説明

半導体装置

【課題】バイポーラトランジスタにおける高利得化および低雑音化を同時に実現できる技術を提供する。
【解決手段】ベースパッド31およびコレクタパッド32の下部にエミッタ(基準(接地)電位)と電気的に接続された配線24が設けられた基板シールド構造とすることにより、ベースパッド31およびコレクタパッド32と配線24との間では容量が設けられた構造として電力消費をなくし、基板1からの熱雑音は、配線24を介して基準(接地)電位へと逃がし、ベースパッド31およびコレクタパッド32へは届かないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に、デジタル無線通信機器のフロントエンド部における送受信用の低ノイズ増幅器(LNA;Low Noise Amplifier)もしくは電力増幅器に含まれるバイポーラトランジスタに適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
たとえば、マイクロ波集積回路用の半導体集積装置において、パッド部の前面直下にグランドプレートとなる下層配線を配置せずに拡散層の表面にシリサイド層を形成してこれをシールドプレートとし、下層配線からシリサイド拡散層へグランド電位を供給することにより、熱ノイズおよび寄生容量の低減を同時に達成する技術がある(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−168100号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者は、たとえばデジタルコードレス電話などのデジタル無線通信機器のフロントエンド部における送受信用のLNAに適用されるバイポーラトランジスタについて検討している。この種のトランジスタを開発するに当たって、高利得化、低雑音化、および周波数特性の向上といった項目が重要視される。本発明者は、これら重要視される項目のうち、高利得化および低雑音化について特に着目しつつバイポーラトランジスタの開発を進めている。その中で、本発明者らは以下のような課題を見出した。
【0004】
すなわち、上記バイポーラトランジスタにおいて、高利得化と低雑音化とはお互いにトレードオフの関係にあり、両方を同時に実現することが困難である。
【0005】
また、半導体基板(以下、単に基板と記す)の主面にベース、コレクタおよびエミッタを設ける一方、基板の主面とは反対側の裏面と上記エミッタとを電気的に接続して同電位に設定した構造の基板エミッタ構造のバイポーラトランジスタがある。この基板エミッタ構造のバイポーラトランジスタにおいては、バイポーラトランジスタとするために基板の主面に設けられたベースパッドおよびコレクタパッドと基板との間に、容量と抵抗とが直列に接続されたCR直列回路が設けられる。しかしながら、このCR直列回路は、インピーダンスとなってバイポーラトランジスタに入力された電力を消費してしまうことから、高利得化を阻害してしまう課題が存在する。また、そのCR直列回路は、インピーダンスとなって電力を消費することにより熱を発生し、熱の発生によって熱雑音を発生してしまうことから、低雑音化を阻害してしまう課題が存在する。
【0006】
本発明の目的は、バイポーラトランジスタにおける高利得化および低雑音化を同時に実現できる技術を提供することにある。
【0007】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0009】
本発明による半導体装置は、
バイポーラトランジスタを有し、
(a)第1導電型の半導体基板と、
(b)前記半導体基板上に形成されたコレクタ用の第2導電型の第1半導体層と、
(c)前記第1半導体層上に形成され、前記第1半導体層より不純物濃度が低いコレクタ用の第2導電型の第2半導体層と、
(d)前記第2半導体層内に形成され、前記第1半導体層と前記第2半導体層とを電気的に接続し、前記第2半導体層より不純物濃度が高い第3半導体層と、
(e)前記第2半導体層上に形成されたベース用の第1導電型の第4半導体層と、
(f)前記第3半導体層内に形成されたエミッタ用の第2導電型の第5半導体層と、
(g)前記第4半導体層および前記第5半導体層より上層に形成された第1配線層と、
(h)前記第1配線層より上層に形成され、前記第1半導体層および前記第2半導体層と電気的に接続されたコレクタ用の第1電極と、
(i)前記第1配線層より上層に形成され、前記第4半導体層と電気的に接続されたベース用の第2電極と、
(j)前記第1配線層より上層に形成され、前記第5半導体層と電気的に接続されたエミッタ用の第3電極とを備え、
前記第1配線層に含まれ、前記第1電極下および前記第2電極下のうちの選択された1つ以上に配置された第1配線は、基準電位と電気的に接続されているものである。
【0010】
また、本発明による半導体装置は、
バイポーラトランジスタを有し、
(a)第1導電型の半導体基板と、
(b)前記半導体基板上に形成されたコレクタ用の第2導電型の第1半導体層と、
(c)前記第1半導体層上に形成され、前記第1半導体層より不純物濃度が低いコレクタ用の第2導電型の第2半導体層と、
(d)前記第2半導体層内に形成され、前記第1半導体層と前記第2半導体層とを電気的に接続し、前記第2半導体層より不純物濃度が高い第3半導体層と、
(e)前記第2半導体層上に形成されたベース用の第1導電型の第4半導体層と、
(f)前記第3半導体層内に形成されたエミッタ用の第2導電型の第5半導体層と、
(g)前記第4半導体層および前記第5半導体層より上層に形成された第1導電体層と、
(h)前記第1導電体層より上層に形成され、前記第1半導体層および前記第2半導体層と電気的に接続されたコレクタ用の第1電極と、
(i)前記第1導電体層より上層に形成され、前記第4半導体層と電気的に接続されたベース用の第2電極と、
(j)前記第1導電体層より上層に形成され、前記第5半導体層と電気的に接続されたエミッタ用の第3電極とを備え、
前記第1導電体層は、前記第4半導体層と電気的に接続された第1導電体片と、前記第1電極下および前記第2電極下のうちの選択された1つ以上に配置された第2導電体片とを含み、
前記第2導電体片は、基準電位と電気的に接続されているものである。
【発明の効果】
【0011】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0012】
すなわち、バイポーラトランジスタにおける高利得化および低雑音化を同時に実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0014】
(実施の形態1)
本実施の形態1の半導体装置は、たとえばデジタル無線通信機器のフロントエンド部における送受信用の低ノイズ増幅器(LNA;Low Noise Amplifier)もしくは電力増幅器に適用される出力約1Wクラスのバイポーラトランジスタを含むものである。この本実施の形態1の半導体装置について、その製造工程に沿って説明する。
【0015】
まず、図1に示すように、たとえばp型(第1導電型)のシリコンからなる半導体基板(以降、単に基板と記す)1に、フォトリソグラフィ(以下、単にリソグラフィと記す)工程を経て、イオン注入法または熱拡散法等により、n型(第2導電型)のコレクタ埋め込み領域(第1半導体領域)2を形成する。この際、コレクタ埋め込み領域2の抵抗を低くするため、高濃度で浅い接合を形成するのに適したAs(ヒ素)を用いる。これにより、コレクタ埋め込み領域2の抵抗を低くすることができるので、コレクタ抵抗を低減できる。続いて、n型のコレクタ埋込領域2とアイソレーションするため、リソグラフィ工程を経て、イオン注入法または熱拡散法等により、p型の分離領域3を形成する。この分離領域3の不純物濃度がコレクタと基板1との間の容量を決めるパラメータとなるため最適化を図る。
【0016】
次に、図2に示すように、基板1の主面上にエピタキシャル法によりn型のSiエピタキシャル層を形成することにより、n型のコレクタ領域(第2半導体層)4を形成する。この際、p型の分離領域3と、これに囲まれた活性領域とのアイソレーションを考慮し、n型のコレクタ領域4の不純物濃度を低くする。これは、n型のコレクタ領域4の不純物濃度が高いと、p型の分離領域3がn型に反転し、アイソレーションできなくなる可能性があるためであり、n型のコレクタ領域4の不純物濃度は最適化が重要である。その後、上記活性領域のアイソレーションのため、リソグラフィ工程を経て、イオン注入法または熱拡散法等により、p型の分離領域5を形成する。
【0017】
次に、図3に示すように、上記エピタキシャル層の上面上に分離部6を形成することにより、エピタキシャル層の上面部に上記活性領域を形成する。この際、エミッタ−ベース接合領域用の活性領域と、コレクタ引出領域用の活性領域とを同時に形成する。本実施の形態1では、n型のコレクタ領域4、p型のベース領域、p型のベース引出領域およびエミッタ領域が、n型のコレクタ埋め込み領域2およびn型のコレクタ引き出し領域により取り囲まれる、いわゆるエンクローチ型コレクタレイアウトを採用する。これにより、上記のようにコレクタからベースに流れる電流の経路を増加させることができ、かつ、電流集中を緩和できるので、コレクタ抵抗の低減と、素子破壊耐量の向上とを同時に実現できる。なお、p型のベース領域、p型のベース引出領域、エミッタ領域およびn型のコレクタ引き出し領域は、後の工程で形成するものであり、その工程時に詳述する。
【0018】
続いて、リソグラフィ工程を経て、イオン注入法等により、n型のコレクタ引き出し領域7を形成する。この際、コレクタ引き出し領域7は、コレクタ領域4の上面からコレクタ埋め込み領域2に達するようにしなければならないため、コレクタ引き出し領域7を形成するための不純物として、たとえば拡散係数の大きいP(リン)を用いる。また、コレクタ引き出し領域(第3半導体層)7の抵抗はコレクタ抵抗に影響するため低抵抗化が必要である。
【0019】
次に、図4に示すように、上記エミッタ−ベース接合領域用の活性領域に、リソグラフィ工程を経て、イオン注入法等により、p型のベース領域(第4半導体層)8を形成し、pn接合を形成する。続いて、図5に示すように、基板1上にp型の不純物(たとえばB)が導入された多結晶シリコン膜を堆積した後、その多結晶シリコン膜をリソグラフィ工程によってパターニングし、ベース引き出し電極9を形成する。
【0020】
次に、図6に示すように、たとえば熱CVD(Chemical Vapor Deposition)法によって酸化シリコン膜10を堆積した後、その酸化シリコン膜10をリソグラフィ工程によってパターニングし、ベース領域8上に開口部を形成する。続いて、その開口部内を含む基板1上に窒化シリコン膜11を堆積した後、その窒化シリコン膜11をリソグラフィ工程によってパターニングし、窒化シリコン膜11をその開口部の底面の一部および側面に残す。続いて、基板1上にn型の不純物(たとえばAsまたはP)が導入された多結晶シリコン膜を堆積した後、その多結晶シリコン膜をリソグラフィ工程によってパターニングし、エミッタ引き出し電極12を形成する。このエミッタ引き出し電極11を形成するn型の多結晶シリコン膜は、たとえばIDP(In Situ phosphorus-Doped Polysilicon)を適用し、バイポーラトランジスタQeの電流増幅率hFEの温度依存性を考慮する。これは、温度依存性に優れているIDP膜を使用することにより、高出力デバイス用途の中で重要となる熱による素子破壊を低減または防止するためである。
【0021】
次いで、基板1に熱処理を施すことにより、ベース引き出し電極9およびエミッタ引き出し電極12から不純物を拡散させ、ベース領域8にp型のベース引き出し領域13およびn型のエミッタ領域(第5半導体層)14を自己整合的に形成する。
【0022】
次に、図7に示すように、たとえばCVD法等により基板1上に酸化シリコン膜を堆積することにより、絶縁膜15を形成する。続いて、リソグラフィ工程によってその絶縁膜15をパターニングし、コンタクトホール16を形成する。続いて、たとえばコンタクトホール16内を含む基板1上に薄い窒化チタン膜を堆積した後、基板1上にW(タングステン)膜を堆積し、そのW膜でコンタクトホール16を埋め込む。続いて、CMP法によりコンタクトホール16外のW膜および窒化チタン膜を除去し、ベース引き出し電極9と電気的に接続するプラグ17、エミッタ引き出し電極12と電気的に接続するプラグ18、およびコレクタ引き出し電極7と電気的に接続するプラグ19を形成する。
【0023】
続いて、たとえば基板1上に窒化チタン膜、Al(アルミニウム)膜および窒化チタン膜を順次堆積して積層膜を形成した後、リソグラフィ工程によってこの積層膜をパターニングすることによって第1配線層を形成する。それにより、プラグ17と電気的に接続する配線21、プラグ18と電気的に接続する配線22、プラグ19と電気的に接続する配線23、および配線(第1配線)24が形成される。
【0024】
次に、図8に示すように、たとえばCVD法等により基板1上に酸化シリコン膜を堆積することにより、絶縁膜25を形成する。続いて、リソグラフィ工程によってその絶縁膜25をパターニングし、第1配線層に達するコンタクトホールを形成した後、そのコンタクトホール内に前述のプラグ17〜19と同様のプラグ26を形成する。次いで、配線21〜24を形成した工程と同様の工程により、プラグ26と電気的に接続する配線27を含む第2配線層を形成する。
【0025】
次に、図9に示すように、たとえばCVD法等により基板1上に酸化シリコン膜を堆積することにより、絶縁膜28を形成した後、リソグラフィ工程によってこの絶縁膜28をパターニングし、配線27に達するコンタクトホール29を形成する。続いて、基板1上に、たとえば窒化チタン膜およびAl膜を順次堆積することによって積層膜を形成した後、リソグラフィ工程によってこの積層膜をパターニングし、配線27と電気的に接続する配線30、ベースパッド(第2電極)31、エミッタパッドおよびコレクタパッド(第1電極)32を形成する。ベースパッド31、エミッタパッドおよびコレクタパッド32は、それぞれ個別に設けるものであり、図9は、ベースパッド31もしくはコレクタパッド32が配置された断面を図示したものである。ベースパッド31は、図9中では図示されない配線30、配線27およびプラグ26を介して、ベース領域8と電気的に接続する配線21と電気的に接続されている。エミッタパッドは、配線30、配線27およびプラグ26を介して、エミッタ領域14と電気的に接続する配線22と電気的に接続されている。コレクタパッド32は、図9中では図示されない配線30、配線27およびプラグ26を介して、コレクタ領域4と電気的に接続する配線23と電気的に接続されている。また、エミッタパッドおよびエミッタ領域14と電気的に接続された配線30は、図9中では図示されない配線27およびプラグ26を介して、配線24と電気的に接続されている。
【0026】
次に、図10に示すように、配線30、ベースパッド31、エミッタパッドおよびコレクタパッド32を覆う酸化シリコン膜を基板1上に堆積することにより、最終の表面保護用の絶縁膜33を形成する。続いて、リソグラフィ工程によってこの絶縁膜33をパターニングし、ベースパッド31、コレクタパッド32およびエミッタパッド(第3電極)34のそれぞれに達する開口部35を形成する(図11参照)。なお、図11は、開口部35を形成した時点における基板1の上面(平面)の要部を図示したものである。この時、本実施の形態1のバイポーラトランジスタは基板エミッタ構造なので、チップの主面(デバイス形成面)からコレクタ電極を引き出せる。これにより、コレクタ用のボンディングパッドであるコレクタパッド32を複数設けることができ、コレクタ用のワイヤの数を増やすことができるので、インピーダンスの改善(低減)が可能となる。
【0027】
次に、基板1の裏面を研削した後、その裏面に、たとえばAu(金)等のような導電性膜を蒸着法等により被着する。この研削処理では、放熱性の向上を考慮して最終的なチップの厚さが薄くなるように仕上げる。
【0028】
次に、基板1を個々の半導体チップ(以下、単にチップと記す)へ分割する。続いて、図12に示すように、分割されたチップ1Cを、その主面(デバイス形成面)を上に向け、かつ、基板1の裏面を配線基板のエミッタ配線ELに接触させた状態で、配線基板の主面上に実装する。続いて、ボンディングワイヤBWを用いて、配線基板のベース配線BLとベースパッド31とを電気的に接続し、配線基板のコレクタ配線CLとコレクタパッド32とを電気的に接続し、配線基板のエミッタ配線ELとエミッタパッド34とを電気的に接続する。
【0029】
ここで、図13および図14は、上記の本実施の形態1のバイポーラトランジスタを含むデジタル無線通信機器のフロントエンド部の回路ブロックの例を示しており、図13は2GHz帯のデジタルコードレス電話のフロントエンド部の例であり、図14は5GHz帯のデジタルコードレス電話のフロントエンド部の例である。このフロントエンド部は、アンテナANT、送受信信号切換スイッチSWおよびベースバンド処理部B/Bの他、その送受信信号切換スイッチSWとベースバンド処理部B/Bとの間に、受信系のLNAL1、LNA用のバッファ回路LNAB、ダウンコンバータ回路DC、ローパスフィルタLPFおよびIF(Inter mediate Frequency)アンプIFA1の一群と、送信系の電力増幅器(Power Amplifier)PA、電力増幅器用のドライバ回路PAD、アップコンバータ回路UCおよびIFアンプIFA2の一群と、PLL周波数シンセサイザ(Phase Locked Loop Frequency Synthesizer)PSY、高周波(RF:Radio Frequency)用の電圧制御発振回路(Voltage Controlled Oscillator)VCOおよび発振回路用の出力バッファ回路OSBの一群とを有している。
【0030】
また、本実施の形態においては、2GHz帯とは1.8〜2.4GHzの周波数帯域のことを指し、5GHz帯とは5.0〜6.0GHzの周波数帯域のことを指す。特に2GHz帯においては、1.8、1.9および2.4GHzの周波数が一般的に用いられ、デジタルコードレス電話もしくは無線LAN等の用途として用いられる。また、5GHz帯においては、5.2および5.8GHzの周波数が一般的に用いられ、5.2GHzではデジタルコードレス電話、5.8GHzでは無線LANとして用いられる事が多い。
【0031】
本実施の形態1のバイポーラトランジスタを含む半導体装置は、たとえば上記受信系増幅器のLNAL1、バッファ回路LNAB、送信系増幅器の電力増幅器(Power Amplifier)PA、ドライバ回路PADおよびプリドライバ回路等に適用されている。なお、上記ドライバ回路PADの前段にプリドライバ回路を設けても良い。図13および図14中において、一点鎖線で囲んだ領域CHP1、CHP2、CHP3のそれぞれは、1つのチップとして形成されている。
【0032】
図15は、遮断周波数・耐圧積のグラフ図を示している。遮断周波数・耐圧積とは、一般に高周波(RF)バイポーラトランジスタの性能指数を示しており、数値が高いほどそのデバイスは優れていることを示している。同図から、本実施の形態1のバイポーラトランジスタのラインにおいて、ベース開放のコレクタ−エミッタ間電圧VCEOが4V以上のデバイスは、上記電力増幅器PAとして使用し、4V以下のデバイスは、上記LNAL1として使用している。その理由は、それぞれのデバイスに印加される電圧が、送信段の電力増幅器PAは高く、受信段のLNAL1は比較的小さいためである。また、LNAL1は高周波領域での低雑音を重視するため遮断周波数fの高いデバイスが要求されるからである。一方、Siデバイスのラインにおいて、ベース開放のコレクタ−エミッタ間電圧VCEOが4V以上のデバイスは、上記電圧制御発振回路VCOとして使用している。
【0033】
本実施の形態1によれば、図12に示したボンディングワイヤBWを用いた電気的接続により、バイポーラトランジスタのエミッタは、基板1の裏面と電気的に接続し、基準(接地)電位とすることができる。また、エミッタと電気的に接続する配線24についても基準(接地)電位とすることができる。ここで、図16は、ベースパッド31およびコレクタパッド32の下部にエミッタ(基準(接地)電位)と電気的に接続された配線24を設けていない場合の半導体装置の要部断面図である。図16に示したような構造の場合には、ベースパッド31およびコレクタパッド32と基板1との間に、容量Cおよび抵抗RによるCR直列回路が設けられた構造となる。このようなCR直列回路が設けられた場合には、CR直列回路がインピーダンスとなってバイポーラトランジスタに入力された電力を消費してしまうことから、高利得化を阻害してしまうことが懸念される。本発明者は、その高利得化を阻害するバイポーラトランジスタにおける高周波平均電力損失について検討した。この高周波平均電力損失をPaveとし、ベースパッド31もしくはコレクタパッド32に入力される信号の電圧をVmとし、fをベースパッド31もしくはコレクタパッド32に入力される信号の周波数とすると、Pave=1/2×Vm×(fR)/(1+f)と表すことができる。図17は、そのPaveの式におけるRと(fR)/(1+f)の値(電力損失)との関係をグラフ化したものであり、fが2GHzおよび5GHzのそれぞれの場合についてと、Cが0.1pFおよび0.2pFのそれぞれの場合についての合計4通りの例について示している。図17に示すように、fおよびCが大きいほど電力損失が大きくなることがわかる。
【0034】
また、上記CR直列回路は、インピーダンスとなって電力を消費することにより熱を発生し、熱の発生によって熱雑音を発生してしまうことから、低雑音化を阻害してしまうことが懸念される。ここで、図18は、雑音指数の周波数特性を示している。横軸は周波数、縦軸は雑音指数(NF:Noise Figure)を示している。図16に示した構造を有するバイポーラトランジスタ、および本実施の形態1のバイポーラトランジスタの使用周波数fは、2GHz以上であり分配雑音(Partition noise)領域に含まれる。分配雑音は、バイポーラトランジスタのエミッタから注入された電流がベースとコレクタとに分かれるが、この分配比の微小なゆらぎにより発生する雑音である。雑音指数について、雑音指数の最小値をNFminとし、入力電圧をViとし、入力電流をIiとし、kをボルツマン定数とし、Tを温度とし、Δfを周波数の変化量とすると、NFmin=1+(ViIi1/2/2kTΔfと定義することができる。また、rbをベース抵抗とし、rsを基板抵抗とし、nを入力側への寄与率(%)とし、gmを相互コンダクタンスとし、qを電子の電荷の絶対値とし、Ibをベース電流とし、Icをコレクタ電流とすると、Vi/Δf=4kTrb+4kTrsn+2kT/gmと定義でき、Ii/Δf=2qIb+2qIc×(f/f)と定義することができる。
【0035】
一方、図19は、ベースパッド31およびコレクタパッド32の下部にエミッタ(基準(接地)電位)と電気的に接続された配線24が設けられた構造(以降、基板シールド構造と記す)を有する本実施の形態1の半導体装置の要部断面図である。このような基板シールド構造とした場合には、ベースパッド31およびコレクタパッド32と配線24との間では容量Cが設けられた構造(図10も参照)となるために電力消費はなくなる。また、配線24は、最下層の第1配線層で形成されているので、ベースパッド31およびコレクタパッド32と配線24との間に存在する容量Cの値を最小値とすることができる。それにより、本実施の形態1のバイポーラトランジスタの高周波特性を向上することが可能となる。
【0036】
また、配線24と基板1との間にはCR直列回路が設けられた構造(図10も参照)となるが、前述したように配線24は基準(接地)電位と電気的に接続されていることから、基板1からの熱雑音は、配線24を介して基準(接地)電位へと逃がし、ベースパッド31およびコレクタパッド32へは届かないようにすることができる。さらに、配線24は、Alを主導電層とした低抵抗金属配線であることから、熱雑音を基準(接地)電位へ逃がしやすくなっている。すなわち、抵抗Rが0となることから上記高周波平均電力損失は0となり、基板シールド構造とした本実施の形態1によれば、高利得化および低雑音化を実現することが可能となる。
【0037】
図20は、図18を用いて説明した雑音指数NFとコレクタ電流Icとの関係について、実際の数値を代入してグラフ化したものであり、図16に示した従来の構造の場合と、図19に示した本実施の形態1の基板シールド構造の場合との2通りの例について図示している。図20に示すグラフを求める際の前提条件として、f=5.8GHz、fmax=36GHz/33GHz、電流利得hFE=200、rb=20Ω、およびrs=110Ωとしている。図20に示すように、図16に示したような構造を有するバイポーラトランジスタに比べて、図19に示すような基板シールド構造を有する本実施の形態1のバイポーラトランジスタは、雑音指数が小さくなっており、低雑音化を可能としている。ここで、入力側への寄与率nを10%とすると、基板抵抗の熱雑音への影響は約0.3dBと考えられる。
【0038】
図21は、図16に示した従来の構造を有するバイポーラトランジスタと、図19に示した基板シールド構造を有する本実施の形態1のバイポーラトランジスタとにおける、コレクタ電流Icと電力利得PGとの関係について図示したものである。電力利得PGは、Cjcをベース・コレクタ間容量とするとPG=10log(f/CjcrbCjc)と定義できるものである。図21に示すグラフを求める際の前提条件として、f=5.8GHz、fmax=36GHz/33GHz、rb=20Ω、およびCjc=0.12pFとしている。図21に示すように、図16に示したような構造を有するバイポーラトランジスタは、基板シールド構造としないことによる電力損失の影響が約1.0dBであると考えられる。すなわち、図16に示したような構造を有するバイポーラトランジスタに比べて、図19に示すような基板シールド構造を有する本実施の形態1のバイポーラトランジスタは、電力利得を向上することができる。
【0039】
(実施の形態2)
次に、本実施の形態2について説明する。
【0040】
図22に示すように、本実施の形態2では、前記実施の形態1で形成した配線24(図10参照)を省略し、配線27を含む第2配線層において、ベースパッド31およびコレクタパッド32下に配線(第1配線)27Aを配置したものである。この配線27Aは、前記実施の形態1で説明した配線24と同様に、エミッタ(基準(接地)電位)と電気的に接続されている。このような構造とした場合でも、前記実施の形態1で説明した基板シールド構造とすることができ、ベースパッド31およびコレクタパッド32と配線27Aとの間では容量Cが設けられた構造となるために電力消費はなくなる。また、配線27Aと基板1との間にはCR直列回路が設けられた構造となるが、前述したように配線27Aは基準(接地)電位と電気的に接続されていることから、基板1からの熱雑音は、配線27Aを介して基準(接地)電位へと逃がし、ベースパッド31およびコレクタパッド32へは届かないようにすることができる。さらに、配線27Aは、Alを主導電層とした低抵抗金属配線であることから、熱雑音を基準(接地)電位へ逃がしやすくなっている。すなわち、抵抗Rが0となることから上記高周波平均電力損失は0となり、基板シールド構造とした本実施の形態1によれば、高利得化および低雑音化を実現することが可能となる。
【0041】
上記のような本実施の形態2によっても前記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0042】
(実施の形態3)
次に、本実施の形態3について説明する。
【0043】
図23に示すように、本実施の形態3では、前記実施の形態1で形成した配線24(図10参照)を省略し、ベース引き出し電極(第1導電体片)9を形成したp型の多結晶シリコン膜(第1導電体層)を用いてベースパッド31およびコレクタパッド32下に導体片(第2導電体片)9Aを配置したものである。導体片9Aは、多結晶シリコンを主成分としていることから、配線24に比べて抵抗が高く、低抵抗化が求められる。そこで、たとえばベース引き出し電極9および導体片9Aとなる多結晶シリコン膜を堆積した後、パターニングを行う前にその多結晶シリコン膜上にCo(コバルト)膜を堆積し、熱処理を施すことによって多結晶シリコン膜の表面にCoシリサイド層(化合物層)9Bを形成して低抵抗化する。この導体片9Aは、前記実施の形態1で説明した配線24と同様に、エミッタ(基準(接地)電位)と電気的に接続されている。このような構造とした場合でも、前記実施の形態1で説明した基板シールド構造とすることができ、ベースパッド31およびコレクタパッド32と導体片9Aとの間では容量Cが設けられた構造となるために電力消費はなくなる。また、導体片9Aと基板1との間にはCR直列回路が設けられた構造となるが、前述したように導体片9Aは基準(接地)電位と電気的に接続されていることから、基板1からの熱雑音は、導体片9Aを介して基準(接地)電位へと逃がし、ベースパッド31およびコレクタパッド32へは届かないようにすることができる。さらに、導体片9Aは、表面にCoシリサイド層9Bが形成されて低抵抗化されていることから、熱雑音を基準(接地)電位へ逃がしやすくなっている。すなわち、抵抗Rが0となることから上記高周波平均電力損失は0となり、基板シールド構造とした本実施の形態1によれば、高利得化および低雑音化を実現することが可能となる。
【0044】
(実施の形態4)
本実施の形態4の半導体装置は、高周波高出力用途で用いられる出力約3W〜5Wクラスのバイポーラトランジスタを含むものである。
【0045】
前記実施の形態1においては、ベースパッド31およびコレクタパッド32下に配線24(図10参照)を配置した例について説明したが、本実施の形態4は、配線24はコレクタパッド32下のみに配置したものである。また、図24および図25に示すように、前記実施の形態1に比べてコレクタパッド32の配置数を増やし、コレクタパッド32に接続するボンディングワイヤBWの数を増やしている。高出力とするためには、出力側のインピーダンスを低減することが求められるが、コレクタパッド32に接続するボンディングワイヤBWの数が増やしたことにより、出力側のインピーダンスを低減することができる。また、ベースパッド31下の配線24を省略したことにより、ベースパッド31と配線24との間で形成された容量C(図10参照)がなくなるので、入力容量を低減することができる。
【0046】
上記の本実施の形態4では、配線24を配置した例について説明したが、前記実施の形態2で説明した配線27Aもしくは前記実施の形態3で説明した導体片9Aを用いた場合でも、コレクタパッド32下のみに配置することによって同様の効果を得ることができる。
【0047】
(実施の形態5)
本実施の形態5の半導体装置は、たとえば高周波用のnチャネル型MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)を有するものであり、図26は、その要部断面図である。
【0048】
図26に示すように、本実施の形態5の半導体装置は、p型のシリコンからなる基板1上にp型のエピタキシャル層1Bが形成され、そのエピタキシャル層1Bの表面には、前記実施の形態1で説明した分離部6(図3参照)と同様の分離部6が形成され、活性領域を規定している。その活性領域においては、エピタキシャル層1B中にp型ウエル1Pが形成され、p型ウエル1Pの表面にはMISFETのソース・ドレインとなるn型半導体領域1Nが形成されている。ソース・ドレイン間のチャネル上には、ゲート絶縁膜を介して、たとえば多結晶シリコン膜から形成されたゲート電極G1が形成されている。分離部6上においては、ゲート電極G1を形成する多結晶シリコン膜と同じ多結晶シリコン膜から形成された導体片(第3導電体片)G2が形成されている。図示は省略するが、ゲート電極G1および導体片G2の表面には、前記実施の形態3で説明したCoシリサイド層9B(図23参照)と同様のCoシリサイド層が形成され、低抵抗化されている。ゲート電極G1および導体片G2上には、窒化シリコン膜15Aおよび酸化シリコン膜15Bが形成され、これら窒化シリコン膜15Aおよび酸化シリコン膜15Bがゲート電極G1および導体片G2を覆っている。窒化シリコン膜15Aおよび酸化シリコン膜15Bには、n型半導体領域1Nおよびゲート電極G1に達するコンタクトホールがそれぞれ形成され、そのコンタクトホール内には前記実施の形態1で説明したプラグ17〜19と同様のプラグ20S、20G、20Dが形成されている。酸化シリコン膜15B上には、前記実施の形態1で説明した配線30、ベースパッド31およびコレクタパッド32と同様の工程で形成された配線37、38、39、ゲートパッド(第5電極)40、ドレインパッド(第4電極)41およびソースパッド(第6電極(図示は省略))が形成されている。ゲートパッド40は、図26中では図示されない配線、配線38およびプラグ20Gを介してゲート電極G1と電気的に接続している。ドレインパッド41は、図26中では図示されない配線、配線39およびプラグ20Dを介してMISFETのドレインとなるn型半導体領域1Nと電気的に接続している。ソースパッドは、図26中では図示されない配線、配線37およびプラグ20Sを介してMISFETのソースとなるn型半導体領域1Nと電気的に接続している。ゲートパッド40、ドレインパッド41およびソースパッドは、ボンディングワイヤ(図示は省略)によって配線基板(図示は省略)に電気的に接続されている。また、このボンディングワイヤによる電気的接続によってソースパッドは基板1の裏面と電気的に接続され、ソースを基準(接地)電位とすることができる。さらに、前述の導体片G2は、ゲートパッド40およびドレインパッド41下に配置され、ソース(基準(接地)電位)と電気的に接続されている。
【0049】
上記のような本実施の形態5のnチャネル型MISFETにおいても、前記実施の形態1〜4で説明したバイポーラトランジスタと同様に、基板シールド構造とすることができる。それにより、ゲートパッド40およびドレインパッド41と配線27Aとの間では容量Cが設けられた構造となるために電力消費はなくなる。また、導体片G2と基板1との間にはCR直列回路が設けられた構造となるが、前述したように導体片G2は基準(接地)電位と電気的に接続されていることから、基板1からの熱雑音は、導体片G2を介して基準(接地)電位へと逃がし、ゲートパッド40およびドレインパッド41へは届かないようにすることができる。さらに、配線27Aは、Alを主導電層とした低抵抗金属配線であることから、熱雑音を基準(接地)電位へ逃がしやすくなっている。すなわち、抵抗Rが0となることから上記高周波平均電力損失は0となり、基板シールド構造とした本実施の形態1によれば、高利得化および低雑音化を実現することが可能となる。さらに、導体片G2は、表面にCoシリサイド層が形成されて低抵抗化されていることから、熱雑音を基準(接地)電位へ逃がしやすくなっている。すなわち、抵抗Rが0となることから前記実施の形態1で説明した高周波平均電力損失は0となり、基板シールド構造とした本実施の形態5によれば、高利得化および低雑音化を実現することが可能となる。
【0050】
上記の本実施の形態5では、多結晶シリコン膜から形成された導体片G2を配置する場合について説明したが、基板1上に多層に配線層を形成し、そのうちの1層においてゲートパッド40およびドレインパッド41下に配線を配置し、その配線をソース(基準(接地)電位)と電気的に接続した構造としてもよい。
【0051】
なお、上記の本実施の形態5では、nチャネル型MISFETを有する半導体装置について説明したが、pチャネル型MISFETを有する半導体装置についても同様の基板シールド構造を適用することができる。
【0052】
上記のような本実施の形態5によっても前記実施の形態1〜4と同様の効果を得ることができる。
【0053】
(実施の形態6)
次に、本実施の形態6について説明する。
【0054】
図27に示すように、本実施の形態6では、前記実施の形態1で形成した配線24(図10参照)を省略し、分離部(第1絶縁膜)6の下部に、たとえばAsまたはPを導入することによってn型半導体層(第6半導体層)NSを形成し、前記実施の形態1でも説明した基板シールド構造としたものである。このn型半導体層NSは、ベースパッド31、コレクタパッド32およびエミッタパッド34の下部に配置されるように形成する。また、平面でエミッタパッド34の全域において、エミッタパッド34下には複数のプラグPLGおよび配線(図示は省略)を形成し、これらプラグPLGおよび配線を介してエミッタパッド34とn型半導体層NSとが電気的に接続されるようにする。なお、図27中においては、本実施の形態6の半導体装置の構造をわかりやすくするために、第1配線層より上層の配線層については、ベースパッド31、コレクタパッド32およびエミッタパッド34を除いて図示は省略している。
【0055】
型半導体層NSは、プラグPLGを介してエミッタ(基準(接地)電位)と電気的に接続されている。このような構造とした場合でも、前記実施の形態1で説明した基板シールド構造とすることができ、ベースパッド31およびコレクタパッド32と配線27Aとの間では容量Cが設けられた構造となるために電力消費はなくなる。また、n型半導体層NSと基板1との間にはCR直列回路が設けられた構造となるが、前述したようにn型半導体層NSは基準(接地)電位と電気的に接続されていることから、基板1からの熱雑音は、n型半導体層NSを介して基準(接地)電位へと逃がし、ベースパッド31およびコレクタパッド32へは届かないようにすることができる。すなわち、抵抗Rが0となることから上記高周波平均電力損失は0となり、基板シールド構造とした本実施の形態1によれば、高利得化および低雑音化を実現することが可能となる。また、平面でエミッタパッド34の全域において、エミッタパッド34下に複数のプラグPLGを配置して、エミッタパッド34の全域でn型半導体層NSと電気的に接続する構造としている。それにより、エミッタパッド34とn型半導体層NSとのコンタクト抵抗を低減できる。その結果、n型半導体層NSと基準(接地)電位との電気的接続を強化することができる。
【0056】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の半導体装置は、たとえばデジタルコードレス電話などのデジタル無線通信機器のフロントエンド部などに広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施の形態1である半導体装置の製造方法を説明する要部断面図である。
【図2】図1に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図3】図2に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図4】図3に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図5】図4に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図6】図5に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図7】図6に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図8】図7に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図9】図8に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図10】図9に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図11】本発明の実施の形態1である半導体装置の製造工程中の要部平面図である。
【図12】本発明の実施の形態1である半導体装置の製造工程中の要部平面図である。
【図13】本発明の実施の形態1である半導体装置を含むデジタル無線通信機器のフロントエンド部の回路ブロック図である。
【図14】本発明の実施の形態1である半導体装置を含むデジタル無線通信機器のフロントエンド部の回路ブロック図である。
【図15】遮断周波数・耐圧積のグラフ図である。
【図16】本発明の実施の形態1である半導体装置と比較した半導体装置の要部断面図である。
【図17】高周波平均電力損失を示す説明図である。
【図18】雑音指数の周波数特性を示す説明図である。
【図19】本発明の実施の形態1である半導体装置の要部断面図である。
【図20】雑音指数とコレクタ電流との関係について、実際の数値を代入してグラフ化した説明図である。
【図21】コレクタ電流と電力利得との関係について示した説明図である。
【図22】本発明の実施の形態2である半導体装置の要部断面図である。
【図23】本発明の実施の形態3である半導体装置の要部断面図である。
【図24】本発明の実施の形態4である半導体装置の要部平面図である。
【図25】本発明の実施の形態4である半導体装置の要部平面図である。
【図26】本発明の実施の形態5である半導体装置の要部断面図である。
【図27】本発明の実施の形態6である半導体装置の要部断面図である。
【符号の説明】
【0059】
1 基板
1B エピタキシャル層
1C チップ
2 コレクタ埋め込み領域(第1半導体領域)
3 分離領域
4 コレクタ領域(第2半導体層)
5 分離領域
6 分離部(第1絶縁膜)
7 コレクタ引き出し領域(第3半導体層)
8 ベース領域(第4半導体層)
9 ベース引き出し電極(第1導電体片)
9A 導体片(第2導電体片)
9B Coシリサイド層(化合物層)
10 酸化シリコン膜
11 窒化シリコン膜
12 エミッタ引き出し電極
13 ベース引き出し領域
14 エミッタ領域(第5半導体層)
15 絶縁膜
16 コンタクトホール
17〜19 プラグ
20、20D、20G、20S プラグ
21〜23 配線
24 配線(第1配線)
25 絶縁膜
26 プラグ
27 配線
27A 配線(第1配線)
28 絶縁膜
29 コンタクトホール
30 配線
31 ベースパッド(第2電極)
32 コレクタパッド(第1電極)
33 絶縁膜
34 エミッタパッド(第3電極)
35 絶縁膜
37、38、39 配線
40 ゲートパッド(第5電極)
41 ドレインパッド(第4電極)
ANT アンテナ
B/B ベースバンド処理部
BL ベース配線
BW ボンディングワイヤ
CL コレクタ配線
DC ダウンコンバータ回路
EL エミッタ配線
G1 ゲート電極
G2 導体片(第3導電体片)
IFA1、IFA2 IF アンプ
L1 LNA
LNAB バッファ回路
LPF ローパスフィルタ
NS n型半導体層(第6半導体層)
OSB 出力バッファ回路
PLG プラグ
PA 電力増幅器
PAD ドライバ回路
PSY PLL周波数シンセサイザ
SW 送受信信号切換スイッチ
UC アップコンバータ回路
VCO 電圧制御発振回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
MISFETを有し、
(a)第1導電型の半導体基板と、
(b)前記半導体基板の主面に形成された第1導電型のウエルと、
(c)前記ウエル内に形成され、前記MISFETのソース、ドレインとなる第2導電型の半導体領域と、
(d)前記半導体領域より上層に形成されたゲート電極と、
(e)前記ゲート電極より上層に形成され、前記半導体領域と電気的に接続されたドレイン用の第4電極と、
(f)前記ゲート電極より上層に形成され、前記ゲート電極と電気的に接続されたゲート用の第5電極と、
(g)前記ゲート電極より上層に形成され、前記半導体領域と電気的に接続されたソース用の第6電極とを備え、
前記第4電極下および前記第5電極下のうちの選択された1つ以上に配置された第3導電体片は、基準電位と電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第3導電体片は、前記MISFETの前記ソースとなる前記半導体領域と電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項2記載の半導体装置において、
前記MISFETの前記ソースとなる前記半導体領域および前記第6電極は、前記半導体基板に電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第3導電体片は、前記ゲート電極より上層に形成された配線層に含まれることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項4記載の半導体装置において、
前記配線層は、金属を主成分とすることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1記載の半導体装置において、
前記ゲート電極および前記第3導電体片は、同じ導電体層に含まれていることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項6記載の半導体装置において、
前記導電体層は、シリコンを主成分とし、表面に前記シリコンと金属との化合物層が形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
バイポーラトランジスタを有し、
(a)第1導電型の半導体基板と、
(b)前記半導体基板の主面に形成され、素子分離領域を形成する第1絶縁膜と、
(c)前記半導体基板上に形成されたコレクタ用の第2導電型の第1半導体層と、
(d)前記第1半導体層上に形成され、前記第1半導体層より不純物濃度が低いコレクタ用の第2導電型の第2半導体層と、
(e)前記第2半導体層内に形成され、前記第1半導体層と前記第2半導体層とを電気的に接続し、前記第2半導体層より不純物濃度が高い第3半導体層と、
(f)前記第2半導体層上に形成されたベース用の第1導電型の第4半導体層と、
(g)前記第4半導体層内に形成されたエミッタ用の第2導電型の第5半導体層と、
(h)前記第1配線層より上層に形成され、前記第1半導体層および前記第2半導体層と電気的に接続されたコレクタ用の第1電極と、
(i)前記第1配線層より上層に形成され、前記第4半導体層と電気的に接続されたベース用の第2電極と、
(j)前記第1配線層より上層に形成され、前記第5半導体層と電気的に接続されたエミッタ用の第3電極と、
(k)前記第3電極下を含む前記第1絶縁膜下に形成され、前記第2半導体層より不純物濃度が高い第6半導体層と、
(l)前記第3電極下に形成され、前記第3電極と前記第6半導体層とを電気的に接続する1つ以上のプラグとを備え、
前記第6半導体層は、前記第1電極下および前記第2電極下のうちの選択された1つ以上に配置され、基準電位と電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項8記載の半導体装置において、
前記第5半導体層および前記第3電極は、前記半導体基板に電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項8記載の半導体装置において、
前記第6半導体層は、前記第1電極下にのみ配置され、
前記バイポーラトランジスタの出力は1W以上であることを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2007−266621(P2007−266621A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−142792(P2007−142792)
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【分割の表示】特願2004−180722(P2004−180722)の分割
【原出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】