説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】メモリ部とロジックとを含む半導体装置において、工程数を増大させることなく、ロジック部に高さが異なるゲート電極を含むトランジスタを形成できるようにする。
【解決手段】半導体装置は、メモリ部Aとロジック部Bとを有する半導体領域1A、1B、1Cと、半導体領域のメモリ部Aにメモリゲート絶縁膜2を介して形成されたメモリゲート電極31を有するメモリトランジスタ30と、ロジック部Bの第1の領域B1に形成され、第1のゲート電極41を有するp型トランジスタ40と、ロジック部Bの第2の領域B2に形成され、第2のゲート電極51を有するn型トランジスタ50とを有している。メモリゲート電極31は、第1電極4及び第2電極9を含み、第1のゲート電極41は第1電極4及び第2電極9が電気的に接続され、第2のゲート電極51は第2電極9からなり、第1の側壁絶縁膜10の膜厚は、第2の側壁絶縁膜11の膜厚よりも厚い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特にメモリ部とロジック部とを搭載する半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、メモリ部とロジック部とを一のチップ上に形成することにより、付加価値が高いマイコン等の半導体装置を製造することができるようになったため、その重要性はシステムLSI(Large-Scale Integrated circuit)の微細化及び高機能化と共に増してきている。
【0003】
なかでも、ロジック部において、ゲート電極の高さが互いに異なる2種類のトランジスタをそれぞれ異なる用途に割り当てた半導体装置が、微細化の進展に連れてその重要性を増してきている。例えば、短チャネル効果の影響を受けやすいPMOS(P-type Metal Oxide Semiconductor)トランジスタに対して、短チャネル効果の影響を受けにくいNMOSトランジスタよりもゲート電極を高くすることにより、PMOSトランジスタのゲート電極の側面上に形成される側壁絶縁膜の膜厚を厚くする技術が知られている。
【0004】
より具体的には、半導体装置の微細化が進むと、特にPMOSトランジスタにおける短チャネル効果に対する対策が重要となるため、PMOSトランジスタの側壁絶縁膜の膜厚をNMOSトランジスタの側壁絶縁膜の膜厚よりも大きくすることにより、PMOSトランジスタの短チャネル効果の影響を受けにくくする方法が重要性を増してきている。
【0005】
そこで、PMOSトランジスタの側壁絶縁膜の膜厚をNMOSトランジスタよりも大きくする方法として、上記のように、PMOSトランジスタのゲート電極の高さをNMOSトランジスタのゲート電極の高さよりも高くすることが考えられる(例えば、特許文献1を参照。)。
【0006】
以下、ゲート電極の高さを変える半導体装置の製造方法の第1の従来例について図28〜図30を用いて説明する。
【0007】
まず、図28に示すように、例えば半導体基板101における第1の領域100A及び第2の領域100Bの上の全面にゲート絶縁膜102を形成し、続いて、形成されたゲート絶縁膜102の上に第1の電極形成膜103Aを形成する。
【0008】
次に、図29に示すように、第2の領域100Bにおける第1の電極形成膜103Aの上部を選択的にエッチングして、第2の領域100Bの第1の電極形成膜103Aから該第1の電極形成膜103Aよりも高さが低い第2の電極形成膜103Bを形成する。
【0009】
次に、図30に示すように、第1の電極形成膜103A及び第2の電極形成膜103Bをそれぞれパターニングして、第1の領域100Aには第1の電極形成膜103Aから第1のゲート電極103aを形成し、第2の領域100Bには第2の電極形成膜103Bから第2のゲート電極103bを形成する。これにより、高さが互いに異なる第1のゲート電極103a及び第2のゲート電極103bを得ることができる。
【0010】
以下、ゲート電極の高さを変える半導体装置の製造方法の第2の従来例について図31〜図34を用いて説明する。
【0011】
まず、図31に示すように、例えば半導体基板101における第1の領域100A及び第2の領域100Bの上の全面にゲート絶縁膜102を形成し、続いて、形成されたゲート絶縁膜102の上に第1の電極形成膜103Aを形成する。
【0012】
次に、図32に示すように、第1の領域100Aにおける第1の電極形成膜103Aの上に絶縁膜110を選択的に形成する。
【0013】
次に、図33に示すように、第2の領域100Bの上に第2の電極形成膜104Aを選択的に形成する。
【0014】
次に、図34に示すように、第1の領域100Aにおいては第1の電極形成膜103Aをパターニングして、第1の電極形成膜103Aから第1のゲート電極103aを形成する。同時に、第2の領域100Bにおいては、第1の電極形成膜103A及び第2の電極形成膜104Aをパターニングして、第1の電極形成膜103A及び第2の電極形成膜104Aから下部ゲート電極103bと上部ゲート電極104aとからなる第2のゲート電極105を形成する。これにより、高さが互いに異なる第1のゲート電極103a及び第2のゲート電極105を得ることができる。
【特許文献1】特開2000−058668号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、前記第1の従来例においては、第2のゲート電極103bの高さを第1のゲート電極103aの高さよりも小さくするために、第1の電極形成膜103Aを選択的にエッチングする新たなエッチング工程が必要となる。また、前記第2の従来例においては、第2のゲート電極105の高さを第1のゲート電極103aの高さよりも大きくするために、第2の電極形成膜104Aを第1の電極形成膜103Aの上に選択的に形成する新たな成膜工程が必要となり、いずれの場合も工程数が増大するという問題が生じる。
【0016】
その上、第1の従来例のように、電極形成膜自体をエッチングすることにより高さの調整を行なう場合は、エッチングされた第2のゲート電極103bの高さにばらつきが生じるという問題も発生する。
【0017】
本発明は、前記従来の問題に鑑み、メモリ部とロジックとを含む半導体装置において、工程数を増大させることなく、ロジック部に互いの高さが異なるゲート電極を含むトランジスタを形成できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記の目的を達成するため、本発明は、半導体装置を、メモリ部に形成され第1電極及び第2電極を含むメモリゲート電極における第1電極及び第2電極をロジック部の第1の領域に形成される第1トランジスタの第1のゲート電極に用いる一方、ロジック部の第2の領域に形成される第2トランジスタの第2のゲート電極には、第1電極及び第2電極のいずれか一方を用いる構成とする。
【0019】
具体的に、本発明に係る半導体装置は、メモリ部とロジック部とを有する半導体領域と、半導体領域のメモリ部にゲート絶縁膜を介在させて形成されたメモリゲート電極を有するメモリトランジスタと、半導体領域のロジック部に形成され、第1のゲート電極を有する第1トランジスタと、半導体領域のロジック部に形成され、第2のゲート電極を有する第2トランジスタとを備え、メモリゲート電極は、下層より順に形成された第1電極及び第2電極を含む積層構造を有し、第1のゲート電極は、側面上に第1の側壁絶縁膜が形成されると共に、下層より順に形成され且つ第1電極及び第2電極が電気的に接続された積層構造を有し、第2のゲート電極は、側面上に第2の側壁絶縁膜が形成されると共に、第1電極又は第2電極の単層構造を有し、第1の側壁絶縁膜の膜厚は第2の側壁絶縁膜の膜厚よりも厚く形成されていることを特徴とする。
【0020】
本発明の半導体装置によると、ロジック部における第1トランジスタの第1のゲート電極は、側面上に第1の側壁絶縁膜が形成されると共に下層より順に形成され且つ第1電極及び第2電極が電気的に接続された積層構造を有し、一方、ロジック部における第2トランジスタの第2のゲート電極は、側面上に第2の側壁絶縁膜が形成されると共に、第1電極又は第2電極の単層構造を有し、第1の側壁絶縁膜の膜厚は第2の側壁絶縁膜の膜厚よりも厚く形成されている。このように、第1トランジスタの第1のゲート電極はメモリトランジスタのメモリゲート電極を構成する第1電極及び第2電極からなり、第2トランジスタの第2のゲート電極はメモリトランジスタのメモリゲート電極を構成する第1電極及び第2電極のいずれか一方からなるため、第1のゲート電極の高さは第2のゲート電極の高さよりも高くなる。その結果、第1のゲート電極に形成される第1の側壁絶縁膜の膜厚は第2のゲート電極に形成される第2の側壁絶縁膜の膜厚よりも厚くすることができる。すなわち、第2のゲート電極よりも高い第1のゲート電極が、メモリゲート電極を構成する第1電極及び第2電極を用いて、工程数を増大することなく形成することができるので、第1トランジスタの導電型をp型とすれば、p型の第1トランジスタの短チャネル効果を抑制することができる。
【0021】
本発明の半導体装置において、メモリゲート電極は、第1電極と第2電極とが互いに接続されるように形成されていることが好ましい。
【0022】
この場合に、ゲート絶縁膜は下層より順に形成された下部酸化膜、窒化膜及び上部酸化膜を含むことが好ましい。
【0023】
本発明の半導体装置において、メモリゲート電極における第1電極と第2電極との間には、絶縁膜が形成されていることが好ましい。
【0024】
この場合に、ゲート絶縁膜は酸化膜又は酸窒化膜を含むことが好ましい。
【0025】
本発明の半導体装置において、第1のゲート電極は、第1電極と第2電極とが互いに接続されるように形成されている。
【0026】
本発明の半導体装置において、第1トランジスタの導電型はp型であり、第2トランジスタの導電型はn型であることが好ましい。
【0027】
本発明に係る第1の半導体装置の製造方法は、メモリ部と、第1領域及び第2領域に区画されたロジック部とを有する半導体領域におけるメモリ部の上に第1絶縁膜を形成する工程と、半導体領域におけるロジック部の第1領域の上に第2絶縁膜を形成する工程と、メモリ部における第1絶縁膜の上及びロジック部における第1領域の第2絶縁膜の上に第1導電膜を形成する工程と、メモリ部において、第1導電膜及び第1絶縁膜に対して開口部を選択的に形成し、形成した開口部を通して半導体領域に不純物を導入することにより、ソースドレインとなるビット線拡散層を形成する工程と、半導体領域のロジック部における第2領域の上に第3絶縁膜を形成する工程と、メモリ部における第1導電膜の上及びロジック部の第1領域における第1導電膜の上に該第1導電膜とそれぞれ直接に接続すると共に、ロジック部の第2領域における第3絶縁膜の上に、それぞれ第2導電膜を形成する工程と、メモリ部及びロジック部の第1領域における第2導電膜及び第1導電膜をパターニングして、メモリ部においてはメモリトランジスタのメモリゲート電極を形成し、ロジック部の第1領域においては第1トランジスタの第1のゲート電極を形成し、ロジック部の第2領域においては第2導電膜をパターニングして第2トランジスタの第2のゲート電極を形成する工程と、ロジック部において、第1のゲート電極及び第2のゲート電極を覆うように第4絶縁膜を形成し、形成した第4絶縁膜をエッチバックすることにより第1のゲート電極の側面上に第1の側壁絶縁膜を形成すると共に、第2のゲート電極の側面上に第1の側壁絶縁膜よりも膜厚が薄い第2の側壁絶縁膜を形成する工程と、半導体領域のロジック部における第1のゲート電極の側方及び第2のゲート電極の側方にソースドレイン拡散層を形成する工程とを備えていることを特徴とする。
【0028】
第1の半導体装置の製造方法によると、メモリ部及びロジック部の第1領域における第2導電膜及び第1導電膜をパターニングして、メモリ部においてはメモリトランジスタのメモリゲート電極を形成し、ロジック部の第1領域においては第1トランジスタの第1のゲート電極を形成する。一方、ロジック部の第2領域においては第2導電膜をパターニングして第2トランジスタの第2のゲート電極を形成する。これにより、第1トランジスタの第1のゲート電極はメモリトランジスタのメモリゲート電極を構成する第1導電膜及び第2導電膜からなり、第2トランジスタの第2のゲート電極は第2導電膜からなるため、第1のゲート電極の高さは第2のゲート電極の高さよりも高くなる。その結果、第1のゲート電極に形成される第1の側壁絶縁膜の膜厚は第2のゲート電極に形成される第2の側壁絶縁膜の膜厚よりも厚くすることができる。すなわち、第2のゲート電極よりも高い第1のゲート電極が、メモリゲート電極を構成する第1電極及び第2電極を用いて、工程数を増大することなく形成することができるので、第1トランジスタの導電型をp型とすれば、p型の第1トランジスタの短チャネル効果を抑制することができる。
【0029】
本発明に係る第2の半導体装置の製造方法は、メモリ部と、第1領域及び第2領域に区画されたロジック部とを有する半導体領域におけるメモリ部の上に第1絶縁膜を形成する工程と、半導体領域におけるロジック部の第1領域の上に第2絶縁膜を形成する工程と、メモリ部における第1絶縁膜の上及びロジック部における第1領域の第2絶縁膜の上に第1導電膜を形成する工程と、メモリ部における第1導電膜の上に第3絶縁膜を形成する工程と、半導体領域におけるロジック部の第2領域の上に第4絶縁膜を形成する工程と、ロジック部の第1領域における第1導電膜の上に該第1導電膜と直接に接続すると共に、メモリ部における第3絶縁膜の上及びロジック部の第2領域における第4絶縁膜の上にそれぞれ第2導電膜を形成する工程と、メモリ部における第2導電膜、第3絶縁膜及び第1導電膜をパターニングして、メモリトランジスタのメモリゲート電極を形成し、ロジック部の第1領域において第2導電膜及び第1導電膜をパターニングして、第1トランジスタの第1のゲート電極を形成し、ロジック部の第2領域において第2導電膜をパターンニングして、第2トランジスタの第2のゲート電極を形成する工程と、ロジック部において、第1のゲート電極及び第2のゲート電極を覆うように第5絶縁膜を形成し、形成した第5絶縁膜をエッチバックすることにより第1のゲート電極の側面上に第1の側壁絶縁膜を形成すると共に、第2のゲート電極の側面上に第1の側壁絶縁膜よりも膜厚が薄い第2の側壁絶縁膜を形成する工程と、半導体領域のロジック部における第1のゲート電極の側方及び第2のゲート電極の側方にソースドレイン拡散層を形成する工程とを備えていることを特徴とする。
【0030】
第2の半導体装置の製造方法によると、メモリ部における第2導電膜、第3絶縁膜及び第1導電膜をパターニングして、メモリトランジスタのメモリゲート電極を形成し、ロジック部の第1領域における第2導電膜及び第1導電膜をパターニングして、第1トランジスタの第1のゲート電極を形成する。一方、ロジック部の第2領域において第2導電膜をパターンニングして、第2トランジスタの第2のゲート電極を形成する。これにより、第1トランジスタの第1のゲート電極はメモリトランジスタのメモリゲート電極を構成する第1導電膜及び第2導電膜からなり、第2トランジスタの第2のゲート電極は第2導電膜からなるため、第1のゲート電極の高さは第2のゲート電極の高さよりも高くなる。その結果、第1のゲート電極に形成される第1の側壁絶縁膜の膜厚は第2のゲート電極に形成される第2の側壁絶縁膜の膜厚よりも厚くすることができる。すなわち、第2のゲート電極よりも高い第1のゲート電極が、メモリゲート電極を構成する第1電極及び第2電極を用いて、工程数を増大することなく形成することができるので、第1トランジスタの導電型をp型とすれば、p型の第1トランジスタの短チャネル効果を抑制することができる。
【0031】
本発明に係る第3の半導体装置の製造方法は、メモリ部と、第1領域及び第2領域に区画されたロジック部とを有する半導体領域におけるメモリ部の上に第1絶縁膜を形成する工程と、半導体領域におけるロジック部の第1領域及び第2領域の上に第2絶縁膜を形成する工程と、メモリ部における第1絶縁膜の上及びロジック部における第1領域及び第2領域の第2絶縁膜の上に第1導電膜を形成する工程と、メモリ部において、第1導電膜及び第1絶縁膜に対して開口部を選択的に形成し、形成した開口部を通して半導体領域に不純物を導入することにより、ソースドレインとなるビット線拡散層を形成する工程と、メモリ部における第1導電膜の上及びロジック部の第1領域における第1導電膜の上に該第1導電膜とそれぞれ直接に接続するように第2導電膜を形成する工程と、メモリ部及びロジック部の第1領域における第2導電膜及び第1導電膜をパターニングして、メモリ部においてはメモリトランジスタのメモリゲート電極を形成し、ロジック部の第1領域においては第1トランジスタの第1のゲート電極を形成し、ロジック部の第2領域においては第1導電膜をパターニングして第2トランジスタの第2のゲート電極を形成する工程と、ロジック部において、第1のゲート電極及び第2のゲート電極を覆うように第4絶縁膜を形成し、形成した第4絶縁膜をエッチバックすることにより第1のゲート電極の側面上に第1の側壁絶縁膜を形成すると共に、第2のゲート電極の側面上に第1の側壁絶縁膜よりも膜厚が薄い第2の側壁絶縁膜を形成する工程と、半導体領域のロジック部における第1のゲート電極の側方及び第2のゲート電極の側方にソースドレイン拡散層を形成する工程とを備えていることを特徴とする。
【0032】
第3の半導体装置の製造方法によると、メモリ部及びロジック部の第1領域における第2導電膜及び第1導電膜をパターニングして、メモリ部においてはメモリトランジスタのメモリゲート電極を形成し、ロジック部の第1領域においては第1トランジスタの第1のゲート電極を形成する。一方、ロジック部の第2領域においては第1導電膜をパターニングして第2トランジスタの第2のゲート電極を形成する。これにより、第1トランジスタの第1のゲート電極はメモリトランジスタのメモリゲート電極を構成する第1導電膜及び第2導電膜からなり、第2トランジスタの第2のゲート電極は第1導電膜からなるため、第1のゲート電極の高さは第2のゲート電極の高さよりも高くなる。その結果、第1のゲート電極に形成される第1の側壁絶縁膜の膜厚は第2のゲート電極に形成される第2の側壁絶縁膜の膜厚よりも厚くすることができる。すなわち、第2のゲート電極よりも高い第1のゲート電極が、メモリゲート電極を構成する第1電極及び第2電極を用いて、工程数を増大することなく形成することができるので、第1トランジスタの導電型をp型とすれば、p型の第1トランジスタの短チャネル効果を抑制することができる。
【0033】
本発明に係る第4の半導体装置の製造方法は、メモリ部と、第1領域及び第2領域に区画されたロジック部とを有する半導体領域におけるメモリ部の上に第1絶縁膜を形成する工程と、半導体領域におけるロジック部の第1領域及び第2領域の上に第2絶縁膜を形成する工程と、メモリ部における第1絶縁膜の上及びロジック部における第1領域及び第2領域の第2絶縁膜の上に第1導電膜を形成する工程と、メモリ部における第1導電膜の上に第3絶縁膜を形成する工程と、ロジック部の第1領域における第1導電膜の上に該第1導電膜と直接に接続すると共に、メモリ部における第3絶縁膜の上にそれぞれ第2導電膜を形成する工程と、メモリ部における第2導電膜、第3絶縁膜及び第1導電膜をパターニングして、メモリトランジスタのメモリゲート電極を形成し、ロジック部の第1領域における第2導電膜及び第1導電膜をパターニングして、第1トランジスタの第1のゲート電極を形成し、ロジック部の第2領域において第1導電膜をパターンニングして、第2トランジスタの第2のゲート電極を形成する工程と、ロジック部において、第1のゲート電極及び第2のゲート電極を覆うように第4絶縁膜を形成し、形成した第4絶縁膜をエッチバックすることにより第1のゲート電極の側面上に第1の側壁絶縁膜を形成すると共に、第2のゲート電極の側面上に第1の側壁絶縁膜よりも膜厚が薄い第2の側壁絶縁膜を形成する工程と、半導体領域のロジック部における第1のゲート電極の側方及び第2のゲート電極の側方にソースドレイン拡散層を形成する工程とを備えていることを特徴とする。
【0034】
第4の半導体装置の製造方法によると、メモリ部において第2導電膜、第3絶縁膜及び第1導電膜をパターニングして、メモリトランジスタのメモリゲート電極を形成し、ロジック部の第1領域において第2導電膜及び第1導電膜をパターニングして、第1トランジスタの第1のゲート電極を形成する。一方、ロジック部の第2領域において第1導電膜をパターンニングして、第2トランジスタの第2のゲート電極を形成する。これにより、第1トランジスタの第1のゲート電極はメモリトランジスタのメモリゲート電極を構成する第1導電膜及び第2導電膜からなり、第2トランジスタの第2のゲート電極は第1導電膜からなるため、第1のゲート電極の高さは第2のゲート電極の高さよりも高くなる。その結果、第1のゲート電極に形成される第1の側壁絶縁膜の膜厚は第2のゲート電極に形成される第2の側壁絶縁膜の膜厚よりも厚くすることができる。すなわち、第2のゲート電極よりも高い第1のゲート電極が、メモリゲート電極を構成する第1電極及び第2電極を用いて、工程数を増大することなく形成することができるので、第1トランジスタの導電型をp型とすれば、p型の第1トランジスタの短チャネル効果を抑制することができる。
【0035】
本発明の半導体装置の製造方法において、第1トランジスタの導電型はp型であり、第2トランジスタの導電型はn型であることが好ましい。
【0036】
第1〜第4の半導体装置の製造方法は、ロジック部にソースドレイン拡散層を形成する工程よりも後に、メモリゲート電極、第1のゲート電極、第2のゲート電極及びソースドレイン拡散層の上部に金属シリサイド層を形成する工程をさらに備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0037】
本発明の半導体装置及びその製造方法によると、メモリ部の形成工程を用いることにより、ロジック部に高さが互いに異なる2種類のゲート電極を形成することができるため、2種類の高さを持つゲート電極及び膜厚が異なる側壁絶縁膜を形成するという構成を工程数を増大することなく実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0039】
図1は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の要部の断面構成を示している。図1に示すように、第1の実施形態に係る半導体装置は、一の半導体基板(図示せず)に形成されたメモリ部Aとロジック部Bとを有し、該ロジック部Bは、例えば、p型トランジスタ40を含む第1領域B1と、n型トランジスタ50を含む第2領域B2とに区画されている。
【0040】
メモリ部Aには、半導体基板の第1のp型ウェル1Aの上にそれぞれ形成されたメモリゲート絶縁膜2と、各メモリゲート絶縁膜2の上に順次形成された第1電極4及び第2電極9からなるメモリゲート電極31とを有する複数のメモリトランジスタ30を含む。
【0041】
各メモリゲート絶縁膜2は、膜厚が5nm程度の下部シリコン酸化膜、膜厚が5nm程度のシリコン窒化膜及び膜厚が10nm程度の上部シリコン酸化膜により構成されたいわゆるONO(oxide-nitride-oxide)膜である。
【0042】
各第1電極4は、例えば厚さが50nmのポリシリコンからなり、それぞれ島状にパターニングされている。また、メモリゲート絶縁膜2及び第1電極4同士の間には、酸化シリコン又は窒化シリコンからなる第2の絶縁膜7が充填されている。
【0043】
各第2電極9は、ワード線であって、例えば厚さが150nm程度のポリシリコンからなり、行方向(図面の左右方向)にパターニングされている。また、各第2電極9の上部には、それぞれ金属シリサイド層14が形成されている。ここで、金属シリサイド層14の金属には、例えばニッケル(Ni)、チタン(Ti)又はコバルト(Co)等を用いることができる。
【0044】
さらに、メモリトランジスタ30は、第1のp型ウェル1Aの上部であって、各メモリゲート絶縁膜2及び第1電極4の側方の領域に列方向に沿って形成されたn型のビット線拡散層6を有している。
【0045】
ロジック部Bの第1の領域B1に形成されたp型トランジスタ40は、半導体基板のn型ウェル1Bの上に形成された膜厚が2nm〜20nm程度の第1のゲート絶縁膜3と、該第1のゲート絶縁膜3の上に順次形成された第1電極4及び第2電極9からなる第1のゲート電極41と、該第1のゲート電極41の両側面上に形成された第1の側壁絶縁膜10と、n型ウェル1Bの上部であって、第1のゲート電極41の側方の領域に形成されたp型の第1のソースドレイン拡散層12とを有している。
【0046】
第1の側壁絶縁膜10は、例えば酸化シリコン又は窒化シリコン等からなり、その基板面に平行な方向の膜厚は約120nmである。
【0047】
第1のソースドレイン拡散層12は、第1の側壁絶縁膜10の外側の領域に形成された高濃度拡散層12bと、第1の側壁絶縁膜10の下側の領域から高濃度拡散層12bの下方にまで広がる低濃度拡散層12aとからなる。
【0048】
また、第1のゲート電極41の第2電極9の上部及び第1のソースドレイン拡散層12の高濃度拡散層12bの上部には、金属シリサイド層14がそれぞれ形成されている。
【0049】
ロジック部Bにおける第2の領域B2に形成されたn型トランジスタ50は、第2のp型ウェル1Cの上に形成された膜厚が2nm〜20nm程度の第2のゲート絶縁膜8と、該第2のゲート絶縁膜8の上に順次形成された第2電極9からなる第2のゲート電極51と、該第2のゲート電極51の両側面上に形成された第2の側壁絶縁膜11と、第2のp型ウェル1Cの上部であって、第2のゲート電極51の側方の領域に形成されたn型の第2のソースドレイン拡散層13とを有している。
【0050】
第2の側壁絶縁膜11は、例えば酸化シリコン又は窒化シリコン等からなり、その基板面に平行な方向の膜厚は約90nmである。
【0051】
第2のソースドレイン拡散層13は、第2の側壁絶縁膜11の外側の領域に形成された高濃度拡散層13bと、第2の側壁絶縁膜11の下側の領域から高濃度拡散層13bの下方にまで広がる低濃度拡散層13aとからなる。
【0052】
また、第2のゲート電極51の上部及び第2のソースドレイン拡散層13の高濃度拡散層13bの上部には、金属シリサイド層14がそれぞれ形成されている。
【0053】
このように、ロジック部Bの第1の領域B1に形成されるp型トランジスタ40の第1のゲート電極41は、メモリトランジスタ30のメモリゲート電極31を構成する第1電極4及び第2電極9から構成される。これに対し、ロジック部Bの第2の領域B2に形成されるn型トランジスタ50の第2のゲート電極51は、メモリトランジスタ30のメモリゲート電極31を構成する第2電極9のみから構成される。
【0054】
これにより、ロジック部Bにおいて、p型トランジスタ40の第1のゲート電極41は第1電極4及び第2電極9の積層体からなるため、その高さはn型トランジスタ50の第2電極9からなる第2のゲート電極51の高さよりも大きくなる。このため、第1のゲート電極41に形成される第1の側壁絶縁膜10の膜厚は、第2のゲート電極51に形成される第2の側壁絶縁膜11の膜厚よりも確実に厚くすることができる。
【0055】
以下、前記のように構成された第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を図2〜図7を参照しながら説明する。
【0056】
まず、図2に示すように、一の半導体基板の上部に、メモリ部A並びにロジック部Bの第1の領域B1及び第2の領域B2を素子分離領域(図示せず)により区画する。その後、イオン注入により、メモリ部Aには第1のp型ウェル1Aを形成し、ロジック部Bの第1の領域B1にはn型ウェル1Bを形成し、ロジック部Bの第2の領域B2には第2のp型ウェル1Cを形成する。ここで、各領域1A、1B及び1Cの形成順序は問われない。続いて、メモリ部Aにおける第1のp型ウェル1Aの上に、電荷トラップ膜であってONO膜からなるメモリゲート絶縁膜2を選択的に形成する。ここで、ONO膜における下部酸化膜は熱酸化法又は化学的気相堆積(CVD)法により形成でき、窒化膜はCVD法により形成でき、上部酸化膜は熱酸化法により形成することができる。具体的には、メモリゲート絶縁膜2は、例えば半導体基板の全面にONO膜を形成した後に、形成されたONO膜におけるロジック部Bに含まれる部分を、リソグラフィ法及びエッチング法により選択的に除去する。続いて、ロジック部Bにおけるn型ウェル1B及び第2のp型ウェル1Cの上に、熱酸化法等により第1のゲート絶縁膜3を形成し、その後、CVD法により、半導体基板上の全面に第1電極4を形成する。なお、メモリゲート絶縁膜2の上部酸化膜と第1のゲート絶縁膜3とを同一の工程で形成することもできる。また、メモリゲート絶縁膜2と第1のゲート絶縁膜3との形成順序は特に問われない。
【0057】
次に、図3に示すように、半導体基板上の全面に、例えば酸化シリコン又は窒化シリコンからなる第1の絶縁膜5を堆積し、その後、リソグラフィ法及びエッチング法により、堆積された第1の絶縁膜5におけるメモリ部Aのビット線拡散層形成領域の上側部分とロジック部Bの第2の領域B2とにそれぞれ開口パターンを形成する。続いて、開口パターンが形成された第1の絶縁膜5をマスクとして、メモリ部Aの第1電極4及びロジック部Bにおける第2の領域B2の第1電極4をエッチングにより除去する。続いて、第1の絶縁膜5をマスクとして、メモリ部Aのメモリゲート絶縁膜2及び第2の領域B1の第1のゲート絶縁膜3を除去する。その後、メモリ部Aの第1のp型ウェル1Aにn型不純物を選択的にイオン注入することにより、第1のp型ウェル1Aの上部にn型のビット線拡散層6を形成する。
【0058】
次に、図4に示すように、CVD法により、半導体基板上の全面に、例えば酸化シリコン又は窒化シリコンからなる第2の絶縁膜7を堆積して、メモリ部Aにおけるビット線拡散層の上側部分に第2の絶縁膜7を埋め込む。続いて、化学機械研磨(CMP)法又はエッチバック法等により、第1の絶縁膜5等の上に堆積した不要な第2の絶縁膜7を除去する。その後、熱酸化法等により、ロジック部Bにおける第2のp型ウェルB2の露出面上に第2のゲート絶縁膜8を形成する。このときの第2のゲート絶縁膜8を形成する際の熱処理により、ビット線拡散層6に注入されたn型不純物イオンの活性化が図られる。
【0059】
次に、図5に示すように、メモリ部Aにおける第1電極4の上に形成された第1の絶縁膜5及び該第1の絶縁膜5の開口部に充填された第2の絶縁膜7と、ロジック部Bにおける第1の領域B1の第1電極4の上に形成された第1の絶縁膜5とをエッチングにより選択的に除去する。その後、CVD法により、半導体基板上の全面に第2電極9を形成する。このとき、メモリ部A及びロジック部Bの第1の領域B1においては、第1電極4と第2電極9とは互いに接した積層構造となり、ロジック部Bの第2の領域B2においては第2電極9のみの単層構造となる。なお、第1電極4と第2電極9との間には、人為的な絶縁膜は存在しない。但し、第1電極4と第2電極9との間には自然酸化膜が存在する場合がある。
【0060】
次に、図6に示すように、メモリ部Aにおいては、第2電極9、第1電極4をエッチングにより順次パターニングして、それぞれ第1電極4及び第2電極9からなる複数のメモリゲート電極31を形成する。ここで、各メモリゲート電極31は、行方向に沿ってラインアンドスペース(L/S)状に形成される。同時に、ロジック部Bの第1の領域B1においても、第2電極9及び第1電極4を順次パターニングして、第1電極4及び第2電極9からなる第1のゲート電極41を形成する。また、ロジック部Bの第2の領域B2においては、第2電極9をパターニングして、該第2電極9からなる第2のゲート電極51を形成する。なお、第2のゲート電極51に対するパターニングと、メモリゲート電極31及び第1のゲート電極41とのパターニングは同時に行なってもよく、別々に行なってもよい。
【0061】
次に、図7に示すように、ロジック部Bの第1の領域B1においては、第1のゲート電極41をマスクとして、p型不純物イオンをイオン注入することにより、n型ウェル1Bの上部にp型の低濃度拡散層12aを形成する。この注入は、いわゆるLDD(lightly doped drain)注入である。その後、ロジック部Bの第2の領域B2において、第2のゲート電極51をマスクとして、n型不純物イオンをイオン注入することにより、第2のp型ウェル1Cの上部にn型の低濃度拡散層13aを形成する。なお、これら低濃度拡散層12a、13aの注入順序は問われない。続いて、CVD法により、半導体基板の上の全面に酸化シリコン又は窒化シリコンからなる絶縁膜を堆積し、堆積した絶縁膜をエッチバックすることにより、ロジック部Bの第1の領域B1においては、第1のゲート電極41の両側面上に第1の側壁絶縁膜10を形成し、ロジック部Bの第2の領域B2においては、第2のゲート電極51の両側面上に第2の側壁絶縁膜11を形成する。このとき、第1のゲート電極41の高さが第2のゲート電極51の高さよりも大きいため、第1の側壁絶縁膜10の膜厚は、第2の側壁絶縁膜11の膜厚よりも厚くなる。続いて、ロジック部Bの第1の領域B1においては、第1のゲート電極41及び第1の側壁絶縁膜10をマスクとして、p型不純物イオンをイオン注入することにより、n型ウェル1Bの上部に低濃度拡散層12aよりも浅い接合面を持つp型の高濃度拡散層12bを形成する。この注入は、いわゆるS/D(source-drain)注入である。続いて、ロジック部Bの第2の領域B2においては、第2のゲート電極51及び第2の側壁絶縁膜11をマスクとして、n型不純物イオンをイオン注入することにより、第2のp型ウェル1Cの上部に高濃度拡散層13aよりも浅い接合面を持つn型の高濃度拡散層13bを形成する。なお、これら高濃度拡散層12b、13bの注入順序は問われない。その後、真空蒸着法等により、半導体基板の上に全面にわたって、例えばニッケルを堆積し、所定の熱処理を施すことにより、メモリ部Aにおいてはメモリゲート電極31の上部に、ロジック部Bの第1の領域B1においては第1のゲート電極41の上部及び高濃度拡散層12bの上部に、第2の領域B2においては第2のゲート電極51の上部及び高濃度拡散層13bの上部に、それぞれ金属シリサイド層14を形成する。
【0062】
このように、第1の実施形態によると、p型トランジスタ40の第1のゲート電極41の高さ寸法をn型トランジスタ50の第2のゲート電極51よりも大きくしていることから、各側壁絶縁膜10、11をエッチバックすると、p型トランジスタ40の第1の側壁絶縁膜10の膜厚がn型トランジスタ50の第2の側壁絶縁膜11の膜厚よりも厚くなる。このため、p型トランジスタ40においては、第1のソースドレイン拡散層12の高濃度拡散層12b同士の間隔が相対的に大きくなる。これにより、p型トランジスタ40においては、短チャネル効果の影響を抑制することができるので、本実施形態に係る半導体装置は、より安定した回路動作を実現することができる。
【0063】
その上、p型トランジスタ40の第1のゲート電極41の高さ寸法を、n型トランジスタ50の第2のゲート電極51よりも大きくする構成を、メモリ部Aにおけるメモリトランジスタ30のメモリゲート電極31を構成する第1電極4及び第2電極9の堆積工程をそのまま利用して形成している。従って、工程数を増大させることなく、ロジック部Bに高さが互いに異なる2種類のゲート電極41、51を形成することができる。
【0064】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0065】
図8は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の要部の断面構成を示している。図8において、図1と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0066】
図8に示すように、第2の実施形態に係るメモリトランジスタ30は、メモリゲート電極31が、基板側から順次積層された、浮遊ゲートとしての第1電極4、容量絶縁膜16及び制御ゲートとしての第2電極9とから構成されている。また、第1のp型ウェル1Aと第1電極4との間に形成されたメモリゲート絶縁膜15は、例えば膜厚が10nm程度の酸化シリコン又は酸窒化シリコンからなり、トンネル絶縁膜として機能する。なお、容量絶縁膜16には、膜厚が5nm程度の下部シリコン酸化膜、膜厚が5nm程度のシリコン窒化膜及び膜厚が5nm程度の上部シリコン酸化膜により構成されたONO膜を用いることが好ましい。
【0067】
また、メモリゲート電極31の両側面上には、酸化シリコン又は窒化シリコンからなる第3の側壁絶縁膜17が形成されている。
【0068】
さらに、メモリトランジスタ30は、半導体基板の第1のp型ウェル1Aの上部であって、メモリゲート電極31の側方の領域に形成されたn型の第3のソースドレイン拡散層18を有している。第3のソースドレイン拡散層18は、第3の側壁絶縁膜17の外側の領域に形成された高濃度拡散層18bと、第3の側壁絶縁膜11の下側の領域から高濃度拡散層18bの下方にまで広がる低濃度拡散層18aとからなる。
【0069】
メモリゲート電極31の上部及び第3のソースドレイン拡散層18の高濃度拡散層18bの上部には、金属シリサイド層14がそれぞれ形成されている。
【0070】
また、ロジック部Bの第1の領域B1に形成されるp型トランジスタ40及び第2の領域B2に形成されるn型トランジスタ50の構成は、第1の実施形態と同等である。
【0071】
このように、第2の実施形態においても、ロジック部Bの第1の領域B1に形成されるp型トランジスタ40の第1のゲート電極41には、メモリゲート電極31を構成する第1電極4及び第2電極9を積層して用い、一方、ロジック部Bの第2の領域B2に形成されるn型トランジスタ50の第2のゲート電極51には、メモリゲート電極31を構成する第2電極9のみを用いている。
【0072】
以下、前記のように構成された第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を図9〜図14を参照しながら説明する。
【0073】
まず、図9に示すように、一の半導体基板の上部に、メモリ部A並びにロジック部Bの第1の領域B1及び第2の領域B2を素子分離領域(図示せず)により区画する。その後、メモリ部Aには第1のp型ウェル1Aを形成し、ロジック部Bの第1の領域B1にはn型ウェル1Bを形成し、ロジック部Bの第2の領域B2には第2のp型ウェル1Cを形成する。ここで、各領域1A、1B及び1Cの形成順序は問われない。続いて、メモリ部Aにおける第1のp型ウェル1Aの上に、トンネル絶縁膜となるメモリゲート絶縁膜15を選択的に形成する。続いて、ロジック部Bにおけるn型ウェル1B及び第2のp型ウェル1Cの上に、熱酸化法等により第1のゲート絶縁膜3を形成し、その後、CVD法により、半導体基板上の全面に第1電極4を形成する。具体的には、メモリゲート絶縁膜15は、例えば半導体基板の全面にメモリゲート絶縁膜15を成膜した後に、成膜されたメモリゲート絶縁膜15におけるロジック部Bに含まれる部分を、リソグラフィ法及びエッチング法により選択的に除去する。続いて、ロジック部Bにおけるn型ウェル1B及び第2のp型ウェル1Cの上に、熱酸化法等により第1のゲート絶縁膜3を形成し、その後、CVD法により、半導体基板上の全面に第1電極4を形成する。なお、メモリゲート絶縁膜15と第1のゲート絶縁膜3との形成順序は問われない。
【0074】
次に、図10に示すように、リソグラフィ法及びエッチング法により、第1電極4におけるメモリ部Aに含まれる一部の領域とロジック部Bの第2の領域B2に含まれる全領域とを選択的に除去する。なお、図10においては、メモリ部Aの第1電極4の一部が除去された領域は図示していない。
【0075】
次に、図11に示すように、メモリ部Aにおける第1電極4の上にONO膜構造を有する容量絶縁膜16を選択的に形成する。続いて、熱酸化法等により、ロジック部Bの第2の領域B2の第2のp型ウェル1Cの露出部分の上に第2のゲート絶縁膜8を選択的に形成する。なお、容量絶縁膜16と第2のゲート絶縁膜8との形成方法は種々あるが、例えば以下に示す方法がある。まず、半導体基板の全面に下部酸化膜と窒化膜とを順次堆積し、その後、堆積された下部酸化膜及び窒化膜におけるロジック部Bに含まれる部分を選択的に除去する。続いて、ロジック部Bの第2の領域B2に酸化シリコンからなる第2のゲート絶縁膜8を形成すると同時に、容量絶縁膜16の上部に酸化シリコンからなる上部酸化膜を形成する。このとき、ロジック部Bにおける第1の領域B1の第1電極4の露出面上にもシリコン酸化膜が形成されるため、その後、該第1電極4の上に形成されたシリコン酸化膜を選択的に除去する。
【0076】
次に、図12に示すように、CVD法により、半導体基板上の全面に第2電極9を堆積する。これにより、メモリ部Aにおいては、第1電極4及び第2電極9は互いの対向面の間に容量絶縁膜16を介在させた積層構造となる。また、ロジック部Bの第1の領域B1においては、第1電極4と第2電極9とは直接に接した積層構造となり、ロジック部Bの第2の領域B2においては、第2の電極9のみの単層構造となる。
【0077】
次に、図13に示すように、メモリ部A並びにロジック部Bの第1の領域B1及び第2の領域B2において、それぞれゲート電極をパターニングする。すなわち、メモリ部Aにおいては、第2電極9、容量絶縁膜16及び第1電極4をエッチングにより順次パターニングして、第1電極4、容量絶縁膜16及び第2電極9からなるメモリゲート電極31を形成する。同時に、ロジック部Bの第1の領域B1においては、第2電極9及び第1電極4を順次パターニングして、第1電極4及び第2電極9からなる第1のゲート電極41を形成する。また、ロジック部Bの第2の領域B2においては、第2電極9をパターニングして、該第2電極9からなる第2のゲート電極51を形成する。なお、これらのゲート電極31、41、51に対するパターニングは同時に行なってもよく、別々に行なってもよい。
【0078】
次に、図14に示すように、メモリ部Aにおいては、メモリゲート電極31をマスクとして、n型不純物イオンをイオン注入することにより、第1のp型ウェル1Aの上部にn型の低濃度拡散層18aを形成する。その後、ロジック部Bの第1の領域B1においては、第1のゲート電極41をマスクとして、p型不純物イオンをイオン注入することにより、n型ウェル1Bの上部にp型の低濃度拡散層12aを形成する。続いて、ロジック部Bの第2の領域B2において、第2のゲート電極51をマスクとして、n型不純物イオンをイオン注入することにより、第2のp型ウェル1Cの上部にn型の低濃度拡散層13aを形成する。なお、これら低濃度拡散層18a、12a、13aの注入順序は問われない。続いて、CVD法により、半導体基板の上の全面に酸化シリコン又は窒化シリコンからなる絶縁膜を堆積し、堆積した絶縁膜をエッチバックすることにより、メモリ部Aにおいては、メモリゲート電極31の両側面上に第3の側壁絶縁膜17が形成される。また、ロジック部Bの第1の領域B1においては、第1のゲート電極41の両側面上に第1の側壁絶縁膜10が形成され、ロジック部Bの第2の領域B2においては、第2のゲート電極51の両側面上に第2の側壁絶縁膜11が形成される。このとき、第1のゲート電極41の高さが第2のゲート電極51の高さよりも大きいため、第1の側壁絶縁膜10の膜厚は、第2の側壁絶縁膜11の膜厚よりも厚くなる。
【0079】
続いて、メモリ部Aにおいては、メモリゲート電極31及び第3の側壁絶縁膜17をマスクとして、n型不純物イオンをイオン注入することにより、第1のp型ウェル1Aの上部に低濃度拡散層18aよりも浅い接合面を持つp型の高濃度拡散層18bを形成する。その後、ロジック部Bの第1の領域B1においては、第1のゲート電極41及び第1の側壁絶縁膜10をマスクとして、p型不純物イオンをイオン注入することにより、n型ウェル1Bの上部に低濃度拡散層12aよりも浅い接合面を持つp型の高濃度拡散層12bを形成する。続いて、ロジック部Bの第2の領域B2においては、第2のゲート電極51及び第2の側壁絶縁膜11をマスクとして、n型不純物イオンをイオン注入することにより、第2のp型ウェル1Cの上部に高濃度拡散層13aよりも浅い接合面を持つn型の高濃度拡散層13bを形成する。なお、これら高濃度拡散層18b、12b、13bの注入順序は問われない。
【0080】
その後、真空蒸着法等により、半導体基板の上に全面にわたって、例えばニッケルを堆積し、所定の熱処理を施すことにより、メモリ部Aにおいてはメモリゲート電極31の上部及び高濃度拡散層18bの上部に、ロジック部Bの第1の領域B1においては第1のゲート電極41の上部及び高濃度拡散層12bの上部に、第2の領域B2においては第2のゲート電極51の上部及び高濃度拡散層13bの上部に、それぞれ金属シリサイド層14を形成する。
【0081】
このように、第2の実施形態によると、p型トランジスタ40の第1のゲート電極41の高さ寸法をn型トランジスタ50の第2のゲート電極51よりも大きくしていることから、p型トランジスタ40の第1の側壁絶縁膜10の膜厚がn型トランジスタ50の第2の側壁絶縁膜11の膜厚よりも厚くなる。このため、p型トランジスタ40においては、第1のソースドレイン拡散層12の高濃度拡散層12b同士の間隔が相対的に大きくなる。これにより、p型トランジスタ40においては、短チャネル効果の影響を抑制することができるので、本実施形態に係る半導体装置は、より安定した回路動作を実現することができる。
【0082】
その上、p型トランジスタ40の第1のゲート電極41の高さ寸法を、n型トランジスタ50の第2のゲート電極51よりも大きくする構成を、メモリ部Aにおけるメモリトランジスタ30のメモリゲート電極31を構成する第1電極4及び第2電極9の堆積工程をそのまま利用して形成している。従って、工程数を増大させることなく、ロジック部Bに高さが互いに異なる2種類のゲート電極41、51を形成することができる。
【0083】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0084】
図15は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の要部の断面構成を示している。図15において、図1と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0085】
図15に示すように、第3の実施形態に係る半導体装置は、ロジック部Bの第2の領域B2に形成されるn型トランジスタ50の第2のゲート電極51を構成する電極として、メモリトランジスタ30の第2電極9に代えて第1電極4を用いている。このようにしても、ロジック部Bの第1の領域B1に形成されるp型トランジスタ40の第1のゲート電極41の高さは、第2のゲート電極51の高さよりも大きくすることができる。
【0086】
以下、前記のように構成された第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を図16〜図21を参照しながら説明する。
【0087】
まず、図16に示すように、一の半導体基板の上部に、メモリ部A並びにロジック部Bの第1の領域B1及び第2の領域B2を素子分離領域(図示せず)により区画する。その後、メモリ部Aには第1のp型ウェル1Aを形成し、ロジック部Bの第1の領域B1にはn型ウェル1Bを形成し、ロジック部Bの第2の領域B2には第2のp型ウェル1Cを形成する。ここで、各領域1A、1B及び1Cの形成順序は問われない。続いて、メモリ部Aにおける第1のp型ウェル1Aの上に、電荷トラップ膜であってONO膜からなるメモリゲート絶縁膜2を選択的に形成する。具体的には、メモリゲート絶縁膜2は、例えば半導体基板の全面にONO膜を形成した後に、形成されたONO膜におけるロジック部Bに含まれる部分を、リソグラフィ法及びエッチング法により選択的に除去する。続いて、ロジック部Bにおけるn型ウェル1B及び第2のp型ウェル1Cの上に、熱酸化法等により第1のゲート絶縁膜3を形成し、その後、CVD法により、半導体基板上の全面に第1電極4を形成する。なお、メモリゲート絶縁膜2の上部酸化膜と第1のゲート絶縁膜3とを同一の工程で形成することもできる。また、メモリゲート絶縁膜2と第1のゲート絶縁膜3との形成順序は特に問われない。
【0088】
次に、図17に示すように、半導体基板上の全面に、例えば酸化シリコン又は窒化シリコンからなる第1の絶縁膜5を堆積し、その後、リソグラフィ法及びエッチング法により、堆積された第1の絶縁膜5におけるメモリ部Aのビット線拡散層形成領域の上側部分に開口パターンを形成する。続いて、開口パターンが形成された第1の絶縁膜5をマスクとして、メモリ部Aの第1電極4をエッチングにより除去する。続いて、第1の絶縁膜5をマスクとして、メモリ部Aのメモリゲート絶縁膜2を除去する。その後、メモリ部Aの第1のp型ウェル1Aにn型不純物を選択的にイオン注入することにより、第1のp型ウェル1Aの上部にn型のビット線拡散層6を形成する。続いて、ビット線拡散層6に注入されたn型不純物イオンの活性化を図る熱処理を行なう。
【0089】
次に、図18に示すように、CVD法により、半導体基板上の全面に、例えば酸化シリコン又は窒化シリコンからなる第2の絶縁膜7を堆積して、メモリ部Aにおけるビット線拡散層の上側部分に第2の絶縁膜7を埋め込む。続いて、CMP法又はエッチバック法等により、不要な第2の絶縁膜7を除去する。
【0090】
次に、図19に示すように、メモリ部Aにおける第1電極4の上に形成された第1の絶縁膜5及び該第1の絶縁膜5の開口部に充填された第2の絶縁膜7と、ロジック部Bにおける第1の領域B1の第1電極4の上に形成された第1の絶縁膜5とをエッチングにより選択的に除去する。その後、CVD法により、半導体基板上の全面に第2電極9を形成する。続いて、第2電極9におけるロジック部Bの第2の領域B2の上に形成された部分を、第1の絶縁膜5をエッチングストッパとして除去する。このとき、メモリ部A及びロジック部Bの第1の領域B1においては、第1電極4と第2電極9とは互いに接した積層構造となり、ロジック部Bの第2の領域B2においては第1電極4のみの単層構造となる。なお、第1電極4と第2電極9との間には、人為的な絶縁膜は存在しない。但し、第1電極4と第2電極9との間には自然酸化膜が存在する場合がある。
【0091】
次に、図20に示すように、メモリ部Aにおいては、第2電極9、第1電極4をエッチングにより順次パターニングして、それぞれ第1電極4及び第2電極9からなる複数のメモリゲート電極31を形成する。ここで、各メモリゲート電極31は、行方向に沿ってラインアンドスペース(L/S)状に形成される。同時に、ロジック部Bの第1の領域B1においても、第2電極9及び第1電極4を順次パターニングして、第1電極4及び第2電極9からなる第1のゲート電極41を形成する。また、ロジック部Bの第2の領域B2においては、第1電極4をパターニングして、該第1電極4からなる第2のゲート電極51を形成する。なお、第2のゲート電極51に対するパターニングと、メモリゲート電極31及び第1のゲート電極41とのパターニングは同時に行なってもよく、別々に行なってもよい。
【0092】
次に、図21に示すように、ロジック部Bの第1の領域B1においては、第1のゲート電極41をマスクとして、p型不純物イオンをイオン注入することにより、n型ウェル1Bの上部にp型の低濃度拡散層12aを形成する。その後、ロジック部Bの第2の領域B2において、第2のゲート電極51をマスクとして、n型不純物イオンをイオン注入することにより、第2のp型ウェル1Cの上部にn型の低濃度拡散層13aを形成する。なお、これら低濃度拡散層12a、13aの注入順序は問われない。続いて、CVD法により、半導体基板の上の全面に酸化シリコン又は窒化シリコンからなる絶縁膜を堆積し、堆積した絶縁膜をエッチバックすることにより、ロジック部Bの第1の領域B1においては、第1のゲート電極41の両側面上に第1の側壁絶縁膜10を形成し、ロジック部Bの第2の領域B2においては、第2のゲート電極51の両側面上に第2の側壁絶縁膜11を形成する。このとき、第1のゲート電極41の高さが第2のゲート電極51の高さよりも大きいため、第1の側壁絶縁膜10の膜厚は、第2の側壁絶縁膜11の膜厚よりも厚くなる。続いて、ロジック部Bの第1の領域B1においては、第1のゲート電極41及び第1の側壁絶縁膜10をマスクとして、p型不純物イオンをイオン注入することにより、n型ウェル1Bの上部に低濃度拡散層12aよりも浅い接合面を持つp型の高濃度拡散層12bを形成する。続いて、ロジック部Bの第2の領域B2においては、第2のゲート電極51及び第2の側壁絶縁膜11をマスクとして、n型不純物イオンをイオン注入することにより、第2のp型ウェル1Cの上部に高濃度拡散層13aよりも浅い接合面を持つn型の高濃度拡散層13bを形成する。なお、これら高濃度拡散層12b、13bの注入順序は問われない。その後、真空蒸着法等により、半導体基板の上に全面にわたって、例えばニッケルを堆積し、所定の熱処理を施すことにより、メモリ部Aにおいてはメモリゲート電極31の上部に、ロジック部Bの第1の領域B1においては第1のゲート電極41の上部及び高濃度拡散層12bの上部に、第2の領域B2においては第2のゲート電極51の上部及び高濃度拡散層13bの上部に、それぞれ金属シリサイド層14を形成する。
【0093】
このように、第3の実施形態によると、p型トランジスタ40の第1のゲート電極41の高さ寸法をn型トランジスタ50の第2のゲート電極51よりも大きくしていることから、p型トランジスタ40の第1の側壁絶縁膜10の膜厚がn型トランジスタ50の第2の側壁絶縁膜11の膜厚よりも厚くなる。このため、p型トランジスタ40においては、第1のソースドレイン拡散層12の高濃度拡散層12b同士の間隔が相対的に大きくなる。これにより、p型トランジスタ40においては、短チャネル効果の影響を抑制することができるので、本実施形態に係る半導体装置は、より安定した回路動作を実現することができる。
【0094】
その上、p型トランジスタ40の第1のゲート電極41の高さ寸法を、n型トランジスタ50の第2のゲート電極51よりも大きくする構成を、メモリ部Aにおけるメモリトランジスタ30のメモリゲート電極31を構成する第1電極4及び第2電極9の堆積工程をそのまま利用して形成している。従って、工程数を増大させることなく、ロジック部Bに高さが互いに異なる2種類のゲート電極41、51を形成することができる。
【0095】
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0096】
図22は本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の要部の断面構成を示している。図22において、図1及び図8と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0097】
図22に示すように、第4の実施形態に係る半導体装置は、メモリ部Aを構成するメモリトランジスタ30として、第2の実施形態と同様に、メモリゲート電極31に第1電極4、容量絶縁膜16及び第2電極9からなる積層構造を用いた、いわゆるスタック型のメモリトランジスタを用いている。また、ロジック部Bの第2の領域B2に含まれるn型トランジスタ50は、第3の実施形態と同様に、第2のゲート電極51に第1電極4を用いている。このようにしても、ロジック部Bの第1の領域B1に形成されるp型トランジスタ40の第1のゲート電極41の高さは、第2のゲート電極51の高さよりも大きくすることができる。
【0098】
以下、前記のように構成された第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を図23〜図27を参照しながら説明する。
【0099】
まず、図23に示すように、一の半導体基板の上部に、メモリ部A並びにロジック部Bの第1の領域B1及び第2の領域B2を素子分離領域(図示せず)により区画する。その後、メモリ部Aには第1のp型ウェル1Aを形成し、ロジック部Bの第1の領域B1にはn型ウェル1Bを形成し、ロジック部Bの第2の領域B2には第2のp型ウェル1Cを形成する。ここで、各領域1A、1B及び1Cの形成順序は問われない。続いて、メモリ部Aにおける第1のp型ウェル1Aの上に、トンネル絶縁膜となるメモリゲート絶縁膜15を選択的に形成する。続いて、ロジック部Bにおけるn型ウェル1B及び第2のp型ウェル1Cの上に、熱酸化法等により第1のゲート絶縁膜3を形成し、その後、CVD法により、半導体基板上の全面に第1電極4を形成する。具体的には、メモリゲート絶縁膜15は、例えば半導体基板の全面にメモリゲート絶縁膜15を成膜した後に、成膜されたメモリゲート絶縁膜15におけるロジック部Bに含まれる部分を、リソグラフィ法及びエッチング法により選択的に除去する。続いて、ロジック部Bにおけるn型ウェル1B及び第2のp型ウェル1Cの上に、熱酸化法等により第1のゲート絶縁膜3を形成し、その後、CVD法により、半導体基板上の全面に第1電極4を形成する。なお、メモリゲート絶縁膜15と第1のゲート絶縁膜3との形成順序は問われない。
【0100】
次に、図24に示すように、メモリ部A及びロジック部Bの第2の領域B2における第1電極4の上にそれぞれ容量絶縁膜16を選択的に形成する。具体的には、例えば、半導体基板の全面にONO膜を堆積し、その後、堆積されたONO膜におけるロジック部Bの第1の領域B1に含まれる部分を選択的に除去する。このように、容量絶縁膜16にはONO膜構造を用いることが好ましい。
【0101】
次に、図25に示すように、CVD法により、半導体基板上の全面に第2電極9を堆積する。その後、堆積された第2電極9におけるロジック部Bの第2の領域B2の上に形成された部分を、容量絶縁膜16をエッチングストッパとして除去する。これにより、メモリ部Aにおいては、第1電極4及び第2電極9は互いの対向面の間に容量絶縁膜16を介在させた積層構造となる。また、ロジック部Bの第1の領域B1においては、第1電極4と第2電極9とは直接に接する積層構造となり、ロジック部Bの第2の領域B2においては、第2の電極9のみの単層構造となる。
【0102】
次に、図26に示すように、メモリ部A並びにロジック部Bの第1の領域B1及び第2の領域B2において、それぞれゲート電極をパターニングする。すなわち、メモリ部Aにおいては、第2電極9、容量絶縁膜16及び第1電極4をエッチングにより順次パターニングして、第1電極4、容量絶縁膜16及び第2電極9からなるメモリゲート電極31を形成する。同時に、ロジック部Bの第1の領域B1においては、第2電極9及び第1電極4を順次パターニングして、第1電極4及び第2電極9からなる第1のゲート電極41を形成する。また、ロジック部Bの第2の領域B2においては、第1電極4をパターニングして、該第2電極4からなる第2のゲート電極51を形成する。なお、これらのゲート電極31、41、51に対するパターニングは同時に行なってもよく、別々に行なってもよい。
【0103】
次に、図27に示すように、メモリ部Aにおいては、メモリゲート電極31をマスクとして、n型不純物イオンをイオン注入することにより、第1のp型ウェル1Aの上部にn型の低濃度拡散層18aを形成する。その後、ロジック部Bの第1の領域B1においては、第1のゲート電極41をマスクとして、p型不純物イオンをイオン注入することにより、n型ウェル1Bの上部にp型の低濃度拡散層12aを形成する。続いて、ロジック部Bの第2の領域B2において、第2のゲート電極51をマスクとして、n型不純物イオンをイオン注入することにより、第2のp型ウェル1Cの上部にn型の低濃度拡散層13aを形成する。なお、これら低濃度拡散層18a、12a、13aの注入順序は問われない。続いて、CVD法により、半導体基板の上の全面に酸化シリコン又は窒化シリコンからなる絶縁膜を堆積し、堆積した絶縁膜をエッチバックすることにより、メモリ部Aにおいては、メモリゲート電極31の両側面上に第3の側壁絶縁膜17が形成される。また、ロジック部Bの第1の領域B1においては、第1のゲート電極41の両側面上に第1の側壁絶縁膜10が形成され、ロジック部Bの第2の領域B2においては、第2のゲート電極51の両側面上に第2の側壁絶縁膜11が形成される。このとき、第1のゲート電極41の高さが第2のゲート電極51の高さよりも大きいため、第1の側壁絶縁膜10の膜厚は、第2の側壁絶縁膜11の膜厚よりも厚くなる。
【0104】
続いて、メモリ部Aにおいては、メモリゲート電極31及び第3の側壁絶縁膜17をマスクとして、n型不純物イオンをイオン注入することにより、第1のp型ウェル1Aの上部に低濃度拡散層18aよりも浅い接合面を持つp型の高濃度拡散層18bを形成する。その後、ロジック部Bの第1の領域B1においては、第1のゲート電極41及び第1の側壁絶縁膜10をマスクとして、p型不純物イオンをイオン注入することにより、n型ウェル1Bの上部に低濃度拡散層12aよりも浅い接合面を持つp型の高濃度拡散層12bを形成する。続いて、ロジック部Bの第2の領域B2においては、第2のゲート電極51及び第2の側壁絶縁膜11をマスクとして、n型不純物イオンをイオン注入することにより、第2のp型ウェル1Cの上部に高濃度拡散層13aよりも浅い接合面を持つn型の高濃度拡散層13bを形成する。なお、これら高濃度拡散層18b、12b、13bの注入順序は問われない。
【0105】
その後、真空蒸着法等により、半導体基板の上に全面にわたって、例えばニッケルを堆積し、所定の熱処理を施すことにより、メモリ部Aにおいてはメモリゲート電極31の上部及び高濃度拡散層18bの上部に、ロジック部Bの第1の領域B1においては第1のゲート電極41の上部及び高濃度拡散層12bの上部に、第2の領域B2においては第2のゲート電極51の上部及び高濃度拡散層13bの上部に、それぞれ金属シリサイド層14を形成する。
【0106】
このように、第4の実施形態によると、p型トランジスタ40の第1のゲート電極41の高さ寸法をn型トランジスタ50の第2のゲート電極51よりも大きくしていることから、p型トランジスタ40の第1の側壁絶縁膜10の膜厚がn型トランジスタ50の第2の側壁絶縁膜11の膜厚よりも厚くなる。このため、p型トランジスタ40においては、第1のソースドレイン拡散層12の高濃度拡散層12b同士の間隔が相対的に大きくなる。これにより、p型トランジスタ40においては、短チャネル効果の影響を抑制することができるので、本実施形態に係る半導体装置は、より安定した回路動作を実現することができる。
【0107】
その上、p型トランジスタ40の第1のゲート電極41の高さ寸法を、n型トランジスタ50の第2のゲート電極51よりも大きくする構成を、メモリ部Aにおけるメモリトランジスタ30のメモリゲート電極31を構成する第1電極4及び第2電極9の堆積工程をそのまま利用して形成している。従って、工程数を増大させることなく、ロジック部Bに高さが互いに異なる2種類のゲート電極41、51を形成することができる。
【0108】
なお、第1の実施形態と第2の実施形態とは、メモリトランジスタ30の構成が異なる。第1の実施形態に係るメモリトランジスタ30は、メモリゲート絶縁膜2に局所的に電荷を蓄積する構成であるため、第2の実施形態に係るスタック型のメモリトランジスタ30と比べて、メモリゲート絶縁膜2の劣化に対する電荷の保持特性の耐性が高いという長所がある。これに対し、第2の実施形態に係るメモリトランジスタ30は、第1の実施形態と比べてチャージアップに対する耐性が高いという長所があるため、第1の実施形態に係る半導体装置及び第2の実施形態に係る半導体装置は共に、最適な構造及び最適な製造方法となり得るので、独立した効果を持つ発明である。
【0109】
また、第3の実施形態に係る半導体装置及び第4の実施形態に係る半導体装置は、ロジック部Bの第2の領域に含まれるn型トランジスタ50を構成する第2のゲート電極51に、単層構造の第1電極4を用いている。これにより、第1の実施形態及び第2の実施形態に対して、第2のゲート電極51の高さに新たな選択肢を与えるため、所望のトランジスタ特性を実現するうえで独立した効果を持つ発明である。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明に係る半導体装置及びその製造方法は、メモリ部の形成工程を用いることにより、高さが互いに異なる2種類のゲート電極にそれぞれ膜厚が異なる側壁絶縁膜を形成するという構成を工程数を増大することなく実現でき、特に、ロジック部におけるゲート電極の高さに応じて用途が割り当てられるメモリ部を搭載する半導体装置及びその製造方法等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置におけるメモリ部及びロジック部の要部を示す部分的な断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、メモリ部及びロジック部の要部を示す部分的な断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、メモリ部及びロジック部の要部を示す部分的な断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、メモリ部及びロジック部の要部を示す部分的な断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、メモリ部及びロジック部の要部を示す部分的な断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、メモリ部及びロジック部の要部を示す部分的な断面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、メモリ部及びロジック部の要部を示す部分的な断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置におけるメモリ部及びロジック部の要部を示す部分的な断面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、メモリ部及びロジック部の要部を示す部分的な断面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、メモリ部及びロジック部の要部を示す部分的な断面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、メモリ部及びロジック部の要部を示す部分的な断面図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、メモリ部及びロジック部の要部を示す部分的な断面図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、メモリ部及びロジック部の要部を示す部分的な断面図である。
【図14】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、メモリ部及びロジック部の要部を示す部分的な断面図である。
【図15】本発明の第3の実施形態に係る半導体装置におけるメモリ部及びロジック部の要部を示す部分的な断面図である。
【図16】本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、メモリ部及びロジック部の要部を示す部分的な断面図である。
【図17】本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、メモリ部及びロジック部の要部を示す部分的な断面図である。
【図18】本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、メモリ部及びロジック部の要部を示す部分的な断面図である。
【図19】本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、メモリ部及びロジック部の要部を示す部分的な断面図である。
【図20】本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、メモリ部及びロジック部の要部を示す部分的な断面図である。
【図21】本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、メモリ部及びロジック部の要部を示す部分的な断面図である。
【図22】本発明の第4の実施形態に係る半導体装置におけるメモリ部及びロジック部の要部を示す部分的な断面図である。
【図23】本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、メモリ部及びロジック部の要部を示す部分的な断面図である。
【図24】本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、メモリ部及びロジック部の要部を示す部分的な断面図である。
【図25】本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、メモリ部及びロジック部の要部を示す部分的な断面図である。
【図26】本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、メモリ部及びロジック部の要部を示す部分的な断面図である。
【図27】本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、メモリ部及びロジック部の要部を示す部分的な断面図である。
【図28】第1の従来例に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、電極の高さが異なるトランジスタ形成部を示す部分的な断面図である。
【図29】第1の従来例に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、電極の高さが異なるトランジスタ形成部を示す部分的な断面図である。
【図30】第1の従来例に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、電極の高さが異なるトランジスタ形成部を示す部分的な断面図である。
【図31】第2の従来例に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、電極の高さが異なるトランジスタ形成部を示す部分的な断面図である。
【図32】第2の従来例に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、電極の高さが異なるトランジスタ形成部を示す部分的な断面図である。
【図33】第2の従来例に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、電極の高さが異なるトランジスタ形成部を示す部分的な断面図である。
【図34】第2の従来例に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、電極の高さが異なるトランジスタ形成部を示す部分的な断面図である。
【符号の説明】
【0112】
A メモリ部
B ロジック部
1A 第1のp型ウェル(半導体領域)
1B n型ウェル(半導体領域)
1C 第2のp型ウェル(半導体領域)
2 メモリゲート絶縁膜
3 第1のゲート絶縁膜
4 第1電極
5 第1の絶縁膜
6 ビット線拡散層
7 第2の絶縁膜
8 第2のゲート絶縁膜
9 第2電極
10 第1の側壁絶縁膜
11 第2の側壁絶縁膜
12 第1のソースドレイン拡散層
12a 低濃度拡散層
12b 高濃度拡散層
13 第2のソースドレイン拡散層
13a 低濃度拡散層
13b 高濃度拡散層
14 金属シリサイド層
15 メモリゲート絶縁膜
16 容量絶縁膜
17 第3の側壁絶縁膜
18 第3のソースドレイン拡散層
18a 低濃度拡散層
18b 高濃度拡散層
30 メモリトランジスタ
31 メモリゲート電極
40 p型トランジスタ
41 第1のゲート電極
50 n型トランジスタ
51 第2のゲート電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリ部とロジック部とを有する半導体領域と、
前記半導体領域の前記メモリ部にゲート絶縁膜を介在させて形成されたメモリゲート電極を有するメモリトランジスタと、
前記半導体領域の前記ロジック部に形成され、第1のゲート電極を有する第1トランジスタと、
前記半導体領域の前記ロジック部に形成され、第2のゲート電極を有する第2トランジスタとを備え、
前記メモリゲート電極は、下層より順に形成された第1電極及び第2電極を含む積層構造を有し、
前記第1のゲート電極は、側面上に第1の側壁絶縁膜が形成されると共に、下層より順に形成され且つ前記第1電極及び前記第2電極が電気的に接続された積層構造を有し、
前記第2のゲート電極は、側面上に第2の側壁絶縁膜が形成されると共に、前記第1電極又は前記第2電極の単層構造を有し、
前記第1の側壁絶縁膜の膜厚は、前記第2の側壁絶縁膜の膜厚よりも厚く形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記メモリゲート電極は、前記第1電極と前記第2電極とが互いに接続されるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記ゲート絶縁膜は、下層より順に形成された下部酸化膜、窒化膜及び上部酸化膜を含むことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記メモリゲート電極における前記第1電極と前記第2電極との間には、絶縁膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記ゲート絶縁膜は、酸化膜又は酸窒化膜を含むことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1のゲート電極は、前記第1電極と前記第2電極とが互いに接続されるように形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1トランジスタの導電型はp型であり、前記第2トランジスタの導電型はn型であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項8】
メモリ部と、第1領域及び第2領域に区画されたロジック部とを有する半導体領域における前記メモリ部の上に第1絶縁膜を形成する工程と、
前記半導体領域における前記ロジック部の前記第1領域の上に第2絶縁膜を形成する工程と、
前記メモリ部における前記第1絶縁膜の上及び前記ロジック部における前記第1領域の前記第2絶縁膜の上に第1導電膜を形成する工程と、
前記メモリ部において、前記第1導電膜及び第1絶縁膜に対して開口部を選択的に形成し、形成した前記開口部を通して前記半導体領域に不純物を導入することにより、ソースドレインとなるビット線拡散層を形成する工程と、
前記半導体領域の前記ロジック部における前記第2領域の上に第3絶縁膜を形成する工程と、
前記メモリ部における前記第1導電膜の上及び前記ロジック部の前記第1領域における前記第1導電膜の上に該第1導電膜とそれぞれ直接に接続すると共に、前記ロジック部の前記第2領域における前記第3絶縁膜の上に、それぞれ第2導電膜を形成する工程と、
前記メモリ部及び前記ロジック部の前記第1領域における前記第2導電膜及び第1導電膜をパターニングして、前記メモリ部においてはメモリトランジスタのメモリゲート電極を形成し、前記ロジック部の前記第1領域においては第1トランジスタの第1のゲート電極を形成し、前記ロジック部の前記第2領域においては前記第2導電膜をパターニングして第2トランジスタの第2のゲート電極を形成する工程と、
前記ロジック部において、前記第1のゲート電極及び第2のゲート電極を覆うように第4絶縁膜を形成し、形成した第4絶縁膜をエッチバックすることにより前記第1のゲート電極の側面上に第1の側壁絶縁膜を形成すると共に、前記第2のゲート電極の側面上に前記第1の側壁絶縁膜よりも膜厚が薄い第2の側壁絶縁膜を形成する工程と、
前記半導体領域の前記ロジック部における前記第1のゲート電極の側方及び前記第2のゲート電極の側方にソースドレイン拡散層を形成する工程とを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
メモリ部と、第1領域及び第2領域に区画されたロジック部とを有する半導体領域における前記メモリ部の上に第1絶縁膜を形成する工程と、
前記半導体領域における前記ロジック部の前記第1領域の上に第2絶縁膜を形成する工程と、
前記メモリ部における前記第1絶縁膜の上及び前記ロジック部における前記第1領域の前記第2絶縁膜の上に第1導電膜を形成する工程と、
前記メモリ部における前記第1導電膜の上に第3絶縁膜を形成する工程と、
前記半導体領域における前記ロジック部の前記第2領域の上に第4絶縁膜を形成する工程と、
前記ロジック部の前記第1領域における前記第1導電膜の上に該第1導電膜と直接に接続すると共に、前記メモリ部における前記第3絶縁膜の上及び前記ロジック部の前記第2領域における前記第4絶縁膜の上にそれぞれ第2導電膜を形成する工程と、
前記メモリ部における前記第2導電膜、第3絶縁膜及び第1導電膜をパターニングして、メモリトランジスタのメモリゲート電極を形成し、前記ロジック部の前記第1領域における前記第2導電膜及び前記第1導電膜をパターニングして、第1トランジスタの第1のゲート電極を形成し、前記ロジック部の前記第2領域において前記第2導電膜をパターンニングして、第2トランジスタの第2のゲート電極を形成する工程と、
前記ロジック部において、前記第1のゲート電極及び第2のゲート電極を覆うように第5絶縁膜を形成し、形成した第5絶縁膜をエッチバックすることにより前記第1のゲート電極の側面上に第1の側壁絶縁膜を形成すると共に、前記第2のゲート電極の側面上に前記第1の側壁絶縁膜よりも膜厚が薄い第2の側壁絶縁膜を形成する工程と、
前記半導体領域の前記ロジック部における前記第1のゲート電極の側方及び前記第2のゲート電極の側方にソースドレイン拡散層を形成する工程とを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
メモリ部と、第1領域及び第2領域に区画されたロジック部とを有する半導体領域における前記メモリ部の上に第1絶縁膜を形成する工程と、
前記半導体領域における前記ロジック部の前記第1領域及び第2領域の上に第2絶縁膜を形成する工程と、
前記メモリ部における前記第1絶縁膜の上及び前記ロジック部における前記第1領域及び第2領域の前記第2絶縁膜の上に第1導電膜を形成する工程と、
前記メモリ部において、前記第1導電膜及び第1絶縁膜に対して開口部を選択的に形成し、形成した前記開口部を通して前記半導体領域に不純物を導入することにより、ソースドレインとなるビット線拡散層を形成する工程と、
前記メモリ部における前記第1導電膜の上及び前記ロジック部の前記第1領域における前記第1導電膜の上に該第1導電膜とそれぞれ直接に接続するように第2導電膜を形成する工程と、
前記メモリ部及び前記ロジック部の前記第1領域における前記第2導電膜及び第1導電膜をパターニングして、前記メモリ部においてはメモリトランジスタのメモリゲート電極を形成し、前記ロジック部の前記第1領域においては第1トランジスタの第1のゲート電極を形成し、前記ロジック部の前記第2領域においては前記第1導電膜をパターニングして第2トランジスタの第2のゲート電極を形成する工程と、
前記ロジック部において、前記第1のゲート電極及び第2のゲート電極を覆うように第4絶縁膜を形成し、形成した第4絶縁膜をエッチバックすることにより前記第1のゲート電極の側面上に第1の側壁絶縁膜を形成すると共に、前記第2のゲート電極の側面上に前記第1の側壁絶縁膜よりも膜厚が薄い第2の側壁絶縁膜を形成する工程と、
前記半導体領域の前記ロジック部における前記第1のゲート電極の側方及び前記第2のゲート電極の側方にソースドレイン拡散層を形成する工程とを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項11】
メモリ部と、第1領域及び第2領域に区画されたロジック部とを有する半導体領域における前記メモリ部の上に第1絶縁膜を形成する工程と、
前記半導体領域における前記ロジック部の前記第1領域及び第2領域の上に第2絶縁膜を形成する工程と、
前記メモリ部における前記第1絶縁膜の上及び前記ロジック部における前記第1領域及び第2領域の前記第2絶縁膜の上に第1導電膜を形成する工程と、
前記メモリ部における前記第1導電膜の上に第3絶縁膜を形成する工程と、
前記ロジック部の前記第1領域における前記第1導電膜の上に該第1導電膜と直接に接続すると共に、前記メモリ部における前記第3絶縁膜の上にそれぞれ第2導電膜を形成する工程と、
前記メモリ部における前記第2導電膜、第3絶縁膜及び第1導電膜をパターニングして、メモリトランジスタのメモリゲート電極を形成し、前記ロジック部の前記第1領域における前記第2導電膜及び前記第1導電膜をパターニングして、第1トランジスタの第1のゲート電極を形成し、前記ロジック部の前記第2領域において前記第1導電膜をパターンニングして、第2トランジスタの第2のゲート電極を形成する工程と、
前記ロジック部において、前記第1のゲート電極及び第2のゲート電極を覆うように第4絶縁膜を形成し、形成した第4絶縁膜をエッチバックすることにより前記第1のゲート電極の側面上に第1の側壁絶縁膜を形成すると共に、前記第2のゲート電極の側面上に前記第1の側壁絶縁膜よりも膜厚が薄い第2の側壁絶縁膜を形成する工程と、
前記半導体領域の前記ロジック部における前記第1のゲート電極の側方及び前記第2のゲート電極の側方にソースドレイン拡散層を形成する工程とを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記第1トランジスタの導電型はp型であり、前記第2トランジスタの導電型はn型であることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記ロジック部に前記ソースドレイン拡散層を形成する工程よりも後に、前記メモリゲート電極、第1のゲート電極、第2のゲート電極及びソースドレイン拡散層の上部に金属シリサイド層を形成する工程をさらに備えていることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2008−98517(P2008−98517A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−280501(P2006−280501)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】