説明

窒化化合物半導体構造のエピタキシャル成長

【課題】窒化化合物半導体構造を製造する装置及び方法を提供する。
【解決手段】III族及び窒素の前駆物質が、第1の処理チャンバに流入されて、熱化学気相堆積プロセスを用いて、基板上に第1の層が堆積される。該基板は、該第1の処理チャンバから第2の処理チャンバへ移送される。II族及び窒素の前駆物質が、該第2の処理チャンバに流入されて、熱化学気相堆積プロセスを用いて該第1の層を覆って第2の層が堆積される。該第1及び第2のIII族前駆物質は、異なるIII族元素を有する。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
[0001]発光ダイオード(「LED」)の歴史は、しばしば、「スペクトルをゆっくりはい上がる」として特徴付けられる。これは、最初の工業用LEDが、スペクトルの赤外線部で光を生産し、その後、GaAs基板上にGaAsを使用した赤色LEDの開発が続いたためである。この後には、より明るい赤色LED及びオレンジ色LEDの両方の生産を可能にする効率の改善を伴ったGaP LEDの使用が続いた。その後、GaPの使用の改良は、黄色光の生成を可能にするデュアルGaPチップ(一方が赤色、一方が緑色)を有する緑色LEDの開発を可能にした。スペクトルのこの部分における効率のさらなる改
善は、後に、GaAlAsP及びInGaAlP材料の使用によって可能になった。
【0002】
[0002]次第に短くなる波長で光を提供するLEDの生産に関する進化は、広範なスペクトル範囲を提供できる能力に対してだけではなく、短波長光のダイオード生産が、CD−ROMのような光学デバイスの情報記憶容量を向上させる可能性があるため、一般的に望ましいことであった。スペクトルの青色、紫色及び紫外線部におけるLEDの生産は、特にGaNの使用による、窒化物ベースのLEDの開発によって一般的に可能になった。ある程度成功した努力が、これまで、SiCを使用する青色LEDの生産においてなされてきたが、そのようなデバイスは、該デバイスの電子構造が間接バンドギャップを有すると
いうことの結果として、不十分な発光に悩まされた。
【0003】
[0003]GaNを使用して、スペクトルの青色領域において、フォトルミネッセンスを引き起こすという実現可能性は、数十年間知られていたが、実際的な製造を妨げた多くの障壁が存在した。該障壁は、その上でGaN構造を成長させるための適切な基板の不足、様々な熱対流をもたらすGaNを成長させる一般的に高熱の要件、及びそのような材料を効率的にpドーピングする際の多様な困難を含んでいた。サファイアの基板としての使用は、GaNに対して、約15%の格子不整合をもたらすため、完全に満足できるものではなかった。進化は、その後も、それらの障壁の多くの態様に対処する際に続いた。例えば、
有機金属気相から形成されたAlN又はGaNからなる緩衝層の使用は、格子不整合に適合する際に有効であることが分かっている。Ga−Nベースの構造の生産におけるさらなる改良は、GaNとヘテロ接合を形成するためのAlGaN材料の使用、特に、短波長において有効に光を放射する量子井戸として作用する欠陥の形成を引き起こすInGaNの使用を含んでいた。インジウムリッチな領域は、周囲の材料物質よりも小さいバンドギャップを有し、有効な放射センタを提供するように、該材料物質全域に分布させることができる。
【0004】
[0004]このように、いくつかの改善が、そのような窒化化合物半導体デバイスの作製においてなされてきたが、現在の作製プロセスにおいては、多くの欠点がまだ存在することは、広く認識されている。また、そのような波長において光を生成するデバイスの高い有用性は、そのようなデバイスの生産を、強い関心及び取り組みの分野にさせた。これらの事柄を考慮すると、当技術分野において、窒化化合物半導体デバイスを製造する改善された方法及びシステムに対する全般的な必要性がある。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本発明の実施形態は、窒化化合物半導体構造を製造する装置及び方法を提供する。第1のIII族前駆物質及び第1の窒化物前駆物質は、第1の処理チャンバ内に流入される。第1のIII族前駆物質は、第1のIII族元素を備える。第1の層は、該第1の層が、窒素及び該第1のIII族元素を備えるように、該第1のIII族前駆物質及び該第1の窒素前駆物質を使用して、該第1の処理チャンバ内での熱化学気相堆積プロセスを用いて、基板上に堆積される。該基板は、該第1の層を堆積した後、該第1の処理チャンバから、該第1の処理チャンバとは異なる第2の処理チャンバへ移送される。第2のIII族前駆物質及び第2の窒素前駆物質は、該第2の処理チャンバ内に流入される。第2のIII族前駆物質は、第1のIII族前駆物質によって備えられていない第2のIII族元素を備える。第2の層は、第2のIII族前駆物質及び第2の窒素前駆物質を使用して、該第2の処理チャンバ内での熱CVDプロセスを用いて、該第1の層の上に堆積される。
【0006】
[0006]該第1の処理から該第2の処理チャンバへの該基板の移送は、異なる条件下で行われる可能性がある。例えば、一実施形態において、該移送は、90%超のNを有する大気中で行われ、別の実施形態においては、90%超のNHを有する大気中で行われ、また別の実施形態においては、90%超のHを有する大気中で行われる。また、該基板も、200℃以上の温度を有する大気中で移送される可能性がある。
【0007】
[0007]前駆物質の流入は、キャリアガスの流入と同時に起きる可能性があり、該キャリアガスの実施例は、N及びHを含む。一実施形態において、第3のIII族前駆物質は、第2のIII族前駆物質及び第2の窒素前駆物質と共に該第2の処理チャンバ内に流入される。第3のIII族前駆物質は、第1のIII族元素を備える。使用することのできるIII族元素の特定の実施例は、ガリウムの第1のIII族元素としての使用と、アルミニウムの第2のIII族元素としての使用とを含み、GaN層を備える第1の層と、AlGaN層を備える第2の層とを結果として生じる。別の特定の実施例においては、第1のIII族元素はガリウムであり、第2のIII族元素はインジウムであり、GaN層を備える第1の層と、InGaN層を備える第2の層とを結果として生じる。また別の特定の実施形態においては、第1のIII族元素はガリウムであり、第2のIII族元素は、アルミニウム及びインジウムを含み、GaN層を備える第1の層と、AlGaN層を備える第2の層とを結果として生じる。
【0008】
[0008]転移層が、該第2の層が堆積される前に、該第2の処理チャンバ内で、該第1の層の上に堆積される場合もある。該転移層は、該第1の層と実質的に同じ化学的組成と、10,0000Åより小さい厚さとを有する。該第1の処理チャンバは、有利には、窒素とIII族元素戸を備える材料物質の急速成長を提供できるように適合させることができる。該第2の処理チャンバは、有利には、窒素及びIII族元素を備える堆積材料物質の向上した均一性を提供できるように適合させることができる。
【0009】
[0009]本発明の方法は、第1の処理チャンバを画成する第1のハウジングと、第2の処理チャンバを画成する第2のハウジングとを有するクラスタツールを用いて実行することができる。該第1の処理チャンバは、第1の基板ホルダを含み、該第2の処理チャンバは、第2の基板ホルダを含む。ロボット移送システムは、制御された環境内において、該第1の基板ホルダと第2の基板ホルダとの間で基板を移送するように適合されている。ガス送出システムは、該第1及び第2の処理チャンバ内にガスを導入するように構成されている。圧力制御システムは、該第1及び第2の処理チャンバ内で、選択された圧力を維持し
、温度制御システムは、該第1及び第2の処理チャンバ内で、選択された温度を維持する。コントローラは、該ロボット移送システム、該ガス送出システム、該圧力制御システム及び該温度制御システムを制御する。メモリは、該コントローラに結合されており、コンピュータ可読プログラムを有するコンピュータ可読媒体を備える。該コンピュータ可読プログラムは、該クラスタツールを作動させて、窒化化合物半導体構造を製造する命令を含む。
【0010】
[00010]本発明の本質及び効果のさらなる理解は、本明細書の残りの部分及び図面の参照によって実現することができ、また、該図においては、同様の参照符号が、同様の構成要素を指すように、いくつかの図にわたって使用される。場合によっては、サブラベルが参照符号に関連付けられ、多数の同様の構成要素のうちの1つを示すハイフンを付随する。現存するサブラベルに対する詳述がなく、参照符号に対する言及がなされた場合には、そのような多数の同様の構成要素全てを指すことが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】Ga−NベースのLEDの構造の概略図を提供する。
【図2A】本発明の実施形態におけるマルチチャンバクラスタツールの一部を形成す ることができる例示的CVD装置の単純化した図である。
【図2B】図2Aの例示的CVD装置のためのユーザインタフェースの一実施形態の 単純化した図である。
【図2C】図2Aの例示的CVD装置のためのシステム制御ソフトウェアの階層的制 御構造の一実施形態のブロック図である。
【図3】本発明の実施形態において使用されるマルチチャンバクラスタツールの概略 図を提供する。
【図4】図3に示すマルチチャンバクラスタツールを使用して、窒化化合物半導体構 造を製造する方法を要約するフロー図である。
【図5】図3のマルチチャンバクラスタツールを使用して、図1のLEDを製造する 具体的なプロセスのフロー図である。
【符号の説明】
【0012】
280…プロセスセレクタ、282…プロセスシーケンサー、285…チャンバマネージャ、290…基板位置決め、291…プロセスガス制御、292…圧力制御、293…ヒータ制御、294…リモートプラズマ制御。
【発明の詳細な説明】
【0013】
1.全体像
[0018]窒化化合物半導体構造の従来の作製においては、多数のエピタキシャル堆積ステップが、全てのステップが完了するまで、基板をリアクタから出さずに、単一のプロセスリアクタ内で実行される。図1における説明図は、形成することができる構造の一種と、このような構造を製造するのに使用されるステップのシーケンスの両方を示す。この場合、該基板は、Ga−NベースのLED構造100である。該構造は、サファイア(0001)基板104上に製造され、該基板は、ウェーハ洗浄処理手順に従う。適切な洗浄時間は、1050℃において10分であり、加熱及び冷却のために10分程度の追加時間を加
えてもよい。
【0014】
[0019]GaN緩衝層112は、有機金属化学気相堆積プロセス(metalorganic chemical vapor deposition;MOCVD)を用いて、洗浄された基板104を覆って堆積される。このことは、Ga及びN前駆物質のフローを該リアクタに提供し、熱プロセスを用いて堆積を達成することにより遂行することができる。該図は、約300Åの厚さを有する典型的な緩衝層112を図示し、該緩衝層は、5分間、約550℃の温度で堆積することができる。次のn−GaN層116の堆積は、典型的には、該図で1050℃で実行されると示されているように高温で行われる。n−G
aN層116は、比較的厚く、約140分を要する、4μm程度の厚さの堆積を伴う。この後には、InGaN多重量子井戸層120の堆積が続き、該量子井戸層は、750℃、約40分で、約750Åの厚さを有するように堆積することができる。p−AlGaN層124は、多重量子井戸層120を覆って堆積され、950℃、約5分間で完了する200Åの層の堆積を伴う。該構造は、約25分間、約1050℃の温度で堆積されるp−GaN接触層128の堆積によって完了することができる。
【0015】
[0020]単一の期間で、単一のリアクタ内で実行される、多数のエピタキシャル堆積ステップを伴う従来の製造は、通常、4〜6時間程度の長い処理時間をもたらす。この長い処理時間は、多くの場合、バッチ処理技術の使用によって対処される、リアクタの低いスループットによって顕在化する。例えば、製造プロセスに使用される工業用リアクタは、20〜50枚の2インチウェーハに対して同時に作動することができ、これは、比較的不十分な歩留まりをもたらす。
【0016】
[0021]窒化化合物半導体構造を製造する技術において、歩留まり及びスループットをどのように改善させるかを検討する際、本発明者らは、可能な改善を確認するために、従来のプロセスの系統的研究に従事した。多くの可能性が確認されたが、それらの実施に対しては、いくつかの障壁が残っていた。多くの場合において、該プロセスの一部の改善が、該プロセスの1つ以上の部分に悪影響を与えるという特徴がある。この種の障壁の系統的本質の結果として、この課題は、本発明者等に、単一リアクタというアプローチが、該プロセスにおける個々のステップのためのリアクタハードウェアの最適化を妨げるように作
用したという、より全般的な認識を促した。このような限定は、温度、圧力、前駆物質の相対流量等のパラメータによって決まる、異なる化合物構造の成長に対して、限定されたプロセスウィンドウをもたらす。例えば、GaNの最適な堆積は、必ずしも、InGaNの最適な堆積と同じ条件下で、又は、AlGaNの最適な堆積と同じ条件下で実行される必要はない。
【0017】
[0022]本発明者らは、マルチチャンバクラスタツールの一部としての多数の処理チャンバの使用が、異なる化合物構造に対して使用可能なプロセスウィンドウを拡大する可能性を有すると判断した。このことは、特定の処理手順を強化するように適合された構造を有する異なる処理チャンバ内で、異なる化合物のエピタキシャル成長を実行することによって達成される。このようなアプローチの実際の実施において直面する1つのさらなる困難は、該クラスタツール内でのチャンバ間の移送が、界面欠陥状態の発生を引き起こす可能性のある、成長シーケンスの中断を生じるというさらなる認識であった。
【0018】
[0023]本発明者らは、この影響を緩和するために、少なくとも2つのアプローチを開発した。第一に、チャンバ間での基板の移送を、制御された周囲環境中で実行することができる。例えば、いくつかの実施形態において、該制御された周囲環境は、高純度のN雰囲気を有する。本願明細書において使用する場合、「高純度の」X雰囲気は、90%超のXを有し、異なる実施形態において、95%以上、98%以上、又は99%以上のXを有してもよい。他の場合においては、周囲環境は、高純度のH又はNH環境を有してもよく、これらの環境は、該構造内に形成することができる酸素不純物を除去するという追
加的な効果を有する。また他の場合においては、周囲環境は、200℃より大きい高温を有してもよく、この周囲環境は、ゲッタリングにとっても、又は、表面の酸化を防ぐためにも有用である。
【0019】
[0024]第二には、界面欠陥状態の発生を、新たなチャンバへの移送後の、薄い転移層の堆積によって低減することができる。該転移層は、典型的には、先のチャンバで堆積された該層の構造と同一又は同様の化学構造を有する。該転移層の典型的な厚さは、10,000Åより小さく、異なる実施形態においては、7500Åより小さく、5000Åより小さく、4000Åより小さく、3000Åより小さく、2500Åより小さく、2000Åより小さく、1500Åより小さく、又は1000Åより小さくすることができる。転移層の具体的な実施例は、以下に記載した実施例と共に論じる。一般的ガイドラインは
、該転移層は、好ましくは、どのような化学的汚染物又は構造上の欠陥も、活性化領域及びpn接合から実質的に除去されるのに十分な厚さであるということである。
【0020】
2.クラスタツール
[0025]図2Aは、個々の堆積ステップを実行することができる個々のチャンバの基本構造を図示する例示的化学気相堆積システム210の単純化した図である。このシステムは、熱処理、準常圧CVD(sub−atmospheric CVD;SACVD)プロセス、ならびにリフロー、押し込み、洗浄、エッチング、堆積及びゲッタリングプロセス等の他のプロセスを実行するのに適している。以下に説明する実施例から明らかなように、場合によっては、別のチャンバへの移送のための除去前に、マルチステッププロセスを、個々のチャンバ内で実行することもできる。該システムの主要な構成要素は、特に、ガ
ス送出システム220からプロセスガス及び他のガスを受け容れる真空チャンバ215と、真空システム225と、リモートプラズマシステム230と、制御システム235とを含む。これらの構成要素及び他の構成要素は、以下で詳細に説明する。該図は、図示のために単一のチャンバからなる構造を示すが、同様の構造を有する多数のチャンバを、該クラスタツールの一部として提供することができ、各チャンバは、製造プロセス全体の異なる態様を実行するように調整されていることは正しく認識されよう。該図に示された、チャンバ処理をサポートする他の構成要素は、該多数のチャンバ間で共有することができる
が、場合によっては、個々のサポート構成要素を各チャンバに対して別々に設けてもよい。
【0021】
[0026]CVD装置210は、ガス反応領域216を有する真空チャンバ215を形成するエンクロージャアセンブリ237を含む。ガス分配プレート221は、反応性ガス、及びパージガス等の他のガスを、穿孔された穴を介して、(ウェーハ支持ペデスタルとも呼ばれる)垂直方向に移動可能なヒータ226上に載っているウェーハ(図示せず)に向かって分散させる。ガス分配プレート221と該ウェーハとの間には、ガス反応領域216がある。ヒータ226は、ウェーハをそこで、例えば、載置又は取り除くことができる低位置と、一点鎖線213で指し示されたガス分配プレート221に近接した、又は、エッ
チングプロセス又は洗浄プロセス等のための他の目的のための他の位置に近接した処理位置との間で、制御可能に移動することができる。センタボード(図示せず)は、該ウェーハの位置に関する情報を提供するセンサを含む。
【0022】
[0027]異なる実施形態においては、異なる構造を、ヒータ226に対して使用することができる。例えば、一実施形態において、ヒータ226は、セラミック内に封入された電気抵抗加熱素子(図示せず)を含む。該セラミックは、該加熱素子を、潜在的に腐食性のチャンバ環境から保護し、該ヒータが、約1200℃の温度に達することを可能にする。例示的実施形態において、真空チャンバ215にさらされるヒータ226の全表面は、酸化アルミニウム(Al又はアルミナ)又は窒化アルミニウム等のセラミック材料で形成されている。別の実施形態においては、ヒータ226は、ランプヒータを備える。代替として、タングステン、レニウム、イリジウム、トリウム又はこれらの合金等の高融点金属で構成された地金フィラメント加熱素子を、該ウェーハを加熱するのに用いてもよい。このようなランプヒータ構成は、いくつかの特定の用途に有用である1200℃以上の温度を達成することができる。
【0023】
[0028]反応性ガス及びキャリアガスは、ガス送出システム220から供給ライン243を介して(ガス混合ブロックとも呼ばれる)ガス混合ボックス244内に供給され、そこで、それらのガスは混合され、ガス分配プレート221へ送出される。ガス送出システム220は、当業者には理解されるように、様々なガスソースと、選択された量の各ソースをチャンバ215へ送出する適切な供給ラインとを含む。一般的に、各ガスのための供給ラインは、該ガスの関連するラインへのフローを自動的に又は手動で遮断するのに使用することができる遮断弁と、該供給ラインを流れるガス又は液体のフローを測定するマスフ
ローコントローラ又は他のタイプのコントローラとを含む。システム210によるプロセスの実行により、該ソースのうちのいくつかは、実際に、ガスではなく液体ソースとすることができる。液体ソースを使用した場合、ガス送出システムは、液体注入システム、又は、該液体を気化する他の適切な機構(例えば、バブラー)を含む。液体からの蒸気は、当業者には理解されているように、通常、キャリアガスと混合される。
【0024】
[0029]ガス混合ボックス244は、プロセスガス供給ライン243と、洗浄/エッチングガス導管247とに結合されているデュアル入力混合ブロックである。バルブ246は、ガス導管247からガス混合ブロック244へのガス又はプラズマの入力を許可し又は遮断する。ガス導管247は、統合リモートマイクロ波プラズマシステム230からガスを受け容れ、該プラズマシステムは、入力ガスを受け容れるインレット257を有する。堆積プロセス中、プレート221に供給されるガスは、(矢印223で示すように)ウェーハ表面に向かって放出され、この場合、該ガスは、層流で、該ウェーハ表面全域で径方
向に均一に分配することができる。
【0025】
[0030]パージングガスを、ガス分配プレート221から真空チャンバ215内へ、及び/又はインレットポート又は管(図示せず)からエンクロージャアセンブリ237の底壁部を介して送出することができる。チャンバ215の底部から導入されたパージガスは、該インレットポートからヒータ226を通って環状ポンピングチャネル240へ流れる。真空ポンプ(図示せず)を含む真空システム225は、(矢印224で示すように)排気ライン260を介して該ガスを排気する。排気ガス及び同伴された粒子が、環状ポンピングチャネル240から排気ライン260を介して排出される速度は、絞り弁システム26
3によって制御される。
【0026】
[0031]リモートマイクロ波プラズマシステム230は、チャンバ洗浄、又は、プロセスウェーハからのエッチング残渣等の選択された用途のためのプラズマを発生させることができる。入力ライン257を介して供給された前駆物質からリモートプラズマシステム230内で発生されたプラズマ活性種は、ガス分配プレート220を介した真空チャンバ215への分散のために、導管247を介して送られる。リモートマイクロ波プラズマシステム230は、導管247が、該チャンバの側を通ってゲートバルブ246と、チャンバ215の上に配置されているガス混合ボックス244に向かって上っていく状態で、チャ
ンバ215の下に一体的に配置されかつ取付けられている。洗浄用途のための前駆物質ガスは、フッ素、塩素及び/又は他の反応性元素を含んでもよい。また、リモートマイクロ波プラズマシステム230は、層堆積プロセス中に、適切な堆積前駆物質ガスをリモートマイクロ波プラズマシステム230に流入させることにより、CVD層を堆積するように適合させることができる。
【0027】
[0032]堆積チャンバ215の壁部、及び排気流路等の周囲の構造の温度は、該チャンバの壁部内のチャネル(図示せず)を介して熱交換液を循環させることにより、制御することができる。該熱交換液は、所望の効果により、該チャンバ壁部を加熱又は冷却するのに使用することができる。例えば、温液は、熱堆積プロセス中の温度勾配を維持するのを支援することができ、一方、冷液は、原位置でのプラズマプロセス中に、該システムから熱を除去するのに、又は、該チャンバの壁部上での堆積生成物の形成を制限するのに用いることができる。ガス分配マニホールド221は、熱交換流路(図示せず)も有する。典型的な熱交換流体は、水ベースのエチレングリコール混合物、オイルベースの熱伝達流体、又は同様の流体を含む。「熱交換体」による加熱と呼ばれるこの加熱は、望ましくない反応生成物の凝結を有益に低減又は排除し、プロセスガス及び他の汚染物が、低温の真空流路の壁部に凝結し、また、ガスフローがない期間中に、該処理チャンバ内に戻った場合に、該プロセスを汚染する可能性がある該プロセスガス及び他の汚染物の揮発性生成物の排除を改善する。
【0028】
[0033]システムコントローラ235は、該堆積システムのアクティビティ及び作動パラメータを制御する。システムコントローラ235は、コンピュータプロセッサ250と、プロセッサ250とに結合されているコンピュータ可読メモリ255とを含む。プロセッサ250は、メモリ270に格納されたコンピュータプログラム258等のシステム制御ソフトウェアを実行する。メモリ270は、好ましくは、ハードディスクであるが、読出し専用メモリ又はフラッシュメモリ等の他の種類のメモリであってもよい。また、システムコントローラ235は、フロッピーディスクドライブ、CD又はDVDドライブ(図示
せず)も含む。
【0029】
[0034]プロセッサ250は、システム制御ソフトウェア(プログラム258)に従って作動し、該ソフトウェアは、タイミング、ガスの混合、チャンバ圧力、チャンバ温度、マイクロ波出力レベル、ペデスタル位置、及び特定のプロセスの他のパラメータを指示するコンピュータ命令を含む。これら及び他のパラメータの制御は、制御ライン265を通じて実施され、該制御ラインは、その一部のみが図2Aに示されており、システムコントローラ235と、該ヒータ、絞り弁、リモートプラズマシステム及びガス送出システム220に関連する様々なバルブ及びマスフローコントローラとを連通結合する。
【0030】
[0035]プロセッサ250は、シングルボードコンピュータ、アナログ及びディジタル入力/出力ボード、インタフェースボード及びステッパモータコントローラボードを収容できるカードラック(図示せず)を有する。CVDシステム210の様々な部分は、ボード、カードケージ、及びコネクトの寸法及び種類を規定するVME(Versa Modular European)規格に準拠している。また、VME規格は、16ビットデー
タバス及び24ビットアドレスバスを有するバス構造も画成する。
【0031】
[0036]図2Bは、CVDシステム210の動作をモニタ及び制御するのに使用することができるユーザインタフェースの単純化した図である。図2Bは、CVDシステム210が、マルチチャンバシステムの1つのチャンバである状態で、クラスタツールのマルチチャンバの本質を明確に図示している。このようなマルチチャンバシステムにおいては、ウェーハを、追加的な処理のために、コンピュータ制御ロボットによって、1つのチャンバから別のチャンバへ移送することができる。ある場合においては、該ウェーハは、真空又は選択されたガスの下で移送される。ユーザとシステムコントローラ235との間のイン
タフェースは、CRTモニタ273a及びライトペン273bである。メインフレームユニット275は、CVD装置210のための電気的機能、給排気機能及び他のサポート機能を提供できる。該CVD装置の事例的実施形態に適合する例示的マルチチャンバシステムのメインフレームユニットは、現在、カリフォルニア州のサンタクララにあるAPPLIED MATERIALS,INC.から入手可能なPrecision5000(商標)及びCentura5200(商標)である。
【0032】
[0037]一実施形態においては、2つのモニタ273aが使用され、その一方は、オペレータのためにクリーンルーム壁271に取付けられており、他方は、サービス技術者のために壁の裏側272に取付けられている。両モニタ273aは、同じ情報を同時に表示するが、1つのライトペン273bのみが有効である。ライトペン273bは、該CRTディスプレイによって放出された光を、該ペンの先端部の光センサで検出する。特定のスクリーン又は機能を選択するため、オペレータは、該ディスプレイスクリーンの指定された領域にタッチし、ペン273b上にあるボタンを押す。タッチされた領域は、その強調表
示されたカラーを変化させ、又は、新たなメニュー又はスクリーンを表示し、該ライトペンと該ディスプレイスクリーンとの間の通信を確認する。当業者は容易に理解するであろうが、ユーザが、該プロセッサと情報をやり取りできるようにするために、キーボード、マウス、又は他のポインティング又は通信デバイス等の他の入力デバイスを、ライトペン273bの代わりに、又は該ライトペンに加えて使用してもよい。
【0033】
[0038]図2Cは、図2Aの例示的CVD装置のためのシステム制御ソフトウェア、すなわち、コンピュータプログラム258の階層的制御構造の一実施形態のブロック図である。層を堆積するための、ドライチャンバクリーンを実行するための、又はリフロー又は押し込み工程を実行するためのプロセス等のプロセスは、プロセッサ250によって実行されるコンピュータプログラム258の制御下で施行することができる。コンピュータプログラムコードは、68000アセンブリ言語、C、C++、Pascal、Fortran、又は他の言語等の従来のいずれかのコンピュータ可読プログラミング言語で書き込む
ことができる。適切なプログラムコードは、従来のテキストエディタを使用して、単一のファイル又は多数のファイルに入力され、システムメモリ等のコンピュータ可読媒体に格納又は具体化される。
【0034】
[0039]入力されたコードテキストが高級言語である場合、該コードはコンパイルされ、その結果生じるコンパイラコードは、コンパイル済みのWindows(商標)ライブラリルーチンのオブジェクトコードとリンクされる。リンクされたコンパイルオブジェクトコードを実行するために、該システムユーザは、該オブジェクトコードを呼び出して、該コンピュータシステムに、該コードをメモリにロードさせ、CPUは、該プログラムにおいて識別されるタスクを実行するように該装置を設定するために、該メモリから該コードを読出して、該コードを実行する。
【0035】
[0040]ユーザは、該ライトペンを使用して、該CRTモニタ上に表示されたメニュー又はスクリーンによって提供された選択肢を選択することにより、プロセスセット番号及びプロセスチャンバ番号をプロセスセレクタサブルーチン280に入力する。指定されたプ
ロセスを実行するのに必要なプロセスパラメータの所定のセットである該プロセスセットは、予め定義されたセット番号によって識別される。プロセスセレクタサブルーチン280は、(i)所望のプロセスチャンバ、及び(ii)該所望のプロセスを実行するためのプロセスチャンバを作動させるのに要するプロセスパラメータの所望のセットを識別する。特定のプロセスを実行するためのプロセスパラメータは、例えば、プロセスガスの組成及び流量、ペデスタル温度、チャンバ壁温度、圧力、及びマグネトロン出力レベル等のプラズマ条件等のプロセス条件に関連する。プロセスセレクタサブルーチン280は、どのプロセス(例えば、堆積、ウェーハ洗浄、チャンバ洗浄、チャンバゲッタリング、リフロー)を、該チャンバ内で、特定の時間に実行するかを制御する。いくつかの実施形態においては、1つ以上のプロセスセレクタサブルーチンがある場合もある。プロセスパラメータは、レシピのかたちでユーザに提供され、該ライトペン又はCRTモニタインタフェースを利用して入力することができる。
【0036】
[0041]プロセスシーケンサーサブルーチン282は、プロセスセレクタサブルーチン280からの、識別されたプロセスチャンバパラメータ及びプロセスパラメータを受取り、様々なプロセスチャンバの動作を制御するためのプログラムコードを有する。多数のユーザが、プロセスセット番号及びプロセスチャンバ番号を入力することができ、又は、単一のユーザが、多数のプロセスセット番号及びプロセスチャンバ番号を入力することができ
るため、プロセスシーケンサーサブルーチン282は、選択されたプロセスを所望のシーケンスでスケジュールするように作動する。好ましくは、プロセスシーケンサーサブルーチン282は、(i)該チャンバが使用されているか否かを判断するために、該プロセスチャンバの動作をモニタリングするステップと、(ii)使用されているチャンバ内で、どのプロセスが実施されているかを判断するステップと、(iii)プロセスチャンバの使用可能性及び実施すべきプロセスの種類に基づいて、所望のプロセスを実行するステップとを実行するプログラムコードを含む。
【0037】
[0042]ポーリング法等の、該プロセスチャンバをモニタリングする従来の方法を使用することができる。どのプロセスを実行すべきかをスケジューリングする場合、プロセスシーケンサーサブルーチン282は、選択されたプロセスのための所望のプロセス条件と比較した、使用されているプロセスチャンバの現在の状態、各特定のユーザが入力した要求の「時期」、又は、システムプログラマが、スケジューリング優先度を判断するために含むように望む他の何らかの関連要因を考慮するようにデザインすることができる。
【0038】
[0043]一旦、プロセスシーケンサーサブルーチン282が、どのプロセスチャンバとプロセスセットの組合せを次に実行すべきかを判断すると、プロセスシーケンサーサブルーチン282は、特定のプロセスセットパラメータを、チャンバマネージャサブルーチン285へ流すことにより、該プロセスセットの実行を開始し、該チャンバマネージャサブルーチンは、プロセスシーケンサーサブルーチン282によって決定されたプロセスセットに従って、特定のプロセスチャンバ内での多数の処理タスクを制御する。例えば、チャンバマネージャサブルーチン285は、チャンバ215内でのCVD及び洗浄プロセス動作
を制御するプログラムコードを有する。また、チャンバマネージャサブルーチン285は、選択されたセットを実施するのに必要なチャンバコンポーネントの動作を制御する様々なチャンバコンポーネントサブルーチンの実行も制御する。チャンバコンポーネントサブルーチンの実施例は、基板位置決めサブルーチン290、プロセスガス制御サブルーチン291、圧力制御サブルーチン292、ヒータ制御サブルーチン293及びリモートプラズマ制御サブルーチン294である。CVDチャンバの特定の構成により、いくつかの実施形態は、上記のサブルーチンの全てを含むが、他の実施形態は、該上記のサブルーチン
のうちの一部のみを、又は、記載していない他のサブルーチンを含んでもよい。当業者は、該プロセスチャンバ内でどのプロセスを実行すべきかによって、他のチャンバ制御サブルーチンを含めることができることを容易に認識するであろう。マルチチャンバシステムにおいては、追加的なチャンバマネージャサブルーチン286、287が、他のチャンバのアクティビティを制御する。
【0039】
[0044]動作中、チャンバマネージャサブルーチン285は、実行される特定のプロセスセットに従って、該プロセスコンポーネントサブルーチンを選択的にスケジューリングし、又は呼び出す。チャンバマネージャサブルーチン285は、プロセスシーケンサーサブルーチン282が、どのプロセスチャンバ及びプロセスセットを次に実行すべきかをスケジューリングするのと同様に、該プロセスコンポーネントサブルーチンをスケジューリングする。典型的には、チャンバマネージャサブルーチン285は、様々なチャンバコンポーネントをモニタリングするステップと、実行されるプロセスセットのためのプロセスパ
ラメータに基づいて、どのコンポーネントを作動させる必要があるかを判断するステップと、該モニタリングステップ及び判断ステップに応じて、チャンバコンポーネントサブルーチンの実行を開始するステップとを含む。
【0040】
[0045]次に、特定のチャンバコンポーネントサブルーチンの動作を、図2A及び図2Cを参照して説明する。基板位置決めサブルーチン290は、基板をヒータ226上に載置するのに、及び必要に応じて、該基板を、該チャンバ内で所望の高さに持ち上げて、該基板とガス分配マニホールド221との間の間隔を制御するのに使用されるチャンバコンポーネントを制御するプログラムコードを備える。基板がプロセスチャンバ215内に取り込まれると、ヒータ226が、該基板を受け容れるように低下され、その後、ヒータ226は、所望の高さまで上昇される。動作中、基板位置決めサブルーチン290は、チャン
バマネージャサブルーチン285から転送される支持高さに関連するプロセスセットパラメータに応じて、ヒータ226の動きを制御する。
【0041】
[0046]プロセスガス制御サブルーチン291は、プロセスガス組成及び流量を制御するプログラムコードを有する。プロセスガス制御サブルーチン291は、安全遮断弁の状態を制御し、また、マスフローコントローラを増減させて、所望のガス流量を得る。典型的には、プロセスガス制御サブルーチン291は、ガス供給ラインを開いて、(i)必要なマスフローコントローラを読み取ることと、(ii)その読み取ったデータを、チャンバマネージャサブルーチン285から受取った所望の流量と比較することと、(iii)必要に応じて、該ガス供給ラインの流量を調節することとを繰り返すことによって作動する。さらに、プロセスガス制御サブルーチン291は、安全でない流量に対してガス流量をモニタリングするステップと、安全でない状態が検出された場合に、該安全遮断弁を作動させるステップとを含む。代替的実施形態は、1つ以上のプロセスガス制御サブルーチンを有することができ、各サブルーチンは、特定の種類のプロセス、又はガスラインの特定のセットを制御する。
【0042】
[0047]いくつかのプロセスにおいては、反応性プロセスガスが導入される前に、該チャンバ内の圧力を安定化させるために、窒素又はアルゴン等の不活性ガスが該チャンバ内に流入される。これらの目的のために、プロセスガス制御サブルーチン291は、該チャンバ内の圧力を安定化させるのに必要な時間の間、該不活性ガスを該チャンバ内に流入させるステップを含むようにプログラムされ、その結果、上述したステップが実施されることになる。また、プロセスガスが、液体前駆物質から蒸発される場合には、プロセスガス制御サブルーチン291は、バブラーアセンブリ内で、該液体前駆物質を介して、ヘリウム
等の送出ガスをバブリングするステップ、又は、ヘリウム等のキャリアガスのストリーム中に液体を噴霧又は噴出させる液体注入システムを制御するステップを含むように書かれる。この種のプロセスにバブラーを使用する場合、プロセスガス制御サブルーチン291は、所望のプロセスガス流量を得るために、送出ガスのフロー、該バブラーの圧力、及び該バブラーの温度を調節する。上述したように、該所望のプロセスガス流量は、プロセスパラメータとしてプロセスガス制御サブルーチン291へ移送される。
【0043】
[0048]さらに、プロセスガス制御サブルーチン291は、所定のプロセスガス流量の場合の必要な値を含む格納されたテーブルにアクセスすることにより、所望のプロセスガス流量のための必要な送出ガス流量、バブラー圧力及びバブラー温度を得るステップを含む。一旦、必要な値が得られると、該送出ガス流量、バブラー圧力及びバブラー温度は、該必要な値と比較してモニタリングされ、それに応じて調節される。
【0044】
[0049]圧力制御サブルーチン292は、該チャンバの排気システムにおける絞り弁のアパーチャーサイズを調節することにより、該チャンバ内の圧力を制御するプログラムコードを含む。該絞り弁のアパーチャーサイズは、総プロセスガス流量、該プロセスチャンバのサイズ、及び該排気システムのためのポンピング設定点圧力に関連する所望のレベルに該チャンバ圧力を制御するように設定される。圧力制御サブルーチン292が呼び出されると、所望の又はターゲット圧力レベルが、チャンバマネージャサブルーチン285からパラメータとして受取られる。圧力制御サブルーチン292は、該チャンバに接続された
1つ以上の従来の圧力マノメータを読み取ることによって該チャンバ内の圧力を測定し、該測定した値をターゲット圧力と比較し、格納されている圧力テーブルからのターゲット圧力に対応する「PID」(proportional,integral,and differential)値を得て、該PID値に従って該絞り弁を調節する。代替として、圧力制御サブルーチン292は、該絞り弁を特定のアパーチャーサイズ、すなわち、固定位置に開閉して、該チャンバ内の圧力を調節するように書くことができる。このようにして排気容量を制御することは、圧力制御サブルーチン292のフィードバック制御機能を呼び出さない。
【0045】
[0050]ヒータ制御サブルーチン293は、該基板を加熱するのに使用される加熱ユニットへの電流を制御するプログラムコードを含む。ヒータ制御サブルーチン293は、チャンバマネージャサブルーチン285によっても呼び出され、ターゲット又は設定点温度パラメータを受取る。ヒータ制御サブルーチン293は、温度を測定し、この測定は、異なる実施形態においては、異なる方法で実行することができる。例えば、較正された温度は、該ヒータ内に配置された熱電対の電圧出力を測定し、該測定した温度を該設定点温度と比較し、該加熱ユニットに印加する電流を増減させて、該設定点温度を得ることにより、
決定することができる。該温度は、格納されている変換テーブル内の対応する温度を調べることにより、又は、4次多項式を使用して該温度を計算することにより、該測定した電圧から得られる。別の実施形態においては、同様のプロセスを、熱電対の代わりに高温計を用いて実行して、較正温度を決定することができる。ヒータ制御サブルーチン293は、該ヒータ温度の上昇及び下降を段階的に制御する能力を含む。該ヒータが、セラミックで囲まれた抵抗性加熱素子を備える実施形態においては、この機能は、該セラミックの熱クラッキングを低減するのに役に立つが、このことは、ランプヒータを使用する実施形態
においては、関心事ではない。また、プロセスの安全性順守を検出するために、組込みフェイルセーフモードを含めることができ、また、該プロセスチャンバが正しく設定されていない場合には、該加熱ユニットの動作を停止させることができる。
【0046】
[0051]リモートプラズマ制御ルーチン294は、リモートプラズマシステム230の動作を制御するプログラムコードを含む。プラズマ制御サブルーチン294は、上述した他のサブルーチンと同様に、チャンバマネージャ285によって呼び出される。
【0047】
[0052]本発明は、ソフトウェア内に実施され、汎用コンピュータ上で実行されるものとして説明したが、当業者は、本発明を特定用途向けIC(application specific integrated circuit;ASIC)又は他のハードウェア回路構成等のハードウェアを使用して施行することができることを明確に理解するであろう。従って、本発明を、全体的に又は部分的に、ソフトウェア、ハードウェア又はこれらの両方で施行することができることを理解すべきである。また、当業者は、それは、適切なコンピュータシステムを選択してCVDシステム210を制御する所定のスキルの問題であることも明確に理解するであろう。
【0048】
3.マルチチャンバ処理
[0053]クラスタツールの物理的構造を図3に概略的に図示する。この図において、クラスタツール300は、チャンバ304とステーション308との間で、基板の移送を成し遂げるように適合されたロボット312と共に、3つの処理チャンバ304と、2つの追加的ステーション308とを含む。該構造は、該移送を、選択されたガスの存在下での真空下、規定された温度条件下等を含む規定された周囲環境において成し遂げるようにする。
【0049】
[0054]該クラスタツールを用いて窒化化合物半導体構造を製造する処理方法の全体像を図4のフロー図を用いて提供する。該プロセスは、ブロック404において、ロボット312を使用して、基板を第1の処理チャンバ304−1内に移送することによって始まる。該基板は、ブロック408において、該第1の処理チャンバ内で洗浄される。最初のエピタキシャル層の堆積は、ブロック412において、温度、圧力等の該処理チャンバ内の所望の処理パラメータを定めることによって開始される。前駆物質のフローは、ブロック416において提供され、ブロック420において、III−N構造が堆積される。該前
駆物質は、窒素ソースと、Ga等の第1のIII族元素のためのソースとを含む。例えば、適切な窒素前駆物質はNHを含み、適切なGa前駆物質は、トリメチルガリウム(「TMG」)を含む。第1のIII族元素は、場合によっては、Al及びGa等の複数の異なるIII族元素を備えてもよく、この場合、Al前駆物質は、トリメチルアルミニウム(「TMA」)とすることができ、別の実施例においては、該複数の異なるIII族元素は、In及びGaを含み、この場合、適切なIn前駆物質は、トリメチルインジウム(「TMI」)とすることができる。N及び/又はH等のキャリアガスのフローも含めることができる。
【0050】
[0055]ブロック420におけるIII−N構造の堆積後、該前駆物質のフローは、ブロック424において終了する。ある場合においては、ブロック428において、さらなる堆積又はエッチングステップ、あるいは堆積及びエッチングステップの組合せを実行することにより、追加的な処理を該構造に対して実行してもよい。
【0051】
[0056]追加的なステップがIII−N構造に対して実行されたか否かに関係なく、該基板は、ブロック432において、該第1の処理チャンバから第2の処理チャンバへ移送される。このような移送は、異なる実施形態において、高純度N環境中、高純度H環境中又は高純度NH環境中で行うことができ、ある場合においては、この移送環境は、上述したように、高温とすることができる。ブロック436に示すように、薄いIII−N転移層がIII−N構造を覆って堆積される。該転移層の堆積は、一般的に、該第1のチャンバで使用されるのと同じ前駆物質を使用して、III−N構造の堆積と同様の方法で実行することができるが、ある場合においては、異なる前駆物質を使用してもよい。
【0052】
[0057]III−N層の堆積は、ブロック440において、このような堆積のための温度、圧力等の適切な処理パラメータを定めることによって実行される。ブロック448においてIII−N構造を堆積できるように、ブロック444において、前駆物質ガスのフローが供給される。この構造は、III−N層に備えられていないIII族元素を含むが、III−N層及びIII−N層は、共通のIII族元素を追加的に備えてもよい。例えば、III−N層がGaNである場合においては、III−N層は、AlGaN層又はInGaN層とすることができる。III−N層が3つの組成を有する実施例があるが、これは、本発明に必要なことではなく、また、III−N層は、より一般的には、4つの要素からなる
AlInGaN層のような他の組成を含んでもよい。同様に、III−N層がAlGaNである場合においては、III−N層は、AlInGaN層上のInGaN層であってもよい。III−N層の堆積の適切な前駆物質は、III−N層に使用される前駆物質と同じであってもよく、すなわち、NHが適切な窒素前駆物質であり、TMGが適切なガリウム前駆物質であり、TMAが適切なアルミニウム前駆物質であり、TMIが適切なインジウム前駆物質である。また、N及び/又はH等のキャリアケースも含めることができる。III−N構造の堆積後、前駆物質のフローは、ブロック452において終了する。
【0053】
[0058]III−N構造の堆積と同様に、ブロック456に指し示すように、堆積及び/又はエッチングを用いて、いくつかの追加的な処理を、該堆積したIII−N構造に対して実行してもよい。上記第2のチャンバ内での処理が完了すると、ブロック460において、該基板は、該チャンバから移送される。ある場合においては、該構造が、ブロック460において完成するように、処理を2つのチャンバ内で完了させてもよい。他の場合においては、ブロック460における第2のチャンバからの移送は、別のチャンバ内へ移送する代わりに、さらなるIII−N処理のために第1のチャンバ内へ、又は、III−N処理のために第3のチャンバへ移送してもよい。異なるチャンバ間の移送の順序は、必要に応じて、特定のデバイスの製造のために実行することができ、それにより、異なるチャンバによって可能になる特定のプロセスウィンドウを活用する。本発明は、特定の製造プロセスに使用することができる特定の数の処理チャンバによって限定されず、また、特定の回数によっても限定されず、プロセスは、上記クラスタツールのいずれかの個々のチャンバ内で実行される。
【0054】
[0059]単に例証として、該処理チャンバのうちの1つは、GaN堆積の堆積速度を向上させるように構成することができ、第2の処理チャンバは、堆積の均一性を向上させるように構成することができる。多くの構造において、GaNの堆積は、完成した構造において、最も厚い層を形成するため、総処理時間は、GaNの堆積速度により、長くなる可能性がある。GaNの成長を増加させるように第1のチャンバを最適化すると、ツール全体の生産性が著しく改善される。同時に、GaNの速い成長を可能にするハードウェア特性は、InGaN量子井戸の成長にあまり適していなくてもよく、該量子井戸は、多くの場
合、活性放出センタを提供する。このような構造の成長は、一般的に、より良好な均一性特性を必要とし、該特性は、作り出される発光性構造における改善された波長均一性によって現れる。ウェーハ均一性を改善するための前駆物質分配の最適化は、成長速度を犠牲にする可能性がある。InGaN多重量子井戸構造に対して、極めて均一な堆積を提供できるように最適化された第2の処理チャンバを有することは、該構造全体の全体的な処理時間に大幅に妥協することなく、均一性の目標を達成できるようにする。
【0055】
[0060]ブロック412及び440において定められた処理条件、及びブロック416及び444において提供される前駆物質フローは、特定の用途によって変化させてもよい。次の表は、上述したデバイスを使用する窒化物半導体構造の成長に一般的に適している例示的な処理条件及び前駆物質の流量を提供する。
【0056】
パラメータ
温度 500−1500
圧力 50−1000
TMGフロー 0−50
TMAフロー 0−50
TMIフロー 0−50
PHフロー 0−1000
AsHフロー 0−1000
NHフロー 100−100,000
フロー 0−100,000
フロー 0−100,000
これまでの説明から明らかなように、プロセスは、どの所定のプロセスにおいても、全ての前駆物質のフローを使用することはできない。例えば、GaNの成長は、一実施形態において、TMG、NH及びHのフローを使用することができ、AlGaNの成長は、別の実施形態において、TMA及びTMGの相対的流量を、堆積された層の所望の相対的Al:Ga化学量論を提供できるように選択した状態で、TMG、TMA、NH及びHのフローを使用することができ、InGaNの成長は、また別の実施形態において、TMI及びTMGの相対流量を、該堆積された層の所望の相対的In:Ga化学量論を提供できるように選択した状態で、TMG、TMI、NH、N及びHのフローを使用することができる。
【0057】
[0061]上記の表は、窒素とは異なるV族前駆物質も、場合によっては含めることができることも示している。例えば、III−N−P構造は、ホスフィンPHのフローを含めることによって製造することができ、又は、アルシンAsHのフローを含めることによって、III−N−As構造を製造することができる。該構造における窒素と他のV族元素の相対的化学量論は、それぞれの前駆物質の相対的流量の適切な選定によって決めることができる。さらに他の場合においては、ドーパント前駆物質を含むことにより、ドープ窒化化合物構造を形成することができ、その特定の実施例は、希土類元素ドーパントの使用を含む。
【0058】
[0062]窒化物構造の製造の場合の、複数の処理チャンバの上記クラスタツールの一部としての使用は、チャンバ洗浄工程における改善をさらに可能にする。一般的に、各窒化物構造の成長の実行は、できる限り良好な核形成層を提供できるように、クリーンなサセプタからスタートすることが望ましい。複数の処理チャンバを使用することにより、各成長の実行前に、第1の処理チャンバを洗浄することが可能であるが、それほど多くはないが、製造された構造の品質に悪影響を及ぼすことなく、第2の処理チャンバを洗浄することが可能である。これは、第2の処理チャンバに提供される各構造が、窒化物層を既に有しているためである。このことも、生産性を向上させ、少なくとも第2の処理チャンバのハードウェア寿命を延ばす。
【0059】
[0063]他の効果的な働きは、多数の処理チャンバの使用の結果として起きる。例えば、図1に示す構造の場合、n−GaN層116の堆積は、該層が最も厚いため、最も時間がかかることは前に言及した。n−GaN層を堆積するために、多数の処理チャンバが同時に、及び互い違いの開示時間を伴って使用される構成を用いることができる。単一の追加的処理チャンバが、残りの構造の堆積のために使用され、該残りの構造は、急速なGaN堆積に適合された処理チャンバから交互に収容される。このことは、n−GaN層の堆積が行われている間に、該追加的処理チャンバを休止させることを回避し、それによって、
特に、該追加的処理チャンバの洗浄サイクルを縮める能力と結合した場合には、全体のスループットが改善される。ある場合においては、この能力は、例えば、10μmに近い厚さのGaNを含むデバイスの場合、他の処理方法に対しては経済的ではない特定の窒化物構造の製造に有利な実現可能性を提供する。
【0060】
4.実施例
[0064]次の実施例は、図4に関して述べた一般的プロセスを、特定の構造の製造に対してどのように使用することができるかを説明するために記載されている。該実施例は、ここでもまた、その製造が、少なくとも2つの処理チャンバを有するクラスタツールを使用して実行される、図1に図示されたLED構造に言及する。該プロセスの全体像を、図5のフロー図を用いて提供する。簡潔に言うと、最初のGaN層の洗浄及び堆積は、第1の処理チャンバ内で実行され、残りのInGaN、AlGaN及びGaNコンタクト層は、第2の処理チャンバ内で実行される。
【0061】
[0065]該プロセスは、図5のブロック504において、サファイア基板を該第1の処理チャンバ内に移送することで始まる。該第1の処理チャンバは、ことによると、堆積の小さな均一性を犠牲にして、GaNの急速な堆積を提供できるように構成されている。該第1の処理チャンバは、通常、このような移送の前に既に洗浄されており、該基板は、ブロック508において、該チャンバ内で洗浄される。GaN緩衝層112は、ブロック512において、この実施例においては、550℃の温度及び150トールの圧力で、TMG、NH及びNのフローを使用して、該第1の処理チャンバ内で該基板を覆って成長さ
れる。この後には、ブロック516において、n−GaN層116の成長が続き、該成長も、この実施例においては、1100℃の温度及び150トールの圧力でTMG、NH及びNのフローを使用して実行される。
【0062】
[0066]n−GaN層の堆積後、該基板は、該第1の処理チャンバから第2の処理チャンバ内へ移送され、この移送は、高純度N雰囲気中で行われる。該第2の処理チャンバは、ことによって、全体的な堆積速度を犠牲にして、極めて均一な堆積を提供できるように適合されている。該第2の処理チャンバ内では、ブロック520における転移GaN層の堆積後に、ブロック524において、InGaN多重量子井戸活性層が成長される。この実施例においては、InGaN層は、800℃の温度及び200トールの圧力で、Hキャリアガスフロー中に、TMG、TMI及びNH前駆物質を供給した状態で成長される。この後には、ブロック528において、1000℃の温度及び200トールの圧力で、
キャリアガスフロー中に供給されるTMG、TMA及びNH前駆物質を使用するp−AlGaN層の堆積が続く。ブロック532におけるp−GaNコンタクト層の堆積は、1000℃の温度及び200トールの圧力で、TMG、NH及びNのフローを使用して実行される。
【0063】
[0067]そして、完成した構造は、ブロック536において、該第2の処理チャンバが、第1の処理チャンバから、又は異なる第3の処理チャンバから、追加的な部分的に処理された基板を受け容れる準備ができているように、該第2の処理チャンバから移送される。
【0064】
[0068]本発明のいくつかの実施形態を十分に説明したが、他の多くの等価物、又は本発明のクラッド層を生産する代替的方法は、当業者にははっきりと理解できるであろう。それらの代替例及び等価物は、以下のクレームによって定義される本発明の範囲内に包含されるように意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に窒化化合物デバイスを形成するために1以上の基板を処理する方法であって、
窒素及び第1のIII属元素を備える第1の層を、第1の処理チャンバ内に配置された1以上の基板上に堆積させるステップと、
塩素ガスを備える洗浄用前駆物質ガスを前記第1の処理チャンバの処理領域へ送り、これによって上に堆積した前記第1の層の一部を除去するステップとを備える方法。
【請求項2】
前記第1の層を堆積するステップは、III属前駆物質をガス分配プレートを通して前記1以上の基板へ送るステップを備え、洗浄用前駆物質ガスを送るステップは、前記洗浄用前駆物質ガスを前記ガス分配プレートの表面へ送るステップを備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ガス分配プレートを前記洗浄用前駆物質ガスを備えるプラズマを生成することによって形成されるプラズマ種にさらすステップを更に備える請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記洗浄用前駆物質ガスを前記処理領域へ送る前に、前記洗浄用前駆物質ガスを活性化してプラズマ種を形成するステップを更に備える請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第1の層を堆積するステップは、
前記第1の処理チャンバ内に配置された前記1以上の基板をランプを使用して加熱するステップと、
ガリウム含有前駆物質、アルミニウム含有前駆物質、又はインジウム含有前駆物質を備える第1の前駆物質ガスを加熱されたガス分配プレートを通して前記第1の処理チャンバ内へ流すステップと、
アンモニアを前記加熱されたガス分配プレートを通して前記第1の処理チャンバ内へ流すステップとを更に備える請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記1以上の基板の上及び第2の処理チャンバ内に配置されたガス分配プレートの上に第2の層を堆積するステップとであって、前記第2の処理チャンバは前記第1の処理チャンバに結合され、前記第2の層は窒素及び第2のIII属元素を備えるステップと、
前記第2の処理チャンバ内に配置された前記1以上の基板をランプを使用して加熱するステップと、
塩素ガスを備える洗浄用前駆物質ガスを前記第2の処理チャンバ内に配置された前記ガス分配プレートに送り、これによって上に配置された前記第2の層の一部を除去するステップとを更に備える請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記洗浄用前駆物質ガスを前記ガス分配プレートへ送る前に、前記第1の処理チャンバの1以上の壁及び前記第1の処理チャンバ内に配置されたガス供給プレートを加熱するステップを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも部分的に窒化化合物デバイスを形成するために1以上の基板を処理する方法であって、
1以上の基板の表面を、塩素を備えるガスにさらすステップと、
前記表面を前記ガスにさらした後で、前記表面上に窒素及び第1のIII属元素を備える第1の層を堆積するステップとを備える方法。
【請求項9】
ランプを使用して前記1以上の基板を加熱するステップを更に含み、前記1以上の基板はサファイアを備える請求項8に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも部分的に窒化化合物デバイスを形成するために1以上の基板を処理する方法であって、
III属前駆物質を前記1以上の基板の表面に送ることによって、窒素及び第1のIII属元素を備える第1の層を1以上の基板上に堆積させるステップと、
前記1以上の基板を前駆物質ガスから形成されたプラズマ生成種にさらすステップとを備える方法。
【請求項11】
前記前駆物質ガスは、ガリウム含有前駆物質、アルミニウム含有前駆物質、インジウム含有前駆物質及び塩素ガスを備えるガスの群から選択される請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の層を堆積するステップは、ガス分配プレートを通してIII属前駆物質を前記1以上の基板へ送るステップを更に備える請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記1以上の基板を前記第1の処理チャンバから除去するステップと、
前記第1の層を1以上の基板上に堆積した後で、塩素ガスを備える洗浄ガスに前記ガス分配プレートをさらすステップとを更に備える請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の層を前記1以上の基板上に堆積する前に、前記1以上の基板及び前記ガス分配プレートを塩素ガスにさらすステップを更に備える請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記1以上の基板及び前記ガス分配プレートをプラズマ生成種にさらす前に、前記第1の処理チャンバの1以上の壁及び前記ガス分配プレートを加熱するステップを更に備える請求項12に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも部分的に窒化化合物デバイスを形成するために1以上の基板を処理する方法であって、
(a)第1処理チャンバの処理領域内に配置された1以上の基板の表面上に、第1のIII属窒化層を堆積するステップであって、前記第1のIII属窒化層を堆積するステップは、ガリウム含有前駆物質及び窒素含有前駆物質を前記1以上の基板の表面に流すステップを備えるステップと、
(b)前記1以上の基板を前記第1の処理チャンバから第2の処理チャンバへ移送するステップと、
(c)前記第2の処理チャンバの処理領域内に配置された前記1以上の基板の上に形成された前記第1のIII属窒化層の上に第2のIII属窒化層を堆積するステップであって、前記第2のIII属窒化層を堆積するステップは、ガリウム含有前駆物質及び窒素含有前駆物質を前記1以上の基板に流すステップを備えるステップと、
(d)少なくとも1以上の基板上で、ステップ(a)、(b)及び(c)を繰り返すステップと、
(e)塩素ガスを備える洗浄用前駆物質ガスを前記第1の処理チャンバの表面に送ることによって、前記第1の処理チャンバの表面上に堆積された前記第1のIII属窒化層の少なくとも一部を除去するステップ、又は塩素ガスを備える洗浄用前駆物質ガスを前記第2の処理チャンバの表面に送ることによって、前記第2の処理チャンバの表面上に堆積された前記第2のIII属窒化層の少なくとも一部を除去するステップとを備える方法。
【請求項17】
前記第1の処理チャンバの表面上に堆積された前記第1のIII属窒化層の少なくとも一部を除去するステップは、ステップ(a)を実行した後で実行される、又は前記第2の処理チャンバの表面上に堆積された前記第2のIII属窒化層の少なくとも一部を除去するステップは、ステップ(c)又はステップ(d)を実行した後で実行される請求項16に記載の方法。
【請求項18】
1以上の基板の表面上に前記第1のIII属窒化層を堆積する前に、塩素ガスを備えるガスに前記1以上の基板の表面をさらすステップを更に備える請求項16に記載の方法。
【請求項19】
窒化化合物半導体構造を製造する方法であって、
第1のIII属前駆物質及び第1の窒素前駆物質を使用して第1の処理チャンバ内で1以上の基板上に第1の層を堆積するステップであって、前記第1の層は窒素及び前記第1のIII属元素を備え、前記第1の層を堆積するステップは、
前記第1のIII属前駆物質又は前記第1の窒素前駆物質を前記1以上の基板に均一に送るために指向された複数の穴を有するガス分配装置を通して、前記第1のIII属前駆物質又は前記窒素前駆物質を送るステップと、
前記1以上の基板を前記ガス分配装置から第1の距離に配置するステップとを更に含むステップと、
前記第1のIII属前駆物質及び前記第1の窒素前駆物質を使用して、前記第1の処理チャンバ内の前記第1の層の上に第2の層を堆積するステップであって、前記第2の層は、窒素及び前記第1のIII属元素を備え、前記第1の層の上に前記第2の層を堆積する前に、前記1以上の基板は前記ガス分配装置から第2の距離へ動かされるステップと、
前記1以上の基板を前記第1の処理チャンバから前記第1の処理チャンバとは異なる第2の処理チャンバへ移送するステップと、
前記第2のIII属前駆物質及び前記第2の窒素前駆物質を使用して、前記第2の処理チャンバ内の前記第2の層の上に第3の層を堆積するステップとを備える方法。
【請求項20】
前記第1の処理チャンバ内で前記第1の層を堆積又は前記第2の層を堆積しながら、前記1以上の基板と前記ガス分配装置の間の間隔を制御するステップを更に備える請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記間隔を制御するステップは、
プロセスガス組成、プロセスガス流量、ペデスタル温度、チャンバ壁温度、圧力及びプラズマ条件からなる群から選択される1以上のプロセスパラメータを調整するステップと、
前記1以上のプロセスパラメータを調整するステップの後で、前記1以上の基板を前記ガス分配装置から第1の処理距離から、前記ガス分配装置から第2処理距離まで移動するステップとを更に備える請求項20に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−84892(P2012−84892A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230211(P2011−230211)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【分割の表示】特願2009−505610(P2009−505610)の分割
【原出願日】平成19年4月11日(2007.4.11)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】