説明

一体のリリーフ及び補給機能を有する計量弁

作業機械油圧システム(22)用の計量弁(36)が開示されている。計量弁は、入口(86)及び出口(88)と、主ポペット(76)と、ソレノイド作動のパイロット要素(74)とを有する。主ポペットは、入口から出口に流体を通過させ、入口から出口への流体を遮断するように移動可能である。ソレノイド作動のパイロット要素は、入口からの加圧流体が主ポペットの制御端部(76b)と連通している制御チャンバ(126)を加圧して、主ポペットを流れ遮断位置に向かって付勢する第1の位置と、制御チャンバがドレン部(24)と連通して主ポペットを流れ通過位置に向かって移動させる第2の位置との間で移動可能である。計量弁はまた、加圧流体を制御チャンバから排出して、所定の圧力を超える入口の圧力に応答して主ポペットを流れ通過位置に向かって移動させるように構成されたリリーフ弁要素(77)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、電気油圧式計量弁に関し、より詳しくは、一体のリリーフ機能及び補給機能を有する電気油圧式計量弁に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、掘削機、ローダ、ブルドーザ、モータグレーダのような作業機械、及び他の種類の重機は、様々な仕事を達成するために1つ以上の油圧アクチュエータを使用する。これらのアクチュエータは、加圧流体をアクチュエータ内のチャンバに供給する作業機械のポンプに流体連結される。電気油圧弁装置は、典型的に、ポンプとアクチュエータとの間の油圧回路内に流体連結されて、アクチュエータのチャンバへのまたそこからの加圧流体の流量を制御し、アクチュエータの運動を容易にする。多数の別個の補給弁及び圧力リリーフ弁は、一般に、油圧回路内の必要な圧力レベルを維持するために電気油圧弁装置と関連付けられる。しかし、これらの多数の補給弁及び圧力リリーフ弁は、油圧回路のコストを上昇させ、油圧回路の信頼性を低める。
【0003】
コストを低減しかつ油圧回路の信頼性を高める1つの方法が、1999年2月9日にスミス(Smith)に交付された(特許文献1)に記載されている。(特許文献1)は、関連の油圧アクチュエータの排出及び充填機能を制御するための4つの独立計量弁を有する油圧回路について記載している。独立計量弁のそれぞれは、アクチュエータのチャンバと排出ポート又は供給ポートとを連通させるように移動可能な主弁要素を含む。制御チャンバは、外部の加圧パイロット流体源と選択的に連通するか、あるいは制御チャンバから加圧パイロット流体が排出され、主弁要素の移動を開始する。排出機能と関連付けられた独立計量弁のそれぞれは、一体のリリーフ弁手段と、一体の補給弁手段とを含む。リリーフ弁手段は、回路内の圧力が所定値を超えた場合、油圧回路から流体を排出するように機能する。補給弁手段は、回路内の圧力が所定値未満に低下した場合、加圧流体を油圧回路に導くように機能する。
【0004】
(特許文献1)に記載された油圧回路は、リリーフ機能及び補給機能を独立計量弁に組み込むことによってコストを低減しかつ信頼性を改善し得るが、油圧回路はなお高価であり、効率を欠く可能性があり、また設計の柔軟性を制限する可能性がある。具体的に、(特許文献1)の独立計量弁は外部の加圧パイロット流体源を必要とするので、システム全体のコストは大きくなる可能性がある。さらに、外部の加圧パイロット流体源を操作するためにエネルギが費やされなければならず、このことが、油圧回路の効率を低める可能性がある。さらに、(特許文献1)のシステムの油圧回路は、外部パイロット源への連結を必要とするので、計量弁の位置は限定される可能性があり、また弁とパイロット源との間の関連の配管は、システムのコストをさらに増加させるおそれがある。
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,868,059号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
開示した計量弁は、上述の問題の1つ以上を克服することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一形態において、本開示は計量弁に関する。計量弁は、入口及び出口を有する弁本体と、主ポペットと、ソレノイド作動のパイロット要素とを含む。主ポペットは、入口と出口との間の弁本体内に配置され、ノーズ端部及び制御端部を有し、また流体が入口から出口に流れる流れ通過位置と、入口と出口との間の流体流が遮断される流れ遮断位置との間で移動可能である。ソレノイド作動のパイロット要素は、入口からの加圧流体が主ポペットの制御端部と連通している制御チャンバを加圧して、主ポペットを流れ遮断位置に向かって付勢する流れ遮断位置と、制御チャンバがドレン部と連通して主ポペットを流れ通過位置に向かって移動させる流れ通過位置との間で移動可能である。計量弁はまた、加圧流体を制御チャンバから排出して、所定の圧力を超える入口の圧力に応答して主ポペットを流れ通過位置に向かって移動させるように構成されたリリーフ弁要素を含む。
【0008】
他の形態において、本開示は、計量弁を作動する方法に関する。本方法は、アクチュエータのチャンバからの加圧流体が主ポペットを流れ遮断位置に保持してチャンバからの流体の流れを遮断する流れ遮断位置と、主ポペットの制御端部がドレン部と連通して、主ポペットを流れ通過位置に向かって移動させてチャンバの流体排出を行う流れ通過位置との間で、パイロット要素を移動させるステップを含む。本方法はまた、所定値を超えるチャンバ内の流体の圧力に応答して、主ポペットを流れ通過位置に向かって自動的に移動させて、チャンバからの流体の排出を可能にするステップを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、典型的な作業機械10を示している。作業機械10は、採鉱、建設、農業、輸送のような産業、又は当該技術分野で知られている他の任意の産業と関連するある種類の作業を実行する移動機械を具現し得る。例えば、作業機械10は、掘削機、ブルドーザ、ローダ、バックホー、モータグレーダ、ダンプトラックのような土工機械、又は他の任意の土工機械であり得る。作業機械10はまた、発電設備、ポンプのような固定又は静止機械、又は作業を実行する適切な他の任意の作業機械を具現し得る。作業機械10は、フレーム12、少なくとも1つの作業器具14、及び作業器具14をフレーム12に連結する油圧シリンダ16を含んでもよい。必要に応じて、油圧シリンダ16を省略し、代わりに油圧モータ又は他の同様のアクチュエータを含めてもよいことが考えられる。
【0010】
フレーム12は、作業機械10の移動を補助する構造ユニットを含んでもよい。例えば、フレーム12は、電源(図示せず)を牽引装置18に連結する固定ベースフレーム、リンケージシステムの移動可能なフレーム部材、又は当該技術分野で知られている他の任意のフレームを具現し得る。
【0011】
作業器具14は、仕事の実行に使用される装置を具現し得る。例えば、作業器具14は、ブレード、バケット、シャベル、リッパ、ダンプベッド、推進装置、又は当該技術分野で知られている他の任意の仕事実行装置を具現し得る。作業器具14は、直接旋回軸20を介して、リンケージシステムの1つの部材を形成する油圧シリンダ16を有するリンケージシステムを介して、又は他の任意の適切な方法でフレーム12に連結可能である。作業器具14は、当該技術分野で知られている他の任意の方法で、フレーム12に対し旋回、回転、摺動、揺動、又は移動するように構成可能である。
【0012】
図2に示したように、油圧シリンダ16は、作業器具14を移動するために協働する油圧システム22内に含まれる様々な構成要素の1つであり得る(図1を参照)。油圧システム22は、タンク24、加圧流体源26、ヘッド端部供給弁32、ロッド端部供給弁34、ヘッド端部ドレン弁36、及びロッド端部ドレン弁38を含んでもよい。油圧システム22は、例えば、圧力センサ、温度センサ、位置センサ、制御器、アキュムレータ、及び当該技術分野で知られている他の油圧システム構成要素のような追加及び/又は異なる構成要素を含み得ることが考えられる。
【0013】
油圧シリンダ16は、管46と、管46内に配置されたピストン組立体48とを含むことが可能である。管46及びピストン組立体48の一方は、フレーム12に旋回可能に連結してもよく、管46及びピストン組立体48の他方は、作業器具14に旋回可能に連結してもよい。代わりに、管46及び/又はピストン組立体48は、フレーム12又は作業器具14に固定連結してもよいことが考えられる。油圧シリンダ16は、ピストン組立体48によって分離された第1のチャンバ50及び第2のチャンバ52を含むことが可能である。加圧流体源26によって加圧された流体を第1及び第2のチャンバ50、52に選択的に供給し、またこれらのチャンバをタンク24と流体連結して、ピストン組立体48を管46内で変位させ、これによって、油圧シリンダ16の有効長を変更し得る。油圧シリンダ16の伸張及び収縮は、作業器具14の移動を補助するように機能し得る。
【0014】
ピストン組立体48は、管46と軸方向に整列されかつ管46内に配置されたピストン54と、フレーム12及び作業器具14の一方に連結可能なピストンロッド56とを含み得る(図1参照)。ピストン54は、第1の液圧面58と、第1の液圧面58と反対側の第2の液圧面59とを含むことが可能である。第1及び第2の液圧面58、59の流体圧力によって引き起こされる力の不均衡が、管46内のピストン組立体48の移動をもたらす可能性がある。例えば、第2の液圧面59に対する力よりも大きな第1の液圧面58に対する力は、ピストン組立体48を変位させて、油圧シリンダ16の有効長を増す可能性がある。同様に、第2の油圧面59に対する力が第1の油圧面58に対する力よりも大きい場合、ピストン組立体48は管46内で収縮して、油圧シリンダ16の有効長を減少させる可能性がある。Oリングのような封止部材(図示せず)は、管46の内壁とピストン54の外筒面との間の流体流を制限するようにピストン54に連結し得る。
【0015】
タンク24は、流体供給を保持するように構成されたリザーバを構成し得る。流体は、例えば、専用の油圧オイル、エンジン潤滑油、変速機潤滑油、又は当該技術分野で知られている他の任意の流体を含んでもよい。作業機械10内の1つ以上の油圧システムは、タンク24から流体を引き、またタンク24に流体を戻すことが可能である。油圧システム22を多数の別個の流体タンクに連結してもよいことも考えられる。
【0016】
加圧流体源26は、タンク24から流体を引いて、油圧システム22を通して向けられる加圧流体流を生成するように構成可能である。加圧流体源26は、例えば、可変容量型ポンプ、固定容量型ポンプのようなポンプ、又は当該技術分野で知られている他の任意の加圧流体源を具現し得る。加圧流体源26は、例えば、カウンタシャフト(図示せず)、ベルト(図示せず)、電気回路(図示せず)によって、又は他の任意の適切な方法で、作業機械10の電源(図示せず)に駆動可能に連結してもよい。加圧流体源26は、油圧システム22のみへの加圧流体の供給専用であってもよいか、代わりに、作業機械10内の追加の油圧システム55に加圧流体を供給してもよい。
【0017】
ヘッド端部及びロッド端部供給弁及びヘッド端部及びロッド端部ドレン弁32〜38は、流体的に相互連結可能である。特に、ヘッド端部及びロッド端部のドレン弁36、38は、共通ドレン通路64に対し平行に連結してもよい。ヘッド端部及びロッド端部の供給弁32、34は、上流の共通流体通路66に対し平行に連結してもよい。ヘッド端部供給弁及びドレン弁32、36は、流体通路60に対し平行に連結してもよい。ロッド端部ドレン弁及び供給弁38、34は、流体通路62に対し平行に連結してもよい。
【0018】
ヘッド端部供給弁32は、加圧流体源26と第1のチャンバ50との間に配置して、命令速度に応答して第1のチャンバ50内への加圧流体の流れを調整するように構成可能である。具体的に、ヘッド端部供給弁32は、第1のチャンバ50内への流体の流れが可能である第1の位置と、第1のチャンバ50からの流体が遮断される第2の位置との間で移動するようにソレノイド作動されるばね付勢の比例弁機構を含んでもよい。ヘッド端部供給弁32は、第1の位置と第2の位置との間の任意の位置に移動して、第1のチャンバ50内への流量を変更し、これによって、油圧シリンダ16の速度に作用することが可能である。代わりに、ヘッド端部供給弁32は、油圧式に作動し、機械式に作動し、空圧式に作動し、又は他の任意の適切な方法で作動してもよいことが考えられる。さらに、ヘッド端部供給弁32は、第1のチャンバ50内の圧力が加圧流体源26からヘッド端部供給弁32に向けられた圧力を超える再生事象中に、第1のチャンバ50からの流体のヘッド端部供給弁32を通した流れを可能にし得ることが考えられる。
【0019】
ロッド端部供給弁34は、加圧流体源26と第2のチャンバ52との間に配置し、命令速度に応答して第2のチャンバ52への加圧流体の流れを調整するように構成可能である。具体的に、ロッド端部供給弁34は、第2のチャンバ52内への流体の流れが可能である第1の位置と、第2のチャンバ52からの流体が遮断される第2の位置との間で移動するようにソレノイド作動されるばね付勢の比例弁機構を含んでもよい。ロッド端部供給弁34は、第1の位置と第2の位置との間の任意の位置に移動して、第2のチャンバ52内への流体流量を変更し、これによって、油圧シリンダ16の速度に作用することが可能である。代わりに、ロッド端部供給弁34は、油圧式に作動し、機械式に作動し、空圧式に作動し、又は他の任意の適切な方法で作動してもよいことが考えられる。さらに、ロッド端部供給弁34は、第2のチャンバ52内の圧力が加圧流体源26からロッド端部供給弁34に向けられた圧力を超える再生中に、第2のチャンバ52からの流体のロッド端部供給弁34を通した流れを可能にし得ることが考えられる。
【0020】
ヘッド端部ドレン弁36は、第1のチャンバ50とタンク24との間に配置して、第1のチャンバ50からの加圧流体流を調整するように協働する構成要素を含むことが可能である。特に、図3に示したように、ヘッド端部ドレン弁36は、弁本体68、アダプタ要素70、ソレノイド機構72、パイロット要素74、主ポペット76、リリーフ弁要素77、及び複数の付勢ばね78、80を含んでもよい。必要に応じて、ばね78の付勢を低減するか又は完全に省略してもよいことが考えられる。
【0021】
弁本体68は、中心穴84、シリンダポート86、及びドレンポート88を含むことが可能である。環状部90は、中心穴84、シリンダポート86、及びドレンポート88を連結してもよい。ドレン通路93も、中心穴84及びドレンポート88を連結してもよい。弁本体68は、ヘッド端部ドレン弁36の収納専用でもよく、あるいはヘッド端部供給弁32、ロッド端部ドレン弁38、及びロッド端部供給弁34の1つ以上をさらに収納してもよい。
【0022】
アダプタ要素70は、中心穴84内に配置して、ソレノイド機構72及びパイロット要素74を収納するように構成可能である。特に、アダプタ要素70は、ソレノイド機構72を収納するための中心穴91と、パイロット要素74を収納するためのカウンタ穴92とを含んでもよい。プラグ94は、アダプタ要素70にねじ係合して、弁本体68から延在するアダプタ要素70の端部を覆うことが可能である。例えば、Oリング又はこのような他の封止装置のような1つ以上の封止部材(図示せず)をアダプタ要素70の溝97及び溝99内に配置して、弁本体68とアダプタ要素70との間の漏れを最小にし得ることが考えられる。
【0023】
ソレノイド機構72は、アダプタ要素70内に配置し、印加電流に応答してばね78と80の付勢に対抗してパイロット要素74を比例して移動させるように構成可能である。具体的に、ソレノイド機構72は、電磁コイル98と、パイロット要素74にねじ連結されたピン110を有するアーマチュア100を含んでもよい。電流が電磁コイル98に印加されるとき、ばね78と80の付勢に対抗して、アーマチュア100を電磁コイル98に向かって引きつけることが可能である。電磁コイル98に印加される電流の大きさにより、ばね78と80の圧縮が決定され、次に、アーマチュア100が電磁コイル98にどの程度近くに引きつけられるかが決定され得る。ピン110は、アーマチュア100及びピン110がアダプタ要素70内で移動するとき、ヘッド端部ドレン弁36内の抵抗及び望ましくない圧力変動の生成を最小にするために、中心穴112を含み得る。
【0024】
パイロット要素74は、アダプタ要素70内で摺動可能に配置されて、一連の半径方向に配置された流体通路114を開閉するゼロリーク型(zero−leak type)弁であり得る。特に、パイロット要素74は、チェック要素118及びピン110にねじ連結されたパイロットステム116を含んでもよい。必要に応じて、パイロットステム116及びチェック要素118は、代わりに単一の一体構成要素を具現し得ることが考えられる。チェック要素118は、アダプタ要素70の雌円錐座部124に係合するように構成された雄円錐面122を含んでもよい。表面122及び座部124が係合されるとき、パイロット流体は、カウンタ穴92を介して流体通路114に流れることが防止され得る。ソレノイド機構72が通電されて、アーマチュア100及びピン110を電磁コイル98に向かって引きつけるとき、表面122及び座部124が互いに離して移動され、これによって、カウンタ穴92を介した流体通路114内へのパイロット流体流を可能にし得る。流体通路114は、流体通路114を通して流れるパイロット流体がタンク24に排出するように、ドレン通路93を介して共通のドレン通路64と流体連通し得る。表面122と座部124との間の面積は、シリンダポート86内の流体の圧力と結合して、シリンダポート86から流体通路114を介したタンク24への流体流量を決定し得る。パイロットステム116は、Oリングのようなシール部材(図示せず)を保持して、パイロット要素74とカウンタ穴92との間のパイロット流体の漏れを最小にする外側溝121を含んでもよい。中心穴120は、パイロットステム116及びチェック要素118の両方を通して延在して、中心穴112と流体連通し、これによって、パイロット要素74が軸方向に移動して、座部124から表面122を係合及び解放するとき、望ましくない圧力変動の抵抗及び生成を最小にし得る。
【0025】
主ポペット76は、シリンダポート86からドレンポート88への流体流を選択的に可能にするように構成されるゼロリーク型弁であり得る。具体的に、主ポペット76の雄円錐面128は、弁本体68の雌円錐座部130に係合するように配置してもよい。表面128及び座部130が係合されるとき、シリンダポート86からドレンポート88への流体流を防止し得る。逆に、表面128及び座部130が互いに離れているとき、流体は、シリンダポート86からドレンポート88に流れることが可能である。表面128と座部130との間の面積は、シリンダポート86の流体の圧力と結合して、シリンダポート86からドレンポート88への流体流量を決定し得る。
【0026】
表面128は、パイロット要素74の移動に応答して、座部130に選択的に係合及び解放し得る。特に、主ポペット76は、弁本体68、アダプタ要素70、及びパイロット要素74と共に、制御チャンバ126を形成し得る。主ポペット76のノーズ端部76aに作用する流体によって、またディファレンシャル領域(differential area)76cに作用する流体によって発生される力は、主ポペット76の制御端部76bに作用する制御チャンバ126内のパイロット流体によって発生される力と、付勢ばね80の圧縮によって発生される力とに対抗し得る。主ポペット76を開くために、表面122を座部124から移動させて、カウンタ穴92と流体通路114とドレン通路93とを介して、パイロット流体を制御チャンバ126から排出し得る。パイロット流体が制御チャンバ126から排出されるとき、主ポペット76のノーズ端部76aに作用する流体は、付勢ばね80によって発生される力を克服して、主ポペット76をパイロット要素74に向かって移動させることが可能である。主ポペット76を閉じるために、ソレノイド機構72を非通電して、付勢ばね80がパイロット要素74を流体遮断位置(例えば、表面122が座部124に係合する位置)に戻すことを可能にし得る。パイロット要素74が流体遮断位置にあるとき、主ポペット76を閉じる(例えば、表面128を移動して座部130と係合させる)圧力が制御チャンバ126内に形成され得る。
【0027】
制御チャンバ126内の加圧パイロット流体は、シリンダポート86を介して油圧シリンダ16の第1のチャンバ50によって供給し得る。特に、主ポペット76は、アダプタ要素70内に配置された1対のオリフィス133を介してシリンダポート86を制御チャンバ126に流体的に連結する1つ以上の外部に配置された流路131を含んでもよい。それぞれの流路131は、シリンダポート86からの少なくともある流体が制御チャンバ126に常に流れることが可能にされるように設計してもよく、また主ポペット76が流れ通過位置に向かって移動するときに、流路131の流れ領域は比例して増加し、これによって、シリンダポート86から制御チャンバ126へのより大きな流体流量を可能にする。
【0028】
パイロット面122と座部124との間の開口面積は、チャンバ126からの流体流量を制御し、当該チャンバ内の圧力に作用し得る。具体的に、この開口面積は、パイロットチェック要素の移動に比例することが可能であり、次に、この移動はソレノイド機構72によって及ぼされる力に比例する。言い換えれば、主ポペット76の位置は、ソレノイド機構72によって比例制御し得る。この同一の開口面積は、シリンダポート86の圧力、及びドレンポート88の圧力及び開口面積と結合して、制御チャンバ126の圧力を決定し得る。
【0029】
第1のチャンバ50による圧力がシリンダ負荷のシフトのため変化するとき、主ポペット76を通した流れも変化する。特に、これらの急速な変化は、主ポペット76に作用する流力に影響を及ぼし、命令していない主ポペット76の僅かな移動を引き起こすことがある。例えば、主ポペット76を通した流れが増加すると、主ポペット76に作用する閉鎖流体力は、主ポペット76を僅かに閉じる傾向を有し得る。この結果、流路131を通した流れ面積は、チェック要素118に作用する付勢と共に減少し得る。これらの作用は、パイロット面122と座部124との間の開口領域の僅かな開口を引き起こし、これによって、ドレン通路93及び共通のドレン通路64を介して制御チャンバ126からタンク24に流体を排出することが可能である。この状態では、制御チャンバ126の入口流面積が減少し、出口流面積が増加するので、制御チャンバ126内の圧力が急速に反応し、これによって、圧力外乱(pressure disturbance)によって起こされる主ポペット移動量(例えば、不安定性)を低減し得る。
【0030】
主ポペット76は、カートリッジ型の弁として弁本体68内に組み立てるためにアダプタ要素70に動作的に連結してもよい。一実施例において、主ポペット76は、主ポペット76をアダプタ要素70に組み立てた後にアダプタ要素70のランド134に係合するピン部材132を含んでもよい。このようにして、アダプタ要素70、パイロット要素74、主ポペット76、及びばね78及び80から構成される副組立体を形成し得る。弁本体68内に組み立てた後、ピン部材132とアダプタ要素70との間に空間を維持してもよい。
【0031】
作業器具14の所望の移動に関連する表面128と座部130との間の主ポペット76の意図する移動及び関連の開口面積の調整に加えて(図1を参照)、主ポペット76はまた、流体補給機能を提供することが可能である。特に、第1のチャンバ50内の空隙化の可能性を最小にするために(図1を参照)、主ポペット76は、所定圧力未満に低下するシリンダポート86内の流体の圧力に応答して自動的に移動し得る。例えば、シリンダポート86内の流体の圧力が減少するとき、制御チャンバ126内のパイロット流体の圧力は、流路131を介した流体連通のために同様に低下し得る。制御チャンバ126内の圧力が所定値(ばね80の付勢及びタンク24内の流体の圧力によって決定される)未満に低下するとき、主ポペット76のノーズ端部76aに作用するドレンポート88内の流体の力は、ばね80の付勢に対抗して主ポペット76をパイロット要素74に向かって付勢し、これによって、表面128を座部130から分離し得る。表面128が座部130から分離されるとき、流体は、タンク24からドレンポート88及びシリンダポート86を介して第1のチャンバ50に流れることが可能である。第1のチャンバ50及びシリンダポート86内の圧力は流体の流入と共に増加するので、制御チャンバ126内の関連の増加する圧力は、最終的に主ポペット76をその流れ遮断位置に戻るように付勢し得る。
【0032】
リリーフ弁要素77は、過度の圧力から油圧システム22を緩和するように機能することが可能である。具体的に、リリーフ弁要素77は、主ポペット76の中心穴136内に配置してもよく、また制御チャンバ126からのパイロット流体がリリーフ弁要素77を介してドレンポート88に流れることが遮断される流れ遮断位置から、リリーフばね138の付勢に対抗して、制御チャンバ126からのパイロット流体がドレンポート88に通過させられる流れ通過位置に向かって移動して、シリンダポート86内の圧力を間接的に緩和することが可能である。例えば、リリーフ弁要素77は、中心穴136内に配置された雌円錐座部150に係合するように構成された雄円錐面148を含んでもよい。表面148が座部150から離れている場合、パイロット流体は、主ポペット76の制御端部76bに軸方向に配置された複数の流体通路152を通して、リリーフ弁要素77の中心穴154を通して、ドレンポート88に通過することが可能である。しかし、表面148が座部150と係合している場合、制御チャンバ126からのパイロット流体は、流体通路152及び中心穴154を介してドレンポート88に流れることが防止され得る。
【0033】
リリーフばね138の付勢に対抗して、流れ遮断位置から流れ通過位置にリリーフ弁要素77を移動させるために、主ポペット76内の複数の半径方向に配置されたリリーフ通路140を介して、シリンダポート86からのパイロット流体をリリーフ弁要素77と連通させることが可能である。シリンダポート86からリリーフ弁要素77に向けられたパイロット流体は、シリンダポート86内の圧力が所定圧力(リリーフばね138の付勢力及びドレンポート88の流体の圧力によって決定される)を超えたとき、リリーフ弁要素77の液圧面142に作用して、リリーフ弁要素77を流れ通過位置に向かって移動させることが可能である。リリーフ弁要素77が流れ通過位置に向かって移動されて、パイロット流体を制御チャンバ126からドレンポート88に通過させるとき、主ポペット76に作用する開口力は、制御チャンバ126内の閉鎖流体力を克服して、主ポペット76を流れ通過位置に向かって付勢し、これによって、追加の流体がタンク24に排出することを可能にし、かつ圧力スパイクを直接緩和することが可能である。制限オリフィス156は、中心穴154と関連付けて、中心穴154を通した流体流量を制限してもよい。シール144は、リリーフ弁要素77の溝146内に配置して、リリーフ弁要素77の外面と中心穴136の内面との間の漏れを最小にし得る。
【0034】
ロッド端部ドレン弁38(図2を参照)は、加圧流体源26と第2のチャンバ52との間に配置し、かつ第2のチャンバ52からタンク24への加圧流体流を調整するように協働する構成要素を含むことが可能である。ロッド端部ドレン弁38の構成要素及び動作は、ヘッド端部ドレン弁36とほぼ同様であるので、ロッド端部ドレン弁38の説明は本開示では省略する。
【0035】
図4は、ヘッド端部ドレン弁36の代替実施形態を示している。図3の実施形態と同様に、図4のヘッド端部ドレン弁36は、弁本体68、主ポペット76、パイロット要素74、ソレノイド機構72、及びリリーフ弁要素77を含み得る。しかし、図3のリリーフ弁要素77と対照的に、図4のリリーフ弁要素77は可変のリリーフ設定値を有してもよい。具体的に、リリーフソレノイド機構158は、図4のリリーフ弁要素77と関連付けて、リリーフばね138の付勢により、又はそれに対抗して選択的にまた直接的にリリーフ弁要素77を付勢し得る。このようにして、リリーフ弁要素77を移動させるために必要な力は、リリーフソレノイド機構158に印加される電流を変更することによって、増加又は減少されることが可能である。
【0036】
図5は、ヘッド端部ドレン弁36の他の代替実施形態を示している。図4の実施形態と同様に、図5のヘッド端部ドレン弁36は、弁本体68、主ポペット76、パイロット要素74、ソレノイド機構72、リリーフ弁要素77、及び可変のリリーフ機能を提供するリリーフソレノイド機構158を含み得る。しかし、図4のリリーフソレノイド機構158と対照的に、図5に示したリリーフソレノイド機構158は、リリーフ弁要素77に間接的に作用し得る。特に、図5の実施形態では、直接作用してリリーフ弁要素77を移動させる代わりに、リリーフソレノイド機構158は、リリーフパイロット弁ばね162により、又はそれに対抗してリリーフパイロット弁要素160を移動させるように作用し得る。リリーフパイロット弁要素160は、シリンダポート86からのパイロット流体がリリーフばね138の付勢により作用し得る流れ遮断位置から、シリンダポート86からのパイロット流体がタンク24に排出される流れ通過位置に移動可能であり得る。シリンダポート86からのパイロット流体がリリーフばね138の付勢により作用する場合、リリーフ弁要素77を流れ通過位置に向かって移動させるために必要な力は、シリンダポート86からのパイロット流体がリリーフばね138の付勢により作用しない場合よりも大きい可能性がある。このようにして、リリーフ弁要素77のリリーフ設定値を提供するために必要なリリーフソレノイド機構158の力及び対応する大きさは、図4の実施形態と比較して小さくすることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0037】
開示した油圧システムは、アクチュエータと関連する流体圧力及び/又は流体流の精密な制御が望まれる流体アクチュエータを含む任意の作業機械に適用可能であり得る。開示した油圧システムは、低コストの簡単な構造の一貫した予測可能なアクチュエータ性能が得られる高感度の圧力調整を提供することが可能である。次に、油圧システム22の操作について説明する。
【0038】
油圧シリンダ16は、オペレータ入力に応答して流体圧力によって移動可能であり得る。流体は、加圧流体源26によって加圧して、ヘッド端部及びロッド端部供給弁32と34に向けることが可能である。管46に対しピストン組立体48を伸長又は後退させるためのオペレータ入力に応答して、ヘッド端部及びロッド端部の供給弁32と34の適切な一方を作動して、所望の作業工具速度に対応する速度で第1及び第2のチャンバ50、52の一方に加圧流体を充填することが可能である。ほぼ同時に、ヘッド端部及びロッド端部のドレン弁36と38の適切な一方のソレノイド機構72を通電して、アーマチュア100を電磁コイル98に向かって引きつけることが可能である。アーマチュア100が電磁コイル98に向かって引きつけられるとき、連結されたパイロット要素74は、表面122を座部124から適切な量だけ解放し、これによって、パイロット流体を制御チャンバ126から適切な速度で排出するように移動可能である。制御チャンバ126の流体排出が行なわれるとき、ばね80の付勢を克服し、かつ主ポペット76の表面128が弁本体68の座部130を適切な量だけ解放するようにさせる圧力差が主ポペット76を隔てて生成され、これによって、シリンダポート86をドレンポート88に流体連結し、次に、第1及び第2のチャンバ50、52の一方から加圧流体を排出することが可能である。第1及び第2のチャンバ50、52の一方の充填及び第1及び第2のチャンバ50、52の他方の排出は、管46内のピストン組立体48の移動、及び作業器具14の対応する移動を促進し得る。
【0039】
ソレノイド機構72に供給される電流量は、制御チャンバ126内の流体の想定圧力及び制御チャンバ126からの所望の流体流量に基づくことが可能である。特に、電磁コイル98に向けられた電流量は、表面122と座部124との間の所定の流れ面積が得られるばね78と80の圧縮に対応してもよい。表面122と座部124との間の所定の流れ面積は、制御チャンバ126からの所定のパイロット流体流量と、表面128と座部130との間の所定の流れ面積を形成する主ポペット76を隔てた引き続く圧力差とを容易にし得る。同様に、表面128と座部130との間の所定の流れ面積は、油圧シリンダ16の所望の作動速度が得られるシリンダポート86からドレンポート88への所定の流体流量を容易にし得る。印加電流、ばね78と80の圧縮、及び所望の流れ面積が得られる主配量流力の間の関係は、分析の実施、実験室試験、実地試験を通して、及び/又は公知の他の方法を通して決定し得る。
【0040】
ヘッド端部及びロッド端部のドレン弁36、38は、油圧システム22内の流体の圧力が想定圧力からそれる状態に対応し得る。具体的に、油圧シリンダ16の作動中、油圧シリンダ16内の圧力は、想定圧力を超えるか又はそれ未満に減少することが可能である。調整されないままであると、これらの圧力変動により、油圧シリンダ16及び作業器具14の一貫しない及び/又は予想しない運動をもたらす可能性がある。これらの作用は、圧力降下中の主ポペット76の移動、及び圧力スパイク中のリリーフ弁要素77の移動によって考慮し得る。例えば、油圧シリンダ16内の圧力が所定圧力値未満に低下するとき、主ポペット76のノーズ端部76aで発生される力は、ばね80の付勢力及び制御チャンバ126内の閉鎖力を克服して、主ポペット76を流れ通過位置に移動させることが可能である。流れ通過位置にあるとき、タンク24からの流体は、シリンダポート86を介して第1のチャンバ50に入り、これによって、第1のチャンバ50内の空隙化の可能性を最小にし得る。制御流路131の面積は、完全なポペット行程の近くに面積利得増加(area gain increase)を有し、この補給機能によって発生されることがある急速シフトの減衰を補助し得る。逆に、第1のチャンバ50及びシリンダポート86内の圧力が所定圧力値を超えて増加するとき、シリンダポート86からリリーフ通路140を介して液圧面142に連通するパイロット流体は、リリーフ弁要素77を流れ通過位置に向かって付勢し得る。流れ通過位置にあるとき、制御チャンバ126からのパイロット流体は、軸方向通路152、中心穴154、及びドレンポート88を介してタンク24に排出し、これによって、第1のチャンバ50及びシリンダポート86内の圧力スパイクを間接的に緩和し得る。パイロット流体が制御チャンバ126から排出するとき、主ポペット76は、流れ通過位置に移動して追加の流体をタンク24に通過させ、これによって、圧力スパイクを直接緩和し得る。流路131の流れ面積は、ある流体をシリンダポート86からチャンバ126に常に連通させる小さな流れ面積を有することが可能であり、これによって、このリリーフ機能の速い応答を可能にし、これにより、圧力オーバシュートの防止を補助し得る。上述の制御流路131の面積利得は、このリリーフ機能によって発生されることがある迅速なシフトの減衰を補助し得る。
【0041】
ヘッド端部及びロッド端部のドレン弁36、38は、第1及び第2のチャンバ50、52からの加圧パイロット流体をそれぞれ使用して作動することが可能であるので、油圧システム22のコストを低減し、かつ設計柔軟性を高めることが可能である。具体的に、ヘッド端部及びロッド端部のドレン弁36、38を作動する加圧パイロット流体は油圧シリンダ16から来るので、油圧システム22の構成要素コスト及び運転コストは、外部供給源がパイロット流体を供給する場合よりも低くなり得る。さらに、パイロット流体の供給源は、外部に配置された供給源よりむしろ油圧シリンダ16であるので、ヘッド端部及びロッド端部のドレン弁36、38は、遠くに配置することが可能であり、また最小の配管で済む。
【0042】
開示した計量弁及び油圧システムに様々な修正及び変更を行うことができることが、当業者には明らかであろう。開示した計量弁及び油圧システムの説明と実施を考慮することにより、他の実施形態が当業者には明白であろう。例えば、ヘッド端部及びロッド端部の供給弁32、34(図2を参照)の構造及び機能は、ヘッド端部及びロッド端部のドレン弁36、38とほぼ同様であり得ることが考えられる。説明及び実施例は模範的なものに過ぎないと考えられ、真の範囲は、次の特許請求の範囲及びそれらの等価物によって示されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】開示した典型的な実施形態による作業機械の概略側面図である。
【図2】図1の作業機械用の開示した典型的な油圧システムの概略図である。
【図3】図2の油圧システム用の開示した典型的な弁の断面図である。
【図4】図2の油圧システム用の開示した他の典型的な弁の概略図である。
【図5】図2の油圧システム用の開示した他の典型的な弁の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計量弁(36)であって、
入口(86)と出口(88)とを有する弁本体(68)と、
入口と出口との間の弁本体内に配置され、かつ流体が入口から出口に流れる流れ通過位置と、入口と出口との間の流体流が遮断される流れ遮断位置との間で移動可能である、ノーズ端部(76a)と制御端部(76b)とを有する主ポペット(76)と、
入口からの加圧流体が、主ポペットの制御端部と連通している制御チャンバを加圧して、主ポペットを流れ遮断位置に向かって付勢する流れ遮断位置と、制御チャンバがドレン部と連通して主ポペットを流れ通過位置に向かって移動させる流れ通過位置との間で移動可能であるソレノイド作動のパイロット要素(74)と、
加圧流体を制御チャンバから排出して、所定の圧力を超える入口の圧力に応答して主ポペットを流れ通過位置に向かって移動させるように構成されたリリーフ弁要素(77)と、
を備える計量弁。
【請求項2】
出口の圧力が入口の圧力を超えたとき、流体が出口から入口に流れることを可能にするために、主ポペットが流れ通過位置に向かって自動的に移動可能である、請求項1に記載の計量弁。
【請求項3】
リリーフ弁要素が、主ポペットの中心穴(136)内に配置される、請求項1に記載の計量弁。
【請求項4】
リリーフ弁要素内に配置され、かつリリーフ弁要素を通して排出する流体の圧力変動を減衰するように構成された制限オリフィス(156)と、
主ポペットの中心穴内に配置され、かつリリーフ弁要素を流れ遮断位置に向かって付勢するように構成されたリリーフばね(138)と、
主ポペットを流れ遮断位置に向かって付勢するために、パイロット要素と主ポペットとの間に配置された力フィードバックばね(80)と、
パイロット要素を流れ遮断位置に向かって付勢するように構成されたパイロットばね(78)と、
をさらに含む、請求項3に記載の計量弁。
【請求項5】
主ポペットが、流れ通過位置に向かって主ポペットが移動するときに増加する加圧流体流を入口から制御チャンバに供給するように構成された外部流路(131)を含み、
入口からの加圧流体の少なくとも一部分が、外部流路を介して制御チャンバと常に連通している、請求項1に記載の計量弁。
【請求項6】
計量弁(36)を作動する方法であって、
アクチュエータ(16)のチャンバ(50)からの加圧流体が、主ポペット(76)を流れ遮断位置に保持してチャンバからの流体の流れを遮断する流れ遮断位置と、主ポペットの制御端部(76b)がドレン部(24)と連通して、主ポペットを流れ通過位置に向かって移動させてチャンバの流体排出を行う流れ通過位置との間でパイロット要素(74)を移動させるステップと、
所定値を超えるチャンバ内の流体の圧力に応答して、主ポペットを流れ通過位置に向かって自動的に移動させて、チャンバからの流体の排出を可能にするステップと、
を含む方法。
【請求項7】
所定値未満に低下するチャンバ内の流体の圧力に応答して、主ポペットを流れ通過位置に向かって自動的に移動させて、チャンバ内への流体の流れを可能にするステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
チャンバから排出する流体の少なくとも一部分の流れを制限して、主ポペットの自動的な移動中に圧力変動を減衰するステップと、
チャンバ内の流体の少なくとも一部分と主ポペットの制御端部とを常に連通させるステップと、
主ポペットが流れ通過位置に向かって移動されるときに、チャンバから主ポペットの制御端部への流体流量を増すステップと、
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
所定値を変更するステップをさらに含み、変更するステップが、ソレノイド機構(158)に通電してリリーフ弁要素(77)を直接付勢するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
作業器具(14)と、
作業工具を移動させるように構成された油圧シリンダ(16)と、
油圧シリンダのチャンバ(50)の流体排出を行うように構成される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の弁(36)と
を備える作業機械(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−506282(P2009−506282A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529033(P2008−529033)
【出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【国際出願番号】PCT/US2006/027704
【国際公開番号】WO2007/027304
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(391020193)キャタピラー インコーポレイテッド (296)
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
【出願人】(000190297)キャタピラージャパン株式会社 (1,189)
【Fターム(参考)】