説明

共重合体、バッファ膜用組成物、それを用いたパターン形成方法及びそれを用いたキャパシタの製造方法

【課題】露光工程なしで現象溶液に対して容易なエッチング速度を有する共重合体、分子樹脂組成物及びそれを用いたパターン及びキャパシタの製造方法を提供する。
【解決手段】バッファ膜用高分子組成物は、ベンジルメタクリレート、アルキルアクリル酸及びヒドロキシアルキルメタクリレートを含む共重合体、架橋剤、熱酸発生剤、界面活性剤及び残部の溶媒を含む組成を有する。このような組成を有する高分子組成物で形成されたバッファ膜は半導体素子のパターン及びキャパシタを形成する工程の縮小及び工程効率を極大化させることができるアッシング特性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共重合体、高分子組成物、それを用いたパターン形成方法及びそれを用いた半導体素子の製造方法に関する。より詳細には、バッファ膜用高分子組成物、それを含む高分子組成物、それを用いたシリンダー構造を有するパターンの形成方法及びそれを用いたキャパシタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、半導体素子のうちDRAM装置は、単位セルとして一つのアクセストランジスタと一つの蓄積キャパシタを含む。そして、前記キャパシタは集積度の増加を要求する最近の半導体素子に合わせてその大きさをさらに減少させる必要がある。従って、縮小された大きさの中でも高い蓄積容量を有するキャパシタを製造することが前記半導体装置の製造においてより重要な問題として浮き彫りになりつつある。
【0003】
よく知られたように、前記キャパシタの蓄積容量は下記数式:
【0004】
【数1】

【0005】
(前記ε及びεは、それぞれ真空中での誘電率及び誘電膜の誘電率を意味し、前記Aは、下部電極の有効面積を示し、前記dは、誘電膜の厚さを意味する)
で示すことができる。
【0006】
前記数式に示すように、前記半導体キャパシタの蓄積容量を向上させるための方法としては、下部電極の有効面積増加、誘電膜の厚さの減少、誘電膜としての高誘電率物質の使用、などを考慮することができる。特に、前記下部電極の有効面積を増加させるための方法として、最近では、前記キャパシタの下部電極を、幅に比べて非常に高い高さを有するシリンダー型で形成している。
【0007】
前記シリンダー型の下部電極を有するキャパシタを製造する方法についての例は、「特許文献1」、「特許文献2」、「特許文献3」および「特許文献4」などに開示されている。
【0008】
前記のような従来の方法に従って製造した半導体キャパシタの下部電極の製造方法を説明すると、半導体基板上に高い縦横比を有しながら、互いに隣接するように配置され、ノードが分離されたシリンダー型の下部電極を形成する。特に、前記半導体基板上にはコンタクトパッドを含む層間絶縁膜が形成されており、前記シリンダー型の下部電極は、前記コンタクトパッドと連結される。
【0009】
前記下部電極の形成を具体的に説明すると、前記開口部を有するモルード膜パターンを形成した後、前記開口部の底面および側面、ならびに、前記モルード膜パターンの上部表面上に、下部電極用導電膜を実質的に均一な厚さを有するように形成する。そして、前記下部電極用導電膜が形成された開口部に埋設され、前記モルード膜パターン上の導電膜を露出させるバッファ膜を形成する。続いて、前記モールド膜パターン上の導電膜を除去した後、前記モルード膜パターンとバッファ膜を除去することでシリンダー型の下部電極が形成される。
【0010】
前記シリンダー型を有する下部電極を形成するためのノード分離工程で適用されるバッファ膜パターンとしては酸化物からなるパターンまたはフォトレジスト物質からなるバッファ膜パターンが適用される。
【0011】
前記酸化物からなるバッファ膜パターンを形成するためには、酸化物蒸着工程を実施してバッファ用酸化膜を形成した後、前記バッファ用酸化膜にエッチバック工程または化学機械的研磨工程を実施しなければならない。これにより、前記バッファ膜パターンを形成するための工程は、酸化物蒸着及びエッチング工程の際に、数時間が所要され、形成されるバッファ膜パターンの内部にボイドが生成されるという問題点が起こる。特に、前記開口部の縦横比が増加することにより、バッファ用酸化膜が、前記開口部を完全に満たす前に入口が閉鎖され、バッファ膜パターン内部にボイドが形成されることができる。バッファ膜パターン内部にボイドが形成される場合、下部電極用導電膜の上部を部分的に除去して下部電極を形成するためのノード分離工程で、前記開口部の底面及び側壁上に形成された下部電極が損傷される恐れがある。また、前記ボイドが存在しないバッファ膜パターンを形成するためにはバッファ膜パターンを原子層積層工程で実施することもできるが、これは工程費用及び時間が大きく増加するという問題がある。
【0012】
また、フォトレジストからなるバッファ膜パターンを形成するためにはフォトレジスト膜を形成した後前記フォトレジスト膜に露光工程、現象溶液を用いた現象工程、洗浄工程、ベイク工程を順次に実施しなければならない。
【0013】
例えば、従来のノボラックフォトレジスト組成物はフェノール系ノボラック樹脂、DNQ型溶解抑制剤及び有機溶媒を含む。一般的に、ノボラック樹脂はシクロヘキサノン、アセトン、エチル乳酸塩などの有機溶媒に溶解されるが、DNQ型溶解抑制剤を含むノボラックフォトレジスト組成物は、DNQ溶解抑制剤の含量が増加することにより溶媒に対する溶解速度が減少する。しかし、前記ノボラックフォトレジスト組成物の露光された部位は、純粋なノボラック樹脂より非常に向上された溶解速度を有する。従って、前記ノボラックフォトレジスト組成物を用いて形成された膜の除去には、工程効率面で露光工程が必須的に要求される。また、前記ノボラックフォトレジスト組成物は、約270℃以上の温度で硬化させるベイク工程が必須的に要求される。
【0014】
従って、バッファ膜パターンを従来のノボラック系フォトレジスト組成物として形成する場合、バッファ膜パターンの除去に、高価な露光装備が要求され、イソプロピルアルコールを用いた乾燥工程の際、乾燥設備の汚染を防止するために、前記フォトレジストを約270℃以上の温度で硬化させるベイク工程が必須的に要求される。また、前記高温のベイク工程に起因して硬化されたフォトレジストはプラズマアッシング工程の際、除去が容易でない問題点が惹起される。
【特許文献1】大韓民国公開特許2004−1886号明細書
【特許文献2】大韓民国公開特許2005−2369号明細書
【特許文献3】米国特許第6,700,153号明細書
【特許文献4】米国特許第6,171,902号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
前述した問題点を解決するための本発明の目的は、露光工程が要求されなく容易なアッシング特性を有するバッファ膜形成用組成物に適用される重合体を提供することにある。
【0016】
本発明の他の目的は、前述した特性を有するバッファ膜形成用組成物を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、前記組成物を用いたパターン形成方法を提供することにある。また、本発明のさらに他の目的は前記組成物を用いたキャパシタの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前述した目的は下記(1)〜(17)の発明により達成される。
(1)
下記式(I):
【0018】
【化1】

【0019】
(式(I)において、L、M及びNは、各構成単位の重合度を表し、0.4≦L≦0.8、0<M≦0.25、0<N≦0.35、及びL+M+N=1で表される式を満足し、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素数1〜6ののアルキレン基及びこれらの誘導体からなる群から選択されるいずれか一種であり、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜6ののアルキル基及びこれらの誘導体からなる群から選択されるいずれか一種である)
で表される構造を有することを特徴とする、共重合体。
(2)
0.45≦L≦0.65および0.15≦M≦0.25で表される式を満足することを特徴とする、(1)に記載の共重合体。
(3)
0.20≦N≦0.27で表される式を満足することを特徴とする、(1)に記載の共重合体。
(4)
前記共重合体は、6700〜7500の重量平均分子量を有することを特徴とする、(1)〜(3)のいずれか1つに記載の共重合体。
(5)
フェニルアルキルメタクリレート61〜75質量%と、
アルキルアクリル酸8〜15質量%と、
残部のヒドロキシアルキルメタクリレートと、
を含む原料を、重合させて得られることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれか1つに記載の共重合体。
(6)
前記共重合体は、前記ヒドロキシアルキルメタクリレート17〜24質量%を含むことを特徴とする、(1)〜(5)のいずれか1つに記載の共重合体。
(7)
前記アルキルアクリル酸は、メタクリル酸を含み、0.17≦M≦0.25で表される式を満足することを特徴とする、(1)〜(6)のいずれか1つに記載の共重合体。
(8)
前記式(I)中のR〜Rは、それぞれ独立であり、
およびRは炭素数1〜4のアルキレン基であり、ならびに
は炭素数1〜4のアルキル基である、(1)〜(7)のいずれか1つに記載の共重合体。
(9)
前記フェニルアルキルは、ベンジルメタクリレートを含み、
前記アルキルアクリル酸は、メタクリル酸を含み、
前記ヒドロキシアルキルメタクリレートは、ヒドロキシエチルメタクリレートを含むことを特徴とする、(1)〜(8)のいずれか1つに記載の共重合体。
(10)
残部の(1)〜(9)のいずれか1つに記載の共重合体と、
架橋剤と、
熱酸発生剤と、
界面活性剤と、
溶媒と、
を含むことを特徴とする、バッファ膜用高分子組成物。
(11)
前記溶媒は、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチル乳酸塩、γ−ブチロラクトン、エチル3−エトキシプロピオネート、N−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、カルビトールアセテート、アジピン酸ジメチル及びスルホランからなる群から選択される少なくとも一種を含むことを特徴とする、(10)に記載のバッファ膜用高分子組成物。
(12)
半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜に開口部を形成する工程と、
前記絶縁膜の上面、ならびに、前記開口部の底面および側面上に導電膜を形成する工程と、
前記開口部を閉じるように、前記導電膜上に(1)〜(9)のいずれか1項に記載の共重合体を含むバッファ膜を形成する工程と、
前記バッファ膜の上部を、現像液を用いて除去し、前記絶縁膜の上面に形成された導電膜を露出させ、前記バッファ膜の残りの部分によって前記開口部を閉じる工程と、
前記開口部の底面および側面上に形成された導電膜が、前記バッファ膜の残りの部分によって保護される間に、前記絶縁膜の上面に形成された導電膜を除去する工程と、
を含むことを特徴とする、パターンの形成方法。
(13)
半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜に開口部を形成する工程と、
前記絶縁膜の上面、ならびに、前記開口部の底面および側面上に導電膜を形成する工程と、
前記開口部を閉じるように、前記導電膜上に(1)〜(9)のいずれか1つに記載の共重合体を含むバッファ膜を形成する工程と、
前記バッファ膜の上部を、現像液を用いて除去し、前記絶縁膜の上面に形成された導電膜を露出させ、前記バッファ膜の残りの部分によって前記開口部を閉じる工程と、
前記開口部の底面および側面上に形成された導電膜は残し、かつ前記絶縁膜の上面に形成された前記導電膜を除去して、前記開口部の底面および側面上に残された前記導電膜を下部電極構造物とする工程と、
前記絶縁膜を除去する工程と、
前記バッファ膜の残り部分を除去する工程と、
前記下部電極構造物上に誘電膜を形成する工程と、
前記誘電膜上に上部電極を形成する工程と、
を含むことを特徴とする、キャパシタの製造方法。
(14)
半導体基板上に電気素子を形成する工程と、
前記電気素子上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜に開口部を形成し、前記電気素子上のコンタクト領域を露出する工程と、
前記絶縁膜の上面、ならびに、前記開口部の底面および側面上に導電膜を形成する工程と、
前記開口部を満たすように、前記導電膜上に(1)〜(9)のいずれか1項に記載の共重合体を含むバッファ膜を形成する工程と、
前記バッファ膜の上部を、現像液を用いて除去し、前記絶縁膜の上面に形成された導電膜を露出させ、前記バッファ膜の残りの部分によって前記開口部を閉じる工程と、
前記開口部の底面および側面上に形成された導電膜は残し、かつ前記絶縁膜の上面に形成された前記導電膜を除去して、前記開口部の底面および側面上に残された前記導電膜を下部電極構造物とする工程と、
前記バッファ膜の残りの部分を除去する工程と、
前記絶縁膜を除去する工程と、
前記下部電極構造物上に、誘電膜を形成する工程と、
前記誘電膜上に、上部電極を形成する工程と、
を含むことを特徴とする、半導体装置の製造方法。
(15)
前記現像液は、水酸化テトラメチルアンモニウム1〜5質量%及び残部の水を含むことを特徴とする(14)に記載の半導体装置の製造方法。
(16)
前記バッファ膜の上部は、前記現像液を用いて30Å/sec以上の平均除去速度で除去されることを特徴とする、(14)または(15)に記載の半導体装置の製造方法。
(17)
前記バッファ膜の残りの部分は、アッシング工程で除去され、150Å/sec以上の平均除去速度で除去されることを特徴とする、(14)〜(16)のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る重合体を含む組成物は、バッファ膜の形成の際、既存のフォトレジストと異なり、露光工程が要求されず、低い硬化温度が要求される。また、フォトレジストパターンに比べてアッシング工程で容易に除去されることができる。さらに、本発明に係る共重合体を含むバッファ膜用組成物は、露光工程なしで、現象溶液を用いて、必要な部分のみを除去する現象工程を実施することができる。また、現象溶液に対する溶解速度を容易に調節することができ、既存のフォトレジストのベイキング温度よりも低い温度で硬化される特性を有する。そして、硬化工程を実施したその後にも既存のフォトレジストよりプラズマアッシング工程で約6倍程度早く除去される特性を有する。従って、本発明に係る共重合体を含む組成物を用いれば、半導体素子のパターン及びキャパシタの製造工程の単純化及び工程効率を極大化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
共重合体及び高分子組成物
本発明の共重合体及びそれを含む本発明に係る高分子組成物は、シリンダー形状のパターンを形成するために適用されるフォトレジストの代わりに新しく開発されたものである。
【0022】
本発明の共重合体は下記式(I):
【0023】
【化2】

【0024】
(前記式(I)において、L、M及びNは各構成単位の重合度を表し、0.4≦L≦0.8、0<M≦0.25、0<N≦0.35、及びL+M+N=1で表される式を満足し、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキレン基及びこれらの誘導体からなる群から選択されるいずれか一種であり、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基及びこれらの誘導体からなる群から選択されるいずれか一種である)で表される構造を有する。
【0025】
本発明に係る重合体の式(I)中、R〜Rは、それぞれ独立であり、前記RおよびRは炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜4のアルキレンがより好ましく、Rは、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。
【0026】
前記炭素数1〜6のアルキレン基は、直鎖であっても、分岐であっても、環状であってもよく特に制限されないが、具体的にはメチレン基、エチレン基、トリエチレン基、テトラメチレン基、n−プロピレン基、i−プロピレン基、シクロプロピレン、シクロブチレン、n−ブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン基、シクロへキシレン基などが挙げられ、前記炭素数1〜4のアルキレン基は、メチレン基、エチレン基、トリエチレン、テトラメチレン、n−プロピレン基、i−プロピレン基、n−ブチレン基、sec−ブチレン基、シクロプロピレン基、シクロブチレン基およびtert−ブチレン基などが挙げられる。
【0027】
前記炭素数1〜6のアルキル基は、直鎖であっても、分岐であっても、環状であってもよく特に制限されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、およびシクロペンチル基などが挙げられ、前記炭素数1〜4のアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、シクロプロピル基、およびシクロブチル基などが挙げられる。
【0028】
本発明に係る重合体の式(I)中において、各構成単位の重合度の合計L+M+N=1であり、各構成単位の重合度Lは、0.4≦L≦0.8が好ましく、0.45≦L≦0.65がより好ましく、重合度Mは、0<M≦0.25が好ましく、0.15≦M≦0.25がより好ましく、0.17≦M≦0.25が特に好ましく、重合度Nは、0≦N≦0.35が好ましく、0.20≦N≦0.27がより好ましく、0.20≦N≦0.25がさらに好ましい。なお、前記各構成単位の重合度L、M、およびNは、L+M+N=1である。
【0029】
本発明に係る重合体を構成する繰り返し単位の結合形式は、特に制限されず、ランダム、ブロックのいずれの形態で付加してもよい。また、各構成単位の重合度は、当業者に既知の方法で測定でき、例えばESR、NMR、IRなどが考えられるが、これらに制限されるものではない。
【0030】
本発明の共重合体の例として、下記式(II):
【0031】
【化3】

【0032】
(前記式(II)において、L、M及びNは、各構成単位の重合度を表し、0.4≦L≦0.8、0<M≦0.25、0<N≦0.35、及びL+M+N=1で表される式を満足し、前記式(I)のR、R、及びRがそれぞれプロピレン基、メチル基及びエチレン基の場合である)
で表される構造を有する高分子組成物を挙げることができる。
【0033】
本発明の係る共重合体の分子量は、ガスクロマトグラフィやゲル透過クロマトグラフィなどのクロマトグラフィ、MSスペクトル、静的光散乱法、粘度測定法などの公知の分子量の測定方法を用いて測定できるが、例えば、後述する実施例に記載されているようにゲル透過クロマトグラフィを用いて本発明に係る共重合体を測定することが好ましく、ゲル透過クロマトグラフィを用いて本発明の共重合体を測定した場合における分子量は、望ましくは、ポリスチレン換算重量平均分子量が6700〜7500であり、数平均分子量が、2600〜3200である。より望ましくは、ポリスチレン換算重量平均分子量が6900〜7200であり、数平均分子量が2800〜3100である。
【0034】
本発明に係る共重合体は、フェニルアルキルメタクリレート61〜75質量%、アルキルアクリル酸8〜15質量%及びヒドロキシアルキルメタクリレートを含む原料を重合させて得られることが好ましい。
【0035】
なお、上記の単量体であるフェニルアルキルメタクリレートは、ベンジルメタクリレートを含み、上記の単量体であるアルキルアクリル酸は、メタクリル酸を含み、上記の単量体であるヒドロキシアルキルメタクリレートは、ヒドロキシエチルメタクリレートを含みうる概念であることは言うまでもない。
【0036】
また、前記フェニルアルキルメタクリレートは、メタクリル酸のカルボキシル基の水素が、フェニル基で置換されている炭素数1〜6個のアルキル基(好ましくは炭素数1〜4個のアルキル基)に置換されているメタクリレート誘導体を1種選択しても、複数の異なる前記メタクリレート誘導体を選択してもよく、同様に、前記アルキルアクリル酸は、アクリル酸のメチン基の水素が、炭素数1〜6個のアルキル基(好ましくは炭素数1〜4個のアルキル基)に置換されているアクリル酸誘導体を1種選択しても、複数の異なる前記アクリル酸誘導体を選択してもよく、または前記ヒドロキシアルキルメタクリレートは、メタクリル酸のカルボキシル基の水素が、水酸基で置換されている炭素数1〜6個のアルキル基(好ましくは炭素数1〜4個のアルキル基)に置換されているメタクリレート誘導体を1種選択しても、複数の異なる前記メタクリル酸誘導体を選択してもよい。なお、前記炭素数1〜6個のアルキル基(好ましくは炭素数1〜4個のアルキル基)は、上記式(I)に説明したアルキル基と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0037】
本発明に係る共重合体は、必要に応じて例えば、溶媒、反応活性剤(開始剤)、反応抑制剤及び/または粘度調節剤のような他の成分と組み合わせて用いられうる。
【0038】
本発明に係る共重合体を重合する際の溶媒は、公知の溶媒を使用することができ、例えば水溶性溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、メチルエチルケトンやメチルイソブチルケトン等のケトン類が挙げられ、非水溶性溶媒としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテル類;ヘキサン、トルエン、キシレン、ベンゼン;エチルアセテート、イソプロピルアセテート、ノルマルプロピルアセテート、ブチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、酢酸3−メトキシブチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどのエステル類などが挙げられ、エチルアセテート、イソプロピルアセテート、ノルマルプロピルアセテート、ブチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、酢酸3−メトキシブチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどのエステル類が好ましい。
【0039】
また、必要に応じて重合の際に少量の極性化合物を溶剤に溶解してもよい。極性化合物は開始剤の効率を改良するために使用され、例えばテトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等のアミン類、チオエーテル類、ホスフィン類、ホスホルアミド類、アルキルペンゼンスルホン酸塩、カリウムやナトリウムのアルコキシド等が挙げられるが、好ましい極性化合物はテトラヒドロフランである。
【0040】
本発明に係る共重合体を重合する際の反応活性剤(開始剤)は、公知の開始剤を使用することができ2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物、又は過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の過酸化物などが挙げられる。
【0041】
本発明に係る重合反応のその他の反応条件は、反応温度を0℃〜100℃程度に保ち、反応時間を0.2時間〜48時間程度とするのが好ましいが、この範囲を外れる場合を排除するものではない。
【0042】
本発明に係る共重合体を含む高分子組成物を用いてバッファ膜を形成する場合、前記高分子組成物の溶解速度は、前記バッファ膜のエッチング速度に影響を与える。特に、前記共重合体を含む高分子組成物の溶解速度は、前記共重合体に結合されたアクリル酸単量体の比率と相関関係を有する。本発明の一実施例によるアクリル酸の比率の低い、共重合体を含む高分子組成物は、比較的低い溶解速度を有する。例えば、前記共重合体に含まれるメタクリル酸単量体の含量が8質量%未満の場合、本発明に係る共重合体で形成されたバッファ膜は、現象溶液に対して30Å/sec以下の速度でエッチングされる特性を有する。一方、前記共重合体に含まれるメタクリル酸単量体の含量が、15質量%を超過する場合、本発明に係る共重合体から形成されたバッファ膜は、1000Å/sec以上の速度でエッチングされる特性を有する。即ち、本発明のバッファ膜用高分子組成物は、メタクリル酸由来の構成単位の含量変化によりそのエッチング速度を容易に調整することができる特性を有する。
【0043】
本発明の一実施例による、前記式(II)の構造を有する共重合体は、フェニルアルキルメタクリレート単量体61〜75質量%、メタクリル酸単量体8〜15質量%及びヒドロキシエチルメタクリレート単量体17〜24質量%を含む原料から重合されることが好ましい。
【0044】
前記単量体は、重合後の構造式が前記式(I)になる条件下で、その種類及び質量比率を適切に調節することができる。前記構成単位は、それぞれの群から選択される一種以上の単量体由来の構成単位を含むことができる。例えば、Rにおいて、前記式(I)を満足する条件下で、ヒドロキシエチルメタクリレート及びヒドロキシプロピルメタクリレート単量体由来の構成単位の混合物を使用することができる。
【0045】
また、本発明において、所望する物性(例えば、溶解速度)を有する高分子組成物を得るために、前述したように関連する単量体を組み合せたり、含量を適切に調節したりすることができる。例えば、望ましいエッチング速度を有するバッファ膜を形成するためには共重合体は、原料としてのメタクリル酸単量体を、約10〜13質量%含有したものを重合させて得ることがより望ましい。
【0046】
本発明のバッファ膜用高分子組成物は、前述した共重合体を少なくとも一種以上含むことが好ましい。例えば、前記高分子組成物は、前記式(I)の共重合体を少なくとも50質量%以上含むことができ、90質量%以上含むこともできる。望ましくは、前記高分子組成物は総質量に対して共重合体を75〜93質量%を含む。
【0047】
本発明に係る高分子組成物は、前記共重合体の他にも、架橋剤、熱酸発生剤、界面活性剤及び溶媒をさらに含むことができる。
【0048】
前記架橋剤及び熱酸発生剤は、前記高分子組成物から形成されたバッファ膜を熱処理して硬化させる工程において、本発明に係る共重合体を架橋結合させる役割をする。
【0049】
前記高分子組成物に使用される架橋剤の例としては、メラミン系樹脂を挙げることができる。本実施例で使用されることができるメラミン系樹脂の例として、Cymel303LF(商品名、製造社:サイテク社、米国)が挙げられる。前記架橋剤は、全高分子組成物に対して、望ましくは約1〜7質量%含まれ、より望ましくは約1.5〜5質量%含まれる。
【0050】
また、前記高分子組成物に使用される熱酸発生剤の例としては、パラトルエンスルホン酸ピリジン塩、ピリジンなどを挙げることができる。これらは単独または混合して使用することができる。前記熱酸発生剤は、全高分子組成物に対して、望ましくは約0.01〜0.5質量%含まれ、より望ましくは約0.03〜0.2質量%含まれる。
【0051】
また、前記高分子組成物はコーティングの物性向上のために、界面活性剤をさらに含むことができる。前記界面活性剤は当業界で幅広く使用される公知の物質を使用することができる。従って、これに対する具体的な説明は省略する。前記界面活性剤は、高分子組成物に、望ましくは約0.01〜1質量%含まれ、より望ましくは、約0.1〜0.6質量%を含まれる。
【0052】
前記高分子組成物を製造するために使用できる溶媒は、前記高分子組成物の粘度を調整してスピンコーティング工程を実施しバッファ膜を形成できるように用いられる。前記溶媒の例としては、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチル乳酸塩、γ−ブチロラクトン、エチル3−エトキシプロピオネート(ethyl3−ethoxypropionate)、N−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、カルビトールアセテート、アジピン酸ジメチル及びスルホランを挙げることができる。これらは単独または混合して使用することができる。
【0053】
前記溶媒は高分子組成物が、基板にスピンコーティングできる粘度を有する程度で使用されることを条件に、本発明における前記溶媒の含量は、具体的には限定されない。
【0054】
一方、本発明の高分子組成物に対する現象容器は既存のフォトレジストの現象工程の際使用される現像液と同一であって、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)1〜5質量%及び残部の水を含み、望ましくはTMAHが、1.5〜4質量%及び残部の水を含む。
【0055】
本発明に係る現像液は溶解速度を考慮して適切に調節することができ、例えば、1〜5質量%の水酸化テトラメチルアンモニウム(tetra methyl ammonium hydroxide)(TMAH)を含む水溶性現像液を使用することができる。前記バッファ膜の上部を除去するには、30Å/secの除去速度を発揮する現像液が使用されてもよい。前記バッファ膜の残りの部分をアッシング工程で除去する場合、従来のノボラックフォトレジストをバッファ膜として使用する場合に比べて、本発明の共重合体を含むバッファ膜は、向上した速度及び効率によって除去される。例えば、前記バッファ膜は、150Å/sec以上の平均除去速度で除去されることができ、これは従来のフォトレジスト組成物を含むバッファ膜の除去速度の5倍以上に該当する。
【0056】
本発明に係る共重合体を含むバッファ膜用高分子組成物は、基板に塗布され、約200℃以下の温度で硬化されバッファ膜を形成することができる。この場合、前記溶媒の例として、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチル乳酸塩、γ−ブチロラクトン、エチル3−エトキシプロピオネート、N−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、カルビトールアセテート、アジピン酸ジメチル及びスルホランを挙げることができる。これらは単独または混合して使用することができる。
【0057】
前記溶媒は、前期高分子組成物が基板にスピンコーティングできる粘度を有する程度で使用されることを条件に、本発明における前記溶媒の含量は、具体的には限定されない。
【0058】
一方、本発明の高分子組成物に対する現象溶液は、既存のフォトレジストの現象工程の際使用される現像液と同一であってもよく、例えば、テトラメチルアンモニウム水酸化物(TMAH)1〜5質量%及び残部の水を含むものであり、望ましくはTMAH1.5〜4質量%及び残部の水を含むものである。
【0059】
前述した共重合体を含む本発明のバッファ膜用高分子組成物は、基板に塗布され約200℃以下の温度で硬化されバッファ膜を形成することができる。この場合、フォトレジストを用いてバッファ膜を形成する既存の工程では、前記バッファ膜を除去するに露光工程が必須であるが、前記高分子組成物は露光工程なしに現象溶液を用いて除去可能である。また、前記共重合体に含まれるアクリル酸単量体の比率を調節することで、前記高分子組成物の現象溶液に対する溶解速度を適切な範囲で調節することができる。さらに、前記高分子組成物は、従来のフォトレジストより、アッシング工程で、向上された除去速度を有する。また、前記高分子組成物は、半導体製造工程で通常的に使用される溶媒、例えば、イソプロピルアルコール(IPA)及びLAL溶液に対して、溶解度が低い。ここで、LAL溶液とは、水、フッ化水素酸およびフッ化水素酸アンモニウムを含む溶液をいう。
【0060】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態をより詳細に説明する。しかし、本発明が下記の実施例に制限されることなく、当該分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、本発明を多様な他の形態に変更することができる。添付した図面において、基板、層(膜)、パッド、パターン、または構造物寸法は本発明の明確性を図るために実際より拡大して示した。本発明において、各層(膜)、領域、パッド、パターンまたは構造物が、基板、各層(膜)、領域パッドまたはパターンの“上に”、“上部に”、または“下部”に形成されることとして言及される場合には、各層(膜)、領域、パッド、パターンまたは構造物が基板、各層(膜)、領域、パッド、またはパターンの上または下に、直接形成または位置される以外に、他の層(膜)、他の領域、他のパッド、他のパターンまたは他の構造物が、基板上に追加的に形成されることを場合があることを意味する。また、各層(膜)、領域、パッド、パターンまたは構造物が“第1”、“第2”及び/または“第3”で言及される場合、このような部材を限定するためではなく、ただ単に、各層(膜)、領域、パッド、パターンまたは構造物を区分するために使用した。従って、“第1”、“第2”及び/または“第3”は、各層(膜)、領域、パッド、パターンまたは構造物に対して、それぞれ選択的または交換的に使用することができる。
【0061】
パターンの形成方法
図1〜図6は本発明の一実施例によるパターン形成方法を示す断面図である。
【0062】
図1に示すように、基板100上に、前記基板の上面を部分的に露出させる、開口部112を有するモールド膜パターンである絶縁膜パターン110を形成する。
【0063】
具体的に、基板100上に絶縁物を蒸着して絶縁膜を形成する。例えば、基板100は層間絶縁膜が形成され、前記層間絶縁膜が貫通するコンタクトパッドが形成されたシリコン基板を使用することができる。前記絶縁膜を形成するために適用される絶縁物の例としてはBPSG(boro−phosphor silicate glass)、PSG(phosphor silicate glass)、USG(undoped silicate glass)、SOG(spin on glass)、PE−TEOS(plasma enhanced−tetraethylorthosilicate)などのような酸化物を挙げることができる。
【0064】
本実施例に適用される絶縁膜は、基板100の上面を基準にして、約5,000〜約20,000Å程度の厚さを有する。ここで、形成された絶縁膜の厚さは、導電性構造物である導電性パターンよって適切に調節可能である。形成される導電性パターンの高さは、絶縁膜の厚さによって決定されるからである。
【0065】
続いて、前記絶縁膜に対して高いエッチング選択比を有する物質からなるマスクパターン(図示せず)を前記絶縁膜上に形成する。例えば、前記マスクパターンはシリコン窒化物またはシリコン酸窒化物から形成することができる。続いて、前記マスクパターンに露出された絶縁膜を基板100の上面が露出されるまでエッチングする。
【0066】
例えば、絶縁膜パターン110は、脱イオン水、フッ化アンモニウム及びフッ酸を含むLALエッチング溶液を用いて、前記絶縁膜を湿式エッチングする工程を実施することで形成することができる。また、他の例として、絶縁膜パターン110は、無水フッ化水素酸(HF)、イソプロピルアルコール(IPA)及び/または水蒸気が混合されたエッチングガスを用いて、前記絶縁膜を乾燥エッチングすることで形成することができる。前記絶縁膜をエッチングして、基板100の表面を露出させる開口部112を有する絶縁膜パターン110を形成する。
【0067】
必要によっては、開口部112を有する絶縁膜パターン110の形成の際、前記基板100の損傷を防止するために絶縁膜を形成する前にエッチング阻止膜をさらに形成することができる。
【0068】
図2に示すように、開口部112及び絶縁膜パターン110上に導電膜115を形成する。
【0069】
具体的には、開口部112の内壁及び絶縁膜パターン110上に導電性物質を蒸着して実質的に均一な厚さを有する導電膜115を形成する。前記導電性物質の例としては、ポリシリコン、タングステン(W)、チタン(Ti)、チタン窒化物(TiN)膜、タングステン窒化物(WiN)などを挙げることができる。これらは単独または混合して使用することができる。前記導電性物質を単独で使用して前記導電膜115を形成する場合、前記導電膜115は単一膜構造を有し、前記導電性物質を混合して前記導電膜115を形成する場合、前記導電膜は多層膜構造を有する。本実施例においては、前記導電膜はチタン膜/チタン窒化膜が順次に積層された構造を有する。
【0070】
図3は、本発明による高分子組成物を用いて、前記導電膜115が形成された開口部112を埋立しながら絶縁膜パターン110上の導電膜115を満たすバッファ膜130を形成する。
【0071】
具体的には、本実施例のバッファ膜130は、前述した本発明に係る高分子組成物から形成され、前記高分子組成物を含む溶液などをスピンコーティングして形成される。このように形成されたバッファ膜は、開口部112を埋立しながら絶縁膜パターン110上の導電膜115を満たす。
【0072】
前記バッファ膜130を形成するに適用される高分子組成物は、上述したようにフェニルアルキルメタクリレート単量体、アルキルアクリル酸単量体及びヒドロキシアルキルメタクリレート単量体を原料として、重合されて形成される共重合体を主成分として含み、前記共重合体の他に、架橋剤、熱酸発生剤、界面活性剤、溶媒などを含みうる。前記共重合体及び高分子組成物に対する具体的な説明は、上記で説明したので、それについての説明は省略する。
【0073】
特に、前記高分子組成物のうち、共重合体に含まれるアルキルアクリル酸由来の構成単位は、前記高分子組成物から形成されたバッファ膜130のエッチング速度に影響を与える要素である。即ち、前記アルキルアクリル酸由来の構成単位は、現象溶液に対するバッファ膜の溶解速度(現象速度)を自由に調整する要素である。
【0074】
例えば、全体単量体のうち原料としてのメタクリル酸単量体が8質量%未満であって、それを重合させて形成させた共重合体を含む高分子組成物のバッファ膜は、30Å/sec以下の速度でエッチングされる。一方、前記メタクリル酸単量体15質量%を超過する場合、バッファ膜は、1000Å/sec以上の速度でエッチングされる。即ち、前記バッファ膜130はメタクリル酸単量体の含量変化によって、約30〜1000Åのエッチング速度でエッチングされる特性を有する。
【0075】
従って、前記共重合体は、8〜15質量%のアルキルアクリル酸単量体を含む原料を重合させて形成させることが望ましく、約10〜13質量%のアルキルアクリル酸の単量体を含む原料を重合させて形成させることがより望ましい。
【0076】
この際、前記高分子組成物からなるバッファ膜を除去するために使用される現象溶液は、テトラメチルアンモニウム水酸化物1.5〜4質量%及び水96〜98.5質量%を含むことができる。
【0077】
本発明に係るバッファ膜130形成用高分子組成物は、露光工程なしでも既存のフォトレジストの現象工程を実施して、所望しない部位に形成されたバッファ膜130を部分的に除去することができ、量産工程を念頭に置いた際の、高価な露光装備が要求されない。また、前記高分子組成物に含まれるアルキルアクリル酸単量体由来の構成単位の含量の調節のみで、前記現象工程の際の前記バッファ膜130のエッチング速度(溶解速度)を容易に調節することができ、半導体製造工程のスループットを向上させることができる。
【0078】
図4に示すように、前記絶縁膜パターン110の上の導電膜115が露出されるまで、前記バッファ膜130の上部を除去した後、硬化処理して硬化されたバッファ膜パターン125を形成する。
【0079】
具体的には前述した図3で示すように、前記バッファ膜130は、絶縁膜が形成されている基板の面から垂直方向に最も離れ、かつ導電膜が形成されている部分から基板側(下部領域とも称し、他方の領域を上部領域と称する)に形成されているバッファ膜である下部バッファ膜124と、前記基板側の逆側に形成されている上部バッファ膜126とに区分される。前記上部バッファ膜が除去されることによって前記開口部内に存在するバッファ膜パターン124が形成される。前記バッファ膜パターン124は前記下部バッファ膜124に該当する。
【0080】
即ち、前記バッファ膜の上部領域である上部バッファ膜126は現像液を用いた現象工程を用いることで除去される。上部バッファ膜126を除去するために使用される現像液はテトラメチルアンモニウム水酸化物1.5〜4質量%及び水96〜98.5質量%を含む。例えば、具体的には、現像液は、テトラメチルアンモニウム水酸化物約2.4質量%及び水97.6質量%を含む。また、前記現像液は、上記の本発明に係る現像液と同一のものであるのでここでの説明は省略する。
【0081】
続いて、前記バッファ膜パターンが形成された基板を熱処理して、バッファ膜パターン124を硬化させる。それにより、前記高分子組成物に含まれた共重合体は架橋結合され前記バッファ膜パターンは硬化されたバッファ膜パターン125に転換される。
【0082】
具体的に、前述した高分子組成物を含む前記バッファ膜パターン124は、約150〜200℃で熱処理されることで、硬化されたバッファ膜パターン125に転換される。前記高分子組成物は、従来のフォトレジスト膜の硬化温度より低い温度で架橋結合される。硬化されたバッファ膜パターン125は、その後、絶縁膜パターン上に存在する導電膜を除去する工程の際、前記開口部の内壁に存在する導電膜の損傷を防止する。
【0083】
また、前記硬化されたバッファ膜パターン125は、LAL溶液、イソプロピルアルコール及び水に対して不溶性の特性を有するのでその後追加洗浄工程によっては溶解されない。
【0084】
図5に示すように、前記硬化されたバッファ膜パターン125をエッチングマスクとして使用して、絶縁膜パターン110の上面に存在する導電膜115をエッチングして導電膜パターン116を形成する。
【0085】
具体的に、前記絶縁膜パターン110の上面に存在する導電膜115を前記絶縁膜パターン110の表面が露出されるまでエッチング工程を実施する。その結果、前記導電膜115は、パターニングされ、前記開口部112の内壁に接し、シリンダー形状を有する導電膜パターン116から形成される。
【0086】
前記導電膜パターン116を形成した後、前記絶縁膜パターン110及び導電膜パターン116に残留するエッチング物質及びエッチング残留物を除去するための洗浄工程をさらに実施することができる。本実施例の前記洗浄工程では、イソプロピルアルコール(IPA)または脱イオン水を用いることができる。これらは単独で用いても、混合物として用いてもよい。
【0087】
図6に示すように、前記基板100上に存在する絶縁膜パターン110と前記導電性パターン内に存在するバッファ膜パターン124を順次に除去することで基板100上に導電性構造物である導電膜パターン116が露出される。
【0088】
具体的には、エッチング溶液を用いた湿式エッチング工程を実施して、前記絶縁膜パターン110を前記基板100から除去する。前記絶縁膜パターンが酸化物からなる場合、前記エッチング溶液として水、フッ化水素酸、フッ化水素アンモニアを含むLAL溶液を使用することが望ましい。続いて、酸素プラズマを用いたアッシング工程を実施して、前記導電膜パターン116の内に存在する硬化されたバッファ膜パターン125を除去する。
【0089】
この際、前記硬化されたバッファ膜パターン125を構成する架橋結合された共重合体は、環状の炭化水素化合物を約5〜20質量%含む。即ち、前記硬化されたバッファ膜パターン125は、基本骨格としてメタクリレート構造を有するので、ノボラック樹脂から形成された従来のフォトレジストパターンより、除去が非常に容易であることが考えられる。すなわち、ノボラック樹脂の構造式と本発明の樹脂の構造式でカーボンリングの多いノボラック樹脂はアッシング特性が大きいので、前記硬化されたバッファ膜パターン125は、除去が非常に容易である。従って、酸素プラズマを用いたアッシング工程の際前記硬化されたバッファ膜パターン125は前記フォトレジストパターンより約6倍程度早い時間内に除去される。
【0090】
前述したパターンの形成方法は半導体素子のパターン形成方法に多様に適用することができる。
【0091】
以下、前述した本発明に係る高分子組成物とパターン形成方法とを使用して、半導体素子のキャパシタを製造する方法について説明する。
【0092】
キャパシタの製造方法
図7〜図16は本発明の一実施例によるキャパシタの製造方法を示す断面図である。
【0093】
図7に示すように、シャロウトレンチ素子(STI)工程を実施して半導体基板200上に、素子分離膜205を形成して、半導体基板200をアクティブ領域、及びフィールド領域に区分する。
【0094】
続いて、熱酸化法、化学気相蒸着工程または原子層積層工程で、素子分離膜205が形成された半導体基板200上に、ゲート絶縁膜を形成する。ここで、前記ゲート絶縁膜は、シリコン酸化膜(SiO)であってもよいし、シリコン酸化膜より高い誘電率を有する物質からなる薄膜であってもよい。
【0095】
前記ゲート絶縁膜として使用される薄膜を形成するための物質の例としては、HfO、ZrO、Ta、Y、Nb、Al、TiO、CeO、In、RuO、MgO、SrO、B、SnO、PbO、PbO、Pb、V、La、Pr、Sb、Sb、CaOなどを挙げることができる。これらは単独または混合して使用することができる。
【0096】
前記ゲート絶縁膜上に、第1導電膜及びゲートマスクを順次に形成する。前記第1導電膜は、不純物でドーピングされたポリシリコンから構成され、その後、ゲート電極でパターニングされる。一方、前記第1導電膜は、ドーピングされたポリシリコン及び金属シリサイドからなるポリシリサイド構造で形成されてもよい。
【0097】
前記ゲートマスクは、形成される第1層間絶縁膜(図示せず)に対して高いエッチング選択比を有する物質から形成される。例えば、第1層間絶縁膜245がシリコン酸化物のような酸化物からなる場合には、前記ゲートマスク層はシリコン窒化物のような窒化物からなる。
【0098】
続いて、前記ゲートマスクをエッチングマスクとして用いて、前記第1導電膜及び前記ゲート絶縁膜を順次にパターニングする。それにより、半導体基板200上にはそれぞれゲート絶縁膜パターン、ゲート電極及びゲートマスクを含むゲート構造物230が形成される。
【0099】
続いて、ゲート構造物230が形成された半導体基板200上にシリコン窒化膜を形成した後、これを異方性エッチングして、各ゲート構造物230の両側壁にゲートスペーサ225を形成する。
【0100】
ゲートスペーサ225が形成されたゲート構造物230をイオン注入マスクとして用いて、ゲート構造物230の間に露出される半導体基板200にイオン注入工程で不純物を注入した後、熱処理工程を実施することで半導体基板200のソース/ドレイン領域に該当する第1コンタクト領域235及び第2コンタクト領域240を形成する。
【0101】
第1コンタクト領域及び第2コンタクト領域235、240は、キャパシタのための第1パッド250と、ビットラインのための第2パッド250とが、それぞれ接触されるキャパシタコンタクト領域及びビットラインコンタクト領域に区分される。例えば、第1コンタクト領域235は、第1パッド250が接触されるキャパシタコンタクト領域に該当し、第2コンタクト領域240は、第2パッド255が接続されるビットラインコンタクト領域に該当する。それにより、半導体基板200上にはそれぞれゲート構造物230、ゲートスペーサ225及びコンタクト領域235、240を含むトランジスタが形成される。
【0102】
ゲート構造物230をカバーしながら、半導体基板200の全面に酸化物からなる第1層間絶縁膜245を形成する。第1層間絶縁膜245は、BPSG、PSG,SOG、PE−TEOS、USGまたはHDP−CDV酸化物を、化学気相蒸着工程、プラズマ化学気相蒸工程(PECVD)、高密度プラズマ化学気相蒸着工程または原子層積層工程を使用して形成することができる。
【0103】
続いて、化学機械的研磨工程を実施して第1層間絶縁膜245の上部を除去することで、第1層間絶縁膜245の上面を平坦化させる。本発明の一実施例において、第1層間絶縁膜245は、ゲートマスク220の上面から所定の高さを有するように形成される。または、ゲートマスクの上面が露出されるまで第1層間絶縁膜245をエッチングして第1層間絶縁膜245の上面を平坦化することができる。
【0104】
続いて、平坦化工程が実施された第1層間絶縁膜245上に、第2フォトレジストパターン(図示せず)を形成した後、前記第2フォトレジストパターンをエッチングマスクとして用いて、第1層間絶縁膜245を部分的に異方性エッチングすることで、第1層間絶縁膜245を貫通して第1及び第2コンタクト領域235、240を露出させる第1コンタクトホール(図示せず)を形成する。前記第1コンタクトホールはゲート構造物230に対して自己整合(self−alignment)され、第1及び第2コンタクト領域230、240を露出させる。
【0105】
前記第1コンタクトホールのうちの一部はキャパシタコンタクト領域である第1コンタクト領域235を露出させ、前記第1コンタクトホールのうち他の部分はビットラインコンタクト領域である第2コンタクト領域240を露出させる。
【0106】
続いて、前記第2フォトレジストパターンをアッシング及び/またはストリップ工程を通じて除去した後、前記第1コンタクトホールを埋没しながら第1層間絶縁膜245を満たす第2導電膜を形成する。前記第2導電膜は、高濃度の不純物でドーピングされたポリシリコン、金属または導電性金属窒化物を使用して形成することができる。
【0107】
続いて、第1層間絶縁膜245の上面が露出されるまで化学機械的研磨工程またはエッチバック工程を実施することで前記第1コンタクトホール内に自己整合コンタクト(SAC)パッドである第1パッド250と第2パッド255を形成する。第1パッド250は、キャパシタコンタクト領域である第1コンタクト領域235に形成され、第2パッド255はビットラインコンタクト領域である第2コンタクト領域240に形成される。第1パッド250はキャパシタコンタクト領域に電気的に接触され、第2パッド255はビットラインコンタクト領域に電気的に接触される。
【0108】
続いて、第1及び第2パッド250、255を含む第1層間絶縁膜245上に、第2層間絶縁膜260を形成する。第2層間絶縁膜260は、後続して形成されるビットライン(図示せず)と、第1パッド250とを電気的に絶縁させる役割をする。第2層間絶縁膜260はBPSG、PSG,SOG、PE−TEOS、USGまたはHDP−CVD酸化物を、化学気相蒸着工程、プラズマ増大化学気相蒸着工程、高密度プラズマ化学気相蒸着工程または原子層積層工程を用いて形成することができる。
【0109】
第1及び第2層間絶縁膜245、260は前述した酸化物のうち同一の物質を使用して形成することができ、または、第1及び第2層間絶縁膜245、260は前記酸化物のうち互いに異なる物質を使用して形成することができる。
【0110】
次に、化学機械的研磨工程を実施して第2層間絶縁膜260の上部を平坦化する。前記平坦化された第2層間絶縁膜260上に、前記第3フォトレジストパターン(図示せず)を形成した後、前記第3フォトレジストパターンをエッチングマスクとして用いて第2層間絶縁膜260を部分的にエッチングすることで、前記第2層間絶縁膜260に第1層間絶縁膜260に埋没された第2パッド255を露出させる第2コンタクトホール265を形成する。第2コンタクトホール265は後続して形成されるビットラインと第2パッド255とを互いに電気的に連結するためのビットラインコンタクトホールに該当する。
【0111】
図8に示すように、前記第3フォトレジストパターンをアッシング及び/ストリップ工程を用いて除去した後、第2コンタクトホール265を満たしながら第2層間絶縁膜260上に第3導電膜(図示せず)を形成する。
【0112】
続いて、前記第3導電膜上に、第4フォトレジストパターン(図示せず)を形成した後、前記第4フォトレジストをエッチングマスクとして用いて前記第3導電膜をエッチングすることで、第2コンタクトホールを通じて前記第2パッドと電気的に連結されるビットライン270を形成する。ビットライン270は、大抵、金属/金属化合物から構成された第1層及び金属からなる第2層で構成される。例えば、前記第1層はチタン/チタニウム窒化物(Ti/TiN)からなり、前記第2層はタングステン(W)からなる。
【0113】
続いて、前記ビットライン270が形成された第2層間絶縁膜260を満たす第3層間絶縁膜275を形成する。第3層間絶縁膜275は、BPSG、PSG、SOG、PE−TEOS、USG、またはHDP−CVD酸化物を使用して形成することができる。前述したように、第3層間絶縁膜275は第2層間絶縁膜と実質的に同一の物質を使用するか相異する物質を使用して形成することができる。
【0114】
続いて、平坦化工程を実施して第3層間絶縁膜275の上面を平坦化させる。本発明の一実施例によると、隣接するビットライン270の間に位置する第3層間絶縁膜275内にボイドが発生する現象を防止するために、ビットライン270及び第2層間絶縁膜260上に窒化物からなる追加絶縁膜を形成した後、前記追加絶縁膜上に第3層間絶縁膜275を形成することができる。
【0115】
続いて、平坦化された上面を有する第3層間絶縁膜275上に第5フォトレジストパターン(図示せず)を形成した後、前記第5フォトレジストパターンをエッチングマスクとして用いて第3層間絶縁膜275及び第2層間絶縁膜260を部分的にエッチングすることで、第1パッド250を露出させる第3コンタクトホール(図示せず)を形成する。ここで、前記第3コンタクトホールはそれぞれキャパシタのコンタクトパッドが形成されるコンタクトホールに該当する。
【0116】
続いて、第3コンタクトホールを埋没しながら第3層間絶縁膜275上に第4導電膜を形成した後、化学機械的研磨工程を実施し第3コンタクトホールに存在する第3パッド280を形成する。第3パッド280は大体不純物でドーピングされたポリシリコンからなり、第1パッド250と後続して形成される下部電極(図示せず)を互いに連結させる役割をする。
【0117】
図9は、エッチング防止膜及び開口部を有するモールド膜パターンを形成する工程を説明するための断面図である。
【0118】
図9に示すように、第3パッド280及び第3層間絶縁膜275上にエッチング防止膜305を形成する。例えば、前記エッチング防止膜305は、前記開口部312を有するモールド膜パターン310を形成するために、前記モールド膜を選択的にエッチングする工程を実施する場合、前記第3パッド280のエッチング損傷を防止するために形成される。前記エッチング防止膜305は、約10〜200Å程度の厚さになるように形成され、前記モールド膜に対してエッチング率の低い窒化物や金属酸化物から形成される。
【0119】
続いて、前記エッチング防止膜305上に、窒化物を蒸着してモールド膜を形成する。前記モールド膜はBPSG、PSG、USG、SOG、PE−TEOSなどの酸化物を塗布して形成することができる。前記モールド膜は、約10000〜20000Å程度の厚さに形成され、その厚さはキャパシタに要求されるキャパシタンスによって適切に調節可能である。
【0120】
続いて、モールド膜上にマスクパターン(図示せず)を形成した後、前記マスクパターンに露出されたモールド膜を選択的に異方性エッチングしてモールド膜に前記エッチング防止膜305の表面を露出させる開口部312を形成してモールド膜パターン310を完成する。その後、前記開口部312に露出されたエッチング防止膜を選択的に除去するエッチング工程を実施する。その後、前記マスクパターンをモールド膜パターン310から除去する。
【0121】
図10は導電膜を形成する工程を示す断面図である。
【0122】
図10に示すように、前記モールド膜パターン310の側面を露出させる開口部312の内壁及びモールド膜パターン310上に、下部電極用導電膜315を連続的に形成する。前記導電膜315は、実質的に同一の厚さを有することが好ましい。前記導電膜を形成するに適用される物質は、前記図2の詳細な説明で具体的に説明したのと同一であるため、ここでは省略する。本実施例においては、前記下部電極用導電膜315はチタン膜/チタン窒化物膜が積層された構造を有し、約200〜500Å程度の厚さを有するように形成する。
【0123】
図11はバッファ膜を形成する工程を示す断面図である。
【0124】
図11に示すように、本発明に係る高分子組成物を使用して、前記下部電極用導電膜315が形成された開口部312を埋立しながら前記モールド膜パターン310を満たすバッファ膜330を形成する。
【0125】
具体的に、前記バッファ膜330を形成するに適用される高分子組成物は、上記で説明した本発明に係る高分子組成物と同様であり、フェニルアルキルメタクリレート単量体、アルキルアクリル酸単量体及びヒドロキシアルキルメタクリレート単量体を含む原料を重合して形成される共重合体を主成分として含み、その他の架橋剤、熱酸発生剤、界面活性剤及び溶媒などを含む。前記共重合体及び高分子組成物に対する具体的な説明は上記にて詳細に説明したので省略する。
【0126】
特に、前記高分子組成物のうち原料としてのアルキルアクリル酸単量体は、前記高分子組成物から形成されたバッファ膜330のエッチング速度(溶解速度)を決定する要素である。
【0127】
本実施例において適用されるバッファ膜330形成用高分子組成物は、露光工程なしで現像液を用いた現象工程を実施して除去することができるので、量産工程を念頭に置いた際の、高価な露光装備が要求されない。また、前記高分子組成物に含まれたメタクリル酸単量体の含量の調節のみでも前記現象工程の際前記バッファ膜130のエッチング速度(溶解速度)を容易に調節することができ、半導体製造工程のスループットを向上させることができる。また、前記高分子組成物として形成された硬化されたバッファ膜は、その後洗浄工程と乾燥工程で洗浄溶液及びイソプロピルアルコールに対して不溶性を有する。
【0128】
前記バッファ膜330は下部領域に該当する下部バッファ膜324と、上部領域に該当する上部バッファ膜326とで区分される。
【0129】
図12は硬化されたバッファ膜パターンを形成する工程を示す断面図である。
【0130】
図12に示すように、前記バッファ膜330の上部領域に該当する上部バッファ膜326を、現象工程を実施して選択的に除去することで前記開口部内に存在する下部バッファ膜324であるバッファ膜パターンを形成する。例えば、前記現象工程に適用される現像液は、テトラメチルアンモニウム水酸化物約2.4質量%及び水97.6質量%を含む組成を有する。
【0131】
本発明に係る現像液は、溶解速度を考慮して適切に調節することができ、例えば、1〜5質量%の水酸化テトラメチルアンモニウム(tetra methyl ammonium hydroxide)(TMAH)を含む水溶性現像液を使用することができる。前記バッファ膜の上部を除去するには、30Å/secの除去速度を発揮する現像液が使用されてもよい。前記バッファ膜の残りの部分をアッシング工程で除去する場合、従来のノボラックフォトレジストをバッファ膜として使用する場合に比べて、本発明の共重合体を含むバッファ膜は、向上した速度及び効率によって除去される。例えば、前記バッファ膜は、150Å/sec以上の平均除去速度で除去されることができ、これは従来のフォトレジスト組成物を含むバッファ膜の除去速度の5倍以上に該当する。
【0132】
続いて、前記基板を150〜200℃で熱処理することで前記バッファ膜パターンを構成する高分子組成物の共重合体を架橋結合させる。従って、前記バッファ膜パターンは、硬化されたバッファ膜パターン325に転換される。前記硬化されたバッファ膜パターン325を形成する方法は前記図5で詳細に説明したのと同一である。
【0133】
図13は下部電極を形成する工程を示す断面図である。
【0134】
図13に示すように、前記モールド膜パターン310の上面に存在する下部電極用導電膜315を前記モールド膜パターン310の表面が露出されるまでエッチングする。これにより、前記導電膜315は開口部312の内壁に接触され、シリンダー形状を有する下部電極320から形成される。本実施例の下部電極320は前記導電膜をエッチバックして形成する。
【0135】
続いて、下部電極を形成した後前記モールド膜パターン310、硬化されたバッファ膜パターン325、下部電極320表面に残留するエッチング物質及びエッチング残留物を除去するためのセンシング工程を実施する。本実施例の洗浄工程は、イソプロピルアルコール(IPA)または脱イオン水が用いられる。これらは、単独で用いても、混合物として用いてもよい。
【0136】
図14は、モールド膜パターンの除去工程を示す断面図である。
【0137】
図14に示すように、エッチング溶液を用いた湿式エッチング工程を実施して前記モールド膜パターン310を除去する。前記モールド膜パターンが除去されることにより前記下部電極320は基板上に露出される。前記モールド膜パターンがシリコン酸化膜の場合、本実施例に使用されるエッチング溶液は、水、フッ化水素酸、フッ化水素アンモニウムを含むLAL溶液であってもよい。また、これらは単独で用いても、混合して用いてもよい。特に、前記LAL溶液は、前記下部電極の腐食防止及び酸化物の再吸着を防止することができる金属腐食防止剤及び界面活性剤をさらに含むことができる。
【0138】
図15は、硬化されたバッファ膜パターンの除去工程を示す断面図である。
【0139】
図15に示すように、酸素プラズマを用いたアッシング工程を実施して前記下部電極320上に存在する硬化されたバッファ膜パターン325を除去する。この際、前記硬化されたバッファ膜パターン325を構成する架橋結合された共重合体は、環状の炭化水素化合物を約5〜20質量%程度含み、基本骨格としてメタクリレート構造を有するので、ノボラック樹脂から形成された従来のフォトレジストパターンより除去が非常に容易であるものと考えられる。例えば、酸素プラズマを用いたアッシング工程の際、前記硬化されたバッファ膜パターン325は、前記フォトレジストパターンより約6倍程度早い時間で除去され、約16〜17質量%程度減少されたアッシング工程時間しか要求されない。その結果、前記半導体基板200上には前記第3コンタクトパッド280と連結されるシリンダー型の下部電極320が完成される。
【0140】
図16は、誘電膜及び上部電極を形成する工程を示す断面図である。
【0141】
図16に示すように、下部電極320を形成した後、前記下部電極320の表面に誘電膜340及び上部電極350を順次に形成する。
【0142】
具体的に、前記誘電膜340は、酸化物−窒化物、酸化物−窒化物−酸化物、金属酸化物などを含む。最近では、等価酸化膜厚を十分に低くしながら良好な漏洩電流特性を有する金属酸化物を選択し、原子層堆積(積層)を実施して、前記誘電膜340を形成する。前記誘電膜340を形成するための原子層堆積の実施において、反応物質の提供→パージ→酸化剤の提供→パージの工程を、この順に少なくとも1回繰り返す。そうすると、前記下部電極320の表面に金属酸化物の誘電膜340が形成される。ここで、前記反応物質は、有機金属前駆体(oranometaric precursor)を含む物質として、ハフニウム金属前駆体を含む物質の場合にはTEMAH(tetrakis ethyl methyl aminohafnium、 Hf[NCCH)ハフニウムブチルオキサイド(Hf(O−tBu))などを含み、アルミニウム金属前駆体を含む物質の場合にはTMA(trimethyl aluminum、Al(CH)などを含む。また、前記酸化剤はO、O、HO、プラズマO、リモートプラズマOなどを含む。
【0143】
例えば、前記誘電膜340がハフニウム酸化物を含む場合には、前記TEMAHの提供→パージ→Oの提供→パージの工程を、この順で少なくとも1回繰り返す、原子層堆積を実施する。続いて、前記誘電膜340を形成した後、前記誘電膜340を有する結果物上に上部電極350を形成する。
【0144】
前記下部電極320と同様に、前記上部電極350は、主にポリシリコン、金属、金属窒化物などを含む。前記上部電極350は、集積度の観点から有利な窒化物を使用することが望ましい。従って、本実施例においては、前記上部電極350として、チタン窒化物を選択し、化学気相蒸着を実施して形成する。従って、前記チタン窒化物の上部電極350は、約550℃以下の温度で反応ガスとしてTiClガス、NHガスなどを使用して形成することが望ましい。
【0145】
このように、前記下部電極320上に誘電膜340及び上部電極350を順次に形成して前記半導体基板200上部にはキャパシタが形成される。従って、蓄積容量が十分に確保されたシリンダー型キャパシタを製造することができる。
【実施例】
【0146】
以下、共重合体の合成例、バッファ膜形成用高分子組成物の実施例及び前記高分子組成物から形成されたバッファ膜の評価例を通じて、本発明をさらに詳細に説明する。しかし、合成例、実施例及び評価例は本発明を例示するためのものであって、本発明が前記合成例、実施例及び評価例によって限定されることなく多様に修正及び変更させることができる。また合成例と併せて、本発明の評価を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
【0147】
共重合体の合成
合成例1
還流冷却機と攪拌機を備えた1000mlフラスコに、溶媒であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート501.4g(台湾、シニ社(Shiny)製品)を投入した後、攪拌しながら反応温度を80℃まで上昇させた。反応温度を80℃に保持し、攪拌しながら前記フラスコ内部にベンジルメタクリレート152g(米国、アルドリッチ社製品)、2−ヒドロキシエチルアクリレート43.7g(米国、アルドリッチ社製品)、メタクリル酸22.96g(米国、アルドリッチ社製品)及びジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬工業(株)製品:V−601)40.5gの混合物を1〜3時間の間滴下、投入した。前記混合物を全部滴下した後、反応温度を80℃に保持し、攪拌しながら4〜5時間の間反応させ、透明な高分子化合物である共重合体を得た。得られた共重合体を、ゲル透過クロマトグラフ法で測定した結果、ポリスチレン換算重量平均分子量は7,100で、数平均分子量は2,900で、固形分測定結果28.83%(160℃、1時間乾燥)であった。前記得られた共重合体のうち、メタクリル酸単量体の含量は10.5質量%であった。
【0148】
合成例2
合成例1と同一の方法で、ベンジルメタクリレート150.9g、2−ヒドロキシエチルアクリレート43.7g、メタクリル酸24.1g及びジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)40.5gを投入し、高分子化合物である共重合体を合成した。得られた共重合体をゲル透過クロマトグラフ法で測定した結果、ポリスチレン換算重量平均分子量は7,000で、数平均分子量は2,900で、固形分測定結果固形分含量が29.01%(160℃、1時間乾燥)であった。前記得られた共重合体のうちメタクリル酸単量体の含量は11質量%であった。
【0149】
合成例3
合成例1と同一の方法で、ベンジルメタクリレート149.8g、2−ヒドロキシエチルアクリレート43.7g、メタクリル酸25.1g及びαメチルスチレンダイマ25.15g、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬工業(株)製品:V−601(商品名))40.5gを投入し、共重合体を合成した。得られた共重合体をゲル透過クロマトグラフ法で測定した結果、ポリスチレン換算重量平均分子量は7,000で、数平均分子量は2,900で、固形分測定結果固形分含量が28.67%(160℃、1時間乾燥)であった。前記取得した共重合体のうちメタクリル酸単量体の含量は11.5質量%であった。
【0150】
合成例4
合成例1と同一の方法で、ベンジルメタクリレート152g、2−ヒドロキシエチルアクリレート43.7g、メタクリル酸21.74g及びαメチルスチレンダイマ25.15g、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬工業(株)製品:V−601(商品名))40.5gを投入し、共重合体を合成した。得られた共重合体を、ゲル透過クロマトグラフ法で測定した結果、ポリスチレン換算重量平均分子量は7,000で、数平均分子量は2,900で、固形分測定結果固形分含量が28.67%(160℃、1時間乾燥)であった。前記得られた共重合体のうちメタクリル酸単量体の含量は10質量%であった。
【0151】
合成例5
合成例1と同一の方法で、ベンジルメタクリレート149.8g、2−ヒドロキシエチルアクリレート43.7g、メタクリル酸26.7g及びαメチルスチレンダイマ25.15g、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬工業(株)製品:V−601(商品名))40.5gを投入し、第5共重合体を合成した。得られた共重合体をゲル透過クロマトグラフ法で測定した結果、ポリスチレン換算重量平均分子量は7,050で、数平均分子量は2,850で、固形分測定結果固形分含量が28.95%(160℃、1時間乾燥)であった。前記得られた共重合体のうちメタクリル酸単量体の含量は12質量%であった。
【0152】
高分子組成物の製造
実施例1
前記合成例1で得られた共重合体83gにメラミン系樹脂2.88g、パラトルエンスルホン酸ピリジン塩0.04g、ピリジン0.04g、界面活性剤0.28g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10.05gを添加し、十分に攪拌、溶解させた後、濾過して本実施例によるバッファ膜形成用高分子組成物を得た。
【0153】
実施例2
前記合成例1で得られた共重合体42g及び合成例2で得られた第2共重合体42g、メラミン系樹脂2.88g、パラトルエンスルホン酸ピリジン塩0.04g、ピリジン0.04g、界面活性剤0.28g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10.05gを添加し、十分に攪拌、溶解させた後、濾過して本実施例によるバッファ膜形成用高分子組成物を得た。
【0154】
実施例3
前記合成例2で得られた共重合体83g、メラミン系樹脂2.88g、パラトルエンスルホン酸ピリジン塩0.04g、ピリジン0.04g、界面活性剤0.28g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10.05gを添加し、十分に攪拌、溶解させた後濾過して本実施例によるバッファ膜形成用高分子組成物を得た。
【0155】
実施例4
前記合成例2で得られた第2共重合体42g及び合成例3で得られた第3共重合体42g、メラミン系樹脂2.88g、パラトルエンスルホン酸ピリジン塩0.04g、ピリジン0.04g、界面活性剤0.28g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10.05gを添加し、十分に攪拌、溶解させた後、濾過して本実施例によるバッファ膜形成用高分子組成物を得た。
【0156】
実施例5
前記合成例3で得られた共重合体83g、メラミン系樹脂2.88g、パラトルエンスルホン酸ピリジン塩0.04g、ピリジン0.04g、界面活性剤0.28g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10.05gを添加し、十分に攪拌、溶解させた後、濾過して本実施例によるバッファ膜形成用高分子組成物を得た。
【0157】
実施例6
前記合成例4で得られた共重合体83g、メラミン系樹脂2.88g、パラトルエンスルホン酸ピリジン塩0.04g、ピリジン0.04g、界面活性剤0.28g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10.05gを添加し、十分に攪拌、溶解させた後、濾過して本実施例によるバッファ膜形成用高分子組成物を得た。
【0158】
実施例7
前記合成例5で得られた共重合体83g、メラミン系樹脂2.88g、パラトルエンスルホン酸ピリジン塩0.04g、ピリジン0.04g、界面活性剤0.28g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10.05gを添加し、十分に攪拌、溶解させた後、濾過して本実施例によるバッファ膜形成用高分子組成物を得た。
【0159】
比較例
フェノールノボラック樹脂PSM−4362(商品名、日本Gunei化学社製)25g、メラミン系樹脂2.88g、パラトルエンスルホン酸ピリジン塩0.04g、ピリジン0.04g、界面活性剤0.28g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート68.05gを添加し、十分に攪拌、溶解させた後、濾過してバッファ膜形成用感光性高分子組成物を得た。
【0160】
アルキルアクリル酸含量による高分子組成物の溶解速度評価
アルキルアクリル酸の含量による高分子組成物の溶解速度を評価した。前記組成物を基板に塗布し、実質的に同一の現象溶液で現象して溶解速度を相対比較した。その結果を下記表1に示す。
【0161】
【表1】

【0162】
(表1)
前記表1に示されたように、本発明の高分子組成物は膜内部のメタクリル酸の含量に大きく依存する。例えば、メタクリル酸の含量が10%から20%に増加することにより、現像液に対する溶解速度は約20倍増加した。
【0163】
バッファ膜の溶解速度評価
前記実施例1、3、5、6及び7で得られた高分子組成物を使用して、縦横比が1:2の開口部を有する酸化膜パターンが形成された基板にスピンコーティングして前記開口部を満たしながら前記酸化膜パターンの表面から約4500Åの厚さを有するバッファ膜を形成した。その後、現象溶液を用いて前記バッファ膜をそれぞれ約40秒の間溶解させた。前記現象溶液の組成はテトラメチルアンモニウム水酸化物2.4質量%及び水97.6質量%であった。バッファ膜のエッチング厚さとエッチング速度を測定した。その結果を下記表2に示した。
【0164】
【表2】

【0165】
(表2)
前記表2で、前記実施例1、3、5、6及び7による高分子組成物に含まれたメタクリル酸の含量変化により前記バッファ膜のエッチング速度を容易に調節することがわかる。即ち、前記メタクリル酸の含量調節のみで開口部内のみに存在するバッファ膜パターンを容易に形成することができる。
【0166】
バッファ膜の溶解度評価
前記実施例1〜7で得られたそれぞれの高分子組成物及び比較例で得られた高分子組成物をシリコン基板上にスピンコーティングして約20,000Åの厚さを有するバッファ膜を形成した後、硬化工程を実施した。その後、脱イオン水、フッ化アンモニウム及びフッ酸を含むLALエッチング溶液を用いた洗浄工程及びイソプロピルアルコール(IPA)を用いた乾燥工程を順次に実施した。バッファ膜の表面の均一性及び厚さ変化とIPAに対する溶解可否を観察した。その結果を下記表3に示す。
【0167】
【表3】

【0168】
(表3)
前記表3で得られた結果を分析した結果、前記実施例1〜7による高分子組成物を使用して形成されたバッファ膜は、イソプロピルアルコールに対する不溶性を有し、その表面が均一である反面、比較例で得られた高分子組成物を使用して形成されたバッファ膜は、表面の厚さ変化を示し、IPAに溶解される特性を示した。
【0169】
プラズマアッシング能力評価
開口部を含む絶縁膜パターンが形成された基板上に、実質的に均一の厚さを有する導電膜を形成した後、前記導電膜が形成された基板上に前記実施例1〜7による高分子組成物をそれぞれスピンコーティングして、前記開口部を埋設しながら前記導電膜を満たすバッファ膜を形成した。続いて、現象溶液を用いて前記絶縁膜上に形成されている導電膜パターンの表面が露出されるまで前記バッファ膜の上部を除去した後約190℃で熱処理した。その結果、前記開口部内のみに存在する硬化されたバッファ膜パターンが形成された。その後、前記硬化されたバッファ膜パターンを除去するために酸素プラズマを用いたアッシング工程を約50秒の間実施した。
【0170】
図17はバッファ膜をアッシング工程で除去した後得られた下部電極の断面を示すSEM写真であり、図18はバッファ膜をアッシング工程で除去した後得られた下部電極の平面を示すSEM写真である。
【0171】
図17及び図18に示されたSEM写真のように、前記開口部内には前記バッファ膜の残留物が存在しないことがわかる。即ち、前記高分子組成物から形成されたバッファ膜パターンはプラズマアッシング特性が優れたということが示唆される。また、従来の既存のフォトレジストから形成されたバッファパターンの除去時間は約300秒であり、本発明による高分子樹組成物を使用した場合には約6倍早く除去されることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0172】
本発明によると、前記バッファ用高分子組成物は、露光工程なしでも、現象溶液を用いた現象工程が可能な特性を有する。また、現象溶液に対する溶解速度の調節が容易であり既存のフォトレジストのベイキイング温度より低い温度で硬化される特性を有する。
【0173】
また、前記高分子組成物から形成されたバッファ膜パターンはイソプロピルアルコールに対して不溶性を有し既存のフォトレジストパターンよりプラズマアッシング特性が約6倍程度優れている。
【0174】
従って、前記高分子組成物を用いると、半導体素子のパターン及びキャパシタの製造工程の単純化及び工程効率を極大化させることができる。
【0175】
以上、本発明の実施例によって詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有するものであれば本発明の思想と精神を離脱することなく、本発明を修正または変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0176】
【図1】本発明の一実施形態によるパターン形成方法を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態によるパターン形成方法を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態によるパターン形成方法を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施形態によるパターン形成方法を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施形態によるパターン形成方法を示す断面図である。
【図6】本発明の一実施形態によるパターン形成方法を示す断面図である。
【図7】本発明の一実施形態によるキャパシタの製造方法を示す断面図である。
【図8】本発明の一実施形態によるキャパシタの製造方法を示す断面図である。
【図9】本発明の一実施形態によるキャパシタの製造方法を示す断面図である。
【図10】本発明の一実施形態によるキャパシタの製造方法を示す断面図である。
【図11】本発明の一実施形態によるキャパシタの製造方法を示す断面図である。
【図12】本発明の一実施形態によるキャパシタの製造方法を示す断面図である。
【図13】本発明の一実施形態によるキャパシタの製造方法を示す断面図である。
【図14】本発明の一実施形態によるキャパシタの製造方法を示す断面図である。
【図15】本発明の一実施形態によるキャパシタの製造方法を示す断面図である。
【図16】本発明の一実施形態によるキャパシタの製造方法を示す断面図である。
【図17】本発明の高分子組成物から形成されたバッファ膜パターンのアッシング特性を示すSEM写真である。
【図18】本発明の高分子組成物から形成されたバッファ膜パターンのアッシング特性を示すSEM写真である。
【符号の説明】
【0177】
100 基板
110 絶縁膜パターン
112 開口部
115 導電膜
116 導電膜パターン
124 バッファ膜パターン
125 硬化されたバッファ膜パターン
126 上部バッファ膜
130 バッファ膜
200 基板
205 素子分離膜
225 ゲートスペーサ
230 ゲート構造物
235 第1コンタクト領域
240 第2コンタクト領域
245 第1層間絶縁膜
250 第1パッド
255 第2パッド
260 第2層間絶縁膜
265 第3層間絶縁膜
270 ビットライン
280 第3パッド
305 エッチング防止膜
312 開口部
310 モルード膜パターン
315 導電膜
320 下部電極
330 バッファ膜
340 誘電膜
350 上部電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I):
【化1】

式(I)において、L、M及びNは、各構成単位の重合度を表し、0.4≦L≦0.8、0<M≦0.25、0<N≦0.35、及びL+M+N=1で表される式を満足し、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキレン基からなる群から選択されるいずれか一種であり、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基からなる群から選択されるいずれか一種である、
で表される構造を有することを特徴とする、共重合体。
【請求項2】
0.45≦L≦0.65および0.15≦M≦0.25で表される式を満足することを特徴とする、請求項1に記載の共重合体。
【請求項3】
0.20≦N≦0.27で表される式を満足することを特徴とする、請求項1に記載の共重合体。
【請求項4】
前記共重合体は、6700〜7500の重量平均分子量を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の共重合体。
【請求項5】
フェニルアルキルメタクリレート61〜75質量%と、
アルキルアクリル酸8〜15質量%と、
残部のヒドロキシアルキルメタクリレートと、
を含む原料を、重合させて得られることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の共重合体。
【請求項6】
前記共重合体は、前記ヒドロキシアルキルメタクリレート17〜24質量%を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の共重合体。
【請求項7】
前記アルキルアクリル酸は、メタクリル酸を含み、0.17≦M≦0.25で表される式を満足することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の共重合体。
【請求項8】
前記式(I)中のR〜Rは、それぞれ独立であり、
およびRは炭素数1〜4のアルキレン基であり、ならびに
は炭素数1〜4のアルキル基である、請求項1〜7に記載のいずれか1項に共重合体。
【請求項9】
前記フェニルアルキルは、ベンジルメタクリレートを含み、
前記アルキルアクリル酸は、メタクリル酸を含み、
前記ヒドロキシアルキルメタクリレートは、ヒドロキシエチルメタクリレートを含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の共重合体。
【請求項10】
残部の請求項1〜9のいずれか1項に記載の共重合体と、
架橋剤と、
熱酸発生剤と、
界面活性剤と、
溶媒と、
を含むことを特徴とする、バッファ膜用高分子組成物。
【請求項11】
前記溶媒は、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチル乳酸塩、γ−ブチロラクトン、エチル3−エトキシプロピオネート、N−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、カルビトールアセテート、アジピン酸ジメチル及びスルホランからなる群から選択される少なくとも一種を含むことを特徴とする、請求項10に記載のバッファ膜用高分子組成物。
【請求項12】
半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜に開口部を形成する工程と、
前記絶縁膜の上面、ならびに、前記開口部の底面および側面上に導電膜を形成する工程と、
前記開口部を閉じるように、前記導電膜上に請求項1〜9のいずれか1項に記載の共重合体を含むバッファ膜を形成する工程と、
前記バッファ膜の上部を、現像液を用いて除去し、前記絶縁膜の上面に形成された導電膜を露出させ、前記バッファ膜の残りの部分によって前記開口部を閉じる工程と、
前記開口部の底面および側面上に形成された導電膜が、前記バッファ膜の残りの部分によって保護される間に、前記絶縁膜の上面に形成された導電膜を除去する工程と、
を含むことを特徴とする、パターンの形成方法。
【請求項13】
半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜に開口部を形成する工程と、
前記絶縁膜の上面、ならびに、前記開口部の底面および側面上に導電膜を形成する工程と、
前記開口部を閉じるように、前記導電膜上に請求項1〜9のいずれか1項に記載の共重合体を含むバッファ膜を形成する工程と、
前記バッファ膜の上部を、現像液を用いて除去し、前記絶縁膜の上面に形成された導電膜を露出させ、前記バッファ膜の残りの部分によって前記開口部を閉じる工程と、
前記開口部の底面および側面上に形成された導電膜は残し、かつ前記絶縁膜の上面に形成された前記導電膜を除去して、前記開口部の底面および側面上に残された前記導電膜を下部電極構造物とする工程と、
前記絶縁膜を除去する工程と、
前記バッファ膜の残り部分を除去する工程と、
前記下部電極構造物上に誘電膜を形成する工程と、
前記誘電膜上に上部電極を形成する工程と、
を含むことを特徴とする、キャパシタの製造方法。
【請求項14】
半導体基板上に電気素子を形成する工程と、
前記電気素子上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜に開口部を形成し、前記電気素子上のコンタクト領域を露出する工程と、
前記絶縁膜の上面、ならびに、前記開口部の底面および側面上に導電膜を形成する工程と、
前記開口部を満たすように、前記導電膜上に請求項1〜9のいずれか1項に記載の共重合体を含むバッファ膜を形成する工程と、
前記バッファ膜の上部を、現像液を用いて除去し、前記絶縁膜の上面に形成された導電膜を露出させ、前記バッファ膜の残りの部分によって前記開口部を閉じる工程と、
前記開口部の底面および側面上に形成された導電膜は残し、かつ前記絶縁膜の上面に形成された前記導電膜を除去して、前記開口部の底面および側面上に残された前記導電膜を下部電極構造物とする工程と、
前記バッファ膜の残りの部分を除去する工程と、
前記絶縁膜を除去する工程と、
前記下部電極構造物上に、誘電膜を形成する工程と、
前記誘電膜上に、上部電極を形成する工程と、
を含むことを特徴とする、半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記現像液は、水酸化テトラメチルアンモニウム1〜5質量%及び残部の水を含むことを特徴とする請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記バッファ膜の上部は、前記現像液を用いて30Å/sec以上の平均除去速度で除去されることを特徴とする、請求項14または15に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記バッファ膜の残りの部分は、アッシング工程で除去され、150Å/sec以上の平均除去速度で除去されることを特徴とする、請求項14〜16のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−56262(P2007−56262A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−223588(P2006−223588)
【出願日】平成18年8月18日(2006.8.18)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】