説明

半導体装置の作製方法

【課題】本発明は、少ない工程で多層配線化を実現し、小面積で高機能な機能回路を有する配線基板及び半導体装置を提供する。またこのような高機能な機能回路を表示装置と同一基板上に一体形成した半導体装置を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、絶縁表面を有する基板上に、第1の配線と、第2の配線と、第3の配線と、第1の層間絶縁膜と第2の層間絶縁膜と、第1のコンタクトホールと第2のコンタクトホールを有し、前記第2の配線の幅を前記第1の配線の幅より広いか、あるいは前記第3の配線の幅を前記第1の配線の幅もしくは前記第2の配線の幅より広く、且つ前記第2のコンタクトホールの直径を前記第1のコンタクトホールの直径より大きく形成することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層配線化した配線基板及びその作製方法に関するものである。また、前記
配線基板を用いた半導体装置及びその作製方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、多結晶半導体薄膜を用いてTFT(薄膜トランジスタ)を形成し、これを画素部
のスイッチング素子や、画素の駆動回路に用いた半導体装置の研究開発が活発に行われて
いる。
さらにこのような多結晶半導体薄膜を用いたTFTは、その電界効果移動度などの特性
が優れているため、表示装置と同一基板上に機能回路までも搭載する研究開発が始められ
ている。機能回路としては、例えば、CPUや画像処理回路、メモリなどが挙げられるが
、半導体装置の付加価値を高めるためには、高処理能力の機能回路を小面積で搭載するこ
とが必要である。
【0003】
従来のTFTを用いた半導体装置と同様なマスク構成で機能回路を構成した場合の例を
図8に示す。
この場合、TFTのゲート配線1007及びTFT間の引き回し配線1008として第
1の配線層、TFT間の引き回し配線1009及び電源配線1010として第2の配線層
が各々用いられている。
このように2層で配線を形成し、高処理能力の機能回路を実現しようとした場合、第2
の配線で引き回し配線と共に電源配線等の配線幅が太い配線を形成することになり、配置
面積が拡大する。
【0004】
機能回路の面積を縮小するための手段として、引き回し配線の幅や電源配線の幅、また
はコンタクトホールの径を縮小する事が挙げられる。しかし、引き回し配線や電源配線の
配線幅を縮小すると電気抵抗が増大し、信号遅延の増大や電圧降下が生じるため回路の誤
動作や動作周波数の低下などの問題点が生じる。また、コンタクトホールの径を縮小する
と、第1の配線と第2の配線との電気的接続が不十分になりやすく、回路の誤作動を引き
起こす。安定したコンタクトホールの形成には、より高精度の露光装置やエッチング装置
が必要になり、開発費が膨大になる。
従って、引き回し配線幅や電源配線幅、またはコンタクトホールの径の縮小による面積
縮小は非常に困難である。
【0005】
一方、従来のLSI開発においては、多層配線技術を用いてチップ面積を縮小すること
により、動作周波数を向上し、処理能力の向上を実現してきた。多層配線では、基本セル
内での配線、機能回路内の各ブロック内における配線、ブロック間配線、電源配線、接地
配線などについて特定の配線を用いる。このような多層配線化により、配線領域の削減が
できるので、チップ面積の縮小が可能となる。
そのため、表示装置と同一基板上に形成された機能回路の作製においても、面積縮小に
多層配線技術が有効であると期待される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
LSI開発における多層配線の作製工程において、配線を1層増す毎に最低2回のマス
ク工程が追加される。また平坦化工程などの工程も必要となってくる。層間膜の平坦化工
程は、層間膜の段差部における配線の幅の変動を抑制する他、露光の工程における露光精
度の向上などの目的で行われる。LSI開発における平坦化工程では、例えば層間膜を厚
く堆積した後に、CMP処理を行う方法を用いる。また、層間膜を堆積した後、さらに平
坦性のある膜を堆積した後にエッチバックを行う方法や、前記方法と組み合わせた方法な
どを用いる。
しかし、これらの方法で、大型基板上に多層配線を作製する場合には、層間膜を均一な
厚さで成膜し、平坦化するのは非常に困難である。また、下層の平坦性は、上層の平坦性
に反映されるので、配線数が増加するほど平坦化は深刻な問題になり、工程数は更に増加
していくという新たな問題が生じる。
以上のことから、同一基板上に機能回路を一体形成した場合において、装置を低価格の
まま提供するためには、少ない工程で多層配線化を実現する必要がある。
【0007】
本発明は、以上のような問題点を鑑みなされたもので、少ない工程で多層配線化を実現
し、小面積で高機能な機能回路を有する配線基板及び半導体装置を提供する。またこのよ
うな高機能な機能回路を表示装置と同一基板上に一体形成した半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した従来技術の課題を解決するために、本発明においては以下の手段を講じる。
【0009】
本発明は、絶縁表面を有する基板上に形成された第1の配線と、第1の配線を覆って形
成された第1の層間絶縁膜と、第1の層間絶縁膜上に形成された第2の配線と、第2の配
線を覆って形成された第2の層間絶縁膜と、第2の層間絶縁膜上に形成された第3の配線
と、第1の配線と第2の配線を電気的に接続するために第1の層間絶縁膜に形成された第
1のコンタクトホールと、第2の配線と第3の配線を電気的に接続するために第2の層間
絶縁膜に形成された第2のコンタクトホールとを有し、第3の配線の幅は第1および第2
の配線の幅より広く、且つ前2の配線の幅は第1の配線の幅より広く、且つ第2のコンタ
クトホールの直径は第1のコンタクトホールの直径より大きいことを特徴とする配線基板
である。また、上記配線基板は第2のコンタクトホールの面積が第1のコンタクトホール
の面積よりも大きいことを特徴とする。
【0010】
本発明において、配線は導電性を有する薄膜である配線層をパターニングすることで形
成する。例えば金属薄膜、不純物を添加した半導体薄膜などを配線層として形成した後に
、これをパターニングすることで配線を形成する。また配線幅とは配線の幅のことである
。また、コンタクトホールとは配線同士を電気的に接続するために、層間絶縁膜に開口し
た孔のことをいう。例えば、第1の配線と第2の配線との間に第1の層間絶縁膜がある場
合、第1の配線と第2の配線を電気的に接続するために第1の層間絶縁膜に形成された開
口部のことを指す。またコンタクトホールの直径は、層間絶縁膜に形成した開口部の最上
部の部分の径のうち最大のものであるとする。また、コンタクトホールの面積とは、より
詳しくはコンタクトホールの上端の面の面積であるとする。
【0011】
上記構成において、第3の配線の幅は第1および第2の配線の幅より広く、且つ前2の
配線の幅は第1の配線の幅より広いとは、下層側の配線より、後から追加した上層側の配
線の幅を広くすることであり、配線の幅の広い電源線を上層側に形成することにより、下
層側の配線の占有する面積の縮小が図れる。また、上層側の配線は、電源配線のように配
線の幅の広い配線として用いることにより、上層側のコンタクトホールを下層側のコンタ
クトホールより大きく形成することができる。
【0012】
また、本発明は、絶縁表面を有する基板上に形成された第1〜第n(n≧3)の配線と
、第1〜第(n−1)の層間絶縁膜と、第1〜第(n−1)のコンタクトホールを有し、
第m(1≦m≦n)の配線を覆って第mの層間絶縁膜が形成され、第mの層間絶縁膜上に
第(m+1)の配線が形成され、第(m+1)の配線は第mの層間絶縁膜に形成された第
mのコンタクトホールを介して第1〜第mの配線の少なくとも一つと電気的に接続され、
第p(2≦p≦n)の配線の幅は、第r(1≦r≦p−1)の配線のいずれかの幅より広
く、且つ第s(2≦s≦n−1)のコンタクトホールの直径は、第t(1≦t≦s−1)
のコンタクトホールのいずれかの直径より大きいことを特徴とする配線基板である。また
、上記配線基板は、第sのコンタクトホールの面積が第tのコンタクトホールの面積より
も大きいことを特徴とする。
【0013】
本発明は、上記構成において、第s(2≦s≦n−1)のコンタクトホールの直径が、
第t(1≦t≦s―1)のコンタクトホールのいずれかの直径の2倍以上であることを特
徴とする配線基板である。また、第1〜第(n−1)のコンタクトホールのうち、少なく
とも一つは直径が1μm以下であり、且つ少なくとも一つは直径が3μm以上であること
を特徴としている。なお、直径が1μm以下であるコンタクトホールを少なくとも一つは
有し、且つ直径が3μm以上であるコンタクトホールを少なくとも一つは有しているとは
、第1〜第(n−1)のコンタクトホールのうち、最大の大きさを有するコンタクトホー
ルの直径が3μm以上であり、且つ最小のコンタクトホールの直径が1μm以下であるこ
とを表している。
【0014】
本発明は、上記構成において、第p(2≦p≦n)の配線の幅が、第r(1≦r≦p―
1)の配線のいずれかの幅の2倍以上であることを特徴とする配線基板である。また、第
1〜第nの配線のうち、少なくとも一つは配線の幅が2μm以下であり、且つ少なくとも
一つは配線の幅が3μm以上であることを特徴としている。なお、配線の幅が2μm以下
である配線を少なくとも一つは有し、且つ配線の幅が3μm以上である配線を少なくとも
一つは有しているとは、第1〜第nの配線のうち、最大の大きさを有する配線の幅が3μ
m以上であり、且つ最小の配線の幅が2μ以下であることを表している。
【0015】
また、本発明において、配線は導電性を有する薄膜からなり、導電性を有する薄膜とは
、Al、W、Mo、Ti、Pt、Cu、Ta、Auから選ばれた一種の元素又は該元素を
含む合金からなる単層または積層構造、あるいは不純物を含んだ半導体薄膜であることを
特徴としている。
【0016】
本発明において、絶縁表面を有する基板としてはガラス基板、石英基板、プラスチック
基板又はSOI基板を用いることができる。
【0017】
また、本発明において、配線のうち、少なくとも1つは電源配線又はクロック配線に用
いられていることを特徴としている。上層側の配線は幅の広い配線であればよい。また、
電源配線又はクロック配線以外でも配線の幅が広いものであればよく、例えば、ブロック
入出力の信号配線、機能回路入出力部の信号配線なども適用可能である。
【0018】
また、本発明において、層間絶縁膜のうち、少なくとも1つは有機樹脂であることを特
徴としている。有機樹脂は通常層間膜に用いられる無機膜に比べて誘電率が低いため、寄
生容量を低減することが可能となり、有機樹脂を利用することは機能回路の高速動作には
有効になる。また、層間絶縁膜の堆積時に平坦性を有するため、平坦化工程が不要である
という利点もある。しかし、通常材料の特性上、有機樹脂膜に微細なコンタクトホールを
形成することは難しく、微細加工には不向きであるが、本発明においては、上層側のコン
タクトホールの直径を大きく形成できるため、微細加工においても条件が緩和されるため
、有機樹脂を層間絶縁膜として有効に利用することができる。
【0019】
本発明は、絶縁表面を有する基板上に形成された半導体薄膜を活性層として用いた薄膜
トランジスタにより構成される機能回路を有する半導体装置において、機能回路は、第1
の配線と、第2の配線と、第3の配線と、第1の層間絶縁膜と、第2の層間絶縁膜と、第
1のコンタクトホールと、第2のコンタクトホールを有し、第1の配線と、第2の配線と
、第3の配線は導電性を有する薄膜からなり、第2の配線は、第1の層間絶縁膜に形成さ
れている第1のコンタクトホールを介して第1の配線と電気的に接続しており、第3の配
線は、第2の層間絶縁膜に形成されている第2のコンタクトホールを介して第1の配線も
しくは第2の配線の少なくとも一方と電気的に接続しており、第2の配線の幅は、第1の
配線の幅より広いか、あるいは第3の配線の幅は第1の配線の幅もしくは第2の配線の幅
より広く、且つ第2のコンタクトホールの直径は、第1のコンタクトホールの直径より大
きいことを特徴とする半導体装置である。また、上記半導体装置は第2のコンタクトホー
ルの面積が第1のコンタクトホールの面積よりも大きいことを特徴とする。
【0020】
また、本発明の他の構成として、上記構成において、絶縁表面を有する基板上に形成さ
れた半導体薄膜を活性層として用いた薄膜トランジスタにより構成される半導体装置にお
いて、機能回路と表示装置を有することを特徴としている。
【0021】
また、本発明は上記構成において、第2のコンタクトホールの直径が、第1のコンタク
トホールの直径の2倍以上であることを特徴としている。
また、第1のコンタクトホールの直径が1μm以下であり、且つ第2のコンタクトホー
ルの直径が3μm以上であることを特徴としている。
【0022】
また、本発明は上記構成において、第2の配線の幅が、第1の配線の幅の2倍以上、又
は第3の配線の幅が第1の配線の幅の2倍以上、又は第3の配線の幅が第2の配線の幅の
2倍以上であることを特徴としている。
また、第1の配線の幅と第2の配線の幅と第3の配線の幅のうち、配線の幅が2μm以
下である配線を少なくとも一つは有し、且つ配線の幅が3μm以上である配線を少なくと
も一つは有していることを特徴としている。
【0023】
本発明は、絶縁表面を有する基板上に形成された半導体薄膜を活性層として用いた薄膜
トランジスタにより構成される機能回路を有する半導体装置において、機能回路は、第1
〜第n(n>3)の配線と、第1〜第(n−1)の層間絶縁膜と、第1〜第(n−1)の
コンタクトホールと、を有し、第1〜第nの配線は、導電性を有する薄膜からなり、第m
(2≦m≦n)の配線は、第(m−1)の層間絶縁膜に形成されている第(m−1)のコ
ンタクトホールを介して第1〜第(m−1)の配線の少なくとも一つと電気的に接続して
おり、第p(2≦p≦n)の配線の幅は、第r(1≦r≦p−1)の配線のいずれかの幅
より広く、且つ第s(2≦s≦n−1)のコンタクトホールの直径は、第t(1≦t≦s
−1)のコンタクトホールのいずれかの直径より大きいことを特徴としている。また、上
記半導体装置は第sのコンタクトホールの面積が第tのコンタクトホールの面積よりも大
きいことを特徴とする。
【0024】
また、本発明は上記構成において、絶縁表面を有する基板上に形成された半導体薄膜を
活性層として用いた薄膜トランジスタにより構成される半導体装置において、機能回路と
表示装置を有することを特徴としている。
【0025】
本発明は上記構成において、第s(2≦s≦n−1)のコンタクトホールの直径が、第
t(1≦t≦s―1)のコンタクトホールのいずれかの直径の2倍以上であることを特徴
としている。また、第1〜第(n−1)のコンタクトホールのうち、直径が1μm以下で
あるコンタクトホールを少なくとも一つは有し、且つ直径が3μm以上であるコンタクト
ホールを少なくとも一つは有していることを特徴としている。
【0026】
本発明は上記構成において、第p(2≦p≦n)の配線の幅が、第r(1≦r≦p―1
)の配線のいずれかの幅の2倍以上であることを特徴としている。 また、第1〜第nの
配線のうち、配線の幅が2μm以下である配線を少なくとも一つは有し、且つ配線の幅が
3μm以上である配線を少なくとも一つは有していることを特徴としている。
【0027】
また、本発明において、配線は導電性を有する薄膜からなり、導電性を有する薄膜とは
、Al、W、Mo、Ti、Pt、Cu、Ta、Auから選ばれた一種の元素又は該元素を
含む合金からなる単層または積層構造、あるいは不純物を含んだ半導体薄膜であることを
特徴としている。
【0028】
本発明において、絶縁表面を有する基板としてはガラス基板、石英基板、プラスチック
基板又はSOI基板を用いることができる。
【0029】
また、本発明において、配線のうち、少なくとも1つは電源配線又はクロック配線に用
いられていることを特徴としている。上層側の配線は配線の幅の広い配線であればよい。
また、電源配線又はクロック配線以外でも配線の幅が広いものであればよく、例えば、ブ
ロック入出力の信号配線、機能回路入出力部の信号配線なども適用可能である。
【0030】
また、本発明において、層間絶縁膜のうち、少なくとも1つは有機樹脂であることを特
徴としている。有機樹脂は通常層間膜に用いられる無機膜に比べて誘電率が低いため、寄
生容量を低減することが可能となり、有機樹脂を利用することは機能回路の高速動作には
有効になる。また、層間絶縁膜の堆積時に平坦性を有するため、平坦化工程が不要である
という利点もある。しかし、通常材料の特性上、有機樹脂膜に微細なコンタクトホールを
形成することは難しく、微細加工には不向きであるが、本発明においては、上層側のコン
タクトホールの直径を大きく形成できるため、微細加工においても条件が緩和されるため
、有機樹脂を層間絶縁膜として有効に利用することができる。
【0031】
また、本発明において、表示装置として液晶または自発光素子を用いて表示することが
できる。
【0032】
本発明において、機能回路とは、CPU(中央演算処理装置)、画像処理回路、SRA
M(スタティックメモリ)又はDRAM(ダイナミックメモリ)であることを特徴として
いる。
【0033】
また、本発明は、上記構成における半導体装置を用いていることを特徴とする電子機器
である。
【0034】
本発明は、絶縁表面を有する基板上に、第1の配線を形成し、第1の配線を覆って第1
の層間絶縁膜を形成し、第1の層間絶縁膜に第1のコンタクトホールを形成し、第1のコ
ンタクトホールを介して第1の配線と電気的に接続する第2の配線を第1の層間絶縁膜上
に形成し、第2の配線を覆って第2の層間絶縁膜を形成し、第2の層間絶縁膜に第2のコ
ンタクトホールを形成し、第2のコンタクトホールを介して第1または第2の配線の少な
くとも一方と電気的に接続する第3の配線を第2の層間絶縁膜上に形成し、第1〜第3の
配線、第1および第2のコンタクトホールは、それぞれ第1〜第5のフォトリソグラフ工
程によって形成され、第1〜第5のフォトリソグラフ工程のうち少なくとも一つは他のフ
ォトリソグラフ工程と異なる露光装置を用いて行われることを特徴とする配線基板の作製
方法である。
【0035】
また、本発明は、絶縁表面を有する基板上に、第1〜第n(n≧3)の配線と第1〜第
(n−1)の層間絶縁膜と第1〜第(n−1)のコンタクトホールを形成し、第m(1≦
m≦n)の配線を覆って第mの層間絶縁膜を形成し、第mの層間絶縁膜に第mのコンタク
トホールを形成し、第mのコンタクトホールを介して第1〜第mの配線の少なくとも一つ
と電気的に接続する第(m+1)の配線を第mの層間絶縁膜上に形成し、第(m+1)の
配線を覆って第(m+1)の層間絶縁膜を形成し、第(m+1)の層間絶縁膜に第(m+
1)のコンタクトホールを形成し、第(m+1)のコンタクトホールを介して第1〜第(
m+1)の配線の少なくとも一つと電気的に接続する第(m+2)の配線を第(m+1)
の層間絶縁膜上に形成し、第1〜第nの配線および第1〜第(n−1)のコンタクトホー
ルは、それぞれ第1〜第(2n−1)のフォトリソグラフ工程によって形成され、第1〜
第(2n−1)のフォトリソグラフ工程のうち少なくとも一つは他のフォトリソグラフ工
程と異なる露光装置を用いて行われることを特徴とする配線基板の作製方法である。
【0036】
また、上記構成において、他と異なる露光装置とは、他の露光装置より高解像度且つ高
位置精度且つ狭露光範囲の露光装置を用いることを意味する。
【0037】
本発明は、絶縁表面を有する基板上に形成された半導体薄膜を活性層として用いた薄膜
トランジスタにより構成される機能回路を形成し、機能回路は、絶縁表面を有する基板上
に、第1の配線を形成し、第1の配線を覆って第1の層間絶縁膜を形成し、第1の層間絶
縁膜に第1のコンタクトホールを形成し、第1のコンタクトホールを介して第1の配線と
電気的に接続する第2の配線を第1の層間絶縁膜上に形成し、第2の配線を覆って第2の
層間絶縁膜を形成し、第2の層間絶縁膜に第2のコンタクトホールを形成し、第2のコン
タクトホールを介して第1または第2の配線の少なくとも一方と電気的に接続する第3の
配線を第2の層間絶縁膜上に形成し、第1〜第3の配線、第1および第2のコンタクトホ
ールは、それぞれ第1〜第5のフォトリソグラフ工程によって形成され、第1〜第5のフ
ォトリソグラフ工程のうち少なくとも一つは他のフォトリソグラフ工程と異なる露光装置
を用いて行われることを特徴とする半導体装置の作製方法である。
【0038】
また、本発明は、絶縁表面を有する基板上に形成された半導体薄膜を活性層として用い
た薄膜トランジスタにより構成される機能回路を形成し、機能回路は、絶縁表面を有する
基板上に、第1〜第n(n≧3)の配線と第1〜第(n−1)の層間絶縁膜と第1〜第(
n−1)のコンタクトホールを形成し、 第m(1≦m≦n)の配線を覆って第mの層間
絶縁膜を形成し、第mの層間絶縁膜に第mのコンタクトホールを形成し、第mのコンタク
トホールを介して1〜第mの配線の少なくとも一つと電気的に接続する第(m+1)の配
線を第mの層間絶縁膜上に形成し、第(m+1)の配線を覆って第(m+1)の層間絶縁
膜を形成し、第(m+1)の層間絶縁膜に第(m+1)のコンタクトホールを形成し、第
(m+1)のコンタクトホールを介して第1〜第(m+1)の配線の少なくとも一つと電
気的に接続する第(m+2)の配線を第(m+1)の層間絶縁膜上に形成し、第1〜第n
の配線および第1〜第(n−1)のコンタクトホールは、それぞれ第1〜第(2n−1)
のフォトリソグラフ工程によって形成され、第1〜第(2n−1)のフォトリソグラフ工
程のうち少なくとも一つは他のフォトリソグラフ工程と異なる露光装置を用いて行われる
ことを特徴とする半導体装置の作製方法である。
【0039】
また、本発明は、上記構成において、前記機能回路と同一基板上に表示装置を形成する
ことを特徴とする半導体装置の作製方法である。
【0040】
また、上記構成において、他と異なる露光装置とは、他の露光装置より高解像度且つ高
位置精度且つ狭露光範囲の露光装置を用いることを意味する。露光装置のうち、少なくと
も一つはレンズプロジェクション方式またはミラープロジェクション方式の露光装置を用
いることができる。
【0041】
また、上記構成において機能回路の配線およびコンタクトホールの形成に用いる露光装
置は、表示装置の配線およびコンタクトホールの形成に用いる露光装置より高解像度且つ
高位置精度且つ狭露光範囲の露光装置を用いることができる。
【0042】
また、本発明は、上記構成において、第1〜第nの配線において、より上側に形成され
る配線の幅を、第1〜第nの配線において、より下側に形成される配線の幅より広く形成
し、且つ第1〜第(n−1)のコンタクトホールにおいて、より上側に形成されるコンタ
クトホールの直径を、第1〜第(n−1)のコンタクトホールにおいて、より下側に形成
されるコンタクトホールの直径より大きくなるように形成することを特徴とする半導体装
置の作製方法である。
【0043】
上記構成において、機能回路は、CPU、画像処理回路、SRAMまたはDRAMで形
成することができる。また、上記構成において、配線のうち少なくとも一つを電源配線ま
たはクロック配線で形成することができる。
【0044】
また、上記構成において、配線は、Al、W、Mo、Ti、Pt、Cu、Ta、Auか
ら選ばれた一種の元素または該元素を含む合金からなる単層または積層構造、あるいは不
純物元素を含んだ半導体膜で形成することができる。
【0045】
また、本発明は、上記構成において、層間絶縁膜のうち少なくとも一つを有機樹脂で形
成することを特徴とする半導体装置の作製方法である。また、絶縁表面を有する基板とし
て、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板又はSOI基板で形成するができる。
【発明の効果】
【0046】
上記本発明の半導体装置及びその作製方法によれば、多層配線化に伴う追加工程のうち
、平坦化工程が不要もしくは大幅に簡略化できるため、低コストで機能回路の多層配線化
が可能となる。
また、多層配線化により、機能回路の配置面積を縮小でき、機能回路の高速動作、高機
能化が図れる。
また、上層の配線の露光装置には広露光範囲の露光装置を使用できるため、大型基板上
に機能回路と表示装置とを一体形成する場合に有効である。従って、高機能な機能回路も
しくはこれを有する表示装置を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の半導体装置の作製方法を示す図。
【図2】ステッパによる露光工程を示す図。
【図3】MPAによる露光工程を示す図。
【図4】CPU、メモリを具備した半導体装置を示す図。
【図5】本発明の半導体装置における機能回路の構成。
【図6】本発明の半導体装置における機能回路の構成の断面図。
【図7】本発明の半導体装置を用いた電子機器を示す図。
【図8】従来の半導体装置における機能回路の構成。
【図9】半導体装置の多層配線を示す図。
【図10】機能回路を集積化した配線基板を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0048】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説
明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様
々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実
施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお以下に説明する本発明の構
成において、同じものを指す符号は異なる図面間で共通して用いる。
【0049】
本発明における機能回路の作製方法について、図1〜図3を用いて説明する。
【0050】
まず、ガラス、石英、樹脂フィルムのような絶縁表面を有する基板201上に酸化珪素
膜、窒化珪素膜又は酸化窒化珪素膜などの絶縁膜からなる下地絶縁膜202を形成する(
図1(A))。下地絶縁膜202は、前記絶縁膜の単層構造でも前記絶縁膜を2層以上積
層させた構造であってもよい。
【0051】
続いて、下地絶縁膜202の上に非晶質半導体膜を形成する。非晶質半導体膜は公知の
手段(スパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法等)を用いて形成する。次いで前記
非晶質シリコン膜をレーザ結晶化法、RTA又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化
法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法などの公知の結晶化法により結晶化さ
せる。
そして得られた結晶質半導体膜を所望の形状にパターニングして、半導体膜203、2
04を形成する。
【0052】
半導体膜203、204を覆うゲート絶縁膜205を形成する。ゲート絶縁膜205と
して酸化珪素膜等の絶縁膜をプラズマCVD法やスパッタ法を用いて形成する。
【0053】
ゲート絶縁膜205上に、スパッタリング法、蒸着法等の公知の方法により、導電膜を
形成する。次いで、レジストパターンを用いてフォトリソグラフ工程により導電膜をパタ
ーニングし、ゲート電極206、207を形成する。本実施の形態では、ゲート電極20
6,207が第1の配線に相当する。
【0054】
次にゲート電極206、207をマスクとして、半導体膜203、204に不純物をド
ーピングすることにより、ソース領域213、215とドレイン領域214、216を形
成する。半導体層に不純物を添加して形成したソース領域213、215とドレイン領域
214、216もゲート電極206、207と同様に第1の配線に相当する。
【0055】
次にゲート絶縁膜205とゲート電極206、207の上に窒化珪素膜等の絶縁膜を形
成し、この絶縁膜を第1の層間絶縁膜208として用いる。これにより、薄膜トランジス
タは第1の層間絶縁膜208により覆われた状態になる。
【0056】
続いて第1の層間絶縁膜208に、ソース領域、ドレイン領域を露出させるコンタクト
ホール209〜212を形成するために、フォトリソグラフ工程を用いたパターンの形成
を行う。この場合の露光の工程において用いる露光手段としては、解像度と位置精度を要
する露光装置を用いる。
図2は本実施の形態における、ステッパによる露光を簡略化して示した図である。
まず、レチクル23上のパターン24を光学系(光源21、ミラー22)で1/N(N
>0)倍に縮小してレジスト上に投影するステッパで露光を行う。ステッパの場合、露光
範囲が狭いため、基板26上を繰り返し走査することにより、パターン25の転写を行っ
ていく。
ステッパによる露光は、高精彩であるためパターン形成にズレが生じることが少なく、
高精度の微細加工が可能となる。
【0057】
次に、全てのコンタクトホール209〜212を充填し、且つ第1の層間絶縁膜208
を覆うように、前記第1の層間絶縁膜208の上に、公知の方法を用いて導電膜を形成す
る。
導電膜形成後、フォトリソグラフ工程により導電膜をパターニングしてソース領域21
3、215とドレイン領域214、216からコンタクトホール209〜212を介して
引き出される配線を形成する。ここで第1の層間絶縁膜208上の配線217〜220が
、第2の配線である。
【0058】
次に、第2の配線の上に、感光性のポリイミド、アクリルなどの有機樹脂膜を形成し、
この有機樹脂膜を第2の層間絶縁膜221として用いる。これにより、第2の配線217
〜220は、第2の層間絶縁膜221により覆われた状態になる。
【0059】
第2の層間絶縁膜221に、コンタクトホール222〜225を形成するために、フォ
トリソグラフ工程を用いたパターン形成を行う。この場合の露光手段としては、解像度と
位置精度が高い装置よりむしろ広い範囲を露光できる露光装置を用いる。ここでは、図3
に示すMPAを用いて一括して露光を行う。
まず光源31からの光をミラー32等を用いてマスク33上に照射し、続いて台形鏡3
4や凹面鏡37等を用いて、レジスト上にマスクパターン35を一括して投影する。
一般にMPAでは、前記ステッパと比較すると解像度や位置精度はあまり高くないが、
一度に大きな範囲を露光することが可能であるため、半導体装置の生産性において非常に
有効である。
ここでは、次に説明する第3の配線の配線幅が第1の配線及び第2の配線の配線幅より
広く、コンタクトホールの径を大きく形成することが可能であるため、露光工程において
露光精度の条件が緩和される。そのため、MPAを用いて一括して露光を行い、コンタク
トホールを形成することができる。
【0060】
続いて、形成したコンタクトホール222〜225を充填し、且つ第2の層間絶縁膜2
21を覆うように、導電膜を形成する。次に、フォトリソグラフ工程により導電膜をパタ
ーニングして、第2の配線217〜220からコンタクトホールを介して引き出される配
線を形成する。ここで第2の層間絶縁膜221上の配線226〜229が、第3の配線で
ある。このようにして、TFTを用いた機能回路が作製できる。
【0061】
本実施の形態に示した方法を用いれば、新たな配線の追加に伴う工程が少なくて済むた
め、半導体装置の多層配線化の手法として有効である。
【0062】
(実施の形態2)
実施の形態2では、実施の形態1の構成に配線をさらに一層追加した機能回路の作製方
法について図9を用いて説明する。
【0063】
まず、実施の形態1に従って図1(B)の状態まで作製する。
なお、実施の形態1ではコンタクトホール222〜225の形成にMPAを用いた例を
示したが、本実施の形態において、第2の層間絶縁膜上に微細なコンタクトホールを精度
よく形成したい場合は、第2のコンタクトホールの形成にも上述したステッパを用いても
よい。
【0064】
図9において、第3の配線226〜229の上に、感光性のポリイミド、アクリルなど
の有機樹脂により、第3の層間絶縁膜230を形成する。
【0065】
前記第3の層間絶縁膜230に、コンタクトホールを形成するために、フォトリソグラ
フ工程を用いたパターン形成を行う。この場合の露光手段としては、MPAを用いて一括
して露光を行う。
ここでは、第3の配線の配線幅が下層の配線の配線幅より広く、コンタクトホールの直
径を大きく形成することが可能であるため、露光工程において露光精度の条件がさらに緩
和される。そのため、MPAを用いて一括して露光を行うことにより、第3のコンタクト
ホール231〜234を形成する。
【0066】
続いて、形成したコンタクトホール231〜234を充填し、且つ第3の層間絶縁膜2
30を覆うように、導電膜を形成する。次に、フォトリソグラフ工程により導電膜をパタ
ーニングして、第3の配線226〜229からコンタクトホールを介して引き出される配
線を形成する。ここで第3の層間絶縁膜230上の配線235〜238が、第4の配線と
なる。このようにして、機能回路が作製できる。
【0067】
このように本実施の形態では、下層側の配線幅やコンタクトホールの直径より、追加し
た上層側の配線幅やコンタクトホールの直径を大きく形成し、露光精度の必要に応じた露
光装置を用いて作製することにより、少ない追加工程で多層配線化を実現することができ
る。
【0068】
(実施の形態3)
本発明における他の実施の形態を図10を用いて説明する。本実施の形態では、多くの
機能回路を高密度化し1つのチップに集積した配線基板について説明する。
図10は、従来別々のチップで実現されていたCPU801、周辺インターフェースコ
ントローラー802、メモリコントローラー803、SRAM804、画像処理用プロセ
ッサ805、音声処理用プロセッサ806、ネットワーク処理用プロセッサ807、ディ
スク処理用プロセッサ808等の機能回路を1つのチップに集積したものである。
【0069】
機能回路部では、小面積、低消費電力、高動作周波数などが要求される。機能回路を別
々のチップで形成すると、機能回路各チップ間の配線の引き回しが非常に複雑になるため
、引き回し配線の配置面積が膨大になり、その配線を高速に動作させるのは困難である。
従って、機能回路を1つのチップに集積すると非常に有利であるが、その場合、本説明に
おける方法が有効である。
【0070】
本実施の形態では、CPU801、周辺インターフェースコントローラー802、メモ
リコントローラー803、SRAM804、画像処理用プロセッサ805、音声処理用プ
ロセッサ806、ネットワーク処理用プロセッサ807、ディスク処理用プロセッサ80
8等の機能回路部の、微細な構造を形成する必要がある部分においては、各チップ毎に、
高解像度、高位置精度を有する縮小投影露光装置を用いて露光を行う。ここではステップ
・アンド・リピート(ステッパ)で繰り返しながら、一つずつパターンを形成していく。
一方で、機能回路同士を接続する配線810〜815及びコンタクトホールは、解像度
や位置精度の条件がそれほど厳しくないため、広い範囲を一度に露光可能である等倍投影
露光装置を用いて露光を行う。ここでは、MPAを用いて一括して全面にパターンを形成
する。
【0071】
また、本実施の形態において、層間絶縁膜に有機樹脂を用いる。有機樹脂は堆積時に平
坦性を有するため、平坦化工程が不要となる。しかし、材料の特性上、有機樹脂膜に微細
なコンタクトホールを形成することは難しく、微細加工には不向きであるが、本実施の形
態においては、各機能回路を接続する上層側の配線幅及びコンタクトホールの直径を大き
く形成できるため、微細加工においても条件が緩和され、有機樹脂を層間絶縁膜として有
効に利用することができる。
本実施の形態を用いることで、機能回路を高密度に集積した場合において、引き回し配
線の配置面積を大幅に低減でき、少ない工程で作製が可能となるため、高機能な機能回路
を有する配線基板を低価格で提供することができる。
【実施例1】
【0072】
本発明における実施例を図5及び図6を用いて説明する。図5は本発明における機能回
路の構成の上面図であり、図6は図5のA-BとB-Cにおける断面図の一部を示したもの
である。
図5において、半導体層501にTFTのチャネル領域とソース領域とドレイン領域と
が形成されている。ゲート配線507とTFT間配線508とを構成するのが第1の配線
である。また第1の配線と第2の配線間、または活性層と第2の配線間を電気的に接続す
るのが第1のコンタクトホール503である。TFT間配線509と電源配線510と接
地配線511により第2の配線504が形成されている。また、第2の配線と第3の配線
間を電気的に接続しているのが第2のコンタクトホール505であり、電源配線512と
接地配線513とを構成する第3の配線506である。
【0073】
機能回路におけるTFTの引き回し配線は、第1の配線502と第2の配線504と第
1のコンタクトホール503で形成する。ここでは、高精度の微細加工が要求されるので
、高精彩且つ狭露光範囲の露光装置であるステッパを使用する。
次に、新たな配線(第3の配線506)と、コンタクトホール(第2のコンタクトホー
ル505)を追加する。第2の配線と第3の配線との間には絶縁膜が存在しており、第2
のコンタクトホール505で電気的に接続される。第3の配線は、主に電源配線のように
配線幅の広い配線として用いる。従って、第2のコンタクトホール505は、配線幅の広
い配線のみを電気的に接続する。
【0074】
上層の配線に配線幅の広い配線を使用することより、第2のコンタクトホールの直径を
第1のコンタクトホールの直径より大きく形成できる。
従って、上層の配線及びコンタクトホール形成では、高精度の微細加工は要求されない
ので、低精彩ながらも大型基板に有効な広露光範囲の露光装置であるMPAを用いること
で、機能回路と表示装置との配線もしくはコンタクトホールの露光工程を同時に行うこと
ができる。
【0075】
図6は、図5に示した構成の断面図である。基板100上には、半導体を活性層として
用いた薄膜トランジスタ101〜104を形成する。
ゲート電極上に第1の層間絶縁膜が形成され、前記第1の層間絶縁膜111にコンタク
トホールが設けられている。前記コンタクトホールを介して、不純物が添加された半導体
層と第2の配線112〜119が電気的に接続されている。なお、ここでのコンタクトホ
ールの形成には、高解像度且つ高位置精度である露光装置であるステッパを用いてコンタ
クトホールを形成する。
【0076】
第2の配線112〜119上に第2の層間絶縁膜121が形成され、第3の配線122
、123が形成される。また、第2の配線120と第3の配線123は、前記第2の層間
絶縁膜121に形成されたコンタクトホールを介して、電気的に接続されている。なお、
ここでのコンタクトホールの形成には、広露光範囲を露光できるMPAを用いて一括して
コンタクトホールを形成する。
本実施例を用いることで、多層配線化することにより、機能回路の配置面積を縮小でき
、機能回路の高速動作、高機能化に対し有効になる。
また本実施例は、上記の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
【実施例2】
【0077】
本発明の実施例1とは異なる実施例について、図4を用いて説明する。本実例では、同
一表面上に表示部及び該表示部を制御する駆動回路、並びにメモリ及びCPUを搭載した
パネルについて説明する。図4(A)は、TFT基板と対向基板とシール材により液晶を
封止することで形成されたパネルの上面図であり、図4(B)は図4(A)のA−A´に
おける断面図である。
【0078】
図4(A)はパネルの外観を示し、該パネルは、基板700上に複数の画素がマトリク
ス状に配置された画素部701を有し、画素部701の周辺には、画素部701を制御す
る信号線駆動回路702、走査線駆動回路703を有する。そして、これらを囲むように
してシール材707が設けられる。対向基板709は画素部701、信号線駆動回路70
2及び走査線駆動回路703上のみに設けてもよいし、全面に設けてもよい。但し、発熱
する恐れがあるCPU706には、放熱板を接するように配置することが好ましい。メモ
リ705は、不揮発性メモリと揮発性メモリとのいずれでもよく、例えばフラッシュメモ
リ、SRAMやDRAMなどに相当する。
【0079】
図4(B)はパネルの断面図を示す。基板700上には、画素部701、信号線駆動回
路702及びCPU706が設けられる。画素部701にはTFT730と保持容量72
9が設けられ、信号線駆動回路702にはTFT731及び732が設けられ、CPU7
06には複数のTFT740と配線741が設けられる。
【0080】
TFTなど半導体素子が設けられた基板700と、対向基板709の間にはスペーサー
722が設けられており、シール材707により接着されている。そして、画素部701
と信号線駆動回路702上にはラビング処理された配向膜735、液晶層723、配向膜
724、対向電極725及びカラーフィルタ726が設けられる。基板700と対向基板
709には偏光板727、728が設けられる。またCPU706を構成する素子として
、半導体素子740とその上層に積層形成された配線741を有する。
【0081】
基板700上の回路を構成する素子は、非晶質半導体に比べて移動度が高く、オン電流
が大きい多結晶半導体により形成され、それ故に同一表面上におけるモノシリック化が実
現される。また、本発明の半導体装置の作製方法を適用することで、同一の基板700上
に表示部と駆動回路以外に、CPUなどの機能回路をも一体形成することができる。また
本パネルは、接続する外部ICの個数が減少するため、小型・軽量・薄型が実現される。
これは、最近普及が急速に進んだ携帯端末に適用すると、大変有効である。
【0082】
CPU706やメモリ705では、小面積、低消費電力、高動作周波数などが要求され
る。このような高度な機能回路を実現しようとすると、TFT間の引き回し配線が非常に
複雑になるため、TFT間の引き回し配線の配置面積が膨大になる。このため、機能回路
全体の面積縮小を果たすために、CPU706、メモリ705を多層配線構造とする。
【0083】
本実施例において、 画素部701及び信号線駆動回路702のコンタクトホール形成
には、位置精度の条件が厳しくないため、広露光範囲の露光装置であるMPAを用いて一
括して露光を行う。
一方、CPU706においては、第1のコンタクトホール形成に位置合わせの精度が要
求されるため、高精細な露光装置であるステッパを用いて露光を行う。さらに、上層側の
配線のコンタクトホール形成には、位置精度の条件が厳しくないため、広露光範囲の露光
装置であるMPAを用いて一括して露光を行う。
【0084】
なお本実施の形態では、1層目に半導体素子を形成し、その上層に配線を積層形成する
場合を示したが、本発明はこれに限定されず、半導体素子を積層形成し、その上層に配線
を積層形成してもよい。また、剥離法を用いて、別の基板上に形成された半導体素子を剥
離して貼り付けることで、半導体素子を形成し、その上層に配線を積層形成してもよい。
【0085】
また、本実施の形態では、表示素子として液晶素子を用いたパネルを示したが、本発明
はこれに限定されない。表示素子として、例えば発光素子などの他の表示素子を用いたパ
ネルに適用してもよい。
本実施例を用いることにより、少ない工程で多層配線化を実現し、表示装置と同一基板
上に機能回路までも一体形成した場合においても、高処理能力の機能回路を小面積で搭載
することができる。
【実施例3】
【0086】
本実施例では、本発明を用いて作製される電子機器の例について図7を用いて説明する。
【0087】
本発明を用いて作製した電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型デ
ィスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(
カーオーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器
、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)
、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記
録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。
それらの電子機器の具体例を図7に示す。
【0088】
図7(A)は表示装置であり、筐体1401、支持台1402、表示部1403を含む。
本発明は表示部1403を構成する表示装置に適用が可能である。本発明を用いることに
よって、表示装置の小型・軽量化を実現できる。
【0089】
図7(B)はビデオカメラであり、本体1411、表示部1412、音声入力1413、
操作スイッチ1414、バッテリー1415、受像部1416などによって構成されてい
る。本発明は表示部1412を構成する表示装置に適用が可能である。本発明を用いるこ
とによって、ビデオカメラの小型・軽量化を実現できる。
【0090】
図7(C)はノート型のパーソナルコンピュータであり、本体1421、筐体1422、
表示部1423、キーボード1424などによって構成されている。本発明は表示部14
23を構成する表示装置に適用が可能である。また、本発明は本体1421内部のCPU
,メモリなどの半導体装置に適用が可能である。本発明を用いることによって、パーソナ
ルコンピュータの小型・軽量化を実現できる。
【0091】
図7(D)は携帯情報端末であり、本体1431、スタイラス1432、表示部1433
、操作ボタン1434、外部インターフェイス1435などによって構成されている。本
発明は表示部1433を構成する表示装置に適用が可能である。また、本発明は本体14
31内部のCPU,メモリなどの半導体装置に適用が可能である。本発明を用いることに
よって、携帯情報端末の小型・軽量化を実現できる。
【0092】
図7(E)は音響再生装置、具体的には車載用のオーディオ装置であり、本体1441、
表示部1442、操作スイッチ1443、1444などによって構成されている。本発明
は表示部1442を構成する表示装置に適用が可能である。また、本発明は本体1441
内部のCPU,メモリなどの半導体装置に適用が可能である。また、今回は車載用オーデ
ィオ装置を例に上げたが、携帯型もしくは家庭用オーディオ装置に用いてもよい。本発明
を用いることによって、音響再生装置の小型・軽量化を実現できる。
【0093】
図7(F)はデジタルカメラであり、本体1451、表示部(A)1452、接眼部14
53、操作スイッチ1454、表示部(B)1455、バッテリー1456などによって
構成されている。本発明は表示部(A)1452および表示部(B)1455を構成する
表示装置に適用が可能である。また、本発明は本体1451内部のCPU,メモリなどの
半導体装置に適用が可能である。本発明を用いることによって、デジタルカメラの小型・
軽量化を実現できる。
【0094】
図7(G)は携帯電話であり、本体1461、音声出力部1462、音声入力部1463
、表示部1464、操作スイッチ1465、アンテナ1466などによって構成されてい
る。本発明は表示部1464を構成する表示装置に適用が可能である。また、本発明は本
体1461内部のCPU,メモリなどの半導体装置に適用が可能である。本発明を用いる
ことによって、携帯電話の小型・軽量化を実現できる。
【0095】
これらの電子機器に使われる半導体装置はガラス基板だけでなく耐熱性のプラスチック基
板を用いることもできる。それによりいっそうの軽量化を図ることができる。
【0096】
本発明は、上記電子機器に限定されず、実施の形態1及び実施の形態2で示した半導体装
置を用いた、様々な電子機器とすることができる。
本実施例は、上記の実施の形態、実施例と自由に組み合わせることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の薄膜トランジスタを有する画素部と、第2の薄膜トランジスタ駆動回路部と、第3の薄膜トランジスタメモリまたはCPUとを同一基板に形成する半導体装置の作製方法であって、
絶縁表面を有する基板上に、前記第1の薄膜トランジスタと、前記第2の薄膜トランジスタと、前記第3の薄膜トランジスタとを形成する工程と、
前記第1の薄膜トランジスタ乃至前記第3の薄膜トランジスタを覆って第1の層間絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の層間絶縁膜に第1のコンタクトホールと第2のコンタクトホールとを第1の露光装置によって形成する工程と、
前記第1の層間絶縁膜に第3のコンタクトホールを第2の露光装置によって形成する工程と、
前記第1のコンタクトホールを介して前記第1の薄膜トランジスタと電気的に接続する第1の配線と、前記第2のコンタクトホールを介して前記第2の薄膜トランジスタと電気的に接続する第2の配線と、前記第3のコンタクトホールを介して前記第3の薄膜トランジスタと電気的に接続する第3の配線とを形成する工程と、
前記第3の配線を覆って第2の層間絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の層間絶縁膜に第4のコンタクトホールを第3の露光装置によって形成する工程と、
前記第4のコンタクトホールを介して前記第3の配線と電気的に接続する第4の配線を形成する工程とを有し、
前記第1の露光装置と、前記第3の露光装置とは、前記第2の露光装置より解像度と位置制度とが高く、
前記第1の配線の幅と、前記第2の配線の幅と、前記第4の配線の幅とは、前記第3の配線の幅より広く、
前記第1のコンタクトホールの直径又は面積と、前記第2のコンタクトホールの直径又は面積と、前記第4のコンタクトホールの直径又は面積とは前記第3のコンタクトホールの直径又は面積より大きく形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1の露光装置と、前記第3の露光装置とは、等倍投影露光装置であり、
前記第2の露光装置は、縮小投影露光装置であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項3】
請求項2において、
前記等倍投影露光装置は、MPAであり、
前記縮小投影露光装置は、ステッパであることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
前記第1の露光装置は、前記第1のコンタクトホールと、前記第2のコンタクトホールとのマスクパターンを一括して投影し、
前記第3の露光装置は、前記第4のコンタクトホールのマスクパターンを一括して投影することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
前記第4の配線は、電源線であることを特徴とする半導体装置の作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−178575(P2012−178575A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−87015(P2012−87015)
【出願日】平成24年4月6日(2012.4.6)
【分割の表示】特願2004−227448(P2004−227448)の分割
【原出願日】平成16年8月4日(2004.8.4)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】