説明

半導体装置の製造方法および基板処理装置

【課題】半導体装置に用いられるキャパシタを効率よく、しかも少ない占有床面積で行うことができる半導体装置の製造方法および基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板200上に下電極を形成する工程(S104)と、下電極の上に、それぞれ異なる金属元素を含む3種の金属酸化膜を積層して誘電膜を形成する工程(S106、S108、S110)と、誘電膜の上に、上電極を形成する工程(S112)と、を有し、各工程は同一の装置で行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法および基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等に好適に用いられるキャパシタを製造する際の成膜技術が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−134148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の半導体装置に用いられるキャパシタを製造する際には、効率よく、しかも少ない占有床面積で行うことが求められている。
【0005】
本発明の主な目的は、半導体装置に用いられるキャパシタを効率よく、しかも少ない占有床面積で行うことができる半導体装置の製造方法および基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、
基板上に下電極を形成する工程と、
前記下電極の上に、それぞれ異なる金属元素を含む3種の金属酸化膜を積層して誘電膜を形成する工程と、
前記誘電膜の上に、上電極を形成する工程と、
を有し、前記各工程は同一の装置で行う半導体装置の製造方法が提供される。
【0007】
また、本発明によれば、
基板を収容する処理室と、
前記処理室に、第1の金属元素を含む第1の原料を供給する第1の原料供給系と、
前記処理室に、前記第1の金属元素とは異なる第2の金属元素を含む第2の原料を供給する第2の原料供給系と、
前記処理室に、前記第1の金属元素および前記第2の金属元素とは異なる第3の金属元素を含む第3の原料を供給する第3の原料供給系と、
前記処理室に、酸化剤を供給する酸化剤供給系と、
前記処理室に、窒化剤を供給する窒化剤供給系と、
前記第1の原料と前記酸化剤を処理室へ交互に供給して第1の金属酸化膜を形成した後、該第1の金属酸化膜の上に前記第2の原料と前記酸化剤を処理室へ交互に供給して第2の金属酸化膜を形成し、該第2の金属酸化膜の上に前記第3の原料と前記酸化剤を処理室へ交互に供給して第3の金属酸化膜を形成することで前記第1の金属酸化膜、前記第2の金属酸化膜及び前記第3の金属酸化膜を有する誘電膜を前記基板上に形成し、前記第3の原料と前記窒化剤を処理室へ交互に供給することにより前記誘電膜の上に上電極を形成するよう前記第1の原料供給系、前記第2の原料供給系、前記第3の原料供給系、前記酸化剤供給系及び前記窒化剤供給系を制御する制御部と、
を有する基板処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、半導体装置に用いられるキャパシタを効率よく、しかも少ない占有床面積で行うことができる半導体装置の製造方法および基板処理装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施の形態で好適に用いられる基板処理装置の構成を説明するための概略斜透視図である。
【図2】図2は、本発明の好ましい実施の形態で好適に用いられる処理炉の一例とそれに付随する部材の概略構成図であって、処理炉部分を概略縦断面で示す図である。
【図3】図3は、図2に示す処理炉のA−A線概略縦断面である。
【図4】図4は、本発明の好ましい実施の形態における、MIMキャパシタの製造プロセスを説明するためのフローチャートである。
【図5A】図5Aは、本発明の好ましい実施の形態における、MIMキャパシタの製造方法を説明するための概略縦断面図である。
【図5B】図5Bは、本発明の好ましい実施の形態における、MIMキャパシタの製造方法を説明するための概略縦断面図である。
【図5C】図5Cは、本発明の好ましい実施の形態における、MIMキャパシタの製造方法を説明するための概略縦断面図である。
【図5D】図5Dは、本発明の好ましい実施の形態における、MIMキャパシタの製造方法を説明するための概略縦断面図である。
【図5E】図5Eは、本発明の好ましい実施の形態における、MIMキャパシタの製造方法を説明するための概略縦断面図である。
【図5F】図5Fは、本発明の好ましい実施の形態における、MIMキャパシタの製造方法を説明するための概略縦断面図である。
【図5G】図5Gは、本発明の好ましい実施の形態における、MIMキャパシタの製造方法を説明するための概略縦断面図である。
【図5H】図5Hは、本発明の好ましい実施の形態における、MIMキャパシタの製造方法を説明するための概略縦断面図である。
【図5I】図5Iは、本発明の好ましい実施の形態における、MIMキャパシタの製造方法を説明するための概略縦断面図である。
【図6】図6は、本発明の好ましい実施の形態における、MIMキャパシタの下電極の製造プロセスを説明するためのフローチャートである。
【図7】図7は、本発明の好ましい実施の形態における、MIMキャパシタの下電極の製造プロセスを説明するためのタイミングチャートである。
【図8】図8は、本発明の好ましい実施の形態における、MIMキャパシタの誘電体膜の製造プロセスを説明するためのフローチャートである。
【図9】図9は、本発明の好ましい実施の形態における、MIMキャパシタの誘電体膜の製造プロセスを説明するためのタイミングチャートである。
【図10】図10は、本発明の好ましい実施の形態における、MIMキャパシタの上電極の製造プロセスを説明するためのフローチャートである。
【図11】図11は、本発明の好ましい実施の形態における、MIMキャパシタの上電極の製造プロセスを説明するためのタイミングチャートである。
【図12】図12は、本発明の好ましい実施の形態における、ガスクリーニングプロセスを説明するためのフローチャートである。
【図13】図13は、本発明の好ましい実施の形態における、ガスクリーニングプロセスを説明するためのタイミングチャートである。
【図14】図14は、本実施の形態における時間短縮効果を説明するための図である。
【図15】図15は、本発明の好ましい実施の形態における、MIMキャパシタの製造プロセスの一変形例を説明するためのフローチャートである。
【図16】図16は、本発明の好ましい実施の形態における、MIMキャパシタの製造プロセスの他の変形例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
DRAMキャパシタの製造工程において薄膜化、高品質の成膜技術が求められている。従来は、下電極として、窒化チタン膜(TiN膜)をCVD法で成膜し、その上に、酸化ジルコニウム膜(ZrO膜)と酸化アルミナ膜(Al膜)とをALD(Atomic Layer Deposition)法で成膜して誘電膜を形成し、誘電膜の上に、上電極として窒化チタン膜(TiN膜)をCVD法で成膜していた。
【0011】
ハーフピッチ45nm級以下のDRAM素子のキャパシタにおいては、微細化に伴ってキャパシタの電極面積が縮小し、誘電膜として、上記のAl膜とZrO膜では容量を確保することが困難となり、より比誘電率の高い酸化チタン膜(TiO膜)を採用するための研究が活発に行われている。
【0012】
また、容量を確保するために、キャパシタの構造も、例えば、シリンダー状の立体形状が用いられ、その形状も縮小されてきているので、上下電極として使用されている熱CVD法で成膜されたTiN膜においては、均一な膜形成が困難となってきている。
【0013】
このように45nm級以下の製造工程においては、誘電膜及び電極用被膜とも新しい技術を投入する必要性が高く、品質の面、設備投資の面で大きな課題となっている。
【0014】
本発明者らは、このような課題を考慮の上、鋭意研究の結果、以下の好ましい実施の形態を案出した。
【0015】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0016】
まず、本発明の好ましい実施の形態で好適に使用される基板処理装置について説明する。この基板処理装置は、半導体装置の製造に使用される半導体製造装置の一例として構成されているものである。
【0017】
下記の説明では、基板処理装置の一例として、基板に対し成膜処理等をおこなう縦型の装置を使用した場合について述べる。しかし、本発明は、縦型装置の使用を前提としたものでなく、例えば、枚葉装置を使用しても良い。
【0018】
図1を参照すれば、基板処理装置101では、基板の一例となるウエハ200を収納したカセット110が使用されており、ウエハ200は半導体シリコン等の材料から構成されている。基板処理装置101は筐体111を備えており、筐体111の内部にはカセットステージ114が設置されている。カセット110はカセットステージ114上に工程内搬送装置(図示せず)によって搬入されたり、カセットステージ114上から搬出されたりする。
【0019】
カセットステージ114上にはカセット110が、工程内搬送装置(図示せず)によって、カセット110内のウエハ200が垂直姿勢を保持しかつカセット110のウエハ出し入れ口が上方向を向くように載置される。カセットステージ114は、カセット110を筐体111の後方に右回り縦方向90°回転し、カセット110内のウエハ200が水平姿勢となり、カセット110のウエハ出し入れ口が筐体111の後方を向くように動作可能となるよう構成されている。
【0020】
筐体111内の前後方向の略中央部にはカセット棚105が設置されており、カセット棚105は複数段複数列にて複数個のカセット110を保管するように構成されている。カセット棚105にはウエハ移載機構125の搬送対象となるカセット110が収納される移載棚123が設けられている。
【0021】
カセットステージ114の上方には予備カセット棚107が設けられ、予備的にカセット110を保管するように構成されている。
【0022】
カセットステージ114とカセット棚105との間には、カセット搬送装置118が設置されている。カセット搬送装置118は、カセット110を保持したまま昇降可能なカセットエレベータ118aと、搬送機構としてのカセット搬送機構118bとを備えている。カセット搬送装置118はカセットエレベータ118aとカセット搬送機構118bとの連動動作により、カセットステージ114とカセット棚105と予備カセット棚107との間で、カセット110を搬送するように構成されている。
【0023】
カセット棚105の後方には、ウエハ移載機構125が設置されている。ウエハ移載機構125は、ウエハ200を水平方向に回転ないし直動可能なウエハ移載装置125aと、ウエハ移載装置125aを昇降させるためのウエハ移載装置エレベータ125bとを備えている。ウエハ移載装置125aにはウエハ200をピックアップするためのツイーザ125cが設けられている。ウエハ移載装置125はウエハ移載装置125aとウエハ移載装置エレベータ125bとの連動動作により、ツイーザ125cをウエハ200の載置部として、ウエハ200をボート217に対して装填(チャージング)したり、ボート217から脱装(ディスチャージング)したりするように構成されている。
【0024】
筐体111の後部上方には、ウエハ200を熱処理する処理炉202が設けられており、処理炉202の下端部が炉口シャッタ147により開閉されるように構成されている。
【0025】
処理炉202の下方には処理炉202に対しボート217を昇降させるボートエレベータ115が設けられている。ボートエレベータ115の昇降台にはアーム128が連結されており、アーム128にはシールキャップ219が水平に据え付けられている。シールキャップ219はボート217を垂直に支持するとともに、処理炉202の下端部を閉塞可能なように構成されている。
【0026】
ボート217は複数の保持部材を備えており、複数枚(例えば50〜150枚程度)のウエハ200をその中心を揃えて垂直方向に整列させた状態で、それぞれ水平に保持するように構成されている。
【0027】
カセット棚105の上方には、清浄化した雰囲気であるクリーンエアを供給するクリーンユニット134aが設置されている。クリーンユニット134aは供給ファン(図示せず)および防塵フィルタ(図示せず)を備えており、クリーンエアを筐体111の内部に流通させるように構成されている。
【0028】
筐体111の左側端部には、クリーンエアを供給するクリーンユニット134bが設置されている。クリーンユニット134bも供給ファン(図示せず)および防塵フィルタ(図示せず)を備えており、クリーンエアをウエハ移載装置125aやボート217等の近傍を流通させるように構成されている。当該クリーンエアは、ウエハ移載装置125aやボート217等の近傍を流通した後に、筐体111の外部に排気されるようになっている。
【0029】
続いて、基板処理装置101の主な動作について説明する。
【0030】
工程内搬送装置(図示略)によってカセット110がカセットステージ114上に搬入されると、カセット110は、ウエハ200がカセットステージ114の上で垂直姿勢を保持し、カセット110のウエハ出し入れ口が上方向を向くようにカセットステージ114上に載置される。その後、カセット110は、カセットステージ114によって、カセット110内のウエハ200が水平姿勢となり、カセット110のウエハ出し入れ口が筐体111の後方を向くように、筐体111の後方に右周り縦方向90°回転させられる。
【0031】
その後、カセット110は、カセット棚105ないし予備カセット棚107の指定された棚位置へカセット搬送装置118によって自動的に搬送され受け渡され、一時的に保管された後、カセット棚105ないし予備カセット棚107からカセット搬送装置118によって移載棚123に移載されるか、もしくは直接移載棚123に搬送される。
【0032】
カセット110が移載棚123に移載されると、ウエハ200はカセット110からウエハ移載装置125aのツイーザ125cによってカセット110のウエハ出し入れ口を通じてピックアップされ、ボート217に装填(チャージング)される。ボート217にウエハ200を受け渡したウエハ移載装置125aはカセット110に戻り、後続のウエハ200をボート217に装填する。
【0033】
予め指定された枚数のウエハ200がボート217に装填されると、処理炉202の下端部を閉じていた炉口シャッタ147が開き、処理炉202の下端部が開放される。その後、ウエハ200群を保持したボート217がボートエレベータ115の上昇動作により処理炉202内に搬入(ローディング)され、処理炉202の下部がシールキャップ219により閉塞される。
【0034】
ローディング後は、処理炉202にてウエハ200に対し任意の処理が実施される。その処理後は、上述の逆の手順で、ウエハ200およびカセット110が筐体111の外部に搬出される。
【0035】
次に図2、図3を参照して前述した基板処理装置101に使用される処理炉202について説明する。
【0036】
図2及び図3を参照すれば、処理炉202にはウエハ200を加熱するための加熱装置(加熱手段)であるヒータ207が設けられている。ヒータ207は上方が閉塞された円筒形状の断熱部材と複数本のヒータ素線とを備えており、断熱部材に対しヒータ素線が設けられたユニット構成を有している。また、ヒータ207に電力を供給する加熱用電源250が設けられている。ヒータ207の内側には、ウエハ200を処理するための石英製の反応管203が設けられている。
【0037】
反応管203の下部にはマニホールド209が設けられている。反応管203の下端部およびマニホールド209の上部開口端部には、それぞれ環状のフランジが設けられ、これらのフランジ間には気密部材(以下Oリング)220が配置され、両者の間は気密にシールされている。
【0038】
マニホールド209の下方には、マニホールド209の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219はマニホールド209の下端に垂直方向下側から当接されるようになっている。シールキャップ219は例えばステンレス等の金属からなり、円盤状に形成されている。マニホールド209の下部開口端部に設けられた環状のフランジとシールキャップ219の上面との間には気密部材(以下Oリング)220が配置され、両者の間は気密にシールされている。少なくとも、反応管203、マニホールド209、及びシールキャップ219により処理室201が形成されている。
【0039】
シールキャップ219にはボート217を支持するボート支持台218が設けられている。ボート217はボート支持台218に固定された底板210とその上方に配置された天板211とを有しており、底板210と天板211との間に複数本の支柱212が架設された構成を有している(図1参照)。ボート217には複数枚のウエハ200が保持されている。複数枚のウエハ200は、互いに一定の間隔をあけながら水平姿勢を保持した状態で反応管203の管軸方向に多段に積載されボート217の支柱212に支持されている。
【0040】
シールキャップ219の処理室201と反対側にはボートを回転させる回転機構267が設けられている。回転機構267の回転軸255はシールキャップを貫通してボート支持台218に接続されており、回転機構267によって、ボート支持台218を介してボート217を回転させることでウエハ200を回転させる。
【0041】
シールキャップ219は反応管203の外部に設けられた昇降機構としてのボートエレベータ115によって垂直方向に昇降され、これによりボート217を処理室201内に対し搬入搬出することが可能となっている。
【0042】
以上の処理炉202では、バッチ処理される複数枚のウエハ200がボート217に対し多段に積層された状態において、ボート217がボート支持台218で支持されながら処理室201に挿入され、ヒータ207が処理室201に挿入されたウエハ200を所定の温度に加熱するようになっている。
【0043】
図2及び図3を参照すれば、処理室201には、原料ガスやエッチング用ガスを供給するための5本のガス供給管310、320、330、340、350が接続されている。
【0044】
ガス供給管310は、ガス供給管311およびガス供給管312を備えている。ガス供給管311には、上流側から順に流量制御装置(流量制御手段)である液体マスフローコントローラ313、気化ユニット(気化手段)である気化器315および開閉弁であるバルブ316が設けられている。ガス供給管312には、上流側から順に流量制御装置(流量制御手段)であるマスフローコントローラ314および開閉弁であるバルブ317が設けられている。ガス供給管311とガス供給管312は、バルブ316およびバルブ317の下流側で接続されて、ガス供給管310となっている。ガス供給管310には、ガス供給管311とガス供給管312の接続点より下流側にバルブ318が設けられている。
【0045】
ガス供給管310の下流側の端部は、マニホールド209を貫通して設けられており、マニホールド209の内側でガス供給管310の先端部にノズル410の下端部が接続されている。ノズル410は、反応管203の内壁とウエハ200との間における円弧状の空間で、反応管203の内壁に沿った上下方向(ウエハ200の積載方向)に延在している。ノズル410の側面には原料ガスを供給する多数のガス供給孔410aが設けられている。ガス供給孔410aは、下部から上部にわたって同一または、大きさに傾斜をつけた開口面積を有し、同じピッチで設けられている。
【0046】
さらに、ガス供給管310には、バルブ316およびバルブ317とバルブ318との間に、後述の排気管232に接続されたベントライン610及びバルブ614が設けられている。
【0047】
主に、ガス供給管310、バルブ318、ガス供給管311、液体マスフローコントローラ313、気化器315、バルブ316、ガス供給管312、マスフローコントローラ314、バルブ317、ノズル410、ベントライン610、バルブ614によりガス供給系(ガス供給手段)301が構成されている。
【0048】
また、ガス供給管310にはキャリアガスを供給するためのキャリアガス供給管510が、バルブ318の下流側で接続されている。キャリアガス供給管510にはマスフローコントローラ512及びバルブ514が設けられている。主に、キャリアガス供給管510、マスフローコントローラ512、バルブ514によりキャリアガス供給系(不活性ガス供給系、不活性ガス供給手段)501が構成されている。
【0049】
ガス供給管311では、液体原料が液体マスフローコントローラ313で流量調整されて気化器315に供給され気化されて原料ガスとなって供給される。ガス供給管312では、気体状のエッチングガスがマスフローコントローラ314で流量調整されて供給される。
【0050】
バルブ316とバルブ317を切り替えて、ガス供給管311から供給される原料ガスとガス供給管312から供給されるエッチングガスのいずれかをガス供給管310に供給する。
【0051】
なお、原料ガスまたはエッチング用ガスを処理室201に供給していない間は、バルブ318を閉じ、バルブ614を開けて、バルブ614を介して原料ガスまたはエッチング用ガスをベントライン610に流しておく。
【0052】
そして、原料ガスまたはエッチング用ガスを処理室201に供給する際には、バルブ614を閉じ、バルブ318を開けて、原料ガスまたはエッチング用ガスをバルブ318の下流のガス供給管310に供給する。一方、キャリアガスがマスフローコントローラ512で流量調整されてバルブ514を介してキャリアガス供給管510から供給され、原料ガスまたはエッチング用ガスはバルブ318の下流側でこのキャリアガスと合流し、ノズル410を介して処理室201に供給される。
【0053】
ガス供給管320は、ガス供給管321およびガス供給管322を備えている。ガス供給管321には、上流側から順に流量制御装置(流量制御手段)である液体マスフローコントローラ323、気化ユニット(気化手段)である気化器325および開閉弁であるバルブ326が設けられている。ガス供給管322には、上流側から順に流量制御装置(流量制御手段)であるマスフローコントローラ324および開閉弁であるバルブ327が設けられている。ガス供給管321とガス供給管322は、バルブ326およびバルブ327の下流側で接続されて、ガス供給管320となっている。ガス供給管320には、ガス供給管321とガス供給管322の接続点より下流側にバルブ328が設けられている。
【0054】
ガス供給管320の下流側の端部は、マニホールド209を貫通して設けられており、マニホールド209の内側でガス供給管320の先端部にノズル420の下端部が接続されている。ノズル420は、反応管203の内壁とウエハ200との間における円弧状の空間で、反応管203の内壁に沿った上下方向(ウエハ200の積載方向)に延在している。ノズル420の側面には原料ガスを供給する多数のガス供給孔420aが設けられている。ガス供給孔420aは、下部から上部にわたって同一または、大きさに傾斜をつけた開口面積を有し、同じピッチで設けられている。
【0055】
さらに、ガス供給管320には、バルブ326およびバルブ327とバルブ328との間に、後述の排気管232に接続されたベントライン620及びバルブ624が設けられている。
【0056】
主に、ガス供給管320、バルブ328、ガス供給管321、液体マスフローコントローラ323、気化器325、バルブ326、ガス供給管322、マスフローコントローラ324、バルブ327、ノズル420、ベントライン620、バルブ624によりガス供給系(ガス供給手段)302が構成されている。
【0057】
また、ガス供給管320にはキャリアガスを供給するためのキャリアガス供給管520が、バルブ328の下流側で接続されている。キャリアガス供給管520にはマスフローコントローラ522及びバルブ524が設けられている。主に、キャリアガス供給管520、マスフローコントローラ522、バルブ524によりキャリアガス供給系(不活性ガス供給系、不活性ガス供給手段)502が構成されている。
【0058】
ガス供給管321では、液体原料が液体マスフローコントローラ323で流量調整されて気化器325に供給され気化されて原料ガスとなって供給される。ガス供給管322では、気体状のエッチングガスがマスフローコントローラ324で流量調整されて供給される。
【0059】
バルブ326とバルブ327を切り替えて、ガス供給管321から供給される原料ガスとガス供給管322から供給されるエッチングガスのいずれかをガス供給管320に供給する。
【0060】
なお、原料ガスまたはエッチング用ガスを処理室201に供給していない間は、バルブ328を閉じ、バルブ624を開けて、バルブ624を介して原料ガスまたはエッチング用ガスをベントライン620に流しておく。
【0061】
そして、原料ガスまたはエッチング用ガスを処理室201に供給する際には、バルブ624を閉じ、バルブ328を開けて、原料ガスまたはエッチング用ガスをバルブ328の下流のガス供給管320に供給する。一方、キャリアガスがマスフローコントローラ522で流量調整されてバルブ524を介してキャリアガス供給管520から供給され、原料ガスまたはエッチング用ガスはバルブ328の下流側でこのキャリアガスと合流し、ノズル420を介して処理室201に供給される。
【0062】
ガス供給管330は、ガス供給管331およびガス供給管332を備えている。ガス供給管331には、上流側から順に流量制御装置(流量制御手段)である液体マスフローコントローラ333、気化ユニット(気化手段)である気化器335および開閉弁であるバルブ336が設けられている。ガス供給管332には、上流側から順に流量制御装置(流量制御手段)であるマスフローコントローラ334および開閉弁であるバルブ337が設けられている。ガス供給管331とガス供給管332は、バルブ336およびバルブ337の下流側で接続されて、ガス供給管330となっている。ガス供給管330には、ガス供給管331とガス供給管332の接続点より下流側にバルブ338が設けられている。
【0063】
ガス供給管330の下流側の端部は、マニホールド209を貫通して設けられており、マニホールド209の内側でガス供給管330の先端部にノズル430の下端部が接続されている。ノズル430は、反応管203の内壁とウエハ200との間における円弧状の空間で、反応管203の内壁に沿った上下方向(ウエハ200の積載方向)に延在している。ノズル430の側面には原料ガスを供給する多数のガス供給孔430aが設けられている。ガス供給孔430aは、下部から上部にわたって同一または、大きさに傾斜をつけた開口面積を有し、同じピッチで設けられている。
【0064】
さらに、ガス供給管330には、バルブ336およびバルブ337とバルブ338との間に、後述の排気管232に接続されたベントライン630及びバルブ634が設けられている。
【0065】
主に、ガス供給管330、バルブ338、ガス供給管331、液体マスフローコントローラ333、気化器335、バルブ336、ガス供給管332、マスフローコントローラ334、バルブ337、ノズル430、ベントライン630、バルブ634によりガス供給系(ガス供給手段)303が構成されている。
【0066】
また、ガス供給管330にはキャリアガスを供給するためのキャリアガス供給管530が、バルブ338の下流側で接続されている。キャリアガス供給管530にはマスフローコントローラ532及びバルブ534が設けられている。主に、キャリアガス供給管530、マスフローコントローラ532、バルブ534によりキャリアガス供給系(不活性ガス供給系、不活性ガス供給手段)503が構成されている。
【0067】
ガス供給管331では、液体原料が液体マスフローコントローラ333で流量調整されて気化器335に供給され気化されて原料ガスとなって供給される。ガス供給管332では、気体状のエッチングガスがマスフローコントローラ334で流量調整されて供給される。
【0068】
バルブ336とバルブ337を切り替えて、ガス供給管331から供給される原料ガスとガス供給管332から供給されるエッチングガスのいずれかをガス供給管330に供給する。
【0069】
なお、原料ガスまたはエッチング用ガスを処理室201に供給していない間は、バルブ338を閉じ、バルブ634を開けて、バルブ634を介して原料ガスまたはエッチング用ガスをベントライン630に流しておく。
【0070】
そして、原料ガスまたはエッチング用ガスを処理室201に供給する際には、バルブ634を閉じ、バルブ338を開けて、原料ガスまたはエッチング用ガスをバルブ338の下流のガス供給管330に供給する。一方、キャリアガスがマスフローコントローラ532で流量調整されてバルブ534を介してキャリアガス供給管530から供給され、原料ガスまたはエッチング用ガスはバルブ338の下流側でこのキャリアガスと合流し、ノズル430を介して処理室201に供給される。
【0071】
ガス供給管340は、ガス供給管341およびガス供給管342を備えている。ガス供給管341には、上流側から順に流量制御装置(流量制御手段)であるマスフローコントローラ343および開閉弁であるバルブ346が設けられている。ガス供給管342には、上流側から順に流量制御装置(流量制御手段)であるマスフローコントローラ344および開閉弁であるバルブ347が設けられている。ガス供給管341とガス供給管342は、バルブ346およびバルブ347の下流側で接続されて、ガス供給管340となっている。ガス供給管340には、ガス供給管341とガス供給管342の接続点より下流側にバルブ348が設けられている。
【0072】
ガス供給管340の下流側の端部は、マニホールド209を貫通して設けられており、マニホールド209の内側でガス供給管340の先端部にノズル440の下端部が接続されている。ノズル440は、反応管203の内壁とウエハ200との間における円弧状の空間で、反応管203の内壁に沿った上下方向(ウエハ200の積載方向)に延在している。ノズル440の側面には原料ガスを供給する多数のガス供給孔440aが設けられている。ガス供給孔440aは、下部から上部にわたって同一または、大きさに傾斜をつけた開口面積を有し、同じピッチで設けられている。
【0073】
さらに、ガス供給管340には、バルブ346およびバルブ347とバルブ348との間に、後述の排気管232に接続されたベントライン640及びバルブ644が設けられている。
【0074】
主に、ガス供給管340、バルブ348、ガス供給管341、マスフローコントローラ343、バルブ346、ガス供給管342、マスフローコントローラ344、バルブ347、ノズル440、ベントライン640、バルブ644によりガス供給系(ガス供給手段)304が構成されている。
【0075】
また、ガス供給管340にはキャリアガスを供給するためのキャリアガス供給管540が、バルブ348の下流側で接続されている。キャリアガス供給管540にはマスフローコントローラ542及びバルブ544が設けられている。主に、キャリアガス供給管540、マスフローコントローラ542、バルブ544によりキャリアガス供給系(不活性ガス供給系、不活性ガス供給手段)504が構成されている。
【0076】
ガス供給管341では、原料ガスがマスフローコントローラ343で流量調整されて供給される。ガス供給管342では、気体状のエッチングガスがマスフローコントローラ344で流量調整されて供給される。
【0077】
バルブ346とバルブ347を切り替えて、ガス供給管341から供給される原料ガスとガス供給管342から供給されるエッチングガスのいずれかをガス供給管340に供給する。
【0078】
なお、原料ガスまたはエッチング用ガスを処理室201に供給していない間は、バルブ348を閉じ、バルブ644を開けて、バルブ644を介して原料ガスまたはエッチング用ガスをベントライン640に流しておく。
【0079】
そして、原料ガスまたはエッチング用ガスを処理室201に供給する際には、バルブ644を閉じ、バルブ348を開けて、原料ガスまたはエッチング用ガスをバルブ348の下流のガス供給管340に供給する。一方、キャリアガスがマスフローコントローラ542で流量調整されてバルブ544を介してキャリアガス供給管540から供給され、原料ガスまたはエッチング用ガスはバルブ348の下流側でこのキャリアガスと合流し、ノズル440を介して処理室201に供給される。
【0080】
ガス供給管350はガス供給管351を備えている。ガス供給管351には、流量制御装置(流量制御手段)であるマスフローコントローラ353が設けられている。ガス供給管351は、マスフローコントローラ353の下流側でガス供給管350となる。ガス供給管350には、バルブ358が設けられている。
【0081】
ガス供給管350の下流側の端部は、マニホールド209を貫通して設けられており、マニホールド209の内側でガス供給管350の先端部にノズル450の下端部が接続されている。ノズル450は、反応管203の内壁とウエハ200との間における円弧状の空間で、反応管203の内壁に沿った上下方向(ウエハ200の積載方向)に延在している。ノズル450の側面には原料ガスを供給する多数のガス供給孔450aが設けられている。ガス供給孔450aは、下部から上部にわたって同一または、大きさに傾斜をつけた開口面積を有し、同じピッチで設けられている。
【0082】
さらに、ガス供給管350には、マスフローコントローラ353とバルブ358との間に、後述の排気管232に接続されたベントライン650及びバルブ654が設けられている。
【0083】
主に、ガス供給管350、バルブ358、ガス供給管351、マスフローコントローラ353、ノズル450、ベントライン650、バルブ654によりガス供給系(ガス供給手段)304が構成されている。
【0084】
また、ガス供給管350にはキャリアガスを供給するためのキャリアガス供給管550が、バルブ358の下流側で接続されている。キャリアガス供給管550にはマスフローコントローラ552及びバルブ554が設けられている。主に、キャリアガス供給管550、マスフローコントローラ552、バルブ554によりキャリアガス供給系(不活性ガス供給系、不活性ガス供給手段)505が構成されている。
【0085】
ガス供給管351では、原料ガスがマスフローコントローラ353で流量調整されて供給される。
【0086】
なお、原料ガスを処理室201に供給していない間は、バルブ358を閉じ、バルブ654を開けて、バルブ654を介して原料ガスをベントライン650に流しておく。
【0087】
そして、原料ガスを処理室201に供給する際には、バルブ654を閉じ、バルブ358を開けて、原料ガスをバルブ358の下流のガス供給管350に供給する。一方、キャリアガスがマスフローコントローラ552で流量調整されてバルブ554を介してキャリアガス供給管550から供給され、原料ガスまたはエッチング用ガスはバルブ358の下流側でこのキャリアガスと合流し、ノズル450を介して処理室201に供給される。
【0088】
マニホールド209には、処理室201内の雰囲気を排気する排気管231が接続されている。排気管231には処理室201内の圧力を検出する圧力検出器(圧力検出部)としての圧力センサ245および圧力調整器(圧力調整部)としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ243を介して真空排気装置としての真空ポンプ246が接続されており、処理室201内の圧力が所定の圧力(真空度)となるよう真空排気し得るように構成されている。真空ポンプ246の下流側の排気管232は廃ガス処理装置(図示せず)等に接続されている。なお、APCバルブ243は、弁を開閉して処理室201内の真空排気・真空排気停止ができ、更に弁開度を調節してコンダクタンスを調整して処理室201内の圧力調整をできるようになっている開閉弁である。主に、排気管231、APCバルブ243、真空ポンプ246、圧力センサ245により排気系が構成される。
【0089】
反応管203内には温度検出器としての温度センサ263が設置されており、温度センサ263により検出された温度情報に基づき加熱用電源250からヒータ207への供給電力を調整することで、処理室201内の温度が所望の温度分布となるように構成されている。温度センサ263は、L字型に構成されており、マニホールド209を貫通して導入され、反応管203の内壁に沿って設けられている。
【0090】
反応管203内の中央部にはボート217が設けられている。ボート217は、ボートエレベータ115により反応管203に対し昇降(出入り)することができるようになっている。ボート217が反応管203内に導入されると、マニホールド209の下端部がOリング220を介してシールキャップ219で気密にシールされる。ボート217はボート支持台218に支持されている。処理の均一性を向上するために、ボート回転機構267を駆動し、ボート支持台218に支持されたボート217を回転させる。
【0091】
以上のマスフローコントローラ314、324、334、343、344、353、512、522、532、542、552、液体マスフローコントローラ313、323、333、バルブ316、317、318、326、327、328、336、337、338、346、347、348、358、514、524、534、544、554、614、624、634、644、654、APCバルブ243、加熱用電源250、温度センサ263、圧力センサ245、真空ポンプ246、ボート回転機構267、ボートエレベータ115等の各部材はコントローラ280に接続されている。コントローラ280は、基板処理装置101の全体の動作を制御する制御部(制御手段)の一例であって、マスフローコントローラ314、324、334、343、344、353、512、522、532、542、552および液体マスフローコントローラ313、323、333の流量調整、バルブ316、317、318、326、327、328、336、337、338、346、347、348、358、514、524、534、544、554、614、624、634、644、654の開閉動作、APCバルブ243の開閉および圧力センサ245に基づく圧力調整動作、温度センサ263に基づくヒータ207の温度調整動作、真空ポンプ246の起動・停止、ボート回転機構267の回転速度調節、ボートエレベータ115の昇降動作等をそれぞれ制御するようになっている。
【0092】
次に、図4、図5A〜図5Iを参照して、DRAM(Dynamic Random Access Memory)用MIM(Metal-Insulator-Metal)キャパシタを製造する方法について説明する。
【0093】
まず、半導体シリコンからなるウエハ200に電界効果トランジスタ(図示せず)を形成する。その後、図5Aに示すように、SiO等からなる層間絶縁膜11中のポリシリコン13を介して電界効果トランジスタ(図示せず)に接続されるコンタクト12をポリシリコン13上にチタン(Ti)等で形成する。
【0094】
その後、図5Aに示すように、シリコン窒化膜(SiN膜)14をCVD(Chemical Vapor deposition)法で形成する。シリコン窒化膜14はエッチングストッパとして用いられる。その後、シリコン窒化膜14上にシリコン酸化膜(SiO膜)16をCVD法で形成する。シリコン酸化膜16は犠牲膜として用いられる。その後、シリコン酸化膜16上にシリコン窒化膜(SiN膜)18をCVD法で形成する。シリコン窒化膜18はエッチングストッパとして用いられる。
【0095】
その後、図5Bに示すように、シリンダーホール20を形成する(図4のステップS102)。所定の形状に選択的に形成したホトレジスト(図示せず)をマスクとして、シリコン窒化膜18、シリコン酸化膜16およびシリコン窒化膜14をドライエッチング法等の異方性エッチング法で選択的に除去し、底部にコンタクト12が露出したシリンダーホール20を形成する。
【0096】
その後、図5Cに示すように、全面に窒化チタン膜(TiN膜)22を形成する。
【0097】
その後、図5Dに示すように、全面にシリコン酸化膜(SiO膜)24をCVD法で形成し、シリンダーホール20を埋め込む。
【0098】
その後、図5Eに示すように、CMP(Chemical Mechanical Polishing)研磨により、シリコン酸化膜24、ならびにシリコン酸化膜16上の窒化チタン膜22およびシリコン窒化膜18を研磨除去して、シリンダーホール20の側面および底面の窒化チタン膜22からなる下電極23に電極分離する。
【0099】
その後、図5Fに示すように、シリコン酸化膜16およびシリコン酸化膜24をエッチング除去して窒化チタン膜22からなる下電極23を形成する(図4のステップS104)。
【0100】
その後、図5Gに示すように、ZrO膜32を形成する(図4のステップS106)。
【0101】
その後、図5Gに示すように、Al膜34を形成する(図4のステップS108)。
【0102】
その後、図5Gに示すように、TiO膜36を形成する(図4のステップS110)。
【0103】
このようにして、ZrO膜32、Al膜34およびTiO膜36からなる誘電体膜30を形成する。
【0104】
その後、図5Hに示すように、窒化チタン膜42からなる上電極43を形成する(図4のステップS112)。このようにして、窒化チタン膜22からなる下電極23、ZrO膜32、Al膜34およびTiO膜36からなる誘電体膜30、および窒化チタン膜42からなる上電極43を備えるDRAM用MIMキャパシタが形成される。
【0105】
その後、ガスクリーニングを行う(図4のステップS114)。
【0106】
その後、他方では、図5Iに示すように、層間絶縁膜52を形成する。
【0107】
次に、上記したプロセスのうち、上述した基板処理装置101を使用して行うプロセスについて説明する。なお、以下のステップは、コントローラ280の制御によって行われる。
【0108】
(下電極23(窒化チタン膜22)の成膜:ステップS104)
まず、図6、図7、図1〜3を参照して、下電極23を形成する窒化チタン膜22の成膜プロセス(図4のステップS104、図5C参照)について説明する。
【0109】
ヒータ207に電力を供給する加熱用電源250を制御して処理室201内を例えば300℃〜550℃の範囲の温度であって、好適には430℃に保持する。
【0110】
その後、シリンダーホール20が形成された(図5B参照)複数枚のウエハ200がボート217に装填(ウエハチャージ)される(ステップS201)と、複数枚のウエハ200を支持したボート217は、ボートエレベータ115によって持ち上げられて処理室201内に搬入(ボートロード)される(ステップS202)。この状態で、シールキャップ219はOリング220を介してマニホールド209の下端をシールした状態となる。
【0111】
その後、ボート217をボート駆動機構267により回転させ、ウエハ200を回転させる。その後、APCバルブ243を開いて真空ポンプ246により処理室201内を真空引きし、ウエハ200の温度が430℃に達して温度等が安定したら(ステップS203)、処理室201内の温度を430℃に保持した状態で次のステップを順次実行する。
【0112】
本実施の形態では、ALD(Atomic Layer Deposition)法を用いて窒化チタン膜22の成膜を行う。ALD法とは、ある成膜条件(温度等)の下で、成膜に用いる少なくとも2種類の原料となる原料ガスを1種類ずつ交互に基板上に供給し、1原子単位で基板上に吸着させ、表面反応を利用して成膜を行う手法である。このとき、膜厚の制御は、原料ガスを供給するサイクル数で行う(例えば、成膜速度が1Å/サイクルとすると、20Åの膜を形成する場合、20サイクル行う)。
【0113】
(TiCl供給:ステップS204)
ステップS204では、ガス供給系303のガス供給管331よりTiClを処理室201内に供給する。ガス供給系303はTi元素を含む原料の原料供給系として構成されている。バルブ337を閉じ、バルブ336を開ける。TiClは常温で液体であり、液体のTiClが液体マスフローコントローラ333で流量調整されて気化器335に供給され気化器335で気化される。TiClを処理室201に供給する前は、バルブ338を閉じ、バルブ634を開けて、バルブ634を介してTiClをベントライン630に流しておく。一方では、キャリアガスとしてのNをマスフローコントローラ532で流量調整する。
【0114】
そして、TiClを処理室201に供給する際には、バルブ634を閉じ、バルブ338を開けて、TiClをバルブ338の下流のガス供給管330に供給すると共に、バルブ534を開けて、キャリアガス(N)をキャリアガス供給管530から供給する。TiClはキャリアガス(N)とバルブ338の下流側で合流し混合され、ノズル430を介して処理室201に供給されつつ排気管231から排気される。この時、APCバルブ243を適正に調整して処理室201内の圧力を20〜50Paの範囲であって、例えば30Paに維持する。液体マスフローコントローラ312で制御するTiClの供給量は1.0〜2.0g/minである。TiClにウエハ200を晒す時間は3〜10秒間である。
【0115】
このとき、処理室201内に流しているガスは、TiClと不活性ガスであるNのみであり、NHは存在しない。したがって、TiClは気相反応を起こすことはなく、ウエハ200の表面や下地膜と表面反応(化学吸着)して、原料(TiCl)の吸着層またはTi層(以下、Ti含有層)を形成する。TiClの吸着層とは、原料分子の連続的な吸着層の他、不連続な吸着層をも含む。Ti層とは、Tiにより構成される連続的な層の他、これらが重なってできるTi薄膜をも含む。なお、Tiにより構成される連続的な層をTi薄膜という場合もある。
【0116】
同時に、ガス供給管350の途中につながっているキャリアガス供給管550から、バルブ554を開けてN(不活性ガス)を流すと、NH側のノズル450やガス供給管350にTiClが回り込むことを防ぐことができる。同様に、同時にガス供給管310の途中につながっているキャリアガス供給管510から、バルブ514を開けてN(不活性ガス)を流すと、ノズル410やガス供給管310にTiClが回り込むことを防ぐことができ、同時にガス供給管320の途中につながっているキャリアガス供給管520から、バルブ524を開けてN(不活性ガス)を流すと、ノズル420やガス供給管320にTiClが回り込むことを防ぐことができ、同時にガス供給管340の途中につながっているキャリアガス供給管540から、バルブ544を開けてN(不活性ガス)を流すと、ノズル440やガス供給管340にTiClが回り込むことを防ぐことができる。
【0117】
(残留TiCl除去:ステップS205)
ステップS205では、残留TiClを処理室201内から除去する。ガス供給管330のバルブ338を閉めて処理室201へのTiClの供給を停止し、バルブ634を開けてベントライン630へTiClを流す。このとき排気管231のAPCバルブ243は開いたままとし、真空ポンプ246により処理室201内を20Pa以下となるまで排気し、残留TiClを処理室201内から排除する。このときN等の不活性ガスを、TiCl供給ラインであるガス供給管330から、さらには、ガス供給管350、ガス供給管310、320、340から、処理室201内へ供給すると、さらに残留TiClを排除する効果が高まる。
【0118】
(NH供給:ステップS206)
ステップS206では、ガス供給系305のガス供給管351よりNHを処理室201内に供給する。ガス供給系305は窒化剤を供給する窒化剤供給系として構成されている。NHはマスフローコントローラ353で流量調整されて供給される。NHを処理室201に供給する前は、バルブ358を閉じ、バルブ654を開けて、バルブ654を介してNHをベントライン650に流しておく。一方では、キャリアガスとしてのNをマスフローコントローラ550で流量調整する。
【0119】
そして、NHを処理室201に供給する際には、バルブ654を閉じ、バルブ358を開けて、NHをバルブ358の下流のガス供給管350に供給すると共に、バルブ554を開けて、キャリアガス(N)をキャリアガス供給管550から供給する。NHはキャリアガス(N)とバルブ358の下流側で合流し混合され、ノズル450を介して処理室201に供給されつつ排気管231から排気される。NHを流すときは、APCバルブ243を適正に調節して処理室201内圧力を50〜1000Paの範囲であって、例えば60Paに維持する。マスフローコントローラ353で制御するNHの供給流量は1〜10slmである。NHにウエハ200を晒す時間は10〜30秒間である。
【0120】
同時に、ガス供給管330の途中につながっているキャリアガス供給管530から、バルブ534を開けてN(不活性ガス)を流すと、TiCl側のノズル430やガス供給管330にNHが回り込むことを防ぐことができる。同様に、同時にガス供給管310の途中につながっているキャリアガス供給管510から、バルブ514を開けてN(不活性ガス)を流すと、ノズル410やガス供給管310にNHが回り込むことを防ぐことができ、同時にガス供給管320の途中につながっているキャリアガス供給管520から、バルブ524を開けてN(不活性ガス)を流すと、ノズル420やガス供給管320にNHが回り込むことを防ぐことができ、同時にガス供給管340の途中につながっているキャリアガス供給管540から、バルブ544を開けてN(不活性ガス)を流すと、ノズル440やガス供給管340にNHが回り込むことを防ぐことができる。
【0121】
NHの供給により、ウエハ200上に化学吸着したTi含有層とNHが表面反応(化学吸着)して、ウエハ200上に窒化チタン膜が成膜される。
【0122】
(残留NH除去:ステップS207)
ステップS207では、残留NHを処理室201内から除去する。ガス供給管350のバルブ358を閉めて処理室201へのNHの供給を停止し、バルブ654を開けてベントライン650へNHを流す。このとき排気管231のAPCバルブ243は開いたままとし、真空ポンプ246により処理室201内を20Pa以下となるまで排気し、残留NHを処理室201内から排除する。このときN等の不活性ガスを、NH供給ラインであるガス供給管350から、さらには、ガス供給管330、ガス供給管310、320、340から、処理室201内へ供給すると、さらに残留NHを排除する効果が高まる。
【0123】
上記ステップS204〜S207を1サイクルとし、少なくとも1回以上行なう(ステップS208)ことによりウエハ200上にALD法を用いて所定膜厚の窒化チタン膜22を成膜する(図5C参照)。この場合、各サイクル中で、上記の通りに、ステップS204におけるTi含有原料であるTiClにより構成される雰囲気と、ステップS206における窒化ガスであるNHにより構成される雰囲気の夫々の雰囲気が処理室201内で混合しないように成膜することに留意する。
【0124】
所定膜厚の窒化チタン膜22を形成する成膜処理がなされると、N等の不活性ガスを処理室201内へ供給しつつ排気することで処理室201内を不活性ガスでパージする(ガスパージ:ステップS210)。その後、処理室201内の雰囲気を不活性ガスで置換し、(不活性ガス置換)、処理室201内の圧力を常圧に復帰する(大気圧復帰:ステップS212)。その後、ボートエレベータ115によりシールキャップ219が下降されて、マニホールド209の下端が開口されるとともに、処理済ウエハ200がボート217に支持された状態でマニホールド209の下端から処理室201の外部に搬出(ボートアンロード:ステップS214)される。その後、処理済ウエハ200はボート217より取出される(ウエハディスチャージ:ステップS216)。
【0125】
その後、図5Dに示すように、全面にシリコン酸化膜24を形成し、シリンダーホール20を埋め込み、その後、図5Eに示すように、シリコン酸化膜24、ならびにシリコン酸化膜16上の窒化チタン膜22およびシリコン窒化膜18を研磨除去し、シリンダーホール20の側面および底面の窒化チタン膜22からなる下電極23に電極分離し、その後、図5Fに示すように、シリコン酸化膜16およびシリコン酸化膜24をエッチング除去して窒化チタン膜22からなる下電極23を形成する。
【0126】
次に、図8、図9、図1〜3を参照して、酸化ジルコニウム膜(ZrO膜)32、酸化アルミニウム膜(Al膜)34および酸化チタン膜(TiO膜)36からなる誘電体膜30の成膜プロセス(図4のステップS106、S108、S110、図5G参照)について説明する。
【0127】
ヒータ207を制御して処理室201内を例えば150℃〜450℃の範囲の温度であって、好適には250℃に保持する。
【0128】
その後、窒化チタン膜22からなる下電極23が形成された(図5B参照)複数枚のウエハ200がボート217に装填(ウエハチャージ)される(ステップS301)と、複数枚のウエハ200を支持したボート217は、ボートエレベータ115によって持ち上げられて処理室201内に搬入(ボートロード)される(ステップS302)。この状態で、シールキャップ219はOリング220を介してマニホールド209の下端をシールした状態となる。
【0129】
その後、ボート217をボート駆動機構267により回転させ、ウエハ200を回転させる。その後、APCバルブ243を開いて真空ポンプ246により処理室201内を真空引きし、ウエハ200の温度が250℃に達して温度等が安定したら(ステップS303)、処理室201内の温度を250℃に保持した状態で次のステップを順次実行する。
【0130】
酸化ジルコニウム膜(ZrO膜)32の成膜(ステップS106)、酸化アルミニウム膜(Al膜)34の成膜(ステップS108)および酸化チタン膜(TiO膜)36の成膜の成膜(ステップS110)はALD法を用いて行う。
【0131】
(酸化ジルコニウム膜(ZrO膜)32の成膜:ステップS106)
(TEMAZ供給:ステップS304)
ステップS304では、ガス供給系301のガス供給管311よりテトラキスエチルメチルアミノジルコニウム(TEMAZ、Zr(NEtMe))を処理室201内に供給する。ガス供給系301はZr元素を含む原料の原料供給系として構成されている。バルブ317を閉じ、バルブ316を開ける。TEMAZは常温で液体であり、液体のTEMAZが液体マスフローコントローラ313で流量調整されて気化器315に供給され気化器315で気化される。TEMAZを処理室201に供給する前は、バルブ318を閉じ、バルブ614を開けて、バルブ614を介してTEMAZをベントライン610に流しておく。一方では、キャリアガスとしてのNをマスフローコントローラ512で流量調整する。
【0132】
そして、TEMAZを処理室201に供給する際には、バルブ614を閉じ、バルブ318を開けて、TEMAZをバルブ318の下流のガス供給管310に供給すると共に、バルブ514を開けて、キャリアガス(N)をキャリアガス供給管510から供給する。TEMAZはキャリアガス(N)とバルブ318の下流側で合流し混合され、ノズル410を介して処理室201に供給されつつ排気管231から排気される。この時、APCバルブ243を適正に調整して処理室201内の圧力を40〜266Paの範囲であって、例えば133Paに維持する。液体マスフローコントローラ313で制御するTEMAZの供給量は0.1〜1.0g/minである。TEMAZにウエハ200を晒す時間は60〜300秒間である。
【0133】
このとき、処理室201内に流しているガスは、TEMAZと不活性ガスであるNのみでありOは存在しない。したがって、TEMAZは気相反応を起こすことはなく、ウエハ200の表面や下地膜と表面反応(化学吸着)して、原料(TEMAZ)の吸着層またはZr層(以下、Zr含有層)を形成する。TEMAZの吸着層とは、原料分子の連続的な吸着層の他、不連続な吸着層をも含む。Zr層とは、Zrにより構成される連続的な層の他、これらが重なってできるZr薄膜をも含む。なお、Zrにより構成される連続的な層をZr薄膜という場合もある。
【0134】
同時に、ガス供給管340の途中につながっているキャリアガス供給管540から、バルブ544を開けてN(不活性ガス)を流すと、O側のノズル440やガス供給管340にTEMAZが回り込むことを防ぐことができる。同様に、同時にガス供給管320の途中につながっているキャリアガス供給管520から、バルブ524を開けてN(不活性ガス)を流すと、TMA側のノズル420やガス供給管320にTEMAZが回り込むことを防ぐことができ、同時にガス供給管330の途中につながっているキャリアガス供給管530から、バルブ534を開けてN(不活性ガス)を流すと、TiCl側のノズル430やガス供給管330にTEMAZが回り込むことを防ぐことができ、同時にガス供給管350の途中につながっているキャリアガス供給管550から、バルブ554を開けてN(不活性ガス)を流すと、ノズル450やガス供給管350にTEMAZが回り込むことを防ぐことができる。
【0135】
(残留TEMAZ除去:ステップS305)
ステップS305では、残留TEMAZを処理室201内から除去する。ガス供給管310のバルブ318を閉めて処理室201へのTEMAZの供給を停止し、バルブ614を開けてベントライン610へTEMAZを流す。このとき排気管231のAPCバルブ243は開いたままとし、真空ポンプ246により処理室201内を20Pa以下となるまで排気し、残留TEMAZを処理室201内から排除する。このときN等の不活性ガスを、TEMAZ供給ラインであるガス供給管310から、さらには、ガス供給管320、330、340、350から、処理室201内へ供給すると、さらに残留TEMAZを排除する効果が高まる。
【0136】
(O供給:ステップS306)
ステップS306では、ガス供給系304のガス供給管341よりOを処理室201内に供給する。ガス供給系304は酸化剤を供給する酸化剤供給系として構成されている。Oは、オゾナイザーを用いて発生させ、マスフローコントローラ343で流量調整されて供給される。Oを処理室201に供給する前は、バルブ348を閉じ、バルブ644を開けて、バルブ644を介してOをベントライン640に流しておく。一方では、キャリアガスとしてのNをマスフローコントローラ540で流量調整する。
【0137】
そして、Oを処理室201に供給する際には、バルブ644を閉じ、バルブ348を開けて、Oをバルブ348の下流のガス供給管340に供給すると共に、バルブ544を開けて、キャリアガス(N)をキャリアガス供給管540から供給する。Oはキャリアガス(N)とバルブ348の下流側で合流し混合され、ノズル440を介して処理室201に供給されつつ排気管231から排気される。Oを流すときは、APCバルブ243を適正に調節して処理室201内圧力を40〜266Paの範囲であって、例えば133Paに維持する。マスフローコントローラ343で制御するOの供給流量は、180g/mの濃度で20〜40slmである。Oにウエハ200を晒す時間は60〜300秒間である。
【0138】
同時に、ガス供給管310の途中につながっているキャリアガス供給管510から、バルブ514を開けてN(不活性ガス)を流すと、TEMAZ側のノズル410やガス供給管310にOが回り込むことを防ぐことができる。同様に、同時にガス供給管320の途中につながっているキャリアガス供給管520から、バルブ524を開けてN(不活性ガス)を流すと、TMA側のノズル420やガス供給管320にOが回り込むことを防ぐことができ、同時にガス供給管330の途中につながっているキャリアガス供給管530から、バルブ534を開けてN(不活性ガス)を流すと、TiCl側のノズル430やガス供給管330にOが回り込むことを防ぐことができ、同時にガス供給管350の途中につながっているキャリアガス供給管550から、バルブ554を開けてN(不活性ガス)を流すと、ノズル450やガス供給管350にOが回り込むことを防ぐことができる。
【0139】
の供給により、ウエハ200上に化学吸着したZr含有層とOが表面反応(化学吸着)して、ウエハ200上に酸化ジルコニウム膜が成膜される。
【0140】
(残留O除去:ステップS307)
ステップS307では、残留Oを処理室201内から除去する。ガス供給管340のバルブ348を閉めて処理室201へのOの供給を停止し、バルブ644を開けてベントライン640へOを流す。このとき排気管231のAPCバルブ243は開いたままとし、真空ポンプ246により処理室201内を20Pa以下となるまで排気し、残留Oを処理室201内から排除する。このときN等の不活性ガスを、O供給ラインであるガス供給管340から、さらには、ガス供給管310、320、330、350から、処理室201内へ供給すると、さらに残留Oを排除する効果が高まる。
【0141】
上記ステップS304〜S307を1サイクルとし、少なくとも1回以上行なう(ステップS308)ことによりウエハ200上にALD法を用いて所定膜厚(1.5〜40Å)の酸化ジルコニウム膜32を成膜する(図5G参照)。この場合、各サイクル中で、上記の通りに、ステップS304におけるTi含有原料であるTEMAZにより構成される雰囲気と、ステップS306における酸化ガスであるOにより構成される雰囲気の夫々の雰囲気が処理室201内で混合しないように成膜することに留意する。
【0142】
所定膜厚の酸化ジルコニウム膜32を形成する成膜処理がなされると、酸化アルミニウム膜の成膜ステップ(S108)に移行する。
【0143】
(酸化アルミニウム膜(Al膜)34の成膜:ステップS108)
(TMA供給:ステップS309)
ステップS309では、ガス供給系302のガス供給管321よりトリメチルアルミニウム(TMA、Al(CH)を処理室201内に供給する。ガス供給系302はAl元素を含む原料の原料供給系として構成されている。バルブ327を閉じ、バルブ326を開ける。TMAは常温で液体であり、液体のTMAが液体マスフローコントローラ323で流量調整されて気化器325に供給され気化器325で気化される。TMAを処理室201に供給する前は、バルブ328を閉じ、バルブ624を開けて、バルブ624を介してTMAをベントライン620に流しておく。一方では、キャリアガスとしてのNをマスフローコントローラ522で流量調整する。
【0144】
そして、TMAを処理室201に供給する際には、バルブ624を閉じ、バルブ328を開けて、TMAをバルブ328の下流のガス供給管320に供給すると共に、バルブ524を開けて、キャリアガス(N)をキャリアガス供給管520から供給する。TMAはキャリアガス(N)とバルブ328の下流側で合流し混合され、ノズル420を介して処理室201に供給されつつ排気管231から排気される。この時、APCバルブ243を適正に調整して処理室201内の圧力を30〜500Paの範囲であって、例えば60Paに維持する。液体マスフローコントローラ323で制御するTMAの供給量は0.1〜0.5g/minである。TEMAZにウエハ200を晒す時間は10秒間である。
【0145】
このとき、処理室201内に流しているガスは、TMAと不活性ガスであるNのみでありOは存在しない。したがって、TMAは気相反応を起こすことはなく、ウエハ200の表面や下地膜と表面反応(化学吸着)して、原料(TMA)の吸着層またはAl層(以下、Al含有層)を形成する。TMAの吸着層とは、原料分子の連続的な吸着層の他、不連続な吸着層をも含む。Al層とは、Alにより構成される連続的な層の他、これらが重なってできるAl薄膜をも含む。なお、Alにより構成される連続的な層をAl薄膜という場合もある。
【0146】
同時に、ガス供給管340の途中につながっているキャリアガス供給管540から、バルブ544を開けてN(不活性ガス)を流すと、O側のノズル440やガス供給管340にTMAが回り込むことを防ぐことができる。同様に、同時にガス供給管310の途中につながっているキャリアガス供給管510から、バルブ514を開けてN(不活性ガス)を流すと、TEMAZ側のノズル410やガス供給管310にTMAが回り込むことを防ぐことができ、同時にガス供給管330の途中につながっているキャリアガス供給管530から、バルブ534を開けてN(不活性ガス)を流すと、TiCl側のノズル430やガス供給管330にTMAが回り込むことを防ぐことができ、同時にガス供給管350の途中につながっているキャリアガス供給管550から、バルブ554を開けてN(不活性ガス)を流すと、ノズル450やガス供給管350にTMAが回り込むことを防ぐことができる。
【0147】
(残留TMA除去:ステップS310)
ステップS310では、残留TMAを処理室201内から除去する。ガス供給管320のバルブ328を閉めて処理室201へのTMAの供給を停止し、バルブ624を開けてベントライン620へTMAを流す。このとき排気管231のAPCバルブ243は開いたままとし、真空ポンプ246により処理室201内を20Pa以下となるまで排気し、残留TMAを処理室201内から排除する。このときN等の不活性ガスを、TMA供給ラインであるガス供給管320から、さらには、ガス供給管310、330、340、350から、処理室201内へ供給すると、さらに残留TMAを排除する効果が高まる。
【0148】
(O供給:ステップS311)
ステップS311では、ガス供給系304のガス供給管341よりOを処理室201内に供給する。Oは、オゾナイザーを用いて発生させ、マスフローコントローラ343で流量調整されて供給される。Oを処理室201に供給する前は、バルブ348を閉じ、バルブ644を開けて、バルブ644を介してOをベントライン640に流しておく。一方では、キャリアガスとしてのNをマスフローコントローラ540で流量調整する。
【0149】
そして、Oを処理室201に供給する際には、バルブ644を閉じ、バルブ348を開けて、Oをバルブ348の下流のガス供給管340に供給すると共に、バルブ544を開けて、キャリアガス(N)をキャリアガス供給管540から供給する。Oはキャリアガス(N)とバルブ348の下流側で合流し混合され、ノズル440を介して処理室201に供給されつつ排気管231から排気される。Oを流すときは、APCバルブ243を適正に調節して処理室201内圧力を30〜500Paの範囲であって、例えば130Paに維持する。マスフローコントローラ343で制御するOの供給流量は、250g/mの濃度で15slmである。Oにウエハ200を晒す時間は20秒間である。
【0150】
同時に、ガス供給管320の途中につながっているキャリアガス供給管520から、バルブ524を開けてN(不活性ガス)を流すと、TMA側のノズル420やガス供給管320にOが回り込むことを防ぐことができる。同様に、同時にガス供給管310の途中につながっているキャリアガス供給管510から、バルブ514を開けてN(不活性ガス)を流すと、TEMAZ側のノズル410やガス供給管310にOが回り込むことを防ぐことができ、同時にガス供給管330の途中につながっているキャリアガス供給管530から、バルブ534を開けてN(不活性ガス)を流すと、TiCl側のノズル430やガス供給管330にOが回り込むことを防ぐことができ、同時にガス供給管350の途中につながっているキャリアガス供給管550から、バルブ554を開けてN(不活性ガス)を流すと、ノズル450やガス供給管350にOが回り込むことを防ぐことができる。
【0151】
の供給により、ウエハ200上に化学吸着したAl含有層とOが表面反応(化学吸着)して、ウエハ200上に酸化アルミニウム膜が成膜される。
【0152】
(残留O除去:ステップS312)
ステップS311では、残留Oを処理室201内から除去する。ガス供給管340のバルブ348を閉めて処理室201へのOの供給を停止し、バルブ644を開けてベントライン640へOを流す。このとき排気管231のAPCバルブ243は開いたままとし、真空ポンプ246により処理室201内を20Pa以下となるまで排気し、残留Oを処理室201内から排除する。このときN等の不活性ガスを、O供給ラインであるガス供給管340から、さらには、ガス供給管310、320、330、350から、処理室201内へ供給すると、さらに残留Oを排除する効果が高まる。
【0153】
上記ステップS309〜S312を1サイクルとし、少なくとも1回以上行なう(ステップS313)ことによりウエハ200上にALD法を用いて所定膜厚(1〜5Å)の酸化アルミニウム膜34を成膜する(図5G参照)。この場合、各サイクル中で、上記の通りに、ステップS309におけるAl含有原料であるTMAにより構成される雰囲気と、ステップS311における酸化ガスであるOにより構成される雰囲気の夫々の雰囲気が処理室201内で混合しないように成膜することに留意する。
【0154】
所定膜厚の酸化アルミニウム膜34を形成する成膜処理がなされると、酸化チタン膜の成膜ステップ(S110)に移行する。
【0155】
(酸化チタン膜(TiO膜)36の成膜:ステップS110)
(TiCl供給:ステップS314)
ステップS314では、ガス供給系303のガス供給管331より四塩化チタン(TiCl)を処理室201内に供給する。バルブ337を閉じ、バルブ336を開ける。TiClは常温で液体であり、液体のTiClが液体マスフローコントローラ333で流量調整されて気化器335に供給され気化器335で気化される。TiClを処理室201に供給する前は、バルブ338を閉じ、バルブ634を開けて、バルブ634を介してTiClをベントライン630に流しておく。一方では、キャリアガスとしてのNをマスフローコントローラ532で流量調整する。
【0156】
そして、TiClを処理室201に供給する際には、バルブ634を閉じ、バルブ338を開けて、TiClをバルブ338の下流のガス供給管330に供給すると共に、バルブ534を開けて、キャリアガス(N)をキャリアガス供給管530から供給する。TiClはキャリアガス(N)とバルブ338の下流側で合流し混合され、ノズル430を介して処理室201に供給されつつ排気管231から排気される。この時、APCバルブ243を適正に調整して処理室201内の圧力を30〜500Paの範囲であって、例えば100Paに維持する。液体マスフローコントローラ333で制御するTiClの供給量は0.18〜0.5g/minである。TiClにウエハ200を晒す時間は40秒間である。
【0157】
このとき、処理室201内に流しているガスは、TiClと不活性ガスであるNのみでありOは存在しない。したがって、TiClは気相反応を起こすことはなく、ウエハ200の表面や下地膜と表面反応(化学吸着)して、原料(TiCl)の吸着層またはTi層(以下、Ti含有層)を形成する。TMAの吸着層とは、原料分子の連続的な吸着層の他、不連続な吸着層をも含む。Ti層とは、Tiにより構成される連続的な層の他、これらが重なってできるTi薄膜をも含む。なお、Tiにより構成される連続的な層をTi薄膜という場合もある。
【0158】
同時に、ガス供給管340の途中につながっているキャリアガス供給管540から、バルブ544を開けてN(不活性ガス)を流すと、O側のノズル440やガス供給管340にTiClが回り込むことを防ぐことができる。同様に、同時にガス供給管310の途中につながっているキャリアガス供給管510から、バルブ514を開けてN(不活性ガス)を流すと、TEMAZ側のノズル410やガス供給管310にTiClが回り込むことを防ぐことができ、同時にガス供給管320の途中につながっているキャリアガス供給管520から、バルブ524を開けてN(不活性ガス)を流すと、TMA側のノズル420やガス供給管320にTiClが回り込むことを防ぐことができ、同時にガス供給管350の途中につながっているキャリアガス供給管550から、バルブ554を開けてN(不活性ガス)を流すと、ノズル450やガス供給管350にTiClが回り込むことを防ぐことができる。
【0159】
(残留TiCl除去:ステップS315)
ステップS315では、残留TiClを処理室201内から除去する。ガス供給管330のバルブ338を閉めて処理室201へのTiClの供給を停止し、バルブ634を開けてベントライン630へTiClを流す。このとき排気管231のAPCバルブ243は開いたままとし、真空ポンプ246により処理室201内を20Pa以下となるまで排気し、残留TiClを処理室201内から排除する。このときN等の不活性ガスを、TiCl供給ラインであるガス供給管330から、さらには、ガス供給管310、320、340、350から、処理室201内へ供給すると、さらに残留TiClを排除する効果が高まる。
【0160】
(O供給:ステップS316)
ステップS316では、ガス供給系304のガス供給管341よりOを処理室201内に供給する。Oは、オゾナイザーを用いて発生させ、マスフローコントローラ343で流量調整されて供給される。Oを処理室201に供給する前は、バルブ348を閉じ、バルブ644を開けて、バルブ644を介してOをベントライン640に流しておく。一方では、キャリアガスとしてのNをマスフローコントローラ540で流量調整する。
【0161】
そして、Oを処理室201に供給する際には、バルブ644を閉じ、バルブ348を開けて、Oをバルブ348の下流のガス供給管340に供給すると共に、バルブ544を開けて、キャリアガス(N)をキャリアガス供給管540から供給する。Oはキャリアガス(N)とバルブ348の下流側で合流し混合され、ノズル440を介して処理室201に供給されつつ排気管231から排気される。Oを流すときは、APCバルブ243を適正に調節して処理室201内圧力を30〜500Paの範囲であって、例えば130Paに維持する。マスフローコントローラ343で制御するOの供給流量は、250g/mの濃度で15slmである。Oにウエハ200を晒す時間は60秒間である。
【0162】
同時に、ガス供給管330の途中につながっているキャリアガス供給管530から、バルブ534を開けてN(不活性ガス)を流すと、TiCl側のノズル430やガス供給管330にOが回り込むことを防ぐことができる。同様に、同時にガス供給管310の途中につながっているキャリアガス供給管510から、バルブ514を開けてN(不活性ガス)を流すと、TEMAZ側のノズル410やガス供給管310にOが回り込むことを防ぐことができ、同時にガス供給管320の途中につながっているキャリアガス供給管520から、バルブ524を開けてN(不活性ガス)を流すと、TMA側のノズル420やガス供給管320にOが回り込むことを防ぐことができ、同時にガス供給管350の途中につながっているキャリアガス供給管550から、バルブ554を開けてN(不活性ガス)を流すと、ノズル450やガス供給管350にOが回り込むことを防ぐことができる。
【0163】
の供給により、ウエハ200上に化学吸着したTi含有層とOが表面反応(化学吸着)して、ウエハ200上に酸化チタン膜が成膜される。
【0164】
(残留O除去:ステップS317)
ステップS317では、残留Oを処理室201内から除去する。ガス供給管340のバルブ348を閉めて処理室201へのOの供給を停止し、バルブ644を開けてベントライン640へOを流す。このとき排気管231のAPCバルブ243は開いたままとし、真空ポンプ246により処理室201内を20Pa以下となるまで排気し、残留Oを処理室201内から排除する。このときN等の不活性ガスを、O供給ラインであるガス供給管340から、さらには、ガス供給管310、320、330、350から、処理室201内へ供給すると、さらに残留Oを排除する効果が高まる。
【0165】
上記ステップS314〜S317を1サイクルとし、少なくとも1回以上行なう(ステップS318)ことによりウエハ200上にALD法を用いて所定膜厚(40〜100Å)の酸化チタン膜36を成膜する(図5G参照)。この場合、各サイクル中で、上記の通りに、ステップS314におけるTi含有原料であるTiClにより構成される雰囲気と、ステップS316における酸化ガスであるOにより構成される雰囲気の夫々の雰囲気が処理室201内で混合しないように成膜することに留意する。
【0166】
このようにして、ZrO膜32、Al膜34およびTiO膜36からなる誘電体膜30が形成される。
【0167】
誘電膜30を形成後、プロセス条件を変更し、安定したら、誘電体30を形成したウエハ200を処理室201から取り出すことなく挿入したままで連続して上電極の形成工程に入る。
【0168】
(上電極43(窒化チタン膜42)の成膜:ステップS112)
図10、図11、図1〜3を参照して、上電極43を形成する窒化チタン膜42の成膜プロセス(図4のステップS112、図5H参照)について説明する。
【0169】
ウエハ200の温度が430℃に達して温度等が安定したら(ステップS401)、処理室201内の温度を430℃に保持した状態で次のステップを順次実行する。
【0170】
(TiCl供給:ステップS402)
ステップS402では、ガス供給系303のガス供給管331よりTiClを処理室201内に供給する。バルブ337を閉じ、バルブ336を開ける。TiClは常温で液体であり、液体のTiClが液体マスフローコントローラ333で流量調整されて気化器335に供給され気化器335で気化される。TiClを処理室201に供給する前は、バルブ338を閉じ、バルブ634を開けて、バルブ634を介してTiClをベントライン630に流しておく。一方では、キャリアガスとしてのNをマスフローコントローラ532で流量調整する。
【0171】
そして、TiClを処理室201に供給する際には、バルブ634を閉じ、バルブ338を開けて、TiClをバルブ338の下流のガス供給管330に供給すると共に、バルブ534を開けて、キャリアガス(N)をキャリアガス供給管530から供給する。TiClはキャリアガス(N)とバルブ338の下流側で合流し混合され、ノズル430を介して処理室201に供給されつつ排気管231から排気される。この時、APCバルブ243を適正に調整して処理室201内の圧力を20〜50Paの範囲であって、例えば30Paに維持する。液体マスフローコントローラ312で制御するTiClの供給量は1.0〜2.0g/minである。TiClにウエハ200を晒す時間は3〜10秒間である。
【0172】
このとき、処理室201内に流しているガスは、TiClと不活性ガスであるNのみであり、NHは存在しない。したがって、TiClは気相反応を起こすことはなく、ウエハ200の表面や下地膜と表面反応(化学吸着)して、原料(TiCl)の吸着層またはTi層(以下、Ti含有層)を形成する。TiClの吸着層とは、原料分子の連続的な吸着層の他、不連続な吸着層をも含む。Ti層とは、Tiにより構成される連続的な層の他、これらが重なってできるTi薄膜をも含む。なお、Tiにより構成される連続的な層をTi薄膜という場合もある。
【0173】
同時に、ガス供給管350の途中につながっているキャリアガス供給管550から、バルブ554を開けてN(不活性ガス)を流すと、NH側のノズル450やガス供給管350にTiClが回り込むことを防ぐことができる。同様に、同時にガス供給管310の途中につながっているキャリアガス供給管510から、バルブ514を開けてN(不活性ガス)を流すと、ノズル410やガス供給管310にTiClが回り込むことを防ぐことができ、同時にガス供給管320の途中につながっているキャリアガス供給管520から、バルブ524を開けてN(不活性ガス)を流すと、ノズル420やガス供給管320にTiClが回り込むことを防ぐことができ、同時にガス供給管340の途中につながっているキャリアガス供給管540から、バルブ544を開けてN(不活性ガス)を流すと、ノズル440やガス供給管340にTiClが回り込むことを防ぐことができる。
【0174】
(残留TiCl除去:ステップS403)
ステップS403では、残留TiClを処理室201内から除去する。ガス供給管330のバルブ338を閉めて処理室201へのTiClの供給を停止し、バルブ634を開けてベントライン630へTiClを流す。このとき排気管231のAPCバルブ243は開いたままとし、真空ポンプ246により処理室201内を20Pa以下となるまで排気し、残留TiClを処理室201内から排除する。このときN等の不活性ガスを、TiCl供給ラインであるガス供給管330から、さらには、ガス供給管350、ガス供給管310、320、340から、処理室201内へ供給すると、さらに残留TiClを排除する効果が高まる。
【0175】
(NH供給:ステップS404)
ステップS404では、ガス供給系305のガス供給管351よりNHを処理室201内に供給する。NHはマスフローコントローラ353で流量調整されて供給される。NHを処理室201に供給する前は、バルブ358を閉じ、バルブ654を開けて、バルブ654を介してNHをベントライン650に流しておく。一方では、キャリアガスとしてのNをマスフローコントローラ550で流量調整する。
【0176】
そして、NHを処理室201に供給する際には、バルブ654を閉じ、バルブ358を開けて、NHをバルブ358の下流のガス供給管350に供給すると共に、バルブ554を開けて、キャリアガス(N)をキャリアガス供給管550から供給する。NHはキャリアガス(N)とバルブ358の下流側で合流し混合され、ノズル450を介して処理室201に供給されつつ排気管231から排気される。NHを流すときは、APCバルブ243を適正に調節して処理室201内圧力を50〜1000Paの範囲であって、例えば60Paに維持する。マスフローコントローラ353で制御するNHの供給流量は1〜10slmである。NHにウエハ200を晒す時間は10〜30秒間である。
【0177】
同時に、ガス供給管330の途中につながっているキャリアガス供給管530から、バルブ534を開けてN(不活性ガス)を流すと、TiCl側のノズル430やガス供給管330にNHが回り込むことを防ぐことができる。同様に、同時にガス供給管310の途中につながっているキャリアガス供給管510から、バルブ514を開けてN(不活性ガス)を流すと、ノズル410やガス供給管310にNHが回り込むことを防ぐことができ、同時にガス供給管320の途中につながっているキャリアガス供給管520から、バルブ524を開けてN(不活性ガス)を流すと、ノズル420やガス供給管320にNHが回り込むことを防ぐことができ、同時にガス供給管340の途中につながっているキャリアガス供給管540から、バルブ544を開けてN(不活性ガス)を流すと、ノズル440やガス供給管340にNHが回り込むことを防ぐことができる。
【0178】
NHの供給により、ウエハ200上に化学吸着したTi含有層とNHが表面反応(化学吸着)して、ウエハ200上に窒化チタン膜が成膜される。
【0179】
(残留NH除去:ステップS405)
ステップS405では、残留NHを処理室201内から除去する。ガス供給管350のバルブ358を閉めて処理室201へのNHの供給を停止し、バルブ654を開けてベントライン650へNHを流す。このとき排気管231のAPCバルブ243は開いたままとし、真空ポンプ246により処理室201内を20Pa以下となるまで排気し、残留NHを処理室201内から排除する。このときN等の不活性ガスを、NH供給ラインであるガス供給管350から、さらには、ガス供給管330、ガス供給管310、320、340から、処理室201内へ供給すると、さらに残留NHを排除する効果が高まる。
【0180】
上記ステップS402〜S405を1サイクルとし、少なくとも1回以上行なう(ステップS406)ことによりウエハ200上にALD法を用いて所定膜厚の窒化チタン膜42を成膜する(図5H参照)。この場合、各サイクル中で、上記の通りに、ステップS402におけるTi含有原料であるTiClにより構成される雰囲気と、ステップS404における窒化ガスであるNHにより構成される雰囲気の夫々の雰囲気が処理室201内で混合しないように成膜することに留意する。
【0181】
所定膜厚の窒化チタン膜42を形成する成膜処理がなされると、N等の不活性ガスを処理室201内へ供給しつつ排気することで処理室201内を不活性ガスでパージする(ガスパージ:ステップS407)。その後、処理室201内の雰囲気を不活性ガスで置換し、(不活性ガス置換)、処理室201内の圧力を常圧に復帰する(大気圧復帰:ステップS408)。その後、ボートエレベータ115によりシールキャップ219が下降されて、マニホールド209の下端が開口されるとともに、処理済ウエハ200がボート217に支持された状態でマニホールド209の下端から処理室201の外部に搬出(ボートアンロード:ステップS409)される。その後、処理済ウエハ200はボート217より取出される(ウエハディスチャージ:ステップS410)。
【0182】
(ガスクリーニング:ステップS114)
以上のように、上電極43を形成して、ウエハ200を処理室201から取り出した後に、ガスクリーニングを行う。
【0183】
図12、図13、図1〜3を参照して、ガスクリーニングプロセス(図4のステップS114)について説明する。
【0184】
ガスクリーニングでは、処理室201内にクリーニングガスを供給して、処理室201内やボート217等に付着した導電性膜もしくは絶縁性膜である堆積物を除去する。BClにOを添加したクリーニングガスを使用することで、ZrO膜、Al膜、TiO膜、TiN膜を除去する。ガスクリーニングを行うことにより、各工程間のクロスコンタミネーションを低減し、また、より高い生産性を実現できる。
【0185】
ガスクリーニングを行うには、バルブ316を閉じ、バルブ317を開けて、ガス供給系301のガス供給管312よりBClを供給し、バルブ326を閉じ、バルブ327を開けて、ガス供給系302のガス供給管322よりBClを供給し、バルブ336を閉じ、バルブ337を開けて、ガス供給系303のガス供給管332よりBClを供給する。また、バルブ346を閉じ、バルブ347を開けて、ガス供給系304のガス供給管342よりOを供給する。なお、ガス供給系305のバルブ358は閉じておく。
【0186】
エッチングガスは、N等の不活性ガスで希釈した濃度で用いてもよく、エッチングガスのBClを希釈して使用する場合には、バルブ514を開けて、キャリアガス(N)をキャリアガス供給管510から供給し、バルブ524を開けて、キャリアガス(N)をキャリアガス供給管520から供給し、バルブ534を開けて、キャリアガス(N)をキャリアガス供給管530から供給する。Oを希釈して使用する場合には、バルブ544を開けて、キャリアガス(N)をキャリアガス供給管540から供給する。なお、バルブ554は閉じておく。
【0187】
ガスエッチングを行うには、処理室201へのBClおよびOの供給は連続的に行なっても良いが、BClおよびOの処理室201への供給と処理室201内の排気管231からの排気とを交互に間欠的(断続的)に行なっても良い。すなわち、サイクルエッチングによるクリーニングを行なっても良い。具体的には、図12、13に示すように、次のステップS503〜S506を1サイクルとして、このサイクルを所定回数繰り返すことでクリーニング工程を行っても良い。
【0188】
本実施の形態では、BClおよびOは、Nの不活性ガスで希釈して用い、サイクルエッチングによってクリーニングを行う。以下、各工程について説明する。
【0189】
ガスクリーニングを行う際には、ヒータ207を制御して処理室201内を例えば500℃〜850℃の範囲の温度であって、好適には550℃に保持する。
【0190】
その後、ウエハ200を搭載しない状態のボート217は、ボートエレベータ115によって持ち上げられて処理室201内に搬入(ボートロード)される(ステップS501)。この状態で、シールキャップ219はOリング220を介してマニホールド209の下端をシールした状態となる。
【0191】
その後、処理室201内の温度が550℃に達して温度等が安定したら(ステップS502)、処理室201内の温度を550℃に保持した状態で次のステップを順次実行する。
【0192】
(真空排気:ステップS503)
まず、バルブ318、328、338、348、358、514、524、534、544、554を閉じた状態で、APCバルブ243を開き、処理室201内を真空排気する。処理室201内の圧力が第1圧力に到達した後、APCバルブ243を閉じる。これにより処理室201内を封止する。
【0193】
ガス供給系301では、バルブ317を開け、BClをマスフローコントローラ314で流量調整してガス供給管312に流しておくが、処理室201に供給する前は、バルブ318を閉じ、バルブ614を開けて、バルブ614を介してBClをベントライン610に流しておく。一方では、キャリアガスとしてのNをマスフローコントローラ512で流量調整する。
【0194】
ガス供給系302では、バルブ327を開け、BClをマスフローコントローラ324で流量調整してガス供給管322に流しておくが、処理室201に供給する前は、バルブ328を閉じ、バルブ624を開けて、バルブ624を介してBClをベントライン620に流しておく。一方では、キャリアガスとしてのNをマスフローコントローラ522で流量調整する。
【0195】
ガス供給系303では、バルブ337を開け、BClをマスフローコントローラ334で流量調整してガス供給管332に流しておくが、処理室201に供給する前は、バルブ338を閉じ、バルブ634を開けて、バルブ634を介してBClをベントライン630に流しておく。一方では、キャリアガスとしてのNをマスフローコントローラ532で流量調整する。
【0196】
ガス供給系304では、バルブ347を開け、Oをマスフローコントローラ344で流量調整してガス供給管342に流しておくが、処理室201に供給する前は、バルブ348を閉じ、バルブ644を開けて、バルブ644を介してOをベントライン640に流しておく。一方では、キャリアガスとしてのNをマスフローコントローラ542で流量調整する。
【0197】
(BClおよびO供給:ステップS504)
APCバルブ243が閉じられ処理室201内の圧力が後記する第1圧力となった状態で、BClおよびOを処理室201内に供給する。その供給は次のようにして行う。
【0198】
バルブ614を閉じ、バルブ318を開けて、BClをバルブ318の下流のガス供給管310に供給すると共に、バルブ514を開けて、キャリアガス(N)をキャリアガス供給管510から供給する。BClはキャリアガス(N)とバルブ318の下流側で合流し混合され、ノズル410を介して処理室201に供給される。
【0199】
バルブ624を閉じ、バルブ328を開けて、BClをバルブ328の下流のガス供給管320に供給すると共に、バルブ524を開けて、キャリアガス(N)をキャリアガス供給管520から供給する。BClはキャリアガス(N)とバルブ328の下流側で合流し混合され、ノズル420を介して処理室201に供給される。
【0200】
バルブ634を閉じ、バルブ338を開けて、BClをバルブ338の下流のガス供給管330に供給すると共に、バルブ534を開けて、キャリアガス(N)をキャリアガス供給管530から供給する。BClはキャリアガス(N)とバルブ338の下流側で合流し混合され、ノズル430を介して処理室201に供給される。
【0201】
バルブ644を閉じ、バルブ348を開けて、Oをバルブ348の下流のガス供給管340に供給すると共に、バルブ544を開けて、キャリアガス(N)をキャリアガス供給管540から供給する。Oはキャリアガス(N)とバルブ348の下流側で合流し混合され、ノズル440を介して処理室201に供給される。
【0202】
(BClおよびO封じ込め:ステップS505)
このようにして、BClおよびOならびにキャリアガス(N)を処理室201内へ供給し、処理室201内の圧力が後記する第2圧力となったところでバルブ318、328、338、348、514、524、534、544を閉じ、処理室201内へのBClおよびOならびにキャリアガス(N)の供給を停止する。これによりガス供給系を封止する。このとき、処理室201に直接つながる全てのバルブが閉じられた状態となる。すなわち、ガス供給系および排気系が共に封止された状態となる。これにより、処理室201内が封止され、処理室201内にBClおよびOを封じ込めた状態となる。そして、この状態、すなわち、ガス供給系および排気系を封止することで処理室201内を封止し、処理室201内にBClおよびOを封入した状態を所定時間維持する。
【0203】
バルブ318、328、338、348を閉じて処理室201内へのBClの供給を止めると、バルブ614、624、634を開けて、BClをベントライン610、620、630に流し、バルブ644を開けて、Oをベントライン640に流す。
【0204】
(ガス除去:ステップS506)
処理室201内にBClおよびOを封入してから所定時間経過後、APCバルブ243を開き、排気管231を通して処理室201内の真空排気を行う。その後、バルブ514、524、534、544を開き、処理室201内にNの不活性ガスを供給しつつ排気管231より排気し、処理室201内のガスパージを行う。
【0205】
以上のステップS503〜S506を1サイクルとして、このサイクルを所定回数繰り返す(ステップS507)ことでサイクルエッチングによるクリーニングを行う。このように、クリーニングの際、APCバルブ243を一定時間閉じるステップと、APCバルブ243を一定時間開くステップと、を所定回数繰り返すようにする。すなわち、APCバルブ243の開閉を間欠的(断続的)に所定回数繰り返すようにする。サイクルエッチングによるクリーニングによれば、1サイクルあたりのエッチング量を確認しておくことで、サイクル回数によりエッチング量を制御することができる。また、連続的にエッチングガスを流してクリーニングする方式に比べ、ガスの消費量を少なくすることができる。
【0206】
処理室201内に導入されたBClとOは、処理室201内全体に拡散し、処理室201内、すなわち反応管203の内壁やボート217に付着したZrO膜、Al膜、TiO膜、TiN膜と接触し、熱的に化学反応が生じ、蒸気圧が高い反応生成物が生成され、生成された反応生成物は、排気管231から処理室201の外部へ排気される。このようにして、処理室201内のクリーニングが行われる。
【0207】
予め設定された回数だけ上記サイクルが行われると、処理室201内を真空引きし、その後、処理室201内にN等の不活性ガスを供給しつつ排気し、処理室201内をパージする(パージ:ステップS508)。処理室201内をパージした後、処理室201内をN等の不活性ガスで置換し、処理室201内の圧力を大気圧に復帰する(大気圧復帰:ステップS509)。その後、ボートエレベータ115によりシールキャップ219が下降されて、マニホールド209の下端が開口されるとともに、ボート217がマニホールド209の下端から処理室201の外部に搬出される(ボートアンロード:ステップS510)。
【0208】
なお、上記サイクルエッチングによるクリーニングの処理条件としては、
第1圧力:1.33〜13300Pa、
第2圧力:13.3〜66500Pa、好ましくは13300〜26600Pa、
BCl供給流量:0.5〜5slm、
供給流量:0.01〜0.1slm、
BClおよびOガス供給時間(遷移時間):0.1〜15min、
BClおよびOガス封入時間(封入時間):0.1〜15min、
排気時間:0.1〜10min、
サイクル数:1〜100回、
が例示され、それぞれのクリーニング条件を、それぞれの範囲内のある値で一定に維持することでクリーニングがなされる。
【0209】
本実施の形態では、TiN膜22からなる下電極23、ZrO膜32、Al膜34およびTiO膜36から成る誘電体膜30、TiN膜42からなる上電極43を同一の基板処理装置101で形成するので、半導体装置に用いられるキャパシタを効率よく、しかも少ない占有床面積で行うことができる。また、装置の共通化によりスペア部品の共通化が可能となり装置運用費の低減が図れる。
【0210】
また、本実施の形態の基板処理装置101は、ウエハ200を収容する処理室201と、処理室201に、Zrを含む原料(TEMAZ)を供給する原料供給系301と、処理室201に、Alを含む原料(TMA)を供給する原料供給系302と、処理室201に、Tiを含む原料(TiCl)を供給する原料供給系303と、処理室201に、酸化剤であるOを供給する酸化剤供給系304と、処理室201に、窒化剤であるNHを供給する窒化剤供給系305と、コントローラ280とを、備え、このコントローラ280は、TEMAZとOを処理室201に交互に供給してZrO膜32を形成した後、TMAとOを処理室201に交互に供給してAl膜34を形成し、TiClとOを処理室201に交互に供給してTiO膜36を形成することでZrO膜32、Al膜34およびTiO膜36を有する誘電体膜30をウエハ200上に形成し、TiClとNHを処理室201に交互に供給してTiN膜42からなる上電極43を形成するよう、原料供給系301、原料供給系302、原料供給系303、酸化剤供給系304および窒化剤供給系305を制御している。
【0211】
従って、ZrO膜32、Al膜34およびTiO膜36から成る誘電体膜30、TiN膜42からなる上電極43を同一の基板処理装置101で形成でき、半導体装置に用いられるキャパシタを効率よく、しかも少ない占有床面積で行うことができる。また、装置の共通化によりスペア部品の共通化が可能となり装置運用費の低減が図れる。
【0212】
また、本実施の形態では、TEMAZとOを処理室201に交互に供給してZrO膜32を形成し、TMAとOを処理室201に交互に供給してAl膜34を形成し、TiClとOを処理室201に交互に供給してTiO膜36を形成して誘電体膜30を形成し、TiClとNHを処理室201に交互に供給してTiN膜42からなる上電極43を形成しているので、シリンダー状等の立体形状であって、その形状が縮小された形状のキャパシタ構造であっても、均一な誘電体膜や電極膜が被覆性よく形成できる。
【0213】
また、TiClとOを処理室201に交互に供給してTiO膜36を3層誘電体膜30の上層として形成し、TiClとNHを処理室201に交互に供給してTiN膜42からなる上電極43を形成しているので、TiO膜36の形成後に、連続してTiN膜42からなる上電極43を形成できる。すなわち、処理室201からウエハ200を搭載したボート217を取り出すことなく、ウエハ200を搭載したボート217を同じ処理室201に挿入したまま、処理室201の温度を変更し、ガスの種類を変更するだけで、TiO膜36の形成後に、連続してTiN膜42からなる上電極43を形成できるので、大幅な時間短縮が可能となる。
【0214】
図14に、誘電体膜30の形成と、上電極43用のTiN膜42の形成を、処理室201からウエハ200を搭載したボート217を取り出すことなく挿入したままで連続して行う場合(連続の場合)の処理時間と、誘電体膜30を形成した後、処理室201からウエハ200を搭載したボート217を取り出し、ボート217からウエハ200を搬出し、別の処理装置までウエハ200を搬送し、別の処理装置でウエハ200をボートに搭載し、ウエハ200を搭載したボートを別の処理装置の処理室に搬入して、上電極43用のTiN膜42の形成を行う場合(別々の場合)の処理時間を、模式的に示している。
【0215】
図14に示すように、誘電体膜30の形成と上電極43用のTiN膜42の形成を連続で処理する事で、別々の場合の前処理時問(基板搬入、ボート挿入、真空引き、温度安定など)、後処理時間(窒素パージ、ボート取り出し、基板冷却、基板搬出)、処理済基板の運搬時間および処理待ち時間が、連続の場合のガス置換時間に置き換わることになり大幅な時間短縮が可能となる。
【0216】
また、TiClとOを処理室201に交互に供給してTiO膜36を3層誘電体膜30の上層として形成し、TiClとNHを処理室201に交互に供給してTiN膜42からなる上電極43を形成しているので、Ti供給用配管が供給でき、その分装置構成が簡単になる。
【0217】
上記実施の形態では、図4に示すように、ZrO膜32の形成(ステップS106)、Al膜34の形成(ステップS108)、TiO膜36の形成(ステップS110)を行い、その後、連続してTiN膜42からなる上電極43を形成し(ステップS112)、その後にガスクリーニング(ステップS114)を行って、ZrO膜、Al膜、TiO膜、TiN膜を除去することにより、各工程間のクロスコンタミネーションを低減したが、図15に示すように、ZrO膜32の形成(ステップS106)、Al膜34の形成(ステップS108)、TiO膜36の形成(ステップS110)を行って誘電体膜30を形成した後、ガスクリーニング(ステップS111)を行い、その後、TiN膜42からなる上電極43を形成し(ステップS112)、その後にガスクリーニング(ステップS114)を行うと、誘電体膜30(ZrO膜、Al膜、TiO膜)形成と上電極43(TiN膜)形成との間のクロスコンタミネーションをより有効に低減することができる。
【0218】
さらに、図16に示すように、ZrO膜32の形成(ステップS106)とAl膜34の形成(ステップS108)との間にガスクリーニング(ステップS107)を行い、Al膜34の形成(ステップS108)とTiO膜36の形成(ステップS110)との間にもガスクリーニング(ステップS109)を行うと、誘電体膜30を構成するZrO膜32形成と、Al膜34形成と、TiO膜36形成との間のクロスコンタミネーションをより有効に低減することができる。
【0219】
上記実施の形態では、下電極23を形成した後に、ウエハ200を処理室201からディスチャージしたが、下電極23を図5Fのようにシリンダーホール20等を形成するように加工をしない場合には、ウエハ200を処理室201からディスチャージせずにそのままプロセス条件を変更して誘電膜30成膜プロセス(図4のステップS106、S108,S110)に入っても良い。
【0220】
上記実施の形態では、チタン含有原料として、四塩化チタン(TiCl)を使用したが、四塩化チタン(TiCl)に代えて、テトラキスジメチルアミノチタン(TDMAT、Ti[N(CH)、テトラキスジエチルアミノチタン(TDEAT、Ti[N(CHCH)等と使用してもよい。
【0221】
また、上記実施の形態では、ジルコニウム含有原料として、テトラキスエチルメチルアミノジルコニウム(TEMAZ、Zr(NEtMe))を使用したが、TEMAZに代えて、Zr(O−tBu)、Zr(NMe、Zr(NEt、Zr(MMP)等と使用してもよい。
【0222】
また、上記実施の形態では、アルミニウム含有原料として、トリメチルアルミニウム(TMA、Al(CH)使用したが、TMAに代えて、塩化アルミニウム(AlCl))等を使用してもよい。
【0223】
また、上記実施の形態では、酸化剤として、Oを使用したが、Oに代えて、O、NO、O、HO、H+O等を使用してもよい。
【0224】
また、上記実施の形態では、窒化剤として、アンモニア(NH)を使用したが、アンモニアに代えて、窒素(N)、亜酸化窒素(NO)、モノメチルヒドラジン(CH)等を使用してもよい。
【0225】
また、上記実施の形態では、クリーニングガスとして、BClを使用したが、BClに代えて、BBr、BI等を使用してもよい。
【0226】
また、上記実施の形態では、キャリアガスとして、N(窒素)を使用したが、窒素に代えて、He(ヘリウム)、Ne(ネオン)、Ar(アルゴン)等を使用してもよい。
【0227】
また、上記実施の形態では、クリーニングガス時に、BClにOを添加したが、酸化ジルコニウム膜、酸化アルミニウム膜および酸化チタン膜をクリーニングするにはOを添加した方がいいが、窒化チタン膜はOを添加しなくてもクリーニング除去可能である。
【0228】
また、上記実施の形態では、液体原料を気化するのに、気化器315、325、335を使用したが、気化器に代えてバブラーを使用してもよい。
【0229】
(本発明の好ましい態様)
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
【0230】
(付記1)
本発明の好ましい一態様によれば、
基板上に下電極を形成する工程と、
前記下電極の上に、それぞれ異なる金属元素を含む3種の金属酸化膜を積層して誘電膜を形成する工程と、
前記誘電膜の上に、上電極を形成する工程と、
を有し、前記各工程は同一の装置で行う半導体装置の製造方法が提供される。
【0231】
(付記2)
付記1の半導体装置の製造方法であって、好ましくは、前記各工程は同一の処理室内で行う。
【0232】
(付記3)
付記1または2の半導体装置の製造方法であって、好ましくは、前記誘電膜を形成する工程と、上電極を形成する工程は連続して行う。
【0233】
(付記4)
付記3の半導体装置の製造方法であって、好ましくは、前記誘電膜を形成する工程の後に、前記誘電膜を形成した前記基板を、前記誘電膜を形成する工程で使用した処理室から取り出すことなく挿入したままで、前記上電極を形成する工程を行う。
【0234】
(付記5)
付記1〜4のいずれかの半導体装置の製造方法であって、好ましくは、
前記誘電膜を形成する工程は、
前記基板を収容した処理室への第1の金属元素を含む第1の原料の供給と前記処理室への酸化剤の供給とを交互に行って第1の金属酸化膜を形成する工程と、
前記基板を収容した前記処理室への前記第1の金属元素とは異なる第2の金属元素を含む第2の原料の供給と前記処理室への前記酸化剤の供給とを交互に行って第2の金属酸化膜を形成する工程と、
前記基板を収容した前記処理室への前記第1の金属元素および前記第2の金属元素とは異なる第3の金属元素を含む第3の原料の供給と前記処理室への前記酸化剤の供給とを交互に行って第3の金属酸化膜を形成する工程と、を含み、
前記誘電膜の上に、上電極を形成する工程は、
前記基板を収容した前記処理室への第4の金属元素を含む第4の原料の供給と前記処理室への窒化剤の供給とを交互に行って金属窒化膜を形成する工程、を含む。
【0235】
(付記6)
付記5の半導体装置の製造方法であって、好ましくは、前記第3の金属元素と前記第4の金属元素は同一である。
【0236】
(付記7)
付記6の半導体装置の製造方法であって、好ましくは、前記第3の原料と前記第4の原料は同一である。
【0237】
(付記8)
付記7の半導体装置の製造方法であって、好ましくは、前記第3の原料と前記第4の原料は同一の原料供給系から供給する。
【0238】
(付記9)
付記6〜8のいずれかの半導体装置の製造方法であって、好ましくは、前記第3の金属元素と前記第4の金属元素はチタンである。
【0239】
(付記10)
付記5の半導体装置の製造方法であって、好ましくは、第1の金属元素はジルコニウムであり、第2の金属元素はアルミニウムであり、前記第3の金属元素と前記第4の金属元素はチタンである。
【0240】
(付記11)
付記10の半導体装置の製造方法であって、好ましくは、第1の金属酸化膜は酸化ジルコニウム膜であり、第2の金属酸化膜は酸化アルミニウム膜であり、前記第3の金属酸化膜は酸化チタン膜であり、前記金属窒化膜は窒化チタン膜である。
【0241】
(付記12)
付記5〜11のいずれかの半導体装置の製造方法であって、好ましくは、前記第3の原料および前記第4の原料はTiClである。
【0242】
(付記13)
付記5〜12のいずれかの半導体装置の製造方法であって、好ましくは、前記酸化剤はOである。
【0243】
(付記14)
付記5〜13のいずれかの半導体装置の製造方法であって、好ましくは、前記窒化剤はNHである。
【0244】
(付記15)
付記1〜4のいずれかの半導体装置の製造方法であって、好ましくは、前記下電極及び前記上電極は窒化チタン膜であり、前記誘電膜を構成する3種の金属酸化膜は酸化ジルコニウム膜、酸化アルミニウム膜及び酸化チタン膜である。
【0245】
(付記16)
付記1〜15のいずれかの半導体装置の製造方法であって、好ましくは、前記誘電膜と前記上電極を形成した後にガスクリーニングを行う。
【0246】
(付記17)
付記1〜16のいずれかの半導体装置の製造方法であって、好ましくは、前記誘電膜を形成した後、前記上電極を形成する工程の前にガスクリーニングを行う。
【0247】
(付記18)
付記1〜16のいずれかの半導体装置の製造方法であって、好ましくは、前記誘電膜を形成する際は、各金属酸化膜を形成する毎にガスクリーニングを行う。
【0248】
(付記19)
本発明の好ましい他の態様によれば、
基板を収容する処理室と、
前記処理室に、第1の金属元素を含む第1の原料を供給する第1の原料供給系と、
前記処理室に、前記第1の金属元素とは異なる第2の金属元素を含む第2の原料を供給する第2の原料供給系と、
前記処理室に、前記第1の金属元素および前記第2の金属元素とは異なる第3の金属元素を含む第3の原料を供給する第3の原料供給系と、
前記処理室に、酸化剤を供給する酸化剤供給系と、
前記処理室に、窒化剤を供給する窒化剤供給系と、
前記第1の原料と前記酸化剤を処理室へ交互に供給して第1の金属酸化膜を形成した後、該第1の金属酸化膜の上に前記第2の原料と前記酸化剤を処理室へ交互に供給して第2の金属酸化膜を形成し、該第2の金属酸化膜の上に前記第3の原料と前記酸化剤を処理室へ交互に供給して第3の金属酸化膜を形成することで前記第1の金属酸化膜、前記第2の金属酸化膜及び前記第3の金属酸化膜を有する誘電膜を前記基板上に形成し、前記第3の原料と前記窒化剤を処理室へ交互に供給することにより前記誘電膜の上に上電極を形成するよう前記第1の原料供給系、前記第2の原料供給系、前記第3の原料供給系、前記酸化剤供給系及び前記窒化剤供給系を制御する制御部と、
を有する基板処理装置が提供される。
【0249】
(付記20)
本発明の好ましいさらに他の態様によれば、
被処理体の表面にキャパシタ用下電極の金属窒化膜を成膜する工程と、
前記下電極の金属窒化膜上に誘電膜を成膜する工程と、
前記誘電膜上にキャパシタ用上電極の金属窒化膜を成膜する工程と、を
同一の半導体製造装置の処理容器内で行う成膜方法が提供される。
【0250】
(付記21)
付記20の成膜方法であって、好ましくは、前記誘電膜を形成する工程と前記キャパシタ用上電極の金属窒化膜を形成する工程とを連続して同一の半導体製造装置の処理容器内で行う。
【0251】
(付記22)
付記20または21の成膜方法であって、好ましくは、前記キャパシタ用上電極の金属窒化膜は、前記上電極の金属窒化膜の金属を含む金属原料と窒素含有還元剤とを交互に前記処理容器内に供給して成膜し、前記誘電膜は、前記誘電膜を構成する金属を含む金属原料と酸化剤とを交互に前記処理容器内に供給して成膜する。
【0252】
(付記23)
付記22の成膜方法であって、好ましくは、前記上電極の金属窒化膜の金属を含む金属原料はTiClであり、前記窒素含有還元剤はNHである。
【0253】
(付記24)
付記22または23の成膜方法であって、好ましくは、前記誘電膜を構成する金属を含む金属原料はTiClであり、前記酸化剤はOまたはHOである。
【0254】
以上、本発明の種々の典型的な実施の形態を説明してきたが、本発明はそれらの実施の形態に限定されない。従って、本発明の範囲は、次の特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。
【符号の説明】
【0255】
20 シリンダーホール
22、42 窒化チタン膜(TiN膜)
23 下電極
30 誘電体膜
32 ZrO
34 Al
36 TiO
43 上電極
101 基板処理装置
115 ボートエレベータ
200 ウエハ
201 処理室
202 処理炉
203 反応管
207 ヒータ
209 マニホールド
217 ボート
218 ボート支持台
219 シールキャップ
231、232 排気管
243 APCバルブ
245 圧力センサ
246 真空ポンプ
250 加熱用電源
263 温度センサ
267 回転機構
280 コントローラ
301、302、303、304、305 ガス供給系
310、311、312、320、312、322、330、331、332、340、341、342、350、351 ガス供給管
313、314、323、324、333、334、343、344、353、512、522、532、542、552 マスフローコントローラ
313、323、333 液体マスフローコントローラ
315、325、335 気化器
316、317、318、326、327、328、336、337、336、346、347、348、358、514、524、534、544、554、614、624、634、644、654 バルブ
410、420、430、440、450 ノズル
410a、420a、430a、440a、450a ガス供給孔
510、520、530、540、550 キャリアガス供給管
610、620、630、640、650 ベントライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に下電極を形成する工程と、
前記下電極の上に、それぞれ異なる金属元素を含む3種の金属酸化膜を積層して誘電膜を形成する工程と、
前記誘電膜の上に、上電極を形成する工程と、
を有し、前記各工程は同一の装置で行う半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記誘電膜を形成する工程と、上電極を形成する工程は連続して行う請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記下電極及び前記上電極は窒化チタン膜であり、前記誘電膜を構成する3種の金属酸化膜は酸化ジルコニウム膜、酸化アルミニウム膜及び酸化チタン膜である請求項1または2記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記誘電膜を形成する際は、各金属酸化膜を形成する毎にガスクリーニングを行う請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
基板を収容する処理室と、
前記処理室に、第1の金属元素を含む第1の原料を供給する第1の原料供給系と、
前記処理室に、前記第1の金属元素とは異なる第2の金属元素を含む第2の原料を供給する第2の原料供給系と、
前記処理室に、前記第1の金属元素および前記第2の金属元素とは異なる第3の金属元素を含む第3の原料を供給する第3の原料供給系と、
前記処理室に、酸化剤を供給する酸化剤供給系と、
前記処理室に、窒化剤を供給する窒化剤供給系と、
前記第1の原料と前記酸化剤を処理室へ交互に供給して第1の金属酸化膜を形成した後、該第1の金属酸化膜の上に前記第2の原料と前記酸化剤を処理室へ交互に供給して第2の金属酸化膜を形成し、該第2の金属酸化膜の上に前記第3の原料と前記酸化剤を処理室へ交互に供給して第3の金属酸化膜を形成することで前記第1の金属酸化膜、前記第2の金属酸化膜及び前記第3の金属酸化膜を有する誘電膜を前記基板上に形成し、前記第3の原料と前記窒化剤を処理室へ交互に供給することにより前記誘電膜の上に上電極を形成するよう前記第1の原料供給系、前記第2の原料供給系、前記第3の原料供給系、前記酸化剤供給系及び前記窒化剤供給系を制御する制御部と、
を有する基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図5G】
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【図5H】
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【図5I】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−104719(P2012−104719A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−253169(P2010−253169)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】