説明

内燃機関の燃料性状判定装置

【課題】 性状が不明な燃料の自着火性(オクタン価)を正確に判定する。
【解決手段】 主タンク11内の被判定燃料を燃料噴射弁10より噴射し、副タンク15内に備蓄した自着火性が既知の基準燃料を燃料噴射弁16より噴射する。被判定燃料と基準燃料とを所定の比率で内燃機関1に供給して運転し、混合燃料でのノッキング限界点火時期を測定する。そして、混合燃料でのノッキング限界点火時期に基づいて、混合燃料の自着火性を推定し、混合燃料の自着火性と、基準燃料の自着火性と、前記比率とに基づいて、被判定燃料の自着火性を推定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、性状が不明な燃料の使用が想定され、燃料のなんらかの自着火性の判定(推定)が必要な火花点火式内燃機関における燃料性状判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ノッキング判定(ノッキング限界点火時期の測定)を利用した燃料の自着火性判定手段は、火花点火式内燃機関においては公知の技術であり、ハイオクガソリンかレギュラーガソリンかの判定に広く用いられている。しかし、この技術で判定可能なオクタン価(RON;Research Octane Number)は100〜90程度であり、軽油などの極端にオクタン価の低い燃料には対応できない。
【0003】
また、特許文献1のように、オクタン価の大きく異なる2種類の燃料を想定した内燃機関の技術では、ノッキング判定結果に基づいて2種類の燃料の混合割合を算出しているが、広い範囲の自着火性を想定した判定手段ではない。
【特許文献1】特開2005−2914号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術には、簡易な構成で、広い範囲の自着火性(オクタン価やセタン価に代表される着火性を表す特性)を判定する手段がなく、自着火性が極端に異なる燃料がタンクに入れられた場合、可変圧縮比機構などによる対応以前に、正常な燃焼を行うことができないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような実状に鑑み、簡単な構成で、広い範囲の自着火性を安全に判定することができる内燃機関の燃料性状判定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため、本発明では、性状が不明な被判定燃料と自着火性が既知の基準燃料とを所定の比率で内燃機関に供給して運転し、混合燃料でのノッキング限界点火時期を測定し、混合燃料でのノッキング限界点火時期と、基準燃料の自着火性と、前記比率とに基づいて、被判定燃料の自着火性を推定する。
【0007】
尚、「混合燃料」とは、内燃機関に同時に供給している2種の燃料(被判定燃料と基準燃料)の意味で用いており、物理的に混合状態にあるか否かを問うものではない。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、被判定燃料の自着火性を精度良く推定することができ、しかも、性状が不明な被判定燃料の比率を小さくすることで、被判定燃料の自着火性が高かったとしても、混合燃料により運転して判定することで、自着火性が急激に変化するのを抑え、急激な燃焼変化を引き起こすことなく、被判定燃料の自着火性の判定を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
図1は本発明の第1実施形態を示す内燃機関の燃料供給系を中心としたシステム図である。
【0011】
内燃機関1は、火花点火式内燃機関であり、燃焼室2内に点火プラグ3を備えている。また、吸気バルブ4及び排気バルブ5のバルブタイミングを変更可能な可変バルブタイミング機構(VTC)6を備えている。また、ピストン7のストローク量を変更可能とすることにより圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構(VCR)8を備えている。
【0012】
内燃機関1への燃料の供給は、吸気通路(吸気ポート)9に配置された燃料噴射弁10により行われる。この燃料噴射弁10には、主タンク11内の燃料が燃料ポンプ12により燃料通路13を介して供給され、余剰燃料はリターン通路14により主タンク11へ戻される。
【0013】
主タンク11は、開閉可能な給油口11aを有し、外部より燃料が給油されることで、性状が不明な燃料(被判定燃料)が貯留される。
【0014】
この主タンク11内の燃料の自着火性の判定のため、自着火性が既知の基準燃料を備蓄する副タンク15が設けられる。また、吸気通路(吸気ポート)9に、通常運転時用の燃料噴射弁10と並べて、基準燃料を噴射可能な燃料噴射弁16が設けられる。この燃料噴射弁16には、副タンク15内の基準燃料が燃料ポンプ17により燃料通路18を介して供給され、余剰燃料はリターン通路19により主タンク11へ戻される。
【0015】
副タンク15は、主タンク11と制御弁(常閉の電磁開閉弁)20を介して連通している。詳しくは、主タンク11からの燃料を送油する燃料ポンプ12と燃料噴射弁10との間の燃料通路13の途中から分岐させた燃料通路21を制御弁20を介して副タンク15に接続している。
【0016】
ここにおいて、燃料噴射弁10、点火プラグ3、可変バルブタイミング機構6、可変圧縮比機構8の他、燃料噴射弁16、制御弁20の作動も、エンジンコントロールユニット(ECU)22により制御される。
【0017】
ECU22には、図示しない各種センサから運転条件(アクセル開度、エンジン回転数など)に関連する信号が入力される他、内燃機関1の特定周波数の振動よりノッキングを検出するノッキングセンサ23、主タンク11内の燃料量(液面レベル)を検出するレベルセンサ24、副タンク15内の燃料量(液面レベル)を検出するレベルセンサ25などからも信号が入力される。
【0018】
次に主タンク11内の被判定燃料の自着火性(特に自着火性指標として代表的なオクタン価)の判定について説明するが、先ず、判定原理について説明する。
【0019】
被判定燃料のオクタン価をOx、基準燃料のオクタン価をOyとし、これらを所定の比率aで混合した混合燃料のオクタン価Ozは、次式により表すことができる。
【0020】
Oz=Ox・a+Oy・(1−a)
尚、比率aは、混合燃料(全燃料)中の被判定燃料の割合であり、1−aは混合燃料中の基準燃料の割合である。
【0021】
この式より、
Ox=(Oz−Oy・(1−a))/a
となり、混合燃料のオクタン価Ozと、基準燃料のオクタン価Oyと、前記比率aとから、被判定燃料のオクタン価Oxを算出することができる。
【0022】
ここで、基準燃料のオクタン価Oyは既知であるので、前記比率aの下での、混合燃料のオクタン価Ozを測定することで、被判定燃料のオクタン価Oxを推定することができる。
【0023】
例えば図2に示すように、基準燃料のオクタン価が既知でRON:100の場合に、基準燃料の割合を90vol.%とし、オクタン価が不明な被判定燃料の割合を10vol.%として、ノッキング判定(ノッキング限界点火時期の測定)により、混合燃料のオクタン価を推定した結果、RON:90となった場合は、被判定燃料のオクタン価はRON:0となる。
【0024】
従って、被判定燃料のみでノッキング判定のために運転した場合は、自着火性が高すぎるような場合であっても、被判定燃料の割合を少なくして、判定することで、正確に判定することができる。
【0025】
次に主タンク11内の被判定燃料の自着火性(オクタン価)の判定について、図3のフローチャートにより、説明する。
【0026】
ステップ1(図にはS1と記す。以下同様)では、自着火性判定の判定条件が成立したか否か(判定モードか否か)を判定する。
【0027】
主タンク11内の燃料を判定する場合、給油により、性状が不明となることから、主タンク11への給油の有無を判定する給油判定装置を用い、給油有りと判定した後の機関始動時に自着火性判定を行う。
【0028】
給油判定装置としては、主タンク11内の燃料量を測定可能な手段(レベルセンサ24)を用い、機関始動時の燃料量と前回機関停止時の燃料量との差が所定量を超えた時に、給油があったと判定する。又は、主タンク11への燃料の流入を検知する手段を備える場合は、燃料の流入の検知により、給油があったと判定する。
【0029】
また、自着性火判定の信頼性を向上させるため、予め定められた機関回転数及び負荷の条件にて行う必要があり、また運転性への影響を考えると、アイドリング運転時が最も好ましい。
【0030】
従って、ここでは、自着火性判定の判定条件として、給油有りと判定した後の機関始動時で、かつアイドリング運転時であるかを判定する。
【0031】
自着火性判定の判定条件が成立した場合は、ステップ2へ進む。
【0032】
ステップ2では、主タンク11内の被判定燃料と副タンク15内の基準燃料とを所定の比率(噴射量比)aで内燃機関1に噴射供給する。具体的には、要求燃料噴射量(要求噴射パルス幅)をTiとすると、被判定燃料の燃料噴射弁10の燃料噴射量(噴射パルス幅)をTi・a、基準燃料の燃料噴射弁16の燃料噴射量(噴射パルス幅)をTi・(1−a)として、各燃料噴射弁10、16に燃料噴射を行わせる。
【0033】
尚、所定の比率aは、基準燃料に比べて被判定燃料の方が少なくなるように設定するのが、安全性の観点から好ましく、例えばa=0.1(10%)とする。
【0034】
ステップ3では、前記ステップ2での被判定燃料と基準燃料との混合燃料での運転の下で、ノッキング限界点火時期θzを測定する。詳細は後述する。
【0035】
ステップ4では、混合燃料のノッキング限界点火時期θz(前記ステップ2で測定)と基準燃料のノッキング限界点火時期θy(既知)との差異(ノッキング限界点火時期差)Δθ=θz−θyを求める。
【0036】
ステップ5では、図5に示すようなマップを参照し、基準燃料のオクタン価Oy(既知)と、ノッキング限界点火時期差Δθ(前記ステップ4で算出)とから、混合燃料のオクタン価Ozを推定する。
【0037】
尚、このマップは、圧縮比ε別、及び/又は、吸気温Ta別に用意するのが望ましく、該当するマップを選択して使用する。ノッキング現象は圧縮比εや吸気温Taと強い相関を示すため、マップをこれらにより補正することで判定精度向上が可能となる。
【0038】
ステップ6では、次式により、混合燃料のオクタン価Oz(前記ステップ5で推定)と、基準燃料のオクタン価Oy(既知)と、前記比率a(前記ステップS2で設定)とから、被判定燃料のオクタン価Ozを算出する。
【0039】
Ox=(Oz−Oy・(1−a))/a
以上により、主タンク11内の被判定燃料の自着火性判定を完了し、ステップ7(完了後の処理)へ進む。
【0040】
ステップ7では、完了後の処理として、(1)使用燃料を被判定燃料へ切換える。(2)判定されたオクタン価Oxに応じて運転条件を変更する。(3)被判定燃料を基準燃料として副タンク15へ貯留する。
【0041】
すなわち、自着火性の判定後は、被判定燃料のオクタン価Oxが判明したことから、基準燃料の燃料噴射弁16の燃料噴射を停止させて、被判定燃料の燃料噴射弁10のみの燃料噴射に切換える。但し、基準燃料の燃料噴射弁16の燃料噴射量を段階的(又は連続的)に減少させると共に、被判定燃料の燃料噴射弁10の燃料噴射量を段階的(又は連続的)に増大させることにより、図6に示すように、全燃料に対する被判定燃料(主タンク燃料)の比率を徐々に増加させて、被判定燃料のみの運転へ切換える。これにより、切換えをスムーズに行うことができる。
【0042】
また、判定された被判定燃料(使用燃料)のオクタン価Oxに応じ、最適となるように、内燃機関1の運転条件を変更する。具体的には、可変圧縮比機構8を備える場合は、圧縮比を使用燃料の自着火性に適した値に変更する。また、可変バルブタイミング機構6を備える場合は、バルブタイミングを使用燃料の自着火性に適したタイミングに変更する。また、点火時期、スロットル開度特性などについても、使用燃料の自着火性に適した値に変更する。これにより、新規燃料に最適化した運転条件で、優れた出力、燃費、排気性能を得ることができる。尚、燃料の切換えを徐々に行う場合は、図6に示すように、圧縮比などについても徐々に切換えるのが望ましい。
【0043】
また、次回の自着火性判定に備えて副タンク15に自着火性が既知の基準燃料を備蓄し続けるため、制御弁20を開弁させることで、主タンク11内の自着火性が既知となった被判定燃料を基準燃料として副タンク15に導いて貯留させる。尚、副タンク15にそれまでの基準燃料が残っている場合は、燃料噴射弁16を閉弁保持したまま、燃料ポンプ17を運転して、リターン通路19により主タンク11へ戻すようにすればよく、このようにしても、副タンク15の容量は主タンク11の容量に比べはるかに小さいので、主タンク11内の燃料の性状変化はほとんど問題とならない。
【0044】
このように、副タンク15を被判定燃料のタンク(主タンク11)と制御弁20を介して連通させ、自着火性の判定が完了して自着火性が既知となった燃料が貯蔵される構成とすることにより、基準燃料を常に確保でき、給油などによって性状の不明な燃料が投入されても、常に判定が可能となる。
【0045】
次に図3のフローチャートのステップ2〜4の処理について、図4のフローチャートにより、更に詳しく説明する。
【0046】
ステップ21では、初期設定として、全燃料に対する被判定燃料の噴射量比a=a1、点火時期θ=θm、圧縮比ε=εmに設定する。また、吸気温センサ(図示せず)により吸気温Taを検出して記憶する。
【0047】
この状態で運転し、ステップ31で、ノッキングセンサを用いて、ノッキング(ノック)の有無を判定する。
【0048】
ステップ31での判定でノック有りの場合は、ステップ32へ進み、前回のノック判定の結果を調べ、前回もノック有りの場合は、ステップ33へ進んで、点火時期を遅角し(θ=θ−C;Cは一定値)、ステップ31のノック判定へ戻る。
【0049】
ステップ31での判定でノック無しの場合は、ステップ34へ進み、前回のノック判定の結果を調べ、前回もノック無しの場合は、ステップ35へ進んで、点火時期を進角し(θ=θ+C;Cは一定値)、ステップ31のノック判定へ戻る。
【0050】
尚、前回のノック判定の結果がない場合(すなわち1回目のノック判定の場合)は、ステップ32の場合はステップ33へ、ステップ34の場合はステップ35へ進む。
【0051】
ステップ32での判定で前回ノック無しの場合は、前回ノック無しから今回ノック有りへ変化(前回ノック無しから点火時期を進角することで今回ノック有りに変化)したのであり、前回の点火時期がノッキング限界点火時期である。従って、この場合は、ステップ36へ進み、ノッキング限界点火時期θz=θ−Cとする。
【0052】
ステップ34での判定で前回ノック有りの場合は、前回ノック有りから今回ノック無しへ変化(前回ノック有りから点火時期を遅角することで今回ノック無しに変化)したのであり、今回の点火時期がノッキング限界点火時期である。従って、この場合は、ステップ37へ進み、ノッキング限界点火時期θz=θとする。
【0053】
尚、ノッキング限界点火時期の測定において、点火時期の遅角化でノッキングが無くならない場合、すなわち、ステップ33にて点火時期θを遅角した結果、点火時期θが予め定められた遅角限界を超えた場合は、ステップ38にて、可変圧縮比機構8により、圧縮比εを低下側に変更するようにしてもよい。
【0054】
ステップ36又はステップ37で混合燃料でのノッキング限界点火時期θzの測定を終了した後は、ステップ41へ進む。
【0055】
ステップ41では、混合燃料のノッキング限界点火時期θz(前記ステップ36又は37で確定)と基準燃料のノッキング限界点火時期θy(既知)との差異(ノッキング限界点火時期差)Δθ=θz−θyを求める。
【0056】
尚、ここで用いる基準燃料のノッキング限界点火時期θyは、予め標準状態(所定の圧縮比、所定の吸気温)での値として記憶しておき、今回の圧縮比や吸気温で補正して用いてもよい。或いは、混合燃料のノッキング限界点火時期θzの方を補正してもよい。
【0057】
ステップ42では、ノッキング限界点火時期差Δθが所定値θclr より大きいか否かを判定し、小さい場合は、基準燃料と被判定燃料とのオクタン価の差が小さいゆえ、噴射量比aが小さすぎることで、差が明確にならないと判断し、ステップ43へ進む。ステップ43では、全燃料量に対する被判定燃料の噴射量比aを増加側に変更し(a=a+da;daは一定値)、ステップ31へ戻って、新たな噴射量比aの混合燃料でのノッキング限界点火時期の測定をやり直す。
【0058】
すなわち、被判定燃料と基準燃料との比率は、任意に変更可能とし、混合燃料でのノッキング限界点火時期と基準燃料でのノッキング限界点火時期との差異が所定値以下の場合は、被判定燃料の比率を段階的に増加させることにより、より正確な判定を可能とするのである。
【0059】
ステップ42での判定で、Δθ>clr の場合は、ノッキング限界点火時期差Δθが求められたので、ノッキング限界点火時期差Δθ、圧縮比ε、吸気温Ta、基準燃料のオクタン価Oy、噴射量比aのデータをもって、図3のフローのステップ5以降の処理へ進むことになる。
【0060】
尚、本実施形態では、混合燃料でのノッキング限界点火時期と基準燃料でのノッキング限界点火時期との差異と、基準燃料の自着火性とに基づいて、マップ参照により、混合燃料の自着火性を推定し、混合燃料の自着火性と、基準燃料の自着火性と、混合比率とに基づいて、計算式により、被判定燃料の自着火性を推定したが、混合燃料でのノッキング限界点火時期と、基準燃料の自着火性と、混合比率とに基づいて、マップ参照により、被判定燃料の自着火性を推定するように構成することもできる。
【0061】
次に本発明の第2実施形態について図7により説明する。
【0062】
第1実施形態(図1)では、被判定燃料の燃料噴射弁10と基準燃料の燃料噴射弁16を共に吸気通路(吸気ポート)9に配置したが、第2実施形態(図7)では被判定燃料の燃料噴射弁10は吸気通路(吸気ポート)9に配置しているが、基準燃料の燃料噴射弁16は燃焼室2内に配置している。
【0063】
但し、直噴式内燃機関を前提とすれば、被判定燃料の燃料噴射弁10と基準燃料の燃料噴射弁16を共に燃焼室2内に配置したり、被判定燃料の燃料噴射弁10を燃焼室2内に配置し、基準燃料の燃料噴射弁16を吸気通路(吸気ポート)9に配置してもよい。
【0064】
また、吸気通路9に燃料噴射弁を配置する場合は、吸気コレクタに全気筒共通に設けてもよい。
【0065】
次に本発明の第3実施形態について図8により説明する。
【0066】
第3実施形態は、燃料を改質する改質装置を備え、改質装置により改質された改質燃料を内燃機関に供給する場合に、改質燃料の自着火性を判定できるようにしたものである。
【0067】
内燃機関1への燃料の供給は、吸気通路9に配置された第1及び第2の燃料噴射弁31、32により行われる。
【0068】
主タンク11内の燃料は、燃料ポンプ12により燃料通路33を介して第1及び第2の改質装置(改質触媒)34、35へ供給され、第1の改質装置34は燃料改質により相対的に低自着火性(高オクタン価、低セタン価、以下は高オクタン価とのみ記す)の燃料を生成し、第2の改質装置35は燃料改質により相対的に高自着火性(低オクタン価、高セタン価、以下は低オクタン価とのみ記す)の燃料を生成する。
【0069】
第1の改質装置34により生成された改質燃料(高オクタン価燃料)は、第1の改質燃料タンク36に貯留され、第2の改質装置35により生成された改質燃料(低オクタン価燃料)は、第2の改質燃料タンク37に貯留される。
【0070】
第1の改質燃料タンク36内の燃料は燃料ポンプ38により燃料通路39を介して第1の燃料噴射弁31へ供給され、第2の改質燃料タンク37内の燃料は燃料ポンプ40により燃料通路41を介して第2の燃料噴射弁32へ供給される。
【0071】
ECU22では、内燃機関1の運転条件(回転数及び負荷)に応じて、いずれか一方(あるいは少なくとも一方)の改質燃料を選択し、対応する燃料噴射弁31又は32を駆動する。
【0072】
ここにおいて、第1及び第2の改質燃料タンク36、37内の燃料の自着火性の判定のため、自着火性が既知の基準燃料を備蓄する副タンク15が設けられる。
【0073】
副タンク15内の燃料は、燃料ポンプ17により、開閉機能を有する分配器42を介して、第1及び第2の燃料噴射弁31、32へ供給可能である。従って、第1の燃料噴射弁31への燃料通路において、第1の改質燃料タンク36からの改質燃料(高オクタン価燃料)と基準燃料とを所定の比率で混合して、混合燃料を噴射可能となっている。また、第2の燃料噴射弁32への燃料通路において、第2の改質燃料タンク37からの改質燃料(低オクタン価燃料)と基準燃料とを所定の比率で混合して、混合燃料を噴射可能となっている。
【0074】
また、第1及び第2の燃料噴射弁31、32での余剰燃料は、リターン通路43により主タンク11へ戻されるが、リターン通路43の途中から分岐させた燃料通路44を制御弁(常閉の電磁開閉弁)20を介して副タンク15に接続している。
【0075】
従って、第1の改質燃料タンク36内の改質燃料の自着火性(オクタン価)の判定を行う場合は、第1の燃料噴射弁31により改質燃料と基準燃料とを所定の比率で混合した混合燃料を噴射して運転し、混合燃料でのノッキング限界点火時期を測定することにより、改質燃料の自着火性を判定することができる。判定完了後は、自着火性が既知となった改質燃料をリターン通路43から制御弁20を介して副タンク15に貯留すればよい。
【0076】
また、第2の改質燃料タンク37内の改質燃料の自着火性(オクタン価)の判定を行う場合は、第2の燃料噴射弁32により改質燃料と基準燃料とを所定の比率で混合した混合燃料を噴射して運転し、混合燃料でのノッキング限界点火時期を測定することにより、改質燃料の自着火性を判定することができる。判定完了後は、自着火性が既知となった改質燃料をリターン通路43から制御弁20を介して副タンク15に貯留すればよい。
【0077】
このようにすることで、改質装置を利用して燃料性状を変化させる内燃機関においても生成された改質燃料の自着火性を判定することが可能となる。
【0078】
また、2種以上の燃料に改質する場合や、相対的に高自着火性の燃料と低自着火性の燃料とを生成する場合も、それぞれの燃料について、自着火性を判定することができる。
【0079】
次に本発明の第4実施形態について図9により説明する。
【0080】
第4実施形態は、燃料を2種の燃料に分離する分離装置を備え、分離装置により分離された分離燃料を内燃機関に供給する場合に、分離燃料の自着火性を判定できるようにしたものである。
【0081】
内燃機関1への燃料の供給は、吸気通路9に配置された第1及び第2の燃料噴射弁31、32により行われる。
【0082】
主タンク11内の燃料は、燃料ポンプ12により燃料通路33を介して分離装置(分離膜)50へ供給され、分離装置50は、燃料分離により、相対的に低自着火性(高オクタン価)の燃料と、高自着火性(低オクタン価)の燃料とを生成する。
【0083】
分離装置50により生成された一方の分離燃料(高オクタン価燃料)は、第1の分離燃料タンク51に貯留され、第1の分離燃料タンク51内の燃料は燃料ポンプ38により燃料通路39を介して第1の燃料噴射弁31へ供給される。
【0084】
分離装置50により生成された他方の改質燃料(低オクタン価燃料)は、第2の分離燃料タンク52に貯留され、第1の分離燃料タンク52内の燃料は燃料ポンプ40により燃料通路41を介して第2の燃料噴射弁32へ供給される。
【0085】
ECU22では、内燃機関1の運転条件(回転数及び負荷)に応じて、いずれか一方(あるいは少なくとも一方)の分離燃料を選択し、対応する燃料噴射弁31又は32を駆動する。
【0086】
ここにおいて、第1及び第2の分離燃料タンク51、52内の燃料の自着火性の判定のため、自着火性が既知の基準燃料を備蓄する副タンク15が設けられる。
【0087】
副タンク15内の燃料は、燃料ポンプ17により、開閉機能を有する分配器42を介して、第1及び第2の燃料噴射弁31、32へ供給可能である。従って、第1の燃料噴射弁31への燃料通路において、第1の分離燃料タンク51からの分離燃料(高オクタン価燃料)と基準燃料とを所定の比率で混合して、混合燃料を噴射可能となっている。また、第2の燃料噴射弁32への燃料通路において、第2の分離燃料タンク52からの分離燃料(低オクタン価燃料)と基準燃料とを所定の比率で混合して、混合燃料を噴射可能となっている。
【0088】
また、第1及び第2の燃料噴射弁31、32での余剰燃料は、リターン通路43により主タンク11へ戻されるが、リターン通路43の途中から分岐させた燃料通路44を制御弁(常閉の電磁開閉弁)20を介して副タンク15に接続している。
【0089】
従って、第1の分離燃料タンク51内の分離燃料の自着火性(オクタン価)の判定を行う場合は、第1の燃料噴射弁31により分離燃料と基準燃料とを所定の比率で混合した混合燃料を噴射して運転し、混合燃料でのノッキング限界点火時期を測定することにより、分離燃料の自着火性を判定することができる。判定完了後は、自着火性が既知となった分離燃料をリターン通路43から制御弁20を介して副タンク15に貯留すればよい。
【0090】
また、第2の分離燃料タンク52内の分離燃料の自着火性(オクタン価)の判定を行う場合は、第2の燃料噴射弁32により分離燃料と基準燃料とを所定の比率で混合した混合燃料を噴射して運転し、混合燃料でのノッキング限界点火時期を測定することにより、分離燃料の自着火性を判定することができる。判定完了後は、自着火性が既知となった分離燃料をリターン通路43から制御弁20を介して副タンク15に貯留すればよい。
【0091】
このようにすることで、分離装置を利用して燃料性状を変化させる内燃機関においても生成された分離燃料の自着火性を判定することが可能となる。
【0092】
また、2種以上の燃料に分離する場合や、相対的に高自着火性の燃料と低自着火性の燃料とを生成する場合も、それぞれの燃料について、自着火性を判定することができる。
【0093】
次に前記第3実施形態又は第4実施形態のように2種の燃料の自着火性の判定を行う場合の手順について、図10のフローチャートにより説明する。
【0094】
ステップ101では、図3のステップ1と同様に、自着火性判定の判定条件が成立したか否か(判定モードか否か)を判定する。自着火性判定の判定条件が成立した場合は、ステップ102へ進む。
【0095】
ステップ102では、被判定燃料1(第1の改質燃料タンク36内の燃料、又は、第1の分離燃料タンク51内の燃料)と副タンク15内の基準燃料とを所定の比率aで第1の燃料噴射弁31より内燃機関1に噴射供給する。
【0096】
ステップ103では、前記ステップ102での被判定燃料1と基準燃料との混合燃料での運転の下で、ノッキング限界点火時期θz1を測定する。
【0097】
ステップ104では、θz1に基づき、図3のステップ3〜5の手順で、被判定燃料1のオクタン価Ox1を算出する。
【0098】
ステップ105では、被判定燃料2(第2の改質燃料タンク37内の燃料、又は、第2の分離燃料タンク52内の燃料)と副タンク15内の基準燃料とを所定の比率aで第2の燃料噴射弁32より内燃機関1に噴射供給する。
【0099】
ステップ106では、前記ステップ105での被判定燃料2と基準燃料との混合燃料での運転の下で、ノッキング限界点火時期θz2を測定する。
【0100】
ステップ107では、θz2に基づき、図3のステップ3〜5の手順で、被判定燃料2のオクタン価Ox2を算出する。
【0101】
尚、このように2種の燃料を自着火性の判定を連続的に行う場合は、低自着火性(高オクタン価)の被判定燃料1の自着火性の判定を先に行い、高自着火性(低オクタン価)の被判定燃料2の自着火性の判定を後に行うのが、安全性の観点から望ましい。
【0102】
以上により、被判定燃料1、2の自着火性判定を完了し、ステップ108(完了後の処理)へ進む。
【0103】
ステップ108では、完了後の処理として、(1)使用燃料を被判定燃料1又は2へ切換える。(2)判定されたオクタン価Ox1、Ox2に応じて内燃機関1の運転条件と改質条件(改質装置34、35の作動条件)又は分離条件(分離装置50の作動条件)を変更する。(3)被判定燃料1又は2を基準燃料として副タンク15へ貯留する。
【0104】
特に、改質装置の場合は、改質燃料の自着火性判定の判定結果に従って、所望の自着火性が得られるように、改質装置の作動条件(改質装置への燃料供給量、触媒温度)をフィードバック制御する。これにより、改質装置の効率を最大化することができる。
【0105】
また、分離装置の場合は、分離燃料の自着火性判定の判定結果に従って、所望の自着火性が得られるように、分離装置の作動条件(印加する圧力、温度)をフィードバック制御する。これにより、分離装置の効率を最大化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の第1実施形態を示す内燃機関のシステム図
【図2】燃料自着火性(オクタン価)判定原理の説明図
【図3】燃料自着火性判定のフローチャート
【図4】図3のフローの要部の詳細フローチャート
【図5】燃料自着火性判定用マップの説明図
【図6】燃料の切換えと運転条件の変更の説明図
【図7】本発明の第2実施形態を示す内燃機関のシステム図
【図8】本発明の第3実施形態を示す内燃機関のシステム図
【図9】本発明の第4実施形態を示す内燃機関のシステム図
【図10】2燃料判定のフローチャート
【符号の説明】
【0107】
1 内燃機関
2 燃焼室
3 点火プラグ
4 吸気バルブ
5 排気バルブ
6 可変バルブタイミング機構(VTC)
7 ピストン
8 可変圧縮比機構(VCR)
9 吸気通路
10 燃料噴射弁(被判定燃料の噴射弁)
11 主タンク
12 燃料ポンプ
13 燃料通路
14 リターン通路
15 副タンク(基準燃料のタンク)
16 燃料噴射弁(基準燃料の噴射弁)
17 燃料ポンプ
18 燃料通路
19 リターン通路
20 制御弁(常閉の電磁開閉弁)
21 燃料通路
22 エンジンコントロールユニット(ECU)
23 ノッキングセンサ
24 レベルセンサ
25 レベルセンサ
31 第1の燃料噴射弁
32 第2の燃料噴射弁
33 燃料通路
34 第1の改質装置
35 第2の改質装置
36 第1の改質燃料タンク
37 第2の改質燃料タンク
38 燃料ポンプ
39 燃料通路
40 燃料ポンプ
41 燃料通路
42 分配器
43 リターン通路
44 燃料通路
50 分離装置(分離膜)
51 第1の分離燃料タンク
52 第2の分離燃料タンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
性状が不明な燃料の使用が想定され、当該燃料の自着火性の判定が必要な火花点火式内燃機関において、
性状が不明な被判定燃料と自着火性が既知の基準燃料とを所定の比率で内燃機関に供給して運転し、混合燃料でのノッキング限界点火時期を測定し、
混合燃料でのノッキング限界点火時期と、基準燃料の自着火性と、前記比率とに基づいて、被判定燃料の自着火性を推定することを特徴とする内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項2】
性状が不明な燃料の使用が想定され、当該燃料の自着火性の判定が必要な火花点火式内燃機関において、
性状が不明な燃料が貯留される被判定燃料のタンクと、自着火性が既知の基準燃料を備蓄する副タンクと、前記各タンク内の被判定燃料と基準燃料とを所定の比率で火花点火式内燃機関に供給可能な燃料供給手段と、を備えると共に、
被判定燃料と基準燃料とを所定の比率で内燃機関に供給して運転し、混合燃料でのノッキング限界点火時期を測定する手段と、
混合燃料でのノッキング限界点火時期と、基準燃料の自着火性と、前記比率とに基づいて、被判定燃料の自着火性を推定する手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項3】
前記推定手段は、混合燃料でのノッキング限界点火時期に基づいて、混合燃料の自着火性を推定し、混合燃料の自着火性と、基準燃料の自着火性と、前記比率とに基づいて、被判定燃料の自着火性を推定することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項4】
前記推定手段は、混合燃料でのノッキング限界点火時期と基準燃料でのノッキング限界点火時期との差異に基づいて、混合燃料の自着火性を推定することを特徴とする請求項3記載の内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項5】
前記推定手段は、混合燃料でのノッキング限界点火時期と基準燃料でのノッキング限界点火時期との差異と、基準燃料の自着火性とに基づいて、混合燃料の自着火性を推定することを特徴とする請求項4記載の内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項6】
被判定燃料と基準燃料との比率は、任意に変更可能とし、混合燃料でのノッキング限界点火時期と基準燃料でのノッキング限界点火時期との差異が所定値以下の場合は、被判定燃料の比率を増加させることを特徴とする請求項4又は請求項5記載の内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項7】
ノッキング限界点火時期の測定は、予め定められた機関回転数及び負荷の条件にて行うことを特徴とする請求項2〜請求項6のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項8】
可変圧縮比機構を備え、ノッキング限界点火時期の測定において、点火時期の遅角化でノッキングが無くならない場合は、機関の圧縮比を変更することを特徴とする請求項2〜請求項7のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項9】
被判定燃料の自着火性の判定の完了後は、被判定燃料の比率を徐々に増加させて、被判定燃料のみの運転へ切換えることを特徴とする請求項2〜請求項8のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項10】
前記副タンクは、前記被判定燃料のタンクと制御弁を介して連通し、自着火性の判定が完了して自着火性が既知となった燃料が貯蔵されることを特徴とする請求項2〜請求項9のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項11】
前記燃料供給手段は、被判定燃料を噴射する燃料噴射弁と、基準燃料を噴射する燃料噴射弁とをそれぞれ有し、各燃料噴射弁の噴射量を制御して前記比率を制御することを特徴とする請求項2〜請求項10のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項12】
前記2つの燃料噴射弁は、吸気通路に配置することを特徴とする請求項11記載の内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項13】
被判定燃料を噴射する燃料噴射弁は、吸気通路に配置し、基準燃料を噴射する燃料噴射弁は、燃焼室に配置することを特徴とする請求項11記載の内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項14】
前記燃料供給手段は、単一の燃料噴射弁への燃料通路において、被判定燃料と基準燃料とを所定の比率で混合するものであることを特徴とする請求項2〜請求項10のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項15】
前記被判定燃料のタンクは、外部より燃料が給油されて性状が不明な燃料が貯留される主タンクであることを特徴とする請求項2〜請求項14のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項16】
前記主タンクへの給油の有無を判定する給油判定装置を有し、給油有りと判定した後の機関始動時に自着火性の判定を行うことを特徴とする請求項15記載の内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項17】
前記給油判定装置は、前記主タンク内の燃料量を測定可能な手段を有し、機関始動時の燃料量と前回機関停止時の燃料量との差が所定量を超えた時に給油があったと判定することを特徴とする請求項16記載の内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項18】
前記給油判定装置は、前記主タンクの給油口への燃料の流入を検知する手段を含んで構成されることを特徴とする請求項16記載の内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項19】
前記主タンク内の燃料の自着火性の判定の完了後に、判定された自着火性に応じて、機関の運転条件を変更することを特徴とする請求項15〜請求項18のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項20】
外部より燃料が給油される主タンクと、該主タンク内の燃料を導いて改質する改質装置と、該改質装置により改質された改質燃料を貯留する改質燃料タンクと、を備え、
前記被判定燃料のタンクは、前記改質燃料タンクであり、改質燃料の自着火性を判定することを特徴とする請求項2〜請求項14のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項21】
前記改質装置は、少なくとも2種の燃料に改質するものであり、前記改質燃料タンクは少なくとも2つ設けられることを特徴とする請求項20記載の内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項22】
前記改質装置は、相対的に高自着火性の燃料と低自着火性の燃料とを生成するものであり、それぞれの燃料について、自着火性を判定することを特徴とする請求項21記載の内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項23】
低自着火性の燃料の自着火性判定を先に行い、高自着火性の燃料の自着火性判定を後で行うことを特徴とする請求項22記載の内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項24】
改質燃料の自着火性判定の判定結果に従って、所望の自着火性が得られるように、改質装置の作動条件をフィードバック制御することを特徴とする請求項20〜請求項23のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項25】
外部より燃料が給油される主タンクと、該主タンクの燃料を導いて少なくとも2種の燃料に分離する分離装置と、該分離装置により分離された分離燃料をそれぞれ貯留する少なくとも2つの分離燃料タンクと、を備え、
前記被判定燃料のタンクは、前記分離燃料タンクであり、分離燃料の自着火性を判定することを特徴とする請求項2〜請求項14のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項26】
前記分離装置は、相対的に高自着火性の燃料と低自着火性の燃料とを生成するものであり、それぞれの燃料について、自着火性を判定することを特徴とする請求項25記載の内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項27】
低自着火性の燃料の自着火性判定を先に行い、高自着火性の燃料の自着火性判定を後で行うことを特徴とする請求項26記載の内燃機関の燃料性状判定装置。
【請求項28】
分離燃料の自着火性判定の判定結果に従って、所望の自着火性が得られるように、分離装置の作動条件をフィードバック制御することを特徴とする請求項25〜請求項27のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料性状判定装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2008−223567(P2008−223567A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−61532(P2007−61532)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】