説明

基板処理装置

【課題】ベベル部の汚染に起因する基板の処理不良の発生を防止することができる基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置500は、インデクサブロック9、ベベル処理ブロック10、反射防止膜用処理ブロック11、レジスト膜用処理ブロック12、現像処理ブロック13、レジストカバー膜用処理ブロック14およびインターフェースブロック15を含む。ベベル研磨部50では、ベベル研磨ユニットにより基板Wのベベル部に研磨処理が施される。それにより、基板のベベル部に付着する汚染物が確実に取り除かれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の処理を行う基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板等の各種基板に種々の処理を行うために、基板処理装置が用いられている。
【0003】
このような基板処理装置では、一般に、一枚の基板に対して複数の異なる処理が連続的に行われる。特許文献1に記載された基板処理装置は、インデクサブロック、反射防止膜用処理ブロック、レジスト膜用処理ブロック、現像処理ブロックおよびインターフェイスブロックにより構成される。インターフェイスブロックに隣接するように、基板処理装置とは別体の外部装置である露光装置が配置される。
【0004】
上記の基板処理装置においては、インデクサブロックから搬入される基板は、反射防止膜用処理ブロックおよびレジスト膜用処理ブロックにおいて反射防止膜の形成およびレジスト膜の塗布処理が行われた後、インターフェイスブロックを介して露光装置へと搬送される。露光装置において基板上のレジスト膜に露光処理が行われた後、基板はインターフェイスブロックを介して現像処理ブロックへ搬送される。現像処理ブロックにおいて基板上のレジスト膜に現像処理が行われることによりレジストパターンが形成された後、基板はインデクサブロックへと搬送される。
【0005】
近年、デバイスの高密度化および高集積化に伴い、レジストパターンの微細化が重要な課題となっている。従来の一般的な露光装置においては、レチクルのパターンを投影レンズを介して基板上に縮小投影することによって露光処理が行われていた。しかし、このような従来の露光装置においては、露光パターンの線幅は露光装置の光源の波長によって決まるため、レジストパターンの微細化に限界があった。
【0006】
そこで、露光パターンのさらなる微細化を可能にする投影露光方法として、液浸法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2の投影露光装置においては、投影光学系と基板との間に液体が満たされており、基板表面における露光光を短波長化することができる。それにより、露光パターンのさらなる微細化が可能となる。
【特許文献1】特開2003−324139号公報
【特許文献2】国際公開第99/49504号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記特許文献2の投影露光装置においては、基板と液体とが接触した状態で露光処理が行われるので、露光処理前に基板に汚染物質が付着すると、その汚染物質が液体中に混入する。
【0008】
露光処理前においては、基板に対して種々の成膜処理が施されるが、この成膜処理の過程で、基板のベベル部(端部)が汚染する場合がある。このように、基板のベベル部が汚染された状態で基板の露光処理を行うと、露光装置のレンズが汚染され、露光パターンの寸法不良および形状不良が発生するおそれがある。
【0009】
また、露光処理後に基板のベベル部が汚染されていると、現像不良等の基板の処理不良が発生するおそれがある。
【0010】
本発明の目的は、ベベル部の汚染に起因する基板の処理不良の発生を防止することができる基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明に係る基板処理装置は、露光装置に隣接するように配置される基板処理装置であって、基板に処理を行うための処理部と、処理部の一端部に隣接するように設けられ、処理部と露光装置との間で基板の受け渡しを行うための受け渡し部とを備え、処理部および受け渡し部の少なくとも一方は、基板のベベル部に研磨処理を行うベベル研磨ユニットを含むものである。
【0012】
この基板処理装置では、処理部において基板に所定の処理が行われ、受け渡し部によりその基板が処理部から露光装置へ受け渡される。露光装置において基板に露光処理が行われた後、露光処理後の基板が受け渡し部により露光装置から処理部へ戻される。
【0013】
露光装置による露光処理前または露光処理後には、ベベル研磨ユニットより基板のベベル部に研磨処理が施される。それにより、基板のベベル部に付着した汚染物を確実に取り除くことができる。
【0014】
露光処理前の基板のベベル部に研磨処理を施した場合には、基板のベベル部の汚染に起因する露光装置内の汚染を確実に防止することができ、露光パターンの寸法不良および形状不良の発生を防止することができる。
【0015】
また、露光処理後の基板のベベル部に研磨処理を施した場合には、ベベル部が十分に清浄な状態で基板の現像処理を行うことができる。それにより、基板のベベル部の汚染に起因する現像性能の低下を防止することができる。
【0016】
これらの結果、基板の処理不良の発生を防止することができる。
【0017】
(2)処理部および受け渡し部の少なくとも一方は、ベベル研磨ユニットによる研磨処理後の基板を洗浄する基板洗浄ユニットをさらに含んでもよい。
【0018】
この場合、ベベル研磨ユニットによる研磨処理時に発生した粉塵を基板から取り除くことができる。それにより、研磨処理時に発生した粉塵による処理部および露光装置の汚染を防止することができる。
【0019】
(3)ベベル研磨ユニットは、研磨処理後の基板を洗浄してもよい。
【0020】
この場合、研磨処理時に発生した粉塵を基板から取り除くことができる。それにより、研磨処理時に発生した粉塵による処理部および露光装置の汚染を防止することができる。また、基板のベベル部の研磨処理と研磨処理後の基板の洗浄とを共通のユニットで行うことにより、これらを別個のユニットで行う場合に比べてスループットが向上する。
【0021】
(4)処理部は、露光装置による露光処理前の基板に成膜処理を行う成膜ユニットを含み、ベベル研磨ユニットは、処理部に設けられ、成膜ユニットによる成膜処理前の基板のベベル部に研磨処理を行ってもよい。
【0022】
この場合、基板のベベル部が清浄にされた後に成膜ユニットにより基板に成膜処理が施される。そのため、処理部に搬入される前に基板のベベル部が汚染されても、その汚染が成膜ユニットに転移することが防止される。
【0023】
(5)処理部は、露光装置による露光後の基板の現像処理を行う現像処理ユニットを含み、ベベル研磨ユニットは、露光装置による露光後であって現像処理ユニットによる現像処理前の基板のベベル部に研磨処理を行ってもよい。
【0024】
この場合、基板Wのベベル部が十分に清浄な状態で基板の現像処理を行うことができる。それにより、基板のベベル部の汚染に起因する現像性能の低下を防止することができる。
【0025】
(6)処理部および受け渡し部の少なくとも一方は、露光装置による露光処理後の基板に洗浄処理および乾燥処理を行う洗浄乾燥処理ユニットを含み、ベベル研磨ユニットは、露光装置による露光後であって乾燥処理ユニットによる洗浄処理および乾燥処理前の基板のベベル部に研磨処理を行ってもよい。
【0026】
この場合、ベベル研磨ユニットによる研磨処理時に発生した粉塵を洗浄乾燥ユニットにおいて取り除くことができる。
【0027】
(7)処理部および受け渡し部は、基板のベベル部を除く裏面を支持した状態で基板を搬送する搬送ユニットを含んでもよい。この場合、研磨処理前の基板のベベル部に付着する汚染物が搬送ユニットを介して研磨処理後の基板のベベル部に転移することが防止される。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、基板のベベル部に研磨処理が施される。それにより、基板のベベル部に付着した汚染物を確実に取り除くことができ、基板の処理不良の発生を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態に係る基板処理装置について図面を用いて説明する。以下の説明において、基板とは、半導体基板、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板等をいう。
【0030】
(1)基板処理装置の構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置の平面図である。なお、図1ならびに後述する図2〜図4には、位置関係を明確にするために互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印を付している。X方向およびY方向は水平面内で互いに直交し、Z方向は鉛直方向に相当する。なお、各方向において矢印が向かう方向を+方向、その反対の方向を−方向とする。また、Z方向を中心とする回転方向をθ方向としている。
【0031】
図1に示すように、基板処理装置500は、インデクサブロック9、ベベル処理ブロック10、反射防止膜用処理ブロック11、レジスト膜用処理ブロック12、現像処理ブロック13、レジストカバー膜用処理ブロック14およびインターフェースブロック15を含む。また、インターフェースブロック15に隣接するように露光装置16が配置される。露光装置16においては、液浸法により基板Wに露光処理が行われる。
【0032】
以下、インデクサブロック9、ベベル処理ブロック10、反射防止膜用処理ブロック11、レジスト膜用処理ブロック12、現像処理ブロック13、レジストカバー膜用処理ブロック14およびインターフェースブロック15の各々を処理ブロックと呼ぶ。
【0033】
インデクサブロック9は、各処理ブロックの動作を制御するメインコントローラ(制御部)30、複数のキャリア載置台40およびインデクサロボットIRを含む。インデクサロボットIRには、基板Wを受け渡すためのハンドIRHが設けられる。
【0034】
ベベル処理ブロック10は、ベベル研磨部50、基板洗浄部55および第1のセンターロボットCR1を含む。ベベル研磨部50および基板洗浄部55は、第1のセンターロボットCR1を挟んで互いに対向するように設けられる。第1のセンターロボットCR1には、基板を受け渡すためのハンドCRH1,CRH2が上下に設けられる。
【0035】
インデクサブロック9とベベル処理ブロック10との間には、雰囲気遮断用の隔壁17が設けられる。この隔壁17には、インデクサブロック9とベベル処理ブロック10との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS1,PASS2が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS1は、基板Wをインデクサブロック9からベベル処理ブロック10へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS2は、基板Wをベベル処理ブロック10からインデクサブロック9へ搬送する際に用いられる。
【0036】
また、基板載置部PASS1,PASS2には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示せず)が設けられている。それにより、基板載置部PASS1,PASS2において基板Wが載置されているか否かの判定を行うことが可能となる。また、基板載置部PASS1,PASS2には、固定設置された複数本の支持ピンが設けられている。なお、上記の光学式のセンサおよび支持ピンは、後述する基板載置部PASS3〜PASS13にも同様に設けられる。
【0037】
反射防止膜用処理ブロック11は、反射防止膜用熱処理部110,111、反射防止膜用塗布処理部60および第2のセンターロボットCR2を含む。反射防止膜用塗布処理部60は、第2のセンターロボットCR2を挟んで反射防止膜用熱処理部110,111に対向して設けられる。第2のセンターロボットCR2には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH3,CRH4が上下に設けられる。
【0038】
ベベル処理ブロック10と反射防止膜用処理ブロック11との間には、雰囲気遮断用の隔壁18が設けられる。この隔壁18には、ベベル処理ブロック10と反射防止膜用処理ブロック11との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS3,PASS4が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS3は、基板Wをベベル処理ブロック10から反射防止膜用処理ブロック11へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS4は、基板Wを反射防止膜用処理ブロック11からベベル処理ブロック10へ搬送する際に用いられる。
【0039】
レジスト膜用処理ブロック12は、レジスト膜用熱処理部120,121、レジスト膜用塗布処理部70および第3のセンターロボットCR3を含む。レジスト膜用塗布処理部70は、第3のセンターロボットCR3を挟んでレジスト膜用熱処理部120,121に対向して設けられる。第3のセンターロボットCR3には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH5,CRH6が上下に設けられる。
【0040】
反射防止膜用処理ブロック11とレジスト膜用処理ブロック12との間には、雰囲気遮断用の隔壁19が設けられる。この隔壁19には、反射防止膜用処理ブロック11とレジスト膜用処理ブロック12との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS5,PASS6が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS5は、基板Wを反射防止膜用処理ブロック11からレジスト膜用処理ブロック12へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS6は、基板Wをレジスト膜用処理ブロック12から反射防止膜用処理ブロック11へ搬送する際に用いられる。
【0041】
現像処理ブロック13は、現像用熱処理部130,131、現像処理部80および第4のセンターロボットCR4を含む。現像処理部80は、第4のセンターロボットCR4を挟んで現像用熱処理部130,131に対向して設けられる。第4のセンターロボットCR4には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH7,CRH8が上下に設けられる。
【0042】
レジスト膜用処理ブロック12と現像処理ブロック13との間には、雰囲気遮断用の隔壁20が設けられる。この隔壁20には、レジスト膜用処理ブロック12と現像処理ブロック13との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS7,PASS8が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS7は、基板Wをレジスト膜用処理ブロック12から現像処理ブロック13へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS8は、基板Wを現像処理ブロック13からレジスト膜用処理ブロック12へ搬送する際に用いられる。
【0043】
レジストカバー膜用処理ブロック14は、レジストカバー膜用熱処理部140、露光後ベーク用熱処理部141、レジストカバー膜用処理部90および第5のセンターロボットCR5を含む。露光後ベーク用熱処理部141はインターフェースブロック15に隣接し、後述するように、基板載置部PASS11,PASS12を備える。レジストカバー膜用処理部90は、第5のセンターロボットCR5を挟んでレジストカバー膜用熱処理部140および露光後ベーク用熱処理部141に対向して設けられる。第5のセンターロボットCR5には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH9,CRH10が上下に設けられる。
【0044】
現像処理ブロック13とレジストカバー膜用処理ブロック14との間には、雰囲気遮断用の隔壁21が設けられる。この隔壁21には、現像処理ブロック13とレジストカバー膜用処理ブロック14との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS9,PASS10が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS9は、基板Wを現像処理ブロック13からレジストカバー膜用処理ブロック14へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS10は、基板Wをレジストカバー膜用処理ブロック14から現像処理ブロック13へ搬送する際に用いられる。
【0045】
インターフェースブロック15は、送りバッファ部SBF、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1、第6のセンターロボットCR6、エッジ露光部EEW、戻りバッファ部RBF、載置兼冷却ユニットPASS−CP(以下、P−CPと略記する)、基板載置部PASS13、インターフェース用搬送機構IFRおよび第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2を含む。なお、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1は、露光処理前の基板Wの洗浄および乾燥処理を行い、第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2は、露光処理後の基板Wの洗浄および乾燥処理を行う。第1および第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD1,SD2の詳細は後述する。
【0046】
また、第6のセンターロボットCR6には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH11,CRH12(図4参照)が上下に設けられ、インターフェース用搬送機構IFRには、基板Wを受け渡すためのハンドH1,H2(図4参照)が上下に設けられる。インターフェースブロック15の詳細については後述する。
【0047】
本実施の形態に係る基板処理装置500においては、Y方向に沿ってインデクサブロック9、ベベル処理ブロック10、反射防止膜用処理ブロック11、レジスト膜用処理ブロック12、現像処理ブロック13、レジストカバー膜用処理ブロック14およびインターフェースブロック15が順に並設されている。
【0048】
図2は、図1の基板処理装置500を+X方向から見た概略側面図であり、図3は、図1の基板処理装置500を−X方向から見た概略側面図である。なお、図2においては、基板処理装置500の+X側に設けられるものを主に示し、図3においては、基板処理装置500の−X側に設けられるものを主に示している。
【0049】
まず、図2を用いて、基板処理装置500の+X側の構成について説明する。図2に示すように、ベベル処理ブロック10のベベル研磨部50(図1参照)には、3個のベベル研磨ユニットBPが上下に積層配置されている。ベベル研磨ユニットBPの詳細については後述する。
【0050】
反射防止膜用処理ブロック11の反射防止膜用塗布処理部60(図1参照)には、3個の塗布ユニットBARCが上下に積層配置されている。各塗布ユニットBARCは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック61およびスピンチャック61上に保持された基板Wに反射防止膜の塗布液を供給する供給ノズル62を備える。
【0051】
レジスト膜用処理ブロック12のレジスト膜用塗布処理部70(図1参照)には、3個の塗布ユニットRESが上下に積層配置されている。各塗布ユニットRESは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック71およびスピンチャック71上に保持された基板Wにレジスト膜の塗布液を供給する供給ノズル72を備える。
【0052】
現像処理ブロック13の現像処理部80(図1参照)には、5個の現像処理ユニットDEVが上下に積層配置されている。各現像処理ユニットDEVは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック81およびスピンチャック81上に保持された基板Wに現像液を供給する供給ノズル82を備える。
【0053】
レジストカバー膜用処理ブロック14のレジストカバー膜用処理部90(図1参照)には、2個の除去ユニットREMおよび2個の塗布ユニットCOVが上下に積層配置されている。各塗布ユニットCOVは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック91およびスピンチャック91上に保持された基板Wにレジストカバー膜の塗布液を供給する供給ノズル92を備える。レジストカバー膜の塗布液としては、レジストおよび水との親和力が低い材料(レジストおよび水との反応性が低い材料)を用いることができる。例えば、フッ素樹脂である。塗布ユニットCOVは、基板Wを回転させながら基板W上に塗布液を塗布することにより、基板W上に形成されたレジスト膜上にレジストカバー膜を形成する。
【0054】
各除去ユニットREMは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック93およびスピンチャック93上に保持された基板Wに剥離液(例えばフッ素樹脂)を供給する供給ノズル94を備える。除去ユニットREMは、基板Wを回転させながら基板W上に剥離液を塗布することにより、基板W上に形成されたレジストカバー膜を除去する。
【0055】
なお、除去ユニットREMにおけるレジストカバー膜の除去方法は上記の例に限定されない。例えば、基板Wの上方においてスリットノズルを移動させつつ基板W上に剥離液を供給することによりレジストカバー膜を除去してもよい。
【0056】
インターフェースブロック15内の+X側には、エッジ露光部EEWおよび3個の第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2が上下に積層配置される。各エッジ露光部EEWは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック98およびスピンチャック98上に保持された基板Wの周縁を露光する光照射器99を備える。
【0057】
次に、図3を用いて、基板処理装置500の−X側の構成について説明する。図3に示すように、ベベル処理ブロック10の基板洗浄部55(図1参照)には、3個の基板洗浄ユニットWCが積層配置される。基板洗浄ユニットWCの詳細については後述する。
【0058】
反射防止膜用処理ブロック11の反射防止膜用熱処理部110,111には、2個の加熱ユニット(ホットプレート)HPおよび2個の冷却ユニット(クーリングプレート)CPがそれぞれ積層配置される。また、反射防止膜用熱処理部110,111には、最上部に加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
【0059】
レジスト膜用処理ブロック12のレジスト膜用熱処理部120,121には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPがそれぞれ積層配置される。また、レジスト膜用熱処理部120,121には、最上部に加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
【0060】
現像処理ブロック13の現像用熱処理部130,131には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPがそれぞれ積層配置される。また、現像用熱処理部130,131には、最上部に加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
【0061】
レジストカバー膜用処理ブロック14のレジストカバー膜用熱処理部140には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPがそれぞれ積層配置される。レジストカバー膜用処理ブロック14の露光後ベーク用熱処理部141には、2個の加熱ユニットHP、2個の冷却ユニットCPおよび基板載置部PASS11,PASS12が上下に積層配置される。また、レジストカバー膜用熱処理部140および露光後ベーク用熱処理部141には、最上部に加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
【0062】
次に、図4を用いてインターフェースブロック15について詳細に説明する。
【0063】
図4は、インターフェースブロック15を+Y側から見た概略側面図である。図4に示すように、インターフェースブロック15内において、−X側には、送りバッファ部SBFおよび3個の第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1が積層配置される。また、インターフェースブロック15内において、+X側の上部には、エッジ露光部EEWが配置される。
【0064】
エッジ露光部EEWの下方において、インターフェースブロック15内の略中央部には、戻りバッファ部RBF、2個の載置兼冷却ユニットP−CPおよび基板載置部PASS13が上下に積層配置される。エッジ露光部EEWの下方において、インターフェースブロック15内の+X側には、3個の第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2が上下に積層配置される。
【0065】
また、インターフェースブロック15内の下部には、第6のセンターロボットCR6およびインターフェース用搬送機構IFRが設けられている。第6のセンターロボットCR6は、送りバッファ部SBFおよび第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1と、エッジ露光部EEW、戻りバッファ部RBF、載置兼冷却ユニットP−CPおよび基板載置部PASS13との間で上下動可能かつ回動可能に設けられている。インターフェース用搬送機構IFRは、戻りバッファ部RBF、載置兼冷却ユニットP−CPおよび基板載置部PASS13と、第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2との間で上下動可能かつ回動可能に設けられている。
【0066】
(2)基板処理装置の動作
次に、本実施の形態に係る基板処理装置500の動作について図1〜図4を参照しながら説明する。
【0067】
(2−1)インデクサブロック〜レジストカバー膜用処理ブロックの動作
まず、インデクサブロック9〜レジストカバー膜用処理ブロック14の動作について簡単に説明する。
【0068】
インデクサブロック9のキャリア載置台40の上には、複数枚の基板Wを多段に収納するキャリアCが搬入される。インデクサロボットIRは、ハンドIRHを用いてキャリアC内に収納された未処理の基板Wを取り出す。その後、インデクサロボットIRは±X方向に移動しつつ±θ方向に回転移動し、未処理の基板Wを基板載置部PASS1に載置する。
【0069】
本実施の形態においては、キャリアCとしてFOUP(front opening unified pod)を採用しているが、これに限定されず、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッドや収納基板Wを外気に曝すOC(open cassette)等を用いてもよい。
【0070】
さらに、インデクサロボットIR、第1〜第6のセンターロボットCR1〜CR6およびインターフェース用搬送機構IFRには、それぞれ基板Wに対して直線的にスライドさせてハンドの進退動作を行う直動型搬送ロボットを用いているが、これに限定されず、関節を動かすことにより直線的にハンドの進退動作を行う多関節型搬送ロボットを用いてもよい。
【0071】
基板載置部PASS1に載置された未処理の基板Wは、ベベル処理ブロック10の第1のセンターロボットCR1により受け取られる。第1のセンターロボットCR1は、その基板Wをベベル研磨部50に搬入する。ベベル研磨部50では、ベベル研磨ユニットBPにより基板Wのベベル部(端部)に研磨処理が施される。ベベル研磨ユニットBPによる研磨処理の詳細については後述する。
【0072】
次に、第1のセンターロボットCR1は、ベベル研磨部50から研磨処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板洗浄部55に搬入する。基板洗浄部55では、研磨処理によって発生した粉塵等を取り除くために、基板洗浄ユニットWCにより基板Wの洗浄が行われる。その後、第1のセンターロボットCR1は、基板洗浄部55から洗浄済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS3に載置する。
【0073】
基板載置部PASS3に載置された基板Wは、反射防止膜用処理ブロック11の第2のセンターロボットCR2により受け取られる。第2のセンターロボットCR2は、その基板Wを反射防止膜用熱処理部110,111に搬入する。
【0074】
その後、第2のセンターロボットCR2は、反射防止膜用熱処理部110,111から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを反射防止膜用塗布処理部60に搬入する。この反射防止膜用塗布処理部60では、露光時に発生する低在波やハレーションを減少させるために、塗布ユニットBARCにより基板W上に反射防止膜が塗布形成される。
【0075】
次に、第2のセンターロボットCR2は、反射防止膜用塗布処理部60から塗布処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを反射防止膜用熱処理部110,111に搬入する。その後、第2のセンターロボットCR2は、反射防止膜用熱処理部110,111から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS5に載置する。
【0076】
基板載置部PASS5に載置された基板Wは、レジスト膜用処理ブロック12の第3のセンターロボットCR3により受け取られる。第3のセンターロボットCR3は、その基板Wをレジスト膜用熱処理部120,121に搬入する。
【0077】
その後、第3のセンターロボットCR3は、レジスト膜用熱処理部120,121から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wをレジスト膜用塗布処理部70に搬入する。このレジスト膜用塗布処理部70では、塗布ユニットRESにより反射防止膜が塗布形成された基板W上にレジスト膜が塗布形成される。
【0078】
次に、第3のセンターロボットCR3は、レジスト膜用塗布処理部70から塗布処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wをレジスト膜用熱処理部120,121に搬入する。その後、第3のセンターロボットCR3は、レジスト膜用熱処理部120,121から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS7に載置する。
【0079】
基板載置部PASS7に載置された基板Wは、現像処理ブロック13の第4のセンターロボットCR4により受け取られる。第4のセンターロボットCR4は、その基板Wを基板載置部PASS9に載置する。
【0080】
基板載置部PASS9に載置された基板Wは、レジストカバー膜用処理ブロック14の第5のセンターロボットCR5により受け取られる。第5のセンターロボットCR5は、その基板Wをレジストカバー膜用処理部90に搬入する。レジストカバー膜用処理部90において、塗布ユニットCOVによりレジスト膜が塗布形成された基板W上にレジストカバー膜が塗布形成される。
【0081】
次に、第5のセンターロボットCR5は、レジストカバー膜用処理部90から塗布処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wをレジストカバー膜用熱処理部140に搬入する。その後、第5のセンターロボットCR5は、レジストカバー膜用熱処理部140から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS11に載置する。
【0082】
基板載置部PASS11に載置された基板Wは、インターフェースブロック15の第6のセンターロボットCR6により受け取られ、後述するように、インターフェースブロック15および露光装置16において所定の処理が施される。インターフェースブロック15および露光装置16において基板Wに所定の処理が施された後、その基板Wは、第6のセンターロボットCR6によりレジストカバー膜用処理ブロック14の露光後ベーク用熱処理部141に搬入される。
【0083】
露光後ベーク用熱処理部141においては、基板Wに対して露光後ベーク(PEB)が行われる。その後、第6のセンターロボットCR6は、露光後ベーク用熱処理部141から基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS12に載置する。
【0084】
基板載置部PASS12に載置された基板Wは、レジストカバー膜用処理ブロック14の第5のセンターロボットCR5により受け取られる。第5のセンターロボットCR5は、その基板Wをレジストカバー膜用処理部90に搬入する。レジストカバー膜用処理部90において、除去ユニットREMにより基板W上のレジストカバー膜が除去される。
【0085】
次に、第5のセンターロボットCR5は、レジストカバー膜用処理部90から処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS10に載置する。
【0086】
基板載置部PASS10に載置された基板Wは、現像処理ブロック13の第4のセンターロボットCR4により受け取られる。第4のセンターロボットCR4は、その基板Wを現像処理部80に搬入する。現像処理部80においては、露光された基板Wに対して現像処理が施される。
【0087】
次に、第4のセンターロボットCR4は、現像処理部80から現像処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを現像用熱処理部130,131に搬入する。その後、第4のセンターロボットCR4は、現像用熱処理部130,131から熱処理後の基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS8に載置する。
【0088】
基板載置部PASS8に載置された基板Wは、レジスト膜用処理ブロック12の第3のセンターロボットCR3により基板載置部PASS6に載置される。基板載置部PASS6に載置された基板Wは反射防止膜用処理ブロック11の第2のセンターロボットCR2により基板載置部PASS4に載置される。
【0089】
基板載置部PASS4に載置された基板Wは、ベベル処理ブロック10の第1のセンターロボットCR1により基板載置部PASS2に載置される。基板載置部PASS2に載置された基板Wは、インデクサブロック9のインデクサロボットIRによりキャリアC内に収納される。これにより、基板処理装置500における基板Wの各処理が終了する。
【0090】
(2−2)インターフェースブロックの動作
次に、インターフェースブロック15の動作について詳細に説明する。
【0091】
上述したように、インデクサブロック9に搬入された基板Wは、所定の処理が施された後、レジストカバー膜用処理ブロック14(図1)の基板載置部PASS11に載置される。
【0092】
基板載置部PASS11に載置された基板Wは、インターフェースブロック15の第6のセンターロボットCR6により受け取られる。第6のセンターロボットCR6は、その基板Wをエッジ露光部EEW(図4)に搬入する。このエッジ露光部EEWにおいては、基板Wの周縁部に露光処理が施される。
【0093】
次に、第6のセンターロボットCR6は、エッジ露光部EEWからエッジ露光済みの基板Wを取り出し、その基板Wを第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1のいずれかに搬入する。第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1においては、上述したように露光処理前の基板Wの洗浄および乾燥処理が行われる。
【0094】
ここで、露光装置16による露光処理の時間は、通常、他の処理工程および搬送工程よりも長い。その結果、露光装置16が後の基板Wの受け入れをできない場合が多い。この場合、基板Wは送りバッファ部SBF(図4)に一時的に収納保管される。本実施の形態では、第6のセンターロボットCR6は、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1から洗浄および乾燥処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを送りバッファ部SBFに搬送する。
【0095】
次に、第6のセンターロボットCR6は、送りバッファ部SBFに収納保管されている基板Wを取り出し、その基板Wを載置兼冷却ユニットP−CPに搬入する。載置兼冷却ユニットP−CPに搬入された基板Wは、露光装置16内と同じ温度(例えば、23℃)に維持される。
【0096】
なお、露光装置16が十分な処理速度を有する場合には、送りバッファ部SBFに基板Wを収納保管せずに、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1から載置兼冷却ユニットP−CPに基板Wを搬送してもよい。
【0097】
続いて、載置兼冷却ユニットP−CPで上記所定温度に維持された基板Wが、インターフェース用搬送機構IFRの上側のハンドH1(図4)により受け取られ、露光装置16内の基板搬入部16a(図1)に搬入される。
【0098】
露光装置16において露光処理が施された基板Wは、インターフェース用搬送機構IFRの下側のハンドH2(図4)により基板搬出部16b(図1)から搬出される。インターフェース用搬送機構IFRは、ハンドH2により、その基板Wを第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2のいずれかに搬入する。第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2においては、上述したように露光処理後の基板Wの洗浄および乾燥処理が行われる。
【0099】
第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2において洗浄および乾燥処理が施された基板Wは、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH1(図4)により取り出される。インターフェース用搬送機構IFRは、ハンドH1により、その基板Wを基板載置部PASS13に載置する。
【0100】
基板載置部PASS13に載置された基板Wは、第6のセンターロボットCR6により受け取られる。第6のセンターロボットCR6は、その基板Wをレジストカバー膜用処理ブロック14(図1)の露光後ベーク用熱処理部141に搬送する。
【0101】
なお、除去ユニットREM(図2)の故障等により、レジストカバー膜用処理ブロック14が一時的に基板Wの受け入れをできないときは、戻りバッファ部RBFに露光処理後の基板Wを一時的に収納保管することができる。
【0102】
(3)ベベル研磨ユニット
次に、ベベル研磨ユニットBPの詳細について説明する。上記のように、ベベル研磨ユニットBPは、基板Wのベベル部の研磨処理(以下、ベベル研磨処理と呼ぶ)を行う。
【0103】
ここで、基板Wのベベル部Rについて説明する。図5は、基板Wのベベル部について説明するための図である。図5に示すように、ベベル部Rは基板Wの外周部において、基板Wの平坦な表面および平坦な裏面に連続的につながる周縁部の傾斜領域A,Cおよび端面領域Bを含む。なお、基板の表面とは回路パターン等の各種パターンが形成される基板の面をいい、基板の裏面とはその反対側の基板の面をいう。
【0104】
上記のように、露光装置16においては、液浸法により基板Wに露光処理が行われる。液浸法では、投影光学系と基板Wの表面との間に液体が満たされる。その際に、基板Wのベベル部Rにも液体が接触することがある。その場合、基板Wのベベル部Rが汚染されていると、汚染物が液体中に混入し、露光パターンの寸法不良および形状不良の誘因となる。
【0105】
そこで、本実施の形態では、ベベル研磨ユニットBPにより基板Wのベベル部Rの研磨を行い、基板Wのベベル部Rに付着する汚染物を取り除く。以下、ベベル研磨ユニットBPの構成を説明する。
【0106】
図6は、ベベル研磨ユニットBPの構成を説明するための図である。図6に示すように、ベベル研磨ユニットBPは、基板Wを水平に保持するとともに、基板Wの中心を通る鉛直な回転軸の周りで基板Wを回転させるためのスピンチャック521を備える。スピンチャック521は、チャック回転駆動機構536によって回転される回転軸525の上端に固定されている。また、スピンチャック521には吸気路(図示せず)が形成されている。スピンチャック521上に基板Wを載置した状態で吸気路内を排気することにより、基板Wの下面をスピンチャック521に真空吸着し、基板Wを水平姿勢で保持することができる。
【0107】
スピンチャック521の外方には、ベベル研磨装置530が設けられている。ベベル研磨装置530は、研磨テープ531が巻回されたテープリール532,533、および基板Wのベベル部Rに向けて研磨テープ531を押圧する押圧部534を有する。押圧部534は、支持部材535、連結部材536およびエアシリンダ537からなる。支持部材535は、スピンチャック521により保持される基板Wとほぼ同じ高さに位置し、エアシリンダ537によって基板Wのベベル部Rに近づく方向または遠ざかる方向に駆動される。
【0108】
支持部材535には水平方向に突出する突出片P1,P2が上下に設けられており、突出片P1,P2の先端部は、テープリール532,533によって保持された研磨テープ531の中心部に押し当てられている。研磨テープ531の張力はテープリール532,533により一定に維持されている。
【0109】
スピンチャック521の上方には、液供給ノズル536が設けられている。基板Wのベベル研磨処理時に、液供給ノズル536から基板Wのベベル部Rに向けて薬液または純水を供給することにより、湿式研磨を行うことができる。
【0110】
なお、図6のベベル研磨ユニットBPには1つのベベル研磨装置530が設けられるが、スピンチャック521を中心とする周方向に沿って複数のベベル研磨装置530を設けてもよい。
【0111】
次に、ベベル研磨ユニットBPによる基板Wのベベル研磨処理について説明する。図7は、ベベル研磨ユニットBPによるベベル研磨処理について説明するための図である。なお、以下に説明するベベル研磨ユニットBPの各構成要素の動作は、図1のメインコントロ−ラ(制御部)91により制御される。
【0112】
ベベル研磨処理時には、スピンチャック521に保持された基板Wが所定の速度で回転される。その状態で、図7(a)に示すように、押圧部534の支持部材535が研磨テープ531を押圧しつつ基板Wのベベル部Rに近づくように移動する。このとき、テープリール532,533(図6)は、研磨テープ531の張力を一定に維持するために研磨テープ531を徐々に送りだす。
【0113】
そして、図7(b)に示すように、研磨テープ535が基板Wのベベル部Rに押し当てられる。これにより、回転される基板Wのベベル部Rと研磨テープ535とが摺接し、基板Wのベベル部Rが研磨される。なお、基板Wのベベル部Rは、支持部531の突出片P1,P2の間に挟まれた状態となる。この場合、研磨テープ535が基板Wのベベル部Rに均一に摺接する。それにより、基板Wのベベル部Rを均一に研磨することができる。
【0114】
このように、ベベル研磨ユニットBPにおいて基板Wのベベル研磨処理が施されることにより、基板Wのベベル部Rに付着する汚染物が確実に取り除かれる。
【0115】
(4)基板洗浄ユニット
図8は、基板洗浄ユニットWCの構成を説明するための図である。基板洗浄ユニットWCでは、上記のベベル研磨処理によって発生した粉塵(摩擦粉)を基板Wから取り除くため、基板Wのベベル部Rおよび表面が洗浄される。以下、基板Wのベベル部Rの洗浄処理をベベル洗浄処理と呼び、基板Wの表面の洗浄処理を表面洗浄処理と呼ぶ。なお、以下に説明する基板洗浄ユニットWCの各構成要素の動作は、図1のメインコントロ−ラ(制御部)91により制御される。
【0116】
図8に示すように、基板洗浄ユニットWCは、基板Wを水平に保持するとともに、基板Wの中心を通る鉛直な回転軸の周りで基板Wを回転させるためのスピンチャック551を備える。スピンチャック551は、チャック回転駆動機構554によって回転される回転軸553の上端に固定されている。また、スピンチャック551には吸気路(図示せず)が形成されており、スピンチャック551上に基板Wを載置した状態で吸気路内を排気することにより、基板Wの下面をスピンチャック551に真空吸着し、基板Wを水平姿勢で保持することができる。
【0117】
スピンチャック551の側方でかつ基板洗浄ユニットWC内の上部には、ベベル洗浄装置移動機構571が設けられている。ベベル洗浄装置移動機構571には、下方に延びる棒状の支持部材570が取り付けられている。支持部材570は、ベベル洗浄装置移動機構571により水平方向(図7矢印M参照)に移動する。
【0118】
支持部材570の下端部には、略円筒形状を有するベベル洗浄装置560が水平方向に延びるように取り付けられている。これにより、ベベル洗浄装置560は、ベベル洗浄装置移動機構571により支持部材570とともに移動する。
【0119】
ベベル洗浄装置560は、スピンチャック551に吸着保持された基板Wとほぼ同じ高さに位置する。これにより、ベベル洗浄装置560の一端が基板Wのベベル部Rと対向する。以下の説明においては、ベベル洗浄装置560の基板Wのベベル部Rと対向する一端を正面とする。
【0120】
基板Wのベベル洗浄処理開始時において、ベベル洗浄装置560は、ベベル洗浄装置移動機構571により基板Wのベベル部Rに近づくように移動する。また、基板Wのベベル洗浄処理終了時において、ベベル洗浄装置560は、ベベル洗浄装置移動機構571により基板Wのベベル部Rから離れるように移動する。
【0121】
ベベル洗浄装置560は、その内部に空間を有する(後述の洗浄室561)。ベベル洗浄装置560には、洗浄液供給管576および排気管578が接続されている。洗浄液供給管576は、バルブ577を介して図示しない洗浄液供給系に接続されている。バルブ577を開くことにより、洗浄液が洗浄液供給管576を通じてベベル洗浄装置560の内部空間に供給される。なお、洗浄液としては例えば純水が用いられる。
【0122】
また、排気管578は、排気部579に接続されている。排気部579は、ベベル洗浄装置560の内部空間の雰囲気を吸引し、排気管578を通じて排気する。
【0123】
ここで、ベベル洗浄装置560の詳細を説明する。図9は、図8のベベル洗浄装置560の構造を説明するための図である。図9(a)にベベル洗浄装置560の縦断面図が示され、図9(b)にベベル洗浄装置560の正面図が示されている。
【0124】
図9(a)に示すように、ベベル洗浄装置560の略円筒形状のハウジング560aの内部には、洗浄室561が形成されている。
【0125】
また、図9(a)および図9(b)に示すように、ハウジング560aの正面側には、洗浄室561と外部とを連通させる開口562が形成されている。開口562は、中央部から両側方にかけて上下幅が漸次拡大するように、円弧状の上面および下面を有する。基板Wのベベル洗浄処理時には、開口562にスピンチャック551に吸着保持された基板Wのベベル部Rが挿入される。
【0126】
洗浄室561内には、略円筒形状を有するブラシ563が鉛直方向に延びるように配置されている。ブラシ563は鉛直方向に延びる回転軸564に取り付けられている。回転軸564の上端および下端は、洗浄室561の上部および下部に形成された回転軸受に回転可能に取り付けられている。これにより、ブラシ563は、洗浄室561および回転軸564により回転可能に支持されている。
【0127】
基板Wのベベル洗浄処理時には、回転する基板Wのベベル部Rとブラシ563とが接触する。これにより、基板Wのベベル部Rがブラシ563により洗浄される。
【0128】
ここで、図8の基板洗浄ユニットWCにおいて、ブラシ563が取り付けられた回転軸564は、スピンチャック551が固定される回転軸553と略平行となるように配置される。これにより、ブラシ563が回転する基板Wのベベル部Rに確実に接触した状態で回転する。それにより、基板Wのベベル部Rに付着した粉塵等が取り除かれる。
【0129】
ベベル洗浄装置560の上部には、上述の洗浄液供給管576および排気管578が接続されている。洗浄液供給管576は、ハウジング560a内に形成された洗浄液供給路576a,576bに接続されている。図9(a)に示すように、洗浄液供給路576aは、ハウジング560aの外部から洗浄室561の上部内面まで延びている。また、洗浄液供給路576bは、ハウジング560aの外部から洗浄室561の下部内面まで延びている。図9(a)には、洗浄液供給管576bの一部のみが示されている。
【0130】
これにより、基板Wのベベル洗浄処理時には、ベベル洗浄装置560に供給される洗浄液が、洗浄室561内でブラシ563と接触する基板Wのベベル部Rに向かって上下方向から噴射される。それにより、基板Wのベベル部Rが効率よく洗浄される。
【0131】
排気管578は、ハウジング560aの上部に設けられた孔部を通じて洗浄室561内に挿入されている。これにより、上述のように、洗浄室561内の雰囲気が図8の排気部579により吸引され、排気管578を通じて排気される。
【0132】
このように、洗浄室561においては、その内部雰囲気が排気部579により排気されるので、揮発した洗浄液および洗浄液のミストが効率よく排気される。
【0133】
また、図8において、スピンチャック551の外方には、アーム駆動装置580が設けられている。アーム駆動装置580には、回動軸581が接続されている。回動軸581には、アーム582が水平方向に延びるように連結され、アーム582の先端には、表面洗浄装置583が取り付けられている。表面洗浄装置583は、下方を向くように設けられたブラシ584、およびブラシ584を回転させるモータ585を有する。
【0134】
アーム駆動装置580により回動軸581が回転するとともにアーム582が回動する。それにより、表面洗浄装置583がスピンチャック551により保持された基板Wの上方位置と基板Wの外方位置との間で水平方向に移動する。また、アーム駆動装置580により回動軸581およびアーム582が上下動し、表面洗浄装置583のブラシ584が基板Wの表面に近づく方向または基板Wの表面から離れる方向に移動する。
【0135】
また、スピンチャック551の上方には、洗浄液供給ノズル588が設けられる。洗浄液供給ノズル588は、基板Wの略中央部に向けて純水等の洗浄液を吐出する。
【0136】
基板Wの表面洗浄処理時には、スピンチャック551により基板Wが回転されるとともに、ブラシ584が基板Wの上方位置に移動する。そして、ブラシ584が回転しつつ下方向に移動し、基板Wの表面に当接する。このとき、洗浄液供給ノズル588から基板W上に洗浄液が供給される。さらに、ブラシ584が基板Wの表面に当接した状態で、基板Wの中心部から周縁部までの間を水平方向に往復動する。それにより、基板Wの表面の全体がブラシ584により洗浄され、基板Wの表面に付着した粉塵が取り除かれる。
【0137】
基板Wにベベル洗浄処理および表面洗浄処理が施された後には、回転軸553の回転速度が上昇することにより、基板Wに付着する洗浄液が遠心力によって振り切られる。それにより、基板Wが乾燥される。なお、効率よく確実に基板Wを乾燥させるために、基板Wに不活性ガスを吹き付ける不活性ガス供給ノズルをさらに設けてもよい。
【0138】
このようにして、基板洗浄ユニットWCでは、基板Wのベベル部Rおよび表面が洗浄される。それにより、上記の研磨処理によって発生した粉塵(摩擦粉)が基板Wから取り除かれる。
【0139】
なお、基板Wの表面と裏面とを反転させる反転機構(図示せず)を設けてもよい。その場合、スピンチャック511により裏面が上方に向く状態で基板Wを保持することができる。それにより、ブラシ584によって基板Wの裏面を洗浄することができ、基板Wの裏面に付着した粉塵も確実に取り除くことができる。
【0140】
また、図8の基板洗浄ユニットWCでは、ブラシ563(図9)およびブラシ584を用いて基板Wの洗浄を行うが、ブラシ563,584の代わりに、2流体ノズルまたは超音波ノズル等を用いて基板Wの洗浄を行ってもよい。
【0141】
2流体ノズルを用いた場合、純水等の洗浄液と窒素ガス等の気体とからなる霧状の混合流体が基板Wに吹き付けられる。これにより、洗浄時における基板Wのベベル部Rの損傷を防止しつつ基板Wのベベル部Rおよび表面を均一に洗浄することができる。また、混合流体における気体と液体との比率を制御することにより基板Wの洗浄条件を容易に制御することも可能である。
【0142】
また、超音波ノズルを用いた場合、高周波出力が印加されることにより超音波状態となった純水等の洗浄液が基板Wに吐出される。これにより、洗浄時における基板Wのベベル部Rの損傷を防止しつつ基板Wのベベル部Rおよび表面を十分に洗浄することができる。また、洗浄液に印加される高周波出力を基板Wの種類および洗浄条件に応じて電気的に可変制御することが可能となる。
【0143】
(5)洗浄/乾燥処理ユニットについて
次に、洗浄/乾燥処理ユニットSDについて図面を用いて説明する。
【0144】
(5−1)洗浄/乾燥処理ユニットの構成
洗浄/乾燥処理ユニットSDの構成について説明する。図10は、洗浄/乾燥処理ユニットSDの構成を説明するための図である。
【0145】
図10に示すように、洗浄/乾燥処理ユニットSDは、基板Wを水平に保持するとともに基板Wの中心を通る鉛直な回転軸の周りで基板Wを回転させるためのスピンチャック621を備える。
【0146】
スピンチャック621は、チャック回転駆動機構636によって回転される回転軸625の上端に固定されている。また、スピンチャック621には吸気路(図示せず)が形成されており、スピンチャック621上に基板Wを載置した状態で吸気路内を排気することにより、基板Wの下面をスピンチャック621に真空吸着し、基板Wを水平姿勢で保持することができる。
【0147】
スピンチャック621の外方には、第1のモータ660が設けられている。第1のモータ660には、第1の回動軸661が接続されている。また、第1の回動軸661には、第1のアーム662が水平方向に延びるように連結され、第1のアーム662の先端に洗浄処理用ノズル650が設けられている。
【0148】
第1のモータ660により第1の回動軸661が回転するとともに第1のアーム662が回動し、洗浄処理用ノズル650がスピンチャック621により保持された基板Wの上方に移動する。
【0149】
第1のモータ660、第1の回動軸661および第1のアーム662の内部を通るように洗浄処理用供給管663が設けられている。洗浄処理用供給管663は、バルブVaおよびバルブVbを介して洗浄液供給源R1およびリンス液供給源R2に接続されている。このバルブVa,Vbの開閉を制御することにより、洗浄処理用供給管663に供給する処理液の選択および供給量の調整を行うことができる。図10の構成においては、バルブVaを開くことにより、洗浄処理用供給管663に洗浄液を供給することができ、バルブVbを開くことにより、洗浄処理用供給管663にリンス液を供給することができる。
【0150】
洗浄処理用ノズル650には、洗浄液またはリンス液が、洗浄処理用供給管663を通して洗浄液供給源R1またはリンス液供給源R2から供給される。それにより、基板Wの表面へ洗浄液またはリンス液を供給することができる。洗浄液としては、例えば、純水、純水に錯体(イオン化したもの)を溶かした液またはフッ素系薬液などが用いられる。リンス液としては、例えば、純水、炭酸水、水素水および電解イオン水HFE(ハイドロフルオロエーテル)のいずれかが用いられる。
【0151】
スピンチャック621の外方には、第2のモータ671が設けられている。第2のモータ671には、第2の回動軸672が接続されている。また、第2の回動軸672には、第2のアーム673が水平方向に延びるように連結され、第2のアーム673の先端に乾燥処理用ノズル670が設けられている。
【0152】
第2のモータ671により第2の回動軸672が回転するとともに第2のアーム673が回動し、乾燥処理用ノズル670がスピンチャック21により保持された基板Wの上方に移動する。
【0153】
第2のモータ671、第2の回動軸672および第2のアーム673の内部を通るように乾燥処理用供給管674が設けられている。乾燥処理用供給管674は、バルブVcを介して不活性ガス供給源R3に接続されている。このバルブVcの開閉を制御することにより、乾燥処理用供給管674に供給する不活性ガスの供給量を調整することができる。
【0154】
乾燥処理用ノズル670には、不活性ガスが、乾燥処理用供給管674を通して不活性ガス供給源R3から供給される。それにより、基板Wの表面へ不活性ガスを供給することができる。不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス(N2 )が用いられる。
【0155】
基板Wの表面へ洗浄液またはリンス液を供給する際には、洗浄処理用ノズル650は基板の上方に位置し、基板Wの表面へ不活性ガスを供給する際には、洗浄処理用ノズル650は所定の位置に退避される。
【0156】
また、基板Wの表面へ洗浄液またはリンス液を供給する際には、乾燥処理用ノズル670は所定の位置に退避され、基板Wの表面へ不活性ガスを供給する際には、乾燥処理用ノズル670は基板Wの上方に位置する。
【0157】
スピンチャック621に保持された基板Wは、処理カップ623内に収容される。処理カップ623の内側には、筒状の仕切壁633が設けられている。また、スピンチャック621の周囲を取り囲むように、基板Wの処理に用いられた処理液(洗浄液またはリンス液)を排液するための排液空間631が形成されている。さらに、排液空間631を取り囲むように、処理カップ623と仕切壁633の間に基板Wの処理に用いられた処理液を回収するための回収液空間632が形成されている。
【0158】
排液空間631には、排液処理装置(図示せず)へ処理液を導くための排液管634が接続され、回収液空間632には、回収処理装置(図示せず)へ処理液を導くための回収管635が接続されている。
【0159】
処理カップ623の上方には、基板Wからの処理液が外方へ飛散することを防止するためのガード624が設けられている。このガード624は、回転軸625に対して回転対称な形状からなっている。ガード624の上端部の内面には、断面V字状の排液案内溝641が環状に形成されている。
【0160】
また、ガード624の下端部の内面には、外側下方に傾斜する傾斜面からなる回収液案内部642が形成されている。回収液案内部642の上端付近には、処理カップ623の仕切壁633を受け入れるための仕切壁収納溝643が形成されている。
【0161】
このガード624には、ボールねじ機構等で構成されたガード昇降駆動機構(図示せず)が設けられている。ガード昇降駆動機構は、ガード624を、回収液案内部642がスピンチャック621に保持された基板Wの外周端面に対向する回収位置と、排液案内溝641がスピンチャック621に保持された基板Wの外周端部に対向する排液位置との間で上下動させる。ガード624が回収位置(図10に示すガードの位置)にある場合には、基板Wから外方へ飛散した処理液が回収液案内部642により回収液空間632に導かれ、回収管635を通して回収される。一方、ガード624が排液位置にある場合には、基板Wから外方へ飛散した処理液が排液案内溝641により排液空間631に導かれ、排液管634を通して排液される。以上の構成により、処理液の排液および回収が行われる。
【0162】
(5−2)洗浄/乾燥処理ユニットの動作
次に、上記の構成を有する洗浄/乾燥処理ユニットSDの処理動作について説明する。なお、以下に説明する洗浄/乾燥処理ユニットSDの各構成要素の動作は、図1のメインコントロ−ラ(制御部)91により制御される。
【0163】
まず、基板Wの搬入時には、ガード624が下降するとともに、図1のインターフェース用搬送機構IFRが基板Wをスピンチャック621上に載置する。スピンチャック621上に載置された基板Wは、スピンチャック621により吸着保持される。
【0164】
次に、ガード624が上述した廃液位置まで移動するとともに、洗浄処理用ノズル650が基板Wの中心部上方に移動する。その後、回転軸625が回転し、この回転にともないスピンチャック621に保持されている基板Wが回転する。その後、洗浄処理用ノズル650から洗浄液が基板Wの上面に吐出される。これにより、基板Wの洗浄が行われる。
【0165】
なお、洗浄/乾燥処理部80aにおいては、この洗浄時に基板W上のレジストカバー膜の成分が洗浄液中に溶出する。また、基板Wの洗浄においては、基板Wを回転させつつ基板W上に洗浄液を供給している。
【0166】
この場合、基板W上の洗浄液は遠心力により常に基板Wの周縁部へと移動し飛散する。したがって、洗浄液中に溶出したレジストカバー膜の成分が基板W上に残留することを防止することができる。なお、上記のレジストカバー膜の成分は、例えば、基板W上に純水を盛って一定時間保持することにより溶出させてもよい。また、基板W上への洗浄液の供給は、二流体ノズルを用いたソフトスプレー方式により行ってもよい。
【0167】
所定時間経過後、洗浄液の供給が停止され、洗浄処理用ノズル650からリンス液が吐出される。これにより、基板W上の洗浄液が洗い流される。
【0168】
さらに所定時間経過後、回転軸625の回転速度が低下する。これにより、基板Wの回転によって振り切られるリンス液の量が減少し、図11(a)に示すように、基板Wの表面全体にリンス液の液層Lが形成される。なお、回転軸625の回転を停止させて基板Wの表面全体に液層Lを形成してもよい。
【0169】
次に、リンス液の供給が停止され、洗浄処理用ノズル650が所定の位置に退避するとともに乾燥処理用ノズル670が基板Wの中心部上方に移動する。その後、乾燥処理用ノズル670から不活性ガスが吐出される。これにより、図11(b)に示すように、基板Wの中心部のリンス液が基板Wの周縁部に移動し、基板Wの周縁部のみに液層Lが存在する状態になる。
【0170】
次に、回転軸625(図10)の回転数が上昇するとともに、図11(c)に示すように乾燥処理用ノズル670が基板Wの中心部上方から周縁部上方へと徐々に移動する。これにより、基板W上の液層Lに大きな遠心力が作用するとともに、基板Wの表面全体に不活性ガスを吹き付けることができるので、基板W上の液層Lを確実に取り除くことができる。その結果、基板Wを確実に乾燥させることができる。
【0171】
次に、不活性ガスの供給が停止され、乾燥処理ノズル670が所定の位置に退避するとともに回転軸625の回転が停止する。その後、ガード624が下降するとともに図1のインターフェース用搬送機構IFRが基板Wを洗浄/乾燥処理ユニットSDから搬出する。これにより、洗浄/乾燥処理ユニットSDにおける処理動作が終了する。なお、洗浄および乾燥処理中におけるガード624の位置は、処理液の回収または廃液の必要性に応じて適宜変更することが好ましい。
【0172】
なお、上記実施の形態においては、洗浄液処理用ノズル650から洗浄液およびリンス液のいずれをも供給できるように、洗浄液の供給およびリンス液の供給に洗浄液処理用ノズル650を共用する構成を採用しているが、洗浄液供給用のノズルとリンス液供給用のノズルとを別々に分けた構成を採用してもよい。
【0173】
また、リンス液を供給する場合には、リンス液が基板Wの裏面に回り込まないように、基板Wの裏面に対して図示しないバックリンス用ノズルから純水を供給してもよい。
【0174】
また、基板Wを洗浄する洗浄液に純水を用いる場合には、リンス液の供給を行う必要はない。
【0175】
また、上記実施の形態においては、スピン乾燥方法により基板Wに乾燥処理を施すが、減圧乾燥方法、エアーナイフ乾燥方法等の他の乾燥方法により基板Wに乾燥処理を施してもよい。
【0176】
また、上記実施の形態においては、リンス液の液層Lが形成された状態で、乾燥処理用ノズル670から不活性ガスを供給するようにしているが、リンス液の液層Lを形成しない場合あるいはリンス液を用いない場合には洗浄液の液層を基板Wを回転させて一旦振り切った後で、即座に乾燥処理用ノズル670から不活性ガスを供給して基板Wを完全に乾燥させるようにしてもよい。
【0177】
(6)各ロボットのハンドについて
図1のインデクサロボットIRのハンドIRH、第1〜第6のセンターロボットCR1〜CR6のハンドCRH1〜CRH12、およびインターフェース用搬送機構IFRのハンドH1,H2は、それぞれ図12に示すハンドHAの構成または図13に示すハンドHBの構成を有する。
【0178】
図12(a)はハンドHAの平面図である。また、図12(b)は図12(a)におけるP1−P1線断面図であり、図12(c)は図12(a)におけるP1−P1線断面図である。
【0179】
図12(a)〜(c)に示すように、ハンドHAは、略U字形状の爪部701を有する。爪部701は、基板Wの周縁部に沿って湾曲している。爪部701から内方に延びるように、3つの突出片703がほぼ等角度間隔で設けられている。各突出片703には、上方に突起する支持突起704が形成されている。
【0180】
基板Wは、3つの支持突起704により支持される。この場合、支持突起704は基板Wのベベル部Rよりも内方に位置し、基板Wの下面に当接する(図12(b)および図12(c)参照)。
【0181】
各突出片703が設けられる爪部701の部分には、基板保持部705が設けられている。基板保持部705に基板Wのベベル部Rの端面が当接することにより、水平方向において基板Wが保持される。ここで、基板Wのベベル部Rが当接する基板保持部705の面は平面状である。一方、基板Wのベベル部Rは円弧状である。そのため、基板保持部705と基板Wのベベル部Rとの接触面積は極めて小さくなる。
【0182】
このように、ハンドHAは、基板Wのベベル部Rとほとんど接触しない状態で基板Wを保持することができる。そのため、基板Wの搬送時に、各ロボットのハンドを介して基板Wのベベル部Rが汚染されることが防止される。
【0183】
また、ハンドHAの支持突起704に吸気路を設けてもよい。この場合、基板Wが支持突起704上に支持された状態で吸気路内を排気することにより、基板Wの裏面を支持突起704に真空吸着し、基板Wを保持することができる。なお、このような真空吸着により基板Wを保持する場合には、基板Wのベベル部Rに当接する基板保持部705を設けなくてもよい。
【0184】
図13(b)はハンドHBの平面図である。また、図13(b)は図13(a)におけるQ1−Q1線断面図であり、図13(c)は図13(a)におけるQ2−Q2線断面図である。
【0185】
図13(a)および図13(b)に示すように、ハンドHBは、Y字状に分岐した爪部711,712を有する。爪部711,712の先端部近傍に、上方に突起する支持突起713が設けられている。各支持突起713の外方には基板保持部714が配置されている。また、爪部711,712の連結部分には、2つの支持突起715が設けられている。各支持突起715の外方には、基板保持部716が配置されている。
【0186】
ハンドHBにおいては、支持突起713,715により基板Wが支持される。また、基板保持部714,716に基板Wのベベル部Rが当接することにより、水平方向において基板Wが保持される。
【0187】
この場合、支持突起713,715は基板Wのベベル部Rよりも内方に位置し、基板Wの下面に当接する。また、基板Wのベベル部Rが当接する基板保持部714,716の面は平面状であり、基板保持部714,716と基板Wのベベル部Rとの接触面積は極めて小さくなる。
【0188】
このように、ハンドHBの構成においても、図12のハンドHAと同様に、基板Wのベベル部Rとほとんど接触しない状態で基板Wを保持することができる。そのため、基板Wの搬送時に、各ロボットのハンドを介して基板Wのベベル部Rが汚染されることが防止される。
【0189】
また、ハンドHBの支持突起713,715に吸気路を設けてもよい。この場合、基板Wが支持突起713,715に支持された状態で吸気路内を排気することにより、基板Wの裏面を支持突起713,715に真空吸着し、基板Wを保持することができる。なお、このような真空吸着により基板Wを保持する場合には、基板Wを係止するための基板保持部714,716を設けなくてもよい。
【0190】
ところで、図12に示したハンドHAの爪部701は、基板Wの周縁部を囲うように形成されている。そのため、基板Wの上方および下方にスペースがない状態でも、基板Wの受け渡しが可能である。一方、図13に示したハンドHBの爪部711,712は、基板Wの下面側に延びるように形成されている。そのため、基板Wの側方にスペースがない場合でも、基板Wの受け渡しが可能である。
【0191】
したがって、各ロボットのハンドにハンドHAおよびハンドHBのいずれの構成を用いるかは、図1のキャリアC、基板載置部PASS1〜PASS13、送りバッファ部SBF,戻りバッファ部RBFおよび処理ユニット等の基板Wの搬出入を行う各部の構造等に応じて適宜選択することが好ましい。
【0192】
(7)本実施の形態の効果
(7−1)ベベル研磨処理による効果
本実施の形態では、ベベル処理ブロック10のベベル研磨部50において、ベベル研磨ユニットBPにより基板Wのベベル研磨処理が行われる。それにより、露光処理前の基板Wのベベル部Rに付着した汚染物を確実に取り除くことができる。したがって、基板Wのベベル部Rの汚染に起因する露光装置内の汚染が防止でき、露光パターンの寸法不良および形状不良の発生を防止することができる。
【0193】
また、基板処理装置500に搬入された直後の基板Wにベベル研磨処理が施されることにより、キャリアC内等において基板Wのベベル部Rに汚染物が付着しても、その汚染物が基板処理装置500内の各部に転移することが防止される。
【0194】
また、ベベル研磨処理後の基板Wは、共通のベベル処理ブロック10内において基板洗浄ユニットWCにより洗浄されるので、ベベル研磨処理によって発生した粉塵等によって他のブロックが汚染されることが防止される。
【0195】
また、基板WのベベルRが清浄に保たれることにより、基板Wのベベル部Rの汚染に起因する基板Wの処理不良が十分に防止される。
【0196】
(7−2)露光処理後の基板の乾燥処理による効果
本実施の形態では、インターフェースブロック15の第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2において、露光処理後の基板Wの乾燥処理が行われる。それにより、露光処理時に基板Wに付着した液体が、基板処理装置500内に落下することが防止される。
【0197】
また、露光処理後の基板Wの乾燥処理を行うことにより、露光処理後の基板Wに雰囲気中の塵埃等が付着することが防止されるので、基板Wの汚染を防止することができる。
【0198】
また、基板処理装置500内を液体が付着した基板Wが搬送されることを防止することができるので、露光処理時に基板Wに付着した液体が基板処理装置500内の雰囲気に影響を与えることを防止することができる。それにより、基板処理装置500内の温湿度調整が容易になる。
【0199】
また、露光処理時に基板Wに付着した液体がインデクサロボットIRおよび第1〜第6のセンターロボットCR1〜CR6に付着することが防止されるので、露光処理前の基板Wに液体が付着することが防止される。それにより、露光処理前の基板Wに雰囲気中の塵埃等が付着することが防止されるので、基板Wの汚染が防止される。その結果、露光処理時の解像性能の劣化を防止することができるとともに露光装置16内の汚染を防止することができる。
【0200】
また、第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2から現像処理部70へ基板Wを搬送する間に、レジストの成分またはレジストカバー膜の成分が基板W上に残留した洗浄液およびリンス液中に溶出することを確実に防止することができる。それにより、レジスト膜に形成された露光パターンの変形を防止することができる。その結果、現像処理時における線幅精度の低下を確実に防止することができる。
【0201】
これらの結果、基板処理装置500の電気系統の異常等の動作不良を防止することができるとともに、基板Wの処理不良を確実に防止することができる。
【0202】
また、第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2においては、基板Wを回転させつつ不活性ガスを基板Wの中心部から周縁部へと吹き付けることにより基板Wの乾燥処理を行っている。この場合、基板W上の洗浄液およびリンス液を確実に取り除くことができるので、洗浄後の基板Wに雰囲気中の塵埃等が付着することを確実に防止することができる。それにより、基板Wの汚染を確実に防止することができるとともに、基板Wの表面に乾燥しみが発生することを防止することができる。
【0203】
(7−3)露光処理後の基板の洗浄処理による効果
第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2においては、乾燥処理前に基板Wの洗浄処理が行われる。この場合、露光処理時に液体が付着した基板Wに雰囲気中の塵埃等が付着しても、その付着物を取り除くことができる。それにより、基板Wの汚染を防止することができる。その結果、基板の処理不良を確実に防止することができる。
【0204】
(7−4)レジストカバー膜の塗布処理の効果
露光装置16において基板Wに露光処理が行われる前に、レジストカバー膜用処理ブロック14において、レジスト膜上にレジストカバー膜が形成される。この場合、露光装置16において基板Wが液体と接触しても、レジストカバー膜によってレジスト膜が液体と接触することが防止されるので、レジストの成分が液体中に溶出することが防止される。
【0205】
(7−5)レジストカバー膜の除去処理の効果
現像処理ブロック13において基板Wに現像処理が行われる前に、レジストカバー膜用処理ブロック14において、レジストカバー膜の除去処理が行われる。この場合、現像処理前にレジストカバー膜が確実に除去されるので、現像処理を確実に行うことができる。
【0206】
(7−6)露光処理前の基板の洗浄および乾燥処理による効果
露光装置16において基板Wの露光処理が行われる前に、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1において基板Wの洗浄処理が行われる。この洗浄処理時に、基板W上のレジストカバー膜の成分の一部が洗浄液またはリンス液中に溶出し、洗い流される。そのため、露光装置16において基板Wが液体と接触しても、基板W上のレジストカバー膜の成分は液体中にほとんど溶出しない。また、露光処理前の基板Wに付着した塵埃等を取り除くことができる。これらの結果、露光装置16内の汚染が防止される。
【0207】
また、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1においては、基板Wの洗浄処理後に基板Wの乾燥処理が行われる。それにより、洗浄処理時に基板Wに付着した洗浄液またはリンス液が取り除かれるので、洗浄処理後の基板Wに雰囲気中の塵埃等が再度付着することが防止される。その結果、露光装置16内の汚染を確実に防止することができる。
【0208】
また、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1においては、基板Wを回転させつつ不活性ガスを基板Wの中心部から周縁部へと吹き付けることにより基板Wの乾燥処理を行っている。この場合、基板W上の洗浄液およびリンス液を確実に取り除くことができるので、洗浄後の基板Wに雰囲気中の塵埃等が付着することを確実に防止することができる。それにより、基板Wの汚染を確実に防止することができるとともに、基板Wの表面に乾燥しみが発生することを防止することができる。
【0209】
(7−7)インターフェースブロックの効果
インターフェースブロック15においては、第6のセンターロボットCR6がエッジ露光部EEWへの基板Wの搬入出、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1への基板Wの搬入出、送りバッファ部SBFへの基板Wの搬入出、載置兼冷却ユニットP−CPへの基板の搬入、および基板載置部PASS13からの基板Wの搬出を行い、インターフェース用搬送機構IFRが載置兼冷却ユニットP−CPからの基板Wの搬出、露光装置16への基板Wの搬入出、第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2への基板Wの搬入出、および基板載置部PASS13への基板Wの搬入を行っている。このように、第6のセンターロボットCR6およびインターフェース用搬送機構IFRによって効率よく基板Wの搬送が行われるので、スループットを向上させることができる。
【0210】
また、インターフェースブロック15において、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1および第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2は、X方向の側面の近傍にそれぞれ設けられている。この場合、インターフェースブロック15を取り外すことなく、第1および第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD1,SD2のメインテナンスを基板処理装置500の側面から容易に行うことができる。
【0211】
また、第1および第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD1,SD2により、1つの処理ブロック内で、露光処理前および露光処理後の基板Wの洗浄および乾燥を行うことができる。したがって、基板処理装置500のフットプリントの増加を防止することができる。
【0212】
(7−8)インターフェース用搬送機構の効果
インターフェースブロック15においては、載置兼冷却ユニットP−CPから露光装置16に基板Wを搬送する際、第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2から基板載置部PASS13へ基板Wを搬送する際には、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH1が用いられ、露光装置16から第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2へ基板を搬送する際には、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH2が用いられる。
【0213】
すなわち、液体が付着していない基板Wの搬送にはハンドH1が用いられ、液体が付着した基板Wの搬送にはハンドH2が用いられる。
【0214】
この場合、露光処理時に基板Wに付着した液体がハンドH1に付着することが防止されるので、露光処理前の基板Wに液体が付着することが防止される。また、ハンドH2はハンドH1より下方に設けられるので、ハンドH2およびそれが保持する基板Wから液体が落下しても、ハンドH1およびそれが保持する基板Wに液体が付着することを防止することができる。それにより、露光処理前の基板Wに液体が付着することを確実に防止することができる。その結果、露光処理前の基板Wの汚染を確実に防止することができる。
【0215】
(7−9)載置兼冷却ユニットP−CPを配設したことによる効果
インターフェースブロック15において、露光装置16による露光処理前の基板Wを載置する機能と、基板Wの温度を露光装置16内の温度に合わせるための冷却機能とを兼ね備えた載置兼冷却ユニットP−CPを設けることにより、搬送工程を削減することができる。基板の厳密な温度管理が要求される液浸法による露光処理を行う上では、搬送工程を削減することは重要となる。
【0216】
上記により、スループットを向上することが可能となるとともに、搬送のアクセス位置を削減することができるので信頼性を向上することが可能となる。
【0217】
特に、2個の載置兼冷却ユニットP−CPを設けていることにより、さらにスループットを向上することができる。
【0218】
(8)他の実施の形態
(8−1)ベベル研磨ユニットBPの他の例
図14は、ベベル研磨ユニットBPの他の例を示す図である。以下、図14に示すベベル研磨ユニットBPaについて、上記図6のベベル研磨ユニットBPと異なる点を説明する。
【0219】
ベベル研磨ユニットBPaは、ベベル洗浄装置560および表面洗浄装置583を含む基板Wの洗浄機構を備える。このベベル研磨ユニットBPaにおいては、ベベル研磨装置530によって基板Wのベベル部Rが研磨された後、ベベル洗浄装置560によって基板Wのベベル部Rが洗浄されるとともに表面洗浄装置583によって基板Wの表面が洗浄される。このように、共通のユニット内で基板Wのベベル研磨処理、ベベル洗浄処理および表面洗浄処理を行うことができるので、スループットを向上することができる。また、この場合には、基板洗浄ユニットWCを設ける必要がないので、フットプリントを低減することが可能となる。
【0220】
さらに、基板Wの表面と裏面とを反転させる反転機構を設けることにより、図14のベベル研磨ユニットBPaにおいて、基板Wの裏面を洗浄することも可能となる。
【0221】
(8−2)ベベル研磨ユニットBPの他の配置例
上記実施の形態では、インデクサブロック9に隣接するように設けられたベベル処理ブロック10内にベベル研磨ユニットBPおよび基板洗浄ユニットWCが配置されるが、他の領域にベベル研磨ユニットBPおよび基板洗浄ユニットWCが配置されてもよい。
【0222】
例えば、ベベル研磨ユニットBPおよび基板洗浄ユニットWCがインターフェースブロック15に配置されてもよい。図15は、ベベル研磨ユニットBPおよび基板洗浄ユニットWCが配置されたインターフェースブロック15を+Y側から見た概略側面図である。図15の例では、インターフェースブロック15の略中央部にベベル研磨ユニットBPおよび基板洗浄ユニットWCが積層配置される。
【0223】
このインターフェースブロック15においては、例えば、露光装置16において露光処理が施された基板が、第2の洗浄/乾燥ユニットSD2に搬入される前にベベル研磨ユニットBPに搬入される。次いで、ベベル研磨ユニットBPにおいてベベル研磨処理が施された基板Wが、基板洗浄ユニットWCに搬入される。そして、基板洗浄ユニットWCにおいて洗浄処理が施された基板Wが、第2の洗浄/乾燥ユニットSD2に搬入される。
【0224】
このように、露光処理後の基板Wにベベル研磨処理が施されることにより、現像処理ブロック13において基板Wのベベル部Rが十分に清浄な状態で現像処理を行うことができる。それにより、ベベル部Rの汚染に起因する現像性能の低下を確実に防止することができる。
【0225】
なお、ベベル研磨処理時に発生する粉塵を第2の洗浄/乾燥ユニットSD2において十分に取り除くことができるのであれば、基板洗浄ユニットWCを設けずに、研磨ユニットBPにおいてベベル研磨処理が施された基板Wをそのまま第2の洗浄/乾燥ユニットSD2に搬入してもよい。
【0226】
また、図14に示したベベル研磨ユニットBPaをインターフェースブロック15に配置してもよい。その場合、共通のユニット内で基板Wのベベル研磨処理、ベベル洗浄処理および表面洗浄処理を行うことができるので、スループットを向上することができる。
【0227】
また、第2の洗浄/乾燥ユニットSD2において洗浄および乾燥処理が施された基板Wに、ベベル研磨ユニットBPおよび基板洗浄ユニットWCにおいてベベル研磨処理ならびにベベル洗浄処理および表面洗浄処理を施してもよい。この場合も、基板Wのベベル部Rが十分に清浄な状態で現像処理を行うことができるので、ベベル部Rの汚染に起因する現像性能の低下を確実に防止することができる。
【0228】
また、第2の洗浄/乾燥ユニットSD2内にベベル研磨装置530(図6)を設け、第2の洗浄/乾燥ユニットSD2内で、基板Wのベベル研磨処理、洗浄処理および乾燥処理を順に行ってもよい。
【0229】
(8−3)ベベル処理ブロックの他の配置例
ベベル処理ブロック10が、現像処理ブロック13とレジストカバー膜用処理ブロック14との間、またはレジストカバー膜用処理ブロック14とインターフェースブロック15との間に配置されてもよい。この場合、ベベル処理ブロック10において、露光処理後であって現像処理前の基板Wにベベル研磨ユニットBPによりベベル研磨処理を施すことができる。それにより、基板Wのベベル部Rが十分に清浄な状態で現像処理を行うことができる。したがって、ベベル部Rの汚染に起因する現像性能の低下を確実に防止することができる。
【0230】
(8−4)その他の変形
レジストカバー膜用処理ブロック14は設けなくてもよい。この場合、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1における洗浄処理時に、レジスト膜の成分の一部が洗浄液中に溶出する。それにより、露光装置16においてレジスト膜が液体と接触しても、レジストの成分が液体中に溶出することが防止される。その結果、露光装置16内の汚染を防止することができる。
【0231】
また、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1、第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2、塗布ユニットBARC,RES、COV、ベベル研磨ユニットBP、基板洗浄ユニットWC、現像処理ユニットDEV、除去ユニットREM、加熱ユニットHP、冷却ユニットCPおよび載置兼冷却ユニットP−CPの個数は、各処理ブロックの処理速度に合わせて適宜変更してもよい。例えば、エッジ露光部EEWを2個設ける場合は、第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2の個数を2個にしてもよい。
【0232】
(9)請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0233】
上記実施の形態では、インデクサブロック9、ベベル処理ブロック10、反射防止膜用処理ブロック11、レジスト膜用処理ブロック12、現像処理ブロック13およびレジストカバー膜用処理ブロック14が処理部の例であり、インターフェースブロック15が受け渡し部の例であり、塗布ユニットBARC,RES,COVが成膜ユニットの例であり、第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2が洗浄乾燥処理ユニットの例であり、インデクサロボットIR、第1〜第6のセンターロボットCR1〜CR6およびインターフェース用搬送機構IFRが搬送ユニットの例である。
【0234】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0235】
本発明は、種々の基板の処理等に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0236】
【図1】本発明の一実施の形態に係る基板処理装置の平面図である。
【図2】図1の基板処理装置を+X方向から見た概略側面図である。
【図3】図1の基板処理装置を−X方向から見た概略側面図である。
【図4】インターフェースブロックを+Y側から見た概略側面図である。
【図5】基板のベベル部について説明するための図である。
【図6】ベベル研磨ユニットの構成を説明するための図である。
【図7】ベベル研磨ユニットによるベベル研磨処理について説明するための図である。
【図8】基板洗浄ユニットの構成を説明するための図である。
【図9】図8のベベル洗浄装置の構造を説明するための図である。
【図10】洗浄/乾燥処理ユニットの構成を説明するための図である。
【図11】基板の乾燥処理について説明するための図である。
【図12】ハンドの一例を示す図である。
【図13】ハンドの他の例を示す図である。
【図14】ベベル研磨ユニットの他の例を示す図である。
【図15】ベベル研磨ユニットおよび基板洗浄ユニットが配置されたインターフェースブロックを+Y側から見た概略側面図である。
【符号の説明】
【0237】
9 インデクサブロック
10 ベベル処理ブロック
11 反射防止膜用処理ブロック
12 レジスト膜用処理ブロック
13 現像処理ブロック
14 レジストカバー膜用処理ブロック
15 インターフェースブロック
500 基板処理装置
BARC,RES,COV 塗布ユニット
BP,BPa ベベル研磨ユニット
CR1〜CR6 第1〜第6のセンターロボット
DEV 現像処理ユニット
IFR インターフェース用搬送機構
IR インデクサロボット
REM 除去ユニット
SD1 第1の洗浄/乾燥処理ユニット
SD2 第2の洗浄/乾燥処理ユニット
W 基板
WC 基板洗浄ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
露光装置に隣接するように配置される基板処理装置であって、
基板に処理を行うための処理部と、
前記処理部の一端部に隣接するように設けられ、前記処理部と前記露光装置との間で基板の受け渡しを行うための受け渡し部とを備え、
前記処理部および前記受け渡し部の少なくとも一方は、
基板のベベル部に研磨処理を行うベベル研磨ユニットを含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記処理部および前記受け渡し部の少なくとも一方は、
前記ベベル研磨ユニットによる研磨処理後の基板を洗浄する基板洗浄ユニットをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記ベベル研磨ユニットは、研磨処理後の基板を洗浄することを特徴とする請求項1または2記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記露光装置による露光処理前の基板に成膜処理を行う成膜ユニットを含み、
前記ベベル研磨ユニットは、前記処理部に設けられ、前記成膜ユニットによる成膜処理前の基板のベベル部に研磨処理を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記処理部は、露光装置による露光後の基板の現像処理を行う現像処理ユニットを含み、
前記ベベル研磨ユニットは、前記露光装置による露光後であって前記現像処理ユニットによる現像処理前の基板のベベル部に研磨処理を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記処理部および前記受け渡し部の少なくとも一方は、前記露光装置による露光処理後の基板に洗浄処理および乾燥処理を行う洗浄乾燥処理ユニットを含み、
前記ベベル研磨ユニットは、前記露光装置による露光後であって前記乾燥処理ユニットによる洗浄処理および乾燥処理前の基板のベベル部に研磨処理を行うことを特徴とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記処理部および前記受け渡し部は、基板の裏面を支持した状態で基板を搬送する搬送ユニットを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−288447(P2008−288447A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−133157(P2007−133157)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(506322684)株式会社SOKUDO (158)
【Fターム(参考)】