説明

半導体装置及び半導体装置の作製方法

【課題】表示装置に代表される半導体装置において、画面サイズの大型化や高精細化に対応し、表示品質が良く、安定して動作する信頼性のよい半導体装置を提供することを課題の一つとする。
【解決手段】引き回し距離の長い配線にCuを含む導電層を用いることで、配線抵抗の増大を抑える。また、Cuを含む導電層を、TFTのチャネル領域が形成される半導体層と重ならないようにし、窒化珪素を含む絶縁層で包むことで、Cuの拡散を防ぐことができ、信頼性の良い半導体装置を作製することができる。特に、半導体装置の一態様である表示装置を大型化または高精細化しても、表示品質が良く、安定して動作させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜トランジスタ(以下、TFTともいう)を用いた半導体装置及びその作製方法に関する。
【0002】
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指し、電気光学装置、半導体回路および電子機器は全て半導体装置である。
【背景技術】
【0003】
近年、絶縁表面を有する基板上に形成された半導体薄膜(厚さ数〜数百nm程度)を用いて薄膜トランジスタ(TFT)を構成する技術が注目されている。薄膜トランジスタはICや電気光学装置のような電子デバイスに広く応用され、特に画像表示装置のスイッチング素子として開発が急がれている。
【0004】
また、液晶表示装置に代表されるアクティブマトリクス型半導体装置においては、画面サイズが対角60インチ以上と大型化する傾向にあり、さらには、対角120インチ以上の画面サイズも視野に入れた開発が行われている。加えて、画面の解像度も、ハイビジョン画質(HD、1366×768)、フルハイビジョン画質(FHD、1920×1080)と高精細化の傾向にあり、解像度が3840×2048または4096×2180といった、いわゆる4Kデジタルシネマ用表示装置の開発も急がれている。
【0005】
画面サイズの大型化や高精細化は、表示部内の配線抵抗を増大させる傾向にある。配線抵抗の増大は、信号線の終端への信号伝達の遅れや、電源線の電圧降下などを引き起こし、結果として、表示ムラや階調不良などの表示品質の低下や、消費電力の増加を生じてしまう。
【0006】
配線抵抗の増大を抑えるために、銅(Cu)を使用して低抵抗の配線層を形成する技術が検討されている。(例えば、特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004―133422号公報
【特許文献2】特開2004―163901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
配線抵抗の増大を抑えるために、銅(Cu)を使用して低抵抗の配線層を形成する技術が検討されている。しかしながら、Cuは半導体中や酸化珪素中で拡散し易く、半導体装置の動作を不安定にし、歩留まりを著しく低下させてしまう恐れがある。
【0009】
本発明の一態様は、配線抵抗による電圧降下の影響や画素への信号書き込み不良や階調不良などを防止し、より表示品質の良い表示装置を代表とする半導体装置を提供することを課題の一つとする。
【0010】
本発明の一態様は、半導体装置の高速動作を実現することを課題の一つとする。
【0011】
本発明の一態様は、半導体装置の省電力化を実現することを課題の一つとする。
【0012】
本発明の一態様は、半導体装置の高精細化を実現することを課題の一つとする。
【0013】
本発明の一態様は、安定して動作する薄膜トランジスタ及びそれを用いた半導体装置を提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本明細書で開示する本発明の一態様は、基板上に窒化珪素を含む第1の絶縁層を有し、第1の絶縁層上にCuを含む第1の導電層を有し、第1の導電層上に第1の導電層を覆う第2の導電層を有し、第2の導電層上に窒化珪素を含む第2の絶縁層を有し、第2の絶縁層上に島状の半導体層を有し、島状の半導体層上にソース電極及びドレイン電極として機能する第3の導電層を有し、第3の導電層上に窒化珪素を含む第3の絶縁層を有し、第3の絶縁層に設けられた開口部を通して、ソース電極またはドレイン電極のどちらか一方として機能する第3の導電層と電気的に接する第4の導電層を有し、第4の導電層に重なるCuを含む第5の導電層を有し、第5の導電層を覆う窒化珪素を含む第4の絶縁層を有し、第3の絶縁層および第4の絶縁層に設けられた開口部を通じて、ソース電極またはドレイン電極の他方として機能する第3の導電層と電気的に接する第6の導電層を有し、第1の導電層と第5の導電層は、薄膜トランジスタのチャネルが形成される島状の半導体層と重ならないことを特徴とする半導体装置である。
【0015】
また、本明細書で開示する本発明の一態様は、基板上に窒化珪素を含む下地絶縁層を有し、下地絶縁層上にCuを含む導電層と該導電層を覆う高融点金属を含む導電層の積層で形成されるゲート配線を有し、ゲート配線上に窒化珪素を含むゲート絶縁層を有し、ゲート絶縁層上に島状の半導体層を有し、島状の半導体層上にソース電極及びドレイン電極を有し、ソース電極及びドレイン電極上に窒化珪素を含む層間絶縁層を有し、層間絶縁層上に導電性を有するバリヤ層と該バリヤ層上のCuを含む導電層の積層で形成されるソース配線を有し、ソース配線は層間絶縁層に設けられた開口部を通じて、ソース電極に電気的に接続し、ソース配線上に窒化珪素を含むパッシベーション層を有し、パッシベーション層上に、パッシベーション層及び層間絶縁層に設けられた開口部を通じて、ドレイン電極に電気的に接続する導電層を有し、ゲート配線中のCuを含む導電層とソース配線中のCuを含む導電層は、薄膜トランジスタのチャネルが形成される島状の半導体層と重ならないことを特徴とする半導体装置である。
【0016】
また、本明細書で開示する本発明の一態様は、基板上にアクティブマトリックス回路と駆動回路と保護回路を有し、アクティブマトリックス回路中のソース配線、ゲート配線、共通電位配線、電源線はCuを含む配線層を有し、Cuを含む配線層は、アクティブマトリックス回路中の薄膜トランジスタの半導体層と重ならず、駆動回路中及び保護回路中における薄膜トランジスタの接続は、Cuを含む配線層を用いず構成され、Cuを含む配線層は、窒化珪素を含む絶縁層で挟まれた構成であることを特徴とする半導体装置である。
【0017】
半導体層は、非晶質半導体、微結晶半導体、多結晶半導体等を用いることができる。例えば、非晶質シリコンや、微結晶ゲルマニウム等を用いることができる。
【0018】
アクティブマトリックス回路における、各画素TFTに映像信号を伝えるソース配線、各画素TFTのオンオフ制御を行うゲート配線、保持容量線、電源線や、駆動回路における電源線、共通電位線、また、外部との信号入出力を行う端子部からの引き込み線など、引き回し距離の長い配線にCuを含む導電層を用いることで、配線抵抗の増大を抑えることができる。
【0019】
Cuを含む導電層を、TFTのチャネル領域が形成される半導体層と重ならないようにすることで、Cu拡散の影響を防ぐことができる。
【0020】
Cuを含む導電層の下側及び上側に位置する絶縁層を窒化珪素を含む絶縁層とし、該絶縁層でCuを含む導電層を挟む、もしくは包むことで、Cuの拡散を防ぐことができる。
【0021】
なお、本明細書において、ゲートとは、ゲート電極及びゲート配線の一部または全部のことをいう。ゲート配線とは、少なくとも一つのトランジスタのゲート電極と、別の電極や別の配線とを電気的に接続させるための配線のことをいい、例えば表示装置における走査線もゲート配線に含まれる。
【0022】
ソースとは、ソース領域、ソース電極、及びソース配線の一部または全部のことをいう。ソース領域とは、半導体層のうち、抵抗率が一定値以下の領域のことをいう。ソース電極とは、ソース領域に接続される部分の導電層のことをいう。ソース配線とは、少なくとも一つのトランジスタのソース電極と、別の電極や別の配線とを電気的に接続させるための配線のことをいい、例えば表示装置における信号線がソース電極に電気的に接続される場合にはソース配線に信号線も含まれる。
【0023】
ドレインとは、ドレイン領域、ドレイン電極、及びドレイン配線の一部または全部のことをいう。ドレイン領域とは、半導体層のうち、抵抗率が一定値以下の領域のことをいう。ドレイン電極とは、ドレイン領域に接続される部分の導電層のことをいう。ドレイン配線とは、少なくとも一つのトランジスタのドレイン電極と、別の電極や別の配線とを電気的に接続させるための配線のことをいい、例えば表示装置における信号線がドレイン電極に電気的に接続される場合にはドレイン配線に信号線も含まれる。
【0024】
また、本書類(明細書、特許請求の範囲または図面など)において、トランジスタのソースとドレインは、トランジスタの構造や動作条件などによって互いに入れ替わるため、いずれがソースまたはドレインであるかを限定することが困難である。そこで、本書類(明細書、特許請求の範囲または図面など)においては、ソース及びドレインのいずれかから任意に選択した一方をソース及びドレインの一方と表記し、他方の端子をソース及びドレインの他方と表記する。
【0025】
なお、本明細書中において、発光装置とは画像表示デバイス、発光デバイス、もしくは光源(照明装置含む)を指す。また、発光装置にコネクター、例えばFPC(Flexible printed circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bonding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または発光素子が形成された基板にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て発光装置に含むものとする。
【発明の効果】
【0026】
本発明により、表示装置に代表される半導体装置において、画素部の面積が大きくなり大画面化しても良好な表示を実現することができる。画素部の配線の抵抗を大幅に低下させることができるため、例えば、対角60インチや対角120インチの大画面にも本発明は対応しうる。また、本発明は、フルハイビジョンや、4Kデジタルシネマなどの高精細画面にも対応しうる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一態様を説明する平面図と回路図。
【図2】本発明の一態様を説明する平面図と断面図。
【図3】本発明の一態様を説明する断面図。
【図4】本発明の一態様を説明する断面工程図。
【図5】本発明の一態様を説明する断面工程図。
【図6】多階調マスクを説明する図。
【図7】本発明の一態様を説明する断面工程図。
【図8】本発明の一態様を説明する平面図、回路図と断面図。
【図9】本発明の一態様を説明する回路図と平面図。
【図10】本発明の一態様を説明する断面図。
【図11】本発明の一態様を説明する平面図と断面図。
【図12】本発明の一態様を説明する平面図と断面図。
【図13】本発明の一態様を説明する平面図と断面図。
【図14】半導体装置を説明する図。
【図15】半導体装置を説明する図。
【図16】半導体装置の画素等価回路を説明する図。
【図17】半導体装置を説明する図。
【図18】表示装置のブロック図を説明する図。
【図19】信号線駆動回路の構成を説明する図及び動作を説明するタイミングチャート。
【図20】シフトレジスタの構成を示す回路図。
【図21】シフトレジスタの回路図と動作を説明するタイミングチャート。
【図22】半導体装置を説明する図。
【図23】半導体装置を説明する図。
【図24】電子ペーパーの使用形態の例を説明する図。
【図25】電子書籍の一例を示す外観図。
【図26】テレビジョン装置およびデジタルフォトフレームの例を示す外観図。
【図27】遊技機の例を示す外観図。
【図28】携帯型のコンピュータ及び携帯電話機の一例を示す外観図。
【図29】半導体装置を説明する図。
【図30】半導体装置を説明する図。
【図31】半導体装置を説明する図。
【図32】半導体装置を説明する図。
【図33】半導体装置を説明する図。
【図34】半導体装置を説明する図。
【図35】半導体装置を説明する図。
【図36】半導体装置を説明する図。
【図37】半導体装置を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0029】
(実施の形態1)
本実施の形態では、画素部とその周辺に半導体素子が形成された表示装置の一態様について図1(A)、及び図1(B)を用いて説明する。
【0030】
表示装置30の構成を図1(A)に示す。表示装置30は基板100上にゲート端子部7、及びソース端子部8を有する。また、表示装置30はゲート配線20_1、及びゲート配線20_2を含むゲート配線(20_1〜20_n(但しnは自然数))、並びにソース配線60_1、及びソース配線60_2を含むソース配線(60_1〜60_m(但しmは自然数))が設けられている。また、表示装置30の画素領域94には、画素93がマトリクス状に配列されている。なお、各画素93は少なくとも一対のゲート配線とソース配線に接続されている。
【0031】
また、表示装置30は共通配線44、共通配線45、共通配線46、及び共通配線65を有する。また、例えば共通配線45は接続部95を介して共通配線65と接続されており、上記共通配線は互いに電気的に接続され等電位になっている。
【0032】
また、共通配線44、共通配線45、共通配線46、及び共通配線65は、端子71、端子75、端子81、及び85とそれぞれ接続されている。また、上記共通配線は対向基板と電気的に接続が可能な共通接続部96を有している。
【0033】
また、ゲート端子部7のゲート信号線端子(70_1〜70_i(但しiは自然数))はゲート駆動回路91(以下、走査線駆動回路ともいう)と接続され、保護回路97を介して共通配線46と接続されている。また、端子74はゲート駆動回路91と接続されており、図示されていない外部の電源とゲート駆動回路91を接続する。なお、ゲート配線(20_1〜20_n(但しnは自然数))は保護回路97を介して共通配線65と接続されている。
【0034】
また、ソース端子部8のソース信号線端子(80_1〜80_k(但しkは自然数))はソース駆動回路92(以下、信号線駆動回路ともいう)と接続され、保護回路97を介して共通配線44と接続されている。また、端子84はソース駆動回路92と接続されており、図示されていない外部の電源とソース駆動回路92を接続する。また、ソース配線(60_1〜60_m(但しmは自然数))は保護回路97を介して共通配線45と接続されている。
【0035】
ゲート駆動回路及びソース駆動回路は、本明細書で開示する薄膜トランジスタを用いて、画素領域と同時に形成することができる。また、ゲート駆動回路及びソース駆動回路のどちらか一方もしくは両方を、別途用意された基板上に単結晶半導体膜又は多結晶半導体膜で形成し、COG方法、ワイヤボンディング方法、或いはTAB方法などを用いて実装してもよい。
【0036】
なお、画素93に適用できる等価回路の一例を図1(B)に示す。図1(B)に示す等価回路は、画素93に表示素子として液晶素子を用いる場合の一例である。
【0037】
次に、図1に示した表示装置の画素の構成例について、図2を用いて説明する。図2(A)は、画素の平面構成を示す平面図であり、図2(B)及び図2(C)は画素の積層構成を示す断面図である。なお、図2(A)におけるA1−A2、B1−B2、C1−C2の鎖線は、図2(B)における断面A1−A2、断面B1−B2、断面C1−C2に相当する。図2(A)におけるD1−D2の鎖線は、図2(C)における断面D1−D2に相当する。
【0038】
断面A1−A2及び断面D1−D2は、画素で用いられる薄膜トランジスタ250の積層構造と、ゲート配線202及びゲート配線203の積層構造を示している。薄膜トランジスタ250は、チャネルエッチ型と呼ばれるボトムゲート構造の一態様である。
【0039】
断面A1−A2及び断面D1−D2において、基板200上に設けられた絶縁層201と、絶縁層201上に設けられたゲート配線202と、ゲート配線202上に設けられたゲート配線203と、ゲート配線203上に設けられた絶縁層204と、絶縁層204上に設けられた半導体層205と、半導体層205上に設けられた一対の不純物半導体層206a及び不純物半導体層206bと、不純物半導体層206a及び不純物半導体層206b上に設けられた一対の電極207a及び電極207bと、電極207a、電極207b、及び半導体層205上に設けられた絶縁層208と、絶縁層208に設けられた開口部216を介して電極207aに接するソース配線209と、ソース配線209上に設けられたソース配線210と、ソース配線210上に設けられた絶縁層211と、絶縁層211及び絶縁層208に設けられた開口部217を介して電極207bに接する電極212と、を有する。
【0040】
また、断面B1−B2は、保持容量(Cs容量ともいう)の積層構造を示している。断面B1−B2において、基板200上に絶縁層201と、絶縁層201上に保持容量配線213と、保持容量配線213上に保持容量配線214と、保持容量配線214上に絶縁層204と、絶縁層204上に電極207bと、電極207b上に絶縁層208と、絶縁層208上に絶縁層211と、絶縁層211上に電極212と、を有する。
【0041】
また、断面C1−C2は、ゲート配線とソース配線の配線交差部における積層構造を示している。断面C1−C2において、基板200上に絶縁層201と、絶縁層201上にゲート配線202と、ゲート配線202上にゲート配線203と、ゲート配線203上に絶縁層204と、絶縁層204上に絶縁層208と、絶縁層208上にソース配線209と、ソース配線209上にソース配線210と、ソース配線210上に絶縁層211と、を有する。
【0042】
なお、配線交差部において、絶縁層204と絶縁層208の間に半導体層を形成する構造としてもよい。このような構造とすることで、ゲート配線とソース配線間の膜厚方向の間隔を広げることができるため、配線交差部の寄生容量を小さくすることができる。
【0043】
また、本発明の一態様は図2(B)に示す画素構成に限らない。図2(B)とは異なる画素構成を図3に例示する。図3に例示した薄膜トランジスタ251及び薄膜トランジスタ252は、ボトムゲート構造の薄膜トランジスタの一態様であり、チャネル保護型と呼ぶことができる。
【0044】
薄膜トランジスタ251及び薄膜トランジスタ252は、基板200上に設けられた絶縁層201と、絶縁層201に設けられたゲート配線203と、ゲート配線203上に設けられた絶縁層204と、絶縁層204上に設けられた半導体層205と、半導体層205上に設けられた絶縁層220と、半導体層205に接し絶縁層220上に設けられた一対の不純物半導体層206a及び不純物半導体層206bと、不純物半導体層206a及び不純物半導体層206b上に設けられた一対の電極207a及び電極207bと、電極207a、電極207b上に設けられた絶縁層208と、絶縁層208に設けられた開口部216を介して電極207aに接するソース配線209と、ソース配線209上に設けられたソース配線210と、ソース配線210上に設けられた絶縁層211と、絶縁層211及び絶縁層208に設けられた開口部217を介して電極207bに接する電極212と、を有する。
【0045】
チャネル保護型の薄膜トランジスタは、不純物半導体層206a及び不純物半導体層206bの形成前に、半導体層205のチャネルが形成される領域に接して絶縁層220を形成する。絶縁層220はチャネル保護層として機能し、不純物半導体層206のエッチング時に、チャネル形成領域となる半導体層205の一部が除去されてしまうことを防ぐことができる。チャネルエッチ型に比べると、チャネル保護型は、絶縁層220を形成するための工程が増えてしまうが、不純物半導体層206のエッチング時に半導体層205の一部が除去されてしまうことがないため、電気特性がよく、バラツキの少ない薄膜トランジスタを形成することができる。
【0046】
図3(A)に示す薄膜トランジスタ251は、電極207a及び電極207b形成前に島状半導体層を形成した場合の断面構造を示している。図3(B)に示す薄膜トランジスタ252は、電極207a及び電極207b形成前に島状半導体層を形成せず、電極207a及び電極207bをマスクとして用いて、不純物半導体層206及び半導体層205を選択的に除去した場合の断面構造を示している。
【0047】
図3(B)に示す構成の場合は、島状半導体層を形成するためのフォトリソグラフィ工程を省略することができるが、断面B1−B2に示す保持容量部に不純物半導体層206及び半導体層205が残る構成となる。
【0048】
また、図示しないが、図3(A)及び図3(B)とも、断面C1−C2に示す配線交差部に、絶縁層220を形成してもよい。配線交差部において、絶縁層220を形成することで、ゲート配線とソース配線間の膜厚方向の間隔を広げ、配線交差部の寄生容量を小さくすることができる。なお、配線交差部において、絶縁層220に加え、半導体層を形成してもよい。絶縁層220は、他の絶縁層と同様の方法で形成することができる。
【0049】
ゲート配線202及びソース配線210を、Cuを含む導電材料で形成することで、配線抵抗の増加を防ぐことができる。また、ゲート配線203を、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、クロム(Cr)などのCuよりも融点が高い元素を含む導電材料を用いて、ゲート配線202に接し且つ覆うように形成することで、ゲート配線202のマイグレーションを抑制し、半導体装置の信頼性を向上させることができる。また、Cuを含むゲート配線202の下側及び上側に位置する絶縁層を窒化珪素を含む絶縁層とし、該絶縁層でゲート配線202を挟むもしくは包む構成とすることで、ゲート配線202からのCu拡散を防ぐことができる。
【0050】
また、ゲート配線202を薄膜トランジスタのチャネルが形成される半導体層205と重畳しないように配置し、ゲート配線202と接するゲート配線203の一部を延伸して、半導体層205と重畳させてゲート電極として機能させる。このような構成とすることで、ゲート配線202に含まれるCuが薄膜トランジスタに影響を及ぼすことをさらに防ぐことができる。
【0051】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で説明した表示装置の画素部の作製工程について、図4及び図5を用いて説明する。なお、図4及び図5における断面A1−A2、断面B1−B2、断面C1−C2、及び断面D1−D2は、図2(A)におけるA1−A2、B1−B2、C1−C2、及びD1−D2の鎖線で示した部位の断面図である。
【0052】
まず、基板200上に下地絶縁層として窒化珪素を含む絶縁層201を50nm以上300nm以下、好ましくは100nm以上200nm以下の厚さで形成する。基板200は、ガラス基板、セラミック基板の他、本作製工程の処理温度に耐えうる程度の耐熱性を有するプラスチック基板等を用いることができる。また、基板に透光性を要しない場合には、ステンレス合金等の金属の基板の表面に絶縁膜を設けたものを用いてもよい。ガラス基板としては、例えば、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス若しくはアルミノケイ酸ガラス等の無アルカリガラス基板を用いるとよい。他に、石英基板、サファイア基板などを用いることができる。また、基板200として、第3世代(550mm×650mm)、第3.5世代(600mm×720mm、または620mm×750mm)、第4世代(680mm×880mm、または730mm×920mm)、第5世代(1100mm×1300mm)、第6世代(1500mm×1850mm)、第7世代(1870mm×2200mm)、第8世代(2200mm×2400mm)、第9世代(2400mm×2800mm、2450mm×3050mm)、第10世代(2950mm×3400mm)等のガラス基板を用いることができる。本実施の形態では、基板200にアルミノホウケイ酸ガラスを用いる。
【0053】
絶縁層201は、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜を、単層若しくは積層して形成することができる。なお、本明細書中において、窒化酸化珪素とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多いものであって、好ましくは、RBS及びHFSを用いて測定した場合に、組成範囲として酸素が5〜30原子%、窒素が20〜55原子%、珪素が25〜35原子%、水素が10〜30原子%の範囲で含まれるものをいう。絶縁層201は、スパッタリング法、CVD法、塗布法、印刷法等を適宜用いることができる。本実施の形態では、絶縁層201として100nmの厚さの窒化珪素膜を形成する。
【0054】
次いで、絶縁層201上に、スパッタリング法、真空蒸着法、またはメッキ法を用いて100nm以上500nm以下、好ましくは200nm以上300nm以下の厚さでCuを含む導電膜を形成し、該導電膜上にフォトリソグラフィ法またはインクジェット法等によりマスクを形成し、該マスクを用いて導電膜をエッチングしてゲート配線202および保持容量配線213を形成することができる。または銅等の導電性ナノペーストをインクジェット法により基板上に吐出し、焼成することで形成することもできる。
【0055】
ゲート配線202の密着性を改善するため、絶縁層201とゲート配線202の間に、W、Ta、Mo、Ti、Crなどを用いた金属層、もしくはこれらを組み合わせた合金層、もしくはこれらの窒化物や酸化物を形成しても良い。
【0056】
また、スパッタリング法によるCuを含む導電膜の形成は、ターゲット材料として純Cu材料だけでなく、CuにW、Ta、Mo、Ti、Cr、Al、ジルコニウム(Zr)、カルシウム(Ca)などの元素もしくはこれら元素の組み合わせを10wt%以下、好ましくは2wt%以下添加したCu合金材料を用いることができる。Cu合金材料を用いることで、Cu配線の密着性、ヒロックなどのマイグレーション耐性を改善することができる。
【0057】
また、スパッタリングガスとしてArに代表される希ガスを用いることができるが、希ガスに酸素を加えたスパッタリングガスを用いることで、下地との界面にCu酸化物を形成し、密着性を改善することができる。この時、Cuより酸化しやすい元素を添加したターゲット材料を用いることで、より密着性を改善することができる。なお、Cu酸化物はCuよりも抵抗が高いため、スパッタリング初期のみ希ガスに酸素を加えたスパッタリングガスを用い、その後は希ガスのみでスパッタリングするとよい。
【0058】
本実施の形態では、スパッタリング法を用いて、絶縁層201上に厚さ250nmのCu膜を形成し、第1のフォトリソグラフィ工程で形成したレジストマスクを用いてCu膜を選択的にエッチングして、ゲート配線202および保持容量配線213を形成する(図4(A)参照)。
【0059】
次いで、ゲート配線202および保持容量配線213上に、スパッタリング法、真空蒸着法などを用いてW、Ta、Mo、Ti、CrなどのCuよりも融点が高い元素、または上述した元素を組み合わせた合金等を導電膜として、5nm以上200nm以下、好ましくは10nm以上100nm以下の厚さで形成する。導電膜は、上述した元素を含む単層に限定されず、二層以上の積層を用いることができる。本実施の形態では、厚さ200nmのモリブデン単層構造の導電膜を形成する。
【0060】
次いで、該導電膜上にフォトリソグラフィ法またはインクジェット法等によりマスクを形成し、該マスクを用いて該導電膜をエッチングしてゲート配線203及び保持容量配線214を形成することができる。本実施の形態では、第2のフォトリソグラフィ工程によりレジストマスクを用いて導電膜を選択的にエッチングして、ゲート配線203及び保持容量配線214を形成する。(図4(B)参照)。
【0061】
ゲート配線および保持容量配線を、Cuよりも融点が高い元素を含む導電材料を用いて、Cuを含む導電材料を覆う構成にすることで、Cuを含む層のマイグレーションを抑制し、半導体装置の信頼性を向上させることができる。特にボトムゲート型の薄膜トランジスタにおけるゲート配線は、後工程の熱負荷や積層膜の応力の影響を受けやすいため、これらの影響に耐えうる上記構成とすることで、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【0062】
次いで、ゲート配線203及び保持容量配線214上に、ゲート絶縁層として機能する絶縁層204を50nm以上800nm以下、好ましくは100nm以上600nm以下の厚さで形成する。絶縁層204は、絶縁層201と同様の方法で形成することができる。本実施の形態では、絶縁層204として厚さ500nmの窒化珪素膜を形成する。また、絶縁層204は保護層としても機能する。Cuを含むゲート配線202の下側及び上側に位置する絶縁層を窒化珪素を含む絶縁層とし、該絶縁層でゲート配線202を挟むもしくは包む構成とすることで、ゲート配線202からのCu拡散を防ぐことができる。
【0063】
次いで、絶縁層204の上に半導体層205を30nm以上300nm以下、好ましくは50nm以上200nm以下の厚さで形成する。半導体層205は、結晶構造が非晶質、微結晶、または多結晶の半導体層を既知のCVD法、スパッタ法またはレーザーアニール法を用いて形成することができる。例えば、非晶質半導体層や微結晶半導体層は、プラズマCVD法により、堆積性気体を水素で希釈して形成することができる。堆積性気体としては、シリコンまたはゲルマニウムを含むガスを用いることができる。シリコンを含む堆積性気体としては、シラン(SiH)、ジシラン(Si)、ジクロロシラン(SiHC1)、SiHCl、塩化珪素(SiCl)、フッ化珪素(SiF)などを用いることができる。ゲルマニウムを含む堆積性気体としては、ゲルマン(GeH)、ジゲルマン(Geフッ化ゲルマン(GeF)などを用いることができる。
【0064】
多結晶半導体層は、非晶質半導体層または微結晶半導体層を形成した後、600℃以上の加熱処理、RTA処理、またはレーザー光照射により形成することができる。RTA処理、レーザー光照射による結晶化は、半導体膜を瞬間的に加熱することができるため、歪点が低い基板上に多結晶半導体を形成する場合に特に有効である。本実施の形態では、半導体層205としてプラズマCVD法により厚さ150nmの非晶質シリコン層を形成する。
【0065】
半導体層205は、例えば、真性半導体(I型半導体)で構成することができる。真性半導体は、理想的には、不純物を含まずにフェルミレベルが禁制帯のほぼ中央に位置する半導体であるが、本明細書では、ドナーとなる不純物(例えば、リン(P)など)またはアクセプタとなる不純物(例えば、ボロン(B)など)を添加して、フェルミレベルが禁制帯の中央に位置するようにした半導体も含む。
【0066】
また、薄膜トランジスタをエンハンスメント型もしくはデプレッション型とするため、半導体層205にドナーとなる不純物またはアクセプタとなる不純物を添加し、半導体層205のフェルミレベルが禁制帯の中央からずれた状態とした場合でも、本明細書における真性半導体に含む。
【0067】
続いて、半導体層205上に不純物半導体層206を10nm以上200nm以下、好ましくは30nm以上100nm以下の厚さで形成する。不純物半導体層206は、例えば、プラズマCVD法により堆積性気体を水素で希釈して形成する際に、同時に半導体層に導電型を付与する元素を含むガスを含有させて形成することができる。
【0068】
半導体層にP型の導電型を付与するためにボロン(B)を含むガス、例えばボラン(BH)、ジボラン(B)などを用いることができる。また、半導体層にN型の導電型を付与するためにリン(P)を含むガス、例えばホスフィン(PH)を用いることができる。
【0069】
また、半導体層205の表面に、イオン注入法もしくはプラズマドーピング法などを用いて、導電型を付与する元素を導入し、不純物半導体層206を形成することもできる。
【0070】
また、絶縁層204、半導体層205、不純物半導体層206の形成を、大気に触れさせること無く連続して行うことで、特にゲート絶縁膜として機能する絶縁層204と半導体層205の層界面に汚染物が付着することを防ぎ、薄膜トランジスタの特性を向上させることができる。本実施の形態では、不純物半導体層206としてプラズマCVD法により厚さ50nmのN型の非晶質シリコン層を形成する。
【0071】
次いで、不純物半導体層206上にフォトリソグラフィ法またはインクジェット法等によりマスクを形成し、該マスクを用いて半導体層205と不純物半導体層206を選択的にエッチングして島状の半導体層205及び島状の不純物半導体層206を形成する。本実施の形態では、第3のフォトリソグラフィ工程によりレジストマスクを用いて半導体層を選択的にエッチングして、島状の半導体層205及び島状の不純物半導体層206を形成する。(図4(C)参照)。
【0072】
次いで、図2乃至図5では図示しないが、ゲート配線203と、追って説明する電極207aまたは電極207bを接続するための開口部(コンタクトホールともいう)を絶縁層204に形成する。絶縁層204上にフォトリソグラフィ法またはインクジェット法等によりマスクを形成し、該マスクを用いて絶縁層204を選択的にエッチングしてコンタクトホールを形成する。ここでは、第4のフォトリソグラフィ工程で形成したレジストマスクを用いて絶縁層204を選択的にエッチングして、コンタクトホールを形成する。
【0073】
なお、第4のフォトリソグラフィ工程によるコンタクトホールの形成は、絶縁層204形成後、半導体層205形成前に行ってもよい。
【0074】
次いで、不純物半導体層206上に、スパッタリング法、真空蒸着法などを用いてW、Ta、Mo、Ti、Cr、Alなどの導電膜、または上述した元素を組み合わせた合金等を導電膜として、100nm以上500nm以下、好ましくは200nm以上300nm以下の厚さで形成する。導電膜は、上述した元素を含む単層に限定されず、二層以上の積層を用いることができる。なお、ここでの導電膜にはCuを極力含ませないようにする。ここでの導電膜にCuが含まれていると、後の電極207a及び207b形成時に、半導体層中にCuが拡散する恐れがある。
【0075】
次いで、該導電膜上にフォトリソグラフィ法またはインクジェット法等によりマスクを形成し、該マスクを用いて導電膜をエッチングして、ソース電極として機能する電極207a、ドレイン電極として機能する電極207bを形成することができる。本実施の形態では、導電膜としてスパッタリング法で厚さ200nmのTi膜を形成し、第5のフォトリソグラフィ工程で形成したレジストマスクを用いて、ドライエッチング法にて導電膜を選択的にエッチングして、電極207a、電極207bを形成する。
【0076】
次に、レジストマスクを除去せずに、半導体層205及び不純物半導体層206のそれぞれ一部をエッチングし、不純物半導体層206a及び不純物半導体層206bを形成する。本実施の形態では、レジストマスクを除去せずに、ドライエッチング法にて半導体層205及び不純物半導体層206の一部をエッチングし、不純物半導体層206a及び不純物半導体層206bを形成する(図4(D)参照)。なお、レジストマスクを除去した後に、電極207a、電極207bをマスクとして用いて、半導体層205及び不純物半導体層206の一部をエッチングしてもよい。
【0077】
なお、導電膜のエッチングをウエットエッチングで行い、続けて半導体層205及び不純物半導体層206の一部をドライエッチングしてもよい。不純物半導体層206aはソース領域として機能し、不純物半導体層206bはドレイン領域として機能する。また、半導体層205において、不純物半導体層206aと不純物半導体層206bに挟まれた部分が、チャネル領域として機能する。
【0078】
次いで、絶縁層208を50nm以上800nm以下、好ましくは100nm以上600nm以下の厚さで形成する。絶縁層208は、絶縁層201と同様の方法で形成することができる。本実施の形態では、絶縁層208として厚さ400nmの窒化珪素膜を形成する。
【0079】
次いで、電極207aとソース配線209を接続するための開口部216(コンタクトホールともいう)を絶縁層208に形成する。絶縁層208上にフォトリソグラフィ法またはインクジェット法等によりマスクを形成し、該マスクを用いて絶縁層208を選択的にエッチングしてコンタクトホールを形成する。本実施の形態では、第6のフォトリソグラフィ工程で形成したレジストマスクを用いて絶縁層208を選択的にエッチングして、コンタクトホールを形成する。
【0080】
次いで、ソース配線209を形成するため、スパッタリング法、真空蒸着法などを用いてW、Ta、Mo、Ti、CrなどのCuよりも融点が高い元素、または上述した元素を組み合わせた合金等を導電膜として5nm以上200nm以下、好ましくは10nm以上100nm以下の厚さで形成する。また、反応性スパッタリング法にて窒化タンタル、窒化チタン、窒化モリブデンなどを形成してもよい。
【0081】
続いて、スパッタリング法、真空蒸着法、またはメッキ法を用いてCuを含む導電膜を100nm以上500nm以下、好ましくは200nm以上300nm以下の厚さで形成し、該導電膜上にフォトリソグラフィ法またはインクジェット法等によりマスクを形成し、該マスクを用いてCuを含む導電膜及びソース配線209を形成するための導電膜をエッチングしてソース配線209及びソース配線210を形成することができる。
【0082】
本実施の形態では、ソース配線209を形成するための導電膜に厚さ50nmの窒化チタン膜を用い、ソース配線210を形成するための導電膜に厚さ250nmのCu膜を用い、第7のフォトリソグラフィ工程で形成したレジストマスクを用いて導電膜を選択的にエッチングして、ソース配線209及びソース配線210を形成する(図5(A)参照)。
【0083】
ソース配線209はCuの拡散を防ぐバリヤ層としても機能する。また、ソース配線を、Cuを含む層と、Cuよりも融点が高い元素を含む層の積層とすることで、Cuを含む層のマイグレーションを抑制し、半導体装置の信頼性を向上させることができる。さらに、ソース配線210の上にもCuよりも融点が高い元素を含む層を設け、Cuを含む層をCuよりも融点が高い元素を含む層で挟む構造としてもよい。なお、半導体装置の使用環境や使用条件によっては、ソース配線をCuを含む層の単層としてもよい。また、Cuを含む層の形成は、ゲート配線202と同様の構成、方法を用いることができる。
【0084】
次いで、絶縁層211を50nm以上300nm以下、好ましくは100nm以上200nm以下の厚さで形成する。絶縁層211は、絶縁層201と同様の方法で形成することができる。絶縁層211は、外部からの汚染物質が薄膜トランジスタに影響することを防ぐパッシベーション層としても機能する。本実施の形態では、絶縁層211として厚さ10nmの窒化珪素膜を形成する。また、絶縁層211は保護層としても機能する。Cuを含むソース配線210の下側及び上側に位置する絶縁層を窒化珪素を含む絶縁層とし、該絶縁層でソース配線210を挟むもしくは包む構成とすることで、ソース配線210からのCu拡散を防ぐことができる(図5(B)参照)。
【0085】
次いで、電極207bと画素電極として機能する電極212を接続するためのコンタクトホールを絶縁層211及び絶縁層208に形成する。絶縁層211上にフォトリソグラフィ法またはインクジェット法等によりマスクを形成し、該マスクを用いて絶縁層211及び絶縁層208を選択的にエッチングしてコンタクトホールを形成する。本実施の形態では、第8のフォトリソグラフィ工程で形成したレジストマスクを用いて絶縁層211及び絶縁層208を選択的にエッチングして、コンタクトホール(開口部217)を形成する。
【0086】
次いで、スパッタリング法、真空蒸着法などを用いて、透光性を有する導電膜を30nm以上200nm以下、好ましくは50nm以上100nm以下の厚さで形成し、該導電膜上にフォトリソグラフィ法またはインクジェット法等によりマスクを形成し、該マスクを用いて該導電膜をエッチングして画素電極として機能する電極212を形成することができる。
【0087】
透光性を有する導電膜としては、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(以下、ITOとも言う)、インジウム亜鉛酸化物(以下、IZOとも言う)、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電性材料を用いることができる。
【0088】
また、透光性を有する導電膜を、導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性組成物を用いて形成した画素電極は、シート抵抗が10000Ω/以下、波長550nmにおける透光率が70%以上であることが好ましい。また、導電性組成物に含まれる導電性高分子の抵抗率が0.1Ω・cm以下であることが好ましい。
【0089】
本実施の形態では、透光性を有する導電膜として厚さ80nmのITO膜を形成し、第9のフォトリソグラフィ工程で形成したレジストマスクを用いて透光性を有する導電膜を選択的にエッチングして、画素電極として機能する電極212を形成する(図5(C)参照)。
【0090】
以上の工程により、配線抵抗の増大を抑え、表示品質の良い表示装置を代表とする半導体装置を提供することができる。また、Cuを含む導電層の下側及び上側に位置する絶縁層を窒化珪素を含む絶縁層とし、該絶縁層でCuを含む導電層を挟む、もしくは包むことで、Cuの拡散を防ぎ、信頼性の良い半導体装置を提供することができる。
【0091】
また、本実施の形態によって、閾値電圧が制御され、動作速度が速く、製造工程が比較的簡単であり、十分な信頼性を有する、薄膜トランジスタの作製方法を提供できる。
【0092】
ここで、図6及び図7を用いて、多階調マスクを用いたフォトリソグラフィ工程について説明しておく。多階調マスクとは、露光部分、中間露光部分、及び未露光部分に3つの露光レベルを行うことが可能なマスクであり、透過した光が複数の強度となる露光マスクである。一度の露光及び現像工程により、複数(代表的には二種類)の厚さの領域を有するレジストマスクを形成することが可能である。このため、多階調マスクを用いることで、露光マスクの枚数を削減することが可能である。
【0093】
多階調マスクの代表例としては、図6(A)に示すようなグレートーンマスク801a、図6(C)に示すようなハーフトーンマスク801bがある。
【0094】
図6(A)に示すように、グレートーンマスク801aは、透光性基板802及びその上に形成される遮光部803並びに回折格子804で構成される。遮光部803においては、光の透過率が0%である。一方、回折格子804はスリット、ドット、メッシュ等の光透過部の間隔を、露光に用いる光の解像度限界以下の間隔とすることにより、光の透過率を制御することができる。なお、回折格子804は、周期的なスリット、ドット、メッシュ、または非周期的なスリット、ドット、メッシュどちらも用いることができる。
【0095】
透光性基板802としては、石英等の透光性基板を用いることができる。遮光部803及び回折格子804は、クロムや酸化クロム等の光を吸収する遮光材料を用いて形成することができる。
【0096】
グレートーンマスク801aに露光光を照射した場合、図6(B)に示すように、遮光部803においては、光透過率805は0%であり、遮光部803及び回折格子804が設けられていない領域では光透過率805は100%である。また、回折格子804が設けられた領域における光透過率805は、10〜70%の範囲で調整可能である。回折格子804における光の透過率の調整は、回折格子のスリット、ドット、またはメッシュの間隔及びピッチの調整により可能である。
【0097】
図6(C)に示すように、ハーフトーンマスク801bは、透光性基板802及びその上に形成される半透過部807並びに遮光部806で構成される。半透過部807は、MoSiN、MoSi、MoSiO、MoSiON、CrSiなどを用いることができる。遮光部806は、クロムや酸化クロム等の光を吸収する遮光材料を用いて形成することができる。
【0098】
ハーフトーンマスク801bに露光光を照射した場合、図6(D)に示すように、遮光部806においては、光透過率808は0%であり、遮光部806及び半透過部807が設けられていない領域では光透過率808は100%である。また、半透過部807が設けられた領域における光透過率808は、10〜70%の範囲で調整可能である。半透過部807における光の透過率の調整は、半透過部807の材料により調整可能である。
【0099】
続いて、図7を用いて、前述した第3のフォトリソグラフィ工程と第5のフォトリソグラフィ工程を、1回の多階調マスクを用いたフォトリソグラフィ工程に置き換える例について説明する。
【0100】
前述した第3のフォトリソグラフィ工程では、絶縁層204上に、半導体層205及び不純物半導体層206を形成した後に島状の半導体層としていたが、ここでは島状の半導体層とせず、続けて不純物半導体層206上に電極層207を形成する。次いで、電極層207の上に多階調マスクを用いて、凹部又は凸部を有するレジストマスク231を形成する(図7(A)参照)。
【0101】
レジストマスク231は、厚さの異なる複数の領域(ここでは、2つの領域)からなるレジストマスクともいうことができる。レジストマスク231において、厚い領域をレジストマスク231の凸部と呼び、薄い領域をレジストマスク231の凹部と呼ぶこととする。
【0102】
レジストマスク231において、ソース電極として機能する電極207a及びドレイン電極として機能する電極207bが形成される部分には凸部が形成され、電極207a及び電極207bが形成される部分に挟まれている部分には凹部が形成される。
【0103】
次いで、レジストマスク231を用いて、電極層207、不純物半導体層206、及び半導体層205を選択的かつ同時にエッチングし、島状の半導体層205及び島状の不純物半導体層206を形成する(図7(B)参照)。
【0104】
次いで、レジストマスク231を後退(縮小)させることで、レジストマスク231a、レジストマスク231bを形成する。レジストマスクを後退(縮小)させるには、酸素プラズマによるアッシング等を行えばよい。レジストマスクを後退(縮小)させることにより、レジストマスク231aとレジストマスク231bに挟まれた部分の電極層207が露出する(図7(C)参照)。
【0105】
次いで、レジストマスク231a及びレジストマスク231bに挟まれた部分の電極層207及び不純物半導体層206を、レジストマスク231a及びレジストマスク231bを用いて選択的にエッチングすることにより、不純物半導体層206a、不純物半導体層206b、電極207a、及び電極207bを形成する。なお、この時、半導体層205は一部のみがエッチングされ、溝部(凹部)を有する半導体層となる。また、半導体層205の端部が、電極207a及び電極207bの端部より外側に突出した形状となる。また、半導体層205の該突出部分の膜厚は、電極207a及び電極207bと重畳している部分の膜厚よりも薄くなる(図7(D)参照)。
【0106】
次いで、レジストマスク231a及びレジストマスク231bを除去する(図7(E)参照)。多階調マスクを用いると、複数回のフォトリソグラフィ工程を一回のフォトリソグラフィ工程に置き換えることが可能となるため、半導体装置の生産性を向上させることができる。
【0107】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0108】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1において図1で示した表示装置30について、ゲート駆動回路91またはソース駆動回路92に用いられる薄膜トランジスタの構成の一例を示す。
【0109】
画素部を駆動するための駆動回路は、インバータ回路、容量、抵抗などを用いて構成する。本実施の形態では、駆動回路中に用いられる薄膜トランジスタとして、2つの薄膜トランジスタからなるインバータ回路の構成について説明する。2つのnチャネル型TFTを組み合わせてインバータ回路を形成する場合、エンハンスメント型TFT同士で形成する場合(以下、EEMOS回路という)と、エンハンスメント型トランジスタとデプレッション型トランジスタとを組み合わせて形成する場合(以下、EDMOS回路という)がある。なお、nチャネル型TFTのしきい値電圧が正の場合は、エンハンスメント型トランジスタと定義し、nチャネル型TFTのしきい値電圧が負の場合は、デプレッション型トランジスタと定義し、本明細書を通してこの定義に従うものとする。
【0110】
駆動回路のインバータ回路の断面構造を図8(A)に示す。また、駆動回路のインバータ回路の平面図を図8(C)に示す。図8(C)において、鎖線Z1−Z2で切断した断面が図8(A)に相当する。なお、図8に示す第1の薄膜トランジスタ430a、第2の薄膜トランジスタ430bは、ボトムゲート構造の逆スタガ型薄膜トランジスタである。
【0111】
図8(A)に示す第1の薄膜トランジスタ430aは、絶縁層410が形成された基板400上に第1のゲート配線401aが設けられ、第1のゲート配線401a上に絶縁層411が設けられ、絶縁層411上に第1の半導体層403aが設けられ、第1の半導体層403a上に一対の不純物半導体層407a及び不純物半導体層407bが設けられ、一対の不純物半導体層407a及び不純物半導体層407bの上に電極405a及び電極405bが設けられている。同様に、第2の薄膜トランジスタ430bも、絶縁層410が形成された基板400上に第2のゲート配線401bが設けられ、第2のゲート配線401b上に絶縁層411が設けられ、絶縁層411上に第2の半導体層403bが設けられ、第2の半導体層403b上に一対の不純物半導体層409a及び不純物半導体層409bが設けられ、一対の不純物半導体層409a及び不純物半導体層409bの上に電極405b及び電極405cが設けられている。ここで、電極405cは、絶縁層411に形成されたコンタクトホール404を介して第2のゲート配線401bと接続する。また、電極405a、電極405b及び電極405c上に絶縁層414及び絶縁層415が形成されている。なお、電極405a乃至電極405cは、図8(C)に示すように延伸されており、駆動回路において薄膜トランジスタを電気的に接続する配線としても機能する。
【0112】
ここで、第1のゲート配線401a及び第2のゲート配線401bは、実施の形態1または実施の形態2に示したゲート配線203と同様の材料、同様の方法を用いて形成することができる。また、第1の半導体層403a及び第2の半導体層403bは、実施の形態1または実施の形態2に示した半導体層205と同様の材料、同様の方法を用いて形成することができる。また、不純物半導体層407a、不純物半導体層407b、不純物半導体層409a、不純物半導体層409bは、実施の形態1または実施の形態2に示した、不純物半導体層206a及び不純物半導体層206bと同様の材料、同様の方法を用いて形成することができる。また、電極405a、電極405b及び電極405cは、実施の形態1または実施の形態2に示した一対の電極207a及び電極207bと同様の材料、同様の方法を用いて形成することができる。また、絶縁層410、絶縁層411、絶縁層414及び絶縁層415は、実施の形態1または実施の形態2に示した、絶縁層201、絶縁層204、絶縁層208及び絶縁層211と同様の材料、同様の方法を用いて形成することができる。
【0113】
また、コンタクトホール404は、実施の形態2に示す第4のフォトリソグラフィ工程において、絶縁層411上にマスクを形成し、該マスクを用いて絶縁層411を選択的にエッチングすることによって形成する。コンタクトホール404を介して電極405cと第2のゲート配線401bとを直接接続させることにより、良好なコンタクトを得ることができ、接触抵抗を低減することができる。また、電極405cと第2のゲート配線401bとを他の導電膜、例えば透明導電膜を介して接続する場合と比較して、コンタクトホールの数の低減を図ることができ、これによって薄膜トランジスタの占有面積を縮小し、駆動回路における薄膜トランジスタ間の距離を短くすることができる。
【0114】
また上述のように、駆動回路内における薄膜トランジスタ間の距離は短くでき、配線抵抗を十分に低減することができるので、各薄膜トランジスタを電気的に接続する配線としてCuを含む導電層を必ずしも用いる必要はない。これにより、駆動回路内の薄膜トランジスタとCuを含む導電層からなる配線との間に十分距離を取ることができるので、半導体層にCuが拡散することを防ぐことができる。ただし、各薄膜トランジスタに電源電位を与える電源線や、共通配線などの引き回し距離が長い配線は、配線抵抗の影響を受けやすいので、Cuを含む導電層からなる配線を用いるのが好ましい。
【0115】
なお、実施の形態1で示したように、ゲート駆動回路91はゲート配線(20_1〜20_n(但しnは自然数))と、ソース駆動回路92はソース配線(60_1〜60_m(但しmは自然数))と接続されており、ゲート配線(20_1〜20_n(但しnは自然数))及びソース配線(60_1〜60_m(但しmは自然数))はCuを含む導電層で形成されているので、配線の引き回し距離の長い表示部においても、十分に配線抵抗を低減することができる。
【0116】
電極405aは、接地電位の電源線(接地電源線)である。この接地電位の電源線は、負の電圧VDLが印加される電源線(負電源線)としてもよい。電極405cは、正の電圧VDDが印加される電源線(正電源線)と電気的に接続されている。
【0117】
また、EEMOS回路の等価回路を図8(B)に示す。図8(A)及び図8(C)に示す回路接続は、図8(B)に示す等価回路に相当し、第1の薄膜トランジスタ430a及び第2の薄膜トランジスタ430bをエンハンスメント型のnチャネル型トランジスタとする例である。
【0118】
また、EEMOS回路だけではなく、第1の薄膜トランジスタ430aをエンハンスメント型のnチャネル型トランジスタとし、第2の薄膜トランジスタ430bをデプレッション型のnチャネル型トランジスタとすることで、EDMOS回路を作製することもできる。その場合、電極405cと第2のゲート配線401bを接続する代わりに電極405bと第2のゲート配線401bを接続する。
【0119】
同一基板上にエンハンスメント型のnチャネル型トランジスタとデプレッション型のnチャネル型トランジスタとを作製する方法は、例えば、第1の半導体層403aと第2の半導体層403bとを異なる材料や異なる成膜条件を用いて作製する。また、半導体層の上側にしきい値制御用のゲート電極を設けてしきい値制御を行い、一方のTFTがノーマリーオンとなるようにしきい値制御用のゲート電極に電圧をかけ、もう一方のTFTがノーマリーオフとなるようにしてEDMOS回路を構成してもよい。
【0120】
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成を適宜組み合わせて用いることができることとする。
【0121】
(実施の形態4)
本実施の形態では、半導体素子を用いた保護回路について、図9、及び図10を用いて説明する。また、絶縁膜を介して形成された異なる共通配線同士を接続する接続部の構成について図11を用いて説明する。
【0122】
保護回路97に適用可能な回路の一例を図9(A)に示す。この保護回路は非線形素子170a及び170bによって構成されている。非線形素子170a及び170bは、ダイオードのような二端子素子又はトランジスタのような三端子素子で構成される。例えば、画素部が有するトランジスタと同じ工程で形成することが可能であり、例えばゲートとドレインを電気的に接続することによりダイオードと同様の特性を持たせることができる。
【0123】
非線形素子170aの第1端子(ゲート)と第3端子(ドレイン)は共通配線45に接続され、第2端子(ソース)はソース配線60_1に接続されている。また、非線形素子170bの第1端子(ゲート)と第3端子(ドレイン)はソース配線60_1に接続され、第2端子(ソース)は共通配線45に接続されている。すなわち、図9(A)で示す保護回路は、二つのトランジスタのそれぞれが、整流方向を互いに逆向きにして、共通配線45とソース配線60_1を接続する構成である。言い換えると、共通配線45とソース配線60_1の間に、整流方向が共通配線45からとソース配線60_1に向かうトランジスタと整流方向がとソース配線60_1から共通配線45に向かうトランジスタを接続する構成である。
【0124】
上記の保護回路は、ソース配線60_1が静電気等により正又は負に帯電した場合、その電荷を打ち消す方向に電流が流れる。例えば、ソース配線60_1が正に帯電した場合は、その正電荷を共通配線45に逃がす方向に電流が流れる。この動作により、帯電したソース配線60_1に接続している画素トランジスタの静電破壊又はしきい値電圧のシフトを防止することができる。また、帯電しているソース配線60_1と絶縁層を介して交差する他の配線との間で、絶縁層の絶縁破壊を防止することができる。
【0125】
なお、保護回路は上記構成に限定されない。例えば、整流方向が共通配線45からとソース配線60_1に向かう複数のトランジスタと、整流方向がソース配線60_1から共通配線45に向かう複数のトランジスタを接続する構成であってもよい。共通配線45とソース配線60_1を複数の非線形素子で接続して、ソース配線60_1にサージ電圧が印加された場合のみならず、共通配線45が静電気等により帯電した場合であっても、その電荷がそのままソース配線60_1に流れ込んでしまうのを防止することができる。また、奇数個の非線形素子を使って保護回路を構成することもできる。
【0126】
図9(A)の保護回路はソース配線60_1と共通配線45に設ける構成を例示したが、同様な構成は他の部位の保護回路にも適用できる。なお、図9(A)の保護回路は、本発明の一態様の半導体素子を非線形素子170a及び非線形素子170bに適用して作製できる。
【0127】
次に、本発明の一態様の半導体素子を用いて基板上に保護回路を作製する例を、図9(B)、及び図10を用いて説明する。なお、図9(B)は配線、及び配線間の接続部位の平面図の一例であり、図10は図9(B)中のQ1−Q2切断線、Q3−Q4切断線、及びQ5−Q6切断線に対応した断面図である。
【0128】
図9(B)で示す構成は、共通配線45とソース配線60_1を非線形素子170a及び非線形素子170bで接続する部位の平面図であり、保護回路97の一例である。
【0129】
非線形素子170aはゲート配線111aを有し、ゲート配線111aは共通配線45と接続している。非線形素子170aのソース電極またはドレイン電極の一方はソース配線60_1と接続され、もう一方は第1の電極115aからなる。また、第1の電極115aは共通配線45と接続している。
【0130】
非線形素子170bはゲート配線111bを有し、ゲート配線111bはコンタクトホール126、第2の電極115b、及びコンタクトホール125を介してソース配線60_1と接続している。非線形素子170bのソース電極及びドレイン電極は第1の電極115a及び第2の電極115bからなる。また、非線形素子170bは、半導体層113を有する。
【0131】
次に、共通配線45、ソース配線60_1、及び非線形素子170bの構成について、図10を用いて説明する。
【0132】
共通配線45は、ゲート配線と同じ配線層で形成する。共通配線45は、基板100に設けられた絶縁層101上にゲート配線45aとゲート配線45bを積層して形成する。なお、ゲート配線45b上には絶縁層102が形成され、絶縁層102上に絶縁層117が設けられ、絶縁層117上に絶縁層119が形成されている。
【0133】
また、ソース配線60_1は、絶縁層117上に形成されている。ソース配線60_1はソース配線60_1a上にソース配線60_1bを積層して形成する。なお、ソース配線60_1上には絶縁層119が形成されている。
【0134】
非線形素子170bは、基板100に設けた絶縁層101上にゲート配線111bを有し、ゲート配線111b上に絶縁層102を有する。また、絶縁層102を介してゲート配線111b上に半導体層113を有し、ゲート配線111bに端部を重畳して半導体層113に接する電極115a及び電極115bを有する。また、ゲート配線111bに重畳し、電極115aと電極115bの端部に挟まれた半導体層113に接して絶縁層117が形成され、絶縁層117上に絶縁層119が形成されている。
【0135】
また、電極115bは絶縁層102に設けたコンタクトホール125を介してゲート配線111bと接続している。また、電極115bはコンタクトホール126を介してソース配線60_1と接続している。また、絶縁層117及びソース配線60_1上に絶縁層119が形成されている。
【0136】
電極115a及び電極115bとなる導電膜としては、Ti、Mo、W、Al、Cr、Cu、Ta、から選ばれた元素、または上述した元素を成分とする合金か、上述した元素を組み合わせた合金等を用いる。導電膜は、上述した元素を含む単層に限定されず、二層以上の積層を用いることができる。
【0137】
なお、非線形素子170a及び非線形素子170bは主要部において同じ構成を有している。また、非線形素子170bは、実施の形態1または実施の形態2で説明した画素部の薄膜トランジスタと同じ構成を適用できる。よって、本実施の形態においては、非線形素子170aおよび非線形素子170bの詳細な説明を省略する。また、上記薄膜トランジスタと共に同一基板上に、同じ工程で作製できる。
【0138】
共通配線間の接続の一例を図11を用いて説明する。なお、図11(A)は配線、及び配線間の接続部位の平面図の一例であり、図11(B)は図11(A)中のR1−R2切断線、R3−R4切断線に対応した断面図である。
【0139】
すでに説明した通り、共通配線45はゲート配線45a上にゲート配線45bを積層した構成を有する。また、共通配線65は、ソース配線60_1と同じ構成を有する。すなわち、共通配線65はソース配線65a上にソース配線65bを積層した構成を有し、ソース配線65aはソース配線60_1aと同じ導電膜で形成され、ソース配線65bはソース配線60_1bと同じ導電膜で形成されている。
【0140】
接続部95において、共通配線45と共通配線65が電気的に接続されている。接続部95を図11(B)を用いて説明する。共通配線45と共通配線65は、絶縁層102a、絶縁層102b、絶縁層117、及び絶縁層118に形成したコンタクトホール127を介して接続している。
【0141】
接続部95では、Cuよりも融点が高い元素を含む導電材料を含むゲート配線45bとソース配線65aが接続され、信頼性が高い接続を実現している。また、Cuを含む導電材料で形成されたゲート配線45a及びソース配線65bにより、共通配線45及び共通配線65の配線抵抗の増大を抑えている。
【0142】
また、共通接続部96は画素部の外側領域に設けられ、導電性粒子(プラスチック粒子表面に金メッキ処理した粒子等)を介して対向して配置した接続部を有する基板と電気的に接続する接続部である。共通接続部96の一例として、ゲート配線45a上にゲート配線45bを積層した導電層上に形成する構成について図11(B)を用いて説明する。
【0143】
共通接続部96は共通配線45と電気的に接続されている。ゲート配線45a上にゲート配線45bを積層した導電層上に、絶縁層102a、絶縁層102bを介して電極115cが形成され、電極115cは、絶縁層102に形成されたコンタクトホール128を介して導電層に電気的に接続されている。また、電極115c上に共通配線65と同じ構成を有する導電層66が絶縁層117、及び絶縁層118を介して積層され、絶縁層117、及び絶縁層118に形成されたコンタクトホールを介して電極115cと電気的に接続されている。
【0144】
本実施の形態で例示した保護回路と接続しているゲート配線45a及びソース配線60_1bは、Cuを含む導電材料で形成されており、配線抵抗が低い。
【0145】
また、ゲート配線45bを、W、Ta、Mo、Ti、CrなどのCuよりも融点が高い元素を含む導電材料を用いて、ゲート配線45aに接し且つ覆うように形成することで、ゲート配線45aのマイグレーションを抑制し、半導体装置の信頼性を向上させることができる。また、Cuを含むゲート配線45aの下側及び上側に位置する絶縁層を窒化珪素を含む絶縁層とし、該絶縁層でCuを含むゲート配線45aを挟むもしくは包む構成とすることで、ゲート配線45aからのCu拡散を防ぐことができる。
【0146】
また、本実施の形態で例示した保護回路は、非線形素子の第1端子(ゲート)が、第2端子(ソース)または第3端子(ドレイン)と一つのコンタクトホールを介して直接接続する構成を有する。その結果、一つの接続で形成される界面およびコンタクトホールは各一つに過ぎず、別の配線層を介して接続する場合に比べて少ない。
【0147】
なお、接続に要する界面の数が少ないと電気抵抗を抑制できる。加えて、接続に要するコンタクトホールの数が少ないと、接続部分が専有する面積を抑制できる。
【0148】
従って、本実施の形態で例示した保護回路は接続抵抗を抑制することができる。その結果、保護回路が安定動作する。また、接続に必要なコンタクトホールがひとつであるため、保護回路の占有面積を小さくして、表示装置の小型化を図ることができる。
【0149】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0150】
(実施の形態5)
本実施の形態では、実施の形態1において図1で示した表示装置について、ゲート端子部7のゲート信号線端子及びソース端子部8のソース信号線端子の構成の一例を示す。
【0151】
図12(A1)、図12(A2)は、ゲート信号線端子の断面図及び平面図をそれぞれ図示している。図12(A1)は図12(A2)中のC1−C2線に沿った断面図に相当する。ゲート信号線端子は、図12(A1)に示すように、基板300上に絶縁層360が形成され、絶縁層360上にゲート配線351aが形成され、ゲート配線351aの端部を覆うようにゲート配線351bが形成され、ゲート配線351b上に絶縁層361、絶縁層364、絶縁層365が形成され、絶縁層365及びゲート配線351b上に透明導電層355が形成されている。ここで、ゲート配線351aとゲート配線351bを合わせてゲート配線351と呼び、ゲート配線351bはゲート信号線端子における第1の端子として機能する。また、絶縁層361、絶縁層364及び絶縁層365の端部はパターニングされ、ゲート配線351bの端部は露出し、透明導電層355と直接接している。第1の端子であるゲート配線351bの端部と直接接する透明導電層355は、入力端子として機能する接続用の端子電極である。ここで、ゲート配線351a、ゲート配線351b及び透明導電層355は、実施の形態1及び実施の形態2に示した、ゲート配線202、ゲート配線203及び電極212と同様の材料、同様の方法を用いて形成することができる。また、絶縁層360、絶縁層361、絶縁層364及び絶縁層365は、実施の形態1及び実施の形態2に示した、絶縁層201、絶縁層204、絶縁層208及び絶縁層211と同様の材料、同様の方法を用いて形成することができる。
【0152】
ゲート配線351aを、Cuを含む導電材料で形成することにより、ゲート信号線端子及びゲート信号線端子からの引き込み配線における配線抵抗を低減することができる。また、ゲート配線351bを、W、Ta、Mo、Ti、CrなどのCuよりも融点が高い元素を含む導電材料を用いて、ゲート配線351aに接し且つ覆うように形成することで、ゲート配線351aのマイグレーションを抑制し、半導体装置の信頼性を向上させることができる。また、Cuを含むゲート配線351aの下側及び上側に位置する絶縁層を窒化珪素を含む絶縁層とし、該絶縁層でゲート配線351aを挟むもしくは包む構成とすることで、ゲート配線351aからのCu拡散を防ぐことができる。
【0153】
また、図12(B1)、図12(B2)は、ソース信号線端子の断面図及び平面図をそれぞれ図示している。図12(B1)は図12(B2)中のD1−D2線に沿った断面図に相当する。ソース信号線端子は、図12(B1)に示すように、基板300上に絶縁層360、絶縁層361が形成され、絶縁層361上に電極352が形成され、電極352上に絶縁層364が形成され、絶縁層364上にソース配線354aが形成され、ソース配線354a上にソース配線354bが形成され、ソース配線354b上に絶縁層365が形成され、絶縁層365及び電極352上に透明導電層355が形成されている。ここで、ソース配線354aとソース配線354bを合わせてソース配線354と呼ぶ。また、絶縁層364及び絶縁層365の端部はパターニングされ、電極352の端部は露出し、透明導電層355と直接接している。また、絶縁層364にはコンタクトホールが形成され、ソース信号線端子における第2の端子として機能する電極352とソース配線354を接続している。また、第2の端子である電極352の端部と直接接する透明導電層355は、入力端子として機能する接続用の端子電極である。ここで、電極352、ソース配線354a、ソース配線354b及び透明導電層355は、実施の形態1及び実施の形態2に示した、一対の電極207a及び電極207b、ソース配線209、ソース配線210及び電極212と同様の材料、同様の方法を用いて形成することができる。また、絶縁層360、絶縁層361、絶縁層364及び絶縁層365は、実施の形態1及び実施の形態2に示した、絶縁層201、絶縁層204、絶縁層208及び絶縁層211と同様の材料、同様の方法を用いて形成することができる。
【0154】
ソース配線354bを、Cuを含む導電材料で形成することにより、ソース信号線端子及びソース信号線端子からの引き込み配線における配線抵抗を低減することができる。また、ソース配線354aを、W、Ta、Mo、Ti、CrなどのCuよりも融点が高い元素を含む導電材料、または上述した元素を組み合わせた合金、または窒化タンタル、窒化チタン、窒化モリブデン等を用いて、ソース配線354bと接するように形成することで、ソース配線354bのマイグレーションを抑制し、半導体装置の信頼性を向上させることができる。また、Cuを含むソース配線354bの下側及び上側に位置する絶縁層を窒化珪素を含む絶縁層とし、該絶縁層でソース配線354bを挟むもしくは包む構成とすることで、ソース配線354bからのCu拡散を防ぐことができる。
【0155】
図12(A1)及び図12(A2)では、積層構造のゲート配線351のうち、第1の端子であるゲート配線351bが、入力端子として機能する透明導電層355と接続される例を示したが、本実施の形態はこれに限られるものではない。図13(A1)及び図13(A2)に示すように、第1の端子がゲート配線351aのみで構成され、ゲート配線351aが透明導電層355と直接接するような構成としてもよい。ここで図13(A1)は図13(A2)中のC1−C2線に沿った断面図に相当する。
【0156】
また、図12(B1)及び図12(B2)では、ソース配線354が第2の端子である電極352を介して、入力端子として機能する透明導電層355と接続する例を示したが、本実施の形態はこれに限られるものではない。図13(B1)及び図13(B2)に示すように、第2の端子として機能するソース配線354において、ソース配線354bが透明導電層355と直接接するような構成としてもよい。ここで図13(B1)は図13(B2)中のD1−D2線に沿った断面図に相当する。
【0157】
ゲート配線、ソース配線、及び容量配線は画素密度に応じて複数本設けられるものである。また、端子部においては、ゲート配線と同電位の第1の端子、ソース配線と同電位の第2の端子、容量配線と同電位の第3の端子などが複数並べられて配置される。それぞれの端子の数は、それぞれ任意な数で設ければ良いものとし、実施者が適宣決定すれば良い。
【0158】
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成を適宜組み合わせて用いることができる。
【0159】
(実施の形態6)
本実施の形態では、同一基板上に少なくとも駆動回路の一部と、画素部に配置する薄膜トランジスタを作製する例について以下に説明する。
【0160】
画素部に配置する薄膜トランジスタは、実施の形態1及び実施の形態2に従って形成する。また、実施の形態1及び実施の形態2に示す薄膜トランジスタはnチャネル型TFTであるため、駆動回路のうち、nチャネル型TFTで構成することができる駆動回路の一部を画素部の薄膜トランジスタと同一基板上に形成する。
【0161】
アクティブマトリクス型表示装置のブロック図の一例を図18(A)に示す。表示装置の基板5300上には、画素部5301、第1の走査線駆動回路5302、第2の走査線駆動回路5303、信号線駆動回路5304を有する。画素部5301には、複数の信号線が信号線駆動回路5304から延伸して配置され、複数の走査線が第1の走査線駆動回路5302、及び第2の走査線駆動回路5303から延伸して配置されている。なお走査線と信号線との交差領域には、各々、表示素子を有する画素がマトリクス状に配置されている。また、表示装置の基板5300はFPC(Flexible Printed Circuit)等の接続部を介して、タイミング制御回路5305(コントローラ、制御ICともいう)に接続されている。
【0162】
図18(A)では、第1の走査線駆動回路5302、第2の走査線駆動回路5303、信号線駆動回路5304は、画素部5301と同じ基板5300上に形成される。そのため、外部に設ける駆動回路等の部品の数が減るので、コストの低減を図ることができる。また、基板5300外部に駆動回路を設けた場合、配線を延伸させる必要が生じ、配線間の接続数が増える。同じ基板5300上に駆動回路を設けた場合、その配線間の接続数を減らすことができ、信頼性の向上、又は歩留まりの向上を図ることができる。
【0163】
なお、タイミング制御回路5305は、第1の走査線駆動回路5302に対し、一例として、第1の走査線駆動回路用スタート信号(GSP1)、走査線駆動回路用クロック信号(GCK1)を供給する。また、タイミング制御回路5305は、第2の走査線駆動回路5303に対し、一例として、第2の走査線駆動回路用スタート信号(GSP2)(スタートパルスともいう)、走査線駆動回路用クロック信号(GCK2)を供給する。またタイミング制御回路5305は、信号線駆動回路5304に、信号線駆動回路用スタート信号(SSP)、信号線駆動回路用クロック信号(SCK)、ビデオ信号用データ(DATA)(単にビデオ信号ともいう)、ラッチ信号(LAT)を供給するものとする。なお各クロック信号は、周期のずれた複数のクロック信号でもよいし、クロック信号を反転させた信号(CKB)とともに供給されるものであってもよい。なお、第1の走査線駆動回路5302と第2の走査線駆動回路5303との一方を省略することが可能である。
【0164】
図18(B)では、駆動周波数が低い回路(例えば、第1の走査線駆動回路5302、第2の走査線駆動回路5303)を画素部5301と同じ基板5300に形成し、信号線駆動回路5304を画素部5301とは別の基板に形成する構成について示している。当該構成により、単結晶半導体を用いたトランジスタと比較すると電界効果移動度が小さい薄膜トランジスタによって、基板5300に形成する駆動回路を構成することができる。したがって、表示装置の大型化、工程数の削減、コストの低減、又は歩留まりの向上などを図ることができる。
【0165】
また、実施の形態1及び実施の形態2に示す薄膜トランジスタは、nチャネル型TFTである。図19(A)、図19(B)ではnチャネル型TFTで構成する信号線駆動回路の構成、動作について一例を示し説明する。
【0166】
信号線駆動回路は、シフトレジスタ5601、及びスイッチング回路5602を有する。スイッチング回路5602は、スイッチング回路5602_1〜5602_N(Nは自然数)という複数の回路を有する。スイッチング回路5602_1〜5602_Nは、各々、薄膜トランジスタ5603_1〜5603_k(kは自然数)という複数のトランジスタを有する。薄膜トランジスタ5603_1〜5603_kは、Nチャネル型TFTである例を説明する。
【0167】
信号線駆動回路の接続関係について、スイッチング回路5602_1を例にして説明する。薄膜トランジスタ5603_1〜5603_kの第1端子は、各々、配線5604_1〜5604_kと接続される。薄膜トランジスタ5603_1〜5603_kの第2端子は、各々、信号線S1〜Skと接続される。薄膜トランジスタ5603_1〜5603_kのゲートは、配線5605_1と接続される。
【0168】
シフトレジスタ5601は、配線5605_1〜5605_Nに順番にHレベル(H信号、高電源電位レベル、ともいう)の信号を出力し、スイッチング回路5602_1〜5602_Nを順番に選択する機能を有する。
【0169】
スイッチング回路5602_1は、配線5604_1〜5604_kと信号線S1〜Skとの導通状態(第1端子と第2端子との間の導通)を制御する機能、即ち配線5604_1〜5604_kの電位を信号線S1〜Skに供給するか否かを制御する機能を有する。このように、スイッチング回路5602_1は、セレクタとしの機能を有する。また薄膜トランジスタ5603_1〜5603_kは、各々、配線5604_1〜5604_kと信号線S1〜Skとの導通状態を制御する機能、即ち配線5604_1〜5604_kの電位を信号線S1〜Skに供給する機能を有する。このように、薄膜トランジスタ5603_1〜5603_kは、各々、スイッチとしての機能を有する。
【0170】
なお、配線5604_1〜5604_kには、各々、ビデオ信号用データ(DATA)が入力される。ビデオ信号用データ(DATA)は、画像情報又は画像信号に応じたアナログ信号である場合が多い。
【0171】
次に、図19(A)の信号線駆動回路の動作について、図19(B)のタイミングチャートを参照して説明する。図19(B)には、信号Sout_1〜Sout_N、及び信号Vdata_1〜Vdata_kの一例を示す。信号Sout_1〜Sout_Nは、各々、シフトレジスタ5601の出力信号の一例であり、信号Vdata_1〜Vdata_kは、各々、配線5604_1〜5604_kに入力される信号の一例である。なお、信号線駆動回路の1動作期間は、表示装置における1ゲート選択期間に対応する。1ゲート選択期間は、一例として、期間T1〜期間TNに分割される。期間T1〜TNは、各々、選択された行に属する画素にビデオ信号用データ(DATA)を書き込むための期間である。
【0172】
なお、本実施の形態の図面等において示す各構成の、信号波形のなまり等は、明瞭化のために誇張して表記している場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されないものであることを付記する。
【0173】
期間T1〜期間TNにおいて、シフトレジスタ5601は、Hレベルの信号を配線5605_1〜5605_Nに順番に出力する。例えば、期間T1において、シフトレジスタ5601は、ハイレベルの信号を配線5605_1に出力する。すると、薄膜トランジスタ5603_1〜5603_kはオンになるので、配線5604_1〜5604_kと、信号線S1〜Skとが導通状態になる。このとき、配線5604_1〜5604_kには、Data(S1)〜Data(Sk)が入力される。Data(S1)〜Data(Sk)は、各々、薄膜トランジスタ5603_1〜5603_kを介して、選択される行に属する画素のうち、1列目〜k列目の画素に書き込まれる。こうして、期間T1〜TNにおいて、選択された行に属する画素に、k列ずつ順番にビデオ信号用データ(DATA)が書き込まれる。
【0174】
以上のように、ビデオ信号用データ(DATA)が複数の列ずつ画素に書き込まれることによって、ビデオ信号用データ(DATA)の数、又は配線の数を減らすことができる。よって、外部回路との接続数を減らすことができる。また、ビデオ信号が複数の列ずつ画素に書き込まれることによって、書き込み時間を長くすることができ、ビデオ信号の書き込み不足を防止することができる。
【0175】
なお、シフトレジスタ5601及びスイッチング回路5602としては、実施の形態3に示す薄膜トランジスタで構成される回路を用いることが可能である。この場合、シフトレジスタ5601が有する全てのトランジスタの極性をNチャネル型、又はPチャネル型のいずれかの極性のみで構成することができる。
【0176】
走査線駆動回路及び/または信号線駆動回路の一部に用いるシフトレジスタの一形態について図20及び図21を用いて説明する。
【0177】
走査線駆動回路は、シフトレジスタを有している。また場合によってはレベルシフタやバッファ等を有していても良い。走査線駆動回路において、シフトレジスタにクロック信号(CK)及びスタートパルス信号(SP)が入力されることによって、選択信号が生成される。生成された選択信号はバッファにおいて緩衝増幅され、対応する走査線に供給される。走査線には、1ライン分の画素のトランジスタのゲート電極が接続されている。そして、1ライン分の画素のトランジスタを一斉にONにしなくてはならないので、バッファは大きな電流を流すことが可能なものが用いられる。
【0178】
シフトレジスタは、第1のパルス出力回路10_1乃至第Nのパルス出力回路10_N(Nは3以上の自然数)を有している(図20(A)参照)。図20(A)に示すシフトレジスタの第1のパルス出力回路10_1乃至第Nのパルス出力回路10_Nには、第1の配線11より第1のクロック信号CK1、第2の配線12より第2のクロック信号CK2、第3の配線13より第3のクロック信号CK3、第4の配線14より第4のクロック信号CK4が供給される。また第1のパルス出力回路10_1では、第5の配線15からのスタートパルスSP1(第1のスタートパルス)が入力される。また2段目以降の第nのパルス出力回路10_n(nは、2以上N以下の自然数)では、一段前段のパルス出力回路からの信号(前段信号OUT(n−1)という)(nは2以上N以下の自然数)が入力される。また第1のパルス出力回路10_1では、2段後段の第3のパルス出力回路10_3からの信号が入力される。同様に、または2段目以降の第nのパルス出力回路10_nでは、2段後段の第(n+2)のパルス出力回路10_(n+2)からの信号(後段信号OUT(n+2)という)が入力される。従って各段のパルス出力回路からは、後段及び/または二つ前段のパルス出力回路に入力するための第1の出力信号OUT((1)(SR)〜OUT(SR))、別の配線等に入力される第2の出力信号(OUT(1)〜OUT(N))が出力される。なお、図20(A)に示すように、シフトレジスタの最終段の2つの段には、後段信号OUT(n+2)が入力されないが、一例としては、別途第6の配線16より第2のスタートパルスSP2、第7の配線17より第3のスタートパルスSP3をそれぞれ入力する構成とすればよい。または、別途シフトレジスタの内部で生成された信号であってもよい。例えば、画素部へのパルス出力に寄与しない第(N+1)のパルス出力回路10_(N+1)、第(N+2)のパルス出力回路10_(N+2)を設け(ダミー段ともいう)、当該ダミー段より第2のスタートパルス(SP2)及び第3のスタートパルス(SP3)に相当する信号を生成する構成としてもよい。
【0179】
なお、クロック信号(CK)は、一定の間隔でHレベルとLレベル(L信号、低電源電位レベル、ともいう)を繰り返す信号である。ここで、第1のクロック信号(CK1)〜第4のクロック信号(CK4)は、順に1/4周期分遅延している。本実施の形態では、第1のクロック信号(CK1)〜第4のクロック信号(CK4)を利用して、パルス出力回路の駆動の制御等を行う。なお、クロック信号は、入力される駆動回路に応じて、GCK、SCKということもあるが、ここではCKとして説明を行う
【0180】
第1の入力端子21、第2の入力端子22及び第3の入力端子23は、第1の配線11〜第4の配線14のいずれかと電気的に接続されている。例えば、図20(A)において、第1のパルス出力回路10_1は、第1の入力端子21が第1の配線11と電気的に接続され、第2の入力端子22が第2の配線12と電気的に接続され、第3の入力端子23が第3の配線13と電気的に接続されている。また、第2のパルス出力回路10_2は、第1の入力端子21が第2の配線12と電気的に接続され、第2の入力端子22が第3の配線13と電気的に接続され、第3の入力端子23が第4の配線14と電気的に接続されている。
【0181】
第1のパルス出力回路10_1〜第Nのパルス出力回路10_Nの各々は、第1の入力端子21、第2の入力端子22、第3の入力端子23、第4の入力端子24、第5の入力端子25、第1の出力端子26、第2の出力端子27を有しているとする(図20(B)参照)。第1のパルス出力回路10_1において、第1の入力端子21に第1のクロック信号CK1が入力され、第2の入力端子22に第2のクロック信号CK2が入力され、第3の入力端子23に第3のクロック信号CK3が入力され、第4の入力端子24にスタートパルスが入力され、第5の入力端子25に後段信号OUT(3)が入力され、第1の出力端子26より第1の出力信号OUT(1)(SR)が出力され、第2の出力端子27より第2の出力信号OUT(1)が出力されていることとなる。
【0182】
次に、パルス出力回路の具体的な回路構成の一例について、図20(C)で説明する。
【0183】
第1のパルス出力回路10_1は、第1のトランジスタ31〜第11のトランジスタ41を有している(図20(C)参照)。また、上述した第1の入力端子21〜第5の入力端子25、及び第1の出力端子26、第2の出力端子27に加え、第1の高電源電位VDDが供給される電源線51、第2の高電源電位VCCが供給される電源線52、低電源電位VSSが供給される電源線53から、第1のトランジスタ31〜第11のトランジスタ41に信号、または電源電位が供給される。ここで図20(C)における各電源線の電源電位の大小関係は、第1の電源電位VDDは、第2の電源電位VCC以上の電位とし、第2の電源電位VCCは第3の電源電位VSSより大きい電位とする。なお、第1のクロック信号(CK1)〜第4のクロック信号(CK4)は、一定の間隔でHレベルとLレベルを繰り返す信号であるが、HレベルのときVDD、LレベルのときVSSであるとする。なお電源線51の電位VDDを、電源線52の第2の電源電位VCCより高くすることにより、動作に影響を与えることなく、トランジスタのゲート電極に印加される電位を低く抑えることができ、トランジスタのしきい値のシフトを低減し、劣化を抑制することができる。
【0184】
図20(C)において第1のトランジスタ31は、第1端子が電源線51に電気的に接続され、第2端子が第9のトランジスタ39の第1端子に電気的に接続され、ゲート電極が第4の入力端子24に電気的に接続されている。第2のトランジスタ32は、第1端子が電源線53に電気的に接続され、第2端子が第9のトランジスタ39の第1端子に電気的に接続され、ゲート電極が第4のトランジスタ34のゲート電極に電気的に接続されている。第3のトランジスタ33は、第1端子が第1の入力端子21に電気的に接続され、第2端子が第1の出力端子26に電気的に接続されている。第4のトランジスタ34は、第1端子が電源線53に電気的に接続され、第2端子が第1の出力端子26に電気的に接続されている。第5のトランジスタ35は、第1端子が電源線53に電気的に接続され、第2端子が第2のトランジスタ32のゲート電極及び第4のトランジスタ34のゲート電極に電気的に接続され、ゲート電極が第4の入力端子24に電気的に接続されている。第6のトランジスタ36は、第1端子が電源線52に電気的に接続され、第2端子が第2のトランジスタ32のゲート電極及び第4のトランジスタ34のゲート電極に電気的に接続され、ゲート電極が第5の入力端子25に電気的に接続されている。第7のトランジスタ37は、第1端子が電源線52に電気的に接続され、第2端子が第8のトランジスタ38の第2端子に電気的に接続され、ゲート電極が第3の入力端子23に電気的に接続されている。第8のトランジスタ38は、第1端子が第2のトランジスタ32のゲート電極及び第4のトランジスタ34のゲート電極に電気的に接続され、ゲート電極が第2の入力端子22に電気的に接続されている。第9のトランジスタ39は、第1端子が第1のトランジスタ31の第2端子及び第2のトランジスタ32の第2端子に電気的に接続され、第2端子が第3のトランジスタ33のゲート電極及び第10のトランジスタ40のゲート電極に電気的に接続され、ゲート電極が電源線52と電気的に接続されている。第10のトランジスタ40は、第1端子が第1の入力端子21に電気的に接続され、第2端子が第2の出力端子27に電気的に接続され、ゲート電極が第9のトランジスタ39の第2端子に電気的に接続されている。第11のトランジスタ41は、第1端子が電源線53に電気的に接続され、第2端子が第2の出力端子27に電気的に接続され、ゲート電極が第2のトランジスタ32のゲート電極及び第4のトランジスタ34のゲート電極に電気的に接続されている。
【0185】
図20(C)において、第3のトランジスタ33のゲート電極、第10のトランジスタ40のゲート電極、及び第9のトランジスタ39の第2端子の接続箇所をノードAとする。また、第2のトランジスタ32のゲート電極、第4のトランジスタ34のゲート電極、第5のトランジスタ35の第2端子、第6のトランジスタ36の第2端子、第8のトランジスタ38の第1端子、及び第11のトランジスタ41のゲート電極との接続箇所をノードBとする(図21(A)参照)。
【0186】
図21(A)に、図20(C)で説明したパルス出力回路を第1のパルス出力回路10_1に適用した場合に、第1の入力端子21乃至第5の入力端子25と第1の出力端子26及び第2の出力端子27に入力または出力される信号を示している。
【0187】
具体的には、第1の入力端子21に第1のクロック信号CK1が入力され、第2の入力端子22に第2のクロック信号CK2が入力され、第3の入力端子23に第3のクロック信号CK3が入力され、第4の入力端子24にスタートパルスが入力され、第5の入力端子25に後段信号OUT(3)が入力され、第1の出力端子26より第1の出力信号OUT(1)(SR)が出力され、第2の出力端子27より第2の出力信号OUT(1)が出力される。
【0188】
なお、薄膜トランジスタとは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端子を有する素子である。また、ゲートと重畳した領域にチャネル領域が形成される半導体を有しており、ゲートの電位を制御することで、チャネル領域を介してドレインとソースの間に流れる電流を制御することが出来る。ここで、ソースとドレインとは、薄膜トランジスタの構造や動作条件等によって変わるため、いずれがソースまたはドレインであるかを限定することが困難である。そこで、ソース及びドレインとして機能する領域を、ソースもしくはドレインと呼ばない場合がある。その場合、一例としては、それぞれを第1端子、第2端子と表記する場合がある。
【0189】
ここで、図21(A)に示したパルス出力回路を複数具備するシフトレジスタのタイミングチャートについて図21(B)に示す。なおシフトレジスタが走査線駆動回路である場合、図21(B)中の期間61は垂直帰線期間であり、期間62はゲート選択期間に相当する。
【0190】
なお、図21(A)に示すように、ゲートに第2の電源電位VCCが印加される第9のトランジスタ39を設けておくことにより、ブートストラップ動作の前後において、以下のような利点がある。
【0191】
ゲート電極に第2の電源電位VCCが印加される第9のトランジスタ39がない場合、ブートストラップ動作によりノードAの電位が上昇すると、第1のトランジスタ31の第2端子であるソースの電位が上昇していき、第1の電源電位VDDより大きくなる。そして、第1のトランジスタ31のソースが第1端子側、即ち電源線51側に切り替わる。そのため、第1のトランジスタ31においては、ゲートとソースの間、ゲートとドレインの間ともに、大きなバイアス電圧が印加されるために大きなストレスがかかり、トランジスタの劣化の要因となりうる。そこで、ゲート電極に第2の電源電位VCCが印加される第9のトランジスタ39を設けておくことにより、ブートストラップ動作によりノードAの電位は上昇するものの、第1のトランジスタ31の第2端子の電位の上昇を生じないようにすることができる。つまり、第9のトランジスタ39を設けることにより、第1のトランジスタ31のゲートとソースの間に印加される負のバイアス電圧の値を小さくすることができる。よって、本実施の形態の回路構成とすることにより、第1のトランジスタ31のゲートとソースの間に印加される負のバイアス電圧も小さくできるため、ストレスによる第1のトランジスタ31の劣化を抑制することができる。
【0192】
なお、第9のトランジスタ39を設ける箇所については、第1のトランジスタ31の第2端子と第3のトランジスタ33のゲートとの間に第1端子と第2端子を介して接続されるように設ける構成であればよい。なお、本実施形態でのパルス出力回路を複数具備するシフトレジスタの場合、走査線駆動回路より段数の多い信号線駆動回路では、第9のトランジスタ39を省略してもよく、トランジスタ数を削減できる利点がある。
【0193】
なお、第7のトランジスタ37のゲート電極に第3の入力端子23によって供給されるクロック信号、第8のトランジスタ38のゲート電極に第2の入力端子22によって供給されるクロック信号は、第7のトランジスタ37のゲート電極に第2の入力端子22によって供給されるクロック信号、第8のトランジスタ38のゲート電極に第3の入力端子23によって供給されるクロック信号となるように、結線関係を入れ替えても同様の作用を奏する。この時、図21(A)に示すシフトレジスタにおいて、第7のトランジスタ37及び第8のトランジスタ38が共にオンの状態から、第7のトランジスタ37がオフ、第8のトランジスタ38がオンの状態、次いで第7のトランジスタ37がオフ、第8のトランジスタ38がオフの状態とすることによって、第2の入力端子22及び第3の入力端子23の電位が低下することで生じる、ノードBの電位の低下が第7のトランジスタ37のゲート電極の電位の低下、及び第8のトランジスタ38のゲート電極の電位の低下に起因して2回生じることとなる。一方、図21(A)に示すシフトレジスタにおいて、第7のトランジスタ37及び第8のトランジスタ38が共にオンの状態から、第7のトランジスタ37がオン、第8のトランジスタ38がオフの状態、次いで、第7のトランジスタ37がオフ、第8のトランジスタ38がオフの状態とすることによって、第2の入力端子22及び第3の入力端子23の電位が低下することで生じるノードBの電位の低下を、第8のトランジスタ38のゲート電極の電位の低下による一回に低減することができる。そのため、第7のトランジスタ37のゲート電極に第3の入力端子23からクロック信号CK3が供給され、第8のトランジスタ38のゲート電極に第2の入力端子22からクロック信号CK2が供給される結線関係とすることが好適である。なぜなら、ノードBの電位の変動回数が低減され、またノイズを低減することができるからである。
【0194】
このように、第1の出力端子26及び第2の出力端子27の電位をLレベルに保持する期間に、ノードBに定期的にHレベルの信号が供給される構成とすることにより、パルス出力回路の誤動作を抑制することができる。
【0195】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0196】
(実施の形態7)
薄膜トランジスタを作製し、該薄膜トランジスタを画素部、さらには駆動回路に用いて表示機能を有する半導体装置(表示装置ともいう)を作製することができる。また、薄膜トランジスタを有する駆動回路の一部または全体を、画素部と同じ基板上に一体形成し、システムオンパネルを形成することができる。
【0197】
表示装置は表示素子を含む。表示素子としては液晶素子(液晶表示素子ともいう)、発光素子(発光表示素子ともいう)を用いることができる。発光素子は、電流または電圧によって輝度が制御される素子をその範疇に含んでおり、具体的には無機EL(Electro Luminescence)素子、有機EL素子等が含まれる。また、電子インクなど、電気的作用によりコントラストが変化する表示媒体も適用することができる。
【0198】
また、表示装置は、表示素子が封止された状態にあるパネルと、該パネルにコントローラを含むIC等を実装した状態にあるモジュールとを含む。さらに、該表示装置を作製する過程における、表示素子が完成する前の一形態に相当する素子基板に関し、該素子基板は、電流を表示素子に供給するための手段を複数の各画素に備える。素子基板は、具体的には、表示素子の画素電極(画素電極層ともいう)のみが形成された状態であっても良いし、画素電極となる導電膜を成膜した後であって、エッチングして画素電極を形成する前の状態であっても良いし、あらゆる形態があてはまる。
【0199】
なお、本明細書中における表示装置とは、画像表示デバイス、表示デバイス、もしくは光源(照明装置含む)を指す。また、コネクター、例えばFPC(Flexible printed circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bonding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または表示素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て表示装置に含むものとする。
【0200】
半導体装置の一形態に相当する液晶表示パネルの外観及び断面について、図14を用いて説明する。図14(A1)(A2)は、薄膜トランジスタ4010、4011、及び液晶素子4013を、第1の基板4001と第2の基板4006との間にシール材4005によって封止した、パネルの平面図であり、図14(B)は、図14(A1)(A2)のM−Nにおける断面図に相当する。
【0201】
第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004とを囲むようにして、シール材4005が設けられている。また画素部4002と、走査線駆動回路4004の上に第2の基板4006が設けられている。よって画素部4002と、走査線駆動回路4004とは、第1の基板4001とシール材4005と第2の基板4006とによって、液晶層4008と共に封止されている。また第1の基板4001上のシール材4005によって囲まれている領域とは異なる領域に、別途用意された基板上に単結晶半導体膜又は多結晶半導体膜で形成された信号線駆動回路4003が実装されている。
【0202】
なお、別途形成した駆動回路の接続方法は、特に限定されるものではなく、COG法、ワイヤボンディング法、或いはTAB法などを用いることができる。図14(A1)は、COG方法により信号線駆動回路4003を実装する例であり、図14(A2)は、TAB方法により信号線駆動回路4003を実装する例である。
【0203】
また第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004は、薄膜トランジスタを複数有しており、図14(B)では、画素部4002に含まれる薄膜トランジスタ4010と、走査線駆動回路4004に含まれる薄膜トランジスタ4011とを例示している。薄膜トランジスタ4010、薄膜トランジスタ4011上には絶縁層4020、絶縁層4042、絶縁層4021が設けられている。また、第1の基板4001上には絶縁層4043が設けられ、薄膜トランジスタのゲート電極上には絶縁層4044が設けられている。また、絶縁層4020上にはソース配線4046が設けられており、絶縁層4020に形成されたコンタクトホールを介して、薄膜トランジスタ4010のソース電極またはドレイン電極に接続されている。
【0204】
薄膜トランジスタ4010、薄膜トランジスタ4011は、実施の形態1乃至実施の形態3で示した薄膜トランジスタを適用することができる。本実施の形態において、薄膜トランジスタ4010、薄膜トランジスタ4011はnチャネル型薄膜トランジスタである。
【0205】
絶縁層4021上において、駆動回路用の薄膜トランジスタ4011の半導体層のチャネル形成領域と重なる位置に導電層4040が設けられている。導電層4040を半導体層のチャネル形成領域と重なる位置に設けることによって、薄膜トランジスタ4011のしきい値電圧を制御することができる。また、BT試験前後における薄膜トランジスタ4011のしきい値電圧の変化量を低減することができる。また、導電層4040は、電位が薄膜トランジスタ4011のゲート電極と同じでもよいし、異なっていても良く、第2のゲート電極として機能させることもできる。また、導電層4040の電位がGND、0V、或いはフローティング状態であってもよい。
【0206】
また、液晶素子4013が有する画素電極層4030は、薄膜トランジスタ4010と電気的に接続されている。そして液晶素子4013の対向電極層4031は第2の基板4006上に形成されている。画素電極層4030と対向電極層4031と液晶層4008とが重なっている部分が、液晶素子4013に相当する。なお、画素電極層4030、対向電極層4031はそれぞれ配向膜として機能する絶縁層4032、絶縁層4033が設けられ、絶縁層4032、絶縁層4033を介して液晶層4008を挟持している。
【0207】
なお、第1の基板4001、第2の基板4006としては、透光性基板を用いることができ、ガラス、セラミックス、プラスチックを用いることができる。プラスチックとしては、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)板、PVF(ポリビニルフルオライド)フィルム、ポリエステルフィルムまたはアクリル樹脂フィルムを用いることができる。
【0208】
またスペーサ4035は、絶縁膜を選択的にエッチングすることで得られる柱状のスペーサであり、画素電極層4030と対向電極層4031との間の距離(セルギャップ)を制御するために設けられている。なおスペーサ4035として球状のスペーサを用いてもよい。また、対向電極層4031は、薄膜トランジスタ4010と同一基板上に設けられる共通電位線と電気的に接続される。共通接続部を用いて、一対の基板間に配置される導電性粒子を介して対向電極層4031と共通電位線とを電気的に接続することができる。なお、導電性粒子はシール材4005に含有させてもよい。
【0209】
また、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために5重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を用いて液晶層4008に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が1msec以下と短く、光学的等方性であるため配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。
【0210】
なお透過型液晶表示装置の他に、半透過型液晶表示装置でも適用できる。
【0211】
また、液晶表示装置では、基板の外側(視認側)に偏光板を設け、内側に着色層、表示素子に用いる電極層という順に設ける例を示すが、偏光板は基板の内側に設けてもよい。また、偏光板と着色層の積層構造も本実施の形態に限定されず、偏光板及び着色層の材料や作製工程条件によって適宜設定すればよい。
【0212】
また、薄膜トランジスタの表面凹凸を低減するため、絶縁層4021を平坦化絶縁膜として用いてもよい。平坦化絶縁膜としては、ポリイミド、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂等の、耐熱性を有する有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、絶縁層4021を形成してもよい。
【0213】
なおシロキサン系樹脂とは、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサン系樹脂は置換基としては有機基(例えばアルキル基やアリール基)やフルオロ基を用いても良い。また、有機基はフルオロ基を有していても良い。
【0214】
絶縁層4021の形成法は、特に限定されず、その材料に応じて、スパッタ法、SOG法、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリーン印刷、オフセット印刷等)、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター等を用いることができる。絶縁層4021の焼成工程と半導体層のアニールを兼ねることで効率よく半導体装置を作製することが可能となる。
【0215】
画素電極層4030、対向電極層4031は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する透光性の導電性材料を用いることができる。
【0216】
また、画素電極層4030、対向電極層4031として、導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性組成物を用いて形成した画素電極は、シート抵抗が10000Ω/□以下、波長550nmにおける透光率が70%以上であることが好ましい。また、導電性組成物に含まれる導電性高分子の抵抗率が0.1Ω・cm以下であることが好ましい。
【0217】
導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子を用いることができる。例えば、ポリアニリンまたはその誘導体、ポリピロールまたはその誘導体、ポリチオフェンまたはその誘導体、若しくはこれらの2種以上の共重合体などがあげられる。
【0218】
また別途形成された信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004または画素部4002に与えられる各種信号及び電位は、FPC4018から供給されている。
【0219】
接続端子電極4015は、液晶素子4013が有する画素電極層4030と同じ導電膜から形成され、端子電極4016は、薄膜トランジスタ4010、4011のソース電極及びドレイン電極と同じ導電膜で形成されている。
【0220】
接続端子電極4015は、FPC4018が有する端子と、異方性導電膜4019を介して電気的に接続されている。
【0221】
また図14においては、信号線駆動回路4003を別途形成し、第1の基板4001に実装している例を示しているがこの構成に限定されない。走査線駆動回路を別途形成して実装しても良いし、信号線駆動回路の一部または走査線駆動回路の一部のみを別途形成して実装しても良い。
【0222】
図23は、本明細書に開示する作製方法により作製されるTFT基板2600を用いて半導体装置として液晶表示モジュールを構成する一例を示している。
【0223】
図23は液晶表示モジュールの一例であり、TFT基板2600と対向基板2601がシール材2602により固着され、その間にTFT等を含む画素部2603、液晶層を含む表示素子2604、着色層2605が設けられ表示領域を形成している。着色層2605はカラー表示を行う場合に必要であり、RGB方式の場合は、赤、緑、青の各色に対応した着色層が各画素に対応して設けられている。TFT基板2600と対向基板2601の外側には偏光板2606、偏光板2607、拡散板2613が配設されている。光源は冷陰極管2610と反射板2611により構成され、回路基板2612は、フレキシブル配線基板2609によりTFT基板2600の配線回路部2608と接続され、コントロール回路や電源回路などの外部回路が組みこまれている。また偏光板と、液晶層との間に位相差板を有した状態で積層してもよい。
【0224】
液晶表示モジュールには、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、MVA(Multi−domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モードなどを用いることができる。
【0225】
以上の工程により、半導体装置として信頼性の高い液晶表示パネルを作製することができる。
【0226】
本明細書に開示する表示装置を用いて上記液晶表示装置を作製することにより、ゲート配線やソース配線を、Cuを含む導電材料で形成することができるので、配線抵抗の増大を防ぐことができる。これにより、上記液晶表示装置の高速化及び省電力化を図ることができるので、大画面、高精細画面に対応しうる液晶表示装置を提供することができる。
【0227】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0228】
(実施の形態8)
半導体装置の一形態として電子ペーパーの例を示す。
【0229】
実施の形態1乃至実施の形態4で開示した薄膜トランジスタは、スイッチング素子と電気的に接続する素子を利用して電子インクを駆動させる電子ペーパーに用いてもよい。電子ペーパーは、電気泳動表示装置(電気泳動ディスプレイ)とも呼ばれており、紙と同じ読みやすさ、他の表示装置に比べ低消費電力、薄くて軽い形状とすることが可能という利点を有している。
【0230】
電気泳動ディスプレイは、様々な形態が考えられ得るが、プラスの電荷を有する第1の粒子と、マイナスの電荷を有する第2の粒子とを含むマイクロカプセルが溶媒または溶質に複数分散されており、マイクロカプセルに電界を印加することによって、マイクロカプセル中の粒子を互いに反対方向に移動させて一方側に集合した粒子の色のみを表示するものである。なお、第1の粒子または第2の粒子は染料を含み、電界がない場合において移動しないものである。また、第1の粒子の色と第2の粒子の色は異なるもの(無色を含む)とする。
【0231】
このように、電気泳動ディスプレイは、誘電定数の高い物質が高い電界領域に移動する、いわゆる誘電泳動的効果を利用したディスプレイである。
【0232】
上記マイクロカプセルを溶媒中に分散させたものが電子インクと呼ばれるものであり、この電子インクはガラス、プラスチック、布、紙などの表面に印刷することができる。また、カラーフィルタや色素を有する粒子を用いることによってカラー表示も可能である。
【0233】
また、アクティブマトリクス基板上に適宜、二つの電極の間に挟まれるように上記マイクロカプセルを複数配置すればアクティブマトリクス型の表示装置が完成し、マイクロカプセルに電界を印加すれば表示を行うことができる。例えば、実施の形態1及び実施の形態2で開示した薄膜トランジスタによって得られるアクティブマトリクス基板を用いることができる。
【0234】
なお、マイクロカプセル中の第1の粒子および第2の粒子は、導電体材料、絶縁体材料、半導体材料、磁性材料、液晶材料、強誘電性材料、エレクトロルミネセント材料、エレクトロクロミック材料、磁気泳動材料から選ばれた一種の材料、またはこれらの複合材料を用いればよい。
【0235】
図22は、半導体装置の例としてアクティブマトリクス型の電子ペーパーを示す。半導体装置に用いられる薄膜トランジスタ581としては、実施の形態1乃至実施の形態3で示す薄膜トランジスタと同様に作製できる。
【0236】
図22の電子ペーパーは、ツイストボール表示方式を用いた表示装置の例である。ツイストボール表示方式とは、白と黒に塗り分けられた球形粒子を表示素子に用いる電極層である第1の電極層及び第2の電極層の間に配置し、第1の電極層及び第2の電極層に電位差を生じさせての球形粒子の向きを制御することにより、表示を行う方法である。
【0237】
基板580上に形成された薄膜トランジスタ581はボトムゲート構造の薄膜トランジスタであり、半導体層と接する絶縁層583に覆われている。また、基板580上には、絶縁層591が形成され、薄膜トランジスタのゲート電極上には絶縁層592が形成され、絶縁層592上には半導体層597が形成されている。また、半導体層597上には、薄膜トランジスタ581のソース電極582a及びドレイン電極582bが形成され、半導体層597、ソース電極582a及びドレイン電極582bは、絶縁層583で覆われている。また、絶縁層583上にはソース配線599a及びソース配線599bが形成されており、絶縁層583に形成されたコンタクトホールを介して薄膜トランジスタ581のソース電極582aに接続されている。また、ソース配線599a、ソース配線599b、及び薄膜トランジスタ581を覆って、絶縁層598が形成されている。
【0238】
薄膜トランジスタ581のドレイン電極582bは、第1の電極層587と、絶縁層585に形成する開口で接しており電気的に接続している。第1の電極層587と基板596に形成された第2の電極層588との間には黒色領域590a及び白色領域590bを有し、周りに液体で満たされているキャビティ594を含む球形粒子589が設けられており、球形粒子589の周囲は樹脂等の充填材595で充填されている。第1の電極層587が画素電極に相当し、第2の電極層588が共通電極に相当する。第2の電極層588は、薄膜トランジスタ581と同一基板上に設けられる共通電位線と電気的に接続される。共通接続部を用いて、一対の基板間に配置される導電性粒子を介して第2の電極層588と共通電位線とを電気的に接続することができる。
【0239】
また、ツイストボールの代わりに、電気泳動素子を用いることも可能である。透明な液体と、正に帯電した白い微粒子と負に帯電した黒い微粒子とを封入した直径10μm〜200μm程度のマイクロカプセルを用いる。第1の電極層と第2の電極層との間に設けられるマイクロカプセルは、第1の電極層と第2の電極層によって、電場が与えられると、白い微粒子と、黒い微粒子が逆の方向に移動し、白または黒を表示することができる。この原理を応用した表示素子が電気泳動表示素子であり、電気泳動表示素子を用いたデバイスは一般的に電子ペーパーとよばれている。電気泳動表示素子は、液晶表示素子に比べて反射率が高いため、補助ライトは不要であり、また消費電力が小さく、薄暗い場所でも表示部を認識することが可能である。また、表示部に電源が供給されない場合であっても、一度表示した像を保持することが可能であるため、電波発信源から表示機能付き半導体装置(単に表示装置、又は表示装置を具備する半導体装置ともいう)を切断した場合であっても、表示された像を保存しておくことが可能となる。
【0240】
以上の工程により、半導体装置として信頼性の高い電子ペーパーを作製することができる。
【0241】
実施の形態1乃至実施の形態3に示す表示装置を用いて上記電子ペーパーを作製することにより、ゲート配線やソース配線を、Cuを含む導電材料で形成することができるので、配線抵抗の増大を防ぐことができる。これにより、上記電子ペーパーの高速化及び省電力化を図ることができるので、大画面、高精細画面に対応しうる電子ペーパーを提供することができる。
【0242】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0243】
(実施の形態9)
半導体装置として発光表示装置の例を示す。表示装置の有する表示素子としては、ここではエレクトロルミネッセンスを利用する発光素子を用いて示す。エレクトロルミネッセンスを利用する発光素子は、発光材料が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって区別され、一般的に、前者は有機EL素子、後者は無機EL素子と呼ばれている。
【0244】
有機EL素子は、発光素子に電圧を印加することにより、一対の電極から電子および正孔がそれぞれ発光性の有機化合物を含む層に注入され、電流が流れる。そして、それらキャリア(電子および正孔)が再結合することにより、発光性の有機化合物が励起状態を形成し、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。このようなメカニズムから、このような発光素子は、電流励起型の発光素子と呼ばれる。
【0245】
無機EL素子は、その素子構成により、分散型無機EL素子と薄膜型無機EL素子とに分類される。分散型無機EL素子は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた発光層を有するものであり、発光メカニズムはドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー−アクセプター再結合型発光である。薄膜型無機EL素子は、発光層を誘電体層で挟み込み、さらにそれを電極で挟んだ構造であり、発光メカニズムは金属イオンの内殻電子遷移を利用する局在型発光である。なお、ここでは、発光素子として有機EL素子を用いて説明する。
【0246】
図16は、半導体装置の例としてデジタル時間階調駆動を適用可能な画素構成の一例を示す図である。
【0247】
デジタル時間階調駆動を適用可能な画素の構成及び画素の動作について説明する。ここではnチャネル型のトランジスタを1つの画素に2つ用いる例を示す。
【0248】
画素6400は、スイッチング用トランジスタ6401、発光素子駆動用トランジスタ6402、発光素子6404及び容量素子6403を有している。スイッチング用トランジスタ6401はゲートが走査線6406に接続され、第1電極(ソース電極及びドレイン電極の一方)が信号線6405に接続され、第2電極(ソース電極及びドレイン電極の他方)が発光素子駆動用トランジスタ6402のゲートに接続されている。発光素子駆動用トランジスタ6402は、ゲートが容量素子6403を介して電源線6407に接続され、第1電極が電源線6407に接続され、第2電極が発光素子6404の第1電極(画素電極)に接続されている。発光素子6404の第2電極は共通電極6408に相当する。共通電極6408は、同一基板上に形成される共通電位線と電気的に接続される。
【0249】
なお、発光素子6404の第2電極(共通電極6408)には低電源電位が設定されている。なお、低電源電位とは、電源線6407に設定される高電源電位を基準にして、高電源電位よりも低い電位であり、低電源電位としては例えばGND、0Vなどが設定されていても良い。この高電源電位と低電源電位との電位差を発光素子6404に印加して、発光素子6404に電流を流して発光素子6404を発光させるため、高電源電位と低電源電位との電位差が発光素子6404の順方向しきい値電圧以上となるようにそれぞれの電位を設定する。
【0250】
なお、容量素子6403は発光素子駆動用トランジスタ6402のゲート容量を代用して省略することも可能である。発光素子駆動用トランジスタ6402のゲート容量については、チャネル領域とゲート電極との間で容量が形成されていてもよい。
【0251】
ここで、電圧入力電圧駆動方式の場合には、発光素子駆動用トランジスタ6402のゲートには、発光素子駆動用トランジスタ6402が十分にオンするか、オフするかの二つの状態となるようなビデオ信号を入力する。つまり、発光素子駆動用トランジスタ6402は線形領域で動作させる。発光素子駆動用トランジスタ6402は線形領域で動作させるため、電源線6407の電圧よりも高い電圧を発光素子駆動用トランジスタ6402のゲートにかける。なお、信号線6405には、(電源線電圧+発光素子駆動用トランジスタ6402のVth)以上の電圧をかける。
【0252】
また、デジタル時間階調駆動に代えて、アナログ階調駆動を行う場合、信号の入力を異ならせることで、図16と同じ画素構成を用いることができる。
【0253】
アナログ階調駆動を行う場合、発光素子駆動用トランジスタ6402のゲートに発光素子6404の順方向電圧+発光素子駆動用トランジスタ6402のVth以上の電圧をかける。発光素子6404の順方向電圧とは、所望の輝度とする場合の電圧を指しており、少なくとも順方向しきい値電圧よりも大きい。なお、発光素子駆動用トランジスタ6402が飽和領域で動作するようなビデオ信号を入力することで、発光素子6404に電流を流すことができる。発光素子駆動用トランジスタ6402を飽和領域で動作させるため、電源線6407の電位は、発光素子駆動用トランジスタ6402のゲート電位よりも高くする。ビデオ信号をアナログとすることで、発光素子6404にビデオ信号に応じた電流を流し、アナログ階調駆動を行うことができる。
【0254】
なお、図16に示す画素構成は、これに限定されない。例えば、図16に示す画素に新たにスイッチ、抵抗素子、容量素子、トランジスタ又は論理回路などを追加してもよい。
【0255】
次に、発光素子の構成について、図17を用いて説明する。ここでは、駆動用TFTがn型の場合を例に挙げて、画素の断面構造について説明する。図17(A)(B)(C)の半導体装置に用いられる発光素子駆動用TFT7001、7011、7021は、実施の形態1乃至実施の形態3で示す薄膜トランジスタと同様に作製できる。
【0256】
発光素子は発光を取り出すために少なくとも陽極又は陰極の一方が透明であればよい。そして、基板上に薄膜トランジスタ及び発光素子を形成し、基板とは逆側の面から発光を取り出す上面射出や、基板側の面から発光を取り出す下面射出や、基板側及び基板とは反対側の面から発光を取り出す両面射出構造の発光素子があり、画素構成はどの射出構造の発光素子にも適用することができる。
【0257】
下面射出構造の発光素子について図17(A)を用いて説明する。
【0258】
発光素子駆動用TFT7011がn型で、発光素子7012から発せられる光が陰極7013側に射出する場合の、画素の断面図を示す。図17(A)では、発光素子駆動用TFT7011と電気的に接続された透光性を有する導電膜7017上に、発光素子7012の陰極7013が形成されており、陰極7013上にEL層7014、陽極7015が順に積層されている。また、基板上には、絶縁層7031が形成され、発光素子駆動用TFT7011のゲート電極上には絶縁層7032が形成され、発光素子駆動用TFT7011のソース電極及びドレイン電極上には絶縁層7037、絶縁層7039が形成される。また、絶縁層7037上にはソース配線7018a及びソース配線7018bが形成されており、絶縁層7037に形成されたコンタクトホールを介して発光素子駆動用TFT7011のソース電極に接続されている。なお、透光性を有する導電膜7017は、保護絶縁層7035、オーバーコート層7034、カラーフィルタ層7033、絶縁層7039、絶縁層7037に形成されたコンタクトホールを介して発光素子駆動用TFT7011のドレイン電極と電気的に接続されている。
【0259】
透光性を有する導電膜7017としては、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電膜を用いることができる。
【0260】
また、陰極7013は様々な材料を用いることができるが、仕事関数が小さい材料、例えば、具体的には、LiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(Mg:Ag、Al:Liなど)の他、YbやEr等の希土類金属等が好ましい。図17(A)では、陰極7013の膜厚は、光を透過する程度(好ましくは、5nm〜30nm程度)とする。例えば20nmの膜厚を有するアルミニウム膜を、陰極7013として用いる。
【0261】
なお、透光性を有する導電膜とアルミニウム膜を積層成膜した後、選択的にエッチングして透光性を有する導電膜7017と陰極7013を形成してもよく、この場合、同じマスクを用いてエッチングすることができ、好ましい。
【0262】
また、陰極7013の周縁部は、隔壁7019で覆う。隔壁7019は、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂等の有機樹脂膜、無機絶縁膜または有機ポリシロキサンを用いて形成する。隔壁7019は、特に感光性の樹脂材料を用い、陰極7013上に開口部を形成し、その開口部の側壁が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。隔壁7019として感光性の樹脂材料を用いる場合、レジストマスクを形成する工程を省略することができる。
【0263】
また、陰極7013及び隔壁7019上に形成するEL層7014は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでも良い。EL層7014が複数の層で構成されている場合、陰極7013上に電子注入層、電子輸送層、発光層、ホール輸送層、ホール注入層の順に積層する。なおこれらの層を全て設ける必要はない。
【0264】
また、上記積層順に限定されず、陰極7013上にホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層の順に積層してもよい。ただし、消費電力を比較する場合、陰極7013上に電子注入層、電子輸送層、発光層、ホール輸送層、ホール注入層の順に積層するほうが消費電力が少ないため好ましい。
【0265】
また、EL層7014上に形成する陽極7015としては、様々な材料を用いることができるが、仕事関数が大きい材料、例えば、窒化チタン、窒化ジルコニウム、Ti、W、Ni、Pt、Cr等や、ITO、IZO、ZnOなどの透明導電性材料が好ましい。また、陽極7015上に遮蔽膜7016、例えば光を遮光する金属、光を反射する金属等を用いる。本実施の形態では、陽極7015としてITO膜を用い、遮蔽膜7016としてTi膜を用いる。
【0266】
陰極7013及び陽極7015で、EL層7014を挟んでいる領域が発光素子7012に相当する。図17(A)に示した素子構造の場合、発光素子7012から発せられる光は、矢印で示すように陰極7013側に射出する。
【0267】
なお、図17(A)ではゲート電極として透光性を有する導電膜を用いる例を示しており、発光素子7012から発せられる光は、カラーフィルタ層7033を通過して射出させる。
【0268】
カラーフィルタ層7033はインクジェット法などの液滴吐出法や、印刷法、フォトリソグラフィ技術を用いたエッチング方法などでそれぞれ形成する。
【0269】
また、カラーフィルタ層7033はオーバーコート層7034で覆われ、さらに保護絶縁層7035によって覆う。なお、図17(A)ではオーバーコート層7034は薄い膜厚で図示したが、オーバーコート層7034は、カラーフィルタ層7033に起因する凹凸を平坦化する機能を有している。
【0270】
また、保護絶縁層7035、オーバーコート層7034、カラーフィルタ層7033、絶縁層7037、及び絶縁層7039に形成され、且つ、ドレイン電極に達するコンタクトホールは、隔壁7019と重なる位置に配置する。図17(A)では、ドレイン電極に達するコンタクトホールと、隔壁7019と、を重ねるレイアウトとすることで開口率の向上を図ることができる。
【0271】
次に、両面射出構造の発光素子について、図17(B)を用いて説明する。
【0272】
図17(B)では、発光素子駆動用TFT7021と電気的に接続された透光性を有する導電膜7027上に、発光素子7022の陰極7023が形成されており、陰極7023上にEL層7024、陽極7025が順に積層されている。また、基板上には、絶縁層7041が形成され、発光素子駆動用TFT7021のゲート電極上には絶縁層7042が形成され、発光素子駆動用TFT7021のソース電極及びドレイン電極上には絶縁層7047、絶縁層7049が形成される。また、絶縁層7047上にはソース配線7028a及びソース配線7028bが形成されており、絶縁層7047に形成されたコンタクトホールを介して発光素子駆動用TFT7021のソース電極に接続されている。なお、透光性を有する導電膜7027は、保護絶縁層7045、オーバーコート層7044、カラーフィルタ層7043、絶縁層7049、絶縁層7047に形成されたコンタクトホールを介して発光素子駆動用TFT7021のドレイン電極と電気的に接続されている。
【0273】
透光性を有する導電膜7027としては、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電膜を用いることができる。
【0274】
また、陰極7023は様々な材料を用いることができるが、仕事関数が小さい材料、例えば、具体的には、LiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(Mg:Ag、Al:Liなど)の他、YbやEr等の希土類金属等が好ましい。本実施の形態では、陰極7023の膜厚は、光を透過する程度(好ましくは、5nm〜30nm程度)とする。例えば20nmの膜厚を有するアルミニウム膜を、陰極7023として用いる。
【0275】
なお、透光性を有する導電膜とアルミニウム膜を積層成膜した後、選択的にエッチングして透光性を有する導電膜7027と陰極7023を形成してもよく、この場合、同じマスクを用いてエッチングすることができ、好ましい。
【0276】
また、陰極7023の周縁部は、隔壁7029で覆う。隔壁7029は、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂等の有機樹脂膜、無機絶縁膜または有機ポリシロキサンを用いて形成する。隔壁7029は、特に感光性の樹脂材料を用い、陰極7023上に開口部を形成し、その開口部の側壁が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。隔壁7029として感光性の樹脂材料を用いる場合、レジストマスクを形成する工程を省略することができる。
【0277】
また、陰極7023及び隔壁7029上に形成するEL層7024は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでも良い。EL層7024が複数の層で構成されている場合、陰極7023上に電子注入層、電子輸送層、発光層、ホール輸送層、ホール注入層の順に積層する。なおこれらの層を全て設ける必要はない。
【0278】
また、上記積層順に限定されず、陰極7023上にホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層の順に積層してもよい。ただし、消費電力を比較する場合、陰極7023上に電子注入層、電子輸送層、発光層、ホール輸送層、ホール注入層の順に積層するほうが消費電力が少ないため好ましい。
【0279】
また、EL層7024上に形成する陽極7025としては、様々な材料を用いることができるが、仕事関数が大きい材料、例えば、ITO、IZO、ZnOなどの透明導電性材料が好ましい。本実施の形態では、陽極7025として酸化珪素を含むITO膜を用いる。
【0280】
陰極7023及び陽極7025で、EL層7024を挟んでいる領域が発光素子7022に相当する。図17(B)に示した素子構造の場合、発光素子7022から発せられる光は、矢印で示すように陽極7025側と陰極7023側の両方に射出する。
【0281】
なお、図17(B)ではゲート電極層として透光性を有する導電膜を用いる例を示しており、発光素子7022から陰極7023側に発せられる光は、カラーフィルタ層7043を通過して射出させる。
【0282】
カラーフィルタ層7043はインクジェット法などの液滴吐出法や、印刷法、フォトリソグラフィ技術を用いたエッチング方法などでそれぞれ形成する。
【0283】
また、カラーフィルタ層7043はオーバーコート層7044で覆われ、さらに保護絶縁層7045によって覆う。
【0284】
また、保護絶縁層7045、オーバーコート層7044及びカラーフィルタ層7043、絶縁層7047、7049に形成され、且つ、ドレイン電極に達するコンタクトホールは、隔壁7029と重なる位置に配置する。ドレイン電極に達するコンタクトホールと、隔壁7029とを重ねるレイアウトとすることで陽極7025側の開口率と陰極7023側の開口率をほぼ同一とすることができる。
【0285】
ただし、両面射出構造の発光素子を用い、どちらの表示面もフルカラー表示とする場合、陽極7025側からの光はカラーフィルタ層7043を通過しないため、別途カラーフィルタ層を備えた封止基板を陽極7025上方に設けることが好ましい。
【0286】
次に、上面射出構造の発光素子について、図17(C)を用いて説明する。
【0287】
図17(C)に、発光素子駆動用TFT7001がnチャネル型で、発光素子7002から発せられる光が陽極7005側に抜ける場合の、画素の断面図を示す。図17(C)では、発光素子駆動用TFT7001と電気的に接続された発光素子7002の陰極7003が形成されており、陰極7003上にEL層7004、陽極7005が順に積層されている。また、基板上には、絶縁層7051が形成され発光素子駆動用TFT7001のゲート電極上には絶縁層7052が形成され、発光素子駆動用TFT7001のソース電極及びドレイン電極上には絶縁層7057、絶縁層7059が形成される。また、絶縁層7057上にはソース配線7008a及びソース配線7008bが形成されており、絶縁層7057に形成されたコンタクトホールを介して発光素子駆動用TFT7001のソース電極に接続されている。なお、陰極7003は、絶縁層7057、7059に形成されたコンタクトホールを介して発光素子駆動用TFT7001のドレイン電極と電気的に接続されている。
【0288】
また、陰極7003は様々な材料を用いることができるが、仕事関数が小さい材料、例えば、具体的には、LiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(Mg:Ag、Al:Liなど)の他、YbやEr等の希土類金属等が好ましい。
【0289】
また、陰極7003の周縁部は、隔壁7009で覆う。隔壁7009は、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂等の有機樹脂膜、無機絶縁膜または有機ポリシロキサンを用いて形成する。隔壁7009は、特に感光性の樹脂材料を用い、陰極7003上に開口部を形成し、その開口部の側壁が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。隔壁7009として感光性の樹脂材料を用いる場合、レジストマスクを形成する工程を省略することができる。
【0290】
また、陰極7003及び隔壁7009上に形成するEL層7004は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでも良い。EL層7004が複数の層で構成されている場合、陰極7003上に電子注入層、電子輸送層、発光層、ホール輸送層、ホール注入層の順に積層する。なおこれらの層を全て設ける必要はない。
【0291】
また、上記積層順に限定されず、陰極7003上にホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層の順に積層してもよい。この順に積層する場合は、陰極7003は陽極として機能することとなる。
【0292】
図17(C)では、Ti膜、アルミニウム膜、Ti膜の順に積層した積層膜上に、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層の順に積層し、その上にMg:Ag合金薄膜とITOとの積層を形成する。
【0293】
ただし、消費電力を比較する場合、陰極7003上に電子注入層、電子輸送層、発光層、ホール輸送層、ホール注入層の順に積層するほうが消費電力が少ないため好ましい。
【0294】
陽極7005は光を透過する透光性を有する導電性材料を用いて形成し、例えば酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電膜を用いても良い。
【0295】
陰極7003及び陽極7005でEL層7004を挟んでいる領域が発光素子7002に相当する。図17(C)に示した画素の場合、発光素子7002から発せられる光は、矢印で示すように陽極7005側に射出する。
【0296】
また、図17(C)において、発光素子駆動用TFT7001のドレイン電極は、絶縁層7057、絶縁層7059に形成されたコンタクトホールを介して陰極7003と電気的に接続する。平坦化絶縁層7053は、ポリイミド、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂等の有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、平坦化絶縁層7053を形成してもよい。平坦化絶縁層7053の形成法は、特に限定されず、その材料に応じて、スパッタ法、SOG法、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリーン印刷、オフセット印刷等)、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター等を用いることができる。また、平坦化絶縁層7053上に、保護絶縁層7055が形成されている。
【0297】
また、陰極7003と、隣り合う画素の陰極とを絶縁するために隔壁7009を設ける。隔壁7009は、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂等の有機樹脂膜、無機絶縁膜または有機ポリシロキサンを用いて形成する。隔壁7009は、特に感光性の樹脂材料を用い、陰極7003上に開口部を形成し、その開口部の側壁が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。隔壁7009として感光性の樹脂材料を用いる場合、レジストマスクを形成する工程を省略することができる。
【0298】
また、図17(C)の構造においては、フルカラー表示を行う場合、例えば発光素子7002として緑色発光素子とし、隣り合う一方の発光素子を赤色発光素子とし、もう一方の発光素子を青色発光素子とする。また、3種類の発光素子だけでなく白色素子を加えた4種類の発光素子でフルカラー表示ができる発光表示装置を作製してもよい。
【0299】
また、図17(C)の構造においては、配置する複数の発光素子を全て白色発光素子として、発光素子7002上方にカラーフィルタなどを有する封止基板を配置する構成とし、フルカラー表示ができる発光表示装置を作製してもよい。白色などの単色の発光を示す材料を形成し、カラーフィルタや色変換層を組み合わせることによりフルカラー表示を行うことができる。
【0300】
もちろん単色発光の表示を行ってもよい。例えば、白色発光を用いて照明装置を形成してもよいし、単色発光を用いてエリアカラータイプの発光装置を形成してもよい。
【0301】
また、必要があれば、円偏光板などの偏光フィルムなどの光学フィルムを設けてもよい。
【0302】
なお、ここでは、発光素子として有機EL素子について述べたが、発光素子として無機EL素子を設けることも可能である。
【0303】
なお、発光素子の駆動を制御する薄膜トランジスタ(発光素子駆動用TFT)と発光素子が電気的に接続されている例を示したが、発光素子駆動用TFTと発光素子との間に電流制御用TFTが接続されている構成であってもよい。
【0304】
また、発光素子、及び隔壁を設けない構成であれば、本実施の形態は液晶表示装置にも適用することができる。液晶表示装置の場合について図37に示す。
【0305】
図37では、駆動用TFT7061と電気的に接続された透光性を有する導電膜7067を有しする。また、基板上には、絶縁層7071が形成され、駆動用TFT7061のゲート電極上には絶縁層7072が形成され、駆動用TFT7061のソース電極及びドレイン電極上には絶縁層7077、絶縁層7079が形成される。また、絶縁層7077上にはソース配線7068a及びソース配線7068bが形成されており、絶縁層7077に形成されたコンタクトホールを介して駆動用TFT7061のソース電極に接続されている。透光性を有する導電膜7067は、絶縁層7077、絶縁層7079に形成されたコンタクトホールを介して駆動用TFT7061のドレイン電極と電気的に接続されている。
【0306】
透光性を有する導電膜7067としては、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電膜を用いることができる。
【0307】
なお、図37では、バックライトなどから発せられる光は、カラーフィルタ層7063を通過して射出させる。カラーフィルタ層7063はインクジェット法などの液滴吐出法や、印刷法、フォトリソグラフィ技術を用いたエッチング方法などでそれぞれ形成する。
【0308】
また、カラーフィルタ層7063はオーバーコート層7064で覆われ、さらに保護絶縁層7065によって覆われる。なお、オーバーコート層7064は薄い膜厚で図示したが、オーバーコート層7064は、カラーフィルタ層7063に起因する凹凸を平坦化する機能を有している。
【0309】
さらに透光性を有する導電膜7067の上に液晶層を設けることにより、液晶表示装置に適用することができる。
【0310】
次に、半導体装置の一形態に相当する発光表示パネル(発光パネルともいう)の外観及び断面について、図15を用いて説明する。図15(A)は、第1の基板上に形成された薄膜トランジスタ及び発光素子を、第2の基板との間にシール材によって封止した、パネルの平面図であり、図15(B)は、図15(A)のH−Iにおける断面図に相当する。
【0311】
第1の基板4501上に設けられた画素部4502、信号線駆動回路4503a、4503b、及び走査線駆動回路4504a、4504bを囲むようにして、シール材4505が設けられている。また画素部4502、信号線駆動回路4503a、4503b、及び走査線駆動回路4504a、4504bの上に第2の基板4506が設けられている。よって画素部4502、信号線駆動回路4503a、4503b、及び走査線駆動回路4504a、4504bは、第1の基板4501とシール材4505と第2の基板4506とによって、充填材4507と共に密封されている。このように外気に曝されないように気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(貼り合わせフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)やカバー材で画素部4502、信号線駆動回路4503a、信号線駆動回路4503b、及び走査線駆動回路4504a、走査線駆動回路4504bをパッケージング(封入)することが好ましい。
【0312】
また第1の基板4501上に設けられた画素部4502、信号線駆動回路4503a、4503b、及び走査線駆動回路4504a、4504bは、薄膜トランジスタを複数有しており、図15(B)では、画素部4502に含まれる薄膜トランジスタ4510と、信号線駆動回路4503aに含まれる薄膜トランジスタ4509とを例示している。薄膜トランジスタ4509、4510上には絶縁層4541、絶縁層4543が設けられ、薄膜トランジスタ4510上には絶縁層4544が設けられている。また、第1の基板4501上には絶縁層4545が設けられ、薄膜トランジスタのゲート電極上には絶縁層4546が設けられている。また、絶縁層4541上にはソース配線4548が設けられており、絶縁層4541に形成されたコンタクトホールを介して、薄膜トランジスタ4510のソース電極に接続されている。
【0313】
薄膜トランジスタ4509、4510は、実施の形態1乃至実施の形態3で示した薄膜トランジスタを適用することができる。本実施の形態において、薄膜トランジスタ4509、4510はnチャネル型薄膜トランジスタである。
【0314】
絶縁層4543上において、駆動回路用の薄膜トランジスタ4509の半導体層のチャネル形成領域と重なる位置に導電層4540が設けられている。導電層4540を半導体層のチャネル形成領域と重なる位置に設けることによって、薄膜トランジスタ4509のしきい値電圧を制御することができる。また、BT試験前後における薄膜トランジスタ4509のしきい値電圧の変化量を低減することができる。また、導電層4540は、電位が薄膜トランジスタ4509のゲート電極と同じでもよいし、異なっていても良く、第2のゲート電極として機能させることもできる。また、導電層4540の電位がGND、0V、或いはフローティング状態であってもよい。
【0315】
また、平坦化絶縁膜として絶縁層4544を形成する。絶縁層4544としては、実施の形態7で示した絶縁層4021と同様な材料及び方法で形成すればよい。ここでは、絶縁層としてアクリル樹脂を用いる。
【0316】
また4511は発光素子に相当し、発光素子4511が有する画素電極である第1の電極層4517は、薄膜トランジスタ4510のソース電極またはドレイン電極と電気的に接続されている。なお発光素子4511の構成は、第1の電極層4517、電界発光層4512、第2の電極層4513の積層構造であるが、示した構成に限定されない。発光素子4511から取り出す光の方向などに合わせて、発光素子4511の構成は適宜変えることができる。
【0317】
隔壁4520は、有機樹脂膜、無機絶縁膜または有機ポリシロキサンを用いて形成する。特に感光性の材料を用い、第1の電極層4517上に開口部を形成し、その開口部の側壁が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。
【0318】
電界発光層4512は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでも良い。
【0319】
発光素子4511に酸素、水素、水分、二酸化炭素等が侵入しないように、第2の電極層4513及び隔壁4520上に保護膜を形成してもよい。保護膜としては、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、DLC膜等を形成することができる。
【0320】
また、信号線駆動回路4503a、4503b、走査線駆動回路4504a、4504b、または画素部4502に与えられる各種信号及び電位は、FPC4518a、FPC4518bから供給されている。
【0321】
接続端子電極4515が、発光素子4511が有する第1の電極層4517と同じ導電膜から形成され、端子電極4516は、薄膜トランジスタ4509、4510が有するソース電極及びドレイン電極と同じ導電膜から形成されている。
【0322】
接続端子電極4515は、FPC4518aが有する端子と、異方性導電膜4519を介して電気的に接続されている。
【0323】
発光素子4511からの光の取り出し方向に位置する第2の基板は透光性でなければならない。その場合には、ガラス板、プラスチック板、ポリエステルフィルムまたはアクリル樹脂フィルムのような透光性を有する材料を用いる。
【0324】
また、充填材4507としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル樹脂、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレンとビニルアセテートの共重合体)を用いることができる。例えば充填材として窒素を用いればよい。
【0325】
また、必要であれば、発光素子の射出面に偏光板、又は円偏光板(楕円偏光板を含む)、位相差板(λ/4板、λ/2板)、カラーフィルタなどの光学フィルムを適宜設けてもよい。また、偏光板又は円偏光板に反射防止膜を設けてもよい。例えば、表面の凹凸により反射光を拡散し、映り込みを低減できるアンチグレア処理を施すことができる。
【0326】
信号線駆動回路4503a、信号線駆動回路4503b、及び走査線駆動回路4504a、走査線駆動回路4504bは、別途用意された基板上に単結晶半導体膜又は多結晶半導体膜によって形成された駆動回路で実装されていてもよい。また、信号線駆動回路のみ、或いは一部、又は走査線駆動回路のみ、或いは一部のみを別途形成して実装しても良く、図15の構成に限定されない。
【0327】
以上の工程により、半導体装置として信頼性の高い発光表示装置(表示パネル)を作製することができる。
【0328】
本明細書に開示する表示装置を用いて上記発光表示装置を作製することにより、ゲート配線やソース配線を、Cuを含む導電材料で形成することができるので、配線抵抗の増大を防ぐことができる。これにより、上記発光表示装置の高速化及び省電力化を図ることができるので、大画面、高精細画面に対応しうる発光表示装置を提供することができる。
【0329】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0330】
(実施の形態10)
本明細書に開示する半導体装置は、電子ペーパーとして適用することができる。電子ペーパーは、情報を表示するものであればあらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。例えば、電子ペーパーを用いて、電子書籍(電子ブック)、ポスター、電車などの乗り物の車内広告、クレジットカード等の各種カードにおける表示等に適用することができる。電子機器の一例を図24及び図25に示す。
【0331】
図24(A)は、電子ペーパーで作られたポスター2631を示している。広告媒体が紙の印刷物である場合には、広告の交換は人手によって行われるが、電子ペーパーを用いれば短時間で広告の表示を変えることができる。また、表示も崩れることなく安定した画像が得られる。なお、ポスターは無線で情報を送受信できる構成としてもよい。
【0332】
本明細書に開示する表示装置を用いてポスター2631を作製することにより、ゲート配線やソース配線を、Cuを含む導電材料で形成することができるので、配線抵抗の増大を防ぐことができる。これにより、上記表示装置の高速化及び省電力化を図ることができるので、大画面、高精細画面に対応しうるポスター2631を提供することができる。
【0333】
また、図24(B)は、電車などの乗り物の車内広告2632を示している。広告媒体が紙の印刷物である場合には、広告の交換は人手によって行われるが、電子ペーパーを用いれば人手を多くかけることなく短時間で広告の表示を変えることができる。また表示も崩れることなく安定した画像が得られる。なお、車内広告は無線で情報を送受信できる構成としてもよい。
【0334】
本明細書に開示する表示装置を用いて車内広告2632を作製することにより、ゲート配線やソース配線を、Cuを含む導電材料で形成することができるので、配線抵抗の増大を防ぐことができる。これにより、上記表示装置の高速化及び省電力化を図ることができるので、大画面、高精細画面に対応しうる車内広告2632を提供することができる。
【0335】
図25は、電子書籍の一例を示している。例えば、電子書籍2700は、筐体2701および筐体2703の2つの筐体で構成されている。筐体2701および筐体2703は、軸部2711により一体とされており、該軸部2711を軸として開閉動作を行うことができる。このような構成により、紙の書籍のような動作を行うことが可能となる。
【0336】
筐体2701には表示部2705が組み込まれ、筐体2703には表示部2707が組み込まれている。表示部2705および表示部2707は、続き画面を表示する構成としてもよいし、異なる画面を表示する構成としてもよい。異なる画面を表示する構成とすることで、例えば右側の表示部(図25では表示部2705)に文章を表示し、左側の表示部(図25では表示部2707)に画像を表示することができる。
【0337】
また、図25では、筐体2701に操作部などを備えた例を示している。例えば、筐体2701において、電源2721、操作キー2723、スピーカ2725などを備えている。操作キー2723により、頁を送ることができる。なお、筐体の表示部と同一面にキーボードやポインティングデバイスなどを備える構成としてもよい。また、筐体の裏面や側面に、外部接続用端子(イヤホン端子、USB端子、またはACアダプタおよびUSBケーブルなどの各種ケーブルと接続可能な端子など)、記録媒体挿入部などを備える構成としてもよい。さらに、電子書籍2700は、電子辞書としての機能を持たせた構成としてもよい。
【0338】
また、電子書籍2700は、無線で情報を送受信できる構成としてもよい。無線により、電子書籍サーバから、所望の書籍データなどを購入し、ダウンロードする構成とすることも可能である。
【0339】
(実施の形態11)
本明細書に開示する半導体装置は、さまざまな電子機器(遊技機も含む)に適用することができる。電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどのカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
【0340】
図26(A)は、テレビジョン装置の一例を示している。テレビジョン装置9600は、筐体9601に表示部9603が組み込まれている。表示部9603により、映像を表示することが可能である。また、ここでは、スタンド9605により筐体9601を支持した構成を示している。
【0341】
テレビジョン装置9600の操作は、筐体9601が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機9610により行うことができる。リモコン操作機9610が備える操作キー9609により、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部9603に表示される映像を操作することができる。また、リモコン操作機9610に、当該リモコン操作機9610から出力する情報を表示する表示部9607を設ける構成としてもよい。
【0342】
なお、テレビジョン装置9600は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
【0343】
本明細書に開示する表示装置を用いてテレビジョン装置9600を作製することにより、ゲート配線やソース配線を、Cuを含む導電材料で形成することができるので、配線抵抗の増大を防ぐことができる。これにより、上記表示装置の高速化及び省電力化を図ることができるので、大画面、高精細画面に対応しうるテレビジョン装置9600を提供することができる。
【0344】
図26(B)は、デジタルフォトフレームの一例を示している。例えば、デジタルフォトフレーム9700は、筐体9701に表示部9703が組み込まれている。表示部9703は、各種画像を表示することが可能であり、例えばデジタルカメラなどで撮影した画像データを表示させることで、通常の写真立てと同様に機能させることができる。
【0345】
なお、デジタルフォトフレーム9700は、操作部、外部接続用端子(USB端子、USBケーブルなどの各種ケーブルと接続可能な端子など)、記録媒体挿入部などを備える構成とする。これらの構成は、表示部と同一面に組み込まれていてもよいが、側面や裏面に備えるとデザイン性が向上するため好ましい。例えば、デジタルフォトフレームの記録媒体挿入部に、デジタルカメラで撮影した画像データを記憶したメモリを挿入して画像データを取り込み、取り込んだ画像データを表示部9703に表示させることができる。
【0346】
また、デジタルフォトフレーム9700は、無線で情報を送受信できる構成としてもよい。無線により、所望の画像データを取り込み、表示させる構成とすることもできる。
【0347】
図27(A)は携帯型遊技機であり、筐体9881と筐体9891の2つの筐体で構成されており、連結部9893により、開閉可能に連結されている。筐体9881には表示部9882が組み込まれ、筐体9891には表示部9883が組み込まれている。また、図27(A)に示す携帯型遊技機は、その他、スピーカ部9884、記録媒体挿入部9886、LEDランプ9890、入力手段(操作キー9885、接続端子9887、センサ9888(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9889)等を備えている。もちろん、携帯型遊技機の構成は上述のものに限定されず、少なくとも本明細書に開示する半導体装置を備えた構成であればよく、その他付属設備が適宜設けられた構成とすることができる。図27(A)に示す携帯型遊技機は、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出して表示部に表示する機能や、他の携帯型遊技機と無線通信を行って情報を共有する機能を有する。なお、図27(A)に示す携帯型遊技機が有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0348】
図27(B)は大型遊技機であるスロットマシン9900の一例を示している。スロットマシン9900は、筐体9901に表示部9903が組み込まれている。また、スロットマシン9900は、その他、スタートレバーやストップスイッチなどの操作手段、コイン投入口、スピーカなどを備えている。もちろん、スロットマシン9900の構成は上述のものに限定されず、少なくとも本明細書に開示する半導体装置を備えた構成であればよく、その他付属設備が適宜設けられた構成とすることができる。
【0349】
図28(A)は携帯型のコンピュータの一例を示す斜視図である。
【0350】
図28(A)の携帯型のコンピュータは、上部筐体9301と下部筐体9302とを接続するヒンジユニットを閉状態として表示部9303を有する上部筐体9301と、キーボード9304を有する下部筐体9302とを重ねた状態とすることができ、持ち運ぶことが便利であるとともに、使用者がキーボード入力する場合には、ヒンジユニットを開状態として、表示部9303を見て入力操作を行うことができる。
【0351】
また、下部筐体9302はキーボード9304の他に入力操作を行うポインティングデバイス9306を有する。また、表示部9303をタッチ入力パネルとすれば、表示部の一部に触れることで入力操作を行うこともできる。また、下部筐体9302はCPUやハードディスク等の演算機能部を有している。また、下部筐体9302は他の機器、例えばUSBの通信規格に準拠した通信ケーブルが差し込まれる外部接続ポート9305を有している。
【0352】
上部筐体9301には更に上部筐体9301内部にスライドさせて収納可能な表示部9307を有しており、広い表示画面を実現することができる。また、収納可能な表示部9307の画面の向きを使用者は調節できる。また、収納可能な表示部9307をタッチ入力パネルとすれば、収納可能な表示部の一部に触れることで入力操作を行うこともできる。
【0353】
表示部9303または収納可能な表示部9307は、液晶表示パネル、有機発光素子または無機発光素子などの発光表示パネルなどの映像表示装置を用いる。
【0354】
また、図28(A)の携帯型のコンピュータは、受信機などを備えた構成として、テレビ放送を受信して映像を表示部9303または表示部9307に表示することができる。また、上部筐体9301と下部筐体9302とを接続するヒンジユニットを閉状態としたまま、表示部9307をスライドさせて画面全面を露出させ、画面角度を調節して使用者がテレビ放送を見ることもできる。この場合には、ヒンジユニットを開状態として表示部9303を表示させず、さらにテレビ放送を表示するだけの回路の起動のみを行うため、最小限の消費電力とすることができ、バッテリー容量の限られている携帯型のコンピュータにおいて有用である。
【0355】
また、図28(B)は、腕時計のように使用者の腕に装着可能な形態を有している携帯電話の一例を示す斜視図である。
【0356】
この携帯電話は、少なくとも電話機能を有する通信装置及びバッテリーを有する本体、本体を腕に装着するためのバンド部9204、腕に対するバンド部9204の固定状態を調節する調節部9205、表示部9201、スピーカ9207、及びマイク9208から構成されている。
【0357】
また、本体は、操作スイッチ9203を有し、電源入力スイッチや、表示切り替えスイッチや、撮像開始指示スイッチの他、例えばボタンを押すとインタネット用のプログラムが起動されるなど、各ファンクションを対応づけることができる。
【0358】
この携帯電話の入力操作は、表示部9201に指や入力ペンなどで触れること、又は操作スイッチ9203の操作、またはマイク9208への音声入力により行われる。なお、図28(B)では、表示部9201に表示された表示ボタン9202を図示しており、指などで触れることにより入力を行うことができる。
【0359】
また、本体は、撮影レンズを通して結像される被写体像を電子画像信号に変換する撮像手段を有するカメラ部9206を有する。なお、特にカメラ部は設けなくともよい。
【0360】
また、図28(B)に示す携帯電話は、テレビ放送の受信機などを備えた構成として、テレビ放送を受信して映像を表示部9201に表示することができ、さらにメモリなどの記憶装置などを備えた構成として、テレビ放送をメモリに録画できる。また、図28(B)に示す携帯電話は、GPSなどの位置情報を収集できる機能を有していてもよい。
【0361】
表示部9201は、液晶表示パネル、有機発光素子または無機発光素子などの発光表示パネルなどの映像表示装置を用いる。図28(B)に示す携帯電話は、小型、且つ、軽量であるため、バッテリー容量が限られており、表示部9201に用いる表示装置は低消費電力で駆動できるパネルを用いることが好ましい。
【0362】
なお、図28(B)では”腕”に装着するタイプの電子機器を図示したが、特に限定されず、携行できる形状を有しているものであればよい。
【0363】
(実施の形態12)
本実施の形態では、表示素子として液晶素子を用いた液晶表示装置の一例を図29乃至図32を用いて説明する。図29乃至図32の液晶表示装置に用いられるTFT628、629は、実施の形態1乃至実施の形態3で示す薄膜トランジスタを用いることができる。
【0364】
液晶表示装置の一例として、VA(Vertical Alignment)型の液晶表示装置について示す。VA型の液晶表示装置とは、液晶表示パネルの液晶分子の配列を制御する方式の一種である。VA型の液晶表示装置は、電圧が印加されていないときにパネル面に対して液晶分子が垂直方向を向く方式である。本実施の形態では、特に画素(ピクセル)をいくつかの領域(サブピクセル)に分け、それぞれ別の方向に液晶分子を倒すよう工夫されている。これをマルチドメイン化あるいはマルチドメイン設計という。以下の説明では、マルチドメイン設計が考慮された液晶表示装置について説明する。
【0365】
図30及び図31は、それぞれ画素電極及び対向電極を示している。なお、図30は画素電極が形成される基板側の平面図であり、図中に示す切断線E−Fに対応する断面構造を図29に表している。また、図31は対向電極が形成される基板側の平面図である。以下の説明ではこれらの図を参照して説明する。
【0366】
図29は、TFT628とそれに接続する画素電極624、及び保持容量部630が形成された基板600と、対向電極640等が形成される対向基板601とが重ね合わせられ、液晶が注入された状態を示している。
【0367】
対向基板601においてスペーサ(図示せず)が形成される位置には、着色膜636(第1の着色膜、第2の着色膜、第3着色膜(図示せず))、対向電極640が形成されている。この構造により、液晶の配向を制御するための突起644とスペーサの高さを異ならせている。画素電極624上には配向膜648が形成され、同様に対向電極640上にも配向膜646が形成されている。基板600と対向基板601との間に液晶層650が形成されている。
【0368】
スペーサは柱状スペーサを用いてもよいし、ビーズスペーサを散布してもよい。さらには、スペーサを基板600上に形成される画素電極624上に形成してもよい。
【0369】
絶縁層661が形成された基板600上には、TFT628とそれに接続する画素電極624、及び保持容量部630が形成される。画素電極624は、TFT628、ソース配線616、及び保持容量部630を覆う絶縁層664、絶縁層664上の絶縁層666及び絶縁層666上の絶縁層622をそれぞれ貫通するコンタクトホール623で、配線618と接続する。また、絶縁層664上にはソース配線616a及びソース配線616bの積層からなるソース配線616が形成されており、絶縁層664に形成されたコンタクトホールを介してTFT628のソース電極またはドレイン電極に接続されている。ここで、TFT628は実施の形態1及び実施の形態2で示す薄膜トランジスタを適宜用いることができる。
【0370】
また、保持容量部630は、TFT628のゲート配線602と同時に形成した第1の容量配線である容量配線604と、ゲート配線602上の絶縁層662と、配線618と同時に形成した第2の容量配線である容量配線617で構成される。ここで、ゲート配線602はゲート配線602a、602bの積層であり、ゲート配線602bはTFT628のゲート電極として機能する。また、容量配線604も容量配線604a、容量配線604bの積層である。
【0371】
画素電極624と液晶層650と対向電極640が重なり合うことで、液晶素子が形成されている。
【0372】
図30に基板600上の構造を示す。画素電極624は実施の形態1及び実施の形態2で示した材料を用いて形成する。画素電極624にはスリット625を設ける。スリット625は液晶の配向を制御するためのものである。
【0373】
図30に示すTFT629とそれに接続する画素電極626及び保持容量部631は、それぞれTFT628、画素電極624及び保持容量部630と同様に形成することができる。なお、保持容量部631を形成する容量配線605も、容量配線604と同様に容量配線605a、容量配線605bの積層である。ここで、TFT628とTFT629は共にソース配線616及びゲート配線602と接続している。この液晶表示パネルの画素(ピクセル)は、画素電極624と画素電極626により構成されている。画素電極624と画素電極626はサブピクセルである。
【0374】
図31に対向基板側の構造を示す。対向電極640は、画素電極624と同様の材料を用いて形成することが好ましい。対向電極640上には液晶の配向を制御する突起644が形成されている。
【0375】
この画素構造の等価回路を図32に示す。TFT628とTFT629は、共にゲート配線602、ソース配線616と接続している。この場合、容量配線604と容量配線605の電位を異ならせることで、液晶素子651と液晶素子652の動作を異ならせることができる。すなわち、容量配線604と容量配線605の電位を個別に制御することにより液晶の配向を精密に制御して視野角を広げている。
【0376】
スリット625を設けた画素電極624に電圧を印加すると、スリット625の近傍には電界の歪み(斜め電界)が発生する。このスリット625と、対向基板601側の突起644とを交互に咬み合うように配置することで、斜め電界を効果的に発生させて液晶の配向を制御することで、液晶が配向する方向を場所によって異ならせている。すなわち、マルチドメイン化して液晶表示パネルの視野角を広げている。
【0377】
次に、上記とは異なるVA型の液晶表示装置について、図33乃至図36を用いて説明する。なお、以下に説明する発明の構成において、上述のVA型の液晶表示装置と同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0378】
図33と図34は、VA型液晶表示パネルの画素構造を示している。図34は基板600の平面図であり、図中に示す切断線Y−Zに対応する断面構造を図33に表している。以下の説明ではこの両図を参照して説明する。
【0379】
この画素構造は、一つの画素に複数の画素電極が有り、それぞれの画素電極にTFTが接続されている。各TFTは、異なるゲート信号で駆動されるように構成されている。すなわち、マルチドメイン設計された画素において、個々の画素電極に印加する信号を、独立して制御する構成を有している。
【0380】
画素電極624はコンタクトホール623において、配線618でTFT628と接続している。また、画素電極626はコンタクトホール627において、配線619でTFT629と接続している。TFT628のゲート配線602と、TFT629のゲート配線603には、異なるゲート信号を与えることができるように分離されている。一方、データ線として機能するソース配線616は、絶縁層664に形成されたコンタクトホールを介してTFT628とTFT629のソース電極と接続され、TFT628とTFT629で共通に用いられている。TFT628とTFT629は実施の形態1及び実施の形態2で示す薄膜トランジスタを適宜用いることができる。また、容量配線690が設けられている。なお、上述のVA型液晶表示パネルの画素構造と同様に、ゲート配線602はゲート配線602a、ゲート配線602bの積層であり、ゲート配線603はゲート配線603a、ゲート配線603bの積層であり、ソース配線616はソース配線616a、616bの積層であり、容量配線690は容量配線690a、容量配線690bの積層である。また、絶縁層661乃至絶縁層666も、上述のVA型液晶表示パネルの画素構造と同様に形成される。
【0381】
画素電極624と画素電極626の形状は異なっており、V字型に広がる画素電極624の外側を囲むように画素電極626が形成されている。画素電極624と画素電極626に印加する電圧を、TFT628及びTFT629により異ならせることで、液晶の配向を制御している。この画素構造の等価回路を図36に示す。TFT628はゲート配線602と接続し、TFT629はゲート配線603と接続している。また、TFT628とTFT629は、共にソース配線616と接続している。ゲート配線602とゲート配線603に加える信号を個別に制御することで、液晶素子651と液晶素子652に印加される電圧を異ならせることができる。すなわち、TFT628とTFT629の動作を個別に制御することにより、液晶素子651と液晶素子652で異なる液晶の配向を実現し、視野角を広げることができる。
【0382】
対向基板601には、着色膜636、対向電極640が形成されている。また、着色膜636と対向電極640の間には平坦化膜637が形成され、液晶の配向乱れを防いでいる。図35に対向基板側の構造を示す。対向電極640は異なる画素間で共通化されている電極であるが、スリット641が形成されている。このスリット641と、画素電極624及び画素電極626側のスリット625とを交互に咬み合うように配置することで、斜め電界を効果的に発生させて液晶の配向を制御することができる。これにより、液晶が配向する方向を場所によって異ならせることができ、視野角を広げている。なお、図35に基板600上に形成される画素電極624及び画素電極626を破線で示し、対向電極640と、画素電極624及び画素電極626が重なりあって配置されている様子を示している。
【0383】
画素電極624及び画素電極626上には配向膜648が形成され、同様に対向電極640上にも配向膜646が形成されている。基板600と対向基板601の間に液晶層650が形成されている。
【0384】
画素電極624と液晶層650と対向電極640が重なり合うことで、液晶素子651が形成されている。また、画素電極626と液晶層650と対向電極640が重なり合うことで、液晶素子652が形成されている。また、一画素に液晶素子651と液晶素子652が設けられたマルチドメイン構造となっている。
【0385】
他の実施の形態に示す表示装置を用いることにより、以上のような液晶表示装置を作製することができる。なお、VA(Vertical Alignment)型の液晶表示装置について説明したが、本実施の形態はこれに限られる物ではない。例えば、セル内の液晶分子に対して水平方向に電界を加えることで液晶を駆動して階調表現する横電界方式の液晶表示装置(例えばIPS型の液晶表示装置。)や、TN型の液晶表示装置としてもよい。
【0386】
本明細書に開示する表示装置を用いて上記液晶表示装置を作製することにより、ゲート配線やソース配線を、Cuを含む導電材料で形成することができるので、配線抵抗の増大を防ぐことができる。これにより、表示装置の高速化及び省電力化を図ることができるので、大画面、高精細画面に対応しうる液晶表示装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0387】
7 ゲート端子部
8 ソース端子部
10 パルス出力回路
11 配線
12 配線
13 配線
14 配線
15 配線
16 配線
17 配線
20 ゲート配線
21 入力端子
22 入力端子
23 入力端子
24 入力端子
25 入力端子
26 出力端子
27 出力端子
30 表示装置
31 トランジスタ
32 トランジスタ
33 トランジスタ
34 トランジスタ
35 トランジスタ
36 トランジスタ
37 トランジスタ
38 トランジスタ
39 トランジスタ
40 トランジスタ
41 トランジスタ
44 共通配線
45 共通配線
46 共通配線
51 電源線
52 電源線
53 電源線
60 ソース配線
61 期間
62 期間
65 共通配線
66 導電層
71 端子
74 端子
75 端子
81 端子
84 端子
91 ゲート駆動回路
92 ソース駆動回路
93 画素
94 画素領域
95 接続部
96 共通接続部
97 保護回路
100 基板
101 絶縁層
102 絶縁層
113 半導体層
117 絶縁層
118 絶縁層
119 絶縁層
125 コンタクトホール
126 コンタクトホール
127 コンタクトホール
128 コンタクトホール
200 基板
201 絶縁層
202 ゲート配線
203 ゲート配線
204 絶縁層
205 半導体層
206 不純物半導体層
207 電極層
208 絶縁層
209 ソース配線
210 ソース配線
211 絶縁層
212 電極
213 保持容量配線
214 保持容量配線
216 開口部
217 開口部
220 絶縁層
231 レジストマスク
250 薄膜トランジスタ
251 薄膜トランジスタ
252 薄膜トランジスタ
300 基板
351 ゲート配線
352 電極
354 ソース配線
355 透明導電層
360 絶縁層
361 絶縁層
364 絶縁層
365 絶縁層
400 基板
404 コンタクトホール
410 絶縁層
411 絶縁層
414 絶縁層
415 絶縁層
580 基板
581 薄膜トランジスタ
583 絶縁層
585 絶縁層
587 電極層
588 電極層
589 球形粒子
591 絶縁層
592 絶縁層
594 キャビティ
595 充填材
596 基板
597 半導体層
598 絶縁層
600 基板
601 対向基板
602 ゲート配線
603 ゲート配線
604 容量配線
605 容量配線
616 ソース配線
617 容量配線
618 配線
619 配線
622 絶縁層
623 コンタクトホール
624 画素電極
625 スリット
626 画素電極
627 コンタクトホール
628 TFT
629 TFT
630 保持容量部
631 保持容量部
636 着色膜
637 平坦化膜
640 対向電極
641 スリット
644 突起
646 配向膜
648 配向膜
650 液晶層
651 液晶素子
652 液晶素子
661 絶縁層
662 絶縁層
664 絶縁層
666 絶縁層
690 容量配線
802 透光性基板
803 遮光部
804 回折格子
805 光透過率
806 遮光部
807 半透過部
808 光透過率
2600 TFT基板
2601 対向基板
2602 シール材
2603 画素部
2604 表示素子
2605 着色層
2606 偏光板
2607 偏光板
2608 配線回路部
2609 フレキシブル配線基板
2610 冷陰極管
2611 反射板
2612 回路基板
2613 拡散板
2631 ポスター
2632 車内広告
2700 電子書籍
2701 筐体
2703 筐体
2705 表示部
2707 表示部
2711 軸部
2721 電源
2723 操作キー
2725 スピーカ
4001 基板
4002 画素部
4003 信号線駆動回路
4004 走査線駆動回路
4005 シール材
4006 基板
4008 液晶層
4010 薄膜トランジスタ
4011 薄膜トランジスタ
4013 液晶素子
4015 接続端子電極
4016 端子電極
4018 FPC
4019 異方性導電膜
4020 絶縁層
4021 絶縁層
4030 画素電極層
4031 対向電極層
4032 絶縁層
4033 絶縁層
4035 スペーサ
4040 導電層
4042 絶縁層
4043 絶縁層
4044 絶縁層
4046 ソース配線
4501 基板
4502 画素部
4505 シール材
4506 基板
4507 充填材
4509 薄膜トランジスタ
4510 薄膜トランジスタ
4511 発光素子
4512 電界発光層
4513 電極層
4515 接続端子電極
4516 端子電極
4517 電極層
4519 異方性導電膜
4520 隔壁
4540 導電層
4541 絶縁層
4543 絶縁層
4544 絶縁層
4545 絶縁層
4546 絶縁層
4548 ソース配線
5300 基板
5301 画素部
5302 走査線駆動回路
5303 走査線駆動回路
5304 信号線駆動回路
5305 タイミング制御回路
5601 シフトレジスタ
5602 スイッチング回路
5603 薄膜トランジスタ
5604 配線
5605 配線
6400 画素
6401 スイッチング用トランジスタ
6402 発光素子駆動用トランジスタ
6403 容量素子
6404 発光素子
6405 信号線
6406 走査線
6407 電源線
6408 共通電極
7001 TFT
7002 発光素子
7003 陰極
7004 EL層
7005 陽極
7009 隔壁
7011 駆動用TFT
7012 発光素子
7013 陰極
7014 EL層
7015 陽極
7016 遮蔽膜
7017 導電膜
7019 隔壁
7021 発光素子駆動用TFT
7022 発光素子
7023 陰極
7024 EL層
7025 陽極
7026 陽極
7027 導電膜
7029 隔壁
7031 絶縁層
7032 絶縁層
7033 カラーフィルタ層
7034 オーバーコート層
7035 保護絶縁層
7037 絶縁層
7039 絶縁層
7041 絶縁層
7042 絶縁層
7043 カラーフィルタ層
7044 オーバーコート層
7045 保護絶縁層
7047 絶縁層
7049 絶縁層
7051 絶縁層
7052 絶縁層
7053 平坦化絶縁層
7055 保護絶縁層
7057 絶縁層
7059 絶縁層
7061 駆動用TFT
7063 カラーフィルタ層
7064 オーバーコート層
7065 保護絶縁層
7067 導電膜
7071 絶縁層
7072 絶縁層
7077 絶縁層
7079 絶縁層
9201 表示部
9202 表示ボタン
9203 操作スイッチ
9204 バンド部
9205 調節部
9206 カメラ部
9207 スピーカ
9208 マイク
9301 上部筐体
9302 下部筐体
9303 表示部
9304 キーボード
9305 外部接続ポート
9306 ポインティングデバイス
9307 表示部
9600 テレビジョン装置
9601 筐体
9603 表示部
9605 スタンド
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9703 表示部
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9900 スロットマシン
9901 筐体
9903 表示部
111a ゲート配線
111b ゲート配線
115a 電極
115b 電極
115c 電極
170a 非線形素子
170b 非線形素子
206a 不純物半導体層
206b 不純物半導体層
207a 電極
207b 電極
231a レジストマスク
231b レジストマスク
351a ゲート配線
351b ゲート配線
354a ソース配線
354b ソース配線
401a ゲート配線
401b ゲート配線
403a 半導体層
403b 半導体層
405a 電極
405b 電極
405c 電極
407a 不純物半導体層
407b 不純物半導体層
409a 不純物半導体層
409b 不純物半導体層
430a 薄膜トランジスタ
430b 薄膜トランジスタ
4503a 信号線駆動回路
4503b 信号線駆動回路
4504a 走査線駆動回路
4504b 走査線駆動回路
4518a FPC
4518b FPC
45a ゲート配線
45b ゲート配線
582a ソース電極
582b ドレイン電極
590a 黒色領域
590b 白色領域
599a ソース配線
599b ソース配線
602a ゲート配線
602b ゲート配線
603a ゲート配線
603b ゲート配線
604a 容量配線
604b 容量配線
605a 容量配線
605b 容量配線
616a ソース配線
616b ソース配線
65a ソース配線
65b ソース配線
690a 容量配線
690b 容量配線
7008a ソース配線
7008b ソース配線
7018a ソース配線
7018b ソース配線
7028a ソース配線
7028b ソース配線
7068a ソース配線
7068b ソース配線
801a グレートーンマスク
801b ハーフトーンマスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に窒化珪素を含む第1の絶縁層を有し、
前記第1の絶縁層上にCuを含む第1の導電層を有し、
前記第1の導電層上に前記第1の導電層を覆う第2の導電層を有し、
前記第2の導電層上に窒化珪素を含む第2の絶縁層を有し、
前記第2の絶縁層上に島状の半導体層を有し、
前記島状の半導体層上にソース電極及びドレイン電極として機能する第3の導電層を有し、前記第3の導電層上に窒化珪素を含む第3の絶縁層を有し、前記第3の絶縁層に設けられた開口部を通して、ソース電極またはドレイン電極のどちらか一方として機能する第3の導電層と電気的に接する第4の導電層を有し、前記第4の導電層に重なるCuを含む第5の導電層を有し、前記第5の導電層を覆う窒化珪素を含む第4の絶縁層を有し、前記第3の絶縁層および前記第4の絶縁層に設けられた開口部を通じて、ソース電極またはドレイン電極の他方として機能する前記第3の導電層と電気的に接する第6の導電層を有し、前記第1の導電層と前記第5の導電層は、薄膜トランジスタのチャネルが形成される半導体層と重ならないことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1の導電層は、W、Ta、Mo、Ti、Cr、Al、Zr、Caから選ばれた元素のうち、少なくとも一つの種類の元素が含まれていることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記第2の導電層は、Cuよりも融点が高い元素で構成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3において、
前記半導体層は、非晶質半導体または微結晶半導体または多結晶半導体であるを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4において、
前記第5の導電層は、
W、Ta、Mo、Ti、Cr、Al、Zr、Caから選ばれた元素のうち、少なくとも一つの種類の元素が含まれていることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5において、
前記第1の導電層及び前記第5の導電層は、上層及び下層が窒化珪素を含む層で覆われていることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
基板上に窒化珪素を含む第1の絶縁層を形成し、
前記第1の絶縁層上にCuを含む第1の導電層を形成し、
前記第1の導電層上に前記第1の導電層を覆う第2の導電層を形成し、
前記第2の導電層上に窒化珪素を含む第2の絶縁層を形成し、
前記第2の絶縁層上に島状の半導体層を形成し、
前記島状の半導体層上にソース電極及びドレイン電極として機能する第3の導電層を形成し、前記第3の導電層上に窒化珪素を含む第3の絶縁層を形成し、前記第3の絶縁層に設けられた開口部を通して、ソース電極またはドレイン電極のどちらか一方として機能する第3の導電層と電気的に接する第4の導電層を形成し、前記第4の導電層に重なるCuを含む第5の導電層を形成し、前記第5の導電層を覆う窒化珪素を含む第4の絶縁層を形成し、前記第3の絶縁層および前記第4の絶縁層に設けられた開口部を通じて、ソース電極またはドレイン電極の他方として機能する前記第3の導電層と電気的に接する第6の導電層を形成し、前記第1の導電層と前記第5の導電層は、薄膜トランジスタのチャネルが形成される半導体層と重ならないことを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項8】
請求項7において、
前記第1の導電層は、W、Ta、Mo、Ti、Cr、Al、Zr、Caから選ばれた元素のうち、少なくとも一つの種類の元素が含まれていることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項9】
請求項7または請求項8において、
前記第2の導電層は、Cuよりも融点が高い元素で構成されていることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項10】
請求項7乃至請求項9において、
前記半導体層は、非晶質半導体または微結晶半導体または多結晶半導体であるを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項11】
請求項7乃至請求項10において、
前記第5の導電層は、
W、Ta、Mo、Ti、Cr、Al、Zr、Caから選ばれた元素のうち、少なくとも一つの種類の元素が含まれていることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項12】
請求項7乃至請求項11において、
前記第1の導電層及び前記第5の導電層は、上層及び下層が窒化珪素を含む層で覆われていることを特徴とする半導体装置の作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2011−100988(P2011−100988A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225803(P2010−225803)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】