操作軸45には作動部材46が固定されて、この作動部材46と操作軸45とが一体的に回転可能とされる。作動部材46はブレーキ機構23に連動連結されるだけでなく、ワイヤー等を介してクラッチ機構22とも連動連結される。
【0039】
ブレーキ機構23には、走行機体3に備えられたブレーキ入り部材75(図3)も連動連結される。クラッチ機構22には、走行機体3に備えられたクラッチ切り部材76(図3)も連動連結される。
【0040】
そして、作動部材46は、操作軸45とともに回転して所定回転位置にあるとき、ブレーキ機構23を作動状態にすると同時にクラッチ機構22を切状態にする停止状態となる一方、別の所定回転位置にあるとき、ブレーキ機構23を非作動状態にすると同時にクラッチ機構22を入状態にする走行状態となるように構成される。作動部材46はばね手段により走行状態となるように付勢される。
【0041】
このようにクラッチ機構22およびブレーキ機構23の両方に対する作動部材46には、受け片46aが一体的に設けられる。受け片46aには、変速ロッド杆67が前後方向に摺動自在に挿通される。変速ロッド杆67の受け片46aよりも後方に位置する部分には、ストッパー片67bが設けられて、このストッパー片67bと受け片46aとが当接可能とされる。
【0042】
変速操作軸63が回転されず、変速ロッド杆67が後方に移動されないとき、つまり変速ペダル16が初期位置に保持され、その踏込操作が行われないとき、作動部材46は、ばね手段に抗するように、ストッパー片67bに当接されて回転を規制されて、ブレーキ機構23を作動状態にすると同時にクラッチ機構22を切状態にする停止状態に保持される。
【0043】
変速操作軸63が回転され、変速ロッド杆67が後方に移動されたとき、つまり変速ペダル16の踏込操作が行われたとき、作動部材46は、ストッパー片67bの後方への移動にともなってばね手段により回転されて、ブレーキ機構23を非作動状態にすると同時にクラッチ機構22を入状態にする走行状態に変更される。
【0044】
また、車体フレーム4の前部には、ブレーキ軸70が横方向に延設されて、軸受にて回転自在に軸支される。ブレーキ軸70にはブレーキペダル17が連動連結される。
【0045】
ブレーキペダル17は、ばね手段にて付勢され、運転操作部10の床面上で起立した状態となる初期位置に保持される。このブレーキペダル17に対しては、操縦者が初期位置にあるブレーキペダル17を足にて前方向へ踏み込む踏込操作、操縦者が踏み込まれた状態のブレーキペダル17から足を外す踏込解除操作が行われる。
【0046】
ブレーキペダル17は、踏込操作が行われると、初期位置からばね手段に抗して前方向へ回転されて、ブレーキ軸70を図5における矢印M方向へ回転させる一方、踏込解除操作が行われると、ばね手段により後方向へ回転されて元の初期位置に戻され、ブレーキ軸70を図5における矢印M方向と逆方向へ回転させるように構成される。
【0047】
ブレーキ軸70には、アーム71がその基端部で固定される。アーム71の先端部には、前後方向に延設されたブレーキロッド杆72の前端部が枢着される。ブレーキロッド杆72の後端部は作動部材46の係止片46bに前後方向に摺動自在に挿通される。
【0048】
係止片46bは作動部材46に一体に設けられる。ブレーキロッド杆72の係止片46bよりも後方へ位置する部分には、ストッパー72aが設けられて、このストッパー72aと係止片46bとが当接可能とされる。
【0049】
ブレーキ軸70が回転されず、ブレーキロッド杆72が前方に移動されないとき、つまりブレーキペダル17が初期位置に保持され、その踏込操作が行われないとき、作動部材46の、ブレーキ機構23を作動状態にすると同時にクラッチ機構22を切状態にする停止状態から、ブレーキ機構23を非作動状態にすると同時にクラッチ機構22を入状態にする走行状態への自由な作動が許容される。
【0050】
ブレーキ軸70が回転され、ブレーキロッド杆72が前方に移動されたとき、つまりブレーキペダル17の踏込操作が行われたとき、作動部材46は、ブレーキ機構23を非作動状態にすると同時にクラッチ機構22を入状態にする走行状態であれば、ばね手段に抗して回転されて、変速ロッド杆67の移動位置にかかわらず、つまり変速ペダル16の踏込操作よりも優先して、強制的に停止状態に変更される。
【0051】
また、走行機体3には、制御装置80(図7)が備えられる。この制御装置80には、第一検出手段55、第二検出手段66、電動式モータからなる変速アクチュエータ60が接続される。制御装置80には、さらにブレーキ入り部材75、クラッチ切り部材76が接続される。
【0052】
制御装置80は、第一検出手段55に基づいて変速ペダル16の踏込操作量を検知し、その検知結果に基づいて無段変速装置21における油圧ポンプ24の斜板24aの傾転角があらかじめ設定された設定角となるように、変速アクチュエータ60を回転駆動させるように構成される。制御装置80は、また、第二検出手段66に基づいて油圧ポンプ24の斜板24aの傾転角を検知するように構成される。
【0053】
このような構成において、変速ペダル16の踏込操作が行われないときには、変速操作軸63が回転されず、変速ロッド杆67が後方に移動されない。そのため、走行変速ミッション20における無段変速装置21の変速アーム47が回転せず、無段変速装置21の油圧ポンプ24の斜板24aが中立位置となる。つまり、無段変速装置21が各車輪6・7へ向けて出力を伝達しない中立状態となる。
【0054】
しかも、変速ペダル16の踏込操作が行われないときには、作動部材46が停止状態となって、ブレーキ機構23が作動状態となると同時に、クラッチ機構22が切状態となる。これにより、無段変速装置21(油圧・機械式無段変速装置)から各車輪6・7への出力が遮断されることとなる。したがって、走行機体3は走行せずに停止状態となる。
【0055】
走行機体3が停止状態である場合に、変速ペダル16の踏込操作が行われると、まず、変速ペダル軸51が図5における矢印E方向に回転し、第一検出手段55がこの回転よる変速ペダル軸51の回転角を検出する。制御装置80は、この第一検出手段55の検出値を取得し、これに基づいて変速ペダル16の踏込操作量を検知する。
【0056】
そして、変速アクチュエータ60が、制御装置80により変速ペダル16の踏込操作量に基づいて一方向に回転駆動する。この変速アクチュエータ60の回転駆動にともなって変速操作軸63が図6における矢印C方向に回転し、変速ロッド杆67が図6における矢印G方向へ移動し始める。
【0057】
変速ロッド杆67の後方への移動量が、その後端側の長溝孔67aの所定長さを超えると、ストッパー片67bが後方へ移動する。その結果、ストッパー片67bにてばね手段による回転を規制されていた作動部材46が回転し、走行状態となって、ブレーキ機構23が非作動状態になると同時に、クラッチ機構22が入状態になる。これにより無段変速装置21から各車輪6・7へ出力が伝達可能となる。
【0058】
このときには、変速アーム47が後方に回転し、無段変速装置21における油圧ポンプ24の斜板24aが、その傾転角が変速ペダル16の踏込操作量に応じた設定角となるように、トラニオン軸を介して傾転する。これにより、無段変速装置21がその変速比を増速側に変更し、変速した出力を各車輪6・7へ伝達する。したがって、走行機体3は走行を始める。
【0059】
つづいて、変速ペダル16の踏込操作量が大きくなるに従って変速ロッド杆67がさらに後方へ移動すると、無段変速装置21における油圧ポンプ24の斜板24aがより大きな設定角となるように傾転する。この際、制御装置80は斜板24aの傾転角を第二検出手段66の検出値に基づいて随時検知する。これにより、無段変速装置21が変速比を増速側により大きく変更し、変速した出力を各車輪6・7へ伝達する。したがって、走行機体3の走行速度が増速する。
【0060】
このような状態で、変速ペダル16の踏込解除操作を行うと、変速ペダル軸51が図5における矢印F方向に回転し、第一検出手段55がこの回転よる変速ペダル軸51の回転角を検出する。制御装置80は、第一検出手段55の検出値を取得して、これに基づいて変速ペダル16の踏込操作量を検知する。
【0061】
そして、変速アクチュエータ60が、制御装置80により変速ペダル16の踏込操作量に基づいて前記とは逆方向に回転駆動する。変速アクチュエータ60の回転駆動にともなって変速操作軸63が図6における矢印D方向に回転し、変速ロッド杆67が図6における矢印H方向へ移動する。
【0062】
変速ロッド杆67の前方への移動にともなって、変速アーム47が前方に回転し、無段変速装置21における油圧ポンプ24の斜板24aが、その傾転角が変速ペダル16の踏込操作量に応じた設定角となるように、トラニオン軸を介して傾転する。これにより、無段変速装置21がその変速比を減速側に変更し、変速した出力を各車輪6・7へ伝達する。したがって、走行機体3の速度が減速する。
【0063】
変速ペダル16が元の初期位置まで戻った時点で、変速アーム47も元の位置に戻り、無段変速装置21の油圧ポンプ24の斜板24aが中立位置となる。また、作動部材46が変速ロッド杆67のストッパー片67bにより停止状態に保持されて、ブレーキ機構23が作動状態となると同時に、クラッチ機構22が切状態となる。したがって、走行機体3の走行が停止する。
【0064】
次に、エンジン5の回転数を変更する構成について説明する。
【0065】
図6に示すように、扇形歯車62にカム溝62aが円周方向に延びるように形成される。ここで、カム溝62aは、その始端部を扇形歯車62の中心である変速操作軸63と所定距離をとって配置する一方、終端部を始端部よりも変速操作軸63に近づけて配置して、始端部から終端部に向かうに従って変速操作軸63に近づくように傾斜状に形成される。
【0066】
このカム溝62aには、車体フレーム4に回転自在に軸支され横軸63bから延出される第一アーム63cの先端部が摺動自在に係合される。そして、横軸63bに固着された第二アーム63dが、エンジン5におけるアクセルレバー5aと、ワイヤー5b等を介して連動連結される。
【0067】
この構成において、扇形歯車62が図6における矢印C方向へ回転する、つまり走行速度が増速するのに応じて、カム溝62aに沿って第一アーム63cが移動し、これにともなう第二アーム63dの回転によりアクセルレバー5aがその戻しばね手段5cに抗して図6における矢印J方向に回転する。したがって、エンジン5における回転数が、アイドル回転から走行速度の増速に比例して自動的に増速する。
【0068】
一方、扇形歯車62が図6における矢印D方向へ回転する、つまり走行速度が減速するのに応じて、カム溝62aに沿って第一アーム63cが移動し、これにともなう第二アーム63dの回転によりアクセルレバー5aがその戻しばね手段5cにて前記とは逆の図6における矢印K方向に戻り回転する。したがって、エンジン5における回転数が、走行速度の減速に比例して自動的に減速し、走行が停止したときにアイドル回転になる。
【0069】
このように、本実施形態において、田植機1は、エンジン5の回転数を走行変速ミッション20における変速動作に応じて自動的に変更するように構成される。なお、田植機1は、アクセルレバー5aを手動で回動操作することによって、エンジン5の回転数を任意に変更することができるようにも構成される。
【0070】
次に、制御構成について説明する。
【0071】
図7に示すように、制御装置80には、第一検出手段55と、第二検出手段66と、最高速度設定器77と、走行速度検知手段86、エンジン回転数検知手段87とが接続される。制御装置80には、また、変速アクチュエータ60と、表示パネル15と、エンジン回転数制御手段85と、ブレーキ入り部材75と、クラッチ切り部材76とが接続される。
【0072】
最高速度設定器77は、運転操作部10に設けられたダイヤル等からなり、田植機1の最高速度を設定することができるように構成される。走行速度検知手段86は、車軸等の回転数を検出する回転数センサ等からなり、その検出値から田植機1の走行速度を検知することができるように構成される。
【0073】
エンジン回転数検知手段87は、エンジン5の出力軸の回転数を検出する回転数センサ等からなり、その検出値からエンジン5の回転数を検知することができるように構成される。
【0074】
エンジン回転数制御手段85は、本実施形態の田植機1におけるエンジン5がディーゼルエンジンであることから、燃料噴射装置からなり、ソレノイドによりラック位置を変更して燃料噴射量を変更することによって、前述のアクセルレバー5aを用いた機構とは別に、エンジン5のエンジン回転数を調節して制御することができるように構成される。ただし、エンジン回転数制御手段は、エンジンに応じてそのエンジン回転数を調節して制御することができるものであればよく、特に限定するものではない。
【0075】
ブレーキ入り部材75は、電動式のモータやシリンダ、または電磁バルブで制御される油圧シリンダ等からなり、その作動によりブレーキ機構23を非作動状態から作動状態に切り替えることができるように構成される。ただし、ブレーキ入り部材75は、作動部材46によるブレーキ機構23の動作と干渉することなく、当該ブレーキ装置23を動作させることができるように設けられる。
【0076】
クラッチ切り部材76は、電動式のモータやシリンダ、または電磁バルブで制御される油圧シリンダ等からなり、その作動によりクラッチ機構22を入状態から切状態に切り替えることができるように構成される。ただし、クラッチ切り部材76は、作動部材46によるクラッチ機構22の動作と干渉することなく、当該主クラッチ機構22を動作させることができるように設けられる。
【0077】
そして、制御装置80は、前述のように第一検出手段55に基づく変速ペダル16の踏込操作量に応じて、変速アクチュエータ60を回転駆動させ、この変速アクチュエータ60により無段変速装置21の変速比を変更するように構成される。その上、次のような制御を行うように構成される。この制御において、制御装置80は、まず第一検出手段55に基づいて変速ペダル16の踏込操作量を検知し、変速ペダル16が初期位置にあるか否かを判定する。
【0078】
その結果、変速ペダル16の踏込解除操作が行われて、変速ペダル16が初期位置に戻っているとき、即ち変速ペダル16の非操作時には、制御装置80は、ブレーキ入り部材75を作動させるとともに、クラッチ切り部材76を作動させる。このブレーキ入り部材75の作動によりブレーキ機構23が作動状態になると同時に、クラッチ切り部材76の作動によりクラッチ機構22が切状態になる。
【0079】
また、変速ペダル16の踏込操作が行われて、変速ペダル16が回転しているとき、制御装置80は、その際の変速ペダル16の踏込操作量に対応する目標の走行速度を算出して、所定時間経過後に、目標の走行速度と走行速度検知手段86に基づく実際の走行速度とを比較し、その目標の走行速度と実際の走行速度との差が許容範囲内であるか否かを判定する。
【0080】
なお、変速ペダル16の踏込操作時、前述のように作動部材46等からなる連動機構によって、ブレーキ機構23は非作動状態となり、クラッチ機構22は入状態となる。
【0081】
その結果、許容範囲内である場合、制御装置80は、変速アクチュエータ60の動作を正常と判断する。一方、許容範囲でない場合、制御装置80は、変速アクチュエータ60の動作を異常と判断し、表示パネル15に変速アクチュエータ60の動作異常が発生していることを表示させる。これにより、表示パネル15が変速アクチュエータ60の動作異常を操縦者に報知する。
【0082】
また、ことのとき、制御装置80は、変速ペダル16の操作、即ち踏込操作または踏込解除操作が継続して行われているか否かを、第一検出手段55に基づく変速ペダル16の踏込操作量に基づいて判定する。
【0083】
その結果、変速ペダル16の操作が継続して行われておらず、変速ペダル16が非操作状態となっている場合、制御装置80は、ブレーキ入り部材75およびクラッチ切り部材76を作動させる。これにより、ブレーキ機構23が作動状態になると同時に、クラッチ機構22が切状態になり、走行速度が減速し、走行が停止することとなる。
【0084】
一方、変速ペダル16の操作が継続して行われている場合、制御装置80は、エンジン回転数制御手段85をエンジン回転数検知手段87に基づくエンジン回転数が第一の所定値を超えて第二の所定値以下となるように適宜に制御する。これらのエンジン回転数の所定値はあらかじめ適宜に設定される。これにより、エンジン5におけるエンジン回転数が所定の範囲に制限される。
【0085】
その後、制御装置80は、最高速度設定器77にてあらかじめ設定された設定走行速度と、走行速度検知手段86に基づく実際の走行速度とを比較し、実際の走行速度が設定走行速度を超えているか否かを判定する。
【0086】
その結果、実際の走行速度が設定走行速度を超えている場合、制御装置80は、再びエンジン回転数制御手段85をエンジン回転数検知手段87に基づくエンジン回転数が第一の所定値を超えて第二の所定値以下となるように適宜に制御する。一方、実際の走行速度が設定走行速度を超えていない場合、制御装置80は、エンジン回転数制御手段85をエンジン回転数が所定の範囲内に維持されるように適宜に制御する。これにより、走行速度が設定速度を最高速度として所定の範囲内に制限されながら、走行が続けて行われる。
【0087】
なお、本実施形態において、変速アクチュエータ60の動作異常を検知する手段は、制御装置80と第一検出手段55と走行速度検知手段86とを用いて構成しているが、これに限定するものではなく、例えば制御装置80と第一検出手段55と第二検出手段66とを用いて構成することも可能である。
【0088】
この場合、制御装置80は、第一検出手段55に基づく変速ペダル16の踏込操作量に対応する、無段変速装置21の油圧ポンプ24における斜板24aの目標の傾斜角と、第二検出手段66に基づく実際の傾斜角とを比較し、これらの目標の傾斜角と実際の傾斜角との差が許容範囲内である場合、変速アクチュエータ60の動作を正常と判断し、許容範囲でない場合、変速アクチュエータ60の動作を異常と判断するものとなる。
【0089】
以上のように、本発明の一実施形態に係る田植機1は、エンジン5の出力を変速して走行装置としての各車輪6・7に伝達する無段変速装置21と、変速ペダル16の操作量に基づいて無段変速装置21の変速比を変更する変速アクチュエータ60とを備える作業車両であって、前車輪6に制動力を付与するブレーキ機構23と、無段変速装置21から前車輪6および後車輪7への出力の伝達または遮断を行うクラッチ機構22と、ブレーキペダル17の操作によってブレーキ機構23の作動状態およびクラッチ機構22の入切状態を同時に切り替える作動部材46等からなる機械式連動機構と、ブレーキ機構23を作動状態に切り替えるブレーキ入り部材75と、クラッチ機構22を切状態に切り替えるクラッチ切り部材76と、変速ペダル16の非操作時に、ブレーキ入り部材75をブレーキ機構23が作動状態になるように作動させると同時に、クラッチ切り部材76をクラッチ機構22が切状態になるように作動させる制御装置80とを備えるものとされる。
【0090】
これにより、走行中に故障等の理由で変速アクチュエータ60の動作異常が発生した場合に、ブレーキペダル17の操作によってブレーキ機構23を作動させると同時にクラッチ機構22を切状態として、走行速度を減速、さらには走行を停止させることが可能となる。しかも、ブレーキペダル17の操作が遅れた場合でも、変速ペダル16を非操作状態にするだけで、制御装置80によりブレーキ入り部材75およびクラッチ切り部材76を作動させて、自動的にブレーキ機構23を作動させると同時にクラッチ機構22を切状態とし、走行速度を減速、さらには走行を停止させることが可能となる。したがって、変速アクチュエータ60の動作異常が発生した場合であっても、走行速度を減速して走行を速やかにかつ確実に停止することができ、走行安定性を確保することができる。
【0091】
さらに、田植機1が停止している状態において、変速ペダル16が非操作時である間は、制御装置80によりブレーキ入り部材75およびクラッチ切り部材76を作動させて、ブレーキ機構23を作動させると同時にクラッチ機構22を切状態とし、田植機1の停止状態を維持することが可能となる。したがって、意図せぬ走行開始を防止することができる。なお、変速アクチュエータ60の動作異常が発生していない場合でも、障害物が直前に迫ったときや畦越えを行うとき等で急停止を行いたいときには、前述のように変速ペダル16を非操作状態とするだけで、走行を速やかにかつ確実に停止することが可能となる。
【0092】
本発明の一実施形態に係る田植機1は、また、変速アクチュエータ60の動作異常を検知する動作異常検知手段と、変速アクチュエータ60の動作異常を報知する報知手段を兼ねる表示パネル15とを設け、前記動作異常検知手段が変速アクチュエータ60の動作異常を検知したとき、表示パネル15により操縦者に報知するものとされる。前記動作異常検知手段は、例えば前述のように、制御装置80と第一検出手段55と走行速度検知手段86とを用いて構成される。
【0093】
これにより、走行中に故障等の理由で変速アクチュエータ60の動作異常が発生した場合に、操縦者がその動作異常を認識することが可能となる。したがって、変速アクチュエータ60の動作異常に即座に対応することができ、走行安定性を確保することができる。
【0094】
本発明の一実施形態に係る田植機1は、変速アクチュエータ60の動作異常を検知する動作異常検知手段と、エンジン5のエンジン回転数を制御する回転数制御装置としての燃料噴射装置(エンジン回転数制御手段85)とを設け、前記動作異常検知手段が変速アクチュエータ60の動作異常を検知したとき、燃料噴射装置(エンジン回転数制御手段85)によりエンジン回転数を所定値以下に制限するものとされる。前記動作異常検知手段は、例えば前述のように、制御装置80と第一検出手段55と走行速度検知手段86とを用いて構成される。
【0095】
これにより、走行中に故障等の理由で変速アクチュエータ60の動作異常が発生した場合であっても、変速ペダル16の操作を継続して、走行を停止させないときは、エンジン回転数の制限にともなって、走行速度も所定の範囲内に制限することが可能となる。したがって、走行速度の急激な増速を防止しながら走行を続けることができ、走行安定性を確保することができる。その結果、例えば圃場の中央付近を走行しているとき、作業中に変速アクチュエータ60の動作異常が発生した場合であっても、田植機1を圃場から脱出させることができる。
【符号の説明】
【0096】
1 田植機(作業車)
5 エンジン
15 表示パネル(報知手段)
16 変速ペダル
17 ブレーキペダル
21 無段変速装置
22 クラッチ機構
23 ブレーキ機構
60 変速アクチュエータ
66 第二検出手段
75 ブレーキ入り部材
76 クラッチ切り部材
80 制御装置
85 エンジン回転数制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの出力を変速して走行装置に伝達する無段変速装置と、
変速ペダルの操作量に基づいて前記無段変速装置の変速比を変更する変速アクチュエータとを備える作業車であって、
前記走行装置に制動力を付与するブレーキ機構と、
前記無段変速装置から前記走行装置への出力の伝達または遮断を行うクラッチ機構と、
ブレーキペダルの操作によって前記ブレーキ機構の作動状態および前記クラッチ機構の入切状態を同時に切り替える機械式連動機構と、
前記ブレーキ機構を作動状態に切り替えるブレーキ入り部材と、
前記クラッチ機構を切状態に切り替えるクラッチ切り部材と、
前記変速ペダルの非操作時に、前記ブレーキ入り部材を前記ブレーキ機構が作動状態になるように作動させると同時に、前記クラッチ切り部材を前記クラッチ機構が切状態になるように作動させる制御装置とを備える作業車。
【請求項2】
前記変速アクチュエータの動作異常を検知する動作異常検知手段と、前記変速アクチュエータの動作異常を報知する報知手段とを設け、前記動作異常検知手段が前記変速アクチュエータの動作異常を検知したとき、前記報知手段により操縦者に報知する請求項1に記載の作業車。
【請求項3】
前記変速アクチュエータの動作異常を検知する動作異常検知手段と、前記エンジンのエンジン回転数を制御するエンジン回転数制御装置とを設け、前記動作異常検知手段が前記変速アクチュエータの動作異常を検知したとき、前記エンジン回転数制御装置によりエンジン回転数を所定値の範囲内に制限する請求項1または請求項2に記載の作業車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−203301(P2010−203301A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−48582(P2009−48582)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】