説明

車両のブレーキングを制御するための方法

【課題】ブレーキペダルの動作の妨害といったようなブレーキング異常に対処すること。
【解決手段】モータ車両100のブレーキングを制御するための方法であって、ブレーキングシステム140の油圧に関連した情報を受領し;ブレーキペダル表面190に対して印加された圧力に関連した情報を受領し;ブレーキングシステムの油圧とブレーキペダル表面圧力との間の、測定されたブレーキング関係を決定し;所定のブレーキング関係を取得し;測定されたブレーキング関係と所定のブレーキング関係とを比較し;測定されたブレーキング関係が所定のブレーキング関係とは相違するものである場合には、モータ車両の速度を低減し得るよう構成されたブレーキング補助手段を起動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車に関するものであり、特に、自動車におけるブレーキングの制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両ブレーキングシステムは、従来より提案されている。ブレーキングシステムは、典型的には、油圧を使用して駆動されるブレーキパッドを備えている。油圧は、ブレーキペダルによって、手動で制御することができる。ブレーキペダルは、さらに、ブースターと、マスターシリンダと、組合せバルブと、に対して連結される。ブレーキングシステムの適切な機能のためには、ブレーキペダルに対して印加された力は、ブレーキングシステムを介して、ブレーキパッドに対して伝達される。ブレーキパッドによって印加される力は、イコールではないけれども、ブレーキペダルに対して印加された力と相関することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,779,329号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、状況によっては、ブレーキペダルに対して印加された力は、ブレーキパッドによって印加される力と、適切に相関することができない。この状況は、例えば、ブレーキペダルの動作が妨害された場合に起こり得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの実施形態においては、モータ車両におけるブレーキングを制御するための方法であって、ブレーキングシステムの一部の油圧に関連した情報を受領し、ブレーキペダルの表面に対して印加された圧力に関連した情報を受領する。この方法においては、さらに、ブレーキングシステムの油圧とブレーキペダルの表面に対して印加された圧力との間の、測定されたブレーキング関係を決定し、所定のブレーキング関係を取得し、ここで、所定のブレーキング関係が、ブレーキングシステムの油圧とブレーキペダルの表面に対して印加された圧力との間の所定の相関関係を有したものとされている。この方法においては、さらに、測定されたブレーキング関係と所定のブレーキング関係とを比較し、測定されたブレーキング関係が所定のブレーキング関係とは相違するものである場合には、モータ車両の速度を低減し得るよう構成されたブレーキング補助手段を起動する。
【0006】
いくつかの実施形態においては、モータ車両におけるブレーキングを制御するための方法であって、ブレーキペダルの位置に関連した情報を受領し、ブレーキペダルの表面に対して印加された圧力に関連した情報を受領する。この方法においては、さらに、ブレーキペダルの位置とブレーキペダルの表面に対して印加された圧力との間の、測定されたブレーキング関係を決定し、所定のブレーキング関係を取得し、ここで、所定のブレーキング関係が、ブレーキペダルの位置とブレーキペダルの表面に対して印加された圧力との間の所定の相関関係を有したものとされる。この方法においては、さらに、測定されたブレーキング関係と所定のブレーキング関係とを比較し、測定されたブレーキング関係が所定のブレーキング関係とは相違するものである場合には、モータ車両の速度を低減し得るよう構成されたブレーキング補助手段を起動する。
【0007】
いくつかの実施形態においては、モータ車両内のブレーキングシステムを制御するための方法であって、ブレーキペダルの表面に対して印加された圧力を検出し、ブレーキングシステムによって印加されたブレーキ力の大きさに関連した情報を受領する。この方法においては、さらに、ブレーキペダルの表面に対して印加された圧力が、ブレーキングシステムによって印加されたブレーキ力の大きさに一致するかどうかを、決定する。この方法においては、さらに、ブレーキペダルの表面に対して印加された圧力が、ブレーキングシステムによって印加されたブレーキ力の大きさとは一致していない場合には、ブレーキング補助手段を適用する。
【0008】
本発明の他のシステムや方法や特徴点や利点は、添付図面および以下の詳細な説明により、当業者には明らかであろう。そのような追加的なシステムや方法や特徴点や利点のすべては、本明細書内に包含されるものであり、本発明の範囲内に属するものであり、特許請求の範囲によって保護されるものである。
【0009】
本発明の様々な実施形態は、添付図面および以下の詳細な説明を参照することにより、明瞭に理解することができる。添付図面内における各構成部材は、必ずしも同じスケールで図示されているわけではなく、それよりもむしろ、本発明の様々な実施形態の原理を示すために誇張されている。さらに、様々な添付図面にわたって、対応する構成部材には、同じ参照符号が付されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】自動車のための様々な構成部材および様々なシステムの実施形態を概略的に示す図である。
【図2】図1の自動車の様々な態様に関連した様々なブレーキング補助手段を概略的に示す図である。
【図3】ブレーキをかけつつ坂を下る際に、図1の自動車を概略的に示す図である。
【図4】ブレーキをかけつつ坂を下る際に、図1の自動車を概略的に示す図である。
【図5】ブレーキをかけつつ坂を下る際に、ブレーキペダルの動作を妨害する障害物が存在する場合に、図1の自動車を概略的に示す図である。
【図6】ブレーキをかけつつ坂を下る際に、ブレーキペダルの動作を妨害する障害物が存在する場合に、図1の自動車を概略的に示す図であり、この場合には、エンジンブレーキが駆動されていて、自動車の減速が補助されている。
【図7】ブレーキをかけつつ坂を下る際に、ブレーキペダルの動作を妨害する障害物が存在する場合に、図1の自動車を概略的に示す図である。
【図8】ブレーキをかけつつ坂を下る際に、ブレーキペダルの動作を妨害する障害物が存在する場合に、図1の自動車を概略的に示す図であり、この場合には、回生ブレーキが駆動されていて、自動車の減速が補助されている。
【図9】ブレーキをかけつつ坂を下る際に、ブレーキペダルの動作を妨害する障害物が存在する場合に、図1の自動車を概略的に示す図である。
【図10】ブレーキをかけつつ坂を下る際に、ブレーキペダルの動作を妨害する障害物が存在する場合に、図1の自動車を概略的に示す図であり、この場合には、油圧アシストが駆動されていて、自動車の減速が補助されている。
【図11】油圧系の圧力と、様々な態様に関連したブレーキペダル表面圧力と、の様々な関係を示す図である。
【図12】ブレーキペダルの位置と、様々な態様に関連したブレーキペダル表面圧力と、の様々な関係を示す図である。
【図13】ブレーキング制御システムを制御するためのプロセスの一実施形態を示す図である。
【図14】ブレーキング制御システムを制御するためのプロセスの他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、自動車100の一実施形態を概略的に示す図である。「自動車」という用語は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲の全体にわたって、1人または複数人の乗員を搬送し得るとともに任意の態様のエネルギーによって駆動される任意の移動車両を意味している。「自動車」という用語は、限定するものではないけれども、乗用車や、トラックや、バンや、ミニバンや、SUVや、オートバイや、スクータや、ボートや、水上バイクや、航空機、を含有している。
【0012】
いくつかの場合においては、自動車は、1つまたは複数のエンジンを備えている。「エンジン」という用語は、明細書および特許請求の範囲の全体にわたって、エネルギーを変換し得る任意のデバイスまたは機械を意味している。いくつかの場合においては、ポテンシャルエネルギーが、運動エネルギーへと変換される。例えば、エネルギー変換は、燃料のまたは燃料電池の化学的ポテンシャルエネルギーが回転運動エネルギーへと変換される状況、あるいは、電気的ポテンシャルエネルギーが回転運動エネルギーへと変換される状況、を含有することができる。エンジンは、さらに、運動エネルギーをポテンシャルエンジンへと変換するための手段を備えることができる。例えば、いくつかのエンジンは、ドライブトレインからの運動エネルギーをポテンシャルエネルギーへと変換する回生ブレーキングシステムを備えている。エンジンは、さらに、太陽エネルギーまたは原子力エネルギーを他の態様のエネルギーへと変換するデバイスを備えることができる。エンジンのいくつかの例には、限定するものではないけれども、内燃エンジンや、電気モータや、太陽エネルギーコンバータや、タービンや、原子力プラントや、2つまたはそれ以上の異なるタイプのエネルギー変換プロセスを組み合わせたハイブリッドシステム、がある。
【0013】
簡略化の目的のために、自動車100のいくつかの構成部材だけが、この実施形態において示されている。さらに、他の実施形態においては、いくつかの構成部材を付加的なものとし得ることは、理解されるであろう。加えて、他の実施形態においては、構成部材に関しての、ここで例示したのとは異なる他の任意の構成を、自動車100の駆動のために使用し得ることは、理解されるであろう。
【0014】
一般に、自動車100は、任意の駆動源によって推進することができる。いくつかの実施形態においては、自動車100は、2つまたはそれ以上の駆動源を使用するハイブリッド車両として構成することができる。他の実施形態においては、自動車100は、例えばエンジンといったような単一の駆動源を使用することができる。一実施形態においては、自動車100は、エンジン102と電気モータ112とを備えている。特に、エンジン102は、例えばガソリンといったようなあるいはエタノール/ガソリン混合物といったような燃料を使用して、駆動力を生成することができる。同様に、電気モータ112は、でんきエネルギーを使用して、駆動力を生成することができる。しかしながら、他の実施形態においては、自動車100は、駆動力の生成のために、エンジン102だけを備えることができる。また、いくつかの実施形態においては、自動車100は、駆動力の生成のために、電気モータ112だけを備えることができる。
【0015】
いくつかの場合においては、電気モータ112は、トランスミッション118に対して連結することができる。いくつかの場合においては、トランスミッション118は、自動的なトランスミッションとすることができる。他の場合においては、トランスミッション118は、手動のトランスミッションとすることができる。これにより、エンジン102からの駆動力を、電気モータ112を通して、トランスミッション118へと伝達することができる。これにより、自動車100を駆動することができる。いくつかの場合においては、電気モータ112が、自動車100の推進を補助する補助力を提供することができる。
【0016】
エンジン102と電気モータ112とは、任意の態様でもって自動車100を駆動し得るように構成することができる。いくつかの実施形態においては、自動車100は、並列的なタイプのハイブリッド構成を使用することができる。他の実施形態においては、自動車100は、直列タイプのハイブリッド構成を使用することができる。さらに他の実施形態においては、自動車100に関して、任意の公知のハイブリッド構成を使用することができる。
【0017】
いくつかの場合においては、自動車100は、電気モータ112に対して電力を供給するために使用し得るバッテリ116を備えることができる。バッテリ116は、電気車両および/またはハイブリッド車両に対して電力を供給するために当該技術分野において公知であるような任意のタイプの充電可能なバッテリとすることができる。いくつかの場合においては、バッテリ116は、複数のバッテリを収容したバッテリパックを備えることができる。さらに、バッテリ116の位置は、様々な実施形態において、変更することができる。
【0018】
バッテリ116から電力を抽出することに加えて、電気モータ112は、また、バッテリ116を充電するために使用することもできる。いくつかの場合においては、回転エネルギーは、トランスミッションから電気モータ112に対して供給することができる。いくつかの状況においては、この回転エネルギーは、電気エネルギーへと変換することができる。言い換えれば、電気モータ112は、バッテリ116を充電するための発電機として機能することができる。いくつかの場合においては、ブレーキング時には、車両の運動エネルギーを、電気モータ112を使用することによって、電気エネルギーへと変換することができる。さらに、このようなエネルギー変換プロセスは、摩擦をベースとしたブレーキングシステムによって印加されるブレーキ力とは個別のブレーキ力を提供する。このプロセスは、「回生ブレーキング」と称することができる。
【0019】
自動車100は、ブレーキングシステム140を備えることができる。ブレーキングシステム140は、自動車100を減速させることを助長するような様々な構成部材やサブシステムを備えることができる。簡略化の目的のために、この実施形態においては、ブレーキングシステム140のいくつかの構成部材だけが、図示されている。他の実施形態においては、追加的な構成部材を備えることができる。さらに、この実施形態において図示されている構成部材は、付加的なものとすることができる。
【0020】
ブレーキングシステム140は、ブレーキペダル142を備えることができる。ブレーキングシステム140は、さらに、ブースター144を備えることができる。ブースター144は、ブレーキペダル142によって伝達されたブレーキ力を増倍させる。いくつかの場合においては、ブレーキングシステム140は、さらに、マスターシリンダ146を備えることができる。マスターシリンダ146は、ブースター144からの力を受領し、1つまたは複数のブレーキ180に対して、対応する力を提供する。いくつかの場合においては、ブレーキングシステム140は、さらに、組合せバルブ148を備えることができる。
【0021】
一般に、ブレーキ180は、任意のタイプのブレーキとすることができる。異なるタイプのブレーキの様々な例には、限定するものではないけれども、ディスクブレーキや、ドラムブレーキや、他の種類のブレーキ、がある。いくつかの場合においては、ディスクブレーキとドラムブレーキとの組合せを使用することができる。例えば、いくつかの場合においては、ディスクブレーキは、車両の前輪に設けることができる。一方、ドラムブレーキは、車両の後輪に設けることができる。
【0022】
ブレーキングシステム140の様々な構成部材のいくつかは、ブレーキ流体を付帯している1つまたは複数のブレーキラインによって、互いに連結することができる。例えば、ブレーキ180は、1つまたは複数のブレーキラインからの油圧を受領することができる。いくつかの場合においては、個別の複数のブレーキラインは、車両の前輪に関連したブレーキに対して、および、車両の後輪に関連したブレーキに対して、ブレーキ流体を搬送することができる。さらに、ブレーキングシステム140の様々な構成部材どうしの間にわたってブレーキ流体を搬送するに際しては、ブレーキラインやチューブやバルブや他の構成に関しての他の任意の構成を使用することができる。
【0023】
ブレーキングシステム140が、この実施形態においては、概略的に図示されていることは、理解されるであろう。他の実施形態においては、ブレーキングシステム140のための他の構成を、使用することができる。ブレーキングシステム140の動作は、一般に、ドライバがブレーキペダル142を踏み込んだ時に、開始される。ブレーキペダル142に対して印加される機械的な力は、ブースター144によって増倍することができ、マスターシリンダ146に対して伝達することができる。マスターシリンダ146のところにおいては、伝達された機械的な力は、油圧力へと変換することができ、この油圧力は、ブレーキ流体を介して1つまたは複数のブレーキに対して伝達される。
【0024】
いくつかの実施形態においては、ブレーキングシステム140には、油圧アシストシステム130を設けることができる。油圧アシストシステム130は、1つまたは複数のブレーキに対して追加的な油圧力を提供し得るような任意のシステムとすることができる。いくつかの場合においては、油圧アシストシステム130は、ブレーキングシステム140の1つまたは複数の構成部材内における油圧を増大させるような自動化デバイスとすることができる。いくつかの場合においては、油圧アシストシステム130は、組合せバルブ148に対して連結することができる。他の場合においては、油圧アシストシステム130は、マスターシリンダ146に対して連結することができる。さらに他の場合においては、油圧アシストシステム130は、ブレーキングシステム140の他の任意の部分に対して連結することができる。追加的なブレーキ力が要望された状況においては、ECU150は、油圧アシストシステム130を駆動し得るように構成することができる。その場合、油圧アシストシステム130は、ブレーキングシステム140の1つまたは複数の構成部材内におけるブレーキング圧力を増大させるように機能することができる。これにより、ブレーキ180によって印加される全体的なブレーキング圧力を増大させることができる。
【0025】
一般に、油圧アシストシステム130は、任意の程度の分だけブレーキング圧力を増大させることができる。いくつかの場合においては、油圧アシストシステム130は、固定された程度の分だけブレーキング圧力を増大させることができる。他の場合においては、油圧アシストシステム130は、可変な程度の分だけブレーキング圧力を増大させることができる。さらに、油圧アシストシステム130は、様々な態様でもって、ブレーキラインの圧力を増大させるように機能することができる。いくつかの場合においては、油圧アシストシステム130は、新たなブレーキ流体源を提供することによって、ブレーキングシステム140に対して追加的な油圧を提供することができる。他の実施形態においては、油圧アシストシステム130は、ブースター144によってマスターシリンダ146に対して印加される力を修正することによって、ブレーキングシステム140に対して追加的な油圧を提供することができる。
【0026】
自動車100は、自動車100に関連した様々な構成部材に対して通信するための構成を備えることができ、いくつかの場合においては、自動車100に関連した様々な構成部材を制御するための構成を備えることができる。いくつかの実施形態においては、自動車100は、コンピュータまたは同様のデバイスに関連することができる。この実施形態においては、自動車100は、電子制御ユニット150を備えることができる。電子制御ユニット150は、本明細書においては、ECU150と称される。一実施形態においては、ECU150は、自動車100の様々な構成部材に対して通信し得るように、および/または、それら構成部材を制御し得るように、構成することができる。
【0027】
いくつかの場合においては、ECU150は、マイクロプロセッサや、RAMや、ソフトウェア、を備えることができる。それらは、自動車100の様々なパラメータを観測して管理するように機能する。例えば、ECU150は、エンジン内に配置された様々なセンサから信号を受領することができる。様々なセンサの出力は、ECU150に対して送信され、ECU150において、制御信号を、例えばRAMといったような電子的格納媒体内に格納することができる。現在の制御信号と電子的に格納された制御信号との双方を、例えばROMといったような電子メモリ内に格納されたソフトウェアに基づいて、中央処理ユニット(CPU)によって処理することができる。
【0028】
ECU150は、情報および電力(あるいは、駆動力)の入出力を容易とする多数のポートを備えることができる。「ポート」という用語は、明細書および特許請求の範囲の全般にわたって、2つの導体の間の、任意のインターフェースまたは共有境界を意味している。いくつかの場合においては、ポートは、導体の挿入および取外しを容易とすることができる。これらタイプのポートの例には、機械的なコネクタがある。他の場合には、ポートは、一般的に容易な挿入または取外しを提供しないインターフェースとされる。これらタイプのポートの例には、回路基板上の半田箇所または電気的接続箇所がある。
【0029】
ECU150に関連した以下のポートおよび構成のすべては、付加的なものである。いくつかの実施形態は、所定のポートまたは構成を備えることができ、一方、他の実施形態は、それを除外することができる。以下の説明は、多くの可能なポートを、および、多くの使用し得る構成を、開示している。しかしながら、与えられた実施形態に対して、すべてのポートまたはすべての構成を使用しなければならないわけではないことに留意されたい。
【0030】
いくつかの実施形態においては、ECU150は、エンジン102に対して通信し得るように、および、エンジン102を制御し得るように、構成することができる。例えば、いくつかの場合においては、ECU150は、燃料インジェクターや、スパークプラグや、バルブや、スロットルバルブや、エンジン102に関連した他の構成部材、を制御し得るよう構成することができる。
【0031】
いくつかの実施形態においては、ECU150は、燃料インジェクター170に対して通信するための、および/または、燃料インジェクター170を制御するための、ポート151を備えることができる。燃料インジェクター170は、エンジンの1つまたは複数のシリンダ内へと燃料を注入し得るよう構成された任意のタイプの燃料インジェクターとすることができる。さらに、燃料インジェクター170は、ここでは簡略化の目的のために図示されていない燃料レールや燃料ポンプや燃料圧力レギュレータや様々なセンサを備えた燃料注入システムの他の構成部材に関連することができる。例示の目的のために、この実施形態においては、3つの燃料インジェクターが図示されている。しかしながら、他の実施形態においては、エンジン102において、任意の数の燃料インジェクターを使用することができる。
【0032】
単一のポートが燃料インジェクター170に対して通信するためのものとして図示されているけれども、他の実施形態においては、個別のポートを使用して各燃料インジェクターがECU150に対して通信し得るよう、複数のポートを使用することができる。さらに、他の実施形態においては、追加的なポートを、エンジン102に関連した他の構成部材またはシステムに対して通信し得るように、設けることができる。エンジン102に関連した他の構成部材またはシステムには、限定するものではないけれども、スパークプラグや、電子的に制御されるバルブや、電子的に制御されるスロットルや、エンジン102の動作のために使用されている他のシステム、がある。
【0033】
いくつかの実施形態においては、ECU150は、電気モータ112に対して通信するためのポート152を備えることができる。いくつかの場合においては、ECU150は、電気モータ112の動作を制御することができる。例えば、ECU150は、電気モータ112を制御することによって、自動車100を推進するための駆動力を生成することができる。ECU150は、さらに、自動車100がブレーキングされる際には、回生ブレーキングモード(あるいは、回生ブレーキモード)として電気モータ112を制御することができる。これにより、バッテリ116を充電し得るとともに、自動車100のエネルギー効率を増大させることができる。
【0034】
いくつかの実施形態においては、ECU150は、トランスミッション118に対して通信するためのポート159を備えることができる。いくつかの場合においては、ECU150は、ギヤシフトの変更を自動的に開始し得るよう、トランスミッション118に対して制御信号を送信することができる。
【0035】
いくつかの実施形態においては、ECU150は、油圧アシストシステム130に対して通信するためのポート153を備えることができる。いくつかの場合においては、ECU150は、油圧アシストシステム130を起動または停止させるための制御信号を送信することができる。加えて、ECU150は、油圧アシストシステム130を制御することによって、所定の程度の分だけブレーキングシステム140の油圧を増大させることができる。
【0036】
いくつかの実施形態においては、ECU150は、自動車100の様々な動作パラメータに関連した情報を受領するための構成を備えることができる。いくつかの実施形態においては、ECU150は、ブレーキングシステム140内における油圧に関連した情報を受領するためのポート154を備えることができる。いくつかの場合においては、ECU150は、ブレーキングシステム140の一部内に配置された圧力センサ160から情報を受領することができる。一般に、圧力センサ160は、ブレーキングシステム140の任意の部分に配置することができる。いくつかの場合においては、圧力センサ160は、マスターシリンダ146に対して関連することができる。いくつかの場合においては、圧力センサ160は、組合せバルブ148に対して関連することができる。さらに他の場合においては、圧力センサ160は、ブレーキラインの任意の部分も含めた、ブレーキングシステム140の他の任意の部分に、配置することができる。さらに、他の実施形態においては、複数の圧力センサを、ブレーキングシステム140内の様々な箇所に、設けることができる。この構成を使用することにより、ECU150は、ブレーキングシステム140の1つまたは複数の構成部材の内部における油圧に関連した情報を受領することができる。いくつかの場合においては、この情報を使用することにより、ブレーキ180に対して印加されるブレーキ力を決定することができる。
【0037】
いくつかの実施形態においては、ECU150は、ブレーキペダル142の位置に関連した情報を受領するためのポート155を備えることができる。いくつかの場合においては、ECU150は、位置センサ162から情報を受領することができる。いくつかの実施形態においては、位置センサ162は、ブレーキペダル142の移動距離を検出し得るよう構成することができる。言い換えれば、位置センサ162は、初期位置からのブレーキペダル142の変位量を決定することができる。ブレーキペダルの移動距離を測定するためのセンサの例は、1996年5月24日付けで出願されたTakeshima 氏による米国特許第5,779,329号明細書に開示されている。この文献の記載内容は、参考のためここに組み込まれる。他の実施形態においては、ブレーキペダルの移動距離を検出するに際して当該技術分野において公知であるような他の任意のセンサを使用することができる。他の実施形態においては、位置センサ162は、初期角度から測定されたような、ブレーキペダルの角度を検出し得るよう構成することができる。そのような実施形態においては、初期位置から踏み込まれたブレーキペダルの角度を測定し得る任意のセンサを使用することができる。さらに他の実施形態においては、自動車には、ブレーキペダルの移動距離を検出するためのセンサと、角度を検出するためのセンサと、の双方を設けることができる。さらに、初期位置に対してのブレーキペダルの位置を検出するための当該技術分野において公知であるような他の任意のシステムまたはデバイスを使用し得ることは、理解されるであろう。
【0038】
いくつかの実施形態においては、ECU150は、ブレーキペダルの表面に対して印加された力または圧力に関連した情報を受領するためのポート156を備えることができる。一実施形態においては、ECU150は、表面圧力センサ164からの情報を受領することができる。いくつかの場合においては、表面圧力センサ164は、ブレーキペダル142の表面190上に配置することができる。表面圧力センサ164は、ドライバの足によってブレーキペダル142が踏み込まれた際には、表面190に対して印加された圧力および/または力を測定することができる。
【0039】
一般に、表面圧力センサ164は、任意のタイプのセンサとすることができる。いくつかの実施形態においては、表面圧力センサ164は、圧電デバイスとすることができる。他の実施形態においては、表面圧力センサ164は、歪みゲージデバイスとすることができる。さらに他の実施形態においては、表面圧力センサ164は、ドライバの足によって印加される圧力を測定し得る他の任意のタイプのセンサとすることができる。
【0040】
いくつかの実施形態においては、表面圧力センサ164は、表面190上に配置することができる。他の実施形態においては、表面圧力センサ164は、ブレーキペダル142の表面190内に埋め込むことができる。言い換えれば、いくつかの場合においては、表面圧力センサ164は、表面190から上方に隆起しないものとすることができる。
【0041】
簡略化の目的のために、この実施形態においては、自動車100に関連したいくつかのセンサだけが図示されている。しかしながら、他の実施形態においては、他のタイプの任意のセンサを使用することにより、自動車の1つまたは複数のシステムに関連した動作情報を検出し得ることは、理解されるであろう。追加的なセンサを備えた実施形態においては、ECU150は、様々な異なるセンサに対して通信するための追加的なポートを備えて構成することができる。さらに、他の実施形態においては、ECU150は、自動車の様々な異なるシステムに対して通信するための追加的なポートを備えることができる。
【0042】
いくつかの実施形態においては、自動車100は、ブレーキング制御システム195を備えることができる。ブレーキング制御システム195は、図1に関して上述したようなかつ図1に図示したいくつかの構成部材を備えることができる。特に、ブレーキング制御システム195は、ブレーキングシステム140を観測してブレーキングシステム140に対していくつかの制御を行うために使用し得る1つまたは複数の構成部材またはシステムを備えることができる。例えば、いくつかの実施形態においては、ブレーキング制御システム195は、ECU150と、ECU150に関連した様々な異なる構成部材と、を備えることができる。いくつかの実施形態においては、ブレーキング制御システム195は、いくつかの構成を、あるいは、他の構成を、備えることができる。この構成により、ブレーキング制御システム195は、ブレーキングシステム140を観測することができ、自動車100のブレーキングのために必要とされた他の任意のシステムを制御することができる。
【0043】
いくつかの実施形態においては、ブレーキング制御システム195は、ブレーキングを行うように機能するようなあるいは他の態様で自動車を減速させるように機能するような様々なブレーキング補助手段を適用することができる。それらブレーキング補助手段のいくつかは、ブレーキングシステム140の構成部材を利用することができ、それら以外の構成部材を利用しないことができる。本明細書および特許請求の範囲の全般にわたって、「ブレーキング補助手段」という用語は、自動車に関連した自動化システムによって制御されるような、自動車をブレーキングするための任意の手法を意味している。
【0044】
図2は、車両を減速させるために使用し得るいくつかのブレーキング補助手段の実施形態を概略的に示している。いくつかの実施形態においては、自動車は、エンジンブレーキ202を使用することができる。一般に、エンジンブレーキ202は、様々な態様で制御することができる。いくつかの場合においては、エンジンブレーキ202は、下位のギヤへとトランスミッション118を自動的にシフトダウンすることによって、起動することができる。他の場合においては、エンジンブレーキ202は、燃料カットモードへと進入することにより、制御することができる。燃料カットモードにおいては、燃料は、エンジン102の1つまたは複数のシリンダに対して供給されない。さらに他の場合においては、車両のスロットルは、エンジンブレーキ202を利用可能とし得るよう、自動的に制御することができる。さらに他の場合においては、自動車においてエンジンブレーキ202を自動的に制御するための任意の公知の手法を使用することができる。
【0045】
いくつかの場合においては、自動車100は、車両の減速を補助し得るよう、回生ブレーキ204を使用することができる。回生ブレーキを使用することにより、電気モータ112が自動車100の運動エネルギーを電気エネルギーに変換してバッテリ116内に貯蔵することができる。いくつかの場合においては、ブレーキング制御システム195は、回生ブレーキ204を起動することができ、これにより、自動車100に対して追加的なブレーキングを提供することができる。
【0046】
追加的なブレーキングを提供するに際して、自動車の様々な動作モードを利用することに加えて、ブレーキング制御システム195は、さらに、油圧アシストシステム130を使用することができる。いくつかの場合においては、ブレーキング制御システム195は、ブレーキングシステム140によって生成されるブレーキ力を増大させる目的で、油圧アシストシステム130を起動することができる。いくつかの場合においては、ブレーキング制御システム195は、ブレーキングシステム140によってこの時点で供給されるブレーキ力が不十分であることを決定することができる。したがって、ブレーキング制御システム195は、油圧アシストシステム130を起動することができ、これにより、追加的なブレーキ力を生成することができる。
【0047】
いくつかの実施形態においては、ブレーキング制御システム195によって利用可能とされている他のブレーキング補助手段は、ブレーキパッドアシスト208である。本明細書および特許請求の範囲の全般にわたって、「ブレーキパッドアシスト」という用語は、ブレーキパッド圧力を増大させるための任意の手法を意味している。いくつかの場合においては、ブレーキパッドアシストは、電気的デバイスの態様のものとすることができる。その電気的デバイスは、ブレーキパッドに対して連結されていて、要求に応じて追加的なブレーキ力を供給することができる。
【0048】
図3および図4は、自動車100の通常動作を概略的に示している。図3および図4に示すように、自動車100は、スピードメータ302に示すように、高速でもって道路300上を走行している。図3に示すように、ドライバがブレーキペダル142を踏み込んだ際には、ブレーキングシステム140が、適切に機能する。特に、表面190のところにおいて検出された印加圧力と、ブレーキングシステム140の1つまたは複数の構成部材内において検出された油圧と、の双方は、大きいものである。例示の目的のために、表面190で検出された圧力は、圧力ゲージ304によって示されており、ブレーキングシステム140内で検出された油圧は、圧力ゲージ306によって示されている。表面190における圧力は、表面圧力センサ164によって検出することができる。ブレーキングシステム140の1つまたは複数の構成部材内における油圧は、圧力センサ160を使用して検出することができる。圧力ゲージ304と圧力ゲージ306との双方は、比較的大きな圧力値を示している。言い換えれば、ドライバによって印加された初期圧力は、ブレーキングシステム140によって適切に伝達されている。図4に示すように、自動車100は、結局のところ、かなりの低速を示しているスピードメータ302によって示されているように、ブレーキ力のために、減速している。
【0049】
例示の目的のために、ブレーキペダル表面に関して図示された圧力値と、ブレーキングシステムの内部油圧に関して図示された圧力値とは、同様の値として図示することができる。しかしながら、ブレーキペダル表面において検出された圧力と、ブレーキングシステムの構成部材の内部における油圧とが、通常動作時においてさえ、互いに同等でなくても良いことは、理解されるであろう。特に、ブレーキペダルに対して印加された力は、圧力ブースターによって、また、ブレーキングシステム内の他の構成部材によって、増倍することができる。しかしながら、通常動作時には、ブレーキペダル表面のところで検出される圧力と、ブレーキングシステム内の油圧と、の間には、予想される相関関係が存在する。したがって、ブレーキングシステムが適切に動作しているかどうかを決定するために、ブレーキング制御システムは、ブレーキペダル表面での測定圧力値とブレーキングシステム内部の圧力値との関係を、予想される相関関係と比較することができる。これにより、問題点があるかどうかを決定することができる。双方の測定圧力値と、ブレーキペダル表面と油圧との間の既定の相関関係と、の比較に関する詳細については、詳細に後述する。
【0050】
ブレーキング制御システムは、ブレーキングに関する潜在的な問題点または異常を検出するための構成を備えることができる。いくつかの場合においては、ブレーキング制御システムは、ドライバによってブレーキペダルのところにおいて印加されたブレーキ力がブレーキングシステムの他の構成部材に対して適切に伝達されないという状況を検出するための様々な構成を備えることができる。いくつかの場合においては、ブレーキング制御システムは、さらに、車両の減速を補助し得るよう、1つまたは複数のブレーキング補助手段を起動することができる。
【0051】
図5および図6は、ブレーキング異常を検出するための、および、補助手段としてエンジンブレーキを適用するための、方法の一実施形態を概略的に示している。図5に示すように、自動車100は、スピードメータ502に示すように、比較的高速でもって坂道500を下っている。ドライバは、ブレーキペダル142を踏み込み、これにより、自動車100を減速する。しかしながら、障害物520がブレーキペダル142とフロア表面530との間に挟まっている。障害物520の存在のために、ドライバがブレーキペダル142を完全に踏み込むことを意図したとしても、ブレーキペダル142を完全に踏み込むことができない状況となっている。
【0052】
この状況においては、ブレーキング制御システム195は、ブレーキペダル表面190で検出される圧力と、ブレーキングシステム140内で検出される圧力と、を観測することができる。ブレーキペダル表面190で検出される圧力は、圧力ゲージ510によって示されているように、比較的大きなものである。これに対し、ブレーキングシステム140の1つまたは複数の構成部材の内部で検出される油圧は、圧力ゲージ512によって示されているように、比較的小さい。この時点において、ブレーキング制御システム195は、ブレーキペダル表面圧力と油圧とが著しく相違していることのために、問題点が存在していることを決定することができる。自動車100のブレーキ力を増大させ得るよう、ブレーキング制御システム195は、ブレーキング補助手段を起動することができる。この実施形態においては、ブレーキング制御手段195は、エンジンブレーキを起動することによって、自動車の減速を補助することができる。
【0053】
エンジンブレーキを起動するためには、ブレーキング制御システム195は、シフトダウンを引き起こすように、トランスミッション118を自動的に制御することができる。初期的には、図5に示すように、トランスミッション118は、4速のギヤ位置である。したがって、エンジンブレーキの起動により、ブレーキング制御システム195は、図6に示すように、トランスミッション118を、3速のギヤ位置へとシフトダウンさせる。トランスミッション118のシフトダウンにより、エンジンブレーキは、スピードメータ502によって示すように、自動車100の減速を開始することができる。
【0054】
ブレーキングシステムのこの制御方法を使用することにより、ブレーキング制御システム195は、追加的なブレーキ力を提供することができ、自動車100を減速させることができる。特に、ブレーキングシステム140は、いくらかのブレーキ力を印加することができ、これと同時に、追加的なブレーキ力を、トランスミッション118が自動的にシフトダウンされた際に引き起こされるエンジンブレーキの効果によって、提供することができる。
【0055】
いくつかの実施形態においては、ブレーキングの問題点を検出した際には、ブレーキング制御システム195は、エンジンブレーキに要求される必要な追加的なブレーキ力を計算することができる。これにより、ブレーキングシステム140によって生成されたブレーキ力と、エンジンブレーキによって生成されたブレーキ力と、の合計を、ドライバによって要求された意図されたブレーキ力と等価なものとすることができる。特に、意図されたブレーキ力は、表面圧力センサ164によって検出された力または圧力を考慮することによって、決定することができる。これに加えて、ブレーキングシステム140によって印加される実際の力は、圧力センサ160によって検出される圧力から決定することができる。この時点で、意図されたブレーキ力と、ブレーキングシステム140によって印加された実際のブレーキ力と、の間の相違量を決定することができ、この相違量を使用することにより、意図された程度でもって自動車100を減速させるに際して必要であるような追加的なブレーキ力を、計算することができる。他の場合においては、エンジンブレーキは、ブレーキングの問題点が検出された場合にはいつでも所定のブレーキ力を生成するような態様で、適用することができる。
【0056】
図7および図8は、ブレーキング異常を検出するための、および、補助手段として回生ブレーキを適用するための、方法の一実施形態を概略的に示している。図7に示すように、自動車(この場合には、とりわけ、モータ車両)100は、スピードメータ702に示すように、比較的高速でもって坂道700を下っている。ドライバは、ブレーキペダル142を踏み込み、これにより、モータ車両100を減速する。しかしながら、障害物720がブレーキペダル142とフロア表面730との間に挟まっている。障害物720の存在のために、ドライバがブレーキペダル142を完全に踏み込むことを意図したとしても、ブレーキペダル142を完全に踏み込むことができない状況となっている。
【0057】
この状況においては、ブレーキング制御システム195は、ブレーキペダル表面190で検出される圧力と、ブレーキングシステム140内で検出される圧力と、を観測することができる。ブレーキペダル表面190で検出される圧力は、圧力ゲージ710によって示されているように、比較的大きなものである。これに対し、ブレーキングシステム140の1つまたは複数の構成部材の内部で検出される油圧は、圧力ゲージ712によって示されているように、比較的小さい。この時点において、ブレーキング制御システム195は、ブレーキペダル表面圧力と油圧とが著しく相違していることのために、問題点が存在していることを決定することができる。モータ車両100のブレーキ力を増大させ得るよう、ブレーキング制御システム195は、ブレーキング補助手段を起動することができる。この実施形態においては、ブレーキング制御手段195は、回生ブレーキを起動することによって、自動車の減速を補助することができる。
【0058】
回生ブレーキを起動するためには、ブレーキング制御システム195は、電気モータ112を自動的に制御することによって、バッテリ116の充電を開始することができる。初期的には、図7に示すように、バッテリ116は、比較的少ない充電量を有している。これに対し、図8に示すように、バッテリ116は、電気モータ112によって充電されるというプロセスを受ける。さらに、電気モータ112がバッテリ116を充電するように動作する際には、電気モータ112からバッテリ116に対してのエネルギー伝送は、モータ車両100に対してブレーキング効果を提供する。特に、モータ車両100の運動エネルギーが、電気エネルギーへと変換され、その電気エネルギーは、バッテリ116内に貯蔵される。
【0059】
ブレーキングシステムのこの制御方法を使用することにより、ブレーキング制御システム195は、追加的なブレーキ力を提供することができ、モータ車両100を減速させることができる。特に、ブレーキングシステム140は、いくらかのブレーキ力を印加することができ、これと同時に、追加的なブレーキ力を、電気モータ112がバッテリ116を充電するための発電機として機能する際に引き起こされる回生ブレーキの効果によって、提供することができる。
【0060】
いくつかの実施形態においては、ブレーキングの問題点を検出した際には、ブレーキング制御システム195は、回生ブレーキに要求される必要な追加的なブレーキ力を計算することができる。これにより、ブレーキングシステム140によって生成されたブレーキ力と、回生ブレーキによって生成されたブレーキ力と、の合計を、ドライバによって要求された意図されたブレーキ力と等価なものとすることができる。特に、意図されたブレーキ力は、表面圧力センサ164によって検出された力または圧力を考慮することによって、決定することができる。これに加えて、ブレーキングシステム140によって印加される実際の力は、圧力センサ160によって検出される圧力から決定することができる。この時点で、意図されたブレーキ力と、ブレーキングシステム140によって印加された実際のブレーキ力と、の間の相違量を決定することができ、この相違量を使用することにより、意図された程度でもってモータ車両100を減速させるに際して必要であるような追加的なブレーキ力を、計算することができる。他の場合においては、回生ブレーキは、ブレーキングの問題点が検出された場合にはいつでも所定のブレーキ力を生成するような態様で、適用することができる。
【0061】
図9および図10は、ブレーキング異常を検出するための、および、補助手段として油圧アシストを適用するための、方法の一実施形態を概略的に示している。図9に示すように、モータ車両100は、スピードメータ902に示すように、比較的高速でもって坂道900を下っている。ドライバは、ブレーキペダル142を踏み込み、これにより、モータ車両100を減速する。しかしながら、障害物920がブレーキペダル142とフロア表面930との間に挟まっている。障害物920の存在のために、ドライバがブレーキペダル142を完全に踏み込むことを意図したとしても、ブレーキペダル142を完全に踏み込むことができない状況となっている。
【0062】
この状況においては、ブレーキング制御システム195は、ブレーキペダル表面190で検出される圧力と、ブレーキングシステム140内で検出される圧力と、を観測することができる。ブレーキペダル表面190で検出される圧力は、圧力ゲージ910によって示されているように、比較的大きなものである。これに対し、ブレーキングシステム140の1つまたは複数の構成部材の内部で検出される油圧は、圧力ゲージ912によって示されているように、比較的小さい。この時点において、ブレーキング制御システム195は、ブレーキペダル表面圧力と油圧とが著しく相違していることのために、問題点が存在していることを決定することができる。モータ車両100のブレーキ力を増大させ得るよう、ブレーキング制御システム195は、ブレーキング補助手段を起動することができる。この実施形態においては、ブレーキング制御手段195は、油圧アシストを起動することによって、自動車の減速を補助することができる。
【0063】
油圧アシストを起動するためには、ブレーキング制御システム195は、油圧アシストシステム130を自動的に制御することができる。油圧アシストシステム130は、ブレーキ流体935を備えることができ、ブレーキ流体935を使用することにより、追加的な油圧をブレーキングシステム140に対して供給することができる。初期的には、図9に示すように、油圧アシストシステム130は、ブレーキングシステム140に対して流体連通していない。特に、バルブ920が閉塞されている。これに対し、図10に示すように、バルブ920が開放されることにより、ブレーキ流体935を、ブレーキングシステム140内へと流入させることができる。いくつかの実施形態においては、油圧アシストシステム130は、ブレーキングシステム140に対して追加的な油圧を供給する。これにより、ブレーキングシステム140内における全体的な油圧を増大させる。図10に示すように、圧力センサ160で検出される油圧は、油圧アシストシステム130の起動後には、増大する。このことは、ブレーキングシステム140によって供給される実際のブレーキ力を、表面圧力センサ164で検出された圧力によって決定された意図されたブレーキ力に対して、一致させるための手段を提供する。
【0064】
ブレーキングシステムのこの制御方法を使用することにより、ブレーキング制御システム195は、ブレーキングシステム140によって供給されるブレーキ力を自動的に増大させることができ、これにより、モータ車両100を減速させることができる。エンジンブレーキや回生ブレーキといったような補助手段とは異なり、油圧アシストを使用したこの方法は、モータ車両100を減速させるに際し、ブレーキングシステム140を使用することによって、すべてのブレーキ力を供給する。
【0065】
いくつかの実施形態においては、ブレーキングの問題点を検出した際には、ブレーキング制御システム195は、油圧アシストに要求される必要な追加的なブレーキ力を計算することができる。これにより、ブレーキングシステム140によって生成されるブレーキ力を、ドライバによって要求された意図されたブレーキ力と等価なものとすることができる。特に、意図されたブレーキ力は、表面圧力センサ164によって検出された力または圧力を考慮することによって、決定することができる。これに加えて、ブレーキングシステム140によって印加される実際の力は、圧力センサ160によって検出される圧力から決定することができる。この時点で、意図されたブレーキ力と、ブレーキングシステム140によって供給される実際のブレーキ力と、の間の相違量を決定することができ、この相違量を使用することにより、意図された程度でもってモータ車両100を減速させるに際して必要であるような追加的なブレーキ力を、計算することができる。他の場合においては、油圧アシストは、ブレーキングの問題点が検出された場合にはいつでも所定のブレーキ力を生成するような態様で、適用することができる。
【0066】
油圧アシストシステム130の動作が、図9および図10においては、概略的に図示されていることは、理解されるであろう。他の実施形態においては、油圧アシストシステムは、ブレーキングシステム140に対して追加的な油圧を供給し得る任意の態様で動作することができる。いくつかの場合においては、油圧アシストシステム130は、追加的な油圧を自動的に生成することを補助するような、モータまたは他の電気的デバイスを備えることができる。さらに、いくつかの場合においては、油圧アシストシステム130は、個別の部材またはシステムではなく、ブレーキングシステム140内に組み込まれた1つまたは複数の構成部材を備えることができ、そのような1つまたは複数の構成部材は、1つまたは複数のブレーキライン内の油圧を自動的に増大させるために使用することができる。
【0067】
図11は、ブレーキペダル表面圧力と、ブレーキング制御システムの様々な態様に関連した油圧と、の間の様々な関係を示す図である。簡略化の目的のために、油圧の圧力値が、縦軸として示されており、ブレーキペダル表面圧力が、横軸として示されている。このように、油圧は、ブレーキペダル表面圧力の関数として理解することができる。しかしながら、他の実施形態においては、ブレーキペダル表面圧力を縦軸として表示し、油圧を横軸として表示し得ることは、理解されるであろう。言い換えれば、等価的に、ブレーキペダル表面圧力を、油圧の関数と見なすことができる。
【0068】
様々なセンサによって検出されたブレーキペダル表面圧力と様々なセンサによって検出された油圧とが、適切に相関しているかどうかを決定する目的のために、ブレーキング制御システムは、所定のブレーキング関係1102を使用することができる。所定のブレーキング関係1102は、ブレーキングシステムの油圧と、ドライバによって印加されたブレーキペダル表面圧力と、の間の予想される関係を示すものである。言い換えれば、所定のブレーキング関係1102は、油圧とブレーキペダル表面圧力との間の予想される関係を示している。
【0069】
一般に、この所定の関係は、任意の態様とすることができる。いくつかの場合においては、所定のブレーキング関係1102は、線形的な関係とすることができる。他の場合においては、所定のブレーキング関係1102は、非線形の関係とすることができる。また、いくつかの実施形態においては、所定のブレーキング関係1102は、ECU150(図1参照)内のメモリ内に格納することができる。他の実施形態においては、所定のブレーキング関係1102は、モータ車両100の他の構成部材内に格納することができる。さらに、所定のブレーキング関係1102は、製造時に、あるいは、その後に、決定することができる。いくつかの場合においては、ブレーキングシステムの1つまたは複数の構成部材には、油圧とブレーキペダルのところにおける表面圧力との間の予想される関係を示す情報を付帯させることができる。
【0070】
図11は、さらに、測定されたブレーキング関係のいくつかの例を示しており、すなわち、第1の測定されたブレーキング関係1104と、第2の測定されたブレーキング関係1106と、を示している。上述したように、ブレーキングシステムの内部において検出された油圧と、ブレーキペダル表面において検出された圧力とは、車両の動作時に観測することができる。いくつかの場合においては、油圧とブレーキペダル表面圧力との双方が、時間の関数として受領される。対応する時間どうしを適合させるために、ブレーキング制御システムは、油圧とブレーキペダル表面圧力との間の実際の関係を決定することができる。
【0071】
第1の測定されたブレーキング関係1104は、所定のブレーキング関係1102と同様の、実質的に線形的な関係として図示されている。第1の測定されたブレーキング関係1104は、ブレーキングシステムが正常に動作しているときに観測されるようなブレーキング関係の一例である。さらに、ブレーキペダル表面圧力としての油圧の値は、第1の測定されたブレーキング関係1104と、所定のブレーキング関係1102と、の双方において、実質的に同様である。
【0072】
この例においては、第2の測定されたブレーキング関係1106は、所定のブレーキング関係1102とは、実質的に相違している。第2の測定されたブレーキング関係1106は、例えば障害物がブレーキペダルの移動経路を妨害している場合といったような何らかの問題点が発生している場合に測定され得るような、ブレーキング関係の一例である。ブレーキペダル圧力が小さい場合には、第2の測定されたブレーキング関係1106は、所定のブレーキング関係1102と同様なものであり得る。しかしながら、ブレーキペダル表面圧力の値が符号1110で示すところにおいては、第2の測定されたブレーキング関係1106は、所定のブレーキング関係1102から実質的に逸れ始める。特に、第2の測定されたブレーキング関係1106における油圧は、ブレーキペダル表面圧力が増大したとしても、実質的に一定のままである。さらに、所定のブレーキング関係1102と第2の測定されたブレーキング関係1106との間の相違量は、ブレーキペダル表面圧力が増大するにつれて、大きくなる。このタイプのブレーキング関係は、ドライバが、より大きな圧力でもってブレーキペダルを踏み込んだとしても、ブレーキペダルが固着していて、ブレーキングシステムに対して意図した力を伝達できないという場合に、起こり得る。
【0073】
いくつかの場合においては、ブレーキング制御システムは、測定されたブレーキング関係が所定のブレーキング関係に対して実質的に相違しているかどうかを決定するために、しきい値を使用することができる。例えば、第1の測定されたブレーキング関係1104は、所定のブレーキング関係1102に対して、しきい値D1の範囲内である。言い換えれば、ブレーキペダル表面圧力の関数としての、第1の測定されたブレーキング関係1104の油圧と、所定のブレーキング関係1102の油圧と、の間の相違量は、しきい値D1を決して超えることがない。これに対して、ブレーキペダル表面圧力の関数としての、第2の測定されたブレーキング関係1106の油圧と、所定のブレーキング関係1102の油圧と、の間の相違量は、符号1110で示すところを超えたブレーキペダル表面圧力においては、しきい値D1を超える。例えば、符号1112で示すところにおいては、第2の測定されたブレーキング関係1106の油圧と、所定のブレーキング関係1102の油圧と、の間の相違量は、値D2であり、この値D2は、しきい値D1よりもずっと大きなものである。第2の測定されたブレーキング関係1106と所定のブレーキング関係1102との間の相違が検出された際には、ブレーキング制御システムは、1つまたは複数のブレーキング補助手段を起動することができ、これにより、モータ車両に対して意図されたブレーキ力を提供することを補助することができる。
【0074】
この実施形態においては、様々なブレーキング関係におけるそれぞれの油圧を比較するためのしきい値について説明したけれども、他の実施形態においては、ブレーキペダル表面圧力に関するしきい値を使用することもできる。言い換えれば、測定されたブレーキング関係が所定のブレーキング関係と同様であるかあるいは相違しているかを決定するに際して、ブレーキング制御システムは、測定されたブレーキング関係のブレーキペダル表面圧力が、所定のブレーキング関係の場合のブレーキペダル表面圧力に対して、しきい値内にあるかどうかを決定することができる。
【0075】
いくつかの実施形態においては、測定されたブレーキング関係の値と、所定のブレーキング関係の値とは、ブレーキペダル表面圧力の単一の値のところにおいて、あるいは、油圧の単一の値のところにおいて、比較することができる。しかしながら、他の場合においては、ブレーキング制御システムは、所定範囲にわたっての、ブレーキペダル表面圧力の平均的な相違量を比較することができる、あるいは、油圧の平均的な相違量を比較することができる。
【0076】
図12は、ブレーキペダル表面圧力と、ブレーキング制御システムの様々な態様に関連したブレーキペダル位置と、の間の様々な関係を示す図である。簡略化の目的のために、ブレーキペダル位置の値が、縦軸として示されており、ブレーキペダル表面圧力が、横軸として示されている。このように、ブレーキペダル位置は、ブレーキペダル表面圧力の関数として理解することができる。しかしながら、他の実施形態においては、ブレーキペダル表面圧力を縦軸として表示し、ブレーキペダル位置を横軸として表示し得ることは、理解されるであろう。言い換えれば、等価的に、ブレーキペダル表面圧力を、ブレーキペダル位置の関数と見なすことができる。
【0077】
上述したように、ブレーキペダル位置は、様々な手法で決定することができる。いくつかの場合においては、ブレーキペダル位置は、ブレーキペダルの角度情報を使用して決定することができる。ブレーキペダルの角度情報は、ブレーキペダル角度センサから受領することができる。他の場合においては、ブレーキペダル位置は、ブレーキペダルが初期位置から移動した距離に関連したブレーキペダル移動距離情報を使用して、決定することができる。ブレーキペダル移動距離情報は、ブレーキペダル移動センサを使用して受領することができる。
【0078】
様々なセンサによって検出されたブレーキペダル表面圧力と様々なセンサによって検出されたブレーキペダル位置とが、適切に相関しているかどうかを決定する目的のために、ブレーキング制御システムは、所定のブレーキング関係1202を使用することができる。所定のブレーキング関係1202は、ブレーキペダル位置と、ドライバによって印加されたブレーキペダル表面圧力と、の間の予想される関係を示すものである。言い換えれば、所定のブレーキング関係1202は、ブレーキペダル位置とブレーキペダル表面圧力との間の予想される関係を示している。
【0079】
一般に、この所定の関係は、任意の態様とすることができる。いくつかの場合においては、所定のブレーキング関係1202は、線形的な関係とすることができる。他の場合においては、所定のブレーキング関係1202は、非線形の関係とすることができる。また、いくつかの実施形態においては、所定のブレーキング関係1202は、ECU150(図1参照)内のメモリ内に格納することができる。他の実施形態においては、所定のブレーキング関係1202は、モータ車両100の他の構成部材内に格納することができる。さらに、所定のブレーキング関係1202は、製造時に、あるいは、その後に、決定することができる。いくつかの場合においては、ブレーキングシステムの1つまたは複数の構成部材には、ブレーキペダル位置とブレーキペダルのところにおける表面圧力との間の予想される関係を示す情報を付帯させることができる。
【0080】
図12は、さらに、測定されたブレーキング関係のいくつかの例を示しており、すなわち、第1の測定されたブレーキング関係1204と、第2の測定されたブレーキング関係1206と、を示している。上述したように、ブレーキペダル位置と、ブレーキペダル表面において検出された圧力とは、車両の動作時に観測することができる。いくつかの場合においては、ブレーキペダル位置とブレーキペダル表面圧力との双方が、時間の関数として受領される。対応する時間どうしを適合させるために、ブレーキング制御システムは、ブレーキペダル位置とブレーキペダル表面圧力との間の実際の関係を決定することができる。
【0081】
第1の測定されたブレーキング関係1204は、所定のブレーキング関係1202と同様の、実質的に非線形の関係として図示されている。さらに、ブレーキペダル表面圧力としてのブレーキペダル位置の値は、第1の測定されたブレーキング関係1204と、所定のブレーキング関係1202と、の双方において、実質的に同様である。これに対し、第2の測定されたブレーキング関係1206は、所定のブレーキング関係1202とは、実質的に相違している。ブレーキペダル圧力が小さい場合には、第2の測定されたブレーキング関係1206は、所定のブレーキング関係1202と同様なものであり得る。しかしながら、ブレーキペダル表面圧力の値が符号1210で示すところにおいては、第2の測定されたブレーキング関係1206は、所定のブレーキング関係1202から実質的に逸れ始める。特に、第2の測定されたブレーキング関係1206におけるブレーキペダル位置は、ブレーキペダル表面圧力が増大したとしても、実質的に一定のままである。さらに、所定のブレーキング関係1202と第2の測定されたブレーキング関係1206との間の相違量は、ブレーキペダル表面圧力が増大するにつれて、大きくなる。
【0082】
いくつかの場合においては、ブレーキング制御システムは、測定されたブレーキング関係が所定のブレーキング関係に対して実質的に相違しているかどうかを決定するために、しきい値を使用することができる。例えば、第1の測定されたブレーキング関係1204は、所定のブレーキング関係1202に対して、しきい値D4の範囲内である。言い換えれば、ブレーキペダル表面圧力の関数としての、第1の測定されたブレーキング関係1204のブレーキペダル位置と、所定のブレーキング関係1202のブレーキペダル位置と、の間の相違量は、しきい値D4を決して超えることがない。これに対して、ブレーキペダル表面圧力の関数としての、第2の測定されたブレーキング関係1206のブレーキペダル位置と、所定のブレーキング関係1202のブレーキペダル位置と、の間の相違量は、符号1210で示すところを超えたブレーキペダル表面圧力においては、しきい値D4を超える。例えば、符号1212で示すところにおいては、第2の測定されたブレーキング関係1206のブレーキペダル位置と、所定のブレーキング関係1202のブレーキペダル位置と、の間の相違量は、値D5であり、この値D5は、しきい値D4よりもずっと大きなものである。第2の測定されたブレーキング関係1206と所定のブレーキング関係1202との間の相違が検出された際には、ブレーキング制御システムは、1つまたは複数のブレーキング補助手段を起動することができ、これにより、モータ車両に対して意図されたブレーキ力を提供することを補助することができる。
【0083】
この実施形態においては、様々なブレーキング関係におけるそれぞれのブレーキペダル位置を比較するためのしきい値について説明したけれども、他の実施形態においては、ブレーキペダル表面圧力に関するしきい値を使用することもできる。言い換えれば、測定されたブレーキング関係が所定のブレーキング関係と同様であるかあるいは相違しているかを決定するに際して、ブレーキング制御システムは、測定されたブレーキング関係のブレーキペダル表面圧力が、所定のブレーキング関係の場合のブレーキペダル表面圧力に対して、しきい値内にあるかどうかを決定することができる。
【0084】
いくつかの実施形態においては、測定されたブレーキング関係の値と、所定のブレーキング関係の値とは、ブレーキペダル表面圧力の単一の値のところにおいて、あるいは、ブレーキペダル位置の単一の値のところにおいて、比較することができる。しかしながら、他の場合においては、ブレーキング制御システムは、所定範囲にわたっての、ブレーキペダル表面圧力の平均的な相違量を比較することができる、あるいは、ブレーキペダル位置の平均的な相違量を比較することができる。
【0085】
図5〜図12は、障害物がブレーキペダルの全範囲にわたっての移動を妨害した場合に起こり得るブレーキング異常を検出するための実施形態を示している。これは、ブレーキング異常に関しての、1つの可能なシナリオである。いくつかの実施形態においては、ブレーキング異常に関しての他のシナリオを検出して対処することができる。障害物が妨害するというシナリオは、様々な実施形態において想定される多くの可能なブレーキング異常のうちの単なる一例である。しかしながら、ブレーキング異常を検出してブレーキング補助手段を適用するためのここで説明した様々な実施形態が、ブレーキング異常が発生する他の様々な状況においても適用され得ることは、理解されるであろう。言い換えれば、上述した制御システムの用途は、障害物に起因してブレーキングの問題点が発生するという状況に限定されるものではない。例えば、1つまたは複数のブレーキライン内におけるエアは、エアがブレーキ流体よりも圧縮性が大きいことのために、問題点を引き起こし得る。ブレーキングライン内にあまりに多くのエアが存在している場合には、ブレーキペダルが踏み込まれた際に、エアが圧縮されてしまう。このため、1つまたは複数のブレーキに対して伝達されるブレーキ力が、ドライバが意図したものよりも、小さなものとなってしまう。上記様々な実施形態において説明した方法を使用することにより、制御システムは、ブレーキングシステム内の油圧と、ブレーキペダルのところにおいて直接的に印加された圧力と、の間の相違量を自動的に検出することができる。特に、ブレーキングシステム内の実際の油圧が、ブレーキングライン内のエアに起因して、ブレーキペダルに対して印加された圧力に基づいた予想される油圧よりも小さいという状況においては、上述した制御システムは、この問題点を自動的に検出することができ、1つまたは複数のブレーキング補助手段を起動することができる。同様に、ブレーキングシステム内の油圧の全損失が存在するという状況においては(例えば、ブレーキングラインの破損に基づき)、この実施形態における制御システムは、実際の油圧と、ブレーキペダルに対して印加された圧力と、を比較することによって、この問題点を検出することができ、さらに、1つまたは複数のブレーキング補助手段を起動することができる。さらに、本明細書において上述し
た様々な実施形態を使用することによって、ブレーキングシステムによって印加された実際のブレーキ力が、ブレーキペダルに対して印加された圧力と適切に相関していない(すなわち、実際のブレーキ力または圧力が、ブレーキペダルに対して印加された圧力から決定されるような、予想されるブレーキ力または圧力とは相違している)という何らかのブレーキングの問題点を検出し得ることは、理解されるであろう。
【0086】
制御システムが、ブレーキペダル位置を、ブレーキペダルに対して印加された圧力と比較するという実施形態においては、制御システムは、ブレーキの摩耗度合いおよび/または流体の粘度に適応し得るように、校正することができる。いくつかの場合においては、例えば、ブレーキの摩耗度合いは、ブレーキペダル位置と、ブレーキペダルに対して印加された圧力と、の間の関係を変化させることができる。同様に、いくつかの場合においては、流体の圧縮性の相違(ブレーキ流体の製品としてのばらつきに起因する、水および/またはエアの混入に起因する、等)は、ブレーキペダル位置と、ブレーキペダルに対して印加された圧力と、の間の関係を変化させることができる。いくつかの実施形態においては、ブレーキペダル位置と、ブレーキペダルに対して印加された圧力と、の間の所定の関係を、車両の寿命にわたって、あるいは、ブレーキングシステムのメンテナンスサイクルにわたって、変更することが有効であり得る。例えば、いくつかの場合においては、制御システムは、所定の関係を経時的に自動的に調節することができる。これにより、ブレーキの摩耗に起因するような、および/または、ブレーキ流体化合物の変性に起因するような、経時的に予想される変化に適応することができる。他の場合においては、所定の関係を、メンテナンスサイクルの途中において、修正することができる。これにより、ブレーキングメンテナンスが行われるたびごとに、所定の関係を、自動的に変更することができる。さらに他の場合においては、所定の関係を、メンテナンス作業者によってあるいは製造業者によってあるいは使用者によって、手動で校正することができる。
【0087】
図13は、モータ車両におけるブレーキングを制御するためのプロセスの一実施形態を示している。いくつかの実施形態においては、以下の複数のステップのいくつかは、モータ車両のブレーキング制御システムによって、行うことができる。いくつかの場合においては、以下の複数のステップのいくつかは、モータ車両のECUによって、行うことができる。他の実施形態においては、以下の複数のステップのいくつかは、モータ車両の他の構成部材によって、行うことができる。他の実施形態においては、以下の複数のステップのうちの、1つまたは複数のステップを、付加的なものとし得ることは、理解されるであろう。
【0088】
ステップ1302においては、ブレーキング制御システムは、油圧情報を受領することができる。いくつかの場合においては、油圧情報は、ブレーキングシステムの1つまたは複数の構成部材に関連した圧力センサから、受領することができる。次に、ステップ1304においては、ブレーキング制御システムは、ブレーキペダル表面圧力情報を受領することができる。いくつかの場合においては、ブレーキペダル表面圧力情報は、ブレーキペダルに関連した表面圧力センサから、受領することができる。
【0089】
ステップ1304の次に、ステップ1306においては、ブレーキング制御システムは、油圧情報とブレーキペダル表面圧力情報とから、測定されたブレーキング関係を決定することができる。いくつかの場合においては、ステップ1306において、ブレーキング制御システムは、油圧の測定値を、ブレーキペダル表面圧力の測定値に対して、対応づけすることができる。対応づけされる双方の値は、同時に発生する。言い換えれば、いくつかの場合においては、測定されたブレーキング関係は、油圧とブレーキペダル表面圧力とからなる順序づけされた複数の対を備えることができる。
【0090】
次に、ステップ1308においては、ブレーキング制御システムは、所定のブレーキング関係を取得することができる。所定のブレーキング関係は、ECUを備えた任意の構成部材またはシステムから受領することができる。いくつかの場合においては、所定のブレーキング関係は、ECU内のメモリ内に格納しておくことができる。いくつかの場合においては、所定のブレーキング関係は、油圧とブレーキペダル表面圧力とからなる順序づけされた複数の対に対応する。
【0091】
ステップ1310においては、ブレーキング制御システムは、測定されたブレーキング関係と所定のブレーキング関係とを比較することができる。特に、ブレーキング制御システムは、測定されたブレーキング関係と所定のブレーキング関係とが実質的に同様であるかどうかを、決定することができる。これは、例えば、測定されたブレーキング関係と所定のブレーキング関係との間の相違量を、しきい値と比較することによって、決定することができる。
【0092】
測定されたブレーキング関係が、所定のブレーキング関係と実質的に同様である場合には、ブレーキング制御システムは、ステップ1302へと戻ることができる。しかしながら、測定されたブレーキング関係が、所定のブレーキング関係とは実質的に相違している場合には、ブレーキング制御システムは、ステップ1312へと進むことができる。ステップ1312においては、ブレーキング制御システムは、1つまたは複数のブレーキング補助手段を起動することができる。可能なブレーキング補助手段の例には、限定するものではないけれども、エンジンブレーキや、回生ブレーキや、ブレーキングシステムのための自動的な油圧アシストや、増強されたブレーキパッドアシストや、他の任意の補助手段、がある。
【0093】
図14は、モータ車両におけるブレーキングを制御するためのプロセスの他の実施形態を示している。いくつかの実施形態においては、以下の複数のステップのいくつかは、モータ車両のブレーキング制御システムによって、行うことができる。いくつかの場合においては、以下の複数のステップのいくつかは、モータ車両のECUによって、行うことができる。他の実施形態においては、以下の複数のステップのいくつかは、モータ車両の他の構成部材によって、行うことができる。他の実施形態においては、以下の複数のステップのうちの、1つまたは複数のステップを、付加的なものとし得ることは、理解されるであろう。
【0094】
ステップ1402においては、ブレーキング制御システムは、ブレーキペダル位置情報を受領することができる。いくつかの場合においては、ブレーキペダル位置情報は、ブレーキペダル角度センサから、受領することができる。例えば、ブレーキペダル位置情報は、ブレーキペダルの休止位置(すなわち、初期位置)に関連した初期角度を起点として測定されたような、ブレーキペダルのその時点での角度に関連した情報とすることができる。他の場合においては、ブレーキペダル位置情報は、距離センサから受領されるような、ブレーキペダル移動距離情報とすることができる。例えば、ブレーキペダル位置情報は、休止位置(すなわち、初期位置)に関連したブレーキペダルの初期位置を起点として測定されたような、ブレーキペダルのその時点での移動距離に関連した情報とすることができる。
【0095】
次に、ステップ1404においては、ブレーキング制御システムは、ブレーキペダル表面圧力情報を受領することができる。いくつかの場合においては、ブレーキペダル表面圧力情報は、ブレーキペダルに関連した表面圧力センサから、受領することができる。
【0096】
ステップ1404の次に、ステップ1406においては、ブレーキング制御システムは、ブレーキペダル位置情報とブレーキペダル表面圧力情報とから、測定されたブレーキング関係を決定することができる。いくつかの場合においては、ステップ1406において、ブレーキング制御システムは、ブレーキペダル位置の測定値を、ブレーキペダル表面圧力の測定値に対して、対応づけすることができる。対応づけされる双方の値は、同時に発生する。言い換えれば、いくつかの場合においては、測定されたブレーキング関係は、ブレーキペダル位置とブレーキペダル表面圧力とからなる順序づけされた複数の対を備えることができる。
【0097】
次に、ステップ1408においては、ブレーキング制御システムは、所定のブレーキング関係を取得することができる。所定のブレーキング関係は、ECUを備えた任意の構成部材またはシステムから受領することができる。いくつかの場合においては、所定のブレーキング関係は、ECU内のメモリ内に格納しておくことができる。いくつかの場合においては、所定のブレーキング関係は、ブレーキペダル位置とブレーキペダル表面圧力とからなる順序づけされた複数の対に対応する。
【0098】
ステップ1410においては、ブレーキング制御システムは、測定されたブレーキング関係と所定のブレーキング関係とを比較することができる。特に、ブレーキング制御システムは、測定されたブレーキング関係と所定のブレーキング関係とが実質的に同様であるかどうかを、決定することができる。これは、例えば、測定されたブレーキング関係と所定のブレーキング関係との間の相違量を、しきい値と比較することによって、決定することができる。
【0099】
測定されたブレーキング関係が、所定のブレーキング関係と実質的に同様である場合には、ブレーキング制御システムは、ステップ1402へと戻ることができる。しかしながら、測定されたブレーキング関係が、所定のブレーキング関係とは実質的に相違している場合には、ブレーキング制御システムは、ステップ1412へと進むことができる。ステップ1412においては、ブレーキング制御システムは、1つまたは複数のブレーキング補助手段を起動することができる。可能なブレーキング補助手段の例には、限定するものではないけれども、エンジンブレーキや、回生ブレーキや、ブレーキングシステムのための自動的な油圧アシストや、増強されたブレーキパッドアシストや、他の任意の補助手段、がある。
【0100】
本発明の様々な実施形態について上述したけれども、上記の説明は、例示のためのものであり、本発明を限定するものではない。当業者には、本発明の範囲を逸脱することなく、多くの様々な実施形態や実施態様が可能であることは、自明であろう。したがって、本発明は、特許請求の範囲およびその均等物に限定されるものであり、それら以外に限定されるものではない。また、様々な修正や様々な変更は、特許請求の範囲内に含有することができる。
【符号の説明】
【0101】
100 自動車、モータ車両
102 エンジン
112 電気モータ
116 バッテリ
118 トランスミッション
130 油圧アシストシステム
140 ブレーキングシステム
142 ブレーキペダル
150 電子制御ユニット、ECU
162 位置センサ
164 表面圧力センサ
180 ブレーキ
190 ブレーキペダル表面
195 ブレーキング制御システム
202 エンジンブレーキ
204 回生ブレーキ
208 ブレーキパッドアシスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ車両におけるブレーキングを制御するための方法であって、
ブレーキングシステムの一部の油圧に関連した情報を受領し;
ブレーキペダルの表面に対して印加された圧力に関連した情報を受領し;
前記ブレーキングシステムの前記油圧と前記ブレーキペダルの前記表面に対して印加された前記圧力との間の、測定されたブレーキング関係を決定し;
所定のブレーキング関係を取得し、ここで、前記所定のブレーキング関係が、前記ブレーキングシステムの前記油圧と前記ブレーキペダルの前記表面に対して印加された前記圧力との間の所定の相関関係を有したものとされ;
前記測定されたブレーキング関係と前記所定のブレーキング関係とを比較し;
前記測定されたブレーキング関係が前記所定のブレーキング関係とは相違するものである場合には、前記モータ車両の速度を低減し得るよう構成されたブレーキング補助手段を起動する;
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、
前記ブレーキング補助手段を、エンジンブレーキとすることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法において、
前記エンジンブレーキによって、トランスミッションを自動的にシフトダウンさせることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法において、
前記ブレーキング補助手段を、回生ブレーキとすることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法において、
前記ブレーキング補助手段を、前記ブレーキングシステムに対しての、追加的な油圧アシストとすることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法において、
前記ブレーキング補助手段を、ブレーキパッドアシストとすることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法において、
前記所定のブレーキング関係を、線形的なものとすることを特徴とする方法。
【請求項8】
モータ車両におけるブレーキングを制御するための方法であって、
ブレーキペダルの位置に関連した情報を受領し;
前記ブレーキペダルの表面に対して印加された圧力に関連した情報を受領し;
前記ブレーキペダルの前記位置と前記ブレーキペダルの前記表面に対して印加された前記圧力との間の、測定されたブレーキング関係を決定し;
所定のブレーキング関係を取得し、ここで、前記所定のブレーキング関係が、前記ブレーキペダルの前記位置と前記ブレーキペダルの前記表面に対して印加された前記圧力との間の所定の相関関係を有したものとされ;
前記測定されたブレーキング関係と前記所定のブレーキング関係とを比較し;
前記測定されたブレーキング関係が前記所定のブレーキング関係とは相違するものである場合には、前記モータ車両の速度を低減し得るよう構成されたブレーキング補助手段を起動する;
ことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8記載の方法において、
前記所定のブレーキング関係を、非線形的のものとすることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項8記載の方法において、
前記ブレーキペダルの前記位置を、ブレーキペダルの移動距離とすることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項8記載の方法において、
前記ブレーキペダルの前記位置を、ブレーキペダルの角度とすることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項8記載の方法において、
前記ブレーキング補助手段を、エンジンブレーキとすることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項8記載の方法において、
前記ブレーキング補助手段を、回生ブレーキとすることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項8記載の方法において、
前記ブレーキング補助手段を、油圧アシストとすることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項8記載の方法において、
前記ブレーキング補助手段を、ブレーキパッドアシストとすることを特徴とする方法。
【請求項16】
モータ車両内のブレーキングシステムを制御するための方法であって、
ブレーキペダルの表面に対して印加された圧力を検出し;
前記ブレーキングシステムによって印加されたブレーキ力の大きさに関連した情報を受領し;
前記ブレーキペダルの前記表面に対して印加された前記圧力が、前記ブレーキングシステムによって印加された前記ブレーキ力の大きさに一致するかどうかを、決定し;
前記ブレーキペダルの前記表面に対して印加された前記圧力が、前記ブレーキングシステムによって印加された前記ブレーキ力の大きさとは一致していない場合には、ブレーキング補助手段を適用する;
ことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項16記載の方法において、
前記圧力を、圧電センサを使用して検出することを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項16記載の方法において、
前記圧力を、歪みゲージを使用して検出することを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項16記載の方法において、
前記ブレーキング補助手段を、前記ブレーキングシステムとは独立的に、追加的なブレーキ力を提供し得るよう構成されたものとすることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項16記載の方法において、
前記ブレーキング補助手段を、前記ブレーキングシステムの動作を増強し得るよう構成されたものとすることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項16記載の方法において、
前記ブレーキペダルの前記表面に対して印加された前記圧力が、前記ブレーキングシステムによって印加された前記ブレーキ力の大きさに一致するかどうかを、決定するに際しては、前記ブレーキペダルの前記表面に対して印加された前記圧力と、前記ブレーキペダルの位置と、の間の所定の相関関係を取得するというステップを行うことを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項21記載の方法において、
前記所定の相関関係を、ブレーキの摩耗度合いに応じて校正することを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項21記載の方法において、
前記所定の相関関係を、ブレーキライン内のエアおよび/または流体の混入量に応じて校正することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−86797(P2013−86797A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−231557(P2012−231557)
【出願日】平成24年10月19日(2012.10.19)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】