説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】電極パッドの損傷を抑制することができる半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体基板11と、半導体基板11の上方に形成された電極パッド30とを有し、電極パッド30は、第1の融点温度を有する材料からなる第1の層32と、第1の層32上に位置するとともに外に向けて表出し、第1の融点温度よりも高い第2の融点温度を有する材料からなる第2の層33とを含むことを特徴とする。これにより、外部から電極パッド30への圧力により第1の層32に達する傷ができても、必要に応じて第1の融点以上の温度で加熱することにより電極パッド表面の平坦性を修復することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特に、電極パッドを有する半導体装置とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置においては、外部装置に対して信号を入出力したり、電力を供給したりするための接点として電極パッドが露出して形成される。電極パッドは、ダマシン構造の配線、或いは、Low−k材の絶縁膜に埋め込まれる配線を有する種々の半導体装置で形成される。
【0003】
電極パッドは、最上配線の形成領域の周囲に形成されることが多く、最上配線と同じ積層金属構造が用いられる。積層金属構造として、例えば窒化チタン(TiN)層、アルミニウム銅(AlCu)合金層、TiN層を順に形成した構造が知られる。
【0004】
半導体装置のコンタクト試験、特性試験をする際には、電極パッドにプローブ針を当てて半導体回路に電力を供給したり信号を送ったり受けたりする。また、半導体装置の実装時には電極パッド上に、金線をワイヤボンディングし、又は、はんだ、その他の接合用金属層を積層する構造が知られる。
【0005】
さらに、保護膜の開口部から露出した電極パッドの上にニッケル層、低融点合金層の積層構造を形成し、その上からプローブ針を当てる構造が知られる。
また、ポリイミド膜の開口部から露出したアルミニウム電極パッドの上に、クロム、銅、金を積層したMBL膜を形成し、さらに、MBL膜の上にハンダ膜を形成し、ハンダ膜にプローブ針を当る構造が知られる。
【0006】
さらに、実装時に半導体装置と配線基板のそれぞれのパッドの上に、スズ、銀からなる合金層を形成し、それらの合金層同士を対向させて互いを接続する構造がされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−209857号公報
【特許文献2】特開平10−308406号公報
【特許文献3】特開2004−79693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記のように電極パッドの最上層がTiNから形成される構造では、電極パッドにプローブ針を当ると、プローブ針が滑り過ぎるので、電極パッド周囲のパッシベーション膜を破損させることがある。
【0009】
そこで、電極パッドの上では、TiNの最上層を除去してその下のアルミニウム合金層を剥き出しの状態にする。このような構造であれば、アルミニウム合金層上でプローブ針が滑り過ぎるといった問題は解消される。しかも、アルミニウム合金層はプローブ針に対して柔らかいので、プローブ針はアルミニウム合金層にめり込んで接触面積を増やせる。
【0010】
しかしながら、半導体装置の生産においては、製品の良、不良を判断する試験が複数回必要となることもある。例えば、不揮発性メモリを製造する場合、試験工程は2回以上行
うことが一般的となる。その他に、特殊なメモリに関しては、4回程度試験が必要な場合もある。
【0011】
このように、半導体装置を製造するために複数回の試験が必要となる場合には、電極パッドに試験回数分だけプローブ針が当てられることになる。このように複数回分、プローブ針が電極パッドに当たると次のような問題を生じてしまう。
【0012】
電極パッドに何度もプローブ針を当ると、電極パッドのアルミニウム合金層の形状が崩れて薄いところと厚いところが生じ、表面が平坦ではなくなり凹凸が生じる。その凹凸が大きい場合には、実装時に電極パッドにワイヤーボンディグするとそれらの密着性が低下する。この結果、電極パッドの薄いところでは、任意の電流が流れなくなり、コンタクト抵抗が高くなって所望の特性を得ることができなくなる。
【0013】
また、プローブ針の圧力が強いと、アルミニウム合金層を貫通したプローブ針により電極パッドの下層部が破けてしまい、そこから水や水素が半導体回路内に染み込む原因となる。
このような問題は、プローブ針を当る回数が多いほど発生し易く、長期信頼性が劣り、半導体装置を良好な状態で長期間保持することが難しくなる。
【0014】
また、上記のように電極パッドをMBL膜或いは合金層で覆う構造を採用すると、それらの層がパッシベーション膜から突出してしまい、プローブ針を当ると滑って周囲のパッシベーション膜を傷つけたり亀裂を生じさせたりする。これにより、装置の信頼性を低下させるおそれがある。
【0015】
また、半導体装置と配線基板のそれぞれの電極パッドの上に、スズ、銀の合金層を形成する構造では、プローブ針を使用する試験後に、そのまま半導体装置上と基板上の合金層同士を対向させて互いを接合することになる。これにより、溶融した合金層が周囲に流れ出し、隣接する電極パッドが導通してしまう。
【0016】
本発明の目的は、電極パッドの損傷を抑制することができる半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の1つの観点によれば、半導体基板と、前記半導体基板の上方に形成された電極パッドとを有し、前記電極パッドは、第1の融点温度を有する材料から形成される第1の層と、前記第1の層上に位置するとともに外に向けて表出し、第1の融点温度よりも高い第2の融点温度を有する材料から形成される第2の層とを含むことを特徴とする半導体装置が提供される。
本発明の別の観点によれば、半導体基板の上方に、第1の融点温度を有する第1の層を形成する工程と、前記第1の層上に、第1の融点温度よりも高い第2の融点温度を有する第2の層を形成する工程と、前記第1の層及び前記第2の層をパターニングし、前記第2の層が表出する電極パッドを形成する工程と、次いで、前記第1の融点温度よりも高い第1温度で前記半導体基板を加熱処理する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、電極パッドは、第1の融点を有する材料から形成される第1の層と、第1の層の上に形成され、第1の融点よりも高い第2の融点を有する第2の層とを有する。
これにより、外部から電極パッドへの圧力により第1の層に達する深い傷がついても、
必要に応じて第1の融点以上の温度で加熱することにより電極パッド表面の平坦性を修復することができ、その上に形成されるバンプ、ワイヤ等の接合を良好にすることができる。また、電極パッド形成後には、第1の融点と第2の融点の間の温度下で、第1の層の流出を第2の層により防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る半導体装置の平面図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の周縁領域の断面図である。
【図3】図3は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置のメモリセル領域の断面図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態に係る半導体装置のメモリ試験を示すフローチャートである。
【図5】図5A〜図5Gは、本発明の第1実施形態に係るメモリ試験における電極パッドの形状変化を示す断面図である。
【図6】図6は、半導体装置における強誘電体キャパシタのヒステリシス特性を示す図である。
【図7】図7は、比較例に係る半導体装置のメモリ試験後の電極パッドの形状を示す断面図である。
【図8A】図8A〜図8Eは、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の電極パッド形成工程を示す断面図(その1)である。
【図8F】図8F〜図8Iは、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の電極パッド形成工程を示す断面図(その2)である。
【図8J】図8J〜図8Lは、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の電極パッド形成工程を示す断面図(その3)である。
【図9】図9A〜図9Eは、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の電極パッド形成工程を示す断面図である。
【図10A】図10A〜図10Dは、本発明の第3実施形態に係る半導体装置の電極パッド形成工程を示す断面図(その1)である。
【図10E】図10E〜図10Hは、本発明の第3実施形態に係る半導体装置の電極パッド形成工程を示す断面図(その2)である。
【図10I】図10I〜図10Lは、本発明の第3実施形態に係る半導体装置の電極パッド形成工程を示す断面図(その3)である。
【図11A】図11A〜図11Dは、本発明の第4実施形態に係る半導体装置の電極パッド形成工程を示す断面図(その1)である。
【図11E】図11E〜図11Hは、本発明の第4実施形態に係る半導体装置の電極パッド形成工程を示す断面図(その2)である。
【図12A】図12A〜図12Cは、本発明の第5実施形態に係る半導体装置の電極パッド形成工程を示す断面図(その1)である。
【図12D】図12D、図12Eは、本発明の第5実施形態に係る半導体装置の電極パッド形成工程を示す断面図(その2)である。
【図12F】図12F〜図12Hは、本発明の第5実施形態に係る半導体装置の電極パッド形成工程を示す断面図(その3)である。
【図12I】図12I〜図12Kは、本発明の第5実施形態に係る半導体装置の電極パッド形成工程を示す断面図(その4)である。
【図12L】図12L、図12Mは、本発明の第5実施形態に係る半導体装置の電極パッド形成工程を示す断面図(その5)である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
発明の目的および利点は、請求の範囲に具体的に記載された構成要素および組み合わせによって実現され達成される。前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、典型例お
よび説明のためのものであって、本発明を限定するためのものではない、と理解すべきである。
以下に、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図面において、同様の構成要素には同じ参照番号が付される。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の実施形態に係る半導体装置の平面図である。また、図2は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の周縁領域を示す断面図、図3は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置のメモリセル領域を示す断面図である。
【0021】
図1に示す半導体装置1内には、強誘電体メモリ回路2、論理回路3、周辺回路4等が形成され、それらの回路2〜4は、後述する配線、ビア等により互いに電気的に接続され、さらに周縁領域の電極パッド30に電気的に接続される。また、半導体装置1の上面にはパッシベーション膜6が形成され、パッシベーション膜6には電極パッド30を露出する開口部6aが形成される。
【0022】
半導体装置1の周縁領域において、図2、図3に示すように、半導体基板であるシリコン基板11の表面には、活性領域を囲む素子分離絶縁層12がLOCOS法により形成される。なお、素子分離絶縁層12としてシャロートレンチアイソレーション(STI)を形成してもよい。STIは、シリコン基板11の活性領域の周囲に溝を形成した後に、その溝の中に絶縁膜を埋め込むことにより形成される。
【0023】
素子分離絶縁層12、シリコン基板11の上には、図3に示すMOSトランジスタT1、T2を覆う酸化防止絶縁膜13が形成される。酸化防止絶縁膜13として、例えばプラズマCVD法により酸窒化シリコン(SiON)膜を形成する。
【0024】
また、酸化防止絶縁膜13の上には第1層間絶縁膜14が形成される。第1層間絶縁膜14として、例えばTEOSガスを使用してCVD法によりノンドープシリケートガラス(NSG)膜が形成される。第1層間絶縁膜14の表面は化学的機械研磨 (CMP)法により平坦化される。
【0025】
第1層間絶縁膜14の上には、第2層間絶縁膜15、第1保護膜16が順に形成される。第2層間絶縁膜15としてNSG膜が形成され、その表面は例えば窒素雰囲気中で脱水処理される。また、第1保護膜16としてアルミナ膜がスパッタ法、CVD法、ALD法等により形成される。
【0026】
第1保護膜16の上には、図3に示す強誘電体キャパシタQを覆うための第2保護膜17が形成される。第2保護膜17として、水素、水の移動を阻止するバリア材料、例えばアルミナをスパッタ法、CVD法、ALD法等により形成する。
【0027】
第2保護膜17上には、第3層間絶縁膜18として、例えば、TEOSガスを使用するCVD法によりNSG膜が例えば約1500nmの厚さに形成される。第3層間絶縁膜18の表面は例えばCMP法により平坦化され、さらに窒素プラズマ雰囲気で窒化される。
【0028】
第3層間絶縁膜18の上には第1の配線19が形成される。第1の配線19は、例えばスパッタ法により形成されたTiN層、アルミニウム銅(AlCu)層、TiN層からなる積層金属構造をフォトリソグラフィ法によりパターニングして形成される。
【0029】
また、第1の配線19と第3層間絶縁膜18の上には、第4の層間絶縁膜20として、例えば、TEOSガスを使用するCVD法によりNSG膜が形成される。第4層間絶縁膜20の表面は例えばCMP法により平坦化され、さらに窒素プラズマ雰囲気で窒化される
。第4層間絶縁膜20内には、第1の配線19(19a〜19d)上に形成したホール内に第1のビア21(21a、21b)が形成される。第1のビア21は、TiN層とタングステン(W)層の二層構造を有する。
【0030】
さらに、第4の層間絶縁膜20の上には、例えば、配線、層間絶縁膜、保護膜、ビアが順に繰り返して形成される。上と下に配置される複数の配線及びビア等のパターン形状はそれぞれ異なるが、配線は、第1の配線19と同じ積層金属構造を有する。また、それらのビアは、第1のビア21と同じ層構造を有する。第4の層間絶縁膜20の上方に形成される層間絶縁膜として、例えば、TEOSガスを使用するCVD法によりNSG膜が形成される。さらに、保護膜は第1の保護膜16と同じアルミナから形成される。
【0031】
上から2番目の層間絶縁膜22の上に形成される上から2番目の保護膜23の上には、上から2番目の配線24が形成される。また、上から2番目の配線24は、その下のビア25に接続されるとともに最上の層間絶縁膜26に覆われる。
また、最上の層間絶縁膜26の上には、電極パッド30、及び図3に示す最上の配線27が形成される。また、電極パッド30は、最上の層間絶縁膜26の中に形成される最上のビア28を介して上から2番目の配線24に接続される。
【0032】
電極パッド30は、TiN層31、亜鉛インジューム(ZnIn)合金層32、AlCu層33の積層金属構造から形成される。積層金属構造において、TiN層31は例えば約150nmの厚さを有し、ZnAl層32は例えば約300nmの厚さを有し、AlCu層33は例えば200nm〜400nmの厚さを有する。
【0033】
さらに、最上の配線27は、TiN層31、ZnIn合金層32、AlCu層33、TiN層34の積層金属構造から形成される。TiN層31、ZnIn合金層32、AlCu層33は電極パッド30と同じ厚さを有し、また、最上のTiN層34は、例えば150nmの厚さを有する。
【0034】
ZnIn合金層32は、AlCu合金よりも低融点の導電材料であり、組成を調整することにより、融点を例えば約200℃、リフロー温度を鉛含有ハンダとほぼ同一の約225℃にすることができる。即ち、金属組成としてZnとInを組み合わせることにより低融点化が可能になる。また、Znの含有量を抑えてAgを少量添加することにより、高温高湿の環境下でCuパターン又はCu合金パターンとの接合強度を高くすることができる。さらに、ビスマスを含めないことにより、偏析、即ち不均一層の発生による強度劣化がない。
【0035】
低融点材料としては、ZnIn合金よりも高い融点220℃の錫銀銅(SnAgCu)があり、また、融点が206℃のSnAgInBiがある。また、融点が197℃のSnZnBiもあるが、接合強度が十分ではない。
なお、電極パッド30の最上層は、AlCu層33であるが、その下の層のZnIn合金層32よりも融点温度の高い材料からなるその他のAl合金等から形成してもよい。
【0036】
最上の層間絶縁膜26の上には最上の配線27を覆う第1、第2のカバー絶縁膜35、36が形成される。第1、第2のカバー絶縁膜35、36には電極パッド30を露出する開口部36aが形成される。第1のカバー絶縁膜35としてCVD法により約100nmの厚さのシリコン酸化膜を形成し、また、第2のカバー絶縁膜36としてCVD法により約350nmの厚さの窒化シリコン膜を形成する。
【0037】
第2のカバー絶縁膜36の上には、ポリイミド等の樹脂から形成されるパッシベーション膜6が形成され、パッシベーション膜6には電極パッド30を露出する開口部6aが形
成される。
【0038】
一方、図3に示すように、シリコン基板11のメモリセル領域にはMOSトランジスタT1、T2が形成され、さらに、第2の層間絶縁膜15上には強誘電体キャパシタQが形成される。MOSトランジスタT1、T2は以下のように形成される。
【0039】
シリコン基板11のメモリセル領域のうち素子分離絶縁層12に囲まれた活性領域には、イオン注入によりpウェル41が形成される。pウェル41上には、ゲート絶縁膜42を介して2つのゲート電極43、44が形成される。ゲート電極43、44は、シリコン膜、タングステンシリサイド膜、シリコン酸化膜の積層構造をパターニングすることにより形成される。さらに、ゲート電極14、15は、素子分離絶縁層11上に形成されるワード線の一部となる。
【0040】
2つのゲート電極43、44の両側方のpウェル41内にはそれぞれn型のエクステンション領域45a、46a、47aが形成される。エクステンション領域45a、46a、47aは、ゲート電極43、44及び素子分離絶縁層12をマスクにして、pウェル41内にn型不純物として例えばリンをイオン注入することにより形成される。
【0041】
また、ゲート電極43、44の両側面にはサイドウォール48が形成される。サイドウォール48は、シリコン基板11の上に絶縁膜、例えばシリコン酸化膜を形成した後にエッチバックすることにより形成される。
【0042】
さらに、ゲート電極43、44及びサイドウォール48の両側のpウェル41内には高濃度n型不純物領域45b、46b、47bが形成される。高濃度n型不純物領域45a、46a、47aは、ゲート電極43、44、サイドウォール48及び素子分離絶縁層12をマスクにして、pウェル41内にn型不純物として例えば砒素をイオン注入することにより形成される。
【0043】
pウェル41において互いに接続するエクステンション領域45a、46a、47aと高濃度n型不純物領域45b、46b、47bはそれぞれ第1〜第3のソース/ドレイン領域45、46、47となる。
一方のゲート電極43及び第1、第2のソース/ドレイン領域45、46等により1つのMOSトランジスタT1が形成され、さらに、他方のゲート電極44及び第2、第3のソース/ドレイン領域46、47等により別のMOSトランジスタT2が形成される。
【0044】
MOSトランジスタT1、T2、素子分離絶縁層12及びシリコン基板11の上には、上記の酸化防止絶縁膜13、第1層間絶縁膜14が順に形成される。また、第1層間絶縁膜14の上には、上記の第2層間絶縁膜15、第1保護膜16が形成される。さらに、第1保護膜16の上には強誘電体キャパシタQが形成される。
強誘電体キャパシタQは、下部電極49、強誘電体膜50及び上部電極51が順に形成された構造を有する。
【0045】
下部電極49は、例えばPt、Ir、Ru等の貴金属膜から形成され、フォトリソグラフィ法により例えばストライプ状にパターニングされる。強誘電体膜50は、例えばPb(Zr,Ti)O3(PZT)、SrBi2Ta2O9(SBT)などのペロブスカイト構造を有する材料から構成される。そのような強誘電体材料は、例えばスパッタ法、MOCVD法により形成される。また、上部電極51は、強誘電体膜50上に形成され、例えば、酸化イリジウム膜から形成される。
【0046】
強誘電体膜50はパターニングされて下部電極49のコンタクト領域を露出する形状を
有する。また、上部電極51は、強誘電体膜50上で間隔をおいて複数形成される。
【0047】
強誘電体キャパシタQは、pウェル41の斜め上の両側方にそれぞれ形成され、その上面は第3保護膜52により覆われ、さらに全体が第2保護膜17により覆われる。第2、第3保護膜17、52は、水素、水の移動を阻止するバリア材料、例えばアルミナから形成される。
第2保護膜17上には、上記のように、第3層間絶縁膜18が形成される。
【0048】
また、第3層間絶縁膜18から酸化防止絶縁膜13までの層には、第1〜第3のソース/ドレイン領域45、46、47のそれぞれに達する第1〜第3のコンタクトホール18a〜18cがフォトリソグラフィ法により形成される。さらに、第1〜第3のコンタクトホール18a〜18c内にはTi膜、TiN膜及びW膜の積層導電膜が充填され、第1〜第3の導電性プラグ53、54、55として使用される。
【0049】
なお、第3層間絶縁膜18の上面上に形成されたW膜、TiN膜、Ti膜はCMP法により除去される。以下に示す、ビアの形成時にも同様なCMPが行われる。
第3層間絶縁膜18、第2、第3保護膜17、52の各層には、上部電極51と下部電極49のそれぞれの一部に達する深さの第4、第5のコンタクトホール18e、18dがフォトリソグラフィ法により形成される。そして、第1、第2ホール18d、18eのそれぞれの中にはTi膜、TiN膜、W膜の積層導電膜が充填され、第4、第5の導電性プラグ56、57として使用される。
【0050】
第3層間絶縁膜18上には、第1、第2の上部電極用配線19a、19b、プレート用配線19c、電極パッド19d等を含む第1の配線19が形成される。第1の配線19は、TiN膜、W膜、TiN膜の三層構造を有する。
【0051】
第1の上部電極用配線19aは、1つの上部電極51上の第4の導電性プラグ56とpウェル41上の一端寄りの第1の導電性プラグ55に接続される。また、第2の上部電極用配線19bは、別の上部電極51上の第4の導電性プラグ56とpウェル12上の他端寄りの第2の導電性プラグ53に接続される。
【0052】
これにより、1つの強誘電体キャパシタQの上部電極51は1つのMOSトランジスタT1(T2)の一方のソース/ドレイン領域45(47)に電気的に接続される。
また、電極パッド19dは、pウェル12中央の上の第3の導電性プラグ54に接続されるとともに、第4の層間絶縁膜20内の第1のビア21aを介してその上のビット線(不図示)に接続される。ビット線は、第5の層間絶縁膜(不図示)上に形成される第2の配線(不図示)である。
【0053】
強誘電体キャパシタQとMOSトランジスタT1、T2は、上記したように、配線19(19a〜19d)、24、ビア21(21あ、21b)、25、28等を介して最上の電極パッド30に電気的に接続される。電極パッド30は、図2に示したように、最上の配線27とともに最上の層間絶縁膜26上に形成される。最上の配線27は、第1、第2のカバー絶縁膜35、36及びパッシベーション膜6に覆われる。
【0054】
以上のような構成を有する半導体装置1については、ウエハ状態でコンタクト試験、トランジスタ動作試験等の通常の試験が実施され、その後に、例えば図4に示すフローチャートに従って強誘電体キャパシタQの読出し、書込み試験が行われる。
【0055】
まず、図4のステップS1に示すように、一対の強誘電体キャパシタQに図6に示すヒステリシス特性の(0,1)のデータを書き込む。この場合、強誘電体キャパシタQに電
圧を印可するために、電極パッド30にプローブ針Pを当て、押圧する。
これにより、電極パッド30の最上のAlCu層33には、図5A、図5Bに示すように、プローブ針Pの押圧力により傷口33aが形成され、その下のZnIn合金層32の一部が露出し、ZnIn合金層32に凹部32aが形成される。
【0056】
続いて、図4のステップS2に示すように、エージング処理として半導体装置1を加熱炉に入れて220℃〜250℃の温度に加熱する。その加熱により、電極パッド30のZnIn合金層32は溶融して図5Cに示すように平坦化して凹部32aが実質的に消滅する。ZnIn合金の融点は例えば約200℃である。
【0057】
次に、電極パッド30にプローブ針Pを当てて図4のステップS3に示すように強誘電体キャパシタに書き込まれた(0,1)のデータを読み出した後に、2つの強誘電体キャパシタQに図6のヒステリシス特性の(1,0)のデータを書き込む。これにより、図5Dに示すように、電極パッド30がZnIn合金層32にプローブ針Pが当たって再び凹部32bが形成される。
【0058】
続いて、図4のステップS4に示すように、エージング処理として半導体装置1を加熱炉に入れて220℃〜250℃の温度に加熱する。その加熱により、電極パッドのZnIn合金層32は溶融して図5Eに示すように平坦化して凹部32bが実質的に消滅するとともに、不揮発性メモリのスクリーニング効果を得ることができる。
【0059】
次に、電極パッド30にプローブ針Pを当てて図4のステップS5に示すように強誘電体キャパシタQに書き込まれた(1,0)のデータを読み出した後に、(0,1)のデータを書き込む。これにより、図5Fに示すように、電極パッド30がZnIn合金層32にプローブ針Pが当たって凹部32cが形成される。
【0060】
その後に、図4のステップS6に示すように、電極パッド30の平坦化回復処理として半導体装置1を加熱炉に入れて220℃〜250℃の温度にアニールする。これにより、電極パッド30のZnIn合金層32の上面は図5Gに示すように平坦化するので、凹部32cは実質的に消滅する。
【0061】
その後に、半導体装置1を半導体ウエハから切断し、パッケージングする。この場合、電極パッド30の表面は既に平坦化処理が行われる。
従って、電極パッド30にバンプを接合し、または、電極パッド30にワイヤを接合しても、それらの接合部分に空洞が生じることはなく、良好な接続が確保できる。その詳細については後述する。
【0062】
これに対し、図7Aに示す比較例によれば、層間絶縁膜101上の電極パッド102にプローブ針が当てられた後には、電極パッド102に深い凹部103が残ったり、プローブ針の突き抜けが生じたりする。なお、電極パッド102は、下からTiN層104、AlCu層105の積層構造を有し、その上の周縁にはエッチング残としてTiN層106が形成される。
【0063】
次に、図8A〜図8Lを参照して上記の電極パッド30の形成方法を説明する。
まず、図8Aに示すように、最上の層間絶縁膜26及び最上のビア28の上に、TiN層31、ZnIn合金層32、AlCu層33、TiN層34を順にスパッタ法により形成する。下側と上側のTiN層31、34は例えば150nmの厚さに形成され、ZnIn合金層32は例えば200nm〜400nmの厚さに形成され、さらに、AlCu層33は例えば200nmの厚さに形成される。
【0064】
次に、図8Bに示すように、上側のTiN層34の上にフォトレジストを塗布し、これを露光、現像等する。これにより、半導体装置1の周縁領域にパッド形状のレジストパターン61aを形成し、それより内側の領域に配線形状のレジストパターン61bを形成する。パッド形状のレジストパターン61bは、例えば、一辺が70μm〜100μmの四角の平面形状を有し、その下に最上のビア28が存在する位置に形成される。
【0065】
続いて、図8Cに示すように、レジストパターン61a、61bをマスクにして上側のTiN層34から下側のTiN層31までをエッチングする。
【0066】
エッチング後にパッド形状のレジストパターン61aの下に残されたTiN層31、ZnIn合金層32及びAlCu層33を導電パターン30として適用する。また、配線形状のレジストパターン61bの下に残されたTiN層31、ZnIn合金層32、AlCu層33及びTiN層34を配線27として適用する。なお、導電パターン30上のTiN層34は後に除去される。
エッチング時には、低融点金属層であるZnIn合金層32の溶融を防止する必要があるので、そのエッチングは例えばECRエッチング装置を使用し、次の条件で行われる。
【0067】
例えば、ECRエッチングチャンバ内のウエハ載置台の上方から導入するエレクトロンμ波を周波数2.456Hz、電力1000Wで発生させる。また、ウエハ載置台にキャパシタを介して接続する高周波バイアス電力を周波数13.56MHz、電力22Wに設定する。エッチングガスとして、エッチングチャンバ内に塩素(Cl)を110sccmの流量、三塩化ホウ素(BCl)を110sccmの流量、窒素(N)を2sccmの流量で導入する。また、エッチング時間を55秒とし、EDPを70秒とする。また、ウェーハチャック温度を40℃に設定し、エッチングチャンバ内の温度を40℃に設定し、さらにエッチングチャンバ内の真空度を4mTorr(0.53Pa)に設定する。
【0068】
次に、図8Dに示すように、レジストパターン61a、61bを除去する。レジストパターン61a、61bの除去はダウンフロー型レジストアッシャー装置を使用して行うが、ZnIn合金層32の溶解を抑えるアッシング条件に設定する。
【0069】
例えば、アッシングチャンバ内に水(HO)を300sccmの流量で30秒間、導入し、続いて、100秒間でHOと酸素(O)をそれぞれ65sccm、1235sccmの流量で導入する。アッシングチャンバの電極に印加する周波数2.4565Hzの高周波電力を1200Wに設定し、内部の真空度を1mTorr(0.133Pa)に設定してプラズマを発生させる。
【0070】
そのような条件によれば、シリコン基板11の温度が高温にならないので、ZnIn合金層32は溶解しない。
次に、図8Eに示すように、最上の配線27と電極パッド30及び最上の層間絶縁膜26の上に第1のカバー絶縁膜35としてシリコン酸化膜を約100nmの厚さに形成する。第1のカバー絶縁膜35は例えば次の2ステップで形成される。
【0071】
第1ステップとして、プラズマCVD装置を使用してシリコン酸化膜を形成する。この場合、チャンバ内に反応ガスとしてシラン(SiH)とHOを導入し、さらに反応圧力を30Pa〜500Paに設定する。また、基板温度を200℃以下に設定する。
【0072】
第2ステップとして、シリコン基板1を減圧CVD装置に移し、そのチャンバ内にオルトケイ酸テトラエチル(Si(OC)ガスを導入し、内部の圧力を20Pa〜200Paに設定する。さらに、成長温度を650℃〜750℃の範囲内、またはそれ以下に設定する。
【0073】
第2ステップの条件では、電極パッド30に200℃以上の温度が加わるために低融点金属であるZnIn合金層32が溶解してしまう。しかし、第2ステップにおいては、配線27と電極パッド30が既にシリコン酸化膜に覆われるので、ZnIn合金層32は流れ出ず、その形状は崩れない。また、第1ステップで形成されたシリコン酸化膜は膜の特性が良くないが、第2ステップのシリコン膜の特性が良好になるので、カバー絶縁膜としての機能は十分確保される。
【0074】
また、第1のカバー絶縁膜35に覆われたZnIn合金層32は、その後の熱処理により周辺に流れ出たり、形状が変化したりすることはない。
その後、図8Fに示すように、第1のカバー絶縁膜35上に、第2のカバー絶縁膜36としてシリコン窒化膜をCVD法により約350nmの厚さに形成する。
【0075】
次に、図8Gに示すように、第2のカバー絶縁膜36上にフォトレジストを塗布し、これを露光、現像等することにより、電極パッド30の上方に開口部62aを有するレジストパターン62を形成する。開口部62aは、例えば一辺が70μm〜100μmの四角の平面形状とする。
【0076】
次に、図8Hに示すように、レジストパターン62をマスクに使用して第1、第2のカバー絶縁膜35、36及びTiN層34をエッチングし、電極パッド30の上に開口部36aを形成し、AlCu層33を露出させる。
この工程におけるTiN層34のエッチングガスとして塩素系ガスを使用すると、その下のAlCu合金層33もエッチングされて大きく削られるおそれがある。
【0077】
そこで、エッチング装置としてダウンフロー方式を使用し、第1、第2のカバー絶縁膜35、36とTiN層34を等方性エッチングする。エッチング条件として、例えば、CFを約909sccm、Oを約102sccmの流量でチャンバ内に導入するとともに、ウェハステージ温度を200℃、圧力を100mTorrに設定する。この場合のTiN層34のエッチング時間を例えば約5秒とする。
【0078】
レジストパターン62をアッシング装置により除去した後に、パッシベーション膜6として例えば感光性のポリイミド膜を第2のカバー絶縁膜36及び電極パッド30の上に塗布する。さらに感光性ポリイミド膜を露光、現像、ベーク等をして図8Iに示すように電極パッド30の上に開口部6aを形成する。これにより、開口部6aから電極パッド30のAlCu層33が外に向けて表出する。
【0079】
この後に、図4に例示した処理を含む試験を行うと、電極パッド30のうちAlCu層33には凹凸が発生する。しかし、AlCu層33の下のZnIn合金層32の上面は、試験後の熱処理により自己修復され、平坦な状態となるので、電極パッド30表面の凹凸差は小さい。
【0080】
次に、図8Jに示すように、パッシベーション膜6の上にTi膜37a、Pd膜37bをスパッタ法により順に形成する。この場合、電極パッド30の表面は自己修復されるので、電極パッド30上のTi膜37a、Pd膜37bには亀裂が生じない。
【0081】
続いて、Pd膜37bの上にフォトレジストを塗布し、これを露光、現像等することにより、電極パッド30の上とその周辺を覆うレジストパターン38を形成する。
次に、レジストパターン38をマスクにしてTi膜37a、Pd膜37bをエッチングし、その後に、レジストパターン38を除去する。
【0082】
これにより、図8Kに示すように、Ti膜37a、Pd膜37bは、電極パッド30の上とその周辺の上に残される。
その後に、図8Lに示すように電極パッド30を覆うTi膜37a、Pd膜37bの上に金バンプ39を形成する。
【0083】
なお、金バンプ39は、Ti膜37a、Pd膜37bのパターニング前にTi膜37a、Pd膜37bを電極として電解メッキにより形成し、その後にTi膜37a、Pd膜37bをパターニングしてもよい。また、金バンプ39の代わりに、ワイヤボンディングにより金ワイヤ(不図示)をPd膜37bに接続してもよい。
以上により、表面の凹凸差が小さい電極パッド30と金バンプ39の間にボイドが生じることが防止される。
【0084】
これに対して、図7Bの比較例に示すように、電極パッド102の深い凹部103を修復することはできないので、電極パッド102の上にTi/Pd膜104を形成すると、Ti/Pd膜104に亀裂が生じる。この結果、電極パッド102の上に金バンプを形成すると、図7Bの破線で囲んだ領域にボイドが生じ、電極パッド102と金バンプの接触抵抗が高くなるとともに、それらの接合力が低下する。
【0085】
(第2の実施の形態)
図9A〜図9Eは、本発明の第2実施形態に係る半導体装置のうち電極パッド及び最上の配線を形成する工程を示す断面図である。
まず、第1実施形態に示したように、シリコン基板11の上にMOSトランジスタT1、T2、強誘電体キャパシタQ、最上の層間絶縁膜26等を形成する。
【0086】
さらに、第1実施形態の図8A〜図8Dに示した工程に従って、最上の層間絶縁膜26の上に最上の配線27と電極パッド30を形成する。なお、電極パッド30の上にはTiN層34が形成された状態となる。
【0087】
次に、図9Aに示すように、最上の配線27と電極パッド30と最上の層間絶縁膜26の上に、ZnIn合金層32よりも融点温度の高いTiN膜29をスパッタ法により50nm〜100nmの厚さに形成する。TiN膜29を形成する際の基板温度を200℃以下にする。
【0088】
さらに、図9Bに示すように、TiN膜06をエッチバックすることにより、最上の層間絶縁膜26の上面の一部を露出させるとともに、TiN膜29を最上の配線27の側面と電極パッド30の側面に導電性サイドウォール29sとして残す。
【0089】
続いて、図9Cに示すように、配線27、電極パッド30の上のTiN膜34、および導電性サイドウォール29sを覆う第1、第2のカバー絶縁膜35、36を最上の層間絶縁膜26の上に形成する。
【0090】
第1のカバー絶縁膜35は、例えば、減圧CVD法により1ステップで形成される。その形成条件として、成長ガスとしてSi(OC)をチャンバ内に導入し。基板温度を650℃〜750℃又はそれよりも低く設定し、チャンバ内の圧力を20Pa〜200Paに設定する。
なお、第2のカバー絶縁膜36の形成条件は、例えば第1実施形態と同様に設定する。
【0091】
次に、図9Dに示すように、第1、第2のカバー絶縁膜35、36及びTiN膜34を第1実施形態と同様な方法によりパターニングし、これにより電極パッド30の上に開口部36aを形成する。
【0092】
その後に、図9Eに示すように、第2のカバー絶縁膜36の上にパッシベーション膜6を形成し、さらに第1実施形態と同様な方法によりパッシベーション膜6をパターニングして電極パッド30を表出する開口部6aを形成する。
【0093】
以上のように本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、電極パッド30のAlCu層33の下にZnIn合金層32を形成しているので、電極パッド30がプローブ針により損傷を受けても、低温の熱処理によりZnIn合金層32の上面を平坦化して凹凸を小さくすることができる。従って、その後の電極パッド30上に金バンプを接合し、或いは金ワイヤを接続する際に、それらの接合を良好にすることができる。
【0094】
また、最上の配線27と電極パッド30の中のZnIn合金膜32の上面及び側面は、それよりも融点の高いTiN膜34、37及びAlCu層33によって囲まれる。これにより、溶解したZnIn合金膜32は外部に流出せず、第1のカバー絶縁膜35を高い温度で形成することができる。
【0095】
(第3の実施の形態)
図10A〜図10Lは、本発明の第3実施形態に係る半導体装置のうち電極パッド及び最上の配線を形成する工程を示す断面図である。
まず、第1実施形態に示したように、シリコン基板11の上にMOSトランジスタT1、T2、強誘電体キャパシタQ、最上の層間絶縁膜26等を形成する。
【0096】
次に、図10Aに示すように、最上の層間絶縁膜26及び最上のビア28の上にエッチングストップ絶縁膜65、埋込絶縁膜66をCVD法により順に形成する。エッチングストップ絶縁膜65としてシリコン窒化膜をCVD法により約100nm〜150nmの厚さに形成する。また、埋込絶縁膜66として、TEOSを使用してCVD法によりNSG膜を約350nm〜450nmの厚さに形成する。
【0097】
続いて、図10Bに示すように、埋込絶縁膜66上にフォトレジストを塗布し、これを露光、現像等することによりレジストパターン67を形成する。レジストパターン67は、半導体装置1の周縁領域の最上のビア28の上にパッド形状の開口部67aを有するとともに、配線形状の開口部67bを有する。
【0098】
次に、図10Cに示すように、レジストパターン67a、67bをマスクに使用して、埋込絶縁膜66を例えばRIE法によりエッチングすることによりパッド形状の開口部67aと配線形状の開口部67bのそれぞれの下に溝66a、66bを形成する。続いて、エッチングストップ絶縁層65をエッチングすることにより、最上のビア28を露出させる。ついで、レジストパターン67a、67bを除去する。
【0099】
その後に、図10Dに示すように、埋込絶縁膜66の上面と溝66a、66bの内周面及び底面の上に、ZnIn合金よりも融点の高い材料膜であるTa層68をスパッタ法により50nm〜100nmの厚さに形成する。これにより、Ta層68は、溝66a、66bの下の最上のビア28に接続する。
【0100】
次に、図10Eに示すように、Ta層68を電極として使用し、その上に電解メッキによりZnIn合金層69を形成する。ZnIn合金層69は、溝66a、66bを完全に埋め込む厚さに形成される。ZnIn合金層69として、第1実施形態に示したZnIn層32と同じ材料を形成する。
【0101】
続いて、図10Fに示すように、ZnIn合金層69、Ta層68をCMP法により研
磨し、これにより埋込絶縁膜66の上面からZnIn合金層69、Ta層68を除去する。これにより、溝66a、66bにZnIn合金層69、Ta層68が埋め込まれた状態となる。
【0102】
その後に、図10Gに示すように、埋込絶縁膜66、ZnIn合金層69及びTa層68の上に、ZnIn合金よりも融点の高い材料層であるAlCu層70、TiN層71をスパッタ法によりそれぞれ約200nm、約150nm厚さに形成する。
続いて、図10Hに示すように、TiN層71上にフォトレジストを塗布し、これを露光、現像等することにより、溝66a、66bの上に重なる同一平面形状のレジストパターン72を形成する。
【0103】
さらに、図10Iに示すように、レジストパターン72をマスクにしてAlCu層70とTiN層71をエッチングし、レジストパターン72の下に残す。エッチングの際の基板温度は、第1実施形態と異なり、ZnIn合金層69の溶解温度よりも高くてもよい。既に、ZnIn合金層69は、側面と上面がTa層68、AlCu層70により囲まれるので溶解しても実質的に形状が変化しないからである。
【0104】
これにより、最上の層間絶縁膜26上のZnIn合金層69は、Ta層68とAlCu層70により囲まれた形状を有し、その上にTiN層71が重なる導電パターンが形成される。配線形状の導電パターンは最上の配線73となる。また、パッド形状の導電パターンのうちTa層68、ZnIn合金層69、AlCu層70は電極パッド74となる。
【0105】
レジストパターン72を除去した後に、図10Jに示すように、最上の配線73と電極パッド74及び埋込絶縁膜66の上に、第1実施形態と同様に第1、第2のカバー絶縁膜35、36を形成する。
【0106】
次に、図10Kに示すように、電極パッド74の上方に開口部75aを有するレジストパターン75を第2のカバー絶縁膜36上に形成した後に、開口部75aを通して第1、第2のカバー絶縁膜35、36及びTiN層71をエッチングする。これにより、電極パッド74のAlCu層70を露出する開口部36aを形成する。そのエッチング条件は、第1実施形態と同様に設定する。続いて、レジストパターン75を除去する。
【0107】
その後に、図10Lに示すように、パッシベーション膜6を第2のカバー絶縁膜36と電極パッド73の上に形成し、さらにパッシベーション膜6を第1実施形態と同様にパターニングして電極パッド74のAlCu層70を表出する開口部6aを形成する。
【0108】
以上のような工程により形成された電極パッド74には、第1実施形態に示したようにプローブ針Pが当てられ、各種の試験が行われる。その試験の際に、電極パッド74には凹凸が形成されるが、電極パッド74の内部にはZnIn合金層69が形成されるので、試験後の低温度、例えば150℃〜200℃で加熱することによりその上面は平坦化する。
【0109】
この結果、試験後に電極パッド73の上に金バンプ、金ワイヤを接続する際に、電極パッド73とそれらの間に空洞の発生を防止できる。
また、上記した方法により電極パッド73を形成すると、断面U字状のTa層68の中にZnIn合金層69を形成した後に、その上をAlCu層70で蓋をした状態になる。これにより、ZnIn合金層69を形成し、これを研磨した後には、ZnInの融点よりも高い温度の処理が可能になるので、その後の処理については通常の温度に設定することができる。
【0110】
(第4の実施の形態)
図11A〜図11Hは、本発明の第4実施形態に係る半導体装置のうち電極パッド及び最上の配線を形成する工程を示す断面図である。
まず、第1実施形態に示したように、シリコン基板11の上にMOSトランジスタT1、T2、強誘電体キャパシタQ、最上の層間絶縁膜26等を形成する。
【0111】
その後に、第3実施形態の図10A〜図10Fに示したように、最上の層間絶縁膜26及び最上のビア28の上にエッチングストップ絶縁層65、埋込絶縁膜66を形成し、さらに、それらの層65、66に溝66a、66bを形成した後に、その中にTa膜68、ZnIn合金層70を形成する。続いて、CMP法により、埋込絶縁膜66の上面上からTa膜68、ZnIn合金層69を除去する。
【0112】
次に、図11Aに示すように、フッ素系ガスを使用して埋込絶縁膜66を50nmの深さにエッチバックし、Ta膜68、ZnIn合金層70を突出させる。このエッチング時には、露出するZnIn合金層70の溶融とエッチングを防止するために、基板温度を200℃以下に設定する。
【0113】
続いて、図11Bに示すように、Ta膜68、ZnIn合金層69及び埋込絶縁膜66の上に、ZnIn合金よりも融点の高い材料層であるTiN層76、AlCu層70、TiN層71をスパッタ法により約150nm、約200nm、約150nmの厚さに形成する。
【0114】
さらに、図11Cに示すように、TiN層71上にフォトレジストを塗布し、これを露光、現像等することにより、溝66a、66bの上に重なり且つそれらと略同一平面形状のレジストパターン72を形成する。
【0115】
さらに、図11Dに示すように、レジストパターン72をマスクにして、TiN層71、AlCu層70及びTiN層75をエッチングしてレジストパターン72の下に残す。これにより、Ta層68とTiN層75によりZnIn合金層69の上と側面を囲み、その上にAlCu層70及びTiN層71を重ねた導電パターンが形成される。導電パターンのうち半導体装置1の周縁領域のTa層68、ZnIn合金層69、TiN層75及びAlCu層70は電極パッド77となる。また、内部領域の導電パターンは最上の配線78となる。
【0116】
レジストパターン72を除去した後に、図11Eに示すように、最上の配線76と電極パッド77及び埋込絶縁膜66の上に、第1実施形態と同様に第1、第2のカバー絶縁膜35、36を形成する。
【0117】
次に、図11Fに示すように、電極パッド73の上方に開口部80aを有するフォトレジスト80を第2のカバー絶縁膜36上に形成する。続いて、図11Gに示すように、開口80aを通して第1、第2のカバー絶縁膜35、36及び上側のTiN層71をエッチングする。これにより、電極パッド78のAlCu層70を露出する開口部36aを形成する。そのエッチング条件は、第1実施形態と同様に設定する。ついで、レジストパターン74を除去する。
【0118】
その後に、図11Hに示すように、パッシベーション膜6を第2のカバー絶縁膜36と電極パッド78の上に形成し、さらにパッシベーション膜6を第1実施形態と同様にパターニングして電極パッド78のAlCu層70を表出する開口部6aを形成する。
【0119】
以上のような工程により形成された電極パッド78には、第1実施形態に示したように
プローブ針が当てられて各種の試験が行われる。その試験の際に、電極パッド78には凹凸が形成されるが、電極パッド78の内部にはZnIn合金層69が形成されるので、試験後の低温度、例えば150℃〜200℃で加熱することによりその上面は平坦化する。
【0120】
この結果、試験後に電極パッド78の上に金バンプ、金ワイヤを接続する際に、電極パッド78とそれらの間に空洞の発生が防止されるので、それらの接合の劣化を防止することができる。
【0121】
また、上記した方法により電極パッド78を形成すると、断面U字状のTa層68の中にZnIn合金層69を形成した後に、その上をTiN層75で蓋をした状態になる。これにより、ZnIn合金層69を形成し、これを研磨した後には、ZnInの融点よりも高い温度の処理が可能になるので、その後の処理については通常の温度に設定することができる。
【0122】
(第5の実施の形態)
図12A〜図12Mは、本発明の第5実施形態に係る半導体装置のうち電極パッド及び配線を形成する工程を示す断面図であり、図1に示した導電性パッド30の形成領域を示す。
まず、第1実施形態に示したように、シリコン基板11の上にMOSトランジスタT1、T2、強誘電体キャパシタQ、第3の層間絶縁膜18等を形成する。
【0123】
次に、図12Aに示す第1の配線19等の形成工程を説明する。
まず、第1実施形態と同様に、第1の配線19を第3の層間絶縁膜18の上に形成した後に、それらの上に第4の層間絶縁膜20を形成する。さらに、第4の層間絶縁膜20をCMP法により研磨し、その上面を平坦化するとともに第1の配線19の上面を露出させる。
なお、第1の配線19をTa膜、Cu膜の2層構造で形成してもよい。この場合のTa膜は、Cu膜の底面と側面を外から覆う。
【0124】
さらに、第1の配線19と第4の層間絶縁膜20の上に第5の層間絶縁膜81を形成する。第5の層間絶縁膜81として、TEOSを用いてCVD法によりNSG膜を形成し、その後に、CMP法により第5の層間絶縁膜81の表面を平坦化する。さらに、基板温度を350℃に設定し、第5の層間絶縁膜81の表面をNOプラズマに4分間、曝してプラズマ処理を行う。
【0125】
続いて、第5の層間絶縁膜81をフォトリソグラフィ法によりパターニングし、これにより、第1の配線19の一部の上にホール81aを形成する。さらに、第5の層間絶縁膜81の上とホール81aの内周面及び底面の上に、Ta膜82aをスパッタ法により約10nm〜20nmの厚さに形成し、ついで銅シード膜をスパッタ法により形成する。その後に、電解メッキにより銅シード膜の上にCu膜82bを形成してホール81aに充填する。
【0126】
次に、図12Bに示すように、第5の層間絶縁膜81の上面上のTa膜82a及びCu膜82bをCMP法により除去する。これによりホール81a内に残されたTa膜82a及びCu膜82bを第1のビア82とする。
【0127】
続いて、図12Cに示すように、第1のビア82及び第5の層間絶縁膜81の上に、第1シリコン窒化膜83、第6の層間絶縁膜84をCVD法により形成した後に、その上にSOG膜85を形成し、さらに第7の層間絶縁膜86と第2シリコン窒化膜87をCVD法により順に形成する。
【0128】
第1のシリコン窒化膜83は約50nm〜100nmの厚さに形成され、第2のシリコン窒化膜87は約100nmの厚さに形成される。第6、第7の層間絶縁膜84、86として、例えばTEOSガスを使用してNSG膜を形成する。
【0129】
次に、図12Dに示すように、第2のシリコン窒化膜87の上にフォトレジストを塗布し、これを露光、現像等することにより、配線形状の開口部88aを有するレジストパターン88を形成する。この場合、開口部88aの下方に第1のビア82が位置する。
【0130】
その後に、レジストパターン88の開口部88aを通して第2のシリコン窒化膜87をエッチングし、これにより第2のシリコン窒化膜87に配線形状の開口部87aを形成する。その後に、レジストパターン88を除去する。
【0131】
次に、図12Eに示すように、第2のシリコン窒化膜87の上と開口部87a内に反射防止膜(BARC膜)89を形成した後に、その上にフォトレジストを塗布する。さらに、フォトレジストを露光、現像等することにより、ビア形状の開口部90aを有するレジストパターン90を形成する。
【0132】
続いて、図12Fに示すように、レジストパターン90の開口部90aを通して反射防止膜89、第7の層間絶縁膜86、SOG膜85をエッチングし、ビア形状の開口部86a、85aを形成する。その後、図12Gに示すように、反射防止膜89及びレジストパターン90を除去する。
【0133】
次に、図12Hに示すように、第2のシリコン窒化膜87をマスクに使用し、第6、第7の層間絶縁膜84、86を例えばフッ素系ガスを使用してRIE法によりエッチングする。これにより、第7の層間絶縁膜86には、第2のシリコン窒化膜87の開口部86aと同じ配線形状の溝86bが形成される。同時に、第6の層間絶縁膜84には、SOG膜95のビア形状の開口部85aと同じ径のホール84aが形成される。
【0134】
続いて、図12Iに示すように、第6の層間絶縁膜84のホール84aを通して第1のシリコン窒化膜83をエッチングしてホール84aを深くするとともに、第1のビア82の上端を露出させる。同時に、第1のシリコン窒化膜87をマスクにしてSOG膜85をエッチングし、配線形状の溝86bを深くする。この場合、第2のシリコン窒化膜87がエッチバックされて薄層化する。
その後に、プラズマを発生させずに、アンモニア雰囲気にシリコン基板11を置いて基板温度を400℃に設定して約300秒間、アニールする。
【0135】
次に、図12Jに示すように、ホール84a、配線形状の溝86bの内面と第7の層間絶縁膜86の上にTa膜91aをスパッタ法により10nm〜20nmの厚さに形成し、さらにCuシード層91bをスパッタ法により130nmの厚さに形成する。
続いて、Cuシード層91bの上にCu膜91cを電解メッキにより形成し、これにより、ホール84a及び配線形状の溝86bの中をCu膜91cにより充填する。Cuシード層91bはCu膜91cと一体化する。
【0136】
その後に、図12Kに示すように、CMP法により、Cu膜91c、Ta膜91aを研磨することにより第2のシリコン窒化膜87上から除去し、さらに第7の層間絶縁膜86の上部まで研磨する。
これにより、ホール84a内に残されたCu膜91aはビア92aとなり、配線形状の溝86b内に残されたCu膜91aは第2の配線92bとして使用される。
【0137】
次に、図12Lに示すように、第2の配線92bの上に第3のシリコン窒化膜93、第8の層間絶縁膜94、SOG膜95、第9の層間絶縁膜96を順に形成し、図12C〜図12Kに示したと同じ方法により、それらの膜94、95、96の中にビア97a、第3の配線97bを形成する。さらに、第9の層間絶縁膜96の上に、最上の層間絶縁膜26を形成し、さらに第2の配線92bに接続される最上のビア28を最上の層間絶縁膜26内に形成する。
【0138】
その後に、図12Mに示すように、第1実施形態に示す方法により電極パッド30を最上の層間絶縁膜26の上に形成する。その後に、第1実施形態と同様に。第1、第2のカバー絶縁膜35、36とパッシベーション膜6を形成し、さらに開口部36a、6aを形成する。
なお、図12Mに示す電極パッド30の代わりに、第2、第3又は第4実施形態で説明した電極パッド27、73、77を形成してもよい。
【0139】
以上のように本実施形態によれば、Cu層91cを有するダマシン、デュアルダマシンの配線構造であっても、最上の層間絶縁膜26上に第1〜第4実施形態のいずれかの電極パッド30、73、77を形成することにより、プローブ針を当てた後の形状変化を抑制できる。これにより、上記実施形態と同様に、電極パッド30とワイヤ接続又はバンプの接合を強固にすることができる。
【0140】
ここで挙げた全ての例および条件的表現は、発明者が技術促進に貢献した発明および概念を読者が理解するのを助けるためのものであり、ここで具体的に挙げたそのような例および条件に限定することなく解釈すべきであり、また、明細書におけるそのような例の編成は本発明の優劣を示すこととは関係ない。本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、それに対して種々の変更、置換および変形を施すことができると理解すべきである。
【0141】
次に、本発明の実施形態について特徴を付記する。
(付記1)
半導体基板と、前記半導体基板の上方に形成された電極パッドとを有し、前記電極パッドは、第1の融点温度を有する材料から形成される第1の層と、前記第1の層上に位置するとともに外に向けて表出し、第1の融点温度よりも高い第2の融点温度を有する材料から形成される第2の層とを含むことを特徴とする半導体装置。
(付記2)
前記電極パッドは、前記基板上に積層された複数の配線層のうち最も表面に位置する配線層と同じ層を含むことを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記3)
前記電極パッドの第1の層の側面には、前記第1の融点温度よりも高い第3の融点温度を有する第3の層が形成されることを特徴とする付記1又は付記2に記載の半導体装置。(付記4)
前記電極パッドの第1の層の底面及び側面で、前記第1の融点温度よりも高い第4の融点温度を有する第4の層が形成されることを特徴とする付記1又は付記2に記載の半導体装置。
(付記5)
前記第2の層と前記第1の層の間に、前記第1の融点温度よりも高い第5の融点温度を有する第5の層が形成されることを特徴とする付記4に記載の半導体装置。
(付記6)
半導体基板の上方に、第1の融点温度を有する第1の層を形成する工程と、前記第1の層上に、第1の融点温度よりも高い第2の融点温度を有する第2の層を形成する工程と、前記第1の層及び前記第2の層をパターニングし、前記第2の層が表出する電極パッドを
形成する工程と、次いで、前記第1の融点温度よりも高い第1温度で前記半導体基板を加熱処理する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記7)
前記第1の温度は、前記第2の融点温度よりも低いことを特徴とする付記6に記載の半導体装置の製造方法。
(付記8)
前記半導体基板上の最表層に位置する配線を、前記電極パッドと同時にパターニングする工程を有することを特徴とする付記6または付記7に記載の半導体装置の製造方法。
(付記9)
前記前記第1の融点温度より低い第1形成温度で前記電極パッドの表面に第1絶縁膜を形成する工程と、前記第1絶縁膜上に、前記第1の融点温度より高い第2形成温度で第2絶縁膜を形成する工程と、を有することを特徴とする付記6乃至付記8のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
(付記10)
前記電極パッドの側面に、前記第1の融点温度よりも高い第2の融点を有する第3の層を形成する工程を有することを特徴とする付記6乃至付記9のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0142】
T1、T2 MOSトランジスタ
Q 強誘電体キャパシタ
1 半導体装置
6 パッシベーション膜
6a 開口部
11 シリコン基板
12 素子分離絶縁層
26 層間絶縁膜
27 配線
28 ビア
29s 導電性サイドウォール
30 電極パッド
31、34 TiN層
32 ZnIn合金層
33 AlCu層
35、36 カバー絶縁膜
36 開口部
38 金バンプ
41 pウェル
42 ゲート絶縁膜
43、44 ゲート電極
45、46、47 ソース/ドレイン領域
49 下部電極
50 強誘電体膜
51 上部電極
53、54、55、56、57 導電性プラグ
65 エッチングストップ絶縁膜
66 埋込絶縁膜
66a、66b 溝
68 TiN膜
69 ZnIn合金層
70 ZnIn膜
71 TiN膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板の上方に形成された電極パッドと
を有し、
前記電極パッドは、
第1の融点温度を有する材料からなる第1の層と、
前記第1の層上に位置するとともに外に向けて表出し、第1の融点温度よりも高い第2の融点温度を有する材料からなる第2の層とを含む
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記電極パッドは、前記基板上に積層された複数の配線層のうち最も表面に位置する配線層と同じ層を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
半導体基板の上方に、第1の融点温度を有する材料からなる第1の層を形成する工程と、
前記第1の層上に、第1の融点温度よりも高い第2の融点温度を有する材料からなる第2の層を形成する工程と、
前記第1の層及び前記第2の層をパターニングし、前記第2の層が表出する電極パッドを形成する工程と、
次いで、前記第1の融点温度よりも高い温度で前記半導体基板を加熱するエージング処理を行う工程と
を有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
エージング処理の加熱温度は、前記第2の融点温度よりも低い
ことを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記半導体基板上の最表層に位置する配線を、前記電極パッドと同時にパターニングする工程を有する
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8F】
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【図8J】
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【図9】
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【図10A】
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【図10E】
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【図10I】
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【図11A】
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【図11E】
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【図12A】
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【図12D】
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【図12F】
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【図12I】
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【図12L】
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【公開番号】特開2010−278310(P2010−278310A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−130655(P2009−130655)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】