説明

半導体基板洗浄システム

【課題】縦向きの半導体基板を処理するモジュール式半導体基板洗浄システムを提供する。
【解決手段】このシステム11は、メガソニックタンク式洗浄機15および後続のスクラバ17,19を含むことができる複数の洗浄モジュールを特徴としている。入力モジュール13は、横向きの基板を受け取って縦向きに回転させ、出力モジュール23は、縦向きの基板を受け取って横向きに回転させる。各モジュール(入力、洗浄および出力)は、基板支持体25を有し、隣接するモジュールの基板支持体が等間隔で離間するように配置されている。これらのモジュールは、複数の基板ハンドラ33を有するオーバヘッド搬送機構31によって連結されている。これらの基板ハンドラは、その下方にあるモジュールの基板支持体と同じ距離(X)で離間されている。

【発明の詳細な説明】
【従来の技術】
【0001】
現在利用可能な半導体基板洗浄装置は、洗浄後の単位基板当りの高コスト、大きなフラットパーティクルや半導体基板の面取り縁部に沿って位置するパーティクルの除去の不確実性、スケーラビリティの欠如、および種々の処理シーケンスまたは半導体基板サイズの変化(例えば、増大)に容易に適応する能力の不足という問題を抱えている。基板洗浄コストに寄与する種々の要因の中でも、半導体基板を種々の位置の間で移動させる基板ハンドラの主要コストは、かなりの経費となる。また、半導体基板の洗浄プロセスはクリーンルームの環境内で行われるので、これによっても相当な経費の増加が起こる。クリーンルーム領域の高コストのために、洗浄システムにより占められる面積が大きくなるほど(即ち、フットプリントが大きくなるほど)、洗浄システムを作動させるための経費が高くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
しかしながら、不確実な洗浄は、他の要因よりも多く洗浄コストを上昇させる。半導体基板のサイズが増すにつれて、洗浄不良は多大な経費となり、また、半導体基板上に形成されるデバイスのサイズが小さくなるにつれて、パーティクルが不良を生じさせ易くなる。
【0003】
従って、半導体基板洗浄の分野において改良が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の半導体基板洗浄システムは、複数の洗浄モジュールを備えている。各モジュールは、洗浄プロセスの間、縦向きの半導体基板を支持する基板支持体を有しており、また、各モジュールは、それらの基板支持体が一定の距離Xだけ離間するように配置されている。複数の洗浄モジュールのうち第1のエンドモジュール付近に配置された入力モジュールは、前記第1エンドモジュールの基板支持体から距離Xの位置に配置された基板支持体を有しており、複数の洗浄モジュールのうち第2のエンドモジュール付近に配置された出力モジュールは、第2エンドモジュールの基板支持体から距離Xの位置に配置された基板支持体を有している。距離Xで離間した複数の基板ハンドラを有する半導体基板搬送機構は、距離Xだけ前後に移動するように複数の洗浄モジュールの上方ならびに前記入力モジュールおよび前記出力モジュールの上方で可動式に連結され、これにより、入力モジュール、洗浄モジュールおよび出力モジュールのうち隣接するものの間で半導体基板を同時に運搬する。
【0005】
基板が入力モジュール内に垂直にロードされない場合および/または基板が出力モジュールから垂直にアンロードされない場合、入力モジュールおよび/または出力モジュールはそれぞれ、半導体基板を横向きで受け取り、半導体基板を回転させて縦向きにする機構と、半導体基板を縦向きで受け取り、半導体基板を回転させて横向きにする機構と、を含んでいてもよい。同様に、ウェーハのハンドリングを容易にするため、入力モジュールは、ウェーハハンドラが基板のフラットに接触しないように、基板を方向決めしてそのフラットを既知の位置に配置する(すなわち、フラット検出)。定常状態の動作中、半導体基板は、他の基板を洗浄している間、システムにロードしたりシステムからアンロードすることができ、水平方向または垂直方向に適切に方向決めされ、および/または適切に配置されたフラットを有している。従って、基板のロード/アンロードおよび方向決め作業に必要な時間の間、洗浄システムをアイドルにする必要がないので、システムの生産性を高めることができる。
【0006】
半導体基板を入力モジュールおよび出力モジュールを介して洗浄システムにロードしたり洗浄システムからアンロードした後、オーバヘッド搬送機構がウェーハハンドラを降下させる。ある態様では、複数のウェーハが同時に降下させられて入力モジュールおよび種々の洗浄モジュールに入り、その中に収容された半導体基板を取り上げ、または「把持」する。その後、搬送機構は、単に上昇し、距離Xだけ前方に割送りし、下降することにより、複数の単一基板バッチを一つのモジュールから次のモジュールへ同時に搬送する。基板がロード/アンロードされ、入力モジュールおよび出力モジュールにおいて方向決めされている間、搬送機構は基板の把持を解除し、上昇してホームポジションに戻る。このプロセスは、各基板が所望の処理を受けてアンロードされるまで繰り返される。この態様では、同時基板搬送機構の簡易さのため、精度が高く費用対効果の大きい搬送が可能になる。
【0007】
洗浄モジュールの全面的な垂直指向性により、必要なフットプリントが最小限に抑えられ、本発明に係る洗浄システムを容易に規模変更することが可能になる。基板サイズの変化に適応するため、基板支持体およびウェーハハンドラは調節可能とすることができる。従って、異なるサイズの基板の洗浄間における切り換えのために必要な変更はほとんどない。
【0008】
洗浄システムの本発明に係る他の態様(一つは、メガソニックタンク洗浄機および後続のスクラバの使用を含み、他の一つは、スクラバを使用しない洗浄システムの設計を含んでいる)は、個々に水平方向および/または垂直方向に移動する基板支持体を採用するオーバヘッド搬送機構の使用、および/またはカートを備える入力モジュールを含んでいる。このカートは、第1基板ハンドラからのウェーハの受取りを容易にすると共に、その後、ウェーハをカートから第2基板ハンドラを介して取り出すことができる位置へ運ぶように、XおよびY方向の双方で容易に位置決めすることができるトラックに沿って走行する。このカートは、基板の乾燥を防止するように流体スプレーバーを含んでいてもよい。流体スプレーは、基板が第2基板ハンドラを介してカートから取り出される位置で供給されるようになっていてもよいし、基板が第1基板ハンドラを介してカートに挿入される位置で供給されるようになっていてもよい。四つのローラを用いる本発明に係る基板支持体も提供される。これらのローラのうち少なくとも二つは、所定の時点で基板に接触するように配置されている。他の態様は、フラット検出を行うことができるローラを採用する。なお、遮蔽板および近接センサ、またはセンサおよび光検出器が、種々のモジュール内での基板方向決めに備えている。
【0009】
本発明のその他の特徴および利点は、好適な実施形態についての以下の説明、特許請求の範囲および添付図面からより十分に明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の洗浄システムの概略側面図である。
【図2】本発明の洗浄システムの概略側面図である。
【図3】本発明の洗浄システムの概略側面図である。
【図4】本発明の洗浄システムの概略側面図である。
【図5】本発明の洗浄システムの概略側面図である。
【図6】本発明の洗浄システムの概略側面図である。
【図7】図1〜6の本発明に係る洗浄システムの動作を説明するために有用なタイミング図である。
【図8】本発明のインタフェースモジュールの側面斜視図である。
【図9】本発明のインタフェースモジュールの側面斜視図である。
【図10】本発明のインタフェースモジュールの側面斜視図である。
【図11】既存のウェーハハンドラと洗浄モジュールとの間に連結された図8〜10の本発明に係るインタフェースモジュールを示す斜視図である。
【図12】(a)は、図8〜10の本発明に係るインタフェースモジュール内で使用されるローラの側面図であり、(b)および(c)は、図8〜10の本発明に係るインタフェースモジュール内で使用されるカートの正面図であり、ウェーハ方向決めを説明するために有用である。
【図13】図8〜10の本発明に係るインタフェースモジュール内で使用されるカートの正面図であって、ウェーハ方向決めおよび回転監視の全般に有用な装置について説明するために有用である。
【図14】(a)は、ウェーハを方向決めするための透過ビームセンサの側面図であり、(b)および(c)は、ウェーハを方向決めするための透過ビームセンサの正面図である。
【図15】フラット付き基板を回転させるために特に好適な基板支持体の概略正面図である。
【発明の実施の形態】
【0011】
図1〜6は、水平および垂直位置の間で基板を回転させる入力モジュールおよび出力モジュールを有する本発明の洗浄システム11の一態様の概略側面図である。本発明に係る洗浄システム11は、ロードモジュール13と、半導体基板を縦向きに支持するように構成された複数の洗浄モジュール(具体的には、メガソニック洗浄機15、第1スクラバ17、第2スクラバ19、およびスピンリンスドライヤ21)と、アンロードモジュール23とを備えている。メガソニック洗浄機15は、1998年11月11日出願の米国特許出願第09/191,057号(AMAT No.2909/CMP/RKK)に記載されているように構成することができる。第1スクラバ17および第2スクラバ19は、1998年7月10日出願の米国特許出願第09/113,447号(AMAT No.2401/CMP/RKK)に記載されているように構成することができる。スピンリンスドライヤ21は、1998年4月6日出願の米国特許出願第09/544,660号(AMAT No.3437/CMP/RKK)に記載されているように構成することができる。また、後述する基板搬送機構は、1998年4月27日出願の米国特許出願第09/300,562号(AMAT No.3375/CMP/RKK)に記載されているように構成することができる。上に特定された各出願の全開示内容は、本明細書に援用される。このように援用された各出願の装置は単なる例示であり、他の装置を同様に採用できることは明らかである。
【0012】
各モジュール13〜23は、半導体基板を縦向きに支持する基板支持体25a〜fをそれぞれ有する。基板支持体25b〜eは、前述のように援用する米国特許出願に記載された基板支持体と同様の構成を有していてもよい。例示のロードモジュール13は、横向きの半導体基板を受け取り、その半導体基板を回転させて縦向きにするように構成されている。同様に、例示のアンロードモジュール23は、縦向きの半導体基板を受け取り、その半導体基板を回転させて横向きにするように構成されている。このような基板の方向変えを行うために、ロードモジュール13およびアンロードモジュール23の基板支持体25a、25fは、電動式ヒンジのような回転機構27a、27bとそれぞれ動作的に連結されていることが好ましい。
【0013】
各モジュールは、モジュール同士を互いに所定位置に保持するように隣接するモジュールに固定するためのアライメントラッチ機構29a〜eを含んでいてもよい。この所定位置において、基板支持体25a〜fは、距離Xで等間隔に離間することができる(図1)。このような等間隔配置を容易にするため、洗浄モジュール15〜21の各々は、距離Xよりも小さい長さを有する。従って、洗浄システム11は、多数の異なる洗浄シーケンスを実行するために容易に再構成することができる。ラッチ機構29a〜fをアンラッチすることによって、モジュールを容易に取り外し、交換し、再配置することができる(即ち、これらのモジュールは「着脱自在に連結」されている)。
【0014】
ラッチ機構29a〜eは、洗浄モジュール15〜21をロードモジュール13、アンロードモジュール23に近接して連結するか、あるいは洗浄モジュール15〜21を、第1の洗浄モジュールにおけるウェーハ位置と次の隣接洗浄モジュールにおけるウェーハ位置との間の総距離D(図1)が一定の距離に等しくなるように離間した関係で隣接洗浄モジュール15〜21に連結することができるように調節することができる(図1)。このようにして、すべてのモジュールが距離X以下の総幅Wnを有していれば、基板支持体25a〜eの各々は、その両側で隣接基板支持体25から距離Xの間隔をおいて等間隔に配置することができる。更に、モジュール内のウェーハ位置はモジュールの前面および背面間の中心にある必要はないが、ウェーハとモジュールの前面との間の距離およびウェーハとモジュールの後面との間の距離は、構成の柔軟性を維持するようにX(隣接するウェーハ支持体間の距離)の1/2以下とすることができる。
【0015】
複数の基板ハンドラ33a〜eを有する基板搬送機構31は、複数のモジュール13〜23の上方に動作的に連結されている。この例において、基板ハンドラ33a〜eは距離X(図1)だけ離間しており、その数は、所定の洗浄システム構成におけるモジュール13〜23の数(n)から1を引いた数(n−1)に等しい。基板搬送機構31は、最初の基板ハンドラ33aがロードモジュール13の上方に配置される「ロード」位置から、最後の基板ハンドラ33eがアンロードモジュール23の上方に配置される「アンロード」位置まで距離X(図1)だけ移動するように連結されている。例示の基板ハンドラ33a〜eは水平方向で固定的に連結されており、従って、水平方向に一体となって移動する。また、例示の基板ハンドラ33a〜eは、垂直方向で固定的に連結されており、基板搬送機構31は、各基板ハンドラ33a〜eが(ウェーハを基板支持体上に置くか、あるいはそこから取り出すように)基板支持体25a〜fの一つに動作的に連結する位置から、各基板ハンドラ33の最下縁部が各モジュール13〜23の最上縁部よりも上方の高さにある位置までの距離Y(図2)だけ昇降するように、可動式に連結されている。従って、基板ハンドラ33も、図1および図4に示すような「ハンドオフ」位置(この位置では、基板ハンドラ33a〜eが基板支持体25a〜fと動作的に連結する)と、図2、3および4に示すような搬送位置(この位置では、基板ハンドラ33a〜eがモジュールの上方に持ち上げられる)との間で垂直方向に一体となって移動する。各基板ハンドラ33a〜eを容易に取り外したり交換して、洗浄システムを容易に再構成できるように、基板ハンドラ33a〜eは、基板搬送機構31に(例えば、ラッチ等を介して)着脱自在に連結することができる。
【0016】
本発明による洗浄システム11の動作を図7のタイミングチャートおよび図1〜4の連続図を参照して説明する。なお、図1〜4は、基板搬送機構31が複数の単一基板バッチをロード/ハンドオフし、この複数の単一基板バッチを搬送し、この複数の単一基板バッチをアンロード/ハンドオフするときの基板搬送機構の動きを示している。
【0017】
図1は、ロード/ハンドオフ位置での定常状態処理中の洗浄システム11を示している。基板ハンドラ33a〜eは、ロードモジュール13、メガソニック洗浄機15、第1スクラバ17、第2スクラバ19、およびスピンリンスドライヤ21の基板支持体25a〜eとそれぞれ動作的に連結し、その上に置かれた半導体基板S〜Sの縁部と接触するようなっている。
【0018】
基板搬送機構31は、基板S〜S5を把持した後、図2に示す搬送位置まで距離Y(図2)だけ上昇する。基板搬送機構31が上昇するにつれて、基板ハンドラ33a〜eは、半導体基板S〜Sをそれぞれ基板支持体25a〜eから持ち上げる。この搬送位置にある間、基板搬送機構31は、最初の基板ハンドラ33aがロードモジュール13の上方にあり、最後の基板ハンドラ33eがスピンリンスドライヤ21の上方にあるロード位置から、図3に示すように、最初の基板ハンドラ33aがメガソニック洗浄機15の上方にあり、最後の基板ハンドラ33eがアンロードモジュール23の上方にあるアンロード位置まで、距離X(図1)だけ水平方向に割送りする。基板ハンドラ33a〜eは、アンロード位置へ距離Xだけ割送りした後、それぞれ、メガソニック洗浄機15、第1スクラバ17、第2スクラバ19、スピンリンスドライヤ21およびアンロードモジュール23の各基板支持体25b〜fの上方に配置される。
【0019】
次いで、基板搬送機構31は、図4に示すアンロード/ハンドオフ位置まで距離Yだけ下降する。このアンロード/ハンドオフ位置では、基板ハンドラ33a〜eは、それぞれ基板支持体25b〜fに動作的に連結している。基板ハンドラ33a〜eは、基板S〜Sの把持を解除し、これらの基板S1 〜S5 を基板支持体25b〜f上に載置する。基板S〜Sは、メガソニック洗浄機15、第1スクラバ17、第2スクラバ19、およびスピンリンスドライヤ21内でそれぞれ処理され、基板搬送機構31は、図5に示すように搬送位置まで距離Y(図2)だけ上昇する。基板搬送機構31(依然として搬送位置にある)がアンロード位置から図6に示されるようにロード位置まで距離X(図1)を割送りする間、半導体基板S〜Sは、洗浄モジュール15〜21内での処理を続ける。
【0020】
基板搬送機構31がアンロード位置からロード位置まで割送りしている間、例示のアンロードモジュール23内の回転機構27bは、基板支持体25fおよびその上に載置された半導体基板S〜Sを縦向きから横向きに回転させ、また任意でフラットの検出を行って半導体基板Sのフラットを既知の位置に配置することができる。また、基板搬送機構31がアンロード位置からロード位置へ割送りしている間、横向きの半導体基板Sが(例えば、図示しない基板ハンドラを介して)ロードモジュール13内に搬入される。その後、ロードモジュール13内の回転機構27aは、基板支持体25aおよびその上に載置された半導体基板Sを横向きから縦向きに回転させる。
【0021】
この他に、基板ハンドラ33a〜eは、フラット付きウェーハをそれらの向きに関係なく把持するように構成されたエンドエフェクタ、例えば1999年5月15日出願の米国仮特許出願第60/134,377号(AMAT No.3554)に記載されているようなエンドエフェクタを有していてもよい。この仮特許出願の全開示内容は、本明細書に援用される。ロードモジュールは、任意でフラット検出を行って、半導体基板Sのフラットを基板搬送機構31によって接触されない既知の位置に置くことができる。各洗浄モジュールは、基板のフラットが基板搬送機構31によって接触されるときに既知の位置にあるように、フラット検出機構を備えていてもよい。例えば、2000年4月6日出願の米国特許出願第09/544,660号(AMAT No.3437/CMP/RKK)に記載されたフラット検出器をスピンリンスドライヤ21で使用することができる。スクラバ15、17およびメガソニックタンク83で使用しうるフラット検出器については、図13(a)、(b)および図14(a)、(b)を参照して以下に説明する。
【0022】
この他に、フラット検出を行わなくても、基板が既知の位置でモジュールに入るのであれば、プログラムされたコントローラが基板をその位置に戻すことができる。何故なら、様々なモジュールの基板支持体は基板を既知の速度で回転させることができ、基板支持体が基板の滑りを防止するように設計されていれば(例えば、粗い表面を有していれば)、基板を既知の「フラット検出済み」位置へ戻すように回転時間を選択することができるからである。洗浄モジュール15〜21内での処理が完了した後、基板搬送機構31は、図1に示すようにロード/ハンドオフ位置へと距離X(図1)だけ下降する。その後、シーケンスが繰り返され、基板搬送機構31が図1または図2に示される位置にある間、半導体基板Sがアンロードモジュール23から(手動により、あるいは図示しない基板ハンドラにより)取り出される。
【0023】
洗浄システム11は、基板搬送機構31に動作的に接続されるコントローラCを備えている。このコントローラCは、基板ハンドラ33a〜eの一つがロードモジュール13の基板支持体25aと動作的に連結すると共に残りの基板ハンドラの各々が洗浄モジュール15〜21の一つに動作的に連結するロード/ハンドオフ位置から、基板ハンドラ33a〜eが入力モジュール13および洗浄モジュール15〜21の上方にある搬送位置へ、基板搬送機構31を移動させるためのプログラムを備えていてもよい。さらに、コントローラCは、各基板ハンドラ33a〜eが洗浄モジュール15〜21またはアンロードモジュール23の基板支持体の上方に位置するように基板搬送機構31を距離X(図1)だけ移動させるようにプログラムされ、また、基板ハンドラ33eがアンロードモジュール23の基板支持体25eと動作的に連結すると共に残りの基板ハンドラ33a〜dの各々が洗浄モジュール15〜21の一つの基板支持体と動作的に連結するアンロード/ハンドオフ位置へ基板搬送機構31を下降させるようにプログラムされている。このように、コントローラCは、複数の基板が複数の単一基板ロードモジュール、洗浄モジュールおよびアンロードモジュールを同時に1モジュールずつ進むようにプログラムすることができる。更に、コントローラCは、ロードモジュール13の回転機構27aとアンロードモジュール23の回転機構27bとに接続することができる。基板搬送機構31が搬送位置にある間、および/または基板を前述したようにフラット検出済みの既知の位置に戻す間、コントローラのプログラムは、半導体基板の向きを変えてもよいし、また、任意でロードモジュール13およびアンロードモジュール23においてフラット検出を行ってもよい。
【0024】
上述したように、また、図7のタイミングチャートを参照すると最も良く分かるように、基板が洗浄モジュール内で処理されている間、基板のロード/アンロード、方向決め、およびオプションのフラット検出を行うことができる。従って、図1〜6の例示のシステムにおいては、各半導体基板の全洗浄時間は、搬送のサイクルおよび処理の6サイクルに等しく、洗浄モジュールは、基板搬送中を除いて連続動作している。この例において、洗浄モジュール15〜21は、基板がロードされ、アンロードされ、もしくは方向決めされ、あるいはフラットが検出されている間、アイドル状態にはならない。従って、定常状態の処理中、6枚の半導体基板が、単一半導体基板の総洗浄時間の間(即ち、6サイクルの
搬送および処理中)に本発明の洗浄システムを出るので、本発明に係る洗浄システムの定常状態スループットは、搬送時間およびプロセス時間の総計の逆数に等しい。
【0025】
本発明の洗浄システムは、流体タンク内の基板をメガソニック洗浄し、次いで基板をスクラブするように構成することができる。このような構成により、メガソニックのみまたはスクラバのみを用いる通常のシステムよりも、より効率的に大きなフラットパーティクルや半導体基板の面取り縁部にあるパーティクルを除去することができる。
【0026】
入力モジュール13は、基板を縦向きで受け取る場合、図8〜10に示すようなインタフェースモジュール41を備えていてもよい。図8〜10は、本発明に係るインタフェースモジュール41の側面斜視図である。インタフェースモジュール41は、タイミングベルトによりモータ(双方とも図示せず)に連結されるトラック43と、このトラック43に可動式に連結される基板カート45とを備えている。トラック43は、このトラック43の一方の端部を(図示のように)同トラック43の他方の端部よりも高いところで連結することにより、Z方向の斜面(図9において角度「β」で表されている)上に配置することができる。同様に、トラック43はX方向に傾斜していてもよい(図11において角度「α」で表されている)。このようにして、インタフェースモジュール41は3D方式で容易に方向決めすることができるので、垂直に方向決めされたウェーハをウェーハハンドラ(図示せず)から受け取り、このウェーハを洗浄システム11の洗浄モジュール15にロードできる位置に運ぶことができる。このように、インタフェースモジュール41は、種々の角度で配置しうるウェーハハンドラ間の基板搬送を容易にするように簡単に調節することができる。
【0027】
例えば、図11に示すように、ウェーハハンドラ48はトラック50に沿って走行する。従って、ウェーハハンドラ48は場所Aまで到達することができる。洗浄システム11の基板搬送機構31は、その基板ハンドラ33aにより基板Sを把持するために基板Sが場所Bに配置されることを必要とする。従って、インタフェースモジュール41は、異なる高さ(角度β)を有しかつX方向に異なる位置(角度α)を有する二つの場所AおよびB間に延びるように構成されている。トラック43は場所AおよびBの間に延在し、基板カート45は、ある角度でトラック43に連結されている。この角度は、基板カート45が搬送位置(位置A)にあるときに基板カート45をウェーハハンドラ48と整列させ、基板カート45がロード位置(位置B)にあるときに基板カート45を基板搬送機構31と整列させるような角度である。基板カート45を容易に位置決めできるようにするために、基板カート45は調節可能なアームを備えることが好ましい。このアームの一端は、(トラックに沿って移動するように)ある角度でトラック43と可動式に連結しており、この角度は、調節可能ではあるが、位置AおよびB間を一定に保つように(例えば、一度調節したら)固定することができるような角度である。トラック43の位置(α、β)およびトラック43に対する基板カート45の位置は、製造装置内における種々のウェーハハンドラの連係が容易になるように双方とも容易に調節することができる。
【0028】
再び図8を参照すると、オプションのウェッティングシステム47は、流体コレクタ49と、流体コレクタ49の裏側から上方に延びる飛沫よけ51と、基板Sの両面を湿潤させるような位置と角度で飛沫よけ51に装着された一つ以上のノズル53とを備えている。例えば、スプレーバー55は、基板Sのわずかに上方に配置されると共に、上からのウェーハ交換を可能にするため、ウェーハSのわずかに前方または後方に配置され、基板Sの直径に等しい長さだけ延びている。また、スプレーバー55は、均一な線状の流体を基板Sの裏面に送るように角度が付けられた一組のノズル53aと、均一な線状の流体を基板Sの前面に送るように角度が付けられた一組のノズル53bと、を有する。どの組のノズル53a、53bも、線状の流体を出力するリニアタイプまたはスコールタイプのノズルと交換することができる。ノズル53a、53bは流体ソース56に接続される。流出口57が流体コレクタ49の底部に接続されていて、そこから流体を排出または圧出するようになっている。
【0029】
図12(a)〜(c)を参照すると、基板カート45は、二つのサイドローラ59a、59bと、一つのボトムローラ59cを備えている。各ローラは中央ノッチもしくは溝61(図12(a))を有しており、その側壁は、基板Sの縁部のみがローラ59a〜cに接触するような角度(例えば、45°)を有している。このようにしてノッチは、ウェーハの前面もしくは裏面に対する損傷を減少している。ローラ59a〜cは、基板Sを一定の位置に保持して基板のブレを防止するように十分な距離だけ離間して配置されている。
【0030】
本発明のある態様では、フラットf(図12)を有する基板Sの方向決めを行うために、ボトムローラ59cはモータ駆動であり、従ってモータ63に連結されている。このモータ63は、遠隔に配置されていてもよく、あるいは基板カート45の裏側に設置されていてもよい。サイドローラ59a、59bは自由に転がるように構成されており、モータ駆動はされない。基板Sがサイドローラ59a、59bによって支持されるとき(図12(c))にフラットfがボトムローラ59cと接触しないように基板Sを支持するため、サイドローラ59a、59bは十分な距離だけ離間して配置されている。
【0031】
動作中、基板カート45はトラック43に沿って走行し、図11に想像線で示す搬送位置(位置A)を占め、ウェーハハンドラ48はトラック50に沿って走行し、基板Sを位置Aに運ぶ。ウェーハハンドラ48は、基板Sを基板カート45内に置き、基板カート45は、ロード位置(場所B)に向かってトラック43を昇り始める。この例では、基板カート45がトラック43に沿って走行している間、ノズル53a、53bからの流体が基板Sの乾燥を防止している。流体は、基板Sから流れ去って流体コレクタ49に入る。飛沫よけ51は、流体が跳ねたり、洗浄システム11の周辺に出ていくことを防止する。基板カート45に入る流体は、孔(図示せず)を介して基板カートから流体コレクタ49に排出される。流体は流体コレクタ49内に集まり、そこから流出口57を介して排出される。基板は、好ましくは回転しているので(後述する)、ノズル53a、53bは側部、底部等に配置することができる。代わりに、ノズルを搬送位置、ロード位置または両者の間の任意の場所に固定して配置してもよい。
【0032】
ある態様では、基板カート45がロード位置(位置B)に向かいトラック43に沿って走行している間、ボトムローラ59cが回転し、基板Sを一緒に回転させる。サイドローラ59a、59bは、回転する基板Sとの接触によって受動的に回転する。フラットfがボトムローラ59cに達すると直ぐに(図12(c))、ボトムローラ59cは基板Sを回転させるのに十分なほど基板Sと摩擦接触しなくなる。基板カート45がロード位置(位置B)に達するまでに、基板Sは、フラットfの前縁がボトムローラ59cに近接する位置までボトムローラ59cによって回転されてしまっている。従って、基板搬送機構31の基板ハンドラ33は、この基板ハンドラがフラットfに接触して(基板ハンドラにあるエンドエフェクタの特定構造によっては)基板Sを落としてしまうかもしれないという危険なく、基板Sを把持することができる。その後、ノズル53a、53bが閉じ、基板ハンドラ33が基板Sを把持し、基板搬送機構31が上昇して前方に割送りし、前述したように、基板Sを第1洗浄モジュール15の上方に配置する。基板Sが基板カート45から持ち上げられると直ぐに、基板カート45は搬送位置(位置A)に向かってトラック43に沿って走行を開始することができる。
【0033】
基板Sを方向決めする別の実施形態は、図13(a)および(b)に示されている。この実施形態では、サイドローラ59a、59bがモータ63に連結されており、図13(a)および(b)において番号65で全体的に表されるセンサが、ボトムローラ59cの速度を測定するためにボトムローラ59cに接続されている。センサ65は、ローラ速度に比例するパルス周波数を生成することができる増分エンコーダ(例えば、回転速度を測定する磁気的または光学的タコメータ)とすることができる。
【0034】
動作中、サイドローラ59a、59bが回転すると、基板Sが一緒に回転する。回転する基板Sとボトムローラ59cとの間の摩擦によって、ボトムローラ59cが回転させられる。ボトムローラ59cは制動することができるので、フラットfがボトムローラ59cに達し、ボトムローラ59cがウェーハの縁部との接触を解除すると直ぐに、ボトムローラは回転を止める。これに応じて、センサ65はコントローラCに信号を送る。その後、コントローラCはモータ63に信号を送って、サイドローラ59a、59bの回転を停止させる。その場合、基板は、フラットfの前縁がボトムローラ59cに近接する既知の位置にある。この他に、ローラが基板の滑りを避けるように設計されていれば、コントローラは、適当な時間にわたって既知の速度でローラを回転させることにより、フラットfを他の所望の位置に配置することができる。
【0035】
フラットの検出に加えて、図13(a)および(b)の「オリエンタ」を使用することで、フラットがあってもなくても基板の回転を監視することができる。回転の監視に使用される場合、支持ローラのいずれかをウェーハと共に受動的に回転するように接続することができ、また、支持ローラのいずれかにセンサ65を接続することができる。
【0036】
基板Sを方向決めするため、すなわちその回転を監視するための別の実施形態が図14(a)〜(c)に示されている。この実施形態は、スクラバ内で使用するのに特に適しており、従って、第1スクラバ17内に示されている。透過ビームセンサを構成するビーム投光器71(例えば、光エミッタ)および受光器73(例えば、フォトダイオード)が、スクラバチャンバ75の前面および背面にそれぞれ互いに向き合って設置されている。図14(b)および図14(c)に示すように、投光器71および受光器73は、投光器71から出射したビームが基板Sの表面においてその縁部付近に当たり、フラットfが投光器71および受光器73間の領域になければ出射ビームが受光器73に到達しないようになる高さに配置されている。図12(a)〜図13(b)の実施形態と同様に、投光器71および受光器73はコントローラCに接続されており、投光器71および受光器73から受け取った情報をこのコントローラCが処理する。
【0037】
図12(a)〜図14(c)に示される本発明の方向決め機構は、単一基板を回転させるローラ型システム内のおいてだけでなく、単独で(例えば、基板カート45の外側で)利用することが可能である。例示の縦向きシステムは、メガソニックタンクと、上記で援用したようなスクラバとを含んでいる。ただし、これに限定されるわけではない。同様に、本明細書に記載した本発明のオリエンタ/回転監視装置は、単一基板を複数のエッジローラ、例えばスクラバ(ローラブラシまたは走査ディスクブラシを有する)、スピンリンスドライヤ、エッジクリーナ等によって回転させる任意の縦型または横型システムに等しく適用することができる。
【0038】
図15は、フラット付き基板を回転させるのに特に好適な基板支持体77の概略正面図である。本発明の洗浄システム11は、回転を必要とする任意のモジュール内にこの基板支持体77を含むことができる。しかしながら、基板支持体77は、フラット付きウェーハを回転させる任意の装置内で使用することができ、本明細書に開示されたまたは組み込まれた洗浄装置内の使用に限定されない。
【0039】
本発明の基板支持体77は、四つのローラ79a〜dを備えている。二つのボトムローラ79b、79cは、基板支持体77上に配置された基板Sのフラットfの長さに等しい距離だけ離間している(例えば、各ローラ79bおよび79cは、法線から29〜29.5°のところに配置することができる)。残りの二つのローラ79a、79dは、基板Sの縁部に接触している限り、任意の位置に配置することができる。一つ以上のローラ77a〜dがモータMに連結され、(もし有れば)残りのローラは、基板Sが回転するときに自由に転がるようになる。
【0040】
動作中、モータ駆動ローラが駆動させられ、基板Sが回転を始める。基板Sが回転するとき、四つのローラ79a〜dのうち少なくとも三つは、フラットfの瞬間的位置にかかわらず、基板Sとの接触を維持している。少なくともローラ79aおよび79dが共にモータ駆動であれば、基板Sは回転する。しかしながら、四つのローラ79a〜dの全てがモータ駆動されれば、基板Sはより滑らかに回転し、基板/ローラ間の滑りを完全に避けることができる。従って、円滑で連続的な基板回転がより均一な洗浄を可能にするが、洗浄装置内で使用される流体が基板/ローラ間の滑りを増す傾向を持つことがあるので、それを実現するのがしばしば困難なメガソニック洗浄機(特に、タンク型クリーナ)またはスクラバ内で使用する場合、この構成は特に望ましい。
【0041】
本発明に係る洗浄システムのモジュール性は、多くの構成を可能にする。例示の洗浄システムの構成は、次の通りである。
【0042】
1.メガソニックタンク、スクラバ、スクラバ、スピンリンスドライヤ
2.メガソニックタンク、スクラバ、スピンリンスドライヤ
3.メガソニックタンク、メガソニックタンク、スピンリンスドライヤ
4.メガソニックタンク、スピンリンスドライヤ
5.スクラバ、メガソニックタンク、スクラバ、スピンリンスドライヤ
6.スクラバ、スクラバ、メガソニックタンク、スピンリンスドライヤ
7.スクラバ、メガソニックタンク、スピンリンスドライヤ
8.メガソニックタンク、リンスタンク、スピンリンスドライヤ
9.メガソニックタンク、メガソニックリンスタンク、スピンリンスドライヤ
10.メガソニックタンク、リンス、メガソニック、リンス、スピンリンスドライヤ
11.メガソニックタンク、スクラバ、エッチング槽、リンス、スピンリンスドライヤ
12.メガソニックタンク、メガソニックリンス、エッチング槽、リンス、スピンリンスドライヤ
13.メガソニックリンス、エッチング、リンス、スピンリンスドライヤ
14.エッチング槽、スクラバ、メガソニックタンク、スピンリンスドライヤ
15.エッチング槽、リンス、メガソニックタンク、スピンリンスドライヤ
16.エッチング槽、メガソニックタンク、スピンリンスドライヤ。
【0043】
エッチング槽化学剤の例は希釈弗化水素酸であり、(例えば、スクラバ、メガソニックタンク等において使用するための)洗浄溶液の例はSC1である。
【0044】
また、入力モジュールおよび/または出力モジュールを省略し、基板を最初の洗浄モジュールに直接ロードし、かつ/または最後の洗浄モジュールから直接アンロードしてもよい。縦向きのウェーハを入力モジュール内にロードし、かつ/または出力モジュールから縦向きにアンロードしてもよい(例えば、入力モジュールは、縦向きの基板を受け取ってスプレーや浸漬等により基板の乾燥を防止するチャンバを備えていてもよく、出力モジュールは、縦向きの基板を洗浄機のウェーハハンドラから受け取り、別の基板ハンドラがこの縦向き基板を取り出すことができるようにする位置を含んでいてもよい)。簡単に述べると、洗浄モジュールからのローディングおよびアンローディングの向きを決めることができるものとして、縦方向または横方向のロードおよびアンロードモジュールの組合せを使用することができる。さらに、マランゴニ乾燥を、タンクモジュール内もしくはスピンリンスドライヤ21内で、または別個のマランゴニリンス装置もしくはマランゴニドライヤにおいて使用することができる。本発明の洗浄機でスピンリンスドライヤ21の代わりに使用することができるマランゴニ乾燥モジュールの例は、1999年3月26日出願の米国特許出願第09/280,118号(AMAT No.2894/CMP/RKK)に開示されており、その全開示内容は、本明細書に援用される。
【0045】
上記は本発明の好適な実施形態のみを開示しているが、本発明の範囲内に含まれる上述の装置および方法の種々の変形は、当業者にとって容易に明らかとなるであろう。例えば、各基板ハンドラは、搬送位置とハンドオフ位置との間の垂直距離を個々に割送りすることができるので、基板支持体を様々な高さに配置することが可能であり、また、個々の基板が様々な処理を受けることが可能である(例えば、所定のモジュール内で処理を受けずに、そのモジュールを通過する)。同様に、所定のモジュールが一つ以上の基板支持体を有していてもよい。具体的に述べると、例えば、一つのメガソニックタンク内に二つの基板支持体を有していたり、所望の基板支持体が基板搬送機構による基板載置/引出のために位置決されるように、基板支持体を移動させる別個の機構(例えば、チャンバ壁を介して磁気的に接続される機構)を有していると好適である。これに応じて、メガソニックタンク内の処理は、残りのモジュール内の処理の2倍に長くなることがある。別の態様では、隣接するモジュールの基板支持体間(例えば、入力モジュールの基板支持体とメガソニックタンク内の最初の基板支持体との間や、メガソニックタンク内の2番目の基板支持体とスクラバモジュールの基板支持体との間)で同じ間隔を維持し、メガソニックタンク内の基板支持体にアクセスするウェーハハンドラを、グリッパが水平方向に移動して所望の基板支持体にアクセスするようにモータ駆動してもよい(例えば、メガソニックタンクの二つの基板支持体が距離Nだけ離れていれば、その上方に配置されたグリッパは距離X+Nだけ離間されている)。このような構成のいずれも、任意のモジュール内で使用可能であるから、基板支持体および/またはグリッパは、様々な距離で離間させることができ、依然として一つのモジュールから次のモジュールへの同時ウェーハ搬送を実現することができる。
【0046】
水平から垂直への基板方向決めは本発明の洗浄システム外で行うことができるので、ロードモジュールおよびアンロードモジュールは回転機構を必要としない。同様に、フラット検出は本発明の洗浄システム外で行うことができる。洗浄モジュールの特定の順序および数は変更可能であり、同様に、モジュールの相対的な配置および搬送機構の形状(例えば、円形、矩形等)も変更可能である。最後に、本明細書で使用しているように、半導体基板とは、パターン形成され、またはパターン形成されていない材料層が形成された処理済ウェーハ、および未処理ウェーハの双方を含むものである。
【0047】
本発明による洗浄システムでは、複数のモジュール(メガソニックタンク、スクラバ、ドライヤ、入力/出力モジュールなど)が基板をおおむね縦向きに支持することができる。水平から正確に90°ではない角度で(すなわち、おおよそ垂直に)ディスクを支持することにより、基板は、完全に垂直な位置よりも容易に、かつ繰返し得られる既知の位置にある。正確な角度は変わってもよいが、現在のところ好適なのは法線から−10〜10°の範囲であり、現在最も好ましいのは88.5°である。ウェーハ支持体(例えば、メガソニックタンク、スクラバ、入力/出力ローラ、SRDグリッパフィンガおよび基板ハンドラのポケット式またはクランプ式グリッパ)は、それぞれ88.5°の平面を形成する。この88.5°の平面は、モジュールの各々を傾けることにより実現される。従って、各ウェーハ平面は、モジュールの壁に対して平行である。この他に、支持体を傾斜させてもよい。ウェーハは、好ましくは上方から各モジュール内に降下して、そこでグリッパにより支持される。これらのグリッパも、傾斜平面(例えば、88.5°)を形成する。ウェーハは、垂直(90°)運動で昇降させられるが、ウェーハ自体は搬送中も傾斜している。
【0048】
ウェーハは、洗浄システム全体にわたって同じ角度および同じ方向に傾いていることが好ましい。しかしながら、ウェーハ傾斜の角度および方向は、必要であればモジュール毎に異なっていてもよい。この場合、ウェーハ搬送ロボットは、ウェーハ傾斜の角度および方向を調節するように構成することができる。ある態様では、ウェーハはその裏面側へ傾けられる。というのも、このような方向に傾けることで、ウェーハの前側へ向かう、より良い空気層流(一般に、上方から送られる)が得られるからである。
【0049】
このように、本発明をその好適な実施形態に関連して開示したが、特許請求の範囲に定められるように、他の実施形態も本発明の趣旨および範囲内に入ることがある。
【符号の説明】
【0050】
11…洗浄システム、13…ロードモジュール、15…洗浄モジュール、17、19…スクラバ、21…スピンリンスドライヤ、23…アンロードモジュール、25…基板支持体、27…回転機構、29…アライメントラッチ機構、31…オーバヘッド搬送機構、33…基板ハンドラ、41…インタフェースモジュール、43…トラック、45…基板カート、48…ウェーハハンドラ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の洗浄モジュールであって、各洗浄モジュールが、洗浄プロセスの間、縦向きの半導体基板を支持する基板支持体を有しており、前記基板支持体の各々が前記洗浄モジュールのうち隣接する洗浄モジュールの基板支持体から距離Xだけ離間するように配置されている複数の洗浄モジュールと、
前記複数の洗浄モジュールのうち第1のエンドモジュール付近に配置された入力モジュールであって、前記第1エンドモジュールの基板支持体から距離Xの位置に配置された基板支持体を有する入力モジュールと、
前記複数の洗浄モジュールのうち第2のエンドモジュール付近に配置された出力モジュールであって、前記第2エンドモジュールの基板支持体から距離Xの位置に配置された基板支持体を有する出力モジュールと、
距離Xで離間した複数の基板ハンドラを有する半導体基板搬送機構であって、前記複数の洗浄モジュールの上方ならびに前記入力モジュールおよび前記出力モジュールの上方に位置すると共に、距離Xだけ前後に移動するように連結されており、これにより、前記入力モジュール、前記洗浄モジュールおよび前記出力モジュールのうち隣接するものの間で半導体基板を同時に運搬する半導体基板搬送機構と、を備える自動半導体基板洗浄システム。
【請求項2】
各基板支持体は、ほぼ同じ高さで同じ向きに配置されており、前記複数の基板ハンドラは、水平方向および垂直方向に連結されていて、水平方向に距離X、垂直方向に距離Yだけ割送りすることにより、前記搬送機構が複数の半導体基板を隣接するモジュールの基板支持体間で同時に搬送することができるようになっている、請求項1記載の自動半導体基板洗浄システム。
【請求項3】
前記洗浄モジュールの各々がほぼ同じ寸法を有している、請求項1記載の自動半導体基板洗浄システム。
【請求項4】
前記複数の基板ハンドラは水平方向で固定的に連結されており、各基板ハンドラが自動的に調節可能な垂直長さ部分を有している、請求項1記載の自動半導体基板洗浄システム。
【請求項5】
前記複数の基板ハンドラが前記搬送機構に着脱自在に連結されており、前記入力モジュール、前記洗浄モジュールおよび前記出力モジュールが着脱自在に連結されていて、これにより種々の構成をとることができるようになっている請求項2記載の自動半導体基板洗浄システム。
【請求項6】
前記モジュールのうちの第1のモジュールは、音波洗浄タンクを備えており、前記モジュールのうちの第2のモジュールは、スクラバを備えている、請求項2記載の自動半導体基板洗浄システム。
【請求項7】
前記モジュールのうちの第3のモジュールは、ドライヤを備えている、請求項6記載の自動半導体基板洗浄システム。
【請求項8】
前記モジュールのうちの第3のモジュールは、スピンリンスドライヤを備えている、請求項6記載の自動半導体基板洗浄システム。
【請求項9】
前記入力モジュールは、半導体基板を縦向きに受け取り、この半導体基板を回転させて横向きにする機構を備えている、請求項2記載の自動半導体基板洗浄システム。
【請求項10】
前記出力モジュールは、半導体基板を縦向きに受け取り、この半導体基板を回転させて横向きにする機構を備えている、請求項2記載の自動半導体基板洗浄システム。
【請求項11】
前記複数の洗浄モジュールの第1のモジュールは、音波洗浄タンクを備えており、前記複数の洗浄モジュールの第2のモジュールは、スクラバを備えている、請求項1記載の自動半導体基板洗浄システム。
【請求項12】
前記基板ハンドラは前記搬送機構に着脱自在に連結されており、前記入力モジュール、前記洗浄モジュールおよび前記出力モジュールが着脱自在に連結されていて、これにより種々の構成をとることができる請求項11記載の自動半導体基板洗浄システム。
【請求項13】
前記半導体基板搬送機構に動作的に接続されたコントローラを更に備える請求項2記載の自動半導体基板洗浄システムであって、
前記コントローラは、前記基板ハンドラの一つが前記入力モジュールの基板支持体と動作的に連結し、かつ残りの基板ハンドラの各々が前記洗浄モジュールのなかの一つの洗浄モジュールの基板支持体と動作的に連結するロード/ハンドオフ位置から、前記基板ハンドラが前記入力モジュールの上方および前記洗浄モジュールの上方に位置する搬送位置へ前記搬送機構を移動させ、各基板ハンドラが洗浄モジュールまたは出力モジュールの基板支持体の上方に配置されるように前記搬送機構を距離Xだけ移動させ、前記基板ハンドラの一つが前記出力モジュールの基板支持体と動作的に連結し、かつ残りの基板ハンドラの各々が前記洗浄モジュールのうちの一つの洗浄モジュールの基板支持体と動作的に連結するアンロード/ハンドオフ位置へ前記搬送機構を下降させるプログラムを備えている、請求項2記載の自動半導体基板洗浄システム。
【請求項14】
前記入力モジュールは、半導体基板を横向きで受け取ってこの半導体基板を回転させて縦向きにする回転機構を更に備え、
前記出力モジュールは、半導体基板を縦向きで受け取ってこの半導体基板を回転させて横向きにする回転機構を更に備え、
前記コントローラは、前記入力モジュールの回転機構および前記出力モジュールの回転機構に動作的に接続されており、
前記コントローラプログラムは、前記搬送機構が前記搬送位置にある間に前記入力モジュールおよび前記出力モジュールにおける半導体基板の向きを変えるようにプログラムされている、請求項13記載の自動半導体基板洗浄システム。
【請求項15】
半導体基板洗浄システム内の半導体基板を自動的に洗浄する方法であって、
音波洗浄タンク内で第1の半導体基板を洗浄しながら、スクラバ内で第2の半導体基板を洗浄するステップと、
前記第1半導体基板をオーバヘッド搬送機構により前記スクラバへ自動的に搬送するステップと、
前記第2半導体基板を前記オーバヘッド搬送機構により前記スクラバから自動的に搬送するステップと、を備える方法。
【請求項16】
入力モジュールで半導体基板を横向きに受け取るステップと、
前記半導体基板を回転させて縦向きにするステップと、
この縦向き基板を洗浄のために前記オーバヘッド搬送機構によって前記音波洗浄タンクへ自動的に搬送するステップと、
洗浄の完了後に、半導体基板を縦向きに出力モジュールへ自動的に搬送するステップと、
前記出力モジュール内の前記半導体基板を回転させて横向きにするステップと、を更に備え、
前記入力モジュール内での回転および前記出力モジュール内での回転は、半導体基板が前記洗浄モジュール内で洗浄されている間に行われ、
一つのモジュールから別のモジュールへの半導体基板の搬送が同時に行われる、請求項15記載の方法。
【請求項17】
単一の半導体基板を縦向きに支持する基板支持体を有する前記音波洗浄タンクを用意するステップと、
単一の半導体基板を縦向きに支持する基板支持体を有する前記スクラバを用意するステップと、
前記音波洗浄タンクおよび前記スクラバの基板支持体が所定の距離だけ離間するように前記音波洗浄タンクおよび前記スクラバを連結するステップと、
前記オーバヘッド搬送機構を前記タンクおよび前記スクラバの上方に可動式に連結するステップであって、前記オーバヘッド搬送機構は、前記所定距離だけ離間するように配置された複数の基板ハンドラを備えているステップと、を更に備える請求項15記載の方法。
【請求項18】
洗浄プロセスの間、縦向きの半導体基板を支持する基板支持体を各々が有する複数の洗浄モジュールと、
前記複数の洗浄モジュールのうち第1のエンドモジュール付近に配置された入力モジュールであって、基板支持体を有する入力モジュールと、
前記複数の洗浄モジュールのうち第2のエンドモジュール付近に配置された出力モジュールと、
離間した複数の基板ハンドラを有する半導体基板搬送機構であって、前後に移動するように前記複数の洗浄モジュールの上方ならびに前記入力モジュールおよび前記出力モジュールの上方に可動式に連結され、これにより、前記入力モジュール、前記洗浄モジュールおよび前記出力モジュールのうち隣接するものの間で半導体基板を同時に運搬する半導体基板搬送機構と、を備える自動半導体基板洗浄システム。
【請求項19】
ほぼ垂直のウェーハ平面を形成するウェーハ支持体を有する洗浄モジュールと、ほぼ垂直のウェーハ平面を形成するグリッパを有するウェーハハンドラと、を備え、前記ウェーハハンドラは、ウェーハを前記ウェーハ洗浄モジュールに対して搬入および搬出するようになっている、ウェーハ洗浄システム。
【請求項20】
X方向およびZ方向の双方で位置決めすることの可能なトラックと、
前記トラックに沿って走行するように前記トラックに可動式に連結され、前記トラックに対する角度を調節することができる基板カートと、を備えるインタフェースユニット。
【請求項21】
前記トラックは直線状である、請求項20記載のインタフェースユニット。
【請求項22】
前記基板カートは、縦向きの基板を支持することができる複数のローラを備えとり、前記複数のローラの少なくとも一つが能動的に回転し、前記複数のローラのうちの少なくとも一つが前記基板の回転時に受動的に回転するようになっている、請求項20記載のインタフェースユニット。
【請求項23】
前記基板が前記基板カート内に配置されているときに前記基板の表面の乾燥を防止する流体ノズルを更に備える請求項20記載のインタフェースユニット。
【請求項24】
基板フラット検出装置であって、
回転する基板を支持することができる複数のローラであって、その少なくとも一つが前記回転基板と共に受動的に回転するようになっている複数のローラと、
前記受動ローラに接続され、このローラが回転を停止する時点を検出するセンサと、を備える基板フラット検出装置。
【請求項25】
受動的に回転可能な一対の支持ローラと、基板に設けられたフラットに接触しないように基板を支持するモータ駆動ローラと、を備える基板フラット検出装置。
【請求項26】
載置された基板を回転させる基板支持体と、
前記基板支持体の第1の側に配置されるビーム投光器と、
前記基板支持体の第2の側に配置され、前記ビーム投光器に動作的に接続されたセンサと、を備え、
前記基板が回転するときに、前記基板支持体上に配置されたウェーハのフラット領域が前記ビーム投光器から出射して前記センサにより受光されるビームと交差しないように、かつ前記基板のフラットなし縁部が前記ビームと交差するように、前記ビーム投光器および前記センサが前記基板支持体に対して配置されている基板フラット検出装置。
【請求項27】
回転する基板を支持するように配置された複数のローラであって、その少なくとも一つが前記回転基板と共に受動的に回転する複数のローラと、
前記受動ローラに動作的に接続され、前記受動ローラの回転に関する情報を出力するエンコーダと、を備える基板回転監視装置。
【請求項28】
メガソニックタンクと、
スクラバと、
基板を前記メガソニックタンクおよび前記スクラバ間で搬送する搬送機構と、を備える基板洗浄システム。
【請求項29】
基板を洗浄システム内に導入するステップと、
前記基板をメガソニック洗浄するステップと、
前記基板をスクラブするステップと、
前記基板をメガソニック洗浄とスクラブとの間で自動的に搬送するステップと、を備える基板洗浄方法。
【請求項30】
第1の洗浄装置内において基板をほぼ垂直配置で支持するステップと、
前記第1洗浄装置内で前記基板を洗浄するステップと、
前記基板を第2の洗浄装置に搬送するステップと、
該第2洗浄装置内で前記基板をほぼ垂直配置で支持するステップと、
前記第2洗浄装置内で前記基板を洗浄するステップと、
を備える基板洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−10718(P2010−10718A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−236175(P2009−236175)
【出願日】平成21年10月13日(2009.10.13)
【分割の表示】特願2000−127854(P2000−127854)の分割
【原出願日】平成12年4月27日(2000.4.27)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】