説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】 フォトリソグラフィー工程を削減するとともに、短チャネル効果によるサブスレッショルド電流を抑制する。
【解決手段】 フィールド形成用のシリコン窒化膜102を用いて素子分離領域105を形成した後、このシリコン窒化膜102及び半導体基板100をパターニングすることにより、半導体基板100に達するゲートトレンチを活性領域106に形成する。次に、ゲートトレンチ内にゲート電極114を形成した後、シリコン窒化膜102を除去し、これにより形成されたコンタクトホール内にコンタクトプラグを埋め込む。これにより、拡散層コンタクトパターンが不必要となるとともに、活性領域を縮小することが可能となる。しかも、ゲート電極114がゲートトレンチ内に埋め込まれていることから、ゲート長が拡大され、サブスレッショルド電流を抑制することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置に関し、特に、活性領域にMOSトランジスタが形成された半導体装置に関する。また、本発明は半導体装置の製造方法に関し、特に、活性領域にMOSトランジスタを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体基板上にMOSトランジスタを形成する方法としては、以下の方法が一般的に用いられている。まず、フィールド形成用絶縁膜をマスクとして半導体基板に素子分離領域を形成する。次に、フィールド形成用絶縁膜を剥離して活性領域を露出させた後、導電膜を堆積させ、これをパターニングすることによってゲート電極を形成する。そして、ゲート電極の側面にサイドウォールを形成した後、ソース/ドレイン拡散領域に接続するコンタクトプラグを形成することによって、MOSトランジスタが完成する。
【0003】
しかしながら、従来の方法では、フィールド形成用絶縁膜を形成するためのマスクパターン(アクティブフィールドパターン)、ゲート電極を形成するためのマスクパターン(ゲート電極パターン)及びコンタクトプラグを形成するためのマスクパターン(拡散層コンタクトパターン)といった3つのマスクパターンが必須であり、これらの一部を省略することは不可能であった。このため、工程数の削減によるコストダウンが困難であるばかりでなく、マスクパターン(拡散層コンタクトパターン)を用いてコンタクトプラグを形成する際にコンタクトプラグと活性領域との位置ずれを考慮しなければならないことから、コンタクトプラグ形成時のマージンを考慮して活性領域をある程度広く確保する必要があり、活性領域を縮小することも困難であった。
【0004】
しかも、LDD(Lightly Doped Drain)領域やセルフアラインコンタクトを形成するためには、ゲート電極上にキャップ絶縁膜を設ける必要があり、この場合にはゲート電極を含む積層体の合計膜厚がゲート電極の2倍程度となり、アスペクト比が非常に大きくなってしまう。このため、ゲート電極のパターニングにおいて加工マージンが不足したり、サイドウォールやコンタクトプラグなど、ゲート電極間に形成する各種材料の埋め込みマージンや、一旦ゲート電極間に埋め込んだ後除去する層間絶縁膜の加工マージンが不足するといった問題も生じる。この問題は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のメモリセルトランジスタのように、ポリメタル構造の採用によりゲート電極の膜厚が大きく、且つ、ゲート電極間が非常に狭いトランジスタにおいては特に顕著となる。
【0005】
尚、アスペクト比による問題は、特許文献1及び2に記載されているように、DRAMのメモリセルトランジスタの製造において、ダマシンプロセスを応用することによりある程度解消する。また、ダマシンプロセスによれば、ゲート電極よりも先にゲート間絶縁膜が形成されることから、ゲート間絶縁膜の被覆率不足による不良(コンタクト同士のショート)を防止することが可能となる。しかしながら、この場合であってもフォトリソグラフィー工程を大幅に削減したり、活性領域を大幅に縮小することは困難であった。
【0006】
一方、微細化によってトランジスタサイズが小さくなると、いわゆる「短チャネル効果」によってサブスレッショルド電流が増大し、例えばDRAMにおいてはリフレッシュ特性の低下という問題を招いてしまう。この問題を解決するためには、半導体基板に形成したトレンチ内にゲート電極を埋め込むことによって、トランジスタ1個当たりの占有面積を抑制しつつ、十分なゲート長を確保することが有効である(特許文献3参照)。
【0007】
しかしながら、ゲート電極をトレンチ内に埋め込むためには、従来、半導体基板にトレンチを形成するためのマスクパターンが別途必要であることから、フォトリソグラフィー工程を削減したり、活性領域を大幅に縮小することはやはり困難であった。
【特許文献1】特開2002−43544号公報
【特許文献2】特開2002−110930号公報
【特許文献3】特許第3150496号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の問題点を解決すべくなされたものであって、本発明の目的は、フォトリソグラフィー工程を削減することが可能な半導体装置及びその製造方法を提供することである。
【0009】
また、本発明の他の目的は、活性領域の縮小により集積度を高めることが可能な半導体装置及びその製造方法を提供することである。
【0010】
また、本発明のさらに他の目的は、ゲート電極材料やゲート電極間に形成する各種材料の埋め込みが容易な半導体装置及びその製造方法を提供することである。
【0011】
また、本発明のさらに他の目的は、短チャネル効果によるサブスレッショルド電流を抑制することが可能な半導体装置及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による半導体装置は、素子分離領域に囲まれ、ソース/ドレイン拡散領域及び前記ソース/ドレイン拡散領域間に形成されたゲートトレンチを有する活性領域と、少なくとも一部が前記ゲートトレンチに埋め込まれたゲート電極と、前記ソース/ドレイン拡散領域に接続されたコンタクトプラグとを備え、前記コンタクトプラグの周縁のうち前記素子分離領域側の辺は、前記素子分離領域と前記活性領域の境界と実質的に一致していることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、コンタクトプラグの周縁よりもさらに外側部分には実質的に活性領域が存在しないことから、活性領域の縮小により集積度を高めることが可能となる。しかも、ゲート電極がゲートトレンチ内に埋め込まれていることから、ゲートトレンチの周囲がチャネル領域として用いられることになる。これにより、集積度を低下させることなくゲート長が拡大されるので、短チャネル効果によるサブスレッショルド電流を抑制することが可能となる。
【0014】
また、本発明による半導体装置の製造方法は、半導体基板上に所定のパターンを有するフィールド形成用絶縁膜を形成する第1のステップと、前記フィールド形成用絶縁膜を用いて素子分離領域を形成する第2のステップと、少なくとも前記フィールド形成用絶縁膜及び半導体基板をパターニングすることにより、前記半導体基板にゲートトレンチを形成する第3のステップと、前記ゲートトレンチ内に少なくともゲート電極を埋め込む第4のステップと、前記フィールド形成用絶縁膜を除去することにより、コンタクトホールを形成する第5のステップと、前記コンタクトホール内にコンタクトプラグを埋め込む第6のステップとを備えることを特徴とする。尚、本発明において「半導体基板」とは、pウエル層やnウエル層などドーピングされた層を含む意である。
【0015】
本発明によれば、フィールド形成用絶縁膜を利用することによってゲート電極やコンタクトプラグを形成していることから、コンタクトプラグを活性領域に対して自己整合的に形成することができる。これにより、マスクパターン(拡散層コンタクトパターン)を用いることなく、コンタクトプラグを形成することができることから、フォトリソグラフィー工程数を削減することが可能となる。また、ゲートトレンチやコンタクトホールのアスペクト比が抑えられることから、ゲート電極を構成する各種材料の埋め込みや、コンタクトプラグを構成する各種材料の埋め込みを容易に行うことも可能となる。
【0016】
本発明における第2のステップは、前記フィールド形成用絶縁膜をマスクとして前記半導体基板に素子分離用溝を形成する第1のサブステップと、前記素子分離用溝を絶縁体によって埋め込む第2のサブステップとを含んでいることが好ましい。これによれば、素子分離領域がSTI構造となるため高い平坦性を得ることができ、その結果、ゲートトレンチの形成などの加工を容易に行うことが可能となる。
【0017】
また、第5のステップを行った後、第6のステップを行う前に、実質的に垂直方向からイオン注入を行うことによりソース/ドレイン拡散領域を形成し、さらに、斜め方向からイオン注入を行うことによりLDD領域を形成することがより好ましい。特に、実質的に垂直方向からイオン注入を行うことにより、メモリセル領域にソース/ドレイン拡散領域を形成し、斜め方向から第1の角度でイオン注入を行うことにより、メモリセル領域にLDD領域を形成し、斜め方向から第1の角度よりも大きい第2の角度でイオン注入を行うことにより、周辺回路領域にソース/ドレイン拡散領域を形成し、斜め方向から第2の角度よりも大きい第3の角度でイオン注入を行うことにより、周辺回路領域にLDD領域を形成することが特に好ましい。これによれば、コンタクトホールの幅が相対的に狭いメモリセル領域、及び、コンタクトホールの幅が相対的に広い周辺回路領域に対し、マスクを用いてイオン注入を個別に行うことなく、マスクなしで(或いは共通のマスクを用いて)、ソース/ドレイン拡散領域及びLDD領域を自己整合的に形成することが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
このように、本発明によれば、拡散層コンタクトパターンが不要となることから、フォトリソグラフィー工程数が削減されるだけでなく、活性領域の縮小により集積度を高めることも可能となる。さらに、ゲートトレンチやコンタクトホールのアスペクト比が抑えられることから、ゲート電極を構成する各種材料の埋め込みや、コンタクトプラグを構成する各種材料の埋め込みを容易に行うことも可能となる。しかも、ゲート電極がゲートトレンチ内に埋め込まれており、これによりゲート長が拡大されることから、短チャネル効果によるサブスレッショルド電流を抑制することも可能となる。
【0019】
したがって、本発明は、DRAMのように高い集積度が求められ、且つ、コストダウンに対する要求が非常に強い半導体装置への適用が特に効果的である。また、本発明をDRAMに適用すれば、サブスレッショルド電流の低減により、リフレッシュ特性を向上させることも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましいいくつかの実施の形態について、本発明の対象をDRAMとした場合を例に説明する。
【0021】
DRAMの表面は、多数のメモリセルが配置される「メモリセル領域」と、デコーダなどの周辺回路が配置される「周辺回路領域」に分けられるが、本実施形態による方法では、メモリセル領域のトランジスタ(メモリセルトランジスタ)と、周辺回路領域のトランジスタを同じ方法を用いて同時に形成する。したがって、以下の説明に用いる断面図(図1など)では、左側にメモリセル領域Mの部分断面を図示し、右側に周辺回路領域Pの部分断面を図示している。
【0022】
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0023】
まず、図1に示すように、熱酸化により半導体基板100の表面にシリコン酸化膜101を形成し、さらに、シリコン酸化膜101上にCVD(Chemical Vapor deposition)法によりシリコン窒化膜102を形成する。そして、図示しないマスクパターン(アクティブフィールドパターン)を用いて、活性領域となる部分以外のシリコン窒化膜102を除去する。これにより、半導体基板100の表面は、活性領域となる部分のみがシリコン窒化膜102によって覆われた状態となる。このようにしてパターニングされたシリコン窒化膜102は、素子分離領域を形成するための「フィールド形成用絶縁膜」として用いられる。
【0024】
次に、フィールド形成用絶縁膜であるシリコン窒化膜102をマスクとしてシリコン酸化膜101及び半導体基板100をエッチングし、深さ350nm程度の素子分離用溝103を形成する。次いで、半導体基板100を約1000℃で熱酸化することにより、素子分離用溝103の内壁に膜厚10nm程度の薄いシリコン酸化膜(図示せず)を形成した後、CVD法によって膜厚450〜500nm程度の厚いシリコン酸化膜104を堆積させる。これにより、素子分離用溝103はシリコン酸化膜104によって埋め込まれた状態となる。そして、化学的機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)法により、シリコン窒化膜102の上面が露出するまでシリコン酸化膜104を研磨し、その表面を平坦化すれば、素子分離領域105が完成する。このように、トレンチ構造を有する素子分離領域105は、一般に、STI(Shallow Trench Isolation)と呼ばれる。半導体基板100のうち、素子分離領域105に囲まれた領域は活性領域106となる。
【0025】
次に、シリコン窒化膜102を介してホウ素(B)などの不純物をイオン注入することにより、活性領域106の半導体基板100内にp型ウエル層107を形成する。尚、周辺回路領域Pに形成する回路をCMOS構造とする場合には、N型MOSトランジスタを形成すべき領域をマスクで覆った状態で、リン(P)やヒ素(As)などの不純物をイオン注入することによりn型ウエル層を形成し、次いで、必要に応じてマスクを用い、ホウ素(B)などの不純物をイオン注入することによりp型ウエル層107を形成すればよい。
【0026】
図2は、上記の工程が完了したメモリセル領域Mのパターン形状を示す部分平面図であり、図中のA−A線に沿った断面が図1に示すメモリセル領域Mの断面に対応している。図2に示すように、上記の工程が完了すると、メモリセル領域Mには素子分離領域105に囲まれた複数の活性領域106が規則的に配置された状態となる。上述の通り、この段階では、活性領域106はフィールド形成用絶縁膜であるシリコン窒化膜102によって覆われている。
【0027】
次に、図示しないマスクパターン(ゲート電極パターン)を用いて、ゲート電極を形成すべき領域114aに存在するシリコン窒化膜102及びシリコン酸化膜104を除去し、さらに、半導体基板100(p型ウエル層107)をエッチングすることにより、図3に示すように、半導体基板100内にゲートトレンチ114bを形成する。ゲートトレンチ114bの深さとしては、特に限定されるものではないが、半導体基板100の主表面100aを基準として40〜60nm程度の深さに設定することが好ましい。また、メモリセル領域Mにおいて残存させるシリコン窒化膜102の幅Wと、周辺回路領域Pにおいて残存させるシリコン窒化膜102の幅Wとの関係は、
<W
とすることが好ましい。その意義については後述する。
【0028】
次に、必要に応じてホウ素(B)などの不純物を斜め方向からイオン注入することにより、チャネル領域107aにチャネルドープを行う。尚、チャネル領域107aへのチャネルドープをメモリセル領域Mと周辺回路領域Pとで別個に行う場合には、一方をマスクした状態でそれぞれ別個にイオン注入を行えばよい。
【0029】
次に、図4に示すように、熱酸化を行うことによりゲートトレンチ114bの表面に膜厚6〜7nm程度のゲート絶縁膜110を形成した後、リン(P)などの不純物をドープしたポリシリコン膜111、窒化タングステン(WNx)膜112及びタングステン(W)膜113を順次堆積させる。ポリシリコン膜111の形成にはCVD法を用いることができ、その膜厚は、ゲートトレンチ114bが完全に埋まらないよう、ある程度薄い膜厚に設定する必要がある。例えば、メモリセル領域Mにおけるゲートトレンチ114bの深さ及び幅がそれぞれ200nm及び100nmであれば、ポリシリコン膜111の膜厚としては、20〜30nm程度に設定すればよい。また、窒化タングステン膜112及びタングステン膜113の形成にはCVD法を用いることができる。窒化タングステン膜112の膜厚は、ポリシリコン膜111と同様、ゲートトレンチ114bが完全に埋まらないよう、十分薄い膜厚に設定する必要がある。窒化タングステン膜112はバリア層として用いられるため、その膜厚は5〜10nm程度で十分である。一方、タングステン膜113の膜厚は、少なくともゲートトレンチ114bが完全に埋まるよう、十分に厚く設定する必要がある。
【0030】
次に、図5に示すように、タングステン膜113及び窒化タングステン膜112をエッチバックし、さらに、ポリシリコン膜111をエッチバックする。エッチバック量としては、タングステン膜113の上面(エッチング端面)113aが、フィールド形成用絶縁膜であるシリコン窒化膜102の上面よりも下方(半導体基板100の表面に近くなるよう)に設定し、且つ、及びポリシリコン膜111の上面(エッチング端面)111aが、半導体基板100の主表面100aよりも下方に位置するように設定する必要がある。ここで、タングステン膜113の上面113aがシリコン窒化膜102の上面よりも下方となるよう設定しているのは、後述するキャップを形成するためであり、ポリシリコン膜111の上面111aが半導体基板100の主表面100aよりも下方となるよう設定しているのは、ゲート電極114と後述するコンタクトプラグ(120)との絶縁を確保するためである。特に、タングステン膜113の上面113aは、ポリシリコン膜111の上面111aよりも上方となるよう設定することが好ましく(図5参照)、これによれば、シリコン窒化膜102とタングステン膜113との間に、隙間108aが形成される。このような隙間108aを形成するためには、フッ酸(HF)+硝酸(HNO)を用いたウエットエッチングのように、タングステン膜113や窒化タングステン膜112に対して高い選択比を確保できる方法により、ポリシリコン膜111を等方的にエッチバックする必要がある。また、シリコン窒化膜102の上面とタングステン膜113の上面113aとの段差は、追って説明するキャップの加工(研磨加工)マージンを吸収できるように設定され、例えば、研磨変動量が最大50nm程度であれば、段差が80nm〜120nmとなるように設定すればよい。これにより、ゲートトレンチ114bの内部には、ゲート電極114が埋め込まれた状態となる。
【0031】
尚、タングステン膜113のエッチバック量は、要求されるゲート抵抗値にも依存するため、例えば、ゲートトレンチ114bが十分に深い場合には、タングステン膜113のエッチング端面113aとポリシリコン膜111のエッチング端面111aとがほぼ同一平面となるよう設定しても構わない。
【0032】
図6は、上記の工程が完了したメモリセル領域Mのパターン形状を示す部分平面図であり、図中のB−B線に沿った断面が図5に示すメモリセル領域Mの断面に対応している。図6に示すように、上記の工程が完了すると、活性領域106は、シリコン窒化膜102で覆われた部分及びゲート電極114によって構成され、ゲート電極114の両側には隙間108aが形成された状態になる。
【0033】
次に、図7に示すように、CVD法により厚いシリコン酸化膜115を全面に形成する。このとき、隙間108a(図5参照)は、シリコン酸化膜115によってほぼ完全に埋められる必要がある。次に、図8に示すように、シリコン窒化膜102の上面が露出するまでCMP法によりシリコン酸化膜115を研磨する。これにより、ゲート電極114の上面がキャップ115aによって覆われ、さらに、シリコン窒化膜102とタングステン膜113との間(隙間108a)がキャップ115aで充填された状態となる。
【0034】
次に、図9に示すように、エッチングによりシリコン窒化膜102を全て除去し、これによりコンタクトホール120aを形成する。エッチングの方法については特に限定されないが、少なくとも、キャップ115aの材料である酸化シリコンに対して高い選択比を確保できる方法を用いる必要がある。このようなエッチング方法としては、例えば、りん酸(HPO)系エッチャントを用いたウエットエッチングが挙げられる。
【0035】
次に、図10に示すように、リン(P)やヒ素(As)などの不純物をイオン注入し、N型のソース/ドレイン拡散領域116及びLDD領域109を形成する。ソース/ドレイン拡散領域116及びLDD領域109の形成は、以下の方法を用いることが好ましい。尚、図面の見やすさを考慮して、以下に説明する図11乃至図16では、ゲート電極114やゲート絶縁膜110などの図示は省略し、模式的に表示してある。
【0036】
まず、図11に示すように、リン(P)やヒ素(As)などのn型の不純物を垂直方向からイオン注入することにより、ベースN拡散領域116aを形成する(イオン注入1回目)。このとき、イオン注入の方向が垂直方向であることから、ベースN拡散領域116aは、メモリセル領域M及び周辺回路領域Pに対して共通に形成される。尚、メモリセル領域MにおけるベースN拡散領域116aは、そのままソース/ドレイン拡散領域116として用いられる。
【0037】
次に、図12に示すように、リン(P)やヒ素(As)などのn型の不純物を斜め方向からイオン注入することにより、メモリセル領域MにLDD領域109を形成する(イオン注入2回目)。このとき、イオン注入の角度θは、メモリセル領域Mにおけるキャップ115aの角部A1と、コンタクトホール120aの底部の一端A2及び他端A3とを結ぶ直線L1及びL2が成す角θよりも僅かに小さく設定される。これにより、当該イオン注入によって、メモリセル領域Mには深さ方向にLDD領域109が形成されることになる。一方、メモリセル領域Mにおけるコンタクトホール120aの幅Wと、周辺回路領域Pにおけるコンタクトホール120aの幅Wとの関係は、
<W
であることから、周辺回路領域Pにおけるキャップ115aの角部A4と、コンタクトホール120aの底部の一端A5及び他端A6とを結ぶ直線L3及びL4が成す角θは、直線L1及びL2が成す角θよりも必ず大きくなる(θ<θ)。このため、周辺回路領域Pにおいては、全体的にリン(P)やヒ素(As)などの不純物が全体的に再注入され、拡散領域116bが形成されることになる。
【0038】
次に、図13に示すように、リン(P)やヒ素(As)などのn型の不純物を斜め方向からイオン注入することにより、周辺回路領域Pにソース/ドレイン拡散領域116を形成する(イオン注入3回目)。このとき、イオン注入の角度θは、上記の角θよりも大きく、且つ、上記の角θよりも十分に小さく設定される。これにより、当該イオン注入の影響はメモリセル領域Mには及ばず、且つ、周辺回路領域Pには全体的にリン(P)やヒ素(As)などの不純物が全体的に再注入され、これによって周辺回路領域Pのソース/ドレイン拡散領域116が完成する。
【0039】
そして、図14に示すように、リン(P)やヒ素(As)などのn型の不純物、さらには、必要に応じてボロン(B)などのp型の不純物を斜め方向からイオン注入することにより、周辺回路領域PにLDD領域109を形成する(イオン注入4回目)。このとき、イオン注入の角度θは、上記の角θよりも僅かに小さく設定され、これにより、メモリセル領域Mに影響を及ぼすことなく、周辺回路領域PにLDD領域109を深さ方向に形成することができる。
【0040】
以上の方法によれば、メモリセル領域M及び周辺回路領域Pに対し、マスクを用いてイオン注入を個別に行うことなく、マスクなしで(或いは共通のマスクを用いて)、ソース/ドレイン拡散領域116及びLDD領域109を自己整合的に形成することが可能となる。
【0041】
一方、周辺回路領域Pに形成する回路をCMOS構造とする場合には、周辺回路領域PのうちN型MOSトランジスタを形成すべき領域及びメモリセル領域Mの全体をマスクで覆った状態で、P型MOSトランジスタを形成すべき領域に対してp型の不純物をイオン注入する必要が生じる。この場合も、まず、図15に示すように、ボロン(B)やフッ化ボロン(BF)などのp型の不純物を垂直方向からイオン注入することにより、P型のソース/ドレイン拡散領域116を形成し、次に、図16に示すように、ボロン(B)やフッ化ボロン(BF)などのp型の不純物を斜め方向からイオン注入することにより、LDD領域109を深さ方向に形成することができる。この場合も、イオン注入の角度θは、上述した角θよりも僅かに小さく設定すればよい。
【0042】
このようにしてソース/ドレイン拡散領域116及びLDD領域109を形成した後、図17に示すように、ソース/ドレイン拡散領域116上のシリコン酸化膜101を除去し、さらに、チタン(Ti)膜117、窒化チタン(TiNx)膜118及びブランケットタングステン(W)膜119をCVD法により順次堆積させる。チタン膜117はシリサイドを形成するための膜であり、窒化チタン膜118はチタン膜117とブランケットタングステン膜119との間のバリア層としての役割を果たす。これらの膜厚は、それぞれ8〜12nm程度及び13〜17nm程度に設定すればよい。一方、ブランケットタングステン膜119の膜厚は、少なくともコンタクトホール120aが完全に埋まるよう、十分に厚く設定する必要がある。本実施形態においては、コンタクトホール120aのアスペクト比が十分に小さいため、上述した各種導電材料の埋め込みは、困難無く行うことが可能である。
【0043】
次に、図18に示すように、キャップ115aの上面が露出するまでCMP法によりチタン膜117、窒化チタン膜118及びブランケットタングステン膜119を研磨する。これにより、コンタクトホール120a(図10参照)内にコンタクトプラグ120が埋め込まれた状態となる。コンタクトプラグ120とゲート電極114との間の絶縁は、キャップ115aのうち、ポリシリコン膜をエッチバックした際に設けられた隙間108a(図5参照)に充填された部分によって確保されている。
【0044】
図19は、上記の工程が完了したメモリセル領域Mのパターン形状を示す部分平面図であり、図中のC−C線に沿った断面が図18に示すメモリセル領域Mの断面に対応している。図19に示すように、上記の工程が完了すると、コンタクトプラグ120は活性領域106に対して自己整合的に形成されることになる。このため、図18及び図19に示すように、コンタクトプラグ120の周縁のうち素子分離領域105側の辺120bは、素子分離領域105と活性領域106の境界と実質的に一致することになる。このことは、活性領域106が実質的にゲート電極114(キャップ115a)及びコンタクトプラグ120によってのみ覆われることを意味する。したがって、メモリセル領域Mにおいては、マスクずれに起因するリフレッシュ特性の低下を防止することが可能となり、周辺回路領域Pにおいては、従来のようにマスクパターン(拡散層コンタクトパターン)を用いてコンタクトプラグを形成する際のマージンなどを考慮して活性領域106をやや広めに形成する必要がなく、活性領域106の面積を最小限に抑えることが可能となる。
【0045】
その後は、図20に示すように、一般的な方法を用いて、メモリセル領域Mにはビット線121やメモリセルキャパシタ122を形成し、周辺回路領域Pには必要な各種配線123を形成した後、図示しないが、メモリセル領域M及び周辺回路領域Pとも、さらに上部に必要な層数の配線層すれば、本実施形態による半導体装置が完成する。
【0046】
以上説明したように、本実施形態では、フィールド形成用絶縁膜であるシリコン窒化膜102を利用してゲート電極114やコンタクトプラグ120を形成していることから、コンタクトプラグ120を活性領域106に対して自己整合的に形成することができる。つまり、マスクパターン(拡散層コンタクトパターン)を用いることなく、コンタクトプラグ120を形成することができる。これによりフォトリソグラフィー工程数が削減されるばかりでなく、図18及び図19に示すように、コンタクトプラグ120の周縁のうち素子分離領域105側の辺120bは、素子分離領域105と活性領域106の境界と実質的に一致することになるため、メモリセル領域Mにおいてはリフレッシュ特性の低下を防止することが可能となり、周辺回路領域Pにおいては、従来に比べ、活性領域を大幅に縮小することが可能となる。
【0047】
また、本実施形態によれば、ゲートトレンチ114bやコンタクトホール120aのアスペクト比が十分に抑えられることから、ゲート電極114を構成する各種材料の埋め込みや、コンタクトプラグ120を構成する各種材料の埋め込みを容易に行うことができる。
【0048】
さらに、本実施形態では、半導体基板100に形成したゲートトレンチ内にゲート電極114を埋め込み、ゲートトレンチの周囲をチャネル領域として用いていることから、短チャネル効果によるサブスレッショルド電流が抑制され、その結果、リフレッシュ特性を高めることが可能となる。
【0049】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。尚、第1の実施形態と同じ要素には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
【0050】
まず、第1の実施形態の図1及び図2に示す工程を行った後、図示しないマスクパターン(ゲート電極パターン)を用いて、ゲート電極を形成すべき領域114a(図2参照)に存在するシリコン窒化膜102及びシリコン酸化膜104をエッチングする。これにより、図21に示すように、活性領域106上のシリコン窒化膜102にはゲートトレンチ214aが形成され、素子分離領域105上のシリコン酸化膜104にはゲートトレンチ214bが形成される。このとき、シリコン(Si)に対して選択比の高い方法を用いてオーバーエッチングすることにより、活性領域106に形成されたゲートトレンチ214aの深さdよりも、素子分離領域105に形成されたゲートトレンチ214bの深さdの方が十分に大きくなるよう設定する。これにより、活性領域106では、トレンチパターン114cの底部において半導体基板100(p型ウエル層107)の表面が露出した状態となる。
【0051】
次に、マスクパターンを除去した後、図22に示すように、LPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法により膜厚10〜20nm程度のシリコン酸化膜208を全面に形成し、さらに図23に示すように、このシリコン酸化膜208をエッチバックする。これにより、半導体基板100の表面とほぼ平行な面に形成されたシリコン酸化膜208は全て除去され、ゲートトレンチ214a,214bの側面部分にサイドウォール208aが形成された状態となる。尚、図示しないが、素子分離領域105と活性領域106との境界に生じている段差部分にもサイドウォールが形成されることになる。
【0052】
次に、シリコン窒化膜102、シリコン酸化膜104及びサイドウォール208aをマスクとして、半導体基板100(p型ウエル層107)をエッチングすることにより、活性領域106に形成されたゲートトレンチ214aをさらに掘り下げ、図24に示すように、半導体基板100内にも深いゲートトレンチ214cを形成する。ゲートトレンチ214cの深さとしては、素子分離領域105に形成されたゲートトレンチ214bの深さd(図21参照)とほぼ同じ深さに設定することが好ましい。その後、必要に応じてチャネル領域107aにチャネルドープを行う。
【0053】
このように、本実施形態では、シリコン窒化膜102をマスクとした半導体基板100(p型ウエル層107)のエッチングを行う必要があり、このエッチングによってシリコン窒化膜102の膜厚がやや減少することから、あらかじめシリコン窒化膜102の膜厚をやや厚めに設定しておく必要がある。また、素子分離領域105と活性領域106との境界の段差部分に形成されたサイドウォールは、ゲートトレンチ214cの形成時に大部分が除去され、エッチング後の洗浄工程によってゲート配線が断線しない程度に除去することが可能である。
【0054】
次に、図25に示すように、熱酸化によってゲートトレンチ214cの表面にゲート絶縁膜110を形成した後、ポリシリコン膜111、窒化タングステン膜112及びタングステン膜113を順次堆積させる。この場合も、ポリシリコン膜111及び窒化タングステン膜112の膜厚については、ゲートトレンチ214cが完全に埋まらないよう、ある程度薄い膜厚に設定する必要があり、タングステン膜113の膜厚については、少なくともゲートトレンチ214cが完全に埋まるよう、十分に厚く設定する必要がある。
【0055】
次に、図26に示すように、タングステン膜113及び窒化タングステン膜112をエッチバックし、さらに、ポリシリコン膜111をエッチバックする。エッチバック量としては、タングステン膜113及びポリシリコン膜111の上面が、フィールド形成用絶縁膜であるシリコン窒化膜102の上面よりも低くなる(半導体基板100の表面に近くなる)ように設定する必要がある。これにより生じる段差は、第1の実施形態にて説明したキャップ115aの研磨加工マージンを吸収できるように設定すればよい。これにより、ゲートトレンチ214cの内部には、ゲート電極214が埋め込まれた状態となる。
【0056】
尚、本実施形態では、シリコン窒化膜102の側面にサイドウォール208aが形成されていることから、上記第1の実施形態のように、ポリシリコン膜111の上面(エッチング端面)が、半導体基板100の主表面よりも下方に位置するよう設定する必要はない。したがって、ポリシリコン膜111の等方性エッチングによって、図5に示した隙間108aを形成する必要もない。
【0057】
その後の工程は上記第1の実施形態と同様であり、ゲート電極214の上面にキャップ115aを形成した後(図8参照)、シリコン窒化膜102を除去することによってコンタクトホール120aを形成する(図9参照)。ここで、キャップ115aを構成する絶縁材料及びサイドウォール208aを構成する絶縁材料がいずれも「酸化シリコン」である点が重要である。これにより、キャップ115a及びサイドウォール208aを浸食することなく、フィールド形成用絶縁膜であるシリコン窒化膜102のみを選択的に除去することができるので、コンタクトホール120aを活性領域106に対して自己整合的に形成することが可能となる。
【0058】
さらに、ソース/ドレイン拡散領域116及びLDD領域109を形成した後(図10参照)、コンタクトプラグ120を形成する(図18参照)。上記の通り、コンタクトホール120aが活性領域106に対して自己整合的に形成されていることから、コンタクトプラグ120についても、活性領域106に対して自己整合的に形成されることになる。そして、ビット線121やメモリセルキャパシタ122などを形成した後(図20参照)、さらに上部に必要な層数の配線層すれば、本実施形態による半導体装置が完成する。
【0059】
このように、本実施形態では、ポリシリコン膜111の等方性エッチングによって図5に示した隙間108aを形成する必要がないことから、上記第1の実施形態による効果に加え、ポリシリコン膜111のエッチング条件が大幅に緩和されるという利点を有する。しかも、ゲート電極214の厚みを全体的に厚くしやすいことから、ゲート抵抗をより低くすることも可能となる。
【0060】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。尚、第1の実施形態と同じ要素には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
【0061】
まず、第1の実施形態の図1及び図2に示す工程を行った後、図示しないマスクパターン(ゲート電極パターン)を用いて、ゲート電極を形成すべき領域114a(図2参照)に存在するシリコン窒化膜102及びシリコン酸化膜104を除去することにより、図27に示すように、ゲートトレンチ314aを形成する。
【0062】
次に、マスクパターンを除去した後、LPCVD法により膜厚10〜20nm程度のシリコン酸化膜308を全面に形成し、さらに図28に示すように、このシリコン酸化膜308をエッチバックすることによりサイドウォール308aを形成する。このとき、十分にオーバーエッチングすることによって素子分離領域105のシリコン酸化膜104に形成されたゲートトレンチ314aをさらに掘り下げ、これにより深いゲートトレンチ314bを形成する。このようなオーバーエッチングを行うと、シリコン窒化膜102の膜厚がかなり減少することから、本実施形態では、あらかじめシリコン窒化膜102の膜厚を十分厚めに設定しておく必要がある。
【0063】
さらに、図29に示すように、シリコン窒化膜102及びサイドウォール308a等をマスクとしてシリコン(Si)をエッチングすることにより、活性領域106の半導体基板100(pウェル層107)に形成されたゲートトレンチ314aをさらに掘り下げ、深いゲートトレンチ314cを形成する。活性領域106に形成するゲートトレンチ314cの深さとしては、素子分離領域105に形成されたゲートトレンチ314bの深さとほぼ同じ深さに設定することが好ましい。その後、必要に応じてチャネル領域107aにチャネルドープを行う。
【0064】
その後の工程は上記第2の実施形態と同様であり、ゲートトレンチ314cの表面にゲート絶縁膜110を形成した後、ゲートトレンチ314b,314c内にゲート電極を埋め込む(図25参照)。そして、キャップ115a及びコンタクトホール120aを形成した後(図8,図9参照)、ソース/ドレイン拡散領域116及びLDD領域109を形成し(図10参照)、さらに、コンタクトプラグ120を形成する(図18参照)。そして、ビット線121やメモリセルキャパシタ122などを形成した後(図20参照)、さらに上部に必要な層数の配線層すれば、本実施形態による半導体装置が完成する。
【0065】
ここでも、キャップ115aを構成する絶縁材料及びサイドウォール308aを構成する絶縁材料がいずれも「酸化シリコン」である点が重要であり、これによって、コンタクトプラグ120を活性領域106に対して自己整合的に形成することが可能となる。
【0066】
このように、本実施形態においてもサイドウォール308aを用いていることから、上記第2の実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、サイドウォール形成時のオーバーエッチングによって素子分離領域105にゲートトレンチ314bを形成し、その後、活性領域106にゲートトレンチ314cを形成していることから、工程中に素子分離領域105と活性領域106との境界に大きな段差が生じることがない。このため、上記第2の実施形態のように、境界部分において孤立した状態で残存するサイドウォールを除去する必要がなくなる。
【0067】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0068】
例えば、上記各実施形態においては、本発明の適用対象をDRAMとしているが、本発明の対象がこれに限定されるものではなく、他の半導体メモリやプロセッサ、さらには、DRAM混載プロセッサなど、種々の半導体装置に適用することが可能である。
【0069】
また、上記各実施形態においては、素子分離領域105がSTI構造を有しているが、素子分離領域105をLOCOS法(Local Oxidation of Silicon)によって形成しても構わない。但し、各実施形態のように、素子分離領域105をSTI構造とすれば、素子分離領域105上のシリコン酸化膜104をほぼ平坦とすることができるため、ゲートトレンチの形成などの加工をより容易に行うことが可能である。
【0070】
また、上記各実施形態においては、ポリシリコン膜111、窒化タングステン膜112及びタングステン膜113の積層体によってゲート電極114を構成しているが、ゲート電極の構造・材料については特に限定されない。したがって、ポリシリコン膜のみからなる単層構造であっても構わない。同様に、上記各実施形態においては、チタン膜117、窒化チタン膜118及びブランケットタングステン膜119の積層体によってコンタクトプラグ120を構成しているが、コンタクトプラグの構造・材料についても特に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の第1の実施形態による半導体装置の製造方法の一工程(シリコン酸化膜101の形成〜p型ウエル層107の形成)を示す部分断面図である。
【図2】図1に示す工程が完了したメモリセル領域Mのパターン形状を示す部分平面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態による半導体装置の製造方法の一工程(ゲートトレンチ114bの形成)を示す部分断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態による半導体装置の製造方法の一工程(ポリシリコン膜111、窒化タングステン膜112及びタングステン膜113の形成)を示す部分断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態による半導体装置の製造方法の一工程(ゲート電極114の形成)を示す部分断面図である。
【図6】図5に示す工程が完了したメモリセル領域Mのパターン形状を示す部分平面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態による半導体装置の製造方法の一工程(シリコン酸化膜115の形成)を示す部分断面図である。
【図8】本発明の第1の実施形態による半導体装置の製造方法の一工程(キャップ115aの形成)を示す部分断面図である。
【図9】本発明の第1の実施形態による半導体装置の製造方法の一工程(コンタクトホール120aの形成)を示す部分断面図である。
【図10】本発明の第1の実施形態による半導体装置の製造方法の一工程(ソース/ドレイン拡散領域116及びLDD領域109の形成)を示す部分断面図である。
【図11】垂直方向からのイオン注入(1回目)により、ベースN拡散領域116aを形成する方法を説明するための模式図である。
【図12】斜め方向(角度θ)からのイオン注入(2回目)により、メモリセル領域MにLDD領域109を形成する方法を説明するための模式図である。
【図13】斜め方向(角度θ)からのイオン注入(3回目)により、周辺回路領域Pにソース/ドレイン拡散領域116を形成する方法を説明するための模式図である。
【図14】斜め方向(角度θ)からのイオン注入(4回目)により、周辺回路領域PにLDD領域109を形成する方法を説明するための模式図である。
【図15】垂直方向からのイオン注入により、P型MOSトランジスタを形成すべき領域にソース/ドレイン拡散領域116を形成する方法を説明するための模式図である。
【図16】斜め方向(角度θ)からのイオン注入により、P型MOSトランジスタを形成すべき領域にLDD領域109を形成する方法を説明するための模式図である。
【図17】本発明の第1の実施形態による半導体装置の製造方法の一工程(チタン膜117、窒化チタン膜118及びブランケットタングステン膜119の形成)を示す部分断面図である。
【図18】本発明の第1の実施形態による半導体装置の製造方法の一工程(コンタクトプラグ120の形成)を示す部分断面図である。
【図19】図18に示す工程が完了したメモリセル領域Mのパターン形状を示す部分平面図である。
【図20】本発明の第1の実施形態による半導体装置の部分断面図である。
【図21】本発明の第2の実施形態による半導体装置の製造方法の一工程(ゲートトレンチ214a,214bの形成)を示す部分断面図である。
【図22】本発明の第2の実施形態による半導体装置の製造方法の一工程(シリコン酸化膜208の形成)を示す部分断面図である。
【図23】本発明の第2の実施形態による半導体装置の製造方法の一工程(サイドウォール208aの形成)を示す部分断面図である。
【図24】本発明の第2の実施形態による半導体装置の製造方法の一工程(ゲートトレンチ214cの形成)を示す部分断面図である。
【図25】本発明の第2の実施形態による半導体装置の製造方法の一工程(ポリシリコン膜111、窒化タングステン膜112及びタングステン膜113の形成)を示す部分断面図である。
【図26】本発明の第2の実施形態による半導体装置の製造方法の一工程(ゲート電極214の形成)を示す部分断面図である。
【図27】本発明の第3の実施形態による半導体装置の製造方法の一工程(ゲートトレンチ314aの形成〜シリコン酸化膜308の形成)を示す部分断面図である。
【図28】本発明の第3の実施形態による半導体装置の製造方法の一工程(サイドウォール308aの形成〜ゲートトレンチ314bの形成)を示す部分断面図である。
【図29】本発明の第3の実施形態による半導体装置の製造方法の一工程(ゲートトレンチ314cの形成)を示す部分断面図である。
【符号の説明】
【0072】
100 半導体基板
100a 半導体基板の主表面
101 シリコン酸化膜
102 シリコン窒化膜
103 素子分離用溝
104 シリコン酸化膜
105 素子分離領域
106 活性領域
107 p型ウエル層
107a チャネル領域
108a 隙間
109 LDD領域
110 ゲート絶縁膜
111 ポリシリコン膜
111a ポリシリコン膜のエッチング端面
112 窒化タングステン膜
113 タングステン膜
113a タングステン膜のエッチング端面
114 ゲート電極
114a ゲート電極を形成すべき領域
114b ゲートトレンチ
115 シリコン酸化膜
115a キャップ
116 ソース/ドレイン拡散領域
117 チタン膜
118 窒化チタン膜
119 ブランケットタングステン膜
120 コンタクトプラグ
120a コンタクトホール
120b コンタクトホールの辺
121 ビット線
122 メモリセルキャパシタ
123 各種配線
208,308 シリコン酸化膜
208a,308a サイドウォール
214 ゲート電極
214a,214b,214c,314a,314b,314c ゲートトレンチ
M メモリセル領域
P 周辺回路領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
素子分離領域に囲まれ、ソース/ドレイン拡散領域及び前記ソース/ドレイン拡散領域間に形成されたゲートトレンチを有する活性領域と、少なくとも一部が前記ゲートトレンチに埋め込まれたゲート電極と、前記ソース/ドレイン拡散領域に接続されたコンタクトプラグとを備え、
前記コンタクトプラグの周縁のうち前記素子分離領域側の辺は、前記素子分離領域と前記活性領域の境界と実質的に一致していることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記ゲート電極上に設けられたキャップをさらに備え、前記コンタクトプラグの上面と前記キャップの上面が同一平面を構成していることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記ゲート電極は、前記ゲートトレンチの表面側に設けられた第1の導電膜と、前記ゲートトレンチの中心側に設けられた第2の導電膜とを含み、前記第1の導電膜の端面は、半導体基板の主表面よりも下方に位置していることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第2の導電膜の端面は、前記コンタクトプラグの上面よりも下方に位置していることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記キャップは、前記ゲート電極と前記コンタクトプラグとの間に設けられた部分を有していることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記ゲート電極の側面を覆うサイドウォールをさらに備え、前記サイドウォール及び前記キャップが互いに同じ絶縁材料によって構成されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記素子分離領域は、素子分離用溝に絶縁体が埋め込まれた構造を有していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項8】
メモリセル領域及び周辺回路領域を少なくとも有する半導体装置であって、
前記メモリセル領域及び周辺回路領域は、いずれも、素子分離領域に囲まれ、ソース/ドレイン拡散領域及び前記ソース/ドレイン拡散領域間に形成されたゲートトレンチを有する複数の活性領域と、少なくとも一部が前記ゲートトレンチに埋め込まれた複数のゲート電極と、前記ソース/ドレイン拡散領域にそれぞれ接続されたコンタクトプラグとを備え、
前記コンタクトプラグの周縁のうち前記素子分離領域側の辺は、いずれも前記素子分離領域と前記活性領域の境界と実質的に一致していることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
半導体基板上に所定のパターンを有するフィールド形成用絶縁膜を形成する第1のステップと、
前記フィールド形成用絶縁膜を用いて素子分離領域を形成する第2のステップと、
前記フィールド形成用絶縁膜及び半導体基板をパターニングすることにより、前記半導体基板にゲートトレンチを形成する第3のステップと、
前記ゲートトレンチ内に少なくともゲート電極を埋め込む第4のステップと、
前記フィールド形成用絶縁膜を除去することにより、コンタクトホールを形成する第5のステップと、
前記コンタクトホール内にコンタクトプラグを埋め込む第6のステップとを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記第2のステップは、前記フィールド形成用絶縁膜をマスクとして前記半導体基板に素子分離用溝を形成する第1のサブステップと、前記素子分離用溝を絶縁体によって埋め込む第2のサブステップとを含んでいることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記第3のステップは、前記フィールド形成用絶縁膜をパターニングした後、前記フィールド形成用絶縁膜を少なくともマスクの一部として前記半導体基板をパターニングすることにより行うことを特徴とする請求項9又は10に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記フィールド形成用絶縁膜をパターニングした後、前記半導体基板をパターニングする前に、前記フィールド形成用絶縁膜の側面部分に絶縁材料からなるサイドウォールを形成することを特徴とする請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記第4のステップは、導電材料によって前記ゲートトレンチを埋める第3のサブステップと、不要な前記導電材料を除去することにより、前記ゲート電極を形成する第4のサブステップとを含み、前記第4のサブステップは、前記ゲート電極の上面が前記フィールド形成用絶縁膜の上面よりも低くなるよう、前記導電材料を除去することを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記第3のサブステップは、前記ゲートトレンチを完全に埋めることなく第1の導電膜を形成した後、前記ゲートトレンチを完全に埋める第2の導電膜を形成することにより行うことを特徴とする請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記第4のサブステップは、前記第2の導電膜の上面が前記フィールド形成用絶縁膜の上面よりも下方に位置するよう、前記第2の導電膜をエッチバックした後、前記第1の導電膜の上面が前記半導体基板の主表面よりも下方に位置するよう、前記第1の導電膜をエッチバックすることにより行うことを特徴とする請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記第4のステップは、前記ゲート電極の少なくとも上面に絶縁材料からなるキャップを形成する第5のサブステップをさらに含むことを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記第5のサブステップは、前記フィールド形成用絶縁膜及び前記ゲート電極を覆う絶縁膜を形成した後、前記フィールド形成用絶縁膜の上面が露出するまで前記絶縁膜を研磨することにより行うことを特徴とする請求項16に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記第5のステップを行った後、前記第6のステップを行う前に、実質的に垂直方向からイオン注入を行うことによりソース/ドレイン拡散領域を形成するステップと、斜め方向からイオン注入を行うことによりLDD領域を形成するステップとをさらに備えることを特徴とする請求項9乃至17のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記第5のステップを行った後、前記第6のステップを行う前に、
実質的に垂直方向からイオン注入を行うことにより、前記コンタクトホールの幅が相対的に狭い領域にソース/ドレイン拡散領域を形成するステップと、
斜め方向から第1の角度でイオン注入を行うことにより、前記コンタクトホールの幅が相対的に狭い領域にLDD領域を形成するステップと、
斜め方向から前記第1の角度よりも大きい第2の角度でイオン注入を行うことにより、前記コンタクトホールの幅が相対的に広い領域にソース/ドレイン拡散領域を形成するステップと、
斜め方向から前記第2の角度よりも大きい第3の角度でイオン注入を行うことにより、前記コンタクトホールの幅が相対的に広い領域にLDD領域を形成するステップとをさらに備えることを特徴とする請求項9乃至17のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
前記キャップを構成する絶縁材料は、前記フィールド形成用絶縁膜の材料とは異なることを特徴とする請求項16乃至19のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項21】
前記フィールド形成用絶縁膜の材料が窒化シリコンであることを特徴とする請求項9乃至20のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項22】
メモリセル領域及び周辺回路領域を有する半導体装置を製造する半導体装置の製造方法であって、
半導体基板にゲートトレンチを形成する第1のステップと、
前記ゲートトレンチ内に少なくともゲート電極を埋め込む第2のステップと、
前記ゲート電極の少なくとも上面を覆うキャップを形成する第3のステップと、
前記キャップをマスクの少なくとも一部として用いたイオン注入により、前記ゲートトレンチの両側にソース/ドレイン拡散領域及びLDD領域を形成する第4のステップと、
前記ソース/ドレイン拡散領域に接続されたコンタクトプラグを形成する第5のステップと備え、
前記第4のステップは、
実質的に垂直方向からイオン注入を行うことにより、前記メモリセル領域に前記ソース/ドレイン拡散領域を形成する第1のサブステップと、
斜め方向から第1の角度でイオン注入を行うことにより、前記メモリセル領域に前記LDD領域を形成する第2のサブステップと、
斜め方向から前記第1の角度よりも大きい第2の角度でイオン注入を行うことにより、前記周辺回路領域に前記ソース/ドレイン拡散領域を形成する第3のサブステップと、
斜め方向から前記第2の角度よりも大きい第3の角度でイオン注入を行うことにより、前記周辺回路領域に前記LDD領域を形成する第4のサブステップとを含んでいることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項23】
前記第1の角度は、前記メモリセル領域における前記キャップの角部と、前記キャップ間に形成されたコンタクトホールの底部の一端及び他端とを結ぶ直線が成す角θよりも小さく、
前記第2の角度は、前記角θよりも大きく、且つ、前記周辺回路領域における前記キャップの角部と、前記キャップ間に形成されたコンタクトホールの底部の一端及び他端とを結ぶ直線が成す角θよりも小さく、
前記第3の角度は、前記角θよりも小さいことを特徴とする請求項22に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate


【公開番号】特開2006−135117(P2006−135117A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−323122(P2004−323122)
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】