半導体装置及び半導体装置の製造方法
本発明は、半導体装置(105)及びこの装置の製造方法に関する。本発明の好ましい実施例は、シリコン半導体基板(110)、酸化膜層(115)及び活性層(120)を含む半導体装置(105)である。活性層では、絶縁領域(125)及び活性領域(127)が形成された。活性領域(127)は、ソース(180)、ドレイン(182)及び基体(168)を含む。ソース(180)及びドレイン(182)は、ソースエクステンション(184)及びドレインエクステンション(186)も含む。活性層(120)はゲート(170)を有する。ゲート(170)の両側にL字型側壁スペーサが位置する。ソース(180)及びドレイン(182)は、シリサイド領域(190、192)も含む。これらの領域の特徴は、側壁(136、138)の下に位置されたエクステンション(194、196)を有することである。これらのエクステンション(194、196)は、半導体装置(105)の性能を著しく改善するように、ソース(194)及びドレイン(196)の直列抵抗を大きく低減する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面を有するシリコン含有半導体基体を含む半導体装置であって、前記半導体基体は前記表面近くにトランジスタを有し、前記トランジスタは、前記表面に位置して両側に側壁スペーサを有するゲートを含み、前記ゲートの両側に半導体基体内に形成された拡散領域をさらに含み、前記拡散領域の少なくとも1つは前記半導体基体の表面にシリサイドを有する半導体装置に関する。
【0002】
本発明はさらに、ゲートを備えた表面を有するシリコン含有半導体基体を準備するステップと、前記ゲートの両側に側壁スペーサを形成するステップと、前記ゲートの両側に半導体基体の拡散領域を形成するステップと、半導体基体のシリコンを拡散領域の表面でアモルファス化するためにアモルファス化注入を行うステップと、アモルファス化されたシリコンを金属との相互作用によってシリサイドに変化させるステップと、を含む半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
冒頭のパラグラフに述べられたタイプの半導体装置は、米国特許US6465847 B1号の明細書から知られている。前記半導体装置は、半導電性基板層と、基板層に形成された絶縁層と、絶縁層に形成された半導電性活性領域を含み、活性領域は、ソース、ドレイン並びにソース及びドレインの間の基体を含む。前記半導体装置はさらに、ゲート、ソース、ドレイン及び基体が一体となってトランジスタを形成する方法で基体に形成されたゲートを含む。上記従来の半導体装置はさらに、ソース又はドレインに少なくとも1つのシリサイド領域を含む。シリサイドは、例えば、金属チタンから形成される。シリサイドは、側壁スペーサの下に最大10nm広がる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の半導体装置の欠点は拡散領域(ソース及びドレイン)の直列抵抗が高いことにある。この欠点は、半導体装置の動作に悪影響を与える。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、拡散領域のより低い直列抵抗を有することによって改善された動作を示す冒頭のパラグラフに述べられたタイプの半導体装置を提供することである。
【0006】
この目的を達成するために、冒頭のパラグラフに述べられた半導体装置は、シリサイドが、半導体基体の表面に沿って広がり、側壁スペーサの下に10nmより多く延びることを特徴とする。それによって、拡張領域の直列抵抗はより低くなり、半導体装置の改善された動作をもたらす。
【0007】
本発明に係る半導体装置の実施例では、シリサイドは、形成されたシリサイド中でシリコンより高い拡散率を有する金属を含む。金属のより高い拡散率によって、側壁スペーサの下に十分な距離にわたって広がるようにシリサイドが形成される。
【0008】
シリサイド中で比較的高い拡散率を有する適当な材料は、ニッケル(Ni)、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)を含むグループから選択されても良い。これらの金属の合金もまた適当である。これらの金属は、シリコンと比較して、シリサイド中で比較的高い拡散率という理由で有利である。
【0009】
本発明に係る半導体装置の実施例では、側壁スペーサはL字型である。このL字型側壁スペーサは、ゲートに接し、半導体基体の表面に対してほぼ垂直に広がる第1の部分と、半導体基体の表面に沿って広がる第2の部分を含む。L字型側壁スペーサは、シリサイドが側壁スペーサの下により大きな距離にわたって広がるという利点を有する。
【0010】
L字型側壁スペーサの第2の部分の厚さは、半導体基体の表面に対して垂直方向に測って、好ましくは40nm以下である。
【0011】
本発明に係る半導体装置の実施例では、絶縁層は、半導体基体の表面と平行方向に半導体基体中に広がる。このことは、シリコンオンインシュレータとして当業者に一般に知られている。
【0012】
本発明に係る半導体装置の実施例では、半導体基体はゲルマニウム成分を含む。
【0013】
本発明に係る半導体装置の実施例では、半導体基体は、歪Si層を含む。
【0014】
冒頭のパラグラフで説明されたタイプの半導体装置の製造方法は、米国特許US 6465874B1号の明細書から知られている。その半導体装置の製造方法は、 基板層、活性層及び前記基板層と前記活性層の間に埋め込まれた酸化膜層を含む半導体基体を準備するステップと、誘電層及び導電層を含むゲートを前記半導体基体に形成するステップと、前記ゲートの両側に側壁スペーサを形成するステップと、前記ゲートの片側にソース領域及びドレイン領域を形成するステップと、ソース領域又はドレイン領域にアモルファスシリコンの層を形成するために、アモルファス化注入を行うステップと、ソース領域又はドレイン領域にシリサイド領域を形成するステップと、を含む。
【0015】
従来の方法の欠点は、半導体装置の拡散領域の直列抵抗が高いことにある。この欠点は、半導体装置の動作に悪影響を与える。
【0016】
本発明の目的は、冒頭のパラグラフに述べられたタイプの方法であって、その方法を用いて拡散領域の直列抵抗が低減され得るような方法を提供することである。
【0017】
この目的を達成するために、冒頭のパラグラフに述べられた方法は、本発明によれば、アモルファス化されたシリコンのシリサイドへの変化と形成されたシリサイドでシリコンより高い拡散率を有する金属を利用するように特徴付けられる。このことは、10nm未満の距離にわたって側壁スペーサの下に広がるようにシリサイドが形成されるという利点を有する。結果として、拡散領域の直列抵抗は低減する。
【0018】
本発明に係る方法の実施例は、アモルファス化されたシリコンのシリサイドへの変化とニッケル(Ni)、プラチナ(Pt)及びパラジウム(Pt)を含むグループから選択された金属を利用するように特徴付けられる。これらの金属の合金もまた適当である。これらの金属は、シリコンと比較して、シリサイドで比較的高い拡散率であるという理由で有利である。
【0019】
本発明に係る方法の実施例は、半導体基体の表面の垂線に対する2つの角度のうち小さい方(注入角度とも言われる)が0度より大きくなるように、アモルファス化注入が基板方向に行われるように特徴付けられる。この傾斜注入を用いて、側壁スペーサの下のシリコンのアモルファス化も達成される。結果として、シリサイドは、側壁スペーサの下により大きな距離にわたって形成される。
【0020】
本発明に係る方法の実施例は、ゲートに接し、半導体基体の表面に対してほぼ垂直に広がる第1の部分と、半導体基体の表面に沿って広がる第2の部分を含むL字型となるように側壁スペーサが形成されるように特徴付けられる。L字型側壁スペーサは、側壁スペーサの下のアモルファス領域の範囲を制御可能であるという利点を有する。結果として、シリサイドは、側壁スペーサの下により長い距離にわたって形成される。
【0021】
L字型側壁スペーサの第2の部分は、半導体基体の表面に対して垂直方向に測って、好ましくは、最大40nmの厚さで形成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明に係る半導体装置の製造方法と同様に、本発明の以上の態様及びその他の態様は、図面を参照してより詳細に説明される。
【0023】
図は、スケール通りに描かれておらず、説明目的に過ぎない。
【0024】
任意の参照番号は任意の部分を参照する。代替的な実施例は、特許請求の範囲の保護の範囲内で可能である。
【0025】
図1は、米国特許US6465847B1号の明細書に開示された半導体装置5の断面を図示する。半導体装置5は、酸化膜層15及び活性層20を含むシリコン含有半導体基体10を含む。これら3層は、共に、SOI基板50を形成する。活性層では、絶縁領域25(例えば、シリコン酸化膜で作られた絶縁領域)及び活性領域27が設けられる。活性領域27は、ソース80及びドレイン82を含む。これらは、拡散領域とも言われる。本明細書では、これらの用語は交換可能に用いられる。活性領域27はさらに基体68を含む。ソース80及びドレイン82は、ソースエクステンション84及びドレインエクステンション86も含む。活性層20ではさらに、絶縁層30(例えば、シリコン酸化膜で作られた絶縁層)及びゲート70が設けられる。ゲート70は、導電層32(例えば、ポリシリコンで作られた導電層)及びシリサイド層34(チタニウムシリサイドで作られたシリサイド層)を含む。側壁スペーサ36、38はゲート70の両側にある。ソース80は、ソース80との側部接合部分44及び垂直接合部分62を一般的に有するシリサイド領域92を含む。ソース80は、基体68との接合64を含む。ドレイン82は、一般的には、ドレイン82との側部接合部分46及び垂直接合部分62を有するシリサイド領域92を含む。ドレイン82は、基体68との接合66を有する。
【0026】
シリサイド領域90、92は、後続のステージで、電気的接続が形成され得る表面40、42を有する。このために、一般的には、ビア、コンタクトホール及び導電性ワイヤが利用される。明確にするために、これらの部品は省略されていて、かつ、明細書の後続部分でも省略される。
【0027】
シリサイド領域90、92の特徴は、従来の装置では、側壁スペーサ36、38の下に最大10nmにわたって延びていることである。このシリサイドはソース80及びドレイン82の直列抵抗を低減するので、側壁スペーサ36、38の下のこのシリサイドは、半導体装置5の動作に好ましい効果を有することがわかる。しかしながら、距離が小さ過ぎると、これらの接合64、66を通して大きなリーク電流を導く可能性があるので、一般的には、シリサイド境界面60、62及び基体68と一体になった接合64、66の間の安全距離を作ることが望ましい。
【0028】
図2は、本発明に係る半導体装置105の実施例の断面図である。半導体装置105は、酸化膜層115及び活性層120を含むシリコン含有半導体基体110を含む。これらの3つの層は、共に、SOI基板150を形成する。SOI基板は、本発明を図示するためにのみ用いられる。他の基板も代替可能である。活性層では、絶縁領域125(例えば、シリコン酸化膜で作られた絶縁領域)及び活性領域127が設けられる。活性領域127は、ソース180及びドレイン182を含む。これらは、拡散領域とも言われる。活性領域127はさらに基体168を含む。ソース180及びドレイン182は、ソースエクステンション184及びドレインエクステンション186も含む。活性層120では、絶縁層130(例えば、シリコン酸化膜で作られた絶縁層)がさらに設けられる。ゲート170は、導電層132(例えば、単結晶シリコンで作られた導電層)及びシリサイド層134を含む。導電層132が金属で作られた場合は、シリサイド層134は存在しない。L字型側壁スペーサ136、138はゲート170の両側に存在する。ソース180は、一般的には、ソース180に対する側部接合部分144及び垂直接合部分160を有するシリサイド領域190を含む。ソース180は、基体168に対する接合164を有する。ドレイン182は、一般的には、ドレイン182に対する側部接合部分146及び垂直接合部分162を有するシリサイド領域192を含む。ドレイン182は、基体168に対する接合166を有する。
【0029】
シリサイド領域190、192は、後続のステージで、電気的接続が形成され得る表面140、142を有する。
【0030】
本発明に係る装置のシリサイド領域190、192の特徴は、側壁スペーサ136、138の下にかなりの距離にわたって延びていることである。これらのシリサイド領域136、138はエクステンション194、196を有する。拡散領域180、182の直列抵抗を低減するので、これらのエクステンション194、196は重要である。この図に示されたように、シリサイド境界面160、162と接合164、166の間の距離を低減することなく抵抗の低減が達成される。シリサイドエクステンション194、196は、ソースエクステンション184及びドレインエクステンション186の範囲に含まれ、その結果として、接合164、166を通した基体168に対するリーク電流がなくなる。
【0031】
図3は、製造プロセスのステージにおける半導体装置105の断面図である。このステージでは、シリコン含有半導体基体110が準備される。この実施例では、基板はSOI基板150であるが、代替的に、異なるタイプの基板が用いられても良い。半導体基体は、酸化膜層115及び活性層120を含む。このシリコン含有半導体基体110はさらに表面126を含む。
【0032】
図4は、製造プロセスのステージにおける半導体装置105の断面図である。このステージでは、絶縁領域125及び活性領域127が形成される。活性領域120では、絶縁層130(例えば、シリコン酸化膜で作られた絶縁層)及びゲート170が形成される。ゲート170は導電層132(例えば、単結晶シリコンで作られた導電層)を含む。
【0033】
図5は、製造プロセスのステージにおける半導体装置105の断面図である。このステージでは、浅い注入領域とも言われるソースエクステンション184及びドレインエクステンション186が形成される。このために、例えば、ライトリードープトドレイン(LDD)技術を用いるイオン注入172が用いられ得る。半導体装置105がn導電型(NMOSトランジスタ)の場合、この注入ステップに適したイオンは、とりわけ、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)又はこれらのイオンの組み合わせである。半導体装置105がp導電型(PMOSトランジスタ)の場合、とりわけ、ホウ素(B)が適当に用いられても良い。注入エネルギーは、典型的には、0.1keV〜80keVの範囲にあり、注入ドーズ量は、典型的には、1×1012〜約5×1015atoms/cm2の範囲にある。
【0034】
注入技術に加えて、固相エピタキシー(SPE)技術が、ソースエクステンション及びドレインエクステンションを形成するために代替的に用いられても良い。この技術は、概略的には、アモルファス化注入が、ゲート170の存在によって自己整合的に起こるようにシリコン基体をアモルファス化するステップと、ゲート170の存在によって自己整合的に起こるように注入ドーピングするステップを含む。そのドーピングステップは、n導電型だけでなくp導電型でも良く、低温アニールステップ(約700℃)を用いてシリコンを再結晶化するステップであっても良い。
【0035】
他のソースエクステンション及びドレインエクステンションの製造方法は、とりわけ、プラズマドーピング、プラズマ注入及び気相ドーピングである。詳細については、米国特許US6465847B1号の明細書を参照されたい。
【0036】
図6は、製造プロセスのステージにおける半導体装置105の断面図である。このステージでは、L字型側壁スペーサ136、138が設けられる。このために、様々な技術が用いられ得る。これらの技術の1つは、概略的には、ゲート170の上に薄い酸化膜層を設けるステップと、前記薄い酸化膜層の上面に厚い窒化膜層を設けるステップと、前記窒化膜層にウェット化学選択エッチングを適用し、窒化スペーサを形成するステップと、前記薄い酸化膜層をドライエッチング(例えば、時間選択(time−selective)エッチング)するステップと、ウェット化学エッチングによって前記窒化膜を選択的に除去するステップを含む。
【0037】
前記最後のステップの後に、L字型酸化膜スペーサ136、138は残る。従って、側壁スペーサ136、138は、とりわけ、シリコン酸化膜(SiO2)又はシリコン窒化膜(例えばSi3N4)で作られても良いが、他の材料でも可能である。この明細書の後続部分では、L字型側壁スペーサ136、138は、図11を参照して、より詳細に明らかになる。
【0038】
図7は、製造プロセスのステージにおける半導体装置105の断面図である。このステージでは、深い注入領域180、182が形成される。この明細書では、これらの領域は、以下、ソース180及びドレイン182と言われる。その領域は、例えば、上述の固相エピタキシー(SPE)技術を用いて形成されても良い。ソースエクステンション184及びドレインエクステンション186の形成と似て、このプロセスステップはイオン注入114が必要である。半導体装置がn導電型(NMOSトランジスタ)の場合は、この注入ステップに適当なイオンは、とりわけ、リン(P)及びヒ素(As)である。半導体装置がp導電型(PMOSトランジスタ)の場合は、とりわけ、ホウ素(B)が適当に用いられ得る。注入エネルギーは、典型的には、0.1keV〜100keVの範囲にあり、注入ドーズ量は、典型的には、1×1014〜約1×1016atoms/cm2の範囲にある。さらに詳細な情報は、米国特許US6465847B1号の明細書を参照されたい。
【0039】
図8は、製造プロセスのステージにおける半導体装置105の断面図である。このステージでは、アモルファス化注入116が行われる。このプロセスでは、アモルファスシリコン領域189、191が形成される。これらのアモルファスシリコン領域189、191も側壁スペーサ136、138の下に広がるエクステンション193、195を有する。この明細書の後続部分では、このことがより詳細に明らかになる。アモルファス化注入116を適用することによって、さらに形成されるシリサイド接合がより的確に画定され、加えて、シリサイドの最後のコンタクト抵抗がより低くなるという利点が得られる。
【0040】
アモルファス化注入ステップでは、キセノン(Xe)、アルゴン(Ar)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、インジウム(In)、シリコン(Si)及びゲルマニウム(Ge)を含むグループの元素が利用される。当業者は、この注入に適当に用いられ得る他の元素又は化合物を容易に発見するであろう。これらの変形例は全て、本発明の範囲内に収まる。注入エネルギーは、典型的には、0.1keV〜100keVの範囲にあり、注入ドーズ量は、典型的には、4×1013〜約1×1016atoms/cm2の範囲にある。
【0041】
アモルファス化注入116の間、導電層132も部分的にアモルファス化される(これは、明確にするため図示されていない)。必要な場合は、いわゆるゲート状のキャップ層(170)によって、導電層132のアモルファス化が除去されても良い。
【0042】
アモルファス化注入116は、好ましくは、角度H1で行われる。角度H1は、SOI基板150の表面126の垂線Nに対して画定される。結果として、エクステンション193、195は、プロセスにおいて後続のシリサイド形成に好ましい効果を有するようなより大きな距離にわたって側壁スペーサ136、138の下に形成される。この態様は、明細書の後続部分でより詳細に取り扱われる。
【0043】
一般的には、互いに直交するような、半導体基体110のトランジスタの2つの配置が可能である。この理由は、全ての側壁スペーサ36、138の下のシリコンをアモルファス化するために、アモルファス化注入116の間、SOI基板150が4回90度回転するからである。
【0044】
図9は、製造プロセスのステージにおける半導体装置105の断面図である。このステージでは、金属層118の層が、ソース180、ドレイン182、ゲート170及び側壁スペーサ136、138に設けられる。金属118は、ニッケル(Ni)、プラチナ(Pt)及びパラジウム(Pd)を含むグループから選択されても良い。これらの金属の合金でも良い。
【0045】
金属層118の堆積は、例えば、スパッタリングによって行われても良い。シリサイド領域190、192(図10参照)は、ここでは、ソース180及びドレイン182の露出した表面140、142と金属118を反応させることによって形成され得る。このために、様々なシリサイド化技術が用いられ得る。急速加熱アニール(RTA)は用いられ得る技術の1つである。急速加熱アニールでは、短時間(0(最初のスパイク)〜120秒)に温度が上昇する。この上昇温度は、典型的には、200℃〜600℃の範囲にある。もちろん、他の加熱時間及び温度でも可能である。
【0046】
最終的にシリサイドに変化されなければならない金属118は、ソース180及びドレイン182の結晶シリコンを介するよりも、アモルファス化シリコン領域189、191を介した方が非常に容易に拡散し得る。接合144、146は、言わば、金属118に対する拡散障壁を形成する。このシリサイド領域190、192(図10参照)の的確な画定は、拡散領域180、182の接合164、166から離れて広がり得ることを防ぐ必要がある。この場合、拡散領域180、182から基体168に対するリーク電流が生ずる。
【0047】
最終製造物には、アモルファス化シリコンがあってはならない。アモルファス化シリコンをまだ含む場合は、問題を生ずる可能性がある。いかなる残留アモルファス化シリコンも、追加のアニールステップを用いて除去され得る。
【0048】
図10は、製造プロセスのステージにおける半導体装置105の断面図である。このステージでは、シリサイド領域190、192、134が形成される。加えて、シリサイドが、エクステンション194、196の形成において側壁スペーサ136、138の下に成長した。金属118(図9参照)がニッケル(Ni)、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)を含むグループから選択される場合、この成長は十分に促進される。これらの金属の合金も可能である。この場合の重要な態様は、形成されたシリサイド中の金属/合金がシリコンより高い拡散率を有することである。
【0049】
当業者は、前述の特性を有するより多くの金属又はより多くの化合物を容易に発見する。これらの変形例の全ては本発明の範囲内に収まる。
【0050】
エクステンション194、196は、半導体装置の動作を十分に改善するように、ソース180及びドレイン182の直列抵抗を著しく低減する。
【0051】
本発明の他の目的は、拡散領域180、182から基体168に対するリーク電流の増加もなく、側壁スペーサ136、138の下により大きな距離を超えて形成されるシリサイドに関する。エクステンション194、196は、ソースエクステンション184及びドレインエクステンション186の範囲内である。
【0052】
図11は、傾斜アモルファス化注入との組み合わせにおけるL字型側壁スペーサ136、138の利点を示す。この図は、製造プロセスのステージにおいて、側壁スペーサ136の位置での倍尺で半導体基体105を図示する。このエクステンションは製造プロセスの後続部分でシリサイド194の位置を順番に決定するので、本発明の重要な態様は、アモルファス化領域193のエクステンションが制御された方法で設けられるという事実に基づく。
【0053】
エクステンション193の寸法は正確に決定され得る。エクステンション193の境界面500の位置は、とりわけ、側壁スペーサ136の第1の部分の厚さD1及び注入角度H1によって決定される。注入は常に基板150方向に生じるので、注入角度H1は、半導体基体110の表面126の垂線Nに対する2つの角度のうち小さい方である。
【0054】
イオン116は、表面126に対して垂直方向に規則的であるので、側壁スペーサ136の第1の部分を介して貫通し得ない。実例として、側壁スペーサ136の第1の部分の下でアモルファス化が行われないので、(実質的には)プロセスにおける後続部ではシリサイドが形成されないような直角(すなわち、注入の角度H1が0°である)での注入がある。
【0055】
エクステンションの厚さD3は、注入の角度H1と組み合わせたアモルファス化注入116の注入エネルギーだけでなく、L字型側壁スペーサ136の第2の部分の厚さD2に依存する。アモルファス化注入116の他の効果が低過ぎるので、L字型スペーサ136の厚さD2は、好ましくは、40nm以下である。本発明に係る半導体装置105の実施例では、第2の部分は5〜20nmの厚さD2を有する。
【0056】
アモルファス化領域がL字型側壁スペーサ136の第1の部分のエッジ405に対して広がる追加の距離A1は、注入角度H1によって、明白に決められる。製造プロセスの過程で、この角度H1が非常に正確に決められ得るので、境界面500の位置も非常に正確に決められ得る。上記のように、注入の角度H1は、微調整するように用いられ得る。側壁136の寸法D1、D2も、製造プロセスの間、正確に決定され得る。当業者は、上記のように、アモルファス化注入イオンが着陸する場所を正確に決め、その結果、シリサイドが最終的に被着する場所も決めるために、パラメータD1、D2及びH1を使うことができる。
【0057】
L字型側壁スペーサ136の他の利点は、0℃ではない角度H1での注入の場合であっても、アモルファス化シリコンと単結晶シリコンの間の接合部分515が、表面126に対してほぼ平行に続くことにある。側壁スペーサが従来の構造体を有する場合は、この接合部分515は、斜めに位置する。注入エネルギーが高過ぎる場合は、シリサイド化の後に拡散領域180、182から基体168に対する好ましくないリーク電流を導くことがあるくらいに、この接合面は接合164に接近し過ぎるか、場合によっては接合164を越える可能性がある。
【0058】
図12は、急速拡散金属が用いられる場合のシリサイド成長プロセスを示す。この図は、シリサイド190の形成の間の半導体装置105を示す。このステージでは、金属118は、まだ、ソース180、ドレイン182、ゲート170及び側壁スペーサ136、138上にある。金属118は、好ましくは、ニッケル(Ni)、プラチナ(Pt)及びパラジウム(Pd)から成るグループから選択される。これらの金属の合金でも可能である。ここでの重要な態様は、この金属又はこの合金が、シリコンよりも形成されたシリサイド中の方で高い拡散率を有することである。この特性の結果として、シリサイド190の下方成長率600は、上方成長率620より十分に高くなる。加えて、側壁スペーサ136の下のシリサイドエクステンション194の成長率610も高いので、アモルファス化シリコン193の全ては、最終的にはシリサイド194に変化する。シリサイド190、194の形成の間、金属層118が消費される。いかなる残留物も、製造プロセスの後続ステージで除去されなければならない。このために、従来の技術が用いられ得る。
【0059】
例えば、ニッケルが金属118として用いられる場合は、表面140は、SOI基板150の表面126に対してわずかに上昇する。実例として、ニッケルシリサイドが22nmの厚さで成長する場合は、そのうち約4nmが、最初の半導体基体110の表面126の上に位置する。
【0060】
加えて、シリサイド層134はゲート170上に形成される。この場合も、下方成長率630は上方成長率640より高い。
【0061】
図13は、注入角度H2でアモルファス化注入216と組み合わさられた従来の側壁スペーサ236を有する半導体装置205の実施例を倍尺で図解する。半導体装置205の製造方法はアモルファス化注入ステージである。
【0062】
実例として、この場合も、SOI基板250は、酸化膜層215及び活性層210を含む対応するシリコン含有半導体基体210を有する。絶縁領域225及び活性領域227は、活性層220中にも設けられる。絶縁層230(例えば、シリコン酸化膜で作られた絶縁層)及びゲート270は、既に活性層220に形成された。このゲート270は、導電層232(例えば、単結晶シリコンで作られた導電層)を含む。側壁スペーサ236、浅い注入領域284及び深い注入領域280も既に形成された。
【0063】
この場合も、アモルファス化注入は、0°以上の注入の角度H2で行われる。注入の角度H2は、SOI基板250の表面226の垂線Nに対する2つの角度のうち小さい方である。結果として、アモルファス化領域289は、一定の距離A2だけ側壁スペーサ236の下に広がる。この距離A2は、注入の角度H2が0°に等しいとした場合よりも大きい。しかしながら、ソース280から基体268に対する他のリーク電流が大きくなり過ぎるので、一定の距離A3はアモルファス領域と接合264の間にしなければならない。注入の最大角度H2は、上記のように、L字型側壁スペーサ136の場合の注入の最大角度H1(図11参照)より小さい。
【0064】
全ての図はスケール通りに描かれていない。全ての図は、本発明にかかる実施例及びその技術的背景を明らかにする機能を果たす。実際は、境界面/接合部分の形状は、図に示されたものとは異なっても良い。もちろん、全ての当業者が新しい実施例を着想できる。しかしながら、これらの実施例は、特許請求の範囲の保護の範囲に収まる。
【0065】
例えば、単一ゲート構造の代わりに、二重又は多重ゲート構造を製造することができる。
【0066】
加えて、L字型側壁スペーサの場合は、例えば、従来の形状を再び得られるように、側壁スペーサを窒化膜で充填することができる。好ましくは、これは、アモルファス化注入の後に行われる。側壁スペーサの充填は、半導体装置の最上部への他の層(例えば、酸化膜層)の適用をより容易にするという利点を有する。
【0067】
図では、実例として、SOI基板が用いられたが、本発明は、バルク基板、歪Si基板及びゲルマニウム成分含有基板も適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】従来の半導体装置の断面図である。
【図2】本発明に係る半導体装置の実施例の断面図である。
【図3】製造プロセスの異なるステージにおける半導体装置の断面図である。
【図4】製造プロセスの異なるステージにおける半導体装置の断面図である。
【図5】製造プロセスの異なるステージにおける半導体装置の断面図である。
【図6】製造プロセスの異なるステージにおける半導体装置の断面図である。
【図7】製造プロセスの異なるステージにおける半導体装置の断面図である。
【図8】製造プロセスの異なるステージにおける半導体装置の断面図である。
【図9】製造プロセスの異なるステージにおける半導体装置の断面図である。
【図10】製造プロセスの異なるステージにおける半導体装置の断面図である。
【図11】傾斜アモルファス化注入を組み合わせられたL字型側壁スペーサの利点を示す。
【図12】急速拡散金属を用いたシリサイド成長プロセスを示す。
【図13】傾斜アモルファス化注入と組み合わせられた伝統的な側壁スペーサを有する装置の実施例を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面を有するシリコン含有半導体基体を含む半導体装置であって、前記半導体基体は前記表面近くにトランジスタを有し、前記トランジスタは、前記表面に位置して両側に側壁スペーサを有するゲートを含み、前記ゲートの両側に半導体基体内に形成された拡散領域をさらに含み、前記拡散領域の少なくとも1つは前記半導体基体の表面にシリサイドを有する半導体装置に関する。
【0002】
本発明はさらに、ゲートを備えた表面を有するシリコン含有半導体基体を準備するステップと、前記ゲートの両側に側壁スペーサを形成するステップと、前記ゲートの両側に半導体基体の拡散領域を形成するステップと、半導体基体のシリコンを拡散領域の表面でアモルファス化するためにアモルファス化注入を行うステップと、アモルファス化されたシリコンを金属との相互作用によってシリサイドに変化させるステップと、を含む半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
冒頭のパラグラフに述べられたタイプの半導体装置は、米国特許US6465847 B1号の明細書から知られている。前記半導体装置は、半導電性基板層と、基板層に形成された絶縁層と、絶縁層に形成された半導電性活性領域を含み、活性領域は、ソース、ドレイン並びにソース及びドレインの間の基体を含む。前記半導体装置はさらに、ゲート、ソース、ドレイン及び基体が一体となってトランジスタを形成する方法で基体に形成されたゲートを含む。上記従来の半導体装置はさらに、ソース又はドレインに少なくとも1つのシリサイド領域を含む。シリサイドは、例えば、金属チタンから形成される。シリサイドは、側壁スペーサの下に最大10nm広がる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の半導体装置の欠点は拡散領域(ソース及びドレイン)の直列抵抗が高いことにある。この欠点は、半導体装置の動作に悪影響を与える。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、拡散領域のより低い直列抵抗を有することによって改善された動作を示す冒頭のパラグラフに述べられたタイプの半導体装置を提供することである。
【0006】
この目的を達成するために、冒頭のパラグラフに述べられた半導体装置は、シリサイドが、半導体基体の表面に沿って広がり、側壁スペーサの下に10nmより多く延びることを特徴とする。それによって、拡張領域の直列抵抗はより低くなり、半導体装置の改善された動作をもたらす。
【0007】
本発明に係る半導体装置の実施例では、シリサイドは、形成されたシリサイド中でシリコンより高い拡散率を有する金属を含む。金属のより高い拡散率によって、側壁スペーサの下に十分な距離にわたって広がるようにシリサイドが形成される。
【0008】
シリサイド中で比較的高い拡散率を有する適当な材料は、ニッケル(Ni)、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)を含むグループから選択されても良い。これらの金属の合金もまた適当である。これらの金属は、シリコンと比較して、シリサイド中で比較的高い拡散率という理由で有利である。
【0009】
本発明に係る半導体装置の実施例では、側壁スペーサはL字型である。このL字型側壁スペーサは、ゲートに接し、半導体基体の表面に対してほぼ垂直に広がる第1の部分と、半導体基体の表面に沿って広がる第2の部分を含む。L字型側壁スペーサは、シリサイドが側壁スペーサの下により大きな距離にわたって広がるという利点を有する。
【0010】
L字型側壁スペーサの第2の部分の厚さは、半導体基体の表面に対して垂直方向に測って、好ましくは40nm以下である。
【0011】
本発明に係る半導体装置の実施例では、絶縁層は、半導体基体の表面と平行方向に半導体基体中に広がる。このことは、シリコンオンインシュレータとして当業者に一般に知られている。
【0012】
本発明に係る半導体装置の実施例では、半導体基体はゲルマニウム成分を含む。
【0013】
本発明に係る半導体装置の実施例では、半導体基体は、歪Si層を含む。
【0014】
冒頭のパラグラフで説明されたタイプの半導体装置の製造方法は、米国特許US 6465874B1号の明細書から知られている。その半導体装置の製造方法は、 基板層、活性層及び前記基板層と前記活性層の間に埋め込まれた酸化膜層を含む半導体基体を準備するステップと、誘電層及び導電層を含むゲートを前記半導体基体に形成するステップと、前記ゲートの両側に側壁スペーサを形成するステップと、前記ゲートの片側にソース領域及びドレイン領域を形成するステップと、ソース領域又はドレイン領域にアモルファスシリコンの層を形成するために、アモルファス化注入を行うステップと、ソース領域又はドレイン領域にシリサイド領域を形成するステップと、を含む。
【0015】
従来の方法の欠点は、半導体装置の拡散領域の直列抵抗が高いことにある。この欠点は、半導体装置の動作に悪影響を与える。
【0016】
本発明の目的は、冒頭のパラグラフに述べられたタイプの方法であって、その方法を用いて拡散領域の直列抵抗が低減され得るような方法を提供することである。
【0017】
この目的を達成するために、冒頭のパラグラフに述べられた方法は、本発明によれば、アモルファス化されたシリコンのシリサイドへの変化と形成されたシリサイドでシリコンより高い拡散率を有する金属を利用するように特徴付けられる。このことは、10nm未満の距離にわたって側壁スペーサの下に広がるようにシリサイドが形成されるという利点を有する。結果として、拡散領域の直列抵抗は低減する。
【0018】
本発明に係る方法の実施例は、アモルファス化されたシリコンのシリサイドへの変化とニッケル(Ni)、プラチナ(Pt)及びパラジウム(Pt)を含むグループから選択された金属を利用するように特徴付けられる。これらの金属の合金もまた適当である。これらの金属は、シリコンと比較して、シリサイドで比較的高い拡散率であるという理由で有利である。
【0019】
本発明に係る方法の実施例は、半導体基体の表面の垂線に対する2つの角度のうち小さい方(注入角度とも言われる)が0度より大きくなるように、アモルファス化注入が基板方向に行われるように特徴付けられる。この傾斜注入を用いて、側壁スペーサの下のシリコンのアモルファス化も達成される。結果として、シリサイドは、側壁スペーサの下により大きな距離にわたって形成される。
【0020】
本発明に係る方法の実施例は、ゲートに接し、半導体基体の表面に対してほぼ垂直に広がる第1の部分と、半導体基体の表面に沿って広がる第2の部分を含むL字型となるように側壁スペーサが形成されるように特徴付けられる。L字型側壁スペーサは、側壁スペーサの下のアモルファス領域の範囲を制御可能であるという利点を有する。結果として、シリサイドは、側壁スペーサの下により長い距離にわたって形成される。
【0021】
L字型側壁スペーサの第2の部分は、半導体基体の表面に対して垂直方向に測って、好ましくは、最大40nmの厚さで形成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明に係る半導体装置の製造方法と同様に、本発明の以上の態様及びその他の態様は、図面を参照してより詳細に説明される。
【0023】
図は、スケール通りに描かれておらず、説明目的に過ぎない。
【0024】
任意の参照番号は任意の部分を参照する。代替的な実施例は、特許請求の範囲の保護の範囲内で可能である。
【0025】
図1は、米国特許US6465847B1号の明細書に開示された半導体装置5の断面を図示する。半導体装置5は、酸化膜層15及び活性層20を含むシリコン含有半導体基体10を含む。これら3層は、共に、SOI基板50を形成する。活性層では、絶縁領域25(例えば、シリコン酸化膜で作られた絶縁領域)及び活性領域27が設けられる。活性領域27は、ソース80及びドレイン82を含む。これらは、拡散領域とも言われる。本明細書では、これらの用語は交換可能に用いられる。活性領域27はさらに基体68を含む。ソース80及びドレイン82は、ソースエクステンション84及びドレインエクステンション86も含む。活性層20ではさらに、絶縁層30(例えば、シリコン酸化膜で作られた絶縁層)及びゲート70が設けられる。ゲート70は、導電層32(例えば、ポリシリコンで作られた導電層)及びシリサイド層34(チタニウムシリサイドで作られたシリサイド層)を含む。側壁スペーサ36、38はゲート70の両側にある。ソース80は、ソース80との側部接合部分44及び垂直接合部分62を一般的に有するシリサイド領域92を含む。ソース80は、基体68との接合64を含む。ドレイン82は、一般的には、ドレイン82との側部接合部分46及び垂直接合部分62を有するシリサイド領域92を含む。ドレイン82は、基体68との接合66を有する。
【0026】
シリサイド領域90、92は、後続のステージで、電気的接続が形成され得る表面40、42を有する。このために、一般的には、ビア、コンタクトホール及び導電性ワイヤが利用される。明確にするために、これらの部品は省略されていて、かつ、明細書の後続部分でも省略される。
【0027】
シリサイド領域90、92の特徴は、従来の装置では、側壁スペーサ36、38の下に最大10nmにわたって延びていることである。このシリサイドはソース80及びドレイン82の直列抵抗を低減するので、側壁スペーサ36、38の下のこのシリサイドは、半導体装置5の動作に好ましい効果を有することがわかる。しかしながら、距離が小さ過ぎると、これらの接合64、66を通して大きなリーク電流を導く可能性があるので、一般的には、シリサイド境界面60、62及び基体68と一体になった接合64、66の間の安全距離を作ることが望ましい。
【0028】
図2は、本発明に係る半導体装置105の実施例の断面図である。半導体装置105は、酸化膜層115及び活性層120を含むシリコン含有半導体基体110を含む。これらの3つの層は、共に、SOI基板150を形成する。SOI基板は、本発明を図示するためにのみ用いられる。他の基板も代替可能である。活性層では、絶縁領域125(例えば、シリコン酸化膜で作られた絶縁領域)及び活性領域127が設けられる。活性領域127は、ソース180及びドレイン182を含む。これらは、拡散領域とも言われる。活性領域127はさらに基体168を含む。ソース180及びドレイン182は、ソースエクステンション184及びドレインエクステンション186も含む。活性層120では、絶縁層130(例えば、シリコン酸化膜で作られた絶縁層)がさらに設けられる。ゲート170は、導電層132(例えば、単結晶シリコンで作られた導電層)及びシリサイド層134を含む。導電層132が金属で作られた場合は、シリサイド層134は存在しない。L字型側壁スペーサ136、138はゲート170の両側に存在する。ソース180は、一般的には、ソース180に対する側部接合部分144及び垂直接合部分160を有するシリサイド領域190を含む。ソース180は、基体168に対する接合164を有する。ドレイン182は、一般的には、ドレイン182に対する側部接合部分146及び垂直接合部分162を有するシリサイド領域192を含む。ドレイン182は、基体168に対する接合166を有する。
【0029】
シリサイド領域190、192は、後続のステージで、電気的接続が形成され得る表面140、142を有する。
【0030】
本発明に係る装置のシリサイド領域190、192の特徴は、側壁スペーサ136、138の下にかなりの距離にわたって延びていることである。これらのシリサイド領域136、138はエクステンション194、196を有する。拡散領域180、182の直列抵抗を低減するので、これらのエクステンション194、196は重要である。この図に示されたように、シリサイド境界面160、162と接合164、166の間の距離を低減することなく抵抗の低減が達成される。シリサイドエクステンション194、196は、ソースエクステンション184及びドレインエクステンション186の範囲に含まれ、その結果として、接合164、166を通した基体168に対するリーク電流がなくなる。
【0031】
図3は、製造プロセスのステージにおける半導体装置105の断面図である。このステージでは、シリコン含有半導体基体110が準備される。この実施例では、基板はSOI基板150であるが、代替的に、異なるタイプの基板が用いられても良い。半導体基体は、酸化膜層115及び活性層120を含む。このシリコン含有半導体基体110はさらに表面126を含む。
【0032】
図4は、製造プロセスのステージにおける半導体装置105の断面図である。このステージでは、絶縁領域125及び活性領域127が形成される。活性領域120では、絶縁層130(例えば、シリコン酸化膜で作られた絶縁層)及びゲート170が形成される。ゲート170は導電層132(例えば、単結晶シリコンで作られた導電層)を含む。
【0033】
図5は、製造プロセスのステージにおける半導体装置105の断面図である。このステージでは、浅い注入領域とも言われるソースエクステンション184及びドレインエクステンション186が形成される。このために、例えば、ライトリードープトドレイン(LDD)技術を用いるイオン注入172が用いられ得る。半導体装置105がn導電型(NMOSトランジスタ)の場合、この注入ステップに適したイオンは、とりわけ、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)又はこれらのイオンの組み合わせである。半導体装置105がp導電型(PMOSトランジスタ)の場合、とりわけ、ホウ素(B)が適当に用いられても良い。注入エネルギーは、典型的には、0.1keV〜80keVの範囲にあり、注入ドーズ量は、典型的には、1×1012〜約5×1015atoms/cm2の範囲にある。
【0034】
注入技術に加えて、固相エピタキシー(SPE)技術が、ソースエクステンション及びドレインエクステンションを形成するために代替的に用いられても良い。この技術は、概略的には、アモルファス化注入が、ゲート170の存在によって自己整合的に起こるようにシリコン基体をアモルファス化するステップと、ゲート170の存在によって自己整合的に起こるように注入ドーピングするステップを含む。そのドーピングステップは、n導電型だけでなくp導電型でも良く、低温アニールステップ(約700℃)を用いてシリコンを再結晶化するステップであっても良い。
【0035】
他のソースエクステンション及びドレインエクステンションの製造方法は、とりわけ、プラズマドーピング、プラズマ注入及び気相ドーピングである。詳細については、米国特許US6465847B1号の明細書を参照されたい。
【0036】
図6は、製造プロセスのステージにおける半導体装置105の断面図である。このステージでは、L字型側壁スペーサ136、138が設けられる。このために、様々な技術が用いられ得る。これらの技術の1つは、概略的には、ゲート170の上に薄い酸化膜層を設けるステップと、前記薄い酸化膜層の上面に厚い窒化膜層を設けるステップと、前記窒化膜層にウェット化学選択エッチングを適用し、窒化スペーサを形成するステップと、前記薄い酸化膜層をドライエッチング(例えば、時間選択(time−selective)エッチング)するステップと、ウェット化学エッチングによって前記窒化膜を選択的に除去するステップを含む。
【0037】
前記最後のステップの後に、L字型酸化膜スペーサ136、138は残る。従って、側壁スペーサ136、138は、とりわけ、シリコン酸化膜(SiO2)又はシリコン窒化膜(例えばSi3N4)で作られても良いが、他の材料でも可能である。この明細書の後続部分では、L字型側壁スペーサ136、138は、図11を参照して、より詳細に明らかになる。
【0038】
図7は、製造プロセスのステージにおける半導体装置105の断面図である。このステージでは、深い注入領域180、182が形成される。この明細書では、これらの領域は、以下、ソース180及びドレイン182と言われる。その領域は、例えば、上述の固相エピタキシー(SPE)技術を用いて形成されても良い。ソースエクステンション184及びドレインエクステンション186の形成と似て、このプロセスステップはイオン注入114が必要である。半導体装置がn導電型(NMOSトランジスタ)の場合は、この注入ステップに適当なイオンは、とりわけ、リン(P)及びヒ素(As)である。半導体装置がp導電型(PMOSトランジスタ)の場合は、とりわけ、ホウ素(B)が適当に用いられ得る。注入エネルギーは、典型的には、0.1keV〜100keVの範囲にあり、注入ドーズ量は、典型的には、1×1014〜約1×1016atoms/cm2の範囲にある。さらに詳細な情報は、米国特許US6465847B1号の明細書を参照されたい。
【0039】
図8は、製造プロセスのステージにおける半導体装置105の断面図である。このステージでは、アモルファス化注入116が行われる。このプロセスでは、アモルファスシリコン領域189、191が形成される。これらのアモルファスシリコン領域189、191も側壁スペーサ136、138の下に広がるエクステンション193、195を有する。この明細書の後続部分では、このことがより詳細に明らかになる。アモルファス化注入116を適用することによって、さらに形成されるシリサイド接合がより的確に画定され、加えて、シリサイドの最後のコンタクト抵抗がより低くなるという利点が得られる。
【0040】
アモルファス化注入ステップでは、キセノン(Xe)、アルゴン(Ar)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、インジウム(In)、シリコン(Si)及びゲルマニウム(Ge)を含むグループの元素が利用される。当業者は、この注入に適当に用いられ得る他の元素又は化合物を容易に発見するであろう。これらの変形例は全て、本発明の範囲内に収まる。注入エネルギーは、典型的には、0.1keV〜100keVの範囲にあり、注入ドーズ量は、典型的には、4×1013〜約1×1016atoms/cm2の範囲にある。
【0041】
アモルファス化注入116の間、導電層132も部分的にアモルファス化される(これは、明確にするため図示されていない)。必要な場合は、いわゆるゲート状のキャップ層(170)によって、導電層132のアモルファス化が除去されても良い。
【0042】
アモルファス化注入116は、好ましくは、角度H1で行われる。角度H1は、SOI基板150の表面126の垂線Nに対して画定される。結果として、エクステンション193、195は、プロセスにおいて後続のシリサイド形成に好ましい効果を有するようなより大きな距離にわたって側壁スペーサ136、138の下に形成される。この態様は、明細書の後続部分でより詳細に取り扱われる。
【0043】
一般的には、互いに直交するような、半導体基体110のトランジスタの2つの配置が可能である。この理由は、全ての側壁スペーサ36、138の下のシリコンをアモルファス化するために、アモルファス化注入116の間、SOI基板150が4回90度回転するからである。
【0044】
図9は、製造プロセスのステージにおける半導体装置105の断面図である。このステージでは、金属層118の層が、ソース180、ドレイン182、ゲート170及び側壁スペーサ136、138に設けられる。金属118は、ニッケル(Ni)、プラチナ(Pt)及びパラジウム(Pd)を含むグループから選択されても良い。これらの金属の合金でも良い。
【0045】
金属層118の堆積は、例えば、スパッタリングによって行われても良い。シリサイド領域190、192(図10参照)は、ここでは、ソース180及びドレイン182の露出した表面140、142と金属118を反応させることによって形成され得る。このために、様々なシリサイド化技術が用いられ得る。急速加熱アニール(RTA)は用いられ得る技術の1つである。急速加熱アニールでは、短時間(0(最初のスパイク)〜120秒)に温度が上昇する。この上昇温度は、典型的には、200℃〜600℃の範囲にある。もちろん、他の加熱時間及び温度でも可能である。
【0046】
最終的にシリサイドに変化されなければならない金属118は、ソース180及びドレイン182の結晶シリコンを介するよりも、アモルファス化シリコン領域189、191を介した方が非常に容易に拡散し得る。接合144、146は、言わば、金属118に対する拡散障壁を形成する。このシリサイド領域190、192(図10参照)の的確な画定は、拡散領域180、182の接合164、166から離れて広がり得ることを防ぐ必要がある。この場合、拡散領域180、182から基体168に対するリーク電流が生ずる。
【0047】
最終製造物には、アモルファス化シリコンがあってはならない。アモルファス化シリコンをまだ含む場合は、問題を生ずる可能性がある。いかなる残留アモルファス化シリコンも、追加のアニールステップを用いて除去され得る。
【0048】
図10は、製造プロセスのステージにおける半導体装置105の断面図である。このステージでは、シリサイド領域190、192、134が形成される。加えて、シリサイドが、エクステンション194、196の形成において側壁スペーサ136、138の下に成長した。金属118(図9参照)がニッケル(Ni)、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)を含むグループから選択される場合、この成長は十分に促進される。これらの金属の合金も可能である。この場合の重要な態様は、形成されたシリサイド中の金属/合金がシリコンより高い拡散率を有することである。
【0049】
当業者は、前述の特性を有するより多くの金属又はより多くの化合物を容易に発見する。これらの変形例の全ては本発明の範囲内に収まる。
【0050】
エクステンション194、196は、半導体装置の動作を十分に改善するように、ソース180及びドレイン182の直列抵抗を著しく低減する。
【0051】
本発明の他の目的は、拡散領域180、182から基体168に対するリーク電流の増加もなく、側壁スペーサ136、138の下により大きな距離を超えて形成されるシリサイドに関する。エクステンション194、196は、ソースエクステンション184及びドレインエクステンション186の範囲内である。
【0052】
図11は、傾斜アモルファス化注入との組み合わせにおけるL字型側壁スペーサ136、138の利点を示す。この図は、製造プロセスのステージにおいて、側壁スペーサ136の位置での倍尺で半導体基体105を図示する。このエクステンションは製造プロセスの後続部分でシリサイド194の位置を順番に決定するので、本発明の重要な態様は、アモルファス化領域193のエクステンションが制御された方法で設けられるという事実に基づく。
【0053】
エクステンション193の寸法は正確に決定され得る。エクステンション193の境界面500の位置は、とりわけ、側壁スペーサ136の第1の部分の厚さD1及び注入角度H1によって決定される。注入は常に基板150方向に生じるので、注入角度H1は、半導体基体110の表面126の垂線Nに対する2つの角度のうち小さい方である。
【0054】
イオン116は、表面126に対して垂直方向に規則的であるので、側壁スペーサ136の第1の部分を介して貫通し得ない。実例として、側壁スペーサ136の第1の部分の下でアモルファス化が行われないので、(実質的には)プロセスにおける後続部ではシリサイドが形成されないような直角(すなわち、注入の角度H1が0°である)での注入がある。
【0055】
エクステンションの厚さD3は、注入の角度H1と組み合わせたアモルファス化注入116の注入エネルギーだけでなく、L字型側壁スペーサ136の第2の部分の厚さD2に依存する。アモルファス化注入116の他の効果が低過ぎるので、L字型スペーサ136の厚さD2は、好ましくは、40nm以下である。本発明に係る半導体装置105の実施例では、第2の部分は5〜20nmの厚さD2を有する。
【0056】
アモルファス化領域がL字型側壁スペーサ136の第1の部分のエッジ405に対して広がる追加の距離A1は、注入角度H1によって、明白に決められる。製造プロセスの過程で、この角度H1が非常に正確に決められ得るので、境界面500の位置も非常に正確に決められ得る。上記のように、注入の角度H1は、微調整するように用いられ得る。側壁136の寸法D1、D2も、製造プロセスの間、正確に決定され得る。当業者は、上記のように、アモルファス化注入イオンが着陸する場所を正確に決め、その結果、シリサイドが最終的に被着する場所も決めるために、パラメータD1、D2及びH1を使うことができる。
【0057】
L字型側壁スペーサ136の他の利点は、0℃ではない角度H1での注入の場合であっても、アモルファス化シリコンと単結晶シリコンの間の接合部分515が、表面126に対してほぼ平行に続くことにある。側壁スペーサが従来の構造体を有する場合は、この接合部分515は、斜めに位置する。注入エネルギーが高過ぎる場合は、シリサイド化の後に拡散領域180、182から基体168に対する好ましくないリーク電流を導くことがあるくらいに、この接合面は接合164に接近し過ぎるか、場合によっては接合164を越える可能性がある。
【0058】
図12は、急速拡散金属が用いられる場合のシリサイド成長プロセスを示す。この図は、シリサイド190の形成の間の半導体装置105を示す。このステージでは、金属118は、まだ、ソース180、ドレイン182、ゲート170及び側壁スペーサ136、138上にある。金属118は、好ましくは、ニッケル(Ni)、プラチナ(Pt)及びパラジウム(Pd)から成るグループから選択される。これらの金属の合金でも可能である。ここでの重要な態様は、この金属又はこの合金が、シリコンよりも形成されたシリサイド中の方で高い拡散率を有することである。この特性の結果として、シリサイド190の下方成長率600は、上方成長率620より十分に高くなる。加えて、側壁スペーサ136の下のシリサイドエクステンション194の成長率610も高いので、アモルファス化シリコン193の全ては、最終的にはシリサイド194に変化する。シリサイド190、194の形成の間、金属層118が消費される。いかなる残留物も、製造プロセスの後続ステージで除去されなければならない。このために、従来の技術が用いられ得る。
【0059】
例えば、ニッケルが金属118として用いられる場合は、表面140は、SOI基板150の表面126に対してわずかに上昇する。実例として、ニッケルシリサイドが22nmの厚さで成長する場合は、そのうち約4nmが、最初の半導体基体110の表面126の上に位置する。
【0060】
加えて、シリサイド層134はゲート170上に形成される。この場合も、下方成長率630は上方成長率640より高い。
【0061】
図13は、注入角度H2でアモルファス化注入216と組み合わさられた従来の側壁スペーサ236を有する半導体装置205の実施例を倍尺で図解する。半導体装置205の製造方法はアモルファス化注入ステージである。
【0062】
実例として、この場合も、SOI基板250は、酸化膜層215及び活性層210を含む対応するシリコン含有半導体基体210を有する。絶縁領域225及び活性領域227は、活性層220中にも設けられる。絶縁層230(例えば、シリコン酸化膜で作られた絶縁層)及びゲート270は、既に活性層220に形成された。このゲート270は、導電層232(例えば、単結晶シリコンで作られた導電層)を含む。側壁スペーサ236、浅い注入領域284及び深い注入領域280も既に形成された。
【0063】
この場合も、アモルファス化注入は、0°以上の注入の角度H2で行われる。注入の角度H2は、SOI基板250の表面226の垂線Nに対する2つの角度のうち小さい方である。結果として、アモルファス化領域289は、一定の距離A2だけ側壁スペーサ236の下に広がる。この距離A2は、注入の角度H2が0°に等しいとした場合よりも大きい。しかしながら、ソース280から基体268に対する他のリーク電流が大きくなり過ぎるので、一定の距離A3はアモルファス領域と接合264の間にしなければならない。注入の最大角度H2は、上記のように、L字型側壁スペーサ136の場合の注入の最大角度H1(図11参照)より小さい。
【0064】
全ての図はスケール通りに描かれていない。全ての図は、本発明にかかる実施例及びその技術的背景を明らかにする機能を果たす。実際は、境界面/接合部分の形状は、図に示されたものとは異なっても良い。もちろん、全ての当業者が新しい実施例を着想できる。しかしながら、これらの実施例は、特許請求の範囲の保護の範囲に収まる。
【0065】
例えば、単一ゲート構造の代わりに、二重又は多重ゲート構造を製造することができる。
【0066】
加えて、L字型側壁スペーサの場合は、例えば、従来の形状を再び得られるように、側壁スペーサを窒化膜で充填することができる。好ましくは、これは、アモルファス化注入の後に行われる。側壁スペーサの充填は、半導体装置の最上部への他の層(例えば、酸化膜層)の適用をより容易にするという利点を有する。
【0067】
図では、実例として、SOI基板が用いられたが、本発明は、バルク基板、歪Si基板及びゲルマニウム成分含有基板も適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】従来の半導体装置の断面図である。
【図2】本発明に係る半導体装置の実施例の断面図である。
【図3】製造プロセスの異なるステージにおける半導体装置の断面図である。
【図4】製造プロセスの異なるステージにおける半導体装置の断面図である。
【図5】製造プロセスの異なるステージにおける半導体装置の断面図である。
【図6】製造プロセスの異なるステージにおける半導体装置の断面図である。
【図7】製造プロセスの異なるステージにおける半導体装置の断面図である。
【図8】製造プロセスの異なるステージにおける半導体装置の断面図である。
【図9】製造プロセスの異なるステージにおける半導体装置の断面図である。
【図10】製造プロセスの異なるステージにおける半導体装置の断面図である。
【図11】傾斜アモルファス化注入を組み合わせられたL字型側壁スペーサの利点を示す。
【図12】急速拡散金属を用いたシリサイド成長プロセスを示す。
【図13】傾斜アモルファス化注入と組み合わせられた伝統的な側壁スペーサを有する装置の実施例を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面を有するシリコン含有半導体基体を含む半導体装置であって、前記半導体基体は、前記表面の近くにトランジスタを有し、前記トランジスタは、前記表面に位置して両側に側壁スペーサを有するゲートを含み、前記ゲートの両側に前記半導体基体に形成された拡散領域をさらに含み、拡散領域の少なくとも1つは、シリサイドを有する前記半導体基体の前記表面に設けられ、前記シリサイドは、前記半導体基体の前記表面に沿って広がり、前記側壁スペーサの下に10nmより多く延びることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置であって、前記シリサイドは、形成された前記シリサイドでシリコンよりも高い拡散率を有する金属を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項2に記載の半導体装置であって、前記金属は、ニッケル(Ni)、プラチナ(Pt)及びパラジウム(Pd)を含むグループ並びにこれらの金属の合金から選択されることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1に記載の半導体装置であって、前記側壁スペーサは、L字型であって、ゲートに接して前記半導体基体の表面に対してほぼ垂直に広がる第1の部分及び前記半導体基体の表面に沿って広がる第2の部分を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体装置であって、前記L字型側壁スペーサの前記第2の部分は、前記半導体基体の前記表面に対して垂直方向に測って最大40nmの厚さ(D2)を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1に記載の半導体装置であって、絶縁層が、前記半導体基体の前記表面と平行方向に前記半導体基体に広がることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項1に記載の半導体装置であって、前記半導体基体はゲルマニウム成分を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項1に記載の半導体装置であって、前記半導体基体は歪Si層を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法であって、
ゲートを備えた表面を有するシリコン含有半導体基体を準備するステップと、
前記ゲートの両側に側壁スペーサを形成するステップと、
前記ゲートの両側に前記半導体基体の拡散領域を形成するステップと、
前記半導体基体のシリコンを前記拡散領域の表面でアモルファス化するためにアモルファス化注入を行うステップと、
金属との相互作用によってアモルファス化された前記シリコンをシリサイドへ変化させるステップを含み、
アモルファス化された前記シリコンのシリサイドへの変化に対して、前記シリサイドでシリコンより高い拡散率を有する金属が用いられることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、前記金属は、ニッケル(Ni)、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)を含むグループ及びこれらの金属の合金から選択されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項9に記載の方法であって、前記アモルファス化注入の角度(H1、H2)は0度より大きいことを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項9に記載の方法であって、前記側壁スペーサは、L字型になるように形成され、前記ゲートに接して前記半導体基体の前記表面に対してほぼ垂直に広がる第1の部分及び前記半導体基体の前記表面に沿って広がる第2の部分を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記L字型側壁スペーサの前記第2の部分は、前記半導体基体の前記表面に対して垂直方向に測って最大40nmの厚さ(D2)で形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項1】
表面を有するシリコン含有半導体基体を含む半導体装置であって、前記半導体基体は、前記表面の近くにトランジスタを有し、前記トランジスタは、前記表面に位置して両側に側壁スペーサを有するゲートを含み、前記ゲートの両側に前記半導体基体に形成された拡散領域をさらに含み、拡散領域の少なくとも1つは、シリサイドを有する前記半導体基体の前記表面に設けられ、前記シリサイドは、前記半導体基体の前記表面に沿って広がり、前記側壁スペーサの下に10nmより多く延びることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置であって、前記シリサイドは、形成された前記シリサイドでシリコンよりも高い拡散率を有する金属を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項2に記載の半導体装置であって、前記金属は、ニッケル(Ni)、プラチナ(Pt)及びパラジウム(Pd)を含むグループ並びにこれらの金属の合金から選択されることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1に記載の半導体装置であって、前記側壁スペーサは、L字型であって、ゲートに接して前記半導体基体の表面に対してほぼ垂直に広がる第1の部分及び前記半導体基体の表面に沿って広がる第2の部分を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体装置であって、前記L字型側壁スペーサの前記第2の部分は、前記半導体基体の前記表面に対して垂直方向に測って最大40nmの厚さ(D2)を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1に記載の半導体装置であって、絶縁層が、前記半導体基体の前記表面と平行方向に前記半導体基体に広がることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項1に記載の半導体装置であって、前記半導体基体はゲルマニウム成分を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項1に記載の半導体装置であって、前記半導体基体は歪Si層を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法であって、
ゲートを備えた表面を有するシリコン含有半導体基体を準備するステップと、
前記ゲートの両側に側壁スペーサを形成するステップと、
前記ゲートの両側に前記半導体基体の拡散領域を形成するステップと、
前記半導体基体のシリコンを前記拡散領域の表面でアモルファス化するためにアモルファス化注入を行うステップと、
金属との相互作用によってアモルファス化された前記シリコンをシリサイドへ変化させるステップを含み、
アモルファス化された前記シリコンのシリサイドへの変化に対して、前記シリサイドでシリコンより高い拡散率を有する金属が用いられることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、前記金属は、ニッケル(Ni)、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)を含むグループ及びこれらの金属の合金から選択されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項9に記載の方法であって、前記アモルファス化注入の角度(H1、H2)は0度より大きいことを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項9に記載の方法であって、前記側壁スペーサは、L字型になるように形成され、前記ゲートに接して前記半導体基体の前記表面に対してほぼ垂直に広がる第1の部分及び前記半導体基体の前記表面に沿って広がる第2の部分を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記L字型側壁スペーサの前記第2の部分は、前記半導体基体の前記表面に対して垂直方向に測って最大40nmの厚さ(D2)で形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2007−524242(P2007−524242A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553735(P2006−553735)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【国際出願番号】PCT/IB2005/050527
【国際公開番号】WO2005/083769
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【国際出願番号】PCT/IB2005/050527
【国際公開番号】WO2005/083769
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
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