説明

半導体装置

【課題】起動回路と周辺回路とを併せて集積化し得る半導体装置を提供する。
【解決手段】領域411においては、素子分離領域により規定されるドレイン領域121にボディ領域が形成され、ボディ領域にN型のソース領域が形成される。ドレイン領域121とN型のソース領域との間に第1のゲート電極20が配置される。素子分離領域は開口部133が形成されたループ状部と、開口部133を介してドレイン領域121に接続された延在領域122を規定する部分とを備える。延在領域122に、N型のソース引出領域が形成される。内部回路412においては、ドレイン領域121にP型のボディ領域が形成され、P型のボディ領域にN型のソース領域が形成され、ドレイン領域121とN型のソース領域との間に第2のゲート電極331が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、詳しくは、高耐圧半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電源用ICに使用される起動回路には、高耐圧のMOSFET、例えば、LDMOS(Laterally Diffused MOS)が一般に使用されている。従来の起動回路は、図32Aに示すように、LDMOS411のドレイン−ゲート間に数MΩの抵抗Rを接続し、LDMOS411の駆動及びオフ時のバイアス電流を制御している。
【0003】
この回路構成では、主電源のオンにより、起動端子Tにハイレベルの電圧が印加されると、抵抗Rを介してLDMOS411のゲートにハイレベルの電圧が印加されて、LDMOS411がオンし、内部回路412に電流が供給される。
その後、内部回路412が動作して、LDMOSのゲート電圧をローレベルにすると、LDMOS411はオフし、内部回路412への電流の供給が停止する。
【0004】
この起動回路では、抵抗Rを介して電源電圧に応じたバイアス電流が常時流れる。このため、低消費電力化に適していない。また、LDMOS411のドレインは、ICパッケージのピンに直接ワイヤボンディングされるため、静電気などが印加された場合に、抵抗が破壊されることがある。
【0005】
そこで、図32Bに示す回路構成を採用し、LDMOS411の駆動及びリーク電流の制御を、JFET413により行うことで、上記の問題点を改善することが考えられる。この回路構成によれば、LDMOS411がオフしている期間のバイアス電流が、JFET413の飽和電流に規定され、電圧に対する電流が一定値となる。また、サージ電圧に弱い高抵抗を使用しないため、破壊に強くなる。
【0006】
しかし、この起動回路をそのままIC化すると、高耐圧素子が2つ必要となり、広いチップ面積を占有してしまう。
【0007】
また、起動回路以外にも、周辺回路として、大電流を流すためのパワーMOS、パワーMOSに流れる電流を検出するためのセンスMOS等を起動回路に接続する必要があり、煩雑である。
また、JFET(Junction Field-Effect Transistor)を用いて起動用素子の高耐圧化と低オン抵抗化とを行う技術が特許文献1に開示されている。しかし、このようなJFETの構成を採用すると素子面積が大きくなると共に2つの独立した高耐圧素子が必要である点に変わりはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−127073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであって、起動回路と周辺回路とを併せて集積化し得る半導体回路を提供することを目的とする。
また、本発明は、単一の半導体装置に、複数の回路素子を効率よく組み込むことを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の半導体装置は、
第1導電型の層と、
前記第1導電型の層上に形成された第2導電型の層と、
前記第2導電型の層の表面領域から前記第1導電型の層に至り、前記第2導電型のドレイン領域として機能する素子領域を規定する第1導電型の素子分離領域と、
前記素子領域に形成された第1導電型の第1の領域と、
該第1導電型の第1の領域に形成された第2導電型の第1のソース領域と、
前記第1導電型の第1の領域内において、前記ドレイン領域と前記第2導電型の第1のソース領域との間に位置する領域の上に形成された第1のゲート電極と、
前記第2導電型の層内において、逆バイアス時に、前記第1導電型の素子分離領域、前記第1導電型の層、及び前記第1導電型の第1の領域の内の少なくともいずれか1つから延びる空乏層により前記ドレイン領域との間のチャネルが制御される位置に形成された第2導電型の第2のソース領域と、を備える第1の複合半導体素子と、
前記素子領域に形成された第1導電型の第2の領域と、該第1導電型の第2の領域に形成された第2導電型の第3のソース領域と、前記ドレイン領域と前記第3のソース領域との間に位置する第1導電型の第2の領域上に形成された第2のゲート電極と、を備える第2の半導体素子と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
前記素子領域に形成された第1導電型の第3の領域と、該第1導電型の第3の領域に形成された第2導電型の第4のソース領域と、前記ドレイン領域と前記第4のソース領域との間に位置する第1導電型の第3の領域上に形成され、前記第2のゲート電極に接続された第3のゲート電極と、をさらに設けてもよい。
【0012】
前記第1導電型の第2の領域は、前記第1導電型の素子分離領域に接続されていることが好ましい。
【0013】
前記第1導電型の素子分離領域は、一部に開口部が形成され、前記ドレイン領域を規定するループ状部と、前記開口部を介して前記ドレイン領域に接続された第2導電型の延在領域を規定する部分と、を備え、前記第2導電型の第2のソース領域は、前記第2導電型の延在領域に形成されていることが好ましい。
【0014】
前記開口部上に絶縁膜を形成し、このゲート絶縁膜上にゲート電極を配置し、該ゲート電極に印加するゲート電圧を設定又は調整できるようにしてもよい。
【0015】
前記第2導電型の第2のソース領域は、前記第1導電型の第1の領域と、前記ドレイン領域を規定する前記第1導電型の素子分離領域との間において前記ドレイン領域の表面領域に形成されていることが好ましい。
【0016】
前記第2導電型のドレイン領域の中央部には、ドレイン引出領域が形成され、該ドレイン引出領域を取り囲むように、前記第1導電型の第1の領域がループ状に形成されていることが好ましい。
【0017】
前記第1導電型の層の表面領域には、不純物濃度が調整可能とされた第2導電型の第1の領域が形成されていることが好ましい。
【0018】
前記第2導電型の第1の領域は、ドレイン領域の直下に形成された円盤状の領域と、前記第1導電型の第1の領域の下に形成されたリング状の領域から構成され、前記円盤状の領域及び前記リング状の領域は、それぞれ、R部、逆R部、及び直線部から構成され、前記R部の不純物濃度を、前記直線部の不純物濃度よりも高くするとともに、前記直線部の不純物濃度を、前記逆R部の不純物濃度よりも高くしてもよい。
【0019】
前記第1導電型の素子分離領域は、前記第2導電型の第1の領域及び前記第1導電型の第1の領域を取り囲むようにループ状に形成されていることが好ましい。
【0020】
例えば、前記第2導電型のドレイン領域と前記第2導電型の第1のソース領域とゲート電極とは、LDMOS(Laterally Diffused MOS)を構成し、前記第2導電型のドレイン領域と第2導電型の第2のソース領域と前記第1導電型の素子分離領域は、JFET(Junction Field-Effect Transistor)を構成する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、LDMOSとJFETとを複合化した起動回路と、周辺回路を構成する他の半導体素子とを集積化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1の参考例に係る半導体装置の断面図であり、図4及び図5のA−A線断面図に相当する。
【図2】第1の参考例に係る半導体装置の断面図であり、図4及び図5のB−B線断面図に相当する。
【図3】第1の参考例に係る半導体装置の断面図であり、図4及び図5のC−C線断面図に相当する。
【図4】第1の参考例に係る半導体装置のエピタキシャル層表面の不純物層の配置構成を示す平面図である。
【図5】第1の参考例に係る半導体装置の電極の配置構成を示す平面図である。
【図6】第1の参考例に係る半導体装置の電極及びボンディングパッドの配置構成を示す平面図である。
【図7】第1の参考例に係る半導体装置の等価回路の回路図である。
【図8】第1の参考例に係る半導体装置を起動回路として使用した場合の回路図である。
【図9A】第1の参考例に係る半導体装置において、ドレイン電圧Vdの上昇に伴って(Vd=0)、分離領域の開口部で空乏層がどのように延びるかを模式的に示す図である。
【図9B】第1の参考例に係る半導体装置において、ドレイン電圧Vdの上昇に伴って(Vd=V1)、分離領域の開口部で空乏層がどのように延びるかを模式的に示す図である。
【図9C】第1の参考例に係る半導体装置において、ドレイン電圧Vdの上昇に伴って(Vd=V2)、分離領域の開口部で空乏層がどのように延びるかを模式的に示す図である。
【図9D】第1の参考例に係る半導体装置において、ドレイン電圧Vdの上昇に伴って(Vd=V3)、分離領域の開口部で空乏層がどのように延びるかを模式的に示す図である。
【図10】第1の参考例に係る半導体装置において、ドレイン電圧VdとJFETのドレイン−ソース間電流Idsの関係を示す図である。
【図11】第1の参考例に係る半導体装置において、JFETのゲート電圧Vgを変化させた場合の、ドレイン電圧VdとJFETのドレイン−ソース間電流Idsの関係を示す図である。
【図12】第1の参考例に係る半導体装置において、素子分離領域の開口部上にゲート絶縁膜及びゲート電極を配置した構成を説明する図である。
【図13】第1の参考例に係る半導体装置において、素子分離領域の開口部にN型埋込領域を配置した構成を説明する図である。
【図14A】第1の参考例に係る半導体装置において、図13に示すN型埋込領域の平面的な配置例を示す図である。
【図14B】第1の参考例に係る半導体装置において、図13に示すN型埋込領域の平面的な配置例を示す図である。
【図14C】第1の参考例に係る半導体装置において、図13に示すN型埋込領域の平面的な配置例を示す図である。
【図14D】第1の参考例に係る半導体装置において、図13に示すN型埋込領域の平面的な配置例を示す図である。
【図14E】第1の参考例に係る半導体装置において、ボディ領域の平面的な配置例を示す図である。
【図15】第1の参考例に係る半導体装置において、JFETのソース電極の配置を変化させる例を説明する図である。
【図16】第2の参考例に係る半導体装置の断面図であり、図17のA−A線断面図に相当する。
【図17】第2の参考例に係る半導体装置のエピタキシャル層の表面上の不純物層の配置構成を示す平面図である。
【図18A】第2の参考例に係る半導体装置において、ドレイン電圧Vdの上昇に伴って(Vd=0)、ボディ領域及び分離領域から空乏層がどのように延びるかを模式的に示す図である。
【図18B】第2の参考例に係る半導体装置において、ドレイン電圧Vdの上昇に伴って(Vd=V21)、ボディ領域及び分離領域から空乏層がどのように延びるかを模式的に示す図である。
【図18C】第2の参考例に係る半導体装置において、ドレイン電圧Vdの上昇に伴って(Vd=V22)、ボディ領域及び分離領域から空乏層がどのように延びるかを模式的に示す図である。
【図19】第2の参考例に係る半導体装置の変形例のエピタキシャル層の表面上の不純物層の配置構成を示す平面図である。
【図20A】N型埋込領域の構成の変化が飽和電圧及び飽和電流に与える影響を説明するための図である。
【図20B】N型埋込領域の構成の変化が飽和電圧及び飽和電流に与える影響を説明するための図である。
【図20C】N型埋込領域の構成の変化が飽和電圧及び飽和電流に与える影響を説明するための図である。
【図20D】N型埋込領域の構成の変化が飽和電圧及び飽和電流に与える影響を説明するための図である。
【図20E】ボディ領域の構成が飽和電圧及び飽和電流に与える影響を説明するための図である。
【図20F】ボディ領域の構成が飽和電圧及び飽和電流に与える影響を説明するための図である。
【図20G】ボディ領域とソース引出領域との距離が飽和電圧及び飽和電流に与える影響を説明するための図である。
【図20H】ボディ領域とソース引出領域との距離が飽和電圧及び飽和電流に与える影響を説明するための図である。
【図21A】N型埋込領域の構成の変形例を示す図である。
【図21B】N型埋込領域の構成の別の変形例を示す図である。
【図22】第2の参考例に係る半導体装置のエピタキシャル層の表面領域の不純物層の配置構成を示す平面図である。
【図23A】第2の参考例に係る半導体装置のN型埋込領域を形成するためのイオンマスクの構成を示す図である。
【図23B】第2の参考例に係る半導体装置のN型埋込領域を形成するためのイオンマスクを用いて不純物を拡散するプロセスを説明する図である。
【図24A】開口率の異なるイオンマスクの一例を示す図である。
【図24B】開口率の異なるイオンマスクの一例を示す図である。
【図24C】開口率の異なるイオンマスクの一例を示す図である。
【図24D】開口率の異なるイオンマスクの一例を示す図である。
【図24E】開口率の異なるイオンマスクの一例を示す図である。
【図24F】開口率の異なるイオンマスクの一例を示す図である。
【図24G】開口率の異なるイオンマスクの一例を示す図である。
【図24H】開口率の異なるイオンマスクの一例を示す図である。
【図24I】開口率の異なるイオンマスクの一例を示す図である。
【図25A】N型埋め込み領域の不純物濃度を調整することにより、ドレイン電圧−ソース・ドレイン電流特性が変化することを示す図である。
【図25B】N型埋め込み領域の不純物濃度を調整することにより、ドレイン電圧−ソース・ドレイン電流特性が変化することを示す図である。
【図26】本発明の実施の形態に係る半導体装置の等価回路を示す回路図である。
【図27】本発明の実施の形態に係る半導体装置の電極配置の第1の例を示す平面図である。
【図28】本発明の実施の形態に係る半導体装置の電極配置の第2の例を示す平面図である。
【図29】本発明の実施の形態に係る半導体装置の断面図であり、図27、28のH−H線及びI−I線断面図に相当する。
【図30】本発明の実施の形態に係る半導体装置のパワーLDMOSにJFETを複合化した第1の例を示す平面図である。
【図31】本発明の実施の形態に係る半導体装置のパワーLDMOSにJFETを複合化した第2の例を示す平面図である。
【図32A】従来の起動回路の構成を示す回路図である。
【図32B】JFETとLDMOSを用いる起動回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態に係る半導体装置について図面を参照して説明する。
(参考用半導体装置の説明)
本発明の実施の形態に係る半導体装置を説明する前に、IC化の対象となる半導体装置の基本構成(第1の参考例)について説明する。
本参考用半導体装置100は、LDMOS(Laterally Diffused MOS)とJFET(Junction FET (Field-Effect Transistor) (接合型電界効果トランジスタ) )とを内蔵する構成を有する。
【0024】
まず、この半導体装置100の構成を図1〜図5を参照して説明する。図1〜図3は、第1の参考例に係る半導体装置100の断面図、図4は図1に示すエピタキシャル層の表面領域に現れる不純物層の分布を示す平面図である。図5は電極配置を示す平面図である。図1は図4及び図5のA−A線での矢視断面図、図2は図4及び図5のB−B線での矢視断面図、図3は、図4及び図5のC−C線での矢視断面図である。
【0025】
半導体装置100は、図1に示すようにP型半導体基板(第1導電型の層)11と、エピタキシャル層(第2導電型の層)12と、P型の素子分離領域(第1導電型の素子分離領域)13と、ドレイン引出領域14と、P型のボディ領域(第1導電型の第1の領域)15と、N型のソース領域(第2導電型の第1のソース領域)16と、ボディ引出領域17と、フィールド絶縁膜18と、ゲート絶縁膜19と、ゲート電極(第1のゲート電極)20と、フィールドプレート21と、N型埋込領域(第2導電型の第1の領域)22と、N型のソース引出領域(第2導電型の第2のソース領域)23と、表面絶縁膜140と、ドレイン電極141と、ソース電極161と、ボディ電極171と、ソース電極231と、を備える。
【0026】
P型半導体基板11は、P型単結晶シリコン基板から構成される。
【0027】
エピタキシャル層12は、P型半導体基板11上にエピタキシャル成長により形成されたN型単結晶シリコン層である。
表面絶縁膜140は、エピタキシャル層12の表面全面に形成された比較的厚いSiO等の絶縁体の層である。
【0028】
P型の素子分離領域13は、素子領域を規定するものであり、P型の拡散領域から構成され、エピタキシャル層12の表面からP型半導体基板11に到る深さを有する。素子分離領域13は、相対的に高濃度な基板側拡散領域部位と相対的に低濃度な表面側拡散領域部位とから構成される。素子分離領域13は、P型のボディ領域15と同一の工程で製造される。なお、素子分離領域13は専用の工程で形成し、素子分離領域13全体を相対的に高濃度にすることが望ましい。
【0029】
P型の素子分離領域13は、図1、図2、図4に示すように,N型埋込領域(第2導電型の第1の領域)22及びP型のボディ領域15を取り囲むようにループ状、詳しくはリング状に形成されている。素子分離領域13は、一部に幅が5〜100μm、例えば、30μm程度の開口部133が形成されたループ状、詳しくはリング状のリング状部131と、リング状部131に隣接して開口部133から延在する円弧状の延在部132とを備える。
【0030】
リング状部131とP型半導体基板11とで囲まれたN型の島状領域が、LDMOSとJFETに共通のN型ドレイン領域121として機能する。
【0031】
また、リング状部131、円弧状の延在部132、及びP型半導体基板11は、開口部133を介して島状領域(リング状部131が定義する円盤状のN型ドレイン領域121)に接続するN型延在領域(第2導電型の延在領域)122を規定する。即ち、N型延在領域122は、リング状部131に沿うように、リング状部131と、円弧状の延在部132との間に円弧状に形成されている。つまり、エピタキシャル層12は、N型ドレイン領域121とN型延在領域122とを有する。
【0032】
ドレイン引出領域14は、N型ドレイン領域121の中央部の表面領域に形成され、図4に示すように、平面形状がリング状のN型高濃度層である。
ドレイン引出領域14の中央部分には、フィールド絶縁膜24が配置されている(図1を参照)。
【0033】
表面絶縁膜140上には、Al(アルミニウム)などの導電体から構成されたドレイン電極141が配置されている。ドレイン電極141は、コンタクトホールを介してドレイン引出領域14に接続されている。ドレイン電極141は、接続パッドとしても機能し、例えば、ボンディングワイヤが直接接続(半田付け)される。
ドレイン引出領域14は、LDMOS及びJFETに共通のN型ドレイン領域121とドレイン電極141とのオーミックコンタクトを実現する。
【0034】
P型のボディ領域15は、P型の拡散領域であり、図4に示すように、N型ドレイン領域121内に、ループ状詳しくはリング状に形成されている。ボディ領域15の内周側に位置し、ゲート電極20に対向する表面領域は、LDMOSのチャネル領域として機能する。また、ボディ領域15の他の領域は、LDMOSのボディ領域として機能する。
【0035】
ソース領域16は、N型の領域であり、図4に示すように、P型のボディ領域15内にリング状に形成されている。ソース領域16は、LDMOSのソース領域として機能する。
【0036】
ボディ引出領域17は、P型の高濃度領域であり、P型のボディ領域15内のN型のソース領域16の外側にループ状詳しくはリング状に形成されている。ボディ引出領域17の上には、図1及び図5に示すように、Alなどの導電体から構成されたリング状のボディ電極171が配置されている。ボディ電極171は、コンタクトホールを介してボディ引出領域17に接触している。ボディ引出領域17は、ボディ電極171から印加されるボディ電圧をボディ領域15に印加する。
【0037】
フィールド絶縁膜18は、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)等の比較的厚い絶縁膜から構成されている。フィールド絶縁膜18は、ドレイン引出領域14を取り囲むように、N型ドレイン領域121上に形成されている。
【0038】
ゲート絶縁膜19は、SiO2膜などの絶縁膜から構成され、フィールド絶縁膜18とソース領域16との間のチャネル領域上に形成されている。
【0039】
ゲート電極20は、不純物を添加したポリシリコン膜や、Al膜などの導電膜から構成され、ゲート絶縁膜19の上と、フィールド絶縁膜18の端部の上に形成されている。
【0040】
フィールドプレート21は、絶縁膜211を介して互いに容量結合された複数のリング状の導電体から構成されている。フィールドプレート21は、その直下のN型ドレイン領域121における電位の勾配をほぼ一定の勾配に維持する。
【0041】
N型埋込領域22は、P型半導体基板11の表面領域に形成され、不純物濃度が調整可能とされたN型領域である。このN型埋込領域22は、高耐圧が要求される素子であれば不純物濃度が相対的に低く形成される一方、低オン抵抗が要求される素子であれば、不純物濃度が相対的に高く形成される。
【0042】
ソース引出領域23は、N型延在領域122の表面領域に配置されたN型の高濃度層である。表面絶縁膜140の上には、Alなどの導電体から構成されたJFETのソース電極231が、図1及び図5に示すように配置されている。ソース電極231は、コンタクトホールを介して、ソース引出領域23に接続されている。N型延在領域122は、JFETのソース領域として機能する。ソース引出領域23は、ソース引出電極231とN型延在領域122との間のオーミックコンタクトを形成する。
【0043】
上述の構成において、LDMOSのドレイン領域はN型ドレイン領域121、チャネル領域はP型のボディ領域15の内周側の表面領域、ソースはN型のソース領域16、ボディはボディ領域15、ドレイン電極はドレイン電極141、ゲート電極はゲート電極20、ソース電極はソース電極161、ボディ電極はボディ電極171、ゲート絶縁膜はゲート絶縁膜19からそれぞれ構成される。
【0044】
一方、JFETのドレイン領域はN型ドレイン領域121、チャネル領域はP型の素子分離領域13の開口部133、ソース領域はN型延在領域122、ドレイン電極はドレイン電極141、ゲート電極は素子分離領域13、ソース電極はソース電極231から構成される。
【0045】
このような構成の半導体装置100上には、例えば、図6に示すように電極パッドが配置される。例えば、ドレイン電極141にはボンディングワイヤが直接ボンディングされる。また、ゲート電極20は電極パッド31に接続され、LDMOSのソース電極161は電極パッド32に接続される。さらに、JFETのソース電極231は電極パッド33に接続される。各電極パッドには、ボンディングワイヤがボンディングされる。なお、これら電極パッドの配置の有無や配置位置等は任意に設定可能である。
【0046】
上記構成により、図7の等価回路に示すように、半導体装置100は、共通のドレイン領域(ドレイン電極141)を有するLDMOS51とJFET52とを構成し、更にLDMOS51とJFET52との間に形成された素子分離領域13の開口部133がJFET52のゲートの一部を構成する。
【0047】
この状態で、図8に示すように接続し、図32Bに示す起動回路と同様のLDMOS51とJFET52から形成された起動回路を構成する場合を考察する。
この構成においては、素子分離領域13(JFET52のゲート電極)及びLDMOS51のボディ電極171はいずれも接地されている。また、LDMOS51のゲート電極20とJFET52のソース電極231は接続されている。また、LDMOS51及びJFET52の共通のドレイン電極141はドレイン電圧Vdを印加する電源に接続されている。さらに、LDMOS51のソース電極161と、JFET52のソース電極231はいずれも内部回路413に接続されている。
【0048】
この状態でドレイン電極141に正のドレイン電圧Vdを印加すると、ドレイン電極141→ドレイン引出領域14→N型ドレイン領域121→リング状部131の開口部133→延在領域122→ソース引出領域23→ソース電極231の経路でJFET52のドレイン−ソース間に電流(ドレイン−ソース間電流Ids)が流れる。
【0049】
そして、ドレイン電圧Vdを徐々に上昇させると、図10に示すように、JFET52のドレイン−ソース間電流Idsは徐々に増加する。また、ドレイン−ソース間電流Idsにより、LDMOS51のゲート電極20が充電され、LDMOS51のドレイン−ソース間にも電流が流れ、ドレイン電圧Vdの上昇に伴って電流が増加する。
【0050】
正のドレイン電圧Vdがドレイン電極141に印加されたことにより、正の電圧がドレイン引出領域14を介してエピタキシャル層12に印加される。すると、素子分離領域13のP型のリング状部131及びP型半導体基板11と、N型のエピタキシャル層12とによって構成されるPN接合が、エピタキシャル層12に印加される正の電圧により逆バイアスされる。このため、図9A〜図9Cに模式的に示すように、ドレイン電圧Vdの上昇に伴ってPN接合面からエピタキシャル層12の開口部133では空乏層DLが徐々に広がる。このように、ドレイン電圧Vdが所定値(飽和電圧:図10では電圧Vsat)を下回っていると、リング状部131の開口部133は、空乏層DLにより閉じておらず、チャネルが導通(制御)され、ドレイン−ソース間電流Idsが流れている。
【0051】
一方、ドレイン電圧Vdが所定値(飽和電圧:図10では電圧Vsat)に達すると、図9Dに模式的に示すように、リング状部131の開口部133(JFET52のチャネル領域)ではエピタキシャル層12全体が空乏層DLにより閉じて、チャネルが遮断(制御)され、ピンチオフとなる。図10に示すように、ピンチオフ以降は、JFET52のドレイン−ソース間電流Idsは飽和し、ほぼ一定となる。
【0052】
したがって、上記構成の起動回路によれば、LDMOS51とJFET52とが並列に接続され、高耐圧化が可能であるだけでなく、LDMOS51及びJFET52で共通するドレイン電極141に所定電圧(電圧Vsat)以上のドレイン電圧Vdを印加することによってピンチオフとなり、JFET52のドレイン−ソース間電流Idsが一定値に制限され、消費電力を抑えることができる。
【0053】
また、上記構成の半導体装置100は、LDMOS51とJFET52との間に形成された素子分離領域13の開口部133がJFET52のゲートの一部を構成し、更にLDMOS51とJFET52とがN型ドレイン領域121を共有し、JFET52がLDMOS51の外周に沿って形成されている。したがって、2つの半導体素子を比較的小さい占有面積で形成することが可能である。
【0054】
また、ドレイン電極141を比較的大きく形成することで、ドレイン電極141に直接ボンディングが可能であり、素子の中心から高圧配線を引き出すことが不要である。また、ドレイン電極141がパッドを兼ねているため、ドレイン電極141用のボンディングパッドを設けることが不要であり、接続のためのパッド面積を必要としない。
ドレイン電極141に直接ボンディングが可能なため、別途保護素子が不要で、且つ、LDMOS51の耐量でサージに対する保護が可能である。
【0055】
以上の説明では、リング状部131に形成されたチャネル領域としての開口部133の幅(JFET52のゲート電極の幅)を30μm程度として説明したが、開口部133の大きさは、目的とする飽和電圧及び飽和電流が得られるように適宜設定される。即ち、開口部133の大きさ、不純物濃度、N型延在領域122の不純物濃度・大きさ等を適宜変更することにより、空乏層の広がりを制御することができる。そしてこれにより、飽和電圧及び飽和電流を所望の値に設定し、あるいは、任意の特性で制御することができる。
【0056】
また、以上の説明では、P型半導体基板11及びP型の素子分離領域13(JFET52のゲート電極)を接地したが、各領域に印加する電圧は任意である。例えば、P型半導体基板11及びP型の素子分離領域13に負電圧を印加することで、素子分離領域13とエピタキシャル層12とのPN接合から延びる空乏層DLをさらに広げて飽和電圧及び飽和電流を低減することも、理論的には可能である。
【0057】
図11は、P型半導体基板11及びP型の素子分離領域13の電位(素子分離領域13への印加電圧)を強制的に変化させた場合のドレイン電圧VdとJFET52のドレイン−ソース間電流Idsとの関係を示す。図示するように、JFET52のゲート電圧Vg(素子分離領域13への印加電圧)を変化させることにより、ピンチオフになる電圧(飽和電圧Vsat)が変化すると共に飽和電流Isatも変化する。
【0058】
また、図12に断面で示すように、P型の素子分離領域13の開口部133(JFET52のチャネル領域)上に、絶縁膜(ゲート絶縁膜)35を形成する。そして、このゲート絶縁膜35上にゲート電極36を配置し、ゲート電極36に印加するゲート電圧を設定又は調整できる構成とすることも可能である。
【0059】
ゲート電極36に接地電位(P型半導体基板11の電位)を基準として正のゲート電圧Vgを印加すると、JFET52のチャネル領域(開口部133内のN型エピタキシャル層12)に生成される空乏層が延びにくくなる。このため、ゲート電圧Vgをさらに正に大きくするにしたがって、飽和電圧Vsat及び飽和電流Isatをいずれも大きくすることが可能となる。なお、ゲート電極36は、開口部133の上にのみ配置されていてもよく、あるいは、リング状に全体に配置されていてもよい。
【0060】
また、図13に断面で示すように、JFET52のチャネル領域(開口部133)にN型埋込領域(第2導電型の第2の領域)37を配置することにより、飽和電流Isatを調整することが可能である。すなわち、開口部133内のP型半導体基板11とエピタキシャル層12の間に、高濃度(開口部133内のN型エピタキシャル層12の不純物濃度を基準として)のN型埋込領域37を形成し、N型埋込領域37の不純物濃度とN型埋込領域37の上面の深さとを調整することで、ドレイン−ソース間の飽和電流Isatを調整することが可能となる。
【0061】
N型埋込領域37を配置することにより、P型半導体基板11側から延びる空乏層の位置が、N型埋込領域37を配置しない場合よりも低くなり、飽和電圧Vsatが大きくなり、飽和電流Isatも大きくなる。なお、N型埋込領域37は、開口部133内のN型エピタキシャル層12を基準として低不純物濃度としてもよい。
【0062】
また、N型埋込領域37は、例えば、図14Aに示すように、JFET52のチャネル領域のみ、図14Bに示すように、JFET52のチャネル領域とその近傍、図14Cに示すように、JFET52のチャネル領域及びN型延在領域122内にそれぞれ形成してもよい。このように、N型埋込領域37が占める面積が大きいほど、飽和電圧Vsat及び飽和電流Isatが大きくなる。また、図14Dに示すように、N型埋込領域37を延在させ、N型埋込領域22と一体に構成してもよい。さらに、図14Eに示すように、P型のボディ領域15の一部を形成しない(除去する)ことにより、飽和電圧Vsat及び飽和電流Isatを調整することも可能である。
【0063】
一般的に、他の条件が同一であれば、N型埋込領域37のN型の不純物濃度が高いほど、飽和電圧Vsat及び飽和電流Isatが上昇し、N型埋込領域37が深いほど、飽和電圧Vsat及び飽和電流Isatが上昇し、N型埋込領域37が広いほど、飽和電圧Vsat及び飽和電流Isatが上昇する。
【0064】
なお、N型埋込領域22,37の濃度や濃度分布は、例えば、後述するように、イオン注入(拡散)時に使用するイオンマスクの開口率を適宜設定することにより調整される。
【0065】
また、JFET52のソース引出領域23及びソース電極231の位置を変更することにより、飽和電流Isatを調節することも可能である。例えば、図15に示すように、JFET52のチャネル領域(開口部133)から近い第1の位置P1から順にP2,P3と、開口部133からソース引出領域23及びソース電極231までの位置を離間させるに伴って飽和電流Isatを小さくすることが可能である。特に、リング状部131と円弧状の延在部132とで挟まれた円弧状のN型延在領域122を設けることによって、JFET52の大きさを然程大きくすることなく、飽和電流Isatを小さくすることが可能である。
【0066】
(実施形態に係る半導体装置の説明)
以上説明した参考用半導体装置の構成では、開口部133の大きさ(幅)が限定されており、ドレイン電圧Vdの上昇に伴って、リング状部131の開口部133におけるエピタキシャル層12内の空乏層DLが3方向(左右のリング状部131と下のP型半導体基板11とのPN接合面)から延びるため、ドレイン電圧Vdが比較的小さいときからゲート領域がピンチオフしてしまう。このため、大きな飽和電圧及び飽和電流を得ることが困難である。仮に、開口部133の幅を拡げたとしても、P型半導体基板11とのPN接合面から延びる空乏層を抑制することができず、飽和電圧及び飽和電流の増大化には限界がある。
そこで、以下、相対的に大きな飽和電圧及び飽和電流が得られる半導体装置200について説明する。
【0067】
(第2の参考例)
上記参考用(第1の参考例の)半導体装置100では、LDMOS51の外周に沿うように、リング状部131の外側にJFET52のN型延在領域(ソース領域)122を形成した。これに対して、本参考例の半導体装置200においては、JFET52のソース領域をLDMOSの素子領域内に配置する。これにより半導体素子の占有領域がさらに小型化される。それ以外の構成は、以下に特に説明する場合を除いて第1の参考例の半導体装置100と同様である。
【0068】
図16と図17は、第2の参考例の半導体装置200の構造を示し、図16は半導体装置200の断面図、図17は図16に示すエピタキシャル層12の表面領域に現れる不純物層の分布を示す平面図である。図18A〜図18Cはドレイン電圧Vdの上昇(0<V21<V22)に伴ってP型のボディ領域15及びP型の素子分離領域13から空乏層がどのように延びるかを模式的に示す図である。図19は別のエピタキシャル層の表面領域に現れる不純物層の分布を示す平面図である。なお、図16は、図17及び図19のA−A線での矢視断面図に相当する。
【0069】
図示するように、本参考例では、P型の素子分離領域13は、N型ドレイン領域121を取り囲むようにループ状詳しくはリング状に形成されており、円弧状の延在部132は配置されていない。P型の素子分離領域13は、一重のリング状に形成されている。
ドレイン引出領域14を取り囲むように、P型のボディ領域15がリング状に形成されている。
JFET52のソース引出領域23は、N型ドレイン領域121よりも高濃度のN型の領域である。ソース引出領域23は、P型のボディ領域15と、N型ドレイン領域121を規定する素子分離領域13との間においてN型ドレイン領域121の表面領域にリング状に形成されている。ソース引出領域23は、隣接するボディ領域15及び素子分離領域13よりも浅く形成されている。表面絶縁膜140上のソース引出領域23に対向する位置に、ソース電極231が配置され、コンタクトホールを介してソース引出領域23に接続されている。
【0070】
また、N型埋込領域22は、N型ドレイン領域121の直下に形成された円盤状の領域22Cと、P型のボディ領域15の下に形成されたリング状の領域22Rから構成される。
【0071】
この構成において、例えば、LDMOSのボディ領域15の電圧、素子分離領域13の電圧、P型半導体基板11の電圧をそれぞれグランドレベル(接地電位)とすれば、ドレイン電圧Vdの上昇に伴って、図18A〜図18Cに模式的に示すように、空乏層DLが、P型のボディ領域15、P型の素子分離領域13、及びP型半導体基板11と、N型のエピタキシャル層12及びリング状の領域22Rとの間のPN接合面から伸びる。そして、ドレイン電圧Vdが一定レベルV22(V22>V21>0)に達すると、ピンチオフする。
【0072】
この構成によれば、JFET52のチャネル領域は、P型のボディ領域15、P型の素子分離領域13、P型半導体基板11の領域の間に存在するN型のエピタキシャル層12内に存在する。そして、ドレイン電圧Vdの上昇に伴って、空乏層DLがN型のエピタキシャル層12とボディ領域15とのPN接合面と、N型のエピタキシャル層12とP型半導体基板11とのPN接合面の上下2方向から延び、ピンチオフする。このJFET52は、上下2方向から延びる空乏層DLによりピンチオフさせる構成である。このため、ゲートの横方向の長さ(本参考例では、円形のLDMOSであるため、ソース引出領域23の円周長に相当する。)に対応する電流(ドレイン−ソース間電流Ids)を流すことができる。そして、ボディ領域15、ソース引出領域23、及びJFET52のゲート電極としての素子分離領域13がいずれもLDMOSの全周に渡ってリング状に形成されているため、JFET52の大きさを小さく保ちながら、JFET52の飽和電流Isatを大きく確保できる。ここでは、JFET52の大きさにも依存するが、数十mAまで流すことも可能である。
【0073】
なお、JFET52のソース引出領域23は、全周にリング状に形成される構成に限定されず、図19に示すように、周方向の一部に1又は複数個形成されていてもよい。これにより、図17に示すソース引出領域23が全周に渡ってリング状に形成されている構造よりも、JFET52のゲート電極幅が狭くなり、飽和電圧Vsat(ピンチオフ電圧)を維持したまま飽和電流Isatを小さくすることができる。
【0074】
また、図18A〜図18Cに示すように、N型埋込領域22Rの有無で、P型半導体基板11とのPN接合面からの空乏層の延びを制御することができ、飽和電圧Vsatを調整することも可能である。
【0075】
また、図16及び図17に示す構造においては、N型埋込領域22が、半導体装置100と異なり、N型ドレイン領域121の直下のN型埋込領域22CとP型のボディ領域15の近傍のリング状のN型埋込領域22Rとから構成されている。このN型埋込領域22C,22R、特に、リング状のN型埋込領域22Rの位置・大きさ及び不純物濃度を適宜設定することにより、空乏層の広がりを制御して、飽和電圧Vsat及び飽和電流Isatを所望の値に設定し、あるいは、任意の特性で制御することができる。
【0076】
例えば、図20Aに示すように、P型のボディ領域15の下に配置されているN型埋込領域22Rを、図20Bに示すように、ソース引出領域23の下方まで延在させることにより、飽和電圧Vsatを上昇させることができる。
【0077】
例えば、図20Cに示すように比較的浅いN型埋込領域22Rを、図20Dに示すように、深く形成することにより、飽和電圧Vsatを上昇させることができる。
【0078】
例えば、図20Eに示すP型のボディ領域15を、図20Fに示すように、浅くすることにより、飽和電圧Vsatを上昇させることができる。
【0079】
また、図20Gに示すようにP型のボディ領域15とN型のソース引出領域23との距離を、図20Hに示すように、長くすることにより、飽和電圧Vsatを上昇させることができる。
【0080】
さらに、図21A及び図21Bに示すように、P型のボディ領域15の下に配置されているN型埋込領域22Rを、周方向の一部に1又は複数個形成してもよい。但し、飽和電圧Vsatは、N型埋込領域22Rが存在しない部分で定まる。
【0081】
さらに、N型ドレイン領域121直下のN型埋込領域22C又はP型のボディ領域15の下に配置されているN型埋込領域22Rのいずれかを、配置しない構成も可能である。
【0082】
なお、N型埋込領域22R,22Cの濃度や濃度分布は、例えば、後述するように、イオン注入(拡散)時に使用するイオンマスクの開口率を適宜設定することにより実施される。
【0083】
このように、半導体装置200によれば、LDMOS51のボディ領域15と、素子分離領域13、P型半導体基板11、及びこれらで挟まれたN型のエピタキシャル層12でLDMOS51のゲート部を構成するとともに、LDMOS51とJFET52とがN型ドレイン領域121を共有し、ボディ領域15と素子分離領域13との間にソース引出領域23を設けているので、1つの素子面積でLDMOSとJFETとの2つの特性を得ることができる。
また、LDMOSとJFETとが並列に複合化されているので、高耐圧である。
また、ドレイン電極に直接ボンディングが可能なので、別途、接続のためのパッド面積が不要であり、半導体装置の中心部から高圧の配線を引き出す必要がない。
ドレイン電極141に直接ボンディングが可能なため、別途保護素子が不要であり、且つLDMOSの耐量で保護が可能である。
JFET52の飽和電圧Vsatと飽和電流Isatを、製造プロセスを大きく変更することなく、N型埋込領域22Rの濃度、長さ、位置の調整だけで、設定可能である。
【0084】
上記第1及び第2の参考例においては、LDMOSを円形としたが、より大電流化するため、棒状又は櫛歯状とすることも可能である。
このような構成の半導体装置の平面構成を図22に示す。なお、図22は、エピタキシャル層12の表面に露出した半導体領域を示すものであり、ドレイン引出領域14は櫛形に形成されている。
【0085】
ドレイン引出領域14及びフィールド絶縁膜24を取り囲むように、フィールド絶縁膜18、フィールドプレート21、ゲート絶縁膜19、ゲート電極20、ボディ領域15、ソース領域16、ボディ引出領域17、ソース引出領域23、及び素子分離領域13がそれぞれループ状に形成されている。
したがって、例えば、図22のD−D線、E−E線、F−F線での断面は、図16に示す構成で説明される。なお、ドレイン引出領域14をリング状に形成するか否か、フィールド絶縁膜24を配置するか否かは任意である。
【0086】
このような構成によれば、電流(ドレイン−ソース間電流Ids)の電流路を広く形成することが可能であり、しかも大電流を制御することが可能となる。
【0087】
なお、以上の説明では、JFET52のソース領域(第1の参考例のN型延在領域122に相当)をボディ領域15と素子分離領域13との間に配置した。しかしこれに限られず、第1の参考例と同様に、ボディ領域15の外に開口部133を有するリング状部131を形成する。そして、この開口部133を介してN型ドレイン領域121に接続するN型延在領域122をLDMOSに沿って配置する。さらに、N型延在領域122上にソース引出領域23及びソース電極231を形成することも可能である。
【0088】
LDMOSの素子構造を棒状とした場合、ドレインを囲むように屈曲している部分(R部;図22において下に凸に屈曲している領域)に電界が集中し、LDMOSの耐圧を低下させるおそれがある。一方、屈曲していてもドレインを囲んでいない部分(逆R部;図22において上に凸に屈曲している領域)には、電界は集中しない。そこで、R部の電界を緩和するため、R部のN型埋込領域22C,22Rの不純物濃度を直線部のN型埋込領域22C,22Rの不純物濃度よりも高くするとともに、直線部のN型埋込領域22C,22Rの不純物濃度を逆R部のN型埋込領域22C,22Rの不純物濃度よりも高くすることが有効である。
【0089】
この場合、単純に、エリアごとにイオン打ち込みや不純物拡散の濃度を変更しようとすると、イオン打ち込みの位置に応じて打ち込みプロセスを変更する必要があり、追加工程が必要となり、コストが上昇する。
【0090】
この場合、イオン注入時あるいは不純物拡散時のマスクを工夫することで適切な濃度設定が可能となる。
例えば、図22に示す櫛形の素子構造の半導体装置100又は200の埋込領域22Cを形成する場合に、イオン注入マスクとして、図23Aに概略を示すイオンマスク41を用いることが可能である。
【0091】
このイオンマスク41は、図22の素子のR部に対応する部分の開口OPの開口率(単位面積当たりの開口面積)は、直線部に対応する部分(例えば、領域ST)の開口OPの開口率よりも高く(広く)するとともに、直線部に対応する部分の開口OPの開口率は、逆R部に対応する部分の開口OPの開口率よりも高い(広い)。
【0092】
したがって、例えば、図23Bに模式的に示すように、P型半導体基板11上にイオンマスク41を配置して、イオン照射源42から、全面に均一の密度でイオンビームIBを照射すれば、適切な濃度でイオンがP型半導体基板11の表面領域に打ち込まれる。打ち込まれたイオンが、その後の熱処理で拡散することにより、適切な濃度分布、即ち、後工程で形成される櫛形LDMOSの屈曲部に対応する部分(電界が相対的に集中し易い部分)で不純物濃度が高く、直線部に対応する部分(電界が相対的に集中しにくい部分)で不純物濃度が低いN型埋込領域22を得ることができる。このため、イオン打ち込みのドーズ量やエネルギーを制御しなくても、屈曲部に適切な濃度分布のN型埋設領域22を形成することができる。
なお、イオンマスク41は、イオン注入に限定されず、任意の拡散手法の不純物マスクとして使用可能である、
【0093】
なお、全体を1枚のイオンマスク41で形成する必要はない。例えば、開口OPのパターンや開口率の異なる複数のマスク(又は注入マスク形成用のフォトマスク)41a〜41iを図24A〜図24Iに示すように用意しておき、例えば、イオン注入時に、屈曲部には、開口率が高く、直線部には開口率の低いマスクを使用するというように、使用するイオンマスクを切り替えながらイオン注入を行ってもよい。例えば、図24A〜図24Cでは、円形の開口OPの径、数、配置等を適宜調整して開口率を調整している。また、図24E〜図24Gでは、ストライプ状の開口OPの長さ、幅、数、配置等を適宜調整して開口率を調整している。図24D及び図24Hでは、さらに、開口OPの形状を調整して開口率を調整している。図24Iでは、濃度分布に勾配を与えることができる。
【0094】
前述のように、N型埋込領域22Cの濃度を調整することにより、LDMOSの耐圧、Vd−Id特性などを改善及び変更することが可能である。例えば、図25Aに示す飽和領域が発現せず、素子耐圧の低い状態から、N型埋込領域22の濃度及びその分布を適切に設定することにより、図25Bに示すような飽和領域が明確に発現し、素子耐圧の高い特性に変更することも可能である。
【0095】
(実施の形態)
次に、1チップ上に、上記のLDMOS51とJFET52の複合素子と他の任意の半導体素子とを集積化する実施の形態について説明する。
ここでは、図26に示すように、LDMOS51とJFET52に加えて、大電流を流すためのパワーLDMOS53と、パワーLDMOS53を流れる電流を検出するためのセンスLDMOS54を備える回路をドレインを共通として1チップ上に形成する。
【0096】
図27に、図26に示す回路を1チップ上に形成した際の、領域配置と電極配置の一例を示す。この構成は、LDMOS51及びJFET52として、図1〜3で示した構成を採用した際の例である。
【0097】
図27において、領域411には、前述のLDMOS51とJFET52とが形成されている。N型ドレイン領域121から延在領域122が引き出されており、N型ドレイン領域121上には、LDMOS51のゲート電極20、ソース電極161、及びボディ電極171が配置されている。さらに、延在領域122上には、JFET52のソース電極231が配置されている。領域411の断面G−Gは、図1の断面のドレイン電極141から右半分と同様の構成となる。
【0098】
また、領域412には、センスLDMOS54が形成されており、センスLDMOS54にはゲート電極(第3のゲート電極)321とソース電極322とが配置されている。他の領域には、パワーLDMOS53が形成されており、領域411で開口し、ドレイン電極141を取り囲むように配置されたゲート電極(第2のゲート電極)331と、領域411及び領域412で開口部を有し、ドレイン電極141を取り囲むように配置されたソース電極332とが配置されている。
【0099】
パワーLDMOS53のゲート電極331とセンスLDMOS54のゲート電極321とは一体に形成されている。また、LDMOS51のゲート電極20と、パワーLDMOS53のゲート電極331及びセンスLDMOS54のゲート電極321とは別体で構成されている。さらに、パワーLDMOS53のソース電極332、センスLDMOS54のソース電極322、LDMOS51のソース電極161、及びJFET52のソース電極231はそれぞれ別体で構成されている。
【0100】
なお、パワーLDMOS53のボディ引出領域とボディ電極は、任意の位置に任意の大きさで形成される。
【0101】
パワーLDMOS53の断面H−H、及び、センスLDMOS54の断面I−Iは共通の構成を有しており、図29に示すように、JFET52のソース領域23が設けられていないこと、ボディ領域(第1導電型の第2の領域)15と素子分離領域13が接続されていることを除けば、上述したLDMOS51の構成と同様である。
【0102】
なお、パワーLDMOS53用のボディ領域(第1導電型の第2の領域)15とセンスLDMOS54用のボディ領域(第1導電型の第3の領域)15とは一体で構成される。また、LDMOS51及びJFET52用のボディ領域15と、パワーLDMOS53及びセンスLDMOS54用のボディ領域15とは別体で構成される。なお、パワーLDMOS53用のボディ領域15とセンスLDMOS54用のボディ領域15とを別体としてもよい。
そして、素子領域の中央部には、4つの素子の共通のN型ドレイン領域121が配置され、その中央には、ドレイン引出領域14とドレイン電極141が配置されている。
【0103】
図28に、図26に示す回路を1チップ上に形成した際の、領域配置と電極配置の他の例を示す。この構成は、LDMOS51及びJFET52として、図16及び図17に示す構成を採用した場合の構成例である。図28において、領域411には、LDMOS51とJFET52とが形成され、LDMOS51のゲート電極20とソース電極161とボディ電極171が形成されている。そして、ボディ電極171と素子分離領域13との間には、JFET52のソース電極231が配置されている。領域411の断面G−Gは、図16の断面のドレイン電極141から右半分と同様の構成となる。
【0104】
また、領域411に隣接する領域412には、センスLDMOS54が形成されており、ゲート電極321とソース電極322とが配置されている。他の領域には、パワーLDMOS53が形成されており、領域413で開口し、ドレイン電極141を囲むように配置されたゲート電極331と、領域412及び領域413で開口部を有し、ドレイン電極141を囲むようにC字状に配置されたソース電極332と、が配置されている。
また、パワーLDMOS53のボディ引出領域とボディ電極は、任意の位置に任意の大きさで形成される。
【0105】
パワーLDMOS53の断面H−H、及び、センスLDMOS54の断面I−Iの構成は、図29に示すように、JFET52のソース領域23が設けられていないこと、ボディ領域(第1導電型の第2の領域)15と素子分離領域13とが接続されていることを除けば、上述したLDMOS51の構成と同様である。
【0106】
なお、パワーLDMOS53のゲート電極331とセンスLDMOS54のゲート電極321とは一体に形成されている。また、LDMOS51のゲート電極20と、パワーLDMOS53のゲート電極331及びセンスLDMOS54のゲート電極321とは別体で構成されている。さらに、パワーLDMOS53のソース電極332と、センスLDMOS54のソース電極322とは別体で構成されている。
【0107】
チップの周縁部には、パワーLDMOSゲート電極接続パッド、パワーLDMOSソース電極パッド、センスLDMOSソース電極パッド、LDMOSソース電極パッド、LDMOSゲートパッド電極などが配置され、それぞれ、対応する電極に図示せぬ配線及びコンタクトを介して接続されている。
【0108】
なお、パワーLDMOS53のボディ引出領域とボディ電極は、任意の位置に任意の大きさで形成される。
パワーLDMOS53の断面H−H、及び、センスLDMOS54の断面I−Iは共通の構成を有しており、図29に示すように、JFET52のソース領域23が設けられていないこと、ボディ領域(第1導電型の第2の領域)15と素子分離領域13が接続されていることを除けば、上述したLDMOS51の構成と同様である。
【0109】
なお、パワーLDMOS53用のボディ領域(第1導電型の第2の領域)15とセンスLDMOS54用のボディ領域(第1導電型の第3の領域)15とは一体で構成される。
また、LDMOS51及びJFET52用のボディ領域15と、パワーLDMOS53及びセンスLDMOS54用のボディ領域15とは別体で構成される。なお、パワーLDMOS53用のボディ領域15とセンスLDMOS54用のボディ領域15とを別体としてもよい。
【0110】
そして、素子領域の中央部には、4つの素子の共通のN型ドレイン領域121が配置され、N型ドレイン領域121の中央部には、ドレイン引出領域14とドレイン電極141が配置されている。
【0111】
このような構成の半導体装置により、例えば、i)LDMOS51とJFET52により起動回路を構成して、起動時に、内部回路412への電力の供給を開始して内部回路412を起動し、ii)起動した内部回路412が周辺回路としてのパワーLDMOS53を起動して大電流を対象回路に供給させ、さらに、周辺回路としてのセンスLDMOS54の出力から電流値をモニタするといった動作が可能となり、別途必要であったデスクリートデバイスも不要となる。
【0112】
また、配置する電極パッドを調整することにより、任意の素子の使用・不使用を設定できる。例えば、センスLDMOS54が不要な場合には、センス用の電極パッドを配置しなければよい。また、高耐圧スイッチが不要な場合には、パワーLDMOS53用の電極パッドを配置しなければよい。なお、素子そのものを組み込まないことも可能である。
【0113】
以上の例では、4つの半導体素子を基板11上に組み込んだが、どのような半導体素子を組み込むかは任意であり、4つの半導体素子のうちの2つ又は3つのみを組み込んだり、他の種類の素子を組み込む等してもよい。
【0114】
例えば、パワーLDMOS53にJFETを複合化し、計5つの素子を1チップ化(集積化)することも可能である。この場合は、例えば、図30に示すように、パワーLDMOS53を図1〜図3に示す構成とし、任意の位置、例えば、領域414において、パワーLDMOS53のリング状の素子分離領域13に開口部を形成して、円弧状の延在部132を引き出し、その円弧状の延在部132にソース引出領域を形成し、ソース電極232を配置する。さらに、JFET用の電極パッドを配置する。
【0115】
また、例えば、図31に示すように、パワーLDMOS53を図16及び図17に示す構成とし、任意の位置、例えば、領域415において、パワーLDMOS53のボディ領域(第1導電型の第2の領域)15とP型の素子分離領域13との間にソース引出領域を形成し、ソース電極232を配置する。また、JFET用の電極パッドを配置する。
【0116】
このような構成とすれば、例えば、パワーLDMOSとJFETの複合体、LDMOSとJFETの複合体、センスLDMOS等を、ドレインを共通として1つのチップに組み込むことが可能となり、デスクリートデバイスは不要になる。
【0117】
また、パワーLDMOS53の耐圧をより高め、大電流駆動を可能とするため、図22に例示したLDMOSと同様に、ドレインを櫛歯状とし、パワーLDMOS53のゲート及びソースを櫛歯状のドレイン領域に沿って配置してもよい。
【0118】
本発明は上述した実施の形態に限られず様々な修正及び応用が可能である。素子構造は一例であり、適宜変更可能である。
本出願は、2008年9月30日に出願された日本国特許出願第2008−255760号に基づく優先権を主張し、当該出願の発明の詳細な説明(明細書)、特許請求の範囲、図面及び発明の概要を含む。日本国特許出願第2008−255760号に開示される内容は、ここでの参照により全て援用される。
【符号の説明】
【0119】
11 P型半導体基板(第1導電型の層)
12 エピタキシャル層(第2導電型の層)
13 P型の素子分離領域(第1導電型の素子分離領域)
14 ドレイン引出領域
15 P型のボディ領域(第1導電型の第1の領域)
16 N型のソース領域(第2導電型の第1のソース領域)
20 ゲート電極(第1のゲート電極)
22 N型埋込領域(第2導電型の第1の領域)
22C N型埋込領域(ドレイン領域の直下に形成された円盤状の領域)
22R N型埋込領域(P型のボディ領域の下に形成されたリング状の領域)
23 N型のソース引出領域(第2導電型の第2のソース領域)
35 絶縁膜(ゲート絶縁膜)
36 ゲート電極
37 N型埋込領域(第2導電型の第2の領域)
121 N型ドレイン領域(第2導電型のドレイン領域)
122 N型延在領域(第2導電型の延在領域)
131 リング状部(ループ状部)
132 円弧状の延在部(第2導電型の延在領域を規定する部分)
133 開口部
321 ゲート電極(第3のゲート電極)
331 ゲート電極(第2のゲート電極)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型の層と、
前記第1導電型の層上に形成された第2導電型の層と、
前記第2導電型の層の表面領域から前記第1導電型の層に至り、前記第2導電型のドレイン領域として機能する素子領域を規定する第1導電型の素子分離領域と、
前記素子領域に形成された第1導電型の第1の領域と、
該第1導電型の第1の領域に形成された第2導電型の第1のソース領域と、
前記第1導電型の第1の領域内において、前記ドレイン領域と前記第1のソース領域との間に位置する領域の上に形成された第1のゲート電極と、
前記第2導電型の層内において、逆バイアス時に、前記第1導電型の素子分離領域、前記第1導電型の層、及び前記第1導電型の第1の領域の内の少なくともいずれか1つから延びる空乏層により前記ドレイン領域との間のチャネルが制御される位置に形成された第2導電型の第2のソース領域と、を備える第1の複合半導体素子と、
前記素子領域に形成された第1導電型の第2の領域と、該第1導電型の第2の領域に形成された第2導電型の第3のソース領域と、前記ドレイン領域と前記第3のソース領域との間に位置する第1導電型の第2の領域上に形成された第2のゲート電極と、を備える第2の半導体素子と、
を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記素子領域に形成された第1導電型の第3の領域と、該第1導電型の第3の領域に形成された第2導電型の第4のソース領域と、前記ドレイン領域と前記第4のソース領域との間に位置する第1導電型の第3の領域上に形成され、前記第2のゲート電極に接続された第3のゲート電極と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1導電型の第2の領域は、前記第1導電型の素子分離領域に接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1導電型の素子分離領域は、一部に開口部が形成され、前記ドレイン領域を規定するループ状部と、前記開口部を介して前記ドレイン領域に接続された第2導電型の延在領域を規定する部分と、を備え、
前記第2導電型の第2のソース領域は、前記第2導電型の延在領域に形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記開口部上に絶縁膜を形成し、このゲート絶縁膜上にゲート電極を配置し、該ゲート電極に印加するゲート電圧を設定又は調整できるようにした、ことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2導電型の第2のソース領域は、前記第1導電型の第1の領域と、前記ドレイン領域を規定する前記第1導電型の素子分離領域との間において前記ドレイン領域の表面領域に形成されている、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第2導電型のドレイン領域の中央部には、ドレイン引出領域が形成され、該ドレイン引出領域を取り囲むように、前記第1導電型の第1の領域がループ状に形成されている、ことを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1導電型の層の表面領域には、不純物濃度が調整可能とされた第2導電型の第1の領域が形成されている、ことを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第2導電型の第1の領域は、ドレイン領域の直下に形成された円盤状の領域と、前記第1導電型の第1の領域の下に形成されたリング状の領域から構成され、
前記円盤状の領域及び前記リング状の領域は、それぞれ、R部、逆R部、及び直線部から構成され、前記R部の不純物濃度を、前記直線部の不純物濃度よりも高くするとともに、前記直線部の不純物濃度を、前記逆R部の不純物濃度よりも高くした、ことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1導電型の素子分離領域は、前記第2導電型の第1の領域及び前記第1導電型の第1の領域を取り囲むようにループ状に形成されている、ことを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図14E】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図20D】
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【図20E】
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【図20F】
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【図20G】
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【図20H】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24A】
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【図24B】
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【図24C】
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【図24D】
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【図24E】
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【図24F】
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【図24G】
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【図24H】
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【図24I】
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【図25A】
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【図25B】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32A】
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【図32B】
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【公開番号】特開2010−109343(P2010−109343A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−221683(P2009−221683)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(000106276)サンケン電気株式会社 (982)
【Fターム(参考)】