説明

置換フェニルアルカン酸誘導体及びその用途

【課題】プロスタグランジン及びロイコトリエンの産生抑制作用を有し、該脂質メディエーターに起因する各種の炎症性疾患などの予防及び治療に有用な化合物を提供する。
【解決手段】一般式(I)


[式中、式中、nは1〜3のいずれかの整数を示し、Rは炭素数3又は4個の直鎖状又は分枝状飽和アルキル基を示し、Zは水素原子、フッ素原子、塩素原子、ニトロ基、アミノ基、メチル基又はOR9基(R9は水素原子又は炭素数1〜4個の低級アルキル基)を示し、置換基ArはArはナフタレン−1−イル基などの二環式縮環基を示す]で表される化合物又はその塩。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

[式中、nは1〜3のいずれかの整数を示す。Rは炭素数3又は4個の直鎖状又は分枝状飽和アルキル基を示す。
Zは水素原子、フッ素原子、塩素原子、ニトロ基、アミノ基、メチル基又はOR9基を示し、R9は水素原子又は炭素数1〜4個の低級アルキル基を示す。置換基Arは次式の置換基群;
【化3】

で表される二環式縮環状のArI、ArII、ArIII、ArIV、ArV、ArVI、ArVII、ArVIII、ArIX、ArX、ArXI、及びArXIIからなる群より選ばれた置換基を示し、環上a、b、c又はdのいずれかの位置で結合したものである。ただし基ArI中の置換基X1は水素原子、−OR10基、−N(R11)(R12)基、−SO213基又はカルボキシル基を示す。R10は水素原子、炭素数1〜4個の低級アルキル基又は(CH2i14基を示す。ただしiは1〜3のいずれかの整数を示し、R14は水酸基、カルボキシル基又はN,N−ジメチルカルバモイル基を示す。R11は水素原子又は炭素数1〜4個の低級アルキル基を示す。R12は水素原子、炭素数1〜4個の低級アルキル基、2−ヒドロキシエチル基、−COR15基、又はSO216基を示す。R15はアミノ基、炭素数1〜4個の低級アルキル基、ヒドロキシメチル基、アミノメチル基、ジメチルアミノメチル基、フェニル基又はフリル基を示す。R13及びR16はそれぞれ独立に炭素数1〜4個の低級アルキル基、アミノ基、メチルアミノ基又はジメチルアミノ基を示す。基ArII中のWは酸素原子、イオウ原子、又はNX8を示す。置換基X2は水素原子、炭素数1〜4個の直鎖状若しくは分枝状飽和アルキル基又はカルボキシル基を示す。置換基X3は水素原子、炭素数1〜4個の直鎖状若しくは分枝状飽和アルキル基、アセチル基、ホルミル基、カルボキシメチル基又はヒドロキシメチル基を示す。置換基X8は水素原子、炭素数1〜4個の直鎖状若しくは分枝状飽和アルキル基、炭素数3〜7個の環状飽和アルキル基又は(CH2j17基を示す。ただしjは1〜3のいずれかの整数を示し、R17は水酸基又はカルボキシル基を示す。基ArIII中の置換基X4は水素原子、メチル基、メトキシ基、アミノ基、メチルアミノ基又はジメチルアミノ基を示す。基ArIV中のX6は酸素原子、イオウ原子、NX9を示す。置換基X5及びX9はともに又はそれぞれ水素原子又はメチル基を示す。基ArV及びArXIの置換基X7は水素原子又はメチル基を示す。基ArVII及びArVIII基中のMはイオウ原子、又はNX8を示す。基ArVII中の置換基X10は水素原子、炭素数1〜4個の直鎖状若しくは分枝状飽和アルキル基、カルボキシル基、アセチル基、ホルミル基、又はOR22基を示す(ただし基ArVII中のMがイオウ原子を示すとき置換基X10は水素原子又は炭素数1〜4個の直鎖状若しくは分枝状飽和アルキル基を示す)。R22は水素原子又は炭素数1〜4個の低級アルキル基を示す。基ArVIII、ArIX及びArX中の置換基X11は水素原子又は炭素数1〜4個の直鎖状若しくは分枝状飽和アルキル基を示す。基ArIX及びArX中の置換基X12は水素原子、炭素数1〜4個の直鎖状若しくは分枝状飽和アルキル基又はカルボキシル基を示す。基Yは水素原子又は炭素数1〜4個の低級アルキル基を示す。]で表される化合物又はその塩。
【請求項2】
一般式(I)において、置換基ArはArI、ArII、ArIII、ArIV、ArV、ArV、及びArVIよりなる群から選ばれた置換基を示し、環上a、b、c又はdのいずれかの位置で結合したものを示す請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項3】
一般式(I)において、置換基ArはArI、ArII、ArIII、ArIV、ArV、ArV、及びArVIよりなる群から選ばれた置換基を示し、環上a又はdの位置で結合したものを示す請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項4】
一般式(I)において、置換基ArはArVII、ArVIII、ArIX、ArX、ArXI、及びArXIIよりなる群から選ばれた置換基を示し、環上a、b、又はcのいずれかの位置で結合したものを示す請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項5】
一般式(I)において、置換基ArはArVII、ArVIII、ArIX、ArX、ArXI、及びArXIIよりなる群から選ばれた置換基を示し、環上aの位置で結合したものを示す請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項6】
一般式(I)において、置換基ArはArIを示し、環上a又はbのいずれかの位置で結合したものを示す請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項7】
一般式(I)において、置換基ArはArIIを示し、環上a、b又はcのいずれかの位置で結合したものを示す請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項8】
一般式(I)において、置換基ArはArIII又はArIVを示し、環上a、b又はcのいずれかの位置で結合したものを示す請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項9】
一般式(I)において、置換基ArはArV又はArVIを示し、環上a、b、c又はdのいずれかの位置で結合したものを示す請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項10】
一般式(I)において、置換基ArはArVIIを示し、環上a、b又はcのいずれかの位置で結合したものを示す請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項11】
一般式(I)において、置換基ArはArVIII、ArIX、及びArXよりなる群から選ばれた置換基を示し、環上a、b又はcのいずれかの位置で結合したものを示す請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項12】
一般式(I)において、置換基ArはArXI又はArXIIを示し、環上a、b又はcのいずれかの位置で結合したものを示す請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項13】
一般式(I)において、Zはフッ素原子、塩素原子、ニトロ基、アミノ基、メチル基又はOR9基を示す請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項14】
一般式(I)において、Rは炭素数4個の直鎖状若しくは分枝状飽和アルキル基を示す請求項2に記載の化合物又はその塩。
【請求項15】
一般式(I)において、Rは炭素数4個の直鎖状若しくは分枝状飽和アルキル基を示す請求項4に記載の化合物又はその塩。
【請求項16】
一般式(I)において、nは整数2を示し;Rはブチル基又はイソブチル基を示し;Zは水素原子、フッ素原子、塩素原子、アミノ基又はメトキシ基を示し;置換基ArはArI、ArII、ArIII、ArIV、ArV、ArV、及びArVIよりなる群から選ばれた置換基を示し、環上a又はdの位置で結合したものであり、ただし基ArI中の置換基X1は水素原子、水酸基、メトキシ基、2−ヒドロキシエチルオキシ基、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、2−ヒドロキシエチルアミノ基、アセチルアミノ基、アミノアセチルアミノ基、ヒドロキシアセチルアミノ基、フラン−2−カルボニルアミノ基、カルバモイルアミノ基、メタンスルホニルアミノ基、N,N−ジメチルスルファモイルアミノ基、メタンスルホニル基、スルファモイル基、N−メチルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基又はカルボキシル基を示し、基ArII中のWは酸素原子、イオウ原子、又はNX8を示し;置換基X2は水素原子、メチル基を示し;置換基X3は水素原子、メチル基、アセチル基又はヒドロキシメチル基を示し;置換基X8は水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、2−ヒドロキシエチル基又はカルボキシメチル基を示し;基ArIII中の置換基X4は水素原子、メチル基、メトキシ基、又はアミノ基を示し;基ArIV中の置換基X5は水素原子又はメチル基を示し;X6は酸素原子又はイオウ原子を示し;基ArV中の置換基X7は水素原子を示し;Yは水素原子、メチル基又はエチル基を示す請求項2に記載の化合物又はその塩。
【請求項17】
一般式(I)において、nは整数2を示し;Rはブチル基又はイソブチル基を示し;Zは水素原子、フッ素原子、塩素原子、アミノ基又はメトキシ基を示し;置換基ArはArVII、ArVIII、ArIX、ArX、ArXI、及びArXIIよりなる群から選ばれた置換基を示し、環上aの位置で結合したものを示すが、ただし基ArVII及びArVIII中のMはイオウ原子、又はNX8を示し;置換基X8は水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、2−ヒドロキシエチル基又はカルボキシメチル基を示し;置換基X10、X11及びX12はともに若しくはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し;基ArXI中の置換基X7は水素原子を示し;Yは水素原子、メチル基又はエチル基を示す請求項4に記載の化合物又はその塩。
【請求項18】
一般式(I)で表される化合物が、
3−[4−ブチルオキシ−3−(ナフタレン−2−イル)フェニル]プロピオン酸メチル;
3−[4−ブチルオキシ−3−(ナフタレン−2−イル)フェニル]プロピオン酸;
3−[4−イソプロピルオキシ−3−(ナフタレン−2−イル)フェニル]プロピオン酸メチル;
3−[4−イソプロピルオキシ−3−(ナフタレン−2−イル)フェニル]プロピオン酸;
3−[4−ブチルオキシ−3−(1H−インドール−5−イル)フェニル]プロピオン酸メチル;
3−[4−ブチルオキシ−3−(1H−インドール−5−イル)フェニル]プロピオン酸;
3−[4−イソプロピルオキシ−3−(1H−インドール−5−イル)フェニル]プロピオン酸;
3−[3−(2−アミノベンゾチアゾール−6−イル)−4−ブチルオキシフェニル]プロピオン酸エチル;
3−[3−(2−アミノベンゾチアゾール−6−イル)−4−ブチルオキシフェニル]プロピオン酸;
3−[4−n−ブチルオキシ−3−(1H−インダゾール−5−イル)フェニル]プロピオン酸;
3−[3−(1H−インダゾール−5−イル)−4−(2−メチルプロピルオキシ)フェニル]プロピオン酸;
3−[4−n−ブチルオキシ−3−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)フェニル]プロピオン酸;
3−[3−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−4−(2−メチルプロピルオキシ)フェニル]プロピオン酸;
3−[4−n−ブチルオキシ−3−(1−エチル−1H−インダゾール−5−イル)フェニル]プロピオン酸;
3−[3−(1−エチル−1H−インダゾール−5−イル)−4−(2−メチルプロピルオキシ)フェニル]プロピオン酸;
からなる群より選ばれた化合物である請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか1項に記載の化合物又は薬理学的に許容されるその塩を有効成分として含む医薬。
【請求項20】
請求項1から18のいずれか1項に記載の化合物又はその薬理学上許容される塩を有効成分として含むプロスタグランジン及び/又はロイコトリエンの産生抑制剤。
【請求項21】
プロスタグランジン及び/又はロイコトリエンの産生抑制が有効である疾患の予防及び/又は治療のための請求項19に記載の医薬。
【請求項22】
哺乳動物の炎症性疾患の予防及び/又は治療のための請求項19に記載の医薬。
【請求項23】
哺乳動物の自己免疫疾患の予防及び/又は治療のための請求項19に記載の医薬。
【請求項24】
哺乳動物のアレルギー性疾患の予防及び/又は治療のための請求項19に記載の医薬。
【請求項25】
哺乳動物の解熱及び/又は鎮痛のための請求項19に記載の医薬。
【請求項26】
医薬が慢性関節リウマチの予防及び/又は治療のための医薬である請求項19に記載の医薬。
【請求項27】
医薬が変形性関節炎、喘息、多発性硬化症、又は肺繊維症のいずれかの予防及び/又は治療のための医薬である請求項19に記載の医薬。
【請求項28】
哺乳動物における急性又は慢性の炎症反応が認められる生体状態の予防及び/又は治療のための医薬組成物であって、上記予防及び/又は治療に有効な量の請求項1から18のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。

【公開番号】特開2009−167217(P2009−167217A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−112288(P2009−112288)
【出願日】平成21年5月1日(2009.5.1)
【分割の表示】特願2003−569595(P2003−569595)の分割
【原出願日】平成15年2月20日(2003.2.20)
【出願人】(303046299)旭化成ファーマ株式会社 (105)
【Fターム(参考)】