半導体装置および半導体装置の製造方法
【課題】メモリセル間の短絡を防止した上で、活性領域上にシリコン膜が十分に形成された半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体基板2の表層に埋め込み形成された素子分離膜8によって、活性領域7が区画された半導体装置1であって、前記活性領域7の側面17が露出するように、前記素子分離膜8の上面の一部が除去されて設けられた凹部と、前記凹部を埋め込みつつ、前記活性領域7の上面7d及び前記側面17と接するように設けられたシリコン膜10と、を有することを特徴とする。
【解決手段】半導体基板2の表層に埋め込み形成された素子分離膜8によって、活性領域7が区画された半導体装置1であって、前記活性領域7の側面17が露出するように、前記素子分離膜8の上面の一部が除去されて設けられた凹部と、前記凹部を埋め込みつつ、前記活性領域7の上面7d及び前記側面17と接するように設けられたシリコン膜10と、を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、コンピュータや電気機器の主要部分には、多数のMOSトランジスタや抵抗等を一つのチップ上に集積化する大規模集積回路(LSI)が採用されている。特に、LSIの中でも、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの素子は、急速な微細化が進んでいる。
【0003】
DRAM等の半導体装置では、MOSトランジスタのソース・ドレイン電極として、半導体基板の活性領域上にシリコン膜を設けた構造(せり上げソース・ドレイン構造)のものが知られている。
そして、このシリコン膜を形成する方法としては、活性領域の上面(シリコン面)を露出させた状態で、選択エピタキシャル成長を行い、単結晶のシリコン膜を形成する方法が一般的である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−130756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、メモリセル領域のように、複数のMOS型トランジスタを高密度に配置する必要がある領域では、微細化の進展に伴って、活性領域の面積はますます縮小している。このため、メモリセル領域内の活性領域上にシリコン膜を設ける際、露出しているシリコン面の面積が不足し、選択エピタキシャル成長を十分に行うことができず、シリコン膜が十分に形成できないという問題があった。
【0006】
また、露出しているシリコン面の面積は、ゲート電極形成時のアライメントずれに起因して、各メモリセル間でばらつきがある。このため、シリコン膜を十分に形成するため、必要以上に長時間選択エピタキシャル成長を行うと、露出しているシリコン面の面積が比較的大きいメモリセルにおいて、シリコン膜の高さが高くなると共に、横方向へもシリコン膜が成長することになる。その結果、隣接するメモリセル間でシリコン膜を介した短絡が起きてしまうという問題が発生する。
【0007】
すなわち、従来の半導体装置では、メモリセル間の短絡を防止した上で、シリコン膜が十分に形成されないメモリセルをなくすことが困難であった。
そのため、所定の動作特性が得られず、半導体装置の製造歩留まりが低下するという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明は、以下の構成を採用した。
本発明の半導体装置は、半導体基板の表層に埋め込み形成された素子分離膜によって、活性領域が区画された半導体装置であって、前記活性領域の側面が露出するように、前記素子分離膜の上面の一部が除去されて設けられた凹部と、前記凹部を埋め込みつつ、前記活性領域の上面及び前記側面と接するように設けられたシリコン膜と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の半導体装置では、活性領域の側面および上面を覆うようにシリコン膜が形成されているので、活性領域上にシリコン膜を十分に形成することができる。すなわち、従来の半導体装置では、活性領域の上面のみが露出した状態でシリコン膜を形成していたため、シリコン膜が成長する際の基点となる半導体基板の露出面が不足しており、シリコン膜を十分に形成することができなかった。これに対し、本発明では、活性領域の上面および側面が露出した状態でシリコン膜を形成するため、シリコン膜を成長させる際の基点となる活性領域の露出面を十分に確保することができ、十分にシリコン膜を形成することができる。
また、活性領域上にシリコン膜が形成されているので、高濃度の不純物拡散領域を形成することができ、トランジスタの駆動能力向上、コンタクトの接触抵抗の低減、メタルコンタクトプラグの適用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1(a)及び図1(b)は、本発明の第1の実施形態の半導体装置を示す平面図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施形態の半導体装置を示す断面図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施形態の半導体装置を示す平面図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施形態の半導体装置を示す平面図である。
【図5】図5は、本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す図であり、図5(a)は断面図であり、図5(b)は断面図であり、図5(c)は平面図である。
【図6】図6(a)及び図6(b)は、本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す図であり、図7(a)は断面図であり、図7(b)は断面図であり、図7(c)は平面図である。
【図8】図8は、本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す図であり、図8(a)は断面図であり、図8(b)は断面図であり、図8(c)は平面図である。
【図9】図9は、本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す図であり、図9(a)は断面図であり、図9(b)は断面図であり、図9(c)は平面図である。
【図10】図10は、本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す図であり、図10(a)は断面図であり、図10(b)は断面図であり、図10(c)は平面図である。
【図11】図11は、本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す図であり、図11(a)は断面図であり、図11(b)は断面図であり、図11(c)は平面図である。
【図12】図12は、本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す図であり、図12(a)は断面図であり、図12(b)は断面図であり、図12(c)は平面図である。
【図13】図13(a)及び図13(b)は、本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図14】図14(a)及び図14(b)は、本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図15】図15(a)及び図15(b)は、本発明の第1の実施形態の半導体装置の変形例を示す断面図である。
【図16】図16(a)及び図16(b)は、本発明の第2の実施形態の半導体装置を示す断面図である。
【図17】図17は、本発明の第2の実施形態の半導体装置の製造方法を示す図であり、図17(a)は断面図であり、図17(b)は断面図であり、図17(c)は平面図である。
【図18】図18は、本発明の第2の実施形態の半導体装置の製造方法を示す図であり、図18(a)は断面図であり、図18(b)は断面図であり、図18(c)は平面図である。
【図19】図19は、本発明の第2の実施形態の半導体装置の製造方法を示す図であり、図19(a)は断面図であり、図19(b)は断面図であり、図19(c)は平面図である。
【図20】図20は、本発明の第2の実施形態の半導体装置の製造方法を示す図であり、図20(a)は断面図であり、図20(b)は断面図であり、図20(c)は平面図である。
【図21】図21は、本発明の第2の実施形態の半導体装置の製造方法を示す図であり、図21(a)は断面図であり、図21(b)は断面図であり、図21(c)は平面図である。
【図22】図22(a)及び図22(b)は、本発明の第2の実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態である半導体装置および半導体装置の製造方法について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の半導体装置の寸法関係とは異なる場合がある。
【0012】
<DRAM>
本実施形態の半導体装置1は、図1(a)に示すように、以下の説明では、最終的にDRAMとして機能させるものとして説明するが、本発明はDRAMに限定されず、その他のReRAM(抵抗メモリ)、PRAM(相変化メモリ)、MRAM(磁気抵抗メモリ)等の、選択用トランジスタとデータを保持する記憶素子から構成されるメモリセルを備えた半導体装置に適用可能である。
【0013】
半導体装置1は、半導体基板の表面上に形成した半導体チップ上にメモリセル領域SAと、このメモリセル領域SAの外側に位置する周辺回路領域CAとを備えている。周辺回路領域CAには、センスアンプ回路、デコーダ回路、半導体チップ外部への入出力回路等の回路ブロックが配置される。メモリセル領域SAの数やレイアウトは一例であって、図1(a)の場合のみには限定されない。
メモリセル領域SAの一部を拡大した平面図を、図1(b)に示す。
メモリセル領域SAには、ビット線41(図2参照)やワード配線(第1ワード配線)22aが設けられており、ビット線とワード配線22aの交差部には、それぞれメモリセルが形成されている。
また、メモリセル領域SAに配置されるメモリセルは、マトリックス状に並んで配置されており、選択用トランジスタ3(図2参照)と、このトランジスタ3のソース・ドレイン領域25の何れか一方と電気的に接続されるキャパシタ4(図2参照)とから構成されている。DRAMの場合には、キャパシタ4がデータを保持するための記憶素子として機能する。
【0014】
メモリセル領域SAには、半導体基板2の表層に一方向に延在する複数の分離用のシャロートレンチ6(図2参照)を形成し、これら複数のシャロートレンチ6内に素子分離膜8(図2参照)を埋め込むことによって、STI(Shallow Trench Isolation)と呼ばれる複数の素子分離領域5と、素子分離領域5によって絶縁分離された複数の活性領域7とが、ストライプ状に交互に並んで設けられている。
【0015】
また、メモリセル領域SAには、これら素子分離領域5及び活性領域7と交差する方向に延在する複数のワード配線22aと、複数のダミーワード配線(第2ワード配線)22bとが、ストライプ状に並んで設けられている。なお、図1(b)においては、2本おきに配置されるワード線22aの間に1本のダミーワード線22bが配置されている。また、ワード配線22aは、トランジスタ3のゲート電極を構成するものである。
【0016】
<半導体装置>
次に、本実施形態の半導体装置について、より詳細に説明する。図2に示すように、半導体装置1は、概略、半導体基板2と、半導体基板2上に形成されたトランジスタ3と、トランジスタ3の上方に形成されたキャパシタ4と、を有した構成となっている。
【0017】
<<半導体基板>>
半導体基板2には、素子分離領域5を形成するための溝であるシャロートレンチ6が設けられており、半導体基板2内において、シャロートレンチ6によって区画された領域が活性領域7となる。したがって、シャロートレンチ6の内壁は、活性領域7の側面17となっている。
【0018】
シャロートレンチ6内には、絶縁膜である素子分離膜8が埋め込まれている。また、シャロートレンチ6内に埋め込まれた素子分離膜8の一部には、掘り込み部(凹部)9が形成されており、掘り込み部9にはシリコン膜10が形成されている。なお、掘り込み部9の形成位置については、後述する。
【0019】
このように、本実施形態の半導体装置1に用いられる半導体基板2には、シャロートレンチ6内に素子分離膜8が充填されたSTI構造の素子分離領域5が形成されている。そして、STI構造の素子分離領域5によって、半導体基板2に設けられた複数の活性領域7が、絶縁分離されている。
【0020】
活性領域7は、半導体基板2の表層に形成されており、図3に示すように、平面視した際に、一方向に延在した細長い短冊状に複数形成され、個々に所定間隔をあけて整列して配置されている。
なお、図3は、本実施形態の半導体装置1の一部を省略した平面図である。また、図3の活性領域7の配置は、6F2型と称する配置であるが、本発明はこれに限定されず、他の規則に従った配置しても構わない。以下では、図3の横方向をX方向と、図3の縦方向をY方向(第2の方向)と呼び、活性領域7の延在する方向を延在方向(第1の方向)と、延在方向と直交する方向を直交方向と呼ぶ。また、延在方向とY方向は、直交はしていないものの、Y方向は延在方向を横切る方向である。なお、図2は、本実施形態の半導体装置1を、図3の3A−3A’間で切断した際の断面図である。
【0021】
<<トランジスタ>>
半導体基板2上には、図2に示すように、ゲート絶縁膜21を介してゲート電極として機能するワード配線22a、または、ダミー電極であるダミーワード配線22bが設けられている。なお、以下の説明では、ワード配線22aとダミーワード配線22bを併せてワード配線層22と称する。
ワード配線層22上には、第1絶縁膜23が設けられており、ワード配線層22の側壁には、サイドウォール24が設けられている。
また、半導体基板2の活性領域7内であって、ワード配線22aに対して自己整合な位置となる活性領域7の上面7dの近傍には、不純物が導入されたソース・ドレイン領域(不純物拡散領域)25が形成されている。
【0022】
また、図3に示すように、ワード配線22aは、活性領域7上を横切るようにY方向に延在して設けられており、ゲート電極として機能する。また、ダミーワード線22bは、延在方向に隣接して配置された活性領域7間を横切るようにY方向に延在して設けられたダミー電極である。そして、ワード線22aは、活性領域7及び素子分離領域5上を横切るが、ダミーワード線22bは、素子分離領域5上のみを横切るように形成されている。
【0023】
各ワード配線層22の配線幅は、およそFに設計されている。なお、ここでFは、設計ルールを示す数値である。また、ワード配線層22の配線間隔はおよそFで形成されており、配線ピッチはおよそ2Fで構成されている。
【0024】
各活性領域7上には、Y方向に横断する2本のワード配線22aが形成されており、ワード配線22aにより、平面視した際に、活性領域7は3つに区画されて形成される。この2本のワード配線22aに区画された中央部分を活性領域7a、2本のワード配線22aの外側にできる2つの部分を活性領域7bと称する。
活性領域7aは、ビット線41(図2参照)と接続され、活性領域7bは、キャパシタ4(図2参照)と接続される。
【0025】
また、活性領域7の直交方向の幅はおよそFに形成されており、直交方向の各活性領域7間の間隔もFに形成されている。また、延在方向に隣接する2つの活性領域7の間隔はFよりも大きく形成されており、活性領域7aの延在方向の長さはFに形成されているが、活性領域7bの延在方向の長さはFよりも短く形成されている。したがって、活性領域7bの端部7cとダミー電極であるダミーワード配線22bとの間にはスペースが形成されており、この活性領域7bとダミーワード配線22bとの間のスペースをアクティブダミー配線間領域26と称する。
【0026】
<<島状第2絶縁膜>>
また、図4に示すように、ワード配線層22間であって、直交方向に隣接する活性領域7に挟まれた素子分離領域5上には、島状第2絶縁膜(絶縁膜)27が形成されている。
すなわち、島状第2絶縁膜27は、直交方向に並んで形成された各活性領域7間において、ワード配線層22およびサイドウォール24(図2参照)上を除いて、延在方向に断続的に直線上に延在して形成されている。したがって、島状第2絶縁膜27は、平面視した際に平行四辺形上に形成されている。なお、図4は、本実施形態の半導体装置1の一部を省略した平面図であり、特に図4中では、サイドウォール24を省略している。
【0027】
また、島状第2絶縁膜27は、直交方向の幅がFよりも大きく形成されており、そのため、活性領域7上の一部も覆うように形成されている。この活性領域7上で島状第2絶縁膜27に覆われている領域をオーバーラップ領域28と称する。
なお、島状第2絶縁膜27の厚さは、後述するシリコン膜10より厚く形成しても、薄く形成しても構わない。
【0028】
<<シリコン膜>>
シリコン膜10は、図2に示すように、凹部である掘り込み部9内を充填するとともに、活性領域7の上面7dであるソース・ドレイン領域25の上面25aを覆うように形成されている。なお、このシリコン膜10は、選択エピタキシャル成長によって形成されるエピタキシャル成長層である。
【0029】
ここで、掘り込み部9は、活性領域7の側面17を露出するように形成されており、以下では、この露出した部分を活性領域側壁露出部29と称する。なお、活性領域7内において、活性領域側壁露出部29の近傍には、前述したソース・ドレイン領域25と一体となる不純物拡散領域であるソース・ドレイン領域62が形成されている。
掘り込み部9は、図14に示すように、ワード配線22aとダミーワード配線22bの間に形成されており、具体的には、素子分離領域5上のアクティブダミー配線間領域26であって、島状第2絶縁膜27に挟まれた領域に形成される。したがって、活性領域7bの延在方向の両端部7c側の側面17を露出するように掘り込み部9が形成されている。
なお、図2に示すように、活性領域7b上に形成されるシリコン膜10と、掘り込み部9に形成されるシリコン膜10は、一体として成形される。
【0030】
<<キャパシタ>>
各ソース・ドレイン領域25に形成されたシリコン膜10上には、セルコンタクトプラグ(コンタクトプラグ)31が形成されており、セルコンタクトプラグ31と接続するように、ビット配線41、キャパシタ4が形成されており、その上方には上層の金属配線層42等が形成されている。すなわち、活性領域7b上に形成されたシリコン膜10上に設けられたセルコンタクトプラグ31の上方には、キャパシタ4が形成されている。
キャパシタ4は、キャパシタコンタクトホール43の側壁および底面を覆うように形成されたキャパシタ下部電極44と、キャパシタ下部電極44上に、形成されたキャパシタ絶縁膜45と、キャパシタ絶縁膜45上に形成されたキャパシタ上部電極46から概略構成されている。
【0031】
本実施形態の半導体装置1は、活性領域7の側面17および上面7dを覆うようにシリコン膜10が設けられているので、活性領域7上にシリコン膜10を十分に形成することができる。すなわち、従来の半導体装置では、活性領域の上面のみが露出した状態でシリコン膜が形成されていたので、露出面不足に起因してシリコン膜が十分に形成できないという不都合があった。これに対し、本実施形態では、活性領域7の上面7dおよび側面17が露出した状態でシリコン膜10が形成されるため、活性領域7の露出面を十分に確保することができ、十分にシリコン膜10を形成することができる。
また、活性領域7上にシリコン膜をせり上げているので、高濃度の不純物拡散領域を形成することができ、トランジスタの駆動能力向上、コンタクトの接触抵抗の低減、メタルコンタクトプラグの適用が可能となる。
例えば、メタルコンタクトプラグを採用した場合であっても、プラグ底面で金属層が反応して金属シリサイド層が形成される際のダメージ層を覆うように、高濃度の不純物拡散層をシリコン膜10で形成することができるので、トランジスタ特性の劣化を抑制することができる。
【0032】
また、直交方向に隣接する活性領域7に挟まれた素子分離領域5上に、島状第2絶縁膜27が形成されているので、直交方向に隣接する活性領域7間でシリコン膜10同士が短絡することを抑制できる。
【0033】
<半導体装置の製造方法>
次に、本実施形態の半導体装置1の製造方法について、詳細に説明する。
本実施形態の半導体装置の製造方法は、活性領域区画工程と、ワード配線層形成工程と、不純物拡散領域形成工程と、第2絶縁膜形成工程と、マスク形成工程と、島状第2絶縁膜形成工程と、素子分離膜除去工程と、マスク除去工程と、シリコン膜形成工程と、不純物導入工程と、不純物拡散工程と、コンタクトプラグ形成工程と、ビット線形成工程と、キャパシタ形成工程と、を有している。
【0034】
<<活性領域区画工程>>
まず、図5(a)及び図5(b)に示すように、半導体基板2に素子分離領域5を形成するための溝であるシャロートレンチ6を形成する。このシャロートレンチ6によって、半導体基板2内において活性領域7が区画される。
その後、シャロートレンチ6内に、絶縁膜である素子分離膜8を埋め込んで、STI構造の素子分離領域5を形成する。このSTI構造の素子分離領域5によって、複数形成された活性領域7が、絶縁分離される。
なお、図5(a)は、図5(c)の5A−5A’間断面図であり、図5(b)は、図5(c)の5B−5B’間断面図であり、図5(c)は、半導体装置1の平面図である。以下、図6ないし図22において、(a)は、図5(c)の5A−5A’間に相当する部分で切断した際の断面図であり、(b)は、図5(c)の5B−5B’間に相当する部分で切断した際の断面図であり、図7ないし図12および図17ないし図21において、(c)は、平面図である。
【0035】
活性領域7は、半導体基板2の表層に形成されており、図5(c)に示すように、平面視した際に、延在方向に延びた細長い短冊状に複数形成され、個々に所定間隔をあけて整列して配置されている。
【0036】
半導体基板2としては、例えばP型のシリコン半導体基板を用いることができる。もっとも、半導体基板2の材料はこれに限定されず、例えばゲルマニウムを含有した半導体基板を用いることもできる。
【0037】
シャロートレンチ6内に埋め込む素子分離膜8の材料としては、例えばシリコン酸化膜(SiO2)等を用いることができ、HDP−CVD法で形成することができる。また、シリコン酸化膜としては、SOD膜などの塗布系絶縁膜を用いても構わない。
もっとも、素子分離膜8の材料はこれに限定されず、後述するエッチング工程において、エッチング部分が、後述する第2絶縁膜53および半導体基板2の材料に対してエッチングの選択比が取れる材料で構成されているのであれば、どのようなものでも構わない。
【0038】
<<ワード配線層形成工程>>
シャロートレンチ6に素子分離膜8を埋め込んだ後は、図5(a)に示すように、半導体基板2上にゲート絶縁膜21、ゲートシリコン膜51、ゲート高融点金属膜52、第1絶縁膜23を順次形成する。そして、フォトリソ技術およびドライエッチング技術を用いて、ゲートシリコン膜51およびゲート高融点金属膜52からなるワード配線層22を形成する。第1絶縁膜23としては、例えばシリコン窒化膜(Si3N4)を用いることができる。
【0039】
ワード配線層22は、図5(c)に示すように、Y方向に延在しており、ワード配線(第1ワード配線)22aと、ダミーワード配線(第2ワード配線)22bとから構成されている。ワード配線22aは、活性領域7上を横切って形成されており、ゲート電極15として機能する。また、ダミーワード配線22bは、延在方向に隣接して配置された活性領域7間を横切るように、活性領域7上を横切ることなく、素子分離領域5上にのみに形成された、ダミー電極である。このダミー電極は、ゲート電極15のパターニングの際に、パターン配置の規則性を維持してパターン精度を向上させる目的で形成されている。
【0040】
また、各ワード配線層22の配線幅は、およそFに設計されている。また、ワード配線層22の配線間隔はおよそFで形成されており、配線ピッチはおよそ2Fで構成されている。
【0041】
また、活性領域7上に、Y方向に横断する2本のワード配線22aが形成されることにより、活性領域7の表面において露出する領域が3つ形成される。この2本のワード配線22aに区画された中央部分を活性領域7a、2本のワード配線22aの外側にできる2つの部分を活性領域7bと称する。
活性領域7aは、後述するように、ビット線41と接続され、活性領域7bは、キャパシタ4と接続される。
【0042】
活性領域7を形成する際は、まずフォトリソ技術を用いてレジストパターンを形成して、露光を行う。本実施形態では、マスク設計上は、活性領域7の直交方向の幅はおよそF、間隔はFに形成されている。また、延在方向に隣接する2つの活性領域7の間隔はFに形成されており、活性領域7a、および、活性領域7bの延在方向の長さは、ともにおよそFとなるように設計されている。
【0043】
もっとも、露光の際には、縦長状を有する活性領域7の延在方向の両端部7cでは、露光のための光が3方向から回り込むため、レジストパターンの延在方向の長さは、マスク設計寸法よりも短く形成されることになる。
【0044】
その結果、2本のワード配線22aの外側端からの活性領域7bの端部7cまでの長さdaは、マスク設計寸法Fよりも短く形成されることになる。これにより、活性領域7bの端部7cとダミーワード配線22bの間にはスペースが生じ、素子分離領域5の上面が露出される。この活性領域7とダミーワード配線22bとの間のスペースをアクティブダミー配線間領域26と称する。なお、ダミーワード配線22bの線幅がFよりもさらに短く形成される場合には、アクティブダミー配線間領域26の距離はさらに長くなる。
【0045】
<<不純物拡散領域形成工程>>
次に、図5(a)に示すように、ワード配線層22上に形成された第1絶縁膜23をマスクにして不純物を導入し、活性領域7にソース・ドレイン領域(不純物拡散領域)25を形成する。不純物導入は、例えばN型の不純物であるリンをエネルギー20KeVで、ドーズ量2×1013atoms/cm2の条件でイオン注入法によって導入することができる。これにより、活性領域7の上面7d近傍にN型のソース・ドレイン領域25が形成される。
【0046】
<<第2絶縁膜形成工程>>
次に、図6(a)および図6(b)に示すように、例えばシリコン窒化膜からなる第2絶縁膜53によって、第1絶縁膜23の側面と上面、ワード配線層22の側面、および半導体基板2の上面を被覆する。この際、第2絶縁膜53の膜厚は、ワード配線層22間を埋め込まないような膜厚とすることが好ましい。
【0047】
<<マスク形成工程>>
次に、図7(a)ないし図7(c)に示すように、フォトリソ技術を用いてレジスト材料からなるマスク54を形成する。マスク54には、図7(c)に示すように、延在方向に並んで配置された複数の活性領域7同士を、一つの開口部55で開口するように開口パターンが形成される。
【0048】
開口部55は、活性領域7上と、延在方向の隣接する活性領域7間に存在する素子分離領域5、ダミーワード配線22b上も開口するように形成されている。本実施形態では、活性領域7は、延在方向に延びた短冊状に形成されており、かつ、延在方向に複数並んで形成されたレイアウトを有しているので、マスクの開口部55の開口パターンは、延在方向に沿って直線状に延びたスリット状のパターンとなる。
【0049】
開口部55の直交方向の幅は、活性領域7の幅よりも若干狭く形成されており、活性領域7上にマスク54で覆われたオーバーラップ領域28が形成されようにする。具体的には、マスク54は、活性領域7の直交方向の縁において、長さlだけ重なるように形成されている。
また、直交方向に並設されて形成された複数の各活性領域7上に、開口部55は形成されるので、開口部55は直交方向に複数並んで配置される。
【0050】
開口部55は、スリット状に形成されているので、ホール形状の開口パターンに比べて、フォトリソ技術での露光マージンを拡大させることができる。そのため、狭い開口幅(ここでは直交方向の幅)を有する開口部55を形成することができるようになり、微細化に有効である。
【0051】
また、マスク54は、延在方向に沿ったスリット状の開口部55を有しているので、マスク54のレジスト材料で覆われたマスクパターンも、延在方向に沿って延びた直線状に形成されている。このレジスト材料で覆われている部分をマスク線状部56と呼ぶ。すなわち、マスク線状部56は、直交方向に複数並んで配置されている。
【0052】
このようにして、ワード配線層22と、マスク線状部56によって囲まれて区画された閉領域が形成される。なお、マスク54と、ワード配線層22上に形成された第1絶縁膜23はエッチングを行うためのマスクとして働く。
【0053】
<<島状第2絶縁膜形成工程>>
次に、図8(a)ないし図8(c)に示すように、第1絶縁膜23およびマスク54をマスクにして、第2絶縁膜53を異方性ドライエッチングする。これにより、第1絶縁膜23の上面23a、活性領域7の上面7d、および素子分離領域5の上面5aの一部が露出する。この際、開口部55によって開口された領域では、ワード配線層22および第1絶縁膜23の側壁に、第2絶縁膜53が残存するようにする。これがワード配線層22の側壁を覆うサイドウォール24となる。
【0054】
一方、マスク54で覆われた領域では、第2絶縁膜53が残存する。図8(b)に示すように、この残存した第2絶縁膜53のうち、半導体基板2の表面に形成された素子分離領域5上及び活性領域7上に残存する第2絶縁膜53を、島状第2絶縁膜27と呼ぶ。
【0055】
以上の工程により、マスク54の開口部55において、サイドウォール24が形成されたワード配線層22と、マスク54とによって区画された閉領域が形成される。以下では、閉領域のうち、活性領域7aが開口される領域を第1開口領域58と、活性領域7bが開口される領域を第2開口領域59と称する。
【0056】
すなわち、第1開口領域58においては、活性領域7aに形成されたソース・ドレイン領域25が露出しており、第2開口領域59においては、活性領域7bに形成されたソース・ドレイン領域25と、素子分離領域5が露出している。
【0057】
<<素子分離膜除去工程>>
次に、図9(a)ないし図9(c)に示すように、マスク54、第1絶縁膜23、およびサイドウォール24をマスクとして、異方性ドライエッチングを行うことによって、シャロートレンチ6に埋め込まれた素子分離膜8の一部を除去する。
具体的には、マスク54を構成するレジスト材料、第1絶縁膜23およびサイドウォール24を構成するシリコン窒化膜、並びに半導体基板2を構成するシリコンに対して、素子分離膜8を構成するシリコン酸化膜のエッチング速度が速い条件を用いて、異方性ドライエッチングを行う。これにより、選択的にシャロートレンチ6に埋め込まれた素子分離膜8を除去することができる。
【0058】
その結果、シャロートレンチ6に埋め込まれた素子分離膜8に、凹部である掘り込み部9が形成されるとともに、活性領域7の側面17であるシャロートレンチ6の内壁の一部が露出する。なお、この露出されたシャロートレンチ6の内壁の一部を活性領域側壁露出部29と呼ぶ。
この際、エッチングによる掘り込み部9の深さを変えることにより、活性領域側壁露出部29の面積を調整することができる。したがって、所望する活性領域7の露出面積に応じて、エッチングを行うようにする。
【0059】
また、図9(c)に示すように、平面視した際に、開口部55のうち、第2開口領域59の素子分離膜8が掘り込まれ、それに接する活性領域7の端部7cの側面17が露出する。すなわち、掘り込み部9は、ワード配線22aとダミーワード配線22bの間の素子分離膜8を除去して形成されており、活性領域7の延在方向の両端部7c側に形成されている。
このエッチングは、島状第2絶縁膜形成工程の第2絶縁膜53のエッチングに引き続いて、同一エッチング装置内で連続処理を行うこともできる。
【0060】
<<マスク除去工程>>
次に、マスク54をアッシング法によって除去する。なお、島状第2絶縁膜形成工程の第2絶縁膜53のエッチング後に、マスク54の除去を行っても構わない。この場合は、素子分離膜8のエッチングは、第1絶縁膜23と、マスク54のパターンが転写された島状第2絶縁膜27をマスクとして用いればよい。
【0061】
<<シリコン膜形成工程>>
次に、図10(a)ないし図10(c)に示すように、半導体基板2の活性領域7の上面7d(シリコン面)が露出した部分にシリコン膜10を形成する。具体的には、第1開口領域58のソース・ドレイン領域25の上面と、第2開口領域59のソース・ドレイン領域25の上面および活性領域側壁露出部29を基点として、選択エピタキシャル成長法を用いて、シリコン膜10を形成する。
シリコン膜10の形成方法としては、例えばジクロルシランと塩酸を含むガスを用いる方法を挙げることができる。
【0062】
シリコン膜10は、活性領域7の上面7dをせり上げた半導体層として機能し、シリコン膜10上には、後の工程でセルコンタクトプラグ31が形成される。
このように、活性領域7をせり上げる構造をとることにより、高濃度の不純物拡散領域を形成することができ、トランジスタの駆動能力向上、コンタクトの接触抵抗の低減、メタルコンタクトプラグの適用が可能となる。
【0063】
なお、図10(a)に示すように、第1開口領域58では、露出した活性領域7の上面7dを基点にして、垂直方向上方にシリコン膜10が成長する。これに対し、第2開口領域59では、シリコン膜は、露出した活性領域7の上面7dを基点にして垂直方向上方に成長するとともに、活性領域側壁露出部29を基点にして、垂直な方向(半導体基板2の上面2aに対して平行な方向)にも成長する。これにより、掘り込み部9内がシリコン膜10によって充填される。
【0064】
一般に、縦長状を有する活性領域7の延在方向の両端に形成される活性領域7bは、フォトリソ技術を用いた活性領域形成時に、端部7cが丸くなって寸法が縮みやすいため、活性領域7b表面の面積は小さく形成されやすい。微細化が進むにつれて、活性領域7bの面積はさらに小さくなる。
【0065】
一方、選択エピタキシャル成長には、成長の基点となる基板表面の自然酸化膜や異物などを除去した清浄化状態に敏感であるという性質がある。
したがって、従来の半導体装置では、エピタキシャル成長の基点となる露出したシリコン面である半導体基板の表面の面積が小さいため、部分的な自然酸化膜残りや微小な異物の付着などの影響によってシリコン膜の成長が阻害され、高さが低い未成長なシリコン膜が形成されるという不都合があった。
【0066】
これに対し、本実施形態では、シャロートレンチ6に埋め込まれた素子分離膜8の一部をエッチングして活性領域7の側面17を露出させることにより、シリコン面の露出面積を拡大させることができる。これにより、エピタキシャル成長において、未成長シリコン膜が生じることを抑制できるという効果がある。
【0067】
また、図10(b)に示すように、活性領域7の上面7dにおいては、垂直方向上方にシリコン膜10が成長する。そして、成長が進み、シリコン膜10が島状第2絶縁膜27よりも厚く成長される場合、島状第2絶縁膜27の上面27aの位置より上方に成長が進むと共に、島状第2絶縁膜27の上面27aに沿って水平方向(横方向)にも成長が進む。
【0068】
一般に、選択エピタキシャルシリコン成長は、基点となるシリコン面上に選択的に成長が行われるため、シリコン面に対して垂直方向の膜厚は、シリコン面に対して水平方向の膜厚よりも厚くなりやすい。
したがって、島状第2絶縁膜27の上面27aより上に形成されたシリコン膜10の部分は、高さ方向の膜厚が、水平方向の膜厚よりも厚く形成されやすい性質を持つ。
【0069】
ここで、活性領域7上に成長したシリコン膜10は、隣接する活性領域7上に成長したシリコン膜10同士が互いに短絡しないように形成する必要がある。
例えば、図10(c)に示すようなメモリセル配置では、延在方向に隣接する2つのシリコン膜10の間にはダミーワード配線22bが配置されているので短絡に対して強い。これに対し、直交方向に隣接する2つのシリコン膜10の間にはワード配線層22がないので延在方向に比べて短絡に対して弱い構造となっている。そのため、シリコン膜10の成長可能な膜厚の上限は、直交方向に隣接するシリコン膜10同士が短絡しないような膜厚に制限する必要がある。
したがって、本実施形態では、図10(b)および図10(c)に示すように、Y方向に間隔deを確保するようにシリコン膜10を形成する。
【0070】
そして、微細化が進むにつれて、活性領域7の間隔はますます狭くなるため、隣接する活性領域7間での短絡防止の観点から、エピタキシャル成長させるシリコン膜10の高さをさらに低く制御する必要が生じてくる。
本実施形態では、直交方向に隣接する2つの活性領域7間に島状第2絶縁膜27が形成されている。したがって、シリコン膜10の成長は、膜厚が島状第2絶縁膜27の高さ以下の段階では横方向への成長が抑えられるので、従来と比較してY方向の短絡に対して強い構造となっている。
なお、島状第2窒化膜27は、前述したように、ワード配線層22のサイドウォール24と同時に形成するため、特別な工程を追加しないことから、製造コストの増加を抑制しながら本構造を形成することができる。
【0071】
<<不純物導入工程>>
シリコン膜10を形成した後は、ヒ素等のN型不純物を、イオン注入法によってシリコン膜10に導入する。なお、シリコン膜10への不純物導入は、エピタキシャル成長の際に同時に導入する方法(insitu)で行ってもよい。
【0072】
<<不純物拡散工程>>
次に、図11(a)ないし図11(c)に示すように、半導体基板2上に、第1絶縁膜23を覆う高さまで、第1層間膜61を形成する。第1層間膜61の材料としては、例えばシリコン酸化膜を用いることができる。
【0073】
その後、熱処理を行い、シリコン膜10から半導体基板2内に不純物を拡散することで、活性領域側壁露出部29の近傍に不純物拡散領域であるソース・ドレイン領域62を形成する。この活性領域側壁露出部29の近傍に形成されたソース・ドレイン領域62は、半導体基板2に形成されていたソース・ドレイン領域25と接続される。なお、この熱処理工程は、シリコン膜10に不純物を導入する不純物導入工程の後の工程であれば他の工程で行ってもよい。
【0074】
<<セルコンタクトプラグ形成工程>>
その後、第1層間膜61に、シリコン膜10上を開口させるセルコンタクトホール32を形成する。なお、図11(c)においては、実際には露出していないシリコン膜10のパターンエッジを点線で重ねて示してある。
【0075】
次に、図12(a)ないし図12(c)に示すように、セルコンタクトホール32を充填するように、シリコン膜10上にセルコンタクトプラグ材料33を形成する。
セルコンタクトプラグ材料33には、例えばリン等の不純物を含有した多結晶シリコン(リンドープトシリコン)を用いることができる。もっとも、セルコンタクトプラグ材料33は、これに限定されず、チタン膜(Ti)、窒化チタン膜(TiN)、タングステン膜(W)を順次形成した高融点金属積層膜などを用いても良い。
【0076】
その後、セルコンタクトプラグ材料33に対してCMP法を用いて研磨除去して、セルコンタクトホール32内にセルコンタクトプラグ31を形成する。
本実施形態では、活性領域7上にシリコン膜10でせり上げたシリコン層を形成し、その上にセルコンタクトプラグ31を形成する構造が採用されている。
【0077】
したがって、セルコンタクトプラグ31として、高融点金属積層膜を用いて、メタルプラグとした場合であっても、プラグ底面で金属層が反応して金属シリサイド層が形成される際のダメージ層を覆うように、高濃度の不純物拡散層をシリコン膜10に形成することができる。これにより、トランジスタ特性の劣化を抑制することができる。
【0078】
<<ビット線形成工程>>
次に、図13(a)および図13(b)に示すように、例えばシリコン酸化膜からなる第2層間膜63を形成する。その後、第2層間膜63に、活性領域7a上に形成されたセルコンタクトプラグ31上を開口するように、ビット線コンタクトホール64を形成する。
【0079】
その後、ビット線コンタクトプラグ材料65で、ビット線コンタクトホール64を充填する。ビット線コンタクトプラグ材料65としては、例えばチタン膜、窒化チタン膜、タングステン膜等を順次成膜した積層体を用いることができる。
【0080】
その後、ビット線コンタクトプラグ材料65をCMP法により研磨除去して、ビット線コンタクトプラグ66を形成し、ビット線コンタクトプラグ66に接続するビット線41を形成する。ビット線41は、図3のX方向に延在するパターンを有する。
【0081】
<<キャパシタコンタクトプラグ形成工程>>
次に、図14(a)および図14(b)に示すように、例えばシリコン酸化膜からなる第3層間膜67を形成する。
そして、第3層間膜67と第2層間膜63を貫き、活性領域7b上に形成されたセルコンタクトプラグ31上を開口するように、キャパシタコンタクトホール71を形成する。
【0082】
その後、キャパシタコンタクトホール71を充填するように、キャパシタコンタクトプラグ材料72を形成する。キャパシタコンタクトプラグ材料72としては、例えばチタン膜、窒化チタン膜、タングステン膜等を順次成膜した積層体を用いることができる。
その後、キャパシタコンタクトプラグ材料72をCMP法により研磨除去してキャパシタコンタクトプラグ73を形成する。
【0083】
<<キャパシタ形成工程>>
その後、図2に示すように、例えばシリコン酸化膜からなる第4層間膜74を形成する。そして、第4層間膜74を貫きキャパシタコンタクトプラグ73上を開口するキャパシタコンタクトホール43を形成する。
【0084】
次に、キャパシタコンタクトホール43の側壁および底面を覆うようにキャパシタ下部電極44を形成する。そして、キャパシタ下部電極44上に、例えば酸化ジルコニウム(ZrO2)等の高誘電体膜からなるキャパシタ絶縁膜45を形成する。その後、キャパシタ絶縁膜45上に、キャパシタ上部電極46を形成する。なお、キャパシタ下部電極44およびキャパシタ上部電極46の材料としては、例えば窒化チタン等の金属膜を挙げることができる。
その後、キャパシタ上部電極46上に、第5層間膜75を、例えばシリコン酸化膜で形成し、さらに第5層間膜75上に上層の金属配線層42を形成する。
以上の工程を経て、本実施形態の半導体装置1が完成する。
【0085】
本実施形態の半導体装置1の製造方法においては、活性領域7の側面17および上面7dを覆うようにシリコン膜10を形成するので、活性領域7上にシリコン膜10を十分に形成することができる。すなわち、従来の半導体装置の製造方法では、活性領域の上面のみが露出した状態でシリコン膜を形成していたため、シリコン膜が成長する際の基となる半導体基板の露出面が不足しており、シリコン膜が十分に形成することができなかった。これに対し、本実施形態では、活性領域7の上面7dおよび側面17が露出した状態でシリコン膜10を形成するため、シリコン膜10を成長させる際の基となる活性領域7の露出面を十分に確保することができ、十分にシリコン膜10を形成することができる。
【0086】
また、直交方向に隣接する活性領域7に挟まれた素子分離領域5上に、島状第2絶縁膜27が形成されているので、直交方向に隣接する活性領域7間でシリコン膜10同士が短絡することを抑制できる。また、短絡防止の機能を有する島状第2絶縁膜27は、ワード配線層22のサイドウォール24と同時に形成できるので、製造コストの増加を招くことなく、短絡を防止することができる。
【0087】
なお、上記実施形態では、ワード配線層22が素子分離領域5に対してアライメントずれが発生していない場合について説明したが、アライメントずれが発生していても本実施形態を適用することは可能である。
【0088】
例えば、図15(a)に示すように、左側の活性領域7b上においてシリコン膜10が形成される部分の幅をda1、右側の活性領域7b上においてシリコン膜10が形成される部分の幅をda2とし、da1>da>da2とする。なお、ここでdaは、ワード配線層形成工程での、アライメントずれを起こしてない場合に活性領域7b上にシリコン膜10が形成される部分の幅である(図3参照)。
【0089】
右側の幅da2は、ずれが無い場合の値daよりもさらに小さくなり、シリコン膜10が形成される活性領域7の面積はさらに縮小される。その結果、従来の製造方法では、シリコン膜の成長不良の抑制がさらに難しくなる。
本実施形態では、半導体基板2の活性領域7の側面17をシリコン膜成長の際に利用するので、合わせずれが生じてもシリコン膜成長を行うための露出したシリコン面の面積を十分に確保でき、成長不良の発生を抑制することができる。
【0090】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態である半導体装置および半導体装置の製造方法について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、同様の部分については説明を省略する。
【0091】
<半導体装置>
本実施形態の半導体装置は、図16(a)及び図16(b)に示すように、第1の実施形態と異なり、半導体基板上に島状第2絶縁膜が設けられていない構成を採用しており、その他の構成は第1の実施形態と同様である。
具体的には、半導体装置81は、図16(b)に示すように、素子分離領域5上に直接第1層間膜61が形成されており、また、活性領域7上であって、ワード配線22a及びサイドウォール24が形成されていない部分には、全てシリコン膜10が形成されている。
なお、図16(a)及び図16(b)は、第1層間膜61より上部を省略して記載している。
【0092】
本実施形態の半導体装置81も、第1の実施形態と同様に、活性領域7の側面17および上面7dを覆うようにシリコン膜10が設けられている。これにより、シリコン膜10を選択エピタキシャル成長によって形成する際に、基点となる活性領域7の露出面を十分に確保することができ、シリコン膜10の成長不良の発生を抑制することができる。
また、活性領域7上にシリコン膜をせり上げているので、高濃度の不純物拡散領域を形成することができ、トランジスタの駆動能力向上、コンタクトの接触抵抗の低減、メタルコンタクトプラグの適用が可能となる。
また、本実施形態では、第1の実施形態と異なり、島状第2絶縁膜が設けられていない。これにより、第1の実施形態と比較して、活性領域7の上面7dで露出する面を拡大させることができ、よりシリコン膜10の成長不良の発生を抑制することができる。
【0093】
<半導体装置の製造方法>
次に、本実施形態の半導体装置の製造方法について説明する。
まず、第1の実施形態と同様に、図6に示すように、第2絶縁膜形成工程まで行う。その後、図17(a)ないし図17(c)に示すように、マスクを形成せずに、第2絶縁膜53に対して異方性ドライエッチングを行い、第2絶縁膜53からなるサイドウォール24を形成する。これにより、本実施形態では、ワード配線層22及びサイドウォール24を除いた、活性領域7の上面7dおよび素子分離領域5の上面5aが露出する。
【0094】
次に、図18(a)ないし図18(c)に示すように、第1の実施形態で形成したマスク54と同様のパターンに、フォトレジストを用いてマスク84を形成する。すなわち、マスク84は、第1の実施形態と同様の形状のマスク開口部85と、マスク線状部86を有する。
【0095】
その後、第1の実施形態と同様に、図19(a)ないし図19(c)に示すように、マスク84をマスクにして異方性ドライエッチングを行い、素子分離領域5の素子分離膜8を一部除去して掘り込み部9を形成する。これにより、活性領域7の側面(シリコン面)17であるシャロートレンチ6の内壁が露出して、活性領域側壁露出部29が形成される。
【0096】
次に、図20(a)ないし図20(c)に示すように、マスク84をアッシング法により除去する。以上の工程により、図20(c)に示すように、メモリセル領域を平面視すると、活性領域7の延在方向の両端部7c側に掘り込み部9が形成される。
【0097】
次に、図21(a)ないし図21(c)に示すように、第1の実施形態と同様に、活性領域7および活性領域側壁露出部29上に、選択的にシリコン膜10を成長する。
本実施形態では、活性領域7の上面7dのうち、ワード配線層22及びサイドウォール24が形成された部分以外の領域が露出しているので、第1の実施形態よりもシリコン膜10の成長基点となるシリコン面が広い。
【0098】
すなわち、第1の実施形態では、アライメントずれを考慮した覆いマージンを確保するため、島状第2絶縁膜27が活性領域7の上面7dの縁を覆うように形成されており、活性領域7の上面7dの露出面は、狭められていた。本実施形態では、図21(b)に示すように、島状第2絶縁膜が形成されていないので、露出している活性領域7の上面7dが、より広くなっている。
【0099】
この際、第1の実施形態と同様に、直交方向に隣接するシリコン膜10同士が短絡しないように、図21(b)および図21(c)に示すように、Y方向に間隔dfを確保するようにシリコン膜10を形成する。
なお、本実施形態では、直交方向に隣接する活性領域7間には、島状第2絶縁膜が形成されていない。したがって、水平方向へのシリコン膜成長によって、直交方向に隣接するシリコン膜10間での短絡を起こさないようにするため、シリコン膜10の膜厚の上限を、第1の実施形態よりも薄く設定する必要がある。
【0100】
シリコン膜10を形成した後は、第1の実施形態と同様に、シリコン膜10に不純物を導入する。その後、図22(a)および図22(b)に示すように、第1層間膜61を形成し、熱処理を行って、シリコン膜10から半導体基板2に不純物を拡散し、活性領域側壁露出部29の近傍に不純物拡散領域であるソース・ドレイン領域62を形成する。ソース・ドレイン領域62は、半導体基板2の活性領域7に形成されていたソース・ドレイン領域25と接続される。その後、セルコンタクトホール32を形成する。
【0101】
その後は、第1の実施形態と同様に、セルコンタクトプラグ31を形成する。以下、第1の実施形態と同様にキャパシタ4等を形成すれば、半導体装置81が完成する。
【0102】
本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、メモリセル領域に設けた活性領域7上に、選択エピタキシャル法でシリコン膜10を形成する際に、微細化が進展してもシリコン膜10の未成長の発生を抑制できる。
【0103】
また、本実施形態では、活性領域側壁露出部29を有しているので、シリコン膜10を形成する際に、シリコン膜10の未成長を防止するため、従来のように過度にシリコン膜の成長時間を長くする必要がない。このため、島状第2絶縁膜は形成されていないが、従来の方法と比較して、隣接するメモリセル間の短絡防止の効果を有している。このため、製造歩留まりを低下させることなく、高集積度の半導体装置81を製造することが可能となる。
【0104】
なお、第1の実施形態は、シリコン膜10の未成長防止効果が、第2の実施形態の場合と比較して劣るものの、直交方向に隣接するメモリセル間の短絡防止効果は第2の実施形態の場合よりも優れている。
一方、第2の実施形態は、直交方向に隣接するメモリセル間の短絡防止効果が、第1の実施形態の場合と比較して劣るものの、シリコン膜10の未成長防止効果については第1の実施形態の場合よりも優れている。
したがって、所望するメモリセルのレイアウトに応じて、第1の実施形態もしくは第2の実施形態いずれか最適な方法を適用すればよい。
【0105】
以上、本発明を実施形態に基づき説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、メモリセルのレイアウトも図3に示す配列に限定されず、隣接する2つの活性領域が形成されるレイアウトであれば用いることが可能である。また、本発明を適用して形成可能な半導体装置は、DRAMの場合には限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、半導体装置の製造方法に関するものなので、半導体装置を製造する製造業において幅広く利用することができる。
【符号の説明】
【0107】
1・・・半導体装置、2・・・半導体基板、3・・・トランジスタ、4・・・キャパシタ、5・・・素子分離領域、6・・・シャロートレンチ、7・・・活性領域、7d・・・活性領域の上面、8・・・素子分離膜、9・・・掘り込み部、10・・・シリコン膜、17・・・活性領域の側面、21・・・ゲート絶縁膜、22・・・ワード配線層、22a・・・ワード配線、22b・・・ダミーワード配線、24・・・サイドウォール、25・・・ソース・ドレイン領域、27・・・島状第2絶縁膜
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、コンピュータや電気機器の主要部分には、多数のMOSトランジスタや抵抗等を一つのチップ上に集積化する大規模集積回路(LSI)が採用されている。特に、LSIの中でも、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの素子は、急速な微細化が進んでいる。
【0003】
DRAM等の半導体装置では、MOSトランジスタのソース・ドレイン電極として、半導体基板の活性領域上にシリコン膜を設けた構造(せり上げソース・ドレイン構造)のものが知られている。
そして、このシリコン膜を形成する方法としては、活性領域の上面(シリコン面)を露出させた状態で、選択エピタキシャル成長を行い、単結晶のシリコン膜を形成する方法が一般的である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−130756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、メモリセル領域のように、複数のMOS型トランジスタを高密度に配置する必要がある領域では、微細化の進展に伴って、活性領域の面積はますます縮小している。このため、メモリセル領域内の活性領域上にシリコン膜を設ける際、露出しているシリコン面の面積が不足し、選択エピタキシャル成長を十分に行うことができず、シリコン膜が十分に形成できないという問題があった。
【0006】
また、露出しているシリコン面の面積は、ゲート電極形成時のアライメントずれに起因して、各メモリセル間でばらつきがある。このため、シリコン膜を十分に形成するため、必要以上に長時間選択エピタキシャル成長を行うと、露出しているシリコン面の面積が比較的大きいメモリセルにおいて、シリコン膜の高さが高くなると共に、横方向へもシリコン膜が成長することになる。その結果、隣接するメモリセル間でシリコン膜を介した短絡が起きてしまうという問題が発生する。
【0007】
すなわち、従来の半導体装置では、メモリセル間の短絡を防止した上で、シリコン膜が十分に形成されないメモリセルをなくすことが困難であった。
そのため、所定の動作特性が得られず、半導体装置の製造歩留まりが低下するという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明は、以下の構成を採用した。
本発明の半導体装置は、半導体基板の表層に埋め込み形成された素子分離膜によって、活性領域が区画された半導体装置であって、前記活性領域の側面が露出するように、前記素子分離膜の上面の一部が除去されて設けられた凹部と、前記凹部を埋め込みつつ、前記活性領域の上面及び前記側面と接するように設けられたシリコン膜と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の半導体装置では、活性領域の側面および上面を覆うようにシリコン膜が形成されているので、活性領域上にシリコン膜を十分に形成することができる。すなわち、従来の半導体装置では、活性領域の上面のみが露出した状態でシリコン膜を形成していたため、シリコン膜が成長する際の基点となる半導体基板の露出面が不足しており、シリコン膜を十分に形成することができなかった。これに対し、本発明では、活性領域の上面および側面が露出した状態でシリコン膜を形成するため、シリコン膜を成長させる際の基点となる活性領域の露出面を十分に確保することができ、十分にシリコン膜を形成することができる。
また、活性領域上にシリコン膜が形成されているので、高濃度の不純物拡散領域を形成することができ、トランジスタの駆動能力向上、コンタクトの接触抵抗の低減、メタルコンタクトプラグの適用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1(a)及び図1(b)は、本発明の第1の実施形態の半導体装置を示す平面図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施形態の半導体装置を示す断面図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施形態の半導体装置を示す平面図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施形態の半導体装置を示す平面図である。
【図5】図5は、本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す図であり、図5(a)は断面図であり、図5(b)は断面図であり、図5(c)は平面図である。
【図6】図6(a)及び図6(b)は、本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す図であり、図7(a)は断面図であり、図7(b)は断面図であり、図7(c)は平面図である。
【図8】図8は、本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す図であり、図8(a)は断面図であり、図8(b)は断面図であり、図8(c)は平面図である。
【図9】図9は、本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す図であり、図9(a)は断面図であり、図9(b)は断面図であり、図9(c)は平面図である。
【図10】図10は、本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す図であり、図10(a)は断面図であり、図10(b)は断面図であり、図10(c)は平面図である。
【図11】図11は、本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す図であり、図11(a)は断面図であり、図11(b)は断面図であり、図11(c)は平面図である。
【図12】図12は、本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す図であり、図12(a)は断面図であり、図12(b)は断面図であり、図12(c)は平面図である。
【図13】図13(a)及び図13(b)は、本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図14】図14(a)及び図14(b)は、本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図15】図15(a)及び図15(b)は、本発明の第1の実施形態の半導体装置の変形例を示す断面図である。
【図16】図16(a)及び図16(b)は、本発明の第2の実施形態の半導体装置を示す断面図である。
【図17】図17は、本発明の第2の実施形態の半導体装置の製造方法を示す図であり、図17(a)は断面図であり、図17(b)は断面図であり、図17(c)は平面図である。
【図18】図18は、本発明の第2の実施形態の半導体装置の製造方法を示す図であり、図18(a)は断面図であり、図18(b)は断面図であり、図18(c)は平面図である。
【図19】図19は、本発明の第2の実施形態の半導体装置の製造方法を示す図であり、図19(a)は断面図であり、図19(b)は断面図であり、図19(c)は平面図である。
【図20】図20は、本発明の第2の実施形態の半導体装置の製造方法を示す図であり、図20(a)は断面図であり、図20(b)は断面図であり、図20(c)は平面図である。
【図21】図21は、本発明の第2の実施形態の半導体装置の製造方法を示す図であり、図21(a)は断面図であり、図21(b)は断面図であり、図21(c)は平面図である。
【図22】図22(a)及び図22(b)は、本発明の第2の実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態である半導体装置および半導体装置の製造方法について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の半導体装置の寸法関係とは異なる場合がある。
【0012】
<DRAM>
本実施形態の半導体装置1は、図1(a)に示すように、以下の説明では、最終的にDRAMとして機能させるものとして説明するが、本発明はDRAMに限定されず、その他のReRAM(抵抗メモリ)、PRAM(相変化メモリ)、MRAM(磁気抵抗メモリ)等の、選択用トランジスタとデータを保持する記憶素子から構成されるメモリセルを備えた半導体装置に適用可能である。
【0013】
半導体装置1は、半導体基板の表面上に形成した半導体チップ上にメモリセル領域SAと、このメモリセル領域SAの外側に位置する周辺回路領域CAとを備えている。周辺回路領域CAには、センスアンプ回路、デコーダ回路、半導体チップ外部への入出力回路等の回路ブロックが配置される。メモリセル領域SAの数やレイアウトは一例であって、図1(a)の場合のみには限定されない。
メモリセル領域SAの一部を拡大した平面図を、図1(b)に示す。
メモリセル領域SAには、ビット線41(図2参照)やワード配線(第1ワード配線)22aが設けられており、ビット線とワード配線22aの交差部には、それぞれメモリセルが形成されている。
また、メモリセル領域SAに配置されるメモリセルは、マトリックス状に並んで配置されており、選択用トランジスタ3(図2参照)と、このトランジスタ3のソース・ドレイン領域25の何れか一方と電気的に接続されるキャパシタ4(図2参照)とから構成されている。DRAMの場合には、キャパシタ4がデータを保持するための記憶素子として機能する。
【0014】
メモリセル領域SAには、半導体基板2の表層に一方向に延在する複数の分離用のシャロートレンチ6(図2参照)を形成し、これら複数のシャロートレンチ6内に素子分離膜8(図2参照)を埋め込むことによって、STI(Shallow Trench Isolation)と呼ばれる複数の素子分離領域5と、素子分離領域5によって絶縁分離された複数の活性領域7とが、ストライプ状に交互に並んで設けられている。
【0015】
また、メモリセル領域SAには、これら素子分離領域5及び活性領域7と交差する方向に延在する複数のワード配線22aと、複数のダミーワード配線(第2ワード配線)22bとが、ストライプ状に並んで設けられている。なお、図1(b)においては、2本おきに配置されるワード線22aの間に1本のダミーワード線22bが配置されている。また、ワード配線22aは、トランジスタ3のゲート電極を構成するものである。
【0016】
<半導体装置>
次に、本実施形態の半導体装置について、より詳細に説明する。図2に示すように、半導体装置1は、概略、半導体基板2と、半導体基板2上に形成されたトランジスタ3と、トランジスタ3の上方に形成されたキャパシタ4と、を有した構成となっている。
【0017】
<<半導体基板>>
半導体基板2には、素子分離領域5を形成するための溝であるシャロートレンチ6が設けられており、半導体基板2内において、シャロートレンチ6によって区画された領域が活性領域7となる。したがって、シャロートレンチ6の内壁は、活性領域7の側面17となっている。
【0018】
シャロートレンチ6内には、絶縁膜である素子分離膜8が埋め込まれている。また、シャロートレンチ6内に埋め込まれた素子分離膜8の一部には、掘り込み部(凹部)9が形成されており、掘り込み部9にはシリコン膜10が形成されている。なお、掘り込み部9の形成位置については、後述する。
【0019】
このように、本実施形態の半導体装置1に用いられる半導体基板2には、シャロートレンチ6内に素子分離膜8が充填されたSTI構造の素子分離領域5が形成されている。そして、STI構造の素子分離領域5によって、半導体基板2に設けられた複数の活性領域7が、絶縁分離されている。
【0020】
活性領域7は、半導体基板2の表層に形成されており、図3に示すように、平面視した際に、一方向に延在した細長い短冊状に複数形成され、個々に所定間隔をあけて整列して配置されている。
なお、図3は、本実施形態の半導体装置1の一部を省略した平面図である。また、図3の活性領域7の配置は、6F2型と称する配置であるが、本発明はこれに限定されず、他の規則に従った配置しても構わない。以下では、図3の横方向をX方向と、図3の縦方向をY方向(第2の方向)と呼び、活性領域7の延在する方向を延在方向(第1の方向)と、延在方向と直交する方向を直交方向と呼ぶ。また、延在方向とY方向は、直交はしていないものの、Y方向は延在方向を横切る方向である。なお、図2は、本実施形態の半導体装置1を、図3の3A−3A’間で切断した際の断面図である。
【0021】
<<トランジスタ>>
半導体基板2上には、図2に示すように、ゲート絶縁膜21を介してゲート電極として機能するワード配線22a、または、ダミー電極であるダミーワード配線22bが設けられている。なお、以下の説明では、ワード配線22aとダミーワード配線22bを併せてワード配線層22と称する。
ワード配線層22上には、第1絶縁膜23が設けられており、ワード配線層22の側壁には、サイドウォール24が設けられている。
また、半導体基板2の活性領域7内であって、ワード配線22aに対して自己整合な位置となる活性領域7の上面7dの近傍には、不純物が導入されたソース・ドレイン領域(不純物拡散領域)25が形成されている。
【0022】
また、図3に示すように、ワード配線22aは、活性領域7上を横切るようにY方向に延在して設けられており、ゲート電極として機能する。また、ダミーワード線22bは、延在方向に隣接して配置された活性領域7間を横切るようにY方向に延在して設けられたダミー電極である。そして、ワード線22aは、活性領域7及び素子分離領域5上を横切るが、ダミーワード線22bは、素子分離領域5上のみを横切るように形成されている。
【0023】
各ワード配線層22の配線幅は、およそFに設計されている。なお、ここでFは、設計ルールを示す数値である。また、ワード配線層22の配線間隔はおよそFで形成されており、配線ピッチはおよそ2Fで構成されている。
【0024】
各活性領域7上には、Y方向に横断する2本のワード配線22aが形成されており、ワード配線22aにより、平面視した際に、活性領域7は3つに区画されて形成される。この2本のワード配線22aに区画された中央部分を活性領域7a、2本のワード配線22aの外側にできる2つの部分を活性領域7bと称する。
活性領域7aは、ビット線41(図2参照)と接続され、活性領域7bは、キャパシタ4(図2参照)と接続される。
【0025】
また、活性領域7の直交方向の幅はおよそFに形成されており、直交方向の各活性領域7間の間隔もFに形成されている。また、延在方向に隣接する2つの活性領域7の間隔はFよりも大きく形成されており、活性領域7aの延在方向の長さはFに形成されているが、活性領域7bの延在方向の長さはFよりも短く形成されている。したがって、活性領域7bの端部7cとダミー電極であるダミーワード配線22bとの間にはスペースが形成されており、この活性領域7bとダミーワード配線22bとの間のスペースをアクティブダミー配線間領域26と称する。
【0026】
<<島状第2絶縁膜>>
また、図4に示すように、ワード配線層22間であって、直交方向に隣接する活性領域7に挟まれた素子分離領域5上には、島状第2絶縁膜(絶縁膜)27が形成されている。
すなわち、島状第2絶縁膜27は、直交方向に並んで形成された各活性領域7間において、ワード配線層22およびサイドウォール24(図2参照)上を除いて、延在方向に断続的に直線上に延在して形成されている。したがって、島状第2絶縁膜27は、平面視した際に平行四辺形上に形成されている。なお、図4は、本実施形態の半導体装置1の一部を省略した平面図であり、特に図4中では、サイドウォール24を省略している。
【0027】
また、島状第2絶縁膜27は、直交方向の幅がFよりも大きく形成されており、そのため、活性領域7上の一部も覆うように形成されている。この活性領域7上で島状第2絶縁膜27に覆われている領域をオーバーラップ領域28と称する。
なお、島状第2絶縁膜27の厚さは、後述するシリコン膜10より厚く形成しても、薄く形成しても構わない。
【0028】
<<シリコン膜>>
シリコン膜10は、図2に示すように、凹部である掘り込み部9内を充填するとともに、活性領域7の上面7dであるソース・ドレイン領域25の上面25aを覆うように形成されている。なお、このシリコン膜10は、選択エピタキシャル成長によって形成されるエピタキシャル成長層である。
【0029】
ここで、掘り込み部9は、活性領域7の側面17を露出するように形成されており、以下では、この露出した部分を活性領域側壁露出部29と称する。なお、活性領域7内において、活性領域側壁露出部29の近傍には、前述したソース・ドレイン領域25と一体となる不純物拡散領域であるソース・ドレイン領域62が形成されている。
掘り込み部9は、図14に示すように、ワード配線22aとダミーワード配線22bの間に形成されており、具体的には、素子分離領域5上のアクティブダミー配線間領域26であって、島状第2絶縁膜27に挟まれた領域に形成される。したがって、活性領域7bの延在方向の両端部7c側の側面17を露出するように掘り込み部9が形成されている。
なお、図2に示すように、活性領域7b上に形成されるシリコン膜10と、掘り込み部9に形成されるシリコン膜10は、一体として成形される。
【0030】
<<キャパシタ>>
各ソース・ドレイン領域25に形成されたシリコン膜10上には、セルコンタクトプラグ(コンタクトプラグ)31が形成されており、セルコンタクトプラグ31と接続するように、ビット配線41、キャパシタ4が形成されており、その上方には上層の金属配線層42等が形成されている。すなわち、活性領域7b上に形成されたシリコン膜10上に設けられたセルコンタクトプラグ31の上方には、キャパシタ4が形成されている。
キャパシタ4は、キャパシタコンタクトホール43の側壁および底面を覆うように形成されたキャパシタ下部電極44と、キャパシタ下部電極44上に、形成されたキャパシタ絶縁膜45と、キャパシタ絶縁膜45上に形成されたキャパシタ上部電極46から概略構成されている。
【0031】
本実施形態の半導体装置1は、活性領域7の側面17および上面7dを覆うようにシリコン膜10が設けられているので、活性領域7上にシリコン膜10を十分に形成することができる。すなわち、従来の半導体装置では、活性領域の上面のみが露出した状態でシリコン膜が形成されていたので、露出面不足に起因してシリコン膜が十分に形成できないという不都合があった。これに対し、本実施形態では、活性領域7の上面7dおよび側面17が露出した状態でシリコン膜10が形成されるため、活性領域7の露出面を十分に確保することができ、十分にシリコン膜10を形成することができる。
また、活性領域7上にシリコン膜をせり上げているので、高濃度の不純物拡散領域を形成することができ、トランジスタの駆動能力向上、コンタクトの接触抵抗の低減、メタルコンタクトプラグの適用が可能となる。
例えば、メタルコンタクトプラグを採用した場合であっても、プラグ底面で金属層が反応して金属シリサイド層が形成される際のダメージ層を覆うように、高濃度の不純物拡散層をシリコン膜10で形成することができるので、トランジスタ特性の劣化を抑制することができる。
【0032】
また、直交方向に隣接する活性領域7に挟まれた素子分離領域5上に、島状第2絶縁膜27が形成されているので、直交方向に隣接する活性領域7間でシリコン膜10同士が短絡することを抑制できる。
【0033】
<半導体装置の製造方法>
次に、本実施形態の半導体装置1の製造方法について、詳細に説明する。
本実施形態の半導体装置の製造方法は、活性領域区画工程と、ワード配線層形成工程と、不純物拡散領域形成工程と、第2絶縁膜形成工程と、マスク形成工程と、島状第2絶縁膜形成工程と、素子分離膜除去工程と、マスク除去工程と、シリコン膜形成工程と、不純物導入工程と、不純物拡散工程と、コンタクトプラグ形成工程と、ビット線形成工程と、キャパシタ形成工程と、を有している。
【0034】
<<活性領域区画工程>>
まず、図5(a)及び図5(b)に示すように、半導体基板2に素子分離領域5を形成するための溝であるシャロートレンチ6を形成する。このシャロートレンチ6によって、半導体基板2内において活性領域7が区画される。
その後、シャロートレンチ6内に、絶縁膜である素子分離膜8を埋め込んで、STI構造の素子分離領域5を形成する。このSTI構造の素子分離領域5によって、複数形成された活性領域7が、絶縁分離される。
なお、図5(a)は、図5(c)の5A−5A’間断面図であり、図5(b)は、図5(c)の5B−5B’間断面図であり、図5(c)は、半導体装置1の平面図である。以下、図6ないし図22において、(a)は、図5(c)の5A−5A’間に相当する部分で切断した際の断面図であり、(b)は、図5(c)の5B−5B’間に相当する部分で切断した際の断面図であり、図7ないし図12および図17ないし図21において、(c)は、平面図である。
【0035】
活性領域7は、半導体基板2の表層に形成されており、図5(c)に示すように、平面視した際に、延在方向に延びた細長い短冊状に複数形成され、個々に所定間隔をあけて整列して配置されている。
【0036】
半導体基板2としては、例えばP型のシリコン半導体基板を用いることができる。もっとも、半導体基板2の材料はこれに限定されず、例えばゲルマニウムを含有した半導体基板を用いることもできる。
【0037】
シャロートレンチ6内に埋め込む素子分離膜8の材料としては、例えばシリコン酸化膜(SiO2)等を用いることができ、HDP−CVD法で形成することができる。また、シリコン酸化膜としては、SOD膜などの塗布系絶縁膜を用いても構わない。
もっとも、素子分離膜8の材料はこれに限定されず、後述するエッチング工程において、エッチング部分が、後述する第2絶縁膜53および半導体基板2の材料に対してエッチングの選択比が取れる材料で構成されているのであれば、どのようなものでも構わない。
【0038】
<<ワード配線層形成工程>>
シャロートレンチ6に素子分離膜8を埋め込んだ後は、図5(a)に示すように、半導体基板2上にゲート絶縁膜21、ゲートシリコン膜51、ゲート高融点金属膜52、第1絶縁膜23を順次形成する。そして、フォトリソ技術およびドライエッチング技術を用いて、ゲートシリコン膜51およびゲート高融点金属膜52からなるワード配線層22を形成する。第1絶縁膜23としては、例えばシリコン窒化膜(Si3N4)を用いることができる。
【0039】
ワード配線層22は、図5(c)に示すように、Y方向に延在しており、ワード配線(第1ワード配線)22aと、ダミーワード配線(第2ワード配線)22bとから構成されている。ワード配線22aは、活性領域7上を横切って形成されており、ゲート電極15として機能する。また、ダミーワード配線22bは、延在方向に隣接して配置された活性領域7間を横切るように、活性領域7上を横切ることなく、素子分離領域5上にのみに形成された、ダミー電極である。このダミー電極は、ゲート電極15のパターニングの際に、パターン配置の規則性を維持してパターン精度を向上させる目的で形成されている。
【0040】
また、各ワード配線層22の配線幅は、およそFに設計されている。また、ワード配線層22の配線間隔はおよそFで形成されており、配線ピッチはおよそ2Fで構成されている。
【0041】
また、活性領域7上に、Y方向に横断する2本のワード配線22aが形成されることにより、活性領域7の表面において露出する領域が3つ形成される。この2本のワード配線22aに区画された中央部分を活性領域7a、2本のワード配線22aの外側にできる2つの部分を活性領域7bと称する。
活性領域7aは、後述するように、ビット線41と接続され、活性領域7bは、キャパシタ4と接続される。
【0042】
活性領域7を形成する際は、まずフォトリソ技術を用いてレジストパターンを形成して、露光を行う。本実施形態では、マスク設計上は、活性領域7の直交方向の幅はおよそF、間隔はFに形成されている。また、延在方向に隣接する2つの活性領域7の間隔はFに形成されており、活性領域7a、および、活性領域7bの延在方向の長さは、ともにおよそFとなるように設計されている。
【0043】
もっとも、露光の際には、縦長状を有する活性領域7の延在方向の両端部7cでは、露光のための光が3方向から回り込むため、レジストパターンの延在方向の長さは、マスク設計寸法よりも短く形成されることになる。
【0044】
その結果、2本のワード配線22aの外側端からの活性領域7bの端部7cまでの長さdaは、マスク設計寸法Fよりも短く形成されることになる。これにより、活性領域7bの端部7cとダミーワード配線22bの間にはスペースが生じ、素子分離領域5の上面が露出される。この活性領域7とダミーワード配線22bとの間のスペースをアクティブダミー配線間領域26と称する。なお、ダミーワード配線22bの線幅がFよりもさらに短く形成される場合には、アクティブダミー配線間領域26の距離はさらに長くなる。
【0045】
<<不純物拡散領域形成工程>>
次に、図5(a)に示すように、ワード配線層22上に形成された第1絶縁膜23をマスクにして不純物を導入し、活性領域7にソース・ドレイン領域(不純物拡散領域)25を形成する。不純物導入は、例えばN型の不純物であるリンをエネルギー20KeVで、ドーズ量2×1013atoms/cm2の条件でイオン注入法によって導入することができる。これにより、活性領域7の上面7d近傍にN型のソース・ドレイン領域25が形成される。
【0046】
<<第2絶縁膜形成工程>>
次に、図6(a)および図6(b)に示すように、例えばシリコン窒化膜からなる第2絶縁膜53によって、第1絶縁膜23の側面と上面、ワード配線層22の側面、および半導体基板2の上面を被覆する。この際、第2絶縁膜53の膜厚は、ワード配線層22間を埋め込まないような膜厚とすることが好ましい。
【0047】
<<マスク形成工程>>
次に、図7(a)ないし図7(c)に示すように、フォトリソ技術を用いてレジスト材料からなるマスク54を形成する。マスク54には、図7(c)に示すように、延在方向に並んで配置された複数の活性領域7同士を、一つの開口部55で開口するように開口パターンが形成される。
【0048】
開口部55は、活性領域7上と、延在方向の隣接する活性領域7間に存在する素子分離領域5、ダミーワード配線22b上も開口するように形成されている。本実施形態では、活性領域7は、延在方向に延びた短冊状に形成されており、かつ、延在方向に複数並んで形成されたレイアウトを有しているので、マスクの開口部55の開口パターンは、延在方向に沿って直線状に延びたスリット状のパターンとなる。
【0049】
開口部55の直交方向の幅は、活性領域7の幅よりも若干狭く形成されており、活性領域7上にマスク54で覆われたオーバーラップ領域28が形成されようにする。具体的には、マスク54は、活性領域7の直交方向の縁において、長さlだけ重なるように形成されている。
また、直交方向に並設されて形成された複数の各活性領域7上に、開口部55は形成されるので、開口部55は直交方向に複数並んで配置される。
【0050】
開口部55は、スリット状に形成されているので、ホール形状の開口パターンに比べて、フォトリソ技術での露光マージンを拡大させることができる。そのため、狭い開口幅(ここでは直交方向の幅)を有する開口部55を形成することができるようになり、微細化に有効である。
【0051】
また、マスク54は、延在方向に沿ったスリット状の開口部55を有しているので、マスク54のレジスト材料で覆われたマスクパターンも、延在方向に沿って延びた直線状に形成されている。このレジスト材料で覆われている部分をマスク線状部56と呼ぶ。すなわち、マスク線状部56は、直交方向に複数並んで配置されている。
【0052】
このようにして、ワード配線層22と、マスク線状部56によって囲まれて区画された閉領域が形成される。なお、マスク54と、ワード配線層22上に形成された第1絶縁膜23はエッチングを行うためのマスクとして働く。
【0053】
<<島状第2絶縁膜形成工程>>
次に、図8(a)ないし図8(c)に示すように、第1絶縁膜23およびマスク54をマスクにして、第2絶縁膜53を異方性ドライエッチングする。これにより、第1絶縁膜23の上面23a、活性領域7の上面7d、および素子分離領域5の上面5aの一部が露出する。この際、開口部55によって開口された領域では、ワード配線層22および第1絶縁膜23の側壁に、第2絶縁膜53が残存するようにする。これがワード配線層22の側壁を覆うサイドウォール24となる。
【0054】
一方、マスク54で覆われた領域では、第2絶縁膜53が残存する。図8(b)に示すように、この残存した第2絶縁膜53のうち、半導体基板2の表面に形成された素子分離領域5上及び活性領域7上に残存する第2絶縁膜53を、島状第2絶縁膜27と呼ぶ。
【0055】
以上の工程により、マスク54の開口部55において、サイドウォール24が形成されたワード配線層22と、マスク54とによって区画された閉領域が形成される。以下では、閉領域のうち、活性領域7aが開口される領域を第1開口領域58と、活性領域7bが開口される領域を第2開口領域59と称する。
【0056】
すなわち、第1開口領域58においては、活性領域7aに形成されたソース・ドレイン領域25が露出しており、第2開口領域59においては、活性領域7bに形成されたソース・ドレイン領域25と、素子分離領域5が露出している。
【0057】
<<素子分離膜除去工程>>
次に、図9(a)ないし図9(c)に示すように、マスク54、第1絶縁膜23、およびサイドウォール24をマスクとして、異方性ドライエッチングを行うことによって、シャロートレンチ6に埋め込まれた素子分離膜8の一部を除去する。
具体的には、マスク54を構成するレジスト材料、第1絶縁膜23およびサイドウォール24を構成するシリコン窒化膜、並びに半導体基板2を構成するシリコンに対して、素子分離膜8を構成するシリコン酸化膜のエッチング速度が速い条件を用いて、異方性ドライエッチングを行う。これにより、選択的にシャロートレンチ6に埋め込まれた素子分離膜8を除去することができる。
【0058】
その結果、シャロートレンチ6に埋め込まれた素子分離膜8に、凹部である掘り込み部9が形成されるとともに、活性領域7の側面17であるシャロートレンチ6の内壁の一部が露出する。なお、この露出されたシャロートレンチ6の内壁の一部を活性領域側壁露出部29と呼ぶ。
この際、エッチングによる掘り込み部9の深さを変えることにより、活性領域側壁露出部29の面積を調整することができる。したがって、所望する活性領域7の露出面積に応じて、エッチングを行うようにする。
【0059】
また、図9(c)に示すように、平面視した際に、開口部55のうち、第2開口領域59の素子分離膜8が掘り込まれ、それに接する活性領域7の端部7cの側面17が露出する。すなわち、掘り込み部9は、ワード配線22aとダミーワード配線22bの間の素子分離膜8を除去して形成されており、活性領域7の延在方向の両端部7c側に形成されている。
このエッチングは、島状第2絶縁膜形成工程の第2絶縁膜53のエッチングに引き続いて、同一エッチング装置内で連続処理を行うこともできる。
【0060】
<<マスク除去工程>>
次に、マスク54をアッシング法によって除去する。なお、島状第2絶縁膜形成工程の第2絶縁膜53のエッチング後に、マスク54の除去を行っても構わない。この場合は、素子分離膜8のエッチングは、第1絶縁膜23と、マスク54のパターンが転写された島状第2絶縁膜27をマスクとして用いればよい。
【0061】
<<シリコン膜形成工程>>
次に、図10(a)ないし図10(c)に示すように、半導体基板2の活性領域7の上面7d(シリコン面)が露出した部分にシリコン膜10を形成する。具体的には、第1開口領域58のソース・ドレイン領域25の上面と、第2開口領域59のソース・ドレイン領域25の上面および活性領域側壁露出部29を基点として、選択エピタキシャル成長法を用いて、シリコン膜10を形成する。
シリコン膜10の形成方法としては、例えばジクロルシランと塩酸を含むガスを用いる方法を挙げることができる。
【0062】
シリコン膜10は、活性領域7の上面7dをせり上げた半導体層として機能し、シリコン膜10上には、後の工程でセルコンタクトプラグ31が形成される。
このように、活性領域7をせり上げる構造をとることにより、高濃度の不純物拡散領域を形成することができ、トランジスタの駆動能力向上、コンタクトの接触抵抗の低減、メタルコンタクトプラグの適用が可能となる。
【0063】
なお、図10(a)に示すように、第1開口領域58では、露出した活性領域7の上面7dを基点にして、垂直方向上方にシリコン膜10が成長する。これに対し、第2開口領域59では、シリコン膜は、露出した活性領域7の上面7dを基点にして垂直方向上方に成長するとともに、活性領域側壁露出部29を基点にして、垂直な方向(半導体基板2の上面2aに対して平行な方向)にも成長する。これにより、掘り込み部9内がシリコン膜10によって充填される。
【0064】
一般に、縦長状を有する活性領域7の延在方向の両端に形成される活性領域7bは、フォトリソ技術を用いた活性領域形成時に、端部7cが丸くなって寸法が縮みやすいため、活性領域7b表面の面積は小さく形成されやすい。微細化が進むにつれて、活性領域7bの面積はさらに小さくなる。
【0065】
一方、選択エピタキシャル成長には、成長の基点となる基板表面の自然酸化膜や異物などを除去した清浄化状態に敏感であるという性質がある。
したがって、従来の半導体装置では、エピタキシャル成長の基点となる露出したシリコン面である半導体基板の表面の面積が小さいため、部分的な自然酸化膜残りや微小な異物の付着などの影響によってシリコン膜の成長が阻害され、高さが低い未成長なシリコン膜が形成されるという不都合があった。
【0066】
これに対し、本実施形態では、シャロートレンチ6に埋め込まれた素子分離膜8の一部をエッチングして活性領域7の側面17を露出させることにより、シリコン面の露出面積を拡大させることができる。これにより、エピタキシャル成長において、未成長シリコン膜が生じることを抑制できるという効果がある。
【0067】
また、図10(b)に示すように、活性領域7の上面7dにおいては、垂直方向上方にシリコン膜10が成長する。そして、成長が進み、シリコン膜10が島状第2絶縁膜27よりも厚く成長される場合、島状第2絶縁膜27の上面27aの位置より上方に成長が進むと共に、島状第2絶縁膜27の上面27aに沿って水平方向(横方向)にも成長が進む。
【0068】
一般に、選択エピタキシャルシリコン成長は、基点となるシリコン面上に選択的に成長が行われるため、シリコン面に対して垂直方向の膜厚は、シリコン面に対して水平方向の膜厚よりも厚くなりやすい。
したがって、島状第2絶縁膜27の上面27aより上に形成されたシリコン膜10の部分は、高さ方向の膜厚が、水平方向の膜厚よりも厚く形成されやすい性質を持つ。
【0069】
ここで、活性領域7上に成長したシリコン膜10は、隣接する活性領域7上に成長したシリコン膜10同士が互いに短絡しないように形成する必要がある。
例えば、図10(c)に示すようなメモリセル配置では、延在方向に隣接する2つのシリコン膜10の間にはダミーワード配線22bが配置されているので短絡に対して強い。これに対し、直交方向に隣接する2つのシリコン膜10の間にはワード配線層22がないので延在方向に比べて短絡に対して弱い構造となっている。そのため、シリコン膜10の成長可能な膜厚の上限は、直交方向に隣接するシリコン膜10同士が短絡しないような膜厚に制限する必要がある。
したがって、本実施形態では、図10(b)および図10(c)に示すように、Y方向に間隔deを確保するようにシリコン膜10を形成する。
【0070】
そして、微細化が進むにつれて、活性領域7の間隔はますます狭くなるため、隣接する活性領域7間での短絡防止の観点から、エピタキシャル成長させるシリコン膜10の高さをさらに低く制御する必要が生じてくる。
本実施形態では、直交方向に隣接する2つの活性領域7間に島状第2絶縁膜27が形成されている。したがって、シリコン膜10の成長は、膜厚が島状第2絶縁膜27の高さ以下の段階では横方向への成長が抑えられるので、従来と比較してY方向の短絡に対して強い構造となっている。
なお、島状第2窒化膜27は、前述したように、ワード配線層22のサイドウォール24と同時に形成するため、特別な工程を追加しないことから、製造コストの増加を抑制しながら本構造を形成することができる。
【0071】
<<不純物導入工程>>
シリコン膜10を形成した後は、ヒ素等のN型不純物を、イオン注入法によってシリコン膜10に導入する。なお、シリコン膜10への不純物導入は、エピタキシャル成長の際に同時に導入する方法(insitu)で行ってもよい。
【0072】
<<不純物拡散工程>>
次に、図11(a)ないし図11(c)に示すように、半導体基板2上に、第1絶縁膜23を覆う高さまで、第1層間膜61を形成する。第1層間膜61の材料としては、例えばシリコン酸化膜を用いることができる。
【0073】
その後、熱処理を行い、シリコン膜10から半導体基板2内に不純物を拡散することで、活性領域側壁露出部29の近傍に不純物拡散領域であるソース・ドレイン領域62を形成する。この活性領域側壁露出部29の近傍に形成されたソース・ドレイン領域62は、半導体基板2に形成されていたソース・ドレイン領域25と接続される。なお、この熱処理工程は、シリコン膜10に不純物を導入する不純物導入工程の後の工程であれば他の工程で行ってもよい。
【0074】
<<セルコンタクトプラグ形成工程>>
その後、第1層間膜61に、シリコン膜10上を開口させるセルコンタクトホール32を形成する。なお、図11(c)においては、実際には露出していないシリコン膜10のパターンエッジを点線で重ねて示してある。
【0075】
次に、図12(a)ないし図12(c)に示すように、セルコンタクトホール32を充填するように、シリコン膜10上にセルコンタクトプラグ材料33を形成する。
セルコンタクトプラグ材料33には、例えばリン等の不純物を含有した多結晶シリコン(リンドープトシリコン)を用いることができる。もっとも、セルコンタクトプラグ材料33は、これに限定されず、チタン膜(Ti)、窒化チタン膜(TiN)、タングステン膜(W)を順次形成した高融点金属積層膜などを用いても良い。
【0076】
その後、セルコンタクトプラグ材料33に対してCMP法を用いて研磨除去して、セルコンタクトホール32内にセルコンタクトプラグ31を形成する。
本実施形態では、活性領域7上にシリコン膜10でせり上げたシリコン層を形成し、その上にセルコンタクトプラグ31を形成する構造が採用されている。
【0077】
したがって、セルコンタクトプラグ31として、高融点金属積層膜を用いて、メタルプラグとした場合であっても、プラグ底面で金属層が反応して金属シリサイド層が形成される際のダメージ層を覆うように、高濃度の不純物拡散層をシリコン膜10に形成することができる。これにより、トランジスタ特性の劣化を抑制することができる。
【0078】
<<ビット線形成工程>>
次に、図13(a)および図13(b)に示すように、例えばシリコン酸化膜からなる第2層間膜63を形成する。その後、第2層間膜63に、活性領域7a上に形成されたセルコンタクトプラグ31上を開口するように、ビット線コンタクトホール64を形成する。
【0079】
その後、ビット線コンタクトプラグ材料65で、ビット線コンタクトホール64を充填する。ビット線コンタクトプラグ材料65としては、例えばチタン膜、窒化チタン膜、タングステン膜等を順次成膜した積層体を用いることができる。
【0080】
その後、ビット線コンタクトプラグ材料65をCMP法により研磨除去して、ビット線コンタクトプラグ66を形成し、ビット線コンタクトプラグ66に接続するビット線41を形成する。ビット線41は、図3のX方向に延在するパターンを有する。
【0081】
<<キャパシタコンタクトプラグ形成工程>>
次に、図14(a)および図14(b)に示すように、例えばシリコン酸化膜からなる第3層間膜67を形成する。
そして、第3層間膜67と第2層間膜63を貫き、活性領域7b上に形成されたセルコンタクトプラグ31上を開口するように、キャパシタコンタクトホール71を形成する。
【0082】
その後、キャパシタコンタクトホール71を充填するように、キャパシタコンタクトプラグ材料72を形成する。キャパシタコンタクトプラグ材料72としては、例えばチタン膜、窒化チタン膜、タングステン膜等を順次成膜した積層体を用いることができる。
その後、キャパシタコンタクトプラグ材料72をCMP法により研磨除去してキャパシタコンタクトプラグ73を形成する。
【0083】
<<キャパシタ形成工程>>
その後、図2に示すように、例えばシリコン酸化膜からなる第4層間膜74を形成する。そして、第4層間膜74を貫きキャパシタコンタクトプラグ73上を開口するキャパシタコンタクトホール43を形成する。
【0084】
次に、キャパシタコンタクトホール43の側壁および底面を覆うようにキャパシタ下部電極44を形成する。そして、キャパシタ下部電極44上に、例えば酸化ジルコニウム(ZrO2)等の高誘電体膜からなるキャパシタ絶縁膜45を形成する。その後、キャパシタ絶縁膜45上に、キャパシタ上部電極46を形成する。なお、キャパシタ下部電極44およびキャパシタ上部電極46の材料としては、例えば窒化チタン等の金属膜を挙げることができる。
その後、キャパシタ上部電極46上に、第5層間膜75を、例えばシリコン酸化膜で形成し、さらに第5層間膜75上に上層の金属配線層42を形成する。
以上の工程を経て、本実施形態の半導体装置1が完成する。
【0085】
本実施形態の半導体装置1の製造方法においては、活性領域7の側面17および上面7dを覆うようにシリコン膜10を形成するので、活性領域7上にシリコン膜10を十分に形成することができる。すなわち、従来の半導体装置の製造方法では、活性領域の上面のみが露出した状態でシリコン膜を形成していたため、シリコン膜が成長する際の基となる半導体基板の露出面が不足しており、シリコン膜が十分に形成することができなかった。これに対し、本実施形態では、活性領域7の上面7dおよび側面17が露出した状態でシリコン膜10を形成するため、シリコン膜10を成長させる際の基となる活性領域7の露出面を十分に確保することができ、十分にシリコン膜10を形成することができる。
【0086】
また、直交方向に隣接する活性領域7に挟まれた素子分離領域5上に、島状第2絶縁膜27が形成されているので、直交方向に隣接する活性領域7間でシリコン膜10同士が短絡することを抑制できる。また、短絡防止の機能を有する島状第2絶縁膜27は、ワード配線層22のサイドウォール24と同時に形成できるので、製造コストの増加を招くことなく、短絡を防止することができる。
【0087】
なお、上記実施形態では、ワード配線層22が素子分離領域5に対してアライメントずれが発生していない場合について説明したが、アライメントずれが発生していても本実施形態を適用することは可能である。
【0088】
例えば、図15(a)に示すように、左側の活性領域7b上においてシリコン膜10が形成される部分の幅をda1、右側の活性領域7b上においてシリコン膜10が形成される部分の幅をda2とし、da1>da>da2とする。なお、ここでdaは、ワード配線層形成工程での、アライメントずれを起こしてない場合に活性領域7b上にシリコン膜10が形成される部分の幅である(図3参照)。
【0089】
右側の幅da2は、ずれが無い場合の値daよりもさらに小さくなり、シリコン膜10が形成される活性領域7の面積はさらに縮小される。その結果、従来の製造方法では、シリコン膜の成長不良の抑制がさらに難しくなる。
本実施形態では、半導体基板2の活性領域7の側面17をシリコン膜成長の際に利用するので、合わせずれが生じてもシリコン膜成長を行うための露出したシリコン面の面積を十分に確保でき、成長不良の発生を抑制することができる。
【0090】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態である半導体装置および半導体装置の製造方法について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、同様の部分については説明を省略する。
【0091】
<半導体装置>
本実施形態の半導体装置は、図16(a)及び図16(b)に示すように、第1の実施形態と異なり、半導体基板上に島状第2絶縁膜が設けられていない構成を採用しており、その他の構成は第1の実施形態と同様である。
具体的には、半導体装置81は、図16(b)に示すように、素子分離領域5上に直接第1層間膜61が形成されており、また、活性領域7上であって、ワード配線22a及びサイドウォール24が形成されていない部分には、全てシリコン膜10が形成されている。
なお、図16(a)及び図16(b)は、第1層間膜61より上部を省略して記載している。
【0092】
本実施形態の半導体装置81も、第1の実施形態と同様に、活性領域7の側面17および上面7dを覆うようにシリコン膜10が設けられている。これにより、シリコン膜10を選択エピタキシャル成長によって形成する際に、基点となる活性領域7の露出面を十分に確保することができ、シリコン膜10の成長不良の発生を抑制することができる。
また、活性領域7上にシリコン膜をせり上げているので、高濃度の不純物拡散領域を形成することができ、トランジスタの駆動能力向上、コンタクトの接触抵抗の低減、メタルコンタクトプラグの適用が可能となる。
また、本実施形態では、第1の実施形態と異なり、島状第2絶縁膜が設けられていない。これにより、第1の実施形態と比較して、活性領域7の上面7dで露出する面を拡大させることができ、よりシリコン膜10の成長不良の発生を抑制することができる。
【0093】
<半導体装置の製造方法>
次に、本実施形態の半導体装置の製造方法について説明する。
まず、第1の実施形態と同様に、図6に示すように、第2絶縁膜形成工程まで行う。その後、図17(a)ないし図17(c)に示すように、マスクを形成せずに、第2絶縁膜53に対して異方性ドライエッチングを行い、第2絶縁膜53からなるサイドウォール24を形成する。これにより、本実施形態では、ワード配線層22及びサイドウォール24を除いた、活性領域7の上面7dおよび素子分離領域5の上面5aが露出する。
【0094】
次に、図18(a)ないし図18(c)に示すように、第1の実施形態で形成したマスク54と同様のパターンに、フォトレジストを用いてマスク84を形成する。すなわち、マスク84は、第1の実施形態と同様の形状のマスク開口部85と、マスク線状部86を有する。
【0095】
その後、第1の実施形態と同様に、図19(a)ないし図19(c)に示すように、マスク84をマスクにして異方性ドライエッチングを行い、素子分離領域5の素子分離膜8を一部除去して掘り込み部9を形成する。これにより、活性領域7の側面(シリコン面)17であるシャロートレンチ6の内壁が露出して、活性領域側壁露出部29が形成される。
【0096】
次に、図20(a)ないし図20(c)に示すように、マスク84をアッシング法により除去する。以上の工程により、図20(c)に示すように、メモリセル領域を平面視すると、活性領域7の延在方向の両端部7c側に掘り込み部9が形成される。
【0097】
次に、図21(a)ないし図21(c)に示すように、第1の実施形態と同様に、活性領域7および活性領域側壁露出部29上に、選択的にシリコン膜10を成長する。
本実施形態では、活性領域7の上面7dのうち、ワード配線層22及びサイドウォール24が形成された部分以外の領域が露出しているので、第1の実施形態よりもシリコン膜10の成長基点となるシリコン面が広い。
【0098】
すなわち、第1の実施形態では、アライメントずれを考慮した覆いマージンを確保するため、島状第2絶縁膜27が活性領域7の上面7dの縁を覆うように形成されており、活性領域7の上面7dの露出面は、狭められていた。本実施形態では、図21(b)に示すように、島状第2絶縁膜が形成されていないので、露出している活性領域7の上面7dが、より広くなっている。
【0099】
この際、第1の実施形態と同様に、直交方向に隣接するシリコン膜10同士が短絡しないように、図21(b)および図21(c)に示すように、Y方向に間隔dfを確保するようにシリコン膜10を形成する。
なお、本実施形態では、直交方向に隣接する活性領域7間には、島状第2絶縁膜が形成されていない。したがって、水平方向へのシリコン膜成長によって、直交方向に隣接するシリコン膜10間での短絡を起こさないようにするため、シリコン膜10の膜厚の上限を、第1の実施形態よりも薄く設定する必要がある。
【0100】
シリコン膜10を形成した後は、第1の実施形態と同様に、シリコン膜10に不純物を導入する。その後、図22(a)および図22(b)に示すように、第1層間膜61を形成し、熱処理を行って、シリコン膜10から半導体基板2に不純物を拡散し、活性領域側壁露出部29の近傍に不純物拡散領域であるソース・ドレイン領域62を形成する。ソース・ドレイン領域62は、半導体基板2の活性領域7に形成されていたソース・ドレイン領域25と接続される。その後、セルコンタクトホール32を形成する。
【0101】
その後は、第1の実施形態と同様に、セルコンタクトプラグ31を形成する。以下、第1の実施形態と同様にキャパシタ4等を形成すれば、半導体装置81が完成する。
【0102】
本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、メモリセル領域に設けた活性領域7上に、選択エピタキシャル法でシリコン膜10を形成する際に、微細化が進展してもシリコン膜10の未成長の発生を抑制できる。
【0103】
また、本実施形態では、活性領域側壁露出部29を有しているので、シリコン膜10を形成する際に、シリコン膜10の未成長を防止するため、従来のように過度にシリコン膜の成長時間を長くする必要がない。このため、島状第2絶縁膜は形成されていないが、従来の方法と比較して、隣接するメモリセル間の短絡防止の効果を有している。このため、製造歩留まりを低下させることなく、高集積度の半導体装置81を製造することが可能となる。
【0104】
なお、第1の実施形態は、シリコン膜10の未成長防止効果が、第2の実施形態の場合と比較して劣るものの、直交方向に隣接するメモリセル間の短絡防止効果は第2の実施形態の場合よりも優れている。
一方、第2の実施形態は、直交方向に隣接するメモリセル間の短絡防止効果が、第1の実施形態の場合と比較して劣るものの、シリコン膜10の未成長防止効果については第1の実施形態の場合よりも優れている。
したがって、所望するメモリセルのレイアウトに応じて、第1の実施形態もしくは第2の実施形態いずれか最適な方法を適用すればよい。
【0105】
以上、本発明を実施形態に基づき説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、メモリセルのレイアウトも図3に示す配列に限定されず、隣接する2つの活性領域が形成されるレイアウトであれば用いることが可能である。また、本発明を適用して形成可能な半導体装置は、DRAMの場合には限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、半導体装置の製造方法に関するものなので、半導体装置を製造する製造業において幅広く利用することができる。
【符号の説明】
【0107】
1・・・半導体装置、2・・・半導体基板、3・・・トランジスタ、4・・・キャパシタ、5・・・素子分離領域、6・・・シャロートレンチ、7・・・活性領域、7d・・・活性領域の上面、8・・・素子分離膜、9・・・掘り込み部、10・・・シリコン膜、17・・・活性領域の側面、21・・・ゲート絶縁膜、22・・・ワード配線層、22a・・・ワード配線、22b・・・ダミーワード配線、24・・・サイドウォール、25・・・ソース・ドレイン領域、27・・・島状第2絶縁膜
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の表層に埋め込み形成された素子分離膜によって、活性領域が区画された半導体装置であって、
前記活性領域の側面が露出するように、前記素子分離膜の上面の一部が除去されて設けられた凹部と、
前記凹部を埋め込みつつ、前記活性領域の上面及び前記側面と接するように設けられたシリコン膜と、を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記活性領域が第1の方向に延在して形成されており、
前記凹部が、前記活性領域の延在方向の両端側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記活性領域が前記第1の方向に所定間隔で複数配置されており、
ゲート絶縁膜を介して、前記活性領域を横切るように第2の方向に延在して設けられたゲート電極と、
ゲート絶縁膜を介して、前記第1の方向に隣接して配置された前記活性領域間を横切るように前記第2の方向に延在して設けられたダミー電極と、を有し、
前記凹部が前記ゲート電極と前記ダミー電極との間に設けられており、
前記ゲート電極と前記ダミー電極との間に位置する活性領域の上面及び前記凹部によって露出された側面に、不純物拡散領域が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記活性領域が前記第2の方向に所定間隔で複数配置されており、
前記第2の方向に隣接する前記活性領域間に位置する前記素子分離膜上に、絶縁膜が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記ゲート電極及び前記ダミー電極の両側の側面を覆うように設けられたサイドウォール膜を有することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記シリコン膜に接触するように設けられたコンタクトプラグと、
前記コンタクトプラグと電気的に接続する記憶素子と、を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
半導体基板の表層にシャロートレンチを形成し、該シャロートレンチに素子分離膜を充填して素子分離領域を形成することで、活性領域を区画する活性領域区画工程と、
前記素子分離膜を、前記活性領域の側面が露出するまで除去する素子分離膜除去工程と、
露出した前記活性領域の側面及び上面を基点として、シリコン膜を選択的にエピタキシャル成長させるシリコン膜形成工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記活性領域区画工程において、前記活性領域を第1の方向に延在するように区画し、
前記素子分離膜除去工程において、前記活性領域の前記第1の方向の両端側の側面が露出するように、前記素子分離膜を除去することを特徴とする請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記活性領域区画工程において、前記活性領域を前記第1の方向に所定間隔で複数形成するように区画し、
ゲート絶縁膜を介して、前記活性領域を横切るように第2方向に延在するゲート電極を構成する第1ワード配線と、ゲート絶縁膜を介して、前記第1の方向に隣接して配置された活性領域間を横切るように前記第2方向に延在するダミー電極を構成する第2ワード配線と、が並ぶワード配線層を形成するワード配線層形成工程を有し、
前記素子分離膜除去工程において、前記第1ワード配線と前記第2ワード配線の間の前記素子分離膜を除去することを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記活性領域区画工程において、前記活性領域を前記第2の方向に所定間隔で複数形成するように区画し、
前記第2の方向に隣接する前記活性領域間に位置する素子分離膜上に、絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程を有することを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
絶縁膜を用いて前記ワード配線層の両側の側面を覆うサイドウォール膜を形成するサイドウォール膜形成工程を有することを特徴とする請求項9または請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
金属膜を用いて前記シリコン膜の上面に接触するコンタクトプラグを形成するコンタクトプラグ形成工程と、
前記コンタクトプラグと電気的に接続するキャパシタを形成するキャパシタ形成工程と、を有することを特徴とする請求項7ないし請求項11のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項1】
半導体基板の表層に埋め込み形成された素子分離膜によって、活性領域が区画された半導体装置であって、
前記活性領域の側面が露出するように、前記素子分離膜の上面の一部が除去されて設けられた凹部と、
前記凹部を埋め込みつつ、前記活性領域の上面及び前記側面と接するように設けられたシリコン膜と、を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記活性領域が第1の方向に延在して形成されており、
前記凹部が、前記活性領域の延在方向の両端側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記活性領域が前記第1の方向に所定間隔で複数配置されており、
ゲート絶縁膜を介して、前記活性領域を横切るように第2の方向に延在して設けられたゲート電極と、
ゲート絶縁膜を介して、前記第1の方向に隣接して配置された前記活性領域間を横切るように前記第2の方向に延在して設けられたダミー電極と、を有し、
前記凹部が前記ゲート電極と前記ダミー電極との間に設けられており、
前記ゲート電極と前記ダミー電極との間に位置する活性領域の上面及び前記凹部によって露出された側面に、不純物拡散領域が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記活性領域が前記第2の方向に所定間隔で複数配置されており、
前記第2の方向に隣接する前記活性領域間に位置する前記素子分離膜上に、絶縁膜が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記ゲート電極及び前記ダミー電極の両側の側面を覆うように設けられたサイドウォール膜を有することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記シリコン膜に接触するように設けられたコンタクトプラグと、
前記コンタクトプラグと電気的に接続する記憶素子と、を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
半導体基板の表層にシャロートレンチを形成し、該シャロートレンチに素子分離膜を充填して素子分離領域を形成することで、活性領域を区画する活性領域区画工程と、
前記素子分離膜を、前記活性領域の側面が露出するまで除去する素子分離膜除去工程と、
露出した前記活性領域の側面及び上面を基点として、シリコン膜を選択的にエピタキシャル成長させるシリコン膜形成工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記活性領域区画工程において、前記活性領域を第1の方向に延在するように区画し、
前記素子分離膜除去工程において、前記活性領域の前記第1の方向の両端側の側面が露出するように、前記素子分離膜を除去することを特徴とする請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記活性領域区画工程において、前記活性領域を前記第1の方向に所定間隔で複数形成するように区画し、
ゲート絶縁膜を介して、前記活性領域を横切るように第2方向に延在するゲート電極を構成する第1ワード配線と、ゲート絶縁膜を介して、前記第1の方向に隣接して配置された活性領域間を横切るように前記第2方向に延在するダミー電極を構成する第2ワード配線と、が並ぶワード配線層を形成するワード配線層形成工程を有し、
前記素子分離膜除去工程において、前記第1ワード配線と前記第2ワード配線の間の前記素子分離膜を除去することを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記活性領域区画工程において、前記活性領域を前記第2の方向に所定間隔で複数形成するように区画し、
前記第2の方向に隣接する前記活性領域間に位置する素子分離膜上に、絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程を有することを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
絶縁膜を用いて前記ワード配線層の両側の側面を覆うサイドウォール膜を形成するサイドウォール膜形成工程を有することを特徴とする請求項9または請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
金属膜を用いて前記シリコン膜の上面に接触するコンタクトプラグを形成するコンタクトプラグ形成工程と、
前記コンタクトプラグと電気的に接続するキャパシタを形成するキャパシタ形成工程と、を有することを特徴とする請求項7ないし請求項11のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
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【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2012−49321(P2012−49321A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−189777(P2010−189777)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】
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