多層構造の形成方法
基板に電気化学エッチングまたは電気めっきを施すことにより多層構造を形成する方法。基板上にシード層を形成し、その上に主電極を形成する。主電極は、基板から複数の電気化学セルを形成するためのパターン層を有する。電圧が印加され、シード層がエッチングされて、またはシード層に材料がめっきされて形成された構造(8)の間に誘電体(9)が堆積される。誘電体層は下層構造を露出するために平坦化され、別の構造層が第1の構造層上に形成される。または、誘電体層は2層の厚さで形成され、下層構造の上端部を選択的に露出するために選択的にエッチングされる。また、複数の構造層を1工程で形成しても良い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロおよびナノスケールの多層構造に係るアプリケーションの製造を簡易化するためのエッチングおよび/またはめっき方法に関するものである。この方法は特に、プリント配線基板(printed wiring boards:PWB)、プリント基板(printed circuit boards:PCB)、マイクロ電子機械システム(micro electro mechanical systems:MEMS)、集積回路(integrated circuit:IC)相互接続、上記IC相互接続、センサ、フラットパネルディスプレイ、磁気および光学式記憶装置等の製造に有用である。この方法によれば、異なる導電性ポリマー構造、半導体構造、金属構造等の製造が可能であり、多孔性シリコンの形成によるシリコンの三次元構造でさえ製造可能となる。
【背景技術】
【0002】
特許文献1はマイクロおよびナノ構造に含むアプリケーションの製造のための電気化学パターン複製方法、ECPR(electrochemical pattern replication)、および導電性電極の形成に関する技術を開示している。それによると、主電極である導電性電極により規定されるエッチングパターンまたはめっきパターンが、導電性材料からなる基板上に複製される。主電極は基板に密着しており、エッチング/めっきパターンはコンタクトエッチング/めっき処理により直接基板上に転写される。コンタクトエッチング/めっき処理は、主電極と基板の間の閉じたもしくは開いた空洞内に形成された局所エッチングセル/めっきセルにおいて実施される。
【0003】
特許文献2は、単一および多層のメソスケールおよびマイクロスケール構造の電気化学的形成方法を開示している。かかる方法においては、ダイアモンド加工(例えば、フライカッティングまたはターニング)を用いて層を平坦化する。また、犠牲構造材料についても記載している。犠牲構造材料は電気化学的形成において有用であり、最小工具摩耗でダイアモンド加工を施すことができる(例えば、Ni−P/Cu、Au/Cu、Cu/Sn、Au/Cu、Au/Sn、Au/Sn−Pb、前者が構造材料であり、後者が犠牲材料)。さらに、加工が困難な材料を用いて電気化学的に形成されている構造をダイアモンド加工によりを平坦化する場合に、例えば、加工が困難な材料をやや過剰なめっき厚で選択的および潜在的に堆積する、および/または堆積物を(例えば、研磨もしくは荒削り処理を用いて)所望の表面レベルよりわずかに高い範囲内に前加工し、ダイアモンドフライカッティングにより仕上げ処理を施す、および/または構造または構造の一部を構造材料の広く頑丈な領域からではなく加工が困難な材料の薄肉領域から形成することにより、工具摩耗を軽減する方法も記載されている。
【0004】
特許文献3の「電極および電極の製造方法」は、本発明においても使用され得る主電極について記載している。この特許明細書の内容は参照によって本明細書に編入される。
【0005】
【特許文献1】国際公開第WO02/103085号公報
【特許文献2】米国特許出願第US2005/0202180号明細書
【特許文献3】スウェーデン特許出願第0502539−2号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の多層構造形成法の問題は、平坦化工程において、少なくとも2つの材料が同時に除去されなければならない点にある。2つの材料が異なる特性を持っていた場合、例えば、2つ材料のうち1つが金属等の硬質材料であり、もう1つがプラスチック、ガラス、ダイエレクトリクム(dielectricum)のような多孔質材等の軟質材料であれば、問題はより大きくなる。
【0007】
平坦化処理が機械研磨または化学機械研磨により行われる場合、問題が生じる可能性がある。研磨処理は、平坦化される材料に対して相対的に移動するプレートの回転、平行移動、または圧延により実施される。
【0008】
平坦化処理の初期段階においては、材料はその上端部もしくは頂上部のみが除去される。この段階において、高速研磨の場合は特に、下層の構造を損傷する危険性がある。材料を部分的に科学的手法により溶解することで、そうした危険性を低下させることができる。
【0009】
平坦化処理の中期段階では特に問題が生じることはなく、軟質材料もしくは硬質材料のみであれば、研磨処理は比較的単純である。
【0010】
平坦化処理の最終段階において、軟質材料および硬質材料が共に除去されることがある。この場合、軟質材料は硬質材料よりも高速に除去され、目減りもしくは凹みを生じ、結果として軟質材料が硬質材料よりも後退してしまう。これは、次の処理に不都合な場合もある。
【0011】
機械平坦化処理における別の問題は、プレートが、形成された構造層に対して、完全に平行にならない恐れがあることである。わずかな角度のずれから、構造の一部が期待通りに露出されないことがある。
【0012】
従来の多層構造形成法のさらに別の問題は、構造層厚の制御が困難となり得る点にある。
【0013】
従来の多層構造形成法のさらに別の問題は、多くの処理工程を要し、処理が煩雑になり費用がかさむ点にある。
【0014】
従来の多層構造形成法のさらに別の問題は、構造におけるビアもしくは穴を均一に埋めることができない点にある。
【0015】
従来の多層構造形成法のさらに別の問題は、構造が処理開始時において比較的凹凸を有する形状であった場合、最終結果として平面を得ることが困難となり得る点にある。
【0016】
さらなる問題は以下の記述から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の目的は、目減りもしくは凹みを低減または防止できる多層構造の形成方法を提供することにある。
【0018】
本発明の別の目的は、処理工程数を削減できる多層構造の形成方法を提供することにある。
【0019】
本発明のさらに別の目的は、ビアを均一に埋めることができる多層構造の形成方法を提供することにある。
【0020】
本発明のある様態によれば、多層構造の形成方法は、基板に電気めっきを施すことにより多層構造を形成する方法であって、a)基板もしくは基板層の少なくとも一部に導電性のシード層を形成する工程と、b)導電電極層と、導電電極層と電気的に接続された陽極材と、絶縁パターン層とを、前記陽極材、前記絶縁パターン層、前記シード層に囲まれた領域に、電解質を含む少なくとも1つの電気化学セルを形成するために有する主電極を前記シード層上に形成する工程と、c)前記シード層が前記少なくとも1つのセルの少なくとも一部の前記陽極材を前記シード層に転写するための陰極を形成し、主電極上の絶縁パターン層の空洞に対応するめっき構造を形成するように、前記導電電極層と前記シード層の間に電圧を印加する工程と、d)前記主電極を前記基板から分離する工程と、e)めっきされていない領域の前記シード層を除去する工程と、f)前記めっき構造を少なくとも部分的に被覆する材料層を形成するために、めっき構造間の領域に材料を堆積する工程と、g)構造の少なくとも一部が露出するまで材料層を平坦化する工程と、h)前記工程の少なくとも一部を繰り返し、多層構造を形成する工程とを有する。
【0021】
別の様態によれば、多層構造の形成方法は、基板を電気化学エッチングすることにより多層構造を形成する方法であって、a)基板もしくは基板層の少なくとも一部に導電性のシード層を形成する工程と、b)導電電極層と絶縁パターン層とを、前記導電電極層、前記絶縁パターン層、前記シード層に囲まれた領域に、電解質を含む少なくとも1つの電気化学セルを形成するために有する主電極を前記シード層上に形成する工程と、c)前記シード層がシード層をエッチングするための陽極を形成し、前記導電電極層が前記少なくとも1つのセルにエッチングされた材料を堆積するための陰極を形成し、主電極上の絶縁パターン層に対応するエッチングされた構造を形成するように、前記導電電極層と前記シード層の間に電圧を印加する工程と、d)前記主電極を前記基板から分離する工程と、e)エッチングされた構造間に残留している可能性のある前記シード層を除去する工程と、f)前記エッチングされた構造を少なくとも部分的に被覆する材料層を形成するために、エッチングされた構造間の領域に材料を堆積する工程と、g)構造の少なくとも一部が露出するまで材料層を平坦化する工程と、h)前記工程の少なくとも一部を繰り返し、多層構造を形成する工程とを有する。
【0022】
ある実施の形態によれば、この方法はさらに、構造の少なくとも一部がほぼ露出するまで材料層を平坦化する工程と、構造の少なくとも一部が露出するまで、前面にわたって略均一の除去速度を持つ除去方法を用いてさらに材料を除去する工程とを有する。この方法はさらに、工程d)とe)の間に、先に形成された構造の電気化学セルを形成するためにさらに主電極を形成する工程と、先に形成された構造の層上にさらにめっき構造の層を形成するために電圧を印加する工程とを含んでいても良い。平坦化工程は少なくとも1の研磨工程および/またはエッチング工程を含んでいても良い。研磨工程は、研磨により前記材料層の一部を除去する工程を含んでいても良い。少なくとも1の研磨工程は、機械研磨、化学研磨、化学機械研磨(chemical mechanical polishing:CMP)、接触平坦化(contact planarization:CP)、ドクターブレードによる平坦化、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により実施することができる。研磨工程は、CMPまたはCPにより実施されても良い。少なくとも1のエッチング工程は、ドライエッチング、イオンスパッタリング、反応性イオンエッチング(reactive ion etching:RIE)、プラズマエッチング、レーザー研磨、イオンミリング、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により実施することができる。
【0023】
さらに別の様態によれば、多層構造の形成方法は、基板に電気めっきを施すことにより多層構造を形成する方法であって、a)基板もしくは基板層の少なくとも一部に導電性のシード層を形成する工程と、b)導電電極層と、導電電極層と電気的に接続された陽極材と、絶縁パターン層とを、前記陽極材、前記絶縁パターン層、前記シード層に囲まれた領域に少なくとも1つの電解質を含む電気化学セルを形成するために有する主電極を前記シード層上に形成する工程と、c)前記シード層が前記少なくとも1つのセルの少なくとも一部の前記陽極材を前記シード層に転写するための陰極を形成し、主電極上の絶縁パターン層の空洞に対応するめっき構造を形成するように、前記導電電極層と前記シード層の間に電圧を印加する工程と、d)前記主電極を前記基板から分離する工程と、e)めっきされていない領域の前記シード層を除去する工程と、f)前記めっき構造を被覆する材料層を形成するために、めっき構造間の領域に材料を堆積する工程と、i)下層のめっき構造の少なくとも一部を露出するよう前記材料層に凹部を形成する工程と、h)前記工程の少なくとも一部を繰り返し、多層構造を形成する工程とを有する。
【0024】
さらに別の様態によれば、多層構造の形成方法は、基板を電気化学エッチングすることにより多層構造を形成する方法であって、a)基板もしくは基板層の少なくとも一部に導電性のシード層を形成する工程と、b)導電電極層と絶縁パターン層とを、前記導電電極層、前記絶縁パターン層、前記シード層に囲まれた領域に少なくとも1つの電解質を含む電気化学セルを形成するために有する主電極を前記シード層上に形成する工程と、c)前記シード層がシード層をエッチングするための陽極を形成し、前記導電電極層が前記少なくとも1つのセルにエッチングされた材料を堆積するための陰極を形成し、主電極上の絶縁パターン層に対応するエッチングされた構造を形成するように、前記導電電極層と前記シード層の間に電圧を印加する工程と、d)前記主電極を前記基板から分離する工程と、e)エッチングされた構造間に残留している可能性のある前記シード層を除去する工程と、f)前記エッチングされた構造を被覆する材料層を形成するために、エッチングされた構造間の領域に材料を堆積する工程と、i)下層のエッチングされた構造の少なくとも一部を露出するよう前記材料層に凹部を形成する工程と、h)前記工程の少なくとも一部を繰り返し、多層構造を形成する工程とを有する。
【0025】
ある実施の形態によれば、前記材料層に凹部を形成する工程は、フォトリソグラフィ、レーザーリソグラフィ、電子ビームリソグラフィ、ナノインプリンティング、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されたリソグラフィ法により実施することができる。リソグラフィ法はさらに、エッチングマスクをパターニングして、イオンスパッタリング、反応性イオンエッチング、プラズマエッチング、レーザー研磨、イオンミリング、またはそれらの組み合わせのいずれか等のドライエッチングにより前記材料層をエッチングする工程を含んでいても良い。エッチングマスクは、フォトレジスト等のレジスト、SiN、SiO2、SiC、オルトケイ酸テトラエチル(tetraethyl orthosilicate:TEOS)、SiON、SiOC、SiCN:H、(非多孔性の)フッ素ドープシリコンガラス(fluorine-doped silicon glass:FSG)、(非多孔性の)有機ドープシリコンガラス(organic-doped silicon glass:OSG)、BLOKTM、Pt、Ti、TiW、TiN、Al、Cr、Au、Ni、Cu、Ag等のlow−k誘電体バリア/エッチングストップフィルム、金属等のハードマスク、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料からなっていても良い。エッチングマスクは、マスクとして、フォトレジスト等のレジストを用いてドライエッチングされてもよく、前記レジストを前記リソグラフィ法によりパターニングしても良い。エッチングマスクは前記構造層により前記工程c)において形成されても良い。めっき構造間またはエッチングされた構造間の領域に材料を堆積する工程は、少なくとも構造層2層分の厚さを持つ材料層を形成するために実施されても良い。
【0026】
別の実施の形態によれば、材料層は凹部が形成される前に平坦化されても良い。
【0027】
また、別の実施の形態によれば、この方法はさらに、工程a)の前にバリア/キャッピング層を形成する工程を含んでいても良い。この方法はさらに、工程f)の前にバリア/キャッピングコーティングを形成する工程を含んでいても良い。
【0028】
シード層は、Ru、Os、Hf、Re、Cr、Au、Ag、Cu、Sn、Ti、Ni、Al、これら材料からなる合金、Si、導電性ポリマー(ポリアニリン等)、はんだ材料(SnPb、SnAg、SnAgCu、SnCu等)、合金(モネル、パーマロイ等)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料からなっていても良い。シード層は、化学気相成長法(chemical vapor deposition:CVD)、有機金属化学気相成長法(metal-organic chemical vapor deposition:MOCVD)、物理気相成長法(physical vapor deposition:PVD)、原子層成長法(atomic layer deposition:ALD)、スパッタリング法、無電解めっき法、電気めっき法、電子グラフト法、浸漬堆積法からなる群から選択された方法により形成することができる。
【0029】
材料層は誘電体層であり、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、パウダーコーティング法、ディップコーティング法、ローラーコーティング法、スパッタリング法、PVD、CVD、プラズマ化学気相成長法(plasma-enhanced chemical vapor deposition:PECVD)、電着法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により形成することができる。誘電体層は、low−k誘電体、ウルトラlow−k誘電体、k値が4未満の誘電体、k値が2.5未満の誘電体、有機化合物、絶縁無機化合物、酸化物、窒化物、ポリマー材料、ポリイミド、シロキサン変性ポリイミド、BCB、SU−8、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene:PTFE)、シリコーン、弾性重合体、電子ビームレジスト、ZEP(住友)、フォトレジスト、薄膜レジスト、厚膜レジスト、多環オレフィン、ポリノルボルネン、ポリエチレン、ポリカーボネート、PMMA、BARC材料、リフトオフレイヤー(lift off layer:LOL)材料、PDMS、ポリウレタン、エポキシポリマ、フルオロエラストマ、アクリレート重合体、(天然)ゴム、シリコーン、ラッカ、ニトリルゴム、EPDM、ネオプレン、PFTE、パリレン、フルオロメチレンシアン酸エステル、無機−有機ハイブリッドポリマ、(フッ素化および/または水素化)非晶質炭素、有機ドープシリコンガラス(organic-doped silicon glass:OSG)、フッ素ドープシリコンガラス(fluorine-doped silicon glass:FSG)、PETE/シリコン化合物、オルトケイ酸テトラエチル(tetraethyl orthosilicate:TEOS)、SiN、SiO2、SiON、SiOC、SiCN:H、SiOCH材料、SiCH材料、シリケート、石英系材料、シルセスキオキサン(silsesquioxane:SSQ)系材料、(ナノ多孔)メチルシルセスキオキサン(methyl silsesquioxane:MSQ)、水素シルセスキオキサン(hydrogen silsesquioxane:HSQ)、TiO2、Al2O3、TiN、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料からなる層を、少なくとも1層含んでいても良い。
【0030】
さらに別の様態によれば、多層構造の形成方法は、基板に電気めっきを施すことにより多層構造を形成する方法であって、前記基板または基板層はビアを有し、a)基板もしくは基板層および前記ビアの少なくとも一部に導電性のシード層を形成する工程と、b)少なくとも前記ビアに対向し、前記ビアの幅よりわずかに小さい、同幅、もしくはわずかに大きな幅を持ち、内部に陽極材を事前堆積した空洞が形成された絶縁パターン層を持つ主電極を形成する工程と、c)少なくとも一部の前記陽極材を転写し、前記ビア内にめっき構造を形成するために、導電電極層と前記シード層の間に電圧を印加する工程とを有する。
【0031】
ある実施の形態によれば、シード層は、Ru、Os、Hf、Re、Cr、Au、Ag、Cu、Sn、Ti、Ni、Al、これら材料からなる合金、Si、導電性ポリマー(ポリアニリン等)、はんだ材料(SnPb、SnAg、SnAgCu、SnCu等)、合金(モネル、パーマロイ等)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料からなっていても良い。シード層は、化学気相成長法(chemical vapor deposition:CVD)、有機金属化学気相成長法(metal-organic chemical vapor deposition:MOCVD)、物理気相成長法(physical vapor deposition:PVD)、原子層成長法(atomic layer deposition:ALD)、スパッタリング法、無電解めっき法、電気めっき法、電子グラフト法、浸漬堆積法からなる群から選択された方法により形成することができる。
【0032】
さらに別の様態によれば、多層構造の形成方法は、伝導材構造を備えた基板に電気めっきを施すことにより多層構造を形成する方法であって、a)基板の少なくとも一部に導電性のシード層を形成する工程と、b)導電電極層と、導電電極層と電気的に接続された陽極材と、少なくとも前記伝導材構造の一部を囲んでいる空洞が形成された絶縁パターン層とを、前記陽極材、前記絶縁パターン層、前記シード層に囲まれた領域に少なくとも1つの電解質を含む電気化学セルを形成するために有する主電極を前記シード層上に形成する工程と、c)前記シード層が前記少なくとも1つのセルの少なくとも一部の前記陽極材を前記シード層に転写するための陰極を形成し、前記シード層および主電極上の絶縁パターン層の空洞に対応する前記伝導材構造上にめっき構造を形成するように、前記導電電極層と前記シード層の間に電圧を印加する工程と、d)前記主電極を前記基板から分離する工程とを有する。
【0033】
この方法はさらに、b1)導電電極層と、導電電極層と電気的に接続された陽極材と、めっき構造と前記伝導材構造の少なくとも一部を囲んでいる空洞が形成された絶縁パターン層とを、前記陽極材、前記絶縁パターン層、前記シード層に囲まれた領域に少なくとも1つの電解質を含む電気化学セルを形成するために有する主電極を前記シード層上にさらに形成する工程と、c1)前記シード層が前記少なくとも1つのセルの少なくとも一部の前記陽極材を前記シード層に転写するための陰極を形成し、前記シード層および主電極上の絶縁パターン層の空洞に対応するめっき構造および前記伝導材構造上にめっき構造を形成するように、前記導電電極層と前記シード層の間に電圧を印加する工程と、d1)前記主電極を前記基板から分離する工程とを含んでいても良い。この方法はさらに、e)めっきされていない領域の前記シード層を除去する工程を含んでいても良い。
【0034】
ある実施の形態によれば、平坦化工程は材料表面を略平面になるまで研磨する工程と、続いて構造の少なくとも一部が露出するまで前記材料表面をエッチングする工程とを含んでいても良い。平坦化材料を、前記材料層の平坦化工程に先立って、前記材料層に堆積しても良い。平坦化材料は、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、パウダーコーティング法、ディップコーティング法、ローラーコーティング法、スパッタリング法、PVD、CVD、PECVD、電着法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により堆積することができる。
【0035】
別の実施の形態によれば、平坦化工程がいつ完了するのかを決定するために、終点検出方法を用いても良い。終点検出方法は、構造材料が研磨またはエッチングされている時の検出、前記材料層の高さの検出、前記材料層の色の解析のいずれかであって良い。検出は研磨される材料のスペクトル解析の干渉分光を基に行われてもよく、前記高さはレーザー測定により決められても良い。また、前記材料層の色はセンサおよびカメラを用いて解析されても良い。接触平坦化工程は、前記材料層上にプレートを設置し、前記プレートで流動状態にある前記材料層を押圧して材料を均等化する工程を含んでいても良い。流動状態を得るために前記材料層を熱してもよく、その場合、材料は平坦化処理の後に冷却される。プレートを設置する工程は前記材料を硬化する前に行われ、材料は平坦化処理後、赤外線照射または紫外線照射等によって硬化される。
【0036】
また、別の実施の形態によれば、シード層は、化学気相成長法(chemical vapor deposition:CVD)、有機金属化学気相成長法(metal-organic chemical vapor deposition:MOCVD)、物理気相成長法(physical vapor deposition:PVD)、原子層成長法(atomic layer deposition:ALD)、スパッタリング法、無電解めっき法、電気めっき法、電子グラフト法、浸漬堆積法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により形成することができる。シード層の形成、材料の形成、めっき、および/またはエッチングは、高さを制御するような方法で行われる。
【0037】
また、別の実施の形態によれば、この方法はさらに、工程a)および/またはf)の前にバリア/キャッピング層を形成する工程を含んでいても良い。バリア/キャッピング層は、バリア/キャッピング層に接している層の腐食、拡散、またはエレクトロマイグレーションを防ぐ材料からなる層を、少なくとも1層含んでいても良い。バリア/キャッピング材は、Ti、TiN、TiW、Cr、Ni、NiB、NiP、NiCo、NiBW、NiM−P、Pd、Pt、Au、Ag、W、Ru、Ta、TaN、Re、Os、Hf、Rh、Wo、Co、CoReP、CoP、CoWP、CoWB、CoWBP、それらの合金、またはそれらの組み合わせのいずれかであって良い。バリア/キャッピング材は、電気めっき法、MOCVD、CVD、PVD、ALD、スパッタリング法、無電解めっき法、浸漬堆積法、電子グラフト法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により成膜することができる。バリア/キャッピング材は、無電解めっき法等のマスクレス選択的成膜法により成膜してもよく、成膜工程においては、前記構造層等の前記成膜処理に対して活性な表面上にのみ成膜され、前記材料層上には成膜されない。
【0038】
バリア/キャッピング材は、工程a)においてシード層として用いても良い。シード層は、Ru、Os、Hf、Re、Cr、Au、Ag、Cu、Sn、Ti、TiN、TiW、Ni、NiB、NiP、NiCo、NiBW、NiM−P、Al、Pd、Pt、W、Ta、TaN、Rh、Wo、Co、CoReP、CoP、CoWP、CoWB、CoWBP、それらの合金、Si、導電性ポリマー(ポリアニリン等の)、はんだ材料(SnPb、SnAg、SnAgCu、SnCu等)、合金(モネル、パーマロイ等)、またはそれらの合金、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料からなっていても良い。シード層は洗浄され、活性化されても良い。その場合、洗浄および活性化には、アセトンまたはアルコール等の有機溶剤、および/または硝酸、硫酸、リン酸、塩酸、酢酸、フッ化水素酸、過酸化水素を始めとする過酸化物等の強酸化剤、過硫酸ナトリウムまたは過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、塩化第二鉄等の無機溶剤、および/または酸素プラズマ、アルゴンプラズマ、水素プラズマを用いてよく、および/または機械的に不純物を除去しても良い。
【0039】
また、別の実施の形態によれば、この方法はさらに、前記シード層を形成する前および/または前記バリア/キャッピング材を形成する前に粘着層を形成しても良い。この場合、粘着層は前記シード層またはバリア/キャッピング材の前記材料層または構造への粘着性を高める。粘着層は、Cr、Ti、TiW、AP−3000(ダウ・ケミカル社製)、AP−100(Silicon Resources社製)、AP−200(Silicon Resources社製)、AP−300(Silicon Resources社製)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された少なくとも1つの材料を含んでいても良い。
【0040】
また、別の実施の形態によれば、少なくとも1つの電気化学セルを形成する工程は、前記絶縁パターン層を前記基板上のパターン層に位置合わせする方法により実施されても良い。位置合わせ方法においては、前記主電極の前側および/または後側に前記基板上の対応する位置合わせマークに位置合わせするよう位置合わせマークを用いても良い。位置合わせ方法は、少なくとも1つの電気化学セルを形成する工程に先立って実施されても良い。形成された電気化学セルは、銅またはニッケルイオン等の陽イオン溶液および硫酸イオン等の陰イオン溶液を、電気化学エッチングおよび/または電気化学めっきのために含んでいても良い。電解質は、例えば、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol:PEG)と塩化物イオンおよび/またはSPS(BiS(3-sulfopropyl)disulfide)、MPSAおよび/またはラウリル硫酸ナトリウム等、抑制剤、レベラおよび/または促進剤を含んでいても良い。
【0041】
ある実施の形態によれば、構造層は、Au、Ag、Ni、Cu、Sn、Pb、SnAg、SnAgCu、AgCu、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料からなっていても良い。また、構造層は、CuまたはNiを含んでいても良い。陽極材は、電気めっき法、無電解めっき法、浸漬堆積法、CVD、MOCVD、パウダーコーティング、化学グラフト法、電子グラフト法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法を用いて、前記絶縁パターン層の空洞内の前記導電電極層上に堆積されても良い。前記陽極材を堆積する方法は電気めっき法または無電解めっき法であっても良い。構造を形成する工程は、前記電圧を切断することにより、すべてのまたは大部分の陽極材を溶解する前に中止される。少なくとも5%の陽極材が構造を形成する工程が中止された時に残っていると良い。前記構造のエッチング深度またはめっき厚は、時間および前記少なくとも1つの電気化学セルを流れる電流をモニタリングすることにより制御しても良い。
【0042】
別の実施の形態によれば、分離工程d)は、前記基板を所定の位置に保持し、前記主電極を基板表面に対して直交する方向に移動させることによって、または前記主電極を所定の位置に保持し、前記基板を主電極表面に対して直交する方向に移動させることによって、または分離を容易にするために平行度の低い方法で、またはそれらの組み合わせにより実施されても良い。前記シード層を除去する工程e)は、ウェットエッチング、ドライエッチング、電気化学エッチング、またはそれらの組み合わせにより実施されても良い。
【0043】
ある実施の形態によれば、この方法はさらに、前記シード層、バリア/キャッピング層および/または構造層全面またはほぼ全面を覆う保護コーティングを形成する工程と、前記保護コーティングに異方性エッチングを施して、前記構造の側壁に保護層を残しつつ構造間の前記シード層、バリア/キャッピング層および/または構造層の上端部を露出させる工程と、構造間の前記シード層および/またはバリア/キャッピング層を除去する工程を含む。
【0044】
材料層は、少なくとも誘電体からなる1つの層であって、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、パウダーコーティング法、ディップコーティング法、ローラーコーティング法、スパッタリング法、PVD、CVD、プラズマ化学気相成長法(plasma-enhanced chemical vapor deposition:PECVD)、電着法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により形成することができる。材料層は、少なくとも金属からなる1つの層であって、電着法、MOCVD、CVD、PVD、ALD、スパッタリング法、無電解めっき法、浸漬堆積法、電子グラフト法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により形成することができる。誘電体は、low−k誘電体、ウルトラlow−k誘電体、k値が4未満の誘電体、k値が2.5未満の誘電体、有機化合物、絶縁無機化合物、酸化物、窒化物、ポリマー材料、ポリイミド、シロキサン変性ポリイミド、BCB、SU−8、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene:PTFE)、シリコーン、弾性重合体、電子ビームレジスト、ZEP(住友)、フォトレジスト、薄膜レジスト、厚膜レジスト、多環オレフィン、ポリノルボルネン、ポリエチレン、ポリカーボネート、PMMA、BARC材料、リフトオフレイヤー(lift off layer:LOL)材料、PDMS、ポリウレタン、エポキシポリマ、フルオロエラストマ、アクリレート重合体、(天然)ゴム、シリコーン、ラッカ、ニトリルゴム、EPDM、ネオプレン、PFTE、パリレン、フルオロメチレンシアン酸エステル、無機−有機ハイブリッドポリマ、(フッ素化および/または水素化)非晶質炭素、有機ドープシリコンガラス(organic-doped silicon glass:OSG)、フッ素ドープシリコンガラス(fluorine-doped silicon glass:FSG)、PETE/シリコン化合物、オルトケイ酸テトラエチル(tetraethyl orthosilicate:TEOS)、SiN、SiO2、SiON、SiOC、SiCN:H、SiOCH材料、SiCH材料、シリケート、石英系材料、シルセスキオキサン(silsesquioxane:SSQ)系材料、(ナノ多孔)メチルシルセスキオキサン(methyl silsesquioxane:MSQ)、水素シルセスキオキサン(hydrogen silsesquioxane:HSQ)、TiO2、Al2O3、TiN、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料からなる層を、少なくとも1層含んでいても良い。
【0045】
別の実施の形態によれば、この方法はさらに、材料を堆積する工程f)の前にエッチングストップ層を構造上に形成する工程を含んでいても良い。エッチングストップ層は、SiC、SiN、フィルム、BLOKTM等のlow−k誘電体バリア/エッチングストップフィルム、Ti、TiN、TiW、Cr、Ni、NiB、NiP、NiCo、NiBW、NiM−P、Pd、Pt、Au、Ag、W、Ru、Ta、TaN、Re、Os、Hf、Rh、Wo、Co、CoReP、CoP、CoWP、CoWB、CoWBP、それらの合金、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料からなる層を、少なくとも1層含んでいても良い。材料層は、多孔性low−k誘電体であってもよく、その上にさらに材料層を形成する前に孔の密閉処理を行っても良い。
【0046】
また、別の実施の形態によれば、材料層は犠牲ポリマーであっても良い。その場合、前記犠牲ポリマーは、熱処理または放射線処理により気体化する。犠牲ポリマーは、Unity Sacrificial PolymerTM(Promerus社製)等のブチルノルボルネンおよびトリエトキシシリルノルボルネンの共重合体であっても良い。
【0047】
また、別の実施の形態によれば、この方法はさらに、工程h)に先立って構造層を形成する工程を含んでいても良い。この場合、構造層はリソグラフィ、電着等の蒸着法、無電解めっき法、ウェットエッチングまたはドライエッチングにより形成されても良い。
【0048】
本発明のさらなる目的、特徴、利点は、以下の実施の形態の詳細な説明および添付図面を参照することにより明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
以下、当業者が本発明を実施できるように、本発明を実施するための最良の形態を含む実施の形態を詳細に説明する。
【0050】
なお、以下のすべての実施の形態による方法は、1または複数の工程を有し、各工程はそれぞれ単独で詳細に説明される。
【0051】
概して、方法は1または以下の6工程、すなわち
a)基板もしくは先行層の上部にシード層を形成する工程と、
b)複数の電気化学セルを形成するために、主電極を基板上のシード層に接触させて配置する工程と、
c)エッチングによりシード層に構造を形成する、またはめっきによりシード層上に構造を形成する工程と、
d)主電極を除去する工程と、
e)残留している可能性のあるシード層を除去する工程と、
f)誘電体層を形成する工程と、を有する。
【0052】
第1の工程a)において、上部にシード層を形成して基板を用意する。シード層を形成する前に、または基板上に形成される前のシード層の下に、バリア/キャッピング層および/または粘着層を堆積する実施の形態もある。
【0053】
前記シード層は、通常比較的薄い導電性材料からなる層を少なくとも1層含み、その上には、主電極中の事前に堆積された陽極材等の材料がECPRめっき処理によりめっきできる。もしくは、シード層は、通常比較的厚い導電性材料からなる層を少なくとも1層含み、ECPRエッチングにより構造をエッチングできる。
【0054】
シード層は電気化学セルの電極の1つであるため、少なくともセルが形成される位置に成膜される必要がある。さらに、シード層は基板外部より、またはシード層に接続された基板の導電部もしくは主電極を通じて電気的に接触できなければならない。そのため、シード層は必要な表面のみを被覆するように形成されても良いが、基板の全面に作用するよう適用しても良い。
【0055】
シード層は、Ru、Os、Hf、Re、Cr、Au、Ag、Cu、Sn、Ti、Ni、Al、それらの合金、Si、後述されるバリア/キャッピング層および/または粘着層に用いられるようなその他の金属、ポリアニリン等の導電性ポリマー、SnPb、SnAg、SnAgCu、SnCu等のはんだ材料、モネル、パーマロイ等の合金、および/またはそれらの組み合わせのいずれかの材料からなる1または複数の層で構成されていても良い。
【0056】
シード層は、化学気相成長法(chemical vapor deposition:CVD)、有機金属化学気相成長法(metal-organic chemical vapor deposition:MOCVD)、物理気相成長法(physical vapor deposition:PVD)、原子層成長法(atomic layer deposition:ALD)、スパッタリング法、無電解めっき法、電気めっき法、電子グラフト法、浸漬堆積法および/または導電性材料を用いたその他の処理により形成することができる。シード層を基板の導電領域および非導電領域に同時に形成する場合は、気相成長法またはスパッタリング技法を用いることができる。シード層が比較的厚くなる場合は、基板表面の凹みに依存しない比較的均一な上面を持つ層を形成するために電気めっき法を用いても良い。詳細には、抑制剤、レベラ(leveler)および/または促進剤等の添加剤および/または例えばポリエチレングリコール(polyethylene glycol:PEG)と塩化物イオン、SPS(BiS(3-sulfopropyl)disulfide)および/または銅めっきに使用されるラウリル硫酸ナトリウム等凹みにおける電着速度を向上させる湿潤剤を用いて、および/または例えば堆積層の高さを均一にする反転パルスめっき等のパルスめっきを用いて、上面を均一にできる。いずれの方法を用いても、特にシード層の厚さが凹みの深さより若干大きい場合、基板の凹みには関係なく上面を均一にできる。
【0057】
基板上のシード層はECPR処理の前に洗浄されて活性化される。洗浄には、アセトンまたはアルコール等の有機溶剤、および/または硝酸、硫酸、リン酸、塩酸、酢酸、フッ化水素酸、過酸化物等の強酸化剤、過硫酸塩、塩化第二鉄等の無機溶剤、および/または脱イオン水を用いても良い。また、洗浄は酸素プラズマ、アルゴンプラズマおよび/または水素プラズマを用いて行ってもよく、機械的に不純物を除去しても良い。シード層は、酸化物を除去する溶剤、例えば硫酸、硝酸、塩酸、フッ化水素酸、リン酸および過硫酸ナトリウム等のエッチング液、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、塩化第二鉄および/または酸化剤を含むその他の溶剤を用いて活性化することができる。
【0058】
前記バリア/キャッピング層は、前記導電性材料が界面材になるのを防ぐ材料、エレクトロマイグレーションを防ぐ材料および/または製造された基板の電気特性に悪影響を与えるその他の現象を防ぐ材料のうちの少なくとも1つおよびそれらの組み合わせからなる少なくとも1つの層で構成されていても良い。バリア/キャッピング層は、Ti、TiN、TiW、Cr、Ni、NiB、NiP、NiCo、NiBW、NiM−P、Pd、Pt、Au、Ag、W、Ru、Ta、TaN、Re、Os、Hf、Rh、Wo、Co、CoReP、CoP、CoWP、CoWB、CoWBP、それらの合金、またはそれらの組み合わせのいずれかからなっていても良い。
【0059】
前記粘着層は、導電性のシード層材またはバリア/キャッピング材の導電層への粘着性を高める材料また材料の組み合わせからなっていても良い。粘着層は、Cr、Ti、TiW、AP−3000(ダウ・ケミカル社製)、AP−100(Silicon Resources社製)、AP−200(Silicon Resources社製)および/またはAP−300(Silicon Resources社製)からなっていても良い。粘着層が、シード層の体積を容易にするおよび/または向上する触媒層として機能する実施の形態もある。バリア/キャッピング層および/または粘着層は、電着法、MOCVD、CVD、PVD、ALD、スパッタリング法、無電解めっき法、浸漬堆積法、電子グラフト法および/またはその他のバリア/キャッピング材および/または粘着材に適した蒸着法により形成することができる。
【0060】
バリア/キャッピング層および/または粘着層を、無電解めっき法および/または化学グラフト法等のマスクレス選択的成膜法により形成する実施の形態もある。マスクレス選択的成膜法においては、該成膜法と対応して活性化する表面でのみ蒸着が行われる。例えば、構造層上では蒸着が行われ、導電層上では行われない。
【0061】
例えば、Ru層を用いた場合等、シード層がバリア/キャッピング層として機能する実施の形態もある。一方、バリア/キャッピング層がシード層として用いられる実施の形態もある。また、シード層として機能させるためにバリア/キャッピング層を活性化する必要のある実施の形態もある。そのような表面活性化は、例えばPdCl2および/またはSnCl2溶剤によって表面処理を施すSnまたはPd活性化であって良い。Pd活性化に使用される溶剤としては、希釈HCl中のPdCl2を用いることができる。例えば、TiNバリア/キャッピング層を活性化する場合、HFを活性化溶剤に添加する実施の形態もある。
【0062】
第2の工程b)において、少なくとも1つの白金等の不活性材料からなる導電電極層および絶縁パターン層で構成される主電極を電解質の存在下で基板上のシード層等導電性の最上層に物理的に密着させて配置し、主電極上の絶縁構造の空洞によって規定される電解質が充填された電気化学セルを形成する。主電極を基板上の最上層に物理的に密着させて配置する工程には、主電極の絶縁パターンを基板上のパターン層に位置合わせをする工程を含む。この工程おいては、主電極の前側または後側に基板上の対応する位置合わせマークに位置合わせするよう位置合わせマークを用いても良い。位置合わせ工程は、電解質を用いる前または後に実施されても良い。主電極を基板上に接触させて配置する工程に先立って、事前に堆積された陽極材を絶縁パターン層の空洞内の前記導電電極層に備えても良い。主電極を基板上に接触させて配置する工程に先立って、主電極の空洞内の事前に堆積された材料は、上述の第1の工程a)における基板上のシード層と同様に、洗浄されて活性化されても良い。
【0063】
前記電解質は、従来の電気めっき浴等の電気化学めっきおよび/またはエッチングに適切な陽イオンおよび陰イオン溶液からなる。例えば、ECPRエッチングまたはECPRめっき処理された構造が銅からなる場合、酸性硫酸銅浴等の硫酸銅浴を用いても良い。酸性度は、例えばpH=2からpH=4程度で、pH<4で良い。抑制剤、レベラおよび/または促進剤等の添加剤、例えばPEG、塩化物イオンおよび/またはSPSを用いる実施の形態もある。その他の例としては、ECPRエッチングまたはECPRめっき処理された構造がNiからなる場合、ワット浴を用いても良い。材料の異なるECPRエッチングまたはECPRめっき処理された構造の適切な電解質系については、Lawrence J. Durney, et al., Electroplating Engineering Handbook, 4th ed., (1984)に記載されている。
【0064】
第3の工程c)において、外部電源からの電圧を主電極および基板上のシード層に印加することにより、ECPRエッチングまたはECPRめっき処理を用いて、導電性材料からなる構造を形成し、主電極の空洞および基板上の最上層によって規定される各電気化学セル内で同時に電気化学処理を実施する。基板上のシード層が陽極をなし、主電極の導電電極層が陰極を成すように電圧が印加された場合、シード層が溶解するとともに主電極の空洞内に材料が堆積される。シード層の溶解により形成された溝が、シード層の残留構造を別離する。残留シード層からなる構造は、主電極の絶縁パターン層の空洞のネガとなる。以下、この構造を「ECPRエッチング構造」と呼ぶ。主電極の導電電極層が陽極をなし、基板上のシード層が陰極を成すように電圧が印加された場合、主電極の空洞内に事前堆積された陽極材が溶解するとともに基板上の電解質が充填された空洞内の導電層に材料が堆積される。基板上の導電層に堆積された材料は主電極の絶縁パターン層の空洞のポジとなる構造を形成する。以下、この構造を「ECPRめっき構造」と呼ぶ。
【0065】
前記ECPRエッチング構造またはECPRめっき構造は、金属または合金等の導電性材料、例えばAu、Ag、Ni、Cu、Sn、Pbおよび/またはSnAg、SnAgCu、AgCuおよび/または例えばCu等それらの組み合わせで構成されても良い。
【0066】
前記陽極材を、陽極となる材料をECPRエッチングすることにより主電極の空洞内に事前に堆積し、主電極の絶縁パターン層の空洞内の陰極となる導電電極に前記材料を堆積する実施の形態もある。また、主電極の絶縁パターン層の空洞内の導電電極層上に、前記材料を選択的に通常の電気めっき、無電解めっき、浸漬めっき、CVD、MOCVD、(帯電)パウダーコーティング、化学グラフトおよび/または電子グラフトすることにより、前記陽極材を事前に堆積する実施の形態もある。
【0067】
電圧は、エッチングおよび/またはめっきされた構造の均一性および/または特性を向上するように印加しても良い。印加される電圧は、直流電圧、パルス状電圧、矩形パルス状電圧、反転パルス電圧および/またはそれらの組み合わせであって良い。
【0068】
エッチングおよび/またはめっきされた構造の均一性は、印加される電圧波形、振幅および周波数の最適な組み合わせを選択することによって向上できる。エッチング深度またはめっき厚は、時間および主電極を流れる電流をモニタリングすることにより制御できる。総電極領域が分かっている場合には、電流密度は電極領域を流れる電流から予測することができる。電流密度はエッチング速度またはめっき速度に対応するため、エッチング深度またはめっき厚はエッチング速度またはめっき速度および時間から予測することができる。
【0069】
下層の溶解している陽極材の表面に到達する前に印加電圧を切断することにより、エッチングまたはめっき処理を中止する実施の形態もある。すなわち、エッチングにおいては、シード層にエッチングされた溝の下にまだ層が残留し、下の基板層を被覆している状態で処理を中止する。このように処理を中止しない場合、シード層の一部への電気的接続が破壊される恐れがある。めっき処理においては、事前に堆積された陽極材からなる層がまだ、例えば5%から50%残留し、導電電極層を被覆している状態で処理を中止する。このように処理を中止しない場合、各電気化学セルにおいて電流分布が不均等になってしまう。
【0070】
めっき構造の所望の高さを、事前に堆積された陽極材の厚さより若干小さくする実施の形態もある。これは、陽極材を新たに堆積する前に、複数の構造層が1または複数の基板上にめっきされることを示唆する。例えば、事前に堆積された材料の高さは少なくともめっき構造の高さの2倍であっても良い。
【0071】
ECPRめっき構造の複数の層が、各々の上に直接形成される実施の形態もある。
【0072】
第4の工程d)において、ECPRエッチング構造またはECPRめっき構造が形成された後、基板上の主電極またはECPRエッチング構造もしくはECPRめっき構造への損傷を最小限に抑えるように、主電極を基板から分離する。この工程は、基板を所定の位置に固定し、主電極を基板表面に対して直交する方向に移動させることによって、または主電極を所定の位置に保持し、基板を主電極表面に対して直交する方向に移動させることによって実施できる。別の実施の形態によれば、分離を容易にするために平行度の低い方法で主電極を基板から分離してもよい。
【0073】
第5の工程e)において、ECPRめっき処理の後、堆積された構造がシード層を介してお互いに接続しないよう、基板上のシード層を除去する。また、ECPRエッチングの後、残留堆積物、粒子、あるいはシード層の一部等のエッチングされずに残留したシード層を除去しても良い。シード層除去工程においては、シード層の材料を全体的にエッチングするのに適したウェットエッチング剤を用いても良い。側壁のエッチングおよび/またはECPRめっき構造への損傷を避けるまたは低減するため、異方性エッチングを用いても良い。シード層は、例えばイオンスパッタリング、反応性イオンエッチング(reactive ion etching:RIE)、プラズマエッチング、レーザー研磨、イオンミリング等のドライエッチングにより除去しても良い。ドライエッチングによれば、材料は気体化し、蒸発して除去される。シード層をドライエッチングとウェットエッチングの組み合わせにより除去する実施の形態もある。例えば、ドライエッチングではシード層をエッチングした際に残留物または副生成物が残ることがある。これらの残留物または副生成物をウェットエッチングにより除去する。1例としては、銅をドライエッチングする場合、副生成物が形成されるが、ウェットエッチングによって塩酸を用いて洗浄することができる。シード層除去工程において、電気化学エッチングを用いてシード層を陽極とする電圧を印加し、少なくとも前記シード層の一部を溶解(エッチング)する実施の形態もある。前記電気化学エッチングは、少なくともシード層の一部をECPRエッチングする工程を含んでも良い。ECPRエッチング構造またはECPRめっき構造全面を均一に覆う保護コーティングを形成する実施の形態もある。保護コーティングは異方性エッチングにより処理される。異方性エッチングは、ドライエッチングと同様に縦方向のエッチング率が横方向のエッチング率よりも高いという特性をもっているため、前記構造の側壁に保護層を残しつつ構造の上端部および/または構造間のシード層を露出させることができる。この場合、側壁をエッチングすることなく及び/またはECPRエッチング構造またはECPRめっき構造の角に丸みをつけることなく、前記エッチングによりシード層を除去できる。前記保護コーティングは、後述するエッチングマスク層に使用されるような材料および方法により形成することができる。前記構造の側壁上の保護コーティングは、シード層をエッチングした後に除去しても良い。バリア/キャッピング層および/または粘着層がシード層の成膜に先立って形成されていた場合、シード層について上述したのと同様の方法で、ECPRエッチング構造またはECPRめっき構造間の領域においてこれらの層を除去しても良い。シード層、バリア/キャッピング層および/または粘着層は、ECPRめっき構造の材料に対応して選択的にエッチングされる材料からなっていても良い。
【0074】
シード層、バリア/キャッピング層および/または粘着層を絶縁材料に変換する処理を施す実施の形態もある。そのような処理の例としては、例えば、Ti層をTiO2に陽極酸化する等の電気化学陽極酸化処理、前記層を絶縁層に変換するガスもしくは窒素および/または酸素等の前駆体を含む環境においての熱および/またはプラズマ処理、および/または例えば過酸化物および/または水酸化物等の強酸化剤を用いた化学処理がある。この場合、絶縁層に変換された層を除去する必要は特にない。
【0075】
ECPRエッチングまたはECPRめっき処理後、主電極の空洞内に堆積された残留材料は基板上のシード層の除去と同じ方法で除去できる。また、通常のめっき処理および/またはECPRめっき処理を陰極および/またはダミー基板にそれぞれ施して、残留材料を除去する実施の形態もある。これは、別のECPRエッチング工程における主電極の使用に先立って、またはECPRめっき工程で使用される主電極の空洞内への新たな材料の事前堆積に先立って実施される。または、めっき処理の間、1工程につき事前に堆積された材料の一部分のみ用いて、工程数分、他の部分を次の工程に用いるようにしても良い。または、エッチングの間、陰極に堆積された材料、すなわち主電極は、各工程の間に除去しなくてもよく、各第2および第3工程の間等に除去しても良い。
【0076】
第6の工程f)において、誘電体層を基板の最上層に形成する。前記誘電体層を形成する前に、粘着特性を向上するためおよび/または汚染、マイグレーション(エレクトロマイグレーション)および/または材料の拡散を防ぐために、バリア/キャッピング層および/または粘着層を基板の最上層に形成する実施の形態もある。バリア/キャッピング層および/または粘着層は上記の材料および方法により形成することができる。バリア/キャッピング層および/または粘着層は後述のエッチングストップ層等の材料からなっていても良い。前記誘電体層は、誘電率の低い材料からなる1または複数の層を含んでいても良い。
【0077】
誘電体層は、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、パウダーコーティング法、ディップコーティング法、ローラーコーティング法、スパッタリング法、PVD、CVD、プラズマ化学気相成長法(plasma-enhanced chemical vapor deposition:PECVD)、電着法、またはその他の好適な蒸着処理および/またはそれらの組み合わせにより形成することができる。誘電体層は、ECPRエッチング構造またはECPRめっき構造を完全に覆い、空洞を埋めるように形成されても良い。誘電体層は、平坦化工程を省くまたは最小限に抑えるため、できる限り均等に形成される。
【0078】
誘電体層成膜後、構造の上端部を少なくとも部分的に誘電体層から露出させても良い。ある実施の形態によれば、この露出処理は、誘電体層を前記構造の上端部と同レベルに平坦化することにより実施される。平坦化は、研磨および/またはエッチングにより行うことができる。研磨は機械的および/また化学的手法により行うことができる。化学機械研磨(chemical mechanical polishing:CMP)を用いる実施の形態もある。CMPにおいては、回転または平行移動する研磨パッドからの機械力、および誘電体に密着されているまたは材料上に直接配置されている研磨パッド上に塗布された研磨スラリの化学成分を用いて誘電体を平坦化する。スラリの化学的性質は適切な研磨処理に関与している。スラリは、キャリア溶剤中のマイクロまたはナノサイズのシリカまたはアルミニウム微粒子からなっていても良い。CMP平坦化中に誘電体表面において起こる化学反応により、表面はスラリー中に懸濁している粒子により機械研磨され易くなる。研磨された粒子は基板表面近辺から除去され、新たなスラリが追加されるとともに外部へ排出される。
【0079】
ドクターブレードを用いる平坦化方法もある。
【0080】
また、別の平坦化方法としては、接触平坦化(contact planarization:CP)がある。接触平坦化においては、例えば、シリコン、ガラスおよび/または石英からなる平面ディスクにより表面上に力または圧力をかけ、層表面の不均一性を低減する。前記平坦化方法の実施に先立って、平坦化材料層を誘電体層に形成する実施の形態もある。平坦化材料層を形成した場合、下部の層より平滑な表面が得られる。平坦化材料層は、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、パウダーコーティング法、ディップコーティング法、ローラーコーティング法、スパッタリング法、PVD、CVD、PECVD、電着法および/またはそれらの組み合わせにより形成することができる。誘電体および/または前記平坦化材料層を前記平坦化方法の実施前に硬化しない実施の形態もある。これは、材料が程度の差はあれ軟らかく流動性を有した状態で、圧力の影響で移動して平坦化するためである。接触平坦化において、前記平面ディスクは光学的に透明であってよく、平面ディスクを通過した紫外線および/または熱放射により前記平坦化材料層および/または誘電体層を硬化しても良い。誘電体および/または平坦化材料層を押圧することなく前記平面ディスクに接触させる実施の形態もある。その後、誘電体および/または平坦化材料層は(例えばガラス温度Tgより高い温度に)熱せられて、平坦化処理に十分な時間の間に平面ディスクにより機械力を付与される。ディスクを高温にする、または熱することにより加熱を行っても良い。圧力を解除した後、誘電体および/または平坦化材料層は(例えばガラス温度Tgより低い温度に)冷却され、平面ディスクは平坦化された表面から取り除かれる。
【0081】
イオンスパッタリング、反応性イオンエッチング(reactive ion etching:RIE)、プラズマエッチング、レーザー研磨、イオンミリングおよび/またはそれらの組み合わせ等のドライエッチングを含むエッチング法(通常、エッチバック法と呼ばれる)を平坦化処理に用いる実施の形態もある。エッチングは、平坦化される表面全域に均一なエッチング率で施されても良い。
【0082】
異なる平坦化方法の組み合わせにより平坦化を行う実施の形態もある。場合によっては、まずCMPおよび/またはCPにより最上面を平坦化し、その後、ECPRエッチング構造もしくはECPRめっき構造の上端部が露出するまで、エッチングによってさらに平坦化処理を施す、または前記平坦化材料層および/または誘電体層を除去すると良い。エッチングは全体的に行っても、誘電体にのみ行っても良い。例えば、誘電体はECPRエッチング構造もしくはECPRめっき構造より若干速い速度で平坦化されても良い。これにより、前記平坦化工程において、ECPRエッチング構造もしくはECPRめっき構造から研磨される材料の量を最小に抑えることができる。構造材料または金属は、エッチングストップ層またはエッチングされるのを防ぐコーティングを含んでいても良い。エッチングは構造の全部分が露出するまで継続されても良い。エッチングはさらに、約20%未満、例えば約10%未満、例えば約1%未満余分に、構造の全部分が支障なく露出することを保証するために継続されても良い。
【0083】
エッチングまたは平坦化工程がいつ完了するのかを決定するために終点検出方法を用いる実施の形態もある。終点検出方法においては、センサを用いてECPRエッチング構造が前記平坦化方法により研磨および/またはエッチングされている時を検出する。検出は、エッチングまたは前記平坦化方法により研磨および/またはエッチングされるECPRエッチング構造もしくはECPRめっき構造の分子または原子を検出するエッチングプラズマの干渉法またはスペクトル解析を基に行っても良い。層の高さをレーザー測定する等、その他の終点検出方法も使用できる。さらに別の終点検出方法においては、例えばLCDカメラ等のカメラをセンサとして用いて、平坦化される材料の色を解析しても良い。
【0084】
誘電体層を例えばリソグラフィによってパターニングして、構造の上端部を、少なくとも構造を部分的に被覆する誘電体層から、少なくとも部分的に露出させる実施の形態もある。前記リソグラフィとしては、フォトリソグラフィ、レーザーリソグラフィ、電子ビームリソグラフィ、ナノインプリンティングリソグラフィ、または誘電体に適したその他のリソグラフィ処理を用いることができる。
【0085】
イオンスパッタリング、反応性イオンエッチング(reactive ion etching:RIE)、プラズマエッチング、レーザー研磨、イオンミリング等により誘電体層にドライエッチングを施し、少なくともエッチングマスクにより定められた構造の上端部の一部を露出させる実施の形態もある。ドライエッチングにおいてエッチングマスクとして用いられるパターニングされた材料としては、フォトレジストおよび/またはその他のリソグラフィ処理でパターニングできるポリマー材料を用いることができる。誘電体層のドライエッチングに用いられるエッチングマスクは、SiN、SiO2、SiC、オルトケイ酸テトラエチル(tetraethyl orthosilicate:TEOS)、SiON、SiOC、SiCN:H、(非多孔性の)フッ素ドープシリコンガラス(fluorine-doped silicon glass:FSG)、(非多孔性の)有機ドープシリコンガラス(organic-doped silicon glass:OSG)、BLOKTM(適用される材料)等のlow−k誘電体バリア/エッチングストップフィルム、Pt、Ti、TiW、TiN、Al、Cr、Au、Ni、Cu、Ag、その他の金属、その他の硬質材料、および/またはそれらの組み合わせからなっていても良い。エッチングマスク材料は、パターニングされたフォトレジストおよび/またはその他のリソグラフィ処理でパターニングできるレジストを用いてマスクにエッチングされる。エッチングマスクは、ECPRエッチング構造またはECPRめっき構造からなる層を少なくとも1層有している。エッチングマスクをエッチングの後で除去する実施の形態もある。しかし、エッチングマスクが絶縁材料を含む場合等は、多層構造の機械的特性を向上するため、エッチングマスクを除去する必要は無い。
【0086】
前記誘電体層を、複数の構造層に対応した厚さに形成し、少なくとも1つの構造層を形成する前に複数層にパターニングする実施の形態もある。または、前記誘電体層の形成およびパターニングを繰り返し、少なくとも1つの構造層を形成する前に、複数の構造層に対応した厚さを持つパターニングされた誘電体層を形成しても良い。
【0087】
すべての実施の形態において、ECPRエッチング構造またはECPRめっき構造を少なくとも部分的に誘電体層から露出させる方法は、前記平坦化方法とパターニング方法の組み合わせを含む。
【0088】
誘電体が誘電率4.0未満の材料からなる実施の形態もある。そのような材料は通常low−k材料と呼ばれる。low−k材料はOSG、FSG、有機ポリマー等の炭素ドープ誘導体からなっていても良い。k値が2.5未満の超low−k誘導体を用いる実施の形態もある。すべての実施の形態において、誘導体は、ポリマー等の有機化合物および酸化物および/または窒化物等の絶縁無機化合物からなっていても良い。ポリマー材料としては、例えば、ポリイミド、シロキサン変性ポリイミド、BCB、SU−8、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene:PTFE)、シリコーン、弾性重合体、電子ビームレジスト(例えば、ZEP(住友)、フォトレジスト、薄膜レジスト、厚膜レジスト、多環オレフィン、ポリノルボルネン、ポリエチレン、ポリカーボネート、PMMA、BARC材料、リフトオフレイヤー(lift off layer:LOL)材料、PDMS、ポリウレタン、エポキシポリマ、フルオロエラストマ、アクリレート重合体、(天然)ゴム、シリコーン、ラッカ、ニトリルゴム、EPDM、ネオプレン、PFTE、パリレン、フルオロメチレンシアン酸エステル、無機−有機ハイブリッドポリマ、(フッ素化および/または水素化)非晶質炭素、その他のポリマー、および/またはそれらの組み合わせを用いることができる。無機化合物としては、例えば、有機ドープシリコンガラス(organic-doped silicon glass:OSG)、フッ素ドープシリコンガラス(fluorine-doped silicon glass:FSG)、PETE/シリコン化合物、オルトケイ酸テトラエチル(tetraethyl orthosilicate:TEOS)、SiN、SiO2、SiON、SiOC、SiCN:H、SiOCH材料、SiCH材料、SiCN材料、シリケート、石英系材料、シルセスキオキサン(silsesquioxane:SSQ)系材料、(ナノ多孔)メチルシルセスキオキサン(methyl silsesquioxane:MSQ)、水素シルセスキオキサン(hydrogen silsesquioxane:HSQ)、TiO2、Al2O3、TiN、および/またはそれらの組み合わせを用いることができる。
【0089】
前記誘導体は、K. Maex, M. R. Baklanov, D. Shamiryan, F. Iacopi, S. H. Brongersma, Z. S. Yanovitskaya, J. Appl. Phys. 93, 8793 (2003)に挙げられているその他の使用可能なlow−k誘導体からなっていても良い。
【0090】
誘電体を形成する前に、エッチングストップ層を基板上の最上層に堆積する実施の形態もある。エッチングストップ材料は、誘電体に比べてはるかにドライエッチングの影響を受けにくく、誘電体層にその下層である基板の最上層上のエッチングストップ層に至る空洞を選択的にエッチングする、または誘電体層を基板の最上層より若干下までエッチングするために使用できる材料からなっていても良い。例えば、エッチングストップ材料は、SiC、SiN、Ptおよび/またはTiWフィルムからなっていても良い。BLOKTM等のlow−k誘電体バリア/エッチングストップフィルムを用いても良い。バリア/キャッピング層、粘着層および/またはエッチングマスク層に使用される材料をエッチングストップ層に用いても良い。この炭化ケイ素フィルムは、トリメチルシラン((CH3)3SiH)を用いて堆積され、SiF4およびCH4により成膜された従来のSiCフィルム(k>7)およびプラズマ窒化ケイ素(k>7)より低い誘電率(k<5)を有する。前記エッチングストップ層が、バリア/キャッピング層および/または粘着層としても機能し、粘着層が上方の誘電体層と下方の誘電体層の間の粘着性をも高めている実施の形態もある。
【0091】
ある様態において、例えば誘電体が多孔性の超low−k誘電体であった場合、誘電体上に材料層を形成する前に孔を密封する。また、前記誘電体が、例えば熱処理または放射線処理により気体化する犠牲ポリマー材料である実施の形態もある。この場合、材料を分解して副生成物を拡散させることにより、複数の構造層を形成した後に前記誘電体を除去することができ、誘電体に占められていた領域に空間または空隙が形成される。前記犠牲ポリマーとしては、Unity Sacrificial PolymerTM(Promerus社製)等のブチルノルボルネンおよびトリエトキシシリルノルボルネンの共重合体を使用することができる。また、複数の構造層から除去されない、機械的に安定した絶縁性のバリア/キャッピング層および/またはエッチングマスク層の使用は、前記複数の構造層の倒壊を防ぐ。
【0092】
導電性および/または誘電体からなる複数の層を形成する工程において、少なくとも1つの層をECPRエッチングおよび/またはECPRめっき処理により形成し、少なくとももう1つの層をリソグラフィ等の周知のマスキングおよび堆積手法により形成し、その後、電着、無電解めっき法、ウェットエッチング、ドライエッチング、またはその他の絶縁材料からなるパターニングされた層を形成する方法を実行する実施の形態もある。
【0093】
以下、多層基板を製造する方法の工程を、方法の実施の形態を示す図面を参照して説明する。
【0094】
図1(a)から(h)は、複数のECPRエッチング構造の層および複数の平坦化された誘電体の層を備える基板を製造する工程を示している。
【0095】
図1(a)は、前記工程a)によってシード層1が形成された基板2を示す。
【0096】
図1(b)は、前記工程b)によって電解質3の存在下で主電極4が基板2上のシード層1に接触して配置された様子を示す。
【0097】
図1(c)は、前記工程c)においてECPRエッチングが進行する様子を示す。ECPRエッチング構造8は、主電極4の絶縁パターン層5のレプリカ(ネガ)であり、基板2上のシード層1に形成される。エッチングされた材料7が主電極の空洞内の導電電極層6上に堆積される。ECPRエッチングは、エッチングによりシード層の全厚みが除去された段階で中止される。ある実施の形態においては、エッチングはシード層の全厚みが除去される前に中止されても良い。
【0098】
図1(d)は、前記工程d)によって主電極4が基板2から分離された後のECPRエッチング構造8を有する基板を示す。前記工程e)により、エッチングされた溝において、残留し得る残留物、粒子、あるいはシード層の一部が除去され、さらに主電極の空洞内に堆積された材料7が除去されている。
【0099】
図1(e)は、前記工程f)によって誘電体9が形成されて、ECPRエッチング構造8を被覆している様子を示す。
【0100】
図1(f)は、前記工程f)によって誘電体9が平坦化されて、ECPRエッチング構造8の上端部が露出した様子を示す。
【0101】
図1(g)は、前記工程a)によって第2のシード層が形成され、前記工程b)からe)によってシード層に溝をエッチングしてECPRエッチング構造8が形成され、前記工程f)によって誘電体9の第2層が形成後平坦化され、ECPRエッチング構造の上端部が露出した様子を示す。
【0102】
図1(h)は、前記工程a)からf)を繰り返すことによって複数のECPRエッチング構造8および平坦化された誘電体9の層が基板2上に形成された様子を示す。
【0103】
図1(f)および(h)に示される平坦化工程において研磨を用いる場合、研磨処理は金属等の硬質の構造材料8および軟質の誘電体9の両者に施され、結果として、上記に説明したように目減りもしくは凹みを生じる。この目減りもしくは凹みは、平坦化される構造材料の量に直接関与する。構造層の厚さを綿密に制御し、陽極材が事前堆積された主電極を用いることにより、目減りもしくは凹み等の平面性に係る問題全般を大きく低減、または防止することができる。
【0104】
図2−1(a)から(h)、図2−2(i)から(p)は、複数のECPRめっき構造の層および複数の平坦化された誘電体の層を備える基板を製造する工程を示している。
【0105】
図2−1(a)は、前記工程a)によってシード層1が形成された基板2を示す。
【0106】
図2−1(b)は、前記工程b)によって電解質3の存在下で主電極4が基板2上のシード層1に接触して配置された様子を示す。
【0107】
図2−1(c)は、前記工程c)によるECPRめっき処理の様子を示す。主電極4の絶縁パターン層5に形成された空洞内の導電電極層6上に事前電着された陽極材10が、ECPRめっき構造11が基板2上のシード層1上に形成されるのと同時に溶解して電解質3に運ばれ、主電極の空洞のレプリカ(ポジ)となるパターンが形成される。
【0108】
図2−1(d)は、前記工程d)によって主電極4が基板2から分離され、前記工程e)によってECPRめっき構造間の空洞からシード層が除去された後のECPRめっき構造11を有する基板2を示す。すべての、またはほぼすべての、主電極の空洞内に事前堆積された陽極材がECPRめっき構造を形成する基板に移動させられている。前記工程e)により主電極における事前堆積された材料の残留物が除去されている。
【0109】
図2−1(e)は、図2−1(d)の工程の別の例であって、前記工程d)によって主電極4が基板2から分離され、前記工程e)によってECPRめっき構造間の空洞からシード層が除去された後のECPRめっき構造11を有する基板を示す。主電極の空洞内に事前堆積された陽極材10の一部のみが、ECPRめっき構造を形成する基板に移されている。事前堆積された陽極材の残留物は、1または複数のその後のECPRめっき処理において使用されても良いし、前記工程e)により空洞から除去されても良い。実施の形態によっては、残留した陽極材は、次のECPRめっき処理において使用されるため、新たな陽極材を事前堆積する前に除去する必要がない。
【0110】
図2−1(f)は、前記工程f)によって誘電体9が形成されて、基板2上のECPRめっき構造11を被覆している様子を示す。
【0111】
図2−1(g)は、前記工程f)によって誘電体9が平坦化され、基板2上のECPRめっき構造11の上端部が露出した様子を示す。研磨を用いる場合、研磨処理は金属等の硬質の構造材料および軟質の誘電体の材料層等の硬度の異なる構造に対して施され、結果として、軟質材料の目減りもしくは凹みおよび構造層に亀裂を生じる。この目減りもしくは凹みは、平坦化される構造材料の量に直接関与する。構造層の厚さを綿密に制御し、陽極材が事前堆積された主電極を用いることにより、目減りもしくは凹み等の平面性に係る問題全般を大きく低減、または防止することができる。
【0112】
図2−1(h)は、前記工程a)によって第2のシード層1が形成され、前記工程b)からe)によって主電極の空洞のレプリカであるパターンをめっきすることによりECPRめっき構造11の第2層がシード層1上に形成された様子を示す。
【0113】
図2−2(i)は、前記工程e)によってECPRめっき構造間の空洞からシード層が除去された様子を示す。
【0114】
図2−2(j)は、前記工程f)によって誘電体9が形成されて、基板2上のECPRめっき構造11を被覆している様子を示す。
【0115】
図2−2(k)は、前記工程f)によって誘電体9が平坦化されて、基板2上のECPRめっき構造11の上端部が露出した様子を示す。
【0116】
図2−2(l)は、前記工程a)によって第3のシード層1が形成され、前記工程b)からe)によって主電極の空洞のレプリカであるパターンをめっきすることによりECPRめっき構造11がシード層1上に形成された様子を示す。
【0117】
図2−2(m)は、先に形成されたシード層1を除去することなく、ECPRめっき構造11の第4層が先にめっきされたパターンの少なくとも一部上に形成された様子を示す。前記工程b)によって、電解質3を内填する絶縁パターン層5の空洞がめっきされる領域内にのみ位置するように、主電極4が下層のパターンに接触して配置される。めっき電圧が印加されると、事前堆積された陽極材10が主電極の空洞内の導電電極層6から溶解し、前記工程c)によって、ECPRめっき構造11が形成される。この工程は、第4の構造層の少なくとも一部が完全に先行する構造層内にある場合にのみ実施される。これにより、工程数を削減することができる。
【0118】
図2−2(n)は、ECPRめっき構造の第3層の形成に先立って形成されたシード層1を除去することなく、ECPRめっき構造11の第4層が、第2のECPRめっきパターンの少なくとも一部に直接堆積された基板2を示す。
【0119】
図2−2(o)は、前記工程e)によってシード層が除去され、誘電体9の層がさらにが形成されて、基板2上のECPRめっき構造11を被覆している様子を示す。
【0120】
図2−2(p)は、前記工程f)によって誘電体9が平坦化されて、ECPRめっき構造11の上端部が露出した様子を示す。
【0121】
研磨を用いる場合、研磨処理は金属等の硬質の構造材料および軟質の誘電体の材料層等の硬度の異なる2つの層に対して施され、結果として、軟質材料の目減りもしくは凹みおよび構造層に亀裂を生じる。この目減りもしくは凹みは、平坦化される構造材料の量に直接関与する。構造層の厚さを綿密に制御し、陽極材が事前堆積された主電極を用いることにより、目減りもしくは凹み等の平面性に係る問題全般を大きく低減、または防止することができる。
【0122】
図3−1(a)から(h)、図3−2(i)から(k)は、複数のECPRエッチング構造の層および複数のリソグラフィによりパターニングされた誘電体の層を備える基板を製造する工程を示している。この実施の形態においては、誘電体が2層に相当する厚さで一度に形成されるため、工程数を削減することができる。また、2層分の厚さのシード層を形成することにより、2つの構造層が単一のプロセスで形成されるため、所要時間を短縮することができる。
【0123】
図3−1(a)は、前記工程a)によってシード層1が形成された基板2を示す。
【0124】
図3−1(b)は、前記工程b)によって基板2上のシード層1に接触して配置された主電極4を示す。電解質3が主電極の絶縁パターン層5の空洞に内填されている。
【0125】
図3−1(c)は、前記工程c)によってECPRエッチング構造が基板2上のシード層1に形成された様子を示す。エッチングされた材料7が電解質3に運ばれ、主電極4の絶縁パターン層5の空洞内の導電電極層6上に堆積される。
【0126】
図3−1(d)は、前記工程d)によって主電極4が基板から分離され、エッチングされた溝から残留し得る残留物あるいはシード層1の粒子が除去された後のECPRエッチング構造8を有する基板2を示す。さらに、前記工程e)により主電極の空洞内に堆積された材料が除去されている。
【0127】
図3−1(e)は、工程f)によって基板2上に誘電体9が形成されて、ECPRエッチング構造8を被覆している様子を示す。誘電体は2層に相当する厚さで形成される。スピンコーティング法、スプレーコーティング法等の上記の方法を誘電体層に適用することにより、凹みのない略平滑面を得ることができる。または、工程f)によって平坦化材料層を形成しても良い。しかし、それでも下層のECPRエッチング構造8の空洞に対向する小さな谷部が形成される場合がある。そのような小さな谷部はこの処理においてなんら問題とはならない。必要に応じて、誘電体層を接触平坦化等により平坦化する。または、一つの材料、すなわち誘電体層の材料のみに適用されるため、研磨を用いることもできる。場合によっては、所望の平坦化を得るために、平坦化処理および/または研磨処理は前記エッチバック法と組み合わせて行っても良い。
【0128】
図3−1(f)は、前記工程f)によって誘電体9がリソグラフィによりパターニングされて、先に基板2上に形成されたECPRエッチング構造8の少なくとも一部の上端部が露出した様子を示す。
【0129】
図3−1(g)は、先に基板2上に形成され、リソグラフィによりパターニングされた誘電体9上に、前記工程a)によって形成された第2のシード層1を示す。シード層は、2層に十分相当する厚さに形成される。図示のように、下層の誘電体の空洞に起因して、パターンに対応する形成されたシード層の上端部に溝が形成されることがある。そのような溝はこの処理においてなんら問題とはならない。先に述べたように、上記のような添加剤を用いた電気めっきおよび/またはパルスめっきを用いることにより、下層の凹みに関係なく、均一な上面を持つ比較的厚いシード層を形成できる。どの形成方法を用いても、シード層の厚さが凹みの深さよりかなり大きければ、基板の凹みに関わらず均一な上面を得ることができる。
【0130】
図3−1(h)は、前記工程f)において例示した誘電体のための方法と同様の平坦化処理により、シード層1の溝が必要に応じて除去された様子を示す。平坦化処理は1つの材料、この場合はシード層の硬質材料に施されるため、どの方法で研磨しても良い。上述したように、場合によっては平坦化処理は省いても良い。
【0131】
図3−2(i)は、前記工程b)によって主電極4が第2のシード層1に接触して配置された様子を示す。電解質3が絶縁パターン層5の空洞に内填されている。また、図3−2(i)は、前記工程c)によってECPRエッチングで構造が形成され、エッチングされた材料7が主電極の空洞内の導電電極層6上に堆積されている様子も示している。
【0132】
図3−2(j)は、前記工程d)によって主電極が基板2から分離され、前記工程e)によってECPRエッチング構造の溝から残留し得るシード層の残留物が除去された後、ECPRエッチング構造8の第2層が形成された様子を示す。
【0133】
図3−2(k)は、前記工程f)によってECPRエッチング構造8の第2層上に2層の厚さで形成され、リソグラフィによりパターニングされた誘電体9を示す。
【0134】
図3−2(l)は、前記工程a)によって第3のシード層1が2層の厚さで形成され、前記工程b)からe)の繰り返しによってECPRエッチング構造8が形成され、前記工程f)によって誘電体9が形成後リソグラフィによりパターニングされた様子を示す。これらの工程は、構造全体が形成されるまで繰り返される。
【0135】
図4−1(a)から(h)、図4−2(i)から(m)は、複数のECPRめっき構造の層および複数のリソグラフィによりパターニングされた誘電体の層を備える基板を製造する工程を示している。
【0136】
図4−1(a)は、前記工程a)によって比較的薄いシード層1が形成された基板2を示す。図4−1(b)は、前記工程b)によって、絶縁パターン層5の空洞に内填されている電解質3の存在下で、主電極4が基板2上のシード層1に接触して配置された様子を示す。
【0137】
図4−1(c)は、前記工程c)においてECPRめっき処理が進行する様子を示す。主電極4の絶縁パターン層5に形成された空洞内の導電電極層6上に事前堆積された陽極材10が、ECPRめっき構造11が基板2上のシード層1上に形成されるのと同時に溶解して電解質3に運ばれ、主電極の空洞のレプリカ(ポジ)となるパターンが形成される。
【0138】
図4−1(d)は、前記工程d)によって主電極4が基板2から分離された後のECPRめっき構造11を有する基板2を示す。前記工程e)によってめっき構造間の空洞からシード層が除去される。すべての、またはほぼすべての、主電極に事前堆積された陽極材がECPRめっき構造を形成する基板に移動させられる。前記工程e)により主電極における事前堆積された材料の残留物が除去される。
【0139】
図4−1(e)は、図4−1(d)の工程の別の例であって、前記工程d)によって主電極4が基板2から分離され、前記工程e)によってめっき構造間の空洞からシード層が除去された後のECPRめっき構造11を有する基板を示す。主電極の空洞内に事前堆積された陽極材10の一部のみが、ECPRめっき構造を形成する基板に移される。事前堆積された陽極材の残留物は、1または複数のその後のECPRめっき処理において使用されても良いし、前記工程e)により空洞から除去されても良い。実施の形態によっては、残留した陽極材は、次のECPRめっき処理において使用されるため、新たな陽極材を事前堆積する前に除去する必要がない。
【0140】
図4−1(f)は、前記工程f)によって誘電体9が2層に相当する高さで形成され、基板2上のECPRめっき構造11を被覆している様子を示す。必要に応じて、誘電体層を平坦化しても良い。
【0141】
図4−1(g)は、前記工程f)によって誘電体9がリソグラフィおよび/またはエッチングによりパターニングされて、先に基板2上に形成されたECPRめっき構造11の少なくとも一部の上端部が露出した様子を示す。
【0142】
図4−1(h)は、前記工程a)によって誘電体9上に形成された比較的薄いシード層1を示す。
【0143】
図4−2(i)は、前記工程b)によって主電極4がシード層1に接触して配置された様子を示す。前記工程c)によって、事前堆積された陽極材10が溶解して電解質3に運ばれシード層上に堆積し、ECPRめっき構造11の第2層が絶縁パターン層5の空洞内およびパターニングされた誘電体9の空洞内に形成される。同時に、第3層が堆積され形成される。図示のように、第3層には第2の誘電体層の空洞に対向する小さな凹みが形成される場合がある。そのような凹みはこの処理においてなんら問題とはならない。反転パルスめっき等のパルスめっきを用いて、および/または上記のような添加剤を電解質に配合することによって、凹みの形成を最小限に抑えることができる。必要に応じて、平坦化処理により凹みを除去しても良い。硬質材料、すなわち金属等の堆積された材料のみに適用されるため、研磨処理により平坦化を行っても良い。
【0144】
図4−2(j)は、前記工程d)によって主電極が基板から分離され後の仕上げられたECPRめっき構造11の第3層を示す。前記工程e)によりECPRめっき構造間の領域からシード層が除去されている。ECPRめっき構造8の第2層がリソグラフィによりパターニングされた誘電体9の空洞を充填して下層構造の第1層に接続すると共に第3の構造層を成している。
【0145】
図4−2(k)は、前記工程f)によってECPRエッチング構造8の第2層上に2層の厚さで形成され、リソグラフィおよび/またはエッチングによりパターニングされた誘電体9の第2層を示す。
【0146】
図4−2(l)は、前記工程a)からe)の繰り返しによってECPRめっき構造11の第4層および第5層が形成された様子を示す。ECPRめっき構造の少なくとも一部がリソグラフィによりパターニングされた誘電体9の空洞を介して下層構造に接続している。
【0147】
図4−2(m)は、前記工程f)によってECPRめっき構造11の第3層上に誘電体9の層をさらに2層の厚さで形成しパターニングした様子を示す。
【0148】
この工程は、所望の数の層が形成されるまで繰り返される。
【0149】
図5−1(a)から(h)、図5−2(i)から(l)は、バリア/キャッピング層を含む複数のECPRめっき構造の層および複数のリソグラフィによりパターニングされた誘電体の層を備える基板を製造する工程を示している。
【0150】
ECPRめっき処理は半導体素子における金属相互接続の形成に用いられる。半導体またはトランジスタが基板に形成されていれば、基板は、それらを被覆するように形成された前置金属誘電体12によってパターニングされる。空洞またはパターンは、例えばタングステン等の適切な金属からなる接続プラグ13を形成するために充填される。第1のバリア/キャッピング層14が接続プラグ13および前置金属誘電体12上に形成される。バリア/キャッピング層は前記工程f)において例示したバリア/キャッピング層と同様の材料および同様の方法により形成できる。バリア/キャッピング層の上部には、前記工程f)によって誘電体9の第一層が形成される。誘電体は、前記工程f)において説明したように、適切なlow−k材料もしくは超low−k材料からなっていても良い。図5−1(a)はこれらの工程の結果を示す。
【0151】
図5−1(b)は、誘電体9上に形成され、パターニングされたエッチングマスク15を示す。ある実施の形態においては、エッチングマスクはエッチング工程後除去される。また他の実施の形態においては、エッチングマスクが絶縁材料を含む場合等は、例えば多層構造の機械的特性を向上するため、エッチングマスクを除去する必要は無い。
【0152】
図5−1(c)は、前記工程f)によって誘電体9およびバリア/キャッピング層14がリソグラフィおよび/またはエッチングによりパターニングされて、接続プラグ13に至る空洞を形成し、接続プラグ13の上端部が露出した様子を示す。
【0153】
図5−1(d)は、前記工程a)によってバリア/キャッピング層14およびシード層1がパターニングされた誘電体9上および誘電体9の空洞内に形成された様子を示す。例えば、Ru層を用いた場合等、バリア/キャッピング層はシード層としても機能することができる。
【0154】
図5−1(e)は、前記工程b)によって主電極4が誘電体9に対して配置されてシード層1に接触し、電解質3が主電極の絶縁パターン層5の空洞に内填されている様子を示す。前記工程c)において、電圧が印加されると、事前堆積された陽極材10が導電電極層6から溶解し、電解質3が充填された空洞内のシード層1上にECPRめっき構造が堆積される。
【0155】
図5−1(f)は、単一の工程によりECPRめっき構造11の層が2層形成された様子を示す。第1の層は誘電体9の空洞を充填しており、第2の層は誘電体9上の一部に配線を形成している。または、前記工程b)からd)によってまずビアをECPRめっきで充填し、前記工程b)からd)を繰り返し、例えばパターンの異なる第2の主電極を用いて、間のシード層を除去することなくECPRめっき構造11をビア層上に形成しても良い。
【0156】
図5−1(g)は、前記工程e)によってシード層およびバリア/キャッピング層がECPRめっき構造間の領域から選択的に除去された様子を示す。側壁のエッチングおよび/またはECPRめっき構造11への損傷を避けるまたは低減するため、異方性エッチングを用いても良い。シード層および/またはバリア/キャッピング層は、ECPRめっき構造11の材料に関連して選択的にエッチングできる材料からなっていても良い。または、前記シード層および/またはバリア/キャッピング層に、材料を絶縁材料に変換する上記の陽極酸化等を施しても良い。この場合、前記層を除去する必要は特にない。
【0157】
図5−1(h)は、バリア/キャッピングコーティング16がECPRめっき構造上に選択的に形成された様子を示す。さらに、前記工程f)によって誘電体9の第2層が2層の厚さで形成され、リソグラフィによりパターニングされる。このバリア/キャッピング層の堆積においては、前記工程f)の説明にあるように、材料をECPRめっきされた導電性材料上にのみ選択的に堆積し、非導電性の誘電体9上には堆積しないこととしても良い。堆積処理としては、例えば後述の無電解めっき処理を用いても良く、材料としては、例えばCoWP、CoWB、またはCoWBPを用いることができる。ある実施の形態においては、後続の構造層との良好な接触を確保するために、前記エッチング法により、バリア/キャッピング層を形成された誘電体9の空洞の底から除去する。
【0158】
図5−2(i)は、前記工程a)によってバリア/キャッピング層14およびシード層1がパターニングされた誘電体9上および誘電体9の空洞内に形成された様子を示す。
【0159】
図5−2(j)は、前記工程b)からd)の繰り返しによって誘電体9の空洞が充填され、ECPRめっき構造11の別の配線層が同時に誘電体上に形成された様子を示す。前記工程e)によってECPRめっき構造間の領域からシード層およびバリア/キャッピング層が選択的に除去される。前記工程f)によってバリア/キャッピングコーティング16がECPRめっき構造上に選択的に形成され、誘電体が形成後パターニングされる。
【0160】
図5−2(k)は、前記工程a)によってバリア/キャッピング層14およびシード層1を形成され、前記工程b)からd)の繰り返しによって誘電体9の空洞を充填するECPRめっき構造を形成されると共に誘電体上にECPRめっき構造11の配線層が形成され、前記工程e)によってECPRめっき構造間の領域からバリア/キャッピング層およびシード層が除去された後の結果を示す。
【0161】
図5−2(l)は、前記工程f)によってECPRめっき構造11上にバリア/キャッピングコーティング16の別の層が形成され、誘電体9が形成後パターニングおよび/または平坦化されて、めっき構造の上端部が露出した様子を示す。
【0162】
最後に、保護層17が、ECPRめっき構造および誘電体9上に形成される。保護層17としては、1または複数のバリア/キャッピング層および/また誘電体層を用いることができる。
【0163】
図6−1(a)から(h)、図6−2(i)から(n)は、バリア/キャッピング層を含む複数のECPRめっき構造の層および複数の平坦化された誘電体の層を備える基板を製造する工程を示している。
【0164】
図6−1(a)は、前記工程a)によってバリア/キャッピング層14およびシード層1が形成された、前置金属誘電体12および接続プラグ13を備える基板2基板2を示す。この基板は5−1(a)に示された基板と類似している。
【0165】
図6−1(b)は、前記工程b)によって主電極4が基板の最上層に対して配置されてシード層1に接触し、電解質3が絶縁パターン層5の空洞に内填されている様子を示す。前記工程c)において、電圧が印加されると、事前堆積された陽極材10が導電電極層6から溶解し、電解質3が充填された空洞内のシード層1上にECPRめっき構造が堆積される。
【0166】
図6−1(c)は、前記工程d)によって基板から分離された主電極の空洞のレプリカ(ポジ)として、ECPRめっき構造11が形成された様子を示す。
【0167】
図6−1(d)は、シード層1およびバリア/キャッピング層14がECPRめっき構造11間から除去された様子を示す。側壁のエッチングおよび/またはECPRめっき構造11への損傷を避けるまたは低減するため、異方性エッチングを用いても良い。シード層および/またはバリア/キャッピング層は、ECPRめっき構造11の材料に関連して選択的にエッチングできる材料からなっていても良い。
【0168】
図6−1(e)は、バリア/キャッピングコーティング16が選択的に形成され、ECPRめっき構造11を被覆している様子を示す。バリア/キャッピングコーティング16は後述するエッチングストップコーティングとして機能しても良い。
【0169】
図6−1(f)は、誘電体9が形成後平坦化された様子を示す。平坦化処理においては、図6−1(f)に示すように、誘電体層を下層構造より若干高い程度まで研磨する。この平坦化処理は、一つの材料、すなわち誘電体層の材料のみに対して行われる。
【0170】
図6−1(g)は、誘電体が最終的に除去されて、下層構造の上端部が露出した様子を示す。最終な除去処理は、一定の率で材料を除去するエッチングにより行われても良い。バリア/キャッピングコーティング16がエッチングストップ特性を持つ場合、誘電体のみにエッチングが施される。材料は下部の構造層8が露出するまで除去される。除去処理は余裕を見込んで、例えば誘電体の材料が5〜10%余分に除去されるまで、開始時から見積もってしばらくの間続行されても良い。必要に応じて、特にバリア/キャッピングコーティング16がエッチングストップコーティングである場合、バリア/キャッピングコーティング16を露出した構造の上端部から選択的に除去しても良い。
【0171】
図6−1(h)は、前記工程b)からd)によってECPRめっき構造11の第2層が形成され、前記工程e)によって第2のECPRめっき構造間からシード層1およびバリア/キャッピング層14が除去され、バリア/キャッピングコーティング16が選択的に形成されECPRめっき構造を被覆し、前記工程f)によって誘電体9の第2層が形成後平坦化されて、ECPRめっき構造の上端部が露出した様子を示す。
【0172】
図6−2(i)は、前記工程a)によってバリア/キャッピング層14およびシード層1が形成され、前記工程b)からd)によってシード層上にECPRめっき構造11の後続層が形成された様子を示す。
【0173】
図6−2(j)は、前記工程a)からd)によって、先に形成されたバリア/キャッピング層14およびシード層1を除去することなく、先にめっきされた構造の少なくとも一部上に直接ECPRめっき構造の後続層が形成された様子を示す。図6−2(j)はまた、前記工程b)によって主電極4が先に形成されたECPRめっき構造に接触して配置された様子を示している。主電極およびシード層に電圧が印加されると、事前堆積された陽極材10が溶解して絶縁パターン層5の空洞内の電解質3に運ばれ、ECPRめっき構造の先行層の少なくとも一部上にECPRめっき構造の後続層が形成される。
【0174】
図6−2(k)は、前記工程a)からd)によって、先に形成されたバリア/キャッピング層14およびシード層1を除去することなく、ECPRめっき構造の先行層の少なくとも一部上にECPRめっき構造11の後続層が形成された様子を示す。
【0175】
図6−2(l)は、前記工程e)によってECPRめっき構造間からシード層1およびバリア/キャッピング層14が選択的に除去され、バリア/キャッピングコーティングが選択的に形成されECPRめっき構造の先行層および後続層の両方を被覆し、前記工程f)によって誘電体9の別の層が形成後平坦化されて、ECPRめっき構造の先行層の上端部が露出した様子を示す。
【0176】
図6−2(m)は、前記工程a)によってバリア/キャッピング層14およびシード層1が形成され、前記工程b)からd)によってシード層上にECPRめっき構造11の後続層が形成され、前記工程e)によってECPRめっき構造間からバリア/キャッピング層14およびシード層1が選択的に除去された様子を示す。
【0177】
図6−2(n)は、バリア/キャッピングコーティング16が選択的に形成されECPRめっき構造11を被覆し、前記工程f)によって誘電体9の別の層が形成後平坦化された様子を示す。
【0178】
最後に、保護層17が、バリア/キャッピングコーティングにより覆われた誘電体およびECPRめっき構造を被覆するように形成される。ある実施の形態においては、図5および図6に示すように、半導体素子における複数の金属相互接続層および誘電体層を形成する工程は、エッチング、めっき処理またはその組み合わせによりECPRめっき構造および誘電体の層を少なくとも1層形成する工程と、シングルダマシンまたはデュアルダマシン等の周知のリソグラフィおよびめっき技術により導電構造および誘電体の少なくとも別の層を形成する工程とを有する。
【0179】
集積回路(integrated circuit:IC)の金属相互接続を形成する際等は、例えばCuからなる複数のECPRめっき構造を形成することにより前記相互接続を形成する工程と、low−k材料等の誘電体を前記構造間に堆積する工程とを有する実施の形態もある。前期周知のダマシンプロセスにおいては、まず誘電体がエッチングされ、続いて相互接続が電気めっきされてエッチングされた空洞を充填する。集積回路装置のRC遅延を低減するためには、低い誘電率の誘電体が必要である。しかし、超low−k誘電体を用いた場合、エッチングおよびエッチング後洗浄が、過剰な線幅の変動およびk値の増加等の様々な問題を引き起こすことがある。上述のように、本処理方法によれば、超low−k誘電体層等の誘電体層のエッチング工程を省く、もしくは工程数を削減することができる。誘電体層のエッチング工程を省く、もしくは工程数を削減することにより、線幅の変動およびk値の増加が抑えられ、集積回路装置における超low−k材料の使用が可能となる。そのため、RC遅延およびRC遅延変動を抑制することができる。
【0180】
ECPRめっき処理を、基板および/または基板上のパターニングされた材料におけるビアまたはその他の溝の充填に用いることができる。
【0181】
図7(a)は、基板2と、パターニングされた誘電体9と、シード層1とを有するビア基板を示す。前記工程b)によって、主電極4の空洞を規定する絶縁パターン層5の壁が誘電体9におけるビアの横方向の範囲の外に位置するように、主電極がシード層に接触して配置される。主電極の空洞はビアより広い幅を持つ。前記工程c)において、事前堆積された陽極材10がECPRめっき処理により電解質3に運ばれる。
【0182】
図7(b)は、誘電体9の空洞がECPRめっき構造11により充填されている様子を示す。図7(b)に示すように、ビア脇のシード層の上端部に堆積された材料に溝が形成されることがあるが、場合によっては溝は特に問題ではない。電解質に特定の化学薬品を用いることによって、そのような溝の形成は完全にもしくは部分的に防止できる。化学薬品は上記したような添加剤系を含んでいても良い。さらに、反転パルスめっき等のパルスめっきを用いて溝を減少することもできる。
【0183】
図8(a)および図8(b)は、主電極の空洞とビアの端と端を合わせる時に、パターニングされた誘電体で基板のビアを埋める工程を示す。主電極の空洞はビアと同幅である。
【0184】
図8(a)は、前記工程b)によって、主電極4の空洞を規定する絶縁パターン層5の壁が誘電体9におけるビアの壁と端と端を合わせて位置するように、主電極がシード層に接触して配置された様子を示す。前記工程c)において、事前堆積された陽極材10がECPRめっき処理により電解質3に運ばれる。
【0185】
図8(b)は、誘電体9の空洞がECPRめっき構造11により充填されている様子を示す。
【0186】
図9(a)から図9(c)は、主電極の空洞をビアの横方向の範囲内に配置する時に、パターニングされた誘電体で基板のビアを埋める工程を示す。主電極の空洞はビアより狭い幅を持つ。
【0187】
図9(a)は、前記工程b)によって、主電極4の空洞を規定する絶縁パターン層5の壁が誘電体9におけるビアの横方向の範囲内に位置するように、主電極がシード層に接触して配置された様子を示す。図9(a)に示すように、前記工程c)において、事前堆積された陽極材10がECPRめっき処理により電解質3に運ばれる。
【0188】
図9(b)は、誘電体9の空洞がECPRめっき構造11により充填されている様子を示す。
【0189】
図9(c)は、誘電体層上にECPRめっき構造11が主電極の絶縁パターン層の空洞のレプリカ(ポジ)として形成された様子を示す。
【0190】
図10(a)から図10(c)は、基板のビアを充填し背面を平坦化することにより、貫通孔が充填された基板を形成する工程を示す。
【0191】
図10(a)は、主電極4が、ビアがパターニングされた基板2上のシード層1に接触して配置された様子を示す。絶縁パターン層5の空洞の壁は基板の空洞の横方向の範囲内もしくは外に位置させても、基板の空洞の壁と端と端を合わせて位置させても良い。電圧が印加されると、事前堆積された陽極材10が導電電極層6から溶解し、電解質3を包含する空洞内のシード層1上にECPRめっき構造が形成される。
【0192】
図10(b)は、基板2の空洞がECPRめっき構造11により充填されている様子を示す。
【0193】
図10(c)は、前面のシード層が除去され、基板2の背面が平坦化され、背面からのエッチング、平坦化、および/または研磨によりECPRめっき構造11の底部が露出した様子を示す。
【0194】
図11(a)から図11(c)は、シード層を背面に備えた基板の貫通孔を充填することにより、貫通孔が充填された基板を形成する工程を示す。
【0195】
図11(a)は、主電極4が、ビアがパターニングされシード層1を背面に備えた基板2の前面に接触して配置された様子を示す。絶縁パターン層5の空洞の壁は(図示のように)基板の空洞の横方向の範囲内もしくは外に位置させても、基板の空洞の壁と端と端を合わせて位置させても良い。電圧が印加されると、事前堆積された陽極材10が導電電極層6から溶解し、電解質3を包含する空洞内のシード層1上にECPRめっき構造が形成される。
【0196】
図11(b)は、基板2の空洞がECPRめっき構造11により充填されている様子を示す。
【0197】
図11(c)は、シード層が基板背面から除去され、ECPRめっき構造11の底部が露出した様子を示す。
【0198】
図12(a)および図12(b)は、シード層が形成された基板の貫通孔を充填することにより、貫通孔が充填された基板を形成する工程を示す。
【0199】
図12(a)は、主電極4がビアがパターニングされた基板2上のシード層1に接触して配置された様子を示す。シード層1は基板前面およびビア壁上を覆っている。絶縁パターン層5の空洞の壁は(図示のように)基板の空洞の横方向の範囲内もしくは外に位置させても、基板の空洞の壁と端と端を合わせて位置させても良い。電圧が印加されると、事前堆積された陽極材10が導電電極層6から溶解し、電解質3を包含する空洞内のシード層1上にECPRめっき構造が形成される。
【0200】
図12(b)は、基板2の空洞がECPRめっき構造11により充填され、シード層が基板前面から除去された様子を示す。
【0201】
図13(a)から図13(c)は、誘電体に被覆された基板の貫通孔を充填する工程と、基板背面をパターニングする工程とを含む貫通孔が充填された基板を形成する工程を示す。
【0202】
図13(a)は、主電極4がビアがパターニングされた基板2上のシード層1に接触して配置された様子を示す。基板前面およびビアの垂直方向の壁を覆う誘電体9によりビアはパターニングされている。絶縁パターン層5の空洞の壁は(図示のように)基板の空洞の横方向の範囲内もしくは外に位置させても、基板の空洞の壁と端と端を合わせて位置させても良い。電圧が印加されると、事前堆積された陽極材10が導電電極層6から溶解し、電解質3を包含する空洞内のシード層1上にECPRめっき構造が形成される。
【0203】
図13(b)は、パターニングされた誘電体9に覆われた基板2の空洞が部分的にECPRめっき構造11により充填された様子を示す。
【0204】
図13(c)は、シード層が基板前面から除去され、基板2の背面がパターニングされてECPRめっき構造11の底および誘電体9が露出した様子を示す。
【0205】
図14(a)から図14(c)は、貫通孔が充填され、前面がパターニングされた基板を形成する工程を示す。
【0206】
図14(a)は、主電極4が、誘電体9によりビアがパターニングされた基板2上のシード層1に接触して配置された様子を示す。絶縁パターン層5の空洞の壁は(図示のように)基板の空洞の横方向の範囲内もしくは外に位置させても、基板の空洞の壁と端と端を合わせて位置させても良い。絶縁パターン層5の空洞の一部は、基板の空洞から離れた、ECPRめっき構造が形成される領域に位置しても良い。電圧が印加されると、事前堆積された陽極材10が導電電極層6から溶解し、電解質3を包含する空洞内のシード層1上にECPRめっき構造が形成される。
【0207】
図14(b)は、パターニングされた誘電体9に覆われた基板2の空洞が充填され、ECPRめっき構造11がシード層の一部にも形成された様子を示す。
【0208】
図14(c)は、シード層が基板前面のECPRめっき構造11間の領域から除去され、基板2の背面がパターニングされてECPRめっき構造11の底部が露出した様子を示す。
【0209】
図15(a)から図15(c)は、シード層に覆われたパターニングされた基板をECPRめっき構造により被覆する工程を示す。
【0210】
図15(a)は、主電極4が、構造がパターニングされた基板2上のシード層1に接触して配置された様子を示す。基板上のパターンを示す構造は、例えば、導電パターン18、基板パターンおよび/または誘電体パターン9である。主電極は、絶縁パターン層5の空洞が基板構造の少なくとも一部を囲むように配置されても良い。絶縁パターン層5の空洞の一部は、基板構造から離れた、ECPRめっき構造が形成される領域に位置しても良い。電圧が印加されると、事前堆積された陽極材10が導電電極層6から溶解し、電解質3を包含する空洞内のシード層1上にECPRめっき構造が形成される。
【0211】
図15(b)は、主電極の絶縁パターン層の空洞に囲まれた基板構造がECPRめっき構造11に被覆された様子を示す。基板構造を囲んでいない主電極の絶縁パターン層の空洞に対応する領域には、ECPRめっき構造がパターニングされている。
【0212】
図16(a)から図16(d)は、導電パターンがパターニングされた基板上に複数の被覆層を形成する工程を示す。
【0213】
図15(a)は、主電極4が、導電構造18が形成されたシード層1に接触して配置された様子を示す。主電極は、絶縁パターン層5の空洞が導電構造18の少なくとも一部を囲むように配置されても良い。電圧が印加されると、事前堆積された陽極材10が導電電極層6から溶解し、電解質3を包含する空洞内のシード層1および導電構造18上にECPRめっき構造が形成される。
【0214】
図16(b)は、主電極の空洞に囲まれた導電構造18がECPRめっき構造11に被覆された様子を示す。
【0215】
図16(c)は、ECPRめっき構造11が第2の被覆として導電構造18を覆う先に形成された被覆19上に形成された様子を示す。
【0216】
図16(d)は、被覆された構造間の領域からシード層が選択的に除去された様子を示す。この工程を1または複数回繰り返すことにより、導電構造18を覆う先に形成された被覆19上に1または複数のECPRめっき構造11の層を形成することができる。同様の、または異なる材料からなる異なるECPRめっき構造の層を形成しても良い。ある実施の形態においては、導電性材料18はCuであり、第1の被覆材料19はNiであり、第2の被覆であるECPRめっき構造11はAuであっても良い。別の実施の形態においては、導電性材料18はCuであり、第1の被覆材料19はSnであり、第2の被覆であるECPRめっき構造11はAgであっても良い。基板パターンを覆っているECPRめっき構造がバリア/キャッピング材、粘着材、エッチングマスク材、および/またはエッチングストップ材を含む実施の形態もある。
【0217】
図17(a)から図17(h)は、主電極のデザインおよび材料の異なる組み合わせの例を示す断面図である。
【0218】
図17(a)は、フレキシブル導電箔20と、絶縁パターン層5を有する主電極の断面図である。
【0219】
図17(b)は、導電電極層6と、絶縁パターン層5を有する主電極の断面図である。
【0220】
図17(c)は、機械的支持層22と、導電電極層6と、絶縁パターン層5を有する主電極の断面図である。
【0221】
図17(d)は、機械的支持層22と、導電電極層6と、絶縁パターン層5と、フレキシブルエラストマ層21を有する主電極の断面図である。
【0222】
図17(e)は、フレキシブル導電箔20と、絶縁パターン層5と、フレキシブルエラストマ層21を有する主電極の断面図である。
【0223】
図17(f)は、導電電極層6と、絶縁パターン層5と、フレキシブルエラストマ層21を有する主電極の断面図である。
【0224】
図17(g)は、機械的支持層22と、導電エラストマ層23と、導電電極層6と、絶縁パターン層5を有する主電極の断面図である。
【0225】
図17(h)は、機械的支持層22と、導電電極層6と、絶縁パターン層5と、中間金属層24と、フレキシブルエラストマ層21を有する主電極の断面図である。
【0226】
主電極は、少なくとも1つの絶縁パターン層と、少なくとも1つの導電電極層(通常、ECPR処理において不活性)とを有する。主電極の空洞内には、陽極材が事前堆積されていても良い。例えば、主電極の絶縁パターン層は、フォトレジスト等のポリマー、SiO2等の酸化物、SiN等の窒化物、またはそれらの組み合わせからなる。電解質は、ECPR処理中に構造が形成された導電性材料を溶解し堆積するのに適した物質を含んでいる。例えば、導電性材料が銅であった場合、電解質はCu2+、SO42-、H+および/またはCl-の水溶液、およびレベラ、促進剤、漂白剤、抑制剤、および湿潤剤等の添加剤からなる。適切な添加剤としては、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol:PEG)、塩化物イオン、MPSA、SPS、および/またはラウリル硫酸ナトリウムを用いることができる。
【0227】
図18は、従来のリソグラフィおよび電気めっき処理の8工程を模式的に示す。図19は、ECPR法によりめっきパターンを製造する3工程を模式的に示す。
【0228】
主電極の導電電極層を陰極として用いて、電気化学処理によりエッチングパターンを形成する実施の形態もある。それによれば、基板から溶解して電解質に運ばれた材料は陰極上に堆積され、主電極の絶縁パターン層のパターンに対応したECPRエッチング構造を基板上に形成する。陽極となる基板から溶解した材料が陰極となる導電電極層に堆積されるため、電解質中の溶解した陽極材の量は電気化学処理中ほぼ一定に保たれる。溶解した材料の堆積速度がゼロだった場合、電解質中の溶解した陽極材のイオン濃度は急速に上昇する。その結果、電気化学反応が鈍化し、最終的には停止する。過剰なイオン濃度はまた塩沈殿を引き起こす。この場合、わずかな量の材料のみが基板から溶解して薄い層がパターニングされる場合もある。溶解反応が適切な堆積反応を有することを確認すれば、厚い層を持つ基板をエッチングすることができる。電気化学処理における溶解反応および堆積反応は、陽極、陰極および電解質系における所定の印加電位での熱力学および動力学反応によって決まる。適切な陽極材、陰極材および電解質材料を選択することにより、選択された系における溶解反応および堆積反応が熱力学的、動力学的に良好となり、所望の溶解反応および堆積反応を得ることができる。
【0229】
適切な陽極、陰極および電解質系の一例として、Niを陽極材として、Auを陰極材として、ワット浴を電解質として用いたものが挙げられる。ある様態によれば、堆積反応が溶解反応に正確に対応する必要はない。溶解した材料の堆積速度がゼロより大きい限り、電解質中の陽極材のイオン濃度はゆっくり上昇し、反応が停止するまでの時間が長くなるため、厚い層を持つ基板をエッチングすることができる。例えば、溶解したイオンの堆積速度は溶解速度の90〜100%であっても良い。この例では、ゆっくりと上昇する溶解した陽極材のイオン濃度が過度に高くなる前に所望のエッチング厚を得ることができる。溶解速度は堆積速度より低くても良く、この場合、結果として電解質中のイオン濃度が低下する。しかし、溶解反応が堆積反応に比べて過度に遅くなければ(例えば、>堆積速度の90%)、電解質中の陽極材のイオン濃度が低下する前に所望の厚さで基板をエッチングできる。不適切な系の一例として、Agを陽極材として、Alを陰極材として、アルカリシアン銀浴を電解質として用いたものが挙げられる。この例では、銀イオンの堆積速度がゼロとなり、電解質中の銀イオン濃度が急速に上昇する。
【0230】
主電極の導電電極層を陽極として用い、主電極により規定される空洞内の陽極上に陽極材を事前堆積して、電気化学処理によりめっきパターンを形成する。それによれば、陽極材は溶解して電解質に運ばれて陰極となる基板上に堆積され、主電極の絶縁パターン層の空洞に対応したECPRめっき構造を基板上に形成する。
【0231】
材料を事前堆積しない従来技術の問題の1つは、図20(a)に示すように、陽極材が主電極4の導電電極層6から直接溶解し、溶解した材料が絶縁パターン層5を損傷するため、主電極が磨耗することである。図20(b)に示すように、主電極4の空洞に陽極材10を事前堆積することにより、電気化学処理中に溶解しない不活性物質を含む導電電極層5を得ることができ、絶縁パターン層5も損傷することがない。そのため、主電極を何回も再利用することが可能となり、コスト的、時間的に効率よくパターニングを行うことができる。
【0232】
材料を事前堆積しない従来技術の別の問題は、溶解した材料が絶縁パターン層を損傷することにより、大空洞内とは異なって、絶縁パターン層の小空洞内では陽極領域が拡大することである。図20(a)に示すように、大空洞内では小空洞内に比べて損傷による領域の拡大が小さい。陽極領域の拡大により陰極の電流密度(めっき速度)が高くなるため、絶縁パターン層の小空洞内にめっきされた構造は大空洞内の構造よりも高いめっき速度で堆積され、パターンによって決まる厚さ分布が不均一となる。この問題も、材料の事前堆積により解決できる。材料を事前堆積した場合、領域が拡大することはないため、パターンの寸法に関係なくすべての空洞内で電流密度(めっき速度)が同一となる。
【0233】
また、事前堆積された材料の溶解は、陰極に堆積された電解質中のイオン濃度の低下を防ぐ。電解質中のイオン濃度の低下により、堆積処理は徐々に鈍化し最終的には停止することになるため、層の薄いめっき構造しか得ることができない。十分な量の電気化学堆積反応の間に溶解する事前堆積された材料を用いることにより、安定したイオン濃度を維持し、層の厚いめっき構造を得ることができる。適切な事前堆積する材料(陽極)、シード層材料(陰極)および電解質を選択することにより、選択された系における溶解反応および堆積反応が熱力学的、動力学的に良好となり、所望の溶解反応および堆積反応を得ることができる。適切な電気化学系の選択の一例として、Cuを事前堆積する材料(陽極)として、Cuをシード層材料(陰極)として、酸性硫酸銅浴を電解質として用いたものが挙げられる。場合によっては、堆積反応が溶解反応に正確に対応する必要はない。事前堆積された材料の溶解速度がゼロより大きい限り、電解質中のイオン濃度はゆっくり低下し、反応が停止するまでの時間が長くなるため、厚い層をめっきすることができる。例えば、溶解速度は堆積速度の90〜100%であっても良い。この例では、ゆっくりと低下する堆積された材料のイオン濃度が過度に低くなる前に所望のめっき厚を得ることができる。
【0234】
上述したように、本方法は、誘電体9の形成に先立って基板2の最上層上にバリア/キャッピングコーティング16を形成する工程を含んでいても良い。これは、前記工程f)において説明したように、マスクレス法によって選択的にECPRめっき構造11を被覆することにより行っても良い。実施の形態によっては、シード層1を除去した後、バリア/キャッピングコーティング16を形成する前にバリア/キャッピング層14を除去しない方が良い場合もある。これにより、その後のバリア/キャッピングコーティング16を形成する工程において、基板2の最上層上、例えば誘電体層がバリア/キャッピング層14によって保護される。バリア/キャッピング層14は、ECPRめっき構造11上に被覆を形成するマスクレス法の実施中にバリア/キャッピングコーティング16が堆積されることのない材料からなっていても良い。ECPRめっき構造11上にバリア/キャッピングコーティングを選択的に形成した後、前記工程e)において説明した除去方法によって構造間のバリア/キャッピング層14を除去しても良い。バリア/キャッピング材料としては、前記工程e)において説明したドライエッチング法によってエッチングできる材料を用いても良い。バリア/キャッピングコーティング16は、バリア/キャッピング層14の除去方法によって影響を受けない、または、少なくともバリア/キャッピング層14の材料よりも影響を受けない材料からなっていても良い。
【0235】
ある実施の形態においては、誘電体層の代わりに導電層または半導体層が用いられる。場合によっては、誘電体層の代わりに犠牲層を用いても良く、犠牲層は多層構造を形成した後除去される。また、同一の層が構造材料、犠牲材料、および誘電体からなっていても良い。
【0236】
図中、異なる材料層の高さが同一に示されているが、個々の層は必要に応じてどのような寸法であっても良い。しかし、通常、基板の全表面にわたって各層の高さは均一である。つまり、層は略一定の厚さを持つ。
【0237】
以上、本方法のいくつかの工程を異なる組み合わせで説明した。しかし、この明細書を読んだ当業者が想到し得る別の組み合わせも可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。また、これらの工程は本発明の範囲内で種々の変更が可能である。したがって、本発明は添付の請求項によってのみ制限されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0238】
【図1】第1の実施の形態に係るエッチングを含む方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図2−1】第2の実施の形態に係るめっき工程を含む方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図2−2】第2の実施の形態に係るめっき工程を含む方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図3−1】第3の実施の形態に係る、エッチングを含み、誘電体層が2層の厚さで形成される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図3−2】第3の実施の形態に係る、エッチングを含み、誘電体層が2層の厚さで形成される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図4−1】第4の実施の形態に係る、めっき工程を含み、誘電体層が2層の厚さで形成される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図4−2】第4の実施の形態に係る、めっき工程を含み、誘電体層が2層の厚さで形成される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図5−1】第5の実施の形態に係る、めっき工程を含み、誘電体層が2層の厚さで形成された後2層の厚さでめっきが施される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図5−2】第5の実施の形態に係る、めっき工程を含み、誘電体層が2層の厚さで形成された後2層の厚さでめっきが施される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図6−1】第6の実施の形態に係る、めっき工程を含み、誘電体層が2工程で平坦化される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図6−2】第6の実施の形態に係る、めっき工程を含み、誘電体層が2工程で平坦化される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図7】第7の実施の形態に係る、めっき工程を含み、ビアがめっき材で充填される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図8】第8の実施の形態に係る、めっき工程を含み、ビアがめっき材で充填される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図9】第9の実施の形態に係る、めっき工程を含み、ビアがめっき材で充填される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図10】第10の実施の形態に係る、めっき工程を含み、ビアがめっき材で充填される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図11】第11の実施の形態に係る、めっき工程を含み、ビアがめっき材で充填される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図12】第12の実施の形態に係る、めっき工程を含み、ビアがめっき材で充填される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図13】第13の実施の形態に係る、めっき工程を含み、ビアがめっき材で充填される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図14】第14の実施の形態に係る、めっき工程を含み、ビアがめっき材で充填される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図15】第15の実施の形態に係る、めっき工程を含み、導電性材料、非導電性材料がめっき材で囲まれる方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図16】第16の実施の形態に係る、めっき工程を含み、導電性材料、非導電性材料がめっき材で囲まれる方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図17】主電極の別の実施の形態を模式的に表した断面図である。
【図18】従来のリソグラフィおよび電気めっき処理を模式的に表したフロー図である。
【図19】本発明の方法の工程を模式的に表したフロー図である。
【図20】事前堆積層を備えていない電極と、事前堆積層を備えた電極とを模式的に表した断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロおよびナノスケールの多層構造に係るアプリケーションの製造を簡易化するためのエッチングおよび/またはめっき方法に関するものである。この方法は特に、プリント配線基板(printed wiring boards:PWB)、プリント基板(printed circuit boards:PCB)、マイクロ電子機械システム(micro electro mechanical systems:MEMS)、集積回路(integrated circuit:IC)相互接続、上記IC相互接続、センサ、フラットパネルディスプレイ、磁気および光学式記憶装置等の製造に有用である。この方法によれば、異なる導電性ポリマー構造、半導体構造、金属構造等の製造が可能であり、多孔性シリコンの形成によるシリコンの三次元構造でさえ製造可能となる。
【背景技術】
【0002】
特許文献1はマイクロおよびナノ構造に含むアプリケーションの製造のための電気化学パターン複製方法、ECPR(electrochemical pattern replication)、および導電性電極の形成に関する技術を開示している。それによると、主電極である導電性電極により規定されるエッチングパターンまたはめっきパターンが、導電性材料からなる基板上に複製される。主電極は基板に密着しており、エッチング/めっきパターンはコンタクトエッチング/めっき処理により直接基板上に転写される。コンタクトエッチング/めっき処理は、主電極と基板の間の閉じたもしくは開いた空洞内に形成された局所エッチングセル/めっきセルにおいて実施される。
【0003】
特許文献2は、単一および多層のメソスケールおよびマイクロスケール構造の電気化学的形成方法を開示している。かかる方法においては、ダイアモンド加工(例えば、フライカッティングまたはターニング)を用いて層を平坦化する。また、犠牲構造材料についても記載している。犠牲構造材料は電気化学的形成において有用であり、最小工具摩耗でダイアモンド加工を施すことができる(例えば、Ni−P/Cu、Au/Cu、Cu/Sn、Au/Cu、Au/Sn、Au/Sn−Pb、前者が構造材料であり、後者が犠牲材料)。さらに、加工が困難な材料を用いて電気化学的に形成されている構造をダイアモンド加工によりを平坦化する場合に、例えば、加工が困難な材料をやや過剰なめっき厚で選択的および潜在的に堆積する、および/または堆積物を(例えば、研磨もしくは荒削り処理を用いて)所望の表面レベルよりわずかに高い範囲内に前加工し、ダイアモンドフライカッティングにより仕上げ処理を施す、および/または構造または構造の一部を構造材料の広く頑丈な領域からではなく加工が困難な材料の薄肉領域から形成することにより、工具摩耗を軽減する方法も記載されている。
【0004】
特許文献3の「電極および電極の製造方法」は、本発明においても使用され得る主電極について記載している。この特許明細書の内容は参照によって本明細書に編入される。
【0005】
【特許文献1】国際公開第WO02/103085号公報
【特許文献2】米国特許出願第US2005/0202180号明細書
【特許文献3】スウェーデン特許出願第0502539−2号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の多層構造形成法の問題は、平坦化工程において、少なくとも2つの材料が同時に除去されなければならない点にある。2つの材料が異なる特性を持っていた場合、例えば、2つ材料のうち1つが金属等の硬質材料であり、もう1つがプラスチック、ガラス、ダイエレクトリクム(dielectricum)のような多孔質材等の軟質材料であれば、問題はより大きくなる。
【0007】
平坦化処理が機械研磨または化学機械研磨により行われる場合、問題が生じる可能性がある。研磨処理は、平坦化される材料に対して相対的に移動するプレートの回転、平行移動、または圧延により実施される。
【0008】
平坦化処理の初期段階においては、材料はその上端部もしくは頂上部のみが除去される。この段階において、高速研磨の場合は特に、下層の構造を損傷する危険性がある。材料を部分的に科学的手法により溶解することで、そうした危険性を低下させることができる。
【0009】
平坦化処理の中期段階では特に問題が生じることはなく、軟質材料もしくは硬質材料のみであれば、研磨処理は比較的単純である。
【0010】
平坦化処理の最終段階において、軟質材料および硬質材料が共に除去されることがある。この場合、軟質材料は硬質材料よりも高速に除去され、目減りもしくは凹みを生じ、結果として軟質材料が硬質材料よりも後退してしまう。これは、次の処理に不都合な場合もある。
【0011】
機械平坦化処理における別の問題は、プレートが、形成された構造層に対して、完全に平行にならない恐れがあることである。わずかな角度のずれから、構造の一部が期待通りに露出されないことがある。
【0012】
従来の多層構造形成法のさらに別の問題は、構造層厚の制御が困難となり得る点にある。
【0013】
従来の多層構造形成法のさらに別の問題は、多くの処理工程を要し、処理が煩雑になり費用がかさむ点にある。
【0014】
従来の多層構造形成法のさらに別の問題は、構造におけるビアもしくは穴を均一に埋めることができない点にある。
【0015】
従来の多層構造形成法のさらに別の問題は、構造が処理開始時において比較的凹凸を有する形状であった場合、最終結果として平面を得ることが困難となり得る点にある。
【0016】
さらなる問題は以下の記述から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の目的は、目減りもしくは凹みを低減または防止できる多層構造の形成方法を提供することにある。
【0018】
本発明の別の目的は、処理工程数を削減できる多層構造の形成方法を提供することにある。
【0019】
本発明のさらに別の目的は、ビアを均一に埋めることができる多層構造の形成方法を提供することにある。
【0020】
本発明のある様態によれば、多層構造の形成方法は、基板に電気めっきを施すことにより多層構造を形成する方法であって、a)基板もしくは基板層の少なくとも一部に導電性のシード層を形成する工程と、b)導電電極層と、導電電極層と電気的に接続された陽極材と、絶縁パターン層とを、前記陽極材、前記絶縁パターン層、前記シード層に囲まれた領域に、電解質を含む少なくとも1つの電気化学セルを形成するために有する主電極を前記シード層上に形成する工程と、c)前記シード層が前記少なくとも1つのセルの少なくとも一部の前記陽極材を前記シード層に転写するための陰極を形成し、主電極上の絶縁パターン層の空洞に対応するめっき構造を形成するように、前記導電電極層と前記シード層の間に電圧を印加する工程と、d)前記主電極を前記基板から分離する工程と、e)めっきされていない領域の前記シード層を除去する工程と、f)前記めっき構造を少なくとも部分的に被覆する材料層を形成するために、めっき構造間の領域に材料を堆積する工程と、g)構造の少なくとも一部が露出するまで材料層を平坦化する工程と、h)前記工程の少なくとも一部を繰り返し、多層構造を形成する工程とを有する。
【0021】
別の様態によれば、多層構造の形成方法は、基板を電気化学エッチングすることにより多層構造を形成する方法であって、a)基板もしくは基板層の少なくとも一部に導電性のシード層を形成する工程と、b)導電電極層と絶縁パターン層とを、前記導電電極層、前記絶縁パターン層、前記シード層に囲まれた領域に、電解質を含む少なくとも1つの電気化学セルを形成するために有する主電極を前記シード層上に形成する工程と、c)前記シード層がシード層をエッチングするための陽極を形成し、前記導電電極層が前記少なくとも1つのセルにエッチングされた材料を堆積するための陰極を形成し、主電極上の絶縁パターン層に対応するエッチングされた構造を形成するように、前記導電電極層と前記シード層の間に電圧を印加する工程と、d)前記主電極を前記基板から分離する工程と、e)エッチングされた構造間に残留している可能性のある前記シード層を除去する工程と、f)前記エッチングされた構造を少なくとも部分的に被覆する材料層を形成するために、エッチングされた構造間の領域に材料を堆積する工程と、g)構造の少なくとも一部が露出するまで材料層を平坦化する工程と、h)前記工程の少なくとも一部を繰り返し、多層構造を形成する工程とを有する。
【0022】
ある実施の形態によれば、この方法はさらに、構造の少なくとも一部がほぼ露出するまで材料層を平坦化する工程と、構造の少なくとも一部が露出するまで、前面にわたって略均一の除去速度を持つ除去方法を用いてさらに材料を除去する工程とを有する。この方法はさらに、工程d)とe)の間に、先に形成された構造の電気化学セルを形成するためにさらに主電極を形成する工程と、先に形成された構造の層上にさらにめっき構造の層を形成するために電圧を印加する工程とを含んでいても良い。平坦化工程は少なくとも1の研磨工程および/またはエッチング工程を含んでいても良い。研磨工程は、研磨により前記材料層の一部を除去する工程を含んでいても良い。少なくとも1の研磨工程は、機械研磨、化学研磨、化学機械研磨(chemical mechanical polishing:CMP)、接触平坦化(contact planarization:CP)、ドクターブレードによる平坦化、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により実施することができる。研磨工程は、CMPまたはCPにより実施されても良い。少なくとも1のエッチング工程は、ドライエッチング、イオンスパッタリング、反応性イオンエッチング(reactive ion etching:RIE)、プラズマエッチング、レーザー研磨、イオンミリング、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により実施することができる。
【0023】
さらに別の様態によれば、多層構造の形成方法は、基板に電気めっきを施すことにより多層構造を形成する方法であって、a)基板もしくは基板層の少なくとも一部に導電性のシード層を形成する工程と、b)導電電極層と、導電電極層と電気的に接続された陽極材と、絶縁パターン層とを、前記陽極材、前記絶縁パターン層、前記シード層に囲まれた領域に少なくとも1つの電解質を含む電気化学セルを形成するために有する主電極を前記シード層上に形成する工程と、c)前記シード層が前記少なくとも1つのセルの少なくとも一部の前記陽極材を前記シード層に転写するための陰極を形成し、主電極上の絶縁パターン層の空洞に対応するめっき構造を形成するように、前記導電電極層と前記シード層の間に電圧を印加する工程と、d)前記主電極を前記基板から分離する工程と、e)めっきされていない領域の前記シード層を除去する工程と、f)前記めっき構造を被覆する材料層を形成するために、めっき構造間の領域に材料を堆積する工程と、i)下層のめっき構造の少なくとも一部を露出するよう前記材料層に凹部を形成する工程と、h)前記工程の少なくとも一部を繰り返し、多層構造を形成する工程とを有する。
【0024】
さらに別の様態によれば、多層構造の形成方法は、基板を電気化学エッチングすることにより多層構造を形成する方法であって、a)基板もしくは基板層の少なくとも一部に導電性のシード層を形成する工程と、b)導電電極層と絶縁パターン層とを、前記導電電極層、前記絶縁パターン層、前記シード層に囲まれた領域に少なくとも1つの電解質を含む電気化学セルを形成するために有する主電極を前記シード層上に形成する工程と、c)前記シード層がシード層をエッチングするための陽極を形成し、前記導電電極層が前記少なくとも1つのセルにエッチングされた材料を堆積するための陰極を形成し、主電極上の絶縁パターン層に対応するエッチングされた構造を形成するように、前記導電電極層と前記シード層の間に電圧を印加する工程と、d)前記主電極を前記基板から分離する工程と、e)エッチングされた構造間に残留している可能性のある前記シード層を除去する工程と、f)前記エッチングされた構造を被覆する材料層を形成するために、エッチングされた構造間の領域に材料を堆積する工程と、i)下層のエッチングされた構造の少なくとも一部を露出するよう前記材料層に凹部を形成する工程と、h)前記工程の少なくとも一部を繰り返し、多層構造を形成する工程とを有する。
【0025】
ある実施の形態によれば、前記材料層に凹部を形成する工程は、フォトリソグラフィ、レーザーリソグラフィ、電子ビームリソグラフィ、ナノインプリンティング、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されたリソグラフィ法により実施することができる。リソグラフィ法はさらに、エッチングマスクをパターニングして、イオンスパッタリング、反応性イオンエッチング、プラズマエッチング、レーザー研磨、イオンミリング、またはそれらの組み合わせのいずれか等のドライエッチングにより前記材料層をエッチングする工程を含んでいても良い。エッチングマスクは、フォトレジスト等のレジスト、SiN、SiO2、SiC、オルトケイ酸テトラエチル(tetraethyl orthosilicate:TEOS)、SiON、SiOC、SiCN:H、(非多孔性の)フッ素ドープシリコンガラス(fluorine-doped silicon glass:FSG)、(非多孔性の)有機ドープシリコンガラス(organic-doped silicon glass:OSG)、BLOKTM、Pt、Ti、TiW、TiN、Al、Cr、Au、Ni、Cu、Ag等のlow−k誘電体バリア/エッチングストップフィルム、金属等のハードマスク、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料からなっていても良い。エッチングマスクは、マスクとして、フォトレジスト等のレジストを用いてドライエッチングされてもよく、前記レジストを前記リソグラフィ法によりパターニングしても良い。エッチングマスクは前記構造層により前記工程c)において形成されても良い。めっき構造間またはエッチングされた構造間の領域に材料を堆積する工程は、少なくとも構造層2層分の厚さを持つ材料層を形成するために実施されても良い。
【0026】
別の実施の形態によれば、材料層は凹部が形成される前に平坦化されても良い。
【0027】
また、別の実施の形態によれば、この方法はさらに、工程a)の前にバリア/キャッピング層を形成する工程を含んでいても良い。この方法はさらに、工程f)の前にバリア/キャッピングコーティングを形成する工程を含んでいても良い。
【0028】
シード層は、Ru、Os、Hf、Re、Cr、Au、Ag、Cu、Sn、Ti、Ni、Al、これら材料からなる合金、Si、導電性ポリマー(ポリアニリン等)、はんだ材料(SnPb、SnAg、SnAgCu、SnCu等)、合金(モネル、パーマロイ等)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料からなっていても良い。シード層は、化学気相成長法(chemical vapor deposition:CVD)、有機金属化学気相成長法(metal-organic chemical vapor deposition:MOCVD)、物理気相成長法(physical vapor deposition:PVD)、原子層成長法(atomic layer deposition:ALD)、スパッタリング法、無電解めっき法、電気めっき法、電子グラフト法、浸漬堆積法からなる群から選択された方法により形成することができる。
【0029】
材料層は誘電体層であり、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、パウダーコーティング法、ディップコーティング法、ローラーコーティング法、スパッタリング法、PVD、CVD、プラズマ化学気相成長法(plasma-enhanced chemical vapor deposition:PECVD)、電着法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により形成することができる。誘電体層は、low−k誘電体、ウルトラlow−k誘電体、k値が4未満の誘電体、k値が2.5未満の誘電体、有機化合物、絶縁無機化合物、酸化物、窒化物、ポリマー材料、ポリイミド、シロキサン変性ポリイミド、BCB、SU−8、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene:PTFE)、シリコーン、弾性重合体、電子ビームレジスト、ZEP(住友)、フォトレジスト、薄膜レジスト、厚膜レジスト、多環オレフィン、ポリノルボルネン、ポリエチレン、ポリカーボネート、PMMA、BARC材料、リフトオフレイヤー(lift off layer:LOL)材料、PDMS、ポリウレタン、エポキシポリマ、フルオロエラストマ、アクリレート重合体、(天然)ゴム、シリコーン、ラッカ、ニトリルゴム、EPDM、ネオプレン、PFTE、パリレン、フルオロメチレンシアン酸エステル、無機−有機ハイブリッドポリマ、(フッ素化および/または水素化)非晶質炭素、有機ドープシリコンガラス(organic-doped silicon glass:OSG)、フッ素ドープシリコンガラス(fluorine-doped silicon glass:FSG)、PETE/シリコン化合物、オルトケイ酸テトラエチル(tetraethyl orthosilicate:TEOS)、SiN、SiO2、SiON、SiOC、SiCN:H、SiOCH材料、SiCH材料、シリケート、石英系材料、シルセスキオキサン(silsesquioxane:SSQ)系材料、(ナノ多孔)メチルシルセスキオキサン(methyl silsesquioxane:MSQ)、水素シルセスキオキサン(hydrogen silsesquioxane:HSQ)、TiO2、Al2O3、TiN、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料からなる層を、少なくとも1層含んでいても良い。
【0030】
さらに別の様態によれば、多層構造の形成方法は、基板に電気めっきを施すことにより多層構造を形成する方法であって、前記基板または基板層はビアを有し、a)基板もしくは基板層および前記ビアの少なくとも一部に導電性のシード層を形成する工程と、b)少なくとも前記ビアに対向し、前記ビアの幅よりわずかに小さい、同幅、もしくはわずかに大きな幅を持ち、内部に陽極材を事前堆積した空洞が形成された絶縁パターン層を持つ主電極を形成する工程と、c)少なくとも一部の前記陽極材を転写し、前記ビア内にめっき構造を形成するために、導電電極層と前記シード層の間に電圧を印加する工程とを有する。
【0031】
ある実施の形態によれば、シード層は、Ru、Os、Hf、Re、Cr、Au、Ag、Cu、Sn、Ti、Ni、Al、これら材料からなる合金、Si、導電性ポリマー(ポリアニリン等)、はんだ材料(SnPb、SnAg、SnAgCu、SnCu等)、合金(モネル、パーマロイ等)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料からなっていても良い。シード層は、化学気相成長法(chemical vapor deposition:CVD)、有機金属化学気相成長法(metal-organic chemical vapor deposition:MOCVD)、物理気相成長法(physical vapor deposition:PVD)、原子層成長法(atomic layer deposition:ALD)、スパッタリング法、無電解めっき法、電気めっき法、電子グラフト法、浸漬堆積法からなる群から選択された方法により形成することができる。
【0032】
さらに別の様態によれば、多層構造の形成方法は、伝導材構造を備えた基板に電気めっきを施すことにより多層構造を形成する方法であって、a)基板の少なくとも一部に導電性のシード層を形成する工程と、b)導電電極層と、導電電極層と電気的に接続された陽極材と、少なくとも前記伝導材構造の一部を囲んでいる空洞が形成された絶縁パターン層とを、前記陽極材、前記絶縁パターン層、前記シード層に囲まれた領域に少なくとも1つの電解質を含む電気化学セルを形成するために有する主電極を前記シード層上に形成する工程と、c)前記シード層が前記少なくとも1つのセルの少なくとも一部の前記陽極材を前記シード層に転写するための陰極を形成し、前記シード層および主電極上の絶縁パターン層の空洞に対応する前記伝導材構造上にめっき構造を形成するように、前記導電電極層と前記シード層の間に電圧を印加する工程と、d)前記主電極を前記基板から分離する工程とを有する。
【0033】
この方法はさらに、b1)導電電極層と、導電電極層と電気的に接続された陽極材と、めっき構造と前記伝導材構造の少なくとも一部を囲んでいる空洞が形成された絶縁パターン層とを、前記陽極材、前記絶縁パターン層、前記シード層に囲まれた領域に少なくとも1つの電解質を含む電気化学セルを形成するために有する主電極を前記シード層上にさらに形成する工程と、c1)前記シード層が前記少なくとも1つのセルの少なくとも一部の前記陽極材を前記シード層に転写するための陰極を形成し、前記シード層および主電極上の絶縁パターン層の空洞に対応するめっき構造および前記伝導材構造上にめっき構造を形成するように、前記導電電極層と前記シード層の間に電圧を印加する工程と、d1)前記主電極を前記基板から分離する工程とを含んでいても良い。この方法はさらに、e)めっきされていない領域の前記シード層を除去する工程を含んでいても良い。
【0034】
ある実施の形態によれば、平坦化工程は材料表面を略平面になるまで研磨する工程と、続いて構造の少なくとも一部が露出するまで前記材料表面をエッチングする工程とを含んでいても良い。平坦化材料を、前記材料層の平坦化工程に先立って、前記材料層に堆積しても良い。平坦化材料は、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、パウダーコーティング法、ディップコーティング法、ローラーコーティング法、スパッタリング法、PVD、CVD、PECVD、電着法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により堆積することができる。
【0035】
別の実施の形態によれば、平坦化工程がいつ完了するのかを決定するために、終点検出方法を用いても良い。終点検出方法は、構造材料が研磨またはエッチングされている時の検出、前記材料層の高さの検出、前記材料層の色の解析のいずれかであって良い。検出は研磨される材料のスペクトル解析の干渉分光を基に行われてもよく、前記高さはレーザー測定により決められても良い。また、前記材料層の色はセンサおよびカメラを用いて解析されても良い。接触平坦化工程は、前記材料層上にプレートを設置し、前記プレートで流動状態にある前記材料層を押圧して材料を均等化する工程を含んでいても良い。流動状態を得るために前記材料層を熱してもよく、その場合、材料は平坦化処理の後に冷却される。プレートを設置する工程は前記材料を硬化する前に行われ、材料は平坦化処理後、赤外線照射または紫外線照射等によって硬化される。
【0036】
また、別の実施の形態によれば、シード層は、化学気相成長法(chemical vapor deposition:CVD)、有機金属化学気相成長法(metal-organic chemical vapor deposition:MOCVD)、物理気相成長法(physical vapor deposition:PVD)、原子層成長法(atomic layer deposition:ALD)、スパッタリング法、無電解めっき法、電気めっき法、電子グラフト法、浸漬堆積法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により形成することができる。シード層の形成、材料の形成、めっき、および/またはエッチングは、高さを制御するような方法で行われる。
【0037】
また、別の実施の形態によれば、この方法はさらに、工程a)および/またはf)の前にバリア/キャッピング層を形成する工程を含んでいても良い。バリア/キャッピング層は、バリア/キャッピング層に接している層の腐食、拡散、またはエレクトロマイグレーションを防ぐ材料からなる層を、少なくとも1層含んでいても良い。バリア/キャッピング材は、Ti、TiN、TiW、Cr、Ni、NiB、NiP、NiCo、NiBW、NiM−P、Pd、Pt、Au、Ag、W、Ru、Ta、TaN、Re、Os、Hf、Rh、Wo、Co、CoReP、CoP、CoWP、CoWB、CoWBP、それらの合金、またはそれらの組み合わせのいずれかであって良い。バリア/キャッピング材は、電気めっき法、MOCVD、CVD、PVD、ALD、スパッタリング法、無電解めっき法、浸漬堆積法、電子グラフト法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により成膜することができる。バリア/キャッピング材は、無電解めっき法等のマスクレス選択的成膜法により成膜してもよく、成膜工程においては、前記構造層等の前記成膜処理に対して活性な表面上にのみ成膜され、前記材料層上には成膜されない。
【0038】
バリア/キャッピング材は、工程a)においてシード層として用いても良い。シード層は、Ru、Os、Hf、Re、Cr、Au、Ag、Cu、Sn、Ti、TiN、TiW、Ni、NiB、NiP、NiCo、NiBW、NiM−P、Al、Pd、Pt、W、Ta、TaN、Rh、Wo、Co、CoReP、CoP、CoWP、CoWB、CoWBP、それらの合金、Si、導電性ポリマー(ポリアニリン等の)、はんだ材料(SnPb、SnAg、SnAgCu、SnCu等)、合金(モネル、パーマロイ等)、またはそれらの合金、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料からなっていても良い。シード層は洗浄され、活性化されても良い。その場合、洗浄および活性化には、アセトンまたはアルコール等の有機溶剤、および/または硝酸、硫酸、リン酸、塩酸、酢酸、フッ化水素酸、過酸化水素を始めとする過酸化物等の強酸化剤、過硫酸ナトリウムまたは過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、塩化第二鉄等の無機溶剤、および/または酸素プラズマ、アルゴンプラズマ、水素プラズマを用いてよく、および/または機械的に不純物を除去しても良い。
【0039】
また、別の実施の形態によれば、この方法はさらに、前記シード層を形成する前および/または前記バリア/キャッピング材を形成する前に粘着層を形成しても良い。この場合、粘着層は前記シード層またはバリア/キャッピング材の前記材料層または構造への粘着性を高める。粘着層は、Cr、Ti、TiW、AP−3000(ダウ・ケミカル社製)、AP−100(Silicon Resources社製)、AP−200(Silicon Resources社製)、AP−300(Silicon Resources社製)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された少なくとも1つの材料を含んでいても良い。
【0040】
また、別の実施の形態によれば、少なくとも1つの電気化学セルを形成する工程は、前記絶縁パターン層を前記基板上のパターン層に位置合わせする方法により実施されても良い。位置合わせ方法においては、前記主電極の前側および/または後側に前記基板上の対応する位置合わせマークに位置合わせするよう位置合わせマークを用いても良い。位置合わせ方法は、少なくとも1つの電気化学セルを形成する工程に先立って実施されても良い。形成された電気化学セルは、銅またはニッケルイオン等の陽イオン溶液および硫酸イオン等の陰イオン溶液を、電気化学エッチングおよび/または電気化学めっきのために含んでいても良い。電解質は、例えば、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol:PEG)と塩化物イオンおよび/またはSPS(BiS(3-sulfopropyl)disulfide)、MPSAおよび/またはラウリル硫酸ナトリウム等、抑制剤、レベラおよび/または促進剤を含んでいても良い。
【0041】
ある実施の形態によれば、構造層は、Au、Ag、Ni、Cu、Sn、Pb、SnAg、SnAgCu、AgCu、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料からなっていても良い。また、構造層は、CuまたはNiを含んでいても良い。陽極材は、電気めっき法、無電解めっき法、浸漬堆積法、CVD、MOCVD、パウダーコーティング、化学グラフト法、電子グラフト法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法を用いて、前記絶縁パターン層の空洞内の前記導電電極層上に堆積されても良い。前記陽極材を堆積する方法は電気めっき法または無電解めっき法であっても良い。構造を形成する工程は、前記電圧を切断することにより、すべてのまたは大部分の陽極材を溶解する前に中止される。少なくとも5%の陽極材が構造を形成する工程が中止された時に残っていると良い。前記構造のエッチング深度またはめっき厚は、時間および前記少なくとも1つの電気化学セルを流れる電流をモニタリングすることにより制御しても良い。
【0042】
別の実施の形態によれば、分離工程d)は、前記基板を所定の位置に保持し、前記主電極を基板表面に対して直交する方向に移動させることによって、または前記主電極を所定の位置に保持し、前記基板を主電極表面に対して直交する方向に移動させることによって、または分離を容易にするために平行度の低い方法で、またはそれらの組み合わせにより実施されても良い。前記シード層を除去する工程e)は、ウェットエッチング、ドライエッチング、電気化学エッチング、またはそれらの組み合わせにより実施されても良い。
【0043】
ある実施の形態によれば、この方法はさらに、前記シード層、バリア/キャッピング層および/または構造層全面またはほぼ全面を覆う保護コーティングを形成する工程と、前記保護コーティングに異方性エッチングを施して、前記構造の側壁に保護層を残しつつ構造間の前記シード層、バリア/キャッピング層および/または構造層の上端部を露出させる工程と、構造間の前記シード層および/またはバリア/キャッピング層を除去する工程を含む。
【0044】
材料層は、少なくとも誘電体からなる1つの層であって、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、パウダーコーティング法、ディップコーティング法、ローラーコーティング法、スパッタリング法、PVD、CVD、プラズマ化学気相成長法(plasma-enhanced chemical vapor deposition:PECVD)、電着法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により形成することができる。材料層は、少なくとも金属からなる1つの層であって、電着法、MOCVD、CVD、PVD、ALD、スパッタリング法、無電解めっき法、浸漬堆積法、電子グラフト法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により形成することができる。誘電体は、low−k誘電体、ウルトラlow−k誘電体、k値が4未満の誘電体、k値が2.5未満の誘電体、有機化合物、絶縁無機化合物、酸化物、窒化物、ポリマー材料、ポリイミド、シロキサン変性ポリイミド、BCB、SU−8、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene:PTFE)、シリコーン、弾性重合体、電子ビームレジスト、ZEP(住友)、フォトレジスト、薄膜レジスト、厚膜レジスト、多環オレフィン、ポリノルボルネン、ポリエチレン、ポリカーボネート、PMMA、BARC材料、リフトオフレイヤー(lift off layer:LOL)材料、PDMS、ポリウレタン、エポキシポリマ、フルオロエラストマ、アクリレート重合体、(天然)ゴム、シリコーン、ラッカ、ニトリルゴム、EPDM、ネオプレン、PFTE、パリレン、フルオロメチレンシアン酸エステル、無機−有機ハイブリッドポリマ、(フッ素化および/または水素化)非晶質炭素、有機ドープシリコンガラス(organic-doped silicon glass:OSG)、フッ素ドープシリコンガラス(fluorine-doped silicon glass:FSG)、PETE/シリコン化合物、オルトケイ酸テトラエチル(tetraethyl orthosilicate:TEOS)、SiN、SiO2、SiON、SiOC、SiCN:H、SiOCH材料、SiCH材料、シリケート、石英系材料、シルセスキオキサン(silsesquioxane:SSQ)系材料、(ナノ多孔)メチルシルセスキオキサン(methyl silsesquioxane:MSQ)、水素シルセスキオキサン(hydrogen silsesquioxane:HSQ)、TiO2、Al2O3、TiN、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料からなる層を、少なくとも1層含んでいても良い。
【0045】
別の実施の形態によれば、この方法はさらに、材料を堆積する工程f)の前にエッチングストップ層を構造上に形成する工程を含んでいても良い。エッチングストップ層は、SiC、SiN、フィルム、BLOKTM等のlow−k誘電体バリア/エッチングストップフィルム、Ti、TiN、TiW、Cr、Ni、NiB、NiP、NiCo、NiBW、NiM−P、Pd、Pt、Au、Ag、W、Ru、Ta、TaN、Re、Os、Hf、Rh、Wo、Co、CoReP、CoP、CoWP、CoWB、CoWBP、それらの合金、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料からなる層を、少なくとも1層含んでいても良い。材料層は、多孔性low−k誘電体であってもよく、その上にさらに材料層を形成する前に孔の密閉処理を行っても良い。
【0046】
また、別の実施の形態によれば、材料層は犠牲ポリマーであっても良い。その場合、前記犠牲ポリマーは、熱処理または放射線処理により気体化する。犠牲ポリマーは、Unity Sacrificial PolymerTM(Promerus社製)等のブチルノルボルネンおよびトリエトキシシリルノルボルネンの共重合体であっても良い。
【0047】
また、別の実施の形態によれば、この方法はさらに、工程h)に先立って構造層を形成する工程を含んでいても良い。この場合、構造層はリソグラフィ、電着等の蒸着法、無電解めっき法、ウェットエッチングまたはドライエッチングにより形成されても良い。
【0048】
本発明のさらなる目的、特徴、利点は、以下の実施の形態の詳細な説明および添付図面を参照することにより明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
以下、当業者が本発明を実施できるように、本発明を実施するための最良の形態を含む実施の形態を詳細に説明する。
【0050】
なお、以下のすべての実施の形態による方法は、1または複数の工程を有し、各工程はそれぞれ単独で詳細に説明される。
【0051】
概して、方法は1または以下の6工程、すなわち
a)基板もしくは先行層の上部にシード層を形成する工程と、
b)複数の電気化学セルを形成するために、主電極を基板上のシード層に接触させて配置する工程と、
c)エッチングによりシード層に構造を形成する、またはめっきによりシード層上に構造を形成する工程と、
d)主電極を除去する工程と、
e)残留している可能性のあるシード層を除去する工程と、
f)誘電体層を形成する工程と、を有する。
【0052】
第1の工程a)において、上部にシード層を形成して基板を用意する。シード層を形成する前に、または基板上に形成される前のシード層の下に、バリア/キャッピング層および/または粘着層を堆積する実施の形態もある。
【0053】
前記シード層は、通常比較的薄い導電性材料からなる層を少なくとも1層含み、その上には、主電極中の事前に堆積された陽極材等の材料がECPRめっき処理によりめっきできる。もしくは、シード層は、通常比較的厚い導電性材料からなる層を少なくとも1層含み、ECPRエッチングにより構造をエッチングできる。
【0054】
シード層は電気化学セルの電極の1つであるため、少なくともセルが形成される位置に成膜される必要がある。さらに、シード層は基板外部より、またはシード層に接続された基板の導電部もしくは主電極を通じて電気的に接触できなければならない。そのため、シード層は必要な表面のみを被覆するように形成されても良いが、基板の全面に作用するよう適用しても良い。
【0055】
シード層は、Ru、Os、Hf、Re、Cr、Au、Ag、Cu、Sn、Ti、Ni、Al、それらの合金、Si、後述されるバリア/キャッピング層および/または粘着層に用いられるようなその他の金属、ポリアニリン等の導電性ポリマー、SnPb、SnAg、SnAgCu、SnCu等のはんだ材料、モネル、パーマロイ等の合金、および/またはそれらの組み合わせのいずれかの材料からなる1または複数の層で構成されていても良い。
【0056】
シード層は、化学気相成長法(chemical vapor deposition:CVD)、有機金属化学気相成長法(metal-organic chemical vapor deposition:MOCVD)、物理気相成長法(physical vapor deposition:PVD)、原子層成長法(atomic layer deposition:ALD)、スパッタリング法、無電解めっき法、電気めっき法、電子グラフト法、浸漬堆積法および/または導電性材料を用いたその他の処理により形成することができる。シード層を基板の導電領域および非導電領域に同時に形成する場合は、気相成長法またはスパッタリング技法を用いることができる。シード層が比較的厚くなる場合は、基板表面の凹みに依存しない比較的均一な上面を持つ層を形成するために電気めっき法を用いても良い。詳細には、抑制剤、レベラ(leveler)および/または促進剤等の添加剤および/または例えばポリエチレングリコール(polyethylene glycol:PEG)と塩化物イオン、SPS(BiS(3-sulfopropyl)disulfide)および/または銅めっきに使用されるラウリル硫酸ナトリウム等凹みにおける電着速度を向上させる湿潤剤を用いて、および/または例えば堆積層の高さを均一にする反転パルスめっき等のパルスめっきを用いて、上面を均一にできる。いずれの方法を用いても、特にシード層の厚さが凹みの深さより若干大きい場合、基板の凹みには関係なく上面を均一にできる。
【0057】
基板上のシード層はECPR処理の前に洗浄されて活性化される。洗浄には、アセトンまたはアルコール等の有機溶剤、および/または硝酸、硫酸、リン酸、塩酸、酢酸、フッ化水素酸、過酸化物等の強酸化剤、過硫酸塩、塩化第二鉄等の無機溶剤、および/または脱イオン水を用いても良い。また、洗浄は酸素プラズマ、アルゴンプラズマおよび/または水素プラズマを用いて行ってもよく、機械的に不純物を除去しても良い。シード層は、酸化物を除去する溶剤、例えば硫酸、硝酸、塩酸、フッ化水素酸、リン酸および過硫酸ナトリウム等のエッチング液、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、塩化第二鉄および/または酸化剤を含むその他の溶剤を用いて活性化することができる。
【0058】
前記バリア/キャッピング層は、前記導電性材料が界面材になるのを防ぐ材料、エレクトロマイグレーションを防ぐ材料および/または製造された基板の電気特性に悪影響を与えるその他の現象を防ぐ材料のうちの少なくとも1つおよびそれらの組み合わせからなる少なくとも1つの層で構成されていても良い。バリア/キャッピング層は、Ti、TiN、TiW、Cr、Ni、NiB、NiP、NiCo、NiBW、NiM−P、Pd、Pt、Au、Ag、W、Ru、Ta、TaN、Re、Os、Hf、Rh、Wo、Co、CoReP、CoP、CoWP、CoWB、CoWBP、それらの合金、またはそれらの組み合わせのいずれかからなっていても良い。
【0059】
前記粘着層は、導電性のシード層材またはバリア/キャッピング材の導電層への粘着性を高める材料また材料の組み合わせからなっていても良い。粘着層は、Cr、Ti、TiW、AP−3000(ダウ・ケミカル社製)、AP−100(Silicon Resources社製)、AP−200(Silicon Resources社製)および/またはAP−300(Silicon Resources社製)からなっていても良い。粘着層が、シード層の体積を容易にするおよび/または向上する触媒層として機能する実施の形態もある。バリア/キャッピング層および/または粘着層は、電着法、MOCVD、CVD、PVD、ALD、スパッタリング法、無電解めっき法、浸漬堆積法、電子グラフト法および/またはその他のバリア/キャッピング材および/または粘着材に適した蒸着法により形成することができる。
【0060】
バリア/キャッピング層および/または粘着層を、無電解めっき法および/または化学グラフト法等のマスクレス選択的成膜法により形成する実施の形態もある。マスクレス選択的成膜法においては、該成膜法と対応して活性化する表面でのみ蒸着が行われる。例えば、構造層上では蒸着が行われ、導電層上では行われない。
【0061】
例えば、Ru層を用いた場合等、シード層がバリア/キャッピング層として機能する実施の形態もある。一方、バリア/キャッピング層がシード層として用いられる実施の形態もある。また、シード層として機能させるためにバリア/キャッピング層を活性化する必要のある実施の形態もある。そのような表面活性化は、例えばPdCl2および/またはSnCl2溶剤によって表面処理を施すSnまたはPd活性化であって良い。Pd活性化に使用される溶剤としては、希釈HCl中のPdCl2を用いることができる。例えば、TiNバリア/キャッピング層を活性化する場合、HFを活性化溶剤に添加する実施の形態もある。
【0062】
第2の工程b)において、少なくとも1つの白金等の不活性材料からなる導電電極層および絶縁パターン層で構成される主電極を電解質の存在下で基板上のシード層等導電性の最上層に物理的に密着させて配置し、主電極上の絶縁構造の空洞によって規定される電解質が充填された電気化学セルを形成する。主電極を基板上の最上層に物理的に密着させて配置する工程には、主電極の絶縁パターンを基板上のパターン層に位置合わせをする工程を含む。この工程おいては、主電極の前側または後側に基板上の対応する位置合わせマークに位置合わせするよう位置合わせマークを用いても良い。位置合わせ工程は、電解質を用いる前または後に実施されても良い。主電極を基板上に接触させて配置する工程に先立って、事前に堆積された陽極材を絶縁パターン層の空洞内の前記導電電極層に備えても良い。主電極を基板上に接触させて配置する工程に先立って、主電極の空洞内の事前に堆積された材料は、上述の第1の工程a)における基板上のシード層と同様に、洗浄されて活性化されても良い。
【0063】
前記電解質は、従来の電気めっき浴等の電気化学めっきおよび/またはエッチングに適切な陽イオンおよび陰イオン溶液からなる。例えば、ECPRエッチングまたはECPRめっき処理された構造が銅からなる場合、酸性硫酸銅浴等の硫酸銅浴を用いても良い。酸性度は、例えばpH=2からpH=4程度で、pH<4で良い。抑制剤、レベラおよび/または促進剤等の添加剤、例えばPEG、塩化物イオンおよび/またはSPSを用いる実施の形態もある。その他の例としては、ECPRエッチングまたはECPRめっき処理された構造がNiからなる場合、ワット浴を用いても良い。材料の異なるECPRエッチングまたはECPRめっき処理された構造の適切な電解質系については、Lawrence J. Durney, et al., Electroplating Engineering Handbook, 4th ed., (1984)に記載されている。
【0064】
第3の工程c)において、外部電源からの電圧を主電極および基板上のシード層に印加することにより、ECPRエッチングまたはECPRめっき処理を用いて、導電性材料からなる構造を形成し、主電極の空洞および基板上の最上層によって規定される各電気化学セル内で同時に電気化学処理を実施する。基板上のシード層が陽極をなし、主電極の導電電極層が陰極を成すように電圧が印加された場合、シード層が溶解するとともに主電極の空洞内に材料が堆積される。シード層の溶解により形成された溝が、シード層の残留構造を別離する。残留シード層からなる構造は、主電極の絶縁パターン層の空洞のネガとなる。以下、この構造を「ECPRエッチング構造」と呼ぶ。主電極の導電電極層が陽極をなし、基板上のシード層が陰極を成すように電圧が印加された場合、主電極の空洞内に事前堆積された陽極材が溶解するとともに基板上の電解質が充填された空洞内の導電層に材料が堆積される。基板上の導電層に堆積された材料は主電極の絶縁パターン層の空洞のポジとなる構造を形成する。以下、この構造を「ECPRめっき構造」と呼ぶ。
【0065】
前記ECPRエッチング構造またはECPRめっき構造は、金属または合金等の導電性材料、例えばAu、Ag、Ni、Cu、Sn、Pbおよび/またはSnAg、SnAgCu、AgCuおよび/または例えばCu等それらの組み合わせで構成されても良い。
【0066】
前記陽極材を、陽極となる材料をECPRエッチングすることにより主電極の空洞内に事前に堆積し、主電極の絶縁パターン層の空洞内の陰極となる導電電極に前記材料を堆積する実施の形態もある。また、主電極の絶縁パターン層の空洞内の導電電極層上に、前記材料を選択的に通常の電気めっき、無電解めっき、浸漬めっき、CVD、MOCVD、(帯電)パウダーコーティング、化学グラフトおよび/または電子グラフトすることにより、前記陽極材を事前に堆積する実施の形態もある。
【0067】
電圧は、エッチングおよび/またはめっきされた構造の均一性および/または特性を向上するように印加しても良い。印加される電圧は、直流電圧、パルス状電圧、矩形パルス状電圧、反転パルス電圧および/またはそれらの組み合わせであって良い。
【0068】
エッチングおよび/またはめっきされた構造の均一性は、印加される電圧波形、振幅および周波数の最適な組み合わせを選択することによって向上できる。エッチング深度またはめっき厚は、時間および主電極を流れる電流をモニタリングすることにより制御できる。総電極領域が分かっている場合には、電流密度は電極領域を流れる電流から予測することができる。電流密度はエッチング速度またはめっき速度に対応するため、エッチング深度またはめっき厚はエッチング速度またはめっき速度および時間から予測することができる。
【0069】
下層の溶解している陽極材の表面に到達する前に印加電圧を切断することにより、エッチングまたはめっき処理を中止する実施の形態もある。すなわち、エッチングにおいては、シード層にエッチングされた溝の下にまだ層が残留し、下の基板層を被覆している状態で処理を中止する。このように処理を中止しない場合、シード層の一部への電気的接続が破壊される恐れがある。めっき処理においては、事前に堆積された陽極材からなる層がまだ、例えば5%から50%残留し、導電電極層を被覆している状態で処理を中止する。このように処理を中止しない場合、各電気化学セルにおいて電流分布が不均等になってしまう。
【0070】
めっき構造の所望の高さを、事前に堆積された陽極材の厚さより若干小さくする実施の形態もある。これは、陽極材を新たに堆積する前に、複数の構造層が1または複数の基板上にめっきされることを示唆する。例えば、事前に堆積された材料の高さは少なくともめっき構造の高さの2倍であっても良い。
【0071】
ECPRめっき構造の複数の層が、各々の上に直接形成される実施の形態もある。
【0072】
第4の工程d)において、ECPRエッチング構造またはECPRめっき構造が形成された後、基板上の主電極またはECPRエッチング構造もしくはECPRめっき構造への損傷を最小限に抑えるように、主電極を基板から分離する。この工程は、基板を所定の位置に固定し、主電極を基板表面に対して直交する方向に移動させることによって、または主電極を所定の位置に保持し、基板を主電極表面に対して直交する方向に移動させることによって実施できる。別の実施の形態によれば、分離を容易にするために平行度の低い方法で主電極を基板から分離してもよい。
【0073】
第5の工程e)において、ECPRめっき処理の後、堆積された構造がシード層を介してお互いに接続しないよう、基板上のシード層を除去する。また、ECPRエッチングの後、残留堆積物、粒子、あるいはシード層の一部等のエッチングされずに残留したシード層を除去しても良い。シード層除去工程においては、シード層の材料を全体的にエッチングするのに適したウェットエッチング剤を用いても良い。側壁のエッチングおよび/またはECPRめっき構造への損傷を避けるまたは低減するため、異方性エッチングを用いても良い。シード層は、例えばイオンスパッタリング、反応性イオンエッチング(reactive ion etching:RIE)、プラズマエッチング、レーザー研磨、イオンミリング等のドライエッチングにより除去しても良い。ドライエッチングによれば、材料は気体化し、蒸発して除去される。シード層をドライエッチングとウェットエッチングの組み合わせにより除去する実施の形態もある。例えば、ドライエッチングではシード層をエッチングした際に残留物または副生成物が残ることがある。これらの残留物または副生成物をウェットエッチングにより除去する。1例としては、銅をドライエッチングする場合、副生成物が形成されるが、ウェットエッチングによって塩酸を用いて洗浄することができる。シード層除去工程において、電気化学エッチングを用いてシード層を陽極とする電圧を印加し、少なくとも前記シード層の一部を溶解(エッチング)する実施の形態もある。前記電気化学エッチングは、少なくともシード層の一部をECPRエッチングする工程を含んでも良い。ECPRエッチング構造またはECPRめっき構造全面を均一に覆う保護コーティングを形成する実施の形態もある。保護コーティングは異方性エッチングにより処理される。異方性エッチングは、ドライエッチングと同様に縦方向のエッチング率が横方向のエッチング率よりも高いという特性をもっているため、前記構造の側壁に保護層を残しつつ構造の上端部および/または構造間のシード層を露出させることができる。この場合、側壁をエッチングすることなく及び/またはECPRエッチング構造またはECPRめっき構造の角に丸みをつけることなく、前記エッチングによりシード層を除去できる。前記保護コーティングは、後述するエッチングマスク層に使用されるような材料および方法により形成することができる。前記構造の側壁上の保護コーティングは、シード層をエッチングした後に除去しても良い。バリア/キャッピング層および/または粘着層がシード層の成膜に先立って形成されていた場合、シード層について上述したのと同様の方法で、ECPRエッチング構造またはECPRめっき構造間の領域においてこれらの層を除去しても良い。シード層、バリア/キャッピング層および/または粘着層は、ECPRめっき構造の材料に対応して選択的にエッチングされる材料からなっていても良い。
【0074】
シード層、バリア/キャッピング層および/または粘着層を絶縁材料に変換する処理を施す実施の形態もある。そのような処理の例としては、例えば、Ti層をTiO2に陽極酸化する等の電気化学陽極酸化処理、前記層を絶縁層に変換するガスもしくは窒素および/または酸素等の前駆体を含む環境においての熱および/またはプラズマ処理、および/または例えば過酸化物および/または水酸化物等の強酸化剤を用いた化学処理がある。この場合、絶縁層に変換された層を除去する必要は特にない。
【0075】
ECPRエッチングまたはECPRめっき処理後、主電極の空洞内に堆積された残留材料は基板上のシード層の除去と同じ方法で除去できる。また、通常のめっき処理および/またはECPRめっき処理を陰極および/またはダミー基板にそれぞれ施して、残留材料を除去する実施の形態もある。これは、別のECPRエッチング工程における主電極の使用に先立って、またはECPRめっき工程で使用される主電極の空洞内への新たな材料の事前堆積に先立って実施される。または、めっき処理の間、1工程につき事前に堆積された材料の一部分のみ用いて、工程数分、他の部分を次の工程に用いるようにしても良い。または、エッチングの間、陰極に堆積された材料、すなわち主電極は、各工程の間に除去しなくてもよく、各第2および第3工程の間等に除去しても良い。
【0076】
第6の工程f)において、誘電体層を基板の最上層に形成する。前記誘電体層を形成する前に、粘着特性を向上するためおよび/または汚染、マイグレーション(エレクトロマイグレーション)および/または材料の拡散を防ぐために、バリア/キャッピング層および/または粘着層を基板の最上層に形成する実施の形態もある。バリア/キャッピング層および/または粘着層は上記の材料および方法により形成することができる。バリア/キャッピング層および/または粘着層は後述のエッチングストップ層等の材料からなっていても良い。前記誘電体層は、誘電率の低い材料からなる1または複数の層を含んでいても良い。
【0077】
誘電体層は、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、パウダーコーティング法、ディップコーティング法、ローラーコーティング法、スパッタリング法、PVD、CVD、プラズマ化学気相成長法(plasma-enhanced chemical vapor deposition:PECVD)、電着法、またはその他の好適な蒸着処理および/またはそれらの組み合わせにより形成することができる。誘電体層は、ECPRエッチング構造またはECPRめっき構造を完全に覆い、空洞を埋めるように形成されても良い。誘電体層は、平坦化工程を省くまたは最小限に抑えるため、できる限り均等に形成される。
【0078】
誘電体層成膜後、構造の上端部を少なくとも部分的に誘電体層から露出させても良い。ある実施の形態によれば、この露出処理は、誘電体層を前記構造の上端部と同レベルに平坦化することにより実施される。平坦化は、研磨および/またはエッチングにより行うことができる。研磨は機械的および/また化学的手法により行うことができる。化学機械研磨(chemical mechanical polishing:CMP)を用いる実施の形態もある。CMPにおいては、回転または平行移動する研磨パッドからの機械力、および誘電体に密着されているまたは材料上に直接配置されている研磨パッド上に塗布された研磨スラリの化学成分を用いて誘電体を平坦化する。スラリの化学的性質は適切な研磨処理に関与している。スラリは、キャリア溶剤中のマイクロまたはナノサイズのシリカまたはアルミニウム微粒子からなっていても良い。CMP平坦化中に誘電体表面において起こる化学反応により、表面はスラリー中に懸濁している粒子により機械研磨され易くなる。研磨された粒子は基板表面近辺から除去され、新たなスラリが追加されるとともに外部へ排出される。
【0079】
ドクターブレードを用いる平坦化方法もある。
【0080】
また、別の平坦化方法としては、接触平坦化(contact planarization:CP)がある。接触平坦化においては、例えば、シリコン、ガラスおよび/または石英からなる平面ディスクにより表面上に力または圧力をかけ、層表面の不均一性を低減する。前記平坦化方法の実施に先立って、平坦化材料層を誘電体層に形成する実施の形態もある。平坦化材料層を形成した場合、下部の層より平滑な表面が得られる。平坦化材料層は、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、パウダーコーティング法、ディップコーティング法、ローラーコーティング法、スパッタリング法、PVD、CVD、PECVD、電着法および/またはそれらの組み合わせにより形成することができる。誘電体および/または前記平坦化材料層を前記平坦化方法の実施前に硬化しない実施の形態もある。これは、材料が程度の差はあれ軟らかく流動性を有した状態で、圧力の影響で移動して平坦化するためである。接触平坦化において、前記平面ディスクは光学的に透明であってよく、平面ディスクを通過した紫外線および/または熱放射により前記平坦化材料層および/または誘電体層を硬化しても良い。誘電体および/または平坦化材料層を押圧することなく前記平面ディスクに接触させる実施の形態もある。その後、誘電体および/または平坦化材料層は(例えばガラス温度Tgより高い温度に)熱せられて、平坦化処理に十分な時間の間に平面ディスクにより機械力を付与される。ディスクを高温にする、または熱することにより加熱を行っても良い。圧力を解除した後、誘電体および/または平坦化材料層は(例えばガラス温度Tgより低い温度に)冷却され、平面ディスクは平坦化された表面から取り除かれる。
【0081】
イオンスパッタリング、反応性イオンエッチング(reactive ion etching:RIE)、プラズマエッチング、レーザー研磨、イオンミリングおよび/またはそれらの組み合わせ等のドライエッチングを含むエッチング法(通常、エッチバック法と呼ばれる)を平坦化処理に用いる実施の形態もある。エッチングは、平坦化される表面全域に均一なエッチング率で施されても良い。
【0082】
異なる平坦化方法の組み合わせにより平坦化を行う実施の形態もある。場合によっては、まずCMPおよび/またはCPにより最上面を平坦化し、その後、ECPRエッチング構造もしくはECPRめっき構造の上端部が露出するまで、エッチングによってさらに平坦化処理を施す、または前記平坦化材料層および/または誘電体層を除去すると良い。エッチングは全体的に行っても、誘電体にのみ行っても良い。例えば、誘電体はECPRエッチング構造もしくはECPRめっき構造より若干速い速度で平坦化されても良い。これにより、前記平坦化工程において、ECPRエッチング構造もしくはECPRめっき構造から研磨される材料の量を最小に抑えることができる。構造材料または金属は、エッチングストップ層またはエッチングされるのを防ぐコーティングを含んでいても良い。エッチングは構造の全部分が露出するまで継続されても良い。エッチングはさらに、約20%未満、例えば約10%未満、例えば約1%未満余分に、構造の全部分が支障なく露出することを保証するために継続されても良い。
【0083】
エッチングまたは平坦化工程がいつ完了するのかを決定するために終点検出方法を用いる実施の形態もある。終点検出方法においては、センサを用いてECPRエッチング構造が前記平坦化方法により研磨および/またはエッチングされている時を検出する。検出は、エッチングまたは前記平坦化方法により研磨および/またはエッチングされるECPRエッチング構造もしくはECPRめっき構造の分子または原子を検出するエッチングプラズマの干渉法またはスペクトル解析を基に行っても良い。層の高さをレーザー測定する等、その他の終点検出方法も使用できる。さらに別の終点検出方法においては、例えばLCDカメラ等のカメラをセンサとして用いて、平坦化される材料の色を解析しても良い。
【0084】
誘電体層を例えばリソグラフィによってパターニングして、構造の上端部を、少なくとも構造を部分的に被覆する誘電体層から、少なくとも部分的に露出させる実施の形態もある。前記リソグラフィとしては、フォトリソグラフィ、レーザーリソグラフィ、電子ビームリソグラフィ、ナノインプリンティングリソグラフィ、または誘電体に適したその他のリソグラフィ処理を用いることができる。
【0085】
イオンスパッタリング、反応性イオンエッチング(reactive ion etching:RIE)、プラズマエッチング、レーザー研磨、イオンミリング等により誘電体層にドライエッチングを施し、少なくともエッチングマスクにより定められた構造の上端部の一部を露出させる実施の形態もある。ドライエッチングにおいてエッチングマスクとして用いられるパターニングされた材料としては、フォトレジストおよび/またはその他のリソグラフィ処理でパターニングできるポリマー材料を用いることができる。誘電体層のドライエッチングに用いられるエッチングマスクは、SiN、SiO2、SiC、オルトケイ酸テトラエチル(tetraethyl orthosilicate:TEOS)、SiON、SiOC、SiCN:H、(非多孔性の)フッ素ドープシリコンガラス(fluorine-doped silicon glass:FSG)、(非多孔性の)有機ドープシリコンガラス(organic-doped silicon glass:OSG)、BLOKTM(適用される材料)等のlow−k誘電体バリア/エッチングストップフィルム、Pt、Ti、TiW、TiN、Al、Cr、Au、Ni、Cu、Ag、その他の金属、その他の硬質材料、および/またはそれらの組み合わせからなっていても良い。エッチングマスク材料は、パターニングされたフォトレジストおよび/またはその他のリソグラフィ処理でパターニングできるレジストを用いてマスクにエッチングされる。エッチングマスクは、ECPRエッチング構造またはECPRめっき構造からなる層を少なくとも1層有している。エッチングマスクをエッチングの後で除去する実施の形態もある。しかし、エッチングマスクが絶縁材料を含む場合等は、多層構造の機械的特性を向上するため、エッチングマスクを除去する必要は無い。
【0086】
前記誘電体層を、複数の構造層に対応した厚さに形成し、少なくとも1つの構造層を形成する前に複数層にパターニングする実施の形態もある。または、前記誘電体層の形成およびパターニングを繰り返し、少なくとも1つの構造層を形成する前に、複数の構造層に対応した厚さを持つパターニングされた誘電体層を形成しても良い。
【0087】
すべての実施の形態において、ECPRエッチング構造またはECPRめっき構造を少なくとも部分的に誘電体層から露出させる方法は、前記平坦化方法とパターニング方法の組み合わせを含む。
【0088】
誘電体が誘電率4.0未満の材料からなる実施の形態もある。そのような材料は通常low−k材料と呼ばれる。low−k材料はOSG、FSG、有機ポリマー等の炭素ドープ誘導体からなっていても良い。k値が2.5未満の超low−k誘導体を用いる実施の形態もある。すべての実施の形態において、誘導体は、ポリマー等の有機化合物および酸化物および/または窒化物等の絶縁無機化合物からなっていても良い。ポリマー材料としては、例えば、ポリイミド、シロキサン変性ポリイミド、BCB、SU−8、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene:PTFE)、シリコーン、弾性重合体、電子ビームレジスト(例えば、ZEP(住友)、フォトレジスト、薄膜レジスト、厚膜レジスト、多環オレフィン、ポリノルボルネン、ポリエチレン、ポリカーボネート、PMMA、BARC材料、リフトオフレイヤー(lift off layer:LOL)材料、PDMS、ポリウレタン、エポキシポリマ、フルオロエラストマ、アクリレート重合体、(天然)ゴム、シリコーン、ラッカ、ニトリルゴム、EPDM、ネオプレン、PFTE、パリレン、フルオロメチレンシアン酸エステル、無機−有機ハイブリッドポリマ、(フッ素化および/または水素化)非晶質炭素、その他のポリマー、および/またはそれらの組み合わせを用いることができる。無機化合物としては、例えば、有機ドープシリコンガラス(organic-doped silicon glass:OSG)、フッ素ドープシリコンガラス(fluorine-doped silicon glass:FSG)、PETE/シリコン化合物、オルトケイ酸テトラエチル(tetraethyl orthosilicate:TEOS)、SiN、SiO2、SiON、SiOC、SiCN:H、SiOCH材料、SiCH材料、SiCN材料、シリケート、石英系材料、シルセスキオキサン(silsesquioxane:SSQ)系材料、(ナノ多孔)メチルシルセスキオキサン(methyl silsesquioxane:MSQ)、水素シルセスキオキサン(hydrogen silsesquioxane:HSQ)、TiO2、Al2O3、TiN、および/またはそれらの組み合わせを用いることができる。
【0089】
前記誘導体は、K. Maex, M. R. Baklanov, D. Shamiryan, F. Iacopi, S. H. Brongersma, Z. S. Yanovitskaya, J. Appl. Phys. 93, 8793 (2003)に挙げられているその他の使用可能なlow−k誘導体からなっていても良い。
【0090】
誘電体を形成する前に、エッチングストップ層を基板上の最上層に堆積する実施の形態もある。エッチングストップ材料は、誘電体に比べてはるかにドライエッチングの影響を受けにくく、誘電体層にその下層である基板の最上層上のエッチングストップ層に至る空洞を選択的にエッチングする、または誘電体層を基板の最上層より若干下までエッチングするために使用できる材料からなっていても良い。例えば、エッチングストップ材料は、SiC、SiN、Ptおよび/またはTiWフィルムからなっていても良い。BLOKTM等のlow−k誘電体バリア/エッチングストップフィルムを用いても良い。バリア/キャッピング層、粘着層および/またはエッチングマスク層に使用される材料をエッチングストップ層に用いても良い。この炭化ケイ素フィルムは、トリメチルシラン((CH3)3SiH)を用いて堆積され、SiF4およびCH4により成膜された従来のSiCフィルム(k>7)およびプラズマ窒化ケイ素(k>7)より低い誘電率(k<5)を有する。前記エッチングストップ層が、バリア/キャッピング層および/または粘着層としても機能し、粘着層が上方の誘電体層と下方の誘電体層の間の粘着性をも高めている実施の形態もある。
【0091】
ある様態において、例えば誘電体が多孔性の超low−k誘電体であった場合、誘電体上に材料層を形成する前に孔を密封する。また、前記誘電体が、例えば熱処理または放射線処理により気体化する犠牲ポリマー材料である実施の形態もある。この場合、材料を分解して副生成物を拡散させることにより、複数の構造層を形成した後に前記誘電体を除去することができ、誘電体に占められていた領域に空間または空隙が形成される。前記犠牲ポリマーとしては、Unity Sacrificial PolymerTM(Promerus社製)等のブチルノルボルネンおよびトリエトキシシリルノルボルネンの共重合体を使用することができる。また、複数の構造層から除去されない、機械的に安定した絶縁性のバリア/キャッピング層および/またはエッチングマスク層の使用は、前記複数の構造層の倒壊を防ぐ。
【0092】
導電性および/または誘電体からなる複数の層を形成する工程において、少なくとも1つの層をECPRエッチングおよび/またはECPRめっき処理により形成し、少なくとももう1つの層をリソグラフィ等の周知のマスキングおよび堆積手法により形成し、その後、電着、無電解めっき法、ウェットエッチング、ドライエッチング、またはその他の絶縁材料からなるパターニングされた層を形成する方法を実行する実施の形態もある。
【0093】
以下、多層基板を製造する方法の工程を、方法の実施の形態を示す図面を参照して説明する。
【0094】
図1(a)から(h)は、複数のECPRエッチング構造の層および複数の平坦化された誘電体の層を備える基板を製造する工程を示している。
【0095】
図1(a)は、前記工程a)によってシード層1が形成された基板2を示す。
【0096】
図1(b)は、前記工程b)によって電解質3の存在下で主電極4が基板2上のシード層1に接触して配置された様子を示す。
【0097】
図1(c)は、前記工程c)においてECPRエッチングが進行する様子を示す。ECPRエッチング構造8は、主電極4の絶縁パターン層5のレプリカ(ネガ)であり、基板2上のシード層1に形成される。エッチングされた材料7が主電極の空洞内の導電電極層6上に堆積される。ECPRエッチングは、エッチングによりシード層の全厚みが除去された段階で中止される。ある実施の形態においては、エッチングはシード層の全厚みが除去される前に中止されても良い。
【0098】
図1(d)は、前記工程d)によって主電極4が基板2から分離された後のECPRエッチング構造8を有する基板を示す。前記工程e)により、エッチングされた溝において、残留し得る残留物、粒子、あるいはシード層の一部が除去され、さらに主電極の空洞内に堆積された材料7が除去されている。
【0099】
図1(e)は、前記工程f)によって誘電体9が形成されて、ECPRエッチング構造8を被覆している様子を示す。
【0100】
図1(f)は、前記工程f)によって誘電体9が平坦化されて、ECPRエッチング構造8の上端部が露出した様子を示す。
【0101】
図1(g)は、前記工程a)によって第2のシード層が形成され、前記工程b)からe)によってシード層に溝をエッチングしてECPRエッチング構造8が形成され、前記工程f)によって誘電体9の第2層が形成後平坦化され、ECPRエッチング構造の上端部が露出した様子を示す。
【0102】
図1(h)は、前記工程a)からf)を繰り返すことによって複数のECPRエッチング構造8および平坦化された誘電体9の層が基板2上に形成された様子を示す。
【0103】
図1(f)および(h)に示される平坦化工程において研磨を用いる場合、研磨処理は金属等の硬質の構造材料8および軟質の誘電体9の両者に施され、結果として、上記に説明したように目減りもしくは凹みを生じる。この目減りもしくは凹みは、平坦化される構造材料の量に直接関与する。構造層の厚さを綿密に制御し、陽極材が事前堆積された主電極を用いることにより、目減りもしくは凹み等の平面性に係る問題全般を大きく低減、または防止することができる。
【0104】
図2−1(a)から(h)、図2−2(i)から(p)は、複数のECPRめっき構造の層および複数の平坦化された誘電体の層を備える基板を製造する工程を示している。
【0105】
図2−1(a)は、前記工程a)によってシード層1が形成された基板2を示す。
【0106】
図2−1(b)は、前記工程b)によって電解質3の存在下で主電極4が基板2上のシード層1に接触して配置された様子を示す。
【0107】
図2−1(c)は、前記工程c)によるECPRめっき処理の様子を示す。主電極4の絶縁パターン層5に形成された空洞内の導電電極層6上に事前電着された陽極材10が、ECPRめっき構造11が基板2上のシード層1上に形成されるのと同時に溶解して電解質3に運ばれ、主電極の空洞のレプリカ(ポジ)となるパターンが形成される。
【0108】
図2−1(d)は、前記工程d)によって主電極4が基板2から分離され、前記工程e)によってECPRめっき構造間の空洞からシード層が除去された後のECPRめっき構造11を有する基板2を示す。すべての、またはほぼすべての、主電極の空洞内に事前堆積された陽極材がECPRめっき構造を形成する基板に移動させられている。前記工程e)により主電極における事前堆積された材料の残留物が除去されている。
【0109】
図2−1(e)は、図2−1(d)の工程の別の例であって、前記工程d)によって主電極4が基板2から分離され、前記工程e)によってECPRめっき構造間の空洞からシード層が除去された後のECPRめっき構造11を有する基板を示す。主電極の空洞内に事前堆積された陽極材10の一部のみが、ECPRめっき構造を形成する基板に移されている。事前堆積された陽極材の残留物は、1または複数のその後のECPRめっき処理において使用されても良いし、前記工程e)により空洞から除去されても良い。実施の形態によっては、残留した陽極材は、次のECPRめっき処理において使用されるため、新たな陽極材を事前堆積する前に除去する必要がない。
【0110】
図2−1(f)は、前記工程f)によって誘電体9が形成されて、基板2上のECPRめっき構造11を被覆している様子を示す。
【0111】
図2−1(g)は、前記工程f)によって誘電体9が平坦化され、基板2上のECPRめっき構造11の上端部が露出した様子を示す。研磨を用いる場合、研磨処理は金属等の硬質の構造材料および軟質の誘電体の材料層等の硬度の異なる構造に対して施され、結果として、軟質材料の目減りもしくは凹みおよび構造層に亀裂を生じる。この目減りもしくは凹みは、平坦化される構造材料の量に直接関与する。構造層の厚さを綿密に制御し、陽極材が事前堆積された主電極を用いることにより、目減りもしくは凹み等の平面性に係る問題全般を大きく低減、または防止することができる。
【0112】
図2−1(h)は、前記工程a)によって第2のシード層1が形成され、前記工程b)からe)によって主電極の空洞のレプリカであるパターンをめっきすることによりECPRめっき構造11の第2層がシード層1上に形成された様子を示す。
【0113】
図2−2(i)は、前記工程e)によってECPRめっき構造間の空洞からシード層が除去された様子を示す。
【0114】
図2−2(j)は、前記工程f)によって誘電体9が形成されて、基板2上のECPRめっき構造11を被覆している様子を示す。
【0115】
図2−2(k)は、前記工程f)によって誘電体9が平坦化されて、基板2上のECPRめっき構造11の上端部が露出した様子を示す。
【0116】
図2−2(l)は、前記工程a)によって第3のシード層1が形成され、前記工程b)からe)によって主電極の空洞のレプリカであるパターンをめっきすることによりECPRめっき構造11がシード層1上に形成された様子を示す。
【0117】
図2−2(m)は、先に形成されたシード層1を除去することなく、ECPRめっき構造11の第4層が先にめっきされたパターンの少なくとも一部上に形成された様子を示す。前記工程b)によって、電解質3を内填する絶縁パターン層5の空洞がめっきされる領域内にのみ位置するように、主電極4が下層のパターンに接触して配置される。めっき電圧が印加されると、事前堆積された陽極材10が主電極の空洞内の導電電極層6から溶解し、前記工程c)によって、ECPRめっき構造11が形成される。この工程は、第4の構造層の少なくとも一部が完全に先行する構造層内にある場合にのみ実施される。これにより、工程数を削減することができる。
【0118】
図2−2(n)は、ECPRめっき構造の第3層の形成に先立って形成されたシード層1を除去することなく、ECPRめっき構造11の第4層が、第2のECPRめっきパターンの少なくとも一部に直接堆積された基板2を示す。
【0119】
図2−2(o)は、前記工程e)によってシード層が除去され、誘電体9の層がさらにが形成されて、基板2上のECPRめっき構造11を被覆している様子を示す。
【0120】
図2−2(p)は、前記工程f)によって誘電体9が平坦化されて、ECPRめっき構造11の上端部が露出した様子を示す。
【0121】
研磨を用いる場合、研磨処理は金属等の硬質の構造材料および軟質の誘電体の材料層等の硬度の異なる2つの層に対して施され、結果として、軟質材料の目減りもしくは凹みおよび構造層に亀裂を生じる。この目減りもしくは凹みは、平坦化される構造材料の量に直接関与する。構造層の厚さを綿密に制御し、陽極材が事前堆積された主電極を用いることにより、目減りもしくは凹み等の平面性に係る問題全般を大きく低減、または防止することができる。
【0122】
図3−1(a)から(h)、図3−2(i)から(k)は、複数のECPRエッチング構造の層および複数のリソグラフィによりパターニングされた誘電体の層を備える基板を製造する工程を示している。この実施の形態においては、誘電体が2層に相当する厚さで一度に形成されるため、工程数を削減することができる。また、2層分の厚さのシード層を形成することにより、2つの構造層が単一のプロセスで形成されるため、所要時間を短縮することができる。
【0123】
図3−1(a)は、前記工程a)によってシード層1が形成された基板2を示す。
【0124】
図3−1(b)は、前記工程b)によって基板2上のシード層1に接触して配置された主電極4を示す。電解質3が主電極の絶縁パターン層5の空洞に内填されている。
【0125】
図3−1(c)は、前記工程c)によってECPRエッチング構造が基板2上のシード層1に形成された様子を示す。エッチングされた材料7が電解質3に運ばれ、主電極4の絶縁パターン層5の空洞内の導電電極層6上に堆積される。
【0126】
図3−1(d)は、前記工程d)によって主電極4が基板から分離され、エッチングされた溝から残留し得る残留物あるいはシード層1の粒子が除去された後のECPRエッチング構造8を有する基板2を示す。さらに、前記工程e)により主電極の空洞内に堆積された材料が除去されている。
【0127】
図3−1(e)は、工程f)によって基板2上に誘電体9が形成されて、ECPRエッチング構造8を被覆している様子を示す。誘電体は2層に相当する厚さで形成される。スピンコーティング法、スプレーコーティング法等の上記の方法を誘電体層に適用することにより、凹みのない略平滑面を得ることができる。または、工程f)によって平坦化材料層を形成しても良い。しかし、それでも下層のECPRエッチング構造8の空洞に対向する小さな谷部が形成される場合がある。そのような小さな谷部はこの処理においてなんら問題とはならない。必要に応じて、誘電体層を接触平坦化等により平坦化する。または、一つの材料、すなわち誘電体層の材料のみに適用されるため、研磨を用いることもできる。場合によっては、所望の平坦化を得るために、平坦化処理および/または研磨処理は前記エッチバック法と組み合わせて行っても良い。
【0128】
図3−1(f)は、前記工程f)によって誘電体9がリソグラフィによりパターニングされて、先に基板2上に形成されたECPRエッチング構造8の少なくとも一部の上端部が露出した様子を示す。
【0129】
図3−1(g)は、先に基板2上に形成され、リソグラフィによりパターニングされた誘電体9上に、前記工程a)によって形成された第2のシード層1を示す。シード層は、2層に十分相当する厚さに形成される。図示のように、下層の誘電体の空洞に起因して、パターンに対応する形成されたシード層の上端部に溝が形成されることがある。そのような溝はこの処理においてなんら問題とはならない。先に述べたように、上記のような添加剤を用いた電気めっきおよび/またはパルスめっきを用いることにより、下層の凹みに関係なく、均一な上面を持つ比較的厚いシード層を形成できる。どの形成方法を用いても、シード層の厚さが凹みの深さよりかなり大きければ、基板の凹みに関わらず均一な上面を得ることができる。
【0130】
図3−1(h)は、前記工程f)において例示した誘電体のための方法と同様の平坦化処理により、シード層1の溝が必要に応じて除去された様子を示す。平坦化処理は1つの材料、この場合はシード層の硬質材料に施されるため、どの方法で研磨しても良い。上述したように、場合によっては平坦化処理は省いても良い。
【0131】
図3−2(i)は、前記工程b)によって主電極4が第2のシード層1に接触して配置された様子を示す。電解質3が絶縁パターン層5の空洞に内填されている。また、図3−2(i)は、前記工程c)によってECPRエッチングで構造が形成され、エッチングされた材料7が主電極の空洞内の導電電極層6上に堆積されている様子も示している。
【0132】
図3−2(j)は、前記工程d)によって主電極が基板2から分離され、前記工程e)によってECPRエッチング構造の溝から残留し得るシード層の残留物が除去された後、ECPRエッチング構造8の第2層が形成された様子を示す。
【0133】
図3−2(k)は、前記工程f)によってECPRエッチング構造8の第2層上に2層の厚さで形成され、リソグラフィによりパターニングされた誘電体9を示す。
【0134】
図3−2(l)は、前記工程a)によって第3のシード層1が2層の厚さで形成され、前記工程b)からe)の繰り返しによってECPRエッチング構造8が形成され、前記工程f)によって誘電体9が形成後リソグラフィによりパターニングされた様子を示す。これらの工程は、構造全体が形成されるまで繰り返される。
【0135】
図4−1(a)から(h)、図4−2(i)から(m)は、複数のECPRめっき構造の層および複数のリソグラフィによりパターニングされた誘電体の層を備える基板を製造する工程を示している。
【0136】
図4−1(a)は、前記工程a)によって比較的薄いシード層1が形成された基板2を示す。図4−1(b)は、前記工程b)によって、絶縁パターン層5の空洞に内填されている電解質3の存在下で、主電極4が基板2上のシード層1に接触して配置された様子を示す。
【0137】
図4−1(c)は、前記工程c)においてECPRめっき処理が進行する様子を示す。主電極4の絶縁パターン層5に形成された空洞内の導電電極層6上に事前堆積された陽極材10が、ECPRめっき構造11が基板2上のシード層1上に形成されるのと同時に溶解して電解質3に運ばれ、主電極の空洞のレプリカ(ポジ)となるパターンが形成される。
【0138】
図4−1(d)は、前記工程d)によって主電極4が基板2から分離された後のECPRめっき構造11を有する基板2を示す。前記工程e)によってめっき構造間の空洞からシード層が除去される。すべての、またはほぼすべての、主電極に事前堆積された陽極材がECPRめっき構造を形成する基板に移動させられる。前記工程e)により主電極における事前堆積された材料の残留物が除去される。
【0139】
図4−1(e)は、図4−1(d)の工程の別の例であって、前記工程d)によって主電極4が基板2から分離され、前記工程e)によってめっき構造間の空洞からシード層が除去された後のECPRめっき構造11を有する基板を示す。主電極の空洞内に事前堆積された陽極材10の一部のみが、ECPRめっき構造を形成する基板に移される。事前堆積された陽極材の残留物は、1または複数のその後のECPRめっき処理において使用されても良いし、前記工程e)により空洞から除去されても良い。実施の形態によっては、残留した陽極材は、次のECPRめっき処理において使用されるため、新たな陽極材を事前堆積する前に除去する必要がない。
【0140】
図4−1(f)は、前記工程f)によって誘電体9が2層に相当する高さで形成され、基板2上のECPRめっき構造11を被覆している様子を示す。必要に応じて、誘電体層を平坦化しても良い。
【0141】
図4−1(g)は、前記工程f)によって誘電体9がリソグラフィおよび/またはエッチングによりパターニングされて、先に基板2上に形成されたECPRめっき構造11の少なくとも一部の上端部が露出した様子を示す。
【0142】
図4−1(h)は、前記工程a)によって誘電体9上に形成された比較的薄いシード層1を示す。
【0143】
図4−2(i)は、前記工程b)によって主電極4がシード層1に接触して配置された様子を示す。前記工程c)によって、事前堆積された陽極材10が溶解して電解質3に運ばれシード層上に堆積し、ECPRめっき構造11の第2層が絶縁パターン層5の空洞内およびパターニングされた誘電体9の空洞内に形成される。同時に、第3層が堆積され形成される。図示のように、第3層には第2の誘電体層の空洞に対向する小さな凹みが形成される場合がある。そのような凹みはこの処理においてなんら問題とはならない。反転パルスめっき等のパルスめっきを用いて、および/または上記のような添加剤を電解質に配合することによって、凹みの形成を最小限に抑えることができる。必要に応じて、平坦化処理により凹みを除去しても良い。硬質材料、すなわち金属等の堆積された材料のみに適用されるため、研磨処理により平坦化を行っても良い。
【0144】
図4−2(j)は、前記工程d)によって主電極が基板から分離され後の仕上げられたECPRめっき構造11の第3層を示す。前記工程e)によりECPRめっき構造間の領域からシード層が除去されている。ECPRめっき構造8の第2層がリソグラフィによりパターニングされた誘電体9の空洞を充填して下層構造の第1層に接続すると共に第3の構造層を成している。
【0145】
図4−2(k)は、前記工程f)によってECPRエッチング構造8の第2層上に2層の厚さで形成され、リソグラフィおよび/またはエッチングによりパターニングされた誘電体9の第2層を示す。
【0146】
図4−2(l)は、前記工程a)からe)の繰り返しによってECPRめっき構造11の第4層および第5層が形成された様子を示す。ECPRめっき構造の少なくとも一部がリソグラフィによりパターニングされた誘電体9の空洞を介して下層構造に接続している。
【0147】
図4−2(m)は、前記工程f)によってECPRめっき構造11の第3層上に誘電体9の層をさらに2層の厚さで形成しパターニングした様子を示す。
【0148】
この工程は、所望の数の層が形成されるまで繰り返される。
【0149】
図5−1(a)から(h)、図5−2(i)から(l)は、バリア/キャッピング層を含む複数のECPRめっき構造の層および複数のリソグラフィによりパターニングされた誘電体の層を備える基板を製造する工程を示している。
【0150】
ECPRめっき処理は半導体素子における金属相互接続の形成に用いられる。半導体またはトランジスタが基板に形成されていれば、基板は、それらを被覆するように形成された前置金属誘電体12によってパターニングされる。空洞またはパターンは、例えばタングステン等の適切な金属からなる接続プラグ13を形成するために充填される。第1のバリア/キャッピング層14が接続プラグ13および前置金属誘電体12上に形成される。バリア/キャッピング層は前記工程f)において例示したバリア/キャッピング層と同様の材料および同様の方法により形成できる。バリア/キャッピング層の上部には、前記工程f)によって誘電体9の第一層が形成される。誘電体は、前記工程f)において説明したように、適切なlow−k材料もしくは超low−k材料からなっていても良い。図5−1(a)はこれらの工程の結果を示す。
【0151】
図5−1(b)は、誘電体9上に形成され、パターニングされたエッチングマスク15を示す。ある実施の形態においては、エッチングマスクはエッチング工程後除去される。また他の実施の形態においては、エッチングマスクが絶縁材料を含む場合等は、例えば多層構造の機械的特性を向上するため、エッチングマスクを除去する必要は無い。
【0152】
図5−1(c)は、前記工程f)によって誘電体9およびバリア/キャッピング層14がリソグラフィおよび/またはエッチングによりパターニングされて、接続プラグ13に至る空洞を形成し、接続プラグ13の上端部が露出した様子を示す。
【0153】
図5−1(d)は、前記工程a)によってバリア/キャッピング層14およびシード層1がパターニングされた誘電体9上および誘電体9の空洞内に形成された様子を示す。例えば、Ru層を用いた場合等、バリア/キャッピング層はシード層としても機能することができる。
【0154】
図5−1(e)は、前記工程b)によって主電極4が誘電体9に対して配置されてシード層1に接触し、電解質3が主電極の絶縁パターン層5の空洞に内填されている様子を示す。前記工程c)において、電圧が印加されると、事前堆積された陽極材10が導電電極層6から溶解し、電解質3が充填された空洞内のシード層1上にECPRめっき構造が堆積される。
【0155】
図5−1(f)は、単一の工程によりECPRめっき構造11の層が2層形成された様子を示す。第1の層は誘電体9の空洞を充填しており、第2の層は誘電体9上の一部に配線を形成している。または、前記工程b)からd)によってまずビアをECPRめっきで充填し、前記工程b)からd)を繰り返し、例えばパターンの異なる第2の主電極を用いて、間のシード層を除去することなくECPRめっき構造11をビア層上に形成しても良い。
【0156】
図5−1(g)は、前記工程e)によってシード層およびバリア/キャッピング層がECPRめっき構造間の領域から選択的に除去された様子を示す。側壁のエッチングおよび/またはECPRめっき構造11への損傷を避けるまたは低減するため、異方性エッチングを用いても良い。シード層および/またはバリア/キャッピング層は、ECPRめっき構造11の材料に関連して選択的にエッチングできる材料からなっていても良い。または、前記シード層および/またはバリア/キャッピング層に、材料を絶縁材料に変換する上記の陽極酸化等を施しても良い。この場合、前記層を除去する必要は特にない。
【0157】
図5−1(h)は、バリア/キャッピングコーティング16がECPRめっき構造上に選択的に形成された様子を示す。さらに、前記工程f)によって誘電体9の第2層が2層の厚さで形成され、リソグラフィによりパターニングされる。このバリア/キャッピング層の堆積においては、前記工程f)の説明にあるように、材料をECPRめっきされた導電性材料上にのみ選択的に堆積し、非導電性の誘電体9上には堆積しないこととしても良い。堆積処理としては、例えば後述の無電解めっき処理を用いても良く、材料としては、例えばCoWP、CoWB、またはCoWBPを用いることができる。ある実施の形態においては、後続の構造層との良好な接触を確保するために、前記エッチング法により、バリア/キャッピング層を形成された誘電体9の空洞の底から除去する。
【0158】
図5−2(i)は、前記工程a)によってバリア/キャッピング層14およびシード層1がパターニングされた誘電体9上および誘電体9の空洞内に形成された様子を示す。
【0159】
図5−2(j)は、前記工程b)からd)の繰り返しによって誘電体9の空洞が充填され、ECPRめっき構造11の別の配線層が同時に誘電体上に形成された様子を示す。前記工程e)によってECPRめっき構造間の領域からシード層およびバリア/キャッピング層が選択的に除去される。前記工程f)によってバリア/キャッピングコーティング16がECPRめっき構造上に選択的に形成され、誘電体が形成後パターニングされる。
【0160】
図5−2(k)は、前記工程a)によってバリア/キャッピング層14およびシード層1を形成され、前記工程b)からd)の繰り返しによって誘電体9の空洞を充填するECPRめっき構造を形成されると共に誘電体上にECPRめっき構造11の配線層が形成され、前記工程e)によってECPRめっき構造間の領域からバリア/キャッピング層およびシード層が除去された後の結果を示す。
【0161】
図5−2(l)は、前記工程f)によってECPRめっき構造11上にバリア/キャッピングコーティング16の別の層が形成され、誘電体9が形成後パターニングおよび/または平坦化されて、めっき構造の上端部が露出した様子を示す。
【0162】
最後に、保護層17が、ECPRめっき構造および誘電体9上に形成される。保護層17としては、1または複数のバリア/キャッピング層および/また誘電体層を用いることができる。
【0163】
図6−1(a)から(h)、図6−2(i)から(n)は、バリア/キャッピング層を含む複数のECPRめっき構造の層および複数の平坦化された誘電体の層を備える基板を製造する工程を示している。
【0164】
図6−1(a)は、前記工程a)によってバリア/キャッピング層14およびシード層1が形成された、前置金属誘電体12および接続プラグ13を備える基板2基板2を示す。この基板は5−1(a)に示された基板と類似している。
【0165】
図6−1(b)は、前記工程b)によって主電極4が基板の最上層に対して配置されてシード層1に接触し、電解質3が絶縁パターン層5の空洞に内填されている様子を示す。前記工程c)において、電圧が印加されると、事前堆積された陽極材10が導電電極層6から溶解し、電解質3が充填された空洞内のシード層1上にECPRめっき構造が堆積される。
【0166】
図6−1(c)は、前記工程d)によって基板から分離された主電極の空洞のレプリカ(ポジ)として、ECPRめっき構造11が形成された様子を示す。
【0167】
図6−1(d)は、シード層1およびバリア/キャッピング層14がECPRめっき構造11間から除去された様子を示す。側壁のエッチングおよび/またはECPRめっき構造11への損傷を避けるまたは低減するため、異方性エッチングを用いても良い。シード層および/またはバリア/キャッピング層は、ECPRめっき構造11の材料に関連して選択的にエッチングできる材料からなっていても良い。
【0168】
図6−1(e)は、バリア/キャッピングコーティング16が選択的に形成され、ECPRめっき構造11を被覆している様子を示す。バリア/キャッピングコーティング16は後述するエッチングストップコーティングとして機能しても良い。
【0169】
図6−1(f)は、誘電体9が形成後平坦化された様子を示す。平坦化処理においては、図6−1(f)に示すように、誘電体層を下層構造より若干高い程度まで研磨する。この平坦化処理は、一つの材料、すなわち誘電体層の材料のみに対して行われる。
【0170】
図6−1(g)は、誘電体が最終的に除去されて、下層構造の上端部が露出した様子を示す。最終な除去処理は、一定の率で材料を除去するエッチングにより行われても良い。バリア/キャッピングコーティング16がエッチングストップ特性を持つ場合、誘電体のみにエッチングが施される。材料は下部の構造層8が露出するまで除去される。除去処理は余裕を見込んで、例えば誘電体の材料が5〜10%余分に除去されるまで、開始時から見積もってしばらくの間続行されても良い。必要に応じて、特にバリア/キャッピングコーティング16がエッチングストップコーティングである場合、バリア/キャッピングコーティング16を露出した構造の上端部から選択的に除去しても良い。
【0171】
図6−1(h)は、前記工程b)からd)によってECPRめっき構造11の第2層が形成され、前記工程e)によって第2のECPRめっき構造間からシード層1およびバリア/キャッピング層14が除去され、バリア/キャッピングコーティング16が選択的に形成されECPRめっき構造を被覆し、前記工程f)によって誘電体9の第2層が形成後平坦化されて、ECPRめっき構造の上端部が露出した様子を示す。
【0172】
図6−2(i)は、前記工程a)によってバリア/キャッピング層14およびシード層1が形成され、前記工程b)からd)によってシード層上にECPRめっき構造11の後続層が形成された様子を示す。
【0173】
図6−2(j)は、前記工程a)からd)によって、先に形成されたバリア/キャッピング層14およびシード層1を除去することなく、先にめっきされた構造の少なくとも一部上に直接ECPRめっき構造の後続層が形成された様子を示す。図6−2(j)はまた、前記工程b)によって主電極4が先に形成されたECPRめっき構造に接触して配置された様子を示している。主電極およびシード層に電圧が印加されると、事前堆積された陽極材10が溶解して絶縁パターン層5の空洞内の電解質3に運ばれ、ECPRめっき構造の先行層の少なくとも一部上にECPRめっき構造の後続層が形成される。
【0174】
図6−2(k)は、前記工程a)からd)によって、先に形成されたバリア/キャッピング層14およびシード層1を除去することなく、ECPRめっき構造の先行層の少なくとも一部上にECPRめっき構造11の後続層が形成された様子を示す。
【0175】
図6−2(l)は、前記工程e)によってECPRめっき構造間からシード層1およびバリア/キャッピング層14が選択的に除去され、バリア/キャッピングコーティングが選択的に形成されECPRめっき構造の先行層および後続層の両方を被覆し、前記工程f)によって誘電体9の別の層が形成後平坦化されて、ECPRめっき構造の先行層の上端部が露出した様子を示す。
【0176】
図6−2(m)は、前記工程a)によってバリア/キャッピング層14およびシード層1が形成され、前記工程b)からd)によってシード層上にECPRめっき構造11の後続層が形成され、前記工程e)によってECPRめっき構造間からバリア/キャッピング層14およびシード層1が選択的に除去された様子を示す。
【0177】
図6−2(n)は、バリア/キャッピングコーティング16が選択的に形成されECPRめっき構造11を被覆し、前記工程f)によって誘電体9の別の層が形成後平坦化された様子を示す。
【0178】
最後に、保護層17が、バリア/キャッピングコーティングにより覆われた誘電体およびECPRめっき構造を被覆するように形成される。ある実施の形態においては、図5および図6に示すように、半導体素子における複数の金属相互接続層および誘電体層を形成する工程は、エッチング、めっき処理またはその組み合わせによりECPRめっき構造および誘電体の層を少なくとも1層形成する工程と、シングルダマシンまたはデュアルダマシン等の周知のリソグラフィおよびめっき技術により導電構造および誘電体の少なくとも別の層を形成する工程とを有する。
【0179】
集積回路(integrated circuit:IC)の金属相互接続を形成する際等は、例えばCuからなる複数のECPRめっき構造を形成することにより前記相互接続を形成する工程と、low−k材料等の誘電体を前記構造間に堆積する工程とを有する実施の形態もある。前期周知のダマシンプロセスにおいては、まず誘電体がエッチングされ、続いて相互接続が電気めっきされてエッチングされた空洞を充填する。集積回路装置のRC遅延を低減するためには、低い誘電率の誘電体が必要である。しかし、超low−k誘電体を用いた場合、エッチングおよびエッチング後洗浄が、過剰な線幅の変動およびk値の増加等の様々な問題を引き起こすことがある。上述のように、本処理方法によれば、超low−k誘電体層等の誘電体層のエッチング工程を省く、もしくは工程数を削減することができる。誘電体層のエッチング工程を省く、もしくは工程数を削減することにより、線幅の変動およびk値の増加が抑えられ、集積回路装置における超low−k材料の使用が可能となる。そのため、RC遅延およびRC遅延変動を抑制することができる。
【0180】
ECPRめっき処理を、基板および/または基板上のパターニングされた材料におけるビアまたはその他の溝の充填に用いることができる。
【0181】
図7(a)は、基板2と、パターニングされた誘電体9と、シード層1とを有するビア基板を示す。前記工程b)によって、主電極4の空洞を規定する絶縁パターン層5の壁が誘電体9におけるビアの横方向の範囲の外に位置するように、主電極がシード層に接触して配置される。主電極の空洞はビアより広い幅を持つ。前記工程c)において、事前堆積された陽極材10がECPRめっき処理により電解質3に運ばれる。
【0182】
図7(b)は、誘電体9の空洞がECPRめっき構造11により充填されている様子を示す。図7(b)に示すように、ビア脇のシード層の上端部に堆積された材料に溝が形成されることがあるが、場合によっては溝は特に問題ではない。電解質に特定の化学薬品を用いることによって、そのような溝の形成は完全にもしくは部分的に防止できる。化学薬品は上記したような添加剤系を含んでいても良い。さらに、反転パルスめっき等のパルスめっきを用いて溝を減少することもできる。
【0183】
図8(a)および図8(b)は、主電極の空洞とビアの端と端を合わせる時に、パターニングされた誘電体で基板のビアを埋める工程を示す。主電極の空洞はビアと同幅である。
【0184】
図8(a)は、前記工程b)によって、主電極4の空洞を規定する絶縁パターン層5の壁が誘電体9におけるビアの壁と端と端を合わせて位置するように、主電極がシード層に接触して配置された様子を示す。前記工程c)において、事前堆積された陽極材10がECPRめっき処理により電解質3に運ばれる。
【0185】
図8(b)は、誘電体9の空洞がECPRめっき構造11により充填されている様子を示す。
【0186】
図9(a)から図9(c)は、主電極の空洞をビアの横方向の範囲内に配置する時に、パターニングされた誘電体で基板のビアを埋める工程を示す。主電極の空洞はビアより狭い幅を持つ。
【0187】
図9(a)は、前記工程b)によって、主電極4の空洞を規定する絶縁パターン層5の壁が誘電体9におけるビアの横方向の範囲内に位置するように、主電極がシード層に接触して配置された様子を示す。図9(a)に示すように、前記工程c)において、事前堆積された陽極材10がECPRめっき処理により電解質3に運ばれる。
【0188】
図9(b)は、誘電体9の空洞がECPRめっき構造11により充填されている様子を示す。
【0189】
図9(c)は、誘電体層上にECPRめっき構造11が主電極の絶縁パターン層の空洞のレプリカ(ポジ)として形成された様子を示す。
【0190】
図10(a)から図10(c)は、基板のビアを充填し背面を平坦化することにより、貫通孔が充填された基板を形成する工程を示す。
【0191】
図10(a)は、主電極4が、ビアがパターニングされた基板2上のシード層1に接触して配置された様子を示す。絶縁パターン層5の空洞の壁は基板の空洞の横方向の範囲内もしくは外に位置させても、基板の空洞の壁と端と端を合わせて位置させても良い。電圧が印加されると、事前堆積された陽極材10が導電電極層6から溶解し、電解質3を包含する空洞内のシード層1上にECPRめっき構造が形成される。
【0192】
図10(b)は、基板2の空洞がECPRめっき構造11により充填されている様子を示す。
【0193】
図10(c)は、前面のシード層が除去され、基板2の背面が平坦化され、背面からのエッチング、平坦化、および/または研磨によりECPRめっき構造11の底部が露出した様子を示す。
【0194】
図11(a)から図11(c)は、シード層を背面に備えた基板の貫通孔を充填することにより、貫通孔が充填された基板を形成する工程を示す。
【0195】
図11(a)は、主電極4が、ビアがパターニングされシード層1を背面に備えた基板2の前面に接触して配置された様子を示す。絶縁パターン層5の空洞の壁は(図示のように)基板の空洞の横方向の範囲内もしくは外に位置させても、基板の空洞の壁と端と端を合わせて位置させても良い。電圧が印加されると、事前堆積された陽極材10が導電電極層6から溶解し、電解質3を包含する空洞内のシード層1上にECPRめっき構造が形成される。
【0196】
図11(b)は、基板2の空洞がECPRめっき構造11により充填されている様子を示す。
【0197】
図11(c)は、シード層が基板背面から除去され、ECPRめっき構造11の底部が露出した様子を示す。
【0198】
図12(a)および図12(b)は、シード層が形成された基板の貫通孔を充填することにより、貫通孔が充填された基板を形成する工程を示す。
【0199】
図12(a)は、主電極4がビアがパターニングされた基板2上のシード層1に接触して配置された様子を示す。シード層1は基板前面およびビア壁上を覆っている。絶縁パターン層5の空洞の壁は(図示のように)基板の空洞の横方向の範囲内もしくは外に位置させても、基板の空洞の壁と端と端を合わせて位置させても良い。電圧が印加されると、事前堆積された陽極材10が導電電極層6から溶解し、電解質3を包含する空洞内のシード層1上にECPRめっき構造が形成される。
【0200】
図12(b)は、基板2の空洞がECPRめっき構造11により充填され、シード層が基板前面から除去された様子を示す。
【0201】
図13(a)から図13(c)は、誘電体に被覆された基板の貫通孔を充填する工程と、基板背面をパターニングする工程とを含む貫通孔が充填された基板を形成する工程を示す。
【0202】
図13(a)は、主電極4がビアがパターニングされた基板2上のシード層1に接触して配置された様子を示す。基板前面およびビアの垂直方向の壁を覆う誘電体9によりビアはパターニングされている。絶縁パターン層5の空洞の壁は(図示のように)基板の空洞の横方向の範囲内もしくは外に位置させても、基板の空洞の壁と端と端を合わせて位置させても良い。電圧が印加されると、事前堆積された陽極材10が導電電極層6から溶解し、電解質3を包含する空洞内のシード層1上にECPRめっき構造が形成される。
【0203】
図13(b)は、パターニングされた誘電体9に覆われた基板2の空洞が部分的にECPRめっき構造11により充填された様子を示す。
【0204】
図13(c)は、シード層が基板前面から除去され、基板2の背面がパターニングされてECPRめっき構造11の底および誘電体9が露出した様子を示す。
【0205】
図14(a)から図14(c)は、貫通孔が充填され、前面がパターニングされた基板を形成する工程を示す。
【0206】
図14(a)は、主電極4が、誘電体9によりビアがパターニングされた基板2上のシード層1に接触して配置された様子を示す。絶縁パターン層5の空洞の壁は(図示のように)基板の空洞の横方向の範囲内もしくは外に位置させても、基板の空洞の壁と端と端を合わせて位置させても良い。絶縁パターン層5の空洞の一部は、基板の空洞から離れた、ECPRめっき構造が形成される領域に位置しても良い。電圧が印加されると、事前堆積された陽極材10が導電電極層6から溶解し、電解質3を包含する空洞内のシード層1上にECPRめっき構造が形成される。
【0207】
図14(b)は、パターニングされた誘電体9に覆われた基板2の空洞が充填され、ECPRめっき構造11がシード層の一部にも形成された様子を示す。
【0208】
図14(c)は、シード層が基板前面のECPRめっき構造11間の領域から除去され、基板2の背面がパターニングされてECPRめっき構造11の底部が露出した様子を示す。
【0209】
図15(a)から図15(c)は、シード層に覆われたパターニングされた基板をECPRめっき構造により被覆する工程を示す。
【0210】
図15(a)は、主電極4が、構造がパターニングされた基板2上のシード層1に接触して配置された様子を示す。基板上のパターンを示す構造は、例えば、導電パターン18、基板パターンおよび/または誘電体パターン9である。主電極は、絶縁パターン層5の空洞が基板構造の少なくとも一部を囲むように配置されても良い。絶縁パターン層5の空洞の一部は、基板構造から離れた、ECPRめっき構造が形成される領域に位置しても良い。電圧が印加されると、事前堆積された陽極材10が導電電極層6から溶解し、電解質3を包含する空洞内のシード層1上にECPRめっき構造が形成される。
【0211】
図15(b)は、主電極の絶縁パターン層の空洞に囲まれた基板構造がECPRめっき構造11に被覆された様子を示す。基板構造を囲んでいない主電極の絶縁パターン層の空洞に対応する領域には、ECPRめっき構造がパターニングされている。
【0212】
図16(a)から図16(d)は、導電パターンがパターニングされた基板上に複数の被覆層を形成する工程を示す。
【0213】
図15(a)は、主電極4が、導電構造18が形成されたシード層1に接触して配置された様子を示す。主電極は、絶縁パターン層5の空洞が導電構造18の少なくとも一部を囲むように配置されても良い。電圧が印加されると、事前堆積された陽極材10が導電電極層6から溶解し、電解質3を包含する空洞内のシード層1および導電構造18上にECPRめっき構造が形成される。
【0214】
図16(b)は、主電極の空洞に囲まれた導電構造18がECPRめっき構造11に被覆された様子を示す。
【0215】
図16(c)は、ECPRめっき構造11が第2の被覆として導電構造18を覆う先に形成された被覆19上に形成された様子を示す。
【0216】
図16(d)は、被覆された構造間の領域からシード層が選択的に除去された様子を示す。この工程を1または複数回繰り返すことにより、導電構造18を覆う先に形成された被覆19上に1または複数のECPRめっき構造11の層を形成することができる。同様の、または異なる材料からなる異なるECPRめっき構造の層を形成しても良い。ある実施の形態においては、導電性材料18はCuであり、第1の被覆材料19はNiであり、第2の被覆であるECPRめっき構造11はAuであっても良い。別の実施の形態においては、導電性材料18はCuであり、第1の被覆材料19はSnであり、第2の被覆であるECPRめっき構造11はAgであっても良い。基板パターンを覆っているECPRめっき構造がバリア/キャッピング材、粘着材、エッチングマスク材、および/またはエッチングストップ材を含む実施の形態もある。
【0217】
図17(a)から図17(h)は、主電極のデザインおよび材料の異なる組み合わせの例を示す断面図である。
【0218】
図17(a)は、フレキシブル導電箔20と、絶縁パターン層5を有する主電極の断面図である。
【0219】
図17(b)は、導電電極層6と、絶縁パターン層5を有する主電極の断面図である。
【0220】
図17(c)は、機械的支持層22と、導電電極層6と、絶縁パターン層5を有する主電極の断面図である。
【0221】
図17(d)は、機械的支持層22と、導電電極層6と、絶縁パターン層5と、フレキシブルエラストマ層21を有する主電極の断面図である。
【0222】
図17(e)は、フレキシブル導電箔20と、絶縁パターン層5と、フレキシブルエラストマ層21を有する主電極の断面図である。
【0223】
図17(f)は、導電電極層6と、絶縁パターン層5と、フレキシブルエラストマ層21を有する主電極の断面図である。
【0224】
図17(g)は、機械的支持層22と、導電エラストマ層23と、導電電極層6と、絶縁パターン層5を有する主電極の断面図である。
【0225】
図17(h)は、機械的支持層22と、導電電極層6と、絶縁パターン層5と、中間金属層24と、フレキシブルエラストマ層21を有する主電極の断面図である。
【0226】
主電極は、少なくとも1つの絶縁パターン層と、少なくとも1つの導電電極層(通常、ECPR処理において不活性)とを有する。主電極の空洞内には、陽極材が事前堆積されていても良い。例えば、主電極の絶縁パターン層は、フォトレジスト等のポリマー、SiO2等の酸化物、SiN等の窒化物、またはそれらの組み合わせからなる。電解質は、ECPR処理中に構造が形成された導電性材料を溶解し堆積するのに適した物質を含んでいる。例えば、導電性材料が銅であった場合、電解質はCu2+、SO42-、H+および/またはCl-の水溶液、およびレベラ、促進剤、漂白剤、抑制剤、および湿潤剤等の添加剤からなる。適切な添加剤としては、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol:PEG)、塩化物イオン、MPSA、SPS、および/またはラウリル硫酸ナトリウムを用いることができる。
【0227】
図18は、従来のリソグラフィおよび電気めっき処理の8工程を模式的に示す。図19は、ECPR法によりめっきパターンを製造する3工程を模式的に示す。
【0228】
主電極の導電電極層を陰極として用いて、電気化学処理によりエッチングパターンを形成する実施の形態もある。それによれば、基板から溶解して電解質に運ばれた材料は陰極上に堆積され、主電極の絶縁パターン層のパターンに対応したECPRエッチング構造を基板上に形成する。陽極となる基板から溶解した材料が陰極となる導電電極層に堆積されるため、電解質中の溶解した陽極材の量は電気化学処理中ほぼ一定に保たれる。溶解した材料の堆積速度がゼロだった場合、電解質中の溶解した陽極材のイオン濃度は急速に上昇する。その結果、電気化学反応が鈍化し、最終的には停止する。過剰なイオン濃度はまた塩沈殿を引き起こす。この場合、わずかな量の材料のみが基板から溶解して薄い層がパターニングされる場合もある。溶解反応が適切な堆積反応を有することを確認すれば、厚い層を持つ基板をエッチングすることができる。電気化学処理における溶解反応および堆積反応は、陽極、陰極および電解質系における所定の印加電位での熱力学および動力学反応によって決まる。適切な陽極材、陰極材および電解質材料を選択することにより、選択された系における溶解反応および堆積反応が熱力学的、動力学的に良好となり、所望の溶解反応および堆積反応を得ることができる。
【0229】
適切な陽極、陰極および電解質系の一例として、Niを陽極材として、Auを陰極材として、ワット浴を電解質として用いたものが挙げられる。ある様態によれば、堆積反応が溶解反応に正確に対応する必要はない。溶解した材料の堆積速度がゼロより大きい限り、電解質中の陽極材のイオン濃度はゆっくり上昇し、反応が停止するまでの時間が長くなるため、厚い層を持つ基板をエッチングすることができる。例えば、溶解したイオンの堆積速度は溶解速度の90〜100%であっても良い。この例では、ゆっくりと上昇する溶解した陽極材のイオン濃度が過度に高くなる前に所望のエッチング厚を得ることができる。溶解速度は堆積速度より低くても良く、この場合、結果として電解質中のイオン濃度が低下する。しかし、溶解反応が堆積反応に比べて過度に遅くなければ(例えば、>堆積速度の90%)、電解質中の陽極材のイオン濃度が低下する前に所望の厚さで基板をエッチングできる。不適切な系の一例として、Agを陽極材として、Alを陰極材として、アルカリシアン銀浴を電解質として用いたものが挙げられる。この例では、銀イオンの堆積速度がゼロとなり、電解質中の銀イオン濃度が急速に上昇する。
【0230】
主電極の導電電極層を陽極として用い、主電極により規定される空洞内の陽極上に陽極材を事前堆積して、電気化学処理によりめっきパターンを形成する。それによれば、陽極材は溶解して電解質に運ばれて陰極となる基板上に堆積され、主電極の絶縁パターン層の空洞に対応したECPRめっき構造を基板上に形成する。
【0231】
材料を事前堆積しない従来技術の問題の1つは、図20(a)に示すように、陽極材が主電極4の導電電極層6から直接溶解し、溶解した材料が絶縁パターン層5を損傷するため、主電極が磨耗することである。図20(b)に示すように、主電極4の空洞に陽極材10を事前堆積することにより、電気化学処理中に溶解しない不活性物質を含む導電電極層5を得ることができ、絶縁パターン層5も損傷することがない。そのため、主電極を何回も再利用することが可能となり、コスト的、時間的に効率よくパターニングを行うことができる。
【0232】
材料を事前堆積しない従来技術の別の問題は、溶解した材料が絶縁パターン層を損傷することにより、大空洞内とは異なって、絶縁パターン層の小空洞内では陽極領域が拡大することである。図20(a)に示すように、大空洞内では小空洞内に比べて損傷による領域の拡大が小さい。陽極領域の拡大により陰極の電流密度(めっき速度)が高くなるため、絶縁パターン層の小空洞内にめっきされた構造は大空洞内の構造よりも高いめっき速度で堆積され、パターンによって決まる厚さ分布が不均一となる。この問題も、材料の事前堆積により解決できる。材料を事前堆積した場合、領域が拡大することはないため、パターンの寸法に関係なくすべての空洞内で電流密度(めっき速度)が同一となる。
【0233】
また、事前堆積された材料の溶解は、陰極に堆積された電解質中のイオン濃度の低下を防ぐ。電解質中のイオン濃度の低下により、堆積処理は徐々に鈍化し最終的には停止することになるため、層の薄いめっき構造しか得ることができない。十分な量の電気化学堆積反応の間に溶解する事前堆積された材料を用いることにより、安定したイオン濃度を維持し、層の厚いめっき構造を得ることができる。適切な事前堆積する材料(陽極)、シード層材料(陰極)および電解質を選択することにより、選択された系における溶解反応および堆積反応が熱力学的、動力学的に良好となり、所望の溶解反応および堆積反応を得ることができる。適切な電気化学系の選択の一例として、Cuを事前堆積する材料(陽極)として、Cuをシード層材料(陰極)として、酸性硫酸銅浴を電解質として用いたものが挙げられる。場合によっては、堆積反応が溶解反応に正確に対応する必要はない。事前堆積された材料の溶解速度がゼロより大きい限り、電解質中のイオン濃度はゆっくり低下し、反応が停止するまでの時間が長くなるため、厚い層をめっきすることができる。例えば、溶解速度は堆積速度の90〜100%であっても良い。この例では、ゆっくりと低下する堆積された材料のイオン濃度が過度に低くなる前に所望のめっき厚を得ることができる。
【0234】
上述したように、本方法は、誘電体9の形成に先立って基板2の最上層上にバリア/キャッピングコーティング16を形成する工程を含んでいても良い。これは、前記工程f)において説明したように、マスクレス法によって選択的にECPRめっき構造11を被覆することにより行っても良い。実施の形態によっては、シード層1を除去した後、バリア/キャッピングコーティング16を形成する前にバリア/キャッピング層14を除去しない方が良い場合もある。これにより、その後のバリア/キャッピングコーティング16を形成する工程において、基板2の最上層上、例えば誘電体層がバリア/キャッピング層14によって保護される。バリア/キャッピング層14は、ECPRめっき構造11上に被覆を形成するマスクレス法の実施中にバリア/キャッピングコーティング16が堆積されることのない材料からなっていても良い。ECPRめっき構造11上にバリア/キャッピングコーティングを選択的に形成した後、前記工程e)において説明した除去方法によって構造間のバリア/キャッピング層14を除去しても良い。バリア/キャッピング材料としては、前記工程e)において説明したドライエッチング法によってエッチングできる材料を用いても良い。バリア/キャッピングコーティング16は、バリア/キャッピング層14の除去方法によって影響を受けない、または、少なくともバリア/キャッピング層14の材料よりも影響を受けない材料からなっていても良い。
【0235】
ある実施の形態においては、誘電体層の代わりに導電層または半導体層が用いられる。場合によっては、誘電体層の代わりに犠牲層を用いても良く、犠牲層は多層構造を形成した後除去される。また、同一の層が構造材料、犠牲材料、および誘電体からなっていても良い。
【0236】
図中、異なる材料層の高さが同一に示されているが、個々の層は必要に応じてどのような寸法であっても良い。しかし、通常、基板の全表面にわたって各層の高さは均一である。つまり、層は略一定の厚さを持つ。
【0237】
以上、本方法のいくつかの工程を異なる組み合わせで説明した。しかし、この明細書を読んだ当業者が想到し得る別の組み合わせも可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。また、これらの工程は本発明の範囲内で種々の変更が可能である。したがって、本発明は添付の請求項によってのみ制限されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0238】
【図1】第1の実施の形態に係るエッチングを含む方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図2−1】第2の実施の形態に係るめっき工程を含む方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図2−2】第2の実施の形態に係るめっき工程を含む方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図3−1】第3の実施の形態に係る、エッチングを含み、誘電体層が2層の厚さで形成される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図3−2】第3の実施の形態に係る、エッチングを含み、誘電体層が2層の厚さで形成される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図4−1】第4の実施の形態に係る、めっき工程を含み、誘電体層が2層の厚さで形成される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図4−2】第4の実施の形態に係る、めっき工程を含み、誘電体層が2層の厚さで形成される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図5−1】第5の実施の形態に係る、めっき工程を含み、誘電体層が2層の厚さで形成された後2層の厚さでめっきが施される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図5−2】第5の実施の形態に係る、めっき工程を含み、誘電体層が2層の厚さで形成された後2層の厚さでめっきが施される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図6−1】第6の実施の形態に係る、めっき工程を含み、誘電体層が2工程で平坦化される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図6−2】第6の実施の形態に係る、めっき工程を含み、誘電体層が2工程で平坦化される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図7】第7の実施の形態に係る、めっき工程を含み、ビアがめっき材で充填される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図8】第8の実施の形態に係る、めっき工程を含み、ビアがめっき材で充填される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図9】第9の実施の形態に係る、めっき工程を含み、ビアがめっき材で充填される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図10】第10の実施の形態に係る、めっき工程を含み、ビアがめっき材で充填される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図11】第11の実施の形態に係る、めっき工程を含み、ビアがめっき材で充填される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図12】第12の実施の形態に係る、めっき工程を含み、ビアがめっき材で充填される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図13】第13の実施の形態に係る、めっき工程を含み、ビアがめっき材で充填される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図14】第14の実施の形態に係る、めっき工程を含み、ビアがめっき材で充填される方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図15】第15の実施の形態に係る、めっき工程を含み、導電性材料、非導電性材料がめっき材で囲まれる方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図16】第16の実施の形態に係る、めっき工程を含み、導電性材料、非導電性材料がめっき材で囲まれる方法の工程を模式的に表した断面図である。
【図17】主電極の別の実施の形態を模式的に表した断面図である。
【図18】従来のリソグラフィおよび電気めっき処理を模式的に表したフロー図である。
【図19】本発明の方法の工程を模式的に表したフロー図である。
【図20】事前堆積層を備えていない電極と、事前堆積層を備えた電極とを模式的に表した断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に電気めっきを施すことにより多層構造を形成する方法であって、
a)基板もしくは基板層の少なくとも一部に導電性のシード層を配置する工程と、
b)導電電極層と、該導電電極層に電気的に接続された陽極材と、絶縁パターン層とを、電解質を含む少なくとも1つの電気化学セルを前記陽極材と前記絶縁パターン層と前記シード層とによって囲まれた領域に形成するために有する主電極を前記シード層上に設ける工程と、
c)前記シード層が、前記少なくとも1つのセルの少なくとも一部の前記陽極材を前記シード層に移動させるための陰極を形成し且つ前記主電極上の前記絶縁パターン層の空洞に対応するめっき構造を形成するように、前記導電電極層と前記シード層の間に電圧を印加する工程と、
d)前記主電極を前記基板から分離する工程と、
e)めっきされていない領域の前記シード層を除去する工程と、
f)前記めっき構造を少なくとも部分的に被覆する材料層を形成するために、めっき構造間の領域に材料を堆積する工程と、
g)前記構造の少なくとも一部が露出するまで材料層を平坦化する工程と、
h)前記工程の少なくとも一部を繰り返し、多層構造を形成する工程と、
を含むことを特徴とする多層構造の形成方法。
【請求項2】
基板を電気化学エッチングすることにより多層構造を形成する方法であって、
a)基板もしくは基板層の少なくとも一部に導電性のシード層を配置する工程と、
b)導電電極層と絶縁パターン層とを、少なくとも1つの電解質を含む電気化学セルを前記導電電極層と前記絶縁パターン層と前記シード層とによって囲まれた領域に形成するために有する主電極を前記シード層上に設ける工程と、
c)前記シード層が該シード層をエッチングするための陽極を形成し且つ前記導電電極層が、前記主電極上の前記絶縁パターン層に対応するエッチングされた構造を形成するために前記少なくとも1つのセル内でエッチングされた材料を堆積するための陰極を形成するように、前記導電電極層と前記シード層の間に電圧を印加する工程と、
d)前記主電極を前記基板から分離する工程と、
e)前記エッチングされた構造間に残留している可能性のある前記シード層を除去する工程と、
f)前記エッチングされた構造を少なくとも部分的に被覆する材料層を形成するために、前記エッチングされた構造間の領域に材料を配置する工程と、
g)前記構造の少なくとも一部が露出するまで前記材料層を平坦化する工程と、
h)前記工程の少なくとも一部を繰り返し、多層構造を形成する工程と、
を含むことを特徴とする多層構造の形成方法。
【請求項3】
前記構造の少なくとも一部がほぼ露出するまで前記材料層を平坦化する工程と、
前記構造の少なくとも一部が露出するまで、全面にわたって略均一の除去速度を持つ除去方法を用いてさらに材料を除去する工程と、
をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記工程d)と前記工程e)の間に、
先に形成された構造の電気化学セルを形成するためにさらに主電極を形成する工程と、
先に形成された構造の層の上面にさらにめっき構造の層を形成するために電圧を印加する工程と、
をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記平坦化の工程は、少なくとも1の研磨工程および/またはエッチング工程によって行われることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記研磨工程では、研磨により前記材料層の一部を除去することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの研磨工程は、機械研磨、化学研磨、化学機械研磨(chemical mechanical polishing:CMP)、接触平坦化(contact planarization:CP)、ドクターブレードによる平坦化、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により行われることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記研磨工程は、CMPまたはCPにより行われることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのエッチング工程は、ドライエッチング、イオンスパッタリング、反応性イオンエッチング(reactive ion etching:RIE)、プラズマエッチング、レーザー研磨、イオンミリング、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により行われることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項10】
基板に電気めっきを施すことにより多層構造を形成する方法であって、
a)基板もしくは基板層の少なくとも一部に導電性のシード層を配置する工程と、
b)導電電極層と、導電電極層に電気的に接続された陽極材と、絶縁パターン層とを、少なくとも1つの電解質を含む電気化学セルを前記陽極材と前記絶縁パターン層と前記シード層とによって囲まれた領域に形成するために有する主電極を前記シード層上に設ける工程と、
c)前記シード層が前記少なくとも1つのセルの少なくとも一部の前記陽極材を前記シード層に移動させるための陰極を形成し、前記主電極上の前記絶縁パターン層の空洞に対応するめっき構造を形成するように、前記導電電極層と前記シード層の間に電圧を印加する工程と、
d)前記主電極を前記基板から分離する工程と、
e)めっきされていない領域の前記シード層を除去する工程と、
f)前記めっき構造を被覆する材料層を形成するために、めっき構造間の領域に材料を配置する工程と、
i)下層のめっき構造の少なくとも一部を露出するよう前記材料層に凹部を設ける工程と、
h)前記工程の少なくとも一部を繰り返し、多層構造を形成する工程と、
を含むことを特徴とする多層構造の形成方法。
【請求項11】
基板を電気化学エッチングすることにより多層構造を形成する方法であって、
a)基板もしくは基板層の少なくとも一部に導電性のシード層を配置する工程と、
b)導電電極層と絶縁パターン層とを、電解質を含む少なくとも1つの電気化学セルを前記導電電極層と前記絶縁パターン層と前記シード層とによって囲まれた領域に形成するために有する主電極を前記シード層上に形成する工程と、
c)前記シード層が該シード層をエッチングするための陽極を形成し且つ前記導電電極層が、前記主電極上の前記絶縁パターン層に対応するエッチングされた構造を形成するために前記少なくとも1つのセルにエッチングされた材料を堆積するための陰極を形成するように、ように、前記導電電極層と前記シード層の間に電圧を印加する工程と、
d)前記主電極を前記基板から分離する工程と、
e)エッチングされた構造間に残留している可能性のある前記シード層を除去する工程と、
f)前記エッチングされた構造を被覆する材料層を形成するために、前記エッチングされた構造間の領域に材料を配置する工程と、
i)下層の前記エッチングされた構造の少なくとも一部を露出するよう前記材料層に凹部を設ける工程と、
h)前記工程の少なくとも一部を繰り返し、多層構造を形成する工程と、
を含むことを特徴とする多層構造の形成方法。
【請求項12】
前記材料層に凹部を設ける前記工程は、フォトリソグラフィ、レーザーリソグラフィ、電子ビームリソグラフィ、ナノインプリンティング、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されたリソグラフィ法によって行われることを特徴とする請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記リソグラフィ法は、エッチングマスクをパターニングして、イオンスパッタリング、反応性イオンエッチング、プラズマエッチング、レーザー研磨、イオンミリング、またはそれらの組み合わせのいずれか等のドライエッチング法によって前記材料層をエッチングする工程を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記エッチングマスクは、
フォトレジスト等のレジスト;
SiN、SiO2、SiC、オルトケイ酸テトラエチル(tetraethyl orthosilicate:TEOS)、SiON、SiOC、SiCN:H、(非多孔性の)フッ素ドープシリコンガラス(fluorine-doped silicon glass:FSG)、(非多孔性の)有機ドープシリコンガラス(organic-doped silicon glass:OSG)、low−k誘電体バリア/エッチングストップフィルム(BLOKTM等)、金属(Pt、Ti、TiW、TiN、Al、Cr、Au、Ni、Cu、Ag等)、およびそれらの組み合わせ等のハードマスク;
からなる群から選択された材料からなることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記エッチングマスクは、マスクとして、フォトレジスト等のレジストを用いてドライエッチングされ、前記レジストは前記リソグラフィ法によりパターニングされていることを特徴とする請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記エッチングマスクは、前記構造層により前記工程c)において形成されることを特徴とする請求項13、14または15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記めっき構造間または前記エッチングされた構造間の領域に材料を配置する前記工程は、少なくとも構造層2層分の厚さを持つ材料層を形成するために行われることを特徴とする請求項10または11に記載の方法。
【請求項18】
前記材料層は、凹部を設ける前に平坦化されることを特徴とする請求項10〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記工程a)の前に、バリア/キャッピング層を設ける工程をさらに有することを特徴とする請求項10〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記工程f)の前にバリア/キャッピングコーティングを設ける工程をさらに有することを特徴とする請求項10〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記シード層は、Ru、Os、Hf、Re、Cr、Au、Ag、Cu、Sn、Ti、Ni、Al、これら材料からなる合金、Si、導電性ポリマー(ポリアニリン等)、はんだ材料(SnPb、SnAg、SnAgCu、SnCu等)、合金(モネル、パーマロイ等)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料からなることを特徴とする請求項10〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記シード層は、化学気相成長法(chemical vapor deposition:CVD)、有機金属化学気相成長法(metal-organic chemical vapor deposition:MOCVD)、物理気相成長法(physical vapor deposition:PVD)、原子層成長法(atomic layer deposition:ALD)、スパッタリング法、無電解めっき法、電気めっき法、電子グラフト法、浸漬堆積法からなる群から選択された方法により形成されることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記材料層は誘電体層であり、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、パウダーコーティング法、ディップコーティング法、ローラーコーティング法、スパッタリング法、PVD、CVD、プラズマ化学気相成長法(plasma-enhanced chemical vapor deposition:PECVD)、電着法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により形成されることを特徴とする請求項10〜22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記誘電体は、low−k誘電体、超low−k誘電体、4未満のk値の誘電体、2.5未満のk値の誘電体、有機化合物、絶縁無機化合物、酸化物、窒化物、ポリマー材料、ポリイミド、シロキサン変性ポリイミド、BCB、SU−8、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene:PTFE)、シリコーン、弾性重合体、電子ビームレジスト、ZEP(住友)、フォトレジスト、薄膜レジスト、厚膜レジスト、多環オレフィン、ポリノルボルネン、ポリエチレン、ポリカーボネート、PMMA、BARC材料、リフトオフレイヤー(lift off layer:LOL)材料、PDMS、ポリウレタン、エポキシポリマ、フルオロエラストマ、アクリレート重合体、(天然)ゴム、シリコーン、ラッカ、ニトリルゴム、EPDM、ネオプレン、PFTE、パリレン、フルオロメチレンシアン酸エステル、無機−有機ハイブリッドポリマ、(フッ素化および/または水素化)非晶質炭素、有機ドープシリコンガラス(organic-doped silicon glass:OSG)、フッ素ドープシリコンガラス(fluorine-doped silicon glass:FSG)、PETE/シリコン化合物、オルトケイ酸テトラエチル(tetraethyl orthosilicate:TEOS)、SiN、SiO2、SiON、SiOC、SiCN:H、SiOCH材料、SiCH材料、シリケート、石英系材料、シルセスキオキサン(silsesquioxane:SSQ)系材料、(ナノ多孔)メチルシルセスキオキサン(methyl silsesquioxane:MSQ)、水素シルセスキオキサン(hydrogen silsesquioxane:HSQ)、TiO2、Al2O3、TiN、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料からなる層を、少なくとも1層含むことを特徴とする請求項10〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
基板に電気めっきを施すことにより多層構造を形成する方法であって、前記基板または基板層はビアを有し、
a)前記基板もしくは基板層と前記ビアとの少なくとも一部に導電性のシード層を形成する工程と、
b)少なくとも前記ビアに対向し、前記ビアの幅よりわずかに小さい、同幅、もしくはわずかに大きな幅を持ち、内部に陽極材が事前に堆積された空洞が形成された前記絶縁パターン層を持つ主電極を形成する工程と、
c)前記ビア内にめっき構造を形成するために少なくとも一部の前記陽極材を移動させるために、前記導電電極層と前記シード層の間に電圧を印加する工程と、
をく含むことを特徴とする多層構造の形成方法。
【請求項26】
前記シード層は、Ru、Os、Hf、Re、Cr、Au、Ag、Cu、Sn、Ti、Ni、Al、これら材料からなる合金、Si、導電性ポリマー(ポリアニリン等)、はんだ材料(SnPb、SnAg、SnAgCu、SnCu等)、合金(モネル、パーマロイ等)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料からなることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記シード層は、化学気相成長法(chemical vapor deposition:CVD)、有機金属化学気相成長法(metal-organic chemical vapor deposition:MOCVD)、物理気相成長法(physical vapor deposition:PVD)、原子層成長法(atomic layer deposition:ALD)、スパッタリング法、無電解めっき法、電気めっき法、電子グラフト法、浸漬堆積法からなる群から選択された方法により形成されることを特徴とする請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
導電材構造を有する基板に電気めっきを施すことにより多層構造を形成する方法であって、
a)基板の少なくとも一部に導電性のシード層を配置する工程と、
b)導電電極層と、該導電電極層に電気的に接続された陽極材と、絶縁パターン層とを、電解質を含む少なくとも1つの電気化学セルを前記陽極材と前記絶縁パターン層と前記シード層とよってに囲まれた領域に形成するために有する主電極を前記シード層上に設ける工程であって、少なくとも前記導電材構造の一部が前記空洞によって囲まれている工程と、c)前記シード層が前記少なくとも1つのセルの少なくとも一部の前記陽極材を前記シード層に移動させるための陰極を形成し且つ前記シード層上と、前記主電極上の前記絶縁パターン層の前記空洞に対応する前記導電材構造上とにめっき構造を形成するように、前記導電電極層と前記シード層との間に電圧を印加する工程と、
d)前記主電極を前記基板から分離する工程と、
を含むことを特徴とする多層構造の形成方法。
【請求項29】
b1)導電電極層と、該導電電極層に電気的に接続された陽極材と、絶縁パターン層とを、電解質を含む少なくとも1つの電気化学セルを前記陽極材と前記絶縁パターン層と前記シード層とによって囲まれた領域に形成するために有する主電極を前記シード層上にさらに設ける工程であって、前記導電材構造とめっき構造との少なくとも一部が前記空洞によって囲まれている工程と、
c1)前記シード層が、前記少なくとも1つのセルの少なくとも一部の前記陽極材を前記シード層に移動させるための陰極を形成し且つ前記シード層および前記主電極上の前記絶縁パターン層の前記空洞に対応する記導電材構造およびめっき構造上にめっき構造を形成するように、前記導電電極層と前記シード層との間に電圧を印加する工程と、
d1)前記主電極を前記基板から分離する工程と、
をさらに含むことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
e)めっきされていない領域の前記シード層を除去する工程をさらに有することを特徴とする請求項28または29に記載の方法。
【請求項31】
前記平坦化工程は、材料表面を略平面になるまで研磨する工程と、続いて前記構造の少なくとも一部が露出するまで前記材料表面をエッチングする工程とを含むことを特徴とする請求項1〜30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
平坦化材料を、前記材料層の平坦化工程に先立って、前記材料層に設けることを特徴とする請求項1〜31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記平坦化材料は、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、パウダーコーティング法、ディップコーティング法、ローラーコーティング法、スパッタリング法、PVD、CVD、PECVD、電着法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により設けられることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
終点検出方法を用いて前記平坦化工程がいつ完了するのかを決定することを特徴とする請求項1〜33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記終点検出方法では、前記構造材料が研磨またはエッチングされている時の検出、前記材料層の高さの検出、前記材料層の色の解析のいずれかを行うことを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記検出を、研磨される材料のスペクトル解析の干渉測定に基づいて行うか、前記高さを、レーザー測定により決定するか、または、前記材料層の色をセンサおよびカメラを用いて解析することを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記接触平坦化工程は、前記材料層上にプレートを設け、前記プレートで流動状態にある前記材料層を押圧して材料を均等化する工程を含むことを特徴とする請求項1〜36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記流動状態を得るために前記材料層を熱し、平坦化処理の後に材料を冷却することを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記プレートを設ける工程を、前記材料を硬化する前に実施し、平坦化処理後、材料を赤外線照射または紫外線照射等によって硬化することを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記シード層は、化学気相成長法(chemical vapor deposition:CVD)、有機金属化学気相成長法(metal-organic chemical vapor deposition:MOCVD)、物理気相成長法(physical vapor deposition:PVD)、原子層成長法(atomic layer deposition:ALD)、スパッタリング法、無電解めっき法、電気めっき法、電子グラフト法、浸漬堆積法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により形成されることを特徴とする請求項1〜39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
シード層の前記形成、および/または、材料の前記配置工程、および/または、前記めっき工程、および/または、前記エッチングを、膜厚を制御する方法で行うことを特徴とする請求項1〜40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
前記工程a)の前にバリア/キャッピング層を設ける工程をさらに含むことを特徴とする請求項1〜41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記工程f)の前にバリア/キャッピングコーティングを形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1〜42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記バリア/キャッピング材は、前記バリア/キャッピング材と界面で接している層の腐食、拡散、またはエレクトロマイグレーションを防ぐ材料からなる層を、少なくとも1層含むことを特徴とする請求項42または43に記載の方法。
【請求項45】
前記バリア/キャッピング材は、Ti、TiN、TiW、Cr、Ni、NiB、NiP、NiCo、NiBW、NiM−P、Pd、Pt、Au、Ag、W、Ru、Ta、TaN、Re、Os、Hf、Rh、Wo、Co、CoReP、CoP、CoWP、CoWB、CoWBP、それらの合金、またはそれらの組み合わせのいずれかであることを特徴とする請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記バリア/キャッピング材は、電着法、MOCVD、CVD、PVD、ALD、スパッタリング法、無電解めっき法、浸漬堆積法、電子グラフト法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により成膜されることを特徴とする請求項43〜45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記バリア/キャッピング材は、無電解めっき法等のマスクレス選択的成膜法により成膜され、前記構造層等の前記成膜処理に対して活性な表面上にのみ成膜され、前記材料層上には成膜されないことを特徴とする請求項43〜46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記バリア/キャッピング材を、前記工程a)においてシード層として用いることを特徴とする請求項1〜47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記シード層は、Ru、Os、Hf、Re、Cr、Au、Ag、Cu、Sn、Ti、TiN、TiW、Ni、NiB、NiP、NiCo、NiBW、NiM−P、Al、Pd、Pt、W、Ta、TaN、Rh、Wo、Co、CoReP、CoP、CoWP、CoWB、CoWBP、これら材料からなる合金、Si、導電性ポリマー(ポリアニリン等)、はんだ材料(SnPb、SnAg、SnAgCu、SnCu等)、合金(モネル、パーマロイ等)、それらの合金、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料からなることを特徴とする請求項1〜48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記シード層を洗浄、活性化する工程をさらに有し、該洗浄、活性化工程では、アセトンまたはアルコール等の有機溶剤を用いること、および/または、硝酸、硫酸、リン酸、塩酸、酢酸、フッ化水素酸、強酸化剤(過酸化水素を始めとする過酸化物等)、過硫酸塩(過硫酸ナトリウムまたは過硫酸アンモニウム等)、塩化第二鉄等の無機溶剤を用いること、および/または、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ、水素プラズマを用いること、および/または機械的に不純物を除去することを特徴とする請求項1〜49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記シード層を設ける前、および/または、前記バリア/キャッピング材を成膜する前に、粘着層を設ける工程をさらに有し、前記粘着層は前記シード層または前記バリア/キャッピング材の前記材料層または構造への粘着性を高めることを特徴とする請求項1〜50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
前記粘着層は、Cr、Ti、TiW、AP−3000(ダウ・ケミカル社製)、AP−100(Silicon Resources社製)、AP−200(Silicon Resources社製)、AP−300(Silicon Resources社製)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された少なくとも1つの材料からなることを特徴とする請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記少なくとも1つの電気化学セルを形成する前記工程を、前記絶縁パターン層を前記基板上のパターン層に位置合わせする方法により実施することを特徴とする請求項1〜52のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
前記位置合わせ方法においては、前記基板上の位置合わせマークに対応するよう、前記主電極の前側および/または後側に、位置合わせマークを用いることを特徴とする請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記位置合わせ方法を、少なくとも1つの電気化学セルを形成する工程に先立って実施することを特徴とする請求項53または54に記載の方法。
【請求項56】
前記形成された電気化学セルは、銅またはニッケルイオン等の陽イオン溶液および硫酸イオン等の陰イオン溶液を、電気化学エッチングおよび/または電気化学めっきのために含んでいることを特徴とする請求項1〜55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
前記電解質は、例えば、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol:PEG)と塩化物イオンおよび/またはSPS(BiS(3-sulfopropyl)disulfide)との混液、MPSA、および/または、ラウリル硫酸ナトリウムといった、抑制剤および/またはレベラ(leveler)および/または促進剤を含んでいることを特徴とする請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記構造層は、Au、Ag、Ni、Cu、Sn、Pb、SnAg、SnAgCu、AgCu、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料からなることを特徴とする請求項1〜57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
前記構造層は、CuまたはNiからなることを特徴とする請求項1〜58のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
前記陽極材を、電気めっき法、無電解めっき法、浸漬めっき法、CVD、MOCVD、パウダーコーティング、化学グラフト法、電子グラフト法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法を用いて、前記絶縁パターン層の空洞内の前記導電電極層上に配置することを特徴とする請求項1〜59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
前記陽極材を配置する前記方法は、電気めっき法または無電解めっき法を含むことを特徴とする請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記構造を形成する工程を、前記電圧を切断することにより、すべてのまたは大部分の陽極材が溶解する前に中止することを特徴とする請求項1〜61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記構造を形成する工程を中止した時に、前記陽極材の少なくとも5%が残っていることを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記構造のエッチング深度またはめっき厚を、時間および前記少なくとも1つの電気化学セルを流れる電流をモニタリングすることにより制御することを特徴とする請求項1〜63のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
前記分離工程d)を、前記基板を所定の位置に保持し、前記主電極を前記基板表面に直交する方向に移動させることによって、または前記主電極を所定の位置に保持し、前記基板を前記主電極表面に直交する方向に移動させることによって、または分離が容易となるように平行度の低い方法で、またはそれらの組み合わせによって行うことを特徴とする請求項1〜64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
前記シード層を除去する工程e)を、ウェットエッチング、ドライエッチング、電気化学エッチング、またはそれらの組み合わせによって行うことを特徴とする請求項1〜65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
前記シード層、バリア/キャッピング層および/または構造層の全面またはほぼ全面を覆う保護コーティングを設ける工程と、
前記保護コーティングに異方性エッチングを施して、前記構造の側壁に保護層を残しつつ前記構造間の前記シード層、バリア/キャッピング層および/または構造層の上端部を露出させる工程と、
前記構造間の前記シード層および/またはバリア/キャッピング層を除去する工程と、
をさらに含むことを特徴とする請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記材料層は、誘電体からなる少なくとも1つの層であり、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、パウダーコーティング法、ディップコーティング法、ローラーコーティング法、スパッタリング法、PVD、CVD、プラズマ化学気相成長法(plasma-enhanced chemical vapor deposition:PECVD)、電着法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により設けられることを特徴とする請求項1〜67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
前記材料層は、金属からなる少なくとも1つの層であり、電着法、MOCVD、CVD、PVD、ALD、スパッタリング法、無電解めっき法、浸漬堆積法、電子グラフト法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により形成されることを特徴とする請求項1〜68のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
前記誘電体は、low−k誘電体、超low−k誘電体、4未満のk値の誘電体、2.5未満のk値の誘電体、有機化合物、絶縁無機化合物、酸化物、窒化物、ポリマー材料、ポリイミド、シロキサン変性ポリイミド、BCB、SU−8、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene:PTFE)、シリコーン、弾性重合体、電子ビームレジスト、ZEP(住友)、フォトレジスト、薄膜レジスト、厚膜レジスト、多環オレフィン、ポリノルボルネン、ポリエチレン、ポリカーボネート、PMMA、BARC材料、リフトオフレイヤー(lift off layer:LOL)材料、PDMS、ポリウレタン、エポキシポリマ、フルオロエラストマ、アクリレート重合体、(天然)ゴム、シリコーン、ラッカ、ニトリルゴム、EPDM、ネオプレン、PFTE、パリレン、フルオロメチレンシアン酸エステル、無機−有機ハイブリッドポリマ、(フッ素化および/または水素化)非晶質炭素、有機ドープシリコンガラス(organic-doped silicon glass:OSG)、フッ素ドープシリコンガラス(fluorine-doped silicon glass:FSG)、PETE/シリコン化合物、オルトケイ酸テトラエチル(tetraethyl orthosilicate:TEOS)、SiN、SiO2、SiON、SiOC、SiCN:H、SiOCH材料、SiCH材料、シリケート、石英系材料、シルセスキオキサン(silsesquioxane:SSQ)系材料、(ナノ多孔)メチルシルセスキオキサン(methyl silsesquioxane:MSQ)、水素シルセスキオキサン(hydrogen silsesquioxane:HSQ)、TiO2、Al2O3、TiN、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料からなる層を、少なくとも1層含むことを特徴とする請求項66に記載の方法。
【請求項71】
前記材料を堆積する工程f)の前にエッチングストップ層を前記構造上に配置する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1〜70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項72】
前記エッチングストップ層は、SiC、SiN、フィルム、low−k誘電体バリア/エッチングストップフィルム(BLOKTM等)、Ti、TiN、TiW、Cr、Ni、NiB、NiP、NiCo、NiBW、NiM−P、Pd、Pt、Au、Ag、W、Ru、Ta、TaN、Re、Os、Hf、Rh、Wo、Co、CoReP、CoP、CoWP、CoWB、CoWBP、それらの合金、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料からなる層を、少なくとも1層含むことを特徴とする請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記材料層は、多孔性low−k誘電体であり、前記材料層上にさらに材料層を設ける前に、孔の密閉処理を行うことを特徴とする請求項1〜72のいずれか1項に記載の方法。
【請求項74】
前記材料層は犠牲ポリマーであり、熱処理または放射線処理により気体化することを特徴とする請求項1〜73のいずれか1項に記載の方法。
【請求項75】
前記犠牲ポリマーは、Unity Sacrificial PolymerTM(Promerus社製)等のブチルノルボルネンおよびトリエトキシシリルノルボルネンの共重合体であることを特徴とする請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記工程h)の前に、構造層を形成する工程をさらに含み、該工程は、リソグラフィ法、電着等の堆積法、無電解めっき法、ウェットエッチングまたはドライエッチングにより形成されることを特徴とする請求項1〜75のいずれか1項に記載の方法。
【請求項1】
基板に電気めっきを施すことにより多層構造を形成する方法であって、
a)基板もしくは基板層の少なくとも一部に導電性のシード層を配置する工程と、
b)導電電極層と、該導電電極層に電気的に接続された陽極材と、絶縁パターン層とを、電解質を含む少なくとも1つの電気化学セルを前記陽極材と前記絶縁パターン層と前記シード層とによって囲まれた領域に形成するために有する主電極を前記シード層上に設ける工程と、
c)前記シード層が、前記少なくとも1つのセルの少なくとも一部の前記陽極材を前記シード層に移動させるための陰極を形成し且つ前記主電極上の前記絶縁パターン層の空洞に対応するめっき構造を形成するように、前記導電電極層と前記シード層の間に電圧を印加する工程と、
d)前記主電極を前記基板から分離する工程と、
e)めっきされていない領域の前記シード層を除去する工程と、
f)前記めっき構造を少なくとも部分的に被覆する材料層を形成するために、めっき構造間の領域に材料を堆積する工程と、
g)前記構造の少なくとも一部が露出するまで材料層を平坦化する工程と、
h)前記工程の少なくとも一部を繰り返し、多層構造を形成する工程と、
を含むことを特徴とする多層構造の形成方法。
【請求項2】
基板を電気化学エッチングすることにより多層構造を形成する方法であって、
a)基板もしくは基板層の少なくとも一部に導電性のシード層を配置する工程と、
b)導電電極層と絶縁パターン層とを、少なくとも1つの電解質を含む電気化学セルを前記導電電極層と前記絶縁パターン層と前記シード層とによって囲まれた領域に形成するために有する主電極を前記シード層上に設ける工程と、
c)前記シード層が該シード層をエッチングするための陽極を形成し且つ前記導電電極層が、前記主電極上の前記絶縁パターン層に対応するエッチングされた構造を形成するために前記少なくとも1つのセル内でエッチングされた材料を堆積するための陰極を形成するように、前記導電電極層と前記シード層の間に電圧を印加する工程と、
d)前記主電極を前記基板から分離する工程と、
e)前記エッチングされた構造間に残留している可能性のある前記シード層を除去する工程と、
f)前記エッチングされた構造を少なくとも部分的に被覆する材料層を形成するために、前記エッチングされた構造間の領域に材料を配置する工程と、
g)前記構造の少なくとも一部が露出するまで前記材料層を平坦化する工程と、
h)前記工程の少なくとも一部を繰り返し、多層構造を形成する工程と、
を含むことを特徴とする多層構造の形成方法。
【請求項3】
前記構造の少なくとも一部がほぼ露出するまで前記材料層を平坦化する工程と、
前記構造の少なくとも一部が露出するまで、全面にわたって略均一の除去速度を持つ除去方法を用いてさらに材料を除去する工程と、
をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記工程d)と前記工程e)の間に、
先に形成された構造の電気化学セルを形成するためにさらに主電極を形成する工程と、
先に形成された構造の層の上面にさらにめっき構造の層を形成するために電圧を印加する工程と、
をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記平坦化の工程は、少なくとも1の研磨工程および/またはエッチング工程によって行われることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記研磨工程では、研磨により前記材料層の一部を除去することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの研磨工程は、機械研磨、化学研磨、化学機械研磨(chemical mechanical polishing:CMP)、接触平坦化(contact planarization:CP)、ドクターブレードによる平坦化、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により行われることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記研磨工程は、CMPまたはCPにより行われることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのエッチング工程は、ドライエッチング、イオンスパッタリング、反応性イオンエッチング(reactive ion etching:RIE)、プラズマエッチング、レーザー研磨、イオンミリング、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により行われることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項10】
基板に電気めっきを施すことにより多層構造を形成する方法であって、
a)基板もしくは基板層の少なくとも一部に導電性のシード層を配置する工程と、
b)導電電極層と、導電電極層に電気的に接続された陽極材と、絶縁パターン層とを、少なくとも1つの電解質を含む電気化学セルを前記陽極材と前記絶縁パターン層と前記シード層とによって囲まれた領域に形成するために有する主電極を前記シード層上に設ける工程と、
c)前記シード層が前記少なくとも1つのセルの少なくとも一部の前記陽極材を前記シード層に移動させるための陰極を形成し、前記主電極上の前記絶縁パターン層の空洞に対応するめっき構造を形成するように、前記導電電極層と前記シード層の間に電圧を印加する工程と、
d)前記主電極を前記基板から分離する工程と、
e)めっきされていない領域の前記シード層を除去する工程と、
f)前記めっき構造を被覆する材料層を形成するために、めっき構造間の領域に材料を配置する工程と、
i)下層のめっき構造の少なくとも一部を露出するよう前記材料層に凹部を設ける工程と、
h)前記工程の少なくとも一部を繰り返し、多層構造を形成する工程と、
を含むことを特徴とする多層構造の形成方法。
【請求項11】
基板を電気化学エッチングすることにより多層構造を形成する方法であって、
a)基板もしくは基板層の少なくとも一部に導電性のシード層を配置する工程と、
b)導電電極層と絶縁パターン層とを、電解質を含む少なくとも1つの電気化学セルを前記導電電極層と前記絶縁パターン層と前記シード層とによって囲まれた領域に形成するために有する主電極を前記シード層上に形成する工程と、
c)前記シード層が該シード層をエッチングするための陽極を形成し且つ前記導電電極層が、前記主電極上の前記絶縁パターン層に対応するエッチングされた構造を形成するために前記少なくとも1つのセルにエッチングされた材料を堆積するための陰極を形成するように、ように、前記導電電極層と前記シード層の間に電圧を印加する工程と、
d)前記主電極を前記基板から分離する工程と、
e)エッチングされた構造間に残留している可能性のある前記シード層を除去する工程と、
f)前記エッチングされた構造を被覆する材料層を形成するために、前記エッチングされた構造間の領域に材料を配置する工程と、
i)下層の前記エッチングされた構造の少なくとも一部を露出するよう前記材料層に凹部を設ける工程と、
h)前記工程の少なくとも一部を繰り返し、多層構造を形成する工程と、
を含むことを特徴とする多層構造の形成方法。
【請求項12】
前記材料層に凹部を設ける前記工程は、フォトリソグラフィ、レーザーリソグラフィ、電子ビームリソグラフィ、ナノインプリンティング、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されたリソグラフィ法によって行われることを特徴とする請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記リソグラフィ法は、エッチングマスクをパターニングして、イオンスパッタリング、反応性イオンエッチング、プラズマエッチング、レーザー研磨、イオンミリング、またはそれらの組み合わせのいずれか等のドライエッチング法によって前記材料層をエッチングする工程を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記エッチングマスクは、
フォトレジスト等のレジスト;
SiN、SiO2、SiC、オルトケイ酸テトラエチル(tetraethyl orthosilicate:TEOS)、SiON、SiOC、SiCN:H、(非多孔性の)フッ素ドープシリコンガラス(fluorine-doped silicon glass:FSG)、(非多孔性の)有機ドープシリコンガラス(organic-doped silicon glass:OSG)、low−k誘電体バリア/エッチングストップフィルム(BLOKTM等)、金属(Pt、Ti、TiW、TiN、Al、Cr、Au、Ni、Cu、Ag等)、およびそれらの組み合わせ等のハードマスク;
からなる群から選択された材料からなることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記エッチングマスクは、マスクとして、フォトレジスト等のレジストを用いてドライエッチングされ、前記レジストは前記リソグラフィ法によりパターニングされていることを特徴とする請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記エッチングマスクは、前記構造層により前記工程c)において形成されることを特徴とする請求項13、14または15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記めっき構造間または前記エッチングされた構造間の領域に材料を配置する前記工程は、少なくとも構造層2層分の厚さを持つ材料層を形成するために行われることを特徴とする請求項10または11に記載の方法。
【請求項18】
前記材料層は、凹部を設ける前に平坦化されることを特徴とする請求項10〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記工程a)の前に、バリア/キャッピング層を設ける工程をさらに有することを特徴とする請求項10〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記工程f)の前にバリア/キャッピングコーティングを設ける工程をさらに有することを特徴とする請求項10〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記シード層は、Ru、Os、Hf、Re、Cr、Au、Ag、Cu、Sn、Ti、Ni、Al、これら材料からなる合金、Si、導電性ポリマー(ポリアニリン等)、はんだ材料(SnPb、SnAg、SnAgCu、SnCu等)、合金(モネル、パーマロイ等)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料からなることを特徴とする請求項10〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記シード層は、化学気相成長法(chemical vapor deposition:CVD)、有機金属化学気相成長法(metal-organic chemical vapor deposition:MOCVD)、物理気相成長法(physical vapor deposition:PVD)、原子層成長法(atomic layer deposition:ALD)、スパッタリング法、無電解めっき法、電気めっき法、電子グラフト法、浸漬堆積法からなる群から選択された方法により形成されることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記材料層は誘電体層であり、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、パウダーコーティング法、ディップコーティング法、ローラーコーティング法、スパッタリング法、PVD、CVD、プラズマ化学気相成長法(plasma-enhanced chemical vapor deposition:PECVD)、電着法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により形成されることを特徴とする請求項10〜22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記誘電体は、low−k誘電体、超low−k誘電体、4未満のk値の誘電体、2.5未満のk値の誘電体、有機化合物、絶縁無機化合物、酸化物、窒化物、ポリマー材料、ポリイミド、シロキサン変性ポリイミド、BCB、SU−8、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene:PTFE)、シリコーン、弾性重合体、電子ビームレジスト、ZEP(住友)、フォトレジスト、薄膜レジスト、厚膜レジスト、多環オレフィン、ポリノルボルネン、ポリエチレン、ポリカーボネート、PMMA、BARC材料、リフトオフレイヤー(lift off layer:LOL)材料、PDMS、ポリウレタン、エポキシポリマ、フルオロエラストマ、アクリレート重合体、(天然)ゴム、シリコーン、ラッカ、ニトリルゴム、EPDM、ネオプレン、PFTE、パリレン、フルオロメチレンシアン酸エステル、無機−有機ハイブリッドポリマ、(フッ素化および/または水素化)非晶質炭素、有機ドープシリコンガラス(organic-doped silicon glass:OSG)、フッ素ドープシリコンガラス(fluorine-doped silicon glass:FSG)、PETE/シリコン化合物、オルトケイ酸テトラエチル(tetraethyl orthosilicate:TEOS)、SiN、SiO2、SiON、SiOC、SiCN:H、SiOCH材料、SiCH材料、シリケート、石英系材料、シルセスキオキサン(silsesquioxane:SSQ)系材料、(ナノ多孔)メチルシルセスキオキサン(methyl silsesquioxane:MSQ)、水素シルセスキオキサン(hydrogen silsesquioxane:HSQ)、TiO2、Al2O3、TiN、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料からなる層を、少なくとも1層含むことを特徴とする請求項10〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
基板に電気めっきを施すことにより多層構造を形成する方法であって、前記基板または基板層はビアを有し、
a)前記基板もしくは基板層と前記ビアとの少なくとも一部に導電性のシード層を形成する工程と、
b)少なくとも前記ビアに対向し、前記ビアの幅よりわずかに小さい、同幅、もしくはわずかに大きな幅を持ち、内部に陽極材が事前に堆積された空洞が形成された前記絶縁パターン層を持つ主電極を形成する工程と、
c)前記ビア内にめっき構造を形成するために少なくとも一部の前記陽極材を移動させるために、前記導電電極層と前記シード層の間に電圧を印加する工程と、
をく含むことを特徴とする多層構造の形成方法。
【請求項26】
前記シード層は、Ru、Os、Hf、Re、Cr、Au、Ag、Cu、Sn、Ti、Ni、Al、これら材料からなる合金、Si、導電性ポリマー(ポリアニリン等)、はんだ材料(SnPb、SnAg、SnAgCu、SnCu等)、合金(モネル、パーマロイ等)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料からなることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記シード層は、化学気相成長法(chemical vapor deposition:CVD)、有機金属化学気相成長法(metal-organic chemical vapor deposition:MOCVD)、物理気相成長法(physical vapor deposition:PVD)、原子層成長法(atomic layer deposition:ALD)、スパッタリング法、無電解めっき法、電気めっき法、電子グラフト法、浸漬堆積法からなる群から選択された方法により形成されることを特徴とする請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
導電材構造を有する基板に電気めっきを施すことにより多層構造を形成する方法であって、
a)基板の少なくとも一部に導電性のシード層を配置する工程と、
b)導電電極層と、該導電電極層に電気的に接続された陽極材と、絶縁パターン層とを、電解質を含む少なくとも1つの電気化学セルを前記陽極材と前記絶縁パターン層と前記シード層とよってに囲まれた領域に形成するために有する主電極を前記シード層上に設ける工程であって、少なくとも前記導電材構造の一部が前記空洞によって囲まれている工程と、c)前記シード層が前記少なくとも1つのセルの少なくとも一部の前記陽極材を前記シード層に移動させるための陰極を形成し且つ前記シード層上と、前記主電極上の前記絶縁パターン層の前記空洞に対応する前記導電材構造上とにめっき構造を形成するように、前記導電電極層と前記シード層との間に電圧を印加する工程と、
d)前記主電極を前記基板から分離する工程と、
を含むことを特徴とする多層構造の形成方法。
【請求項29】
b1)導電電極層と、該導電電極層に電気的に接続された陽極材と、絶縁パターン層とを、電解質を含む少なくとも1つの電気化学セルを前記陽極材と前記絶縁パターン層と前記シード層とによって囲まれた領域に形成するために有する主電極を前記シード層上にさらに設ける工程であって、前記導電材構造とめっき構造との少なくとも一部が前記空洞によって囲まれている工程と、
c1)前記シード層が、前記少なくとも1つのセルの少なくとも一部の前記陽極材を前記シード層に移動させるための陰極を形成し且つ前記シード層および前記主電極上の前記絶縁パターン層の前記空洞に対応する記導電材構造およびめっき構造上にめっき構造を形成するように、前記導電電極層と前記シード層との間に電圧を印加する工程と、
d1)前記主電極を前記基板から分離する工程と、
をさらに含むことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
e)めっきされていない領域の前記シード層を除去する工程をさらに有することを特徴とする請求項28または29に記載の方法。
【請求項31】
前記平坦化工程は、材料表面を略平面になるまで研磨する工程と、続いて前記構造の少なくとも一部が露出するまで前記材料表面をエッチングする工程とを含むことを特徴とする請求項1〜30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
平坦化材料を、前記材料層の平坦化工程に先立って、前記材料層に設けることを特徴とする請求項1〜31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記平坦化材料は、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、パウダーコーティング法、ディップコーティング法、ローラーコーティング法、スパッタリング法、PVD、CVD、PECVD、電着法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により設けられることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
終点検出方法を用いて前記平坦化工程がいつ完了するのかを決定することを特徴とする請求項1〜33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記終点検出方法では、前記構造材料が研磨またはエッチングされている時の検出、前記材料層の高さの検出、前記材料層の色の解析のいずれかを行うことを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記検出を、研磨される材料のスペクトル解析の干渉測定に基づいて行うか、前記高さを、レーザー測定により決定するか、または、前記材料層の色をセンサおよびカメラを用いて解析することを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記接触平坦化工程は、前記材料層上にプレートを設け、前記プレートで流動状態にある前記材料層を押圧して材料を均等化する工程を含むことを特徴とする請求項1〜36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記流動状態を得るために前記材料層を熱し、平坦化処理の後に材料を冷却することを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記プレートを設ける工程を、前記材料を硬化する前に実施し、平坦化処理後、材料を赤外線照射または紫外線照射等によって硬化することを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記シード層は、化学気相成長法(chemical vapor deposition:CVD)、有機金属化学気相成長法(metal-organic chemical vapor deposition:MOCVD)、物理気相成長法(physical vapor deposition:PVD)、原子層成長法(atomic layer deposition:ALD)、スパッタリング法、無電解めっき法、電気めっき法、電子グラフト法、浸漬堆積法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により形成されることを特徴とする請求項1〜39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
シード層の前記形成、および/または、材料の前記配置工程、および/または、前記めっき工程、および/または、前記エッチングを、膜厚を制御する方法で行うことを特徴とする請求項1〜40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
前記工程a)の前にバリア/キャッピング層を設ける工程をさらに含むことを特徴とする請求項1〜41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記工程f)の前にバリア/キャッピングコーティングを形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1〜42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記バリア/キャッピング材は、前記バリア/キャッピング材と界面で接している層の腐食、拡散、またはエレクトロマイグレーションを防ぐ材料からなる層を、少なくとも1層含むことを特徴とする請求項42または43に記載の方法。
【請求項45】
前記バリア/キャッピング材は、Ti、TiN、TiW、Cr、Ni、NiB、NiP、NiCo、NiBW、NiM−P、Pd、Pt、Au、Ag、W、Ru、Ta、TaN、Re、Os、Hf、Rh、Wo、Co、CoReP、CoP、CoWP、CoWB、CoWBP、それらの合金、またはそれらの組み合わせのいずれかであることを特徴とする請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記バリア/キャッピング材は、電着法、MOCVD、CVD、PVD、ALD、スパッタリング法、無電解めっき法、浸漬堆積法、電子グラフト法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により成膜されることを特徴とする請求項43〜45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記バリア/キャッピング材は、無電解めっき法等のマスクレス選択的成膜法により成膜され、前記構造層等の前記成膜処理に対して活性な表面上にのみ成膜され、前記材料層上には成膜されないことを特徴とする請求項43〜46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記バリア/キャッピング材を、前記工程a)においてシード層として用いることを特徴とする請求項1〜47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記シード層は、Ru、Os、Hf、Re、Cr、Au、Ag、Cu、Sn、Ti、TiN、TiW、Ni、NiB、NiP、NiCo、NiBW、NiM−P、Al、Pd、Pt、W、Ta、TaN、Rh、Wo、Co、CoReP、CoP、CoWP、CoWB、CoWBP、これら材料からなる合金、Si、導電性ポリマー(ポリアニリン等)、はんだ材料(SnPb、SnAg、SnAgCu、SnCu等)、合金(モネル、パーマロイ等)、それらの合金、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料からなることを特徴とする請求項1〜48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記シード層を洗浄、活性化する工程をさらに有し、該洗浄、活性化工程では、アセトンまたはアルコール等の有機溶剤を用いること、および/または、硝酸、硫酸、リン酸、塩酸、酢酸、フッ化水素酸、強酸化剤(過酸化水素を始めとする過酸化物等)、過硫酸塩(過硫酸ナトリウムまたは過硫酸アンモニウム等)、塩化第二鉄等の無機溶剤を用いること、および/または、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ、水素プラズマを用いること、および/または機械的に不純物を除去することを特徴とする請求項1〜49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記シード層を設ける前、および/または、前記バリア/キャッピング材を成膜する前に、粘着層を設ける工程をさらに有し、前記粘着層は前記シード層または前記バリア/キャッピング材の前記材料層または構造への粘着性を高めることを特徴とする請求項1〜50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
前記粘着層は、Cr、Ti、TiW、AP−3000(ダウ・ケミカル社製)、AP−100(Silicon Resources社製)、AP−200(Silicon Resources社製)、AP−300(Silicon Resources社製)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された少なくとも1つの材料からなることを特徴とする請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記少なくとも1つの電気化学セルを形成する前記工程を、前記絶縁パターン層を前記基板上のパターン層に位置合わせする方法により実施することを特徴とする請求項1〜52のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
前記位置合わせ方法においては、前記基板上の位置合わせマークに対応するよう、前記主電極の前側および/または後側に、位置合わせマークを用いることを特徴とする請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記位置合わせ方法を、少なくとも1つの電気化学セルを形成する工程に先立って実施することを特徴とする請求項53または54に記載の方法。
【請求項56】
前記形成された電気化学セルは、銅またはニッケルイオン等の陽イオン溶液および硫酸イオン等の陰イオン溶液を、電気化学エッチングおよび/または電気化学めっきのために含んでいることを特徴とする請求項1〜55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
前記電解質は、例えば、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol:PEG)と塩化物イオンおよび/またはSPS(BiS(3-sulfopropyl)disulfide)との混液、MPSA、および/または、ラウリル硫酸ナトリウムといった、抑制剤および/またはレベラ(leveler)および/または促進剤を含んでいることを特徴とする請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記構造層は、Au、Ag、Ni、Cu、Sn、Pb、SnAg、SnAgCu、AgCu、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料からなることを特徴とする請求項1〜57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
前記構造層は、CuまたはNiからなることを特徴とする請求項1〜58のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
前記陽極材を、電気めっき法、無電解めっき法、浸漬めっき法、CVD、MOCVD、パウダーコーティング、化学グラフト法、電子グラフト法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法を用いて、前記絶縁パターン層の空洞内の前記導電電極層上に配置することを特徴とする請求項1〜59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
前記陽極材を配置する前記方法は、電気めっき法または無電解めっき法を含むことを特徴とする請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記構造を形成する工程を、前記電圧を切断することにより、すべてのまたは大部分の陽極材が溶解する前に中止することを特徴とする請求項1〜61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記構造を形成する工程を中止した時に、前記陽極材の少なくとも5%が残っていることを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記構造のエッチング深度またはめっき厚を、時間および前記少なくとも1つの電気化学セルを流れる電流をモニタリングすることにより制御することを特徴とする請求項1〜63のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
前記分離工程d)を、前記基板を所定の位置に保持し、前記主電極を前記基板表面に直交する方向に移動させることによって、または前記主電極を所定の位置に保持し、前記基板を前記主電極表面に直交する方向に移動させることによって、または分離が容易となるように平行度の低い方法で、またはそれらの組み合わせによって行うことを特徴とする請求項1〜64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
前記シード層を除去する工程e)を、ウェットエッチング、ドライエッチング、電気化学エッチング、またはそれらの組み合わせによって行うことを特徴とする請求項1〜65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
前記シード層、バリア/キャッピング層および/または構造層の全面またはほぼ全面を覆う保護コーティングを設ける工程と、
前記保護コーティングに異方性エッチングを施して、前記構造の側壁に保護層を残しつつ前記構造間の前記シード層、バリア/キャッピング層および/または構造層の上端部を露出させる工程と、
前記構造間の前記シード層および/またはバリア/キャッピング層を除去する工程と、
をさらに含むことを特徴とする請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記材料層は、誘電体からなる少なくとも1つの層であり、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、パウダーコーティング法、ディップコーティング法、ローラーコーティング法、スパッタリング法、PVD、CVD、プラズマ化学気相成長法(plasma-enhanced chemical vapor deposition:PECVD)、電着法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により設けられることを特徴とする請求項1〜67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
前記材料層は、金属からなる少なくとも1つの層であり、電着法、MOCVD、CVD、PVD、ALD、スパッタリング法、無電解めっき法、浸漬堆積法、電子グラフト法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された方法により形成されることを特徴とする請求項1〜68のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
前記誘電体は、low−k誘電体、超low−k誘電体、4未満のk値の誘電体、2.5未満のk値の誘電体、有機化合物、絶縁無機化合物、酸化物、窒化物、ポリマー材料、ポリイミド、シロキサン変性ポリイミド、BCB、SU−8、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene:PTFE)、シリコーン、弾性重合体、電子ビームレジスト、ZEP(住友)、フォトレジスト、薄膜レジスト、厚膜レジスト、多環オレフィン、ポリノルボルネン、ポリエチレン、ポリカーボネート、PMMA、BARC材料、リフトオフレイヤー(lift off layer:LOL)材料、PDMS、ポリウレタン、エポキシポリマ、フルオロエラストマ、アクリレート重合体、(天然)ゴム、シリコーン、ラッカ、ニトリルゴム、EPDM、ネオプレン、PFTE、パリレン、フルオロメチレンシアン酸エステル、無機−有機ハイブリッドポリマ、(フッ素化および/または水素化)非晶質炭素、有機ドープシリコンガラス(organic-doped silicon glass:OSG)、フッ素ドープシリコンガラス(fluorine-doped silicon glass:FSG)、PETE/シリコン化合物、オルトケイ酸テトラエチル(tetraethyl orthosilicate:TEOS)、SiN、SiO2、SiON、SiOC、SiCN:H、SiOCH材料、SiCH材料、シリケート、石英系材料、シルセスキオキサン(silsesquioxane:SSQ)系材料、(ナノ多孔)メチルシルセスキオキサン(methyl silsesquioxane:MSQ)、水素シルセスキオキサン(hydrogen silsesquioxane:HSQ)、TiO2、Al2O3、TiN、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料からなる層を、少なくとも1層含むことを特徴とする請求項66に記載の方法。
【請求項71】
前記材料を堆積する工程f)の前にエッチングストップ層を前記構造上に配置する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1〜70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項72】
前記エッチングストップ層は、SiC、SiN、フィルム、low−k誘電体バリア/エッチングストップフィルム(BLOKTM等)、Ti、TiN、TiW、Cr、Ni、NiB、NiP、NiCo、NiBW、NiM−P、Pd、Pt、Au、Ag、W、Ru、Ta、TaN、Re、Os、Hf、Rh、Wo、Co、CoReP、CoP、CoWP、CoWB、CoWBP、それらの合金、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料からなる層を、少なくとも1層含むことを特徴とする請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記材料層は、多孔性low−k誘電体であり、前記材料層上にさらに材料層を設ける前に、孔の密閉処理を行うことを特徴とする請求項1〜72のいずれか1項に記載の方法。
【請求項74】
前記材料層は犠牲ポリマーであり、熱処理または放射線処理により気体化することを特徴とする請求項1〜73のいずれか1項に記載の方法。
【請求項75】
前記犠牲ポリマーは、Unity Sacrificial PolymerTM(Promerus社製)等のブチルノルボルネンおよびトリエトキシシリルノルボルネンの共重合体であることを特徴とする請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記工程h)の前に、構造層を形成する工程をさらに含み、該工程は、リソグラフィ法、電着等の堆積法、無電解めっき法、ウェットエッチングまたはドライエッチングにより形成されることを特徴とする請求項1〜75のいずれか1項に記載の方法。
【図1】
【図2−1】
【図2−2】
【図3−1】
【図3−2】
【図4−1】
【図4−2】
【図5−1】
【図5−2】
【図6−1】
【図6−2】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2−1】
【図2−2】
【図3−1】
【図3−2】
【図4−1】
【図4−2】
【図5−1】
【図5−2】
【図6−1】
【図6−2】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公表番号】特表2009−516388(P2009−516388A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−541118(P2008−541118)
【出願日】平成18年11月20日(2006.11.20)
【国際出願番号】PCT/SE2006/001319
【国際公開番号】WO2007/058603
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(508149515)レプリソールス テクノロジーズ アーベー (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月20日(2006.11.20)
【国際出願番号】PCT/SE2006/001319
【国際公開番号】WO2007/058603
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(508149515)レプリソールス テクノロジーズ アーベー (3)
【Fターム(参考)】
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