説明

ストレッサ層に隣接する活性化領域を有するトランジスタ構造を含む電子デバイスおよび該電子デバイスを製造する方法

電子デバイス(10)が、第1の伝導タイプのトランジスタ構造(50)と、フィールドアイソレーション領域(22)と、フィールドアイソレーション領域の上に横たわる第1の応力タイプの(130)とを有する。例えば、トランジスタ構造(50)がpチャネルトランジスタ構造(50)であってよく、第1の応力タイプが引っ張りであってよく、または、トランジスタ構造(60)がnチャネルトランジスタ構造であってよく、第1の応力タイプ(70)が圧縮であってよい。トランジスタ構造(50)は、活性化領域内に横たわるチャネル領域(54)を含む。活性化領域の端は、チャネル領域(54)とフィールドアイソレーション領域(22)との間の界面を有する。頂部から見ると、層は、活性化領域の端の近くに横たわる端を含む。端の間の位置関係は、トランジスタ構造(50)のチャネル領域(54)内のキャリア移動度に影響する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイスおよび該電子デバイスを製造する方法に関し、特に、ストレッサ層に隣接する活性化領域を備えたトランジスタ構造を包含する電子デバイスおよび該電子デバイスを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体-オン-絶縁体(「SOI」)アーキテクチャは、電子工学的により一般的になっており、デバイスパフォーマンス要求は、更に要求が厳しくなり続けている。pチャネルトランジスタのチャネル領域内のキャリア移動度は、引き続き改良される領域である。プレメタル誘電体(「PMD」)層を形成する前に、多くのアプローチがデュアルストレッサ層を使用する。PMD層を形成する前に、デュアルストレッサ層は、エッチング停止層として電子デバイス内に組み込まれうる。デュアルストレッサ層に関して、エッチング停止層は、nチャネルトランジスタ構造の上の引っ張り層と、pチャネルトランジスタ構造の上の圧縮層とを含む。
【0003】
いくつかの試みでは、トランジスタの相互コンダクタンスおよびドレイン電流に影響を与えるようにトランジスタ構造のチャネル長の方向に沿って活性化領域内の応力に変化を加えることに焦点が与えられた。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
電子デバイスは、第1の伝導タイプと、フィールドアイソレーション領域と、該フィールドアイソレーション領域の上に横たわる第1の応力タイプの層とを包含する。例えば、トランジスタ構造は、pチャネルトランジスタ構造で、第1の応力タイプは引っ張りであってよく、または、トランジスタ構造は、nチャネルトランジスタ構造で、第1の応力のタイプは圧縮であって良い。トランジスタ構造は、活性化領域内に横たわるチャネル領域を含むことができる。活性化領域の端は、チャネル領域とフィールドアイソレーション領域との間の界面を含む。頂部から見ると、層は、活性化領域の端のそばに横たわる端を含む。特定の実施形態では、層は、パターンを有し、活性化領域を被覆しない。頂部から見ると、活性化領域の各々の端から、チャネル長方向における層の最も近い対応する端までの距離は、活性化領域の各々の端から、チャネル幅方向における層の最も近い対応する端までの距離よりも大きくない。その層はフィールドアイソレーション領域内の応力に影響を与えることができ、それは次いで、活性化領域内の応力に影響を与えうる。その層と活性化領域の端の間の位置関係は、トランジスタ構造のチャネル領域内のキャリア移動度を増大させるのに役立つ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
以下の発明の詳細に言及する前に、いくつかの用語を定義し又は明確にする。用語「活性化領域」は、キャリアが流れるように設計されたトランジスタ構造体の一部を意味する。活性化領域は、チャネル領域、ソース領域、ドレイン領域、ソース/ドレイン領域、若しくは、1又はそれ以上のトランジスタ構造体に関するそれらの組み合わせを含む。
【0006】
用語「チャネル長」は、典型的には、チャネル‐ソース領域界面、チャネル‐ドレイン領域界面、チャネル‐ソース/ドレイン領域界面などと実質的に垂直な方向にある。
【0007】
用語「チャネル幅」は、トランジスタ構造体のチャネル領域の寸法を意味し、該寸法は、チャネル長に対して実質的に垂直な方向で測定される。頂部から見ると、チャネル幅は典型的には、一方のチャネル領域−フィールドアイソレーション領域界面から、他方のチャネル領域−フィールドアイソレーション領域界面に延びる。
【0008】
用語「側方応力」は、トランジスタ構造体のチャネル長に対して実質的に垂直な方向の活性化領域内の応力を意味する。
【0009】
用語「主面(プライマリ面)」は、トランジスタ構造が実質的に形成される表面を意味する。主面は、電子コンポ−ネントが形成される前に、ベース材料のオリジナルな表面であってよく、または、ベース材料の上に横たわる半導体層の表面であってもよい。例えば、半導体−オン−絶縁体基板の半導体層の露出された表面は、主面であり、ベース材料のオリジナルの表面ではない。
【0010】
用語「応力」は、互いに接触する2つの異なる材料から生じる合成した力を意味する。応力は、圧縮、ゼロ、または、引っ張りとなりうる。この明細書で用いるときは、圧縮応力は負の値を有し、引っ張り応力は正の値を有する。
【0011】
用語「トランジスタ構造」(又は、「トランジスタ構造体」、「トランジスタストラクチャ」)は、ゲート電極及び関連するチャネル領域、ソース及びドレイン領域、または、ソース/ドレイン領域を意味する。ゲート誘電体層は、トランジスタ構造(体)の一部であってもよいし、一部でない場合もある。トランジスタ構造(体)は、トランジスタ、キャパシタ、または、レジスタとして機能するように構成されうる。
【0012】
用語「トランスバース(横断)応力」は、トランジスタ構造のチャネル幅と実質的に平行な方向の活性化領域内の応力を意味する。
【0013】
用語「ズレ(ミスアライメント)の許容範囲のユニット(単位)」は、特定のマスキングレベルでの許容可能なズレの最大量を意味する。例えば、マスクが+/−10nmの不整合であるならば、ミスアライメントの許容範囲のユニットは、20nmである。許容可能なミスアライメントの最大量は、設計ルール、特定のマスキングレベルでの最小の形状の寸法、特定のマスキングレベルでの最小ピッチ、または、それらの組み合わせによって部分的に決定されうる。
【0014】
用語「垂直応力」は、すぐ下に横たわる表面によって影響される層からの応力を意味する。
【0015】
明確に反対の意味が述べられていない限り、「または」という表現は、包含的論理和(inclusive or)を意味し、排他的論理和(exclusive or)ではない。例えば、状態AまたはBは、以下のいずれによっても満たされる:Aが真(または、present)でありBが偽(または、not present)、Aが偽(または、not present)でありBが真(または、present)、および、AおよびBの両方が真(または、present)である。
【0016】
特に断りがない限り、ここで用いられる全ての技術的及び科学的用語は、本願が属する業界の当業者によって共通に理解されるのと同じ用語である。ここで述べられる全ての公開技術、特許出願、特許、および、他の参照文献は全体的に参考文献として組み入れられる。矛盾があった場合には、定義を含めて、本願で調整しうる。更に、材料、方法、および、例は、単なる例示であり、本願を限定するものではない。
【0017】
図1は、集積回路のような電子デバイス10の基板12の一部の断面図の例示を含む。基板12は、単結晶半導体ウェハ、半導体−オン−絶縁体ウェハ、フラットパネルディスプレイ(例えば、ガラス面の上の半導体層)、または、電子デバイスを形成するのに用いられる在来の他の基板を含む。基板12の上方表面は、主面13である。ある実施形態では、基板12は、ベース材料14、絶縁層16、および、実質的に<110>方位のチャネル領域を実質的に形成する端を備えた実質的に(100)結晶面の主面13を有する半導体層18を含む。
【0018】
フィールドアイソレーション領域22は、在来若しくは独自の技術、材料、又は、図2及び3に例示したようなそれらの組み合わせを使用して形成される。フィールドアイソレーション領域22は、活性化領域24及び26と、26及び28との間のフィールドアイソレーション領域22の一部で、各活性化領域24,26,28を取り囲む。フィールドアイソレーション領域22の端は、活性化領域24,26,28の端に隣接する。ある実施形態では、活性化領域24は、p型ドーパントを含み、引き続き形成されるnチャネルトランジスタ構造のチャネル領域を含み、活性化領域26及び28は、n型ドーパントを含み、引き続き形成されるpチャネルトランジスタ構造のチャネル領域を含む。
【0019】
図3を参照すると、各活性化領域24,26,28は、対向する端の対を含む。一対の対向する端は、図3において垂直方向であり、他の対の端は、図3において水平方向である。残りの明細書を読んだ後に、端の重要性は、より明らかになる。
【0020】
トランジスタ構造は、図4,5および6に図示したように形成される。ある実施形態では、nチャネル及びpチャネルトランジスタ構造の両方が、形成されうる。図4は、フィールドアイソレーション領域22および活性化領域24及び26の一部の上に横たわるゲート電極42と、フィールドアイソレーション領域22および活性化領域28の一部の上に横たわるゲート電極44を図示する。
【0021】
図5は、図4の区分線5−5における、pチャネルトランジスタ構造50の断面図を図示する。トランジスタ構造50は、ソース/ドレイン領域52(「S/D領域」)、ゲート誘電体54、ゲート電極42、および、スペーサ構造46を含む。
【0022】
ゲート誘電体54は、二酸化珪素、チッ化珪素、シリコンオキシナイトライド、高誘電率(「高k」)材料(例えば、誘電率が8より大きい)、並びに、それらの組み合わせの1又はそれ以上の薄膜を含む。高k材料は、Hf、HfSi、HfSi、HfZr、HfSi、HfSi、HfZrSi、HfZr、HfSi、ZrSi、ZrSi、Zr、他のHf包含又はZr包含誘電材料、先のドープされたバージョン(ランタンドープ、二オブドープなど)、または、それらの組み合わせを含みうる。ここで用いられるように、アルファベットで特定された化合物の添え字は、その化合物における原子の存在割合がゼロでないことを意味し、それゆえ、化合物内のアルファベットの添え字の合計は1になる。例えば、Hfの場合、「a」、「b」および「c」の合計は1である。ゲート誘電体54は、約1から約20nmのレンジの厚さを有する。ゲート誘電体54は、酸化又はチッ化雰囲気を用いて熱成長され、若しくは、化学気相成長技術、物理気相成長技術、またはそれらの組み合わせを使用して堆積されうる。
【0023】
ゲート電極42は、pチャネル領域26の上に横たわる表面部分を含む。表面部分は実質的に、完成した電子デバイス内のトランジスタに関する仕事関数を設定する。更に特定の実施形態では、表面部分は、遷移金属元素のような金属元素を含みうる。特定の実施形態では、表面部分内のすべての金属元素は、1又はそれ以上の遷移金属元素だけを含む。この明細書の目的では、シリコン及びゲルマニウムは、金属元素とみなさない。他の実施形態では、表面部分は、シリコン、酸素、窒素、または、それらの組み合わせである第2の元素を含みうる。ゲート電極42の表面部分は、Ti、Mo, MoaSibNc, RuaOb, IraOb, Ru, Ir, MoaSibO, MoaSibOcNd, MoaHfbOc, MoaHfbOcNd材料を包含する他の遷移金属、または、それらの組み合わせを含みうる。
【0024】
ゲート電極42の別の部分は、表面部分の上に横たわってよい。ある実施形態では、上に横たわる部分は、表面部分と比較して、相対的により伝導性であり、シリコン、ポリシリコン、チッ化物、金属含有材料、他の適当な材料、または、それらの組み合わせのような材料を含む。ある実施形態では、材料は、プラチナ、パラジウム、オスミウム、ルテニウム、レニウム、インジウム−錫、インジウム−亜鉛、アルミニウム−錫、または、それらの組み合わせを含みうる。別の実施形態では、材料は、シリサイドを形成するためにシリコンと反応することができ、Ti,Ta,Co,W,Mo,Zr,Ptおよび他の適当な材料、または、それらの組み合わせを含み、ゲート電極42に形成され、金属シリサイドを形成するように後で反応する。別の実施形態では、ゲート電極42は、相対的により伝導性の高い部分を含み、表面部分は含まない。ゲート電極42は、約230から約500nmの間の厚さを有する。
【0025】
スペーサ構造46は、シリコン、ポリシリコン、チッ化物、オキシナイトライドの酸化物、または、それらの組み合わせを含むことができる。スペーサ構造46は、在来または独自の堆積及びエッチング技術を使用して形成されうる。スペーサ構造46の断面は、複数の形状のうちの一つ(図示せず)を有することができる。かかる形状は、実質的に三角形、四角形、L型形状、または、他の形状であってよい。
【0026】
S/D領域52は、活性化領域26の部分の中に形成されうる。p型ドーパント(’例えば、ボロン)が、ゲート電極42に隣接した活性化領域26内に導入される。ある実施形態では、ドーパントは、イオンインプランテーションを使用して導入することができる。任意の熱サイクルは、ドーパントを活性化するために実行することができうる。別の実施形態では、引き続きのプロセスが、ドーパントを活性化することができる1またはそれ以上の熱サイクルを備えることになりうる。更に別の実施形態では、ドープされた領域52のドーピング濃度は、少なくとも約1×1019atoms/cm3である。
【0027】
図5を参照すると、チャネル領域58は、ゲート電極42の下に横たわり、S/D領域52の間に横たわる。チャネル領域58は、チャネル長およびチャネル幅を有する。チャネル長は、主面13でのS/D領域52の間の距離である。チャネル幅は、チャネル長に実質的に垂直な方向に測定される。図4を参照すると、活性化領域26を含むトランジスタ構造のチャネル幅は、ゲート電極42の下で測定されたように、活性化領域26の右手端と左手端との間の距離である。
【0028】
活性化領域28は、図5で図示されたように、トランジスタ構造50と同様のトランジスタ構造を有する。活性化領域28を包含するトランジスタ構造に関する材料、厚さ、および形成技術はトランジスタ構造50と比較して同様であってもよく、若しくは異ってもよい。ゲート電極44は、ゲート電極42と同様に(表面部分と比較して)より伝導性が高い上に横たわる部分と表面部分とを包含する。ゲート電極42と同様に、表面部分は要求されない。
【0029】
図6は、図4の区分線6−6でのnチャネルトランジスタ構造60の断面図を図示する。トランジスタ構造60は、S/D領域62、ゲート誘電体54、ゲート電極42、および、スペーサ構造46を含む。ゲート電極54は、トランジスタ構造50に関して先に記載したような、1又はそれ以上の実施形態を使用して形成されうる。活性化領域24の上に横たわるゲート誘電体層54の一部は、活性化領域26の上に横たわるゲート誘電体層54の一部と比較して同じであってよく、または異なってもよい。
【0030】
ゲート誘電体42は、トランジスタ構造60に関する仕事関数を実質的に設定することができる他の表面部分を含みうる。表面部分は、Ta、TaaSibNc, TaaNb, TaaSibCc, HfaCb, NbaCb, TiaCb, NiaSibまたはそれらの組み合わせを含むことができる。ゲート電極42の上に横たわる部分は、先に記載したのと実質的に同様である。他の表面部分は、任意であってよく、必要とされない。
【0031】
n型ドーパント(例えば、ヒ素、リン、アンチモン、またはそれらの組み合わせ)は、S/D領域62を形成するように、ゲート電極42に隣接した活性化領域24内に導入されうる。ドーパントは、S/D領域52に関して先に記載したように、導入されて、活性化される。ある実施形態では、S/D領域62のドーピング濃度は、少なくとも約1×1010atms/cm3である。別の実施形態では、(図示していないが)、トランジスタ構造60の一部を形成する材料又は技術は、トランジスタ構造50の一部を形成するために用いられたものと同じであってよく、または異なってもよい。トランジスタ構造50および60の一部の構成は、同じであってもよく、異なることも生じる。
【0032】
図6を参照すると、チャネル領域68は、ゲート電極42、および、S/D領域62の間の下に横たわる。チャネル領域68は、チャネル長およびチャネル幅を有する。チャネル長は、主面13でのS/D領域62の間の距離である。チャネル幅は、チャネル長と実質的に垂直な方向で測定される。図4を参照すると、活性化領域24を包含するトランジスタ構造に関するチャネル幅は、ゲート電極42の下で測定されたように、活性化領域24の右手端と左手端との間の距離である。
【0033】
絶縁層70は、在来のまたは独自のプロセスを用いて、図7および8に示したような、活性化領域24及び26、フィールドアイソレーション領域22、並びに、(図7及び8には示していない)活性化領域28を包含する、基板12の上に横たわるように形成される。絶縁層70は、酸化物、チッ化物、オキシナイトライド、または、それらの組み合わせを含みうる。絶縁層70は、成長又は堆積されうる。応力の大きさは、上に横たわる層の本来の応力と厚さの関数である。圧力、温度、ガス比率、パワー密度、周波数、放射、イオン打ち込み、またはそれらの組み合わせのような1又はそれ以上のプロセスパラメータが、薄膜の応力に影響を及ぼすように用いられうる。ある実施形態では、プラズマエンハンス化学気層成長(「PECVD」)が、引っ張り薄膜又は圧縮薄膜を堆積させるのに使用されうる。別の実施形態では、プロセスパラメータは、応力のタイプ(即ち、引っ張り又は圧縮)の変化なしに、応力の大きさを増大又は低減させることができる。
【0034】
ある実施形態では、絶縁層70は、圧縮応力を有する。特定の実施形態では、絶縁層70は、約1.4GPaよりも小さくない圧縮応力を有する。更に特定の実施形態では、絶縁層70は、約1.6から3.2GPaの間の圧縮応力を有する。別の実施形態では、絶縁層70は、厚さが約200nmよりも大きくなく、特定の実施形態では、約90nmよりも大きくない。更に特定の実施形態では、絶縁層70は、約40nmないし約90nmの範囲である。別の実施形態では、絶縁層70の一部は、引き続きのプロセスの間の、エッチング停止層として機能しうる。
【0035】
ある実施形態では、反応容器は、公称直径200mmの基板を処理するように設計された高さ調節可能なチャックおよびデュアル周波数無線(「RF」)生成器を備えたシングル基板処理ツールの一部である。特定の実施形態では、プロセスは、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアル社によって作られたPRODUCER(商標)ブランドまたはCENTURA(商標)ブランドで実行されうる。ある実施形態では、圧力は、おおよそ1乃至10トールのレンジである。更に特定の実施形態では、圧力は、おおよそ2乃至6.5トールのレンジである。別の実施形態では、チャックの温度は、おおよそ200℃乃至600℃のレンジである。更に特定の態様では、温度は、おおよそ350℃乃至600℃のレンジである。別の実施形態では、プロセスにおけるこの点で部分的に形成された電子デバイスは、おおよそ400℃までの温度許容差がある。
【0036】
別の実施形態では、窒素含有前駆体およびシリコン含有前駆体が、窒化シリコン薄膜を形成するように用いられるとき、窒素含有前駆体のフローは、シリコン含有前駆体よりも約1.5乃至5倍の範囲で大きい。更に特定の実施形態では、アンモニアは、窒素含有前駆体であってよく、シランは、シリコン含有前駆体であってよい。更なる特定の実施形態では、キャリアガスストリームは、窒素、ヘリウム、アルゴン、またはそれらの組み合わせのような比較的不活性なガスを包含しうる。更に別の特定の実施形態では、トータルRFパワー密度は、おおよそ0.1乃至1.6ワット/平方センチメートル(W/cm2)の範囲であってよく、基板間隔は、0.63ないし約1.27cmのレンジである。更に特定の実施形態では、圧縮窒化シリコン薄膜が形成されるとき、トータルRFパワー密度は、約0.48乃至約0.80W/cmの範囲であり、基板間隔は、約0.74乃至約1.14cmの範囲である。更に別の特定の実施形態では、引っ張り窒化シリコン薄膜が形成されるとき、トータルRFパワー密度は、0.064乃至0.318W/cmの範囲であり、基板間隔は約1.02乃至約1.27cmの範囲である。RFパワーは、1又はそれ以上の周波数であってよく、それ故、トータルRFパワー密度は、主面13の領域によって分割された各周波数でのRFパワーの総和である。
【0037】
図9乃至12を通して図示したように、絶縁層70は次いで、活性化領域26および28の間のフィールドアイソレーション領域22の一部と活性化領域24とを露出するようにパターニングされる。活性化領域26および28の各々は、フィールドアイソレーション領域22の上に横たわる残った部分の各々の一部を備えた、絶縁層70の残った部分によって実質的に被覆される。ある実施形態では、図9に示した平面図のように、活性化領域26および28の端の各々から、チャネル長方向の絶縁層70の残った部分の最も近い対応する端までの距離(即ち、図9に示した距離92)は、活性化領域26及び28の端の各々から、チャネル幅方向の絶縁層70の残った部分の最も近い対応する端までの距離(即ち、図9に示した距離94)よりも大きくない。ある実施形態では、距離92の各々は、距離94の各々よりも小さい。ある特定の実施形態では、距離92の合計は、ミスアライメントの許容度のユニットと実質的に等しく、距離94の合計は、ミスアライメントの許容度のユニットよりも著しく大きい。
【0038】
図10は、図9の区分線10−10に沿った加工物の断面図を図示する。特定の実施形態では、活性化領域26及び28の端の各々から、絶縁層70の上に横たわる部分の対応する端までの距離は、ミスアライメントの許容度のユニットの1/2より小さい。距離92の一つを図10に示す。図11および12は、それぞれ区分線11−11および12−12に沿ったそれぞれの活性化領域24および26の断面図を示す。距離94の一つを、図11に図示する。
【0039】
引っ張り層130が、在来又は独自の堆積プロセスを使用して、図13及び14に図示したように、活性化領域24,26及び28、並びに、フィールドアイソレーション領域22を含む、基板12の上に形成される。引っ張り層130は、絶縁層70に関して先に記載したプロセスを使用することにより、材料の組み合わせによっても形成されうる。ある実施形態では、引っ張り層130は、絶縁層70よりも大きな引っ張りである。特定の実施形態では、引っ張り層130は、約0.6GPaの大きさよりも小さくない引っ張り応力を有する。更に特定の実施形態では、引っ張り層130は、約1.0乃至約3.0GPaの大きさの範囲の引っ張り応力を有する。引っ張り層130は、絶縁層70に関して記載したものと同様の厚さを有しうる。ある実施形態では、引っ張り層130は、絶縁層70と実質的に同じ厚さを有する。別の実施形態では、引っ張り層130は、絶縁層70と実質的に同じ化学的組成を有する。
【0040】
パターニング層は、引っ張り層130の上に横たわるように形成され、それは、実質的には、絶縁層70をパターニングするのに用いたれたパターンのネガ像である。絶縁層70の残りの部分の上に横たわる絶縁層130の部分は、次いで、絶縁層70の残りの部分の端に隣接する端を備えた引っ張り層130に開口部を設けるために除去される。絶縁層70の残りの部分に関して先に記載したように、対応する端の対は、下に横たわる活性化領域に対して実質的に同じ位置を有する。かくして、距離152は、距離92(図9)と実質的に同じであり、距離154は、図15に示したように、距離94(図9)と実質的に同じである。
【0041】
より大きな正の応力(即ち、より大きな引っ張り)を備えた薄膜は、より大きな負の応力(即ち、より大きな圧縮)を備えた実質的に同じ組成の薄膜よりも、より高い化学的エッチング速度を有する。ある実施形態では、引っ張り層130のウェットエッチング速度は、絶縁層70の残りの部分のものの少なくとも2倍である。絶縁層70および引っ張り層130が窒化シリコンを包含するとき、HF溶液がウェット化学エッチャントとして用いられ得る。ある実施形態では、HF溶液は、約10:1(HFが1に対して、水が10の比率)のレンジの濃度であってよく、特定の実施形態では、約50:1乃至約200:1のレンジであって良い。特定の実施形態では、絶縁層130(より大きな引っ張り)は、絶縁層70(より大きな圧縮)よりも少なくとも約6倍のエッチング速度であり、特定の実施形態では、約10乃至15倍のレンジのエッチング速度である。かくして、ウェット化学的エッチングは、下に横たわる絶縁層70の過剰な除去をすることなく、絶縁層70の残った部分の上に横たわる絶縁層130の一部を選択的に除去するのに用いられ得る。
【0042】
パターニング層は、図15及び16に図示したように加工物を残して除去される。ある実施形態では、絶縁層70および引っ張り層130の残りの部分は、引き続きのプロセス中、特に、引き続き形成される絶縁層を介したコンタクト開口部を引き続き形成するときに、エッチング停止層として作用しうる。ある実施形態では、平面図からわかるように、活性化領域26および28の間の引っ張り層130の一部は、フィールドアイソレーション領域22の一部だけの上に横たわる。別の実施形態では、引っ張り層130は、2つの活性化領域26および28の間のフィールドアイソレーション領域22の実質的に全体の上に横たわり、実質的に活性化領域26および28のいずれの上にも横たわらない(即ち、平面図から分かるように、引っ張り層130内の開口部の端は、活性化領域26および28の端の線上にある)。更に別の実施形態では、活性化領域26および28の間の引っ張り層130の一部は、それらの領域の一方または両方の上にわずかに侵食する。
【0043】
別の実施形態では、引っ張り層130は、絶縁層70の残りの部分の形成の前に、形成され、開口されうる。更に別の実施形態では、絶縁層70は形成されない。絶縁層70は、圧縮され、応力がなく、または、わずかに引張りである。絶縁層70と130との間の応力の差が増大すると、エッチング速度の差も増大し、2つの層のより大きな引張りが、比較的早い速度のエッチングとなる。
【0044】
図17に図示したように、プロセスは、実質的に完了した電子デバイスを形成するまで続けられる。1またはそれ以上の絶縁層174、1またはそれ以上の伝導層176、および、1またはそれ以上の封止層178が、1またはそれ以上の在来または独自の技術を使用して形成される。
【0045】
図18は、位置(例えば、図15における距離152)の関数として、デルタ平均(delta mean)応力を図示するデータを含む。位置1は、引っ張り層130対応しておらず(例えば、ブランケット絶縁層70)、位置2は、活性化領域26と比較して活性化領域24により近い絶縁層70と引っ張り層130との間の端に対応し(例えば、平面図から測定されるように、活性化領域24の端から約40nm)、位置3は、活性化領域24と活性化領域26との間の中間である、絶縁層70と引っ張り層130との間の端に対応し、位置4は、活性化領域24と比較して活性化領域26により近い、絶縁層70と引っ張り層130との間の端に対応し(例えば、平面図から測定されるように、活性化領域26の端から約40nm)、位置5は、活性化領域26の端の上に横たわる絶縁層70と引っ張り層130との間の端に対応し、位置6は、活性化領域26の上に浸食する絶縁層70と引っ張り層130との間の端に対応する(例えば、平面図から測定されるように、活性化領域26の上、約40nm)。
【0046】
引っ張り層130と絶縁層70との間の端が、活性化領域26の下に横たわる端の線上になるまで、図18のデータは、チャネル幅方向のデルタ平均応力が増大することを示す。デルタ平均応力は、平面図から測定されるように、2つの端の間の距離の関数として増大し、引っ張り層130が活性化領域26の上に横たわっていないときに対抗するように、引っ張り層130が活性化領域26の上に横たわっているときに、より強い関数として、低減されたデルタ平均応力の減少に伴って、減少する。依然として、引っ張り層130が、活性化領域26の比較的小さな部分の上に横たわっているときは、依然として十分なデルタ平均応力を提供する。増大したデルタ平均応力の正味の効果は、pチャネルトランジスタ構造に関する活性化領域26内のキャリア移動度を増大させうる。増大したキャリア移動度は、pチャネルトランジスタパフォーマンスを改善させることができる。また、引っ張り層130と圧縮層70の間の応力の差が増大すると、チャネルの応力エンハンスメントの大きさが増大する。
【0047】
pチャネルトランジスタ構造の間のフィールドアイソレーション領域の上に横たわる絶縁薄膜130は、キャリア移動度が増大することによって電子的特性を改善することができる。例えば、pチャネルトランジスタ構造は、実質的に<110>方位であり、活性化領域の主面が、(100)又は(110)結晶面上に横たわる。実質的に<100>方位のpチャネルトランジスタ構造に関しては、活性化領域が、(100)または(110)決勝免状に横たわっている主面を有するとき、キャリア移動度は、低下するか、または低下はしないであろう。
【0048】
別の実施形態では、伝導タイプおよび応力が反対になる。例えば、活性化領域24は、n型にドープされ、引き続き形成されるpチャネルトランジスタ構造のチャネル領域を含み、活性化領域26および28は、p型にドープされ、引き続いて形成されるnチャネルトランジスタ構造のチャネル領域を含み、絶縁層70は引っ張り薄膜であり、絶縁層130は、圧縮薄膜である。nチャネルトランジスタ構造の間のフィールドアイソレーション領域の上に横たわる圧縮薄膜は、キャリア移動度を増大させることによって電子的特性を改善させる。例えば、nチャネルトランジスタ構造は、実質的に<110>方位であり、活性化領域の主面は、(100)または(110)結晶面の上に横たわる。実質的に方位<100>のnチャネルトランジスタ構造に関して、キャリア移動度は、(110)の上に横たわる主面を備えた活性か領域に関して高められるが、活性化領域が、(100)結晶面上に横たわる主面を有するときは、低減されうる。
【0049】
多くの異なる態様および実施形態が可能である。これらの態様および実施形態のいくつかを以下に記載する。この明細書を読んだ後に、当業者には、これらの態様及び実施形態は、例示的なものであり、本願発明の範囲に限定を加えるものではないことは明らかであろう。
【0050】
第1の態様では、電子デバイスは、第1のチャネル長の方向に沿って実質的に延びる第1の端を備えた第1の活性化領域を含む第1の伝導タイプの第1のトランジスタ構造と、第2のチャネル長の方向に沿って実質的に延びる第2の端を備えた第2の活性化領域を含む第1の伝導タイプの第2のトランジスタ構造とを有する。電子デバイスはまた、第1及び第2の活性化領域の間に横たわるフィールドアイソレーション領域の一部を含む。電子デバイスは更に、フィールドアイソレーション領域の一部の上に横たわる第1の応力タイプの層の一部を包含し、第1の応力のタイプの層の一部は、側壁スペーサではなく、第1の活性化領域の第1の端に隣接して横たわる第1の端と、第2の活性化領域の第2の端に隣接して横たわる第2の端とを有する。
【0051】
第1の態様のある実施形態では、第1の伝導タイプは、p型であり、第1の応力のタイプは引っ張りであり、特定の実施形態では、第1及び第2の各々は、(100)または(110)結晶面の上に横たわり、実質的に<110>方位である主面を含む。別の実施形態では、第1の伝導タイプはn型であり、第1の応力のタイプは圧縮であり、特定の実施形態では、第1及び第2の活性化領域の各々は(100)または(110)結晶面の上に横たわり、実質的に<100>または<110>方位の主面を含む。更に別の実施形態では、第1の伝導タイプは、p型であり、第1の応力のタイプは圧縮であり、特定の実施形態では、第1及び第2の活性化領域の各々は、(100)または(110)結晶面の上に横たわり、実質的に<100>方位の主面を有する。
【0052】
第1の態様の更なる実施形態では、トランジスタ構造の活性化領域が、第1及び第2の活性化領域の間に横たわらない。別の実施形態では、第1及び第2の活性化領域の各々は、(100)または(110)結晶面の上に横たわり、実質的に<110>方位の主面を有する。更に別の実施形態では、第1の応力タイプの層の一部は、窒化シリコンを含む。更に別の実施形態では、層の一部は、第1の活性化領域又は第2の活性領域の上に横たわらない。
【0053】
第1の態様の別の実施形態では、第1の活性化領域は更に、第3の端と、第4の端と、第5の端とを有し、平面図から分かるように、第1及び第3の端は、第1の活性化領域の対向する端の第1の対に沿って横たわり、第4及び第5の端は、第1の活性化領域の対向する端の第2のついに沿って横たわる。第1の応力タイプの層の一部は更に、第3の端と第4の端と、第5の端とを有し、平面図から分かるように、層の一部の第3の端は、第1の活性化領域の第3の端に隣接して横たわり、層の一部の第4の端は、第1の活性化領域の第4の端に隣接して横たわり、層の一部の第5の端は、第1の活性化領域の第5の端に隣接して横たわる。更に平面図から分かるように、第1の距離は、第1の活性化領域の第1の端と層の一部の第1の端との間の距離であり、第2の距離は、第1の活性化領域の第3の端と、層の一部の第3の端との間の距離である。第3の距離は、第1の活性化領域の第4の端と、層の一部の第4の端との間の距離であり、第5の距離は、第2の活性化領域の第5の端と、層の一部の第5の端との間の距離である。第1の合計は、第1及び第2の距離の合計であり、第2の合計は、第3及び第4の距離の合計であり、第1の合計は、第2の合計よりも小さい。
【0054】
第1の態様の更に別の実施形態では、第1及び第2の距離の平均は、層をパターニングするのに用いられるマスクに関するミスアライメントの許容度の1ユニットの約1/2よりも大きくない。別の実施形態では、第1の活性化領域又は第2の活性化領域の上に横たわる層は実質的にはない。
【0055】
第2の態様では、電子デバイスは、第1の端及び第2の端を備えた第1の活性化領域を包含する第1の伝導タイプの第1のトランジスタ構造を含み、第1の端は、第1のトランジスタ構造のチャネル長の方向に沿って実質的に延び、第2の端は、第1のトランジスタ構造のチャネル幅の方向に沿って実質的に延びる長さを有する。電子デバイスは更に、第1の活性化領域に隣接したフィールドアイソレーション領域と、フィールドアイソレーション領域の上に横たわる第1の応力タイプの層とを含み、平面図から分かるように、層は、第1のトランジスタ構造に関する側壁スペーサ構造の一部ではない。また平面図から分かるように、層の第1の端は、第1の活性化領域の第1の端に隣接して横たわり、層の第2の端は、第1の活性化領域の第2の端に隣接して横たわる。第1の距離は、第1の活性化領域の第1の端と層の第1の端との間の距離であり、第2の距離は、第1の活性化領域の第2の端と、層の第2の端との間の距離であり、第1の距離は、第2の距離よりも小さい。
【0056】
第2の態様のある実施形態では、第1の伝導タイプはp型であり、第1の応力のタイプは引っ張りであり、別の実施形態では、第1の伝導タイプはn型であり、第1の応力のタイプは、圧縮である。
【0057】
第2の態様の別の実施形態では、第1の活性化領域は、チャネル幅を含み、第1の活性化領域は、層の中の開口部の下に横たわり、平面図から分かるように、開口部は、チャネル幅と実質的に平行な方向に測定される寸法を有する。かかる寸法は、チャネル幅のおおよその合計、並びに、層の中に開口部を画定するのに用いられるマスクに関するミスアライメントの許容度の1ユニットより大きくない。更に別の実施形態では、電子デバイスは更に、第2の活性化領域を包含する第2のトランジスタ構造を含む。第2のトランジスタ構造は、第1の伝導タイプとは反対の第2の伝導タイプを備え、第2の活性化領域は、第1の活性化領域に隣接して横たわり、層は、第2の活性化領域の上に横たわる。
【0058】
第2の態様の更に別の実施形態では、層によって被覆される第1の活性化領域は実質的になく、実質的に全ての第2の活性化領域が、層によって被覆される。更に別の実施形態では、第1及び第2の活性化領域の各々は、(100)または(110)結晶面の上に横たわり、実質的に<110>方位の主面を含む。別の実施形態では、第1及び第2の活性化領域の各々は、半導体ベース材料から電気的に絶縁される。
【0059】
第2の態様の更なる実施形態では、第1の活性化領域は更に、第3の端と第4の端とを含み、第3の端は、実質的に第1の端と平行であり、第4の端は、実質的に第2の端と平行である。平面図から分かるように、第1の応力タイプの層の第3の端は、第1の活性化領域の第3の端に隣接して横たわり、層の第4の端は、第1の活性化領域の第4の端に隣接して横たわる。また平面図から分かるように、第4の距離は、第1の活性化領域の第3の端と、層の第1の端との間の距離であり、第4の距離は、第1の活性化領域の第4の端と、層の第4の端との間の距離である。第1の距離と第3の距離の各々は、第2の距離と第4の距離の各々よりも小さい。
【0060】
第3の態様では、電子デバイスを形成するプロセスは、半導体層内に延びるフィールドアイソレーション領域を形成することを含み、平面図からわかるように、フィールドアイソレーション領域を形成した後に、第1の活性化領域は、第1の端および第2の端を有し、フィールドアイソレーション領域によって取り囲まれる。プロセスはまた、第1の活性化領域を含む第1の伝導タイプの第1のトランジスタ構造を形成することを含み、第1の活性化領域の第1の端は、第1のトランジスタ構造のチャネル長方向と実質的に並列に延び、第1の活性化領域の第2の端は、第1のトランジスタ構造のチャネル幅方向と実質的に平行に延びる第2の長さを有する。プロセスは更に、フィールドアイソレーション領域及び第1の活性化領域の上に横たわる層を形成することと、開口部を画定するための層をパターニングすることを含み、平面図からわかるように、開口部の第1の端は、第1の活性化領域の第1の端と実質的に並列に隣接して横たわり、開口部の第2の端は、第1の活性化領域の第2の端と実質的に平行に隣接して横たわる。また平面図からわかるように、第1の距離は、第1の活性化領域の第1の端と開口部の第1の端との間の距離であり、第2の距離は、第1のトランジスタの第2の端と、開口部の第2の端との間の距離である。第1の距離は、第2の距離よりも大きくない。
【0061】
第3の態様のある実施形態では、第1の伝導タイプはp型であり、第1の応力のタイプは引っ張りであり、別の実施形態では、第1の伝導タイプはn型であり、第1の応力のタイプは圧縮である。
【0062】
第3の態様の別の実施形態では、第1のトランジスタ構造を形成することは、第1の活性化領域がチャネル幅を包含する、第1のトランジスタ構造を形成することを含む。層をパターニングすることは、開口部を形成することを含み、それは、平面図からわかるように、開口部がチャネル幅と実質的に平行な方向に測定された寸法を有し、かかる寸法は、層をパターニングするのに用いられるマスクに間するミスアライメントの許容度の1ユニットとチャネル幅とのおおよその合計よりも大きくない。
【0063】
第3の態様の更に別の実施形態では、プロセスは更に、第1の伝導タイプと反対の第2の伝導タイプを備えた第2のトランジスタ構造を形成することを含む。フィールドアイソレーションを形成することは、平面図からわかるように、フィールドアイソレーション領域を形成した後に、第2の活性化領域が、第3の端及び第4の端を有し、フィールドアイソレーション領域によって取り囲まれ、第1の活性化領域に隣接して横たわるようなフィールドアイソレーション領域を形成することを含む。第2のトランジスタ構造を形成することはまた、第2の活性化領域を包含する第2のトランジスタ構造を形成することを含む。層を形成することは、第2の活性化領域の上に層を形成することを含み、層をパターニングすることは、層が第2の活性化領域の上に残っているように、層をパターニングすることを含む。
【0064】
第3の態様の更に別の実施形態では、フィールドアイソレーション領域を形成することは、第1及び第2の活性化領域の各々が、(100)または(110)の結晶面の上に横たわり、実質的に<110>方位の主面を含むような、フィールドアイソレーション領域を形成することを含む。更に別の実施形態では、フィールドアイソレーション領域を形成することは、フィールドアイソレーション領域が半導体層の厚さ全体にわたって延びるようなフィールドアイソレーション領域を形成することを含む。
【0065】
上述の態様が一般的な記載又は例示における全てではない。
【0066】
上述の主題は、例示であり、何ら限定をするものではなく、添付の特許請求の範囲は、本願発明の範囲内の全ての変形などの実施形態を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】図1は、基板の一部の断面図の例示を含む。
【図2】フィールドアイソレーションおよび活性化領域の形成後の、図1の加工物の断面図及び平面図の例示を含む。
【図3】フィールドアイソレーションおよび活性化領域の形成後の、図1の加工物の断面図及び平面図の例示を含む。
【図4】ゲート及びスペーサ構造を形成した後の、図2および3の加工物の平面図の例示を含む。
【図5】pチャネルトランジスタ構造を介した、図4の加工物の断面図の例示を含む。
【図6】nチャネルトランジスタ構造を介した、図4の加工物の断面図の例示を含む。
【図7】絶縁層の形成後の、図5および6の加工物の断面図の例示を含む。
【図8】絶縁層の形成後の、図5および6の加工物の断面図の例示を含む。
【図9】フィールドアイソレーション領域の一部およびnチャネル領域の上から絶縁層の一部を除去した後の、図7及び8の加工物の頂部の例示を含む。
【図10】図9に示した区分線での図9の加工物の断面図の例示を含む。
【図11】図9に示した区分線での図9の加工物の断面図の例示を含む。
【図12】図9に示した区分線での図9の加工物の断面図の例示を含む。
【図13】引っ張り層の形成後の、図11および12のそれぞれの加工物の断面図の例示を含む。
【図14】引っ張り層の形成後の、図11および12のそれぞれの加工物の断面図の例示を含む。
【図15】引っ張り層の一部の除去後の、図13および14の加工物の断面図の例示を含む。
【図16】引っ張り層の一部の除去後の、図13および14の加工物の平面図の例示を含む。
【図17】電子デバイスの製造が実質的に完了した後の、図16の加工物の断面図の例示を含む。
【図18】場所1乃至場所6に減少する距離で、活性化領域の端と引っ張り層の端との間で、頂部から測定されるように、距離の関数として、チャネル幅の方向に沿う応力におけるチャート変化の例示を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のチャネル長の方向に沿って実質的に延びる第1の端を備えた第1の活性化領域を包含する第1の伝導のタイプの第1のトランジスタ構造と、
第2のチャネル長の方向に沿って実質的に延びる第2の端を備えた第2の活性化領域を包含する第1の伝導のタイプの第2のトランジスタ構造と、
第1及び第2の活性化領域の間に横たわるフィールドアイソレーション領域の一部と、
フィールドアイソレーション領域の一部の上に横わたる第1の応力のタイプの層の一部と、を有し、
第1の応力のタイプの層の一部が、側壁スペーサではなく、第1の活性化領域の第1の端に隣接して横たわる第1の端と、第2の活性化領域の第2の端に隣接して横たわる第2の端とを備える、
ことを特徴とする電子デバイス。
【請求項2】
前記第1の伝導のタイプがp型であり、第1の応力のタイプが引っ張りである、ことを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記第1及び第2の活性化領域の各々が、(100)または(110)の結晶面の上に横たわり、実質的に<110>方位を構成する主面を有することを特徴とする請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記第1の伝導のタイプがn型であり、第1の応力のタイプが圧縮であることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項5】
前記第1及び第2の活性化領域の各々が、(100)または(110)の結晶面の上に横たわり、実質的に<100>または<110>方位を構成する主面を有することを特徴とする請求項4に記載の電子デバイス。
【請求項6】
前記第1の伝導のタイプが、p型であり、前記第1の応力のタイプが圧縮であることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項7】
前記第1及び第2の活性化領域の各々が、(100)または(110)の結晶面の上に横たわり、実質的に<100>方位を構成する主面を有することを特徴とする請求項6に記載の電子デバイス。
【請求項8】
前記第1の活性化領域が更に、第3の端と、第4の端と、第5の端とを備え、頂部から見たときに、前記第1及び第3の端が第1の活性化領域の対向する端の第1の対に沿って横たわり、前記第4及び第5の端が、前記第1の活性化領域の対向する端の第2の対に沿って横たわり、
前記第1の応力のタイプの層の一部が更に、第3の端と、第4の端と、第5の端とを備え、頂部から見たときに、
前記層の一部の第3の端が、第1の活性化領域の第3の端に隣接して横たわり、
前記層の一部の第4の端が、第1の活性化領域の第4の端に隣接して横たわり、
前記層の一部の第5の端が、第1の活性化領域の第5の端に隣接して横たわり、
第1の距離が、前記第1の活性化領域の第1の端と、前記層の一部の第1の端との間の距離であり、
第2の距離が、前記第1の活性化領域の第3の端と、前記層の一部の第3の端との間の距離であり、
第3の距離が、前記第1の活性化領域の第4の端と、前記層の一部の第4の端との間の距離であり、
第4の距離が、前記第2の活性化領域の第5の端と、前記層の一部の第5の端との間の距離であり、
第1の合計が、前記第1と第2の距離の合計であり、第2の合計が、前記第3と第4の距離の合計であり、
前記第1の合計が、前記第2の合計よりも小さい
ことを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項9】
第1の端及び第2の端を備えた第1の活性化領域を包含する第1の伝導タイプの第1のトランジスタ構造と、を有し、
前記第1の端が、前記第1のトランジスタ構造の方向のチャネル長に沿って実質的に延びる長さを備え、
前記第2の端が、前記第1のトランジスタ構造の方向のチャネル長に沿って実質的に延びる長さを備え、
前記第1の活性化領域に隣接したフィールドアイソレーション領域と、
前記フィールドアイソレーション領域の上に横たわる第1の応力のタイプの層と、有し、頂部から見たときに、
前記層が、前記第1のトランジスタ構造に関して側壁スペーサ構造の一部ではなく、
前記層の第1の端が、前記第1の活性化領域の第1の端に隣接して横たわり、
前記層の第2の端が、前記第1の活性化領域の第2の端に隣接して横たわり、
第1の距離が、前記第1の活性化領域の第1の端と、前記層の第1の端との間の距離であり、
第2の距離が、前記第1の活性化領域の第2の端と、前記層の第2の端との間の距離であり、
前記第1の距離が、前記第2の距離よりも小さい
ことを特徴とする電子デバイス。
【請求項10】
前記第1の伝導のタイプが、p型であり、前記第1の応力のタイプが、引っ張りであることを特徴とする請求項9に記載の電子デバイス。
【請求項11】
前記第1の伝導のタイプが、n型であり、前記第1の応力のタイプが、圧縮であることを特徴とする請求項9に記載の電子デバイス。
【請求項12】
前記第1の活性化領域が、チャネル幅を有し、
前記第1の活性化領域が、前記層の中の開口部の下に横たわり、頂部から見たときに、前記開口部が、前記チャネル幅と実質的に平行な方向に測定された寸法を備え、
前記寸法が、引っ張り層内の開口部を画定するのに用いられるマスクに関するミスアライメントの許容度の1ユニットとチャネル幅との合計よりもおおよそ大きくない、
ことを特徴とする請求項9に記載の電子デバイス。
【請求項13】
第2の活性化領域を包含する第2の半導体構造を更に有し、
前記第2のトランジスタ構造が、前記第1の伝導のタイプと反対の第2の伝導のタイプを備え、
前記第2の活性化領域が、前記第1の活性化領域に隣接して横たわり、
前記層が、前記第2の活性化領域の上に横たわる、
ことを特徴とする請求項9に記載の電子デバイス。
【請求項14】
前記第1の活性化領域が実質的に前記層によって被覆されておらず、
実質的に全ての前記第2の活性化領域が前記層によって被覆されている、
ことを特徴とする請求項13に記載の電子デバイス。
【請求項15】
前記第1の活性化領域が、(100)または(110)の結晶面上に、<110>の方位を実質的に構成する主面を有する、
ことを特徴とする請求項11に記載の電子デバイス。
【請求項16】
頂部から見たときに、フィールドアイソレーション領域を形成した後に、第1の活性化領域が、第1の端及び第2の端を備え、前記フィールドアイソレーション領域によって取り囲まれるように、半導体層内に伸びるフィールドアイソレーション領域を形成するステップと、
前記第1の活性化領域を包含する第1の伝導のタイプのトランジスタ構造を形成するステップと、を有し
前記第1の活性化領域の第1の端が、トランジスタ構造のチャネル長の方向と実質的に平行に伸びる第1の長さを備え、
前記第1の活性化領域の第2の端が、トランジスタ構造のチャネル幅の方向と実質的に平行に伸びる第2の長さを備え、
前記フィールドアイソレーション領域および第1の活性化領域の上に横たわる第1の応力のタイプの層を形成するステップと、
開口部を画定するように層をパターニングするステップと、を有し、
頂部から見たときに、
前記開口部の第1の端が、前記第1の活性化領域の第1の端と実質的に平行に、隣接して横たわり、
前記開口部の第2の端が、前記第1の活性化領域の第2の願と実質的に平行に、隣接して横たわり、
第1の距離が、前記第1の活性化領域の第1の端と、前記開口部の第1の端との間の距離であり、
第2の距離が、前記トランジスタの第2の端と、前記開口部の第2の端との間の距離であり、
前記第1の距離が、前記第2の距離よりも大きくない、
ことを特徴とする電子デバイスを形成する方法。
【請求項17】
前記第1の伝導のタイプが、p型であり、前記第1の応力のタイプが、引張りであることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の伝導のタイプが、n型であり、前記第1の応力のタイプが、圧縮であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記トランジスタ構造を形成するステップが、前記第1の活性化領域がチャネル幅を備えるトランジスタ構造を形成するステップを有し、
前記層をパターニングするステップが、頂部から見たときに、前記開口部が、前記チャネル幅と実質的に平行の方向に測定された寸法を備え、該寸法が、前記チャネル幅と、前記層をパターニングするのに用いられたマスクに関するミスアライメントの許容度の1ユニットとのおおよその合計よりも大きくないように、開口部を形成するステップを有する、
ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記フィールドアイソレーション領域を形成するステップが、
前記第1及び第2の活性化領域の各々が、(100)または(110)の結晶面上に横たわり、実質的に<110>の方位を構成する主面を有するような、フィールドアイソレーション領域を形成するステップを有する、
ことを特徴とする請求項18に記載のステップ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公表番号】特表2009−515360(P2009−515360A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540028(P2008−540028)
【出願日】平成18年10月10日(2006.10.10)
【国際出願番号】PCT/US2006/039650
【国際公開番号】WO2007/055853
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(504199127)フリースケール セミコンダクター インコーポレイテッド (806)
【Fターム(参考)】