説明

半導体装置

【課題】 高誘電率膜により構成されたゲート絶縁膜と、P型不純物を含む多結晶シリコン膜により構成されたゲート電極とを含む半導体装置において、閾値電圧の増加を抑制する。
【解決手段】 P型MOSFET120は、半導体基板(Nウェル102b)と、半導体基板上に形成され、Hf、Zr、およびランタノイド元素のいずれかからなる群から選択される第一の元素と、ならびにNとを含むシリケート化合物を含む高誘電率膜108により構成されたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に形成されるとともに、P型不純物を含む多結晶シリコン膜114により構成されたゲート電極と、ゲート絶縁膜とゲート電極との間に形成され、第一の元素と多結晶シリコン膜114との反応を阻止するとともに、比誘電率が8以上の阻止酸化膜110と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高誘電率膜により構成されたゲート絶縁膜と、P型不純物を含む多結晶シリコン膜により構成されたゲート電極とを含む半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置の構成材料として、high−k膜とよばれる高誘電率膜の利用が検討され始めている。MOSFETのゲート絶縁膜として高誘電率膜を用いることにより、ゲート絶縁膜の物理的な厚みをある程度厚くしても電気的なシリコン酸化膜換算膜厚は薄くなり、物理的・構造的に安定なゲート絶縁膜を実現することができる。このため、MOSFET特性の向上のためにMOS容量を増大させたり、ゲートリーク電流を従来のシリコン酸化膜を用いた場合に比べて低減することができる。
【0003】
特許文献1には、Si上に誘電体膜を介してSiまたはSiGeからなる電極が形成されてなる構造を少なくとも一部に有する半導体装置において、誘導体膜が、Si側から、第1の非晶質酸化膜と結晶性酸化膜と第2の非晶質酸化膜とで構成されたことを特徴とする半導体装置が記載されている。ここで、結晶性酸化膜を、ZrO、HfO、TiO、Ta、BST、STO、PZTのいずれか一又は二以上の積層により形成することが記載されている。また、第1の非晶質酸化物がSiO又はAlを含む金属酸化物であり、第2の非晶質酸化物がAlを含む金属酸化物であることが記載されている。
【0004】
特許文献1において、ゲート電極としてSi又はSiGeを用いる場合、ZrO等の結晶性酸化膜上に直接Si又はSiGeを形成すると、成膜時の還元雰囲気がZrOの粒界に作用してZrOが部分的に還元されてしまい、その結果リーク電流が増大するという問題が生じていた。特許文献1では、この問題を解決するために、ZrOの上にAl等の非晶質金属酸化物膜を形成し、Si又はSiGe電極形成時の還元雰囲気にZrOが直に接することを防止し、上記問題を解決している。
【0005】
非特許文献4には、Hfシリケート上にAlキャップ層を成膜した構造が開示されている。
【0006】
ところで、HfシリケートやZrシリケート等窒素を添加することにより、これらの材料により構成された高誘電率膜が非晶質化されることが報告されている(たとえば非特許文献1)。高誘電率膜として非晶質のものを用いた場合、上述したような粒界が存在しないため、上層にSi又はSiGeを形成しても、成膜時の還元雰囲気により高誘電率膜を構成する材料が還元されるという現象を防ぐことができる。高誘電率膜としてこのような材料により構成されたものを用いる場合、高誘電率膜自体が非晶質であるので、その上に上記のような非晶質金属酸化物膜をさらに形成する必要はなくなる。
【特許文献1】特開2002−314072号公報
【特許文献2】特表2003−514382号公報
【非特許文献1】Masahiro Koike et al, “Effect on Hf-N Bond on Properties of Thermally Stable Amorphous HfSiON and Applicability of this Material to Sub-50nm Technology Node LSIs”, 2003 IEEE, 0-7803-7873-3/03
【非特許文献2】C.Hobbs et al,“Fermi Level Pinning at the PolySi/Metal Oxide Interface”,2003 Symposium on VLSI Technology Digest of Technical Papers,4-89114-035-6/03
【非特許文献3】G.D. Wilk et al, “High-k gate dielectrics: Current status and materials properties considerations”, Journal of Applied Physics Volume 89, Number 10, pp5243-5275, 2001
【非特許文献4】E. Cartier et al, “Systematic study of pFET Vt with Hf-based gate stacks with poly-Si and FUSI gates”, 2004 Symposium on VLSI Technology Digest o Technical Papers, pp44-45, 2004
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、近年、ゲート絶縁膜として、高誘電率材料であるたとえばHfSiON膜を用いた場合、ゲート絶縁膜としてSiOを用いた場合に比べて、P型MOSFETの閾値電圧Vthが非常に高くなり、オン電流が小さくなるという課題が新たに生じることがわかってきた。最近の研究により、ゲート絶縁膜を高誘電率膜で構成し、ゲート電極を多結晶シリコンで構成した場合、フェルミレベルピニング(Fermi Level Pinning)といわれる現象が起こるとの知見が得られている(非特許文献2)。フェルミレベルピニングは、ゲート電極中のゲート絶縁膜側界面近傍において、高誘電率膜を構成する金属がゲート電極を構成する多結晶シリコン中に拡散し、シリコンと上記金属との結合に基づく準位が形成されることにより生じると考えられている。
【0008】
MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)のゲート電極の多結晶シリコン中に高誘電率膜を構成する金属が拡散すると、ゲート絶縁膜との界面近傍において多結晶シリコン中に空乏層が発生する。このような空乏層の影響で、ゲート電圧を印加してもゲート絶縁膜に充分な電界が印加されず、チャネル領域においてキャリアを誘起することが困難となる。この結果、閾値電圧が上昇するとともに、閾値電圧のばらつきが大きくなるという課題が生じていた。
【0009】
このようなフェルミレベルピニングは、とくに、Zr、Hfを高誘電率膜に用いるとともに、P型不純物を含む多結晶シリコンにより構成されたゲート電極を用いた場合に生じやすい。
【0010】
本発明は、こうした事情に鑑みてなされたものであり、高誘電率膜により構成されたゲート絶縁膜と、P型不純物を含む多結晶シリコン膜により構成されたゲート電極とを含む半導体装置において、閾値電圧の増加を抑制する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、上述したような問題への対策を検討する過程において、高誘電率膜と多結晶シリコン膜により構成されたゲート電極との間に、高誘電率膜を構成する金属が多結晶シリコン中に拡散するのを阻止する膜を形成することにより、多結晶シリコン中の空乏層の発生を抑制できると考え、阻止膜として適切な材料を種々検討した。
【0012】
その結果、本発明者は、阻止膜として、ある程度の阻止機能を有するとともに、比誘電率が大きい酸化膜を用いることにより、EOT(酸化膜換算膜厚)の低下の効果を損なうことなく、高誘電率膜を構成する金属が多結晶シリコン中に拡散するのを阻止することができることを見いだし、以下の本発明に想到した。
【0013】
本発明によれば、半導体基板と、半導体基板上に形成され、Hf、Zr、およびランタノイド元素のいずれかからなる群から選択される第一の元素と、ならびにNとを含むシリケート化合物を含む高誘電率膜により構成されたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に形成されるとともに、P型不純物を含む多結晶シリコン膜により構成されたゲート電極と、ゲート絶縁膜とゲート電極との間に形成され、第一の元素と多結晶シリコン膜との反応を阻止するとともに、比誘電率が8以上の阻止酸化膜と、を含むことを特徴とする半導体装置が提供される。
【0014】
ここで、半導体装置は、P型MOSFETとすることができる。また、半導体装置は、P型MOSFETとN型MOSFETとを含むCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)デバイスとすることもできる。ランタノイド元素は、La(ランタン)、Ce(セリウム)、Pr(プラセオジム)、Nd(ネオジム)、Pm(プロメチウム)、Sm(サマリウム)、Eu(ユウロピウム)、Gd(ガドリニウム)、Tb(テルビウム)、Dy(ジスプロシウム)、Ho(ホルミウム)、Er(エルビウム)、Tm(ツリウム)、Yb(イッテルビウム)、Lu(ルテチウム)を含む。
【0015】
本発明の半導体装置において、高誘電率膜は、非晶質とすることができる。上述したように、高誘電率膜Hfシリケート、Zrシリケート等に窒素を添加することにより、これらの材料により構成された高誘電率膜を非晶質とすることができる。これにより、高誘電率膜の耐熱性を向上させることができるとともに、リーク電流を抑えることができる。
【0016】
上記非特許文献2には、多結晶シリコンに接してHfO等の高誘電率膜を設けるとフェルミレベルピニングが生じることが報告されている。とくに、P型MOSFETにおいて、このようなフェルミレベルピニングの影響による閾値電圧の影響が大きくなる。
【0017】
しかし、本発明において、高誘電率膜と多結晶シリコン膜との間に阻止酸化膜が形成されているので、高誘電率膜を構成する金属が多結晶シリコン中に拡散する量が減り、多結晶シリコン中の空乏層の発生を抑制できる。これにより、フェルミレベルピニング発生を低減することができ、半導体装置の閾値電圧の上昇を抑制することができるとともに、閾値電圧のばらつきを小さくすることができる。
【0018】
また、阻止酸化膜として、比誘電率が8以上の酸化膜を用いているので、ゲート絶縁膜として高誘電率膜を用いたことによるEOTの低下の効果を損なうことなく、また阻止酸化膜が酸化されることにより、比誘電率が低下することもない。
【0019】
本発明の半導体装置において、阻止酸化膜は、AlおよびYからなる群から選択される第二の元素の酸化物を含むことができる。
【0020】
このような第二の元素は、多結晶シリコン膜と接しても、多結晶シリコン膜と反応して悪影響を与えるようなことがないため、阻止酸化膜の材料として良好に用いることができる。阻止酸化膜は、たとえばAl(比誘電率約8〜10)、またはY(比誘電率約15)、あるいはこれらの窒化物とすることができる。これらの材料は、非晶質であるので、高誘電率膜として上述したような非晶質の材料を用いた場合に、リーク電流を抑える効果をより高めることができる。
また、高誘電率膜を非晶質とするとともに阻止酸化膜を非晶質とすることにより、高誘電率膜が多結晶の場合に生じやすい、粒界を通して高誘電率膜中の金属原子が阻止酸化膜に拡散するという現象を抑制することができるため、金属原子の阻止能力をより高めることができる。
【0021】
本発明の半導体装置において、阻止酸化膜は、負の固定電荷を有する材料により構成することができる。
【0022】
本発明によれば、半導体基板と、半導体基板上に形成され、Hf、Zr、およびランタノイド元素のいずれかからなる群から選択される第一の元素と、ならびにNとを含むシリケート化合物を含む高誘電率膜により構成されたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に形成されるとともに、P型不純物を含む多結晶シリコン膜により構成されたゲート電極と、ゲート絶縁膜とゲート電極との間に形成され、負の固定電荷を有する材料により構成されるとともに、比誘電率が8以上の阻止酸化膜と、を含むことを特徴とする半導体装置が提供される。
【0023】
図4は、高誘電率膜としてHfSiONを用い、高誘電率膜に接してP型不純物を含む多結晶シリコン膜が形成された場合の界面の状態を示す模式図である。図4(b)は、図4(a)の拡大図である。ここでは、高誘電率膜により構成されたゲート絶縁膜中のHfが多結晶シリコン膜により構成されたゲート電極中のSiと反応してHf−Si結合が形成され、この結合が界面トラップを発生している。P型不純物を含む多結晶シリコン膜の正孔がこの界面トラップに捕獲され、正の界面トラップ電荷が生じ、Vfb(フラットバンド電圧)およびVth(閾値電圧)が負方向にシフトしてしまう。
【0024】
上述したように、高誘電率膜と多結晶シリコン膜との間に阻止酸化膜を設けることにより、第一の元素と多結晶シリコン膜との反応を阻止することができ、界面電荷の量を低減することができる。これにより、空乏層の発生を抑制でき、フェルミレベルピニングの発生を低減することができる。また、高誘電率膜を負の固定電荷を有する材料により構成することにより、正の界面トラップ電荷を打ち消すことができる。これにより、半導体装置の閾値電圧の上昇をより効果的に抑制することができるとともに、ばらつきを小さくすることができる。
【0025】
上述したAlは、負の固定電荷を有することも知られており(たとえば非特許文献3、特許文献2等)、阻止酸化膜をAlにより構成することにより、さらに効果的にフェルミレベルピニングの影響を低減することができる。
【0026】
本発明の半導体装置において、ゲート絶縁膜における第一の元素に対する阻止酸化膜における第二の元素の比は、0.15以上(モル比)とすることができる。これにより、阻止酸化膜のバリア性を確保することができる。
【0027】
また、本発明の半導体装置において、ゲート絶縁膜における第一の元素に対する阻止酸化膜における第二の元素の比は、2以下(モル比)とすることができる。これにより、ゲート絶縁膜として高誘電率膜を用いたことによるEOTの低下の効果を確保することができる。また、P型不純物を含む多結晶シリコン膜により構成されたゲート電極を含むP型MOSFETと同時にP型不純物を含む多結晶シリコン膜により構成されたゲート電極を含むN型MOSFETを形成した場合でも、N型MOSFETの特性を損なうことなく、P型MOSFETの閾値電圧の上昇を抑制することができる。
【0028】
本発明の半導体装置において、高誘電率膜は、HfSiONにより構成することができる。高誘電率膜がHfを含む場合に、上述したようなフェルミレベルピニングの影響が大きくなる。しかし、本発明によれば、高誘電率膜と多結晶シリコン膜との間に阻止酸化膜が設けられているので、高誘電率膜の材料としてHfを用いた場合でも、フェニルレベルピニングの影響を低減することができる。また、高誘電率膜は、ZrSiONや窒化ランタノイドシリケートとすることもできる。
【0029】
本発明の半導体装置は、半導体基板とゲート絶縁膜との間に設けられたシリコン酸化膜をさらに含むことができる。このシリコン酸化膜は、窒素を含むこともできる。
【0030】
半導体基板と高誘電率膜との間にシリコン酸化膜を設けることにより、高誘電率膜中の金属が半導体基板に拡散等するのを防ぐことができる。
【0031】
本発明の半導体装置は、半導体基板上に形成され、Hf、Zr、およびランタノイド元素のいずれかからなる群から選択される第一の元素と、ならびにNとを含むシリケート化合物を含む高誘電率膜により構成された第二のゲート絶縁膜と、第二のゲート絶縁膜の高誘電率膜に接して形成されるとともに、N型不純物を含む多結晶シリコン膜により構成された第二のゲート電極と、をさらに含むことができる。
【0032】
本発明の半導体装置は、N型MOSFETとP型MOSFETとを含むCMOSデバイスとすることができる。ここで、P型MOSFETにおいては、高誘電率膜と多結晶シリコン膜との間に阻止酸化膜を設けた構成とすることができ、N型MOSFETにおいては、阻止酸化膜を設けることなく、高誘電率膜上に多結晶シリコン膜を直接配置した構成とすることができる。これにより、P型MOSFETにおいて閾値電圧の上昇を抑制することができるとともに、N型MOSFET118の特性を良好に保つことができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、高誘電率膜により構成されたゲート絶縁膜と、P型不純物を含む多結晶シリコン膜により構成されたゲート電極とを含む半導体装置において、閾値電圧の増加を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0035】
図1は、本実施の形態における半導体装置100の構成を示す断面図である。本実施の形態において、半導体装置100は、P型MOSFET120を含む。
【0036】
半導体装置100は、N型の導電型を有するNウェル102bが設けられたシリコン基板102と、Nウェル102bに形成された一対の不純物拡散領域122と、これらの間に設けられたチャネル領域(不図示)と、チャネル領域上に形成されたシリコン酸化膜106と、シリコン酸化膜106上に形成された高誘電率膜108と、高誘電率膜108上に形成された阻止酸化膜110と、阻止酸化膜110上に形成された多結晶シリコン膜114と、側壁絶縁膜116とを有する。シリコン酸化膜106および高誘電率膜108によりゲート絶縁膜が構成され、多結晶シリコン膜114によりゲート電極が形成される。多結晶シリコン膜114には、B(ホウ素)等のP型不純物がドープされている。以上の要素により、P型MOSFET120が構成される。
【0037】
高誘電率膜108は、酸化シリコンよりも比誘電率の高い膜であり、いわゆるhigh−k膜を用いることができる。高誘電率膜108は、比誘電率10以上の材料により構成することができる。具体的には、高誘電率膜108は、Hf、Zr、およびランタノイド元素からなる群から選択される一または二以上の元素、ならびにN(窒素)を含むシリケート膜とすることができる。このような材料を用いることにより、高誘電率膜108の比誘電率を高くすることができるとともに、良好な耐熱性を付与することができる。そのため、MOSFETのサイズ縮小化、信頼性向上に寄与することができる。
【0038】
ここで、高誘電率膜108を構成する全元素に対する高誘電率膜108中の窒素の含有率は、5原子%以上とすることができる。これにより、高誘電率膜108を非晶質にすることができ、リーク電流を抑えることができる。また、高誘電率膜108を構成する全元素に対する高誘電率膜108中の窒素の含有率は、20原子%以下とすることができる。これにより、界面特性を良好に保つことができる。
【0039】
阻止酸化膜110は、高誘電率膜108に含まれる金属元素が多結晶シリコン膜114に拡散するのを阻止する機能を有する。また、阻止酸化膜110は、比誘電率8以上の材料により構成された酸化膜とすることができる。具体的には、阻止酸化膜110は、AlおよびYからなる群から選択される元素の酸化物、または酸窒化物を含むことができる。阻止酸化膜110は、たとえばAl膜またはY膜とすることができる。これらの材料により構成された膜は、比誘電率が高く、酸化されているため、酸化により膜質が変化して比誘電率が低下するということもない。そのため、ゲート絶縁膜として上述したような高誘電率膜108を用いたことによるEOTの低下の効果を損なうことなく、高誘電率膜108に含まれる金属元素が多結晶シリコン膜114に拡散するのを阻止することができる。また、これらの材料は非晶質であるため、高誘電率膜108として非晶質の材料を用いた場合に、リーク電流を抑える効果をより高めることができる。また、阻止酸化膜110としては、窒素を含む膜を用いることができる。阻止酸化膜110として窒素を含む膜を用いた場合、金属原子の拡散を阻止する能力をより高めることができる。この場合、阻止酸化膜110における阻止酸化膜110を構成する全元素に対する当該阻止酸化膜110中の窒素の含有率が、5原子%以上となるようにすることができる。
【0040】
阻止酸化膜110の膜厚は、たとえば0.2nm以上とすることができる。これにより、高誘電率膜108に含まれる金属元素が多結晶シリコン膜114に拡散するのを阻止する機能を充分にすることができる。また、阻止酸化膜110の膜厚は、たとえば1nm以下とすることができる。これにより、ゲート絶縁膜として上述したような高誘電率膜108を用いたことによるEOTの低下の効果を損なうことなく、高誘電率膜108に含まれる金属元素が多結晶シリコン膜114に拡散するのを阻止する機能を確保することができる。ここで、単に膜厚というときは、積層方向の膜厚を示す。
【0041】
また、阻止酸化膜110は、負の固定電荷を有する材料により構成することができる。図4を参照して上述したように、高誘電率膜108中の金属元素が多結晶シリコン膜114に拡散すると、金属元素と多結晶シリコン膜114中のSiとの結合が形成される。この結合が界面トラップを発生し、P型不純物を含む多結晶シリコン膜の正孔がこの界面トラップに捕獲され、正の界面電荷が生じる。阻止酸化膜110が負の固定電荷を有していると、当該負の固定電荷が正の界面電荷を打ち消すことができ、P型MOSFET120の閾値電圧の上昇をより効果的に抑制することができる。
【0042】
Alは、負の固定電荷を有することが知られており、阻止酸化膜110としてAlを用いることにより、上述した高誘電率膜108に含まれる金属元素が多結晶シリコン膜114に拡散するのを阻止する機能とともに、正の界面電荷を打ち消すこともでき、P型MOSFET120の閾値電圧の上昇をより効果的に抑制することができる。
【0043】
高誘電率膜108を構成する材料として、上述したような元素を含むものを用いた場合、P型MOSFET120において、フェルミレベルピニングの影響により、閾値電圧が上昇してしまうという課題が生じ得るが、本実施の形態における半導体装置100の構成によれば、P型MOSFET120の高誘電率膜108と多結晶シリコン膜114との間に阻止酸化膜110が設けられるので、フェルミレベルピニングの影響を低減することができる。
【0044】
図2および図3は、図1に示した構成の半導体装置100の製造手順の一例を示す工程断面図である。ここでは、P型MOSFET120とともに、N型MOSFET118も同時に形成してCMOSデバイスを製造する手順を示す。
【0045】
まず、公知の技術により、シリコン基板102に、STI(Shallow Trench Isolation)による素子分離領域(STI)104を形成した後、P型不純物をイオン注入してPウェル102a、N型不純物をイオン注入してNウェル102bを、それぞれ形成する(図2(a))。素子分離領域104は、たとえばLOCOS法等の公知の他の方法で形成してもよい。素子分離領域104により、Pウェル102aとNウェル102bとが分離される。
【0046】
つづいて、公知の技術により、Pウェル102aおよびNウェル102bにチャネル領域をそれぞれ形成する。なお、Pウェル102aおよびNウェル102bのチャネル領域の下方に、N型不純物およびP型不純物をそれぞれイオン注入することにより、パンチスルーストッパー領域を形成することもできる。このようなパンチスルーストッパー領域を形成することにより、短チャネル効果を抑制することができる。
【0047】
つづいて、シリコン基板102の表面にシリコン酸化膜106(たとえば膜厚約1nm〜2nm)を形成する(図2(b))。シリコン酸化膜106は、たとえばシリコン基板102の表面を熱酸化することにより形成することができる。熱酸化の条件としては、たとえば、処理温度900℃、処理時間40秒〜50秒程度とすることができる。
【0048】
つづいて、シリコン酸化膜106上に、高誘電率膜108(たとえば膜厚約2nm)を形成する(図2(c))。高誘電率膜108は、CVD法、ALD法(原子層堆積法)、スパッタ法等により成膜することができる。本実施の形態では、高誘電率膜108としてHfSiONを採用する。この成膜は、まず、有機ハフニウム原料ガス、酸化性ガスおよびシリコン含有ガスを用いて行う。ここで、たとえば、酸化性ガスとして酸素、シリコン含有ガスとしてモノシラン(SiH)を用いることができる。これにより、ハフニウムシリケート(HfSiO)が形成される。
【0049】
この後、たとえばアンモニア等の窒素含有ガスを用いてアニールを行う。この条件としては、処理温度900〜1000℃、処理時間40秒等とする。アニールを行うことにより、ハフニウムシリケート中に窒素が導入され、高誘電率膜108が非晶質化される。窒素の導入は、窒素プラズマ処理により行うこともできる。また、スパッタ時等、高誘電率膜108成膜時に窒素を導入して、HfSiONを製造することもできる。さらに、反応スパッタにより、HfSiNを成膜後、酸化処理を行うことにより、HfSiONを製造することもできる。
【0050】
つづいて、高誘電率膜108上に、阻止酸化膜110(たとえば膜厚約0.7nm)を形成する(図2(d))。阻止酸化膜110は、CVD法、ALD法、スパッタ法により成膜することができる。本実施の形態では、阻止酸化膜110としてAlを採用する。この成膜は、Al(CHとOやHO等の酸化性ガスとを原料として、ALD法により行う。
【0051】
ここで、阻止酸化膜110は、高誘電率膜108中に含まれるHf、Zr、およびランタノイド元素に対する阻止酸化膜110中に含まれるAlやYの比は、0.15以上、より好ましくは0.5以上(モル比)となるように構成することができる。これにより、阻止酸化膜110のバリア性を確保することができる。また、阻止酸化膜110は、高誘電率膜108中に含まれるHf、Zr、およびランタノイド元素に対する阻止酸化膜110中に含まれるAlやYの比は、2以下(モル比)となるようにすることができる。これにより、N型MOSFET118の特性も良好に保つことができる。
【0052】
また、阻止酸化膜110としてAlを用いた場合、Alは窒化してもよい。Alを窒化した窒化酸化膜を用いることによりEOTの増加や閾値電圧の増加なしにさらに信頼性の向上を行うことができる。
【0053】
その後、阻止酸化膜110上に、多結晶シリコン膜114を成膜する(図3(e))。次いで、Pウェル102a上に成膜された多結晶シリコン膜114にはN型不純物をイオン注入し、Nウェル102b上に成膜された多結晶シリコン膜114にはP型不純物をイオン注入する。
【0054】
つづいて、シリコン酸化膜106、高誘電率膜108、阻止酸化膜110、および多結晶シリコン膜114を選択的にドライエッチングし、ゲート電極の形状に加工する(図3(f))。次いで、Pウェル102a上において、シリコン酸化膜106、高誘電率膜108、阻止酸化膜110、および多結晶シリコン膜114の側壁に側壁絶縁膜115を形成する。また、Nウェル102b上において、シリコン酸化膜106、高誘電率膜108、阻止酸化膜110、および多結晶シリコン膜114の側壁に側壁絶縁膜116を形成する。側壁絶縁膜115および側壁絶縁膜116は、たとえば、フルオロカーボンガスなどを用いた異方性エッチングにより形成することができる。
【0055】
つづいて、Pウェル102aおよびNウェル102b表面に、それぞれ、チャネル領域と後述する不純物拡散領域との電気的接続部であるソース/ドレインエクステンション領域を形成する。
【0056】
次に、Pウェル102a上において、ゲート電極および側壁絶縁膜115をマスクとして、Pウェル102aの表層にPやAs等のN型不純物をドープして不純物拡散領域121を形成する。また、Nウェル102b上において、ゲート電極および側壁絶縁膜116をマスクとして、Nウェル102bの表層にBやAl等のP型不純物をドープして不純物拡散領域122を形成する(図3(g))。これにより、ソース領域およびドレイン領域が形成される。その後、非酸化雰囲気中で、たとえば1000℃程度の熱処理を行うことにより、不純物の活性化を行う。以上のプロセスにより、N型MOSFET118とP型MOSFET120とを有するCMOSデバイスである半導体装置100が形成される。
【0057】
本実施の形態で示したように、高誘電率膜108を窒化しておくことにより、イオン注入後の活性化において、高温熱処理が施されても結晶化が起こらないようにすることができ、高誘電率膜108を非晶質状態に保つことができる。このように、高誘電率膜108を非晶質状態に保つことにより、高誘電率膜108上に阻止酸化膜110を形成した場合に、高誘電率膜108が多結晶の場合に比べて金属原子の拡散阻止能力を高めることができる。とくに、非晶質の高誘電率膜108と非晶質の阻止酸化膜110とを用いることにより、金属原子の拡散阻止能力をより高めることができる。
【0058】
以上のように、本実施の形態における半導体装置100によれば、P型MOSFET120の高誘電率膜108と多結晶シリコン膜114との間に阻止酸化膜110が設けられるので、フェルミレベルピニングの影響を低減することができる。これにより、P型MOSFET120の閾値電圧の上昇を抑制することができるとともに、閾値電圧のばらつきを小さくすることができる。
【実施例1】
【0059】
(例1)
図1に示したのと同様の構成のP型MOSFET120において、高誘電率膜108と多結晶シリコン膜114との間に設ける阻止膜として、(i)SiO膜、(ii)SiN膜、(iii)Al膜について、高誘電率膜を構成する金属が多結晶シリコン中に拡散するのを阻止する機能(以下「阻止機能」という)を有するか否かを検討した。
【0060】
以下に結果を示す。
(i)SiO:阻止機能を実効性のある程度まで満たすためには、SiO膜の膜厚をかなり厚くしなければならず、SiO膜の比誘電率が低いため、ゲート絶縁膜として高誘電率膜を用いたことによるEOT(SiO換算膜厚)の低下の効果を損なうことが判明した。
【0061】
(ii)SiN膜:阻止機能はある程度あった。しかし、SiN膜は、SiO膜よりも比誘電率が高いが、高誘電率膜と接すると、その中に含まれる酸素により酸化され、SiO膜になってしまう。そのため、動作時に比誘電率が下がってしまい、ゲート絶縁膜として高誘電率膜を用いたことによるEOTの低下の効果を損なうことが判明した。
【0062】
(iii)Al膜:比誘電率も高く、阻止機能もSiO膜より大きかった。そのため、阻止機能を実効性のある程度まで満たす膜厚としても、ゲート絶縁膜として高誘電率膜を用いたことによるEOTの低下の効果を損なわなかった。
【0063】
(例2)
図1に示したのと同様の構成のP型MOSFET120を製造した。ここでは、側壁絶縁膜116は形成しなかった。
シリコン基板102に、1.0−2.0nm程度のシリコン酸化膜106を形成し、その上にHfSiO膜をCVD法により、1−2.5nm程度成膜した。つづいて、この構造をプラズマ窒化してHfSiON膜(高誘電率膜108)を形成した。次いで、高誘電率膜108上にAl膜(阻止酸化膜110)を成膜した。阻止酸化膜110の上にポリシリコン層(多結晶シリコン膜114)を成長し、パターニングを行うことによってゲート電極を形成した。続いてイオン注入を行ってソース、ドレイン(不純物拡散領域122)を形成した。その後、活性化処理を1000℃程度でアニールを行い、トランジスタ構造を作成した。
ここで、Al膜(阻止酸化膜110)の膜厚を、2Å、4Å、または8Åとしたトランジスタ構造を作成した。
【0064】
(比較例1:Ref.1)
シリコン基板に、シリコン酸化膜を形成し、その上にポリシリコン層を成長し、パターニングを行うことによってゲート電極を形成した。続いてイオン注入を行ってソース、ドレインを形成した。その後、活性化処理を1000℃程度でアニールを行い、トランジスタ構造を作成した。
【0065】
(比較例2:Ref.2)
シリコン基板に、1.6−2.5nm程度のシリコン酸化膜を形成し、その上にHfSiO膜をCVD法により、1−2.5nm程度成膜した。つづいて、この構造をプラズマ窒化してHfSiON膜を形成した。次いで、その上にポリシリコン層を成長し、パターニングを行うことによってゲート電極を形成した。続いてイオン注入を行ってソース、ドレインを形成した。その後、活性化処理を1000℃程度でアニールを行い、トランジスタ構造を作成した。
【0066】
(比較例3)
シリコン基板に、1.6−2.5nm程度のシリコン酸化膜を形成し、その上にHfSiO膜をCVD法により、1−2.5nm程度成膜した。その後、プラズマ窒化を行うことなく、その上にAl膜を成膜した。Al膜の上にポリシリコン層を成長し、パターニングを行うことによってゲート電極を形成した。続いてイオン注入を行ってソース、ドレインを形成した。その後、活性化処理を1000℃程度でアニールを行い、トランジスタ構造を作成した。
【0067】
図5に、例2で作成したトランジスタ構造における、閾値電圧VthとAl膜厚との関係を示す。
ここで、トランジスタ構造に、Al膜を導入することにより、比較例2のAl膜を導入していない構造に比べて、閾値電圧Vthが上昇し、Al膜の膜厚を2Åとすることにより、トランジスタの特性改善に最低必要な100mVの上昇を行うことができた。Al膜厚の増加に伴ってVthは上昇した。
【0068】
図6に、例2で作成したトランジスタ構造における、EOTとAl膜厚との関係を示す。
Al膜の膜厚増加にしたがってEOTは増加した。Al膜の膜厚が8Åとなると、EOTが2Å(0.2nm)増加した。そのため、Alの膜厚がこれより厚くなると、高誘電率膜を用いた効果を相殺してしまう。
【0069】
以上の結果から、Al膜厚2Å以上8Å以下の範囲(モル比:0.16以上1.6以下)で、トランジスタ特性の改善とEOTの低減を行って良好なトランジスタが提供されることが示された。
【0070】
なお、比較例3のHfSiO膜では、長期信頼性寿命が10年に達していなかった。これは、HfSiO膜に結晶質部分が含まれ、その部分がリークパスになったためと考えられる。
一方、例2のHfSiON膜では、長期信頼性寿命が10年以上であることが確認された。例2のHfSiON膜は、ソース、ドレイン形成後の活性化処理の後も、非晶質状態で存在することが確認された。これにより、信頼性が向上したと考えられる。
【0071】
以上、図面を参照して本発明の実施の形態および実施例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0072】
以上の例では、N型MOSFET118も阻止酸化膜110を含む構成としたが、N型MOSFET118は、阻止酸化膜110を有しない構成とすることができる。これにより、P型MOSFET120においては、阻止酸化膜110を設けることにより閾値電圧の上昇を抑制することができるとともに、N型MOSFET118の特性を良好に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】実施の形態における半導体装置の構成の一例を示す断面図である。
【図2】実施の形態における半導体装置の製造手順の一例を示す工程断面図である。
【図3】実施の形態における半導体装置の製造手順の一例を示す工程断面図である。
【図4】高誘電率膜としてHfSiONを用い、高誘電率膜に接してP型不純物を含む多結晶シリコン膜が形成された場合の界面の状態を示す模式図である。
【図5】例2で作成したトランジスタ構造における、閾値電圧VthとAl膜厚との関係を示す図である。
【図6】例2で作成したトランジスタ構造における、EOTとAl膜厚との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
100 半導体装置
102 シリコン基板
102a Pウェル
102b Nウェル
104 素子分離領域
106 シリコン酸化膜
108 高誘電率膜
110 阻止酸化膜
114 多結晶シリコン膜
116 側壁絶縁膜
118 N型MOSFET
120 P型MOSFET
121 不純物拡散領域
122 不純物拡散領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板上に形成され、Hf、Zr、およびランタノイド元素のいずれかからなる群から選択される第一の元素と、ならびにNとを含むシリケート化合物を含む高誘電率膜により構成されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成されるとともに、P型不純物を含む多結晶シリコン膜により構成されたゲート電極と、
前記ゲート絶縁膜と前記ゲート電極との間に形成され、前記第一の元素と前記多結晶シリコン膜との反応を阻止するとともに、比誘電率が8以上の阻止酸化膜と、
を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記阻止酸化膜は、AlおよびYからなる群から選択される第二の元素の酸化物を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記阻止酸化膜は、負の固定電荷を有する材料により構成されたことを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
半導体基板と、
前記半導体基板上に形成され、Hf、Zr、およびランタノイド元素のいずれかからなる群から選択される第一の元素と、ならびにNとを含むシリケート化合物を含む高誘電率膜により構成されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成されるとともに、P型不純物を含む多結晶シリコン膜により構成されたゲート電極と、
前記ゲート絶縁膜と前記ゲート電極との間に形成され、負の固定電荷を有する材料により構成されるとともに、比誘電率が8以上の阻止酸化膜と、
を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれかに記載の半導体装置において、
前記阻止酸化膜は、Alにより構成されたことを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項5に記載の半導体装置において、
前記阻止酸化膜は、Alを窒化した窒化酸化膜により構成されたことを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項1乃至6いずれかに記載の半導体装置において、
前記ゲート絶縁膜における前記第一の元素に対する前記阻止酸化膜における前記第二の元素の比は、0.15以上(モル比)であることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項1乃至7いずれかに記載の半導体装置において、
前記ゲート絶縁膜における前記高誘電率膜を構成する全元素に対する当該高誘電率膜中の窒素の含有率が、5原子%以上であることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項1乃至8いずれかに記載の半導体装置において、
前記高誘電率膜は、非晶質であることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項1乃至9いずれかに記載の半導体装置において、
前記高誘電率膜は、HfSiONにより構成されたことを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
請求項1乃至10いずれかに記載の半導体装置において、
前記半導体基板と前記ゲート絶縁膜との間に設けられたシリコン酸化膜をさらに含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項1乃至11いずれかに記載の半導体装置において、
前記半導体基板上に形成され、Hf、Zr、およびランタノイド元素のいずれかからなる群から選択される第一の元素と、ならびにNとを含むシリケート化合物を含む高誘電率膜により構成された第二のゲート絶縁膜と、
前記第二のゲート絶縁膜の前記高誘電率膜に接して形成されるとともに、N型不純物を含む多結晶シリコン膜により構成された第二のゲート電極と、
をさらに含むことを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−86511(P2006−86511A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−233411(P2005−233411)
【出願日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】