説明

半導体装置の製造方法

【課題】不揮発性メモリを備える半導体装置において、不揮発性メモリを構成するメモリセルの加工精度を向上することができる技術を提供する。
【解決手段】ポリシリコン膜PF1とダミーゲート電極DMY1を覆うようにポリシリコン膜PF2を形成する。このとき、ポリシリコン膜PF2は、段差DIFおよびギャップ溝GAPの形状を反映して形成される。特に、ギャップ溝GAPを覆うポリシリコン膜PF2には凹部CONが形成される。続いて、ポリシリコン膜PF2上に反射防止膜BARCを形成する。このとき、流動性の高い反射防止膜BARCは、段差DIFの高い領域から低い領域に流出するが、凹部CONに充分な反射防止膜BARCが蓄積されているので、流出する反射防止膜BARCを補充するように凹部CONから反射防止膜BARCが供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造技術に関し、特に、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリの製造に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2007−234861号公報(特許文献1)には、例えば、特許文献1の図20〜図24に図示されている半導体装置の製造工程が記載されている。具体的には、半導体基板20上にゲート絶縁膜34を形成し、このゲート絶縁膜34上にポリシリコン膜37とキャップ絶縁膜38を形成している(特許文献1の図20)。次に、メモリセル形成領域のキャップ絶縁膜38、ポリシリコン膜37およびゲート絶縁膜34を除去する(特許文献1の図21)。そして、半導体基板20の主面の全面に、ゲート絶縁膜26、電荷蓄積膜27、絶縁膜28、ポリシリコン膜29およびキャップ絶縁膜32を順次形成する(特許文献1の図22)。続いて、メモリセル形成領域にメモリセルのゲート電極44を形成し(特許文献1の図23)、その後、低耐圧MISFET形成領域と高耐圧MISFET形成領域に、それぞれ、ゲート電極39、40を形成するとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−234861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者が検討した結果、上述した特許文献1に記載されている技術では、以下に示す問題点が存在することが明らかになった。すなわち、メモリセル形成領域にメモリセルのゲート電極44を形成する際、フォトリソグラフィ技術が使用される。具体的に、メモリセル形成領域に形成されているキャップ絶縁膜32と、低耐圧MISFET形成領域および高耐圧MISFET形成領域(以下では、周辺領域と呼ぶ)に形成されているキャップ絶縁膜32との間には段差がある。そして、フォトリソグラフィ技術では、この段差のあるキャップ絶縁膜32上に反射防止膜を塗布し、この反射防止膜上にレジスト膜を形成する。そして、形成したレジスト膜に対して露光・現像処理を施すことによりパターニングする。このパターニングは、メモリセル形成領域のうちメモリセルのゲート電極44を形成する領域にレジスト膜が残存するように実施される。特許文献1の図23では、メモリセル形成領域に1つのゲート電極44が形成されているが、実際には、メモリセル形成領域には複数のゲート電極44が形成される。
【0005】
ここで、レジスト膜に対してマスクを介して露光処理を施す際、レジスト膜の下層に存在する膜からの乱反射により、マスクで覆われる領域にもレジスト膜に露光光が照射される結果、設計値通りのパターニングができなくなるおそれがある。そこで、レジスト膜の下層に反射防止膜を形成することにより、レジスト膜の下層に形成されている膜からの乱反射を抑制することが行なわれている。しかし、上述したようにメモリセル形成領域と周辺領域が存在する場合、メモリセル形成領域と周辺領域に形成されている被加工膜(例えば、キャップ絶縁膜32)に段差が生じるため、このキャップ絶縁膜32上に形成される反射防止膜も段差を反映して形成される。このとき、反射防止膜は、通常、塗布法で形成され流動性が高いため、段差近傍において、段差の高い領域に形成されている反射防止膜が段差の低い領域に流れてしまい、段差の高い領域に塗布されている反射防止膜が消失することが生じることを本発明者は新たに見出した。この場合、段差の高い領域では反射防止膜が充分に形成されていないことになるので、この領域に入射した露光光が乱反射を起こして、意図しない感光が生じるおそれが高くなる。具体的に、段差はメモリセル形成領域と周辺領域の境界領域に形成されており、この段差近傍での乱反射は、メモリセル形成領域の最外周領域に形成されているゲート電極44が最も影響を受ける。つまり、メモリセル形成領域の最外周に形成されているゲート電極44では、パターニングされたレジスト膜に意図しない露光が生じてしまう。この結果、レジスト膜のパターンがゲート電極44の設計寸法よりも小さくなり、メモリセル形成領域の最外周に形成されるゲート電極44のゲート長が設計値よりも小さくなる現象が生じる。したがって、メモリセルの加工精度が劣化してしまう問題点が生じるのである。
【0006】
本発明の目的は、不揮発性メモリを備える半導体装置において、不揮発性メモリを構成するメモリセル(具体的にはメモリセルのメモリゲート電極)の加工精度を向上することができる技術を提供することにある。
【0007】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0009】
代表的な実施の形態による半導体装置の製造方法は、半導体基板上に第1領域と、前記第1領域内に複数のメモリセルが形成されるメモリセル形成領域とを有する半導体装置の製造方法に関するものである。このとき、半導体装置の製造方法は、(a)前記半導体基板上に第1絶縁膜を形成する工程と、(b)前記第1絶縁膜上に第1導電膜を形成する工程と、(c)前記第1導電膜をパターニングすることにより、前記第1領域内であって前記メモリセル形成領域を挟み、かつ、第1方向に延在する一対の第1ダミーゲート対と、前記第1領域内であって前記メモリセル形成領域を挟み、かつ、前記第1方向と交差する第2方向に延在する一対の第2ダミーゲート対とを形成し、さらに、前記第1領域外に形成されている前記第1導電膜を残す工程とを備える。そして、(d)前記(c)工程後、前記半導体基板内に第1導電型の第1ウェルを形成する工程と、(e)前記(d)工程後、前記第1ダミーゲート対および前記第2ダミーゲート対を覆う前記半導体基板上に第2絶縁膜を形成する工程とを備える。さらに、(f)前記第2絶縁膜上に第2導電膜を形成する工程と、(g)前記第2導電膜上に反射防止膜を形成する工程と、(h)前記反射防止膜上に第1レジスト膜を形成する工程と、(i)前記第1レジスト膜をパターニングする工程とを備える。続いて、(j)パターニングされた前記第1レジスト膜をマスクとして前記第2導電膜を加工することにより、前記複数のメモリセルのそれぞれにおけるメモリゲート電極を形成する工程とを備えるものである。
【0010】
また、代表的な実施の形態による半導体装置の製造方法は、半導体基板上に第1領域と、前記第1領域内に複数のメモリセルが形成されるメモリセル形成領域と、前記第1領域外に複数のMISFETが形成される周辺領域とを有する半導体装置の製造方法に関するものである。このとき、半導体装置の製造方法は、(a)前記周辺領域の前記半導体基板内に第1導電型である第1ウェルと、前記第1導電型と反対の第2導電型である第2ウェルを形成する工程と、(b)前記第1領域および前記周辺領域の前記半導体基板上に第1絶縁膜を形成し、前記周辺領域では前記第1絶縁膜からなる第1ゲート絶縁膜を形成する工程とを備える。そして、(c)前記第1絶縁膜上に第1導電膜を形成する工程と、(d)前記第1導電膜をパターニングすることにより、前記第1領域内であって前記メモリセル形成領域を挟み、かつ、第1方向に延在する一対の第1ダミーゲート対と、前記第1領域内であって前記メモリセル形成領域を挟み、かつ、前記第1方向と交差する第2方向に延在する一対の第2ダミーゲート対とを形成し、さらに、前記第1領域外の前記周辺領域に形成されている前記第1導電膜を残す工程とを備える。さらに、(e)前記(d)工程後、前記半導体基板内に第1導電型の第3ウェルを形成する工程と、(f)前記(e)工程後、前記第1ダミーゲート対および前記第2ダミーゲート対を覆う前記半導体基板上に第2絶縁膜を形成する工程と、(g)前記第2絶縁膜上に第2導電膜を形成する工程とを備える。次に、(h)前記第2導電膜上に反射防止膜を形成する工程と、(i)前記反射防止膜上に第1レジスト膜を形成する工程と、(j)前記第1レジスト膜をパターニングする工程とを備える。続いて、(k)パターニングされた前記第1レジスト膜をマスクとして前記第2導電膜を加工することにより、前記複数のメモリセルのそれぞれにおけるメモリゲート電極を形成する工程と、(l)前記(k)工程後、前記周辺領域に形成されている前記第1導電膜を加工することにより、前記複数のMISFETのそれぞれにおけるゲート電極を形成する工程とを備えるものである。
【発明の効果】
【0011】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0012】
不揮発性メモリを備える半導体装置において、不揮発性メモリを構成するメモリセル(具体的にはメモリセルのメモリゲート電極)の加工精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1におけるICカードの外観構成を示す図である。
【図2】実施の形態1における半導体チップのレイアウト構成を示す図である
【図3】フラッシュメモリを構成するメモリセルアレイを模式的に示す図である。
【図4】実施の形態1における半導体装置の構成を示す断面図である。
【図5】フラッシュメモリの動作条件を示す図である。
【図6】本発明者が検討した技術において、半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図7】図6に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図8】図7に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図9】図8の代わりに反射防止膜を形成した半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図10】図9に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図11】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図12】図11に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図13】図12に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図14】図13に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図15】図14に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図16】図15に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図17】図16に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図18】図17に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図19】図18に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図20】図19に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図21】図20に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図22】図21に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図23】図22に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図24】図23に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図25】実施の形態2におけるメモリセルアレイを模式的に示す図である。
【図26】実施の形態2における半導体装置の構成を示す断面図である。
【図27】実施の形態2における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図28】図27に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図29】図28に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図30】実施の形態3におけるメモリセルアレイを模式的に示す図である。
【図31】実施の形態3における半導体装置の構成を示す断面図である。
【図32】実施の形態3における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図33】図32に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図34】図33に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図35】実施の形態4におけるメモリセルアレイのレイアウト構成の一例を示す図である。
【図36】実施の形態4におけるメモリセルアレイのレイアウト構成の一例を示す図である。
【図37】実施の形態4におけるメモリセルアレイのレイアウト構成の一例を示す図である。
【図38】実施の形態4におけるメモリセルアレイのレイアウト構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0015】
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0016】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0017】
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0018】
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1におけるICカードの外観構成を示す図である。図1に示すように、本実施の形態1におけるICカード1Cは、矩形形状をしており、このICカード1Cの表面に端子TEが形成されている。ICカード1Cの内部には半導体チップが埋め込まれており、埋め込まれている半導体チップと端子TEとは電気的に接続されている。ICカード1Cは、端子TEを介して、ICカード1Cの外部にあるリーダ/ライタから電源供給を受けるとともに、リーダ/ライタとデータ通信を行なうように構成されている。ICカード1Cに形成されている端子TEには、供給電圧端子、グランド端子、リセット端子、入出力端子およびクロック端子が含まれている。
【0020】
本実施の形態1では、端子TEを介してリーダ/ライタとデータ通信を行なう接触型ICカードを例に挙げているが、ICカード利用者の利便性を考慮した非接触型のICカードにも適用できる。非接触型のICカードとは、端子TEが形成されておらず、電磁誘導現象を利用して電源供給やリーダ/ライタとのデータ通信を行なうように構成されているICカードである。
【0021】
続いて、ICカード1Cの内部に埋め込まれている半導体チップのレイアウト構成について説明する。図2は、本実施の形態1における半導体チップCHPのレイアウト構成を示す図である。図2において、半導体チップCHPは、CPU(Central Processing Unit)1、RAM(Random Access Memory)2、アナログ回路3、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)4、フラッシュメモリ5およびI/O(Input/Output)回路6を有している。
【0022】
CPU(回路)1は、中央演算処理装置とも呼ばれ、コンピュータなどの心臓部にあたる。このCPU1は、記憶装置から命令を読み出して解読し、それに基づいて多種多様な演算や制御を行なうものである。
【0023】
RAM(回路)2は、記憶情報をランダムに、すなわち随時記憶されている記憶情報を読み出したり、記憶情報を新たに書き込んだりすることができるメモリであり、随時書き込み読み出しができるメモリとも呼ばれる。ICメモリとしてのRAMには、ダイナミック回路を用いたDRAM(Dynamic RAM)とスタティック回路を用いたSRAM(Static RAM)の2種類がある。DRAMは、記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリであり、SRAMは、記憶保持動作が不要な随時書き込み読み出しメモリである。
【0024】
アナログ回路3は、時間的に連続して変化する電圧や電流の信号、すなわちアナログ信号を扱う回路であり、例えば増幅回路、変換回路、変調回路、発振回路、電源回路などから構成されている。
【0025】
EEPROM4およびフラッシュメモリ5は、書き込み動作および消去動作とも電気的に書き換え可能な不揮発性メモリの一種であり、電気的消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリとも呼ばれる。このEEPROM4およびフラッシュメモリ5のメモリセルは、記憶(メモリ)用の例えばMONOS(Metal Oxide Nitride Oxide Semiconductor)型トランジスタやMNOS(Metal Nitride Oxide Semiconductor)型トランジスタから構成される。EEPROM4およびフラッシュメモリ5の書き込み動作および消去動作には、例えばファウラーノルドハイム型トンネル現象を利用する。なお、ホットエレクトロンやホットホールを用いて書き込み動作や消去動作させることも可能である。EEPROM4とフラッシュメモリ5の相違点は、EEPROM4が、例えば、バイト単位で消去のできる不揮発性メモリであるのに対し、フラッシュメモリ5が、例えば、ワード線単位で消去できる不揮発性メモリである点である。一般に、フラッシュメモリ5には、CPU1で種々の処理を実行するためのプログラムなどが記憶されている。これに対し、EEPROM4には、書き換え頻度の高い各種データが記憶されている。例えば、携帯電話機のICカード用半導体チップを例にとれば、EEPROM4には、電話番号、課金情報、通話メモなどのデータが記憶される。
【0026】
I/O回路6は、入出力回路であり、半導体チップCHP内から半導体チップCHPの外部に接続された機器へのデータの出力や、半導体チップCHPの外部に接続された機器から半導体チップ内へのデータの入力を行なうための回路である。
【0027】
次に、例えば、半導体チップCHPに形成されるフラッシュメモリ5の構成について説明する。図3は、フラッシュメモリ5を構成するメモリセルアレイを模式的に示す図である。図3には、メモリセル形成領域MCRと、このメモリセル形成領域MCRの外側に形成されている境界領域BORが図示されている。メモリセル形成領域MCRと境界領域BORを合わせた領域を第1領域FRと定義している。そして、図3には図示されていないが、第1領域FRの外側に周辺回路が形成されている周辺回路形成領域が存在する。
【0028】
まず、図3において、メモリセル形成領域MCRには、複数のメモリセルが形成されている。具体的には、Y軸方向に沿って複数のメモリゲート電極MG(ワード線)が延在している。そして、Y軸方向と直交するX軸方向に複数のソース領域/ドレイン領域S/Dが延在している。このメモリゲート電極MGと、ソース領域/ドレイン領域S/Dが交差する領域にメモリセルが形成されている。したがって、図3では、複数のメモリセルがアレイ状(行列状)に配置されていることになる。複数のメモリセルがアレイ状に配置されている領域がフラッシュメモリ5の記憶部にあたる。個々のメモリセルは、1ビットの単位情報を記憶するための回路であり、記憶部であるMONOS型トランジスタから構成されている。複数のメモリセルが形成されている領域の外側には、給電領域PSが形成されている。この給電領域PSから、各メモリセルに共通のウェル(図示せず)に電位が供給されるようになっている。
【0029】
次に、メモリセル形成領域MCRの外側には境界領域BORが形成されている。本実施の形態1では、この境界領域BORにダミーゲート電極(ダミーゲート)DMY1およびダミーゲート電極DMY2が形成されている。ダミーゲート電極DMY1およびダミーゲート電極DMY2は、ゲート電極として機能しないダミーパターンを示している。図3では、ダミーゲート電極DMY1はメモリセル形成領域MCRを挟むように2対形成されている。すなわち、ダミーゲート電極DMY1は、メモリセル形成領域MCRを左右から挟むように2対で形成されている。同様に、ダミーゲート電極DMY2は、メモリセル形成領域MCRを上下から挟むように2対で形成されている。ここで、2対のダミーゲート電極DMY1としているが、例えば、内側のダミーゲート電極DMY1と外側のダミーゲート電極DMY1を中央部に開口部を有する1つのダミーゲート電極とみなすこともできる。この場合、メモリセル形成領域MCRは、中央部に開口部を有する1対のダミーゲート電極で左右から挟まれている構造をしているということもできる。同様に、例えば、内側のダミーゲート電極DMY2と外側のダミーゲート電極DMY2を中央部に開口部を有する1つのダミーゲート電極とみなすこともできる。この場合も、メモリセル形成領域MCRは、中央部に開口部を有する1対のダミーゲート電極で上下から挟まれている構造をしているということもできる。ダミーゲート電極DMY1とダミーゲート電極DMY2とは互いに接続されており、互いに接続されたダミーゲート電極DMY1とダミーゲート電極DMY2により、メモリセル形成領域MCRの周囲が囲まれている。
【0030】
図3では、図示されていないが、第1領域の外側の周辺回路形成領域には、メモリセルを駆動する駆動回路や、CPU1、RAM2およびアナログ回路3を構成する周辺回路が形成されている。具体的に、周辺回路は、例えば、nチャネル型MISFETやpチャネル型MISFETから構成されている。
【0031】
続いて、図4に示すように、第1領域FR内のメモリセル形成領域MCRに形成されているMONOS型トランジスタQ、第1領域FR内の境界領域BORに形成されているダミーゲート電極DMY1、および、周辺回路形成領域PERに形成されているnチャネル型MISFETQ、pチャネル型MISFETQの構成について説明する。
【0032】
まず、図4において、メモリセルを構成するMONOS型トランジスタQの構成について説明する。半導体基板1S上には素子を分離する素子分離領域STIが形成されており、この素子分離領域STIで分離された活性領域にMONOS型トランジスタQが形成されている。メモリセル形成領域MCRの半導体基板1S内には、ウェル分離層NISOが形成されており、このウェル分離層NISO上にp型ウェルPWL2が形成されている。半導体基板1Sおよびp型ウェルPWL2には、ボロン(ホウ素)などのp型不純物が導入されている。一方、ウェル分離層NISOには、リンや砒素などのn型不純物が導入されている。半導体基板1Sに形成されたp型ウェルPWL2上にMONOS型トランジスタQが形成されている。
【0033】
具体的に、半導体基板1S内に形成されたp型ウェルPWL2上に第1電位障壁膜EB1が形成されており、この第1電位障壁膜EB1上に電荷蓄積膜ECが形成されている。そして、この電荷蓄積膜EC上に第2電位障壁膜EB2が形成され、この第2電位障壁膜EB2上に導電膜からなるメモリゲート電極MGが形成されている。メモリゲート電極MGは、低抵抗化を図るため、例えば、ポリシリコン膜PF2とコバルトシリサイド膜CSの積層膜から構成されている。なお、本実施の形態1では、シリサイド膜としてコバルトシリサイド膜CSを例示しているが、これに限られず、ニッケルシリサイド、または、プラチナシリサイド等の他の膜を使用することもできる。以降の説明におけるコバルトシリサイド膜CSについても同様である。メモリゲート電極MGの両側の側壁には、LDD(Lightly Doped Drain)構造を形成するため、例えば、絶縁膜からなるサイドウォールSW2が形成されている。
【0034】
サイドウォールSW2直下の半導体基板1S内には、半導体領域として、浅いn型不純物拡散領域EX1が形成されており、この浅いn型不純物拡散領域EX1の外側に、深いn型不純物拡散領域NR1が形成されている。そして、深いn型不純物拡散領域NR1の表面には、低抵抗化のためのコバルトシリサイド膜CSが形成されている。
【0035】
上記のように構成されたMONOS型トランジスタQにおいて、第1電位障壁膜EB1は、例えば、酸化シリコン膜から形成されている。この第1電位障壁膜EB1は、電荷蓄積膜ECに蓄積された電荷が半導体基板1Sへリークすることを抑制する電位障壁膜として機能するとともに、トンネル絶縁膜としても機能する。すなわち、MONOS型トランジスタQは、半導体基板1Sから第1電位障壁膜EB1を介して電荷蓄積膜ECに電子を注入したり、電荷蓄積膜ECに蓄積した電子を半導体基板1Sに放出したりすることにより、データの記憶や消去を行なうので、第1電位障壁膜EB1は、トンネル絶縁膜としても機能するのである。なお、この電位障壁膜EB1は、酸化シリコン膜に限らず、窒素を導入した酸化シリコン膜で形成することもできる。
【0036】
そして、この電位障壁膜EB1上に形成されている電荷蓄積膜ECは、電荷を蓄積する機能を有している。具体的に、本実施の形態1では、電荷蓄積膜ECを窒化シリコン膜から形成している。本実施の形態1におけるメモリセルの記憶部は、電荷蓄積膜ECに蓄積される電荷の有無によって、メモリゲート電極MG下の半導体基板1S内を流れる電流を制御することにより、情報を記憶するようになっている。つまり、電荷蓄積膜ECに蓄積される電荷の有無によって、メモリゲート電極MG下の半導体基板1S内を流れる電流のしきい値電圧が変化することを利用して情報を記憶している。
【0037】
本実施の形態1では、電荷蓄積膜ECとしてトラップ準位を有する絶縁膜を使用している。このトラップ準位を有する絶縁膜の一例として窒化シリコン膜が挙げられるが、窒化シリコン膜に限らず、例えば、酸化アルミニウム膜(アルミナ)、酸化ハフニウム膜または酸化タンタル膜など、窒化シリコン膜よりも高い誘電率を有する高誘電率膜を使用してもよい。電荷蓄積膜ECとしてトラップ準位を有する絶縁膜を使用する場合、電荷は絶縁膜に形成されているトラップ準位に捕獲される。このようにトラップ準位に電荷を捕獲することにより、絶縁膜中に電荷を蓄積するようになっている。
【0038】
従来、電荷蓄積膜ECとしてポリシリコン膜が主に使用されてきたが、電荷蓄積膜ECとしてポリシリコン膜を使用した場合、電荷蓄積膜ECを取り囲む絶縁膜のどこか一部に欠陥があると、電荷蓄積膜ECが導電膜であるため、異常リークにより電荷蓄積膜ECに蓄積された電荷がすべて抜けてしまうことが起こりうる。
【0039】
そこで、本実施の形態1では、電荷蓄積膜ECとして、絶縁膜である窒化シリコン膜が使用されている。この場合、データ記憶に寄与する電荷は、窒化シリコン膜中に存在する離散的なトラップ準位(捕獲準位)に蓄積される。したがって、電荷蓄積膜ECを取り囲む絶縁膜中の一部に欠陥が生じても、電荷は電荷蓄積膜ECの離散的なトラップ準位に蓄積されているため、すべての電荷が電荷蓄積膜ECから抜け出てしまうことがない。このため、本実施の形態1におけるMONOS型トランジスタQによれば、データ保持の信頼性向上を図ることができる。
【0040】
このような理由から、電荷蓄積膜ECとして、窒化シリコン膜に限らず、離散的なトラップ準位を含むような膜を使用することにより、データ保持特性の向上を図ることができる。さらに、本実施の形態1では、電荷蓄積膜ECとしてデータ保持特性に優れた窒化シリコン膜を使用している。このため、電荷蓄積膜ECからの電荷の流出を防止するために設けられている電位障壁膜EB1および電位障壁膜EB2の膜厚を薄くすることができる。これにより、メモリセルを駆動する電圧を低電圧化することができる利点も有していることになる。また、電荷蓄積膜ECとして、シリコンを複数の粒状に形成したシリコン・ナノドットを用いてもよい。
【0041】
サイドウォールSW2は、MONOS型トランジスタQの半導体領域であるソース領域およびドレイン領域をLDD構造とするために形成されたものである。すなわち、MONOS型トランジスタQのソース領域およびドレイン領域は、浅いn型不純物拡散領域EX1と深いn型不純物拡散領域NR1より形成されている。このとき、浅いn型不純物拡散領域EX1の不純物濃度は、深いn型不純物拡散領域NR1の不純物濃度よりも低くなっている。したがって、サイドウォールSW2下のソース領域およびドレイン領域を低濃度の浅いn型不純物拡散領域EX1とすることにより、メモリゲート電極MGの端部下における電界集中を抑制できる。
【0042】
以上のようにして、メモリセル形成領域MCRにMONOS型トランジスタQが形成されている。さらに、MONOS型トランジスタQが形成されているメモリセル形成領域MCRの外側領域であって、境界領域BORとの近傍領域には、ウェル給電領域が形成されている。具体的に、図4では、MONOS型トランジスタQを形成した領域と素子分離領域STIを介した領域にp型半導体領域PR2が形成されている。このp型半導体領域PR2は、p型ウェルPWL2内に形成されており、p型ウェルPWL2とp型半導体領域PR2は電気的に接続されていることになる。さらに、このp型半導体領域PR2の表面にはコバルトシリサイド膜CSが形成されている。このようにメモリセル形成領域には、MONOS型トランジスタQとウェル給電領域が形成されている。
【0043】
このメモリセル形成領域MCRを覆うように、例えば、酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜IL1が形成されており、この層間絶縁膜IL1を貫通するようにコンタクトホールCNT1およびコンタクトホールCNT2が形成されている。コンタクトホールCNT1は、MONOS型トランジスタQのソース領域やドレイン領域に達するように形成されており、このコンタクトホールCNT1内にプラグPLG1が形成されている。プラグPLG1は、コンタクトホールCNT1内に、例えば、チタン/窒化チタン膜よりなるバリア導体膜と、タングステン膜とを埋め込むことにより形成されている。一方、コンタクトホールCNT2は、ウェル給電領域のp型半導体領域PR2に達するように形成されており、このコンタクトホールCNT2内にプラグPLG2が形成されている。プラグPLG2も、プラグPLG1と同様に、コンタクトホールCNT2内に、例えば、チタン/窒化チタン膜よりなるバリア導体膜と、タングステン膜とを埋め込むことにより形成されている。
【0044】
そして、プラグPLG1およびプラグPLG2を形成した層間絶縁膜IL1上に層間絶縁膜IL2が形成されている。この層間絶縁膜IL2も、例えば、酸化シリコン膜から形成されている。層間絶縁膜IL2には配線溝が形成されており、この配線溝を埋め込むように配線L1が形成されている。配線L1は、例えば、タンタル/窒化タンタル膜よりなるバリア導体膜と銅膜とを配線溝に埋め込むことにより形成されている。このようにして、MONOS型トランジスタQのソース領域およびドレイン領域は、プラグPLG1を介して配線L1と電気的に接続されていることになる。同様に、ウェル給電領域であるp型半導体領域PR2は、プラグPLG2を介して配線L1と電気的に接続されていることになる。これにより、p型半導体領域PR2と電気的に接続されているp型ウェルPWL2には、配線L1およびプラグPLG2を介して所定の電位が供給される。このウェル給電領域であるp型半導体領域PR2は、メモリセル形成領域MCR内に形成されている。言い換えれば、ダミーゲート電極(図3のダミーゲート電極DMY1とダミーゲート電極DMY2)で囲まれた領域にp型半導体領域PR2およびプラグPLG2が形成されている。
【0045】
次に、境界領域BORに形成されているダミーゲート電極DMY1の構成について説明する。図4において、境界領域BORの半導体基板1Sには、素子分離領域STIが形成されており、この素子分離領域STI上にゲート絶縁膜GOXを介してダミーゲート電極DMY1が形成されている。このダミーゲート電極DMY1は、活性領域を挟む2つの素子分離領域STI上に形成されている。すなわち、2つのダミーゲート電極DMY1の間には活性領域が形成されており、この活性領域内にn型半導体領域NR3が形成されている。2つのダミーゲート電極DMY1を1つのダミーゲート電極とみなし、この1つのダミーゲート電極の中央部に開口部が形成されて、この開口部からn型半導体領域NR3が露出しているということもできる。
【0046】
ダミーゲート電極DMY1は、ポリシリコン膜PF1とコバルトシリサイド膜CSから形成されており、ダミーゲート電極DMY1の側壁には、サイドウォールSW1およびサイドウォールSW2が形成されている。そして、n型半導体領域NR3の表面には、コバルトシリサイド膜CSが形成されている。n型半導体領域NR3は、n型ウェルNWL1に形成されており、このn型ウェルNWL1は、ウェル分離層NISOと電気的に接続されている。
【0047】
この境界領域BORを覆うように、例えば、酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜IL1が形成されており、この層間絶縁膜IL1を貫通するようにコンタクトホールCNT3が形成されている。コンタクトホールCNT3は、n型半導体領域NR3(コバルトシリサイド膜CS)に達するように形成されており、このコンタクトホールCNT3内にプラグPLG3が形成されている。プラグPLG3は、コンタクトホールCNT3内に、例えば、チタン/窒化チタン膜よりなるバリア導体膜と、タングステン膜とを埋め込むことにより形成されている。
【0048】
そして、プラグPLG3を形成した層間絶縁膜IL1上に層間絶縁膜IL2が形成されている。この層間絶縁膜IL2も、例えば、酸化シリコン膜から形成されている。層間絶縁膜IL2には配線溝が形成されており、この配線溝を埋め込むように配線L1が形成されている。配線L1は、例えば、タンタル/窒化タンタル膜よりなるバリア導体膜と銅膜とを配線溝に埋め込むことにより形成されている。このようにして、n型半導体領域NR3は、プラグPLG3を介して配線L1と電気的に接続されていることになる。これにより、n型半導体領域NR3と電気的に接続されているn型ウェルNWL1およびウェル分離層NISOには、配線L1およびプラグPLG3を介して所定の電位が供給される。
【0049】
続いて、周辺回路形成領域PERに形成されているnチャネル型MISFETQおよびpチャネル型MISFETQの構成について説明する。周辺回路形成領域PERにおいては、半導体基板1Sに素子を分離する素子分離領域STIが形成されているとともに、半導体基板1Sの内部には、ウェル分離層NISOが形成されている。そして、素子分離領域STIで分割された活性領域のうち、nチャネル型MISFETQを形成する領域(半導体基板1S内)には、p型ウェルPWL1が形成されており、pチャネル型MISFETQを形成する領域(半導体基板1S内)には、n型ウェルNWL1が形成されている。
【0050】
nチャネル型MISFETQは、半導体基板1S内に形成されたp型ウェルPWL1上にゲート絶縁膜GOXが形成されており、このゲート絶縁膜GOX上にゲート電極G1が形成されている。ゲート絶縁膜GOXは、例えば、酸化シリコン膜から形成され、ゲート電極G1は、低抵抗化のため、例えば、ポリシリコン膜PF1とコバルトシリサイド膜CSの積層膜から形成されている。
【0051】
ゲート電極G1の両側の側壁には、サイドウォールSW2が形成されており、このサイドウォールSW2下の半導体基板1S内には、半導体領域として、浅いn型不純物拡散領域EX2が形成されている。サイドウォールSW2は、例えば、酸化シリコン膜などの絶縁膜から形成されている。そして、浅いn型不純物拡散領域EX2の外側に深いn型不純物拡散領域NR2が形成され、この深いn型不純物拡散領域NR2の表面にコバルトシリサイド膜CSが形成されている。
【0052】
サイドウォールSW2は、nチャネル型トランジスタQの半導体領域であるソース領域およびドレイン領域をLDD構造とするために形成されたものである。すなわち、nチャネル型トランジスタQのソース領域およびドレイン領域は、浅いn型不純物拡散領域EX2と深いn型不純物拡散領域NR2より形成されている。このとき、浅いn型不純物拡散領域EX2の不純物濃度は、深いn型不純物拡散領域NR2の不純物濃度よりも低くなっている。したがって、サイドウォールSW2下のソース領域およびドレイン領域を低濃度の浅いn型不純物拡散領域EX2とすることにより、ゲート電極G1の端部下における電界集中を抑制できる。
【0053】
次に、pチャネル型MISFETQは、半導体基板1S内に形成されたn型ウェルNWL1上にゲート絶縁膜GOXが形成されており、このゲート絶縁膜GOX上にゲート電極G2が形成されている。ゲート絶縁膜GOXは、例えば、酸化シリコン膜から形成され、ゲート電極G2は、低抵抗化のため、例えば、ポリシリコン膜PF1とコバルトシリサイド膜CSの積層膜から形成されている。
【0054】
ゲート電極G2の両側の側壁には、サイドウォールSW2が形成されており、このサイドウォールSW2下の半導体基板1S内には、半導体領域として、浅いp型不純物拡散領域EX3が形成されている。サイドウォールSW2は、例えば、酸化シリコン膜などの絶縁膜から形成されている。そして、浅いp型不純物拡散領域EX3の外側に深いp型不純物拡散領域PR1が形成され、この深いp型不純物拡散領域PR1の表面にコバルトシリサイド膜CSが形成されている。
【0055】
サイドウォールSW2は、pチャネル型トランジスタQの半導体領域であるソース領域およびドレイン領域をLDD構造とするために形成されたものである。すなわち、pチャネル型トランジスタQのソース領域およびドレイン領域は、浅いp型不純物拡散領域EX3と深いp型不純物拡散領域PR1より形成されている。このとき、浅いp型不純物拡散領域EX3の不純物濃度は、深いp型不純物拡散領域PR1の不純物濃度よりも低くなっている。したがって、サイドウォールSW2下のソース領域およびドレイン領域を低濃度の浅いp型不純物拡散領域EX3とすることにより、ゲート電極G2の端部下における電界集中を抑制できる。
【0056】
以上のようにして、周辺回路形成領域PERにnチャネル型トランジスタQおよびpチャネル型トランジスタQが形成されている。この周辺回路形成領域PERを覆うように、例えば、酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜IL1が形成されており、この層間絶縁膜IL1を貫通するようにコンタクトホールCNT4が形成されている。コンタクトホールCNT4は、nチャネル型トランジスタQのソース領域やドレイン領域や、pチャネル型トランジスタQのソース領域やドレイン領域に達するように形成されており、このコンタクトホールCNT4内にプラグPLG4が形成されている。プラグPLG4は、コンタクトホールCNT4内に、例えば、チタン/窒化チタン膜よりなるバリア導体膜と、タングステン膜とを埋め込むことにより形成されている。
【0057】
そして、プラグPLG4を形成した層間絶縁膜IL1上に層間絶縁膜IL2が形成されている。この層間絶縁膜IL2も、例えば、酸化シリコン膜から形成されている。層間絶縁膜IL2には配線溝が形成されており、この配線溝を埋め込むように配線L1が形成されている。配線L1は、例えば、タンタル/窒化タンタル膜よりなるバリア導体膜と銅膜とを配線溝に埋め込むことにより形成されている。このようにして、nチャネル型トランジスタQのソース領域およびドレイン領域や、pチャネル型トランジスタQのソース領域およびドレイン領域は、プラグPLG4を介して配線L1と電気的に接続されていることになる。
【0058】
本実施の形態1における半導体装置は上記のように構成されており、次に、メモリセル形成領域MCRに形成されているメモリセル(MONOS型トランジスタQ)の動作について図面を参照しながら説明する。
【0059】
図5は、図2に示すフラッシュメモリ5のメモリアレイ構造と動作条件(1セル/1とランジスタ)の一例を示す説明図である。図5に示す各メモリセルは、電荷を蓄積するMONOS型トランジスタのみで構成されている。すなわち、メモリセルは、図4に示すMONOS型トランジスタQから構成され、それぞれ、図5に示すように、セルトランジスタCT1〜CT8を構成している。セルトランジスタCT1〜CT8のゲート電極は、ワード線WL1〜WL2に接続され、ソース領域は、ソース線SL1〜SL4に接続されている。また、セルトランジスタCT1〜CT8のドレイン領域は、データ線DL1〜DL4に接続されている。さらに、セルトランジスタCT1〜CT8のバックゲートは、それぞれ、ウェルWEに接続されている。
【0060】
図5では、説明を簡単にするために、メモリセルを2行4列に配列する場合を示しているが、これに限定されるものではなく、実際には、さらに多くのメモリセルがマトリクス状に配置され、メモリセルアレイを構成している。この場合、メモリセルの消去は、ワード線単位で行なわれる。
【0061】
続いて、図5を参照しながら、メモリセルの消去動作、書き込み動作および読み出し動作について説明する。まず、消去動作から説明する。例えば、データを消去するメモリセル(選択メモリセル)として、セルトランジスタCT1〜CT8に蓄積されたデータを消去する場合を考える。この場合、ウェルWEの電位を1.5Vとし、ワード線WL1〜WL2の電位を−8.5Vとする。そして、ソース線SL1〜SL4の電位を1.5Vとし、データ線DL1〜DL4の電位をフローティング状態とする。これにより、セルトランジスタCT1〜CT8の電荷蓄積膜(窒化シリコン膜)に蓄積されている電荷がウェルWE側に引き抜かれてデータが消去される。
【0062】
次に、書き込み動作を説明する。例えば、データを書き込むメモリセル(選択メモリセル)として、セルトランジスタCT1にデータを書き込む場合を考える。この場合、ウェルWEの電位を−10.5Vとし、ワード線WL1の電位を1.5Vとする。そして、ソース線SL1〜SL4の電位を−10.5Vとし、データ線DL1〜DL4の電位をフローティング状態とする。これにより、セルトランジスタCT1の電荷蓄積膜に電荷が注入されて、セルトランジスタCT1にデータが書き込まれる。このとき、書き込みを行なわない他のメモリセル(非選択メモリセル)CT2〜CT8については、ウェルWEの電位を−10.5Vとし、ワード線WL2の電位を−10.5Vとする。そして、ソース線SL1〜SL4の電位を−10.5Vとし、データ線DL1〜DL4の電位をフローティング状態とする。これにより、セルトランジスタCT2〜CT8の電荷蓄積膜に電荷が注入されず、セルトランジスタCT2〜CT8ではデータの書き込みが行なわれない。
【0063】
次に、読み出し動作について説明する。例えば、セルトランジスタCT1に「1」データが書き込まれていて、セルトランジスタCT1のしきい値電圧が高くなっている一方、セルトランジスタCT2には「0」データが格納されていて、セルトランジスタCT2のしきい値電圧が低くなっているとする。この状態で、セルトランジスタCT1〜CT2のデータを読み出す場合を考える。この場合、ウェルWEの電位を−2V、ワード線WL1の電位を0Vとする。また、ソース線SL1〜SL2の電位を0Vとし、データ線DL1〜DL2の電位を1Vとする。これにより、セルトランジスタCT1〜CT2のデータが読み出される。このとき、セルトランジスタCT1のしきい値電圧は高い一方、セルトランジスタCT2のしきい値電圧は低くなっている。このため、データ線DL1の電位は変化しない一方、データ線DL2の電位は下がる。これにより、セルトランジスタCT1〜CT2に記憶されているデータを読み出すことができる。なお、読み出しを行なわない他のメモリセルトランジスタCT3〜CT8については、ウェルWEの電位を−2V、ワード線WL2の電位を−2Vとする。また、ソース線SL3〜SL4の電位を0Vとし、データ線DL3〜DL4の電位を0Vとする。これにより、セルトランジスタCT3〜CT8はオンしない。以上のようにして、メモリセル形成領域に形成されているメモリセル(MONOS型トランジスタ)を動作させることができる。
【0064】
次に、本実施の形態1における半導体装置の製造方法について説明するが、まず、始めに本発明者が検討した技術における問題点を説明し、その後、本実施の形態1における半導体装置の製造方法について説明する。
【0065】
以下に、本発明者が検討した技術における問題点を図6〜図10で説明する。図6〜図10は、第1領域FR(メモリセル形成領域MCRと境界領域BOR)が図示されている。まず、図6に示すように、半導体基板1Sに素子分離領域STIを形成した後、半導体基板1S内に、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、ウェル分離層NISO、p型ウェルPWL2およびn型ウェルNWL1を形成する。そして、半導体基板1S上に、例えば、酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜GOXを形成し、このゲート絶縁膜GOX上にポリシリコン膜PF1を形成する。ポリシリコン膜PF1は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を使用することにより形成することができる。
【0066】
このポリシリコン膜PF1は、半導体基板1Sの主面の全面に形成される。したがって、メモリセル形成領域MCRおよび境界領域BORを含む第1領域FR上にポリシリコン膜PF1が形成される。その後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、ポリシリコン膜PF1をパターニングする。ポリシリコン膜PF1のパターニングは、メモリセル形成領域MCRに形成されているポリシリコン膜PF1を除去するように行なわれる。この結果、図6に示すように、メモリセル形成領域MCRのポリシリコン膜PF1は除去される一方、境界領域BORにはポリシリコン膜PF1が残存する。このため、メモリセル形成領域MCRと境界領域BORの間にはポリシリコン膜PF1による段差が生じることになる。
【0067】
続いて、図7に示すように、半導体基板1Sの主面上に酸化シリコン膜OX1、窒化シリコン膜SINおよび酸化シリコン膜OX2を順次形成する。そして、酸化シリコン膜OX2上にポリシリコン膜PF2を形成する。ポリシリコン膜PF2も、例えば、CVD法により形成することができる。ポリシリコン膜PF2は、メモリセル形成領域MCRおよび境界領域BORにわたって形成されるので、ポリシリコン膜PF2は、メモリセル形成領域MCRと境界領域BORとの間に形成されている段差を反映して形成されることになる。
【0068】
そして、図8に示すように、ポリシリコン膜PF2上にレジスト膜FR5を形成する。その後、レジスト膜FR5に対して露光処理を行なう。具体的には、マスクMKを介して露光光をレジスト膜FR5に照射する。このマスクMKは、メモリセル形成領域MCRに形成されるメモリゲート電極を加工するためのマスクである。このとき、メモリゲート電極を設計値通りに加工するためには、マスクMKが形成されていない領域にあるレジスト膜FR5にだけ露光光が照射され、マスクMKが形成されている領域にあるレジスト膜FR5には露光光が遮光されることが望ましい。ところが、図8に示すように、レジスト膜FR5に照射された露光光は、レジスト膜FR5の下層に形成されているポリシリコン膜PF2などによって乱反射される。この乱反射した露光光がマスクMKで遮光されているレジスト膜FR5に達すると、マスクMKで遮光されるべきレジスト膜FR5にも乱反射による露光光が照射され感光することになる。このようにして露光処理が施されたレジスト膜FR5に対して現像処理を施してレジスト膜FR5をパターニングする。このレジスト膜FR5のパターニングは、乱反射による意図しない領域への露光により設計値通りのパターニングにならなくなる。この結果、ポリシリコン膜PF2を加工して形成されるメモリゲート電極の形状も設計値からずれて、メモリゲート電極の加工精度が劣化することになる。
【0069】
そこで、露光時にレジスト膜FR5の下層に形成されている下地膜からの乱反射を防止するため、下地膜上に反射防止膜を形成し、この反射防止膜上にレジスト膜FR5を形成することが行なわれている。図9は、ポリシリコン膜PF2上に反射防止膜BARCを形成し、この反射防止膜BARC上にレジスト膜FR5を形成している。これにより、マスクMKを介した露光処理の際、レジスト膜FRの下層に形成された膜からの乱反射を反射防止膜BARCによって抑制することができる。この結果、レジスト膜FR5のパターニング精度が向上してメモリゲート電極の加工精度を向上することができる。
【0070】
しかし、レジスト膜FR5の下層に反射防止膜BARCを形成しても、本発明者が検討した技術では、メモリセル形成領域MCRと境界領域BORの間に段差が形成されているため、露光光による乱反射を効果的に防止することができない状況が発生するのである。すなわち、レジスト膜FR5の下層に形成される反射防止膜BARCは、通常、塗布法によって形成される。このため、下地膜であるポリシリコン膜PF2に段差があると、段差の高い領域に形成されている反射防止膜BARCが段差の低い領域に流れてしまい、段差の高い領域に塗布されている反射防止膜が消失することが生じる。つまり、段差近傍の高い領域に形成されている反射防止膜BARCが低い領域に流れてしまい、段差の上部では反射防止膜BARCを形成しているにもかかわらず、反射防止膜BARCが形成されていない事態が生じることになる。このことから、段差の上部に照射された露光光は乱反射を起こす。この結果、乱反射した露光光がマスクMKで遮光されている領域のレジスト膜FR5に照射されてしまい意図しない露光(感光)が行なわれてしまう。したがって、レジスト膜FR5の下層に反射防止膜BARCを形成しても、下地膜(ポリシリコン膜PF2)に段差が生じていると、反射防止膜BARCの効果が低減してしまうことになる。
【0071】
このようにして露光処理が施されたレジスト膜FR5に対して現像処理を施してレジスト膜FR5をパターニングする。このレジスト膜FR5のパターニングは、乱反射による意図しない領域への露光により設計値通りのパターニングにならなくなる。この結果、ポリシリコン膜PF2を加工して形成されるメモリゲート電極の形状も設計値からずれて、メモリゲート電極の加工精度が劣化することになる。
【0072】
具体的には、図10に示すように、加工されるメモリゲート電極MG1、MG2の加工精度が劣化することになる。例えば、図10には、2つのメモリゲート電極MG1、MG2が形成されているが、段差からの乱反射によって最外周に形成されているメモリゲート電極MG1のゲート幅が内側に形成されているメモリゲート電極MG2のゲート幅よりも細くなる現象が生じる。以上より、レジスト膜FR5の下層に反射防止膜BARCを形成しても、下地膜(ポリシリコン膜PF2)に段差があると、段差の近傍で反射防止膜BARCが流れてしまうことが起こる。このため、レジスト膜FR5の下層に反射防止膜BARCを形成しても、段差領域では実質的に反射防止膜BARCの効果が低減して露光光の乱反射を抑制できなくなる。したがって、段差領域に近い領域に形成されるメモリゲートMG1が最も乱反射の影響を受けて加工精度が劣化するのである。つまり、メモリセル形成領域MCRと境界領域BORとの境界に近い領域に形成されるメモリゲート電極MG1の加工精度が乱反射による影響を受けることになる。言い換えれば、メモリセル形成領域MCRの最外周に形成されるメモリゲートMG1の加工精度は、レジスト膜FR5の下層に形成される下地膜からの乱反射に大きく影響を受けることになる。
【0073】
ここで、段差の影響により反射防止膜BARCの機能が低減されることに注目すると、下地膜であるポリシリコン膜PF2に形成される段差を無くすことが考えられるが、以下に示す理由により本発明者が検討した技術では、下地膜であるポリシリコン膜PF2に段差が生じているのである。このことについて説明する。まず、本発明者が検討した技術では、メモリセル形成領域MCRにMONOS型トランジスタを形成し、周辺回路形成領域にMISFETを形成することを前提としている。したがって、メモリセル形成領域MCRにMONOS型トランジスタのメモリゲート電極を形成し、周辺回路形成領域にMISFETのゲート電極を形成することになる。このため、本発明者が検討した技術では、まず、周辺回路形成領域に形成されるMISFETのゲート電極加工用のポリシリコン膜PF1を形成し、その後、メモリセル形成領域MCRにMONOS型トランジスタのメモリゲート電極加工用のポリシリコン膜PF2を形成しているのである。つまり、MISFETのゲート電極加工用のポリシリコン膜PF1と、MONOS型トランジスタのメモリゲート電極加工用のポリシリコン膜PF2の2つの膜が必要となるのである。このとき、まず、始めに、MISFETのゲート電極加工用のポリシリコン膜PF1を半導体基板1S上に形成した後、メモリセル形成領域MCRに形成されているポリシリコン膜PF1を除去している(図6参照)。これにより、メモリセル形成領域MCRと境界領域BORの間に段差が生じることになる。その後、メモリセル形成領域を含む半導体基板1Sにポリシリコン膜PF2を形成するので、ポリシリコン膜PF2は、下地の段差を反映して段差を有することになる。
【0074】
このとき、先に、メモリゲート電極加工用のポリシリコン膜PF2を形成してメモリゲート電極を加工し、その後、半導体基板1S上に、周辺回路を構成するMISFETのゲート電極加工用のポリシリコン膜PF1を形成することが考えられる。この場合、メモリゲート電極加工用のポリシリコン膜PF2は段差のない半導体基板1S上に形成されて、かつ、周辺回路を構成するMISFETのゲート電極加工用のポリシリコン膜PF1を形成する前にメモリゲート電極が加工される。このため、メモリゲート電極の加工の際、レジスト膜FR5の下地膜(ポリシリコン膜PF2)に段差が生じず、段差による反射防止膜BARCの流出という現象を抑制することができると考えられる。したがって、レジスト膜FR5の下層にはほぼ均一に反射防止膜BARCが形成され、レジスト膜FR5の下層に形成されている下地膜(ポリシリコン膜PF2)からの乱反射の影響を抑制することができると考えられる。
【0075】
しかし、先に、メモリゲート電極を形成した後、周辺回路を構成するMISFETのゲート電極加工用のポリシリコン膜PF1を形成する場合には以下に示す不都合が生じる。例えば、上述した製造工程では、メモリゲート電極を形成した後、周辺回路を構成するMISFETのゲート絶縁膜を形成する工程が存在することになる。この工程は、例えば、熱酸化法で実施されるが、この熱酸化工程で、メモリゲート電極にバーズビークが生じるのである。メモリゲート電極にバーズビークが生じると、MONOS型トランジスタの特性劣化が生じる。このことから、メモリゲート電極を形成した後、周辺回路を構成するMISFETのゲート電極加工用のポリシリコン膜PF1を形成することは望ましくないのである。以上より、本発明者が検討した技術では、まず、半導体基板1S上に周辺回路を構成するMISFETのゲート電極加工用のポリシリコン膜PF1を形成し、その後、メモリセル形成領域MCRに形成されているポリシリコン膜PF1を除去する。そして、メモリセル形成領域MCRを含む半導体基板1S上にメモリゲート電極加工用のポリシリコン膜PF2を形成しているのである。このような製造工程では、メモリゲート電極を形成する前に、周辺回路を構成するMISFETのゲート絶縁膜を形成する工程が存在することから、メモリゲート電極にバーズビークが発生することを抑制できる利点があることになる。
【0076】
ところが、このような製造工程をとると、半導体基板1S上に周辺回路を構成するMISFETのゲート電極加工用のポリシリコン膜PF1を形成し、その後、メモリセル形成領域MCRに形成されているポリシリコン膜PF1を除去することになるので、メモリセル形成領域MCRと境界領域BORの間に段差が生じることになる。そして、この段差を反映してメモリゲート電極加工用のポリシリコン膜PF2が形成され、さらに、ポリシリコン膜PF2上に反射防止膜BARCが塗布されることになる。この結果、上述したように、本発明者が検討した技術によれば、段差に起因した反射防止膜BARCの効果の低減という問題が顕在化するのである。
【0077】
そこで、本実施の形態1における半導体製造方法では、本発明者が検討した技術と同様に、半導体基板1S上に周辺回路を構成するMISFETのゲート電極加工用のポリシリコン膜PF1を形成し、メモリセル形成領域MCRに形成されているポリシリコン膜PF1を除去する。そして、メモリセル形成領域MCRを含む半導体基板1Sにメモリゲート電極加工用のポリシリコン膜PF2を形成することを前提とする。この場合、本発明者が検討した技術では、段差による反射防止膜BARCの消失に起因したメモリゲート電極の加工精度の劣化が問題となるが、本実施の形態1では、以下に示す工夫を施している。この工夫を施した本実施の形態1における半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。本実施の形態1では、第1領域FR(メモリセル形成領域MCRと境界領域BOR)と第1領域FRの外部にある周辺回路形成領域PERを図示して説明することにする。
【0078】
まず、図11に示すように、ホウ素(B)などのp型不純物を導入したシリコン単結晶よりなる半導体基板1Sを用意する。このとき、半導体基板1Sは、略円盤形状をした半導体ウェハの状態になっている。そして、半導体基板1Sの活性領域を分離する素子分離領域STIを形成する。素子分離領域STIは、素子が互いに干渉しないようにするために設けられる。この素子分離領域STIは、例えばLOCOS(local Oxidation of silicon)法やSTI(shallow trench isolation)法を用いて形成することができる。例えば、STI法では、以下のようにして素子分離領域STIを形成している。すなわち、半導体基板1Sにフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用して素子分離溝を形成する。そして、素子分離溝を埋め込むように半導体基板1S上に酸化シリコン膜を形成し、その後、化学的機械的研磨法(CMP;chemical mechanical polishing)により、半導体基板1S上に形成された不要な酸化シリコン膜を除去する。これにより、素子分離溝内にだけ酸化シリコン膜を埋め込んだ素子分離領域STIを形成することができる。
【0079】
続いて、図12に示すように、半導体基板1S上にレジスト膜FR1を形成する。そして、レジスト膜FR1に対して露光、現像処理を施すことにより、レジスト膜FR1をパターニングする。レジスト膜FR1のパターニングは、メモリセル形成領域MCRから境界領域BOR内の素子分離領域STIが形成されていない領域の一部にかけてレジスト膜FR1が残存しないように、かつ、周辺回路形成領域PERにレジスト膜FR1が残存しないように行なわれる。このようにしてパターニングされたレジスト膜FR1をマスクにしたイオン注入法により、半導体基板1S内にウェル分離層NISOを形成する。このウェル分離層NISOは、半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入することにより形成された半導体領域である。ウェル分離層NISOは、メモリセル形成領域MCRと周辺回路形成領域PERに形成される。
【0080】
次に、図13に示すように、半導体基板1S上にレジスト膜FR2を形成する。そして、レジスト膜FR2に対して露光、現像処理を施すことにより、レジスト膜FR2をパターニングする。レジスト膜FR2のパターニングは、メモリセル形成領域MCR、境界領域BORおよび周辺回路形成領域PERのうちpチャネル型MISFET形成領域にレジスト膜FR2が残存し、周辺回路形成領域PERのうちnチャネル型MISFET形成領域にレジスト膜FR2が残存しないように行なわれる。このようにしてパターニングされたレジスト膜FR2をマスクにしたイオン注入法により、半導体基板1S内にp型ウェルPWL1を形成する。このp型ウェルPWL1は、半導体基板1S内にホウ素(ボロン)などのp型不純物を導入することにより形成された半導体領域である。p型ウェルPWL1は、周辺回路形成領域PERのnチャネル型MISFET形成領域に形成される。
【0081】
続いて、図14に示すように、半導体基板1S上にレジスト膜FR3を形成する。そして、レジスト膜FR3に対して露光、現像処理を施すことにより、レジスト膜FR3をパターニングする。レジスト膜FR3のパターニングは、メモリセル形成領域MCR、境界領域BORの一部および周辺回路形成領域PERのうちnチャネル型MISFET形成領域にレジスト膜FR3が残存し、境界領域BOR内で素子分離領域STIが形成されていない領域を含む境界領域BORの一部および周辺回路形成領域PERのうちpチャネル型MISFET形成領域にレジスト膜FR3が残存しないように行なわれる。このようにしてパターニングされたレジスト膜FR3をマスクにしたイオン注入法により、半導体基板1S内にn型ウェルNWL1を形成する。このn型ウェルNWL1は、半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入することにより形成された半導体領域である。n型ウェルNWL1は、境界領域BORの一部および周辺回路形成領域PERのpチャネル型MISFET形成領域に形成される。このとき、境界領域BORの一部においては、n型ウェルNWL1が形成されるが、このn型ウェルNWL1は、深い領域に形成されているウェル分離層NISOと接続するように形成されている。すなわち、境界領域BORに形成されているn型ウェルNWL1は、ウェル分離層NISOと電気的に接続されていることになる。
【0082】
次に、図15に示すように、半導体基板1S上にゲート絶縁膜GOXを形成する。このゲート絶縁膜GOXは、周辺回路形成領域PERに形成されるMISFETのゲート絶縁膜となる膜である。したがって、ゲート絶縁膜GOXは、例えば、酸化シリコン膜から形成され、例えば熱酸化法を使用して形成することができる。ただし、ゲート絶縁膜GOXは、酸化シリコン膜に限定されるものではなく種々変更可能であり、例えば、ゲート絶縁膜GOXを酸窒化シリコン膜(SiON)としてもよい。すなわち、ゲート絶縁膜GOXと半導体基板1Sとの界面に窒素を偏析させる構造としてもよい。酸窒化シリコン膜は、酸化シリコン膜に比べて膜中における界面準位の発生を抑制したり、電子トラップを低減する効果が高い。したがって、ゲート絶縁膜GOXのホットキャリア耐性を向上でき、絶縁耐性を向上させることができる。また、酸窒化シリコン膜は、酸化シリコン膜に比べて不純物が貫通しにくい。このため、ゲート絶縁膜GOXに酸窒化シリコン膜を用いることにより、ゲート電極中の不純物が半導体基板1S側に拡散することに起因するしきい値電圧の変動を抑制することができる。酸窒化シリコン膜を形成するのは、例えば、半導体基板1SをNO、NOまたはNHといった窒素を含む雰囲気中で熱処理すればよい。また、半導体基板1Sの表面に酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜GOXを形成した後、窒素を含む雰囲気中で半導体基板1Sを熱処理し、ゲート絶縁膜GOXと半導体基板1Sとの界面に窒素を偏析させることによっても同様の効果を得ることができる。
【0083】
また、ゲート絶縁膜GOXは、例えば酸化シリコン膜より誘電率の高い高誘電率膜から形成してもよい。従来、絶縁耐性が高い、シリコン−酸化シリコン界面の電気的・物性的安定性などが優れているとの観点から、ゲート絶縁膜GOXとして酸化シリコン膜が使用されている。しかし、素子の微細化に伴い、ゲート絶縁膜GOXの膜厚について、極薄化が要求されるようになってきている。このように薄い酸化シリコン膜をゲート絶縁膜GOXとして使用すると、MISFETのチャネルを流れる電子が酸化シリコン膜によって形成される障壁をトンネルしてゲート電極に流れる、いわゆるトンネル電流が発生してしまう。
【0084】
そこで、酸化シリコン膜より誘電率の高い材料を使用することにより、容量が同じでも物理的膜厚を増加させることができる高誘電率膜が使用されるようになってきている。高誘電体膜によれば、容量を同じにしても物理的膜厚を増加させることができるので、リーク電流を低減することができる。
【0085】
例えば、高誘電体膜として、ハフニウム酸化物の一つである酸化ハフニウム膜(HfO膜)が使用されるが、酸化ハフニウム膜に変えて、ハフニウムアルミネート膜、HfON膜(ハフニウムオキシナイトライド膜)、HfSiO膜(ハフニウムシリケート膜)、HfSiON膜(ハフニウムシリコンオキシナイトライド膜)、HfAlO膜のような他のハフニウム系絶縁膜を使用することもできる。さらに、これらのハフニウム系絶縁膜に酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化イットリウムなどの酸化物を導入したハフニウム系絶縁膜を使用することもできる。ハフニウム系絶縁膜は、酸化ハフニウム膜と同様、酸化シリコン膜や酸窒化シリコン膜より誘電率が高いので、酸化ハフニウム膜を用いた場合と同様の効果が得られる。
【0086】
続いて、ゲート絶縁膜GOX上にポリシリコン膜PF1を形成する。ポリシリコン膜PF1は、例えば、CVD法を使用することにより形成することができる。このポリシリコン膜PF1は、第1領域FRおよび周辺回路形成領域PERを含む半導体基板1S上に形成される。そして、図16に示すように、ポリシリコン膜PF1上にレジスト膜FR4を形成する。このレジスト膜FR4に対して露光、現像処理を施すことにより、レジスト膜FR4をパターニングする。レジスト膜FR4のパターニングは、境界領域BORのうち、ダミーゲート電極形成領域と周辺回路形成領域PERにレジスト膜FR4が残存し、それ以外の領域にレジスト膜FR4が残存しないように行なわれる。その後、パターニングしたレジスト膜FR4をマスクにしたエッチング技術により、ポリシリコン膜PF1を加工する。これにより、境界領域BORにダミーゲート電極DMY1を形成することができる。
【0087】
次に、図17に示すように、ダミーゲート電極DMY1を形成する際に使用したレジスト膜FR4をそのままマスクに使用してイオン注入法を実施する。これにより、メモリセル形成領域MCRにp型ウェルPWL2を形成する。p型ウェルPWL2は、半導体基板1S内にホウ素(ボロン)などのp型不純物を導入することにより形成された半導体領域である。本実施の形態1では、ダミーゲート電極DMY1を形成する際に使用したマスク(レジスト膜FR4)をそのままイオン注入法のマスクに使用することにより、マスクの削減を図ることができる。
【0088】
続いて、パターニングしたレジスト膜FR4を除去した後、図18に示すように、半導体基板1Sの主面の全面に、酸化シリコン膜OX1、窒化シリコン膜SINおよび酸化シリコン膜OX2を順次形成する。酸化シリコン膜OX1は、例えば、熱酸化法を使用して形成され、酸化シリコン膜OX2は、例えば、ISSG(In situ Steam Generation)酸化法を使用して形成され、窒化シリコン膜SINは、例えば、CVD法を使用することにより形成することができる。そして、酸化シリコン膜OX2上にポリシリコン膜PF2を形成する。ポリシリコン膜PF2は、例えば、CVD法により形成することができる。ポリシリコン膜PF1は、ダミーゲート電極DMY1を形成したことによる段差DIFおよびギャップ溝GAPの形状を反映して形成される。具体的に、ポリシリコン膜PF2は、ギャップ溝GAPを埋め込むように形成されるので、ギャップ溝GAP上でポリシリコン膜PF2の凹部CONが形成される。
【0089】
次に、図19に示すように、ポリシリコン膜PF2上に反射防止膜BARCを形成する。この反射防止膜BARCは例えば塗布法により形成することができる。そして、この反射防止膜BARC上にレジスト膜FR5を形成する。このとき、本実施の形態1の特徴は、反射防止膜BARCがほぼ均一にポリシリコン膜PF2上に形成される点にある。詳細には、本実施の形態1では、ポリシリコン膜PF1よりなるダミーゲート電極DMY1を形成しているので、メモリセル形成領域MCRと境界領域BORの境界にポリシリコン膜PF1による段差DIFが形成されるとともに、境界領域BOR内にギャップ溝GAPが形成されている。つまり、ダミーゲート電極DMY1を形成することにより、ダミーゲート電極DMY1と周辺回路形成領域PERを覆うポリシリコン膜PF1の間にギャップ溝GAPが形成される。この結果、ダミーゲート電極DMY1を含むポリシリコン膜PF1を覆うように形成されるポリシリコン膜PF2は、ダミーゲート電極DMY1の端部による段差DIFと境界領域BOR内部のギャップ溝GAPの形状を反映して形成される。このため、ポリシリコン膜PF2は、段差DIFにおいてステップ形状となるとともに、ギャップ溝GAPを埋め込む凹部CONが形成される。このような形状にポリシリコン膜PF2が形成される結果、ポリシリコン膜PF2上に形成される反射防止膜BARCを半導体基板1Sの全体にわたってほぼ均一に形成することができるのである。
【0090】
この理由について説明する。ポリシリコン膜PF2においても段差DIFの形状を反映してステップ形状になっている。したがって、このステップ形状をしたポリシリコン膜PF2上に形成される流動性の高い反射防止膜BARCは、段差DIF近傍の高い領域に形成されている反射防止膜BARCが低い領域に流れてしまい、段差DIFの上部では反射防止膜BARCを形成しているにもかかわらず、反射防止膜BARCが形成されていない事態が生じることになる。しかし、本実施の形態1では、ポリシリコン膜PF1を加工してダミーゲート電極DMY1を形成している。このダミーゲート電極DMY1を形成することにより、ダミーゲート電極DMY1とポリシリコン膜PF1との間にギャップ溝GAPが形成される。このギャップ溝GAPが形成されることにより、ダミーゲート電極DMY1およびポリシリコン膜PF1を覆うように形成されるポリシリコン膜PF2に、凹部CONが形成される。この凹部CONには反射防止膜BARCが埋め込まれることになる。このことから、本実施の形態1では、段差DIF近傍の高い領域に形成されている反射防止膜BARCが低い領域に流れてしまっても、凹部CONに蓄えられた流動性の高い反射防止膜BARC(反射防止膜BARCを構成する材料)が段差DIF近傍の高い領域に供給される。この結果、段差DIF近傍の高い領域において、低い領域に反射防止膜BARCの一部が流出しても、凹部CONから反射防止膜BARCが逐次補充されるので、段差DIF近傍の高い領域でも反射防止膜BARCが消失することなく所定の膜厚の反射防止膜BARCを確保することができるのである。このため、段差DIF近傍の領域においても反射防止を抑制できるのに充分な膜厚の反射防止膜BARCを形成することができるのである。
【0091】
次に、図20に示すように、マスクMKを介してレジスト膜FR5に露光処理を実施する。このとき、マスクMKを形成している領域のレジスト膜FR5は露光光の照射が遮断される。一方、マスクMKが形成されていない領域のレジスト膜FR5には露光光が照射される。そして、露光光が照射されたレジスト膜FR5は感光するが、露光光の一部はレジスト膜FR5を透過する。このレジスト膜FR5を透過した露光光が下地膜(ポリシリコン膜PF2)で乱反射するとマスクMKで覆われている領域のレジスト膜FR5にも意図しない露光が行なわれることになる。しかし、本実施の形態1では、レジスト膜FR5と下地膜であるポリシリコン膜PF2の間に反射防止膜BARCが形成されているので、レジスト膜FR5を透過した露光光が下地膜で乱反射することを抑制できる。特に、本実施の形態1では、ダミーゲート電極DMY1を形成し、このダミーゲート電極DMY1を覆うようにポリシリコン膜PF2が形成されているので、ポリシリコン膜PF2は、段差DIFを反映したステップ状の形状になるとともに、ギャップ溝GAPを反映して凹部CONが形成される。したがって、段差DIFによって段差DIF近傍の高い領域から低い領域へ流動性の高い反射防止膜BARCが流出しても、凹部CONに反射防止膜BARCが蓄積されているので、段差DIF近傍の領域で消失した反射防止膜BARCが凹部CONから充分な反射防止膜BARCが補充される。このため、本実施の形態1によれば、段差DIFにおいても、露光光の乱反射を充分に抑制できる程度の膜厚の反射防止膜BARCを形成することができる。このことから、本実施の形態1によれば、露光光の意図しない乱反射を抑制することができ、レジスト膜FR5のパターニング精度を向上することができる。
【0092】
続いて、図21に示すように、パターニングしたレジスト膜FR5をマスクにしてポリシリコン膜PF2を加工することにより、メモリセル形成領域MCRにメモリゲート電極MGを形成する。このとき、レジスト膜FR5のパターニング精度が向上しているので、メモリゲート電極MGの加工精度も向上することができる。つまり、メモリセル形成領域MCRの最外周に形成されているメモリゲート電極MGにおいても、ゲート幅が他のメモリゲート電極MGに比べて細くなることを防止できる。このことから、本実施の形態1によれば、段差による反射防止膜BARCの消失に起因したレジスト膜FR5のパターニング精度の劣化を改善することができるので、メモリゲート電極MGの加工精度を向上することができるのである。なお、図21に示すように、メモリゲート電極MGを加工した後、このメモリゲート電極MGの下層にある酸化シリコン膜OX2、窒化シリコン膜SINおよび酸化シリコン膜OX1も加工される。これにより、メモリゲート電極MGの下層に、酸化シリコン膜OX1からなる第1電位障壁膜EB1を形成し、この第1電位障壁膜EB1上に形成されている窒化シリコン膜からなる電荷蓄積膜ECを形成することができる。さらに、この電荷蓄積膜EC上に酸化シリコン膜OX2からなる第2電位障壁膜EB2を形成することができる。メモリゲート電極MGを加工する工程において、ダミーゲート電極DMY1の側壁にはサイドウォールSW1が形成される。この工程においては、メモリセル形成領域MCRの外周側にメモリゲート電極MGの加工精度を確保するのに必要なスペースを置く必要がある。
【0093】
次に、図22に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、周辺回路形成領域PERに形成されているポリシリコン膜PF1を加工する。これにより、周辺回路形成領域PERにポリシリコン膜PF1よりなるゲート電極G1およびゲート電極G2を形成する。このとき、同時に境界領域BORに形成されているダミーゲート電極DMY1も加工して、ダミーゲート電極DMY1の中央部に開口部OPを形成する。この開口部OPからは、半導体基板1Sに形成されているn型ウェルNWL1が露出することになる。
【0094】
続いて、図23に示すように、メモリセル形成領域MCRにおいて、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、メモリゲート電極MGに整合した半導体基板1S内に浅いn型不純物拡散領域EX1を形成する。この浅いn型不純物拡散領域EX1は、リンや砒素などのn型不純物を半導体基板1S内に導入した半導体領域である。同様に、周辺回路形成領域PERにおいて、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、ゲート電極G1に整合した半導体基板1S内に浅いn型不純物拡散領域EX2を形成する。この浅いn型不純物拡散領域EX2もリンや砒素などのn型不純物を半導体基板1S内に導入した半導体領域である。さらに、周辺回路形成領域PERにおいては、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、ゲート電極G2に整合した半導体基板1S内に浅いp型不純物拡散領域EX3を形成する。この浅いp型不純物拡散領域EX3は、例えば、ボロンなどのp型不純物を半導体基板1S内に導入した半導体領域である。
【0095】
その後、図24に示すように、半導体基板1S上に、例えば、酸化シリコン膜などからなる絶縁膜を形成した後、この絶縁膜を異方性エッチングすることにより、サイドウォールSW2を形成する。具体的には、メモリゲート電極MGの両側の側壁にサイドウォールSW2が形成され、ダミーゲート電極DMY1の側壁にもサイドウォールSW2が形成される。さらに、周辺回路形成領域PERにおいても、ゲート電極G1およびゲート電極G2の側壁にサイドウォールSW2が形成される。
【0096】
そして、メモリセル形成領域MCRにおいて、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、メモリゲート電極MGの側壁に形成されているサイドウォールSW2に整合した半導体基板1S内に深いn型不純物拡散領域NR1を形成する。この深いn型不純物拡散領域NR1は、リンや砒素などのn型不純物を半導体基板1S内に導入した半導体領域である。このとき、深いn型不純物拡散領域NR1には、浅いn型不純物拡散領域EX1よりも高濃度にn型不純物が導入されている。浅いn型不純物拡散領域EX1と深いn型不純物拡散領域NR1により、MONOS型トランジスタのソース領域およびドレイン領域が形成される。
【0097】
同様に、周辺回路形成領域PERにおいて、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、ゲート電極G1の側壁に形成されたサイドウォールSW2に整合した半導体基板1S内に深いn型不純物拡散領域NR2を形成する。この深いn型不純物拡散領域NR2もリンや砒素などのn型不純物を半導体基板1S内に導入した半導体領域である。このとき、深いn型不純物拡散領域NR2には、浅いn型不純物拡散領域EX2よりも高濃度にn型不純物が導入されている。浅いn型不純物拡散領域EX2と深いn型不純物拡散領域NR2により、nチャネル型MISFETのソース領域およびドレイン領域が形成される。
【0098】
同様に、周辺回路形成領域PERにおいては、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、ゲート電極G2の側壁に形成されたサイドウォールSW2に整合した半導体基板1S内に深いp型不純物拡散領域PR1を形成する。この深いp型不純物拡散領域PR1は、例えば、ボロンなどのp型不純物を半導体基板1S内に導入した半導体領域である。このとき、深いp型不純物拡散領域PR1には、浅いp型不純物拡散領域EX3よりも高濃度にn型不純物が導入されている。浅いp型不純物拡散領域EX3と深いn型不純物拡散領域PR1により、pチャネル型MISFETのソース領域およびドレイン領域が形成される。
【0099】
さらに、メモリセル形成領域において、最外周に形成されているメモリゲート電極MGの外側に露出しているp型ウェルPWL2の表面にp型半導体領域PR2を形成する。そして、境界領域BORにおいて、ダミーゲート電極DMY1の中央部に形成された開口部OPから露出しているn型ウェルNWL1の表面にn型半導体領域NR3を形成する。
【0100】
次に、シリサイド工程について図24を参照しながら説明する。半導体基板1S上にコバルト膜を形成する。このとき、メモリセル形成領域MCRでは、露出しているメモリゲート電極MGと、半導体基板1Sに露出している深いn型不純物拡散領域NR1にもコバルト膜が直接接する。さらに、半導体基板1Sの表面に形成されているp型半導体領域PR2上にも直接コバルト膜が接触する。また、境界領域BORにおいても、ダミーゲート電極DMY1や、半導体基板1Sの表面に形成されているn型半導体領域NR3にも直接コバルト膜が接触する。一方、周辺回路形成領域PERでも、ゲート電極G1、G2、深いn型不純物拡散領域NR2および深いp型不純物拡散領域PR1にも直接コバルト膜が接触する。
【0101】
その後、半導体基板1Sに対して熱処理を実施する。これにより、メモリセル形成領域MCRにおいては、メモリゲート電極MGと、深いn型不純物拡散領域NR1と、p型半導体領域PR2にコバルトシリサイド膜CSを形成する。これにより、メモリゲート電極MGは、ポリシリコン膜PF2とコバルトシリサイド膜CSの積層構造となる。コバルトシリサイド膜CSは、メモリゲート電極MGの低抵抗化のために形成される。同様に、上述した熱処理により、p型半導体領域PR2や深いn型不純物拡散領域NR1の表面においてもシリコンとコバルト膜が反応してコバルトシリサイド膜CSが形成される。このため、p型半導体領域PR2や深いn型不純物拡散領域NR1においても低抵抗化を図ることができる。
【0102】
同様に、境界領域BORにおいても、ダミーゲート電極DMY1と、n型半導体領域NR3にコバルトシリサイド膜CSを形成する。これにより、ダミーゲート電極DMY1は、ポリシリコン膜PF1とコバルトシリサイド膜CSの積層構造となる。上述した熱処理により、n型半導体領域NR3の表面においてもシリコンとコバルト膜が反応してコバルトシリサイド膜CSが形成される。このため、n型半導体領域NR3においても低抵抗化を図ることができる。
【0103】
さらに、周辺回路形成領域PERにおいても、ゲート電極G1、G2を構成するポリシリコン膜PF1とコバルト膜を反応させて、コバルトシリサイド膜CSを形成する。これにより、ゲート電極G1、G2は、それぞれ、ポリシリコン膜PF1とコバルトシリサイド膜CSの積層構造となる。コバルトシリサイド膜CSは、ゲート電極G1、G2の低抵抗化のために形成される。上述した熱処理により、深いn型不純物拡散領域NR2や深いp型不純物拡散領域PR1の表面においてもシリコンとコバルト膜が反応してコバルトシリサイド膜CSが形成される。このため、深いn型不純物拡散領域NR2や深いp型不純物拡散領域PR1においても低抵抗化を図ることができる。
【0104】
そして、未反応のコバルト膜は、半導体基板1S上から除去される。なお、本実施の形態1では、コバルトシリサイド膜CSを形成するように構成しているが、例えば、コバルトシリサイド膜CSに代えてニッケルシリサイド膜やチタンシリサイド膜を形成するようにしてもよい。以上のようにして、半導体基板1Sのメモリセル形成領域MCRに複数のメモリセル(MONOS型トランジスタ)とp型ウェル給電領域を形成し、周辺回路形成領域PERにnチャネル型MISFETおよびpチャネル型MISFETを形成することができる。そして、境界領域においては、n型ウェル給電領域を形成することができる。
【0105】
次に、配線工程について、図4を参照しながら説明する。図4に示すように、半導体基板1Sの主面上に層間絶縁膜IL1を形成する。この層間絶縁膜IL1は、例えば、酸化シリコン膜から形成され、例えばTEOS(tetra ethyl ortho silicate)を原料としたCVD法を使用して形成することができる。その後、層間絶縁膜IL1の表面を、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を使用して平坦化する。なお、層間絶縁膜IL1を窒化シリコン膜と酸化シリコン膜の積層膜から形成してもよい。つまり、窒化シリコン膜を層間絶縁膜IL1にコンタクトホールを形成する際のエッチングストッパ膜として使用することもできる(SAC(Self Align Contact))。
【0106】
続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用して、層間絶縁膜IL1にコンタクトホールCNT1〜CNT4を形成する。このコンタクトホールCNT1〜CNT2はメモリセル形成領域MCRに形成され、コンタクトホールCNT3は境界領域BORに形成される。そして、コンタクトホールCNT4は周辺回路形成領域PERに形成される。
【0107】
ここで、コンタクトホールCNT2は、メモリセル形成領域MCR内でメモリゲート電極MGの加工精度を確保するのに必要なスペースに形成されるが、メモリセル形成領域MCRの外側の境界領域FRに形成されたダミーゲート電極DMY1の外側に形成することも可能である。しかし、その場合には、半導体チップの面積が大きくなってしまうという不具合が生じてしまう。そのため、本実施の形態1では、メモリセル領域MCR内のメモリゲート電極MGの加工精度を確保するのに必要なスペースとして置かれた領域にコンタクトホールCNT2を形成することで、半導体チップの面積が拡大しないようなレイアウトを可能にしている。
【0108】
次に、コンタクトホールCNT1〜CNT4の底面および内壁を含む層間絶縁膜IL1上にチタン/窒化チタン膜を形成する。チタン/窒化チタン膜は、チタン膜と窒化チタン膜の積層膜から構成され、例えばスパッタリング法を使用することにより形成することができる。このチタン/窒化チタン膜は、例えば、後の工程で埋め込む膜の材料であるタングステンがシリコン中へ拡散するのを防止する、いわゆるバリア性を有する。
【0109】
続いて、コンタクトホールCNT1〜CNT4を埋め込むように、半導体基板1Sの主面の全面にタングステン膜を形成する。このタングステン膜は、例えばCVD法を使用して形成することができる。そして、層間絶縁膜IL1上に形成された不要なチタン/窒化チタン膜およびタングステン膜を例えばCMP法を使用して除去することにより、プラグPLG1〜PLG4を形成することができる。
【0110】
次に、図4に示すように、プラグPLG1〜PLG4を形成した層間絶縁膜IL1上に層間絶縁膜IL2を形成する。そして、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、層間絶縁膜IL2に溝を形成する。その後、溝内を含む層間絶縁膜IL2上にタンタル/窒化タンタル膜を形成する。このタンタル/窒化タンタル膜は、例えば、スパッタリング法により形成することができる。続いて、タンタル/窒化タンタル膜上に薄い銅膜よりなるシード膜を、例えば、スパッタリング法で形成した後、このシード膜を電極とする電解めっき法により、溝を形成した層間絶縁膜IL2上に銅膜を形成する。その後、溝の内部以外の層間絶縁膜IL2上に露出している銅膜を、例えば、CMP法で研磨して除去することにより、層間絶縁膜IL2に形成された溝内にだけ銅膜を残す。これにより、配線L1を形成することができる。さらに、配線L1の上層に多層配線を形成するが、ここでの説明は省略する。このようにして、最終的に本実施の形態1における半導体装置を製造することができる。
【0111】
本実施の形態1では、ポリシリコン膜PF1よりなるダミーゲート電極DMY1を形成しているので、メモリセル形成領域MCRと境界領域BORの境界にポリシリコン膜PF1による段差DIFが形成されるとともに、境界領域BOR内にギャップ溝GAPが形成されている。つまり、ダミーゲート電極DMY1を形成することにより、ダミーゲート電極DMY1と周辺回路形成領域PERを覆うポリシリコン膜PF1の間にギャップ溝GAPが形成される。この結果、ダミーゲート電極DMY1を含むポリシリコン膜PF1を覆うように形成されるポリシリコン膜PF2は、ダミーゲート電極DMY1の端部による段差DIFと境界領域BOR内部のギャップ溝GAPの形状を反映して形成される。このため、ポリシリコン膜PF2は、段差DIFにおいてステップ形状となるとともに、ギャップ溝GAPを埋め込む凹部CONが形成される。このような形状にポリシリコン膜PF2が形成される結果、段差DIF近傍の高い領域に形成されている反射防止膜BARCが低い領域に流れてしまっても、凹部CONに蓄えられた流動性の高い反射防止膜BARCが段差DIF近傍の高い領域に供給される。この結果、段差DIF近傍の高い領域において、低い領域に反射防止膜BARCの一部が流出しても、凹部CONから反射防止膜BARCが逐次補充されるので、段差DIF近傍の高い領域でも反射防止膜BARCが消失することなく所定の膜厚の反射防止膜BARCを確保することができるのである。このため、段差DIF近傍の領域においても反射防止を抑制できるのに充分な膜厚の反射防止膜BARCを形成することができる。このことから、本実施の形態1によれば、露光光の意図しない乱反射を抑制することができ、レジスト膜FR5のパターニング精度を向上することができる。したがって、レジスト膜FR5のパターニング精度が向上しているので、メモリゲート電極MGの加工精度も向上することができる顕著な効果が得られる。
【0112】
さらに、本実施の形態1では、ダミーゲート電極DMY1の中央部に開口部OPを形成し、この開口部OPで露出するn型ウェルNWL1に給電している。つまり、ダミーゲート電極DMY1は、主に、製造工程中における反射防止膜BARCの流出を抑制する目的で形成されているが、この目的を実現した後は、n型ウェルNWL1およびウェル分離層NISO(ディープウェル)への給電領域として機能することになる。すなわち、ダミーゲート電極DMY1を形成することにより、ダミーゲート電極DMY1直下の半導体基板1S内にはウェル分離層NISOと接続するn型ウェルNWL1が形成できるので、このダミーゲート電極DMY1を形成した境界領域BORを、n型ウェルNWL1への給電領域として利用しているものである。これにより、n型ウェルNWL1やウェル分離層NISOへの新たな給電領域を設ける必要がなくなるので、半導体装置の小型化を図ることができる。
【0113】
なお、本実施の形態1では、ダミーゲート電極DMY1を形成することにより、メモリゲート電極MGの加工精度を向上することができる。特に、メモリセル形成領域MCRの最外周領域に形成されているメモリゲート電極の加工不良を抑制することができる。ただし、ダミーゲート電極DMY1を形成することにより、メモリセル形成領域MCRの最外周に形成されているメモリゲート電極MGに加工不良を軽減できるが、さらに、メモリゲート電極MGの加工精度が要求される場合には、最外周に形成されているメモリゲート電極MGを使用しないようにすることもできる。すなわち、メモリセル形成領域MCRの最外周に形成されているメモリゲート電極MGの加工精度が問題となるので、このメモリゲート電極MGをメモリセルとして機能させないことも有効である。
【0114】
(実施の形態2)
前記実施の形態1では、図4に示すように、ダミーゲート電極DMY1の中央部に開口部を設けることにより、ダミーゲート電極DMY1下に形成されるn型ウェルNWL1に電位を供給するプラグPLG3を形成する例を示した。本実施の形態2では、ダミーゲート電極DMY1をそのまま残存させる例について説明する。すなわち、本実施の形態2では、ダミーゲート電極DMY1の中央部に開口部を設けない例について説明する。
【0115】
図25は、本実施の形態2におけるメモリセルアレイを模式的に示す図である。図25には、メモリセル形成領域MCRと、このメモリセル形成領域MCRの外側に形成されている境界領域BORが図示されている。メモリセル形成領域MCRと境界領域BORを合わせた領域を第1領域FRと定義している。そして、図25には図示されていないが、第1領域FRの外側に周辺回路が形成されている周辺回路形成領域が存在する。
【0116】
まず、図25において、メモリセル形成領域MCRには、複数のメモリセルが形成されている。具体的には、Y軸方向に沿って複数のメモリゲート電極MG(ワード線)が延在している。そして、Y軸方向と直交するX軸方向に複数のソース領域/ドレイン領域S/Dが延在している。このメモリゲート電極MGと、ソース領域/ドレイン領域S/Dが交差する領域にメモリセルが形成されている。したがって、図25では、複数のメモリセルがアレイ状(行列状)に配置されていることになる。複数のメモリセルがアレイ状に配置されている領域がフラッシュメモリの記憶部にあたる。個々のメモリセルは、1ビットの単位情報を記憶するための回路であり、記憶部であるMONOS型トランジスタから構成されている。複数のメモリセルが形成されている領域の外側には、給電領域PSが形成されている。この給電領域PSから、各メモリセルに共通のウェル(図示せず)に電位が供給されるようになっている。
【0117】
次に、メモリセル形成領域MCRの外側には境界領域BORが形成されている。本実施の形態2では、この境界領域BORにダミーゲート電極(ダミーゲート)DMY1およびダミーゲート電極DMY2が形成されている。ダミーゲート電極DMY1およびダミーゲート電極DMY2は、ゲート電極として機能しないダミーパターンを示している。図25では、ダミーゲート電極DMY1はメモリセル形成領域MCRを挟むように1対形成されている。すなわち、ダミーゲート電極DMY1は、メモリセル形成領域MCRを左右から挟むように1対で形成されている。同様に、ダミーゲート電極DMY2は、メモリセル形成領域MCRを上下から挟むように1対で形成されている。ダミーゲート電極DMY1とダミーゲート電極DMY2とは互いに接続されており、互いに接続されたダミーゲート電極DMY1とダミーゲート電極DMY2により、メモリセル形成領域MCRの周囲が囲まれている。
【0118】
続いて、図26は、第1領域FR内のメモリセル形成領域MCRに形成されているMONOS型トランジスタQ、第1領域FR内の境界領域BORに形成されているダミーゲート電極DMY1、および、周辺回路形成領域PERに形成されているnチャネル型MISFETQ、pチャネル型MISFETQの構成を示す図である。図26に示す本実施の形態2における半導体装置の構成は、図4に示す前記実施の形態1における半導体装置の構成とほぼ同様である。異なる点は、ダミーゲート電極DMY1の構成である。前記実施の形態1では、ダミーゲート電極DMY1の中央部に開口部が設けられ、この開口部の中にプラグPLG3が形成されている。これに対し、本実施の形態2では、ダミーゲート電極DMY1には開口部が設けられていない。つまり、本実施の形態2におけるダミーゲート電極DMY1は、前記実施の形態1におけるダミーゲート電極DMY1に比べて簡素化された構成をしているということができる。
【0119】
本実施の形態2における半導体装置は上記のように構成されており、以下に、その製造方法について図面を参照しながら説明する。図11から図21に示す工程までは、前記実施の形態1と同様である。これにより、本実施の形態2でも前記実施の形態1と同様の効果が得られる。すなわち、本実施の形態2でも、図19および図20に示すように、ポリシリコン膜PF1よりなるダミーゲート電極DMY1を形成しているので、メモリセル形成領域MCRと境界領域BORの境界にポリシリコン膜PF1による段差DIFが形成されるとともに、境界領域BOR内にギャップ溝GAPが形成されている。つまり、ダミーゲート電極DMY1を形成することにより、ダミーゲート電極DMY1と周辺回路形成領域PERを覆うポリシリコン膜PF1の間にギャップ溝GAPが形成される。この結果、ダミーゲート電極DMY1を含むポリシリコン膜PF1を覆うように形成されるポリシリコン膜PF2は、ダミーゲート電極DMY1の端部による段差DIFと境界領域BOR内部のギャップ溝GAPの形状を反映して形成される。このため、ポリシリコン膜PF2は、段差DIFにおいてステップ形状となるとともに、ギャップ溝GAPを埋め込む凹部CONが形成される。このような形状にポリシリコン膜PF2が形成される結果、段差DIF近傍の高い領域に形成されている反射防止膜BARCが低い領域に流れてしまっても、凹部CONに蓄えられた流動性の高い反射防止膜BARCが段差DIF近傍の高い領域に供給される。この結果、段差DIF近傍の高い領域において、低い領域に反射防止膜BARCの一部が流出しても、凹部CONから反射防止膜BARCが逐次補充されるので、段差DIF近傍の高い領域でも反射防止膜BARCが消失することなく所定の膜厚の反射防止膜BARCを確保することができるのである。このため、段差DIF近傍の領域においても反射防止を抑制できるのに充分な膜厚の反射防止膜BARCを形成することができる。このことから、本実施の形態1によれば、露光光の意図しない乱反射を抑制することができ、レジスト膜FR5のパターニング精度を向上することができる。したがって、レジスト膜FR5のパターニング精度が向上しているので、メモリゲート電極MGの加工精度も向上することができる顕著な効果が得られる。
【0120】
続いて、図27に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、周辺回路形成領域PERに形成されているポリシリコン膜PF1を加工する。これにより、周辺回路形成領域PERにポリシリコン膜PF1よりなるゲート電極G1およびゲート電極G2を形成する。このとき、前記実施の形態1では、境界領域BORに形成されているダミーゲート電極DMY1も加工して開口部を形成していたが、本実施の形態2では、ダミーゲート電極DMY1に開口部を形成する加工は行なわない。これにより、製造工程の簡素化を図ることができる。
【0121】
次に、図28に示すように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、メモリセル形成領域MCRにおいて、メモリゲート電極MGに整合した浅いn型不純物拡散領域EX1を形成する。同様に、周辺回路形成領域PERにおいて、ゲート電極G1に整合した浅いn型不純物拡散領域EX2を形成し、ゲート電極G2に整合した浅いp型不純物拡散領域EX3を形成する。
【0122】
続いて、図29に示すように、メモリゲート電極MG、ダミーゲート電極DMY1、ゲート電極G1およびゲート電極G2の側壁にサイドウォールSW2を形成する。その後、メモリセル形成領域MCRにおいては、メモリゲート電極MGの側壁に形成されたサイドウォールSW2に整合した深いn型不純物拡散領域NR1を形成する。さらに、最外周に形成されているメモリゲート電極MGの外側に露出しているp型ウェルPWL2の表面にp型半導体領域PR2を形成する。一方、周辺回路形成領域PERにおいては、ゲート電極G1の側壁に形成されたサイドウォールSW2に整合した深いn型不純物拡散領域NR2を形成し、ゲート電極G2の側壁に形成されたサイドウォールSW2に整合した深いp型不純物拡散領域PR1を形成する。
【0123】
次に、メモリゲート電極MG、深いn型不純物拡散領域NR1、p型半導体領域PR2、ダミーゲート電極DMY1、ゲート電極G1、深いn型不純物拡散領域NR2、ゲート電極G2および深いp型不純物拡散領域PR1のそれぞれの表面にコバルトシリサイド膜CSを形成する。
【0124】
その後、前記実施の形態1と同様に配線工程を実施する。このようにして、図26に示すような本実施の形態2における半導体装置を製造することができる。
【0125】
(実施の形態3)
前記実施の形態1および前記実施の形態2では、ダミーゲート電極DMY1を残存させる例を示したが、本実施の形態3では、ダミーゲート電極DMY1を最終的に除去する例について説明する。
【0126】
図30は、本実施の形態3におけるメモリセルアレイを模式的に示す図である。図30には、メモリセル形成領域MCRと、このメモリセル形成領域MCRの外側に形成されている境界領域BORが図示されている。メモリセル形成領域MCRと境界領域BORを合わせた領域を第1領域FRと定義している。そして、図30には図示されていないが、第1領域FRの外側に周辺回路が形成されている周辺回路形成領域が存在する。
【0127】
まず、図30において、メモリセル形成領域MCRには、複数のメモリセルが形成されている。具体的には、Y軸方向に沿って複数のメモリゲート電極MG(ワード線)が延在している。そして、Y軸方向と直交するX軸方向に複数のソース領域/ドレイン領域S/Dが延在している。このメモリゲート電極MGと、ソース領域/ドレイン領域S/Dが交差する領域にメモリセルが形成されている。したがって、図30では、複数のメモリセルがアレイ状(行列状)に配置されていることになる。複数のメモリセルがアレイ状に配置されている領域がフラッシュメモリの記憶部にあたる。個々のメモリセルは、1ビットの単位情報を記憶するための回路であり、記憶部であるMONOS型トランジスタから構成されている。複数のメモリセルが形成されている領域の外側には、給電領域PSが形成されている。この給電領域PSから、各メモリセルに共通のウェル(図示せず)に電位が供給されるようになっている。
【0128】
次に、メモリセル形成領域MCRの外側には境界領域BORが形成されている。本実施の形態2では、この境界領域BORにダミーゲート電極(ダミーゲート)は形成されていない。つまり、本実施の形態3では、最終的にダミーゲート電極は除去されるように構成されている。
【0129】
続いて、図31は、第1領域FR内のメモリセル形成領域MCRに形成されているMONOS型トランジスタQ、および、周辺回路形成領域PERに形成されているnチャネル型MISFETQ、pチャネル型MISFETQの構成を示す図である。図31に示す本実施の形態3における半導体装置の構成は、図4に示す前記実施の形態1における半導体装置の構成とほぼ同様である。異なる点は、本実施の形態3において、ダミーゲート電極が最終的に除去されている点である。
【0130】
本実施の形態3における半導体装置は上記のように構成されており、以下に、その製造方法について図面を参照しながら説明する。図11から図21に示す工程までは、前記実施の形態1と同様である。これにより、本実施の形態3でも前記実施の形態1と同様の効果が得られる。すなわち、本実施の形態3でも、図19および図20に示すように、ポリシリコン膜PF1よりなるダミーゲート電極DMY1を形成しているので、メモリセル形成領域MCRと境界領域BORの境界にポリシリコン膜PF1による段差DIFが形成されるとともに、境界領域BOR内にギャップ溝GAPが形成されている。つまり、ダミーゲート電極DMY1を形成することにより、ダミーゲート電極DMY1と周辺回路形成領域PERを覆うポリシリコン膜PF1の間にギャップ溝GAPが形成される。この結果、ダミーゲート電極DMY1を含むポリシリコン膜PF1を覆うように形成されるポリシリコン膜PF2は、ダミーゲート電極DMY1の端部による段差DIFと境界領域BOR内部のギャップ溝GAPの形状を反映して形成される。このため、ポリシリコン膜PF2は、段差DIFにおいてステップ形状となるとともに、ギャップ溝GAPを埋め込む凹部CONが形成される。このような形状にポリシリコン膜PF2が形成される結果、段差DIF近傍の高い領域に形成されている反射防止膜BARCが低い領域に流れてしまっても、凹部CONに蓄えられた流動性の高い反射防止膜BARCが段差DIF近傍の高い領域に供給される。この結果、段差DIF近傍の高い領域において、低い領域に反射防止膜BARCの一部が流出しても、凹部CONから反射防止膜BARCが逐次補充されるので、段差DIF近傍の高い領域でも反射防止膜BARCが消失することなく所定の膜厚の反射防止膜BARCを確保することができるのである。このため、段差DIF近傍の領域においても反射防止を抑制できるのに充分な膜厚の反射防止膜BARCを形成することができる。このことから、本実施の形態1によれば、露光光の意図しない乱反射を抑制することができ、レジスト膜FR5のパターニング精度を向上することができる。したがって、レジスト膜FR5のパターニング精度が向上しているので、メモリゲート電極MGの加工精度も向上することができる顕著な効果が得られる。
【0131】
続いて、図32に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、周辺回路形成領域PERに形成されているポリシリコン膜PF1を加工する。これにより、周辺回路形成領域PERにポリシリコン膜PF1よりなるゲート電極G1およびゲート電極G2を形成する。このとき、前記実施の形態1では、境界領域BORに形成されているダミーゲート電極DMY1も加工して開口部を形成していたが、本実施の形態3では、ダミーゲート電極DMY1を除去する。
【0132】
次に、図33に示すように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、メモリセル形成領域MCRにおいて、メモリゲート電極MGに整合した浅いn型不純物拡散領域EX1を形成する。同様に、周辺回路形成領域PERにおいて、ゲート電極G1に整合した浅いn型不純物拡散領域EX2を形成し、ゲート電極G2に整合した浅いp型不純物拡散領域EX3を形成する。
【0133】
続いて、図34に示すように、メモリゲート電極MG、ゲート電極G1およびゲート電極G2の側壁にサイドウォールSW2を形成する。その後、メモリセル形成領域MCRにおいては、メモリゲート電極MGの側壁に形成されたサイドウォールSW2に整合した深いn型不純物拡散領域NR1を形成する。さらに、最外周に形成されているメモリゲート電極MGの外側に露出しているp型ウェルPWL2の表面にp型半導体領域PR2を形成する。一方、周辺回路形成領域PERにおいては、ゲート電極G1の側壁に形成されたサイドウォールSW2に整合した深いn型不純物拡散領域NR2を形成し、ゲート電極G2の側壁に形成されたサイドウォールSW2に整合した深いp型不純物拡散領域PR1を形成する。
【0134】
次に、メモリゲート電極MG、深いn型不純物拡散領域NR1、p型半導体領域PR2、ゲート電極G1、深いn型不純物拡散領域NR2、ゲート電極G2および深いp型不純物拡散領域PR1のそれぞれの表面にコバルトシリサイド膜CSを形成する。
【0135】
その後、前記実施の形態1と同様に配線工程を実施する。このようにして、図31に示すような本実施の形態3における半導体装置を製造することができる。
【0136】
(実施の形態4)
本実施の形態4では、フラッシュメモリの様々なレイアウトについて説明する。図35は、本実施の形態4におけるフラッシュメモリのレイアウト例を示す図である。図35は、図25とほぼ同様のレイアウトをしている。異なる点は、図35において、Y軸方向に延在するダミーゲート電極DMY1と、X軸方向に延在するダミーゲート電極DMY2が接続されていない点である。このようにダミーゲート電極DMY1とダミーゲート電極DMY2を配置する場合であっても、前記実施の形態1〜3と同様に、メモリゲート電極の加工精度を向上することができる。
【0137】
図36は、本実施の形態4におけるフラッシュメモリのレイアウト例を示す図である。図36では、図25と異なり、フラッシュメモリ形成領域に複数のメモリセル形成領域MCR1〜MCR4が形成されている。これらのメモリセル形成領域MCR1〜MCR4のそれぞれに形成されているメモリセルアレイは、図25と同様の構成をしている。図36では、各メモリセル形成領域MCR1〜MCR4にそれぞれp型ウェル(図示せず)が形成されているが、それぞれのp型ウェルは電気的に独立するように構成されている。このように本実施の形態4では、フラッシュメモリ形成領域に複数のメモリセル形成領域MCR1〜MCR4が形成されているが、それぞれのメモリセル形成領域MCR1〜MCR4を囲むようにダミーゲート電極DMY1A〜DMY4Aが形成されている。これにより、各メモリセル形成領域MCR1〜MCR4に形成されているメモリゲート電極の加工精度を向上することができる。
【0138】
図37は図36の変形例を示す図である。図37においても、フラッシュメモリ形成領域に複数のメモリセル形成領域MCR1〜MCR4が形成されており、各メモリセル形成領域MCR1〜MCR4を囲むようにダミーゲート電極DMY5が形成されている。この場合も、各メモリセル形成領域MCR1〜MCR4に形成されているメモリゲート電極の加工精度を向上することができる。
【0139】
図38は、本実施の形態4におけるフラッシュメモリのレイアウト例を示す図である。図38では、メモリセル形成領域MCR5に2つの独立したメモリセルアレイが形成されている。そして、この2つの独立したメモリセルアレイを囲むようにダミーゲート電極DMY6が形成されている。この場合でも、メモリセル形成領域MCR5に形成されているメモリゲート電極の加工精度を向上することができる。
【0140】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0141】
本発明は、半導体装置を製造する製造業に幅広く利用することができる。
【符号の説明】
【0142】
1 CPU
1C ICカード
1S 半導体基板
2 RAM
3 アナログ回路
4 EEPROM
5 フラッシュメモリ
6 I/O回路
BARC 反射防止膜
BOR 境界領域
CNT1〜CNT4 コンタクトホール
CON 凹部
CS コバルトシリサイド膜
CT1〜CT8 セルトランジスタ
DIF 段差
DL1〜DL4 データ線
DMY1 ダミーゲート電極
DMY1A〜4A ダミーゲート電極
DMY2 ダミーゲート電極
DMY5 ダミーゲート電極
DMY6 ダミーゲート電極
EB1 第1電位障壁膜
EB2 第2電位障壁膜
EC 電荷蓄積膜
EX1 浅いn型不純物拡散領域
EX2 浅いn型不純物拡散領域
EX3 浅いp型不純物拡散領域
FR 第1領域
FR1 レジスト膜
FR2 レジスト膜
FR3 レジスト膜
FR4 レジスト膜
FR5 レジスト膜
GAP ギャップ溝
GOX ゲート絶縁膜
G1 ゲート電極
G2 ゲート電極
IL1 層間絶縁膜
IL2 層間絶縁膜
L1 配線
MCR メモリセル形成領域
MCR1〜MCR4 メモリセル形成領域
MCR5 メモリセル形成領域
MG メモリゲート電極
MG1 メモリゲート電極
MG2 メモリゲート電極
MK マスク
NISO ウェル分離層
NR1 深いn型不純物拡散領域
NR2 深いn型不純物拡散領域
NR3 n型半導体領域
NWL1 n型ウェル
OP 開口部
OX1 酸化シリコン膜
OX2 酸化シリコン膜
PER 周辺回路形成領域
PF1 ポリシリコン膜
PF2 ポリシリコン膜
PLG1〜PLG4 プラグ
PR1 深いp型不純物拡散領域
PR2 p型半導体領域
PS 給電領域
PWL1 p型ウェル
PWL2 p型ウェル
MONOS型トランジスタ
nチャネル型MISFET
pチャネル型MISFET
S/D ソース領域/ドレイン領域
SIN 窒化シリコン膜
SL1〜SL4 ソース線
STI 素子分離領域
SW1 サイドウォール
SW2 サイドウォール
TE 端子
WE ウェル
WL1、WL2 ワード線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に第1領域と、前記第1領域内に複数のメモリセルが形成されるメモリセル形成領域とを有する半導体装置の製造方法であって、
(a)前記半導体基板上に第1絶縁膜を形成する工程と、
(b)前記第1絶縁膜上に第1導電膜を形成する工程と、
(c)前記第1導電膜をパターニングすることにより、前記第1領域内であって前記メモリセル形成領域を挟み、かつ、第1方向に延在する一対の第1ダミーゲート対と、前記第1領域内であって前記メモリセル形成領域を挟み、かつ、前記第1方向と交差する第2方向に延在する一対の第2ダミーゲート対とを形成し、さらに、前記第1領域外に形成されている前記第1導電膜を残す工程と、
(d)前記(c)工程後、前記半導体基板内に第1導電型の第1ウェルを形成する工程と、
(e)前記(d)工程後、前記第1ダミーゲート対および前記第2ダミーゲート対を覆う前記半導体基板上に第2絶縁膜を形成する工程と、
(f)前記第2絶縁膜上に第2導電膜を形成する工程と、
(g)前記第2導電膜上に反射防止膜を形成する工程と、
(h)前記反射防止膜上に第1レジスト膜を形成する工程と、
(i)前記第1レジスト膜をパターニングする工程と、
(j)パターニングされた前記第1レジスト膜をマスクとして前記第2導電膜を加工することにより、前記複数のメモリセルのそれぞれにおけるメモリゲート電極を形成する工程とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置の製造方法であって、
前記第1方向に延在する前記第1ダミーゲート対と、前記第2方向に延在する前記第2ダミーゲート対は互いにつながって、前記メモリセル形成領域を囲むように形成されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1記載の半導体装置の製造方法であって、
(k)前記(j)工程後、前記第1ウェル内であって前記第1ウェルに電圧を供給する給電領域に前記第1導電型の第1半導体領域を形成する工程と、
(l)前記第1半導体領域の表面に第1シリサイド層を形成する工程と、
(m)前記(l)工程後、前記半導体基板上に層間絶縁膜を形成する工程と、
(n)前記層間絶縁膜を貫通し、かつ、底面が前記第1シリサイド層に達する第1コンタクトホールを形成する工程と、
(o)前記第1コンタクトホール内に導電膜を埋め込むことにより、前記第1半導体領域の表面に形成された前記第1シリサイド層と電気的に接続された第1プラグを形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項3記載の半導体装置の製造方法であって、
前記第1プラグは、前記第1ダミーゲート対と前記第2ダミーゲート対の両方に挟まれた領域内に形成されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1記載の半導体装置の製造方法であって、
(p)前記(a)工程前、前記半導体基板内であって前記第1ウェルよりも深い領域に前記第1導電型と反対の第2導電型である第2ウェルを形成し、かつ、前記第1ダミーゲート対を形成する領域と平面的に重なる前記半導体基板内に前記第2導電型の第3ウェルを前記第2ウェルに達するように形成する工程を含み、
(q)前記(j)工程後、前記第1ダミーゲート対の一部に開口部を形成し、前記開口部の底部で前記第3ウェルを露出する工程と、
(r)前記(q)工程後、前記開口部から露出している前記第3ウェル内に前記第2導電型の第2半導体領域を形成する工程と、
(s)前記第2半導体領域の表面に第2シリサイド層を形成する工程と、
(t)前記(s)工程後、前記半導体基板上に層間絶縁膜を形成する工程と、
(u)前記開口部内を通って前記層間絶縁膜を貫通し、かつ、底面が前記第2シリサイド層に達する第2コンタクトホールを形成する工程と、
(v)前記第2コンタクトホール内に導電膜を埋め込むことにより、前記第2半導体領域の表面に形成された前記第2シリサイド層と電気的に接続された第2プラグを形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1記載の半導体装置の製造方法であって、
前記(c)工程は、
(c1)前記第1導電膜上に第2レジスト膜を形成する工程と、
(c2)前記第2レジスト膜をパターニングする工程と、
(c3)パターニングした前記第2レジスト膜をマスクにして前記第1導電膜を加工することにより、前記第1ダミーゲート対と前記第2ダミーゲート対を形成する工程を含み、
前記(d)工程は、前記(c2)工程でパターニングした前記第2レジスト膜を除去せずにそのままマスクに使用して、前記半導体基板内に第1導電型の第1ウェルを形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1記載の半導体装置の製造方法であって、
前記半導体基板には、複数の前記メモリセル形成領域が形成されており、複数の前記メモリセル形成領域のそれぞれは、前記第1方向に延在する一対の前記第1ダミーゲート対と、前記第2方向に延在する一対の前記第2ダミーゲート対とで挟まれていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項7記載の半導体装置の製造方法であって、
複数の前記メモリセル形成領域のそれぞれの前記半導体基板内には、前記第1ウェルがそれぞれ形成されており、互いに異なる前記メモリセル形成領域の前記半導体基板内に形成されているそれぞれの前記第1ウェルは、互いに電気的に分離されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項1記載の半導体装置の製造方法であって、
前記(e)工程は、
(e1)前記第1ダミーゲート対および前記第2ダミーゲート対を覆う前記半導体基板上に第1電位障壁膜を形成する工程と、
(e2)前記第1電位障壁膜上に電荷蓄積膜を形成する工程と、
(e3)前記電荷蓄積膜上に第2電位障壁膜を形成する工程とを含み、
前記第2絶縁膜は、前記第1電位障壁膜と、前記電荷蓄積膜と、前記第2電位障壁膜とを有する膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項9記載の半導体装置の製造方法であって、
前記電荷蓄積膜は、窒化シリコン膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項1記載の半導体装置の製造方法であって、
前記第1導電型はp型であり、前記第2導電型はn型であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項12】
半導体基板上に第1領域と、前記第1領域内に複数のメモリセルが形成されるメモリセル形成領域と、前記第1領域外に複数のMISFETが形成される周辺領域とを有する半導体装置の製造方法であって、
(a)前記周辺領域の前記半導体基板内に第1導電型である第1ウェルと、前記第1導電型と反対の第2導電型である第2ウェルを形成する工程と、
(b)前記第1領域および前記周辺領域の前記半導体基板上に第1絶縁膜を形成し、前記周辺領域では前記第1絶縁膜からなる第1ゲート絶縁膜を形成する工程と、
(c)前記第1絶縁膜上に第1導電膜を形成する工程と、
(d)前記第1導電膜をパターニングすることにより、前記第1領域内であって前記メモリセル形成領域を挟み、かつ、第1方向に延在する一対の第1ダミーゲート対と、前記第1領域内であって前記メモリセル形成領域を挟み、かつ、前記第1方向と交差する第2方向に延在する一対の第2ダミーゲート対とを形成し、さらに、前記第1領域外の前記周辺領域に形成されている前記第1導電膜を残す工程と、
(e)前記(d)工程後、前記半導体基板内に第1導電型の第3ウェルを形成する工程と、
(f)前記(e)工程後、前記第1ダミーゲート対および前記第2ダミーゲート対を覆う前記半導体基板上に第2絶縁膜を形成する工程と、
(g)前記第2絶縁膜上に第2導電膜を形成する工程と、
(h)前記第2導電膜上に反射防止膜を形成する工程と、
(i)前記反射防止膜上に第1レジスト膜を形成する工程と、
(j)前記第1レジスト膜をパターニングする工程と、
(k)パターニングされた前記第1レジスト膜をマスクとして前記第2導電膜を加工することにより、前記複数のメモリセルのそれぞれにおけるメモリゲート電極を形成する工程と、
(l)前記(k)工程後、前記周辺領域に形成されている前記第1導電膜を加工することにより、前記複数のMISFETのそれぞれにおけるゲート電極を形成する工程とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項12記載の半導体装置の製造方法であって、
前記第1方向に延在する前記第1ダミーゲート対と、前記第2方向に延在する前記第2ダミーゲート対は互いにつながって、前記メモリセル形成領域を囲むように形成されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項14】
請求項12記載の半導体装置の製造方法であって、
(m)前記(l)工程後、前記第3ウェル内であって前記第3ウェルに電圧を供給する給電領域に前記第1導電型の第1半導体領域を形成する工程と、
(n)前記第1半導体領域の表面に第1シリサイド層を形成する工程と、
(o)前記(n)工程後、前記半導体基板上に層間絶縁膜を形成する工程と、
(p)前記層間絶縁膜を貫通し、かつ、底面が前記第1シリサイド層に達する第1コンタクトホールを形成する工程と、
(q)前記第1コンタクトホール内に導電膜を埋め込むことにより、前記第1半導体領域の表面に形成された前記第1シリサイド層と電気的に接続された第1プラグを形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項15】
請求項14記載の半導体装置の製造方法であって、
前記第1プラグは、前記第1ダミーゲート対と前記第2ダミーゲート対の両方に挟まれた領域内に形成されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項16】
請求項12記載の半導体装置の製造方法であって、
(r)前記(a)工程は、前記第1領域の前記半導体基板内であって前記第3ウェルよりも深い領域に前記第1導電型と反対の第2導電型である第4ウェルを形成し、かつ、前記第1ダミーゲート対を形成する領域と平面的に重なる前記半導体基板内に前記第2導電型の第5ウェルを前記第4ウェルに達するように形成する工程を含み、
(s)前記(l)工程は、さらに、前記第1ダミーゲート対の一部に開口部を形成し、前記開口部の底部で前記第5ウェルを露出する工程を含み、
(t)前記(s)工程後、前記開口部から露出している前記第5ウェル内に前記第2導電型の第2半導体領域を形成する工程と、
(u)前記第2半導体領域の表面に第2シリサイド層を形成する工程と、
(v)前記(u)工程後、前記半導体基板上に層間絶縁膜を形成する工程と、
(w)前記開口部内を通って前記層間絶縁膜を貫通し、かつ、底面が前記第2シリサイド層に達する第2コンタクトホールを形成する工程と、
(x)前記第2コンタクトホール内に導電膜を埋め込むことにより、前記第2半導体領域の表面に形成された前記第2シリサイド層と電気的に接続された第2プラグを形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項17】
請求項12記載の半導体装置の製造方法であって、
前記(d)工程は、
(d1)前記第1導電膜上に第2レジスト膜を形成する工程と、
(d2)前記第2レジスト膜をパターニングする工程と、
(d3)パターニングした前記第2レジスト膜をマスクにして前記第1導電膜を加工することにより、前記第1ダミーゲート対と前記第2ダミーゲート対を形成する工程を含み、
前記(e)工程は、前記(d2)工程でパターニングした前記第2レジスト膜を除去せずにそのままマスクに使用して、前記半導体基板内に第1導電型の第3ウェルを形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項18】
請求項12記載の半導体装置の製造方法であって、
前記半導体基板には、複数の前記メモリセル形成領域が形成されており、複数の前記メモリセル形成領域のそれぞれは、前記第1方向に延在する一対の第1ダミーゲート対と、前記第2方向に延在する一対の第2ダミーゲート対とで挟まれていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項19】
請求項18記載の半導体装置の製造方法であって、
前記複数の前記メモリセル形成領域のそれぞれの前記半導体基板内には、前記第3ウェルがそれぞれ形成されており、互いに異なる前記メモリセル形成領域の前記半導体基板内に形成されているそれぞれの前記第3ウェルは、互いに電気的に分離されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項20】
請求項12記載の半導体装置の製造方法であって、
前記(f)工程は、
(f1)前記第1ダミーゲート対および前記第2ダミーゲート対を覆う前記半導体基板上に第1電位障壁膜を形成する工程と、
(f2)前記第1電位障壁膜上に電荷蓄積膜を形成する工程と、
(f3)前記電荷蓄積膜上に第2電位障壁膜を形成する工程とを含み、
前記第2絶縁膜は、前記第1電位障壁膜と、前記電荷蓄積膜と、前記第2電位障壁膜とを有する膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項21】
請求項20記載の半導体装置の製造方法であって、
前記電荷蓄積膜は、窒化シリコン膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項22】
請求項12記載の半導体装置の製造方法であって、
前記第1導電型はp型であり、前記第2導電型はn型であることを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公開番号】特開2010−245160(P2010−245160A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−90028(P2009−90028)
【出願日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】