説明

三次元センサを用いるエレベータエリアの監視

本発明は、三次元画像情報を取得するための3D半導体センサ79を用いて、エレベータエリアを監視するための装置に関する。半導体センサ79は、監視されるべきエレベータエリアが、光源によって照光される領域に配置されるようにして取り付けられる光源と、反射光を受光するようにして取り付けられるセンサ群と、電気的信号を画像情報に変換するための処理チップとを備えている。装置には、三次元画像情報を供給するために半導体センサ79に接続されている処理ユニット80も設けられている。処理ユニット80は、監視されるべきエレベータエリアの状態をあらわす状態情報を得るために、画像情報を処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、請求項1の導入部分に従ったエレベータエリアを監視するための装置、請求項12の導入部分に従ったエリア監視のための方法、および請求項16の導入部分に従ったエリア監視のためのソフトウェアモジュールである。
【背景技術】
【0002】
エレベータシステムは、エレベータ昇降路内または自由に駆動機構装置に沿って移動可能な、少なくとも一つのエレベータケージを備える。エレベータケージは、人がそこに乗り込み且つ降り立つことを可能とするために、あるいはそこに荷積みされまたは荷降ろしされるために、通常は、階床から階床へ移動される。
【0003】
エレベータケージの内部空間、ならびにエレベータ昇降路の正面に配置されたアクセス領域は、例えば、エレベータの機能が不完全な場合には、人に対する危険が生じうるので特に重大である。開放している昇降路扉の後にエレベータケージが配置されていないにもかかわらず、昇降路扉の開放は、一例として言及されるかもしれない。加えて、例えば、扉領域においてひっかかることも起こり得る。
【0004】
人の不適切な振る舞い、エレベータの誤った操作、あるいはエレベータへの未熟な荷積みまたは荷降ろしが、問題に導くことも考えられる。
【0005】
早く問題を認識し、且つ特に人への危険を回避することができるようにするために、これらの危険なエリアを監視しようとすることが、それゆえ注目されている。
【0006】
機械スイッチ、磁気スイッチ、誘導スイッチ、または類似したスイッチが、扉またはエレベータを監視するためにしばしば使用される。加えて、例えば光バリアまたは光グレーティングのような、光学システムが使用される。その種のアプローチを用いれば、ある一定の情報(例えば、扉の状態についての)が、エレベータ制御装置に供給され得る。しかしながら、情報内容は、例えばスイッチが、2つの状態を指示する位置(扉が開いているか閉じられているかのデジタル情報)だけであるから、比較的制限されている。その種の監視解決方法は、大部分は、ケージ扉および/または昇降路扉のすぐ近くに制限される。
【0007】
さらに複雑な監視システムを構築することを可能とするために、例えば、いくつかのスイッチおよび光バリアの組み合わせが必要とされる。
【0008】
光学システムは、特に、機械的解決方法と比べれば、それら光学システムは、無接点的に動作し且つ機械的摩損にさらされないから、一定の利点を有する。残念ながら、エレベータに使用されるようなより複雑な光学システムの場合でさえも、有意性はいくつかの状態に限定され、且つ検出範囲はむしろ制限される。例えば誰かが扉エリアにいるかどうかを検出することができ、そして動きが認識され得る。しかしながら、より大きな三次元エリアは、それほど信頼性を持って監視され得ない。加えて、光バリアまたは光グレーティングの反応時間は、ほぼ65ミリ秒であり、ある特定の状況では、長すぎることもあり得る。
【0009】
ある一定の光学的フォトセンサでも、三次元画像の検出を可能にし、(例えば、ミラーの形態で)機械的に移動される部分が使用される。これらのセンサは、複雑であり且つ高価である。
【0010】
エレベータ扉を監視するためのシステムは、PCT特許出願WO01/42120から知られており、このシステムは、予めプログラムされたプロセッサ、デジタルカメラ、アナログカメラ、またはビデオカメラと共に動作する。カメラは、一連の二次元画像を供給し、それら二次元画像の比較を通して、エレベータ扉の状態についての情報が、利用可能にされる。このシステムは、遮断され且つカメラによって受光される外部光によって動作する。これは、外部光の強度が激しく変化する状況(例えば、太陽光の入射の場合)、およびそれゆえ画像輝度が激しく増大する状況において問題をもたらす。
【0011】
逆にいえば、前記目的のためのそのようなカメラの使用は、存在する外部光が不充分であるときに、問題となることもあり得る。エリア監視の場合には、監視が全ての状況において安全に且つ高い信頼性で機能することが不可欠である。外部光への依存性は、この観点から問題がある。PCT特許出願によれば、一連の二次元画像を評価することを可能とするために、古典的なパターン認識のアプローチ(パターンマッチング)が使用される。二次元画像を用いる一定のPCT特許出願に従って動作するシステムは、距離についてのいかなる記述も行うことはできない。動きおよび動き方向についての特別な記述は、供給される画像のコンピュータ集中的な再処理によってのみ、そのような二次元的に動作するシステムによって可能である。
【0012】
さらなる監視システムは、米国特許第5387768号に記載されている。その特許に記載されたシステムは、カメラを使用し、カメラの画像は、エレベータの領域に人がいるかどうか、および何人の人がいるかについての記述を行うことを可能とするために、複雑なモードおよびやり方で提供される。カメラは、可能性のある動きについて記録シーケンスから記述を作り出すことができるように、異なるズーム設定による記録シーケンスを作る。
【0013】
米国特許第5345049号に、エレベータが記載されており、1人以上の人がエレベータのアクセスエリアに待っているかどうかが、1つまたは複数の赤外線センサによって検出される。人の人数の判定は、ここでは行われていない。
【0014】
画像情報の三次元検出が可能な三次元半導体センサが知られている。その種のセンサは、例えば、論文「Fast Range Imaging by CMOS Sensor Array Through Multiple Double Short Time Integration (MDSI)」、P.Mengelら、Siemens AG,Corporate Technology Department、ミュンヘン、ドイツ、から知られている。そのような三次元半導体センサは、三次元監視のために使用され得る。これは、最も近い従来技術である。
【0015】
さらなる例は、論文「A CMOS Photosensor Array for 3D Imaging Using Pulsed Laser」、R.Jeremiasら、2001 IEEE International Solid−State Circuits Conference、252ページ、に記載されている。
【0016】
アクセス制御を有するエレベータシステムが存在する。そのようなシステムは、例えば、バッジおよびバッジ読取装置を用いて動作する。したがって、人が、エレベータを使用することを認可されているかどうかをチェックすることが可能である。バッジによって承認された人のみが、エレベータを呼び且つ目的階を選択することができる。その範囲までは、その種のシステムは、高い信頼性をもって機能する。しかしながら、誰がそしてどのくらい多くの人が、エレベータケージに入ったかは、現行の方法によってチェックすることがほとんどできない。アクセスは、適切な構造的手段、例えば、回転式扉、アクセスゲート、または他の構成的手段によって、さらに制御され得る。しかしながら、これらの方法は、複雑であり、且つ審美的な理由のためにしばしば適切ではない。
【0017】
エレベータ利用のための今日の識別システムの場合は、それゆえ、実際に認可された人のみが、彼らがそれについてのアクセス承認を有している階にて、エレベータケージに入りまたはエレベータケージを出ることが保証され得ない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、改善されたエレベータを提供することにある。
【0019】
本発明の目的は、エレベータにおける正確で且つ信頼できるエリア監視を可能とすることである。
【0020】
本発明のさらなる目的は、エレベータのための信頼でき且つ高速動作する問題認識を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明によれば、この目的は、請求項1に従った装置、請求項12に従った方法、および請求項16に従ったソフトウェアモジュールによって有利な態様で達成される。
【0022】
本発明の有利な展開は、従属請求項2から請求項11および請求項13から請求項15によって規定される。
【0023】
本発明は、例を用いて図面を参照して、以下により詳細に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明によれば、新規な光学三次元センサが、初めて、エレベータの分野において使用される。このセンサは、好ましくは、赤外線範囲において動作する三次元センサである。光のパルス状の伝送のための光学送信機、および光の受信のためのCMOSセンサ群を備える三次元センサが、特に適している。理想的には、光学送信機は、例えば、赤外線範囲にて光を送信する、発光ダイオードまたはレーザダイオードであり、光は、短いパルス状に、いわばフラッシュのように放出される。パルスは、数十ナノ秒の長さであっても良い。ダイオードは、この目的のために、好ましくは、放出される光を中断する(電気的)シャッタが設けられる。しかしながら、ダイオードは、直接的にパルス化されることもできる。センサ群は、光を電気信号に変換する画像センサとして作用する。センサ群は、好ましくは、多数の光感応素子からなる。センサ群は、特定の積分法(Multiple Double Short−time Integration、MDSIと称されるマルチプル二重短時間積分)が実行される、放出光の通過時間を決定する処理チップ(例えば、CMOSセンサチップ)に接続されている。その場合、処理チップは、数ミリ秒の間に、同時に、空間におけるかなり多数の目標点からの間隔を測定する。その場合、5ミリメートルの三次元分解能が、典型的には達成され得る。
【0025】
他の三次元センサは別として、やはり本発明に関連して使用するのに適するさらなる三次元センサは、放出された光の通過時間が、光の位相を用いて検出される距離測定原理に基づいている。その場合に、光の送信時の位相位置と受信時の位相位置とが比較され、且つ反射物体によりカバーされる時間または反射物体からの間隔が、それによって突きとめられる。この目的のために、好ましくは、変調された光信号が、短い光パルスの代わりに放出される。
【0026】
外部光の影響を抑制するために、光と共に1回の走査、および光なしで1回の走査が行われる、二回の走査を行うことが可能である。減算によって実質的に外部光とは無関係な決定的な信号に変換され得る2つの電気信号(活性な照明と共に1回、活性な照明なしで1回)が、得られる。そのようなセンサは、太陽放射照度の場合、および変化する光の影響の場合でさえも、信頼して使用され得る。
【0027】
三次元センサは、好ましくは、高度の信頼性およびロバスト性をもたらす、半導体構成部品から実現される。さらに、そのような三次元センサは、特に小さく、且つ大量生産によって有利な態様で製造することが可能とされ得る。
【0028】
三次元の検出を通して、人または他の物体の位置、それら間の距離、ならびにそれらの動きおよび動きの方向をさえも直接的に検出する装置を、実現することが可能である。この目的のために、三次元数学操作を実行する処理装置が、使用され得る(例えば、パーソナルコンピュータ、または周辺構成要素を有する中央プロセッサユニット)。この形態の三次元数学操作は、先に採用された、例えば、異なるグレー段階と共に動作する特定のパターン認識アプローチとは有意に異なっている。
【0029】
本発明に従った装置の第1の実施形態は、図1Aおよび図1Bに概略的断面として示されている。この実施形態は、エリア監視のための装置であり、この例においては、エレベータケージの内部エリアが監視される。装置は、三次元半導体センサ9を備えており、三次元半導体センサ9は、監視されるべきエレベータケージ12の上方の領域に、ケージ12の内部空間が、少なくとも部分的にセンサ9の検出範囲17、18内に配置されるように取り付けられる。センサのより良い図示のために、センサは、実際よりも実質的にさらに大きく示されている。センサ9は、光源として作用し且つ発光成分を放出する、レーザダイオード10を備えている。それぞれの光学ビーム形状に応じて、例えば光円錐17の形態の照明エリアが、結果として生じる。画像センサとして作用し且つ光円錐18を通して、光情報を受信し且つ光情報を電気信号に変換する、センサ群11が設けられている。光情報は、処理チップ19によって作成され、且つ(例えば、三次元距離画像の形態での)画像情報16に変換される。そのような三次元距離画像16の例は、図1に実質的に単純化された形態で図示されている。距離画像16から、ケージ12が空であるというということが推測され得る。ケージ扉13および14は、閉じられている。距離画像16がエレベータケージ12の三次元画像であることが、図1Aに概略的に示されている。
【0030】
もしも、検出プロセスが、それより後の瞬間T1にて繰り返されたならば、そのときは図1Bに示される距離画像16が結果として生じる。距離画像16は、全部で4人の人31、32、33、および34が、ケージ12内にいることを示している。距離画像16は、エレベータケージ12と人31から34の三次元画像である。
【0031】
ケージ12の方向に送信されるレーザパルスは、好ましくは、積分窓の開始に対して同期される。ケージ12内での反射後に、センサ群11によって受信されたレーザパルスは、通過時間T0の後に、例えば、積分時刻T2およびT3において測定され得る、線形的に立ち上がるセンサ信号X(t)をトリガする。異なる三次元ポイントからの光源10の間隔および、光源からセンサ群11までの間隔に応じて、光パルスの元の強度の一部のみが、積分時間窓T2からT3がアクティブである間に検出される。もしも、例えば、2つの積分測定値が、異なる時間T2およびT3(但し、T0<T2<T3)にて得られるならば、積分された強度信号X(t)の位置および立ち上がりが、確認され得る。通過時間T0は、それゆえ正確に決定され、それによって人または物体からの間隔も精密に決定され得る。処理チップ19による光情報のその種の評価は、他のモードおよびやり方では即座には得ることができない情報を得ることを可能にする。
【0032】
この処理の一部は、処理チップ19で行われ、別個の処理ユニットのみで行われるわけではない。このことは、処理の一部は、信頼性があり且つ高速である適切なハードウェアによって実行されることを意味している。
【0033】
二つの異なる処理アプローチが、使用され得る。本発明に従った第1のアプローチの場合に、センサ群は、n個の光感応素子を備えている(n>0)。これら光感応素子の各々は、強度信号x(t)を供給し、強度信号の強さは、それぞれの光感応素子によって受けられる光の強度に応じる。これらの強度信号x(t)は、強度信号X(t)を形成すべく(例えば、重ね合わせの形態によって)結合され得る。この結合の後に、上述された評価が実行され得て、瞬時T0は、強度信号X(t)の位置および立ち上がりから確かめられる。この形態の実施形態の場合に、いくつかの光感応素子が共通に評価されるので、構成のエリア分解能が低下される。通過時間、およびそれゆえ監視されるエリアに配置された反射物体からの間隔を確かめることが、それにもかかわらず可能である。その深さ分解能がエリア分解能よりも良好な、三次元で動作するセンサ装置は、そのようにして得られる。
【0034】
本発明に従った第2のアプローチの場合に、センサ群は、また、n個の光感応素子を備えている(n>0)。これら光感応素子の各々は、強度信号x(t)を供給し、強度信号の強さは、それぞれの光感応素子によって受けられる光の強度に応じる。これらの強度信号x(t)は、次に上述された評価を受け、強度信号x(t)の各々が、個別的に、好ましくは同時に処理される。それぞれの瞬時T0は、強度信号x(t)の各々の位置および各々における立ち上がりから確かめられ得る。好ましくは、処理チップは、n個の強度信号x(t)を処理するためのいくつかの並列チャネル(好ましくはn個のチャネル)を備えている。この形態の実施形態の場合には、空間におけるいくつかの点(例えば、対象物のいくつかの点が監視空間内に配置される)が、互いに無関係に検出され得るから、エリア分解能が結果として得られる。通過時間T0、およびそれゆえ空間におけるこれらの点の各々のための間隔を確かめることが可能である。深さ分解能およびエリア分解能を有する三次元で動作するセンサ装置は、そのようにして得られる。
【0035】
図2に示されるように、本発明に従った装置は、例えば通信接続21を用いてセンサ9に関連して配置される処理装置20をさらに備えている。通信接続21は、センサ9から処理装置20への、画像情報(状態情報とも称される)を表現する電気信号の伝送を行う。加えて、装置は、センサ9の供給源のための供給手段22(例えば、電圧源)を備えている。処理装置20は、エリア監視を利用可能とするように、画像情報が評価され得るように、ソフトウェアモジュールの実装によって構成される。
【0036】
実施形態の1つの可能性のある形態において、画像情報は、監視されるエリアの状態についての情報を得るために、処理装置20によってさらに評価される。この目的のために、例えば、画像情報から得られる状態情報は、目標情報と比較され得る。この目的のために、処理装置20は、目標情報の供給のための手段20を備えている。この手段は、例えば、内部ハードディスクメモリであっても良い。例えば、図1Aに示される距離画像16が、目標情報としてハードディスクメモリに格納されることが可能である。処理装置20は、ちょうど得られた状態情報が、目標情報に一致するかどうかの比較アルゴリズムによって、確かめることができる。もしも、一致するなら、ケージの内部空間は空であると仮定され得る。
【0037】
他の目標情報も、予め決定されることができ、それによって処理装置20は、それぞれの比較を行う。特定の反応が、例えば、各目標情報に割り当てられても良い。
【0038】
実施形態の他の形態の場合に、画像情報は、ハードウェアに関して処理チップ19によって予備的な態様で処理され、次に状態情報を目標情報と比較する必要なしに、処理装置20によって評価される。この点について、時間において迅速に次々と互いに続く少なくとも2つの場合にて、センサ9によって検出された画像情報が互いに比較される。そのような比較は、例えば、画像情報の適切にコンピュータ処理された重ね合わせによって実行され得る。もしも画像情報が、t=0の瞬間にt=a1の瞬間における画像情報から減算されるならば、処理装置20は、三次元空間における変化を認識し得る。
【0039】
本発明の実施形態のさらなる形態が、図3に示されている。センサ39は、今、図3に現実的なサイズで図示されている。センサは、エレベータケージ42の上側領域に配置され、且つセンサ39の付近に小さな矢印によって示されるように、監視されるべきケージ42の内部空間を上方からカバーする。物体41は、開いたケージ扉に比較的に近接して、エレベータケージ42内に配置されている。装置は、開いた扉の場合には強い輝度差を結果として生じるから、ケージ扉が開いているかどうかを認識する位置にある。センサ39は、適切なソフトウェアモジュールを備える処理装置50に接続されている。装置全体は、第1のステップで、ケージ42の内部に人および/または物体が位置しているかどうかが検出され得るように構成されている。検出され得る場合には、次のステップにおいて、分類の形態が行われる。この分類は、装置が、状況に適応した反応を起動することを可能にさせる。図示された例において、装置は、エレベータ内に人および/または物体が位置しているかどうかを認識することができる。明確な長方形の幾何学形態によって、装置は、物体41が関係しているはずであることを認識することができる。次に、装置は、例えば、そこから反応を引き出すことができる様にするために、ケージ42内における物体41の位置を認識しようとする。図示された例において、物体41は、開いた扉に非常に近接して配置されている。可能性のある反応は、物体41をケージ42の内部空間にさらに移動させることを、エレベータに荷積みした人に要求するために、ピーカ51を用いて音響による警告をさせることが必要であろう。これが行われていない限り、装置により扉を閉じることは防止される。
【0040】
エリア監視のための本発明に従った方法は、図4における例に基づいて示されるように、いくつかの方法ステップを含んでいる。監視されるべきエリアにおける異なる空間点にて反射された光のセンサ(例えば図1Aにおけるセンサ9)によって、検出が行われる(図4のボックス61)。この光は、光源(例えば図1Aにおける光源10)から生じる。距離情報は、検出された光から確認される(図4におけるボックス62)。その場合に、光の通過時間が考慮される。これを可能とするために、光源とセンサ群との間で同期がとられる。このステップは、好ましくは、特別な処理チップ(例えば、図1Aにおける処理チップ19)において実行される。それから、監視されるエリアにおける状態の認識のために、距離情報の評価が行われる(ボックス63)。人が監視エリア内にいるかどうかは、処理ステップ(ボックス64)において処理装置によって確かめられる。もしも、人が監視エリア内にいないなら、そのときは、物体が、監視エリア内に位置しているかどうかが確かめられる(ボックス65)。もしも、人が、監視エリア内に認識されれば、フローチャートは分岐する。分類が、さらなるステップ68において行なわれ得る。分類のいくつかの例は、次に列挙されている。
・ 人の数を確かめる、
・ 監視エリアの範囲内における人の位置を認識する、
・ 動きまたは動きの方向を検出する、
・ 認可をチェックする、
・ 監視エリアにおける幾人かの人が、予め決定されていた通りであるかどうかをチェックする、その他。
【0041】
それぞれの分類に応じて、例としての、次の反応のうちの1つ以上が、ステップ69において起動される。
・ エレベータケージが動き出させられる前に、さらなる人が乗り込むまで待つ、
・ 過負荷の場合には、エレベータケージが動き出さないようにし、および/または告知する、
・ もしも1人以上の人が扉領域に接近しすぎているならば、状況が変化するまで待つか、告知するかのいずれかを行う、
・ もしも、人が扉の方向に移動するならば、扉の開放プロセスまたは閉鎖プロセスを適切に適応させる(例えば、扉の閉鎖を停止または減速させる)、
・ もしも、認可されていないエレベータユーザが、ケージ内に現れたならば、告知するかまたは警報呼び出しを起動する。
【0042】
もしも、物体がケージ内に配置されていることを、装置が確かめたならば、そのときは、さらなるステップ66において分類が行なわれ得る。分類のいくつかの例が以下に列挙されている。
・ 物体の数を確かめる、
・ 物体の種類を確かめる、
・ 物体のサイズを確かめる、
・ 監視エリアの範囲内における1つまたは複数の物体の位置を認識する、
・ 物体の動きまたは動きの方向を検出する。
【0043】
それぞれの分類に応じて、例としての次の反応のうちの1つ以上が、ステップ67において起動され得る。
・ 過負荷の場合には、エレベータケージの動作を開始させずおよび/または告知する、
・ もしも、1つ以上の物体が、扉領域に接近し過ぎて位置しているならば、状況が変化するまで待つかまたは告知するかのいずれかを行う、
・ もしも、物体が扉の方向に移動するならば、扉の開放プロセスまたは閉鎖プロセスを適切に適応させる(例えば、扉の閉鎖を停止または減速させる)。
【0044】
もしも、人も物体も検出されなかったならば、フローチャートは、分岐60によって分岐されて最初に戻り、そして全体のプロセスが再び繰り返される。このチャートによれば、一般的な状況に対応しまたはそれに適応する反応を自動的に起動することを最後に可能とするために、どのような分岐された決定木も実現され得る。
【0045】
説明されている方法ステップは、好ましくは、適切なソフトウェアモジュールが使用される処理装置において行われる。好ましくは、三次元数学操作が、距離情報の評価において使用される。
【0046】
処理装置は、次の扉状態が認識され得るように、エリア監視に関してさらに拡張され得る。
・ 扉ギャップ、
・ エレベータ扉の位置、
・ エレベータ扉の閉まり方、
・ エレベータ扉の領域における物体。
【0047】
認識される扉状態に応じて、状況に適応した反応が、処理装置によって次に起動される。これは、次の反応のうちの1つ以上であり得る。
・ 扉閉鎖プロセスを停止させる、
・ 扉開放プロセスを停止させる、
・ 扉閉鎖プロセスを減速させる、
・ 扉開放プロセスを減速させる、
・ スピーカ構成を起動する、
・ サービス呼び出しを行う、
・ 緊急呼び出しを起動する、
・ エレベータ操作を停止させる、
・ エレベータ操作を低減されたスピードにて継続する、
・ エレベータケージからの退出を開始する、
・ その他。
【0048】
実施形態のそれぞれの形態に応じて、本発明に従った装置は、次の状態のうちの1つ以上を認識し得る。
・ エレベータケージ内、またはエレベータ昇降路の正面におけるアクセス領域(ロビー)内の乗客の数、
・ エレベータに入るまたはエレベータから出る人の数、
・ 方向性をもつ人の流れ、
・ 過負荷、
・ 不適正な荷積み、
・ 扉領域における障害物、
・ 要求検出、
・ 動き、
・ 扉ギャップ、
・ エレベータ扉の位置、
・ エレベータ扉の閉まり方、
・ エレベータ扉の領域における物体。
【0049】
実施形態のそれぞれの形態に応じて、本発明に従った装置は、1つ以上の次の反応を起動し得る。
・ エレベータケージがちょうど配置されている階層のアクセス領域に人がいる限り、エレベータ扉を閉じないこと、
・ 個々の階層における人の到着を考慮することができるように、エレベータケージの状況に応じた制御、
・ 対応する階床のアクセスエリアに人が待っているときにのみ、エレベータケージが階床に停止すること、
・ 人が昇降路扉に近付き且つそこにとどまっている場合に、エレベータケージを自動的な呼び出すこと、
・ 例えばいくつかのエレベータケージを有するエレベータ設備の場合における、トラフィックに応じたまたは必要に応じた制御、
・ もしも問題が認識されまたは人に対する危険の可能性があれば、緊急処置を始動すること、
・ 情報を表示しおよび/または告知を起動すること、
・ 階床に対するアクセスの許可または禁止、
・ エレベータケージの使用の許可または禁止、
・ 例えば、人の数、使用の頻度、その他の統計的評価、
・ 有料エレベータ機能。
【0050】
本発明の実施形態のさらなる形態は、図5Aおよび図5Bに示されている。これは、エレベータ昇降路の正面におけるアクセス領域を監視するための装置である。図5Aにおける概略的平面図において、建物の階層に配置されたエレベータケージ82が示されている。ケージ82は、アクセス領域からケージ扉87、88および昇降路扉89、90によって分離可能である。扉87から90は、図示された描画において若干開いている。処理装置80に接続されている本発明によるセンサ79は、エレベータに近い壁部に配置されている。スピーカ81は、それによって告知がなされ得るようにして設けられている。アクセス領域は、壁部85および86によって横方向に境界がつけられている。合計3人の人82、83、84がアクセス領域にいる状況が図示されている。人82および83は、扉87から90の直接的に正面に立っており、且つこれらの扉が開くまで待っている。さらなる人84が、矢印によって示されているように、扉87から90から離れるように移動している。本発明に従った装置は、この状態を検出することができる。装置は、図5Bに概略的に示される三次元距離画像76を生成する。装置は、3人の人がアクセス領域にいることを認識する。さらに、装置は、人82および83が開いている扉87から90に近付き過ぎているかどうかを監視することができる。もしも、近付き過ぎているならば、次に扉の開き動作が、人の危険を回避するように停止され得る。扉が完全に開くとすぐに、人82、83がエレベータケージ82に入る。このプロセスは、監視されることもできる。扉87から90は、2人の人82、83がエレベータケージ82に充分な程度まで入るや否や自動的に閉じることができる。人間84が、装置によってさらに検出される。しかしながら、この人84は、扉から離れるように動くので、エレベータケージは、この人84を待たない。
【0051】
実施形態の説明された形態は、処理装置20、50、80が、人および/または物体が配置されるかどうか、およびどこに配置されるかが認識され得るだけでなく、物体または人が、比較操作によって分類されまたは類別され得るように、ソフトウェアによって構成されるように、拡張され得る。
【0052】
実施形態の図示された形態は、一連の時間において連続するいくつかの画像が、処理装置20、50、80に供給されるように、拡張され得る。この場合において、処理装置20、50、80は、画像情報の適切な処理によって、さらに人および/または物体の純粋な検出、また、人および/または物体の動きの方向および/または速度も確かめることができる。この動き情報は、状況に適応した反応を起動するために使用され得る。もしも、例えば、処理装置20、50、80が、エレベータの扉が閉じている間に人がゆっくり移動することを判定するならば、そのときは扉の閉鎖は、中断または閉じる動きを停止し得る。もしも人が、速く動く人ならば、例えば、扉の閉じる動きを減速させ、または閉じる動きを短時間についてだけ中断することで充分であり得る。さらなる反応として、誰もドア領域にとどまらないことを確実にするために、告知を起動することが考えられる。
【0053】
図1A、図1B、および図3に示されるように、本発明に従った装置は、ケージ内部空間、ケージ扉、および昇降路扉の同時監視のために使用され得る。
【0054】
もしも、エレベータケージの内部空間を監視することが第1に所望されるならば、そのときは、図1A、図1B、および図3に概略的に認められ得るように、センサが、ケージの天井の領域に取り付けられても良い。
【0055】
もしも、センサが、ケージの後壁部の領域に、すなわちケージ扉と反対側の壁部の領域に、配置されるならば、扉が開いたときに、ケージの内部空間の状態のみならず、開いた扉を経由して、ケージの正面のロビーにおける領域も検出することが可能である。
【0056】
図1A、図1B、および図3に示された構成の場合において、センサは、エレベータケージと一緒に階床から階床へ移動する。個別の階床の昇降路扉および階床のアクセス領域は、ケージが存在しないときには、ケージにおけるセンサによって監視されることはない。例えば図5Aに示されているように、各階床に本発明に従ってセンサを使用することが推奨される。
【0057】
1つまたは複数のセンサを配置する多数の他の可能性があることは明白である。
【0058】
概して、センサの取り付けにおいて、センサが、外部の影響(物体および/または人、天候、機械的損傷、その他)から、可能な限り影響され得ることが無いもので得なければならないことが認められる。
【0059】
エレベータの処理装置に使用するための本発明に従ったソフトウェアモジュール90は、図6に示されている。ソフトウェアモジュール90は、処理装置によってそれが呼び出され且つ実行されたときに、次の各ステップを遂行する。
・ エリアの状態を検出するように、監視されるべきエリアにおいて、三次元センサによって供給される、距離情報の評価のステップ(サブモジュール91)、
・ 監視されるべきエリアに人および/または物体が配置されているかどうかの認識のステップ(サブモジュール92)、
・ 状態の分類のステップ(サブモジュール93)、
・ 状況に適応した反応の起動のステップ(サブモジュール94)。
【0060】
ソフトウェアモジュール90は、さらなるモジュールを備えることもできる。
【0061】
好ましくは、光源およびセンサ群は、ハウジング内に配置される。光源は、センサ群に対して手動で向けられる必要はないから、取り付けは、それゆえ容易になされる。2つの構成要素の向きは、製造のときまたは予備組み立てのときに既に実行され得る。
【0062】
実施形態のさらなる形態において、処理装置は、エリア状態についての情報を得るために、画像情報を、1つ以上の参照画像と比較する。この目的のために、例えば、参照画像は、画像情報から減算されても良い。
【0063】
実施形態の改善された形態によれば、エリア監視は、一連の多数の光パルス、およびそれら光パルスの処理によって連続的に実行される。したがって、エレベータの分野における信頼性は、従来の機械的アプローチと比較すれば増大される。
【0064】
本発明に従ったエリア監視は、用いられるセンサが、外乱に対する感受性をほとんど有していないために、建物内部での使用に適しているだけでなく、外部での使用にも適している。しかしながら、とりわけ、建物内部または外部での使用を論じるとき、外部光に対する感応性の低さは、より有意な態様である。
【0065】
本発明に従ったエリア監視は、事象を認識することができるだけでなく、分類を行うこともできる。したがって、例えば、エリア監視のために、エレベータケージに対するアクセス領域において誰かが待っているかどうかを認識することができる。どのくらい多くの人が待っているか、あるいは輸送されるべき人または運搬されるべき物体が、実際にエレベータケージ内に空き空間を有しているかどうかも確かめられる。人または物体の数、および例えばそれらのサイズでさえも確かめられ得る。
【0066】
実施形態のさらなる形態は、エリア監視によって、エレベータケージが特定の階床で必要とされているかどうかを認識され得るという事実によって、特徴付けられている。このことは、エリア監視が、対応する階床のアクセスエリアを観察することで実現され得る。もしも、人が昇降路扉に近付き且つそこで待っているならば、装置は、そこから人がエレベータケージを待っていると推断する。この形態の実施形態は、アクセス領域が2つのゾーンに分割されるようにさえ拡張され得る。もしも、人が、上方向の行程のために準備されたゾーン内にとどまっていれば、上昇途中にあるエレベータケージが止まる。もしも、人が、下方向の行程のために割り当てられたゾーン内にて検出されれば、下降行程にある次のケージが止まる。必要性の認識および必要性に応じたエレベータ制御は、そのようにして実現され得る。通常の要求ボタンなしに、エレベータ設備が完全に動作され得ることが、この形態の実施形態の利点である。システム全体は、完全に無接点態様で動作する。
【0067】
もしも、センサを処理装置と接続するための従来の通信接続が使用されるならば、センサから処理ユニットへ転送されるべきデータ(画像情報)の安全関連性のために、適切な処置が、本質的に安全ではない通信接続を用いて、データの転送の間の安全性を保証することを請け負われるべきである。
【0068】
本発明に従った装置は、通信接続を用いて、および/またはセンサによって供給される画像情報をさらに処理し、それを準備し、そして任意にそれを格納する(例えば、コンピュータを有する)処理装置を有するネットワークを用いて、接続され得る。したがって、例えば、いくつかのエレベータ昇降路を有するエレベータ設備を集中監視する監視システムが実現され得る。
【0069】
好ましくは、本発明に従った装置は、エレベータの安全回路に一体化される。安全回路は、それによってより大きな性能能力を有し、且つエレベータはより信頼できる。結果として、ある状況においては、エレベータのサービス能力が、それによって改善され得る。操作上の障害は、本発明に従った装置の適切な構成の場合には、低減され得る。
【0070】
本発明の有利な展開は、引っ掛かりに対する保護が実現され得るように、エリア監視を拡張することを可能とする。本発明に従った、引っ掛かりに対する保護は、早く人を検出し、且つ例えば扉領域でひっかかる危険を低減するために、適切な反応を起動することを可能にする。
【0071】
三次元センサを用いる本発明に従ったさらなる有利な解決方法は、(20ミリ秒より小さな)比較的短いサイクル時間を有する種類のセンサに見出される。それゆえ、非常に高速の監視解決方法が実現され得る。重大な状態がより迅速に検出され、且つ反応は早く起動され得る。本発明は、数ミリ秒の物体の認識のための反応時間を有する監視システムを、実現することを可能にする。迅速な認識は、非常に迅速に適切な反応を良好に起動することを可能にする。
【0072】
用いられた三次元センサは、一次元システム(例えば、光バリア)または二次元システム(例えば、光グレーティングまたは電荷結合素子カメラ)と比較して、有利な第三の次元の評価を可能とする。三次元の検出を通して、エリア監視は、直接的なモードおよび態様での、実際の状態の現実に近い画像を得ることができる。
【0073】
これが固有の光成分で動作する、用いられた半導体センサの利点である。したがって、システムは、実質的に周囲条件に対して実質的に無関係であり、暗闇でさえも機能する。さらなる利点として、変化する環境条件を考慮すべく、カメラベースシステムの場合に通常採用される較正機構なしに、本発明が実現され得ることが仮定され得る。カメラベースシステムの場合に、例えば、光感応性は、較正機構によって調整される。この費用は削除される。
【0074】
本発明の実施形態のさらなる形態は、処理装置が、画像情報が格納され得るように構成されるという事実によって特徴付けられる。したがって、画像情報を用いて、重大なプロセス、例えば、エレベータケージに入るときまたはエレベータケージを出るときの人の捕捉を証明することが可能である。その種の画像情報は、例えば、安全性の証拠のために役立ち得る。
【0075】
本発明の実施形態のさらなる形態においては、問題が認識されるとすぐに、反応としてサービス呼び出しが起動される。加えて、重大な状態の場合には、場合によっては、緊急呼び出しがなされ得る。
【0076】
有利には、三次元センサによって供給される画像情報の評価は、情報処理の同期を可能とするためにエレベータ制御と連係され得る。したがって、それぞれの状態に応じて、適切な適応された反応を起動する調整回路が設置され得る。
【0077】
エレベータが、変化する条件に自動的に適応することができるような態様で制御され得るので、待ち時間が減少され得ることは、本発明の利点である。例えば、そこでは誰も待っていない、またはそこではもはや誰も待っていない階床で、ケージの停止を回避することがそれゆえ可能である。
【0078】
実施形態のさらなる有利な形態においては、本発明に従ったエリア監視は、アクセス制御システムと組み合わされる。したがって、例えば、認可された人のみがエレベータを使用しているかどうかが自動的にチェックされ得る。例えば、もしもアクセスが認可された全ての人がバッジを装備していれば、これは可能である。エレベータへのアクセスを望む人は、自分自身をバッジ読取装置に対してバッジを用いて身元識別させなければならない。アクセス制御は、次のエレベータケージへのアクセスが望まれる、バッジを示した人数をカウントする。エレベータケージへ入る際に、本発明に従ったシステムは、どのくらい多くの人が実際にエレベータに入ったかを確認することができる。もしも、ケージ内の人数が、バッジによって自分自身を識別させた人数に一致しなければ、反応が起動される。例えば、動作中のエレベータを着床させずに、且つ人に再び自分自身をバッジによって識別させることを要求するための告知をすることが可能である。
【0079】
類似したモードおよび態様において、使用毎の課金(ペイリフト)の方法が、実現され得る。エレベータを使用することを望む全ての人が、一定の料金を払わなければならない。料金を支払った人々の数が、カウントされ得る。全ての人がケージに入った後に、人の人数の自動決定が実行される。逸脱の場合には、適切な処置が行われ得る。したがって、例えば、チケットのチェックが起動され得る。
【0080】
さらなる使用毎の課金システムは、輸送されるべき人がそれによって自分自身を登録する、キーまたはバッジの使用に基づいている。この登録は検出され、且つ支払われるべき料金が適切な人に請求される。もしも、検出されたよりも多くの人がエレベータケージの中にいれば、適切な反応が起動され得る。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1A】本発明に従ったセンサを有する、エレベータのケージの概略的な側面図である。
【図1B】本発明に従ったセンサを有する、エレベータのケージの概略的な側面図である。
【図2】処理装置を有し、本発明に従ったセンサを有する概略的なブロック図である。
【図3】本発明に従ったセンサを有する、エレベータのケージの概略的な側面図である。
【図4】本発明に従った概略的なフローチャートである。
【図5A】本発明に従ったセンサおよび本発明に従った装置を有し、アクセスエリアを含むエレベータケージの概略的な平面図である。
【図5B】本発明に従ったセンサおよび本発明に従った装置を有し、アクセスエリアを含むエレベータケージの概略的な平面図である。
【図6】本発明に従ったソフトウェアモジュールの概略的なブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元画像情報の検出のための三次元半導体センサ(9、39、37)によるエリア監視のための装置であり、三次元半導体センサが、
・ 監視されるべきエリアが、光源(10)の照明エリア(17)に少なくとも部分的に配置されるように取り付けられることができる光源(10)と、
・ 監視されるべきエリアにて反射された光を受光するように取り付けられることができ、受光された光が、センサ群(11)によって電気信号に変換可能である、センサ群(11)と、
・ 電気信号を画像情報(16)に変換するための処理チップ(19)とを備える、
装置であって、
・ 監視されるべきエリアが、エレベータケージ(12、42、82)の内部および/または外側のエリアであり、
・ 装置が、処理装置(19、20、50、80)を備え、該処理装置(19、20、50、80)が、三次元画像情報を使用可能にするために半導体センサ(9、39、79)に接続可能であり、且つ監視されるべきエリアの状態をあらわす状態情報を得るために、前記三次元画像情報を処理するために構成されることを特徴とする、装置。
【請求項2】
三次元画像が、比較され、比較される画像のうちの1つは、メモリから供給され得る画像であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
三次元画像が、比較され、画像が、センサ群(11)によって時間において連続的に検出される画像であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
光パルスが、光源(10)によって伝達可能であることを特徴とする、請求項1、2、または3に記載の装置。
【請求項5】
状態情報が、特定の状態の場合に特定の反応を起動することができるように評価されることができ、反応の種類が、好ましくは状態の種類に応じることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
センサ(9)が、エレベータケージ(12、42)の領域に取り付けるように構成され、好ましくはエレベータケージ(12、42)の天井領域に取り付けるように構成されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
好ましくは三次元数学操作に基づく評価方法が、評価のために処理装置によって行なわれ得ることを特徴とする、請求項1、2、および3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
評価方法が、積分法に基づいていることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
光源が、赤外線範囲の光を放射し、光源が、好ましくは発光ダイオードまたはレーザダイオードであることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
センサ群が、CMOS処理チップに接続された画像センサであることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
外来光の影響を低減するために、二回の走査が行われ、監視されるべきエリアが、光を伴って1回走査され、且つ光を伴わずに1回走査されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
監視されるべきエリアにて反射された光がセンサ(9、39、79)によって検出される、エレベータエリアを監視するための方法であって、
・ 光の通過時間および/または位相位置を考慮して、三次元画像情報を確かめるステップ(62)と、
・ 状態の認識のために三次元画像情報の評価のステップと、
・ 状態の分類のステップ(66、68)と、
・ 状態に適応した反応を起動するステップ(67、69)とを含むことを特徴とする、方法。
【請求項13】
次のステップ、すなわち、
・ 人または物体が監視されるべきエリア(64、65)に配置されるかどうかを認識するステップが実行される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
三次元画像情報の評価が、三次元数学操作に基づいている、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
次の状態、すなわち、
・ エレベータケージ内またはエレベータ昇降路の正面におけるアクセスエリア(ロビー)内の乗客の数と、
・ エレベータに入るまたはエレベータから出る人の数と、
・ 方向性をもつ人の流れと、
・ 過負荷と、
・ 不適正な荷積みと、
・ 扉領域における障害物と、
・ 要求検出と、
・ 動きと、
・ 扉ギャップと、
・ エレベータ扉の位置と、
・ エレベータ扉の閉まり方と、
・ エレベータ扉の領域における物体とのうち少なくとも一つが認識可能である、請求項12、13、または14に記載の方法。
【請求項16】
エレベータの処理装置(19、20、50、80)に使用するためのソフトウェアモジュール(90)であって、該ソフトウエアモジュールが処理装置(19、20、50、80)によって実行されるときに、ソフトウェアモジュールによって次の各ステップ、すなわち、
・ エリアの状態を認識するために、監視されるべきエリアにて三次元センサによって供給される、三次元画像情報の評価のステップ(91)と、
・ 監視されるべきエリアにおける人および/または物体の認識のステップ(92)と、
・ 状態の分類のステップ(93)と、
・ 状況に適応した反応の起動のステップ(94)とが実行され得る、ソフトウェアモジュール。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−520307(P2006−520307A)
【公表日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−569443(P2004−569443)
【出願日】平成15年3月20日(2003.3.20)
【国際出願番号】PCT/CH2003/000181
【国際公開番号】WO2004/084556
【国際公開日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(390040729)インベンテイオ・アクテイエンゲゼルシヤフト (166)
【氏名又は名称原語表記】INVENTIO AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】