説明

プラズマエッチング方法

【課題】高誘電率絶縁体からなる絶縁材料層上に形成した遷移金属元素を含む電極材料層に対し高選択比でエッチングを施すことのできるエッチング技術を提供する。
【解決手段】遷移金属元素を含む電極材料層107および高誘電率絶縁体108からなる絶縁材料層の積層体を備えた試料を真空処理容器内に設置した下部電極上に配置し、前記真空処理容器内に処理ガスを導入し、前記真空処理容器内に高周波電力を供給して前記導入した処理ガスをプラズマ化して前記試料表面にエッチング処理を施すプラズマエッチング処理方法において、前記電極材料層をエッチングするとき、処理ガスとしてHClガスを供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマエッチング方法に係り、特に遷移金属を含む電極材料等をエッチングするに適したプラズマエッチング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル家電、パーソナルコンピュータ、携帯電話等に使用されるULSI(Ultra Large Scale Integrated Circuit)デバイスは、高集積化、高速化が要求されている。このULSIデバイスを構成する基本素子として、MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタが知られている。図8は、従来の一般的なMOSトランジスタの断面を示す図である。図8に示すように、Si基板207の表面に形成した、素子分離のためのSTI(Sallow Trench Isolation)208、ゲート絶縁膜205、パターニングされたゲート電極202、サイドウォールスペーサ203、ゲート電極の両側にイオン打ち込みにより形成したソース・ドレインである低抵抗層206を備える。
【0003】
ゲート絶縁膜205には、SiO、SiON膜が使用されており、ゲート電極202にはイオン打ち込みされたPolySiが使用される。なお、ゲート電極202、ソース・ドレイン206、イクステンション204、チャンネル209等の各領域に対しては、打ち込みするイオン種、イオン量、打ち込み後のアニール条件を変えることにより、チャネルの移動度、ゲート電極の仕事関数、電気抵抗を制御することができる。これにより、短チャネル効果を抑制しつつ、NMOS,PMOSを同一Si基板上につくり込むことができる。
【0004】
このような構造を持つMOSのゲート電極の寸法210は、CD(Critical Dimension)であるため、高精度に加工することが必要となる。ゲート電極202を形成する方法としては、電極材料を成膜した後、レジストを塗布し、回路パターンを露光した後、ドライエッチングする方法が一般的である。
【0005】
ドライエッチングの方法としては、反応性ガスを電磁波等によりプラズマ化し、プラズマ中のイオンと中性ラジカルによるイオンアシスト反応を利用する方法が用いられる。ドライエッチングに用いられる装置は、プラズマ発生機構の違いにより、容量結合型プラズマ(CCP: Capacitive Coupled Plasma)、誘導結合型プラズマ(ICP:Inductive Coupled Plasma)、ECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマの各エッチング装置が知られている。前記CCP、ICPに使用される電磁波の周波数はそれぞれ13.56MHz,27MHzであり、ECRには、2.45GHzのマイクロ波、あるいは450MHzのUHF波等が使用されている。
【0006】
ドライエッチング装置は、反応性ガスの導入機構、プラズマ処理圧力の制御機構、被エッチング膜が成膜されたSiウエハを設置するための下部電極機構、Siウエハ搬送機構、およびこれらの動作タイミング等を制御する制御機構を備える。なお、前記下部電極機構は、Siウエハを固定する静電吸着機構、Siウエハの温度を制御する機構、およびプラズマ中のイオンを引き込むためのRFバイアス印加機構を備える。
【0007】
このような機構を備えるエッチング装置において、ゲート電極の寸法(CD)を正確に制御するためには、反応性ガスの種類、処理圧力、プラズマ生成用電磁波の出力、試料温度、RFバイアスの出力等の装置パラメータ(パラメータのセット)を調節することが必要となる。このため、被エッチング膜が多層膜の場合のみでなく、同一材料の場合においても、その下地界面付近を処理する場合等に前記装置パラメータのセットを適宜切り替えるマルチステップ処理が行われることが多い。
【0008】
マルチステップ処理を行う場合、ステップ間の処理切り替えのタイミングは、プラズマ中の分子、ラジカルの発光強度、あるいは膜厚干渉光の時間変化をもとに行う。例えば、単一膜のエッチングの場合には、基本的なステップとして材料の大半を垂直に加工するメインエッチング(M.E)と残膜を除去するオーバエッチング(O.E)ステップが切り替えて用いられる。
【0009】
ところで、ULSIデバイスは、前述のように高集積化と高速化の要求の他に、低消費電力化が要求されている。この低消費電力化を実現する手段としては、例えば図8に示すMOSトランジスタの場合、ゲート絶縁膜205に高誘電率材料(high−k材料:誘電率がSiOより大きい材料、例えばZrO、Y、La、LaAlOx、LaSiOx、Al、HfO、HfAlO(N)、HfSiO(N))を用いることが検討されている。
【0010】
また、前記高集積化と高速化のためには、空乏層の抑制が困難なPolySiゲート電極202に代えて、金属材料を用いたゲート電極(メタルゲート電極)の検討も進められている。例えば、TaSiN/TiN/HfO構造のPMOSとTaSiN/HfO構造のNMOS、W/TiN/SiON構造のCMOSデバイス等が知られている。一方、ゲート絶縁膜としては、従来のSiO、SiONの他に、HfSiONを使用したデバイスが知られている。
【0011】
金属材料ゲート電極の有力候補であるTiNは、レジスト/TiN/Al/TiN/SiO構造としてアルミ配線のバリア層として従来より使用されている。TiNをエッチングする方法としては、ClガスにBClや3%CH/Arガスやフロロカーボンガスを添加して生成したプラズマが使用されてきた。この場合、Cl/BClといったCl系ガスにCHF等のF系ガスを添加するとTiNのエッチングレートが増加することが知られている。
【0012】
前述のようにメタル配線工程で使用されてきたTiNを、ゲート電極に用いる場合は、垂直形状を実現しつつ、下地のゲート絶縁膜との選択性を充分に保持してエッチングを施す必要がある。この問題に対して、特許文献1には、TiN/HfOのメタルゲート構造をエッチングする際、Cl、F系ガス(CF,CxHyFz)を用い、TiNをメインエッチングした後、下地界面付近をCl/HBrガスによりオーバエッチングする(2ステップエッチングする)ことが開示されている。
【特許文献1】特表2004−519838号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
図9は、図8に示すようなメタルゲート構造のMOSトランジスタの製造に際し、特許文献1に示されるようなCl/HBrガスによる2ステップエッチングを適用し、メタルゲート(TiN層107)部分をエッチングした結果を説明する図である。
【0014】
なお、TiN107層のエッチング条件は、メインエッチングステップでは、Cl:HBr=4:1、処理圧力 0.2Pa,UHF電源の出力500W,RFバイアス電源の出力15W,電極温度40℃であり、オーバエッチングステップでは、RFバイアスは10Wであり、処理時間はTiN層107の膜厚の30%相当をエッチングするに要する処理時間である。
【0015】
図9に示されるNMOS部分101においては、ゲート電極部分302とSTI109上の配線部分303の両方でHfSiON膜108に突き抜けが生じ、Si基板110まで下地削れしていることがわかる。また、PMOS部分102においては、パターン密度が比較的大きいゲート電極TiN304付近では、下地HfSiON膜309の一部にピンホール状の下地抜け305が存在する。パターン密度の比較的小さいSTI上の配線部分306付近では、下地HfSiON膜309面が一部下地抜けして面荒れ307が発生している。
【0016】
STI段差111部分には、その角部にTiN308が残存しており、30%相当のオーバエッチングではエッチング量が不充分であることを示している。一般的に、オーバエッチング処理時間としては、STI段差111部の残存量の有無が目安になる。例えば、STI段差が15nmでTiN電極306の厚さが20nmの場合、TiNの膜厚に対し75%以上のオーバエッチング時間が必要となる。
【0017】
以上説明したように、特許文献1に示されるように、メタルゲートのTiNエッチングにCl/HBrガスを使用した場合、下地高誘電率膜に対する選択性が低くなる。このため、例えば30%のオーバエッチング時間で処理した場合、NMOS部分およびPMOS部分で下地抜けとTiN残りが発生する。すなわち、メタルゲートのCMOSデバイスを作成することは困難である。
【0018】
本発明はこれらの問題点に鑑みてなされたもので、高誘電率絶縁体からなる絶縁材料層上に形成した遷移金属元素を含む電極材料層に対し高選択比でエッチングを施すことのできるエッチング技術を提供するのもである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は上記課題を解決するため、次のような手段を採用した。
【0020】
遷移金属元素を含む電極材料層および高誘電率絶縁体からなる絶縁材料層の積層体を備えた試料を真空処理容器内に設置した下部電極上に配置し、前記真空処理容器内に処理ガスを導入し、前記真空処理容器内に高周波電力を供給して前記導入した処理ガスをプラズマ化して前記試料表面にエッチング処理を施すプラズマエッチング処理方法において、前記電極材料層をエッチングするとき、処理ガスとしてHClガスを供給する。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、以上の構成を備えるため、高誘電率絶縁体からなる絶縁材料層上に形成した遷移金属元素を含む電極材料層に対し高選択比でエッチングを施すことのできるエッチング技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
まず、前記図9に示すような突き抜けあるいは面荒れが生じる原因について説明する。図10は、ウエハ表面のSEM(Scanning Electron Microscope)写真を示す図であり、図10(a)はエッチングする前のTiN/SiO構造を示す図、図10(b)はCl:HBr=4:1の従来ガス系を用いてエッチングした際のTiN/SiO構造を示す図、図10(c)は HCl:HBr=4:1の条件でエッチングした際のTiN/SiO構造を示す図である。
【0023】
図10(a)に示すエッチング前のTiN表面401と図10(b)に示すエッチング処理後のTiN表面405とを比較すると、エッチング後にはTiN表面に無数の針状残渣406が存在することがわかる。すなわち、従来のガス系を用いてTiN(遷移金属を含む電極材料)/HfSiON(高誘電率材料)積層膜をエッチングした場合、TiNの針状残渣の存在により、針状残渣の表面部分407に比して、針状残渣の下端部分408の直下の高誘電率材料の方が、プラズマに晒される時間が多いことになり、面荒れや下地抜けが発生しやすい。
【0024】
この現象は、(1)例えば、International Symposium on dry Process 2003 p105に示されるように、Clの存在により、TiNのグレイン境界面のTi−N結合の弱い箇所にエッチャントが入り込み、その境界面で局所的にエッチングが進行することに起因するか、(2)真空処理内に使用している石英部品から放出される(流量換算で1cc以下)の酸素がTi−O結合を形成し、マイクロマスクとなることが原因と考えられる。
【0025】
そこで、上記推定原因(1)、(2)を同時に解決できる手段として、従来のClガスをHClガスに置換してエッチングを試みた。すなわち、HClガスを使用することにより多量の水素ラジカルが発生し、これによりTiNのグレイン界面の弱い結合部分を水素により終端する効果、あるいはTi−O結合を水素の還元作用により表面から除去する効果が期待される。なお、塩素原子を含むため、Clガスの場合と同等のエッチングレートが期待できる。
【0026】
HClガスを用いたTiN表面のSEMで観察した結果を図10(c)に示す。この結果より、エッチング後のTiN表面409には、針状残渣405が存在せず、エッチング前のTiN表面401荒さに対して、ほとんど変化がないことが確認できる。
【0027】
図11は、ガス比(HCl/(Cl+HCl))を変化させた場合の状態変化を説明する図であり、図11(a)は各ガス比毎に得られるウエハ表面(TiN/SiO構造)のSEM写真、図11(b)は各ガス比毎に得られるエッチングレートを示す図である。
【0028】
図11(a)に示すように、HClガス比が増加していくほど針状残渣が減少し、残渣上部の面501と残渣下部の面502の差が減少していくことがわかる。また、図11(b)に示すエッチングレートは、エッチング後の残膜の表面を残渣上面501部分として、エッチング前後の膜厚の差から算出した。図11(b)に示すように、HCl/Cl比が増加しても、ばらつきの範囲でTiNのエッチングレートほぼ一定であることがわかる。
【0029】
以上のことから、(1)TiNの面荒れの原因はClガスであること、(2)Clガスに代えてHClガスを使用することにより、エッチングレートはClガスを使用した場合と同等で、TiNの針状残渣を回避することができ、さらに下地面への表面ダメージを回避することが可能であることが明らかになった。
【0030】
図12は、処理ガス条件毎に得られる下地高誘電率材料膜の表面粗さ(表面荒さの2乗平均(RMS))を示す図である。なお、表面粗さはAFM(Atomic Force Microscope)で測定した。図12に示すように、処理ガスとしてHClガスを用いる場合、従来条件(Clガスを用いる場合)よりも表面荒さの2乗平均(RMS)を低減できる。すなわち、Clガスに代えてHClガスを使用することにより、TiN(電極材料層)およびHfSiON(高誘電率材料層)に対する面荒れを低減することができる。
【0031】
このような効果は、TiNと同様な化合物を形成する遷移金属材料(例えばTa、Moを含む材料)を用いた場合についても同様であった。
【0032】
なお、下地膜選択性向上のためには、下地表面への物理ダメージを低減することが重要である。この物理ダメージを低減するためには、プラズマから入射するイオンのエネルギーを小さくする必要がある。
【0033】
実験によれば、処理ガスとしてHClガス使用し、RFバイアスを10W/8インチ(8インチ径のウエハに対して10W:30mW/cm)以下の低バイアス条件とすることにより、物理ダメージを抑制し、TiN厚さに対し75%以上のオーバエッチングを施すことが可能である。
【0034】
このとき、ウエハ等の試料に入射するイオンのエネルギはRFバイアスとプラズマ密度に応じて変化する。しかし、上述のエッチング条件において入射するイオンエネルギの時間平均は50Vであった。
【0035】
以上の実験により、Clガスに代えてHClガスを処理ガスとして用いることにより、高誘電率絶縁体からなる絶縁材料層上に形成した遷移金属元素を含む電極材料層のエッチングに際して、針状残滓の発生を抑制することができる。また、RFバイアスを低く調整することによりエッチングの垂直性を確保しつつ下地抜けを回避することができることが分かる。
【0036】
図1は、本発明の実施形態において使用するUHF−ECRプラズマエッチング装置を説明する図である。図1に示すように、この装置のプラズマ発生機構は、450MHzのUHF電源701とUHF整合器702、アンテナ703、3段に形成された電磁石704を備える。UHF波をエッチングチャンバ707内に放出するアンテナ703は、真空を維持する石英板705より大気側に設置される。
【0037】
エッチングガスは、マスフローコントローラ等により流量制御され、適宜混合された後、ガス導入管717およびシャワープレート706を介してエッチングチャンバ707内に導入され、エッチング反応生成物等と共に高真空ポンプ708により排気される。なお、可変バルブ709により排気流路のコンダクタンスを変化させることで、エッチング処理中の圧力を所望の値に制御することが可能である。
【0038】
被エッチング材料であるSiウエハ716を設置する下部電極710は、サセプタ711を変更することにより、8インチ径から12インチ径のウエハに対応することが可能である。また、下部電極は同心円状に複数に分割され、分割したそれぞれの領域はサーキュレータ712を用いて所定の温度に制御可能である。
【0039】
エッチング処理中は、直流電源715が発生する−1000〜+1000Vの直流電圧を吸着電極に供給してウエハ716を静電吸着する。また、熱伝導効率を高めるため、ウエハ716と下部電極710の隙間にはHeガスを充填し、その圧力を制御する。また、下部電極710には、プラズマ中のイオンのエネルギを制御するため、400kHz〜13.56MHzの周波数、最大で150W/8インチ相当の出力を印加することのできるRFバイアス電源713および整合機714を備える。
【0040】
図2は、図1に示すエッチング処理装置により処理することのできる被エッチング材料の例(サンプル1)を説明する図(断面図)である。被エッチング材料は、Si基板110上に形成した素子分離用のSTI109、膜厚2ないし3nm程度のHfSiON、HfSiO、HfO等からなるゲート絶縁膜108、TiN層(ゲート電極材料)107、膜厚100nm程度のPolySi層106、有機系の反射防止膜105、パターニングされたArFレジスト104を備える。
【0041】
次に、図1に示すエッチング装置を用いて、図2(a)に示すメタルゲート構造を備えたサンプル1を、一つのチャンバ内でマルチステップ処理によりエッチングする方法を示す。まず、反射防止膜105を、F系ガスと、O、HBr、Ar、Nいずれかを含むガスの混合ガスを供給し、UHF電源701の出力を300〜800W、処理圧力を0.8〜3.0Pa、RFバイアス電源713出力を10〜60W、下部電極温度(分割された複数の領域含む)を0〜80度に設定し、3段の電磁石704の磁束分布を適当に設定してメインエッチング処理を行なった。
【0042】
反射防止膜105のエッチング終点は、発光分光器717で検知したCN(387nm)等の波長の発光強度が減少したところを終点と判定し、その後、最適時間オーバエッチング処理した後、次のPolySi層106のメインエッチングステップに移行した。PolySi層106に対するメインエッチングステップは、Cl、HBr、F系ガスと、酸素を含むガスを混合し、UHF電源701の出力を300〜800W、処理圧力を0.2〜0.8Pa、UHF電源713の出力を10〜40W、下部電極温度を0〜80度に設定してエッチングを行なった。メインエッチングからオーバエッチングへのステップ切替えに際しては、膜厚干渉計718あるいは発光分光器717を用いて終了を判定し、0〜50nmのSTI段差分のPolySi除去するためのオーバエッチングステップに移行した。
【0043】
オーバエッチング条件は、酸素を含まず、Cl、HBrいずれか含むガスを混合し、UHF電源701の出力を300〜800W、処理圧力を1.0〜7.0Pa、RFバイアス電源713出力を5〜20W、下部電極温度を0〜80度、3段の電磁石704の磁束を適当な分布になるよう設定した。なお、PolySiはオーバエッチングの際、TiNは酸素と結合しやすく、エッチストップするため、酸素を添加しない条件で処理する必要がある。
【0044】
その後、TiN層をエッチングする。まず、HClガス50〜150ccmの流量で供給し、UHF電源701の出力を300〜600W、処理圧力0.1〜0.4Pa、RFバイアス電源713出力を5〜15W、下部電極温度を0〜80度、3段の電磁石704の磁束を適当な分布になるよう設定した。TiNエッチングの終点は、Tiの反応生成物のプラズマ発光や膜厚干渉の時間変化を測定することで得られるが、この例では416nmのTiClプラズマ発光の時間変化を検知し、TiCl発光強度の落ち始めでステップを切り替えた。切り替えた直後の被エッチング材料の断面図を図2(b)に示す。
【0045】
図2(b)に示すように、STI段差111(段差の角部)にTiN残渣1101が存在することが分かる。このTiN残渣1101を除去するため、引き続きRFバイアスを0〜10Wに低下させた状態でオーバエッチング処理を行なった。オーバエッチング処理後、ArFレジスト104および反射防止膜105をアッシャー処理により除去した。除去した後の被エッチング材料の断面を図2(c)に示す。
【0046】
図2(c)に示すように、STI段差111のTiN残渣1101は除去されている。このように、TiN層(ゲート電極材料)107を垂直に、かつ下地HfSiON(高誘電率材料層)108に面荒れや下地抜け等の悪影響を与えることなく良好にエッチングすることができた。
【0047】
このような効果は、TiNと同様な化合物を形成する遷移金属材料であるTi、Ta,Ru、Moを含む材料を用いる場合にも得ることができる。また、高誘電率材料膜としては、SiO膜、SiON膜が使用可能であるが、SiOと比較してHfSiOあるいはHfSiON等の、より高誘電率で成膜直後でも表面ラフネスが大きく下地選択性がとりにくい材料の場合について効果が大きい。 と
また、メタルゲートCMOSを作成する場合、図2(b)に示す加工の後、高誘電率材料膜を除去する必要がある。この方法として、ウエット洗浄、またはエッチングおよびウエット洗浄の組み合わせという方法がある。しかし、一つのエッチング装置におけるマルチステップ処理の一環として行うことも可能である。この際、下地Si基板110に対する選択性が十分確保できることが必要である。この場合のエッチング条件は、BClガスを用い、UHF電源701の出力を300〜600W、処理圧力を0.1〜0.4Pa、RFバイアス電源713の出力を0〜10W、下部電極温度を0〜80度に設定し、3段の電磁石704の磁束は適当な分布になるよう設定した。
【0048】
なお、この例ではサンプルとしてPolySi層106を備えたメタルゲート構造の試料を用いたが、PolySi層106に代えて他の材料、例えばW/WN等を用いた場合においても同様にTiN層をエッチングすることができる。
【0049】
図3は、図1に示すエッチング処理装置により処理することのできる被エッチング材料の例(サンプル2)を説明する図(断面図)である。この例では、サンプル2は遷移元素から成るゲート電極用材料と下地膜高誘電率材料絶縁膜との積層構造を備え、さらに前記遷移元素のゲート電極材料と高誘電率材料層とがエッチング表面に混在するよう構成されている。
【0050】
図3に示すように、被エッチング材料は、8インチSiウエハ表面に、NMOSゲート部分101とPMOSゲート部分102を有する。このようなサンプル2は、次のようにして作成した。
【0051】
まず、Si基板110上に、STI109を形成し、素子分離層を形成した後、膜厚3nm程度のゲート絶縁膜108として、HfSiON、HfSiO、HfO等をAL−CVD(Atomic Layer Chemical Vapor Deposition)法で成膜する。次に、PMOS部分のみにTiNを成膜するため、TiN層107をウエハ全面に20nm程度堆積させた後、SiO系のハードマスクを成膜し、PMOS部分にリソグラフィーを用いてマスキングした後、NMOS部分のTiN層をウェット除去した。その後、ウエハ全面にPolySi層106を100nm程度成膜した後、イオン打ち込みによりNMOS部分101のPolySi電極の閾値を制御したのち、スピンコートで成膜された有機系の反射防止膜105を塗布し、ArF露光により、ArFレジスト104のライン寸法103を80nm程度にパターンニングする。
【0052】
次に、このようにして形成したサンプル2を、図1に示すエッチング装置を用いてエッチングする。すなわち、遷移金属元素を含む電極材料層(TiN層)107と高誘電率絶縁材料層(HfSiON層108)が混在する状態で、TiN層エッチングまでを同一チャンバ内でマルチステップ処理する。
【0053】
まず、反射防止膜105、PolySi層106のオーバエッチングステップまでは、サンプル1の場合と同様である。なお、PolySi層106のオーバエッチングの際、NMOS部分101ではHfSiON層108が、PMOS部分102ではTiN層107がプラズマに晒されることになる。このような場合は、サンプル1の例に比してより高い下地選択性が要求される。
【0054】
次に、TiN層107をエッチングする。まず、HClガスを50〜150ccmの流量で供給し、UHF電源701の出力を300〜600W、処理圧力を0.1〜0.4Pa、RFバイアス電源713の出力を5〜15W、下部電極温度を0〜80度に設定し、3段の電磁石704の磁束は適当な分布になるよう設定した。
【0055】
NMOS部分のHfSiON108への物理ダメージを減ずるためにRFバイアス電源713の出力は、TiNの垂直形状が得られる最小の出力である10W以下が望ましい。TiNのオーバエッチングに際しては、RFバイアスを0〜5Wに低下させることにより、図9に示すSTI段差111(角部)に生じたTiN308(残滓)を除去することができる。これにより、PMOS部102におけるTiNゲート電極114を垂直に形成することができる。また、NMOS部、PMOS部における下地HfSiON108の面荒れ、ピッティングを抑制することができる。
【0056】
すなわち、図3(a)に示すようなデュアルメタルゲートを備えるサンプルをエッチングする場合においては、メインエッチングを施す際にRFバイアス電源の出力を10W以下(試料が8インチ径のウエハの場合)、オーバエッチングを施す際にはRFバイアス電源の出力を5W以下とすることにより、上述のような良好なエッチング結果を実現することができる。
【0057】
図4は、TiN層のエッチングレートおよび下地選択比のRFバイアス依存特性を示す図である。図4に示すように、RFバイアス電源出力をを低下させることにより、下地選択比1202(TiNの削れ量/高誘電率膜の削れ量)を15以上にすることができる。 すなわち、選択比15が得られるということは、TiN層が30nmである場合、TiN層30nmに相当するエッチング(100%オーバエッチング)を施した場合、下地高誘電率材料が2nm削れることを示している。
【0058】
また、RFバイアスの出力を低下させ、イオン入射エネルギーを低下させることにより、下地高誘電率材料に対する物理的ダメージあるいはイオンアシストエッチング収率を低下させることが可能となる。
【0059】
このように、RFバイアスの出力を低下させ、入射イオンエネルギーの時間平均値を低下させることにより、下地高誘電率膜の物理ダメージやイオンアシストエッチング収率を低下させることが可能となった。
【0060】
一般に、入射イオンエネルギーの時間平均値は、印加するRFバイアスの周波数、波形、とプラズマ条件(プラズマシース厚さ、平均自由工程)により変化するが、サンプル2を処理する際のプラズマ条件(RFバイアス電源713としては周波数400kHzの正弦波を用いる)においては、RFバイアス出力を前記TiNの垂直形状が得られる最小の出力である10Wに設定した場合の入射エネルギーの時間平均値は50Vであった。
【0061】
すなわち、50V以下の時間平均の入射エネルギーを与えられるような条件、もしくは制御パラメータであっても、前記TiNの垂直形状が得られる最小のRFバイアス出力である10W以下の出力を供給したのと同様にNMOS部分のHfSiON108への物理ダメージを抑制しつつTiNの垂直形状のエッチング結果が得られる。
【0062】
このような効果は、TiNと同様な化合物を形成する遷移金属材料であるTi、Ta,Ru、Moを含む材料を用いる場合にも得ることができる。また、高誘電率材料膜としては、SiO膜、SiON膜が使用可能であるが、SiOと比較してHfSiOあるいはHfSiON等の、より高誘電率で成膜直後でも表面ラフネスが大きく、下地選択性がとりにくい材料の場合について効果が大きい。
【0063】
また、メタルゲートCMOSを作成する場合、図3(b)に示す加工の後、高誘電率材料膜を除去する必要がある。この方法として、ウエット洗浄、またはエッチングおよびウエット洗浄の組み合わせという方法がある。しかし、一つのエッチング装置におけるマルチステップ処理の一環として行うことも可能である。この際、下地Si基板110に対する選択性が十分確保できることが必要である。この場合のエッチング条件は、BClガスを用い、UHF電源701の出力を300〜600W、処理圧力を0.1〜0.4Pa、RFバイアス電源713の出力を0〜10W、下部電極温度を0〜80度に設定し、3段の電磁石704の磁束は適当な分布になるよう設定した。
図5、6は、図1に示すエッチング処理装置により処理することのできる被エッチング材料の例(サンプル3)を説明する図である。この例では、サンプル3はFin型FET(Fin Field Effect Transistor)に代表される3次元構造のTiNメタルゲートを備える。
【0064】
サンプルの作成に際しては、まず、図5に示すように、Si層805および該Si層上に形成した10nm〜50nm程度の厚さのSiO層804および10〜80nmの厚さのSi層803からなるSOI(Silicon On Insulator)基板表面にFiN部分801を形成する。FiN部分の形成に際しては、STIをエッチングする際の要領でライン寸法802=20〜100nm、L(ライン寸法)/S(スペース寸法)=1/1〜1/3程度の複数ラインから成るFiN部分801を形成した後、洗浄、アニール、犠牲酸化処理を組み合わせてMOSのチャネル部分に相当するFiN部分801の表面を清浄にする処理を施す。
【0065】
その後、1.5nm〜3nm厚さの高誘電率材料絶縁膜809と30nm〜80nm 厚さのTiN層803を成膜した後、40nm〜90nm程度の有機系反射防止膜902を塗布し、ArF露光装置あるいは電子線描画装置で露光することで回路パターン901を形成する。これにより、図6(a)に示す形状を得ることができる。
【0066】
図6(a)のAA’を含む平行な面で切り出した断面を図6(b)に示す。図6(b)に示すように、この例のFiN型FETのサンプル3は、SOI基板を使用しているため、前述の例のようなSTI段差111は存在しないが、FiN部分801に段差が生じており、この段差分のオーバエッチングは最低限必要である。例えば、FiNの高さ905が40nm、TiN層903の厚さが30nmの場合、約130%のオーバエッチングが必要となる。
【0067】
図6(a)に示すサンプル3をエッチングする場合、まず、サンプル1のエッチングの場合と同様に反射防止膜902をエッチングした後、TiN層903をエッチングする。
【0068】
TiN層のエッチング(メインエッチング)に際しては、HClガスを50〜150ccmの流量で供給し、UHF電源701の出力を300〜600W、処理圧力を0.1〜0.4Pa、RFバイアス電源713の出力を5〜15W、下部電極温度を0〜80度に設定し、3段の電磁石704の磁束は適当な分布になるよう設定した。次いで、発光分光によりメインエッチングの終点を検知をした後、オーバエッチングに切り替える。
【0069】
オーバエッチング条件は、HClガス50〜150ccmの流量で供給し、UHF電源701の出力を300〜600W、処理圧力を0.1〜2.0Pa、RFバイアス電源713の出力を0〜5W、下部電極温度を0〜80度に設定した。
【0070】
前記終点検知により、メインエッチングからオーバエッチングへの切り替えを正確なタイミングで行い、さらにオーバエッチング時のRFバイアスを5W以下とすることにより、TiN層903に対し130%オーバエッチングを施した後においても、下地層(高誘電率材料層)に対して下地抜けを起こすことなく、FiN部分801上にTiNゲート電極906を形成することができる。
【0071】
図7は、図1に示すエッチング処理装置により処理することのできる被エッチング材料の例(サンプル4)を説明する図(断面図)である。この例では、遷移元素から成るゲート電極用材料としてTaSiN層が用いられる。
【0072】
図7(a)に示すこのサンプル4の作成に際しては、まず、8インチのSi基板110上に、STI109を形成し、素子分離層を形成した後、膜厚3nm程度のゲート絶縁膜108として、HfSiON、HfSiO、HfO等の高誘電率絶縁材料をAL−CVD(Atomic Layer Chemical Vapor Deposition)法で成膜する。次に、PMOS部分のみにTiNを成膜するため、TiN層107をウエハ全面に10〜20nm程度堆積させた後、SiO系のハードマスクを成膜し、PMOS部分にリソグラフィーを用いてマスキングした後、NMOS部分のTiN層をウェット除去した。その後、ウエハ全面にTaSiN層1001、PolySi層106を100nm程度成膜した後、イオン打ち込みによりNMOS部分101のPolySi電極の閾値制御した。その後、スピンコートで成膜された有機系の反射防止膜105を塗布しArF露光により、ArFレジスト104のライン寸法103を80nm程度にパターンニングした。
【0073】
以上のようにして形成した図7(a)に示すサンプル4を、図7に示すエッチング装置を用いてエッチングする。すなわち、遷移金属元素を含む電極材料層(TiN層)107と高誘電率絶縁材料層(HfSiON層108)が混在する状態で、TiN層エッチングまでを同一チャンバ内でマルチステップ処理する。
【0074】
まず、サンプル1の場合と同様の方法で、反射防止膜105をエッチングし、さらにPolySi層106にメインエッチングおよびオーバエッチングを施す。その後、TaSiN層1001とTiN107を、HCl単体あるいはHBrガスを添加し、UHF電源701の出力を300〜800W、処理圧力を0.2〜0.6Pa、RFバイアス電源713出力を5〜20W、下部電極温度を0〜80度に設定し、3段の電磁石704の磁束を適当な分布になるよう設定してエッチング処理(メインエッチングおよびオーバエッチング)を施す。
【0075】
なお、処理ガスとしては、HClガスのみでも効果があるが、TaSiN層1001のSi含有量によっては、サイドエッチが発生する。このような場合は80%以下の範囲でHBrを添加するとよい。すなわち、HBrを添加することで形状の垂直性と下地選択性を両立することが可能となる。なお、TaSiN層1001はHCl/HBrガスでエッチングを施し、TiN層107はHClガスのみでエッチングを施すというように、材料の組成、膜質に応じて異なるガスによる別ステップにしてもよいことはもちろんである。
【0076】
また、メタルゲートCMOSを作成する場合、図7(c)に示す加工の後、高誘電率材料層を除去する必要がある。この場合のエッチング条件は、BClガスを供給し、UHF電源701の出力を300〜600W、処理圧力を0.1〜0.4Pa、RFバイアス電源713の出力を0〜10W、下部電極温度を0〜80度に設定し、3段の電磁石704の磁束を適当な分布になるよう設定した。
【0077】
以上の処理によりNMOS部101のTaSiN、PMOS部102にTiNゲート電極114を垂直、かつ下地HfSiON108に面荒れがない良好な状態で形成することができた。なお、このような効果は、TiNと同様な化合物を形成する遷移金属材料Ta、Moを含む材料についても同様であった。
【0078】
以上説明したように、本実施形態によれば、エッチング用の処理ガスとしてClではなくHClを主ガスとして使用する。これにより、遷移金属元素を含む電極材料層をエッチングする際の下地高誘電率材料に対する選択性を高め、前記電極材料を精度よく加工することができる。すなわち,Clガスを使用しない(使用量を抑制する)ため、遷移金属元素(Ti,Ta,Ru,Mo等)を含む電極材料の針状残渣の発生あるいは面荒れを抑制することができる。また、下地膜高誘電率絶縁材料層に対するオーバエッチング量に局所的な差が発生して両面荒れや下地抜けを引き起こすことを防止することができる。
【0079】
さらに、HClガス使用時においては、TiN層をRFバイアスが10W/8インチ(30mW/cm)以下の低バイアス条件で、TiN層厚さに対し75%以上のオーバエッチングが可能となる。これらの効果は、TiNと同様な化合物を形成する遷移金属材料Ta、Moを含む材料、Hfを含む高誘電率材料材料を用いる場合についても同様であった。
【0080】
この結果、遷移金属を含むゲート電極材料(TiN、TaN、TaSiN、Mo)を段差構造を有する高誘電率絶縁材料層(HfSiON、HfSiO、HfO)上に形成したメタルゲート構造のCMOSを精度よく作成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施形態において使用するUHF−ECRプラズマエッチング装置を説明する図である。
【図2】被エッチング材料の例(サンプル1)を説明する図である。
【図3】被エッチング材料の例(サンプル2)を説明する図である。
【図4】TiN層のエッチングレートおよび下地選択比のRFバイアス依存特性を示す図である。
【図5】被エッチング材料の例(サンプル3)を説明する図である。
【図6】被エッチング材料の例(サンプル3)を説明する図である。
【図7】被エッチング材料の例(サンプル4)を説明する図である。
【図8】従来のMOSトランジスタの断面を示す図である。
【図9】従来のCl/HBrガスにより、メタルゲート部分をエッチングした結果を説明する図である。
【図10】ウエハ表面のSEM写真を示す図である。
【図11】ガス比(HCl/(Cl+HCl))を変化させた場合のエッチング特性変化を説明する図である。
【図12】処理ガス条件毎に得られる下地高誘電率材料膜の表面粗さを示す図である。
【符号の説明】
【0082】
101 NMOS部分断面
102 PMOS部分断面
103 ライン寸法
104 ArFレジスト
105 反射防止膜
106 PolySi層
107 TiN層
108 HfSiON層
109 STI
110 Si基板
111 STI段差
112 NMOSゲート電極
113 NMOS用配線断面
114 PMOSゲート電極
115 PMOS用配線断面
201 Cap絶縁膜
202 ゲート電極
203 サイドウォールスペーサ
204 イクステンション
205 ゲート絶縁膜
206 低抵抗層
207 Si基板
208 STI
209 チャネル層
210 ゲート電極の寸法
301 TiNエッチング前の下地HfSiON膜の境界面
302 NMOS部ゲート電極部分
303 NMOS部STI上の配線部分
304 PMOS部ゲート電極部分
305 ピンホール状の下地抜け
306 PMOS部STI上の配線部分
307 STI面荒れ
308 角部に残るTiN
309 HfSiON膜
401 エッチング前のTiN表面
402 TiN
403 SiO
404 Si基板
405 Cl/HBrガスで処理したTiN表面
406 針状残渣
407 TiN針状残渣の上面
408 TiN残渣部分の下端境界
409 HCl/HBrガスでエッチングした後のTiN表面
501 残渣上部の面
502 残渣下部の面
503 TiNエッチングレートのHCl比依存性
701 UHF電源
702 UHF整合器
703 アンテナ
704 電磁石
705 石英板
706 シャワープレート
707 エッチングチャンバ
708 高真空ポンプ
709 可変バルブ
710 下部電極
711 サセプタ
712 サーキュレータ
713 RFバイアス電源
714 RF整合機
715 直流電源
716 処理ウエハ
717 発光分光器
718 膜厚干渉計
801 FiN部分
802 ライン寸法
803 Si層
804 SiO
805 Si層
901 レジスト
902 有機系反射防止膜
903 TiN層
904 高誘電率材料絶縁膜
905 FiN部分の高さ
906 ゲート電極
1001 TaSiN層
1101 TiN残渣
1201 TiNエッチングレート
1202 下地選択比
1203 下地選択比15のライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遷移金属元素を含む電極材料層および高誘電率絶縁体からなる絶縁材料層の積層体を備えた試料を真空処理容器内に設置した下部電極上に配置し、
前記真空処理容器内に処理ガスを導入し、前記真空処理容器内に高周波電力を供給して前記導入した処理ガスをプラズマ化して前記試料表面にエッチング処理を施すプラズマエッチング処理方法において、
前記電極材料層をエッチングするとき、処理ガスとしてHClガスを供給することを特徴とするプラズマエッチング方法。
【請求項2】
請求項1記載のプラズマエッチング方法において、
前記下部電極に供給するイオン引き込み用の電力は30mW/cm以下であることを特徴とするプラズマエッチング方法。
【請求項3】
請求項1記載のプラズマエッチング方法において、
前記下部電極表面の試料表面に入射するイオンエネルギの時間平均は50V以下であることを特徴とするプラズマエッチング方法。
【請求項4】
請求項1記載のプラズマエッチング方法において、
遷移金属元素を含むゲート電極材料層はTi,Ta,Ru、Moの何れかを含むことを特徴とするプラズマエッチング方法。
【請求項5】
請求項1記載のプラズマエッチング方法において、
高誘電率絶縁体からなる絶縁材料層はHfまたはSiを含むことを特徴とするプラズマエッチング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図12】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−158250(P2007−158250A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−355092(P2005−355092)
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】