説明

半導体装置及びその作製方法

【課題】半導体装置をより少ない工程で作製する。
【解決手段】トランジスタと、画素電極とを有し、トランジスタは、第1のゲート電極と、第1のゲート電極上の第1の絶縁層と、第1の絶縁層上の半導体層と、半導体層上の第2の絶縁層と、第2の絶縁層上の第2のゲート電極とを有し、第1のゲート電極は、第1の絶縁層を介して、半導体層と重なる領域を有し、第2のゲート電極は、第2の絶縁層を介して、半導体層と重なる領域を有し、画素電極は、第2の絶縁層上に設けられ、第1の領域は、第2のゲート電極の少なくとも一部が、半導体層の少なくとも一部と重なる領域のうちの、少なくとも一部の領域であり、第2の領域は、画素電極が設けられた領域のうちの、少なくとも一部の領域であり、第1の領域における第2の絶縁層は、第2の領域における第2の絶縁層よりも薄い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置、表示装置、発光装置、及びそれらの作製方法に関する。特に、トランジスタを用いた半導体装置、表示装置、発光装置、及びそれらの作製方法に関する。または、半導体装置、表示装置、発光装置を用いた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体層を挟んで上下にゲート電極を有する構成のトランジスタでは、オン電流を増やすことが、または、しきい値を制御してオフ電流を低減することができることが知られている。このような構成のトランジスタは、ダブルゲート型のトランジスタ、または、デュアルゲート型のトランジスタと呼ばれている。以下、このような構成のトランジスタを、バックゲート電極を有するボトムゲート型のトランジスタとも呼ぶことがある。
【0003】
バックゲート電極を有するボトムゲート型のトランジスタは、例えば、表示装置に用いることができる。(特許文献1の図7等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−109342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の表示装置において、開口率を上げるため、または、画素電極へのノイズを減らすために、トランジスタの上には、平坦化用の絶縁層が形成され、当該平坦化用の絶縁層上に画素電極が形成されている。ここで、トランジスタのバックゲート電極は、当該平坦化用の絶縁層の下層であって、トランジスタの半導体層(チャネルが形成される半導体層)に近い位置に配置される。
【0006】
特許文献1に記載の表示装置において、バックゲート電極は画素電極とは別の層に形成されるので、バックゲート電極を設けない構成のトランジスタを用いた表示装置よりも、その作製工程が増えるという課題がある。
【0007】
表示装置の作製工程の増加を低減するために、バックゲート電極と画素電極を同じ層に形成すると、バックゲート電極とトランジスタの半導体層の間に平坦化用の絶縁層が存在する。平坦化用の絶縁層は一般に厚さが厚いため、当該バックゲート電極が十分に機能を果たすことができないという課題がある。
【0008】
本発明の一態様は、バックゲート電極を有するボトムゲート型のトランジスタを用いた半導体装置を、より少ない工程で作製することを課題の一つとする。または、本発明の一態様は、より少ない工程で作製可能な、バックゲート電極を有するボトムゲート型のトランジスタを用いた半導体装置を提供することを課題の一つとする。または、本発明の一態様は、バックゲート電極によって半導体層に強い電界を加えることができる半導体装置を提供することを課題の一つとする。または、本発明の一態様は、しきい値電圧が制御される半導体装置を提供することを課題の一つとする。または、本発明の一態様は、ノーマリオフ状態になりやすい半導体装置を提供することを課題の一つとする。または、本発明の一態様は、オン電流の大きいトランジスタを用いた半導体装置を提供することを課題の一つとする。または、本発明の一態様は、光がチャネル等に入射するのを抑制可能なトランジスタを有する半導体装置を提供することを課題の一つとする。または、本発明の一態様は、劣化しにくいトランジスタを有する半導体装置を提供することを課題の一つとする。または、本発明の一態様は、ハーフトーンマスクまたはグレートーンマスクを用いて、トランジスタのチャネルの上に設ける絶縁層の厚さを異ならせる半導体装置を提供することを課題の一つとする。または、本発明の一態様は、工程数の増加を抑えながら、より良い半導体装置を提供することを課題の一つとする。または、本発明の一態様は、工程数の増加を抑えることにより、コストの増加を抑えた半導体装置を提供することを課題の一つとする。または、本発明の一態様は、オフ電流の少ないトランジスタを用いて、正確な表示を行うことができる表示装置を提供することを課題の一つとする。または、本発明の一態様は、開口率の高い表示装置を提供することを課題の一つとする。または、本発明の一態様は、画素電極へのノイズが少ない半導体装置を提供することを課題の一つとする。または、本発明の一態様は、画素電極の下に設けられる絶縁層が、バックゲート電極の下に設けられる絶縁層よりも厚い半導体装置を提供することを課題の一つとする。
【0009】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、トランジスタと、画素電極とを有し、トランジスタは、第1のゲート電極と、第1のゲート電極上の第1の絶縁層と、第1の絶縁層上の半導体層と、半導体層上の第2の絶縁層と、第2の絶縁層上の第2のゲート電極とを有し、第1のゲート電極は、第1の絶縁層を介して、半導体層と重なる領域を有し、第2のゲート電極は、第2の絶縁層を介して、半導体層と重なる領域を有し、画素電極は、第2の絶縁層上に設けられ、第1の領域は、第2のゲート電極の少なくとも一部が、半導体層の少なくとも一部と重なる領域のうちの、少なくとも一部の領域であり、第2の領域は、画素電極が設けられた領域のうちの、少なくとも一部の領域であり、第1の領域における第2の絶縁層は、第2の領域における第2の絶縁層よりも薄いことを特徴とする半導体装置である。
【0011】
トランジスタは、更に第1の電極と第2の電極とを有し、第1の電極と第2の電極の一方をソース電極とし、他方をドレイン電極とすることができる。画素電極は、第2の絶縁層に設けられた開口において、トランジスタと電気的に接続されていてもよい。
【0012】
第2の絶縁層は、カラーフィルタ、またはブラックマトリクスのいずれか一方、または両方を含んでいてもよい。
【0013】
本発明の一態様は、絶縁表面上に、第1のゲート電極を形成し、第1のゲート電極上に、第1の絶縁層を形成し、第1の絶縁層上に、第1の絶縁層を介して第1のゲート電極の少なくとも一部と少なくとも一部が重なる半導体層を形成し、半導体層上に、第1の領域と第2の領域を有し、第1の領域が第2の領域より薄い第2の絶縁層を形成し、第2の絶縁層上に、第2の絶縁層の第1の領域を介して半導体層の少なくとも一部と少なくとも一部が重なる第2のゲート電極と、第2の絶縁層の第2の領域の少なくとも一部の上に、画素電極の少なくとも一部とを形成することを特徴とする半導体装置の作製方法である。
【0014】
本発明の一態様は、絶縁表面上に、第1のゲート電極を形成し、第1のゲート電極上に、第1の絶縁層を形成し、第1の絶縁層上に、第1の絶縁層を介して第1のゲート電極の少なくとも一部と少なくとも一部が重なる半導体層を形成し、半導体層上に、第1の領域と第2の領域を有し第1の領域が第2の領域より薄く、且つ貫通する開口を有する第2の絶縁層を形成し、第2の絶縁層上に、第2の絶縁層の第1の領域を介して半導体層の少なくとも一部と少なくとも一部が重なる第2のゲート電極と、第2の絶縁層の第2の領域の少なくとも一部の上に少なくとも一部が重なり、且つ貫通する開口において下方の配線または電極と接する画素電極とを形成することを特徴とする半導体装置の作製方法である。
【0015】
第2の絶縁層は、ハーフトーンマスク、グレートーンマスク、位相シフトマスク、または多階調マスクを用いることによって形成してもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様によって、バックゲート電極を有するボトムゲート型のトランジスタを用いた半導体装置を、より少ない工程で作製することができる。または、より少ない工程で作製可能な、バックゲート電極を有するボトムゲート型のトランジスタを用いた半導体装置を提供することができる。または、バックゲート電極によって半導体層に強い電界を加えることができる半導体装置を提供することができる。または、しきい値電圧が制御される半導体装置を提供することができる。または、ノーマリオフ状態になりやすい半導体装置を提供することができる。または、オン電流の大きいトランジスタを用いた半導体装置を提供することができる。または、ハーフトーンマスク、グレートーンマスク、位相シフトマスク、または多階調マスクなどを用いて、トランジスタのチャネルの上に設ける絶縁層の厚さを異ならせる半導体装置を提供することができる。または、工程数の増加を抑えながら、より良い半導体装置を提供することができる。または、工程数の増加を抑えることにより、コストの増加を抑えた半導体装置を提供することができる。または、オフ電流の少ないトランジスタを用いて、正確な表示を行うことができる表示装置を提供することができる。または、開口率の高い表示装置を提供することができる。または、画素電極へのノイズが少ない表示装置を提供することができる。または、画素電極の下に設けられる絶縁層が、バックゲート電極の下に設けられる絶縁層よりも厚い表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】半導体装置の構成を示す断面図。
【図2】半導体装置の構成を示す断面図。
【図3】半導体装置の構成を示す断面図。
【図4】半導体装置の構成を示す断面図。
【図5】半導体装置の構成を示す断面図。
【図6】半導体装置の構成を示す断面図。
【図7】半導体装置の構成を示す断面図。
【図8】半導体装置の構成を示す断面図。
【図9】半導体装置の構成を示す断面図。
【図10】半導体装置の構成を示す断面図。
【図11】半導体装置の構成を示す断面図。
【図12】半導体装置の構成を示す断面図。
【図13】半導体装置の構成を示す断面図。
【図14】半導体装置の構成を示す断面図。
【図15】半導体装置の構成を示す断面図。
【図16】半導体装置の構成を示す断面図。
【図17】半導体装置の構成を示す断面図。
【図18】半導体装置の構成を示す断面図。
【図19】半導体装置の構成を示す断面図。
【図20】半導体装置の構成を示す断面図。
【図21】半導体装置の構成を示す断面図。
【図22】半導体装置の構成を示す断面図。
【図23】半導体装置の構成を示す断面図。
【図24】半導体装置の構成を示す断面図。
【図25】半導体装置の構成を示す断面図。
【図26】半導体装置の構成を示す断面図。
【図27】半導体装置の構成を示す断面図。
【図28】半導体装置の構成を示す断面図。
【図29】半導体装置の構成を示す断面図。
【図30】半導体装置の構成を示す断面図。
【図31】半導体装置の構成を示す断面図。
【図32】半導体装置の構成を示す断面図。
【図33】半導体装置の構成を示す断面図。
【図34】半導体装置の構成を示す断面図。
【図35】半導体装置の構成を示す断面図。
【図36】半導体装置の構成を示す断面図。
【図37】半導体装置の構成を示す断面図。
【図38】半導体装置の構成を示す断面図。
【図39】半導体装置の構成を示す断面図。
【図40】半導体装置の構成を示す断面図。
【図41】半導体装置の構成を示す断面図。
【図42】半導体装置の構成を示す断面図。
【図43】半導体装置の構成を示す断面図。
【図44】半導体装置の構成を示す断面図。
【図45】半導体装置の構成を示す断面図。
【図46】半導体装置の構成を示す断面図。
【図47】半導体装置の構成を示す断面図。
【図48】半導体装置の構成を示す断面図。
【図49】半導体装置の構成を示す断面図。
【図50】半導体装置の構成を示す断面図。
【図51】半導体装置の構成を示す断面図。
【図52】半導体装置の構成を示す断面図。
【図53】半導体装置の構成を示す上面図。
【図54】半導体装置の構成を示す上面図。
【図55】半導体装置の構成を示す回路図。
【図56】半導体装置の構成を示す回路図。
【図57】半導体装置の構成を示す回路図。
【図58】半導体装置の構成を示す断面図。
【図59】半導体装置の作製方法を示す図。
【図60】半導体装置の作製方法を示す図。
【図61】半導体装置の作製方法を示す図。
【図62】半導体装置の作製方法を示す図。
【図63】半導体装置の作製方法を示す図。
【図64】半導体装置の作製方法を示す図。
【図65】半導体装置の構成を示す断面図。
【図66】半導体装置の構成を示す断面図。
【図67】電子機器を示す図。
【図68】電子機器を示す図。
【図69】酸化物半導体層の構造を説明する図。
【図70】酸化物半導体層の構造を説明する図。
【図71】酸化物半導体層の構造を説明する図。
【図72】表示モジュールを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分については同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0019】
なお、ある一つの実施の形態の中で述べる内容(一部の内容でもよい)は、その実施の形態で述べる別の内容(一部の内容でもよい)、及び/又は、一つ若しくは複数の別の実施の形態で述べる内容(一部の内容でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを行うことができる。
【0020】
なお、ある一つの実施の形態において述べる図(一部でもよい)の構成は、その図の別の部分の構成、その実施の形態において述べる別の図(一部でもよい)の構成、及び/又は、一つ若しくは複数の別の実施の形態において述べる図(一部でもよい)の構成と組み合わせることができる。
【0021】
なお、図において、大きさ、厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、本発明の実施形態の一態様は、必ずしもそのスケールに限定されない。または、図は、理想的な例を模式的に示したものである。よって、本発明の実施形態の一態様は、図に示す形状などに限定されない。例えば、製造技術による形状のばらつき、誤差による形状のばらつきなどを含むことが可能である。
【0022】
なお、XとYとが接続されている、と明示的に記載する場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接接続されている場合とを含むものとする。ここで、X、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図または文章に示された接続関係に限定されず、図または文章に示された接続関係以外のものも含むものとする。
【0023】
XとYとが電気的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオードなど)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。
【0024】
XとYとが機能的に接続されている場合の一例としては、XとYとの機能的な接続を可能とする回路が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、一例として、XとYとの間に別の回路を挟んでいても、Xから出力された信号がYへ伝達される場合は、XとYとは機能的に接続されているものとする。
【0025】
なお、XとYとが電気的に接続されている、と明示的に記載する場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接接続されている場合とを含むものとする。つまり、電気的に接続されている、と明示的に記載する場合は、単に、接続されている、とのみ明示的に記載されている場合と同じであるとする。
【0026】
なお、回路図上は独立している構成要素同士が電気的に接続しているように図示されている場合であっても、実際には、例えば配線の一部が電極としても機能する場合など、一の導電層が、配線及び電極のような複数の構成要素の機能を併せ持っている場合もある。本明細書において電気的に接続とは、このような、一の導電層が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合も、その範疇に含める。
【0027】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の半導体装置など(表示装置、発光装置など)の一態様について図面を参照して説明する。
【0028】
本発明の一態様の半導体装置の断面図を図1(A)に示す。半導体装置は、絶縁表面(又は絶縁基板)200の上に、トランジスタ100と、電極110とを有する。トランジスタ100は、電極101と、電極101上の絶縁層102と、絶縁層102上の半導体層103と、半導体層103上の絶縁層105と、絶縁層105上の電極106とを有する。電極101は、絶縁層102を介して、半導体層103と重なる領域を有する。電極106は、絶縁層105を介して、半導体層103と重なる領域を有する。電極110は、絶縁層105上に設けられる。領域121は、電極106の少なくとも一部が、半導体層103の少なくとも一部と重なる領域のうちの、少なくとも一部の領域である。領域122は、電極110が設けられた領域のうちの、少なくとも一部の領域である。領域121における絶縁層105は、領域122における絶縁層105よりも薄い。絶縁層105は領域121と領域121よりも厚い領域122を有し、領域121は電極106と半導体層103とが重なる領域の少なくとも一部の領域であり、領域122は電極110の少なくとも一部と重畳するともいえる。
【0029】
ここで、電極101は、トランジスタ100の第1のゲート電極として、電極106はトランジスタ100の第2のゲート電極(バックゲート電極)として機能させることができる。また、電極110は、画素電極として機能させることができる。絶縁層105の薄い領域(領域121)を介して電極106は半導体層103と重なるため、電極106はバックゲート電極として十分機能する。電極110と電極106は、同じ導電膜をエッチングすることによって形成されたものであってもよい。この場合、電極110と電極106は同じ材料を有し、概ね同じ膜厚を有する。また、電極110と電極106は、異なる導電膜をエッチングすることによって形成されたものであってもよい。同じ導電膜をエッチングする場合には、プロセス工程数を低減することが出来る。
【0030】
なお、トランジスタは、第1のゲート電極と第2のゲート電極(バックゲート電極)とを、両方有することが望ましい。ただし、本発明の実施形態の一態様は、これに限定されず、第1のゲート電極または第2のゲート電極(バックゲート電極)のいずれか一方のみを有し、他方を有さないことも可能である。例えば、図66(C)に示すように、電極106を有さない構成であってもよい。そのような場合でも、トランジスタとして機能させることが出来る。
【0031】
図1(A)において、トランジスタ100は、更に電極104aと電極104bとを有する。電極104aと電極104bの一方をソース電極とし、他方をドレイン電極とすることができる。図1(A)では、電極104aと電極104bが半導体層103の上方に(例えば、電極104aと電極104bが、半導体層103の上面および側面と接するように)設けられている。半導体層103の下面と、電極104a及び電極104bとは、接していない。
【0032】
なお、トランジスタは、ソース電極とドレイン電極とを、両方有することが望ましい。ただし、本発明の実施形態の一態様は、これに限定されず、トランジスタが、ソース電極またはドレイン電極のいずれか一方のみを有し、他方を有さないことも可能であり、両方を有さないことも可能である。そのような場合でも、当該トランジスタが、半導体層103を用いて別の素子(例えば、別のトランジスタ)に接続されるようにすれば、半導体層103にチャネルが形成されるトランジスタを正常に機能させることが出来る。
【0033】
なお、トランジスタとは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端子を有する素子である。そして、ドレイン(ドレイン端子、ドレイン領域またはドレイン電極)とソース(ソース端子、ソース領域またはソース電極)の間にチャネル領域を有しており、ドレインとチャネル領域とソースとを介して電流を流すことが出来るものである。ここで、ソースとドレインとは、トランジスタの構造又は動作条件等によって変わるため、いずれがソースまたはドレインであるかを限定することが困難である。そこで、ソースとして機能する部分、及びドレインとして機能する部分を、ソース又はドレインと呼ばない場合がある。その場合、一例として、ソースとドレインとの一方を、第1端子、第1電極、又は第1領域と表記し、ソースとドレインとの他方を、第2端子、第2電極、又は第2領域と表記する場合がある。
【0034】
電極110は、絶縁層105に設けられた開口を介して、トランジスタ100と電気的に接続することができる。
【0035】
なお、「Xの上にYが」、あるいは、「X上にYが」、と明示的に記載する場合は、Xの上にYが直接接していることに限定されない。直接接してはいない場合、つまり、XとYと間に別の対象物が介在する場合も含むものとする。ここで、X、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
【0036】
従って例えば、「層Xの上に(もしくは層X上に)、層Yが」、と明示的に記載されている場合は、層Xの上に直接接して層Yがある場合と、層Xの上に直接接して別の層(例えば層Zなど)があって、その上に直接接して層Yがある場合とを含むものとする。なお、別の層(例えば層Zなど)は、単層でもよいし、複層(積層)でもよい。
【0037】
さらに、「Xの上方にYが」、と明示的に記載されている場合についても同様であり、Xの上にYが直接接していることに限定されず、XとYとの間に別の対象物が介在する場合も含むものとする。従って例えば、「層Xの上方に、層Yが」、という場合は、層Xの上に直接接して層Yがある場合と、層Xの上に直接接して別の層(例えば層Zなど)があって、その上に直接接して層Yがある場合とを含むものとする。なお、別の層(例えば層Zなど)は、単層でもよいし、複層(積層)でもよい。
【0038】
なお、Xの下にYが、あるいは、Xの下方にYが、の場合についても、同様である。
【0039】
なお、図9(A)に示すように、半導体層103のうち、電極104a及び電極104bと重ならない領域の厚さが薄くなっていてもよい。例えば、電極104aと電極104bを作製するためのエッチング加工をする際に、電極104a及び電極104bとなる層の下層に存在する半導体層103の表面の一部がエッチングされても良い。こうして、半導体層103のうちチャネルとなる領域の少なくとも一部が薄くなったトランジスタ(または、チャネルの上部と、電極104a及び電極104bとの間などにチャネル保護膜がないトランジスタ)を、チャネルエッチング型のトランジスタと呼ぶ場合がある。
【0040】
本発明の半導体装置の一態様は、図1(A)に限定されない。以下に、本発明の半導体装置のその他の構成の例を示す。なお、図1(A)と同じ部分は同じ符号を用いて示し、説明は省略する。
【0041】
例えば、図1(B)に示すように、半導体層103と、電極104aと電極104bとの間に、絶縁層107が設けられた構成とすることもできる。絶縁層107は、電極104aと電極104bを作製するためのエッチング加工をする際に、半導体層103(特に、半導体層103のチャネルとなる領域)がエッチングされるのを防止するための保護膜(チャネル保護膜)としての機能を有する。チャネル保護膜が設けられたトランジスタをチャネル保護型のトランジスタと呼ぶ場合がある。この場合、半導体層103を薄くすることが出来るため、トランジスタ100のS値を良くする(小さくする)ことが出来る。
【0042】
なお、チャネル保護型のトランジスタとする場合、図65(D)に示すように、領域121において、絶縁層105を除去することが可能である。その場合、電極106と、絶縁層107とは、一部で直接接する構造となる。このようにすることにより、電極106はバックゲート電極として、より強い電界を半導体層103に印加することが可能となる。
【0043】
または、例えば、図2(A)に示すように、電極104aと電極104bは、半導体層103の下方に(例えば、電極104aと電極104bの上面及び端面の一部が半導体層103の下面と接するように)形成してもよい。このようにすることにより、半導体層103は、電極104aと電極104bをエッチングするときのダメージを受けないようにすることが出来る。または、半導体層103を薄くすることができ、S値を良くする(S値を小さくする)ことが出来る。
【0044】
または、例えば、図3(A)に示すように、半導体層103の端部131a及び端部131bと、電極104a及び電極104bの端部132a及び端部132bとが、概略揃った形状とすることもできる。このような半導体層103と電極104a及び電極104bは、半導体膜と当該半導体膜上の導電膜との積層膜を、同一のマスクを用いてエッチングすることによって形成することができる。当該マスクとして、露光に用いる光の透過率が互いに異なる領域を3つ以上有するフォトマスク(以下、ハーフトーンマスク、グレートーンマスク、位相シフトマスク、または多階調マスクという)を用いることができる。ハーフトーンマスクを用いることによって、半導体層103が露出した領域と、半導体層103が除去された領域とを、1枚のマスクを用いたエッチング工程によって形成することができる。こうして、トランジスタ100の作製工程を更に減らし、半導体装置の更なる低コスト化を実現することができる。なお、ハーフトーンマスクを用いて半導体層103と電極104a及び電極104bとを形成した場合、電極104a及び電極104bの下には、必ず半導体層103が存在する構成となる。なお、端部132a及び/又は端部132bは、階段状になっている場合もある。
【0045】
または、図3(B)に示す様に、図3(A)に示した構成においてチャネル保護膜として機能する絶縁層107を設けることもできる。このように、図3(B)以外の場合においても、チャネル保護膜を設けていない様々なトランジスタにおいて、チャネル保護膜を追加して設けることが出来る。
【0046】
または、例えば、図9(A)に示す様に、半導体層103と電極104a及び電極104bとの間に、導電層108a及び導電層108bを有する構成とすることもできる。導電層108a及び導電層108bは、例えば、導電性を付与する不純物元素が添加された半導体層を用いて形成することができる。または、例えば、導電層108a及び導電層108bは、導電性の金属酸化物を用いて形成することもできる。または、例えば、導電層108a及び導電層108bは、導電性を付与する不純物元素が添加された、導電性の金属酸化物を用いて形成することもできる。なお、図1(A)などの場合において、半導体層103の一部の領域に、導電性を付与する不純物元素が添加されていてもよい。導電性を付与する不純物元素の一例として、リン、ヒ素、ボロン、水素、スズなどがある。
【0047】
ここで、図9(A)において、半導体層103のうち、電極104a及び電極104b、並びに、導電層108a及び導電層108bと重ならない領域では、厚さが薄くなっている。これは、電極104aと電極104b、並びに、導電層108a及び導電層108bを作製するためのエッチング加工をする際に、電極104aと電極104bとなる層、並びに、導電層108a及び導電層108bとなる層の下層に存在する半導体層103の表面の一部がエッチングされるためである(チャネルエッチング型のトランジスタ)。なお、半導体層103と導電層108a及び導電層108bとの間にチャネル保護膜を設けることによって、半導体層103がエッチングされるのを防止してもよい(チャネル保護型のトランジスタ)。
【0048】
なお、上記では、電極110及び電極106が、同じ層を用いて形成された構成を示したがこれに限定されず、電極110と電極106は別の層を用いて形成されていてもよい。
【0049】
または、電極104a及び電極104bと、半導体層103との間、または、電極104a及び電極104bと、導電層108a及び導電層108bとの間において、絶縁層を設けることが可能である。そして、その絶縁層に開口を設けて、電極104a及び電極104bと、半導体層103とを接続、または、電極104a及び電極104bと、導電層108a及び導電層108bとを接続するようにしてもよい。
【0050】
なお、絶縁表面200を有する基板としては、様々な基板を用いることが出来る。基板の種類は、特定のものに限定されることはない。基板の一例としては、半導体基板(例えば単結晶基板又はシリコン基板)、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、金属基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含む紙、又は基材フィルムなどがある。
【0051】
なお、トランジスタ100を基板上に形成し、その後、当該基板とは別の基板にトランジスタ100を転置することによって、当該別の基板上にトランジスタ100を配置してもよい。
【0052】
上述のとおり、図1(A)、図1(B)、図2(A)、図3(A)、図3(B)、図9(A)などに示したトランジスタ100では、バックゲート電極によって、しきい値電圧を効果的に制御することが可能となる。そのため、ノーマリオフ状態になりやすくすることが出来る。または、バックゲート電極によって、オン電流を効果的に大きくすることが出来る。または、バックゲート電極によって、オフ電流を効果的に小さくすることが出来る。または、バックゲート電極によって、オンオフ比を大きくすることが出来る。そのため、上記構成を表示装置に採用することによって、表示装置は正確な表示を行うことができる。または、上記構成を表示装置や発光装置に採用し、絶縁層105を平坦化膜としても機能させることによって、開口率を高くすることが出来る。
【0053】
本実施の形態は、本発明の一態様である構成例のうちの基本的な例の一つである。そのため、その一部または全部に対して、変更、追加、修正、削除、応用、上位概念化、又は、下位概念化したものに相当する他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することができる。
【0054】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の半導体装置など(表示装置、発光装置など)の一態様について図面を参照して説明する。
【0055】
実施の形態1において、図1(A)、図1(B)、図2(A)、図3(A)、図3(B)、図9(A)などを用いて示した構成において、領域122又はその一部における絶縁層105を複数の層の積層とすることができる。領域122又はその一部における絶縁層105は、m(mは2以上の自然数)個の層の積層を有する。領域121又はその一部における絶縁層105は、mと同じ、または、mより少ない個数の層の積層または単層を有していてもよい。または、絶縁層105は、有機絶縁層を含んでいてもよい。絶縁層105は、有機絶縁層と無機絶縁層の積層を含んでいてもよい。
【0056】
例えば、上記した図1(A)、図1(B)、図2(A)、図3(A)、図3(B)、図9(A)などに示した構成において、領域122における絶縁層105は層105aと層105bの積層を有し、領域121における絶縁層105は層105aの単層を有してもよい。層105bは、層105aよりも上に形成されている。このような構成を、図1(C)、図1(D)、図2(B)、図3(C)、図3(D)、図9(B)に示す。このような構成にすることにより、エッチングされやすさの差異(選択比)を利用して、必要な部分のみエッチングすることによって、層105aと層105bの積層を形成することが出来る。その結果、絶縁層105の各領域における膜厚を制御しやすくすることが出来る。または、膜質によって、異なる機能(例えば、平坦化機能、不純物をブロックする機能、遮光する機能など)を、各領域に適切に持たせることが出来る。または、一部の層を、感光性材料を用いて形成することによって、プロセス工程数を少なくすることが出来る。
【0057】
ここで、層105aを無機絶縁層とし、層105bを有機絶縁層としてもよい。その場合、有機材料を用いるため、層105aよりも層105bの方を厚くすることが可能である。層105aを無機絶縁層(より望ましくは、窒化珪素膜)とすることによって、例えば層105b中の不純物がトランジスタ100に進入するのを防止することができる。または、層105bを有機絶縁層とすることによって、当該有機絶縁層を平坦化層として機能させることができるため、トランジスタ100等による凹凸を緩和することができる。こうして、電極110が形成される表面を平坦にすることができる。そのため、例えば、電極110を画素電極として用いる場合に、表示不良を低減することができる。または、層105bの膜厚を厚くすることが出来るために、画素電極へのノイズを減らすことが出来る。または、膜質が異なることによってエッチングの選択比が異なるため、必要な部分のみを選択的にエッチングして、所定の形状の層105a及び層105bの積層を形成することが出来る。
【0058】
または、層105a、及び/又は、層105b(またはそれらの一部)を(より望ましくは層105bを)、カラーフィルタ、及び/又は、ブラックマトリクスにしてもよい。カラーフィルタ、及び/又は、ブラックマトリクスにすることによって、トランジスタ100が設けられた基板(絶縁表面200を有する基板)と別の基板(例えば、表示装置における対向基板等)との貼り合わせマージンを大きくすることが出来る。または、トランジスタ100の近傍の層105a、及び/又は、層105b(またはそれらの一部)に、ブラックマトリクスを用いることにより、トランジスタ100に光が入りにくくすることが出来る。光が入りにくいことによって、トランジスタ100のオフ電流や、トランジスタ100の劣化を低減することが可能となる。例えば、図65(A)に示すように、層105bの一部において、ブラックマトリクス652を設けることができる。なお、ブラックマトリクスとして、色の異なるカラーフィルタを複数重ねる構成を用いることも出来る。
【0059】
なお、カラーフィルタ、及び/又は、ブラックマトリクスは、有機材料を用いて形成することが望ましいため、層105bにおいて形成されることが望ましい。ただし、これに限定されず、ブラックマトリクスとして、遮光性を有する導電膜を用いることも出来る。
【0060】
または、層105aの膜厚を層105bの膜厚よりも薄くしてもよい。層105aの膜厚を薄くすることによって、電極106による電界をチャネルに十分に供給することが出来る。または、層105bの膜厚を厚くすることによって、トランジスタ100等による凹凸を十分に緩和することができる。
【0061】
または、例えば、上記した図1(A)、図1(B)、図2(A)、図3(A)、図3(B)、図9(A)などに示した構成において、領域122における絶縁層105は層105bと層105cの積層を有し、領域121における絶縁層105は層105cの単層を有してもよい。層105cは、層105bよりも上に形成されている。このような構成を、図26(A)、図26(B)、図27(A)、図28(A)、図28(B)、図34(A)に示す。このような構成にすることにより、エッチングされやすさの差異(選択比)を利用して、必要な部分のみエッチングすることによって、層105bと層105cの積層を形成することが出来る。その結果、絶縁層105の各領域における膜厚を制御しやすくすることが出来る。または、膜質によって、異なる機能(例えば、平坦化機能、不純物をブロックする機能、遮光する機能など)を、各領域に適切に持たせることが出来る。または、一部の層は、感光性材料を用いて形成することが出来るため、プロセス工程数を少なくすることが出来る。
【0062】
ここで、層105bを有機絶縁層とし、層105cを無機絶縁層としてもよい。その場合、有機材料を用いるため、層105cよりも層105bの方を厚くすることが可能である。層105cを無機絶縁層(より望ましくは、窒化珪素膜)とすることによって、層105b中の不純物が電極106や電極106上に設けられる層(例えば、液晶層、配向膜、有機EL層など)に進入するのを防止することができる。または、層105bを有機絶縁層とすることによって、当該有機絶縁層を平坦化層として用い、トランジスタ100等による凹凸を緩和することができる。こうして、電極110が形成される表面を平坦にすることができる。そのため、例えば、電極110を画素電極として用いる場合に、表示不良を低減することができる。または、層105bの膜厚を厚くすることが出来るために、画素電極へのノイズを減らすことが出来る。または、膜質が異なることによってエッチングの選択比が異なるため、必要な部分のみを選択的にエッチングして、所定の形状の層105b及び層105cの積層を形成することが出来る。
【0063】
または、層105b、及び/又は、層105c(またはそれらの一部)を(より望ましくは層105bを)、カラーフィルタ、及び/又は、ブラックマトリクスとしてもよい。カラーフィルタ、及び/又は、ブラックマトリクスとすることによって、トランジスタ100が設けられた基板(絶縁表面200を有する基板)と別の基板(例えば、表示装置における対向基板等)との貼り合わせマージンを大きくすることが出来る。または、トランジスタ100の近傍の層105b、及び/又は、層105c(またはそれらの一部)に、ブラックマトリクスを用いることにより、トランジスタ100に光が入りにくくすることが出来る。光が入りにくいことによって、トランジスタ100のオフ電流を低減、及び/又は、トランジスタ100の劣化を低減することが可能となる。例えば、図65(B)に示すように、層105bの一部において、ブラックマトリクス652を設けることができる。なお、ブラックマトリクスとして、色の異なるカラーフィルタを複数重ねる構成を用いることも出来る。
【0064】
なお、カラーフィルタ、及び/又は、ブラックマトリクスは、有機材料を用いて形成することが望ましいため、層105bにおいて形成されることが望ましい。ただし、これに限定されず、ブラックマトリクスとして、遮光性を有する導電膜を用いることも出来る。
【0065】
または、層105cの膜厚を層105bの膜厚よりも薄くしてもよい。層105cの膜厚を薄くすることによって、電極106による電界をチャネルに十分に供給することが出来る。または、層105bの膜厚を厚くすることによって、トランジスタ100等による凹凸を十分に緩和することができる。
【0066】
または、例えば、上記した図1(A)、図1(B)、図2(A)、図3(A)、図3(B)、図9(A)などに示した構成において、領域122における絶縁層105は層105aと層105bと層105cの積層とを有し、領域121における絶縁層105は層105aと層105cの積層を有してもよい。このような構成を、図26(C)、図26(D)、図27(B)、図28(C)、図28(D)、図34(B)に示す。このような構成にすることにより、エッチングされやすさの差異(選択比)を利用して、必要な部分のみエッチングすることによって、層105aと層105bと層105cの積層を形成することが出来る。その結果、絶縁層105の各領域における膜厚を制御しやすくすることが出来る。または、膜質によって、異なる機能(例えば、平坦化機能、不純物をブロックする機能、遮光する機能など)を、各領域に適切に持たせることが出来る。または、一部の層は、感光性材料を用いて形成することが出来るため、プロセス工程数を少なくすることが出来る。
【0067】
ここで、層105aを無機絶縁層とし、層105bを有機絶縁層とし、層105cを無機絶縁層としてもよい。その場合、有機材料を用いるため、層105aおよび層105cよりも層105bの方を厚くすることが可能である。層105aを無機絶縁層(より望ましくは、窒化珪素膜)とすることによって、例えば、層105b中の不純物がトランジスタ100に進入するのを防止することができる。または、層105cを無機絶縁層(より望ましくは、窒化珪素膜)とすることによって、層105b中の不純物が電極106や電極106上に設けられる層に進入するのを防止することができる。層105bを有機絶縁層とすることによって、当該有機絶縁層を平坦化層として用い、トランジスタ100等による凹凸を緩和することができる。こうして、電極110が形成される表面を平坦にすることができる。そのため、例えば、電極110を画素電極として用いる場合に、表示不良を低減することができる。または、層105bの膜厚を厚くすることが出来るために、画素電極へのノイズを減らすことが出来る。または、層105aと層105b、または、層105bと層105cの膜質を異ならせることができる。そして、膜質が異なることによるエッチングの選択比が異なることを利用して、必要な部分のみを選択的にエッチングして、所定の形状の層105aと層105bと層105cの積層を形成することが出来る。
【0068】
または、層105a、層105b、及び/又は、層105c(またはそれらの一部)を(より望ましくは層105bを)、カラーフィルタ、及び/又は、ブラックマトリクスとしてもよい。カラーフィルタ、及び/又は、ブラックマトリクスとすることによって、トランジスタ100が設けられた基板(絶縁表面200を有する基板)と別の基板(例えば、表示装置における対向基板等)との貼り合わせマージンを大きくすることが出来る。または、トランジスタ100の近傍の層105a、層105b、及び/又は、層105c(またはそれらの一部)に、ブラックマトリクスを用いることにより、トランジスタ100に光が入りにくくすることが出来る。光が入りにくいことによって、トランジスタ100のオフ電流を低減、及び/又は、トランジスタ100の劣化を低減することが可能となる。例えば、図65(C)に示すように、層105bの一部において、ブラックマトリクス652を設けることができる。なお、ブラックマトリクスとして、色の異なるカラーフィルタを複数重ねる構成を用いることも出来る。
【0069】
なお、カラーフィルタ、及び/又は、ブラックマトリクスは、有機材料を用いて形成することが望ましいため、層105bにおいて形成されることが望ましい。ただし、これに限定されず、ブラックマトリクスとして、遮光性を有する導電膜を用いることも出来る。
【0070】
なお、層105a、層105b、層105cは、それぞれ一個の層であっても、複数個の層の積層であっても良い。
【0071】
本実施の形態は、実施の形態1の一部または全部について、変更、追加、修正、削除、応用、上位概念化、又は、下位概念化したものに相当する。したがって、実施の形態1などの他の実施の形態と自由に組み合わせることや、置き換えて実施することができる。
【0072】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の半導体装置など(表示装置、発光装置など)の一態様について図面を参照して説明する。
【0073】
実施の形態1において、図1(A)、図1(B)、図2(A)、図3(A)、図3(B)、図9(A)などを用いて示した構成では、トランジスタ100のチャネル近傍において絶縁層105を薄くする構成を示した。しかしながら、絶縁層105を薄くする領域(領域121)の範囲は、これに限定されない。領域121の範囲はチャネル近傍の一部であってもよい。例えば、図1(A)に示した構成は、図66(A)に示す構成に変更することができる。図66(A)では、領域121の範囲はチャネル近傍の一部(図1(A)における領域121より狭い範囲)である。図1(A)以外の図の構成も同様に変更することができる。または、領域121の範囲は、トランジスタ100の全体近傍であってもよいし、もっと広い範囲であってもよい。例えば、トランジスタ100の近傍(例えば、電極106が、電極104a及び/又は電極104bと重なる領域)において、絶縁層105を薄くする構成であってもよい。
【0074】
また、実施の形態2において、図1(C)、図1(D)、図2(B)、図3(C)、図3(D)、図9(B)、図26(A)、図26(B)、図27(A)、図28(A)、図28(B)、図34(A)、図26(C)、図26(D)、図27(B)、図28(C)、図28(D)、図34(B)、図65(A)、図65(B)、図65(C)などに示した構成では、トランジスタ100のチャネル近傍の層105bを除去して、絶縁層105を薄くする構成を示した。しかしながら、層105bを除去する領域は、これに限定されない。層105bを除去する領域はチャネル近傍の一部であってもよい。例えば、図1(C)に示した構成は、図66(B)に示す構成に変更することができる。図66(B)では、領域121の範囲はチャネル近傍の一部(図1(C)における領域121より狭い範囲)である。図1(C)以外の図の構成も同様に変更することができる。または、領域121の範囲は、トランジスタ100の全体近傍であってもよいし、もっと広い範囲であってもよい。例えば、図1(C)、図1(D)、図2(B)、図3(C)、図3(D)、図9(B)、図26(C)、図26(D)、図27(B)、図28(C)、図28(D)、図34(B)に示した構成において、トランジスタ100の近傍の層105bを除去して、絶縁層105を薄くしてもよい。例えば、電極106が、電極104a及び/又は電極104bと重なる領域において、層105bを除去してもよい。この構成を、図1(E)、図2(D)、図2(C)、図3(E)、図2(E)、図9(C)、図26(E)、図27(D)、図27(C)、図28(E)、図27(E)、図34(C)に示す。
【0075】
なお、図26(E)、図27(D)、図27(C)、図28(E)、図27(E)、図34(C)に示した構成において、層105bを除去した領域の一部または全部において、更に層105aまたは層105cの一方を除去してもよい。
【0076】
トランジスタ100の近傍(例えば、電極106が、電極104a及び/又は電極104bと重なる領域)において、絶縁層105を薄くする構成では、電極106が、電極104a及び/又は電極104bと重なることにより形成される寄生容量の容量値を大きくすることができる。そのため、当該寄生容量を保持容量として積極的に用いることもできる。例えば、当該保持容量を画素の保持容量として用いることができる。このようにトランジスタ100の近傍において、絶縁層105を薄くしたとしても、電極106に一定の電位が与えられている場合は、当該電位は電極104a及び/又は電極104bの電位に影響を与えない。ただし、本発明の実施形態の一態様は、これに限定されない。
【0077】
一方、電極106に変動する電位(パルス電位等)を与える場合(例えば、電極101に入力される信号と同様の信号が電極106に入力される場合等)には、電極106に与えられる電位の変化が、電極104a及び/又は電極104bの電位に与える影響を低減するために、電極106と電極104a及び/又は電極104bとの間において、絶縁層105の厚さを厚くすることが望ましい。例えば、電極106と電極104a及び/又は電極104bとの間に層105bが存在することが望ましい。こうして、電極106に与えられる電位の変化が、電極104a及び/又は電極104bの電位に与える影響を低減し、例えば、電極104bと接続された電極110に入力される信号にノイズが入るのを防止することができる。そのため、電極110を画素電極とした場合に、表示装置の表示品質を良くすることができる。ただし、本発明の実施形態の一態様は、これに限定されない。
【0078】
なお、領域121の全体に電極106が形成されていても良いし、領域121の少なくとも一部に電極106が形成されていても良い。電極106が小さい場合は、電極104a及び/又は電極104bと、電極106との重なりが小さくなるため、電極106に与えられる電位の変化が、電極104a及び/又は電極104bの電位に与える影響を低減することが出来る。
【0079】
または、トランジスタ100を用いて駆動回路(例えば、画素に信号を入力する走査線駆動回路や信号線駆動回路)を形成する場合、駆動回路上の全体を領域121としてもよい。例えば、駆動回路上の層105b全体を除去してもよい。これは、駆動回路上には画像表示を行うための表示素子を設ける必要がないため、層105bによる平坦化を行わなくてもよいためである。または、駆動回路上の層105b全体を除去することによって、電極や配線によって形成される容量素子(寄生容量)を大きくすることができる。こうして、ブートストラップ動作を行うための容量素子(寄生容量)や、ダイナミック回路用の容量素子(寄生容量)を大きくすることができる。または、駆動回路上の層105b全体を除去する場合、層105bの一部を残すためのマージンが必要ないため、駆動回路全体のレイアウト面積を小さくできる。この場合に、駆動回路に含まれるトランジスタ100のうちの複数のトランジスタ100の電極106は互いに電気的に接続されていてもよい。または、駆動回路に含まれるトランジスタ100のうちの複数のトランジスタ100において、電極106は互いに分離されていてもよいし、分離されていなくてもよい。
【0080】
本実施の形態は、実施の形態1乃至実施の形態2の一部または全部について、変更、追加、修正、削除、応用、上位概念化、又は、下位概念化したものに相当する。したがって、実施の形態1乃至実施の形態2などの他の実施の形態と自由に組み合わせることや、置き換えて実施することができる。
【0081】
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の半導体装置など(表示装置、発光装置など)の一態様について図面を参照して説明する。
【0082】
実施の形態1乃至実施の形態3において示した半導体装置などの構成例において、電極110と電極104bの接続部分の構成例について示す。
【0083】
絶縁層105が層105aと層105bの積層を有する場合の電極110と電極104bの接続部分の構成例について、図4及び図5を用いて説明する。
【0084】
図4(A)は、図1(C)に示した構成と、当該構成における電極110と電極104bの接続部分を拡大した図である。図4(A)の拡大図において、層105aの開口の端部と層105bの開口の端部は概略揃った形状となっている。このような開口は、例えば、層105aとなる膜Aと、層105bとなる膜Bの積層膜を形成した後、同じフォトマスクを用いて、膜Aと膜Bをエッチング加工することによって形成することができる。
【0085】
電極110と電極104bの接続部分の形状は、図4(A)の拡大図で示した構成に限定されない。例えば、図4(B)に示す構成としてもよい。図4(B)では、層105aの開口の端部と層105bの開口の端部は揃っておらず、層105bの開口の径は、層105aの開口の径よりも大きい(開口の径の差を図中Δx1で示す)。このような形状の開口は、例えば、図4(A)の拡大図に示した構成を作製した後、層105bをアッシングすることによって形成することができる。層105bをアッシングする場合には、層105bは有機絶縁層によって形成する。なお、アッシングとは、放電等により生成した活性酸素分子もしくはオゾン分子もしくは酸素原子等を有機物である層に化学的に作用させて灰化させることにより層の一部を除去することである。または、層105aとなる膜Aと、層105bとなる膜Bの積層膜を形成した後、フォトマスクによって膜Aと膜Bをエッチング加工した後、別のフォトマスクによって、エッチング加工された膜Bを更にエッチング加工することによって形成することもできる。または、層105aとなる膜Aと、層105bとなる膜Bの積層膜を形成した後、フォトマスクによって膜Bをエッチング加工した後、別のフォトマスクによって膜Aをエッチング加工することによって形成することもできる。膜Aと膜Bを別のフォトマスクによってエッチング加工する場合には、例えば、図5(B)に示すように、図4(B)に示す構成より、層105bの開口の径を、層105aの開口の径よりも更に大きくすることもできる(開口の径の差を図中Δx3で示す)。または、膜Aと膜Bを別のフォトマスクによってエッチング加工する場合には、例えば、図5(A)に示すように、層105aの開口の径を、層105bの開口の径よりも大きくすることもできる(開口の径の差を図中Δx2で示す)。
【0086】
図4及び図5では、絶縁層105が層105aと層105bの積層でなる場合の電極110と電極104bの接続部分の構成例について示した。しかし、絶縁層105の積層構造はこれに限定されないため、当該積層構造に応じて、電極110と電極104bの接続部分は様々な構成とすることができる。
【0087】
例えば、絶縁層105が層105bと層105cの積層でなる場合の電極110と電極104bの接続部分の構成例について図29に示す。図29(A)は、図26(A)に示した構成と、当該構成における電極110と電極104bの接続部分を拡大した図である。図29(A)では、層105bの開口の端部と層105cの開口の端部は揃っておらず、層105bの開口の径は、層105cの開口の径よりも大きい。図29(B)では、層105bの開口の端部と層105cの開口の端部は揃っておらず、層105cの開口の径は、層105bの開口の径よりも大きい。
【0088】
図29(A)や図29(B)に示した形状の開口は、例えば、層105bとなる膜Bを形成し、フォトマスクによって膜Bをエッチング加工した後、層105cとなる膜Cを形成し、別のフォトマスクによって膜Cをエッチング加工することによって形成することができる。図29(B)に示した形状の開口は、例えば、層105bとなる膜Bと層105cとなる膜Cの積層膜を形成した後、フォトマスクによって膜Bと膜Cをエッチング加工した後、別のフォトマスクによって、エッチング加工された膜Cを更にエッチング加工することによって形成することができる。
【0089】
なお、図29では示さなかったが、層105bの開口の端部と層105cの開口の端部は概略揃った形状であってもよい。
【0090】
また例えば、絶縁層105が層105aと層105bと層105cの積層でなる場合の電極110と電極104bの接続部分の構成例について図30に示す。図30(A)は、図26(C)に示した構成と、当該構成における電極110と電極104bの接続部分を拡大した図である。図30(A)では、層105aの開口の端部と層105bの開口の端部は概略揃っている。層105aの開口の端部及び層105bの開口の端部と、層105cの開口の端部とは揃っておらず、層105a及び層105bの開口の径は、層105cの開口の径よりも大きい。図30(B)では、層105aの開口の端部と層105cの開口の端部は概略揃っている。層105aの開口の端部及び層105cの開口の端部と、層105bの開口の端部とは揃っておらず、層105bの開口の径は、層105a及び層105cの開口の径よりも大きい。
【0091】
図30(A)に示した形状の開口は、例えば、層105aとなる膜Aと層105bとなる膜Bの積層膜を形成し、フォトマスクによって膜Bと膜Aをエッチング加工した後、層105cとなる膜Cを形成し、別のフォトマスクによって膜Cをエッチング加工することによって形成することができる。
【0092】
図30(B)に示した形状の開口は、例えば、層105aとなる膜Aと層105bとなる膜Bの積層膜を形成し、フォトマスクによって膜Bをエッチング加工した後、層105cとなる膜Cを形成し、別のフォトマスクによって膜Cと膜Aをエッチング加工することによって形成することができる。
【0093】
なお、図30では示さなかったが、層105aの開口の端部と層105bの開口の端部と層105cの開口の端部は揃った形状であってもよい。
【0094】
または、層105aの開口の端部と層105bの開口の端部と層105cの開口の端部とが、全て、揃っていない形状であってもよい。その場合、層105aの端部を層105bが覆うような構成としてもよい。層105bの端部は、層105cが覆ってもよいし、覆わなくてもよい。
【0095】
なお、図4、図5に示した構成において、層105aの開口の端部のテーパー角(図中、θ2で示す)と、層105bの開口の端部のテーパー角(図中、θ1で示す)とは、概略同じであっても良いし、互いに異なっていてもよい。図29に示した構成において、層105bの開口の端部のテーパー角(図中、θ1で示す)、層105cの開口の端部のテーパー角(図中、θ3で示す)とは、概略同じであっても良いし、互いに異なっていてもよい。図30に示した構成において、層105aの開口の端部のテーパー角(図中、θ2で示す)と、層105bの開口の端部のテーパー角(図中、θ1で示す)、層105cの開口の端部のテーパー角(図中、θ3で示す)とは、3つの角度全てが概略同じであっても良いし、2つの角度が概略同じであっても良いし、3つの角度が互いに異なっていてもよい。
【0096】
一例としては、層105bの膜厚が厚い場合に、出来るだけ、層105bの端部をなめらかにするため、θ1は小さいことが望ましい。例えば、θ2は、θ1よりも大きい方が望ましい。また例えば、θ3は、θ1よりも大きい方が望ましい。ただし、本発明の実施形態の一態様は、これに限定されない。
【0097】
ここで、層の端部のテーパー角とは、断面方向から観察した際に、当該層の端部の側面(端部の下端における接線)と当該層の底面とがなす角度をいうものとする。各層の厚さや材質、各層に開口を形成する際のエッチング条件等を制御することによって、各層のテーパー角を制御することができる。
【0098】
なお、図4、図5、図29、図30では、図1(C)、図26(A)、図26(C)に示した構成における、電極110と電極104bの接続部分の構成例について示した。しかしながら、実施の形態1乃至実施の形態3で示したその他の構成の半導体装置においても、電極110と電極104bの接続部分において、同様の構成を適用することができる。
【0099】
また、図4、図5、図29、図30に示した電極110と電極104bの接続部分の構成例は、絶縁層105に設けられた開口において、絶縁層105の下に設けられた任意の電極と絶縁層105の上に設けられた任意の電極とを電気的に接続する接続部分の構成に適用することができる。例えば、電極110と同じ層に形成される電極と、電極104bと同じ層に形成される電極との接続部分の構成にも適用することができる。例えば、電極110や電極110と同じ層に形成される電極と、電極101や電極101と同じ層に形成される電極との接続部分の構成にも適用することができる。例えば、電極106や電極106と同じ層に形成される電極と、電極101や電極101と同じ層に形成される電極との接続部分の構成にも適用することができる。例えば、電極106や電極106と同じ層に形成される電極と、電極104bや電極104bと同じ層に形成される電極との接続部分の構成にも適用することができる。
【0100】
本実施の形態は、実施の形態1乃至実施の形態3の一部または全部について、変更、追加、修正、削除、応用、上位概念化、又は、下位概念化したものに相当する。したがって、実施の形態1乃至実施の形態3などの他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することができる。
【0101】
(実施の形態5)
本実施の形態では、トランジスタ100の電極106と他の電極または配線との電気的な接続の例について説明する。なお、説明に用いる図面において、先の実施の形態で説明に用いた図と同じ部分は同じ符号を用いて示し、説明は省略する。
【0102】
例えば、電極106は、電極101と電気的に接続することができる。このように接続することによって、電極106に電極101と同じ電位を供給することが出来る。したがって、トランジスタ100のオン電流を増やすことが出来る。電極106を電極101と電気的に接続した例を、図6(A)〜図6(E)、図7(A)〜図7(E)、図8(A)〜図8(E)、図9(D)、図9(E)、図31(A)〜図31(E)、図32(A)〜図32(E)、図33(A)〜図33(E)、図34(D)、図34(E)に示す。なお、実施の形態1乃至実施の形態4で述べた様々な図に対しても、これらの図と同様に、電極106と電極101とを電気的に接続させることができ、同様に図を記述することが出来る。
【0103】
なお、トランジスタ100を各画素に配置し、複数の画素でなる画素マトリクスを形成する場合に、1画素毎に開口を形成して電極106を電極101と電気的に接続してもよい。その結果、コンタクト抵抗や配線抵抗を低くすることが出来る。または、複数の画素毎に開口を形成して電極106を電極101と電気的に接続してもよい。その結果、レイアウト面積を小さくすることが出来る。または、電極106と電極101の電気的接続は、画素マトリクス領域の中で行ってよいし、画素マトリクス領域の外側で行ってもよい。画素マトリクス領域の外側で行うことにより、画素マトリクス領域の中でのレイアウト面積を小さくすることが出来る。その結果、開口率を向上させることが出来る。なお、画素マトリクス領域の外側に、駆動回路が設けられている場合は、電極106と電極101の電気的接続は、駆動回路と、画素マトリクス領域との間の領域で行うことが好適である。
【0104】
または、例えば、電極106は、電極104aまたは電極104bと電気的に接続することができる。このように接続することによって、電極106に電極104aまたは電極104bと同じ電位を供給することが出来る。電極106を電極104bと接続した例を、図13(A)〜図13(E)、図14(A)〜図14(E)、図15(A)〜図15(E)、図38(A)〜図38(E)、図39(A)〜図39(E)、図40(A)〜図40(E)に示す。なお、実施の形態1乃至実施の形態4で述べた様々な図に対しても、これらの図と同様に、電極106と電極104aまたは電極104bとを電気的に接続させることができ、同様に図を記述することが出来る。
【0105】
なお、トランジスタ100を各画素に配置し、複数の画素でなる画素マトリクスを形成する場合に、1画素毎に開口を形成して電極106を電極104bと電気的に接続してもよいし、複数の画素毎に開口を形成して電極106を電極104bと電気的に接続してもよい。また、電極106と電極104bの電気的接続は、画素マトリクス領域の中で行ってよいし、画素マトリクス領域の外側で行ってもよい。これらにより、上述した場合と同様、コンタクト抵抗や配線抵抗を低く、及び/又は、レイアウト面積を小さくすることが出来る。
【0106】
また例えば、電極106は、電極104b及び電極110と電気的に接続することができる。このように接続させることによって、電極106に電極104b及び電極110と同じ電位を供給することが出来る。電極106を電極104b及び電極110と接続した例を、図16(A)〜図16(E)、図17(A)〜図17(E)、図18(A)〜図18(E)、図41(A)〜図41(E)、図42(A)〜図42(E)、図43(A)〜図43(E)に示す。なお、これらの図に示した構成は、電極110と電極106が同じ導電膜から一体形成される例であり、電極110と電極106をまとめて電極110と表記している。なお、電極110と電極106が同じ導電膜から形成される例を示したがこれに限定されない。電極110と電極106は異なる導電膜をエッチング加工することによって形成してもよい。また、電極110と電極106が接することによって電気的に接続されていてもよい。なお、実施の形態1乃至実施の形態4で述べた様々な図に対しても、これらの図と同様に、電極106と電極104b及び電極110とを電気的に接続させることができ、同様に図を記述することが出来る。
【0107】
また例えば、電極106は、電極101と同じ層を用いて形成された電極101aと電気的に接続することができる。ここで、電極101と電極101aとは、同じ導電膜を、同じマスク(レチクル)を用いてエッチングすることにより形成することができる。つまり、同時にパターニングされている。したがって、電極101と電極101aとは、材質、厚さなどは、概ね等しい。電極106を電極101aと接続した例を、図10(A)〜図10(E)、図11(A)〜図11(E)、図12(A)〜図12(E)、図35(A)〜図35(E)、図36(A)〜図36(E)、図37(A)〜図37(E)に示す。なお、実施の形態1乃至実施の形態4で述べた様々な図に対しても、これらの図と同様に、電極106と電極101と同じ層を用いて形成された電極とを電気的に接続させることができ、同様に図を記述することが出来る。
【0108】
なお、トランジスタ100を各画素に配置し、複数の画素でなる画素マトリクスを形成する場合に、1画素毎に開口を形成して電極106を電極101aと電気的に接続してもよいし、複数の画素毎に開口を形成して電極106を電極101aと電気的に接続してもよい。また、電極106と電極101aの電気的接続は、画素マトリクス領域の中で行ってよいし、画素マトリクス領域の外側で行ってもよい。例えば、電極101aは、画素マトリクスに配置された容量線とすることができる。容量線は、その他の配線、電極、導電層などと絶縁層を介して重なることによって、保持容量等の容量を形成する。または、電極101aは、別の画素に配置されたゲート信号線、あるいは、同じ画素の中の別のゲート信号線とすることができる。
【0109】
また例えば、電極106は、電極104aや電極104bと同じ層を用いて形成された電極104cと電気的に接続することができる。ここで、電極104aと電極104bと電極104cとは、同じ導電膜を、同じマスク(レチクル)を用いてエッチングすることにより形成することができる。つまり、同時にパターニングされている。したがって、電極104aと電極104bと電極104cとは、材質、厚さなどは、概ね等しい。電極106を電極104cと接続した例を、図23(A)〜図23(E)、図24(A)〜図24(E)、図25(A)〜図25(E)、図49(A)〜図49(E)、図50(A)〜図50(E)、図51(A)〜図51(E)に示す。なお、図25(A)〜図25(E)、図51(A)〜図51(E)において、電極104cの下には、半導体層103と同じ層に形成された半導体層103aが存在する。なお、実施の形態1乃至実施の形態4で述べた様々な図に対しても、これらの図と同様に、電極106と、電極104aや電極104bと同じ層を用いて形成された電極とを電気的に接続させることができ、同様に図を記述することが出来る。
【0110】
なお、トランジスタ100を各画素に配置し、複数の画素でなる画素マトリクスを形成する場合に、1画素毎に開口を形成して電極106を電極104cと電気的に接続してもよいし、複数の画素毎に開口を形成して電極106を電極104cと電気的に接続してもよい。また、電極106と電極104cの電気的接続は、画素マトリクス領域の中で行ってよいし、画素マトリクス領域の外側で行ってもよい。例えば、電極104cは、画素マトリクスに配置された容量線とすることができる。容量線は、その他の配線、電極、導電層などと絶縁層を介して重なることによって、保持容量等の容量を形成する。または、電極104cは、別の画素に配置された信号線、電源線、あるいは、同じ画素の中の別の信号線、電源線とすることができる。
【0111】
ここで、電極101aや電極104cを容量線とする場合に、以下の構成を適用することができる。
【0112】
画素マトリクスの各画素行(または各画素列)に容量線を設け、各画素行(または各画素列)のトランジスタ100の電極106が、当該画素行(または当該画素列)に設けられた容量線に電気的に接続された構成としても良い。または、画素マトリクスの各画素行(または各画素列)に容量線を設け、各画素行(または各画素列)のトランジスタ100の電極106が、当該画素行(または当該画素列)の隣の画素行(または画素列)に設けられた容量線に電気的に接続された構成としても良い。
【0113】
なお、画素マトリクスの1画素が複数のサブ画素を有する場合には、各サブ画素行(または各サブ画素列)に容量線を設け、各サブ画素行(または各サブ画素列)のトランジスタ100の電極106が、当該サブ画素行(または当該サブ画素列)に設けられた容量線に電気的に接続された構成としても良い。または、画素マトリクスの1画素が複数のサブ画素を有する場合には、各画素行(または各画素列)に容量線を設け、各サブ画素行(または各サブ画素列)のトランジスタ100の電極106が、当該画素行(または当該画素列)に設けられた容量線に電気的に接続された構成としても良い。または、画素マトリクスの1画素が複数のサブ画素を有する場合には、各サブ画素行(または各サブ画素列)に容量線を設け、各サブ画素行(または各サブ画素列)のトランジスタ100の電極106が、当該サブ画素行(または当該サブ画素列)の隣のサブ画素行(またはサブ画素列)に設けられた容量線に電気的に接続された構成としても良い。
【0114】
複数の容量線は互いに共有することもできる。例えば、隣り合う画素(またはサブ画素)において、容量線を共有することができる。その結果、容量線の数を減らすことが出来る。
【0115】
なお、トランジスタ100の電極106が容量線と電気的に接続される場合に、容量線に一定の電位(好ましくは、電極101に与えられる電位のうち最も低い電位と等しい電位、または、それよりも更に低い電位)を与えることが出来る。これによって、トランジスタ100のしきい値電圧を制御し、ノーマリオフとすることもできる。更に、電極101、電極104aなどとの容量カップリングに起因するノイズが、電極110に入らないようにすることができる。
【0116】
なお、トランジスタ100の電極106が容量線と電気的に接続される場合に、容量線にパルス信号を供給することができる。例えば、コモン反転駆動を行う場合、対向電極と容量線の電位が、同じ振幅値で変化する場合がある。そのような場合においても、電極106に、トランジスタ100がオフ状態となるような低い電位を供給することによって、トランジスタ100のしきい値電圧を制御し、ノーマリオフとすることもできる。
【0117】
なお、トランジスタ100の電極106が容量線と電気的に接続される場合に、当該容量線を一方の電極として形成される容量素子の一対の電極間には、半導体層103が挟まれないことが好ましい。ただし、本発明の実施形態の一態様は、これに限定されない。
【0118】
なお、電極101aや電極104cは容量線に限定されず、別の配線とすることができる。例えば、電源線、初期化用配線などとすることができる。例えば、EL素子(有機発光素子)を用いた表示装置における画素回路に設けられる配線であってもよい。または、駆動回路(例えば、表示装置における走査線駆動回路や信号線駆動回路等)に設けられる配線であってもよい。
【0119】
本実施の形態は、実施の形態1乃至実施の形態4の一部または全部について、変更、追加、修正、削除、応用、上位概念化、又は、下位概念化したものに相当する。したがって、実施の形態1乃至実施の形態4などの他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することができる。
【0120】
(実施の形態6)
本実施の形態では、トランジスタ100の電極101(または電極101と同じ層に形成された電極)と、トランジスタ100の電極104aまたは電極104b(または電極104aや電極104bと同じ層に形成された電極)との電気的な接続の一例について説明する。説明には、図19、図44、図45を用いる。なお、説明に用いる図面において、先の実施の形態で説明に用いた図と同じ部分は同じ符号を用いて示し、説明は省略する。
【0121】
図19では、絶縁層105として、層105a及び層105bを設ける場合において、トランジスタ100の電極101と同じ層に形成された電極101aと、電極104aや電極104bと同じ層に形成された電極104cの電気的な接続の例を示す。
【0122】
図19(A)に示す構成では、電極104cと電極101aは、層105aと層105bに設けられた開口191と、絶縁層102と層105aと層105bに設けられた開口192とにおいて、電極110bによって電気的に接続されている。
【0123】
図19(B)に示す構成では、電極104cと電極101aは、層105aに設けられた開口193と、絶縁層102と層105aに設けられた開口194とにおいて、電極110bによって電気的に接続されている。つまり、電極104cと電極101aの接続部分109において、層105bは除去されている。
【0124】
なお、電極104cと電極101aの接続部分の全体において、層105bを除去する構成に限定されない。例えば、図19(C)や図19(D)に示す構成のように、電極104cと電極101aの接続部分109の一部において、層105bが残っていてもよい。
【0125】
図19(C)に示す構成では、電極104cと電極101aは、層105aに設けられた開口195と、絶縁層102と層105aと層105bに設けられた開口196とにおいて、電極110bによって電気的に接続されている。
【0126】
図19(D)に示す構成では、電極104cと電極101aは、層105aと層105bに設けられた開口197と、絶縁層102と層105aに設けられた開口198とにおいて、電極110bによって電気的に接続されている。
【0127】
次に、図44では、絶縁層105として、層105b及び層105cを設ける場合において、トランジスタ100の電極101と同じ層に形成された電極101aと、電極104aや電極104bと同じ層に形成された電極104cの電気的な接続の例を示す。
【0128】
図44(A)に示す構成では、電極104cと電極101aは、層105bと層105cに設けられた開口441と、絶縁層102と層105bと層105cに設けられた開口442とにおいて、電極110bによって電気的に接続されている。
【0129】
図44(B)に示す構成では、電極104cと電極101aは、層105cに設けられた開口443と、絶縁層102と層105cに設けられた開口444とにおいて、電極110bによって電気的に接続されている。つまり、電極104cと電極101aの接続部分109において、層105bは除去されている。
【0130】
なお、電極104cと電極101aの接続部分の全体において、層105bを除去する構成に限定されない。例えば、図44(C)や図44(D)に示す構成のように、電極104cと電極101aの接続部分109の一部において、層105bが残っていてもよい。
【0131】
図44(C)に示す構成では、電極104cと電極101aは、層105cに設けられた開口445と、絶縁層102と層105bと層105cに設けられた開口446とにおいて、電極110bによって電気的に接続されている。
【0132】
図44(D)に示す構成では、電極104cと電極101aは、層105bと層105cに設けられた開口447と、絶縁層102と層105cに設けられた開口448とにおいて、電極110bによって電気的に接続されている。
【0133】
次に、図45では、絶縁層105として、層105a、層105b及び層105cを設ける場合において、トランジスタ100の電極101と同じ層に形成された電極101aと、電極104aや電極104bと同じ層に形成された電極104cの電気的な接続の例を示す。
【0134】
図45(A)に示す構成では、電極104cと電極101aは、層105aと層105bと層105cに設けられた開口451と、絶縁層102と層105aと層105bと層105cに設けられた開口452とにおいて、電極110bによって電気的に接続されている。
【0135】
図45(B)に示す構成では、電極104cと電極101aは、層105aと層105cに設けられた開口453と、絶縁層102と層105aと層105cに設けられた開口454とにおいて、電極110bによって電気的に接続されている。つまり、電極104cと電極101aの接続部分109において、層105bは除去されている。
【0136】
なお、電極104cと電極101aの接続部分の全体において、層105bを除去する構成に限定されない。例えば、図45(C)や図45(D)に示す構成のように、電極104cと電極101aの接続部分109の一部において、層105bが残っていてもよい。
【0137】
図45(C)に示す構成では、電極104cと電極101aは、層105aと層105cに設けられた開口455と、絶縁層102と層105aと層105bと層105cに設けられた開口456とにおいて、電極110bによって電気的に接続されている。
【0138】
図45(D)に示す構成では、電極104cと電極101aは、層105aと層105bと層105cに設けられた開口457と、絶縁層102と層105aと層105cに設けられた開口458とにおいて、電極110bによって電気的に接続されている。
【0139】
本実施の形態において示した、電極104cと電極101aとの接続構成は、例えばトランジスタ100をダイオード接続する場合における、電極104bと電極101の接続構成に適用することができる。ダイオード接続したトランジスタは、例えば、保護回路や、駆動回路等に用いることができる。または、電極104cと電極101aとの接続構成は、ゲート電極と、ソース電極またはドレイン電極とを接続する場合においても、適用することが出来る。例えば、1つの画素の中に、複数のトランジスタを設けて構成されるような画素回路や、駆動回路において、ゲート電極と、ソース電極またはドレイン電極とを接続する場合に用いられる。例えば、画素にEL素子(有機発光素子)を有する画素回路では、複数のトランジスタが設けられており、ゲート電極とソース電極またはドレイン電極とを接続する場合がある。または、ゲート線を駆動するための回路においても、複数のトランジスタが設けられている。
【0140】
また、図19中の開口191〜開口198、図44中の開口441〜開口448、図45中の開口451〜開口458の形状は、実施の形態4において図4、図5、図29、及び図30を用いて示した開口の構成と同様の構成を適用することができる。
【0141】
なお、電極104cと電極101aとの接続構成として、電極110bを用いずに接続させることも可能である。例えば、絶縁層102にコンタクトホールを設けて、電極104cと電極101aとを直接接続させることも可能である。
【0142】
本実施の形態は、実施の形態1乃至実施の形態5の一部または全部について、変更、追加、修正、削除、応用、上位概念化、又は、下位概念化したものに相当する。したがって、実施の形態1乃至実施の形態5などの他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することができる。
【0143】
(実施の形態7)
本実施の形態では、トランジスタ100が有する寄生容量を大きくする構成、または、トランジスタ100と電気的に接続される容量素子の容量値を大きくする構成について、その一例を説明する。説明には、図20、図21、図46、図47を用いる。なお、説明に用いる図面において、先の実施の形態で説明に用いた図と同じ部分は同じ符号を用いて示し、説明は省略する。
【0144】
なお、図20(A)〜図20(D)及び図21(A)〜図21(D)は、絶縁層105として層105aと層105bの積層を用いた場合の例であり、図46(A)、図46(C)、図47(B)、図47(C)は、絶縁層105として層105bと層105cの積層を用いた場合の例であり、図46(B)、図46(D)、図47(A)、図47(D)は、絶縁層105として層105aと層105bと層105cの積層を用いた場合の例である。
【0145】
図20、図21、図46、図47では、電極104b上の層105bは全て、または大部分が除去されており、電極104bと電極106の間の寄生容量の容量値(または容量素子の容量値)が大きい。図中、例えば、破線で囲んだ部分281において寄生容量が生じる、及び/又は、容量素子が形成される。電極104b、電極106の形状や、電極104b上の層105bを除去する範囲等を適宜定めることによって、この容量の値を調整することができる。
【0146】
なお、図20、図21、図46、図47では、電極104bと電極101の間でも寄生容量が生じる、及び/又は、容量素子が形成される可能性がある。電極104b、電極101の形状を適宜定めることによって、この容量の値を調整することができる。
【0147】
こうして、トランジスタ100のゲートとソース間の容量を大きくすることができる。または、容量値の大きな容量素子を形成することが出来る。例えば、トランジスタ100をブートストラップ動作を行う回路に用いる場合には、ゲートとソース間の容量を大きくすることが好ましい。または、ダイナミック回路において、信号を容量素子に保存する場合は、その容量素子は大きいことが望ましい。そのため、図20、図21、図46、図47等で示した構成のトランジスタ100を用いるのが好ましい。
【0148】
本実施の形態は、実施の形態1乃至実施の形態6の一部または全部について、変更、追加、修正、削除、応用、上位概念化、又は、下位概念化したものに相当する。したがって、実施の形態1乃至実施の形態6などの他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することができる。
【0149】
(実施の形態8)
本実施の形態では、半導体装置など(表示装置、発光装置など)が有する容量素子の構成について、その一例を説明する。説明には、図22、図48を用いる。なお、説明に用いる図面において、先の実施の形態で説明に用いた図と同じ部分は同じ符号を用いて示し、説明は省略する。
【0150】
なお、図22(A)〜図22(E)では、絶縁層105として層105aと層105bの積層を用いた場合の例であり、図48(A)、図48(C)は、絶縁層105として層105bと層105cの積層を用いた場合の例であり、図48(B)、図48(D)、図48(E)は、絶縁層105として層105aと層105bと層105cの積層を用いた場合の例である。
【0151】
電極101と同じ層に形成された電極101aを一方の電極とし、電極104aや電極104bと同じ層に形成された電極104cを他方の電極として、容量素子を形成することができる。この一例を、図22(A)、図22(B)に示す。図中、例えば、破線で囲まれた部分282に容量素子は形成される。なお、電極106aは、電極106と同じ層に形成された電極である。なお、図22(A)、図22(B)において、電極106aが電極104cと電気的に接続されている例を示したが、本発明の実施形態の一態様は、これに限定されない。電極106aは、電極104cと電気的に接続されていなくてもよいし、電極101aと電気的に接続されていてもよいし、電極101a及び電極104cの両方と電気的に接続されていてもよいし、部分282上に設けない構成であってもよい。
【0152】
電極101と同じ層に形成された電極101aを一方の電極とし、電極106aを他方の電極として、容量素子を形成することができる。この一例を、図22(C)、図22(D)、図22(E)、図48(A)、図48(B)、図48(C)、図48(D)、図48(E)に示す。図中、例えば、破線で囲まれた部分283に容量素子は形成される。
【0153】
なお、図22(C)において、層105bの一部を除去した構成が図22(D)である。図22(D)に示す構成において、領域121cの層105bは除去されている。更に、図22(D)において、電極101aが設けられた幅(紙面左右の方向)よりも広い幅で層105bを除去した構成が図22(E)である。また、図48(C)及び図48(D)では、図48(A)、図48(B)において、層105bの一部を除去した構成を示している。図48(C)及び図48(D)に示す構成において、領域121cの層105bは除去されている。更に、図48(D)において、電極101aが設けられた幅(紙面左右の方向)よりも広い幅で層105bを除去した構成が図48(E)である。
【0154】
なお、図22、図48において、電極106aは電極106や電極110や電極110と同じ層に形成される電極であってもよい。電極101aは電極101であってもよい。電極104cは電極104であってもよい。
【0155】
図22や図48で示した容量素子は、トランジスタ100のゲートとソースの間に設けられる容量素子として用いることができる。または、例えば、画素に設けられる保持容量として用いることができる。または、駆動回路において、信号を保持するための容量素子として用いることが出来る。
【0156】
本実施の形態は、実施の形態1乃至実施の形態7の一部または全部について、変更、追加、修正、削除、応用、上位概念化、又は、下位概念化したものに相当する。したがって、実施の形態1乃至実施の形態7などの他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することができる。
【0157】
(実施の形態9)
本実施の形態では、実施の形態1乃至実施の形態8において示した構成における、絶縁層、電極、半導体層等の材料の一例について説明する。
【0158】
トランジスタ100の半導体層103の材料について以下に説明する。なお、半導体層103と同じ層に形成する半導体層も同様の材料を用いることができる。
【0159】
トランジスタ100の半導体層103は、酸化物半導体でなる層(酸化物半導体層)を含んでいてもよい。酸化物半導体としては、例えば、四元系金属の酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn−O系酸化物半導体や、三元系金属の酸化物であるIn−Ga−Zn−O系酸化物半導体、In−Sn−Zn−O系酸化物半導体、In−Al−Zn−O系酸化物半導体、Sn−Ga−Zn−O系酸化物半導体、Al−Ga−Zn−O系酸化物半導体、Sn−Al−Zn−O系酸化物半導体、Hf−In−Zn−O系酸化物半導体や、二元系金属の酸化物であるIn−Zn−O系酸化物半導体、Sn−Zn−O系酸化物半導体、Al−Zn−O系酸化物半導体、Zn−Mg−O系酸化物半導体、Sn−Mg−O系酸化物半導体、In−Mg−O系酸化物半導体や、In−Ga−O系酸化物半導体、一元系金属の酸化物であるIn−O系酸化物半導体、Sn−O系酸化物半導体、Zn−O系酸化物半導体などを用いることができる。また、上記酸化物半導体にInとGaとSnとZn以外の元素、例えばSiOを含ませてもよい。
【0160】
例えば、In−Sn−Zn−O系酸化物半導体とは、インジウム(In)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)を有する酸化物半導体、という意味であり、その組成比は問わない。また例えば、In−Ga−Zn−O系酸化物半導体とは、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)を有する酸化物半導体、という意味であり、その組成比は問わない。In−Ga−Zn−O系酸化物半導体は、IGZOと呼ぶことができる。
【0161】
また、酸化物半導体層は、酸化物半導体膜を用いて形成することができる。In−Sn−Zn−O系酸化物半導体膜をスパッタリング法によって形成する場合、ターゲットの組成比は、原子数比でIn:Sn:Znが、1:2:2、2:1:3、1:1:1、または20:45:35などを用いる。
【0162】
また、In−Zn−O系酸化物半導体膜をスパッタリング法によって形成する場合、ターゲットの組成比は、原子数比で、In:Zn=50:1〜1:2(モル数比に換算するとIn:ZnO=25:1〜1:4)、好ましくはIn:Zn=20:1〜1:1(モル数比に換算するとIn:ZnO=10:1〜1:2)、さらに好ましくはIn:Zn=1.5:1〜15:1(モル数比に換算するとIn:ZnO=3:4〜15:2)とする。例えば、ターゲットは、原子数比がIn:Zn:O=X:Y:Zのとき、Z>1.5X+Yとする。
【0163】
また、In−Ga−Zn−O系酸化物半導体膜をスパッタリング法によって形成する場合、ターゲットの組成比は、原子数比で、In:Ga:Zn=1:1:0.5、In:Ga:Zn=1:1:1、又はIn:Ga:Zn=1:1:2とすることができる。
【0164】
また、ターゲットの純度を、99.99%以上とすることで、酸化物半導体膜に混入するアルカリ金属、水素原子、水素分子、水、水酸基、または水素化物等を低減することができる。また、当該ターゲットを用いることで、酸化物半導体膜において、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の濃度を低減することができる。
【0165】
なお、酸化物半導体は不純物に対して鈍感であり、膜中にはかなりの金属不純物が含まれていても問題がなく、ナトリウム(Na)のようなアルカリ金属が多量に含まれる廉価なソーダ石灰ガラスも使えると指摘されている(神谷、野村、細野、「アモルファス酸化物半導体の物性とデバイス開発の現状」、固体物理、2009年9月号、Vol.44、pp.621−633.)。しかし、このような指摘は適切でない。アルカリ金属は酸化物半導体を構成する元素ではないため、不純物である。アルカリ土類金属も、酸化物半導体を構成する元素ではない場合において、不純物となる。特に、アルカリ金属のうちNaは、酸化物半導体層に接する絶縁膜が酸化物である場合、当該絶縁膜中に拡散してNaとなる。また、Naは、酸化物半導体層内において、酸化物半導体を構成する金属と酸素の結合を分断する、或いは、その結合中に割り込む。その結果、例えば、閾値電圧がマイナス方向にシフトすることによるノーマリオン化、移動度の低下等の、トランジスタの特性の劣化が起こり、加えて、特性のばらつきも生じる。この不純物によりもたらされるトランジスタの特性の劣化と、特性のばらつきは、酸化物半導体層中の水素濃度が十分に低い場合において顕著に現れる。従って、酸化物半導体層中の水素濃度が1×1018/cm以下、より好ましくは1×1017/cm以下である場合には、上記不純物の濃度を低減することが望ましい。具体的に、二次イオン質量分析法によるNa濃度の測定値は、5×1016/cm以下、好ましくは1×1016/cm以下、更に好ましくは1×1015/cm以下とするとよい。同様に、Li濃度の測定値は、5×1015/cm以下、好ましくは1×1015/cm以下とするとよい。同様に、K濃度の測定値は、5×1015/cm以下、好ましくは1×1015/cm以下とするとよい。
【0166】
なお酸化物半導体層は非晶質であっても良いが、結晶性を有していても良い。酸化物半導体層は、単結晶でも、非単結晶でもよい。非単結晶の場合、アモルファスでも、多結晶でもよい。また、アモルファス中に結晶性を有する部分を含む構造でも、非アモルファスでもよい。酸化物半導体層としては、c軸配向し、そのab面に垂直な方向から見て、三角形、六角形、正三角形、または正六角形の原子配列を有し、かつc軸方向に垂直な方向から見て、金属原子が層状、または金属原子と酸素原子が層状に配列した相を含む結晶(CAAC:C Axis Aligned Crystalともいう。)を含む酸化物を用いることができる。
【0167】
CAACについて図69乃至図71を用いて詳細に説明する。なお、特に断りがない限り、図69乃至図71は上方向をc軸方向とし、c軸方向と直交する面をab面とする。なお、単に上半分、下半分という場合、ab面を境にした場合の上半分、下半分をいう。また、図69において、丸で囲まれたO原子は4配位のO原子を示し、二重丸で囲まれたO原子は3配位のO原子を示す。
【0168】
図69(A)に、1個の6配位のIn原子と、In原子に近接の6個の4配位の酸素原子(以下4配位のO原子)と、を有する構造を示す。In原子が1個に対して、近接の酸素原子のみ示した構造を、ここではサブユニットと呼ぶ。図69(A)の構造は、八面体構造をとるが、簡単のため平面構造で示している。なお、図69(A)の上半分および下半分にはそれぞれ3個ずつ4配位のO原子がある。図69(A)に示すサブユニットは電荷が0である。
【0169】
図69(B)に、1個の5配位のGa原子と、Ga原子に近接の3個の3配位の酸素原子(以下3配位のO原子)と、Ga原子に近接の2個の4配位のO原子と、を有する構造を示す。3配位のO原子は、いずれもab面に存在する。図69(B)の上半分および下半分にはそれぞれ1個ずつ4配位のO原子がある。また、In原子も5配位をとるため、図69(B)に示す構造をとりうる。図69(B)に示すサブユニットは電荷が0である。
【0170】
図69(C)に、1個の4配位のZn原子と、Zn原子に近接の4個の4配位のO原子と、による構造を示す。図69(C)の上半分には1個の4配位のO原子があり、下半分には3個の4配位のO原子がある。または、図69(C)の上半分に3個の4配位のO原子があり、下半分に1個の4配位のO原子があってもよい。図69(C)に示すサブユニットは電荷が0である。
【0171】
図69(D)に、1個の6配位のSn原子と、Sn原子に近接の6個の4配位のO原子と、を有する構造を示す。図69(D)の上半分には3個の4配位のO原子があり、下半分には3個の4配位のO原子がある。図69(D)に示すサブユニットは電荷が+1となる。
【0172】
図69(E)に、2個のZn原子を含むサブユニットを示す。図69(E)の上半分には1個の4配位のO原子があり、下半分には1個の4配位のO原子がある。図69(E)に示すサブユニットは電荷が−1となる。
【0173】
ここでは、サブユニットのいくつかの集合体を1グループと呼び、グループのいくつかの集合体を1ユニットと呼ぶ。
【0174】
ここで、これらのサブユニット同士結合する規則について説明する。図69(A)に示す6配位のIn原子の上半分の3個のO原子は下方向にそれぞれ3個の近接In原子を有し、下半分の3個のO原子は上方向にそれぞれ3個の近接In原子を有する。図69(B)に示す5配位のGa原子の上半分の1個のO原子は下方向に1個の近接Ga原子を有し、下半分の1個のO原子は上方向に1個の近接Ga原子を有する。図69(C)に示す4配位のZn原子の上半分の1個のO原子は下方向に1個の近接Zn原子を有し、下半分の3個のO原子は上方向にそれぞれ3個の近接Zn原子を有する。この様に、金属原子の上方向の4配位のO原子の数と、そのO原子の下方向にある近接金属原子の数は等しく、同様に金属原子の下方向の4配位のO原子の数と、そのO原子の上方向にある近接金属原子の数は等しい。O原子は4配位なので、下方向にある近接金属原子の数と、上方向にある近接金属原子の数の和は4になる。従って、金属原子の上方向にある4配位のO原子の数と、別の金属原子の下方向にある4配位のO原子の数との和が4個のとき、金属原子を有する二種のサブユニット同士は結合することができる。例えば、6配位の金属原子(InまたはSn)が下半分の4配位のO原子を介して結合する場合、4配位のO原子が3個であるため、5配位の金属原子(GaまたはIn)または4配位の金属原子(Zn)のいずれかと結合することになる。
【0175】
これらの配位数を有する金属原子は、c軸方向において、4配位のO原子を介して結合する。また、このほかにも、層構造の合計の電荷が0となるようにサブユニット同士が結合して1グループを構成する。
【0176】
図70(A)に、In−Sn−Zn−O系の層構造を構成する1グループのモデル図を示す。図70(B)に、3つのグループで構成されるユニットを示す。なお、図70(C)は、図70(B)の層構造をc軸方向から観察した場合の原子配列を示す。
【0177】
図70(A)においては、簡単のため、3配位のO原子は省略し、4配位のO原子は個数のみ示し、例えば、Sn原子の上半分および下半分にはそれぞれ3個ずつ4配位のO原子があることを丸枠の3として示している。同様に、図70(A)において、In原子の上半分および下半分にはそれぞれ1個ずつ4配位のO原子があり、丸枠の1として示している。また、同様に、図70(A)において、下半分には1個の4配位のO原子があり、上半分には3個の4配位のO原子があるZn原子と、上半分には1個の4配位のO原子があり、下半分には3個の4配位のO原子があるZn原子とを示している。
【0178】
図70(A)において、In−Sn−Zn−O系の層構造を構成するグループは、上から順に4配位のO原子が3個ずつ上半分および下半分にあるSn原子が、4配位のO原子が1個ずつ上半分および下半分にあるIn原子と結合し、そのIn原子が、上半分に3個の4配位のO原子があるZn原子と結合し、そのZn原子の下半分の1個の4配位のO原子を介して4配位のO原子が3個ずつ上半分および下半分にあるIn原子と結合し、そのIn原子が、上半分に1個の4配位のO原子があるZn原子2個からなるサブユニットと結合し、このサブユニットの下半分の1個の4配位のO原子を介して4配位のO原子が3個ずつ上半分および下半分にあるSn原子と結合している構成である。グループのいくつかを結合して1ユニットを構成する。
【0179】
ここで、3配位のO原子および4配位のO原子の場合、結合1本当たりの電荷はそれぞれ−0.667、−0.5と考えることができる。例えば、In(6配位または5配位)原子、Zn(4配位)原子、Sn(5配位または6配位)原子の電荷は、それぞれ+3、+2、+4である。従って、Sn原子を含むサブユニットは電荷が+1となる。そのため、Sn原子を含む層構造を形成するためには、電荷+1を打ち消す電荷−1が必要となる。電荷−1をとる構造として、図69(E)に示すように、2個のZn原子を含むサブユニットが挙げられる。例えば、Sn原子を含むサブユニットが1個に対し、2個のZn原子を含むサブユニットが1個あれば、電荷が打ち消されるため、層構造の合計の電荷を0とすることができる。
【0180】
また、In原子は5配位および6配位のいずれもとることができるものとする。具体的には、図70(B)に示したユニットとすることで、In−Sn−Zn−O系の結晶(InSnZn)を得ることができる。なお、得られるIn−Sn−Zn−O系の層構造は、InSnZn(ZnO)(mは0または自然数。)とする組成式で表すことができる。
【0181】
また、このほかにも、四元系金属の酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn−O系酸化物や、三元系金属の酸化物であるIn−Ga−Zn−O系酸化物(IGZOとも表記する。)、In−Al−Zn−O系酸化物、Sn−Ga−Zn−O系酸化物、Al−Ga−Zn−O系酸化物、Sn−Al−Zn−O系酸化物や、二元系金属の酸化物であるIn−Zn−O系酸化物、Sn−Zn−O系酸化物、Al−Zn−O系酸化物、Zn−Mg−O系酸化物、Sn−Mg−O系酸化物、In−Mg−O系酸化物や、In−Ga−O系酸化物、一元系金属の酸化物であるIn−O系酸化物、Sn−O系酸化物、Zn−O系酸化物などを用いた場合も同様である。
【0182】
例えば、図71(A)に、In−Ga−Zn−O系の層構造を構成する1グループのモデル図を示す。
【0183】
図71(A)において、In−Ga−Zn−O系の層構造を構成するグループは、上から順に4配位のO原子が3個ずつ上半分および下半分にあるIn原子が、4配位のO原子が1個上半分にあるZn原子と結合し、そのZn原子の下半分の3個の4配位のO原子を介して、4配位のO原子が1個ずつ上半分および下半分にあるGa原子と結合し、そのGa原子の下半分の1個の4配位のO原子を介して、4配位のO原子が3個ずつ上半分および下半分にあるIn原子と結合している構成である。グループのいくつかを結合して1ユニットを構成する。
【0184】
図71(B)に3つのグループで構成されるユニットを示す。なお、図71(C)は、図71(B)の層構造をc軸方向から観察した場合の原子配列を示している。
【0185】
ここで、In(6配位または5配位)原子、Zn(4配位)原子、Ga(5配位)原子の電荷は、それぞれ+3、+2、+3であるため、In原子、Zn原子およびGa原子からなるサブユニットは、電荷が0となる。そのため、これらの組み合わせであれば層構造の合計の電荷は常に0となる。
【0186】
ここで、In(6配位または5配位)原子、Zn(4配位)原子、Ga(5配位)原子の電荷は、それぞれ+3、+2、+3であるため、In原子、Zn原子およびGa原子のいずれかを含むサブユニットは、電荷が0となる。そのため、これらのサブユニットの組み合わせであればグループの合計の電荷は常に0となる。
【0187】
CAACを含む酸化物半導体膜(以下、CAAC膜ともいう)は、スパッタリング法によって作製することができる。ターゲット材料は上述のとおりの材料を用いることができる。スパッタリング法を用いてCAAC膜を成膜する場合には、雰囲気中の酸素ガス比が高い方が好ましい。例えば、アルゴン及び酸素の混合ガス雰囲気中でスパッタリング法を行う場合には、酸素ガス比を30%以上とすることが好ましく、40%以上とすることがより好ましい。雰囲気中からの酸素の補充によって、CAACの結晶化が促進されるからである。
【0188】
また、スパッタリング法を用いてCAAC膜を成膜する場合には、CAAC膜が成膜される基板を150℃以上に加熱しておくことが好ましく、170℃以上に加熱しておくことがより好ましい。基板温度の上昇に伴って、CAACの結晶化が促進されるからである。
【0189】
また、CAAC膜に対して、窒素雰囲気中又は真空中において熱処理を行った後には、酸素雰囲気中又は酸素と他のガスとの混合雰囲気中において熱処理を行うことが好ましい。先の熱処理で生じる酸素欠損を後の熱処理における雰囲気中からの酸素供給によって復元することができるからである。
【0190】
また、CAAC膜が成膜される膜表面(被成膜面)は平坦であることが好ましい。CAAC膜は、当該被成膜面に概略垂直となるc軸を有するため、当該被成膜面に存在する凹凸は、CAAC膜における結晶粒界の発生を誘発することになるからである。よって、CAAC膜が成膜される前に当該被成膜表面に対して化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)などの平坦化処理を行うことが好ましい。また、当該被成膜面の平均ラフネスは、0.5nm以下であることが好ましく、0.3nm以下であることがより好ましい。
【0191】
なお、スパッタリング等で成膜された酸化物半導体膜中には、不純物としての水分又は水素(水酸基を含む)が含まれていることがある。本発明の一態様では、酸化物半導体膜(または、酸化物半導体膜によって形成された酸化物半導体層)中の水分又は水素などの不純物を低減(脱水化または脱水素化)するために、減圧雰囲気下、窒素や希ガスなどの不活性ガス雰囲気下、酸素ガス雰囲気下、又は超乾燥エア(CRDS(キャビティリングダウンレーザー分光法)方式の露点計を用いて測定した場合の水分量が20ppm(露点換算で−55℃)以下、好ましくは1ppm以下、好ましくは10ppb以下の空気)雰囲気下で、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)に加熱処理を施す。
【0192】
酸化物半導体膜(酸化物半導体層)に加熱処理を施すことで、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)中の水分又は水素を脱離させることができる。具体的には、250℃以上750℃以下、好ましくは400℃以上基板の歪み点未満の温度で加熱処理を行えば良い。例えば、500℃、3分間以上6分間以下で行えばよい。加熱処理にRTA法を用いれば、短時間に脱水化又は脱水素化が行えるため、ガラス基板の歪点を超える温度でも処理することができる。
【0193】
こうして酸化物半導体膜(酸化物半導体層)中の水分又は水素を脱離させた後、酸素を添加する。こうして、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)中等における酸素欠陥を低減し、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)をi型化又はi型に限りなく近くすることができる。
【0194】
酸素の添加は、例えば、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)に接して化学量論的組成比より酸素が多い領域を有する絶縁膜を形成し、その後加熱することによって行うことができる。こうして、絶縁膜中の過剰な酸素を酸化物半導体膜(酸化物半導体層)に供給することができる。こうして、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)を酸素を過剰に含む状態とすることができる。過剰に含まれる酸素は、例えば、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)を構成する結晶の格子間に存在する。
【0195】
なお、化学量論的組成比より酸素が多い領域を有する絶縁膜は、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)に接する絶縁膜のうち、上層に位置する絶縁膜又は下層に位置する絶縁膜のうち、どちらか一方のみに用いても良いが、両方の絶縁膜に用いる方が好ましい。化学量論的組成比より酸素が多い領域を有する絶縁膜を、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)に接する絶縁膜の、上層及び下層に位置する絶縁膜に用い、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)を挟む構成とすることで、上記効果をより高めることができる。
【0196】
ここで、化学量論的組成比より酸素が多い領域を有する絶縁膜は、単層の絶縁膜であっても良いし、積層された複数の絶縁膜で構成されていても良い。なお、当該絶縁膜は、水分や、水素などの不純物を極力含まないことが望ましい。絶縁膜に水素が含まれると、その水素が酸化物半導体膜(酸化物半導体層)へ侵入し、又は水素が酸化物半導体膜(酸化物半導体層)中の酸素を引き抜き、酸化物半導体膜が低抵抗化(n型化)してしまい、寄生チャネルが形成されるおそれがある。よって、絶縁膜はできるだけ水素を含まない膜になるように、成膜方法に水素を用いないことが重要である。また、絶縁膜には、バリア性の高い材料を用いるのが望ましい。例えば、バリア性の高い絶縁膜として、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、窒化アルミニウム膜、酸化アルミニウム膜、又は窒化酸化アルミニウム膜などを用いることができる。複数の積層された絶縁膜を用いる場合、窒素の含有比率が低い酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜などの絶縁膜を、上記バリア性の高い絶縁膜よりも、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)に近い側に形成する。そして、窒素の含有比率が低い絶縁膜を間に挟んで、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)と重なるように、バリア性の高い絶縁膜を形成する。バリア性の高い絶縁膜を用いることで、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)内や他の絶縁膜の界面とその近傍に、水分又は水素などの不純物が入り込むのを防ぐことができる。また、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)に接するように窒素の比率が低い酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜などの絶縁膜を形成することで、バリア性の高い材料を用いた絶縁膜が直接酸化物半導体膜(酸化物半導体層)に接するのを防ぐことができる。
【0197】
また、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)中の水分又は水素を脱離させた後の酸素添加は、酸素雰囲気下で酸化物半導体膜(酸化物半導体層)に加熱処理を施すことによっておこなってもよい。加熱処理の温度は、例えば100℃以上350℃未満、好ましくは150℃以上250℃未満で行う。上記酸素雰囲気下の加熱処理に用いられる酸素ガスには、水、水素などが含まれないことが好ましい。又は、加熱処理装置に導入する酸素ガスの純度を、6N(99.9999%)以上、好ましくは7N(99.99999%)以上、(即ち酸素中の不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。
【0198】
或いは、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)中の水分又は水素を脱離させた後の酸素添加は、イオン注入法又はイオンドーピング法などを用い行ってもよい。例えば、2.45GHzのマイクロ波でプラズマ化した酸素を酸化物半導体膜(酸化物半導体層)に添加すれば良い。
【0199】
このように形成した酸化物半導体層をトランジスタ100の半導体層103として用いることができる。こうして、オフ電流を著しく低減したトランジスタ100が得られる。
【0200】
トランジスタ100の半導体層103は、微結晶シリコンを含んでいてもよい。微結晶シリコンとは、非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造の半導体である。微結晶シリコンは、結晶粒径が2nm以上200nm以下、好ましくは10nm以上80nm以下、より好ましくは20nm以上50nm以下、さらに好ましくは25nm以上33nm以下の柱状結晶または針状結晶が基板表面に対して法線方向に成長している。このため、柱状結晶または針状結晶の界面には、粒界が形成される場合もある。
【0201】
代表例としての微結晶シリコンは、そのラマンスペクトルが単結晶シリコンを示す520cm−1よりも低波数側に、シフトしている。即ち、単結晶シリコンを示す520cm−1とアモルファスシリコンを示す480cm−1の間に微結晶シリコンのラマンスペクトルのピークがある。また、未結合手(ダングリングボンド)を終端するため水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含んでいる。さらに、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、またはネオンなどの希ガス元素を含ませて格子歪みをさらに助長させることで、安定性が増し良好な微結晶シリコンが得られる。このような微結晶シリコンに関する記述は、例えば、米国特許4,409,134号で開示されている。
【0202】
トランジスタ100の半導体層103は、非晶質(アモルファス)シリコンを含んでいてもよい。トランジスタ100の半導体層103は、多結晶シリコンを含んでいてもよい。または、トランジスタ100の半導体層103は、有機半導体、カーボンナノチューブなどを含んでいてもよい。
【0203】
電極110の材料について以下に説明する。なお、電極110と同じ層に形成される電極も同様の材料を用いることができる。
【0204】
電極110は、透光性の導電材料を用いて形成することができる。透光性の導電材料としては、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)、有機インジウム、有機スズ、酸化亜鉛、インジウム亜鉛酸化物等を用いることができる。なお、電極110は、透光性を有する領域と、反射性を有する領域の両方を含んでいてもよい。これにより、半透過型の表示装置を構成することが出来る。また、電極110は反射性を有する導電材料を用いて形成されていてもよい。これにより、反射型の表示装置を構成することが出来る。または、画素が形成された基板とは逆側に光を放出する構成(トップエミッション)の発光装置を構成することが出来る。
【0205】
特に、電極110として反射性を有する導電材料を用いる場合には、トランジスタ100と重なるようにトランジスタ100の上部に電極110を設けることにより、開口率を向上させることが出来る。
【0206】
電極106の材料について以下に説明する。なお、電極106と同じ層に形成される電極も同様の材料を用いることができる。
【0207】
電極106は、透光性の導電材料を用いて形成することができる。透光性の導電材料としては、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)、有機インジウム、有機スズ、酸化亜鉛、インジウム亜鉛酸化物等を用いることができる。
【0208】
絶縁層105の材料について以下に説明する。
【0209】
絶縁層105は、有機絶縁層を含んでいてもよい。絶縁層105は無機絶縁層を含んでいてもよい。絶縁層105は無機絶縁層と有機絶縁層の積層を含んでいてもよい。例えば、層105a及び層105cは無機絶縁層とすることができる。層105bは有機絶縁層とすることができる。
【0210】
絶縁層105または層105bをカラーフィルタとする場合には、絶縁層105または層105bとして、緑色の有機絶縁層、青色の有機絶縁層、赤色の有機絶縁層などを用いることができる。絶縁層105または層105bをブラックマトリクスとする場合には、絶縁層105または層105bとして、黒色の有機絶縁層を用いることができる。
【0211】
有機絶縁層としては、アクリル樹脂、ポリイミド、ポリアミド等を用いることができる。ポリイミドを用いることにより、絶縁層105または層105b上に形成される発光素子の劣化を低減することが可能となる。また、有機絶縁層として感光性の材料を用いても良い。感光性の材料を用いた膜では、レジストマスクを形成することなく、当該膜のエッチング加工を行うこともできる。また、有機絶縁層は、インクジェット法等の液滴吐出法を用いて形成したものであってもよい。また、インクジェット法等の液滴吐出法を用いて形成した層をエッチング加工したものであってもよい。例えば、インクジェット法等の液滴吐出法を用いて形成した層をレジストマスクを用いてエッチング加工したものであってもよい。
【0212】
無機絶縁層としては、酸化珪素膜や、窒化珪素膜、酸窒化珪素膜等を用いることができる。
【0213】
本実施の形態は、実施の形態1乃至実施の形態8の一部または全部について、変更、追加、修正、削除、応用、上位概念化、又は、下位概念化したものに相当する。したがって、実施の形態1乃至実施の形態8などの他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することができる。
【0214】
(実施の形態10)
本実施の形態では、半導体装置の作製方法の一態様を示す。
【0215】
図1(A)の構成の半導体装置の作製方法の一例を図59に示す。
【0216】
絶縁表面200上に、電極101を形成し、電極101上に、絶縁層102を形成し、絶縁層102上に、絶縁層102を介して電極101の少なくとも一部と少なくとも一部が重なる半導体層103を形成する(図59(A))。
【0217】
半導体層103上に、電極104a及び電極104bを形成する。電極104a及び電極104b上に、絶縁膜591を形成する。絶縁膜591はポジ型の感光性材料によって形成されているものとする(図59(B))。
【0218】
次いで、ハーフトーンマスク592を用いることによって、絶縁膜591を露光する。ここで、ハーフトーンマスク592は、領域592a、領域592b、領域592cを有し、互いに露光に用いる光の透過率が異なる。ここで、(領域592cの透過率)>(領域592bの透過率)>(領域592aの透過率)とする(図59(C))。
【0219】
このようなハーフトーンマスク592を用いて、絶縁膜591を露光することによって、領域121と領域122を有し、領域121が領域122より薄く、且つ、貫通する開口123を有する絶縁層105を形成することができる(図59(D))。
【0220】
その後、絶縁層105上に、領域121を介して半導体層103の少なくとも一部と少なくとも一部が重なる電極106と、領域122の少なくとも一部の上に、電極110の少なくとも一部を形成する(図59(E))。
【0221】
こうして、半導体装置を形成することができる。
【0222】
なお、上記では、絶縁膜591としてポジ型の感光性材料を用いる例を示したがこれに限定されない。ネガ型の感光性材料を用いてもよい。また、絶縁膜591として感光性の材料を用いず、絶縁膜591の上にレジストを形成し、当該レジストをハーフトーンマスクを用いて露光することによってレジストマスクを形成し、当該レジストマスクを用いて絶縁膜591をエッチング加工することにより、絶縁層105を形成してもよい。
【0223】
図1(C)の構成の半導体装置の作製方法の一例を図60に示す。
【0224】
絶縁表面200上に、電極101を形成し、絶縁層102、半導体層103、電極104a及び電極104bを形成する。ここまでの作製工程は図59と同様である。電極104a及び電極104b上に、絶縁膜601aを形成し、絶縁膜601a上に絶縁膜601bを形成する(図60(A))。
【0225】
次いで、絶縁膜601b上にレジスト602を形成する。レジスト602はポジ型とする。ハーフトーンマスク603を用いることによって、レジスト602を露光する。ここで、ハーフトーンマスク603は、領域603a、領域603b、領域603cを有し、互いに露光に用いる光の透過率が異なる。ここで、(領域603cの透過率)>(領域603bの透過率)>(領域603aの透過率)とする(図60(B))。
【0226】
このようなハーフトーンマスク603を用いて、レジスト602を露光することによって、互いに厚さが異なる3つの領域を有するレジストマスク604を形成する(図60(C))。
【0227】
レジストマスク604を用いて、絶縁膜601a及び絶縁膜601bをエッチング加工することによって、領域121と領域122を有し、領域121が領域122より薄く、且つ、貫通する開口123を有する絶縁層(層105aと層105bの積層)を形成することができる(図60(D))。
【0228】
その後、層105b上に、領域121を介して半導体層103の少なくとも一部と少なくとも一部が重なる電極106と、領域122の少なくとも一部の上に、電極110の少なくとも一部を形成する(図60(E))。
【0229】
こうして、半導体装置を形成することができる。
【0230】
なお、図60に示した作製工程では、レジスト602としてポジ型を用いる例を示したがこれに限定されない。ネガ型の感光性材料を用いてもよい。また、レジスト602を用いず、絶縁膜601bを感光性材料を用いて形成し、絶縁膜601bをハーフトーンマスクを用いて露光することによって、絶縁層(層105aと層105bの積層)を形成してもよい。
【0231】
また、図60に示す作製工程では、ハーフトーンマスクを用いる例を示したがこれに限定されない。例えば、図61に示すような作製工程とすることができる。
【0232】
図61(A)までは図60の作製工程と同様である。
【0233】
図61に示す作製工程では、絶縁膜601bをエッチング加工し、領域121と開口124を形成する。こうして、層105bを形成する(図61(B))。
【0234】
その後、開口124において露出した絶縁膜601aをエッチング加工し、貫通する開口123を形成する。この際、層105bの一部が更にエッチングされてもよい。こうして、領域121と領域122を有し、領域121が領域122より薄く、且つ、貫通する開口123を有する絶縁層(層105aと層105bの積層)を形成することができる(図61(C))。
【0235】
その後、層105b上に、領域121を介して半導体層103の少なくとも一部と少なくとも一部が重なる電極106と、領域122の少なくとも一部の上に、電極110の少なくとも一部を形成する(図61(D))。
【0236】
こうして、半導体装置を形成することができる。
【0237】
なお、図61に示した作製工程では、絶縁膜601a及び絶縁膜601bを積層形成した後、これらの膜のエッチング工程を行う構成を示したがこれに限定されない。例えば、図62に示すような作製工程とすることができる。
【0238】
絶縁膜601aの形成(図62(A))までは、図61に示した作製工程と同様である。
【0239】
絶縁膜601aを形成した後、絶縁膜601aをエッチング加工して、開口125を有する層105aを形成する(図62(B))。
【0240】
その後に層105aを覆うように、絶縁膜601bを形成する(図62(C))。
【0241】
次いで、絶縁膜601bをエッチング加工する。この際、層105aの一部が更にエッチングされてもよい。こうして、領域121と領域122を有し、領域121が領域122より薄く、且つ、貫通する開口123を有する絶縁層(層105aと層105bの積層)を形成することができる(図62(D))。
【0242】
その後、層105b上に、領域121を介して半導体層103の少なくとも一部と少なくとも一部が重なる電極106と、領域122の少なくとも一部の上に、電極110の少なくとも一部を形成する(図62(E))。
【0243】
こうして、半導体装置を形成することができる。
【0244】
なお、図60、図61、図62に示した作製工程では、絶縁層105を2個の膜(絶縁膜601a及び絶縁膜601b)から形成する作製工程であって、一方の膜のみ選択的に除去することにより、領域121と領域122を形成する例を示した。しかしながらこれに限定されず、絶縁層105をm(mは自然数)個の膜から形成する作製工程であって、m個の膜のうち、n個の膜(nはmよりも小さい自然数)のみ選択的に除去することにより、領域121と領域122を形成してもよい。
【0245】
例えば、絶縁層105を3個の膜から形成する作製工程を図63に示す。図63に示す工程は、図26(C)に示す構成の半導体装置の作製工程に対応する。
【0246】
図63(A)に示す工程までは、図60に示した作製工程と同様である。
【0247】
絶縁膜601bを形成した後、絶縁膜601bをエッチング加工して、開口126及び開口127を有する層105bを形成する(図63(B))。
【0248】
その後に層105bを覆うように、絶縁膜601cを形成する(図63(C))。
【0249】
次いで、絶縁膜601a及び絶縁膜601cをエッチング加工することによって、貫通する開口123を形成する。こうして、領域121と領域122を有し、領域121が領域122より薄く、且つ、貫通する開口123を有する絶縁層(層105aと層105bと層105cの積層)を形成することができる(図63(D))。
【0250】
その後、層105c上に、領域121を介して半導体層103の少なくとも一部と少なくとも一部が重なる電極106と、領域122の少なくとも一部の上に、電極110の少なくとも一部を形成する(図63(E))。
【0251】
こうして、半導体装置を形成することができる。
【0252】
なお、絶縁層105を3個の膜から形成する作製工程であって、図63に示した工程とは異なる工程の例を図64に示す。図64に示す工程は、図26(C)に示す構成において、層105aの端部を層105bが覆っている場合の半導体装置の作製工程に対応する。
【0253】
まず、絶縁膜をエッチング加工することによって、開口128aを有する層105aを形成したあと、絶縁膜601bを形成する(図64(A))。
【0254】
絶縁膜601bをエッチング加工して、開口127及び開口128を有する層105bを形成する(図64(B))。ここで、開口128は開口128aにおいて形成され、開口128aよりも径が小さい。
【0255】
その後に層105bを覆うように、絶縁膜601cを形成する(図64(C))。
【0256】
次いで、絶縁膜601cをエッチング加工することによって、貫通する開口123を形成する。こうして、領域121と領域122を有し、領域121が領域122より薄く、且つ、貫通する開口123を有する絶縁層(層105aと層105bと層105cの積層)を形成することができる(図64(D))。
【0257】
その後、層105c上に、領域121を介して半導体層103の少なくとも一部と少なくとも一部が重なる電極106と、領域122の少なくとも一部の上に、電極110の少なくとも一部を形成する(図64(E))。
【0258】
こうして、半導体装置を形成することができる。
【0259】
なお、図59乃至図64では、図1(A)、図1(C)、図26(C)の一部を変形した図に示した構成の半導体装置の作製方法を示したが、上記実施の形態において示したその他の構成の半導体装置についても同様に作製することができる。
【0260】
本実施の形態は、実施の形態1乃至実施の形態9の一部または全部について、変更、追加、修正、削除、応用、上位概念化、又は、下位概念化したものに相当する。したがって、実施の形態1乃至実施の形態9などの他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することができる。
【0261】
(実施の形態11)
本実施の形態では、実施の形態1乃至実施の形態10で示した半導体装置を、表示装置に応用した例について説明する。
【0262】
実施の形態1乃至実施の形態10で示した半導体装置は、液晶表示装置などの画素に用いることができる。
【0263】
液晶表示装置の画素の断面図の一例を図52に示す。図52(A)、図52(B)は、図1(C)に示した構成の半導体装置を液晶表示装置に用いた場合の画素の断面図である。図52において、図1と同じ部分は同じ符号を用いて示し、説明は省略する。
【0264】
図52において、トランジスタ100は画素に設けられるトランジスタとすることができる。電極110は画素電極とすることができる。層105bは、カラーフィルタ及び/又はブラックマトリクスとすることができる。
【0265】
図52(A)において、領域122上に、突起物510が設けられる。突起物510は、スペーサとして機能させることが出来る。したがって、突起物510によって、トランジスタ100が形成された基板(以下、画素基板と呼ぶ)と液晶層を封止するための基板(以下、対向基板と呼ぶ)との間隔を制御することができる。なお、突起物510によってブラックマトリクスを形成してもよい。または、突起物510は、液晶分子の配向を制御するリブとして機能させることが出来る。突起物510によって、液晶分子が倒れる方向を制御することが出来る。
【0266】
なお、図52において、液晶層、画素電極と対をなす電極(以下、対向電極と呼ぶ)、対向基板は図示していない。なお、対向電極は、画素基板に設けてもよいし、対向基板に設けてもよい。また、配向膜も図示していないが、配向膜を設けてもよいし、設けなくてもよい。
【0267】
図52(A)に示した構成において、図52(B)のように、絶縁層105が薄いまたは無い領域(例えば、層105bが除去された領域)を埋めるように、層510a及び層510bを更に設けてもよい。こうして、画素基板上の液晶層に面する部分の凹凸を緩和することができる。層510a及び層510bは突起物510と異なる材料を用いて形成してもよいし、同じ材料を用いて形成してもよい。層510a、層510b、及び突起物510のいずれか又は全てによってブラックマトリクスを形成してもよい。なお、図52(B)において、層510a及び層510bの一方を設けない構成であってもよい。例えば、層510aのみを設ける構成であってもよい。
【0268】
なお、図52において、突起物510、層510a、層510bは絶縁層をフォトリソグラフィ工程によって加工して形成することができる。または、感光性材料を用いて形成することが出来る。なお、インクジェット等の液滴吐出法によって形成したものであってもよい。図52では、画素基板上に突起物510を設ける例を示したがこれに限定されず、対向基板上に突起物を設けてもよい。
【0269】
図52では、突起物510は、電極110と重なるように設けられる構成を示したがこれに限定されない。突起物510は、電極110と重ならないように設けることも可能である。また、突起物510は、電極110の一部と重なり、且つ一部と重ならないように設けることも可能である。また、突起物510は、各画素に設けてもよいし、複数の画素毎に設けてもよい。突起物510は、画素の配線と一部が重なるように設けてもよいし、ブラックマトリクスと一部が重なるように設けてもよい。
【0270】
図52では、図1(C)に示した半導体装置を液晶表示装置に適用した構成を示したがこれに限定されない。実施の形態1乃至実施の形態10において示した半導体装置を液晶表示装置に適用することができる。例えば、実施の形態1乃至実施の形態10において示した半導体装置を液晶表示装置に適用し、図52と同様に、突起物510、層510a、層510bのいずれかを設けることができる。
【0271】
本実施の形態は、実施の形態1乃至実施の形態10の一部または全部について、変更、追加、修正、削除、応用、上位概念化、又は、下位概念化したものに相当する。したがって、実施の形態1乃至実施の形態10などの他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することができる。
【0272】
(実施の形態12)
本実施の形態では、実施の形態1乃至実施の形態10で示した半導体装置を、表示装置に応用した例について説明する。
【0273】
実施の形態1乃至実施の形態10で示した半導体装置は、一例としては、液晶表示装置などの画素に用いることができる。
【0274】
図55(A)〜図55(F)に液晶表示装置の画素部の1画素分の回路図の一例を示す。画素は、トランジスタと、容量素子と、液晶素子とを有する。さらに、ゲート信号線551、ソース信号線552、容量線553なども有する。ソース信号線552は、映像信号線ということもできる。なお、図55(A)〜図55(F)に示した構成の画素では、1画素の中にサブ画素を有している。当該トランジスタとして、実施の形態1乃至実施の形態10で示したトランジスタ100を用いることができる。図55(G)は、図55(A)〜図55(F)中で用いたトランジスタ記号である。図55(G)において、トランジスタ記号と、実施の形態1乃至実施の形態10で示したトランジスタ100の構成との対応を示す。
【0275】
図55(A)〜図55(F)中に示す液晶素子のみ示したものが図55(H)である。図55(H)に示すとおり、液晶素子は、電極110(画素電極に対応)と、電極550(対向電極に対応)とを有する。また、電極110と電極550の間に液晶層を有する。
【0276】
また、図55(A)〜図55(F)中に示す容量素子としては、実施の形態7や実施の形態8で示した寄生容量や容量素子を用いることができる。
【0277】
実施の形態1乃至実施の形態10に示した半導体装置は、EL素子(有機発光素子)を用いた表示装置(以下、EL表示装置という)または発光装置の画素に用いることもできる。
【0278】
図56(A)〜図56(C)にEL表示装置の画素の回路図の一例を示す。図56(A)〜図56(C)に示す画素は、EL素子560と、トランジスタ562と、トランジスタ563と、容量素子564とを有する。さらに、ゲート信号線551、ソース信号線552、容量線553、電流供給線561なども有する。ソース信号線552は、映像信号線ともいう。トランジスタ562は、トランジスタ563のゲートに映像信号を供給するか否かを制御する機能を有する。トランジスタ563は、EL素子560へ供給する電流を制御する機能を有する。当該トランジスタとして、実施の形態1乃至実施の形態10で示したトランジスタ100を用いることができる。トランジスタ記号と、実施の形態1乃至実施の形態10で示したトランジスタ100の構成との対応は、図55(G)に示したとおりである。
【0279】
また、実施の形態1乃至実施の形態10に示した半導体装置は、液晶表示装置やEL表示装置などの駆動回路に用いることができる。駆動回路としては、例えば、画素に信号を出力する走査線駆動回路や信号線駆動回路に用いることができる。図57(A)及び図57(B)に、駆動回路の一部の一例を示す。駆動回路が有するトランジスタ(トランジスタ701、トランジスタ702、トランジスタ703、トランジスタ704、トランジスタ705、トランジスタ706、トランジスタ707、トランジスタ708、トランジスタ709、トランジスタ710、トランジスタ711、トランジスタ712、トランジスタ713、トランジスタ715、トランジスタ801、トランジスタ802、トランジスタ803、トランジスタ804、トランジスタ805、トランジスタ806、トランジスタ807、トランジスタ808、トランジスタ809、トランジスタ810、トランジスタ811、トランジスタ812、トランジスタ813、トランジスタ814、トランジスタ815、トランジスタ816、トランジスタ817)の一部、または全部に対して、実施の形態1乃至実施の形態10で示したトランジスタ100を用いることができる。
【0280】
また、図57(A)中の容量素子714としては、実施の形態7や実施の形態8で示した寄生容量や容量素子を用いることができる。
【0281】
本実施の形態は、実施の形態1乃至実施の形態11の一部または全部について、変更、追加、修正、削除、応用、上位概念化、又は、下位概念化したものに相当する。したがって、実施の形態1乃至実施の形態11などの他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することができる。
【0282】
(実施の形態13)
本実施の形態では、実施の形態1乃至実施の形態10で示した半導体装置を、液晶表示装置などの表示装置に応用した例について説明する。
【0283】
液晶表示装置の画素の構成の一態様を図53、図58(A)及び図58(B)に示す。また、図53の上面図におけるA1乃至A2の断面図が、図58(A)または図58(B)である。
【0284】
図53、図58(A)及び図58(B)において、画素530は、トランジスタ100と、容量素子531と、液晶素子(または表示素子)とを有する。なお、画素530はサブ画素であってもよい。図53、図58では、液晶素子(または表示素子)の画素電極に相当する電極110のみ図示しており、対向電極(共通電極)は、図示していない。
【0285】
トランジスタ100の構成は、実施の形態1乃至実施の形態10で示した様々な構成を採用することが出来る。したがって、トランジスタ100の構成は、実施の形態1乃至実施の形態10で示した構成と同様であるため、同じ部分は同じ符号で示し、説明は省略する。なお、図58(A)は、図1(A)に示した構成のトランジスタ100を適用した例であり、図58(B)は、図1(C)に示した構成のトランジスタ100を適用した例である。
【0286】
容量素子531は、実施の形態7や実施の形態8で示した寄生容量や容量素子を用いることができる。なお、図58(A)では、絶縁層105を薄くした領域121cにおいて、容量素子531を形成する例である。図58(B)では、層105bを除去した領域121cにおいて、容量素子531を形成する例である。図58(B)に示した容量素子531の構成は、図22(D)で示した容量素子の構成に対応する。
【0287】
トランジスタ100の電極106は、開口501aにおいて、電極101aと電気的に接続される。トランジスタ100の電極101は、トランジスタのゲート電極となると共に、ゲート配線としても機能する。電極101と並行に、電極101aが設けられている。電極101aは、トランジスタ100の電極106に電位を与える配線として機能すると共に、隣接する行の画素(またはサブ画素)の容量線としても機能する。トランジスタ100の電極104aはソース電極またはドレイン電極の一方となると共に、ソース配線としても機能する。ソース配線は、ゲート配線と交差するように設けられている。トランジスタ100の電極104bは、ソース電極またはドレイン電極の他方となり、開口501bにおいて、電極110と電気的に接続される。容量素子531の一対の電極のうち一方は電極110であり、他方は電極101aである。
【0288】
なお、電極101aは、例えば、電極101と同じ層に同じ材料によって形成することができる。なお、電極101aと電極101とを異なる材料によって形成してもよい。
【0289】
液晶表示装置の画素の構成の別の一態様を図54、図58(C)及び図58(D)に示す。また、図54の上面図におけるA1乃至A2の断面図が、図58(C)または図58(D)である。
【0290】
図54、図58(C)及び図58(D)において、画素530は、トランジスタ100と、容量素子532と、液晶素子(または表示素子)とを有する。なお、画素530はサブ画素であってもよい。
【0291】
トランジスタ100の構成は、実施の形態1乃至実施の形態10で示した構成と同様であるため、同じ部分は同じ符号で示し、説明は省略する。なお、図58(C)は、図1(A)に示した構成のトランジスタ100を適用した例であり、図58(D)は、図1(C)に示した構成のトランジスタ100を適用した例である。このように、トランジスタ100として、実施の形態1乃至実施の形態10で示した様々な構成を採用することが出来る。
【0292】
容量素子532は、実施の形態7や実施の形態8で示した寄生容量や容量素子を用いることができる。なお、図58(C)では、絶縁層105を薄くした領域121cにおいて、容量素子532を形成する例である。図58(D)では、層105bを除去した領域121cにおいて、容量素子532を形成する例である。図58(D)に示した容量素子531の構成は、図22(E)で示した容量素子の構成に対応する。
【0293】
トランジスタ100の電極106は、開口502aにおいて、電極101と電気的に接続される。トランジスタ100の電極101は、トランジスタのゲート電極となると共に、ゲート配線としても機能する。電極101と並行に、電極101bが設けられている。電極101bは容量線として機能する。トランジスタ100の電極104aはソース電極またはドレイン電極の一方となると共に、ソース配線としても機能する。ソース配線は、ゲート配線と交差するように設けられている。トランジスタ100の電極104bは、ソース電極またはドレイン電極の他方となり、開口502bにおいて、電極110と電気的に接続される。容量素子532の一対の電極のうち一方は電極110であり、他方は電極101bである。
【0294】
なお、電極101bは、例えば、電極101と同じ層に同じ材料によって形成することができる。なお、電極101bと電極101とを異なる材料によって形成してもよい。
【0295】
なお、図54では、電極110として、複数の開口を有する構成を示したがこれに限定されない。また、図53に示した構成において、電極110を複数の開口を有する構成としてもよい。電極110は任意の形状とすることができる。
【0296】
図53、図54、図58において、電極110としては、透光性を有する電極とすることができる。または、反射性を有する領域と透光性を有する領域との両方を含む電極とすることができる。電極110として、反射性を有する領域と透光性を有する領域との両方を含む電極を用いる場合、液晶表示装置を半透過型とすることができる。
【0297】
電極110として、反射性を有する領域と透光性を有する領域との両方を含む電極を用いる場合、当該反射性を有する領域に含まれる反射電極が形成された層と同じ層に、同じ材料を用いて電極106を形成することができる。こうして、トランジスタ100の半導体層103を遮光することもできる。また、反射性を有する領域と透光性を有する領域との両方を含む電極は、透光性の膜と反射性の膜との積層をハーフトーンマスクを用いてエッチング加工することによって形成することもできる。
【0298】
なお、表示素子、表示素子を有する装置である表示装置、発光素子、及び発光素子を有する装置である発光装置は、様々な形態を用いること、又は様々な素子を有することが出来る。表示素子、表示装置、発光素子又は発光装置の一例としては、EL(エレクトロルミネッセンス)素子(有機物及び無機物を含むEL素子、有機EL素子、無機EL素子)、LED(白色LED、赤色LED、緑色LED、青色LEDなど)、トランジスタ(電流に応じて発光するトランジスタ)、電子放出素子、液晶素子、電子インク、電気泳動素子、エレクトロウェッティング素子、グレーティングライトバルブ(GLV)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、圧電セラミックディスプレイ、カーボンナノチューブ、など、電気磁気的作用により、コントラスト、輝度、反射率、透過率などが変化する表示媒体を有するものがある。EL素子を用いた表示装置の一例としては、ELディスプレイなどがある。電子放出素子を用いた表示装置の一例としては、フィールドエミッションディスプレイ(FED)又はSED方式平面型ディスプレイ(SED:Surface−conduction Electron−emitter Disply)などがある。液晶素子を用いた表示装置の一例としては、液晶ディスプレイ(透過型液晶ディスプレイ、半透過型液晶ディスプレイ、反射型液晶ディスプレイ、直視型液晶ディスプレイ、投射型液晶ディスプレイ)などがある。電子インク又は電気泳動素子を用いた表示装置の一例としては、電子ペーパーなどがある。
【0299】
本実施の形態は、実施の形態1乃至実施の形態12の一部または全部について、変更、追加、修正、削除、応用、上位概念化、又は、下位概念化したものに相当する。したがって、実施の形態1乃至実施の形態12などの他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することができる。
【0300】
(実施の形態14)
本実施の形態では、表示装置を表示モジュールに応用した例について説明する。
【0301】
図72は、表示モジュールを示す図である。図72に示した表示モジュールは、筐体901、表示装置902、バックライトユニット903、筐体904を有し、表示装置902は、ドライバIC905と電気的に接続されている。また、バックライトユニット903には、端子906により電源電圧や信号が供給されている。
【0302】
なお、図72に示した表示モジュールに限定されず、タッチパネルを有する表示モジュールであってもよい。また、表示モジュールは、フレキシブルプリントサーキット(FPC)を有していてもよい。図72において、ドライバIC905は、フレキシブルプリントサーキット(FPC)によって表示装置902と電気的に接続されていてもよい。また、表示モジュールは、偏光板や位相差板等の光学フィルムを有していてもよい。
【0303】
本実施の形態は、実施の形態1乃至実施の形態13の一部または全部について、変更、追加、修正、削除、応用、上位概念化、又は、下位概念化したものに相当する。したがって、実施の形態1乃至実施の形態13などの他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することができる。
【0304】
(実施の形態15)
本実施の形態においては、電子機器の例について説明する。
【0305】
図67(A)乃至図67(H)、図68(A)乃至図68(D)は、電子機器を示す図である。これらの電子機器は、筐体5000、表示部5001、スピーカ5003、LEDランプ5004、操作キー5005(電源スイッチ、又は操作スイッチを含む)、接続端子5006、センサ5007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン5008、等を有することができる。
【0306】
図67(A)はモバイルコンピュータであり、上述したものの他に、スイッチ5009、赤外線ポート5010、等を有することができる。図67(B)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(たとえば、DVD再生装置)であり、上述したものの他に、第2表示部5002、記録媒体読込部5011、等を有することができる。図67(C)はゴーグル型ディスプレイであり、上述したものの他に、第2表示部5002、支持部5012、イヤホン5013、等を有することができる。図67(D)は携帯型遊技機であり、上述したものの他に、記録媒体読込部5011、等を有することができる。図67(E)はテレビ受像機能付きデジタルカメラであり、上述したものの他に、アンテナ5014、シャッターボタン5015、受像部5016、等を有することができる。図67(F)は携帯型遊技機であり、上述したものの他に、第2表示部5002、記録媒体読込部5011、等を有することができる。図67(G)はテレビ受像器であり、上述したものの他に、チューナ、画像処理部、等を有することができる。図67(H)は持ち運び型テレビ受像器であり、上述したものの他に、信号の送受信が可能な充電器5017、等を有することができる。図68(A)はディスプレイであり、上述したものの他に、支持台5018、等を有することができる。図68(B)はカメラであり、上述したものの他に、外部接続ポート5019、シャッターボタン5015、受像部5016、等を有することができる。図68(C)はコンピュータであり、上述したものの他に、ポインティングデバイス5020、外部接続ポート5019、リーダ/ライタ5021、等を有することができる。図68(D)は携帯電話機であり、上述したものの他に、送信部、受信部、携帯電話・移動端末向けの1セグメント部分受信サービス用チューナ、等を有することができる。
【0307】
図67(A)乃至図67(H)、図68(A)乃至図68(D)に示す電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信又は受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出して表示部に表示する機能、等を有することができる。さらに、複数の表示部を有する電子機器においては、一つの表示部を主として画像情報を表示し、別の一つの表示部を主として文字情報を表示する機能、または、複数の表示部に視差を考慮した画像を表示することで立体的な画像を表示する機能、等を有することができる。さらに、受像部を有する電子機器においては、静止画を撮影する機能、動画を撮影する機能、撮影した画像を自動または手動で補正する機能、撮影した画像を記録媒体(外部又はカメラに内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有することができる。なお、図67(A)乃至図67(H)、図68(A)乃至図68(D)に示す電子機器が有することのできる機能はこれらに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0308】
本実施の形態において述べた電子機器は、何らかの情報を表示するための表示部を有することを特徴とする。
【0309】
次に、半導体装置の応用例を説明する。
【0310】
図68(E)に、半導体装置を、建造物と一体にして設けた例について示す。図68(E)は、筐体5022、表示部5023、操作部であるリモコン装置5024、スピーカ5025等を含む。半導体装置は、壁かけ型として建物と一体となっており、設置するスペースを広く必要とすることなく設置可能である。
【0311】
図68(F)に、建造物内に半導体装置を、建造物と一体にして設けた別の例について示す。表示パネル5026は、ユニットバス5027と一体に取り付けられており、入浴者は表示パネル5026の視聴が可能になる。
【0312】
なお、本実施の形態において、建造物として壁、ユニットバスを例としたが、本実施の形態はこれに限定されず、様々な建造物に半導体装置を設置することができる。
【0313】
次に、半導体装置を、移動体と一体にして設けた例について示す。
【0314】
図68(G)は、半導体装置を、自動車に設けた例について示した図である。表示パネル5028は、自動車の車体5029に取り付けられており、車体の動作又は車体内外から入力される情報をオンデマンドに表示することができる。なお、ナビゲーション機能を有していてもよい。
【0315】
図68(H)は、半導体装置を、旅客用飛行機と一体にして設けた例について示した図である。図68(H)は、旅客用飛行機の座席上部の天井5030に表示パネル5031を設けたときの、使用時の形状について示した図である。表示パネル5031は、天井5030とヒンジ部5032を介して一体に取り付けられており、ヒンジ部5032の伸縮により乗客は表示パネル5031の視聴が可能になる。表示パネル5031は乗客が操作することで情報を表示する機能を有する。
【0316】
なお、本実施の形態において、移動体としては自動車車体、飛行機機体について例示したがこれに限定されず、自動二輪車、自動四輪車(自動車、バス等を含む)、電車(モノレール、鉄道等を含む)、船舶等、様々なものに設置することができる。
【0317】
なお、本明細書等においては、ある一つの実施の形態において述べる図または文章において、その一部分を取り出して、発明の一態様を構成することは可能である。したがって、ある部分を述べる図または文章が記載されている場合、その一部分の図または文章を取り出した内容も、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能であるものとする。そのため、例えば、能動素子(トランジスタ、ダイオードなど)、配線、受動素子(容量素子、抵抗素子など)、導電層、絶縁層、半導体層、有機材料、無機材料、部品、装置、動作方法、製造方法などが単数又は複数記載された図面または文章において、その一部分を取り出して、発明の一態様を構成することが可能であるものとする。例えば、N個(Nは整数)の回路素子(トランジスタ、容量素子等)を有して構成される回路図から、M個(Mは整数で、M<N)の回路素子(トランジスタ、容量素子等)を抜き出して、発明の一態様を構成することは可能である。別の例としては、N個(Nは整数)の層を有して構成される断面図から、M個(Mは整数で、M<N)の層を抜き出して、発明の一態様を構成することは可能である。さらに別の例としては、N個(Nは整数)の要素を有して構成されるフローチャートから、M個(Mは整数で、M<N)の要素を抜き出して、発明の一態様を構成することは可能である。
【0318】
なお、本明細書等においては、ある一つの実施の形態において述べる図または文章において、少なくとも一つの具体例が記載される場合、その具体例の上位概念を導き出すことは、当業者であれば容易に理解される。したがって、ある一つの実施の形態において述べる図または文章において、少なくとも一つの具体例が記載される場合、その具体例の上位概念も、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。
【0319】
なお、本明細書等においては、少なくとも図に記載した内容(図の中の一部でもよい)は、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。したがって、ある内容について、図に記載されていれば、文章を用いて述べていなくても、その内容は、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。同様に、図の一部を取り出した図についても、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。
【符号の説明】
【0320】
100 トランジスタ
101 電極
102 絶縁層
103 半導体層
104 電極
105 絶縁層
106 電極
107 絶縁層
110 電極
121 領域
122 領域
123 開口
124 開口
125 開口
126 開口
127 開口
128 開口
191 開口
192 開口
193 開口
194 開口
195 開口
196 開口
197 開口
198 開口
200 絶縁表面
281 部分
282 部分
283 部分
441 開口
442 開口
443 開口
444 開口
445 開口
446 開口
447 開口
448 開口
451 開口
452 開口
453 開口
454 開口
455 開口
456 開口
457 開口
458 開口
510 突起物
530 画素
531 容量素子
532 容量素子
550 電極
551 ゲート信号線
552 ソース信号線
553 容量線
560 EL素子
561 電流供給線
562 トランジスタ
563 トランジスタ
564 容量素子
591 絶縁膜
592 ハーフトーンマスク
602 レジスト
603 ハーフトーンマスク
604 レジストマスク
652 ブラックマトリクス
701 トランジスタ
702 トランジスタ
703 トランジスタ
704 トランジスタ
705 トランジスタ
706 トランジスタ
707 トランジスタ
708 トランジスタ
709 トランジスタ
710 トランジスタ
711 トランジスタ
712 トランジスタ
713 トランジスタ
714 容量素子
715 トランジスタ
801 トランジスタ
802 トランジスタ
803 トランジスタ
804 トランジスタ
805 トランジスタ
806 トランジスタ
807 トランジスタ
808 トランジスタ
809 トランジスタ
810 トランジスタ
811 トランジスタ
812 トランジスタ
813 トランジスタ
814 トランジスタ
815 トランジスタ
816 トランジスタ
817 トランジスタ
901 筐体
902 表示装置
903 バックライトユニット
904 筐体
905 ドライバIC
906 端子
101a 電極
101b 電極
103a 半導体層
104a 電極
104b 電極
104c 電極
105a 層
105b 層
105c 層
106a 電極
108a 導電層
108b 導電層
109 接続部分
110b 電極
121c 領域
128a 開口
131a 端部
131b 端部
132a 端部
132b 端部
5000 筐体
5001 表示部
5002 表示部
5003 スピーカ
5004 LEDランプ
5005 操作キー
5006 接続端子
5007 センサ
5008 マイクロフォン
5009 スイッチ
5010 赤外線ポート
5011 記録媒体読込部
5012 支持部
5013 イヤホン
5014 アンテナ
5015 シャッターボタン
5016 受像部
5017 充電器
5018 支持台
5019 外部接続ポート
501a 開口
501b 開口
5020 ポインティングデバイス
5021 リーダ/ライタ
5022 筐体
5023 表示部
5024 リモコン装置
5025 スピーカ
5026 表示パネル
5027 ユニットバス
5028 表示パネル
5029 車体
502a 開口
502b 開口
5030 天井
5031 表示パネル
5032 ヒンジ部
510a 層
510b 層
592a 領域
592b 領域
592c 領域
601a 絶縁膜
601b 絶縁膜
601c 絶縁膜
603a 領域
603b 領域
603c 領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランジスタと、画素電極とを有し、
前記トランジスタは、第1のゲート電極と、前記第1のゲート電極上の第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層上の半導体層と、前記半導体層上の第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層上の第2のゲート電極とを有し、
前記第1のゲート電極は、前記第1の絶縁層を介して前記半導体層と重なる領域を有し、
前記第2のゲート電極は、前記第2の絶縁層を介して前記半導体層と重なる領域を有し、
画素電極は、前記第2の絶縁層上に設けられ、
第1の領域は、前記第2のゲート電極の少なくとも一部が、前記半導体層の少なくとも一部と重なる領域のうちの、少なくとも一部の領域であり、
第2の領域は、前記画素電極が設けられた領域のうちの、少なくとも一部の領域であり、
前記第1の領域における前記第2の絶縁層は、前記第2の領域における前記第2の絶縁層よりも薄いことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1において、前記トランジスタは、第1の電極と第2の電極とを有し、前記第1の電極と前記第2の電極の一方をソース電極とし、他方をドレイン電極とすることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記画素電極は、前記第2の絶縁層に設けられた開口において、前記トランジスタと電気的に接続されることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
絶縁表面上に、第1のゲート電極を形成し、
前記第1のゲート電極上に、第1の絶縁層を形成し、
前記第1の絶縁層上に、前記第1の絶縁層を介して前記第1のゲート電極の少なくとも一部と少なくとも一部が重なる半導体層を形成し、
前記半導体層上に、第1の領域と第2の領域を有し、前記第1の領域が前記第2の領域より薄い第2の絶縁層を形成し、
前記第2の絶縁層上に、前記第2の絶縁層の前記第1の領域を介して前記半導体層の少なくとも一部と少なくとも一部が重なる第2のゲート電極と、前記第2の絶縁層の前記第2の領域の少なくとも一部の上に、画素電極の少なくとも一部とを形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項5】
絶縁表面上に、第1のゲート電極を形成し、
前記第1のゲート電極上に、第1の絶縁層を形成し、
前記第1の絶縁層上に、前記第1の絶縁層を介して前記第1のゲート電極の少なくとも一部と少なくとも一部が重なる半導体層を形成し、
前記半導体層上に、第1の領域と第2の領域を有し前記第1の領域が前記第2の領域より薄く、且つ、貫通する開口を有する第2の絶縁層を形成し、
前記第2の絶縁層上に、前記第2の絶縁層の前記第1の領域を介して前記半導体層の少なくとも一部と少なくとも一部が重なる第2のゲート電極と、前記第2の絶縁層の前記第2の領域の少なくとも一部の上に少なくとも一部が重なり、且つ前記貫通する開口において下方の配線または電極と接する画素電極とを形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項6】
請求項4または請求項5において、ハーフトーンマスクを用いることによって前記第1の領域と前記第2の領域を有する前記第2の絶縁層を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図72】
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【図70】
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【図71】
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【公開番号】特開2012−248829(P2012−248829A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−102545(P2012−102545)
【出願日】平成24年4月27日(2012.4.27)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】