説明

半導体基板、半導体基板の製造方法、および電子デバイス

【課題】単一半導体基板上にHBTおよびFETのような異なる種類の複数デバイスを形成するに適した化合物半導体基板を提供する。
【解決手段】第1半導体110と、第1半導体上に形成された、電子捕獲中心または正孔捕獲中心を有するキャリアトラップ層130と、キャリアトラップ層上にエピタキシャル成長され、自由電子または自由正孔が移動するチャネルとして機能する第2半導体144と、第2半導体上にエピタキシャル成長したN型半導体/P型半導体/N型半導体で表される積層体、または前記第2半導体上にエピタキシャル成長したP型半導体/N型半導体/P型半導体で表される積層体を含む第3半導体160とを備える半導体基板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板、半導体基板の製造方法、および電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、少なくとも2つの異なるタイプの集積活性デバイス(例えばHBTおよびFET)を作製するのに適したエピタキシャル第3〜5族化合物半導体ウェハを製造する方法を開示している。
(特許文献1)特開2008−60554号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
単一の半導体基板上に、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(Hetero−junction Bipolar Transistor、「HBT」と称する)と電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor、「FET」と称する)を一例とする複数の異なる種類のデバイスを形成する場合には、一方のデバイスの製造工程が他方の製造工程に影響を及ぼす場合がある。
【0004】
例えば、デバイスの製造に用いる反応容器内に、HBTにドープした不純物(例えばSi)が残留していると、次に製造するデバイスの半導体基板上に当該不純物が付着する場合がある。当該不純物は、半導体基板上に形成されるFETにおけるキャリアを生成し、リーク電流の一因となる。また、キャリアが生成されることによって、デバイス間の素子分離が不安定になる場合もある。さらに、単一の半導体基板上に形成される双方のデバイスの特性を最適化することが難しくなる場合もある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、第1半導体と、第1半導体上に形成された、電子捕獲中心または正孔捕獲中心を有するキャリアトラップ層と、キャリアトラップ層上にエピタキシャル成長され、自由電子または自由正孔が移動するチャネルとして機能する第2半導体と、第2半導体上にエピタキシャル成長したN型半導体/P型半導体/N型半導体で表される積層体、または第2半導体上にエピタキシャル成長したP型半導体/N型半導体/P型半導体で表される積層体を含む第3半導体とを備える半導体基板を提供する。第1半導体は、例えば3−5族化合物半導体を含む。第1半導体と第2半導体との間に挟まれた方向におけるキャリアトラップ層の厚みは、例えば0.1μm以上1.5μm以下である。キャリアトラップ層と第2半導体との間に、空乏化領域を含む空乏化半導体をさらに備えてもよい。空乏化半導体のキャリアトラップ層と第2半導体との間に挟まれた方向における厚みは、例えば0.3μm以上1.5μm以下である。
【0006】
空乏化半導体は複数の3−5族化合物半導体を有し、複数の3−5族化合物半導体のうち相互に隣接する2つの3−5族化合物半導体は、AlGa1−xAs(0≦x≦1)とAlGa1−yAs(0≦y≦1,x<y)とのヘテロ接合、AlInGa1−p−qP(0≦p≦1,0≦q≦1)とAlInGa1−r−sP(0≦r≦1,0≦s≦1,p<r)とのヘテロ接合、および、AlGa1−xAs(0≦x≦1)とAlInGa1−p−qP(0≦p≦1,0≦q≦1)とのヘテロ接合からなる群から選択された少なくとも1つのヘテロ接合を形成してもよい。
【0007】
キャリアトラップ層は、例えばホウ素原子または酸素原子を含む。キャリアトラップ層が、AlGa1−xAs(0≦x≦1)またはAlInGa1−p−qP(0≦p≦1,0≦q≦1)、および酸素原子を含んでもよい。キャリアトラップ層が酸素原子を含む場合、酸素原子の濃度は、例えば1×1018[cm−3]以上、1×1020[cm−3]以下である。
【0008】
第2半導体および第3半導体の少なくとも一つの半導体は、一例として炭素を有する。第2半導体および第3半導体の少なくとも一つの半導体がシリコンを有してもよい。第3半導体が、高濃度にドープされたシリコンを含んでもよい。第3半導体が、N型半導体/P型半導体/N型半導体またはP型半導体/N型半導体/P型半導体を流れる電流を抑制する抵抗を有するバラスト抵抗層を有してもよい。第2半導体と第3半導体との間に、第2半導体内のキャリアとは反対の伝導型のキャリアを有する第4半導体をさらに備えてもよい。
【0009】
本発明の第2の態様においては、第1半導体上に、電子捕獲中心または正孔捕獲中心を有するキャリアトラップ層を形成する段階と、キャリアトラップ層上に、自由電子または自由正孔が移動するチャネルとして機能する第2半導体をエピタキシャル成長させる段階と、第2半導体上に、N型半導体、P型半導体およびN型半導体をこの順にエピタキシャル成長させる、またはP型半導体、N型半導体およびP型半導体をこの順にエピタキシャル成長させることにより、N型半導体/P型半導体/N型半導体で表される積層体、またはP型半導体/N型半導体/P型半導体で表される積層体を含む第3半導体を形成する段階とを備える半導体基板の製造方法を提供する。
【0010】
当該製造方法においては、キャリアトラップ層を形成する段階の前に、反応容器の内部に、第1半導体を少なくともその表面に有する基板を設置する段階と、基板を設置する段階の後に、反応容器の内部にアルシンおよび水素を含むガスを導入する段階と、ガスの雰囲気中で、第1半導体を加熱する段階とを備えてもよい。一例として、当該ガスは、アルシン、水素、およびP型の伝導型を示す不純物原子を構成要素として有する単体または化合物を含むP型不純物ガスを含む。
【0011】
P型不純物ガスは、ハロゲン化炭化水素ガスを含んでもよい。ハロゲン化炭化水素ガスは、CH(4−n)(ただし、XはCl、BrおよびIからなる群から選択されるハロゲン原子であり、nは、0≦n≦3の条件を満たす整数であり、0≦n≦2の場合、複数のXは互いに同一の原子でも異なった原子でもよい。)である。第3半導体が、バイポーラトランジスタのベースとして機能する半導体層を有し、P型不純物ガスが、ベースとして機能する半導体層の製造において導入されるドーパントを含むガスと同じ種類のガスであってもよい。
【0012】
キャリアトラップ層を形成する段階の後、3族原料に対する5族原料のモル供給比を調整することによりアクセプタの濃度を制御して、空乏化領域を含む空乏化半導体を形成してもよい。アルシンおよび水素を含むガスは、一例として1ppb以下のGeHを含むアルシン原料ガスを含む。
【0013】
第2半導体にキャリアを供給するための層をエピタキシャル成長させる段階において、N型の伝導型を示す不純物原子を含む化合物としてシランまたはジシランを導入して、キャリアを供給するための層をエピタキシャル成長させ、第3半導体を形成する段階において、N型の伝導型を示す不純物原子を含む化合物としてシランまたはジシランを導入して、第3半導体に含まれるN型半導体をエピタキシャル成長させてもよい。第2半導体上に、第2半導体内で移動するキャリアとは反対の伝導型のキャリアが移動するチャネルとして機能する第4半導体をエピタキシャル成長させる段階をさらに備えてもよい。
【0014】
第3半導体を形成する段階の後、第2半導体および第3半導体が形成された半導体基板を反応容器から取り出す段階をさらに備え、取り出す段階、基板を設置する段階、ガスを導入する段階、加熱する段階、キャリアトラップ層を形成する段階、第2半導体をエピタキシャル成長する段階、および第3半導体を形成する段階を繰り返してもよい。
【0015】
本発明の第3の態様においては、第1半導体と、第1半導体上に形成された電子捕獲中心または正孔捕獲中心を有するキャリアトラップ層と、キャリアトラップ層上にエピタキシャル成長され、自由電子または自由正孔が移動するチャネルとして機能する第2半導体と、第2半導体上にエピタキシャル成長してなるN型半導体/P型半導体/N型半導体で表される積層体、または第2半導体上にエピタキシャル成長してなるP型半導体/N型半導体/P型半導体で表される積層体を含む第3半導体と、第2半導体に形成された電界効果トランジスタと、第3半導体に形成されたヘテロ接合バイポーラトランジスタとを含む電子デバイスを提供する。
【0016】
なお、本明細書において、「A上のB(B on A)」は「BがAに接する場合」、および、「BとAとの間に他の部材が存在する場合」の両方の場合を含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】半導体基板100の断面の一例を示す。
【図2】半導体基板200の断面の一例を示す。
【図3】半導体基板の製造方法の一例を表すフローチャートを示す。
【図4】第3半導体を形成する段階の一例を表すフローチャートを示す。
【図5】電子デバイス600の断面の一例を示す。
【図6】半導体基板の耐圧をキャリアトラップ層232の膜厚との関係として示す。
【図7】半導体基板の耐圧をキャリアトラップ層232の酸素濃度との関係として示す。
【図8】半導体基板の耐圧を空乏化半導体234の膜厚との関係として示す。
【図9】半導体デバイスの他の例の断面を示す。
【図10】半導体デバイスのさらに他の例の断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、半導体基板100の断面の一例を示す。半導体基板100は、第1半導体110、キャリアトラップ層130、第2半導体144、および第3半導体160を備える。第3半導体160は、コレクタ層162、ベース層164、およびエミッタ層166を有する。図1において、破線で示された領域は、必要に応じて他の半導体等を含んでよいことを示す。例えば、破線で示す領域に、第2半導体144または第3半導体160にキャリアを供給するキャリア供給半導体、スペーサー層、またはバッファ層等を含んでよい。
【0019】
第1半導体110は、半導体基板100における他の構成要素を支持するのに十分な機械的強度を有する基板である。第1半導体110は、例えば3−5族化合物半導体である。第1半導体110は、例えば、GaAs、InGaAs、AlGaAs、GaN、またはAlGaN等である。
【0020】
第1半導体110は、高抵抗GaAs単結晶基板であってもよい。GaAs単結晶基板は、例えばLEC(Liquid Encapsulated Czochralski)法、VB(Vertical Bridgeman)法、VGF(Vertical Gradient Freezing)法等で製造される。第1半導体110は、基板(ウェハ)自体であってもよく、基板上にエピタキシャル成長された半導体層であってもよい。第1半導体110は、バッファ層を含んでもよい。
【0021】
キャリアトラップ層130は、電子捕獲中心または正孔捕獲中心を有する。つまり、キャリアトラップ層130においては、深いトラップ準位が形成される。キャリアトラップ層130が深いトラップ準位を有すると、キャリアトラップ層130は、キャリアトラップ層130を通過するキャリアを捕獲する。従って、キャリアトラップ層130の上下にある第1半導体110と第2半導体144との間のリーク電流を低減することができる。従って、第1半導体110に不純物が付着して拡散することにより、第2半導体144に向かうキャリアが発生しても、当該キャリアに起因するリーク電流の発生を防ぐことができる。電子捕獲中心または正孔捕獲中心として、不純物原子または格子欠陥が挙げられる。
【0022】
第2半導体144、第3半導体160、またはこれらにキャリアを供給するためのキャリア供給半導体で用いられるP型不純物は、例えばCである。第2半導体144、第3半導体160、またはこれらにキャリアを供給するためのキャリア供給半導体で用いられるN型不純物は、例えばSiである。一例として、第3半導体160でN型不純物としてSiが用いられる場合には、半導体基板100を製造した後の反応容器内にSiが残留する場合がある。残留したSiが、次に製造される半導体基板100の第1半導体110の表面に付着して拡散すると、第1半導体110と第2半導体144との間で、Siに起因するキャリアの移動が発生する。キャリアトラップ層130が、深いトラップ準位を有する酸素原子等の元素を有する場合には、当該酸素原子がキャリアを捕獲するので、リーク電流を防ぐことができる。
【0023】
キャリアトラップ層130は、例えばエピタキシャル成長法により第1半導体110の上に形成される。エピタキシャル成長法は、例えば有機金属気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition、MOCVD法と称する)、分子線エピタキシー法(Molecular Beam Epitaxy、MBE法と称する)である。
【0024】
キャリアトラップ層130は、一例として、第1半導体110に接する。キャリアトラップ層130が第1半導体110と第2半導体144との間にあれば、キャリアトラップ層130と第1半導体110との間に他の層が存在してもよい。一例として、半導体基板100は、キャリアトラップ層130と第1半導体110との間に、第1半導体110およびキャリアトラップ層130に格子整合または擬格子整合するバッファ層を有してもよい。
【0025】
半導体基板100は、キャリアトラップ層130と第2半導体144との間に空乏化半導体を有してもよい。
【0026】
第2半導体144は、キャリアトラップ層130の上でエピタキシャル成長する。半導体基板100に電子素子が形成される場合に、第2半導体144は、電子または正孔の何れか1つのキャリアが移動するチャネルとして機能する。エピタキシャル成長法は、例えばMOCVD法、MBE法等である。
【0027】
半導体基板100は、第2半導体144とキャリアトラップ層130との間に他の半導体を有してもよい。例えば、半導体基板100は、第2半導体144とキャリアトラップ層130との間に、更にキャリア供給半導体またはスペーサー層等を有してもよい。第2半導体144は、例えばGaAs、InGaAs、またはInGaP等の3−5族化合物半導体である。
【0028】
第3半導体160は、コレクタ層162、ベース層164、およびエミッタ層166を有する。第3半導体160の各層は、例えばエピタキシャル成長法により形成される。エピタキシャル成長法は、例えばMOCVD法およびMBE法等である。半導体基板100は、第3半導体160と第2半導体144との間に他の半導体を有してもよい。例えば、半導体基板100は、第2半導体144と第3半導体160との間に、キャリア供給半導体またはスペーサー層等を有する。
【0029】
第3半導体160におけるコレクタ層162、ベース層164、およびエミッタ層166は、N型半導体/P型半導体/N型半導体で表される積層体、またはP型半導体/N型半導体/P型半導体で表される積層体である。コレクタ層162、ベース層164、およびエミッタ層166は、それぞれバイポーラトランジスタのコレクタ、ベース、およびエミッタとして機能する。エミッタ層166は、高濃度にドープされたシリコンを含んでもよい。高濃度にドープされたシリコンの濃度は、例えば1×1018[cm−3]以上1×1020[cm−3]以下である。
【0030】
図2は、半導体基板200の断面の一例を示す。半導体基板200は、第1半導体210、バッファ層220、キャリアトラップ層232、空乏化半導体234、キャリア供給半導体242、第2半導体244、キャリア供給半導体246、バリア形成半導体248、コンタクト層249、バッファ層250、および第3半導体260を備える。半導体基板200は、FET、特に高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor、以下「HEMT」と称する場合がある。)およびHBTの製造に適する半導体基板の一例である。キャリア供給半導体242、第2半導体244、キャリア供給半導体246、バリア形成半導体248、およびコンタクト層249等は、例えばHEMTの形成に用いられる。第3半導体260は、例えばHBTの形成に用いられる。
【0031】
第1半導体210は、半導体基板100における第1半導体110に対応する。キャリアトラップ層232は、キャリアトラップ層130に対応する。第2半導体244は、第2半導体144に対応する。第3半導体260は、第3半導体160に対応する。対応する部材について、説明を省略する場合がある。
【0032】
バッファ層220は、一例として、上層に形成される半導体層と第1半導体210との格子間距離を整合させる緩衝層として機能する半導体層である。バッファ層220は、上層に形成される半導体の結晶質を確保する目的で設けた半導体層であってもよい。バッファ層220は、第1半導体210の表面に残留する不純物原子による半導体基板200の特性劣化を防ぐことができる半導体層であってもよい。バッファ層220は、上層に形成される半導体層からのリーク電流を抑制する役割を果たす半導体層であってもよい。バッファ層220は、例えば、エピタキシャル成長法により形成される。バッファ層220の材料は、例えばGaAsまたはAlGaAsである。
【0033】
キャリアトラップ層232および空乏化半導体234は、例えばエピタキシャル成長法により形成される。キャリアトラップ層232は、電子捕獲中心または正孔捕獲中心として、例えば酸素原子またはホウ素原子を含む。キャリアトラップ層232は、AlGa1−xAs(0≦x≦1)またはAlInGa1−p−qP(0≦p≦1,0≦q≦1)、および酸素原子を含んでよい。
【0034】
キャリアトラップ層232が酸素原子を含むことにより、キャリアトラップ層232は深いトラップ準位を有する。従って、キャリアトラップ層232は、キャリアトラップ層232を通過するキャリアを捕獲し、キャリアトラップ層232の上下にある第2半導体244と第1半導体210との間のリーク電流の発生を防止する。
【0035】
キャリアトラップ層232の膜厚方向の抵抗率は、組成、酸素ドープ濃度、および膜厚に応じて異なる値になる。例えば、キャリアトラップ層232がAlGa1−xAs(0≦x≦1)である場合に、Al組成は結晶品質を損なわない範囲で高い方が望ましく、xは0.3〜0.5程度が実用上好ましい。また、酸素ドープ濃度は結晶品質を損なわない範囲で高い方が望ましく、酸素原子の濃度は、1×1018[cm−3]以上、1×1020[cm−3]以下であることが好ましい。酸素原子の濃度は、例えば二次イオン質量分析法により測定できる。キャリアトラップ層232の膜厚は成長時間に支障がない範囲で厚い方が望ましく、0.1μm以上1.5μm以下であることが好ましい。
【0036】
空乏化半導体234は、例えばキャリアトラップ層232と第2半導体244との間に形成される。空乏化半導体234は空乏化領域を含む。当該空乏化領域においてキャリアの通過が抑止されるので、キャリアトラップ層232の上下にある第2半導体244と第1半導体210との間に発生するリーク電流を防止できる。空乏化半導体234は、キャリアトラップ層232と前記第2半導体244との間に挟まれた方向における厚みが0.3μm以上1.5μm以下であることが好ましい。空乏化半導体234の厚みが当該範囲内である場合には、少ない原料を用いて空乏化半導体234を形成でき、かつ、十分な耐圧を確保することができる。なお、耐圧とは、第1半導体210と第2半導体244との間を流れる電流密度が5mA/cmとなるときの電圧をいうものとする。
【0037】
次に、空乏化半導体234の作用について説明する。例えば、第2半導体244がi型GaAsであり、キャリア供給半導体242およびキャリア供給半導体246がN型AlGaAsであり、空乏化半導体236と空乏化半導体238が、それぞれP型AlGa1−yAs(0≦y≦1)とP型AlGa1−xAs(0≦x≦1)であって、x<yである場合に、空乏化半導体238とN型のキャリア供給半導体242との間にPN接合を形成し、その近傍に空乏化領域を生成する。当該空乏化領域によって、キャリア供給半導体242からの電子の通過が抑止され、リーク電流が防止される。
【0038】
また、x<yである場合には、空乏化半導体236が空乏化半導体238より高いAl組成を有するので、空乏化半導体236が空乏化半導体238より広いエネルギーバンドギャップを有する。このバンドギャップの差がエネルギーバリアとなり、空乏化半導体238から空乏化半導体236へのキャリアの移動を阻害し、リーク電流の発生が抑制される。
【0039】
図2の例では、空乏化半導体234において、空乏化半導体236および空乏化半導体238によって一つのヘテロ接合が構成される。空乏化半導体234は、より多くのP型半導体層を有してもよい。また、空乏化半導体234の各層が原子単位の厚さを有し、空乏化半導体234の全体として超格子を構成してもよい。そのような場合には、多数のヘテロ接合により、多数のエネルギーバリアが形成されるので、より効果的にリーク電流を防止することができる。
【0040】
空乏化半導体234は、複数の3−5族化合物半導体を有してもよい。複数の3−5族化合物半導体のうち相互に隣接する2つの3−5族化合物半導体は、AlGa1−xAs(0≦x≦1)とAlGa1−yAs(0≦y≦1,x<y)とのヘテロ接合、AlInGa1−p−qP(0≦p≦1,0≦q≦1)とAlInGa1−r−sP(0≦r≦1,0≦s≦1,p<r)とのヘテロ接合、および、AlGa1−xAs(0≦x≦1)とAlInGa1−p−qP(0≦p≦1,0≦q≦1)とのヘテロ接合、からなる群から選択された少なくとも1つのヘテロ接合を形成してもよい。
【0041】
キャリア供給半導体242およびキャリア供給半導体246は、第2半導体244にキャリアを供給するための層である。キャリア供給半導体242およびキャリア供給半導体246が第2半導体244の両サイドに配置され、ダブルへテロ接合が形成されることにより、第2半導体244に供給するキャリアの濃度を高めることができる。キャリア供給半導体242およびキャリア供給半導体246は、例えばエピタキシャル成長法により形成される。エピタキシャル成長法は、例えばMOCVD法、MBE法等である。キャリア供給半導体242およびキャリア供給半導体246の材料は、例えば、GaAs、AlGaAs、またはInGaPである。
【0042】
バリア形成半導体248は、バリア形成半導体248に形成される金属電極との間にショットキー接合を形成する。バリア形成半導体248は、例えばエピタキシャル成長法により形成される。エピタキシャル成長法は、例えばMOCVD法、MBE法である。バリア形成半導体248の材料は、例えばAlGaAsである。
【0043】
コンタクト層249は、コンタクト層249に形成される金属電極との間にオーミック接合を形成する。コンタクト層249は、例えばエピタキシャル成長法により形成される。コンタクト層249の材料は、例えばGaAsである。
【0044】
バッファ層250は、上層に形成される第3半導体と下層に形成される半導体とを分離し、互いの相互影響を防ぐ。バッファ層250は、例えばエピタキシャル成長法により形成される。バッファ層250の材料は、例えばGaAsまたはInGaPである。
【0045】
コレクタ層262は、半導体基板100におけるコレクタ層162に対応する。ベース層264は、ベース層164に対応する。また、エミッタ層266は、エミッタ層166に対応する。コレクタ層262、ベース層264、およびエミッタ層266は、それぞれバイポーラトランジスタのコレクタ、ベース、およびエミッタとして機能する半導体層である。以下、コレクタ層262、ベース層264およびエミッタ層266についての説明を省略する。
【0046】
バラスト抵抗層268は、バイポーラトランジスタに過剰な電流が流れるのを抑制する目的で、エミッタ近傍に設けられた高抵抗層である。半導体基板200がバラスト抵抗層268を有すると、半導体基板200に形成されたトランジスタのエミッタ抵抗が、過大なエミッタ電流を防ぐことができる大きさになるので、半導体基板200に形成されるトランジスタの熱暴走の発生が防止される。
【0047】
コンタクト層269は、コンタクト層269に形成される金属電極との間にオーミック接合を形成する。コンタクト層269は、例えばエピタキシャル成長法により形成される。コンタクト層269の材料は、例えばInGaAsである。
【0048】
図3は、半導体基板の製造方法の一例を表すフローチャートを示す。以下、半導体基板200の例をもって、MOCVD法を用いて半導体基板製造する方法について説明する。本実施態様の半導体基板製造方法は、第1半導体210を設置した後にガスを導入する段階S310、第1半導体210を加熱する段階S320、キャリアトラップ層232を形成する段階S332、空乏化半導体を形成する段階S334、第2半導体244を成長させる段階S340、第3半導体260を形成する段階S350、および半導体基板200を取り出す段階S360を備える。
【0049】
図4に示すように、第3半導体を形成する段階S350は、更にコレクタ層を形成する段階S352、ベース層を形成する段階S354、エミッタ層を形成する段階S356、バラスト抵抗層を形成する段階S358、およびコンタクト層を形成する段階S359を有する。
【0050】
図3に示す製造方法で半導体基板200を繰り返して製造する場合に、先行の半導体基板200の製造プロセスにより、反応容器内に多量の不純物原子が残留することがある。例えば、半導体基板200は、第1半導体210の上に、順次にバッファ層220、キャリアトラップ層232、空乏化半導体234、キャリア供給半導体242、第2半導体244、キャリア供給半導体246、バリア形成半導体248、コンタクト層249、バッファ層250および第3半導体260をエピタキシャル成長させて形成される。第3半導体260がNPN型の接合構造を形成する半導体である場合に、N型エミッタ層266またはコンタクト層269には多量のドナー不純物原子が添加される。したがって、エミッタ層266またはコンタクト層269を形成した後、反応容器内に多量のドナー不純物原子(第1不純物原子)が残留する。
【0051】
例えば、ドナー不純物原子の元素がSiである場合には、反応容器内に多量のSiが残留する。残留Siは、後続の半導体基板の製造過程において悪影響を及ぼす場合がある。例えば、後続のプロセスで、第1半導体210を反応容器内に設置したとき、反応容器内の残留Siが、第1半導体210の表面に付着する場合がある。
【0052】
付着したSiが、第1半導体210とその上に形成される半導体層に拡散すると、ドナーとして働く。その結果、半導体基板200内で絶縁不良が発生し、第2半導体244等により形成されるHEMTのデバイス特性が低下する。さらに、半導体基板200に複数の素子を形成する場合に、隣接する素子間においても前記ドナーによる絶縁不良が発生し、素子分離性が劣化する。本実施態様の製造方法は、次のようなプロセスによって、反応容器内に残留した第1不純物原子であるSiの悪影響を防ぐことができる。
【0053】
第1半導体を設置しガスを導入する段階S310において、第1半導体210を設置した後、反応容器の内部にガスを導入する。例えば、第1半導体としてGaAs基板を反応容器の内部に設置する。ガスは、例えばアルシン(AsH)、水素、およびP型の伝導型を示す不純物原子を含むガス(「P型ドーピングガス」と称する。)を含む。P型ドーピングガスは、ハロゲン化炭化水素ガスを含んでもよい。ハロゲン化炭化水素ガスは、例えばCH(4−n)(ただし、XはCl、BrおよびIからなる群から選択されるハロゲン原子であり、nは、0≦n≦3の条件を満たす整数であり、0≦n≦2の場合、複数のXは互いに同一の原子でも異なった原子でもよい。)である。P型ドーピングガスは、例えばCClBrである。
【0054】
P型ドーピングガスは、ベース層264の製造に用いるドーパントと同じガスであってもよい。ベース層264のドーパントと同じガスを使用することにより、加熱用P型ドーピングガスを供給する専用供給ラインを省くことができる。また、S310において導入するガスは1ppb以下のGeHを含むアルシン原料ガスを含んでもよい。
【0055】
第1半導体210を設置した後、ガスを導入する前に、反応容器内部を真空引きしてもよい。第1半導体210を設置した後に、窒素ガス、水素ガス、または不活性ガス等により反応容器内部をパージしてもよい。上述のガスは、次の加熱する段階S320の前に導入してもよい。また、当該ガスを、加熱の各ステップの途中に導入したり、入れ替えたりしてもよい。当該ガスを、加熱のステップに応じて一種類だけ単独に導入してもよく、複数種類を同時に導入してよい。P型ドーピングガスを単独に導入してもよく、P型ドーピングガスおよび水素を同時に導入してもよい。
【0056】
第1半導体を加熱する段階S320において、導入したガスの雰囲気中で、第1半導体210を加熱する。加熱温度は、例えば400℃から800℃のいずれかの温度である。反応容器内圧力は、例えば5Torrから大気圧までのいずれかの圧力である。加熱時間は、例えば5秒から50分までである。半導体基板200を製造する装置、反応容器の容量、反応容器内不純物原子の残留量等によって、上記のパラメータの値を変えてよい。上記加熱条件を、電子密度と正孔密度との差を示す有効キャリア密度が第1半導体210の少なくとも表面において減少するように設定してもよい。
【0057】
例えば、反応容器内部に、N型の伝導型を示す不純物原子として、Siが残留しているときは、上述のガス導入段階S310において、アルシン、水素、およびCClBrを導入して、温度が500℃から800℃、反応容器内圧力が5Torrから大気圧、時間が10秒から15分の条件下で第1半導体210を加熱する。この加熱によって、CClBrの中に存在するCが第1半導体210表面に存在するSiのドナー効果を補償する。その結果、第1半導体210表面に存在したSi等の不純物原子の影響が抑止されるので、第1半導体210とその上にエピタキシャル成長する半導体との間で絶縁不良が発生することを防止できる。
【0058】
キャリアトラップ層を形成する段階S332においては、加熱した第1半導体210の上にバッファ層220を形成して、バッファ層220の上にキャリアトラップ層232を形成する。バッファ層220として、例えば、P型GaAs層をエピタキシャル成長させてよい。
【0059】
キャリアトラップ層232として、例えば、酸素原子を含むAlGa1−xAs(0≦x≦1)またはAlInGa1−p−qP(0≦p≦1,0≦q≦1)をエピタキシャル成長させてよい。当該酸素原子の濃度は、1×1018[cm−3]以上、1×1020[cm−3]以下であってよい。
【0060】
添加された酸素原子は、当該半導体に深いトラップ準位を形成する。当該深いトラップ準位によって、キャリアトラップ層232を通過するキャリアが捕獲されるので、キャリアトラップ層232の上下にある第2半導体244と第1半導体210との間のリーク電流を防止できる。
【0061】
空乏化半導体を形成する段階S334において、空乏化半導体234が有する空乏化半導体236および空乏化半導体238を順次エピタキシャル成長させる。空乏化半導体236および空乏化半導体238は、例えば3−5族化合物半導体である。空乏化半導体236および空乏化半導体238は、AlGa1−xAs(0≦x≦1)とAlGa1−yAs(0≦y≦1,x<y)とのヘテロ接合、AlInGa1−p−qP(0≦p≦1,0≦q≦1)とAlInGa1−r−sP(0≦r≦1,0≦s≦1,p<r)とのヘテロ接合、および、AlGa1−xAs(0≦x≦1)とAlInGa1−p−qP(0≦p≦1,0≦q≦1)とのヘテロ接合、からなる群から選択された少なくとも1つのヘテロ接合を形成してもよい。このヘテロ接合が、エネルギーバリアを形成して、上層に形成する半導体から第1半導体210へのリーク電流を防止する。
【0062】
MOCVD法によるエピタキシャル成長において、3族元素原料として、各金属原子に炭素数が1から3のアルキル基もしくは水素が結合したトリアルキル化物、もしくは三水素化物を使用することができる。例えば、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルインジウム(TMI)、トリメチルアルミニウム(TMA)等を使用できる。5族元素原料ガスとして、アルシン(AsH)、またはアルシンが含む少なくとも一つの水素原子を炭素数が1から4のアルキル基で置換したアルキルアルシン、ホスフィン(PH)等を使用できる。N型半導体を与える化合物として、シランまたはジシランを使用できる。空乏化半導体234のアクセプタの濃度は、3族元素原料に対する5族元素原料のモル供給比を調整することにより制御することができる。
【0063】
MOCVD法により、3−5族半導体をエピタキシャル成長させる過程では、化学反応により有機金属からメタンが発生する。メタンの一部が分解して炭素が生成する。炭素は4族元素で、3−5族半導体の3族元素位置にも5族元素位置にも入ることができる。
【0064】
炭素が3族元素位置に入った場合にはドナーとして働き、N型のエピタキシャル層が得られる。炭素が5族元素位置に入った場合にはアクセプタとして働き、P型のエピタキシャル層が得られる。すなわち、炭素の作用により、エピタキシャル層はP型またはN型になる。炭素の混入量によって、3−5族半導体内のアクセプタ濃度またはドナー濃度が変化する。
【0065】
3−5族半導体のエピタキシャル層に同じ4族の元素であるSiまたはGeが混入した場合にも、同様の傾向の結果が得られる。従って、原料ガスの分圧を制御すること、または4族不純物原子を添加することにより、成長するエピタキシャル層のアクセプタ濃度を制御することができる。
【0066】
そこで、3族元素原料に対する5族元素原料のモル供給比を調整することにより分圧を調整して、空乏化半導体234のアクセプタの濃度を制御できる。本実施態様で用いるガスは、1ppb以下のGeHを含むアルシン原料ガスを含む。つまり、5族原料として供給されるアルシンを含むガスには、残留4族不純物原子を実質的に含まない。従って、原料ガスのモル供給比を調整することにより、正確にアクセプタの濃度を制御できる。具体的には、3族元素原料に対する5族元素原料のモル供給比を減少させることにより、アクセプタ濃度を増加させることができ、モル供給比を増加させることにより、アクセプタ濃度を減少させることができる。
【0067】
なお、アクセプタ濃度またはドナー濃度が3×1018cm−3以上の場合には、ホール測定法によりアクセプタ濃度またはドナー濃度を測定することが、測定精度の点で好ましい。また、アクセプタ濃度またはドナー濃度が3×1018未満の場合には、容量電圧(CV)法によりアクセプタ濃度またはドナー濃度を測定することが精度の点で好ましい。
【0068】
エピタキシャル成長条件は、一例として、反応炉内圧力0.1atm、成長温度650℃、成長速度1〜3μm/hrである。原料のキャリアガスとして、例えば高純度水素を用いることができる。後述のキャリア供給半導体242、第2半導体244、キャリア供給半導体246、バリア形成半導体248、コンタクト層249、バッファ層250、および第3半導体260も、適宜に原料ガス、炉内圧力、成長温度、成長時間等のパラメータを調整することによって、エピタキシャル成長させることができる。
【0069】
第2半導体を成長させる段階S340において、空乏化半導体234の上に、第2半導体244をはじめ、キャリア供給半導体242、キャリア供給半導体246、バリア形成半導体248、コンタクト層249、およびバッファ層250をエピタキシャル成長させる。これらの半導体には、N型半導体を有してよく、当該N型半導体の形成に用いる化合物は、例えばシランまたはジシランを含む。
【0070】
各半導体は、上述の原料を使用して、適宜に原料ガス、炉内圧力、成長温度、成長時間等のパラメータを調整して形成される。例えば、第1半導体210がGaAs基板である場合に、N型AlGaAsのキャリア供給半導体242およびキャリア供給半導体246、i型InGaAsの第2半導体244、AlGaAsのバリア形成半導体248、GaAsのコンタクト層249、ならびにGaAsのバッファ層250を形成してよい。
【0071】
第3半導体を成長させる段階S350において、バッファ層250の上に、第3半導体260を形成する。第3半導体260に含まれるN型半導体の形成に用いる化合物は、例えばシランまたはジシランである。図4に示すように、第3半導体を形成する段階S350は、更にコレクタ層を形成する段階S352、ベース層を形成する段階S354、エミッタ層を形成する段階S356、バラスト抵抗層を形成する段階S358、およびコンタクト層を形成する段階S359を含む。
【0072】
コレクタ層を形成する段階S352において、バッファ層250の上に、第3半導体260に含まれるコレクタ層262をエピタキシャル成長させる。コレクタ層262は、バイポーラトランジスタのコレクタとして機能する半導体層である。最終的に形成するバイポーラトランジスタの伝導型がNPN型かPNP型かに応じて、コレクタ層262にアクセプタ不純物原子またはドナー不純物原子を添加する。アクセプタ不純物原子は、例えば炭素であり、ドナー不純物原子は、例えばSiまたはGeである。
【0073】
ベース層を形成する段階S354において、コレクタ層262の上に、第3半導体260に含まれるベース層264をエピタキシャル成長させる。ベース層264は、バイポーラトランジスタのベースとして機能する半導体層である。最終的に形成するバイポーラトランジスタの伝導型がNPN型かPNP型かに応じて、ベース層264にアクセプタ不純物原子またはドナー不純物原子を添加する。アクセプタ不純物原子は、例えば炭素であり、ドナー不純物原子は、例えばSiまたはGeである。
【0074】
エミッタ層を形成する段階S356において、ベース層264の上に、第3半導体260に含まれるエミッタ層266をエピタキシャル成長させる。エミッタ層266は、バイポーラトランジスタのエミッタとして機能する半導体層である。最終的に形成するバイポーラトランジスタの伝導型がNPN型かPNP型かに応じて、エミッタ層266にアクセプタ不純物原子またはドナー不純物原子を添加する。アクセプタ不純物原子は、例えば炭素であり、ドナー不純物原子は、例えばSiまたはGeである。
【0075】
バラスト抵抗層を形成する段階S358において、エミッタ層266の上にバラスト抵抗層268を形成する。バラスト抵抗層268は、バイポーラトランジスタのエミッタバラストとして機能する抵抗層である。コンタクト層を形成する段階S359において、バラスト抵抗層268の上にコンタクト層269が形成される。コンタクト層269は、高濃度にドープされたシリコンを含んでもよい。高濃度にドープされたシリコンの濃度は、例えば1×1018[cm−3]以上1×1020[cm−3]以下である。
【0076】
半導体基板200を取り出す段階S360において、上述の処理によって形成された半導体基板200を反応容器から取り出す。半導体基板200にキャリアトラップ層232が形成されるので、反応容器の内部の不純物原子の影響を軽減することを目的として実行される工程を経ることなく、次の処理すべき第1半導体210を反応容器に設置して、ガスを導入する段階310から半導体基板製造工程を繰り返すことができる。
【0077】
本実施態様の製造方法は、第1半導体を設置し、ガスを導入する段階S310および第1半導体を加熱する段階S320を有する。従って、反応容器内に、先行製造プロセスによって使用された多量の不純物Siが残留し、設置した第1半導体210を汚染した場合でも、CClBrの中に存在するCが、第1半導体210表面に残留したSiのドナー効果を補償する。その結果、第1半導体210表面に存在したSi等の不純物原子の影響を抑止できる。不純物原子の影響を抑止できるので、第1半導体210とその上にエピタキシャル成長する半導体との間の絶縁不良を防止できる。
【0078】
更に、本実施態様は、キャリアトラップ層を形成する段階S332において、電子捕獲中心または正孔捕獲中心を有するキャリアトラップ層232を形成することによって、さらにリーク電流を抑制し、絶縁不良を防止することができる。また、空乏化半導体を形成する段階S334において、ヘテロ接合を形成する複数のP型半導体を含む空乏化半導体234を形成することによって、さらにリーク電流を抑制し、絶縁不良を防止することができる。従って、第2半導体244等により形成されるHEMTと第3半導体260に形成されるHBTとの間の素子分離を確保できる。
【0079】
半導体基板200がキャリアトラップ層232を有するので、完成した半導体基板200を取り出す段階S360の後、反応容器の内部の第1不純物原子であるSiの影響を軽減することを目的として実行される工程を経ることなく、次の処理すべき第1半導体210を反応容器に設置し、前記ガスを前記反応容器の内部に導入する段階S310から半導体基板製造工程を繰り返すことができる。その結果、同一反応容器内でHEMT用の半導体層とHBT用の半導体層を形成しても、後続プロセスが先行プロセスの影響を受けることなく、同一基板上にHEMTおよびHBTをモノリシックに製造するのに適する半導体基板200を製造できるだけでなく、製造効率を大きく向上することができる。
【0080】
図5は、電子デバイス600の断面の一例を概略的に示す。電子デバイス600は、第1半導体210、バッファ層220、キャリアトラップ層232、空乏化半導体234、キャリア供給半導体242、第2半導体244、キャリア供給半導体246、バリア形成半導体248、コンタクト層249、バッファ層250、HBT670、およびHEMT680を備える。電子デバイス600は、半導体基板200を用いてHBT670とHEMT680を構成した電子デバイスの一例である。したがって、半導体基板200と共通する部分について、説明を省略する。
【0081】
HBT670は、ベース電極672、エミッタ電極674、およびコレクタ電極676を有する。エミッタ電極674は、コンタクト層269を介してエミッタ層266の上に形成される。ベース電極672は、ベース層264の上に形成される。コレクタ電極676は、コレクタ層262の上に形成される。
【0082】
HEMT680は、ドレイン電極682、ゲート電極684、およびソース電極686を有する。ゲート電極684は、バリア形成半導体248を介してキャリア供給半導体246とショットキー接合を形成する。ドレイン電極682およびソース電極686は、コンタクト層249とオーミック接合を形成する。
【0083】
本実施態様において、単一の半導体基板200の上にHBT670とHEMT680とを形成する。半導体基板200はキャリアトラップ層232を有するので、第1半導体210と第2半導体244との間の絶縁性が高く、リーク電流を防止することができる。更に、上述の半導体基板200の製造方法、特に当該製造方法における加熱段階S320の加熱により、第1半導体210の表面に付着した不純物原子の悪影響を抑制できるので、リーク電流を防止して、HBT670およびHEMT680を電気的に分離することができる。
【0084】
(実験例1)
図2に示す半導体基板200におけるコンタクト層249からコンタクト層269までの半導体層を除いた各半導体層を有する半導体基板を実験例1として作成した。第1半導体210として、GaAs単結晶基板を用いた。バッファ層220としてI型GaAsを形成し、キャリアトラップ層232として酸素をドープしたI型AlGaAsを形成した。
【0085】
空乏化半導体234として、3族原料に対する5族原料のモル供給比を調整することにより低濃度のP型となるようにしたGaAsおよびAlGaAsを交互に5組だけ積層した半導体層を形成した。キャリア供給半導体242およびキャリア供給半導体246としてN型AlGaAsを形成し、キャリア移動層244としてI型InGaAsを形成し、バリア形成半導体248としてI型AlGaAsを形成した。
【0086】
バッファ用半導体220からバリア形成半導体248までの各半導体層は、MOCVD法を用いて、順次第1半導体210の上に形成した。3族元素原料としてTMG(トリメチルガリウム(Ga(CH))、TMA(トリメチルアルミニウム(Al(CH))およびTMI(トリメチルインジウム(In(CH))を用いた。5族元素原料ガスとしてアルシン(AsH)およびホスフィン(PH)を用いた。N型不純物元素としてジシラン(Si)を用いて、酸素の原料としてジノルマルブチルエーテル(CH(CHCHOCH(CHCH)を用いた。キャリアトラップ層232の膜厚を300nm、キャリアトラップ層232の酸素濃度を1×1019cm−3、空乏化半導体234の膜厚を400nmとした。
【0087】
(実験例2)
実験例2として、空乏化半導体234に相当する半導体層をキャリア型がN型の低濃度不純物層とし、その他の半導体層については実験例1と同じものを作成した。実験例2では空乏化半導体234に相当する半導体層が低濃度N型層なので、作成した半導体基板は空乏化領域を有しない。
【0088】
実験例1および実験例2で得られた半導体基板の耐圧を測定した結果、実験例1では34Vであったのに対し、実験例2では7Vであった。実験例1では、空乏化半導体234により空乏化領域が形成され、耐圧が向上していることがわかる。なお、この場合、耐圧は、第1半導体210とキャリア供給半導体242との間を流れる電流密度が5mA/cmとなるときの電圧に相当する。
【0089】
(実験例3)
キャリアトラップ層232の膜厚を、20nm、100nmおよび150nmと変化させ、キャリアトラップ層232の酸素濃度を7×1019cm−3、空乏化半導体234の膜厚を300nmとした点を除き、他の構成が実験例1の場合と同じ半導体基板を作成した。得られた半導体基板の耐圧をキャリアトラップ層232の膜厚との関係として図6に示す。キャリアトラップ層232の厚さが大きいほど耐圧が高くなることが分かる。特にキャリアトラップ層232の厚さが100nm以上において顕著な耐圧の向上が観察された。
【0090】
(実験例4)
図2に示す半導体基板200を作成した。第1半導体210として、GaAs単結晶基板を用いた。バッファ層220としてI型GaAsを、キャリアトラップ層232として酸素をドープしたI型AlGaAsを作成した。空乏化半導体234として、3族原料に対する5族原料のモル供給比を調整することにより低濃度のP型となるようにしたGaAsおよびAlGaAsを交互に5組だけ積層した半導体層を作成した。キャリア供給半導体242および246としてN型AlGaAsを、キャリア移動層244としてI型InGaAsを、バリア形成半導体248としてI型AlGaAsを形成した。
【0091】
コンタクト層249として不純物元素を高濃度にドープしたN型GaAsを形成した。バッファ層250としてN型InGaPを、コレクタ層262としてN型GaAsを、ベース層264として不純物元素を高濃度にドープしたP型GaAsを、エミッタ層266としてN型InGaPを、バラスト抵抗層268としてN型GaAsを、コンタクト層269として不純物元素を高濃度にドープしたN型InGaAsを形成した。
【0092】
バッファ層220からコンタクト層269までの各半導体層は、MOCVD法を用いて、順次第1半導体210の上に形成した。3族元素原料としてTMG、TMAおよびTMIを、5族元素原料ガスとしてアルシンおよびホスフィンを用いた。N型不純物元素としてジシランを、P型不純物元素原料としてBrCClを用いた。酸素の原料としてジノルマルブチルエーテルを用いた。
【0093】
キャリアトラップ層232の膜厚を100nm、空乏化半導体234の膜厚を440nmとし、キャリアトラップ層232の酸素濃度を、0.6×1019(cm−3)、1.8×1019(cm−3)、2.4×1019(cm−3)、および7.9×1019(cm−3)とした4つ半導体基板を作成した。得られた半導体基板の耐圧をキャリアトラップ層232の酸素濃度との関係として図7に示す。酸素濃度が高くなるほど耐圧が向上していることが分かる。酸素濃度と耐圧の関係はほぼ比例の関係にある。
【0094】
(実験例5)
キャリアトラップ層232の膜厚を100nm、キャリアトラップ層232の酸素濃度を3×1019cm−3、空乏化半導体234の膜厚を950nm、400nm、および540nmとした3つの半導体基板を作成した。他の構成は実験例4の場合と同じである。得られた半導体基板の耐圧を空乏化半導体234の膜厚との関係として図8に示す。空乏化半導体234の膜厚が大きいほど耐圧が高くなることが分かる。
【0095】
以上説明した実施形態において、発明の主旨を逸脱しない範囲で任意の半導体層を付加することができる。たとえば図9に示すように、空乏化半導体238と第2半導体244との間に空乏化領域239を形成することができる。これにより半導体基板の絶縁性をより高くすることができる。
【0096】
また、図10に示すように、HEMT680を形成する半導体層とHBT670を形成する半導体層との間に、バッファ層272、キャリア移動層274、バリア形成半導体276およびコンタクト層278を形成できる。バッファ層272、キャリア移動層274、バリア形成半導体276およびコンタクト層278には第2のHEMT690を形成することができる。すなわちバリア形成半導体276上にゲート電極694を、コンタクト層278を介してドレイン電極692およびソース電極696を形成して第2のHEMT690が形成できる。HEMT680と第2のHEMT690とは相補型のFETとすることができ、当該半導体基板を用いて、相補型FETとHBTとを有するBiFET半導体が作製できる。なお、HEMT680と第2のHEMT690はHEMTである必要はなく、一般的なFETであってもよい。
【符号の説明】
【0097】
100 半導体基板、110 第1半導体、130 キャリアトラップ層、144 第2半導体、160 第3半導体、162 コレクタ層、164 ベース層、166 エミッタ層、200 半導体基板、210 第1半導体、220 バッファ層、232 キャリアトラップ層、234 空乏化半導体、236 空乏化半導体、238 空乏化半導体、239 空乏化領域、242 キャリア供給半導体、244 第2半導体、246 キャリア供給半導体、248 バリア形成半導体、249 コンタクト層、250 バッファ層、260 第3半導体、262 コレクタ層、264 ベース層、266 エミッタ層、268 バラスト抵抗層、269 コンタクト層、272 バッファ層、276 バリア形成半導体、278 コンタクト層、600 電子デバイス、670 HBT、672 ベース電極、674 エミッタ電極、676 コレクタ電極、680 HEMT、682 ドレイン電極、684 ゲート電極、686 ソース電極、690 HEMT、692 ドレイン電極、694 ゲート電極、696 ソース電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1半導体と、
前記第1半導体上に形成された、電子捕獲中心または正孔捕獲中心を有するキャリアトラップ層と、
前記キャリアトラップ層上にエピタキシャル成長され、自由電子または自由正孔が移動するチャネルとして機能する第2半導体と、
前記第2半導体上にエピタキシャル成長したN型半導体/P型半導体/N型半導体で表される積層体、または前記第2半導体上にエピタキシャル成長したP型半導体/N型半導体/P型半導体で表される積層体を含む第3半導体と
を備える半導体基板。
【請求項2】
前記第1半導体が3−5族化合物半導体を含む
請求項1に記載の半導体基板。
【請求項3】
前記キャリアトラップ層と前記第2半導体との間に、空乏化領域を含む空乏化半導体をさらに備える
請求項1または請求項2に記載の半導体基板。
【請求項4】
前記キャリアトラップ層と前記第2半導体との間に挟まれた方向における前記空乏化半導体の厚みが0.3μm以上1.5μm以下である
請求項3に記載の半導体基板。
【請求項5】
前記空乏化半導体が複数の3−5族化合物半導体を有し、
前記複数の3−5族化合物半導体のうち相互に隣接する2つの3−5族化合物半導体は、AlGa1−xAs(0≦x≦1)とAlGa1−yAs(0≦y≦1,x<y)とのヘテロ接合、AlInGa1−p−qP(0≦p≦1,0≦q≦1)とAlInGa1−r−sP(0≦r≦1,0≦s≦1,p<r)とのヘテロ接合、および、AlGa1−xAs(0≦x≦1)とAlInGa1−p−qP(0≦p≦1,0≦q≦1)とのヘテロ接合からなる群から選択された少なくとも1つのヘテロ接合を形成する
請求項3または請求項4に記載の半導体基板。
【請求項6】
前記キャリアトラップ層がホウ素原子または酸素原子を含む
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の半導体基板。
【請求項7】
前記キャリアトラップ層が、AlGa1−xAs(0≦x≦1)またはAlInGa1−p−qP(0≦p≦1,0≦q≦1)、および酸素原子を含む
請求項6に記載の半導体基板。
【請求項8】
前記酸素原子の濃度が、1×1018[cm−3]以上、1×1020[cm−3]以下である
請求項6または請求項7に記載の半導体基板。
【請求項9】
前記第2半導体および前記第3半導体の少なくとも一つの半導体が炭素を有する
請求項1から請求項8の何れか一項に記載の半導体基板。
【請求項10】
前記第2半導体および前記第3半導体の少なくとも一つの半導体がシリコンを有する
請求項1から請求項9の何れか一項に記載の半導体基板。
【請求項11】
前記第3半導体が、高濃度にドープされたシリコンを含む
請求項1から請求項10の何れか一項に記載の半導体基板。
【請求項12】
前記第3半導体が、前記N型半導体/P型半導体/N型半導体または前記P型半導体/N型半導体/P型半導体を流れる電流を抑制する抵抗を有するバラスト抵抗層を有する
請求項1から請求項11の何れか一項に記載の半導体基板。
【請求項13】
前記第2半導体と前記第3半導体との間に、前記第2半導体内のキャリアとは反対の伝導型のキャリアを有する第4半導体をさらに備える
請求項1から請求項12の何れか一項に記載の半導体基板。
【請求項14】
前記第1半導体と前記第2半導体との間に挟まれた方向における前記キャリアトラップ層の厚みが0.1μm以上1.5μm以下である
請求項1から請求項13の何れか一項に記載の半導体基板。
【請求項15】
第1半導体上に、電子捕獲中心または正孔捕獲中心を有するキャリアトラップ層を形成する段階と、
前記キャリアトラップ層上に、自由電子または自由正孔が移動するチャネルとして機能する第2半導体をエピタキシャル成長させる段階と、
前記第2半導体上に、N型半導体、P型半導体およびN型半導体をこの順にエピタキシャル成長させる、またはP型半導体、N型半導体およびP型半導体をこの順にエピタキシャル成長させることにより、N型半導体/P型半導体/N型半導体で表される積層体、またはP型半導体/N型半導体/P型半導体で表される積層体を含む第3半導体を形成する段階と
を備える半導体基板の製造方法。
【請求項16】
前記キャリアトラップ層を形成する段階の前に、
反応容器の内部に、前記第1半導体を少なくともその表面に有する基板を設置する段階と、
前記基板を設置する段階の後に、前記反応容器の内部にアルシンおよび水素を含むガスを導入する段階と、
前記ガスの雰囲気中で、前記第1半導体を加熱する段階と
を備える
請求項15に記載の半導体基板の製造方法。
【請求項17】
前記ガスが、アルシン、水素、およびP型の伝導型を示す不純物原子を構成要素として有する単体または化合物を含むP型不純物ガスを含む
請求項16に記載の半導体基板の製造方法。
【請求項18】
前記P型不純物ガスが、ハロゲン化炭化水素ガスを含む
請求項17に記載の半導体基板の製造方法。
【請求項19】
前記ハロゲン化炭化水素ガスが、
CH(4−n)
(ただし、XはCl、BrおよびIからなる群から選択されるハロゲン原子であり、nは、0≦n≦3の条件を満たす整数であり、0≦n≦2の場合、複数のXは互いに同一の原子でも異なった原子でもよい。)である
請求項18に記載の半導体基板の製造方法。
【請求項20】
前記第3半導体が、バイポーラトランジスタのベースとして機能する半導体層を有し、
前記P型不純物ガスが、前記ベースとして機能する半導体層の製造において導入されるドーパントを含むガスと同じ種類のガスである
請求項17から請求項19の何れか一項に記載の半導体基板の製造方法。
【請求項21】
前記キャリアトラップ層上に、3族原料に対する5族原料のモル供給比を調整することによりアクセプタの濃度を制御して、空乏化領域を含む空乏化半導体を形成する段階をさらに備える
請求項15から請求項20の何れか一項に記載の半導体基板の製造方法。
【請求項22】
前記ガスが、1ppb以下のGeHを含むアルシン原料ガスを含む
請求項16から請求項21の何れか一項に記載の半導体基板の製造方法。
【請求項23】
前記第2半導体にキャリアを供給するための層をエピタキシャル成長させる段階において、N型の伝導型を示す不純物原子を含む化合物としてシランまたはジシランを導入して、前記キャリアを供給するための層をエピタキシャル成長させ、
前記第3半導体を形成する段階において、N型の伝導型を示す不純物原子を含む化合物としてシランまたはジシランを導入して、前記第3半導体に含まれる前記N型半導体をエピタキシャル成長させる
請求項15から請求項22の何れか一項に記載の半導体基板の製造方法。
【請求項24】
前記第2半導体上に、前記第2半導体内で移動するキャリアとは反対の伝導型のキャリアが移動するチャネルとして機能する第4半導体をエピタキシャル成長させる段階をさらに備える
請求項15から請求項23の何れか一項に記載の半導体基板の製造方法。
【請求項25】
前記第3半導体を形成する段階の後、前記第2半導体および前記第3半導体が形成された前記半導体基板を前記反応容器から取り出す段階をさらに備え、
前記取り出す段階、前記基板を設置する段階、前記ガスを導入する段階、前記加熱する段階、前記キャリアトラップ層を形成する段階、前記第2半導体をエピタキシャル成長する段階、および前記第3半導体を形成する段階を繰り返す
請求項16から請求項24の何れか一項に記載の半導体基板の製造方法。
【請求項26】
第1半導体と、
前記第1半導体上に形成されたキャリアトラップ層と、
前記キャリアトラップ層上にエピタキシャル成長され、自由電子または自由正孔が移動するチャネルとして機能する第2半導体と、
前記第2半導体上にエピタキシャル成長してなるN型半導体/P型半導体/N型半導体で表される積層体、または前記第2半導体上にエピタキシャル成長してなるP型半導体/N型半導体/P型半導体で表される積層体を含む第3半導体と、
前記第2半導体に形成された電界効果トランジスタと、
前記第3半導体に形成されたヘテロ接合バイポーラトランジスタと
を含む電子デバイス。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2010−263197(P2010−263197A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−86843(P2010−86843)
【出願日】平成22年4月5日(2010.4.5)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】