半導体装置及びその製造方法
【課題】接続不良の発生を抑制することのできる、信頼性の高い半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置は、所定ピッチで所定の幅の素子領域が形成された半導体基板と、半導体基板上に積層された層間絶縁膜と、層間絶縁膜の上面から半導体基板の素子領域にかけて設けられ素子領域に接続される第1コンタクトとを備える。第1コンタクトは、素子領域上の層間絶縁膜に形成された素子領域の幅よりも大きい径を有するコンタクトホールと、コンタクトホールの底部に設けられ、素子領域に達する開口を有するスペーサ膜と、スペーサ膜の開口を介して素子領域に接続されるようにコンタクトホール内に埋め込まれたコンタクトプラグとを有する。
【解決手段】半導体装置は、所定ピッチで所定の幅の素子領域が形成された半導体基板と、半導体基板上に積層された層間絶縁膜と、層間絶縁膜の上面から半導体基板の素子領域にかけて設けられ素子領域に接続される第1コンタクトとを備える。第1コンタクトは、素子領域上の層間絶縁膜に形成された素子領域の幅よりも大きい径を有するコンタクトホールと、コンタクトホールの底部に設けられ、素子領域に達する開口を有するスペーサ膜と、スペーサ膜の開口を介して素子領域に接続されるようにコンタクトホール内に埋め込まれたコンタクトプラグとを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の実施の形態は、半導体基板上に形成されたコンタクトを有する半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LSI等の半導体装置の更なる高集積化に対する要求に対応するため、半導体装置の配線の微細化が著しく進展している。また、NAND型フラッシュメモリに代表される半導体記憶装置の更なる高集積化も求められており、半導体記憶装置のメモリセルアレイと配線とを接続するコンタクトのサイズもより微細化が求められている。
【0003】
しかし、微細なコンタクトを形成しようとすると、コンタクトの底部が下層の配線にまで到達しない開口不良が生じるおそれがある。また、複数のコンタクトを垂直方向に連続して形成する場合、コンタクトの合わせずれが生じて上下のコンタクトが接続しないという接続不良が生じるおそれもある。そのため、半導体装置の製造過程において、配線や上層のコンタクトと確実に接続する信頼性の高いコンタクトを形成することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−130722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、接続不良の発生を抑制することのできる、信頼性の高い半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一の実施の形態に係る半導体装置は、所定ピッチで所定の幅の素子領域が形成された半導体基板と、半導体基板上に積層された層間絶縁膜と、層間絶縁膜の上面から半導体基板の素子領域にかけて設けられ素子領域に接続される第1コンタクトとを備える。第1コンタクトは、素子領域上の層間絶縁膜に形成された素子領域の幅よりも大きい径を有するコンタクトホールと、コンタクトホールの底部に設けられ、素子領域に達する開口を有するスペーサ膜と、スペーサ膜の開口を介して素子領域に接続されるようにコンタクトホール内に埋め込まれたコンタクトプラグとを有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1A】第1の実施の形態に係る半導体装置の構成を模式的に示す斜視図である。
【図1B】第1の実施の形態に係る半導体装置の構成を模式的に示す平面図である。
【図2】第1の実施の形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図3】第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図4】第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図5】第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図6】第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図7】第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図8】第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図9】第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図10】第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図11】比較例の半導体装置の構成を示す断面図である。
【図12】比較例の半導体装置の構成を示す断面図である。
【図13】比較例の半導体装置の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施の形態における図面の記載では、同一の構成を有する箇所には同一の符号を付してその説明を省略する。また、図面は模式的なものであり、各膜の厚みと平面寸法との関係や、各層の厚みの比率などは実際の半導体装置とは異なるものである。
【0009】
(第1の実施の形態)
[第1の実施の形態に係る半導体装置の構成]
以下、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の構成について、図1A及び図1Bを参照して説明する。図1A及び図1Bは、第1の実施の形態に係る半導体装置の構成を模式的に示す斜視図及び平面図である。
【0010】
図1A及び図1Bに示すように、半導体基板10には、メモリセルの構造に応じた所定ピッチで所定幅の素子領域11が形成される。NAND型フラッシュメモリを例にとれば、半導体基板10には、図中X方向に沿って伸びるSTI(Shallow Trench Isolation)構造の複数の絶縁分離領域12が形成される。絶縁分離領域12によって分離された部分に、ソース及びドレインを共有するNAND接続された複数の不揮発性のメモリセル及びその両端の選択トランジスタが形成され、選択トランジスタのドレインにつながる半導体基板上の部分が素子領域11として機能する。なお、この構成は一例であり、本実施形態は、その他の半導体装置が形成されているものに対しても適用可能であることはいうまでもない。
【0011】
素子領域11が形成された半導体基板10上には、半導体基板10の素子領域11と電気的に接続するように第1コンタクト1が形成されている。また、第1コンタクト1上には、第1コンタクトと電気的に接続するように第2コンタクト2が形成されている。図1A及び図1Bにおける第1コンタクト1及び第2コンタクト2の構成は模式的なものである。第1コンタクト1及び第2コンタクト2の具体的な構成については、後に詳述する。第2コンタクト2は、上層に形成される金属配線(図示せず)に接続される。半導体基板10上に形成される半導体装置がNAND型フラッシュメモリである場合、上層の金属配線は、例えばビット線である。
【0012】
図1A及び図1Bに示すように、第1コンタクト1が隣接する素子領域11に接触すると、接続不良となり誤動作を生じるおそれがある。そのため、第1コンタクト1は、隣接する素子領域11と接触せず、且つ、第2コンタクトとは十分な余裕を持って接続されるように形成する必要がある。そのため、本実施の形態に係る半導体装置は、以下に示すような構成を有する。以下、本実施の形態に係る半導体装置の構成について、図2を参照して説明する。
【0013】
図2は、第1の実施の形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。図2は、図1A及び図1Bに示した第1コンタクト1及び第2コンタクト2の断面図である。図2に示すように、半導体基板10には等間隔にトレンチが形成されており、このトレンチに絶縁膜が埋め込まれて素子分離領域12が形成されている。この素子分離領域12に挟まれた部分が、半導体装置の素子領域11として機能する。素子領域11及び素子分離領域12上には、絶縁膜21、及び絶縁膜22が堆積されている。絶縁膜21、及び絶縁膜22は、図示しない領域に形成される半導体装置の製造工程に用いられるものである。絶縁膜21としては、例えばシリコン窒化膜(SiN)、絶縁膜22としては、例えばシリコン酸化膜(SiO2)を用いることができる。また、絶縁膜22上には、層間絶縁膜として機能する絶縁膜23、及び絶縁膜24が堆積されている。絶縁膜23としては、例えばシリコン窒化膜(SiN)、絶縁膜24としては、例えばシリコン酸化膜(SiO2)を用いることができる。
【0014】
この絶縁膜21、22、23、及び24には、その内部に第1コンタクト1が形成されるコンタクトホールCH1が形成されている。このコンタクトホールCH1は、絶縁膜22、23、及び24を貫通し、絶縁膜21の一部を除去するように形成されている。すなわち、コンタクトホールCH1は、底面がエッチングストッパとして機能する絶縁膜21に到達するように形成されている。コンタクトホールCH1の径は、底部が素子領域11の幅よりも十分に大きく、且つ、上部が後述する第2コンタクト2と確実に接続するような大きさに設定される。
【0015】
コンタクトホールCH1の底部には、スペーサ膜31が設けられている。このスペーサ膜31は、楕円形状のコンタクトホールCH1の側面に沿って一周するように設けられており、コンタクトホールCH1の底部の側面を覆っている。スペーサ膜31の略中央には、所定の素子領域11に到達するように開口Aが形成されている。スペーサ膜31は、コンタクトホールCH1の底部に設けられるものであり、コンタクトホールCH1の深さの半分より下の領域に、望ましくは下部1/3の領域に設けられる。
【0016】
コンタクトホールCH1及び開口Aの側面に沿って、バリアメタル膜32が形成される。バリアメタル膜32は、絶縁膜21乃至絶縁膜24へ金属が拡散することを防ぐために設けられるものであり、例えばチタン膜(Ti)、及び窒化チタン膜(TiN)の積層膜等が用いられる。そして、コンタクトホールCH1及び開口Aを埋め込むようにコンタクトプラグ33が設けられる。コンタクトプラグ33としては、例えばタングステン(W)が用いられる。コンタクトホールCH1内に埋め込まれたバリアメタル膜32、及びコンタクトプラグ33が、第1コンタクト1となる。
【0017】
第1コンタクト1、及び絶縁膜24の上部は、平坦化されている。第1コンタクト1、及び絶縁膜24上に、層間絶縁膜として機能する絶縁膜41が堆積されている。絶縁膜41としては、例えばシリコン酸化膜(SiO2)を用いることができる。この絶縁膜41には、その内部に第2コンタクト2が形成されるコンタクトホールCH2が形成されている。このコンタクトホールCH2は、絶縁膜41を貫通し、コンタクトプラグ33に達するように形成されている。
【0018】
コンタクトホールCH2の側面及び底面に沿って、バリアメタル膜42が形成される。バリアメタル膜42は、絶縁膜41へ金属が拡散することを防ぐために設けられるものであり、例えば窒化チタン膜(TiN)等が用いられる。そして、コンタクトホールCH2を埋め込むようにコンタクトプラグ43が設けられる。コンタクトプラグ43としては、例えばタングステン(W)が用いられる。コンタクトホールCH2内に埋め込まれたバリアメタル膜42、及びコンタクトプラグ43が、第2コンタクト2となる。
【0019】
[第1の実施の形態に係る半導体装置の効果]
このように形成された本実施の形態に係る半導体装置の効果について、比較例の半導体装置と比較して説明する。図11乃至図13は、比較例の半導体装置の構成を示す断面図である。
【0020】
図11は、コンタクトホールCH1内にスペーサ膜を設けずに、第1コンタクト1を形成した例を示している。図11に示す比較例では、コンタクトホールCH1は、テーパエッチングを用いて加工されている。すなわち、コンタクトホールCH1の上部が大きな径を持ち、下部では細く形成された素子領域11に対応するように、コンタクトホールCH1の側壁に傾きを設けている。このように形成された第1コンタクト1は、コンタクトホールCH1の加工時にエッチングストップによる未開口不良が問題となる。図11に示すように、コンタクトホールCH1の傾きを大きくしすぎると、コンタクトホールCH1の底部が半導体基板10に到達しなくなる。この場合、コンタクトプラグ33と素子領域11とが接続せず、半導体装置の動作不良をもたらす。また、半導体装置の微細化に伴い、コンタクトホールCH1形成時に用いるレジストの開口サイズを小さくすると、エッチングストップによる未開口不良がより発生しやすくなる。
【0021】
図12は、コンタクトホールCH1内にスペーサ膜31を設けて、第1コンタクト1を形成した例を示している。図12に示す比較例では、大きな径を持つコンタクトホールCH1を形成した後、下部の細く形成された素子領域11に対応するように、コンタクトホールCH1内にスペーサ膜31を設けている。しかし、このように形成された第1コンタクト1では、スペーサ膜31を形成する際、適切に加工することができず、スペーサ膜31によりコンタクトホールCH1底部が覆われたままとなってしまうことがある。この場合、コンタクトプラグ33と素子領域11とが接続せず、半導体装置の動作不良をもたらす。
【0022】
図13も、コンタクトホールCH1内にスペーサ膜31を設けて、第1コンタクト1を形成した例を示している。図13に示す比較例では、コンタクトホールCH1の底部のスペーサ膜31は適切に除去され、コンタクトプラグ33と素子領域11とが接続されている。しかし、スペーサ膜31を形成した場合、コンタクトホールCH1上部で露出するコンタクトプラグ33の面積が小さくなる。そのため、第1コンタクト1の上面と第2コンタクト2の底面との間で合わせずれが生じて、第1コンタクト1と第2コンタクト2とが接続しない接続不良が問題となる。
【0023】
一般に、第1コンタクト1は、隣接する配線とのショートを防ぐためにコンタクトホールCH1の底部をより細く形成し、第2コンタクト2との接合面積を確保するためにコンタクトホールCH1の上面を大きくすることが求められる。しかし、図11乃至図13に示した比較例の第1コンタクト1では、この要求を満たすことができない。
【0024】
これに対し、図2に示す本実施の形態に係る半導体装置によれば、コンタクトホールCH1の底部にスペーサ膜31が設けられており、このスペーサ膜31に形成された開口Aを介してコンタクトプラグ33と素子領域11とが接続している。この開口Aの径を調整することにより、開口Aの径をコンタクトホールCH1の径と比べて十分に小さく形成し、隣接する配線とのショートを防ぐことができる。
また、スペーサ膜31は、コンタクトホールCH1の上部にまでは延長していない。コンタクトホールCH1の上部では、バリアメタル膜32、及びコンタクトプラグ33のみが露出している。バリアメタル膜32と、コンタクトプラグ33とが露出している面積は、コンタクトホールCH1の上面の面積に等しく、第2コンタクト2との接合面積を十分確保することができる。このため、第1コンタクト1と第2コンタクト2とを接続するための電極パッド等を設ける必要がない。
【0025】
[第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法]
次に、本実施の形態の半導体装置の製造方法について、図3乃至図10を参照して説明する。図3乃至図10は、第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。図2に示すように、本実施の形態の半導体装置において、コンタクトホールCH1の底部に設けられたスペーサ膜31は、コンタクトホールCH1の上部までは延長していない。以下の半導体装置の製造方法では、このようなスペーサ膜31を有する第1コンタクト1の形成方法について述べる。
【0026】
図3に示すように、まず、半導体基板10にトレンチを形成した後、絶縁膜によりトレンチを埋め込み、素子領域11と絶縁分離領域12を形成する。この後、周知の方法により半導体基板10上の図示しない領域にNAND型フラッシュメモリ等の半導体装置を形成する。この半導体装置の製造に伴い、絶縁膜21、及び絶縁膜22が堆積される。この絶縁膜22の上に絶縁膜23、及び絶縁膜24を堆積する。絶縁膜21〜24は、層間絶縁膜として機能する。次に、絶縁膜24上に形成したレジストパターン(図示せず)を用いて、RIE(Reactive Ion Etching)法によりコンタクトホールCH1を形成する。上述のように、コンタクトホールCH1は、絶縁膜22、23、及び24を貫通し、絶縁膜21の一部を除去するように形成される。また、コンタクトホールCH1の径は、底部が素子領域11の幅よりも十分に大きく、且つ、上部が第2コンタクト2と確実に接続するような大きさに設定される。
【0027】
次に、図4に示すように、アッシング等により絶縁膜24上のレジストを剥離し、LP−CVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法等を用いてコンタクトホールCH1内にスペーサ膜31を成膜する。ここで、スペーサ膜31の厚さは、コンタクトホールCH1を埋め込むことのない厚さに設定される。スペーサ膜31としては、後述するエッチング時に絶縁膜24と選択比のとれる膜が用いられる。
【0028】
次に、図5に示すように、スペーサ膜31上にレジストRを堆積する。レジストRは、コンタクトホールCH1内を確実に埋め込むように堆積する。図6に示すように、スペーサ膜31上のレジストRをエッチバックして、レジストRの上面をコンタクトホールCH1内の所定の高さまで下げる。図7に示すように、スペーサ膜31に対してリン酸(H3PO4)等を用いたウェットエッチングを行う。このウェットエッチングにより、レジストRの高さよりも上部のスペーサ膜31を除去する。その結果、スペーサ膜31は、コンタクトホールCH1の底部にのみ残存する。スペーサ膜31は、コンタクトホールCH1の深さの半分より下の領域に、望ましくは下部1/3の領域に設けられる。そして、図8に示すように、アッシング等によりコンタクトホールCH1内のレジストRを除去する。
【0029】
次に、図9に示すように、コンタクトホールCH1の底部に設けられたスペーサ膜31をエッチバックして、開口Aを形成する。開口Aの底部では、素子領域11が露出している。開口Aは、スペーサ膜31が楕円形状のコンタクトホールCH1の側面に沿って一周するようにスペーサ膜31の略中央に形成される。図10に示すように、コンタクトホールCH1及び開口Aの側壁にバリアメタル膜32を形成した後、コンタクトホールCH1内にタングステン(W)を埋め込んでコンタクトプラグ33を形成する。その後、CMP(Chemical Mechanical Polishing)等により平坦化を実行して、絶縁膜24上の余分なバリアメタル膜32及びコンタクトプラグ33を除去する。これにより、第1コンタクト1を形成する。
【0030】
その後、周知の製造工程を用いて図2に示す本実施の形態の半導体装置の構造を形成する。絶縁膜24上に絶縁膜41を成膜し、絶縁膜41上に形成したレジストパターンを用いて、RIE(Reactive Ion Etching)法によりコンタクトホールCH2を形成する。コンタクトホールCH2は、コンタクトホールCH1上に位置し、その底部においてコンタクトホールCH1のコンタクトプラグ33が露出するように形成する。コンタクトホールCH2の側壁にバリアメタル膜42を形成した後、コンタクトホールCH2内にタングステン(W)を埋め込んでコンタクトプラグ43を形成する。その後、CMP(Chemical Mechanical Polishing)等により平坦化を実行して、絶縁膜41上の余分なバリアメタル膜42及びコンタクトプラグ43を除去する。これにより第2コンタクト2を形成する。このようにして、図2に示す本実施の形態の半導体装置を製造することができる。
【0031】
[第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法の効果]
本実施の形態に係るNAND型フラッシュメモリの製造方法によれば、コンタクトホールCH1の底部にスペーサ膜31を設けることができ、このスペーサ膜31に形成された開口Aを介してコンタクトプラグ33と素子領域11とが接続している。この開口Aの径を調整することにより、開口Aの径をコンタクトホールCH1の径と比べて十分に小さく、望ましくは素子領域11の幅と同様の径で形成し、隣接する配線とのショートを防ぐことができる。また、ウェットエッチングによりコンタクトホールCH1の上部のスペーサ膜31は除去されている。コンタクトホールCH1の上部では、バリアメタル膜32、及びコンタクトプラグ33のみが露出している。バリアメタル膜32と、コンタクトプラグ33とが露出している面積は、コンタクトホールCH1の上面の面積に等しく、第2コンタクト2との接合面積を十分確保することができる。このため、第1コンタクト1と第2コンタクト2とを接続するための電極パッド等を設ける必要がない。
【0032】
[第1の実施の形態に係る半導体装置の他の例]
上述の第1の実施の形態の製造方法では、コンタクトホールCH1内に埋め込んだレジストRをエッチバックして、レジストRの上面を所定の高さまで下げていた(図6参照)。このレジストRは感光性レジストに変更することができる。すなわち、コンタクトホールCH1内に感光性レジストを埋め込んだ後、露光及び現像して、感光性レジストの上面を所定の高さまで下げる。このとき、感光性レジストの上面の高さは露光量で制御することができる。これにより感光性レジストの高さを所望の高さまで下げられる。レジストRの変更以外は上述の実施の形態の製造方法と同様にして、半導体装置を形成することが可能である。
【0033】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、追加、組み合わせ等が可能である。
【符号の説明】
【0034】
1・・・第1コンタクト、 2・・・第2コンタクト、 10・・・半導体基板、 11・・・素子領域、 12・・・絶縁分離領域、 21、22、23、24・・・絶縁膜、 31・・・スペーサ膜、 32・・・バリアメタル膜、 33・・・コンタクトプラグ、 41・・・絶縁膜、 42・・・バリアメタル膜、 43・・・コンタクトプラグ、 CH1、CH2・・・コンタクトホール。
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の実施の形態は、半導体基板上に形成されたコンタクトを有する半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LSI等の半導体装置の更なる高集積化に対する要求に対応するため、半導体装置の配線の微細化が著しく進展している。また、NAND型フラッシュメモリに代表される半導体記憶装置の更なる高集積化も求められており、半導体記憶装置のメモリセルアレイと配線とを接続するコンタクトのサイズもより微細化が求められている。
【0003】
しかし、微細なコンタクトを形成しようとすると、コンタクトの底部が下層の配線にまで到達しない開口不良が生じるおそれがある。また、複数のコンタクトを垂直方向に連続して形成する場合、コンタクトの合わせずれが生じて上下のコンタクトが接続しないという接続不良が生じるおそれもある。そのため、半導体装置の製造過程において、配線や上層のコンタクトと確実に接続する信頼性の高いコンタクトを形成することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−130722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、接続不良の発生を抑制することのできる、信頼性の高い半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一の実施の形態に係る半導体装置は、所定ピッチで所定の幅の素子領域が形成された半導体基板と、半導体基板上に積層された層間絶縁膜と、層間絶縁膜の上面から半導体基板の素子領域にかけて設けられ素子領域に接続される第1コンタクトとを備える。第1コンタクトは、素子領域上の層間絶縁膜に形成された素子領域の幅よりも大きい径を有するコンタクトホールと、コンタクトホールの底部に設けられ、素子領域に達する開口を有するスペーサ膜と、スペーサ膜の開口を介して素子領域に接続されるようにコンタクトホール内に埋め込まれたコンタクトプラグとを有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1A】第1の実施の形態に係る半導体装置の構成を模式的に示す斜視図である。
【図1B】第1の実施の形態に係る半導体装置の構成を模式的に示す平面図である。
【図2】第1の実施の形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図3】第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図4】第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図5】第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図6】第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図7】第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図8】第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図9】第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図10】第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図11】比較例の半導体装置の構成を示す断面図である。
【図12】比較例の半導体装置の構成を示す断面図である。
【図13】比較例の半導体装置の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施の形態における図面の記載では、同一の構成を有する箇所には同一の符号を付してその説明を省略する。また、図面は模式的なものであり、各膜の厚みと平面寸法との関係や、各層の厚みの比率などは実際の半導体装置とは異なるものである。
【0009】
(第1の実施の形態)
[第1の実施の形態に係る半導体装置の構成]
以下、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の構成について、図1A及び図1Bを参照して説明する。図1A及び図1Bは、第1の実施の形態に係る半導体装置の構成を模式的に示す斜視図及び平面図である。
【0010】
図1A及び図1Bに示すように、半導体基板10には、メモリセルの構造に応じた所定ピッチで所定幅の素子領域11が形成される。NAND型フラッシュメモリを例にとれば、半導体基板10には、図中X方向に沿って伸びるSTI(Shallow Trench Isolation)構造の複数の絶縁分離領域12が形成される。絶縁分離領域12によって分離された部分に、ソース及びドレインを共有するNAND接続された複数の不揮発性のメモリセル及びその両端の選択トランジスタが形成され、選択トランジスタのドレインにつながる半導体基板上の部分が素子領域11として機能する。なお、この構成は一例であり、本実施形態は、その他の半導体装置が形成されているものに対しても適用可能であることはいうまでもない。
【0011】
素子領域11が形成された半導体基板10上には、半導体基板10の素子領域11と電気的に接続するように第1コンタクト1が形成されている。また、第1コンタクト1上には、第1コンタクトと電気的に接続するように第2コンタクト2が形成されている。図1A及び図1Bにおける第1コンタクト1及び第2コンタクト2の構成は模式的なものである。第1コンタクト1及び第2コンタクト2の具体的な構成については、後に詳述する。第2コンタクト2は、上層に形成される金属配線(図示せず)に接続される。半導体基板10上に形成される半導体装置がNAND型フラッシュメモリである場合、上層の金属配線は、例えばビット線である。
【0012】
図1A及び図1Bに示すように、第1コンタクト1が隣接する素子領域11に接触すると、接続不良となり誤動作を生じるおそれがある。そのため、第1コンタクト1は、隣接する素子領域11と接触せず、且つ、第2コンタクトとは十分な余裕を持って接続されるように形成する必要がある。そのため、本実施の形態に係る半導体装置は、以下に示すような構成を有する。以下、本実施の形態に係る半導体装置の構成について、図2を参照して説明する。
【0013】
図2は、第1の実施の形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。図2は、図1A及び図1Bに示した第1コンタクト1及び第2コンタクト2の断面図である。図2に示すように、半導体基板10には等間隔にトレンチが形成されており、このトレンチに絶縁膜が埋め込まれて素子分離領域12が形成されている。この素子分離領域12に挟まれた部分が、半導体装置の素子領域11として機能する。素子領域11及び素子分離領域12上には、絶縁膜21、及び絶縁膜22が堆積されている。絶縁膜21、及び絶縁膜22は、図示しない領域に形成される半導体装置の製造工程に用いられるものである。絶縁膜21としては、例えばシリコン窒化膜(SiN)、絶縁膜22としては、例えばシリコン酸化膜(SiO2)を用いることができる。また、絶縁膜22上には、層間絶縁膜として機能する絶縁膜23、及び絶縁膜24が堆積されている。絶縁膜23としては、例えばシリコン窒化膜(SiN)、絶縁膜24としては、例えばシリコン酸化膜(SiO2)を用いることができる。
【0014】
この絶縁膜21、22、23、及び24には、その内部に第1コンタクト1が形成されるコンタクトホールCH1が形成されている。このコンタクトホールCH1は、絶縁膜22、23、及び24を貫通し、絶縁膜21の一部を除去するように形成されている。すなわち、コンタクトホールCH1は、底面がエッチングストッパとして機能する絶縁膜21に到達するように形成されている。コンタクトホールCH1の径は、底部が素子領域11の幅よりも十分に大きく、且つ、上部が後述する第2コンタクト2と確実に接続するような大きさに設定される。
【0015】
コンタクトホールCH1の底部には、スペーサ膜31が設けられている。このスペーサ膜31は、楕円形状のコンタクトホールCH1の側面に沿って一周するように設けられており、コンタクトホールCH1の底部の側面を覆っている。スペーサ膜31の略中央には、所定の素子領域11に到達するように開口Aが形成されている。スペーサ膜31は、コンタクトホールCH1の底部に設けられるものであり、コンタクトホールCH1の深さの半分より下の領域に、望ましくは下部1/3の領域に設けられる。
【0016】
コンタクトホールCH1及び開口Aの側面に沿って、バリアメタル膜32が形成される。バリアメタル膜32は、絶縁膜21乃至絶縁膜24へ金属が拡散することを防ぐために設けられるものであり、例えばチタン膜(Ti)、及び窒化チタン膜(TiN)の積層膜等が用いられる。そして、コンタクトホールCH1及び開口Aを埋め込むようにコンタクトプラグ33が設けられる。コンタクトプラグ33としては、例えばタングステン(W)が用いられる。コンタクトホールCH1内に埋め込まれたバリアメタル膜32、及びコンタクトプラグ33が、第1コンタクト1となる。
【0017】
第1コンタクト1、及び絶縁膜24の上部は、平坦化されている。第1コンタクト1、及び絶縁膜24上に、層間絶縁膜として機能する絶縁膜41が堆積されている。絶縁膜41としては、例えばシリコン酸化膜(SiO2)を用いることができる。この絶縁膜41には、その内部に第2コンタクト2が形成されるコンタクトホールCH2が形成されている。このコンタクトホールCH2は、絶縁膜41を貫通し、コンタクトプラグ33に達するように形成されている。
【0018】
コンタクトホールCH2の側面及び底面に沿って、バリアメタル膜42が形成される。バリアメタル膜42は、絶縁膜41へ金属が拡散することを防ぐために設けられるものであり、例えば窒化チタン膜(TiN)等が用いられる。そして、コンタクトホールCH2を埋め込むようにコンタクトプラグ43が設けられる。コンタクトプラグ43としては、例えばタングステン(W)が用いられる。コンタクトホールCH2内に埋め込まれたバリアメタル膜42、及びコンタクトプラグ43が、第2コンタクト2となる。
【0019】
[第1の実施の形態に係る半導体装置の効果]
このように形成された本実施の形態に係る半導体装置の効果について、比較例の半導体装置と比較して説明する。図11乃至図13は、比較例の半導体装置の構成を示す断面図である。
【0020】
図11は、コンタクトホールCH1内にスペーサ膜を設けずに、第1コンタクト1を形成した例を示している。図11に示す比較例では、コンタクトホールCH1は、テーパエッチングを用いて加工されている。すなわち、コンタクトホールCH1の上部が大きな径を持ち、下部では細く形成された素子領域11に対応するように、コンタクトホールCH1の側壁に傾きを設けている。このように形成された第1コンタクト1は、コンタクトホールCH1の加工時にエッチングストップによる未開口不良が問題となる。図11に示すように、コンタクトホールCH1の傾きを大きくしすぎると、コンタクトホールCH1の底部が半導体基板10に到達しなくなる。この場合、コンタクトプラグ33と素子領域11とが接続せず、半導体装置の動作不良をもたらす。また、半導体装置の微細化に伴い、コンタクトホールCH1形成時に用いるレジストの開口サイズを小さくすると、エッチングストップによる未開口不良がより発生しやすくなる。
【0021】
図12は、コンタクトホールCH1内にスペーサ膜31を設けて、第1コンタクト1を形成した例を示している。図12に示す比較例では、大きな径を持つコンタクトホールCH1を形成した後、下部の細く形成された素子領域11に対応するように、コンタクトホールCH1内にスペーサ膜31を設けている。しかし、このように形成された第1コンタクト1では、スペーサ膜31を形成する際、適切に加工することができず、スペーサ膜31によりコンタクトホールCH1底部が覆われたままとなってしまうことがある。この場合、コンタクトプラグ33と素子領域11とが接続せず、半導体装置の動作不良をもたらす。
【0022】
図13も、コンタクトホールCH1内にスペーサ膜31を設けて、第1コンタクト1を形成した例を示している。図13に示す比較例では、コンタクトホールCH1の底部のスペーサ膜31は適切に除去され、コンタクトプラグ33と素子領域11とが接続されている。しかし、スペーサ膜31を形成した場合、コンタクトホールCH1上部で露出するコンタクトプラグ33の面積が小さくなる。そのため、第1コンタクト1の上面と第2コンタクト2の底面との間で合わせずれが生じて、第1コンタクト1と第2コンタクト2とが接続しない接続不良が問題となる。
【0023】
一般に、第1コンタクト1は、隣接する配線とのショートを防ぐためにコンタクトホールCH1の底部をより細く形成し、第2コンタクト2との接合面積を確保するためにコンタクトホールCH1の上面を大きくすることが求められる。しかし、図11乃至図13に示した比較例の第1コンタクト1では、この要求を満たすことができない。
【0024】
これに対し、図2に示す本実施の形態に係る半導体装置によれば、コンタクトホールCH1の底部にスペーサ膜31が設けられており、このスペーサ膜31に形成された開口Aを介してコンタクトプラグ33と素子領域11とが接続している。この開口Aの径を調整することにより、開口Aの径をコンタクトホールCH1の径と比べて十分に小さく形成し、隣接する配線とのショートを防ぐことができる。
また、スペーサ膜31は、コンタクトホールCH1の上部にまでは延長していない。コンタクトホールCH1の上部では、バリアメタル膜32、及びコンタクトプラグ33のみが露出している。バリアメタル膜32と、コンタクトプラグ33とが露出している面積は、コンタクトホールCH1の上面の面積に等しく、第2コンタクト2との接合面積を十分確保することができる。このため、第1コンタクト1と第2コンタクト2とを接続するための電極パッド等を設ける必要がない。
【0025】
[第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法]
次に、本実施の形態の半導体装置の製造方法について、図3乃至図10を参照して説明する。図3乃至図10は、第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。図2に示すように、本実施の形態の半導体装置において、コンタクトホールCH1の底部に設けられたスペーサ膜31は、コンタクトホールCH1の上部までは延長していない。以下の半導体装置の製造方法では、このようなスペーサ膜31を有する第1コンタクト1の形成方法について述べる。
【0026】
図3に示すように、まず、半導体基板10にトレンチを形成した後、絶縁膜によりトレンチを埋め込み、素子領域11と絶縁分離領域12を形成する。この後、周知の方法により半導体基板10上の図示しない領域にNAND型フラッシュメモリ等の半導体装置を形成する。この半導体装置の製造に伴い、絶縁膜21、及び絶縁膜22が堆積される。この絶縁膜22の上に絶縁膜23、及び絶縁膜24を堆積する。絶縁膜21〜24は、層間絶縁膜として機能する。次に、絶縁膜24上に形成したレジストパターン(図示せず)を用いて、RIE(Reactive Ion Etching)法によりコンタクトホールCH1を形成する。上述のように、コンタクトホールCH1は、絶縁膜22、23、及び24を貫通し、絶縁膜21の一部を除去するように形成される。また、コンタクトホールCH1の径は、底部が素子領域11の幅よりも十分に大きく、且つ、上部が第2コンタクト2と確実に接続するような大きさに設定される。
【0027】
次に、図4に示すように、アッシング等により絶縁膜24上のレジストを剥離し、LP−CVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法等を用いてコンタクトホールCH1内にスペーサ膜31を成膜する。ここで、スペーサ膜31の厚さは、コンタクトホールCH1を埋め込むことのない厚さに設定される。スペーサ膜31としては、後述するエッチング時に絶縁膜24と選択比のとれる膜が用いられる。
【0028】
次に、図5に示すように、スペーサ膜31上にレジストRを堆積する。レジストRは、コンタクトホールCH1内を確実に埋め込むように堆積する。図6に示すように、スペーサ膜31上のレジストRをエッチバックして、レジストRの上面をコンタクトホールCH1内の所定の高さまで下げる。図7に示すように、スペーサ膜31に対してリン酸(H3PO4)等を用いたウェットエッチングを行う。このウェットエッチングにより、レジストRの高さよりも上部のスペーサ膜31を除去する。その結果、スペーサ膜31は、コンタクトホールCH1の底部にのみ残存する。スペーサ膜31は、コンタクトホールCH1の深さの半分より下の領域に、望ましくは下部1/3の領域に設けられる。そして、図8に示すように、アッシング等によりコンタクトホールCH1内のレジストRを除去する。
【0029】
次に、図9に示すように、コンタクトホールCH1の底部に設けられたスペーサ膜31をエッチバックして、開口Aを形成する。開口Aの底部では、素子領域11が露出している。開口Aは、スペーサ膜31が楕円形状のコンタクトホールCH1の側面に沿って一周するようにスペーサ膜31の略中央に形成される。図10に示すように、コンタクトホールCH1及び開口Aの側壁にバリアメタル膜32を形成した後、コンタクトホールCH1内にタングステン(W)を埋め込んでコンタクトプラグ33を形成する。その後、CMP(Chemical Mechanical Polishing)等により平坦化を実行して、絶縁膜24上の余分なバリアメタル膜32及びコンタクトプラグ33を除去する。これにより、第1コンタクト1を形成する。
【0030】
その後、周知の製造工程を用いて図2に示す本実施の形態の半導体装置の構造を形成する。絶縁膜24上に絶縁膜41を成膜し、絶縁膜41上に形成したレジストパターンを用いて、RIE(Reactive Ion Etching)法によりコンタクトホールCH2を形成する。コンタクトホールCH2は、コンタクトホールCH1上に位置し、その底部においてコンタクトホールCH1のコンタクトプラグ33が露出するように形成する。コンタクトホールCH2の側壁にバリアメタル膜42を形成した後、コンタクトホールCH2内にタングステン(W)を埋め込んでコンタクトプラグ43を形成する。その後、CMP(Chemical Mechanical Polishing)等により平坦化を実行して、絶縁膜41上の余分なバリアメタル膜42及びコンタクトプラグ43を除去する。これにより第2コンタクト2を形成する。このようにして、図2に示す本実施の形態の半導体装置を製造することができる。
【0031】
[第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法の効果]
本実施の形態に係るNAND型フラッシュメモリの製造方法によれば、コンタクトホールCH1の底部にスペーサ膜31を設けることができ、このスペーサ膜31に形成された開口Aを介してコンタクトプラグ33と素子領域11とが接続している。この開口Aの径を調整することにより、開口Aの径をコンタクトホールCH1の径と比べて十分に小さく、望ましくは素子領域11の幅と同様の径で形成し、隣接する配線とのショートを防ぐことができる。また、ウェットエッチングによりコンタクトホールCH1の上部のスペーサ膜31は除去されている。コンタクトホールCH1の上部では、バリアメタル膜32、及びコンタクトプラグ33のみが露出している。バリアメタル膜32と、コンタクトプラグ33とが露出している面積は、コンタクトホールCH1の上面の面積に等しく、第2コンタクト2との接合面積を十分確保することができる。このため、第1コンタクト1と第2コンタクト2とを接続するための電極パッド等を設ける必要がない。
【0032】
[第1の実施の形態に係る半導体装置の他の例]
上述の第1の実施の形態の製造方法では、コンタクトホールCH1内に埋め込んだレジストRをエッチバックして、レジストRの上面を所定の高さまで下げていた(図6参照)。このレジストRは感光性レジストに変更することができる。すなわち、コンタクトホールCH1内に感光性レジストを埋め込んだ後、露光及び現像して、感光性レジストの上面を所定の高さまで下げる。このとき、感光性レジストの上面の高さは露光量で制御することができる。これにより感光性レジストの高さを所望の高さまで下げられる。レジストRの変更以外は上述の実施の形態の製造方法と同様にして、半導体装置を形成することが可能である。
【0033】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、追加、組み合わせ等が可能である。
【符号の説明】
【0034】
1・・・第1コンタクト、 2・・・第2コンタクト、 10・・・半導体基板、 11・・・素子領域、 12・・・絶縁分離領域、 21、22、23、24・・・絶縁膜、 31・・・スペーサ膜、 32・・・バリアメタル膜、 33・・・コンタクトプラグ、 41・・・絶縁膜、 42・・・バリアメタル膜、 43・・・コンタクトプラグ、 CH1、CH2・・・コンタクトホール。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定ピッチで所定の幅の素子領域が形成された半導体基板と、
前記半導体基板上に形成された層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜の上面から前記半導体基板の前記素子領域にかけて設けられ前記素子領域に接続される第1コンタクトとを備え、
前記第1コンタクトは、
前記素子領域上の前記層間絶縁膜に形成された前記素子領域の幅よりも大きい径を少なくとも一箇所で有するコンタクトホールと、
前記コンタクトホールの底部に設けられ、前記素子領域に達する開口を有するスペーサ膜と、
前記スペーサ膜の開口を介して前記素子領域に接続されるように前記コンタクトホール内に埋め込まれたコンタクトプラグとを有する
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記スペーサ膜は、前記コンタクトホールの側面に沿って一周するように設けられていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記コンタクトプラグの上に形成され前記コンタクトプラグの上面に直接接続される第2コンタクトをさらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置。
【請求項4】
半導体基板に所定ピッチで所定の幅の素子領域を形成する工程と、
前記半導体基板上に層間絶縁膜を積層する工程と、
前記素子領域上の前記層間絶縁膜に前記素子領域の幅よりも大きい径を有するコンタクトホールを形成する工程と、
前記コンタクトホールの底部にスペーサ膜を形成する工程と、
前記スペーサ膜に前記素子領域に達する開口を形成する工程と、
前記素子領域に接続するように前記コンタクトホール内にコンタクトプラグを埋め込むことにより第1コンタクトを形成する工程とを備える
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記スペーサ膜が前記コンタクトホールの側面に沿って一周するように前記開口を形成することを特徴とする請求項4記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記コンタクトプラグの上に前記コンタクトプラグに直接接続される第2コンタクトを形成する工程をさらに備えることを特徴とする請求項4又は5記載の半導体装置の製造方法。
【請求項1】
所定ピッチで所定の幅の素子領域が形成された半導体基板と、
前記半導体基板上に形成された層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜の上面から前記半導体基板の前記素子領域にかけて設けられ前記素子領域に接続される第1コンタクトとを備え、
前記第1コンタクトは、
前記素子領域上の前記層間絶縁膜に形成された前記素子領域の幅よりも大きい径を少なくとも一箇所で有するコンタクトホールと、
前記コンタクトホールの底部に設けられ、前記素子領域に達する開口を有するスペーサ膜と、
前記スペーサ膜の開口を介して前記素子領域に接続されるように前記コンタクトホール内に埋め込まれたコンタクトプラグとを有する
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記スペーサ膜は、前記コンタクトホールの側面に沿って一周するように設けられていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記コンタクトプラグの上に形成され前記コンタクトプラグの上面に直接接続される第2コンタクトをさらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置。
【請求項4】
半導体基板に所定ピッチで所定の幅の素子領域を形成する工程と、
前記半導体基板上に層間絶縁膜を積層する工程と、
前記素子領域上の前記層間絶縁膜に前記素子領域の幅よりも大きい径を有するコンタクトホールを形成する工程と、
前記コンタクトホールの底部にスペーサ膜を形成する工程と、
前記スペーサ膜に前記素子領域に達する開口を形成する工程と、
前記素子領域に接続するように前記コンタクトホール内にコンタクトプラグを埋め込むことにより第1コンタクトを形成する工程とを備える
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記スペーサ膜が前記コンタクトホールの側面に沿って一周するように前記開口を形成することを特徴とする請求項4記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記コンタクトプラグの上に前記コンタクトプラグに直接接続される第2コンタクトを形成する工程をさらに備えることを特徴とする請求項4又は5記載の半導体装置の製造方法。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−60035(P2012−60035A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203677(P2010−203677)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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