説明

四輪独立駆動車の制駆動力配分装置

【課題】各輪のスリップやモータの過熱等で特に二輪以上の制駆動力が変化した場合あるいは特に二輪以上の制駆動力を変化させる場合においても、車両挙動の変化をゼロとするような制駆動力の再配分を行う装置を提供する。
【解決手段】四輪(1〜4)を独立に駆動可能な車両において、車両の平面運動での目標となる車両挙動を決定する目標車両挙動決定手段(8)と、この目標となる車両挙動を実現する四輪(1〜4)の制駆動力配分の集合を演算する制駆動力配分集合演算手段(8)と、この演算された制駆動力配分の集合の中から一つの制駆動力配分を選択する制駆動力配分選択手段(8)とを備える。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
四輪を独立に駆動可能な車両において、
車両の平面運動での目標となる車両挙動を決定する目標車両挙動決定手段と、
この目標となる車両挙動を実現する四輪の制駆動力配分の集合を演算する制駆動力配分集合演算手段と、
この演算された制駆動力配分の集合の中から一つの制駆動力配分を選択する制駆動力配分選択手段と
を備えることを特徴とする四輪独立駆動車の制駆動力配分装置。
【請求項2】
各輪の輪荷重を推定する輪荷重推定手段と、
各輪の横すべり角を推定する横すべり角推定手段と
を備え、
前記制駆動力配分集合演算手段は、前記目標となる車両挙動を実現する四輪の制駆動力配分の集合を、各輪の輪荷重と、各輪の横すべり角とに基づいて演算することを特徴とする請求項1に記載の四輪独立駆動車の制駆動力配分装置。
【請求項3】
各輪の制駆動力変化に対するタイヤ横力の感度を推定するタイヤ横力感度推定手段
を備え、
前記制駆動力配分集合演算手段は、前記目標となる車両挙動を実現する制駆動力配分の集合を、各輪の制駆動力変化に対するタイヤ横力の感度に基づいて演算することを特徴とする請求項1または2に記載の四輪独立駆動車の制駆動力配分装置。
【請求項4】
各輪の舵角δ1,δ2,δ3,δ4を検出する舵角検出手段と、
各輪の制駆動力変化に対するタイヤ横力の感度k1,k2,k3,k4を推定するタイヤ横力感度推定手段と
を備え、
前記制駆動力配分集合演算手段は、前記目標となる車両挙動を実現する制駆動力配分の集合を、車両の平面運動での車両挙動の変化をゼロとする各輪の制駆動力補正量ΔFx1,ΔFx2,ΔFx3,ΔFx4の比を求める次の式(A)〜式(E)に基づいて演算することを特徴とする請求項1または2に記載の四輪独立駆動車の制駆動力配分装置。
ΔFx1:ΔFx2:ΔFx3:ΔFx4
={(Lt/Ll)(h4−h2)+h2(h4−h3)}
/(cosδ1−k1sinδ1
:{−(Lt/Ll)(h3−h1)−h1(h4−h3)}
/(cosδ2−k2sinδ2
:{−(Lt/Ll)(h4−h2)−h4(h2−h1)}
/(cosδ3−k3sinδ3
:{(Lt/Ll)(h3−h1)+h3(h2−h1)}
/(cosδ4−k4sinδ4)…(A)
ただし、h1=(sinδ1+k1cosδ1)/(cosδ1−k1sinδ1)…(B)
2=(sinδ2+k2cosδ2)/(cosδ2−k2sinδ2)…(C)
3=(sinδ3+k3cosδ3)/(cosδ3−k3sinδ3)…(D)
4=(sinδ4+k4cosδ4)/(cosδ4−k4sinδ4)…(E)
1,h2,h3,h4:係数、
t:トレッド長さ、
l:ホイールベース長さ、
【請求項5】
各輪が路面に伝達可能な制駆動力を推定する路面伝達制駆動力上限推定手段を備え、
前記制駆動力配分集合演算手段により演算された制駆動力配分の集合を、この各輪が路面に伝達可能な制制駆動力上限に制限することを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載の四輪独立駆動車の制駆動力配分装置。
【請求項6】
各輪が路面に伝達可能な制駆動力下限を推定する制駆動力下限推定手段を備え、
前記制駆動力配分集合演算手段により演算された制駆動力配分の集合を、この各輪が路面に伝達可能な制制駆動力下限に制限することを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載の四輪独立駆動車の制駆動力配分装置。
【請求項7】
各輪を駆動または制動するアクチュエータが出力可能な制駆動力上限を推定する制駆動力上限推定手段を備え、
前記制駆動力配分集合演算手段により演算された制駆動力配分の集合を、この各輪を駆動または制動するアクチュエータが出力可能な制駆動力上限に制限することを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載の四輪独立駆動車の制駆動力配分装置。
【請求項8】
各輪を駆動または制動するアクチュエータが出力可能な制駆動力下限を推定する制駆動力下限推定手段を備え、
前記制駆動力配分集合演算手段により演算された制駆動力配分の集合を、この各輪を駆動または制動するアクチュエータが出力可能な制駆動力下限に制限することを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載の四輪独立駆動車の制駆動力配分装置。
【請求項9】
各輪を駆動する時に発生する各エネルギー損失を推定するエネルギー損失推定手段を備え、
前記制駆動力配分選択手段は、各輪のエネルギー損失の和が最小となる制駆動力配分を選択することを特徴とする請求項1から8までのいずれか一つに記載の四輪独立駆動車の制駆動力配分装置。
【請求項10】
各輪の輪荷重を推定する輪荷重推定手段と、
各輪の再配分後の制駆動力におけるタイヤ横力を推定するタイヤ横力推定手段と
を備え、
前記制駆動力配分選択手段は、タイヤ横力と制駆動力との合力であるタイヤ力を輪荷重で除したタイヤ摩擦円使用率を各輪毎に求め、この求めた各輪1〜4のタイヤ摩擦円使用率の最大値と最小値の差が最も小さくなる制駆動力配分を選択することを特徴とする請求項1から8までのいずれか一つに記載の四輪独立駆動車の制駆動力配分装置。
【請求項11】
前記制駆動力配分選択手段は、前記制駆動力配分が変化する過渡状態で各輪の制駆動力変化が連続となる制駆動力配分を選択することを特徴とする請求項1から8までのいずれか一つに記載の四輪独立駆動車の制駆動力配分装置。
【請求項12】
前記路面伝達制駆動力上限推定手段または前記路面伝達制駆動力下限推定手段により制駆動力配分の集合が制限され、制駆動力配分を連続的に変化させることができない場合に、前記制駆動力配分選択手段は各輪の制駆動力変化が不連続とできるようにすることを特徴とする請求項5または6に記載の四輪独立駆動車の制駆動力配分装置。
【請求項13】
前記制駆動力上限推定手段あるいは前記制駆動力最大値検出手段によって制駆動力配分の集合が制限され、制駆動力配分を連続的に変化させることができない場合に、前記制駆動力配分選択手段は各輪の制駆動力変化が不連続とできるようにすることを特徴とする請求項7または8に記載の四輪独立駆動車の制駆動力配分装置。
【請求項14】
前記四輪の制駆動力配分の集合のうちの各制駆動力配分を実現するための総エネルギー必要量を推定する総エネルギー必要量推定手段を備え、
前記制駆動力配分選択手段は、前記総エネルギー必要量が車両の出力可能なエネルギーの範囲内にある制駆動力配分を選択することを特徴とする請求項1から8までのいずれか一つに記載の四輪独立駆動車の制駆動力配分装置。
【請求項15】
各輪の回転速度を検出する各輪回転速度検出手段を備え、
前記総エネルギー必要量推定手段は、前記総エネルギー必要量をこの各輪の回転速度に基づいて推定することを特徴とする請求項14に記載の四輪独立駆動車の制駆動力配分装置。
【請求項16】
各輪を駆動するときに発生する各エネルギー損失を推定するエネルギー損失推定手段を備え、
前記総エネルギー必要量推定手段は、前記総エネルギー必要量をこの各エネルギー損失に基づいて推定することを特徴とする請求項14に記載の四輪独立駆動車の制駆動力配分装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9(A)】
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【図9(B)】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19(A)】
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【図19(B)】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2007−1330(P2007−1330A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−180371(P2005−180371)
【出願日】平成17年6月21日(2005.6.21)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】