説明

定速走行制御装置及び制御方法

【課題】オートクルーズ走行時で、降坂時のオーバーシュート量を抑制し、一定走行時の速度安定性を確保すること。
【解決手段】主制動装置B4と、複数の補助制動装置B1〜B3と、燃料噴射制御手段11と、定速走行制御を行うべく燃料噴射制御手段11をして燃料噴射量を制御せしめ且つ主制動装置B1及び複数の補助制動装置B1〜B3の作動を制御する定速走行制御手段10と、車速検出手段12と、エンジン負荷検出手段13と、を有する車両において、定速走行制御手段10は降坂時に目標車速に対して実車速が超過した場合に、最初に最も制動能力の低い補助制動装置B1を作動させ、それでも目標車速に対する実車速が超過していれば、次に制動能力の低い補助制動装置から順に作動させるべき補助制動装置B1〜B3を追加し、最後に主制動装置B4を作動させるべき制動装置に追加するように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定速走行制御装置(例えば、オートクルーズ装置)を有する車両において、オートクルーズ走行時の、特に降坂時における一定速走行の速度安定性を確保するための定速走行制御装置および制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アクセルペダル操作に無関係に、車両を一定速度で走行させるべく車両走行状態を制御するオートクルーズ機能が知られている。
係る制御では、通常PID制御(連続したアナログ量を制御するための制御方法の1種)が行われる。
従来のオートクルーズ機能は、車両質量の違いや車速に係わらず、同一のPID定数により燃料噴射量を制御しているため、例えば、貨物自動車の様に積載条件によって車両質量に大きな変化が生じた場合、とりわけ降坂時では、一定速走行の安定性が損なわれる。
【0003】
一方、大型車両等においては、規制緩和による車両総質量の増大に対処するべく、それまでのエキゾーストブレーキのみならず、様々な補助ブレーキ(各種のエンジンブレーキ、リターダ等)が開発され、そのような様々な補助ブレーキを複数装備することによって必要制動能力を確保している。
また、そのような様々な補助ブレーキを複数装備した車両で、且つオートクルーズ機能を有する車両も増えつつある。
【0004】
オートクルーズ走行では、降坂時に主ブレーキ、補助ブレーキを作動させオーバーシュート(目標車速に対する実車速の過剰分)を抑制する制御を行うものがあるが、車両質量及び車速の相違により、オーバーシュート量に差が発生してしまう。係るオーバーシュート量の差は、安定した速度を困難なものとし、安全運転にとっても支障となる。
【0005】
定速走行の過渡特性を改善して、車速の落ち込みやオーバーシュートを大幅に抑制した定速走行装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
然るに、特許文献1は、補助ブレーキ及び主ブレーキの影響が考慮されておらず、特に降坂時においては補助ブレーキ及び主ブレーキの作動によって、車速の落ち込みやオーバーシュートの適切な抑制は期待できない。
【特許文献1】特開平6‐64460号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、定速走行制御装置(例えば、オートクルーズ装置)及び複数の補助制動装置を有する車両において、オートクルーズ走行時で、降坂時におけるオーバーシュート量(目標車速に対する実車速の超過分)を抑制し、一定速走行時の速度安定性を確保することの出来る定速走行制御装置及び制御方法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の定速走行制御装置は、主制動装置(B4)と、複数の補助制動装置(B1〜B3)と、燃料噴射制御手段(エンジンコントローラ11)と、定速走行制御を行うべく前記燃料噴射制御手段(11)をして燃料噴射量を制御せしめ且つ前記主制動装置(B4)及び前記複数の補助制動装置(B1〜B3)の作動を制御する定速走行制御手段(コントロールユニット10)と、車速検出手段(12)と、エンジン負荷検出手段(13)と、を有する車両において、前記定速走行制御手段(10)は降坂時に目標車速に対して実車速が超過した場合に、最初に最も制動能力の低い補助制動装置(B1)を作動させ、それでも目標車速に対する実車速が超過していれば、次に制動能力の低い補助制動装置から順に作動させるべき補助制動装置(B1〜B3)を追加し、最後に主制動装置(B4)を作動させるべき制動装置に追加するように制御することを特徴としている(請求項1)。
【0008】
前記定速走行制御手段(10)は、定速走行制御時には車両質量を推定し、推定した車両質量と実車速とによってPID定数を決定し、該PID定数によって燃料噴射量を演算し、且つ、主制動装置(B4)及び各補助制動装置(B1〜B3)の作動車速限界値(PID定数)を求めて、該作動車速限界値(PID定数)によって当該主制動装置(B4)及び補助制動装置(B1〜B3)の作動を決定するように構成されている(請求項2)。
【0009】
前記補助制動装置(B1〜B3)は、排気ブレーキ(B1)、エンジン(1)の動弁機構部に設けられたエンジンブレーキ(エンジンリターダB2)、駆動系の一部に設けられた電磁式、流体式又は渦電流発生式のリターダ(ドライブラインリターダB3)、の内の少なくとも1つ以上を含む(請求項3)。
【0010】
本発明の定速走行制御方法は、請求項1の定速走行制御手段によって定速走行制御を行うに際して、定速走行制御時であるか否かを確認する工程(S11)と、定速走行時の場合に、実車速から目標車速を減じた値が当該補助制動装置の作動限界値以上であるか否かを判断する工程(S12〜S14)と、実車速から目標車速を減じた値が当該補助制動装置の作動限界値以上である場合に当該補助制動装置を作動させる工程(S17〜S19)と、実車速から目標車速を減じた値が主制動装置の作動限界値以上であるか否かを判断する工程(S15)と、実車速から目標車速を減じた値が主制動装置の作動限界値以上である場合に、主制動装置を作動させる工程(S20)と、を有することを特徴としている(請求項4)。
【0011】
請求項4では、補助制動装置の作動限界値を速度の閾値としているが、マップのY列を加速度の閾値としても良い。
【発明の効果】
【0012】
上述した構成及び制御方法の本発明によれば、定速走行制御手段(コントロールユニット10)は、降坂時で、目標車速に対して実車速が超過した場合に、最初に最も制動能力の低い補助制動装置(B1)を作動させ、それでも目標車速に対する実車速が超過していれば、次に制動能力の低い補助制動装置から順に作動させるべき補助制動装置(B1〜B3)を追加し、最後に主制動装置(B4)を作動させるべき制動装置に追加するように制御するので、常に必要最小限の制動力を発揮することとなり、その結果、車両質量や車速の大小に係わらず速度変動が抑制される。
速度変動の抑制は、快適運転を約束し、且つ、安全運転にも貢献する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
先ず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る定速走行制御装置の構成について説明する。
図1において、符号1はエンジンを、符号2はクラッチを、符号3はトランスミッションを、符号4は動力伝達手段であるプロペラシャフトを、符号5はディファレンシャルを、符号6は車軸を、符号7は車輪(タイヤ)を夫々示している。
【0014】
全体を符号100で示す定速走行制御装置は、定速走行制御手段であるコントロールユニット10と、燃料噴射量を制御するエンジンコントローラ11とを有している。このコントロールユニット10とエンジンコントローラ11とは一体のものでもよい。
また、定速走行制御装置100は、制御対象であって、主制動装置である主ブレーキB4と、制御対象であって、補助制動装置でありエンジン1のエキゾーストパイプ8に介装されたエキゾーストブレーキB1とエンジン1の動弁系に組み込まれたエンジンリターダ(エンジンブレーキ)B2とプロペラシャフト4に介装されたドライブラインリターダ(例えば渦電流式リターダ)B3とを含んでいる。
尚、本実施形態では、補助ブレーキの制動能力は、エキゾーストブレーキB1、エンジンリターダB2、ドライブラインリターダB3の順に高くなっている。
【0015】
更に、定速走行制御装置100は、エンジン1の燃料噴射装置9と、トランスミッション3に取り付けられた車速センサ12と、エンジン1に取り付けられたエンジン負荷センサ13及びエンジン回転センサ14を含んでいる。
【0016】
前記エキゾーストブレーキB1は、エキゾーストシャッタB11とそのエキゾーストシャッタB11の開閉を行うアクチュエータB12とで構成されている。
前記エンジンリターダB2はリタード機構(エンジンブレーキ機構)B21とリタード機構B21を作動させるアクチュエータB22とで構成されている。
【0017】
前記主ブレーキB4は、ABS仕様(ABS付き)であって、作動流体である高圧エアをエアタンクB410からブレーキ配管411を経由してブレーキ本体B42に圧送する途中で、ABSモジュレータB41によって制動(ON)・否制動(OFF)に切換えられるように構成されている。
【0018】
コントロールユニット10は、車速センサ12から車速情報を受信している。
エンジンコントローラ11は、エンジン負荷センサ13及びエンジン回転数センサ14と接続され、エンジン負荷情報及びエンジン回転数情報を受信している。
【0019】
コントロールユニット10とエンジンコントローラ11とは接続されており、互いに得た情報を共有できるように構成されている。
そして、エンジンコントローラ11は、燃料噴射装置9とも接続され、エンジン負荷情報を受信すると共にエンジンコントローラ11及び/又はコントローラ10の制御信号に基づいて燃料噴射装置9の燃料噴射量を制御できるように構成されている。
【0020】
そして、コントロールユニット10は、車速センサ12からの車速情報に基づいて、降坂時に目標車速に対して実車速が超過した場合に、最初に最も制動能力の低いエキゾーストブレーキB1を作動させ、それでも目標車速に対する実車速が超過していれば、次に制動能力の低いエンジンリターダB2を加え、まだ目標車速に対する実車速が超過していれば、次に制動能力の低いドライブラインリターダB2を追加し、最後に主制動装置(B4)を追加して作動させるように構成されている。
【0021】
本実施形態の定速走行制御装置100では、定速走行モード(オートクルーズ)中の燃料噴射量にかかわる制御(図2)と、定速走行モード(オートクルーズ)中の主ブレーキ及び補助ブレーキの制御(図3)を行っている。
【0022】
図2のフローチャートに基づいて、定速走行モード(オートクルーズ)中の燃料噴射量にかかわる制御方法を説明する。
先ず、ステップS1では、コントロールユニット10は、オートクルーズ中であるか否かを判断して、オートクルーズ中であれば(ステップS1のYES)、ステップS2に進む。オートクルーズ中でなければ(ステップS1のNO)、ステップS4に進む。
【0023】
ステップS2では、図示では省略しているが、車両が有する通常の距離測定機能と車速センサ12で検出した車速情報及び、その車速情報を微分して得られる加速度と、エンジン負荷センサ13からのエンジン負荷情報によってその時点での車両質量が推定される。或いは、公知の技術である車載した自重計によっても車両質量を推定することが出来る。そして、その推定車両質量と実車速とによってPID定数を決定する。
【0024】
詳細には、PID定数決定に際しては、図4で示すPID定数算定マップが用いられる。後述する図5〜図8は、各種補助ブレーキ及び主ブレーキ毎に用意された補助ブレーキ及び主ブレーキ作動車速偏差算出マップである。
図4(PID定数算定マップ)は横行(X行)に推定車両質量の代表値(X1〜X4)が大小順に示され、縦列(Y列)には実車速の代表値(Y1〜Y4)が大小順に示されている。また4図の太線で囲った各カラムにはそのカラムの所属するX行の推定車両質量代表値及び縦列の実車速代表値に対応するPID定数(求めるPID定数)が示されている。従って、推定車両質量と実車速を知ることによってPID定数は決定される。
尚、PID定数は定性的には、推定質量及び実車速に比例するが、定量的には、車両の仕様や制御方法等によってケース・バイ・ケースで決定される。
【0025】
図2のフローチャートに戻り、次のステップS3では、車速フィードバック制御による燃料噴射量を演算する。
一方、ステップS4ではエンジンコントローラ11からの情報によってガバナマップによる燃料噴射量を演算する。
ステップS5ではステップS3で求めた燃料噴射量と、ステップS4で求めた燃料噴射量から、最終燃料噴射量を演算し、燃料噴射装置9にこの最終燃料噴射量情報を発進する。
【0026】
ステップS6では、コントロールユニット10は、制御を終了するか否かを判断して、終了するのであれば(ステップS6のYES)そのまま終了し、制御を続行するのであれば(ステップS6のNO)、ステップS1まで戻り同様の制御サイクルを継続する。
【0027】
次に、図3のフローチャートに基づいて、定速走行モード(オートクルーズ)中の主ブレーキB4及び補助ブレーキB1〜B3の制御方法を説明する。
先ず、ステップS11では、コントロールユニット10は、オートクルーズ中であるか否かを判断して、オートクルーズ中であれば(ステップS11のYES)、ステップS12に進む。
オートクルーズ中でなければ(ステップS11のNO)、ステップS16に進み、主ブレーキB4及び全ての補助ブレーキB1〜B3を作動させないように制御した後ステップS21に進む。
【0028】
ステップS12では、コントロールユニット10は、実車速から目標車速を減じた値、即ち、速度超過分が第1の閾値以上であるか否かを判断する。ここで、第1の閾値とは、エキゾーストブレーキB1を作動させる限界値(エキゾーストブレーキ作動車速偏差)であり、図5にその限界値を求めるマップが示されている。
図5(エキゾーストブレーキ作動車速偏差算出マップ)に拠れば、横行(X行)に推定車両質量の代表値(X1〜X4)が大小順に示され、縦列(Y列)には実車速の代表値(Y1〜Y4)が大小順に示され、太線で囲った各カラムに求めるエキゾーストブレーキ作動車速偏差が示されている。
【0029】
実車速から目標車速を減じた値が第1の閾値以上でなければ(ステップS12のNO)、主ブレーキ及び全ての補助ブレーキを作動させないように制御(S16)した後、ステップS21に進む。
実車速から目標車速を減じた値が第1の閾値以上であれば(ステップS12のYES)、ステップS13に進む。
【0030】
ステップS13では、コントロールユニット10は、実車速から目標車速を減じた値が第2の閾値以上であるか否かを判断する。ここで、第2の閾値とは、エンジンリターダB2を作動させる限界値(エンジンリターダ作動車速偏差)であり、図6にその限界値を求めるマップが示されている。
図6では、図5と同様の方法で、エンジンリターダ作動に係わる実車速の限界値(エンジンリターダ作動車速偏差)が示されている。
【0031】
実車速から目標車速を減じた値が第2の閾値以上でなければ(ステップS13のNO)、エキゾーストブレーキB1のみを作動させるように制御(S17)した後、ステップS21に進む。
実車速から目標車速を減じた値が第2の閾値以上であれば(ステップS13のYES)、ステップS14に進む。
【0032】
ステップS14では、コントロールユニット10は、実車速から目標車速を減じた値が第3の閾値以上であるか否かを判断する。ここで、第3の閾値とは、ドライブラインリターダB3を作動させる限界値(ドライブラインリターダ作動車速偏差)であり、図7にその限界値を求めるマップが示されている。
図7では、図5と同様の方法で、ドライブラインリターダ作動に係わる実車速の限界値(ドライブラインリターダ作動車速偏差)が示されている。
【0033】
実車速から目標車速を減じた値が第3の閾値以上でなければ(ステップS14のNO)、エキゾーストブレーキB1とエンジンリターダB2を作動させるように制御(S18)した後、ステップS21に進む。
実車速から目標車速を減じた値が第3の閾値以上であれば(ステップS14のYES)、ステップS15に進む。
【0034】
ステップS15では、コントロールユニット10は、実車速から目標車速を減じた値が第4の閾値以上であるか否かを判断する。ここで、第4の閾値とは、主ブレーキB4を作動させる限界値(主ブレーキ作動車速偏差)であり、図8にその限界値を求めるマップが示されている。
図8では、図5と同様の方法で、主ブレーキ作動に係わる実車速の限界値(主ブレーキ作動車速偏差)が示されている。
【0035】
実車速から目標車速を減じた値が第4の閾値以上でなければ(ステップS15のNO)、エキゾーストブレーキB1とエンジンリターダB2とドライブラインリターダB3を作動させるように制御(S19)した後、ステップS21に進む。
実車速から目標車速を減じた値が第4の閾値以上であれば(ステップS15のYES)、ステップS20に進む。
【0036】
ステップS20では、主ブレーキB4を含む全ての補助ブレーキを作動させた後ステップS21に進む。そして、ステップS21では、コントロールユニット10は制御を終了するか否かを判断して、制御を終了するのであれば(ステップS21のYES)、そのまま終了する。一方、未だ、制御を続行するのであれば(ステップS21のNO)、ステップS12まで戻り、再びステップS12以降を繰り返す。
【0037】
上述した実施例では、制御パラメータを実車速としているが、実車速の代わりに車両の加速度を制御パラメータとすることも可能である。
その場合、図2のステップS2では、「推定車両質量と実車速よりPID定数を決定」とあるのが、「推定車両質量と実加速度よりPID定数を決定」と読み代える。
そして、図3のS11〜S15において、「実車速−目標車速」を「推定車両質量と実加速度より補助ブレーキおよび主ブレーキ作動車速偏差」と読み代えれば良い。すなわち、Y列の実車速を実加速度と読み代えれば良い。
【0038】
上述した様な構成及び制御方法の本発明の実施形態によれば、降坂時で、目標車速に対して実車速が超過した場合に、最初に最も制動能力の低いエキゾーストブレーキB1を作動させ、それでも目標車速に対する実車速が超過していれば、次に制動能力の低いエンジンリターダB2、ドライブラインリターダB3の順に作動させるべき補助ブレーキを追加し、最後に主ブレーキB4を追加して作動させるように制御するので、常に必要最小限の制動力を発揮することとなる。
その結果、車両質量や車速の大小に係わらず速度変動が抑制される。
速度変動の抑制は、快適運転を約束し、且つ、安全運転にも貢献することとなる。
【0039】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではなく、例えば、補助制動装置の制動能力の大きさが図示の例と異なれば、制動能力の低い順に作動させる補助制動装置を増やせばよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施形態の定速走行制御装置全体の構成を示したブロック図。
【図2】本発明の実施形態に係り、オートクルーズ中の燃料噴射量にかかわる制御方法を示したフローチャート。
【図3】本発明の実施形態に係り、オートクルーズ中の主ブレーキ及び補助ブレーキの制御方法を示したフローチャート。
【図4】本発明の実施形態に係る一般的なPID定数算定マップを示した図。
【図5】本発明の実施形態に係り、エキゾーストブレーキ作動車速偏差を算出するためのPID定数算定マップ。
【図6】本発明の実施形態に係り、エンジンリターダ作動車速偏差を算出するためのPID定数算定マップ。
【図7】本発明の実施形態に係り、ドライブラインリターダ作動車速偏差を算出するためのPID定数算定マップ。
【図8】本発明の実施形態に係り、主ブレーキ作動車速偏差を算出するためのPID定数算定マップ。
【符号の説明】
【0041】
1・・・エンジン
2・・・クラッチ
3・・・トランスミッション
4・・・プロペラシャフト
5・・・ディファレンシャル
6・・・後車軸
7・・・車輪(タイヤ)
8・・・エキゾーストパイプ
9・・・燃料噴射装置
10・・・コントロールユニット
11・・・エンジンコントローラ
12・・・車速センサ
13・・・エンジン負荷センサ
14・・・エンジン回転数センサ
B1・・・エキゾーストブレーキ
B2・・・エンジンリターダ
B3・・・ドライブラインリターダ
B4・・・主ブレーキ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主制動装置と、複数の補助制動装置と、燃料噴射制御手段と、定速走行制御を行うべく前記燃料噴射制御手段をして燃料噴射量を制御せしめ且つ前記主制動装置及び前記複数の補助制動装置の作動を制御する定速走行制御手段と、車速検出手段と、エンジン負荷検出手段と、を有する車両において、前記定速走行制御手段は降坂時に目標車速に対して実車速が超過した場合に、最初に最も制動能力の低い補助制動装置を作動させ、それでも目標車速に対する実車速が超過していれば、次に制動能力の低い補助制動装置から順に作動させるべき補助制動装置を追加し、最後に主制動装置を作動させるべき制動装置に追加するように制御することを特徴とした定速走行制御装置。
【請求項2】
前記定速走行制御手段は、定速走行制御時には車両質量を推定し、推定した車両質量と実車速とによってPID定数を決定し、該PID定数によって燃料噴射量を演算し、且つ、主制動装置及び各補助制動装置の作動車速限界値を求めて、該作動車速限界値によって当該主制動装置及び補助制動装置の作動を決定するように構成された請求項1の定速走行制御装置。
【請求項3】
前記補助制動装置は、排気ブレーキ、エンジンの動弁機構部に設けられたエンジンブレーキ、駆動系の一部に設けられたリターダ、の内の少なくとも1つ以上を含む請求項1、請求項2の何れかの定速走行制御装置。
【請求項4】
請求項1の定速走行制御手段の制御方法において、定速走行制御時であるか否かを確認する工程と、定速走行時の場合に、実車速から目標車速を減じた値が当該補助制動装置の作動限界値以上であるか否かを判断する工程と、実車速から目標車速を減じた値が当該補助制動装置の作動限界値以上である場合に当該補助制動装置を作動させる工程と、実車速から目標車速を減じた値が主制動装置の作動限界値以上であるか否かを判断する工程と、実車速から目標車速を減じた値が主制動装置の作動限界値以上である場合に、主制動装置を作動させる工程とを有することを特徴とする定速走行制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−83750(P2007−83750A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−271674(P2005−271674)
【出願日】平成17年9月20日(2005.9.20)
【出願人】(000003908)日産ディーゼル工業株式会社 (1,028)
【Fターム(参考)】