説明

記憶装置

【課題】ロジック回路を増やすことなく、第三者がメモリセルにアクセスできずかつ必要な場合にはいつでもアクセス可能なメモリセルを有する記憶装置を提供する。
【解決手段】本実施形態は、第1のメモリセルと、第2のメモリセルと、を有し、第2のメモリセルに設けられた第2のトランジスタの第2のチャネルが酸化物半導体膜からなる記憶装置であって、第2のメモリセルからのデータの読み出しは第2のトランジスタに紫外線を照射している時に行われる記憶装置によって解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトランジスタを有する記憶装置であって、当該トランジスタのチャネルが酸化物半導体膜を含む記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
記憶装置は複数のメモリセルを有する。複数のメモリセルの一部には一般ユーザなどの第三者がアクセスできないように設定したい場合がある。特許文献1は、データを読み出す際に、あらかじめ設定されたキーワードの入力が必要なメモリを開示している。キーワードの入力が必要なため、第三者はデータを読み出すことができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平2−14150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1により、第三者はデータを読み出すことができないが、キーワードの入力等のためにロジック回路を増やす必要がある。
【0005】
本発明の一態様は、ロジック回路を増やすことなく、第三者が容易にアクセスできずかつ必要な場合にはいつでもアクセス可能なメモリセルを有する記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者はトランジスタのチャネルが酸化物半導体膜を含む場合、当該トランジスタのしきい値電圧が紫外線照射前、紫外線照射時、紫外線照射後で変化するという現象を見出した。そしてその現象を用い、当該トランジスタを有するメモリセルを有する記憶装置により上記課題を解決することができるという考えに至った。
【0007】
本発明の第1の態様は、第1のメモリセルと、第2のメモリセルと、を有し、第1のメモリセルは第1のトランジスタ及び第1のメモリ素子を有し、第1のトランジスタは、第1のチャネル、第1のゲート電極、第1のソース電極及び第1のドレイン電極を有し、第1のゲート電極は第1のワード線の一部である、又は第1のワード線に電気的に接続され、第1のソース電極及び第1のドレイン電極の一方は第1のビット線の一部である、又は第1のビット線に電気的に接続され、他方は第1のメモリ素子に電気的に接続され、第2のメモリセルは第2のトランジスタ及び第2のメモリ素子を有し、第2のトランジスタは、第2のチャネル、第2のゲート電極、第2のソース電極及び第2のドレイン電極を有し、第2のゲート電極は第2のワード線の一部である、又は第2のワード線に電気的に接続され、第2のチャネルは酸化物半導体膜からなり、第2のソース電極及び第2のドレイン電極の一方は第2のビット線の一部である、又は第2のビット線に電気的に接続され、他方は第2のメモリ素子に電気的に接続され、紫外線照射前における第2のトランジスタのしきい値電圧(V21)は、第1のトランジスタのしきい値電圧(V)よりも高く、紫外線照射時における第2のトランジスタのしきい値電圧(V22)は、電圧V21よりも低く、紫外線照射後における第2のトランジスタのしきい値電圧(V23)は、電圧V21よりも低く、かつ電圧V22及び電圧Vよりも高く、第2のメモリ素子に記憶されたデータの読み出しは、紫外線を照射しながら第2のトランジスタの第2のゲート電極に電圧(V)を印加して第2のトランジスタをオンにすることによって行う記憶装置である。ただしV≦V(電圧Vは電圧V以上)、V22≦V<V23<V21(電圧Vは電圧V22以上)である。
【0008】
上記態様において、第1のメモリ素子に記憶されたデータの読み出しは、第1のゲート電極に電圧Vを印加して第1のトランジスタをオンにすることによって行ってもよい。
【0009】
上記態様において、書き込み回路、アナログスイッチ及び第3のトランジスタを有し、第3のトランジスタは、第3のチャネル、第3のゲート電極、第3のソース電極及び第3のドレイン電極を有し、第3のチャネルは酸化物半導体膜からなり、書き込み回路の出力はアナログスイッチに入力され、アナログスイッチの出力は第2のトランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方に入力され、第3のソース電極及び第3のドレイン電極の一方には書き込みイネーブル信号が入力され、他方はアナログスイッチの第1の制御端子に接続され、書き込みイネーブル信号の反転信号がアナログスイッチの第2の制御端子に入力され、紫外線照射前における第3のトランジスタのしきい値電圧はV31であり、紫外線照射時における第3のトランジスタのしきい値電圧はV32であり、紫外線照射後における第3のトランジスタのしきい値電圧はV33であり、第2のメモリ素子へのデータの書き込みは、紫外線を照射しながら第3のゲート電極に電圧(V)を印加して第3のトランジスタをオンにし、書き込みイネーブル信号が第1の制御端子に入力されて、書き込み回路からの出力が第2のソース電極及び第2のドレイン電極の一方に入力されるとともに、第2のゲート電極に電圧(V)が印加されて第2のトランジスタがオンすることにより行われる記憶装置である。ただしV32≦V<V33<V31(電圧Vは電圧V32以上)であり、V23<V21<Vである。
【0010】
本発明の第2の態様は、第1のトランジスタ及び第1のメモリ素子を有する第1のメモリセルと、第2のトランジスタ及び第2のメモリ素子を有する第2のメモリセルと、第3のトランジスタと、を有し、第1のトランジスタは、第1のチャネル、第1のゲート電極、第1のソース電極及び第1のドレイン電極を有し、第1のゲート電極は第1のワード線の一部である、又は第1のワード線に電気的に接続され、第1のソース電極及び第1のドレイン電極の一方は第1のビット線の一部である、又は第1のビット線に電気的に接続され、他方は第1のメモリ素子に電気的に接続され、第2のトランジスタは、第2のチャネル、第2のゲート電極、第2のソース電極及び第2のドレイン電極を有し、第2のゲート電極は第2のワード線の一部である、又は第2のワード線に電気的に接続され、第2のソース電極及び第2のドレイン電極の一方は第2のビット線の一部である、又は第2のビット線に電気的に接続され、他方は第2のメモリ素子に電気的に接続され、第3のトランジスタは、第3のチャネル、第3のゲート電極、第3のソース電極及び第3のドレイン電極を有し、第3のチャネルは酸化物半導体膜からなり、第3のソース電極及び第3のドレイン電極の一方は第2のワード線に電気的に接続され、他方には第2のトランジスタをオンする選択信号が入力され、紫外線照射前における第3のトランジスタのしきい値電圧はV31であり、紫外線照射時における第3のトランジスタのしきい値電圧はV32であり、紫外線照射後における第3のトランジスタのしきい値電圧はV33であり、第2のメモリ素子へのデータの書き込み及び読み出しは、紫外線を照射しながら第3のゲート電極に電圧(V)を印加して第3のトランジスタをオンにし、選択信号を第2のゲート電極に印加して第2のトランジスタをオンすることによって行う記憶装置である。ただしV32≦V<V33<V31(電圧Vは電圧V32以上)である。
【0011】
本発明の第3の態様は、第1のトランジスタ及び第1のメモリ素子を有する第1のメモリセルと、第2のトランジスタ及び第2のメモリ素子を有する第2のメモリセルと、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、を有し、前記第1のトランジスタは、第1のチャネル、第1のゲート電極、第1のソース電極及び第1のドレイン電極を有し、第1のゲート電極は第1のワード線の一部である、又は第1のワード線に電気的に接続され、第1のソース電極及び第1のドレイン電極の一方は第1のビット線の一部である、又は第1のビット線に電気的に接続され、他方は第1のメモリ素子に電気的に接続され、第2のトランジスタは、第2のチャネル、第2のゲート電極、第2のソース電極及び第2のドレイン電極を有し、第2のゲート電極は第2のワード線の一部である、又は第2のワード線に電気的に接続され、第2のソース電極及び第2のドレイン電極の一方は第2のビット線の一部である、又は第2のビット線に電気的に接続され、他方は第2のメモリ素子に電気的に接続され、第3のトランジスタは、第3のチャネル、第3のゲート電極、第3のソース電極及び第3のドレイン電極を有し、第3のソース電極及び第3のドレイン電極の一方は第2のワード線に電気的に接続され、他方には第2のトランジスタをオンする選択信号が入力され、第4のトランジスタは、第4のチャネル、第4のゲート電極、第4のソース電極及び第4のドレイン電極を有し、第4のチャネルは酸化物半導体膜からなり、第4のソース電極及び第4のドレイン電極の一方は第3のゲート電極に電気的に接続され、他方には第3のトランジスタをオンする選択信号が入力され、紫外線照射前における第4のトランジスタのしきい値電圧はV31であり、紫外線照射時における第4のトランジスタのしきい値電圧はV32であり、紫外線照射後における第4のトランジスタのしきい値電圧はV33であり、第2のメモリ素子へのデータの書き込み及び読み出しは、紫外線を照射しながら第4のゲート電極に電圧(V)を印加して第4のトランジスタをオンすることで第3のトランジスタをオンにし、第2のトランジスタをオンする選択信号を第2のゲート電極に印加して第2のトランジスタをオンすることによって行う記憶装置である。ただしV32≦V<V33<V31(電圧Vは電圧V32以上)である。
【0012】
上記第2の態様又は第3の態様において、デコーダ、レベルシフタ及びバッファを有し、第3のソース電極及び第3のドレイン電極の一方はレベルシフタ及びバッファを介して第2のワード線に電気的に接続され、デコーダが前記他方に選択信号を入力してもよい。
【0013】
上記第2の態様又は第3の態様において、デコーダ、レベルシフタ、バッファ及びアドレス線を有し、第3のソース電極及び第3のドレイン電極の一方はデコーダ、レベルシフタ及びバッファを介して第2のワード線に電気的に接続され、アドレス線から選択信号が前記他方に入力されてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の第1の態様−第3の態様は、ロジック回路を増やすことなく、第三者がメモリセルにアクセスできずかつ必要な場合にはいつでもアクセス可能なメモリセルを有する記憶装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態1の記憶装置を説明する図
【図2】しきい値電圧の変化を説明する図
【図3】記憶装置の断面図
【図4】記憶装置を説明する図
【図5】しきい値電圧の変化を説明する図
【図6】実施形態2の記憶装置を説明する図
【図7】実施形態2の記憶装置を説明する図
【図8】実施形態4の記憶装置を説明する図
【図9】しきい値電圧の変化を説明する図
【図10】メモリモジュールを説明する図
【図11】RFIDタグを説明する図
【図12】RFIDタグを説明する図
【図13】RFIDタグを適用した例を説明する図
【図14】しきい電圧の変化を説明する図
【図15】メモリモジュールを説明する図
【図16】実施形態3の記憶装置を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の実施形態を説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお以下において、同一部分又は同様な機能を有する部分には、異なる図面において同一の符号を共通して用い、繰り返しの説明を省略することがある。
【0017】
(実施形態1)
本実施形態は、第1のメモリセルと、第2のメモリセルと、を有し、第2のメモリセルに設けられた第2のトランジスタの第2のチャネルが酸化物半導体膜からなる記憶装置を示す。具体的には、第1のメモリセルと、第2のメモリセルと、を有し、第1のメモリセルは第1のトランジスタ及び第1のメモリ素子を有し、第1のトランジスタは、第1のチャネル、第1のゲート電極、第1のソース電極及び第1のドレイン電極を有し、第1のゲート電極は第1のワード線の一部である、又は第1のワード線に電気的に接続され、第1のソース電極及び第1のドレイン電極の一方は第1のビット線の一部である、又は第1のビット線に電気的に接続され、他方は第1のメモリ素子に電気的に接続され、第2のメモリセルは第2のトランジスタ及び第2のメモリ素子を有し、第2のトランジスタは、第2のチャネル、第2のゲート電極、第2のソース電極及び第2のドレイン電極を有し、第2のゲート電極は第2のワード線の一部である、又は第2のワード線に電気的に接続され、第2のチャネルは酸化物半導体膜からなり、第2のソース電極及び第2のドレイン電極の一方は第2のビット線の一部である、又は第2のビット線に電気的に接続され、他方は第2のメモリ素子に電気的に接続され、紫外線照射前における第2のトランジスタのしきい値電圧(V21)は、第1のトランジスタのしきい値電圧(V)よりも高く、紫外線照射時における第2のトランジスタのしきい値電圧(V22)は、電圧V21よりも低く、紫外線照射後における第2のトランジスタのしきい値電圧(V23)は、電圧V21よりも低く、かつ電圧V22及び電圧Vよりも高く、第2のメモリ素子に記憶されたデータの読み出しは、紫外線を照射しながら第2のトランジスタの第2のゲート電極に電圧(V)を印加して前記第2のトランジスタをオンにすることによって行う記憶装置を示す。ただしV≦V(VはV以上)、V22≦V<V23<V21(電圧Vは電圧V22以上)である。
【0018】
記憶装置1は第1のメモリセル2及び第2のメモリセル3を有する(図1)。
【0019】
第1のメモリセル2は第1のトランジスタ4及び第1のメモリ素子5を有する。第1のトランジスタ4は第1のチャネル17、第1のゲート電極22、電極25(第1のソース電極及び第1のドレイン電極の一方)、電極26(第1のソース電極及び第1のドレイン電極の他方)を有する。第1のゲート電極22は第1のワード線6に電気的に接続され、電極25は第1のビット線7に電気的に接続され、電極26は第1のメモリ素子5に電気的に接続される。第1のチャネル17はシリコンからなる半導体膜を用いる。その他、ゲルマニウム、シリコン−ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、炭化珪素等からなる半導体膜を用いてもよい。第1のトランジスタ4のしきい値電圧はVである。なお第1のゲート電極22は第1のワード線6の一部であってもよい。電極25は第1のビット線7の一部であってもよい。
【0020】
第2のメモリセル3は第2のトランジスタ8及び第2のメモリ素子9を有する。第2のトランジスタ8は第2のチャネル301、第2のゲート電極30、電極33(第2のソース電極及び第2のドレイン電極の一方)及び電極34(第2のソース電極及び第2のドレイン電極の他方)を有する。第2のゲート電極30は第2のワード線10に電気的に接続され、電極33は第2のビット線11に電気的に接続され、電極34は第2のメモリ素子9に電気的に接続される。第2のチャネル301は酸化物半導体膜からなる。なお第2のゲート電極30は第2のワード線10の一部であってもよい。電極33は第2のビット線11の一部であってもよい。
【0021】
第2のトランジスタ8のしきい値電圧は第2のチャネル301への紫外線照射により変化する(図2)。図2は第2のトランジスタ8のゲート電圧(Vg)とドレイン電流(Id)の関係を模式的に示している。曲線41は紫外線照射前、曲線42は紫外線照射時、曲線43は紫外線照射後の第2のトランジスタ8のVg−Idの関係を示す。第2のトランジスタ8のしきい値電圧は紫外線未照射(紫外線照射前)にはV21であるが、紫外線照射時にはV22になり、紫外線照射後はV23となる。すなわち、V22<V23<V21となる。このようにチャネルが酸化物半導体からなる場合にはシリコンなどの酸化物半導体以外の材料とは異なる挙動を示す。この現象を用いて記憶装置1を動作させる。
【0022】
実際にデータを読み出すときは第2のトランジスタ8の第2のゲート電極30には電圧Vを印加する。電圧VはV22≦V<V23<V21(電圧Vは電圧V22以上)の関係を有する。これにより紫外線を照射していない時には第2のトランジスタ8はオフのままであるが、紫外線照射時には第2のトランジスタ8をオンさせることができる。なお紫外線照射時には第2のトランジスタ8のオフ電流が増加するが、これは光リーク電流に起因する。
【0023】
照射する紫外線の波長は10nm以上400nm以下である。紫外線の波長が短いほど、V22の値は小さくなる。光源としては市販のUVランプ、エキシマレーザ等を用いる。照射強度は波長及び光源に依存するが、例えば0.01−1.00mW/cm程度でよい。
【0024】
次に記憶装置1の動作を説明する。第1のメモリ素子5には第三者がアクセス可能なデータが記憶され、第2のメモリ素子9には第三者にアクセスさせたくないデータが記憶される。第1のトランジスタ4のしきい値電圧はVであり、V<V23<V21である。なお第1のチャネル17がシリコンからなる場合、必要であれば第1のチャネル17にn型又はp型の不純物イオンをドープして第1のトランジスタ4のしきい値電圧Vをシフトさせる。
【0025】
1.第1のメモリ素子5からデータを読み出す場合
まず第1のメモリ素子5に記憶されているデータ(電荷)を読み出す際の動作を説明する。第1のワード線6に電圧Vを印加することにより、第1のトランジスタ4の第1のゲート電極22に電圧Vを印加して第1のトランジスタ4をオンにする。第1のトランジスタ4がオンすることにより、第1のメモリ素子5に記憶されているデータが第1のトランジスタ4を介して第1のビット線7へ読み出される。ただしV<V<V23<V21とする。
【0026】
一方、第2のワード線10に電圧Vを印加することにより、第2のトランジスタ8の第2のゲート電極30に電圧Vを印加する。電圧Vは紫外線未照射状態における第2のトランジスタ8のしきい値電圧(V21)よりも低いため、第2のトランジスタ8はオフのままである。したがって第2のメモリ素子9に記憶されているデータが読み出されることはない。
【0027】
2.第1のメモリ素子5及び第2のメモリ素子9からデータを読み出す場合
次に第1のメモリ素子5に記憶されているデータ及び第2のメモリ素子9に記憶されているデータを読み出す際の動作を説明する。第1のワード線6に電圧Vを印加することにより、第1のトランジスタ4の第1のゲート電極22に電圧Vを印加して第1のトランジスタ4をオンにする。第1のトランジスタ4がオンすることにより、第1のメモリ素子5に記憶されているデータが第1のトランジスタ4を介して第1のビット線7へ読み出される。
【0028】
一方、第2のワード線10に電圧Vを印加することにより、第2のトランジスタ8の第2のゲート電極30に電圧Vを印加する。このとき第2のトランジスタ8には紫外線を照射する。具体的には第2のチャネル301へ紫外線を照射する。第2のトランジスタ8のしきい値電圧はV21からV22へと変化する。電圧Vは紫外線照射状態における第2のトランジスタ8のしきい値電圧(V22)よりも高いため、第2のトランジスタ8はオンとなる。第2のトランジスタ8がオンすることにより、第2のメモリ素子9に記憶されているデータが第2のトランジスタ8を介して第2のビット線11へ読み出される。
【0029】
第2のメモリ素子9からデータを読み出した後は、第2のトランジスタ8への紫外線照射を止める。第2のトランジスタ8のしきい値電圧はV22からV23へと変化する。
【0030】
3.第2のトランジスタ8のしきい値電圧がV23となった後、第1のメモリ素子5からデータを読み出す場合
第2のトランジスタ8のしきい値電圧がV23となった後、第1のメモリ素子5に記憶されているデータを読み出す際の動作を説明する。第1のワード線6に電圧Vを印加することにより、第1のトランジスタ4の第1のゲート電極22に電圧Vを印加して第1のトランジスタ4をオンにする。第1のトランジスタ4がオンすることにより、第1のメモリ素子5に記憶されているデータが第1のトランジスタ4を介して第1のビット線7へ読み出される。
【0031】
一方、第2のワード線10に電圧Vを印加することにより、第2のトランジスタ8の第2のゲート電極30に電圧Vを印加する。電圧Vは第2のトランジスタ8のしきい値電圧(V23)よりも低いため、第2のトランジスタ8はオフのままである。したがって第2のメモリ素子9に記憶されているデータが読み出されることはない。
【0032】
4.第2のトランジスタ8のしきい値電圧がV23となった後、第1のメモリ素子5及び第2のメモリ素子9からデータを読み出す場合
次に第1のメモリ素子5に記憶されているデータ及び第2のメモリ素子9に記憶されているデータを読み出す際の動作を説明する。第1のワード線6に電圧Vを印加することにより、第1のトランジスタ4の第1のゲート電極22に電圧Vを印加して第1のトランジスタ4をオンにする。第1のトランジスタ4がオンすることにより、第1のメモリ素子5に記憶されているデータが第1のトランジスタ4を介して第1のビット線7へ読み出される。
【0033】
一方、第2のワード線10に電圧Vを印加することにより、第2のトランジスタ8の第2のゲート電極30に電圧Vを印加する。このとき第2のトランジスタ8には上記のように紫外線を照射する。第2のトランジスタ8のしきい値電圧はV23からV22へと変化する。電圧Vは紫外線照射状態における第2のトランジスタ8のしきい値電圧(V22)よりも高いため、第2のトランジスタ8はオンとなる。第2のトランジスタ8がオンすることにより、第2のメモリ素子9に記憶されているデータが第2のトランジスタ8を介して第2のビット線11へ読み出される。第2のメモリ素子9からデータを読み出した後は、第2のトランジスタ8への紫外線照射を止める。
【0034】
5.第1のメモリ素子5及び第2のメモリ素子9にデータを書き込む場合
次に第1のメモリ素子5及び第2のメモリ素子9にデータを書き込む際の動作を説明する。第1のワード線6に電圧Vを印加することにより、第1のトランジスタ4の第1のゲート電極22に電圧Vを印加して第1のトランジスタ4をオンにする。第1のトランジスタ4がオンすることにより、第1のビット線7からデータが第1のトランジスタ4を介して第1のメモリ素子5へ書き込まれる。ただしV<V23<V21<Vである。
【0035】
一方、第2のワード線10に電圧Vを印加することにより、第2のトランジスタ8の第2のゲート電極30に電圧Vを印加して第2のトランジスタ8をオンにする。第2のトランジスタ8がオンすることにより、第2のビット線11からデータが第2のトランジスタ8を介して第2のメモリ素子9へ書き込まれる。
【0036】
次に記憶装置1が有する第1のトランジスタ4、第2のトランジスタ8、第1のメモリ素子5及び第2のメモリ素子9を説明する(図3)。図3は第1のトランジスタ4、第2のトランジスタ8、第1のメモリ素子5及び第2のメモリ素子9の断面図である。
【0037】
(第1のトランジスタ4)
第1のトランジスタ4は第1のチャネル17を有するシリコン膜20、第1のゲート絶縁膜21、第1のゲート電極22、電極25(第1のソース電極及び第1のドレイン電極の一方)、電極26(第1のソース電極及び第1のドレイン電極の他方)を有する。領域18は第1のソース領域及び第1のドレイン領域の一方であり、領域19は第1のソース領域及び第1のドレイン領域の他方である。
【0038】
第1のトランジスタ4は基板15の上の下地膜となる絶縁膜16上に設けられる。絶縁膜16は基板15に含まれる金属イオンなどの不純物が第1のトランジスタ4、第1のメモリ素子5、第2のトランジスタ8及び第2のメモリ素子9に侵入するのを防止する。絶縁膜16の上にはシリコン膜20が設けられる。シリコン膜20の上には第1のゲート絶縁膜21が設けられる。第1のゲート絶縁膜21の上には第1のゲート電極22が設けられる。電極25は、シリコン膜20の上に、領域18に接するように設けられ、電極26は、シリコン膜20の上に、領域19に接するように設けられる。なおここでは第1のトランジスタ4としてトップゲート型の薄膜トランジスタ(TFT)を示したが、ボトムゲート型のTFTでもよい。
【0039】
第1のゲート電極22は第1のワード線6に電気的に接続される(図示しない)。または第1のゲート電極22は第1のワード線6の一部であってもよい。
【0040】
電極25は第1のビット線7に電気的に接続される(図示しない)。または電極25は第1のビット線7の一部であってもよい。
【0041】
紫外線を第2のトランジスタ8に照射する際に、第1のトランジスタ4に照射されないようにするために第1のトランジスタ4の上(例えば絶縁膜29の上)に遮光膜を設けてもよい。
【0042】
(第1のメモリ素子5)
第1のメモリ素子5は電極27、第1のゲート絶縁膜21及び電極28を有する。
【0043】
第1のメモリ素子5は基板15の上の下地膜となる絶縁膜16上に設けられる。電極27は絶縁膜16の上に設けられる。電極27の上には第1のゲート絶縁膜21が設けられる。第1のゲート絶縁膜21の上には電極28が設けられる。電極26は電極28に接するように設けられる。電極27は接地されていてもよい。第1のメモリ素子5は上記構成に限定されることはなく、他の構成であってもよい。
【0044】
その他、第1のゲート電極22及び電極28の上にはパッシベーション膜として絶縁膜23が設けられる。絶縁膜23の上にはパッシベーション膜及び平坦化膜として絶縁膜24が設けられる。電極25及び電極26は絶縁膜24の上にも設けられ、絶縁膜24、絶縁膜23及び第1のゲート絶縁膜21に設けられたコンタクトホール内で領域18、領域19に接する。また電極26は絶縁膜24及び絶縁膜23に設けられたコンタクトホール内で電極28と接する。電極25及び電極26かつ絶縁膜24の上にパッシベーション膜及び平坦化膜として絶縁膜29が設けられる。
【0045】
(第2のトランジスタ8)
第2のトランジスタ8は第2のゲート電極30、第2のゲート絶縁膜31、酸化物半導体膜32、電極33(第2のソース電極及び第2のドレイン電極の一方)及び電極34(第2のソース電極及び第2のドレイン電極の他方)を有する。
【0046】
第2のトランジスタ8は絶縁膜29上に設けられる。第2のゲート電極30は絶縁膜29の上に設けられる。第2のゲート電極30の上には酸化物半導体膜32が設けられる。酸化物半導体膜32の上に接して電極33及び電極34が設けられる。電極33及び電極34、酸化物半導体膜32及び第2のゲート絶縁膜31の上にはパッシベーション膜として絶縁膜36が設けられる。なおここでは第2のトランジスタ8としてボトムゲート型の薄膜トランジスタを示したが、トップゲート型の薄膜トランジスタでもよい。
【0047】
第2のゲート電極30は第2のワード線10に電気的に接続される。または第2のゲート電極30は第2のワード線10の一部であってもよい(図示しない)。
【0048】
電極33は第2のビット線11に電気的に接続される。または電極33は第2のビット線11の一部であってもよい(図示しない)。
【0049】
なお紫外線は図3に示すように第2のチャネル301が形成される酸化物半導体膜32に照射する。
【0050】
(第2のメモリ素子9)
第2のメモリ素子9は電極35、第2のゲート絶縁膜31及び電極34を有する。
【0051】
第2のメモリ素子9は絶縁膜29上に設けられる。電極35は絶縁膜29の上に設けられる。電極35の上には第2のゲート絶縁膜31が設けられる。第2のゲート絶縁膜31の上には電極34が設けられる。電極35は接地されていてもよい(図示しない)。
【0052】
その他、絶縁膜36の上にはパッシベーション膜及び平坦化膜として絶縁膜38が設けられる。
【0053】
次に各構成要素の材料等を説明する。
【0054】
基板15は、後の加熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有する。基板15としては、バリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板を用いる。または基板15は、セラミック基板、石英基板、サファイア基板、結晶化ガラス基板などの絶縁体でなる基板でもよい。後の加熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有していれば、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル等のプラスチックフィルムなどを用いる。
【0055】
絶縁膜16は酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜などを用いる。絶縁膜16は10−200nmの厚さを有すればよい。
【0056】
シリコン膜20は単結晶シリコン膜又は結晶性シリコン膜である。シリコン膜20は2nm以上200nm以下の厚さを有すればよい。シリコン膜20はn型又はp型の不純物元素を含み、当該不純物元素を含む領域が領域18、領域19となる。領域18、領域19の間が第1のチャネル17となる。シリコン膜20は必要に応じてLDD領域を有していてもよい。シリコンの他、ゲルマニウム、シリコン−ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、炭化珪素等を用いてもよい。
【0057】
電極27はシリコン膜20と同じシリコン膜でよい。電極27は2nm以上200nm以下の厚さを有すればよい。ただし導電性を持たせるためn型又はp型の不純物が含まれている。また電極27はシリコン膜でなく、金属等の導電膜であってもよい。
【0058】
第1のゲート絶縁膜21は、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、Y膜又はHfO膜を単層でまたは積層して形成する。第1のゲート絶縁膜21は10−500nmの厚さを有すればよい。
【0059】
第1のゲート電極22はモリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料またはこれらを主成分とする合金材料を用いて、単層でまたは積層して形成する。第1のゲート電極22は10−200nmの厚さを有すればよい。
【0060】
電極28は第1のゲート電極22と同じ膜で設けられる。または第1のゲート電極22とは異なる導電膜を用いてもよい。
【0061】
電極25、電極26はモリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料またはこれらを主成分とする合金材料を用いて、単層でまたは積層して形成する。電極25、電極26は100−500nmの厚さを有すればよい。
【0062】
絶縁膜23は例えば酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、Y膜又はHfO膜を単層でまたは積層して形成する。絶縁膜23は10−200nmの厚さを有すればよい。
【0063】
絶縁膜24、29は酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜などを用いる。絶縁膜24、29には水素、水酸基または水分が含まれないようにすることが好ましい。絶縁膜24、29は10nm−1μmの厚さを有すればよい。
【0064】
第2のゲート電極30及び電極35はモリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料またはこれらを主成分とする合金材料を用いて、単層でまたは積層して形成する。第2のゲート電極30及び電極35には水素、水酸基または水分が含まれないようにすることが好ましい。第2のゲート電極30及び電極35は10−200nmの厚さを有すればよい。
【0065】
第2のゲート絶縁膜31は、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、ハフニウムシリケート(HfSiO)膜、Nが添加されたHfSi膜、ハフニウムアルミネート(HfAlO)膜、酸化ハフニウム膜、酸化イットリウム膜を単層でまたは積層して形成する。ハフニウムシリケート(HfSiO)膜、Nが添加されたHfSi膜、ハフニウムアルミネート(HfAlO)膜、酸化ハフニウム膜、酸化イットリウム膜などのhigh−k材料を用いることでゲートリークを低減できる。第2のゲート絶縁膜31には水素、水酸基または水分が含まれないようにすることが好ましい。第2のゲート絶縁膜31は10−500nmの厚さを有すればよい。
【0066】
第2のゲート絶縁膜31にハロゲン元素(例えば、フッ素または塩素)を5×1018atoms/cm〜1×1020atoms/cm程度含ませてもよい。ハロゲン元素により酸化物半導体膜32中、または第2のゲート絶縁膜31と酸化物半導体膜32との界面に存在しうる、水素、水分、水酸基又は水素化物などの不純物を排除することができる。例えば第2のゲート絶縁膜31として、窒化シリコン膜と酸化シリコン膜の積層膜を用いる場合は、酸化物半導体膜32に接する側を、上記濃度でハロゲン元素を含む酸化シリコン膜とするとよい。窒化シリコン膜が水素、水分、水酸基又は水素化物(水素化合物ともいう)などの不純物が酸化シリコン膜に侵入することを防止する。
【0067】
酸化物半導体膜32は非晶質酸化物半導体膜又は結晶性酸化物半導体膜であり、In−Ga−Zn−O系、In−Sn−Zn−O系、In−Al−Zn−O系、Sn−Ga−Zn−O系、Al−Ga−Zn−O系、Sn−Al−Zn−O系、In−Zn−O系、Sn−Zn−O系、Al−Zn−O系、In−O系、Sn−O系、Zn−O系の酸化物半導体膜である。酸化物半導体膜32は2nm以上200nm以下の厚さを有ればよい。酸化物半導体膜32の種類及び組成によりしきい値電圧を調整することができる。
【0068】
酸化物半導体膜32には水素、水酸基または水分が含まれないようにすることが好ましい。具体的には水素が5×1019atoms/cm以下、好ましくは5×1018atoms/cm以下、より好ましくは5×1016atoms/cm未満である。また、300Kでのキャリア濃度は5×1014atoms/cm以下、好ましくは1×1014atoms/cm以下、好ましくは5×1012atoms/cm以下、好ましくは1×1012atoms/cm以下である。即ち、酸化物半導体膜のキャリア濃度は、限りなくゼロに近い。また、エネルギーギャップは2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である。なお、酸化物半導体膜中の水素濃度測定は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectroscopy)で行えばよい。キャリア濃度測定はホール効果測定を行えばよい。
【0069】
酸化物半導体において水素はドナーであり、酸化物半導体をn型化する一つの要因であることが知られている。したがって水素を酸化物半導体から除去し、酸化物半導体の主成分以外の不純物が極力含まれないように高純度化することにより真性(i型)とすることができる。不純物を添加してi型化するのでなく、水素や水等の不純物を極力除去して、高純度化されたi型(真性半導体)またはそれに近づけることが好ましい。不純物を除去した酸化物半導体のフェルミ準位(Ef)は真性フェルミ準位(Ei)と同じレベルにまですることができる。
【0070】
上記酸化物半導体膜32を有する第2のトランジスタ8では、第2のゲート電極30に負の電位(逆バイアス)が印加しても、オフ電流は小さい。キャリア濃度が低いため、オフ電流に寄与する少数キャリア濃度(ホール濃度)が小さいからである。
【0071】
例えば第2のトランジスタ8のチャネル幅Wが1×10μmでチャネル長が3μmの素子であっても、オフ電流が10−13A以下であり、サブスレッショルドスイング値(S値)が0.1V/dec.(第2のゲート絶縁膜31の厚さ100nm)が得られる。
【0072】
酸化物半導体の主成分以外の不純物が極力含まれないように高純度化することにより、第2のトランジスタ8の動作を良好なものとすることができる。特に、オフ電流を低減することができる。
【0073】
また酸化物半導体のバンドギャップ(Eg)が3.15eVである場合、電子親和力(χ)は4.3eVと言われている。例えば電極33及び電極34にチタン(Ti)を用いると、Tiの仕事関数は、酸化物半導体の電子親和力(χ)とほぼ等しい。この場合、金属(Ti)−酸化物半導体界面において、電子に対してショットキー型の障壁は形成されない。すなわち酸化物半導体膜32にn型の不純物を添加しなくてもTiから酸化物半導体膜32に電子が注入される。
【0074】
電極33及び電極34はモリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料またはこれらを主成分とする合金材料を用いて、単層でまたは積層して形成する。電極33及び電極34には水素、水酸基または水分が含まれないようにすることが好ましい。電極33及び電極34は10−500nmの厚さを有すればよい。
【0075】
絶縁膜36は酸化物絶縁膜であり、例えば酸化シリコン膜を用いる。絶縁膜36には水素、水酸基または水分が含まれないようにすることが好ましい。絶縁膜36は10−200nmの厚さを有すればよい。なお酸化シリコン膜に代えて、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、または酸化窒化アルミニウム膜などを用いることもできる。
【0076】
絶縁膜36にハロゲン元素(例えば、フッ素または塩素)を5×1018atoms/cm〜1×1020atoms/cm程度含ませてもよい。ハロゲン元素により酸化物半導体膜32中、または絶縁膜36と酸化物半導体膜32との界面に存在しうる、水素、水分、水酸基又は水素化物などの不純物を排除することができる。
【0077】
なお絶縁膜36の直上であって、第2のゲート電極30の上方にいわゆるバックゲートを設けることにより、しきい値電圧を調整することができる。
【0078】
絶縁膜38は例えば酸化シリコン膜や窒化シリコン膜を用いる。絶縁膜38には水素、水酸基または水分が含まれないようにすることが好ましい。絶縁膜38は100nm−1μmの厚さを有すればよい。
【0079】
第1のワード線6、第2のワード線10、第1のビット線7及び第2のビット線11は、代表的には、アルミニウム、銅、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた元素でなる単体、上述の元素を成分とする合金、上述の元素を成分とする化合物(酸化物や窒化物)などの導電材料を用いることができる。また、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す。)、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電性材料を用いてもよい。また、これらの材料を含む積層構造を適用することもできる。
【0080】
次に図3に示した記憶装置1の作製方法を説明する。基板15の上に絶縁膜16をCVD法又はスパッタリング法により形成する。
【0081】
絶縁膜16の上にシリコン膜をCVD法又はスパッタリング法により成膜し、フォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いてエッチングを行い、シリコン膜20を形成する。またシリコン膜20と同時に電極27となるシリコン膜を形成してもよい。
【0082】
シリコン膜20が単結晶シリコン膜の場合、非晶質シリコン膜を成膜し、その後連続発振レーザ光や発振周波数が1−10MHzのレーザ光を照射して単結晶化する。または単結晶シリコン基板から単結晶シリコン膜を絶縁膜16上に転写してもよい。
【0083】
シリコン膜20が結晶性シリコン膜の場合、非晶質シリコン膜を成膜し、その後エキシマレーザ光を照射して結晶化する。または非晶質シリコン膜の上にNiなどの金属膜を成膜した後、非晶質シリコン膜を熱結晶化してもよい。またはCVD法により結晶性シリコン膜を成膜してもよい。シリコン膜20にはn型又はp型の不純物イオンをドープして第1のトランジスタ4のしきい値電圧Vをシフトさせてもよい。
【0084】
電極27にシリコン膜を用いない場合は、絶縁膜16上に金属等の導電膜を成膜し、フォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いてエッチングを行い、電極27を形成する。
【0085】
次に、シリコン膜20の上に第1のゲート絶縁膜21をCVD法又はスパッタリング法により形成する。
【0086】
第1のゲート絶縁膜21の上に導電膜をスパッタリング法により形成し、フォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いてエッチングを行い、第1のゲート電極22及び電極28を形成する。なお電極27をシリコン膜20と同じ膜で形成する場合は、電極28を形成する前にn型又はp型の不純物イオンを添加して導電性を付与する。
【0087】
第1のゲート電極22をマスクとし、n型又はp型の不純物元素をドーピングして、シリコン膜20に領域18及び領域19を形成する。n型又はp型の不純物元素がドープされていない領域が第1のチャネル17となる。
【0088】
第1のゲート電極22の上に絶縁膜23をCVD法又はスパッタリング法により形成する。絶縁膜23の上に絶縁膜24をCVD法、スパッタリング法又は塗布法により形成する。
【0089】
次に、フォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いてエッチングを行い、絶縁膜24、絶縁膜23及びゲート絶縁膜21に開口を形成する。開口は領域18、領域19及び電極28に達する。
【0090】
絶縁膜24の上に導電膜を形成し、フォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いてエッチングを行い、電極25及び電極26を形成する。
【0091】
電極25及び電極26の上に絶縁膜29をCVD法、スパッタリング法又は塗布法により形成する。なお絶縁膜29中に水素が多量に含まれないようにするためにスパッタリング法で成膜することが好ましい。
【0092】
絶縁膜29として、例えば酸化珪素膜を形成する場合を説明する。水素、水、水酸基または水素化物(水素化合物ともいう。)などが除去された高純度酸素を含むスパッタガスを導入しシリコン半導体のターゲットを用いて、酸化珪素膜を成膜する。また成膜温度は室温でもよいし、基板15を加熱していてもよい。
【0093】
または石英(好ましくは合成石英)を用い、基板温度108℃、基板とターゲットの間との距離(T−S間距離)を60mm、圧力0.4Pa、高周波電源1.5kW、酸素及びアルゴン(酸素流量25sccm:アルゴン流量25sccm=1:1)雰囲気下でRFスパッタリング法により酸化珪素膜を成膜する。なお、石英(好ましくは合成石英)に代えてシリコンターゲットを用いてもよい。なお、スパッタガスとして酸素または、酸素及びアルゴンの混合ガスを用いて行う。
【0094】
なお成膜室内の残留水分を除去しつつ絶縁膜29を成膜することが好ましい。絶縁膜29に水素、水、水酸基または水素化物などが含まれないようにするためである。
【0095】
処理室内の残留水分を除去するためには、吸着型の真空ポンプを用いることが好ましい。例えば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプを用いることが好ましい。また、排気手段としては、ターボポンプにコールドトラップを加えたものであってもよい。クライオポンプを用いて排気した成膜室は、例えば、水素、水、水酸基または水素化物などが排気されるため、当該成膜室で成膜し絶縁膜29に含まれる不純物の濃度を低減できる。
【0096】
スパッタガスは水素、水、水酸基または水素化物などの不純物が、濃度数ppm、又は濃度数ppbまで除去された高純度ガスを用いることが好ましい。
【0097】
スパッタリング法にはスパッタ用電源に高周波電源を用いるRFスパッタリング法と、DCスパッタリング法があり、さらにパルス的にバイアスを与えるパルスDCスパッタリング法もある。RFスパッタリング法は主に絶縁膜を成膜する場合に用いられ、DCスパッタリング法は主に金属膜を成膜する場合に用いられる。
【0098】
また、材料の異なるターゲットを複数設置できる多元スパッタ装置もある。多元スパッタ装置は、同一チャンバーで異なる材料膜を積層成膜することも、同一チャンバーで複数種類の材料を同時に放電させて成膜することもできる。
【0099】
また、チャンバー内部に磁石機構を備えたマグネトロンスパッタリング法を用いるスパッタ装置や、グロー放電を使わずマイクロ波を用いて発生させたプラズマを用いるECRスパッタリング法を用いるスパッタ装置がある。
【0100】
また、スパッタリング法を用いる成膜方法として、成膜中にターゲット物質とスパッタガス成分とを化学反応させてそれらの化合物薄膜を形成するリアクティブスパッタリング法や、成膜中に基板にも電圧をかけるバイアススパッタリング法もある。
【0101】
本明細書のスパッタリングにおいては、上記したスパッタリング装置及びスパッタリング方法を適宜用いることができる。
【0102】
絶縁膜29として窒化珪素膜と酸化珪素膜とを積層する場合、窒化珪素膜と酸化珪素膜を同じ成膜室において、共通のシリコンターゲットを用いて成膜する。先に窒素を含むスパッタガスを導入して、成膜室内に装着されたシリコンターゲットを用いて窒化珪素膜を形成し、次に酸素を含むスパッタガスに切り替えて同じシリコンターゲットを用いて酸化珪素膜を成膜する。窒化珪素膜と酸化珪素膜とを大気に曝露せずに連続して形成することができるため、窒化珪素膜表面に水素、水、水酸基または水素化物などの不純物が吸着することを防止することができる。
【0103】
絶縁膜29上に導電膜を形成した後、フォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いてエッチングして第2のゲート電極30、電極35を形成する。導電膜に水素、水酸基または水分が含まれないようにするためスパッタリング法で成膜することが好ましい。第2のゲート電極30の端部はテーパ形状であると、後に積層する第2のゲート絶縁膜31の被覆性が向上するため好ましい。
【0104】
第2のゲート電極30、電極35上に第2のゲート絶縁膜31を形成する。第2のゲート絶縁膜31に水素、水酸基または水分が含まれないようにするためスパッタリング法で成膜することが好ましい。そのために成膜の前処理として、スパッタリング装置の予備加熱室で基板15を予備加熱し、基板15に吸着した水素、水、水酸基または水素化物などの不純物を脱離し排気することが好ましい。なお、予備加熱の温度としては、100℃以上400℃以下好ましくは150℃以上300℃以下である。なお、予備加熱室に設ける排気手段はクライオポンプが好ましい。なお、この予備加熱の処理は省略することもできる。
【0105】
例えば第2のゲート絶縁膜31として酸化シリコン膜を成膜する場合には、ターゲットとしてシリコンターゲットまたは石英ターゲットを用い、スパッタガスとして酸素または、酸素及びアルゴンの混合ガスを用いて行う。
【0106】
第2のゲート絶縁膜31上に酸化物半導体膜をスパッタリング法により形成する。スパッタリング法により成膜する前に、アルゴンガスを導入してプラズマを発生させる逆スパッタを行い、第2のゲート絶縁膜31の表面に付着しているゴミを除去することが好ましい。逆スパッタとは、ターゲット側に電圧を印加せずに、アルゴン雰囲気下で基板側に高周波電源を用いて電圧を印加して基板にプラズマを形成して表面を改質する方法である。なお、アルゴン雰囲気に代えて窒素、ヘリウム、酸素などを用いてもよい。
【0107】
上記した酸化物半導体を有するターゲットに用いる。例えば、酸化亜鉛を主成分とする金属酸化物のターゲットを用いることができる。また、金属酸化物のターゲットの他の例としては、In、Ga、及びZnを含む金属酸化物ターゲット(組成比として、In:Ga:ZnO=1:1:1[mol%]、またはIn:Ga:Zn=1:1:0.5[atom%])を用いることができる。In、Ga、及びZnを含む金属酸化物ターゲットとして、In:Ga:Zn=1:1:1[atom%]、またはIn:Ga:Zn=1:1:2[atom%]の組成比を有するターゲットを用いることもできる。金属酸化物ターゲットの充填率は90%以上100%以下、好ましくは95%以上99.9%以下である。充填率の高い金属酸化物ターゲットを用いることにより、成膜した酸化物半導体膜は緻密な膜となる。SiOを2重量%以上10重量%以下含むターゲットを用いてもよい。
【0108】
希ガス(代表的にはアルゴン)雰囲気下、酸素雰囲気下、または希ガス(代表的にはアルゴン)及び酸素雰囲気下において酸化物半導体膜を成膜する。
【0109】
スパッタガスは水素、水、水酸基または水素化物などの不純物が、濃度数ppm、又は濃度数ppbまで除去された高純度ガスを用いることが好ましい。
【0110】
減圧状態に保持された成膜室内に基板15を保持し、成膜室内の残留水分を除去しつつ水素、水、水酸基または水素化物などの不純物が除去されたスパッタリングガスを導入し、上記ターゲットを用いて酸化物半導体膜を成膜する。成膜室内の残留水分を除去するためには、吸着型の真空ポンプを用いることが好ましい。例えば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプを用いることが好ましい。また、排気手段としては、ターボポンプにコールドトラップを加えたものであってもよい。クライオポンプを用いて排気した成膜室は、例えば、水素原子、水(HO)など水素原子を含む化合物(より好ましくは炭素原子を含む化合物も)等が排気されるため、当該成膜室で成膜した酸化物半導体膜に含まれる不純物の濃度を低減できる。また、酸化物半導体膜成膜時に基板15を、例えば400℃未満の温度に加熱してもよい。
【0111】
成膜条件の一例としては、基板15の温度を室温とし、基板とターゲットの間との距離を110mm、圧力0.4Pa、直流(DC)電源0.5kW、酸素及びアルゴン(酸素流量15sccm:アルゴン流量30sccm)雰囲気下の条件が適用される。なお、パルス直流(DC)電源を用いると、成膜時に発生する粉状物質(パーティクル、ゴミともいう)が軽減でき、膜厚分布も均一となるために好ましい。酸化物半導体膜は好ましくは2nm以上200nm以下とする。なお、適用する酸化物半導体材料により適切な厚みは異なり、材料に応じて適宜厚みを選択すればよい。
【0112】
次に、フォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いて酸化物半導体膜をエッチングして酸化物半導体膜32を形成する。なお、ここでの酸化物半導体膜のエッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよく、両方を用いてもよい。
【0113】
ドライエッチングに用いるエッチングガスとしては、塩素を含むガス(塩素系ガス、例えば塩素(Cl)、塩化硼素(BCl)、塩化珪素(SiCl)、四塩化炭素(CCl)など)が好ましい。
【0114】
また、フッ素を含むガス(フッ素系ガス、例えば四弗化炭素(CF)、弗化硫黄(SF)、弗化窒素(NF)、トリフルオロメタン(CHF)など)、臭化水素(HBr)、酸素(O)、これらのガスにヘリウム(He)やアルゴン(Ar)などの希ガスを添加したガス、などを用いることができる。
【0115】
ドライエッチング法としては、平行平板型RIE(Reactive Ion Etching)法や、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用いることができる。
【0116】
ウェットエッチングに用いるエッチング液としては、燐酸と酢酸と硝酸を混ぜた溶液、アンモニア過水(31重量%過酸化水素水:28重量%アンモニア水:水=5:2:2)などを用いることができる。また、ITO07N(関東化学社製)を用いてもよい。
【0117】
酸化物半導体膜32に加熱処理を行ってもよい。加熱処理の温度は400℃以上750℃以下、好ましくは400℃以上基板の歪み点未満とする。加熱処理によって酸化物半導体膜32の脱水化または脱水素化を行うことができる。例えば電気炉にて酸化物半導体膜32に対して窒素雰囲気下450℃において1時間の加熱処理を行った後、大気に触れさせないことで、酸化物半導体膜32への水素、水、水酸基または水素化物などの再浸入を防ぐことができる。
【0118】
なお、加熱処理装置は電気炉に限られず、抵抗発熱体などの発熱体からの熱伝導または熱輻射によって、被処理物を加熱する装置を備えていてもよい。例えば、GRTA(Gas Rapid Thermal Anneal)装置、LRTA(Lamp Rapid Thermal Anneal)装置等のRTA(Rapid Thermal Anneal)装置を用いることができる。LRTA装置は、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、高圧水銀ランプなどのランプから発する光(電磁波)の輻射により、被処理物を加熱する装置である。GRTA装置は、高温のガスを用いて加熱処理を行う装置である。気体には、アルゴンなどの希ガス、または窒素のような、加熱処理によって被処理物と反応しない不活性気体が用いられる。
【0119】
また加熱処理はGRTAを行ってもよい。GRTAは650℃〜700℃の高温に加熱した不活性ガス雰囲気にて数分間加熱する。GRTAを用いると短時間での高温加熱処理が可能となる。
【0120】
加熱処理においては、窒素、またはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスに、水素、水、水酸基または水素化物などが含まれないことが好ましい。または、加熱処理装置に導入する窒素、またはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスの純度を、6N(99.9999%)以上、好ましくは7N(99.99999%)以上、(即ち不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。
【0121】
加熱処理の条件、または酸化物半導体膜32の材料によっては、結晶化し、微結晶膜または多結晶膜となる場合もある。例えば、結晶化率が90%以上、または80%以上の微結晶の酸化物半導体膜となる場合もある。また、加熱処理の条件、または酸化物半導体膜の材料によっては、結晶成分を含まない非晶質の酸化物半導体膜となる場合もある。また、非晶質の酸化物半導体の中に微結晶部(粒径1nm以上20nm以下(代表的には2nm以上4nm以下))が混在する酸化物半導体膜となる場合もある。
【0122】
なお、次工程の導電膜を形成する前に逆スパッタを行い、酸化物半導体膜32及び第2のゲート絶縁膜31の表面に付着しているレジスト残渣などを除去することが好ましい。
【0123】
酸化物半導体膜32及び第2のゲート絶縁膜31上に導電膜をスパッタリング法にて形成する。導電膜に水素、水酸基及び水分がなるべく含まれないようにするために、成膜前に上記の前処理を行うことが好ましい。導電膜をフォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いてエッチングを行い、電極33、電極34を形成する。
【0124】
次に、NO、N、またはArなどのガスを用いたプラズマ処理によって露出している酸化物半導体膜32の表面に付着した吸着水などを除去する。または酸素とアルゴンの混合ガスを用いてプラズマ処理を行う。
【0125】
プラズマ処理後、大気に触れることなく、酸化物半導体膜32上に接するパッシベーション膜となる絶縁膜36を形成する。酸化物半導体膜32が電極33、電極34と接する領域以外の領域において、酸化物半導体膜32と絶縁膜36とが接する。
【0126】
絶縁膜36として酸化シリコン膜を用いる場合、基板15を室温または100℃未満の温度に加熱した状態で、水素及び水分が除去された高純度酸素を含むスパッタガスを導入しシリコン半導体のターゲットを用いて、欠陥を含む酸化シリコン膜を成膜する。
【0127】
例えば、純度が6Nであり、ボロンがドープされたシリコンターゲット(抵抗値0.01Ωcm)を用い、基板とターゲットの間との距離(T−S間距離)を89mm、圧力0.4Pa、直流(DC)電源6kW、酸素(酸素流量比率100%)雰囲気下でパルスDCスパッタリング法により酸化シリコン膜を成膜する。なお、シリコンターゲットに代えて石英(好ましくは合成石英)を酸化シリコン膜を成膜するためのターゲットとして用いることができる。なお、スパッタガスとして酸素または、酸素及びアルゴンの混合ガスを用いて行う。
【0128】
この場合において、処理室内の残留水分を除去しつつ絶縁膜36を成膜することが好ましい。酸化物半導体膜32及び絶縁膜36に水素、水酸基または水分が含まれないようにするためである。処理室内の残留水分を除去するためには、吸着型の真空ポンプを用いることが好ましい。
【0129】
さらに、絶縁膜36と酸化物半導体膜32とを接した状態で100℃乃至400℃で加熱処理を行ってもよい。絶縁膜36は欠陥を多く含むため、この加熱処理によって酸化物半導体膜32中に含まれる水素、水分、水酸基または水素化物などの不純物を絶縁膜36に拡散させ、酸化物半導体膜32中に含まれる該不純物をより低減させることができる。
【0130】
上記のように酸化物半導体膜32を形成するに際し、反応雰囲気中の残留水分を除去することで、該酸化物半導体膜32中の水素及び水素化物の濃度を低減することができる。それにより酸化物半導体膜32の安定化を図ることができる。
【0131】
絶縁膜36上に平坦化膜として絶縁膜38を形成する。絶縁膜38は、基板15を100℃〜400℃の温度に加熱し、水素及び水分が除去された高純度窒素を含むスパッタガスを導入しシリコン半導体のターゲットを用いて、例えば窒化シリコン膜を成膜する。この場合においても、絶縁膜36と同様に、処理室内の残留水分を除去しつつ絶縁膜38を成膜することが好ましい。
【0132】
第1のワード線6は第1のゲート電極22を用いてもよいし、絶縁膜38の上に、導電膜を用いて第1のワード線6を形成してもよい。また第2のワード線10は第2のゲート電極30を用いてもよいし、絶縁膜38の上に、導電膜を用いて第2のワード線10を形成してもよい。
【0133】
第1のビット線7は電極25を用いてもよいし、絶縁膜38の上に、導電膜を用いて第1のビット線7を形成してもよい。また第2のビット線11は電極33を用いてもよいし、絶縁膜38の上に、導電膜を用いて第2のビット線11を形成してもよい。
【0134】
(実施形態2)
本実施形態は、第1のメモリセルと、第2のメモリセルとを有し、第1のメモリセル及び第2のメモリセルに設けられるトランジスタとは別に第3のトランジスタを有し、第3のトランジスタの第3のチャネルが酸化物半導体膜からなる記憶装置を示す。具体的には、第1のトランジスタ及び第1のメモリ素子を有する第1のメモリセルと、第2のトランジスタ及び第2のメモリ素子を有する第2のメモリセルと、第3のトランジスタと、を有し、第1のトランジスタは、第1のチャネル、第1のゲート電極、第1のソース電極及び第1のドレイン電極を有し、第1のゲート電極は第1のワード線の一部である、又は第1のワード線に電気的に接続され、第1のソース電極及び第1のドレイン電極の一方は第1のビット線の一部である、又は第1のビット線に電気的に接続され、他方は第1のメモリ素子に電気的に接続され、第2のトランジスタは、第2のチャネル、第2のゲート電極、第2のソース電極及び第2のドレイン電極を有し、第2のゲート電極は第2のワード線の一部である、又は第2のワード線に電気的に接続され、第2のソース電極及び第2のドレイン電極の一方は第2のビット線の一部である、又は第2のビット線に電気的に接続され、他方は第2のメモリ素子に電気的に接続され、第3のトランジスタは、第3のチャネル、第3のゲート電極、第3のソース電極及び第3のドレイン電極を有し、第3のチャネルは酸化物半導体膜からなり、第3のソース電極及び第3のドレイン電極の一方は第2のワード線に電気的に接続され、他方には第2のトランジスタをオンする選択信号が入力され、紫外線照射前における前記第3のトランジスタのしきい値電圧はV31であり、紫外線照射時における第3のトランジスタのしきい値電圧はV32であり、紫外線照射後における第3のトランジスタのしきい値電圧はV33であり、第2のメモリ素子へのデータの書き込み及び読み出しは、紫外線を照射しながら第3のゲート電極に電圧(V)を印加して第3のトランジスタをオンにし、選択信号を第2のゲート電極に印加して第2のトランジスタをオンすることによって行う記憶装置を示す。ただしV32≦V<V33<V31(電圧Vは電圧V32以上)である。
【0135】
記憶装置51は第1のメモリセル52、第2のメモリセル53及び第3のトランジスタ62を有する(図4)。
【0136】
第1のメモリセル52は第1のトランジスタ54及び第1のメモリ素子55を有する。第1のトランジスタ54の第1のゲート電極304は第1のワード線56に電気的に接続され、電極303(第1のソース電極及び第1のドレイン電極の一方)は第1のビット線57に電気的に接続され、電極305(第1のソース電極及び第1のドレイン電極の他方)は第1のメモリ素子55に電気的に接続される。なお第1のゲート電極304は第1のワード線56の一部であってもよい。電極303は第1のビット線57の一部であってもよい。
【0137】
第2のメモリセル53は第2のトランジスタ58及び第2のメモリ素子59を有する。第2のトランジスタ58の第2のゲート電極308は第2のワード線60に電気的に接続され、電極307(第2のソース電極及び第2のドレイン電極の一方)は第2のビット線61に電気的に接続され、電極309(第2のソース電極及び第2のドレイン電極の他方)は第2のメモリ素子59に電気的に接続される。なお第2のゲート電極308は第2のワード線60の一部であってもよい。電極307は第2のビット線61の一部であってもよい。
【0138】
第1のトランジスタ54の第1のチャネル302及び第2のトランジスタ58の第2のチャネル306はシリコンからなる半導体膜を用いる。その他、ゲルマニウム、シリコン−ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、炭化珪素等からなる半導体膜を用いてもよい。第1のトランジスタ54の第1のゲート電極304及び第2のトランジスタ58の第2のゲート電極308には同じ電圧(V)印加してオンさせるのが好ましい。ただし第1のトランジスタのしきい値電圧はVであり、第2のトランジスタのしきい値電圧はVであり、V、V<Vである。したがって第1のトランジスタ54及び第2のトランジスタ58は同じ構成を有することが好ましい。
【0139】
第3のトランジスタ62の第3のチャネル310は酸化物半導体膜からなる。第3のトランジスタ62の第3のゲート電極312には当該第3のトランジスタ62をオン又はオフさせるための信号が入力される。電極313(第3のソース電極及び第3のドレイン電極の一方)は第2のワード線60に電気的に接続される。ここで「電気的に接続」とは直接電気的に接続されることの他、間接的に電気的に接続されることも含む。したがって電極313は第2のワード線60に直接電気的に接続されることの他、レベルシフタ及びバッファを介して第2のワード線60に電気的に接続されることやデコーダ、レベルシフタ及びバッファを介して第2のワード線60に電気的に接続されることも含む。
【0140】
一方、第3のトランジスタ62の電極311(第3のソース電極及び第3のドレイン電極の他方)は入力端子63に電気的に接続され、前記第2のトランジスタ58をオン又はオフする選択信号が入力される。
【0141】
第3のトランジスタ62のしきい値電圧は第3のチャネルへの紫外線照射により変化する(図5)。図5は第3のトランジスタ62のゲート電圧(Vg)とドレイン電流(Id)の関係を模式的に示している。曲線71は紫外線照射前、曲線72は紫外線照射時、曲線73は紫外線照射後の第3のトランジスタ62のVg−Idの関係を示す。第3のトランジスタ62のしきい値電圧は紫外線未照射(紫外線照射前)にはV31であるが、紫外線照射時にはV32になり、紫外線照射後はV33となる。この現象を用いて記憶装置51を動作させる。
【0142】
実際にデータを書き込み、読み出すときは第3のトランジスタ62の第3のゲート電極312には電圧Vを印加する。電圧VはV32≦V<V33<V31(電圧Vは電圧V32以上)の関係を有する。これにより紫外線を照射していない時には第3のトランジスタ62はオフのままであるが、紫外線照射時には第3のトランジスタ62をオンさせることができる。なお紫外線照射時には第3のトランジスタ62のオフ電流が増加するが、これは光リーク電流に起因する。
【0143】
次に記憶装置51の動作を説明する。第1のメモリ素子55には第三者がアクセス可能なデータを書き込み、読み出す。第2のメモリ素子59には第三者にアクセスさせたくないデータを書き込み、読み出す。
【0144】
1.第1のメモリ素子55にデータを書き込み、読み出す場合
まず第1のメモリ素子55にデータ(電荷)を書き込み、読み出す際の動作を説明する。第1のワード線56に電圧Vを印加することにより、第1のトランジスタ54の第1のゲート電極304に電圧Vを印加して第1のトランジスタ54をオンにする。第1のトランジスタ54がオンすることにより、第1のビット線57からデータを第1のメモリ素子55に書き込む。第1のメモリ素子55は容量等で形成されているからデータを記憶する。次にデータを読み出すときは、第1のワード線56に電圧Vを印加することにより、第1のトランジスタ54の第1のゲート電極304に電圧Vを印加して第1のトランジスタ54をオンにする。第1のトランジスタ54がオンすることにより、第1のメモリ素子55からデータが第1のビット線57に読み出される。
【0145】
一方、入力端子63にも第2のトランジスタ58をオンさせるための電圧Vが印加され、第3のトランジスタ62の第3のゲート電極312には電圧Vが印加される。ただし第3のトランジスタには紫外線は照射されない。Vは第3のトランジスタ62のしきい値電圧(V31)よりも低いため、第3のトランジスタ62はオフのままである。したがって第2のトランジスタ58はオフのままであり、第2のメモリ素子59にデータを書き込むことはできず、データを読み出すことはできない。
【0146】
2.第2のメモリ素子59にデータを書き込み、読み出す場合
第2のメモリ素子59にデータ(電荷)を書き込み、読み出す際の動作を説明する。第3のトランジスタ62の第3のゲート電極312に電圧Vを印加する。このとき第3のトランジスタ62には紫外線を照射する。具体的には第3のチャネル310に紫外線を照射する。第3のトランジスタ62のしきい値電圧はV31からV32へと変化する。電圧Vは紫外線照射状態における第3のトランジスタ62のしきい値電圧(V32)よりも高いため、第3のトランジスタ62はオンとなる。第3のトランジスタ62がオンすることにより、入力端子63に印加された電圧Vが第2のワード線60に印加され、電圧Vが第2のトランジスタ58の第2のゲート電極308に印加されて第2のトランジスタ58がオンになる。第2のトランジスタ58がオンすることにより、第2のビット線61からデータを第2のメモリ素子59に書き込む。第2のメモリ素子59は容量等で形成されているからデータを記憶する。
【0147】
次にデータを読み出すときは、第3のトランジスタ62の第3のゲート電極312に電圧Vを印加する。このとき第3のトランジスタ62には紫外線を照射する。第3のトランジスタ62のしきい値電圧はV32へと変化する。電圧Vは紫外線照射状態における第3のトランジスタ62のしきい値電圧(V32)よりも高いため、第3のトランジスタ62はオンとなる。第3のトランジスタ62がオンすることにより、入力端子63に印加された電圧Vが第2のワード線に印加され、電圧Vが第2のトランジスタ58の第2のゲート電極308に印加されて第2のトランジスタ58がオンになる。第2のトランジスタ58がオンすることにより、第2のメモリ素子59からデータが第2のビット線61に読み出される。
【0148】
第2のメモリ素子59へのデータの書き込みや読み出しをした後は、第3のトランジスタ62への紫外線照射を止める。第3のトランジスタ62のしきい値電圧はV33となる。
【0149】
3.第3のトランジスタ62のしきい値電圧がV33となった後、第1のメモリ素子55にデータを書き込み、読み出す場合
第3のトランジスタ62のしきい値電圧がV33となった後、第1のメモリ素子55に記憶されているデータを書き込み、読み出す際の動作を説明する。第1のワード線56に電圧Vを印加することにより、第1のトランジスタ54の第1のゲート電極304に電圧Vを印加して第1のトランジスタ54をオンにする。第1のトランジスタ54がオンすることにより、第1のビット線57からデータを第1のメモリ素子55に書き込む。第1のメモリ素子55は容量等で形成されているからデータを記憶する。次にデータを読み出すときは、第1のワード線56に電圧Vを印加することにより、第1のトランジスタ54の第1のゲート電極304に電圧Vを印加して第1のトランジスタ54をオンにする。第1のトランジスタ54がオンすることにより、第1のメモリ素子55からデータが第1のビット線57に読み出される。
【0150】
一方、入力端子63にも第2のトランジスタ58をオンさせるための電圧Vが印加され、第3のトランジスタ62の第3のゲート電極312には電圧Vが印加される。ただし第3のトランジスタには紫外線は照射されない。Vは第3のトランジスタ62のしきい値電圧(V33)よりも低いため、第3のトランジスタ62はオフのままである。したがって第2のトランジスタ58はオフのままであり、第2のメモリ素子9にデータを書き込むことはできず、データを読み出すことはできない。
【0151】
4.第3のトランジスタ62のしきい値電圧がV33となった後、第2のメモリ素子59にデータを書き込み、読み出す場合
第3のトランジスタ62の第3のゲート電極312に電圧Vを印加する。このとき第3のトランジスタ62には紫外線を照射する。第3のトランジスタ62のしきい値電圧はV33からV32へと変化する。電圧Vは紫外線照射状態における第3のトランジスタ62のしきい値電圧(V32)よりも高いため、第3のトランジスタ62はオンとなる。第3のトランジスタ62がオンすることにより、入力端子63に印加された電圧Vが第2のワード線60に印加され、電圧Vが第2のトランジスタ58の第2のゲート電極308に印加されて第2のトランジスタ58がオンになる。第2のトランジスタ58がオンすることにより、第2のビット線61からデータを第2のメモリ素子59に書き込む。第2のメモリ素子59は容量等で形成されているからデータを記憶する。
【0152】
次にデータを読み出すときは、第3のトランジスタ62の第3のゲート電極312に電圧Vを印加する。このとき第3のトランジスタ62には紫外線を照射する。電圧Vは紫外線照射状態における第3のトランジスタ62のしきい値電圧(V32)よりも高いため、第3のトランジスタ62はオンとなる。第3のトランジスタ62がオンすることにより、入力端子63に印加された電圧Vが第2のワード線60に印加され、電圧Vが第2のトランジスタ58の第2のゲート電極308に印加されて第2のトランジスタ58がオンになる。第2のトランジスタ58がオンすることにより、第2のメモリ素子59からデータが第2のビット線61に読み出される。
【0153】
第2のメモリ素子59へのデータの書き込みや読み出しをした後は、第3のトランジスタ62への紫外線照射を止める。
【0154】
次に第3のトランジスタ62をデコーダとレベルシフタの間に設け、第3のトランジスタ62をレベルシフタ及びバッファを介してワード線に接続する例を示す(図6)。
【0155】
第1のメモリセル52が複数設けられ、第2のメモリセル53が複数設けられている。ワード線101−106、バッファ107−112、レベルシフタ114−119、デコーダ120−125が設けられる。
【0156】
第1のメモリセル52は、例えばデコーダ120、レベルシフタ114、バッファ107及びワード線101に関して説明すると、ワード線101はバッファ107の出力部に電気的に接続され、バッファ107の入力部はレベルシフタ114の出力部に電気的に接続される。レベルシフタ114の入力部はデコーダ120の出力部に電気的に接続される。デコーダ120の入力部にはアドレス線A1及びアドレス線A2から選択信号が入力される。
【0157】
第2のメモリセル53はワード線105又はワード線106に電気的に接続される。例えばデコーダ124、レベルシフタ118及びワード線105に関して説明すると、ワード線105はバッファ111の出力部に電気的に接続され、バッファ111の入力部はレベルシフタ118の出力部に電気的に接続される。レベルシフタ118の入力部は第3のトランジスタ62の電極313(第3のソース電極及び第3のドレイン電極の一方)に電気的に接続され、電極311(第3のソース電極及び第3のドレイン電極の他方)はデコーダ124の出力部に電気的に接続される。デコーダ124の入力部にはアドレス線AX及びアドレス線A2から選択信号が入力される。
【0158】
アドレス線AX及びアドレス線A2からの選択信号によりデコーダ124は第2のメモリセル53にデータを書き込み、データを読み出すための選択信号を出力する。選択信号は第3のトランジスタ62の電極311に入力される。第3のトランジスタ62の第3のゲート電極312には制御線CTRLからVが入力される。このとき第3のトランジスタ62に紫外線が照射されていれば、第3のトランジスタ62はオンになり、選択信号はレベルシフタ118、バッファ111を介してワード線105に印加され、第2のメモリセル53がオンする。第2のメモリセル53がオンすることにより、データを書き込むこと、及びデータを読み出すことができる。
【0159】
デコーダ125、第3のトランジスタ62、レベルシフタ119及びバッファ112、ワード線106及び第2のメモリセル53の動作も同様である。第2のメモリセル53に関しては第3のトランジスタが設けられるため、第三者がアクセスできない。
【0160】
一方、第1のメモリセル52の方は、例えばデコーダ120、レベルシフタ114、バッファ107及びワード線101に関して説明すると、アドレス線A1及びアドレス線A2からの信号によりデコーダ120は第1のメモリセル52にデータを書き込み、データを読み出すための選択信号を出力する。選択信号はレベルシフタ114及びバッファ107を介してワード線101に印加され、第1のメモリセル52がオンする。第1のメモリセル52がオンすることにより、データを書き込み、データを読み出すことができる。第1のメモリセル52に関しては第3のトランジスタが設けられていないため、第三者がアクセス可能である。
【0161】
次に第3のトランジスタ62の電極313(第3のソース電極及び第3のドレイン電極の一方)をデコーダへの入力部と接続させる例を示す(図7)。
【0162】
第1のメモリセル52が複数設けられ、第2のメモリセル53が複数設けられている。ワード線101−106、バッファ107−112、レベルシフタ114−119、デコーダ120−125が設けられる。
【0163】
第1のメモリセル52は、例えばデコーダ120、レベルシフタ114、バッファ107及びワード線101に関して説明すると、ワード線101はバッファ107の出力部に電気的に接続され、バッファ107の入力部はレベルシフタ114の出力部に電気的に接続される。レベルシフタ114の入力部はデコーダ120の出力部に電気的に接続される。デコーダ120の入力部にはアドレス線A1及びアドレス線A2から選択信号が入力される。
【0164】
第2のメモリセル53はワード線105又はワード線106に電気的に接続される。例えばデコーダ111、レベルシフタ118及びワード線105に関して説明すると、ワード線105はバッファ111の出力部に電気的に接続され、バッファ111の入力部はレベルシフタ118の出力部に電気的に接続される。レベルシフタ118の入力部はデコーダ124の出力部に電気的に接続される。デコーダ124の入力部の一方は第3のトランジスタ62の電極313に電気的に接続され、他方はアドレス線A2に電気的に接続される。第3のトランジスタ62の電極311はアドレス線AXに電気的に接続される。
【0165】
アドレス線AX及びアドレス線A2からの信号によりデコーダ124は第2のメモリセル53にデータを書き込み、データを読み出すための選択信号を出力する。ここでアドレス線AXからの信号は、まず第3のトランジスタ62の電極311に入力される。第3のトランジスタ62の第3のゲート電極312には制御線CTRLからVが入力される。このとき第3のトランジスタ62に紫外線が照射されていれば、第3のトランジスタ62はオンになり、アドレス線AXからの信号はデコーダ124へ入力される。その後、選択信号はレベルシフタ118、バッファ111を介してワード線105に印加され、第2のメモリセル53がオンする。第2のメモリセル53がオンすることにより、データを書き込み、データを読み出すことができる。
【0166】
デコーダ125、第3のトランジスタ62、レベルシフタ119及びバッファ112、ワード線106及び第2のメモリセル53の動作も同様である。第2のメモリセルに関しては第3のトランジスタが設けられるため、第三者がアクセスできない。
【0167】
一方、第1のメモリセル52の方は、例えばデコーダ120、レベルシフタ114、バッファ107及びワード線101に関して説明すると、アドレス線A1及びアドレス線A2からの信号によりバッファ120は第1のメモリセル52にデータを書き込み、データを読み出すための選択信号を出力する。選択信号はレベルシフタ114及びバッファ107を介してワード線101に印加され、第1のメモリセル52がオンする。第1のメモリセル52がオンすることにより、データを書き込み、データを読み出すことができる。第1のメモリセル52に関しては第3のトランジスタ62が設けられていないため、第三者がアクセス可能である。
【0168】
第1のトランジスタ54は実施形態1の第1のトランジスタ4と同様の構成及び材料を有する。また第2のトランジスタ58も実施形態1の第1のトランジスタ4と同様の構成、材料を有する。
【0169】
第1のメモリ素子55は実施形態1の第1のメモリ素子5と同様の構成及び材料を有する。また第2のメモリ素子59も実施形態1の第1のメモリ素子5と同様の構成及び材料を有する。
【0170】
第3のトランジスタ62は実施形態1の第2のトランジスタ8と同様の構成及び材料を有する。
【0171】
記憶装置51は実施形態1に示した方法を適用して作製することができる。
【0172】
(実施形態3)
本実施形態は実施形態2の変形例である。第3のトランジスタに加えて第4のトランジスタを有する記憶装置を示す。第3のトランジスタの第3のチャネルは第1のトランジスタの第1のチャネル及び第2のトランジスタの第2のチャネルと同様にシリコン等の半導体膜からなるが、第4のトランジスタの第4のチャネルは酸化物半導体膜からなる。そして第4のトランジスタの第4のソース電極及び第4のドレイン電極の一方は、第3のトランジスタの第3のゲート電極と電気的に接続されている。
【0173】
具体的には、第1のトランジスタ及び第1のメモリ素子を有する第1のメモリセルと、
第2のトランジスタ及び第2のメモリ素子を有する第2のメモリセルと、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、を有し、第1のトランジスタは、第1のチャネル、第1のゲート電極、第1のソース電極及び第1のドレイン電極を有し、第1のゲート電極は第1のワード線の一部である、又は第1のワード線に電気的に接続され、第1のソース電極及び第1のドレイン電極の一方は第1のビット線の一部である、又は第1のビット線に電気的に接続され、他方は第1のメモリ素子に電気的に接続され、第2のトランジスタは、第2のチャネル、第2のゲート電極、第2のソース電極及び第2のドレイン電極を有し、第2のゲート電極は第2のワード線の一部である、又は第2のワード線に電気的に接続され、第2のソース電極及び第2のドレイン電極の一方は第2のビット線の一部である、又は第2のビット線に電気的に接続され、他方は第2のメモリ素子に電気的に接続され、第3のトランジスタは、第3のチャネル、第3のゲート電極、第3のソース電極及び第3のドレイン電極を有し、第3のソース電極及び第3のドレイン電極の一方は第2のワード線に電気的に接続され、他方には第2のトランジスタをオンする選択信号が入力され、第4のトランジスタは、第4のチャネル、第4のゲート電極、第4のソース電極及び第4のドレイン電極を有し、第4のチャネルは酸化物半導体膜からなり、第4のソース電極及び第4のドレイン電極の一方は第3のゲート電極に電気的に接続され、他方には第3のトランジスタをオンする選択信号が入力され、紫外線照射前における第4のトランジスタのしきい値電圧はV31であり、紫外線照射時における第4のトランジスタのしきい値電圧はV32であり、紫外線照射後における第4のトランジスタのしきい値電圧はV33であり、第2のメモリ素子へのデータの書き込み及び読み出しは、紫外線を照射しながら第4のゲート電極に電圧(V)を印加して第4のトランジスタをオンすることで第3のトランジスタをオンにし、選択信号を第2のゲート電極に印加して第2のトランジスタをオンすることによって行う記憶装置を示す。ただしV32≦V<V33<V31(電圧Vは電圧V32以上)である。
【0174】
記憶装置51は第1のメモリセル52、第2のメモリセル53、第3のトランジスタ62及び第4のトランジスタ200を有する(図16)。
【0175】
第1のメモリセル52及び第2のメモリセル53は実施形態2の第1のメモリセル52及び第2のメモリセル53と同じである。
【0176】
第1のトランジスタ54の第1のチャネル302及び第2のトランジスタ58の第2のチャネル306はシリコン等の半導体からなる。第1のトランジスタ54の第1のゲート電極304及び第2のトランジスタ58の第2のゲート電極308には同じ電圧(V)印加してオンさせるのが好ましい。ただし第1のトランジスタのしきい値電圧はVであり、第2のトランジスタのしきい値電圧はVであり、V、V<Vである。したがって第1のトランジスタ54及び第2のトランジスタ58は同じ構成を有することが好ましい。
【0177】
第3のトランジスタ62の第3のチャネル310は第1のトランジスタ54の第1のチャネル302及び第2のトランジスタ58の第2のチャネル306と同じであり、シリコンからなる。その他、ゲルマニウム、シリコン−ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、炭化珪素等を用いてもよい。第4のトランジスタ200の第4のチャネル314は酸化物半導体膜からなる。
【0178】
第1のトランジスタ54の第1のゲート電極304、第2のトランジスタ58の第2のゲート電極308及び第3のトランジスタ62の第3のゲート電極312には同じ電圧(V)印加してオンさせるのが好ましい。ただし第1のトランジスタ54のしきい値電圧はVであり、第2のトランジスタ58のしきい値電圧はVであり、第3のトランジスタ62のしきい値電圧はVであり、V、V、V<Vである。したがって第1のトランジスタ54、第2のトランジスタ58及び第3のトランジスタ62は同じ構成を有することが好ましい。
【0179】
第3のトランジスタ62の第3のゲート電極312には当該第3のトランジスタ62をオン又はオフさせるための信号が入力される。電極313(第3のソース電極及び第3のドレイン電極の一方)は第2のワード線60に電気的に接続される。ここで「電気的に接続」とは直接電気的に接続されることの他、間接的に電気的に接続されることも含む。したがって電極313は第2のワード線60に直接電気的に接続されることの他、レベルシフタ及びバッファを介して第2のワード線60に電気的に接続されることやデコーダ、レベルシフタ及びバッファを介して第2のワード線60に電気的に接続されることも含む。
【0180】
一方、第3のトランジスタ62の電極311(第3のソース電極及び第3のドレイン電極の他方)は入力端子63に電気的に接続され、前記第2のトランジスタ58をオン又はオフする選択信号が入力される。
【0181】
第4のトランジスタ200の第4のゲート電極316には当該第4のトランジスタ200をオン又はオフさせるための信号が入力される。電極315(第4のソース電極及び第4のドレイン電極の一方)は第3のトランジスタ62の第3のゲート電極312に電気的に接続される。電極317(第4のソース電極及び第4のドレイン電極の他方)には第3のトランジスタ62をオン又はオフする選択信号が入力される。必要に応じて、容量201を設けてよい。容量201は第4のトランジスタ200がオフになっても、第3のトランジスタをオンさせるための電荷を保持する。容量201の一方の電極318は電極315及び第3のトランジスタ62の第3のゲート電極312に電気的に接続される。他方の電極319には基準電圧が印加される。
【0182】
第4のトランジスタ200のしきい値電圧は第4のチャネル314への紫外線照射により変化する(図5)。曲線71は紫外線照射前、曲線72は紫外線照射時、曲線73は紫外線照射後の第4のトランジスタ200のVg−Idの関係を示す。第4のトランジスタ200のしきい値電圧は紫外線未照射(紫外線照射前)にはV31であるが、紫外線照射時にはV32になり、紫外線照射後はV33となる。この現象を用いて記憶装置51を動作させる。
【0183】
実際にデータを書き込み、読み出すときは第4のトランジスタ200の第4のゲート電極には電圧Vを印加する。電圧VはV32≦V<V33<V31(電圧Vは電圧V32以上)の関係を有する。これにより紫外線を照射していない時には第4のトランジスタ200はオフのままであるが、紫外線照射時には第4のトランジスタ200をオンさせることができる。紫外線照射前及び紫外線照射後の第4のトランジスタ200がノーマリーオフ型のトランジスタである場合にはV=0Vとすることもできる。
【0184】
紫外線を第4のチャネル314に照射することで第4のトランジスタ200がオンになると、電極317から第3のゲート電極312に、第3のトランジスタ62をオン又はオフする選択信号が入力される。
【0185】
次に記憶装置51の動作を説明する。第1のメモリ素子55には第三者がアクセス可能なデータを書き込み、読み出す。第2のメモリ素子59には第三者にアクセスさせたくないデータを書き込み、読み出す。
【0186】
1.第1のメモリ素子55にデータを書き込み、読み出す場合
まず第1のメモリ素子55にデータ(電荷)を書き込み、読み出す際の動作を説明する。第1のワード線56に電圧Vを印加することにより、第1のトランジスタ54の第1のゲート電極304に電圧Vを印加して第1のトランジスタ54をオンにする。第1のトランジスタ54がオンすることにより、第1のビット線57からデータを第1のメモリ素子55に書き込む。第1のメモリ素子55は容量等で形成されているからデータを記憶する。次にデータを読み出すときは、第1のワード線56に電圧Vを印加することにより、第1のトランジスタ54の第1のゲート電極304に電圧Vを印加して第1のトランジスタ54をオンにする。第1のトランジスタ54がオンすることにより、第1のメモリ素子55からデータが第1のビット線57に読み出される。
【0187】
一方、入力端子63にも第2のトランジスタ58をオンさせるための電圧Vが印加され、第4のトランジスタ200の第4のゲート電極316には電圧Vが印加される。ただし第4のトランジスタ200には紫外線は照射されない。Vは第4のトランジスタ200のしきい値電圧(V31)よりも低いため、第4のトランジスタ200はオフのままである。したがって第3のトランジスタ62及び第2のトランジスタ58はオフのままであり、第2のメモリ素子9にデータを書き込むことはできず、第2のメモリ素子9からデータを読み出すことはできない。
【0188】
2.第2のメモリ素子59にデータを書き込み、読み出す場合
第2のメモリ素子59にデータ(電荷)を書き込み、読み出す際の動作を説明する。第4のトランジスタ200の第4のゲート電極316に電圧Vを印加する。このとき第4のチャネル314に紫外線を照射する。第4のトランジスタ200のしきい値電圧はV31からV32へ変化する。電圧Vは紫外線照射状態における第4のトランジスタ200のしきい値電圧(V32)よりも高いため、第4のトランジスタ200はオンとなる。第4のトランジスタ200がオンすることにより、電極317から第3のゲート電極312に、第3のトランジスタ62をオンする選択信号(電圧V)が入力される。第3のトランジスタ62がオンになると、入力端子63に印加された電圧Vが第2のワード線60に印加され、電圧Vが第2のトランジスタ58の第2のゲート電極308に印加されて第2のトランジスタ58がオンになる。第2のトランジスタ58がオンすることにより、第2のビット線61からデータを第2のメモリ素子59に書き込む。第2のメモリ素子59は容量等で形成されているからデータを記憶する。
【0189】
次にデータを読み出すときは、第4のトランジスタ200の第4のゲート電極316に電圧Vを印加する。このとき第4のトランジスタ200には紫外線を照射することにより、第4のトランジスタ200をオンにする。第4のトランジスタ200がオンすることにより、第3のトランジスタ62がオンする。第3のトランジスタ62がオンすることにより、入力端子63に印加された電圧Vが第2のワード線に印加され、電圧Vが第2のトランジスタ58の第2のゲート電極308に印加されて第2のトランジスタ58がオンになる。第2のトランジスタ58がオンすることにより、第2のメモリ素子59からデータが第2のビット線61に読み出される。
【0190】
第2のメモリ素子59へのデータの書き込みや読み出しをした後は、第4のトランジスタ200への紫外線照射を止める。第4のトランジスタ200のしきい値電圧はV33となり、第4のトランジスタ200はオフになる。第4のチャネル314は酸化物半導体からなるため、第4のトランジスタのオフ電流は低い。このため第3のトランジスタ62の第3のゲート電極312の電位は保持され得る。また容量201が設けられている場合、容量201に保持された電荷により、第3のゲート電極312の電位は保持され得る。第3のゲート電極312の電位が保持されることにより、紫外線を照射していなくても第3のトランジスタ62がオンになり得る。
【0191】
3.第4のトランジスタ200のしきい値電圧がV33となった後、第1のメモリ素子55にデータを書き込み、読み出す場合
第4のトランジスタ200のしきい値電圧がV33となった後、第1のメモリ素子55に記憶されているデータを書き込み、読み出す際の動作を説明する。第1のワード線56に電圧Vを印加することにより、第1のトランジスタ54の第1のゲート電極304に電圧Vを印加して第1のトランジスタ54をオンにする。第1のトランジスタ54がオンすることにより、第1のビット線57からデータを第1のメモリ素子55に書き込む。第1のメモリ素子55は容量等で形成されているからデータを記憶する。次にデータを読み出すときは、第1のワード線56に電圧Vを印加することにより、第1のトランジスタ54の第1のゲート電極304に電圧Vを印加して第1のトランジスタ54をオンにする。第1のトランジスタ54がオンすることにより、第1のメモリ素子55からデータが第1のビット線57に読み出される。
【0192】
一方、入力端子63にも第2のトランジスタ58をオンさせるための電圧Vが印加され、第4のトランジスタ200の第4のゲート電極316には電圧Vが印加される。ただし第4のトランジスタ200には紫外線は照射されない。Vは第4のトランジスタ200のしきい値電圧(V33)よりも低いため、第4のトランジスタ200はオフのままである。したがって第2のトランジスタ58及び第3のトランジスタ62はオフのままであり、第2のメモリ素子9にデータを書き込むことはできず、第2のメモリ素子9からデータを読み出すことはできない。
【0193】
4.第4のトランジスタ200のしきい値電圧がV33となった後、第2のメモリ素子59にデータを書き込み、読み出す場合
第4のトランジスタ200の第4のゲート電極316に電圧Vを印加する。このとき第4のトランジスタ200には紫外線を照射する。電圧Vは紫外線照射状態における第4のトランジスタ200のしきい値電圧(V32)よりも高いため、第4のトランジスタ200はオンとなる。第4のトランジスタ200がオンすることにより、第3のトランジスタ62がオンする。第3のトランジスタ62がオンすることにより、入力端子63に印加された電圧Vが第2のワード線に印加され、電圧Vが第2のトランジスタ58の第2のゲート電極308に印加されて第2のトランジスタ58がオンになる。第2のトランジスタ58がオンすることにより、第2のビット線61からデータを第2のメモリ素子59に書き込む。第2のメモリ素子59は容量等で形成されているからデータを記憶する。
【0194】
次にデータを読み出すときは、第4のトランジスタ200の第4のゲート電極316に電圧Vを印加する。このとき第4のトランジスタ200には紫外線を照射することにより、第4のトランジスタ200をオンにする。第4のトランジスタ200がオンすることにより、第3のトランジスタ62がオンする。第3のトランジスタ62がオンすることにより、入力端子63に印加された電圧Vが第2のワード線に印加され、電圧Vが第2のトランジスタ58の第2のゲート電極308に印加されて第2のトランジスタ58がオンになる。第2のトランジスタ58がオンすることにより、第2のメモリ素子59からデータが第2のビット線61に読み出される。
【0195】
第2のメモリ素子59へのデータの書き込みや読み出しをした後は、第4のトランジスタ200への紫外線照射を止める。ただし第4のトランジスタ200のオフ電流は低いため、このため第3のトランジスタ62の第3のゲート電極312の電位は保持され得る。また容量201が設けられている場合、容量201に保持された電荷により、第3のゲート電極312の電位は保持され得る。
【0196】
第1のトランジスタ54は実施形態1の第1のトランジスタ4と同様の構成及び材料を有する。また第2のトランジスタ55、第3のトランジスタ62も実施形態1の第1のトランジスタ4と同様の構成及び材料を有する。
【0197】
第1のメモリ素子55は実施形態1の第1のメモリ素子5と同様の構成及び材料を有する。また第2のメモリ素子59も実施形態1の第1のメモリ素子5と同様の構成及び材料を有する。
【0198】
第4のトランジスタ200は実施形態1の第2のトランジスタ8と同様の構成及び材料を有する。
【0199】
記憶装置51は実施形態1に示した方法を適用して作製することができる。
【0200】
(実施形態4)
本実施形態は、実施形態1の構成において、第三者が第2のメモリ素子9へデータを書き込むことができない構成を示す。具体的には、書き込み回路、アナログスイッチ及び第3のトランジスタを有し、第3のトランジスタは、第3のチャネル、第3のゲート電極、第3のソース電極及び第3のドレイン電極を有し、第3のチャネルは酸化物半導体でなり、書き込み回路の出力は前記アナログスイッチに入力され、アナログスイッチの出力は第2のトランジスタのソース及びドレインの一方に入力され、第3のソース電極及び第3のドレイン電極の一方には書き込みイネーブル信号が入力され、他方はアナログスイッチの第1の制御端子に接続され、書き込みイネーブル信号の反転信号がアナログスイッチの第2の制御端子に入力され、紫外線照射前における第3のトランジスタのしきい値電圧はV31であり、紫外線照射時における第3のトランジスタのしきい値電圧はV32であり、紫外線照射後における第3のトランジスタのしきい値電圧はV33であり、第2のメモリ素子へのデータの書き込みは、紫外線を照射しながら第3のゲート電極に電圧(V)を印加して第3のトランジスタをオンにし、書き込みイネーブル信号が第1の制御端子に入力されて、書き込み回路からの出力が第2のソース電極及び第2のドレイン電極の一方に入力されるとともに、第2のゲート電極に電圧(V)が印加されて第2のトランジスタがオンすることにより行われる記憶装置を示す。ただしV32≦V<V33<V31(電圧Vは電圧V32以上)であり、V23<V21<Vである。
【0201】
本実施形態に示す記憶装置1は図1の構成に加えて、書き込み回路83、アナログスイッチ82及び第3のトランジスタ81を有する(図8)。第3のトランジスタ81は第3のチャネル320、第3のゲート電極322、電極321(第3のソース電極及び第3のドレイン電極の一方)及び電極323(第3のソース電極及び第3のドレイン電極の他方)を有する。第3のトランジスタ81の第3のチャネル320は酸化物半導体膜からなる。
【0202】
書き込み回路83の出力はアナログスイッチ82に入力される。書き込み回路83は書き込み電圧を出力する回路であり、公知の回路を適用できる。アナログスイッチ82の出力は第2のトランジスタ8の電極33に入力される。第3のトランジスタ81の電極321には書き込みイネーブル信号(EN)が入力され、他方の電極323はアナログスイッチ82の第1の制御端子324に接続される。アナログスイッチ82の第2の制御端子325には書き込みイネーブル信号の反転信号(EN’)が入力される。
【0203】
第3のトランジスタ81のしきい値電圧は第3のチャネル320への紫外線照射により変化する(図9)。図9は第3のトランジスタ81のゲート電圧(Vg)とドレイン電流(Id)の関係を模式的に示している。曲線71は紫外線照射前、曲線72は紫外線照射時、曲線73は紫外線照射後の第3のトランジスタ81のVg−Idの関係を示す。第3のトランジスタ81のしきい値電圧は紫外線未照射(紫外線照射前)にはV31であるが、紫外線照射時にはV32になり、紫外線照射後はV33となる。この現象を用いてデータの書き込みを行う。
【0204】
実際にデータを書き込むときは第3のトランジスタ81の第3のゲート電極322に電圧Vを印加する。電圧VはV32≦V<V33<V31(電圧Vは電圧V32以上)の関係を有する。これにより紫外線を照射していない時には第3のトランジスタ81はオフのままであるが、紫外線照射時には第3のトランジスタ81をオンさせることができる。なお紫外線照射時には第3のトランジスタ81のオフ電流が増加するが、これは光リーク電流に起因する。
【0205】
書き込み回路83から第2のメモリ素子9に記憶させるデータが出力され、アナログスイッチ82に入力される。書き込みイネーブル信号(EN)がアナログスイッチ82の第1の制御端子324に入力され、書き込みイネーブル信号の反転信号(EN’)がアナログスイッチ82の第2の制御端子325に入力される。ここで書き込みイネーブル信号は、まず第3のトランジスタ81の電極321に入力される。第3のトランジスタ81の第3のゲート電極322には制御線CTRLから電圧Vが入力される。このとき第3のトランジスタ81に紫外線が照射されていれば、第3のトランジスタ81はオンになり、書き込みイネーブル信号はアナログスイッチ82の第1の制御端子324へ入力される。そしてアナログスイッチ82がオンして書き込み回路83からデータが第2のビット線11を介して第2のトランジスタ8の電極33に入力される。このとき第2のワード線10から第2のトランジスタ8の第2のゲート電極30に電圧V(V23<V21<V)が入力され、第2のトランジスタ8がオンになると、データが第2のメモリ素子9に記憶される。このように第3のトランジスタ81を設けることにより、第三者は第2のメモリ素子9へデータを書き込むことができなくなる。
【0206】
なお図8では読み出し回路を示していないが、記憶装置1が読み出し回路を有していることは言うまでもない。またアナログスイッチ82は2つの制御端子、すなわち第1の制御端子324及び第2の制御端子325を有している。一方の制御端子がオンになり、他方がオフになるという不安定な状態を防ぐために、図8のようにプルダウン抵抗90を設けてもよい。
【0207】
第3のトランジスタ81は第2のトランジスタ8と同様の構成及び材料を有する。
【0208】
記憶装置1は実施形態1に示した方法を適用して作製することができる。
【0209】
(実施形態5)
本実施形態は実施形態1−4のいずれかを適用したメモリモジュール150を示す(図10)。メモリモジュール150は第1のメモリセル領域151、第2のメモリセル領域152、インターフェース153、ローデコーダー154、ローデコーダー155、コラムデコーダー156を有する。
【0210】
第1のメモリセル領域151には上記実施形態にて示した第1のメモリセル2(52)が複数設けられる。第2のメモリセル領域152には上記実施形態にて示した第2のメモリセル3(53)が複数設けられる(図15)。
【0211】
ローデコーダー154は例えば上記実施形態に示したデコーダ120−123、レベルシフタ114−117、バッファ107−110を有し、ワード線157で第1のメモリセル領域151に接続される。またローデコーダー155は例えば上記実施形態に示したデコーダ124−125、レベルシフタ118−119、バッファ111−112を有し、ワード線158で第2のメモリセル領域152に接続される。
【0212】
コラムデコーダー156は例えば上記実施形態に示した書き込み回路83や読み出し回路を有し、ビット線159で第1のメモリセル領域151及び第2のメモリセル領域152に接続される。
【0213】
ローデコーダー154、ローデコーダー155、コラムデコーダー156はそれぞれインターフェース153に接続される。
【0214】
上記実施形態にて示したように、第2のメモリセル領域152、ローデコーダー155及びカラムデコーダー156のいずれかにはチャネルが酸化物半導体膜からなるトランジスタが設けられる。本発明では当該トランジスタに紫外線を照射して当該トランジスタのしきい値電圧を変化させる。したがって当該領域は通常、紫外線を遮光する遮光物で覆われて遮光されていることが好ましい。当該領域へのアクセスが許可された者は遮光物を除去した後、当該トランジスタに紫外線を照射する。遮光物で当該領域を覆うことにより、第三者は当該領域にアクセスできない。
【0215】
(実施形態6)
本実施形態は上記実施の形態で示したメモリモジュールを有するRFIDタグ500を示す(図11)。
【0216】
RFIDタグ500は、アンテナ回路501及び信号処理回路502を有する。信号処理回路502は、整流回路503、電源回路504、復調回路505、発振回路506、論理回路507、メモリコントロール回路508、メモリ回路509、論理回路510、アンプ511、変調回路512を有する。メモリ回路509は上記実施形態のメモリモジュールを有する。
【0217】
アンテナ回路501によって受信された通信信号は復調回路505に入力される。受信される通信信号、すなわちアンテナ回路501とリーダ/ライタ間で送受信される信号の周波数は極超短波帯においては13.56MHz、915MHz、2.45GHzなどがあり、それぞれISO規格などで規定される。もちろん、アンテナ回路501とリーダ/ライタ間で送受信される信号の周波数はこれに限定されず、例えばサブミリ波である300GHz〜3THz、ミリ波である30GHz〜300GHz、マイクロ波である3GHz〜30GHz、極超短波である300MHz〜3GHz、超短波である30MHz〜300MHzのいずれの周波数も用いることができる。また、アンテナ回路501とリーダ/ライタ間で送受信される信号は、搬送波を変調した信号である。搬送波の変調方式は、アナログ変調またはデジタル変調であり、振幅変調、位相変調、周波数変調及びスペクトラム拡散のいずれかでよい。好ましくは、振幅変調または周波数変調である。
【0218】
発振回路506から出力された発振信号は、クロック信号として論理回路507に供給される。また、変調された搬送波は復調回路505で復調される。復調後の信号も論理回路507に送られ解析される。論理回路507で解析された信号はメモリコントロール回路508に送られる。メモリコントロール回路508はメモリ回路509を制御し、メモリ回路509に記憶されたデータを取り出し、論理回路510に送る。論理回路510に送られた信号は論理回路510でエンコード処理されたのちアンプ511で増幅され、その信号によって変調回路512は搬送波に変調をかける。この変調された搬送波によりリーダ/ライタがRFIDタグ500からの信号を認識する。
【0219】
整流回路503に入った搬送波は整流された後、電源回路504に入力される。このようにして得られた電源電圧を電源回路504より復調回路505、発振回路506、論理回路507、メモリコントロール回路508、メモリ回路509、論理回路510、アンプ511、変調回路512などに供給する。
【0220】
信号処理回路502とアンテナ回路501におけるアンテナとの接続については特に限定されない。例えばアンテナと信号処理回路502をワイヤボンディング接続やバンプ接続を用いて接続する、あるいはチップ化した信号処理回路502の一面を電極にしてアンテナに貼り付ける。信号処理回路502とアンテナとの貼り付けにはACF(anisotropic conductive film;異方性導電性フィルム)を用いることができる。
【0221】
アンテナは、信号処理回路502と共に同じ基板上に積層して設けるか、外付けのアンテナを用いる。もちろん、信号処理回路の上部もしくは下部にアンテナが設けられる。
【0222】
整流回路503は、アンテナ回路501が受信する搬送波により誘導される交流信号を直流信号に変換する。
【0223】
RFIDタグ500はバッテリー561を有してもよい(図12)。整流回路503から出力される電源電圧が、信号処理回路502を動作させるのに十分でないときには、バッテリー561からも信号処理回路502を構成する各回路、例えば復調回路505、発振回路506、論理回路507、メモリコントロール回路508、メモリ回路509、論理回路510、アンプ511、変調回路512などに電源電圧を供給する。
【0224】
整流回路503から出力される電源電圧のうちの余剰分をバッテリー561に充電すれば良い。RFIDタグにアンテナ回路501及び整流回路503とは別にさらにアンテナ回路及び整流回路を設けることにより、無作為に生じている電磁波等からバッテリー561に蓄えるエネルギーを得ることができる。
【0225】
バッテリーは充電することで連続的に使用できる。バッテリーはシート状に形成された電池を用いる。例えばゲル状電解質を用いるリチウムポリマー電池や、リチウムイオン電池、リチウム2次電池等を用いると、バッテリーの小型化が可能である。例えばニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池などが挙げられる。または大容量のコンデンサーなどを用いる。
【0226】
(実施形態7)
本実施形態では、上記実施形態で示したRFIDタグ800の使用例を示す(図13)。
【0227】
RFIDタグ800の用途は広範にわたるが、例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類(運転免許証や住民票等、図13(A))、包装用容器類(包装紙やボトル等、図13(C))、記録媒体(DVDソフトやビデオテープ等、図13(B))、乗り物類(自転車等、図13(D))、身の回り品(鞄や眼鏡等)、食品類、植物類、動物類、人体、衣類、生活用品類、または電子機器(液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置、または携帯電話)等の物品、若しくは各物品に取り付ける荷札(図13(E)、図13(F))等に設けて使用することができる。
【0228】
RFIDタグ800は、プリント基板に実装、表面に貼る、または埋め込むことにより、物品に固定される。例えば、本であれば紙に埋め込む、または有機樹脂からなるパッケージであれば当該有機樹脂に埋め込み、各物品に固定される。RFIDタグ800は、小型、薄型、軽量を実現するため、物品に固定した後もその物品自体のデザイン性を損なうことがない。また、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、または証書類等にRFIDタグ800を設けることにより、認証機能を設けることができ、この認証機能を活用すれば、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、または電子機器等に本発明の半導体装置を取り付けることにより、検品システム等のシステムの効率化を図ることができる。また、乗り物類であっても、RFIDタグ800を取り付けることにより、盗難などに対するセキュリティ性を高めることができる。
【実施例1】
【0229】
薄膜トランジスタのVg(V(ボルト))とId(A(アンペア))の関係を測定した一例を図14に示す。当該薄膜トランジスタのチャネルは酸化物半導体膜からなる。図14(A)は紫外線照射前のVg−Id曲線、図14(B)は紫外線照射時のVg−Id曲線、図14(C)は紫外線照射後のVg−Id曲線を示す。図中のVthはしきい値電圧、S−valueはS値、VDSはドレイン電圧を示す。紫外線の波長は254nm、紫外線強度は0.06mW/cm、照射時間は3分とした。チャネルにはIn−Ga−Zn−O系の酸化物半導体膜を用いた。薄膜トランジスタの構造は図3に示したようなボトムゲート型である。紫外線はチャネルの上方からチャネルに向けて照射した。
【0230】
薄膜トランジスタに紫外線を照射すると、しきい値電圧が−0.54Vから−3.23Vに変化し、さらに紫外線照射後は−2.16Vに変化している。この現象を用いて薄膜トランジスタを駆動させる。
【符号の説明】
【0231】
1 記憶装置
2 第1のメモリセル
3 第2のメモリセル
4 第1のトランジスタ
5 第1のメモリ素子
6 第1のワード線
7 第1のビット線
8 第2のトランジスタ
9 第2のメモリ素子
10 第2のワード線
11 第2のビット線
15 基板
16 絶縁膜
17 第1のチャネル
18 領域
19 領域
20 シリコン膜
21 第1のゲート絶縁膜
22 第1のゲート電極
23 絶縁膜
24 絶縁膜
25 電極
26 電極
27 電極
28 電極
29 絶縁膜
30 第2のゲート電極
31 第2のゲート絶縁膜
32 酸化物半導体膜
33 電極
34 電極
35 電極
36 絶縁膜
38 絶縁膜
41 曲線
42 曲線
43 曲線
51 記憶装置
52 第1のメモリセル
53 第2のメモリセル
54 第1のトランジスタ
55 第1のメモリ素子
56 第1のワード線
57 第1のビット線
58 第2のトランジスタ
59 第2のメモリ素子
62 第3のトランジスタ
60 第2のワード線
61 第2のビット線
62 第3のトランジスタ
71 曲線
72 曲線
73 曲線
81 第3のトランジスタ
82 アナログスイッチ
83 書き込み回路
90 プルダウン抵抗
101 ワード線
102 ワード線
103 ワード線
104 ワード線
105 ワード線
106 ワード線
107 バッファ
108 バッファ
109 バッファ
110 バッファ
111 バッファ
112 バッファ
114 レベルシフタ
115 レベルシフタ
116 レベルシフタ
117 レベルシフタ
118 レベルシフタ
119 レベルシフタ
120 デコーダ
121 デコーダ
122 デコーダ
123 デコーダ
124 デコーダ
125 デコーダ
150 メモリモジュール
151 第1のメモリセル領域
152 第2のメモリセル領域
153 インターフェース
154 ローデコーダー
155 ローデコーダー
156 コラムデコーダー
157 ワード線
158 ワード線
159 ビット線
200 第4のトランジスタ
201 容量
301 第2のチャネル
302 第1のチャネル
303 電極
304 第1のゲート電極
305 電極
306 第2のチャネル
307 電極
308 第2のゲート電極
309 電極
310 第3のチャネル
311 電極
312 第3のゲート電極
313 電極
314 第4のチャネル
315 電極
316 第4のゲート電極
317 電極
318 電極
319 電極
500 RFIDタグ
501 アンテナ回路
502 信号処理回路
503 整流回路
504 電源回路
505 復調回路
506 発振回路
507 論理回路
508 メモリコントロール回路
509 メモリ回路
510 論理回路
511 アンプ
512 変調回路
561 バッテリー
800 RFIDタグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のメモリセルと、
第2のメモリセルと、を有し、
前記第1のメモリセルは第1のトランジスタ及び第1のメモリ素子を有し、
前記第1のトランジスタは、第1のチャネル、第1のゲート電極、第1のソース電極及び第1のドレイン電極を有し、
前記第1のゲート電極は第1のワード線の一部である、又は前記第1のワード線に電気的に接続され、
前記第1のソース電極及び第1のドレイン電極の一方は第1のビット線の一部である、又は前記第1のビット線に電気的に接続され、他方は前記第1のメモリ素子に電気的に接続され、
前記第2のメモリセルは第2のトランジスタ及び第2のメモリ素子を有し、
前記第2のトランジスタは、第2のチャネル、第2のゲート電極、第2のソース電極及び第2のドレイン電極を有し、
前記第2のゲート電極は第2のワード線の一部である、又は前記第2のワード線に電気的に接続され、
前記第2のチャネルは酸化物半導体膜からなり、
前記第2のソース電極及び第2のドレイン電極の一方は第2のビット線の一部である、又は第2のビット線に電気的に接続され、他方は前記第2のメモリ素子に電気的に接続され、
紫外線照射前における前記第2のトランジスタのしきい値電圧(V21)は、前記第1のトランジスタのしきい値電圧(V)よりも高く、
紫外線照射時における前記第2のトランジスタのしきい値電圧(V22)は、前記電圧V21よりも低く、
紫外線照射後における前記第2のトランジスタのしきい値電圧(V23)は、前記電圧V21よりも低く、かつ前記電圧V22及び前記電圧Vよりも高く、
前記第2のメモリ素子に記憶されたデータの読み出しは、紫外線を照射しながら前記第2のトランジスタの第2のゲート電極に電圧(V)を印加して前記第2のトランジスタをオンにすることによって行うことを特徴とする記憶装置。ただしV≦V(電圧Vは電圧V以上)、V22≦V<V23<V21(電圧Vは電圧V22以上)である。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1のメモリ素子に記憶されたデータの読み出しは、前記第1のゲート電極に前記電圧Vを印加して前記第1のトランジスタをオンにすることによって行うことを特徴とする記憶装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、書き込み回路、アナログスイッチ及び第3のトランジスタを有し、
前記第3のトランジスタは、第3のチャネル、第3のゲート電極、第3のソース電極及び第3のドレイン電極を有し、
前記第3のチャネルは酸化物半導体膜からなり、
前記書き込み回路の出力は前記アナログスイッチに入力され、
前記アナログスイッチの出力は前記第2のトランジスタの第2のソース電極及び第2のドレイン電極の一方に入力され、
前記第3のソース電極及び第3のドレイン電極の一方には書き込みイネーブル信号が入力され、他方は前記アナログスイッチの第1の制御端子に接続され、
前記書き込みイネーブル信号の反転信号が前記アナログスイッチの第2の制御端子に入力され、
紫外線照射前における前記第3のトランジスタのしきい値電圧はV31であり、
紫外線照射時における前記第3のトランジスタのしきい値電圧はV32であり、
紫外線照射後における前記第3のトランジスタのしきい値電圧はV33であり、
前記第2のメモリ素子へのデータの書き込みは、
紫外線を照射しながら前記第3のゲート電極に電圧(V)を印加して前記第3のトランジスタをオンにし、
前記書き込みイネーブル信号が前記第1の制御端子に入力されて、前記書き込み回路からの出力が前記第2のソース電極及び第2のドレイン電極の一方に入力されるとともに、前記第2のゲート電極に電圧(V)が印加されて前記第2のトランジスタがオンすることにより行われることを特徴とする記憶装置。ただしV32≦V<V33<V31(電圧Vは電圧V32以上)であり、V23<V21<Vである。
【請求項4】
第1のトランジスタ及び第1のメモリ素子を有する第1のメモリセルと、
第2のトランジスタ及び第2のメモリ素子を有する第2のメモリセルと、
第3のトランジスタと、を有し、
前記第1のトランジスタは、第1のチャネル、第1のゲート電極、第1のソース電極及び第1のドレイン電極を有し、
前記第1のゲート電極は第1のワード線の一部である、又は前記第1のワード線に電気的に接続され、
前記第1のソース電極及び第1のドレイン電極の一方は第1のビット線の一部である、又は前記第1のビット線に電気的に接続され、他方は前記第1のメモリ素子に電気的に接続され、
前記第2のトランジスタは、第2のチャネル、第2のゲート電極、第2のソース電極及び第2のドレイン電極を有し、
前記第2のゲート電極は第2のワード線の一部である、又は前記第2のワード線に電気的に接続され、
前記第2のソース電極及び第2のドレイン電極の一方は第2のビット線の一部である、又は前記第2のビット線に電気的に接続され、他方は前記第2のメモリ素子に電気的に接続され、
前記第3のトランジスタは、第3のチャネル、第3のゲート電極、第3のソース電極及び第3のドレイン電極を有し、
前記第3のチャネルは酸化物半導体膜からなり、
前記第3のソース電極及び第3のドレイン電極の一方は前記第2のワード線に電気的に接続され、他方には前記第2のトランジスタをオンする選択信号が入力され、
紫外線照射前における前記第3のトランジスタのしきい値電圧はV31であり、
紫外線照射時における前記第3のトランジスタのしきい値電圧はV32であり、
紫外線照射後における前記第3のトランジスタのしきい値電圧はV33であり、
前記第2のメモリ素子へのデータの書き込み及び読み出しは、紫外線を照射しながら前記第3のゲート電極に電圧(V)を印加して前記第3のトランジスタをオンにし、前記選択信号を前記第2のゲート電極に印加して前記第2のトランジスタをオンすることによって行うことを特徴とする記憶装置。ただしV32≦V<V33<V31(電圧Vは電圧V32以上)である。
【請求項5】
第1のトランジスタ及び第1のメモリ素子を有する第1のメモリセルと、
第2のトランジスタ及び第2のメモリ素子を有する第2のメモリセルと、
第3のトランジスタと、
第4のトランジスタと、を有し、
前記第1のトランジスタは、第1のチャネル、第1のゲート電極、第1のソース電極及び第1のドレイン電極を有し、
前記第1のゲート電極は第1のワード線の一部である、又は前記第1のワード線に電気的に接続され、
前記第1のソース電極及び第1のドレイン電極の一方は第1のビット線の一部である、又は前記第1のビット線に電気的に接続され、他方は前記第1のメモリ素子に電気的に接続され、
前記第2のトランジスタは、第2のチャネル、第2のゲート電極、第2のソース電極及び第2のドレイン電極を有し、
前記第2のゲート電極は第2のワード線の一部である、又は前記第2のワード線に電気的に接続され、
前記第2のソース電極及び第2のドレイン電極の一方は第2のビット線の一部である、又は前記第2のビット線に電気的に接続され、他方は前記第2のメモリ素子に電気的に接続され、
前記第3のトランジスタは、第3のチャネル、第3のゲート電極、第3のソース電極及び第3のドレイン電極を有し、
前記第3のソース電極及び第3のドレイン電極の一方は前記第2のワード線に電気的に接続され、他方には前記第2のトランジスタをオンする選択信号が入力され、
前記第4のトランジスタは、第4のチャネル、第4のゲート電極、第4のソース電極及び第4のドレイン電極を有し、
前記第4のチャネルは酸化物半導体膜からなり、
前記第4のソース電極及び第4のドレイン電極の一方は前記第3のゲート電極に電気的に接続され、他方には前記第3のトランジスタをオンする選択信号が入力され、
紫外線照射前における前記第4のトランジスタのしきい値電圧はV31であり、
紫外線照射時における前記第4のトランジスタのしきい値電圧はV32であり、
紫外線照射後における前記第4のトランジスタのしきい値電圧はV33であり、
前記第2のメモリ素子へのデータの書き込み及び読み出しは、紫外線を照射しながら前記第4のゲート電極に電圧(V)を印加して前記第4のトランジスタをオンすることで第3のトランジスタをオンにし、前記第2のトランジスタをオンする選択信号を前記第2のゲート電極に印加して前記第2のトランジスタをオンすることによって行うことを特徴とする記憶装置。ただしV32≦V<V33<V31(電圧Vは電圧V32以上)である。
【請求項6】
請求項4又は5において、デコーダ、レベルシフタ及びバッファを有し、
前記第3のソース電極及び第3のドレイン電極の一方は前記レベルシフタ及び前記バッファを介して前記第2のワード線に電気的に接続され、
前記デコーダが前記他方に前記選択信号を入力することを特徴とする記憶装置。
【請求項7】
請求項4又は5において、デコーダ、レベルシフタ、バッファ及びアドレス線を有し、
第3のソース電極及び第3のドレイン電極の一方は前記デコーダ、前記レベルシフタ及び前記バッファを介して前記第2のワード線に電気的に接続され、
前記アドレス線から前記選択信号が前記他方に入力されることを特徴とする記憶装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−129889(P2011−129889A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249662(P2010−249662)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】