半導体装置及びその製造方法
【課題】SRAMにおいてNMOS及びPMOSトランジスタのバランスを確保して、PMOSトランジスタの閾値電圧を高くできる半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】メモリ領域において、基板の第1半導体領域(12,13)の第1チャネル形成領域上に第1ゲート絶縁膜(20,21)を介して第1ゲート電極が形成され、第1半導体領域に第1ソースドレイン領域(16,17)が形成されて第1トランジスタが形成され、ロジック領域において、基板の第2半導体領域(14,15)の第2チャネル形成領域上に第2ゲート絶縁膜(22,23)を介して第2ゲート電極が形成され、第2半導体領域に第2ソースドレイン領域(18,19)が形成されて第2トランジスタが形成され、第1ゲート電極の第1ゲート絶縁膜に接する部分が金属(40,41)からなり、第2ゲート電極の第2ゲート絶縁膜に接する部分が半導体(26,27)からなる。
【解決手段】メモリ領域において、基板の第1半導体領域(12,13)の第1チャネル形成領域上に第1ゲート絶縁膜(20,21)を介して第1ゲート電極が形成され、第1半導体領域に第1ソースドレイン領域(16,17)が形成されて第1トランジスタが形成され、ロジック領域において、基板の第2半導体領域(14,15)の第2チャネル形成領域上に第2ゲート絶縁膜(22,23)を介して第2ゲート電極が形成され、第2半導体領域に第2ソースドレイン領域(18,19)が形成されて第2トランジスタが形成され、第1ゲート電極の第1ゲート絶縁膜に接する部分が金属(40,41)からなり、第2ゲート電極の第2ゲート絶縁膜に接する部分が半導体(26,27)からなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特に、SRAM(Static Random Access Memory)であるメモリ領域とロジック領域が混載された半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置としては、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)及びSRAM(Static Random Access Memory)などが広く用いられている。
SRAMのメモリセルは、いくつかのタイプが知られている。例えば、2つのPMOS(p-channel metal-oxide-semiconductor)トランジスタと4つのNMOS(n-channel metal-oxide-semiconductor)トランジスタの計6つのMOSFET(MOS field effect transistor)から構成される。
【0003】
SRAMは、DRAMのようなトランジスタ以外にメモリ専用のキャパシタなどが必要となる半導体記憶装置に比較して、ピュアロジックプロセスとの親和性も良い。また、DRAMのような記憶データのリフレッシュ動作が不要で周辺回路を簡易化でき、高速アクセスが可能である利点を有し、キャッシュメモリや携帯端末のメモリなどの高速性や簡易性が要求される比較的小容量の記憶装置として広く使用されている。
【0004】
図11(a)は6つのMOSFETを有するSRAMメモリセルの等価回路図である。
例えば、第1ロードトランジスタLTr1と第2ロードトランジスタLTr2、第1ドライバトランジスタDTr1と第2ドライバトランジスタDTr2、第1転送トランジスタTTr1と第2転送トランジスタTTr2を有する。
第1及び第2ロードトランジスタ(LTr1,LTr2)はPMOSトランジスタである。
第1及び第2ドライバトランジスタ(DTr1,DTr2)はNMOSトランジスタであり、第1及び第2転送トランジスタ(TTr1,TTr2)はNMOSトランジスタである。
【0005】
上述した第1ロードトランジスタLTr1及び第1ドライバトランジスタDTr1により1つのCMOSインバータが構成され、第2ロードトランジスタLTr2及び第2ドライバトランジスタDTr2によりもう1つのCMOSインバータが構成される。
2つのCMOSインバータは、互いの入力及び出力がリング状に接続されており、これにより1つの記憶回路が構成されている。
【0006】
図11(b)は、従来例に係る1メモリセルのレイアウトを示す平面図である。
例えば、NMOS形成領域ANMOSにおいて第1P型半導体領域P1と第2P型半導体領域P2が素子分離絶縁膜Iで区分されている。
PMOS形成領域APMOSにおいて第1N型半導体領域N1及び第2N型半導体領域N2が素子分離絶縁膜Iで分離されている。
第1P型半導体領域P1、第2P型半導体領域P2、第1N型半導体領域N1及び第2N型半導体領域N2は、例えばそれぞれ半導体基板に形成されたウェルで構成される。
【0007】
上記の6個のトランジスタをそれぞれ構成する位置において、各半導体領域上を横切るように第1ゲート電極G1〜第6ゲート電極G6がそれぞれ図示のレイアウトで形成されている。
【0008】
さらに、各ゲート電極の形成領域を除く領域の各半導体領域の表層部分にソースドレイン領域が形成されている。
上記のようにして、第1及び第2ロードトランジスタ(LTr1,LTr2)、第1及び第2ドライバトランジスタ(DTr1,DTr2)、第1及び第2転送トランジスタ(TTr1,TTr2)がそれぞれ構成されている。
上記のようにして、1つのメモリセルMCが構成されている。
【0009】
例えば、非特許文献1には、上記のような6つのMOSFETを有するSRAMメモリセルが記載されている。
【0010】
ここで、半導体のスケーリングに伴い、ゲートのリークやトランジスタのオフリークの増大が問題になっており、特にSRAMにおいては待機電流を低く抑えることは困難になってきている。
【0011】
本来SRAMはトランジスタのみで構成されるため、ロジックプロセスと非常に親和性が高く、プロセスの工程追加なしで搭載することが最大のメリットとなっている。
【0012】
しかし、ロジックトランジスタのオン電流を確保するために閾値電圧を非常に低くしていることや、メモリセルサイズの微細化に伴い、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタのバランスが取れるようにデザインで調整することが困難になっている。
【0013】
NMOSトランジスタとPMOSトランジスタのバランス確保と待機電流を低く抑えるために、SRAMのみ不純物イオン注入工程を追加して閾値電圧を高く調整することが行われている。
【0014】
一方で、設計ルール65nm世代においては、PMOSトランジスタのオン電流を確保するため、半導体基板を45度回転させて結晶方位を変えて用いる技術が導入された。
【0015】
このことにより、従来、NMOSトランジスタの閾値電圧は0.35V程度であり、PMOSトランジスタの閾値電圧は0.25V程度となり、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタのバランスを取ることができていた。
【0016】
しかし、設計ルール65nm世代で半導体基板を45度回転させて結晶方位を変えて用いることでPMOSトランジスタのオン電流が飛躍的に向上した。このため、PMOSトランジスタのオン電流が高くなってNMOSトランジスタとPMOSトランジスタのバランスが崩れてしまい、PMOSトランジスタの能力調整が必要となった。
【0017】
しかし、図11(b)に示すように、従来より、NMOSトランジスタの活性領域の幅WPに比べて、PMOSトランジスタの活性領域の幅WNは狭く、加工限界に近づいていた。上記の状況では、PMOSトランジスタの活性領域の幅を狭めて能力調整を行うことはできない。
このため、PMOSトランジスタの閾値電圧を高くして能力の調整を行うことが必要となった。
【0018】
今後、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタのバランスを確保しつつ、スタンバイ電流を抑えるために、PMOSトランジスタの閾値電圧をさらに高くすることが必要となってくる。
例えば、設計ルール65nm世代において、消費電力を抑制した場合、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタのどちらも0.50Vより高い閾値電圧とすることが望まれている。
【0019】
閾値電圧を制御する方法としては、これまで、トランジスタが形成されるウェルに閾値調整用の不純物イオンを注入する方法が広く用いられている。
しかし、閾値電圧を0.4V以上に高くしようとすると、非常に高濃度の不純物を注入する必要がある。
しかし、チャネル部分に高濃度の不純物を導入することは、ランダムバラツキの増加につながる。
【0020】
一方、ロジック領域のトランジスタとしては、SRAM部分とは異なり、高速動作が必要である。
従って、オン電流を確保するために、閾値電圧を0.2V程度に抑える必要がある。
【非特許文献1】M. Iwai, et. al., 2004 Symposium on VLSI Technology, pp. 12
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
解決しようとする課題は、SRAMのメモリセルにおいてNMOSトランジスタとPMOSトランジスタのバランスを確保しつつ、PMOSトランジスタの閾値電圧をさらに高くすることが困難であることである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の半導体装置は、基板にメモリ領域とロジック領域が設けられており、前記メモリ領域において前記基板の第1半導体領域に設けられた第1チャネル形成領域上に第1ゲート絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極及び前記第1ゲート電極の両側部における前記第1半導体領域に形成された第1ソースドレイン領域を有する第1トランジスタと、前記ロジック領域において前記基板の第2半導体領域に設けられた第2チャネル形成領域上に第2ゲート絶縁膜を介して形成された第2ゲート電極及び前記第2ゲート電極の両側部における前記第2半導体領域に形成された第2ソースドレイン領域を有する第2トランジスタとを有し、前記メモリ領域において、前記第1トランジスタとして、2つのPMOSトランジスタである第1及び第2ロードトランジスタ、2つのNMOSトランジスタである第1及び第2ドライバトランジスタ、2つのNMOSトランジスタである第1及び第2転送トランジスタを有するスタティックランダムアクセスメモリのメモリセルがマトリクス状に構成されており、前記第1ゲート電極の少なくとも前記第1ゲート絶縁膜に接する部分が金属からなり、前記第2ゲート電極の少なくとも前記第2ゲート絶縁膜に接する部分が半導体からなる。
【0023】
上記の本発明の半導体装置は、基板にメモリ領域とロジック領域が設けられている。
メモリ領域において第1トランジスタが形成されている。第1トランジスタは、基板の第1半導体領域に設けられた第1チャネル形成領域上に第1ゲート絶縁膜を介して第1ゲート電極が形成され、第1ゲート電極の両側部における第1半導体領域に第1ソースドレイン領域が形成されて、構成されている。
一方、ロジック領域において第2トランジスタが形成されている。第2トランジスタは、基板の第2半導体領域に設けられた第2チャネル形成領域上に第2ゲート絶縁膜を介して第2ゲート電極が形成され、第2ゲート電極の両側部における第2半導体領域に第2ソースドレイン領域が形成されて、構成されている。
ここで、メモリ領域において、第1トランジスタとして、2つのPMOSトランジスタである第1及び第2ロードトランジスタ、2つのNMOSトランジスタである第1及び第2ドライバトランジスタ、2つのNMOSトランジスタである第1及び第2転送トランジスタを有するスタティックランダムアクセスメモリのメモリセルがマトリクス状に構成されている。
また、第1ゲート電極の少なくとも第1ゲート絶縁膜に接する部分が金属からなり、第2ゲート電極の少なくとも第2ゲート絶縁膜に接する部分が半導体からなる構成である。
【0024】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、基板にメモリ領域とロジック領域が設けられており、前記メモリ領域に第1トランジスタを有し、前記ロジック領域に第2トランジスタを有し、前記メモリ領域において前記第1トランジスタとして、2つのPMOSトランジスタである第1及び第2ロードトランジスタ、2つのNMOSトランジスタである第1及び第2ドライバトランジスタ、2つのNMOSトランジスタである第1及び第2転送トランジスタを有するスタティックランダムアクセスメモリのメモリセルをマトリクス状に形成するために、前記基板の前記メモリ領域における第1半導体領域に設けられた第1チャネル形成領域上に第1ゲート絶縁膜を介して第1ゲート電極を形成し、前記基板の前記ロジック領域における第2半導体領域に設けられた第2チャネル形成領域上に第2ゲート絶縁膜を介して第2ゲート電極を形成する工程と、前記第1ゲート電極の両側部における前記第1半導体領域に第1ソースドレイン領域を形成し、前記第2ゲート電極の両側部における前記第2半導体領域に第2ソースドレイン領域を形成する工程とを有し、前記第1ゲート電極及び前記第2ゲート電極を形成する工程において、前記第1ゲート電極の少なくとも前記第1ゲート絶縁膜に接する部分が金属からなり、前記第2ゲート電極の少なくとも前記第2ゲート絶縁膜に接する部分が半導体からなるようにして形成する。
【0025】
上記の本発明の半導体装置の製造方法は、基板にメモリ領域とロジック領域が設けられており、メモリ領域に第1トランジスタを有し、ロジック領域に第2トランジスタを有し、メモリ領域において第1トランジスタとして、2つのPMOSトランジスタである第1及び第2ロードトランジスタ、2つのNMOSトランジスタである第1及び第2ドライバトランジスタ、2つのNMOSトランジスタである第1及び第2転送トランジスタを有するスタティックランダムアクセスメモリのメモリセルをマトリクス状に形成する方法である。
まず、基板のメモリ領域における第1半導体領域に設けられた第1チャネル形成領域上に第1ゲート絶縁膜を介して第1ゲート電極を形成し、基板の前記ロジック領域における第2半導体領域に設けられた第2チャネル形成領域上に第2ゲート絶縁膜を介して第2ゲート電極を形成する。
次に、第1ゲート電極の両側部における第1半導体領域に第1ソースドレイン領域を形成し、第2ゲート電極の両側部における第2半導体領域に第2ソースドレイン領域を形成する。
ここで、第1ゲート電極及び第2ゲート電極を形成する工程において、第1ゲート電極の少なくとも第1ゲート絶縁膜に接する部分が金属からなり、第2ゲート電極の少なくとも第2ゲート絶縁膜に接する部分が半導体からなるようにして形成する。
【発明の効果】
【0026】
本発明の半導体装置は、SRAMのメモリセルを構成するNMOSトランジスタとPMOSトランジスタのバランスを確保しつつ、PMOSトランジスタの閾値電圧をさらに高くすることができる。
【0027】
本発明の半導体装置の製造方法は、SRAMのメモリセルを構成するNMOSトランジスタとPMOSトランジスタのバランスを確保しつつ、PMOSトランジスタの閾値電圧をさらに高くして、半導体装置を製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について図面を参照して説明する。
尚、説明は以下の順序で行う。
1.第1実施形態(SRAMトランジスタのゲート電極が金属ゲートからなる構成)
2.第1変形例
3.第2実施形態(SRAMトランジスタのゲート電極がロジック回路トランジスタより薄膜化された構成)
4.第2変形例
【0029】
<第1実施形態>
[全体構成]
本実施形態に係る半導体装置は、半導体記憶装置の1つであるSRAMであるメモリ領域とロジック領域が混載された半導体装置である。
例えば、メモリ領域において、第1NMOSトランジスタNTr1と第1PMOSトランジスタPTr1が形成されている。第1NMOSトランジスタNTr1と第1PMOSトランジスタPTr1を合わせて第1トランジスタとも称する。
また、例えば、ロジック領域において、第2NMOSトランジスタNTr2と第2PMOSトランジスタPTr2が形成されている。第2NMOSトランジスタNTr2と第2PMOSトランジスタPTr2を合わせて第2トランジスタとも称する。
【0030】
図1は本実施形態の半導体装置の模式的な断面図である。
例えば、半導体基板10の活性領域がSTI(Shallow Trench Isolation)型の素子分離絶縁膜11で区分されている。
素子分離絶縁膜11で区分された活性領域に、第1NMOSトランジスタNTr1が形成されているP型の半導体領域12及び第1PMOSトランジスタPTr1が形成されているN型の半導体領域13が形成されている。また、第2NMOSトランジスタNTr2が形成されているP型の半導体領域14及び第2PMOSトランジスタPTr2が形成されているN型の半導体領域15が形成されている。
【0031】
第1NMOSトランジスタNTr1の領域において、例えば半導体領域12にチャネル形成領域が形成されている。その上層にゲート絶縁膜20を介して高融点金属シリサイドなどの金属層40からなるゲート電極が形成されている。
ゲート電極の両側部にサイドウォール絶縁膜30が形成されている。また、ゲート電極の両側部における半導体領域12に、エクステンション領域が設けられた構成のソースドレイン領域16が形成されている。
さらに、ソースドレイン領域16の表層部分に高融点金属のシリサイドなどの金属層44が形成されている。
上記のように、第1NMOSトランジスタNTr1が構成されている。
【0032】
第1PMOSトランジスタPTr1の領域において、例えば半導体領域13にチャネル形成領域が形成されている。その上層にゲート絶縁膜21を介して高融点金属シリサイドなどの金属層41からなるゲート電極が形成されている。
ゲート電極の両側部にサイドウォール絶縁膜31が形成されている。また、ゲート電極の両側部における半導体領域13に、エクステンション領域が設けられた構成のソースドレイン領域17が形成されている。
さらに、ソースドレイン領域17の表層部分に高融点金属のシリサイドなどの金属層45が形成されている。
上記のように、第1PMOSトランジスタPTr1が構成されている。
【0033】
上記において、半導体領域(12,13)を第1半導体領域、ゲート絶縁膜(20,21)を第1ゲート絶縁膜、金属層(40,41)からなるゲート電極を第1ゲート電極、ソースドレイン領域(16,17)を第1ソースドレイン領域とも称する。半導体領域(12,13)に設けられたチャネル形成領域を第1チャネル形成領域とも称する。
【0034】
また、第2NMOSトランジスタNTr2の各領域において、例えば半導体領域14にチャネル形成領域が形成されている。その上層にゲート絶縁膜22を介して、ポリシリコンなどの半導体層26と高融点金属シリサイドなどの金属層42の積層体からなるゲート電極が形成されている。
ゲート電極の両側部にサイドウォール絶縁膜32が形成されている。また、ゲート電極の両側部における半導体領域14に、エクステンション領域が設けられた構成のソースドレイン領域18が形成されている。
さらに、ソースドレイン領域18の表層部分に高融点金属のシリサイドなどの金属層46が形成されている。
上記のように、第2NMOSトランジスタNTr2が構成されている。
【0035】
第2PMOSトランジスタPTr2の領域において、例えば半導体領域15にチャネル形成領域が形成されている。その上層にゲート絶縁膜23を介して、ポリシリコンなどの半導体層27と高融点金属シリサイドなどの金属層43の積層体からなるゲート電極が形成されている。
ゲート電極の両側部にサイドウォール絶縁膜33が形成されている。また、ゲート電極の両側部における半導体領域15に、エクステンション領域が設けられた構成のソースドレイン領域19が形成されている。
さらに、ソースドレイン領域19の表層部分に高融点金属のシリサイドなどの金属層47が形成されている。
上記のように、第2PMOSトランジスタPTr2が構成されている。
【0036】
上記において、半導体領域(14,15)を第2半導体領域、ゲート絶縁膜(22,23)を第2ゲート絶縁膜、ソースドレイン領域(18,19)を第2ソースドレイン領域とも称する。第2NMOSトランジスタNTr2と第2PMOSトランジスタPTr2のポリシリコンなどの半導体層26と高融点金属シリサイドなどの金属層42の積層体からなるゲート電極を第2ゲート電極とも称する。また、半導体領域(14,15)に設けられたチャネル形成領域を第2チャネル形成領域とも称する。
【0037】
上記のように、本実施形態の半導体装置においては、第1トランジスタである第1NMOSトランジスタNTr1と第1PMOSトランジスタPTr1において、第1ゲート電極の少なくとも第1ゲート絶縁膜に接する部分が金属からなる。
一方、第2トランジスタである第2NMOSトランジスタNTr2と第2PMOSトランジスタPTr2において、第2ゲート電極の少なくとも第2ゲート絶縁膜に接する部分が半導体からなる構成である。
【0038】
[SRAMメモリセルの構成]
次に、SRAMのメモリ領域について説明する。
図2(a)は、本実施形態に係るSRAMにおける6つのMOSFETを有する1つのメモリセルの等価回路図である。本実施形態に係るSRAMは、この構成のメモリセルが複数個集積されている。
【0039】
各メモリセルMCは、例えば、第1ロードトランジスタLTr1と第2ロードトランジスタLTr2、第1ドライバトランジスタDTr1と第2ドライバトランジスタDTr2、第1転送トランジスタTTr1と第2転送トランジスタTTr2を有する。
第1及び第2ロードトランジスタ(LTr1,LTr2)はPMOSトランジスタである。
第1及び第2ドライバトランジスタ(DTr1,DTr2)はNMOSトランジスタであり、第1及び第2転送トランジスタ(TTr1,TTr2)はNMOSトランジスタである。
【0040】
ここで、上記の第1及び第2ドライバトランジスタ(DTr1,DTr2)と第1及び第2転送トランジスタ(TTr1,TTr2)は、図1における第1NMOSトランジスタNTr1の構成を有する。
上記の第1及び第2ロードトランジスタ(LTr1,LTr2)は図1における第1PMOSトランジスタPTr1の構成を有する。
【0041】
例えば、第1ロードトランジスタLTr1と第1ドライバトランジスタDTr1は、ドレインが第1記憶ノードNDに、ゲートが第2記憶ノードND/にそれぞれ接続されている。第1ロードトランジスタLTr1のソースは電源電圧Vcに、第1ドライバトランジスタDTr1のソースは基準電位Vsにそれぞれ接続されている。第1ロードトランジスタLTr1及び第1ドライバトランジスタDTr1によって、第2記憶ノードND/を入力、第1記憶ノードNDを出力とする第1CMOSインバータが形成されている。
【0042】
また、例えば、第2ロードトランジスタLTr2と第2ドライバトランジスタDTr2は、ドレインが第2記憶ノードND/に、ゲートが第1記憶ノードNDにそれぞれ接続されている。第2ロードトランジスタLTr2のソースは電源電圧Vcに、第2ドライバトランジスタDTr2のソースは基準電位Vsにそれぞれ接続されている。第2ロードトランジスタLTr2及び第2ドライバトランジスタDTr2によって、第1記憶ノードNDを入力、第2記憶ノードND/を出力とする第2CMOSインバータが形成されている。
【0043】
例えば、第1CMOSインバータと第2CMOSインバータとは、互いの入力及び出力がリング状に接続されている。これによりフリップフロップと呼ばれる1つの記憶回路が構成されている。
【0044】
また、例えば、第1転送トランジスタTTr1は、ゲートがワードラインWLに、ドレインがビットラインBLに、ソースが第1記憶ノードNDにそれぞれ接続されている。第2転送トランジスタTTr2は、ゲートがワードラインWLに、ドレインが相補ビットラインBL/に、ソースが第2記憶ノードND/にそれぞれ接続されている。
【0045】
図2(b)は、本実施形態に係るSRAMにおける1つのメモリセルのレイアウトを示す平面図である。
例えば、NMOS形成領域ANMOSにおいて第1P型半導体領域P1と第2P型半導体領域P2が素子分離絶縁膜Iで区分され、また、PMOS形成領域APMOSにおいて第1N型半導体領域N1及び第2N型半導体領域N2が素子分離絶縁膜Iで分離されている。第1P型半導体領域P1、第2P型半導体領域P2、第1N型半導体領域N1及び第2N型半導体領域N2は、例えばそれぞれ半導体基板に形成されたウェルで構成され、各半導体領域にはチャネル形成領域が形成されている。
【0046】
上記の6個のトランジスタをそれぞれ構成する位置において、各半導体領域上を横切るように第1ゲート電極G1〜第6ゲート電極G6がそれぞれ図示のレイアウトで形成されている。ここで、第1ゲート電極G1と第2ゲート電極G2は、連続した導電層として構成されており、第4ゲート電極G4及び第5ゲート電極G5も同様である。
【0047】
さらに各ゲート電極の形成領域を除く領域の各半導体領域の表層部分にそれぞれソースドレイン領域が形成されている。
上記のようにして、第1及び第2ロードトランジスタ(LTr1,LTr2)、第1及び第2ドライバトランジスタ(DTr1,DTr2)、第1及び第2転送トランジスタ(TTr1,TTr2)がそれぞれ構成されている。
【0048】
ここで、第1ロードトランジスタLTr1のソースドレイン領域から第5ゲート電極G5に及ぶ領域までが連通して開口され、第5ゲート電極G5と第1ロードトランジスタLTr1のソースドレイン領域を接続する共通コンタクトSCT1が形成されている。
【0049】
また、第1ドライバトランジスタDTr1と第1転送トランジスタTTr1を接続するソースドレイン領域に開口部が形成されて、コンタクトCT1が形成されている。
共通コンタクトSCT1とコンタクトCT1は上層配線で接続され、この部分が図2(a)に示す第1記憶ノードNDとなる。
【0050】
一方、第2ロードトランジスタLTr2のソースドレイン領域から第2ゲート電極G2に及ぶ領域までが連通して開口され、第2ゲート電極G2と第2ロードトランジスタLTr2のソースドレイン領域を接続する共通コンタクトSCT2が形成されている。
【0051】
また、第2ドライバトランジスタDTr2と第2転送トランジスタTTr2を接続するソースドレイン領域に開口部が形成されて、コンタクトCT2が形成されている。
共通コンタクトSCT2とコンタクトCT2は上記と同様に上層配線で接続され、この部分が図2(a)に示す第2記憶ノードND/となる。
【0052】
また、上記以外のソースドレイン領域は、それぞれコンタクトを介して上層配線に接続され、電源電圧Vc、基準電位Vs、ビットラインBLあるいは相補ビットラインBL/に接続されている。
上記のようにして、1つのメモリセルMCが構成されている。
【0053】
本実施形態の半導体装置のメモリ領域においては、上記の構成のメモリセルがマトリクス状に構成されている。
【0054】
本実施形態の半導体装置においては、第1トランジスタである第1NMOSトランジスタNTr1と第1PMOSトランジスタPTr1において、第1ゲート電極の少なくとも第1ゲート絶縁膜に接する部分が高融点金属シリサイドなどの金属からなる。
ここで、第1NMOSトランジスタNTr1と第1PMOSトランジスタPTr1のゲート電極を共通の金属材料で構成することができる。
【0055】
第1ゲート電極の少なくとも第1ゲート絶縁膜に接する部分は、例えば、仕事関数φが4.4〜4.8eVの範囲であるいわゆるミッドギャップである金属から構成されることが好ましい。
上記の第1ゲート電極の少なくとも第1ゲート絶縁膜に接する部分として、例えば、Co,Ni,Pt,Ti,V,Cr,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta,Wなどの高融点金属のシリサイドを用いることができる。
【0056】
図3(a)及び(b)は、それぞれNMOSトランジスタとPMOSトランジスタにおいて、ゲート電極を構成する材料の仕事関数と、得られるトランジスタの閾値電圧の関係を示すグラフである。上記におけるゲート電極の材料は、ゲート電極のゲート絶縁膜に接する部分の材料を示す。
例えば、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタのいずれにおいても、仕事関数が4.6eV程度の材料を用いることで、0.5Vまたは−0.5V程度の高い閾値電圧を実現できることを示す。
これにより、SRAMのメモリセルを構成するNMOSトランジスタとPMOSトランジスタのバランスを確保しながら、PMOSトランジスタにおいて高い閾値電圧を実現できる。
これにより、SRAMのメモリセルを構成するNMOSトランジスタとPMOSトランジスタのチャネルに導入する不純物を大幅に削減できる。
【0057】
また、0.5Vまたは−0.5Vの近傍領域となるようにするために、ゲート電極の材料としては、仕事関数が例えば4.4〜4.8eVの範囲の材料を好ましく用いることができる。
【0058】
本実施形態の半導体装置は、SRAMのメモリセルを構成するNMOSトランジスタとPMOSトランジスタのバランスを確保しつつ、PMOSトランジスタの閾値電圧をさらに高くすることができる。
【0059】
一方、第2トランジスタである第2NMOSトランジスタNTr2と第2PMOSトランジスタPTr2において、第2ゲート電極の少なくとも第2ゲート絶縁膜に接する部分は、ポリシリコンなどの半導体からなる構成とする。これにより、ロジック領域は低閾値電圧とすることができる。
【0060】
[半導体装置の製造方法]
次に、本実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図4及び5を用いて説明する。
ここで、図4及び図5の各図は図1に対応する断面を示すものである。
図中、領域ANTr1は第1NMOSトランジスタ形成領域、領域APTr1は第1PMOSトランジスタ形成領域、領域ANTr2は第2NMOSトランジスタ形成領域、領域APTr2は第2PMOSトランジスタ形成領域である。
【0061】
まず、図4(a)に示すように、例えば、半導体基板10の活性領域を区分するようにSTI型の素子分離絶縁膜11を形成し、P型の半導体領域12、N型の半導体領域13、P型の半導体領域14及びN型の半導体領域15をウェルとして形成する。
ここで、チャネル形成領域にそれぞれ必要なチャネル不純物を導入する。本実施形態においては、上記のようにチャネル不純物の量を大きく削減できる。
【0062】
次に、上記の各領域において、例えば熱酸化法によりゲート絶縁膜(20〜23)を形成し、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などによりポリシリコンを全面に堆積する。ポリシリコン層の膜厚は例えば100nm程度である。
次に、ポリシリコン層及びゲート絶縁膜をゲート電極のパターンに加工して、各領域においてパターン加工されたポリシリコンからなる半導体層(24〜27)とする。
このとき、例えば、領域ANTr1と領域APTr1においては、ポリシリコン層の上層に窒化シリコンを堆積してポリシリコンからなる半導体層(24〜27)と同様にパターン加工することで、ハードマスク(28,29)とする。
【0063】
次に、図4(b)に示すように、例えば、上記の各領域において、上記のハードマスク(28,29)及び半導体層(26,27)をマスクとしてN型あるいはP型の導電性不純物をイオン注入し、ソースドレインのエクステンション領域を形成する。
次に、例えば、上記の各領域において、CVD法により全面に酸化シリコンを堆積させ、エッチバックすることにより、ポリシリコン層とハードマスクの両側部あるいはポリシリコン層の両側部にサイドウォール絶縁膜(30〜33)を形成する。
ここではサイドウォール絶縁膜(30〜33)を酸化シリコンの単層の膜としているが、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜などを積層させた多層の膜としてもよい。
【0064】
次に、例えば、上記の各領域において、上記のサイドウォール絶縁膜(30〜33)をマスクとしてN型あるいはP型の導電性不純物をイオン注入し、ソースドレイン領域(16~19)を形成する。
これにより、上記のエクステンション領域が設けられた構成のソースドレイン領域とする。
ここで、エクステンション領域及びソースドレイン領域を形成する導電性不純物は、例えば、領域ANTr1と領域APTr1においてはハードマスク(28,29)によって半導体層(24,25)には導入されない。あるいは、導入される場合もある。
一方、領域ANTr2と領域APTr2においてはハードマスクが設けられていないので半導体層(26,27)に導入される。
【0065】
次に、図5(a)に示すように、例えば、上記の各領域において熱酸化法によりソースドレイン領域(16〜19)の表層に酸化シリコン膜(34〜37)を形成する。これは、次の工程のシリサイド化を阻害するシリサイドブロックとなる。酸化シリコン膜(34〜37)の膜厚は5〜10nm程度として、シリサイド化処理の前処理において除去されない程度とする。
上記において、領域ANTr2と領域APTr2の半導体層(26,27)の上層にも上記と同様に酸化シリコン膜(38,39)を形成する。熱酸化法の場合、領域ANTr1と領域APTr1においてハードマスク(28,29)の表面には酸化シリコン膜は形成されない。
【0066】
次に、例えばRIE(反応性イオンエッチング)などのドライエッチング処理あるいはウェットエッチング処理により、領域ANTr1と領域APTr1においてはハードマスク(28,29)を除去する。ここでは、酸化シリコンに対して十分高い選択比で窒化シリコンを除去する条件のエッチングで行う。
これにより、領域ANTr1と領域APTr1において半導体層(24,25)が露出することになる。
【0067】
次に、図5(b)に示すように、例えば、スパッタリング法などにより全面にコバルトなどの高融点金属を堆積し、さらにシリサイド化の熱処理を行う。このとき、領域ANTr1と領域APTr1において半導体層(24,25)の一部あるいは全部をシリサイド化して金属層(40,41)とする。これは、高融点金属とシリコンと接している部分に自己整合的に高融点金属シリサイド層を形成する、いわゆるサリサイドプロセスである。
上記のシリサイド化工程においては、例えば、シリサイド化前の半導体層(24,25)の断面積の50%以上がシリサイド化されるようにすることが好ましい。また、半導体層(24,25)が全部シリサイド化されてもよい。これは、堆積する高融点金属の膜厚やシリサイド化処理の条件などで調節することができる。
【0068】
次に、例えばRIEなどのなどのドライエッチング処理あるいはウェットエッチング処理により、シリサイドブロックであった酸化シリコン膜(34〜37,38,39)を除去する。
次に、例えば、スパッタリング法などにより全面にコバルトなどの高融点金属を堆積し、さらにシリサイド化の熱処理を行う。
これにより、領域ANTr1と領域APTr1においては半導体層(24,25)を全部シリサイド化して、ゲート絶縁膜(20,21)に接する領域まで達する金属層(40,41)とする。上記のシリサイド化処理において既に半導体層(24,25)が全部シリサイド化されている場合には、それ以上シリサイド化はされない。
また、領域ANTr2と領域APTr2において半導体層(26,27)の一部をシリサイド化して金属層(42,43)とする。
【0069】
上記のようにして、領域ANTr2と領域APTr2(ロジック領域)を除いて領域ANTr1と領域APTr1(メモリ領域)のみで半導体層(24,25)をシリサイド化し、次に、領域ANTr1と領域APTr1(メモリ領域)及び領域ANTr2と領域APTr2(ロジック領域)において半導体層(24,25)の全部と半導体層(26,27)の一部をシリサイド化する。
【0070】
また、ソースドレイン領域(16〜19)の表層部分においても高融点金属のシリサイドなどの金属層(44〜47)を形成する。
以上で、図1に示す構成の半導体装置を製造することができる。
【0071】
本実施形態の半導体装置の製造方法では、第1トランジスタである第1NMOSトランジスタNTr1と第1PMOSトランジスタPTr1を形成する際に、第1ゲート電極の少なくとも第1ゲート絶縁膜に接する部分を高融点金属シリサイドなどの金属で形成する。
ここで、第1NMOSトランジスタNTr1と第1PMOSトランジスタPTr1のゲート電極を共通の金属材料で構成することができる。
【0072】
これにより、SRAMのメモリセルを構成するNMOSトランジスタとPMOSトランジスタのバランスを確保しつつ、PMOSトランジスタの閾値電圧をさらに高くして、半導体装置を製造することができる。
【0073】
上記においては、領域ANTr1と領域APTr1においては2回のシリサイド化処理を行っているが、3回以上行ってもよい。
【0074】
<第1変形例>
上記の第1実施形態においては、領域ANTr1と領域APTr1においては2回以上のシリサイド化処理を行うことで、半導体層(24,25)を全部シリサイド化して金属層(40,41)としている。
本変形例においては、シリサイド化処理の前に予め領域ANTr1と領域APTr1の半導体層(24,25)にシリコンあるいはゲルマニウムなどのイオン注入を行ってアモルファス化しておく。
次に、全領域で通常のシリサイド化処理を行う。ここでは、領域ANTr2と領域APTr2において半導体層(24,25)が全部シリサイド化されることはない。一方、アモルファス化された領域ANTr1と領域APTr1の半導体層(24,25)のシリサイド化が促進されており、シリサイド化処理で半導体層(24,25)を全部シリサイド化することができる。
【0075】
あるいは、領域ANTr1と領域APTr1においては第1実施形態より少ない回数のシリサイド化処理を行うことで、半導体層(24,25)を全部シリサイド化するようにしてもよい。
【0076】
<第2実施形態>
[全体構成]
本実施形態に係る半導体装置は、半導体記憶装置の1つであるSRAMであるメモリ領域とロジック領域が混載された半導体装置である。
【0077】
図6は本実施形態の半導体装置の模式的な断面図である。
メモリ領域における第1NMOSトランジスタNTr1と第1PMOSトランジスタPTr1のゲート電極が、ロジック領域における第2NMOSトランジスタNTr2と第2PMOSトランジスタPTr2のゲート電極より薄膜化された構成となっている。
上記を除いて、実質的に第1実施形態と同様の構成となっている。
【0078】
本実施形態の半導体装置は、第1実施形態と同様に、第1トランジスタである第1NMOSトランジスタNTr1と第1PMOSトランジスタPTr1において、第1ゲート電極の少なくとも第1ゲート絶縁膜に接する部分が金属からなる。
また、第2トランジスタである第2NMOSトランジスタNTr2と第2PMOSトランジスタPTr2において、第2ゲート電極の少なくとも第2ゲート絶縁膜に接する部分が半導体からなる構成である。
【0079】
また、本実施形態においては、第1NMOSトランジスタNTr1と第1PMOSトランジスタPTr1において、薄膜化されたゲート電極と同様にサイドウォールもロジック領域より薄膜化された構成となっている。
【0080】
本実施形態の半導体装置においては、第1トランジスタである第1NMOSトランジスタNTr1と第1PMOSトランジスタPTr1において、第1ゲート電極の少なくとも第1ゲート絶縁膜に接する部分が高融点金属シリサイドなどの金属からなる。
【0081】
本実施形態の半導体装置は、第1実施形態と同様に、SRAMのメモリセルを構成するNMOSトランジスタとPMOSトランジスタのバランスを確保しつつ、PMOSトランジスタの閾値電圧をさらに高くすることができる。
【0082】
[半導体装置の製造方法]
次に、本実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
第1実施形態の製造工程である図5(a)に示す工程までは、第1実施形態と同様にして行う。
次に、図7に示すように、領域ANTr2と領域APTr2を保護するレジスト膜PRをパターン形成する。次に、領域ANTr1と領域APTr1においてエッチング処理を行い、半導体膜(24,25)とサイドウォール絶縁膜(30,31)を薄膜化する。
【0083】
次に、レジスト膜PRを除去した後、例えば、スパッタリング法などにより全面にコバルトなどの高融点金属を堆積し、さらにシリサイド化の熱処理を行う。
これにより、領域ANTr1と領域APTr1においては半導体層(24,25)が薄膜化されているので全部シリサイド化される。一方、領域ANTr2と領域APTr2において半導体層(26,27)は厚いままであるので一部のみがシリサイド化される。
上記のようにして、領域ANTr1と領域APTr1(メモリ領域)及び領域ANTr2と領域APTr2(ロジック領域)において半導体層(24,25)の全部と半導体層(26,27)の一部をシリサイド化する。
上記を除いては、実質的に第1実施形態と同様にして、製造することができる。
【0084】
これにより、第1実施形態と同様に、SRAMのメモリセルを構成するNMOSトランジスタとPMOSトランジスタのバランスを確保しつつ、PMOSトランジスタの閾値電圧をさらに高くして、半導体装置を製造することができる。
【0085】
<第2変形例>
[全体構成]
図8は本実施形態の半導体装置の模式的な断面図である。
メモリ領域における第1NMOSトランジスタNTr1と第1PMOSトランジスタPTr1のゲート電極が、ロジック領域における第2NMOSトランジスタNTr2と第2PMOSトランジスタPTr2のゲート電極より薄膜化された構成である。これは第2実施形態と同様である。
ここで、本変形例においては、メモリ領域における第1NMOSトランジスタNTr1と第1PMOSトランジスタPTr1のサイドウォール絶縁膜(30,31)は薄膜化されていない。
上記を除いて、実質的に第2実施形態と同様の構成となっている。
【0086】
本実施形態の半導体装置は、第1実施形態と同様に、SRAMのメモリセルを構成するNMOSトランジスタとPMOSトランジスタのバランスを確保しつつ、PMOSトランジスタの閾値電圧をさらに高くすることができる。
【0087】
[半導体装置の製造方法]
次に、本実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
第1実施形態の製造工程である図5(a)に示す工程までは、第1実施形態と同様にして行う。
次に、図9に示すように、領域ANTr2と領域APTr2を保護するレジスト膜PRをパターン形成する。次に、領域ANTr1と領域APTr1においてエッチング処理を行い、半導体膜(24,25)を薄膜化する。ここでは、第2実施形態のようにサイドウォール絶縁膜(30,31)が薄膜化されないエッチング条件とする。
以降は、第2実施形態と同様にして、製造することができる。
【0088】
これにより、第1実施形態と同様に、SRAMのメモリセルを構成するNMOSトランジスタとPMOSトランジスタのバランスを確保しつつ、PMOSトランジスタの閾値電圧をさらに高くして、半導体装置を製造することができる。
【0089】
<実施例>
図10は本実施形態のNMOSトランジスタにおけるチャネル形成領域へ導入される不純物のドーズ量に対する閾値と、閾値電圧の変動量(バラツキ)を示すグラフである。
ドーズ量とともに閾値電圧Vthが変化する。
一方、ドーズ量が大きくなると閾値電圧の変動量σVthも大きくなり、ドーズ量が小さくなると閾値電圧の変動量σVthも小さくなり、例えば、ドーズ量をゼロにできれば、閾値電圧の変動量σVthが23mV(約34%)にまで小さくすることができる。
【0090】
本発明は上記の実施形態に限定されない。
例えば、上記の実施形態においては、SRAMについて説明しているが、本発明はSRAM以外の半導体記憶装置に適用することも可能である。
その他、本発明の観点を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】図1は本発明の第1実施形態の半導体装置の模式的な断面図である。
【図2】図2(a)は本発明の第1実施形態に係るSRAMメモリセルの等価回路図であり、図2(b)は1メモリセルのレイアウトを示す平面図である。
【図3】図3(a)及び図3(b)はそれぞれNMOSトランジスタとPMOSトランジスタにおいて、ゲート電極を構成する材料の仕事関数とトランジスタの閾値電圧の関係を示すグラフである。
【図4】図4(a)及び図4(b)は本発明の第1実施形態に係る製造工程を示す断面図である。
【図5】図5(a)及び図5(b)は本発明の第1実施形態に係る製造工程を示す断面図である。
【図6】図6は本発明の第2実施形態の半導体装置の模式的な断面図である。
【図7】図7は本発明の第2実施形態に係る製造工程を示す断面図である。
【図8】図8は本発明の第2変形例の半導体装置の模式的な断面図である。
【図9】図9は本発明の第2変形例に係る製造工程を示す断面図である。
【図10】図10は実施例における不純物のドーズ量に対する閾値と、閾値電圧の変動量(バラツキ)を示すグラフである。
【図11】図11(a)は従来例に係るSRAMメモリセルの等価回路図であり、図11(b)は1メモリセルのレイアウトを示す平面図である。
【符号の説明】
【0092】
10…半導体基板、11…素子分離絶縁膜、12〜15…半導体領域、16〜19…ソースドレイン領域、20〜23…ゲート絶縁膜、24〜27…半導体膜、28,29…ハードマスク、30〜33…サイドウォール絶縁膜、34〜39…酸化シリコン膜、40〜47…金属膜、MC…メモリセル,P1…第1P型半導体領域、P2…第2P型半導体領域、N1…第1N型半導体領域、N2…第2N型半導体領域、NTr1…第1NMOSトランジスタ、PTr1…第1PMOSトランジスタ、NTr2…第2NMOSトランジスタ、PTr2…第2PMOSトランジスタ、LTr1…第1ロードトランジスタ、LTr2…第2ロードトランジスタ、DTr1…第1ドライバトランジスタ、DTr2…第2ドライバトランジスタ、TTr1…第1転送トランジスタ、TTr2…第2転送トランジスタ、I…素子分離絶縁膜、CT1,CT2…コンタクト、SCT1,SCT2…共通コンタクト、WL…ワードライン、BL…ビットライン、BL/…相補ビットライン、ND…第1記憶ノード、ND/…第2記憶ノード、G1…第1ゲート電極、G2…第2ゲート電極、G3…第3ゲート電極、G4…第4ゲート電極、G5…第5ゲート電極、G6…第6ゲート電極、ANTr1…第1NMOS形成領域、APTr1…第1PMOS形成領域、ANTr2…第2NMOS形成領域、APTr2…第2PMOS形成領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特に、SRAM(Static Random Access Memory)であるメモリ領域とロジック領域が混載された半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置としては、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)及びSRAM(Static Random Access Memory)などが広く用いられている。
SRAMのメモリセルは、いくつかのタイプが知られている。例えば、2つのPMOS(p-channel metal-oxide-semiconductor)トランジスタと4つのNMOS(n-channel metal-oxide-semiconductor)トランジスタの計6つのMOSFET(MOS field effect transistor)から構成される。
【0003】
SRAMは、DRAMのようなトランジスタ以外にメモリ専用のキャパシタなどが必要となる半導体記憶装置に比較して、ピュアロジックプロセスとの親和性も良い。また、DRAMのような記憶データのリフレッシュ動作が不要で周辺回路を簡易化でき、高速アクセスが可能である利点を有し、キャッシュメモリや携帯端末のメモリなどの高速性や簡易性が要求される比較的小容量の記憶装置として広く使用されている。
【0004】
図11(a)は6つのMOSFETを有するSRAMメモリセルの等価回路図である。
例えば、第1ロードトランジスタLTr1と第2ロードトランジスタLTr2、第1ドライバトランジスタDTr1と第2ドライバトランジスタDTr2、第1転送トランジスタTTr1と第2転送トランジスタTTr2を有する。
第1及び第2ロードトランジスタ(LTr1,LTr2)はPMOSトランジスタである。
第1及び第2ドライバトランジスタ(DTr1,DTr2)はNMOSトランジスタであり、第1及び第2転送トランジスタ(TTr1,TTr2)はNMOSトランジスタである。
【0005】
上述した第1ロードトランジスタLTr1及び第1ドライバトランジスタDTr1により1つのCMOSインバータが構成され、第2ロードトランジスタLTr2及び第2ドライバトランジスタDTr2によりもう1つのCMOSインバータが構成される。
2つのCMOSインバータは、互いの入力及び出力がリング状に接続されており、これにより1つの記憶回路が構成されている。
【0006】
図11(b)は、従来例に係る1メモリセルのレイアウトを示す平面図である。
例えば、NMOS形成領域ANMOSにおいて第1P型半導体領域P1と第2P型半導体領域P2が素子分離絶縁膜Iで区分されている。
PMOS形成領域APMOSにおいて第1N型半導体領域N1及び第2N型半導体領域N2が素子分離絶縁膜Iで分離されている。
第1P型半導体領域P1、第2P型半導体領域P2、第1N型半導体領域N1及び第2N型半導体領域N2は、例えばそれぞれ半導体基板に形成されたウェルで構成される。
【0007】
上記の6個のトランジスタをそれぞれ構成する位置において、各半導体領域上を横切るように第1ゲート電極G1〜第6ゲート電極G6がそれぞれ図示のレイアウトで形成されている。
【0008】
さらに、各ゲート電極の形成領域を除く領域の各半導体領域の表層部分にソースドレイン領域が形成されている。
上記のようにして、第1及び第2ロードトランジスタ(LTr1,LTr2)、第1及び第2ドライバトランジスタ(DTr1,DTr2)、第1及び第2転送トランジスタ(TTr1,TTr2)がそれぞれ構成されている。
上記のようにして、1つのメモリセルMCが構成されている。
【0009】
例えば、非特許文献1には、上記のような6つのMOSFETを有するSRAMメモリセルが記載されている。
【0010】
ここで、半導体のスケーリングに伴い、ゲートのリークやトランジスタのオフリークの増大が問題になっており、特にSRAMにおいては待機電流を低く抑えることは困難になってきている。
【0011】
本来SRAMはトランジスタのみで構成されるため、ロジックプロセスと非常に親和性が高く、プロセスの工程追加なしで搭載することが最大のメリットとなっている。
【0012】
しかし、ロジックトランジスタのオン電流を確保するために閾値電圧を非常に低くしていることや、メモリセルサイズの微細化に伴い、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタのバランスが取れるようにデザインで調整することが困難になっている。
【0013】
NMOSトランジスタとPMOSトランジスタのバランス確保と待機電流を低く抑えるために、SRAMのみ不純物イオン注入工程を追加して閾値電圧を高く調整することが行われている。
【0014】
一方で、設計ルール65nm世代においては、PMOSトランジスタのオン電流を確保するため、半導体基板を45度回転させて結晶方位を変えて用いる技術が導入された。
【0015】
このことにより、従来、NMOSトランジスタの閾値電圧は0.35V程度であり、PMOSトランジスタの閾値電圧は0.25V程度となり、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタのバランスを取ることができていた。
【0016】
しかし、設計ルール65nm世代で半導体基板を45度回転させて結晶方位を変えて用いることでPMOSトランジスタのオン電流が飛躍的に向上した。このため、PMOSトランジスタのオン電流が高くなってNMOSトランジスタとPMOSトランジスタのバランスが崩れてしまい、PMOSトランジスタの能力調整が必要となった。
【0017】
しかし、図11(b)に示すように、従来より、NMOSトランジスタの活性領域の幅WPに比べて、PMOSトランジスタの活性領域の幅WNは狭く、加工限界に近づいていた。上記の状況では、PMOSトランジスタの活性領域の幅を狭めて能力調整を行うことはできない。
このため、PMOSトランジスタの閾値電圧を高くして能力の調整を行うことが必要となった。
【0018】
今後、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタのバランスを確保しつつ、スタンバイ電流を抑えるために、PMOSトランジスタの閾値電圧をさらに高くすることが必要となってくる。
例えば、設計ルール65nm世代において、消費電力を抑制した場合、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタのどちらも0.50Vより高い閾値電圧とすることが望まれている。
【0019】
閾値電圧を制御する方法としては、これまで、トランジスタが形成されるウェルに閾値調整用の不純物イオンを注入する方法が広く用いられている。
しかし、閾値電圧を0.4V以上に高くしようとすると、非常に高濃度の不純物を注入する必要がある。
しかし、チャネル部分に高濃度の不純物を導入することは、ランダムバラツキの増加につながる。
【0020】
一方、ロジック領域のトランジスタとしては、SRAM部分とは異なり、高速動作が必要である。
従って、オン電流を確保するために、閾値電圧を0.2V程度に抑える必要がある。
【非特許文献1】M. Iwai, et. al., 2004 Symposium on VLSI Technology, pp. 12
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
解決しようとする課題は、SRAMのメモリセルにおいてNMOSトランジスタとPMOSトランジスタのバランスを確保しつつ、PMOSトランジスタの閾値電圧をさらに高くすることが困難であることである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の半導体装置は、基板にメモリ領域とロジック領域が設けられており、前記メモリ領域において前記基板の第1半導体領域に設けられた第1チャネル形成領域上に第1ゲート絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極及び前記第1ゲート電極の両側部における前記第1半導体領域に形成された第1ソースドレイン領域を有する第1トランジスタと、前記ロジック領域において前記基板の第2半導体領域に設けられた第2チャネル形成領域上に第2ゲート絶縁膜を介して形成された第2ゲート電極及び前記第2ゲート電極の両側部における前記第2半導体領域に形成された第2ソースドレイン領域を有する第2トランジスタとを有し、前記メモリ領域において、前記第1トランジスタとして、2つのPMOSトランジスタである第1及び第2ロードトランジスタ、2つのNMOSトランジスタである第1及び第2ドライバトランジスタ、2つのNMOSトランジスタである第1及び第2転送トランジスタを有するスタティックランダムアクセスメモリのメモリセルがマトリクス状に構成されており、前記第1ゲート電極の少なくとも前記第1ゲート絶縁膜に接する部分が金属からなり、前記第2ゲート電極の少なくとも前記第2ゲート絶縁膜に接する部分が半導体からなる。
【0023】
上記の本発明の半導体装置は、基板にメモリ領域とロジック領域が設けられている。
メモリ領域において第1トランジスタが形成されている。第1トランジスタは、基板の第1半導体領域に設けられた第1チャネル形成領域上に第1ゲート絶縁膜を介して第1ゲート電極が形成され、第1ゲート電極の両側部における第1半導体領域に第1ソースドレイン領域が形成されて、構成されている。
一方、ロジック領域において第2トランジスタが形成されている。第2トランジスタは、基板の第2半導体領域に設けられた第2チャネル形成領域上に第2ゲート絶縁膜を介して第2ゲート電極が形成され、第2ゲート電極の両側部における第2半導体領域に第2ソースドレイン領域が形成されて、構成されている。
ここで、メモリ領域において、第1トランジスタとして、2つのPMOSトランジスタである第1及び第2ロードトランジスタ、2つのNMOSトランジスタである第1及び第2ドライバトランジスタ、2つのNMOSトランジスタである第1及び第2転送トランジスタを有するスタティックランダムアクセスメモリのメモリセルがマトリクス状に構成されている。
また、第1ゲート電極の少なくとも第1ゲート絶縁膜に接する部分が金属からなり、第2ゲート電極の少なくとも第2ゲート絶縁膜に接する部分が半導体からなる構成である。
【0024】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、基板にメモリ領域とロジック領域が設けられており、前記メモリ領域に第1トランジスタを有し、前記ロジック領域に第2トランジスタを有し、前記メモリ領域において前記第1トランジスタとして、2つのPMOSトランジスタである第1及び第2ロードトランジスタ、2つのNMOSトランジスタである第1及び第2ドライバトランジスタ、2つのNMOSトランジスタである第1及び第2転送トランジスタを有するスタティックランダムアクセスメモリのメモリセルをマトリクス状に形成するために、前記基板の前記メモリ領域における第1半導体領域に設けられた第1チャネル形成領域上に第1ゲート絶縁膜を介して第1ゲート電極を形成し、前記基板の前記ロジック領域における第2半導体領域に設けられた第2チャネル形成領域上に第2ゲート絶縁膜を介して第2ゲート電極を形成する工程と、前記第1ゲート電極の両側部における前記第1半導体領域に第1ソースドレイン領域を形成し、前記第2ゲート電極の両側部における前記第2半導体領域に第2ソースドレイン領域を形成する工程とを有し、前記第1ゲート電極及び前記第2ゲート電極を形成する工程において、前記第1ゲート電極の少なくとも前記第1ゲート絶縁膜に接する部分が金属からなり、前記第2ゲート電極の少なくとも前記第2ゲート絶縁膜に接する部分が半導体からなるようにして形成する。
【0025】
上記の本発明の半導体装置の製造方法は、基板にメモリ領域とロジック領域が設けられており、メモリ領域に第1トランジスタを有し、ロジック領域に第2トランジスタを有し、メモリ領域において第1トランジスタとして、2つのPMOSトランジスタである第1及び第2ロードトランジスタ、2つのNMOSトランジスタである第1及び第2ドライバトランジスタ、2つのNMOSトランジスタである第1及び第2転送トランジスタを有するスタティックランダムアクセスメモリのメモリセルをマトリクス状に形成する方法である。
まず、基板のメモリ領域における第1半導体領域に設けられた第1チャネル形成領域上に第1ゲート絶縁膜を介して第1ゲート電極を形成し、基板の前記ロジック領域における第2半導体領域に設けられた第2チャネル形成領域上に第2ゲート絶縁膜を介して第2ゲート電極を形成する。
次に、第1ゲート電極の両側部における第1半導体領域に第1ソースドレイン領域を形成し、第2ゲート電極の両側部における第2半導体領域に第2ソースドレイン領域を形成する。
ここで、第1ゲート電極及び第2ゲート電極を形成する工程において、第1ゲート電極の少なくとも第1ゲート絶縁膜に接する部分が金属からなり、第2ゲート電極の少なくとも第2ゲート絶縁膜に接する部分が半導体からなるようにして形成する。
【発明の効果】
【0026】
本発明の半導体装置は、SRAMのメモリセルを構成するNMOSトランジスタとPMOSトランジスタのバランスを確保しつつ、PMOSトランジスタの閾値電圧をさらに高くすることができる。
【0027】
本発明の半導体装置の製造方法は、SRAMのメモリセルを構成するNMOSトランジスタとPMOSトランジスタのバランスを確保しつつ、PMOSトランジスタの閾値電圧をさらに高くして、半導体装置を製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について図面を参照して説明する。
尚、説明は以下の順序で行う。
1.第1実施形態(SRAMトランジスタのゲート電極が金属ゲートからなる構成)
2.第1変形例
3.第2実施形態(SRAMトランジスタのゲート電極がロジック回路トランジスタより薄膜化された構成)
4.第2変形例
【0029】
<第1実施形態>
[全体構成]
本実施形態に係る半導体装置は、半導体記憶装置の1つであるSRAMであるメモリ領域とロジック領域が混載された半導体装置である。
例えば、メモリ領域において、第1NMOSトランジスタNTr1と第1PMOSトランジスタPTr1が形成されている。第1NMOSトランジスタNTr1と第1PMOSトランジスタPTr1を合わせて第1トランジスタとも称する。
また、例えば、ロジック領域において、第2NMOSトランジスタNTr2と第2PMOSトランジスタPTr2が形成されている。第2NMOSトランジスタNTr2と第2PMOSトランジスタPTr2を合わせて第2トランジスタとも称する。
【0030】
図1は本実施形態の半導体装置の模式的な断面図である。
例えば、半導体基板10の活性領域がSTI(Shallow Trench Isolation)型の素子分離絶縁膜11で区分されている。
素子分離絶縁膜11で区分された活性領域に、第1NMOSトランジスタNTr1が形成されているP型の半導体領域12及び第1PMOSトランジスタPTr1が形成されているN型の半導体領域13が形成されている。また、第2NMOSトランジスタNTr2が形成されているP型の半導体領域14及び第2PMOSトランジスタPTr2が形成されているN型の半導体領域15が形成されている。
【0031】
第1NMOSトランジスタNTr1の領域において、例えば半導体領域12にチャネル形成領域が形成されている。その上層にゲート絶縁膜20を介して高融点金属シリサイドなどの金属層40からなるゲート電極が形成されている。
ゲート電極の両側部にサイドウォール絶縁膜30が形成されている。また、ゲート電極の両側部における半導体領域12に、エクステンション領域が設けられた構成のソースドレイン領域16が形成されている。
さらに、ソースドレイン領域16の表層部分に高融点金属のシリサイドなどの金属層44が形成されている。
上記のように、第1NMOSトランジスタNTr1が構成されている。
【0032】
第1PMOSトランジスタPTr1の領域において、例えば半導体領域13にチャネル形成領域が形成されている。その上層にゲート絶縁膜21を介して高融点金属シリサイドなどの金属層41からなるゲート電極が形成されている。
ゲート電極の両側部にサイドウォール絶縁膜31が形成されている。また、ゲート電極の両側部における半導体領域13に、エクステンション領域が設けられた構成のソースドレイン領域17が形成されている。
さらに、ソースドレイン領域17の表層部分に高融点金属のシリサイドなどの金属層45が形成されている。
上記のように、第1PMOSトランジスタPTr1が構成されている。
【0033】
上記において、半導体領域(12,13)を第1半導体領域、ゲート絶縁膜(20,21)を第1ゲート絶縁膜、金属層(40,41)からなるゲート電極を第1ゲート電極、ソースドレイン領域(16,17)を第1ソースドレイン領域とも称する。半導体領域(12,13)に設けられたチャネル形成領域を第1チャネル形成領域とも称する。
【0034】
また、第2NMOSトランジスタNTr2の各領域において、例えば半導体領域14にチャネル形成領域が形成されている。その上層にゲート絶縁膜22を介して、ポリシリコンなどの半導体層26と高融点金属シリサイドなどの金属層42の積層体からなるゲート電極が形成されている。
ゲート電極の両側部にサイドウォール絶縁膜32が形成されている。また、ゲート電極の両側部における半導体領域14に、エクステンション領域が設けられた構成のソースドレイン領域18が形成されている。
さらに、ソースドレイン領域18の表層部分に高融点金属のシリサイドなどの金属層46が形成されている。
上記のように、第2NMOSトランジスタNTr2が構成されている。
【0035】
第2PMOSトランジスタPTr2の領域において、例えば半導体領域15にチャネル形成領域が形成されている。その上層にゲート絶縁膜23を介して、ポリシリコンなどの半導体層27と高融点金属シリサイドなどの金属層43の積層体からなるゲート電極が形成されている。
ゲート電極の両側部にサイドウォール絶縁膜33が形成されている。また、ゲート電極の両側部における半導体領域15に、エクステンション領域が設けられた構成のソースドレイン領域19が形成されている。
さらに、ソースドレイン領域19の表層部分に高融点金属のシリサイドなどの金属層47が形成されている。
上記のように、第2PMOSトランジスタPTr2が構成されている。
【0036】
上記において、半導体領域(14,15)を第2半導体領域、ゲート絶縁膜(22,23)を第2ゲート絶縁膜、ソースドレイン領域(18,19)を第2ソースドレイン領域とも称する。第2NMOSトランジスタNTr2と第2PMOSトランジスタPTr2のポリシリコンなどの半導体層26と高融点金属シリサイドなどの金属層42の積層体からなるゲート電極を第2ゲート電極とも称する。また、半導体領域(14,15)に設けられたチャネル形成領域を第2チャネル形成領域とも称する。
【0037】
上記のように、本実施形態の半導体装置においては、第1トランジスタである第1NMOSトランジスタNTr1と第1PMOSトランジスタPTr1において、第1ゲート電極の少なくとも第1ゲート絶縁膜に接する部分が金属からなる。
一方、第2トランジスタである第2NMOSトランジスタNTr2と第2PMOSトランジスタPTr2において、第2ゲート電極の少なくとも第2ゲート絶縁膜に接する部分が半導体からなる構成である。
【0038】
[SRAMメモリセルの構成]
次に、SRAMのメモリ領域について説明する。
図2(a)は、本実施形態に係るSRAMにおける6つのMOSFETを有する1つのメモリセルの等価回路図である。本実施形態に係るSRAMは、この構成のメモリセルが複数個集積されている。
【0039】
各メモリセルMCは、例えば、第1ロードトランジスタLTr1と第2ロードトランジスタLTr2、第1ドライバトランジスタDTr1と第2ドライバトランジスタDTr2、第1転送トランジスタTTr1と第2転送トランジスタTTr2を有する。
第1及び第2ロードトランジスタ(LTr1,LTr2)はPMOSトランジスタである。
第1及び第2ドライバトランジスタ(DTr1,DTr2)はNMOSトランジスタであり、第1及び第2転送トランジスタ(TTr1,TTr2)はNMOSトランジスタである。
【0040】
ここで、上記の第1及び第2ドライバトランジスタ(DTr1,DTr2)と第1及び第2転送トランジスタ(TTr1,TTr2)は、図1における第1NMOSトランジスタNTr1の構成を有する。
上記の第1及び第2ロードトランジスタ(LTr1,LTr2)は図1における第1PMOSトランジスタPTr1の構成を有する。
【0041】
例えば、第1ロードトランジスタLTr1と第1ドライバトランジスタDTr1は、ドレインが第1記憶ノードNDに、ゲートが第2記憶ノードND/にそれぞれ接続されている。第1ロードトランジスタLTr1のソースは電源電圧Vcに、第1ドライバトランジスタDTr1のソースは基準電位Vsにそれぞれ接続されている。第1ロードトランジスタLTr1及び第1ドライバトランジスタDTr1によって、第2記憶ノードND/を入力、第1記憶ノードNDを出力とする第1CMOSインバータが形成されている。
【0042】
また、例えば、第2ロードトランジスタLTr2と第2ドライバトランジスタDTr2は、ドレインが第2記憶ノードND/に、ゲートが第1記憶ノードNDにそれぞれ接続されている。第2ロードトランジスタLTr2のソースは電源電圧Vcに、第2ドライバトランジスタDTr2のソースは基準電位Vsにそれぞれ接続されている。第2ロードトランジスタLTr2及び第2ドライバトランジスタDTr2によって、第1記憶ノードNDを入力、第2記憶ノードND/を出力とする第2CMOSインバータが形成されている。
【0043】
例えば、第1CMOSインバータと第2CMOSインバータとは、互いの入力及び出力がリング状に接続されている。これによりフリップフロップと呼ばれる1つの記憶回路が構成されている。
【0044】
また、例えば、第1転送トランジスタTTr1は、ゲートがワードラインWLに、ドレインがビットラインBLに、ソースが第1記憶ノードNDにそれぞれ接続されている。第2転送トランジスタTTr2は、ゲートがワードラインWLに、ドレインが相補ビットラインBL/に、ソースが第2記憶ノードND/にそれぞれ接続されている。
【0045】
図2(b)は、本実施形態に係るSRAMにおける1つのメモリセルのレイアウトを示す平面図である。
例えば、NMOS形成領域ANMOSにおいて第1P型半導体領域P1と第2P型半導体領域P2が素子分離絶縁膜Iで区分され、また、PMOS形成領域APMOSにおいて第1N型半導体領域N1及び第2N型半導体領域N2が素子分離絶縁膜Iで分離されている。第1P型半導体領域P1、第2P型半導体領域P2、第1N型半導体領域N1及び第2N型半導体領域N2は、例えばそれぞれ半導体基板に形成されたウェルで構成され、各半導体領域にはチャネル形成領域が形成されている。
【0046】
上記の6個のトランジスタをそれぞれ構成する位置において、各半導体領域上を横切るように第1ゲート電極G1〜第6ゲート電極G6がそれぞれ図示のレイアウトで形成されている。ここで、第1ゲート電極G1と第2ゲート電極G2は、連続した導電層として構成されており、第4ゲート電極G4及び第5ゲート電極G5も同様である。
【0047】
さらに各ゲート電極の形成領域を除く領域の各半導体領域の表層部分にそれぞれソースドレイン領域が形成されている。
上記のようにして、第1及び第2ロードトランジスタ(LTr1,LTr2)、第1及び第2ドライバトランジスタ(DTr1,DTr2)、第1及び第2転送トランジスタ(TTr1,TTr2)がそれぞれ構成されている。
【0048】
ここで、第1ロードトランジスタLTr1のソースドレイン領域から第5ゲート電極G5に及ぶ領域までが連通して開口され、第5ゲート電極G5と第1ロードトランジスタLTr1のソースドレイン領域を接続する共通コンタクトSCT1が形成されている。
【0049】
また、第1ドライバトランジスタDTr1と第1転送トランジスタTTr1を接続するソースドレイン領域に開口部が形成されて、コンタクトCT1が形成されている。
共通コンタクトSCT1とコンタクトCT1は上層配線で接続され、この部分が図2(a)に示す第1記憶ノードNDとなる。
【0050】
一方、第2ロードトランジスタLTr2のソースドレイン領域から第2ゲート電極G2に及ぶ領域までが連通して開口され、第2ゲート電極G2と第2ロードトランジスタLTr2のソースドレイン領域を接続する共通コンタクトSCT2が形成されている。
【0051】
また、第2ドライバトランジスタDTr2と第2転送トランジスタTTr2を接続するソースドレイン領域に開口部が形成されて、コンタクトCT2が形成されている。
共通コンタクトSCT2とコンタクトCT2は上記と同様に上層配線で接続され、この部分が図2(a)に示す第2記憶ノードND/となる。
【0052】
また、上記以外のソースドレイン領域は、それぞれコンタクトを介して上層配線に接続され、電源電圧Vc、基準電位Vs、ビットラインBLあるいは相補ビットラインBL/に接続されている。
上記のようにして、1つのメモリセルMCが構成されている。
【0053】
本実施形態の半導体装置のメモリ領域においては、上記の構成のメモリセルがマトリクス状に構成されている。
【0054】
本実施形態の半導体装置においては、第1トランジスタである第1NMOSトランジスタNTr1と第1PMOSトランジスタPTr1において、第1ゲート電極の少なくとも第1ゲート絶縁膜に接する部分が高融点金属シリサイドなどの金属からなる。
ここで、第1NMOSトランジスタNTr1と第1PMOSトランジスタPTr1のゲート電極を共通の金属材料で構成することができる。
【0055】
第1ゲート電極の少なくとも第1ゲート絶縁膜に接する部分は、例えば、仕事関数φが4.4〜4.8eVの範囲であるいわゆるミッドギャップである金属から構成されることが好ましい。
上記の第1ゲート電極の少なくとも第1ゲート絶縁膜に接する部分として、例えば、Co,Ni,Pt,Ti,V,Cr,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta,Wなどの高融点金属のシリサイドを用いることができる。
【0056】
図3(a)及び(b)は、それぞれNMOSトランジスタとPMOSトランジスタにおいて、ゲート電極を構成する材料の仕事関数と、得られるトランジスタの閾値電圧の関係を示すグラフである。上記におけるゲート電極の材料は、ゲート電極のゲート絶縁膜に接する部分の材料を示す。
例えば、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタのいずれにおいても、仕事関数が4.6eV程度の材料を用いることで、0.5Vまたは−0.5V程度の高い閾値電圧を実現できることを示す。
これにより、SRAMのメモリセルを構成するNMOSトランジスタとPMOSトランジスタのバランスを確保しながら、PMOSトランジスタにおいて高い閾値電圧を実現できる。
これにより、SRAMのメモリセルを構成するNMOSトランジスタとPMOSトランジスタのチャネルに導入する不純物を大幅に削減できる。
【0057】
また、0.5Vまたは−0.5Vの近傍領域となるようにするために、ゲート電極の材料としては、仕事関数が例えば4.4〜4.8eVの範囲の材料を好ましく用いることができる。
【0058】
本実施形態の半導体装置は、SRAMのメモリセルを構成するNMOSトランジスタとPMOSトランジスタのバランスを確保しつつ、PMOSトランジスタの閾値電圧をさらに高くすることができる。
【0059】
一方、第2トランジスタである第2NMOSトランジスタNTr2と第2PMOSトランジスタPTr2において、第2ゲート電極の少なくとも第2ゲート絶縁膜に接する部分は、ポリシリコンなどの半導体からなる構成とする。これにより、ロジック領域は低閾値電圧とすることができる。
【0060】
[半導体装置の製造方法]
次に、本実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図4及び5を用いて説明する。
ここで、図4及び図5の各図は図1に対応する断面を示すものである。
図中、領域ANTr1は第1NMOSトランジスタ形成領域、領域APTr1は第1PMOSトランジスタ形成領域、領域ANTr2は第2NMOSトランジスタ形成領域、領域APTr2は第2PMOSトランジスタ形成領域である。
【0061】
まず、図4(a)に示すように、例えば、半導体基板10の活性領域を区分するようにSTI型の素子分離絶縁膜11を形成し、P型の半導体領域12、N型の半導体領域13、P型の半導体領域14及びN型の半導体領域15をウェルとして形成する。
ここで、チャネル形成領域にそれぞれ必要なチャネル不純物を導入する。本実施形態においては、上記のようにチャネル不純物の量を大きく削減できる。
【0062】
次に、上記の各領域において、例えば熱酸化法によりゲート絶縁膜(20〜23)を形成し、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などによりポリシリコンを全面に堆積する。ポリシリコン層の膜厚は例えば100nm程度である。
次に、ポリシリコン層及びゲート絶縁膜をゲート電極のパターンに加工して、各領域においてパターン加工されたポリシリコンからなる半導体層(24〜27)とする。
このとき、例えば、領域ANTr1と領域APTr1においては、ポリシリコン層の上層に窒化シリコンを堆積してポリシリコンからなる半導体層(24〜27)と同様にパターン加工することで、ハードマスク(28,29)とする。
【0063】
次に、図4(b)に示すように、例えば、上記の各領域において、上記のハードマスク(28,29)及び半導体層(26,27)をマスクとしてN型あるいはP型の導電性不純物をイオン注入し、ソースドレインのエクステンション領域を形成する。
次に、例えば、上記の各領域において、CVD法により全面に酸化シリコンを堆積させ、エッチバックすることにより、ポリシリコン層とハードマスクの両側部あるいはポリシリコン層の両側部にサイドウォール絶縁膜(30〜33)を形成する。
ここではサイドウォール絶縁膜(30〜33)を酸化シリコンの単層の膜としているが、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜などを積層させた多層の膜としてもよい。
【0064】
次に、例えば、上記の各領域において、上記のサイドウォール絶縁膜(30〜33)をマスクとしてN型あるいはP型の導電性不純物をイオン注入し、ソースドレイン領域(16~19)を形成する。
これにより、上記のエクステンション領域が設けられた構成のソースドレイン領域とする。
ここで、エクステンション領域及びソースドレイン領域を形成する導電性不純物は、例えば、領域ANTr1と領域APTr1においてはハードマスク(28,29)によって半導体層(24,25)には導入されない。あるいは、導入される場合もある。
一方、領域ANTr2と領域APTr2においてはハードマスクが設けられていないので半導体層(26,27)に導入される。
【0065】
次に、図5(a)に示すように、例えば、上記の各領域において熱酸化法によりソースドレイン領域(16〜19)の表層に酸化シリコン膜(34〜37)を形成する。これは、次の工程のシリサイド化を阻害するシリサイドブロックとなる。酸化シリコン膜(34〜37)の膜厚は5〜10nm程度として、シリサイド化処理の前処理において除去されない程度とする。
上記において、領域ANTr2と領域APTr2の半導体層(26,27)の上層にも上記と同様に酸化シリコン膜(38,39)を形成する。熱酸化法の場合、領域ANTr1と領域APTr1においてハードマスク(28,29)の表面には酸化シリコン膜は形成されない。
【0066】
次に、例えばRIE(反応性イオンエッチング)などのドライエッチング処理あるいはウェットエッチング処理により、領域ANTr1と領域APTr1においてはハードマスク(28,29)を除去する。ここでは、酸化シリコンに対して十分高い選択比で窒化シリコンを除去する条件のエッチングで行う。
これにより、領域ANTr1と領域APTr1において半導体層(24,25)が露出することになる。
【0067】
次に、図5(b)に示すように、例えば、スパッタリング法などにより全面にコバルトなどの高融点金属を堆積し、さらにシリサイド化の熱処理を行う。このとき、領域ANTr1と領域APTr1において半導体層(24,25)の一部あるいは全部をシリサイド化して金属層(40,41)とする。これは、高融点金属とシリコンと接している部分に自己整合的に高融点金属シリサイド層を形成する、いわゆるサリサイドプロセスである。
上記のシリサイド化工程においては、例えば、シリサイド化前の半導体層(24,25)の断面積の50%以上がシリサイド化されるようにすることが好ましい。また、半導体層(24,25)が全部シリサイド化されてもよい。これは、堆積する高融点金属の膜厚やシリサイド化処理の条件などで調節することができる。
【0068】
次に、例えばRIEなどのなどのドライエッチング処理あるいはウェットエッチング処理により、シリサイドブロックであった酸化シリコン膜(34〜37,38,39)を除去する。
次に、例えば、スパッタリング法などにより全面にコバルトなどの高融点金属を堆積し、さらにシリサイド化の熱処理を行う。
これにより、領域ANTr1と領域APTr1においては半導体層(24,25)を全部シリサイド化して、ゲート絶縁膜(20,21)に接する領域まで達する金属層(40,41)とする。上記のシリサイド化処理において既に半導体層(24,25)が全部シリサイド化されている場合には、それ以上シリサイド化はされない。
また、領域ANTr2と領域APTr2において半導体層(26,27)の一部をシリサイド化して金属層(42,43)とする。
【0069】
上記のようにして、領域ANTr2と領域APTr2(ロジック領域)を除いて領域ANTr1と領域APTr1(メモリ領域)のみで半導体層(24,25)をシリサイド化し、次に、領域ANTr1と領域APTr1(メモリ領域)及び領域ANTr2と領域APTr2(ロジック領域)において半導体層(24,25)の全部と半導体層(26,27)の一部をシリサイド化する。
【0070】
また、ソースドレイン領域(16〜19)の表層部分においても高融点金属のシリサイドなどの金属層(44〜47)を形成する。
以上で、図1に示す構成の半導体装置を製造することができる。
【0071】
本実施形態の半導体装置の製造方法では、第1トランジスタである第1NMOSトランジスタNTr1と第1PMOSトランジスタPTr1を形成する際に、第1ゲート電極の少なくとも第1ゲート絶縁膜に接する部分を高融点金属シリサイドなどの金属で形成する。
ここで、第1NMOSトランジスタNTr1と第1PMOSトランジスタPTr1のゲート電極を共通の金属材料で構成することができる。
【0072】
これにより、SRAMのメモリセルを構成するNMOSトランジスタとPMOSトランジスタのバランスを確保しつつ、PMOSトランジスタの閾値電圧をさらに高くして、半導体装置を製造することができる。
【0073】
上記においては、領域ANTr1と領域APTr1においては2回のシリサイド化処理を行っているが、3回以上行ってもよい。
【0074】
<第1変形例>
上記の第1実施形態においては、領域ANTr1と領域APTr1においては2回以上のシリサイド化処理を行うことで、半導体層(24,25)を全部シリサイド化して金属層(40,41)としている。
本変形例においては、シリサイド化処理の前に予め領域ANTr1と領域APTr1の半導体層(24,25)にシリコンあるいはゲルマニウムなどのイオン注入を行ってアモルファス化しておく。
次に、全領域で通常のシリサイド化処理を行う。ここでは、領域ANTr2と領域APTr2において半導体層(24,25)が全部シリサイド化されることはない。一方、アモルファス化された領域ANTr1と領域APTr1の半導体層(24,25)のシリサイド化が促進されており、シリサイド化処理で半導体層(24,25)を全部シリサイド化することができる。
【0075】
あるいは、領域ANTr1と領域APTr1においては第1実施形態より少ない回数のシリサイド化処理を行うことで、半導体層(24,25)を全部シリサイド化するようにしてもよい。
【0076】
<第2実施形態>
[全体構成]
本実施形態に係る半導体装置は、半導体記憶装置の1つであるSRAMであるメモリ領域とロジック領域が混載された半導体装置である。
【0077】
図6は本実施形態の半導体装置の模式的な断面図である。
メモリ領域における第1NMOSトランジスタNTr1と第1PMOSトランジスタPTr1のゲート電極が、ロジック領域における第2NMOSトランジスタNTr2と第2PMOSトランジスタPTr2のゲート電極より薄膜化された構成となっている。
上記を除いて、実質的に第1実施形態と同様の構成となっている。
【0078】
本実施形態の半導体装置は、第1実施形態と同様に、第1トランジスタである第1NMOSトランジスタNTr1と第1PMOSトランジスタPTr1において、第1ゲート電極の少なくとも第1ゲート絶縁膜に接する部分が金属からなる。
また、第2トランジスタである第2NMOSトランジスタNTr2と第2PMOSトランジスタPTr2において、第2ゲート電極の少なくとも第2ゲート絶縁膜に接する部分が半導体からなる構成である。
【0079】
また、本実施形態においては、第1NMOSトランジスタNTr1と第1PMOSトランジスタPTr1において、薄膜化されたゲート電極と同様にサイドウォールもロジック領域より薄膜化された構成となっている。
【0080】
本実施形態の半導体装置においては、第1トランジスタである第1NMOSトランジスタNTr1と第1PMOSトランジスタPTr1において、第1ゲート電極の少なくとも第1ゲート絶縁膜に接する部分が高融点金属シリサイドなどの金属からなる。
【0081】
本実施形態の半導体装置は、第1実施形態と同様に、SRAMのメモリセルを構成するNMOSトランジスタとPMOSトランジスタのバランスを確保しつつ、PMOSトランジスタの閾値電圧をさらに高くすることができる。
【0082】
[半導体装置の製造方法]
次に、本実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
第1実施形態の製造工程である図5(a)に示す工程までは、第1実施形態と同様にして行う。
次に、図7に示すように、領域ANTr2と領域APTr2を保護するレジスト膜PRをパターン形成する。次に、領域ANTr1と領域APTr1においてエッチング処理を行い、半導体膜(24,25)とサイドウォール絶縁膜(30,31)を薄膜化する。
【0083】
次に、レジスト膜PRを除去した後、例えば、スパッタリング法などにより全面にコバルトなどの高融点金属を堆積し、さらにシリサイド化の熱処理を行う。
これにより、領域ANTr1と領域APTr1においては半導体層(24,25)が薄膜化されているので全部シリサイド化される。一方、領域ANTr2と領域APTr2において半導体層(26,27)は厚いままであるので一部のみがシリサイド化される。
上記のようにして、領域ANTr1と領域APTr1(メモリ領域)及び領域ANTr2と領域APTr2(ロジック領域)において半導体層(24,25)の全部と半導体層(26,27)の一部をシリサイド化する。
上記を除いては、実質的に第1実施形態と同様にして、製造することができる。
【0084】
これにより、第1実施形態と同様に、SRAMのメモリセルを構成するNMOSトランジスタとPMOSトランジスタのバランスを確保しつつ、PMOSトランジスタの閾値電圧をさらに高くして、半導体装置を製造することができる。
【0085】
<第2変形例>
[全体構成]
図8は本実施形態の半導体装置の模式的な断面図である。
メモリ領域における第1NMOSトランジスタNTr1と第1PMOSトランジスタPTr1のゲート電極が、ロジック領域における第2NMOSトランジスタNTr2と第2PMOSトランジスタPTr2のゲート電極より薄膜化された構成である。これは第2実施形態と同様である。
ここで、本変形例においては、メモリ領域における第1NMOSトランジスタNTr1と第1PMOSトランジスタPTr1のサイドウォール絶縁膜(30,31)は薄膜化されていない。
上記を除いて、実質的に第2実施形態と同様の構成となっている。
【0086】
本実施形態の半導体装置は、第1実施形態と同様に、SRAMのメモリセルを構成するNMOSトランジスタとPMOSトランジスタのバランスを確保しつつ、PMOSトランジスタの閾値電圧をさらに高くすることができる。
【0087】
[半導体装置の製造方法]
次に、本実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
第1実施形態の製造工程である図5(a)に示す工程までは、第1実施形態と同様にして行う。
次に、図9に示すように、領域ANTr2と領域APTr2を保護するレジスト膜PRをパターン形成する。次に、領域ANTr1と領域APTr1においてエッチング処理を行い、半導体膜(24,25)を薄膜化する。ここでは、第2実施形態のようにサイドウォール絶縁膜(30,31)が薄膜化されないエッチング条件とする。
以降は、第2実施形態と同様にして、製造することができる。
【0088】
これにより、第1実施形態と同様に、SRAMのメモリセルを構成するNMOSトランジスタとPMOSトランジスタのバランスを確保しつつ、PMOSトランジスタの閾値電圧をさらに高くして、半導体装置を製造することができる。
【0089】
<実施例>
図10は本実施形態のNMOSトランジスタにおけるチャネル形成領域へ導入される不純物のドーズ量に対する閾値と、閾値電圧の変動量(バラツキ)を示すグラフである。
ドーズ量とともに閾値電圧Vthが変化する。
一方、ドーズ量が大きくなると閾値電圧の変動量σVthも大きくなり、ドーズ量が小さくなると閾値電圧の変動量σVthも小さくなり、例えば、ドーズ量をゼロにできれば、閾値電圧の変動量σVthが23mV(約34%)にまで小さくすることができる。
【0090】
本発明は上記の実施形態に限定されない。
例えば、上記の実施形態においては、SRAMについて説明しているが、本発明はSRAM以外の半導体記憶装置に適用することも可能である。
その他、本発明の観点を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】図1は本発明の第1実施形態の半導体装置の模式的な断面図である。
【図2】図2(a)は本発明の第1実施形態に係るSRAMメモリセルの等価回路図であり、図2(b)は1メモリセルのレイアウトを示す平面図である。
【図3】図3(a)及び図3(b)はそれぞれNMOSトランジスタとPMOSトランジスタにおいて、ゲート電極を構成する材料の仕事関数とトランジスタの閾値電圧の関係を示すグラフである。
【図4】図4(a)及び図4(b)は本発明の第1実施形態に係る製造工程を示す断面図である。
【図5】図5(a)及び図5(b)は本発明の第1実施形態に係る製造工程を示す断面図である。
【図6】図6は本発明の第2実施形態の半導体装置の模式的な断面図である。
【図7】図7は本発明の第2実施形態に係る製造工程を示す断面図である。
【図8】図8は本発明の第2変形例の半導体装置の模式的な断面図である。
【図9】図9は本発明の第2変形例に係る製造工程を示す断面図である。
【図10】図10は実施例における不純物のドーズ量に対する閾値と、閾値電圧の変動量(バラツキ)を示すグラフである。
【図11】図11(a)は従来例に係るSRAMメモリセルの等価回路図であり、図11(b)は1メモリセルのレイアウトを示す平面図である。
【符号の説明】
【0092】
10…半導体基板、11…素子分離絶縁膜、12〜15…半導体領域、16〜19…ソースドレイン領域、20〜23…ゲート絶縁膜、24〜27…半導体膜、28,29…ハードマスク、30〜33…サイドウォール絶縁膜、34〜39…酸化シリコン膜、40〜47…金属膜、MC…メモリセル,P1…第1P型半導体領域、P2…第2P型半導体領域、N1…第1N型半導体領域、N2…第2N型半導体領域、NTr1…第1NMOSトランジスタ、PTr1…第1PMOSトランジスタ、NTr2…第2NMOSトランジスタ、PTr2…第2PMOSトランジスタ、LTr1…第1ロードトランジスタ、LTr2…第2ロードトランジスタ、DTr1…第1ドライバトランジスタ、DTr2…第2ドライバトランジスタ、TTr1…第1転送トランジスタ、TTr2…第2転送トランジスタ、I…素子分離絶縁膜、CT1,CT2…コンタクト、SCT1,SCT2…共通コンタクト、WL…ワードライン、BL…ビットライン、BL/…相補ビットライン、ND…第1記憶ノード、ND/…第2記憶ノード、G1…第1ゲート電極、G2…第2ゲート電極、G3…第3ゲート電極、G4…第4ゲート電極、G5…第5ゲート電極、G6…第6ゲート電極、ANTr1…第1NMOS形成領域、APTr1…第1PMOS形成領域、ANTr2…第2NMOS形成領域、APTr2…第2PMOS形成領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板にメモリ領域とロジック領域が設けられており、
前記メモリ領域において前記基板の第1半導体領域に設けられた第1チャネル形成領域上に第1ゲート絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極及び前記第1ゲート電極の両側部における前記第1半導体領域に形成された第1ソースドレイン領域を有する第1トランジスタと、
前記ロジック領域において前記基板の第2半導体領域に設けられた第2チャネル形成領域上に第2ゲート絶縁膜を介して形成された第2ゲート電極及び前記第2ゲート電極の両側部における前記第2半導体領域に形成された第2ソースドレイン領域を有する第2トランジスタと
を有し、
前記メモリ領域において、前記第1トランジスタとして、2つのPMOSトランジスタである第1及び第2ロードトランジスタ、2つのNMOSトランジスタである第1及び第2ドライバトランジスタ、2つのNMOSトランジスタである第1及び第2転送トランジスタを有するスタティックランダムアクセスメモリのメモリセルがマトリクス状に構成されており、
前記第1ゲート電極の少なくとも前記第1ゲート絶縁膜に接する部分が金属からなり、
前記第2ゲート電極の少なくとも前記第2ゲート絶縁膜に接する部分が半導体からなる
半導体装置。
【請求項2】
前記第1トランジスタの閾値が前記第2トランジスタの閾値より高い
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1ゲート電極を構成する金属の仕事関数φが4.4〜4.8eVの範囲である
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1ゲート電極を構成する金属が高融点金属シリサイドである
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1ゲート電極を構成する高融点金属シリサイドは、前記第2ゲート電極を構成する半導体層と同一の層を母体として形成されている
請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記ロジック領域において、前記第2トランジスタとして、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタが形成されている
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第2ゲート電極を構成する半導体がポリシリコンである
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
基板にメモリ領域とロジック領域が設けられており、前記メモリ領域に第1トランジスタを有し、前記ロジック領域に第2トランジスタを有し、前記メモリ領域において前記第1トランジスタとして、2つのPMOSトランジスタである第1及び第2ロードトランジスタ、2つのNMOSトランジスタである第1及び第2ドライバトランジスタ、2つのNMOSトランジスタである第1及び第2転送トランジスタを有するスタティックランダムアクセスメモリのメモリセルをマトリクス状に形成するために、
前記基板の前記メモリ領域における第1半導体領域に設けられた第1チャネル形成領域上に第1ゲート絶縁膜を介して第1ゲート電極を形成し、前記基板の前記ロジック領域における第2半導体領域に設けられた第2チャネル形成領域上に第2ゲート絶縁膜を介して第2ゲート電極を形成する工程と、
前記第1ゲート電極の両側部における前記第1半導体領域に第1ソースドレイン領域を形成し、前記第2ゲート電極の両側部における前記第2半導体領域に第2ソースドレイン領域を形成する工程と
を有し、
前記第1ゲート電極及び前記第2ゲート電極を形成する工程において、前記第1ゲート電極の少なくとも前記第1ゲート絶縁膜に接する部分が金属からなり、前記第2ゲート電極の少なくとも前記第2ゲート絶縁膜に接する部分が半導体からなるようにして形成する
半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記第1ゲート電極及び前記第2ゲート電極を形成する工程において、前記第1ゲート電極のシリサイド化処理を複数回行い、前記第1ゲート電極が全て高融点金属シリサイドとなるように形成する
請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記第1ゲート電極及び前記第2ゲート電極を形成する工程が、
前記ロジック領域を除いて前記メモリ領域のみで前記第1ゲート電極をシリサイド化する工程と、
前記メモリ領域及び前記ロジック領域において前記第1ゲート電極及び前記第2ゲート電極をシリサイド化する工程と
を含む
請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記第1ゲート電極及び前記第2ゲート電極を形成する工程において、前記第1ゲート電極を薄膜化する処理を行い、前記第1ゲート電極が全て高融点金属シリサイドとなるように形成する
請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記第1ゲート電極及び前記第2ゲート電極を形成する工程が、
前記ロジック領域を除いて前記メモリ領域のみで前記第1ゲート電極を薄膜化する工程と、
前記メモリ領域及び前記ロジック領域において前記第1ゲート電極及び前記第2ゲート電極をシリサイド化する工程と
を含む
請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項1】
基板にメモリ領域とロジック領域が設けられており、
前記メモリ領域において前記基板の第1半導体領域に設けられた第1チャネル形成領域上に第1ゲート絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極及び前記第1ゲート電極の両側部における前記第1半導体領域に形成された第1ソースドレイン領域を有する第1トランジスタと、
前記ロジック領域において前記基板の第2半導体領域に設けられた第2チャネル形成領域上に第2ゲート絶縁膜を介して形成された第2ゲート電極及び前記第2ゲート電極の両側部における前記第2半導体領域に形成された第2ソースドレイン領域を有する第2トランジスタと
を有し、
前記メモリ領域において、前記第1トランジスタとして、2つのPMOSトランジスタである第1及び第2ロードトランジスタ、2つのNMOSトランジスタである第1及び第2ドライバトランジスタ、2つのNMOSトランジスタである第1及び第2転送トランジスタを有するスタティックランダムアクセスメモリのメモリセルがマトリクス状に構成されており、
前記第1ゲート電極の少なくとも前記第1ゲート絶縁膜に接する部分が金属からなり、
前記第2ゲート電極の少なくとも前記第2ゲート絶縁膜に接する部分が半導体からなる
半導体装置。
【請求項2】
前記第1トランジスタの閾値が前記第2トランジスタの閾値より高い
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1ゲート電極を構成する金属の仕事関数φが4.4〜4.8eVの範囲である
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1ゲート電極を構成する金属が高融点金属シリサイドである
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1ゲート電極を構成する高融点金属シリサイドは、前記第2ゲート電極を構成する半導体層と同一の層を母体として形成されている
請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記ロジック領域において、前記第2トランジスタとして、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタが形成されている
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第2ゲート電極を構成する半導体がポリシリコンである
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
基板にメモリ領域とロジック領域が設けられており、前記メモリ領域に第1トランジスタを有し、前記ロジック領域に第2トランジスタを有し、前記メモリ領域において前記第1トランジスタとして、2つのPMOSトランジスタである第1及び第2ロードトランジスタ、2つのNMOSトランジスタである第1及び第2ドライバトランジスタ、2つのNMOSトランジスタである第1及び第2転送トランジスタを有するスタティックランダムアクセスメモリのメモリセルをマトリクス状に形成するために、
前記基板の前記メモリ領域における第1半導体領域に設けられた第1チャネル形成領域上に第1ゲート絶縁膜を介して第1ゲート電極を形成し、前記基板の前記ロジック領域における第2半導体領域に設けられた第2チャネル形成領域上に第2ゲート絶縁膜を介して第2ゲート電極を形成する工程と、
前記第1ゲート電極の両側部における前記第1半導体領域に第1ソースドレイン領域を形成し、前記第2ゲート電極の両側部における前記第2半導体領域に第2ソースドレイン領域を形成する工程と
を有し、
前記第1ゲート電極及び前記第2ゲート電極を形成する工程において、前記第1ゲート電極の少なくとも前記第1ゲート絶縁膜に接する部分が金属からなり、前記第2ゲート電極の少なくとも前記第2ゲート絶縁膜に接する部分が半導体からなるようにして形成する
半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記第1ゲート電極及び前記第2ゲート電極を形成する工程において、前記第1ゲート電極のシリサイド化処理を複数回行い、前記第1ゲート電極が全て高融点金属シリサイドとなるように形成する
請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記第1ゲート電極及び前記第2ゲート電極を形成する工程が、
前記ロジック領域を除いて前記メモリ領域のみで前記第1ゲート電極をシリサイド化する工程と、
前記メモリ領域及び前記ロジック領域において前記第1ゲート電極及び前記第2ゲート電極をシリサイド化する工程と
を含む
請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記第1ゲート電極及び前記第2ゲート電極を形成する工程において、前記第1ゲート電極を薄膜化する処理を行い、前記第1ゲート電極が全て高融点金属シリサイドとなるように形成する
請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記第1ゲート電極及び前記第2ゲート電極を形成する工程が、
前記ロジック領域を除いて前記メモリ領域のみで前記第1ゲート電極を薄膜化する工程と、
前記メモリ領域及び前記ロジック領域において前記第1ゲート電極及び前記第2ゲート電極をシリサイド化する工程と
を含む
請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−98108(P2010−98108A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−267358(P2008−267358)
【出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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