説明

揺動体装置、及びそれを用いた機器

【課題】揺動体の中立位置を調整して、それによる反射光ビームの照射位置の調整やそれと対象物間の距離の調整などを可能とした揺動体装置を提供することである。
【解決手段】揺動体装置は、中立位置を挟んで揺動軸2の回りに揺動可能に支持された揺動体1と、駆動手段4、5、6と、位置調整手段4、7、8とを有する。駆動手段は、揺動体1を揺動軸2の回りに揺動させるための手段であり、位置調整手段は、揺動体1の中立位置を調整するための手段である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揺動軸の回りに揺動可能に支持された揺動体を含む揺動体装置、及びそれを用いた、光源からの出射光を適当な周波数で偏向・走査する光スキャナー、電位測定対象の電位を測定する電位センサーなどの機器に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザービーム等を予め決められた周波数でスキャンする機能が、イメージリーダやOCR(光学式文字読取装置)やバーコードリーダ、LBP(レーザービームプリンタ)などに組み込まれている。こうした機能を担うものとして、シリコンなどで構成されたミラーを電磁アクチュエータにより所定の周波数で共振振動させる光スキャナーが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
こうした光スキャナーでは、例えば、シリコンミラーに永久磁石を搭載し、永久磁石に対向して配置された励磁コイルにミラーの共振周波数に合わせた交流電流を印加することでミラーを共振状態にし、ミラーに入射する光ビームをスキャンしている。
【0004】
一方、光スキャナーを用いるイメージリーダやLBPなどは、スキャンされるビームの当たる位置が非常に重要である。この光の当たる位置を決める光学系の位置決め精度は、機械的精度によって決められている。
【特許文献1】特開平2002-311372号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述の機械的位置決め精度には限界があり、精度を良く光学系を配置するには、高精度なアライメント手段を用い、それを調整することを必要とする。また、調整を維持するために、温度、時間などで変形を起こさない材料等を用いることを必要とし、コストアップの要因となる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑み、本発明の揺動体装置は、中立位置を挟んで揺動軸の回りに揺動可能に支持された揺動体と、駆動手段と、位置調整手段と、を有することを特徴とする。前記駆動手段は、前記揺動体を揺動軸の回りに揺動させるための手段であり、前記位置調整手段は、前記揺動体の中立位置を調整するための手段である。
【0007】
また、上記課題に鑑み、本発明の揺動体装置は、中立位置を挟んで揺動軸の回りに揺動可能に支持された揺動体と、前記揺動体を前記揺動軸の回りに揺動させるためのアクチュエータと、を有する。そして、前記アクチュエータは、対向して設けられたコイルと永久磁石を含み、変調電流と直流電流を重畳した電流を前記コイルに印加することで、前記揺動体の中立位置を調整すると共に前記揺動体を揺動させることを特徴とする。
【0008】
また、上記課題に鑑み、本発明の光スキャナーは、上記の揺動体装置を含み、前記揺動体に、光ビームを偏向・走査する光偏向素子が設けられていることを特徴とする。
【0009】
また、上記課題に鑑み、本発明の電位センサーは、上記の揺動体装置を含み、電位測定対象に対向して配置される前記揺動体に、電位測定対象の電位に応じた誘導電荷が誘導される検知電極が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の揺動体装置によれば、揺動体の中立位置を調整できるので、それを用いる光スキャナーにおいて、光ビームの当たる位置の精度を向上させることができる。また、本発明の揺動体装置を用いる電位センサーにおいても、測定対象から揺動体の中立位置までの距離を調整できるので、より正確な電位の測定が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明の揺動体装置の一実施形態は、基本的に、中立位置を挟んで、ねじりバネなどの弾性支持部で規定される揺動軸の回りに揺動可能に支持された揺動体と、駆動用アクチュエータと、位置調整用アクチュエータとを有する。駆動手段である駆動用アクチュエータは、揺動体を揺動軸の回りに揺動させるためのものであり、位置調整手段である位置調整用アクチュエータは、揺動体の中立位置を調整するためのものである。前記中立位置は、駆動用アクチュエータが働いていないときに揺動体が取る位置であり、揺動軸が弾性支持部で規定される場合、中立位置では弾性支持部は弾性変形していない。
【0012】
上記揺動体は種々の形態を取ることができる。一形態例では、後述する図1に示す実施例の様に、1つの揺動体1が一対のねじりバネなどの支持梁2で揺動可能に支持される。他の形態例では、上面図である図7で示す様に、複数の揺動体301、301aが弾性梁304、304aで揺動可能に支持される。ここでは、揺動体301には反射面が形成されていて、ここへの入射光を反射・偏向する。他の一対の揺動体301aは駆動子であり、夫々棒磁石(図示なし)が固定されている。枠形状の支持基板302と駆動子との間には一対の弾性梁304が、駆動子と揺動体301の間には一対の弾性梁304aが、夫々、揺動軸300に一致する様に結合されている。こうした構成では、2つのねじれ共振振動数fと2fの成分を合成した揺動運動を実現できる。fと2fの成分を適切な位相と振幅の条件で合成することで、反射面付き揺動体301に、等角速度部を有する揺動運動を行わせることができる。一対の駆動子301aを同相で振動させるため、対応する夫々一対の弾性梁304、304aのねじれ剛性、対応する一対の駆動子301aの慣性モーメントが揃えられる。こうして、夫々の棒磁石には同相の交番磁力が励磁コイル(図示なし)から加えられて揺動体301が揺動させられる。この構成では、上記棒磁石と励磁コイルが駆動用アクチュエータを成す。この構成に位置調整用アクチュエータを設けることで、弾性梁304、304aを撓ませてその位置を調整し、揺動体301の中立位置を調整することができる様になる。位置調整用アクチュエータは、例えば、上記棒磁石と直流電流印加用の補正コイルで構成できる。
【0013】
上記形態例では揺動体は両持ち梁式で支持されているが、図8に示す様に、複数の揺動体301、301a(或いは1つの揺動体)を揺動可能に弾性梁304、304aにより片持ち梁式で支持することもできる。図8に示す様な片持ち梁式の場合、支持基板302は図示の如き枠形状でなくてもよく、例えば、弾性梁304の根元部に繋がった矩形状の部分のみから成る形態でもよい。
【0014】
上記駆動用アクチュエータは、上述した様に、対向して設けられた励磁コイルと永久磁石を含み、励磁コイルに印加する変調電流による電磁力で揺動体を揺動させる様に構成できるが、以下に説明する構成も可能である。
【0015】
一形態例では、駆動用アクチュエータは、対向して設けられた駆動電極を含み、駆動電極に印加する変調電圧による静電力で揺動体を揺動させる様に構成できる。図6は、この構成を示す断面図である。図6において、202は支持部、204は、支持部202に対して揺動可能に支持された揺動体、205は揺動体204の揺動軸、207はスペーサー、212は揺動体204上の駆動電極である。駆動電極212は、例えば、接地されている。また、208は下部支持基板、221は上部支持基板、210と211は下部支持基板208上の駆動電極である。駆動電極210、211に交互に電圧を印加することで、駆動電極212と駆動電極210間及び駆動電極212と駆動電極211間で交互に引力が働き、揺動体204が揺動軸205の回りに揺動させられる。
【0016】
他の形態例では、駆動用アクチュエータは、圧電素子を含み、圧電素子に印加する変調電圧による振動エネルギーで揺動体を揺動させる様に構成できる。圧電素子は、揺動体を揺動可能に支持する支持部などに設けられる。
【0017】
また、位置調整用アクチュエータは、上述した様に、対向して設けられた補正コイルと永久磁石を含み、補正コイルに印加する直流電流による電磁力で揺動体の中立位置を調整する様に構成できるが、次の構成も可能である。
【0018】
一形態例では、位置調整用アクチュエータは、対向して設けられた補正電極を含み、補正電極に印加する直流電圧による静電力で揺動体の中立位置を調整する様に構成できる。図6は、この構成例をも示す断面図である。図6において、222は上部支持基板221上の補正電極、224は揺動体204上の補正電極である。電極224は、例えば、接地されている。補正電極222に直流電圧を印加することで、補正電極222と補正電極224間に引力が働き、揺動体204の中立位置が調整・補正される。揺動体204が導電性のシリコンなどで形成される場合、補正電極224を省略することもできる。図6の構成の揺動体装置を光スキャナーに用いる場合、例えば図7や図8に示す駆動子の部分に駆動用及び位置調整用のアクチュエータを設ければ、反射面付き揺動体301に対する光の入出射が妨げられることはない。
【0019】
揺動体装置は、次の様に構成することもできる。即ち、中立位置を挟んで揺動軸の回りに揺動可能に支持された揺動体と、揺動体を揺動軸の回りに揺動させるための電磁アクチュエータとを有し、電磁アクチュエータは、対向して設けられたコイルと永久磁石を含む。そして、共通或いは別個の電源から、変調電流と直流電流を重畳した電流をコイルに印加することで、揺動体の中立位置を調整すると共に前記揺動体を揺動させる。この場合、電磁アクチュエータは、駆動用と位置調整用という様に2組設ける必要がなくなる。
【0020】
駆動用アクチュエータの形態と位置調整用アクチュエータの形態の組み合わせは、構成的に可能である限り自由である。当然、両方とも、電磁式或いは静電式とできるし、駆動用アクチュエータを電磁式又は圧電式とし位置調整用アクチュエータを静電式にすることもできる。駆動用アクチュエータを静電式又は圧電式とし、位置調整用アクチュエータを電磁式にすることもできる。また、揺動体は、前述した様に、典型的には共振振動可能に構成されるが、意図的に共振周波数から外した周波数で振動させることもできる。
【0021】
上記揺動体装置は、種々の機器に用いることができる。後述する実施例で説明する様に、揺動体に、光ビームを偏向・走査する光偏向素子を設けて、光スキャナーに用いることができる。ここでは、光ビームの当たる位置の精度を向上させられる
【0022】
また、電位測定対象に対向して配置される揺動体に、電位測定対象の電位に応じた誘導電荷が誘導される検知電極を設けて、電位センサーに用いることもできる。この一例を図5の断面図に示す。図5において、測定対象表面151は、例えば、感光ドラムであり、図の左右方向に伸びる軸、或いは紙面垂直方向に伸びる軸の回りに回転する。揺動体104は、これと対向する測定対象表面151が実質的に平面的である場合には、中立位置においてこれとほぼ平行になる様に配置される。また、152は電位センサーを収めるケースであり、導電性の材料で形成され、アースに接地されている。揺動体104を支える支持基板100は、適切な装着冶具153、154によって、ケース152に固定されている。この設置されたケース152の存在により、揺動体104とほぼ真正面で対向する測定対象表面151の部分からのみ電気力線が検知電極111、112に達することになる。これにより、雑音成分を抑制できて精度良く電位測定ができる様になる。ここでは、永久磁石113と符号114で示す部分にある励磁コイルで構成される駆動用アクチュエータにより、揺動体104はねじりバネの中心軸線Cを揺動中心として中立位置を挟んで揺動させられる。この揺動運動で、検知電極111、112と測定対象表面151間の距離が、位相が180度ずれて、夫々周期的に変化する。これに従って、検知電極111、112に、位相が180度ずれて、誘導電荷が夫々周期的に誘導されるので、これらに係る信号を差動増幅処理することで測定対象表面151の電位を測定することができる。この際、位置調整用アクチュエータで揺動体104の中立位置を調整・補正することができるので、より正確な電位測定が可能となる。ここでは、位置調整用アクチュエータは、永久磁石113と符号114で示す部分にある補正コイルで構成される。
【実施例】
【0023】
次に、本発明の実施例を図に沿って説明する。
【0024】
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1による光スキャナーを示す概念構成図である。この光スキャナーの構成において、支持梁2の回りで揺動可能に、反射ミラー10付きの揺動体1が設けられている。また、揺動体1を駆動する駆動用アクチュエータを成す励磁コイル5とは別に、位置調整用アクチュエータを成す補正コイル7が揺動体1の近傍に配置されている。位置調整用アクチュエータの補正コイル7には、補正直流電源8から直流電流が流される。駆動用アクチュエータの励磁コイル5には、励磁交流電源6から交流電流が流され、揺動体1を支持梁2の回りで揺動させる。揺動体1には、駆動用アクチュエータと位置調整用アクチュエータを夫々成す永久磁石4も設けられている。励磁コイル5と補正コイル7は、図示の様に、重なって設けられ、それらの中心にコア9が設けられている。
【0025】
位置調整用アクチュエータの補正コイル7より発生する静磁場であるオフセット磁界は、揺動体駆動用アクチュエータの励磁コイル5より発生する交番磁場と合成されて、揺動体1上の永久磁石4に作用する。これにより、支持梁2が撓んでミラー10付きの揺動体1の中立位置が調整・補正され、かつ共振振動のための外力が揺動体1に与えられる。
【0026】
図2は、反射ミラー10と支持梁2の伸張方向と平行な方向から見た断面における構造を示す。これから分かる様に、磁石4は、反射ミラー10のある面とは反対側の裏面に設置され、磁石4の極性はミラー10付きの揺動体1の振動方向に合わせて設定されている。ここでは、磁石4の伸張方向は、梁2の伸張方向に対して直角になっている。
【0027】
上記構成において、まず、補正用直流電流を補正コイル7に流すことで静磁場が発生し、磁石4を引き寄せる方向に力がかかる。これにより、ミラー10付きの揺動体1は、その回転方向及びミラー反射面に垂直な方向に移動し、その中立位置が調整される。こうして、ミラー10に入射する光ビームが反射する方向を調整することができる。中立位置を調整した後、励磁交流電源6で揺動体1を駆動すれば、調整後の中立位置における反射方向である光軸を中心に、光ビームはスキャンされることになる。
【0028】
本実施例の光スキャナーによれば、揺動体1の中立位置を調整できるので、走査される光ビームの当たる位置の精度を向上させることができる。また、装置を取り付け後、任意の時間で揺動体1の中立位置を再調整できるので、装置構成部の材料に一般的な材料を用いても高精度の光走査を維持することができ、コストダウンが可能となる。
【0029】
補正コイルを図3の様に2つの部分18、19で構成して、巻き線を8の字型に巻回することで、揺動体1の上記回転方向の移動調整をキャンセルすることができる。また、補正コイル18、19に流す直流電流の向きによって、ミラー反射面に垂直な方向に揺動体1を引き寄せ或いは遠ざけることができる。こうして、より精度の良い中立位置の調整が可能となる。図3はコイルを上から見た図であり、ここでは、励磁コイル5にはコア9が設けられ、補正コイル18、19は空芯20を持つコイルとなっている。
【0030】
(実施例2)
実施例2を説明する。実施例2では、図4に示す様に、補正コイルを省き、コア29の周りの励磁コイル25のみで上記実施例と同等の作用・効果を得る。図4に示す構成において、励磁コイル25に、励磁交流電源26からの励磁交流と補正直流電源28からの補正直流を加算回路27で加算して得られる重畳電流を流す。補正直流によって反射ミラー10付きの揺動体1の中立位置が微小に移動・調整され、中立位置における反射光ビームの反射方向である光軸が調整される。そして、調整後に、重ねて励磁交流電流を流すことで反射ミラー10付きの揺動体1を共振振動させて、上記光軸を挟んで光ビームをスキャンすることができる。ここで、直流電流を交流電流の振幅に対して小さくすることで、その熱的な影響を少なくすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明による揺動体装置は、イメージリーダやOCRやバーコードリーダやLBPなど、光スキャナーで光ビームを精度良く走査する必要がある装置に用いることができる。更には、上述した様に、揺動体の中立位置を調整・補正することが好ましい電位センサーなどの装置にも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施例1による光スキャナーを示す概念構成図である。
【図2】実施例1による光スキャナーを説明する断面図である。
【図3】実施例1の変形例を説明する上面図である。
【図4】本発明の実施例2による光スキャナーを示す概念構成図である。
【図5】本発明による揺動体装置を用いた電位センサーの構成例を説明する断面図である。
【図6】本発明による揺動体装置の他の構成例を説明する断面図である。
【図7】本発明による揺動体装置の複数の揺動体を含む形態例を示す上面図である。
【図8】本発明による揺動体装置の複数の揺動体を含む他の形態例を示す上面図である。
【符号の説明】
【0033】
1、104、204、301、301a 揺動体
2、205、300 揺動軸(支持梁)
4、113 駆動手段、位置調整手段(駆動用アクチュエータ、位置調整用アクチュエータ、永久磁石)
5、25、114 駆動手段(駆動用アクチュエータ、励磁コイル)
6、26 駆動手段(駆動用アクチュエータ、励磁交流電源)
7、18、19、25、114 位置調整手段(位置調整用アクチュエータ、補正コイル)
8、28 位置調整手段(位置調整用アクチュエータ、補正直流電源)
10 光偏向素子(反射ミラー)
111、112 検知電極
151 電位測定対象(測定対象表面)
210、211、212 駆動電極
222、224 補正電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中立位置を挟んで揺動軸の回りに揺動可能に支持された揺動体と、
前記揺動体を前記揺動軸の回りに揺動させるための駆動手段と、
前記揺動体の中立位置を調整するための位置調整手段と、
を有することを特徴とする揺動体装置。
【請求項2】
前記駆動手段は、対向して設けられた励磁コイルと永久磁石を含み、前記励磁コイルに印加する変調電流による電磁力で前記揺動体を揺動させることを特徴とする請求項1記載の揺動体装置。
【請求項3】
前記駆動手段は、対向して設けられた駆動電極を含み、前記駆動電極に印加する変調電圧による静電力で前記揺動体を揺動させることを特徴とする請求項1記載の揺動体装置。
【請求項4】
前記駆動手段は、圧電素子を含み、前記圧電素子に印加する変調電圧による振動エネルギーで前記揺動体を揺動させることを特徴とする請求項1記載の揺動体装置。
【請求項5】
前記位置調整手段は、対向して設けられた補正コイルと永久磁石を含み、前記補正コイルに印加する直流電流による電磁力で前記揺動体の中立位置を調整することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の揺動体装置。
【請求項6】
前記位置調整手段は、対向して設けられた補正電極を含み、前記補正電極に印加する直流電圧による静電力で前記揺動体の中立位置を調整することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の揺動体装置。
【請求項7】
中立位置を挟んで揺動軸の回りに揺動可能に支持された揺動体と、
前記揺動体を前記揺動軸の回りに揺動させるためのアクチュエータと、
を有し、
前記アクチュエータは、対向して設けられたコイルと永久磁石を含み、
変調電流と直流電流を重畳した電流を前記コイルに印加することで、前記揺動体の中立位置を調整すると共に前記揺動体を揺動させる、
ことを特徴とする揺動体装置。
【請求項8】
前記揺動体が共振振動可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の揺動体装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1項に記載の揺動体装置を含み、
前記揺動体に、光ビームを偏向・走査する光偏向素子が設けられている、
ことを特徴とする光スキャナー。
【請求項10】
請求項1乃至8の何れか1項に記載の揺動体装置を含み、
電位測定対象に対向して配置される前記揺動体に、電位測定対象の電位に応じた誘導電荷が誘導される検知電極が設けられている、
ことを特徴とする電位センサー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−116137(P2009−116137A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−290355(P2007−290355)
【出願日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】