説明

基板処理装置および半導体装置の製造方法

【課題】筐体内外に収納容器の搬入搬出を行うロードポートにおいて、収納容器の蓋体を装着したり外したりするのを可能とし、構造をシンプルにする。
【解決手段】基板処理装置は、複数の基板を収納し基板出し入れ口を蓋体によって塞がれた収納容器2と、収納容器を載置するロードポートと、該ロードポートで基板出し入れ口に対する蓋体の着脱を行う着脱装置と、ロードポートで収納容器を載置し着脱装置に対して対向方向に遠近動作を行う第一載置ユニット18Aと、第一載置ユニットとは別体として設けられロードポートで収納容器を載置し着脱装置に対して昇降を行う第二載置ユニット18Bと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置および半導体装置の製造方法に関する。
例えば、半導体素子を含む半導体集積回路を作り込まれる基板としての半導体ウエハ(以下、ウエハという。)に絶縁膜や金属膜等のCVD膜を形成したり不純物を拡散したりするバッチ式縦形拡散・CVD装置に利用して有効なものに関する。
【背景技術】
【0002】
基板処理装置の一例であるバッチ式縦形拡散・CVD装置(以下、バッチ式CVD装置という。)においては、複数枚のウエハが収納容器に収納された状態で扱われる。
従来の収納容器には、オープンカセットと、FOUP(front opening unified pod 。以下、ポッドという。)とがある。
オープンカセットは略立方体の箱形状に形成されており、対向する一対の面が開口されている。
ポッドは略立方体の箱形状に形成されており、一つの面が開口されているとともに、該開口面にはドア(蓋体)が着脱自在に装着されている。
ウエハの収納容器としてポッドが使用される場合には、ウエハが密閉された状態で搬送されることになる。このため、周囲の雰囲気にパーティクル等が存在していたとしても、ウエハの清浄度は維持することができる。したがって、バッチ式CVD装置が設置されるクリーンルーム内の清浄度をあまり高く設定する必要がなくなるため、クリーンルームに要するコストを低減することができる。
そこで、最近のバッチ式CVD装置においては、ポッドを収納容器に採用している。
【0003】
ポッドを使用するバッチ式CVD装置は、ウエハがポッド内に搬入されたりウエハがポッド内から搬出されたりするロードポートに、ポッド開閉装置(以下、ポッドオープナという。)およびマッピング装置を備えている(例えば、特許文献1参照)。
ポッドオープナは、ポッドのウエハ出し入れ口にドアを装着したりウエハ出し入れ口からドアを外したりすることにより、ポッドのウエハ出し入れ口を閉じたり開いたりする、装置である。
マッピング装置は、ポッド内のウエハを検出してポッド内のウエハ保持溝(スロット)のそれぞれにウエハが保持されているか否かを検出する、装置である。
【特許文献1】特開2003−7801号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のバッチ式CVD装置においては、装置外部(筐体外部)からバッチ式CVD装置の筐体内にポッドを搬入したり、筐体内からポッドを搬出したりするロードポートにおいて、ポッドのドアを着脱することができない。
ロードポートにおいてポッドのドアを装着したり外したりするためには、ロードポートに退避可能なポッドオープナを設ける構成を、考えることができる。すなわち、筐体外からポッドを筐体内に搬入したり、ポッドを筐体内から筐体外へ搬出したりする際には、ポッドオープナをロードポートから退避させることにより、ポッドを搬入させたり搬出させたりする通路を確保する。
しかしながら、この構成においては、ポッドオープナをロードポートから退避させるため、バッチ式CVD装置が複雑になるという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、筐体内外に収納容器の搬入搬出を行うロードポートにおいて、収納容器の蓋体を装着したり外したりすることができるとともに、構造をシンプルにすることができる基板処理装置および半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した課題を解決するための手段のうち代表的なものは、次の通りである。
複数の基板を収納し基板出し入れ口を蓋体によって塞がれた収納容器と、
筐体内と外との間で、該収納容器の搬入搬出が行なわれるロードポートと、
該ロードポートで前記基板出し入れ口に対する前記蓋体の着脱を行う着脱装置と、
前記ロードポートで前記収納容器を載置し前記着脱装置に対して対向方向に遠近動作を行う第一載置ユニットと、
前記第一載置ユニットとは別体として設けられ、前記ロードポートで前記収納容器を載置し前記着脱装置に対して昇降を行う第二載置ユニットと、
を備える基板処理装置。
【発明の効果】
【0007】
前記手段によれば、筐体内外に収納容器の搬入搬出を行うロードポートにおいて、収納容器の蓋体を装着したり外したりすることができるとともに、構造をシンプルにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
【0009】
本実施の形態においては、本発明に係る基板処理装置は、バッチ式CVD装置すなわちバッチ式縦形拡散・CVD装置として、図1および図2に示されているように構成されている。
なお、以下の説明において、バッチ式縦形拡散・CVD装置を構成する各部の動作は、コントローラ77により制御される。
【0010】
また、本実施の形態においては、被処理基板としてのウエハ1を収納したキャリア(収納容器)としては、ポッド2が使用されている。
図3および図8に示されているように、ポッド2は略立方体の箱形状に形成されており、立方体の一つの側壁にはウエハ出し入れ口3が開設されている。ウエハ出し入れ口3には、これを塞ぐ蓋体としてのドア4が装着したり外したりすることができるように装着されている。
【0011】
図8(b)に示されているように、ポッド2下面には3個の位置決め穴5、5、5が、互いに120度の位相差をもって回転対称形に配置されている。すなわち、第一の位置決め穴5はポッド2下面において前後方向に延在する中心線上に配置されており、第二の位置決め穴5および第三の位置決め穴5は、第一の位置決め穴5の前方において当該中心線に左右対称形に配置されている。
3個の位置決め穴5、5、5は平面視が長方形のV溝形状にそれぞれ形成されており、いずれもV溝の溝底が回転対称形の中心に向かうように配置されている。
この3個の位置決め穴5、5、5は、SEMI E57−0600に規定されており、SEMI E57−0600に規定されたプライマリピン(PRIMARYPIN、ポッドの底面周縁側を支持するピン)とセカンダリピン(SECONDARYPIN、ポッドの底面中心側を支持するピン)に対応するように配置されている。
【0012】
図1、図2および図3に示されているように、本実施の形態に係るバッチ式CVD装置10は、メイン筐体11を備えている。
メイン筐体11の正面壁11aはメイン筐体11内外を区画する区画壁を構成している。この正面壁11aの中間高さには、メイン筐体11内外を連通させたポッド搬入搬出口(以下、ポッド搬入口という。)12が開設されている。ポッド搬入口12はポッド2を搬入したり、ポッド2を搬出したりする。フロントシャッタ13はポッド搬入口12を閉じたり開いたりする。
メイン筐体11の正面壁(区画壁)11aは外側にロードポート14を設置されている。ロードポート14はポッド搬入口12の略真下に位置している。ロードポート14は搬入搬出部を構成している。ロードポート14は載置されたポッド2をポッド搬入口12に位置合わせする。ロードポート14は2つ並列に設けられている。
ポッド2はロードポート14上にバッチ式CVD装置外(筐体外)にある工程内搬送装置(工程間搬送装置ともいう。)によって搬入され、かつまた、ロードポート14上から搬出される。
工程内搬送装置としては、図1に示された床走行型構内搬送車(以下、AGVという。)9、天井走行型構内搬送装置(OHT)等、があり、いずれのものも適用することができる。
【0013】
正面壁11aの前面側にはフロント筐体としてのボックス14Aが設けられている。ボックス14Aはロードポート14と当該上方空間とを囲むように形成されている。ボックス14Aの天井壁には天井開口14Bが開設されており、ボックス14の正面壁には正面開口14Cが開設されている。つまり、ロードポート14は、正面開口14Cを経由してポッド2を受け取ることができるし、また、天井開口14Bを経由して受け取ることもできる。
なお、ボックス14Aとメイン筐体11とは、バッチ式CVD装置の筐体を構成している。
図1に示されているように、ボックス14A内には後記するコントローラ77が設置されている。
【0014】
ロードポート14にはポッドエレベータ15が設置されており、ポッドエレベータ15はポッド2をロードポート14の高さとポッド搬入口12の高さとの間で昇降させる。すなわち、ポッドエレベータ15は収納容器載置部昇降機構部を構成している。
ポッドエレベータ15は、昇降駆動装置16と、昇降駆動装置16によって昇降されるシャフト17と、シャフト17の上端に水平に設置された保持台(収納容器載置部)18と、保持台18の上面に突設された複数個の受けキネマティックピン19とを備えている。受けキネマティックピン19は収納容器位置決め手段(位置決め部ともいう。)を構成している。この受けキネマティックピン19は、SEMI E57−0600に規定されたプライマリピン(PRIMARYPIN)に相当する。受けキネマティックピン19がポッド2の位置決め穴5に嵌入した状態で、保持台18はポッド2を下から支持する。昇降駆動装置16はこの保持台18をシャフト17によって昇降させる。
保持台18はポッド2の下面を保持する保持部を構成するとともに、収納容器載置部を構成している。
【0015】
密閉筐体21はメイン筐体11内外を区画する区画壁である正面壁11aの内側に、ポッド搬入口12よりも下側のロードポート14に対応する高さで設置されている。密閉筐体21はロードロック室20を形成している。ロードロック室20は内部を不活性ガス例えば窒素ガスで充填維持可能な収納容器蓋体開閉室を構成している。なお、ロードロック室20は開閉室ともいう。
図2に示されているように、密閉筐体21には不活性ガス(窒素ガス)供給装置132や排気装置133が接続されている。ロードロック室20内は不活性ガス(窒素ガス)供給装置132によって不活性ガス(窒素ガス)を供給されるとともに、排気装置133によって排気される。
【0016】
ドア出し入れ口22はメイン筐体11の正面壁11aのロードロック室20上部に対向する部位に、開設されている。ドア出し入れ口22はロードポート14に載置されたポッド2のウエハ出し入れ口3に対応する大きさ(ウエハ出し入れ口3よりも大きめ)に形成されている。
収納容器蓋体開閉部(着脱装置ともいう。)としてのポッドオープナ23はロードロック室20内に設置されている。ポッドオープナ23はロードポート14に載置されたポッド2からドア4を外したり、ポッド2にドア4を取り付けたりすることにより、ウエハ出し入れ口3およびドア出し入れ口22を開いたり閉じたりする。
ポッドオープナ23は移動台25と、移動台25に保持されたクロージャ26と、を備えている。移動台25はドア出し入れ口22に対して前後(垂直方向)および上下(平行方向)に移動する。クロージャ26はドア4を保持する蓋体保持部を構成している。ポッドオープナ23はクロージャ26によってドア4を保持して前後動することにより、ポッド2のウエハ出し入れ口3およびドア出し入れ口22を開いたり閉じたりする。
【0017】
マッピング装置27は密閉筐体21のドア出し入れ口22に対向する部位に、設置されている。マッピング装置27は基板状態検出部を構成している。
マッピング装置27は駆動源となるリニアアクチュエータ28と、ホルダ29と、複数の検出子30とを備えている。リニアアクチュエータ28はホルダ29をポッド2のウエハ出し入れ口3に対して前後動させる。ホルダ29は検出子30を保持している。マッピング装置27はポッド2内のウエハ1を検出子30によって検出することにより、ポッド2内のスロットのそれぞれにウエハ1が保持されているか否かを検出する。
【0018】
メイン筐体11内の前側領域にはポッド保管室11bが形成されている。保管室はロードポートに隣接して設けられている。筐体内で収納容器を保管する保管棚としての回転式ポッド棚31は、ポッド保管室11bの前後方向略中央部の上部に設置されている。回転式ポッド棚31は複数個のポッド2を保管する。
回転式ポッド棚31は支柱32と複数枚の棚板33とを備えている。支柱32は垂直に立設されており、水平面内で間欠回転する。複数枚の棚板33は支柱32に上中下段の各位置において放射状に支持されている。複数枚の棚板33はポッド2を複数個宛それぞれ載置した状態で保持する。
棚板33上面には複数個の棚板キネマティックピン34が突設されており、棚板キネマティックピン34はポッド2の位置決め穴5に嵌入する。すなわち、棚板キネマティックピン34は位置決め手段(位置決め部ともいう。)を構成している。なお、棚板キネマティックピン34はSEMI E57−0600に規定されたプライマリピン(PRIMARYPIN)に相当する。
【0019】
メイン筐体11のポッド保管室11b内には、収納容器搬送部としてのポッド搬送装置35が設置されている。ポッド搬送装置35はロードポート14と回転式ポッド棚31との間でポッド搬入口12を介してポッド2を搬送する。換言すると、ポッド搬送装置35は保管室とロードポートとの間でポッドを搬送する。
ポッド搬送装置35は収納容器昇降機構としてのポッド搬送エレベータ35aと、収納容器搬送機構としてのポッド搬送機構35bとによって構成されている。
ポッド搬送装置35はポッド搬送エレベータ35aとポッド搬送機構35bとの連続動作により、保持台18と、回転式ポッド棚31と、後に詳述するポッドオープナ42の載置台43との間でポッド2を搬送する。
【0020】
図2に示されているように、メイン筐体11内前後方向略中央下部にはサブ筐体40が後端まで構築されている。
サブ筐体40の正面壁40aにはウエハ搬入搬出口41が一対、垂直方向上下二段に並べられて開設されている。ウエハ搬入搬出口(以下、ウエハ搬入口という。)41はウエハ1をポッド2からサブ筐体40内に対して搬入したりサブ筐体40内からポッド2へ搬出するための開口である。上下段のウエハ搬入口41、41には収納容器蓋体開閉部としてのポッドオープナ42が一対それぞれ設置されている。
ポッドオープナ42はポッド2を載置する載置台43と、ポッド2のドア4を着脱する着脱機構44とを備えている。ポッドオープナ42は載置台43に載置されたポッド2のドア4を着脱機構44によって着脱することにより、ポッド2のウエハ出し入れ口3を開いたり閉じたりする。
【0021】
サブ筐体40は予備室45を構成している。予備室45は、ポッド搬送装置35や回転式ポッド棚31が設置された保管室11bから流体的に隔絶されている。
予備室45の前側領域にはウエハ移載機構46が設置されている。ウエハ移載機構46は、ウエハ移載装置46aとウエハ移載装置エレベータ46bとツィーザ46cとを備えている。ウエハ移載装置エレベータ46bは予備室45内の前方領域右端部に設置されている。ウエハ移載装置エレベータ46bはウエハ移載装置46aを昇降させる。ウエハ移載装置46aはツィーザ46cを水平面内おいて回転または直動させる。ツィーザ46cはウエハ1を保持する。
ウエハ移載機構46は、ツィーザ46cで保持したウエハ1をウエハ移載装置エレベータ46bおよびウエハ移載装置46aの連続動作によって、ポッド2からボート(基板保持具)47へ搬送し、装填(チャージング)する。また、ウエハ移載機構46は、ボート47のウエハ1をツィーザ46cで保持し、ウエハ移載装置エレベータ46bおよびウエハ移載装置46aの連続動作によってボート47から脱装(ディスチャージング)し、ボート47からポッド2に搬送し、収納する。
コントローラ77は、ロードポート14、ポッドエレベータ15、ポッドオープナ23、マッピング装置27、回転式ポッド棚31、ポッド搬送装置35、ポッドオープナ42、ウエハ移載機構46等のバッチ式CVD装置内のすべての動作を制御する。
【0022】
予備室45の後側領域にはボート47を昇降させるためのボートエレベータ48が設置されている。
連結具としてのアーム49はボートエレベータ48の昇降台に連結されている。アーム49にはシールキャップ50が水平に据え付けられている。シールキャップ50はボート47を垂直に支持し、後記する処理炉51の下端部を閉塞する。
基板保持具としてのボート47は複数本の保持部材を備えており、複数本の保持部材は複数枚(例えば、50枚〜125枚程度)のウエハ1をそれぞれ水平に保持する。すなわち、ボート47に保持された複数枚のウエハ1は、その中心を略一致した状態で垂直方向に整列する。
【0023】
便宜上、図示は省略するが、クリーンガス供給ユニット(以下、クリーンユニットという。)は、予備室45のウエハ移載装置エレベータ46b側およびボートエレベータ48側と反対側である左側端部に設置されている。クリーンユニットは供給フアンおよび防塵フィルタで構成されている。クリーンユニットは清浄化した雰囲気もしくは不活性ガスであるクリーンエア(クリーンガスともいう。)を供給する。
また、ウエハ移載装置46aとクリーンユニットとの間には、ノッチ合わせ装置が設置されている。ノッチ合わせ装置はウエハの円周方向の位置を整合させる基板整合装置を構成している。
クリーンユニットから吹き出されたクリーンエアは、ノッチ合わせ装置、ウエハ移載装置46aおよびボート47に流通された後に、図示しないダクトによって吸い込まれる。吸い込まれたクリーンエアは、メイン筐体11の外部に排気がなされるか、もしくは、クリーンユニットの吸い込み側である一次側(供給側)にまで循環されて再びクリーンユニットによって予備室45内に吹き出されるか、する。
【0024】
サブ筐体40の上には図4に示された処理炉51が設置されている。
図4に示されているように、処理炉51は加熱機構としてのヒータ52を有する。
ヒータ52は円筒形状であり、保持板としてのヒータベース53に支持されることにより垂直に据え付けられている。
【0025】
反応管としてのプロセスチューブ54はヒータ52の内側に、ヒータ52と同心円状で配設されている。プロセスチューブ54は外部反応管としてのアウタチューブ55と、その内側に設けられた内部反応管としてのインナチューブ56とから構成されている。
アウタチューブ55は、例えば石英(SiO2 )または炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料から形成されている。アウタチューブ55は、内径がインナチューブ56の外径よりも大きく、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。アウタチューブ55はインナチューブ56と同心円状に設けられている。
インナチューブ56は、例えば石英または炭化シリコン等の耐熱性材料から形成されている。インナチューブ56は上端および下端が開口した円筒形状に形成されている。インナチューブ56の筒中空部は処理室57を形成している。処理室57は、ウエハ1を水平姿勢で垂直方向に多段に整列させて保持したボート47を収容することができる。
アウタチューブ55とインナチューブ56との隙間は筒状空間58を形成している。
【0026】
マニホールド59はアウタチューブ55の下方に、アウタチューブ55と同心円状で配設されている。マニホールド59は、例えばステンレスから形成されている。マニホールド59は上端および下端が開口した円筒形状に形成されている。マニホールド59はアウタチューブ55とインナチューブ56とに係合しており、これらを支持している。
マニホールド59がヒータベース53に支持されることにより、プロセスチューブ54は垂直に据え付けられた状態となっている。
プロセスチューブ54およびマニホールド59は反応容器を形成する。
なお、マニホールド59とアウタチューブ55との間には、シール部材としてのOリング59aが設けられている。
【0027】
シールキャップ50にはガス導入部としてのノズル60が接続されており、ノズル60は処理室57内に連通している。ノズル60にはガス供給管61が接続されている。
MFC(マスフローコントローラ)62は、ガス供給管61のノズル60との接続側と反対側である上流側に接続されている。ガス供給源63はMFC62のガス供給管61の接続側と反対側に接続されている。MFC62はガス流量制御器を構成する。ガス供給源63は処理ガスや不活性ガス等の所望のガスを供給する。
MFC62にはガス流量制御部64が電気配線Cによって電気的に接続されており、ガス流量制御部64はMFC62を、供給ガス流量が所望の量となるように、かつ、所望のタイミングをもって制御する。
【0028】
マニホールド59には処理室57内の雰囲気を排気する排気管65が設けられている。排気管65はインナチューブ56とアウタチューブ55との隙間によって形成された筒状空間58の下端部に配置されており、筒状空間58に連通している。
圧力検出器としての圧力センサ66および圧力調整装置67は、排気管65のマニホールド59との接続側と反対側である下流側に接続されている。真空ポンプ等の排気装置68は、排気管65の圧力調整装置67との接続側と反対側に接続されている。排気装置68は処理室57内を、排気管65や圧力センサ66および圧力調整装置67を介して処理室57内の圧力が所定圧力(真空度)となるように排気する。
圧力調整装置67および圧力センサ66には圧力制御部69が電気配線Bによって電気的に接続されている。圧力制御部69は圧力調整装置67を、圧力センサ66により検出された圧力に基づいて、処理室57内の圧力が所望の圧力となるように、かつ、所望のタイミングをもって制御する。
【0029】
シールキャップ50はマニホールド59下端の垂直方向下側を閉塞する。シールキャップ50はマニホールド59の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体を構成している。
シールキャップ50は例えばステンレス等の金属からなり、円盤状に形成されている。シールキャップ50の上面にはシール部材としてのOリング50aが設けられている。Oリング50aはマニホールド59の下端と当接する。
ボートを回転させる回転機構70はシールキャップ50の処理室57と反対側に、設置されている。回転機構70の回転軸71はシールキャップ50を貫通して、ボート47に接続されている。回転軸71はボート47を回転させることにより、ウエハ1を回転させる。
回転機構70およびボートエレベータ48には駆動制御部72が電気配線Aによって電気的に接続されている。駆動制御部72は回転機構70およびボートエレベータ48を、所望の動作をするように、かつ、所望のタイミングにて制御する。
【0030】
ボート47は、例えば石英や炭化シリコン等の耐熱性材料から形成されている。ボート47は複数枚のウエハ1を水平姿勢でかつ互いに中心を揃えた状態で整列させて多段に保持する。
なお、ボート47の下部には複数枚の断熱板73が水平姿勢で多段に配置されている。断熱板73は例えば石英や炭化シリコン等の耐熱性材料が使用されて、円板形状に形成されている。断熱板73は断熱部材を構成している。複数枚の断熱板73はヒータ52からの熱をマニホールド59側へ伝わり難くさせる。
【0031】
プロセスチューブ54内には温度センサ74が設置されている。温度センサ74は温度検出器を構成している。ヒータ52および温度センサ74には温度制御部75が電気配線Dによって電気的に接続されている。
温度制御部75はヒータ52への通電具合を温度センサ74により検出された温度情報に基づき調整することにより、処理室57内の温度が所望の温度分布となるように、かつ、所望のタイミングをもって制御する。
【0032】
ガス流量制御部64、圧力制御部69、駆動制御部72および温度制御部75は、操作部および入出力部をも構成しており、バッチ式CVD装置全体を制御する主制御部76に電気的に接続されている。
ガス流量制御部64、圧力制御部69、駆動制御部72、温度制御部75および主制御部76は、コントローラ77を構成している。
【0033】
次に、本発明の一実施形態であるIC製造方法における成膜工程を、以上の構成に係るバッチ式CVD装置を用いた場合を例にして説明する。
なお、以下の説明において、バッチ式CVD装置を構成する各部の作動は、コントローラ77により制御される。
【0034】
図1〜図3に示されているように、ロードポート14に搬入される際に、ポッド2は保持台18に載置される。
すなわち、工程内搬送装置が図1に示されたAGV9である場合には、AGV9はポッド2を正面開口14Cを経由して保持台18上に載置する。工程内搬送装置が天井走行型構内搬送装置である場合には、天井走行型構内搬送装置はポッド2を天井開口14Bを経由して保持台18上に載置する。
このとき、保持台18の受けキネマティックピン19がポッド2の下面の位置決め穴5に嵌入されることにより、ポッド2は保持台18に位置決めされた状態になる。
【0035】
次いで、図5(a)に示されているように、ロードポート14において、ポッド2がポッドオープナ23の方向に移動されて、ドア4がポッドオープナ23のクロージャ26に保持される。
このとき、ロードロック室20内は不活性ガス供給装置132から供給された不活性ガスにより、不活性ガス雰囲気になっている。
クロージャ26はドア4を保持すると、移動台25の後退によってドア4をウエハ出し入れ口3から取り外す(脱装する)。
その後に、図5(b)に示されているように、移動台25が下降し、クロージャ26はロードロック室20内をウエハ出し入れ口3の位置から離脱する。
ウエハ出し入れ口3が開放されると、図5(b)に示されているように、リニアアクチュエータ28はマッピング装置27のホルダ29をウエハ出し入れ口3に挿入する。マッピング装置27はポッド2内のウエハ1を検出子30によってマッピングする。
このとき、不活性ガス供給装置132が不活性ガスをロードロック室20に供給し、排気装置133がロードロック室20を排気することにより、ポッド2内の雰囲気を不活性ガスに置換する。
【0036】
所定のマッピングが完了すると、リニアアクチュエータ28はマッピング装置27のホルダ29をウエハ出し入れ口3から元の待機位置に復帰させる。
ホルダ29が待機位置に復帰すると、移動台25が上昇し、クロージャ26をウエハ出し入れ口3の位置に移動させる。
その後に、図5(a)に示されているように、移動台25がウエハ出し入れ口3に向けて前進し、クロージャ26がドア4をウエハ出し入れ口3に取り付ける(装着する)。
【0037】
このマッピング装置27によって読み取ったマッピング情報と、このポッド2に関して予め提供されたマッピング情報とが相違した場合には、相違が発見されたポッド2はロードポート14からウエハ編成工程や直前の工程等に工程内搬送装置、例えば、図1に示されたAGV9によって直ちに搬送される。
このように、マッピング装置27によって読み取ったマッピング情報と予め提供されたマッピング情報との相違が発見されたポッド2をロードポート14から直ちに送り返すことにより、メイン筐体11内、特に載置台43や回転式ポッド棚31までポッド2を搬入した後にロードポート14に戻してから送り返す場合に比べて、大幅にステップを少なくすることができる。これにより、ボート47へのウエハ載置時間の増大およびウエハ処理スタート待機時間の増大を抑制することができる。
【0038】
前述したマッピング装置27によって読み取ったマッピング情報と、当該ポッド2に関して予め提供されたマッピング情報とが一致した場合には、図6に示されているように、ポッドエレベータ15は保持台18によって支持されたポッド2を、ロードポート14からポッド搬入口12の高さまで上昇させる。
具体的には、保持台18は、密閉筐体21より上方であってポッド搬送機構35bがポッド2を下側から掬い取ることができる高さまで、上昇される。
ポッド2がポッド搬入口12の高さまで上昇されると、フロントシャッタ13はポッド搬入口12を開放する。
続いて、ポッド搬送機構35bがポッド搬入口12を潜り、図6に示されているように、ポッド搬送装置35のポッド搬送機構35bは保持台18によって支持されたポッド2を、下側から掬い取る。
すなわち、図7に示されているように、ポッド搬送機構35bのアーム35cが伸長することにより、アーム35cの先端に支持されたプレート35dはポッド搬入口12を潜り抜けて、保持台18の真下に進入する。プレート35dは保持部として構成されている。
続いて、ポッド搬送エレベータ35aが上昇することにより、プレート35dがポッド2を保持台18の上から掬い取る。
このとき、図7に想像線で参照されるように、プレート35dの3本のプレートキネマティックピン35eは3個の位置決め穴5の内側位置にそれぞれ嵌入する。このプレートキネマティックピン35eは、SEMI E57−0600に規定されたセカンダリピン(SECONDARYPIN)に相当する。
以上のようにしてポッド搬送機構35bによって掬い取られたポッド2は、ポッド搬送機構35bのアーム35cが短縮することにより、ポッド搬入口12からメイン筐体11内に搬入される。
図1および図2に示されているように、ポッド搬送装置35は搬入されたポッド2を回転式ポッド棚31の指定された棚板33へ自動的に搬送し、受け渡す。
このとき、棚板33の棚板キネマティックピン34がポッド2の下面の位置決め穴5に嵌入されることにより、ポッド2は棚板33に位置決め保持された状態になる。
【0039】
ポッド2は棚板33に一時的に保管される。その後に、ポッド搬送装置35はポッド2を棚板33から一方のウエハ搬入口41に設置されたポッドオープナ42に搬送して載置台43に移載する。
この際、着脱機構44はポッドオープナ42のウエハ搬入口41を閉じている。クリーンエアユニットはクリーンエアを予備室45に流通して充満させている。
例えば、予備室45内にクリーンエアとして窒素ガスが充満することにより、酸素濃度が20ppm以下と、予備室45内はメイン筐体11内(大気雰囲気)の酸素濃度よりも遥かに低く設定されている。
なお、ポッド搬入口12からメイン筐体11内に搬送機構35bによって搬入されたポッド2が、ウエハ搬入口41に設置されたポッドオープナ42に直接的に搬送される場合もある。
【0040】
ポッドオープナ42は、載置台43に載置されたポッド2の開口側端面を正面壁40aのウエハ搬入口41開口縁辺部に押し付ける。続いて、着脱機構44はドア4を外し、ウエハ出し入れ口3を開放させる。
この際には、ロードポート14において既にマッピングされているため、ポッド2内のウエハ1群についてのマッピングは省略することができる。
また、予め、ポッド2に不活性ガスが充填されているため、予備室45内の酸素濃度が上昇する現象を抑制することができる。
ポッド2がポッドオープナ42によって開放されると、ウエハ移載機構46はウエハ1をポッド2からウエハ移載装置46aのツィーザ46cによってウエハ出し入れ口3を通じてピックアップし、ノッチ合わせ装置(図示せず)に搬送する。ノッチ合わせ装置はウエハ1を位置合わせする。位置合わせ後に、ウエハ移載機構46はツィーザ46cによってウエハ1をノッチ合わせ装置からピックアップし、ボート47に搬送する。ウエハ移載機構46は搬送したウエハ1をボート47に装填(チャージング)する。
ウエハ移載機構46はボート47にウエハ1を受け渡したウエハ移載装置46aをポッド2に戻し、次のウエハ1をボート47に装填するステップを開始する。
【0041】
この一方(上段または下段)のポッドオープナ42におけるウエハ移載機構46によるウエハ1のボート47への装填作業中に、他方(下段または上段)のポッドオープナ42では、ポッド搬送装置35が別のポッド2を回転式ポッド棚31から搬送して移載する。さらに、この他方のポッドオープナ42に移動されたポッド2の開放作業が同時進行される。
【0042】
予め指定された枚数のウエハ1がボート47に装填されると、炉口シャッタ(図示せず)は閉じていた処理炉51の下端部を開放する。
続いて、ボートエレベータ48はシールキャップ50を上昇させることにより、ウエハ1群を保持したボート47を処理炉51内へ搬入(ボートローディング)させて行く。
【0043】
ここで、処理炉51を用いてウエハ1上に薄膜をCVD法により形成する方法について説明する。
なお、以下の説明において、処理炉51を構成する各部の動作はコントローラ77により制御される。
【0044】
複数枚のウエハ1がボート47に装填(ウエハチャージ)されると、図4に示されているように、ボートエレベータ48は複数枚のウエハ1を保持したボート47を持ち上げて、処理室57に搬入(ボートローディング)する。
この状態で、シールキャップ50はOリング50aを介してマニホールド59の下端をシールした状態となる。
【0045】
真空排気装置68は処理室57内を所定の圧力(真空度)となるように排気する。この際、圧力センサ66は処理室57内の圧力を測定する。圧力調整装置67はこの測定された圧力に基づいてフィードバック制御される。
また、ヒータ52は処理室57内を所定温度となるように加熱する。この際、温度センサ74は処理室57内の温度を検出する。処理室57内が所定の温度分布となるように、ヒータ52への通電具合は検出した温度情報に基づきフィードバック制御される。
続いて、回転機構70はボート47を回転させることによりウエハ1を回転させる。
【0046】
次いで、ガス供給源63から供給されてMFC62にて所定の流量となるように制御されたガスが、ガス供給管61を流通してノズル60から処理室57内に導入される。
導入されたガスは処理室57内を上昇し、インナチューブ56の上端開口から筒状空間58に流出して排気管65から排気される。
ガスは処理室57内を通過する際にウエハ1の表面と接触する。この際に、熱CVD反応によってウエハ1の表面上に薄膜が堆積(デポジション)される。
【0047】
予め設定された処理時間が経過すると、ガス供給源63はガス供給管61を通じて不活性ガスを処理室57内に供給し、処理室57内を不活性ガスに置換させるとともに、処理室57内の圧力を常圧に復帰させる。
【0048】
その後、ボートエレベータ48はシールキャップ50を下降させて、マニホールド59の下端を開口させるとともに、処理済ウエハ1を保持したボート47をマニホールド59下端からプロセスチューブ54外部に搬出(ボートアンローディング)する。
【0049】
ウエハ移載装置46aはボートアンローディングされた処理済ウエハ1を、ボート47から取り出し(ウエハディスチャージ)、ポッドオープナ42に予め搬送された空のポッド2に戻す。
所定枚数の処理済みウエハ1が収納されると、ポッドオープナ42はドア4をポッド2のウエハ出し入れ口3に装着する。
【0050】
ポッド搬送装置35はウエハ出し入れ口3を閉塞されたポッド2を回転式ポッド棚31の指定された棚板33へ自動的に搬送して受け渡す。
ポッド2は棚板33に一時的に保管される。
その後、フロントシャッタ13がポッド搬入口12を開く。ポッド搬送装置35はポッド2を棚板33からポッド搬入口12に搬送し、ポッドエレベータ15の保持台18上にポッド搬入口12を潜らさせて受け渡す。
なお、処理済みウエハ1を収納したポッド2は、ポッドオープナ42からポッド搬入口12へポッド搬送装置35によって直接的に搬送される場合もある。
【0051】
保持台18上にポッド2が受け渡されると、フロントシャッタ13がポッド搬入口12を閉じる。また、昇降駆動装置16がポッドエレベータ15のシャフト17をロードポート14上に下降させる。
ロードポート14上に下降されたポッド2は所定の工程へ、工程内搬送装置、例えば、図1に示されたAGV9によって搬送されて行く。
【0052】
前記実施の形態によれば、次の効果のうち1つ以上の効果が得られる。
【0053】
1) ポッドが工程内搬送装置によって搬入されるロードポートにマッピング装置を設置することにより、マッピング装置によって読み取った実際のマッピング情報と、予め提供されたマッピング情報との相違が発見されたポッドをロードポートから直ちに送り返すことができる。その結果、筐体内のポッドオープナにマッピング装置が設置されている従来の場合に比べて、ポッドを筐体内に搬入した後にロードポートに戻してから送り返す手間を省略することができる分だけ、ウエハ処理スタート時期が相違が発見された時点から遅延されるのを短縮することができる。
【0054】
2) ロードポートの上方にポッド搬入口を設けるとともに、ポッドを下から保持する保持台をロードポートとポッド搬入口との間で昇降させるポッドエレベータを設置することにより、ポッド上部を掴んでハンドリングする場合に比べて、ハンドリング構造を簡単かつ小型に構成することができる。その結果、小型軽量化、単純化、高速化、安全化およびスペース活用化を図ることができる。
【0055】
3) ポッドエレベータによって昇降する保持台に受けキネマティツクピンを設けることにより、保持台を各所のポッド載置部についての搬送基準とすることができる。その結果、搬送基準統一化を図ることができる。
【0056】
4) ポッドはウエハが収納された状態であっても長期間放置することがあり、ポッド内の酸素濃度が高くなっている場合がある。その場合、載置台43において蓋体を開く際に、大容積である予備室が不活性ガス雰囲気(低酸素濃度状態)であるのが、崩れてしまう。そこで、予備室を不活性ガス雰囲気に戻すと、時間がかかっていた。しかし、予備室でポッドの蓋体を開く前に予め予備室より小容積である密閉筐体21にて、ポッド内を不活性ガス雰囲気に置換することにより、スループットを向上させることができる。
【0057】
図9は本発明の第二実施形態であるバッチ式CVD装置を示す側面断面図である。
本実施形態が前記実施形態と異なる主な点は、ポッドオープナがロードポートだけに設置されている点である。
すなわち、図9に示されているように、ロードポート14は予備室45を形成するサブ筐体40の正面壁(区画壁)40aに設置されており、ウエハ搬入搬出口(以下、ウエハ搬入口という。)91は、この正面壁40aに設置されたポッドオープナ83のロードロック室80を形成する密閉筐体81の背面壁81aに、開設されている。さらに、ロードポートには、このウエハ搬入口91を開閉するドア機構92が設置されている。
予備室45内に設置された基板搬送装置としてのウエハ移載機構46は、ドア機構92がウエハ搬入口91を開放した際に、ポッド2とボート47との間でウエハ1を搬送するように構成されている。
ボートエレベータ48はボート47を、予備室45に隣接した処理炉51の処理室57に搬入したり、処理室57から搬出したりする。
予備室45の天井面に隣接した保管室11bには、保管棚31Aおよびポッド搬送装置35が設置されている。
ポッド搬入口12はメイン筐体11正面壁11aの保管室11bに対向した部位に、開設されている。フロントシャッタ13はポッド搬入口12を開閉する。
第一実施形態のポッドオープナ23と同様に、ロードロック室80にはマッピング装置84が設置されている。マッピング装置84はドア出し入れ口82に対して前後(垂直方向)および上下(平行方向)に移動することができる。
密閉筐体81には不活性ガス(窒素ガス)供給装置132および排気装置133が接続されている。ロードロック室80内は不活性ガス(窒素ガス)供給装置132によって不活性ガス(窒素ガス)を供給されるとともに、排気装置133によって排気される。
【0058】
次に、以上の構成に係るバッチ式CVD装置のポッドオープナの作用を説明する。
【0059】
図9に示されているように、ロードポート14に搬入される際に、ポッド2はポッドエレベータ15の保持台18に載置される。
このとき、保持台18に突設されている受けキネマティックピン19が、ポッド2下面の位置決め穴5に嵌入されることにより、ポッド2は保持台18に位置決めされた状態になる。
【0060】
次いで、ロードポート14において、ポッド2がポッドオープナ83の方向に移動される。ポッドオープナ83はクロージャ86にドア4を保持させる。
このとき、ロードロック室80内は不活性ガス供給装置132から供給された不活性ガスにより、不活性ガス雰囲気になっている。
クロージャ86がドア4を保持すると、移動台85が後退し、クロージャ86がドア4をウエハ出し入れ口3およびドア出し入れ口82から取り外す。その後に、移動台85がロードロック室80内を下降し、クロージャ86がウエハ出し入れ口3およびドア出し入れ口82の位置から離脱する。
ポッドオープナ83がウエハ出し入れ口3を開放させると、マッピング装置84は検出子をウエハ出し入れ口3に挿入し、検出子によってポッド2内のウエハ1を検出させることにより、ウエハ1をマッピングする。
このとき、不活性ガス供給装置132が不活性ガスをロードロック室80内に供給しつつ、排気装置133がロードロック室80を排気することにより、ポッド2内の雰囲気を不活性ガスに置換する。
【0061】
所定のマッピングが完了すると、マッピング装置がウエハ出し入れ口3から元の待機位置に復帰される。
その後、移動台85が上昇し、クロージャ86をウエハ出し入れ口3の位置に移動させる。その後に、移動台85がウエハ出し入れ口3に向けて前進し、クロージャ86がドア4をウエハ出し入れ口3およびドア出し入れ口82に取り付ける。
【0062】
このマッピング装置によって読み取った実際のマッピング情報と、当該ポッド2に関して予め提供されたマッピング情報とが相違した場合には、相違が発見されたポッド2はロードポート14からウエハ編成工程や直前の工程等に、AGV9によって直ちに搬送される。
【0063】
前述したマッピング装置によって読み取った実際のマッピング情報と、当該ポッド2に関して予め提供されたマッピング情報とが一致した場合には、ポッドエレベータ15は保持台18によって支持されたポッド2を、ロードポート14からポッド搬入口12の高さまで上昇させる。
ポッド2がポッド搬入口12の高さまで上昇すると、フロントシャッタ13はポッド搬入口12を開放する。
続いて、ポッド搬送装置35はポッド搬送機構35bに、保持台18によって支持されたポッド2を掬い取らさせる。
ポッド搬送装置35はポッド搬送機構35bによって掬い取ったポッド2をポッド搬入口12からメイン筐体11内に搬入する。
ポッド搬送装置35は搬入したポッド2を、保管棚31Aの指定された棚板33Aへ自動的に搬送して受け渡す。
【0064】
ポッド2は棚板33Aに一時的に保管される。
その後に、前述とは逆の手順で、ポッド搬送装置35およびポッドエレベータ15は保管棚31Aからロードポート14へ搬送する。
この際、予備室45にはクリーンエアが流通されて充満されている。
【0065】
次いで、ロードポート14において、ポッド2がポッドオープナ83の方向に移動されて、ドア4がポッドオープナ83のクロージャ86に保持される。
クロージャ86はドア4を保持すると、移動台85の後退によってドア4をウエハ出し入れ口3から取り外す。その後に、クロージャ86はロードロック室80内を移動台85の下降によってウエハ出し入れ口3およびドア出し入れ口82の位置から離脱する。
ウエハ出し入れ口3が開放されると、ドア機構92はウエハ搬入口91を開放する。
この際には、ポッド内のウエハのマッピングは既に済んでいるので、省略することができる。
また、予め、ポッド2に不活性ガスが充填されているため、予備室45内の酸素濃度が上昇することを抑制することができる。
【0066】
ウエハ出し入れ口3、ドア出し入れ口82およびウエハ搬入口91が開放されると、ウエハ移載装置46aはツィーザ46cによってウエハ1を、ポッド2からウエハ出し入れ口3、ドア出し入れ口82およびウエハ搬入口91を通じてピックアップする。ウエハ移載装置46aはウエハ1をノッチ合わせ装置に搬送する。ノッチ合わせ装置はウエハ1をノッチ合わせする。ノッチ合わせ後に、ウエハ移載装置46aはツィーザ46cによってウエハ1をノッチ合わせ装置からピックアップする。ウエハ移載装置46aはピックアップしたウエハ1をボート47に搬送し、ボート47に装填(チャージング)する。
ボート47にウエハ1を受け渡したウエハ移載装置46aはポッド2に戻り、次のウエハ1をボート47に装填する。
なお、保管棚31Aでポッド2を一時的に保管するステップを行わずに、ウエハ移載装置46aはツィーザ46cによってウエハ1をポッド2から直接的に搬送してもよい。すなわち、マッピングが完了し、マッピング装置が検出子をウエハ出し入れ口3から元の待機位置に復帰させた後に、もしくは、マッピング中にウエハ搬入口91を開放させる。続いて、ウエハ移載装置46aはツィーザ46cをウエハ搬入口91に挿入して、ウエハ1をポッド2からピックアップする。
【0067】
以降のステップは前記実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0068】
本実施形態によれば、第一実施形態の1つ以上の効果に加えて、以下の効果を奏する。ポッドオープナをロードポートに設置すれば済むために、スペース効率向上(フットプリント縮小化)、スループット向上(ポッドの移動範囲を少なくすることが可能)に寄与することができる。
【0069】
図10は本発明の第三実施形態であるバッチ式CVD装置のロードポートを示す斜視図である。
【0070】
本実施形態が前記第一実施形態と異なるのは、保持台を前後および上下に移動させるポッドエレベータ15Bである。
なお、保持台の形状は、第一実施形態と同様であるが、詳しく説明する。
すなわち、昇降駆動装置16Bのシャフト17Bの上端にはリニアアクチュエータ95の本体96が設けられており、本体96は水平かつ前後方向に延在している。保持台18は、リニアアクチュエータ95にガイド97および駆動ロッド98、ブラケット99を介して水平に取り付けられている。ガイド97および駆動ロッド98は本体96に対して伸縮することにより、保持台18を水平かつ前後方向に移動させる。リニアアクチュエータ95と本体96とガイド97と駆動ロッド98とブラケットとは遠近移動装置を構成している。なお、遠近移動装置は本実施の形態に限らず、例えばベルト駆動式としてもよい。
要するに、保持台18はポッドオープナに対して対向方向に遠近動作すればよい。
保持台18はポッドオープナ23側(ドア出し入れ口22側ともいう。)に切欠き(逃げ部ともいう。)を有する。
具体的には、切欠部は、ポッド2を保持する3個の受けキネマティックピン19のうちポッドオープナ23側の2個の受けキネマティックピン19Fの間に配置されている。なお、受けキネマティックピン19は、SEMI E57−0600に規定されたプライマリピン(PRIMARYPIN)に相当し位置決め部として構成されている。切欠きは、ポッド2が載置された際にポッド2底面の一部に空間を形成するように、かつ、残りの1個の受けキネマティックピン19Gよりポッドオープナ23側を切欠かれている。
切欠く形状は四角形、長方形、円形、長円形でもよい。好ましくは、三角形形状に切欠くとよい。より最良の形態としては、図10に示されているように、略正三角形の形状に切欠くとよい。
この保持台18の切欠きにより、保持台18にポッドを載置した際に、ポッド底面の一部であってポッドオープナ23側に空間が形成されることになる。
これにより、ポッド搬送装置35は、プレート35dと保持台18との間でポッド2を受け渡す際に、プレート35dと保持台18との干渉を防止しつつ受け渡すことができる。
【0071】
次に、以上の構成に係るポッドエレベータ15Bによるポッドハンドリングステップを、図11に沿って説明する。
なお、ポッド内のウエハをマッピングする工程としてのマッピングステップのような他のステップは、前述した第一実施形態と同様であるので、それらのステップの説明は省略する。
【0072】
AGV9のような工程内搬送装置によって搬送されて来たポッド2は、図11(a)に示されているように、保持台18に載置される。
このとき、保持台18の3本の受けキネマティックピン19が、ポッド2下面に配置された3個の位置決め穴5の外側位置(図7参照)にそれぞれ嵌入されることにより、ポッド2は保持台18に位置決めされた状態になる。
【0073】
次いで、図11(b)に示されているように、リニアアクチュエータ95は短縮作動することにより、保持台18とともにポッド2をポッドオープナ23(ドア出し入れ口22)の方向に接近移動させて、ドア4をポッドオープナ23のクロージャ26に保持させる。
【0074】
この後、マッピングステップが前述した作用によって実施される。
マッピングが完了すると、クロージャ26はドア4をウエハ出し入れ口3に取り付ける(装着する)。
次いで、図11(c)に示されているように、リニアアクチュエータ95は伸長作動することにより、保持台18とともにポッド2を元の位置に戻す。
【0075】
マッピングステップにおいて読み取ったマッピング情報と、このポッド2に関して予め提供されたマッピング情報とが相違した場合には、相違が発見されたポッド2はロードポート14からウエハ編成工程や直前の工程等に、AGV9のような工程内搬送装置によって直ちに搬送される。
【0076】
他方、マッピングステップにおいて読み取ったマッピング情報と、当該ポッド2に関して予め提供されたマッピング情報とが一致した場合には、図11(d)に示されているように、昇降駆動装置16Bはシャフト17Bを伸長作動させることにより、保持台18によって支持したポッド2をロードポート14からポッド搬入口12の高さまで上昇させる。なお、昇降駆動装置16Bはドア出し入れ口22の開口面に対して平行に保持台18を昇降させる。
ポッド2がポッド搬入口12の高さまで上昇すると、フロントシャッタ13はポッド搬入口12を開放する。
【0077】
続いて、図7で参照されるように、ポッド搬送機構35bがアーム35cを伸長させると、アーム35cの先端に支持されたプレート35dはポッド搬入口12を潜り抜けて、保持台18の真下に進入する。
続いて、ポッド搬送エレベータ35aが上昇することにより、プレート35dがポッド2を保持台18の上から掬い取る。
このとき、プレート35dの3本のプレートキネマティックピン35eは、3個の位置決め穴5の受けキネマティックピン19の内側位置にそれぞれ嵌入する。
以上のようにしてポッド搬送機構35bによって掬い取られたポッド2は、ポッド搬送機構35bのアーム35cが短縮することにより、ポッド搬入口12からメイン筐体11内に搬入される。
その後のステップは、前述した第一実施形態の作用と同様である。
【0078】
本実施形態によれば、第一実施形態の1つ以上の効果に加えて、以下の効果のうち1つ以上の効果を奏する。
1) 昇降可能な第一載置ユニットに受けキネマティックピン(プライマリピン)を設け、受けキネマティックピンで囲まれる第一載置ユニットにおける内側に切欠きを設ける。これにより、ポッドを掬い上げる際に、搬送装置のプレートを外側プレートの3箇所に設けられた受けキネマティックピンのうちの2箇所の間を通って切欠きに挿入し易くなる。
2) 第一載置ユニットの搬送装置側に切欠部を設けることにより、搬送装置のプレートが第一載置ユニットからポッドを掬い上げる際に、ポッド下面へプレートが容易にアクセスすることができる。
3) 搬送装置が第一載置ユニットの切欠きに挿入された際に、受けキネマティックピン
(プライマリピン)の1つと、搬送装置のプレートにあるキネマティックピン(セカンダリピン)の1つとが搬送装置の移動方向と同一方向に並ぶ位置に配置されることになる。このような場合、第一載置ユニットにあるキネマティックピンをプライマリピンとすることにより内側を切欠くことができ、この切欠きに挿入可能なセカンダリピンを有する搬送装置との間でポッドを受け渡すことができる。外側プレートでポッド底面周縁部を支持するにより、安定した昇降を可能とすることができる。
【0079】
図12および図13は本発明の第四実施形態であるバッチ式CVD装置のロードポートを示す各斜視図である。
【0080】
ところで、前述した第三実施形態においては、保持台18と共にリニアアクチュエータ95を一緒に昇降させる必要があるために、ポッドエレベータ15Bが大型かつ複雑な構造になってしまう懸念がある。
この懸念を解消するために、本実施形態は保持台18を内側プレート18Aと外側プレート18Bとに分離している。内側プレート18Aはポッドオープナ(蓋体着脱手段、単に、着脱装置ともいう。)23に対して対向方向に遠近動作する第一載置部材(第一載置ユニット)を構成している。外側プレート18Bはポッドオープナ23に対して昇降する第二載置部材(第二載置ユニット)としての外側プレート18Bを構成している。
【0081】
図14に示されているように、内側プレート18Aは平面視が略正三角形平板形状に形成されている。リニアアクチュエータ95は内側プレート18Aを水平かつ前後方向(ドア出し入れ口22に対して遠近方向ともいう。)に移動させる。内側キネマティックピン19Aは内側プレート18A上面の3箇所の頂角位置に、それぞれ内側プレート18A上面に対して垂直に設けられている。なお、内側キネマティックピン19Aは、SEMI
E57−0600に規定されたセカンダリピンに相当し、位置決め部として構成されている。
リニアアクチュエータ95の本体96は密閉筐体21のドア出し入れ口22下方位置前方に据え付けられている。本体96は水平かつ前後方向(ドア出し入れ口22に対して遠近方向ともいう。)に延在している。内側プレート18Aはリニアアクチュエータ95にガイド97、駆動ロッド98およびブラケット99を介して水平に取り付けられている。ガイド97および駆動ロッド98は本体96に対して伸縮することにより、内側プレート18Aを水平かつ前後方向に移動させる。
要するに、内側プレート18Aはポッドオープナに対して対向方向に遠近動作すればよい。
【0082】
図12および図13に示されているように、外側プレート18Bは平面視が略長方形の平板形状に形成されている。外側プレート18Bはポッドオープナ23側長辺中央部に逃げ部(切欠きともいう。)18Cとして切り欠かれている。逃げ部18Cは内側プレート18Aよりも若干大きめの略正三角形に形成されている。
受けキネマティックピン19Bは外側プレート18B上面における逃げ部18Cの3箇所の頂角位置に、それぞれ外側プレート18B上面に対して垂直に設けられている。図12に示されているように、外側プレート18Bの受けキネマティックピン19Bは、内側プレート18Aの内側キネマティックピン19Aの外側に位置するように設定されている。
すなわち、内側プレート1 8Aが外側プレート18Bの逃げ部18Cに挿入された状態を想定すると、内側キネマティックピン19Aと受けキネマティックピン19Bとが隣接して配置されていることになる。
なお、この内側キネマティックピン19Aは、SEMI E57−0600に規定されたプライマリピンに相当し、位置決め部として構成されている。
密閉筐体21の手前には一対の昇降駆動装置16C、16Cが左右に並べられて、それぞれ垂直方向上向きに設置されている。両昇降駆動装置16C、16Cのシャフト17C、17C上端には外側プレート18Bが水平に架設されている。両昇降駆動装置16C、16Cは各シャフト17C、17Cを同期させてそれぞれ伸縮させることにより、外側プレート18Bを昇降させる。
なお、昇降駆動装置は一対とせず、1つもしくは3つ以上としてもよい。好ましくは、昇降駆動装置は一対として、外側プレート18Bの切欠きを挟んで両側にそれぞれ設けるようにすると、安定した昇降動作を可能とするとともに、低コスト化することができる。
【0083】
次に、以上の構成に係る内側プレート18Aおよび外側プレート18Bによるポッドハンドリングステップを、図15および図16に沿って説明する。
なお、ポッド内のウエハをマッピングする工程としてのマッピングステップのような他のステップは、前述した第一実施形態と同様であるので、それらのステップの説明は省略する。
また、図12、図13、図15および図16においては、便宜上、リニアアクチュエータ95の図示を省略する。
【0084】
AGV9のような工程内搬送装置によって搬送されて来たポッド2は、図15(a)に示されているように、内側プレート18Aに載置される。
このとき、内側プレート18Aの3本の内側キネマティックピン19Aが、ポッド2下面に配置された3個の位置決め穴5内寄り位置にそれぞれ嵌入されることにより、ポッド2は内側プレート18Aに位置決めされた状態になる。
【0085】
次に、図14(b)で参照されるように、リニアアクチュエータ95は短縮作動することにより、図15(b)に示されているように、ポッド2をポッドオープナ23の方向に移動させて、ドア4をポッドオープナ23のクロージャ26に保持させる。
このとき、ロードロック室20内は不活性ガス供給装置132から供給された不活性ガスにより、不活性ガス雰囲気になっている。
【0086】
次いで、図15(c)に示されているように、クロージャ26はドア4をウエハ出し入れ口3から取り外す。
続いて、クロージャ26はロードロック室20内を下降することにより、図15(d)に示されているように、ドア4をウエハ出し入れ口3の位置から離脱させる。
【0087】
この後、マッピングステップおよびポッド2内雰囲気の不活性ガスへの置換が前述した作用によって実施される。
マッピングが完了すると、クロージャ26はドア4をウエハ出し入れ口3に取り付ける(装着する)。
【0088】
次に、図14(a)で参照されるように、リニアアクチュエータ95は伸長作動することにより、図16(a)に示されているように、ポッド2を保持した内側プレート18Aを元の位置に戻す。
この状態で、内側プレート18Aは外側プレート18Bの逃げ部18C(図12参照)の真上に位置している。
【0089】
マッピングステップにおいて読み取ったマッピング情報と、このポッド2に関して予め提供されたマッピング情報とが相違した場合には、相違が発見されたポッド2はロードポート14からウエハ編成工程や直前の工程等にAGV9のような工程内搬送装置によって直ちに搬送される。
【0090】
マッピングステップにおいて読み取ったマッピング情報と、当該ポッド2に関して予め提供されたマッピング情報とが一致した場合には、一対の昇降駆動装置16C、16Cはシャフト17C、17Cを若干だけ伸長作動させる。
これにより、図16(b)に示されているように、外側プレート18Bの3本の受けキネマティックピン19Bが内側プレート18Aの3本の内側キネマティックピン19Aの外側において、ポッド2の3個の位置決め穴5にそれぞれ嵌入する。つまり、外側プレート18Bはポッド2を内側プレート18Aから受け取った状態になる。
【0091】
昇降駆動装置16Cはシャフト17Cを伸長作動させて、ポッド2をロードポート14からポッド搬入口12の高さまで上昇させる。
受けキネマティックピン19Bが外寄りに位置するので、外側プレート18Bはポッド2を安定した状態で上昇させることができる。また、外側プレート18Bによりポッド底面周縁部を支持することで、安定した状態で上昇させることができる。
【0092】
ポッド2がポッド搬入口12の高さまで上昇すると、フロントシャッタ13はポッド搬入口12を開放する。
その後、図7で参照されるように、ポッド搬送機構35bのアーム35cが伸長することにより、アーム35cの先端に支持されたプレート35dはポッド搬入口12を潜り抜けて、外側プレート18Bの逃げ部18Cの真下に進入する。
ポッド搬送エレベータ35aが上昇することにより、プレート35dが逃げ部18Cを潜り抜け、ポッド2を外側プレート18Bの上から掬い取る。
このとき、プレート35dの3本のプレートキネマティックピン35eは、3個の位置決め穴5の受けキネマティックピン19Bの内側位置にそれぞれ嵌入する。
【0093】
以上のようにしてポッド搬送機構35bによって掬い取られたポッド2は、ポッド搬送機構35bのアーム35cが短縮することにより、図16(d)で参照されるように、ポッド搬入口12からメイン筐体11内に搬入される。
その後のステップは、前述した第一実施形態の作用と同様である。
【0094】
ちなみに、ポッド2が回転式ポッド棚31からロードポート14に供給される場合には、図16(f)に示されているように、上昇された外側プレート18Bにポッド2が回転式ポッド棚31からポッド搬送機構35bによって載置される。
続いて、図16(g)に示されているように、外側プレート18Bが下降することにより、ポッド2を内側プレート18Aに受け渡す。
その後に、前述した作動が実施されることになる。
【0095】
本実施形態によれば、第一〜三実施形態が奏する効果のうち1つ以上の効果に加えて、以下の効果のうち1つ以上の効果を奏する。
1) ポッドオープナに対して遠近動作する内側プレート18Aと、ポッドオープナにあるドア出し入れ口22の開口面に対して平行に昇降する外側プレート18Bとに分離したので、ポッドエレベータの構造を簡単化することができる。
2) 第一載置ユニットが昇降動作する際に、第二載置ユニットおよび遠近移動機構を一緒に昇降させなくて済む。一方、第一載置ユニットが遠近動作する際に、第一載置ユニットおよび昇降移動機構を一緒に遠近動作させなくて済む。これにより、昇降移動機構を大型化させずに構造を簡素化させることができ、かつ、遠近移動機構を大型化させずに構造を簡素化させることができる。
3) 昇降可能な第一載置ユニットに受けキネマティックピン(プライマリピン)を設け、受けキネマティックピンで囲まれる第一載置ユニットにおける内側に切欠きを設ける。さらに、この切欠きに少なくとも一部が挿入可能に形成された第二載置ユニットを設ける。第二載置ユニットはポッドオープナに対し、遠近動作可能に設ける。
これらにより、第一載置ユニットと第二載置ユニットとの間でのポッドの受け渡しをスムースに行うことができる。
この場合、例えば、第一載置ユニットでなく、セカンダリピンを有する第二載置ユニットと、搬送装置のプライマリピンを有するプレートとの間でポッドの受け渡しをする場合、第二載置ユニットおよびこれを支持する部材を避けて搬送装置のプレートはポッドを掬い上げなければならず、大変な工夫が必要になり、装置構成の複雑化、製作コスト高につながってしまう。
【0096】
図17〜図19は内側プレートと外側プレートを有するロードポートを枚葉式CVD装置に設けた本発明の第五実施形態を示している。
【0097】
枚葉式CVD装置110のメイン筐体111正面には、ロードポート114が3箇所に左右方向に横並びに設定されている。各ロードポート114が対向する正面壁には、ポッドオープナ123がそれぞれ建て付けられており、各ポッドオープナ123の手前には各ポッドエレベータ115がそれぞれ設置されている。
各ポッドエレベータ115は一対の昇降駆動装置16C、16Cを備えており、一対の昇降駆動装置16C、16Cは各ロードポート114において左右に並べられて、それぞれ垂直方向上向きに設置されている。両昇降駆動装置16C、16Cはシャフト17C、17C上端に、外側プレート18Bを水平に架設されている。外側プレート18Bは逃げ部18Cを有する略長方形に形成されている。両昇降駆動装置16C、16Cは各シャフト17C、17Cを同期させて伸縮させることによって、外側プレート18Bを昇降させる。
受けキネマティックピン19Bは外側プレート18B上面の逃げ部18Cにおける3箇所の頂角位置に、それぞれ外側プレート18B上面に対して垂直に設けられている。
【0098】
図17〜図19においては図示が省略されているが、各ポッドエレベータ115はリニアアクチュエータ95をそれぞれ備えている。リニアアクチュエータ95はポッドオープナ123のドア出し入れ口122真下位置に本体96を据え付けられている。本体96は水平かつ前後方向に延在している。
リニアアクチュエータ95はガイド97および駆動ロッド98に、ブラケット99を介して内側プレート18Aを水平に取り付けられている。ガイド97および駆動ロッド98は本体96に対して伸縮することにより、内側プレート18Aを水平かつ前後方向に移動させる。
内側プレート18Aは平面視が略正三角形の平板形状に形成されている。リニアアクチュエータ95は内側プレート18Aを水平かつ前後方向に移動させる。内側プレート18A上面には3箇所の頂角の位置に、内側キネマティックピン19Aをそれぞれ垂直に設けられている。
【0099】
メイン筐体111上面にはスライド式ポッド棚131が3台、左右方向に横並びに設けられている。各スライド式ポッド棚131は内側プレート18Aを水平かつ前後方向に移動させるリニアアクチュエータ95によって構成されている。
【0100】
次に、本実施形態の特徴ステップであるポッド2のスライド式ポッド棚131への保管ステップを図17、図18および図19に沿って説明する。
【0101】
図17に示されたポッド2がスライド式ポッド棚131に保管すべきポッドであると仮定すると、外側プレート18Bの3本の受けキネマティックピン19Bが、ポッド2下面に配置された3個の位置決め穴5外寄り位置にそれぞれ嵌入された状態になっている。
【0102】
図18で参照されるように、昇降駆動装置16Cはシャフト17Cを伸長作動させることにより、外側プレート18Bによって保持したポッド2をスライド式ポッド棚131の高さまで上昇させる。
【0103】
次いで、図18に示されているように、スライド式ポッド棚131のリニアアクチュエータ95は伸長作動することによって、内側プレート18Aを外側プレート18Bの逃げ部18Cの真下に進入させる。
続いて、昇降駆動装置16Cはシャフト17Cを若干だけ下降させる。これにより、内側プレート18Aの3本の内側キネマティックピン19Aが外側プレート18Bの3本の受けキネマティックピン19Bの内側において、ポッド2の3個の位置決め穴5にそれぞれ嵌入する。つまり、外側プレート18Bはポッド2を内側プレート18Aへ受け渡した状態になる。
【0104】
次いで、スライド式ポッド棚131のリニアアクチュエータ95は短縮作動することによって、内側プレート18Aを外側プレート18Bの逃げ部18C真上から引き戻し、図19に示されているように、ポッド2をスライド式ポッド棚131に保管させる。
【0105】
ポッド2がスライド式ポッド棚131からロードポート114に供給される場合には、前述と逆の手順で、ポッド2がスライド式ポッド棚131からロードポート114に戻される。
【0106】
本実施形態によれば、ポッドを自動的に保管する保管棚を枚葉式CVD装置に付帯させることができる。
【0107】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0108】
例えば、ポッドエレベータにおいて、一対の昇降駆動装置を設けるに限らず、1台の昇降駆動装置を設けてもよい。昇降駆動装置を1台だけ使用する場合には、ガイドを使用することが望ましい。また、ポッドの支持は3点支持する方が安定するので、ガイドを2本使用してもよい。
駆動装置はエアシリンダ装置によって構成するに限らず、モータとボールネジやガイドの組み合わせ等によって構成してもよい。
【0109】
先に、最良の形態としては、略正三角形形状の内側プレートと、内側プレートよりも若干大きめの略正三角形形状の逃げ部を形成するように説明した。
このように、略正三角形形状に形成することにより、内側プレート上、外側プレート上でポッドをそれぞれ安定的に保持することができる。
しかしながら、図20に示されているような形態に形成することも適宜可能である。
要するに、内側プレートと外側プレートとが干渉することなくポッドの受け渡しができればよい。
図20(a)は内側プレートを四角形形状に形成し、外側プレートの切欠きを四角形形状に形成した例である。
図20(b)は内側プレートを馬蹄形状に形成し、外側プレートの切欠きを馬蹄形状に形成した例である。
図20(c)は内側プレートを三角形形状に形成し、外側プレートの切欠きを四角形形状に形成した例である。
このとき、ポッド搬送装置のプレート35dも内側プレートの形状に合わせると、ポッドの受け渡しが容易となる。
【0110】
前記した実施形態においては、CVD装置に適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、拡散装置やアニール装置および酸化装置等の基板処理装置全般に適用することができる。
【0111】
基板はウエハに限らず、ホトマスクやプリント配線基板、液晶パネル、コンパクトディスクおよび磁気ディスク等であってもよい。
【0112】
図21はポッドエレベータの好ましい実施例を示す斜視図である。
図22はその作用状態を示す斜視図である。
図21にされているように、ポッドエレベータ15にはカバー300が設置されている。カバー300は水平に配置された天板301と、垂直に配置されて上端辺が天板301の前端辺に固定された前板302とを備えている。天板301は昇降駆動装置16のシャフト17に固定されている。前板302は、ロードポート14を被覆可能な横幅と、シャフト17のストロークよりも大きい高さ(図30参照)とで形成されている。
昇降駆動装置16、シャフト17は1つでもよいが、2以上を所定の間隔設けて設置することが好ましい。こうすることにより、ポッドを載置した状態で天板301を安定的に昇降させることができる。
天板301には三角形の逃げ孔303がロードポート14上の保持台18に対向する部位に開設されている。逃げ孔303の三角形頂点のそれぞれにはキネマティックピン19が突設されている。したがって、天板301はポッド2下面を保持する保持部を構成しているとともに、ポッド載置部を構成している。
なお、天板301を保持部と表現し、カバー300は保持部に固定されたものであると、表現してもよい。
また、カバー300は保持部に必ずしも固定されていなくてもよい。例えば、カバー300にも駆動装置を設けて、保持部、昇降機構の作動に応じて昇降を行うようにしてもよい。
【0113】
次に、以上の構成に係るポッドエレベータの作用および効果を説明する。
便宜上、ポッド2の図示は省略するが、図21の状態から図22の状態に移行する際には、天板301は保持台18上からポッド2を掬い取る。このとき、天板301のキネマティックピン19はポッド2下面の位置決め穴5に保持台18のキネマティックピン19の外側においてそれぞれ嵌合する。
なお、通常の待機時には、天板301は保持台18より下方に位置し、保持台18がドア出し入れ口22に対し、前後する時の干渉を回避している。
図22の状態から図21の状態へ移行する際には、天板301はポッド2を保持台18上に受け渡す。
ポッドエレベータ15を被覆したカバー300はポッドエレベータ15からのパーティクルの飛散を抑制する。特に、ポッド2を天板301によりポッド搬入搬出口12近傍まで上昇させた状態では、装置正面から正面開口14Cにより、昇降駆動装置16およびシャフト17等が剥き出しになってしまうために、装置外にパーティクルを飛散させてしまう。しかし、カバー300により、このようなパーティクルの飛散を抑制することができる。
ポッドエレベータ15を被覆したカバー300は昇降駆動装置16およびシャフト17が作業空間に剥き出しになることによる作業者の危険を抑制することができる。
例えば、作業者が手作業でポッド2をボックス14Aの正面開口14C(図1参照)からロードポート14に載置する場合の昇降駆動装置16およびシャフト17への接触を、カバー300によって阻止することができる。
【0114】
図23はポッドエレベータのさらに好ましい実施例を示す斜視図である。
図24はその作用状態を示す斜視図である。
本実施例が前記実施例と異なる点は、カバー300が一対の側板304、304を有する点である。一対の側板304、304は前板302の左右両端辺にそれぞれ直角に固定されている。つまり、ポッドオープナ23がある側を除く三側面に設けられている。
本実施例によれば、カバー300がポッドエレベータ15の前方のみならず、左右側方を被覆しているので、パーティクル飛散防止効果および安全性確保効果をより一層向上させることができる。
【0115】
なお、図21〜図24に示すポッドエレベータを設置する実施例は、第一実施形態〜第五実施形態にも適用可能である。適用した場合には前述した効果を得ることができる。
【0116】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0117】
例えば、ポッド保管室の密閉性や装置外へのパーティクル飛散防止等を考慮すれば、フロントシャッタ13を設けたり、ポッド搬入搬出口12は開口サイズを小さく形成したりした方がよい。しかし、フロントシャッタ13は無くてもよい。
また、ポッド搬入搬出口12を最大限大きくして、実質的にポッドオープナ23および密閉筐体21より上方の区画壁の殆ど全てを開口してもよい。
例えば、ポッド搬送装置35がアクセス可能な高さ位置までポッドエレベータ15により保持台18(天板301)を予め上昇させておき、その位置でOHTからポッドを受け取り、保持台18を下降させてドア4の開閉動作を行うことなく、ポッド搬送装置35により保持台18からポッドを受け取るようにしてもよい。
このように運用すると、OHTの下降範囲が保持台18が上昇していた分少なくて済む。さらに、保持台18がポッドをOHTから受け取った後に、ポッド搬送装置35がアクセス可能な高さ位置まで上昇させることを必要としないため、その分、搬送時間を短縮することができる。
例えば、ポッドエレベータ15を外側プレートに載置されたポッドの少なくとも一部をロードロック室の上端より上昇させるように構成するようにして、ポッド搬送装置35を掬い上げ式とせず、掴み式としてもよい。但し、この場合、掬い上げ式に比べて搬送スペースの増大、搬送の不安定化等のデメリットを有することになる。
例えば、第一載置ユニットおよび第二載置ユニットはプレート状としなくてもよく、上面のみ平面として、下面を曲面等で形成してもよい。
マッピング装置は第一実施形態を第二実施形態、第三実施形態および第四実施形態に適用してもよいし、第二実施形態、第三実施形態および第四実施形態を第一実施形態に適用してもよい。
【0118】
なお、好ましい実施形態を付記する。
(1)複数の基板を収納し基板出し入れ口を蓋体によって塞がれた収納容器と、
前記収納容器を載置するロードポートと、
該ロードポートで前記基板出し入れ口に対する前記蓋体の着脱を行う着脱装置と、
前記ロードポートで前記収納容器を載置し前記着脱装置に対して対向方向に遠近動作を行う第一載置ユニットと、
前記第一載置ユニットとは別体として設けられ、前記ロードポートで前記収納容器を載置し前記着脱装置に対して昇降を行う第二載置ユニットと、
を備える基板処理装置。
(2)複数の基板を収納し基板出し入れ口を蓋体によって塞がれる収納容器をロードポートに搬送するステップと、
前記ロードポートで第一載置ユニットが動作し、前記第一載置ユニットに載置された前記収納容器を着脱装置に近づけるステップと、
前記第一載置ユニットに載置された前記収納容器の前記基板出し入れ口から前記蓋体を前記着脱装置が外すステップと、
前記第一載置ユニットに載置された前記収納容器の前記基板出し入れ口に前記蓋体を前記着脱装置が取り付けるステップと、
前記第一載置ユニットが動作し、前記第一載置ユニットに載置された前記収納容器を前記着脱装置から遠ざけるステップと、
第二載置ユニットを上昇させ、前記第一載置ユニットから前記第二載置ユニットに前記収納容器を受け渡すステップと、
前記収納容器に収納された前記基板を処理室に搬送するステップと、
前記基板を処理室で処理するステップと、
を有する半導体装置の製造方法。
(3)前記第二載置ユニットは前記第一載置ユニットよりも前記収納容器の底面周縁側を支持する前記(1)の基板処理装置。
(4)前記第一載置ユニットは前記第二載置ユニットよりも前記収納容器の底面中央側を支持する前記(3)の基板処理装置。
(5)前記第二載置ユニットは、前記着脱装置側の中央部に切欠きが形成されており、該切欠きに前記第一載置ユニットが位置することが可能に構成されている前記(3)の基板処理装置。
(6)前記第二載置ユニットと前記第一載置ユニットとは、前記ロードポートで一つの前記収納容器を同時に支持可能に構成されている前記(3)(4)の基板処理装置。
(7)前記収納容器を複数個収納可能な保管棚と、該保管棚と前記第二載置ユニットとの間で前記収納容器を搬送可能な搬送装置と、を備え、
該搬送装置は前記第二載置ユニットよりも前記収納容器の底面中央側を支持する保持部を備える前記(1)の基板処理装置。
(8)前記ロードポートに隣接して設けられ、前記収納容器を保管する保管室と、
該保管室に設けられ、前記収納容器を該保管室と前記第二載置ユニットとの間で、前記収納容器を搬送可能な搬送装置と、をさらに備える前記(1)の基板処理装置。
(9)前記搬送装置は前記第二載置ユニットよりも前記収納容器の底面中央側を支持する保持部を備える前記(8)の基板処理装置。
(10)前記第二載置ユニットを昇降させる昇降装置と、前記第一載置ユニットを前記着脱装置に対して対向方向に遠近動作させる移動装置と、を備える前記(1)の基板処理装置。
(11)前記第一載置ユニットおよび前記第二載置ユニットそれぞれに、複数の前記収納容器を位置決め可能な位置決め部が設けられており、前記第一載置ユニットの前記位置決め部と前記第二載置ユニットの前記位置決め部とが隣接して配置されている前記(1)の基板処理装置。
(12)前記着脱装置を囲う開閉室を備え、該開閉室は内部に不活性ガスで充填可能である前記(1)の基板処理装置。
(13)前記第二載置ユニットには、前記第二載置ユニットに載置された前記収納容器の少なくとも一部を前記開閉室の上端より高い位置まで上昇させる昇降装置が設けられている前記(12)の基板処理装置。
(14)基板を処理する処理室を備え、前記ロードポートと前記保管室と前記処理室とが順番に配置されており、該保管室に設けられ、前記ロードポートの前記第二載置ユニットに載置された前記収納容器底面にアクセス可能な搬送装置をさらに備える前記(7)の基板処理装置。
(15)前記第二載置ユニットに、前記保管室内と外との間で前記収納容器を授受する高さ位置から前記着脱装置が前記収納容器の前記基板出し入れ口の開閉を行う高さ位置まで移動可能な昇降機構が設けられている前記(7)の基板処理装置。
(16)前記開閉室に、前記収納容器内の前記基板の状態を検出可能な検出器が設けられている前記(10)の基板処理装置。
(17)前記第二載置ユニットの下部を覆うカバーを備え、該カバーは前記昇降機構の作動に応じて昇降を行う前記(13)の基板処理装置。
(18)複数の基板を収納し基板出し入れ口を蓋体によって塞がれた収納容器を、前記蓋体を着脱する着脱装置を備えたロードポートに搬送するステップと、
前記ロードポートで第二載置ユニットを上昇させて、前記着脱装置から遠ざけられた第一載置ユニットに載置された前記収納容器を、前記第一載置ユニットから前記第二載置ユニットに受け渡すステップと、
を有する収納容器の搬送方法。
(19)基板を収納し基板出し入れ口を蓋体によって塞がれた収納容器と、
筐体内と外との間で、該収納容器の搬入搬出が行われるロードポートと、
前記基板出し入れ口に対して前記蓋体の着脱を行う着脱装置と、
前記ロードポートで前記収納容器を載置し、前記着脱装置に対して昇降を行う載置ユニットと、を備え、
前記載置ユニットは前記収納容器が載置された際に、前記収納容器底面の一部であって、前記着脱装置側に空間が形成されるように切欠かれている基板処理装置。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の一実施の形態であるバッチ式CVD装置を示す一部省略斜視図である。
【図2】側面断面図である。
【図3】主要部を示す側面断面図である。
【図4】処理炉を示す縦断面図である。
【図5】ポッドオープナの作用を説明するための各一部省略側面断面図であり、(a)はドアの取外し前を示し、(b)はマッピング時を示している。
【図6】ポッドの搬入時を示す一部省略側面断面図である。
【図7】その主要部の一部省略平面図である。
【図8】ポッドを示しており、(a)は斜視図、(b)は底面図である。
【図9】本発明の第二実施形態であるバッチ式CVD装置の主要部を示す斜視図である。
【図10】本発明の第三実施形態であるバッチ式CVD装置のロードポートを示す斜視図である。
【図11】作用を説明するための各模式的側面図である。
【図12】本発明の第四実施形態であるバッチ式CVD装置のロードポートを示す斜視図である。
【図13】その外側プレートの上昇時を示す斜視図である。
【図14】リニアアクチュエータの各斜視図であり、(a)は伸長時を示し、(b)は短縮時を示している。
【図15】内側プレートの作用を説明するための各模式的側面図である。
【図16】外側プレートの作用を説明するための各模式的側面図である。
【図17】本発明の第五実施形態である枚葉式CVD装置のロードポートを示す斜視図である。
【図18】保管ステップの上昇時を示す斜視図である。
【図19】保管ステップの保管時を示す斜視図である。
【図20】内側プレートおよび外側プレートの変形例を示す各斜視図である。
【図21】ポッドエレベータの好ましい実施例を示す斜視図である。
【図22】その作用状態を示す斜視図である。
【図23】ポッドエレベータの好ましい実施例を示す斜視図である。
【図24】その作用状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0120】
1…ウエハ(基板)、2…ポッド(収納容器)、3…ウエハ出し入れ口、4…ドア(蓋体)、5…位置決め穴、6…鍔部、9…AGV(工程内搬送装置)、
10…バッチ式CVD装置(基板処理装置)、11…筐体、11a…正面壁(区画壁)、11b…ポッド保管室、12…ポッド搬入搬出口(開口部)、13…フロントシャッタ(開閉体)、14…ロードポート(収納容器搬入搬出部)、15…ポッドエレベータ(収納容器載置部昇降機構部)、16…昇降駆動装置、17…シャフト、18…保持台(収納容器載置部)、19…受けキネマティックピン(位置決め部)、
20…ロードロック室、21…密閉筐体(区画壁)、22…ドア出し入れ口(開口部)、23…ポッドオープナ(収納容器蓋体開閉部)、25…移動台、26…クロージャ、27…マッピング装置(基板状態検出部)、28…リニアアクチュエータ、29…ホルダ、30…検出子、
31…回転式ポッド棚(保管棚)、32…支柱、33…棚板、34…棚板キネマティックピン(位置決め部)、
35…ポッド搬送装置(収納容器搬送部)、35a…ポッド搬送エレベータ(収納容器昇降機構)、35b…ポッド搬送機構(収納容器搬送機構)、35c…アーム、35d…プレート、35e…プレートキネマティックピン(位置決め部)、
40…サブ筐体、40a…正面壁(区画壁)、41…ウエハ搬入口(ウエハ搬入搬出口)、42…ポッドオープナ(収納容器蓋体開閉部)、43…載置台、44…着脱機構。
45…予備室、46…ウエハ移載機構、46a…ウエハ移載装置、46b…ウエハ移載装置エレベータ、46c…ツィーザ、
47…ボート(基板保持具)、48…ボートエレベータ、49…アーム、50…シールキャップ、
51…処理炉、52…ヒータ、53…ヒータベース、54…プロセスチューブ、55…アウタチューブ、56…インナチューブ、57…処理室、58…筒状空間、59…マニホールド、
60…ノズル、61…ガス供給管、62…MFC、63…ガス供給源、64…ガス流量制御部、65…排気管、66…圧力センサ、67…圧力調整装置、68…真空排気装置、69…圧力制御部、70…回転機構、71…回転軸、72…駆動制御部、73…断熱板、74…温度センサ、75…温度制御部、76…主制御部、77…コントローラ。
31A…保管棚、33A…棚板、80…ロードロック室、81…密閉筐体、81a…背面壁、82…ドア出し入れ口、83…ポッドオープナ、84…マッピング装置、85…移動台、86…クロージャ、91…ウエハ搬入搬出口、92…ドア機構。
15B…ポッドエレベータ、95…リニアアクチュエータ、96…本体、97…ガイド、98…駆動ロッド、99…ブラケット。
16C…昇降駆動装置、17C…シャフト、
18A…内側プレート(第一載置部材、第一載置ユニット)、19A…内側キネマティックピン、
18B…外側プレート(第二載置部材、第二載置ユニット)、19B…受けキネマティックピン、18C…逃げ部。
110…枚葉式CVD装置、111…筐体、114…ロードポート(収納容器載置部)、115…ポッドエレベータ、122…ドア出し入れ口、123…ポッドオープナ、131…スライド式ポッド棚(保管棚)。
132…不活性ガス(窒素ガス)供給装置、133…排気装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板を収納し基板出し入れ口を蓋体によって塞がれた収納容器と、
前記収納容器を載置するロードポートと、
該ロードポートで前記基板出し入れ口に対する前記蓋体の着脱を行う着脱装置と、
前記ロードポートで前記収納容器を載置し前記着脱装置に対して対向方向に遠近動作を行う第一載置ユニットと、
前記第一載置ユニットとは別体として設けられ、前記ロードポートで前記収納容器を載置し前記着脱装置に対して昇降を行う第二載置ユニットと、
を備える基板処理装置。
【請求項2】
複数の基板を収納し基板出し入れ口を蓋体によって塞がれる収納容器をロードポートに搬送するステップと、
前記ロードポートで第一載置ユニットが動作し、前記第一載置ユニットに載置された前記収納容器を着脱装置に近づけるステップと、
前記第一載置ユニットに載置された前記収納容器の前記基板出し入れ口から前記蓋体を前記着脱装置が外すステップと、
前記第一載置ユニットに載置された前記収納容器の前記基板出し入れ口に前記蓋体を前記着脱装置が取り付けるステップと、
前記第一載置ユニットが動作し、前記第一載置ユニットに載置された前記収納容器を前記着脱装置から遠ざけるステップと、
第二載置ユニットを上昇させ、前記第一載置ユニットから前記第二載置ユニットに前記収納容器を受け渡すステップと、
前記収納容器に収納された前記基板を処理室に搬送するステップと、
前記基板を処理室で処理するステップと、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第二載置ユニットは前記第一載置ユニットよりも前記収納容器の底面周縁側を支持する請求項1の基板処理装置。
【請求項4】
前記第一載置ユニットは前記第二載置ユニットよりも前記収納容器の底面中央側を支持する請求項3の基板処理装置。
【請求項5】
前記第二載置ユニットは、前記着脱装置側の中央部に切欠きが形成されており、該切欠きに前記第一載置ユニットが位置することが可能に構成されている請求項3の基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2008−277764(P2008−277764A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−60765(P2008−60765)
【出願日】平成20年3月11日(2008.3.11)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】