説明

画像形成装置

【課題】 ポリゴンミラー駆動手段への電源が、何らかの理由で遮断されたことによる画像形成装置の異常状態を容易に判別することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 供給電源レベル検出部304にて、電源供給部301からの+24V電圧と、ポリゴンモータ駆動部303からのポリゴンモータの状態信号(ポリゴンモータレディ信号:XCRDY)及びCPU306からのカウント設定値を入力する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンタ等の画像形成装置に関し、特に、画像形成装置が備えるポリゴンミラーの制御を行う画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のレーザプリンタ等の画像形成装置は、画像データに応じてレーザダイオードをオン・オフ発光させると共に、その画像データの解像度(記録密度)に応じた回転数でポリゴンモータを回転させることにより、レーザダイオードから射出されるレーザ光をポリゴンモータによって回転されるポリゴンミラーによって偏光走査し、予め帯電された感光体上に照射して画像形成を行う。
【0003】
このような画像形成装置では、ポリゴンモータを駆動して所定時間経過した後、回転数が安定したかどうか判断するため、その回転数の異常(エラー)の有無をポリゴンモータに流れる電流値等によってチェックし、モータロック等の異常を検知した時にはそのエラー処理を行うようにしている。
【0004】
また、ポリゴンモータの制御を行う発明として、以下に示す技術が開示されている。
特許文献1に記載の発明は、温度センサにより検出された露光ユニットの周囲温度を所定温度と比較し、高いときはポリゴンモータの動作環境が所定レベルより良好であると判定し、判定許容時間を短い値に設定する。さらに、モータ駆動回路への駆動制御信号の出力時点からの経過時間が判定許容時間に達するまでは異常判定を行わないもので、ポリゴンモータ制御に関して、周囲温度、経過時間を判定条件とした異常判定制御を行っている。
【0005】
特許文献2に記載の発明は、電装品に電力が供給されるか否かを制御する電力供給制御部と、該電力供給制御部に制御信号を出力する電装品制御部と、電装品の通電状態を監視することによって、予め設定された時間より長い時間通電状態のときシステムをリセットする。さらにこのリセットは、該当する電装品が正常動作状態になるまで繰り返すが、予め設定したリセット回数に達しても回復しない場合には、システムの電源を遮断するもので、設定時間の比較によってシステムの電源の遮断制御を行っている。
【0006】
特許文献3に記載の発明は、タイミング変更手段が、回転異常検知手段によるポリゴンモータの回転数の異常を検知するタイミングをその回転数に応じて異ならせる。なお、ポリゴンモータの回転を停止させる際に、その回転数に応じてその回転を直ちに停止させるか減速させてから停止させるかを判断し、減速させてから停止させる場合にはその回転数の異常検知を禁止することもできる。
【0007】
特許文献4に記載の発明は、スタンバイ時には印加電圧12V、回転数N3に制御されている駆動モータはコピー操作時、先ず、第1のポリゴンの駆動モータに電圧が印加され、24Vに上昇、回転数を書き込み時の回転数がN5となる。その間、検知装置が電圧を検知し、18Vを検知すると制御装置に検知信号を出力、制御装置は第2のポリゴンに電圧の印加信号を出力して駆動モータを起動させる。同様に、第2のポリゴンの電圧が18Vになると、第3のポリゴンの駆動モータを起動させ、第3のポリゴンの電圧が18Vとなると、第4のポリゴンを起動させて、順次各ポリゴンミラーの回転を書き込み時の回転数まで上昇させる。駆動モータの起動タイミングのタイムラグによる、消費電力の省力化、および、制御機構の確実化によるファーストコピーの操作時間への影響がなくなるというものである。
【0008】
特許文献5に記載の発明は、ミラーを取り付けた回転部材がモータによって回転駆動される光偏光装置において、ポリゴンモータの温度を検知するための温度センサとポリゴンモータを冷却するためのファンと、温度センサからの検出温度に基づき、ファンの回転数を制御するファン制御部とを備えたものである。この構成によって、空冷によるポリゴンモータの冷却効率を高めて、温度上昇を少なくすることができ、しかも過剰にファンを高速回転すること等による必要以上の電力使用を抑制することができるものである。
【0009】
特許文献6に記載の発明は、装置本体に取り付けられたメカスイッチがプロセスカートリッジに付設された作動片によって入力されることによりプロセスカートリッジの有無を検知し、有りが検知された時のみ、開閉カバーを閉じ、像担持体駆動ギアにより感光ドラムを回転させて、装置本体とNVRAM間のコネクタの接続を確実にして、NVRAM自体の異常検出を行うものである。
【特許文献1】特開2003−259677号公報
【特許文献2】特開2002−64927号公報
【特許文献3】特開平7−294839号公報
【特許文献4】特開平8−156316号公報
【特許文献5】特開2003−90976号公報
【特許文献6】特開2000−3115号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記に挙げた特許文献1〜6に記載の技術では、ポリゴンモータ制御における周囲温度、経過時間、回転数、印加電圧の変動状態、および電装品等に対する異常判定ではあるものの、ポリゴンモータに供給される外部からの電源の遮断状態そのものを監視・検出する機能は無く、例えば、電源供給手段からポリゴンモータへの電源(通常+24V)が何らかの要因により遮断された場合は、ポリゴンモータ駆動手段は動作不能となり、その結果、ポリゴンモータからの状態信号(例えばポリゴンロック信号)が非アクティブ状態となってシステムにエラー発生が通知されてしまう。さらに、このエラー状態は、電源供給源の都合によって発生したものであるにも関わらず、ポリゴンモータ駆動手段からのエラー(ポリゴンモータロック異常)表示となるため、エラー発生原因の特定が困難になる可能性があった。
【0011】
さらに、特許文献6に記載されている発明では、プロセスカートリッジが完全に装着されていない状態のとき、その状態を検出して装置の動作を停止、かつ外部へ通達する手段を開示しているが、NVRAMの異常のみの検出であるため、他のユニットに対する制御がなされていないのが現状であった。
【0012】
本発明は係る問題に鑑みてなされたもので、ポリゴンミラー駆動手段への電源が、何らかの理由で遮断されたことによる画像形成装置の異常状態を容易に判別することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像形成装置は、レーザ光を制御するレーザ駆動手段と、レーザ駆動手段に上位装置からの画像データを転送制御する画像データ転送制御手段と、レーザ光源からのレーザ光を反射するポリゴンミラーと、該ポリゴンミラーを回転制御するためのポリゴンモータを駆動させるポリゴンモータ駆動手段と、該ポリゴンモータ駆動手段に電源を供給する電源供給手段を備えた電子写真方式を用いて作像を行う画像形成装置において、電源供給手段がポリゴンモータ駆動手段に供給する供給電源の電圧レベルを検出する供給電源レベル検出手段を有し、供給電源が遮断された時の状態を示す任意の幅、任意の数を有するパルス信号を供給電源レベル検出手段に与えることを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置であって、パルス信号は、ポリゴンモータ駆動手段に供給されるクロック信号に同期して生成され、レーザ駆動手段に出力されることを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の画像形成装置であって、供給電源レベル検出手段に与えられるパルス信号の任意の幅、任意の数を任意の設定量に設定することができることを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の画像形成装置であって、画像形成装置に接続された外部入力手段によって、供給電源レベル検出手段に与えられるパルス信号の任意の幅、任意の数を任意の設定量に設定することができることを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項1または2記載の画像形成装置であって、パルス信号は、ポリゴンモータ駆動手段から出力されるポリゴンモータの状態信号に重畳して、レーザ駆動手段に出力されることを特徴とする。
【0018】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の画像形成装置であって、ポリゴンモータ駆動手段から出力される状態信号に重畳されたパルス信号が、固有の周期で検出された時には、ポリゴンモータ駆動手段の異常とみなさないこととすることを特徴とする。
【0019】
請求項7記載の画像形成装置は、請求項1から6の画像形成装置において、現像剤を収容する現像剤容器と、潜像を担持する潜像担持体に対向配設され現像剤容器からの現像剤を担持しながら潜像担持体に供給する現像剤担持体とを備え、潜像担持体が現像剤担持体からの現像剤を付与されることにより潜像を現像剤像として可視化する現像装置を有し、現像剤担持体および現像剤容器を含めた一体の装置が画像形成装置に対して着脱自在になっており、現像剤担持体および現像剤容器を含めた一体の装置の着脱動作の有無を検知する着脱検知手段と、着脱検知手段によって現像剤担持体および現像剤容器を含めた一体の装置の着脱動作が検知された際の状態を示す状態信号をポリゴンモータを駆動させるポリゴンモータ駆動手段に供給する供給電源の電圧レベルを検出する供給電源レベル検出手段に与えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
以上の説明から、本発明の画像形成装置は、ポリゴンモータ駆動手段に供給される供給電源が遮断されたときの状態を示す任意の幅、任意の数のパルス信号をポリゴンモータ駆動手段に供給する供給電源の電圧レベルを検出する供給電源レベル検出手段に与えることで、ポリゴンモータ駆動手段への電源が、何らかの理由で遮断されたことによる画像形成装置の異常状態を容易に判別することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、デジタルフルカラー複写機の制御装置の構成を示したブロック図である。
まず、各ブロックの機能を説明する。
FAX I/F101は、FAXアプリケーションからのI/Fで、FAX送受信データの受け渡しのインターフェース部分である。FAX制御部102は、FAX I/F101からの送受信データを、各FAXの通信仕様等に合わせた処理を行う。ホストI/F103は、ホスト、あるいはネットワークからの画像の受け渡しを行う。プリンタ制御部104は、ホストI/F103からのデータをコントローラを介して処理を行う。原稿読取部105は、原稿を原稿台あるいはADF(Auto Document Feeder)から読み取る。入力画像処理部106は、原稿読取部105で読み取った原稿を入力処理する。キー操作部107は、本デジタルフルカラー複写機におけるアプリケーション選択、プリント枚数、用紙サイズ、拡大/縮小、ユーザプログラム(UP)、サービスプログラム(SP)の各選択/設定キー、その他の各設定と、設定モードのクリア、動作スタート/停止を行うための各種キーを含む。主制御部108は、複写機本体の各アプリケーションからのデータの受け渡しを総括制御でCPUを始めとした各周辺アプリケーションを制御する制御回路との通信、タイミング制御、コマンドI/Fを司る。メモリ部109は、FAX制御部102、プリンタ制御部104、入力画像制御部106からの画像データを記憶させておく。書き込み制御部110は、主制御部108からの画像データに対し、転写紙サイズに合わせた画像領域の設定、およびLD変調を行って複写機のエンジン部分に渡す。画像印字部111は、感光体(OPC)、中間転写ベルト等の転写を経由して転写紙に画像を印字して定着出力し、キー操作部107からの信号に応じて各部を制御し、主制御部108からの命令信号により印字動作を開始させる。
【0022】
なお、本発明における実施例に適用されるのは、FAX制御部102、プリンタ制御部104、入力画像処理部106,キー操作部107、主制御部108、書き込み制御部110に対してである。
例えば、コピー動作の場合、書き込み制御部110の機能は、まず主制御部108から入力画像処理部106からの画像データを書き込み制御部110に転送、転送された画像データに基づいて画像印字部111を駆動し画像データを印字する。この動作を、書き込み制御部110(図2に示すフルカラーの書き込みユニット)によって、主走査、及び副走査方向に繰り返すことで複数枚数の印字を続ける。
【0023】
図2は、デジタルフルカラープリンタのエンジン部の構成を示した図である。
図2に示すエンジン部は、書き込みユニット201と現像器202、帯電ブラシ203、除電204、感光体クリーニング205、中間転写ベルト206、クリーニングブラシローラ207、1次転写ブラシ208、給紙トレイ209、2次転写ローラ210、定着ユニット211、分岐ユニット212、両面機213から構成されている。
【0024】
書き込みユニット201から露光されるレーザ光によって感光体ベルト上に潜像を形成し、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック各色の現像器202によりトナー現像を行う。また、帯電ブラシ203、除電204、感光体クリーニング205によって、感光体の除/帯電を行う。
【0025】
この後、中間転写ベルト206、クリーニングブラシローラ207、1次転写ブラシ208によって中間転写を行い、給紙トレイ209から給紙された用紙を2次転写ローラ210で搬送し、画像を形成する。形成された画像は、定着ユニット211により熱定着が行われ、分岐ユニット212を通り、本体への排紙、もしくは両面機213へのいずれかの排紙経路を通る。
【0026】
以上の一連の動作によって、ホストからコントローラ102を介して入力した印字データを基づいた印刷が行われる。なお、2色以上のカラー印字の場合は、上記一連の動作を各色に繰り返して行う。
【0027】
次に、図3を参照して、本発明の実施例を説明する。
まず、電源供給部301により画像データ転送制御部302を介してポリゴンモータ駆動部303に一般的に使用される+24Vの電源が供給される。このとき、電源供給部301には、+24V出力段に以上電圧検出時に機能するヒューズが実装されている。ここで、画像データ転送制御部302は、図1の主制御部108とその機能が等価である。
【0028】
一方、LD駆動部305には、図1で示した書き込み制御部110が含まれ、ポリゴンモータ駆動部303へのクロック(PMCLK)、ポリゴンモータ駆動制御信号(PMON)を出力する。さらに、上位装置(FAX、プリンタ等)309から転送された画像データが、画像データ転送制御部302内の画像処理部307にて所定の処理を施されて、LD駆動部305に転送される。
【0029】
このとき、供給電源レベル検出部304にて、電源供給部301からの+24V電圧と、ポリゴンモータ駆動部303からのポリゴンモータの状態信号(ポリゴンモータレディ信号:XSCRDY(Xは“Low”アクティブの意))、及びCPU306からのカウント設定値を入力する構成とする。
【0030】
次に、図4を参照して、図3に示す供給電源レベル検出部304の内部回路の詳細を説明する。
この一例では、+24V電圧を市販されている三端子レギュレータを用いて+5V出力を得る構成を示している。
なお、+5Vは汎用のTTL ICの動作電圧に相当する値であり、後段のイネーブル端子付きバイナリカウンタのイネーブル端子に接続される。また、入力データDnは、任意の設定値が入力される。
【0031】
ここで、ポリゴンモータが動作中で、XSCRDY信号がアクティブ状態のときに、電源供給部301からの+24V電圧が画像形成装置における何らかの理由でヒューズ断(+24V遮断)となった場合、三端子レギュレータ出力が0Vとなるような回路構成にしておくことで、後段のイネーブル端子が“H”レベルとなり、バイナリカウンタが動作可能状態となる。
【0032】
その際、予め設定されたロードデータの値に従って、カウンタ出力Q1,Q2,・・・が各々出力されるため、任意の出力信号を元のXSCRDY信号とで論理を取る(この場合は排他的論理和:EXOR)。このように、カウンタの出力ビットを任意に決定(ここではQ3出力を結線)することによって、図5に示すような任意の幅にてカウンタの出力が得られる。
【0033】
一方、カウンタ出力のパルス数に関しては、電源供給部301内部の+24Vの断線状態をCPU306で検出し、CPU306から任意のタイミングでカウント停止信号(この実施例では“L”レベル信号)を与えることで、カウンタの動作を停止させれば、出力パルスの数を制御することができる。
これにより、任意の幅、および数のパルス信号を生成することが可能となる。
【0034】
次に、パルス信号をポリゴンモータ駆動手段に供給されるクロックに同期して生成し、レーザ駆動手段に出力するものとして、図4に示すバイナリカウンタのクロック入力に、図3に示すポリゴンモータ駆動部303を介入して入力されるポリゴンクロック(PMCLK)を与える。
【0035】
上記のような構成とすることで、異常状態であるパルス信号の幅、および数と、ポリゴン面数との間に例えばクロック1周期で1面の関係のあるポリゴンモータでは、ポリゴンクロック周波数fは、f=M/10となる(M:回転数(1/min))ため、生成されるパルスの幅に関してもポリゴン面数に比例した値となるため、特にポリゴンモータの異常状態の制御がしやすくなるというメリットが生じる。
【0036】
また、図4に示すカウンタ設定値に対しCPU306からの任意の値を設定することで構成され、任意の設定量を高い自由度で設定することが可能となる。
【0037】
次に、パルス信号の幅、および数は、画像形成装置に備えられた外部入力手段からの設定で与えるものとして、CPU306に対して、操作部308からの設定により構成される。操作部308は、図1に示す操作部107と等価である。これにより、画像形成装置が市場に出荷された後においても、ユーザ、あるいはサービスに携わる者によって設定量が自由に変更可能となる。一方で、一般ユーザには開放しないサービスプログラム(SPモード)による設定としても良い。ここでは、通常のSPモードへの入り方は、図1のキー操作部107で機械毎に設定されたキーを入力することで行われる場合が多い。
【0038】
次に、パルス信号はポリゴンモータ駆動手段から出力される状態信号に重畳して、レーザ駆動手段に出力されるもとのとして、図4のカウンタ出力Qnとポリゴンモータ駆動部303からのXSCRDY信号のEXOR出力であるXSCRDY2がLD駆動部305に出力により構成される。これにより、本来のXSCRDY信号にカウンタ出力Qnが重畳される構成となるため、電源供給部301、ポリゴンモータ駆動部303のいずれか、あるいは両方の異常状態が、簡単な構成により検出できる機構を実現することができる。
【0039】
次に、ポリゴンモータ駆動手段から出力される状態信号に重畳された特定のパルス信号が、固有のサンプリング周期で検出された場合は、ポリゴンモータ駆動手段の異常とみなさない機能を有する構成を説明する。
図6に示すように、重畳された信号(XSCRDY2)において、いずれかのレベル(非アクティブ状態の“H”レベル)をCPU306の固有の周波数で計数した一定時間内に何回検出されるかを示すものである。
一般に、ポリゴンモータ駆動部303におけるXSCRDY信号の挙動に関しては、そのシステムのサービスコール(SC)の項目に登録されていることが多く、ポリゴンモータ異常(SCXXX)等の番号で異常状態の管理がなされている。
【0040】
図6に示すように、任意の固有の周波数(固有周期でも可)において、XSCRDY2の“H”レベルをCPU306内部で3回検出した段階で、ポリゴンモータ駆動部303でのエラーとみなさない判断が下される。すなわち、もう一方の入力系である電源供給部301の都合によって+24V電源が遮断されたことによるポリゴンモータレディ(XSCRDY)の非アクティブ状態への遷移と判断する。
これにより、ポリゴンモータ駆動手段への電源が何らかの理由で遮断されたことによる画像形成装置の異常状態と、ポリゴンモータ駆動手段そのものの異常状態(SCXXX)とを、容易に識別可能となる。
【0041】
本発明の実施例を1ドラム構成のデジタルフルカラー複写機に示したが、タンデム機等その種類を問わず、モノカラーの機器に対しても適用可能である。
【0042】
次に、図7を参照して、4連ドラムのタンデム作像方式を採用した画像形成装置における、感光体回りとそのユニットを例について説明する。
まず、各感光体ユニット(プロセスカートリッジ)は、感光体、帯電装置手段、現像手段、およびクリーニング手段を一体に結合した構成になっている。各感光体ユニット(K感光体ユニット(KPCU)520、Y感光体ユニット(YPCU)530、C感光体ユニット(CPCU)540、M感光体ユニット(MPCU)550)は各々のストッパを解除することにより交換できる構成にもなっている。用紙搬送順に右下から、MCYKの順に配置されている。なお、各感光体ユニット520〜550は各色により非互換となっており色間の入れ替えは出来ない構成になっている。
【0043】
また、転写ユニット510も各感光体520〜550と同様に斜め方向にレイアウトされており、用紙を右下から搬送し、感光体上の画像を用紙に転写している。また、転写ユニットは解除レバーを倒すことにより、手前に引き出すことができる構成になっており、転写ユニット交換時などに転写ユニットを脱着することができる。
【0044】
次に、図8に示す画像形成装置本体の構成を説明する。
トナーカートリッジ270から現像ユニット9へのトナー搬送は、エアーポンプ(図示せず)により行われる。また、光学センサ(図示せず)を搬送用ノズル(図示せず)に組み込み、トナーニアーエンド検知(図示せず)も行っている。トナーカートリッジ270から現像ユニット9へと搬送されたトナーは2本のスクリュー(搬送スクリュー9B,9C)により現像剤と攪拌され、現像ローラ31へと搬送される。現像ローラ上の剤は、現像ドクターブレード90により、付着量が規制されドラム上に供給される。
【0045】
また、現像ユニット手前側には、Tセンサ(トナー濃度センサ)9Eがあり、剤中トナー濃度を検知し、トナー濃度制御を行っている。感光体ドラム3への帯電は、帯電ローラ7にて行われる。帯電ローラ7はドラムと逆方向に回転しており、ドラム面への均一な電荷を可能にしている。また、帯電ローラ7の上側には、帯電ローラ7と常設した状態で、帯電クリーニングローラ7Aが取り付けられており、帯電ローラ7のクリーニングを行っている。
【0046】
感光体ドラム上の未転写トナーは、クリーニング部11でクリーニングブレード11Bとクリーニングブラシ11Aにて回収される。クリーニングブレード11Bは、ドラム回転方向に対してカウンタ方向に取り付けられてドラムと常設している。クリーニングブラシ11Aは、ドラムと逆方向に回転しており、ブレードと併せて未転写トナーを回収し、廃トナー搬送コイル11C側へと送っている。
廃トナーは廃トナー搬送コイル11Cより、廃トナー排出口まで搬送されて、廃トナーボトル(図示せず)により回収される。
【0047】
メモリタグ12には不揮発性メモリが搭載されており、各感光体ユニット(プロセスカートリッジユニット)の制御に必要な情報、カートリッジID、製造年月日、使用開始年月日、リサイクル回数、コピー枚数、現在の年月日等が記憶されている。
【0048】
また、不揮発性メモリタグ12(あるいはNVRAM)の変わりに、ICチップを搭載した接触型のタグ、または非接触型ICチップを搭載したタグ、または非接触型ICカードを搭載してもよい。
【0049】
次に、画像形成の説明を行う。
感光体3が所定の周速度で回転駆動する。感光体3は回転過程において、帯電手段7によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、書き込み系500(図7)スリット露光やレーザビーム走査露光等の像露光手段からの画像露光光を受け、感光体3の周面に静電潜像が順次形成される。形成された静電潜像は、次いで現像手段9によりトナー現像され、現像されたトナー像は、給紙部から感光体3と転写手段510(図7)との間に感光体3の回転と同期されて給送された転写材に、転写手段(図示せず)により順位転写されていく。
【0050】
像転写を受けた転写材は感光体面から分離されて像定着手段へ導入されて像定着され、複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体の表面は、クリーニング手段11によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に除電された後、繰り返し画像形成に使用される。
【0051】
上記のような構成において、本実施例の画像形成装置本体には、プロセスカートリッジの装着を検知するユニット装着検知手段としてメカスイッチ(機械式スイッチ)が付設されており、プロセスカートリッジが装着手段に沿って画像形成装置本体に装着されたときに、廃トナーボトル(図示せず)に付設された作用部材としての作動片が画像形成装置本体の凹部に嵌合することにより、メカスイッチがONし、装着が検知される。
【0052】
次に、画像形成装置本体にプロセスカートリッジを装着した際に行われるカートリッジ有無検知および記憶媒体以上の検知の手順について説明する。
本実施例の画像形成装置で画像形成を行うためには、まず、画像形成装置本体に設けられた開閉カバーを開き、プロセスカートリッジを所定の位置に装着する。この際に、画像形成装置本体とプロセスカートリッジのメモリタグ12にそれぞれ接続されたコネクタ同士が接続される。
【0053】
コネクタ同士が接続されると同時に、プロセスカートリッジの有無を検知するメカスイッチが入力される。
このメカスイッチが入力されていない場合は、プロセスカートリッジは装着されていないものとして、カートリッジ着脱状態信号が、画像形成装置本体に搭載されたCPU306に送信される(図3)。併せて供給電源レベル検出部304にも送信され、パルス生成回路に接続される。
【0054】
さらに画像形成装置本体に設けられた開閉カバーを閉じることで、メカスイッチによりプロセスカートリッジの装着が検知されていれば、感光体(円筒部材)が画像形成装置本体に設けられた駆動手段としての像担持体駆動ギアの回転によって、プロセスカートリッジが片寄せられ、画像形成装置本体とNV−RAMに設けられたコネクタ同士が嵌合することになる。
【0055】
このようにして、プロセスカートリッジと画像形成装置本体との着脱状態の検出を行うことになるが、着脱時、または印字動作時における不慮のプロセスカートリッジの脱落、あるいは嵌合の外れの状態を検出し、連動するユニット(本実施例ではポリゴンモータ駆動部)の制御を行う。
【0056】
図9において、カートリッジ着脱状態信号のレベルとして、装着時のレベルを“L”、外した時のレベルを“H”とすれば、プロセスカートリッジが外れている状態に後段のバイナリカウンタがネーブル状態となり、予め設定されたカウント設定値分のカウントを行うことになる。
【0057】
これによって、パルス信号、あるいは重畳されたポリゴンレディ信号が、LD駆動部305、CPU306に出力され、プロセスカートリッジが外れているか、正常に装着されていない状態をポリゴンレディ信号(XSCRDY2)によって検出可能となる。この検出は、プロセスカートリッジの着脱状態の検知のみならず、ポリゴンモータ駆動部303にも直接作用するため、ポリゴンモータの駆動を停止させる機能も併せ持っていることから、異常画像発生の未然防止、ポリゴンモータ、さらには画像形成装置全体への不要な負荷を軽減させる作用も期待できる。
【0058】
本発明は、ポリゴンモータ駆動部、LD駆動部、その他電子写真方式を用いて印字する画像形成装置を実施例としたが、プロセスカートリッジをさらに含む画像形成装置にも応用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施形態における画像形成装置の制御装置の構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の実施形態におけるデジタルフルカラープリンタの構成を示した図である。
【図3】本発明の実施形態における画像形成装置の回路ブロック図である。
【図4】本発明の実施形態における供給電源レベル検出部の構成を示した図である。
【図5】本発明の実施形態における各回路の印加電流のタイミングチャートである。
【図6】本発明の実施形態における各回路の印加電流のタイミングチャートである。
【図7】本発明の実施形態におけるプロセスカートリッジを備える画像形成装置の構成を示した図である。
【図8】本発明の実施形態におけるプロセスカートリッジの構成を示した図である。
【図9】本発明の実施形態における供給電源レベル検出部の構成を示した図である。
【符号の説明】
【0060】
101 FAX I/F
102 FAX制御部
103 ホストI/F
104 プリンタ制御部
105 原稿読取部
106 入力画像処理部
107 キー操作部
108 主制御部
109 メモリ部
110 書き込み制御部
111 画像印字部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を制御するレーザ駆動手段と、前記レーザ駆動手段に上位装置からの画像データを転送制御する画像データ転送制御手段と、前記レーザ光源からのレーザ光を反射するポリゴンミラーと、該ポリゴンミラーを回転制御するためのポリゴンモータを駆動させるポリゴンモータ駆動手段と、該ポリゴンモータ駆動手段に電源を供給する電源供給手段を備えた電子写真方式を用いて作像を行う画像形成装置において、
前記電源供給手段が前記ポリゴンモータ駆動手段に供給する供給電源の電圧レベルを検出する供給電源レベル検出手段を有し、
前記供給電源が遮断された時の状態を示す任意の幅、任意の数を有するパルス信号を
前記供給電源レベル検出手段に与えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記パルス信号は、前記ポリゴンモータ駆動手段に供給されるクロック信号に同期して生成され、前記レーザ駆動手段に出力されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記供給電源レベル検出手段に与えられるパルス信号の任意の幅、任意の数を任意の設定量に設定することができることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成装置に接続された外部入力手段によって、前記供給電源レベル検出手段に与えられるパルス信号の任意の幅、任意の数を任意の設定量に設定することができることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記パルス信号は、前記ポリゴンモータ駆動手段から出力される前記ポリゴンモータの状態信号に重畳して、前記レーザ駆動手段に出力されることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ポリゴンモータ駆動手段から出力される状態信号に重畳されたパルス信号が、固有の周期で検出された時には、前記ポリゴンモータ駆動手段の異常とみなさないこととすることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
請求項1から6の画像形成装置において、
現像剤を収容する現像剤容器と、潜像を担持する潜像担持体に対向配設され前記現像剤容器からの現像剤を担持しながら前記潜像担持体に供給する現像剤担持体とを備え、前記潜像担持体が前記現像剤担持体からの現像剤を付与されることにより前記潜像を現像剤像として可視化する現像装置を有し、前記現像剤担持体および現像剤容器を含めた一体の装置が前記画像形成装置に対して着脱自在になっており、
前記現像剤担持体および現像剤容器を含めた一体の装置の着脱動作の有無を検知する着脱検知手段と、
前記着脱検知手段によって前記現像剤担持体および現像剤容器を含めた一体の装置の着脱動作が検知された際の状態を示す状態信号をポリゴンモータを駆動させるポリゴンモータ駆動手段に供給する供給電源の電圧レベルを検出する供給電源レベル検出手段に与えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−17917(P2006−17917A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−194313(P2004−194313)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】