説明

電気光学装置の製造方法、電気光学装置、液晶装置、有機エレクトロルミネッセンス装置、及び電子機器

【課題】有機半導体層を液滴吐出法にて形成する際に、より信頼性の高いものを得る、電
気光学装置の製造方法、電気光学装置、液晶装置、有機エレクトロルミネッセンス装置、
及び電子機器を提供する。
【解決手段】基板10A上に、第1隔壁12をパターン状に設ける。基板10Aに金属材
料を蒸着し、第1隔壁12の上面に画素電極13及び信号線14を形成するとともに、第
1隔壁12に囲まれた領域にゲート線16を形成する。基板10A上に、ゲート絶縁膜形
成領域18、及びゲート絶縁膜形成領域18に一部重なる半導体層形成領域を少なくとも
区画する第2隔壁17を形成する。ゲート絶縁膜形成領域18にゲート絶縁膜26を形成
し、有機半導体層の形成材料を含む機能液を半導体層形成領域に吐出し、ゲート電極16
a及びゲート絶縁膜26の一部を跨ぎ、画素電極13及び信号線14間を電気的に接続す
る有機半導体層28を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、液晶装置、有機エレクトロルミネ
ッセンス装置、及び電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、有機半導体材料からなる有機半導体層が注目されている。その理由として、無機
半導体に比べて極めて低温のプロセスで製造でき、プラスチック基板やフィルムを用いる
ことができ、フレキシブルで軽量、壊れにくい素子を作製することができるといった利点
が挙げられる。また、溶液の塗布や印刷法(インクジェット法)といった簡便な方法によ
り、短時間で素子を作製することができ、プロセスコスト、装置コストを抑えることがで
きる。
【0003】
そのため、有機半導体層を備える有機半導体装置をインクジェットプロセスによって形
成したいとの要望がある。一般に半導体装置は、例えば電気光学装置におけるスイッチン
グ素子として用いられる。そこで、半導体層の特性を向上させるため、チャネル長(ゲー
ト電極幅)を小さくすることが望まれている。しかしながら、現在の技術では、インクジ
ェットプロセスにより形成できるチャネル長(ゲート電極幅)が限られてしまうため、チ
ャネルの十分な小型化を図ることが難しかった。
【0004】
そこで、微細なパターンを必要とするゲート電極をフォトリソグラフィプロセスにより
形成し、有機半導体層をインクジェットプロセスによって形成するといった、フォトリソ
グラフィプロセスとインクジェットプロセスとを組み合わせた手法がある(例えば特許文
献1参照)。
【特許文献1】特表2005−531134号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示された発明では、ソース電極とドレイン電極とを
櫛歯状に噛み合わせて形成することで、チャネル長を短縮しているので、ソース又はドレ
イン電極とゲート電極とがオーバーラップした領域に寄生容量が形成されてしまい、これ
によって配線遅延が生じてしまい、信頼性が得られなかった。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、有機半導体層を液滴吐出法に
て形成する際に、より信頼性の高いものを得る、電気光学装置の製造方法、電気光学装置
、液晶装置、有機エレクトロルミネッセンス装置、及び電子機器を提供することを目的と
している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電気光学装置の製造方法は、基板上に、第1隔壁をパターン状に設ける工程と
、前記基板に金属材料を蒸着し、前記第1隔壁の上面に画素電極及び信号線を形成すると
ともに、前記第1隔壁に囲まれた領域にゲート線を形成する工程と、前記蒸着工程の後、
前記基板上に、ゲート絶縁膜形成領域、及び該ゲート絶縁膜形成領域に一部重なる半導体
層形成領域を少なくとも区画する第2隔壁を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜形成領域
に絶縁層の形成材料を含む機能液を吐出し、ゲート絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート
絶縁膜の形成後、有機半導体層の形成材料を含む機能液を前記半導体層形成領域に吐出し
、前記ゲート電極及び前記ゲート絶縁膜の一部を跨ぎ、前記画素電極及び前記信号線間を
電気的に接続する有機半導体層を形成する工程と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の電気光学装置の製造方法によれば、例えば液滴吐出法により、半導体層形成領
域に吐出された機能液に自己流動(毛細管現象)が生じ、ゲート絶縁膜を介してゲート電
極上に跨ぐように機能液を微細なパターンの端部にまで流れ込ませることができる。よっ
て、ゲート線に交差する部分における半導体層のチャネル長を短くすることができる。ま
た、従来のようにチャネル領域の両側に形成されるソース領域及びドレイン領域とゲート
電極(ゲート線)が交差(ゲートオーバーラップ)することがなく、配線遅延等の不具合
が防止された信頼性の高いものを提供することができる。
【0009】
また、上記電気光学装置の製造方法においては、前記第1隔壁を形成する前工程として
、前記基板の前記ゲート線が形成される面の少なくとも一部に補助配線を形成するのが好
ましい。
この構成によれば、第1隔壁に区画された領域に形成されるゲート線が微細となる場合
であっても、ゲート線の一部に補助配線が接続されることでゲート線に電圧降下が生じる
のを抑制することができる。
【0010】
また、上記電気光学装置の製造方法においては、前記第2隔壁を形成する工程において
、前記画素電極の一部を臨ませるように前記第2隔壁を区画形成し、前記画素電極の電荷
を保持する容量素子を構成する容量線形成領域を形成し、前記ゲート絶縁膜を形成する工
程において、前記容量線形成領域にも前記機能液を吐出し、前記容量素子を構成する層間
絶縁層を形成し、前記有機半導体層を形成した後、前記容量線形成領域に導電性機能液を
吐出して容量線を形成し、前記画素電極、前記層間絶縁層、及び前記容量線の積層構造か
らなる前記容量素子を形成するのが好ましい。
この構成によれば、液滴吐出法により、画素電極の電荷を保持する容量素子を形成する
ことができ、データの保持を可能とする電気光学装置を提供することができ、この電気光
学装置は特に液晶装置として好適に採用することができる。
このとき、前記ゲート絶縁膜形成領域、前記半導体層形成領域、及び前記容量線形成領
域の少なくとも一つには、他の領域に比べて幅の広い液溜部が設けられており、該液溜部
に機能液が吐出されるようにしてもよい。
このようにすれば、液滴吐出法により液溜部に吐出された機能液に自己流動(毛細管現
象)を生じさせることができ、前記ゲート絶縁膜形成領域、及び半導体層形成領域の微細
領域にも機能液を確実に流し込ませることが可能となる。
【0011】
また、上記電気光学装置の製造方法においては、前記ゲート線の形成領域をなす前記第
1隔壁の内壁面は基板の上面に対し、鋭角をなす傾斜面であるのが好ましい。
この構成によれば、ゲート線の形成領域をなす第1隔壁の上面側が庇状に形成されてい
るので、第1隔壁の内壁面における蒸着材料のつき回りを低下させ、これによって第1隔
壁上に形成される画素電極及び信号線と、前記第1隔壁に囲まれた領域に形成されるゲー
ト線とが導通してしまうのを防止することができる。なお、傾斜面における鋭角とは、8
0度以下、特に75以下とするのが望ましい。
【0012】
本発明の電気光学装置は、基板と、該基板上に設けられた第1隔壁と、該第1隔壁によ
って形成される溝内に設けられたゲート電極と、該ゲート電極を覆うゲート絶縁膜と、前
記第1隔壁の上面に設けられた信号線及び画素電極と、前記第1隔壁上に、前記溝の一部
を跨ぐように設けられる第2隔壁と、を具備し、前記第2隔壁に囲まれた半導体層形成領
域には、前記ゲート絶縁膜を跨いで、前記信号線及び画素電極間を電気的に接続する、液
滴吐出法により形成されてなる有機半導体層が設けられることを特徴とする。
【0013】
本発明の電気光学装置によれば、例えば第2隔壁に囲まれた半導体層形成領域に有機半
導体層の形成材料を吐出することで、該有機半導体層の形成材料に自己流動(毛細管現象
)が生じ、ゲート電極を跨ぐ有機半導体層を微細なパターンとすることができる。よって
、ゲート線に交差する半導体層、すなわちチャネル領域におけるチャネル長が短くなる。
また、チャネル領域の両側に形成されるソース領域及びドレイン領域とゲート電極(ゲー
ト線)が交差(ゲートオーバーラップ)することがないので、配線遅延等の不具合が防止
された信頼性の高いものとなる。
【0014】
また、上記電気光学装置においては、前記第2隔壁に囲まれた領域に、前記画素電極の
電荷を保持する容量素子が形成されており、前記容量素子は、容量線の一部と前記画素電
極の一部とからなる容量電極と、該容量電極間に設けられた絶縁層とからなるのが好まし
い。
この構成によれば、画素電極の電荷を保持する容量素子を備えているので、データの保
持が可能となり、特に液晶装置として好適に採用することができる。
【0015】
また、上記電気光学装置においては、前記半導体層形成領域の一部には、他の領域に比
べて幅が拡がった液溜部が設けられているのが好ましい。
この構成によれば、液滴吐出法により半導体層を形成する際に、液溜部に有機半導体層
の形成材料を吐出することで、上述したようにチャネル長を良好に短くすることができる

【0016】
本発明の液晶装置は、互いに対向配置される一対の基板間に、液晶層を挟持してなる液
晶装置において、前記一対の基板の一方側は、第1隔壁と、該第1隔壁によって形成され
る溝に配設されたゲート電極と、前記第1隔壁上面に設けられた信号線及び画素電極と、
前記第1隔壁に積層される第2隔壁と、を備えてなり、前記第2隔壁に囲まれた一方の領
域には、前記ゲート電極を覆うゲート絶縁膜を跨ぎ、前記信号線及び画素電極に電気的に
接続される有機半導体層が設けられ、前記第2隔壁に囲まれた他方の領域には、前記画素
電極上に絶縁層と容量電極とが積層されることで、前記画素電極の電荷を保持する容量素
子が形成されてなることを特徴とする。
【0017】
本発明の液晶装置によれば、有機半導体層の形成材料に自己流動(毛細管現象)を生じ
させ、ゲート電極を跨ぐ有機半導体層は微細なパターンから形成されたものとなり、ゲー
ト線に交差する半導体層、すなわちチャネル領域におけるチャネル長が短くなる。しかも
、従来のようにゲート電極(ゲート線)とチャネル領域の両側に形成されたソース領域及
びドレイン領域とが交差(ゲートオーバーラップ)しないので、配線遅延等の不具合が防
止された信頼性の高いものとなる。また、画素電極の電荷を保持する容量素子を備えるこ
とで、データの保持が可能となり、高信頼性なものとなる。
【0018】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置は、基板上に設けられた一対の電極間に有
機発光層が設けられてなる有機エレクトロルミネッセンス装置において、前記基板は、第
1隔壁と、該第1隔壁によって形成される溝に配設されたゲート電極と、前記第1隔壁上
面に設けられた信号線及び画素電極と、前記第1隔壁に積層される第2隔壁と、を備えて
なり、前記第2隔壁に囲まれた一方の領域には、前記ゲート電極を覆うゲート絶縁膜を跨
ぎ、前記信号線及び画素電極に電気的に接続される有機半導体層が設けられ、前記第2隔
壁に囲まれた他方の領域には、前記画素電極上に絶縁層と容量電極とが積層されることで
、前記画素電極の電荷を保持する容量素子が形成されてなることを特徴とする。
【0019】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置によれば、有機半導体層の形成材料に自己
流動(毛細管現象)を生じさせ、ゲート電極を跨ぐ有機半導体層は微細なパターンから形
成されたものとなり、ゲート線に交差する半導体層、すなわちチャネル領域におけるチャ
ネル長が短くなる。しかも、従来のように、ゲート電極(ゲート線)とチャネル領域の両
側に形成されたソース領域及びドレイン領域とが交差(ゲートオーバーラップ)しないの
で、配線遅延等の不具合が防止された信頼性の高いものとなる。また、画素電極の電荷を
保持する容量素子を備えることで、データの保持が可能となり、高信頼性なものとなる。
【0020】
本発明の電子機器は、上記の電気光学装置の製造方法により得た電気光学装置、上記の
電気光学装置、上記の液晶装置、又は上記の有機エレクトロルミネッセンス装置を備えた
ことを特徴とする。
【0021】
本発明の電子機器によれば、上述したようにゲート長が短く、しかもゲートオーバーラ
ップに起因する書き込み遅延等の不具合が防止された信頼性の高い電気光学装置、液晶装
置、或いは有機エレクトロルミネッセンス装置を備えているので、この電子機器自体も高
い表示品質を備え、高信頼性なものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第1実施形態)
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実
施形態は、本発明の一部の態様を示すものであり、本発明を限定するものではない。また
、以下の説明に用いる各図面では、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとす
るため、各層や各部材ごとに縮尺を適宜変更している。
【0023】
(液滴吐出装置)
まず、電気光学装置の製造方法を説明するに先んじ、電気光学装置を形成するために用
いる液滴吐出装置について図1を参照して説明する。図1は、電気光学装置の製造方法に
用いられる装置の一例として、液滴吐出法によって基板上に液体材料を配置する液滴吐出
装置(インクジェット装置)IJの概略構成を示す斜視図である。この液滴吐出装置IJ
は、詳細については後述するように、電気光学装置を構成する基板上に有機半導体層、ゲ
ート絶縁膜、容量線等を形成する際に用いられるものである。
【0024】
液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド1と、X軸方向駆動軸4と、Y軸方向ガイド軸5
と、制御装置CONTと、ステージ7と、クリーニング機構8と、基台9と、ヒータ15
とを備えている。
ステージ7は、この液滴吐出装置IJによりインク(液体材料)を設けられる、後述す
る基板48を支持するものであって、基板48を基準位置に固定する不図示の固定機構を
備えている。
【0025】
液滴吐出ヘッド1は、複数の吐出ノズルを備えたマルチノズルタイプの液滴吐出ヘッド
であり、長手方向とY軸方向とを一致させている。複数の吐出ノズルは、液滴吐出ヘッド
1の下面にY軸方向に並んで一定間隔で設けられている。液滴吐出ヘッド1の吐出ノズル
からは、ステージ7に支持されている基板48に対して、上述した導電性微粒子を含むイ
ンクが吐出される。
【0026】
X軸方向駆動軸4には、X軸方向駆動モータ2が接続されている。X軸方向駆動モータ
2はステッピングモータ等であり、制御装置CONTからX軸方向の駆動信号が供給され
ると、X軸方向駆動軸4を回転させる。X軸方向駆動軸4が回転すると、液滴吐出ヘッド
1はX軸方向に移動する。
Y軸方向ガイド軸5は、基台9に対して動かないように固定されている。ステージ7は
、Y軸方向駆動モータ3を備えている。Y軸方向駆動モータ3はステッピングモータ等で
あり、制御装置CONTからY軸方向の駆動信号が供給されると、ステージ7をY軸方向
に移動する。
【0027】
制御装置CONTは、液滴吐出ヘッド1に液滴の吐出制御用の電圧を供給する。また、
X軸方向駆動モータ2に液滴吐出ヘッド1のX軸方向の移動を制御する駆動パルス信号を
、Y軸方向駆動モータ3にステージ7のY軸方向の移動を制御する駆動パルス信号を供給
する。
クリーニング機構8は、液滴吐出ヘッド1をクリーニングするものである。クリーニン
グ機構8には、図示しないY軸方向の駆動モータが備えられている。このY軸方向の駆動
モータの駆動により、クリーニング機構8は、Y軸方向ガイド軸5に沿って移動する。ク
リーニング機構8の移動も制御装置CONTにより制御される。
ヒータ15は、ここではランプアニールにより基板48を熱処理する手段であり、基板
48上に塗布された液体材料に含まれる溶媒の蒸発及び乾燥を行う。このヒータ15の電
源の投入及び遮断も制御装置CONTにより制御される。
【0028】
液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド1と基板48を支持するステージ7とを相対的に
走査しつつ基板48に対して液滴を吐出する。ここで、以下の説明において、X軸方向を
走査方向、X軸方向と直交するY軸方向を非走査方向とする。従って、液滴吐出ヘッド1
の吐出ノズルは、非走査方向であるY軸方向に一定間隔で並んで設けられている。なお、
図1では、液滴吐出ヘッド1は、基板48の進行方向に対し直角に配置されているが、液
滴吐出ヘッド1の角度を調整し、基板48の進行方向に対して交差させるようにしてもよ
い。このようにすれば、液滴吐出ヘッド1の角度を調整することで、ノズル間のピッチを
調節することができる。また、基板48とノズル面との距離を任意に調節することが出来
るようにしてもよい。
【0029】
図2は、ピエゾ方式による液体材料の吐出原理を説明するための図である。図2におい
て、液体材料(配線パターン用インク、機能液)を収容する液体室21に隣接してピエゾ
素子22が設置されている。液体室21には、液体材料を収容する材料タンクを含む液体
材料供給系23を介して液体材料が供給される。
【0030】
ピエゾ素子22は駆動回路24に接続されており、この駆動回路24を介してピエゾ素
子22に電圧を印加し、ピエゾ素子22を変形させることにより、液体室21が変形し、
ノズル25から液体材料が吐出される。この場合、印加電圧の値を変化させることにより
、ピエゾ素子22の歪み量が制御される。また、印加電圧の周波数を変化させることによ
り、ピエゾ素子22の歪み速度が制御される。
【0031】
なお、液体材料の吐出原理としては、上述した圧電体素子であるピエゾ素子を用いてイ
ンクを吐出させるピエゾ方式の他にも、液体材料を加熱し発生した泡(バブル)により液
体材料を吐出させるバブル方式等、公知の様々な技術を適用することができる。このうち
、本実施形態で採用されるピエゾ方式では、液体材料に熱を加えないため、材料の組成等
に影響を与えないという利点を有する。
【0032】
ここで、機能液Lは、導電性微粒子を分散媒に分散させた分散液や有機半導体材料や高
分子誘電体材料を溶媒(分散媒)に分散した溶液からなるものである。
【0033】
導電性微粒子としては、例えば、金、銀、銅、パラジウム、及びニッケルのうちのいず
れかを含有する金属微粒子の他、これらの酸化物、並びに導電性ポリマーや超電導体の微
粒子などが用いられる。これらの導電性微粒子は、分散性を向上させるために表面に有機
物などをコーティングして使うこともできる。導電性微粒子の表面にコーティングするコ
ーティング材としては、例えばキシレン、トルエン等の有機溶剤やクエン酸等が挙げられ
る。導電性微粒子の粒径は1nm以上0.1μm以下であることが好ましい。0.1μm
より大きいと、後述する液体吐出ヘッドのノズルに目詰まりが生じるおそれがある。また
、1nmより小さいと、導電性微粒子に対するコーティング剤の体積比が大きくなり、得
られる膜中の有機物の割合が過多となる。
また、有機半導体材料としては、低分子系有機半導体材料、ポリマー有機半導体材料の
いずれも使用することができ、高分子誘電体材料としては、絶縁性を有する材料であれば
、特に限定されることなく種々のものを用いることができ、有機材料、無機材料のいずれ
も使用可能である。
【0034】
分散媒としては、上記材料を分散できるもので、凝集を起こさないものであれば特に限
定されない。例えば、水の他に、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールな
どのアルコール類、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、ト
ルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン
、デカヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼンなどの炭化水素系化合物、またエチレ
ングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコ
ールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、1,2−ジメトキ
シエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンなどのエーテル系化合
物、さらにプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン
、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノンなどの極性化合物を
例示できる。これらのうち、微粒子の分散性と分散液の安定性、また液滴吐出法(インク
ジェット法)への適用の容易さの点で、水、アルコール類、炭化水素系化合物、エーテル
系化合物が好ましく、より好ましい分散媒としては、水、炭化水素系化合物を挙げること
ができる。
【0035】
(電気光学装置の製造方法)
次に、上記液滴吐出装置IJを用いた電気光学装置の製造方法の一実施形態として、電
気泳動装置100(図11参照)を製造する工程について図面を参照して説明する。本実
施形態に係る製造方法は、図11に示す電気泳動装置100を構成するTFT基板10を
形成する工程に特徴を有しており、その他の工程は従来の方法と同様であることから、そ
の詳細な説明については省略する。なお、以下の図3〜図10においては、同図中上図は
電気泳動装置100の画素領域が形成される領域に対応する平面図であり、同図中下図は
上図のA−A´線矢視による側部断面図を示すものである。
【0036】
まず、TFT基板10を構成するための、基材として基板本体10Aを用意する。この
基板本体10Aとしては、光透過性を有した、ガラス基板、石英基板等を用いた。そして
、図3に示すように、前記基板本体10A上に補助配線11を形成する。この補助配線1
1は、後の工程で形成されるゲート線と同材料の金(Au)から構成されており、その形
成方法としては、例えばマスク蒸着法やフォトリソグラフィプロセスによるパターニング
等が挙げられる。
【0037】
続いて、図4に示すように、基板本体10A上に第1隔壁12をパターン状に形成する
。具体的には、前記第1隔壁12の形成材料として、基板上にネガ型レジストを塗布し、
マスクを用いて露光した後、現像する。これにより、露光されなかった部分が現像液で溶
解し、第1隔壁12がパターン状に形成される。
【0038】
このパターンは、後工程でゲート線が形成される領域であり、平面視略梯子形状となる
。また、第1隔壁12に区画(囲まれた)された領域(以下、ゲート線形成領域とも呼ぶ
)の底面には、基板本体10Aの上面及び前記補助配線11が露出した状態となる。なお
、ゲート配線の形成領域をなす第1隔壁12の内壁面12aは、基板本体10Aの上面に
対し、鋭角をなす傾斜面となっており、第1隔壁12の上面側が下面側に対して庇状に延
出した状態となっている。なお、傾斜面における鋭角とは、80度以下、特に75以下と
するのが望ましい。
【0039】
続いて、図5に示すように、基板本体10A上に金属材料、本実施形態では金を蒸着す
る。これにより、第1隔壁12の上面には画素電極13及び信号線14が形成される。
【0040】
また、前記第1隔壁12に囲まれたゲート線形成領域に蒸着された金によって、ゲート
線が構成される。このとき、図3に示したように、ゲート線形成領域には補助配線11が
形成されており、ゲート線16の一部が補助配線に接続される。これによって、前記ゲー
ト配線形成領域に形成されるゲート線が微細なものである場合でも、ゲート線16に生じ
る電圧降下が抑制されたものとなる。
【0041】
このとき、ゲート線形成領域をなす第1隔壁12の上面が庇状に形成されているので、
第1隔壁12の内壁面12aにおける蒸着材料(金)のつき回りを低下させ、これによっ
て第1隔壁12上に形成される画素電極13及び信号線14と、ゲート線形成領域に形成
されるゲート線16とが導通してしまうのを確実に防止することができる。
【0042】
具体的には、図5に示すように、ゲート線形成領域により4辺が囲まれた第1隔壁12
の上面に矩形状の画素電極13が形成され、図中上下方向において隣接する画素電極13
間に延出する第1隔壁12上に信号線14が形成される。
【0043】
蒸着工程後、図6に示すように、前記基板本体10A上に第2隔壁17を形成する。具
体的には、前記第1隔壁12の形成材料として、基板上にポジ型レジストを塗布し、マス
クを用いて露光した後、現像する。これにより、露光された部分が現像液で溶解し、第2
隔壁17がパターン状に形成される。
【0044】
この第2隔壁17は、ゲート絶縁膜形成領域18、及び半導体層形成領域19を区画す
るものである。ゲート絶縁膜形成領域18とは、後述する工程にて、上記液滴吐出装置I
Jによりゲート絶縁膜が形成される領域である。また、半導体層形成領域19とは、同様
に後述する工程にて、上記液滴吐出装置IJにより半導体層が形成される領域である。
【0045】
これらゲート絶縁膜形成領域18、及び半導体層形成領域19は、上記液滴吐出装置I
Jの液滴吐出ヘッド1から吐出した機能液(液体材料)を吐出するための液溜部18a,
19aと、該液溜部18a,19aから延出する微細パターン部18b,19bとから構
成されている。この構成を採用することで、液滴吐出ヘッド1から液溜部18a,19a
に吐出された機能液に自己流動(毛細管現象)を生じさせることができ、前記ゲート絶縁
膜形成領域18、及び半導体層形成領域19の微細領域にも機能液を確実に流し込ませる
ことが可能となっている。
【0046】
また、ゲート絶縁膜形成領域18及び半導体層形成領域19は、微細パターン部18b
,19bが図中Cで示される部分にて互いに交差(重なる)し、この交差部分は有機薄膜
トランジスタのチャネル領域を構成するようになっている。すなわち、本実施形態では、
チャネル長は、ゲート絶縁膜形成領域18の微細パターン部18bの幅となる。
【0047】
また、本実施形態では、第2隔壁17を形成する工程において、前記画素電極13の一
部を臨ませるように前記第2隔壁17を区画形成し、前記画素電極13の電荷を保持する
容量素子を設けるための容量線形成領域20を形成している。なお、容量線形成領域20
には、他の領域(ゲート絶縁膜形成領域18、及び半導体層形成領域19)と同様に、第
1隔壁12により区画された領域と、第2隔壁17により区画された領域との2つから構
成されている。また、容量線形成領域20は、前記半導体層形成領域19に連続的に形成
されている。そして、前記容量線形成領域20における前記半導体層形成領域19との接
続部近傍は、図6に示すように線幅が狭まった構成をなしている。
【0048】
したがって、後述する容量線形成領域は、段差構造が生じたものとなっている。容量素
子は、この段差構造の上段部に形成されている画素電極13と後述する工程で形成される
層間絶縁膜と容量線との積層構造により構成される。よって、前記段差構造をなす、第1
隔壁12及び第2隔壁17の幅や高さを調整することで、所望の大きさを有した容量素子
を形成することが可能となっている。
【0049】
また、本実施形態では、容量線形成領域20のパターン幅が略均等であることから、上
記液溜部を設けていないが、本発明はこれに限定されず、上記ゲート絶縁膜形成領域18
、及び半導体層形成領域19と同様に液溜部を設けてもよい。
【0050】
続いて、上記液滴吐出装置IJを用いて、前記ゲート絶縁膜形成領域18の液溜部18
aにゲート絶縁膜形成材料を含む機能液を吐出し、図7に示すように、ゲート絶縁膜26
を形成する。このゲート絶縁膜26の形成材料としては、絶縁性を有する材料であれば、
特に限定されることなく種々のものを用いることができ、有機材料、無機材料のいずれも
使用可能である。
例えば、公知のゲート絶縁膜用の有機材料として、ポリメチルメタクリレート、ポリビ
ニルフェノール、ポリイミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテ
ート等の高分子フィルム、あるいはパリレン膜が挙げられる。また、無機材料としては、
酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル等の金属酸化物、チタン酸バ
リウムストロンチウム、ジルコニウムチタン酸鉛等の金属複合酸化物が挙げられる。そし
て、これらのうちの1種を用い、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0051】
また、上述したように第2隔壁17を形成する際に、容量線形成領域20を形成してい
る。そこで、本実施形態では、前記ゲート絶縁膜26を形成する工程において、前記容量
線形成領域20に層間絶縁膜の形成材料(機能液)を吐出し、画素電極13の電荷を保持
する容量素子を構成する第1層間絶縁層(層間絶縁膜)27を形成する。この第1層間絶
縁膜27は、前記ゲート絶縁膜26と同一材料から構成される。このとき、前記容量線形
成領域20は、図6に示したように前記半導体層形成領域19との接続部近傍にて線幅が
狭まっていることから、容量線形成領域20に吐出された絶縁材料が自己流動によって半
導体層形成領域19内にまで流れ込むのを防止することができる。なお、前記線幅を狭め
る領域は出来るだけ長くとることが望ましい。これにより、後の工程で配置される半導体
層と画素電極13との間で接続不良が生じるのを確実に防止することができる。
【0052】
ゲート絶縁膜26、及び第1層間絶縁膜27を形成した後、図8に示すように上記液滴
吐出装置IJを用いて、前記半導体層形成領域19の液溜部19aに有機半導体層の形成
材料(機能液)を吐出する。液溜部19aに吐出された機能液には、自己流動(毛細管現
象)が生じ、図6に示した微細パターン部19b内に流れ込んで、機能液はゲート絶縁膜
26を跨いだ状態となる。なお、半導体層形成領域19には、前記ゲート線16を挟んで
信号線14と画素電極13とが対向配置されたものとなっている(図7参照)。すなわち
、図8に示すように上記工程により、ゲート線16を跨ぎ、画素電極13及び信号線14
間を電気的に接続する有機半導体層28が形成される。なお、ゲート線16における、ゲ
ート絶縁膜26を介し有機半導体層28に対向配置する領域は、ゲート電極16aを構成
することとなる。
【0053】
この有機半導体層の形成材料(機能液)としては、例えば、ポリ(3−アルキルチオフ
ェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)[P3HT]、ポリ(3−オクチルチオフェン
)、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)[PTV]、ポリ(パラ−フェニレンビニレン
)[PPV]、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)[PFO]、ポリ(9,9−ジオ
クチルフルオレン−コ−ビス−N,N’−(4−メトキシフェニル)−ビス−N,N’−
フェニル−1,4−フェニレンジアミン)[PFMO]、ポリ(9,9−ジオクチルフル
オレン−コ−ベンゾチアジアゾール)[BT]、フルオレン−トリアリルアミン共重合体
、トリアリルアミン系ポリマー、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−コ−ジチオフェ
ン)[F8T2]のようなフルオレン−ビチオフェン共重合体等のポリマー有機半導体材
料、またフラーレン(C60)、あるいは、金属フタロシアニンあるいはそれらの置換誘
導体、あるいはアントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン等のアセン分子材料
、あるいは、α−オリゴチオフェン類、具体的にはクォーターチオフェン(4T)、セキ
シチオフェン(6T)、オクタチオフェンのような低分子系有機半導体、PQT12(あ
るいは、12PQT;なお、PQTはポリクオーターチオフェン)のうちの1種を用い、
あるいは2種以上を混合して用いることができる。
【0054】
また、有機半導体層28の形成に先立ち、この有機半導体層28を良好に形成するため
、この有機半導体層28の下地となる面、すなわち基板1上の上記ゲート絶縁膜26の表
面を改質処理してもよい。この表面改質処理としては、例えばヘキサメチレンジシラザン
、シクロヘキサン、オクタデシルトリクロロシラン等の表面改質剤を用いた表面処理、ア
セトンやイソプロピルアルコール等を用いた有機洗浄処理、塩酸や硫酸、酢酸等の酸や水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア等のアルカリ処理、U
Vオゾン処理、フッ素化処理、酸素やアルゴン等のプラズマ処理、ラングミュアブロジェ
ット膜の形成処理が挙げられ、これらのうち1種、または2種以上の処理を用いることが
できる。
【0055】
前記有機半導体層28を形成した後、上記液滴吐出装置IJを用い、前記容量線形成領
域20に導電性機能液を吐出することで、図9に示す容量線29が形成される。なお、導
電性機能液に含有される導電性微粒子としては、例えば、金、銀、銅、パラジウム、マン
ガン、及びニッケルのうちのいずれかを含有する金属微粒子の他、これらの酸化物、並び
に導電性ポリマーや超電導体の微粒子などが用いられる。本実施形態では、導電性微粒子
として金を用いた。
【0056】
以上の工程により、前記画素電極13、前記第1層間絶縁膜27、及び前記容量線29
の積層構造からなる容量素子30が形成される。この容量素子30は、画素電極13にお
ける電荷を保持するためのもので、電気泳動装置100における各画素領域にてデータ保
持を可能となる。
【0057】
続いて、前記第2隔壁によって区画された全ての領域(ゲート絶縁膜形成領域18、半
導体層形成領域19、及び容量線形成領域20)に、上記液滴吐出装置IJを用いて第2
層間絶縁膜31を形成する。なお、第2層間絶縁膜31は、前記ゲート絶縁膜26及び前
記第1層間絶縁膜27と同一材料から構成される。以上の工程により、図10に示すよう
に電気泳動装置100を構成するTFT基板10が形成される。
【0058】
したがって、本実施形態の電気泳動装置(電気光学装置)100は、基板本体10Aと
、該基板本体10A上に設けられた第1隔壁12と、該第1隔壁12によって形成される
溝内に設けられたゲート電極16aと、第1隔壁12の上面に設けられる信号線14及び
画素電極13と、第1隔壁12上に設けられる第2隔壁17とを備えたものとなる。そし
て、前記溝内にはゲート絶縁膜26が設けられており、第2隔壁17に囲まれた半導体層
形成領域19には、前記ゲート電極16aを跨いで、前記信号線14及び画素電極13間
を電気的に接続する、液滴吐出法により形成されてなる有機半導体層28を備えたものと
なる。この有機半導体層28は、後述するように電気泳動装置100の有機薄膜トランジ
スタ(スイッチング素子;以下、有機TFTと称す)60をなすものである。
【0059】
続いて、TFT基板10及び対向基板32を、表示領域の周囲を囲むように枠状の封止
部材(図示せず)によって貼り合わせ、スペーサ(図示略)により一定に離間された状態
で保持する。なお、TFT基板10及び対向基板32の間には、電気光学層としてのマイ
クロカプセル70を保持し、これにより図11に示す電気泳動装置100を形成すること
ができる。マイクロカプセル70は、分散媒41、電気泳動粒子42等を有する電気泳動
分散液40をカプセル状の樹脂皮膜で覆ってマイクロカプセル化したものである。
【0060】
また、対向基板32は、例えば樹脂フィルム基板等の可撓性を有した透明性材料からな
り、対向基板32の内側(マイクロカプセル70)が配置される側には共通電極33が形
成されている。
【0061】
次に、マイクロカプセル70を構成する電気泳動分散液40について説明する。電気泳
動分散液40は、染料によって染色された分散媒41中に電気泳動粒子42を分散させた
構成となっている。電気泳動粒子42は、無機酸化物又は無機水酸化物からなる直径0.
01μm〜10μm程度の略球状の微粒子であり、上記分散媒41と異なる色相(白色及
び黒色を含む)を有している。このように酸化物又は水酸化物からなる電気泳動粒子42
には固有の表面等電点が存在し、分散媒41の水素イオン指数pHによってその表面電荷
密度(帯電量)が変化する。
【0062】
ここで、表面等電点とは、水溶液中における両性電解質の電荷の代数和がゼロとなる状
態を水素イオン指数pHによって示したものである。例えば、分散媒41のpHが電気泳
動粒子42の表面等電点に等しい場合には、粒子の実効電荷はゼロとなり、粒子は外部電
界に対して無反応な状態となる。また、分散媒41のpHが粒子の表面等電点よりも低い
場合には、粒子の表面は下式(1)によりプラスの電荷を帯びる。逆に、分散媒41のp
Hが粒子の表面等電点よりも高い場合には、粒子の表面は下式(2)によりマイナスの電
荷を帯びる。
pH低: ROH + H(過剰) + OH → ROH ・・・(1)
pH高: ROH + OH(過剰) → RO+ HO ・・・(2)
【0063】
なお、分散媒41のpHと粒子の表面等電点との差を大きくしていった場合、反応式(
1)又は(2)にしたがって粒子の帯電量は増加していくが、この差が所定値以上となる
と略飽和し、pHをそれ以上変化させても帯電量は変化しない。この差の値は、粒子の種
類、大きさ、形状等によって異なるものの、概ね1以上であればどのような粒子において
も帯電量は略飽和すると考えられる。
【0064】
上述の電気泳動粒子42としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウ
ム、ベンガラ、酸化アルミニウム、黒色低次酸化チタン、酸化クロム、ベーマイト、Fe
OOH、二酸化珪素、水酸化マグネシウム、水酸化ニッケル、酸化ジルコニウム、酸化銅
等が用いられている。
【0065】
また、このような電気泳動粒子42は、単独の微粒子としてだけでなく、各種表面改質
を施した状態でも用いることが可能である。このような表面改質の方法としては、例えば
、粒子表面をアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等のポ
リマーでコーティング処理する方法や、シラン系、チタネート系、アルミニウム系、弗素
系等のカップリング剤でカップリング処理する方法や、アクリル系モノマー、スチレンモ
ノマー、エポキシ系モノマー、イソシアネート系モノマー等とグラフト重合処理する方法
等があり、これらの処理を単独又は二種類以上組み合わせて行うことができる。
分散媒41には、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル等の非水系有機溶媒が用い
られており、スピリトブラック、オイルイエロー、オイルブルー、オイルグリーン、バリ
ファーストブルー、マクロレックスブルー、オイルブラウン、スーダンブラック、ファー
ストオレンジ等の染料によって染色されて、電気泳動粒子42と異なる色相を呈している

【0066】
図12は電気泳動装置100の画像表示領域を構成するマトリクス状に配置された複数
のドットの等価回路図である。本実施形態の電気泳動装置100は、図12に示すように
、画像表示領域を構成するマトリクス状に配置された複数の画素に、画素電極13と当該
画素電極13を制御するためのスイッチング素子である有機TFT60がそれぞれ形成さ
れており、画像信号が供給される信号線14が有機TFT60のソースに電気的に接続さ
れている。信号線14に書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供
給されるか、あるいは相隣接する複数の信号線14に対してグループ毎に供給される。ま
た、ゲート線16が有機TFT60のゲートに電気的に接続されており、複数のゲート線
16に対して走査信号G1、G2、…、Gmが所定のタイミングでパルス的に線順次で印
加される。また、画素電極13は有機TFT60のドレインに電気的に接続されており、
スイッチング素子である有機TFT60を一定期間だけオンすることにより、信号線14
から供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。
画素電極13を介して分散液に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、S
nは、対向基板35に設けられた共通電極33との間で一定期間保持される。電気泳動粒
子42は、印加される電圧により分散媒41中を移動してどちらか一方の電極13,33
上に集合し、光を変調する。本実施形態では、画素電極13の電荷、すなわち保持された
画像信号のリークを防止するため、画素電極13と共通電極33との間に形成される画素
容量と並列に蓄積容量をなす容量素子30が設けられている。
【0067】
このように構成された電気泳動装置100、及びその製造方法においては、半導体層形
成領域19に吐出した機能液に自己流動(毛細管現象)を生じさせ、微細パターンの端部
にまで前記機能液を流れ込むませることができる。よって、ゲート線16に交差する有機
半導体層28におけるチャネル長を短くすることができる。また、従来構成のように、ゲ
ート電極(ゲート線)がソース及びドレインに交差(ゲートオーバーラップ)することが
なく、寄生容量の発生を防止することができ、配線遅延等の不具合が防止された信頼性の
高いものとなる。また、画素電極13の電荷を保持する容量素子30が形成されているの
で、保持された画像信号(データ)のリークを防止でき、信頼性の高いものとなる。
【0068】
(液晶装置)
次に、電気光学装置の他の実施形態であり、かつ本発明の液晶装置の一実施形態につい
て説明する。この液晶装置200は、上述したTFT基板10を備えており、該TFT基
板10に対向配置される対向基板35との間に液晶層50を挟持したものである。図13
は、液晶装置200の全体構成を示す図である。図13に示すように、液晶装置200は
、対向して配置されたTFT基板10と対向基板35とがシール材34によって貼り合わ
されている。また、シール材34によって区画された領域内には液晶層50が形成されて
いる。なお、上記TFT基板10´は、TFT基板10と略同一構成から構成されており
、本実施形態では画素電極13を構成する材料としてAlを用いている。すなわち、本実
施形態の液晶装置200は、反射型の液晶装置として好適に採用される。
【0069】
シール材34の一部には液晶を注入する注入口34aが設けられており、当該注入口3
4aは封止材34bにより封止されている。シール材34の内側の領域には、遮光性材料
からなる遮光膜(周辺見切り)36が形成されている。周辺見切り36の内側の領域は、
光を変調する光変調領域になっている。光変調領域37には、複数の画素領域38がマト
リクス状に設けられている。各画素領域38の周囲には、遮光部材であるブラックマトリ
クス39が格子状に設けられている。このブラックマトリクスは、上記TFT基板10の
第2隔壁17及び第2層間絶縁膜31を覆うように形成される。そして、前記各画素領域
38の底面に画素電極13が臨まれるようになっている。
【0070】
TFT基板10の周縁部は、対向基板35から張り出した張出領域になっている。この
張出領域のうち図中左辺側及び右辺側には、走査信号を生成する走査線駆動回路51が形
成されている。図中上辺側には、左右の走査線駆動回路51の間を接続する配線43が引
き回されている。図中下辺側には、データ信号を生成するデータ線駆動回路52と、外部
の回路等に接続するための接続端子44とが形成されている。走査線駆動回路51と接続
端子44との間の領域には、両者を接続する配線45が形成されている。対向基板35の
各角部には、TFT基板10と対向基板35との間で電気的に接続するための基板間導通
材47が設けられている。
【0071】
画素電極13を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画素信号は、対向基板35の共
通電極35bとの間で一定期間保持されるが、前記TFT基板10に設けられた容量素子
30によって画素信号がリークするのを防止することができる。例えば、画素電極13の
電圧は、ソース電圧が印加された時間よりも3桁も長い時間だけ容量素子30に保持され
、電荷の保持特性が改善され、コントラスト比の高い液晶装置200を実現することがで
きる。
【0072】
図14は図13のA−A線に沿う断面の概略構成図である。図14に示すように、TF
T基板10は、例えばガラスや石英等の透光性の高い材料から形成された基板本体10A
を備えており、この基板本体10Aの液晶側には画素電極13と、当該画素電極13に電
気信号を供給する有機TFT60が設けられている。また、画素電極13を覆うように図
示しない配向膜が形成されている。
【0073】
対向基板35は、TFT基板10と同様に、例えばガラスや石英等の透光性の高い材料
から形成された基材35aを主体として構成されている。基材35aの内側(液晶層50
側)表面には共通電極35bが形成されており、共通電極35b上には配向膜(図示しな
い)が形成されている。なお、本実施形態の液晶装置は反射型のものであるため、共通電
極35bは、例えばITO等の透明な導電材料により形成される。なお、液晶装置200
においては、使用する液晶50の種類、すなわち、TN(Twisted Nematic)モード、C
−TN法、VA方式、IPS方式モード等の動作モードや、ノーマリホワイトモード/ノ
ーマリブラックモードの別に応じて、位相差板、偏光板等が所定の向きに配置されるが、
ここでは図示を省略する。
【0074】
本実施形態に係る液晶装置200によれば、上記実施形態に係る電気泳動装置100と
同様にゲート長が短く、ゲートオーバーラップに起因する書き込み遅延等の不具合が防止
することで信頼性が高く、コントラスト比が高く表示品質の高いものとなる。
【0075】
(有機EL装置)
次に、電気光学装置の他の実施形態であり、かつ本発明の有機エレクトロルミネッセン
ス装置(以下、有機EL装置と称す)の一実施形態について説明する。図15は、有機E
L装置の概略構成を示す断面図である。
【0076】
有機EL装置300は、TFTアレイ基板10側に設けられた第2隔壁17によって形
成された凹部開口内(画素領域)に臨む画素電極13上に発光素子451が形成される。
なお、発光素子451は、赤色の発光をなす素子、緑色の発光をなす素子、或いは青色の
発光をなす素子が各画素領域に設けられており、これによって有機EL装置300は、フ
ルカラー表示を実現するものとなっている。陰極461は、バンク部441及び発光素子
451の上部全面に形成され、陰極461の上には封止用基板471が積層されている。
【0077】
有機EL素子を含む有機EL装置401の製造プロセスは、発光素子451を適切に形
成するためのプラズマ処理工程と、発光素子451を形成する発光素子形成工程と、陰極
461を形成する対向電極形成工程と、封止用基板471を陰極461上に積層して封止
する封止工程とを備えている。
【0078】
発光層形成工程は、画素領域に望む画素電極13上に正孔注入層452及び発光層45
3を形成し、発光素子451を形成するものである。そして、正孔注入層形成工程は、正
孔注入層452を形成するための液状体材料を各画素電極13上に吐出する吐出工程と、
吐出された液状体材料を乾燥させて正孔注入層452を形成する乾燥工程とを有している

【0079】
また、発光層形成工程は、発光層453を形成するための液状体材料を正孔注入層45
2の上に吐出する吐出工程と、吐出された液状体材料を乾燥させて発光層453を形成す
る乾燥工程とを有している。なお、発光層453は、前述したように赤、緑、青の3色に
対応する材料によって3種類のものが形成されるようになっており、したがって前記の発
光層453の吐出工程は、3種類の材料をそれぞれに吐出するために3つの工程からなっ
ている。この発光素子形成工程においては、正孔注入層452の形成時と、発光層453
の形成時とで前記の液滴吐出装置IJを用いることができる。
【0080】
本実施形態に係る有機EL装置300にあっても、上記実施形態に係る電気泳動装置1
00及び液晶装置200と同様にゲート長が短く、信頼性が高い有機TFT60を備えて
いるので、表示品質の高いものとなる。
【0081】
(電子機器)
次に、本発明の電子機器の具体例について説明する。
図16は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図16において、600は携帯電話
本体を示し、601は上記実施形態の液晶表示装置を備えた液晶表示部を示している。
図16に示す電子機器は、上記液晶装置200を備えたものであるので、高い品質や性
能が得られる。
なお、本実施形態の電子機器は液晶装置200を備えるものとしたが、上記有機EL装
置300、上記電気泳動装置100を備えた電子機器とすることもできる。
【0082】
なお、上述した電子機器以外にも種々の電子機器に適用することができる。例えば、液
晶プロジェクタ、マルチメディア対応のパーソナルコンピュータ(PC)及びエンジニア
リング・ワークステーション(EWS)、ページャ、ワードプロセッサ、テレビ、ビュー
ファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、電子手帳、電子卓上計算機、カ
ーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネルを備えた装置などの電子機器に適用す
ることが可能である。
【0083】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、
本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構
成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲におい
て設計要求等に基づき種々変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】電気光学装置の製造方法に用いる液滴吐出装置の一実施例を示す図である。
【図2】ピエゾ方式による液体材料の吐出原理を説明するための図である。
【図3】電気泳動装置を製造する工程を説明する図である。
【図4】図3に続く電気泳動装置を製造する工程を説明する図である。
【図5】図4に続く電気泳動装置を製造する工程を説明する図である。
【図6】図5に続く電気泳動装置を製造する工程を説明する図である。
【図7】図6に続く電気泳動装置を製造する工程を説明する図である。
【図8】図7に続く電気泳動装置を製造する工程を説明する図である。
【図9】図8に続く電気泳動装置を製造する工程を説明する図である。
【図10】図9に続く電気泳動装置を製造する工程を説明する図である。
【図11】本実施形態に係る電気泳動装置の概略構成を示す図である。
【図12】電気泳動装置のマトリクス状に配置されたドットの等価回路図である。
【図13】一実施形態に係る液晶装置の全体構成を示す図である。
【図14】図13のA−A線に沿う断面構成図である。
【図15】一実施形態に係る有機EL装置の概略構成を示す断面図である。
【図16】電子機器の一実施形態に係る携帯電話の概略構成図である。
【符号の説明】
【0085】
10A…基板本体(基板)、11…補助配線、12…第1隔壁、12a…内壁面、13…
画素電極、14…信号線、16…ゲート線、16a…ゲート電極、17…第2隔壁、18
…ゲート絶縁膜、18a…液溜部、19…半導体層形成領域、19a…液溜部、20…容
量線形成領域、26…ゲート絶縁膜、28…有機半導体層、29…容量線、30…容量素
子、100…電気泳動装置、200…液晶装置、300…有機EL装置(有機エレクトロ
ルミネッセンス装置)、600…携帯電話(電子機器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、第1隔壁をパターン状に設ける工程と、
前記基板に金属材料を蒸着し、前記第1隔壁の上面に画素電極及び信号線を形成すると
ともに、前記第1隔壁に囲まれた領域にゲート線を形成する工程と、
前記蒸着工程の後、前記基板上に、ゲート絶縁膜形成領域、及び該ゲート絶縁膜形成領
域に一部重なる半導体層形成領域を少なくとも区画する第2隔壁を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜形成領域に絶縁層の形成材料を含む機能液を吐出し、ゲート絶縁膜を
形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜の形成後、有機半導体層の形成材料を含む機能液を前記半導体層形成
領域に吐出し、前記ゲート電極及び前記ゲート絶縁膜の一部を跨ぎ、前記画素電極及び前
記信号線間を電気的に接続する有機半導体層を形成する工程と、を備えることを特徴とす
る電気光学装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1隔壁を形成する前工程として、前記基板の前記ゲート線が形成される面の少な
くとも一部に補助配線を形成することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の製造
方法。
【請求項3】
前記第2隔壁を形成する工程において、前記画素電極の一部を臨ませるように前記第2
隔壁を区画形成し、前記画素電極の電荷を保持する容量素子を構成する容量線形成領域を
形成し、
前記ゲート絶縁膜を形成する工程において、前記容量線形成領域にも前記機能液を吐出
し、前記容量素子を構成する層間絶縁層を形成し、
前記有機半導体層を形成した後、前記容量線形成領域に導電性機能液を吐出して容量線
を形成し、前記画素電極、前記層間絶縁層、及び前記容量線の積層構造からなる前記容量
素子を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項4】
前記ゲート絶縁膜形成領域、前記半導体層形成領域、及び前記容量線形成領域の少なく
とも一つには、他の領域に比べて幅の広い液溜部が設けられており、該液溜部に機能液が
吐出されることを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項5】
前記ゲート線の形成領域をなす前記第1隔壁の内壁面は基板の上面に対し、鋭角をなす
傾斜面であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造
方法。
【請求項6】
基板と、該基板上に設けられた第1隔壁と、該第1隔壁によって形成される溝内に設け
られたゲート電極と、該ゲート電極を覆うゲート絶縁膜と、前記第1隔壁の上面に設けら
れた信号線及び画素電極と、前記第1隔壁上に、前記溝の一部を跨ぐように設けられる第
2隔壁と、を具備し、
前記第2隔壁に囲まれた半導体層形成領域には、前記ゲート絶縁膜を跨いで、前記信号
線及び画素電極間を電気的に接続する、液滴吐出法により形成されてなる有機半導体層が
設けられることを特徴とする電気光学装置。
【請求項7】
前記第2隔壁に囲まれた領域に、前記画素電極の電荷を保持する容量素子が形成されて
おり、
前記容量素子は、容量線の一部と前記画素電極の一部とからなる容量電極と、該容量電
極間に設けられた絶縁層とからなることを特徴とする請求項5に記載の電気光学装置。
【請求項8】
前記半導体層形成領域の一部には、他の領域に比べて幅が拡がった液溜部が設けられて
いることを特徴とする請求項5又は6に記載の電気光学装置。
【請求項9】
互いに対向配置される一対の基板間に、液晶層を挟持してなる液晶装置において、
前記一対の基板の一方側は、第1隔壁と、該第1隔壁によって形成される溝に配設され
たゲート電極と、前記第1隔壁上面に設けられた信号線及び画素電極と、前記第1隔壁に
積層される第2隔壁と、を備えてなり、
前記第2隔壁に囲まれた一方の領域には、前記ゲート電極を覆うゲート絶縁膜を跨ぎ、
前記信号線及び画素電極に電気的に接続される有機半導体層が設けられ、
前記第2隔壁に囲まれた他方の領域には、前記画素電極上に絶縁層と容量電極とが積層
されることで、前記画素電極の電荷を保持する容量素子が形成されてなることを特徴とす
る液晶装置。
【請求項10】
基板上に設けられた一対の電極間に有機発光層が設けられてなる有機エレクトロルミネ
ッセンス装置において、
前記基板は、第1隔壁と、該第1隔壁によって形成される溝に配設されたゲート電極と
、前記第1隔壁上面に設けられた信号線及び画素電極と、前記第1隔壁に積層される第2
隔壁と、を備えてなり、
前記第2隔壁に囲まれた一方の領域には、前記ゲート電極を覆うゲート絶縁膜を跨ぎ、
前記信号線及び画素電極に電気的に接続される有機半導体層が設けられ、
前記第2隔壁に囲まれた他方の領域には、前記画素電極上に絶縁層と容量電極とが積層
されることで、前記画素電極の電荷を保持する容量素子が形成されてなることを特徴とす
る有機エレクトロルミネッセンス装置。
【請求項11】
請求項6〜8のいずれか一項に記載の電気光学装置、請求項9に記載の液晶装置、又は
請求項10に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置を備えたことを特徴とする電子機
器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−122649(P2008−122649A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−306255(P2006−306255)
【出願日】平成18年11月13日(2006.11.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】