説明

光電素子及びその製造方法

【課題】本発明は光電素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明による光電素子であって、表面及び表面と垂直する法線方向を有する基板と、基板の表面に位置して表面と接触する第一半導体層と、第一半導体層と基板の表面の間に位置する少なくとも一つの空洞構造とを有し、少なくとも一つの空洞構造は幅と高さを有し、幅は空洞構造における表面に平行する方向の最大寸法であり、高さは空洞構造における法線方向に平行する方向の最大寸法であり、高さは幅より小さい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体と基板の間に形成された空洞構造を有する光電素子に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子の中、発光ダイオードは広い範囲で使用される光源である。従来の白熱電球又は蛍光灯管に比べ、発光ダイオードは節電及び耐用年数が長い特性を有するため、徐々に従来の光源に取って代わり、例えば交通信号灯、バックライトモジュール、街灯照明及び医療設備などの産業のような様々な分野に適用される。
【0003】
発光ダイオード光源の適用と発展に伴い、輝度に対する要求も高まってきた。現在、この分野において、発光効率を増加して輝度を高めることが共に努める重要な課題になった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は光電素子及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の光電素子であって、表面及び表面と垂直する法線方向を有する基板と、基板の表面に位置して表面と接触する第一半導体層と、第一半導体層と基板の表面の間に位置する少なくとも一つの空洞構造とを有し、少なくとも一つの空洞構造は幅と高さを有し、幅は空洞構造における表面に平行する方向の最大寸法であり、高さは空洞構造における法線方向に平行する方向の最大寸法であり、高さは幅より小さい。
【0006】
本発明の光電素子の製造方法であって、表面及び表面と垂直する法線方向を有する基板を提供し、基板の表面に第一半導体層を形成し、第一半導体層をパターン化し、基板上に第二半導体層を形成してパターン化された第一半導体層を覆い、第二半導体層と基板の表面の間に位置する少なくとも一つの空洞構造を形成するステップを含み、少なくとも一つの空洞構造は幅と高さを有し、幅は空洞構造における表面に平行する方向の最大寸法であり、高さは空洞構造における法線方向に平行する方向の最大寸法であり、高さは幅より小さい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1A】本発明の実施例による光電素子の製造工程を示す図である。
【図1B】本発明の実施例による光電素子の製造工程を示す図である。
【図1C】本発明の実施例による光電素子の製造工程を示す図である。
【図1D】本発明の実施例による光電素子の製造工程を示す図である。
【図1E】本発明の実施例による光電素子の製造工程を示す図である。
【図1F】本発明の実施例による光電素子の製造工程を示す図である。
【図2A】本発明の実施例による光電素子の製造工程を示す図である。
【図2B】本発明の実施例による光電素子の製造工程を示す図である。
【図2C】本発明の実施例による光電素子の製造工程を示す図である。
【図2D】本発明の実施例による光電素子の製造工程を示す図である。
【図2E】本発明の実施例による光電素子の製造工程を示す図である。
【図2F】本発明の実施例による光電素子の製造工程を示す図である。
【図3A】本発明の光電半導体素子の断面図である。
【図3B】本発明の光電半導体素子の断面図である。
【図3C】本発明の光電半導体素子の断面図である。
【図3D】本発明の光電半導体素子の断面図である。
【図4A】本発明の実施例によって形成された空洞の走査型電子顕微鏡による図である。
【図4B】本発明の実施例によって形成された空洞の走査型電子顕微鏡による図である。
【図4C】本発明の実施例によって形成された空洞の走査型電子顕微鏡による図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明を更に詳しく、完全に説明するため、図1A乃至図4Cを参照しながら下記のように説明する。
【0009】
図1A〜図1Fをもって、本発明による第一実施例の光電素子の製造方法を簡単に説明する。
【0010】
図1Aに示されているように、基板101の第一表面1011に第一半導体層102を成長させる。この基板は法線方向Nを有する。
【0011】
続いて、図1Bに示されているように、第一半導体層102をエッチングし、基板101の第一表面1011上に複数の第一半導体柱1021を形成する。この複数の第一半導体柱1021の側壁と基板101の第一表面1011は垂直ではない。本実施例において、第一半導体柱1021の両側壁と基板101の第一表面1011は角度α1とβ1を形成し、α1は20°〜75°の範囲にあり、β1は20°〜75°の範囲にある。実施例において、第一半導体柱1021の平均幅は0.5μm〜10μmの範囲にあり、平均間隔は0.5μm〜10μmの範囲にある。
【0012】
続いて、図1Cに示されているように、上記の基板の第一表面に第二半導体層1022を成長させる。この第二半導体層1022は、エピタキシャル横方向成長(Epitaxial Lateral Overgrowth; ELOG)の方式で成長する。この第二半導体層1022を成長させると共に、隣接する二つの第一半導体柱1021と基板101の第一表面1011の間に少なくとも一つの第一空洞1031を形成する。図1Dに示されているように、基板の法線方向Nにおいて、上記の第一空洞1031の全体断面はつり鐘の形になり、幅Wと高さHを有し、幅Wは表面に平行する方向における第一空洞1031の最大寸法であり、高さHは法線に平行する方向における第一空洞1031の最大寸法であり、高さHは幅Wより小さい。幅Wは、0.5μm〜10μm、1μm〜10μm、2μm〜10μm、3μm〜10μm、4μm〜10μm、5μm〜10μm、6μm〜10μm、7μm〜10μm、8μm〜10μm又は9μm〜10μmの範囲にある。別の実施例において、上記の第一空洞1031の高さHと幅Wの比率は2/3より大きくない。
【0013】
別の実施例では、複数の第一空洞1031を形成することができる。実施例において、この複数の空洞は相互連結され、一つ又は複数のメッシュ状の空洞群を形成する。その他、複数の第一半導体柱1021が規則的なアレイ構造であるため、上記の複数の第一空洞1031も規則的なアレイ構造に形成されることもある。なお、複数の第一空洞1031の平均高さHxは平均幅Wxより小さい。平均幅Wxは、0.5μm〜10μm、1μm〜10μm、2μm〜10μm、3μm〜10μm、4μm〜10μm、5μm〜10μm、6μm〜10μm、7μm〜10μm、8μm〜10μm又は9μm〜10μmの範囲にある。実施例において、上記の複数の第一空洞1031の平均高さHxと平均幅Wxの比率は2/3より大きくない。実施例において、上記の複数の第一空洞1031の平均間隔は、0.5μm〜10μm、1μm〜10μm、2μm〜10μm、3μm〜10μm、4μm〜10μm、5μm〜10μm、6μm〜10μm、7μm〜10μm、8μm〜10μm又は9μm〜10μmの範囲にある。上記の複数の第一空洞1031によって形成する空洞隙率Ф(porosity)は、第一空洞の総体積Vvを全体体積Vで割る値
【0014】
【数1】


で定義され、全体体積Vは第一空洞の総体積に第二半導体層の体積を加えた値である。本実施例において、空洞隙率Фは、5%〜90%、10%〜90%、30%〜90%、40%〜90%、50%〜90%、60%〜90%、70%〜90%又は80%〜90%の範囲にある。
【0015】
続いて、図1Eに示されたように、上記の第二半導体層1022の上面に主動層104と第三半導体層105を成長させる。
【0016】
最後に、図1Fに示されているように、上記の主動層104及び第三半導体層105の一部をエッチングして第2半導体層1022の一部を露出し、第二半導体層1022及び第三半導体層105の上に、光電素子100として二つの電極108、109を形成する。上記の電極108、109は、クロム(Cr)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、アルミニウム(Al)又は銀(Ag)等の金属材質から選択して構成される。
【0017】
本実施例において、上記の第一空洞1031は工程中で定義された中空構造である。この第一空洞1031は屈折率を有し、空気レンズとして適用される。光線が光電素子100の第一空洞1031に進入する場合、第一空洞1031の内部と外部材料の屈折率の相異(例えば、半導体層の屈折率は約2〜3の間にあり、空気の屈折率は約1である)によって、光線は第一空洞1031で出射方向が変更されて光電素子から出射する。これにより、光線の引出率を高める。一方、第一空洞1031は散乱中心として、光子の出射方向を変更し、且つ全反射を減少することもできる。空洞の密度を増加することで、上記の効果を更に増加することができる。
【0018】
具体的に、光電素子100は、発光ダイオード(LED)、フォトダイオード(photodiode)、フォトレジスター(photoresistor)、レーザー(laser)、赤外線エミッター(infrared emitter)、有機発光ダイオード(organic light−emitting diode)及び太陽電池(solar cell)の中の少なくとも一つを含む。基板101は成長及び/又は搭載の基礎であり、導電基板又は非導電基板、透光性基板又は非透光性基板から選択できる。導電基板の材質は、ゲルマニウム(Ge)、ヒ化ガリウム(GaAs)、リン化インジウム(InP)、炭化ケイ素(SiC)、ケイ素(Si)、アルミ酸リチウム(LiAlO)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)及び金属の内の一つである。透光基板の材質は、サファイア(Sapphire)、アルミ酸リチウム(LiAlO)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、金属、ガラス、ダイヤモンド、CVDダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン(Diamond−Like Carbon;DLC)、スピネル(spinel,MgAl)、アルミナ(Al)、酸化ケイ素(SiOx)及びガリウム酸リチウム(LiGaO)の内の一つである。
【0019】
上述の第一半導体層102、第二半導体層1022及び第三半導体層105は、互いに少なくとも二つの部分の電気的特性、極性又は不純物が異なり、或いはそれぞれ電子と空孔を提供する半導体材料の単層又は多層(「多層」は二層又は二層以上を示し、下記も同様である。)であり、電気的特性はp型、n型及びi型の中の少なくともいずれか二つの組合せから選択できる。主動層104は、第二半導体層1022及び第三半導体層105の間に位置し、電気エネルギーと光のエネルギーが変換又は変換するように誘発するエリアである。電気エネルギーを光のエネルギーに変換又は誘発するものとして、発光ダイオード、液晶ディスプレイ及び有機発光ダイオードがあり、光のエネルギーを電気エネルギーに変換又は誘発するものとして、太陽電池、フォトダイオードがある。上述の第一半導体層102、第二半導体層1022、主動層104及び第三半導体層105の材質は、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、砒素(As)、リン(P)、窒素(N)及びケイ素(Si)から構成された群から選択した一種又は一種以上の物質を含む。
【0020】
本発明の他の実施例による光電素子100は発光ダイオードであり、その発光の周波数スペクトルは半導体単層又は多層の物理又は化学要素を変更することで調整できる。通常、アルミニウムガリウムインジウムリン(AlGaInP)系、窒化アルミニウムガリウムインジウム(AlGaInN)系及び酸化亜鉛(ZnO)系等の材料が用いられる。主動層104の構造は、例えばシングルへテロ構造(single heterostructure;SH)、ダブルへテロ構造(double heterostructure; DH)、ダブルサイドダブルダブルヘテロ構造(double−side double heterostructure; DDH)又は多重量子井戸(multi−quantum well; MQW)である。さらに、量子井戸の対数を調整することで、発光の波長を変更することもできる。
【0021】
本発明の実施例において、第一半導体層102と基板101の間に選択的に移行層(図示されていない)を含むことができる。この移行層は二種類の材料システムの間に位置して、基板の材料システムが半導体システムの材料システムに「移行」するようにする。発光ダイオードの構造において、移行層は例えば緩衝層(buffer layer)等のような二種の材料間の格子不整合度を減少する材料層である。また、移行層は二種の材料又は二つの分離構造を結合する単層又は多層の構造でもあり、材料は有機材料、無機材料、金属及び半導体等から選択され、構造は反射層、熱伝導層、導電層、オーミック接触(ohmic contact)層、歪抵抗層、応力解放(stress release)層、応力調整(stress adjustment)層、結合層(bonding)、波長変換(stress adjustment)層及び機械固定構造等から選択できる。
【0022】
第三半導体層105の上に更に選択的に接触層(図示されていない)を形成することができる。接触層は、第三半導体層105の主動層104から離れた側に設けられる。具体的に、接触層は光学層、電気層又はその二つの組合せである。光学層は主動層104から射出する電磁放射又は光線、或いは主動層104に進入する電磁放射又は光線を変更する。ここでいう「変更」とは、電磁放射又は光線の少なくとも一種の光学特性を変更することであり、上記の特性は、周波数、波長、強度、フラックス、効率、色温度、演色性(rendering index)、ライトフィールド(light field)及び画角(angle of view)を含むが、これらに限定されていない。電気層は、接触層のいずれか一組の相対側の間の電圧、抵抗、電流、コンデンサーのうちの少なくとも一つの数値、密度、分布に変化又は変化の傾向があるようにする。接触層を構成する材料として、酸化物、電気伝導性酸化物、透明酸化物、50%又はそれ以上の透過率を有する酸化物、金属、相対透光金属、50%又はそれ以上の透過率を有する金属、有機物、無機物、螢光物質、燐光物質、セラミックス、半導体、不純物を含む半導体及び不純物を含まない半導体の中の少なくとも一つを含む。適用に応じて、接触層の材料は酸化インジウムスズ、酸化カドミウム−酸化スズ、アンチモン酸化スズ(antimony tin oxide)、インジウム−亜鉛酸化物、亜鉛−アルミニウム酸化物及び酸化亜鉛スズの中の少なくとも一つである場合もある。相対する透光金属である場合、厚さは約0.005μm〜0.6μmである。
【0023】
上記の第一実施例で説明した第一半導体層102を複数の第一半導体柱1021にエッチングする方法について、図2A〜図2Fを参照しながら更に詳細に説明する。図2Aを参照するに、基板101の第一表面1011に第一半導体層102を成長させる。その後、第一半導体層102の上にエッチングレジスト層106を成長させ、その材料はシリカ(SiO)である。
【0024】
次に、図2Cから図2Dを参照するに、エッチングレジスト層106の上面に非連続のフォトレジスト層107を形成し、フォトリソグラフィー工程(Photolithography)でフォトマスクを介して上記のエッチングレジスト層106を現像し、パターン化されたエッチングレジスト層1061を形成する。本実施例において、上記のパターン化されたエッチングレジスト層1061は規則的なアレイパターンであり、平均的な幅hは0.5μm〜10μmであり、平均的な間隔は0.5μm〜10μmである。
【0025】
図2Eを参照するに、上記のパターン化されたエッチングレジスト層1061を介して第一半導体層102に対して異方性エッチング(anisotropic etching)を行う。例えば、誘導結合型プラズマ(inductive coupling plasma, ICP)エッチングで露出した第一半導体層102をエッチングし、複数の第一半導体柱1021を形成する。実施例において、この第一半導体柱1021の平均的な幅は0.5μm〜10μmであり、平均的な間隔は0.5μm〜10μmである。
【0026】
最後に、図2Fを参照するに、例えば蓚酸、水酸化カリウム、燐酸又は硫酸溶液などの単一又は混合溶液を使用してエッチング液とし、上記の複数の第一半導体柱1021に対して局部的な異方性ウェットエッチング(wet etching)を行う。異方性エッチングを用いる場合、上記の複数の第一半導体柱1021の側壁と基板101の第一表面1011が互いに垂直ではない。簡単に言えば、異なる結晶構造又は結晶品質に対するエッチング液のエッチング速度を利用して、第一半導体柱1021の側壁構造及び対応する大きさを定義することができる。実施例において、この第一半導体柱1021の両側壁と基板101の第一表面1011は−α1とβ1の角度を形成し、α1は20°〜75°の範囲にあり、β1は20°〜75°の範囲にある。
【0027】
図3A〜図3Dを参照しながら、本発明の他の実施例を説明する。本実施例において、上記の図2E〜図2Fに示されたエッチング方法を調整して異なる形状の空洞を形成する。他の工程は上記の実施例と同様なので、ここで説明を省略する。
【0028】
図3Aを参照するに、複数の第一半導体柱1021は側壁が基板表面に垂直な第一部分10211及び側壁が基板101と垂直ではない第二部分10212を含む。本実施例において、この第一半導体柱の第二部分10212の両側壁と基板101の第一表面1011は−α2とβ2の角度を形成し、α2は20°〜75°の範囲にあり、β2は20°〜75°の範囲にある。第一半導体柱1021の平均的な幅は0.5μm〜10μmであり、平均的な間隔は0.5μm〜10μmである。
【0029】
次に、図3Bを参照するに、上述の工程を通じて第二半導体層1022を形成し、少なくとも一つの第二空洞1032及び隣接する二つの第一半導体柱1021と基板101の間を覆う。
【0030】
図3C〜図3Dを参照するに、基板の法線方向Nにおいて、上記の第二空洞1032の全体断面はウィザードハット(wizard’s hat)の形に形成され、ほぼ平板状に形成された下部10321及びほぼ円錐状に形成された上部10322を有する。下部10321は基板101の表面に平行する長辺を有し、第二空洞1032の全体断面は法線方向と平行する高さH(上部10321と下部10322を含む総高さである)を有し、この高さHは第二空洞1032における法線方向に平行する最大寸法であり、下部10321は幅W(長辺の幅)を有し、この幅Wは第二空洞における下部10321の表面に平行する方向の最大寸法である。なお、上記の高さHは幅Wより小さい。幅Wは0.5μm〜10μm、1μm〜10μm、2μm〜10μm、3μm〜10μm、4μm〜10μm、5μm〜10μm、6μm〜10μm、7μm〜10μm、8μm〜10μm又は9μm〜10μmの範囲にある。また、別の実施例において、上記の高さHと幅Wの比率は2/3より大きくない。本実施例において、全体断面の上部10322は円錐状に形成される。即ち、基板に近接する底面の幅は基板から離れる方向へ徐々に小さくなり、頂点は鋭い角状、弧状及びボール状に形成され、上方から見ると上部10322は下部10321の中に位置する。
【0031】
別の実施例において、図3Dを参照するに、下部10321の長辺の二つの縁と基板101の表面は夾角θを形成し、θは20°〜75°の範囲にある。
【0032】
別の実施例において、二つの隣接する第一半導体柱1021と基板101の間に複数の第二空洞1032を形成する。実施例において、この複数の空洞は相互連結され、一つ又は複数のメッシュ状の空洞群を形成する。その他、複数の第一半導体柱1021が規則的なアレイ構造であるため、上記の複数の第二空洞1032も規則的なアレイ構造に形成されることもある。なお、複数の第二空洞1032の平均高さHxは平均幅Wxより小さい。平均幅Wxは、0.5μm〜10μm、1μm〜10μm、2μm〜10μm、3μm〜10μm、4μm〜10μm、5μm〜10μm、6μm〜10μm、7μm〜10μm、8μm〜10μm又は9μm〜10μmの範囲にある。実施例において、上記の第二空洞1032の平均高さHxと平均幅Wxの比率は2/3より大きくない。実施例において、上記の第二空洞1032の平均間隔は、0.5μm〜10μm、1μm〜10μm、2μm〜10μm、3μm〜10μm、4μm〜10μm、5μm〜10μm、6μm〜10μm、7μm〜10μm、8μm〜10μm又は9μm〜10μmの範囲にある。上記の複数の第二空洞1032によって形成する空洞隙率Ф(porosity)は、第二空洞の総体積Vvを全体体積Vで割る値
【0033】
【数2】


で定義され、全体体積Vは第二空洞の総体積に第二半導体層の体積を加えた値である。本実施例において、空洞隙率Фは、5%〜90%、10%〜90%、30%〜90%、40%〜90%、50%〜90%、60%〜90%、70%〜90%又は80%〜90%の範囲にある。
【0034】
図4A〜図4Cは、本発明の実施例によって形成された空洞の走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscopy, SEM)による図である。図4Aを参照するに、空洞の上部の頂点は鋭い角状に形成される。図4Bを参照するに、空洞の上部の頂点は弧状に形成される。図4Cを参照するに、空洞は規則的なアレイを形成する。
【0035】
上記の図面及び説明はそれぞれ特定の実施例に対応するが、当業者は、各実施例で説明又は開示した素子、実施方式、設計基準及び技術原理は、明らかに相互衝突、矛盾又は共に実施できない場合を除いて、必要に応じて自由に参照、交換、組合せ、調和又は合併できることを理解しなければならない。
【0036】
上記のように、本発明を説明したが、本発明の範囲、実施順序又は使用される材料と工程の方法は、上記の説明によって限定されない。本発明に対して行った各種変更と修飾は、依然として本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0037】
101 基板
102 第一半導体層
1031 第一空洞
1032 第二空洞
104 主動層
1022 第二半導体層
105 第三半導体層
106 エッチングレジスト層
107 フォトレジスト層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電素子であって、
表面及び前記表面と垂直する法線方向を有する基板と、
前記基板の前記表面に位置して前記表面と接触する第一半導体層と、
前記第一半導体層と前記基板の前記表面の間に位置する少なくとも一つの空洞構造と、を有し、
前記少なくとも一つの空洞構造は幅と高さを有し、前記幅は前記空洞構造における前記表面に平行する方向の最大寸法であり、前記高さは前記空洞構造における前記法線方向に平行する方向の最大寸法であり、前記高さは前記幅より小さいことを特徴とする光電素子。
【請求項2】
前記少なくとも一つの空洞構造の全体断面の形状は、つり鐘又はウィザードハットの中の一つであることを特徴とする請求項1記載の光電素子。
【請求項3】
前記幅は0.5μm〜10μmの範囲にあり、前記高さと前記幅の比率は2/3より大きくないことを特徴とする請求項1記載の光電素子。
【請求項4】
前記光電素子は複数の前記空洞構造を有し、前記複数の空洞構造は相互連結されて一つ又は複数のメッシュ状の空洞群を形成し、或いは、前記複数の空洞構造は規則的なアレイを形成し、前記複数の空洞構造の平均間隔は0.5μm〜10μmの範囲にあり、空洞隙率は5%〜90%の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の光電素子。
【請求項5】
さらに、前記第一半導体層の上に形成された主動層及び第二半導体層を含むことを特徴とする請求項1記載の光電素子。
【請求項6】
前記空洞構造の全体断面はウィザードハットの形に形成され、平板状の下部及び円錐状の上部を有し、前記上部の頂点は鋭い角状、弧状又はボール状に形成され、前記空洞構造を上方から見ると、前記上部は前記下部の中に位置することを特徴とする請求項2に記載の光電素子。
【請求項7】
前記下部は長辺を有し、前記長辺は前記基板の表面に平行し、前記長辺の幅は0.5μm〜10μmの範囲にあり、及び/又は前記長辺の二つの縁と基板の表面は夾角θを形成し、前記θ角は20°〜75°の範囲にあることを特徴とする請求項6記載の光電素子。
【請求項8】
光電素子の製造方法であって、
表面及び前記表面と垂直する法線方向を有する基板を提供するステップと、
前記基板の前記表面に第一半導体層を形成するステップと、
前記第一半導体層をパターン化するステップと、
前記基板上に第二半導体層を形成して前記パターン化された第一半導体層を覆うステップと、
前記第二半導体層と前記基板の前記表面の間に位置する少なくとも一つの空洞構造を形成するステップと、を含み
前記少なくとも一つの空洞構造は幅と高さを有し、前記幅は前記空洞構造における前記表面に平行する方向の最大寸法であり、前記高さは前記空洞構造における前記法線方向に平行する方向の最大寸法であり、前記高さは前記幅より小さいことを特徴とする光電素子の製造方法。
【請求項9】
前記少なくとも一つの空洞構造の全体断面の形状は、つり鐘又はウィザードハットの中の一つであることを特徴とする請求項8記載の光電素子の製造方法。
【請求項10】
前記幅は0.5μm〜10μmの範囲にあり、前記高さと前記幅の比率は2/3より大きくないことを特徴とする請求項8記載の光電素子の製造方法。
【請求項11】
前記光電素子は複数の前記空洞構造を有し、前記複数の空洞構造は相互連結されて一つ又は複数のメッシュ状の空洞群を形成し、或いは、前記複数の空洞構造は規則的なアレイを形成し、前記複数の空洞構造の平均間隔は0.5μm〜10μmの範囲にあり、空洞隙率は5%〜90%の範囲にあることを特徴とする請求項8記載の光電素子の製造方法。
【請求項12】
前記空洞構造の全体断面はウィザードハットの形に形成され、平板状の下部及び円錐状の上部を有し、前記上部の頂点は鋭い角状、弧状又はボール状に形成され、前記空洞構造を上方から見ると、前記上部は前記下部の中に位置することを特徴とする請求項9に記載の光電素子の製造方法。
【請求項13】
前記下部は長辺を有し、前記長辺は前記基板の表面に平行し、前記長辺の幅は0.5μm〜10μmの範囲にあり、及び/又は前記長辺の二つの縁と基板の表面は夾角θを形成し、前記θ角は20°〜75°の範囲にあることを特徴とする請求項12記載の光電素子の製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【公開番号】特開2012−94752(P2012−94752A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−242039(P2010−242039)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(598061302)晶元光電股▲ふん▼有限公司 (44)
【Fターム(参考)】