説明

情報処理装置、方法、プログラム、及び情報配信システム

【課題】ユーザが所定の情報をダウンロードする際に、ユーザの認証を厳重にすると共に、ユーザがダウンロードした所定の情報をユーザ所有の情報処理装置以外の情報処理装置で使用するのを抑制できる技術の提供を課題とする。
【解決手段】メール受信手段201と、ユーザ登録手段202と、地図情報等を記憶する記憶手段204と、バージョン番号、及びナビゲーション装置の識別情報を含む第2認証キーファイルを生成する第2認証キーファイル生成手段203と、受信した電子メールの差出人欄に含まれる電子メールアドレスと、登録されている電子メールアドレスとが一致するか否かを判定し、一致する場合にユーザであることを認証するユーザ認証手段205と、ユーザPC300が記憶手段204にアクセスし、地図情報等をダウンロードするのを許可するダウンロード許可手段206と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、方法及びプログラム、情報配信システムに関し、特にナビゲーション装置に好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置は、各種の記憶媒体から地図データ、地図上の地点を示す地点データ等を読み出し、経路誘導の目的地とする。このため、ナビゲーション装置は、通常、着脱可能な記憶媒体、例えばSDカード(Secure Digital Memory Card)へのアクセス装置を有している。
【0003】
一方、ナビゲーション装置で使用する記憶媒体、例えばSDカードの販売方法は、一般的に、ナビゲーション装置の販売元がナビゲーション装置に同梱して販売する方法、地図情報が更新された場合にナビゲーション装置とは別個に更新版の地図情報を記憶してパッケージ販売する方法、更新版の地図情報を地図配信サーバからインターネットを介してユーザに配信し、これをユーザに端末蔵置、例えばPC(パソコン)でダウンロードしてもらうことにより販売する方法(ダウンロードした地図情報はSDカードに書き込む)が知られている。
【0004】
従来、ナビゲーション装置のユーザが、PCを用いて地図配信サーバから地図情報をダウンロードする場合、ナビゲーション装置の製造メーカ又は販売元が設置した地図配信サーバのウェブサイトにアクセスし、ユーザ認証画面上でパスワード等を入力することによりユーザの認証を受けて、地図情報をダウンロードするのが一般的であった。
【特許文献1】特開2002−350155号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、ナビゲーション装置のユーザ以外の者がユーザのパスワードを盗用するなどしてユーザ認証画面に入力した場合、ユーザ以外の者に地図情報のダウンロードを許可してしまうおそれがあった。また、ユーザがダウンロードした地図情報をユーザが所有するナビゲーション装置以外のナビゲーション装置によって使用されるおそれがあった。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みなされたもので、ユーザが地図情報をダウンロードする際にユーザの認証を厳重にすると共に、ユーザがダウンロードした地図情報をユーザが所有するナビゲーション装置以外のナビゲーション装置で使用するのを抑制できる技術の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
すなわち、本発明は、所定の情報処理を所有するユーザの携帯端末装置から送信された電子メールを受信するメール受信手段と、前記ユーザの前記携帯端末装置の電子メールアドレスを登録するユーザ登録手段と、前記所定の情報処理装置の所定の情報を記憶する記憶手段と、前記ユーザの前記携帯端末装置から前記電子メールを受信した際に、受信した前記電子メールの差出人欄に含まれる前記電子メールアドレスと、前記登録されている前記電子メールアドレスとが一致するか否かを判定し、一致する場合に前記ユーザであることを認証するユーザ認証手段と、前記ユーザ認証手段が前記ユーザを認証した際に、前記ユーザの端末装置が前記記憶手段にアクセスして、前記所定の情報をダウンロードするの
を許可するダウンロード許可手段と、を備える。
【0008】
本発明によれば、所定の情報処理装置を所有するユーザの携帯端末装置の電子メールアドレスを予め登録し、ユーザの携帯端末装置から電子メールを受けた際に、この電子メールの差出人欄に含まれる電子メールアドレスと登録されている電子メールアドレスとが一致するか否かを判定し、一致したときにユーザであることを認証し、ユーザの端末装置が記憶手段にアクセスして所定の情報をダウンロードするのを許可する。このように、通常、ユーザが常時携帯しユーザ以外の者は殆ど使用することのないユーザの携帯端末装置から受信した電子メールの差出人欄に含まれる電子メールアドレスを用いてユーザの認証を行うことにより、従来のように、単に情報配信サーバのユーザ認証画面にパスワードの入力を受けてユーザを認証する場合に比べて、ユーザの認証を厳重にできる。これにより、ユーザ以外の者が所定の情報をダウンロードするのを抑制できる。なお、ユーザ登録は、端末装置を用いて情報配信サーバのウェブサイト上で、ユーザ携帯端末装置の電子メールアドレスを入力することにより行うようにできる。また、所定の情報をダウンロードする時に行うユーザの認証は、情報配信サーバのウェブサイト上でユーザの携帯端末装置の電子メールアドレスを入力することによって行うこともできる。
【0009】
ここで、前記電子メールには、前記所定の情報処理装置毎に個別に付与された識別情報を含み、前記ユーザ登録手段は前記電子メールを受信した際に、前記電子メールアドレスに関連付けて前記識別情報を登録する構成にできる。この構成によれば、ユーザの所有する情報処理装置を容易に認識できる。
【0010】
また、本発明は、(1)所定の情報処理を所有するユーザの携帯端末装置であって、前記所定の情報処理装置に表示され情報配信サーバの電子メールアドレスを含む二次元コードを読み取る二次元コードを読み取り、前記二次元コードに含まれる前記電子メールアドレスに電子メールを送信するユーザ携帯端末装置から送信された電子メールを受信するメール受信手段と、前記ユーザが所有する前記携帯端末装置の電子メールアドレスを登録するユーザ登録手段と、前記所定の情報処理装置用の所定の情報を記憶する記憶手段と、前記ユーザの前記携帯端末装置から前記電子メールを受信した際に、受信した前記電子メールの差出人欄に含まれる前記電子メールアドレスと、前記登録されている前記電子メールアドレスとが一致するか否かを判定し、一致する場合に前記ユーザであることを認証するユーザ認証手段と、前記ユーザ認証手段が前記ユーザであることを認証した際に、前記ユーザの端末装置が前記記憶手段にアクセスして、前記所定の情報をダウンロードするのを許可するダウンロード許可手段と、を備える情報配信サーバと、(2)前記情報配信サーバと通信する通信手段と、前記情報配信サーバから前記所定の情報をダウンロードするダウンロード手段とを備えるユーザ端末装置と、を備える。
【0011】
本発明によれば、ユーザの携帯端末装置が所定の情報処理装置に表示される二次元コードを読み取ることにより、この二次元コードに含まれる情報配信サーバの電子メールアドレスを取得し、取得した情報配信サーバの電子メールアドレスに電子メールを送信できる。また、情報配信サーバは、ユーザの携帯端末装置から電子メールを受けることにより、ユーザの認証を厳重にできる。また、ユーザの端末装置は、情報配信サーバから所定の情報をダウンロードして記憶媒体に書き込むことができる。
【0012】
また、本発明は、情報処理装置毎に付与された識別情報、及び所定の情報が記憶されている記憶媒体を着脱自在に装着する記憶媒体装着手段と、前記識別情報を記憶する記憶手段と、前記記憶媒体に記憶されている前記識別情報と、前記記憶手段に記憶されている前記識別情報とを比較照合する照合判定手段と、前記照合判定手段が、前記記憶媒体に記憶されている前記識別情報と前記記憶手段に記憶されている前記識別情報とが一致すると判定したときに、前記記憶媒体に記憶されている前記所定の情報を表示し、一致しないと判
定したときに前記地図情報を表示しない表示手段と、を備える。
【0013】
本発明によれば、情報処理装置毎に付与された識別情報を記憶手段に記憶すると共に、情報処理装置に着脱自在に装着された記憶媒体に識別情報を記憶しておき、両方の識別情報が一致したときにのみ記憶媒体に記憶されている所定の情報を表示するので、この記憶媒体を他の情報処理装置によって使用されるのを抑制できる。
【0014】
また、本発明は、コンピュータが以上のような処理を実行する方法であってもよい。また、本発明は、コンピュータに、以上の機能を提供するプログラムであってもよい。また、本発明は、そのようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体であってもよい。
【0015】
ここで、コンピュータが読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータから読み取ることができる記録媒体をいう。
【0016】
このような記録媒体のうちコンピュータから取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R/W、DVD、DAT、8mmテープ、メモリカード等がある。
【0017】
また、コンピュータに固定された記録媒体としてハードディスクやROM(リードオンリーメモリ)等がある。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、所定の情報処理装置のユーザが所定の情報をダウンロードする際に、ユーザの認証を厳重にできるので、ユーザ以外の者が所定の情報をダウンロードするのを抑制できる。また、ユーザがダウンロードした所定の情報を記憶した記憶媒体を、識別情報の異なる他の情報処理装置で使用されるのを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という)に係る情報処理技術について説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成には限定されない。
【0020】
<ナビゲーション装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置(情報処理装置)1の外観図である。なお、ナビゲーション装置としては、例えば富士通テン株式会社のAVN(登録商標。Audio Visual Navigation)等の車載用ナビゲーション装置がある。但し、本発明は、例えば携帯型のナビゲーション機能を有する電子機器等、車載して利用できるものであれば如何なる電子機器にも適用可能である。本実施形態に係るナビゲーション装置1は、2DIN(Deutsche Industrie Normen)の本体・モニタ一体型ナビゲーション装置であり、車両の現在地や目的地までの経路の案内等を行うカーナビゲーション機能や、各種オーディオ/ビジュアル(以下、AVという)コンテンツの再生機能、放送波を受信する機能等を有している。ナビゲーション装置1は、運転席や助手席の乗員の手が届きやすいダッシュボードの中央付近に設置された状態で使用されるものであり、メインユニット2とディスプレイユニット3とで構成されている。
【0021】
図2は、ナビゲーション装置1の構成図である。メインユニット2は、電子部品類で構成されており、ブレーキ検知部4、リバース検知部5、携帯式プレーヤインターフェース
6、放送波受信部7、外部音声/映像入力部8、GPS情報受信部9、車速検知部10、カメラ映像入力部11、アンプ12、開閉制御部13A、角度制御部13B、角度センサ14、モータ15、CDドライブ16、カードメモリインターフェース17、リセットボタン18、ジャイロセンサ19、制御部20が内蔵されている。ディスプレイユニット3は、主に、車両の乗員に対して各種の情報を映像で表示するとともに、ユーザ操作を受け付ける役割を司るデバイス類で構成されており、タッチパネル21、表示処理部22、操作受付部23、操作ボタン24、赤外線受/発光部25を内蔵している。
【0022】
以下、メインユニット2の構成について説明する。ブレーキ検知部4は、車両のパーキングブレーキがかけられているか否かを検知し、これを制御部20に通知する。ブレーキ検知部4は、パーキングブレーキレバー(あるいはペダル)の動きと連動してオンオフするスイッチの通電状態により、ブレーキの状態を検知する。ブレーキ検知部4は、このスイッチの通電状態を、端子26Aを介して電気的に検知する。
【0023】
リバース検知部5は、車両の変速レバーがリバース(後進)になっているか否かを検知し、これを制御部20に通知する。リバース検知部5は、変速レバーと連動して動くスイッチのオンオフにより、変速レバーの状態を検知する。リバース検知部5は、このスイッチの通電状態を、端子26Bを介して電気的に検知する。
【0024】
携帯式プレーヤインターフェース6は、音楽等を再生する携帯式のプレーヤ(例えば、iPod(登録商標))と双方向通信を行うためのインターフェースである。携帯式プレーヤインターフェース6は、このような携帯式のプレーヤが外部接続されると双方向通信を開始し、プレーヤから送られるオーディオ信号を制御部20へ送り、制御部20から送られる再生開始や曲送り等の制御信号をプレーヤへ送る。携帯式プレーヤインターフェース6は、端子26Cに接続されるコードを介してプレーヤと通信を行う。
【0025】
放送波受信部7は、ワンセグチューナ(「ワンセグ」は商標登録出願中)、AMチューナ(AM:Amplitude Modulation)、及びFMチューナ(FM:Frequency Modulation)で構成される回路である。放送波受信部7は、制御部20からの制御信号に応じてチューナの受信状態を制御し、端子26Dに接続されるアンテナが受信した電波の信号を制御部20へ送る。
【0026】
外部音声/映像入力部8は、端子26Eに接続されるビデオ/オーディオ機器からのコンポジット映像信号や音声信号を受け付け、これを制御部20へ送る回路である。
【0027】
GPS情報受信部9(GPS:Global Positioning System)は、端子26Fに接続されるGPSアンテナが受信したGPS衛星からの電波の信号を受信し、受信した信号を制御部20へ送る。周知のように、GPSは、地球を周回する多数のGPS衛星のうち少なくとも3つ以上の衛星からの電波に基づいて車両の位置を測位するシステムである。GPS情報受信部9は、地球を周回するこれらGPS衛星の電波の信号を処理する。GPS情報受信部9によって受信されたGPS衛星からの信号は、カーナビゲーションに用いられる。
【0028】
車速検知部10は、車軸の回転角に応じて発生する車速パルス信号を検知し、これを制御部20へ送る回路である。車速検知部10が検知する車速パルス信号は、車速センサまたは車両のエンジンやブレーキを制御する電子制御ユニットから出力されるステップ状の車速パルス信号であり、単位時間当たりのパルス数から車両速度を割り出す際に用いられる。単位時間当たりのパルス数が増えていれば車両が加速しており、減っていれば車両が減速していることになる。車両の速度と車速パルスとの相関関係は、車両を製造するメーカや車種、装着される車輪の大きさや空気圧等に応じて変化する。このため、制御部20
では、GPSによる測位結果に基づいて算出される車両の移動距離とその間を走行する間に検知されたパルス数との相関から、車両の速度と車速パルスとの相関関係が適宜更新される。車速検知部10は、電子制御ユニットから出力される車速パルス信号を、端子26Gを介して電気的に検知する。
【0029】
カメラ映像入力部11は、車両の後方を撮影するビデオカメラであるバックアイカメラからの映像信号を受け付け、制御部20へ送る回路である。すなわち、カメラ映像入力部11は、リバース検知部5が車両のリバースを検知した際、端子26Hに接続されているビデオカメラからの映像信号を制御部20へ送る。
【0030】
アンプ12は、制御部20から車室内に設置されるスピーカへ送られる音声信号を増幅する回路である。アンプ12は、制御部20からの制御信号に応じて増幅率を任意に変更可能である。
【0031】
開閉制御部13Aは、ディスプレイユニット3の開閉動作を行う回路である。開閉制御部13Aは、制御部20からの制御信号に応じてモータ15を制御したり、角度センサ14からの信号を処理したりすることにより、ディスプレイユニット3を開閉する。図3は、制御部20からの制御信号を受けた開閉制御部13Aがモータ15を制御することにより実現するディスプレイユニット3の開閉動作を示したものである。開閉制御部13Aは、図3に示すように、ディスプレイユニット3の姿勢を三段階に調整することが可能であり、CDドライブ16(CD:Compact Disc)の挿入口を閉じた「クローズ」状態、CDドライブ16のCD挿入口27を開いた「セミオープン」状態、及びカードメモリインターフェース17のカード挿入口28やリセットボタン18を開いた「フルオープン」状態を実現する。ディスプレイユニット3の姿勢が「クローズ」状態の場合、CD挿入口27やカード挿入口28、リセットボタン18はディスプレイユニット3に隠れた状態である。また、ディスプレイユニット3の姿勢が「セミオープン」状態の場合、カード挿入口28やリセットボタン18がディスプレイユニット3に隠れ、CD挿入口27がナビゲーション装置1の正面からアクセス可能な状態になる。また、ディスプレイユニット3の姿勢が「フルオープン」状態の場合、CD挿入口27、カード挿入口28、及びリセットボタン18がナビゲーション装置1の正面からアクセス可能な状態になる。
【0032】
角度制御部13Bは、ディスプレイユニット3の角度調整を行う回路である。角度制御部13Bは、開閉制御部13Aと同様、制御部20からの制御信号に応じてモータ15を制御したり、角度センサ14からの信号を処理したりすることにより、ディスプレイユニット3の角度を調整する。なお、ディスプレイユニット3の角度とは、ナビゲーション装置1の左右方向に伸びる軸を中心とする、メインユニット2の正面とディスプレイユニット3の正面(すなわち、タッチパネル21の表面)との相対的な角度である。図4は、角度制御部13Bが実現するディスプレイユニット3の角度調整状態を示したものである。角度制御部13Bは、図4に示すように、ディスプレイユニット3の仰角を多段階に調整してチルトアップすることが可能である。
【0033】
角度センサ14は、ディスプレイユニット3の角度を検知するセンサであり、検知した角度を電気信号で開閉制御部13Aへ通知する。モータ15は、ディスプレイユニット3の角度を調整するモータであり、ディスプレイユニット3の上端を上下に動かしたり、ディスプレイユニット3の下端を前後に動かしたりする。開閉制御部13Aおよび角度制御部13Bは、制御部20からの制御信号を受けると、角度センサ14で検知されるディスプレイユニット3の角度と制御信号に基づいて決定される角度の目標値との差を割り出し、角度センサ14で検知されるディスプレイユニット3の角度が制御目標値と一致するようにモータ15をフィードバック制御する。
【0034】
CDドライブ16は、音楽等のオーディオコンテンツが記録されたCDを読み取って再生する光ディスク読取装置であり、光ピックアップレンズや発光素子、ディスク駆動モータ等で構成されている。
【0035】
カードメモリインターフェース17は、記憶保持動作が不要な不揮発性の半導体メモリカードを読み書きするメモリカードリーダライタである。カードメモリインターフェース17に挿入されるメモリカードは、4GB程度の記憶容量を有しており、高速道路や一般道等の道路情報、テーマパーク、ガソリンスタンドといった各種施設に関する地点情報(以降、POI(Point Of Interest)データとも表記)等を含む地図データ、並びに電話番号や施設名称等のデータが記録されている。制御部20は、メモリカードに記録されている地図データにアクセスすることでカーナビゲーションのルート検索等の諸機能を実現する。本実施形態では、メモリカードとしてSDカード(Secure Digital Memory Card)を使用する場合について説明する。
【0036】
ジャイロセンサ19は、メインユニット2に内蔵される2軸ジャイロセンサである。ジャイロセンサ19は、GPS衛星からの電波をGPS情報受信部9が受信できない時でも車両の測位を可能にするためのものである。なお、GPS衛星からの電波を受信できない時の車両の位置は、制御部20により、車速検知部10が検知する車両速度とジャイロセンサ19が検知する車両の進行方向とに基づいて算出される。
【0037】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等で構成されている。制御部20は、車両のアクセサリー電源がオンになると、ROMに記録されたコンピュータプログラムを実行し、カードメモリインターフェース17に挿入されたメモリカードのデータやRAMに格納されているデータ等を使って各種機能を実現する。制御部20が実現する各種機能の詳細については後述する。
【0038】
次に、ディスプレイユニット3を構成する各構成要素について説明する。タッチパネル21は、カラー液晶ディスプレイとタッチセンサとを組み合わせたGUI(Graphical User Interface)であり、7.0インチのEGA(Enhanced Graphics Adapter)型液晶ディスプレイで画面を表示すると共に、画面に表示されたアイコン等が押されるとタッチセンサがこれを検知する。
【0039】
表示処理部22は、タッチパネル21の液晶ディスプレイに表示する画面を描画処理する回路である。表示処理部22は、制御部20から送られる映像信号に基づき、液晶ディスプレイに格子状に均等配列された薄膜トランジスタを駆動することで、タッチパネル21の画面を描画する。
【0040】
操作受付部23は、タッチパネル21へのタッチ操作をタッチセンサが感知すると、タッチされた画面上の位置を特定し、操作された位置の情報を制御部20へ送る。
【0041】
操作ボタン24は、タッチパネル21にアイコン表示されるボタンではなく、機械的なボタンであり、図1等に示すように、タッチパネル21の下に配置される操作用の押しボタン式スイッチである。操作ボタン24は、ディスプレイユニット3の左側から順に、開閉ボタン、現在地ボタン、音量調整ボタンで構成されている。音量調整ボタンは、右側が押されると音量アップ、左側が押されると音量ダウンになるように設定されている。これらのボタンが押されると、押されたボタンの信号が制御部20へ送られる。
【0042】
赤外線受/発光部25は、ナビゲーション装置1と携帯電話とが赤外線で双方向通信を
行うためのインターフェースであり、電気で赤外線を発光する発光素子と、受光した赤外線を電気にする受光素子で構成されている。赤外線受/発光部25は、制御部20から送られる制御信号やデータを携帯電話へ送るとともに、携帯電話から送られる制御信号やデータを制御部20へ送る。なお、ナビゲーション装置1と携帯電話とはbluetooth等の無
線通信で通信することもできる。
【0043】
次に、メインユニット2の制御部が実現する各種諸機能について詳述する。図5は、制御部20が実現する各種機能部を図示した機能ブロック図である。車両のアクセサリー電源がオンになると、制御部20は、図5に示すように操作処理機能部51、測位機能部52、ルート案内機能部53、地図データ処理機能部54、ユーザデータ処理機能部55、音声処理機能部56、映像処理機能部57、及びカード認証機能部58を実現するコンピュータプログラムを実行する。
【0044】
操作処理機能部51は、各種機能部の動作を制御するための操作画面を、映像処理機能部57を介してタッチパネル21に表示したり、操作受付部23や操作ボタン24、リセットボタン18からの操作信号を処理し、各種機能部の動作を制御したりする。
【0045】
測位機能部52は、車両のアクセサリー電源がオンになると、GPS情報受信部9から送られる衛星からの電波の情報、車速検知部10から通知される車両速度の情報、及びジャイロセンサ19から送られる角速度の情報に基づいて車両の位置(緯度と経度)を測位する。
【0046】
ルート案内機能部53は、車両の現在地からユーザが設定した目的地までのルートを索出し、ルート案内を行う機能部である。ルート案内機能部53は、測位機能部52が測位した車両の位置から目的地までの走行ルートを、カードメモリインターフェース17に挿入されるメモリカードの地図データから索出する。そして、索出した走行ルートと車両の位置との関係から車両の進路を音声、及び映像で案内する。
【0047】
地図データ処理機能部54は、カードメモリインターフェース17に挿入されたSDカード(メモリカード)の地図データやルート案内機能部53が索出した走行ルートのデータ、放送波受信部7を介してFM放送波から取得されるVICS(登録商標)の道路交通情報のデータ、測位機能部52が測位した車両の位置データ等に基づき、タッチパネル21に表示する地図のグラフィックデータを生成する。
【0048】
ユーザデータ処理機能部55は、ユーザが登録しようとする地点情報(例えば、自宅の位置情報等)やルート検索の履歴情報、アイコンの表示非表示等の設定情報をRAMに書き込んだり、RAMから読み出したりする。
【0049】
音声処理機能部56は、アンプ12を介してスピーカから出力する音声の信号を処理する機能部である。すなわち、音声処理機能部56は、放送波受信部7が受信したラジオ放送、携帯式プレーヤインターフェース6がプレーヤから取得するオーディオ信号、CDドライブ16が再生するオーディオ信号をアンプ12へ送ったり、これらのオーディオ信号にルート案内機能部53からのルートガイダンスの音声信号を重畳し、アンプ12へ送ったりする。
【0050】
映像処理機能部57は、タッチパネル21に表示させる映像データを生成する機能部である。すなわち、映像処理機能部57は、操作処理機能部51が生成する操作画面のデータと、地図データ処理機能部54が生成する表示用地図の画面のデータとを重畳して表示処理部22へ送ったり、放送波受信部7が受信したテレビジョン放送の映像データを表示処理部22へ送ったり、或いはリバース検知部5による車両後退の検知に連動してカメラ
映像入力部11からの映像信号を表示処理部22へ送ったりする。なお、映像処理機能部57は、テレビジョン放送の映像データを表示処理部22へ送っている際にブレーキ検知部4がパーキングブレーキの解除を検知すると、映像データの通知を止める。
【0051】
カード認証機能部58は、次に説明するように、カードメモリインターフェース17に挿入されたSDカード60(図6参照)がナビゲーション装置1の販売元から正規に販売されたSDカード(以下、正規SDカードと呼ぶ。)であるか否かを判定し、又は正規SDカード60がナビゲーション装置1に対応しているか否かを判定する。
【0052】
図6(A),(B)は、正規SDカード60を示す。図6(A)は同梱版又はパッケージ版の正規SDカード60を示す。また、図6(B)はダウンロードした地図情報(所定の情報)が記憶されているダウンロード版の正規SDカード60を示す。図6(A),(B)の正規SDカード60は、正規SDカード60の製造時に書き込まれ、製造後の書換が禁止されるとともに、ユーザによってアクセスが禁止されているユーザアクセス不可領域61と、ユーザによるアクセスが許容されているユーザアクセス可能領域62とを有している。なお、ユーザアクセス不可領域61は、通常のPC(パソコン)等でアクセスできない領域であり、PC等のOS(オペレーションソフト)で管理する範囲外の領域である。このアクセス不可領域61に書かれたデータは、通常の方法ではコピーが不可能となるか、或いはコピーされたとしても意味のないデータとなる。また、このユーザアクセス不可領域61は、例えばフォーマット上アクセスが禁止されている領域として設定するなど、要するに一般のPC等ではアクセスできない領域として設定することができる。
【0053】
図6(A),(B)の正規SDカード60におけるユーザアクセス不可領域61には、媒体識別情報であるメディアIDが記憶されている。また、図6(A)の正規SDカード60におけるユーザアクセス可能領域62には、地図情報と、メディアID及び地図情報のバージョン番号を暗号化した第1認証キーファイルとが記憶されている。図6(B)の正規SDカード60におけるユーザアクセス可能領域62には、地図情報と、ナビゲーション装置1を他のナビゲーション装置と区別するため、ナビゲーション装置一台毎に個別に付与された識別情報であるEコード、及びバージョン番号を暗号化した第2認証キーファイルとが記憶されている。なお、本実施形態では、ユーザアクセス不可領域61は、フォーマット上、書き換え及びユーザによるアクセスが禁止されている。
【0054】
メディアIDは、正規SDカード60を別の正規SDカードから識別するための固有の番号であり、正規SDカード60一枚毎に別のメディアIDが付与されている。Eコードは、上記のようにナビゲーション装置1を他のナビゲーション装置と区別するための固有の番号であり、ナビゲーション装置毎に個別に付与されている。第1又は第2認証キーファイルの暗号化方式は、一般的な暗号化方式を使用できるのでその詳細な説明を省略する。
【0055】
図5のカード認証機能部58は、図7に示すように、正規SDカード60のユーザアクセス不可領域61内のメディアIDを読み込む第1読込手段71と、ユーザアクセス可能領域62内の地図情報と、第1認証キーファイル又は第2認証キーファイルとを読み込む第2読込手段72と、第2読込手段72によって読み込まれた第1認証キーファイル又は第2認証キーファイルを復号化してメディアID又はEコード、及びバージョン番号を取得する復号化手段73と、第1読込手段71によって読み込まれたメディアIDと、復号化手段73によって取得されたメディアIDとを照合し、両方のメディアIDが互いに一致するか否かを判定するIDコード照合判定手段74と、第1読込手段71によって読み込まれたEコードと、ナビゲーション装置1が有するEコードとを照合し、両方のEコードが一致するか否かを判定するEコード照合判定手段76と、両方のメディアIDが一致すると判定したとき、又は両方のEコードが一致すると判定したときに限り、第2読込手
段72が読み込んだ地図情報を表示する表示手段75と、を備えている。なお、本実施形態では、表示手段75は表示処理部22によって兼用される。
【0056】
<ナビゲーション装置の動作>
以下、ナビゲーション装置1の動作について説明する。図8はナビゲーション装置1のメイン画面の画面遷移図であり、図9はナビに関する画面遷移図である。また、図10は、AV画面の表示モードを示した図である。以下、図8〜10に基づいてナビゲーション装置1の動作について説明する。
【0057】
(D101)オープニング画面(D101)について説明する。車両のアクセサリー電源がオンになり、ナビゲーション装置1に電力が供給されると、制御部20は、ROMに格納されているコンピュータプログラムを実行してナビゲーション装置1を初期化し、図5に示す各種機能部を実現する。ここで、映像処理機能部57は、ROMに格納されているオープニング画面のデータを参照し、タッチパネル21にオープニング画面を表示させる。なお、オープニング画面が表示されている間、制御部20の各機能部では、次のような処理が実行される。すなわち、操作処理機能部51は、操作受付部23や操作ボタン24、リセットボタン18からの信号を走査してユーザ操作を受け付ける。また、測位機能部52は、GPS情報受信部9で取得される測位情報や車速検知部10、ジャイロセンサ19の信号を処理し、車両の位置を測定する。
【0058】
また、カード認証機能部58は、カードメモリインターフェース17に挿入された正規SDカード60へアクセスする。そして、カード認証機能部58の第1読込手段71は、正規SDカード60のユーザアクセス不可領域61からメディアIDを読み込む。また、第2読込手段72は、正規SDカード60のユーザアクセス可能領域62から第1認証キーファイル、又は第2認証キーファイルを読み込む。復号化手段73は、この第1認証キーファイル又は第2認証キーファイルを復号化し、メディアID又はEコード、及びバージョン番号を取得する。なお、第1認証キーファイルと第2認証キーファイルとは、ファイルサイズを変えることにより区別できる。
【0059】
ID照合判定手段74は、第1読込手段71が読み込んだメディアIDと、復号化手段73が取得したメディアIDとを照合し、両方のメディアIDが一致するか否かを判断する。また、Eコード照合判定手段76は、第2読込手段72が読み込んだEコードと、復号化手段73が取得したEコードとを照合し、両方のEコードが一致するか否かを判断する。
【0060】
そして、ID照合判定手段74が両方のメディアIDは一致すると判断したときには、表示処理部22は、カードメモリインターフェース17に挿入されている正規SDカード60へアクセスし、測位機能部52が測位した自車位置の周辺の地図データを読み出す。ID照合判定手段74が両方のメディアIDは一致しないと判断したときには、表示処理部22は正規SDカード60へのアクセスを停止する。これにより、タッチパネル21による地図データの表示が停止する。
【0061】
また、Eコード照合判定手段76が両方のEコードは一致すると判断したときには、表示処理部22は、カードメモリインターフェース17に挿入されている正規SDカード60へアクセスし、測位機能部52が測位した自車位置の周辺の地図データを読み出す。Eコード照合判定手段76が両方のEコードは一致しないと判断したときには、表示処理部22は正規SDカード60へのアクセスを停止する。これにより、タッチパネル21による地図データの表示が停止する。
【0062】
(D102)次に、マルチ画面(D102)について説明する。オープニング画面が表
示されてから4秒経つと、映像処理機能部57は、ROMに格納されている操作ボタン類の画像データや地図データ処理機能部54が読み出した地図データを基に、AVの操作画面とナビの操作画面とを組み合わせたマルチ画面(D102)を生成し、タッチパネル21に表示する。図11は、マルチ画面の図である。映像処理機能部57は、図11に示すように、AV類の操作ボタン類を配置したAV領域の画面をタッチパネル21の左側に表示し、ナビの地図や操作ボタン類を配置したナビ領域の画面をタッチパネル21の右側に表示する。AV領域は、更に、ソースを選択するための操作ボタン類をまとめて表示するソース選択領域と、選択されたソースに関連するボタンや情報を表示するソース操作領域とに区分されている。
【0063】
図11に示すように、映像処理機能部57は、AV領域の内のソース選択領域に、「ラジオ」、「CD」、「ワンセグ」、「iPod」、「外部入力」、「OFF」、及び「AV」ボタンを表示する。何れかのソースボタンがタッチされると、そのソースが選択される。図11の例では、「ラジオ」が選択されており、受信周波数やAM/FMの切り替えボタン、選局ボタン等の選択されたソースに関連する操作ボタンや情報がソース操作領域に表示されている状態を図示している。従って、このとき、音声処理機能部56は、放送波受信部7が受信したAM放送の音声信号を、アンプ12を介してスピーカから出力している。他方、映像処理機能部57は、ナビ領域に、地図データ処理機能部54が読み出した地図データに基づいて描画される地図の他、「メニュー」、「目的地」、「周辺」、「自宅」、「ナビ」、「地図拡大」、及び「地図縮小」ボタンを表示する。なお、マルチ画面(D102)では、AV領域とナビ領域の2つが存在するため、AV領域がAV全画面(D104)の時よりも狭い。そこで、マルチ画面(D102)のソース操作領域には、そのソースに関わる操作ボタンや情報のうち基本的なものだけが表示されるようになっている。
【0064】
この状態で「AV」ボタンが押されたことを操作処理機能部51が検知すると、映像処理機能部57は、AV全画面(D104)の画面表示状態に遷移する。なお、その他のボタンが押された場合についてはナビ全画面(D103)、及びAV全画面(D104)の説明の後に詳述する。
【0065】
(D103)次に、ナビ全画面(D103)について説明する。映像処理機能部57は、マルチ画面(D102)に表示されている「ナビ」ボタンが押されたことを操作処理機能部51が検知すると、AV領域を徐々に隠し、ナビ領域を全画面に表示する。図12は、ナビ全画面の図である。映像処理機能部57は、図12に示すように、AV領域を消し、ナビ領域をタッチパネル21に全画面表示する。
【0066】
図12に示すように、ナビ領域には、マルチ画面(D102)と同様、地図や、「メニュー」、「目的地」等の操作ボタンが表示されている。ここで、映像処理機能部57は、ナビ全画面に表示される自車位置のアイコンが、ナビ領域の中心に位置するように画面を表示している。このため、タッチパネル21の表示画面がマルチ画面(D102)からナビ全画面(D103)に遷移すると、自車位置のアイコンや地図の表示が、画面内で若干スクロールする。一方、映像処理機能部57は、「メニュー」や「目的地」等の操作ボタン類がタッチパネル21の表示画面上で同じ位置になるように画面を表示する。このため、タッチパネル21の表示画面がマルチ画面(D102)からナビ全画面(D103)に遷移しても、ナビの操作ボタン類がタッチパネル21の画面上でスクロールせず、同じ位置に表示され続ける。但し、「ナビ」ボタンのみ「AV+ナビ」ボタンに表示が切換わる。なお、「AV+ナビ」ボタンが押されると、映像処理機能部57は、ナビ全画面(D103)からマルチ画面(D102)へ表示を切り替える。
【0067】
(D104)次に、AV全画面(D104)について説明する。映像処理機能部57は
、マルチ画面(D102)に表示されている「AV」ボタンが押されたことを操作処理機能部51が検知すると、ナビ領域を徐々に隠し、AV領域を全画面に表示する。図11は、AV全画面の図である。映像処理機能部57は、図11に示すように、ナビ領域を消し、AV領域をタッチパネル21に全画面表示する。
【0068】
図13に示すように、AV領域には、マルチ画面(D102)と同様、「ラジオ」、「CD」、「ワンセグ」、「iPod」、「外部入力」、及び「OFF」ボタンがソース選択領域に表示されている。また、AV領域には、ソース操作領域が拡大されて、マルチ画面(D102)で表示されていなかった放送局の名称やプリセットの選局ボタン、チャンネル設定ボタンや音設定ボタンが表示されている。また、CDドライブ16にCDが挿入されていることを示す「CDIN」が表示されている。ここで、AV領域には、マルチ画面(D102)で表示されていた「ラジオ」等の操作ボタン類が同じ位置に表示されている。但し、「ナビ」ボタンのみ「AV+ナビ」ボタンに表示が切換わる。以下、マルチ画面とAV全画面の両方で表示される領域を「AV通常領域」といい、AV全画面でのみ表示される領域を「AV拡張領域」という。なお、「AV+ナビ」ボタンが押されると、映像処理機能部57は、AV全画面(D104)からマルチ画面(D102)へ表示を切り替える。なお、AV全画面(D104)では、ナビ領域が存在しないので、AV領域がマルチ画面(D102)の時よりも広い。そこで、AV全画面(D104)のソース操作領域には、そのソースに関わる全ての操作ボタンや情報が表示されるようになっている。このように、AV全画面(D104)の場合にのみ表示されるソースの操作ボタンや情報類の表示領域が「AV拡張領域」であり、ソース操作領域の一部を構成している。一方、マルチ画面(D102)とAV全画面(D104)の何れにも表示されるソースの操作ボタンや情報類の表示領域が「AV通常領域」であり、ソース操作領域の一部とソース選択領域とを構成している。
【0069】
ナビゲーション装置1のメイン画面の画面遷移(図6)については以上の通りである。以下、マルチ画面(D102)からナビ全画面(D103)、或いはAV全画面(D104)へ画面が遷移する際の、ナビ領域、及びAV領域の画面上の動き方について詳述する。図14は、マルチ画面(D102)からナビ全画面(D103)へ遷移する際の、AV領域の消え方を示す図である。また、図15は、マルチ画面(D103)からAV全画面(D104)へ遷移する際の、ナビ領域の消え方を示す図である。映像処理機能部57は、マルチ画面からナビ、或いはAV全画面へ表示を切り替えるに際し、ナビ領域やAV領域がスクロールして見えるように画面表示を行っている。すなわち、映像処理機能部57は、マルチ画面からナビ全画面へ表示を切り替える際、AV領域が徐々に左側に退出していくように、換言すれば、AV領域の表示面積が徐々に減少するようにスクロールすると共に、ナビ領域の表示面積が徐々に増加するようにスクロールしていくように、画面を表示する。また、映像処理機能部57は、マルチ画面からAV全画面へ表示を切り替える際、その反対にAV領域が徐々に右側に進入してくるように画面を表示する。これにより、ユーザは、ナビ画面上にAV画面が抜き差しされるように感じ取ることができる。従って、ナビの画面を見たければ、マルチ画面(D102)の右側に表示されている「ナビ」ボタンを押すことにより、ナビ全画面(D103)に遷移することを視覚的に容易に理解することができ、AVの画面を見たければ、マルチ画面(D102)の左側に表示されている「AV」ボタンを押すことにより、AV画面が抜き差しされることを容易に理解することができる。図16は、メイン画面の画面遷移の様子を示した概念図である。ユーザは、図16に示すように、表示窓から覗き込むと見える右側の面(本実施形態でいうナビ画面に相当する)の上に、左側の面(本実施形態でいうAV画面に相当する)が左側から抜き差しされるようなイメージで、ナビゲーション装置1のメイン画面を操作できる。よって、今どこにいるのかが判りやすく、安心して操作することができる。
【0070】
(D201)次に、ナビゲーション装置1のナビに関する画面について説明する。まず
始めに、メニュー画面(D201)について説明する。マルチ画面(D102)またはナビ全画面(D103)のナビ領域に表示されている「メニュー」ボタンが押されたことを操作処理機能部51が検知すると、映像処理機能部57は、メニュー画面(D201)をタッチパネル21に表示する。図17は、メニュー画面(D201)の図である。映像処理機能部57は、図17に示すように、ナビ領域の「メニュー」ボタンから立ち上がるようにメニューのポップアップを表示する。ここで、映像処理機能部57は、メニューのポップアップが「メニュー」ボタンから徐々に立ち上がるようにアニメーション表示し、更に、マルチ画面(D102)がポップアップの下側に見えるようにしている。なお、ポップアップとは、画面に表示されるボタンを押すと、そのボタンから立ち上がるように表示される領域であり、例えば、メニューの項目等が表示される領域である。図18は、マルチ画面(D102)からメニュー画面(D201)へ遷移する際のアニメーションを示した図である。マルチ画面(D102)の「メニュー」ボタンが押されると、「メニュー」ボタンから立ち上がるようにメニューのポップアップが表示される。従って、ユーザは、メニュー画面がマルチ画面から遷移して表示されていることを視覚で容易に理解することが可能であり、安心して操作することができる。なお、メニュー画面(D201)には、アイコンや施設表示等のユーザ設定用ボタンや、お気に入り地点の編集用ボタンが表示される。ユーザが登録した地点情報等は、ユーザデータ処理機能部55により、制御部20内のRAMに記憶される。
【0071】
(D202)次に、目的地設定画面(D202)について説明する。映像処理機能部57は、マルチ画面(D102)またはナビ全画面(D103)のナビ領域に表示されている「目的地」ボタンが押されたことを操作処理機能部51が検知すると、目的地設定画面(D202)をタッチパネル21に表示する。すなわち、映像処理機能部57は、図19に示すように、ナビ領域の「目的地」ボタンから立ち上がるように目的地設定用のボタンが配置されたポップアップをアニメーション表示する。映像処理機能部57は、操作処理機能部51が目的地設定用の何れかのボタンが押されたことを検知すると、これに対応する画面を表示する。映像処理機能部57は、例えば、「50音で探す」ボタンが押されれば文字入力用の画面を表示し、「住所で探す」ボタンが押されれば都道府県等を選択する画面を表示し、「携帯連携で探す」ボタンが押されれば赤外線受/発光部25に携帯電話を近づけるようユーザに促す画面を表示し、「履歴で探す」ボタンが押されれば過去に検索したことのある目的地を表示する。赤外線受/発光部25によって携帯電話から供される通信データには、目的地の緯度や経度、或いは住所や電話番号といった位置情報が含まれている。「50音検索」、「住所で探す」、「携帯連携で探す」、或いは「履歴で探す」ボタンを押すと表示される画面により目的地が設定されると、ルート案内機能部53は、測位機能部52が計測する自車位置と目的地までの最短ルートを索出し、ルートガイドを開始する。
【0072】
(D203)次に、周辺施設検索画面(D203)について説明する。映像処理機能部57は、マルチ画面(D102)またはナビ全画面(D103)のナビ領域に表示されている「周辺」ボタンが押されたことを操作処理機能部51が検知すると、周辺施設検索画面(D203)をタッチパネル21に表示する。すなわち、映像処理機能部57は、図20に示すように、ナビ領域の「周辺」ボタンから立ち上がるように周辺施設検索用のボタン類を配置したポップアップをアニメーション表示する。そして、上述したD203と同様、何れかのボタンが押されればこれに対応する画面を表示する。すなわち、映像処理機能部57は、「周辺」ボタンが押されると、検索対象とする施設のカテゴリをユーザに選択させるボタンを表示し、検索対象のカテゴリが指定されると、自車位置の周辺にあるガソリンスタンドやコンビニエンスストア等、指定されたカテゴリに対応する施設類を、自車に近い順に索出して表示する。
【0073】
(D204)次に、交差点拡大画面(D204)について説明する。上述した目的地設
定画面(D202)、或いは周辺検索画面(D203)で目的地が設定されるか、または、マルチ画面(D102)やナビ全画面(D103)に表示されている「自宅」ボタンが押されて目的地が設定されると、ルート案内機能部53によるルートガイドが開始される。ルート案内機能部53は、測位機能部52が計測する自車位置と、地図データ処理機能部54がカードメモリから読み出す地図データとに基づいてルートの案内を行う。ルート案内機能部53は、右折あるいは左折等を行う交差点に車両が接近したら、交差点拡大画面(D204)を表示すると共に、音声処理機能部56に経路案内用の音声データを渡す。図21は、交差点拡大画面(D204)を示す図である。図21に示すように、ナビ領域には交差点の拡大図が表示され、車両の進むべき進路が矢印で図示される。なお、このとき、AV領域には、オーディオ/ビジュアル用の操作ボタン類が表示されている。
【0074】
次に、ナビゲーション装置1のAV画面の表示モードについて説明する。図10で示したように、ナビゲーション装置1のAV画面には、ラジオモード、CDモード、ワンセグモード、iPodモード、外部入力モード、及びオフモードの6つの画面が用意されている。映像処理機能部57は、AV領域の左側に用意されている何れかのソース選択ボタン或いは「OFF」ボタンが押されると、これに対応するモードのAV操作画面を表示する。映像処理機能部57は、例えば、「ラジオ」ボタンが押されれば、図11に示すようなラジオの周波数や選局ボタンを表示する。CDやiPodボタンについても同様である。また、映像処理機能部57は、「ワンセグ」ボタンや「外部入力」ボタンが押されれば、AV領域に選局ボタン等を表示すると共に、ナビ領域の表示を放送波受信部7からの映像や外部音声/映像入力部8の映像に切り替える。但し、映像処理機能部57は、ブレーキ検知部4がパーキングブレーキ信号の解除を検知した場合、放送波受信部7や外部音声/映像入力部8からの映像表示を止める。
【0075】
《地図配信システムの構成》
【0076】
正規SDカード60は、上記のように、ナビゲーション装置1に同梱されて販売されたもの、地図情報の更新版を格納したパッケージとしてナビゲーション装置1とは別に販売されたもの、又はナビゲーション装置1の製造メーカ又は販売元が設置した地図配信サーバ(情報配信サーバ)からユーザのPCによってダウンロードしてもらうことにより販売されたものがある。なお、ユーザがダウンロードした地図情報は、ユーザがPCを用いて同梱版又はパッケージ版の正規SDカード60に記憶されている地図情報に上書きする。ここで、インターネットによる地図情報のダウンロード販売では、ユーザ以外の者が地図情報をダウンロードできないようにするため、ユーザの認証処理を厳重に行う必要がある。
【0077】
そこで、本実施形態では、図22に示すように、地図配信システム(情報配信システム)100により、ナビゲーション装置1のユーザが地図情報をダウンロードする際に、ユーザの認証を厳重にすることによって、ユーザ以外の者が地図情報等をダウンロードするのを抑制する。
【0078】
図22は、本実施形態に係る地図配信システム100を示す。この地図配信システム100は、ナビゲーション装置1の製造メーカ又は販売元が設置する地図配信サーバ(情報配信サーバ)200と、ナビゲーション装置1のユーザが所有する端末装置であるユーザPC300と、ユーザが所有する携帯端末装置であるユーザ携帯電話400とを備えている。地図配信サーバ200、ユーザPC300及びユーザ携帯電話400は、インターネット(ネットワーク)150を介して接続されている。
【0079】
次に、上記各構成要素について説明する。地図配信サーバ200は、コンピュータプログラムを実行することによって構成される。また、地図配信サーバ200は、CPU、メ
モリ、ハードディスク、表示装置、入力装置(キーボード、マウス等)、ネットワークI/F、着脱可能記憶媒体駆動装置等を有する。
【0080】
この地図配信サーバ200は、図23に示すように、ユーザ携帯電話400から送信された電子メールを受信するメール受信手段201と、ユーザ携帯電話400の電子メールアドレス、又は電子メールアドレスとナビゲーション装置1のEコードとを関連付けて登録するユーザ登録手段202と、地図情報のバージョン番号、及びナビゲーション装置1毎に個別に付与された識別情報であるEコードを含む第2認証キーファイルを生成する第2認証キーファイル生成手段203と、ナビゲーション装置1用の地図情報、この地図情報のバージョン番号、及び第2認証キーファイルを記憶する記憶手段204と、ユーザ携帯電話400からナビゲーション装置1のEコードを含む電子メールを受信した際に、受信した電子メールの差出人欄に含まれる電子メールアドレスと、ユーザ登録手段202に登録されている電子メールアドレスとが一致するか否かを判定し、一致する場合にユーザであることを認証するユーザ認証手段205と、このユーザ認証手段205がユーザであることを認証した際に、PC300が記憶手段204にアクセスして、Eコードに対応する地図情報、バージョン番号、第2認証キーファイル、及び書込アプリケーションソフトをダウンロードするのを許可するダウンロード許可手段206と、を備えている。なお、第2認証キーファイルは、上記のようにバージョン番号、及びEコードを周知の暗号化方式によって暗号化したものである。
【0081】
ユーザPC300は、CPU、メモリ、ハードディスク、表示装置、入力装置(キーボード、マウス等)、ネットワークI/F、着脱可能記憶媒体駆動装置等を有する。このユーザPC300は、図24に示すように、通信手段301と、ダウンロード手段302と、第1読込手段303と、第2読込手段304と、復号化手段305と、ID照合判定手段306と、書込手段307と、SDカードを着脱自在に挿入するSDカード着脱手段308と、を備えている。
【0082】
通信手段301は、地図配信サーバ200とインターネット150を介して通信する。ダウンロード手段302は、通信手段301を介して地図配信サーバ200から地図情報、地図情報のバージョン番号、第2認証キーファイル、及びこれらの情報を正規SDカード60に書き込むための書込アプリケーションソフトをダウンロードする。第1読込手段303は、SDカード着脱手段308に挿入されている正規SDカード60から、ユーザアクセス不可領域61内のメディアIDを読み込む。第2読込手段304は、正規SDカード60のユーザアクセス可能領域62内の第1認証キーフィル(メディアID、バージョン番号を含む。)、及び地図情報を読み込む。復号化手段305は、第1認証キーファイルを復号化してメディアIDとバージョン番号を取得する。
【0083】
ID照合判定手段306は、第1読込手段303が読み込んだメディアIDと復号化手段305が取得したメディアIDとを照合して、両方のメディアIDが一致するか否かを判断する。書込手段307は、ID照合判定手段306が両方のメディアIDが一致すると判断したときに、ダウンロードした地図情報、バージョン番号を、正規SDカード60のユーザアクセス可能領域62に記憶されている地図情報、バージョン番号に上書きし、ダウンロードした第2認証ファイルを追記する。
【0084】
また、図23のユーザの携帯電話400は、ナビゲーション装置1に表示される二次元コードであるQRコード(登録商標)であって、地図配信サーバ200の電子メールアドレス、及びナビゲーション装置1のEコードを含むQRコードを読み取る二次元コード読取手段401と、QRコードに含まれる地図配信サーバ200の電子メールアドレスに、QRコードに含まれるナビゲーション装置1のEコードを含む電子メールを送信するメール送信手段402と、を備えている。
【0085】
次に、この地図配信システム100によって、ユーザPC300が地図配信サーバ200から地図情報をダウンロードする場合について説明する。この場合は、まず、ユーザ携帯電話400の二次元コード読取手段401が、ナビゲーション装置1のタッチパネル21に表示されるQRコードを読み取る。なお、QRコードは、例えばタッチパネル21に表示された所定の押しボタンを押すことによりタッチパネル21に表示される。
【0086】
QRコードには、上記のようにナビゲーション装置1を他のナビゲーション装置と識別するため、ナビゲーション装置毎に付与された識別情報であるEコードと、地図配信サーバ200のメール受信手段201に設定された電子メールアドレスとが含まれている。ユーザ携帯電話400は、このQRコードを読み取ることにより、地図配信サーバ200の電子メールアドレスをディスプレイに表示する。そして、ユーザがユーザ携帯電話400の送信ボタンを押すことにより、表示された地図配信サーバ200の電子メールアドレスにEコード及びユーザ携帯電話400の電子メールアドレスを含む電子メールが送信される。
【0087】
地図配信サーバ200のメール受信手段201が、ユーザ携帯電話400から送信された電子メールを受信すると、ユーザ認証手段205はこの電子メールの差出人欄に含まれるユーザ携帯電話400の電子メールアドレスと、ユーザ登録手段202に登録されているユーザ携帯電話400の電子メールアドレスとが一致するか否かを判定し、一致する場合はユーザであることを認証する。また、一致する場合は、ユーザ登録手段202は、既に登録されているユーザ携帯電話400の電子メールアドレスに関連付けて、電子メールに含まれるEコードを登録する。
【0088】
ユーザ認証手段205がユーザであることを認証した場合は、ダウンロード許可手段206はPC300が記憶手段204にアクセスして、地図情報、バージョン番号、及び第2認証キーファイルをダウンロードするのを許可する。これにより、ユーザPC300のダウンロード手段302は、地図情報、バージョン番号、第2認証キーファイル、及び書込アプリケーションソフトをダウンロードする。これらのダウンロードした地図情報、バージョン番号は、書込手段307が書込アプリケーションソにより、SDカード着脱手段308に挿入された正規SDカード60の地図情報、バージョン番号に上書きされ、第2認証キーファイルは追記される。つまり、ダウンロード版の正規SDカード60のユーザアクセス可能領域62には、メディアIDとEコードが記憶される。
【0089】
《地図情報のダウンロード処理フロー》
図25は、地図情報のダウンロード処理フローを示す。ここでは、まず、ユーザ携帯電話400の二次元コード読取手段201は、ナビゲーション装置1に表示されているQRコードを読み取る(S1)。次に、ユーザ携帯電話400のメール送信手段402は、地図配信サーバ200に電子メールを送信する(S2)。次に、地図配信サーバ200のユーザ認証手段205は、受信した電子メールの差出人欄に含まれる電子メールアドレスと、登録済みの電子メールアドレスとを照合し(S3)、両方の電子メールアドレスが一致する場合にユーザであることを認証する(S4)。
【0090】
ステップ(S4)でユーザ認証手段205がユーザであることを認証した場合は(yes)、次に、ダウンロード許可手段206は、ユーザPC300が記憶手段204にアクセスして地図情報、バージョン番号、第2認証キーファイル、及び書き込みアプリケーションソフトをダウンロードするのを許可すると共に、ユーザ登録手段202がEコードを電子メールアドレスに関連付けて登録する(S5)。これにより、ユーザPC300は、地図配信サーバ200から、地図情報、バージョン番号、第2認証キーファイル、及び書き込みアプリケーションソフトをダウンロードする(S6)。これにより、ダウンロード
処理を終了する。また、ステップ(S4)で、ユーザ認証手段205がユーザであることを認証しなかった場合は、ダウンロード処理を終了する。
【0091】
なお、ナビゲーション装置1は、正規SDカード60に格納されている地図情報を読み込む前に、正規SDカード60のユーザアクセス可能領域62に第1認証キーファイル(メディアIDを含む)のみきおくされているか、又は第1認証キーファイルと第2認証キーファイル(Eコードを含む)の両方が記憶されているかを判断する。そして、ユーザアクセス可能領域62に第1認証キーファイルのみ記憶されている場合は、その正規SDカード60が同梱版又はパッケージ版であると判断し、メディアIDの照合判定を行う。また、ユーザアクセス可能領域62に第1及び第2認証キーファイルが記憶されている場合は、その正規SDカードがダウンロード版であると判断して、メディアID及びEコードの照合判定を行う。
【0092】
《地図情報等の書き込み処理フロー》
図26は、ユーザPC300がダウンロードした地図情報等を、同梱版又はパッケージ版の正規SDカード60に書き込む処理フローを示す。ここでは、まず、第1読込手段303は、正規SDカード60のユーザアクセス不可領域61からメディアIDを読み込む(S11)。次に、第2読込手段304は、正規SDカード60のユーザアクセス可能領域62から第1認証キーファイル、地図情報、及びバージョン番号を読み込む(S12)。
【0093】
次に、復号化手段305は、第1認証キーファイルを復号化し、メディアID、及びバージョン番号を取得する(S13)。次に、ID照合判定手段306は、第1読込手段303が読み込んだメディアIDと、復号化手段305が取得したメディアIDとを照合し、両方のメディアIDが一致するか否かを判断する(S14)。
【0094】
ステップ(S14)で、ID照合判定手段306が、両方のメディアIDは一致しない(ユーザアクセス可能領域62にメディアIDがない場合を含む)と判断した場合は、処理を終了する。
【0095】
ステップ(S14)でID照合判定手段306が、両方のメディアIDは一致すると判断した場合(yes)は、次に、ID照合判定手段306はダウンロードしたバージョン番号が、正規SDカード60に記憶されているバージョン番号より新しいか否かを判断する(S15)。ステップ(S15)で、ID照合判定手段306がダウンロードしたバージョン番号が正規SDカード60に記憶されているバージョン番号より新しいと判断した場合は(yes)、次に、書き込み手段307は、正規SDカード60のユーザアクセス可能領域62に記憶されている地図情報、バージョン番号及び第1認証キーファイルを、ダウンロードした地図情報、バージョン番号に上書きし、第2認証ファイルを追記する。(S16)。これにより、処理を終了する。
【0096】
本実施形態によれば、地図配信サーバ200がユーザ携帯電話400から電子メールを受信し、この電子メールの差出人欄に含まれる電子メールアドレスを、予め登録されている電子メールアドレスと比較照合し、両方の電子メールアドレスが一致する場合にだけユーザであることを認証し、ユーザPC300が地図配信サーバ200の記憶手段204にアクセスして地図情報等をダウンロードするのを許可する。ユーザ携帯電話400は、通常ユーザが常時携帯し、ユーザ以外の者が使用することはほとんどないので、携帯電話から受信した電子メールの差出人欄にユーザ携帯電話400の電子メールアドレスが記載されている場合、ユーザが電子メールを送信している可能性が高くなる。従って、ユーザの認証を厳重に行うことができ、ユーザ以外の者が地図情報等をダウンロードするのを大幅に抑制できる。
【0097】
また、ダウンロード版の正規SDカード60は、ユーザアクセス可能領域62に地図情報、バージョン番号、及びバージョン番号とEコードとを含む第2認証キーファイルが記憶されている。ナビゲーション装置1は、この第2認証キーファイルに含まれているEコードと、ナビゲーション装置1に記憶されているEコードとが一致したときに地図情報を表示し、一致しないときは表示しない。従って、ダウンロード版の正規SDカード60が、ユーザの所有するナビゲーション装置1以外のナビゲーション装置で使用されるのを抑制できる。
【0098】
なお、本実施形態では、本発明をナビゲーション装置1及び地図配信システム100に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、各種の情報処理装置、情報配信システムに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】実施形態に係るナビゲーション装置の外観図である。
【図2】実施形態に係るナビゲーション装置の構成図である。
【図3】実施形態に係るディスプレイの動作を示す図である。
【図4】実施形態に係るディスプレイの動作を示す図である。
【図5】実施形態に係る制御部の機能ブロック図である。
【図6】図6(A)は実施形態に係る同梱版又はパッケージ版の正規SDカードを示す図、図6(B)はダウンロード版正規SDカードを示す図である。
【図7】実施形態に係るカード認証機能部を示す図である。
【図8】実施形態に係るAVNのメイン画面の画面遷移図である。
【図9】実施形態に係るナビの画面遷移図である。
【図10】実施形態に係るAV画面の表示モードを示す図である。
【図11】実施形態に係るマルチ画面の図である。
【図12】実施形態に係るナビ全画面の図である。
【図13】実施形態に係るAV全画面の図である。
【図14】実施形態に係るAV領域の消え方を示す図である。
【図15】実施形態に係るナビ領域の消え方を示す図である。
【図16】実施形態に係るメイン画面の画面遷移を示す概念図である。
【図17】実施形態に係るメニュー画面の図である。
【図18】実施形態に係るマルチ画面からメニュー画面へ遷移する際のアニメーションを示した図である。
【図19】実施形態に係る目的地設定画面の図である。
【図20】実施形態に係る周辺施設検索画面の図である。
【図21】実施形態に係る交差点拡大画面を示す図である。
【図22】実施形態に係る地図配信システムを示す図である。
【図23】実施形態に係る地図配信サーバ及びユーザ携帯電話を示す図である。
【図24】実施形態に係るユーザ端末装置を示す図である。
【図25】実施形態に係る地図情報等のダウンロード処理を示すフローチャートである。
【図26】実施形態に係る地図情報等を正規SDカードに書き込む処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0100】
1 ナビゲーション装置
2 メインユニット
3 ディスプレイユニット
4 ブレーキ検知部
5 リバース検知部
6 携帯式プレーヤインターフェース
7 放送波受信部
8 映像入力部
9 情報受信部
10 車速検知部
11 カメラ映像入力部
12 アンプ
13A 開閉制御部
13B 角度制御部
14 角度センサ
15 モータ
16 ドライブ
17 カードメモリインターフェース
18 リセットボタン
19 ジャイロセンサ
20 制御部
21 タッチパネル
22 表示処理部
23 操作受付部
24 操作ボタン
25 発光部
26A 端子
26B 端子
26C 端子
26D 端子
26E 端子
26F 端子
26G 端子
26H 端子
27 挿入口
28 カード挿入口
51 操作処理機能部
52 測位機能部
53 ルート案内機能部
54 地図データ処理機能部
55 ユーザデータ処理機能部
56 音声処理機能部
57 映像処理機能部
58 カード認証機能部
60 正規SDカード(記憶媒体)
61 ユーザアクセス不可領域
62 ユーザアクセス可能領域
71 第1読込手段
72 第2読込手段
73 復号化手段
74 ID照合判定手段
75 表示手段
76 Eコード照合判定手段
100 地図配信システム(情報処理装置)
150 インターネット
200 地図配信サーバ(情報処理装置)
201 メール受信手段
201 二次元コード読取手段
202 ユーザ登録手段
203 第2認証キーファイル生成手段
204 記憶手段
205 ユーザ認証手段
206 ダウンロード許可手段
300 ユーザPC(端末装置)
301 通信手段
302 ダウンロード手段
303 第1読込手段
304 第2読込手段
305 復号化手段
306 ID照合判定手段
307 書込手段
308 カード着脱手段
400 ユーザ携帯電話(携帯端末装置)
401 二次元コード読取手段
402 メール送信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の情報処理装置を所有するユーザの携帯端末装置から送信された電子メールを受信するメール受信手段と、
前記ユーザの前記携帯端末装置の電子メールアドレスを登録するユーザ登録手段と、
前記所定の情報処理装置用の所定の情報を記憶する記憶手段と、
前記ユーザが所有する前記携帯端末装置から前記電子メールを受信した際に、受信した前記電子メールの差出人欄に含まれる前記電子メールアドレスと、前記登録されている前記電子メールアドレスとが一致するか否かを判定し、一致する場合に前記ユーザであることを認証するユーザ認証手段と、
前記ユーザ認証手段が前記ユーザであることを認証した際に、前記ユーザの端末装置が前記記憶手段にアクセスし、前記所定の情報をダウンロードするのを許可するダウンロード許可手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記電子メールには、前記所定の情報処理装置毎に個別に付与された識別情報を含み、前記ユーザ登録手段は前記電子メールアドレスに関連付けて前記識別情報を登録する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
コンピュータが、
所定の情報処理装置を所有するユーザの携帯端末装置から送信された電子メールを受信するメール受信ステップと、
前記ユーザの前記携帯端末装置の電子メールアドレスを登録するユーザ登録ステップと、
前記所定の情報処理装置用の所定の情報を記憶する記憶ステップと、
前記ユーザの前記携帯端末装置から前記電子メールを受信した際に、受信した前記電子メールの差出人欄に含まれる前記電子メールアドレスと、前記登録されている前記電子メールアドレスとが一致するか否かを判定し、一致する場合に前記ユーザであることを認証するユーザ認証ステップと、
前記ユーザ認証ステップで前記ユーザであることを認証した際に、前記ユーザの端末装置が、前記記憶手段にアクセスして、前記所定の情報をダウンロードするのを許可するダウンロード許可ステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項4】
コンピュータに、
所定の情報処理装置を所有するユーザの携帯端末装置から送信された電子メールを受信するメール受信ステップと、
前記ユーザの前記携帯端末装置の電子メールアドレスを登録するユーザ登録ステップと、
前記所定の情報処理装置用の所定の情報を記憶する記憶ステップと、
前記ユーザの前記携帯端末装置から前記識別情報を含む前記電子メールを受信した際に、受信した前記電子メールの差出人欄に含まれる前記電子メールアドレスと、前記登録されている前記電子メールアドレスとが一致するか否かを判定し、一致する場合に前記ユーザであることを認証する認証ステップと、
前記ユーザ認証ステップで前記ユーザであることを認証した際に、前記ユーザの端末装置が前記記憶手段にアクセスして、前記所定の情報をダウンロードするのを許可するダウンロード許可ステップと、
を実行させる情報処理プログラム。
【請求項5】
(1)所定の情報処理装置を所有するユーザの携帯端末装置であって、前記所定の情報
処理装置に表示される二次元コード#を読み取り、前記二次元コードに含まれる電子メー
ルアドレスに電子メールを送信する前記携帯端末装置から送信された電子メールを受信するメール受信手段と、
前記ユーザの前記携帯端末装置の電子メールアドレスを登録するユーザ登録手段と、
前記所定の情報処理装置用の所定の情報を記憶する記憶手段と、
前記ユーザの前記携帯端末装置から前記電子メールを受信した際に、受信した前記電子メールの差出人欄に含まれる前記電子メールアドレスと、前記登録されている前記電子メールアドレスとが一致するか否かを判定し、一致する場合に前記ユーザであることをを認証するユーザ認証手段と、
前記ユーザ認証手段が前記ユーザであることを認証した際に、前記ユーザの端末装置が前記記憶手段にアクセスし、前記所定の情報をダウンロードするのを許可するダウンロード許可手段と、
を備える情報配信サーバと、
(2)前記情報配信サーバと通信する通信手段と、
前記情報配信サーバから前記所定の情報をダウンロードするダウンロード手段と、を備えるユーザ端末装置と、
を備える情報配信システム。
【請求項6】
情報処理装置毎に付与された識別情報、及び所定の情報が記憶されている記憶媒体を着脱自在に装着する記憶媒体装着手段と、
前記識別情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶媒体に記憶されている前記識別情報と、前記記憶手段に臆されている前記識別情報とを比較照合する照合判定手段と、
前記照合判定手段が、前記記憶媒体に記憶されている前記識別情報と、前記記憶手段に記憶されている前記識別情報とが一致すると判定したときに、前記記憶媒体に記憶されている前記所定の情報を表示し、一致しないと判定したときに前記所定の情報を表示しない表示手段と、
を備える情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2010−86216(P2010−86216A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−253592(P2008−253592)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】