説明

半導体装置および半導体装置の製造方法

【課題】歩留まりに優れた構造を有する半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置は、基板と、基板上に形成されており、配線および絶縁層により構成された配線層が複数積層された多層配線層と、平面視において、基板内の記憶回路領域に形成されており、多層配線層内に埋め込まれた少なくとも1以上の容量素子および周辺回路を有する記憶回路と、平面視において、基板内の憶回路領域とは異なる領域である論理回路領域に形成された論理回路と、を備え、容量素子は、下部電極、容量絶縁膜、上部電極、埋設電極および、上部接続配線で構成されており、上部接続配線と埋設電極とは、同一の材料かつ一体に構成されており、上部接続配線と下部電極との間には、論理回路を構成する前記配線が少なくとも1以上設けられており、上部接続配線の上面と、上部接続配線と同じ配線層に形成された論理回路を構成する配線の上面とが、同一面を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の性能向上は、主に素子の微細化によりなされてきた。微細化による効果としては、一つは、ゲート長縮小により、能動素子の動作速度を向上することができる。もう一つは、ゲート長及び配線ピッチを縮小させて集積度を向上させることにより、半導体装置の面積を縮小できる。半導体装置の集積度向上を利用した例として、従来別個の半導体基板上に形成していた記憶回路と論理回路とを、同一の半導体基板上に混載した半導体装置が、既に実用化されている。
【0003】
情報を格納する記憶回路と、該情報を処理する論理回路とを、同一の半導体基板上に集積する性能面での効果としては、従来別個に形成していた記憶回路と論理回路とを、半導体装置内で、極近距離間に接続可能となることである。これにより、従来半導体装置が実装された実装基板上で行っていた、記憶回路と論理回路との間の接続を、半導体装置内で行うことが可能となる。そして、記憶装置と論理演算装置を有する情報処理システムとしての動作速度の向上を図ることができる。更には、従来別個の半導体基板上に形成していた記憶回路と論理回路とを、同一の半導体基板上から得られるため、記憶回路と論理回路が混載された半導体装置を、低コストで歩留まり良く製造することが可能となる。
【0004】
しかしながら、記憶回路と論理回路とを混載した半導体装置を形成するためには、論理回路を構成する能動素子及び配線を形成することに加えて、記憶回路を構成するために必要な記憶素子を形成する必要がある。この記憶素子を形成するためには、論理回路を構成する場合と比較して、特殊な構造を適用する必要があった。
【0005】
例えば、一般に、トレンチ型と呼称される容量素子を半導体基板上に形成する場合には、半導体基板に数ミクロン以上の深い溝を形成し、容量素子を形成する。このような方法によれば、半導体素子の微細化が進むにつれ、半導体基板に形成するトレンチ径を小さくする必要が生じ、同時に十分な容量を確保しようとすると、トレンチの深さを深くする必要がある。このため、半導体基板内に形成されるトレンチのアスペクト比は、微細化と共に高くなる。したがって、このような高アスペクト比のトレンチに容量素子を構成する電極を埋設することは、非常に困難であった。
【0006】
このような高アスペクト比のトレンチ埋設に関わる課題を解決するために、スタック型と呼称される容量素子構造が提案されている。スタック型の容量素子構造としては、半導体基板上にフィン型やシリンダー型の容量素子を形成し、記憶素子とする構造である。
【0007】
例えば、特許文献1乃至4によれば、半導体基板上に形成された能動素子と多層配線との間に、シリンダー型の容量素子を形成する構造が開示されている。更には、特許文献5によれば、半導体基板上に形成された能動素子上に、平行平板型の容量素子を形成する構造が開示されている。更には、特許文献6乃至9によれば、半導体基板上に形成された能動素子上に形成された多層配線構造を構成する絶縁膜積層構造体内に、シリンダー型の容量素子を構成した構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−005337号公報
【特許文献2】特開2005−086150号公報
【特許文献3】特開2002−261256号公報
【特許文献4】特開平11−026716号公報
【特許文献5】特開2003−332463号公報
【特許文献6】特開2007−201101号公報
【特許文献7】特開2000−332216号公報
【特許文献8】特開2004−342787号公報
【特許文献9】特開2005−101647号公報
【特許文献10】国際公開第2004/107434号パンフレット
【特許文献11】国際公開第2007/132879号パンフレット
【特許文献12】特開2009−123886号公報
【特許文献13】国際公開第03/083935号パンフレット
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】International Electron Device Meeting Digest of Technical Papers IEEE 619頁−622頁 2008
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献6乃至9に示した半導体装置においては、容量素子を、論理回路配線を構成する層間絶縁膜内に埋設して形成している。例えば、特許文献6に記載の半導体装置の断面図を図19に示す。図19に示すように、特許文献6に記載の半導体装置においては、半導体基板上に記憶回路及び論理回路を構成する能動素子300が形成されており、能動素子300の上に形成される多層配線層内に、容量素子301が形成されている。
【0011】
特許文献6においては、容量素子301内に埋設された埋設電極302と、埋設電極302a、302b上に裏打ち接続された上部接続配線304a、304bとを構成するそれぞれの金属材料を別個に形成される。このため、上部接続配線304a、304bおよび論理回路配線303を同時に形成する際に、上部接続配線304a、304bを形成するためのスペースを確保するために、埋設電極302をエッチバックする必要がある。しかしながら、このエッチバックにより、容量素子301の上面が過剰にエッチングされることがあった。結果として、容量素子301の歩留まりが低下することがあった。
【0012】
また、特許文献7〜9に記載の技術においては、容量素子の上部接続配線と、論理回路を構成する配線の上面とが異なる平面上に位置しているため、上部接続配線の上面と配線の上面とにおけるエッチング量にバラツキが生じることがあった。例えば、上部接続配線に対する接続部を形成する際に、過剰なエッチングが施されてしまうということがあったり、逆に、容量素子の上部接続配線に接続されるべき接続部のエッチングが十分に行われないことがあった。結果として、特許文献7〜9に記載の技術においては、半導体装置の歩留まりが低下することがあった。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、
基板と、
前記基板上に形成されており、配線および絶縁層により構成された配線層が複数積層された多層配線層と、
平面視において、前記基板内の記憶回路領域に形成されており、前記多層配線層内に埋め込まれた少なくとも1以上の容量素子および周辺回路を有する記憶回路と、
平面視において、前記基板内の前記記憶回路領域とは異なる領域である論理回路領域に形成された論理回路と、を備え、
前記容量素子は、下部電極、容量絶縁膜、上部電極、埋設電極および、上部接続配線で構成されており、
前記上部接続配線と前記埋設電極とは、同一の材料かつ一体に構成されており、
前記上部接続配線と前記下部電極との間には、前記論理回路を構成する前記配線が少なくとも1以上設けられており、
前記上部接続配線の上面と、前記上部接続配線と同じ前記配線層に形成された前記論理回路を構成する前記配線の上面とが、同一面を構成する、半導体装置が提供される。
【0014】
本発明においては、上部接続配線の上面と、論理回路を構成する配線の上面とが、同一面を構成する。このため、上部接続配線の上面においては、過剰なエッチングやエッチング不足が抑制されている。そして、上部接続配線と埋設電極とは同一の材料かつ一体に構成されている。このため、上部接続配線を形成する際、上部接続配線形成用のスペースを確保するために埋設電極をエッチバックする必要がない。したがって、埋設電極が過剰にエッチングされることが抑制されている。このように、本発明は、歩留まりに優れた構造を有する。
【0015】
また、本発明によれば、
基板と、
前記基板上に形成されており、配線および絶縁層により構成された配線層が複数積層された多層配線層と、
平面視において、前記基板内の記憶回路領域に形成されており、前記多層配線層内に埋め込まれた少なくとも1以上の容量素子および周辺回路を有する記憶回路と、
平面視において、前記基板内の前記記憶回路領域とは異なる領域である論理回路領域に形成された論理回路と、を備え、
前記容量素子は、下部電極、容量絶縁膜、上部電極、埋設電極および、上部接続配線で構成されており、
前記上部接続配線と前記埋設電極とは、同一の材料かつ一体に構成されており、
前記上部接続配線と前記下部電極との間には、前記論理回路を構成する前記配線が少なくとも1以上設けられており、
前記上部接続配線の上面と、前記上部接続配線と同じ前記配線層に形成された前記論理回路を構成する前記配線の上面との高さの差が、30nm以下である、半導体装置が提供される。
【0016】
本発明においては、上部接続配線の上面と、上部接続配線と同じ配線層に形成された論理回路を構成する配線の上面との高さの差が、30nm以下となる。このため、上記発明と同様に、上部接続配線の上面において、エッチング量の過不足が抑制されている。これにより、歩留まりに優れた構造が実現される。
【0017】
また、本発明によれば、
同一の基板上に記憶回路と論理回路とを有する半導体装置の製造方法であって、
前記基板上に絶縁層を形成し、前記絶縁層に開口部を形成するとともに、前記開口部内に、下部電極、容量絶縁膜および、上部電極を形成する工程と、
前記開口部が設けられている前記絶縁層に、配線溝を形成する工程と、
前記開口部および前記配線溝を埋め込むように、金属膜を形成する工程と、
前記金属膜を平坦化する工程と、を含み、
前記平坦化する工程において、前記開口部内に下部電極、容量絶縁膜、上部電極、埋設電極および、上部接続配線で構成される容量素子を形成しつつ、前記配線溝内に前記論理回路を構成する配線を形成する、半導体装置の製造方法が提供される。
【0018】
また、本発明によれば、
同一の基板上に記憶回路と論理回路とを有する半導体装置の製造方法であって、
前記基板上に絶縁層を形成し、前記絶縁層に開口部を形成するとともに、前記開口部内に、下部電極、容量絶縁膜、上部電極、埋設電極、および上部接続配線を形成する工程と、
前記上部接続配線を平坦化する工程と、
前記開口部が設けられている前記絶縁層に、配線溝を形成する工程と、
前記配線溝を埋め込むように、金属膜を形成する工程と、
前記金属膜を平坦化すると同時に、前記上部電極配線を更に平坦化する工程と、を含み、
前記平坦化する工程において、前記開口部内に下部電極、容量絶縁膜、上部電極、埋設電極および、上部接続配線で構成される容量素子を形成しつつ、前記配線溝内に前記論理回路を構成する配線を形成する、半導体装置の製造方法が提供される。
【0019】
こうした本発明においては、上部接続配線の上面と、論理回路を構成する配線の上面とが、同一面を構成する。このため、上部接続配線の上面においては、過剰なエッチングやエッチング不足を抑制することができる。このとき、上部接続配線と埋設電極とは、同一の材料の金属膜を開口部に埋設して、一体となるように構成されている。結果として、上部接続配線を形成する際、上部接続配線形成用のスペースを確保するために埋設電極をエッチバックする必要がない。このため、埋設電極を過剰にエッチングすることが抑制できる。このように、本発明においては、歩留まりに優れた構造が得られる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、歩留まりに優れた構造を有する半導体装置およびその製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1の実施の形態における半導体装置を模式的に示す断面図である。
【図2】第1の実施の形態における半導体装置を模式的に示す断面図である。
【図3(a)】第1の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図3(b)】第1の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図3(c)】第1の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図3(d)】第1の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図3(e)】第1の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図3(f)】第1の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図3(g)】第1の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図3(h)】第1の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図3(i)】第1の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図3(j)】第1の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図3(k)】第1の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図3(l)】第1の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図3(m)】第1の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図3(n)】第1の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図3(o)】第1の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図3(p)】第1の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図3(q)】第1の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図3(r)】第1の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図3(s)】第1の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図3(t)】第1の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図3(u)】第1の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図3(v)】第1の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図3(w)】第1の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図4】第2の実施の形態における半導体装置を模式的に示す断面図である。
【図5(a)】第2の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図5(b)】第2の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図5(c)】第2の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図5(d)】第2の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図5(e)】第2の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図5(f)】第2の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図5(g)】第2の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図6】第3の実施の形態における半導体装置を模式的に示す断面図である。
【図7(a)】第4の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図7(b)】第4の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図7(c)】第4の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図7(d)】第4の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図7(e)】第4の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図7(f)】第4の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図8(a)】第5の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図8(b)】第5の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図8(c)】第5の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図8(d)】第5の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図8(e)】第5の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図8(f)】第5の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図9】第1の実施の形態における半導体装置を模式的に示す上面図である。
【図10】第6の実施の形態における半導体装置を模式的に示す断面図である。
【図11(a)】第6の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図11(b)】第6の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図11(c)】第6の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図11(d)】第6の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図11(e)】第6の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図11(f)】第6の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図12】第7の実施の形態における半導体装置を模式的に示す断面図である。
【図13】第8の実施の形態における半導体装置を模式的に示す断面図である。
【図14(a)】第9の実施の形態における半導体装置を模式的に示す断面図である。
【図14(b)】第9の実施の形態における半導体装置を模式的に示す断面図である。
【図15(a)】第9の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図15(b)】第9の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図15(c)】第9の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図16(a)】第10の実施の形態における半導体装置を模式的に示す断面図である。
【図16(b)】第10の実施の形態における半導体装置を模式的に示す断面図である。
【図17(a)】第10の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図17(b)】第10の実施の形態における半導体装置の製造手順を示す工程断面図である。
【図18(a)】第11の実施の形態における半導体装置を模式的に示す断面図である。
【図18(b)】第11の実施の形態における半導体装置を模式的に示す断面図である。
【図18(c)】第11の実施の形態における半導体装置を模式的に示す断面図である。
【図18(d)】第11の実施の形態における半導体装置を模式的に示す断面図である。
【図18(e)】第11の実施の形態における半導体装置を模式的に示す断面図である。
【図18(f)】第11の実施の形態における半導体装置を模式的に示す断面図である。
【図18(g)】第11の実施の形態における半導体装置を模式的に示す断面図である。
【図18(h)】第11の実施の形態における半導体装置を模式的に示す断面図である。
【図18(i)】第11の実施の形態における半導体装置を模式的に示す断面図である。
【図18(j)】第11の実施の形態における半導体装置を模式的に示す断面図である。
【図19】特許文献6に記載の半導体装置を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、以下の構造図は全て本発明の実施の形態を模式的に示すものであり、構成要素の図面上の比率により、本発明による構造の寸法を規定するものではない。
【0023】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態の半導体装置について説明する。
図1および図2は、第1の実施の形態における半導体装置を模式的に示す断面図である。図1は、図面の簡略化のために、図2に示す破線A−A'から、紙面に対して右方向の構造図を抜粋して示したものである。図9は、第1の実施の形態における半導体装置を模式的に示す上面図である。
【0024】
本実施の形態の半導体装置は、基板(半導体基板1)と、半導体基板1上に形成されており、配線および絶縁層により構成された配線層が複数積層された多層配線層と、平面視において、半導体基板1内の記憶回路領域に形成されており、多層配線層内に埋め込まれた少なくとも1以上の容量素子19および周辺回路を有する記憶回路200と、平面視において、半導体基板1内の記憶回路領域とは異なる領域である論理回路領域に形成された論理回路100と、を備える。この半導体装置においては、容量素子19は、下部電極14、容量絶縁膜15、上部電極16、埋設電極および上部接続配線(上部接続配線18)で構成されている。この上部接続配線18と埋設電極とは、同一の材料かつ一体に構成されている。さらに、上部接続配線18と下部電極14との間には、論理回路100を構成する配線(配線8c)が少なくとも1以上設けられている。このような本実施の形態の半導体装置においては、上部接続配線18の上面と、上部接続配線18と同じ配線層(層間絶縁膜7c)に形成された論理回路100を構成する配線(配線8c)の上面とが、同一面を構成している。本書において、同一面とは、下記の測定方法で測定したとき、表面の平均高さに対する凹凸の高さのバラツキの最大値が好ましくは30nm以下であり、より好ましくは20nm以下であり、更に好ましくは10nm以下である平面をいう。こうした測定方法としては、例えば、SEM(Scanning Electron Microscope)やTEM(Transmission Electron Microscope)を用いて上部接続配線18の上面および配線8cの上面を含む断面画像を取得し、この断面画像から段差の高さのバラツキを測定する方法や、半導体装置の製造工程における検査工程に広く用いられている段差計により、平面方向の高さのプロファイルを測定する方法、等が挙げられる。
【0025】
図1を参照すると、半導体基板1上に、論理回路100と、記憶回路200が、各々形成されている。なお、論理回路100及び記憶回路200の図面における構成要素は、あくまでも各々の回路を構成する素子の一部を選択的に示したものであり、本実施の形態に係る実施の形態と直接関係しない能動素子及び多層配線の接続方法等により、本発明の権利範囲が限定されるものではない。
【0026】
また、図1に示すように、半導体基板1の表面には、論理回路100を構成する能動素子3aと、記憶回路200の記憶セルを構成する能動素子3bが、各々形成されている。これらの能動素子3aと能動素子3bとの離間部には、素子分離膜2が半導体基板1の表面に形成されている。素子分離膜2(シリコン酸化膜等)や能動素子3a、3b(トランジスタ等)は、通常用いられる半導体装置の製造方法によるものを用いれば良く、これらの構造あるいは材料により、本発明の権利範囲が限定されるものではない。
【0027】
なお、実際の記憶回路200において、ビット線12と、記憶セルを構成する能動素子3bのゲートの長手方向は、互いに略直交する位置関係に配置されるものであるが、図面の簡略化のために、能動素子3bのゲート長手方向は、ビット線12と同じく、紙面に対して垂直方向に延在するものとして図示されている。ビット線12と、論理回路100を構成する能動素子3aのゲート長手方向との位置関係について、以下本明細書の断面図に関しては特に断りのない限りは同様の表記方法を用いる。
【0028】
また、図9に示すように、本実施の形態の半導体装置は、容量素子210を含む記憶回路200と半導体素子が形成される論理回路100とが半導体基板110上に混載された構成を有する。論理回路100は、記憶回路200中の容量素子210の周辺回路220ではなく、記憶回路200とは異なる領域に形成されたものである。たとえば、論理回路領域は、CPU(Central Processing Unit)等の高速ロジック回路が形成された領域とすることができる。
【0029】
次に、第1の実施の形態の半導体装置を構成する部材の構造や材料について詳細に説明する。
図1に示すように、半導体基板1上に形成されて素子分離膜2および能動素子3a、3bの上に、コンタクト層間絶縁膜4、5a、5bが形成されている。コンタクト層間絶縁膜4内には、セルコンタクト10、10a、10bが形成されている。一方、コンタクト層間絶縁膜5a、5b内には、ビットコンタクト11a、ビット線12、容量コンタクト13、13bがそれぞれ形成されている。コンタクトの名称は、本発明の明細書においてそれぞれの呼称を明確にするために定義されたものであり、以下本明細書における各コンタクトの名称は、前述した名称に準ずるものとする。
【0030】
なお、前記コンタクト層間絶縁膜4、5a、5bのうち少なくとも1層は、シリコン酸化膜よりも低い比誘電率を有する絶縁膜であることが、より好ましい。こうした絶縁膜としては、例えば、シリコン酸化膜の酸素原子を弗素や炭素原子、及び炭化水素基に置換した、一般に低誘電率膜と呼称される絶縁膜か、あるいは、少なくともシリコン、酸素及び炭素を有し、更に絶縁膜中に直径数ナノメートル以下の微細な空孔を有する、いわゆる多孔質膜を用いても良い。これら絶縁膜の比誘電率としては、膜中に微細空孔を有さない絶縁膜の場合、3.1以下であることが好ましく、更に好ましくは、膜中に微細空孔を有する絶縁膜の場合であって、絶縁膜の比誘電率が2.6以下であることが好ましい。かかる構造により、前記コンタクトの寄生容量を低減することができ、結果として、記憶回路及び論理回路の遅延を低減し、半導体素子の動作速度を向上させることができる。
【0031】
記憶回路200において、能動素子3bの一方の拡散層とビット線12とは、セルコンタクト10a及びビットコンタクト11aにより電気的に接続されている。また、能動素子3bの他方の拡散層と容量素子19とは、セルコンタクト10b及び容量コンタクト13bにより、電気的に接続されている。このような構造により、能動素子3b、ビット線12、容量素子19とは、互いに接続され、DRAM(Dynamic Random Access Memory)回路の一般的な記憶セルである、1トランジスタ・1キャパシタ型の記憶セルが構成されている。
【0032】
コンタクト層間絶縁膜5bの上には、層間絶縁膜6a、7a、6b、7b、6c、7cおよび、6dが、順次積層されている。これらの層間絶縁膜6a〜6dは、キャップ膜である。論理回路領域においては、それぞれの層間膜中に、配線8a、8b、8cが、各々形成されている。このように、本実施の形態においては、多層配線層が形成されている。配線8a、8bは、半導体装置の多層配線の形成方法として通常用いられる、デュアルダマシン法により形成されることがより好ましい。これにより、配線の製造コストを低減し、配線と、異層に存在する配線との間を接続するビア抵抗を低減することができる。なお図1に示す配線8b、8cにおいては、各々の下層の配線8a、8bに対して接続するためのビアも含めて、配線として符号付けを行っている。すなわち、本実施の形態においては、特に明示しない限りは、ダマシン方法で形成された配線にはビアを含む。そして、各配線8a〜8cの周囲には、バリアメタル膜が形成されている。
【0033】
層間絶縁膜の材料は、シリコン酸化膜や、シリコン酸化膜に弗素や炭素等を含有させた、一般に低誘電率の絶縁膜であっても良いし、絶縁膜内に微細な空孔を形成した、いわゆる多孔質膜であっても良い。論理回路100、記憶回路200に限らず、配線間の寄生容量を低減するためには、層間絶縁膜の比誘電率は、シリコン酸化膜よりも低いことがより好ましい。これにより、配線間の寄生容量を低減し、回路動作の遅延を低減することができる。更には、多層配線を構成する金属材料上に位置する層間絶縁膜6a〜6dに相当する複数の絶縁膜は、シリコン、炭素、窒素、からなる絶縁膜か、或いはそれらを有する膜の積層構造からなる、金属に対して拡散耐性を有する膜(金属拡散防止膜)であることがより好ましい。
【0034】
論理回路100においては、能動素子3aと、多層配線を構成する配線のうち最下層の配線8aとは、セルコンタクト10および容量コンタクト13の2つのコンタクトの直列接続により、電気的に接続される。このような構造により、同一の半導体基板1上に、論理回路100と記憶回路200とを混載して形成することができ、かつ、両者の設計パラメータを同一のものとすることが可能となる。
【0035】
続いて、本実施の形態に係る容量素子19の構造を説明する。
本実施の形態に係る容量素子19は、記憶回路200を構成するメモリ素子として形成されている。この容量素子19は、層間絶縁膜6aから層間絶縁膜7cおよび配線8a〜8cで構成される3層の多層配層中に、埋設されている。容量素子19は、下部電極14、容量絶縁膜15、上部電極16、埋込電極を有する上部接続配線18により、構成されている。容量素子19においては、下部電極14、容量絶縁膜15および上部電極16により凹部が形成されており、この凹部を埋め込むようにして埋設電極が形成されている。そして、この埋設電極の上部に上部接続配線18が形成されている。本実施の形態においては、上部接続配線18と埋設電極とは同一の材料で構成されているため、シームレスに形成されている。すなわち、上部接続配線18は、容量素子19を構成する下部電極14、容量絶縁膜15、上部電極16により形成されている凹部に埋設されており、埋設電極としても機能している。これらの上部接続配線18と埋設電極とは同一工程で形成され得る。
【0036】
また、上部接続配線18には、上層配線と接続する引出配線部18aが設けられている。本実施の形態に係る容量素子19においては、平面視において、容量素子として機能する第1の領域と、第1の領域と異なる境域に配線と接続する機能する第2の領域とを、有する。すなわち、図1においては、第1の領域には下部電極14が形成されており、一方、第2の領域には、下部電極14の側壁の外側に、引出配線部18aが形成されている。この引出配線部18aの底部および側壁は、上部電極16で覆われている。とくに、引出配線部18aの直下には、上部電極16および容量絶縁膜15が形成されている。なお、図1に示すように、上部電極16と上部接続配線18との間に、バリアメタル膜17が形成されていてもよい。
【0037】
下部電極14および上部電極16は、容量絶縁膜15を挟み込んで平行平板容量素子とするための電極として機能する。下部電極14および上部電極16の材料としては、例えば、チタン、タンタル等の高融点金属や、或いはそれらの窒化物等により形成することがより好ましく、容量絶縁膜15の結晶性を向上させることができる材料を用いることが好ましい。
【0038】
容量絶縁膜15の材料としては、例えば、二酸化ジルコニウム(ZrO)、ジルコニウムアルミネート(ZrAlO)、更には、前記二酸化ジルコニウムにTb、Er、Yb等のランタノイドを添加した膜等の、シリコン窒化膜よりも高い比誘電率を有することがより好ましい。容量絶縁膜15の比誘電率を高くすることにより、容量素子19の静電容量を増加させることができる。
【0039】
本実施の形態に係る容量素子19においては、上部接続配線18の最上面が、論理回路100を構成する配線8cの最上面と同一面上に位置している。これらの上部接続配線18と上部接続配線18と同じ配線層に形成された配線8cとは同一工程で形成されている。このため、上部接続配線18は、論理回路100を構成する配線8cと同一の材料により構成されている。
【0040】
また、上部接続配線18の上面と、上部接続配線18と同じ配線層に形成された論理回路100を構成する配線8cの上面とには、共通の金属拡散防止膜(層間絶縁膜6d)が形成されている。
【0041】
容量素子19の多層配線層の層厚方向(以下、単に層厚方向と称することもある)における高さの下限値は、1層以上であり、より好ましくは2層以上である。容量素子19の層厚方向における高さの上限値は、特に限定されない。ここで、1層は、多層配線層中の1つの配線層(層間絶縁膜7a、7b、7c等)と配線層間に形成される1つのキャップ膜(層間絶縁膜6a、6b、6c)とで構成される。
【0042】
また、本実施の形態に係る容量素子19を構成する上部接続配線18においては、外部接続用に引き出された引出配線部18aの層厚方向における高さは、論理回路100配線8cの層厚方向における高さと同等以下が好ましく、配線8cの高さより低くすることがより好ましい。これにより、既定の配線層厚さに占める下部電極14の高さを大きくすることができ、このため容量素子19の静電容量を向上させることができる。一般に、半導体装置の層構造は、設計パラメータを満足するべく決定されるものであるため、容量素子を形成するために、例えば配線層の厚さを変更することはできない。従って、配線層内に容量素子を形成する場合、電磁気学的な静電容量として機能する、下部電極14、容量絶縁膜15、および上部電極16の接触面積を大きくすること、すなわち本願発明においては、下部電極14の高さを高くすることが必要となる。
本実施の形態においては、上部接続配線18が埋込電極と同一材料かつ一体に構成されているので、下部電極14の高さを高くするために、上部接続配線18の高さを低く形成することができる。
また、本実施の形態においては、上面視において、上部接続配線18は、下部電極14が設けられている領域より外側に延在している引出配線部18aを有しており、容量素子19を記憶回路200のメモリセルとして機能させるための固定電位への接続は、引出配線部18aに固定電位を有する配線201aを接続すればよい。このため、半導体装置の設計者は、容量素子19の上層の配線層のうち、下部電極14が存在している領域の配線層を用いて、自由な配線レイアウトを実現することができ、例えば、信号配線202a、202b、202zを記憶回路200のワード線やビット線の裏打ち配線等に利用することができる。
【0043】
また、容量素子19の同層の配線層には、論理回路100を構成する配線が少なくとも1以上形成されている。より好ましくは、容量素子19の同層の配線層(層間絶縁膜6a〜層間絶縁膜7c)には、論理回路100を構成する配線(配線8a〜8c)が必ず形成されている。言い換えると、容量素子19の層厚方向の高さは、容量素子19と同層に形成される複数の配線の層厚方向の高さの合計値と同一となるように構成することができる。また、容量素子19の同層の配線層には、コンタクトのみが形成されている層が存在しないような構成としてもよい。
【0044】
また、容量素子19の形状は、特に限定されないが、例えば、シリンダ形状、T字形状等とすることができる。また、容量素子19は、論理回路100を構成する層間絶縁膜材料と同一の材料である層間絶縁膜内に形成されている。
【0045】
図2に示すように、半導体装置の記憶回路200においては、図1に示した容量素子19が、基板水平方向に並列して複数配置されている。これらの複数の容量素子19は一括形成されている。そして、複数の容量素子19の上部接続配線18のいずれの上面においても、配線8cの上面と同一平面上になるように構成されている。本実施の形態の半導体装置は、その規模に応じた論理回路100の規模を具備する。このため、記憶回路200は、半導体装置を構成するために必要な数の容量素子19を具備する必要がある。図2において、図1で示した容量素子19の引出配線部18aには、固定電位を有する配線201a、201b、201cが接続されている。この固定電位配線201a、201b、201cが有する電位は、記憶回路の設計者により任意に設定されることができる。更に、第1の実施の形態によれば、容量素子19の上部に、信号配線202a、202b、202zが複数配置されている。
【0046】
本実施の形態においては、上部接続配線18の上面と配線8cとの上面とが同一平面を構成している。そして、上部接続配線18の上面および配線8cの上面上には、共通の金属拡散防止膜(層間絶縁膜6d)が形成されている。このため、上部接続配線18に接続する記憶回路200を構成する固定電位を有する配線201a〜201cの層厚方向における高さと、この配線と同じ配線層に形成された論理回路100を構成する配線8dの層厚方向における高さとが同一となる。
【0047】
なお、図2に示した記憶回路200を構成する固定電位を有する配線201a〜201c、信号配線202a、202b、202z及び、論理回路100を構成する配線8dの上部に、更に配線と層間絶縁層とで構成される配線層を形成してもよい。これにより、通常用いられる半導体装置の多層配線構造を形成して、半導体装置を構成することができる。このような半導体装置の構成が可能であることは当該事業者には自明であるため、本発明においては固定電位を有する配線201a〜201c、信号配線202a、202b、202z及び、配線8dが形成される配線層より更に上層に位置する配線の構造図は、特に図示しない。
【0048】
次に、第1の実施の形態の製造方法を、図面を用いて詳細に説明する。
図3(a)〜図3(w)は、第1の実施の形態の製造方法を示す工程図であるが、構造図面の簡略化のために、図2に示した破線A−A'から、紙面に対して右方向の構造図を抜粋して示したものである。
【0049】
本実施の形態の半導体装置の製造方法は、同一の基板(半導体基板1)上に記憶回路200と論理回路100とを有する半導体装置の製造方法であって、半導体基板1上に絶縁層(層間絶縁膜7a〜7c)を形成し、層間絶縁膜7a〜7cに開口部(容量素子の開口部23)を形成するとともに、開口部内に、下部電極14、容量絶縁膜15および、上部電極16を形成する工程と、開口部が設けられている絶縁層に、配線溝(論理回路100を構成する配線8cの開口部37)を形成する工程と、開口部および配線溝を埋め込むように、金属膜(導電膜38)を形成する工程と、導電膜38を平坦化する工程と、を含み、平坦化する工程において、開口部内に下部電極14、容量絶縁膜15、上部電極16、埋設電極および、上部接続配線18で構成される容量素子19を形成しつつ、配線溝内に論理回路100を構成する配線8cを形成する。
また、本実施の形態においては、配線溝を形成する工程において、容量素子19を構成する上部電極16をマスクとして、論理回路100を構成する配線8cを埋め込むための配線溝(開口部37)を形成する。
【0050】
まず、図3(a)に示すように、半導体基板1上に、通常用いられる方法により、素子分離膜2、能動素子3a、3bを形成する。更にこれらの上部にコンタクト層間絶縁膜4、セルコンタクト10、コンタクト層間絶縁膜5a、ビットコンタクト11a、ビット線12、コンタクト層間絶縁膜5b、容量コンタクト13、13bを、各々形成する。本発明による半導体装置の製造方法においては、容量コンタクト形成までの工程は、通常用いられる半導体装置の製造方法によって行えば良い。例えば、図示しないが、能動素子3a、3bの形成後にコンタクト層間絶縁膜4を堆積した後、フォトリソグラフィ法によりセルコンタクトとなる開口部を開口した後、CVD(Chemical Vapor Deposition)法によりコンタクト材料を埋込み、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法により余剰コンタクト材料を除去することにより、セルコンタクト10を形成する。その後、ビットコンタクト用のコンタクト層間絶縁膜5aを堆積した後、フォトリソグラフィ法及び反応性イオンエッチング法により、ビットコンタクト11aの開口部を形成する。その後、金属材料をCVD法により堆積した後、フォトリソグラフィ法、反応性イオンエッチング法により、ビットコンタクト11a及びビット線12を形成する。更に後、コンタクト層間絶縁膜5bを堆積し、CMP法による平坦化を行った後、セルコンタクト10の形成方法と同様の方法により、容量コンタクト13、13bを形成する。以上の工程を経ることにより、図3(a)に図示する構造を実現することができる。
【0051】
図3(a)において、拡散層領域の表面には、一般にシリサイド20と呼称される、コバルト、ニッケル、プラチナなどの金属とシリコンとの合金が形成されている。能動素子3a、3bのゲート電極は、通常用いられるポリシリコン電極や部分的に金属シリサイド化されたポリシリコン電極を用いても良いし、近年開発の進んでいるメタルゲート電極を用いても良い。更には、メタルゲート電極の形成方法として、ゲートファースト方式やゲートラスト方式等が公知のものであるが、本発明による記憶回路、論理回路の双方に対しては、そのどちらも適用することが可能である。このため、図3(a)においては、より一般的なポリシリコンゲートを想定して図面に記載している。また、通常用いられる半導体装置の製造方法によれば、セルコンタクト10、ビットコンタクト11a及びビット線12、容量コンタクト13は、多くの場合タングステンにより形成される場合が多いが、コンタクト及びビット線の材料により、本発明の権利範囲が損なわれるものではなく、例えば、銅或いは銅を主成分とする合金によって、コンタクトやビット線を構成しても良い。更には、コンタクトを形成する際には、コンタクト材料を開口部に埋設する際に、底面にチタン、及びその窒化物等によるバリアメタルが形成されることが一般的であるが、これも本発明の構成及び効果に影響を与えるものではないため、特に図示しない。即ち、本発明による構造及び製造方法においては、容量素子と、容量素子と略同層に位置する論理回路配線の構造及び形成方法に特徴を有するものであるため、論理回路及び記憶回路を構成する他の部分については、これらにより本発明の構造及び効果が損なわれるものではなく、従って、通常用いられる半導体装置の構造及び製造方法を用いれば良い。
【0052】
次いで、図3(b)において、容量コンタクト13、13b上に、層間絶縁膜6a及び7aを堆積する。層間絶縁膜6aは、層間絶縁膜7aを反応性イオンエッチングする際、層間絶縁膜7aに対する高い選択比を有するエッチングストッパとして機能する絶縁膜であることがより好ましいが、本発明の構造上においては、必ずしも必要なものではない。
【0053】
次いで、図3(c)において、層間絶縁膜6a及び7a内に、通常用いられるダマシン法により、論理回路100の構成要素である配線8aを形成する。
【0054】
次いで、図3(d)に示すように、上記図3(b)及び(c)にて図示した方法と同じく、層間絶縁膜6b、7bを堆積し、ダマシン法により論理回路の配線8bを形成する。
【0055】
次に、図3(e)に示すように、層間絶縁膜6c及び7cを堆積し、層間絶縁膜7c上に、シリンダー型容量素子及び論理回路配線加工用のハードマスク21となる絶縁膜を堆積する。ハードマスク21は、層間絶縁膜7cを加工する際、層間絶縁膜7cに対して高い選択比を有する絶縁膜が好ましく、例えば、シリコン酸化膜が好ましい。ハードマスク21上に、フォトレジスト22を堆積する。そして、フォトレジスト22に、フォトリソグラフィ法等の方法により、所望のシリンダー型容量素子のパターンを形成する。なお図3(e)には、フォトレジスト22は単一層のフォトレジストとして図示されているが、例えば、近年利用されている平坦化有機膜、シリコン酸化膜、反射防止膜、感光性レジスト等の、多層フォトレジスト構造を用いても良い。
【0056】
続いて、図3(f)に示すように、シリンダー型の容量素子を形成すべく、フォトレジスト22及びハードマスク21をマスクとして、反応性イオンエッチング等の微細加工方法により、開口部23を形成する。フォトレジスト22は、開口部23の加工中にアッシングを行って除去する。そして、開口部23は、ハードマスク21を用いて加工を行っても良い。なお、図3(f)には、フォトレジスト22を完全に除去した状態の断面図が示してある。
【0057】
次いで、図3(g)に示すように、複数層からなるレジスト構造を用いて、容量素子の上部接続配線のパターニングを行う。多層レジストの構造としては、開口部23に平坦化膜24を堆積し、平坦化膜24の上にシリコン酸化膜25、反射防止膜26、フォトレジスト27を、順次堆積した構造であることが好ましい。
【0058】
次いで、図3(h)に示すように、フォトレジスト27及びハードマスク21をマスクとして、層間絶縁膜7c内に、容量素子の上部接続配線を構成するべく、上部接続配線の配線溝(開口部28)を形成する。加工の方法としては、前述のシリンダー加工と同様に、例えば、反応性イオンエッチング等の微細加工方法を用いれば良い。反応性イオンエッチング工程中か、或いは、反応性イオンエッチングにより層間絶縁膜7cを加工した後、シリンダー形状の開口部23内に堆積された平坦化膜24を除去する。次いで、層間絶縁膜6aを、反応性イオンエッチングにより加工し、開口部23の更に下に位置する容量コンタクト13bと接続するための開口部を形成する。平坦化膜24を除去する方法として、例えば、COやOプラズマによるアッシングプロセスを用いる場合は、層間絶縁膜7a、7b、7cとして、加工ダメージ耐性に優れた低誘電率膜を用いることがより好ましく、例えば、非特許文献1に記載されているような、反応性イオンエッチングによるプロセスダメージに対して、高い耐性を有する膜であることが、より好ましい。
【0059】
例えば、低誘電率層間絶縁膜の好ましい例として、炭素組成の高い有機シリカ膜について、以下に簡単に記載する。例えば、有機シリカ膜の原料として、6員環の環状シロキサンを主骨格とし、有機基を官能基に持った有機シロキサンを用いて成膜する。シリコン原子に結合する有機官能基は不飽和炭化水素基とアルキル基であることが望ましい。不飽和炭化水素基としては、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、1−メチル−プロペニル基、2−メチル−プロペニル基、1,2−ジメチル−プロペニル基などが挙げられる。特に好ましい不飽和炭化水素基は、ビニル基である。アルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基など、空間的に嵩高く、立体障害基として機能する官能基が好ましい。これらの原料を用いることで、有機シリカ膜中に、非常に微細な(主に0.5nm以下の)独立空孔構造を導入することができる。またSCC膜は、SiOCH膜の一種でありながら、銅拡散耐性を有し、一般的に知られているSiOCH膜に比べて炭素組成が高いことを特徴とする。すなわち、炭素/シリコン比で比較すると、一般的なSiOCH膜の約4倍程度の炭素が含まれている。一方で、相対的に酸素の元素比が一般的なSiOCH膜に比較して少なく、1/2程度である。これは、SCC膜の成膜方法として、原料をプラズマ中で解離・活性化させるプラズマCVDではなく、プラズマ重合により成膜することでシリカ骨格を保持したまま不飽和炭化水素を優先的に活性化させ、絶縁膜の化学構造を制御することが容易となることから実現される。このように、炭素組成の高い有機シリカ膜を得ることにより、プロセスダメージに対しても高い耐性を有する膜を得ることができる。
なお、本実施の形態においては、先に容量素子を形成する開口部23を形成し、後に上部接続配線の配線溝(開口部28)を形成する製造方法を示しているが、先に上部接続配線の配線溝(開口部28)を形成し、後に容量素子を形成する開口部23を形成する方法により行っても良い。
【0060】
次に、図3(i)に示すように、図3(h)までに示した製造方法により形成した開口部23及び開口部28に、下部電極14を堆積する。下部電極14を形成する方法としては、CVD法、スパッタリング法、ALD(Atomic Layer Deposition)法等、通常半導体装置の形成に用いられる手法を用いれば良い。なお、下部電極14を堆積する前に、例えば、容量コンタクト13bとの接触性を向上させるために、RFスパッタリング等により表面をエッチングすることがあるが、これら前処理の有無により本発明の効果が損なわれるものではないため、詳細は記載しない。下部電極14を構成する材料としては、例えば、チタン及びチタンの窒化物、タンタル及びタンタルの窒化物、ルテニウム等の、高融点金属及びそれらの窒化物、或いはそれらの積層構造体を用いても良い。なお、本実施の形態の製造方法によれば、下部電極14としてTiN膜を用いて形成している。
【0061】
次に、図3(j)に示すように、例えば塗布法により、フォトレジスト29を、下部電極14が堆積されたシリンダー型容量の開口部23内に埋設する。フォトレジスト29は、開口部23内部にのみ残存し、かつ、開口部23の上端に達していない高さで形成されていることが好ましく、必要であれば、フォトレジスト29に対して露光・現像処理を行うことで、不要なフォトレジストを除去しておいても良い。
【0062】
次に、図3(k)に示すように、下部電極14を、例えば反応性イオンエッチング法等の方法により、エッチバックする。上記図3(j)に示したように、開口部23にのみフォトレジス29トを残存させた状態でエッチバックを行うことで、図3(k)のように、開口部23の最上層に達しない高さの下部電極14を形成することができる。
【0063】
次に、図3(l)に示すように、下部電極14の上に、容量絶縁膜15を堆積する。すなわち、少なくとも開口部23上および開口部28上を覆うように容量絶縁膜15を形成する。容量絶縁膜15を形成する方法としては、CVD法、スパッタリング法、ALD法等、通常半導体装置の形成に用いられる手法を用いれば良いが、容量素子の静電容量を向上させるために、数nmの薄膜を均一性良く堆積することができるALD法を用いて行うことが、より好ましい。容量絶縁膜15としては、例えば、二酸化ジルコニウム(ZrO)、ジルコニウムアルミネート(ZrAlO)、更には、前記二酸化ジルコニウムにTb、Er、Yb等のランタノイドを添加した膜等を用いても良い。なお本実施の形態の製造方法によれば、前記容量絶縁膜15としてZrOを用いて形成している。なお図示しないが、容量絶縁膜15を堆積した後、結晶性を向上させるための焼結を行っても良い。
【0064】
次に、図3(m)に示すように、容量絶縁膜15の上に、上部電極16を堆積する。すなわち、少なくとも開口部23上、開口部28上および、ハードマスク21上を覆うように、上部電極16を形成する。このとき、半導体基板1の上部全面を上部電極16で覆ってもよい。上部電極16を構成する材料としては、例えば、チタン及びチタンの窒化物、タンタル及びタンタルの窒化物、ルテニウム等の、高融点金属及びそれらの窒化物、或いはそれらの積層構造体を用いても良い。上部電極16を形成する方法としては、CVD法、スパッタリング法、ALD法等、通常半導体装置の形成に用いられる手法を用いれば良い。なお、本実施の形態の製造方法によれば、上部電極16として、TiN膜を用いて形成している。
【0065】
次に、図3(n)に示すように、例えば塗布法により、フォトレジスト30を、シリンダー型容量の開口部23内に埋設し、更に上部接続配線の開口部28を覆うように形成する。フォトレジスト30は、シリンダー型容量の開口部23及び前記上部接続配線の開口部28内にのみ残存する。言い換えると、レジスト30は、開口部の最上層に達していない高さで形成され、更に、論理回路100領域に残存したハードマスク21上部に残存しないように、形成する。また、必要であれば、フォトレジスト30に対して露光・現像処理を行うか、あるいは、全面エッチバックを行うことで、論理回路100領域に形成された不要なフォトレジストを除去しておく。
【0066】
次に、図3(o)に示すように、上部電極16及び容量絶縁膜15を、反応性イオンエッチング等の方法により、エッチバックし、ハードマスク21上の上部電極16及び容量絶縁膜15を除去する。続いて、開口部23及び28中に埋設されたフォトレジスト30を、アッシングにより除去する。
【0067】
次に、図3(p)に示すように、論理回路の配線加工に用いる導電性を有するハードマスク31を堆積する。ハードマスク31を構成する材料としては、例えば、チタン及びチタンの窒化物、タンタル及びタンタルの窒化物、ルテニウム等の、高融点金属及びそれらの窒化物、或いはそれらの積層構造体を用いても良い。ハードマスク31を形成する方法としては、CVD法、スパッタリング法、ALD法等、通常半導体装置の形成に用いられる手法を用いれば良い。ハードマスク31の厚さとしては、後に行う論理回路配線加工を行うのに十分な厚さを有していることが好ましいが、本発明の実施の形態によれば、ハードマスク31は、容量素子19の上部電極16として残存することがあるため、低い電気抵抗を有することが好ましい。すなわち、開口部23内に残存したハードマスク31は上部電極16として機能する。従って、ハードマスク31の厚さとしては、後述する論理回路配線加工後に消失する程度の厚さに設定しても良い。すなわち、ハードマスク31の材料は、上部電極16と同種の材料を用いることができる。ハードマスク31と上部電極16とは、同種の材料で形成されてもよいが、異なる材料で形成されてもよいが、同一の材料であることがより好ましい。本発明の実施の形態においては、ハードマスク31の材料として、TiNを用いて形成している。
【0068】
次に、フォトレジスト32を、例えば塗布法等の方法により形成し、所望の論理回路配線のパターンをフォトリソグラフィ法により転写する(図3(q))。この後、ハードマスク31を、例えば反応性イオンエッチング法等の方法により加工し、所望の論理回路配線パターンの開口部33を形成する。なお図示しないが、フォトレジスト32は、平坦化膜、シリコン酸化膜、反射防止膜及びフォトレジスト等からなる、いわゆる多層レジスト構造を用いても良い。
【0069】
次いで、フォトレジスト32を一度アッシングして除去した後、図3(r)に示すように、再度フォトレジスト34を形成し、フォトリソグラフィ法により、所望のビアパターンの開口部35を形成する。なお図示しないが、前記フォトレジスト34は、平坦化膜、シリコン酸化膜、反射防止膜及びフォトレジスト等からなる、いわゆる多層レジスト構造を用いても良い。
【0070】
次に、図3(s)に示すように、フォトレジスト34及びハードマスク21をマスクとして、反応性イオンエッチング等の方法により、ビアの開口部36を形成する。次いで、図示しないが、ビアの開口部36を形成した後、フォトレジスト34を除去する。
【0071】
次に、図3(t)に示すように、ハードマスク31及びハードマスク21をマスクとして、反応性イオンエッチング等の方法により、配線の開口部37を形成する。配線の開口部37を形成した後、層間絶縁膜7cに対するエッチングレートよりも層間絶縁膜6cに対するエッチングレートが高いエッチング条件を用いて、層間絶縁膜6cをエッチングし、論理回路の配線8bとの接続開口部を形成する。なお図示しないが、配線の開口部37を形成した後、反応性イオンエッチングによりハードマスク31を除去しても良い。この方法を用いることにより、容量素子19内に残存するハードマスク31の厚さを薄くして、容量素子の上部電極の抵抗値を低くすることができる。
【0072】
次に、図3(u)に示すように、容量素子の開口部23、上部接続配線の開口部28及び論理回路配線の開口部37に対して、バリアメタル膜17及び導電膜38を一度に埋設する。バリアメタル膜17を構成する材料は、チタン、タンタル、ルテニウムや、或いはそれらの窒化物、更にはそれらの積層膜を用いても良い。バリアメタル膜17は、導電膜38が拡散しない構成であることが好ましい。導電膜38は、銅、或いは銅を主成分とする合金等の、通常用いられる半導体装置の配線を形成する材料を用いればよい。
【0073】
次に、図3(v)に示すように、CMP法などの方法により、導電膜38、バリアメタル膜17、ハードマスク31及び21を除去し、互いに絶縁された容量素子19及び論理回路を構成する配線8cを形成する。このとき、上部接続配線18の上面と配線8cの上面とが同一面上に形成される。本実施の形態における同一面は、2つの凹部に埋め込まれた同一の配線材料がCMP等の同一プロセスにより研削されることにより形成れる。こうして形成された同一面は、2つの凹部に埋め込まれた配線材料が異種材料で形成された場合における同一面と比較して平坦性が高い。
【0074】
更に、容量素子19の上部接続配線18、配線8cを覆うべく、層間絶縁膜6dを堆積する。層間絶縁膜6dは、前記層間絶縁膜6a、6bと同様に、容量素子19の上部接続配線18及び配線8cを構成する材料が拡散しないような絶縁膜であることが好ましく、例えば、シリコン、炭素、窒素等の元素を含む絶縁膜か、或いはそれらの積層構造体であっても良い。
【0075】
次に、図3(w)に示すように、記憶回路を構成する容量素子19及び容量素子19の上部接続配線18と同層に位置する配線8cの更に上層に、通常用いられる半導体装置の製造方法により、固定電位を有する配線201、信号配線202、及び配線8dを形成する。
【0076】
次に、第1の実施の形態の作用効果について説明する。
【0077】
本実施の形態においては、上部接続配線18の上面と、論理回路100を構成する配線8cの上面とが、同一面を構成する。このため、上部接続配線18の上面と配線8cの上面とのエッチング量のバラツキが抑制されている。例えば、上部接続配線18に接続する固定電位を有する配線201と、配線8cに接続する配線8dとを同時に形成する際に、上部接続配線18の上面と配線8cの上面とのそれぞれのエッチング量が同程度となる。このため、信頼性が向上し、歩留まりに優れる。
【0078】
また、上部接続配線18と埋設電極とは同一の材料で構成されているので、同一工程で形成される。すなわち、上部接続配線18を形成する際、特許文献6に示すように上部接続配線形成用のスペースを確保するために埋設電極をエッチバックする必要がない。このため、埋設電極が過剰にエッチングされることが抑制されている。このため、信頼性が向上して、歩留まりに優れる。また、同一材料を用いることにより、製造コストが低減する。上部接続配線18と埋設電極とは同じ材料で同時に形成されるので、シームレスに構成されている。このため界面が存在しないので、半導体装置のコンタクト抵抗を低減させることができる。
【0079】
また、本実施の形態においては、同一の半導体基板上に論理回路100と記憶回路200とが形成された半導体装置において、記憶回路200を構成する容量素子19と、論理回路100の配線層の1層分の配線8cとを、同一の材料で構成し、更に、容量素子19の上部接続配線18の最上面と、配線8cのある1層の最上面とが、互いに同一の平面上に位置する構成とする。これにより、容量素子19及び論理回路100を構成する配線8cを同時に形成することにより、平坦化工程の回数を削減することが可能となる。したがって、論理回路100と記憶回路200とを同一の半導体基板上に有する半導体装置においては、半導体装置の製造コストを低減し、歩留まりを向上させることができる。
【0080】
また、上部接続配線18の上面と配線8cの上面とが同一面を構成するので、これらの上部の多層配線層の平坦性が向上する。すなわち、上部接続配線18の上面上および配線8cの上面上には、共通の金属拡散防止膜(層間絶縁膜6d)が形成できる。ここで共通しているということは、上部接続配線18の上面と配線8cの上面とは同一プロセスで形成された層間絶縁膜6dに接していることを意味する。これより、本実施の形態の半導体装置の平坦性が維持される。そして、上部接続配線18に接続する記憶回路200を構成する配線(固定電位を有する配線201a〜201c)の層厚方向における高さと、この配線と同じ配線層に形成された論理回路100を構成する配線8dの層厚方向における高さとが、同一となる。これにより、さらに上層の多層配線層の平坦性も向上する。このように本実施の形態の半導体装置においては、容量素子19の高さと配線8cの高さのズレが生じない構造となっているので、全体としてみたとき、平坦性に優れている。また、このズレを解消するデッドスペース(層間絶縁膜)も生じないため、微細化に優れた半導体装置が得られる。
【0081】
また、容量素子19に埋設された金属材料(上部接続配線18)と、論理回路100の配線8cに埋設された金属材料とを、同時に平坦化することにより、平坦化の精度を向上させることが可能となる。これにより、同一の半導体基板上に論理回路100と記憶回路200とが形成された半導体装置を、歩留まり良く形成することが可能となる。
【0082】
また、容量素子19の上部接続配線18と、論理回路100の配線8cとを同一工程で形成しているため、上部接続配線と配線とを別個に形成する場合と比較して、半導体装置の製造工程における熱履歴を低減することができる。このため、半導体装置の長期信頼性を向上させることが可能となる。
【0083】
また、金属材料埋設後の焼結工程の回数を削減し、半導体装置にかかる熱負荷を低減することができるため、半導体装置の信頼性劣化を抑制することが可能となる。
【0084】
また、容量素子19を構成する上部接続配線18において、外部接続用に引き出された引出配線部18aの高さは、論理回路100の配線8cの配線高さよりも低くすることができる。これにより、容量素子19を構成する容量絶縁膜15の高さを高くすることができる。したがって、容量素子19の実効的静電容量値を向上させ、記憶回路200の動作マージンを広くすることが可能となる。
【0085】
また、容量素子19は、論理回路100を構成する層間絶縁膜材料と同一の材料である層間絶縁膜内に形成されてなる。すなわち、容量素子19が埋設されている多層配線層の層間絶縁層7cは、容量素子19と同層に形成された論理回路領域の配線8cが設けられている層間絶縁膜7cと共通している。くわえて、層間絶縁膜7cが、シリコン酸化膜より低い比誘電率を有しているため、容量素子19の寄生容量を低減することが可能となる。
【0086】
更には、論理回路を設計するための設計パラメータと、記憶回路と論理回路とを同一の半導体基板上に混載した半導体装置を設計するための設計パラメータとを共通化することが可能となるため、半導体装置の設計コストを低減することが可能となる。
【0087】
このように、本実施の形態においては、トランジスタと多層配線を有する半導体装置に適用できる。本実施の形態を好適に適用することにより、同一の半導体基板上に、記憶回路と論理回路とを、低コストに、歩留まり良く混載することが可能となる。
【0088】
また、本実施の形態の製造方法においては、容量素子19の上部電極配線18と、上部接続配線18と略同層に位置する配線8cの最上面が、それぞれ同一面上に位置するように構成されつつ、上部接続配線18と埋設電極とは、同一の材料かつ一体に構成されている。このため、上部接続配線18の上面においては、過剰なエッチングやエッチング不足が抑制されている。そして上部接続配線18を形成する際、上部接続配線形成用のスペースを確保するために埋設電極をエッチバックする必要がない。このため、埋設電極を過剰にエッチングすることが抑制できる。このように、本実施の形態においては、歩留まりに優れた構造が得られる。
【0089】
また、本実施の形態の製造方法においては、容量素子用の凹部(開口部23)を形成したのち、配線溝(開口部37)を形成している。先に配線溝を形成すると、配線溝に埋設された金属(例えば銅など)の上面のキャップ膜を形成しない、または除去することで、この金属が酸化して、信頼性が低下する恐れや、銅が拡散して素子特性が低下する可能性もある。しかし、本実施の形態のような順番で処理することにより、こうした恐れや可能性を回避することができるので、信頼性に優れた半導体装置が得られる。
【0090】
また、本実施の形態の製造方法においては、容量素子19の上部電極配線18と、上部接続配線18と略同層に位置する配線8cの最上面が、それぞれ同一面上に位置するように構成されつつ、上部接続配線18と、配線8cを構成する材料が、互いに同一となるように構成できる。これにより、上部電極配線18と配線8cとを、同一の材料で形成し、かつ同時に平坦化工程を行うことができる。このため、製造コストを削減することができる。更には、容量素子19の上部接続配線18と配線8cの結晶性を向上させるための焼結工程も同時に行うことができるため、半導体装置の熱履歴による信頼性劣化をも、抑制することが可能となる。
【0091】
次に、本実施の形態の効果について、上記特許文献に記載の半導体装置と比較してさらに説明する。
【0092】
特許文献1乃至4に開示されている構造によれば、容量素子の容量値を大きくするためには、容量素子の高さを高く形成する必要がある。容量素子の高さを高くすることにより、容量素子の専有面積を大きくすることなく、容量素子の容量値を増加させることが可能となるが、容量素子の高さを高くすることにより、半導体基板表面に形成された能動素子と、論理回路及び記憶回路を構成する多層配線との間の距離が大きくなるため、能動素子と多層配線との接続部(一般に、コンタクトプラグ、或いは単にプラグ、コンタクトと呼称される)の高さが容量素子分だけ高くなってしまうという課題がある。コンタクト高さが高くなることにより、高アスペクト比のコンタクトを金属材料で埋設する必要性が生じ、微細化によるコンタクト径の縮小も相まって、製造上の難易度が高くなってしまうという課題がある。更には、前記コンタクトの高さが高くなることにより、論理回路における能動素子の寄生抵抗及び寄生容量が増加し、論理回路の動作速度の低下要因となる。
【0093】
一方、特許文献5に記載の技術によれば、半導体基板上に形成された能動素子上に、平行平板型の容量素子を形成しているが、かかる構造によれば、容量素子の静電容量値を大きくする場合、容量素子の専有面積が大きくなってしまい、記憶回路が占有する面積が大きくなってしまうため、記憶回路を有する半導体装置を低コストで形成することが困難である。一方、容量素子の専有面積を小さくしてしまうと、容量素子の電荷保持性能が劣化し、記憶回路の保持特性が劣化してしまう。
【0094】
更には、これらのスタック型容量を有する記憶回路と論理回路とを同一の半導体基板上に形成する場合、設計面での課題がある。すなわち、通常の半導体装置の設計方法によれば、半導体装置の構造に応じたSpiceパラメータを用いて回路シミュレーションを行い、所望の回路を設計するが、前記したスタック型容量素子を用いた記憶回路と論理回路を同一の半導体基板上に形成する場合、前記したようなコンタクト抵抗及び寄生容量の増加を織り込んだSpiceパラメータを用いて回路設計を行う必要がある。一方で、記憶回路と混載されない論理回路を設計する場合には、前記した高いコンタクト抵抗及び寄生容量の値を用いる必要はなく、論理回路を構成するに必要十分なコンタクト高さのコンタクト抵抗及び寄生容量を含めたSpiceパラメータで設計を行う。
【0095】
このような理由により、同一世代の半導体製造プロセスを用いて半導体装置の設計を行う場合でも、論理回路のみを形成する場合と、記憶回路と論理回路を同一の半導体基板上に混載して形成する場合とで、異なる設計パラメータを準備する必要が生ずるため、半導体装置の設計を含めた製造コストが増大してしまう。更には、論理回路向けに設計された回路を、記憶回路と論理回路とが混載された半導体装置に移植する場合、回路の再設計が必要になるため、同じく半導体装置の製造コストの増大を招いてしまう。
【0096】
これに対して、本実施の形態においては、半導体基板上に記憶回路及び論理回路を構成する能動素子を形成し、能動素子の更に上に形成される多層配線層を構成する絶縁膜積層構造体内に、記憶回路を構成する容量素子を形成し、更に、コンタクト層間絶縁膜4、5a、5bの少なくとも一つを、通常用いられるシリコン酸化膜よりも低い比誘電率を有する低誘電率層間絶縁膜を用いることにより、記憶回路部と論理回路部の設計パラメータを、同一のものとして用いることが可能となる。コンタクト層間絶縁膜4、5a、5bのうちいずれに低誘電率膜を用いるかは、記憶回路を混載した半導体装置の論理回路の回路性能と、記憶回路を混載しない半導体装置の論理回路が有する回路性能とを比較し、記憶回路を混載したことによる性能劣化の範囲が許容可能な範囲に収まるべく、半導体装置の製造事業者や、設計者により、決定すればよい。また、本実施の形態においては、容量素子を、論理回路配線を構成する層間絶縁膜内に埋設して形成している。これにより、コンタクトの高さが高くなることにより、論理回路における能動素子の寄生抵抗及び寄生容量が増加し、論理回路の動作速度の低下要因となること等を抑制でき、上記特許文献1〜5の課題を解決することができる。
【0097】
また、特許文献6に記載の技術によれば、容量素子301に埋設された埋設電極302と、埋設電極上に裏打ちされた上部接続配線304と同層に位置する論理回路配線303との高さが互いに異なっているため、該構造の製造が困難であった。
また、特許文献6の技術によれば、容量素子301の上面よりも下層に位置する論理回路配線305を形成した後に前記容量素子301、埋設電極302及び上部接続配線304を形成するため、これらを形成する度にかかる熱履歴により、論理回路を構成する論理回路配線305の信頼性が劣化してしまうことがあった。
さらには、特許文献6においては、容量素子301内に埋設された埋設電極302と、埋設電極302上に裏打ち接続された上部接続配線304とを構成するそれぞれの金属材料を別個に形成している。このため、製造コストが上昇することがあった。
【0098】
これに対して、本実施の形態においては、上部接続配線18と埋設電極とを同一材料かつ同一工程で形成できる。このため、製造工程が簡略化され、熱履歴が少なくなり、下層配線の信頼性の低下を抑制でき、さらには、製造コストも削減できる。
【0099】
また、特許文献7〜9においては、容量素子の上部接続配線の上面と、論理回路を構成する配線の上面とが異なる平面上に位置している。すなわち、特許文献7の図5、特許文献8の図7、特許文献9の図27に示すように、上部接続配線に接続するビアと配線に接続するビアとの高さは、これらのビアが層間絶縁膜または平坦化絶縁膜等の積層膜を貫通する膜数が少なくとも一種以上異なる点で、バラツキがある。こうしたビアのバラツキが存在すると、容量素子の上部接続配線の上面におけるエッチング量に過不足が生じることになる。その結果、特許文献7〜9に記載の技術においては、半導体装置の歩留まりが低下することがあった。
【0100】
これに対して、本実施の形態においては、容量素子19の上部接続配線18の上面と論理回路を構成する配線8cの上面とが同一面上に形成される。このため、こられの上面上には、同数かつ同種の積層膜が形成されることになる。こうした上部接続配線18に接続するビアと配線8cに接続するビアの高さには、これらのビアが貫通する積層膜の膜数(かつ、膜種)が同じになるので、バラツキが生じにくくなる。このため、容量素子19の上部接続配線18の上面におけるエッチング量に過不足が生じることが抑制されて、半導体装置の歩留まりが向上する。
【0101】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態の半導体装置について、図面を用いて詳細に説明する。
図4は、第2の実施の形態を示す断面図である。第2の実施の形態においては、図4に示すように、図1に示した本発明の第1の実施の形態と異なり、容量素子19の上部電極配線18の引出配線部18aの下部に、上部電極16及び容量絶縁膜15を貫通して基板方向に延在した接続配線部203が形成されている。この接続配線部203により、容量素子19の引出配線部18aと、引出配線部18aの下部に位置する固定電位を有する配線201とが接続される。この接続配線部203は、複数の容量素子19のそれぞれに形成してもよいし、一部に形成してもよい。また、上部接続配線18aと接続配線部203とが同一の材料により構成されている。すなわち、上部接続配線18、引出配線部18a、接続配線部203は同一工程で形成される。固定電位を有する配線201は、論理回路の配線8bを形成する際に、配線8bの同層の記憶回路領域に位置する配線として、同時に形成しておけば良い。
【0102】
第2の実施の形態により、上部電極配線18上に固定電位配線を配置する必要がなくなるため、上部電極配線18上に位置する信号配線202の本数を多くしたり、信号配線202の配線幅を広げたりすることができる。このため、半導体装置の配線抵抗を低減することが可能となる。
また、第2の実施の形態は、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0103】
次に、第2の実施の形態の半導体装置の製造方法を説明する。図5(a)〜図5(g)は、第2の実施の形態の製造方法を示す工程断面図である。
【0104】
本発明による第2の実施の形態の製造方法は、前記した本発明の第1の実施の形態の製造方法を説明した図3(p)まで、前記した本発明の第1の実施の形態の製造方法と同様の方法により実施することができるため、特に記載しない。図5(a)は、本発明の第1の実施の形態の製造方法を説明した図面である図3(p)までの工程を実施した後に、フォトレジスト32を塗布した状態図を示している。なお、図5(a)において、フォトレジスト32は単一層からなるフォトレジストとして図示しているが、例えば、平坦化膜、シリコン酸化膜、反射防止膜、及びフォトレジストからなる、いわゆる多層レジスト構造を用いても良い。
【0105】
続いて、図5(b)に示すように、フォトレジスト32、ハードマスク31、上部電極16及び容量絶縁膜15に対して、通常用いられるフォトリソグラフィ法、及び反応性イオンエッチング法等の方法により、論理回路配線の開口部33及び接続配線部の開口部40を形成する。
【0106】
続いて、図5(c)に示すように、図3(r)と同様にして、フォトレジスト34を形成し、論理回路配線部のビアの開口部35を形成する。図5(c)においても、フォトレジスト34は、単一層からなるフォトレジストとして図示しているが、例えば、平坦化膜、シリコン酸化膜、反射防止膜、及びフォトレジストからなる、いわゆる多層レジスト構造を用いても良い。
【0107】
続いて、図5(d)に示すように、図3(s)と同様にして、層間絶縁膜7c内に、ビアの開口部36を、例えば反応性イオンエッチング等の方法により、形成する。
【0108】
続いて、図5(e)に示すように、フォトレジスト34をアッシング等の方法により除去した後、ハードマスク31をマスクとして、反応性イオンエッチング等の方法により、論理回路配線の開口部37、及び、上部電極配線の接続配線部の開口部41を形成する。続いて、層間絶縁膜6cを加工する。上記加工により、半導体装置には容量素子の開口部23と、上部接続配線の開口部23、接続配線部の開口部41、及び論理回路配線の開口部37とが、同時に開口された状態となる。
【0109】
続いて、図5(f)に示すように、開口部23、28、41及び37に、バリアメタル及び金属材料を埋設し、CMP法等の平坦化加工を施す。この後、層間絶縁膜6dを堆積することにより、論理回路を構成する配線8c、容量素子19の上部接続配線18、及び上部接続配線18の引出配線部18aの直下に位置する固定電位配線201と電気的に接続する接続配線部203とを、同一工程で形成することができる。
【0110】
この後、図5(g)に示すように、容量素子19及び論理回路配線8cの更に上層に、信号配線202a、202b、202z、論理回路の配線8dを、それぞれ形成する。信号配線202a〜202z及び論理回路の配線8dの形成方法としては、通常用いられる半導体装置の製造方法であるダマシン法等の方法により行えば良い。
【0111】
第2の実施の形態の製造方法により、容量素子19の上部接続配線上に固定電位配線を形成する必要がなくなり、信号配線202a〜202zを、設計者が自由に配置したり、信号配線202a〜202zの配線幅を広く形成したりすることにより、信号配線202a〜202zの配線抵抗を低減することが可能となる。これにより、配線抵抗が低減された半導体装置を得ることができる。
【0112】
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態の半導体装置について、図面を用いて説明する。
図6は、第3の実施の形態の半導体装置を示す断面図である。第3の実施の形態においては、第1の実施の形態や第2の実施の形態と異なり、容量素子19の上部接続配線18の最上面が、論理回路の配線8bの最上面と同一面上に位置するように形成されている。すなわち、容量素子19の層厚方向における高さが、第1及び第2の実施の形態と比較して低く、多層配線層の2層となるように構成されている。このような構造により、記憶回路において、容量素子以外の用途に利用できる配線層数が増加するため、回路設計がより容易になる効果が得られる。容量素子19の高さが低くなってしまうことにより、容量素子の静電容量が低くなってしまうが、容量素子19の容量と記憶回路に利用する配線層の層数は、記憶回路の回路設計手法や、要求される電荷保持時間によりその必要な容量値及び層数が異なるものであり、本発明によれば、容量値と配線層数の優先度を、設計者が決定することができる。また、言うまでもなく、本実施の形態においては、第1及び第2の実施の形態に示した容量素子19の高さを、更に配線層数を増加させた高さ分だけ高くすることにより(4層以上とすることにより)、容量素子19の静電容量を向上させてもよい。
また、第3の実施の形態は、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0113】
なお、第3の実施の形態による半導体装置の製造方法は、容量素子の高さが異なる点を除き、第1の実施の形態の製造方法と同様に行うことができる。更には、第2の実施の形態に示した構造を、本発明の第3の実施の形態に対して適用可能であることは自明であるため、特に詳細については記載しない。
【0114】
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態の半導体装置の製造方法について、図面を用いて説明する。
図7(a)〜図7(f)は、第4の実施の形態による半導体装置の製造方法の工程図を示している。
第4の実施の形態の製造方法においては、容量素子の最上面と同一面上の最上面を有する論理回路配線に用いる開口部の加工方法として、ハードマスク31を用いずに、ハードマスク21を用いて行う点が、第1の実施の形態と異なる。すなわち、第1の実施の形態の製造方法では、金属材料からなるハードマスク31で論理回路配線の加工を行っていたのに対して、第4の実施の形態の製造方法では、論理回路配線の加工を、レジスト及びシリコン酸化膜等の絶縁膜(ハードマスク21)をマスクとして配線加工方法により行うものである。
【0115】
まず、図3(o)において、上部電極16、容量絶縁膜15をエッチバックした後、図7(a)に示すように、フォトレジスト34を、上部電極16、及びハードマスク21上に形成する。
【0116】
続いて、図7(b)に示すように、フォトレジスト34をマスクとして、層間絶縁膜7c内にビアの開口部36を形成する。この後、図示しないが、アッシングを行ってフォトレジスト34を除去する。次いで、図7(c)に示すように、配線開口部形成用のフォトレジスト32を形成し、前記フォトレジスト32及びハードマスク21をマスクとして、層間絶縁膜7c内に、配線の開口部33を形成する。なお、フォトレジスト32及びフォトレジスト34は、図7において単一の膜として図示しているが、平坦化膜、シリコン酸化膜、反射防止膜、フォトレジストからなる多層レジスト構造を用いても良い。更には、図7(c)においては、層間絶縁膜7cの加工終了時まで、フォトレジスト32が残存している状態を示しているが、フォトレジスト32を、反応性イオンエッチングの工程中に全て除去し、ハードマスク21のみを用いて、前記配線開口部33を開口する工程を施しても良い。
【0117】
続いて、図7(d)に示すように、フォトレジスト32をアッシングにより完全に除去した後、下層配線と接続するべく層間絶縁膜6cを加工する。その後、図7(e)に示すように、バリアメタル膜17、及び導電膜38を、スパッタ法、ALD法、CVD法、メッキ法等の方法により、容量素子の開口部、上部接続配線の開口部および配線の開口部33内に埋設する。
【0118】
続いて、図7(f)に示すように、バリアメタル膜17および導電膜38の不要部分、及びハードマスク21を、CMP法等の方法により除去し、平坦化を行って容量素子の上部電極配線18、及び論理回路の配線8cの最上面が、互いに同一面上に位置するように形成する。その後、層間絶縁膜6dを、CVD法等の方法により、上部接続配線18上および配線8c上に堆積する。
【0119】
第4の実施の形態の製造方法によって、第1の実施の形態に示した半導体装置を形成することができる。第4の実施の形態による製造方法によれば、本発明の第1の実施の形態による製造方法と比較して、金属製のハードマスク31を形成しないことにより、アッシング工程の回数が増えるものの、ハードマスク31が容量素子19の内部に残存しないため、上部電極16の電気抵抗値を低減することができる。
また、第4の実施の形態は、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0120】
なお、第4の実施の形態は、前述の通り本発明の第1の実施の形態による製造方法と比較して層間絶縁膜の加工方法のみが異なるため、第2、第3の実施の形態についても、同様に適用可能であることは明らかである。
【0121】
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態の製造方法について、図面を用いて説明する。
図8(a)〜図8(f)は、第5の実施の形態による半導体装置の製造方法の工程図を示している。
第5の実施の形態の製造方法は、上部電極配線の最上面と同一面上に最上面を有する論理回路配線の形成方法として、金属材料及び容量絶縁膜からなるハードマスクを用いる点が、第1の実施の形態と異なる。すなわち、第1の実施の形態の製造方法では、金属材料からなるハードマスク31を用いて論理回路配線の加工を行うのに対して、第5の実施の形態の製造方法では、論理回路配線の加工を、金属材料及び容量絶縁膜からなるハードマスクを用いて行う。
【0122】
第5の実施の形態においては、配線溝を形成する工程において、容量素子19を構成する上部電極16および容量絶縁膜15をマスクとして、論理回路100を構成する配線8cを埋め込むための開口部37を形成する。
【0123】
まず、図3(m)において、容量絶縁膜15、上部電極16を堆積した後、図8(a)に示すように、容量絶縁膜15および上部電極16上の全面に、フォトレジスト32を形成する。フォトレジスト32は単一の膜として図示しているが、平坦化膜、シリコン酸化膜、反射防止膜、フォトレジストからなる多層レジスト構造を用いても良い。
【0124】
続いて、図8(b)に示すように、フォトレジスト32に、フォトリソグラフィ法等の方法により論理回路配線のパターンを形成し、次いで反応性イオンエッチング等の方法により、上部電極16及び容量絶縁膜15を加工し、論理回路配線の開口部33を形成する。論理回路配線の開口部33を形成した後、図示しないが、フォトレジスト32をアッシングにより除去する。
【0125】
続いて、図8(c)に示すように、フォトレジスト34を形成した後、フォトリソグラフィ法等の方法により、ビアパターンをパターニングする。フォトレジスト34は単一の膜として図示しているが、平坦化膜、シリコン酸化膜、反射防止膜、フォトレジストからなる多層レジスト構造を用いても良い。次いで、フォトレジスト34をマスクとして、反応性イオンエッチング等の方法により、層間絶縁膜7c内に、ビアの開口部36を形成する。
【0126】
続いて、フォトレジスト34をアッシングにより除去した後、図8(d)に示すように、上部電極16及び容量絶縁膜15をマスクとして、反応性イオンエッチング等の方法により、層間絶縁膜7c及び6c内に、論理回路配線の開口部37を形成する。
【0127】
続いて、図8(e)に示すように、バリアメタル膜17、及び導電膜38を、スパッタ法、ALD法、CVD法、メッキ法等の方法により、容量素子の開口部、上部接続配線の開口部および配線の開口部に埋設する。
【0128】
続いて、図8(f)に示すように、バリアメタル膜17と導電膜38、上部電極16、容量絶縁膜15、ハードマスク21を、CMP法等の方法により除去し、平坦化を行う。これにより、容量素子19の上部電極配線18の上面と、及び論理回路の配線8cの上面とが、互いに同一面上に位置するように形成される。その後、層間絶縁膜6dを、CVD法等の方法により、上部接続配線18上および配線8c上に堆積する。
【0129】
第5の実施の形態の製造方法によって、第1の実施の形態に示した半導体装置を形成することができる。第5の実施の形態の製造方法によれば、上部電極16及び容量絶縁膜15をマスクとして論理回路配線開口部の加工を行うため、導電膜38の平坦化工程の際に、容量絶縁膜15をCMP法により除去する必要がある。このため、該CMP工程において、第1の実施の形態による製造方法と比較して、終点検出等のCMP工程の複雑化や、より長時間のCMP時間が要求されるものの、第5の実施の形態による製造方法を用いることにより、従来の工程数と比較して、半導体装置の製造にかかる工程数を削減することができる。
また、第5の実施の形態は、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0130】
なお、第5の実施の形態は、前述したように第1の実施の形態による製造方法と比較して層間絶縁膜7c、上部電極16、容量絶縁膜15の加工方法のみが異なるため、第2、第3の実施の形態についても、同様に適用可能であることは明らかである。
【0131】
本実施の形態は、更に以下の態様を含む。
(1)同一の半導体基板上に記憶回路と論理回路とを有する半導体装置の製造方法であって、前記容量素子を構成する上部電極膜をマスクとして、前記論理回路配線溝を加工することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(2) 同一の半導体基板上に記憶回路と論理回路とを有する半導体装置の製造方法であって、前記容量素子を構成する上部電極材料と容量絶縁膜をマスクとして、前記論理回路配線溝を加工することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(3) 同一の半導体基板上に記憶回路と論理回路とを有する半導体装置の製造方法であって、前記容量素子を構成する上部接続配線と、前記上部接続配線と略同層に位置する論理回路配線とを、同時に形成することを特徴とする、半導体装置の製造方法。
(4) 同一の半導体基板上に記憶回路と論理回路とを有する半導体装置の製造方法であって、半導体基板上に素子分離膜及び能動素子を形成する工程と、前記半導体基板上に第1の層間絶縁膜を形成する工程と、前記第1の層間絶縁膜内に第1のコンタクト及びビット線を形成する工程と、前記ビット線上に第2の層間絶縁膜を堆積する工程と、前記第2の層間絶縁膜内に、前記第1のコンタクトに接続される第2のコンタクトを形成する工程と、前記第2のコンタクト上に第3の層間絶縁膜を形成する工程と、前記第3の層間絶縁膜内に論理回路配線を形成する工程と、前記第3の層間絶縁膜内に更に開口部を形成し、容量素子を構成する下部電極、容量絶縁膜、上部電極を堆積する工程と、前記容量素子を構成する上部電極の最上面と略同層に位置する論理回路配線の開口部を前記第3の層間絶縁膜内に形成する工程と、前記容量素子開口部と、前記上部電極の最上面と略同層に位置する論理回路配線の開口部内に金属材料を埋設する工程と、前記金属材料を平坦化する工程と、を含む、(1)乃至(3)に記載の半導体装置の製造方法。
【0132】
(第6の実施の形態)
次に、第6の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図10は、第6の実施の形態を示す断面図である。第6の実施の形態においては、図10に示すように、図1に示した本発明の第1の実施の形態と異なり、容量素子19の上部電極配線18と、論理回路の配線8cが、各々異なる材料により形成されている。互いに異なる材料により形成された、容量素子19の上部電極配線18及び引出配線部18aの上面と、論理回路の配線8cの上面とは、第1の実施の形態と同様に、互いに同一面上に位置している。容量素子19の上部電極配線18及び引出配線部18aは同一の材料で一体に形成されており、例えば、埋設性に優れた方法により埋め込まれた、タングステンなどの金属により形成することが好ましい。
【0133】
第6の実施の形態によれば、容量素子19の上部電極配線18及び引出配線部18aと、論理回路の配線8cとを、互いに異なる材料により形成する。これにより、各々に好適な金属材料を、好適な方法により、埋設することができる。例えば、容量素子19の信頼性保障上の観点からは、容量素子19の上部電極配線18及び引出配線部18aは、例えばタングステンなどの、エレクトロマイグレーション耐性に優れた金属材料を埋め込むことが好適な場合がある。また、製造工程における金属材料の埋設容易性の観点からは、容量素子19の上部電極配線18を形成する際には、論理回路の配線8cを形成するよりも深い深さを埋設する必要があるが、本発明の第1の実施の形態に示したように、容量素子19の上部電極配線18と、論理回路の配線8cとを同一の方法、例えば、めっき法などの方法により埋設する場合、埋設する溝深さが互いに異なることにより、埋設自体が困難であったり、より厚いめっき膜を形成する必要が生ずる結果、製造コストが上昇してしまう場合がある。第6の実施の形態により、これらの課題を解決することが可能となる。
なお、第6の実施の形態においては、CMPの各種の条件を適切に選択することにより、容量素子19の上部電極配線18及び引出配線部18aの上面と、論理回路の配線8cの上面とを同一面に形成することができる。これにより、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0134】
次に、第6の実施の形態の製造方法を、図面を用いて詳細に説明する。図11(a)〜図11(f)は、第6の実施の形態の製造工程を説明する断面図である。
第6の実施の形態の製造工程は、同一の基板(半導体基板1)上に記憶回路200と論理回路100とを有する半導体装置の製造方法であって、半導体基板1上に絶縁層(層間絶縁膜7a〜7c)を形成し、層間絶縁膜7a〜7cに開口部23を形成するとともに、開口部23の内部に、下部電極14、容量絶縁膜15、上部電極16、埋設電極、および上部接続配線18を形成する工程と、上部接続配線18を平坦化する工程と、開口部23が設けられている層間絶縁膜7cに、配線溝(開口部37)を形成する工程と、開口部37を埋め込むように、金属膜(導電膜38)を形成する工程と、導電膜38を平坦化すると同時に、上部接続配線18を更に平坦化する工程と、を含み、平坦化する上記工程において、開口部23の内に下部電極14、容量絶縁膜15、上部電極16、埋設電極および、上部接続配線18で構成される容量素子19を形成しつつ、配線溝(開口部37)内に前記論理回路を構成する配線8cを形成する、半導体装置の製造方法。
【0135】
第6の実施の形態による製造方法は、第1の実施の形態にて示した製造方法と比較して、容量素子19を形成する工程以降が異なる。すなわち、本発明の第6の実施の形態の製造方法は、本発明の第1の実施の形態の製造方法に示した図3(m)の工程以降を、異なる製造方法により形成する。
第6の実施の形態による製造方法によれば、本発明の第1の実施の形態による製造工程の図3(m)に示したように、上部電極膜16を形成した後、図11(a)に示すように、上部電極配線18となる金属膜を堆積する。上部電極配線18は、例えば、銅などの比較的抵抗の低い金属材料と比較して、比抵抗は高いものの、熱安定性に優れた、タングステン等の金属材料を用いれば良い。上部電極配線18の埋設方法としては、例えば、通常の半導体装置の製造方法に用いられる、CVD法等を用いれば良い。
【0136】
次いで、図11(b)に示すように、例えばCMP法等の方法により、上部電極配線18、上部電極16、容量絶縁膜15の余剰部分を除去し、平坦化を行う。図11(b)においては、平坦化をハードマスク21の途中で止め、ハードマスク21を残存させているが、ハードマスク21を完全に除去しても良い。また、図示しないが、平坦化を容量絶縁膜15の表面で止め、次いでエッチバック等の反応性イオンエッチングを用いた方法により、容量絶縁膜15を除去しても良い。
【0137】
次いで、図11(c)に示すように、再度ハードマスク21bを成長する。ハードマスク21bは、後に行われる論理回路配線の配線溝形成時のハードマスクとして機能させる。
次いで、図11(d)に示すように、例えばフォトレジスト法及び反応性イオンエッチング等の方法により、後に論理回路配線とするべく、配線溝37を形成する。
【0138】
次いで、図11(e)に示すように、バリアメタル17及び金属膜38を、順次堆積する。バリアメタル17は、例えば、チタンやタンタル、及びそれらの窒化物からなる合金か、或いはそれらの積層構造を有する金属膜を用いてもよいし、或いは、マンガン、ルテニウム等の金属元素を含有する金属膜を用いても良い。金属膜の堆積方法としては、スパッタリング法、ALD法、等を用いればよい。また、金属膜38は、論理回路配線を形成するべく、抵抗率の低い金属材料が好ましく、例えば、銅、或いは銅を主成分とする合金により形成してもよい。金属膜38の堆積方法としては、めっき法や、CVD法を用いればよい。
【0139】
次いで、図11(f)に示すように、CMP法等の方法により、金属膜38、バリアメタル17、及びハードマスク21bの余剰部分を除去する。このとき同時に、容量素子の溝を加工するために堆積したハードマスク21を除去することが好ましい。更には同時に、容量素子19の上部電極配線18を平坦化し、上部電極配線18と、前記論理回路配線8cの上面を、同一面上に位置させるべく平坦化を行うことが、より好ましい。上記に示した工程を経た後、互いに同一面上に上面を有する上部電極配線18、引出配線部18a、及び論理回路の配線8c上に、第1の実施の形態と同様に、共通の金属拡散防止膜(層間絶縁膜6d)を堆積し、図10に示す構造を得る。
【0140】
第6の実施の形態によれば、容量素子19の上部電極配線18及び引出配線部18aを一定量研磨するための平坦化工程と、論理回路の配線8c及び前記の上面を同一面状に形成するための平坦化工程を含むことになり、平坦化工程の回数は本発明の第1の実施の形態よりも多くなる。しかしながら、第6の実施の形態によれば、容量素子19のエレクトロマイグレーション耐性の向上や、埋設容易性の向上、更には埋設にかかる製造コストの低減が可能となる等の効果が得られる。すなわち、本発明の第1の実施の形態と第6の実施の形態のいずれかを実施するかは、半導体装置の信頼性、製造の容易性、製造コストなどを勘案し、当該事業者が選択することができる。
【0141】
また、第6の実施の形態においては、容量素子の金属電極として埋設性に優れた金属材料を用い、化学的により安定な金属材料を電極材料として用いることにより、容量素子の信頼性を向上させることができる。また、埋設電極とロジック配線の同時形成時に必要であったアッシング工程を行わずに容量素子を形成することができるため、上部電極と埋設電極間の界面抵抗を低減することができる。
【0142】
(第7の実施の形態)
次に、本発明の第7の実施の形態の製造方法について、図面を用いて説明する。
図12は、第7の実施の形態を示す断面図である。第7の実施の形態においては、図12に示すように、前記した第6の実施の形態と異なり、容量素子19の上部接続配線18の最上面が、論理回路の配線8bの最上面と同一面上に位置するように形成されている。すなわち、容量素子19の層厚方向における高さが、図10の第6の実施の形態と比較して低く、多層配線層の2層となるように構成されている。このような構造により、記憶回路において、容量素子以外の用途に利用できる配線層数が増加するため、回路設計がより容易になる効果が得られる。容量素子19の高さが低くなってしまうことにより、容量素子の静電容量が低くなってしまうが、容量素子19の容量と記憶回路に利用する配線層の層数は、記憶回路の回路設計手法や、要求される電荷保持時間によりその必要な容量値及び層数が異なるものであり、本実施の形態によれば、容量値と配線層数の優先度を、設計者が決定することができる。また、言うまでもなく、本実施の形態においては、第6の実施の形態に示した容量素子19の高さを、更に配線層数を増加させた高さ分だけ高くすることにより(4層以上とすることにより)、容量素子19の静電容量を向上させてもよい。
また、第7の実施の形態は、第6の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0143】
(第8の実施の形態)
次に、第8の実施の形態の製造方法について、図面を用いて説明する。
図13は、第8の実施の形態を示す断面図である。第8の実施の形態においては、図13に示すように、前記した第1乃至第7の実施の形態と異なり、容量素子19の下部電極14が、容量コンタクト13bを覆うべく形成され、容量素子19の電極面積が大きくなっている。このような構造により、記憶回路において、容量素子の電極面積を増加させることにより、容量素子の静電容量値を大きくし、記憶回路のデータ保持時間を大きくするという効果が得られる。本実施の形態は、製造工程の説明において前記した図3(f)乃至図3(h)の工程、すなわち、製造工程において容量素子を形成する工程において、例えば反応性イオンエッチング等の方法により開口部23を加工する際、容量コンタクト13bの周囲を掘り込むことにより、構造及び効果を得られるものである。従って、第8の実施の形態は、本願発明の他の実施の形態に対して、同時に実施することができる。また、第8の実施の形態は、第1の実施の形態または第6の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0144】
(第9の実施の形態)
次に、本発明の第9の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図14(a)および(b)は、第9の実施の形態を示す断面図である。第9の実施の形態においては、図14(a)に示すように、容量素子19を構成する下部電極14および容量絶縁膜15と、層間絶縁膜7との間に、側壁保護膜50が形成されている。すなわち、下部電極14が、隣接する容量素子19の間の領域における層間絶縁膜7a〜7cと接しないように、側壁保護膜50が形成されている。言い換えると、下部電極14が設けられている全ての層間絶縁膜7a〜7cに亘って、下部電極14の側壁上がシームレスの側壁保護膜50に覆われている(図14(b)についても同様である)。近年の微細化された半導体装置においては、配線間の比誘電率を低くするために、層間絶縁膜7の内部に、微細な空孔を形成する、いわゆる多孔質膜を用いることがあるが、本実施の形態に示すように、隣接した容量素子19の間に、側壁保護膜50を形成することにより、これらの間の領域における層間絶縁膜7内部への下部電極14の侵入を防ぐことができる。これにより、下部電極14を安定に形成し、かつ、互いに隣接した容量素子19との下部電極14間のリーク電流の低減や、長期絶縁信頼性の向上という効果が得られる。こうした側壁保護膜50は、例えば、国際公開WO2004/107434において、バリア絶縁膜として示されているような、ジビニルシロキサンベンゾシクロブテン等の有機シリカ物を含むバリア絶縁膜を用いてもよい。あるいは、シリコン窒化膜(SiN)、シリコン炭化物(SiC)、シリコン炭窒化物(SiCN)、シリコン酸炭化物(SiOC)を側壁保護膜50として用いても良い。
本実施の形態においては、側壁保護膜50(堆積層)は、隣接する絶縁層(層間絶縁膜7a〜7c)よりも密度が高くすることができる。
なお、図14(a)及び(b)には、本実施の形態を、それぞれ本願発明の第6、第7の実施の形態に対して適用した図面を示したが、言うまでも無く、本実施の形態は、本発明の他の実施の形態に対しても適用することができるものである。
【0145】
次に、第9の実施の形態の製造方法を、図面を用いて詳細に説明する。図15(a)〜図15(c)は、本発明の第9の実施の形態の半導体装置の製造工程を説明する断面図である。
第9の実施の形態による製造方法は、第1の実施の形態にて示した製造方法における図3(h)から図3(i)の工程に、側壁保護膜を形成する工程を行うものである。
第9の実施の形態による製造方法によれば、第1の実施の形態による製造工程の図3(h)に示したように、開口部23(第1の開口部)を形成した後、第9の実施の形態による製造方法の図15(a)に示すように、たとえば、開口部23の側壁上に層間絶縁膜7a〜7cよりも膜密度の高い側壁保護膜50となる絶縁膜を堆積する。こうした堆積層(側壁保護膜50)は、少なくともシリコン原子を含む絶縁膜であることが好ましく、例えば、シリコン酸化膜(SiO)、シリコン炭化物(SiC)、シリコン窒化膜(SiN)、シリコン炭窒化物(SiCN)のような、化学気相成長法による絶縁膜や、或いは一般に低誘電率膜と呼ばれる、シリコン、酸素、炭素を含む絶縁膜や、或いは、ベンゾシクロブテンのような、プラズマ重合法により形成される膜を用いても良い。すなわち、本実施の形態による効果を得るためには、層間絶縁膜7の側壁に形成された空孔部分を閉塞させることができる絶縁膜を用いればよい。
【0146】
次いで、図15(b)に示すように、例えば、反応性イオンエッチングや、RFスパッタリング等の方法により、少なくとも開口部23の底面における側壁保護膜50をエッチバックする。これにより、コンタクト13bと、後に形成される下部電極14とが電気的に接続されるようにする。この側壁保護膜50は、特に連続した空孔から構成される多孔質絶縁膜を層間絶縁膜に用いた場合に対して特に有効である。一般に、連続した空孔から構成される多孔質絶縁膜は、膜中に存在する低温熱分解性の有機物を、基板加熱しながら紫外線照射等を行って該有機物を分解させて空隙を形成させる。低温熱分解性の有機物の混入は、低温熱分解性の有機物ガスと層間絶縁膜の原料ガスとの混合ガスを用いて層間絶縁膜を成長させてもよいし、層間絶縁膜原料の分子に低温熱分解性の有機物を化学結合させたものを用いてもよい。少なくとも、層間絶縁膜の成長工程後に、基板加熱しながら紫外線照射等を行って該有機物を分解させる工程により形成される多孔質絶縁膜を用いることができる。
【0147】
次いで、図15(c)に示すように、少なくとも開口部23の底面および側壁上に下部電極14を形成する。側壁保護膜50が形成されていることにより、例えば、層間絶縁膜7に形成された微細空孔が、側壁から絶縁膜の内部まで貫通したような形状を有している場合でも、下部電極14が、層間絶縁膜7の内部に侵入することを防ぐことができる。
【0148】
上述の工程により下部電極14を形成した後は、図3(j)以降の工程と同様に、容量素子を形成する工程を施せばよい。以上の製造方法により、層間絶縁膜7a〜7cと、下部電極14との間に、側壁保護膜50を形成することができる。なお、図示しないが、図3(f)の工程の後に、同様の方法により側壁保護膜50を形成してもよい。
【0149】
(第10の実施の形態)
次に、本発明の第10の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図16(a)および(b)は、第10の実施の形態を示す断面図である。第10の実施の形態においては、図16(a)に示すように、容量素子19を構成する下部電極14および容量絶縁膜15と、配線層間絶縁膜7a〜7cとの間に、側壁保護膜50a〜50cが形成されている。更に、これらの側壁保護膜50a〜50cは、層間絶縁膜7a〜7cの領域にのみ形成されており、すなわち、下部電極14が隣接する容量素子19の間の領域における層間絶縁膜7a〜7cと接しないように、下部電極14の側壁上には側壁保護膜50および層間絶縁膜6b、cが形成されている。言い換えると、下部電極14が設けられている全ての層間絶縁膜7a〜7cに亘って、下部電極14の側壁上が側壁保護膜50a〜50cおよび層間絶縁膜6b、cに覆われている(図16(b)についても同様である)。また、これらの側壁保護膜50a〜50cは、層間絶縁膜7a〜7cに含有される元素のうち、少なくともひとつを含み、かつ、前記層間絶縁膜7よりも、高い密度を有している。
【0150】
近年の微細化された半導体装置においては、配線間の比誘電率を低くするために、層間絶縁膜7の内部に、微細な空孔を形成する、いわゆる多孔質膜を用いることがあるが、本実施の形態に示すように、隣接した容量素子19の間に側壁保護膜50a〜50cを形成することにより、これらの間の領域における層間絶縁膜7内部への下部電極14の侵入を防ぐことができる。これにより、下部電極14を安定に形成し、かつ、互いに隣接した容量素子19の下部電極14間のリーク電流の低減や、長期絶縁信頼性の向上という効果が得られる。
【0151】
第10の実施の形態における側壁保護膜50a〜50cは、前記した第9の実施の形態と異なり、少なくとも下部電極14と接する層間絶縁膜7a〜7cの表層に形成されている。こうした側壁保護膜50a〜50cとしては、例えば、国際公開2007/132879に開示されているように、層間絶縁膜7a〜7cの表層を改質し、層間絶縁膜7a〜7cの内部よりも単位堆積あたりの炭素量を少なくし、酸素原子数を多くした改質層を形成しても良いし、特開2009−123886号公報に開示されているように、水素プラズマによる改質層を形成しても良い。更には、国際公開03/083935に開示されているような、窒素原子と弗素原子を含むような改質層を形成してもよい。側壁保護膜50a〜50cが弗素原子を含むことにより、後に形成される下部電極14と化合物を形成してしまうと、下部電極14の導電性が損なわれてしまうが、本実施の形態によれば、側壁保護膜50a〜50cが有する弗素原子は、窒素原子との強固な結合を有しているため、下部電極14と側壁保護膜50a〜50cが化合物を形成し、下部電極14の導電性が失われてしまうといった問題はおこらない。
なお、図16(a)及び(b)には、本実施の形態を、それぞれ本願発明の第6、第7の実施の形態に対して適用した図面を示したが、言うまでも無く、本実施の形態は、本発明の他の実施の形態に対しても適用することができるものである。
【0152】
次に、第10の実施の形態の製造方法を、図面を用いて詳細に説明する。図17(a)および(b)は、本発明の第10の実施の形態の製造工程を説明する断面図である。
第10の実施の形態による製造方法は、第1の実施の形態にて示した製造方法における図3(h)から図3(i)の工程に、側壁保護膜を形成する工程を行うものである。
第10の実施の形態による製造方法によれば、本発明の第1の実施の形態による製造工程の図3(h)に示したように、開口部23を形成した後、第10の実施の形態による製造方法の図17(a)に示すように、側壁保護膜50a〜50cとなる改質層を形成する。こうした改質層は、層間絶縁膜7a〜7cの表層を改質することにより、形成される。すなわち、水素、窒素、炭素、弗素、またはそれらにヘリウムやアルゴンなどの不活性ガスを添加した雰囲気においてプラズマを励起し、層間絶縁膜7a〜7cの表層を改質させることにより、側壁保護膜50a〜50cを形成する。あるいは、少なくとも酸素を含む雰囲気中で紫外線照射処理を施すことにより、層間絶縁膜7a〜7cの表層を改質し、側壁保護膜50a〜50cを形成する。
【0153】
次いで、図17(b)に示すように、下部電極14を形成する。側壁保護膜50a〜50cが形成されていることにより、例えば、層間絶縁膜7a〜7cに形成された微細空孔が、側壁から絶縁膜の内部まで貫通したような形状を有している場合でも、下部電極14が、層間絶縁膜7a〜7cの内部に侵入することを防ぐことができる。
上述の工程により下部電極14を形成した後は、図3(j)以降の工程と同様に、容量素子を形成する工程を施せばよい。以上の製造方法により、層間絶縁膜7とa〜c、前記下部電極14との間に、側壁保護膜50a〜50cを形成することができる。なお、図示しないが、図3(f)の工程の後に、同様の方法により側壁保護膜50a〜50cを形成してもよい。
【0154】
(第11の実施の形態)
次に、第11の実施の形態について、図面を用いて説明する。第10の実施の形態は、すでに示した第6及び第7の実施の形態の製造方法を提供するものである。以下、本発明の第11の実施の形態による製造方法を、図面を用いて詳細に説明する。
【0155】
第11の実施の形態によれば、まず、図18(a)に示すように、本発明の第6の実施の形態に示した製造方法と異なり、容量素子を形成する前に、論理回路配線8cを形成する。論理回路配線8cの形成方法は、通常用いられる半導体装置の製造方法を用いればよい。
【0156】
次いで、図18(b)に示すように、後の平坦化工程におけるストッパー膜として機能する犠牲層51、ハードマスク層21を、順次堆積する。ハードマスク層21は、前記した第6の実施の形態の製造方法に示したものと同一のものを用いればよい。犠牲層51は、たとえば、シリコン窒素化膜(SiN)や、シリコン炭窒化物(SiCN)や、シリコン炭化物(SiC)、及びそれらの積層構造を有していても良い。
【0157】
次に、図18(c)に示すように、容量素子を形成する開口部23と、上部接続配線の配線溝(開口部28)を、形成する。これらの形成方法は、前記した第1の実施の形態の製造方法と同一の方法により行えばよい。
【0158】
次に、図18(d)に示すように、開口部23、28及びハードマスク21上に、下部電極14となる金属膜を堆積し、保護レジストを堆積した後にエッチバックし、下部電極14を開口部23内部にのみ残存させるべく加工を行う(エッチバック工程は図示しない)。
【0159】
次いで、図18(e)に示すように、容量素子を形成するべく、容量絶縁膜15、上部電極16、上部接続配線18となる金属膜を、順次堆積する。
【0160】
次いで、図18(f)に示すように、CMP法などの方法により、余剰な金属膜及び絶縁膜の平坦化を行う。なお、ハードマスク層21も、CMPにより除去することが好ましい。犠牲層51は、余剰な金属膜及びハードマスク層の研磨レートよりも低い研磨レートを有する。
【0161】
次いで、図18(g)に示すように、犠牲層51をエッチバックした後、図18(h)に示すように、拡散防止膜(層間絶縁膜6d)を堆積する。図18(h)の模式図において、論理回路の配線8cの上面は、容量素子の上部接続配線18の上面よりも、犠牲層51の厚さ分だけ、低くなっている。しかしながら、犠牲層51は前記平坦化工程においてCMPのストッパーとして機能すればよく、最大でも30nm程度の厚さであるため、半導体装置の歩留まりを低下させるほど大きなものではない。
【0162】
次いで、図18(i)に示すように、容量素子の上部電極配線18上に、接続配線201や、信号配線202、論理回路の配線8dを、形成する。以上に示した製造方法により、容量素子19の上面と、論理回路の配線8cの上面との高さの差が、30nm以内に位置した半導体装置が、形成される。こうした上面の高さは、前述のとおり、SEM等を用いた断面画像及び表面プロファイルから測定することができる。
【0163】
なお、図18(j)に図示したように、本実施の形態において、犠牲層51として、拡散防止膜(層間絶縁膜6d)を用いても良い。この場合、図18(f)で上部電極配線18の平坦化を行った後、図18(g)のようにエッチバックする必要は無く、層間絶縁膜7dを堆積し、順次配線(信号配線202、固定電位を有する配線201、配線8d)を形成すればよい。次いで、これらの配線上に、層間絶縁膜6eが形成される。ただしこの場合は、拡散防止膜(層間絶縁膜6d)の厚さは、論理回路の配線8cの金属膜の拡散防止層となる必要があるため、同じく拡散防止膜として形成されている層間絶縁膜6cと同等の厚さを有していることが好ましいが、本実施の形態の構造及び効果を得るためには、上部接続配線18の上面と、論理回路の配線8cの上面との高さの差とみなせる厚さである、30nm以下であることが、より好ましい。
【0164】
なお、当然ながら、上述した実施の形態および複数の変形例は、その内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。また、上述した実施の形態および変形例では、各部の構造などを具体的に説明したが、その構造などは本願発明を満足する範囲で各種に変更することができる。
【符号の説明】
【0165】
1 半導体基板
2 素子分離膜
3a、3b 能動素子
4 コンタクト層間絶縁膜
5a、5b コンタクト層間絶縁膜
6a、6b、6c、6d、6e 層間絶縁膜
7a、7b、7c、7d 層間絶縁膜
8a、8b、8c、8d 配線
10 セルコンタクト
10a、10b セルコンタクト
11 ビットコンタクト
12 ビット線
13、13b 容量コンタクト
14 下部電極
15 容量絶縁膜
16 上部電極
17 バリアメタル膜
18 上部接続配線
18a 引出配線部
19 容量素子
20 シリサイド
21、21b ハードマスク
22 フォトレジスト
23 開口部
24 平坦化膜
25 シリコン酸化膜
26 反射防止膜
27 フォトレジスト
28 開口部
29 フォトレジスト
30 フォトレジスト
31 ハードマスク
32 フォトレジスト
33 開口部
34 フォトレジスト
35 開口部
36 開口部
37 開口部
38 導電膜
40 開口部
41 開口部
50、50a、50b、50c 側壁保護膜
51 犠牲層
100 論理回路
110 半導体基板
200 記憶回路
201、201a、201b、201c 固定電位を有する配線
202、202a、202b、202z 信号配線
203 接続配線部
210 容量素子
220 周辺回路
300 能動素子
301 容量素子
302 埋設電極
303 論理回路配線
304 上部接続配線
305 論理回路配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に形成されており、配線および絶縁層により構成された配線層が複数積層された多層配線層と、
平面視において、前記基板内の記憶回路領域に形成されており、前記多層配線層内に埋め込まれた少なくとも1以上の容量素子および周辺回路を有する記憶回路と、
平面視において、前記基板内の前記記憶回路領域とは異なる領域である論理回路領域に形成された論理回路と、を備え、
前記容量素子は、下部電極、容量絶縁膜、上部電極、埋設電極および、上部接続配線で構成されており、
前記上部接続配線と前記埋設電極とは、同一の材料かつ一体に構成されており、
前記上部接続配線と前記下部電極との間には、前記論理回路を構成する前記配線が少なくとも1以上設けられており、
前記上部接続配線の上面と、前記上部接続配線と同じ前記配線層に形成された前記論理回路を構成する前記配線の上面とが、同一面を構成する、半導体装置。
【請求項2】
基板と、
前記基板上に形成されており、配線および絶縁層により構成された配線層が複数積層された多層配線層と、
平面視において、前記基板内の記憶回路領域に形成されており、前記多層配線層内に埋め込まれた少なくとも1以上の容量素子および周辺回路を有する記憶回路と、
平面視において、前記基板内の前記記憶回路領域とは異なる領域である論理回路領域に形成された論理回路と、を備え、
前記容量素子は、下部電極、容量絶縁膜、上部電極、埋設電極および、上部接続配線で構成されており、
前記上部接続配線と前記埋設電極とは、同一の材料かつ一体に構成されており、
前記上部接続配線と前記下部電極との間には、前記論理回路を構成する前記配線が少なくとも1以上設けられており、
前記上部接続配線の上面と、前記上部接続配線と同じ前記配線層に形成された前記論理回路を構成する前記配線の上面との高さの差が、30nm以下である、半導体装置。
【請求項3】
前記上部接続配線の上面上および前記上部接続配線と同じ前記配線層に形成された前記論理回路を構成する前記配線の上面上に、共通の金属拡散防止膜が形成されている、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記容量素子が埋設されている前記多層配線層の前記絶縁層は、前記容量素子と同層に形成されており、前記論理回路を構成する前記配線が設けられている前記絶縁層と共通しており、
前記絶縁層が、シリコン酸化膜より低い誘電率を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記絶縁層と前記下部電極との間に側壁保護膜が形成されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記側壁保護膜が堆積層または改質層である、請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記堆積層は、隣接する前記絶縁層よりも密度が高い、請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記改質層は、隣接する前記絶縁層を構成する元素のうち、少なくとも一つを有する、請求項6に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記上部接続配線と前記論理回路を構成する前記配線を構成する材料が互いに異なる、請求項1から8のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記上部接続配線はタングステンで構成されており、前記論理回路を構成する前記配線は銅または銅を含む合金で構成されている、請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記上部接続配線と前記論理回路を構成する前記配線とを構成する材料が、銅または銅を含む合金である、請求項1から8のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記論理回路を構成する前記配線と、前記基板表面に形成された能動素子との間の絶縁膜のうち、少なくとも1層を構成する絶縁膜材料の比誘電率が、シリコン酸化膜よりも低い、請求項1から11のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記容量素子はシリンダー形状であり、
前記上部接続配線の引出配線部の直下において、前記上部電極および前記容量絶縁膜が形成されている、請求項1から12のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記上部接続配線の層厚方向における高さが、前記上部接続配線と同じ前記配線層に形成された前記論理回路を構成する前記配線の層厚方向における高さより低い、請求項1から13のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記容量素子上の前記配線層に、固定電位を有する配線が少なくとも1以上形成されるとともに、信号配線が複数形成されており、
前記固定電位を有する配線が、前記容量素子を構成する前記上部接続配線に電気的に接続されている、請求項1から14のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記上部接続配線が、前記上部電極及び前記容量絶縁膜を貫通しており、層厚方向に延在した接続配線部を有し、
前記接続配線部が、前記上部接続配線の下方において、固定電位を有する配線と電気的に接続している、請求項1から15のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項17】
同一の基板上に記憶回路と論理回路とを有する半導体装置の製造方法であって、
前記基板上に絶縁層を形成し、前記絶縁層に開口部を形成するとともに、前記開口部内に、下部電極、容量絶縁膜および、上部電極を形成する工程と、
前記開口部が設けられている前記絶縁層に、配線溝を形成する工程と、
前記開口部および前記配線溝を埋め込むように、金属膜を形成する工程と、
前記金属膜を平坦化する工程と、を含み、
前記平坦化する工程において、前記開口部内に下部電極、容量絶縁膜、上部電極、埋設電極および、上部接続配線で構成される容量素子を形成しつつ、前記配線溝内に前記論理回路を構成する配線を形成する、半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記開口部を形成する前記工程において、前記容量素子を構成する前記上部電極をマスクとして、前記論理回路を構成する前記配線を埋め込むための前記配線溝を形成する、請求項17に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記開口部を形成する前記工程において、前記容量素子を構成する前記容量絶縁膜および前記上部電極をマスクとして、前記論理回路を構成する前記配線を埋め込むための前記配線溝を形成する、請求項18に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
前記上部接続配線と前記論理回路を構成する前記配線とは同時に形成される、請求項17から19のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項21】
同一の基板上に記憶回路と論理回路とを有する半導体装置の製造方法であって、
前記基板上に絶縁層を形成し、前記絶縁層に開口部を形成するとともに、前記開口部内に、下部電極、容量絶縁膜、上部電極、埋設電極、および上部接続配線を形成する工程と、
前記上部接続配線を平坦化する工程と、
前記開口部が設けられている前記絶縁層に、配線溝を形成する工程と、
前記配線溝を埋め込むように、金属膜を形成する工程と、
前記金属膜を平坦化すると同時に、前記上部電極配線を更に平坦化する工程と、を含み、
前記平坦化する工程において、前記開口部内に下部電極、容量絶縁膜、上部電極、埋設電極および、上部接続配線で構成される容量素子を形成しつつ、前記配線溝内に前記論理回路を構成する配線を形成する、半導体装置の製造方法。
【請求項22】
前記開口部を形成した後に、前記開口部の側壁上に前記層間絶縁膜よりも膜密度の高い側壁保護膜を形成した後、前記下部電極を形成する、請求項17から21のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3(a)】
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【図3(b)】
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【図3(c)】
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【図3(d)】
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【図3(e)】
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【図3(f)】
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【図3(g)】
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【図3(h)】
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【図3(i)】
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【図3(j)】
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【図3(k)】
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【図3(l)】
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【図3(m)】
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【図3(n)】
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【図3(o)】
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【図3(p)】
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【図3(q)】
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【図3(r)】
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【図3(s)】
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【図3(t)】
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【図3(u)】
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【図3(v)】
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【図3(w)】
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【図4】
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【図5(a)】
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【図5(b)】
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【図5(c)】
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【図5(d)】
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【図5(e)】
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【図5(f)】
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【図5(g)】
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【図6】
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【図7(a)】
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【図7(b)】
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【図7(c)】
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【図7(d)】
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【図7(e)】
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【図7(f)】
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【図8(a)】
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【図8(b)】
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【図8(c)】
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【図8(d)】
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【図8(e)】
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【図8(f)】
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【図9】
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【図10】
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【図11(a)】
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【図11(b)】
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【図11(c)】
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【図11(d)】
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【図11(e)】
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【図11(f)】
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【図12】
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【図13】
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【図14(a)】
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【図14(b)】
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【図15(a)】
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【図15(b)】
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【図15(c)】
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【図16(a)】
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【図16(b)】
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【図17(a)】
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【図17(b)】
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【図18(a)】
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【図18(b)】
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【図18(c)】
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【図18(d)】
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【図18(e)】
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【図18(f)】
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【図18(g)】
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【図18(h)】
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【図18(i)】
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【図18(j)】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−4533(P2012−4533A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270310(P2010−270310)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】