説明

不揮発性半導体集積回路装置

【課題】不揮発性半導体集積回路装置のチップサイズを縮小させる。
【解決手段】シリコン基板上に隣り合って配置された第1および第2ゲート電極とそれらの側方下部のシリコン基板に形成された一対のソース・ドレイン領域とを有し、第2ゲート電極とシリコン基板との間に配置された第2ゲート絶縁膜に電荷を蓄えることで情報を記憶するメモリセルにおいて、メモリセルの消去動作時には、消去非選択セルの第1ゲート電極に正電圧を印加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不揮発性半導体集積回路装置に関し、特にMONOS(Metal Oxide Nitride Semiconductor)型メモリセルを用いた混載マイコンを有する不揮発性半導体集積回路装置に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
LSIに組み込まれた集積半導体メモリの一つに不揮発性メモリがある。これは、LSIの電源を切っても記憶情報が残る素子であり、LSIを様々な用途に適用するためには、極めて重要な素子になっている。
【0003】
例えば、エス・ジィー(S.Sze)著のフィジックス オブ セミコンダクタ デバイス 第2版、ウィリー出版(Physics of Semiconductor Devices, 2nd edition, A Wiley-Interscience publication)(非特許文献1)の496頁〜506頁には、半導体素子の不揮発性メモリとして、浮遊ゲート型メモリや絶縁膜を用いたメモリが記載されている。このうち、絶縁膜を積層し、その界面や絶縁膜中のトラップ等に電荷を蓄えるメモリは、浮遊ゲート型に比べて新たな導電層を形成する必要がなく、CMOSLSIプロセスと整合性よくメモリを形成できる。絶縁膜界面および絶縁膜中に電荷を蓄えるメモリセルとして、シリコン酸化膜でシリコン窒化膜を挟んだMONOS構造のゲート酸化膜を有するメモリセルが良く知られている。
【0004】
このMONOS構造を用いたメモリセルの用途としては、NAND型のフラッシュメモリセルの浮遊ゲートをMONOS構造に置き換えることにより大容量データを格納する用途や、MONOS構造からなるメモリゲートの脇に選択ゲートが配置された構造により高速読み出しを可能とする混載マイコンの用途などがある。後者は、例えば、特開2006−12382号公報(特許文献1)や、特開2002−289711号公報(特許文献2)に記載されている。
【0005】
このような高速読み出し用途のメモリセルの書き込み・消去動作方法として、同符号の電荷を注入・放出させる代わりに、異なる符号を持った電荷を注入することで記憶情報の書き換えを行うことが提案されている。この動作については、例えば、1997年のシンポジウム オン VLSI テクノロジー、63頁(Symposium on VLSI Technology, p63, 1997)(非特許文献2)および上記特許文献1,2に記述されている。この構造では、メモリ動作させる多結晶シリコンゲートとセルの選択を行うゲートが分かれて形成されている。
【0006】
より具体的な書き込み方法として、ホットエレクトロンを強い電界でメモリゲート側に引き抜く、ソースサイドインジェクション(Source Side Injection:SSI)がある。これに関しては、例えば、1986年、アイ・イー・イー・イー インターナショナル エレクトロン デバイス ミーティング、テクニカル ダイジェスト、586頁〜589頁(IEEE International Electron Device Meeting, Technical Digest, pp586-589, 1986)(非特許文献3)にA.T.Wu等による記述が見られる。
【0007】
また、より具体的な消去方法として、メモリゲートに負電位を与え、メモリゲート側拡散層に正電位を与えることにより、オーバーラップ領域で強反転を生じさせ、バンド間トンネル(Band to Band Tunneling:BTBT)現象を起こし、ホールを生成させる方法がある。これに関しては、例えば、1987年、アイ・イー・イー・イー インターナショナル エレクトロン デバイス ミーティング、テクニカル ダイジェスト、718頁〜721頁(IEEE International Electron Device Meeting, Technical Digest, pp718-721, 1987)(非特許文献4)にT.Y.Chan等による記述が見られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−12382号公報
【特許文献2】特開2002−289711号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】エス・ジィー(S.Sze)著、「フィジックス オブ セミコンダクタ デバイス 第2版、ウィリー出版(Physics of Semiconductor Devices, 2nd edition, A Wiley-Interscience publication)」496頁〜506頁
【非特許文献2】「シンポジウム オン VLSI テクノロジー(Symposium on VLSI Technology)」1997年、63頁
【非特許文献3】「アイ・イー・イー・イー インターナショナル エレクトロン デバイス ミーティング、テクニカル ダイジェスト(IEEE International Electron Device Meeting, Technical Digest)」1986年、586頁〜589頁
【非特許文献4】「アイ・イー・イー・イー インターナショナル エレクトロン デバイス ミーティング、テクニカル ダイジェスト(IEEE International Electron Device Meeting, Technical Digest)」1987年、718頁〜721頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者らが検討した上述のBTBT現象による消去動作においては、ホットホールを生成するときに拡散層−シリコン基板間に電流が流れる。そのため、多数のメモリセルを同時に一括して消去する場合にはこの電流量が大きくなり、それを供給するための電流源となる回路面積が大きくなるという課題があった。
【0011】
加えて、上記特許文献1に記載されているようなアレイ構成を採用した場合には、同一のソース線(SL)に接続されている消去非選択セルにも消去選択セルのソース電圧が印加されるため、微小ながら拡散層−シリコン基板間で電流が流れてしまう。本発明者らの検討により、消去選択セルの拡散層−シリコン基板間電流に対する消去非選択セルの拡散層−シリコン基板間電流の量は、0.05〜0.1倍程度であることが明らかになった。つまり、アレイ構成上、同一のソース線に接続されている消去選択セル数に対して消去非選択セル数を増やすほど、消去非選択セルで消費される電流が多くなる。例えば、消去非選択セル数を消去選択セルの10〜20倍とすると、概ね消去選択セルと同じ電流が消去非選択セルで消費されることとなる。以上のような理由から、本発明者らが検討した不揮発性半導体集積回路装置では、拡散層−シリコン基板間電流を供給するために、電流源となる回路面積が大きくなる。
【0012】
本発明の目的は、不揮発性半導体集積回路装置のチップサイズを縮小させる技術を提供することにある。
【0013】
また、本発明の他の目的は、不揮発性半導体集積回路装置の信頼性を向上させる技術を提供することにある。
【0014】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本願においては複数の発明が開示されるが、そのうちの一実施例の概要を簡単に説明すれば以下の通りである。
【0016】
半導体基板上にマトリクス状に配置されたメモリセルを有する不揮発性半導体集積回路装置であって、前記メモリセルは、前記半導体基板上に第1ゲート絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極と、前記第1ゲート電極の片方の側壁に、第2ゲート絶縁膜を介して形成された第2ゲート電極と、前記第1ゲート電極や前記第2ゲート電極の側方下部の前記半導体基板に形成された、一対のソース・ドレイン領域とを有し、前記第2ゲート絶縁膜は、前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極との間から、前記第2ゲート電極と前記半導体基板との間に渡って一体的に形成され、前記第2ゲート絶縁膜は、酸化シリコン膜に挟まれた窒化シリコン膜を電荷蓄積膜として有し、前記窒化シリコン膜に電子を注入することで、書き込み状態とし、前記窒化シリコン膜にホールを注入することで、消去状態とし、前記メモリセルの消去動作時には、消去非選択セルの前記第1ゲート電極に正電圧を印加することを特徴とする不揮発性半導体集積回路装置。
【発明の効果】
【0017】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0018】
代表的な実施の形態によれば、不揮発性半導体集積回路装置のチップサイズを縮小させることができる。
【0019】
また、代表的な実施の形態によれば、不揮発性半導体集積回路装置の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態1である不揮発性半導体集積回路装置の要部平面図である。
【図2】本発明の実施の形態1である不揮発性半導体集積回路装置の要部断面図であって、図1のA1−A1線に沿って矢印方向に見た要部断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1である不揮発性半導体集積回路装置が有するメモリセルの回路図である。
【図4】本発明の実施の形態1である不揮発性半導体集積回路装置のブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態1である不揮発性半導体集積回路装置が有する、アレイ状に配置したメモリセルの要部平面図である。
【図6】本発明の実施の形態1である不揮発性半導体集積回路装置が有するメモリセルの要部断面図であって、図5のA−A線に沿って矢印方向に見た要部断面図である。
【図7】本発明の実施の形態1である不揮発性半導体集積回路装置が有するメモリセルの要部断面図であって、図5のB−B線に沿って矢印方向に見た要部断面図である。
【図8】本発明の実施の形態1である不揮発性半導体集積回路装置が有するメモリセルの要部断面図であって、図5のC−C線に沿って矢印方向に見た要部断面図である。
【図9】図5のアレイ状に配置したメモリセルに対応する等価回路図である。
【図10】本発明の実施の形態1である不揮発性半導体集積回路装置の動作条件を示す表である。
【図11】本発明の実施の形態1である不揮発性半導体集積回路装置の製造工程中における要部断面図であって、左から、図5のA−A線、B−B線、C−C線に該当する箇所の要部断面図、および、周辺MOS領域における要部断面図である。
【図12】図11に続く不揮発性半導体集積回路装置の製造工程中における要部断面図である。
【図13】図12に続く不揮発性半導体集積回路装置の製造工程中における要部断面図である。
【図14】図13に続く不揮発性半導体集積回路装置の製造工程中における要部断面図である。
【図15】図14に続く不揮発性半導体集積回路装置の製造工程中における要部断面図である。
【図16】図15に続く不揮発性半導体集積回路装置の製造工程中における要部断面図である。
【図17】図16に続く不揮発性半導体集積回路装置の製造工程中における要部断面図である。
【図18】図17に続く不揮発性半導体集積回路装置の製造工程中における要部断面図である。
【図19】図18に続く不揮発性半導体集積回路装置の製造工程中における要部断面図である。
【図20】本発明の実施の形態1である不揮発性半導体集積回路装置が有するメモリセルにおける消去動作時のタイミングチャートを示すグラフ図である。
【図21】本発明の実施の形態1である不揮発性半導体集積回路装置が有するメモリセルにおける消去動作時の特性を示すグラフ図であって、消去非選択セルの制御ゲート電圧が、(a)0Vの場合、(b)−1Vの場合、(c)は1Vの場合を示す。
【図22】本発明の実施の形態1である不揮発性半導体集積回路装置が有するメモリセルの特性を示すグラフ図である。
【図23】本発明の実施の形態1である不揮発性半導体集積回路装置が有するメモリセルの他の特性を示すグラフ図である。
【図24】本発明の実施の形態1である不揮発性半導体集積回路装置が有するメモリセルの他の特性を示すグラフ図である。
【図25】本発明の実施の形態1である不揮発性半導体集積回路装置が有するメモリセルの他の特性を示すグラフ図である。
【図26】本発明の実施の形態1である不揮発性半導体集積回路装置が有するメモリセルの他の特性を示すグラフ図である。
【図27】本発明の実施の形態2である不揮発性半導体集積回路装置が有するメモリセルアレイ周辺のブロック図である。
【図28】本発明の実施の形態2である不揮発性半導体集積回路装置が有するメモリセルにおける消去動作時のタイミングチャートを示すグラフ図である。
【図29】本発明の実施の形態2である不揮発性半導体集積回路装置が有するメモリセルにおける他の消去動作時のタイミングチャートを示すグラフ図である。
【図30】本発明の実施の形態3である不揮発性半導体集積回路装置の要部断面図である。
【図31】本発明の実施の形態4である不揮発性半導体集積回路装置の要部断面図である。
【図32】図31に示す要部断面図の一部を拡大して示した要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは同一の符号を付すようにし、その繰り返しの説明は可能な限り省略するようにしている。以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
(実施の形態1)
初めに、図1〜図3を用いて本実施の形態1のメモリセルのメモリ動作を説明する。図1は本実施の形態1のメモリセルの要部平面図である。本図1では、絶縁膜などの記載は省略している。また、図1のA1−A1線に沿って矢印方向に見た要部断面図を図2に示している。また、図3は本実施の形態1のメモリセルの回路図である。
【0023】
シリコン基板(半導体基板)sub1上には、制御ゲート電極(第1ゲート電極)CG1とメモリゲート電極(第2ゲート電極)MG1とが並んで配置されている。制御ゲート電極CG1とシリコン基板sub1との間には制御ゲート絶縁膜(第1ゲート絶縁膜)CI1が形成され、メモリゲート電極MG1とシリコン基板sub1との間にはメモリゲート絶縁膜(第2ゲート絶縁膜)MI1が形成されている。制御ゲート電極CG1およびメモリゲート電極MG1はポリシリコン(多結晶シリコン)を主体とする導体膜からなり、制御ゲート絶縁膜CI1は酸化シリコンを主体とする絶縁膜からなる。メモリゲート絶縁膜MI1は、酸化シリコン膜で窒化シリコン膜を挟んだ、ONO構造となっている。ONO構造のメモリゲート絶縁膜MI1は、窒化シリコン膜が電荷蓄積層となり、電荷を蓄積することができる。メモリゲート絶縁膜MI1は、制御ゲート電極CG1とメモリゲート電極MG1との間や、素子分離領域上にも形成された構造となっている。
【0024】
その他、本実施の形態1のメモリセルは以下の構成要素を備えている。制御ゲート電極CG1およびメモリゲート電極MG1の側方下部におけるシリコン基板sub1には、一対のエクステンション領域ex1と、それに電気的に接続する一対のソース・ドレイン領域sd1が形成されている。また、制御ゲート電極CG1およびメモリゲート電極MG1の側壁には、サイドウォールスペーサsw1が形成されている。
【0025】
メモリ動作に関しては、以下に記述するように、シリコン窒化膜に電荷を蓄積してメモリとして動作させる。このメモリセルの基本的な動作として、書き込み動作、消去動作、保持動作、読み出し動作の4つの状態が考えられる。ただし、この4つの状態の呼び名は、代表的なものとして用いており、書き込みと消去については、逆の呼び方をすることもできる。また、動作オペレーションも代表的なものを用いて説明するが、様々な異なるオペレーションが考えられている。ここでは、説明のため、NMOSタイプで形成したメモリセルについて述べるが、PMOSタイプでも原理的には同様に説明することができる。
【0026】
書き込み動作について説明する。書き込み時、メモリゲート電極MG1側のソース・ドレイン領域sd1に正電位を与え、制御ゲート電極CG1側のソース・ドレイン領域sd1には基板と同じ接地電位を与える。メモリゲート電極MG1に対して高いゲートドライブ電圧を加えることで、メモリゲート電極MG1下のチャネルをオン状態にする。ここで制御ゲート電極CG1の電位を閾値より例えば0.1ないし0.2V高い値をとることで、オン状態にする。このとき、2つのゲートの境付近に最も強い電界を生じるため、多くのホットエレクトロンが発生し、メモリゲート電極MG1側に注入される。この現象はSSIとして知られている。このとき、メモリゲート電極MG1の下部に配置されているメモリゲート絶縁膜MI1に、ホットエレクトロン(負電荷)が注入され、電荷蓄積膜に蓄積される。この方式でのホットエレクトロン注入の特徴として、電界が制御ゲート電極CG1とメモリゲート電極MG1との境界付近に集中するため、メモリゲート電極MG1の制御ゲート電極CG1側の端部に集中的に注入が行われる。また、注入された電荷は絶縁膜(窒化シリコン膜)中に蓄積されることになるため、極めて狭い領域にエレクトロンが保持されることになる。
【0027】
次に、消去動作について説明する。消去時、メモリゲート電極MG1に負電位を与え、メモリゲート電極MG1側のソース・ドレイン領域sd1に正電位を与えることにより、当該ソース・ドレイン領域sd1の端部のメモリゲートとオーバーラップした領域で、強反転が生じるようにする。これにより、BTBT現象を起こし、ホールを生成することができる。そして、発生したホールがチャネル方向へ加速され、メモリゲート電極MG1の負電位によって引かれ、ONO構造のメモリゲート絶縁膜MI1に注入されることにより、消去動作が行われる。即ち、エレクトロンの電荷により上昇していたメモリゲート電極MG1の閾値を、注入されたホールの電荷により引き下げることができる。
【0028】
次に、保持動作について説明する。保持時、電荷はONO構造のメモリゲート絶縁膜MI1中に注入されたキャリアとして保持される。メモリゲート絶縁膜MI1中でのキャリアの移動は極めて少なく遅いため電極に電圧がかけられていなくても、良好に保持することができる。
【0029】
次に、読み出し動作について説明する。読み出し時、制御ゲート電極CG1側のソース・ドレイン領域sd1に正電位を与え、制御ゲート電極CG1に正電位を与えることで、制御ゲート電極CG1下のチャネルをオン状態にする。ここで、書き込み、消去状態により与えられるメモリゲート電極MG1の閾値差を判別できる適当なメモリゲート電位(書き込み状態の閾値と消去状態の閾値の中間値)を与えることで、保持していた電荷蓄積情報を電流として読み出すことができる。
【0030】
図4に、本実施の形態1の不揮発性半導体集積回路装置のブロック図を示す。本実施の形態1の半導体集積回路装置は、制御回路1、入出力回路2、アドレスバッファ3、行デコーダ4、列デコーダ5、ベリファイセンスアンプ回路6、高速リードセンスアンプ回路7、書き込み回路8、メモリセルアレイ9、電源回路10などから構成されている。制御回路1は、接続先のマイクロコンピュータなどホストから入力される制御用信号を一時的に格納し、動作ロジックの制御を行う。また、詳細は後述するが、制御回路1はメモリセルアレイ9内のメモリセルのゲート電極の電位の制御を行う。入出力回路2には、メモリセルアレイ9から読み出しまたはメモリセルアレイ9へ書き込むデータ、プログラムデータなどの各種データが入出力される。アドレスバッファ3は外部から入力されたアドレスを一時的に格納する。
【0031】
アドレスバッファ3には、行デコーダ4、ならびに列デコーダ5がそれぞれ接続されている。行デコーダ4は、アドレスバッファ3から出力された行アドレスに基づいてデコードを行い、列デコーダ5は、当該アドレスバッファ3から出力された列アドレスに基づいてデコードを行う。ベリファイセンスアンプ回路6は、消去/書き込みベリファイ用のセンスアンプであり、高速リードセンスアンプ回路7は、データリード時に用いられるリード用センスアンプである。書き込み回路8は、入出力回路2を介して入力された書き込みデータをラッチし、データ書き込みの制御を行う、電源回路10は、データ書き込みや消去、ベリファイ時などに用いられる様々な電圧を生成する電圧発生回路、および任意の電圧値を生成して書き込み回路に供給する電流トリミング回路11などから構成される。
【0032】
メモリセルアレイ9は、記憶の最小単位であるメモリセルがマトリクス状に配置されている。マトリクス状とは、メモリセルが規則正しくアレイ状に並んだ状態をいう。図5は、アレイ状に並べられたメモリセルの一例を示した要部平面図である。図6は図5におけるA−A線、図7は図5におけるB−B線、図8は図5におけるC−C線に沿って、それぞれ矢印方向に見た要部断面図である。また、図9は、図5のアレイ状に配置したメモリセルに対応する等価回路図である。また、図10には、本実施の形態1のメモリセルの読み出し、書き込み、消去動作の印加電圧条件の一例を示した。
【0033】
本メモリセルは、シリコン基板(半導体基板)sub1の主面に形成されたp型半導体領域であるpウェルpw1、制御ゲート電極(第1ゲート電極)CG1、メモリゲート電極(第2ゲート電極)MG1を有する。制御ゲート電極CG1とpウェルpw1との間には、酸化シリコンを主体とする絶縁膜からなる制御ゲート絶縁膜(第1ゲート絶縁膜)CI1が配置され、互いに絶縁されている。メモリゲート電極MG1とpウェルpw1との間には、電荷蓄積膜となる窒化シリコン膜n1を酸化シリコン膜s1、s2で挟んだONO構造のメモリゲート絶縁膜(第2ゲート絶縁膜)MI1が配置され、互いに絶縁されている。同様に、制御ゲート電極CG1とメモリゲート電極MG1との間にも、ONO構造のメモリゲート絶縁膜MI1が一体的に配置され、互いに絶縁されている。なお、制御ゲート電極CG1の上面は、コンタクトを接続する箇所以外は、保護窒化シリコン膜p1によって覆われている。また、各ゲート電極CG1,MG1における互いに隣り合わない方の側面は、サイドウォールスペーサsw1によって覆われている。サイドウォールスペーサsw1は、酸化シリコン膜/窒化シリコン膜/酸化シリコン膜の積層構造であっても良い。
【0034】
制御ゲート電極CG1およびメモリゲート電極MG1において、互いに隣り合わない方の側方下部におけるpウェルpw1内には、n型半導体領域であるソース・ドレイン領域(第2半導体領域)sd1が形成されている。ソース・ドレイン領域sd1の端部には、各ゲート方向に向かって、より不純物濃度が低く、接合深さが浅いn型半導体領域であるエクステンション領域ex1が形成されている。
【0035】
ソース・ドレイン領域sd1のうちどちらか一方(例えばメモリゲート電極側)をドレイン領域とすれば、当該ソース・ドレイン領域sd1は、隣接するビット線の同ドレイン領域とn型半導体領域と通して電気的に接続されている。もう一方(例えば制御ゲート電極側)をソース領域とすれば、当該ソース・ドレイン領域sd1は、コンタクトプラグcntを通じてメタル配線mwに接続されている。各コンタクトプラグcntやメタル配線mwは、酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜ILによって絶縁されている。
【0036】
制御ゲート電極CG1は列方向に接続され、ワード線を形成する。メモリゲート電極MG1は制御ゲート電極CG1に沿って列方向に接続されている。ビット線となるメタル配線mwはワード線に垂直な列方向に延在して配置させてメモリセルアレイを構成する。
【0037】
隣接するビット線方向のセルはSTI(Shallow Trench Isolation)構造の素子分離膜STIによって分離されている。電荷蓄積膜である窒化シリコン膜n1は、素子分離膜STIの上面に沿って形成されている。
【0038】
本実施の形態1のメモリセルアレイにおいては、メモリセルの消去動作はメモリゲート単位で行われる。また図9から明らかなように、メモリアレイ構成として、複数のドレイン線を電気的に結束している。従って、複数のメモリゲート電極MG1を結線するメモリゲート線ML1に接続されているメモリセルを消去する場合には、図10に示したように、消去選択セルのドレイン電圧が、他の消去非選択セルにも印加されることになる。従って、課題として前述したように、これらの消去非選択セルでも消去動作時に電流が消費されるため、電流源となる回路面積が大きくなってしまう。そこで、以下では、本実施の形態1の不揮発性半導体集積回路装置によって消去非選択セルの消費電流を減少させる方法を記述する。
【0039】
まず、本実施の形態1の不揮発性半導体集積回路装置が有するメモリセルの製造方法について詳しく説明する。
【0040】
図11から図19は、本実施の形態1である不揮発性半導体集積回路装置の製造方法を説明するための、要部断面図である。図中のA−A、B−B、C−Cは、それぞれ、図6、図7、図8の同符号と対応している。また、図中には、同工程中における周辺MOS領域の要部断面図も示している。
【0041】
始めに、図11に示すように、シリコン基板sub1上にpウェルpw1をリソグラフィ法やイオン注入法などによって形成する。ここでは、図示しないが、例えば、周辺MOS領域などでは、3重ウェルを形成しても良い。その後、シリコン基板sub1を熱酸化し、表面に酸化シリコン膜12を形成する。続いて、STI加工での化学的機械的研磨(Chemical and Mechanical Polishing:CMP)のストッパーとして、窒化シリコン膜13を化学気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)法により堆積する。
【0042】
次に、図12に示すように、リソグラフィ法やドライエッチング法により窒化シリコン膜13および、酸化シリコン膜12をパターニングする。その後、図13に示すように、パターニングした窒化シリコン膜13および酸化シリコン膜12をハードマスクとして、シリコン基板sub1にドライエッチングを施すことで、トレンチ14を形成する。その後、トレンチ14の内壁を酸化し、STI酸化膜15を堆積した後、CMP法によってSTI酸化膜15をトレンチ14内に埋め込むことで、素子分離膜STIを形成する。続いて、窒化シリコン膜13および酸化シリコン膜12をウェットエッチングにより除去する。
【0043】
次に、図14に示すように、後に制御ゲート絶縁膜CI1となる2nm以下程度の酸化シリコン膜16を熱酸化法により形成する。続いて、後に制御ゲート電極CG1となるポリシリコン膜17と、保護窒化シリコン膜p1を堆積する。ここで、ウェットエッチングと熱酸化工程を繰り返すことにより、周辺MOS領域において複数の膜厚のゲート酸化膜を形成することができる。
【0044】
続いて、リソグラフィ法により制御ゲート加工用のフォトレジスト膜をパターニングする(図示しない)。その後、ドライエッチング法により、保護窒化シリコン膜p1、ポリシリコン膜17および酸化シリコン膜16を加工することで、ポリシリコン膜17からなる制御ゲート電極CG1、酸化シリコン膜16からなる制御ゲート絶縁膜CI1を形成する。
【0045】
次に、図15に示すように、シリコン基板sub1を覆うようにして、順に、4nm程度の酸化シリコン膜s1、13nm程度の窒化シリコン膜n1、6nm程度の酸化シリコン膜s2を形成する。酸化シリコン膜s1,s2は熱酸化法などにより形成し、窒化シリコン膜n1はCVD法などにより形成する。これらは、電荷蓄積膜として機能する窒化シリコン膜を、酸化シリコン膜で挟んだ、所謂ONO構造の積層絶縁膜である。ここでは、データ保持特性を高めるために、上部の酸化シリコン膜s2の代わりに、酸窒化シリコン膜や、酸窒化シリコン膜と酸化シリコン膜との積層膜としても良い。その後、後にメモリゲート電極となるポリシリコン膜18を形成する。
【0046】
次に、図示はしていないが、リソグラフィ法によりメモリゲートのコンタクトを形成する領域をパターニングする。その後、図16に示すように、ポリシリコン膜18に対してエッチバックを施し、サイドウォール形状に加工することで、メモリゲート電極MG1を形成する。続いて、メモリゲート電極MG1に覆われていない部分の酸化シリコン膜s2/窒化シリコン膜n1/酸化シリコン膜s1を順にエッチングにより除去する。このようにして、上記図6などを用いて説明したようなONO構造の積層絶縁膜からなるメモリゲート絶縁膜MI1を形成する。
【0047】
次に、図17に示すように、リソグラフィ法やドライエッチング法などにより、制御ゲート電極CG1の両側壁に形成されたメモリゲート電極MG1およびメモリゲート絶縁膜MI1のうちの片方を除去する。図17では、2つの制御ゲート電極CG1が向かい合う側に配置されたメモリゲート電極MG1を除去するように示している。このとき、周辺MOS領域において、ポリシリコン膜17および酸化シリコン膜16を加工することで、それぞれ、周辺MOSのゲート電極PG1および周辺MOSのゲート絶縁膜PI1を形成する。
【0048】
次に、図18に示すように、制御ゲート電極CG1およびメモリゲート電極MG1をイオン注入マスクとして、シリコン基板sub1にn型不純物のイオン注入を施すことで、エクステンション領域ex1を形成する。その後、例えば、酸化シリコン膜19/窒化シリコン膜20/酸化シリコン膜21からなるサイドウォールスペーサsw1を、制御ゲート電極CG1およびメモリゲート電極MG1横に形成する。続いて、制御ゲート電極CG1、メモリゲート電極MG1およびサイドウォールスペーサsw1をイオン注入マスクとして、シリコン基板sub1にn型不純物のイオン注入を施すことで、ソース・ドレイン領域sd1を形成する。このとき、ソース・ドレイン領域sd1の抵抗を低減する目的で、サリサイドプロセスにより例えばニッケルシリサイド(NiSi)化しても良い(図示しない)。
【0049】
次に、図19に示すように、酸化シリコン膜を主体とする絶縁膜などからなる層間絶縁膜ILを形成する。その後、ソース・ドレイン領域sd1などに給電するためのコンタクトプラグcntを形成する。このとき、酸化シリコン膜19/窒化シリコン膜20/酸化シリコン膜21からなるサイドウォールスペーサsw1をコンタクトホール形成の際のエッチングストッパ(Self Align Contact:SAC)膜として用いることもできる。この場合には、製造工程を簡略化することができる。続いて、金属膜を堆積し、これをパターニングしてメタル配線mwとする。以上のようにして、本実施の形態1のメモリセルを有する不揮発性半導体を形成することができる。
【0050】
図20は、本実施の形態1のメモリセルにおける消去動作時のタイミングチャートを示したグラフ図である。まず、時刻t0においてメモリセルのソース電圧Vs、ドレイン電圧Vd、制御ゲート電圧(第1ゲート電圧)Vcg、メモリゲート電圧(第2ゲート電圧)Vmgには、それぞれ0Vが印加されている。時刻t1にソース電圧Vsとドレイン電圧Vdを電源電圧Vddまで立ち上げる。次に、時刻t2において消去選択セル、消去非選択セルのメモリゲート電圧Vmgを、それぞれ、−6V、電源電圧Vddまで立ち上げる。時刻t3においては、消去非選択セルの制御ゲート電圧Vcgを電源電圧Vdd以下の例えば1Vまで立ち上げる。このとき、消去選択セルの制御ゲート電圧は0Vのままであるが、負電圧を印加しても良い。これにより、消去速度を速くすることができる。この効果に関しては後に詳しく説明する。続く時刻t4において、消去選択セルのドレイン電圧Vdを6V程度まで立ち上げる。このとき、ドレイン−シリコン基板間に電流が流れ、誘起されるホットホールをメモリセルの電荷蓄積膜である窒化シリコン膜である窒化シリコン膜中に注入することによりメモリセルが消去される。
【0051】
上記図20に示したタイミングチャートのうち、特に消去非選択セルの制御ゲート電圧Vcgを立ち上げる前に、ソース電圧Vsおよびドレイン電圧Vdを立ち上げており、かつ、制御ゲート電圧VcgからCGMOSの閾値電圧Vthを引いた差が、ソース電圧Vs以下(更に、ドレイン電圧Vd以下)とすれば、パルス立ち上げ時にチャネルに余分な電流を流さないようにすることができる。なお、CGMOSとは、制御ゲート電極CG1と制御ゲート絶縁膜CI1とシリコン基板sub1が構成するMOS構造である。このうち、ソース電圧Vsについては、所望の電圧を印加した後に回路制御によりオープン(フローティング)状態としても良い。ソース電圧Vsをオープンとすることで、例えば、CGMOSの閾値電圧Vthバラツキなどの理由で所望の制御ゲート電圧Vcgを印加した際にチャネルにリーク電流が流れてしまっても、制御ゲート電圧Vcg、ドレイン電圧Vdと釣り合うソース電圧Vsまで昇圧後、リーク電流を抑制することができる。
【0052】
また、メモリゲート電圧Vmg、制御ゲート電圧Vcgをそれぞれ消去電圧条件にセットした後に、ドレイン電圧Vdに6Vを印加することで、余分のドレイン拡散層−シリコン基板間電流を抑制することができる。
【0053】
図21には、図20に示すタイミングチャートにより消去動作を行うときの、ドレイン拡散層−シリコン基板間に流れる電流を示したグラフ図である。ここで、図中の破線が消去選択セルで消費される電流を示しており、実線は消去非選択セルで消費される電流を示している。ただし、アレイ構成上の消去選択セル数と、消去非選択セル数の比は1:15である。本図21から明らかなように、消去選択/消去非選択セル比が1:15では、消去選択セルと消去非選択セルとで消費される電流が概ね同じとなる(図21(a)参照)。また、本発明者らの更なる検証により、消去非選択セルの消費電流は、制御ゲート電圧Vcg依存性を持つことが明らかとなった。より具体的には、制御ゲート電圧Vcgを低くするほど、消去非選択セルの消費電流は上昇し(図21(b)参照)、制御ゲート電圧Vcgを高くするほど、消去非選択セルの消費電流は低下する(図21(c))ことが分かる。本発明者らの検証では、制御ゲート電圧Vcgとして1Vを印加すると、30%程度の削減が可能であることが明らかとなっている。従って、消去非選択セルの制御ゲート電圧Vcgに正電圧を印加することにより、消去非選択セルで消費される電流を抑えることができる。結果として、本実施の形態1の不揮発性半導体集積回路装置において、電流源となる回路の面積を縮小することができる。
【0054】
図22には、上記の電流源削減の効果の一例を、本実施の形態1を適用しない従来構成と比較したグラフ図を示す。ただし、ここでは、上記図21(c)において電流削減の効果が見られた、非選択コントロールゲートに1V印加した場合を例とする。電流源の大きさとして、消去選択セル:消去非選択セルが1:15のアレイ構成において5mAの電流供給能力が必要とすると、本実施の形態1では、消去非選択セルで消費される電流を低減する効果が見出されたから、4.25mA程度まで低減することが可能である。また、別の観点からは、同じ5mAの電流源を用いて、消去選択セルと消去非選択セルとの比を1:20程度まで増加させることができる。
【0055】
図23には、上記の電流削減効果の別の例を、本実施の形態1を適用しない従来構成と比較したグラフ図を示す。ただし、ここでは、消去選択セルと消去非選択セルの数の比は1:15のアレイ構成を例とする。非選択コントロールゲートへの正電圧印加により、同セルにおける消費電流を削減できるため、例えば、1Vを印加した場合には、4.25mA程度まで削減することが出来る。
【0056】
図24には、消去選択セルの消去特性の制御ゲート電圧Vcg依存性を表すグラフ図を示している。nチャネル型の本メモリセルの場合、メモリゲート絶縁膜MI1に正孔が注入され、閾値電圧Vthが減少した状態が消去状態である。本図24より、制御ゲート電圧Vcgに負電圧を印加することにより、閾値電圧Vthはより急峻に低下するようになり、消去速度が向上していることが分かる。これは、上記図21(b)を用いて説明した消費電流の増加に対応すると考える。したがって、本実施の形態1の不揮発性半導体集積回路について別の見方をすれば、消去動作時に消去選択セルの制御ゲート電圧Vcgとして負電圧、消去非選択セルの制御ゲート電圧Vcgとして正電圧を印加することにより、消去選択セルと消去非選択セルで消費される電流の比率を効率よく選択セルに振り分けることが可能となり、同じ電流源に対して効率の良い消去が可能となる。
【0057】
以上のように、図20を用いて説明したような電圧供給方法とすることで、本実施の形態1のメモリセルの消費電流を低減させることができ、電流源を削減できる。結果として、不揮発性半導体集積回路装置のチップサイズを縮小させることができる。
【0058】
本実施の形態1の不揮発性半導体集積回路において、消去時の消費電流低減以外に得られる効果について、以下で説明する。
【0059】
図25には、消去時に消去非選択セルが被るディスターブ耐性の制御ゲート電圧Vcg依存性を表すグラフ図を示している。本図25から、制御ゲート電圧Vcgとして0Vを印加したときと比較して、本実施の形態1のように、制御ゲート電圧Vcgとして正電圧を印加することで、より長い時間の消去ストレスに対してメモリセル閾値電圧Vthの変動が抑えられていることが分かり、ディスターブ耐性が向上していることが分かる。これは、制御ゲート電圧Vcgとして正電圧を印加することで、ドレイン拡散層−制御ゲート電極間の電位差が小さくなり、制御ゲート電極端下のシリコン基板で発生するGIDL(Gate Induced Drain Leakage)電流を抑制することができるためである。
【0060】
また、図26には、消去非選択セルの界面劣化の制御ゲート電圧Vcg依存性を表すグラフ図を示している。界面劣化の指標として、チャージポンピング法により界面準位にトラップされた電荷量(チャージポンピング電流Icpとして計測)の制御ゲート電圧Vcg依存性を示している。本図26から明らかなように、制御ゲート電圧Vcgとして0Vを印加したときと比較して、本実施の形態1のように制御ゲート電圧Vcgとして1Vを印加した場合には、ドレイン拡散層−シリコン基板間に流れる電流を抑えることができるため、チャージポンピング電流Icpが小さく、界面準位の形成を抑えることができている。
【0061】
以上のように、図20を用いて説明したような電圧供給方法とすることで、本実施の形態1のメモリセルを備えた不揮発性半導体集積回路装置の信頼性を向上させることができる。
【0062】
(実施の形態2)
本実施の形態2の不揮発性半導体集積回路装置は、以下の構成を除いて、上記実施の形態1と同様の構成を有し、その効果も同様である。本実施の形態2の不揮発性半導体集積回路装置は、上記実施の形態1の不揮発性半導体集積回路装置に加えて、以下の構成を有する。
【0063】
図27は、本実施の形態2の不揮発性半導体集積回路装置が有するメモリセルアレイ周辺のブロック図である。これは、上記実施の形態1の上記図4中のメモリセルアレイ9に対応する部分であるが、本実施の形態2では、メモリセルアレイ9に加えて、メモリセルアレイ9の各制御ゲート電極CG1をフローティング化するスイッチとなる制御回路領域22を有している。より具体的には、制御回路領域22には、制御ゲート電極CG1に接続するスイッチMOSトランジスタが配置されている。そして、このスイッチMOSトランジスタのON状態では消去非選択セルの制御ゲート電極CG1に電圧が給電され、同トランジスタがOFF状態では同制御ゲート電極CG1はフローティング状態にできるものとする。読み出し動作および書き込み動作については、上記実施の形態1と同様である。また、上記図5に示したように、メモリゲート電極MG1と選択ゲート電極CG1とはメモリアレイ内で平行に配置されているために、両ゲート間の容量は大きく、メモリゲート電極MG1から見た選択ゲート電極CG1の容量結合比は大きくなる(容量結合比:0.8)。
【0064】
図28は、本実施の形態2のメモリセルにおける消去動作時のタイミングチャートを示したグラフ図である。まず、時刻t0においてメモリセルのソース電圧Vs、ドレイン電圧Vd、メモリゲート電圧Vmg、制御ゲート電圧Vcgには0Vが印加されている。また、スイッチMOSはON状態である。時刻t1にソース電圧Vsとドレイン電圧Vdを電源電圧Vddまで立ち上げる。次に、時刻t2においてスイッチMOSをOFF状態として、消去非選択セルの制御ゲート電極CG1をフローティング状態とする。時刻t3においては、消去選択および消去非選択セルのメモリゲート電圧Vmgをそれぞれ−6Vおよび電源電圧Vddまで立ち上げる。このとき、消去非選択セルの制御ゲート電圧Vcgの電位は、メモリセルの制御ゲート電極CG1−メモリゲート電極MG1間の容量結合により1.2V(電源電圧Vdd×容量結合比)程度まで昇圧される。続く時刻t4において、ドレイン電圧Vdを6V程度まで立ち上げる。このときドレイン−シリコン基板間に電流が流れ、誘起されるホットホールをメモリセルの電荷蓄積層であるメモリゲート絶縁膜MI1中の窒化シリコン膜n1に注入することで、メモリセルが消去される。
【0065】
以上のように、本実施の形態2のメモリセルによれば、制御ゲート電極CG1−メモリゲート電極MG1間の容量結合比を用いて制御ゲート電極CG1を昇圧することにより、上記実施の形態1で述べた効果に加えて、消去非選択セルの制御ゲート電圧Vcgを印加する電圧電源の回路が不要となる。結果として、本実施の形態2のメモリセルを有する不揮発性半導体集積回路装置では、電源回路面積を小さくでき、チップサイズを縮小させることができる。
【0066】
また、消去選択セルの制御ゲート電極CG1についても、スイッチMOSをOFF状態とすることで、フローティング化し、続いてメモリゲート電圧Vmgに負電圧を印加することで実効的に制御ゲート電極CG1を負電位に減圧して、消去速度を高速化することも可能である。ただし、その場合には、図29に示すように、制御ゲート絶縁膜CI1の耐圧を考慮して、以下のような減圧方法とする方が、より好ましい。即ち、消去選択セルのメモリゲート電圧Vmgを一気に−6Vまでは減圧せず、一度−4.5Vを印加した後、制御ゲート電極CG1をフローティング化するためにスイッチMOSをOFF状態とし、その後、メモリゲート電圧Vmgを−6Vに下げる。このように、2段階に分けてメモリゲート電極MG1に負のメモリゲート電圧Vmgを印加することで、制御ゲート絶縁膜CI1の耐圧性が向上し、結果として、本実施の形態2のメモリセルを備えた不揮発性半導体集積回路装置の信頼性を向上させることができる。
【0067】
(実施の形態3)
本実施の形態3の不揮発性半導体集積回路装置は、以下の構成を除いて、上記実施の形態1および2と同様の構成を有し、その効果も同様である。本実施の形態3の不揮発性半導体集積回路装置は、上記実施の形態1の不揮発性半導体集積回路装置が有するメモリセルの構造において、以下の点で異なる。
【0068】
図30に示すように、本実施の形態3のメモリセルは、制御ゲート電極CG1の両隣にメモリゲート電極MGa,MGbおよびメモリゲート絶縁膜MIa,MIbが配置された、所謂ツインMONOS構造となっている。片方のメモリゲート電極MGaを選択ビットとした場合について、メモリ動作を説明する。
【0069】
本実施の形態3のメモリセル動作方式および印加電圧条件は、上記実施の形態1,2と同様であり、書き込みにはホットエレクトロンのSSI方式、消去にはBTBT現象により誘起したホットホール注入方式を用いる。ただし、読み出し動作時および書き込み動作時には非選択ビットとなるメモリゲート電極MGbには、例えば5V程度のパス電圧を印加して、ソース・ドレイン領域sdb電圧をパスさせる必要がある。また、消去動作時にはメモリゲート電極MGbには電源電圧Vddを印加する。
【0070】
上記のようなツインMONOSセルは、1本のワード線(制御ゲート電極CGa,CGb)当たりのセル数が多いため、非選択ワード線1本当たりの拡散層−シリコン基板間に流れる電流が多くなり、より大きい電流源が必要となる。
【0071】
そこで、上記実施の形態1および2に記載したような手法を適用することにより、消去非選択セルにおけるドレイン拡散層−シリコン基板間の電流を抑制することができる。従って、この手法を本実施の形態3のようなツインMONOSセルに適用することは、より効果的である。同時に、上述のように、メモリセルの信頼度を向上させることが可能となる。
【0072】
(実施の形態4)
本実施の形態4の不揮発性半導体集積回路装置は、以下の構成を除いて、上記実施の形態1,2および3と同様の構成を有し、その効果も同様である。本実施の形態4の不揮発性半導体集積回路装置は、上記実施の形態1,2および3の不揮発性半導体集積回路装置が有するメモリセルの構造において、以下の点で異なる。
【0073】
上記実施の形態1,2および3のメモリセルは、シリコン窒化膜n1中に電荷を注入することで、メモリセルのデータとしていた。これに対し、本実施の形態4のメモリセルは、図31に示すように、ナノサイズ微粒子ndに電荷を蓄える、所謂ナノドットメモリである。より具体的には、本実施の形態4のメモリセルのメモリゲート絶縁膜MI2は、最下層の酸化シリコン膜s1と、その上に配置されたナノサイズ微粒子ndと、それを覆うようにして形成された酸化シリコン膜s2によって構成されている。言い換えれば、メモリゲート絶縁膜MI2は、酸化シリコン膜s1,s2に埋め込まれたナノサイズ微粒子ndを有した構造となっている。ナノサイズ微粒子ndは3nm以下程度の大きさである。また、ナノサイズ微粒子ndは、金属またはシリコンなどからなる。金属とは、特に、金(Au),コバルト(Co),タングステン(W)などを主体とする金属である。
【0074】
製造方法については、上記実施の形態1の上記図15において、窒化シリコン膜n1を堆積する代わりに、例えばナノサイズのシリコン微粒子(ナノサイズ微粒子nd)を堆積し、その後に酸化シリコン膜s2を堆積、アニールすることで製造可能である。
【0075】
図32には、ナノサイズ微粒子ndを含むデバイス断面の領域を拡大して示している。メモリゲート絶縁膜MI2において、酸化シリコン膜s2はナノサイズ微粒子ndを覆うようにして形成されているため、凹凸形状となっている。したがって、メモリゲート電極MG2におけるメモリゲート絶縁膜MI2との境界部も同様に凹凸形状となっている。これにより、本実施の形態4のメモリセルでは、メモリゲート電極MG2の凹凸部に電界集中しやすい構造となっている。したがって、上記実施の形態1で説明した消去条件と同じ電圧を印加すると、本実施の形態4のメモリセルでは、メモリゲート絶縁膜MI2付近で電界集中しているために、拡散層−シリコン基板間に流れる電流が多くなる。これにより、より大きい電流源が必要となる。
【0076】
そこで、上記実施の形態1,2および3に記載したような手法を適用することにより、消去非選択セルにおけるドレイン拡散層−シリコン基板間の電流を抑制することができる。従って、この手法を本実施の形態4のようなナノドットメモリに適用することは、より効果的である。同時に、上述のように、メモリセルの信頼度を向上させることが可能となる。
【0077】
以上より、不揮発性半導体集積回路装置に上記実施の形態1〜4に記載の手法を適用することにより、電流源となる回路の占有面積を削減できる。また、高い信頼度を有するメモリセルを提供できる。
【0078】
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0079】
例えば、FIN構造のメモリセルや、SOI基板を用いたメモリセル、または、電荷蓄積ノードを浮遊ゲートとしたメモリセルなどに適用しても、同様に効果的である。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、メモリセルを備えた不揮発性半導体集積回路装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0081】
1 制御回路
2 入出力回路
3 アドレスバッファ
4 行デコーダ
5 列デコーダ
6 ベリファイセンスアンプ回路
7 高速リードセンスアンプ回路
8 書き込み回路
9 メモリセルアレイ
10 電源回路
11 電流トリミング回路
12,16,19,21 酸化シリコン膜
13,20 窒化シリコン膜
14 トレンチ
15 STI酸化膜
17,18 ポリシリコン膜
22 制御回路領域
CG1 制御ゲート電極(第1ゲート電極)
CI1 制御ゲート絶縁膜(第1ゲート絶縁膜)
cnt コンタクトプラグ
ex1 エクステンション領域
IL 層間絶縁膜
MG1,MGa,MGb,MG2 メモリゲート電極(第2ゲート電極)
MI1,MIa,MIb,MI2 メモリゲート絶縁膜(第2ゲート絶縁膜)
mw メタル配線
n1 窒化シリコン膜(電荷蓄積膜)
nd ナノサイズ微粒子
p1 保護窒化シリコン膜
PG1 周辺MOSのゲート電極
PI1 周辺MOSのゲート絶縁膜
pw1 pウェル
s1,s2 酸化シリコン膜
sd1,sda,sdb ソース・ドレイン領域
STI 素子分離膜
sub1 シリコン基板(半導体基板)
sw1 サイドウォールスペーサ
t0,t1,t2,t3,t4,t5,t6 時刻
Vcg 制御ゲート電圧
Vd ドレイン電圧
Vdd 電源電圧
Vmg メモリゲート電圧
Vs ソース電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上にマトリクス状に配置されたメモリセルを有する不揮発性半導体集積回路装置であって、
前記メモリセルは、
前記半導体基板上に第1ゲート絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極と、
前記第1ゲート電極の片方の側壁に、第2ゲート絶縁膜を介して形成された第2ゲート電極と、
前記第1ゲート電極や前記第2ゲート電極の側方下部の前記半導体基板に形成された、一対のソース・ドレイン領域とを有し、
前記第2ゲート絶縁膜は、前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極との間から、前記第2ゲート電極と前記半導体基板との間に渡って一体的に形成され、
前記第2ゲート絶縁膜は、酸化シリコン膜に挟まれた窒化シリコン膜を電荷蓄積膜として有し、
前記窒化シリコン膜に電子を注入することで、書き込み状態とし、
前記窒化シリコン膜にホールを注入することで、消去状態とし、
前記メモリセルの消去動作時には、消去非選択セルの前記第1ゲート電極に正電圧を印加することを特徴とする不揮発性半導体集積回路装置。
【請求項2】
請求項1記載の不揮発性半導体集積回路装置において、
前記メモリセルの消去動作時には、
前記第1ゲート電極に正電圧を印加する前に、前記メモリセルのソースとなる方の前記ソース・ドレイン領域に正電圧を印加することを特徴とする不揮発性半導体集積回路装置。
【請求項3】
請求項2記載の不揮発性半導体集積回路装置において、
前記メモリセルの消去動作時には、
前記第1ゲート電極に印加する第1ゲート電圧から、前記第1ゲート電極が構成するMOS構造の閾値電圧を引いた差が、前記メモリセルのソースとなる方の前記ソース・ドレイン領域に印加するソース電圧よりも低いことを特徴とする不揮発性半導体集積回路装置。
【請求項4】
請求項3記載の不揮発性半導体集積回路装置において、
前記メモリセルの消去動作時には、
前記ソース電圧をオープンとすることを特徴とする不揮発性半導体集積回路装置。
【請求項5】
請求項4記載の不揮発性半導体集積回路装置において、
前記メモリセルの消去動作時には、
消去選択セルの前記第1ゲート電極に負電圧を印加することを特徴とする不揮発性半導体集積回路装置。
【請求項6】
半導体基板上に配置された制御回路と、前記半導体基板上にマトリクス状に配置されたメモリセルを有する不揮発性半導体集積回路装置であって、
前記メモリセルは、
前記半導体基板上に第1ゲート絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極と、
前記第1ゲート電極の側壁に、第2ゲート絶縁膜を介して形成された第2ゲート電極と、
前記第1ゲート電極や前記第2ゲート電極の側方下部の前記半導体基板に形成された、一対のソース・ドレイン領域とを有し、
前記第2ゲート絶縁膜は、前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極との間から、前記第2ゲート電極と前記半導体基板との間に渡って一体的に形成され、
前記第2ゲート絶縁膜は、酸化シリコン膜に挟まれた窒化シリコン膜を電荷蓄積膜として有し、
前記窒化シリコン膜に電子を注入することで、書き込み状態とし、
前記窒化シリコン膜にホールを注入することで、消去状態とし、
前記メモリセルの消去動作時には、前記制御回路によって、消去非選択セルの前記第1ゲート電極をフローティング化し、
前記消去非選択セルの前記第2ゲート電極に正の電圧を印加することで、容量結合によって前記消去非選択セルの前記第1ゲート電極に正電圧を供給することを特徴とする不揮発性半導体集積回路装置。
【請求項7】
請求項6記載の不揮発性半導体集積回路装置において、
前記メモリセルの消去動作時には、
前記第1ゲート電極に正電圧を印加する前に、前記メモリセルのソースとなる方の前記ソース・ドレイン領域に正電圧を印加することを特徴とする不揮発性半導体集積回路装置。
【請求項8】
請求項7記載の不揮発性半導体集積回路装置において、
前記メモリセルの消去動作時には、
前記制御回路によって、消去選択セルの前記第1ゲート電極をフローティング化し、
前記消去選択セルの前記第2ゲート電極に負の電圧を印加することで、容量結合によって前記消去選択セルの前記第1ゲート電極に負電圧を供給することを特徴とする不揮発性半導体集積回路装置。
【請求項9】
請求項8記載の不揮発性半導体集積回路装置において、
前記メモリセルの消去動作時には、
前記消去選択セルの前記第2ゲート電極に対して、2段階に分けて負の電圧を印加し、かつ、一度目に負の電圧を印加した後、二度目に負の電圧を印加する前に、前記制御回路によって前記消去選択セルの前記第1ゲート電極をフローティング化することを特徴とする不揮発性半導体集積回路装置。
【請求項10】
請求項9記載の不揮発性半導体集積回路装置において、
前記制御回路は、前記第1ゲート電極に接続するスイッチMOSトランジスタを有し、
前記スイッチMOSトランジスタをOFF状態とすることで、前記第1ゲート電極をフローティング化することを特徴とする不揮発性半導体集積回路装置。
【請求項11】
半導体基板上にマトリクス状に配置されたメモリセルを有する不揮発性半導体集積回路装置であって、
前記メモリセルは、
前記半導体基板上に第1ゲート絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極と、
前記第1ゲート電極の両方の側壁に、第2ゲート絶縁膜を介して形成された第2ゲート電極と、
前記第1ゲート電極や前記第2ゲート電極の側方下部の前記半導体基板に形成された、一対のソース・ドレイン領域とを有し、
前記第2ゲート絶縁膜は、前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極との間から、前記第2ゲート電極と前記半導体基板との間に渡って一体的に形成され、
前記第2ゲート絶縁膜は、酸化シリコン膜に挟まれた窒化シリコン膜を電荷蓄積膜として有し、
前記窒化シリコン膜に電子を注入することで、書き込み状態とし、
前記窒化シリコン膜にホールを注入することで、消去状態とし、
前記メモリセルの消去動作時には、消去非選択セルの前記第1ゲート電極に正電圧を印加することを特徴とする不揮発性半導体集積回路装置。
【請求項12】
請求項11記載の不揮発性半導体集積回路装置において、
前記メモリセルの消去動作時には、
前記第1ゲート電極に正電圧を印加する前に、前記メモリセルのソースとなる方の前記ソース・ドレイン領域に正電圧を印加することを特徴とする不揮発性半導体集積回路装置。
【請求項13】
半導体基板上にマトリクス状に配置されたメモリセルを有する不揮発性半導体集積回路装置であって、
前記メモリセルは、
前記半導体基板上に第1ゲート絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極と、
前記第1ゲート電極の側壁に、第2ゲート絶縁膜を介して形成された第2ゲート電極と、
前記第1ゲート電極や前記第2ゲート電極の側方下部の前記半導体基板に形成された、一対のソース・ドレイン領域とを有し、
前記第2ゲート絶縁膜は、前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極との間から、前記第2ゲート電極と前記半導体基板との間に渡って一体的に形成され、
前記第2ゲート絶縁膜は、酸化シリコン膜の内部に埋め込まれたナノサイズ微粒子を電荷蓄積部として有し、
前記ナノサイズ微粒子に電子を注入することで、書き込み状態とし、
前記ナノサイズ微粒子にホールを注入することで、消去状態とし、
前記第2ゲート電極は、前記第2ゲート絶縁膜との境界部で凹凸の形状を有し、
前記メモリセルの消去動作時には、消去非選択セルの前記第1ゲート電極に正電圧を印加することを特徴とする不揮発性半導体集積回路装置。
【請求項14】
請求項13記載の不揮発性半導体集積回路装置において、
前記メモリセルの消去動作時には、
前記第1ゲート電極に正電圧を印加する前に、前記メモリセルのソースとなる方の前記ソース・ドレイン領域に正電圧を印加することを特徴とする不揮発性半導体集積回路装置。
【請求項15】
請求項14記載の不揮発性半導体集積回路装置において、
前記ナノサイズ微粒子は、金属またはシリコンからなることを特徴とする不揮発性半導体集積回路装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2011−18432(P2011−18432A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−130141(P2010−130141)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】