説明

洗浄装置

【課題】ブラシの寿命を長くした洗浄装置を提供する。
【解決手段】基板Wを保持する保持機構10と、基板Wを洗浄可能な洗浄ブラシ21とを備え、保持機構10に保持された基板Wに洗浄ブラシ21を当接させながら相対回転させて基板Wを洗浄するように構成された洗浄装置1において、洗浄ブラシ21を洗浄するブラシ洗浄器50を有し、このブラシ洗浄器50は、洗浄ブラシ21の表面電位を変化させて、洗浄ブラシ21の表面電位および当該洗浄ブラシ21に付着した異物の表面電位を互いに正負が同じ表面電位にすることにより、洗浄ブラシ21から異物を分離して除去するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェハ等の基板を洗浄する洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置の製造工程において、化学的機械的研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)によりウェハの表面を平坦化する工程が必須となってきている。このようなCMP処理を行った後には、スラリーに含まれていた研磨砥粒や、金属不純物等の微細な異物がウェハ上に残存するため、ウェハの洗浄が必要とされる。ウェハの洗浄を行う洗浄装置には、例えば、樹脂製の2つの洗浄用ブラシをウェハの表面および裏面に接触させながらそれぞれ回転させることにより、ウェハを洗浄する構成のものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2007−194244号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述のような洗浄装置においては、ウェハの洗浄を行ったブラシをブラシ再生用の基板に擦りつけることにより、ブラシに付着した異物(研磨砥粒や金属不純物等の微粒子)を除去してブラシを再生させていたため、ブラシの寿命が短くなる一因となっていた。
【0004】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、ブラシの寿命を長くした洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような目的達成のため、本発明に係る洗浄装置は、基板を保持する保持機構と、前記基板を洗浄可能なブラシとを備え、前記保持機構に保持された前記基板に前記ブラシを当接させながら相対移動させて前記基板を洗浄するように構成された洗浄装置において、前記ブラシを洗浄するブラシ洗浄器を有し、前記ブラシ洗浄器は、前記ブラシの表面電位を変化させて、前記ブラシの表面電位および前記ブラシに付着した異物の表面電位を互いに正負が同じ表面電位にすることにより、前記ブラシから前記異物を分離して除去するようになっている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ブラシの寿命を長くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明を適用した洗浄装置1の概略構成を図1および図2に示す。この洗浄装置1は、半導体ウェハ等の円板形の基板Wを洗浄するための装置であり、基板Wを回転可能に保持する保持機構10と、洗浄ブラシ21が装着された洗浄ブラシヘッド20と、洗浄ブラシヘッド20を駆動するヘッド駆動機構30と、基板Wの表面に洗浄液を供給する洗浄液供給装置40と、基板Wの表面に純水を供給する純水供給装置45と、洗浄ブラシ21の洗浄を行うブラシ洗浄器50とを主体に構成される。
【0008】
保持機構10は、基板Wに対してそれぞれ等間隔(90度間隔)に配設された第1〜第4のチャックローラ11〜14と、第2のチャックローラ12と第3のチャックローラ13との間に配設された回転ローラ15とを有して構成され、第1〜第4のチャックローラ11〜14がそれぞれ基板Wの外周端部近傍を支持することにより、基板Wが略水平な状態で回転可能に保持される。基板Wの外周端部と接触する回転ローラ15は、図示しない電気モータと連結されており、電気モータの回転駆動力を受けて回転するようになっている。そして、回転ローラ15に対する回転駆動力は、基板Wと回転ローラ15との間の摩擦力を利用して基板Wに伝達され、これにより、回転ローラ15の回転駆動力を利用して基板Wが回転駆動されるようになっている。
【0009】
洗浄ブラシヘッド20は、図2に示すように、基板Wの表面を洗浄する洗浄ブラシ21と、洗浄ブラシ21を保持して回転可能なヘッド部材22とを有して構成される。洗浄ブラシ21は、樹脂等の高分子材料を用いて円盤状(ディスク状)に形成され、表面(下面)側で基板Wの表面洗浄を行う。ヘッド部材22は、洗浄ブラシ21よりも若干大きい外径を有する円盤状に形成され、下面側に洗浄ブラシ21が着脱可能に装着される。また、ヘッド部材22の上端部は、スピンドル25を介してヘッド回転機構31と連結されており、ヘッド部材22および洗浄ブラシ21が水平状態で保持されるとともに、ヘッド回転機構31の回転駆動力を受けて、ヘッド部材22とともに洗浄ブラシ21が回転駆動されるようになっている。
【0010】
ヘッド駆動機構30は、洗浄ブラシヘッド20(洗浄ブラシ21)を水平面内で回転させるヘッド回転機構31と、ヘッド回転機構31とともに洗浄ブラシヘッド20を水平方向に移動させるヘッド移動機構32とを有して構成される。ヘッド回転機構31は、図示しない電気モータ等を主体に構成され、スピンドル25を介して洗浄ブラシヘッド20(洗浄ブラシ21)を回転駆動する。ヘッド移動機構32は、保持機構10およびブラシ洗浄器50の上方に対向して設けられ、ヘッド回転機構31と連結された洗浄ブラシヘッド20を、昇降可能に且つ、保持機構10の上方に位置して基板Wを洗浄可能な洗浄位置Aとブラシ洗浄器50の上方に位置して洗浄ブラシ21を洗浄可能なリフレッシュ位置Bとの間で水平移動(往復移動)可能に構成される。
【0011】
洗浄液供給装置40は、図1に示すように、図示しない管路を介して保持機構10の上方に配設された洗浄液供給ノズル41から、基板Wを洗浄するための洗浄液を基板Wの表面に滴下して供給する。洗浄液供給装置40から供給される洗浄液として、例えばクエン酸水溶液(約pH5)が用いられる。純水供給装置45は、図示しない管路を介して保持機構10の上方に配設された純水供給ノズル46から、洗浄後の基板Wに残留した洗浄液を除去するための純水を基板Wの表面に滴下して供給する。
【0012】
ブラシ洗浄器50は、リフレッシュポット51と、リフレッシュ液供給装置55とを有して構成される。リフレッシュポット51は、洗浄ブラシ21およびヘッド部材22よりも外径の大きい有底円筒状に形成され、ヘッド移動機構32によりリフレッシュ位置Bに移動した洗浄ブラシヘッド20を下降させると、リフレッシュポット51内に洗浄ブラシ21が収容されるようになっている。リフレッシュポット51には、リフレッシュ液供給管56を介してリフレッシュ液供給装置55が接続されており、リフレッシュ液供給装置55からリフレッシュポット51内に、洗浄ブラシ21を洗浄するためのリフレッシュ液Fが供給されて貯留されるようになっている。リフレッシュ液供給装置55から供給されるリフレッシュ液Fとして、例えば水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液(約pH12)が用いられる。
【0013】
また、リフレッシュポット51には純水供給管52が接続されており、純水供給装置45からリフレッシュポット51内に、洗浄後の洗浄ブラシ21に残留したリフレッシュ液Fを除去するための純水が供給されて貯留されるようになっている。そのため、ヘッド移動機構32によりリフレッシュ位置Bに移動した洗浄ブラシヘッド20をリフレッシュポット51内に下降させると、リフレッシュポット51内に貯留されたリフレッシュ液Fもしくは純水に洗浄ブラシ21を浸漬させることが可能になる。なお、リフレッシュポット51の底部には、図示しない排水弁が設けられており、リフレッシュポット51内に貯留された液体(リフレッシュ液Fもしくは純水)を外部に排出して、リフレッシュポット51内に貯留される液体を入れ替えることができるようになっている。
【0014】
以上のように構成される洗浄装置1を用いて基板Wの洗浄を行うには、まず、ブラシスクラブ洗浄処理を行う。このブラシスクラブ洗浄処理では、ヘッド移動機構32により洗浄ブラシヘッド20を洗浄位置Aに移動させて、洗浄ブラシ21を保持機構10に保持された基板Wの上方に対向させ、保持機構10により基板Wを回転させるとともに、ヘッド回転機構31により洗浄ブラシヘッド20(洗浄ブラシ21)を回転させながら、洗浄ブラシヘッド20を下降させて洗浄ブラシ21を基板Wに当接させる。そして、洗浄液供給装置40を用いて洗浄液供給ノズル41から基板Wの表面(上面)に洗浄液を供給しながら、洗浄ブラシ21を基板Wの表面に当接させた状態で回転させることにより、基板Wの洗浄が行われる。
【0015】
このようにしてブラシスクラブ洗浄処理を行った後、ブラシリフレッシュ処理を行う。このブラシリフレッシュ処理では、ヘッド移動機構32により洗浄ブラシヘッド20をリフレッシュ位置Bに移動させて洗浄ブラシ21をリフレッシュポット51の上方に対向させ、ヘッド回転機構31により洗浄ブラシヘッド20(洗浄ブラシ21)を回転させながら、洗浄ブラシヘッド20を下降させてリフレッシュポット51内に貯留されたリフレッシュ液Fに洗浄ブラシ21を浸漬させる。なお、リフレッシュポット51内に貯留されるリフレッシュ液Fは、リフレッシュ液供給装置55からリフレッシュ液供給管56を介してリフレッシュポット51内に供給される。
【0016】
ところで、基板Wの洗浄を行った洗浄ブラシ21の表面には、図3(a)に示すように、研磨砥粒や金属不純物等といった微細な異物Bが付着する。基板Wの等電位点をpH2とし、異物Bの等電位点をpH3とし、洗浄ブラシ21の等電位点をpH6としたとき、図4に示すように、水素イオン濃度(pH)がpH2以下もしくはpH6以上の条件でブラシスクラブ洗浄処理を行なうと、基板Wと異物Bの表面電位は互いに正負が同じ表面電位となり、異物Bと洗浄ブラシ21の表面電位も互いに正負が同じ表面電位となるため、基板Wと異物Bとの間に生じる斥力およびブラシスクラブによる機械的効果の2つの効果により、基板W上から異物Bを除去することが可能である。
【0017】
さらに、水素イオン濃度(pH)がpH3〜pH6の範囲でブラシスクラブ洗浄処理を行なうと、基板Wと異物Bの表面電位は互いに正負が同じ表面電位となり、異物Bと洗浄ブラシ21の表面電位は互いに正負が異なる表面電位となるため、基板Wと異物Bとの間に生じる斥力およびブラシスクラブによる機械的効果、さらには異物Bと洗浄ブラシ21との間に生じる引力の3つの効果により、基板W上から異物Bを効果的に除去することができる。このとき、図3(a)に示すように、異物Bと洗浄ブラシ21との間に生じる引力のため、洗浄ブラシ21の表面に異物Bが付着して蓄積されることとなるが、異物Bと洗浄ブラシ21との間に斥力が生じるpH3以下もしくはpH6以上の条件で洗浄ブラシ21をリフレッシュ(ブラシリフレッシュ処理)することにより、図3(b)に示すように、洗浄ブラシ21の表面に蓄積した異物Bを洗浄ブラシ21からリフレッシュ液F中に分離して除去することが可能である。
【0018】
なお、水素イオン濃度(pH)がpH2〜pH3の範囲でブラシスクラブ洗浄処理を行なうと、基板Wと異物Bとの間に引力が生じるため、ブラシスクラブによる機械的効果により基板W上から異物Bが引き離されたとしても、当該引き離された異物Bが基板Wに再付着し、洗浄効率が悪いことが予想される。
【0019】
なお、基板W、異物B、および洗浄ブラシ21の表面電位は、基板W上もしくは洗浄ブラシ21の表面に供給する液体(すなわち、洗浄液やリフレッシュ液、リンス水等)の水素イオン濃度(pH)を変化させることにより制御する。また、このような液体に含まれる電解質や界面活性剤の種類と濃度によっても制御することができる。
【0020】
また、洗浄ブラシ21の等電位点は、洗浄ブラシ21の材質(例えば、高分子に含まれる酸性基(例えば、カルボキシル基)と塩基性基(例えば、アミノ基や水酸基)の配合比率)により制御することも可能である。また、洗浄ブラシ21としてポリビニルアルコールをホルマール化したPVAスポンジブラシを用いる場合には、ホルマール化度によっても等電位点を制御することができる。
【0021】
このように、リフレッシュ液Fに洗浄ブラシ21を浸漬させて、洗浄ブラシ21から異物B(研磨砥粒や金属不純物等の微粒子)をリフレッシュ液F中に分離した後、図示しない排水弁によりリフレッシュポット51内に貯留されたリフレッシュ液Fを外部に排出してから、純水供給装置45により純水供給管52を介してリフレッシュポット51内に純水を供給し、リフレッシュポット51内に貯留した純水に洗浄ブラシ21を浸漬させる。これにより、洗浄後の洗浄ブラシ21に残留したリフレッシュ液Fが除去される(すなわち、純水により洗浄ブラシ21の表面がリンスされる)。
【0022】
また、ブラシリフレッシュ処理と平行して、スプレーリンス処理およびスピンドライ処理が行われる。スプレーリンス処理では、保持機構10により基板Wを回転させながら、純水供給装置45を用いて純水供給ノズル46から基板Wの表面(上面)に純水を供給する。これにより、洗浄後の基板Wに残留した洗浄液が除去される(すなわち、純水により基板Wの表面がリンスされる)。スプレーリンス処理の後、スピンドライ処理が行われ、このスピンドライ処理では、保持機構10により基板Wを高速で回転させ、基板Wに付着した液体(純水等)を飛ばして基板Wを乾燥させる。
【0023】
この結果、本実施形態の洗浄装置1によれば、ブラシ洗浄器50が、洗浄ブラシ21の表面電位を変化させて、洗浄ブラシ21の表面電位および洗浄ブラシ21に付着した異物Bの表面電位を互いに正負が同じ表面電位にすることにより、洗浄ブラシ21から異物Bを分離して除去するため、洗浄ブラシ21に大きなダメージを与えることなく洗浄ブラシ21から異物Bを除去することができ、洗浄ブラシ21の寿命を長くすることが可能になる。
【0024】
またこのとき、リフレッシュ液供給装置55およびリフレッシュポット51を用いて、リフレッシュ液Fを洗浄ブラシ21の表面に供給して洗浄ブラシ21の表面電位を変化させ、洗浄ブラシ21の表面電位および異物Bの表面電位を互いに正負が同じ表面電位にすることにより、洗浄ブラシ21から異物Bをリフレッシュ液F中に分離して除去することが好ましく、このようにすれば、簡便な構成で洗浄ブラシ21から異物Bを除去することが可能になる。
【0025】
なお、本願の発明者は、本実施形態に関する実験を行っている。この実験ではまず、基板Wとして直径φ300mmのシリコンウェハを実験室内に暴露し、0.2μm以上の異物を10000〜50000個付着させた汚染サンプルを製作した。次いで、本実施形態の洗浄装置1を用いて汚染サンプルを洗浄し乾燥させた。そして、ウェハ異物検査器(図示せず)を用いて洗浄前後における0.2μm以上の異物の数を測定することにより、洗浄による異物の除去率を求めた。
【0026】
この実験では、ブラシリフレッシュ処理を行わずに汚染サンプル10枚を連続して洗浄する場合(以下、実験1と称する)と、汚染サンプル1枚を洗浄する毎にブラシリフレッシュ処理を行ないながら、汚染サンプル10枚を洗浄する場合(以下、実験2と称する)とで、異物の除去率を比較した。
【0027】
なお、実験1および実験2で行われるブラシスクラブ洗浄処理は、同じ処理条件であり、次に示すような条件でブラシスクラブ洗浄処理を行った。
【0028】
洗浄ブラシの回転数 :500rpm
ウェハの回転数 :20rpm
洗浄液 :クエン酸水溶液(約pH5)
洗浄液流量 :1000ml/min
処理時間 :120sec
【0029】
また、実験1および実験2で行われるスプレーリンス処理は、同じ処理条件であり、次に示すような条件でスプレーリンス処理を行った。
【0030】
ウェハの回転数 :20rpm
リンス液 :純水
リンス液流量 :1000ml/min
処理時間 :120sec
【0031】
また、実験1および実験2で行われるスピンドライ処理は、同じ処理条件であり、次に示すような条件でスピンドライ処理を行った。
【0032】
ウェハの回転数 :1500rpm
処理時間 :120sec
【0033】
そして、実験2で行われるブラシリフレッシュ処理は、次に示すような条件で処理を行った。
【0034】
洗浄ブラシの回転数 :10rpm
リフレッシュ液 :水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液(約pH12)
リフレッシュ液流量 :100ml/min
処理時間 :120sec
【0035】
なお、異物Bと洗浄ブラシ21の等電位点は不明であるが、一般にpHを十分大きくすることで、物体の(すなわち、異物Bおよび洗浄ブラシ21の)表面電位は負(−)の表面電位になると考えられる。図5は、実験1および実験2における処理枚数と異物の除去率を示している。この図5から、洗浄ブラシ21と異物Bとの間に斥力が生じるpH領域のリンス水(リフレッシュ液)を用いて、洗浄ブラシ21に堆積した異物Bを除去することにより、洗浄ブラシ21の異物除去性能を維持できることがわかる。
【0036】
なお、上述の実施形態において、図2の二点鎖線で示すように、リフレッシュポット51の底部近傍に、異物捕集用の板状の回収部材60を設け、この回収部材60の表面電位が異物Bの表面電位と正負が異なる表面電位となるように制御することで、洗浄ブラシ21からリフレッシュ液F中に分離された異物Bを回収部材60に付着させるようにしてもよい。このようにすれば、回収部材60に異物Bが付着してリフレッシュ液F中に異物Bが残留しないため、洗浄ブラシ21から異物Bを効果的に除去することができる。なお、回収部材60に異物Bが蓄積した場合、例えば薬液を用いて、回収部材60の表面電位が異物Bの表面電位と正負が同じ表面電位となるように制御し、当該薬液をリフレッシュポット51から排出するようにすれば、回収部材60に蓄積した異物Bを除去して回収部材60を繰り返し使用することが可能になる。
【0037】
また、上述の実施形態において、洗浄ブラシ21が円盤状(ディスク状)に形成されているが、これに限られるものではなく、例えば、円筒状に形成されていてもよく、球形に形成されていてもよい。
【0038】
また、上述の実施形態において、リフレッシュポット51に貯留されたリフレッシュ液Fに洗浄ブラシ21を浸漬させることで、洗浄ブラシ21から異物Bを分離して除去しているが、これに限られるものではなく、例えば、保持機構10から基板Wを取り除いた状態で、洗浄ブラシヘッド20を前述の洗浄位置Aに位置させたまま、洗浄ブラシ21の表面に前述のリフレッシュ液Fを吹きかけるようにすることで、洗浄ブラシ21から異物Bを除去するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る洗浄装置の平面図である。
【図2】本発明に係る洗浄装置の側面図である。
【図3】洗浄ブラシヘッドの拡大図である。
【図4】表面電位と引力もしくは斥力との関係を示す図である。
【図5】異物の除去率を示すグラフである。
【符号の説明】
【0040】
W 基板
B 異物 F リフレッシュ液
1 洗浄装置 10 保持機構
20 洗浄ブラシヘッド
21 洗浄ブラシ 22 ヘッド部材
50 ブラシ洗浄器
51 リフレッシュポット 55 リフレッシュ液供給装置
60 回収部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持する保持機構と、前記基板を洗浄可能なブラシとを備え、前記保持機構に保持された前記基板に前記ブラシを当接させながら相対移動させて前記基板を洗浄するように構成された洗浄装置において、
前記ブラシを洗浄するブラシ洗浄器を有し、
前記ブラシ洗浄器は、前記ブラシの表面電位を変化させて、前記ブラシの表面電位および前記ブラシに付着した異物の表面電位を互いに正負が同じ表面電位にすることにより、前記ブラシから前記異物を分離して除去することを特徴とする洗浄装置。
【請求項2】
前記ブラシ洗浄器は、前記ブラシの表面電位を変化させるための液体を前記ブラシの表面に供給する液体供給装置を有し、
前記液体供給装置により前記液体を前記ブラシの表面に供給して前記ブラシの表面電位を変化させ、前記ブラシの表面電位および前記異物の表面電位を互いに正負が同じ表面電位にすることにより、前記ブラシから前記異物を前記液体中に分離して除去することを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記ブラシ洗浄器は、前記ブラシから前記液体中に分離された前記異物を付着させる回収部材を有し、
前記回収部材の表面電位は、前記液体中に分離された前記異物の表面電位と正負が異なる表面電位であることを特徴とする請求項2に記載の洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−277811(P2009−277811A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−126581(P2008−126581)
【出願日】平成20年5月14日(2008.5.14)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】