酸化物半導体及びこれを含む薄膜トランジスタ
Zn、In、及びHfを含み、Zn、In、及びHf原子の全体含有量対比Hf原子含有量の組成比が2〜16at%である酸化物半導体及びこれを備える薄膜トランジスタを提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化物半導体及びこれを含む薄膜トランジスタに係り、より詳細には、Zn酸化物に新たな物質を添加した酸化物半導体及びこれを含む酸化物薄膜トランジスタに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、TFT)は、多様な応用分野に利用されており、特に、ディスプレイ分野でスイッチング及び駆動素子として利用され、クロスポイント型メモリ素子の選択スイッチとして使われている。
【0003】
現在、TV用パネルとして、液晶ディスプレイ(LCD)が主に用いられている中で、有機発光ディスプレイもTVへの応用のために多くの研究が進められている。TV用ディスプレイ技術の開発は、市場のニーズを満たす方向に発展しつつある。市場で要求する事項には、大型化したTV又はDID(Digital Information Display)、低コスト、高画質(動映像表現力、高解像度、輝度、明暗比、色再現力)などがある。このような要求事項に対応するためには、ガラスなどの基板の大型化と共に、優秀な性能を持つディスプレイのスイッチング及び駆動素子に適用されるTFTが要求される。
【0004】
ディスプレイの駆動及びスイッチング素子として使われるものには、非晶質シリコン薄膜トランジスタ(a−Si TFT)がある。これは、低コストで2m×2mを超える大型基板上に均一に形成され得る素子であって、現在最も広く使われる素子である。しかし、ディスプレイの大型化及び高画質化の趨勢によって素子も高性能化が要求され、移動度0.5cm2/Vsレベルの既存のa−Si TFTは限界に至ると判断される。従って、a−Si TFTより高い移動度を持つ高性能TFT及び製造技術が必要である。
【0005】
a−Si TFTに比べて非常に高い性能を持つ多結晶シリコン薄膜トランジスタ(poly−Si TFT)は、数十〜数百cm2/Vsの高い移動度を持つため、既存のa−Si TFTで実現し難かった高画質ディスプレイに適用できる性能を持つ。また、a−Si TFTに比べて素子特性の劣化問題が非常に少ない。しかし、poly−Si TFTを製作するためには、a−Si TFTに比べて複雑な工程が必要であり、それによる追加コストも増大する。従って、poly−Si TFTは、ディスプレイの高画質化やOLEDなどの製品に応用することに適しているが、コスト面では既存a−Si TFTに比べて劣るため、応用が制限的であるという短所がある。そして、poly−Si TFTの場合、製造設備の限界や均一度不良などの技術的な問題で、現在までは1mを超える大型基板を利用した製造工程が実現されていないため、TV製品への応用が困難である。
【0006】
これにより、a−Si TFTの長所とpoly−Si TFTの長所とをいずれも持つ新たなTFT技術が要求されている。これについての研究が活発に進められているが、その代表的なものとしては、酸化物半導体素子がある。
【0007】
酸化物半導体素子として最近脚光を浴びているものは、ZnO系薄膜トランジスタである。現在、ZnO系列物質としてZn酸化物、Ga−In−Zn酸化物などが紹介されている。ZnO系半導体素子は、低温工程で製作が可能であり、非晶質であるため、大面積化が容易であるという長所を持つ。また、ZnO系半導体フィルムは高移動度の物質であり、多結晶シリコンのような非常に良好な電気的特性を持つ。現在、移動度の高い酸化物半導体物質層、即ち、ZnO系列物質層を薄膜トランジスタのチャンネル領域に使用するための研究が進められている。ZnO系列物質としてZn酸化物、Ga−In−Zn酸化物などが紹介されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、Zn酸化物に新たな物質を添加した酸化物半導体を提供することにある。
本発明の他の目的は、この酸化物半導体をチャンネル領域に使用した酸化物薄膜トランジスタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明の酸化物半導体は、Zn、In、及びHfを含み、Zn、In、及びHf原子の全体含有量対比Hf原子含有量の組成比が2〜16at%である。
【0010】
上記目的を達成するためになされた本発明の酸化物薄膜トランジスタは、ゲートと、前記ゲートに対応する位置に形成され、Zn、In、及びHfを含み、Zn、In、及びHf原子の全体含有量対比Hf原子含有量の組成比が2〜16at%の酸化物半導体で形成されたチャンネルと、前記ゲートとチャンネルとの間に形成されたゲート絶縁体と、前記チャンネルの両側部とそれぞれ接触して形成されたソース及びドレインと、を備える。
【0011】
本発明の一側面において、前記Hfの組成比は3〜16at%範囲であり、前記酸化物半導体は非晶質である。
本発明の一側面において、前記Hfの組成比は3.8〜11at%範囲であり、前記酸化物半導体は非晶質である。
本発明の一側面において、前記Hfの組成比は5〜11at%範囲であり、前記酸化物半導体は非晶質である。
本発明の一側面において、前記酸化物半導体は、前記Znの組成比が10〜60at%範囲である。
本発明の一側面において、前記酸化物半導体は、前記Znの組成比が31〜46at%範囲である。
本発明の一側面において、前記酸化物半導体は、前記Inの組成比が30〜90at%範囲である。
本発明の一側面において、前記酸化物半導体は、前記Inの組成比が51〜54at%範囲である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、Hfを含んで特性の優秀な酸化物半導体及び酸化物薄膜トランジスタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態によるボトムゲート構造の酸化物薄膜トランジスタを示す図面である。
【図2】本発明の一実施形態によるトップゲート構造の酸化物薄膜トランジスタを示す図面である。
【図3】本発明の一実施形態による酸化物薄膜トランジスタの製造方法を示す図面である。
【図4】本発明の一実施形態による酸化物薄膜トランジスタの製造方法を示す図面である。
【図5】本発明の一実施形態による酸化物薄膜トランジスタの製造方法を示す図面である。
【図6】本発明の一実施形態による酸化物薄膜トランジスタの製造方法を示す図面である。
【図7】本発明の一実施形態による酸化物薄膜トランジスタの製造方法を示す図面である。
【図8】本発明の一実施形態により製造された試片の断面を示すTEM写真である。
【図9】本発明の一実施形態により製造された試片の断面を示すTEM写真である。
【図10】本発明の一実施形態により製造された試片の断面を示すTEM写真である。
【図11】本発明の一実施形態により製造された試片の断面を示すTEM写真である。
【図12】本発明の一実施形態による酸化物薄膜トランジスタのチャンネル領域のHf含有量によるトランスファーカーブを示すものであり、ゲート電圧(VGS)−ドレイン電流(IDS)変化を示すグラフである。
【図13】本発明の一実施形態による酸化物薄膜トランジスタのチャンネル領域のHf含有量によるトランスファーカーブを示すものであり、ゲート電圧(VGS)−ドレイン電流(IDS)変化を示すグラフである。
【図14】本発明の一実施形態による酸化物薄膜トランジスタのチャンネル領域のHf含有量によるトランスファーカーブを示すものであり、ゲート電圧(VGS)−ドレイン電流(IDS)変化を示すグラフである。
【図15】本発明の一実施形態による酸化物薄膜トランジスタのチャンネル領域のHf含有量によるトランスファーカーブを示すものであり、ゲート電圧(VGS)−ドレイン電流(IDS)変化を示すグラフである。
【図16】ターゲット3を用いてAr:O2の比率が90:10%の条件下でチャンネルを形成し、200℃で熱処理した後、60℃で、ゲートソース電圧が−20Vであり、ドレインソース電圧が10Vである状態で、1時間及び16時間後のトランスファーカーブを測定した結果を示すグラフである。
【図17】試片2〜4で試片を形成した後、経時的なトランスファーカーブを測定し、10−9AでのVthの偏差(ΔVth)を測定した結果を示すグラフである。
【図18】ターゲット5を用いてAr:O2の比率が90:10sccmである雰囲気下で、DCスパッタリングで酸化物薄膜トランジスタのチャンネル領域(幅:長さ=50:4μm)を形成した後、窒素雰囲気下で、200℃で1時間熱処理した後、ソース−ドレイン電圧が10Vである場合、ゲート電圧(VGS)−ドレイン電流(IDS)変化を示すグラフである。
【図19】ターゲット6を用いてAr:O2の比率が90:10sccmである雰囲気下で、DCスパッタリングで酸化物薄膜トランジスタのチャンネル領域(幅:長さ=50:4μm)を形成した後、窒素雰囲気下で、200℃で1時間熱処理した後、ソース−ドレイン電圧が10Vである場合、ゲート電圧(VGS)−ドレイン電流(IDS)変化を示すグラフである。
【図20】ターゲット7を用いてAr:O2の比率が90:10sccmである雰囲気下で、DCスパッタリングで酸化物薄膜トランジスタのチャンネル領域(幅:長さ=50:4μm)を形成した後、窒素雰囲気下で、200℃で1時間熱処理した後、ソース−ドレイン電圧が10Vである場合、ゲート電圧(VGS)−ドレイン電流(IDS)変化を示すグラフである。
【図21】ターゲット8を用いてAr:O2の比率が90:10sccmである雰囲気下で、DCスパッタリングで酸化物薄膜トランジスタのチャンネル領域(幅:長さ=50:4μm)を形成した後、窒素雰囲気下で、200℃で1時間熱処理した後、ソース−ドレイン電圧が10Vである場合、ゲート電圧(VGS)−ドレイン電流(IDS)変化を示すグラフである。
【図22】ターゲット7で形成した試片のチャンネル領域に対するTEMイメージを示す図面である。
【図23】ターゲット8で形成した試片のチャンネル領域に対するTEMイメージを示す図面である。
【図24】ターゲット6を用いてAr:O2の比率が95:5sccmである条件下でチャンネル領域(幅:長さ=50:4μm)を形成し、窒素雰囲気下で、200℃で1時間熱処理した後、60℃で、ゲートソース電圧が−20Vであり、かつドレインソース電圧が10Vである状態で、1時間及び16時間経過後のトランスファーカーブを測定した結果を示すグラフである。
【図25】ターゲット9を用いて酸化物薄膜トランジスタのチャンネル領域(幅/長さ=50:4μm)を形成した後、窒素雰囲気下で、200℃で1時間熱処理した後、測定したトランスファーカーブを示すものであって、ゲート電圧(VGS)−ドレイン電流(IDS)変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の酸化物半導体及びこれを含む酸化物薄膜トランジスタを実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図面に示した各層の厚さ及び幅は、説明のために多少誇張して表現している。
【0015】
図1及び図2は、本発明の一実施形態による酸化物半導体を含む薄膜トランジスタの構造を示す断面図である。図1には、ボトムゲート型薄膜トランジスタを示し、図2には、トップゲート型薄膜トランジスタを示した。本実施形態による薄膜トランジスタは、ボトムゲート及びトップゲート型薄膜トランジスタにいずれも適用できる。
【0016】
図1を参照すると、本実施形態による酸化物薄膜トランジスタは、基板11上に形成されたゲート13と、基板11及びゲート13上に形成されたゲート絶縁層14とを備えている。基板11上には酸化層12が形成され、基板11がSiで形成された場合、酸化層12は、Si表面に熱酸化工程により形成されたSi酸化物であり得る。そして、ゲート13に対応するゲート絶縁層14上にはチャンネル15が形成されており、チャンネル15の両側部及びゲート絶縁層14上には、ソース16a及びドレイン16bが形成されている。
【0017】
図2を参照すると、基板101上にソース102a及びドレイン102bが形成されており、ソース102aとドレイン102bとの間の基板101上にはチャンネル103が形成されている。チャンネル103上にはゲート絶縁層104が形成されており、チャンネル103に対応するゲート絶縁層104上にはゲート105が形成されている。
【0018】
本実施形態による酸化物薄膜トランジスタは、チャンネル15がIn−Zn複合酸化物にHfを添加したものを含んでいる。
【0019】
以下、図1及び図2に示した本発明の一実施形態による酸化物薄膜トランジスタを形成する各層の形成物質について説明すると、次の通りである。基板11、101は、一般的な半導体素子に使われる基板を使用でき、例えば、Si、ガラス、又は有機物材料を使用できる。基板11、101の表面には絶縁層が形成され、絶縁層は、例えば、Si基板を熱酸化して形成されたSiO2であり得る。ゲート13、105は伝導性物質を使用でき、例えば、Ti、Pt、Ru、Au、Ag、Mo、Al、W、又はCuなどの金属或いはIZO(InZnO)又はAZO(AlZnO)のような金属或いは伝導性酸化物であり得る。ゲート絶縁層14、104は、通例的な半導体素子に使われる絶縁物質を使用して形成できる。具体的に、SiO2、又はSiO2より誘電率の高いHigh−K物質であるHfO2、Al2O3、Si3N4、又はこれらの混合物を使用できる。ソース16a、102a及びドレイン16b、102bは伝導性物質を使用して形成でき、例えば、Ti、Pt、Ru、Au、Ag、Mo、Al、W、又はCuのような金属或いはIZO(InZnO)又はAZO(AlZnO)のような金属或いは伝導性酸化物を使用することができる。
【0020】
本実施形態による酸化物半導体は、In−Zn複合酸化物にHfが添加された物質である。
【0021】
Hfは、電気陰性度が1.3であって、電気陰性度が3.5の酸素との電気陰性度差が2.2でイオン結合の非常に強い酸化物を形成する。そして、Hfのイオン半径は0.078nmであって、イオン半径が0.074nmのZnと類似している。従って、In−Zn複合酸化物にHfが添加された場合、結晶格子の変形なしにZnとの置換が容易に発生し得る。
【0022】
a−Si:Hの場合には共有結合をしているが、この結合は、方向性を持つsp3配位結合をして非晶質相で存在すると、酸素結合している電子雲がねじれる。これによって、弱い結合(weak bond)が存在する。このような結合構造を持つTFTを長期間駆動すると、結合領域に電子又はホールが溜まりつつ結果的に結合が切れて、しきい電圧(Vth)の移動による信頼性に問題が発生する。一方、イオン結合の場合には、陽イオン電子雲のサイズが大きく、酸素陰イオンの結合に関係なくオーバーラップされ、結晶相でも非晶質相でも弱い結合が存在しなくなって、しきい電圧(Vth)の変化が殆どないか又は少ない高信頼性の薄膜トランジスタの製造に寄与すると考えられる。本実施形態でHfが追加されたZn酸化物又はZn−In複合酸化物は、このようなイオン結合が大部分の結合を形成するが、あらゆる結合がイオン結合である必要はない。
【0023】
酸化物半導体には、Li、KのようなI族元素、Mg、Ca、SrのようなII族元素、Ga、Al、In、YのようなIII族元素、Ti、Zr、Si、Sn、GeのようなIV族元素、Ta、Vb、Nb、SbのようなV族元素、Ln系列元素(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)などが更に含まれ得る。
【0024】
本実施形態による酸化物半導体は、LCD、OLEDに使われる駆動トランジスタのチャンネル物質として適用され、メモリ素子の周辺回路を構成するトランジスタ、又は選択トランジスタのチャンネル物質として適用され得る。
【0025】
以下、図3〜図7を参照して、本発明の一実施形態による酸化物薄膜トランジスタの製造方法について説明する。ここでは、ボトムゲート型薄膜トランジスタの製造方法について説明する。
【0026】
図3を参照すると、先ず基板11を用意する。基板11は、Si、ガラス、又は有機物材料を使用できる。Siを基板11として使用する場合、熱酸化工程により基板11の表面に絶縁層12、例えばSiO2を形成できる。そして、基板11上に金属又は伝導性金属酸化物などの伝導性物質13aを塗布する。
【0027】
図4を参照すると、伝導性物質13aをパターニングすることでゲート13を形成する。図5を参照すると、ゲート13の上部に絶縁物質を塗布し、パターニングしてゲート絶縁層14を形成する。ゲート絶縁層は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、ハフニウム(Hf)酸化物、アルミニウム酸化物、又はハフニウム酸化物及びアルミニウム酸化物の混合物で形成できる。
【0028】
図6を参照すると、ゲート絶縁層14上にチャンネル物質をPVD、CVD、又はALDなどの工程で塗布した後、ゲート13に対応するゲート絶縁層14上にチャンネル物質が残留するようにパターニングすることでチャンネル15を形成する。本実施形態では、チャンネル15は、In−Zn複合酸化物にHfを添加して形成できる。具体的に、スパッタリング工程でチャンネル15を形成する場合、InZnOにHfを含むように形成された一つのターゲットを工程チャンバー内に装着して、スパッタリング工程でチャンネル15を形成できる。
【0029】
図7を参照すると、金属又は伝導性金属酸化物などの物質をチャンネル15及びゲート絶縁層14上に塗布した後、チャンネル15の両側部に連結されるようにパターニングすることで、ソース16a及びドレイン16bを形成する。最後に、400℃以下、例えば200℃の温度で一般的なファーネス、RTA(Rapid Thermal Annealing)、レーザー、又はホットプレートなどを用いて熱処理工程を施す。
【0030】
<製造例>
【0031】
基板としてシリコンを使用し、基板の表面にシリコン酸化物を100nm厚さに形成する。基板の表面に約200nm厚さのMoを形成してゲートを形成した後、基板及びゲートの上部に200nm厚さのシリコン窒化物を塗布してゲート電極層を形成する。そして、ゲートに対応するゲート電極層上に酸化物半導体を塗布してチャンネルを形成する。チャンネル形成の具体的な工程を説明すると、次の通りである。
【0032】
LTS Chemical社に、HfO2:In2O3:ZnOのモル%比率をそれぞれ0.1:1:2(ターゲット1)、0.2:1:2(ターゲット2)、0.3:1:2(ターゲット3)、0.4:1:2(ターゲット4)とする単一ターゲットの製造を依頼して4個の酸化物ターゲットを入手し、これを使用してチャンネルを形成した。ターゲット1〜4をそれぞれスパッタ(Varian社製、モデル名MS2100)のチャンバー内に装着させ、常温でAr:O2ガスを90〜95:5〜10sccm割合で供給しつつ5mTorrの圧力を維持し、ターゲットに150wattの電流を印加してRFマグネトロンスパッタリングを施した。チャンネルを約70nmの厚さに形成し、チャンネル幅/長さ(W/L)は50/4μmに形成した。そして、チャンネルの両側にソース及びドレインとして200nm厚さのMoを形成し、Si酸化物で約200nm厚さのパッシベーション層を形成した。次いで、約200℃で1時間熱処理工程を施した。
【0033】
上述したように製造した本実施形態による酸化物半導体について、本発明者は、酸化物半導体の各領域による正確な結晶相を確認するために、領域別断面透過電子顕微鏡(TEM)写真及び回折パターン写真を調べた。図8〜図11は、本発明の一実施形態により製造された試片の断面を示すTEM写真を示す図面である。図8を参照すると、ターゲット1で形成した試片の場合、薄膜の一部領域のみで結晶化が進み、全般的に非晶質(amorphous)状態が観察された。図9〜図11を参照すると、図8で示した薄膜で部分的に結晶化したグレイン領域が現れるものとは異なり、全体的に均質に観察されることからみると、ターゲット2〜ターゲット4で形成した試片の場合、薄膜の全領域に亘って非晶質状態であることが分かる。それぞれのターゲットで形成した試片に対して、ICP(inductively coupled plasma)で組成分析を行った。表1では、ターゲット1〜4で形成した試片でのZn、In、Hfの組成比をat%で表した。
【0034】
【表1】
【0035】
※表及び以下で示すICP分析結果は、小数点一桁で四捨五入した値であり、±1%の誤差値を持つ。
【0036】
次いで、コーニング(Corning)社に、HfO2:In2O3:ZnOのモル%比率をそれぞれ0.1:1:2(ターゲット5)、0.2:1:2(ターゲット6)、0.3:1:2(ターゲット7)、0.4:1:2(ターゲット8)とする単一ターゲットの製造を依頼して4個の酸化物ターゲットを入手し、これを使用してチャンネルを形成した。ターゲット5、6、7、8をそれぞれスパッタ(Varian社、モデル名MS2100)に装着してAr:O2ガスを95:5sccm割合で供給する状態で、DCスパッタリング工程でチャンネルを形成した後、約200℃で、N2雰囲気下で1時間熱処理を施した。そして、ICPで組成を分析した。表2では、ターゲット5〜8で形成した試片でのZn、In、Hfの組成をat%で表した。
【0037】
【表2】
【0038】
次いで、Advanced Nano Products社に、HfO2:In2O3:ZnOのモル%比率を0.15:1:2(ターゲット9)で依頼して、得られたターゲットをスパッタ(Varian社、モデル名MS2100)に装着してAr:O2ガスを90:10sccmの割合で供給する状態で、DCスパッタリング工程でチャンネルを形成した後、約200℃で1時間熱処理を施した。形成された薄膜のICP分析結果、Hfの含有量は3.8atomic%であることが分かった。
【0039】
図12〜図15は、本発明の一実施形態による酸化物薄膜トランジスタのチャンネル領域(幅:長さ=50:4μm)のHf含有量によるトランスファーカーブを示したものであり、ソース−ドレイン電圧が10Vである場合にゲート電圧(VGS)−ドレイン電流(IDS)変化を示し、図13〜図15の場合には、ソース−ドレイン電圧が0.1Vである時の結果も共に表して、On電流値が約10−6Aに表示される曲線を追加した。ここで、ccは、試片の中心部位を対象に測定した結果を示したものであり、crは、試片のエッジ部位を対象に測定した結果を示したものである。
【0040】
図12は、チャンネル層が、ターゲット1を使用してAr:O2の比率が90:10sccm条件下で製作された試片についてのものであり、図13は、チャンネル層が、ターゲット2を使用してAr:O2の比率が90:10sccmの雰囲気下で製作した試片についてのものであり、図14は、チャンネル層が、ターゲット3を使用してAr:O2の比率が90:10sccmの雰囲気下で製作された試片についてのものであり、図15は、チャンネル層が、ターゲット4を使用してAr:O2の比率が90:10sccmの雰囲気下で製作された試片についてのものである。図12〜図15を参照すると、ソース−ドレイン電圧が10Vである場合、On電流が約10−3〜10−5Aであり、オフ電流が10−12A以下であり、オン/オフ電流比は107以上であることが分かる。
【0041】
図16は、ターゲット3を用いてAr:O2の比率が90:10sccmの条件下でチャンネル領域(幅:長さ=50:4μm)を形成し、200℃で15時間熱処理した後、60℃で、ゲートソース電圧が−20Vであり、かつドレインソース電圧が10Vである状態で、1時間及び16時間経過後のトランスファーカーブを測定した結果を示したものである。図16を参照すると、トランスファーカーブの結果が偏差なしにほぼ一定であることが分かる。結果的に、信頼性のある半導体素子を提供できることが分かる。
【0042】
図17は、ターゲット2〜4を用いてAr:O2の比率が90:10sccmの条件下でチャンネル領域(幅:長さ=50:4μm)を形成し、200℃で15時間熱処理した後、経時的なトランスファーカーブを測定し、10−9AでのVthの偏差(ΔVth)を測定した結果を示すグラフである。図17を参照すると、大部分の試片でΔVth値が低く、特にターゲット3で形成する場合、ΔVth値が非常に低くて高い信頼性を示すということが分かる。
【0043】
図18〜図21は、ターゲット5、6、7、8を用いてAr:O2の比率が90:10sccmの雰囲気下で、DCスパッタリングで酸化物薄膜トランジスタのチャンネル領域(幅:長さ=50:4μm)を形成した後、窒素雰囲気下で、200℃で1時間熱処理した後、ソース−ドレイン電圧が10Vである場合、ゲート電圧(VGS)−ドレイン電流(IDS)変化を示すグラフである。図18及び図19を参照すると、Hfの組成比が約5及び11at%でOn電流が約10−4Aであり、オフ電流が10−11〜10−12A以下であり、オン/オフ電流比は107以上であることが分かる。また図20及び図21は、5V以上の高電圧下でのTFT特性確保可能性を示す。
【0044】
図22及び図23は、ターゲット7及び8で形成した試片のチャンネル領域に対するTEMイメージを示す図面である。図22及び図23を参照すると、ターゲット7及び8で形成したチャンネル領域は、いずれも非晶質特性を持っていることが分かる。
【0045】
図24は、ターゲット6を用いてAr:O2の比率が95:5sccmの条件下でチャンネル領域(幅:長さ=50:4μm)を形成し、窒素雰囲気下で、200℃で1時間熱処理する。そして、60℃で、ゲートソース電圧が−20Vであり、かつドレインソース電圧が10Vの状態で、1時間及び16時間経過後のトランスファーカーブを測定した結果を示したものである。図24を参照すると、トランスファーカーブの結果が偏差なしにほぼ一定であることが分かる。
【0046】
図25は、ターゲット9を用いて酸化物薄膜トランジスタのチャンネル領域(幅/長さ=50:4μm)を形成した後、窒素雰囲気下で、200℃で1時間熱処理した後に測定したトランスファーカーブを示したものであり、ゲート電圧(VGS)−ドレイン電流(IDS)変化を示すグラフである。図25を参照すると、On電流が約10−4Aであり、オフ電流が10−11〜10−12A以下であり、オン/オフ電流比は107以上であることが分かる。結果的に、本発明の実施形態による酸化物薄膜トランジスタは高いOn/Off電流比及び低いOff電流を示し、トランジスタとしての特性を満たすことが分かる。
【0047】
本発明の実施形態による酸化物半導体は、Zn、In、及びHf全体原子含有量に対するHfの組成比が2〜16at%範囲である。この時、Znの組成比は10〜60at%、Inの組成比は30〜90at%の範囲で調整でき、Znは31〜46at%であり、Inは51〜54at%範囲であり得る。この範囲のうちHfの組成が3at%以上の場合に非晶質であると判断され、それ未満の場合にマイクロクリスタルを含む状態であると判断される。
【0048】
本発明の実施形態による酸化物薄膜トランジスタの場合、実際に蒸着された薄膜の組成成分比、IDS−VGSグラフなどは、使われるターゲットの種類、蒸着時のターゲット印加電圧、蒸着装備、蒸着圧力、酸素分圧条件、基板温度などにより変更できる。また蒸着された薄膜組成が同じ場合であっても、蒸着条件によって薄膜特性の変更が可能である。例えば、スパッタリング工程で酸化物半導体を蒸着する場合、酸素分圧によって酸化物の抵抗範囲は大きく変わり得る。酸素分圧が適量以下に調節される場合に、低抵抗の薄膜を蒸着でき、酸素分圧を高く調節する場合に、高抵抗の薄膜を蒸着することができる。
【0049】
上述したような実施形態を通じて、当業者であれば、本発明の技術的思想により酸化物半導体を利用して、LCD、OLEDなどの平板ディスプレイの駆動トランジスタ、メモリ素子の周辺回路構成のためのトランジスタなどの多様な電子素子を製造できるであろう。本発明の実施形態による酸化物薄膜トランジスタは、ボトムゲート型又はトップゲート型に使われ得る。結果的に本発明の範囲は、説明した実施形態によって定められるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術的思想により定められねばならない
【符号の説明】
【0050】
11、101 基板
12 酸化層
13、105 ゲート
13a 伝導性物質
14、104 ゲート絶縁層
15、103 チャンネル
16a、102a ソース
16b、102b ドレイン
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化物半導体及びこれを含む薄膜トランジスタに係り、より詳細には、Zn酸化物に新たな物質を添加した酸化物半導体及びこれを含む酸化物薄膜トランジスタに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、TFT)は、多様な応用分野に利用されており、特に、ディスプレイ分野でスイッチング及び駆動素子として利用され、クロスポイント型メモリ素子の選択スイッチとして使われている。
【0003】
現在、TV用パネルとして、液晶ディスプレイ(LCD)が主に用いられている中で、有機発光ディスプレイもTVへの応用のために多くの研究が進められている。TV用ディスプレイ技術の開発は、市場のニーズを満たす方向に発展しつつある。市場で要求する事項には、大型化したTV又はDID(Digital Information Display)、低コスト、高画質(動映像表現力、高解像度、輝度、明暗比、色再現力)などがある。このような要求事項に対応するためには、ガラスなどの基板の大型化と共に、優秀な性能を持つディスプレイのスイッチング及び駆動素子に適用されるTFTが要求される。
【0004】
ディスプレイの駆動及びスイッチング素子として使われるものには、非晶質シリコン薄膜トランジスタ(a−Si TFT)がある。これは、低コストで2m×2mを超える大型基板上に均一に形成され得る素子であって、現在最も広く使われる素子である。しかし、ディスプレイの大型化及び高画質化の趨勢によって素子も高性能化が要求され、移動度0.5cm2/Vsレベルの既存のa−Si TFTは限界に至ると判断される。従って、a−Si TFTより高い移動度を持つ高性能TFT及び製造技術が必要である。
【0005】
a−Si TFTに比べて非常に高い性能を持つ多結晶シリコン薄膜トランジスタ(poly−Si TFT)は、数十〜数百cm2/Vsの高い移動度を持つため、既存のa−Si TFTで実現し難かった高画質ディスプレイに適用できる性能を持つ。また、a−Si TFTに比べて素子特性の劣化問題が非常に少ない。しかし、poly−Si TFTを製作するためには、a−Si TFTに比べて複雑な工程が必要であり、それによる追加コストも増大する。従って、poly−Si TFTは、ディスプレイの高画質化やOLEDなどの製品に応用することに適しているが、コスト面では既存a−Si TFTに比べて劣るため、応用が制限的であるという短所がある。そして、poly−Si TFTの場合、製造設備の限界や均一度不良などの技術的な問題で、現在までは1mを超える大型基板を利用した製造工程が実現されていないため、TV製品への応用が困難である。
【0006】
これにより、a−Si TFTの長所とpoly−Si TFTの長所とをいずれも持つ新たなTFT技術が要求されている。これについての研究が活発に進められているが、その代表的なものとしては、酸化物半導体素子がある。
【0007】
酸化物半導体素子として最近脚光を浴びているものは、ZnO系薄膜トランジスタである。現在、ZnO系列物質としてZn酸化物、Ga−In−Zn酸化物などが紹介されている。ZnO系半導体素子は、低温工程で製作が可能であり、非晶質であるため、大面積化が容易であるという長所を持つ。また、ZnO系半導体フィルムは高移動度の物質であり、多結晶シリコンのような非常に良好な電気的特性を持つ。現在、移動度の高い酸化物半導体物質層、即ち、ZnO系列物質層を薄膜トランジスタのチャンネル領域に使用するための研究が進められている。ZnO系列物質としてZn酸化物、Ga−In−Zn酸化物などが紹介されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、Zn酸化物に新たな物質を添加した酸化物半導体を提供することにある。
本発明の他の目的は、この酸化物半導体をチャンネル領域に使用した酸化物薄膜トランジスタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明の酸化物半導体は、Zn、In、及びHfを含み、Zn、In、及びHf原子の全体含有量対比Hf原子含有量の組成比が2〜16at%である。
【0010】
上記目的を達成するためになされた本発明の酸化物薄膜トランジスタは、ゲートと、前記ゲートに対応する位置に形成され、Zn、In、及びHfを含み、Zn、In、及びHf原子の全体含有量対比Hf原子含有量の組成比が2〜16at%の酸化物半導体で形成されたチャンネルと、前記ゲートとチャンネルとの間に形成されたゲート絶縁体と、前記チャンネルの両側部とそれぞれ接触して形成されたソース及びドレインと、を備える。
【0011】
本発明の一側面において、前記Hfの組成比は3〜16at%範囲であり、前記酸化物半導体は非晶質である。
本発明の一側面において、前記Hfの組成比は3.8〜11at%範囲であり、前記酸化物半導体は非晶質である。
本発明の一側面において、前記Hfの組成比は5〜11at%範囲であり、前記酸化物半導体は非晶質である。
本発明の一側面において、前記酸化物半導体は、前記Znの組成比が10〜60at%範囲である。
本発明の一側面において、前記酸化物半導体は、前記Znの組成比が31〜46at%範囲である。
本発明の一側面において、前記酸化物半導体は、前記Inの組成比が30〜90at%範囲である。
本発明の一側面において、前記酸化物半導体は、前記Inの組成比が51〜54at%範囲である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、Hfを含んで特性の優秀な酸化物半導体及び酸化物薄膜トランジスタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態によるボトムゲート構造の酸化物薄膜トランジスタを示す図面である。
【図2】本発明の一実施形態によるトップゲート構造の酸化物薄膜トランジスタを示す図面である。
【図3】本発明の一実施形態による酸化物薄膜トランジスタの製造方法を示す図面である。
【図4】本発明の一実施形態による酸化物薄膜トランジスタの製造方法を示す図面である。
【図5】本発明の一実施形態による酸化物薄膜トランジスタの製造方法を示す図面である。
【図6】本発明の一実施形態による酸化物薄膜トランジスタの製造方法を示す図面である。
【図7】本発明の一実施形態による酸化物薄膜トランジスタの製造方法を示す図面である。
【図8】本発明の一実施形態により製造された試片の断面を示すTEM写真である。
【図9】本発明の一実施形態により製造された試片の断面を示すTEM写真である。
【図10】本発明の一実施形態により製造された試片の断面を示すTEM写真である。
【図11】本発明の一実施形態により製造された試片の断面を示すTEM写真である。
【図12】本発明の一実施形態による酸化物薄膜トランジスタのチャンネル領域のHf含有量によるトランスファーカーブを示すものであり、ゲート電圧(VGS)−ドレイン電流(IDS)変化を示すグラフである。
【図13】本発明の一実施形態による酸化物薄膜トランジスタのチャンネル領域のHf含有量によるトランスファーカーブを示すものであり、ゲート電圧(VGS)−ドレイン電流(IDS)変化を示すグラフである。
【図14】本発明の一実施形態による酸化物薄膜トランジスタのチャンネル領域のHf含有量によるトランスファーカーブを示すものであり、ゲート電圧(VGS)−ドレイン電流(IDS)変化を示すグラフである。
【図15】本発明の一実施形態による酸化物薄膜トランジスタのチャンネル領域のHf含有量によるトランスファーカーブを示すものであり、ゲート電圧(VGS)−ドレイン電流(IDS)変化を示すグラフである。
【図16】ターゲット3を用いてAr:O2の比率が90:10%の条件下でチャンネルを形成し、200℃で熱処理した後、60℃で、ゲートソース電圧が−20Vであり、ドレインソース電圧が10Vである状態で、1時間及び16時間後のトランスファーカーブを測定した結果を示すグラフである。
【図17】試片2〜4で試片を形成した後、経時的なトランスファーカーブを測定し、10−9AでのVthの偏差(ΔVth)を測定した結果を示すグラフである。
【図18】ターゲット5を用いてAr:O2の比率が90:10sccmである雰囲気下で、DCスパッタリングで酸化物薄膜トランジスタのチャンネル領域(幅:長さ=50:4μm)を形成した後、窒素雰囲気下で、200℃で1時間熱処理した後、ソース−ドレイン電圧が10Vである場合、ゲート電圧(VGS)−ドレイン電流(IDS)変化を示すグラフである。
【図19】ターゲット6を用いてAr:O2の比率が90:10sccmである雰囲気下で、DCスパッタリングで酸化物薄膜トランジスタのチャンネル領域(幅:長さ=50:4μm)を形成した後、窒素雰囲気下で、200℃で1時間熱処理した後、ソース−ドレイン電圧が10Vである場合、ゲート電圧(VGS)−ドレイン電流(IDS)変化を示すグラフである。
【図20】ターゲット7を用いてAr:O2の比率が90:10sccmである雰囲気下で、DCスパッタリングで酸化物薄膜トランジスタのチャンネル領域(幅:長さ=50:4μm)を形成した後、窒素雰囲気下で、200℃で1時間熱処理した後、ソース−ドレイン電圧が10Vである場合、ゲート電圧(VGS)−ドレイン電流(IDS)変化を示すグラフである。
【図21】ターゲット8を用いてAr:O2の比率が90:10sccmである雰囲気下で、DCスパッタリングで酸化物薄膜トランジスタのチャンネル領域(幅:長さ=50:4μm)を形成した後、窒素雰囲気下で、200℃で1時間熱処理した後、ソース−ドレイン電圧が10Vである場合、ゲート電圧(VGS)−ドレイン電流(IDS)変化を示すグラフである。
【図22】ターゲット7で形成した試片のチャンネル領域に対するTEMイメージを示す図面である。
【図23】ターゲット8で形成した試片のチャンネル領域に対するTEMイメージを示す図面である。
【図24】ターゲット6を用いてAr:O2の比率が95:5sccmである条件下でチャンネル領域(幅:長さ=50:4μm)を形成し、窒素雰囲気下で、200℃で1時間熱処理した後、60℃で、ゲートソース電圧が−20Vであり、かつドレインソース電圧が10Vである状態で、1時間及び16時間経過後のトランスファーカーブを測定した結果を示すグラフである。
【図25】ターゲット9を用いて酸化物薄膜トランジスタのチャンネル領域(幅/長さ=50:4μm)を形成した後、窒素雰囲気下で、200℃で1時間熱処理した後、測定したトランスファーカーブを示すものであって、ゲート電圧(VGS)−ドレイン電流(IDS)変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の酸化物半導体及びこれを含む酸化物薄膜トランジスタを実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図面に示した各層の厚さ及び幅は、説明のために多少誇張して表現している。
【0015】
図1及び図2は、本発明の一実施形態による酸化物半導体を含む薄膜トランジスタの構造を示す断面図である。図1には、ボトムゲート型薄膜トランジスタを示し、図2には、トップゲート型薄膜トランジスタを示した。本実施形態による薄膜トランジスタは、ボトムゲート及びトップゲート型薄膜トランジスタにいずれも適用できる。
【0016】
図1を参照すると、本実施形態による酸化物薄膜トランジスタは、基板11上に形成されたゲート13と、基板11及びゲート13上に形成されたゲート絶縁層14とを備えている。基板11上には酸化層12が形成され、基板11がSiで形成された場合、酸化層12は、Si表面に熱酸化工程により形成されたSi酸化物であり得る。そして、ゲート13に対応するゲート絶縁層14上にはチャンネル15が形成されており、チャンネル15の両側部及びゲート絶縁層14上には、ソース16a及びドレイン16bが形成されている。
【0017】
図2を参照すると、基板101上にソース102a及びドレイン102bが形成されており、ソース102aとドレイン102bとの間の基板101上にはチャンネル103が形成されている。チャンネル103上にはゲート絶縁層104が形成されており、チャンネル103に対応するゲート絶縁層104上にはゲート105が形成されている。
【0018】
本実施形態による酸化物薄膜トランジスタは、チャンネル15がIn−Zn複合酸化物にHfを添加したものを含んでいる。
【0019】
以下、図1及び図2に示した本発明の一実施形態による酸化物薄膜トランジスタを形成する各層の形成物質について説明すると、次の通りである。基板11、101は、一般的な半導体素子に使われる基板を使用でき、例えば、Si、ガラス、又は有機物材料を使用できる。基板11、101の表面には絶縁層が形成され、絶縁層は、例えば、Si基板を熱酸化して形成されたSiO2であり得る。ゲート13、105は伝導性物質を使用でき、例えば、Ti、Pt、Ru、Au、Ag、Mo、Al、W、又はCuなどの金属或いはIZO(InZnO)又はAZO(AlZnO)のような金属或いは伝導性酸化物であり得る。ゲート絶縁層14、104は、通例的な半導体素子に使われる絶縁物質を使用して形成できる。具体的に、SiO2、又はSiO2より誘電率の高いHigh−K物質であるHfO2、Al2O3、Si3N4、又はこれらの混合物を使用できる。ソース16a、102a及びドレイン16b、102bは伝導性物質を使用して形成でき、例えば、Ti、Pt、Ru、Au、Ag、Mo、Al、W、又はCuのような金属或いはIZO(InZnO)又はAZO(AlZnO)のような金属或いは伝導性酸化物を使用することができる。
【0020】
本実施形態による酸化物半導体は、In−Zn複合酸化物にHfが添加された物質である。
【0021】
Hfは、電気陰性度が1.3であって、電気陰性度が3.5の酸素との電気陰性度差が2.2でイオン結合の非常に強い酸化物を形成する。そして、Hfのイオン半径は0.078nmであって、イオン半径が0.074nmのZnと類似している。従って、In−Zn複合酸化物にHfが添加された場合、結晶格子の変形なしにZnとの置換が容易に発生し得る。
【0022】
a−Si:Hの場合には共有結合をしているが、この結合は、方向性を持つsp3配位結合をして非晶質相で存在すると、酸素結合している電子雲がねじれる。これによって、弱い結合(weak bond)が存在する。このような結合構造を持つTFTを長期間駆動すると、結合領域に電子又はホールが溜まりつつ結果的に結合が切れて、しきい電圧(Vth)の移動による信頼性に問題が発生する。一方、イオン結合の場合には、陽イオン電子雲のサイズが大きく、酸素陰イオンの結合に関係なくオーバーラップされ、結晶相でも非晶質相でも弱い結合が存在しなくなって、しきい電圧(Vth)の変化が殆どないか又は少ない高信頼性の薄膜トランジスタの製造に寄与すると考えられる。本実施形態でHfが追加されたZn酸化物又はZn−In複合酸化物は、このようなイオン結合が大部分の結合を形成するが、あらゆる結合がイオン結合である必要はない。
【0023】
酸化物半導体には、Li、KのようなI族元素、Mg、Ca、SrのようなII族元素、Ga、Al、In、YのようなIII族元素、Ti、Zr、Si、Sn、GeのようなIV族元素、Ta、Vb、Nb、SbのようなV族元素、Ln系列元素(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)などが更に含まれ得る。
【0024】
本実施形態による酸化物半導体は、LCD、OLEDに使われる駆動トランジスタのチャンネル物質として適用され、メモリ素子の周辺回路を構成するトランジスタ、又は選択トランジスタのチャンネル物質として適用され得る。
【0025】
以下、図3〜図7を参照して、本発明の一実施形態による酸化物薄膜トランジスタの製造方法について説明する。ここでは、ボトムゲート型薄膜トランジスタの製造方法について説明する。
【0026】
図3を参照すると、先ず基板11を用意する。基板11は、Si、ガラス、又は有機物材料を使用できる。Siを基板11として使用する場合、熱酸化工程により基板11の表面に絶縁層12、例えばSiO2を形成できる。そして、基板11上に金属又は伝導性金属酸化物などの伝導性物質13aを塗布する。
【0027】
図4を参照すると、伝導性物質13aをパターニングすることでゲート13を形成する。図5を参照すると、ゲート13の上部に絶縁物質を塗布し、パターニングしてゲート絶縁層14を形成する。ゲート絶縁層は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、ハフニウム(Hf)酸化物、アルミニウム酸化物、又はハフニウム酸化物及びアルミニウム酸化物の混合物で形成できる。
【0028】
図6を参照すると、ゲート絶縁層14上にチャンネル物質をPVD、CVD、又はALDなどの工程で塗布した後、ゲート13に対応するゲート絶縁層14上にチャンネル物質が残留するようにパターニングすることでチャンネル15を形成する。本実施形態では、チャンネル15は、In−Zn複合酸化物にHfを添加して形成できる。具体的に、スパッタリング工程でチャンネル15を形成する場合、InZnOにHfを含むように形成された一つのターゲットを工程チャンバー内に装着して、スパッタリング工程でチャンネル15を形成できる。
【0029】
図7を参照すると、金属又は伝導性金属酸化物などの物質をチャンネル15及びゲート絶縁層14上に塗布した後、チャンネル15の両側部に連結されるようにパターニングすることで、ソース16a及びドレイン16bを形成する。最後に、400℃以下、例えば200℃の温度で一般的なファーネス、RTA(Rapid Thermal Annealing)、レーザー、又はホットプレートなどを用いて熱処理工程を施す。
【0030】
<製造例>
【0031】
基板としてシリコンを使用し、基板の表面にシリコン酸化物を100nm厚さに形成する。基板の表面に約200nm厚さのMoを形成してゲートを形成した後、基板及びゲートの上部に200nm厚さのシリコン窒化物を塗布してゲート電極層を形成する。そして、ゲートに対応するゲート電極層上に酸化物半導体を塗布してチャンネルを形成する。チャンネル形成の具体的な工程を説明すると、次の通りである。
【0032】
LTS Chemical社に、HfO2:In2O3:ZnOのモル%比率をそれぞれ0.1:1:2(ターゲット1)、0.2:1:2(ターゲット2)、0.3:1:2(ターゲット3)、0.4:1:2(ターゲット4)とする単一ターゲットの製造を依頼して4個の酸化物ターゲットを入手し、これを使用してチャンネルを形成した。ターゲット1〜4をそれぞれスパッタ(Varian社製、モデル名MS2100)のチャンバー内に装着させ、常温でAr:O2ガスを90〜95:5〜10sccm割合で供給しつつ5mTorrの圧力を維持し、ターゲットに150wattの電流を印加してRFマグネトロンスパッタリングを施した。チャンネルを約70nmの厚さに形成し、チャンネル幅/長さ(W/L)は50/4μmに形成した。そして、チャンネルの両側にソース及びドレインとして200nm厚さのMoを形成し、Si酸化物で約200nm厚さのパッシベーション層を形成した。次いで、約200℃で1時間熱処理工程を施した。
【0033】
上述したように製造した本実施形態による酸化物半導体について、本発明者は、酸化物半導体の各領域による正確な結晶相を確認するために、領域別断面透過電子顕微鏡(TEM)写真及び回折パターン写真を調べた。図8〜図11は、本発明の一実施形態により製造された試片の断面を示すTEM写真を示す図面である。図8を参照すると、ターゲット1で形成した試片の場合、薄膜の一部領域のみで結晶化が進み、全般的に非晶質(amorphous)状態が観察された。図9〜図11を参照すると、図8で示した薄膜で部分的に結晶化したグレイン領域が現れるものとは異なり、全体的に均質に観察されることからみると、ターゲット2〜ターゲット4で形成した試片の場合、薄膜の全領域に亘って非晶質状態であることが分かる。それぞれのターゲットで形成した試片に対して、ICP(inductively coupled plasma)で組成分析を行った。表1では、ターゲット1〜4で形成した試片でのZn、In、Hfの組成比をat%で表した。
【0034】
【表1】
【0035】
※表及び以下で示すICP分析結果は、小数点一桁で四捨五入した値であり、±1%の誤差値を持つ。
【0036】
次いで、コーニング(Corning)社に、HfO2:In2O3:ZnOのモル%比率をそれぞれ0.1:1:2(ターゲット5)、0.2:1:2(ターゲット6)、0.3:1:2(ターゲット7)、0.4:1:2(ターゲット8)とする単一ターゲットの製造を依頼して4個の酸化物ターゲットを入手し、これを使用してチャンネルを形成した。ターゲット5、6、7、8をそれぞれスパッタ(Varian社、モデル名MS2100)に装着してAr:O2ガスを95:5sccm割合で供給する状態で、DCスパッタリング工程でチャンネルを形成した後、約200℃で、N2雰囲気下で1時間熱処理を施した。そして、ICPで組成を分析した。表2では、ターゲット5〜8で形成した試片でのZn、In、Hfの組成をat%で表した。
【0037】
【表2】
【0038】
次いで、Advanced Nano Products社に、HfO2:In2O3:ZnOのモル%比率を0.15:1:2(ターゲット9)で依頼して、得られたターゲットをスパッタ(Varian社、モデル名MS2100)に装着してAr:O2ガスを90:10sccmの割合で供給する状態で、DCスパッタリング工程でチャンネルを形成した後、約200℃で1時間熱処理を施した。形成された薄膜のICP分析結果、Hfの含有量は3.8atomic%であることが分かった。
【0039】
図12〜図15は、本発明の一実施形態による酸化物薄膜トランジスタのチャンネル領域(幅:長さ=50:4μm)のHf含有量によるトランスファーカーブを示したものであり、ソース−ドレイン電圧が10Vである場合にゲート電圧(VGS)−ドレイン電流(IDS)変化を示し、図13〜図15の場合には、ソース−ドレイン電圧が0.1Vである時の結果も共に表して、On電流値が約10−6Aに表示される曲線を追加した。ここで、ccは、試片の中心部位を対象に測定した結果を示したものであり、crは、試片のエッジ部位を対象に測定した結果を示したものである。
【0040】
図12は、チャンネル層が、ターゲット1を使用してAr:O2の比率が90:10sccm条件下で製作された試片についてのものであり、図13は、チャンネル層が、ターゲット2を使用してAr:O2の比率が90:10sccmの雰囲気下で製作した試片についてのものであり、図14は、チャンネル層が、ターゲット3を使用してAr:O2の比率が90:10sccmの雰囲気下で製作された試片についてのものであり、図15は、チャンネル層が、ターゲット4を使用してAr:O2の比率が90:10sccmの雰囲気下で製作された試片についてのものである。図12〜図15を参照すると、ソース−ドレイン電圧が10Vである場合、On電流が約10−3〜10−5Aであり、オフ電流が10−12A以下であり、オン/オフ電流比は107以上であることが分かる。
【0041】
図16は、ターゲット3を用いてAr:O2の比率が90:10sccmの条件下でチャンネル領域(幅:長さ=50:4μm)を形成し、200℃で15時間熱処理した後、60℃で、ゲートソース電圧が−20Vであり、かつドレインソース電圧が10Vである状態で、1時間及び16時間経過後のトランスファーカーブを測定した結果を示したものである。図16を参照すると、トランスファーカーブの結果が偏差なしにほぼ一定であることが分かる。結果的に、信頼性のある半導体素子を提供できることが分かる。
【0042】
図17は、ターゲット2〜4を用いてAr:O2の比率が90:10sccmの条件下でチャンネル領域(幅:長さ=50:4μm)を形成し、200℃で15時間熱処理した後、経時的なトランスファーカーブを測定し、10−9AでのVthの偏差(ΔVth)を測定した結果を示すグラフである。図17を参照すると、大部分の試片でΔVth値が低く、特にターゲット3で形成する場合、ΔVth値が非常に低くて高い信頼性を示すということが分かる。
【0043】
図18〜図21は、ターゲット5、6、7、8を用いてAr:O2の比率が90:10sccmの雰囲気下で、DCスパッタリングで酸化物薄膜トランジスタのチャンネル領域(幅:長さ=50:4μm)を形成した後、窒素雰囲気下で、200℃で1時間熱処理した後、ソース−ドレイン電圧が10Vである場合、ゲート電圧(VGS)−ドレイン電流(IDS)変化を示すグラフである。図18及び図19を参照すると、Hfの組成比が約5及び11at%でOn電流が約10−4Aであり、オフ電流が10−11〜10−12A以下であり、オン/オフ電流比は107以上であることが分かる。また図20及び図21は、5V以上の高電圧下でのTFT特性確保可能性を示す。
【0044】
図22及び図23は、ターゲット7及び8で形成した試片のチャンネル領域に対するTEMイメージを示す図面である。図22及び図23を参照すると、ターゲット7及び8で形成したチャンネル領域は、いずれも非晶質特性を持っていることが分かる。
【0045】
図24は、ターゲット6を用いてAr:O2の比率が95:5sccmの条件下でチャンネル領域(幅:長さ=50:4μm)を形成し、窒素雰囲気下で、200℃で1時間熱処理する。そして、60℃で、ゲートソース電圧が−20Vであり、かつドレインソース電圧が10Vの状態で、1時間及び16時間経過後のトランスファーカーブを測定した結果を示したものである。図24を参照すると、トランスファーカーブの結果が偏差なしにほぼ一定であることが分かる。
【0046】
図25は、ターゲット9を用いて酸化物薄膜トランジスタのチャンネル領域(幅/長さ=50:4μm)を形成した後、窒素雰囲気下で、200℃で1時間熱処理した後に測定したトランスファーカーブを示したものであり、ゲート電圧(VGS)−ドレイン電流(IDS)変化を示すグラフである。図25を参照すると、On電流が約10−4Aであり、オフ電流が10−11〜10−12A以下であり、オン/オフ電流比は107以上であることが分かる。結果的に、本発明の実施形態による酸化物薄膜トランジスタは高いOn/Off電流比及び低いOff電流を示し、トランジスタとしての特性を満たすことが分かる。
【0047】
本発明の実施形態による酸化物半導体は、Zn、In、及びHf全体原子含有量に対するHfの組成比が2〜16at%範囲である。この時、Znの組成比は10〜60at%、Inの組成比は30〜90at%の範囲で調整でき、Znは31〜46at%であり、Inは51〜54at%範囲であり得る。この範囲のうちHfの組成が3at%以上の場合に非晶質であると判断され、それ未満の場合にマイクロクリスタルを含む状態であると判断される。
【0048】
本発明の実施形態による酸化物薄膜トランジスタの場合、実際に蒸着された薄膜の組成成分比、IDS−VGSグラフなどは、使われるターゲットの種類、蒸着時のターゲット印加電圧、蒸着装備、蒸着圧力、酸素分圧条件、基板温度などにより変更できる。また蒸着された薄膜組成が同じ場合であっても、蒸着条件によって薄膜特性の変更が可能である。例えば、スパッタリング工程で酸化物半導体を蒸着する場合、酸素分圧によって酸化物の抵抗範囲は大きく変わり得る。酸素分圧が適量以下に調節される場合に、低抵抗の薄膜を蒸着でき、酸素分圧を高く調節する場合に、高抵抗の薄膜を蒸着することができる。
【0049】
上述したような実施形態を通じて、当業者であれば、本発明の技術的思想により酸化物半導体を利用して、LCD、OLEDなどの平板ディスプレイの駆動トランジスタ、メモリ素子の周辺回路構成のためのトランジスタなどの多様な電子素子を製造できるであろう。本発明の実施形態による酸化物薄膜トランジスタは、ボトムゲート型又はトップゲート型に使われ得る。結果的に本発明の範囲は、説明した実施形態によって定められるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術的思想により定められねばならない
【符号の説明】
【0050】
11、101 基板
12 酸化層
13、105 ゲート
13a 伝導性物質
14、104 ゲート絶縁層
15、103 チャンネル
16a、102a ソース
16b、102b ドレイン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Zn、In、及びHfを含み、Zn、In、及びHf原子の全体含有量対比Hf原子含有量の組成比が2〜16at%であることを特徴とする酸化物半導体。
【請求項2】
前記酸化物半導体はHfの組成比が3〜16at%範囲であり、前記酸化物半導体は非晶質であることを特徴とする請求項1に記載の酸化物半導体。
【請求項3】
前記Hfの組成比が3.8〜11at%範囲であり、前記酸化物半導体は非晶質であることを特徴とする請求項1に記載の酸化物半導体。
【請求項4】
前記Hfの組成比が5〜11at%範囲であり、前記酸化物半導体は非晶質であることを特徴とする請求項1に記載の酸化物半導体。
【請求項5】
前記Znの組成比が10〜60at%範囲であることを特徴とする請求項1に記載の酸化物半導体。
【請求項6】
前記Znの組成比が31〜46at%範囲であることを特徴とする請求項1に記載の酸化物半導体。
【請求項7】
前記Inの組成比が30〜90at%範囲であることを特徴とする請求項1に記載の酸化物半導体。
【請求項8】
前記Inの組成比が51〜54at%範囲であることを特徴とする請求項1に記載の酸化物半導体。
【請求項9】
酸化物薄膜トランジスタであって、
ゲートと、
前記ゲートに対応する位置に形成され、Zn、In、及びHfを含み、Zn、In、及びHf原子の全体含有量対比Hf原子含有量の組成比が2〜16at%の酸化物半導体で形成されたチャンネルと、
前記ゲートとチャンネルとの間に形成されたゲート絶縁体と、
前記チャンネルの両側部とそれぞれ接触して形成されたソース及びドレインと、を備えることを特徴とする酸化物薄膜トランジスタ。
【請求項10】
前記チャンネルは、Hfの組成比が3〜16at%範囲であり、非晶質であることを特徴とする請求項9に記載の酸化物薄膜トランジスタ。
【請求項11】
前記チャンネルは、前記Hfの組成比が3.8〜11at%範囲であり、非晶質であることを特徴とする請求項9に記載の酸化物薄膜トランジスタ。
【請求項12】
前記チャンネルは、前記Hfの組成比が5〜11at%範囲であり、非晶質であることを特徴とする請求項9に記載の酸化物薄膜トランジスタ。
【請求項13】
前記酸化物半導体は、前記Znの組成比が10〜60at%範囲であることを特徴とする請求項9に記載の酸化物薄膜トランジスタ。
【請求項14】
前記酸化物半導体は、前記Znの組成比が31〜46at%範囲であることを特徴とする請求項9に記載の酸化物薄膜トランジスタ。
【請求項15】
前記酸化物半導体は、前記Inの組成比が30〜90at%範囲であることを特徴とする請求項9に記載の酸化物薄膜トランジスタ。
【請求項16】
前記酸化物半導体は、前記Inの組成比が51〜54at%範囲であることを特徴とする請求項9に記載の酸化物薄膜トランジスタ。
【請求項1】
Zn、In、及びHfを含み、Zn、In、及びHf原子の全体含有量対比Hf原子含有量の組成比が2〜16at%であることを特徴とする酸化物半導体。
【請求項2】
前記酸化物半導体はHfの組成比が3〜16at%範囲であり、前記酸化物半導体は非晶質であることを特徴とする請求項1に記載の酸化物半導体。
【請求項3】
前記Hfの組成比が3.8〜11at%範囲であり、前記酸化物半導体は非晶質であることを特徴とする請求項1に記載の酸化物半導体。
【請求項4】
前記Hfの組成比が5〜11at%範囲であり、前記酸化物半導体は非晶質であることを特徴とする請求項1に記載の酸化物半導体。
【請求項5】
前記Znの組成比が10〜60at%範囲であることを特徴とする請求項1に記載の酸化物半導体。
【請求項6】
前記Znの組成比が31〜46at%範囲であることを特徴とする請求項1に記載の酸化物半導体。
【請求項7】
前記Inの組成比が30〜90at%範囲であることを特徴とする請求項1に記載の酸化物半導体。
【請求項8】
前記Inの組成比が51〜54at%範囲であることを特徴とする請求項1に記載の酸化物半導体。
【請求項9】
酸化物薄膜トランジスタであって、
ゲートと、
前記ゲートに対応する位置に形成され、Zn、In、及びHfを含み、Zn、In、及びHf原子の全体含有量対比Hf原子含有量の組成比が2〜16at%の酸化物半導体で形成されたチャンネルと、
前記ゲートとチャンネルとの間に形成されたゲート絶縁体と、
前記チャンネルの両側部とそれぞれ接触して形成されたソース及びドレインと、を備えることを特徴とする酸化物薄膜トランジスタ。
【請求項10】
前記チャンネルは、Hfの組成比が3〜16at%範囲であり、非晶質であることを特徴とする請求項9に記載の酸化物薄膜トランジスタ。
【請求項11】
前記チャンネルは、前記Hfの組成比が3.8〜11at%範囲であり、非晶質であることを特徴とする請求項9に記載の酸化物薄膜トランジスタ。
【請求項12】
前記チャンネルは、前記Hfの組成比が5〜11at%範囲であり、非晶質であることを特徴とする請求項9に記載の酸化物薄膜トランジスタ。
【請求項13】
前記酸化物半導体は、前記Znの組成比が10〜60at%範囲であることを特徴とする請求項9に記載の酸化物薄膜トランジスタ。
【請求項14】
前記酸化物半導体は、前記Znの組成比が31〜46at%範囲であることを特徴とする請求項9に記載の酸化物薄膜トランジスタ。
【請求項15】
前記酸化物半導体は、前記Inの組成比が30〜90at%範囲であることを特徴とする請求項9に記載の酸化物薄膜トランジスタ。
【請求項16】
前記酸化物半導体は、前記Inの組成比が51〜54at%範囲であることを特徴とする請求項9に記載の酸化物薄膜トランジスタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公表番号】特表2011−525041(P2011−525041A)
【公表日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511515(P2011−511515)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【国際出願番号】PCT/KR2009/002855
【国際公開番号】WO2009/145581
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(503447036)サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド (2,221)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【国際出願番号】PCT/KR2009/002855
【国際公開番号】WO2009/145581
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(503447036)サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド (2,221)
【Fターム(参考)】
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