説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】半導体装置を微細化するとともに、ゲート電極と不純物拡散領域とを接続する共通コンタクトにおける電流リークを抑制する。
【解決手段】半導体装置100は、第1のゲート電極108と、第4のソース・ドレイン領域114bと、これらを電気的に接続する共通コンタクト112と、を含む。ゲート長方向の断面において、第1のゲート電極108と第4のソース・ドレイン領域114bとが離間して設けられるとともにこれらの間の半導体基板160表面全面に素子分離絶縁膜102が形成され、第1のゲート電極108と第4のソース・ドレイン領域114bとの間の距離が、ゲート長方向の他の断面における第1のゲート電極108側壁に形成されたサイドウォールの幅と実質的に等しい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲート電極と不純物拡散領域とを接続する共通コンタクトを含む半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インバータ回路等では、MOS(Metal-Oxide-Semiconductor)型電界効果トランジスタ(以下、MOSトランジスタという)のゲート電極と、ソース・ドレイン領域等の不純物拡散領域とを電気的に接続する配線構造が用いられる。
【0003】
特許文献1には、フィールド酸化膜上に形成されたゲート電極とソース・ドレイン領域とを接続した局所配線構造が開示されている。また、特許文献2および特許文献3には、フィールド領域に形成した電極配線を有する半導体装置において、電極配線とソース・ドレインとにまたがるコンタクト窓を開口する際に、コンタクト窓内のフィールド領域の端部を電極配線側面に形成された側壁で覆い、ソース・ドレインおよび電極配線上の層間絶縁膜がエッチングされてもフィールド絶縁膜がエッチングされてシリコン基板が露出しないようにした構成が開示されている。
【0004】
一方、非特許文献1(Fig.2およびFig.7参照)には、共通コンタクトで接続される拡散層とゲート電極において、ゲート電極の下の領域がSTI(shallow Trench Isolation)で構成される構造が開示されている。
【0005】
図9は、SRAMを含む半導体装置70の構造を示す上面図である。
ここでは、SRAM(Static Random Access Memory)の単位セル1の構成を示す。単位セル1は、Nウェルに形成された半導体領域4および半導体領域6、Pウェルに形成された半導体領域30および半導体領域40、ならびにこれらを分離する素子分離絶縁膜2を含む。半導体領域30には、ゲート電極32を含むn型MOSトランジスタおよびゲート電極8を含むn型MOSトランジスタが形成されている。半導体領域40には、ゲート電極42を含むn型MOSトランジスタおよびゲート電極16を含むn型MOSトランジスタが形成されている。半導体領域4には、ゲート電極8を含むp型トランジスタ、およびそのトランジスタのソース・ドレイン領域24aとゲート電極16とを電気的に接続する共通コンタクト22が形成されている。半導体領域6には、ゲート電極16を含むp型トランジスタ、およびそのトランジスタのソース・ドレイン領域14bとゲート電極8とを電気的に接続する共通コンタクト12が形成されている。ここで、ゲート電極8、ゲート電極16、ゲート電極32、およびゲート電極42の周囲には、それぞれ、サイドウォール10、サイドウォール18、サイドウォール34、およびサイドウォール44が形成されている。
【0006】
また、半導体領域30において、ゲート電極32とゲート電極8との間のソース・ドレイン領域にはコンタクト50が形成されており、コンタクト50および共通コンタクト22の上には、これらを電気的に接続する配線56(図中二点破線で示す)が形成されている。半導体領域40において、ゲート電極42とゲート電極16との間のソース・ドレイン領域には、これらを電気的に接続するコンタクト52が形成されており、コンタクト52および共通コンタクト12の上には、これらを電気的に接続する配線54(図中二点破線で示す)が形成されている。なお、図9において、理解を容易にするため、ゲート電極およびサイドウォール下に形成された半導体領域を破線で示す。
【0007】
このような半導体装置70の製造手順を図10を参照して説明する。図10は、図9のC−C’断面図に該当する。
まず、半導体基板60に素子分離絶縁膜2を形成する。つづいて、ウェル注入によりNウェル62を形成し、次いでチャネル注入を行う。その後、Nウェル62表面にゲート絶縁膜72を形成し、半導体基板60上全面にポリシリコン層を形成する。つづいて、ポリシリコン層をゲート形状にエッチングしてゲート電極16およびゲート電極8を形成する。次いで、ゲート電極16およびゲート電極8をマスクとして、イオン注入を行い、ソース・ドレインエクステンション領域15a、15b、69a、および69bを形成する。
【0008】
その後、半導体基板60上全面にサイドウォールとなる絶縁膜を形成し、エッチバックしてサイドウォール18a、18b、10aおよび10bを形成する。つづいて、これらのサイドウォール18a、18b、10aおよび10bをマスクとして、イオン注入を行い、ソース・ドレイン領域14aおよびソース・ドレイン領域14bを形成する。ソース・ドレイン領域14aおよびソース・ドレイン領域14bは、ソース・ドレインエクステンション領域15a、15b、69a、および69bよりも不純物濃度が高く形成される。
【0009】
次いで、半導体基板60上全面にシリサイド膜を形成し、ソース・ドレイン領域14a、ソース・ドレイン領域14b、ゲート電極16、およびゲート電極8表面に選択的にシリサイド層63a、63b、16a、および8aをそれぞれ形成する。その後、半導体基板60上全面に層間絶縁膜66を形成する。これにより、図10(a)に示した構造体が得られる。
【0010】
つづいて、層間絶縁膜66を選択的にエッチング除去し、ソース・ドレイン領域14a上のシリサイド層63aに通じるコンタクトホール82、およびゲート電極8上のシリサイド層8aからソース・ドレイン領域14b上のシリサイド層63bに通じるコンタクトホール80を形成する。
【0011】
ここで、以下の理由により、コンタクトホール80形成時にサイドウォール10aもエッチングされやすいという問題があった。まず、サイドウォール10aが層間絶縁膜66と同系統の材質で形成された場合、層間絶縁膜66とともにサイドウォール10aもエッチングされやすくなる。また、サイドウォール10aが絶縁膜のエッチバックにより形成されるので、サイドウォール10aの外側面が半導体基板60表面に対して垂直ではなく幾分傾斜した形状を有する。そのため、サイドウォール10aを層間絶縁膜66とは異なる材料により構成し、層間絶縁膜66のみを選択的に除去する条件でエッチングを行っても、充分なエッチング選択比が取れず、サイドウォール10aがエッチングされてしまうことがある。この結果、半導体装置70に数万ビットの単位セル1を形成した場合、図10(b)に示したように、サイドウォール10aがエッチング除去されたものも生じてしまう。
【0012】
この後、コンタクトホール82およびコンタクトホール80内を導電性材料で埋め込むことによりコンタクト20および共通コンタクト12が形成される(図10(c))。
【特許文献1】特開平7−115198号公報
【特許文献2】特開昭61−168265号公報
【特許文献3】特開2002−270101号公報
【非特許文献1】F. Arnaud et al., “Low Cost 65nm CMOS Platform for Low Power & General Purpose Applications”, 2004 Symposium on VLSI Technology Digest of Technical Papers, p10-11, (2004)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、コンタクトホール80形成時にサイドウォール10aがエッチング除去された場合、共通コンタクト12がソース・ドレインエクステンション領域69aと接する領域が生じる。ソース・ドレインエクステンション領域69aは、ソース・ドレイン領域14bよりも不純物濃度が低く、また表面にシリサイド層が形成されていない。そのため、共通コンタクト12がソース・ドレインエクステンション領域69aと接する領域で電流リークが発生するという問題があった。とくに、ソース・ドレインエクステンション領域が浅く形成されている場合、このような電流リークが発生しやすい。
【0014】
一方、半導体装置の微細化のため、たとえばSRAMの単位セルあたりのサイズをできるだけ小さくすることが要請される。しかし、従来の半導体装置においては、微細化するとともにゲート電極と不純物拡散領域とを接続するコンタクトにおける電流リークを抑制することができていなかった。
【0015】
これに対して、非特許文献1記載の技術では、ゲート電極のサイドウォールの下にSTIが形成されているため、共通コンタクトがソース・ドレインエクステンション領域と接する領域で電流リークが発生するという問題は生じない。しかし、非特許文献のFig.7に示されているように、共通コンタクト形成領域のSTIが大きく削れ、別の電流リークが発生するという問題点があった。この問題を分りやすく示すため、図11に共通コンタクト部分の概略図を示す。表面にシリサイド層8aが形成されたゲート電極8と、表面にシリサイド層63bが形成されたソース・ドレイン領域14bとが共通コンタクト12により接続されている。ここで、素子分離絶縁膜(STI)2が大きく削れていると、ウェル(半導体領域)62と共通コンタクト12との間で電流リークが生じてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明によれば、
半導体基板上に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極の一側方の前記半導体基板表面に形成された不純物拡散領域と、前記ゲート電極と前記不純物拡散領域とを電気的に接続する共通コンタクトと、を含む半導体装置であって、
前記ゲート電極のゲート長方向の第1の断面において、前記ゲート電極の前記一側方の側壁に形成されたサイドウォールと、前記半導体基板表面に前記ゲート電極に自己整合的に形成されたソース・ドレインエクステンション領域、および前記サイドウォールに自己整合的に形成されるとともに前記ソース・ドレインエクステンション領域よりも不純物濃度が高いソース・ドレイン領域とが形成され、
前記ゲート電極のゲート長方向の第2の断面において、前記ゲート電極と前記不純物拡散領域とが離間して設けられるとともに当該ゲート電極と当該不純物拡散領域との間の前記半導体基板表面全面に素子分離絶縁膜が形成され、当該ゲート電極と当該不純物拡散領域との間の距離が、前記第1の断面における前記サイドウォールの幅と実質的に等しい半導体装置が提供される。
ここで、実質的に等しいとは、半導体装置の製造プロセスにおいて生じる多少のマージンを含む構成とすることができる。
【0017】
また、本発明によれば、
半導体基板上に、一方向に延在して形成されたゲート電極と、
前記半導体基板上の前記ゲート電極の一側方において、当該ゲート電極の側壁に形成され、所定幅を有するサイドウォールと、
前記半導体基板上の前記ゲート電極の前記一側方において、前記ゲート電極に隣接して位置する前記所定幅のソース・ドレインエクステンション形成予定領域と、
を有する半導体装置の製造方法であって、
前記半導体基板に、第1の半導体領域および第2の半導体領域を、前記第1の半導体領域がソース・ドレインエクステンション形成予定領域上に形成されるとともに前記当該第2の半導体領域が前記ソース・ドレインエクステンション形成予定領域上に形成されないように区画する素子分離絶縁膜を形成する工程と、
前記半導体基板上に、前記ゲート電極を、前記第1の半導体領域から前記第2の半導体領域の方向に、前記ソース・ドレインエクステンション形成予定領域に隣接して形成する工程と、
前記ゲート電極をマスクとして前記半導体基板表面に不純物を注入し、前記第1の半導体領域にソース・ドレインエクステンション領域を形成する第1の不純物注入工程と、
前記半導体基板上において、前記ゲート電極の前記一側方の側壁に、前記サイドウォールを形成する工程と、
前記サイドウォールをマスクとして前記半導体基板表面に不純物を注入し、前記第2の半導体領域表面に前記ゲート電極から前記所定幅を隔てて不純物拡散領域を形成する第2の不純物注入工程と、
前記ゲート電極と前記不純物拡散領域との上に、これらを電気的に接続するコンタクトを形成する工程と、
を含む半導体装置の製造方法が提供される。
【0018】
本発明によれば、一部の領域において、ゲート電極側方にサイドウォールおよびその下に自己整合的に形成されたソース・ドレインエクステンション領域(またはLDD:Lightly Doped Drain)が設けられた構成であっても、共通コンタクトが形成された領域においては、ゲート電極側方にソース・ドレインエクステンション領域が設けられない構成とすることができる。これにより、共通コンタクトでゲート電極と不純物拡散領域とを電気的に接続するためのコンタクトホール形成時に、コンタクトホール内でサイドウォールが除去されてしまっても、共通コンタクトが半導体基板表面の不純物濃度が低い領域と接することがないようにすることができる。以上から、ゲート電極と不純物拡散領域とを接続する共通コンタクトにおける電流リークを抑制することができる。
【0019】
一般的に、MOSトランジスタのソース・ドレインエクステンション領域等の不純物拡散領域は、半導体基板全面にイオン注入を行うことにより形成される。そのため、ソース・ドレインエクステンション領域を含むMOSトランジスタのゲート電極側方の半導体領域には所定幅のソース・ドレインエクステンション領域が形成されることになる。ゲート電極と不純物拡散領域とを接続する共通コンタクト構造において、ゲートと不純物拡散領域との距離を短くすることにより、微細化が可能となる。しかし、MOSトランジスタのゲート電極としても用いられるゲート電極の一部を共通コンタクトとの接続箇所として用いる場合、ゲート電極と半導体領域との距離を短くしすぎると、共通コンタクトとの接続箇所においてもゲート電極側方にソース・ドレインエクステンション領域が形成されてしまう。この場合、コンタクトホール形成時に、サイドウォールがエッチング除去されてしまうと、上述したような電流リークの問題が生じる。本発明の半導体装置およびその製造方法において、ゲート電極と不純物拡散領域との距離を、サイドウォール幅と実質的に等しくするとともに、ゲート電極と不純物拡散領域と間の領域で、コンタクト下には素子分離絶縁膜が形成される構成としている。そのため、電流リークの問題が生じないようにするとともに、半導体装置の微細化を実現することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、半導体装置を微細化するとともに、ゲート電極と不純物拡散領域とを接続する共通コンタクトにおける電流リークを抑制する技術が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0022】
図8は、本実施の形態における半導体装置100の構成を説明する模式図である。
図8(a)は半導体基板の上面模式図、図8(b)は、図8(a)の上面模式図に、第1の断面および第2の断面における断面構造を模式的に示した図である。
【0023】
図8(a)および図8(b)に示すように、一つのゲート電極は、一部の領域においてソース・ドレインエクステンション領域が形成されたトランジスタのゲート、他の領域において、他のトランジスタの不純物拡散領域と接続するための共通コンタクトとの接続箇所となる。このような場合、ゲート電極の側方には、半導体領域が露出していれば、ソース・ドレインエクステンション領域が形成される、ソース・ドレインエクステンション形成予定領域が位置する。ここでは、ゲート電極の側壁に形成されるサイドウォールの下方領域をソース・ドレインエクステンション形成予定領域とする。イオン注入時に、ソース・ドレインエクステンション形成予定領域において半導体領域が露出していれば、ソース・ドレインエクステンション領域が形成される。
【0024】
本実施の形態において、共通コンタクト形成箇所では、ソース・ドレインエクステンション形成予定領域全面に素子分離絶縁膜が形成される。そのため、共通コンタクト形成箇所において、ソース・ドレインエクステンション形成予定領域にソース・ドレインエクステンション領域が形成されることがない。これにより、共通コンタクト形成箇所において、ソース・ドレインエクステンション形成予定領域上のサイドウォールが除去されてしまっても、共通コンタクトがソース・ドレインエクステンション領域と接続されることがなくなる。以上から、不純物拡散領域(ソース・ドレイン領域)とゲート電極とを共通コンタクトで接続する際の電流リークを抑制することができる。
【0025】
また、本実施の形態における半導体装置は、半導体基板上に2つのゲート電極が略平行に設けられた構成とすることができる。2つのゲート電極の内側の側方にはそれぞれソース・ドレインエクステンション形成予定領域が位置する。第1の断面において、一方のゲート電極はトランジスタのゲート電極として機能し、他方のゲート電極はそのトランジスタのソース・ドレイン拡散領域と接続するための共通コンタクトとの接続箇所となる。第2の断面において、他方のゲート電極はトランジスタのゲート電極として機能し、一方のゲート電極はそのトランジスタのソース・ドレイン拡散領域と接続するための共通コンタクトとの接続箇所となる。第2の断面において、他方のトランジスタの側方のソース・ドレインエクステンション形成予定領域上には他のサイドウォールが形成される。第1の断面において、他のゲート電極とソース・ドレイン領域とが離間して設けられるとともに当該他のゲート電極と当該ソース・ドレイン領域との間の半導体基板表面全面に素子分離絶縁膜が形成され、当該他のゲート電極と当該ソース・ドレイン領域との間の距離が、第2の断面における他のサイドウォールの幅と実質的に等しい。このような構成とすることにより、一方のトランジスタのソース・ドレイン領域が他方のトランジスタのゲート電極と接続されるとともに、一方のトランジスタのゲート電極が他方のトランジスタのソース・ドレイン領域と接続された構成においても、各共通コンタクトにおける電流リークを抑制することができる。
【0026】
また、本発明の実施の形態において、半導体装置は、所定の領域内に、ゲート電極と、共通コンタクトと、およびソース・ドレインエクステンション領域と、の組合せを複数含むことができ、所定の領域内に含まれるすべての共通コンタクトがソース・ドレインエクステンション領域と接しない構成とすることができる。ここで、所定の領域とは、たとえばSRAMの単位セルとすることができる。
【0027】
図1は、本実施の形態における半導体装置100の構成を示す上面図である。半導体装置100は、SRAMを含む。ここでは、単位セル101の構成を示す。
【0028】
単位セル101は、Nウェルに形成された第1の半導体領域104および第2の半導体領域106、Pウェルに形成された第3の半導体領域130および第4の半導体領域140、ならびにこれらを分離する素子分離絶縁膜102を含む。第3の半導体領域130には、第3のゲート電極132を含むn型MOSトランジスタTr1および第1のゲート電極108を含むn型MOSトランジスタTr2が形成されている。第4の半導体領域140には、第4のゲート電極142を含むn型MOSトランジスタTr3および第2のゲート電極116を含むn型MOSトランジスタTr4が形成されている。
【0029】
第1の半導体領域104には、第1のゲート電極108を含むp型トランジスタTr5、およびp型トランジスタTr5の第1のソース・ドレイン領域124aと第2のゲート電極116とを電気的に接続する共通コンタクト122が形成されている。第2の半導体領域106には、第2のゲート電極116を含むp型トランジスタTr6、およびp型トランジスタTr6の第4のソース・ドレイン領域114bと第1のゲート電極108とを電気的に接続する共通コンタクト112が形成されている。ここで、第1のゲート電極108、第2のゲート電極116、第3のゲート電極132、および第4のゲート電極142の周囲には、それぞれ、サイドウォール110、サイドウォール118、サイドウォール134、およびサイドウォール144が形成されている。
【0030】
また、第3の半導体領域130において、第3のゲート電極132と第1のゲート電極108との間のソース・ドレイン領域にはコンタクト150bが形成されており、コンタクト150bおよび共通コンタクト122の上には、これらを電気的に接続する配線156(図中二点破線で示す)が形成されている。第4の半導体領域140において、第4のゲート電極142と第2のゲート電極116との間のソース・ドレイン領域には、これらを電気的に接続するコンタクト152bが形成されており、コンタクト152bおよび共通コンタクト112の上には、これらを電気的に接続する配線154(図中二点破線で示す)が形成されている。さらに、第3の半導体領域130にはコンタクト150aおよびコンタクト150cが、第4の半導体領域140にはコンタクト152aおよびコンタクト152cがそれぞれ設けられる。また、第3のゲート電極132上にはコンタクト136が、第4のゲート電極142上にはコンタクト146が設けられる。なお、図1において、理解を容易にするため、ゲート電極、サイドウォール下、および共通コンタクト下に形成された半導体領域を破線で示す。
【0031】
本実施の形態における半導体装置100において、第1の半導体領域104および第2の半導体領域106のレイアウトが、図9を参照して説明した従来の半導体装置70における半導体領域4および半導体領域6と異なるが、それ以外のレイアウトは、同様である。
【0032】
本実施の形態において、p型トランジスタTr5およびp型トランジスタTr6は、それぞれ、ゲート電極が他方のソース・ドレイン領域と電気的に接続された構成となっている。すなわち、第1のゲート電極108は、第1の半導体領域104においてp型トランジスタTr5のゲート電極として機能するとともに、第2の半導体領域106を含むゲート長方向の断面において、共通コンタクト112によりp型トランジスタTr6の第4のソース・ドレイン領域114bと接続される。同様に、第2のゲート電極116は、第2の半導体領域106においてp型トランジスタTr6のゲート電極として機能するとともに、第1の半導体領域104を含むゲート長方向の断面において、共通コンタクト122によりp型トランジスタTr5の第1のソース・ドレイン領域124aと接続される。第2の半導体領域106におけるゲート長方向の断面(A−A’断面、第2の断面)と、第1の半導体領域104におけるゲート長方向の断面(B−B’断面、第1の断面)とは、略対称な構成を有する。
【0033】
図2は、図1のA−A’断面図である。
半導体装置100は、半導体基板160と、その上に形成されたNウェル162と、Nウェル162に形成され、第2の半導体領域106を区画する素子分離絶縁膜102とを含む。Nウェル162上にはp型トランジスタTr6が、素子分離絶縁膜102上には上部にシリサイド層108aが形成された第1のゲート電極108がそれぞれ配置されている。p型トランジスタTr6は、ゲート絶縁膜172、上部にシリサイド層116aが形成された第2のゲート電極116、第2のゲート電極116の側方に形成されたサイドウォール118aおよびサイドウォール118b(サイドウォール118)、サイドウォール118aおよびサイドウォール118b下にそれぞれ形成されたソース・ドレインエクステンション領域115aおよびソース・ドレインエクステンション領域115b、その両側方に形成された第3のソース・ドレイン領域114aおよび第4のソース・ドレイン領域114bにより構成される。第3のソース・ドレイン領域114aおよび第4のソース・ドレイン領域114bの上部にはシリサイド層163aおよびシリサイド層163bがそれぞれ形成されている。また、第1のゲート電極108の側方には、第2のサイドウォール110b(サイドウォール110)が設けられている。
【0034】
また、半導体装置100は、p型トランジスタTr6および第1のゲート電極108上に形成されたエッチング阻止絶縁膜164、その上に形成された層間絶縁膜166およびその上に形成された層間絶縁膜168を含む。層間絶縁膜166およびエッチング阻止絶縁膜164には、シリサイド層163bからシリサイド層108aにわたる領域を開口するコンタクトホールが形成され、そのコンタクトホール内に共通コンタクト112が形成されている。また、層間絶縁膜166およびエッチング阻止絶縁膜164には、p型トランジスタTr6のシリサイド層163aに接続されるコンタクト120が形成されている。コンタクト120および共通コンタクト112は、それぞれ、層間絶縁膜168に形成された配線155および配線154に接続される。
【0035】
図3は、図1のB−B’断面図である。
ここで、素子分離絶縁膜102により第1の半導体領域104として区画されたNウェル162上には、p型トランジスタTr5が、素子分離絶縁膜102上には第2のゲート電極116が配置されている。p型トランジスタTr5は、ゲート絶縁膜173、上部にシリサイド層108aが形成された第1のゲート電極108、第1のゲート電極108の側方に形成された第1のサイドウォール110aおよび第2のサイドウォール110b、第1のサイドウォール110aおよび第2のサイドウォール110b下にそれぞれ形成されたソース・ドレインエクステンション領域169aおよびソース・ドレインエクステンション領域169b、その両側方に形成された第1のソース・ドレイン領域124aおよび第2のソース・ドレイン領域124bにより構成される。第1のソース・ドレイン領域124aおよび第2のソース・ドレイン領域124bの上部にはシリサイド層165aおよびシリサイド層165bがそれぞれ形成されている。また、第2のゲート電極116の側方には、サイドウォール118aが設けられている。
【0036】
層間絶縁膜166およびエッチング阻止絶縁膜164には、シリサイド層165aからシリサイド層116aにわたる領域を開口するコンタクトホールが形成され、そのコンタクトホール内に共通コンタクト122が形成されている。また、層間絶縁膜166およびエッチング阻止絶縁膜164には、p型トランジスタTr5のシリサイド層165bに接続されるコンタクト126が形成されている。共通コンタクト122およびコンタクト126は、それぞれ、層間絶縁膜168に形成された配線156および配線157に接続される。
【0037】
図2に示した第1のゲート電極108と第4のソース・ドレイン領域114bとの間の距離dは、図3に示した第1のサイドウォール110aの幅d’と実質的に等しく形成される。また、図2に示すように、第1のゲート電極108と第4のソース・ドレイン領域114bとの間の領域には、素子分離絶縁膜102が形成されている。
【0038】
同様に、図3に示した第2のゲート電極116と第1のソース・ドレイン領域124aとの間の距離も、図2に示したサイドウォール118bの幅と実質的に等しく形成される。
【0039】
次に、図4から図6を参照して、本実施の形態における半導体装置100の製造工程を説明する。ここでは、図2と同様、図1のA−A’断面図を用いて説明する。上述したように、図1に示した半導体装置100のA−A’断面とB−B’断面とは、略対称な構成を有するため、以下の製造工程において、p型トランジスタTr5は、p型トランジスタTr6と同様の構成を有する。
【0040】
まず、たとえばシリコン基板である半導体基板160に素子分離絶縁膜102を形成する。素子分離絶縁膜102は、STI(Shallow Trench Isolation)とすることができる。素子分離絶縁膜102は、半導体基板160に凹部(不図示)を形成し、半導体基板160全面にたとえばシリコン酸化膜等の絶縁膜を形成した後、CMP(Chemical Mechanical Polish)により、凹部の外部に露出した絶縁膜を除去することにより形成することができる。このとき、素子分離絶縁膜102は、後の工程で第1のゲート電極108を形成するゲート電極形成領域と、第2の半導体領域106との間のソース・ドレインエクステンション形成予定領域の幅が第1のゲート電極108の側壁に形成される第1のサイドウォール110aの幅と実質的に等しくなるように第2の半導体領域106を区画するように形成される。
【0041】
つづいて、ウェル注入によりNウェル162を形成し、次いでチャネル注入を行いチャネル領域170を形成する。その後、Nウェル162表面にゲート絶縁膜172を形成する(図4(a))。つづいて、半導体基板160上全面にポリシリコン層174を形成する(図4(b))。次いで、ポリシリコン層174をゲート形状にエッチングして第2のゲート電極116および第1のゲート電極108を形成する(図4(c))。
【0042】
その後、第2のゲート電極116および第1のゲート電極108をマスクとして、イオン注入を行い、Nウェル162表面にソース・ドレインエクステンション領域115aおよびソース・ドレインエクステンション領域115bを形成する(図5(d))。このとき、図3に示したB−B’断面において、第1のゲート電極108の両側方にもソース・ドレインエクステンション領域169aおよびソース・ドレインエクステンション領域169bが自己整合的に形成される。しかし、図5(d)のA−A’断面においては、第2の半導体領域106と第1のゲート電極108との間には、素子分離絶縁膜102が形成されている。また、第1のゲート電極108が素子分離絶縁膜102上に形成されているため、A−A’断面を含む領域では第1のゲート電極108の両側方には不純物が注入されない。
【0043】
つづいて、半導体基板160上全面にサイドウォールとなる絶縁膜176を形成する(図5(e))。絶縁膜176は、たとえばシリコン酸化膜やシリコン窒化膜により構成することができる。次いで、絶縁膜176をエッチバックして、第2のゲート電極116の両側壁にサイドウォール118aおよびサイドウォール118bを、第1のゲート電極108の両側壁に第1のサイドウォール110aおよび第2のサイドウォール110bをそれぞれ形成する(図5(f))。本実施の形態において、上述したように、第1のゲート電極108と第2の半導体領域106との間隔が第1のサイドウォール110aの幅と実質的に等しくなるように素子分離絶縁膜102が形成される。図5(f)における断面において、第1のサイドウォール110aの下方には素子分離絶縁膜102が形成されている。
【0044】
その後、サイドウォール118a、サイドウォール118b、および第1のサイドウォール110aをマスクとして、イオン注入を行い、第3のソース・ドレイン領域114aおよび第4のソース・ドレイン領域114bを形成する(図5(g))。これにより、第2の半導体領域106において、素子分離絶縁膜102と隣接する領域に、ソース・ドレインエクステンション領域169a等のソース・ドレインエクステンション領域よりも不純物濃度が高い第4のソース・ドレイン領域114bが形成される。このとき、図3に示したB−B’断面において、第1のサイドウォール110aおよび第2のサイドウォール110bをマスクとして、第1のソース・ドレイン領域124aおよび第2のソース・ドレイン領域124bが形成される。なお、第2の半導体領域106の第4のソース・ドレイン領域114bと第1の半導体領域104の第1のソース・ドレイン領域124aとは、図5(d)に示したイオン注入および図5(g)に示したイオン注入により、同時に形成されるため、深さ方向全体にわたって、ゲート長方向において同一の不純物濃度プロファイルを有する。
【0045】
つづいて、半導体基板160上全面にシリサイド膜を形成し、第3のソース・ドレイン領域114a、第4のソース・ドレイン領域114b、第2のゲート電極116、および第1のゲート電極108上に選択的にシリサイド層163a、163b、116a、および108aをそれぞれ形成する(図6(h))。このようなシリサイド層を設けることにより、半導体装置100の電気抵抗を低下することができる。また、共通コンタクト112における電流リークが生じないようにすることもできる。
【0046】
次いで、半導体基板160上全面にエッチング阻止絶縁膜164を形成する。エッチング阻止絶縁膜164は、素子分離絶縁膜102や層間絶縁膜166とは異なる材料により構成することができる。これにより、後の工程で、第4のソース・ドレイン領域114bから第1のゲート電極108に至る領域にコンタクトホールを形成する際に、素子分離絶縁膜102がエッチングされるのを防ぐようにすることができる。その後、エッチング阻止絶縁膜164上に層間絶縁膜166を形成する(図6(i))。層間絶縁膜166は、たとえばシリコン酸化膜により構成することができる。
【0047】
つづいて、層間絶縁膜166を選択的にエッチング除去し、第3のソース・ドレイン領域114a上のシリサイド層163aに通じるコンタクトホール182、および第4のソース・ドレイン領域114b上のシリサイド層163bから第1のゲート電極108上のシリサイド層108aに至る領域を開口するコンタクトホール180を形成する(図6(j))。コンタクトホール180の形成手順は後述する。
【0048】
この後、コンタクトホール182およびコンタクトホール180内を導電性材料で埋め込むことによりコンタクト120および共通コンタクト112が形成される(図6(k))。つづいて、層間絶縁膜166上に層間絶縁膜168を形成し、所定形状にエッチングして層間絶縁膜168に配線溝を形成し、配線溝を配線材料で埋め込むことにより、コンタクト120および共通コンタクト112にそれぞれ接続する配線155および配線154を形成する。これにより、図2に示した構成の半導体装置100が得られる。
【0049】
図6(j)を参照して説明したコンタクトホール180は、以下のように形成される。まず、所定形状にパターニングされたレジスト膜を用い、層間絶縁膜166を選択的にドライエッチングする。この際、層間絶縁膜166の下方には全面にエッチング阻止絶縁膜164が形成されている。そのため、エッチング阻止絶縁膜164に対するエッチング選択比が高い条件で層間絶縁膜166をエッチングすると、エッチング阻止絶縁膜164によりエッチングが阻止される。つづいて、今度は第1のサイドウォール110aや素子分離絶縁膜102に対するエッチング選択比が高い条件でエッチング阻止絶縁膜164を選択的に除去することにより、第1のゲート電極108側壁に第1のサイドウォール110aが形成された状態で、コンタクトホールを形成することができる。図7(a)は、第1のゲート電極108の側壁に形成された第1のサイドウォール110aがコンタクトホール180形成時にエッチング除去されなかった単位セル101の構成を示す。
【0050】
しかし、第1のサイドウォール110a上においては、上述したように第1のサイドウォール110aが半導体装置100表面に対して垂直ではなく幾分傾斜した形状を有するため、層間絶縁膜166をエッチングする際に、第1のサイドウォール110a上に形成されたエッチング阻止絶縁膜164がエッチングされてしまうことがある。この場合、第1のサイドウォール110aも同時にエッチングされてしまうことがある。その結果、半導体装置100が数万ビットの単位セル101を含む場合、図6(j)に示すように、第1のサイドウォール110aが完全に除去された構成や第1のサイドウォール110aの一部が除去され、第1のゲート電極108と第4のソース・ドレイン領域114bとの間において、共通コンタクト112と素子分離絶縁膜102とが直接接する領域を有する単位セル101も得られてしまう(図7(b))。
【0051】
本実施の形態においては、A−A’断面を含む領域において、第1のサイドウォール110aの下方のソース・ドレインエクステンション形成予定領域に素子分離絶縁膜102が形成されており、素子分離絶縁膜102が第4のソース・ドレイン領域114bおよびその上に形成されたシリサイド層163bと接して設けられている。そのため、コンタクトホール180形成時に第1のサイドウォール110aが除去されても、共通コンタクト112が不純物濃度の低いソース・ドレインエクステンション領域と接することがないため、電流リークを防ぐことができる。
【0052】
本実施の形態における半導体装置100によれば、電流リークの問題が生じないようにするとともに、A−A’断面を含む領域において、第4のソース・ドレイン領域114bと第1のゲート電極108との間隔を、第1のサイドウォール110a幅と等しくするとともに、この領域の半導体基板160表面に素子分離絶縁膜が形成されるようにしている。そのため、半導体装置100の微細化を実現することができる。
【0053】
また、図1に示した本実施の形態における半導体装置100と図9に示した半導体装置70とを比較すると明らかなように、素子分離絶縁膜102による第2の半導体領域106および第1の半導体領域104の区画レイアウトを変更するだけで、他の素子のレイアウトを変えることなく、上記の電流リークの問題を解決することができる。また、第1の半導体領域104および第2の半導体領域106を素子分離絶縁膜102により区画し、共通コンタクト形成箇所において、第1のゲート電極108や第2のゲート電極116が素子分離絶縁膜102上に配置されるようにすることにより、重ね合わせずれが生じた場合であっても、共通コンタクトと半導体基板160表面の不純物濃度の低い領域とが直接接することがないようにすることができる。
【0054】
本発明と非特許文献1に記載された構成を比較すると、非特許文献1に記載された構成では、共通コンタクトが形成される領域において、サイドウォールで被覆されていない素子分離絶縁膜が存在する。そのため、層間絶縁膜をエッチングする際に素子分離領域がエッチングされやすく、図11に示したように、素子分離絶縁膜(STI)2が大きく削れた形状になりやすい。以上の実施の形態で説明したエッチング阻止絶縁膜164を用いない場合は、この問題がさらに顕著に生じ、リーク電流の原因となる。これに対し本発明では、共通コンタクト領域における素子分離絶縁膜の削れ量を少なく抑えることができる。
【0055】
さらに本発明では、非特許文献1に記載のSRAMセルに比べ、セル面積の縮小が可能である。非特許文献1のFig.7のSEM写真の縮尺を基に、図11のサイドウォール10bの端部からソース・ドレイン領域14bに突き出している素子分離絶縁膜(STI)2の長さDを計測すると、D=約35nmと見積もることができる。
図12は、非特許文献1のFig.2に対応する図である。本発明によれば、共通コンタクトで接続されるゲート電極と不純物拡散領域との間の距離が、サイドウォールの幅と実質的に等しいため、図12に示した非特許文献1のレイアウトにおいては、SRAM単位セルの共通コンタクト長手方向の長さを、35nm×2=70nmほど短くすることができる。SRAM単位セルの縮小面積は、1μm×(0.035×2)μm=0.07μmとなる。本発明を適用しない場合のSRAM単位セル面積は、0.5μmであるから、比率にして約14%に縮小される。本発明はセル面積の縮小、即ち半導体装置の微細化にも有効である。
【0056】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0057】
以上の実施の形態において、素子分離絶縁膜102がSTIである場合を例として説明したが、素子分離絶縁膜102は、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)とすることもできる。また、素子分離絶縁膜102をSTIとした場合、半導体基板160に凹部を形成し、凹部側壁にたとえば第1の絶縁膜を形成した後、第1の絶縁膜と異なる第2の絶縁膜で凹部を埋め込むことにより、素子分離絶縁膜102を形成することもできる。この場合、たとえば第1の絶縁膜をシリコン窒化膜とし、第2の絶縁膜をシリコン酸化膜とすることができる。素子分離絶縁膜102の側壁にこのような第1の絶縁膜を設けることにより、素子分離絶縁膜102の端部がエッチングされないように制御することができる。
【0058】
以上の実施の形態において、SRAMを例として説明したが、本発明は、SRAM以外のフリップフロップ構造等、ゲート電極と不純物拡散領域とを接続する共通コンタクトを含む種々の半導体装置に適用することができる。
【0059】
また、以上の実施の形態において、Nウェルにp型トランジスタおよび共通コンタクトを形成する例を示したが、Pウェルにn型トランジスタおよび共通コンタクトを形成する場合も、同様に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施の形態における半導体装置の構成を示す上面図である。
【図2】図1のA−A’断面図である。
【図3】図1のB−B’断面図である。
【図4】本発明の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図5】本発明の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図6】本発明の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図7】本発明の実施の形態における半導体装置の構成を示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態における半導体装置の構成を説明する模式図である。
【図9】従来の半導体装置の構成を示す上面図である。
【図10】従来の半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図11】従来の半導体装置の構成を示す断面図である。
【図12】従来の半導体装置の構成を示す上面図である。
【符号の説明】
【0061】
100 半導体装置
101 単位セル
102 素子分離絶縁膜
104 第1の半導体領域
106 第2の半導体領域
108 第1のゲート電極
108a シリサイド層
110 サイドウォール
110a 第1のサイドウォール
110b 第2のサイドウォール
112 共通コンタクト
114a 第3のソース・ドレイン領域
114b 第4のソース・ドレイン領域
115a ソース・ドレインエクステンション領域
115b ソース・ドレインエクステンション領域
116 第2のゲート電極
116a シリサイド層
118 サイドウォール
120、126、136、146、150a、150b、150c、152a、152b、152c コンタクト
122 第2の共通コンタクト
124a 第1のソース・ドレイン領域
124b 第2のソース・ドレイン領域
130 第3の半導体領域
132 第3のゲート電極
134、144 サイドウォール
140 第4の半導体領域
142 第4のゲート電極
154、156 配線
160 半導体基板
162 Nウェル
163a、163b シリサイド層
164 エッチング阻止絶縁膜
166、168 層間絶縁膜
170 チャネル領域
172 ゲート絶縁膜
174 ポリシリコン層
176 絶縁膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極の一側方の前記半導体基板表面に形成された不純物拡散領域と、前記ゲート電極と前記不純物拡散領域とを電気的に接続する共通コンタクトと、を含む半導体装置であって、
前記ゲート電極のゲート長方向の第1の断面において、前記ゲート電極の前記一側方の側壁に形成されたサイドウォールと、前記半導体基板表面に前記ゲート電極に自己整合的に形成されたソース・ドレインエクステンション領域、および前記サイドウォールに自己整合的に形成されるとともに前記ソース・ドレインエクステンション領域よりも不純物濃度が高いソース・ドレイン領域とが形成され、
前記ゲート電極のゲート長方向の第2の断面において、前記ゲート電極と前記不純物拡散領域とが離間して設けられるとともに当該ゲート電極と当該不純物拡散領域との間の前記半導体基板表面全面に素子分離絶縁膜が形成され、当該ゲート電極と当該不純物拡散領域との間の距離が、前記第1の断面における前記サイドウォールの幅と実質的に等しい半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記第2の断面における前記不純物拡散領域は、前記第1の断面における前記ソース・ドレイン領域と同一の不純物濃度プロファイルを有する半導体装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の半導体装置において、
前記第2の断面において、前記不純物拡散領域は、その表面に形成されたシリサイド層を含み、前記共通コンタクトは前記シリサイド層と接する半導体装置。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれかに記載の半導体装置において、
少なくとも前記第2の断面において、前記不純物拡散領域および前記ゲート電極を覆うように形成され、前記素子分離絶縁膜を構成する材料と異なる材料により構成されたエッチング阻止絶縁膜と、
前記エッチング阻止絶縁膜上に形成され、前記エッチング阻止絶縁膜を構成する材料と異なる材料により構成された層間絶縁膜と、
をさらに含み、
前記共通コンタクトは、前記不純物拡散領域および前記ゲート電極上において、前記層間絶縁膜および前記エッチング阻止絶縁膜に形成されたコンタクトホールに埋め込まれた導電性材料により構成された半導体装置。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれかに記載の半導体装置において、
前記第2の断面において、前記ゲート電極と前記不純物拡散領域との間で、前記共通コンタクトと前記素子分離絶縁膜とが直接接している半導体装置。
【請求項6】
請求項1乃至5いずれかに記載の半導体装置において、
前記第2の断面において、前記素子分離絶縁膜は、前記ゲート電極下部を含む領域に延在して形成され、前記ゲート電極は、前記素子分離絶縁膜上に形成された半導体装置。
【請求項7】
請求項1乃至6いずれかに記載の半導体装置において、
前記半導体基板上の前記ゲート電極の前記一側方側に、当該ゲート電極と略平行に前記第1の断面を含む領域から前記第2の断面を含む領域にわたって形成された他のゲート電極と、前記第1の断面において、前記他のゲート電極と前記ソース・ドレイン領域とを電気的に接続する他の共通コンタクトと、をさらに含み、
前記第2の断面において、前記他のゲート電極の前記ゲート電極と対向する一側方の側壁に形成された他のサイドウォールと、前記半導体基板表面に前記他のゲート電極に自己整合的に形成された他のソース・ドレインエクステンション領域とが形成され、前記不純物拡散領域は、前記他のソース・ドレインエクステンション領域に接するとともに、前記他のサイドウォールに自己整合的に形成され、
前記第1の断面において、前記他のゲート電極と前記ソース・ドレイン領域とが離間して設けられるとともに当該他のゲート電極と当該ソース・ドレイン領域との間の前記半導体基板表面全面に素子分離絶縁膜が形成され、当該他のゲート電極と当該ソース・ドレイン領域との間の距離が、前記第2の断面における前記他のサイドウォールの幅と実質的に等しい半導体装置。
【請求項8】
請求項1乃至7いずれかに記載の半導体装置において、
所定の領域内に、前記ゲート電極と、前記共通コンタクトと、および前記ソース・ドレインエクステンション領域と、の組合せを複数含み、
前記所定の領域内に含まれるすべての前記共通コンタクトが前記ソース・ドレインエクステンション領域と接しない構成とされた半導体装置。
【請求項9】
半導体基板上に、一方向に延在して形成されたゲート電極と、
前記半導体基板上の前記ゲート電極の一側方において、当該ゲート電極の側壁に形成され、所定幅を有するサイドウォールと、
前記半導体基板上の前記ゲート電極の前記一側方において、前記ゲート電極に隣接して位置する前記所定幅のソース・ドレインエクステンション形成予定領域と、
を有する半導体装置の製造方法であって、
前記半導体基板に、第1の半導体領域および第2の半導体領域を、前記第1の半導体領域が前記ソース・ドレインエクステンション形成予定領域上に形成されるとともに前記第2の半導体領域が前記ソース・ドレインエクステンション形成予定領域上に形成されないように区画する素子分離絶縁膜を形成する工程と、
前記半導体基板上に、前記ゲート電極を、前記第1の半導体領域から前記第2の半導体領域の方向に、前記ソース・ドレインエクステンション形成予定領域に隣接して形成する工程と、
前記ゲート電極をマスクとして前記半導体基板表面に不純物を注入し、前記第1の半導体領域にソース・ドレインエクステンション領域を形成する第1の不純物注入工程と、
前記半導体基板上において、前記ゲート電極の前記一側方の側壁に、前記サイドウォールを形成する工程と、
前記サイドウォールをマスクとして前記半導体基板表面に不純物を注入し、前記第2の半導体領域表面に前記ゲート電極から前記所定幅を隔てて不純物拡散領域を形成する第2の不純物注入工程と、
前記ゲート電極と前記不純物拡散領域との上に、これらを電気的に接続するコンタクトを形成する工程と、
を含む半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2の不純物注入工程の後に、前記第2の半導体領域表面に選択的にシリサイド層を形成する工程をさらに含み、
前記コンタクトを形成する工程において、前記シリサイド層上に前記コンタクトを形成する半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項9または10に記載の半導体装置の製造方法において、
前記コンタクトを形成する工程の前に、前記半導体基板上の全面に層間絶縁膜を形成する工程をさらに含み、
前記コンタクトを形成する工程は、
前記層間絶縁膜に、前記ゲート電極から前記不純物拡散領域にわたる領域を開口するコンタクトホールを形成する工程と、
前記コンタクトホール内を導電性材料で埋め込む工程と、
を含む半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項11に記載の半導体装置の製造方法において、
前記層間絶縁膜を形成する工程の前に、前記半導体基板上の全面に、前記素子分離絶縁膜とは異なる材料により構成されたエッチング阻止絶縁膜を形成する工程をさらに含み、
前記コンタクトホールを形成する工程において、前記層間絶縁膜および前記エッチング阻止絶縁膜に、前記コンタクトホールを形成する半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−67371(P2007−67371A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−159567(P2006−159567)
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】