説明

半導体素子の製造方法

【課題】400℃以上の温度で原子層蒸着法により蒸着が可能な前駆体を用いて高密度を有する非晶質の高誘電絶縁膜形成を通じてキャパシタンス等価厚及び漏洩電流特性を向上させることができる半導体素子の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体基板100上にZr[C(CH)](CH、Zr[C(CH)](OCH)CH及びZr[C(CHCH)][N(CH)(CHCH)]の何れか一つの前駆体を用いて400℃〜500℃の温度で形成されたジルコニウム酸化膜(ZrO)140を含む高誘電絶縁膜を形成することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子の製造方法に関するものであり、特に、キャパシタンス等価厚(Capacitance Equivalent Thickness;CET)及び漏洩電流(leakage current)特性を向上させることができる半導体素子の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、非揮発性メモリ素子は、電源供給が遮断されても格納されたデータを維持する。このような非揮発性メモリ素子のうち、フラッシュメモリ素子の単位セルは、半導体基板の活性領域上にトンネル絶縁膜、フローティングゲート(浮遊ゲート)、誘電体膜及びコントロールゲート(制御ゲート)が順次積層されて形成され、外部からコントロールゲート電極に印加される電圧がフローティングゲートにカップリングされながらデータを格納することができる。従って、短時間内に、そして低いプログラム電圧でデータを格納するためには、コントロールゲート電極に印加された電圧対比フローティングゲートに誘起される電圧の比、即ち、カップリング比が大きくなければならない。ここで、カップリング比は、トンネル絶縁膜と誘電体膜の静電容量の和に対する誘電体膜の静電容量の比で示され得る。
【0003】
従来のフラッシュメモリ素子は、フローティングゲートとコントロールゲートを離隔させるための誘電体膜としてSiO/Si/SiO(Oxide-Nitride-Oxide;ONO)の構造を主に用いたが、最近は、素子の高集集積化により誘電体膜の膜厚が減少するにつれてトンネリングによる漏洩電流(leakage)が増加し、これにより素子の信頼性が低下する問題が発生している。
【0004】
上述した問題を解決するために、最近、誘電体膜に代替することができる新たな物質としてSiOまたはSiに比べて相対的に誘電率が高い金属酸化物である高誘電膜(high-k)の開発が活発に進行している。即ち、誘電率が高ければ、同一のキャパシタンスを出すのに必要な物理的な厚さを増やすことができるため、均一の等価酸化膜厚(Equivalent Oxide Thickness;EOT)でSiOより漏洩電流特性を向上させることができる。
【0005】
しかし、高誘電物質(high-k)への全面的な交替は、カップリング比を合せるのに困難があるため、既存のONO構造から窒化膜のみを高誘電物質に交替する研究が活発に進行中であり、近来はアミド前駆体のうち、テトラキスエチルメチルアミノハフニウム(Tetrakis(ethylmethylamino)hafnium;Hf[N(CH)C,Hf(NEtMe);以下TEMAHと称する)を前駆体として形成されたハフニウム酸化膜(HfO)及びテトラキスエチルメチルアミノジルコニウム(Tetrakis(ethylmethylamino)zirconium;Zr[N(CH)C,Zr(NEtMe);以下TEMAZと称する)を前駆体として形成されたジルコニウム酸化膜(ZrO)などの高誘電物質(high-k)を含むOKO(ここで、high-k意味する)構造の誘電体膜を形成している。この時、誘電定数が比較的大きいHfO(ε=25)またはZrO(ε=25)はキャパシタンスの確保は優れるが、降伏電界強度が低く反復的な電気的衝撃に脆弱であるため、キャパシタの耐久性が落ちる問題があり、漏洩電流特性に優れるAlを用いたHfO/AlまたはZrO/Alの積層構造が提案された。この場合、高誘電物質(high-k)は薄膜厚及び組成の調節が容易であり、ステップカバレッジ(stepcoverage)特性に優れた原子層蒸着(Atomic Layer Deposition;ALD)法を用い、主に、非晶質状態のラミネート形態で蒸着するが、TEMAH及びTEMAZのような既存のHfまたはZrの前駆体は、分解温度及び高温での蒸気圧が低いため、300℃付近の低温で蒸着している。
【0006】
しかし、低温で原子層蒸着法を用い、ラミネート方式で高誘電物質の蒸着を進行すれば、結局、後続の工程で高温のアニーリング過程を通じて混合物(mixtureまたはcomposite)の形態となり、非晶質ラミネートが結晶質に変化しながら結晶粒界通路(grain boundary path)による漏洩電流の劣化が発生し、高電界での漏洩電流特性が満たされていないため、これに対する対策が急がれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、400℃以上の温度で原子層蒸着法により蒸着が可能な前駆体を用いて高密度を有する非晶質の高誘電絶縁膜形成を通じてキャパシタンス等価厚及び漏洩電流特性を向上させることができる半導体素子の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するための本発明に係る半導体素子の製造方法の代表的な構成は、半導体基板上にZr[C(CH)](CH、Zr[C(CH)](OCH)CH及びZr[C(CHCH)][N(CH)(CHCH)]の何れか一つの前駆体を用いて400℃〜500℃の温度で形成されたジルコニウム酸化膜(ZrO)を含む高誘電絶縁膜を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上記構成によれば、400℃以上の温度で原子層蒸着法により蒸着が可能な前駆体を用いて高密度を有する非晶質の高誘電絶縁膜形成を通じてキャパシタンス等価厚及び漏洩電流特性を向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(a)は本発明に係る半導体素子の製造方法の実施形態としてフラッシュメモリ素子の製造方法を説明するための素子断面を示す工程図、(b)は同実施形態の工程図、(c)は同実施形態の工程図である
【図2】本実施形態において適用される前駆体(precursor)の分解温度及び分解温度による前駆体の残留量を示したグラフである
【図3】本実施形態において適用される前駆体の温度による蒸気圧を示したグラフである
【図4】本発明による第1実施形態として単一層の高誘電絶縁膜に適用される原子層蒸着法を説明するために示した図である
【図5】本発明による第2実施形態としてラミネート形態の高誘電絶縁膜に適用される原子層蒸着法を説明するために示した図である
【図6】本発明による第3実施形態としてナノ−ミックス形態の高誘電絶縁膜に適用される原子層蒸着法を説明するために示した図である
【図7】本発明による高誘電絶縁膜のキャパシタンス等価厚及び漏洩電流特性を示したグラフである
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付した図面を参照し、本発明に係る半導体素子の製造方法の好適な実施形態として、フラッシュメモリ素子の製造方法について図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
1は、本実施形態によるフラッシュメモリ素子の製造方法を説明するための工程断面図である。
【0013】
図1(a)に示すように、第1の絶縁膜110、第1の導電膜120及び第2の絶縁膜130を含む下部膜が形成された半導体基板100が提供される。ここで、第1の絶縁膜110は、NANDフラッシュ素子のトンネル絶縁膜、キャパシタ製造工程では下部の層間絶縁膜として用いるためにシリコン酸化膜(SiO)で形成することができ、この場合、酸化(oxidation)工程または化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition;CVD)方法(例えば、低圧化学気相蒸着(Low Pressure CVD)方法)により形成することができる。
【0014】
第1の導電膜120は、NANDフラッシュ素子のフローティングゲートとして用いられるか、またはキャパシタの下部電極として用いるために形成され、ドープトポリシリコン膜(doped polysilicon layer)、金属膜またはこれらの積層膜として形成されることができる。望ましくは、第1の導電膜120はドープトポリシリコン膜で形成される。第1の導電膜120は、CVD方法で形成されることができ、望ましくは、LPCVD方法を用いて500〜2000Åの厚さで形成される。この時、第1の導電膜120は、素子分離膜(図示せず)と並んだ方向にパターニングされて形成される。
【0015】
また、第2の絶縁膜130は、NANDフラッシュ素子のフローティングゲートとコントロールゲートとの間の誘電体膜の下部酸化膜、キャパシタ製造工程では、キャパシタの下部電極とキャパシタの上部電極との間の層間絶縁膜として用いるために形成され、望ましくは、HTO(High Temperature Oxide)酸化膜で形成することができ、この場合、CVD方法(例えば、LPCVD方法)を用いて10〜50Åの厚さで形成されることができる。
【0016】
図1(b)を参照すれば、第2の絶縁膜130上に高誘電絶縁膜(high-k)140を形成する。高誘電絶縁膜140は、下記の一般式からなる化で示された物質のいずれか一つの前駆体(precursor)を用いて400〜500℃、望ましくは450〜500℃の原子層蒸着(Atomic Layer Deposition;ALD)法により形成するが、原子層蒸着法の単位サイクルを適切に変形して下記の三つの形態の膜で形成することができる。一方、下記一般式からなる化で示されたHfまたはZrの新たな前駆体の蒸着温度については後述する。
【0017】
第一に、高誘電絶縁膜140は、非晶質ハフニウム酸化膜(HfO)または非晶質ジルコニウム酸化膜(ZrO)で形成する。この時、高誘電絶縁膜140をHfOで形成する場合、HfOは下記一般式からなる化で示されたHf[C(CH)](CH、下記一般式からなる化で示されたHf[C(CH)](OCH)CH及び下記一般式からなる化で示されたHf[C(CHCH)][N(CH)(CHCH)]のいずれか一つの前駆体(precursor)を用いて400〜500℃の原子層蒸着(ALD)法を通じて非晶質状態で形成する。望ましくは、高誘電絶縁膜140をHfOで形成する場合、下記一般式からなる化で示された物質のいずれか一つの前駆体を用いて450〜500℃の原子層蒸着(ALD)法を通じて非晶質状態で形成する。この時、HfOは40〜500Åの厚さで形成する。
【0018】
【化1】

【0019】
【化2】

【0020】
【化3】

【0021】
次に、高誘電絶縁膜140をZrOで形成する場合、ZrOは下記一般式からなる化で示されたZr[C(CH)](CH、下記一般式からなる化で示されたZr[C(CH)](OCH)CH及び下記一般式からなる化で示されたZr[C(CHCH)][N(CH)(CHCH)]のいずれか一つの前駆体(precursor)を用いて400〜500℃の原子層蒸着法を通じて非晶質状態で形成する。望ましくは、高誘電絶縁膜140をZrOで形成する場合、下記一般式からなる化で示された物質のいずれか一つの前駆体を用いて450〜500℃の原子層蒸着(ALD)法を通じて非晶質状態で形成する。この時、ZrOは40〜500Åの厚さで形成する。
【0022】
【化4】

【0023】
【化5】

【0024】
【化6】

【0025】
図2は本発明に適用される前駆体(precursor)の分解温度及び分解温度による前駆体の残留量を示したグラフであり、図3は本発明に適用される前駆体の温度による蒸気圧を示したグラフである。
【0026】
図2を参照すれば、線(c)Hf[C(CH)](CH、線(d)Hf[C(CH)](OCH)CHのように上記一般式からなる化及びで示されたハフニウム(Hf)の前駆体は、線(a)Hf[N(CH)C、線(b)Hf[N(CHである既存のアミド前駆体(Amide precursor)に比べて分解温度が100℃程度高く、分解温度による前駆体の残留量も相対的に低い特性を有する。従って、本発明による上記一般式からなる化及びで示されたHfの前駆体は400℃以上の温度で蒸着が可能である。
【0027】
ここで、線(a)はTetrakis(ethylmethylamino)hafnium,Hf[N(CH)C,Hf(NEtMe)以下TEMAHと称する、線(b)はTetrakis(dimethylamino)hafnium,Hf[N(CH,Hf(NMe以下TDMAHと称する、線(c)はHf[C(CH)](CH、線(d)はHf[C(CH)](OCH)CHであり、ハフニウム(Hf)の前駆体を示す。
【0028】
一方、図示してはいないが、上記一般式からなる化で示されたハフニウム(Hf)またはジルコニウム(Zr)の前駆体も上述した図2中の線(c)、(d)に示したHf[C(CH)](CH及びHf[C(CH)](OCH)CHのハフニウム(Hf)前駆体と同様にTEMAH及びTDMAHのような既存のアミド前駆体に比べて分解温度が100℃程度高く、分解温度による前駆体の残留量も相対的に低い特性を有する。従って、本発明による上記一般式からなる化で示されたHfまたはZrの前駆体400℃以上の温度で蒸着が可能である。
【0029】
つぎに、図3に示すように、線(g)Hf[C(CH)](CH、線(h)Hf[C(CH)](OCH)CHのように上記一般式からなる化及びで示されたハフニウム(Hf)の前駆体は、線(e)Hf[N(CH)C、線(f)Hf[N(CHである既存のアミド前駆体(Amide precursor)に比べて高温での蒸気圧が相対的に高い特性を有する。これにより、本発明に適用される上記一般式からなる化及びで示されたHfの前駆体は、揮発性が強く、高温で蒸着しにくいため、400℃以上の温度で蒸着が可能である。
【0030】
一方、図示していないが、上記一般式からなる化で示されたハフニウム(Hf)またはジルコニウム(Zr)の前駆体も上述した図3中の線(g)、(h)に示したHf[C(CH)](CH及びHf[C(CH)](OCH)CHのハフニウム(Hf)前駆体と同様にTEMAH及びTDMAHのような既存のアミド前駆体に比べて高温での蒸気圧が相対的に高い特性を有する。従って、本発明による上記一般式からなる化で示されたHfまたはZrの前駆体も揮発性が強く、高温で蒸着しにくいため、400℃以上の温度で蒸着が可能である。
【0031】
上述したように、上記一般式からなる化で示されたHfまたはZrの前駆体は、TEMAH及びTDMAHのような既存のアミド前駆体に比べて相対的に分解温度が100℃以上高いだけでなく高温での蒸気圧が高いため、これを用いてHfOまたはZrOを形成する場合、既存のアミド前駆体を用いるより400℃以上の高温で蒸着が可能になる。この時、形成される非晶質高誘電絶縁膜の密度を高めるために、HfOまたはZrOは分解温度及び高温での蒸気圧が高い特性を有する上記一般式からなる化で示された物質のいずれか一つの前駆体を用いて450〜500℃の高温で蒸着することがより望ましい。
【0032】
一般に、原子層蒸着(ALD)法は、金属前駆体ソースと反応ガスを同時に注入せずに、それぞれ注入し、その間にパージ(Purge)工程を挿入することにより、吸着と脱着反応を用いる。
【0033】
図4は、単一層の高誘電絶縁膜に適用される原子層蒸着(ALD)法を説明するために示した図面であり、これを参照し、本発明による第一の形態の高誘電絶縁膜形成のための原子層蒸着(ALD)法を簡略に説明する。
【0034】
図4を参照すれば、単一層の高誘電絶縁膜に適用される原子層蒸着(ALD)法は、大きく、(a)金属前駆体ソース注入段階、(b)パージ段階及び(c)反応ガス注入段階に分類され、具体的には、上記一般式からなる化で示された物質のいずれか一つを金属前駆体ソースとして(1)入した後に(2)パージし(3)300〜600℃のウエハ温度で反応ガスとしてHO、OガスまたはOプラズマを注入した後に(4)パージする。ここで、金属前駆体ソースの注入、パージ、反応ガスの注入及びパージからなる14の過程を単位サイクルと定義し、所定の膜を形成するために単位サイクルを反復して実施する。この時、単位サイクルの回数(蒸着回数)を調節し、全体高誘電絶縁膜の厚さが40〜500Åになるように形成する。ここで、パージガスとしては窒素(N)及びアルゴン(Ar)を用いてCVD反応を防いで膜質に優れた高密度の非晶質のHfO及びZrOを形成する。
【0035】
このように、HfOまたはZrOの単一層からなる高誘電絶縁膜140は、分解温度及び高温での蒸気圧が高い特性を有する上記一般式からなる化で示された物質のいずれか一つの前駆体を用いて400〜500℃の温度、望ましくは、450〜500℃の温度で原子層蒸着法を用いて形成するため、高密度を有する非晶質状態で形成される。
【0036】
このように、400〜500℃の高温、望ましくは、450〜500℃の高温でHfOまたはZrOの高誘電絶縁膜140を蒸着する場合、高密度の非晶質薄膜で蒸着されるだけでなく、後続の工程で700〜1000℃の高温でアニーリング工程が実施されても、既存の300℃付近で高誘電絶縁膜を蒸着した場合に比べて高誘電絶縁膜140の結晶化があまり進行されないことにより、結晶粒界通路(grain boundary path)を減少させてCET及び漏洩電流特性を向上させることができる。
【0037】
第二に、高誘電絶縁膜140は、非晶質のHfO/Alまたは非晶質のZrO/Alを交互に積層し、レイヤバイレイヤ(layer by layer)の概念で積層されたラミネートの形態で形成する。
【0038】
この時、高誘電絶縁膜140内でそれぞれのHfO、ZrO及びAlは、10〜30Åの厚さで形成するが、HfO/AlまたはZrO/Alの積層構造を1層と定義する時、HfO/AlまたはZrO/Alの積層構造は、少なくとも2層以上で形成し、多層のラミネートが形成されるようにするが、全体の高誘電絶縁膜140の厚さは40〜500Åで形成する。
【0039】
具体的には、HfOとAlを交互に積層して多層ラミネート形態の高誘電絶縁膜140を形成する場合、HfOは分解温度及び高温での蒸気圧が高い特性を有する上記一般式からなる化で示されたHf[C(CH)](CH、上記一般式からなる化で示されたHf[C(CH)](OCH)CH及び上記一般式からなる化で示されたHf[C(CHCH)][N(CH)(CHCH)]のいずれか一つの前駆体を用いて400〜500℃の温度、望ましくは、450〜500℃の温度で原子層蒸着法を通じて10〜30Åの厚さで形成し、Alはトリメチルアルミニウム(TriMethylAluminum,Al(CH;以下TMAと称する)前駆体を用いて400〜500℃の温度、望ましくは、450〜500℃の温度で原子層蒸着法を通じて10〜30Åの厚さで形成する。これにより、高誘電絶縁膜140は400〜500℃の高温で蒸着されることにより、高密度を有する非晶質HfO/Alの積層構造のラミネート形態を有する。
【0040】
次に、ZrOとAlを交互に積層して多層ラミネート形態の高誘電絶縁膜140を形成する場合、ZrOは分解温度及び高温での蒸気圧が高い特性を有する上記一般式からなる化で示されたZr[C(CH)](CH、上記一般式からなる化で示されたZr[C(CH)](OCH)CH及び上記一般式からなる化で示されたZr[C(CHCH)][N(CH)(CHCH)]のいずれか一つの前駆体を用いて400〜500℃の温度で原子層蒸着法を通じて10〜30Åの厚さで形成し、AlはTMA前駆体を用いて400〜500℃の温度で原子層蒸着法により10〜30Åの厚さで形成する。これにより、高誘電絶縁膜140は、400〜500℃の高温で蒸着されることにより、高密度を有する非晶質ZrO/Alの積層構造のラミネート形態を有する。
【0041】
解温度及び高温での蒸気圧が高い特性を有する上記一般式からなる化で示された物質のいずれか一つの前駆体を用いて400〜500℃、望ましくは、450〜500℃で原子層蒸着法を通じてHfOまたはZrOを形成する場合、揮発性が高いTMAを前駆体として用いるAlも400℃以上での高温蒸着が可能になることにより、HfOまたはZrOとAlとのラミネート形態の高誘電絶縁膜形成を通じて薄膜の電気的特性を向上させることができる。
【0042】
一方、高誘電絶縁膜140は、HfO/AlまたはZrO/Alの積層順序の前後が変わってAl/HfOまたはAl/ZrOの積層構造が交互に積層された多層のラミネート形態で形成されることもできる。
【0043】
図5は、ラミネート形態の高誘電絶縁膜に適用される原子層蒸着(ALD)法を説明するために示した図面であり、これを参照し、本発明による第二の形態の高誘電絶縁膜形成のための原子層蒸着法を簡略に説明する。
【0044】
図5を参照すれば、ラミネート形態の高誘電絶縁膜に適用される原子層蒸着(ALD)法は、大きく、(a)第1の金属前駆体ソース注入段階、(b)パージ段階及び(c)反応ガス注入段階及(d)第2の金属前駆体ソース注入段階に分類され、具体的には、上記一般式からなる化で示された物質のいずれか一つを(1)第1の金属前駆体ソースに注入した後に(2)パージし(3)300〜600℃のウエハ温度で反応ガスとしてHO、OガスまたはOプラズマを注入した後に(4)パージし(5)TMAを第2の金属前駆体ソースとして注入した後に(6)パージし(7)300〜600℃のウエハ温度で反応ガスとしてHO、OガスまたはOプラズマを注入した後に(8)パージする。ここで、第1の金属前駆体ソース注入、パージ、反応ガス注入、パージ、第2の金属前駆体ソース注入及びパージからなる18)の過程を単位サイクルと定義し、所定の膜を形成するために単位サイクルを反復して実施する。この時、単位サイクルBの回数(蒸着回数)を調節し、それぞれのHfO、ZrO及びAlは10〜30Åの厚さで形成するが、全体の高誘電絶縁膜の厚さは40〜500Åになるように形成する。ここで、パージガスとしては、窒素(N)及びアルゴン(Ar)を用いてCVD反応を防いで膜質に優れた高密度の非晶質のHfO及びZrOを形成する。一方、第2の金属前駆体ソース注入段階をまず実施した後、第1の金属前駆体ソース注入段階を実施することができる。この時、高誘電絶縁膜140は、HfO/AlまたはZrO/Alの積層順序の前後が変わってAl/HfOまたはAl/ZrOの積層構造が交互に積層された多層のラミネート形態で形成される。
【0045】
このように、HfO/AlまたはZrO/Alが交互に積層された多層ラミネート形態からなる高誘電絶縁膜140は、分解温度及び高温での蒸気圧が高い特性を有する上記一般式からなる化で示された物質のいずれか一つの前駆体を用いて400〜500℃の温度で原子層蒸着法を通じて形成された高密度の非晶質HfOまたはZrOを含むことにより、後続の工程で700〜1000℃の高温でアニーリング工程が実施されても、既存の300℃付近で高誘電絶縁膜を蒸着した場合に比べて高誘電絶縁膜140の結晶化があまり進行されないことにより結晶粒界通路(grain boundary path)を減少させ、CETを下げながら漏洩電流特性を向上させることができる。
【0046】
第三に、高誘電絶縁膜140は、HfOとAlまたはZrOとAlがレイヤバイレイヤの概念で積層されて形成されたものではなく、ナノ−ミックス(nano-mixed)形態で混合された非晶質のハフニウム−アルミニウム酸化膜(HfAlO)またはジルコニウム−アルミニウム酸化膜(ZrAlO)で形成する。
【0047】
高誘電絶縁膜140をHfAlOで形成する場合、分解温度及び高温での蒸気圧が高い特性を有する上記一般式からなる化で示されたHf[C(CH)](CH、上記一般式からなる化で示されたHf[C(CH)](OCH)CH及び上記一般式からなる化で示されたHf[C(CHCH)][N(CH)(CHCH)]のいずれか一つの前駆体を用いて400〜500℃、望ましくは、450〜500℃の温度で原子層蒸着法を通じて非晶質のHfOとTMA前駆体を用いて400〜500℃の温度、望ましくは、450〜500℃の温度で原子層蒸着法を通じて非晶質のAlを交互に積層するが、HfOとAlのナノ−ミックス効果を増大させるために原子層蒸着法で形成されるHfOとAlをそれぞれ単位サイクル当たり10Å未満(0.1Å〜9.9Å)の薄い厚さで形成する。ここで、HfOとAlの0.1Å〜9.9Åの厚さは、各膜が不連続的に形成される厚さであり、10Å以上の厚さで蒸着する場合には、連続的な膜形態の独立的な構造を有し、HfOとAlがレイヤバイレイヤの形態で積層される構造となる。この時、全体の高誘電絶縁膜の厚さは40〜500Åになるように形成する。
【0048】
特に、レイヤバイレイヤの概念ではなく、HfOとAlが混合されるナノ−ミックス構造のために、これらそれぞれの膜を形成する単位サイクルの回数(蒸着回数)を調節してHfとAlの組成比を調節する。このため、(Hfソース注入/パージ/反応ガス注入/パージ)mのサイクルと(Alソース注入/パージ/反応ガス注入/パージ)nのサイクルで単位サイクルの回数であるmとnを調節する。
【0049】
この時、キャパシタンスを十分に確保するために、HfAlOは誘電率が高いHf(ε=25)の組成比が誘電率が低いAl(ε=9)の組成比より高く形成されるようにし、望ましくは、HfAlOはHf:Alの組成比が2:1〜30:1になるように形成する。より望ましくは、Hf:Alの組成比が24:1になるようにHfAlOを形成する。
【0050】
例えば、HfOよりAlをさらに多く形成すれば、HfよりAlがさらに多くの組成比を有する高誘電絶縁膜140を形成することができ、AlよりHfOをさらに多く形成すれば、AlよりHfがさらに多くの組成比を有する高誘電絶縁膜140を形成することができる。これは、ZrOとAlを用いて高誘電絶縁膜140を形成する場合にも同様に適用される。
【0051】
次に、高誘電絶縁膜140をZrAlOで形成する場合、分解温度及び高温での蒸気圧が高い特性を有する上記一般式からなる化で示されたZr[C(CH)](CH、上記一般式からなる化で示されたZr[C(CH)](OCH)CH及び上記一般式からなる化で示されたZr[C(CHCH)][N(CH)(CHCH)]のいずれか一つの前駆体を用いて400〜500℃の温度、望ましくは、450〜500℃の温度で原子層蒸着法を通じて非晶質のZrOとTMA前駆体を用いて400〜500℃の温度、望ましくは、450〜500℃の温度で原子層蒸着法を通じて非晶質のAlを交互に積層するが、ZrOとAlのナノ−ミックス効果を増大させるために原子層蒸着法で形成されるZrOとAlをそれぞれ単位サイクル当たり10Å未満(0.1Å〜9.9Å)の薄い厚さで形成する。
【0052】
特に、ZrOとAlが混合されるナノ−ミックス構造のために、これらそれぞれの膜を形成する単位サイクルの回数(蒸着回数)を調節してZrとAlの組成比を調節する。このために、(Zrソース注入/パージ/反応ガス注入/パージ)mのサイクルと(Alソース注入/パージ/反応ガス注入/パージ)nのサイクルで単位サイクルの回数であるmとnを調節する。この時、キャパシタンスを十分に確保するために、ZrAlOは誘電率が高いZr(ε=25)の組成比が誘電率が低いAl(ε=9)の組成比より高く形成されるようにし、望ましくは、ZrAlOはZr:Alの組成比が2:1〜30:1になるように形成する。より望ましくは、Zr:Alの組成比が24:1になるようにZrAlOを形成する。
【0053】
解温度及び高温での蒸気圧が高い特性を有する上記一般式からなる化で示された物質のいずれか一つの前駆体を用いて400〜500℃、望ましくは、450〜500℃で原子層蒸着法を通じてHfOまたはZrOを形成する場合、Alも400℃以上での蒸着が可能になることにより、HfOまたはZrOとAlとのナノ−ミックス形態で混合された非晶質の高誘電絶縁膜形成を通じて薄膜の電気的特性を向上させることができる。
【0054】
一方、HfO/AlまたはZrO/Alの積層順序の前後が変わってAl/HfOまたはAl/ZrOの積層構造が交互に積層された非晶質薄膜を通じてもナノ−ミックス形態で混合された非晶質HfAlOまたはZrAlOを形成することができる。
【0055】
図6は、ナノ−ミックス(nano-mixed)形態の高誘電絶縁膜に適用される原子層蒸着法を説明するために示した図面であり、これを参照し、本発明による第三の形態の高誘電絶縁膜形成のための原子層蒸着法を簡略に説明する。
【0056】
図6を参照すれば、ナノ−ミックス形態の高誘電絶縁膜に適用される原子層蒸着法は、大きく、(a)第1の金属前駆体ソース注入段階、(b)パージ段及び(c)反応ガス注入段階及(d)第2の金属前駆体ソース注入段階に分類され、具体的には一般式からなる化で示された物質のいずれか一つを(1)第1の金属前駆体ソースに注入した後に(2)パージし(3)300〜600℃のウエハ温度で反応ガスとしてHO、OガスまたはOプラズマを注入した後に(4)パージする。そして、(5)TMAを第2の金属前駆体ソースに注入した後に(6)パージし(7)300〜600℃のウエハ温度で反応ガスとしてHO、OガスまたはOプラズマを注入した後に(8)パージする。ここで、第1の金属前駆体ソース注入、パージ、反応ガス注入及びパージからなる14)の過程を単位サイクルと定義し、第2の金属前駆体ソース注入、パージ、反応ガス注入及びパージからなる58の過程を単位サイクルと定義し、Hf:AlまたはZr:Alの所望の組成比を得るために単位サイクルC,Dの回数を異なる回数で実施する。この時、パージガスとしては、窒素(N)及びアルゴン(Ar)を用いてCVD反応を防いで膜質に優れたHfO、ZrO及びAlを通じて膜質に優れたナノ−ミックス形態で混合された高密度の非晶質のHfAlOとZrAlOを形成する。
【0057】
例えば、Hf:Alの組成比が24:1であるナノ−ミックス形態のHfAlOを蒸着しようとする場合、単位サイクル及び単位サイクル当たりそれぞれのHfO、AlびZrOの厚さは0.1Å〜9.9Åで形成する、HfOは単位サイクルを24回反復実施して一定厚さの薄膜を形成し、Alは単位サイクルを1回実施して一定厚さの薄膜を形成し、HfOとAlがナノ−ミックス形態で混合された非晶質HfAlOが所望の組成比を有するようにする。
【0058】
このように、HfO/AlまたはZrO/Alが交互に積層される、互いにナノ−ミックス形態で混合された非晶質HfAlOまたはZrAlOからなる高誘電絶縁膜140は分解温度及び高温での蒸気圧が高い特性を有する上記一般式からなる化で示された物質のいずれか一つの前駆体を用いて400〜500℃の温度、望ましくは、450〜500℃の温度で原子層蒸着法を通じて形成された高密度の非晶質HfOまたはZrOを含むことにより、後続の工程で700〜1000℃の高温でアニーリング工程が実施されても、既存の300℃付近で高誘電絶縁膜140を蒸着した場合に比べて高誘電絶縁膜140の結晶化があまり進行されないことにより結晶粒界通路(grain boundary path)を減少させてCET及び漏洩電流特性を向上させることができる。
【0059】
一方、HfO/AlまたはZrO/Alの積層順序を変えてAl/HfOまたはAl/ZrOの積層構造を積層してナノ−ミックス形態で混合された非晶質HfAlOまたはZrAlOを形成することができる。
【0060】
そこで、図1(c)に示すように、高誘電絶縁膜140上に第3の絶縁膜150を形成する。第3の絶縁膜150は、NANDフラッシュ素子のフローティングゲートとコントロールゲートとの間の誘電体膜の上部酸化膜、キャパシタ製造工程ではキャパシタの下部電極とキャパシタの上部電極との間の層間絶縁膜として用いるために形成され、望ましくは、HTO酸化膜で形成することができ、この場合、CVD方法(例えば、LPCVD方法)を用いて10〜50Åの厚さで形成する。これにより、第2の絶縁膜130、高誘電絶縁膜140及び第3の絶縁膜150からなるNANDフラッシュ素子においてOKO(ここで、はhigh−k物質を意味する)構造の高誘電体膜160が形成される。
【0061】
このように、高誘電体膜160は、HTO酸化膜からなる第2及び第3の絶縁膜130,150との間に分解温度及び高温での蒸気圧が高い特性を有する上記一般式からなる化で示された物質のいずれか一つの前駆体を用いて400℃以上の原子層蒸着法を通じて形成された高密度の非晶質HfOまたはZrOの単一膜、非晶質HfO/AlまたはZrO/Alの積層膜及びHfO/AlまたはZrO/Alがナノ−ミックス形態で混合された非晶質HfAlOまたはZrAlOのいずれか一つの形態の高誘電絶縁膜を含んで形成されることにより、高温での蒸着を通じて後続の高温のアニーリング工程時に薄膜の結晶化度を下げ、結晶粒界通路を減少させてCET及び漏洩電流特性を向上させることができ、これを通じて信頼性が高い素子を製作することができる。
【0062】
次いで、高誘電体膜160の第3の絶縁膜150上に第2の導電膜170を形成する。第2の導電膜170は、NANDフラッシュ素子のコントロールゲートとして用いられるか、またはキャパシタの上部電極として用いるために形成し、ドープトポリシリコン膜、金属膜またはこれらの積層膜で形成することができ、望ましくは、ドープトポリシリコン膜で形成する。この時、第2の導電膜170はCVD方法で形成することができ、望ましくは、LPCVD方法を用いて500〜2000Åの厚さで形成する。一方、第2の導電膜170上には抵抗を下げるために、金属シリサイド層(図示せず)をさらに形成することができる。
【0063】
その後、通常のエッチング工程で金属シリサイド層、第2の導電膜170、誘電体膜160及び第1の導電膜120を順次パターニングする。これにより、NANDフラッシュ素子における第1の導電膜120からなるフローティングゲート(図示せず)及び第2の導電膜170からなるコントロールゲート(図示せず)を含むゲート(図示せず)が形成される。
【0064】
一方、第1の導電膜120と第2の絶縁膜130または第2の導電膜170と第3の絶縁膜150が反応して第1の導電膜120と第2の絶縁膜130の界面と第2の導電膜170と第3の絶縁膜150の界面に欠陥(defect)が発生して高誘電体膜160の誘電率が低下するのを防止するために、第2の絶縁膜130の蒸着前及び第3の絶縁膜150の蒸着後にプラズマ窒化(Plasma Nitration)処理をさらに実施し、第1の導電膜120の表面と第3の絶縁膜150の表面に窒化膜(図示せず)を形成することができる。この時、プラズマ窒化処理は、600℃〜1000℃の温度でArガスとNガスを混合した混合ガス雰囲気で急速熱処理工程(Rapid Thermal Process;RTP)を用いて実施することができる。
【0065】
その後、ゲート形成のためのエッチング工程からの損傷を治癒するために、側壁酸化工程をさらに実施することができ、これによりゲート側壁に酸化膜が形成される。
【0066】
図7は、高誘電絶縁膜のキャパシタンス等価厚(CET)及び漏洩電流特性を示したグラフである。
【0067】
図7において、「の表示は、高誘電絶縁膜を示し、比較のために提示された他の表示は、これまでによる高誘電絶縁膜を示したものである。
【0068】
図7を参照すれば、既存の高誘電絶縁膜は、CETが低ければ漏洩電流が高く、CETが高ければ漏洩電流が低い特性を示した。反面、本発明による高誘電絶縁膜は、CETも下げながら漏洩電流も低い特性を示した。特に、点線で示された部分のようにHf:Alの組成比が24:1であるHfAlOを形成した場合、CETが約112Å、漏洩電流が5E(−15)A/μm〜6E(−15)A/μmとしてCET及び漏洩電流特性の側面で最適の結果を示した。上記のように、図7を参照し、分解温度及び高温での蒸気圧が高い特性を有する新たな前駆体を用いて形成された高誘電絶縁膜が、CET特性及び漏洩電流特性を同時に満たすという側面で既存の前駆体を用いて形成された高誘電絶縁膜に比べて優れていることを確認することができ、特に、HfAlOまたはZrAlO薄膜の組成の側面でAlに比べてHfまたはZrの組成が非常に高い24:1という新たな組成比を獲得し、CETも下げながら漏洩電流特性も向上させることができた。
【0069】
本発明では、説明の便宜のために、400℃以上の温度から原子層蒸着法により蒸着が可能な前駆体を用いた高誘電絶縁膜を一般的なNANDフラッシュメモリ素子の高誘電体膜及びキャパシタ用絶縁膜に適用して説明したが、これに限定されるものではなく、本発明による高誘電絶縁膜は、窒化膜を電子格納膜として用いるソノス(Silicon-Oxide-Nitride-Oxide-Silicon;SONOS)構造またはモノス(Metal-Oxide-Nitride-Oxide-Silicon;MONOS)構造を有するフラッシュメモリ素子においてブロッキング酸化膜(blockinglayer)としても用いられる。この場合、高誘電絶縁膜は、電子格納膜上に形成される。
【0070】
本発明は、上記で記述した実施例により限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現されることができ、上記実施例は本発明の開示が完全であるようにし、通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。従って、本発明の範囲は、本願の特許請求の範囲により理解されなければならない。また、本発明の実施例は、様々な異なる形態で変形されることができ、本発明の範囲が以下で詳述する実施例により限定されるものと解釈されてはならず、当業界で普遍的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものと解釈されることが望ましい。
【0071】
400℃以上の温度、望ましくは、450℃〜500℃の高温で原子層蒸着法により蒸着が可能な前駆体を用いて高密度を有する非晶質高誘電絶縁膜を形成することにより、後続のアニーリング工程時に高誘電絶縁膜の結晶化度を下げることにより、結晶粒界通路を減少させ、キャパシタンス等価厚(CET)及び漏洩電流特性を向上させて信頼性高い素子を製作することができる
【0072】
また、HfOまたはZrOの高誘電絶縁膜が新たな前駆体を用いて400℃以上の原子層蒸着法により蒸着が可能になることにより、Alの原子層蒸着温度も400℃以上に高めてHfOまたはZrOとAlが交互に積層されたラミネート形態またはHfOまたはZrOとAlがナノ−ミックスされた形態の高密度を有する非晶質高誘電絶縁膜を形成することにより、高誘電絶縁膜の密度をさらに高めて薄膜の電気的特性を向上させることができる
【0073】
また、新たな前駆体を用いてHfAlOまたはZrAlO薄膜の組成の側面でAlに比べてHfまたはZrの組成が非常に高い24:1の組成比を獲得し、CETも下げながら漏洩電流特性も向上させることができる
【0074】
また、最小の工程変更を通じて製造費用を節減しながら素子が要求する電気的な特性を確保することができる
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の活用例として、半導体素子の製造方法に適用出来、特に、キャパシタンス等価厚(Capacitance Equivalent Thickness;CET)及び漏洩電流(leakage current)特性を向上させることができる半導体素子の製造方法に適用出来る。
【符号の説明】
【0076】
100:半導体基板
110:第1の絶縁膜
120:第1の導電膜
130:第2の絶縁膜
140:高誘電絶縁膜
150:第3の絶縁膜
160:高誘電体膜
170:第2の導電膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上にZr[C(CH)](CH、Zr[C(CH)](OCH)CH及びZr[C(CHCH)][N(CH)(CHCH)]の何れか一つの前駆体を用いて400℃〜500℃の温度で形成されたジルコニウム酸化膜(ZrO)を含む高誘電絶縁膜を形成することを特徴とする半導体素子の製造方法。
【請求項2】
半導体基板上にZr[C(CH)](CH、Zr[C(CH)](OCH)CH及びZr[C(CHCH)][N(CH)(CHCH)]の何れか一つの前駆体を用いて400℃〜500℃の温度で形成されたジルコニウム酸化膜(ZrO)とアルミニウム酸化膜(Al)を交互に積層して高誘電絶縁膜を形成することを特徴とする半導体素子の製造方法。
【請求項3】
半導体基板上にZr[C(CH)](CH、Zr[C(CH)](OCH)CH及びZr[C(CHCH)][N(CH)(CHCH)]の何れか一つの前駆体を用いて400℃〜500℃の温度で形成されたジルコニウム酸化膜(ZrO)とアルミニウム酸化膜(Al)を交互に積層してナノ−ミックスされたジルコニウム−アルミニウム酸化膜(ZrAlO)を含む高誘電絶縁膜を形成することを特徴とする半導体素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−12746(P2013−12746A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−158613(P2012−158613)
【出願日】平成24年7月17日(2012.7.17)
【分割の表示】特願2007−334741(P2007−334741)の分割
【原出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(310024033)エスケーハイニックス株式会社 (122)
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung−daero,Bubal−eub,Icheon−si,Gyeonggi−do,Korea
【Fターム(参考)】