説明

液晶表示装置の作製方法

【課題】 液晶表示装置の作製工程におけるプラズマ工程による問題、ゲイト電極等におけるヒロック等の問題、液晶パネルの取り出し部におけるコンタクト不良の問題のうち、少なくとも一つを解決する。
【解決手段】 本発明に係る、液晶パネル内に薄膜トランジスタを有する液晶表示装置の作製方法は、Sc、Y、ランタノイド及びアクチノイドから選ばれた一種又は複数種類の元素が含まれたアルミニウム膜を有するゲイト電極を形成し、前記ゲイト電極に電気的に接続される、パルス電流が放電しやすい形状を有する第1の配線を形成し、前記薄膜トランジスタの不純物領域に接続される第2の配線を形成し、前記第2の配線から延在した前記液晶パネルの取り出し部に、透明導電膜を形成することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する発明は集積化された薄膜半導体装置の作製方法に関する。また、アクティブマトリクス型の液晶表示装置の作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来よりアクティブマトリクス型の液晶表示装置が知られている。この構成は、ガラス基板上に数百×数百個以上の数でもってマトリクス状に配置された画素電極と、この画素電極のそれぞれに個別に配置された薄膜トランジスタとを有している。
【0003】
各画素に配置された薄膜トランジスタは、それぞれの画素電極に出入りする電荷を制御するために機能する。
【0004】
また、この画素電極に配置された薄膜トランジスタを駆動するための周辺駆動回路をも薄膜トランジスタ回路で構成する技術が知られている。この構成は、周辺駆動回路一体型と称されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなアクティブマトリクス型の液晶表示装置を作製する場合、ガラス基板上に集積化された薄膜トランジスタのいくつかが動作不良になってしまう現象が見られる。
【0006】
本発明者らは、この問題について鋭意研究した結果以下に示すような知見を得た。
【0007】
アクティブマトリクス型の液晶表示装置のような集積化された半導体装置を作製する場合には、絶縁膜や配線の形成において、プラズマCVD法やスパッタ法による成膜やプラズマエッチングが利用されている。
【0008】
プラズマCVD法やスパッタ法、さらにはプラズマエッチングにおいては、大きなエネルギーを有したイオン(高エネルギーイオン)が少なからず存在する。
【0009】
一方、プラズマCVD法やスパッタ法を用いて成膜された絶縁膜は膜質が緻密でなく、その耐圧が低いという問題がある。一般的には、その耐圧は数十V程度以下である。
【0010】
ここで図12に示すような状況を考える。図12(B)に示すのは、(A)に示すような構造を有する薄膜トランジスタを作製する場合における一工程断面図である。
【0011】
図12(B)は、第2の層間絶縁膜55の成膜を行っている状態を示すものである。一般に層間絶縁膜の成膜には、プラズマCVD法やスパッタ法が利用される。この工程において、前述した高エネルギーを有したイオンが試料に入射してしまう。
【0012】
一般にソース(S)電極54とゲイト電極(G)51との間は導通状態にはない。従って、部分的に高エネルギーを有するイオンが入射することによって、ソース(S)電極54とゲイト電極(G)51とが異なる電位に帯電してしまう状況が生じる。
【0013】
このような状況においては、ソース(S)電極54とゲイト(G)電極51との間における電位差が瞬間的に数十V〜数百Vに達してしまう。
【0014】
ソース電極54とゲイト電極51とは活性層52及びゲイト絶縁膜53を介して配置されている。
【0015】
前述したようにCVD法やスパッタ法で成膜されたゲイト絶縁膜53の耐圧は数十V以下である。従って、状況によっては、ゲイト絶縁膜53が電気的に破壊されてしまう。
【0016】
ゲイト絶縁膜が破壊されると、薄膜トランジスタは動作不良なものとなってしまう。
【0017】
数百×数百という個数で薄膜トランジスタが配置され、さらに基板としてガラス基板や石英基板という絶縁体を用いるアクティブアトリクス型の表示装置の構成においては、上記の現象は特に顕在化する。
【0018】
この問題を解決するためには、絶縁膜55の成膜の最中において、ソース電極54とゲイト電極51とを電気的にショートしておいて、両電極が等電位になるようにすればよい。しかし、最終的な動作を行わせる状態においては、ソース電極54とゲイト電極51とが直接電気的にショートしていてはいけない。
【0019】
そこで図12(B)に示すような工程においては、最終段階までソース電極54とゲイト電極51とを電気的にショートした状態とし、最終段階でソース電極54とゲイト電極51とを切断することが必要とされる。しかし、このような工程は、工程数を増やすことになるので、生産歩留りの問題や生産コストの点から好ましいものではない。
【0020】
本明細書で開示する発明は、図12(B)に示すような工程において、プラズマから与えられるパルス状の高電位によって、作製途中の半導体装置が破壊してしまうことを防ぐ技術を提供することを課題とする。また上記技術を工程の煩雑さを招かずに実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本明細書で開示する発明の一つは、図1〜図3のその具体的な一例を示すように、
第1の配線107を形成する工程(図1(A))と、
前記第1の配線上に絶縁層123を形成する工程(図2(A))と、
前記絶縁層上に前記第1の配線にコンタクトする第2の配線または電極(126)を形成する工程(図2(B))と、
前記コンタクト部を利用して前記第1の配線107を分断する工程(図3(B))と、
を有することを特徴とする。
【0022】
他の発明の構成は、図1〜図3にその具体的な一例を示すように、
第1の配線107を形成する工程(図1(A))と、
前記第1の配線上に絶縁層123を形成する工程と、
前記絶縁層上に前記第1の配線にコンタクトする導電材料126を形成する工程と、
前記コンタクト部を介して、前記第1の配線を分断(131で示される開孔の低部において分断される)する工程(図3(B))と、
を有することを特徴とする。
【0023】
他の発明の構成は、
多層配線を形成するに際して、
上層の配線または電極のパターニングを利用して下層の配線の分断を行うことを特徴とする。
【0024】
他の発明の構成は、
多層配線を形成するに際して、
上層の配線または電極に対する開孔の形成を利用して下層の配線の分断を行うことを特徴とする。
【0025】
他の発明の構成は、例えば図1〜図3にその作製工程の一例を示すように、
薄膜トランジスタのゲイト電極106を形成するとともに前記ゲイト電極を構成する材料でもって配線107を形成する工程(図1(A))と、
前記ゲイト電極106および配線107を覆って第1の絶縁膜123を形成する工程(図2(A))と、
薄膜トランジスタのソース領域118と前記配線107の一部に達する開孔を前記第1の絶縁膜123に形成する工程(図2(A))と、
前記ソース領域118にコンタクトする電極および/または配線124を形成するとともに前記配線107の一部にコンタクトするダミーの電極126を形成する工程(図2(B))と、
前記ソース領域118にコンタクトする電極および/または配線124と前記ダミーの電極126を覆って第2の絶縁膜129を形成する工程(図2(C))と、
薄膜トランジスタのドレイン領域122に達する開孔130と前記ダミーの電極126に達する開孔131を前記第1の絶縁膜123および前記第2の絶縁膜129に形成する工程(図2(C))と、
前記ドレイン領域122にコンタクトする電極および/または配線136(この場合は画素電極)を形成するとともに前記ダミーの電極126と前記配線107の一部を除去する工程(図3(B))と、
を有することを特徴とする。
【0026】
また上記構成において、配線107を利用して薄膜トランジスタのゲイト電極106とソース領域118とを電気的に接続する構成とする。このようにすると、成膜やエッチング時のプラズマから与えられるパルス状の電位による破壊の問題を解決することができる。
【0027】
この構成においては、最終工程において、配線107が分断される。この分断工程は、特に作製工程を煩雑化することなしに行うことができる。
【0028】
また、上記構成において、配線108を陽極酸化時の電流供給用配線として利用すれば、陽極酸化後におけるこの配線の分断を特別な工程を設けることなしに行うことができる。
【0029】
他の発明の構成は、例えば図1〜図3にその作製工程を示すように、
絶縁表面上に第1の配線107を形成する工程(図1(A))と、
前記配線上に第1の絶縁膜123を形成する工程(図2(A))と、
前記第1の配線の分断を行わんとする部分において前記第1の絶縁膜に開孔を形成する工程(図2(A))と、
前記開孔部に前記第1の配線にコンタクトする金属部126を形成する工程(図2(B))と、
前記金属部を覆って第2の絶縁膜129を形成する工程(図2(C))と、
前記金属部126を露呈させる開孔131を前記第2の絶縁膜に形成する工程(図2(C))と、
前記第2の絶縁膜上に電極を構成する導電膜135を形成する工程(図3(A))と、
前記導電膜のパターニング時に前記金属部126とその下部の前記第1の配線107を除去する工程(図3(B))と、
を有することを特徴とする。
【0030】
他の発明の構成は、例えば図1〜図3にその作製工程を示すように、
ゲイト電極106およびゲイト配線を形成するとともに前記ゲイト電極およびゲイト配線を構成する同一の材料でもって配線107を形成する工程(図1(A))と、
該工程の後に第1の絶縁膜123を形成する工程(図2(A))と、
前記第1の絶縁膜に開孔を形成し前記配線にコンタクトする金属部126を形成する工程(図2(B))と、
前記金属部を覆って第2の絶縁膜129を形成する工程(図2(C))と、
前記第2の絶縁膜に前記金属部に達する開孔131を形成する工程(図2(C))と、
前記第2の絶縁膜上に画素電極136を形成する工程(図3(B))と、
を有し、
前記画素電極のパターニング時に前記開孔131を介して前記金属部126を除去し、さらに前記金属部下の前記配線107を除去し、前記配線を分断することを特徴とする。
ここで、配線107の除去は、配線107を完全に分断するように行う必要がある。
【発明の効果】
【0031】
本明細書で開示する発明を利用することで、プラズマから与えられるパルス状の高電位によって、作製途中の半導体装置が破壊してしまうことを防ぐことができる。また新たなマスクを必要とせずに不要となる配線の分断を行うことができる。
【0032】
(作用)
薄膜トランジスタのゲイト配線とソース配線とを接続しておき、最終的に切断(分断)することによって、各種絶縁膜や導電膜の形成時においてプラズマの影響に伴うゲイト絶縁膜の破壊を防ぐことができる。即ち、プラズマの影響によってゲイト配線とソース配線とが異なる電位に瞬間的になり、その電位差によってゲイト絶縁膜が破壊されてしまうことを防ぐことができる。
【0033】
またこのゲイト配線とソース配線とを接続しておき、最終的に分断する技術として以下に示すような構成を採用することにより、マクスを増やすことなく、また特別な複雑な構成を増やすことなく、上記の作用効果を得ることができる。
【0034】
即ち、図1〜3に示すように、最終的に分断した配線(1層目の配線)107と108とに対して、層間絶縁膜の形成毎に開孔を形成し、図2(C)に示すように電極としては機能しないダミーの電極126〜128を形成する。そして、図3(A)〜図3(B)に示す最後の電極136のパターニング時に先のダミーの電極126〜128に開孔131〜133を形成し、さらに配線107と108をこの開孔によって分断する。
【0035】
このようにすることで、電極136のパターニング時において同時に配線107と108の所定の部分を分断することができる。
【0036】
またこの工程は、陽極酸化を行う場合に利用される電力供給用の配線を切断する技術としても非常に有用なものとなる。即ち、特別にマスクを利用することなく電流供給用の配線を切断することができる。
【実施例1】
【0037】
本実施例は、アクティブマトリクス型の液晶表示装置の画素領域の作製工程を示すものである。本実施例では、低OFF電流特性を有せしめるために低濃度不純物領域を備えた薄膜トランジスタを画素領域に配置する構成を示す。
【0038】
図1〜図4に本実施例の作製工程の概略を示す。まず図1(A)に示すように、ガラス基板101上に図示しない下地膜を3000Åの厚さにプラズマCVD法またはスパッタ法で成膜する。ここでは下地膜として酸化珪素膜を用いる。なお基板101としては石英基板を用いてもよい。
【0039】
次に薄膜トランジスタの活性層102を構成するための出発膜となる非晶質珪素膜(図示せず)をプラズマCVD法または減圧熱CVD法でもって500Åの厚さに成膜する。次にこの非晶質珪素膜を加熱及び/またはレーザー光の照射により結晶化させ、図示しない結晶性珪素膜を得る。
【0040】
ここではCVD法で成膜された非晶質珪素膜を加熱やレーザー光の照射によるアニールによって結晶化させる技術を示した。しかし、減圧熱CVD法やプラズマCVD法で直接結晶性を有する珪素膜を成膜するのでもよい。
【0041】
そして、上記工程において結晶化させた結晶性珪素膜をパターニングすることにより、図1(A)に示す薄膜トランジスタの活性層102を得る。ここでパターニングを行うための第1のマスクが利用される。
【0042】
次にゲイト絶縁膜として機能する酸化珪素膜100を1000Åの厚さにプラズマCVD法で成膜する。
【0043】
さらに1層目の配線を構成するためのアルミニウム膜(図示せず)をスパッタ法や電子ビーム蒸着法で成膜する。この1層目の配線は図1(A)の106、107、108で示されるパターンを後に形成することとなる。
【0044】
このアルミニウム膜中には、後の工程においてヒロックやウィスカーの発生を抑制するために、ScやY、さらにはランタノイドやアクチノイドから選ばれた一種または複数種類の元素を含有させる。ここでは、Scを0.1 重量%含有させる。
【0045】
なお、ヒロックやウィスカーは、アルミニウム膜を300℃以上の温度に加熱した場合やアルミニウム膜にレーザー光の照射を行った場合にその表面に形成される針状あるいは刺状の突起物のことをいう。
【0046】
図示しないアルミニウム膜を形成したら、その表面に極薄い陽極酸化膜(図示せず)を形成する。この陽極酸化膜は、後の工程において、アルミニウム膜上に配置されるレジストマスク(103〜105で示される)の密着性を良好なものとする機能を有する。
【0047】
上記の極薄い陽極酸化膜は、電解溶液として3%の酒石酸を含んだエチレングルコール溶液をアンモニア水で中和したものを用いることによって形成される。この陽極酸化はこの電解溶液中において、アルミニウム膜を陽極とし、さらに白金を陰極とすることで行われる。
【0048】
ここで成膜される陽極酸化膜は緻密な膜質を有している。またその膜厚は印加電圧によって制御することができる。ここでは、その厚さを150Åとする。
【0049】
次にこのアルミニウム膜上にレジストマスク103、104、105を配置する。このレジストマスクは、図示しない緻密な陽極酸化膜がアルミニウム膜上に形成されているので、隙間なくアルミニウム膜上に密着させることができる。このレジストマスクの形成において、第2のマスクが利用される。
【0050】
次にレジストマスク103、104、105を利用してパターニングを行い、ゲイト電極106、およびこれより延在したゲイト配線(図示せず)、後にゲイト配線とソース線とを接続するための短絡配線の一部107、後にゲイト電極に対する陽極酸化を行う際に電流を供給するための配線の一部108を形成する。こうして図1(A)に示す状態を得る。
【0051】
次にレジストマスクを配置した状態において、図1(B)に示すように、多孔質状の陽極酸化膜109、110、111を形成する。
【0052】
この多孔質状の陽極酸化膜は、3%のシュウ酸水溶液を電解溶液として用いて行う。具体的には、図1(A)の工程において形成した1層目の配線(106〜108で示されるパターン)を陽極とし、他方白金を陰極として、前述の水溶液中において両電極間に電流を流すことによって行われる。
【0053】
この際、アルミニウムでなる各パターンの上部にはレジストマスクが配置されているので、電解溶液がアルミニウムパターンの上面には接触しない。従って、陽極酸化は各アルミニウムパターンの側面のみにおいて進行する。
【0054】
この陽極酸化は、陽極酸化時の電流供給用の配線(108にその一部が示される)から電流を供給することによって行われる。
【0055】
この電流供給用の配線は、アクティブマトリクス領域の端と端とで、陽極酸化時において電圧降下が生じ、そのことに起因して成膜される陽極酸化膜の膜厚が異なってしまうことを防ぐために利用される。特に液晶パネルが大面積化する場合にはこの電流供給用の配線を利用することが必要となる。
【0056】
この多孔質状の陽極酸化膜の成長距離は、陽極酸化時間によって制御することができる。この多孔質状の陽極酸化膜の成長距離は、3000Å〜10000Å程度の間で選択することができる。ここではこの多孔質状の陽極酸化膜の膜厚(成長距離)を5000Åとする。なおこの多孔質状の陽極酸化膜の成長距離でもって、後に形成される低濃度不純物領域の寸法を概略決めることができる。
【0057】
この多孔質状の陽極酸化膜は、
・低濃度不純物領域(一般にLDD領域と呼ばれる領域)の形成、
・1層目の配線と2層目の配線の立体交差部における不良の発生の抑制、
といった役割を有している。
【0058】
図1(B)の109、110、111で示される多孔質状の陽極酸化膜を形成した後、レジストマスク103、104、105(図1(B)においては図示されていない)を除去する。
【0059】
次に再度緻密な膜質を有する陽極酸化膜を形成する。ここでは、陽極酸化膜112、113、114を形成する。この緻密な陽極酸化膜は、ヒロックやウィスカーの発生の抑制に非常に高い効果がある。
【0060】
この緻密な陽極酸化膜の形成は、電界溶液として3%の酒石酸を含んだエチレングルコール溶液をアンモニア水で中和したものを用いて行う。
【0061】
この工程においては、多孔質状の陽極酸化膜109、110、111内に電解溶液が侵入するので、緻密な陽極酸化膜は112、113、114で示されるように残存したアルミニウムでなる電極や配線(106〜108で示される)の上面および側面に形成される。
【0062】
なお、この陽極酸化においても108でその一部が示される陽極酸化用の電流供給用の配線を利用して、陽極酸化時の電流を供給する。これは、電圧効果の影響を是正することで、形成される陽極酸化膜の膜厚を全体で均一なものとするためである。
【0063】
この緻密な陽極酸化膜の膜厚は800Åとする。この緻密な陽極酸化膜の膜厚を厚く(例えば2000Å以上)するとその厚さの分で後にオフセットゲイト領域を活性層中に形成することができる。しかし、緻密な陽極酸化膜を厚く形成することは印加電圧を高く(2000Å以上の膜厚を得るには200V以上の電圧が必要とされる)しなければならず、作業の再現性や安全性の点から好ましくない。従って、ここではヒロックやウィスカーの発生の抑制、耐圧の向上といった効果を得るためにこの緻密な陽極酸化膜の厚さを800Åとする。
【0064】
この工程において、図1(B)に示すゲイト電極およびゲイト配線106が形成される。ゲイト電極およびゲイト配線106は、陽極酸化が行われることにより、図1(A)の106に示す形状に比較して、その断面寸法が全体として目減りする。
【0065】
また、ゲイト配線とソース線とを接続するための短絡配線の一部107と、ゲイト電極に対する陽極酸化を行う際に電流を供給するための配線の一部108の周囲にもそれぞれ緻密な陽極酸化膜113と114、多孔質状の陽極酸化膜110と111が形成される。従って、これらの配線の断面寸法も陽極酸化によって目減りする。
【0066】
こうして図1(B)に示す状態を得る。次に露呈した酸化珪素膜103を除去する。露呈した酸化珪素膜103を除去するのは、薄膜トランジスタの活性層102中に低濃度不純物領域を形成するためである。こうして図1(C)に示す状態を得る。この状態においては、115、116、117で示される部分に酸化珪素膜が残存する。
【0067】
次に多孔質状の陽極酸化膜109、110、111を除去する。多孔質状の陽極酸化膜は、燐酸と酢酸と硝酸を混合した混酸を用いることによって選択的に除去することができる。
【0068】
こうして図1(D)に示す状態を得る。図1(D)に示す状態を得たら、薄膜トランジスタのソース領域およびドレイン領域を形成するための不純物イオンの注入を行う。ここでは、Nチャネル型を形成するためにPイオンの注入を行う。Nチャネル型ではなく、Pチャネル型の薄膜トランジスタを作製するのであれば、Bイオンの注入を行えばよい。
【0069】
この工程において、ソース領域118とドレイン領域122とが自己整合的に形成される。また、119と121で示される低濃度不純物領域も自己整合的に形成される。ここで、チャネル形成領域120とドレイン領域122との間に形成される低濃度不純物領域121が通常LDD(ライトドープドレイン)領域と称される領域となる。(図1(D))
【0070】
この低濃度不純物領域は、低OFF電流特性を有した薄膜トランジスタを得るためには非常に有用なも構成となる。特に、アクティブマトクス領域の画素に配置される薄膜トランジスタは、低OFF電流特性が要求されるので、この低濃度不純物領域を設けて、低OFF電流特性とすることは有用である。
【0071】
またこの低濃度不純物領域は、薄膜トランジスタの特性が劣化してしまうことを防ぐ機能も有している。
【0072】
不純物イオンの注入を行った後に、レーザー光を照射し、注入された不純物イオンの活性化と、イオンの注入によって損傷した領域のアニールとを行う。この際、先に形成した緻密な膜質を有する陽極酸化膜112、113、114の作用によってゲイト電極106や配線107や108にヒロックやウィスカーが発生してしまうことを防ぐことができる。
【0073】
次に第1の層間絶縁膜123として機能する酸化珪素膜を4000Åの厚さにTEOSガスを原料としたプラズマCVD法で成膜する。(図2(A))
【0074】
層間絶縁膜123としては、窒化珪素膜または酸化窒化珪素膜を用いることができる。窒化珪素膜を成膜するのであれば、アンモニアを原料ガスとしたプラズマCVD法を用いればよい。また酸化窒化珪素膜を成膜するのでれば、TEOSとN2 Oガスとを用いたプラズマCVD法を用いればよい。
【0075】
また第1の層間絶縁膜123としては、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜から選ばれた複数種類の膜を積層した積層構造を利用するのでもよい。
【0076】
第1の層間絶縁膜123を成膜したら、コンタクトホールの形成を行う。この工程において第3のマスクが利用される。こうして図2(A)に状態を得る。
【0077】
そして、チタン膜とアルミニウム膜とチタン膜の3層膜でなる2層目の電極及び配線(普通2層目の配線という)の形成を行う。チタン膜は良好なコンタクトを得るために利用するだけであるから、数百Å以下の厚さでよい。この工程において、第4のマスクが利用される。(図2(B))
【0078】
2層目の配線としては、単なるアルミニウム膜の単層膜を利用してもよい。しかし、他の電極や配線とのコンタクトを良好なものとするために、本実施例においては、チタン膜とアルミニウム膜とチタン膜の3層構造を利用する。
【0079】
チタン膜とアルミニウム膜のエッチングにはそれぞれ異なるエッチャントを利用する。ここでは、チタン膜のエッチングにはアンモニア過水を用い、アルミニウム膜のエッチングにはアルミ混酸を用いる。
【0080】
こうして図2(B)に示す状態を得る。図2(B)の124で示されるのが、ソース電極およびソース配線である。125がゲイト電極である。図2には図示されていないが、ゲイト電極125は、図示しないゲイト配線から延在する状態で形成されている。これら、124と125で示される配線および電極が2層目の配線となる。
【0081】
またこの工程において、後の分断工程において利用されるダミーの電極126、127、128が形成される。
【0082】
図からは明らかでないが、2層目の配線であるソース配線124とゲイト電極125とは、107で示される短絡用の配線を介して接続された状態となる。このような構成とすることで、ソース配線124とゲイト電極125との間の電位差を無くすことができる。
【0083】
またソース配線124は陽極酸化時の電流供給用の配線108の上方を第1の層間絶縁膜123を介して横切るように配置される。
【0084】
また図2(B)には、電極や配線としては機能しないが、後の分断工程において利用するためにダミーの電極(便宜的に電極と呼ぶ)126と127と128が示されている。このダミーの電極は、最終工程において、配線107および108を分断する際にその役割を果たす。(図2(B))
【0085】
次に第2の層間絶縁膜129を成膜する。ここでは、第2の層間絶縁膜129として4000Å厚の酸化珪素膜をプラズマCVD法でもって成膜する。この第2の層間絶縁膜129としては、窒化珪素膜や酸化窒化珪素膜、さらにはこれらの絶縁膜と酸化珪素膜との積層膜を利用することができる。
【0086】
この第2の層間絶縁膜の成膜において、ソース配線124とゲイト電極125は、短絡用の配線107でもってショートされた状態となっている。従って、プラズマの影響でソース配線124とゲイト電極125との間に電位差が生じることを回避することができる。そして、ソース配線124とゲイト電極125との間で電位差が発生することにより、ゲイト絶縁膜(酸化珪素膜)115が静電破壊してしまうことを防ぐことができる。
【0087】
次に130、131、132、133で示されるコンタクトホールの形成を行う。この際第5のマスクを利用する。こうして図2(C)に示す状態を得る。
【0088】
ここで、130はドレイン領域へのコンタクトである。131は配線107を分断するために利用される開孔である。132と133は配線108を分断するために利用される開孔である。
【0089】
またこの工程において、ソース電極及びソース配線124の端部134において、その表面を露呈させる。この部分は後に外部引出し端子となる。なお、実際には、このソース配線はアクティブマトリクス回路を駆動するための周辺駆動回路に接続されており、この周辺回路の外部端子が134の部分となる。図2においては、煩雑となるため周辺駆動回路は記載されていない。
【0090】
次に図3(A)に示すように画素電極を構成するITO電極135をスパッタ法で成膜する。そしてITO電極135をパターニングすることにより、画素電極136を形成する。この際、第6のマスクが利用される。(図3(B))
【0091】
この画素電極136の形成において、不要となるITO電極135の除去後、2層目の配線である126と127と128で示される電極(ダミー電極)のエッチングをさらに進行させる。そしてさらに107と108で示される1層目の配線の一部をもエッチング除去する。
【0092】
即ち、131と132と133で示される開孔部において、2層目の配線と1層目の配線とを同時に除去する。この結果、131と132と133で示される開孔部において、配線107と108が分断(切断)される。
【0093】
この際、2層目の配線がチタン膜とアルミニウム膜との積層膜であるので、そのつどエッチャントを変えてエッチングを行う必要がある。
【0094】
こうして図3(B)に示す状態を得る。この工程は、画素電極を形成する時のパターニング時において同時に行われるので、新たにマスクを利用する手間を省くことができる。即ち、作製工程の煩雑化を避けることができる。
【0095】
このように1層目の配線と2層目の配線とを同時に除去できるのは、酸化珪素膜等の絶縁膜に対して選択的に金属材料のみを除去できるからである。
【0096】
またこの工程と同時にソース配線124から延在した液晶パネルの取り出し部134の表面にITO膜137を残存させる。このITO膜は、取り出し電極部にコンタクトされる金属配線や導電パットとコンタクト部との間で腐食や相互拡散が生じないようにするためのバッファー層として機能する。
【0097】
また、陽極酸化時の電流供給用の配線108が132と133の部分で切断されていることは重要なこととなる。
【0098】
この後の液晶パネルの組立時において、第2の層間絶縁膜を覆ってラビング用の樹脂膜が形成され、さらに液晶を配向させるためのラビングが行われる。この際において配線108は電気的に浮いた状態となる。このような状態においては、ラビング時に発生する静電気による悪影響が懸念される。
【0099】
しかし、本実施例に示すように配線108が132と133の部分で切断されていることで、上記静電気の影響を抑制することができる。
【0100】
なお、図2においては、配線107や配線108の分断部がそれぞれ1ヶ所と2ヶ所であるが、分断部は適時その箇所を設定することができる。
【0101】
図5に図3(B)のA−A’で切った断面を示す。図6に示すようにソース配線124は、陽極酸化時の電流供給用の配線108を乗り越えて立体配線の状態になる。この時、配線108の501で示される部分が多孔質状の陽極酸化膜を形成した関係で階段状の形状を有している。
【0102】
従って第1の層間絶縁膜123の502の部分の表面をなだらかなものとすることができる。その結果、ソース配線124が502の部分で段切れを起こしたりすることを防ぐことができる。
【0103】
図3(B)に示す状態を得たら、BM(ブラックマトリクス)を構成する樹脂材料を塗布し、第7のマスクを利用することにより、これをパターニングする。こうして画素電極136以外はBM138で覆われた液晶パネルを構成する一方の基板が完成する。(図4)
【0104】
またこのBM138の形成において、131、132、133で示される各開孔はBMを構成する材料によって充填される。BMを構成する材料は樹脂材料であるので、各開孔をBMを構成する材料で充填することは、高い信頼性を得るために効果的なものとなる。
【0105】
本実施例では、エッチングをウェットエッチングによって行う例を示した。しかし、ドライエッチングを利用するのでもよい。
【実施例2】
【0106】
本実施例は、図1〜4に示した構成を上面から見た状態の一例を示す。図6に示すのは、アクティブマトリクス型の液晶パネルのアクティブマトリクス回路の一部分を示すものである。なお図6においては、ソース配線及びゲイト配線に駆動信号を流すための周辺駆動回路は示されていない。
【0107】
図6に示す構成においては、ゲイト配線125とソース配線124とが短絡用の配線107によってショートする構成となっている。この短絡用の配線は、図3(B)に示す工程において、131で示される開孔部において分断される。
【0108】
また、陽極酸化時に利用する電流供給用の電流供給線108は、図3(B)に示す工程において、132と133で示される開孔部において分断される。そしてこの分断された箇所の間の上方を層間絶縁膜123を介してソース配線124が横断する構成となっている。
【実施例3】
【0109】
本実施例は、図3(B)に示す開孔部132や133で分断される1層目の配線の形状に関する。例えば108で示される配線は、陽極酸化の終了後は不要なものとなる。しかし、第1の層間絶縁膜123や第2の層間絶縁膜129の成膜の際に長々と引き回されたこの配線108を局所的な放電異常に起因するパルス電流が流れてしまうことが懸念される。
【0110】
第1の層間絶縁膜123や第2の層間絶縁膜129の成膜時においては、配線108は各ゲイト電極に接続された状態となっている。従って、配線108にパルス電流が流れると、各ゲイト電極にパルス状に電圧が印加される状態となってしまう。
【0111】
そこで本実施例に示す構成においては、図7に示すように配線108をその分断部分において、コの字型とし、この部分でパルス電流を消滅または減衰させる構成とすることを特徴とする。即ち、分断部分において、パルス電流が放電し易い形状とすることを特徴とする。図7(A)は分断前の状態であり、図7(B)は分断後の状態である。
【0112】
このコの字型の配線部分は、132や133で示される開孔部分(図3(B)に示す開孔部分)において除去される。
【実施例4】
【0113】
本実施例は、図1〜図4にその作製工程を示す工程を変形した例である。本実施例の作製工程を図8〜図11に示す。本実施例が特徴とするのは、図9(C)に示す工程において形成される開孔931〜933(図2の131〜133に相当する)の形成後に、図10(B)に示すようにその開孔よりさらに大きな開孔1031〜1033を形成することである。他の作製条件等については実施例1の場合と同じである。
【実施例5】
【0114】
本実施例は、図1(B)に示す工程において、緻密な陽極酸化膜112、113、114を形成しない場合の例である。緻密な陽極酸化膜はその除去に従う不良の発生が懸念されるので、ヒロックやウィスカーの発生を抑制できる場合にには利用しない方が好ましい。
【0115】
そこで、本実施例においては、図1(B)に示す工程において、緻密な陽極酸化膜112、113、114を形成せずに、図1(D)に示す不純物イオンの注入後に100Å〜500Å厚さの窒化珪素膜(図示せず)を形成することを特徴とする。
【0116】
この窒化珪素膜の形成後に活性化のためのレーザー光の照射を行う。こうすることにより、窒化珪素膜がバリアとなって、ヒロックやウィスカーの発生を抑制することができる。そしてその後に第1の層間絶縁膜を形成すればよい。なおこの場合、第1の層間絶縁膜が必然的に多層膜となる。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】アクティブマトリクス型の液晶表示装置の作製工程を示す図。
【図2】アクティブマトリクス型の液晶表示装置の作製工程を示す図。
【図3】アクティブマトリクス型の液晶表示装置の作製工程を示す図。
【図4】アクティブマトリクス型の液晶表示装置の作製工程を示す図。
【図5】図3(C)のA−A’で切った断面を示す図。
【図6】アクティブマトリクス型回路の上面図。
【図7】配線の形状の一例を示す図。
【図8】アクティブマトリクス型の液晶表示装置の作製工程を示す図。
【図9】アクティブマトリクス型の液晶表示装置の作製工程を示す図。
【図10】アクティブマトリクス型の液晶表示装置の作製工程を示す図。
【図11】アクティブマトリクス型の液晶表示装置の作製工程を示す図。
【図12】従来の薄膜トランジスタの作製工程を示す図。
【符号の説明】
【0118】
101 ガラス基板
102 薄膜トランジスタの活性層
100 ゲイト絶縁膜
103、104、105 レジストマスク
106 ゲイト電極
107 短絡用の配線の一部
108 電流供給用の配線の一部
109、110、111 多孔質状の陽極酸化膜
112、113、114 緻密な陽極酸化膜
115 残存したゲイト絶縁膜
116、117 残存した酸化珪素膜
118 ソース領域
119 低濃度不純物領域
120 チャネル形成領域
121 低濃度不純物領域(LDD領域)
122 ドレイン領域
123 第1の層間絶縁膜
124 ソース配線
125 ゲイト配線
126、127、128 ダミーの電極
129 第2の層間絶縁膜
130 ドレイン領域への開孔
131、132、133 ダミーの電極への開孔
134 外部引出し端子部
135 ITO膜
136 画素電極(ITO電極)
137 外部引出し端子部に残存したITO電極
138 BM(ブラックマトリクス)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶パネル内に薄膜トランジスタを有する液晶表示装置の作製方法であって、
Sc、Y、ランタノイド及びアクチノイドから選ばれた一種又は複数種類の元素が含まれたアルミニウム膜を有するゲイト電極を形成し、
前記ゲイト電極に電気的に接続される、パルス電流が放電しやすい形状を有する第1の配線を形成し、
前記薄膜トランジスタの不純物領域に接続される第2の配線を形成し、
前記第2の配線から延在した前記液晶パネルの取り出し部に、透明導電膜を形成することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項2】
液晶パネル内に薄膜トランジスタを有する液晶表示装置の作製方法であって、
Sc、Y、ランタノイド及びアクチノイドから選ばれた一種又は複数種類の元素が含まれたアルミニウム膜を有するゲイト電極を形成し、
前記ゲイト電極に電気的に接続される、パルス電流を消滅又は減衰させうる形状を有する第1の配線を形成し、
前記薄膜トランジスタの不純物領域に接続される第2の配線を形成し、
前記第2の配線から延在した前記液晶パネルの取り出し部に、透明導電膜を形成することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項3】
液晶パネル内に薄膜トランジスタを有する液晶表示装置の作製方法であって、
Sc、Y、ランタノイド及びアクチノイドから選ばれた一種又は複数種類の元素が含まれたアルミニウム膜を有するゲイト電極を形成し、
前記ゲイト電極に電気的に接続される、コの字型の形状を有する第1の配線を形成し、
前記薄膜トランジスタの不純物領域に接続される第2の配線を形成し、
前記第2の配線から延在した前記液晶パネルの取り出し部に、透明導電膜を形成することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項4】
液晶パネル内に薄膜トランジスタを有する液晶表示装置の作製方法であって、
Sc、Y、ランタノイド及びアクチノイドから選ばれた一種又は複数種類の元素が含まれたアルミニウム膜を有するゲイト電極と、前記ゲイト電極に電気的に接続されるパルス電流が放電しやすい形状を有する第1の配線とを、同時に形成し、
前記薄膜トランジスタの不純物領域に接続される第2の配線を形成し、
前記第2の配線から延在した前記液晶パネルの取り出し部に、透明導電膜を形成することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項5】
液晶パネル内に薄膜トランジスタを有する液晶表示装置の作製方法であって、
Sc、Y、ランタノイド及びアクチノイドから選ばれた一種又は複数種類の元素が含まれたアルミニウム膜を有するゲイト電極と、前記ゲイト電極に電気的に接続されるパルス電流を消滅又は減衰させうる形状を有する第1の配線とを、同時に形成し、
前記薄膜トランジスタの不純物領域に接続される第2の配線を形成し、
前記第2の配線から延在した前記液晶パネルの取り出し部に、透明導電膜を形成することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項6】
液晶パネル内に薄膜トランジスタを有する液晶表示装置の作製方法であって、
Sc、Y、ランタノイド及びアクチノイドから選ばれた一種又は複数種類の元素が含まれたアルミニウム膜を有するゲイト電極と、前記ゲイト電極に電気的に接続されるコの字型の形状を有する第1の配線とを、同時に形成し、
前記薄膜トランジスタの不純物領域に接続される第2の配線を形成し、
前記第2の配線から延在した前記液晶パネルの取り出し部に、透明導電膜を形成することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項7】
液晶パネル内に薄膜トランジスタを有する液晶表示装置の作製方法であって、
Sc、Y、ランタノイド及びアクチノイドから選ばれた一種又は複数種類の元素が含まれたアルミニウム膜を有するゲイト電極を形成し、
前記ゲイト電極に電気的に接続される、パルス電流が放電しやすい形状を有する第1の配線を形成し、
前記薄膜トランジスタの不純物領域に接続される第2の配線を形成し、
透明導電膜を用いて前記薄膜トランジスタに電気的に接続する画素電極を形成すると同時に、前記第2の配線から延在した前記液晶パネルの取り出し部に、透明導電膜を形成することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項8】
液晶パネル内に薄膜トランジスタを有する液晶表示装置の作製方法であって、
Sc、Y、ランタノイド及びアクチノイドから選ばれた一種又は複数種類の元素が含まれたアルミニウム膜を有するゲイト電極を形成し、
前記ゲイト電極に電気的に接続される、パルス電流を消滅又は減衰させうる形状を有する第1の配線を形成し、
前記薄膜トランジスタの不純物領域に接続される第2の配線を形成し、
透明導電膜を用いて前記薄膜トランジスタに電気的に接続する画素電極を形成すると同時に、前記第2の配線から延在した前記液晶パネルの取り出し部に、透明導電膜を形成することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項9】
液晶パネル内に薄膜トランジスタを有する液晶表示装置の作製方法であって、
Sc、Y、ランタノイド及びアクチノイドから選ばれた一種又は複数種類の元素が含まれたアルミニウム膜を有するゲイト電極を形成し、
前記ゲイト電極に電気的に接続される、コの字型の形状を有する第1の配線を形成し、
前記薄膜トランジスタの不純物領域に接続される第2の配線を形成し、
透明導電膜を用いて前記薄膜トランジスタに電気的に接続する画素電極を形成すると同時に、前記第2の配線から延在した前記液晶パネルの取り出し部に、透明導電膜を形成することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項10】
液晶パネル内に薄膜トランジスタを有する液晶表示装置の作製方法であって、
Sc、Y、ランタノイド及びアクチノイドから選ばれた一種又は複数種類の元素が含まれたアルミニウム膜を有するゲイト電極を形成し、
前記ゲイト電極に電気的に接続される、パルス電流が放電しやすい形状を有する第1の配線を形成し、
前記薄膜トランジスタ上に層間絶縁膜を形成し、
前記薄膜トランジスタの不純物領域に接続される第2の配線を形成し、
前記第2の配線から延在した前記液晶パネルの取り出し部に、透明導電膜を形成することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項11】
液晶パネル内に薄膜トランジスタを有する液晶表示装置の作製方法であって、
Sc、Y、ランタノイド及びアクチノイドから選ばれた一種又は複数種類の元素が含まれたアルミニウム膜を有するゲイト電極を形成し、
前記ゲイト電極に電気的に接続される、パルス電流を消滅又は減衰させうる形状を有する第1の配線を形成し、
前記薄膜トランジスタ上に層間絶縁膜を形成し、
前記薄膜トランジスタの不純物領域に接続される第2の配線を形成し、
前記第2の配線から延在した前記液晶パネルの取り出し部に、透明導電膜を形成することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項12】
液晶パネル内に薄膜トランジスタを有する液晶表示装置の作製方法であって、
Sc、Y、ランタノイド及びアクチノイドから選ばれた一種又は複数種類の元素が含まれたアルミニウム膜を有するゲイト電極を形成し、
前記ゲイト電極に電気的に接続される、コの字型の形状を有する第1の配線を形成し、
前記薄膜トランジスタ上に層間絶縁膜を形成し、
前記薄膜トランジスタの不純物領域に接続される第2の配線を形成し、
前記第2の配線から延在した前記液晶パネルの取り出し部に、透明導電膜を形成することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項13】
請求項4乃至9のいずれか一において、
前記薄膜トランジスタ上に層間絶縁膜を形成することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項14】
請求項10乃至13のいずれか一において、
前記層間絶縁膜を、プラズマCVD法によって形成することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項15】
請求項10乃至14のいずれか一において、
前記層間絶縁膜は、窒化珪素膜、酸化珪素膜及び酸化窒化珪素膜から選ばれた単層膜又は積層膜でなることを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項16】
請求項10乃至15のいずれか一において、
前記層間絶縁膜は、窒化珪素膜の積層膜であることを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項17】
請求項10乃至16のいずれか一において、
前記層間絶縁膜を、前記第2の配線上に形成することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項18】
請求項17において、
前記液晶パネルの取り出し部における前記層間絶縁膜を除去し、前記第2の配線の表面を露呈させることを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項19】
請求項18において、
前記第2の配線の表面が露呈した部分は、外部引出し端子となることを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項20】
請求項19において、
前記外部引出し端子に、周辺駆動回路を接続することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項21】
請求項7乃至12のいずれか一において、
前記第1の配線を、前記ゲイト電極と同一材料で、かつ前記ゲイト電極と同時に形成することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項22】
請求項4乃至6、10乃至12のいずれか一において、
前記透明導電膜を形成すると同時に、前記透明導電膜と同一の材料を用いて前記薄膜トランジスタに電気的に接続する画素電極を形成することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項23】
請求項1乃至22のいずれか一において、
前記第2の配線は、チタン膜及びアルミニウム膜を含むことを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項24】
請求項1乃至23のいずれか一において、
前記第2の配線は、チタン膜、アルミニウム膜、チタン膜の3層構造を有することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項25】
請求項1乃至24のいずれか一において、
前記透明導電膜は、ITO膜であることを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項26】
請求項1乃至25のいずれか一において、
前記薄膜トランジスタ及び周辺駆動回路を、同一基板上に設けることを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項27】
請求項1乃至26のいずれか一において、
前記薄膜トランジスタは、絶縁基板上に形成されており、
前記薄膜トランジスタと前記絶縁基板に間に、下地膜を形成することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−110160(P2007−110160A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−503(P2007−503)
【出願日】平成19年1月5日(2007.1.5)
【分割の表示】特願平8−139457の分割
【原出願日】平成8年5月8日(1996.5.8)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】