説明

半導体装置、電子機器および半導体装置の作製方法

【課題】大量生産上、大型の基板に適している液滴吐出法を用いた製造プロセスを提供する。
【解決手段】液滴吐出法で感光性の導電膜材料液を選択的に吐出し、レーザ光で選択的に露光した後、現像またはエッチングすることによって、レーザ光で露光した領域のみを残し、吐出後のパターンよりも微細なソース配線およびドレイン配線を実現する。TFTのソース配線およびドレイン配線は、島状の半導体層を横断して重ねることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薄膜トランジスタ(以下、TFTという)で構成された回路を有する半導体装置およびその作製方法に関する。例えば、液晶表示パネルに代表される電気光学装置や有機発光素子を有する発光表示装置を部品として搭載した電子機器に関する。
【0002】
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指し、電気光学装置、半導体回路および電子機器は全て半導体装置である。
【背景技術】
【0003】
近年、絶縁表面を有する基板上に形成された半導体薄膜(厚さ数〜数百nm程度)を用いて薄膜トランジスタ(TFT)を構成する技術が注目されている。薄膜トランジスタはICや電気光学装置のような電子デバイスに広く応用され、特に画像表示装置のスイッチング素子として開発が急がれている。
【0004】
画像表示装置の代表的なものであるアクティブマトリクス型の表示装置の用途は広がっており、画面サイズの大面積化とともに、高精細化や高開口率化や高信頼性の要求が高まっている。
【0005】
また、高速動作が可能で高性能な半導体デバイスを実現するために、電気抵抗率の低い配線材料とする構造が今後さらに求められる。
【0006】
また、成膜に要する液体の歩留まりを高めるため、レジスト液をノズルから細径の線状に連続吐出できる装置を用いて半導体ウェハ上に成膜を行う技術が特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開2000−188251号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現状では、製造プロセスにスピンコート法を用いる成膜方法が多く用いられている。今後、さらに基板が大型化すると、スピンコート法を用いる成膜方法では、大型の基板を回転させる機構が大規模となる点、材料液のロスおよび廃液量が多い点で大量生産上、不利と考えられる。また、矩形の基板をスピンコートさせると回転軸を中心とする円形のムラが塗布膜に生じやすい。本発明は、大量生産上、大型の基板に適している液滴吐出法を用いた製造プロセスを提供する。
【0008】
また、本発明は、液滴吐出法で形成されたソース配線(ソース電極とも呼ぶ)、またはドレイン配線(ドレイン電極とも呼ぶ)を用いた大画面ディスプレイ、およびその作製方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、液滴吐出法で感光性の導電膜材料液を選択的に吐出し、レーザ光で選択的に露光した後、現像またはエッチングすることによって、レーザ光で露光した領域のみを残し、吐出後のパターンよりも微細な配線パターンを実現する。もしくは、ナノインプリント技術などの印刷法を用いて感光性の導電膜材料を選択的に形成し、レーザ光で選択的に露光した後、現像またはエッチングすることによって、レーザ光で露光した領域のみを残し、吐出後のパターンよりも微細な配線パターンを形成する。
【0010】
本発明は、導体パターン(ソース配線、またはドレイン配線など)を形成するプロセスにおいて、露光工程や現像工程などが短縮でき、材料の使用量の削減も図れるため大幅なコストダウンが実現でき、大面積基板にも対応できる。
【0011】
導電膜材料液は、Ag、Au、Cu、Ni、Al、Pt、W,Moなどの金属或いは合金と、有機高分子樹脂、光重合開始剤、光重合単量体、または溶剤などからなる感光性樹脂とを含んでいる。なお、有機高分子樹脂としては、ノボラック樹脂、アクリル系コポリマー、メタクリル系コポリマー、セルローズ誘導体、環化ゴム系樹脂などを用いる。
【0012】
また、必要に応じて導電膜材料液中に、増感剤、増感助剤、重合禁止剤、可塑剤、増粘剤、酸化防止剤、分散防止剤、沈殿防止剤などの添加剤成分を加えてもよい。
【0013】
導電膜材料液に含まれる感光性材料には大きくわけてネガ型とポジ型がある。ネガ型の場合は、露光された部分で化学反応が生じ、現像液によって化学反応が生じた部分のみが残されてパターンが形成される。また、ポジ型の場合は、露光された部分で化学反応が生じ、現像液によって化学反応が生じた部分が溶解され、露光されなかった部分のみが残されてパターンが形成される。本発明ではネガ型の感光性材料を導電膜材料液に含ませる。ネガ型の感光性材料としては、分子内に不飽和基などの官能基を一つ以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマーのうち、少なくとも1種類からなる材料や、芳香族ジアゾ化合物、芳香族アジド化合物、有機ハロゲン化合物などの感光性化合物や、ジアゾ樹脂などが挙げられる。
【0014】
また、配線幅は、レーザ光の照射精度によって決定されるため、滴下する液滴量や粘度や、ノズル径に関係なく、所望の配線幅を得ることができる。通常、配線幅は、ノズルから吐出された材料液と基板の接触角で変化する。例えば、標準的なインクジェット装置の一つのノズル径(50μm×50μm)から吐出される量は30pl〜200plであり、得られる配線幅は60μm〜300μmであるが、レーザ光で露光する本発明により幅(例えば配線幅0.5μm〜10μm)が狭い配線を得ることができる。また、標準より細いノズル径では、一つのノズルから吐出される量は0.1pl〜40plであり、得られる配線幅は5μm〜100μmである。
【0015】
また、液滴吐出法により配線パターンを形成する場合、ノズルから間欠的に吐出されて導電膜材料液滴がドット状に滴下される場合と、ノズルから連続的に吐出されて繋がったまま紐状の材料が付着される場合の両方がある。本発明においては、適宜、いずれか一方で配線パターンを形成すればよい。比較的幅の大きい配線パターンを形成する場合には、ノズルから連続的に吐出されて繋がったまま紐状の材料を付着させるほうが生産性に優れている。
【0016】
また、液滴吐出法により配線パターンを形成する前に、予め基板上に密着性を向上させる下地層の形成(または下地前処理)を全面または選択的に行ってもよい。下地層の形成としては、スプレー法またはスパッタ法によって光触媒物質(酸化チタン(TiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、セレン化カドミウム(CdSe)、タンタル酸カリウム(KTaO)、硫化カドミウム(CdS)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化鉄(Fe)、酸化タングステン(WO))を全面に滴下する処理、またはインクジェット法やゾルゲル法を用いて有機材料(ポリイミド、アクリル、或いは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成され、置換基に水素、フッ素、アルキル基、または芳香族炭化水素のうち少なくとも1種を有する材料を用いた塗布絶縁膜)を選択的に形成する処理を行えばよい。
【0017】
光触媒物質は、光触媒機能を有する物質を指し、紫外光領域の光(波長400nm以下、好ましくは380nm以下)を照射し、光触媒活性を生じさせるものである。光触媒物質上に、インクジェット法で代表される液滴吐出法により、溶媒に混入された導電体を吐出すると、微細な描画を行うことができる。
【0018】
例えば、TiOに光照射する前、親油性はあるが、親水性はない、つまり撥水性の状態にある。光照射を行うことにより、光触媒活性が起こり、親水性にかわり、逆に親油性がない状態となる。なお光照射時間により、親水性と親油性を共に有する状態にもなりうる。
【0019】
更に光触媒物質へ遷移金属(Pd、Pt、Cr、Ni、V、Mn、Fe、Ce、Mo、W等)をドーピングすることにより、光触媒活性を向上させたり、可視光領域(波長400nm〜800nm)の光により光触媒活性を起こすことができる。このように光の波長は光触媒物質によって決定することができるため、光照射とは光触媒物質の光触媒活性化させる波長の光を照射することを指す。
【0020】
なお、親水性とは、水に濡れやすい状態を指し、接触角が30度以下、特に接触角が5度以下を超親水性という。一方、撥水性とは、水に濡れにくい状態を指し、接触角が90度以上のものを指す。同様に親油性とは、油に濡れやすい状態を指し、撥油性とは油に濡れにくい状態を指す。なお接触角とは、滴下したドットのふちにおける、形成面と液滴の接線がなす角度のことを指す。
【0021】
導電膜材料液を用いて液滴吐出法で配線を形成する際、導電膜材料液が流動性を有していたり、ベーク時に流動性が増加するものであった場合、液だれによって精細なパターンとすることが困難となる恐れがある。また、配線間隔が狭い場合、パターン同士が繋がってしまう恐れもある。本発明においては、液だれによって幅広のパターンとなっても、導電膜材料液に感光性材料を含ませて、レーザ光で精密に露光、現像を行うことで精細なパターンを得ている。
【0022】
本明細書で開示する発明の構成は、絶縁表面を有する基板上にゲート電極と、前記ゲート電極を覆うゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上にチャネルを含む第1の島状の半導体層と、前記第1の島状の半導体層上にn型またはp型の導電型を付与する不純物元素を含む第2の島状の半導体層と、前記第2の島状の半導体層上に接するドレイン配線およびソース配線と、を有し、ソース配線は、第1の島状の半導体層を横断して重なっており、前記ソース配線と前記ドレイン配線との間の領域と重なる部分に、前記第1の島状の半導体層は前記チャネルを有することを特徴とする半導体装置である。
【0023】
また、他の発明の構成は、図2(B)にその一例を示すように、絶縁表面を有する基板上にゲート電極と、前記ゲート電極を覆うゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上にチャネルを含む第1の島状の半導体層と、前記第1の島状の半導体層上にn型またはp型の導電型を付与する不純物元素を含む第2の島状の半導体層と、前記第2の島状の半導体層上に接するドレイン配線およびソース配線と、を有し、前記第1の島状の半導体層の一端からもう一端までの長さLは、チャネル長L1と、前記ドレイン配線と重なる領域の長さと、該領域から半導体層の一端までの長さL2と、前記ソース配線と重なる領域の長さと、該領域から半導体層のもう一端までの長さL3との合計であることを特徴とする半導体装置である。
【0024】
上記各構成において、前記第2の半導体層を介して前記ソース配線と前記第1の半導体層との重なる領域の長さは、前記ソース配線の線幅と同じであることを特徴の一つとしている。レーザ光の走査によってソース配線の線幅が決定されており、第1の半導体層を横断するようにレーザ光が走査されるため、前記ソース配線と前記第1の半導体層との重なる領域の長さは、前記ソース配線の線幅と同じとなる。
【0025】
また、上記各構成において、前記ドレイン配線と前記第1の半導体層との重なる領域の長さは、前記ドレイン配線の線幅と同じであることを特徴の一つとしている。
【0026】
液滴吐出法を用いた導電層などのパターン形成方法では、粒子状に加工されたパターン形成材料を吐出し、焼成によって融合や融着接合させ固化することでパターンを形成する。よって、そのパターンは、スパッタ法などで形成したパターンが、多くは柱状構造を示すのに対し、多くの粒界を有する多結晶状態を示すことが多い。
【0027】
また、液滴吐出法を用いて得られた導電層(ソース配線またはドレイン配線)は、樹脂を含む材料であることを特徴の一つとしている。この樹脂は導電材料を含む液滴に含まれるバインダーなどの材料であり、この樹脂と、溶媒と、金属のナノ粒子とを混合させることによってインクジェット法で吐出可能なものとしている。
【0028】
また、上記各構成において、前記第1の半導体層及び前記ドレイン配線及び前記ソース配線を覆う絶縁膜を有することを特徴としている。この絶縁膜で第1の半導体層を保護することができる。
【0029】
また、上記各構成において、前記ドレイン配線は、蛇行している部分を有し、該部分で上方の電極との接続が行われることを特徴の一つとしている。レーザ光で走査してドレイン配線を形成するため、一筆書きのパターンとすることが好ましく、コンタクトホールを形成する箇所の導電膜パターンを部分的に蛇行させる。また、コンタクトホールを形成した直後、蛇行した導電膜パターンと、該導電膜と重ならない絶縁膜表面が露呈する。また、コンタクト部分で導電膜パターンを蛇行させる(ジグザグにさせる)ことによって、凹凸を形成し、上方に形成される電極との密着性を向上させることもできる。
【0030】
また、上記構造を実現するための発明の構成は、
絶縁表面を有する基板上にゲート電極を形成し、前記ゲート電極を覆うゲート絶縁膜を形成し、前記ゲート絶縁膜上に第1の半導体層と、該第1の半導体層上にn型またはp型の導電型を付与する不純物元素を含む第2の半導体層を形成し、液滴吐出法または印刷法で前記第2の島状の半導体層上に接する第1パターンを形成し、レーザ光で第1パターンより幅の小さい領域を照射し、第1パターンのうち、照射領域以外の部分を除去してドレイン配線およびソース配線を形成し、前記ドレイン配線およびソース配線をマスクとしてエッチングして第1の半導体層からなるチャネルを形成し、該チャネルを挟むように第2の半導体層を2つに離間することを特徴とする半導体装置の作製方法である。
【0031】
また、上記作製方法に関する構成において、前記レーザ光は、前記第1の半導体層を横断して照射することを特徴の一つとしている。
【0032】
なお、本発明は、チャネルエッチ型、チャネルストップ型のボトムゲート(逆スタガ)TFTに適用することが可能である。また、シングルゲート構造のTFTに限定されず、複数のチャネル形成領域を有するマルチゲート型TFT、例えばダブルゲート型TFTとしてもよい。
【0033】
また、本明細書において、TFTの活性層となる半導体層は、珪素を主成分とする半導体膜、有機材料を主成分とする半導体膜、或いは金属酸化物を主成分とする半導体膜を用いることができる。珪素を主成分とする半導体膜としては、非晶質半導体膜、結晶構造を含む半導体膜、非晶質構造を含む化合物半導体膜などを用いることができ、具体的にはアモルファスシリコン、微結晶シリコン、多結晶シリコンなどを用いることができる。また、有機材料を主成分とする半導体膜としては、他の元素と組み合わせて一定量の炭素または炭素の同素体(ダイヤモンドを除く)からなる物質を主成分とする半導体膜を用いることができる。具体的には、ペンタセン、テトラセン、チオフェンオリゴマ誘導体、フェニレン誘導体、フタロシアニン化合物、ポリアセチレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、シアニン色素等が挙げられる。また、金属酸化物を主成分とする半導体膜としては、酸化亜鉛(ZnO)や亜鉛とガリウムとインジウムの酸化物(In−Ga−Zn−O)等を用いることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明により、液滴吐出法で得られる配線を用いて、ボトムゲート型TFTの微細化を図ることができる。特に、レーザ光により形成されるソース配線とドレイン配線との間の間隔は、レーザ光の条件(走査方法、スポットサイズなど)で調節することができるため、チャネル長を微細なものとすることができる。
【0035】
また、ソース配線とドレイン配線を、半導体層上を横断させることによって電気的な接続を行っており、半導体層のパターンサイズを縮小することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の実施形態について、以下に説明する。
【0037】
(実施の形態1)
ここではチャネルエッチ型のTFTをスイッチング素子とするアクティブマトリクス型表示装置の作製例を図1、図2に示す。
【0038】
まず、絶縁表面を有する基板100上に下地絶縁膜110を形成する。下地絶縁膜110としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの絶縁膜から成る下地膜を形成する。なお、必要でなければ、特に下地絶縁膜を形成しなくてもよい。
【0039】
なお、基板100は、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス若しくはアルミノシリケートガラスなど、フュージョン法やフロート法で作製される無アルカリガラス基板の他、本作製工程の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板等を用いることができる。
【0040】
次いで、下地絶縁膜110上に膜厚100〜600nmの導電膜をスパッタ法で形成する。なお、導電膜は、Ta、W、Ti、Mo、Al、Cuから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料の単層、またはこれらの積層で形成してもよい。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜を用いてもよい。
【0041】
次いで、フォトマスクを用いてレジストマスクを形成し、ドライエッチング法またはウェットエッチング法を用いてエッチングを行う。このエッチング工程によって、導電膜をエッチングして、ゲート電極101を得る。
【0042】
次いで、プラズマCVD法やスパッタリング法を用いて、ゲート絶縁膜111、半導体膜、n型の半導体膜を順次、成膜する。
【0043】
ゲート絶縁膜111としては、PCVD法により得られる酸化珪素、窒化珪素または窒化酸化珪素を主成分とする材料を用いる。また、ゲート絶縁膜111をシロキサン系ポリマーを用いた液滴吐出法により吐出、焼成してアルキル基を含むSiOx膜としてもよい。
【0044】
半導体膜は、シランやゲルマンに代表される半導体材料ガスを用いて気相成長法やスパッタリング法や熱CVD法で作製されるアモルファス半導体膜、或いはセミアモルファス半導体膜で形成する。
【0045】
また、n型の半導体膜は、シランガスとフォスフィンガスを用いたPCVD法で形成すれば良く、アモルファス半導体膜、或いはセミアモルファス半導体膜で形成することができる。n型の半導体膜を設けると、半導体膜と電極(後の工程で形成される電極)とのコンタクト抵抗が低くなり好ましいが、必要に応じて設ければよい。また、n型の半導体膜に代えてp型の半導体膜を用いることができる。p型の半導体膜は、半導体にp型を付与するボロンなどの不純物元素を含む半導体膜を用いればよい。
【0046】
次いで、マスクを設け、半導体膜と、n型の半導体膜とを選択的にエッチングして島状の半導体膜、n型の半導体膜106を得る。マスクの形成方法は、液滴吐出法や印刷法(凸版、平板、凹版、スクリーンなど)を用いて形成する。直接、所望のマスクパターンを液滴吐出法や印刷法で形成してもよいが、高精細度に形成するために液滴吐出法や印刷法で大まかなレジストパターンを形成した後、レーザ光を用いて選択的に露光を行って精細なレジストパターンを形成してもよい。
【0047】
次いで、液滴吐出法を用いて、感光性材料を含み、且つ、導電性材料(Ag(銀)、Au(金)、Cu(銅)、W(タングステン)、Al(アルミニウム)等)を含む組成物を選択的に吐出して、導電膜パターン103を形成する。導電膜パターン103は半導体膜およびn型の半導体膜106を覆って形成する。
【0048】
この段階での上面図を図1(A)に示す。点線で囲まれた領域は、半導体膜のパターン形状の輪郭102を示しており、長さL、幅Wの矩形形状としている。なお、本実施の形態では、矩形形状としたが、特に限定されず、楕円形や、L字形状や、不規則な形状であってもよい。
【0049】
次いで、レーザ光を選択的に照射して、導電膜パターンの一部を露光する。ここでは、レーザ光が矩形形状の半導体膜を横断するように走査を行う。このレーザ光の走査によって、半導体膜上に2箇所の横断箇所が形成される。吐出する導電膜材料液には、予め感光性材料を含まれているため、照射するレーザ光によって化学反応する。ここで感光性材料は、照射して化学反応させた部分を残すネガ型とした例を示している。レーザ光の照射によって、正確なパターン形状、特に細い幅の配線を得ることができる。
【0050】
ここで、レーザビーム描画装置について、図3を用いて説明する。レーザビーム描画装置401は、レーザビームを照射する際の各種制御を実行するパーソナルコンピュータ(以下、PCと示す。)402と、レーザビームを出力するレーザ発振器403と、レーザ発振器403の電源404と、レーザビームを減衰させるための光学系(NDフィルタ)405と、レーザビームの強度を変調するための音響光学変調器(AOM)406と、レーザビームの断面の拡大又は縮小をするためのレンズ、光路の変更するためのミラー等で構成される光学系407、Xステージ及びYステージを有する基板移動機構409と、PCから出力される制御データをデジタルーアナログ変換するD/A変換部410と、D/A変換部410から出力されるアナログ電圧に応じて音響光学変調器406を制御するドライバ411と、基板移動機構409を駆動するための駆動信号を出力するドライバ412とを備えている。
【0051】
レーザ発振器403としては、紫外光、可視光、又は赤外光を発振することが可能なレーザ発振器を用いることができる。レーザ発振器としては、KrF、ArF、XeCl、Xe等のエキシマレーザ発振器、He、He−Cd、Ar、He−Ne、HF等の気体レーザ発振器、YAG、GdVO、YVO、YLF、YAlOなどの結晶にCr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti又はTmをドープした結晶を使った固体レーザ発振器、GaN、GaAs、GaAlAs、InGaAsP等の半導体レーザ発振器を用いることができる。なお、固体レーザ発振器においては、基本波の第1高調波〜第5高調波を適用するのが好ましい。
【0052】
また、照射時間短縮のため、複数のレーザ発振器を使用して、1枚の基板に対して複数箇所でレーザ照射を行って焼成してもよい。
【0053】
レーザビーム描画装置を用いた感光材料の感光方法について以下に述べる。なお、ここで言う感光材料とは、導電膜パターンとなる導電膜材料(感光材料含む)を指している。
【0054】
基板408が基板移動機構409に装着されると、PC402は図外のカメラによって、基板に付されているマーカの位置を検出する。次いで、PC402は、検出したマーカの位置データと、予め入力されている描画パターンデータとに基づいて、基板移動機構409を移動させるための移動データを生成する。この後、PC402が、ドライバ411を介して音響光学変調器406の出力光量を制御することにより、レーザ発振器403から出力されたレーザビームは、光学系405によって減衰された後、音響光学変調器406によって所定の光量になるように光量が制御される。一方、音響光学変調器406から出力されたレーザビームは、光学系407で光路及びビーム形を変化させ、レンズで集光した後、基板上に形成された感光材料に対して該ビームを照射して、感光材料を感光する。このとき、PC402が生成した移動データに従い、基板移動機構409をX方向及びY方向に移動制御する。この結果、所定の場所にレーザビームが照射され、感光材料の露光が行われる。
【0055】
なお、感光材料に照射されたレーザ光のエネルギーの一部は、熱に変換され、感光材料の一部を反応させる。従って、パターン幅は、レーザビームの幅より若干大きくなる。また、短波長のレーザ光ほど、ビーム径を小さく集光することが可能であるため、微細な幅のパターンを形成するためには、短波長のレーザビームを照射することが好ましい。
【0056】
また、レーザビームの感光材料表面でのスポット形状は、点状、円形、楕円形、矩形、または線状(厳密には細長い長方形状)となるように光学系で加工されている。なお、スポット形状は円形であっても構わないが、線状にした方が、幅が均一なパターンを形成することができる。
【0057】
なお、ここでは、基板を移動して選択的にレーザビームを照射しているが、これに限定されず、レーザビームをX軸方向またはY軸方向に走査してレーザビームを照射することができる。この場合、光学系407にポリゴンミラーやガルバノミラーを用いることが好ましい。
【0058】
次いで、エッチャント(または現像液)を用いて現像を行い、余分な部分を除去して、本焼成を行ってソース配線104またはドレイン配線105となる金属配線を形成する。
【0059】
また、導電膜材料液を滴下した後、室温乾燥または仮焼成を行ってからレーザ光の照射による露光を行ってもよい。
【0060】
なお、露光を行ったレーザ光の単位面積当たりのエネルギーを大きくすることで、本焼成を不要とすることもできる。本焼成の工程を削減することで作製工程を短縮することができる。現像液としては、有機溶媒やアルカリ水溶液などを用いることができる。例えば、アルカリ水溶液を用いて現像を行う場合、導電膜パターン103を形成する組成物として、アルカリ可溶性のポリマー(メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレートなど)を含ませることが望ましい。
【0061】
この段階での上面図を図1(B)に示す。図1(B)に示すように、ソース配線104またはドレイン配線105と重ならないn型の半導体膜106が露呈される。また、この段階では、半導体膜とn型の半導体膜とは同じパターンである。
【0062】
半導体膜パターンの一端からもう一端までの長さLは、L1と、ドレイン配線105と重なる領域の長さと、該領域から半導体膜パターンの一端までの長さL2と、ソース配線104と重なる領域の長さと、該領域から半導体膜パターンのもう一端までの長さL3との合計である。なお、ソース配線104とドレイン配線105の間隔であるL1は、後に形成されるチャネル形成領域の長さに等しい。
【0063】
次いで、ソース配線104及びドレイン配線105をマスクとしてn型の半導体膜の一部、および半導体膜の上層部をエッチングする。そして、必要があれば水素化処理を行う。この段階で、活性層となるチャネル形成領域107と、ソース配線104とオーミックコンタクトを取るためのソース領域108と、ドレイン配線105とオーミックコンタクトを取るためのドレイン領域109とを備えたチャネルエッチ型のTFTが完成する。なお、チャネル形成領域107を保護する絶縁膜を形成してもよい。保護する絶縁膜として、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの絶縁膜を用いれば、不純物の汚染からチャネル形成領域107を保護することができ、TFTの信頼性が向上する。
【0064】
次いで、ドレイン配線105と重なるように電極112を形成する。電極112は、液滴吐出法または印刷法によりインジウム錫酸化物(ITO)、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)などを含む組成物からなる所定のパターンを形成し、焼成して形成する。
【0065】
なお、ITOを液滴吐出法または印刷法により形成する場合には、透明導電膜の前駆体を用いればよく、例えば、有機インジウムと有機スズとがキシロール中に97:3の比率で8%配合された液状材料を用いる。
【0066】
液晶表示装置を形成する場合には、電極112は画素電極と呼ばれる。また、反射型の液晶表示装置を形成する場合には、電極112はAg(銀)、Al(アルミニウム)等の反射性を有する金属膜パターンを形成する。
【0067】
また、発光表示装置を形成する場合には、電極112を第1の電極として、さらに電極112の端部を覆う隔壁(土手ともいう)を形成し、電界発光層として機能する層、即ち、有機化合物を含む層の形成を行い、最後に第2の電極を形成する。なお、第1の電極及び第2の電極は仕事関数を考慮して材料を選択する必要があり、そして第1の電極及び第2の電極は、画素構成によりいずれも陽極、又は陰極となりうる。
【0068】
電極112を形成した段階での上面図を図2(A)に示す。また、図2(A)中の線A−Bで切断した断面図を図2(B)に示す。
【0069】
以上示したように、本実施の形態では、液滴吐出法を用いた導電膜パターンに対してレーザ光で露光し、現像することによって微細なパターンを実現している。また、液滴吐出法を用いて基板上に直接的に各種のパターンを形成することにより、1辺が1000mmを超える第5世代以降のガラス基板を用いても、表示パネルの製造を容易なものとすることができる。
【0070】
また、得られたTFTなどをフレキシブルなプラスチックフィルムに転写する場合には、まず、基板100上に剥離層(分離層とも呼ぶ)を設け、TFTなどの被剥離層を形成した後に剥離層を除去または破壊し、基板100からTFTなどの素子を分離した後に接着層を設けてプラスチックフィルムに接着させればよい。なお、被剥離層を基板から剥離する工程は、特に限定されず、公知の方法を用いればよいが、中でも特開2003−174153号公報に記載の剥離および転写技術を用いれば、ガラス基板上で500℃以上の加熱処理により得られる高い電界効果移動度を有するTFTを歩留まりよくプラスチック基板に転写することができる。特開2003−174153号公報に記載の剥離および転写技術は、基板に金属層を形成し、その上に酸化物層を積層形成する際、該金属層の酸化金属層を金属層と酸化物層との界面に形成し、この酸化金属層を利用して後の工程で剥離を行う剥離方法である。
【0071】
具体的には、ガラス基板上にスパッタ法でタングステン膜を形成し、スパッタ法で酸化シリコン膜を積層形成する。スパッタ法で酸化シリコン膜を形成する際にアモルファス状態の酸化タングステン層が形成される。そして酸化シリコン膜上にTFTなどの素子形成を行い、素子形成プロセスで400℃以上の熱処理を行うことで酸化タングステン層を結晶化させる。物理的な力を加えると、酸化タングステン層の層内または界面で剥離が生じる。こうして剥離された被剥離層(TFTなどの素子含む)をプラスチック基板に転写することができる。
【0072】
また、剥離を行う際、各積層間で密着性が低いと、密着性の低い部分で剥離が生じてしまい、破壊される恐れがある。導電性材料を含む組成物を用いて液滴吐出を行った後、レーザ光で選択的に焼成を行うと、導電微粒子同士の融着が短時間に行われ、下地膜との密着性が向上するが、それでも有機樹脂を微量に含む金属配線は、剥離の際に剥離不良を起こす恐れがある。本発明は、レーザ光を照射した部分以外を除去することによって、細線化を図り、その上に接して絶縁膜を形成すれば、その絶縁膜と下地膜との接触面積を増大させることで、剥離の際に生じる恐れのある剥離不良を低減している。
【0073】
(実施の形態2)
ここではチャネルストップ型のTFTをスイッチング素子とするアクティブマトリクス型表示装置の作製例を図4、図5に示す。
【0074】
まず、実施の形態1と同様に、絶縁表面を有する基板500上に下地絶縁膜510を形成する。下地絶縁膜510としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの絶縁膜から成る下地膜を形成する。なお、必要でなければ、特に下地絶縁膜を形成しなくてもよい。
【0075】
次いで、下地絶縁膜510上に膜厚100〜600nmの導電膜をスパッタ法で形成する。なお、導電膜は、Ta、W、Ti、Mo、Al、Cuから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料の単層、またはこれらの積層で形成してもよい。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜を用いてもよい。
【0076】
次いで、フォトマスクを用いてレジストマスクを形成し、ドライエッチング法またはウェットエッチング法を用いてエッチングを行う。このエッチング工程によって、導電膜をエッチングして、ゲート電極501を得る。
【0077】
次いで、プラズマCVD法やスパッタリング法を用いて、ゲート絶縁膜511、半導体膜を順次、成膜する。ゲート絶縁膜511としては、PCVD法により得られる酸化珪素、窒化珪素、または窒化酸化珪素を主成分とする材料を用いる。
【0078】
半導体膜は、シランやゲルマンに代表される半導体材料ガスを用いて気相成長法やスパッタリング法や熱CVD法で作製されるアモルファス半導体膜(SiやGeを含む半導体膜)、或いは有機材料を主成分とする半導体膜を用いる。有機材料を主成分とする半導体膜としては、他の元素と組み合わせて一定量の炭素または炭素の同素体(ダイヤモンドを除く)からなる物質を主成分とする半導体膜(室温(20℃)で少なくとも10−3cm/V・sの電荷キャリア移動度を示す材料、例えば、π電子共役系の芳香族化合物、鎖式化合物、有機顔料、有機珪素化合物など)を用いることができる。具体的には、ペンタセン、テトラセン、チオフェンオリゴマ誘導体、フェニレン誘導体、フタロシアニン化合物、ポリアセチレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、シアニン色素等が挙げられる。
【0079】
そしてチャネル保護膜514、515を形成するため、例えば、プラズマCVD法により無機絶縁膜を形成し、フォトリソグラフィ技術を用いて所望の領域に、所望の形状とする。また、チャネル保護膜514、515は、インクジェット法を用いて、感光性材料を含む材料液、例えば、感光性材料を含むポリイミド、又は感光性材料を含むポリビニルアルコール等を滴下し、選択的にレーザ光を照射し、未照射部分を除去してパターン形成してもよい。
【0080】
次いで、フォトリソグラフィ技術を用いて半導体膜を所望のパターン形状にする。ここでは半導体膜のパターン形状を島状とし、図4(A)中の点線が半導体膜の輪郭を示しており、点線で囲まれた内部が半導体膜に相当する。
【0081】
その後、プラズマCVD法等により、一導電型を有する半導体膜、例えばn型の半導体膜を形成する。
【0082】
次いで、フォトリソグラフィ技術を行いて、n型の半導体膜を所望のパターン形状とする。
【0083】
次いで、液滴吐出法を用いて、感光性材料を含み、且つ、導電性材料(Ag(銀)、Au(金)、Cu(銅)、W(タングステン)、Al(アルミニウム)等)を含む組成物を選択的に吐出して、導電膜パターン503を形成する。導電パターン503は半導体膜、n型の半導体膜、およびチャネル保護膜を覆って形成する。
【0084】
この段階での上面図を図4(A)に示す。なお、本実施の形態では、半導体膜のパターン形状を矩形形状としたが、特に限定されず、楕円形や、L字形状、不規則な形状であってもよい。
【0085】
次いで、レーザ光を選択的に照射して、導電膜パターンの一部を露光する。ここでは、レーザ光が矩形形状の半導体膜を横断するように走査を行う。このレーザ光の走査によって、半導体膜上に5箇所の横断箇所が形成される。吐出する導電膜材料液には、予め感光性材料を含まれているため、照射するレーザ光によって化学反応する。ここで感光性材料は、照射して化学反応させた部分を残すネガ型とした例を示している。レーザ光の照射によって、正確なパターン形状、特に細い幅の配線を得ることができる。
【0086】
次いで、エッチャント(または現像液)を用いて現像を行い、余分な部分を除去して、本焼成を行ってソース配線504またはドレイン配線505となる金属配線を形成する。
【0087】
また、導電膜材料液を滴下した後、室温乾燥または仮焼成を行ってからレーザ光の照射による露光を行ってもよい。
【0088】
なお、露光を行ったレーザ光の単位面積当たりのエネルギーを大きくすることで、本焼成を不要とすることもできる。本焼成の工程を削減することで作製工程を短縮することができる。
【0089】
また、現像液としては、有機溶媒やアルカリ水溶液(金属アルカリ水溶液、有機アルカリ水溶液など)などを用いることができる。また、該有機溶媒にその溶解力が失われない範囲で水を添加してもよい。
【0090】
この段階での上面図を図4(B)に示す。図4(B)に示すように、ソース配線504またはドレイン配線505と重ならないn型の半導体膜508、509、516が露呈される。このように、n型の半導体膜508、509、516が露呈されていると、n型の半導体膜としてリンを含むアモルファスシリコン膜を用い、後の工程で珪素を含む絶縁膜を積層形成する場合に、露呈した部分と接する珪素を含む絶縁膜との密着性を向上させることができる。
【0091】
なお、図4(B)に示すTFTは、半導体膜がゲート電極と2箇所で重なり、2つのチャネルを有するダブルゲート型TFTである。チャネルと重なる部分には、チャネル保護膜514、515が設けられている。また、2つのチャネルの間には、n型の半導体膜516や、該n型の半導体膜の上に配線パターン517が設けられている。また、ここでは、現像工程での汚染を防ぐために、n型の半導体膜及びチャネル保護膜が半導体膜パターン507を覆って保護している。
【0092】
従って、半導体膜パターン507の一端からもう一端までの長さは、ドレイン配線と重なる領域の長さと、該領域から半導体膜パターンの一端までの長さと、チャネル保護膜514と重なるチャネルの長さと、チャネルから配線パターン517までの長さと、配線パターンと重なる(合計3箇所の)長さと、3箇所の間(合計2箇所)の長さと、配線パターン517からもう一方のチャネルまでの長さと、チャネル保護膜515と重なるチャネルの長さと、ソース配線と重なる領域の長さと、該領域から半導体膜パターンのもう一端までの長さとの合計である。
【0093】
次いで、無機絶縁膜または有機絶縁膜からなる層間絶縁膜513を形成する。層間絶縁膜513としては、PCVD法により得られる酸化珪素、窒化珪素、または窒化酸化珪素を主成分とする材料を用いる。また、層間絶縁膜513の他の材料として、塗布法を用いて表面を平坦化させた有機樹脂(エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂材料)を用いてもよい。また、層間絶縁膜513の他の材料として、シロキサン系ポリマーを用いてアルキル基を含むSiOx膜としてもよい。
【0094】
そして、層間絶縁膜513にドレイン配線505に達するコンタクトホール520を形成し、コンタクトホールと重なる電極512を形成する。本実施の形態では、コンタクトホール520を形成する場所のドレイン配線505を蛇行(ジグザグ)させて、凹凸を形成することによって密着性の向上を図っている。また、ドレイン配線と同様に配線パターン517も蛇行させており、一筆書きの形状となっているため、露光のためのレーザ光の走査がしやすくなっている。配線パターンを一筆書きの形状に設計することで、レーザ光の走査をスムーズに行うことができる。
【0095】
電極512としては、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)などを用い、所望のパターンとすればよい。また、電極512としては、Ag(銀)、Au(金)、Cu(銅)、W(タングステン)、Al(アルミニウム)等の金属を用いてもよい。また、電極512は、ゲート絶縁膜511と接する構造となっている。電極512とドレイン配線505の密着性があまり高くなくとも、電極512とゲート絶縁膜511の密着性が高ければ問題ない状態とすることができる。
【0096】
電極512を画素電極として一画素の一部を示した上面図を図5(A)に示す。また、図5(A)中の線C−Dで切断した断面図を図5(B)に示す。
【0097】
また、電極512は、画素電極や発光素子の電極(陰極または陽極)に限らず、接続電極や、アンテナとして機能する導電パターンとしてもよい。
【0098】
以上示したように、本実施の形態では、液滴吐出法を用いた導電膜パターンに対してレーザ光で露光し、現像することによって微細なパターンを実現している。具体的には、ソース配線を細線化することが可能であるため、液晶表示装置の開口率を向上させることができる。
【0099】
また、得られたTFTなどをフレキシブルなプラスチックフィルムに転写する場合には、まず、基板500上に剥離層(分離層とも呼ぶ)を設け、TFTなどの被剥離層を形成した後に剥離層を除去または破壊し、基板500からTFTなどの素子を分離した後に接着層を設けてプラスチックフィルムに接着させればよい。
【0100】
また、本実施の形態は実施の形態1と自由に組み合わせることができる。
【0101】
以上の構成でなる本発明について、以下に示す実施例でもってさらに詳細な説明を行うこととする。
【実施例1】
【0102】
実施の形態1または実施の形態2に示すTFTをスイッチング素子として、アクティブマトリクス型の液晶表示装置を作製することができる。
【0103】
以下に、実施の形態2に示したTFTをスイッチング素子としたアクティブマトリクス型の液晶表示装置の作製方法を示す。図6にアクティブマトリクス型の液晶表示装置の一例を示す。なお、図6において、実施の形態2と共通な部分には同一の符号を用いる。
【0104】
ソース配線504およびドレイン配線505を形成した後に、絶縁膜513を形成する。そして、絶縁膜513にコンタクトホールを形成し、画素電極として機能する電極512を形成する。電極512としては透明導電膜を用いる。
【0105】
次いで、電極512を覆うように、配向膜530を形成する。なお、配向膜530は、液滴吐出法やスクリーン印刷法やオフセット印刷法を用いればよい。その後、配向膜530の表面にラビング処理を行う。
【0106】
そして、対向基板533には、透明電極からなる対向電極534と、その上に配向膜532を形成する。そして、閉パターンであるシール材(図示しない)を液滴吐出法により画素部と重なる領域を囲むように形成する。ここでは液晶を滴下するため、閉パターンのシール材を描画する例を示すが、開口部を有するシールパターンを設け、TFT基板を貼りあわせた後に毛細管現象を用いて液晶を注入するディップ式(汲み上げ式)を用いてもよい。
【0107】
次いで、気泡が入らないように減圧下で液晶の滴下を行い、両方の基板を貼り合わせる。一対の基板の間には液晶材料531が充填される。閉ループのシールパターン内に液晶を1回若しくは複数回滴下する。液晶の配向モードとしては、液晶分子の配列が光の入射から出射に向かって90°ツイスト配向したTNモードを用いる場合が多い。TNモードの液晶表示装置を作製する場合には、基板のラビング方向が直交するように貼り合わせる。
【0108】
なお、一対の基板間隔は、球状のスペーサを散布したり、樹脂からなる柱状のスペーサを形成したり、シール材にフィラーを含ませることによって維持すればよい。上記柱状のスペーサは、アクリル、ポリイミド、ポリイミドアミド、エポキシの少なくとも1つを主成分とする有機樹脂材料、もしくは酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素のいずれか一種の材料、或いはこれらの積層膜からなる無機材料であることを特徴としている。
【0109】
次いで、必要でない基板の分断を行う。多面取りの場合、それぞれのパネルを分断する。また、1面取りの場合、予めカットされている対向基板を貼り合わせることによって、分断工程を省略することもできる。
【0110】
そして、異方性導電体膜を介し、公知の技術を用いてFPCを貼りつける。以上の工程で図6に示す液晶モジュールが完成する。また、必要があればカラーフィルタなどの光学フィルムを貼り付ける。透過型の液晶表示装置とする場合、偏光板は、アクティブマトリクス基板と対向基板の両方に貼り付ける。
【0111】
液滴吐出法により導電膜パターンを形成し、選択的にレーザ光を照射することで、吐出直後の導電膜パターンよりも細いソース配線やドレイン配線を形成することができる。本発明により、工程数の削減、材料の節約が可能であり、それに伴うコスト削減が可能である。
【0112】
また、本実施例は、実施の形態1または実施の形態2と自由に組み合わせることができる。
【実施例2】
【0113】
実施の形態1または実施の形態2に示すTFTを用いて、アクティブマトリクス型の発光表示装置を作製することができる。
【0114】
以下に、実施の形態2に示したTFTを用いたアクティブマトリクス型の発光表示装置の作製方法を示す。ここではTFTをnチャネル型TFTとした例を示す。図7にアクティブマトリクス型の発光表示装置の一例を示す。なお、図7において、実施の形態2と共通な部分には同一の符号を用いる。
【0115】
ソース配線504およびドレイン配線505を形成した後に、絶縁膜513を形成する。そして、絶縁膜513にコンタクトホールを形成し、接続電極として機能する電極615を形成する。電極615としてはスパッタ法で得られる金属導電膜を用いる。
【0116】
次いで、平坦性を有する絶縁膜616を形成する。そして、そして、平坦性を有する絶縁膜616にコンタクトホールを形成し、第1の電極618を形成する。
【0117】
第1の電極618は陰極として機能させることが好ましい。発光を第1の電極で反射させるため、Ag(銀)、Au(金)、Cu(銅)、W(タングステン)、Al(アルミニウム)等の金属の粒子を主成分とした組成物からなる所定のパターンを形成して第1の電極618を形成する。
【0118】
次いで、第1の電極618の周縁部を覆う隔壁631を形成する。隔壁(土手ともいう)631は、珪素を含む材料、有機材料または化合物材料を用いて形成する。また、多孔質膜を用いても良い。但し、アクリル、ポリイミド等の感光性、非感光性の材料を用いて形成すると、その側面は曲率半径が連続的に変化する形状となり、上層の薄膜が段切れせずに形成されるため好ましい。
【0119】
次いで、電界発光層として機能する層、即ち、有機化合物を含む層630の形成を行う。有機化合物を含む層630は、積層構造であり、それぞれ蒸着法または塗布法を用いて形成する。例えば、陰極上に電子輸送層(電子注入層)、発光層、正孔輸送層、正孔注入層と順次積層する。
【0120】
なお、有機化合物を含む層630の形成前に、酸素雰囲気中でのプラズマ処理や真空雰囲気下での加熱処理を行うとよい。蒸着法を用いる場合、予め、抵抗加熱により有機化合物は気化されており、蒸着時にシャッターが開くことにより基板の方向へ飛散する。気化された有機化合物は、上方に飛散し、メタルマスクに設けられた開口部を通って基板に蒸着される。また、フルカラー化するためには、発光色(R、G、B)ごとにマスクのアライメントを行えばよい。
【0121】
また、塗り分けを行わず、有機化合物を含む層630として単色の発光を示す材料を用い、カラーフィルタや色変換層を組み合わせることによりフルカラー表示を行うことができる。
【0122】
次いで、第2の電極632を形成する。発光素子の陽極として機能する第2の電極632は光を透過する透明導電膜を用いて形成し、例えばITO、ITSOの他、酸化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合した透明導電膜を用いる。発光素子は、有機化合物を含む層630を第1の電極と第2の電極で挟んだ構成になっている。なお、第1の電極及び第2の電極は仕事関数を考慮して材料を選択する必要があり、そして第1の電極及び第2の電極は、画素構成によりいずれも陽極、又は陰極となりうる。
【0123】
また、第2の電極632を保護する保護層を形成してもよい。
【0124】
次いで、封止基板634をシール材(図示しない)で貼り合わせて発光素子を封止する。なお、シール材で囲まれた領域には透明な充填材633を充填する。充填材633としては、透光性を有している材料であれば特に限定されず、代表的には紫外線硬化または熱硬化のエポキシ樹脂を用いればよい。
【0125】
最後にFPCを異方性導電膜により公知の方法で端子電極と貼りつける。
【0126】
以上の工程により、図7に示すようなアクティブマトリクス型発光装置が作製できる。液滴吐出法により導電膜パターンを形成し、選択的にレーザ光を照射することで、吐出直後の導電膜パターンよりも細いソース配線やドレイン配線を形成することができる。本発明により、工程数の削減、材料の節約が可能であり、それに伴うコスト削減が可能である。
【0127】
また、本実施例は、実施の形態1または実施の形態2と自由に組み合わせることができる。
【実施例3】
【0128】
実施の形態1または実施の形態2に示すTFTを用いて、無線チップ(無線プロセッサ、無線メモリ、無線タグともよぶ)を形成することもできる。
【0129】
本発明より形成することが可能な無線チップの構造について図8を用いて説明する。無線チップは、薄膜集積回路803及びそれに接続されるアンテナ804とで形成される。また、薄膜集積回路及びアンテナは、カバー材801、802により挟持される。薄膜集積回路803は、接着剤を用いてカバー材に接着してもよい。図8においては、薄膜集積回路803の一方が、接着剤805を介してカバー材801に接着されている。
【0130】
薄膜集積回路803は、実施の形態1又は実施の形態2で示されるTFTを用いて形成した後、公知の剥離工程により剥離してカバー材に設ける。また、薄膜集積回路803に用いられる半導体素子はこれに限定されない。例えば、TFTの他に、記憶素子、ダイオード、光電変換素子、抵抗素子、コイル、容量素子、インダクタなどを用いることができる。
【0131】
図8で示すように、薄膜集積回路803のTFT上には層間絶縁膜811が形成され、層間絶縁膜811を介してTFTに接続するアンテナ804が形成される。また、層間絶縁膜811及びアンテナ804上には、窒化珪素膜等からなるバリア膜812が形成されている。
【0132】
アンテナ804は、金、銀、銅等の導電体を含み、且つ、感光性材料を含む液滴を液滴吐出法により吐出して導電膜パターンを形成し、レーザ光を走査して選択的に照射してパターン形成する。レーザ光を照射しなかった導電膜パターンの部分は除去する。液滴吐出法によりアンテナを形成することで、工程数の削減、材料の節約が可能であり、それに伴うコスト削減が可能である。
【0133】
カバー材801、802は、フィルム(ポリプロピレン、ポリエステル、ビニル、ポリフッ化ビニル、塩化ビニルなどからなる)、繊維質な材料からなる紙、基材フィルム(ポリエステル、ポリアミド、無機蒸着フィルム、紙類等)と、接着性合成樹脂フィルム(アクリル系合成樹脂、エポキシ系合成樹脂等)との積層フィルムなどを用いることが好ましい。フィルムは、熱圧着により、被処理体と接着処理が行われるものであり、熱圧着処理を行う際には、フィルムの最表面に設けられた接着層か、又は最外層に設けられた層(接着層ではない)を加熱処理によって溶かし、加圧により接着する。
【0134】
また、カバー材に紙、繊維、カーボングラファイト等の焼却無公害素材を用いることにより、使用済み無線チップの焼却、又は裁断することが可能である。また、これらの材料を用いた無線チップは、焼却しても有毒ガスを発生しないため、無公害である。
【0135】
なお、図8では、接着剤805を介してカバー材801に無線チップを設けているが、該カバー材801の代わりに、物品に無線チップを貼付けて、使用しても良い。
【0136】
無線チップの用途は広範にわたる。図9にその一例を示すが、例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類(運転免許証や住民票等、図9(A)参照)、包装用容器類(包装紙やボトル等、図9(C)参照)、記録媒体(DVDソフトやビデオテープ等、図9(B)参照)、乗物類(自転車等、図9(D)参照)、身の回り品(鞄や眼鏡等)、食品類、植物類、動物類、人体、衣類、生活用品類、電子機器等の商品や荷物の荷札(図9(E)、図9(F)参照)等の物品に設けて使用することができる。電子機器とは、液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置(単にテレビ、テレビ受像機、テレビジョン受像機とも呼ぶ)及び携帯電話等を指す。
【0137】
無線チップ810は、物品の表面に貼ったり、物品に埋め込んだりして、物品に固定される。例えば、本なら紙に埋め込んだり、有機樹脂からなるパッケージなら当該有機樹脂に埋め込んだりするとよい。紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類等に無線チップを設けることにより、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等に無線チップを設けることにより、検品システムやレンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。本発明より形成することが可能な無線チップは、基板上に形成した薄膜集積回路を、公知の剥離工程により剥離した後、カバー材に設けるため、小型、薄型、軽量であり、物品に実装しても、デザイン性を損なうことがない。更には、可とう性を有するため、瓶やパイプなど曲面を有するものにも用いることが可能である。
【0138】
また、本発明より形成することが可能な無線チップを、物の管理や流通のシステムに応用することで、システムの高機能化を図ることができる。例えば、荷札に設けられる無線チップに記録された情報を、ベルトコンベアの脇に設けられたリーダライタで読み取ることで、流通過程及び配達先等の情報が読み出され、商品の検品や荷物の分配を簡単に行うことができる。
【0139】
また、本実施例は実施の形態1、または実施の形態2と自由に組み合わせることができる。
【実施例4】
【0140】
本発明の半導体装置、及び電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラなどのカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型等のパーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機又は電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。それら電子機器の具体例を図10および図11に示す。
【0141】
図10(A)はデジタルカメラであり、本体2101、表示部2102、撮像部、操作キー2104、シャッター2106等を含む。なお、図10(A)は表示部2102側からの図であり、撮像部は示していない。本発明により、製造コストを低減したプロセスでデジタルカメラが実現できる。
【0142】
図10(B)はノート型パーソナルコンピュータであり、本体2201、筐体2202、表示部2203、キーボード2204、外部接続ポート2205、ポインティングマウス2206等を含む。本発明により、製造コストを低減したプロセスでノート型パーソナルコンピュータを実現することができる。
【0143】
図10(C)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体2401、筐体2402、表示部A2403、表示部B2404、記録媒体(DVD等)読込部2405、操作キー2406、スピーカー部2407等を含む。表示部A2403は主として画像情報を表示し、表示部B2404は主として文字情報を表示する。なお、記録媒体を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器なども含まれる。本発明により、製造コストを低減したプロセスで画像再生装置を実現することができる。
【0144】
また、図10(D)は表示装置であり、筐体1901、支持台1902、表示部1903、スピーカー部1904、ビデオ入力端子1905などを含む。この表示装置は、他の実施例で示した作製方法により形成した薄膜トランジスタをその表示部1903および駆動回路に用いることにより作製される。なお、表示装置には液晶表示装置、発光装置などがあり、具体的にはコンピュータ用、テレビ受信用、広告表示用などの全ての情報表示用表示装置が含まれる。本発明により、製造コストを低減したプロセスで表示装置、特に22インチ〜50インチの大画面を有する大型の表示装置を実現することができる。
【0145】
図11で示す携帯電話機は、操作スイッチ類904、マイクロフォン905などが備えられた本体(A)901と、表示パネル(A)908、表示パネル(B)909、スピーカー906などが備えられた本体(B)902とが、蝶番910で開閉可能に連結されている。表示パネル(A)908と表示パネル(B)909は、回路基板907と共に本体(B)902の筐体903の中に収納される。表示パネル(A)908及び表示パネル(B)909の画素部は筐体903に形成された開口窓から視認できように配置される。
【0146】
表示パネル(A)908と表示パネル(B)909は、その携帯電話機900の機能に応じて画素数などの仕様を適宜設定することができる。例えば、表示パネル(A)908を主画面とし、表示パネル(B)909を副画面として組み合わせることができる。
【0147】
表示パネル(A)908は、他の実施例で示したTFTを画素のトランジスタとして具備している。本発明により、製造コストを低減したプロセスで携帯情報端末を実現することができる。
【0148】
本実施例に係る携帯電話機は、その機能や用途に応じてさまざまな態様に変容し得る。例えば、蝶番910の部位に撮像素子を組み込んで、カメラ付きの携帯電話機としても良い。また、操作スイッチ類904、表示パネル(A)908、表示パネル(B)909を一つの筐体内に納め、筐体内に全て設置させた構成としても、上記した作用効果を奏することができる。また、表示部を複数個そなえた情報表示端末に本実施例の構成を適用しても、同様な効果を得ることができる。
【0149】
以上の様に、本発明を実施する、即ち実施の形態1、実施の形態2、実施例1乃至3のいずれか一の作製方法または構成を用いて、様々な電子機器を完成させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0150】
本発明は、導体パターンを形成する表示装置の製造プロセスにおいて、露光工程や現像工程が短縮でき、材料の使用量の削減も図れるため、大幅なコストダウンを基板サイズに関わらず実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0151】
【図1】本発明を示す上面図。(実施の形態1)
【図2】本発明を示す上面図および断面図。(実施の形態1)
【図3】レーザビーム描画装置を示す図。(実施の形態1)
【図4】本発明を示す上面図。(実施の形態2)
【図5】本発明を示す上面図および断面図。(実施の形態2)
【図6】液晶表示装置の断面図の一例。(実施例1)
【図7】発光装置の断面図の一例。(実施例2)
【図8】本発明の構造を示す断面図の一例。(実施例3)
【図9】半導体装置の例を説明する外観図。(実施例3)
【図10】電子機器の一例を示す図。(実施例4)
【図11】電子機器の一例を示す図。(実施例4)
【符号の説明】
【0152】
100:絶縁表面を有する基板
101:ゲート電極
102:半導体膜のパターン形状の輪郭
103:導電膜パターン
104:ソース配線
105:ドレイン配線
106:n型の半導体膜
107:チャネル形成領域
108:ソース領域
109:ドレイン領域
110:下地絶縁膜
111:ゲート絶縁膜
112:電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁表面を有する基板上に形成されたゲート電極と、
前記ゲート電極を覆うゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成されたチャネルを含む第1の島状の半導体層と、
前記第1の島状の半導体層上にn型またはp型の導電型を付与する不純物元素を含む第2の島状の半導体層と、
前記第2の島状の半導体層上に接するドレイン配線およびソース配線と、を有し、
前記ソース配線は、第1の島状の半導体層を横断して重なっており、
前記ソース配線と前記ドレイン配線との間の領域と重なる部分に、前記第1の島状の半導体層は前記チャネルを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
絶縁表面を有する基板上形成されたにゲート電極と、
前記ゲート電極を覆うゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成されたチャネルを含む第1の島状の半導体層と、
前記第1の島状の半導体層上にn型またはp型の導電型を付与する不純物元素を含む第2の島状の半導体層と、
前記第2の島状の半導体層上に接するドレイン配線およびソース配線と、を有し、
前記第1の島状の半導体層の一端からもう一端までの長さは、チャネル長と、前記ドレイン配線と重なる領域の長さと、該領域から前記第1の半導体層の一端までの長さと、前記ソース配線と重なる領域の長さと、該領域から前記第1の半導体層のもう一端までの長さとの合計であることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記第2の半導体層を介して前記ソース配線と前記第1の半導体層との重なる領域の長さは、前記ソース配線の線幅と同じであることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一において、前記ドレイン配線と前記第1の半導体層との重なる領域の長さは、前記ドレイン配線の線幅と同じであることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一において、前記ソース配線または前記ドレイン配線は、感光性樹脂を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一において、前記第1の半導体層及び前記ドレイン配線及び前記ソース配線を覆う絶縁膜を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一において、前記ドレイン配線は、蛇行している部分を有し、該部分で上方の電極との接続が行われることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一において、前記ソース配線の線幅は、0.5μm以上10μm以下であることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一に記載の半導体装置を有することを特徴とする電子機器。
【請求項10】
請求項9に記載の電子機器は、表示装置、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、または携帯情報端末である。
【請求項11】
絶縁表面を有する基板上にゲート電極を形成し、
前記ゲート電極を覆うゲート絶縁膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜上に第1の半導体層と、該第1の半導体層上にn型またはp型の導電型を付与する不純物元素を含む第2の半導体層を形成し、
液滴吐出法または印刷法で前記第2の島状の半導体層上に接する第1パターンを形成し、
レーザ光で第1パターンより幅の小さい領域を照射し、第1パターンのうち、照射領域以外の部分を除去してドレイン配線およびソース配線を形成し、
前記ドレイン配線およびソース配線をマスクとしてエッチングすることにより、前記第1の半導体層の一部を薄くして前記第1の半導体層からなるチャネルを形成し、かつ、該チャネルを挟むように前記第2の半導体層を2つに離間することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項12】
請求項11において、前記レーザ光は、前記第1の半導体層を横断して照射することを特徴とする半導体装置の作製方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2006−245557(P2006−245557A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−25676(P2006−25676)
【出願日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】