説明

キナーゼ阻害剤として有用なヘテロサイクリックアミド化合物

式I


の化合物および、そのエナンチオマー、ジアステレオマー、並びにそれらの医薬的に許容される塩を提供する。また、式Iの化合物を含有する医薬組成物、およびp38キナーゼの活性に関連する疾患の治療方法をも提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、p38キナーゼ関連症状の治療に有用なヘテロサイクリックアミド化合物に関する。本発明はさらに、キナーゼ関連症状(例えばp38キナーゼ関連症状など)の治療に有用な本発明に記載の化合物を少なくとも1つ含有する医薬組成物、および哺乳類においてキナーゼの活性を阻害する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IL-1、IL-6、IL-8およびTNF-αを含む数多くのサイトカインが炎症反応に関与している。IL-1およびTNF-αといったサイトカインの過剰生成が、炎症性腸疾患、リウマチ性関節炎、乾癬、多発性硬化症、エンドトキシンショック、骨粗鬆症、アルツハイマー病および鬱血性心不全などを含む多種多様な疾病に関わっている[非特許文献1; 非特許文献2]。ヒト患者において、サイトカインのタンパク質アンタゴニスト、例えばTNF-αに対するモノクローナル抗体 (Enbrel) [非特許文献3]、および可溶性TNF-α受容体-Fc融合タンパク質(Etanercept) [非特許文献4]などが、慢性炎症性疾患の治療に有効であることが証明されている。
【0003】
TNF-αの生合成は、例えば分裂促進因子、感染性微生物あるいは外傷などの外部刺激に反応して、多くのタイプの細胞で生じる。TNF-α産生の重要なメディエーターは、分裂促進因子活性化タンパク質(MAP)キナーゼ、特にp38キナーゼである。これらのキナーゼは、様々なストレス刺激(限定はされないが、炎症促進性サイトカイン、エンドトキシン、紫外線および浸透圧ショックが含まれる)に反応して活性化される。
【0004】
一つの重要なMAPキナーゼはp38キナーゼであり、サイトカイン抑制性抗炎症薬物結合タンパク質(cytokine suppressive anti-inflammatory drug binding protein)(CSBP)またはIKとしても知られている。p38の活性化には、p38アイソザイム特有のThr-Gly-Tyrモチーフ内のスレオニンおよびチロシン上での、上流のMAPキナーゼキナーゼ(MKK3およびMKK6)による二重リン酸化が必要とされる。4つのp38アイソフォーム、すなわち、p38α、p38β、p38γおよびp38δが知られている。αおよびβアイソフォームは炎症性細胞中で発現し、TNF-α産生の重要なメディエーターである。細胞中のp38αおよびβ酵素の阻害は、TNF-α発現レベルの低下を引き起こす。また、炎症性疾患の動物モデルにおけるp38αおよびβ阻害剤の投与により、そのような阻害剤がそれら疾病の治療に有効であることが証明されている。このように、p38酵素はIL-1およびTNF-αにより媒介される炎症プロセスにおいて重要な役割を果たす。両方の型としてのp38αおよびβ酵素の阻害は注目されるが、p38β型よりもp38α型を比例的に高く阻害する化合物を得ることもまた関心が持たれる。
【0005】
炎症性疾患の治療における使用のための、p38キナーゼ、並びにIL-1およびTNF-αなどのサイトカインを阻害すると報告されている化合物は、Scios, Inc.による特許文献1および特許文献2; Vertex Pharmaceuticals Inc.による特許文献3および特許文献4; Smith-Kline Beecham Corp.による特許文献5、特許文献6および特許文献7; G.D. Searle & Co.による特許文献8および特許文献9; Astra ZenecaによるPCT公報の特許文献10および特許文献11; Johnson & Johnsonによる特許文献12; 特許文献13(p38キナーゼ阻害剤としてのキナゾリン誘導体); 特許文献14(同目的としてのピリジンおよびピリミジン誘導体); 特許文献15(p38キナーゼ阻害剤間の関連性の論説);および、特許文献16(p38阻害剤として有用なピペラジンおよびピペリジン化合物)に開示されている。
【0006】
本発明は、キナーゼ阻害剤(特にキナーゼp38αおよびβ)として有用で、p38αに対して選択的なサブグループである、ある種のヘテロサイクリックアミド化合物を提供する。本明細書に記載の各々特許出願、特許および刊行物を引用によって本明細書中に援用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,277,989号
【特許文献2】米国特許第6,130,235号
【特許文献3】米国特許第6,147,080号
【特許文献4】米国特許第5,945,418号
【特許文献5】米国特許第6,251,914号
【特許文献6】米国特許第5,977,103号
【特許文献7】米国特許第5,658,903号
【特許文献8】米国特許第5,932,576号
【特許文献9】米国特許第6,087,496号
【特許文献10】国際公開第00/56738号
【特許文献11】国際公開第01/27089号
【特許文献12】国際公開第01/34605号
【特許文献13】国際公開第00/12497号
【特許文献14】国際公開第00/56738号
【特許文献15】国際公開第00/12497号
【特許文献16】国際公開第00/12074号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Henry et al., Drugs Fut., 24:1345-1354 (1999)
【非特許文献2】Salituro et al., Curr. Med. Chem., 6:807-823 (1999)
【非特許文献3】Rankin et al., Br. J. Rheumatol., 34:334-342 (1995)
【非特許文献4】Moreland et al., Ann. Intern. Med., 130:478-486 (1999)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、p38キナーゼ関連症状の治療に有用なヘテロサイクリックアミド化合物を提供することを目的とする。本発明はさらに、キナーゼ関連症状(例えばp38キナーゼ関連症状など)の治療に有用な本発明に記載の化合物を少なくとも1つ含有する医薬組成物、および哺乳類においてキナーゼの活性を阻害する方法を提供することをも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は概して、式I:
【化1】

[式中、
R1は適宜置換されたアルキル、適宜置換されたシクロアルキル、適宜置換されたアリール、適宜置換されたヘテロシクロ、または適宜置換されたヘテロアリールであり;
R3は水素、C1-C4アルキルまたはハロゲンであり;および、
R4は水素、適宜置換されたカルボキシル、適宜置換されたアルキル、適宜置換されたアルコキシ、適宜置換されたシクロアルキル、適宜置換されたアリール、適宜置換されたヘテロシクロまたは適宜置換されたヘテロアリールであるが;
ただし:
(a)R1は適宜置換されたピラゾリル、適宜置換されたチアゾリルまたは適宜置換されたアミノチアゾリルでなく;および、
(b)R4は適宜置換されたピラゾリルでない]
の化合物およびそのエナンチオマー、ジアステレオマー並びにそれらの医薬的に許容される塩(特に、医薬的に許容される塩)に関する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の記載は、本発明の説明に用いられる様々な用語の定義である。他に特定の例への限定がなければ、これらの定義は独立してあるいはより大きな基の一部として、本明細書中で使用される用語に適用する。
【0012】
用語「アルキル」および「アルカ(alk)」は、1から12、好ましくは1から6の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルカン(炭化水素)基をいう。基の例としては、限定はしないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、4,4-ジメチルペンチル、オクチル、2,2,4-トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルなどが挙げられる。
【0013】
「置換アルキル」とは、アルキル直鎖または分枝鎖上のいずれかの利用可能な結合位置で、1つ以上の置換基、好ましくは1から4の置換基により置換されたアルキルをいう。置換基の例としては、以下の基のうちの1つ以上が挙げられる: ハロ(例えば、1個のハロ置換基または複数のハロ置換基などが挙げられ、後者の場合、パーフルオロアルキル基または、Cl3もしくはCF3を有するアルキル基などを形成する)、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ(例えば、トリフルオロメトキシ)、-O-アリール、-O-ヘテロシクロ、-O-アルキレン-アリール、-O-ハロアルキル、アルキルチオ、カルボキシ(すなわち、-COOH)、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、カルバモイル、置換カルバモイル、カルバメート、置換カルバメート、尿素、置換尿素、アミジニル、置換アミジニル、アリール、ヘテロサイクル、シクロアルキル、-NRcRd、-OC(=O)NRcRd、-C(=O)NRcRd、-NReC(=O)NRcRd、-NReC(O)2-NRcRd、-N(Re)S(O)2NRcRd、-N(Re)P(O)2NRcRd、(式中、各RcおよびRdは、水素、アルキル、アリールおよびヘテロシクロからなる群から独立して選択され、Reは水素、アルキルまたはフェニルである)、-SRf、-S(=O)Rg、-S(O)2Rg、-NReS(O)2-Rg、-P(O)2-Rg、-NReP(O)2-Rg、-NReC(=O)Rf、-NReC(O)2Rf、-OC(=O)Rf、-OC(=O)ORf、-C(=O)ORfおよび-C(=O)Rf(式中、Reは直上のとおり定義され、Rfは水素、アルキル、アリールまたはヘテロシクロであり、Rgはアルキル、アリールまたはヘテロシクロである)。前述の置換基において、どの場合でも、アルキル、アリール、ヘテロシクロまたはシクロアルキル基(Rc、Rd、Re、RfおよびRg)はさらに、Rk、-O-Rk、シアノ、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、-NRkRm、-OC(=O)NRkRm、-C(=O)NRkRm、-NRkC(=O)Rm、-SRk、-S(=O)Rn、-S(O)2Rn、-OC(=O)Rk、-C(=O)ORk、-C(=O)Rk、フェニル、ベンジル、フェニルオキシまたはベンジルオキシ、および、-O-Rk、シアノ、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、-NRkRm、-OC(=O)NRkRm、-C(=O)NRkRm、-NRkC(=O)Rm、-SRk、-S(=O)Rn、-S(O)2Rn、-OC(=O)Rk、-C(=O)ORk、-C(=O)Rk、フェニル、ベンジル、フェニルオキシまたはベンジルオキシのうちの1から2で置換された低級アルキル[ここで、RkおよびRmは水素、低級アルキル、ヒドロキシ(低級アルキル)、ハロ(低級アルキル)、シアノ(低級アルキル)およびアミノ(低級アルキル) からなる群から選択され、Rnは低級アルキルである]、からなる群から選択された1から4、好ましくは1から3のさらなる基により、適宜置換され得る。
【0014】
本明細書において、「アルキレン」とは、一般式-(CH2)n-(式中、nは1から10(具体的には1〜6、さらに具体的には1〜4である)を有する二価のアルキル基をいう。非限定的な例として、メチレン、ジメチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレンおよびヘキサメチレンが挙げられる。用語「低級アルキレン」とは、ここでは、約1から約6、より具体的には1から4の炭素原子を有するアルキレン基をいう。「置換アルキレン」とは、いずれかの利用可能な結合位置で、1つ以上の置換基、好ましくは1から4の置換基により置換されたアルキレン基をいう。置換基の例としては、限定はしないが、アルキル、置換アルキル、およびアルキル置換基の例として上記に列挙した基が挙げられる。
【0015】
用語アルキルが、以下の別の特定の基、例えば「アリールアルキル」、「置換アリールアルキル」、「シクロアルキルアルキル」など、またはヒドロキシ(低級アルキル)、のように添え字として用いられる場合、他の特定の基から選択される1または2(好ましくは1)個の置換基を有するアルキル基をいう。従って、例えば、アリールアルキルには、ベンジル、ビフェニルおよびフェニルエチルが含まれる。「置換アリールアルキル」は、該基のアルキル部分で、アルキルについて上記に列挙したものから選択された1つ以上の基により置換され、および/または、該基のアリール部分で、置換アリールについて下記に列挙したものから選択された1つ以上の基により置換される。
【0016】
用語「アルケニル」とは、2から12の炭素原子および少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する、直鎖または分枝鎖の炭化水素基をいう。基の例としては、エテニルまたはアリルが挙げられる。「置換アルケニル」とは、いずれかの利用可能な結合位置で、1つ以上の置換基、好ましくは1から4の置換基により置換されたアルケニル基をいう。アルケニル上の置換基の例としては、限定はしないが、アルキル、置換アルキルおよびアルキル置換基の例として上記に列挙した基が挙げられる。特にアルケニルに対する置換基の例は、2〜6の炭素からなる群から選択されるものである。
【0017】
用語「アルケニレン」とは、2から12の炭素原子および少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有する、直鎖または分枝鎖の二価の炭化水素基をいう。基の例としては、エテニレンまたはアリレンが挙げられる。「置換アルケニレン」とは、いずれかの利用可能な結合位置で、1つ以上の置換基、好ましくは1から4の置換基により置換されたアルケニレン基をいう。置換基の例としては、限定はしないが、アルキル、置換アルキル、およびアルキル置換基の例として上記に列挙した基が挙げられる。特にアルケニレンに対する置換基の例は、2〜6の炭素からなる群から選択されるものである。
【0018】
用語「アルキニル」とは、2から12の炭素原子および少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する直鎖または分枝鎖の炭化水素基をいう。基の例としては、エチニルが挙げられる。「置換アルキニル」とは、いずれかの利用可能な結合位置で、1つ以上の置換基、好ましくは1から4の置換基により置換されたアルキニル基をいう。置換基の例としては、限定はしないが、アルキル、置換アルキル、および、アルキル置換基の例として上記に列挙した基が挙げられる。特にアルキニルに対する置換基の例は、2〜6の炭素からなる群から選択されるものである。
【0019】
用語「アルキニレン」とは、2から12の炭素原子および少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する、直鎖または分枝鎖の二価の炭化水素基をいう。基の例としては、エチニレンが挙げられる、「置換アルキニレン」とは、いずれかの利用可能な結合位置で、1つ以上の置換基、好ましくは1から4の置換基により置換されたアルキニレン基をいう。置換基の例としては、限定はしないが、アルキル、置換アルキル、および、アルキル置換基の例として上記に列挙したものが挙げられる。特にアルキニレンに対する置換基の例は、2〜6の炭素からなる群から選択されるものである。
【0020】
用語「シクロアルキル」とは、1から3の環および1環あたり3から8の炭素を有する、完全に飽和した環状炭化水素基をいう。基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよび、シクロヘキシルが挙げられ、特にシクロプロピルが挙げられる。用語「シクロアルキル」はまた、1から2の橋頭炭素原子の炭素-炭素架橋を有する基、および、少なくとも1つの環が飽和した炭素含有環である二環式ならびに三環式基を含み、その場合、第2または第3環はカルボサイクリックまたはヘテロサイクリックであり得るが、ただし、該結合位置はシクロアルキル基に対するものである。さらなる環は、スピロまたは縮合型で、飽和した炭素含有環に結合してもよい。「置換シクロアルキル」とは、いずれかの利用可能な結合位置で、1つ以上の置換基、好ましくは1から4の置換基により置換されたシクロアルキル基をいう。置換基の例としては、限定はしないが、アルキル、置換アルキル、オキソ(=O)、およびアルキル置換基の例として上記に列挙した基が挙げられる。
【0021】
用語「シクロアルキレン」とは、上記の2価のシクロアルキル基をいう。基の例としては、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレンおよびシクロへキシレンが挙げられる。「置換シクロアルキレン」とは、いずれかの利用可能な結合位置で、置換シクロアルキルについて列挙したものから選択された1つ以上の置換基、好ましくは1から4の置換基により置換されたシクロアルキレン基をいう。
【0022】
用語「シクロアルケニル」とは、1から3の環および1環あたり4から8の炭素を有する、部分的に不飽和の環状炭化水素基をいう。基の例としては、シクロブテニル、シクロペンテニル、およびシクロヘキセニルが挙げられる。用語「シクロアルケニル」はまた、環の少なくとも1つが部分的に不飽和な炭素含有環でありおよび第2または第3環がカルボサイクリックまたはヘテロサイクリックであり得るが、ただし、該結合位置はシクロアルケニル基に対するものである、二環式および三環式基が挙げられる。「置換シクロアルケニル」とは、シクロアルキル基について上記に列挙したものから選択されたいずれかの利用可能な結合位置で、1つ以上の置換基、好ましくは1から4の置換基により置換されたシクロアルケニル基をいう。
【0023】
用語「シクロアルケニレン」とは、上記の2価のシクロアルケニル基をいう。基の例としては、シクロブテニレン、シクロペンテニレンおよびシクロヘキセニレンが挙げられる。「置換シクロアルケニレン」とは、いずれかの利用可能な結合位置で、置換シクロアルキルについて列挙したものから選択された1つ以上の置換基、好ましくは1から4の置換基により置換されたシクロアルケニレン基をいう。
【0024】
用語「アルコキシ」または「アルキルチオ」とは、各々、酸素結合 (-O-)または硫黄結合 (-S-)を介して結合した上記のアルキル基をいう。用語「置換アルコキシ」または「置換アルキルチオ」とは、各々、酸素結合または硫黄結合を介して結合した上記の置換アルキル基をいう。
【0025】
用語「チオール」とは-SHをいう。
【0026】
用語「アルコキシカルボニル」とは、カルボニル基を介して結合したアルコキシ基をいう(すなわち、-C(=O)-O-アルキル)。
【0027】
用語「アルキルカルボニル」とは、カルボニル基を介して結合したアルキル基をいう(すなわち、-C(=O)アルキル)。
【0028】
用語「アルキルカルボニルオキシ」とは、酸素結合を介して結合したアルキルカルボニル基をいう(すなわち、-O-C(=O)-アルキル)。
【0029】
用語「アミド」とは、基:-NHC(=O)Hをいい、アミジニルとは基:-C(=NH)(NH2)をいう。「置換アミド」とは、基:-NRpC(=O)Rqをいい、「置換アミジニル」とは、基:-C(=NRp)(NRqRr)(ここで、Rp、Rq、およびRrは、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロ、および置換ヘテロシクロから選択されるが、ただし、Rp、RqおよびRrの少なくとも1つは水素以外である)をいう。Rpのより好ましい基(value)は以下からなる群から選択される。Rqのより好ましい基は以下からなる群から選択される。Rrのより好ましい基は以下からなる群から選択される。
【0030】
用語「アリール」は、第1環上に炭素のみを有する、単環式および多環式アリール基を包含する。用語「単環式アリール」とはフェニル(該環は炭素のみを含む)をいい、用語「多環式アリール」とはナフチルおよびアントラセニル、少なくとも第2環が縮合したフェニル環、および第3環が縮合したナフチル環をいう。、第2もしくは第3環が縮合したフェニル環または第3環が縮合したナフチル環から成る多環式アリールの場合、該付加的な環は芳香族または非芳香族のカルボサイクリック環またはヘテロサイクリック環であってもよいが、ただし、そのような場合において、該結合位置はカルボサイクリック芳香族環に対するものであり得る。例えば、このアリール基のサブセットは、第2環が、炭素原子、およびO、NとS(ただし、OとSは同一の環において互いに隣接し得ない)からなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有する「ヘテロアリール」である、多環式アリール基である。あるいは、第2および/または第3の更なる環の環内炭素原子は、カルボニル[-C(=O)基](例えば、そのような環が非芳香族である場合)により置換され得る。「置換アリール」とは、アルキル、置換アルキルおよび、置換アルキル基について上記に列挙した置換基から選択されるいずれかの環のいずれの結合位置において、1つ以上の置換基、好ましくは1から4の置換基(より好ましくは1または2)により置換されたアリール基をいう。
【0031】
従って、本発明の化合物の形成に関わるアリール基の例には、以下:
【化2】

および、さらに、類似の構造が含まれる。
【0032】
用語「アリーレン」とは、上記の2価のアリール基をいう。
【0033】
「カルバモイル」とは、化学基-C(=O)-NRhRiをいい、ここで、RhおよびRiは水素、アルキル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロシクロから選択される。
【0034】
「カルバメート」とは化学基-O-C(=O)-NRhRiをいい、「尿素」とは化学基NH-C(=O)-NRhRiおよびN(アルキル)-C(=O)-NRhRiをいい、ここで、RhおよびRiはカルバモイルについての記載と同一の基から選択される。
【0035】
「置換カルバモイル」、「置換カルバメート」および「置換尿素」とは、各々、化学基-C(=O)-NRhRi、-O-C(=O)-NRhRiおよび-N(Rj)-C(=O)-NRhRiをいい、ここで、Rh、Ri、およびRjは、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロおよび置換ヘテロシクロから選択されるが、ただし、Rh、RiおよびRjの少なくとも1つは、置換アルキル、置換シクロアルキル、置換アリールまたは置換ヘテロシクロである。
【0036】
用語「ヘテロサイクル」、「ヘテロサイクリック」および「ヘテロシクロ」とは、完全に飽和、部分飽和、あるいは完全不飽和の(芳香族 (すなわち、「ヘテロアリール」を含む)環状基(例えば、3から7員の単環式、7から11員の二環式、または10から16員の三環式基)をいい、それらは少なくとも1つの炭素原子含有環中に少なくとも1つのヘテロ原子を有する。従って、用語「ヘテロアリール」はヘテロシクロ基のサブセットである。ヘテロ原子を有するヘテロサイクリック基の各環は、窒素原子、酸素原子および/または硫黄原子から選択される1、2、3または4のヘテロ原子を有してもよく、ここで、該窒素および硫黄ヘテロ原子は適宜、酸化されていてもよく、該窒素ヘテロ原子は適宜、四級化されていてもよいが、ただし硫黄および酸素は環の中で互いに隣接していない。(用語「ヘテロアリーリウム(heteroarylium)」とは、四級化窒素原子、よって正荷電を有するヘテロアリール基をいう。)さらに、ヘテロシクロ環の1以上の(好ましくは1つ)炭素環原子は、原子価が許す限り、カルボニル基、すなわち、-C(=O)-で置換されてもよい。該ヘテロサイクリック基は、環または環式のいずれかのヘテロ原子または炭素原子で、該分子の残りと結合し得る。
【0037】
単環式ヘテロサイクリック基の例としては、エチレンオキシド、アゼチジニル、ピロリジニル、ピロリル、ピラゾリル、オキセタニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソキサゾリニル、イソキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、フリル、テトラヒドロフリル、チエニル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロロジニル、2-オキソアゼピニル、アゼピニル、ヘキサヒドロジアゼピニル、4-ピペリドニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、1,3-ジオキソランおよびテトラヒドロ-1,1-ジオキソチエニルなどからなる群から選択されるものが挙げられる。
【0038】
二環式ヘテロサイクリック基の例としては、インドリル、イソインドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾキサジアゾリル、ベンゾチエニル、キヌクリジニル、キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフリル、ベンゾフラザニル、クロモニル、クマリニル、ベンゾピラニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジニル (例えばフロ[2,3-c]ピリジニル、フロ[3,2-b]ピリジニル]またはフロ[2,3-b]ピリジニルなど)、ジヒドロベンゾジオキシニル、ジヒドロジオキシドベンゾチオフェニル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロキノニリル、ジヒドロキナゾリニル (例えば、3,4-ジヒドロ-4-オキソ-キナゾリニルなど)、トリアジニルアゼピニル、テトラヒドロキノリニルなどからなる群から選択されるものが挙げられる。三環式ヘテロサイクリック基の例としては、カルバゾリル、ベンゾインドリル(benzidolyl)、フェナントロリニル、ジベンゾフラニル、アクリジニル、フェナントリジニル、キサンテニルなどが挙げられる。
【0039】
用語「ヘテロサイクレン(heterocyclene)」とは、上記の二価のヘテロサイクル基をいう。
【0040】
「置換ヘテロサイクル」、「置換ヘテロサイクリック」および「置換ヘテロシクロ」(例えば「置換ヘテロアリール」など)とは、いずれかの利用可能な結合部位で、1つ以上の置換基、好ましくは1から4の置換基により置換された、ヘテロサイクル、ヘテロサイクリックまたはヘテロシクロ基をいい、ここで該置換基は置換シクロアルキル基について上記に列挙したものから選択される。
【0041】
用語「四級化窒素」とは4価の正に荷電した窒素原子をいい、例えば、テトラアルキルアンモニウム基 (例えば、テトラメチルアンモニウム、N-メチルピリジニウム) 内の正に荷電した窒素、プロトン化アンモニウム化学種 (例えば、トリメチル- ヒドロアンモニウム、N-ヒドロピリジニウム) 内の正に荷電した窒素、アミンN-オキシド (例えば、 N-メチル-モルホリン-N-オキシド、ピリジン-N-オキシド) 内の正に荷電した窒素、およびN-アミノ-アンモニウム基(例えば、N-アミノピリジニウム) 内の正に荷電した窒素などが含まれる。
【0042】
用語「ヘテロアリール」とは、5および6員単環式芳香族ヘテロシクロ基、ならびに二環式および三環式ヘテロサイクリック環式基(ここで、該環式基の別の基に対する結合点は、該環式基の5または6員芳香族環を介している)をいう。従って、例えば、用語ヘテロアリールは、5または6員ヘテロアリール基(例えばチエニル、ピロリル、オキサゾリル、ピリジル、ピラジニルなど)のような基を含み、ここで、縮合環を完成させる二環式および三環式基は、炭素原子のみを有してもよく、飽和、部分飽和または不飽和であってもよい。二環式または三環式であるヘテロアリール基は少なくとも1つの完全な芳香族環を含まなければならないが、該他の縮合環は芳香族でも非芳香族でもよい。
【0043】
用語「置換ヘテロアリール」とは、いずれかの利用可能な結合部位で、1つ以上の置換基、例えば1から4の置換基 (より好ましくは1〜3の置換基および、さらに好ましくは1〜2の置換基)により置換された5および6員単環式芳香族ヘテロシクロ基をいい、ここで、該置換基は置換シクロアルキル基について上記に列挙したものから選択される。
【0044】
単環式ヘテロアリール基の例としては、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、フラニル、チエニル、オキサジアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニルなどからなる群から選択されるものが挙げられる。
【0045】
二環式ヘテロアリール基の例としては、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾオキサゾリル(benzoxaxolyl)、ベンゾチエニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフラニル、クロモニル、クマリニル、ベンゾピラニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジニルなどからなる群から選択されるものが挙げられる。
【0046】
三環式ヘテロアリール基の例としては、カルバゾリル、ベンジインドリル(benzidolyl)、フェナントロリニル、アクリジニル、フェナントリジニル、キサンテニルなどが挙げられる。
【0047】
用語「ヒドロキシルアミン」および「ヒドロキシルアミド」とは、各々、化学基-NH-OHおよび-C(=O)-NH-OHをいう。
【0048】
他に指示のない限り、用語「置換アミノ」(本明細書中、単独でまたは別の基の一部として用いられる)とは、同一かまたは異なっていてもよい1または2の置換基(例えばアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、チオアルキル、-C(O)Rt、-C(=O)ORt、-C(=O)NRtRu、-S(O)2Rt、-S(O)2ORtまたは-S(O)2NRtRuなどが挙げられ、ここで、RtおよびRuは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールまたはヘテロシクロからなる群から各々独立して選択される)により置換されたアミノをいう。これらの置換基は、カルボン酸および/または上記に示したアルキルについての置換基のいずれかにより、さらに置換され得る。
【0049】
また、RtおよびRuは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、アルキル、アリール、ヘテロシクロ、アルコキシ、アルキルチオ、ハロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アミノ、-C(O)Rf、-C(=O)ORf、-C(=O)NRfRg、-S(O)2Rf、-S(O)2ORf、または-S(O)2NRfRg(ここで、RfおよびRgは水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールまたはヘテロシクロであり得る)により適宜置換された、1-ピロリジニル、1-ピペリジニル、1-アゼピニル、4-モルホリニル、4-チアモルホリニル、1-ピペラジニル、4-アルキル-1-ピペラジニル、4-アリールアルキル-1-ピペラジニル、4-ジアリールアルキル-1-ピペラジニル、1-ピロリジニル、1-ピペリジニルまたは1-アゼピニルを形成してもよい。
【0050】
用語「ヘテロ原子」は、酸素、硫黄および窒素を含む。
【0051】
用語「ハロゲン」または「ハロ」とは、塩素、臭素、フッ素またはヨウ素をいう。
【0052】
用語「ハロアルキル」は、とりわけアルキル部分がC1-C3からなる群から選択される場合、1以上のハロ置換基を有するアルキルを意味する。例えば、ハロアルキルはCF3であり得る。
【0053】
用語「ハロアルコキシ」は、とりわけアルコキシ部分がC1-C3を有する場合、1以上のハロ置換基を有するアルコキシ基を意味する。例えば、「ハロアルコキシ」はOCF3を包含する。
【0054】
用語「カルボサイクリック」は、全ての環の全ての原子が炭素である、飽和または不飽和の、単環式環または二環式環を意味する。従って、該用語はシクロアルキル環およびアリール環を包含する。該カルボサイクリック環は、該置換基がシクロアルキル基およびアリール基について上記に列挙したものから選択される場合、置換され得る。
【0055】
用語「不飽和」が、環または基に関して本明細書中で用いられる場合、該環または基は完全に不飽和でも部分不飽和でもよい。
【0056】
基が「適宜置換された」であり得ると記載される場合、このことは、無置換基および置換基を包含することを意図し、ここで、該置換基は特定の基について上記に列挙したものから選択される。従って、適宜置換されたアリールについて言う場合、無置換アリール基(例えばフェニルまたはナフチル)、並びに、アルキル、置換アルキルおよび置換アルキル基について列挙された置換基から選択される1以上の(好ましくは1から4、およびより好ましくは1または2) 置換基を有するそれらの基をいうことを意図する。用語「適宜置換された」がマーカッシュグループより前にある場合、該用語「適宜置換された」はマーカッシュグループに列挙した各化学種を修飾することを意図する。従って、例えば、語句「適宜置換されたアリール、シクロアルキルまたはヘテロサイクル」は、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロサイクルおよび置換ヘテロサイクルを包含する。
【0057】
本発明の化合物中で、スルフィドを有する化合物の場合、該硫黄原子は適当な酸化状態でオキシドに変換されてもよく、これらのオキシド誘導体の全てが本発明に包含される。
【0058】
「N-オキシド」とは、芳香族複素環または三級アミンのいずれかの塩基性窒素原子が酸化されて、正の形式電荷を有する四級化窒素および負の形式電荷を有する結合酸素原子を生じる化合物をいう。
【0059】
「溶媒和物」とは、溶媒の分子またはイオンと溶質の分子またはイオンとの分子性またはイオン性複合体をいう。さらに、式Iまたは式IIの化合物の溶媒和物(例えば、水和物)もまた、本発明の範囲内であると理解されるべきである。溶媒和の方法は、当分野において広く知られている。
【0060】
官能基が「保護(された)」という場合、これは、該基が、保護部位での望ましくない副反応を軽減、特に排除するための修飾形態であることを意味する。本明細書中に記載する該方法および化合物の適切な保護基として、限定はされないが、例えばGreene, T. W. et al., Protective Groups in Organic Synthesis, Wiley, N.Y. (1991)(これは、そのような保護基のリストに関して引用により援用する)などの標準的な教科書に記載のものが挙げられる。
【0061】
他に指示のない限り、満たされていない原子価を有するいずれかのヘテロ原子は、該原子価を満たすのに十分な原子を有すると想定する。
【0062】
カルボン酸陰イオンとは、負に荷電した基-COO-をいう。
【0063】
本発明の化合物は塩を形成することができ、それもまた本発明の範囲内である。例えば、本発明の化合物の単離または精製において、他の塩もまた有用であるけれども、医薬的に許容される(すなわち、無毒で、生理的に許容される)塩が好ましい。
【0064】
本発明の化合物は、ナトリウム、カリウム、およびリチウムといったアルカリ金属; カルシウムおよびマグネシウムといったアルカリ土類金属; および、ジシクロヘキシルアミン、トリブチルアミン、ピリジンおよびアミノ酸(例えばアルギニン、リジンなど)といった有機塩基で塩を形成し得る。そのような塩は、当業者に周知のとおり製造できる。
【0065】
本発明の化合物は、様々な有機酸および無機酸と塩を形成し得る。そのような塩としては、塩化水素、臭化水素、メタンスルホン酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、マレイン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸と形成される塩、およびその他様々(例えば、硝酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、サリチル酸塩など)が挙げられる。そのような塩は、当業者に周知のとおり製造できる。化合物の塩形態は、化合物の溶解速度および経口バイオアベイラビリティの改善に有利であり得る。
【0066】
加えて、双性イオン (「内部塩」)が形成され得る。
【0067】
本発明の化合物の全ての立体異性体は、混合物か、または純粋もしくは実質的に純粋な形態のいずれかであると考えられる。本発明の化合物の定義は、全ての可能な立体異性体およびその混合物を包含し; また、ラセミ体および特別な活性を有する単離光学異性体を包含する。該ラセミ体を、物理的方法(例えば、分別再結晶、分離、ジアステレオマー誘導体の結晶化、またはキラルカラムクロマトグラフィーによる分離)により分割することができる。個々の光学異性体を、通常の方法(例えば、光学的に活性な酸との塩の生成、次いで結晶化)によりラセミ体から得ることができる。
【0068】
本発明の化合物はまた、プロドラッグ形態を有していてもよい。in vivoで変換されて生理活性薬物(すなわち、式Iまたは式IIの化合物)を生成するいずれの化合物が、本発明の範囲および精神に含まれるプロドラッグである。
【0069】
様々な形態のプロドラッグが当分野でよく知られている。そのようなプロドラッグ誘導体の例は、以下を参照のこと:
a)Design of Prodrugs, edited by H. Bundgaard, (Elsevier, 1985) and Methods in Enzymology, Vol. 112, pp. 309-396, edited by K. Widder et al. (Academic Press, 1985);
b)H. Bundgaard, Chapter 5:“Design and Applocation of Prodrugs”, A Textbook of Drug Design and Development, Harwood Academic Publishers, publ., Krogsgaard-Larsen, P. et al., eds., pp. 113-191 (1991); および
c)H. Bundgaard, Advanced Drug Delivery Reviews, 8:1-38 (1992)、
その各々は参照により援用される。
【0070】
(詳細な記載)
本発明の1実施態様は、式I:
【化3】

の化合物およびそのエナンチオマー、ジアステレオマー並びにそれらの医薬的に許容される塩に関する。上記式中、
R1は適宜置換されたアルキル、適宜置換されたシクロアルキル、適宜置換されたアリール、適宜置換されたヘテロシクロまたは適宜置換されたヘテロアリール(好ましい基は以下に記載する)であり;
R3は水素、C1-C4アルキルまたはハロゲン(特にH、Cl、FまたはCH3)であり;および、
R4は水素、適宜置換されたカルボキシル、適宜置換されたアルキル、適宜置換されたアルコキシ、適宜置換されたシクロアルキル、適宜置換されたアリール、適宜置換されたヘテロシクロまたは適宜置換されたヘテロアリールである。R4についてのより好ましい基は、C1-C5アルキル(メチル、エチルならびに分枝および非分枝C3-C5アルキルが含まれる)、C3-C6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル) からなる群から選択され、ここで、該アルキルおよびシクロアルキルは、C1-C5アルキル基およびC1-C5アルコキシ基(メチル、エチルならびに分枝および非分枝C3-C5アルキルおよびアルコキシが含まれる)からなる群から選択される1〜4の要素により適宜置換されるが;
ただし:
(a)R1は適宜置換されたピラゾリル、適宜置換されたチアゾリルまたは適宜置換されたアミノチアゾリルでなく;および、
(b)R4は適宜置換されたピラゾリルでない。
【0071】
別の実施態様において、R1は、適宜置換されたC1-C4アルキル、適宜置換されたC3-C6シクロアルキル、適宜置換されたC2-C4アルケニル、適宜置換された3〜6員ヘテロシクロ、適宜置換されたC5〜C6アリールおよび適宜置換されたヘテロアリール(より好ましい基は以下に記載する)からなる群から選択され:
ここで、
(a)該無置換型および置換型ヘテロアリールは、5〜10員の大きさの環ならびに、N、SおよびO(ただし、OとSは互いに隣接せず、OとOは互いに隣接せず、SとSは互いに隣接しない)からなる群から選択される1〜3のヘテロ原子を有し;および、
(b)該置換基自体は、さらに置換されていてもよい(例えば1〜3の要素により)。
【0072】
さらに別の実施態様において、R1は、適宜置換されたC1-C4アルキル、適宜置換されたC1-C6シクロアルキル、適宜置換されたC1-C4アルケニル、適宜置換された3〜6員ヘテロシクロ、適宜置換されたC5-C6アリールまたは適宜置換された5〜6員ヘテロアリール(ここで、該ヘテロアリールはN、OおよびS(ただしOとSは互いに隣接せず、OとOは互いに隣接せず、SとSは互いに隣接しない)から選択される1〜2のヘテロ原子を有し、該ヘテロアリールの残りは炭素原子である)からなる群から選択される。
【0073】
R1のより好ましい基は、フェニル、並びに5〜10員の大きさの環(ここで、1〜3の要素は、N、SおよびO(ただしOとSは互いに隣接せず、OとOは互いに隣接せず、SとSは互いに隣接しない) からなる群から選択される)を有する、無置換型または置換型ヘテロアリールからなる群から選択されるヘテロアリールである。
【0074】
R1のさらにより好ましい基は、フェニル、チオフェン、ピロール、インドールおよびインダゾールからなる群から選択される。
【0075】
R1のさらにより好ましい基は、チオフェン、ピロール、インドールおよびインダゾールからなる群から選択される。
【0076】
置換アリールおよび置換ヘテロアリール基に関する置換の好ましい例は、フェニル、-CH2-フェニル、ピリジニル、およびCH2-ベンゾイミダゾリルからなる群から選択されてもよい。
【0077】
アリール基およびヘテロアリール基における置換はそれ自体が、以下の群から選択される1から3の要素(置換基)により、置換されていてもよい。アリールおよびヘテロアリール(例えば、N、SおよびO(ただし、OとSは互いに隣接せず、OとOは互いに隣接せず、SとSは互いに隣接しない)からなる群から選択される1〜2のヘテロ原子を有するC5-C6員アリール)、C1-C3アルキル(例えば、メチル、エチルおよびプロピル(n-プロピルおよび-CH(CH3)2としてのイソプロピルが含まれる))、CH2OH、ハロアルキル(例えば、CF3)、アルコキシ(例えば、メトキシ)、ハロゲン、(例えば、ClおよびF)、-NH2、N(CH3)2、C(O)NH2、-NHSO2CH3、-SO2NH2、-CH2N(CH3)2、-C(O)NHCH3、-C(O)N(CH3)2、-C(O)NHCH(CH3)2、-C(O)NHCH2CH3、-O-CH2CH(OH)CH2OH; CO2-CH2CH3、-C(O)OC(CH3)3; -CN、-OH(またはヘテロアリール環上のN+1に結合したO-1)、適宜アルキルまたはカルボニル連結基を有するヘテロシクロ (例えば、
【化4】

) 。
【0078】
R1 のさらにより好ましい基を表に示す組成で記載する。例えば、下記の要素からなる群は、α選択性を有する化合物の製造において特に興味深い。例えば、少なくとも50倍のα選択性を有するものは以下に記載する通りである:
【化5】

【化6】


【化7】

[式中:
R10は、-OH、-CH3、-Cl、-F、NH2、-CN、-CF3、-N(CH3)2 、-OCH3、-CH2OH、-NHSO2CH3、-SO2NH2、-CH2N(CH3)2、-C(O)NHCH3、-C(O)N(CH3)2、-C(O)NHCH(CH3)2、-C(O)NHCH2CH3、および-O-CH2CH(OH)CH2OHからなる群から選択される要素であり;
R11は、-OH、-Cl、-F、-CN、-CO2H、-OCH3、-NH2、-CH2OH、-N(CH3)2、-C(O)NHCH(CH3)2、および-OCH2CH(OH)CH2OHからなる群から選択される要素であり;
R12は-CH3、-CNおよび-Fからなる群から選択される要素であり;
R13は、-Hおよび-Fからなる群から選択される要素であり;
R14は、-CH3および-C(O)OC(CH3)3からなる群から選択される要素であり;
R15は、-Hおよび-Fからなる群から選択される要素であり; および、
R16は、-CH(CH3)2および
【化8】

からなる群から選択される要素である。
【0079】
R1の別の好ましい基は、実施例1から126に記載の式中にR1として含まれる要素である。
【0080】
R1の更に別の好ましい基は、実施例127から225に記載の式中にR1として含まれる要素である。
【0081】
さらに別の特定の実施態様において、R3は水素またはメチルである。
【0082】
さらに別の特定の実施態様において、R4は、適宜置換されたC1-C4アルキル、適宜置換されたC3-C6シクロアルキル、NおよびO(ただし、1つのOのみが環内に存在できる) からなる群から選択される1または2のヘテロ原子を有する適宜置換された5〜6員ヘテロアリールからなる群から選択される。R4の好ましい例はシクロプロピルである。
【0083】
より特定の実施態様において、p38αに対する優先的な活性を有する化合物の類が挙げられる。α選択性は、例えば、以下に記載のp38アッセイを用いて確認できる。
【0084】
別の実施態様において、本発明は少なくとも1つの式I(全てのサブグループおよび上記の特定の基が含まれる)に記載の化合物および医薬的に許容される担体または希釈剤を含有する医薬組成物に関する。
【0085】
さらに別の実施態様において、本発明は、式I (全てのサブグループおよび上記の特定の基が含まれる) に記載の医薬組成物を、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む、炎症性疾患の治療方法に関する。
【0086】
さらに別の実施態様において、本発明は、少なくとも1つの式I(全てのサブグループおよび上記の特定の基が含まれる)に記載の化合物を、そのような治療を必要とする哺乳類に投与することを含む、哺乳類におけるp38キナーゼの阻害方法に関する。
【0087】
(有用性)
本発明の化合物は、p38キナーゼ活性、特に、アイソフォームp38αおよびp38βの選択的阻害剤である。従って、式Iの化合物は、p38キナーゼ活性関連疾患の治療において有用である。そのような疾患には、p38を介する細胞内シグナル伝達の結果としてサイトカインレベルが変調される疾患、特に、サイトカインIL-1、IL-4、IL-8、およびTNF-αの過剰産生に関連する疾患が含まれる。本明細書中で用いる、用語「治療する」または「治療」は、対症的および予防的方法の一方あるいは両方を包含し、例えば、疾患または障害の発症の抑制または遅延、症状または病状の完全または部分的軽減、および/または、疾患または障害および/またはその症状の緩和、改善、軽減または治療のための方法が挙げられる。本明細書中でいう「p-38α/βキナーゼ」の阻害とは、p38αおよび/またはp38βキナーゼのいずれかが阻害されることを意味する。従って、p-38α/βキナーゼ阻害のIC50値に関する記載は、化合物がp38αおよびp38βキナーゼの少なくとも1つまたは両方を阻害する有効性を有することを意味する。さらに、本明細書中で同定された特定の化合物はp38α選択的で、例えば、p38βキナーゼよりもp38αキナーゼに対して少なくとも50倍高い活性を有する。100X≧200X。
【0088】
p-38α/βキナーゼ阻害剤としてのそれらの活性の観点において、式Iの化合物は、p-38関連疾患(限定はされないが、炎症性疾患、自己免疫疾患、破壊性骨障害、増殖性疾患、血管新生疾患、感染症、神経変性疾患、およびウイルス性疾患が含まれる)の治療に有用である。
【0089】
より具体的には、本発明の化合物により治療できる具体的な症状または疾病としては、限定はしないが、膵炎 (急性または慢性)、喘息、アレルギー、成人呼吸促迫症候群、慢性閉塞性肺疾患、糸球体腎炎、リウマチ性関節炎、全身性エリテマトーデス、強皮症、慢性甲状腺炎、グレーブス病、自己免疫性胃炎、糖尿病、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性好中球減少症、血小板減少症、アトピー性皮膚炎、慢性活動性肝炎、重症筋無力症、多発性硬化症、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、乾癬、移植片対宿主病、エンドトキシン誘導性炎症反応、結核、アテローム性動脈硬化、筋変性、悪液質、乾癬性関節炎、ライター症候群、痛風、外傷性関節炎、風疹性関節炎、急性滑膜炎、膵臓β細胞疾患; 大量の好中球浸潤を特徴とする疾病; リウマチ性脊椎炎、痛風性関節炎および他の関節炎症状、脳性マラリア、慢性肺炎症性疾患、珪肺症、肺サルコイドーシス、骨吸収疾患、同種移植片拒絶、感染症による発熱および筋肉痛、感染症による二次的悪液質、ミエロイド形成(meloid formation)、瘢痕組織形成、潰瘍性大腸炎、発熱、インフルエンザ、骨粗鬆症、変形性関節炎および多発性骨髄腫関連骨障害、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、転移性メラノーマ、カポジ肉腫、多発性骨髄腫、敗血症、敗血症ショック、および細菌性赤痢; アルツハイマー病、パーキンソン病、外傷起因性脳虚血または神経変性疾患; 固形腫瘍、眼血管新生、および乳児性血管腫などの血管新生疾患; 急性感染性肝炎(A型肝炎、B型肝炎およびC型肝炎を含む)、HIV感染およびCMV網膜炎、AIDS、ARCまたは悪性腫瘍、およびヘルペスなどのウイルス性疾患; 卒中、心筋虚血、心臓発作における虚血、臓器低酸素症(organ hyposia)、血管過形成、心および腎再灌流障害、血栓症、心肥大、トロンビン誘導性血小板凝集、内毒血症および/または毒素性ショック症候群、およびプロスタグランジンエンドペルオキシダーゼシンターゼ-2 関連疾患が挙げられる。
【0090】
加えて、本発明のp38阻害剤はシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)とも言われる、プロスタグランジンエンドペルオキシドシンターゼ-2(PGHS-2)といった誘導性炎症促進性タンパク質の発現を阻害する。従って、さらなるp38-関連症状として、浮腫、痛覚消失、発熱および疼痛(例えば神経筋痛、頭痛、癌による痛み、歯痛および関節炎痛など)が挙げられる。本発明の化合物はまた、限定はされないが、ウマ伝染性貧血ウイルスのようなレンチウイルス感染症;または、ネコ免疫不全ウイルス、ウシ免疫不全ウイルス、およびイヌ免疫不全ウイルスを含むレトロウイルス感染症といった、家畜のウイルス感染症の治療にも使用することができる。
【0091】
本明細書中で用語「p38関連症状」または「p38関連疾患または障害」を用いる場合、各々は、詳細に繰り返し記載した上に特定された症状の全て、ならびに、p38キナーゼ活性により影響を受けるその他の症状のいずれをも包含することを意図する。
【0092】
p38阻害剤が有効であると考えられる疾病の具体的な例は、喘息、成人呼吸促迫症候群、慢性閉塞性肺疾患、慢性肺炎症性疾患、糖尿病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、骨粗鬆症、乾癬、移植片対宿主拒絶反応、アテローム性動脈硬化、急性冠疾患、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、疼痛、心筋虚血および関節炎(リウマチ性関節炎、乾癬性関節炎、外傷性関節炎、風疹性関節炎、痛風性関節炎および変形性関節炎を含む)を挙げられ、特にリウマチ性関節炎および乾癬を挙げられる。
【0093】
従って本発明は、少なくとも1つの式Iの化合物またはその塩を有効な量、治療を必要とする患者に投与することを含む、そのような症状の治療方法を提供する。p38キナーゼ関連症状の治療方法は、式Iの化合物を単独で、あるいは互いにおよび/またはそのような症状の治療に有用な他の適した治療薬と組み合わせて投与することを含み得る。そのような他の治療薬の例としては、副腎皮質ステロイド、ロリプラム、カルフォスチン、CSAID、米国特許第4,200,750号に開示されている4-置換イミダゾ[1,2-A]キノキサリン; インターロイキン-10、グルココルチコイド、サリチル酸塩、一酸化窒素、および他の免疫抑制剤; 核移行阻害剤、例えばデオキシスパガリン(DSG)など; 例えばイブプロフェン、セレコキシブおよびロフェコキシブなどのような非ステロイド性抗炎症薬(NSAID); 例えば プレドニゾンまたはデキサメタゾンなどのようなステロイド剤; 例えばアバカビルなどのような抗ウイルス剤; 例えばメトトレキサート、レフルノミド、FK506(タクロリムス、プログラフ)などのような抗増殖剤; 例えばアザチオプリン(azathiprine)およびシクロホスファミドなどのような細胞障害性薬物; 例えばテニダップ、抗TNF抗体または可溶性TNF受容体、およびラパマイシン(シロリムスまたはラパミューン)あるいはその誘導体などのようなTNF-α阻害剤が挙げられる。
【0094】
上記の他の治療薬は、本発明の化合物と併用する場合、例えば、医師用卓上参考書 (PDR)に示されている量、または当業者により決定される量で用いられ得る。本発明の方法においては、そのような他の治療薬を、本発明の化合物の投与前、同時、または投与後に投与してもよい。
【0095】
本発明はまた、上記のような、TNF-α、IL-1、および/またはIL-8が介在する症状を含む、p38-キナーゼ関連疾患を治療することができる医薬組成物を提供する。本発明の組成物は、上記の他の治療薬を含み、そして例えば、汎用の固体または液体のビヒクルまたは希釈剤、ならびに目的とする投与方法に適するタイプの医薬品添加物(例えば、賦形剤、結合剤、保存剤、安定剤、香料など)により、製剤処方の分野で周知の技法に従って製造することができる。
【0096】
式Iの化合物は、治療する症状に適したいずれの方法で投与してもよく、それは部位特異的治療の必要性、または投与される薬剤の量に依存する。皮膚関連疾病には一般的に局所投与が好ましく、癌性または前癌性の症状には全身療法が好ましいが、他の送達方法も考慮に入れられる。例えば、化合物を、経口で(例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、粉末剤、またはシロップといった液剤の形態で);局所的に(例えば溶液剤、懸濁剤、ゲル剤または軟膏剤の形態で); 舌下に; 頬側に; 非経口で(例えば、皮下、静脈内、筋肉内または胸骨内の注射または注入技法 (例えば、滅菌注射用の水溶液または非水溶液または懸濁液として)による));鼻腔内に(例えば吸入スプレーなどによる); 局所的に(例えばクリーム剤または軟膏剤の形態などで); 直腸内に(例えば坐薬の形態などで); またはリポソームを用いて投与してもよい。非毒性の医薬的に許容されるビヒクルまたは希釈剤を含有する用量単位剤形を投与することができる。該化合物は、即時放出または持続放出に適した形態で投与してもよい。即時放出または持続放出は、適した医薬組成物により、特に持続放出の場合においては、例えば皮下インプラントまたは浸透圧ポンプなどのような装置を用いて達成することができる。
【0097】
局所投与用組成物の例としては、例えばプラスチベース(PLASTIBASE)(登録商標)(ポリエチレンでゲル化した鉱油)などのような局所的担体が挙げられる。
【0098】
経口投与用組成物の例としては、例えば、増量用の微結晶セルロース、懸濁剤としてアルギン酸またはアルギン酸ナトリウム、粘着増強剤としてメチルセルロース、および当分野で公知の甘味剤または芳香剤などを含有し得る懸濁液; および、例えば、微結晶セルロース、リン酸ジカルシウム、デンプン、ステアリン酸マグネシウムおよび/またはラクトースおよび/または当分野で公知の他の賦形剤、結合剤、増量剤(extender)、崩壊剤、希釈剤および滑沢剤などを含有し得る即時放出錠剤が挙げられる。本発明の化合物はまた、例えば、成型、圧縮もしくは凍結乾燥錠剤での舌下および/または口腔投与による経口投与であってもよい。組成物の例としては、例えば マンニトール、ラクトース、スクロースおよび/またはシクロデキストリンなどのような速溶性希釈剤を挙げることができる。また、例えばセルロース(アビセル(AVICEL)(登録商標))またはポリエチレングリコール(PEG)などのような高分子賦形剤; ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム (SCMC)、および/または 無水マレイン酸コポリマー(例えば、ガントレッツ(GANTREZ)(登録商標))などのような粘膜接着促進用賦形剤; および、例えば ポリアクリル酸コポリマー(例えば、カーボポール(CARBOPOL)934(登録商標))などのような徐放剤がそのような製剤に含まれていてもよい。滑沢剤、流動化剤、香料、着色剤および安定剤もまた、製造と使用を容易にするために添加してよい。
【0099】
経鼻エアロゾルまたは吸入投与用の組成物の例としては、例えば、ベンジルアルコール、または他の適した保存剤、吸収および/またはバイオアベイラビリティを向上させる吸収促進剤、および/または当分野で公知の他の可溶化剤もしくは分散剤などを含有し得る溶液が挙げられる。
【0100】
非経口投与用組成物の例としては、例えば、適当な非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒、例えばマンニトール、1,3-ブタンジオール、水、リンゲル液、等張食塩水、あるいは他の適当な分散剤または湿潤剤および懸濁剤(合成モノ-またはジグリセリド、およびオレイン酸などの脂肪酸を含む)を含み得る、注射用溶液または懸濁液が挙げられる。
【0101】
直腸投与用組成物の例としては、例えば、適当な非刺激性賦形剤(例えば、常温では固体であるが、直腸腔内で液化および/または溶解して薬剤を放出する、カカオバター、合成グリセリドエステルまたはポリエチレングリコールなど)を含有し得る坐薬が挙げられる。
【0102】
本発明の化合物の有効量は当業者により定められることができ、これは、1日当たり活性化合物の約0.05から100 mg/体重kgである哺乳類についての典型的な用量を含み、これは単一用量、または例えば1日当たり1から4回などのように分割した用量の形で投与してよい。当然のことながら、いずれの特定の対象に対する具体的な投与量および投与頻度は変更することができ、それは、使用する特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用期間、対象の種、年齢、体重、一般的健康状態、性別および食餌、投与の方法および時間、排出速度、薬剤の併用、および特定症状の重篤度などの様々な要因に依存する。好ましい治療対象としては動物が挙げられ、最も好ましくは例えばヒトおよび家畜(例えばイヌ、ネコ、ウマなど)などのような哺乳類が挙げられる。従って、本明細書中で用語「患者」が用いられる場合、この用語は、p38酵素量の関与により影響を受ける全ての対象、最も好ましくは哺乳類を包含することを意図する。
【0103】
本明細書中の実施例に記載の化合物を含む式Iの化合物は、以下に記載の1以上のアッセイで試験され、p38α/β酵素およびTNF-αの阻害剤としての活性を示した。
【0104】
(生物学的検定法)
p38キナーゼの生成
このアッセイのため、ヒトp38α、β、およびγアイソザイムのcDNAを、PCRによりクローニングした。これらのcDNAをpGEX発現ベクター(Pharmacia)でサブクローニングした。GST-p38融合タンパク質をE. Coliで発現させ、グルタチオンアガロースを用いたアフィニティークロマトグラフィーにより、バクテリアペレットから精製した。p38融合タンパク質を、恒常的活性型MKK6とインキュベートすることで活性化させた。活性p38を、アフィニティークロマトグラフィーによりMKK6から分離した。恒常的活性型MKK6は、Raingeaud et al. (Mol. Cell. Biol.、1247-1255 (1996))に従って生成した。
【0105】
LPS-刺激PBMCによるTNF-αの産生
ヘパリン処理ヒト全血を健常者から得た。末梢血単核球(PBMC)を、Ficoll-Hypaque密度勾配遠心分離によりヒト全血から精製し、アッセイ培地(10%ウシ胎仔血清含有RPMI培地)中に、5 x 106/mlの濃度で再懸濁した。50 μlの細胞懸濁液を、50 μlの試験化合物(0.2%DMSO含有アッセイ培地中4X濃度)とともに、96-ウェル組織培養プレートにおいて室温で5分間インキュベートした。次いで、100 μlのLPS(200 ng/mlストック)を細胞懸濁液に添加し、プレートを37℃で6時間インキュベートした。インキュベーションの後、培地を回収し、-20℃で保存した。培地中のTNF-α濃度を、標準ELISAキット(Pharmingen-San Diego、CA)を用いて定量した。TNF-αの濃度および試験化合物のIC50値(LPS-刺激TNF-α産生を50%阻害する化合物の濃度)を、線形回帰分析により算出した。
【0106】
p38アッセイ
アッセイはV-底96-ウェルプレートで実施した。最終アッセイ量は60 μlであり、これは20 μlの酵素添加3回、基質(MBPおよびATP)、アッセイバッファー(50 mMトリスpH 7.5、10 mM MgCl2、50 mM NaClおよび1 mM DTT)中の試験化合物から調製された。バクテリアで発現し、活性化したp38を、試験化合物と10分間プレインキュベートした後、基質との反応を開始した。該反応液を25℃で45分間インキュベートし、各試料に0.5 M EDTAを5 μl添加することで反応を終了させた。該反応混合物を、Skatron Micro96 Cell Harvester(Skatron、Inc.)を用いて予め湿らせたフィルターマットの上に吸引し、次いでPBSで洗浄した。その後、該フィルターマットを電子レンジで1分間乾燥させ、MeltilLex A scintillation wax (Wallac)で処理し、Microbeta scintillation counter Model 1450 (Wallac)でカウントした。阻害データを、Prizm(GraphPadSoftware)を用いて非線形最小二乗回帰により分析した。アッセイにおける試薬の最終濃度は、ATP、1 μM; [γ-33P]ATP、3 nM; MBP(Sigma、#M1891)、2μg/ウェル; p38、10 nM; およびDMSO、0.3%である。本発明のある特定のグループの化合物は、(1)p38αと対比して<100 nmの活性、および(2)βよりもαに対する選択性(例えば、50倍、100倍または200倍の選択性)の両方を有するものである。実施例127〜225の化合物は少なくとも50倍のα選択性を有する。
【0107】
LPS-刺激マウスによるTNF-αの産生
マウス(Balb/c雌、6〜8週齢、Harlan Labs; n=8/処理群)に、無菌食塩水に懸濁した50 μg/kgのリポ多糖(LPS; E coli株0111:B4、Sigma)を腹腔内に注入した。90分後、マウスをCO2:O2吸入により鎮静させて、血液試料を得た。血清を分離し、メーカーの説明書(R&D Systems、Minneapolis、MN)に従って市販のELISAアッセイにより、TNF-α濃度を分析した。
【0108】
試験化合物を様々な回数で経口投与した後、LPS注入した。該化合物を、様々なビヒクルまたは可溶化剤において懸濁液または溶液のいずれかとの形で投与した。
【0109】
p38αアッセイ
アッセイは、U-底384-ウェルプレートで実施した。最終アッセイ量は30 μlであり、これは15 μlの添加酵素および基質(蛍光標識ペプチドおよびATP)、アッセイバッファー(100 mM HEPES pH 7.2、10 mM MgCl2、0.015% Brij35および4 mM DTT)中の試験化合物から調製した。反応は、活性化p38αを、基質および試験化合物と組み合わせることにより開始した。該反応物を室温で60分間インキュベートし、45 μlの35 mM EDTAを各試料に添加することにより反応を終了させた。該反応混合物を、Caliper LabChip 3000 (Caliper、Hopkinton、MA)において、蛍光基質およびリン酸化生成物の電気泳動分離により分析した。阻害データは、100%阻害として酵素無添加コントロール反応物、0%阻害としてビヒクルのみの反応物との比較により算出した。アッセイにおける試薬の最終濃度は、ATP、20 μM; FL-P38a ペプチド、1.5 μM; p38α、6 nM; およびDMSO、1.6%である。
【0110】
p38βアッセイ
アッセイは、U-底384-ウェルプレートで実施した。最終アッセイ量は30 μlであり、これは15 μlの添加酵素および基質(蛍光標識ペプチドおよびATP)、アッセイバッファー(100 mM HEPES pH 7.2、10 mM MgCl2、0.015% Brij35および4 mM DTT)中の試験化合物から調製した。反応は、活性化p38βを、基質および試験化合物と組み合わせることにより開始した。該反応物を室温で60分間インキュベートし、45 μlの35 mM EDTAを各試料に添加することで反応を終了させた。該反応混合物を、Caliper LabChip 3000(Caliper、Hopkinton、MA)において、蛍光基質およびリン酸化生成物の電気泳動分離により分析した。阻害データは、100%阻害として酵素無添加コントロール反応物、0%阻害としてビヒクルのみの反応物との比較により算出した。アッセイにおける試薬の最終濃度は、ATP、20 μM; FL-P38bペプチド、1.5 μM; p38β、1 nM; およびDMSO、1.6%である。
【0111】
(略号)
容易に参照できるように、以下の略号が、下記の製造方法および実施例を含む本明細書中で用いられる:
MeOH = メタノール
EtOH = エタノール
EtOAc = 酢酸エチル
Boc = tert-ブチルオキシカルボニル
CBZ = カルボベンジルオキシ、カルボベンゾキシまたはベンジルオキシカルボニル
DCM = ジクロロメタン
DCE = 1,2-ジクロロエタン
DEAD = アゾジカルボン酸ジエチル
DMF = ジメチルホルムアミド
DMSO = ジメチルスルホキシド
PmB = パラメトキシベンジル
TFA = トリフルオロ酢酸
THF = テトラヒドロフラン
TMS = トリメチルシリル
p-TsOH = パラトルエンスルホン酸
HATU = O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート
KOH = 水酸化カリウム
K2CO3 = 炭酸カリウム
POCl3 = オキシ塩化リン
KOtBu = カリウムt-ブトキシド
EDCまたはEDCI = 1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩
DIPEA = ジイソプロピルエチルアミン
HOBt = 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物
m-CPBA = m-クロロ過安息香酸
LiHMDS = リチウムビス(トリメチルシリル)アミド
NaH = 水素化ナトリウム
NaOEt = ナトリウムエトキシド
NaOH = 水酸化ナトリウム
Na2S2O3 = チオ硫酸ナトリウム
HCl = 塩化水素
NMP = N-メチルピロリドン
CO2 = 二酸化炭素
Pd = パラジウム
Pd/C = パラジウム炭素
sec = 秒
min = 分
h = 時間
L = リットル
mLまたはml = ミリリットル
μL = マイクロリットル
g = グラム
mg = ミリグラム
mol = モル
mmol = ミリモル
N = 規定濃度
M = モル濃度
℃ = 摂氏度
rt = 室温
Ret. timeまたはtR = 保持時間(分)
anhyd. = 無水
satまたはsat’d = 飽和
aq. = 水性または水溶液
HPLC = 高速液体クロマトグラフィー
LCMS = 高速液体クロマトグラフィー/質量分析
MS = 質量分析
NMR = 核磁気共鳴
MHz = メガヘルツ
s = 1重線
m = 多重線
d = 2重線
dd = 2重線の2重線
【0112】
(製造方法)
式Iの化合物は通常、以下のスキームおよび当業者の知識に従って製造することができる。以下に示すように、各スキームの後に、開示されたスキームを用いて具体的な化合物を製造する1以上の実施例が続く。
【0113】
本発明の化合物は当分野で公知の標準的な技法を用いて合成することができる。好都合に、これらの化合物は容易に入手可能な出発物質から都合良く合成される。以下は、本発明の化合物を製造するための一般的な合成スキームである。これらのスキームは例示であり、当業者が本明細書中に開示した化合物を製造するために用いることのできる技法を制限するものではない。異なる方法が当業者には明白であろう。さらに、合成における様々なステップは、順序を変えて、または目的の化合物を得るように実施することができる。全ての引用文献は、記載内容および関連する内容について、全体として援用することにより本明細書中に組み込まれる。
【0114】
本発明の化合物は、有機化学分野の当業者にとって周知である多くの方法により製造することができる。一般に、反応操作を完了させるのに要する時間は、好ましくは例えばHPLCまたはTLCなどの方法による反応の追跡から得られる情報を参考にして、その操作方法を実施する者により判断される。本発明に有用であるように、反応を完了させる必要はない。本発明に有用なヘテロサイクルの製造は、一連の文献に記載されている: Comprehensive Heterocyclic Chemistry. The Structure, Reactions, Synthesis and Uses,of Heterocyclic Compounds, First Edition Pergamon Press New York, publ., Katritzky, A.R., Rees, C.W., eds. (1984), およびComprehensive Heterocyclic Chemistry II. A Review of the Literature 1982-1995. The Structure, Reactions, Synthesis and Uses of Heterocyclic Compounds, Pergamon Press New York, publ. Katritzky, A.R., Rees, C.W. and Scriven, E.F., eds. (1996)。
【0115】
本発明に有用な化合物の製造に用いた酸または酸塩化物は、市販されているか、または有機化学分野の当業者に公知でありまたRichard C. Larock, Comprehensive Organic Transformations. A Guide to Functional Group Preparation, VCH Publishers, Inc., publ., pp. 385-439 (1989)に記載されている多くの方法により容易に製造することができる。
【0116】
(実施例)
以下の実施例は、本発明の範囲の一部として例示されるものであり、本発明の範囲を制限するものではない。他に指示のない限り、スキームおよび本明細書中に開示されている他の方法を用いて製造、単離、キャラクタリゼーションを行った。本明細書中に用いる略号は上に定義する。
【0117】
他に断らない限り、以下のHPLC条件を実施例に用いた:YMC S5 ODS 4.6 x 50 mm 弾道的カラム(Ballistic column)、流速4 mL/分、4分直線勾配溶離(開始溶媒%B=0; 終了溶媒%B=100)、溶媒A=10%MeOH/90%H2O/0.2%H3PO4。溶媒B=90%MeOH/10%H2O/0.2%H3PO4
【0118】
(実施例1から126)
スキーム1から12
本出願に記載のスキーム1から12を用いて、そこに記載の化合物を製造した。他に記載のない限り、上に記載の定義および略号を適用できる。
【0119】
スキーム1
一般構造cの化合物は、R20=C(O)NH-R4である以下のスキーム1のステップAまたはBに従って製造することができる。
【化9】

【0120】
ステップA
カルボン酸aおよびアニリンbを、例えばDMFなどのような極性非プロトン性溶媒に溶解する。アミン塩基(例えばDIPEAなど)、およびカップリング試薬(例えばBOPなど)を添加する。該反応物を室温または高温で撹拌し、生成物cを得る。
【0121】
ステップB
別法として、カルボン酸塩化物dを、アミン塩基(例えばDIPEAなど)の存在下において、非プロトン性溶媒(例えばDCMなど)中でアニリンbと反応させて、生成物cを得る。
【0122】
スキーム2
スキーム2は、R29がHまたはn-プロピル、R30がHまたはCH3、X=Cl、Br、Iまたは別の適当な脱離基である場合に用いることができる。
【化10】

【0123】
スキーム3
スキーム3は、R31が適宜置換されたアルキル、適宜置換されたシクロアルキル、適宜置換されたアリール、適宜置換されたヘテロシクロまたは適宜置換されたヘテロアリールである場合に用いることができる。
【化11】

【0124】
スキーム4
ピロール系阻害剤(Pyrrole Based Inhibitor)の合成
【化12】

様々なピロール系p38キナーゼ阻害剤が、スキーム4(ここでR33 はR31と同じ定義である)に記載の方法に従って製造できる。ジエチル-3-メチル-ピロール-2,4-ジカルボキシレートを、酸(例えばH2SO4など)で4-モノカルボン酸dに加水分解することができる。アミンとの標準的なアミド結合形成によりC-4アミドピロールeを得ることができ、次いでそれをC2-カルボン酸に加水分解し、さらにアニリンとのカップリングを介してアミドに合成して一般構造fの化合物を得ることができる。塩基性けん化を介してジエステルから2-モノカルボン酸ピロールbを製造し、次いでアミンまたはアニリンとカップリング結合させて、一般構造cの化合物を得ることができる。
【0125】
スキーム5
ピロロトリアジノン阻害剤の合成
【化13】

ピロロトリアジノン-アニリンp38阻害剤はスキーム5(ここでR34はR31と同じ定義であり、「アリール」について適当な基(value)が選択される(例えば実施例に示すような))に記載の方法に従って製造できる。ピロロトリアジノンaを塩基およびアルキル化剤(例えばヨウ化プロピルなど)を用いてN3上でアルキル化し、bを得ることができる。C6エステルを水酸化物供給源(hydroxide source)(例えばNaOHなど)で酸に加水分解し、cを得ることができる。最終的に、酸cを標準的なアミド結合形成条件を用いてアニリンにカップリング結合させて、dを得ることができる。
【0126】
スキーム6
【化14】

結合チアゾール-ピリミジノンp38阻害剤はスキーム6(ここでR36はR31と同じ定義であり、アリールはスキーム5における定義と同じである)に記載の一般的な方法に従って製造することができる。アミノチアゾールaを、適当な溶媒中で、加熱しながら、5-(メトキシメチレン)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4,6-ジオンbと反応させてcを得ることができる。高沸点の溶媒(例えばジフェニルエーテルなど)中でcを加熱することで、6,5-縮合環化合物dが得られる。エステルdを水酸化物供給源(例えばNaOHなど)でカルボン酸eに加水分解し、次いでアニリンとカップリング結合させて一般構造fの化合物を得ることができる。
【0127】
スキーム7
【化15】

化合物cを、スキーム7に概説の通り、有機塩基(例えばジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンまたはDBUなど)の存在下、不活性溶媒(例えばジクロロメタンまたはTHFなど)中で、酸ハライドa(式中、X=ClまたはBr; R37=HまたはCH3;および、R38=R31についての記載と同じ基)とアニリンbを反応させてcを得ることにより、製造することができる。
【0128】
別法として、cを、形成する標準的なアミドカップリング条件(例えば、EDC、HOBt、i-Pr2EtNH2)下でカルボン酸a(X=OH)とアニリンbを反応させてcを得ることにより、製造することができる。
【0129】
スキーム8
【化16】

スキーム8において、化合物hは市販の化合物aおよびbから製造することができる。塩基(例えばトリエチルアミンなど)の存在下、溶媒(例えばジクロロメタンなど)中において、化合物aを化合物bと反応させて化合物cを得ることができる。溶媒(例えばジオキサンなど)中で、化合物cを無機酸(例えば塩酸など)と反応させて化合物dを得ることができる。塩基(例えばピリジルなど)の存在下、溶媒(例えばジクロロメタンなど)中において、化合物dを化合物eと反応させて化合物fを得ることができる。水酸化物(例えば水酸化カリウムなど)の存在下、溶媒(例えばメタノールなど)中において、化合物fを加水分解して、化合物gを得ることができる。最後に、カップリング試薬(例えばEDCIおよびHOBtなど)および塩基(例えばジイソプロピルエチルアミンなど)の存在下、溶媒(例えばNMPなど)中において、化合物gをアミンと反応させて化合物hを得ることができる。
【0130】
スキーム9
【化17】

スキーム9において、塩基(例えばピリジンなど)を用いることにより、溶媒(例えばジクロロメタンなど)中で市販の化合物aおよびbから化合物cを製造することができる。
【0131】
スキーム10
【化18】

スキーム10に関して、化合物eを、スキーム10(ここで、R39はR31についての定義と同一の基を有する)に示す市販の化合物aおよびbから製造することができる。カップリング試薬(例えばEDCIおよびHOBtなど)の存在下、溶媒(例えばジメチルホルムアミドなど)中において、化合物aを化合物bと反応させて化合物cを得ることができる。カップリング試薬(例えばEDCIおよびHOBtなど)の存在下、溶媒(例えばジメチルホルムアミドなど)中において、化合物cを化合物dと反応させて化合物eを得ることができる。
【0132】
スキーム11
【化19】

スキーム11に関して、スキーム11(ここで、R40はR31についての記載と同一の基を有する)に示される通り、化合物dは化合物aおよびbから製造することができる。カップリング試薬(例えばEDCIおよびHOBtなど)の存在下、溶媒(例えばジメチルホルムアミドなど)中において、市販の化合物aを化合物bと反応させて化合物cを得ることができる。溶媒(例えばN-メチルピロリドンなど)中において、化合物cをアミン(RNH2)と反応させて化合物dを得ることができる。
【0133】
スキーム12
【化20】

スキーム12に関して、化合物gを、スキーム12に示す市販の化合物a(ここで、R41はR31についての記載と同一の基を有する)から製造することができる。溶媒(例えばメタノールなど)中において、化合物aを水性水酸化物)(例えば水酸化カリウムなど)により加水分解して、化合物bを得ることができる。カップリング試薬(例えばEDCIおよびHOBtなど)の存在下、溶媒(例えばジメチルホルムアミドなど)中において、化合物bを化合物cと反応させて化合物dを得ることができる。溶媒(例えばジクロロメタンなど)中において、化合物dを酸化剤(例えばm-クロロ過安息香酸など)で酸化して、化合物eを得ることができる。塩基(例えば水素化ナトリウムなど)の存在下、溶媒(例えばテトラヒドロフランなど)中において、化合物eをチオール(RSH)と反応させて化合物fを得ることができる。最後に、溶媒(例えばジクロロメタンなど)中において、化合物fを酸化剤(例えばm-クロロ過安息香酸など)で酸化して化合物gを得ることができる。
【0134】
実施例1(方法1)
【化21】

3-(2-クロロフェニル)イソキサゾール-5-カルボン酸a(45 mg, 0.20 mmol)/DMF(0.5 mL)溶液に、3-アミノ-N-シクロプロピル-4-メチルベンズアミドb(50mg, 0.22 mmol)、BOP(111 mg, 0.25 mmol)、およびDIPEA(0.087 mL, 0.5 mmol)を添加した。該反応液を室温で3時間撹拌し、次いで、さらに1時間、70℃に加熱した。室温に冷却した後、水(4 mL)を添加し、得られた沈殿物を減圧濾過により集めた。該粗固形物をさらに逆相プレパラティブHPLCにより精製して、実施例1(化合物1ともいう)をオフホワイト色の固形物として得た(44 mg)。HPLC保持時間: 3.20分 LCMS [M+H]+= 396.3, 398.3.
【0135】
実施例2(方法2)
【化22】

5-(4-クロロフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボン酸a(45 mg, 0.20 mmol)/DMF(0.5 mL)溶液に、3-アミノ-N-シクロプロピル-4-メチルベンズアミドb(50 mg, 0.22 mmol)、HATU(95 mg, 0.25 mmol)、およびDIPEA(0.105 mL, 0.6 mmol)を添加した。該反応液を80℃で1時間撹拌した。室温に冷却した後、水(4 mL)を添加し、得られた沈殿物を減圧濾過により集めて実施例2(化合物2ともいう)をオフホワイト色の固形物として得た(51 mg)。HPLC保持時間: 3.17分 LCMS [M+H]+= 397.3, 399.3.
【0136】
実施例3から9
表1に示す実施例3から9は、上の実施例1および2と同様の方法で製造した。
【表1】

【表2】

【0137】
実施例10
【化23】

ステップA
a(スキーム2)(R30=H); 0.234 g, 1.59 mmol, 1.0当量)、THF(3.2 mL)およびNaOH 水溶液(1 N, 6.4 mL, 6.4 mmol, 4.0当量)の溶液を終夜還流した。室温に冷却した後、該反応混合物を乾固しない程度に減圧濃縮した。0℃で、HCl水溶液(3 N)を、pHがリトマス試験紙での判定により約3になるまで添加した。該水層をCH2Cl2(3x)およびEtOAc(3x)で抽出した。該有機層を合わせて、Na2SO4で乾燥させて濾過し、減圧濃縮してb(スキーム2)をオレンジ色の固形物として得た(0.0696 g, 32%収率)。HPLC保持時間=0.377分(94%, 220 nm); LC/MS (MH)=139.99.
【0138】
ステップB
b(スキーム2)(0.0696 g, 0.50 mmol, 1.0当量)、c(スキーム2)(0.115 g, 0.06 mmol, 1.2当量)、EDAC(0.146 g, 0.76 mmol, 1.5当量)、HOBt(0.103 g, 0.76 mmol, 1.5当量)およびDMF(1.0 mL)の溶液を窒素下で終夜撹拌した。該反応液を水およびEtOAcで希釈し、該層を分離させた。該水層をEtOAc(4x)で抽出した。該有機層を合わせて、Na2SO4で乾燥させ、濾過して黄色油状物まで減圧濃縮し、これをオートプレップ(autoprep)で処理した。適当なフラクションを集め、凍結乾燥させて化合物10(スキーム2のd)(実施例10ともいう)をオフホワイト色の固形物として得た(0.040 g, 25%収率)。HPLC保持時間=1.717分(97%, 220 nm); LC/MS (MH)=312.79.
【0139】
実施例11
【化24】

同様の手順で、実施例11(化合物11ともいう)(スキーム2のd、その中でR29=HおよびR30=CH3)を白色固形物として得た。HPLC保持時間=1.937分(95%, 220 nm); LC/MS (MH)=326.16.
【0140】
実施例12
【化25】

ステップA
a(スキーム2)(R30=H; 0.166 g, 1.1 mmol, 1.0当量)/DMF(1.2 mL)溶液に、窒素下、0℃で、NaH(95%/鉱物油, 0.0601 g, 2.4 mmol, 2.2当量)を添加した。該冷浴を取り外し、該反応液を5分間、室温に撹拌した。n-プロピルアミンを添加し、該溶液を70℃で加熱した。3.5時間後、該反応液を室温に冷却し、EtOAcおよび水で希釈した。層の分離後、該水層をEtOAc(2x)で抽出した。該有機層を合わせて、Na2SO4で乾燥させ、濾過して減圧濃縮した。オートプレップ後、該適当なフラクションを集めて、eを白色固形物として得た(0.032 g, 15%収率)。HPLC保持時間=1.930分(100%, 220 nm); LC/MS (MH)=196.09.
【0141】
ステップB
スキーム2のdと同様の手順で、実施例12(化合物12ともいう)(スキーム2のf、ここでR29=n-プロピルおよびR30=H)を白色固形物として得た。HPLC保持時間=2.277分(100%, 220 nm); LC/MS(MH)=354.08.
【0142】
実施例13
【化26】

ステップA
a(スキーム3)(3.17 g, 12.5 mmol, 1.0当量)およびn-プロピルアミン(1.1 mL, 13.4 mmol, 1.1当量)/THF(50 mL)溶液に、窒素下で、NaBH(OAc)3(4.07 g, 19.2 mmol, 1.5当量)を添加した。終夜撹拌後、該反応混合物を減圧濃縮し、該残留物をCH2Cl2および水で希釈した。層の分離後、該水層をCH2Cl2で抽出し、該有機層を合わせて飽和NaHCO3水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。溶離剤としてCH2Cl2:MeOH(20:1)を用いたシリカゲルクロマトグラフィー処理により、b(R31= n-プロピルおよびR4=シクロプロピル)を淡黄色固形物として得た(2.43 g, 66%)。HPLC保持時間=2.393分(100%, 220 nm); LC/MS (MH)=297.00.
【0143】
ステップB
b(2.43 g, 8.2 mmol, 1.0当量)、THF(16 mL)およびNaOH 水溶液(1 N, 35 mL, 35 mmol, 4.3当量)の溶液を終夜還流した。室温に冷却後、該反応混合物を乾固しない程度に減圧濃縮した。0℃で、HCl 水溶液(6 N)を、リトマス試験紙による測定でpHが約5になるまで添加した。該沈殿物を集め、水洗して乾燥させ、cを白色固形物として得た(1.78 g, 90%収率)。HPLC保持時間=1.023分(96%, 220 nm); LC/MS (MH)=241.12.
【0144】
ステップC
c(0.91 g, 3.8 mmol, 1.0当量)、EDAC(1.6 g, 8.4 mmol, 2.2当量)、HOBt(1.1 g, 8.4 mmol, 2.2当量)およびDMF(200 mL)の溶液を、窒素下、55℃で加熱した。0.5時間後、該反応混合物を室温に冷却し、該溶媒を蒸留により除去した。該残留物をCH2Cl2に溶解し、水および飽和NaHCO3水溶液で連続的に洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過して減圧濃縮した。Et2Oでトリチュレーションし、クルードdを黄褐色固形物として得て、さらなる精製はせずに用いた。HPLC保持時間=2.850分(84%, 220 nm); LC/MS (MH)=350.15.
【0145】
ステップD
cと同様の手順で、eを黄褐色固形物として得た(0.16 g, 48%収率)。HPLC保持時間=1.920分(93%, 220 nm); LC/MS (MH)=223.02.
【0146】
ステップE(スキーム3のステップI)
e(0.071 g, 0.32 mmol, 1.0当量)、f(0.075 g, 0.40 mmol, 1.2当量)、EDAC(0.094 g, 0.49 mmol, 1.5当量)、HOBt(0.067 g, 0.49 mmol, 1.5当量)およびDMF(0.6 mL)の溶液を窒素下で終夜撹拌した。次いで、該反応混合物を50℃で加熱し、終夜撹拌した。室温に冷却後、MeOHを添加し、該反応混合物をオートプレップで処理した。適当なフラクションを集め、0℃で、NaHCO3(固体)を、リトマス試験紙による判定でpHが約11になるまで添加した。該沈殿物を集め、水洗し、乾燥させて実施例13(化合物13ともいう)(スキーム3のg、ここでR31=n-プロピル、およびR4=シクロプロピル)を白色固形物として得た(0.036 g, 28%収率)。HPLC保持時間=2.597分(100%, 220 nm); LC/MS (MH)=395.21.
【0147】
実施例14
【化27】

ステップA(スキーム3のステップII)
本実施例に関しては、R4=イソキサゾールおよびR31=n-Prである。d(0.103 g, 0.30 mmol, 1.0当量)およびf(0.103 g, 0.48 mmol, 1.6当量)/DMF(0.6 mL)溶液を、50℃で2日間、機械振盪させた。室温に冷却後、MeOHを添加し、該反応混合物をオートプレップで処理した。適当なフラクションを集め、0℃で、NaHCO3(固体)をリトマス試験紙による判定でpHが約11になるまで添加した。該沈殿物を回収し、水で洗浄し、乾燥させて実施例14(化合物14ともいう)を白色固形物として得た(0.017 g, 13%収率)。HPLC保持時間=2.763分(100%, 220 nm); LC/MS (MH)=422.13.
【0148】
実施例15から18
実施例15から18において、物質に関して適当な基で、スキーム3を用いた。
【化28】

【0149】
スキーム3のステップIIを用いて、以下の化合物を得た:
実施例15(R31=エチル, R4=シクロプロピル): HPLC保持時間=2.427分(93%, 220 nm); LC/MS (MH)=381.21.
実施例16(R31=エチル, R4=イソキサゾール): HPLC保持時間=2.533分(<100%, 220 nm); LC/MS (MH)=408.15.
実施例17(R31=エチル, R4=メチル): HPLC保持時間=2.207分(99%, 220 nm); LC/MS (MH)=355.14.
実施例18(R31=エチル, R4=エチル): HPLC保持時間=2.350分(98%, 220 nm); LC/MS (MH)=369.21。
【0150】
実施例19
実施例19に関して、適当な置換基でスキーム4を用いた。
【0151】
ステップA
【化29】

該物質bをCorwinの方法に従って製造した: Corwin, A.H., Viohl, P., J. Am. Chem. Soc., 1137 (1944)を参照。
【0152】
ステップB
【化30】

再密閉可能なバイアル内の、酸b(63 mg, 0.32 mmol、EDC(74 mg, 0.38 mmol)、HOBt(52 mg, 0.38 mmol)および2-チル-5-(メトキシアミド)アニリン塩酸塩(95 mg, 0.44 mmol)に、DMF(1.5 mL)およびDIPEA(0.12 mL, 0.7 mmol)を添加した。該バイアルを密閉して60℃で20時間加熱した。該反応溶液を冷却してEtOAc(10 mL)と水(5 mL)の間で分配した。該層を分離し、該有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して油状物を得た。該生成物をプレパラティブTLCで精製して実施例19(化合物19ともいう)を得た(17.7 mg)。HPLC保持時間=3.21分, 99.3%純度. LCMS: m/zC18H21N3O5としての計算値 [M + H]+ : 360.2. 実測値: 360.2.
【0153】
実施例20(スキーム4)
ステップA
【化31】

aとしてジエチル-3-メチル-ピロール-2,4-ジカルボキシレート(4.13 g)を10 mL H2SO4に溶解し、室温で終夜撹拌した。該溶液を氷水(20 mL)に撹拌しながら注ぎ入れた。得られた固形物を濾過し、水ですすぎ、乾燥させてdを得た(2.67 g)。
【0154】
ステップB
【化32】

d(0.95 g, 4.8 mmol)、EDC(1.01 g, 5.3 mmol)、HOBt(0.71 g, 5.3 mmol)を、DMF(4 mL)およびDIPEA(1.25 mL, 7.2 mmol)に添加した。1時間撹拌後、プロピルアミン(0.6 mL, 7.2 mmol)を添加して、該反応溶液を3時間撹拌した。水を添加し、得られた固形物を濾過により集めて水洗し、乾燥させてeを得た(750 mg)。
【0155】
ステップC
【化33】

d(750 mg)/THF(2 mL)に、2 N NaOH(2 mL)を添加し、次いで、該混合物を60℃で5時間加熱した。該THFをロータリーエバポレーター(rotovap)で除去し、得られた溶液を1 N HClでpH4に調整した。沈殿した固形物を集め、洗浄して酸eを得た(246 mg)。
【0156】
ステップD
【化34】

e(16 mg, 0.07 mmol)/NMP(0.3 mL)溶液に、HATU(32 mg, 0.08 mmol)および3-アミノ-N-シクロプロピル-4-メチル-ベンズアミド(29 mg, 0.15 mmol)を添加し、次いで50℃で20時間加熱した。該生成物をそのままプレパラティブHPLCで精製し、実施例20(化合物20ともいう)を得た(f, 6 mg)。HPLC保持時間=3.02分, 94%純度. LCMS: 383.2 (M + H).
【0157】
実施例21(スキーム5)
ステップA
【化35】

aとしてのピロロトリアジノン(606 mg, 2.5 mmol)/DMF(6 mL)溶液に、Cs2CO3(1.01 g, 3.1 mmol)およびヨウ化n-プロピル(0.3 mL, 3.1 mmol)を添加し、該反応混合物を3時間撹拌した。水(30 mL)を滴下漏斗により滴下し、得られた固形物を15分間撹拌し、濾過し、水ですすいだ。該粗固形物を次のステップにそのまま用いた。
【0158】
ステップB
【化36】

該エステルb(2.5 mmol)にMeOH(5 mL)および1N NaOH(5 mL)を添加し、該溶液を60℃で18時間加熱した。該反応物を室温に冷却し、該MeOHを減圧除去した。得られた溶液をさらに水(5 mL)で希釈し、1N HCl(5 mL)で中和した。該沈殿した固形物を濾過し、水ですすいで粗酸cを得た(450 mg, 77%収率, 2ステップ)。
【0159】
ステップC
【化37】

c(1当量)、EDC(1.2当量)、HOBt(1.2当量)/DMF(0.43M)溶液に、アニリン(1.2当量)を添加し、該反応液を60〜65℃で20時間加熱した。該反応液を室温に冷却し、水(4倍容積量)を添加し、得られた固形物を4時間撹拌し、濾過して水ですすぎ、純粋な実施例21(化合物21ともいう)を得た(d, 18.7 mg, 48%収率)。HPLC保持時間=3.16分, 99%純度. LCMS: m/zC20H23N5O3としての計算値[M + H]+ : 382.18. 実測値 : 382.2.
【0160】
実施例22から28
実施例22から28において、表に記載したR50の基について、実施例21と同様の方法を用いた。より具体的には、R50はR31に定義の群から選択することができる。
【表3】

【0161】
実施例29(スキーム6)
【化38】

ステップA
【化39】

aとしての2-アミノチアゾール-4-メチル-5-カルボン酸エチル(210 mg, 1.13 mmol)およびbとしての5-(メトキシメチレン)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4,6-ジオン(213 mg, 1.13 mmol)/MeCN(3 mL)溶液を70℃で90分間加熱した。次いで、該溶液を室温に冷却し、該MeCNを減圧除去した。エーテル(5 mL)を添加し、次にヘキサン(2 mL)を添加して得られたスラリーを5分間撹拌した後、濾過した。該固形物をヘキサン(2 x 3 mL)で洗浄し、フィルター上で乾燥させて、cを黄褐色固形物として得た(231 mg, 60%収率)。HPLC保持時間=3.66分, 96%純度; LCMS 341.1 (M + H).
【0162】
ステップB
【化40】

c(154 mg)/ジフェニルエーテル(1.5 mL)懸濁液を200〜210℃に25分間加熱した。該反応液は200℃前後でCO2を発生し始めた。該溶液を冷却し、そのままカラムクロマトグラフィー(10%から35% EtOAc/ヘキサン)で精製してdを得た(67 mg, 62%収率)。 LCMS 239.04 (M + H).
【0163】
ステップC
【化41】

d(62 mg, 0.26 mmol)/MeOH(0.4 mL)およびTHF(0.4 mL)の溶液に、1N NaOH(0.4 mL, 0.39 mmol)を添加し、該溶液を室温で30分間撹拌すると、固形物が沈殿した。pH7のバッファー(0.8 mL)を添加し、氷浴中で該反応容器を冷却し、1 N HCl(0.4 mL)を添加した。該溶液を濃縮して、該生成物を熱EtOAcにより塩から抽出し、さらなる精製は行わずに用いた。
【0164】
e(19.5 mg, 0.09 mmol)および3-アミノ-N-シクロプロピル-4-メチル-ベンズアミド塩酸塩(25 mg, 0.11 mmol)/NMP(0.4 mL)溶液に、HATU(42.4 mg, 0.11 mmol)およびDIPEA(0.02 mL, 0.11 mmol)を添加し、該溶液を75℃に4時間加熱した。該粗反応混合物を プレパラティブHPLCにより精製して実施例29(化合物29ともいう)を得た(12.6 mg, 35% 収率). HPLC 保持時間=2.83分, 99.0%純度; LCMS 383.1 (M + H).
【0165】
実施例30から31
以下の表3中の実施例30から31の化合物を、スキーム6に記載した方法を用いて、上の実施例29と同様に製造した。
【表4】

実施例32(スキーム1)
【化42】

【0166】
イソチアゾール-3-カルボン酸(20 mg, 0.15 mmol)、EDC(32.4 mg, 0.17 mmol)、HOBt(23.mg, 0.17 mmol)/DMF(0.3 mL)溶液に、3-アミノ-N-シクロプロピル-4-メチル-ベンズアミド塩酸塩(35 mg, 0.15 mmol)を添加し、続いてDIPEA(0.03 mL, 0.17 mmol)を添加した。該反応液を50℃で1時間加熱した。水(0.6 mL)を滴下し、該反応液を加熱から外した。該固形物を、室温で終夜撹拌し、濾過し、水洗して生成物を得た(42.1 mg, 91%収率)。HPLC 保持時間=2.63分, 99.80%純度; LCMS 302.1 (M + H).
【0167】
ステップA
【化43】

塩化ベンゾイル(0.35 mL, 3.0 mmol)を、5-メトキシカルボニル-1メチルイミダゾール(0.35 g, 2.5 mmol)およびTEA(0.41 mL)/MeCN(5 mL)溶液に、0℃で添加した。該反応液を0℃で2時間撹拌し、水に注ぎ入れ、EtOAc中に抽出した。有機抽出物を合わせてNa2SO4で乾燥させ、濾過し、固形物になるまで濃縮し、MeOHで洗浄して、aを得た(412 mg)。
【0168】
ステップB
【化44】

実施例20(スキーム1)のステップCにおけるeの製造方法を用いて、エステルaを酸bに加水分解した。
【0169】
実施例33(スキーム1)
【化45】

実施例33を以下のとおり製造した。
【0170】
ステップA
【化46】

塩化ベンゾイル(0.35 mL, 3.0 mmol)を、5-メトキシカルボニル-1メチルイミダゾール(0.35 g, 2.5 mmol)およびTEA(0.41 mL)/MeCN(5 mL)溶液に、0℃で添加した。該反応液を0℃で2時間撹拌し、水に注ぎ入れ、EtOAc中に抽出した。有機抽出物を合わせてNa2SO4で乾燥させ、濾過し、固形物になるまで濃縮し、MeOHで洗浄して、aを得た(412 mg)。
【0171】
ステップB
【化47】

実施例21(スキーム5)の通常の製造方法を用いて、実施例33由来の酸bを3-アミノ-N-シクロプロピル-4-メチル-ベンズアミド塩酸塩とカップリング結合させた。HPLC保持時間=3.43分, 97%純度; LCMS 403.2 (M + H).
【0172】
実施例34
実施例34を、実施例33と同様の方法で製造した。 HPLC保持時間=3.39分, 98.6%純度; LCMS 391.2 (M + H).
【化48】

【0173】
実施例35
【化49】

実施例35を以下の通り製造した。5-エトキシカルボニル-1-フェニルイミダゾール(200 mg)/MeOH(5 mL)を、実施例20(スキーム4)のステップCにおけるeの通常の製造方法に従って加水分解し、そして実施例21のステップC(スキーム5)の通常の製造方法を用いて3-アミノ-N-シクロプロピル-4-メチル-ベンズアミド塩酸塩とカップリング結合させた。HPLC保持時間=2.31分, 98%純度; LCMS 361.1 (M + H).
【0174】
実施例36
【化50】

実施例36を以下の通り製造した。2-フェニル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-カルボン酸(その製造については、R.M. Carman and R.F. Evans, J. Chem. Ed. 46:847-848 (1969)を参照; 100 mg, 0.53 mmol)、アニリン(300 mg, 1.59 mmol)、EDCI(200 mg, 1.06 mol)、HOBt(97 mg, 0.63 mol)、およびジイソプロピルエチルアミン(360 μL, 2.12 mmol)/THF(4 mL)およびDMF(0.7 mL)溶液を54℃まで95分間加熱した。該反応混合物を濃縮して、1 N HCl水溶液(8 mL)と1:1 THF:EtOAc(20 mL)の間で分配した。該有機抽出物を分離し、1 N HCl水溶液(2x)および飽和NaHCO3水溶液(2x)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、そして濃縮して表題の化合物、実施例36を淡黄褐色の固形物として得た(172 mg, 90%収率)。HPLC保持時間3.86分: LRMS 362.05 (M+H).
【0175】
実施例37
【化51】

実施例37を以下の通り製造した。5-メチル-2-フェニル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-カルボニルクロリド(15 mg, 0.07 mmol)、アニリン(25 mg, 0.1 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(35 μL, 0.21 mmol)および予備乾燥したモレキュラーシーブ(3Å, 100 mg)/ジクロロメタン(2 mL)溶液を、周囲温度で75分間撹拌した。該反応混合物をメタノールで希釈して濾過した。該濾過物を乾固するまでエバポレートし、1 N HCl水溶液で希釈した。該固形物を濾過により集め、1 N HCl水溶液、水、飽和NaHCO3水溶液、および水で洗浄し、P2O5で減圧乾燥させ、固形物を得て、これをエーテル: ヘキサン混合物(1:1)でトリチュレートし、表題の化合物、実施例37を白色固形物として得た(12 mg, 41%収率)。HPLC保持時間4.19分: LRMS 430.16 (M+H).
【0176】
実施例38/39(併記)(スキーム8)
【化52】

実施例38/39を以下の通り製造した。
【0177】
ステップA
【化53】

1-BOC-ピペラジン(2.0 g, 10.7 mmol)およびトリエチルアミン(1.6 mL, 11.7 mmol)/ジクロロメタン(30 mL)溶液に、2,4-ジメトキシベンゾイルクロリドa(1.96 g, 9.76 mmol)を、5分かけてゆっくりと添加し、得られた溶液を室温で45分間撹拌した。ジクロロメタン(〜50 mL)を添加し、該溶液を、1 N HCl水溶液(40 mL)、水(40 mL)、1 N NaOH水溶液(40 mL)、および食塩水(40 mL)で連続的に洗浄した。該有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して3.06 g(89%)の化合物cを粘性のある油状物として得た。この粗物質をさらなる精製は行わずに用いた。HPLC保持時間: 2.97分
【0178】
ステップB
【化54】

化合物d(3.06 g, 8.73 mmol)/ジオキサン(40 mL)溶液に、室温で、4Nの無水HCl/ジオキサン(20 mL)溶液を添加した。室温で1.5時間撹拌した後、混濁した反応混合物をヘキサン(〜150 mL)で希釈し、該固形物を減圧濾過により回収して真空乾燥させ、1.9 g(76%)の化合物dを白色固形物として得た。HPLC保持時間: 0.77分 1H NMR: (d4-MeOH, 400 mHz) δ 7.25 (dd, J=6.8, 2.0 Hz, 1 H), 6.65-6.63 (m, 2H), 4.10-3.90 (m, 2H), 3.89 (s, 3H), 3.86 (s, 3 H), 3.67-3.60 (m, 2 H), 3.58 (m, 2 H), 3.33-3.22 (m, 4 H).
【0179】
ステップC
【化55】

メチル-3-アミノ-4-メチル安息香酸 (1.0 g, 6.0 mmol)およびピリジン(2 mL)/ジクロロメタン(5 mL)溶液に、室温で、4-ニトロフェニルクロロホルメート(1.5 g, 7.3 mmol)を添加し、得られた混合物を室温で30分間撹拌した。ジクロロメタン(〜100 mL)を添加し、該混合物を、10%クエン酸水溶液(3 x 50 mL)、10%炭酸ナトリウム水溶液(3 x 50 mL)、および食塩水(50 mL)で連続的に洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧濃縮して1.6 g(80%)の化合物eを黄白色の固形物として得た。該物質を、さらなる精製は行わずにそのまま用いた。HPLC保持時間: 3.05分。
【0180】
ステップD
【化56】

化合物f(0.62 g, 2.2 mmol)/アセトニトリル(4 mL)のスラリーに、ピリジン(1 mL)を添加し、得られた混合物を澄明な溶液になるまで撹拌した。この後、化合物e(0.6 g, 1.82 mmol)を添加し、該反応混合物を、室温で15分間、次いで60℃で2時間撹拌した。室温に冷却後、該混合物を減圧濃縮し、該残留物をジクロロメタン(50 mL)に溶解させ、該溶液を1 N HCl水溶液(3 x 20 mL)、1 N水酸化ナトリウム水溶液(3 x 20 mL)、水(20 mL)、および食塩水(20 mL)で連続的に洗浄した。得られた溶液を減圧濃縮し、得られた油状物を、100%酢酸エチルで開始して8%メタノール/酢酸エチルで終了する勾配溶離を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、0.50 g(62%)の化合物f(化合物39は実施例39ともいう)を白色固形物として得た。HPLC保持時間: 3.05分 LCMS MH+ (m/z) 442.4.
【0181】
ステップE
【化57】

化合物f(0.48 g, 1.1 mmol)/メタノール(15 mL)溶液に、室温で、3 N水酸化ナトリウム水溶液(5 mL)を添加し、得られた混合物を50℃で30分間加熱した。室温に冷却後、該混合物を減圧濃縮して、得られた油状物を水(〜25 mL)に溶解し、溶液のpHが1〜2になるまで1 N HCl水溶液を添加した。得られた固形物を減圧濾過により集め、真空乾燥させて0.50 gの化合物gを白色固形物として得た。HPLC保持時間: 2.50分 1H NMR: (d4-MeOH, 400 mHz) δ 7.66 (dd, J=8.0, 1.5 Hz, 1 H), 7.22 (d, J=7.8 Hz, 1 H), 7.10 (d, J=7.8 Hz, 1 H), 6.52 (m, 2H), 3.76 (s, 3H), 3.74 (s, 3 H), 3.74-3.70 (m, 2 H), 3.55 (m, 2 H), 3.42 (m, 2H), 3.29-3.24 (m, 4 H), 2.20 (s, 3H).
【0182】
ステップF
化合物g(0.050 g, 0.12 mmol)、EDCI(0.029 g, 0.15 mmol)、HOBt(0.019 g, 0.14 mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(0.05 mL, 0.26 mmol)/NMP(0.3 mL)の混合物を、室温で20分間撹拌した。この後、アンモニア/ジオキサンの0.5 M溶液(0.7 mL, 0.35 mmol)を添加し、得られた混合物を室温で15時間撹拌した。該反応混合物をそのまま逆相プレパラティブHPLCにより精製処理した。生成物を含有するフラクションを飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、ロータリーエバポレーターで濃縮してメタノールを除去して、水性スラリーを得た。該固形物を減圧濾過により集め、水洗し、真空乾燥させて、0.030 gの化合物38/39(実施例38/39ともいう)を白色固形物として得た。HPLC保持時間: 2.23分 LCMS MH+ (m/z) 427.3.
【0183】
実施例40から48
以下の表4に記載の実施例40から48を、実施例38について前述した通り製造した。
【表5】

【表6】

【0184】
実施例49
ステップA(スキーム8)
【化58】

実施例49を、R39=2,4-ジメトキシで、以下の通り製造した。2,4-メトキシ安息香酸(1.00g, 5.49 mmol)、1-[3-(ジメチルアミノ)-プロピル]-3-エチルカルボジイミド塩酸塩および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール/無水DMF(20 mL)溶液を、室温で1.5時間撹拌した。該混合物を氷水(150 mL)でクエンチし、酢酸エチル(200 mL x 2)で抽出した。該有機層を合わせて、水、飽和炭酸水素ナトリウム(50 mL x 2)、食塩水(50 mL)で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮した。該粗化合物(2.06 g)を、室温で無水DMF(20 mL)に再溶解させ、ジイソプロピルエチルアミン(1.91 mL, 0.98 mmol)の添加に続いてイソニペコチン酸(0.85g, 6.59 mmol)を一度に添加し、その後室温で16時間撹拌した。得られた混合物を氷水でクエンチし、酢酸エチル(200 mL x 3)で抽出し、該有機層を合わせて水(20 mL x 2)および食塩水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させて、減圧濃縮し、1.51 gの化合物cを澄明な油状物として得た。この物質をさらなる精製は行わずにそのまま用いた。HPLC保持時間: 2.14分 MH+ (m/z) 294.
【0185】
ステップB
【化59】

化合物c(0.10 g, 0.20 mmol)、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド塩酸塩および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール/無水DMF(0.8 mL)を、室温で1時間撹拌した。ジイソプロピルエチルアミン(0.108 mL, 0.60 mmol)の添加に続いてメチル-3-アミノ-4-メチル安息香酸(62 mg, 0.40 mmol)を添加した。該反応液を室温で16時間撹拌した。該粗精製物を逆相プレパラティブHPLCにより精製し、生成物を含有するフラクションを濃縮して、酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の間で分配した。該有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して0.026 gの実施例49(化合物49ともいう)を白色固形物として得た。HPLC保持時間: 2.30分 LCMS MH+ (m/z) 426.
【0186】
実施例50
【化60】

実施例50を、実施例49について前述した通り製造した。HPLC保持時間: 2.39分 LCMS MH+ (m/z) 440.4.
【0187】
実施例51
【化61】

実施例51を、実施例49について前述した通り製造した。HPLC保持時間: 2.39分 LCMS MH+ (m/z) 456.2.
【0188】
実施例52
ステップA
【化62】

実施例52を以下の通り製造した。メチル-2,4-ジヒドロキシ安息香酸(4.00 g, 23.8 mmol)および炭酸カリウム/アセトン(100 mL)の懸濁液に、0℃で、ベンジルブロミド(3.2 mL, 26.4 mmol)をシリンジにより滴下した。得られた混合物を0℃で1時間、そして室温で16時間撹拌し、その後直ちに該混合物を濾過し、得られた濾過物を減圧濃縮した。残った残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して4.57 g(74%)の化合物aを白色固形物として得た。HPLC保持時間: 3.80分.
【0189】
ステップB
【化63】

化合物b(4.57 g, 17.7 mmol)/無水DMF(70 mL)溶液に、0℃で、水素化ナトリウム(60%分散/油, 1.06 g, 26.6 mmol)を数回に分けて添加し、得られた混合物を0℃で10分間撹拌した。この後、ヨードメタン(2.80 mL, 45 mmol)を滴下した後、0℃で1時間、および室温で16時間撹拌した。該混合物を氷水(300 mL)でクエンチし、1時間後、該固形物を減圧濾過により集めた。該固形物を水洗し、真空乾燥させて4.80 g(99.5%)の化合物bを白色固形物として得た。この物質をさらなる精製は行わずに用いた。HPLC保持時間: 3.38分 LCMS MH+ (m/z) 273.
【0190】
ステップC
【化64】

化合物c(3.00 g, 11.0 mmol)/メタノール/THF 1:1 (22 mL)および3N 水酸化ナトリウム水(11 mL)を、60℃で1時間加熱した。該溶媒を減圧除去し、3N HCl水溶液をゆっくり添加することにより、該混合物をpH 1にした。得られた固形物を濾過により集め、真空乾燥させて、2.96 gの化合物cを白色固形物として得た。この物質をさらなる精製は行わずに用いた。HPLC保持時間: 3.04分 MH+ (m/z) 259.
【0191】
ステップD
【化65】

実施例49で化合物aについて前述したものと同様の方法を用いて、2,4-メトキシ安息香酸を本化合物cで置き換えることにより、化合物dを化合物cから製造した。
【0192】
実施例53
【化66】

実施例49のステップBに前述したものと同様の方法を用いて、実施例53を実施例49の化合物cから製造した。HPLC保持時間: 3.07分 LCMS MH+ (m/z) 502.3.
【0193】
実施例54
【化67】

実施例49のステップBに前述したものと同様の方法を用いて、実施例54を実施例49の化合物cから製造した。HPLC保持時間: 3.07分 LCMS MH+ (m/z) 516.2.
【0194】
実施例55
ステップA
【化68】

実施例55を以下の通り製造した。実施例49のステップBに前述したものと同様の方法を用いて、化合物aを6-クロロニコチン酸から製造した。
【0195】
ステップB
【化69】

化合物a(50 mg, 0.15 mmol)およびベンジルアミン(0.10 mL, 0.90 mmol)/無水NMP(0.5 mL)溶液を、マイクロ波反応装置において200℃で15分間加熱した。該反応混合物をそのまま逆相プレパラティブHPLCにより処理して精製し、生成物を含有するフラクションを濃縮して、凍結乾燥させ、0.039 gの表題の化合物(実施例55)のTFA塩を白色固形物として得た。HPLC保持時間: 2.11分 LCMS MH+ (m/z) 401.2.
【0196】
実施例56
【化70】

実施例55のステップBに前述した通りに、実施例56を化合物aから製造した。HPLC保持時間: 1.85分 LCMS MH+ (m/z) 379.2.
【0197】
実施例57
【化71】

実施例55のステップBに前述した通りに、実施例57を化合物aから製造した。HPLC保持時間: 1.66分 LCMS MH+ (m/z) 353.3.
【0198】
実施例58
ステップA
【化72】

実施例49のステップBに前述したものと同様の方法を用いて、化合物aを2-クロロイソニコチン酸から製造した。
【0199】
ステップB
【化73】

実施例55のステップBに前述したものと同様の方法を用いて、実施例58を化合物aから製造した。HPLC保持時間: 2.08分 LCMS MH+ (m/z) 401.1.
【0200】
実施例59
【化74】

実施例55のステップBに前述したものと同様の方法を用いて、実施例59を化合物aから製造した。HPLC保持時間: 1.90分 LCMS MH+ (m/z) 379.2.
【0201】
実施例60
【化75】

実施例55のステップBに前述したものと同様の方法を用いて、実施例60を化合物aから製造した。HPLC保持時間: 1.69 分 LCMS MH+ (m/z) 353.1.
【0202】
実施例61
【化76】

ステップA
【化77】

実施例61を以下の通り製造した。2-メルカプト-1H-イミダゾール-5-カルボン酸エチル(0.50 g, 2.7 mmol)および炭酸カリウム(0.75 g, 5.4 mmol)/無水DMF(10 mL)のスラリーに、室温で、ヨードエタン(0.32 mL, 4.05 mmol)を滴下した。得られた混合物を室温で1時間撹拌し、該反応液を水(40 mL)でクエンチし、酢酸エチル(100 mL x 3)で抽出した。該有機層を合わせて、1M チオ亜硫酸ナトリウム(sodium thiosulphite)水溶液(20 mL x 2)、水(20 mL x 2)、および食塩水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させて減圧濃縮し、0.52 g(90%)の化合物aを澄明な油状物として得た。この物質をさらなる精製は行わずにそのまま用いた。HPLC保持時間: 1.83分
【0203】
ステップB
【化78】

化合物a(0.52 g, 2.43 mmol)/メタノール(8 mL)および5 N水酸化ナトリウム水溶液(1.5 mL)の溶液を、1時間還流した。室温に冷却後、該溶媒を減圧除去し、6NのHCl水溶液をゆっくりと添加することにより、該混合物をpH 1にした。この溶液を凍結乾燥させ、0.92 gの化合物bを白色固形物として得た。得られた物質をさらなる精製は行わずにそのまま用いた。HPLC保持時間: 0.58分 LCMS MH+ (m/z) 187.
【0204】
ステップC
【化79】

【0205】
実施例49のステップBに前述したものと同様の方法を用いて、化合物cを化合物bから製造した。
【0206】
ステップD
化合物c(0.26 g, 0.74 mmole)/ジクロロメタン(3 mL)のスラリーに、mCPBA(0.42 g)を一度に添加し、得られた混合物を室温で16時間撹拌した。該混合物を水(40 mL)で希釈し、酢酸エチル(100 mL x 3)で抽出した。有機層を合わせて、1M チオ亜硫酸ナトリウム水溶液(20 mL)、水(20 ml x 2)および食塩水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して0.30 gの白色の粘着性のある固形物を得た。逆相プレパラティブHPLCにより精製し、生成物を含有するフラクションを凍結乾燥させて、表題の化合物(実施例61)のTFA塩を、白色固形物として得た。HPLC保持時間: 2.12分 MH+ (m/z) 391.
【0207】
実施例62
【化80】

ベンゼンチオール(0.081 g, 0.72 mmol)/THF(1 mL)溶液に、60%油中分散の水素化ナトリウム(0.020 g, 0.51 mmol)を添加し、得られた混合物を40℃で10分間加熱した。この後、実施例61を一度に添加し、得られた混合物を50℃で16時間撹拌した。該反応物を水(10 mL)でクエンチし、酢酸エチル(100 mL)で抽出した。該有機層を1M水酸化ナトリウム水溶液および食塩水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させて減圧濃縮し、粗精製物を白色固形物として得た。この物質を逆相プレパラティブHPLCにより精製し、生成物を含有するフラクションを凍結乾燥させて表題の化合物(実施例62)のTFA塩を白色固形物として得た。HPLC保持時間: 2.79分 LCMS MH+ (m/z) 407.
【0208】
実施例63
【化81】

実施例62に前述したものと同様の方法を用いて、実施例63を実施例61から製造した。HPLC保持時間: 3.08分 LCMS MH+ (m/z) 443.1.
【0209】
実施例64
【化82】

実施例61のステップDに前述したものと同様の方法を用いて、実施例64を実施例62から製造した。HPLC保持時間: 2.57分 LCMS MH+ (m/z) 439.2.
【0210】
実施例65から126
表5に記載の実施例65から126を、先の実施例に上述した通り、製造した。
【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【表16】








【0211】
(実施例127から225)
以下の実施例127から225はα選択性であり、記載の方法により製造することができる。引き続き前述の定義を適用する。さらなるスキームを示す。
【0212】
スキーム21
スキーム21は式Iの化合物の製造方法を示しており、ここで、環Aは環Bとカップリング結合してR1を形成する。
【化83】

【0213】
スキーム21に示される通り、環Aおよび環Bがアリール基またはヘテロアリール基を示すタイプdの化合物は、タイプaの化合物(ここで、X1およびX2はClまたはBrからなる群から各々独立して選択される)から製造できる、。溶媒(例えばDMFなど)中において、塩基(例えばジイソプロピルエチルアミンなど)の存在下、カップリング試薬(例えばEDCIおよびHOBtなど)の存在下で、化合物aを化合物bとカップリング結合させて化合物cを得ることができる。パラジウム触媒の存在下で、化合物cをボロン酸またはボロン酸エステルとカップリング結合させて、タイプdの化合物を得ることができる。あるいは、溶媒(例えばDMFなど)中において、塩基(例えばジイソプロピルエチルアミンなど)の存在下、カップリング試薬(例えばEDCIおよびHOBtなど)の存在下において、タイプeの化合物を化合物bとカップリング結合させて、化合物fを得ることができる。パラジウム触媒の存在下で、化合物fをビス(ピナコラート)ジボランと反応させて、化合物gを得ることができ、次いで、パラジウム触媒の存在下において、それをアリール基またはヘテロアリール基(ここでX1およびX2はClまたはBrからなる群から各々独立して選択される)とカップリング結合させて、タイプdの化合物を得ることができる。
【0214】
スキーム22
【化84】

タイプdの化合物はスキーム22に記載の通り製造することができる。例えばトルエンなどの溶媒中において、化合物aの塩酸塩をメルカプト酢酸と反応させて化合物bを得ることができる。J. Med. Chem., 6(47):1448 (2004)に記載の通り、例えばNaOMeなどの塩基の存在下において、化合物bを化合物cと反応させて、タイプdの化合物を得ることができる。
【0215】
実施例127
5-(4-クロロフェニル)-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)フラン-2-カルボキサミド
【化85】

5-(4-クロロフェニル)フラン-2-カルボン酸(45 mg, 0.20 mmol)および3-アミノ-N-シクロプロピル-4-メチルベンズアミド塩酸塩(WO 04/071440に記載の通り製造)(50 mg, 0.22 mmol)/DMF(0.5 mL)溶液に、DIPEA(0.105 mL, 0.6 mmol)を添加し、得られた混合物を室温で1時間、次いで80℃で1時間撹拌した。該反応液を室温に冷却し、水(3 mL)を添加して、該粗精製物を減圧濾過により集め、真空乾燥させて78 mgの黄褐色固形物を得た。該粗精製物をCH2Cl2から再結晶させて、48 mgの淡褐色固形物を表題の化合物(実施例127)として得た。HPLC 保持時間=3.52分, LCMS [M+H]+ 395.23.
【0216】
実施例128
4’−クロロ-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)ビフェニル-3-カルボキサミド
【化86】

4’−クロロビフェニル-3-カルボン酸(40 mg, 0.17 mmol)/DMF(0.5 mL)溶液に、EDCI(40 mg, 0.21 mmol)およびHOBt(26 mg, 0.19 mmol)を添加し、得られた溶液を室温で15分間撹拌した。この後、DIPEA(0.042 mL, 0.26 mmol)を添加して該混合物を室温で〜16時間撹拌した。粉砕したアイス(〜2 mL量)を添加して、該混合物を2時間撹拌し、該生成物を減圧濾過により集め、水洗して乾燥させ、59 mgの白色固形物を表題の化合物(実施例128)として得た。HPLC保持時間=3.67分, LCMS [M+H]+ 405.19.
【0217】
実施例129から135
表6に記載の化合物を、実施例128に記載の方法を用いて製造した。
【表17】

【表18】

【0218】
実施例136
5-(2-クロロフェニル)-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)チオフェン-2-カルボキサミド
【化87】

ステップA
5-ブロモ-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)チオフェン-2-カルボキサミド
【化88】

実施例2に記載の方法を用いて、5-ブロモチオフェン-2-カルボン酸を3-アミノ-N-シクロプロピル-4-メチルベンズアミド塩酸塩(WO04071440に記載の通り製造)とカップリング結合させることにより、化合物aを製造した。HPLC保持時間=3.16分 LCMS [M+H]+ 379.15.
【0219】
ステップB
(2-クロロフェニル)-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)チオフェン-2-カルボキサミド
5-ブロモ-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)チオフェン-2-カルボキサミド(80 mg, 0.21 mmol)および2-クロロフェニルボロン酸(50 mg, 0.32 mmol)/トルエン(0.7 mL)を、アルゴンでパージし、エタノール(0.14 mL)、2 M K3PO4水(0.21 mL, 0.42 mmol)、およびPd(PPh3)4(12 mg, 0.010 mmol)を添加した。得られた混合物を115℃で2時間加熱した。室温に冷却後、該混合物をEtOAc(100 mL)で希釈し、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。該溶液を濾過して減圧濃縮し、黄色固形物を得て、このものをMeOH(2 mL)でトリチュレートし、濾過して該固形物を集め、さらなるMeOH(2 x 0.5 mL)ですすぎ、真空乾燥させて、56 mgの白色固形物を表題の化合物(実施例136)として得た。HPLC保持時間=3.56 分 LCMS [M+H]+ 411.21.
【0220】
実施例137から179
表7に記載の化合物を、実施例136に記載したのと同様の方法を用いて製造した。
【表19】

【表20】

【表21】

【表22】

【表23】

【表24】

【表25】

【表26】

【表27】

【0221】
実施例180
N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)-5-(4-(メチルカルバモイル)フェニル)チオフェン-2-カルボキサミド
【化89】

実施例128に記載の方法を用いて、実施例21をメチルアミンと反応させることにより、表題の化合物(実施例180)を製造して、93%の収率で白色固形物を得た。HPLC保持時間=2.82分, LCMS [M+H]+ 434.17.
【0222】
実施例181から185
実施例128に記載の方法を用いて、表8に記載の化合物を、実施例180と同様に製造した。
【表28】

【表29】



【0223】
実施例186
5-(4-クロロフェニル)-N-(2-メチル-5-(メチルカルバモイル)フェニル)チオフェン-2-カルボキサミド
【化90】

ステップA
3-(5-ブロモチオフェン-2-カルボキサミド)-4-メチル安息香酸メチル
【化91】

実施例128に記載の方法を用いて、5-ブロモチオフェン-2-カルボン酸を市販の3-アミノ-4-メチル安息香酸メチルとカップリング結合させることにより、化合物aを製造して、88%の収率で白色固形物を得た。HPLC保持時間=3.25分 LCMS [M+H]+ 355.2.
【0224】
ステップB
3-(5-(4-クロロフェニル)チオフェン-2-カルボキサミド)-4-メチル安息香酸メチル
【化92】

実施例136のステップBに記載の方法を用いて、3-(5-ブロモチオフェン-2-カルボキサミド)-4-メチル安息香酸メチルaを市販の4-クロロフェニルボロン酸とカップリング結合させることにより、化合物bを製造し、82%の収率でオフホワイト色の固形物を得た。HPLC保持時間=3.78分 LCMS [M+H]+ 386.09.
【0225】
ステップC
3-(5-(4-クロロフェニル)チオフェン-2-カルボキサミド)-4-メチル安息香酸
【化93】

3-(5-(4-クロロフェニル)チオフェン-2-カルボキサミド)-4-メチル安息香酸メチルb(640 mg, 1.66 mmol)を、1:1 THF/MeOH(10 mL)中でスラリーにして、3 N NaOH水溶液(2 mL)を添加した。室温で終夜撹拌した後、該反応混合物を濾過し、次いで減圧濃縮して揮発性の溶媒を除去した。残留した水性部分を水(〜5 mL)で希釈し、1 N HCl水溶液を添加することにより酸性(pH〜1)にした。得られたスラリーを2時間撹拌し、次いで該固形物を減圧濾過により集めた。該固形物を水洗し、次いで、漏斗中で風乾させて、620 mgの化合物cを白色固形物として得た。HPLC保持時間=3.61分 LCMS [M+H]+ 372.05.
【0226】
ステップD
5-(4-クロロフェニル)-N-(2-メチル-5-(メチルカルバモイル)フェニル)チオフェン-2-カルボキサミド
実施例128に記載の方法を用いて、3-(5-(4-クロロフェニル)チオフェン-2-カルボキサミド)-4-メチル安息香酸cをメチルアミンと反応させることにより、表題の化合物(実施例186)を製造して、73%の収率で白色固形物を得た。HPLC保持時間=3.51分, LCMS [M+H]+ 385.08.
【0227】
実施例187から191
表9に記載の化合物を、実施例186に記載したものと同様の方法を用いて製造した。
【表30】

【表31】



【0228】
実施例192
N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)-5-(3-(シクロプロピルカルバモイル)フェニル)チオフェン-2-カルボキサミド
【化94】

実施例128に記載の方法を用いて、実施例146をシクロプロピルアミンと反応させることにより、表題の化合物(実施例192)を製造して、94%の収率で白色固形物を得た。HPLC保持時間=3.06分, LCMS [M+H]+ 460.21.
【0229】
実施例193
(R)-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)-5-(3-(2,3-ジヒドロキシプロポキシ)フェニル)チオフェン-2-カルボキサミド
【化95】

N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)-5-(3-ヒドロキシフェニル)チオフェン-2-カルボキサミド(実施例144, 80 mg, 0.20 mmol)、(R)-(-)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イルメチル p-トルエンスルホネート(70 mg, 0.24 mmol)およびK2CO3(84 mg, 0.61 mmol)/DMF(0.3 mL)の混合物を、80℃で17時間、撹拌および加熱した。室温に冷却後、該混合物を水(〜5 mL)で希釈し、EtOAc(3 x 10 mL)で抽出し、抽出物を合わせて食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して茶色油状物を得た。この物質を、逆相プレパラティブHPLCにより精製して主生成物を単離し、それをMeOH(〜3 mL)に溶解して2 N HCl水溶液(0.3 mL)を添加した。該溶液を65℃まで45分間温め、次いで室温に冷却し、減圧濃縮してほとんどのMeOHを除去した。得られた不均質な混合物を、水(〜2-3 mL)で希釈して1時間撹拌した。得られた固形物を減圧濾過により集めて、水(〜5 mL)ですすぎ、漏斗中で風乾させ、次いで真空乾燥させて、29 mg(30%)のオフホワイト色固形物を表題の化合物(実施例193)として得た。HPLC保持時間=2.90分, LCMS [M+H]+ 467.29.
【0230】
実施例194
(S)-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)-5-(3-(2,3-ジヒドロキシプロポキシ)フェニル)チオフェン-2-カルボキサミド
【化96】

実施例193に記載の方法を用いて、(S)-(-)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イルメチル p-トルエンスルホネートから表題の化合物(実施例194)を製造し、34%の収率でオフホワイト色の固形物(実施例194)を得た。HPLC保持時間=2.90分, LCMS [M+H]+ 467.26.
【0231】
実施例195
(R)-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)-5-(4-(2,3-ジヒドロキシプロポキシ)フェニル)チオフェン-2-カルボキサミド
【化97】

実施例68に記載の方法を用いて、実施例139および(R)-(-)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イルメチル p-トルエンスルホネートから表題の化合物(実施例195)を製造し、67%の収率でオフホワイト色の固形物(実施例195)を得た。HPLC保持時間=2.84分, LCMS [M+H]+ 467.20.
【0232】
実施例196
3-(5-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニルカルバモイル)チオフェン-2-イル)ピリジン 1-オキシド
【化98】

N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)-5-(ピリジン-3-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(実施例149, 30 mg, 0.079 mmol)/CH2Cl2(0.5 mL)のスラリーに、室温で、m-CPBA(19 mg, 0.083 mmol)を添加し、得られたスラリーを、室温で30分間、次いで35℃で4.5時間撹拌した。該混合物を減圧濃縮して、得られた固形物をMeOH(〜2 mL)中でスラリーにして、該固形物を減圧濾過により集め、MeOH(〜1 mL)を添加してすすいだ。得られた固形物を漏斗中で乾燥させ、次いで終夜真空乾燥させて、25 mg(80%)のオフホワイト色固形物を表題の化合物(実施例196)として得た。HPLC保持時間=2.34分, LCMS [M+H]+ 394.10.
【0233】
実施例197
4-(4-クロロフェニル)-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)-3-メチルチオフェン-2-カルボキサミド
【化99】

ステップA
4-ブロモ-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)-3-メチルチオフェン-2-カルボキサミド
【化100】

実施例128に記載の方法を用いて、市販の4-ブロモ-3-メチルチオフェン-2-カルボン酸を3-アミノ-N-シクロプロピル-4-メチルベンズアミド塩酸塩(WO 04/071440に記載の通り製造)とカップリング結合させることにより、該化合物aを製造した。HPLC保持時間=3.12分 LCMS [M+H]+ 393.13.
【0234】
ステップB
4-(4-クロロフェニル)-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)-3-メチルチオフェン-2-カルボキサミド
実施例136のステップBに記載の方法を用いて、4-ブロモ-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)-3-メチルチオフェン-2-カルボキサミドaを市販の4-クロロフェニルボロン酸とカップリング結合させることにより、表題の化合物を製造して、白色固形物(実施例197)を得た。HPLC保持時間=3.67分 LCMS [M+H]+ 425.17.
【0235】
実施例198
N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)-3-メチル-4-(ピリジン-3-イル)チオフェン-2-カルボキサミド
【化101】

実施例136のステップBに記載の方法を用いて、4-ブロモ-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)-3-メチルチオフェン-2-カルボキサミドを市販の3-ピリジルボロン酸とカップリング結合させることにより、表題の化合物を製造して、白色固形物(実施例198)を得た。HPLC保持時間=1.98 分 LCMS [M+H]+ 392.29.
【0236】
実施例199
N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)-4-(6-フルオロピリジン-3-イル)-3-メチルチオフェン-2-カルボキサミド
【化102】

実施例136のステップBに記載の方法を用いて、4-ブロモ-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)-3-メチルチオフェン-2-カルボキサミドを市販の6-フルオロピリジン-3-イルボロン酸とカップリング結合させることにより、表題の化合物を製造し、白色固形物(実施例199)を得た。HPLC保持時間=2.98分 LCMS [M+H]+ 410.25.
【0237】
実施例200
N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)-4-(5-フルオロピリジン-3-イル)-3-メチルチオフェン-2-カルボキサミド
【化103】

実施例136のステップBに記載の方法を用いて、4-ブロモ-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)-3-メチルチオフェン-2-カルボキサミドを市販の3-フルオロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジンとカップリング結合させることにより、表題の化合物を製造して、白色固形物(実施例200)を得た。HPLC保持時間=2.98分 LCMS [M+H]+ 410.22.
【0238】
実施例201
5-(4-クロロフェニル)-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)チオフェン-3-カルボキサミド
【化104】

【0239】
ステップA
5-ブロモ-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)チオフェン-3-カルボキサミド
【化105】

実施例128に記載の方法を用いて、市販の5-ブロモチオフェン-3-カルボン酸を3-アミノ-N-シクロプロピル-4-メチルベンズアミド塩酸塩(WO 04/071440に記載の通り製造)とカップリング結合させることにより、化合物aを製造して、黄褐色固形物を得た。HPLC保持時間=3.02分 LCMS [M+H]+ 379.0.
【0240】
ステップB
5-(4-クロロフェニル)-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)チオフェン-3-カルボキサミド
実施例136のステップBに記載の方法を用いて、5-ブロモ-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)チオフェン-3-カルボキサミドを市販の4-クロロフェニルボロン酸とカップリング結合させることにより、表題の化合物を製造して、白色固形物(実施例201)を得た。HPLC保持時間=3.67分 LCMS [M+H]+ 411.21.
【0241】
実施例202
N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)-5-(ピリジン-3-イル)チオフェン-3-カルボキサミド
【化106】

実施例136のステップBに記載の方法を用いて、5-ブロモ-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)チオフェン-3-カルボキサミドを市販の3-ピリジルフェニルボロン酸とカップリング結合させることにより、表題の化合物を製造して、白色固形物(実施例202)を得た。HPLC保持時間=1.97分 LCMS [M+H]+ 378.2.
【0242】
実施例203
4-(4-クロロフェニル)-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)チオフェン-2-カルボキサミド
【化107】

ステップA
4-ブロモ-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)チオフェン-2-カルボキサミド
【化108】

実施例128に記載の方法を用いて、市販の3-ブロモチオフェン-5-カルボン酸を3-アミノ-N-シクロプロピル-4-メチルベンズアミド塩酸塩(WO 04/071440に記載の通り製造)とカップリング結合させることにより、化合物aを製造して、黄褐色固形物を得た。HPLC保持時間=3.01分 LCMS [M+H]+ 379.0.
【0243】
ステップB
4-(4-クロロフェニル)-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)チオフェン-2-カルボキサミド
実施例136のステップBに記載の方法を用いて、4-ブロモ-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)チオフェン-2-カルボキサミドaを市販の4-クロロフェニルボロン酸とカップリング結合させることにより、表題の化合物を製造して白色固形物(実施例203)を得た。HPLC保持時間=3.66 分 LCMS [M+H]+ 411.21.
【0244】
実施例204
N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)-4-(ピリジン-3-イル)チオフェン-2-カルボキサミド
【化109】

実施例136のステップBに記載の方法を用いて、4-ブロモ-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)チオフェン-2-カルボキサミドを市販の3-ピリジルフェニルボロン酸とカップリング結合させることにより、表題の化合物を製造して、白色固形物(実施例204)を得た。HPLC保持時間=1.91分 LCMS [M+H]+ 378.22.
【0245】
実施例205
N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)-5-(4-(モルホリン-4-カルボニル)フェニル)チオフェン-2-カルボキサミド
【化110】

実施例128に記載の方法を用いて、実施例147をモルホリンと反応させることにより、表題の化合物を製造して、白色固形物(実施例205)を得た。HPLC保持時間=2.86分, LCMS [M+H]+ 490.29.
【0246】
実施例206
N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)-5-(4-(4-メチルピペラジン-1-カルボニル)フェニル)チオフェン-2-カルボキサミド
【化111】

実施例128に記載の方法を用いて、実施例147をN-メチルピペリジンと反応させることにより、表題の化合物を製造して、白色固形物(実施例206)を得た。HPLC保持時間=2.09分, LCMS [M+H]+ 503.4.
【0247】
実施例207
4-(4-(5-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニルカルバモイル)チオフェン-2-イル)ベンゾイル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル
【化112】

実施例128に記載の方法を用いて、実施例147をピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチルと反応させることにより、表題の化合物を製造して白色固形物(実施例207)を得た。HPLC保持時間=3.42分, LCMS [M+H]+ 589.45.
【0248】
実施例208
3-アミノ-5-(4-クロロフェニル)-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)チオフェン-2-カルボキサミド
【化113】

ステップA
3-(ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-(4-クロロフェニル)チオフェン-2-カルボン酸メチル
【化114】

3-アミノ-5-(4-クロロフェニル)チオフェン-2-カルボン酸メチル(0.50 g, 1.87 mmol)/THF(8 mL)溶液に、室温で、LiHMDS/THF(4.1 mL, 4.1 mmol)の1.0 M溶液を添加し、得られた混合物を室温で10分間撹拌した後、(Boc)2O(1.02 g, 4.67 mmol)を添加した。室温で15分間撹拌後、該混合物をEtOAc(200 mL)で希釈し、水(2 x 20 mL)、食塩水で洗浄し、次いで、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して〜1.02 gのオレンジ色の油状物を粗精製物として得た。この物質を、EtOAc/ヘキサン混合液を溶離剤として用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、600 mg(68%)の黄褐色固形物を化合物aとして得た。HPLC保持時間=4.83分
【0249】
ステップB
3-(ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-(4-クロロフェニル)チオフェン-2-カルボン酸
【化115】

3-(ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-(4-クロロフェニル)チオフェン-2-カルボン酸メチルa(0.135 g, 0.29 mmol)/1:1 THF/MeOH(2 mL)溶液に、室温で、3 N NaOH水(1 mL)を添加し、得られた混合物を65℃に30分間温め、次いで室温に冷却し、濃縮して揮発性の溶媒を除去した。残留した水性部分を氷浴で冷却し、pH〜2になるまで1 N HCl水溶液を添加した。該スラリーを1時間撹拌し、次いで、減圧濾過により得られた固形物を集め、水ですすいで真空乾燥させ、86 mg(66%)のオフホワイト色の固形物を化合物bとして得た。HPLC保持時間=4.32分
【0250】
ステップC
中間体c
【化116】

実施例128に記載の方法を用いて、3-(ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-(4-クロロフェニル)チオフェン-2-カルボン酸を3-アミノ-N-シクロプロピル-4-メチルベンズアミド塩酸塩(WO 04/071440に記載の通り製造)とカップリング結合させることにより、中間体cを製造して、クリーム色の固形物を得た。HPLC保持時間=4.35分.
【0251】
ステップD
3-アミノ-5-(4-クロロフェニル)-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)チオフェン-2-カルボキサミド
中間体c(8.5 mg)の溶液を、4 N HCl/ジオキサン(0.5 mL)溶液中において、室温で6時間撹拌した。該混合物をMeOHで希釈し、逆相プレパラティブHPLCにより精製して、表題の化合物(実施例208)のTFA塩を黄白色固形物として得た。HPLC保持時間=3.59分 LCMS [M+H]+ 426.20.
【0252】
実施例209
3-アミノ-4-(4-クロロフェニル)-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)チオフェン-2-カルボキサミド
【化117】

ステップA
N-シクロプロピル-3-(2-メルカプトアセトアミド)-4-メチルベンズアミド
【化118】

メルカプト酢酸(1.65 mL, 24.2 mmol)および5.0 g(22 mmol)の3-アミノ-N-シクロプロピル-4-メチルベンズアミド塩酸塩(WO 04/071440に記載の通り製造)/トルエン(40 mL)溶液を16時間還流した。この後、さらに0.8 mLのメルカプト酢酸を添加して該混合物をさらに2日間還流し続けた。室温に冷却後、該固形物を減圧濾過により集めてEtOAc(2 x 50 mL)ですすいだ。次いで、得られた固形物を水(50 mL)でスラリーにし、該固形物を減圧濾過により再収集し、水を添加してすすいだ。得られた固形物を漏斗中で風乾させ、次いで終夜真空乾燥させて1.86 g(32%)の白色固形物を化合物aとして得た。HPLC保持時間=1.83分 LCMS [M+H]+ 265.37.
【0253】
ステップB
3-アミノ-4-(4-クロロフェニル)-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)チオフェン-2-カルボキサミド
MeOH(4 mL)に、室温で、NaOMe/MeOHの25%(w/w)溶液を添加し、続いてN-シクロプロピル-3-(2-メルカプトアセトアミド)-4-メチルベンズアミドa(200 mg, 10.8 mmol)を添加した。室温で15分間撹拌後、200 mg(10.6 mmol)の2-(4-クロロフェニル)-2-シアノビニルベンゼンスルホン酸(J. Med. Chem., 6(47):1448 (2004)に記載の通り製造)を添加し、得られた溶液を60℃に2時間温め、次いで、室温に冷却し、さらに15時間撹拌した。該混合物を減圧濃縮してMeOHを除去した後、水(20 mL)を添加し、該溶液をEtOAc(200 mL)で抽出した。該有機抽出物を水、食塩水で洗浄し、次いで、無水Na2SO4で乾燥させて濾過し、減圧濃縮して300 mgのオレンジ色の固形物を粗精製物として得た。この物質を、逆相プレパラティブHPLCにより精製して、50 mgの淡黄色固形物を表題の化合物(実施例209)として得た。HPLC保持時間=3.57分 LCMS [M+H]+ 426.17.
【0254】
実施例210
N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)-5-(3-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)チオフェン-2-カルボキサミド
【化119】

ステップA
5-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニルカルバモイル)チオフェン-2-イルボロン酸
【化120】

1.0 g(2.64 mmol)の5-ブロモ-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)チオフェン-2-カルボキサミド(実施例 136, ステップB)、ビス(ピナコラート)ジボラン(1.0 g, 3.95 mmol)およびKOAc(1.30 g, 13.2 mmol)/DMF(15 mL)溶液をアルゴンでパージして、Pd(dppf)2Cl2/CH2Cl2複合体 (65 mg, 0.08 mmol)を添加し、続いて90℃で16時間加熱した。室温に冷却後、該混合物をEtOAc(250 mL)と水(50 mL)の間で分配し、該層を分離した。有機部分をさらなる水、次いで食塩水で洗浄し、その後、無水Na2SO4で乾燥させて、濾過し、減圧濃縮して1.62 gの茶色の半固形物を粗精製物の混合物として得た。この物質をEtOAcでトリチュレートし、濾過して、〜10%のボロン酸エステルを含有する化合物aを626 mg得た。この物質をさらなる精製は行わずに用いた。HPLC保持時間=2.36分 LCMS [M+H]+ 345.2.
【0255】
ステップB
N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)-5-(3-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)チオフェン-2-カルボキサミド
実施例136のステップBに記載の方法を用いて、5-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニルカルバモイル)チオフェン-2-イルボロン酸aを市販の2-クロロ-3-トリフルオロメチルピリジンとカップリング結合させることにより表題の化合物bを製造して、逆相プレパラティブHPLCによる精製の後に淡黄色固形物を得た(実施例210)。HPLC保持時間=3.46分 LCMS [M+H]+ 446.26.
【0256】
実施例211
5-(5-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニルカルバモイル)チオフェン-2-イル)ニコチンアミド
【化121】

実施例136のステップBに記載の方法を用いて、5-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニルカルバモイル)チオフェン-2-イルボロン酸(実施例210, ステップA)を市販の3-クロロ-5-シアノピリジンとカップリング結合させることにより、表題の化合物を製造して、逆相プレパラティブHPLCによる精製の後、白色固形物を得た(実施例211)。HPLC保持時間=2.56分 LCMS [M+H]+ 421.26.
【0257】
実施例212
N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)-5-(4-メチルピリジン-3-イル)チオフェン-2-カルボキサミド
【化122】

実施例136のステップBに記載の方法を用いて、5-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニルカルバモイル)チオフェン-2-イルボロン酸 (実施例 210, ステップA)を市販の3-ブロモ-4-メチルピリジンとカップリング結合させることにより、表題の化合物を製造し、逆相プレパラティブHPLCによる精製の後、白色固形物を得た(実施例212)。HPLC保持時間=1.99 分 LCMS [M+H]+ 392.3.
【0258】
実施例213
5-(5-シアノ-2-メチルフェニル)-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)チオフェン-2-カルボキサミド
【化123】

実施例136のステップBに記載の方法を用いて、5-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニルカルバモイル)チオフェン-2-イルボロン酸 (実施例 210, ステップA)を市販の2-ブロモ-4-シアノトルエンとカップリング結合させることにより、表題の化合物を製造し、逆相プレパラティブHPLCによる精製の後、白色固形物を得た(実施例213)。HPLC保持時間=3.36分 LCMS [M+H]+ 416.29.
【0259】
実施例214および215
実施例214: 5-(5-シアノ-2-メチルフェニル)-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)チオフェン-2-カルボキサミドおよび、
実施例215: 5-(5-カルバモイル-2-メチルフェニル)-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)チオフェン-2-カルボキサミド
【化124】

実施例136のステップBに記載の方法を用いて、5-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニルカルバモイル)チオフェン-2-イルボロン酸(実施例210, ステップA)を市販の2-ブロモ-4-シアノトルエンとカップリング結合させることにより、表題の化合物を製造して、逆相プレパラティブHPLCによる精製の後、表題の化合物を白色固形物として得た。主生成物: HPLC保持時間=3.36分 LCMS [M+H]+ 416.29. 少量生成物: HPLC保持時間=2.90分 LCMS [M+H]+ 434.37.
【0260】
実施例216および217
実施例216: 5-(3-シアノ-5-フルオロフェニル)-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)チオフェン-2-カルボキサミドおよび、
実施例217: 5-(3-カルバモイル-5-フルオロフェニル)-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)チオフェン-2-カルボキサミド
【化125】

実施例136のステップBに記載の方法を用いて、5-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニルカルバモイル)チオフェン-2-イルボロン酸(実施例210, ステップA)を市販の3-ブロモ-5-フルオロベンゾニトリルとカップリング結合させることにより、表題の化合物を製造し、逆相プレパラティブHPLCによる精製の後、表題の化合物を白色固形物として得た。主生成物: HPLC保持時間=3.34分 LCMS [M+H]+ 420.26. 少量生成物: HPLC保持時間=3.00分 LCMS [M+H]+ 438.24.
【0261】
実施例218
6-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニルカルバモイル)-1H-インドール-1-カルボン酸エチル
【化126】

3-アミノ-N-シクロプロピル-4-メチルベンズアミド(0.025 g, 0.11 mmol)/無水DMF(0.5 mL)溶液に、1-(エトキシカルボニル)-1H-インドール-6-カルボン酸(0.026 g, 0.11 mmol, WO 2002/014308の実施例128のステップAについての記載と同様の方法に従って製造した)、トリエチルアミン(61 μL, 0.44 mmol)およびBOP(0.098 g, 0.22 mmol)を、室温で連続的に添加する。該反応混合物を室温で18時間撹拌し、MeOH(0.5 mL)で希釈して、逆相プレパラティブHPLC(YMC S5 20 x 100 mm, 10分間のラン, 溶媒A: 10%MeOH: 90%H2O: 0.1%TFA, 溶媒B: 90%MeOH, 10%H2O, 0.1%TFA)で処理した。目的のフラクションを集め、スピードバック(speedVac)(登録商標)プラス(Plus)(SC250DDA)を用いて濃縮して、表題の化合物(実施例218, 0.010 g)を得た。HPLC保持時間(YMC S5 Combiscreen ODS ; 4.6 x 50 mm(4分勾配); 溶媒A=10%MeOH, 90%H2O, 0.2%H3PO4; 溶媒B=90%MeOH, 10%H2O, 0.2%H3PO4): 3.18分 LCMS [M+H]+ 406.3.
【0262】
実施例219から222
表10に記載の化合物を、実施例218に記載の方法を用いて製造した。
【表32】

【表33】

【0263】
実施例223
3-シアノ-N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)-1-メチル-1H-インドール-6-カルボキサミド
【化127】

N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)-1-メチル-1H-インドール-6-カルボキサミド(0.045 g, 0.129 mmol, 実施例97, 表5)/無水アセトニトリル(2 mL)に、クロロスルホニルイソシアネート(11 μL, 0.129 mmol)を室温で添加した。該反応混合物を室温で30分間撹拌し、DMF(11 μL, 0.141 mmol)を添加する。室温でさらに30分後、該反応混合物をメタノール(2 mL)でクエンチし、減圧濃縮して、逆相プレパラティブHPLC(YMC S5 20 x 100 mm, 10分間のラン, 溶媒A: 10%MeOH: 90%H2O: 0.1%TFA, 溶媒B: 90%MeOH, 10%H2O, 0.1%TFA)で処理した。目的のフラクションを集め、スピードバック(登録商標)プラス(SC250DDA)を用いて濃縮して、表題の化合物(実施例223, 0.005 g)を得た。HPLC保持時間(YMC S5 Combiscreen ODS ; 4.6 x 50 mm(4分 勾配); 溶媒 A=10%MeOH, 90%H2O, 0.2%H3PO4; 溶媒B=90%MeOH, 10%H2O, 0.2%H3PO4): 2.6分 LCMS [M+H]+ 373.2.
【0264】
実施例224
N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)-1-イソプロピル-1H-インドール-6-カルボキサミド
【化128】

N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)-1H-インドール-6-カルボキサミド(0.05 g, 0.15 mmol, 実施例94, 表5)/DMF(0.5 mL)に、水素化ナトリウム(60%分散, 0.030 g, 0.75 mmol)を、室温で3分間かけて添加した。室温で5分間撹拌後、臭化イソプロピル(21 μL, 0.225 mmol)を添加し、該内容物を室温で1時間撹拌した。該反応混合物を100 μLのメタノールでクエンチし、逆相プレパラティブHPLC (YMC S5 20 x 100 mm, 10分間のラン, 溶媒A: 10%MeOH: 90%H2O: 0.1%TFA, 溶媒B: 90%MeOH, 10%H2O, 0.1%TFA)で処理した。目的のフラクションを回収し、スピードバック(登録商標)プラス(SC250DDA)を用いて濃縮して、表題の化合物(実施例224, 0.015 g)を得た。HPLC保持時間(YMC S5 Combiscreen ODS ; 4.6 x 50 mm(4分 勾配); 溶媒A=10%MeOH, 90%H2O, 0.2%H3PO4; 溶媒B=90%MeOH, 10%H2O, 0.2%H3PO4): 3.1分 LCMS [M+H]+ 376.
【0265】
実施例225
N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)-1-(2-モルホリノエチル)-1H-インドール-6-カルボキサミド
【化129】

ステップA
1-(2-モルホリノエチル)-1H-インドール-6-カルボン酸
【化130】

1H-インドール-6-カルボン酸メチル(0.5 g, 2.85 mmol)および4-(2-クロロエチル)モルホリン(0.585 g, 3.13 mmol)/無水DMF(5 mL)に、水素化ナトリウム(60%分散, 0.342 g, 8.55 mmol)を、0℃で添加した。該反応混合物を室温で3分間撹拌し、50℃で1.5時間加熱した。該反応混合物を室温に冷却して、水(2 mL)をゆっくりと添加することによりクエンチした。該残留物を水(2 mL)、メタノール(1 mL)で希釈し、逆相プレパラティブHPLC(YMC S5 20 x 100 mm, 10分間のラン, 溶媒A: 10%MeOH: 90%H2O: 0.1%TFA, 溶媒B: 90%MeOH, 10%H2O, 0.1%TFA)で処理した。目的のフラクションを回収し、スピードバック(登録商標)プラス(SC250DDA)を用いて濃縮し、化合物a(0.075 g-TFA塩)を得た。HPLC 保持時間(Phenomex Luna 5u C18 ; 4.6 x 30 mm (2分 勾配); 溶媒A=10%MeOH, 90%H2O, 0.1%TFA; 溶媒B=90%MeOH, 10%H2O, 0.1%TFA): 0.87分 LCMS [M+H]+ 275.
【0266】
ステップB
N-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニル)-1-(2-モルホリノエチル)-1H-インドール-6-カルボキサミド
実施例218に記載の通り、表題の化合物を1-(2-モルホリノエチル)-1H-インドール-6-カルボン酸a(0.07 g, 0.18 mmol)から製造し、TFA塩として実施例225(0.007 g)を得た。HPLC保持時間(YMC S5 Combiscreen ODS ; 4.6 x 50 mm (4分 勾配); 溶媒A=10%MeOH, 90%H2O, 0.2%H3PO4; 溶媒B=90%MeOH, 10%H2O, 0.2%H3PO4): 1.89分 LCMS [M+H]+ 447.14.
【0267】
試験データ
以下のデータは記載する化合物の活性を表す。該データは上記のアッセイを用いて得た。β/αの比も記載し、より高い数字の選択性はより大きなα選択性を示す。
【表34】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
R1は、適宜置換されたアルキル、適宜置換されたシクロアルキル、適宜置換されたアリール、適宜置換されたヘテロシクロおよび適宜置換されたヘテロアリールからなる群から選択され;
R3は、水素、C1-C4アルキルおよびハロゲンからなる群から選択され;そして、
R4は、水素、適宜置換されたカルボキシル、適宜置換されたアルキル、適宜置換されたアルコキシ、適宜置換されたシクロアルキル、適宜置換されたアリール、適宜置換されたヘテロシクロおよび適宜置換されたヘテロアリールからなる群から選択されるが;
ただし:
(a)R1は、適宜置換されたピラゾリル、適宜置換されたチアゾリルまたは適宜置換されたアミノチアゾリルでなく;および、
(b)R4は適宜置換されたピラゾリルでない]
の化合物、およびそのエナンチオマー、ジアステレオマー並びにそれらの医薬的に許容される塩 。
【請求項2】
R1が適宜置換されたC1-C4アルキル、適宜置換されたC3-C6シクロアルキル、適宜置換されたC2-C4アルケニル、適宜置換された3〜6員ヘテロシクロ、適宜置換されたC5-C6アリールおよび適宜置換されたヘテロアリールからなる群から選択され、ここで:
(a)無置換型および置換型ヘテロアリールは、5〜10員サイズの環、ならびにN、SおよびOからなる群から選択される1〜3のヘテロ原子を有するが、ただし、OとSは互いに隣接せず、OとOは互いに隣接せず、SとSは互いに隣接しておらず;および、
(b)それらの置換は、1〜3の置換基でさらに置換されていてもよい、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R1が適宜置換されたC1-C4アルキル、適宜置換されたC1-C6シクロアルキル、適宜置換されたC1-C4 アルケニル、適宜置換された3〜6員ヘテロシクロ、適宜置換されたC5-C6アリールおよび適宜置換された5〜6員ヘテロアリールからなる群から選択され、ここで該ヘテロアリールはN、OおよびSから選択される1〜2のヘテロ原子を有するが、ただし、OとSは互いに隣接せず、OとOは互いに隣接せず、SとSは互いに隣接せず、およびヘテロアリールの残りは炭素原子である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
R1が、フェニル、および5〜10員サイズの環を有する無置換型または置換型ヘテロアリールからなる群から選択されるヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、1〜3員はN、SおよびOからなる群から選択されるが、ただし、OとSは互いに隣接せず、OとOは互いに隣接せず、SとSは互いに隣接しない、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
R1が、
(a)無置換型および置換型のアリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、該置換基はフェニル、-CH2-フェニル、ピリジニルおよびCH2-ベンゾイミダゾリルからなる群から選択され;および、
(b)該置換型のアリールおよびヘテロアリールは、N、SおよびO(ただし、OとSは互いに隣接せず、OとOは互いに隣接せず、SとSは互いに隣接しない)からなる群から選択される1〜2のヘテロ原子を有するC5-C6員アリール、C1-C3アルキル、CH2OH、CF3、メトキシ、Cl、F、-NH2、N(CH3)2、C(O)NH2、-NHSO2CH3、-SO2NH2、-CH2N(CH3)2、-C(O)NHCH3、-C(O)N(CH3)2、-C(O)NHCH(CH3)2、-C(O)NHCH2CH3、-O-CH2CH(OH)CH2OH;CO2-CH2CH3、-C(O)OC(CH3)3;-CN、-OH(または、ヘテロアリール環上のN+1に結合したO-1)、
【化2】

からなる群から選択される1から3の置換基からなる群から選択される要素により該置換部位で、適宜さらに置換されている、請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
R1が、
【化3】

【化4】

【化5】

[式中:
R10は、-OH、-CH3、-Cl、-F、NH2、-CN、-CF3、-N(CH3)2、-OCH3、-CH2OH、-NHSO2CH3、-SO2NH2、-CH2N(CH3)2、-C(O)NHCH3、-C(O)N(CH3)2、-C(O)NHCH(CH3)2、-C(O)NHCH2CH3および-O-CH2CH(OH)CH2OHからなる群から選択される要素であり;
R11は、-OH、-Cl、-F、-CN、-CO2H、-OCH3、-NH2、-CH2OH、-N(CH3)2、-C(O)NHCH(CH3)2、および-OCH2CH(OH)CH2OHからなる群から選択される要素であり;
R12 は、-CH3、-CNおよび-Fからなる群から選択される要素であり;
R13 は、-Hおよび-Fからなる群から選択される要素であり;
R14 は、-CH3および-C(O)OC(CH3)3からなる群から選択される要素であり;
R15 は、-Hおよび-Fからなる群から選択される要素であり;および、
R16 は、-CH(CH3)2および
【化6】

からなる群から選択される要素である]
からなる群から選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項7】
R3がH、Cl、FまたはCH3である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
R3が水素またはメチルである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
R4が、C1-C5アルキル、C3-C6シクロアルキルからなる群から選択され、該アルキルおよび該シクロアルキルがC1-C5アルキル基およびC1-C5アルコキシ基からなる群から選択される1〜4の要素で適宜置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
R4がシクロプロピルである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
該置換型アリールおよび該ヘテロアリールが、N、SおよびO(ただし、OとSは互いに隣接せず、OとOは互いに隣接せず、SとSは互いに隣接していない)からなる群から選択される1〜2のヘテロ原子を有するC5-C6員アリール、C1-C3アルキル、CH2OH、CF3、メトキシ、Cl、F、-NH2、N(CH3)2、C(O)NH2、-NHSO2CH3、-SO2NH2、-CH2N(CH3)2、-C(O)NHCH3、-C(O)N(CH3)2、-C(O)NHCH(CH3)2、-C(O)NHCH2CH3、-O-CH2CH(OH)CH2OH; CO2-CH2CH3、-C(O)OC(CH3)3; -CN、-OH (またはヘテロアリール環上のN+1に結合したO-1)、
【化7】

からなる群から選択される1から3の置換基からなる群から選択される要素により該置換部位で適宜さらに置換されている、請求項6に記載の化合物。
【請求項12】
R1の該無置換型および該置換型のアリールおよびヘテロアリールが、適宜置換されたフェニル、チオフェン、ピロール、インドールおよびインダゾールからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
R1の該無置換型および該置換型のアリールおよびヘテロアリールが、適宜置換されたフェニル、チオフェン、ピロール、インドールおよびインダゾールからなる群から選択される、請求項5に記載の化合物。
【請求項14】
p38βに比べてp38αに対する選択性が少なくとも50倍である、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
少なくとも1つの請求項1に記載の化合物、および医薬的に許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項16】
該治療を必要とする患者に請求項1に記載の医薬組成物を投与することを含む、炎症性疾患の治療方法。
【請求項17】
該炎症性疾患が、喘息、成人呼吸促迫症候群、慢性閉塞性肺疾患、慢性肺炎症性疾患、糖尿病、炎症性腸疾患、骨粗鬆症、乾癬、移植片対宿主拒絶反応、アテローム性動脈硬化症、多発性骨髄腫、疼痛、心筋虚血および関節炎から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
該治療を必要とする哺乳類に少なくとも1つの請求項1に記載の化合物を投与することを含む、哺乳類においてp38キナーゼを阻害する方法。

【公表番号】特表2010−508288(P2010−508288A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−534850(P2009−534850)
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際出願番号】PCT/US2007/082471
【国際公開番号】WO2008/057775
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(391015708)ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー (494)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
【Fターム(参考)】