説明

銅とlow−k誘電材料を有する基板からレジスト、エッチング残渣、及び酸化銅を除去する方法

特に、銅とlow-k誘電材料を含む基板からレジスト、エッチング残渣、平坦化残渣、及び酸化銅の1又は2以上を除去するのに適用できる種々の組成物を開示する。基板の表面を組成物と、典型的には30秒〜30分の時間、かつ25℃〜45℃の温度で接触させることによって、レジスト、残渣、及び酸化銅を除去する。組成物は、フッ化物供給成分;少なくとも1質量%の水混和性有機溶媒;有機酸;及び少なくとも81質量%の水を含む。典型的に、組成物は約0.4%までの1又は2以上のキレーターをさらに含む。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連出願〕
この出願は、2005年2月25日に提出した米国仮特許出願第60/656,169号の利益を主張する。
〔合衆国が後援する研究又は開発に関する記載〕
適用なし。
〔発明の分野〕
本発明は、一般的に集積回路基板を洗浄するための組成物と方法に関する。さらに詳細には、本発明は、銅を含む基板からフォトレジスト、エッチング後残渣、及び/又は平坦化後残渣を除去するための組成物と方法に関し、前記組成物はフッ化物種を含む。
【0002】
〔発明の背景〕
90ナノメーターのような臨界寸法のデバイスは銅伝導体とlow-k誘電体の集積に関与している。90ナノメーターのような臨界寸法のデバイスは、交互の材料沈着プロセスと平坦化プロセスを必要とする。この製作プロセスのほとんどの各工程、例えば平坦化工程、トレンチング工程、又はエッチング工程の後には、残存しているプラズマエッチング、酸化剤、研摩剤、金属又は他の液体若しくは粒子の残渣(これらがウェーハの表面を汚染する)を除去する必要がある。先行技術のデバイスはアルミニウム及び/又はタングステン伝導体とシリカ誘電体から製作された。現在の先端世代のデバイスの製作は銅伝導体とlow-k誘電材料(典型的には炭素-シリカ又は多孔性シリカ材料)を必要とし、この材料は両方とも様々な分類の従来の洗剤と反応し、それによって破損されうる。
特にlow-k誘電体は、エッチング、多孔度/大きさの変化、及び究極的には誘電特性の変化によって証明されるように、洗浄プロセスで破損されうる。残渣の除去に必要な時間は残渣の性質、残渣が生成されるプロセス(加熱、架橋、エッチング、ベーキング、及び/又はアッシング)、及びバッチ又は単一ウェーハ洗浄プロセスを使用するかによって決まる。非常に短時間で洗浄できる残渣もあるが、ずっと長い洗浄プロセスを必要とする残渣もある。洗剤と接触している持続時間にわたってlow-k誘電体と伝導体の両者と適合することが望ましい特性である。
洗浄プロセスは2つの広範なプロセス、すなわちバッチプロセスと単一ウェーハプロセスに分類される。バッチ洗浄は、典型的に複数のウェーハに関与し、通常、ウェーハを撹拌洗浄液と約20℃〜約100℃、典型的には30℃〜75℃の温度で3分〜約60分、典型的には10分〜30分の時間接触させることによって、分のオーダーで洗浄プロセスが起こる。バッチ様式では、典型的に複数のウェーハを洗浄液に浸漬し、或いは洗浄液の一定の噴霧にさらす。単一ウェーハ洗浄プロセスは、撹拌と接触のさらに厳密な条件下、比較できる浸漬プロセス温度と同様か、それより約20℃まで高い温度での洗浄工程を含むが、約5秒から3分まで、典型的には30〜90秒の時間、回転しているウェーハ上に該組成物を分配する。
【0003】
フッ素含有成分と、溶媒と、水を含む半水性洗剤が知られている。
1)Kenjiらの日本特許公開2003-122028号公報は、0.5%〜10%のフッ素化合物と、30%より多いアミド/エーテル混合溶媒と、水とを含む組成物を開示し、30%未満の溶媒濃度で配線材料の腐食が激しくなることを教示している。
2)Yokoらの日本特許公開2001-5200号公報は、アルミニウム配線を含む基板用のレジスト除去組成物であって、0.1%〜2%のフッ化アンモニウムと、20%〜98.8.%の極性有機溶媒と、0.05%〜1.9%のアスコルビン酸と、1%〜79.8%の水を含み、pHが5.0未満の組成物を開示している。列挙されている極性有機溶媒はN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、及びプロピレングリコールである。
3)Tanabeらに対する米国特許第5,792,274号明細書は、(a)0.2%〜8%のフッ化水素酸と金属フリー塩基との塩、(b)30%〜90%の水溶性有機溶媒、例えばグリコールエーテル、及び(c)水を含み、任意に、(d)防食剤を含んでよい、pHが5〜8である、レジスト用のリムーバー液組成物を開示している。
4)米国特許第5,939,336号明細書は、フッ化アンモニウム、プロピレングリコール、アンモニア及び水の残渣リムーバー組成物(7〜8のpH)を開示している。
5)米国特許第5,972,862号明細書は、以下の成分:(A)0.1%〜15%のフッ化物含有化合物、例えばフッ化水素酸又はフッ化アンモニウム;(B)アミド、ラクトン、アルコール、酢酸アルキル、乳酸アルキル、アルキレングリコール、グリコールエーテル、及びスルホキシドを含むリストから選択される1%〜80%の極性有機溶媒;(C)0.01%〜5%のリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、又は有機酸;及び(D)1%〜50%の四級アンモニウム塩を有する、エッチング後残渣リムーバーを開示している。水は該リムーバーの指定成分でなく、水の範囲指定はないが、一例は45.9%の水を含有すると記載されている。実施例は1-10%のNH4F、0.1〜1%の有機酸、及び35〜69%のアミド溶媒を有し、おそらくバランス(約30%〜約60%)の水を有するだろう。
6)米国特許第5,792,274号明細書は、0.2%〜8%の金属フリー塩基とHFの塩、30%〜90%の水溶性有機溶媒、及び水を有し、pHが5〜8のレジスト/残渣リムーバーを開示している。好ましい溶媒はエチレングリコール又はエチレングリコールとジメチルスルホキシドである。
7)米国特許第6,235,693号明細書は、0.01%〜10%のフッ化物化合物、20%〜50%の水、20%〜80%のピペリドン及び0〜50%の有機スルホキシド又はグリコール溶媒を含み、pHが約6〜約10である残渣リムーバーを開示している。
8)米国特許第6,468,951号明細書は、ボロホスホシリケート(borophosphosilicate)半導体ウェーハからシリカ残渣を除去するための組成物であって、塩基性又は酸性pHを有し、かつ以下の成分:水;0.01%〜95%のヒドロキシル官能性溶媒、例えばエチレングリコール又はアルコール;水性フッ化水素酸;水酸化テトラアルキルアンモニウム;及び約0.001wt%〜約10wt%の界面活性剤で構成される組成物を開示している。この特許は該組成物を銅含有基板で使用することについて言及していない。
9)米国特許第6,638,899号明細書は、フッ化水素酸、金属イオンのない塩基、30%〜80%の水溶性有機体、水、及びアルカリを含み、pHが8.5〜10であるフォトレジストリムーバーを開示している。
10)日本特許第3255551号明細書は、低温にて短時間でレジストを除去するのに有用な、0.5〜40%のHF、40〜99.5%の水、水溶性有機溶媒、及び0.5〜40%の防食剤を有する組成物を開示している。
11)最後に、公開された米国特許出願第2004/0106531号明細書の開示は、参照によって、特にそれぞれ本発明の組成物で除去できる様々なタイプの残渣を形成する半導体製作プロセスについて本願明細書に組み込まれる。この出願は、銅/low-k材料基板に有用なリムーバーを開示しており、このリムーバーは、フッ化水素の金属フリー塩;50%〜98%の水溶性有機溶媒;酸;及び水を含む。
デバイスの臨界寸法の継続的な減少と、生産効率及びデバイスの性能に対する継続的な要求と共に、バッチプロセスと単一ウェーハプロセスの両方で有効な、低い溶媒含量のフッ素含有洗浄組成物が要望されている。
【0004】
〔発明の概要〕
本発明は、1又は2以上のフォトレジスト、エッチング残渣、又は平坦化残渣、及び酸化銅も基板から除去するためのバッチ処理及び単一ウェーハ処理の両方法に関し、本方法は、本明細書で述べる温度及び時間の制限下(バッチプロセスと単一ウェーハプロセスでは異なる)、基板を本明細書で述べる組成物と接触させる工程を含み、撹拌は、バッチプロセス又は単一ウェーハプロセスでそれぞれ一般的に遭遇する撹拌/乱流である。基板は銅含有金属伝導体と誘電材料、特にlow-k誘電材料を含む。組成物は、フッ素含有(フッ化物供給)成分、1質量%乃至20質量%未満の水混和性溶媒、酸、及び少なくとも80質量%の水を含む。
80%以上、又は81%以上のような高い含水量の利用は、その上に銅配線を有する基板からレジスト残渣を除去するために使用する製剤では一般的でない。歴史的に、残渣製剤は、50%以下の水を含み、銅、low-k誘電材料、及び典型的にバリア材料を含む基板に損傷が生じるであろうことから高い水濃度は回避された。高い含水量の製剤は、高い溶媒含量(例えば、典型的に30%を超える溶媒、さらに多くの場合50%を超える溶媒)の残渣リムーバーより低コストであり、かつ環境に対する影響が小さいので、その利用は望ましい。
【0005】
第一実施形態では、本発明は、銅とlow-k誘電材料を含む基板からレジスト、エッチング残渣、平坦化残渣、及び酸化銅の1又は2以上を除去する方法であって、以下の工程:
A)銅含有伝導体とlow-k誘電材料を含む基板を供給する工程;及び
B)前記基板を、以下の成分:
a)フッ化物供給成分;
b)少なくとも1質量%の水混和性有機溶媒;
c)酸;及び
d)少なくとも81質量%の水;
を含む組成物と、前記レジスト、残渣、及び/又は酸化銅を除去するために十分な時間、前記レジスト、残渣、及び/又は酸化銅を除去するために十分な温度で接触させる工程;
を含む方法を構成する。有利には、代替実施形態では、フッ化物供給成分がフッ素として約0.01%〜約0.6%の量で存在し;水混和性有機溶媒が約1.5%〜19%の量で存在し;かつpHが約1.3〜約7、例えば1.3〜4.5、又は4.5〜7である。有利には、代替実施形態では、水混和性有機溶媒が約2.5%〜約10%の量で存在するグリコールエーテルを含み、pHが約1.9〜約3.8であり、かつ温度が約20℃〜約70℃である。或いは、別の実施形態では、水混和性有機溶媒が約2.5%〜約10%の量で存在するグリコールエーテルを含み、pHが約4.5〜約6、例えば約4.8〜約5.9であり、かつ温度が約20℃〜約70℃である。一般に、pHが約4.5〜約6の場合、成分のさらに厳密な整合性が必要であり、成分は相互に交換できない。pHが4.5〜6では、キレーターHEDPの場合、溶媒ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が他のグリコールエーテルより好ましく、ジメチルアミノエタノールが他のアルカノールアミンより好ましいが、該組成物がキレータージエチレントリアミン五酢酸(DTPA)を含む場合、2-ジエチルアミノエタノールが他のアルカノールアミンより好ましい。有利には、代替実施形態では、水混和性有機溶媒はプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、又はその混合物を含む。有利には、前記酸は本質的に1又は2以上のカルボン酸から成り、前記組成物には実質的に鉱酸(キレーター製剤中に存在する鉱酸の痕跡を除き)を含まない。或いは、酸はヒドロキシ置換カルボン酸を含む。或いは、酸はカルボニル置換カルボン酸を含む。有利には、酸は、2〜6個の炭素原子を有し、α位又はβ位でヒドロキシ基又はカルボニル基によって置換されている1又は2以上のモノ-若しくはジ-カルボン酸を含む。好ましい実施形態では、酸はグリオキシル酸、シュウ酸、又はアミノ置換カルボン酸を含む。しかし、高いpH値、例えば約4.5〜約6では、クエン酸(又はより適切には、クエン酸の金属フリー塩)が好ましい。本明細書では、有機酸という記述は、羅列したpHの水性環境で存在するのに必要な当該酸の塩を包含する。
【0006】
第二実施形態では、本発明は、銅とlow-k誘電材料を含む基板からレジスト、エッチング残渣、平坦化残渣、及び酸化銅の1又は2以上を除去する方法であって、以下の工程:
A)銅含有伝導体とlow-k誘電材料を含む基板を供給する工程;及び
B)前記基板を、以下の成分:
a)フッ化物供給成分;
b)少なくとも1.5質量%の水混和性グリコールエーテル;
c)酸;及び
d)少なくとも約80質量%の水;
を含む組成物と、該組成物が20℃〜約100℃の温度で、前記レジスト、残渣、及び/又は酸化銅を除去するために十分な時間接触させる工程;
を含む方法を構成する。有利にはpHが約1.3〜約7、例えば約1.3〜4.5又は4.5〜7である。有利には、フッ化物供給成分がフッ素として約0.015%〜約0.1%の量で存在し;水混和性有機溶媒が約2%〜15%の量で存在し;水が約85%〜約95%、或いは約88%〜約97%の量で存在し;かつpHが約2〜約3.3である。有利には、前記組成物は、さらに約0.001%〜約10%のキレーターを含み、前記キレーターは、ジエチレントリアミン五酢酸若しくはその塩、エチレンジアミン四酢酸若しくはその塩、又はその混合物から選択される。有利には、前記酸はアミノ酸、例えばグリシン、ヒドロキシエチルグリシン、システイン、アラニン、又はその混合物を含む。有利には代替実施形態では、酸はホウ酸、亜リン酸、ホスホン酸、又はその混合物を含み、該組成物がさらに約0.01%〜約5%のキレーターを含み、前記キレーターが少なくとも2個のホスホネート基を有する有機ホスホネート化合物である。有利には代替実施形態では、組成物がさらに約0.05%〜約1%のキレーターを含み、前記キレーターが少なくとも2個のホスホネート基を有する有機ホスホネート、ジエチレントリアミン五酢酸若しくはその塩、エチレンジアミン四酢酸若しくはその塩、又はその混合物である。有利には、該組成物が約0.01%〜約5%のヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸を含む。有利には、代替実施形態では前記酸がホスホン酸、亜リン酸、又は両者を含み、かつさらに1又は2以上の有機酸を含み、有機酸の質量%がホスホン酸、亜リン酸、又は両者の質量%より大きい。有利には、前記温度が約20℃〜約70℃である。
【0007】
第三実施形態では、本発明は、銅と誘電材料を含む基板からレジスト、エッチング残渣、平坦化残渣、及び酸化銅の1又は2以上を除去する方法であって、以下の工程:
A)銅含有伝導体と誘電材料を含む基板を供給する工程;及び
B)前記基板を、以下の成分:
a)フッ化物供給成分;
b)グリコールエーテル、グリコールエーテルアセテート、又はその混合物を含む少なくとも1.5質量%の水混和性有機溶媒;
c)酸;及び
d)少なくとも約80質量%の水;
を含む組成物(ここで、該組成物のpHは約1.3〜4.5である)と、前記レジスト、残渣、及び/又は酸化銅を除去するために十分な時間、前記レジスト、残渣、及び/又は酸化銅を除去するために十分な温度で接触させる工程;
を含む方法を構成する。有利には、水混和性有機溶媒が約2.5%〜約19%の量で存在し;前記時間が10秒〜60分であり、かつ前記温度が約20℃〜約70℃である。有利には、水が約88%〜約97%の量で存在する。有利には、前記pHが2.4〜2.7で維持され、前記グリコールエーテルの濃度が約5%〜約15%であり、かつ前記酸が約0.5%〜約1.5%の量で存在する。
【0008】
第四実施形態では、本発明は、銅とlow-k誘電材料を含む基板からレジスト、エッチング残渣、平坦化残渣、及び酸化銅の1又は2以上を除去する方法であって、以下の工程:
A)銅含有伝導体とlow-k誘電材料を含む基板を供給する工程;及び
B)前記基板を、本質的に以下の成分:
a)フッ化物供給成分;
b)少なくとも1.5質量%の水混和性グリコールエーテル、アミド、スルホキシド、又はその混合物;
c)酸;
d)少なくとも約80質量%の水;及び
e)任意成分としてキレーター;
から成る組成物と、前記レジスト、残渣、及び/又は酸化銅を除去するために十分な時間、前記レジスト、残渣、及び/又は酸化銅を除去するために十分な温度で接触させる工程;を含む方法を構成する。
【0009】
第五実施形態では、本発明は、銅とlow-k誘電材料を含む基板からレジスト、エッチング残渣、平坦化残渣、及び酸化銅の1又は2以上を除去する方法であって、以下の工程:
A)銅含有伝導体とlow-k誘電材料を含む基板を供給する工程;及び
B)前記基板を、以下の成分:
a)フッ化物供給成分、例えばHF、フッ化アンモニウム、及び/又は二フッ化アンモニウム(該フッ化物供給成分は、フッ化物として約0.005質量%〜約0.18質量%、例えば0.01質量%〜0.05質量%を供給する);
b)約1質量%乃至20質量%未満、例えば1.5質量%〜12質量%の水混和性有機溶媒、好ましくはグリコールエーテル、例えばPGME;
c)1又は2以上のカルボキシレート成分を含む、約0.05質量%〜約5質量%、例えば0.2質量%〜約1.5質量%の酸、例えば該カルボキシレート炭素に隣接する炭素上にてカルボニル基又はヒドロキシル基で置換され、或いは該カルボキシレート炭素から1個の炭素が除去されたモノカルボン酸;
d)80質量%〜約98.9質量%、例えば88質量%〜97質量%の水;及び
e)任意成分として約0.001質量%〜約0.5質量%、例えば0.01質量%〜0.2質量%のキレーター、例えば、EDTA、HEDP、ATMP、DTPA、及び/又はそのアンモニウム塩、及び/又はその組合せ;
を含む組成物と、該組成物が約10℃〜60℃、例えば約15℃〜約45℃で、前記レジスト、残渣、及び/又は酸化銅を除去するために十分な時間、例えば約10秒〜約30分、例えば約30分〜約10分接触させる工程;
を含む方法を構成する。好ましい実施形態では、pHが約1.8〜約3.6、さらに典型的には約1.9〜2.8である。有利には、この組成物、及びここで述べるあらゆる残渣リムーバー組成物にも、金属イオン(ハロゲンイオン及び遷移金属イオンも含まれる)が実質的に含まれない。ここで、“実質的に含まれないあるいは実質的にない”とは、約50ppm未満、好ましくは約10ppm未満、典型的に約5ppm未満を意味する。HF、フッ化アンモニウム、及び/又は二フッ化アンモニウム以外のフッ化物供給成分、例えばフルオロボレート及び/又はフルオロシリケートを使用すると、これら成分はフッ化物供給化合物の単位質量当たり少ししかフッ化物を供給しないことが分かっているので、代替実施形態では、フッ化物供給成分はフッ化物として約0.02質量%〜約0.15質量%の量で存在する。好ましい実施形態では、水混和性有機溶媒は約2質量%〜約11質量%の量で存在し、有利には、少なくとも1種のグリコールエーテルを含む。好ましい実施形態では、水が約88%〜約97%の量で存在し;かつpHが約1.9〜約2.9である。有利には、前記酸がアミノ酸又はグリオキシル酸を含む。酢酸は他の低分子量有機酸より安価なので酢酸を使用できる。有利には、代替実施形態では、酸がさらに、通常約0.001%〜約0.5%の量でホウ酸、亜リン酸若しくはホスホン酸、又はその混合物を含む。有利には、多くの用途のため、キレーターが含まれる。好ましい実施形態では、キレーターは少なくとも2個のホスホネート基を有する化合物、ジエチレントリアミン五酢酸若しくはその塩、エチレンジアミン四酢酸若しくはその塩、又はその混合物である。
【0010】
別の重要な実施形態では、銅を含有する半導体ウェーハを、以下の成分:a)約0.01%〜約0.06%、典型的に約0.02%〜約0.05%のフッ化アンモニウム;b)約1%〜20%、典型的に約5%〜約10%のプロピレングリコールモノエチルエーテル;c)約2%〜10%、典型的に約2.7%〜約10%、或いは約2%〜4%のカルボン酸若しくはそのアンモニウム塩又はその組合せ;d)任意成分として約0.01%〜0.2%、典型的に約0.02%〜約0.1%の、ホスホネート基含有キレーター化合物(例えば、HEDP)若しくはDPTA又はその混合物;e)任意成分として0.5%〜約10%、典型的に約1%〜約5%の、ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、又はその混合物から選択されるアミン;及びf)少なくとも約80%の水、典型的に少なくとも約85%の水;を含み、pHが約4.5〜7、典型的に約4.7〜約6の製剤で洗浄する。前記エタノールアミン化合物は、典型的には酸の塩に対抗させるとして酸を使用する場合に必要である。このような製剤はすべての残渣を除去するのに有用であり、さらに銅の腐食を最小限にしながら、なお許容しうる酸化銅の除去時間(例えば、30秒未満)を与えることが分かった。有機ホスホネートキレーターが優れた性能を有する実施形態もあるが、本組成物からリンを除去するためにはカルボキシレート-ベースキレーター(例えば、DPTA、EDTA等) が好ましい。
【0011】
本組成物は、1種のプレミックス組成物として含まれてもよい。これら組成物の利点は、これら組成物が48乃至72時間を超える可使時間(pot life)を有し、種々の基板区分(特に銅及び誘電体区分が挙げられる)の組成、洗浄/除去能力、及び変化/攻撃の度合が狭い規定限度以内であることを意味する。代替実施形態では、2以上の流体ストリーム、例えば、活性成分の水性混合物を含む第1ストリームと、脱イオン水から成る第2ストリームを混合することによって本組成物を形成できる。使用強度の点で調製された残渣リムーバー組成物に対抗するものとして、その一般的に船積みに対する優位さに全力を注いだ。これが高含水量製剤のさらに別の利点である。
【0012】
〔詳細な説明〕
この発明の組成物の種々の成分は相互作用することが認められるので、いずれの組成も、一緒に添加すると該組成物を形成する種々の成分の量として表現される。特に断らない限り、パーセントで与えられたいずれの組成も該組成物に添加された当該成分の質量%である。組成物に特定の成分を実質的に含まないと記述される場合、一般的に、当業者のガイドに“実質的に含まない”が意味するものに与えられる数値範囲があるが、すべての場合、該組成物に当該特定成分が完全にないという好ましい実施形態を包含する。
【0013】
第一実施形態では、基板からフォトレジスト、エッチング残渣又は平坦化残渣、及び水酸化銅の1又は2以上を除去する方法で有用な組成物であって、以下の成分を含むか、或いは本質的に以下の成分から成る組成物を提供する:
(a)例えばフッ素として約0.002%〜約3.0%、典型的にフッ素として約0.01%〜0.6%、或いはフッ素として約0.015%〜約0.1%の量で存在するフッ素含有、フッ化物供給成分;
(b)少なくとも1%、好ましくは少なくとも1.5%、例えば1%乃至20%未満、或いは約1.5%〜19%、典型的に約2%〜約15%又は約2.5%〜約10%の水混和性溶媒;
(c)酸、好ましくは有機酸;及び
(d)少なくとも80%、好ましくは少なくとも81%、例えば81%〜約98.9%、典型的に約85%〜約98%、或いは約88%〜約97%の水。有利には本組成物のpHは7未満、例えば約1.5〜4、典型的に約2〜3.3である。代替実施形態では、pHが4〜6.5、好ましくは4.5〜6、例えば5〜5.9の範囲でよい。
【0014】
別の実施形態では、基板からフォトレジスト、エッチング残渣又は平坦化残渣の1又は2以上を除去する方法で有用な組成物であって、以下の成分を含むか、或いは本質的に以下の成分から成る組成物を提供する:
(a)フッ素含有成分;
(b)1%乃至20%未満の水混和性溶媒;
(c)酸;及び
(d)少なくとも80%の水;及び
(e)任意成分としてキレート化剤。
【0015】
フッ素含有成分はフッ化物イオンを供給しなければならならず、フッ化物含有酸及び/又はその金属フリー塩から成る群より選択される。本明細書では、用語“フッ化物含有酸の金属フリー塩”は該塩のアニオン又はカチオンに金属が含まれないことを意味する。フッ化水素、テトラフルオロホウ酸、及び/又はトリフルオロ酢酸等のフッ化物含有酸を、いずれかの水酸化アンモニウム;C1-C4アルキル四級アンモニウムイオン、例えばテトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム及びトリメチル(2-ヒドロキシエチル)アンモニウム;又は一級、二級若しくは三級アミン、例えばモノエタノールアミン、2-(2-アミノエチルアミノ)エタノール、ジエタノールアミン、2-エチルアミノエタノール及びジメチルアミノエタノールと化合させることによって、塩を形成することができる。
【0016】
典型的なフッ素含有成分として、フッ化水素及び/又はそのフッ化アンモニウム塩及び/又は二フッ化アンモニウム塩(二フッ化水素アンモニウム);フルオロホウ酸若しくはテトラフルオロホウ酸及び/又はその塩、例えばテトラフルオロホウ酸アンモニウム;フルオロ酢酸若しくはトリフルオロ酢酸及び/又はその塩、例えばトリフルオロ酢酸アンモニウム;フルオロケイ酸及び/又はその塩、並びにそのいずれかの混合物が挙げられる。本明細書では、フッ素及びフッ化物は相互交換可能に使用される。好ましいフッ素含有成分として、フッ化水素、フッ化アンモニウム、二フッ化アンモニウム、フッ化アルキルアンモニウム、二フッ化アルキルアンモニウム、及びその混合物が挙げられ、前記フッ化アルキルアンモニウム及び/又は二フッ化アルキルアンモニウムは、1〜8個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を含み、モノ-、ジ-、トリ-、又はテトラ-アルキルアンモニウム基である。さらに好ましくは、フッ化物含有化合物は、本質的にフッ化アンモニウム、二フッ化アンモニウム、又はその両者、最も好ましくはフッ化アンモニウムから成る。
フッ化水素のアンモニウム塩が好ましい。ある実施形態では、本発明の希釈溶液には、テトラフルオロホウ酸及び/又はその塩、トリフルオロ酢酸又はその塩、或いは両方が実質的になくていよい。
【0017】
フッ素含有成分は、有利にはフッ素として約0.002%〜約3.0%、好ましくはフッ素として約0.01%〜約0.6%、例えば、フッ素として約0.015%〜約0.1%で存在する。フッ素として約0.02%〜約0.06%を含む、表5の例はすべて優れた結果を示した。
代替実施形態では、フッ素含有成分は、1リットル当たり約0.001当量〜1リットル当たり約0.3当量のフッ化物、例えば1リットル当たり約0.005〜約0.1当量のフッ化物の濃度で存在する。優れた結果を示した例は、1リットル当たり約0.01〜約0.04当量のフッ化物の濃度で存在するフッ素含有成分で得られた。
【0018】
水混和性溶媒は、有利には、1又は2以上のアルキルグリコールエーテルを含み、或いは本質的に1又は2以上のアルキルグリコールエーテル(以後、“グリコールエーテル”)から成る。グリコールエーテルは周知であり、限定するものではないが、ポリオールのモノアルキル又はジアルキルエーテル、例えばエチレングリコールのアルキルエーテルが挙げられる。本組成物に有用な典型的なグリコールエーテル種として、限定するものではないが、エチレングリコールモノメチルエーテル(EGME)、エチレングリコールモノエチルエーテル(EGEE)、エチレングリコールモノプロピルエーテル(EGPE)、エチレングリコールモノブチルエーテル(EGBE)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGEE)、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(PGPE)、プロピレングリコールモノブチルエーテル(PGBE)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(DGME)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGEE)、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル(DGPE)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DGBE)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPGME)、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル(DPGEE)、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル(DPGPE)、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル(DPGBE)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、及びその混合物が挙げられる。
【0019】
任意に、別の実施形態では、溶媒は、グリコールエーテルアセテート、例えばエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等を含み、或いは本質的にこれらから成りうる。
好ましいグリコールエーテルとして、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGEE)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(DGME)、及びジエチレングリコールモノブチルエーテル(DGBE)が挙げられる。さらに好ましいグリコールエーテルはPGEE、DGME、及びPGMEである。最も好ましくはPGMEである。
【0020】
グリコールエーテルは好ましい溶媒であり、この発明の実施形態(多くの実施例を含む)は、実質的にグリコールエーテル以外の溶媒を有しないが、この発明の他の実施形態は他の水混和性溶媒の使用を許容する。しかし、この分類の組成物は、有利には、少なくとも1種のグリコールエーテルと併用して、グリコールエーテル以外の水混和性溶媒を含む。他の溶媒として、限定するものではないが、スルホキシド、例えばジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、又はメチルスルホキシド;スルホン、例えばジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ビス(2-ヒドロキシエチル)スルホン、又はテトラメチレンスルホン;アミド、例えばN,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルアセトアミド、又はN,N-ジエチルアセトアミド;ラクタム、例えばN-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、N-プロピル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシメチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、又はN-メチルピロリジノン;イミダゾリジノン、例えば1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、1,3-ジエチル-2-イミダゾリジノン、又は1,3-ジイソプロピル-2-イミダゾリジノン;ラクトン、例えばγ-ブチロラクトン又はδ-バレロラクトン;及びグリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、又はプロピレングリコールが挙げられる。
【0021】
第2の共溶媒が望ましい場合、一般的にスルホキシド及び/又はアミドが選択される。公開された米国特許出願第2004/0106531号で教示されているように、遭遇する予定のレジストのタイプによって、好ましいタイプの共溶媒、すなわちアミド対スルホキシドを決定できる。一般的に、好ましい変形では、該組成物中のグリコールエーテルの質量パーセントはグリコールエーテル以外の溶媒の質量パーセントより大きい。
【0022】
この発明の他の実施形態では、該組成物にはグリコールエーテル以外の溶媒を実質的に含まない。これら実施形態は好ましくない。一般に、“実質的に含まない”とは、該組成物が1%未満、好ましくは0.5%未満、さらに好ましくは約0.1%未満しかグリコールエーテル以外の溶媒を含まず、最も好ましくはグリコールエーテル以外の溶媒を含まないことを意味する。代替実施形態では、組成物にはスルホン、イミダゾリジノン、及びラクトンを実質的に含まない。別の実施形態では、組成物にはグリコールを実質的に含まない。最後に、本発明のさらに別の代替実施形態では、組成物にはスルホン、イミダゾリジノン、ラクトン、及びグリコールを実質的に含まない。
【0023】
本明細書では、用語“極性有機溶媒”は水酸化アンモニウム又はアルキル-置換水酸化アンモニウムを包含することを意味しない。本明細書では、用語“極性有機溶媒”は、好ましくはアルカノールアミンをも含まない。
水混和性溶媒は、約1%乃至約20%未満、典型的に約5%〜19%、例えば約2%〜約15%で存在する。優れた結果を示した表5の例は約2.5%〜約10%で存在する水混和性溶媒で得られた。
【0024】
一実施形態では、酸は有機酸を含み、又は本質的に有機酸から成り、或いは鉱酸と有機酸の混合物を含み、又は本質的に鉱酸と有機酸の混合物から成る。本明細書では用語“酸”は、特に、フッ化物を供給する当該酸以外の酸を意味する。鉱酸の使用はあまり好ましくなく、一般的にホウ酸、リン酸、亜リン酸、又はホスホン酸、さらに好ましくはホスホン酸及び/又は亜リン酸の使用に限られる。好ましくは、鉱酸が存在する場合、それらは酸の総質量の小部分だけ(質量の半分未満)を形成し、酸の大部分は1又は2以上の有機酸を構成する。本発明の好ましい分類の組成物には、鉱酸を実質的に含まない。鉱酸を実質的に含まないとは、0.05%未満、好ましくは0.01%未満の鉱酸を意味する。
【0025】
有利には、酸は1又は2以上の有機酸を含み、或いは本質的に1又は2以上の有機酸から成る。好ましい有機酸は、カルボン酸、例えば、任意にβ位でヒドロキシ、カルボニル又はアミノ基によって置換されていてもよいモノ-、ジ-及び/又はトリ-カルボン酸である。本組成物で有用な有機酸種として、限定するものではないが、ギ酸、酢酸、プロパン酸、酪酸等;ヒドロキシ置換カルボン酸、例えば、限定するものではないが、グリコール酸、乳酸、酒石酸等;シュウ酸;カルボニル置換カルボン酸、例えば、限定するものではないが、グリオキシル酸等;アミノ置換カルボン酸、例えば、限定するものではないが、グリシン、ヒドロキシエチルグリシン、システイン、アラニン等;環式カルボン酸、例えば、限定するものではないが、アスコルビン酸等;シュウ酸、例えば、ニトリロ三酢酸、クエン酸、及びその混合物が挙げられる。
【0026】
1〜8個の炭素原子、好ましくは2〜6個の炭素原子を有し、かつα位、β位、又は両方の位置でヒドロキシ及び/又はカルボニル基によって置換されているモノ-及びジ-カルボン酸が好ましい有機酸である。さらに好ましくは、カルボキシル基の炭素に隣接する炭素上に置換されたカルボニル基を有する有機酸である。典型的な好ましい有機酸はシュウ酸、グリオキシル酸、グリコール酸、又はその混合物である。最も好ましい有機酸はグリオキシル酸(C2H2O3)である。
【0027】
酸は、有利には約0.05%〜約5%、好ましくは約0.1%〜約2.5%、例えば約0.15%〜約1.5%で存在する。しかし、一般的に、有機酸は、1gの酸当たり広範なカルボキシレート基を有することができ、種々多様な酸の好ましい範囲は約0.4%〜約5%の酸である。優れた結果を示した例は、約0.3%〜約1.0%で存在する酸、この場合はグリオキシル酸で得られた。
しかし、質量単位当たりの酸性当量の量は、有用な酸の間で、かつ好ましい酸の間でさえ広く変化するので、質量%で酸の濃度を定義するといくらか広い。代替実施形態では、酸は約0.005当量/リットル(規定)〜約5当量/リットル、好ましくは約0.01〜約1当量/リットル、例えば約0.02〜約0.03当量/リットルで存在する。優れた結果を示した例は約0.04〜約0.2当量/リットルで存在する酸で得られた。
【0028】
さらに別の代替実施形態では、酸は、フッ化物含有化合物によって供給されるフッ化物1当量当たり約0.5〜20当量の酸を与えるのに十分な量で存在する。
本組成物はpHの広い範囲にわたって有効であるが、7以下のpHで最も有効である。好ましくは、pHは約1.3〜4.5、さらに好ましくは約1.5〜4、例えば1.9〜3.8であり、典型的には約2〜約3.3、例えば約2.1〜約2.8又は3.1である。しかし、驚くべきことに、pHが4.5〜6.5、好ましくは5〜6で有用な本発明の別の変形を発見した。
【0029】
この発明の有用性における重要な因子は、この発明の組成物で大量の水を使用することである。フッ化物を含んでなるレジスト/残渣リムーバーは30%〜90%の極性有機溶媒で調製することが一般的に知られており、これは許容できる水の量が70%未満であることを意味する。さらに、これら種々の先行技術文献では40%〜80%の範囲で溶媒が存在する実施例だけが有効なので、水の量は、これら文献が教示すると思われる最も広い範囲より実際には少ない。このような高いパーセンテージの溶媒はコストがかかり、可燃性事件又は爆発事件の危険を増し、かつこの洗浄剤組成物又は該洗浄剤組成物から発生する蒸気のため労働者がより有害な状況にさらされる。本発明における水は少なくとも約80%、或いは少なくとも81%又は82%、最大約97%まで、例えば約85%〜約90%で存在する。優れた結果を示した例は、約88%〜約95%で存在する水を有する組成物で得られた。本発明のあまり好ましくない実施形態では、水は75%ほどの低量で存在しうる。
【0030】
この発明の組成物は、任意であるが、有利には小量のキレート化剤を含みうる。キレート化剤は、有利には、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)又はその塩、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)又はその塩、及び他の既知のホスホネート含有キレーター(その塩を含む)から選択され、ホスホネート含有キレーターとしては、限定するものではないが、アミノトリメチルホスホン酸、ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、ヘキサメチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、及びビスヘキサメチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸が挙げられる。最も好ましいキレート化剤はヒドロキシルエチリデン-1,1-ジホスホン酸で、DEQUESTTM2010(Solutia, Inc., St. Louis, MOから入手可能)又はPHOSRINTM303(Omichi Seiyaku, JPから入手可能)によって提供される。
有意なキレート化能力を有する、β位でヒドロキシ又はカルボニルによって置換されているいくつかのジカルボン酸、トリカルボン酸、及びカルボン酸が知られている。このような酸が存在する場合、これら酸はキレーターとしてではなく、酸として組成物に含まれる。他方、カルボキシレート/スルホネート混合化合物はキレーターのカテゴリーに含まれる。
【0031】
有利には、本組成物には実質的にトリアゾールがなく、特に、銅含有基板上のクリーナーで一般的に含まれる腐食防止剤であるベンゾトリアゾールを実質的に含まない。第一に、ベンゾトリアゾールは基板上に沈着しうるので、次の処理工程前にそれを除去しなければならない。第二に、ベンゾトリアゾールはこの発明の組成物ではあまり有効でないと考えられる。“実質的に含まない”とは、0.05%未満、好ましくは0.01%未満のトリアゾール、特にベンゾトリアゾールを意味し、最も好ましくはトリアゾール、特にベンゾトリアゾールを含まないことを意味する。
存在する場合、キレート化剤は約0.001%〜約10%、典型的には約0.01%〜約5%、例えば約0.05%〜約1%で存在する。いくつかの組成物、特に、キレート化特性を有する1又は2以上の有機酸を含む当該組成物は、ほとんど又は全くさらなるキレート化剤なしで有効であり、過剰な吸収金属イオンをそのままにしておかない。このような場合、該有機酸がキレート化作用を有し、約0.03%より多く約0.2%までのキレート化剤を有することによって得られる利益はほとんどない。
【0032】
本組成物の金属含量は、好ましくは、技術上知られ、かつ例えば国際半導体技術ロードマップ2003年版(International Technology Roadmap for Semiconductors: 2003)の配線セクションに示されている金属のコンタミネーション目標に合致するように低く維持される。Al、Ca、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Ni、Pb、K、Na、及びZn等の金属の濃度は、通常10ppm未満、好ましくは5ppm未満、例えば1ppm未満で維持される。
本発明の組成物は、任意に、小量の界面活性剤を含むことができる。界面活性剤を添加する場合、0.01%〜0.2%が所望の結果を与えるために十分な量と予想される。本発明の他の実施形態では、本組成物には界面活性剤を実質的に含まない。
【0033】
1つのプレミックス組成物として本組成物を含めうる。これら組成物の利点は、48時間乃至72時間を超える可使時間を有することである。ポットから蒸発によって失われた水の量にほぼ等しい小量の補給水を定期的又は連続的に添加することによって、可使時間を延長することができる。代替実施形態では、2以上の流体ストリーム、例えば、活性成分の水性混合物を含む第一ストリームと、脱イオン水(任意に、基板からレジスト、残渣、及び酸化銅を除去するために使用する最終組成物中の有機溶媒の量より有利には少ない量の有機溶媒を含んでもよい)から成る第二ストリームとを混合することによって組成物を形成することができる。このような場合、各ストリームの相対量を変えて、ポットからの蒸発によって生じる組成の変化を説明することができる。他の実施形態では、第二ストリームが、1又は2以上の活性成分を含む水性混合物を含んでよく、その場合、該組成を洗浄プロセス中に変化させうる。すなわち、ウェーハを接触させるための第一溶液に、より高量のフッ化物を有し、ある所定間隔の時間後にフッ化物の量を減らすことによって、組成を変化させることができる。
【0034】
一般に、洗浄プロセスはバッチプロセス又は単一ウェーハプロセスでよい。4つの最も好ましい洗浄/除去組成物の実施形態があり、その組成を以下に示す(組成物を形成するために混合する成分の質量パーセントで)。
実施形態 A B C D
1)HF及び/又はNH4F: 0.01-0.12 0.01-0.12 0.01-0.12 0.01-0.12
2)低分子量カルボン酸 0.9-1.2 0.2-0.6 0.6-0.9 0.75-1.25
3)グリコールエーテル 1.5-5% 9-12% 5-9 1.5-6%
4)キレーター 0.02-0.12 0.02-0.12 0.02-0.12 0-0.02
5)水 94.7-97.6 87.1-90.8 89.8-94.3 92.6-97.7
6)鉱酸 0-0.01 0-0.01 0-0.01 0-0.02
7)pH 1.8-2.2 2.2-2.6 2.0-2.3 1.7-2.3
【0035】
成分(1)として二フッ化アンモニウムが挙げられる。アンモニウムはC1〜C5アルキルアンモニウム化合物、及び/又はモノエタノールアミン等のアルカノールアミンで部分的又は完全に置き換わっていてもよく、この場合、組成物中の質量%を調整して該組成物のフッ化物と同レベルのフッ化物を与える。“低分子量”とは、1〜3個の炭素原子と、0〜1個の窒素原子を含む有機酸を意味する。
【0036】
洗浄プロセスを遂行して、フォトレジスト、エッチング残渣又は平坦化残渣の1又は2以上の除去を果たす。ウェーハは銅を含み、すなわち少なくとも50質量%の銅、典型的に90質量%超えの銅である伝導層をウェーハが含むことを意味する。これら残渣は、種々多様の温度条件にさらされる種々のエッチング液、low-k材料、レジスト、銅、及びバリア材料の種々多様な反応生成物を含みうる。公開された米国特許出願第2004/0106531号明細書に記載されている種々の残渣の開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。洗浄プロセスはバッチプロセスと単一ウェーハプロセスに分類される。種々多様なレジスト、残渣及び酸化銅の単一ウェーハ処理には組成物Aが好ましい。選ばれた基板のため、又は種々多様なレジスト、残渣、及び酸化銅のバッチ洗浄プロセス処理のためには組成物Bが好ましい。種々多様なレジスト、残渣、及び酸化銅のバッチ及び単一ウェーハ処理のためには組成物Cが好ましい。Trench First/Via Last処理ストリームから形成された残渣を有するウェーハの単一ウェーハ処理では、実施形態Dが好ましい。
【0037】
バッチ洗浄は典型的に複数のウェーハを含み、ウェーハを洗浄組成物に浸漬するか又は洗浄組成物で噴霧するので、洗浄プロセスは分のオーダー、例えば10〜30分で起こる。バッチプロセスは複数、典型的に25〜50枚のウェーハを一度に処理タンク内で処理し、複数のウェーハを一列に並べて一度に浸漬させる。歴史的に、レジスト及び残渣除去のためのこのような浸漬プロセスは約10分〜約1時間、通常約30分の時間で行われた。洗浄工程を調整して、組立ラインの速度と調和させた。すなわち、25〜50枚のウェーハを浸漬浴内で洗浄するために必要な時間は、洗浄を必要とする別の25〜50枚のウェーハを組立ラインが製造する時間にほぼ等しい。
【0038】
バッチ洗浄で役立つためには、この発明の組成物は、非常に低い銅腐食速度を持たなければならず、“low-k材料”のため、本組成物は低い溶解速度と、低速の他の望ましくない相互作用(寸法の変化、誘電率の変化など)を持たなければならない。低速の銅溶解とは、バッチ洗浄に有用な時間にわたって測定した場合、例えば、バッチ洗浄操作で見られる(温度及び撹拌)条件下で基板を組成物にさらした後10分で測定した溶解が、約4Å/分未満、好ましくは3Å/分未満、さらに好ましくは2Å/分未満、例えば約0.01〜1Å/分であることを意味する。低速のlow-k材料溶解とは、バッチ洗浄に有用な時間にわたって測定した場合、例えば、バッチ洗浄操作で見られる(温度及び撹拌)条件下で基板を組成物にさらした後10分で測定した溶解が、約2Å/分未満、好ましくは1Å/分未満、例えば約0.01〜1Å/分であることを意味する。
【0039】
この発明の組成物はレジストと残渣を除去できるのみならず、該組成物が銅由来の酸化銅を迅速に除去できることが望ましい。銅についての1つの問題は、この金属がエッチング及びアッシングの両プロセスのみならず、周囲条件でのウェーハの取扱いにおいても酸化銅を形成する強い傾向を有することである。このため、銅含有ウェーハの洗浄、取扱い、及び乾燥は、有利には不活性雰囲気下、例えば窒素下で行われる。一般的に、一旦形成された酸化銅の層は、集積回路製造で遭遇する時間枠では下層にある金属を保護するので、金属上の酸化銅の層は薄いだろう。しかし、薄い層でさえ伝導体に許容しえない抵抗を与えるだろう。多くのリムーバーは分の時間枠で酸化銅を除去できるが、単一ウェーハ処理のために望ましいであろう、10〜30秒で酸化銅の層を除去することは困難である。
【0040】
洗浄/除去プロセスのより優れた制御を果たす1つのメカニズムは、単一ウェーハ処理の使用による。単一ウェーハタイプの装置は、ウェーハを1枚ずつ処理するための処理“タンク”中にウェーハを移すためのものである。通常、ウェーハを回転させながら洗浄液をウェーハの表面に噴霧して、洗浄を行う。ウェーハの回転による遠心力によってウェーハの全表面にわたって(かつ多くの場合、全下面にわたっても)均一に洗浄流体を広げることによって洗浄を達成する。単一ウェーハ洗浄プロセスは、回転しているウェーハ上に組成物が分配されるので、秒のオーダー、例えば10〜60秒で起こる。
【0041】
両プロセス分類での洗浄能力が望ましい特性である。ウェーハを処理し、約30分で残渣を除去するために開発された多くの先行技術のリムーバーは、単一ウェーハ洗浄がラインと歩調を合わせなければならない場合、ウェーハを洗浄するには不十分である。このようなプロセスは、単一ウェーハ洗浄プロセス設備が製造ツールになるために90秒未満で基板を洗浄できる効率的な残渣リムーバー組成物を必要とする。好ましくは、単一ウェーハ洗浄装置で使用する場合、洗剤はレジストと残渣を除去するために45〜90秒を要する。組成物は、同じ(又はさらに短い)秒数で酸化銅も除去できなければならない。この発明の好ましい組成物はこの要求を満たす。
【0042】
ウェーハ基板を洗浄するバッチ法と単一ウェーハ法の両方法で、循環及び再循環、パルスフロー、超音波処理及びメガソニック処理等の撹拌を使用することができる。
洗浄プロセスの間、組成物の温度は約10℃〜沸点の範囲でよいが、典型的に約90℃未満、好ましくは約20℃〜約70℃、例えば約25℃〜約45℃である。
残渣リムーバーを用いて、エッチング残渣と酸化銅の組合せを除去する必要はない。残渣リムーバーは、例えば、その後の製造作業前に酸化銅を除去するためだけに有用でもよく、この場合、該残渣リムーバー製剤は、金属と誘電材料の両者に対して低衝撃を有するので、このルーチンタスクのためでさえこの製剤が選ばれる。
次に、例えば、水、有機物(例えば、イソプロパノール)、又は水/有機物の混合溶液を用いてリンス工程をうことができる。単一ウェーハ処理では、リンス工程の前に、エアナイフ又は等価物によって、この発明の組成物を除去することができる。次に、ウェーハを横切って温かいガス、例えば窒素を流す乾燥工程を行うことができる。
【実施例】
【0043】
以下の実施例で述べるように組成物を調製し、試験した。
銅とTEOSを含むウェーハを組成物に約25℃で10分間さらした。銅とTEOSの厚さの変化をÅ/分の銅及びTEOSの損失速度に変換した。さらに、銅含有ウェーハを過酸化水素水に約3時間さらすことによって、銅含有ウェーハ上に酸化銅層を形成した。酸化銅が可視的に広まったと決定されるまで基板を組成物と接触させた時間を秒で測定した。種々の試験で、厚さの測定はNanometrics Nanospec 6100XMPTMで行い;誘電率の測定は4 Dimension CVMap 3092A Mercury ProbeTMで行い;金属エッチングの測定は4 DimensionTM 280SI 4 Point Probeで行った。フラッシュポイントの測定はオープンカップ法及びクローズドカップ法の両方で行い、いずれの試験でもフラッシュポイントに達したことはなく、示したデータはクローズドカップ試験のデータである。
【0044】
比較実施例1−種々のグリコールエーテルを評価するため一連の4組成物を調製した。比較例C1〜C4は約59%の水;0.1%のフッ化アンモニウム;0.5%のグリオキシル酸一水和物;6%のキレーターHEDP(1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸)及び約0.4%のホスホン酸[それぞれ10% DEQUEST 2010TMを添加することによって供給され、DEQUEST 2010TMは60%のHEDP(CAS 2809-21-4)、4%のホスホン酸(CAS 13598-36-2)、及び水を含むと仮定];並びにそれぞれ34.5%のPGME、DGME、DGBE、及びDGPEのみを有した。各組成物は約1.5のpHを有した。このデータを下表1に示す。
【0045】
【表1】

【0046】
3Å/分という銅の損失速度は所望速度より大きいが、各比較例C1〜C4で同じだった。酸化銅の除去に要した2秒は必要な秒数より少ないが、この場合もやはり各比較例C1〜C4で同じだった。TEOS損失は比較例C2(DGME含有)で最低であり、次に比較例C1(PGME含有)が近かった。TEOS損失速度は比較例C3とC4で有意に大きかった。
比較実施例2−さらにグリコールエーテルを評価するため一連の3組成物を調製した。比較例C5〜C7は約75%の水;0.04%のフッ化アンモニウム;1%のグリオキシル酸一水和物;6%のキレーターHEDP(1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸)及び約0.4%のホスホン酸(それぞれ10% DEQUEST 2010TMを添加することによって供給される);並びにそれぞれ17.5%のPGEE、DGBE、及びDPGMEのみを有した。各組成物は約1.5のpHを有した。銅とTEOSを含むウェーハをこれら比較例の組成物に約25℃で10分間さらした。このデータも表1に示す。2Å/分という銅の損失速度は、比較例C1〜C4で観察された銅エッチング速度より有意に改良されたが、所望速度よりはまだ大きかった。酸化銅の除去に要した2秒は必要な秒数よりもまだ少かった。TEOS損失は比較例C5(PGEE含有)で最低であり、比較例C6とC7で観察されたTEOS損失より有意に低かった。これら最初の2例から、PGEE、DGME、及びPGMEが好ましいグリコールエーテルであると決定した。
【0047】
実施例3−有機酸を評価するため、一連の10組成物を調製した。試料1〜10は約81.4%の水;0.04%のフッ化アンモニウム;0.06%のキレーターHEDP(1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸)及び約0.004%のホスホン酸又は亜リン酸(0.1% DEQUEST 2010TMを添加することによって供給されるキレーター及びホスホン酸又は亜リン酸);17.5%のPGME、並びにそれぞれ1%のギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、グリコール酸、酒石酸、クエン酸、グリオキシル酸(一水和物)、及びアスコルビン酸を有した。各組成物は約2.7〜約2.8のpHを有した。銅とTEOS含むウェーハをこれら組成物に約25℃で10分間さらした。このデータを表2に示す。
例えば、試料1(ギ酸含有)、試料6(グリコール酸含有)、試料7(酒石酸含有)、及び試料8(クエン酸含有)では3Å/分と、銅の損失速度が高かった。例えば、試料2(酢酸含有)、試料9(グリオキシル酸一水和物含有)、及び試料10(アスコルビン酸含有)では2Å/分と、銅の損失速度が許容できた。最後に、それぞれプロピオン酸、酪酸、及びシュウ酸を含有する試料3、4、及び5では1Å/分と、銅の損失速度が低かった。
TEOS損失速度はすべての試料で例えば1Å/分と、許容できたが、該速度は、それぞれプロピオン酸、酪酸、及びシュウ酸を含有する試料3、4、及び5では、わずかにさらに低かった。
酸化銅の除去に要した12秒は、これら組成物を単一ウェーハ処理作業で利用するために十分速かった。一般的に、単一ウェーハ処理は、30秒以下の洗浄時間(該静的試験環境で測定)を要する。


















【0048】
【表2】

【0049】
これら試験より、性能の見解からシュウ酸、グリオキシル酸一水和物、及び/又はアスコルビン酸が最も好ましい有機酸であると決定した。コストの見解から、シュウ酸及び/又はグリオキシル酸一水和物が最も好ましい有機酸である。ギ酸、グリコール酸、酒石酸、及びクエン酸は、例えば、シュウ酸、グリオキシル酸一水和物、及び/又はアスコルビン酸と比較して好ましくない酸だった。これら酸を含有する組成物は、たとえ何らかの用途では許容しうるとしても、より高い銅のエッチング速度を有するからである。さらに、酢酸を用いた組成物で銅のエッチング速度は許容でき、実際にはプロピオン酸や酪酸を含有する組成物では銅のエッチング速度は低かったが、これら酸は最も好ましい有機酸がキレート化するよりキレート化能力が低いことから最良ではない。
【0050】
実施例5−第三系列の試験を行ってアミノ酸を評価した。試料11〜14は、約88.9%の水;0.04%のフッ化アンモニウム;0.06%のキレーターHEDP(1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸)及び約0.004%のホスホン酸(それぞれ0.1% DEQUEST 2010TMを添加することによって供給);10%のPGME、並びに1%の種々のアミノ酸:それぞれグリシン、ヒドロキシエチルグリシン、システイン、及びアラニンを有した。各組成物は約2.6のpHを有した。銅とTEOSを含むウェーハをこれら組成物に約25℃で10分間さらした。これら試料11〜14のデータを表3に示す。



【0051】
【表3】

【0052】
例えば、試料11(グリシン含有)及び12(ヒドロキシエチルグリシン含有)ではわずか2Å/分と、銅損失速度は許容できた。銅エッチング速度は試料13(システイン含有)及び試料14(アラニン含有)で低かった(1Å/分)。TEOS損失速度は各試料11〜14で低く、酸化銅を除去するために要した10秒は、単一ウェーハ処理作業でこれら各組成物を利用するために十分速かった。
【0053】
実施例6−グリオキシル酸濃度とPGME濃度の組合せを評価するため、一連の試験を行った。これら試料15及び16のデータを表4に示し、かつ比較を容易にするため、試料9のデータも表4に複写する。各試料9、15及び16は、約0.04%のフッ化アンモニウム;及び0.06%のキレーターHEDP(1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸)と約0.004%のホスホン酸(それぞれ0.1% DEQUEST 2010TMを添加することによって供給)を有し;各試料のバランスはグリオキシル酸一水和物、PGME、及び水だけを含有した。銅とTEOSを含むウェーハをこれら組成物に約25℃で10分間さらした。














【0054】
【表4】

【0055】
データは、2.6のpH、1%のグリオキシル酸一水和物及び10%のPGMEを有する試料16が、試料9及び15によって示された極値の約半分である銅エッチング速度を有したことを示す。このデータは、以下の場合に最低の銅エッチング速度が達成されることを示唆している:A)pHが2.14〜2.8、例えば2.4〜2.7の範囲で維持され;B)グリコールエーテル(好ましくはPGME)濃度が2.5%〜17.5%、例えば約5%〜約15%であり;C)酸(好ましくはグリオキシル酸一水和物及び/又は試料11〜14で使用したようなアミノ酸)が1%近傍の量、例えば0.5%〜1.5%の量で存在し;かつD)水の濃度が81%〜94.5%、例えば約85%〜約92%である。
【0056】
実施例7−種々のキレーターを評価するため一連の試験を行った。この実施例のための試料は試料15及び17〜23であり、その組成とデータを表4に示す。
各試料15、18、及び21〜23は約0.04%のフッ化アンモニウム;2.5%のPGME;2.5%のグリオキシル酸一水和物;及びバランス水を有した。試料15は0.06%のHEDPと、0.1%のDequest 2010を添加することによって痕跡量の亜リン酸及び/又はホスホン酸とを有した。試料18はキレーターを持たず;試料20は0.05%のATMPと、0.1%のDequest 2000を添加することによって痕跡量の亜リン酸及び/又はホスホン酸とを有した。試料21は0.1%のEDTAを有し、試料22は0.1%のDPTAを有し、試料23は0.1%のN-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン-N,N',N'-酸酢酸を有した。
【0057】
キレーターのない唯一の試料である試料18は高い銅エッチング速度、例えば3Å/分を有した。一方は0.06%のHEDPを含有し、他方は約0.05%のATMPを含有する試料15及び20は許容しうる銅エッチング速度、例えば2Å/分を有した。我々は、これら両試料が明らかに痕跡量、例えば0.003%〜0.004%のホスホン酸及び/又は亜リン酸を含有することに気づく(材料安全データシート(Material Safety Data Sheet)の情報は不明)。
【0058】
最低の銅エッチング速度、例えば1Å/分は、それぞれEDTA、DPTA、及びN-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン-N,N',N'-三酢酸を含有する試料21〜23で得られた。さらに、試料21と22は非常に低いTEOSエッチング速度を有した。
このデータから、我々は、EDTA、DPTA、及びEDTA-様誘導体、例えばN-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン-N,N',N'-三酢酸はすべて非常に好ましいキレーターであると考える。さらに、HEDPとATMPも非常に好ましいキレーターであり、この2つではHEDPがより好ましい。キレーターのない組成物の使用も可能であるが、銅エッチング速度がいくらか高い。このデータは、キレーターも小さい保護機能を有しうることをも示唆している。溶液中の銅イオンは金属銅の溶解を高めることが分かっているので、保護機能が単に(そうでなければ金属の溶解を加速するであろう)銅イオンをキレート化することであるという可能性を無視しえない。如何なるキレーターもない試料18に比し、キレーターを含む各試料15及び20〜23で酸化銅を除去するために要した時間が50%少ないことは、HEDPがキレート化機能を有し、及び/又は酸化銅の除去を加速するという証拠である。
【0059】
より中間的な組成物、すなわち試料17及び19の7.5%のPGMEと2%のグリオキシル酸一水和物を含む組成物でHEDPの存在を評価した。試料17は0.05%のHEDPを有したが、試料19はキレーターを有しない。この場合もやはり、キレーターのない試料は高い銅エッチング速度、例えば3Å/分を有したが、0.05%のHEDPの添加以外同一組成を有する試料は低い銅エッチング速度、例えば1Å/分を有した。これもやはり、HEDPが保護機能を有することを示唆している。如何なるキレーターもない試料に比し、HEDPを有する試料において、酸化銅を除去するために要した時間がほぼ50%少ないことは、HEDPがキレート化機能を有し、及び/又は酸化銅の除去を加速するという証拠である。
【0060】
実施例8−表5の試料A〜Kを種々多様の試験で使用した。表5中:1)NH4Fはフッ化アンモニウムであり、2)PGMEはプロピレングリコールモノメチルエーテルであり;3)グリオキシル酸MHはグリオキシル酸一水和物である。
【0061】
【表5】

【0062】
実施例8-A−銅とlow-k材料を含有する集積回路の製造で常用される材料との適合性を示すため、ウェーハを試料A、B、I及びJに25℃で10分間浸漬し、当該時間の終わりまでの全損失を表6に示す。誘電体の厚さはNanometrics NanospecTM 6100XMPモデルで測定し、金属の厚さは4 DimensionTM 280SI 4 Point Probeで測定した。
【0063】
【表6】

【0064】
実施例8-B−種々のlow-k誘電体との適合性を示すため、種々の誘電体を組成物A、B、及びIの浴に25℃で10分間浸漬した。誘電体膜の初期厚と浸漬後の厚さをÅで記録し、厚さの変化を決定した。厚さはNanometrics Nanospec 6100XMPモデルで測定した。データを表7に示す。データは、試料A、B、及びIに10分さらした後、low-k誘電材料の厚さはほんのわずかしか変化しない(8Å未満、典型的に4Å未満)ことを示す。試料A、B、及びIは0.04%のフッ化アンモニウム;0.4%〜1%のグリオキシル酸一水和物;2.5%〜10%のPGME;0.06%のHEDP、及び89.5%〜96.4%の水を含有する。試料Iの組成は試料A及びBの組成の中間である。試験したほとんどのlow-k材料は、試料A、B、又はIの1つで正又はゼロの膨潤があり、かつ他の試料A、B、又はIで負又はゼロの膨潤があった。これは、種々のlow-k材料に対し、試料A、B、及びIの組成の間の組成を有する試料を調製して、さらに膨潤を最小限にできることを示唆している。
【0065】
【表7】

【0066】
2種の誘電材料、Black Diamond 2とCoralについて、試料J(試料Aと同様の組成であるが、腐食防止剤を含まない)を用いて、25℃と45℃で同様の10分の浸漬試験を行った。公称厚4100ÅのBlack Diamond 2では、δが25℃で-3Å、かつ45℃で+0.9Åだった。公称厚4300ÅのCoralでは、δが25℃で-4Å、かつ45℃で+17Åだった。試料Iの0.06%のHEDPの非存在は、試料Aで観察されたBlack Diamond 2とCoralの両材料の損失に比し、該損失を増やした。
【0067】
実施例8-C−種々のlow-k誘電体との適合性を示すため、誘電体の試料を各組成物A、B、又はIの浴に25℃で10分間浸漬してから200℃で10分間焼いた。該膜の初期誘電率を記録し、ベーキング後の値も記録し、その変化を決定した。誘電率は4 Dimension CVMap 3092A Mercury Probeで測定した。データを表8に示す。データは、ほとんどの誘電材料で洗浄(組成物に浸漬、乾燥、及びベーキング)後に測定した誘電率の非常に小さい変化を示している。一般的に、多くの用途で約0.05以下の変化は良く、0.03以下の変化は優れている。
【0068】
【表8】

【0069】
実施例8-D−キレーターのない組成物JがBlack Diamond 2及びCoralと適合性であることを示すため、サンプルを試料Iに25℃と45℃で10分間浸漬してから200℃で10分間焼いた後の屈折率の変化を決定した。25℃で浸漬したサンプルでは、初期屈折率が約1.4で、浸漬及びベーキング後の変化は0.001未満だった。45℃で浸漬した場合は、基板の変化が大きく、屈折率の低下はBlack Diamond 2材料で0.001、Coral材料で0.003だった。
【0070】
実施例8-E−Black Diamond、Aurora 2.7、SiLK Y、及びCoralとの適合性を示すため、誘電材料と試料A、B、及びIとの間の接触角を決定した。データを表9に示す。組成物のぬれ性の実質的変化はSiLK Y及びCoralで見出されたが、これら組成物の変化はかなり少ない。Black DiamondとAurora 2.7のサンプルでは、ほとんど又は全く変化に気づかなかった。試料Iの組成は試料AとBの組成の中間なので、試料AとBについて測定した接触角に何ら有意な差異が観察されなければ(Aurora 2.7についての場合のように)、試料A又はB及び試料Iとの間で測定される接触角に変化がないと予測されることに留意されたい。
【0071】
【表9】

【0072】
実施例8-F−組成物が可燃性でないことを示すため、各試料A及びBをクローズドカップフラッシュポイント装置で110℃までの温度にて試験した。両組成物は110℃を超えるフラッシュポイントを有する。
実施例8-G−洗浄浴の温度を上げて洗浄時間を短縮する製作プラントもある。同時に、製造業者はさらに、過剰処理が過剰な材料損失又は変化をもたらさないように広いプロセスウィンドウを欲する。広範な作業温度にわたる種々のlow-k誘電体との適合性を示すため、銅とTEOSのウェーハを試料A、B及びIに種々の温度、すなわち25℃、30℃、35℃、及び40℃で浸漬した。試料A及びBでは、2分後、5分後、10分後、及び30分後にウェーハを取り出して材料損失を決定した。厚さはNanometrics Nanospec 6100XMPモデルで測定した。試料AとBの組成の中間の組成を有する試料Iでは、浸漬後10分だけでデータを得た。TEOS損失のデータを表10に示し、銅損失のデータを表11に示す。
【0073】
【表10】

【0074】
25℃〜30℃ではTEOS損失は約1〜2Å/分で始まるが、最初の2分後に減少し、或いは1分当たり1Åのほぼ半分の速度に低減した。より高い処理温度では、TEOS損失は約2〜3Å/分で始まったが(25℃〜30℃で)、最初の2分後に減少し、或いは1分当たり1Åのほぼ半分の速度に低減した。このようなTEOS損失速度は、実質的な過剰処理後でさえウェーハが有用なのことから優れている。
【0075】
【表11】

【0076】
エッチング速度は時間と温度で変化する。時間による変化はF“パッシベーション”であり、フッ化物イオンが金属に付着して金属損失速度を減らすと考えられている。最初に非常に高いエッチング速度があり、急速に自己限界値に達する。25℃の試料Aでは、平均材料損失速度(最初の2分にわたって測定)は約4Å/分だった。次の3分間の平均材料損失速度は3Å/分に低減し、その後1Å/分に減少した。従って、5分後には明らかにパッシベーションが定常状態に達した。35℃では、平均材料損失速度が最初の2分間で13Å/分であり、次の3分間で7Å/分、その後約3Å/分になった。
【0077】
実施例8-H−エッチングプロセス中に生成される主にTiNで構成される重い残渣を含有するウェーハを準備した。重い残渣を有するウェーハを各組成物E、K又はLの静止浴に45℃で120秒間浸漬した。SEMによる検査は、基板が製造工程を続けて機能性集積回路を提供できるように、基板に過度の損傷を与えることなく、残渣を完全に洗浄したことを示した。
実施例8-I−銅/FSG基板上に形成される構造経由のエッチング後残渣を含有するウェーハを準備した。残渣を有するウェーハを各組成物A及びBの静止浴にそれぞれ25℃と35℃で、それぞれ60、120及び600秒間浸漬した。SEMによる検査は、基板が製造工程を続けて機能性集積回路を提供できるように、基板に過度の損傷を与えることなく、残渣を完全に洗浄したことを示した。特に、SEMの検査は、60秒、すなわち観察を行った最も早期に、残渣の完全な洗浄を示した。さらに、10分までの広範な過剰処理は、何ら認識しうる銅エッチング又は重大な寸法の損失をもたらさなかった。一般的に、LSIウェーハの試料Aが単一ウェーハに妥当な短時間での洗浄で有意に優れていたことを除き、試料A、B、及びIの活性を区別することはほとんどなかった。
【0078】
実施例8-J−銅/Aurora基板上に形成される構造経由のエッチング残渣を含有するウェーハを準備した。残渣を有するウェーハを各組成物A及びBの静止浴にそれぞれ25℃と35℃でそれぞれ60、120及び600秒間浸漬した。SEMによる検査は、基板が製造工程を続けて機能性集積回路を提供できるように、基板に過度の損傷を与えることなく、残渣を完全に洗浄したことを示した。特に、SEMの検査は、60秒、すなわち観察を行った最も早期に、残渣の完全な洗浄を示した。さらに、10分までの広範な過剰処理は、何ら認識しうる銅エッチング又は重大な寸法の損失をもたらさなかった。
【0079】
実施例8-K−この発明の組成物の使用に好ましい温度は15℃〜35℃、好ましくは20℃〜約30℃、例えば25℃(±2℃)の温度である。浴寿命は製造業者にとって重要な基準である。浴寿命を評価する1つの方法は、ビーカー試験であり、周囲条件にさらしたビーカーに組成物を入れ、一定温度で保持する。次に種々の特性の経時的変化を測定する。
72時間のビーカー試験を試料Aについて室温(約21℃〜25℃)と35℃で行い、24時間毎に特性を測定した。21℃〜25℃では、72時間にわたって組成物Aの密度は0.0001g/cc未満だけ変化した。pHはその初期値の1.993から0.002未満だけ変化した。しかし、種々の成分の量に少し変化があった。特に、フッ化アンモニウムの濃度は約0.0013%/日の速度で経時的に線形に増加し、72時間後にはフッ化アンモニウムの量は全部で約0.004%増加した。HEDPの濃度も約0.0013%/日の速度で経時的に線形に増加し、72時間後にはHEDPの量は全部で約0.004%増加した。グリオキシル酸の濃度は、72時間にわたって1.045%から約1.11%に変化した。最後に、PGMEの濃度は、最初の24時間で約2.47%から約2.31%に減少したが、次の48時間では変化しなかった。
35℃では、組成物Aの変化がかなり大きかった。密度は、1日当たり約0.0005g/ccの速度で経時的に線形に増加した。HEDPの濃度は、72時間で0.056%から0.074%に線形に増加し、フッ化アンモニウムの濃度は72時間で0.043%から0.056%に線形に増加した。グリオキシル酸の濃度は時間ゼロの1.045%から72時間後の1.32%に線形に増加した。それにもかかわらず、pHは初期値の1.992から72時間後の1.943に低減した。PGMEの濃度は、最初の24時間で約2.47%から約2.31%に減少したが(25℃での試験では同様の変化には気づかなかった)、48時間で2.24%の最低水準に下がった。この時点の濃度はその後上昇し、72時間試験の最後には最終的に2.32%に達した。
【0080】
試料Bについても72時間のビーカー試験を室温(約21℃〜25℃)と35℃で行い、24時間毎に特性を測定した。21℃〜25℃では、72時間にわたって該組成物の密度は約0.0001g/cc未満だけ増加した。pHはその初期値の2.382から0.002未満だけ変化した。フッ化アンモニウムの濃度は0.038%から約0.039%に増加し、試料Aより実質的に変化が少なかった。HEDPの濃度はわずかに、72時間で0.0533%から約0.055%に増加した。グリオキシル酸の濃度は、72時間にわたって0.408%から約0.437%に変化した。最後に、PGMEの濃度は初期の約9.7%から72時間の最後に10.45%に増加した。試料Bの浴寿命を精査すると、25℃では、72時間までに測定したいずれのパラメーターでも有意な変化は観察されなかった。組成物Bの洗浄効率と適合特性は、試料Bのオープンビーカーを72時間放置した後でさえ許容範囲内だろう。
35℃では、変化がかなり大きかった。密度は、1日当たり約0.0002g/ccの速度で経時的に線形に増加した。HEDPの濃度は、72時間で0.053%から0.068%に線形に増加し、フッ化アンモニウムの濃度は72時間で0.038%から0.045%に線形に増加した。グリオキシル酸の濃度は時間ゼロの0.41%から72時間後の0.52%に線形に増加した。それにもかかわらず、pHは初期値の2.382から72時間後の2.342に低減した。PGMEの濃度は、約9.7%から約13%に増加し、この増加のほとんどは2日目の間に起こった。
【0081】
最後に、試料Iについても室温(約21℃〜25℃)と35℃で72時間のビーカー試験を行い、24時間毎に特性を測定した。72時間にわたって21℃〜25℃では濃度は有意な変化を示さず、pHは2.16から約2.158に減少し、フッ化アンモニウムとHEDPの濃度のわずかな変化があり、試料AとBで見られる同様の変化を反映していた。1つの有意な差異は、PGMEの濃度が、試料AとBの結果に基づいて予測されるより有意に大きい増加を示した。すなわち、それは72時間で7.9%〜7.5%に増加した。組成物Iの洗浄効率と適合特性は、試料Iのオープンビーカーを72時間放置した後でさえ、許容範囲内であろう。
35℃では、変化がかなり大きかった。密度は、1日当たり約0.0004g/ccの速度で経時的に線形に増加した。HEDPの濃度は、72時間で0.055%から0.070%に線形に増加し、フッ化アンモニウムの濃度は72時間で0.038%から0.045%に線形に増加した。グリオキシル酸の濃度は時間ゼロの0.45%から72時間後の0.60%に線形に増加した。pHは初期値の2.160から72時間後の2.114に低減した。PGMEの濃度は、約7.9%から約9.7%に増加した。
試料A、B、及びIの浴寿命データを精査すると、25℃では、72時間までに測定したいずれのパラメーターでも何ら有意な変化は観察されなかった。25℃における典型的な初期成分の許容データに基づき、浴寿命は72時間まで延長する。すなわち、組成物Aの洗浄効率と適合特性は試料A、B、及びIのオープンビーカーを72時間放置した後でさえ許容範囲内であろう。しかし、これは、蒸発の全影響と体積の漸次損失が定期的なつぎ足し(top-up)又は約45時間の浴寿命のどちらかを必要とするであろうことを反映していない。
35℃では、体積の損失が作用してすべての活性成分を濃縮する。濃縮作用の結果、試験の持続時間にわたってpHが低減することとなるが、これは特に重大ではなかった。低いpHでのフッ化物種の活性は、このような適度な濃度変化では、さらに低いpHまでかなり安定である。
【0082】
低い加速電圧でのSEM検査を利用してCuとTEOSの基板についての洗浄の程度と材料のいずれの損失も決定した。25℃と35℃の両基板で高い洗浄効率が見られ、すべてのポリマーとエッチング残渣が約30秒で容易に除去された。10分までの広範な過剰処理は許容できないCu攻撃又はCDの損失をもたらさなかった。オープンビーカー試験中、同時にSEM画像によって試料A、B、及びIの洗浄とTEOS/Cuエッチングの機能試験を行った。すると、それら試料は完全な洗浄を示し、材料の何ら有意な損失も示さず、この結果は25℃又は35℃のどらでも48時間にわたって有意な変化がなかった。72時間では、TEOSエッチング速度が多少増加したが、この増加は典型的な製造業者の十分許容範囲内である。このことは実施例8-Lで述べる。浴寿命を決定するための主要パラメーターは水の蒸発のようである。試験中、PGMEの損失はほとんどなかった。一般的に、水混和性有機溶媒が、意図した使用温度で水より低い蒸気圧を有することが好ましい。意図した使用温度が好ましくは15℃〜45℃の場合に、PGMEはこの基準を満たす。オープンビーカー試験に基づき、これら3種の製剤の浴寿命は少なくとも48時間に延長する。
【0083】
実施例8-L−洗浄液の安定性は非常に望ましい。TEOSと銅の低いエッチング速度を示すため、かつエッチング速度もエッチング残渣除去能力も経時的に変動しないことを示すため、組成物A、B及びIのオープンビーカーを25℃で保持したが、周囲条件に通気した。
初期時とこの場合もやはり24、48及び72時間で3種の異なる基板、TEOS、銅、及びTEOS/銅基板から生じたエッチング残渣を有する構造によって組成物に10分間浸漬した。SEMによる検査は、基板が製造工程を続けて機能性集積回路を提供できるように、基板に過度の損傷を与えることなく、残渣を完全に洗浄したことを示した。エッチング速度はすべての試験で許容できる低さだった。銅とTEOSのエッチング速度を表12に示す。
【0084】
【表12】

【0085】
実施例8-M−90nmノードウェーハとlow-k誘電体MSQから得た300mmのウェーハをビーカー及びSEZの両評価で試験した。典型的に、残渣は非常に急速に洗浄され、使用したプロセス条件では銅攻撃は見られなかった。
ビーカー試験では、残渣を有するウェーハを各組成物A及びBの静止浴にそれぞれ25℃と35℃でそれぞれ60、120及び600秒間浸漬した。SEMによる検査は、基板が製造工程を続けて機能性集積回路を提供できるように、基板に過度の損傷を与えることなく、残渣を完全に洗浄したことを示した。特に、SEMによる検査は、60秒、すなわち観察を行った最も早期に、残渣の完全な洗浄を示した。さらに、10分までの広範な過剰処理は、何ら認識しうる銅エッチング又は重大な寸法の損失をもたらさなかった。10分間処理した場合、45℃では誘電体の攻撃が観察されたが、より極端でない条件では観察されなかった。
【0086】
実施例8-N−Black Diamondウェーハについても試料A、B、及びIで試験を行った。3製剤すべてで広いプロセスウィンドウ、すなわち25℃〜45℃、及び30秒〜120秒の洗浄時間にわたって残渣が容易に除去された。試料Aは、一般的に試料B及び試料Iのいずれより洗浄において速いことが明白だった。試料Bと試料Iは、より長いプロセス時間ではほとんど同等であるが、短時間では試料Iが試料Bより高い洗浄効率を有することも分かった。しかし、SEMデータの主観的な評価によると、試料Aが単一ウェーハ適合プロセス時間で試料Iより有効だった。
【0087】
実施例8-O−現在、ある製造業者は異なる集積スキーム、Trench First Via Last(TFVL)を評価し、従来のフッ化物製剤では除去できない非常に重い残渣の形成を経験している。我々は、驚くべきことに、該製剤からHEDPを除去すると洗浄を高めることを見出した。試料Iは、試料Aの類似物質であるが、HEDPがない。一般的に、このような広範な残渣のためには、単一ウェーハ処理で有用な時間枠、例えば約1分以内の完全洗浄は、少なくとも45℃の温度を必要とした。しかし、延長したプロセス時間、例えば5分及び10分でさえ、目に見えるCD損失又はCu攻撃はなかった。
【0088】
実施例8-P−数種の時間と温度にてウェーハ処理機器で試料AとIの試験を行った。流体の流速は1.5リットル/分で、回転速度は500RPMだった。非常に速い、例えば30℃で30秒のオーダーの洗浄が観察された。いくつかの試料で良い洗浄が観察されたが、FSGウェーハを用いた一連の試験はCu表面の良い洗浄を示しながら、側壁残渣の最適除去効率より低かった。これは、おそらく、試験用に小さいダイ切片を使用したので、化学分配中にウェーハ切片の表面を横切る不十分な質量輸送の結果だろう。全体的な試料Aは短いプロセス時間には最適だったが、長い、例えば20分を超えるバッチプロセスで使用すると、攻撃的だった。試料Iは、最良の全体的なプロセスウィンドウを与え、30秒から20分で許容しうる結果をもたらしたが、それより短時間では試料Aが良い性能を有した。
上述した結果は、開示した組成物の能力の幅を実証している。すなわち、本組成物は基板を傷つけずに、複数タイプの基板から複数タイプの残渣を効率的に洗浄するだろう。顕著には、本組成物は浸漬浴操作に必要な長さの時間で有効であるだけでなく、噴霧洗浄(単一ウェーハ処理)操作で利用される短時間でも有効である。このような頑強な性能は非常に望ましい。
【0089】
比較例9−2以上の溶媒を使用できることを示すため、フッ素含有成分、酸及び水の濃度を一定に保ちながら、一連の4組成物を調製した。水の濃度は約55%だった。組成物の溶媒フラクションは、ジエチレングリコールブチルエーテル(DGBE)とジメチルスルホキシド(DMSO)を含み、該グリコール:DMSOの比は2:3、1:1、3:2及び3:1だった。それぞれの比で銅エッチング速度、TEOSエッチング速度、酸化銅除去及びエッチング残渣を調べると、概して優れていた。
【0090】
実施例10−より高い濃度の有機酸(又は少なくともその塩)を使用できることを示すため、0.04%のフッ化アンモニウム;1%のPGME;88.8%の水;0.06%のキレーターHEDP(1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸)及び約0.004%のホスホン酸又は亜リン酸(キレーター及びホスホン酸又は亜リン酸は0.1% DEQUEST 2010TMの添加によって供給される);並びに10%のクエン酸二アンモニウムから成る組成物を調製して調べた。本組成物は約4.5〜5.5、典型的に約4.9のpHを有した。本組成物は室温で30分にわたって全体で4.3と0.24nmという低速の銅とTEOSのエッチング速度、及び21秒という迅速な酸化銅の除去時間を有し、かつポリマー残渣を除去した。本組成物は、銅/FSG基板から完全にポリマー残渣を除去した。しかし、驚くべきことに、銅のいくらかの電気化学的腐食が観察された。この実施例は、有機酸の塩が役立ちうることをも示す。
【0091】
実施例11−本発明の組成物では、より高いpH値でさえ有用であることを示すため、0.04%のフッ化アンモニウム;7.5%のPGME;86.7%の水;0.06%のキレーターHEDP(1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸)及び約0.004%のホスホン酸又は亜リン酸(キレーター及びホスホン酸又は亜リン酸は0.1% DEQUEST 2010TMの添加によって供給される);3%の2-ジメチルアミノエタノール;並びに2.7%のクエン酸から成る組成物を調製して調べた。本組成物は約5.5〜6、典型的に5.7のpHを有した。本組成物は、室温で30分にわたって全体で3.0と0.1nmという低速の銅とTEOSのエッチング速度、及び21秒という迅速な酸化銅の除去時間を有した。本組成物は、銅/FSG基板から完全にポリマー残渣を除去した。さらに、銅の電気化学的腐食は観察されなかった。
実施例12−酸化銅の除去速度と銅のエッチング速度が非常にpHの影響を受けることを示すため、キレーターDEQUEST 2010の代わりにジエチレントリアミン五酢酸を使い、かつ2-ジメチルアミノエタノールの代わりに2-ジエチルアミノエタノールを使うことによって、実施例11の組成物を変化させてpHが約6.1〜6.5、典型的に約6.3の組成物とした。銅エッチングの量は143%増えて許容できない7.6nmとなり、酸化銅の除去時間は114%増えて許容できない45秒という時間になった。それでも、本組成物は銅/FSG基板からポリマー残渣を完全に除去した。
【0092】
この発明の特定の実施形態、並びにこの発明の特定の利点は、前述した非限定的な実施例によって実証される。簡潔さと明瞭さの利益のため、有限数の実施例のみが本明細書で開示されるが、この発明の目的及び利益から逸脱することなく、材料及び方法の両方に多くの修正を行いうることが当業者には明白だろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅とlow-k誘電材料を含む基板からレジスト、エッチング残渣、平坦化残渣、及び酸化銅の1又は2以上を除去する方法であって、以下の工程:
A)銅含有伝導体とlow-k誘電材料を含む表面を有し、かつこの表面上に、レジスト、エッチング残渣、平坦化残渣、及び酸化銅の1又は2以上が配置されている基板を供給する工程;
B)前記基板の表面を、以下の成分:
a)フッ化物供給成分;
b)少なくとも1質量%の水混和性有機溶媒;
c)酸;及び
d)少なくとも81質量%の水;
を含む組成物であって、pHが約1.3〜7である組成物と、前記レジスト、残渣、及び/又は酸化銅を除去するために十分な時間と十分な温度で接触させる工程;
を含む方法。
【請求項2】
前記フッ化物供給成分が、フッ素として約0.01%〜約0.6%の量で存在し;前記水混和性有機溶媒が約1.5%〜19%の量で存在し;かつ前記pHが約1.3〜4.5である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記水混和性有機溶媒が、約2.5%〜約10%の量で存在するグリコールエーテルを含み、前記pHが約1.9〜約3.8であり、かつ前記温度が約20℃〜約70℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記水混和性溶媒が、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、又はその混合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記酸が、本質的に1又は2以上のカルボン酸から成り、前記組成物がさらにキレーターを含み、かつ前記組成物には実質的に鉱酸を含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記酸がヒドロキシ置換カルボン酸、カルボニル置換カルボン酸、アミノ置換カルボン酸、又はその混合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記酸が、2〜6個の炭素原子を有し、かつα位又はβ位でヒドロキシ基又はカルボニル基によって置換されている1又は2以上のモノ-若しくはジ-カルボン酸を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記酸がクエン酸を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記組成物のpHが約4.7〜約6であり;
前記フッ化物供給成分が約0.01%〜約0.06%のフッ化アンモニウムを含み;
前記水混和性有機溶媒がプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、又はその混合物を含み;
前記酸が2%〜10%のカルボン酸、その金属フリー塩、又はその混合物を含み;かつ
前記組成物が、0.5%〜約10%のアルカノールアミンと、複数のホスホネート基、ジエチレントリアミン五酢酸、又はその混合物を含有する約0.01%〜0.2%のキレーター化合物とをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記アルカノールアミンがジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、又はその混合物を含み、かつ前記水混和性有機溶媒がプロピレングリコールモノメチルエーテルを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
銅とlow-k誘電材料を含む基板からレジスト、エッチング残渣、平坦化残渣、及び酸化銅の1又は2以上を除去する方法であって、以下の工程:
A)銅含有伝導体とlow-k誘電材料を含む表面を有し、かつこの表面上に、レジスト、エッチング残渣、平坦化残渣、及び酸化銅の1又は2以上が配置されている基板を供給する工程;
B)前記基板の表面を、以下の成分:
a)フッ化物供給成分;
b)少なくとも1.5質量%の水混和性グリコールエーテル;
c)酸;及び
d)少なくとも約80質量%の水;
を含む組成物と、該組成物が20℃〜約100℃の温度で、前記レジスト、残渣、及び/又は酸化銅を除去するために十分な時間接触させる工程;
を含む方法。
【請求項12】
前記フッ化物供給成分が、フッ素として約0.015%〜約0.1%の量で存在し;前記水混和性有機溶媒が約2%〜約15%の量で存在し;かつ前記水が約85%〜約98%の量で存在する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記組成物が、約0.05%〜約1%のキレーターをさらに含み、前記キレーターが、ジエチレントリアミン五酢酸若しくはその塩、エチレンジアミン四酢酸若しくはその塩、複数のホスホネート成分を有する有機ホスホネート化合物、又はその混合物から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記酸がアミノ酸を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記酸がグリシン、ヒドロキシエチルグリシン、システイン、アラニン、又はその混合物を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記酸がホウ酸、亜リン酸、ホスホン酸、又はその混合物を含み、前記組成物が約0.01%〜約5%のキレーターをさらに含み、前記キレーターが、少なくとも2個のホスホネート基を有する有機ホスホネート化合物である、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記組成物が約0.01%〜約5%のヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸をさらに含み、かつ前記組成物がジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、又はその混合物をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記酸がホスホン酸、亜リン酸、又はその両者を含み、さらに1又は2以上の有機酸を含み、該有機酸の質量%が、存在するホスホン酸と亜リン酸の質量%より大きい、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
銅と誘電材料を含む基板からレジスト、エッチング残渣、平坦化残渣、及び酸化銅の1又は2以上を除去する方法であって、以下の工程:
A)銅含有伝導体とlow-k誘電材料を含む表面を有し、かつこの表面上に、レジスト、エッチング残渣、平坦化残渣、及び酸化銅の1又は2以上が配置されている基板を供給する工程;
B)前記基板を、以下の成分:
a)フッ化物供給成分;
b)グリコールエーテル、グリコールエーテルアセテート、又はその混合物を含む少なくとも1.5質量%の水混和性有機溶媒;
c)酸;及び
d)少なくとも約80質量%の水;
を含む組成物(ここで、該組成物のpHは約1.3〜7である)と、前記レジスト、残渣、及び/又は酸化銅を除去するために十分な時間、前記レジスト、残渣、及び/又は酸化銅を除去するために十分な温度で接触させる工程;
を含む方法。
【請求項20】
前記水混和性溶媒が約2.5%〜約19%の量で存在し、前記時間が10秒〜60分であり、かつ前記温度が約20℃〜約70℃である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記pHが2.4〜2.7に維持され、前記グリコールエーテルの濃度が約5%〜約15%であり、かつ前記酸が約0.5%〜約1.5%の量で存在する、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記組成物が、a)約0.01%〜約0.06%のフッ化アンモニウム;b)約1%〜20%のプロピレングリコールモノメチルエーテル;c)約2%〜10%のカルボン酸を含み;該組成物がさらにd)約0.01%〜0.2%のキレーター化合物、及びe)0.5%〜約10%のアルカノールアミンを含み、該組成物のpHが約4.7〜6である、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記組成物が、本質的に以下の成分:
a)フッ化物として約0.01質量%〜約0.2質量%のフッ化物供給成分;
b)少なくとも1.5質量%の水混和性グリコールエーテル、アミド、スルホキシド、又はその混合物;
c)有機酸及び任意成分としてフッ化物を供給しない1又は2以上の鉱酸(前記有機酸のモル数が該鉱酸のモル数より多いことを条件とする);
d)少なくとも約80質量%の水;
e)任意成分としてキレーター;
f)任意成分としてアルカノールアミン;及び
g)水;
から成る、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
銅とlow-k誘電材料を含む基板からレジスト、エッチング残渣、平坦化残渣、及び酸化銅の1又は2以上を除去する方法であって、以下の工程:
A)銅含有伝導体とlow-k誘電材料を含む基板(前記基板は、その上にさらにレジスト、エッチング残渣、及び酸化銅の1又は2以上を含む)を供給する工程;
B)前記基板を、以下の成分:
a)約0.01質量%〜0.2質量%のフッ化物を供給するフッ化物供給成分;
b)約1質量%〜約12.5質量%のグリコールエーテル;
c)約0.2%〜約2%の有機酸;及び
d)約85質量%〜約98.79質量%の水;
を含む組成物と、約20秒〜約10分の時間、かつ約15℃〜約50℃の温度で接触させる工程;
を含む方法。
【請求項25】
前記組成物が、a)0.01質量%〜0.12質量%のHF、NH4F、又はその混合物;b)約1.5質量%〜約5質量%のグリコールエーテル;c)1〜3個の炭素原子と0又は1個の窒素原子を有する約0.9%〜約1.2%の有機酸;d)約94.7%〜約97.6%の水を含み;さらにe)約0.02%〜約0.12%のキレーターを含み、前記時間が約20秒〜約10分であり、かつ前記温度が約20℃〜約40℃である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記組成物が、a)0.01質量%〜0.12質量%のHF、NH4F、又はその混合物;b)約9質量%〜約12質量%のグリコールエーテル;c)1〜3個の炭素原子と0又は1個の窒素原子を有する約0.2%〜約0.6%の有機酸;d)約87.1%〜約90.8%の水を含み;さらにe)約0.02%〜約0.12%のキレーターを含み、前記時間が約60秒〜約30分であり、かつ前記温度が約20℃〜約40℃である、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記組成物が、a)0.01質量%〜0.12質量%のHF、NH4F、又はその混合物;b)約5質量%〜約9質量%のグリコールエーテル;c)1〜3個の炭素原子と0又は1個の窒素原子を有する約0.6%〜約0.9%の有機酸;d)約89.8%〜約94.3%の水を含み;さらにe)約0.02%〜約0.12%のキレーターを含み、前記時間が約30秒〜約30分であり、かつ前記温度が約20℃〜約40℃である、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記組成物が、a)0.01質量%〜0.12質量%のHF、NH4F、又はその混合物;b)約1.5質量%〜約6質量%のグリコールエーテル;c)1〜3個の炭素原子と0又は1個の窒素原子を有する約0.75%〜約1.25%の有機酸;d)約92.6%〜約97.7%の水を含み;さらにe)約0%〜約0.02%のキレーターを含み、前記時間が約20秒〜約5分であり、かつ前記温度が約25℃〜約45℃である、請求項24に記載の方法。

【公表番号】特表2008−532289(P2008−532289A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−557148(P2007−557148)
【出願日】平成18年2月24日(2006.2.24)
【国際出願番号】PCT/US2006/006378
【国際公開番号】WO2006/093770
【国際公開日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(598045841)イーケイシー テクノロジー インコーポレーテッド (6)
【Fターム(参考)】