説明

薄膜トランジスタ及びその製造方法

【課題】薄膜トランジスタ及びその製造方法に関し、特に、漏洩電流を減少するための薄膜トランジスタ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】可撓性基板100と、可撓性基板100上に形成される拡散防止層110と、拡散防止層110上に少なくとも二個の絶縁物質が積層して形成されるバッファ層120と、バッファ層120の一の領域上にチャンネル層130aとソース/ドレイン領域130bを有して形成される半導体層130と、半導体層130を含むバッファ層120上に形成されるゲート絶縁層140と、ゲート絶縁層140上のチャンネル層130aと対応する領域に形成されるゲート電極150と、ゲート電極150を含むゲート絶縁層140上に形成される層間絶縁層160と、層間絶縁層160にソース/ドレイン領域130bの少なくとも一の領域を露出させる所定のコンタクトホール170有し、ソース/ドレイン領域130bに接続されるように形成されるソース/ドレイン電極180a、180bと、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜トランジスタ及びその製造方法に関し、特に、半導体の結晶化工程時、低い温度、短い時間で熱処理し、さらに、拡散防止層とマルチバッファ層及び低濃度ドーピング領域を形成して漏洩電流を防止する薄膜トランジスタ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、有機電界発光表示装置、TFT−LCDのような平板型ディスプレイ装置は、駆動特性上、フレキシブル化が可能であり、これに関する研究が活発に進められている。
【0003】
このようなディスプレイ装置に軟性を備えるために、可撓性(flexible)基板を使用している。前記可撓性基板としては、一般的に、合成樹脂からなるプラスチック基板が使用される。しかし、プラスチック基板上の薄膜トランジスタは、水分及び酸素透過により有機発光層が劣化してしまい、基板が変形したり、基板上に形成される薄膜層が変形したりするという問題点がある。
【0004】
一方、可撓性基板、特に、ステンレススチール(SUS)のような金属基板(metal foil)を用いて形成された金属薄膜トランジスタは、完全に曲げることはできないものの、水分及び酸素透過による有機発光層の劣化の問題はなく、高温工程が可能であるため、バックプレーン(backplane)で高いチャンネル領域移動度を有する低温ポリシリコン(low temperature poly silicon:LTPS)を使用することができる。
【0005】
伝導性基板、特に、ステンレススチールまたはチタニウムなどで形成された伝導性薄膜上に薄膜トランジスタを実現するためには、伝導性薄膜と薄膜トランジスタとの間に絶縁可能なバッファ層が必要である。このように、絶縁層としてのバッファ層が伝導性薄膜上に形成された薄膜トランジスタは、SOI(Silicon on insulator)と類似する電気的、構造的な特性を有することになる。従来、薄膜トランジスタを構成する半導体層は、非晶質シリコン層を低温加熱して結晶化したり、エキシマレーザー結晶化(eximer laser annealing;ELA)した低温ポリシリコンを用いたりする。
【0006】
上記のような従来の薄膜トランジスタ製造工程において、低温ポリシリコンに所定の熱処理を施す際に、バッファ層を通じて基板のクロム、鉄、ニッケル、炭素などの不純物が半導体層に拡散する。この結果、半導体層内の特定の部位にディープレベル、つまり、欠陥状態密度が増加したり、または半導体層のバッファ層の界面が汚染したりして、漏洩電流が発生するという問題点がある。
【特許文献1】大韓民国公開特許10−2005−0105867号
【特許文献2】大韓民国公開特許10−2001−0038535号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記従来の問題点を解決するためになされたものであって、可撓性基板の金属イオンなどの不純物が半導体層に拡散する現象を防止し、漏洩電流を改善する薄膜トランジスタ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明の第1側面は、可撓性基板、前記可撓性基板上に形成される拡散防止層と、前記拡散防止層上に少なくとも二重に形成されるバッファ層、前記バッファ層の一の領域上にチャンネル層とソース/ドレイン領域を有して形成される半導体層と、前記半導体層を含む前記バッファ層上に形成されるゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上の前記チャンネル層と対応する領域に形成されるゲート電極と、前記ゲート電極を含む前記ゲート絶縁層上に形成される層間絶縁層及び前記層間絶縁層に前記ソース/ドレイン領域の少なくとも一の領域を露出させる所定のコンタクトホールを有し、前記ソース/ドレイン領域に接続されるように形成されるソース/ドレイン電極と、を備える薄膜トランジスタを提供する。
【0009】
本発明の第2側面は、可撓性基板、前記基板上に形成された非金属からなる3相系非晶質拡散防止層と、前記拡散防止層上に少なくとも二重に形成されたバッファ層と、前記バッファ層の一の領域上にチャンネル層とソース/ドレイン領域を有して形成された半導体層と、前記半導体層を含めて前記バッファ層上に形成されたゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上の前記チャンネル層と対応する領域に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極を含む前記ゲート絶縁層上に形成された層間絶縁層及び前記層間絶縁層に前記ソース/ドレイン領域の少なくとも一の領域を露出させる所定のコンタクトホールを有し、前記ソース/ドレイン領域に接続するように形成されたソース/ドレイン電極と、を備える薄膜トランジスタを提供する。
【0010】
本発明の第3側面は、可撓性基板と、前記可撓性基板上に形成された拡散防止層と、前記拡散防止層上に少なくとも二重に形成されたバッファ層と、前記バッファ層の一の領域上にチャンネル層とソース/ドレイン領域を有し、前記ソース/ドレイン領域が急速熱処理法(Rapid Thermal Anneals:RTA)で活性化する半導体層と、前記半導体層を含めて前記バッファ層上に形成されるゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上の前記チャンネル層と対応する領域に形成されるゲート電極と、前記ゲート電極を含めて前記ゲート絶縁層上に形成される層間絶縁層と、前記層間絶縁層に前記ソース/ドレイン領域の少なくとも一の領域を露出させる所定のコンタクトホールを有し、前記ソース/ドレイン領域に接続されるように形成されるソース/ドレイン電極と、を備える薄膜トランジスタを提供する。
【0011】
本発明の第4側面は、可撓性基板、前記基板上に形成された多重バッファ層と、前記バッファ層上に形成されパターニングされたソース/ドレイン領域と、チャンネル領域及び低濃度ドーピング領域を有する半導体層と、前記半導体層上に形成される第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層上に形成され、前記半導体層と対応するように形成されるゲート電極と、前記ゲート電極上に形成される第2の絶縁層と、前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層に形成されたコンタクトホールを介して前記半導体層と電気的に接続されるソース/ドレイン電極と、を備える薄膜トランジスタを提供する。
【0012】
本発明の第5側面は、可撓性基板上に拡散防止層を形成する段階と、前記拡散防止層上に少なくとも二重にバッファ層を形成する段階と、前記バッファ層上に非晶質シリコン層を形成した後、前記非晶質シリコン層をポリシリコンに結晶化し、所定の形状にパターニングして半導体層を形成する段階と、前記バッファ層上と前記半導体層上とにゲート絶縁膜を形成する段階と、前記ゲート絶縁層の一の領域上にゲート電極を形成する段階と、前記ゲート電極をマスクとして用いて前記半導体層の前記ゲート電極に対応する領域を除く他の領域をイオンドーピングして、前記半導体層がチャンネル層とソース/ドレイン領域に区分されるようにする段階と、前記ゲート絶縁層上と前記ゲート電極上とに層間絶縁層を形成する段階と、炉(furnace)で350℃〜450℃の温度で、10分〜1時間熱処理して、前記半導体層を活性化する段階と、前記ソース/ドレイン領域の少なくとも一領域を露出させる所定のコンタクトホールを有し、前記コンタクトホールを介して前記ソース/ドレイン領域に接続されるようにソース/ドレイン電極を形成する段階と、を含む薄膜トランジスタ製造方法を提供する。
【0013】
本発明の第6側面は、可撓性基板を用意する段階と、前記基板上に非金属からなる3相系非晶質拡散防止層を形成する段階と、前記拡散防止層上にバッファ層を形成する段階と、前記バッファ層上に非晶質シリコン層を形成する段階と、前記非晶質シリコン層上にキャッピング層を形成する段階と、前記キャッピング層上に金属触媒層を形成する段階と、前記基板を熱処理して前記非晶質シリコン層を多結晶シリコン層に結晶化する段階と、前記金属触媒層及び前記キャッピング層を除去する段階と、前記多結晶シリコン層をパターニングして半導体層を形成する段階と、前記半導体層が形成された基板上にゲート絶縁層、ゲート電極、層間絶縁層、及びソース/ドレイン電極を形成する段階と、を含む薄膜トランジスタの製造方法を提供する。
【0014】
本発明の第7側面は、可撓性基板上に拡散防止層を形成する段階と、前記拡散防止層上に少なくとも二重にバッファ層を形成する段階と、前記バッファ層上に非晶質シリコン層を形成した後、前記非晶質シリコン層をポリシリコンに結晶化し、所定の形状にパターニングして半導体層を形成する段階と、前記バッファ層と前記半導体層上にゲート絶縁層を形成する段階と、前記ゲート絶縁層の一の領域上にゲート電極を形成する段階と、前記ゲート電極をマスクとして用いて前記半導体層の前記ゲート電極に対応する領域を除く他の領域をイオンドーピングして、前記半導体層がチャンネル層とオーミックコンタクト層に区分されるようにする段階と、前記ゲート絶縁層上と前記ゲート電極上とに層間絶縁層を形成する段階と、急速熱処理法(Rapid Thermal Anneals:RTA)で前記半導体層を活性化する段階と、前記オーミックコンタクト層の少なくとも一の領域を露出させる所定のコンタクトホールを有し、前記コンタクトホールを介して前記オーミックコンタクト層に接続するようにソース/ドレイン電極を形成する段階と、を含む薄膜トランジスタ製造方法を提供する。
【0015】
前記本発明の第8側面は、可撓性基板上に少なくとも2層の絶縁層が積層されたバッファ層を形成する段階と、前記バッファ層上にパターニングされた半導体層を形成する段階と、前記半導体層上に第1の絶縁層を形成する段階と、前記第1の絶縁層上にゲート電極を形成した後、前記半導体層と対応するようにゲート電極をパターニングして形成する段階と、前記ゲート電極をマスクとして用いて前記半導体層パターン上に低濃度不純物をイオン注入して低濃度ドーピング領域を形成する段階と、前記半導体層上に感光剤を塗布して、フォト工程によってコンタクトホールドーピング領域を定義した後、前記定義されたドーピング領域に高濃度の不純物をイオン注入してオーミックコンタクト層を形成して、前記感光剤を除去する段階と、前記ゲート電極上に第2の絶縁層を形成する段階と、前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層を貫通するコンタクトホールを形成した後、電極を蒸着し、ソース電極及びドレイン電極をパターニングして形成する段階と、を含む薄膜トランジスタ製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明による薄膜トランジスタ及びその製造方法によれば、拡散防止層と、少なくとも二重以上の構造に積層されたバッファ層を備え、活性化温度及び時間を低減することによって、半導体層の活性化工程時、可撓性基板の金属成分が半導体層に拡散することを防止し、漏洩電流を改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付の図面に基づいて本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。
【0018】
図1a〜図1fは、本発明の第1実施形態による薄膜トランジスタ及びその製造方法を示す図である。
【0019】
図1a〜図1fを参照すれば、本発明による薄膜トランジスタは、まず、可撓性基板100上に拡散防止層110を形成する。ここで、可撓性基板100は、ステンレススチール(SUS)またはチタニウム(Ti)で形成されることが好ましく、拡散防止層110は、特に限定されるものではないが、100nm〜400nmの厚さの窒化チタニウム(TiN)で形成することができる。
【0020】
拡散防止層110は、可撓性基板100のクロム、鉄、ニッケル、または炭素などの不純物が所定の熱処理工程によってバッファ層120を経て、半導体層130に拡散する現象を防止するために形成される(図1a参照)。
【0021】
次に、拡散防止層110上にはバッファ層120が形成される(図1b参照)。
【0022】
バッファ層120は、外部からの熱などによって可撓性基板100が損傷することを防ぐために形成される。一方、バッファ層120を単層に形成する場合、所定の熱処理工程時、可撓性基板100の金属イオンなどの不純物がバッファ層120を通過して半導体層130に拡散することがある。このため、バッファ層120を少なくとも二重に形成して、金属物質がバッファ層120を簡単に通過することができないようにする。例えば、バッファ層120は、第1の酸化シリコン(SiO)120a/第1の窒化シリコン(SiNx)120bが積層された二重構造に形成する。好ましくは、第1の酸化シリコンは30nm〜1μmの厚さに形成する。また、第1の窒化シリコンは50nm〜30nmの厚さに形成し、第1の酸化シリコン120aと第1の窒化シリコン120bとの位置は互いに入れ替わっても良い。また、図1gに示すように、バッファ層120は、第1の酸化シリコン(SiO)120a/第1の窒化シリコン(SiNx)120b/第2の酸化シリコン120c/第2の窒化シリコン120dが積層された構造に形成することもできる。好ましくは、第1の酸化シリコン120aは30nm〜1μm、第1の窒化シリコン120bは30nm〜50nm、第2の酸化シリコン120cは50nm〜1μm、第2の窒化シリコン120dは30nm〜50nmの厚さに形成し、酸化シリコン120a、120cと窒化シリコン120b、120dの位置とは互いに入れ替わっても良い。
【0023】
次に、バッファ層120の一の領域上にはチャンネル層130aとソース/ドレイン領域130bを有する半導体層130が形成される(図1c参照)。
【0024】
半導体層130は、チャンネル層130a及びソース/ドレイン領域130bを有し、ポリシリコンで形成される。ポリシリコンを形成する方法は、まず、バッファ層120上に非晶質シリコン(amorphous silicon)層を形成する。そして、約430℃程度の温度で加熱して非晶質シリコン層内部に含まれた水素成分を除去する脱水素処理を行った後、脱水素処理された非晶質シリコン層を所定の方法で結晶化する。ここで、非晶質シリコンは、ELA(excimer laser anneal)法を用いて結晶化する。非晶質シリコン層がポリシリコン層に結晶化し、結晶化されたポリシリコン層をパターニングして半導体層130を形成する。
【0025】
次に、半導体層130を含めてバッファ層120上にはゲート絶縁層140を形成する(図1d参照)。
【0026】
次に、ゲート絶縁層140上には金属層(図示せず)を形成し、形成された金属層をパターニングしてゲート電極150を形成する(図2e参照)。そして、ゲート電極150をマスクとして用いて半導体層130のうちのチャンネル層130a領域を除く他の領域にn型ドーパント(n+)またはp型ドーパント(p+)をドーピングして、ソース/ドレイン領域130bを形成する。
【0027】
その後、ゲート電極150と半導体層130を含めてバッファ層120上に層間絶縁層160を形成する(図1f参照)。層間絶縁層160を形成した後、半導体層130には活性化工程を施す。一方、非晶質状態の半導体層130を結晶化して、ポリ状態にし、ポリ状態である半導体層130をイオンシャワーでドーピングすると、高エネルギーのドーパントが格子と衝突して結晶質のシリコン格子が損傷する。この結果、半導体層130は非晶質状態になると共に、ドーピング原子が侵入型として存在してドーパントの機能ができなくなる。よって、再び熱処理をして結晶化状態に戻してドーパントの位置を置換型に変更する。これを活性化工程という。この活性化工程は、炉で350℃〜450℃の温度で、10分〜1時間実施する。その後、層間絶縁層160を貫通してソース/ドレイン領域130bを露出させるコンタクトホール170を形成する。そして、後続工程で、コンタクトホール170を介してソース/ドレイン領域130bと電気的に接続されるソース/ドレイン電極180a、180bを形成する。 以上のような薄膜トランジスタ製造工程において、半導体層130の活性化工程は高温熱処理が必要である。可撓性基板100による金属イオンなどの不純物が半導体層130に拡散する距離は、以下の下記の数式1で表される。
【0028】
【数1】

【0029】
ここで、上記式において、xは拡散距離、DOは定数、tは拡散時間、Tは温度、E*はエネルギーバリアである。
【0030】
数式1に示すように、拡散距離xは温度Tに指数関数的に比例し、時間tに1/2乗で比例することが分かる。よって、活性化工程を実施する温度Tと時間tを短縮することで、不純物の拡散距離xを減少することができる。
【0031】
図2a〜図2cは、本発明の第1実施形態による漏洩電流特性を示す断面図であり、表1は、図2a〜図2cのデータを示す。
【0032】
図2a〜図2cと表1に基づいて説明すると以下のとおりである。
【0033】
【表1】

【0034】
図2a〜図2cと表1によれば、半導体層を活性化する工程を炉で450℃の温度で2時間行なった場合、漏洩電流は1.160e−11であり、400℃の温度で2時間行なった場合、漏洩電流は6.31e−12であり、400℃の温度で30分間行なった場合、漏洩電流は2.51e−12であることが分かる。
【0035】
即ち、図2cに示す、400℃の温度で30分間半導体層の活性化工程を行なったときの漏洩電流が最も小さく、400℃、30分の工程温度と時間が漏洩電流を減少するのに最も好適である。
【0036】
図3a〜図3dは、本発明の第2実施形態による薄膜トランジスタ及びその製造方法を示す断面図である。
【0037】
図3a〜図3dを参照すれば、本発明による薄膜トランジスタ及びその製造方法は、まず、可撓性基板200を用意する。ここで、可撓性基板200は、ステンレススチールまたはチタニウムで形成することが好ましい。次に、可撓性基板200上に拡散防止層210を形成する(図3a参照)。
【0038】
拡散防止層210は、非金属からなる3相系非晶質でTaSiN及びTiSiNのうちのいずれか一つを用いてスパッタ法で略100nm〜500nmの厚さに形成する。そして、拡散防止層210上にはバッファ層220を形成する。
【0039】
バッファ層220は、SiO、SiNx、及びSiO/SiNxからなる群から選択されたいずれか一つを用いてスパッタ法で形成する。ここで、バッファ層220の好適な厚さは、略50nm〜200nm程度である。バッファ層220は、可撓性基板220で発生する不純物の拡散を防止し、SGS結晶化時に熱の伝達速度を調節することによって、半導体層230の結晶化がうまく行なわれるように調節する。
【0040】
次に、バッファ層220上に半導体層230を形成する(図3b参照)。
【0041】
半導体層230は、まず、非晶質シリコン層の形態に形成され、その後、非晶質シリコン層内に水素が残留しないように脱水素工程を行なう。半導体層230上にはキャッピング層240を形成する。
【0042】
キャッピング層240は、SiNx、SiOx、及びSiOからなる群から選択されたいずれか一つを用いてプラズマ強化化学気相蒸着法(PECVD)及びスパッタ法を用いて形成する。キャッピング層240は、略50nm〜200nmの厚さに形成することが好ましい。ここで、キャッピング層240は、後続工程である金属触媒層250のニッケルを半導体層230の界面に選択的に拡散または浸透させる役割を果たす。キャッピング層240上には金属触媒層250を形成する。
【0043】
金属触媒層250は、キャッピング層240上に形成される。一方、金属触媒層250は、結晶化誘導物質であるニッケルで蒸着される。この時、ニッケルの密度は、1013〜1014atoms/cmで形成される。金属触媒層250のニッケルは、結晶化誘導物質として半導体層230の界面で結晶化の核であるシードを形成した後、結晶粒を形成する役割を果たす。
【0044】
一方、本発明では、金属触媒層250としてニッケルを使用する例を挙げたが、これに限定されるものではなく、Ni、Pd、Ti、Ag、Au、Al、Sn、Sb、Cu、Co、Mo、Cr、Ru、Rh、Cd、及びPtからなる群から選択される少なくとも一つの物質を使用することができる。
【0045】
その後、可撓性基板220を、炉、RTAまたはレーザーのような加熱装置で熱処理する。熱処理工程によって金属触媒層250の結晶化誘導物質であるニッケルを拡散または浸透させて、キャッピング層240と半導体層230との界面に移動させる。これにより、結晶化シード231が形成され、この結晶化シード231によって非晶質シリコン層が結晶粒界232を有する多結晶シリコン層に結晶化する(図3c参照)。
【0046】
このように、非晶質シリコン層上部にキャッピング層と金属触媒物質とを形成した後、結晶化するSGS(Super Grained Si)法を用いて非晶質シリコン層を多結晶シリコン層に結晶化することによって、グレーン(grain)の大きさは、数μm〜数百μmと極めて粗大化する。また、グレーン内において、電子や正孔の移動を妨害するバリアとして作用する粒界(grain boundary)がグレーンの大きさが大きくなることによって、電子や正孔が移動し易くなって、電子や正孔の速度が向上する。
【0047】
次に、熱処理工程で非晶質シリコン層を多結晶シリコン層に結晶化した後、キャッピング層240及び金属触媒層250を除去する(図3d参照)。
【0048】
次に、半導体層230をパターニングし、半導体層230上にゲート絶縁層260を形成する。ここで、ゲート絶縁層260は、酸化膜及び窒化膜を使用してPECVD法を用いて形成することができる。また、ゲート絶縁層260を形成する好適な厚さは、略500Å〜1000Åである。なお、ゲート絶縁層260上にはゲート電極270を形成する。
【0049】
ゲート電極270は、ゲート絶縁層260上に導電性金属、例えば、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、銅(Cu)などをスパッタ法で形成する。ゲート電極270の好適な厚さは、略2000Å〜4000Åであり、これを所定の形状にパターニングする。その後、ゲート電極270上に層間絶縁層280が形成される。
【0050】
層間絶縁層280は、ゲート絶縁層260の材料及び形成方法と同様に形成することができる。層間絶縁層280上には、ソース/ドレイン電極(290a、290b)が形成され、ゲート絶縁層270と層間絶縁層280とに形成されたコンタクトホール265を介して半導体層230のソース/ドレイン領域230bと電気的に集束されるようにする。一方、ソース/ドレイン電極290は、金属層上部にフォトレジスタを塗布した後、所定の形態にパターニングして形成することができる(図3d参照)。
【0051】
図4a及び図4bは、本発明の第3実施形態による薄膜トランジスタ及びその製造方法を示す断面図である。
【0052】
図4a及び図4bを参照すれば、本発明による薄膜トランジスタは、可撓性基板300、拡散防止層310、バッファ層320、半導体層330、ゲート絶縁層340、ゲート電極350、層間絶縁層360、及びソース/ドレイン電極370a、370bを備える。
【0053】
本実施形態では、半導体層300の活性化工程を除けば、図1a〜図1fで説明したものと同様であるので、活性化工程についてのみ説明する。
【0054】
本実施形態による半導体層330の活性化工程は、急速熱処理法(RTA)を用いて500℃〜650℃で30秒〜2分間行なう。急速熱処理法(RTA)は、IR lampを利用した急速加熱法であって、この技術は、金属基板を瞬間的に過熱した場合、金属歪曲点以上の温度であっても数秒間は金属基板を損傷することなく熱処理が可能であることを利用したものである。
【0055】
一方、バッファ層320は、図4aに示すように、第1の酸化シリコン(SiO)320a/第1の窒化シリコン(SiNx)が積層した構造に形成することができ、図4bに示すように、第1の酸化シリコン(SiO)320a/第1の窒化シリコン(SiNx)/第2の酸化シリコン320c/第1の窒化シリコン320dが積層した構造に形成することもできる。好ましくは、第1の酸化シリコン320aは30nm〜1μm、第1の窒化シリコン320bは50nm〜30nm、第2の酸化シリコン320cは50nm〜1μm、第2の窒化シリコン320dは30nm〜50nmの厚さに形成し、酸化シリコン320a、320cと窒化シリコン320b、320dとの位置は互いに入れ替わっても良い。
【0056】
図5a〜図5cは、本発明の第4実施形態による薄膜トランジスタを示す断面図である。
【0057】
図5a〜図5cを参照すれば、本発明による薄膜トランジスタは、可撓性基板400、バッファ層410、半導体層420、第1の絶縁層430、ゲート電極440、第2の絶縁層450、及びソース/ドレイン電極460a、460bを備える。
【0058】
可撓性基板400は、金属薄膜(metal foil)形態に形成することが好ましく、ステンレススチールまたはチタニウムなどで形成する。ここで、可撓性基板400がステンレススチールのような金属薄膜で形成される場合、後続工程である薄膜トランジスタ形成時に不純物拡散を防止できるバッファ層120が形成される。
【0059】
バッファ層410は、少なくとも二重に可軟性基板400上に形成される。ここで、バッファ層410は、可撓性基板400上に形成された非晶質シリコン層を様々な結晶化法の一つ(例えば、エキシマレーザー法)を用いてポリシリコン層に変換する過程で、不純物が半導体層420に拡散することを防止できる。
【0060】
このようなバッファ層410は、SiO/SiNx410a、410bで形成され、SiO410aは200nm〜1μm、SiNx410bは50nm〜200nm厚さの範囲で形成される。ここで、SiO410aとSiNx410bとの位置は互いに入れ替わっても良い。
【0061】
半導体層420は、まず、バッファ層410上に非晶質シリコン層(図示せず)で形成され、非晶質シリコン層は様々な結晶化法の一つを用いてポリシリコン層に結晶化される。本実施形態では、エキシマレーザー法などを用いて低温ポリシリコン(LTPS)を形成する。結晶化工程で形成されたポリシリコン層をパターニングすることによって半導体層420が形成される。また、後続工程としてゲート電極430を形成した後、ゲート電極430をマスクとして用いて半導体層420上に低濃度の不純物を単位面積当り略1011〜1012lons/cmでドーピングして低濃度ドーピング領域420bを形成する。以下、低濃度ドーピング領域420bをLDD領域(Lightly doped drain;LDD)と称する。
LDD領域420bを形成した後、感光剤(Photo Resist;PR)(図示せず)を塗布し、フォト工程(photolithography)によってコンタクトホールドーピング領域を定義する。その後、半導体層420の露出したソース/ドレイン領域420c上に、高濃度の不純物を単位面積当り略1020lons/cmでドーピングした後、感光剤を除去する。これにより、半導体層420には、高濃度でドーピングされたソース/ドレイン領域420c及び低濃度でドーピングされたLDD領域420bが形成される。即ち、半導体層420は、不純物がドーピングされないチャンネル領域420a、低濃度でドーピングされたLDD領域420b、及び電気的信号の印加を受けるためのソース/ドレイン領域420cを有する。
【0062】
一方、半導体層420のLDD領域420bは、可撓性基板100から予想外の不純物がチャンネル領域420aに拡散するとしても、それによる薄膜トランジスタの特性低下を低減できる。また、LDD領域420bは、ゲート電極440と離隔しているため、一定の電位を有するソース/ドレイン領域420cからゲート電極440に及ぼす電界の影響が減少する。よって、薄膜トランジスタがoff状態であるとき、ソース/ドレイン領域420cの間に流れる漏洩電流を減少することによって、薄膜トランジスタのオフ電流特性を向上する。
【0063】
第1の絶縁層430は、半導体層420上に形成される。ここで、第1の絶縁層430は半導体層420とゲート電極440を絶縁する役割を果たす。第1絶縁層430の絶縁物質として、酸化膜または窒化膜を使用するが、これに限定されるものではない。
ゲート電極440は、第1の絶縁層430上に形成される。ここで、ゲート電極440は、半導体層420のチャンネル領域420aの上部に所定のパターンに形成される。一方、ゲート電極440は、導電性金属、例えば、アルミニウム(Al)、MoW、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、銀(Ag)、銀合金、アルミニウム合金、及びITOで構成された群から選択される一つの物質からなり、これらに限定されるものではない。
【0064】
第2の絶縁層450は、ゲート電極440を含めて第1の絶縁層430上に形成される。ここで、第2の絶縁層450は、第1の絶縁層430と同一物質で形成できる。
ソース/ドレイン電極460a、460bは、第2の絶縁層450上に形成され、第1の絶縁層430と第2の絶縁層450に形成されたコンタクトホール470を介して半導体層420のソース/ドレイン領域430cとそれぞれ電気的に接続されるようにする(図5a)。
【0065】
一方、可撓性基板400とバッファ層410との間には拡散防止層405がさらに形成できる。ここで、拡散防止層405は、非晶質シリコン層がポリシリコンに結晶化されるとき、不純物が可撓性基板400を通じて半導体に流入することを効果的に防止する。拡散防止層405は、Tin、TiAIN及びTaSiNなどで形成され、略100nm〜400nm厚さの範囲に形成される。また、可撓性基板400の下部面を通じて外部から予想外の電圧及び外部ノイズなどが流入することを防止するために、第3絶縁層415をさらに形成することもできる。これにより、LDD領域420bは、可撓性基板100から不純物がチャンネル領域420aに拡散するとしても、それによる薄膜トランジスタの特性低下を防止することができる(図5b参照)。
【0066】
一方、バッファ層410は、SiO/SiNx410a、410b上に、SiO/SiNo410c、410dをさらに形成できる。ここで、SiO/SiNo410c、410dのSiO410cは、50nm〜1μmに形成され、SiNo410dは、50nm〜200nm厚さの範囲に形成される(図5c参照)。
【0067】
以上、本発明の好適な実施形態について図示し説明したが、本発明は、上述した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲で請求している本発明の要旨を逸脱することなく当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば誰でも種々の変形実施が可能である。このような変更は、本発明の特許請求の範囲に含まれることは自明である。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、トランジスタに関する技術分野に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1a】本発明の第1実施形態に係る薄膜トランジスタ及びその製造方法を示す断面図である。
【図1b】本発明の第1実施形態に係る薄膜トランジスタ及びその製造方法を示す断面図である。
【図1c】本発明の第1実施形態に係る薄膜トランジスタ及びその製造方法を示す断面図である。
【図1d】本発明の第1実施形態に係る薄膜トランジスタ及びその製造方法を示す断面図である。
【図1e】本発明の第1実施形態に係る薄膜トランジスタ及びその製造方法を示す断面図である。
【図1f】本発明の第1実施形態に係る薄膜トランジスタ及びその製造方法を示す断面図である。
【図1g】本発明の第1実施形態に係る薄膜トランジスタ及びその製造方法を示す断面図である。
【図2a】本発明の第1実施形態に係る漏洩電流特性を示す断面図である。
【図2b】本発明の第1実施形態に係る漏洩電流特性を示す断面図である。
【図2c】本発明の第1実施形態に係る漏洩電流特性を示す断面図である。
【図3a】本発明の第2実施形態に係る薄膜トランジスタ及びその製造方法を示す断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性基板と、
前記可撓性基板上に形成される拡散防止層と、
前記拡散防止層上に少なくとも二重に形成されるバッファ層と、
前記バッファ層の一の領域上にチャンネル層とソース/ドレイン領域とを有して形成される半導体層と、
前記半導体層を含む前記バッファ層上に形成されるゲート絶縁層と、
前記ゲート絶縁層上の前記チャンネル層と対応する領域に形成されるゲート電極と、
前記ゲート電極を含む前記ゲート絶縁層上に形成される層間絶縁層と、
前記層間絶縁層に前記ソース/ドレイン領域の少なくとも一の領域を露出させる所定のコンタクトホールを有し、前記ソース/ドレイン領域に接続されるように形成されるソース/ドレイン電極と、
を備える薄膜トランジスタ。
【請求項2】
前記可撓性基板は、金属基板である請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項3】
前記金属基板は、ステンレススチールまたはチタニウムである請求項2に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項4】
前記拡散防止層は、窒化チタニウムで構成される請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項5】
前記窒化チタニウムは、100nm〜400nmの厚さに形成される請求項4に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項6】
前記バッファ層は、第1の酸化シリコン(SiO)/第1の窒化シリコン(SiNx)が積層された構造である請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項7】
前記第1の酸化シリコンは、30nm〜1μmの厚さに形成される請求項6に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項8】
前記第1の窒化シリコンは、50nm〜30nmの厚さに形成される請求項6に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項9】
前記バッファ層は、前記第1の酸化シリコン/第1の窒化シリコン上に、第2の酸化シリコン/第2の窒化シリコンがさらに積層された構造である請求項6に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項10】
前記第2の酸化シリコンは、50nm〜1μmの厚さに形成される請求項9に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項11】
前記第2の窒化シリコンは、50nm〜30nmの厚さに形成される請求項9に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項12】
可撓性基板と、
前記基板上に形成される非金属からなる3相系非晶質拡散防止層と、
前記拡散防止層上に形成されるバッファ層と、
前記バッファ層の一の領域上にチャンネル層とソース/ドレイン領域とを有して形成される半導体層と、
前記半導体層を含めて前記バッファ層上に形成されるゲート絶縁層と、
前記ゲート絶縁層上の前記チャンネル層と対応する領域に形成されるゲート電極と、
前記ゲート電極を含む前記ゲート絶縁層上に形成される層間絶縁層と、
前記層間絶縁層に前記ソース/ドレイン領域の少なくとも一の領域を露出させる所定のコンタクトホールを有し、前記ソース/ドレイン領域に接続されるように形成されるソース/ドレイン電極と、
を備える薄膜トランジスタ。
【請求項13】
前記拡散防止層は、TaSiN及びTiSiNのうちのいずれか一方で構成される請求項12に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項14】
前記拡散防止層は、100nm〜500nmの厚さに形成される請求項13に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項15】
前記バッファ層は、SiO、SiNx、及びSiO/SiNxからなる群から選択されたいずれかの一つで構成される請求項12に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項16】
前記バッファ層は、50nm〜30nmの厚さに形成される請求項15に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項17】
前記可撓性基板は、金属基板である請求項12に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項18】
前記金属基板は、ステンレススチールまたはチタニウムである請求項17に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項19】
可撓性基板と、
前記可撓性基板上に形成される拡散防止層と、
前記拡散防止層上に少なくとも二重に形成されるバッファ層と、
前記バッファ層の一領域上にチャンネル層とソース/ドレイン領域を有し、前記ソース/ドレイン領域が急速熱処理法で活性化される半導体層と、
前記半導体層を含む前記バッファ層上に形成されるゲート絶縁層と、
前記ゲート絶縁層上の前記チャンネル層と対応する領域に形成されるゲート電極と、
前記ゲート電極を含む前記ゲート絶縁層上に形成される層間絶縁層と、
前記層間絶縁層に前記ソース/ドレイン領域の少なくとも一の領域を露出させる所定のコンタクトホールを有し、前記ソース/ドレイン領域に接続されるように形成されるソース/ドレイン電極と、
を備える薄膜トランジスタ。
【請求項20】
前記可撓性基板は、金属基板である請求項19に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項21】
前記金属基板は、ステンレススチールまたはチタニウムである請求項20に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項22】
前記拡散防止層は、窒化チタニウムで構成される請求項19に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項23】
前記窒化チタニウムは、100nm〜400nmの厚さに形成される請求項22に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項24】
前記バッファ層は、第1の酸化シリコン(SiO)/第1の窒化シリコン(SiNx)が積層された構造である請求項19に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項25】
前記第1の酸化シリコンは、30nm〜1μmの厚さに形成される請求項24に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項26】
前記第1の窒化シリコンは、50nm〜30nmの厚さに形成される請求項24に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項27】
前記バッファ層は、前記第1の酸化シリコン/第1の窒化シリコン上に、第2の酸化シリコン/第2の窒化シリコンがさらに積層された構造である請求項24に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項28】
前記第2の酸化シリコンは、50nm〜1μmの厚さに形成される請求項27に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項29】
前記第2の窒化シリコンは、30nm〜50nmの厚さに形成される請求項27に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項30】
可撓性基板と、
前記基板上に少なくとも二重に形成されるバッファ層と、
前記バッファ層上に形成されパターニングされたソース/ドレイン領域、チャンネル領域及び低濃度ドーピング領域を有する半導体層と、
前記半導体層上に形成される第1の絶縁層と、
前記第1の絶縁層上に形成され、前記半導体層と対応するように形成されるゲート電極と、
前記ゲート電極上に形成される第2の絶縁層と、
前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層に形成されたコンタクトホールを介して前記半導体層と電気的に接続されるソース/ドレイン電極と、
を備える薄膜トランジスタ。
【請求項31】
前記バッファ層は、SiO/SiNxで形成される請求項30に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項32】
前記バッファ層は、SiO/SiNx及びSiO/SiNOで形成される請求項30に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項33】
前記バッファ層は、2μm以下の厚さに形成される請求項30に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項34】
前記可撓性基板と前記バッファ層との間に形成される拡散防止層をさらに備える請求項30に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項35】
前記拡散防止層は、TiN、TiAIN、及びTaSiNからなる群から選択されたいずれか一つで形成される請求項34に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項36】
前記可撓性基板は、金属基板である請求項30に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項37】
前記金属基板は、ステンレススチールまたはチタニウムで形成される請求項36に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項38】
前記可撓性基板下面に第3の絶縁層をさらに形成する請求項30に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項39】
前記第3の絶縁層は、SiOおよびSiNxのうちの少なくともいずれか一つで形成される請求項38に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項40】
可撓性基板上に拡散防止層を形成する段階と、
前記拡散防止層上に少なくとも二重にバッファ層を形成する段階と、
前記バッファ層上に非晶質シリコン層を形成した後、前記非晶質シリコン層をポリシリコンに結晶化し、所定の形状にパターニングして半導体層を形成する段階と、
前記バッファ層と前記半導体層上にゲート絶縁層を形成する段階と、
前記ゲート絶縁層の一の領域上にゲート電極を形成する段階と、
前記ゲート電極をマスクとして用いて前記半導体層の前記ゲート電極に対応する領域を除く他の領域をイオンドーピングして、前記半導体層がチャンネル層とソース/ドレイン領域に区分されるようにする段階と、
前記ゲート絶縁層上と前記ゲート電極上とに層間絶縁層を形成する段階と、
炉で350℃〜450℃の温度で、10分〜1時間熱処理して、前記半導体層を活性化する段階と、
前記ソース/ドレイン領域の少なくとも一の領域を露出させる所定のコンタクトホールを有し、前記コンタクトホールを介して前記ソース/ドレイン領域に接続されるようにソース/ドレイン電極を形成する段階と、
を含む薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項41】
可撓性基板を用意する段階と、
前記基板上に非金属からなる3相系非晶質拡散防止層を形成する段階と、
前記拡散防止層上にバッファ層を形成する段階と、
前記バッファ層上に非晶質シリコン層を形成する段階と、
前記非晶質シリコン層上にキャッピング層を形成する段階と、
前記キャッピング層上に金属触媒層を形成する段階と、
前記可撓性基板を熱処理して前記非晶質シリコン層を多結晶シリコン層に結晶化する段階と、
前記金属触媒層及び前記キャッピング層を除去する段階と、
前記多結晶シリコン層をパターニングして半導体層を形成する段階と、
前記半導体層が形成された基板上にゲート絶縁層、ゲート電極、層間絶縁層、及びソース/ドレイン電極を形成する段階と、
を含む薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項42】
前記金属触媒層は、ニッケルで構成される請求項41に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項43】
前記ニッケルは、1013〜1014atoms/cmの密度で形成される請求項42に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項44】
前記非晶質シリコン層を結晶化する段階は、前記金属混合層のニッケルが前記非晶質シリコン層の界面に移動して結晶化のシードを形成し、前記シードによって結晶化する請求項41に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項45】
前記キャッピング層はSiNx、SiOx、及びSiOからなる群から選択されたいずれか一つで形成される請求項41に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項46】
可撓性基板上に拡散防止層を形成する段階と、
前記拡散防止層上に少なくとも二重にバッファ層を形成する段階と、
前記バッファ層上に非晶質シリコン層を形成した後、前記非晶質シリコン層をポリシリコンに結晶化し、所定の形状にパターニングして半導体層を形成する段階と、
前記バッファ層上と前記半導体層上とにゲート絶縁層を形成する段階と、
前記ゲート絶縁層の一の領域上にゲート電極を形成する段階と、
前記ゲート電極をマスクとして用いて前記半導体層の前記ゲート電極に対応する領域を除く他の領域をイオンドーピングし、前記半導体層がチャンネル層とオーミックコンタクト層とに区分されるようにする段階と、
前記ゲート絶縁層と前記ゲート電極上に層間絶縁層を形成する段階と、
急速熱処理法で前記半導体層を活性化する段階と、
前記オーミックコンタクト層の少なくとも一の領域を露出させる所定のコンタクトホールを有し、前記コンタクトホールを介して前記オーミックコンタクト層に接続されるようにソース/ドレイン電極を形成する段階と、
を含む薄膜トランジスタ製造方法。
【請求項47】
前記急速熱処理法は、500℃〜650℃の温度で、少なくとも30秒〜2分間行なう請求項46に記載の薄膜トランジスタ製造方法。
【請求項48】
可撓性基板上に少なくとも2層の絶縁層が積層されたバッファ層を形成する段階と、
前記バッファ層上にパターニングされた半導体層を形成する段階と、
前記半導体層上に第1の絶縁層を形成する段階と、
前記第1の絶縁層上にゲート電極を形成した後、前記半導体層と対応するようにゲート電極をパターニングして形成する段階と、
前記ゲート電極をマスクとして用いて前記半導体層パターン上に低濃度不純物をイオン注入して低濃度ドーピング領域を形成する段階と、
前記半導体層上に感光剤を塗布して、フォト工程によってコンタクトホールドーピング領域を定義した後、前記定義されたドーピング領域に高濃度の不純物をイオン注入してオーミックコンタクト層を形成して、前記感光剤を除去する段階と、
前記ゲート電極上に第2の絶縁層を形成する段階と、
前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層を貫通するコンタクトホールを形成した後、電極を蒸着し、ソース電極及びドレイン電極をパターニングして形成する段階と、
を含む薄膜トランジスタ製造方法。
【請求項49】
前記可撓性基板と前記半導体層との間に拡散防止層を形成する段階をさらに含む請求項48に記載の薄膜トランジスタ製造方法。

【図3a】本発明の第2実施形態に係る薄膜トランジスタ及びその製造方法を示す断面図である。
【図3b】本発明の第2実施形態に係る薄膜トランジスタ及びその製造方法を示す断面図である。
【図3c】本発明の第2実施形態に係る薄膜トランジスタ及びその製造方法を示す断面図である。
【図3d】本発明の第2実施形態に係る薄膜トランジスタ及びその製造方法を示す断面図である。
【図4a】本発明の第3実施形態に係る薄膜トランジスタ及びその製造方法を示す断面図である。
【図4b】本発明の第3実施形態に係る薄膜トランジスタ及びその製造方法を示す断面図である。
【図5a】本発明の第4実施形態に係る薄膜トランジスタを示す断面図である。
【図5a】本発明の第4実施形態に係る薄膜トランジスタを示す断面図である。
【図5b】本発明の第4実施形態に係る薄膜トランジスタを示す断面図である。
【図5c】本発明の第4実施形態に係る薄膜トランジスタを示す断面図である。
【符号の説明】
【0070】
110、210、310、405 拡散防止層、
130、230、330、420 半導体層、
120、220、320、410 バッファ層、
130a、230a、330a、420a チャンネル層、
130b、230b、330b、420c ソース/ドレイン領域、
420b 低濃度ドーピング領域。
【図1a】
image rotate

【図1b】
image rotate

【図1c】
image rotate

【図1d】
image rotate

【図1e】
image rotate

【図1f】
image rotate

【図1g】
image rotate

【図2a】
image rotate

【図2b】
image rotate

【図2c】
image rotate

【図3a】
image rotate

【図3b】
image rotate

【図3c】
image rotate

【図3d】
image rotate

【図4a】
image rotate

【図4b】
image rotate

【図5a】
image rotate

【図5b】
image rotate

【図5c】
image rotate


【公開番号】特開2007−142367(P2007−142367A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−221947(P2006−221947)
【出願日】平成18年8月16日(2006.8.16)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】